法務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/05/24
会議録
○委員長(山下栄一君) これより法務委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私、法務委員長が連合審査会の会議を主宰いたします。 少年法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明につきましては、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○下田敦子君 民主党・新緑風会の下田敦子でございます。大変高いところから御無礼いたしますが、よろしくお願いいたします。 私は大学を終えますときに児童にかかわる資格を取るために若干児童心理を学んだ程度でありますので、いろいろ稚拙な質問が出てくるかと思いますので、御寛容のほどよろしくお願い申し上げます。 まず、同法案は、さきの平成十七年八月八日、衆議院解散により審議未了、廃案となりました。翌年、再度提出されまして、その後の閉会中審査、継続審査となりました。このたびの同法案趣旨説明の下、法務委員会とともに当委員会による連合審査の場が設けられ、それにこの場をちょうだいいたしましたことに深く感謝を申し上げたいと思います。 少年法の見直しに当たりまして、児童福祉サイドから総合的な検討を、福祉的アプローチを充実させるべく質問をさせていただきたいと思います。 現行法では、刑罰法令に触れる行為、いわゆる触法行為を犯した児童については、警察庁は、児童の年齢が満十四歳以上の場合はこれを家庭裁判所に、満十四歳未満の場合は児童相談所に通告するとされています。 ところで、非行児童の多くは両親から温かい愛情を持って養育されるという経験が少なく、長期間にわたって虐待を受けていたケースも見られます。このような家庭環境に恵まれない児童に対する処遇に先立っては、何よりも当該児童自身が一人の人間として大人から大切にされたあるいは大事に扱われたという、人が健全に成長していく上で是非経験しなければならない大きな発達段階をしっかりとクリアさせることが必要です。この経験を実感することで、初めて自分が犯した行為を心から反省し、自立の心が芽生えるのだと思います。 児童自立支援施設は、入所児童の生育歴や家庭環境等を十分に調査、確認の上で、児童一人一人に合った自立支援計画を策定し、福祉的な観点からできるだけ温かい家庭の雰囲気の中で、職員が親代わりになって当該児童の気持ちの立て直しを支援しています。 長年、児童福祉の現場にあってこられた、私が一緒に今仕事をしている仲間でありますが、これを専門家の意見として申し述べたいと思います。今回の少年法改正案は、最近における児童、少年における非行、犯罪でもあります、の低年齢化及び凶悪化を理由として唐突に提出された感が否定できず、その趣旨は厳罰化と警察の介入権限の強化にあるように思われますとのコメントがございました。 特に、平成十五年、長崎の小学校六年生、十一歳の女の子ですが、この女児による同級生殺害の事件を機に当時の青少年育成推進本部副本部長の厳罰化の発言の下にされた警察の介入権限の強化、治安対策の延長線でしかないという声も聞かれます。厳罰化では子供を救えません。育つ者の芽もつまんでしまいます。 そこで、お尋ねいたしますが、今回の改正は、刑事処分が可能な年齢を十六歳から十四歳に引き下げた当時の、二〇〇〇年でありますが、その当時の法改正以来の大幅な見直しであります。厚生労働省としては、このたびの少年法改正案に対してどのようなスタンスで臨んでおられるのか、あるいはこれからどうされていくのか、それを厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の少年法改正法案のうち、特に厚生労働省と関係の深い事項といたしましては、触法少年に係る事件について警察の調査という機能を明確化したこと、それから、触法少年に係る殺人等の重大事件につきまして児童相談所は原則として家裁へ送致をするということ、さらに、現在十四歳とされている少年院への入所年齢の下限をおおむね十二歳へと変更する、それからまた、触法少年について家裁は少年院送致の保護処分をすることができるようにする等の事項かと思っております。 これらの改正につきまして我々が基本的に考えているところは、まず調査の充実という点で、事実解明に対する社会の要請というものが強まっていることにこたえながら、加害少年の立ち直りの視点の観点からもその調査を充実した形で行うということが必要なのではないか。また、個々の加害少年にとって、その後の処遇というものをいろんな選択肢を置いて、そのうちから最適の処遇を求めるというそういう体制を整備すべき、こういうことでございまして、私どもとしては基本的に、少年については育て直しということの観点が必要だという委員の御指摘は私どももそのように考えておるわけでございまして、ただ、具体的ないろんな事案に対しましては、今申したように調査を充実する、さらには処遇の選択肢を広げておくということが必要であると、こういうように評価をして、この法案について、法務省とよく連携した上でそうした趣旨が実現するように協力をさせていただいているという次第でございます。
○下田敦子君 大臣は、今私が申し上げました育て直しということを意を酌んでいただきまして大変有り難いんでございますが、警察サイドで調査するということと児童相談所で調査をするということとは根本的な畑が違います。このことを大変私は危惧いたします。その意味から再度申し上げたいと思います。 例えば、家庭裁判所の決定でいったん保護観察処分となった少年であって、その後、また行動次第では少年院送致に処分を変更することができると今回の法案の中にございます。また、十四歳の少年院収容年齢の下限撤廃、特に三月末から始まった法務委員会では、五歳の幼児が重大事件を起こした場合でも少年院に送るのかという質問に対して、長勢法務大臣が、あり得ないとは断言できないと、二重否定をしながら肯定しております。不幸にして非行に陥った児童に対して、家庭裁判所への通告年齢を引き下げるなどいたずらに法的な処罰方針を強化することによって単に少年非行増加への抑止力をねらうことは誠に稚拙であり、的外れと言わざるを得ません。 そこで、大臣にお伺いいたしますが、二〇〇〇年の法改正をもって青少年の犯罪が減ったのか否かをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 二〇〇〇年の法改正が非行の発生状況についてどのような影響を与えたかということについて一義的に述べることは困難でございますが、ただ、統計上の数値を見ますと、少年刑法犯の検挙人員は、それまで二十万人前後で推移していたものが、平成十六年では十九万三千七十六人、同十七年では十七万八千九百七十二人となり、それぞれ前年より減少しました。また、人口千人当たりの検挙人員で見ますと、平成八年以降上昇傾向にあり、平成十五年は一五・五となっていましたが、平成十六年は一五・一、同十七年は一四・二と減少しております。 また、殺人、傷害致死、強盗殺人、強盗致死傷の四種の重大事件について、平成八年から平成十二年までの五年間と同改正法が施行された十三年から十七年までの五年間とで比較をいたしますと、検挙人員は、殺人は五百人が三百九十六人に、傷害致死は五百人が二百三十八人に、強盗殺人、強盗致死は六十四人が七十一人、強盗致傷は五千五百六十二人が五千四百十四人とおおむね減少している傾向にあると考えております。
○下田敦子君 減少しているというお話であります。 実は、政府の青少年の育成に関する有識者懇談会では、一概に凶悪化しているとは言えないという報告もまとめていますが、少なくとも触法少年に関しては、一九九五年から二〇〇四年までこの法改正の前後を見て凶悪化は増えていないと発表しています。ですから、そういう意味を今含めておっしゃっているのかもしれませんが、これは徐々にちょっと質問をまた濃くしていきたいと思いますので、取りあえず大臣のお話をちょうだいしたいと思います。 そこで、このたびの少年法改正は教育基本法と一体化しているものと考えなければなりません。そこで、少年院は学校教育に準じた教育しか実施されておらず、義務教育の質が保障されていないと言われています。どのようにお考えですか、お尋ねいたします。
○国務大臣(長勢甚遠君) 少年院での義務教育についてのお尋ねと思います。 少年院では、義務教育の履修を必要とする者を対象とした処遇コースを設置をいたしまして、実施施設を指定をして、教員免許を有する職員や外部講師により学習指導要領に準拠して教科教育を行っております。 今度の法案が成立いたしますと、今後、十四歳未満の少年が少年院に送致されるようになった場合に、特に小学生については従前にも増して十分な配慮を行うことが必要であると考えております。そのため、文部科学省とも連携し、小学生に対する教育上の留意点についてもよく研究し、年少の少年の処遇にふさわしい教育体制を充実させるよう万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○下田敦子君 時間の関係から、学校教育、特に小学校、中学校におけるこの義務教育の時間的な内容その他から、今大臣にお尋ねすることは省きますが、やはり大いに違います。内容を見ても、これでは日本国の一児童として義務教育を受けて社会に出るということにおいて、こういう前後の事情から少年院にそれぞれまた入っているということであっていても、この教育で果たして同じであるということを言い切れないと、私はそう思います。この点の問題は、これは後でまたお話を伺いますが、大変この意味からは私は心配でなりません。 次にお尋ねいたしますことは、少年の犯罪の凶悪重大化というものの背景には、一方では明らかに精神疾患を疑わざるを得ないような、今までにないような別世界に陥ってしまった犯罪が起きています。 そこで、お伺いいたしますが、小中高の学校現場あるいは児童自立支援施設、少年院における心理士、精神保健福祉士、PSWと呼ばせていただきますが、その配置状況をお知らせください。
○政府参考人(石野利和君) 学校への心理の専門家の派遣につきましての質問につきまして、私の方から答弁させていただきます。 小中高等学校ではスクールカウンセラーを派遣しておりますけれども、平成十八年度計画段階では、中学校を中心に九千九百七十八校に派遣されているという状況でございます。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童自立支援施設におきます心理士それから精神保健福祉士の配置状況でございますが、児童自立支援施設におきまして心理療法担当職員を配置しております施設は、平成十八年度におきまして十五か所でございます。 また、精神保健福祉士でありますが、これは平成十八年度に配置されている施設は現在のところございませんが、入所児童の自立支援に関しましては、医師あるいは心理療法担当職員によるカウンセリングや、その他の専門職員による助言、指導によって対応しておるところでございます。
