本会議 第38号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/06/20
会議録
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。 内閣から、 公正取引委員会委員長に竹島一彦君を、同委員に神垣清水君を、 証券取引等監視委員会委員長に佐渡賢一君を、同委員に福田眞也君及び熊野祥三君を、 預金保険機構理事に田邉昌徳君、波多野睦夫君及び廣瀬權君を、 電気通信事業紛争処理委員会委員に龍岡資晃君を、 公害等調整委員会委員長に大内捷司君を、同委員に堺宣道君及び小玉喜三郎君を、 日本放送協会経営委員会委員に古森重隆君、飛田稔章君、岩崎芳史君、小丸成洋君、小林英明君及び野間光輪子君を、 宇宙開発委員会委員に青江茂君を、 労働保険審査会委員に畠中信夫君及び中嶋士元也君を、 中央社会保険医療協議会委員に小林麻理君を、 社会保険審査会委員に粥川正敏君を、 また、航空・鉄道事故調査委員会委員に松本陽君、豊岡昇君、中川聡子君、宮本昌幸君及び富井規雄君を 任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。 これより採決をいたします。 まず、公正取引委員会委員長及び宇宙開発委員会委員の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百十七 賛成 二百四 反対 十三 よって、同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、公正取引委員会委員、公害等調整委員会委員のうち小玉喜三郎君並びに日本放送協会経営委員会委員のうち飛田稔章君、岩崎芳史君、小丸成洋君、小林英明君及び野間光輪子君の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十一 賛成 二百十六 反対 五 よって、同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、証券取引等監視委員会委員長の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十一 賛成 百三十三 反対 八十八 よって、同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、証券取引等監視委員会委員及び預金保険機構理事のうち波多野睦夫君の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十二 賛成 百三十九 反対 八十三 よって、同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、預金保険機構理事のうち田邉昌徳君の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 百三十一 反対 九十二 よって、同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、預金保険機構理事のうち廣瀬權君の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 百二十六 反対 九十七 よって、同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、電気通信事業紛争処理委員会委員、公害等調整委員会委員長、同委員のうち堺宣道君、労働保険審査会委員、中央社会保険医療協議会委員及び航空・鉄道事故調査委員会委員の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 二百二十三 反対 〇 よって、全会一致をもって同意することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、日本放送協会経営委員会委員のうち古森重隆君の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 百二十二 反対 百一 よって、同意することに決しました。 ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、社会保険審査会委員の任命について採決をいたします。 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 二百十五 反対 八 よって、同意することに決しました。 ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第一 公認会計士法等の一部を改正する法律案 日程第二 電子記録債権法案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長家西悟君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔家西悟君登壇、拍手〕
○家西悟君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、公認会計士法等の一部を改正する法律案は、監査業務の複雑化、高度化が進展する下で、監査をめぐる不適正な事例が生じている現状にかんがみ、監査法人のガバナンス等の強化、監査人の独立性と地位の強化、監査法人等に対する監督責任の在り方の見直し等を行おうとするものであります。 委員会におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、最近の企業会計監査をめぐる不祥事の要因、監査人の選任及び監査報酬の決定について監査役の権限を拡大する必要性、監査を担う人材の育成確保の在り方、監査法人に対する行政処分の適切な運用の必要性等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 次に、電子記録債権法案は、金銭債権について、その取引の安全を確保することによって事業者の資金調達の円滑化等を図る観点から、電子債権記録機関が調製する記録原簿への電子記録を、その発生、譲渡等の要件とする電子記録債権について定めるとともに、電子債権記録機関の業務、監督等について必要な事項を定めることにより、電子記録債権制度を創設するものであります。 委員会におきましては、資金調達の円滑化に資する制度運用の在り方、取引におけるセキュリティー確保の重要性、電子記録債権の具体的な活用形態等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。 まず、公認会計士法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十四 賛成 二百二十四 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、電子記録債権法案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十一 賛成 二百六 反対 十五 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第三 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付) 日程第四 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律案(法務委員長提出) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。法務委員長山下栄一君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔山下栄一君登壇、拍手〕
○山下栄一君 ただいま議題となりました両法律案のうち、まず、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図るため、犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度及び犯罪被害者等による損害賠償請求について刑事手続の成果を利用する制度の創設等を行おうとするものであります。 なお、衆議院において、施行後三年の経過後に検討等を行う等の規定を追加する修正が行われております。 委員会におきましては、犯罪被害者の刑事裁判への関与の在り方、被害者の参加が被告人や裁判員に与える影響、損害賠償命令制度導入の意義と実効性、訴訟参加及び損害賠償命令の対象事件範囲拡大の必要性等について質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取するほか、桐蔭学園及び東京地方裁判所において実情調査を行うなど、慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局した後、民主党・新緑風会の前川委員より、弁論としての意見陳述からの求刑の除外等を内容とする修正案が提出されました。 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の仁比委員より、修正案に賛成し、原案に反対する旨の、社会民主党・護憲連合の近藤委員より、修正案に賛成し、原案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。 討論を終わり、順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。 次に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会を代表いたしまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法は、平成十三年に参議院共生社会に関する調査会で超党派によって作られた法律でございますが、平成十六年の改正の際、法施行後三年を目途とした見直し規定が設けられていたところでございます。DV防止法が施行されてから六年、この問題に対する一般の理解も進み、被害者や関係団体から一層の対策の充実を求める声も高まっております。この法律案は、こうした被害者の声にこたえるべく、各党の検討を踏まえて取りまとめたものでございます。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、現行法では、都道府県のみに義務付けられております基本計画の策定を、市町村におきましても努力義務とすることとしております。 