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166回国会参議院2007/02/05

予算委員会 第2号

発言数
128
登壇者
19
会派数
2
開催日
2007/02/05

会議録

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  この際、民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の委員の皆様に対し出席の要請をいたさせますので、しばらくお待ちください。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。  民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の委員の皆様に御出席の要請をいたしましたが、御出席を得られません。やむを得ず議事を進めます。  理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に櫻井充君を指名いたします。     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十八年度補正予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 平成十八年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日午前は総括質疑方式による質疑を百五十分行うこととし、質疑は往復方式で行い、各会派への割当て時間は、自由民主党九十分、公明党六十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 平成十八年度一般会計補正予算(第1号)、平成十八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。松村龍二君。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 自由民主党の松村龍二であります。平成十八年度の補正予算の審議が行われるに当たりまして、自民党のトップバッターで質問をさせていただきます。  今日この予算委員会の会議場に参りまして、隣の席が空白でございまして、非常にむなむなしい感じをするわけでございます。  小学校の社会科においても、日本の国は三権分立で成り立っていると、また国権の最高機関として国会があるということは小学生でも習うわけでございます。そして、国会議員の仕事は何かといえば、この予算委員会なり通常委員会、また本会議において議論を闘わすことがその職責であるというふうに思います。野党の先生方も日ごろなかなか非常に含蓄のある御発言をされるわけでございまして、そのような方が全部欠席の中でこの委員会が行われるということは非常に残念でございます。  私、昨日からどういう例えがいいのかなと。うっかり言うとまたいろいろ糾弾される心配があるわけですけれども、観客がプロレスを見に行って、そうしたら選手がリングから飛び出しちゃったと。場内にいるのかなと思ったら場外へ飛び出してしまって、東京駅の周辺にいるのかなと思ったら名古屋まで行っているというふうな光景が目に浮かぶわけでございまして、国権の最高機関であるこの国会にいろいろな重要問題を託している国民からしますと、やりきれない思いがするんじゃないかなというふうに思います。  さて、昨日の選挙は大変与党自民党にとっても厳しい選挙であったかと思います。私は、このいわゆる柳澤厚生労働大臣の発言が影響したという指摘もありますけれども、また、名古屋、愛知県というのは日本の中でも今一番元気のある地域ですけれども、この小泉改革の非常に痛みを伴う改革が展開されてきた中で、我が世の春をうたう国民もおられます。また地域もございます。しかし、痛みに耐えかねているという国民もいるというふうに思います。さしずめ、公共事業が半減されまして、また過度の入札競争によりまして予定価格の六〇%、五〇%という値段で落札する、それがまた下請に行くということになりますと、その業者たちはたまったものではないと。  また、医療法の改正で、介護病棟と思って造った病棟が療養病棟でなければならないということで、やむなく病院をクリニックにするという方もおられます。  また、昔は食管制度で、お米を作ればこれは全部国が買ってくれて値段も保証するというような時代がありましたけれども、現在、米価の下落で生活にあえぐ農家の方もおられると。総理も秋田へ行かれて、そのような状況もごらんになったかと思います。  また、規制緩和によりまして、物流改革で軒並みシャッター通りとなった商店街もございます。私もこのカシオの電波ソーラー時計というのを先週買い求めて、私の田舎の福井の町の商店街で入ったところ、この品物がないということで、店を出て東京へ来たときにでも買おうかなと思いましたら、その商店主のおかみさんがえらい恨めしそうに、出ていくなと、ちゃんと仕入れるからと、こういうお話でございまして、三日ほど待ってこの時計を入手したわけでございますけれども、そのおばあさんの話を聞きましても、いかに商店街が景気が悪いかと、消費が停滞しているかというふうな話も聞きます。  それから、会社の生き残りのためにリストラされたという方の怨嗟の気持ち、そういう方もおられると思います。また、利息ゼロが長年続くという中で、定年者がそれを、期待していたことが、生活設計が成り立たない、そういう方の消費が衰えているということがさしずめ先ほどの商店街の問題にもなっているんじゃないかな。  しかし、これはやはりバブルの後の日本の経済が奈落の底に沈んでしまうんじゃないか、先にトンネルが見えないという状況の中で、やはり規制を緩和し、また痛みをこらえて改革をしなければやっていかれないという選択を小泉内閣がして、そしてそれに国民が万雷の喝采をした結果であるというふうにも言えるわけでございます。そういう時代でございますので、政治をするに当たっては非常に一つ一つ丁寧に対応する必要があると、こういうふうに思います。  そこで、このたびの補正予算ですけれども、非常に財政再建にも配慮し、さきの洪水に対する配慮あるいはいじめ対策、あるいは学校の耐震建築あるいは障害者自立支援法の円滑な運営と、あるいはまた森林、環境問題がこの一週間非常に大きく報道されておりますけれども、これらに対応する補正予算がきめ細かに提案されていると、こういうふうに承知するわけです。  そこで、また総理には後で総括してお伺いしますが、まず財務大臣に対しまして御質問いたしますけれども、今回の補正予算では財政の健全化を進めるとともに、必要性、緊急性の高い経費を計上する中で、ただいま申し上げましたように、障害者対策などの福祉施策や国民の安全、安心を確保する観点から、地球環境に重要な役割を果たす森林等の災害対策など、国民生活を意識し、細かい心遣いの中で編成されていると思いますが、今回の補正予算の全体像について御見解をお伺いいたしたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 十八年度の補正予算につきましては、税収が当初予算の四十五兆九千億円から補正後で五十兆五千億円と、四・六兆円の大幅な税収増になったわけでございます。その一方で、歳出面におきまして、国民の安心、安全を確保する観点から、災害対策など、先ほどのお話のとおり必要性、緊急性の高い経費を計上いたしますとともに、財政健全化を更に進める観点から、税収の増加はできる限り財政健全化に充てることとしたわけでございます。その結果、国債の発行額につきましては、十八年度の当初予算の三十・〇兆円から補正後で二十七・五兆円という過去最大の減額でございます二・五兆円の減額を行いました。それとともに、二年連続で、十七年度決算上の財政法第六条剰余金〇・九兆円ございましたが、その全額を国債の償還財源に充てることといたしまして、財政健全化を徹底した補正予算であるというふうに考えております。  他方、財政健全化を徹底する中におきましても、必要性、緊急性の高い分野には的確な対応を行っているわけでございます。今御指摘の福祉とかあるいは災害対策について申し上げますと、障害者へのサービスが円滑かつ安定的に提供されるよう、障害者自立支援法の施行に伴い収入が急激に落ち込んでいるサービス事業者に対する激変緩和措置などの対策を講じることにしております。  また、集中豪雨、台風等に伴います災害対策といたしまして、森林整備事業や治山事業を行うこととしておりますが、これらは環境面も含めまして森林の機能の回復を目指すものでございます。  このように、広く地域や国民に温かい配慮を行き届かせ、より安心して生活できる基盤をつくり上げる国民生活に密着した内容の補正予算であると考えております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 補正予算の内容、個々の問題について入ってまいりたいと思います。  この障害者自立支援法なんですけれども、全部で千二百億円、補正予算で九百六十億円の対応が行われたと。平成十七年十月に成立いたしまして、そのとき、二月ほど身体障害者の方々が車いすで衆議院、参議院の会館を埋め尽くすというような意思表示もありまして、いろいろ問題のある法律だなとは思っておりましたけれども、厚生労働省、責任を持って提案されたと、内閣が提案されたということで私どもも賛成いたしたわけです。  しかし、いざ施行になりますと、このサービスを行う事業所がやっていかれなくなるといった問題、それから、私も現場を見せていただきまして、せっかく障害者、知的障害者の方が部品の検査をする、あるいは簡単な部品の接合をするといった仕事を心穏やかに仲間とともにやっていると。この人たちが将来この施設から追い出されてしまうと、すぐではなくても、そういうようなことはあってはならないというふうに感じましたけれども。  自民党の中でこれの問題についての専門的な委員会が設置されまして、障害者の各団体からお話を聞きまして、そして昨年暮れ、これの円滑な施行を行うということで九百六十億円の補正予算が今回盛り込まれているわけですけれども、どういう点が問題だったのか、そして今度どういうふうにしようとされるのか、厚生労働大臣にお伺いします。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者に対する措置につきましては、従来、スタートは措置費ということで、行政官庁が障害者に対して、この障害者に対してはこういう措置をするのがいいというようなことを決めてきたと、そういう歴史がありました。それを支援費制度というものにしたわけですけれども、その支援費制度を実際に運用してみますと、だんだんこの対象の障害者が多くなるに従ってなかなかこの財政規律というような面でも問題が生じて、かなり多額の補正予算を組んでは手当てする、その補正予算の資金が、資金枠が獲得できるかどうかということでもう本当に右往左往するというような不安定な制度であったわけでございます。  そこで、昨年の四月から、もうちょっと障害者の支援に対する国の財政から始めとして地域の問題に至るまでの制度の秩序というか、そういうものをしっかりしたものにしようということで改正が行われたわけです。その眼目とするところは、やっぱり障害者の皆さんを、施設に閉じこもるというよりも地域に、もっと地域社会になじんでもらおうではないか。それからまた、どちらかというと福祉一点張りでやってきたわけだけれども、障害者の中には就業をして少しでも社会に参加したいという気持ちがある方もいらっしゃいますから、そういう方々には就業の支援をするというような形でできるだけ普通の地域社会で過ごすことができるという方向の支援をしようということで、この方向性については大方の皆さんの御支持がいただけたものだと私どもも思ったわけでございます。  しかしながら、その中で、財政の秩序からいいますと、障害者に対する支援というものを義務費化するということが起こりまして、掛かった費用は、国庫負担、国の負担については義務費としてしっかりと確保するという制度ができ上がったわけでございまして、それの見合いとして片方、最後の出口のところではこれはもう全然秩序がないんだ、コントロールができないんだということでは、これは制度としては成り立っていきませんから、できるだけ、少し負担ができる限りは負担していただきましょうということで、原則一割負担ということを言ったんですが、現実にはそれぞれの障害者、あるいは御家庭を含むところの障害者を持つ世帯の所得の段階に従ってそれを減額をして制限を置くという制度で仕組ませていただきました。それでもなかなか、改革が改革だっただけにいろいろ問題が生じまして、私どももその成り行きにつきましては調査をいたしておりましたし、今また松村先生御指摘のように、いろんな方からいろんな声が上がったわけでございます。  そこで、それらの声あるいは調査結果に目を凝らして、また耳を澄ましてお聞きした結果、今回の補正予算、更には通常予算を通じて千二百億円の規模の国費を投じて、いろんなきしみがあるところに是正の手を打っていこうということにいたしました。  三つあるわけですが、一つは、利用者負担の軽減ということでございました。利用者負担の中で一番痛みがあるというふうなお訴えがあったところは通所の方々でございました。そういうような方々を中心として一割負担の上限額を、今まで所得に応じて二分の一というふうにしておったんですが、これを四分の一、更に半分にするということをいたしました。そして、その半分にしたりするこの上限額の引下げの対象者として、もうちょっと所得のベースで幅の広い方々がこういう軽減の恩典を受けられるようにしようと、こういうような措置をいたしたわけでございます。  それから二番目は、事業者に対する激変緩和措置ということでございまして、通所の報酬というものを、今までは月割りだったのを日割りに決めましたということで、これが非常に大変な経営上の負担になるということで、旧体系の今まで八割を保障するというのを九割保障するということにいたしました。  それからまた、現実のこの運用に当たるところの都道府県だとかあるいは市町村に対する財政的な支援もして、先ほど先生がお触れになられたような、小規模作業所等が成り立っていくようなそういう措置を講じたという、主に三点についての補正あるいは本予算での措置をさせていただいた次第です。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 非常にきめ細かい対応をしていただきまして、私どもも地元で障害者の方々に、団体の方々にお話ししますと、よくぞ手当てしてくれたと、こんなお話でございます。  ただ、柳澤大臣、昨年大臣に就任されたとき、記者からこれは天下の悪法ではないかという御質問を受けたときに、できたばっかりの法律だから変えられませんというふうな何か答弁をされたのをちょっと覚えているんですが、柳澤さんは私の大学時代の同級生でございまして、せっかくこれだけ立派なことをするわけですから、もう少し丁寧に、最初説明を。したがって、少子化の問題についても今のお話のように大変充実した丁寧なことをやっていただけるんじゃないかなと私は期待いたしておるところでございます。  それから次に、今日は時間がありませんので先を急ぐわけですが、今週IPCCの国連の機関の研究が発表されまして、この百年の間に地球の温度は一度から六度上がるだろう、六・三度上がるだろうと。炭酸ガスの排出、人類の所作によってこういう結果が出てくると。その結果どういうことになるかというと、干ばつ、気温の上昇によって干ばつあるいは洪水、そしてこれによって、更なる研究によればアメリカ、オーストラリア、そういうような外国に食料を輸出しているような国ももう外国に輸出する余力がなくなってしまうと。また、海面が上昇しまして耕地が水浸しになると、こういうことも当然に指摘されるわけであります。  そこで、今度の予算は、炭酸ガスを吸収する京都議定書の割当ては日本で六%下げないといけない中で三・八%が森林によって吸収してもらえる、これに予算を投入する必要があると。長年の京都議定書以来の懸案でありましたけれども、これがこのたび五百三十億、本予算と合わせて七百六十億、画期的な予算が認められているわけですけれども、この森林整備の加速化にどのように取り組むのか、農林水産大臣にお伺いします。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 松村先生にお答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、京都議定書において定められております我が国の温室効果ガス、いわゆるCO2でありますが、その削減目標六%、これを達成するためにはそのうちの三・八%に該当いたしますものを森林において達成していかなければならないと。これは炭素に換算しまして千三百万炭素トンの吸収量を森林によって賄っていくと、こういうことであります。そのために、通常の予算で整備いたします森林の整備に加えまして、更に百十万炭素トン分、いろんな計算があるんですが結果として百十万炭素トン分、この森林整備を更に追加してやらなきゃならないと、こういうことでございまして、それに該当します森林面積というのが百二十万ヘクタール必要である。あと六年間で年間平均二十万ヘクタールずつ実施していかなければならない、このような差し迫った状況にございますが、こういった中で、今先生が御指摘ございました、どのようにやって取り組んでいくのかということでございます。  これにつきまして、十八年度の補正予算におきましては、災害防止を目的として森林整備を進めるという観点から、大変自民党の後押し、公明党の後押しもいただきまして、また財政当局の御配慮もいただきまして予算の確保ができたところでありまして、さらに、十九年度の当初予算におきましては森林整備への重点化、さらには農林水産関係の事業一体となった形で森林整備に投資をしていく。こういったようなことで金額、補正、当初合わせまして七百六十五億円の国費、そしてまたこれに該当する森林整備面積二十三万ヘクタール、こういった形で大変思い切った予算措置ができたところでございます。  森林はいろんな多面的な機能もこれはもう持っておるわけでございまして、安倍総理のおっしゃっております美しい国づくり、そのためには国土の三分の二を占めるこの森林整備、これを進めるということは美しい国土づくりの基本になるものと、このように思っております。したがいまして、こういった予算を基にいたしまして、国民各層の御理解をいただきながら、美しい森づくり、こういった形で六年間のうちに積極的に進めてまいりたい、このように思っておるところであります。そして、京都議定書の削減目標を森林吸収分としてはしっかり達成をしていく、こういうことでございますので、更なる御指導、御支援をお願いしたいと存じます。  以上であります。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 このたびの予算は、昨年の宮崎県、また川内川ですか、鹿児島、熊本県、大変な水害がありまして、その対応等の予算が組まれておると。私どもの福井県でも平成十六年に大変な異常気象によります集中豪雨がありまして、福井市内で堤防が決壊すると。今その手当てが行われているわけですが、これも本当は災害が起きて後追いで、カトリーナのように後から対応するとえらい金が掛かる、事前に対応する予算も必要であると、こういうふうに御指摘させていただきます。  もう時間がありませんので最後の質問に入るわけですが、先ほどちょっと申し上げましたが、将来、環境変化によりまして気温上昇化、異常気象ということになってまいりますと、日本は古来、稲作が日本に最も適した農業であると。今は皆さん米を食べないということで米の消費が落ちておるわけですけれども、唯是というこの道の権威の方がテレビに出て言っておられましたけれども、あと二十年、三十年すると稲作に頼る食生活になるんじゃないかというふうな指摘もあるわけでございます。  そういうことで、今自民党、政府は、品目横断的経営安定対策、水・環境対策、産地づくり対策とか、いろいろ展開いたしておりますが、そういう中で野党が、野党の代表がとんでもないことを言っておると私は思うんです。  といいますのは、完全自由化、一〇〇%自給率ということと完全自由化ということを言っています。それで、民主党のその説明を見ますと、あと十年で五〇%に上げて、将来は六〇%に上げて、最終は一〇〇%と書いてあるんですね。まあ、百年後か三百年後に一〇〇%と言っているのか何か知りませんが、えらい無責任な言い方。  それから、完全自由化ということは、今はWTOの交渉でアメリカが例えば七〇%に食料の関税を下げろと。今、米は七〇〇%ですから、二万円掛かっているのが二千円、二千円の関税にしろと。そうしますと、中国のお米は六十キロ三千五百円ですから、五千五百円で業者は自由に輸入できると。日本のお米は一万六千円、あるいはそれぐらいの、実質は一万五千、四千円まで下がっているわけですけれども、そういう中で、アメリカですら五千五百円と一万六千円と競争しろと言うのに、その野党の党首は三千五百円と一万六千円と競争しろと。そして、そのことによって日本のお米が暴落すれば、その差額を直接補償で見ればいいんだと。それは全部足したって十二兆円、安い、安いと。  民主党の去年の政策見ると一兆円って書いてあるんですね。一兆円と十二兆円とどっちが本当の数字なのか分かりませんし、まあどこの、今暴落したからといって一俵について一万円農家に直接支払うというようなことはWTO上もできるわけがないわけですけれども、自分の国の主食を下げろというようなことを主張するというのはちょっと神経を私は疑うわけですけれども、これについて農林水産大臣、何かコメントしていただくことがありましたら、よろしくお願いします。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。  松村先生の御指摘はいろんな観点を含んでおるわけでございまして、なかなか一言で言うのは難しいんですが、まず端的に、民主党がおっしゃっております、特に小沢党首も、また菅代行ですか、本会議の、先般の臨時国会でもおっしゃいましたが、全農家に対して一定のお金をお支払をされる、それは販売価格とコストの差を補てんすると。これはいわゆる不足払い制度でございまして、WTO上はこれは大幅に削減をしていかなきゃならない。また、途上国辺りから先進国のそういった補助金に対して大変な反発がありまして、したがって、今一番もめておりますのはアメリカの国内支持、六割切るといっても、それでもまだ足りないといって世界から攻撃をされ、どれくらいアメリカがこれを減らしてくるのかというのが一番今WTOの最大の実はポイントでございますが、それくらい大きく減らしていかなきゃならない。  したがって、一九三三年に日本は国際連盟脱退したわけでありますけれども、WTOを脱退しない限りは、これは国際的な決まりとしてできないことをしようとおっしゃっている。したがって、国際的な約束として、日本がWTOを脱退して、そして勝手にやるというんであれば、ああいう一兆円の支払を不足払いとしてやるということも可能かもしれませんが、それはおよそできない。国際的にできない約束を国内的に、まあこれは何の目的、選挙のためかどうかは知りませんが、それをされようとしておられると。これはもう全く今言ったような観点からいってあり得ない、非現実的な話だと思います。  中身を精査しないとまだ言えない点もありますが、さらにこの完全自由化にいたしましても、これはもう先生御指摘のとおり、どうやってそういったものを達成していくのか、また国内の農業改革をどうやって進めていくのか、正に相反することを言っておられるということで政策の整合性はどうなっているのかな、こういう点があると思っております。  それから、今回の品目横断ですが、よく民主党始め皆さんが、野党の方々がこれは小農切捨てだとおっしゃっていますが、それは逆でありまして、今までのままですと二反、三反歩の人たちはもう担い手になれない、規模が小さくてなれない。しかし、みんなでまとまっていけばそれは担い手にみんなでなれるということでありまして、こっち岸から向こう岸に渡ることによって大きな発展を目指そうと、こういうわけであります。一人で渡れる人、泳げないから渡れない人、もう泳げない人たちはみんなで固まっていかだを組んで一緒に渡れば向こうに渡れると、そして大きな発展が目指すことができると。  正に小農切上げでありまして、私どもは、底上げをしていく、日本農業の総合力を最大限に発揮していく、こういう観点から進めているわけでありまして、まだまだ理解が足りない点と説明が私どもも至らない点とございますが、そこはしっかり御説明を申し上げながら御理解いただいて大きな方向に向かっていきたいと、こう思っております。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っております。