○下田敦子君 ありがとうございました。 児童生徒の不登校あるいは問題行動の対応を図るためにスクールカウンセラーをようやく予算的に思いを掛けていただいて、十九年度予算額を二分の一の補助率で見てくださいました。 ですが、この資格要件を見ますと、日本臨床心理士の資格認定協会による臨床心理士、あるいは精神科医、心理学系の大学教授、助教授、講師、非常勤講師を除くとあります。このほか、スクールカウンセラーに準ずる者というのがあるんですが、私はこの規定を見ていずれも大変現実性の乏しいことだなと思いました。 臨床心理士は、いわゆる日本臨床心理士の協会における認定された心理士は非常に忙しいです。また、数もそこまで充実していない。精神科医、これはもう全然そこまで出掛ける余裕のヨの字もありません、本当に。ですから、嘱託で云々ということはあり得るかもしれませんが。また、大学から派遣されている精神科医もいらっしゃいますけれども、大変このとおりの事情で忙しい。それから、心理学系の大学教授、助教授、講師、もう本業の教授の時間をこなすだけで、大変今若い人たちがこの心理学に興味を持ってきて志望者も多いということもあって、全国的に非常に講座を開設しているところがあります。ですから、これもなかなか不可能です。次に、スクールカウンセラーに準ずる者というのがあって、よくよく調べれば、学校経験、退職した教員であるとか、そういう方々をここに登用しているわけです。 これは果たして現実的にどういう数字をもって、どういう対応をしていかれるのだろうかと、それを私は大変危惧しております。しかも、国が二分の一の補助率であって、各、例えば児童相談所とかこれらの施設は都道府県が所管しておりますので、これもまた果たしてどの辺まで実現していくのだろうということを大変せんだってから考えておりました。 そこで、今御答弁にありましたPSWですが、精神保健福祉士は、後でまた伺いますけれども、我が国に誕生して、国の資格です、国家資格です。国家資格でありながらその必置義務も認めず、また任用拡大も図っておりません。こういう国家資格がありましょうか。諸外国でこういう扱いはないです。非常に不思議なこの資格に対する、特に厚労省のこういう資格に対する雑駁なものはこのPSWだけに限りませんけれども、あります。 そこで、次にお伺いいたします。 有害図書、過激な強い刺激のインターネット等にひたすら埋没してしまっている環境整備の健全化、これを強力に進める必要があると思います。ストレスが何かの刺激をもってそれを機会に膨らみます。自分を傷付けたりあるいは他人の命を脅かす犯行に出る場合があります。 日本から昨今韓国に上陸をいたしました赤いノートという事件があります。これは各ページ全部真っ赤です。この真っ赤なノートに自分が殺したいと思う学校の先生とか友達とか、こういう人たちにどんどんどんどん名前を書いていく、そしてのろいを掛ける、これが大変な問題を、今教育上その他問題があるということで、韓国の政府当局はすぐに発売停止をいたしました。 日本政府は今までにこういうことをなさいましたか。これは経産省も含めてお尋ねをしていかなければならないところでありますが、この犯罪につながる別な世界をつくってしまう、明らかに精神疾患を疑わざるを得ないようなこういう犯罪の根底、環境には、私は、強い取締りとかそういうことで、警察権の強化をしていくことで収まらない環境があって、これはだれがつくったのだと。社会が、大人がつくっているんです。ですから、このことに対して御見解を伺いたい。
○政府参考人(石野利和君) 学校におきます有害情報阻止について私の方からお答えさせていただきます。 青少年に過激なインターネットの関係の有害情報阻止をするための環境整備を図っていくと、大変大事なことだと考えておりまして、学校におきますコンピューター上の有害情報の阻止につきましてはフィルタリングソフトの活用が有効であるというふうに考えておりまして、これまで文部科学省といたしまして、各教育委員会等に対しましてフィルタリングソフトの導入について通知等によりまして導入を促してきております。平成十八年三月現在、約九割の学校がフィルタリングソフトを導入しておるという状況でございます。 さらに、学校におきましては児童生徒が教員の指導の下にインターネットを利用する、あるいは児童生徒がインターネットを直接使用することを制限するといった措置を講じている学校もございます。 文部科学省といたしましては、引き続き、学校におきまして児童生徒が有害情報に触れることなく安心して情報手段を活用できる環境づくりを促進してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(桜井俊君) インターネット上の違法・有害情報につきましては、総務省といたしまして大きく分けて三つの視点から対策を講じてきているところでございます。 まず、インターネットプロバイダーあるいは電子掲示板の管理者等における違法・有害情報の円滑な削除ということが大変重要なわけでございます。これにつきましては、総務省支援の下で電気通信事業者団体等におきまして、昨年十一月に、違法情報の削除等を的確に行うためのガイドライン並びに公序良俗に反する有害情報の削除を行う根拠となる契約約款のモデル条項というものを作成、公表しているところでございますし、また昨年二月に、権利侵害情報を発信した者、この者についての情報を開示するための判断基準というものを明らかにするガイドラインというものもこの二月に策定して公表されているところでございます。 次に、出会い系サイトなどの有害サイトにつきましては、受信者側で、先ほどもお話ございましたけれども、情報の取捨選択を可能といたしますフィルタリングが大変有効な対策だというふうに思っております。このため、電気通信事業者におきましては、総務省等と連携いたしまして、フィルタリングの認知度を高めるということで昨年三月、フィルタリングの普及啓発アクションプランというものを策定して周知活動に努めてきております。 さらに、この取組を強化するという観点から、昨年十一月に総務省から、特に携帯電話事業者につきましてフィルタリングの普及促進の取組強化を要請したところでございまして、携帯電話事業者におきましては、フィルタリングサービスを利用する、しないということについて親権者の意思を確実に確認するといった措置を今講じてきているところでございます。 最後でございますけれども、有害な情報に対する子供あるいは保護者の対応能力を向上させるということも大変重要だと思っておりまして、今年の二月に警察庁及び文部科学省と合同で、携帯電話のフィルタリングにつきまして、学校関係者や保護者を始めといたします住民に対しまして、その周知啓発活動に取り組むよう都道府県知事、教育委員会及び都道府県警察に要請をしているところでございます。 また、総務省と事業者、文科省と連携いたしまして、保護者、教育者を対象に、インターネットの安心、安全のための講座のキャラバン、e—ネットキャラバンと言っておりますけれども、これを実施いたしておりまして、十八年度四百五十三件の実績があるところでございます。 このような取組によりまして、携帯電話のフィルタリングの認知度も昨年二月の約四四%から今年一月には六六%ということで二二%向上してきたということでございます。 いずれにいたしましても、引き続き、子供が安心してインターネットに接続できる環境を整備してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○下田敦子君 私は、県議会時代にこのインターネットの問題が青少年にどのような影響を与えるかということが大変騒ぎになったときがありました。十二、三年前の話であります。そのときに質問をいたしまして、全く同じです。通達を出す、役所の全くこれはもう本当にいつものやり方です。通達をしてそれで安心ができますか。なぜこういう犯罪がどんどんどんどん出てくるか、それは何でもない、私たちの責任なんです。それを結果だけを見て厳罰化していくということは、私はおかしいと思う。 様々な国のこのたび勉強をさせていただきました。欧米諸国の青少年対策を見ました。後ほど申し上げますが、この精神保健福祉士、PSW、これを中心に凶悪犯の、青少年の犯罪の予防という観点から、大変なプログラムを作って、地域社会、日本でいうならば保護司に当たるような教育士、これをもって大変な緻密なネットワークをつくり組織化していることが、日本にはないのです。だれかがやるだろうということの意味合いが、結果としてしょっちゅう重大事件でテレビにじゃんじゃん出てきて、ああ大変だ大変だ、凶悪化が進んでいる、こういうことでは、私どもがつくっていて、こういう結果を私どもが受けているんです。そのことを一人一人がやっぱり感じなければ、この少年法は、私は悪を生むということは申しませんが、結果としてはいいものにはならない。 この赤いノートのように韓国はすぱっとこれをカットしている。なぜ日本にこれができませんか。日本から出ていっている恥ずかしいことなんです。日本の社会の病理が韓国まで行っているんです。これに対して何もしない。私はおかしいと思います。 そこで、次にお尋ねします。 歴史的に見ますと、我が国の少年院の矯正教育は、一九四九年、大変昔の話のように思いますが、私が生まれた九年後の話です。少年院発足当時、学校教育をモデルとして、生活指導や職業補導に重点が置かれていたと思います。現在も集団規律訓練が主になりまして、個々の心理カウンセリング、特に少年院の矯正教育という中で、精神疾患を持っているかもしれない青少年のカウンセリングは我が国において非常に歴史の浅い分野であると言われています。矯正教育の一環として、精神医学、臨床心理学、教育学を統合したいわゆる総合的なプログラムが必要であります。 現代の心理学では、子供の成長にとって最も必要なものは、自己肯定感であります。これ、私も社会福祉のオーソリティーにちょっと話を聞き、また、なおかつ今も一緒に仕事をさせていただいている八十歳近い方がいますが、決して話を聞くときには否定してはならないと、すべて肯定しなさい、これが元々の社会福祉におけるカウンセリングの精神、心構えだということをよく言われました。 いわゆる自分をそのまま受け入れてくれる養育者、これは親であり教員でありますが、との人間関係を通してのみ可能になると言われるこれらの児童生徒に対する接し方、要するに子供の非行を防ぐためには人間関係を紡いでいける、織物も織れるように紡いでいける家庭が、あるいは親が、あるいは学校が、社会がどのようにつくられていったらいいか、対象となる一人一人の少年に即した援助、治療モデルを構築しまして、処遇の体系化を進めていくことが必要だろうと思います。 そこで、ちょっとお尋ねいたしますが、少しどきっとしますけれども、今日本日で、神戸市の須磨区で発生しました土師淳君の、当時十一歳です、殺害されて今日でちょうど十年がたちました。この少年に対しての事件を社会的に見て、これでは大変だということで、処遇の様々なことが改善図られていったと思いますが、G3という治療の仕方をしている。 これは、関東医療少年院の中、あるいはその少年院の特別な生活訓練課程でG3を考案して、医師、教官、この方々が家族を演じて、その犯罪を犯してしまった少年、青年に赤ちゃんから育て直すということのプロセスをつくってこれを進めてきたということで、最近、時間がありませんので結果だけ申し上げますと、この男性は今年の三月、遺族に対して手紙を送った。退院直前に続いて二度目であります。御遺族に会い、僕にどのような人生を歩めと言われるのか聞かせてほしい。言われるとおりに生きていきたいのです。僕が更生するということはどういうことなのか、償いながら生きていけるということはどういうことなのか教えてほしい。これがG3の総括期に入った本当の最近の最近のこの少年の思いをここまで生み出してきています。大変長い長い忍耐と経験とその環境をつくって、やっとここまで来たんだろうと思います。 ですから、犯罪を犯してしまったこういう凶悪犯に対しては、殊更に大変な忍耐力と環境とセッティングされたものがなければ、すべてこれを厳罰化していけば直るだろうと、むちを持って追い掛ければ直るだろうというのはとんでもないことであります。是非、こういうことで、どのようにお考えになるのか、このG3のプログラムを含めながら、最近のこの病的な状態をどのようにお考えであるか、総合的なプログラムの必要性をどのようにお考えかをお尋ねいたします。