第二に、現行法では、市町村は、その設置する適切な施設において配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすことができることとなっておりますが、これを市町村の努力義務に改めることとしております。 第三に、保護命令制度の拡充であります。 まず、一点目として、保護命令の対象となる被害者につきまして、新たに配偶者から生命、身体に対する脅迫を受けた被害者を加えることとし、その被害者について、将来、生命、身体に対する危害が生ずるおそれが大きいときにも保護命令を発することができることとしております。 二点目として、被害者に対し、電話、ファクス、手紙、電子メールなどにより面会を求めることなどについて禁止命令を発することができることとしております。 三点目として、被害者の親族や関係者への接近禁止命令を発することができることとしております。 第四に、保護命令の発令直後における被害者の保護の必要性にかんがみまして、裁判所から配偶者暴力相談支援センターに対して保護命令の発令に関する通知を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。 まず、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 二百五 反対 十八 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 次に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 二百二十三 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第五 エコツーリズム推進法案(衆議院提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長大石正光君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔大石正光君登壇、拍手〕
○大石正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、自然観光資源が損なわれないよう、生物の多様性の確保に配慮しつつ、適切な利用の方法を定めるほか、エコツーリズムの実施方法や自然観光資源の保護、育成のために必要な措置等を講ずるとともに、特定自然観光資源が多数の観光旅行者等の活動により著しく損なわれるおそれがあると認めるときは、当該特定自然観光資源の所在する区域への立入りの制限をすることができるなど、必要な事項を定めようとするものであります。 委員会におきましては、提出者の衆議院環境委員長から趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十三 賛成 二百二十三 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第六 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 ─────・─────
○議長(扇千景君) これより外交防衛委員長の報告を求めるのでありますが、柳田稔君外五名から、委員会審査省略要求書を付して、外交防衛委員長田浦直君解任決議案が提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りをいたします。 外交防衛委員長田浦直君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。 よって、本決議案を議題といたします。 まず、発議者の趣旨説明を求めます。柳田稔君。 ───────────── 〔議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔柳田稔君登壇、拍手〕
○柳田稔君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました外交防衛委員長田浦直君に対する解任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。 まず、決議案の案文を朗読いたします。 本院は、外交防衛委員長田浦直君を委員長の職より解任する。 右決議する。 以下、提案の趣旨を御説明いたします。 昨日、参議院外交防衛委員会が開会され、野党が猛烈に反対する中、理事会の合意もなく、委員長の職権によりイラク特措法改正案が与党の賛成多数で強行採決されました。 本法案は、五月十五日に衆議院本会議で採決された後、参議院では五月二十三日から審議が始まりました。それ以来、参議院外交防衛委員会における審議時間はたったの十一時間三十五分足らずであります。もう一回言います。たったの十一時間三十五分足らずでありました。十分な審議とはほど遠い状況であります。それにもかかわらず、田浦委員長は、与党の理不尽な要求をそのまま受け入れ、参議院外交防衛委員会において職権で法案の採決を行ってしまいました。 本法案は、憲法に基づく我が国の安全保障の在り方を考える上で極めて重要な法案である上、何よりも我が国自衛官の命にかかわる重要な法案であります。慎重かつ十分な審議がとりわけ求められる法案であります。 衆議院において、我が民主党は、イラクに対する武力の行使がそもそも正当性を有していないこと、いわゆる非戦闘地域の概念が虚構の概念であるなどイラク特措法の法的枠組み自体が完全に破綻していること、及びイラクにおける自衛隊の対応措置に関する政府の情報開示が不十分であることなどにかんがみ、イラクへの航空自衛隊派遣を直ちに終了させるよう、イラク特措法廃止法案を提出いたしました。しかしながら、残念ながら与党の反対で否決されました。 世界の各国のイラクへの軍隊派遣の状況も様変わりしています。 まず、アメリカ合衆国はどうでしょう。さきの中間選挙において、イラクからの米軍撤退というアメリカ国民の意思がはっきりとしました。また、イギリスにおいても、イラクへの軍隊派遣を進めてきたブレア政権への国民の不支持がはっきりとしてきました。その結果、順次削減するということを決定しております。スペインにおいてはどうでしょう。イラクでの活動を終了しております。イタリアはどうでしょう。スペインと同様、イタリア軍のイラクでの活動も終了しております。ほかにも、サウジアラビア、フィリピン、タイ、ニュージーランド、ハンガリー、ポルトガル、オランダ、ノルウェーなど、今年初めまでに十五か国がイラクでの活動を終了しております。御存じのとおりであります。ドイツ、フランスは、当初からイラクへの軍隊派遣には参加しておりません。 これらのことは一体何を意味しているんでしょう。 一方、我が国はどうでしょう。これまでの審議の中で、出口戦略もないまま漫然と米国に追従する政府の姿勢が明らかにされ、また、政府はイラクにおける自衛隊の活動状況についての説明責任を全く果たさないなど、シビリアンコントロールの見地からも政府の姿勢は極めて問題であります。 このため、これらの問題については、衆議院の特別委員会において与党も賛成した附帯決議により、政府が誠実に対応するよう衆議院の委員会としてその意思を示したものであります。それにもかかわらず、参議院本会議における趣旨説明に対する質疑及び外交防衛委員会における質疑に対する政府側答弁はあいまいなものに終始し、誠実に対応したとはとても言えず、国会軽視も甚だしいと言わざるを得ません。 政府のイラク戦争支持に対する検証もおろそかにされました。戦争の正当性に対する評価も明らかにされないまま、何よりも灼熱のイラクで命の危険にさらされながら職務を遂行している自衛官はどう思われるのでしょうか。彼らに対する安全確保策についても政府は大丈夫と言っておりますが、実際にイギリス軍のC130がバグダッド付近で撃墜されているのも事実であります。政府はこれまで非戦闘地域と言い張っているのです。無責任極まりないと言わざるを得ません。 このまま審議を打ち切ることは、我が国の安全保障にとり、将来にわたり禍根を残すことになるのは間違いありません。良識の府参議院においてこそ与党の横暴を許さず、たった十一時間三十五分だけの審議ではなく、徹底した審議を行うことが国民から期待されているのであります。 しかるに、田浦委員長は、与党の言いなりになるのみで、国民の期待にこたえることはついにありませんでした。一方的に審議を打ち切り、強行に採決を行ってしまったのであります。これにより、国民のシビリアンコントロールとして極めて重要な機能を果たしている国会における審議の機会を奪い去り、結果としてシビリアンコントロールを不十分ならしめた責任は極めて重いと言わざるを得ません。田浦直君は、外交防衛委員長として極めて不適格であります。たった十一時間三十五分の審議です。 そもそも、国会会期末になり、重要な安全保障関連の本法案の審議時間が十分確保できなかったのは、参議院の委員会の審議スケジュールを無視し、何が何でも国会を通そうとした安倍強権内閣の責任です。それは、欠陥がある天下り法案のことです。このため、主務大臣である官房長官の取り合いが内閣委員会と行われ、天下り法案を優先する余り、外交防衛委員会を強行採決せざるを得なかったこと、このことも理由の一つであります。 当委員会は、本通常国会開会以来、精力的に審議を行ってきました。ちなみに、条約が十九本、イラク特措法改正案を除いて法案五本、これを審議してきました。しかし、審議の途中には、自民党議員の委員会出席が余りにも少なく委員会が開会できず、流会となったこともありました。さらに、当委員会への付託順を変えてまでも法案を審議したこともありました。さらに、条約の自然成立をさせないために、参議院送付から三十日以内に条約を本院で成立させなければ自然成立ということもあり、イラク特措法の審議の間に条約を優先的に審議したこともありました。これは、ひとえに我々民主党の理解と協力がなければできなかったことであります。特例中の特例として、我々民主党は委員会の審議に精力的に取り組んできました。 このような変則的な審議になったのは、委員長一人の責任ではなく、与党の不手際であり、与党の国会議員の不熱心さが原因であります。しかし、それでも田浦委員長の責任に目をつぶるわけにはまいりません。 田浦委員長は、十二年前に新進党から参議院選挙に立候補され、当選し、国会活動を始められました。当時、新進党は自民党と対決しておりました。野党であった田浦委員長なら、国会における審議がいかに大切であるかよく理解されていると思っておりました。自民党に移られてから、考えが変わり、強権的になったのでしょうか。それとも自民党の言いなりになってしまったんでしょうか。残念でなりません。この国会で引退される田浦委員長にこのような不名誉な決議案を突き付けなければならないことは、私にとってもつらいことであります。しかし、我が国の安全保障、シビリアンコントロールを考えると、避けて通れない道であります。 最後に、我々国会議員、特に参議院議員は、安全保障、シビリアンコントロールについては最も重要な責務であることを肝に銘じていかなければならないことを申し上げておきます。 これが解任決議案を提出する理由であります。 何とぞ、本決議案に対して各位の御賛同が得られますようお願い申し上げて、私の提案理由説明を終わらせていただきます。(拍手) ─────────────