松村龍二自由民主党

○松村龍二君 質問を終わりますが、私は、本当は冒頭、今の日本の外交が非常に日本人として肩身が広く、戦後初めてこうやって肩身が広く国際社会の中で日本がいるなというようなことを感じておりまして御質問したかったんですが、時間がありませんので、これで終わります。  どうもありがとうございました。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で松村龍二君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 次に、西銘順志郎君の質疑を行います。西銘順志郎君。

西銘順志郎自由民主党

○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。  松村先生から柳澤大臣の問題、発言の問題等々ございましたので、私はもう早速、持ち時間が三十分ということでございますので、質疑に入らせていただきたいというふうに思います。  私がこの場に立たせていただくのは、去年の三月、当時、小泉総理でございまして、参議院の決算委員会でございました。総括質疑で立たせていただいたわけでございますが、小泉総理大臣、そしてそのときは安倍官房長官でございまして、ただいまこうして総理がこの場で座っておられることを本当に、戦後生まれの総理大臣として本当に期待をしておる者の一人でございますから、頑張っていただきたいというふうに思います。  私は、この去年の総括質疑の場で、琉球王朝の政治家蔡温を、琉歌を披露させていただいて、当時の安倍官房長官あるいは麻生外務大臣、谷垣大臣、小泉総理に、この人はこういう改革をする人ですよということで、どのようなお考えをお持ちですかというようなことを質問させていただいたというふうに思います。  その中で、安倍当時の官房長官はこのように答弁をされておられます。議事録からちょっと引用させていただきますが、安倍長官が長州藩家老村田清風の名前を引き合いに出して、私の地元にも幕末の前に村田清風という家老がいまして、言わば藩内において改革を断行したわけでありますが、当時も大変批判が強く、彼は結果として必ずしも幸せな人生を送ったとは言えないわけでありますが、彼のライバルの家老はむしろ財政出動を進めたということであって、当時からどちらが当たっていたのかということが言われてきたわけでありますが、基本的には、この村田清風につながる人々、吉田松陰先生とか高杉晋作とかが藩内で中心的な役割を担って日本の回天の事業をやり遂げたということでございます、蔡温と同じく、各地にそういう批判を恐れずにしっかりと信念に従って物事を決めていく、進めていく、責任を持って進めていく人がいたからこそ今日の日本があるのではないだろうかというような総理の答弁がございます。  改革をしようという強い意思を感じることができるわけでございますが、今、安倍総理にとりまして正に他人の一言一句といいますか一言一句といいますか、それに左右されることなく、正々堂々と改革の道を進めていただきたいという思いを持っているものでございます。  総理のまず決意からお伺いをさせていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先生には昨年の私の答弁を引用していただいたわけでございますが、小泉政権が発足をした当時は、負の遺産というか資産があって、これを何とか解決をしなければいけない、そのためには構造改革に取り組まなければならないという決意をしたわけでございます。  しかし、その後、改革を進める中にありましては、一時的には銀行の不良債権の比率も上昇し、株価は低迷し、景気も更に厳しくなったのは事実であります。しかし、そこでやはりこの道しかないということで更に改革を推し進めた結果、不良債権問題は解決をし、そして経済においては力強く景気回復の軌道に乗ったわけでございます。これは、やはり強い意思を持ち続けたことが大切であったのではないかと、このように思います。  私は、更に構造改革を進めたいと、こう思うわけでありますが、それは、言わば負の遺産、資産を何とかする、立ち向かうためということから、いよいよ新しい未来を切り開いていくために改革を前進をさせていかなければならないと、このように決意をいたしておる次第でございます。私どもが進んでいる道は間違いのない道でございます。更に美しい国づくりに向けて国民の皆様とともに力を合わせていきたいと、このように考えているわけでございます。  先ほど、先生が例として私の言葉を引用されたわけでありますが、村田清風もまた吉田松陰も孟子の言葉をよく引用されたわけでありますが、自らかえりみてなおくんば、一千万人といえどもわれゆかんと、この自分がやっていることは間違いないだろうかと、このように何回も自省しながら、間違いないという確信を得たら、これはもう断固として信念を持って前に進んでいく、そのことが今こそ私は求められているのではないかと、このように考えております。

西銘順志郎自由民主党

○西銘順志郎君 総理の大変力強い御答弁をいただいたというふうに思います。その中で、安倍総理は美しい国日本づくり、美しい国日本をというようなことでございます。  そこで、私はもう一度、琉球王朝時代の政治家、今度は蔡温とは違いますが、具志頭親方、名護親方、程順則、この人は今の名護市のまあある意味では市長さんみたいなような方でございますが、この人を少し御紹介させていただきながら質問をさせていただきたいというふうに思うのであります。  この程順則というのは日本の教育に大きくかかわっております。どういうふうにかかわっているかと申しますと、教育に大変重要な読み書きそろばんは江戸時代は寺子屋で行われていたことはもう御承知のとおりでございます。この寺子屋で子弟教育の基本となったのが、程順則が中国から持ち帰った六諭衍義でございます。参考資料として今お配りをさせていただいておりますが、この程順則は中国へ、七十一歳の人生の中であの当時中国へ五回留学をしておるわけでございまして、二十一歳のときに当時の師であります竺天植の教えでこの六諭衍義を知るわけでございます。そして、二十五年後の一七〇八年に復刻製版をして琉球に持ち帰ったわけでありますが、これが日本全国に普及をしていくわけであります。  この普及に当たっては、歴史上の有名な人物がたくさん出てくるわけでございまして、程順則が一七一四年に慶賀使として江戸へ行く際、薩摩の島津吉貴公に献上をされたわけでございます。その五年後ですから一七一九年、吉貴公より第八代将軍徳川吉宗に献上されるわけでございまして、吉宗がこの六諭衍義を和解と申しますか、中国語でありますから日本語に訳しなさいということで命じて、室鳩巣がその和解をするわけでございます。その内容が吉宗の統治思想と合致したので、大岡越前守というような方々が出てきて、教科書にしなさいということで広がっていくわけでございます。  六つの教えは、今お手元にお配りをしておりますからもう割愛をさせていただきますが、やはり江戸時代から明治にかけて二百年もの間、道徳の教科書として使用されてきたわけであります。この六つの教えが今もなお私は家庭教育の原点であるというふうに思いますし、目標であるというふうに思います。どういうように社会が変化していこうとも、こういうその人間の教えとして変わらないということであると思いますが、そういうことがまた安倍総理の美しい国日本へつながっていくんではないかというふうに思いますが、総理の所見をお伺いをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま先生がお配りになられましたこの六諭をもう一度拝見をさせていただきまして、改めて教育の重要性、そしてもうこれは江戸時代からこのようなそれぞれ教育にとって大切な要素を大切にしてきたからこそ日本人の立ち居振る舞いは美しいと言われ、そしてまた明治以降、近代日本をつくる上においてこれは正に多くの人材を輩出をしたのではないかと、こんなように思う次第でございますが、私も美しい国づくりを進める上におきましては、やはり一番大切なことは人材の育成であり、教育ではないかと、このように思います。  昨年、臨時国会におきまして成立をいたしました再生教育基本法におきましても、この六諭に書いてあるような事柄、公共の精神、また自律の精神や、やはりこの自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛情や愛着、そうしたことを盛り込んでいるわけでございます。やはりこの基礎が、道徳心も含めてこういう教育の基盤がしっかりしたことは、教育再生に向かって正に礎ができたと、このように思う次第でございます。  先般、取りまとめられました教育再生会議の第一次案をよくこの基本としながら、この国会におきましても必要な法律の改正を行っていきたい、さらに、教育の再生を進め、すべての子供たちが高い水準の学力や規範意識をしっかりと身に付ける機会を我々は責任を持って提供していかなければいけないと、このように考えております。

西銘順志郎自由民主党

○西銘順志郎君 前の臨時国会で教育基本法を改正したわけでございまして、正に第二条、「教育の目標」、その中でも二条の五、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに云々の条文は正にそういうことだろうというふうに思うのであります。我が国の伝統、歴史、伝統文化を大切にすると同時に、やはり日本人の道徳心を再生することが教育再生、ひいては総理がおっしゃっておられます美しい国日本への私は一番の近道だというふうに思います。そういうことを申し述べさせていただいて、次の質問に入らせていただきたいと思います。  去年の十一月に沖縄の県知事選挙が行われました。これまでは二期八年間、稲嶺県知事が全力疾走をしてきたわけでございますが、その後、その後継者と申しますか、私ども自由民主党、公明党が全力を挙げて御推薦を申し上げて戦った仲井真弘多さんが当選をされたわけでございます。  この仲井真さんが数多くの政策を掲げたわけでございますが、その中でも特に、復帰後、沖縄県が祖国に復帰して以来の最大の懸案でございます米軍基地の整理、縮小、その中でもやはり普天間基地の危険性の除去というものをしっかり訴えられましたし、そしてまたこの普天間基地をできれば三年以内に閉鎖状態にしてくれというようなことも強く訴えられたわけでございます。私ども、仲井真さんと一緒に全琉、沖縄の全県各地を飛び回って御一緒させていただいたわけでございますが、そういうことを強く訴えていたということでございました。  もう一点、仲井真さんが訴えたのは、現行の、あくまでも現行のV字案については、私は反対でありますというような話を沖縄県民の前で訴えられたわけでございます。  もちろん、そのほかの政策、例えば沖縄は失業率が全国一高いわけでございますが、この失業率を本土並みにしていこうと、そのためには、地元の企業を活性化して、企業も誘致をしながら、地元の皆さんもしっかりと頑張ることが大事だよというようなことを訴えてきたわけでございまして、それが私は多くの県民の理解を得て当選に結び付いたというふうに思っております。  この選挙結果につきまして、高市大臣と久間大臣からお答えをいただきたいと思います。

高市早苗自由民主党内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策、イノベーション、少子化・男女共同参画、食品安全)

○国務大臣(高市早苗君) 先般の沖縄県知事選挙の結果は、沖縄県の有権者の皆様が沖縄県の将来ですとか、それから将来を見据えて、そしてまた候補者の政策を比較して審判を下された非常に重い結果だと受け止めております。  そして、仲井真知事の公約でございますけれども、例えば失業率の問題、これは今、沖縄県、昨年七・七%ということでございますので、まだ全国平均の二倍近い状態でございますので、これは何とか改善しなきゃいけないと私も思います。  しかし、いい傾向もありまして、ここ数年間で、百社IT企業が進出いたしまして一万人を超える雇用を創出いたしております。ただ、それを超える労働人口が増えたということになりましてなかなか失業率は改善しない、労働力が増えておりますので改善しないんですけれども、これから私も精一杯、新しい産業の振興、そしてまた企業誘致などでお手伝いをしてまいりたいと思います。  基地の問題でございますが、私は就任してすぐに普天間飛行場を視察いたしました。確かに、あれだけの市街地の中に飛行場があって、そしてまたあのヘリの事故も起きておりますので、どれだけ住民の皆様が不安かということも分かります。知事の思いも十分に理解はいたします。ですから、私は、普天間飛行場の危険性を早く除去したい、そのためにも移設を一刻も早く円滑に努めたいと、進めたいという思いで一杯でございます。  そして、政府としてのスタンスは、昨年の五月三十日の閣議決定に立つものでございます。これは内容といたしましては、御承知のとおり、五月一日のいわゆる2プラス2、ここで承認をされておりますV字案を基本に地元側と協議を進めていくというものでございます。そしてまた、地元側とも、昨年四月そして五月に、それぞれ基本的な合意書、確認書という形でV字案を基本に協議を進めると。しかしながら、建設計画については十分に誠意を持って協議を進めていくということを書面で確認いたしておりますので、私は、沖縄県との、政府との、沖縄県と政府との橋渡し役というのが私の役割だと思っておりますから、お地元の切実な声を関係省に伝えていくということが私の役目だと思いますので、これからもよろしく御指導をいただきたいと思います。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) ただいま高市大臣から話がありましたように、私どもとしましても、昨年五月にロードマップで合意しておりますから、それを基本としながら、しかしながら沖縄県あるいは地元市町村のいろんな意見を取り入れながら一日も早く代替施設が建設できるように、特に、この代替施設が建設するというのを前提にして、いわゆる米軍再編、海兵隊のグアム移転等も、これが実現するわけでございますから、一刻も早くこれを実現したいと思っております。それが危険性の除去につながるわけであります。  ただ、前回の予算委員会でも私申し上げましたけれども、三年間での閉鎖というのは、これは相手が主張している、米軍が主張していることもございますからそう簡単にはできませんけれども、仲井真知事がおっしゃられた背景等についても私自身もよく分かりますので、誠意を持ってできるだけのことはしてみたいと思っているところであります。