○国務大臣(長勢甚遠君) 少年院での処遇の在り方についての御質問のようでございますので、私から答弁をさせていただきます。 少年院に措置をすることを厳罰化というふうな評価もあるようでございますが、少年院は今正に先生おっしゃったような雰囲気で、職員が大変いろんな観点から苦労しているということは是非御理解をいただきたいと思います。 現在も教育学、心理学等の科学的な知見に基づいた様々な教育内容を含む総合的な教育計画を編成してやっておるわけでございますが、やはり一人一人の方々、入所する少年、いろんな家庭環境あるいは知能の関係その他、いろんな状況の中で起きておりますので、職員はそれぞれ一人一人の特性や問題性に応じた指導を実施しておるということは、私も今先生おっしゃったような言葉をよく少年院の教官から聞くわけでございまして、そういう努力をしておるということは是非御理解いただきたいと思いますし、特に医療少年院においては、精神医療の専門家が、専門医がスタッフとしてその処遇にも関与しておるようでございます。 まだまだ不十分な点もあると思いますが、少年院の職員は正に子供の立て直しのために本当に日夜を掛けて頑張っておりますし、そういういろんな点からしても、様々な学問領域の知見を統合的に取り入れていくことは大変意義のあることでありますので、今後とも、そういう職員の取組、教育計画の充実に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○下田敦子君 どうも御答弁とかみ合いません。 私は心配しておりますのは、例えば昔の施設ケアを振り返ってみますと、これ数十年前ですね、施設ケアを見ますと、非行化した、取調べをする、事実確認、説教、罰。罰は拘束、制裁的な虐待。外出の禁止、寮内の謹慎、それからお小遣いの使用停止、おやつの停止、長時間の正座、頭の丸刈り、反省文、体罰という処遇パターンが常識化していました。まさしく軍隊であります。大人の力によって管理、矯正するという処遇方法です。これを何と言うかというと、プログラム虐待と言うんだそうですけれども、子供に恐怖心を植え付けて絶対服従を強いる。最後はこの職員が統率力があるといって評価された。こういう時代が日本のいわゆる非行少年に対する施設ケアでありました。 今はもう、じゃそれが変わっているか。職員が大変努力している。努力していない施設職員はないと思います。私は大変尊敬しています。非常に少ない職員の中で、日夜もう私生活も何もありません。御夫婦でその施設に入って、まるで親子、本当に、でもできないようなそういうことをやっているところがほとんどです。ですから、大臣からそのお話を承るまでもなく、よく知っておりますが。 例えば、これは一時保護施設でありますが、児童指導員、保育士、栄養士、調理師、看護師、心理療法担当職員、これは誠に少ない、そして非常勤である、その他とあるんです。日本のこういう少年院始め一時保護施設に至っても、誠に昔の配置と何ら変わっていない。これで今、諸外国がやっておられるような予防プログラムを中心とした非行を抑えていく、整理整とんする、精神的なやり取りをする、これができますか。これをお尋ねしているんです。 そこで、質問に入ります。 社会福祉士及び精神保健福祉士、PSWの現在数と、この分野での就業状況数あるいは仕事に就いていない不就労者数、これは仕事に就いていないというのは、専門職であるケアワーカーの社会福祉士とかPSWの本業そのものに免許に基づいて仕事に就いていない数をまずお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。 直近の平成十八年度末で、お尋ねのございました社会福祉士、これ御案内のとおり国家試験に合格し登録した人の数でございますが、八万三千四百二十五人と、精神保健福祉士の方につきましては登録者数は三万人と、こういう状況になっております。 この分野での活動の状況ということでございますが、八万人のうち、社会福祉士会という職能団体がございまして、そこでの調査によりますと、これは会員ということでございますのでデータが限られますが、二万二千四百五十四人のうち、社会福祉施設あるいは社会福祉協議会等で社会福祉士で活躍しておられる方が約六割、医療施設、これはいわゆるメディカルソーシャルワーカーとして活躍されている方が一割、それから行政機関等で八・三%などというふうになっております。 また、逆に施設の側から見ますと、一番施設の数で多い介護保険の状況で見ますと、約三割の施設に社会福祉士の方がおられ、在宅サービスの事業所の一五%に社会福祉士がおられると、このような活動の状況になっております。 精神保健福祉士につきましては、私どもの調査によりますと、病院等で活躍されている方が三万人のうち五千三百七十八人、精神障害者社会福祉施設で働いている方が千九百四十九人というような状況でございますが、例えばドクターなどと違いまして毎年毎年勤務状況について報告するというシステムにはなっておりませんので、委員の御指摘の不就労の方について正確な数は判明いたしておりません。
○下田敦子君 せっかく斎藤十朗厚生大臣の時代からコメディカルスタッフをつくり、様々な医療、福祉の世界を充実させようとしてやってきたことを、任用拡大もしなければ、国家資格でいながらそれを生かしていかない、古いままの少年院あるいは施設のやり方をしているということは国家の損失ではないですか、これは。諸外国並みにはいきません、欧米並みにはいかないということの、今の時点で大変私は将来を危ぶんでいます。 時間もありませんので、お手元に差し上げてありますこの資料に基づいて、少年事件の流れから見て、少年院だとか児童自立支援施設などいろいろここにあります。それぞれの該当するところに子供たちを親の下から離していかなければならない社会の構成であります。 このことに対して、最終的に伺いますが、予防教育プログラムを中心にそのインストラクター、アドバイザーとしての側面が非常に日本ではまだ薄いわけなんですが、これをどうやって今やっておられますか、それをお尋ねしたいと思います。
○委員長(山下栄一君) どちらですか。
○下田敦子君 法務大臣にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) ちょっと質問の御趣旨が、非行を犯さないようにするという予防プログラムという御趣旨でしょうか。
○下田敦子君 時間がありません。 非行を犯してしまった子供たちを厳罰化していくという以前に、社会全体で私どもは子供の非行を予防していかなければならない、そのための地域社会づくり、それをしなければ私は本当の意味での非行予防にはならないと思うんです。ですから、これらの専門家がPSWであったりソーシャルワーカーであるわけでして、こういう人たちがさっぱりこの施設それぞれに起用されていないという現実なんです。これを大臣はどういうふうに思われますか。また、厚生労働大臣も資格の発行者として、それをどのようにお考えであるかをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 青少年の健全育成に関しては、当然社会全体で取り組まなければならない、家庭においても、学校教育においても、その他いろんな社会環境の整備というものが必要であるということはおっしゃるとおりでありまして、それをどのようにうまくやるかのことについて、今先生御指摘のような専門家の方々の知見を活用していくということが大変必要であるというふうにはよく理解できるところでございます。 現在、それぞれの分野において、先生から見られますと不十分ということだろうと思いますけれども、活用の道は付けつつあるんだろうと思いますが、さらに、具体的にどういうふうにしていけば、いわゆるそういう非行が発生しないような環境づくりができるかということは更に検討していく必要があるものと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) PSWを始めとして、そういう専門の職能をお持ちの方をもっとシステマチックに活用すべきではないか、こういう御指摘であったと思います。 今現在、確かに、精神保健福祉士のように精神疾患に関する知見を有する者は現場において非常に必要性が指摘をされておりまして、地方自治体の判断によりまして、児童相談所におきましても精神保健福祉士や保健師を配置することも想定をされております。 ただ、標準的な体制として今どうなっているかといいますと、児童相談所運営指針におきまして、相談援助を行う者としては児童福祉司の配置を求めているわけでございます。児童福祉司の任用資格として社会福祉士とともに精神保健福祉士が位置付けられていると、こういう体制になっているわけでございます。 更に進んで、今委員は精神保健福祉士を児相の配置基準に定めたらどうかと、こういう考え方かと思いましたけれども、地方の実情に応じてその役割を保健所や精神保健福祉センターなどが担うことも想定されておりますし、また児童福祉司の任用に当たって、先ほど申したように社会福祉士など相談援助を業務とする資格が存在しておりますことから、精神保健福祉士自体の配置の要否はやはり各自治体で判断されるべきことではないか。全国一律の基準として定めることは、私どもまだ考えていないという段階でございます。 しかし、いずれにしても、そういう専門的な人材を活用して、地域社会として予防ということに十分な機能を期待していくことということについては、考え方として私も賛同を申し上げます。
○下田敦子君 地方が主になってとおっしゃいますが、それこそ厚生労働省から一本の通達を出していただきますと、あっ、これはこれはと思って、知らないこういうPSWの資格をまじめに検討し始めるのが地方自治体だと思います。 御案内のように、PSWは行政、それから就労、医療相談、支援、指導、治療相談、アドバイス、これらを大変綿密にやるように訓練を受けています。ですから、こういうことをなぜ所管を超えてやらないのか、私は非常に歯がゆいというよりも、一体何なんだろうというふうに非常にこのたびからずっと考えています。 それから、これは一つ要望として申し上げたいと思います。 御案内のとおり、京都の宇治にあります宇治少年院、これは全国の八か所にある初等少年院の一つでありますが、五歳から万引きしている児童も経験者としているというところなんですが、大変実践教育プログラムが優秀で、成果を上げていて、とても全国的に有名になっています。学会その他でもよく話題に出る場所であります。 これは私どもから見て、何でこの子供はこうおかしいんだろうというふうに思って、だから犯罪を犯すんだなというふうにとらえがちで、短絡的でありますが。例えば、LD、これ学習障害児です。それから、軽度の発達障害、ADHDのいわゆる注意欠損多動性の障害児、それから高機能自閉症、自閉症も大変です。一夏休みちょっとお付き合いしたことありますが、大変です。知能そのものというよりも、その状況が全く普通の子供と違います。それから、アスペルガー症候群など、発達障害児の要素を持っている子供たちが犯罪に結び付いている場合があります。 特別支援教育が非常に成果が上がっているわけでして、ここの成功例は何なんだろうというふうにいろいろ全国から注目されていますが、専門家の育成です。そして、チーム化、これがこの成果を生んでいるということであります。ですから、どうぞひとつ厚生省の枠を超えてこういう取組を、この法改正になるのかならないのか大変私は心配しているんですが、お願いを申し上げたいと思います。 それから、一つ私は非常におかしいと思うのは、現在のこの法律の中に児童自立支援施設、これは対象年齢が十八歳未満、ゼロ歳から十八歳未満でありますが、ここの職員の配置基準の中に、職業指導を行う場合には職業指導員を置かなければならないとあるんです。実に古い時代の施設基準でありますが、この点について御所管の大臣はどういうふうに思われていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童自立支援における職業指導でありますけれども、これは中学校卒業あるいは高校を中退するなど、退所後すぐに就労するお子さんを対象に行っているものであります。子供の社会的自立に向けた支援の一つとして重要な役割を果たしているものと考えております。 具体的に、児童自立支援施設で行われております職業指導あるいは就労に向けた支援の内容としましては、一つは施設外の事業所において職場実習をする、あるいは二つ目としてハローワークの訪問、また三つ目として資格に関する学習、四つ目として履歴書の書き方など就職活動に関する学習、こういったものを職業指導員の指導の下で行っているところでございます。
○下田敦子君 いわゆる旧労働省所管の職業訓練を想定してしまいがちですが、十分に要望を申し上げますけれども、こういう施設においてのまず基礎的な知識、これを持った職業訓練であるように、指導員であるようにお願いを申し上げたいと思います。 それからもう一つ、児童相談所の職員構成の中で、理学療法士、フィジカルセラピストですが、これ書いておりまして、そしてその構成員の中に入っているんですが、理学療法士等と書いてあって、言語聴覚士、ST、スピーチセラピストの担当職員を含むとあります。何で児童相談所の中に理学療法士が必要なんでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童相談所におきましては、心身の障害を有する子供に対しまして相談や理学療法を行うという事態が想定されますことから、その運営指針において配置を定めているわけでありますが、こういった障害児に対します理学療法は、確かに今お話しのとおり、肢体不自由児通園施設等の専門機関において実施されることが多いわけでありまして、すべての児童相談所で自ら提供するという場合ばかりではありませんので、そういった機関と連携を図ることで実施するということになっております。この児童相談所運営指針におきましても、こういった理学療法士等を配置するのは、大規模な自治体のいわゆる中核的な児童相談所に配置するということで想定しております。