○議長(扇千景君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。岡田直樹君。 〔岡田直樹君登壇、拍手〕
○岡田直樹君 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました決議案に対し、簡潔に、しかし断固として反対の討論を行います。 イラク人道復興支援活動は、フセイン軍事独裁政権が打倒された後、イラク国民による自主的な国家再建の努力を支援する国際社会の取組に対し、我が国として主体的、積極的に寄与する重要な活動であります。 イラクは今なお復興の途上にあり、国連やイラク政府も我が国に支援活動の継続を要請しております。こうした事実にかんがみ、本年七月三十一日に期限を迎えるイラク特措法を二年間延長する一部改正は、日本が国際社会に名誉ある地位を占め、世界の平和と自由を確保するためにも必要不可欠な措置と信じます。 この重要法案を受けて、田浦委員長は慎重かつ充実した審議に尽力をされました。もとより、田浦委員長は、党派に偏らず、とりわけ野党の意見を十二分に尊重する政治家であります。特に、外交、防衛は、党利党略を離れ、何よりも国家国民の利益を最優先すべきとの信念に基づき、常に公正円満な委員会運営を旨とされてきたのであります。 今国会において、駐留軍再編特措法案あるいは防衛省設置法及び自衛隊法一部改正案などをめぐり、与野党が時に激論を闘わせながらも審議を尽くして整然と採決に至ったことは、田浦委員長の功績によるところが大きいと信じます。イラク特措法改正案に関しても、五月三十一日、委員会で趣旨説明を聴取し、六月五日の質疑開始から昨日十九日の質疑終局まで丁寧な手順を踏んで必要十分な審議が行われたのであります。 ところが、昨日、質疑終局に及んで、外交防衛委員以外の野党議員までが多数、傍聴席を離れて委員長席に押し寄せ、田浦委員長を取り囲んで発言を遮ったことは、明らかな議事妨害であり、極めて遺憾であります。 これまで、良識の府を標榜してきた参議院として、正常な委員会運営の下、与野党間で審議を積み重ねるその姿勢を終始一貫、貫いてまいりました。(発言する者あり)
○議長(扇千景君) 静粛に願います。
○岡田直樹君(続) 国益を左右する外交防衛の重要法案、イラク支援特別措置法の審議の最終局面においての野党の諸君の態度はあくまでも採決拒否であり、一方的な議事妨害は甚だ残念であります。この採決拒否が参議院選挙を前にした野党の諸君のパフォーマンスであるならば、これは国民を愚弄すること甚だしいと言わざるを得ません。 このような状況にもかかわらず、田浦委員長は冷静沈着、採決は適正に行われました。今期をもって議員を勇退される田浦委員長が国会における有終の美を飾られたことを確信し、最後までその任を全うされんことを望みます。 外交防衛委員会の議事妨害を棚に上げ、同委員長解任決議案を提出したことは、野党の諸君にとって恥の上塗りであります。不見識な議事妨害が再び行われないことを強く希望し、全く理由のない委員長解任決議案に強く絶対反対を表明して、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(扇千景君) 白眞勲君。 〔白眞勲君登壇、拍手〕
○白眞勲君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました外交防衛委員長田浦直君解任決議案に賛成の討論をいたします。 イラク特措法改正案は、我が国安全保障関係法制の在り方を考える上で非常に重要な法案であるのみならず、派遣された自衛官の命にかかわる最重要法案であります。国会には、国民から期待されたシビリアンコントロール、全うするためにも、慎重かつ十分な審議が求められるのは論をまちません。特に参議院は、良識の府、再考の府として、与党が三分の二を占める衆議院の行き過ぎを正していくことが国民から期待されているわけです。 しかしながら、田浦委員長は、昨日、野党理事や委員が激しく抗議をし、騒然としてだれの声も聞き取れない中で、イラク特措法改正案の採決を強行してしまいました。全く不正常な採決であり、良識の府参議院としてあるまじき暴挙と言わざるを得ません。 イラク特措法については、これまでの少ない審議時間の中でも看過できない様々な問題点が明らかとなりました。しかし、政府はこれに対する説明責任を十分果たしておりません。審議が全く足りません。 まず、政府が、米国等によるイラク戦争開戦を、米国からの情報を検証することもなくいち早く支持してしまったことに対する検証がなされていないことが問題であります。そもそもイラク戦争に正当性はないのであります。米国がイラク戦争に突入した本当の理由はどこにあるんでしょうか。 日本はイラクによる国連決議違反等をイラク戦争支持の理由としておりますが、米国は国際政治をパワーゲームと考えており、そんなことはお構いなしです。国連決議にはそれほどのウエートを置いておりません。そもそも米国のイラク戦争開戦の目的は、九・一一テロに懲りたこともあるでしょうが、それと同時に、九・一一テロを奇貨として、中東にある独裁国家イラクに対し、その独裁体制を排除することに目的があったのではないでしょうか。大量破壊兵器の存在やアルカイダとの関係などは後付けの理由にすぎない。ブッシュ大統領は誤りであったことを認め、謝罪しましたが、開戦するために理由を捏造した可能性もあるのです。 その後、イラクでは宗派間対立が激化、治安は極度に悪化し、アメリカ兵の死者数も三千五百人を超えております。この間、米国では中間選挙で、イラク政策の見直しを主張する民主党が上下両院で過半数を制し、共和党が大敗しました。ブッシュ大統領は約二万人の米軍増派を始めとするイラク新政策を発表しましたが、事態は好転しておらず、効果を上げるかは疑問であります。 このような状況の中、事ここに至っても、政府は自衛隊派遣を延長することで米国の機嫌を取ろうとしております。 六月七日の外交防衛委員会において、同僚の喜納昌吉議員は、イラク戦争を支持した当時の政府判断の検証についてただしました。久間大臣は次のように答弁しております。日本の政府としては、あのときのアメリカの武力行使を支持しないとは言えない状況だったとし、また、あのときに支持しないという選択は日本にはできなかったと明言しております。これは、当時の政府によるイラク戦争支持が日本の自由な意思ではなく、不可抗力的に支持せざるを得なかったということであり、結局、イラク戦争支持は米国の機嫌を取ったその結果であることを認めたことにほかなりません。イラク戦争を支持した当時の政府判断について検証を行うことが必要じゃありませんか。 私は、五月二十三日の本会議において、久間防衛庁長官のブッシュ大統領の開戦判断は間違っていたとの発言を引きながら、政府のイラク戦争支持の誤りの認識と責任についてただしました。これに対し塩崎官房長官は、安保理決議に基づき取られた行動を支持したと、これまでどおりの答弁を繰り返し、反省のかけらもなかったじゃありませんか。 衆議院の附帯決議においても、イラク戦争を支持した当時の政府判断について検証を行うこととしており、どのように検証するつもりかとの私の問いに対し、塩崎官房長官は、附帯決議にある事項についてはその趣旨を十分尊重してまいりたいと、いんぎん無礼な対応に終始したわけであります。質問に全く答えてないじゃありませんか。久間大臣に至っては、イラク戦争の正当性について、正当かどうかは後世の歴史家が判断すると、まるで人ごとのような答弁です。本会議で私は再々質問までして誠意ある答弁を求めたわけですけれども、全くないじゃありませんか。 政府の判断については、当時の検証結果を速やかに発表し、広く国民の間で議論がなされるべきでありますし、本来であれば、この国会において、この法案の審議中に検証結果について議論しなければならないのです。しかし、口先だけでうやむやにされてしまいました。全くもって議論が不十分です。 自衛官の安全確保も問題です。六月五日、外交防衛委員会において同僚の櫻井充議員は、自衛隊機と同型のイギリスのC130輸送機がバグダッド近郊で撃墜された例を挙げながら、本当に安全なのかについてただしました。政府は、燃料タンクに防爆フォームを施し燃焼しにくくしていることや、コックピットについては装甲板で装甲している旨答弁しましたが、かえって実際に攻撃される危険性があることを印象付ける結果となりました。政府はバグダッド空港周辺を非戦闘地域と言っておりますが、実際にミサイル攻撃を受ける可能性があるのです。これを戦闘地域と呼ばずして何と呼ぶのでしょうか。説明になっていないじゃないですか。 このほか、参議院では、衆議院の特別委員会において以下の点を政府に求める附帯決議が付されたことから、その対応が繰り返しただされました。附帯決議は、シビリアンコントロールに資するような必要な情報開示を行うこと、イラク戦争を支持した当時の政府判断について検証を行うとともに、今後十分な情報収集・分析体制の強化に努めること、出口戦略につき必要な検討を行うこと等を政府に求めております。しかし、政府から誠意ある答弁はついになされませんでした。特に、航空自衛隊のイラクでの活動については、どこで、何を、どうやって運んでいるのか、政府は理由をこじつけて全く明らかにしませんでした。シビリアンコントロールの観点から極めて問題です。政府の国会対応は国会軽視も甚だしく、安倍内閣の性格をよく表しております。 政府・与党には、国会において誠実に答弁し、もって日本外交とシビリアンコントロール、民主主義に資するとの概念が欠如していると言わなければなりません。 一体、日本の外交と民主主義はどうなってしまったんでしょうか。安倍総理は戦後レジームからの脱却を声高に叫んでおりますが、このたびのイラク特措法改正案を始め、在日米軍再編特措法にしても、政府の姿勢は米国の機嫌だけをうかがい、ただただひたすらに追随するばかりであります。これが戦後レジームからの脱却と言えるんでしょうか。 また、委員会のキャパシティーを超えるまで法案を次々と提出し、どだい無理な国会運営を強いることは、国会の、特に参議院の審議権をも否定するものであります。戦後、日本が築き上げてきた民主主義そのものも破壊するおつもりなんでしょうか。私は、安倍政権のこのようなわがままで一方的な在り方を見るにつけ、議会政治が崩壊する危険性を感じざるを得ません。 