西銘順志郎自由民主党

○西銘順志郎君 久間大臣、大変ありがとうございます。  これから塩崎官房長官にも是非お聞きをいただいて御答弁をいただきたいというふうに思いますが、名護市が去った協議会の中で、これは名護市の、政府案を基本として、騒音と住民生活に配慮をし、可能な限り沖合に移動する必要があるという、これは名護市の考え方なんです。これについてお伺いをしたいと思います。  先ほども申し上げましたけれども、辺野古の移設というのはやっぱり普天間飛行場の危険性を除去すること、これが原点でございます。平成七年、米兵による悲惨な少女暴行事件が発生をいたしまして、沖縄の米軍基地問題に対する国内外の世論が沸き起こってまいりました。そして平成八年、日米で五年ないし七年以内に普天間飛行場を全面返還するというような合意がなされたわけであります。その後、県内移設を前提とするSACO最終報告が出まして、名護市において住民投票、あるいは比嘉元市長の受入れ表明と辞任、岸本前市長の当選、そして稲嶺前知事、島袋現市長、仲井真現知事ということで、県民の民意を問う選挙があったわけでございます。  沖縄は、御承知のとおり、ああいう狭い県土の中で七五%の、在日米軍基地の七五%が沖縄にあるんだというようなことでございまして、こういう米軍基地から派生する事件、事故、あるいは訓練から派生する事件、事故が現在でもまだ多発をしているというような状況でございます。  そういうことで、こういう状況の中から普天間飛行場の危険性にかんがみまして、安全性が保たれて、騒音が軽減できる海上であればということで、代替施設の受入れに理解を示したのが名護市でございます。  私は、政府はそういう意味で、こういう名護市の考え方というものをしっかり真摯に受け止めていただきたいというふうに思うのであります。  当初は、辺野古の方では、生活環境を守るために沖合三キロまで出してくれと、滑走路を沖合三キロまで出してくれというようなこともございましたけれども、米軍ヘリでデモフライトをすると、まあ二・二キロまでは許容できる範囲ではないかというようなことでございまして、ここで平成十四年七月に基本計画が代替施設協議会で承認されたわけであります。  平成十八年五月、ただいま大臣からお話ございましたように、日米政府が合意をしたわけでございますが、V字案で合意をしたわけでありますが、辺野古岬とこれに隣接する大浦湾、そして辺野古湾の水域を結ぶ形で設置をされておるわけでございまして、さきの十四年の基本計画に比較いたしましてかなり陸側に寄ってきているんだということであります。  ですから、大幅に民間地域に接近しておりますから、可能な限り、できるだけ沖合に出していただけませんかという名護市の考え方は私は決して不当なものではないというふうに考えておるわけでございますが、その件につきまして久間大臣と官房長官から御答弁いただきたいと思います。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今おっしゃっているのは分かります。私も、あそこの問題については一番よく携わっておりましたので、よく知っているつもりでございます。ただ、あの覚書にもありますとおり、実現の確実性ということについても非常に強調しているというのは、なかなか難しい点も実はございます。  それともう一つは、環境アセスはこれから行われるわけでございますけれども、やはり移動することによって環境の問題への影響も出てまいりますから、そういうことを総合的に判断していかなければなりませんので、だから、その辺のことについてもやっぱり沖縄県とかあるいは名護市の意見等もよく調整しながらやっていかなきゃいけないと、そう思っておりますが、基本的には額賀大臣時代にぎりぎりの案としてああいうふうに決められた、この経過についてもよく分かっておるつもりでございますので、それを基本としながら調整しようと思っておるところであります。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 基本的な考え方は、先ほど高市、久間両大臣からお話があったとおりで、去年の五月のいわゆるロードマップで示された案を基本として政府としては進めていきたいと、こう思っておるわけでございます。  元々、この抑止力を維持しながら地元負担をいかに軽減するかと、そしてまた移設するに当たっての負担も軽減するということを非常に我々は大事にしていきたいと、こう思っておるわけでありまして、今、久間大臣から答弁のあったとおり、環境の問題等々を考慮して、地元の皆様方の声にはしっかりと耳を傾けながら、政府としての基本スタンス、先ほどのロードマップを基本として話合いをしっかりやっていくという今の答弁のとおり私たちもやっていきたいと思っておりますし、私も官房長官として協議会に参加をしてしっかりと協議に当たっていきたいと、こんなふうに思っております。

西銘順志郎自由民主党

○西銘順志郎君 地元の意見に真摯に耳を傾けるんだと、総理もそういうふうな発言をされておられるわけでありますから、地元の意見というのは、まず名護市は、できるだけ騒音の少ないような少し沖合に出してくださいよというのが名護市の意見であります。現行の仲井真県政はどういうようなスタンスかと申しますと、今のV字案では駄目なんですよという言い方を公約の中で掲げてきました。しかし、V字案そのものには、私は仲井真さん、反対してないと思っています。そういうところを、これだけの皆さんがおそろいでありますからしっかり考えて、地元が納得できるように進めていただければそんなに難しい話ではないんじゃないかなというふうに私は理解をいたしておりますが、大臣と官房長官、高市大臣もしっかりと協議をしていただきたいというふうに思うのであります。  仲井真県政の今、普天間に対するスタンスの話を申し上げさせていただきましたけれども、三年以内に閉鎖状態に持っていく、これはどういうことかといいますと、やはりヘリ部隊の訓練の分散であったり、あるいは仲井真さんは、暫定ヘリポート、V字形を工事入る前に暫定ヘリポートを先に造っていただいて、そこに駐機して訓練したらどうですかというようなことも求めているのかなと。政府からそういう提案があればその次の段階に進んでいいですよというような私はニュアンスだというふうに理解をいたしております。  ですから、仲井真さん、仲井真県政が必ずしもV字案そのものに反対ではないというふうに私は理解をいたしておりますから、政府の基本合意案と、政府も基本合意案はV字案でありますから、V字案をどの程度沖合まで出せるか、あるいはどこに持っていくかということが大変私は問われているだけだというふうに思います。  総理始め官房長官、久間大臣、高市大臣、これだけのメンバーの皆さんがおそろいで、沖縄県の要望あるいは名護市の要望が聞けないという話にはならないと思いますが、どうぞ基本合意書の中でも、平成十八年四月の、これは久間、久間さんじゃございません、額賀防衛庁長官と名護市長の間で交わされた普天間飛行場代替施設の建設に係る基本合意書に基づいて、私は政府、そして沖縄県、名護市が誠意を持って協議をしていただきたいと。そして、普天間の危険性というものを一日も早く除去をしていただきたいというお願いをさせていただきたいと思っております。  それでは、松岡大臣にお伺いをしたいと思います。日豪EPA交渉についてお伺いをさせていただきます。  これは昨年十二月、これ総理とハワード豪首相との電話会談でEPA交渉を開始することというふうになったわけでございますが、この交渉が農産物に関する関税が撤廃された場合に沖縄に与える影響、沖縄の農業経済に与える影響というものをどのようにお考えになっているのか、松岡大臣からお答えをいただきたいと思います。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 時間が迫っておりますので、手短にお答えください。松岡農林水産大臣。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 西銘先生にお答えいたしますが、まず日豪との関係でありますが、EPAが締結された場合、いろいろ前提がございますけれども、私ども農林水産省といたしましても一定の試算をいたしました。  もう一言で言いまして日本全体、小麦、それから砂糖、乳製品、畜産、こういったものがどれくらい影響を受けるか、約八千億円影響を受ける。その中で、沖縄につきましては、もう先生計算もされておられると思うんですが、三百六十億円の砂糖、乳製品、パイナップル、それから畜産、こういった中で約二百三十億円ぐらい沖縄では影響を受けると、さらにまた、関連すれば約八百億円近い大きな打撃を受けると、このような大変な影響を受けるということを私どもも承知をいたしております。  したがいまして、そういったことを十分念頭に置きながらEPA交渉に当たっては臨んでいくと。今までにない形で、過去のEPA交渉に比べますと、入っていない枠組みをつくって、除外、再協議、こういったそういうしっかりした土台をつくっての、これは外務省の大変な御協力もいただきましたし、それからまた安倍総理のそういった特段の御指示もいただきましてのそういう対応をしてまいりたい、こういうことでございます。

西銘順志郎自由民主党

○西銘順志郎君 もう時間が来たようでございますが、最後にもう一点だけ言わせていただきたいと思います。  沖縄県、離島をたくさん抱えているわけでございまして、国境の島、最南端が波照間島、日本の最西端が与那国島、こういうような島を抱えているわけでございます。日本の排他的経済水域、EEZに果たす沖縄県の離島の役割というのは相当大きなものがあろうかというふうに思います。  冬柴大臣にもお伺いしようと思ったんですが、昨今、尖閣列島でまた中国の調査船が調査をするというような報道等も聞こえてまいります。こういうサトウキビしか作れない、あるいはパイナップルしか作れないというような離島があるわけでありますから、これが全滅する、これが消滅するという形になると、もう本当に無人島になってしまう。また、尖閣列島と同じような状態になしてしまっていいのかなという思いがあるものですから、是非このEPA交渉でも、衆参の農水委員会でも決議をなされているわけでございまして、こういう各離島離島が生活できるような対策を講じていただいて、日本としてのしっかり外交問題も主張していただく、あるいはこういうようなEEZの中でもこういう離島が果たす役割をしっかり認識していただいて、離島で暮らす住民が安心して暮らしていけるように御努力をお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で西銘順志郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 次に、森元恒雄君の質疑を行います。森元恒雄君。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 自由民主党の森元恒雄でございます。  地方自治に絞ってお聞きをしたいと思います。  さきの臨時国会で地方分権改革推進法が成立をいたしました。地方分権の更なる推進に向かって新たな段階に入ったかと思います。そこで、これまで進められてきた改革をいま一度振り返り、更にやるべきことは何かということを考えていく段階かなと思っておりまして、そういう観点からお聞きしたいと思います。  まず初めに、地方分権一括推進法、一括法が制定されまして、懸案でありました機関委任事務が廃止されました。そしてまた、三位一体の改革によりまして財政面で補助金改革等が行われたわけでありますが、率直に言いまして、残念ながら地方団体の関係者の方々と意見を交換しておりますと両方とも余り評価をしておられないようなふうに私は受け止めておりまして、せっかく事務の面、あるいは財政の面で進めておることが肝心の地方団体からは余り高く評価されないと、一体それはどうしてなんだろうかと思うわけですが、総理のまずこの辺に対する御所見をお聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま先生が御指摘になられました地方分権一括法につきましては、これは機関委任事務制度の廃止など国と地方の基本的な関係を見直す上においては私は大きな成果があったのではないか、そういう御評価もいただいているのではないかと、このように思うわけでありますが、しかしながら地方が自由に独自に施策を展開をしていくと、やはり地方のことを一番よく分かっているのは地方でありますから、自分たちが責任を持って、自分たちが自ら考えて施策を遂行していくという意味においてはまだまだ課題があるのも私は事実であろうと、このように思います。  また、昨年、三位一体の改革を進めたわけであります。私も官房長官としてかかわったわけでございますが、その中で三兆円の税源移譲を行いました。これによって、地方への税源移譲によって自主財源については強化されたと。そしてまた、補助金の改革、まあ四・七兆円の補助金改革を行ったわけでありますが、補助金改革によって地方の自由度の改革等も併せまして全体としては地方の自立や地方分権の推進に寄与するものであったと思います。  地方の六団体からもそれなりの御評価は私はいただいたのではないかと、このように自負をいたしておるわけでありますが、まだまだしかし更に徹底してこの地方分権を私は進めていかなければならないと、このように思うわけでありまして、繰り返しになりますが、地域のことをやはり一番よく考えているのは地域に住む方々であり、地域の良さ、文化や伝統を一番よく知っているのも地域の方々でありますから、こういう方々が自信と責任を持って政策を立案をして遂行できる、そういう仕組みを、体制をつくっていくために更に地方分権を徹底して進めていく考えでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 まず、事務の点でございますが、機関委任事務が廃止されたことは大変評価できると思いますが、その代わりに法定受託事務が一つできまして、これが本来、国の事務を地方に執行だけ委任するというもの、性格はそういうことですが、これが必ずしも完全にそういうものだけに限定されているかというとそうでもないんじゃないかというのが一点ございますが、あわせて、本来、地方の事務である自治事務に対するこの規制が、確かに権力的規制はかなり排除されましたけれども、事実上の国の関与というものが余りなくなってないんじゃないかと、そこのところが国と地方のこの仕事をする上での関係が従来と余り大きく変わらない印象を与えておるんではないかなというふうに思うんですが、この点について総務大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

菅義偉自由民主党総務大臣

○国務大臣(菅義偉君) 委員御承知のとおり、平成十一年に制定された地方分権一括法によってこの機関委任事務が廃止をされたと。これに伴って、各省庁の包括的な指揮監督権が廃止されるとともに国の関与廃止、縮小等が行われるなど、一定の成果というのを私は上げておるというふうに思います。  しかし、その後、平成十三年六月の地方分権推進委員会の最終報告、これにも指摘されておりますように、地方公共団体に対する法令による事務の義務付け、枠付けの緩和等の地方の自由度の拡大という点で解決すべき問題が残っていると、こういうことも指摘されております。総理の地方の活力なくして国の活力なし、こうした考え方に立ちまして、地方が自由に物を考え、企画、実行に移すことができる、そうした仕組みづくりというのは極めて大事だというふうに思っています。  昨年の暮れに成立をしました地方分権改革推進法、この法律に基づいて国と地方の役割というものをしっかりと見直しをし、権限、税源、財源、地方にゆだねることができるように取り組んでいきたいと思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 地方議会の活性化をどうするかということも大きな課題の一つかと思いますが、私も県庁で勤務させていただいた経験から思いますのに、地方の議会が審議し、決定する事項というものがごく限られている。それはなぜかといえば、国の法律が様々な課題に対して的確に対応していくということは大変すばらしいことでありますが、しかし地方が自ら判断できる余地というものをかなり縛ってしまっている。細部に至るまで国の法律、政令、省令、さらには通知というようなもので決められてしまって、地方が独自性、自主性を発揮する余地が極めて少ない。  そういうことであれば、地方の議会としては自らが意思決定できるというのがだんだんなくなってくるわけでありますが、この点について地方の自治権を拡大する意味ではそういう細かな規制は極力排除すべきじゃないかと思いますが、総務大臣はいかがお考えでしょうか。