○下田敦子君 理学療法士、作業療法士、大変不足です。児童相談所に常勤で理学療法士が構成員としているというところは私は聞いたことがありません。恐らくこれは非常勤か何かだと思いますが、たまに身体障害児がいたとしても、これを構成員の中に置かなければならないというのは、私はもう一度見直す必要があるんではないかと思います。 それから、もう一つです。児童自立支援施設機能としてリービングケア、いわゆる退所準備ですね、それからアフターケア、あるいは退所後の援助、これをやる方はどなたでしょうか。こういうことで大変重要な部分ですが、この構成員の中ではだれがやっていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 今お話ありましたそういうリービングケアであるとか退所の準備でありますが、これは言わばその施設におられる児童、それが退所していくためのステップとして重要な要素でありまして、現在でも、児童自立支援専門員あるいは自立生活支援員、こういった者によって行っているところでございます。
○下田敦子君 それでは、児童自立支援施設において、これは長崎県の佐世保で起きました小学校六年生の女児の同級生殺害についてのその後でありますが、御案内のとおり、児童自立支援施設には外側に高い塀などはありません。したがって、こういう加害児の自由を制限する措置を家裁でとられていますので、現実としてはどうかというと、一日じゅう個室に閉じ込めておくという処遇が行われているやに聞きました。これは果たして更生につながるでしょうか。小学校の六年生、そして今、中学生です。一日じゅうです。こういう現実が家裁の後に児童自立支援施設で行われている。 それから、もう一つお尋ねいたしますが、例えば福祉と無関係の職場から職員を異動させる県があります。御案内のように、児童自立支援施設のほとんどは都道府県立であります。ですから、職員が全く関係のない土木部から福祉関係のこういう施設にやってくる。ないわけではないんです。ですから、職員の質を高めるための資格規定、規則を定める必要が私は急務だと思いますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。
○政府参考人(大谷泰夫君) 申し上げます。 まず、児童自立支援施設、そこにおける自由の制限についてでありますけれども、児童自立支援施設におきましては、開放処遇を前提にしまして、家庭に近い環境の下で子供と職員が生活をともにする中で、生活指導あるいは学習指導、職業指導を通じて子供が社会人として自立し、健全に社会生活を送ることができるようにと指導を実施しているところでございます。 家庭裁判所の審判に基づきまして御指摘のような強制的な措置もとることができるわけでありますが、これはずっとということではございませんで、自傷他害等により子供に危険が生じる可能性がある場合、また無断外出などを繰り返す可能性が高い場合等、子供の自由を制限した上で個別処遇を行うことが子供の福祉にかなうと認められる場合にこの児童支援施設の支援の基本である開放処遇に適応させるために例外的に行っているわけでありまして、ずっとそこにおらせるというわけではございません。児童自立支援施設におきましてはこのような例外的な措置を使用する場合もありますけれども、基本的には開放処遇を前提として処遇しておるというところでございます。 それから、資格の任用でありますけれども、確かに都道府県等自治体によりまして、職員の異動の中でそういった部署、言わばちょっと意外な部署から配置換えが行われているというケースがあるかもしれませんけれども、この児童養護施設に配置されます児童の指導員につきましては、これは児童福祉施設の最低基準によりまして任用のルールがございます。 非常に長くなりますが、例えば児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者であるとか、大学の学部で心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科等を修めて卒業した者、こういった者がおりまして、そういった者が資格があるということで任用されたものではなかろうかというふうに思うわけでありますけれども、いずれにせよ、こういった職員については現任研修を行っているところでありまして、その職の任にふさわしい訓練については日ごろから取り組んでおるところでございます。
○委員長(山下栄一君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○下田敦子君 時間がなくなりましたのでまとめさせていただいて、要望を申し上げます。 ただいまの御答弁にありましたように、大学で学んでということなんですが、例えば少年鑑別所、ここでA種認定鑑別技官、これは大学院の修士課程を終わった心理学を専攻した専門官であるということを伺いましたが、あくまでもこの方々はお一人の法務技官であって、専門家である社会福祉系から出たあるいは心理学から出た医療系の方々ではないということだけは今申し上げたいと思います。 それから、虐待に関しては、不潔や食事を与えないなどのネグレクト、これは父兄に対する治療を第一にどうしていくのか、それが見当たりません。ですから、どうぞその辺の整備もお願いを申し上げたいと思います。 それから、大変問題だと思ったのは、このたびの少年法改正に当たりまして、法制審議会の少年法部会の委員、専門担当官がたくさんいらっしゃるわけなんですが、福祉・医療関係者が入っていないというのはなぜなんでしょうか。これは考えられません。 それから、先般、全閣僚で構成された青少年育成推進本部、この大綱を見ますと、やはりこれに対する評価が、予兆の把握、これが重要であると、関係行政機関の連携協力が不可欠であるということが書かれてあります。科学性に欠けるということです。
○委員長(山下栄一君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○下田敦子君 どうぞ、以上、そういうことで要望を申し上げたいと思いますが、保護司が非常に高齢化しておりましたり、それから備える地域での組織力がありません。このことをまず考えるべきだと思います。 それから、最後の最後に……
○委員長(山下栄一君) 時間が来ていますから。
○下田敦子君 はい、済みません。 岩手大学の大沢教授、それから大分大学の飯野教授、非行と食生活ということで一つのエビデンスをつくっております。もうアメリカはできています。こういう視点を食育の中に取り入れていくべきだと思いますので、御要望を申し上げて、終わらせていただきます。 済みません、遅くなりました。ありがとうございました。
○山本保君 公明党の山本保です。 私は児童福祉をずっとやってまいりましたので、その観点からいろいろ今日は法務省を中心にお聞きしたいと思っております。 最初に、いろいろ残念な事例もありますが、日本における矯正教育、少年院というのは大変効果の高い教育をしているということは、私もそれは高く評価したいと思っております。もっとその辺を、数少ない、うまくいかなかった事例だけが流れるのではなくして、全体的な教育プログラム、先ほども下田先生、昔のことを言われたんだけれども、そんな強圧的にやるなんてことをやっている施設は、そんなものはあるはずがないのでありまして、きちんとしたその本人の目的意識をいかに取らせるか、そして今までの犯罪、まあ犯罪ですけれども、大きく言えば、それに対する自分の気持ちというものをどのように乗り越えていくのか、又は家族観、家庭観、社会観をどう変えていくのか。私は、児童福祉の側からも、少年院が今までやってこられたことに対しては大変効果的でまたすばらしい結果を出されていると思っております。 ただ、そうではありますけれども、ここで大きな改正でございますので、この辺についてまず最初に大臣にお聞きしたいんですが。 今も議論があったんですけれども、実は明治三十三年に感化法ができまして、感化院という制度が当時の内務省、正に今でいう児童福祉の側にできます。これは、そのまた百年前のスイスのペスタロッチというふうな方の理念が全世界的に広まりましてできてきた施設なんですね。正に愛情で子供を育てようということなんです。 ただ、この理念はすばらしいんですけれども、現実的にはなかなか大変であったということで、明治後半から大正期、新しい少年法を作ろうという議論がなされます。そのときに、正に当時の内務省と司法省の間で大変な論争になるわけでして、愛情なのか高い塀が大事なのかと、こういう有名な論争があるわけでございます。 ただ、どうなったかといいますと、結論は、戦後の児童福祉法体制そして新しい少年法体制になりまして、正にそれは個々の子供の状況に応じて選択をしていこうと、こういう体制が基本になるわけでありまして、今日は残念ながら家庭裁判所といいますか、最高裁家庭局来ておりませんけれども、正に裁判官の専門的な判断によりまして、その子供、少年に対してより良い処遇というものがどのようになるのかということで、両方が選べる、また両方の手法、そして少年、児童福祉というのが協力をし合うと、こういう体制になっております。ですから、何かそれを厳罰化ですべてそうでないようにするというふうな議論というのは全くこれはおかしなわけでありまして、そうではない。 もっと言えば、例えば戦前ですと、児童福祉すら実は十四歳と書いてあったんですね。当時の十四歳というのは中学生じゃないわけですよ。つまり、当時の十四歳というのは社会に出ているんです。小学校を出ていない、卒業していない子供が一杯おりまして、そういうときの正に児童福祉が十四歳であった。これは、ですから当然、戦後十八歳ということになりまして、言うならば、児童福祉の対象範囲が広がっております。 この同じような考え方で、今回、十四歳未満について、今まで少年法がまた少年院がタッチしてこなかったところを改めようというのは、私はこの際、すべて持っていくわけではありませんから、その辺が大事です。一人一人に応じてだと思いますけれども、非常に私は、ここは重要だし大きなものではあるけれども、これはきちんと進めていくべきだというふうに思っておりますが。 最初に、法務大臣に、この少年院送致の年齢下限撤廃と、こういうことに関して、その背景とかまたねらい、趣旨について簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(長勢甚遠君) 少年院の経過、またその役割、機能について非常にきちんとした御理解をいただいておることに敬意を表したいと思います。 おっしゃるとおりでございまして、非行を犯した少年の立ち直りのために少年院があるわけでございまして、そのためには、少年の年齢や心身発達の程度のみならず、非行に至る動機や背景、非行の内容のほか、少年の性格、行状、環境等を総合的に考慮し最も適当な処遇が選択されるべきものというふうに考えております。 そういう考え方からいたしますと、十四歳未満の少年であっても、凶悪重大な事件を起こしたり、悪質な犯行を繰り返すなど深刻な問題を抱える者に対しては、早期の矯正教育が必要かつ相当であったり、あるいは児童福祉施設の開放処遇にはなじまないというケースもあるわけでございます。 そこで、少年の年齢のみによって処遇を一律に区別するということは適当ではないというふうに考えましたので、本法案におきましては、十四歳未満の少年であっても、少年院において立ち直りの働き掛けを行うことが適当な者についてはそのようなことを可能とするということにして御提案申し上げているところでございます。