先日は、私は外交防衛委員会で自衛隊の情報保全隊がイラクへの自衛隊に反対する市民運動や報道機関の取材に関する情報を広範囲に収集、分析していたことに関し質問いたしましたが、議会政治を無視するこのような方向が続いていき、与党の皆さんも人ごとではありません。我が党の増子輝彦議員が、自衛隊を応援している立場だと本人は言っているにもかかわらず、自衛隊のイラク派遣は憲法違反だと言っただけで反自衛隊活動だと、とんでもないことじゃありませんか。与党の皆さん、あなた方も皆さん、調査いつされるか分かりません。お気を付けくださいとしか言いようがありません。 委員会の委員長の職責は、一党一派に偏ることなく中立公正な運営を行うことで真っ当な議会政治を守ることにありますが、例えば、私が当日の委員会で、イラク派遣の件で、国連と日本政府が結んだ交換公文あるいは秘密保持に関することについて、公電を出すなり何らかの証拠を出してもらうように理事会で協議していただきたいと委員長に要求したことに対し、委員長は、後ほど理事会で協議検討すると約束したにもかかわらず、その舌の根も乾かぬうちに、その要求を知らんぷり、無視したまま法案の採決を強行してしまった。とんでもないことじゃありませんか。お願い事にちゃんとこたえてください。極めてその対応は不誠実であり、本当に議会政治を守る気概があるのか、問題があります。 正直申しまして、私は田浦委員長を個人的には、また本来は温厚で誠実な方であると考え、尊敬申し上げております。大好きであります。しかしながら、国会運営にまで理不尽に口を出す安倍政権のごり押し、強権体質に翻弄され、言われるがままに強行採決を行ってしまった以上、このまま放置するわけにはいかないのであります。そのような運営を行ってしまった田浦委員長を直ちに解任しなければ、参議院が良識の府であることが国民から疑われてしまいます。 このような結果を招いた責任を厳しく問うとともに、ここに田浦委員長の解任を強く求めて、私の賛成の討論を終わります。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(扇千景君) これより本決議案の採決をいたします。 足立信也君外八十四名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。 〔投票箱閉鎖〕
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十一票 白色票 九十七票 青色票 百二十四票 よって、本決議案は否決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) これより委員長の報告を求めます。外交防衛委員長田浦直君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔田浦直君登壇、拍手〕
○田浦直君 外交防衛委員長の田浦直でございます。 議長のお許しをいただきましたので、ただいま議題となりましたイラク人道復興支援特措法改正案につきまして、外交防衛委員長として外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、イラク人道復興支援特措法に基づく人道復興支援活動及び安全確保支援活動を引き続き実施し、イラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資するため、同法の期限を二年間延長しようとするものであります。 委員会におきましては、塩崎内閣官房長官、久間防衛大臣及び麻生外務大臣に対し質疑を行いました。 質疑の主な内容は、イラクにおける自衛隊の活動の成果と今後の役割、特措法を二年間延長する理由、自衛隊撤収に向けての出口戦略、派遣自衛隊員の安全確保策、米国等による対イラク武力行使を我が国が支持した理由、陸上自衛隊情報保全隊によるイラク派遣に係る情報収集活動、イラクにおける治安情勢などでありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑の終局を決定した後、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(扇千景君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。犬塚直史君。 〔犬塚直史君登壇、拍手〕
○犬塚直史君 民主党・新緑風会の犬塚直史です。 私は、会派を代表して、イラク特措法の延長に反対の立場から討論を行います。 民主党は、自衛隊派遣を直ちに終了させるよう、今般、イラク特措法廃止法案を提出いたしました。 日本政府の対応には全く主体性、積極性が欠けており、結局のところ、米国の出方次第というやり方であります。主張すべきことははっきりと国際法に基づいて主張する態度が信頼されるのであり、ただ同盟国に付き合うような外交を続けていれば、結局は同盟国の信頼を失い、国際社会の信頼を失い、そして我が国の国益を失うものであります。 以下にその理由を順次述べてまいります。 第一に、対イラク武力行使が明らかな正当性を有していないということであります。 戦争を含む武力行使が違法とされている現代において、その違法性が阻却されるのは、自衛権の行使と国連憲章七章下の集団安全保障の二つのみであり、これは武力行使の正当性を判断する大前提であります。にもかかわらず、米国が最後の最後まで希求した明示的な安保理決議が、フランスなどの反対であきらめざるを得なかったことは周知の事実であります。集団安全保障の発動とするには無理があるわけです。これに加えて、事後の国連報告がないことから、自衛権の発動でもないことはまた明らかであります。 こうした事態において、我が国は、安保理決議一四八三に基づく人道復興支援はしっかりと行うべきでありますが、正当性のない武力行使を支持するのではなく、せいぜい理解の表明にとどめるという、是は是、非は非の立場を取るべきであります。 第二に、自衛隊の行くところが非戦闘地域であるというような開き直った小泉発言に見られるように、非戦闘地域の説明が全くの虚構であることであります。 第三に、自衛隊の対応措置について政府の情報開示が不十分であることです。 我が参議院外交防衛委員会の質疑においても、しばしば新聞を読んだ方が早いような、そのような質疑を行わざるを得ず、さらには質疑時間もしっかりと確保されていない状態で、審議さえ十分に行われず、最後は強行採決というやり方は国会軽視と言わざるを得ません。与野党にかかわらず、国益の実現を議論すべき外交防衛委員会でこのような運営が行われることは大きな問題であります。 第四に、撤退に関する我が国の方針、出口戦略がないことであります。 そもそも、なぜ二年間の延長なのか、合理的な説明がされず、何をもって自衛隊による措置を終了させるかも明らかにされておりません。 自衛隊派遣の根拠となっている安保理決議一四八三の目的は、イラク国民の援助、食料・医療品の提供、武装解除と治安維持、インフラ整備、法の支配、人権保護、国連機関と非政府組織の調整、行政機能支援、文民警察の再建などであります。こうした実に多岐にわたる平和の構築と国づくりに我が国がどのようにかかわっていくのか、また、派遣される自衛隊員を始め多くの関係者はどこまで危険を冒さなければならないのか。情報収集能力を始め、NGOとの連携、軍事、文民警察、医療などの緊急支援、インフラ支援などにわたる我が国の総合力が試されることになります。 しかしながら、ショー・ザ・フラッグと言われて自衛隊を出した我が国には、冷静な判断と状況分析に基づいて意思決定を行う意思が全く欠如していると言わなければなりません。アメリカの行動にある程度お付き合いが必要だろうという安易さが最大の問題であります。我が国はいつまでこのような外交を続けるのでしょうか。 事態は悪化の一途をたどっております。本年五月二十四日までに米兵の戦死者は三千五百二十七名、負傷者は二万五千五百四十九名に上っております。その一方で、一般市民の被害は正にけた違いであります。日本の約一・二倍の国土に二千七百万人の人口を持つイラクで、開戦以来約六万四千人の民間人が直接の戦闘で死亡、六十五万人が戦闘状態の中で死亡をしております。さらに、本年五月末現在では、二百二十万人が国外難民、二百万人が国内難民となっており、合計で全人口の二割、約五百万人が被害を受けております。 本年六月五日のUNHCR、国連難民高等弁務官事務所のレポートによれば、二百二十万人のイラク人が難民としてヨルダンとシリアに逃げております。その他の近隣諸国ではイラク難民をほとんど受け入れておりません。また、イラン、ドイツ、オランダ、イギリス、スウェーデンの五か国合計で三十一万一千八百人のイラク難民を受け入れておりますが、こうした上位難民受入れ国に日本の名前は出てきておりません。我が国の貢献が見えにくい原因がここにもあるのではないでしょうか。 シリアに逃れた難民の一人、四十一歳で三人の娘の母、ハラ・ニュマン氏によれば、村から逃れるのは、公共サービスがなくなり、殺人や強姦、誘拐が日常茶飯事となり、法の支配がなくなり、地域が弱肉強食のジャングルと化すからであり、自分の娘を守るにはほかに方法がないからであります。 このような地域に、二〇〇三年十月、我が国は当面の支援として十五億ドルの無償資金、中期的な復興ニーズに対する円借款に三十五億ドル、合計最大五十億ドル、約六千億円の復興支援を表明しております。また、我が国はジャパン・プラットフォームを通じて二千七百万ドル、約三十億円のNGO経由の支援を行っており、現在イラクでは六つの国内NGOが活動を行っております。しかしながら、こうした支援計画と、航空自衛隊が危険を冒しながら三機のC130Hで累計約五百トンの資材をエルビル、バグダッド、バスラ、アリ・アルサレムの四都市の間を運航することは、全く無関係に行われていると言わざるを得ません。 さらに、価値の外交を標榜し、自由と繁栄の弧という大きな構想を打ち出した日本が、掛け声倒れにならないために注意すべき地域は実に多く存在をしております。北ウガンダの紛争で百万人以上の難民が発生し、二十万人以上の子供が徴兵されています。スーダンの難民は二百万人を超え、レバノンやコートジボワール、スリランカでも看過できない事態が起こっております。 今後、我が国がこうした事態に積極的、主体的に関与するためには、効果的なODAの使い方はもちろんのこと、我が国から国際協力活動に携わる人たちにとってそうした活動がキャリアとなり得る社会制度の整備も不可欠であります。 それと同時に、こうした国際平和協力活動がいかに適時適切に展開され得るのか。できるだけ早く現場に行くことは、その分危険を伴うことになります。自己完結型の活動ができる自衛隊が、安全確保、災害復興、その他様々な得意分野を提供する民軍協力を視野に入れてこそ、本来任務となった国際平和活動を効果的に行うことができるのではないでしょうか。 我が国は、集団安全保障における武力行使には踏み込んでおりません。しかし、どの国が行う武力行使であっても、重大な脅威があり、これを防ぐにほかの手段がなく、必要最低限の均衡性をもって行うという自衛権の発動にも似た三要件に加えて、正当な意図と合理的な見通しという五原則を満たす必要があることは二〇〇五年の国連サミットで提言されたとおりであります。今後、国連安保理において、ある事態には対応するがほかの事態には無関心という恣意的運用を避けるためにも、こうした原則を育てていくべきであります。 いずれにしても、今回の無原則なイラク特措法の延長には断固として反対することを申し述べ、日本外交の柱であります人間の安全保障を真摯に追求すべきであることを指摘して、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。 足立信也君外八十四名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。 よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。 〔投票箱閉鎖〕