菅義偉自由民主党総務大臣

○国務大臣(菅義偉君) 私も地方議員を経験をした者の一人でありますけれども、正に委員のおっしゃるとおりでありまして、なかなか地方が自由度を持って決めることができない。そういう中で、地方分権一括法が制定をされ、そうした方向に進んでいくと、それでもまだ足りないということで私どもは分権改革推進法というものを制定をさせていただいた。そういう形で、地方が自由に物事を決めて実行に移す、そうした仕組みというものに全力を尽くしていきたい、こう考えています。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 私は、一つは、やっぱり法律の規制の中身をどの範囲にとどめておくかと、こういうことが根本であると思うんですね。  そういうことからしまして、二年ほど前に成立しました景観緑三法、私はいろんな法律の中でこれは地方分権という観点から見た場合にかなり理想に近い法律ではないのかなというふうに思っております。それはどういうことかといえば、自治体が条例で町並み、景観をいいものにしていきたいというようなことで、色や形や大きさ、高さ、そういうようなものを条例で規制しようとしましたときに、法律との関係あるいは憲法の財産権との関係で違法だ、違憲だというような判例も過去にあったりして、なかなか自由にできなかった。それじゃまずいだろう、町づくりこそやっぱりそこの地域地域に判断をゆだねる、決定をゆだねるべき分野だろうというようなことから、法律は根拠を与えて中身は条例にゆだねると、こういう形の法律にあれはなっておると思っておりますが。  そういうような方向に、しかしすべての法律をできるだけ持っていくためには何らかのこの制度的な仕組みがないと、その時々の政府の各省庁、当事者の判断、あるいは国会の意思で左右されてしまうと。何かそこに仕組みが必要じゃないのかなとかねがね思うんですが、この点について、総理としてどうお考えか、御所見をいただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方のやることに一々国が口を出したり、あるいは国が決めたメニューに沿って地域が施策を推進しない限りお金は出さないという今の仕組みは根本的に改めなければならないと、こう思っておりますし、施政方針でも私はその旨述べたとおりでございます。  今後、地方分権改革推進法に基づきまして、地方の意見にも当然耳を傾けながら国と地方の役割分担の見直しを進めていく、そしてそれによって地方の裁量範囲を拡大をしていく必要があると思います。そしてまた、当然、その際、国の関与を見直していかなければならないということでございますが、地方分権一括法案を三年以内に国会に提出をしていく考えであります。  この見直しに当たりましては、さきの地方分権一括法で改正された地方自治法において、「地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づき、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえたものでなければならない。」とされておりまして、これをしっかりと踏まえていく必要があると考えております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 私は、事務とか権限の点で地方分権を進めるためには、今申し上げていますように、地方の自主立法権ですね、条例の制定権をできるだけ自治体の判断に任せていくということが大事だと思います。  それはやっぱり、法律に反する条例は制定できないという、そこが一つの大きなたががはめられているわけでございますので、法律自体の中にいわゆる上乗せ、横出しと言われるようなものを条例で一定の範囲ででも認めるというような仕掛けが大事じゃないかと。是非そういうものを拡大していく方向で検討をしていただきたいなと思っております。  次に、道州制との関連で二、三お聞きしたいと思いますが、これからの国と地方との関係を考えていくという場合に、総理も推進されております道州制、これが実現するかしないか、そのときの国と地方との関係をどう考えるのかということを抜きにこの分権委員会が議論はできないんじゃないかなというふうにさえ思うんですけれども、この道州制について、地方分権との関係で総理はどうお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 将来の日本の姿をデザインしていく中において、私は、やはり是非道州制のビジョンを取りまとめていかなければならないと思います。  まだまだ国民的な理解は道州制に対しては深まっていないと、こう思うわけでありまして、道州制について議論を深め、国民の理解を得ていく私は必要があるのではないかと。道州制によって、これは正に一極集中から地方にそれぞれ核をつくって、その核をつくって、日本の国が多様性を持って各地域が発展をしていく、そういう姿になっていく、また行政改革の面からでもこれはふさわしいのではないだろうかと、こんなように思うわけでありますが、先ほど申し上げました新分権一括法の三年以内の国会の提出に向けまして、国と地方の役割の分担や国の関与の在り方の見直しなど、地方分権をまず徹底して進めてまいります。  国と地方の役割分担に関しましては、国は本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねていくという考え方を一層徹底していくべきだろうと。国はもう、国が本来やるべき仕事は何かということを基本的に限定をしていく必要があるだろうと。こうした地方分権改革を着実に実施をし、国と地方の役割分担を体系的に見直していくことが道州制の本格的な導入にもつながっていくだろうと思います。  道州制に向けて更に議論を深めてまいりたいと思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 ただ、現在の都道府県を前提に考えるのか、新たにできる道州というものを前提に考えるのか、その場合の国と地方との関係というのは私は大きく変わるんだろうと思うんですね。ですから、その過程としてとらえるということは分かりますが、それでは道州制が実現したときにどういうふうになるのかというようなことを十分見据えたやっぱり議論はしていただくのが大事じゃないのかなというふうに思っております。  ただ、今総理もおっしゃられましたように、今すぐに道州制に移行しようというような空気があるかといえば、残念ながらないのも事実であります。特にこの間の道州特区法案のときの動きを見ておりますと、非常に各省庁の抵抗も強い課題であります。自らの身を削られるような話であるから当然でありますが、それだけに、その実現には相当の強い総理のリーダーシップあるいは国民世論の大きな盛り上がりというものがないと、その実現はとてもじゃないけどおぼつかないんじゃないかなというふうに思っておりまして、担当大臣としてどういうふうにその辺を進めていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。

渡辺喜美自由民主党内閣府副大臣

○国務大臣(渡辺喜美君) 森元先生御指摘のように大変強い抵抗がございます。総理がよくおっしゃられるように岩盤のようなそびえ立ったハードルがございまして、私もそれをどうやって突破しようかと今一生懸命考えているところであります。  やはり、官僚主導から政治主導へ、中央集権から地方分権へというのが構造改革の流れでありますから、恐らく総理が今言われたように、まず地方分権を徹底して進めていって、その総仕上げとして道州制というのがあるんだろうと思います。したがって、そういったことを国民の皆さんに大いにPRをしていかなければいけないと考えております。  今月、私の私的ビジョン懇談会を立ち上げることにいたしております。おおむね三年を目途に明確なビジョンを打ち出したいと考えておりますが、まあ私も三年も大臣やっておる自信もないものですから、来年度中ぐらいをめどに中間取りまとめを出させていただきたいと思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 私は、道州制のその世論がなぜ盛り上がらないのかなと考えますときに、やっぱりなぜ今、日本がこの都道府県、市町村というのを変えて道州に切り替えないといけないのかと、その理由が多くの国民の方々に余りよく理解されてないんじゃないのかなというふうに思うんですね。先ほど総理が、地方分権の推進、そして多極構造、そして行政改革というようなことをおっしゃられたかと思いますが、やっぱり国民の方々に、なぜ道州制に切り替えないといけないのかと、そこをやっぱり、ビジョン懇ならビジョン懇で結構ですけど、大臣としてはしっかりとつかまえていただきたいと思いますが、もう一度御所見いただければと思います。

渡辺喜美自由民主党内閣府副大臣

○国務大臣(渡辺喜美君) これは恐らく壮大な国家ビジョンだと思うんですね。明治の時代に我々の祖先が江戸の政治モデル、行政モデルを大転換をいたしました。それに匹敵するような国家の大改造につながっていくわけでございまして、当然のことながら統治機構の抜本的な変革、もう既に安倍内閣はそういったフルモデルチェンジの前段階といいますか、車に例えてみればフルモデルチェンジを道州制などによってやろうとしているわけですが、車というのはエンジンがないと走らないんですね。したがって、安倍内閣では自民党政治モデルの大転換をいたしました。もう一つ、霞が関行政モデルというのが岩盤のようにそびえ立っておりますので、こちらの方は私が担当して、例えば手始めに公務員制度改革などを手掛けているわけでございます。  どうぞ応援よろしくお願いいたします。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 じゃ次に、財政問題について数点お聞きしたいと思いますが、三位一体の改革に対しては先ほど総理の全体的なお考えお聞きしました。ただ、地方の方々は、三位一体の改革というのは結局我々が苦しんだだけじゃないかという受け止め方が非常に強いんですね。  それはなぜかといえば、確かに三兆円の税金が移譲されましたけれども、その大半、多くの部分は地方の負担増が増えた。要するに、国庫補助負担率の引下げで負担が増えた分の財源に充てるためですぎなかったと。自主権はその面では余り大きくならなかった。加えて、この間、交付税が大幅に削減されまして、かえってその自主的な財源というものが大幅に減ってしまった、予算編成ままならないという状態になったと。三位一体改革というのは一体何のためにやったものなんだろうかというのが多くの関係者の思いでありまして、この辺について財務大臣に、まずちょっと御感想といいますか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 三位一体の改革では、補助金を削減する一方で、それに見合う三兆円の国税であります所得税を減税をし、そして同額の地方税であります住民税を増税するということによりまして、地方全体の財源としてはおおむね損得のない形での改革を行ったというふうに考えております。  この三位一体の改革の期間であります平成十五年度から十八年度の国と地方の財源の事情を比べてみますと、国の一般会計の歳入は、平成十五年度の八十一・八兆円から平成十八年度の七十九・七兆円と二・一兆円減少しているわけでございます。他方、これに三兆円の税源移譲ということを除いて考えますと、実は差引きでは〇・九兆円増加をしていると、こういうことになっております。  他方、地方について見ますと、地方税が十五年度の三十二・二兆円から十八年度の三十四・九兆円と、税源移譲を除きまして、二・七兆円増加しております。その一方、地方交付税は、十五年度の十八兆円から十八年度の十五・九兆円と二・一兆円減少しているわけでございまして、合計で地方がいわゆる自由に使える財源は、十五年度の五十・二兆円から十八年度の五十・八兆円と〇・六兆円増加していると、こういうことになっているわけでございます。  このように、十五年度から十八年度におけるいわゆる三位一体改革の期間における国と地方の財源の事情はおおむね同じような姿かなと、そして、国と地方が歩調を合わせた格好になっているというふうに考えております。  御指摘のような三位一体改革で地方の負担が増えたという声があるといたしますと、それは、個別に見ますと、地方税収が十分に確保できない自治体がある一方で、例えば東京都のように大幅な財源余剰が発生する自治体があるということなど、自治体の間の財政力の格差が大きくなったことによるのではないかというふうに考えております。  具体的に言いますと、例えば東京都におきましては、十八年度の基準財政収入が基準財政需要を約一・四兆円上回っているわけでございますが、この額は、最も財政事情が悪い八つの県の財源不足の合計額とほぼ同額になっている。八つの県といいますのは、島根県、高知県、鳥取県、長崎県、秋田県、宮崎県、沖縄県、和歌山県。この全部の財源不足額の合計が東京都の一つの財源過剰額に匹敵すると、こういうことになっているわけでございまして、こういう状況を考えますと、地域間の財政力格差の問題につきまして、今後、総務大臣ともよく相談をしながら真剣に取り組んでまいりたいと考えているわけでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 今、財務大臣の方から、総額で見た場合にそんなに地方にしわ寄せが行っているわけでないというふうな数字を挙げての御説明がございましたが、この点について総務大臣としてどういうふうに認識しておられるのか。  そしてまた、後半で財務大臣からお話ございましたが、確かに不交付団体と交付団体との、特に団体間の格差という問題お触れになられましたが、私もかねがねその点は一つの大きなポイントだと思っております。交付税を削減すれば弱小の団体にいろいろ影響が及びますが、裕福な不交付団体には全くその交付税の削減のことだけ考えれば関係ない話。ますます格差が広がると、弱いものが弱くなってしまうというようなことがございます。これをなくすには、やっぱり地方税の体系を改める、同時に、交付税と地方税を同時に決着するということが大事だと思いますし、地方税の体系そのものも団体間に余り大きな格差のないものに変えていくことが必要だと思いますが、その点について総務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

菅義偉自由民主党総務大臣

○国務大臣(菅義偉君) 三位一体改革でありますけれども、総じて地方六団体がこの税源移譲というものを評価をしていただいていることは声明でも実は明らかになっています。しかし同時に、様々な問題も指摘をされている。例えば地方交付税の総額確保だとか、そういうものも指摘をされていることも事実です。  しかし、この三位一体改革というのは、正に地方に自由度を拡大させ、財源も移譲すると同時に、財政の健全化、このことも実は三位一体改革の目的の大きな一つでありました。そういう中で、国、地方とも厳しい財政状況の中で地方歳出の見直しを行い、結果として交付税の総額も抑制をしたと。このことが地方の皆さんから三位一体改革についての様々な私は不満がある一つではないかなというふうに実は思っております。  しかし、例えばこの十九年度というのは、歳出努力は当然でありますけれども、地方団体の安定的な財政運営を必要とする地方税、そして交付税というのは総額を確保することができました。これは昨年と比較をすると五千億程度多いわけでありますから、地方の皆さんには私は御理解をいただける、評価をいただけると、このように思っておりますし、さらに、このいわゆる高い金利、五%を超える金利についても、保証金なしの借換え制度というものを今年五兆円初めて認めていただきましたので、このことも、上下水道等に整備をして高い金利を払っている地方公共団体は理解を、評価をしていただけるというふうに思っています。  東京一極集中の話がありました。実は、私もさきの会合の中で東京問題というものを初めて実は指摘をさせていただきました。この問題についてやはり私どもも議論をしなければならない時期に来ているのではないかなと、今の状況がそのまま行けばですね、そういうふうに実は思っております。  ただ、この地方税の隔たりについては、法人二税が集中をしているわけでありますけれども、偏在の少ない税というものを私どもは考える必要があると、このように思っております。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 時間が過ぎております。森元恒雄君。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 時間が来ましたので終わりますが、最後に財務大臣に一つだけお願いをしておきたいと思います。  今のお話のように、交付税は、やっぱり本来は税ですべて財源が賄えればそれが一番理想であるわけですが、しかし、それじゃ団体間の財源が調整できないということを、それを補うのが交付税であります。そういう意味で、交付税というのは地方固有の財源だとかねがね政府も統一見解出しておられるわけですので、それを、単に国と比べてプライマリーバランスが若干改善しているというようなことで法定率を引き下げる、特例減額するなんという話が出てくるのは私はおかしいんじゃないかなというふうに思っておりますので、くれぐれもそういう観点でない形で地方をしっかりと見詰めていただくということをお願いして、終わりたいと思います。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で森元恒雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 次に、山口那津男君の質疑を行います。山口那津男君。