○山本保君 私が申し上げましたけれども、確かに社会情勢の中でそのような子供さんが残念ながら出てきている。それに対して社会的な批判もあり、また子供自身にとってもそういう処遇が必要であると。 後でまた出てきますが、児童福祉は、家庭的な問題というものを最大重要視しましてそれを直そうということでやるわけでありますが、かといってそれは、先ほどもちょっと出たんですけれども、一部の、フロイト派と言っていいんですかね、もう子供のときからやり直しをするんだというような方法は私は余り効果的じゃないと思っていまして、正にもう少し行動療法的な、きちんと社会的な自立、職業、そして家庭をつくること、こういうものの具体的なものにいかに問題なく対応していくのかということをきちんと教えていく方法が私は重要だと思っておりまして、これは特に児童福祉の方が逆にそうじゃない方法をどうも今まで取ってきたものですから、それを少しずつ変えてきてはいたんですけれどもね。 そこで、大臣には、じゃ、後でまた場合によってはお聞きするとしまして、局長さんに具体的にその中身についてお聞きしたいと思っております。 つまり、十四歳未満の子供さんが少年院に送致されることになるわけでありますが、少年院の処遇方針等をこれは変更をしていくのだろうなと思うんですけれども、この辺の大きな考え方の変更があるのかないのか、また、あるとすればどのようなものなのか、お答えください。
○政府参考人(梶木壽君) 少年院におきます教育あるいは処遇の理念というものについて御説明をさせていただきます。 少年院では、少年一人一人の年齢それから心身の発達状況を考慮いたしまして、その資質の特徴あるいは非行の進度、そういったものに見合う、個別的処遇計画と呼んでおりますが、教育あるいは処遇の計画表を作ります。それに基づきまして、二種類の教育、つまり一つは再非行防止のための教育、もう一つは育て直しのための教育、これを計画的に実施をしておるところでございます。 今後、十四歳未満の少年が少年院に参りました場合にも、基本的な考え方は同じでございます。しかしながら、これまで我々が教育をしてまいりました少年よりも低年齢であるということを考慮した処遇をしなければならないということで準備を進めております。 具体的に申しますと、この処遇スタッフは、従来は同性の教官が一対一で付くという教育体制でございました。低年齢であるということを考慮いたしまして、男性教官、女性教官、そして精神科医、カウンセラー、こういった人たちによるチームを作って、家族的な雰囲気の中で少年の心情の安定を図ることをまず前提とさせたいと、こういうふうに考えております。 次に、教育プログラムでございます。 小学生を対象とする新たな処遇コースを設立しようと考えております。その中で、一人一人の少年の年齢、心身の発達の程度に応じた教科教育とそれから生活指導、特にこの生活指導に力を入れていきたいと考えております。 また、低年齢であるために、保護者との接触、交流、これが非常に大事であるというふうに考えております。そこで、これまで以上に、例えば保護者が泊まり込んで行う面会とか、あるいは食事を一緒にしながら行う面会、あるいは少年と保護者が一緒に参加するファミリーカウンセリング、こういったプログラムを更に充実をさせまして子供と保護者の接触の機会を増大させようと、こういう計画で準備を進めているところでございます。
○山本保君 今日は厚生労働省としては大臣お一人なんですが、今お話ありましたように、児童福祉の方の自立支援施設の方において今まで実は欠けておりましたのが社会的な自立ということだったんです。 私、担当しておりましたときにそれを、少年院のいろんな今の個別計画、いろんな計画表なども参考にしまして、やはり元の家庭の親子関係だけが悪かったんだということだけになってしまいますと、これは理論的には直るんでしょうが、なかなか難しい。そこで、いわゆるソーシャルスキルというようなものを児童福祉施設でも使うべきだというようなことで直してきました。 言うならば、今度はその反対といいますか、今度はカウンターで、少年院の方が、正に今まで福祉の方が培ってきた技術でありますとかまた方法を入れていただくと、こういうことではないかなと思っておりまして、ここはよく両省そして専門家同士できちんと効果的な方法をつくっていただきたいと思っております。 もちろん、法制度として、法律体系としては児童福祉というのはあくまで家庭的な要因に着目して入所させるわけでございますし、少年院の方は、先ほどありましたように、罪を犯した少年という語句が示すように、正にそういう子供に対して教育的な対応でもってその罪の償いをさせよう、また再教育をしていこうと、こういうものでありまして、原則は違う原則を持っております。これをごちゃ混ぜにしまして、例えば、前ですと、年齢が高いのが少年院で低いのが福祉だとか、重い犯罪を犯したのが少年院で軽い犯罪は福祉だとか、これは両方とも間違っているわけでありまして、そういう分類ではないんです。正に処遇目的そしてその原因が違うのであって、しかしそれは当然錯綜しておりますし、機械的に判断ができませんので、そこをまた家裁が中心になって分類して、その子供に一番合ったものをやっていくと、こういう形になっております。 そこで、今家族のことを言われましたので、今は正に入所している子供、入院している子供さんに対する家族的な、家族間の矯正ということへの方法がありましたが、もう一つ大事なことは、その子供さんの元の家族だと思うんですね。 これは、家族に対する支援とか指導というものは、児童福祉の方では法律的に昔からこれはもちろんあります。しかし、余り使われていなかったんで最近の改正で相当ここは強化いたしまして、家庭裁判所の承認をいただいて、そして強制的に家族への支援をするというような法律もたしか先回作ったところではありますが、こちらの少年院の、少年院といいますか、少年司法の方では肝心のベースであります家族に対する支援というのは少し弱かったんではないかなと思うんですけれども、今回、この辺について改正なりまた充実させたところがあると思っておりますが、どのようなものでございますか。
○政府参考人(小津博司君) 少年の健全育成を図って再非行を防止するためには、少年と保護者や家族との結び付きを取り戻すということが非常に重要でございまして、低年齢の少年については特にそういうことが言えるだろうと私どもも認識しております。 そのためには、少年の保護者にその責任を自覚させて少年の改善更生に向けた一層の努力を促す必要があるということでございまして、平成十二年の少年法の改正におきまして、家庭裁判所が審判や調査の過程において保護者に対する訓戒や指導を行うことができる旨の規定が設けられたわけでございます。同じような趣旨に基づきまして、今回の改正におきまして、少年院及び保護観察所の長について保護者に対して指導、助言を行うことができる旨の明文の規定を置くこととしております。 先ほど矯正局長も御答弁申し上げましたように、現行法の下でも少年院においても保護観察所の方でもいろいろと努力をしておりますが、今回の改正により、保護者に対する働き掛けがより積極的に行えるようになると、そのように認識しております。
○山本保君 余り今まで論じられていなかったようですが、ここは私、大変重要な法改正といいますか充実させたものだと思います。正に今、普通の大人であればそんなことはあり得ないわけでありまして、大人の犯罪者が出たと、お父さん、お母さんが涙を流して申し訳ないと、こういう図がよく出るわけですが、かといってその親には別に責任があるわけではありませんし、それを法的に何とかするなんということはこれはもうできません。 しかし、子供に関してはおっしゃるとおりでありまして、そうしなければならないのです。ですから、児童福祉ではこれをやってきた。しかし、児童福祉の場合は古いタイプの国親思想というものもありまして当然だという考えもあるんですが、そういう古い考えではなくて、正に子供が直るためには、しっかり自立するためには親もかかわっていかなくちゃいけない。先ほど下田委員がケースワーク、社会福祉のことも言われました。正にそのとおりでありまして、そういうものを含めてやっていかなきゃいけない。 ところが、司法というのは罪を犯した少年が問題なのでありまして、教育についても問題ですけれども、その家庭的背景などについては口を出すことはおかしいじゃないかという考え方が一方にあった。しかし、ようやく今回の改正で、保護観察所の所長であるとか少年院長が家庭に対する支援をするという条文を入れているということで、私はこれは大変重要な効果をもたらすであろうと思っております。 それで、次にもう一つ、今度は正に小学生段階の子供がおられますから、学校に帰ることになると思うんですよ。少年院の場合、当然短期処遇といいますか、六か月なり又はもっと短い処遇が基本になりますから。状況によっては難しいかもしれないが、しかし理想論というか、教育計画の目的としては、その中に当然元の学校へ帰すということがこれ入らなければ計画になりませんわな、最初から、もうひどい子なんだからそんな帰れるはずがないなんて言っていたんじゃこれは教育になりませんから。 その辺の学校教育との関係ですね、この辺は法的にまたシステムとしてどのように充実させるのか、この辺についてお聞きします。
○政府参考人(梶木壽君) まず、外枠を先に説明をさせていただきます。 保護者が当該子供について就学猶予あるいは免除を申し出まして市町村の教育委員会がこれを認めた場合には、当該児童生徒と少年院に入院する前の在籍校との在籍関係がなくなるというふうに承知をしております。その場合でありますと、少年院では小学校及び中学校で必要とする教科について教科教育を行った上で、少年院長がその修了者に対して修了の事実を証する証明書を発行することになります。この証明書は小中学校の卒業証書と同一の効力を有するとされております。 他方、就学義務の猶予又は免除がなされていない場合、当該児童生徒の在籍関係が存続しているということになります。この場合、当該子供の進級あるいは卒業の認定につきましては、我々少年院の方で行いました教科教育の実施状況等を学校に連絡をいたしまして、在籍校の校長が児童生徒の平素の成績を評価してこれを行うことになるというふうに承知をしております。 ちなみに、一つ数字を申しますと、平成十七年の数字でございますけれども、在籍校から卒業証書を出していただいたものが二百六十八件ございます。少年院長が出した卒業証書が七件ということでございます。この在籍校から出していただくために少年院とその在籍校との間でかなり綿密なやり取りをしておりまして、先生に少年院に来ていただいて個別に補習授業をしていただくというような努力もしておるところでございます。 いずれにいたしましても、今後、更にこういったものを充実していくということで、文部科学省とも協議をしながら綿密な連絡体制が取れるように努めてまいりたいと考えております。
○山本保君 ここはおっしゃるとおりで、実はなかなか法律的には整理がされてないところなんですね。実は児童自立支援施設でもここが一番苦労したところでありまして、今言われた少年院法にある同一の効力を有すると、こういう同じ法律が実は昭和八年に少年教護院、当時の少年教護院法にできまして、つい先日まで児童福祉法にそれがそのまま残っていた。その条文がある限り文部科学省としては協力をすることは法律的に難しいと、こういう形でした。 そこで、やむを得ずといいますか、当然子供の福祉を考えれば、昭和の初めであれば卒業証書同等のものを出せるというのは、これは非常に恩恵であったんです。当時は正に小学校を卒業していない人が一杯いるときに、罪を犯したというようなことで入れば逆に卒業証書がもらえるわけですから、逆に言えば恩恵であった。ところが、それは今になってみますと同じ制度は実は権利の侵害になっている。ここで児童福祉についてはようやく先般直させていただいたところなんですよ。ですから、今お答えも、そういう点でいえばなかなか苦渋の表現をされました。 猶予免除というのは親が申し出ることになっておりますので、申し出なければ猶予免除にはならないと、こういう法律の裏側で実際には対応されているわけです。ですけれども、もうここはそろそろ考えた方がいいかもしれません。特にこういうふうに十四歳というのが取っ払われるとなれば、これは法律的にも当然その小学校段階の子供が学校へ帰るということはもう想定されるわけですから。そんなことで、一度これは是非、文部科学省ともきちんと協議をされて、法務省、一番法律の大本なんですから、一番得意なところなんですから、ここはきちんと整理をされた方がいいのではないかなと思っております。 それで、もう一つ、先ほども少しお話が出ましたいわゆる発達障害のことでございます。 ただ、発達障害の子供が犯罪が多いというようなことを俗説があるようでございますが、そんなことはないということでありまして、今正に文部科学省、特別支援教育の中で、全員の六%もいるんじゃないかと、ちょっとこれは多過ぎるような気もするんですが、そんなことも言いまして、今までいわゆる特殊教育、障害児教育には含めていなかった発達障害に対する支援を全面的に今行われていると。今ちょうど始まったところですね、三年たちまして、これからやっと本格実施になります。そうしますと、当然、それだけの割合がいるわけでございますから、少年院の中にもそういう子供さんが入ってくるということは、これは考えられる。 そうしますと、医療少年院とか特殊教育課程ですか、いわゆる知的な遅れのある方に関するものはこれまで私もあると思っておりますけれども、この発達障害と整理されるところについてはなかなか進んでいないのではないかなと、児童福祉の方でもなかなかまだこれからなんでございますが。この辺についてはどういう対応をされるのか。 また、学会などを確かに見ましても、宇治とか広島の少年院などでこれに関する処遇の事例を私も読んだことがありますので、何かその辺についても紹介していただけますか。