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十二票 白色票 百二十四票 青色票 九十八票 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) 日程第七 学校教育法等の一部を改正する法律案 日程第八 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案 日程第九 教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上三案を一括して議題といたします。 ─────・─────
○議長(扇千景君) これより文教科学委員長の報告を求めるのでありますが、佐藤泰介君外五名から、委員会審査省略要求書を付して、文教科学委員長狩野安君解任決議案が提出されました。 これにて休憩いたします。 午後二時五十九分休憩 ─────・───── 午後四時一分開議
○議長(扇千景君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 お諮りいたします。 文教科学委員長狩野安君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。 よって、本決議案を議題といたします。──このまましばらくお待ちください。 岩永浩美君外一名から、賛成者を得て、 本決議案の議事における趣旨説明、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。 これより本動議の採決をいたします。 足立信也君外八十四名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。 〔投票箱閉鎖〕
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百九票 白色票 百十六票 青色票 九十三票 よって、本動議は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) これより発議者の趣旨説明を求めます。水岡俊一君。 ───────────── 〔議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔水岡俊一君登壇、拍手〕
○水岡俊一君 民主党の水岡俊一でございます。 ただいま発言の時間を制限する動議が出されましたが、これは一体何の意味があるんでしょうか。言論を封殺をする、良識の府としては全く恥ずかしい行為であり、これはまさしく参議院の自殺行為ではありませんか。与党の行為には強く抗議をするものであります。 私は、民主党・新緑風会を代表して、狩野文教科学委員長に対する解任決議案について、まず案文を読み上げて提案をし、その後、提案の趣旨を説明いたします。 文教科学委員長狩野安君解任決議案 本院は、文教科学委員長狩野安君を委員長の職より解任する。 右決議する。 戦後レジームからの転換を標榜する安倍総理が、昨年、教育の憲法と言われる教育基本法案の強行採決に続き、多くの国民の慎重審議を求める声を無視して、衆議院に続いて参議院の文教科学委員会でも強引に採決したことは、教育の再生を第一の優先課題とする政権にあるまじき行為であります。 また、委員会において、本来中立公正であるべき狩野委員長は、政府・与党の意見のみを聞き、委員会で強行に審議を終結し、採決を決行してしまいました。このことは、これからの日本の未来を背負う子供たちに顔向けできない蛮行と言わざるを得ません。 与党の議員にお聞きしたい。 昨日の強行採決の様子をニュースで見た子供たちに、あなた方は何と教えるんですか。今、学校現場で民主主義とはどういうものかについて子供たちと向き合い、教えている教員たちに、一体何と教えろというんですか。数は力なりですか。しょせん民主主義は多数決だというのですか。日ごろは一人一人の意見は尊重されなければならないと教え、力の弱い者や少数の者たちの意見を無視するのはいじめだと諭しておきながら、いざとなれば、話合いは切りがないんだよ、多数決さえやれば民主主義だと叫ぶ、この大人の行動パターンを子供たちは必ず見抜いてきますよ。大人の欺瞞、強き者の傲慢を彼らは教訓として身に付けてしまいます。それでいいんですか、与党の皆さん。それが教育ですか、狩野委員長。美しい国をつくる国民に必要なのは、こんな御都合主義ですか。 安倍総理は、昨年の強行採決の上成立した改正教育基本法、教育再生会議第一次報告及び中央教育審議会の答申等を踏まえ、極めて短時間のうちに教育再生のための教育関連三法案を三月三十日、国会に提出しました。これは、憲法改正とともに安倍総理が執念を燃やす戦後レジームの転換という独断的思い込みを優先させたものであり、到底容認できるものではありません。 教育は国家百年の計であります。今与党から国会に提案された法案は、第一に、国家、社会への寄与を教育の目的とする学校教育法等の一部を改正する法律案であります。この法案は、二〇〇六年十二月二十二日に公布、施行された教育基本法に定められた教育目標を学校段階ごとに示すとともに、新たな職制を学校組織に導入することを目的としたものであり、問題に満ちているものであります。 この法案は、まず、国会審議等を通じて多くの批判を受けた愛国心教育など、改正教育基本法の教育目標規定がそのまま盛り込まれていること自体に大きな問題があります。 さらに、改正教育基本法はその第一条で、教育は、人格の完成を目指し……(発言する者あり)よく聞いてください。平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を目的として示しています。しかしながら、人格の完成や平和で民主的な国家及び社会の形成者という観点が教育目標としては極めて弱くなった反面、第二十一条、二十三条で規範意識が盛り込まれており、これでは既存の体制に無批判的に従う人間の形成を主とする教育でしかなくなってしまいます。 現在、教育の先進国とされているフィンランド政府の持続可能な開発のための教育の十年計画で、個人が未来の世代の需要を満たす余地を残しながら現代の需要を満たすこと、持続可能な開発を支えることができるようにすること、その目的とは、持続可能なライフスタイルを実践する人々を育成し、生涯学習の一環として個々人の持続可能な開発に必要な知識と技能を向上させ促進することであるとしています。つまり、小中学校や高校における持続可能な開発の普通教育では、そのための環境づくりと生徒たちを持続可能なライフスタイルに取り組む市民として育成することを重点に置いているのです。また、批判的かつ革新的な考えを育てることで、責任を持つこと、参加すること、意見を提示することといった経験を積むことを目的としています。 ところが、幼稚園を含む学校の教育目標は、その達成に努めなければならないという現行法の努力規定を、改正案では第二十三条、三十条、四十六条などで、達成するよう行われるものとすると、学校による目標達成への縛りが強くなっているのです。これでは学校での教育活動が強く制約される危険性があります。さらに、義務教育、高校、中等教育学校、大学の目標に関し、すべて社会の発展に寄与することが求められています。一人一人の人間の幸福や人格の発展より、社会の発展の手段としての教育ということが前面に出ているのです。 フィンランドの教育と比較しても分かるように、これでは、国際的な動向である子どもの権利条約などの条約に逆行するものであり、二十一世紀の教育の目標として決して誇れるものではありません。 また、審議の過程で明らかになったように、学校に副校長や主幹教諭といった新しい職を新設することで学校の組織運営や指導体制の確立を図るとしていますが、教頭や教務主任といった従来の職種との関係、職務権限がどうなるのかも不明確で、その多くが法律案の制定後になっています。多くの参考人や公述人から、それなりの定数の配置がなされない限り意味がないじゃないですかという意見をまさか与党の皆さんは忘れたわけではないでしょう。管理体制を強化することに主眼を置くばかりでは、今でも大変な教育の事務が、これではますます非効率でより負担が増すものになることは明らかです。 第二に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案は、曲がりなりにもこれまで進められてきた教育行政の地方分権化の動きに歯止めを掛け、文部科学省を頂点とする中央集権的な教育行政への後戻りを起こすような内容になっています。その具体的規定が、多くの教育委員会から批判が出た、文部科学大臣による第四十九条の是正要求と第五十条の指示であります。 振り返ってみれば、このことは、昨年の秋、安倍自民党総裁が総理に就任した途端に報道が加速をしたいじめ自殺問題や、高校、中学校での教科未履修問題における教育委員会の対応の遅れや不適切さがきっかけとなっています。
○議長(扇千景君) 水岡君、時間が超過しております。簡単に願います。
○水岡俊一君(続) これらの規定は、改正教育基本法第十六条、規定された教育への国家関与を具体的に規定したものであり、大きな問題をはらむ内容となっています。 さらに、第五十五条の二において、教育委員会の共同設置その他の連携を進めようとしています。これは教育行政の広域化であり、教育行政と地域住民の距離を広げることになってしまいます。これも、改正教育基本法で国民全体に対する直接責任が消されてしまったことと深くかかわっています。
○議長(扇千景君) 水岡君、簡単に願います。