山口那津男公明党

○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。  補正予算の審議をするに当たりまして、野党の皆さんが欠席をされているのは誠に残念であります。特に、この補正予算は災害対策関係予算を始めとして国民生活に緊急を要する内容が多々含まれているわけでありまして、本来、衆議院、参議院の今回の審議はテレビ中継をされるはずでありました。全国の国民の方々にこの議論をよく知っていただくその最大のチャンスでもあるわけであったわけですが、これを、機会を再三与えたにもかかわらず欠席をしているというのは誠に残念でなりません。  そこで、私からこの補正予算について質問さしていただきます。  まず初めに、学校の耐震化についてであります。  今、施設の耐震化、官民問わず大きな問題となっております。中でも学校施設は、子供たちが一日の大半を過ごす活動の場であるとともに地域にとっての防災拠点でもあり、その重要性は特に高いものと考えます。しかしながら、現在、全国の学校施設の半数程度しか耐震性は確保されていません。子供たちの生命、国民の生命を危険にさらさないよう学校施設の耐震化を早急に進める必要があり、国においても財源をしっかり確保し、自治体の取組を支援していくことが必要だと思います。  耐震化を進めるためには、そもそも耐震性があるかないかを知るためにまず耐震診断を実施する必要があります。私は、昨年二月二日の当委員会におきまして耐震診断を早急に完了する必要がある旨質問し、時の小坂前文部科学大臣より、平成十八年中に耐震診断を完了させるとの答弁をいただきました。その方針に基づき文部科学省においても努力をしてきたところであると承知しておりますが、これについては大きく評価をしたいと思います。  昨年末の時点で、耐震診断の実施状況等については現在調査中、資料取りまとめ中であると、こう聞いておりますが、大事なことは、取組が遅れている自治体の耐震化をこれからどのように促進させていくかということだと考えます。  昨年の質問で北側国土交通大臣は、耐震診断の結果は公表すると答弁していらっしゃいました。  そこで、文部科学大臣にお伺いいたします。  耐震診断の実施率や改修率など耐震化の進捗状況について自治体ごとに公表することが是非とも必要ではないかと。それを機に住民のそれぞれでお考えをいただく、そういう機会を提供するということも大事なことであると思いますが、この点いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 安倍内閣では、教育再生を大変重要な内閣の課題として位置付けております。その原点は、やはり学校へ子供を安心して送れると。二つの面があると思います。一つは、今先生がおっしゃったハードとしての安心感、もう一つは、最低限の基礎学力と規範意識を教えてもらえるような安心できる雰囲気をつくると、この二つのことだと思います。  昨年、先生から御質問がございましたので、冬柴大臣の所管しておられる補助金も活用していただいて、今先生の御指摘のように自治体ごとの調査をしております。お約束をいたしましたように、今年の三月末までには都道府県別の状況をしっかりまとめて公表させていただきたい。公立の義務教育施設は御承知のように各自治体が造るわけですから、自治体の意識がこれによって問われるわけですので、この数字を公表して、そして今回、補正予算でも千百億の補助金を計上しておりますが、鋭意このスピードを上げていきたいと思っております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 この自治体の中には、進捗が遅れているところで度々大きな地震の被災に見舞われた県もあるわけであります。私は茨城県の生まれ育ちでありますけれども、茨城県も決して芳しい進捗率ではありません。したがいまして、これらを公表することによって住民の意識を高め、かつ行政機関の運営の意識を高めていくということが是非必要だと思います。  その上で、補正予算で先ほどお話がありましたように千百億円余りの予算が計上されているわけであります。また、十九年度本予算におきましても一千四十二億円余りの予算が計上されているわけであります。これらの予算措置によりまして、実際に耐震改修がどれぐらい進むのか、診断も含めてでありますが、どういう姿になるのかということをお答えいただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今回の補正予算では、先生が御指摘のように千百億、そしてまた十九年度予算でもほぼ同額の助成金を計上いたしておりますので、これによりまして、私たちの試算では六一%の学校は完全に新しい基準の建築基準法に適応できる状況になると思います。残りがみんな駄目なのかというと、実はそうじゃなくて、先生が御指摘のように、自治体の意識がそこまでまだ進んでおらずに調査の結果が分からないというところがあるんです。  ですから、それも含めて、今年の十八年度中というお約束をしているわけですから、十八年度中に把握をして、そして自治体にもお願いをしながら、やはり一〇〇%という状況にしていくというのが当然我々の責務だと思っております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 昨年来の論議の中で、この自治体が耐震改修促進計画というものを今年度中に作ると、これは都道府県レベルであります。いずれ市町村レベルでも作るということになっているわけでありますが、ちなみに、東京都におきましては最近その計画の素案が示されておりますが、その中で、学校施設も含めて病院など防災上重要な公共建築物、あるいは民間の特定建築物の中で大規模な百貨店、ホテル、劇場などについて平成二十七年度までに一〇〇%耐震化を目指すと、こういう素案になっているわけであります。  政府としても、学校施設以外のこれらの建築物の耐震化、これをどのように進めていくお考えか、国土交通大臣に伺いたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 災害時に拠点施設となります公共建築物や、また委員が挙げられましたようなホテルとか、そのような多数の方が常時利用される施設について、建築物について早急に耐震改修が行われることが必要である、そのような考え方から、昨年の一月に施行されました改正耐震改修促進法に基づきまして、今挙げられましたように、各都道府県は本年度末までにその進捗について計画を立てることといたしております。  政府といたしましては、特に民間の百貨店とかあるいはホテル、劇場というようなものにつきましては、この耐震改修工事を行った費用の一〇%を減価償却を特別に認めるというような方法でこれを進めているところでございますが、一般的には、平成十七年度に二十億円の予算、当初予算ですが、であったものが、本年度は百三十億、そして来年度の予算計上は百三十六億五千万ということで、大変大きな予算をその中に割いてこれの促進に努めているところでございまして、各都道府県によってその進捗には、東京都のように一〇〇%を目指そうと、二十七年ですけれども、二十七年度までに我々は九〇%をということを、あまねく全国的にそれを達成してほしいという、このようにしているわけでございますが、東京都のようなところは一〇〇%を目指されるということは誠に結構なことだと思っております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 次に、障害者自立支援に関してお尋ねをいたします。  今回の補正予算及び平成十九年度予算で、障害者自立支援法を円滑に施行するための特別対策が盛り込まれているわけであります。その柱が三つありまして、一つは利用者負担の軽減、もう一つは事業者への激変緩和措置、そして三つ目が新法へ移行するための緊急的な経過措置、例えば小規模作業所等への助成などであります。これらが盛り込まれたことは、様々な不安を抱える現場の方々に対する見通しを与えるという意味で非常に大事な施策であると大きく評価をしたいと思います。  しかし、現場でいろいろ意見に接してみますと、私は先日、障害児を抱えたお医者さんから質問を受けました。この障害者、様々な状況があると。この障害者の方々に対して福祉サービスを利用するに当たって障害程度区分を判定するんだけれども、その判定の基準、これが要介護認定と同一の手法でやれと、こう言われている。自ら医者でありながら、これを当てはめようとすると非常に違和感を感じると。我が子に対しても違和感を感じる。それぞれ障害特性というのが千差万別であります。特に自閉症のようなお子さんですと、これが要介護認定の基準が当てはまるのかいなと、現場は混乱すると思うんですね。  こういう意見があちこちに出てくる中で、やはりこの今の運用の仕方というのは不合理な面があるのではないかと思うわけでありますが、この区分判定の仕組みを見直していくべきであると私は考えますが、厚生労働大臣、いかがお考えでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者自立支援法におきまして、障害程度区分というものをかっちり決めてそれにふさわしいサービスを供給すると、こういう関係が成り立つ、そういう制度の枠組みができました。  その場合に、障害程度区分の判定というのをどうするか、これは非常に大きな問題であったわけですが、現行の制度におきましては、まず介護保険の要介護認定のいろんなメルクマール、これを採用するということを取ったわけであります。七十九項目という有名な数もあるわけですけれども、しかし、やっぱりそれだけで障害者の障害程度区分を認定するわけにもいかないということで、特に精神あるいは知的な障害のある方に向けまして二十七項目を追加して、合計百六項目で調査をすると、こういうことに決まったわけでございます。  実態はどうかといいますと、二次判定というものが行われ、一次判定のコンピューターのその認定、判定に対して、二次判定が行われたことによって障害の程度の区分が変わるわけですね。変わった、まあ重い方に変わるということが大半ですが、それがどういう状況かというと、知的障害、精神障害のある人は二次判定で四割変わった。一次の判定から四割変わった。片や、身体障害の方は二割しか変わらなかったと。  こういうようなことがあって、追加した二十七項目がそれなりに機能しているということもまあ言い得るかと思うんですが、今先生御指摘のように、そもそもがこの要介護度の認定を第一次的にせよ使用することが果たしてどうか、全体がどうかということは確かに問題として我々も考えておりまして、今後、それぞれの障害特性をより一層反映できる仕組みとしたいと、このようなことで見直しを検討していくことといたしております。  各関係者がどのような課題を認識しているかを十分にこれからお伺いして整理をしてまいりたいと、このように考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 是非見直しに当たってきめ細かくやっていただきたいと思います。  さて次に、地域の活性化、地域再生について総理にお伺いしたいと思います。  新経済成長戦略の下、地域再生、地域活性化のために様々な施策が盛り込まれているわけであります。中小企業の支援策もあれば、あるいは農林水産業の振興策もございます。さらにはまた、広域的な活性化のための基盤整備というような事業も予定をされているわけであります。既存の制度も含めて、新しい制度も含めて、これらを総合的に実施していくということが地域格差を是正していく大きな力になると私は確信をしているわけでありますが、しかし、これ使う側の自治体あるいは地域から見て、この国の諸制度というものがそれぞれの所管官庁で縦割りになっていて、自分たちにとってどう使うのが一番いいのかと、こういう視点で果たして情報提供がなされているのかどうかというところ、ここは疑問なしといたしません。特に、様々な施策をある地域でこれを重ね合わして集中的にやることによって大きな効果が生まれるということもあり得るわけですね。  その意味で、私は内閣府の中にこの総合性を配慮した考え方があると伺っておりますけれども、その後、税制、予算、そして法律、これが間もなく全部まとまろうという段階でありますから、私、やっぱり総合的な一覧性のある情報提供の仕組みをつくって、それを積極的に自治体あるいは民間あるいはそれぞれの広域的な地域に提供して、これを促していく必要があると考えるわけであります。さらに、今度は地域の側からどこか相談に行きたいというようなときに、これを相談窓口でワンストップでいろいろ情報提供がなされると、こういうこともやっていくべきだろうと思いますが、総理、この地域活性化のためにどのような展望をお持ちでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方の活力なくして国の活力はないというのが安倍内閣の基本的な姿勢でございます。正に山口先生が御指摘のとおりだろうと、このように思うわけでありますが、一昨日、秋田県に視察に行ってまいりました。金田勝年理事にもずっと御同行をいただいたわけでございますが、頑張っている商店街、そしてまた、あるいは担い手として秋田県の強さを生かしながら農業に取り組んでいる方々、あるいは法人をつくって仲間たちと一緒に新たな農業に取り組んでいる方々のお話を伺いました。また、秋田の優れた地場産品の一つであるお酒を世界に発信をしている方からもお話を伺ったわけでございますが、こうした方々の取組を伺ってみますと、やはり一つ一つの縦割りではとても対応できないというか、やはり総合的な取組が必要であるということを改めて感じたような次第であります。  例えば、商店街においては、この大曲の花火大会を何とか生かせないか、これを生かして商店街の活性化に結び付けたい。あるいは、あきたこまちを活用したせんべいを作ったりとかして、そういうものを地場産品として生かして、それを売り物にまた商店街の活性化を図りたい。あるいは、農業においては、新たな取組をしておられる方々がその取組に対して国がどういう支援をしようとしているのか、そういうことを知りたい。あるいはまた、リンドウ等の花卉についてはこれは輸出も考えている、それについてはどういうこれは国についての支援や案があるのか。こういういろいろな意見も伺ってきたわけでありますが、国の言わばお役所仕事の悪い点は二つあって、一つは縦割りになっている、もう一つは、政策を考えて、これをやろうということを考えれば、あとは国民が、住民がみんなが聞きに来るのが当たり前だというところがやはりあるんだろうと、このように思うわけでありまして、そういう点から、やはり親切に丁寧に、そして省を超えて全体的にこれをやりたいということであれば、その方向に向かってどういう施策があるのかということを発信をしていくことが私は大切であろうと、このように思います。  国の支援策や地域活性化の成功例、失敗例は全国にあるわけでありまして、こういう取組をすればうまくいく、こういうパターンにはまればなかなかうまくいかないということも知り得る、そういう我々情報を出していきたいと、こう思います。  予算や税制、法案なども含めて、政府の地域活性化策の全体像を取りまとめて、明日公表することを予定をいたしております。  具体的には、インターネットを活用した地域活性化総合情報サイトを開設をし、各種施策やこれまでの取組事例を容易に検索できるシステムを整備いたします。そしてまた、地域活性化総合相談窓口を設置をして、地域からの相談にワンストップで対応できるようにしてまいります。そしてまた、先ほど申し上げました成功・失敗事例や支援策によく通じた専門家が出向いていって、地域の人々と一緒に具体策を探る地域活性化応援隊の派遣制度をつくって、派遣制度によって地域が使いやすいように支援策等の情報を充実させていかなければならないと、こう考えています。  既に一月二十九日に熊本市におきまして、この地域活性化応援隊については実験的に実施をいたしました。そして、二月九日には仙台市で実験的に実施をする予定でありまして、来年度から本格的に全国展開をしていきたいと。地域のやる気を我々はしっかりと支援をしていくんだというメッセージを強く発信をしていきたいと考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 是非その心意気で頑張っていただきたいと思うわけであります。そして、自治体の中には関心の強いところとそうでもないところとやっぱり差があるわけでありまして、その弱いところ、少ないところ、そこを特に促すようなこともお考えいただきたいと思います。  次に、大都市地域における大気環境保全についてお伺いしたいと思います。  昨年三月三十一日に、大都市地域における大気環境の保全に関する政策評価が発表されました。それによりますと、一部の交差点等の周辺地域では長期にわたり大気環境基準が達成されていないという評価とともに、もう一つ、二酸化窒素の大気環境濃度について、対策地域において特別措置法施行後十三年を経過しているにもかかわらず著しい改善が見られないとの評価結果となっているわけであります。これは非常に残念なことでありまして、大都市に住む住民の一人として何とか是正をしていただきたいと思います。  私は、平成十四年にこれらの問題について内閣委員会で質問したこともございました。私の住むところは葛飾区でありますけれども、周辺には日光街道、水戸街道、それから首都高荒川線、環状七号線等々が集中しているところでありまして、地元医師会の方々によりますと、とりわけこの地域は他と比べて小児ぜんそくやあるいは老人のぜんそく患者が多いんですと、こういう御指摘もかねてからいただいているところであります。  かつて私は、名古屋の小牧から入間まで自衛隊機で飛行させていただいたことがありましたけれども、東海道に沿って、快晴のすばらしい天気であったにもかかわらず、上空から見ますと灰色のベールに包まれたように空気が汚染されているんですね。伊豆半島の南端あるいは静岡、長野方面、山沿いに行くに従ってその煙、曇りは晴れていくわけでありまして、いかにこの幹線道路、鉄道等、産業等の集中しているところが大気が汚れているかということが分かるわけですね。入間に降り立ちました。そうすると、地上から見るともう一天雲一つない快晴なんですね。地上にいる人からはそれが分からない。しかし、上空や遠方から見ればはっきりとそれが分かる。そういう中で暮らす人というのはなかなか不安を抱えて大変だろうと思います。  そうした中で、環境省として、自動車のNOx・PM法の改正案、検討中であると伺っておりますけれども、これをどのような方針でこれを検討されるのか。特に環境基準の面で、粒子状物質、PMと言われる粒子状物質の規制、これが現行千分の十ミリの規制になっているわけですね。しかし、アメリカやEUではもう千分の二・五ミリというふうに厳しい基準になっているわけであります。ここで、大気に放出される排ガスの気体の部分だけではなくて、すすという固体も出ているわけですね。また、道路交通によってアスファルトの道路も削られて、これも度々改修するわけです。タイヤがすり減ります。この道路の削りかす、タイヤの削りかす、これも固体なんですね。それがどこかに消えてしまうことはあり得ないわけであります。ですから、この粒子状物質の規制というものをやっぱりきめ細かくやる必要があると、こう思うわけであります。  あわせて、その小児ぜんそくの罹患率の改善など、疫学調査と関連させた政策目標、こういうものも是非私は設定していただきたいと思うわけでありますが、環境大臣、どうお考えでしょうか。

若林正俊自由民主党環境大臣

○国務大臣(若林正俊君) 山口委員には、かねて公害対策、とりわけ大都市圏における大気汚染の問題に積極的に取り組んでいただき、幾つかの具体的な提言もいただいてまいりました。心から敬意を表しつつ御質問にお答えしたいと思います。  大気環境は、今御指摘ございましたように、なおなお問題を残しつつも全体としては着実に改善をしているというふうに考えております。しかしながら、自動車交通量の多い今お話にございました交差点など一部の地域においては、大気環境基準をなお達成していない局地的な汚染地域がございますし、幹線道路周辺、沿道部分というのは、なおもその環境状況は決していいわけではございません。このような地域について、現在の、現行法の車種規制の及ばない対象地域、及ばない地域外からの流入車の問題などもございまして、その影響は非常になお大きいものと考えております。  そういう意味で、御指摘ございましたように、自動車NOx・PM法の改正の検討も含めまして、ただいま一層この規制の強化、対策の強化を図っていくということで検討を続けておりまして、この通常国会にNOx・PM法の改正を含めた新しい対策を打ち出して御議論をいただきたいと、こんな思いでいるところでございます。  その際には当然、お話ございました窒素酸化物の、粒子状物質規制というものについて、お話のような基準の強化も含めまして積極的な取組が必要だというふうに考えております。  なお、幹線道路沿道におきます健康との関係でございます。この健康影響との関係はいろいろな形で指摘を受けておりますが、なお科学的な知見としては十分ではないと。そこで、国会におきましても決議をいただいて、早急に、早期にこの調査を実施しろという注文をいただきました。また、御承知のように東京ではこの大気汚染にかかわる訴訟も提起されておりまして、この訴訟への対応も早急な決着を図る必要があるということがあると思っております。  そこで、環境省としては、平成十七年には小学校の児童を対象として健康との関係の調査に着手しておりますし、十八年からは幼児、一歳六か月、更に三歳児健診の際の幼児の健康とこの大気汚染との関係、そういう一定の汚染の地域、汚染が予想されている地域におきますそれらの児童あるいは幼児についての追跡調査に着手をいたしております。今年からは、今度は成人に対して、成人調査について少し踏み込んだ疫学調査をいたします。それら全体の調査は、一応我々はそらプロジェクトと、こう言っておりまして、幼児調査については、幼児の御父兄約十万人を相手に協力の要請をして、調査票を配付して回収をすると。小学生については、失礼、小学生について一万六千人を対象にやると。それから、幼児については十万人程度の幼児調査を実施するということで今実施をしているところでございます。  そういう調査を、科学的な、疫学的な調査を通じて、大気汚染と健康、とりわけ呼吸器との関係、幼児あるいは老人についての呼吸器障害との関係を検証をしながら、この大気汚染対策については更に一層の強化を図っていく必要があると、そういう認識でおりまして、国土交通省、経済産業省など関係省庁との間で協議を続けているところでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 大臣からも言及がありましたが、東京大気汚染訴訟の控訴審で今和解の試みがなされていると言われておるわけであります。私が平成十四年に質問したときも、地裁の判決で敗訴判決、国が受けた直後でありました。  私は、この控訴審の和解協議の中で、東京都は和解に応じる、つまり治療費等の支払に応じると、そういう救済の枠組みを提案しているわけですね。メーカーも、自動車メーカーの側もこれに協力するという意向が報道されているわけであります。メーカーとしても、この因果関係が定かでない状況でこの金銭補償を含めた和解に応じるということはじくじたる思いもあると思いますよ。あると思いますけれども、それに応じようという姿勢を持っていると、こういうわけであります。  国がかたくなにこの因果関係の明確さを主張してこの和解に応じない。一定の努力をしようという姿勢は評価したいと思いますけれども、最終的なこの東京都やメーカーが努力をしようというところに国が応じないで和解が崩れたと、こういうことになれば、私は、都民のみならず国民全体の批判を免れないと思います。  そして、個別の補償をすることを、個々に補償することというのは原則的に避けるべきかもしれません。しかし、この裁判の和解の場を通じて一般的な補償、救済策の枠組みをつくっていく、形成していくと、こういうこともやっぱり国としては考慮してしかるべきだと思うんですね。  環境大臣、どう考えますか。