○政府参考人(梶木壽君) 発達障害の関係でございますが、少年院の教育環境と申しますのは、そもそも二十四時間体制で規則正しい日課の下、生活のルールが明確に定められているということで、発達障害等によって学業の達成能力とか、身体的能力とか、あるいは対人関係能力等に若干の困難を抱えている少年にも非常に理解しやすく、ストレスの軽減が図られる、そういう教育環境にあるというふうに考えております。 我々の現場では様々な少年を相手にしておりますために、様々な教育技法を取り入れて処遇を行ってまいりました。今名前を挙げていただきました宇治少年院あるいは広島少年院だけではございませんが、この二つの少年院を中心にして、いわゆる発達障害と呼ばれている症状を持っている子供たちにどういう形の教育訓練を施そうかということで様々な試みをしております。 例えば、その学習能力あるいは対人関係能力向上を図るために、ドリルの学習とかあるいは聞く力のトレーニング、複数人で行うワークショップ、社会的な適応能力を身に付けるための具体的な教育プログラムを組んで努力をしております。また、それ以外にも、大学の先生方と共同研究を行うというようなこともしております。 こういった試み、積み重ねを通じまして、いろいろな困難を抱えている子供たちも十分な処遇が行えるように今後も努めてまいりたいと考えております。
○山本保君 質問として用意してあったのはそれだけなんです。 先生方にも、その辺は、私の言い方もひょっとして誤解を与えるといけません。正に発達障害の子供さんは、犯罪なりいわゆる少年院対象になるようなことを起こすよりは、その被害者になる方が断然多いわけでありまして、その辺を我々としてはよく考えていかなければならないと思っております。 それでは、今日は実は最高裁呼んでなかったんですが、委員会で少し残しておこうと思っております。それは、正に先ほど申し上げましたように、こういう体制になったときに、警察官がもちろん判断をするという条文があるわけですが、しかし最終的判断は家裁の裁判官でございます。そこで、この子供さんは児童福祉的な対応が必要だ、そうではなくて少年院における矯正教育が重要だ、こういうことを試されるわけでありますから、その専門性、そのためにもまた、福祉、少年院ともにその効果的な処遇なり方針をきっちりしていかないと、せっかくの、特に野党側からも言われるような危惧、一面的に厳しい警察的な方法をするんじゃないかとかどうだとか、こういうのは正にそこが重要なところでございますので、また今後機会がありましたら最高裁判所なども呼びまして、その辺は審判をするときの基準というものをもう一度しっかり作ってほしいということはお願いしようと思っております。 また、柳澤大臣におかれましては、先ほど、実はこの前やりましたように社会福祉士の話が出ました。あそこで私、いろんな職種の方が受けられないんだと言いました。正に少年院の教官などもこれは受けられないんでございます。ですから、下田先生がおっしゃったように、社会福祉士の方をもっと登用すべきだと、私も全くそう思っております。 そのためにも、まず社会福祉士という資格に、少年院などで働いておられる方もちゃんと受けられるようにしなければならないわけでして、今やっている法律改正でそんなことをこの前申し上げましたが、私は教育と医療関係、労働関係を申し上げましたけど、ちょっとこの少年司法関係が確かに抜けておりましたので、これも中村局長にもお伝えいただいて検討していただきたいと思っております。 じゃ、以上で終わります。いい制度になるようにこれからも応援していきたいと思っております。 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 今回の少年法の改正案では触法事件について警察の調査権限を付与し、押収、捜査、検証なども可能としております。これまで触法事件への対応の中心となってきた児童相談所については、警察官の調査を基に処分を決める、特に殺人などの重大事案は家裁へ全件送致して処分を決めるということにされておりますが、最初に法務省にお伺いします。今まで児童相談所における触法事件、特に重大事案について、これは対応に問題があったという御認識なんでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 児童相談所の調査は、児童や保護者等にどのような処遇が必要かを判断するために、主に児童福祉司や相談員が中心になって、面接や心理学診断、行動観察等の方法によって、児童の状況、家庭環境、生活歴や生育歴、過去の相談歴、地域の養育環境等の事項を調査するものと承知しております。 他方、触法行為といった非行の内容等につきましては、これを解明することが児童相談所の調査の直接の目的と位置付けられているわけではなく、現在の実務におきましても警察の調査結果が児童相談所で利用されるなど、警察の調査が重要な役割を果たしているものと承知しております。 しかしながら、触法少年の行為につきましては、刑事訴訟法に基づく捜査ができないとの理解から、捜索等の法律に基づく強制処分を行うことができず、また任意で行う調査につきましても、法律上の根拠が明確でないため、円滑な調査に困難が伴って事案の解明が十分にできない場合があることから、少年の健全な育成のための措置に資するように警察の調査権限を法律上明確にすることとしたものでございます。 したがいまして、児童相談所におけるこれまでの調査等に問題があったことを理由として本法案を提出しているものではございません。
○小池晃君 今までの対応に問題があったという認識でないとすれば、立法の根拠自体に重大な疑問を持つわけであります。 現行法は、触法事件というのは、これは児童相談所が中心となって対応するということを予定しております。重大事件であっても児童福祉的な対応が必要だと児童相談所が判断すれば、これやっているわけです。家裁に送致することなく処分を決めることができるわけです。 実際に最近の重大事件でも、二〇〇一年の四月に尼崎で発生した十一歳の少年による殺人事件、これは児童相談所による一か月半にわたる調査が行われて、県の社会福祉審議会児童相談部会の意見を聞いた上で、児童自立支援施設に入所措置を決めております。 以前から、重大な触法事件でも児童相談所の範囲で対応したという例は見られるわけですが、これ問題は起こっていないわけであります。ところが、今回の改正では、触法事件について警察が捜査を行い、特に重大事件においては家庭裁判所全件送致を法律上の原則とするという中身なんですね。 法務大臣にお聞きしますが、これは先ほどからも議論ありますが、福祉的対応を基本とするのが児童相談所の役割であり、そのかかわる領域が後退するということにならざるを得ないんじゃないですか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 児童相談所が福祉的な対応を中心とする組織であるということはそのとおりだろうと思います。ただ、少年法等により行われる家庭裁判所による児童相談所送致や保護処分などの福祉的措置も、事案の真相の解明がなされることによって初めて適切に行われるものと考えます。警察の調査はこのような少年の健全な育成のための措置に資することを目的として行われるものでありまして、このことは本法案でも明記をしているところでございます。 本法案が触法少年の事件について、捜索、押収等の物に対する強制調査を可能にしておるわけでありますが、こうした目的から、警察でないとできない問題ができるようにすることによって、事案の真相解明やこれに即した少年本人のために最も適切な処遇選択をより一層十全なものとするためでございます。また、触法少年にかかわる事件の任意調査手続の整備は、今も局長が申しましたが、実務上、従来から行われてきた警察の調査についてその法的根拠を明確にする点に意義があるためこれを整備するものでございまして、基本的には従来の法制度を変更するものではないと考えております。 したがって、本法案により触法少年に対する福祉的な対応を後退させるということにはならないというふうに考えております。
○小池晃君 そうおっしゃいますけれども、児童相談所の調査の範囲も判断の範囲もこれ大幅に減らされているわけです。警察の調査というのは、これは今強調されましたけれども、しかしこれは事実の確定に限られているわけで、児童の健全育成という観点から必要な事実を把握するということにはならないわけで、そこが捜査機関である警察の限界であると思うんですね。 その点で、やっぱり総体として、少年が抱える問題を事実関係だけでなくて背景なども含めてしっかり把握をして対応を行っていく児童相談所の役割というのは非常に重要だし、その調査力、対応力は一層強化すべきだと思うんですが、私は、こんな形で警察の調査権限付与によってそっちばっかり肥大化していけば、むしろ本来強化すべきである児相の対応力、調査力というのが逆に弱体化するんではないかという大変懸念を持つわけであります。 そこで、その体制についてお聞きをしたいんですが、先ほどから議論では福祉的対応の必要性は否定しないわけですが、実際にそれにふさわしい体制になっているかという問題、以下、厚労省にお聞きしたいと思うんです。 この十年間で虐待の相談件数、非行相談件数と児相の職員数はどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童相談所におきます児童虐待を含めた養護相談件数につきましては、平成十七年度が七万五千二百五十三件、これは平成七年度に比べて約二・五倍、また同様に非行相談の件数は一万七千五百十八件でありまして、平成七年度に比べますと約一・一倍というふうな増加となっております。それから、児童相談所の職員数でありますけれども、平成十七年度が七千二百二十七人でありまして、平成七年度に比べまして一・三倍という増員となっております。 今申しましたように、児童虐待を含めてこの対応件数が大幅に増加する中で、非行の相談や障害相談などへの対応を迅速に行っていくためには、児童相談所の体制、とりわけその職員の充実強化が重要な課題と認識しております。 例えば、児童相談所において行う調査の中核となります児童福祉司の配置状況を申し上げますと、各自治体においてこれまで必要な増員を図ってきておりまして、平成十八年度は二千百四十七人と、これは平成八年度と比べまして一・九倍というふうになっております。また、特に平成十九年度でありますが、今回、地方財政措置を行っていただきまして、標準人口で百七十万人当たりの職員、児童福祉司が三名の増員といったこれまでにはない大幅な増員を図ったところでございます。 こういったことで、今後とも、児童相談所におきまして少年非行問題にもあるいは児童虐待にも適切な対応が図れますよう体制整備に努めてまいりたいと考えております。