○水岡俊一君(続) これでは、教育行政が国民よりも国に目を向けて行われていく危険性が極めて強いと危惧せざるを得ません。 第三に、教育職員免許法の一部を改正する法律案についてであります。 教育改革国民会議の提言を受けて教員免許更新制等について審議をした中央教育審議会は、二〇〇二年二月に教員免許更新制については否定的な見解を示した答申を出しました。しかし、二〇〇六年七月の答申では百八十度転換し、今度は更新制に前向きな姿勢が示され、教育再生会議第一次報告で導入が提言をされ、今回の教育職員免許法の一部改正案となった経過があります。
○議長(扇千景君) 水岡君、簡単に願います。
○水岡俊一君(続) この間、二〇〇二年二月の答申で指摘されていた他の公務員との関係における身分保障に整合性があるのか、教員の資質向上策として妥当なのかなどの疑念は一切晴らされることはありませんでした。
○議長(扇千景君) 水岡君、まとめてください。
○水岡俊一君(続) しかも、教職への人材確保という観点からはむしろマイナスの制度として機能する面について何ら考慮されていません。 また、今回の教員免許更新制は、現在実施されている十年次経験者研修との整合性について、審議の中で納得する答弁が聞かされていませんでした。
○議長(扇千景君) 水岡君、時間が超過しております。簡単に願います。
○水岡俊一君(続) 参考人質疑や地方公聴会でも、多忙な学校現場の状況を踏まえ、教職員の定数増など、教育条件整備が必要であるとの意見も多く出されました。 このように、教員免許更新制は、多忙な教員に子供たちに向き合う時間を更に奪い……
○議長(扇千景君) 水岡君、まとめてください。
○水岡俊一君(続) 教員締め付けの施策であり、教育現場を萎縮させるだけのものでしかありません。 子供の教育の質を向上させるために最も必要なのは教育予算の充実です。安倍総理は、教育改革を政策の最重要の柱と位置付けているにもかかわらず、行革推進法の教職員定数の削減規定に縛られ、身動きできない姿を昨日の委員会でも見せてきました。総理は一向に予算を増やそうとしません。つまり、総理は言うこととやることが全く違う人物であります。
○議長(扇千景君) 水岡君、まとめてください。
○水岡俊一君(続) こんな人に規範意識を語る資格はないものと考えますが、いかがでしょうか。 このままでは、我が国の教育に対する公的支出の総額は、GDP比で三・一%と先進国平均の五%を大きく下回っているままで、教育再生など夢のまた夢であります。 これに対して、民主党は教育関連四法案を提出し、排除の論理に基づく教員免許の更新制とはせず、教員の資格、身分の尊重、適正な待遇の保障を行うとともに、教員免許を六年の修士に与えることや、一年間大学院での研修を保障することによって教員の指導力を充実させていくことを主張してきました。
○議長(扇千景君) 水岡君、このままですと発言を中止せざるを得ません。簡単に願います。
○水岡俊一君(続) また、教育行政の体系を簡素化し、現場の主体性を尊重することにより、教員を教育に集中できる環境をつくることを求めてきました。その上で、教員がその崇高な使命を果たして職責を全うするためには、人員の確保や養成、研究の充実等が不可欠であり、また必要性が叫ばれて久しい少人数学級を実現するためにも、教育予算の増額を法案で明確に規定をしております。
○議長(扇千景君) このままですと発言を中止せざるを得ません。
○水岡俊一君(続) さて、教育関連七法案の参議院での審議は先月二十一日から始まり、文教科学委員会では双方の提出法案について順調に審議を重ね、今月十五日には中央公聴会も開かれました。私たちがここまで丁寧に審議に応じてきたのは、別々の法案を提出している与野党が何とか妥協点を見いだして、少しでも良い法律を成立させたいという意味からです。 文教科学委員会では、我々、政府の教育三法案の欠陥について、教育を受ける側に立った視点を重視する中で様々な点において主張してきました。そのことは、もう既に私が申し上げるまでもなく、与党がよくお分かりであります。(発言する者あり) 文教科学委員会で、重大な問題点がたくさん残り、まだまだ慎重審議が必要であるにもかかわらず、勝手な都合で審議を打ち切ってしまった狩野委員長に対して、私たちはここに解任決議案を提出いたします。(拍手)
○議長(扇千景君) 参議院らしくしてください。 ─────────────
○議長(扇千景君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。中島啓雄君。 〔中島啓雄君登壇、拍手〕
○中島啓雄君 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました狩野安文教科学委員長の解任決議案は論旨不明確であり、全く理解に苦しむものと考え、断固反対の討論を行うものであります。 教育基本法が制定されたのが昭和二十二年、それから六十年を経過し、教育をめぐる環境は大きく変わってきております。(発言する者あり)
○議長(扇千景君) 静粛に願います。
○中島啓雄君(続) ITを始めとして、科学技術、情報の進歩には著しいものがあり、経済活動や文化の国際化が進展、また少子高齢化が急速に進んできました。 こうした時代の変化に合わせて、昨年の臨時国会で教育基本法の抜本改正が行われました。今通常国会では、これを受け、教育再生三法案の成立が図られ、児童生徒の視点に立った学校教育現場の改善、教育委員会の改革、教員の質の向上などの教育の構造改革が実現されるわけであります。 狩野委員長は、平成四年の参議院補欠選挙での当選以来、十五年以上にわたり、妻として、母としての経験を基礎にして、文教科学や厚生労働の分野を中心に議員活動を展開されてきました。(発言する者あり)
○議長(扇千景君) 静粛に願います。
○中島啓雄君(続) なじみやすく穏やかな人柄で、与野党の隔てなく、接する人みんなから尊敬され、また愛されてきました。今年一月には文教科学委員長に就任、以来、委員長としてその職に誠心誠意務められてきたのであります。 五月二十二日以降の教育再生三法案の審議においては、その内容をしっかりと吟味し国民各般の声を幅広く聴取することで、より良いものにする努力を絶え間なくされてきたのであります。委員長としては非の打ちどころのない人物であり、委員会運営においても、特に野党に配慮した運営を心掛けてこられたのは、私が改めて言うまでもなく、むしろ野党諸君の方がよく事情を承知しているところであります。 参議院の委員会での審議時間は五十四時間余りに達し、衆議院の五十七時間に比べても十分過ぎる時間を確保しております。委員の質疑に加えて、与野党の合意の下、地方公聴会を全国四会場で、中央公聴会を一回、多くの教育専門家から意見を聴く参考人意見聴取を二回開催などの手続を重ね、昨日は内閣総理大臣の出席の下、締めくくりの質疑が行われ、後半ではテレビ中継により国民の皆様に審議状況を公開するなど、狩野委員長の卓越したリーダーシップにより、充実した審議が展開されてきたところであります。 以上のように時間を掛けた慎重審議を行った上で、会期末が迫る中、昨日、委員長は法案採決について委員会に諮りました。野党側は採決を拒否いたしましたが、議会制民主主義における多数決ルールに基づき、委員長が法案の採決に踏み切られたのは、委員長としての職責を全うされた、全く非のない適切な判断であると考えます。 教育再生三法の成立は国民の多くが強く望むものであり、それによって一刻も早く教育、教員の質を高め、いじめ、不登校、学力の低下といった問題を解決しなければなりません。今後とも、安倍総理のリーダーシップの下、政府・与党が協調して、幅広くかつ真摯に国民の声を聴きながら、教育改革の実現に邁進する決意であります。 狩野委員長には、引き続き、教育に関する高い識見と豊富な経験を生かしていただき、委員長としての指導力を遺憾なく発揮し、諸問題の解決に取り組んでいただかなくてはなりません。 本解任決議案に強く反対の意見を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)
○議長(扇千景君) 蓮舫君。 〔蓮舫君登壇、拍手〕
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。 まず冒頭、発言時間を制限する動議を出し、自由な発言を与党の数の力で防ぐとするその姿勢に、強い抗議を示させていただきたいと思います。 私は、民主党・新緑風会を代表して、狩野安文教科学委員長の解任決議案について、賛成の討論を行います。 衆議院でも参議院でも強行採決、一体いつから国会は与党の思うがままに運営できるようになったんでしょうか。私は、この姿を子供たちに見せることはできないんだということを、まず強く申し上げさせていただきたいと思います。 以下、狩野安文教科学委員長の解任決議案に賛成の理由を具体的に申し述べます。 政府が提出した教育関連三法案、学校教育法改正案では国を愛する態度を明記し、地教行法改正案では小中学校に副校長などを置くことができるとして、教員免許法改正案では教員の免許更新を導入するとしていますが、一体この改正で、今学校で起きている問題、子供たちが直面している問題の何が変わるのかが全く見えないというところがまず問題だと言わせていただきたいと思います。 中でも、教員免許改正法につきましては、安倍総理が、去年十二月の委員会で、不適格教員のチェックのために更新制度を導入すると明言しています。当然、不適格な教師は省かれるものです。ただ、そうした教員には、十年の免許が更新される期限を待つまでもなく、その場、そのとき、適時に迅速に排除をするべきものであって、何も免許を導入しなければ、不適格教員をチェックできるものではないんだということを言わせていただきたいと思います。 また、政府案では、教員免許は十年ごとの講習を修了しなければ資格を失うことになるとしていますが、今百十万人いる現職の教員が十年講習を受けるには、一年間に十万人もの教師が講習を受けることになります。講習はどこで行うのか、講習場所の確保、講習を受ける費用、日程の見通しあるいは講習を受ける間の勤務の取扱いはどうなるのかという私たちの質問に対し、文科省の答弁は検討課題だと言われました。つまり、まだ何も決まっていないんです。中身が全く決まっていない法案を通すためにしっかりとした審議が必要で、今回の強行採決はやはり拙速だということを強く抗議申し上げます。 四十年ぶりに実施された文部科学省の勤務実態調査では、教職員の一日の休憩時間はわずか九分であることが明らかになりました。勤務時間は四十年前と比べ五倍から八倍に増えていることも分かりました。先生たちが事務などに追われて子供との時間が取れない実態が浮き彫りになり、今回、政府は、学教法の改正で副校長や主幹教諭など新しい職を置くことができるとしています。一見すれば、先生が増えて、教師が子供と向き合う時間がつくれるかのようないい法案内容のように思えますが、一方で、政府は教職員の定数改善は行わないとしていて、法案の目指す意図と現実が矛盾した内容となっております。