若林正俊自由民主党環境大臣

○国務大臣(若林正俊君) 今御指摘ございましたように、この訴訟は既に十年以上が経過しておりますし、原告団の中には訴訟の解決を待たずに亡くなられている方も多数いるものと承知いたしております。  東京高等裁判所の方からは、結審に当たりまして、和解について、その可能性を、どうだという、話合いをすることができるかということがサジェスチョンされまして、関係省庁と相談の上、この解決点を探るべく原告との話合いを進めていくという方針を過日決めたところでありまして、東京高等裁判所にもその旨をお伝えをいたしております。この解決に当たっては、真摯にこの高等裁判所の意向を受け止めまして、いたずらに訴訟を長引かせるというようなことにならないように誠意を持って対応していきたいと、このように考えております。  ただ、今後、詳細については、訴訟のことでもあり、現段階で御説明することはできませんけれども、環境省として、あるいは政府としてできますことは、自動車排ガス規制などの公害防止対策という観点でございまして、その意味で、先ほどお話ししましたようなNOx・PM法の改正を含みます大気汚染対策というものについて、原告側がいろいろとお話をしております、提起しておりますそういう問題をしっかりと受け止めまして、今後こういう面で何ができるかということについて、原告の御要望や裁判所の意向を踏まえて訴訟解決に向けて最大限の努力をしていきたいと、こう考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 何か今の御答弁ですと環境省だけの判断では応じ切れないような含みを感じましたけれども、私は、だからこそ、平成十四年のときは福田官房長官に総合的な視野からの、国として、政府としての解決策の努力をお願いをしたわけであります。是非総理もこの点をお含みおきいただいて、御努力、御配慮をいただきたいと思います。  続いて、総理にお伺いいたしますけれども、昨年の訪中、そして東アジア・サミットの二回目の開催等を通じて、この外交的な局面を大きく転回をされたということ、高く評価をしたいと思います。  そこで伺いますけれども、この先般の訪中の際の日中共同プレス発表の中で、双方は、日中双方は、政治、経済、安全保障、社会、文化等の分野における各レベルでの交流と協力を促進することで意見の一致を見たと。そして、具体的な項目として、エネルギー、環境保護、金融、情報通信技術、知的財産権保護等の分野を重点として互恵協力を強化すると、こういうことでうたっていらっしゃいます。そしてさらに、日中双方は、東アジア地域協力、日中韓協力における協調を強化し、東アジアの一体化のプロセスをともに推進することを確認したというふうになっているわけですね。正にこのアジア、東アジアにおける日中の役割というのは極めて大きいものがあると思います。そして、今年一月には東アジア・サミットが開かれ、特にエネルギー問題について集中的な検討、議論がなされたわけであります。  私は、将来、この東アジア共同体の形成を見据えた上で、まず緊急を要する課題であるこの環境、エネルギー問題に関して検討する国際機関のようなものをつくって、ここで個別分野として議論を重ねて、将来の東アジア共同体の形成の一里塚とすべきであると、こう展望するわけであります。  酸性雨対策あるいは海域の環境対策、環境保護のための人材育成など、これまでもこのASEANプラス3の環境大臣の会合等で議論が重ねられてきているわけでありますが、是非この際、東アジアの環境開発機構のような国際機関をつくって、これを一元的に総合的、効果的な議論ができるようなものをつくっていくべきであると、こう思うわけであります。そうした折に日本と中国、あるいは韓国も加えて、この国々がリーダーシップを取っていくべきであると思うわけでありますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、東アジア共同体を見据えながら、多国間あるいは二国間で、この環境、エネルギー分野だけではなくて、様々な分野の協力、連携が進んでいるわけでございまして、先般開催されましたセブ島における東アジア・サミットにおきましてもエネルギーと環境分野が大きなテーマになりました。  その中で、特に日本がこの分野で高い技術を有している、それはもう共通の認識でありまして、その共通の認識であったからこそ、このエネルギー、環境のセッションにおいては是非日本が最初にキックオフのスピーチをしてもらって、それを基にみんなで議論しよう、このようにアロヨ議長が提案され、私が、日本がまず包括的なイニシアチブを表明するということで最初にスピーチをいたしたような次第でございまして、それに対しまして各国は基本的に支持を表明をしてくれたわけであります。  この東アジア・サミットにおきましても、そうした議論を通じまして、地球温暖化問題に対処するために、クリーンな技術の開発促進、そして省エネ目標の設定、バイオ燃料の利用促進等を内容とする東アジアのエネルギー安全保障に関するセブ宣言が採択されたわけでございます。この採択に当たりましては、先ほど申し上げましたように、日本のこの包括的なイニシアチブについても十分に議論をされ、それも取り上げられたということではないかと、このように思うわけでございます。  御指摘のエネルギー問題や環境問題に対処するための機構の設置についてでありますが、現在のところまだ、残念ながら、その機運は盛り上がっている状況ではないわけでございますが、しかし、このエネルギーや環境というのは一国で解決できずに多国間の協力が必要であるというのはもう紛れもない事実であって、そういう分野は本当に各国の共通の利益があるわけでありますから、お互いに協力をしていくことによって現実的にすぐにその協力の成果が上がってくる、認識できる分野ではないかと思います。それがまた喫緊の課題であるということ、これは喫緊の課題であるということは十分に認識をしております。  今後とも、日本が最高水準にあるエネルギーと環境の技術を活用いたしまして、中国を始めとしてこのアジアの国々に対して貢献できるよう様々な可能性を模索をしながら各国と連携を強化をしていきたいと、このように考えております。

山口那津男公明党

○山口那津男君 この東アジアの国々の国益の共通するところについて、是非強力に推進を図っていただきたいと思います。  また、続いて総理に伺いますが、先般、中国が人工衛星破壊実験を行ったと。これに関して、我が党の草川議員から本会議で質問等がなされたところであります。  ところで、我が国は弾道ミサイル防衛システムの整備を推進しつつあるわけでありますが、この弾道ミサイル発射を認知するシステム、そしてこれ防御するシステムというのは不可欠、この認知するシステムというのが不可欠の前提になるわけであります。低軌道で偵察衛星を飛ばすとか、あるいは高軌道で早期警戒衛星を飛ばすとか、そういう一般的な構想があるわけですね。もしこれらの人工衛星を破壊する能力を持つとしたら、これは、この弾道ミサイル防衛システムというのは機能不全に陥る可能性があるわけでありまして、これは正に我が国の国益に直結することでもあるわけであります。したがいまして、我が国としてもこれらに対する認識というものをきちんと持った上でこれから対処していかなければならないと思います。  その際、宇宙が軍事的に利用される、あるいはその競争の場となることは絶対に避けるべきでありまして、この軍事利用を制限していくと、そういう方向で国際ルールを作り、またそういう枠組みを作っていく必要がある、正にそこに安倍総理がリーダーシップを取るべきであると私は思うわけでありますが、お考えを伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、御質問は二点あったと思うわけでありますが、まず一点でございますが、米国のこの早期警戒衛星から得られる早期警戒情報は、弾道ミサイルへの対処により万全を期すために有益なものでございます。そういう意味におきましては、このもし衛星が破壊されたら大丈夫かという恐らく御心配もあるのだろうと、それは当然のことだろうと思うわけでありますが、しかしながら、この早期警戒情報がなければ必ずしも我が国のBMDシステムの運用ができないわけではなくて、我が国独自のレーダー網により我が国に飛来する弾道ミサイルの探知、追尾を行うことは可能であり、システムが機能不全に陥ることはないと、このように認識をしております。  そして、それと同時にもう一点、こうした衛星の破壊についての問題点、それについて更に軍拡に結び付けないための努力、それを日本がすべきだという御指摘でございますが、我が国としては、宇宙空間において国際法に合致しない形で衛星を破壊する行為や、宇宙空間における軍備競争が行われることがないように、様々な国際的な場での議論に積極的に参加をしていく考えでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 厚生労働大臣に伺いますが、高額療養費の自己負担限度額が設定されているわけでありますけれども、ここで多数該当、高額療養費を何度も何度も使うという方いらっしゃるわけでありますが、その場合に、同一保険者の場合は四回目から軽減されるという制度がつくられているわけであります。  しかし、これから団塊の世代が退職の時代を迎えます。扶養家族も含めると相当な人数、年間百万人から百五十万人ぐらい退職されていくわけでありまして、その中にこの高額療養費の対象になる方も大勢いらっしゃると思うんですね。ところが、保険者が異動した場合はこの軽減措置が適用されないというのが現状だろうと思います。しかし、その大量退職時代を考えますと保険者が異動することは明らかでありまして、今、レセプトを整える、そういう仕組みというのは五年後を目指しているわけでありますから、その間是非この手当てをする必要があると。  私は、このレセプト整う間であってもいろんな工夫の余地はあるだろうと思うんですね。本人の申請によって事実を確認した上で行うと、調整を行うということも不可能ではないと思っております。これについてのお考えをお伺いしたいと思います。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 手短にお答えください。柳澤厚生労働大臣。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 高額療養費につきましては自己負担限度額というものが設けられておりますが、今先生御指摘のように、それは保険者ごとであるということでございます。したがって、一年間でしたか、三回以上、高額療養費の場合には四回目からはまた更に減額されるということがありますが、その間、保険者が変わったという場合にどうするかという問題、確かに御指摘のとおりあるわけでございます。ただ、これを簡単にそういう処理ができるかというと、なかなかそういうふうにはまいらないと、こういうことがございます。  確かに、利用者というか患者さんから見ますと、同じようにお医者さん、同じお医者さんに今まで三回通って四回目じゃないかということなんですが、その間に保険者が変わるということになりますと、保険者機能というものを非常に我々強調させていただいていることもございます、保険者ごとによく財政をコントロールしてくださいということも申しておることもございまして、今のところは自動的にそれが通算されるということにはなっていないと。  これをどうするかという問題、確かに御指摘のとおりでございますが、いろんな問題、保険者の事務負担の問題、保険財政に与える影響等についても併せてよく考慮いたしまして、今後検討をしていきたいということでございます。

