法務委員会 第14号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/05/24
会議録
○委員長(山下栄一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、櫻井充君、浜四津敏子君、青木幹雄君、関谷勝嗣君及び若林正俊君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子さん、白浜一良君、中川雅治君、岡田直樹君及び岸信夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山下栄一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岡田広君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(山下栄一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 少年法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長片桐裕君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長小津博司君、法務省矯正局長梶木壽君、法務省保護局長藤田昇三君、文部科学大臣官房審議官中田徹君、文部科学大臣官房審議官布村幸彦君、文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官石野利和君及び厚生労働大臣官房審議官村木厚子さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山下栄一君) 少年法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。 初めに、先日マスコミで報道されておりました宮崎県の児童自立支援施設において、納入業者に対し、物品の納入なしに後の物品購入等の代金として納入業者にお金を払う、いわゆる預けが行われていました。 宮崎県の調査の結果、補助金の職員等の私的な流用も確認されていないとのことでありますけれども、補助金の不適正な処理が行われたということであります。長崎県の裏金作りと同じような方法だと。年度末の余剰金を次年度に繰り越すためということで、いわゆる不適切な会計処理ということで、不正流用はないということでありますけれども、これを受けまして、厚生労働省としては、全国的なこれ調査を行うのかどうか、まずこれだけ、やるかどうかだけで結構ですから、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 宮崎県の児童自立支援施設、県立みやざき学園でございますが、物品購入に当たり不適正な事務処理が行われていたことについては委員御指摘のとおりでございます。 児童自立支援施設に対する補助金については、当然のことながら適正な処理が行われるべきものでございます。各都道府県等において監査等を実施するとともに適切な指導が行われるべきものというふうに考えておりますが、厚生労働省といたしましても、このような事案が生じたことを踏まえまして、都道府県等に対して指導の徹底を図るための通知を発出したいということで考えているところでございます。
○岡田広君 厚生労働省は、都道府県に対して、こういうことで監査というんですか、調べを、調査をするということを通達を、指導を出したんですか。
○政府参考人(村木厚子君) 今後、通知を発出をする予定でございます。
○岡田広君 是非指導、通達を発しまして、その結果、またこの委員会の方にも御報告いただければと思いますが、これは委員長の方で是非お取り計らいいただきたいと思います。 次に、少年法の改正についてでありますけれども、少年院送致の年齢の下限について、今回の法案で下限を撤廃したり、そして衆議院の審議の中で、与党修正においておおむね十二歳以上と定めた修正案が出されたわけですけれども、あくまで個々の少年の非行の内容や、それぞれが抱える問題に応じて最も適切な処理を可能にするという少年の立ち直り、健全育成のためのものであり、少年に対する厳罰化を図るものではあってはならないと考えるわけです。委員会の中でももう厳罰化厳罰化という声が出ていますが、私はそこはまた考え方違うんではないかと思うんですけれども、連合審査でも先ほどいろいろやり取りありましたけれども、この改正の趣旨を改めて刑事局長からお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(小津博司君) お答えいたします。 少年院送致は、少年の刑事事件を問い、これを罰するというものではなく、本人の立ち直りのための矯正教育を授ける保護処分として行われるものでありまして、その入所年齢の在り方については、あくまでも少年の立ち直りの観点から検討されるべきであると、そのように考えているわけでございます。 本法案におきまして十四歳未満の少年の少年院送致を可能にする趣旨は、個々の少年が抱える問題に即して最も適切な処遇を選択できることとする点にありまして、少年に対する処分を専ら厳しくすることを志向するものではございません。平成十五年十二月に策定された青少年育成施策大綱では、個々の少年の状況に応じてその立ち直りに必要な処遇を選択できるようにするという観点から、少年院法の改正を検討することとされているところでございますが、本法案もこれと同様の観点から法改正を行うものでございます。 衆議院におきまして少年院送致が可能な年齢の下限をおおむね十二歳とされましたが、これはいかなる低年齢の少年でも少年院に送致される可能性があるとの御懸念が示されたことからそのような修正がなされたと承知しておりまして、もちろん全体の趣旨も、修正後も私がただいま御説明申し上げたものであると理解しております。