全体の先生の数を増やさないままで新しい職を増やしても、教職員が抱える事務などの低減にはつながりません。私たちは、子供たちのために教職員の定数を増やし、カウンセラーなどのスタッフを充実すべきだと提案をさせていただいております。 さらに、地教行法の改正案では、国の地方への関与を強めるおそれある条文が盛り込まれています。四十九条、五十条では、文部科学大臣が都道府県、市町村の教育委員会に対し、是正要求、指示を直接行うことができるとされています。例えば、どんなに教育委員会が一生懸命取り組んでいても、文科省が不十分だ、怠りがあると判断したら、国が地方教育に口を挟むことができるんです。 一体何が怠りがあるのかと質問させていただいたときの文科大臣の答えは、私が判断したときであり、定義はあらかじめできないということであります。地方において特色ある教育を自由に行わせようとするときに、国が判断して逸脱したとすれば是正要求の対象になるというのは、これは地方分権に逆行していると言わざるを得ません。 さらに、信じられないことに、怠りは文科大臣が判断するとありますが、教育委員会に問題があるということを知る手段は何かという質問に対し、文科省は、ニュース、報道、教育委員会から情報を仕入れますと言われました。文部科学省は日本全国のニュースをチェックして、地方紙のすべてを詳細に把握するということなんでしょうか。真贋の分からない報道で怠りを判断すると、こういう法案が当たり前に通っていくという、それをよしとする委員長の判断に私は強く抗議を申し上げたいと申し上げます。 子供たちの健やかな学びを保障する教育、国、都道府県、市町村の教育委員会、学校という四層構造で責任がばらばらである教育行政の責任を明確化し、子供たちに一番近い学校にもっと権限を持たせる地域立学校を私たちは提案をしています。しかし、政府は、教育に必要な人的、物的、財政的な支援や環境整備を怠ってきたばかりか、昨年成立した行革推進法では教職員の定数削減までもが盛り込まれました。次の世代を担う子供たちを育てる教育行政においてまで経済効果や効率性を重視し、経費削減対象にするという姿勢を変えないで、教育再生が内閣の最重要課題と言う安倍総理を私たちはどうやって信用することができるんでしょうか。 今、教育行政に求められていることは教育予算の増額です。このことは、委員会審議において与党の議員からも何度も提案をされています。子供たちの教育の目標に規範意識や国を愛する態度を掲げる前に、保護者や子供が求めている確かな学力、安心、安全な学校をつくるために、ほかの先進諸国並みの教育予算を確保すべきではないですかと私たちは提案をさせていただいております。ところが、審議において、教育予算を増額するのか、減額するのか、現状維持でいくのか、この質問に対して安倍総理は、気持ちを酌んでほしいと答弁をされました。答弁で気持ちを酌んでほしいと言われても、一体どういう気持ちなんでしょうか。仮に総理が替わったら、この気持ちは次の総理も引き継ぐんでしょうか。そうした答弁内容の保証がないものを答弁だと強弁するその総理の姿勢に、私たちは強い抗議も示したいと思います。 さらに、国家百年の計と言われる教育の大きな制度改革に当たって、これまでの政府の教育政策の成果や課題について多角的な分析、検証をすることなく、総理の下につくられた教育再生会議の報告を何よりも重視し、その報告に合わせて中教審への諮問を強行に行い、正に初めに結論ありきの政府が提出する教育関連法に私たちは同意することができません。 さらに、強行採決に合わせて三法案に二十二もの附帯決議が付けられましたが、与党が政府の出した法案に附帯決議を付けるということは、自らが欠陥法案だということを認めていることにほかならないんではないでしょうか。 審議は全く不十分であり、委員長による強行採決は到底容認することはできません。子供たちの教育をどうしていくのかを決める委員会で、与野党の合意なしに数の力で法案を採決することが、こうした姿を子供たちに堂々と見せることができるんでしょうか。 また、強行採決を行うときに与党議員の助言に従うという委員長の姿勢は、公正公平で中立的な立場で委員会を取り仕切る立場としてふさわしくないのではないでしょうか。こうした意味からも、委員長の解任決議案には賛成をさせていただきます。 今回のめちゃめちゃな採決の在り方の背景に、迫っている参議院議員選挙で消えた年金問題から国民の関心をそらそうとしている姿は明らかだということを申し上げさせていただきます。最大の争点と言われる年金問題の関心を薄めるために政治とお金の関連法案、国家公務員改正法案を出し、無理を承知で参議院に送ってきて、そのために審議日程が非常に窮屈になったから強行採決で法案を通すという姿勢は果たしてどうなんでしょうか。一体いつから参議院は総理官邸の意向どおりに審議日程を進めるようになったんでしょうか。これで良識の府と言えるのかどうなのか、甚だ疑問だということを強く申し上げさせていただきます。
○議長(扇千景君) 蓮舫君、時間が超過しております。簡単に願います。
○蓮舫君(続) 最後に、安倍総理が検討しているとされる国会会期延長について申し上げさせていただきます。 無理を承知で、国会の慣習を無視して次々に重要法案を参議院に送ってきたこと自体理解ができませんが……
○議長(扇千景君) 簡単に願います。
○蓮舫君(続) 物理的に審議時間がなくなれば延長を行えばいいというのは美しい姿なのでしょうか。 今回の法改正で、子供の教育目標に規律意識を掲げましたが、まずはこうした国会運営を強行する与党の規律意識を問わせていただきたいと私は申し上げさせていただきます。
○議長(扇千景君) 蓮舫君、時間が超過しています。
○蓮舫君(続) 良識の府と言われる参議院の国会議員の皆様方には正しい判断をしていただきたいということを申し述べ、私の狩野安文教科学委員長の解任決議案に賛成する討論を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(扇千景君) これより本決議案の採決をいたします。 足立信也君外八十四名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。 〔投票箱閉鎖〕
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百十五票 白色票 九十七票 青色票 百十八票 よって、本決議案は否決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(扇千景君) これより委員長の報告を求めます。文教科学委員長狩野安君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕 ───────────── 〔狩野安君登壇、拍手〕
○狩野安君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 これらの法律案につきましては、去る五月二十一日、本会議において趣旨説明を聴取しておりますので、その内容については簡略に述べることといたします。 まず、学校教育法等の一部を改正する法律案は、改正教育基本法の理念の下、義務教育として行われる普通教育の目標を定めるとともに、学校の種類ごとの目的等に係る規定を整備するほか、学校の運営及び指導体制の充実を図るため、副校長、主幹教諭及び指導教諭の職を新たに置くことができること等の措置を講じようとするものであります。 次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案は、地方教育行政の自主的かつ主体的な運営を推進するとともに、緊急の必要がある場合等における国の関与の手続を整備するため、教育委員会の事務処理が法令に違反する等の場合において、児童等の生命又は身体を保護するため緊急の必要があるときは、文部科学大臣がその是正等を指示することができることとする等の措置を講じようとするものであります。 次に、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案は、普通免許状及び特別免許状に有効期間を定め、更新制を導入するとともに、分限免職処分を受けた教員の免許状の効力を失わせるほか、児童等に対する指導が不適切な公立小学校等の教員を対象とした指導改善研修の実施を任命権者に義務付ける等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、三法律案と西岡武夫君外四名の発議による日本国教育基本法案等四法律案を一括して議題とし、安倍内閣総理大臣、伊吹文部科学大臣ほか関係大臣、四法律案の発議者等に対して質疑を行うとともに、二度にわたる参考人からの意見聴取、茨城県、福島県、神奈川県及び愛知県の各県に委員を派遣しての地方公聴会、更に中央公聴会を開会し、慎重に審査を重ねました。 委員会における主な質疑の内容は、規範意識等を養うための具体的な教育内容、副校長等の新たな職を導入する目的とそれぞれの職の役割、文部科学大臣が定める学校評価に関する評価項目等の強制力の有無、教育委員会の現状と活性化に向けた方策の実効性、文部科学大臣による是正の要求、指示に至る事前手続の在り方、私立学校の自主性を尊重する必要性、免許状更新講習の内容及び十年経験者研修との相違、免許状更新講習の受講機会を確保する具体策と受講費用負担の在り方、指導が不適切な教員の認定手続における公正性の確保、国の教育予算増額の必要性等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 三法律案について質疑の終局を決定し、順次採決の結果、三法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三法律案に対して附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(扇千景君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。那谷屋正義君。 〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義です。 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、政府提出の教育関連三法案、私からすれば改悪三法案に対する反対討論を行います。 討論に先立ちまして、昨日の文教科学委員会で生じました強行採決や、先ほどの訳の分からない緊急動議など、良識の府、言論の府としての本院の存在意義を大きく損なう一連の動きは到底認められないことを強くお訴えをしておきます。 教育再生に名をかりた今回の教育三法の改悪策動は、郵政解散で多数を占めたことを千載一遇の好機とばかりに、数の力こそすべてという蒙昧な政治姿勢から生み出されたものであることは明らかであります。