○小池晃君 非行相談、虐待相談が十年間で約二倍になっている中で職員は一・三倍だから、厚労省としても非常に体制はこれで十分だとは言えないと、だからこそ体制の強化に図っているという、そういう御答弁だったと思うんですね。 しかも、中身もいろんな問題点指摘されておりまして、特に都市部では一時保護所の収容率が高くて、被虐待児と非行少年が同一施設で処遇せざるを得ないとか、あるいはその一時保護所が外から収容児童が見えてしまうのでプライバシー保護が十分でないという問題もあります。こういう問題点についてはどう認識されていますか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童虐待が増加します中で、都市部を中心に一時保護施設が定員超過状態になっているというような御指摘がございました。こういったことを受けまして対応を図っているところでありますが、いわゆる一時保護施設によりましては、虐待を受けたお子さんとそれから非行の児童が同室で保護されると、いわゆる混合処遇といった問題も発見されたところでございます。 そこで、対応でありますけれども、まず平成十八年度の補正予算におきまして、これはさっき申しましたような虐待を受けたお子さんと非行児童のこの両者のいわゆる仕切り、こういった間仕切りを改善するような一時保護所の環境整備、環境改善予算を設定したということ。 それから、現在進めておりますのは、定員を超える状態にあります一時保護所、そういったものを有する地方自治体に対しまして、本年の六月末までに一時保護施設等の緊急整備計画というものを策定を求めております。遅くとも平成二十一年度までにこういった一時保護施設の定員不足状態を解消するという措置を講じ、都道府県、地方自治体と協議している最中でございます。 それから、プライバシーの問題でありますが、この一時保護所のプライバシー問題につきましては、重大な非行事件に係る保護の場合など、マスコミ関係者等から保護児童のプライバシーの確保を図るという必要がございます。 外部から一時保護所の居室等の内部をうかがうことができないようなそういう窓ガラスにするように工夫するとか、部外者が敷地内に立ち入ることができないよう警備を強化する、あるいは他の施設で一時的に保護を行う、こういった措置を講ずることが適当と考えて努力しているところでございます。
○小池晃君 さらに、この触法少年の処遇というのは非常に、児童自立支援施設での育て直しということでいうと高い専門性が要求されると思います。特に施設長がそのことが問われると思うんですが、これは、お聞きしますと、施設長のうち、児童福祉施設の最低基準八十一条の一号と二号の人数で見ますと、一号該当が二十三人、二号該当が三十五人ということなんですね。これ、一号というのは児童自立支援事業に五年以上従事した人、二号というのは児童自立支援事業について特別の学識を有し、厚生労働大臣又は知事が認めるものということで、つまり経験なくてもいいわけです。現場のお話聞くと、二号の方の中には福祉の業務の経験がない方さえいらっしゃるというふうにお聞きをしております。 こういう状況というのは適切な運営という点で改善の余地があると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童自立支援施設におきます子供の処遇を適切に行うために、児童自立支援施設の施設長の専門性を高めるということは大変重要な課題であると認識しております。 今御指摘いただきましたように、これまでその施設長の任用につきましては二つのグループがあったわけでありますけれども、やはりその専門性を高めていく必要があるということで、実は十九年の四月から児童福祉施設の最低基準を改正いたしまして、必要な研修を義務付けるなど児童自立支援施設の施設長の任用要件の厳格化を図ったところでございます。 今後とも、この児童自立支援施設の職員の専門性の向上を図るということで子供の自立に向けた支援、援助の充実に努めてまいりたいと考えております。
○小池晃君 いろいろな努力はされてはいるんですが、お金も人も非常に今地方大変なときに、地方に丸投げするような今のようなやり方では、やっぱり福祉的対応が必要といってもなかなか絵にかいたもちということになってしまうんではないか。 柳澤大臣にお伺いしたいんですが、やはり人材面あるいは予算、財政の面で国がしっかりした責任を果たすべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 少年非行の問題につきましては、これはもう政府としても全体的な取組、また社会全体で取り組むべき重要な課題だと、このように認識をいたしております。 厚生労働省におきましては、当然、児童福祉の観点からこの問題に積極的に取り組んでいるところであります。少年非行の早期発見、予防等のため、要保護児童対策地域協議会、これは地域社会がしっかり予防に取り組まなきゃいけないという御指摘もあったわけですが、いわゆる子供を守る地域ネットワークの設置の促進、こういうこと、それからまた、児童自立支援施設等を対象に社会復帰を円滑に行うための自立援助ホームにおける就業の支援、それから児童自立支援施設によって出所、この施設を出た後のアフターケアをこの施設自体が行うということ、それから児童相談所の人的あるいは物的体制の強化、今、雇・児局長から答弁をさせていただいたとおりでございまして、このようなことで個々の子供たちの立ち直りや社会的自立を支援しているところでございます。 また、非行の加害者である子供たちが、実は、先ほど来いろんな先生からお触れいただいた点ですが、虐待の被害者としての経験を持っているという事案が多く存在しているところと認識しております。昨今、児童虐待対応件数の増加や深刻化を踏まえまして児童虐待防止対策の充実を図っておるところでございますが、非行防止という観点からもこれらの取組を積極的に推進していくことが重要だと、このように考えております。 虐待の発生予防、早期発見、早期対応、保護、支援、我々一〇〇%の対応を期しているわけですが、なかなか手から水が漏れるような事案がありまして非常に悩ましく受け止めていますが、我々としては様々な施策を通じて更に万全を期していきたいと、このように思います。 少年非行全体の問題については、今後とも関係省庁との連携を密にしながら、いろいろ財政的な制約等もございますけれども、そうしたものをいろいろな工夫をして克服をいたし、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○小池晃君 これまで指摘したように様々な課題あると思うんですが、そういう中でも改善の方向で進んでいると思うんです。困難な中でも、十四歳以下の事件について児童相談所などが努力して対応してきたという実績はあるわけです。 国立武蔵野学院前院長の徳地昭男氏が参考人質疑でも述べておられますが、殺人で六人、傷害致死で三人受け入れて、非常に大変だったけれども、これは再び非行に走って家裁に通告、送致することはなかったんだということを述べられております。かぎが掛かる施設に収容する強制措置をとれないような国立以外の施設でも、例えば小学四年生が二年生の子供を突き落として殺害するという佐世保事件と同様の事件が一九七九年に東京で起こっていますが、台東児童相談所でこれは都立の教護院に入所させてきちんと対応しています。 法務省は、少年院でも男女の担任制など家庭的な雰囲気を大切にした指導をしていくというふうにおっしゃっているということは、やはり発達段階の少年にとって児童自立支援施設で行ってきたような家庭的な雰囲気の中での育て直しが必要だと考えておられるということなんですね。これは簡単にお答えください。
○政府参考人(梶木壽君) 先ほども申し上げましたように、我々が行っております処遇の二本柱、つまり再非行防止のための教育と並んで、今委員が御指摘になりました育て直しのための教育というのは重要な柱であると考えております。
○小池晃君 だとすれば、やはり集団的規律を重視する少年院というのは、幾ら努力してもやはり家族のような環境を用意する、精神科医との協力の下で育て直しを行う児童自立支援施設と同等の機能を果たす、これは本当に難しいことだというふうに思うんです。やはり触法少年を立ち直らせて再び罪を犯させない、これがその解決の根本であるわけで、だからこそ育て直し、そして虐待の解決などの育成環境の整備が重要だということだと思うんです。 法務大臣にお伺いしたいんですけれども、やはりそういう点でいえば、十四歳未満の触法少年については、実績もあり、そして現在、虐待や発達障害対策の中心になっている児童相談所や自立支援施設での対応がやっぱり一番必要なのではないかというふうに考えるんですが、この点についての法務大臣の見解を伺います。
○国務大臣(長勢甚遠君) この議論、従前から度々聞かさしていただいておりますが、どうもどっちかでなければならないという話ではなくて、やはり個々の方々に、十四歳未満の少年に沿って、早期の矯正教育が必要なもの、また相当なもの、あるいは児童福祉施設の開放処遇になじまない場合、こういう場合にその選択ができるということにしておくということが今回の目的でありますし、それが適切ではないかと思っております。 同時に、今矯正局長が申し上げましたように、いわゆる発達障害の方々ですとか被害者体験を持っておられる方々とか、いろんなケースがありますので、それに沿った育て直しの努力を相当やってきておりますし、また成果が上がっている事例も見ておりますので、是非その方向で我が方としても、少年院としても努力を続けていきたいと思っております。
○委員長(山下栄一君) 小池君、時間が来ておりますので、おまとめください。
○小池晃君 個々の対応が必要だからこそ、全件法的に原則送致するというやり方が重大な問題なんだと申し上げているんです。 改めて、非常に重大な問題だということを指摘して、質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 一問、拷問禁止委員会が先日、日本政府に対して勧告を出したことについて一言お聞きをいたします。刑務所の処遇の改善など評価されたところはありますが、日本の問題についてかなり厳しく勧告が出ております。 警察に特にお聞きをいたします。代用監獄の廃止と捜査の可視化、それから、特に国際基準に適合するよう警察拘禁期間の上限を設定すること、代用監獄の廃止について出た勧告をどう改善されるのか、一言答えてください。
○政府参考人(巽高英君) お答え申し上げます。 拷問禁止委員会の意見において、いわゆる代用刑事施設問題や警察の取調べ等に関する御指摘がありました。これについては、五月九日及び十日にジュネーブで行われた拷問禁止委員会の審査において、日本政府代表団からは、警察の留置施設においては捜査と留置が分離され被留置者の人権に配慮した処遇がなされていることや、警察捜査の在り方等について御説明いたしましたけれども、結果として議員御指摘のような指摘がなされたということは残念なことだと考えております。 いずれにいたしましても、今回出されました意見につきましては、今後その内容を十分に検討いたしまして、適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○福島みずほ君 厳しい勧告が出ておりまして、国際人権規約の勧告を踏まえて、例えば法務省では、革手錠の廃止や刑務所の改革やあるいは入管法や改善が様々な点でされて、ほかの点でもされてきました。是非この勧告を受け止めて、やはり日本の中で人権状況を変えていくことがなされるよう、今後また質問いたしますが、よろしくお願いいたします。 おおむねということがやはり法律として変だというふうに思っておりまして、このおおむね十二歳のおおむねについて、これはやはり処遇を決めるのに法の下の平等に反するのではないか、一歳ぐらいの上限があって、おおむね十二歳のおおむねということがどうも納得がいかないのですが、法の下の平等に反する、あるいは画一的な処理をしないと個別的に不利益を被る人がいるのではないか、この点について、法務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) おおむねという文言につきましては、現行の少年院法におきましても、例えば、初等少年院は心身に故障のない十四歳以上おおむね十六歳未満の者を収容する等々、中等少年院、特別少年院、それぞれについて同様の文言を用いているわけでございます。 家庭裁判所の処遇の判断、そして少年院の方から見ますと、どういう年齢の者を受け入れるかということでございます。そして、それは結局のところ、それぞれの対象少年にふさわしい処遇をするという観点から定められることでございますので、法の下の平等等々の観点から問題があるとは認識しておりません。