山口那津男公明党

○山口那津男君 時間が参っておりますけれども、次の渡辺孝男議員がドクターヘリについて質問するわけでありますが、くくりといたしまして、東京都が救急ヘリを今年度用意することにいたしております。  この東京都の特色は、他県では消防機関は市町村単位であるため、東京消防庁のようにヘリを数多く保有し、全圏域をカバーできる状況にはないと、そこに東京都の独自性があると言っているわけであります。二十四時間運航が可能であると、それから航続距離が長い、つまり大型、中型のヘリを持っているので、島嶼の、島々ですね、対応が可能であると、また防災ヘリとして災害時にも活動できる汎用性もあると、複数台所有により安定的な運用が可能であると。こういう東京都は独自の優れたシステムなんだと、こう言っているわけでありますが、これはまあある意味で理想であります。しかし、全国の自治体、なかなかこうはいきません。  したがって、この東京都のような制度を完備することはこれからの目標であるとしても、やはりこれからの質問に出てくるようなドクターヘリの制度、これを是非とも早急に整える必要があると、こう申し上げまして質問を終わります。  ありがとうございました。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で山口那津男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。山口委員に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、ドクターヘリのお話が出ましたので、最初にドクターヘリの質問をさせていただきます。  救急医療の機器を搭載し、搭載したヘリコプターに医師が乗り、重症救急患者として出動要請から約三分で離陸し、五十キロメートルの距離を約十五分で救急現場に駆け付け、そして現場到着と同時に医師が救急医療を開始し、救命救急センターあるいは高度な専門の病院に治療をしながら搬送をすると、いわゆるドクターヘリは救急医療の切り札的存在であります。ドイツでは既に三十年前からドクターヘリを導入しておりまして、交通事故による死亡者を三分の一に減らしたという、そういう実績がございます。日本も諸外国の事例に学び、このドクターヘリを導入、推進を図っているわけですけれども、残念ながらまだ十分とは言えないと私は考えております。  そこで、まず政府が進めているドクターヘリの事業の現状と今後の普及について、柳澤厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ドクターヘリにつきましては、平成十三年度以降、都道府県に対して導入促進事業として運営費を補助しているところでございます。運営費と申しましても、結局リース事業でございますので、最初の初期投資の費用も併せて払っていると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。  平成十八年度までに十都道府県で十機が就航しておりまして、その搬送実績も着実に増加しているということでございます。もちろん非常に例外的に進んでいるところもありますが、私の地元の静岡県も東西に二機持ってこれが活躍していると、こういう状況でございます。  ドクターヘリによる救急搬送は、ケースによって救命率の向上や後遺症の軽減に大きな成果を上げていることは先生御指摘のとおりでございます。厚生労働省といたしましては、今後、与党におきます法制化の御議論を踏まえつつ、都道府県と連携しながらその普及に努めてまいりたいと思っておりますが、現段階では予算措置で促進を図っているという状況でございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 ドクターヘリ事業を最初導入したときには五年間で三十機の運航を目指すということでございましたが、残念ながら今の御報告ですとそこに至ってないということでありますが、その原因につきまして厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、御指摘のとおり、五か年で三十機というようなことを申したこともあるわけですけれども、これはある意味で、ヘリコプターの飛行範囲内、範囲円あるいは範囲圏というものを基にしまして全国をカバーしたとしたらどのくらいの機数が必要かというようなことで、あえて申しますと試算をしたものというふうに理解をいたしております。  もちろん、これではならないわけでございまして、今回、医療法の改正によりまして医療計画を作るわけですが、その基本方針というようなものをこの計画を作るに当たって出しておりますが、その方針、計画にもこれを盛り込むということを予定いたしております。  ドクターヘリ導入促進事業につきましては、各都道府県が救急医療体制の整備を図る中でそれぞれの地域における救急搬送体制の実情を踏まえて実施すべきものであるというふうに考えておりますので、都道府県イニシアティブの考え方を取っておりまして現状このようになっているというふうに承知をしている次第でございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 次に、総理にお伺いしたいんですが、私は、先進諸国で、やはり航空医療というのが進んでおりまして、ドクターヘリも非常に運航されておると、そして地域の住民の重症な救急の場合にはヘリコプターを活用して救急医療をやっておるわけであります。日本は大変後れているという状況でございますんで、総理がどのように現在そのことを認識されているのか、また今後どのようにお取り組みになるのか、その点をお伺いをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるこの救急医療、また救急救命については、やはりいかに短い時間で対応できるか、よく、脳出血や心筋梗塞等は最初の三時間が必要であって、そこに適切な処置をすれば救命もできるし、また深刻な後遺症をなるべく残さないようにできると、このように言われておりまして、日本としても医療体制として救急救命体制のこの整備を進めているわけでありますが、その中でやはりこのドクターヘリの果たしている役割は大きいだろうと思います。導入したところでは顕著な成果が上がっているということも私も承知をしているわけであります。  我が国は、歴史的に今まで陸路での患者さんの搬送ということに主眼があったものでありますから、今まで余り進んでいなかったわけでありますが、先ほど厚労大臣から御説明をしたように、着実に一応前進はしているわけでありますが、顕著な今まで成果があったということも踏まえながら、また、今先生が与党のこの法制化のチームの座長代理をしておられて法制化についても御議論がなされているということも承知をしておりますが、法制化の議論も我々踏まえながら、この普及に更に努力をしてまいりたいと思います。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 関連しまして、夜間、民間のヘリコプターを使ったドクターヘリではなかなか夜間はできないということでありまして、先ほど東京都の取組についてお話ございましたが、東京都の方は夜間を飛べるヘリコプターを持っているということでございますけれども、万一のときにはやはり夜間も飛ばなければいけないんじゃないかと、そのように考えているところであります。  この点につきまして、夜間運航をどのように進めていくのか、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 別段、現在のドクターヘリの補助事業につきまして補助要件のような形で規制を一切設けているわけではございません。ただ、一般的に、例えば実際にその運航をしているヘリコプター会社等の実施規則におきましては、基本的に原則として昼間であることということの下で運用がなされているということで、そういったことを反映してほとんどは日中に限られているというふうに承知をいたしているわけであります。  ただ、運輸省の技術部運航課長の要領細則におきましては、さすがに人命救助の場合にあっては、離着陸を安全に行うということが可能であると判断した場合はこの限りではないということもございますので、我々としては、安全性を確保すること、あるいは地域の理解をいただくことなどを前提にして、今後適切に行っていく必要があると、このように考えておるわけでございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 どうしても夜間でヘリコプターを使った救急が必要になるというときにはやはり自衛隊の方々に御協力をいただくことがあると思うんですね。その点、協力をよろしくお願いしたいわけですけれども、久間防衛大臣の方から、その点についてお伺いをしたいと思います。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 従来から自衛隊法八十三条の災害派遣の一環としまして、都道府県知事からの要請等がありました場合にはヘリコプターで輸送しております。  主として離島間のケースが多うございまして、鹿児島、沖縄、あるいはうちの長崎、それから島根、こういったところでの実績が多うございます。自衛隊の場合は、夜間の輸送もやむを得ないということでやっておりまして、十七年度で六百九件のうち二百六十九件が夜間輸送を行っております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 自衛隊の皆さんにも大変協力をいただいてそういう大事な人命を救っていきたいと、そのように考えております。ドクターヘリのことにつきましては、先ほどもお触れいただきましたけれども、与党で法案を作っておりまして、全国配備を早く進めたいということでございますので、この法案成立いたしましたら、また政府の方でもより以上に推進を図っていただきたいと、そのように思います。  関連で、離島の方に巡回ヘリを、巡回診療のためのヘリコプターを使うというような事業も考えられておられるということでございますので、実績については時間の関係で省きますけれども、その点について厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 救急医療ではなくて、無医地区等を対象にして巡回診療にヘリコプターを活用したらどうかという御提案でございます。  現在のところは船舶であるとか自動車で実施されているものでございますけれども、やはりこの点、確かに先生御指摘の面があろうかと思います。平成十九年度からは民間のヘリコプターを活用した巡回診療体制を整備する事業を創設することといたしておりまして、これによりまして離島地域住民への医療提供体制の充実を図っていきたいと、このように考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 やはり地域では医師不足等がございまして、どうしても救急医療等に不十分なところございますので、そういうのを補うためにドクターヘリが必要だと、また、医師を恒常的に派遣をするために、時間のロスを少なくするということで巡回ヘリというものが離島等では大変重要だと思いますので、これは真剣に取り組んでいただきたい、そのように思います。  時間の関係上少し省きますけれども、地域医療を担う医師のことについて質問をさせていただきますが、私、北海道とか東北回っておりますけれども、本当に医師不足、大変深刻でございまして、行く地域地域で、必ずこのことを進めていただきたいと、そういう強い要請をいただいております。  この点に関しまして、どのように政府として取り組んでいるのか、安倍総理の方にまず御所見をいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、地域によって医師が不足をしている、特にへき地、地方がそうであります。また、科目によって、産科、また小児科、そうした診療科の医師が不足をしている、言わばこういった偏在があるわけでございまして、ある意味では少子化対策を進めていく上においては大変大きな問題であると、このように認識をしておりますし、また、地域の皆さんが安心して生活をしていく上においても、こうした医師の偏在、地域に医師が不足をしているというのは問題であると、こう認識をいたしております。現在、都道府県を中心に総合的な医師確保対策を進めています。  今回のこの補正予算と本予算案におきましても、この対策を具体的に進めるために、医師が集まる拠点病院の整備、そして医師を派遣する病院等への助成、また、先ほど申し上げました、特に産科、小児科というのは元々女性の医師が大変多かった分野でありますが、女性医師の就業支援を始め各般にわたる取組を推進をし、安心できる地域医療の確立に全力を尽くしてまいります。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 じゃ、最後に一言。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っておりますので、おまとめください。渡辺孝男君。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 はい。  やはり勤務医の方が大変疲弊をしているということでありまして、勤務医の待遇を改善していただけるように、また看護師不足も大変深刻でございますので、そういうスタッフを十分に確保していただきたいということであります。それから、やはり診療報酬でも、地域で医療を担っている方々の方に少しやはり重めに配慮していただきたい。それから、ドクターバンク、今推進をしているわけでありますが、この機能が本当に充実されるように真剣に取り組んでいただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の委員の御出席が得られません。  出席の要請をいたさせますので、しばらくお待ちください。  速記を止めてください。    〔午後一時速記中止〕    〔午後一時十分速記開始〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。  民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の委員の皆様に御出席の要請をいたしましたが、御出席を得られません。やむを得ず議事を進めます。  平成十八年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日午後は、締めくくり質疑を三十分行うこととし、質疑は往復方式で行い、割当て時間は、公明党三十分でございます。     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 休憩前に引き続き、平成十八年度補正予算三案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑を行います。澤雄二君。

澤雄二公明党

○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。  安倍総理には初めて質問をさせていただきます。よろしくどうぞお願いを申し上げます。  今日は、新型インフルエンザについて絞って質問をさせていただきたいと思います。  この新型インフルエンザにつきましては、実は去年三月の予算委員会でも一時間にわたって質問をさせていただきました。この一年間、およそ一年間の間に世論の認識も相当深まりましたし、政府の対応もすごく進んだというふうに認識はしております。しかし、国民を守るためにはまだまだ至っていないというふうに思っております。折に触れて、この予算委員会でもまた質問をさせていただきたいと思っております。  最初に、質問する前に申し上げたいのは、前回も申し上げましたけれども、この質問は単に国民の不安を助長するためにするものではございません。父親として家族を守るために、国会議員として国民を守るために、客観的な事実と具体的な数字に基づいて最悪の事態を回避するために冷静に質問をしたいと思っております。どうかよろしくお願いを申し上げます。  最初に、皆様お手元にお配りをしている写真をごらんいただきたいと思います。(資料提示)  これは、いわゆる鳥インフルエンザに感染をしたベトナムの青年の写真でございます。この写真を見ただけで、一目で分かります。つまり、今までのインフルエンザとは全く違う症状であります。したがいまして、この新型については、インフルエンザ対策だと思って対応を考えると間違えるということでございます。  皆様もう御存じだと思いますが、少し説明をさせていただきますが、今までのインフルエンザは、弱毒性といいまして呼吸器にしか感染をしませんでした。これからやってくるであろうと言われている新型インフルエンザは、強毒性のH5N1というウイルスでございます。これは強毒性でありまして、血流を通って全身に感染をします。さらに、過剰な生体防御反応というのを起こしまして多臓器不全に陥ります。ですから、インフルエンザが治ったとしても脳障害その他が残るといって大変心配をされているものでございます。  それから、これは人が、まだ人類が経験をしていないウイルスでございますので、体験をしていないということは免疫力がない、免疫力がないということは感染率が非常に高いと心配されています。厚生労働省の行動計画でも、二五%、対応がうまくいかなければ五〇%以上になるという試算もございます。また、致死率も非常に高いと心配をされています。去年の三月に鳥インフルエンザに感染した人の致死率は五三%でした。今現在七八%まで致死率が上がっています。厚生労働省の行動計画の予測では、二千五百万人が罹患をして、最大六十四万人が最初の一年間で死亡するというふうに見られています。  これ、おととしの十一月、ヒアリングを聞いたときに、えっ、二千五百万人が罹患をして六十四万人が死ぬの。これは確率の問題だと思っていました。ですから、最後に質問をしました、厚労省に。この確率はどれぐらいの可能性があって来るんですかと質問をした。そしたら、そのときに厚労省のヒアリングの説明で来られた方は、一〇〇%来ますとおっしゃいました。つまり、鳥インフルエンザ、今世界に蔓延をしておりますが、この鳥インフルエンザが防げなかったということは必然的にヒト型がもう現れるということでございます。  で、六十四万人死亡でございますけれども、これは人的被害だけではなくて、経済的にもすごく大きな被害が想定をされています。日本だけでいいますと、第一生命の総合研究所というところが、最初の一年間でGDPを四・二%引き下げて二十兆円の被害が出るだろうというふうに予測をしております。  この新型インフルエンザ、ではいつ人類に手向かってくるのかということでございますが、もうWHOも世界の学者も一様に今言っております。導火線に火が付いた、いつ起きてもおかしくはないというふうに警告をしております。  そこで、日本でありますが、依然として日本の対策は公衆衛生レベルで、厚生労働省が対策の中心であります。欧米はどうなっているか。アメリカは二年前にブッシュ大統領が既にもう陣頭指揮を執っております。アメリカ、ヨーロッパの各国は、強力なリーダーシップの下で国の危機管理対策、安全保障レベルで対応が行われています。日本も一刻も早くそういう対応にすべきだと私は思っております。今日はこの視点で質問をさせていただきたいというふうに思っております。  今、写真を見て分かりますけれども、人工呼吸器を二人とも付けています。ブッシュ大統領はこの写真を最初に見せられたときに、我が国の人工呼吸器の数は足りているのかということを質問して、現状を聞いて直ちにその場で十万器を増産するようにということを指示したという、これはエピソードでありますが、残っております。そういう視点で、是非とも総理大臣の強力なリーダーシップでこの対策をやっていただきたい、そういう視点で質問をさせていただきます。  最初に、厚生労働大臣に伺います。  高病原性、いわゆる鳥インフルエンザでの今世界での発生状況について教えてください。特に、インドネシアがどうなっているか、詳しく教えていただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 高病原性鳥インフルエンザ、いわゆるH5N1につきまして現在の状況を申し上げますと、WHOの公表によりますと、平成十五年、二〇〇三年十一月以降に限って申し上げますと、高病原性鳥インフルエンザ、H5N1亜型の患者の発生状況は、本年二月四日現在、発生国が十一か国、患者数は二百七十一人、そのうち死亡者数が百六十五人となっております。  なお、御指摘のインドネシアにおきましては、平成十七年、二〇〇五年より断続的な患者の発生がありまして、本年二月四日現在、累積患者数は八十一人、そのうち死者数が六十三人となっております。

澤雄二公明党

○澤雄二君 インドネシアでは非常に深刻な被害が出ているわけでございますが、特に今年になってからも死者の数が増えていると思います。それも、十代、二十代、三十代という若い世代が死者の数が増えているという状況だというふうに思います。これは確認はできていませんが、アメリカの企業は撤退準備を始めたというような話もあります。  それで、続いて厚生労働大臣に伺いますが、これは危機管理の時点で総理にもその後質問をいたしますので、一緒に聞いていただきたいというふうに思います。  去年の九月、内閣官房が中心になって十九省庁が参加して、新型インフルエンザが現れたときにどうするかという机上訓練が行われました。この机上訓練のときの最後のシミュレーションがこういうシミュレーションでありました。ある地域、簡単にちょっと分かりやすく言い換えて申しますが、ある地域、仮にヨーロッパといたします。そこで新型インフルエンザが発生し、フェーズ4になった。そのヨーロッパの地域のある国から成田行きの飛行機に発熱を隠して乗り込もうとした人がいた。その人物についてだれも気が付かなかった。つまり、成田行きの飛行機に乗り込んだということでございます。その後どうなるかというのが最後のシミュレーションでございました。  実は、これの答えはまだ出ていません。今日二回目の机上訓練が行われていて、徳島で実際の訓練が行われています。その徳島の実際の訓練は、実はこの乗り込んだ人が自宅に帰ってから発病した、発症した、それにどう対応するかという机上訓練でございます。  私が質問をしたいのは、自宅に帰ってから発症ではなくて、飛行機の機内、もう発熱ですから、発症していると思われます。その人は飛行機の機内で明らかにインフルエンザ、新型インフルエンザに感染した、で発症したということが分かった。多分それは飛行機の無線を通じて日本国内にもすぐさま伝えられると思います。  このときに厚生労働省は、この飛行機、それから発症した人、また同じくこの飛行機に同乗している乗客に対してどのような措置を、今考えられているガイドラインの案とか行動計画でされようとしているのか、教えてください。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 澤委員御承知のとおり、現在、政府におきましては、新型インフルエンザ対策ガイドライン、フェーズ4以降をパブリックコメントに付しております。ただ、パブリックコメントに付しているだけではなくて、もう実行上、各関係の機関にはこれを配付しておりまして、いざというときにはこれがある程度使えると、こういう趣旨のものでございます。しかし、正式に確定するにはパブリックコメントをいただいてからということになっております。  この案段階におけるパブリックコメントで、今先生が御指摘のようなケースについてどうなっておるかといいますと、新型インフルエンザの疑いのある患者及びこれに濃厚に接触したと考えられる同行家族等については停留措置を実施します。疑い患者の陰性が確認された時点で解除するということですが、いずれにしても、まず停留措置はその範囲内で行う。これら以外の同乗者に対しては、その居住、滞在する各都道府県と連携して健康監視を実施することとされております。したがいまして、停留措置までは考えていないというのが現状のガイドラインでございます。  ただし、これについては一体どういう措置が更に必要になるか等々、個々の状況等を踏まえ、専門家会議における議論あるいはガイドラインに対するコメント等をいただきまして、更にこの確定版に向けて状況を検討してまいりたいと、このように考えております。