まるでそれは、おんば日傘で育てられ、世の中の酸いも甘いも体得する前に大人に至ったお坊ちゃんが、駄々っ子のようにあれも欲しい、これも欲しいとおもちゃを取っ替え引っ替えしている図に等しいと言えます。 今回の改悪意図が、「井中より星を視れば数星にすぎず」という例えが指し示しますように、狭い範囲しか見えない、いや、見ようとしない一国の指導者の思い込みから生まれ出たものであったとしたら、子供たちにとっても、教員たちにとっても、これほど無残なことはないでしょう。 学校で学ぶ子供たちにとっては、そのひととき、一刻が掛け替えのない時間であり、大人たちの勝手な論理によって実験台とされるいわれは全くないのです。そこには、子供たちのためにという大義は、はるかかなたに遠のいてしまっています。 以下、三法案に対して反対の論旨を明らかにしてまいります。 まず、教員免許法案についてであります。 更新講習の内容や修了認定基準、わけても教員にとっては死亡宣告にも等しい認定未了にかかわる基準の在り方、さらには、講習免除対象者、障害を持つ教員の更新の在り方、更新に係る費用や服務の問題等々、肝心の部分がすべて政省令にゆだねられるなど、行き先知れずの海図のない航海にもかかわらず、免許失効という引き金に指を掛けた上での、文字どおりの絶対服従を強要する内容となっています。これは決して容認できるものではありません。 二〇〇六年中の全国の自殺者が九年連続で三万人を超えるとともに、学生生徒の自殺は八百八十六人で、統計を取り始めた一九七八年以来最悪となったという悲痛な報道があったことを安倍政権はどう受け止めたのでしょうか。追い詰められた子供たちが自らを見限り始めているという識者の指摘や、自殺の原因、動機として学校問題を挙げた子供たちが前年に比べ二八%も増加したことに照らしても、子供たちの心の叫びにこたえ切れていない現実は、学校現場出身の私からしても強い危機感を覚えます。 だからこそ、多くの教員は、子供たちと直接かかわることによって結果的に生まれる超過勤務や多忙化からは決して逃げようとしないのです。それは、子供たちに直接かかわるという教員としての本分を尽くすことによって子供たちの育ちにつながること、すなわち、自らの持つ可能性を信じられることや他者への思いやりを持てることなどなどが子供たちの未来への確かな贈物になると確信するからでもあります。 知識、技能の水準を形式的に担保するにすぎない免許制度に、資質の向上というまるで木に竹を接ぐがごとき無理筋の要素を持ち込む必要性が一体どこにあるというのでしょうか。教員に求められる真の資質向上の機会は、子供たちとの直接的なかかわり、子供たちと真正面から向き合える場、時間の十分な確保以外にはありません。今回提案された教免法改悪案の矛盾は、ここに明らかであります。 次に、学教法見直しに反対する理由について述べます。 教育基本法に限らず、そもそも基本法の体系とは、国や自治体など権力を持つ側を主な対象として目指すべき理念を定めたものであり、国民の権利を制限することや義務を命じる性格のものではなかったはずであります。 しかし、昨年暮れ成立した教育基本法の見直し案は、愛国心、公共心、家庭教育の責任などを国から国民に注文するような内容へと変質しており、教育のクーデターが企てられたに等しいとの指摘が大いに説得性を持つところであります。この延長線上に、教育の理念、目標の変更にかかわるものとして、教育基本法見直し案第二条五号の我が国と郷土を愛する態度を養うが盛られたわけであります。今回の学校教育法第二十一条三号にもほぼ同文の規定が付けられました。 ここに浮き彫りとなるのは、子供たちを一定の価値観によって鋳型にはめることになる安倍流の美しい国づくりの方向性であり、それら指導の課程をこの二法で補完しようとする危険極まりない意図であります。 また、副校長や主幹などの新たな職を配置する際に、標準定数の枠をそのままとする政府の考え方は、教職員の総力をもって学校再生に取り組むべき命題からすれば、その協力・協働関係に分断を持ち込むだけであります。それは免許更新制導入との二乗の反作用となって多忙化に拍車を掛け、子供と向き合う時間をはぎ取るだけの結末になることは必至と言えます。 地教行法見直し案に新たに付け加えられた是正の要求や指示などの規定があること自体、地域の実情に応じた教育ではなく、国の権限、管理の強化につながることは明白であります。仮に、これらの規定が必要とされる場合とは、地方自治法第二百四十五条の五の是正の要求が機能しないからということに尽きるわけであります。 しかし、文科省が、過去に教育委員会に対して、地方自治法に基づく是正要求を発動した事実はありません。地方自治法に定められた伝家の宝刀を勝手にさび付かせておいて、よくぞこんな虫のいい法改正が目指されたものであります。そこにあるのは、従来の指揮命令型行政の復活に門戸を開きたいとの思いだけではありませんか。 地方自治の理念に合致する、身をつつましやかに保つ地教行法の在り方こそが望まれているわけであります。今回の地教行法見直し案はこの対極にあるものであり、断じて認められるものではありません。 改悪三法案のように、国の権限を拡充し、学校の管理体制を強化し、教員に不必要な圧力を掛ける一方で、肝心の予算措置については全く腰が引けたままという有様では、真の教育改革は望むべくもありません。これでは我が国の将来に希望の光が全く見いだせないのも当然でしょう。 かてて加えて、「巧言令色鮮し仁」の安倍政権の欺瞞性を白日の下にさらすことになったのが、学校施設の未耐震化問題です。耐震診断を実施した公立小中学校約二万棟のうち、震度六強以上の地震で倒壊する危険性が高い学校は二割強の四千三百二十八棟にも上る深刻な実態が、つい最近の文科省調査で明らかになりました。子供たちの人柱の上に成り立つ教育再生など、何の意味もありません。ここに美しい国づくりの片りんでもあると言えるのでしょうか。 また、安倍総理が声高に叫ぶ教育現場の刷新とは何たる言いぐさでしょうか。刷新とは、ゼロベースで見直すことです。学校再生にこれまで積み重ねられてきたすべての努力が、安倍政権の意に染まないという理由だけで全否定されるのです。子供たちのために、過労死の危険水準を超えることすらいとわずに困難に立ち向かう多くの教職員に対して、これほどの理不尽な言い掛かりもありません。 義とは、我を美しくあれと書きます。教職員の誇りだけでなく、子供たちの命すらも犠牲にしかねない安倍政権の本性は、義の世界と共存する美の在り方とは全く相入れるものではありません。 改革は自強である。その本旨は、自らを悟り、自らを鍛えることのほか改革はあり得ないということに収れんします。改革自強の戒めは、まず何よりも政治家一人一人の内なる精神にこそ求められるものであります。この要諦に気付かず、教育再生の美名に酔い、壮大な独り芝居を演じているのが安倍政権、そして今の文科省なのです。 文教科学委員会の審議においては、与党の委員からも本三法案について様々疑問の声が出されました。子供たちの目線に立った真の教育改革に向け、与野党を超えてじっくり議論しようではありませんか。 政治とは、喜びを生む作業でなければなりません。この真理に背馳する改悪三法案に断固反対することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(扇千景君) 中川義雄君。 〔中川義雄君登壇、拍手〕
○中川義雄君 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました教育再生三法案に関しまして、賛成の立場から討論いたします。 安倍総理は、今通常国会の施政方針演説において、教育再生は内閣の最重要課題です、道徳心など今までおろそかにされてきた価値観をしっかり子供たちに教えていくこと、このことこそ日本の将来にとって極めて重要であると考えますと主張されました。 昨年の臨時国会において、長年の課題であった教育基本法の抜本改正が実現しました。そして、今国会では、教育再生三法案が両院において、国民の声を幅広く聴きながら、多面的に審議され、成立しようとしております。私は、教育基本法とも関連して、教育再生三法案は、総理が我が国の理想の姿として描かれた「美しい国、日本」の創造につながるものと確信しております。 以下、それぞれの法案に関して賛成の理由を申し述べます。 まず、学校教育法等の一部を改正する法律案ですが、義務教育の目標に、規範意識、公共の精神に基づく主体的な社会参画、生命、自然を尊重する精神、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度、これらの理念が盛り込まれています。 次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案についてであります。この法律では、教育委員会の改革、教育における地方分権の推進、国の責任の果たし方などの措置が図られることとなっております。 教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案についてであります。この法律は、教職員の資質の向上を図るとともに、不適切な教員について適切な処置を進めるものとしております。 今日の子供たちを見ますと、私たちのころと比べて、物質面で、そのことは恵まれているように思います。しかし、心の荒廃が進み、学校生活になじめず、学習意欲がわかず、ひいては生きる力そのものが衰えている子供が多いようであります。問題が深刻なだけに、教育、社会教育を改善し、子供たちの生きる力、学習意欲が向上するのは簡単なことではないと思います。 アメリカの教育学者ウィリアム・ウォードは次の言葉を残しております。平凡な教師はただ話をする。良い教師は説明する。優秀な教師はやってみせる。そして、最高の教師は子供の心に火をともす。 教育再生三法案が成立することにより、子供の心に火をつける教師が一人でも多く誕生し、子供たちが日々、目を輝かせて、楽しく、真剣に学校生活、社会生活を送るようになることを切に願って、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。 足立信也君外八十四名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。 よって、表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。 〔投票箱閉鎖〕
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百十六票 白色票 百十九票 青色票 九十七票 よって、三案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十三分散会