○福島みずほ君 子供にとって、あるいはやはり刑事手続につながるものに関しておおむねというふうに書いてあることが、どうしても個別判断にゆだねられ、裁量の範囲を広げ、法の下の平等の観点からも問題があると考えます。 捜査の可視化についてですが、拷問禁止委員会の方からも捜査の可視化については基本的に勧告が出ておりますが、弁護士である付添人を選任できる、質問に当たっては強制にわたることがあってはならないというふうに一歩前進をしておりますが、はっきりと弁護人の選任権があるということの告知、あるいは、やはり不利益な処遇につながる可能性が最高裁の判例からもあるわけですから、この問題について、子供はどうしても誘導に非常に従いやすいということはもう常に指摘をされ、冤罪を生むと言われておりますので、まず弁護人の選任権についてきちっと告知をすべき、それから捜査の可視化について、ビデオテープの録音などをきちっとして冤罪をなくすべき、これについていかがですか。
○政府参考人(小津博司君) このたび、本法案に対する修正がなされまして、触法少年の調査についても付添人を付けることができるとなったわけでございます。 委員御指摘の点につきましては、基本的には二点。まず、この触法少年の調査手続は刑事手続ではないということでございまして、刑事に関する言わば弁護人選任権等々の問題をそのまま当てはめることはできない。それから、それでは刑事の場面ではどうだろうかと申しますと、これは身柄を拘束された場合に弁護人選任権の告知をするということになっておりまして、触法少年につきましてはそのような意味での身柄の拘束がないということにつきましても付け加えさせていただきます。 可視化の問題につきましては、司法制度改革審議会以降、いろいろと御議論のあるところでございまして、現在、刑事の司法の分野におきまして、法曹の三者でもいろいろと議論をしております。捜査をする側からいたしますと、やはりそのような器具が入っておりますと、ざっくばらんにいろんなこと、話を聞く、心を打ち明けてもらうということについて支障があるということを繰り返し申し上げさせていただいているわけでございますが、いずれにいたしましても、この点につきましては慎重に引き続き議論をさせていただきたいと思っております。 ということでございますので、少年につきましては、刑事ではございませんで、また別途慎重な検討が必要ではないかと考えております。
○福島みずほ君 鹿児島志布志事件、富山の事件、たくさんの冤罪事件が今指摘をされています。捜査の可視化については是非実現をしていただきたい。 それから、前者の件ですが、付添人の権利の告知に関しては、かなり刑事手続に近い、あるいは子供にとって明確に不利益を生じさせる、身柄の拘束があるかどうかも含めて、あるものですので、この付添人について権利があるだけではなくて告知をすべきだ、この点についてもう一歩突っ込んで御答弁をお願いします。
○政府参考人(小津博司君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、この付添人選任権の告知を法律上、捜査側の義務としてあるいは少年の側の権利として定めることにつきましては、私がただいま申し上げましたような理由によりまして、相当ではないと考えているところでございます。
○福島みずほ君 これはこの委員会でも議論になっておりますが、子供は知識がない、だからこそ家族や子供に権利の告知をする必要がある、要するに、より強くケアをする必要があると考えています。法律に載っけるのが不適当というのは理解できませんが、法律に載せないにしても、ガイドラインやマニュアルできっちり明示していただけますか。
○政府参考人(小津博司君) 御指摘は、警察が調査をされる場合のマニュアルという御趣旨であろうかと思います。 これまでの法務委員会の御審議の中でも、警察御当局の方から、全体として、今回のこの法案が成立した場合には、それを踏まえてマニュアルと申しますか、警察のルールと申しますか、それを新しくしていくという趣旨の御答弁をしておられるものと承知しております。
○福島みずほ君 この少年法の改正法の議論の中で、やっぱり子供はより強いケアやより強い保護が必要であるということはすべてにわたって言えることなので、私は法律に告知をすべきだと思いますが、少なくとも本人が様々などんなリーガルサービスを受けられるのか、どんな保護が受けられるのか、必ずマニュアルの点でも盛り込んでくださるよう強く要請をいたします。 軽微な罪を犯した触法少年の保護については、国際的にも脱施設収容の流れにありますが、この点について保護局長、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) よろしいでしょうか。
○福島みずほ君 どうぞ、刑事局長でいいです。
○政府参考人(小津博司君) 済みません。 脱施設収容という御指摘がございました。その脱施設収容ということが果たして国際的にそのようになっているのかどうかということにつきましては、私どもといたしましてそのように判断しているわけではございません。諸外国におきまして、確かに、なるべく施設の外で処遇をしようという考え方が強くなった時期があり、またある時期には、それがやっぱりいろいろ問題を生じるから施設の中で処遇をすることにもっと重点を置くべきだというふうになったということもあろうと思います。もちろん、施設の中で処遇をするということは言わば必要最小限の場合にするべきだということは、私どももそのように考えて取り組んでいるところでございます。
○福島みずほ君 十四歳未満の触法少年のケアは、これからも引き続き児童相談所、児童自立支援施設のラインが中心に担うということで、厚生労働省、よろしいですね。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 十四歳未満のいわゆる触法少年につきましては、これまで児童相談所における指導を行っておりまして、児童自立支援施設へ措置した場合は家庭に近く開放的なケアの下で自立支援を図る、こういうことで、今後ともこのケアが基本となるものと考えております。 ただ、無断外出を繰り返したり、開放処遇がむしろ子供の本人の落ち着いた生活環境の確保という点でマイナスになるケース等が訴えられておりまして、児童支援施設における開放的なケアに必ずしもなじまない、そういう触法少年がいるということでございます。 少年院の収容年齢の引下げにつきましては、個々の子供に最適な処遇を選択させると、そういうことでございまして、処遇の選択肢を広げるという意味で、子供の適切な自立支援の観点から意義が見いだせるものと考えております。
○福島みずほ君 厚生労働省、頑張ってくださいよ。 児童自立支援施設の収容率、定員充足率は三九・三%、これは二〇〇二年ですが、少年院は満員です。国立の児童自立支援施設は、かぎが掛かるところもありますし、各都道府県も含め、国立もとても頑張っています。ですから、児童自立支援でやはり厚生労働省、本当に頑張ってほしいというふうに思っています。 それで、何が必要なのか、児童自立支援でケアをするのが難しい子供がいるとすれば何を改善すればいいのか、施設側の人数、設備、ケアの内容などについて、もし厚生労働省からの意見があれば教えてください。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童自立支援施設には、重大な触法事案の加害少年やあるいは発達障害等のある子供等、様々な状況にある子供が入所しております。このような子供に対しましては、その個々の子供の特性に応じまして支援、援助を行うことが重要でありまして、その個々のケースに応じた自立支援計画を策定して、これに基づき支援を行うということ、また施設に配置されている医師あるいは心理療法担当職員によるカウンセリングや心理療法等のケアの実施、こういったことで立ち直りや社会的自立に向けてこれまでも成果を上げてきたものと考えております。 ただ、このほか、今後更に適切な支援を行うという見地から、職員等の任用要件を更に厳格化していくであるとか、医療機関との連携を強化する、あるいは職員の専門性を高めるための研修をする、また先駆的な取組事例を研究する、こういったことを積極的に進めまして、この児童自立支援施設の機能の充実強化、援助技術の向上を図っていきたいと考えております。
○福島みずほ君 児童自立支援施設に入所した子供の六割に虐待経験があり、その抑圧された怒りで自分の加害行為に向き合うことを困難にしている側面があると言われています。子供の被害者性に注目したケアというのはどうやっていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 今御指摘ありましたように、児童自立支援施設に入所されるお子さんの六割には原因としての虐待経験があったというようなことが報告されているところでありまして、こういったお子さんにつきましては愛着関係の形成というものが重要であり、できる限り家庭的な環境の中で、職員との個別的な関係を重視したきめ細かなケアを提供していくということが必要であると考えております。 さらにまた、専門的なケアが必要とされる子供に対しましては、個別に施設に配置されている医師あるいは心理療法担当職員によるカウンセリングであるとか、あるいは心理療法等のケアを必要に応じて実施しているところでありますけれども、こういった虐待経験、そういったことを何とか家族的な環境の中で乗り越えて自立させるように努めているところであります。
○福島みずほ君 スタッフへの教育はどのように行っているでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 児童自立支援施設の職員に対しましては、その資質の向上を図りますために、国立武蔵野学院において新任施設長研修を始め、多様な研修を行っております。今、新任の施設長について申し上げましたけれども、その他、施設職員の専門研修としまして、スーパーバイザー研修、あるいは中堅職員の研修、あるいは自立支援専門員の研修、その他各種の研修を行ってその資質の向上に努めております。
○福島みずほ君 施設の現場は頑張っていて、いろんな努力を大変しています。今回の少年法改正が、児童自立支援施設でやれないというところから改正してくれという話ではなくて、凶悪な小学生も少年院に送るべきだというふうな、子供に対する厳罰化の方向から出ていることが極めて問題だと考えています。 少年院に行っても、もちろん私たちは現場の人たちが物すごく苦労して頑張っていることも知っています。ただ、同時に、やはり子供は大変可塑性が富むと。そして、実際私たちは、加害者性を持っている子供も、一皮むけばやっぱり物すごい被害の中で苦しんで生きてきて、どうやっていいか分からないという、そういう子供自身の今までの生育歴などについてもやはり非常に考えるところが大です。 とすれば、小学生の子供、もちろん私も子供がいますので、小学生の段階でおおむね十二歳として、小学生で少年院、まあ十八歳までいるわけですが、そこに送り込むことが果たしていいのかどうか、本当に現場から出た少年法の改正なのかと。現場から、どうしても自立支援施設で手に負えないからやってくれという話ではなくて、子供はけしからぬという話からやっぱりこれは出ているんではないか。それは違うだろうというふうに思っています。 厚労省は、だから、いつも厚生労働委員会で頑張れ頑張れと言って、この点も本当に頑張っていただきたいし、さっき予算の話もありましたが、私たちも子供のためには本当に応援したい。その子供が大きくなってもう一回犯罪を繰り返さないように、子供たちを本当に応援したいというふうに思っています。 政府案は、我が国の少年非行防止施策の基本理念を、福祉、医療、教育による援助・支援型から、警察中心の取締り・監視型へと転換させるものではないか。そこに、例えば付添人の権利の告知もない。それから、強制にわたらないという修正案はあって一歩前進ですが、子供は誘導に乗りやすい、一杯冤罪が起きるのではないか、本当にいいのかというところから極めて問題があると申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(山下栄一君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会