澤雄二公明党

○澤雄二君 なぜこの成田行きの飛行機の話を質問するかといいますと、いろんなことが想定されていますけど、日本で新型インフルエンザが現れるときというのは、どこかの町や村でぽこっぽこっと現れるというよりも、飛行機で日本に入ってくる可能性がはるかに高いと思われますので、ここをどうやって防ぐかということがパンデミックを防ぐ一番大事なことであると思いますので、質問をさせていただいております。  それで、今御答弁がありました。機内で発症したその人、それからその同行していた家族等の濃厚接触者については近くの病院で隔離、まあ隔離といいますか、滞留をさせます。しかし、そのほかの乗客については、いろんな調査をしたりマスクをして帰れとかいった指示はありますけど、基本的には帰すんです、家に。このジャンボとかエアバスという四百人前後乗っている乗客を本当に帰していいかどうかというのがこの質問の趣旨であります。総理も一緒に考えていただきたいんですが、この四百人が新型インフルエンザに感染している可能性はどれぐらいあるだろうかということでございます。  まず、搭乗するとき、大変混雑をしています。皆さんももう御存じのように、もう背中を擦り合わして荷物を上げたり下ろしたりしています。そこで一回この人がくしゃみをすると、周りの三十人に実は感染をすると言われています。大変な数の人に接触をしているだろう。席に着いていてからも多分トイレに行くでしょう。そのトイレに行った後に多くの乗客が同じトイレを使うでしょう。その発症している乗客に対してスチュワーデスがサーブをします。そのサーブをした手で、同じ手でほかの乗客にサーブをするでしょう。  それから、密室であります、機内というのは。非常に空気感染をする可能性が高いというふうに思われます。SARSについては飛沫感染ですから一メートル離れていれば大丈夫だと言われています。しかし、この新型インフルエンザは飛沫感染以外に空気感染をします。空気の対流に乗ってぷわぷわぷわぷわとウイルスが飛んでいくわけであります。  飛行機の場合にはエアコンがあります。この飛行機のエアコンというのは感染症対策で実はフィルター、HEPAフィルターといって非常に高度なフィルターを付けることを義務付けられています。調べました。ホームページに出ていました、全日空とANAの。この新型ウイルスについては九九・九七%除去できる非常に高品質のフィルターが付けられています。ああ、これならエアコンは大丈夫かなというふうに思いました。  だけど、続いて、気象予報士の、花粉のどういうふうに飛んでいるかという研究している方からファクスをいただきました。とんでもありませんと、調べましたと。二十四時間で一個のウイルスが十億個に増殖をします。つまり、十億個に増殖するという数が九九・九七%というのは、もうざると同じだということであります。ということは、乗っている四百人のほとんどの人が同じエアコンで感染をしている可能性が高いということであります。  そうすると、日本にパンデミックを防ぐためには何をしなければいけないかというと、実は、この四百人を全部医療機関に入れて、マイナスが確認できるまで外に出してはいけないということであります。今の行動計画、ガイドラインの案では、四百人がそのまま感染源として野に放たれるということであります。これでは防げないだろうと。ただし、この四百人については発症していません。発症していない人の行動を拘束するというのは、今の厚生労働省の立場ではとてもできる判断ではないと思います。そこで、強力なリーダーシップが必要なんだろうと。  しかも、その四百人を収容しようとすると、成田近くの病院ではそんな空いたベッドはとてもありませんから、大至急に今から造らなければいけない。場合によっては、機内で発症した人が分かった場合には、関空とか成田ではなくて、こう言ったら申し訳ありませんが、心配のない地方の空港に運ぶとか、そこに施設を造るとかということまで考えないと、実際の危機管理対策はできない。そこで、総理の強力なリーダーシップが必要なんでありますが、総理はどうお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま澤委員が御指摘になったように、この新型インフルエンザについては、その強力な感染力あるいは病原性から我々人命に重大な影響が及ぶと認識をしておりまして、国としての危機管理を行う対象であると、このように認識をいたしております。  そういう中で訓練を実施もいたして、対応の訓練も実施をいたしておりますが、やはり大切なことは、今委員が御指摘になったように、海外から発症者が飛行機に乗ってやってくる際にいかにこのウイルスの日本への侵入を防ぐかということだろうと、このように思います。  その観点から、今委員が御指摘になったことも含めてガイドラインを策定をしてまいりたいと、これも含めて検討してガイドラインを策定し、国民の皆様に安心をしていただきたいと、万全を期していきたいと、このように思う次第でございます。

澤雄二公明党

○澤雄二君 もう一つ例を挙げて、また総理大臣にお聞きしたいというふうに思いますけれども、これも新型インフルエンザのパンデミックを防ぐ上では大変重要な対策でございます。  ワクチンについて厚生労働大臣に質問をいたします。  新型インフルエンザのワクチンというのは新型のウイルスが出てこないと作れませんから、もちろん今その用意はできていません。でも、手をこまねいているわけにはいきませんので、鳥インフルエンザのウイルスを抽出をしてプレパンデミックワクチンというのを今作っております。大体、この二月末ぐらいまでに一千万人分のワクチンが原液としてできるだろうということが予想をされております。  この今製造しているというか、もうほとんど原液はできておりますが、一千万人分のそのプレパンデミックワクチンの予算措置は前年度の補正予算で、卵に植え付けますから、その卵を買う予算七十七億円、十七年度予算の補正で措置をいたしました。で、大慌てで一億個の卵を発注をしました。で、その卵に去年の九月、十月に原液のワクチンを作る、培養といいますか、作り始めました。それで、今の補正予算で四十五億円、ワクチン予算が付いています。この四十五億円の予算は何のための予算かというと、一千万人分作った原液ワクチンをメーカーから買い取るための予算でございます。  それで大きな問題が一つ分かりました。実は、来年度このプレパンデミックワクチンを作る予算が今どこにも計上されていないということであります。  厚生労働大臣に伺います。総理にも伺いますので聞いていただきたいというふうに思いますが、このプレパンデミックワクチンというのは実は毎年作る必要があるんでございます。理由は三つあります。  一つは、プレパンデミックを作るウイルス株というのは毎年新しい株が出てきています。つまり、新しい株に対応ができないとせっかく作ったワクチンが有効性がないということであります。現に、今作っている一千万人分のワクチンも五百万はベトナム株であります。五百万はインドネシア株ですね。このベトナム株はもうそろそろ主流ではなくなりつつあります。それから、今年大きな話題になっています、今心配されている宮崎、岡山で起きた鳥インフルエンザ、このウイルス株は実は中国株であります。今作られているワクチンは中国株はありません。  このように、今既にあるウイルス株のワクチンもありませんし、これから新しくどんどん出てくるであろう、それに対応することはもちろん用意はされていません。それが一つであります。  二つ目の理由は、この原液のワクチンは劣化をしていきます。三年で多分効能がなくなるだろうと言われております。つまり、一年たつと三分の一は効果がなくなるということでございます。最近の研究では、この劣化のスピードはどんどん早まっているというふうに言われています。  それから、三つ目の理由でありますが、そもそも一千万人のワクチンで十分なのかという問題であります。流行期に入って、今厚生労働省が出されているガイドラインの案によりますと、パンデミック期に入ってそのウイルスを取り出してからそのワクチンができるまでに一年間と言われています。一年間もワクチンができなければ、もう流行は終わっているとか、感染率が二五%で、下手をすれば五〇%を超えると言われていれば、もうほとんど死んでしまっているじゃないかという状況であります。  ということはどういうことかというと、このプレパンデミックワクチンの準備が非常に重要だということであります。それが一千万人分で足りるのかと。  ガイドラインによりますと、そのワクチンの接種については優先順位が付けられています。第一優先順位は医療従事者であります。つまり、患者を真っ先に救う人を殺してはいけないから、そこがファーストプライオリティーになっているわけであります。ところが、この医療従事者は既に千二百万人を超えているとも言われています。つまり、一千万人は全く国民を救うためにこれでは使えないということであります。  この三つの理由で毎年ワクチンを作っていかなければいけないと私は考えておりますが、しかし、来年のこのワクチン製造のための予算措置というのがどこにもありません。厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今先生御指摘のように、我が国におきましては、新型インフルエンザの言わばプレパンデミックワクチン、つまりプロトタイプのワクチンでございますが、これ、まだパンデミックワクチンというものは作りようがないですから当然こうなるわけですけれども、これを我々はベトナムの株で五百万人分、それからインドネシアの株で五百万人分ということで一千万人分を作っていただいておりまして、今年度の補正予算でもってこの買上げ、原液を国で買い上げる、備蓄をすると、こういうことで対処をしているわけでございます。  確かに、御指摘のように、インフルエンザウイルスは遺伝子の変異が起こりやすいために、これまでの鳥—人感染を起こしたインフルエンザウイルス、つまりプロトタイプのインフルエンザでも様々に変化をしてきております。このため、ワクチンの生産に当たっては、何よりも最新の知見に基づいて最適なウイルス株を選定し製造することが基本だということでございますが、現在段階、我々は、先ほど申したように、二種類のウイルス株の製造を行っているということでございます。  このように、現在におきましてはできる限りの対応をいたしているというふうに考えておりますが、例えば今後また新たに分離されたウイルス株について大きな性質変化等が認められる、そういう状況に至った場合には、また専門家会議の検討を踏まえて当然適切に対処していかなければならないと、このように考えております。

澤雄二公明党

○澤雄二君 これ以上質問するとちょっとお気の毒のところがあるんでございますが、新しい株が出てきてから対応しようとすると、それは最低一年掛かります。つまり、一億個の卵を予約するだけで半年掛かるんです。ですから、もう二月か三月の頭には発注をしていなければ来年度のワクチンは作れません。ですから、来年度予算の措置をしなくて、新しい株が出てきたらそれに対応するということでは、できるのは一年後になってしまいます。で、一年後、つまり来年度の予算がないということは、どんなに早くても二年間ワクチンはないということです。そうすると、今一千万人分作ったワクチンはもう三分の一に激減をしているということであります。これでは国民は救えないというふうに思います。  この劣化のことと、新しいワクチンが株が出てから対応したのでは一年間作れない、このことについて御答弁できますか。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私もその大専門家というわけではございませんけれども、大きな性質変化があったということが認定されるかどうかということがやはり基本なんだろうと思います。そうであれば、そこのところのまた株を取得をして、そして今先生がおっしゃったように有精卵の手当てをして製造をするということになろうと思うんですけれども、現在のところ、私どもはこれから更に検討をしてそうしたものであるかどうかということを考えていかなければならないと、このように思っております。

澤雄二公明党

○澤雄二君 さきの答弁で、厚生労働大臣が答弁されました。その中にありました。去年の補正で七十七億措置をして、今審議している今年度の補正で四十五億措置をしたと。厚生労働省としては多分それが精一杯だったんだろう、更にその上に来年の百十何億、一千万人分の新しいワクチンの予算措置をしてほしいとはなかなか言えなかったんではなかろうかというふうに思います。  アメリカでは、去年、ブッシュ大統領が七十一億ドル、ですから九千億円ぐらいですか、日本で、ワクチン製造だけでそれだけの予算措置をいたしました。ですから、来年度のワクチンを作ろうと思うと、もうこれは総理大臣の強力なリーダーシップでどこかからか予算を見付けてこないと、しかもそれは三月末という卵発注のぎりぎりのときに今来ていますから、とても公衆衛生レベルの判断ではできないことであります。  強力なリーダーシップが必要でございますけれども、総理大臣の決意を聞かしていただけますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としての対応、また考え方についてはただいま柳澤厚生労働大臣から答弁したとおりでありますが、しかし、常時国際的な情報を収集しながら、また他国の、米国を始めとしてですね、対応も参考にしながら、我々国民の正に命を守らなければいけないわけでありますから、専門家の意見も十分に聞いた上で、先ほど申し上げました対応を考えていかなければならないと考えております。その際には、当然、もし必要とあらば、当然私のリーダーシップで措置をしていかなければいけないと。  いずれにせよ、ただいま澤委員が御指摘のあった点も含めて検討を進めていきたいと思います。

澤雄二公明党

○澤雄二君 去年の三月に予算委員会で質問をさしていただいたときに、総理は官房長官でいらっしゃいました。そのときの官房長官時代の答弁ではこういうふうにおっしゃっています。内閣による強力なリーダーシップによる国家的危機管理対策として対応を考えていきたいというふうに答弁をされています。  私はそのとき余計なことを言いました。多分、国民は、国民の命を守ってくれる人を総理大臣に選ぶと思います。つまり、安倍総理が総理になられたということは、安倍総理が国民の命を守ってくれるんだと、国民はそう感じたから総理に選んだんだというふうに思います。今は総理大臣でいらっしゃいます。日本国の最高責任者であります。どうか決意として、私が強力なリーダーシップでこのインフルエンザから国民を守ると御答弁いただけませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、私の仕事、最大の仕事、最も重要な仕事は国民の生命と財産を守ることであります。この新型インフルエンザについても、国民にとって大変これ脅威となるこれはインフルエンザになるわけでありまして、国としては危機管理的な対応が必要になるわけであります。  私も総理として、当然リーダーシップを発揮をし、できる限りの最大限の努力をしてこの新型インフルエンザの日本への侵入を防いでまいりたいと思います。

澤雄二公明党

○澤雄二君 どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  これで質問を終わります。

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で澤雄二君の質疑は終了いたしました。(拍手)  この際、民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の委員の皆様に対し出席の要請をいたさせますので、しばらくお待ちください。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。  民主党・新緑風会、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の委員の皆様に御出席の要請をいたしましたが、御出席を得られません。やむを得ず議事を進めます。  質疑通告者の発言はすべて終了しておりますので、平成十八年度補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) それでは、これより討論に入ります。  討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。澤雄二君。

澤雄二公明党

○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。  賛成討論を申し上げますが、その前に一言おわびを申し上げます。  先ほどの締めくくり質疑の中で携帯電話で皆様に御迷惑をお掛けいたしました。委員長からも叱責を賜りました。ここで改めておわびを申し上げます。どうも御迷惑を掛けて申し訳ありませんでした。  私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成十八年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。  本補正予算審議に当たって、野党の皆さんの御出席が得られなかったことは誠に残念であります。国民生活にとって極めて重要な補正予算の審議に出席されなかった野党に対して猛省を促すことをまず冒頭に申し上げます。  昨年九月に安倍内閣が発足してから、はや四か月が経過いたしました。安倍総理は、総理就任直後にいち早く中国、韓国を訪問され、日中・日韓関係の関係改善を果たされたことは国民のだれもが認めるところであります。我が国はアジアの一員であり、安倍内閣の最初の訪問として中国、韓国を選ばれたことはアジア重視の姿勢を示すものであり、高く評価されるものであります。  また、安倍内閣は、努力した人が報われ、勝ち組と負け組が固定しないチャンスにあふれる社会を目指し、その実現のために再チャレンジ支援策を掲げてニート・フリーター対策を行うなど、活力に満ちた社会の構築に向けて取り組んでおられます。そのため、我が国喫緊の課題である教育再生を最重要課題と位置付け、教育基本法改正を実現するなど教育改革に敢然として立ち向かっておられます。加えて、危機的状況にある財政の健全化に対しても強い決意で臨んでおられることは大いに評価に値するものであります。  以下、本補正予算に賛成する主な理由を申し上げます。  賛成の第一の理由は、財政健全化を推し進めるために国債発行の減額と剰余金の国債整理基金への全額繰入れが行われている点であります。  現在、我が国は、好調な経済状況を背景に税収の大幅な増加が見込まれることから、今回の補正では国債発行額について過去最大規模の二兆五千億円の減額が行われております。また、十七年度決算の剰余金につきましても、法律で二分の一以上を国債等の償還財源に充てるとされておりますが、本補正予算ではその全額を国債の償還に充てることとしております。景気回復による税収の増加分や決算剰余金を債務の削減に振り向けており、財政再建に対する政府の強い姿勢を高く評価するものであります。  賛成の第二の理由は、交付税特別会計の借入金が償還されている点であります。  地方の財源不足の補てん措置として行われてきた交付税特別会計の借入金残高は、現在五十三兆円にまで膨らんでおります。国、地方が抱える債務の削減はもはや一刻の猶予も許されません。本補正予算では、地方交付税交付金の増額の一部を十六年ぶりに地方負担分の借入金の償還に充てることとしております。地方財政好転の機を生かし、地方の債務縮減に取り組む政府の姿勢を強く支持するものであります。  賛成の第三の理由は、我が国社会を取り巻く喫緊の課題への対応策が適切に盛り込まれている点であります。  本補正予算においては、災害対策費として八千七百八十四億円が追加計上されております。これらの予算は、昨年の集中豪雨被害などへの対応のため、一刻も早い執行が求められております。  また、耐震性調査の結果を受け、特に危険性の高い学校施設の耐震化工事も行うこととしており、二千八百六億円の予算が計上されています。  次いで、市町村合併補助金として九百八十四億円を計上しております。合併市町村の業務の統一を進め、住民サービスの確保を図ることとしております。  さらには、いじめ問題への対応に三十二億円を計上して、スクールカウンセラー配置するのを始め、電話によるいじめ相談を二十四時間対応に拡充するなど、各地の学校で相次ぐいじめを苦にした自殺等への対策を講じることとしております。  そのほか、障害者自立支援制度の運営の円滑化や新型インフルエンザに対する施策も講じられております。  これらはいずれも国民の安全、安心の観点から早急な対応が求められておるものばかりであり、その計上は政府の当然の責務であります。  以上、本補正予算に賛成する主な理由を申し述べました。  政府におかれましては、本補正予算が成立した後には、適切かつ速やかに執行されんことを要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。  以上であります。(拍手)

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。これにて討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  平成十八年度一般会計補正予算(第1号)、平成十八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 全会一致と認めます。よって、平成十八年度補正予算三案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十九年度総予算三案審査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

尾辻秀久自由民主党

○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十八分散会

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