○岡田広君 少年の立ち直りを第一義的に考える、そして総合的に大局的な見地からこの処遇を考える、検討するという、そういうことだと私は理解をいたしましたけれども。 いずれにしても、本法案によって、小学生を含めた低年齢の少年が少年院に送られることになるということもこれから起きるわけでありますけれども、小学生の少年を適切に教育し、立ち直りを図るための今度は具体的な受入れ体制の整備状況というのがとても私は大事なんだろうと思うわけであります。年少の少年にふさわしい教育体制を充実をさせる、こういう点について矯正局長のお考え方をお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(梶木壽君) まず、現在、受入れ施設として、東日本に四庁、西日本に四庁、合計八庁を選定して準備を進めております。処遇スタッフにつきましても、これまで少年一人に対して同性の教官一人という組合せでやっておりましたが、男子教官、女子教官、精神科の医師、カウンセラーというのをワンセットといたしまして、家庭的な雰囲気の中で処遇を展開していこうと考えております。さらに、教育プログラムにつきましては、新たに小学生を念頭に置いたプログラムを準備しております。保護者との接触、交流を綿密にするためにこれまで以上に面会の機会を増やす、あるいはファミリーカウンセリングを設けてともに我々の方から情報を発信していくということを進めようと思っております。 このような準備をただいましておるわけでございますが、平成十七年以降、厚生労働省とも勉強会を始め、昨年につきましては合計十四回交流研修をやっております。我々の方から児童自立支援施設に伺い、あるいは児童自立支援施設の職員が我々の施設においでになって、相互の交流研修をやっております。このようなことを通じまして、我々の知識、経験を充実させ、準備を進めているところでございます。
○岡田広君 少年一人に対して同性の教官一人という今までの考え方でありますけれども、今回、これからこれを広めて、男の人は父親代わり、女の教官は母親代わりという、そしてさらに精神科の医師、カウンセラーも含めてチームで自立更生をしていくという、そういうことで、家庭的な雰囲気というものはやっぱりとてもこれは大事なことだろうと思うんですけれども、先日、少年院と児童自立支援施設を二つ、両方見せていただきました。わずかな時間でありましたけれども、その中で感じたことを私幾つかお話をしたいと思います。一つ一つ質問すると時間ありませんから、一括してお話をしたいと思いますが。 一つは、正に今、家庭的な雰囲気での処遇が大事だという、そういうことから考えると、少年院に、愛光少年院に入ったときにやっぱりあの職員の制服が何となく堅苦しい。そういうことで、家庭的な雰囲気ということは是非、もう少し、恐らく入院している少年に意見を聞いてもそんな答えが返ってくるんではないかなと思います。こういう点、ちょっと工夫をされたらいいんじゃないかなと思います。 そして、チームで組むということになりますと、当然この連携大事ですけれども、その中でも、正にこの指導官の資質の向上というのが最も大事なわけであります。子供の心を開かせる、子供を一人の人間として認める、存在価値を認める、そして心を開かせるということがとても大事だと思います。 私、これ長くなるからもう話しませんけれども、日本の漢字の中で心という漢字が入った字、たくさんあるんです。児童福祉でも大事なこと、これは福祉もそうですけれども、愛という漢字は心を受け止めるという字が組み合わさって言葉ができています。そしてもう一つ、女という字を書いて、右に口と書いて、下に心、これは恕の心。孔子が人間にとって一番大切な、最も大切なものは何ですかと聞かれたときに、それは一言で恕である。思いやり、親切の心だと思います。そのほかにも、我慢をする、少年に我慢をする心、これは忍耐の忍。誠実な心、口と心が離れないように一本くさびを打った字が忠義を尽くすとか忠誠を尽くす。そして、正に大事なのは、初心忘れるべからずというのは、今に心、念願の念という字。まあこの話、もうこれ以上しませんけれども、是非、こういう心を入れた指導をしていただきたいというふうに考えるところであります。 二つ目ですけれども、全部見たわけではありませんけれども、感じたこと。少年院では蔵書たくさんあるんだろうと思いますが、ぱらぱらと置かれておりました。そして、古い本が多かったということです。それからもう一つ、児童自立支援施設では、夫婦小舎制、これはすばらしい制度だと思うんですけれども、この夫婦小舎制の建物の中に入って本はどこにあるんですかと聞いてみたら、事務室の中に戸棚の中に入っていますということでした。やっぱり、外へ出して子供たちの目に触れさせるというのはちょっとした気配りではないかなと思います。 本の数もそんなに多くないようです。予算も、少年院に聞いてみましたら、なかなか年間予算が少ない。これについては、地域の更生保護の組織もありますし、ライオンズとかロータリーとか、そういうところにもひとつ呼び掛け、企業もそうです、呼び掛けをして、本も少し、まあ寄贈してもらうというのは、やっぱりそれは少年院やあるいは児童自立支援施設の役割を社会に知らせるという、そういうことにもなるんではないかなというふうに考えているわけであります。 そして正に、イギリスのフランシス・ベーコンという人が、談話は機転の利く人間をつくり、読書は完全な人間をつくる、そして物を書くことは正確な人間をつくると言っています。読書は完全な人間をつくる、やっぱり少年たちに頑張れるような、元気付けられるような新しい本を購入をして蔵書としておく、そしてできるだけ本を読ませてということはとても大事だろうと、私はそう思うわけであります。 そして三つ目ですけれども、少年院を視察しまして、体育館に行きました。プールもありました。大変環境、児童自立支援施設もそうですけれども、大変環境がいい。そういう中で育ち直しが行われているというのは、非常に私も勉強させていただきました。その中で体育館だけ、実は屋根ないんです、そこに行くときには屋根がない。何で屋根がないのかと聞いたら、雨が降る、あるいは風が吹くという自然現象、雨が降ったら傘を差すんだよということも覚えさせるという、そういうことでそこは渡り廊下、屋根を付けないでということ。 それで、少年院の建物の配置を見てみましたら、体育館は道路の脇にあるんです。そういうことを考えたら、私は、地域開放、体育館、そんなに毎日毎日使っているわけではありません。そういう中で、やっぱり外から入れるようなシステムをつくって、かぎを預けるとか、そういう形で地域に開放するということもこれから検討をされたらいいんではないかなというふうに考えたところであります。 もう一つ、四点目、感じたこと。それは、少年院に行って食堂に行きました。朝昼晩というメニューが、現物で献立が出ていました。大変おいしそうな献立でした。多分お米七麦三か、八、二か、そんなことを言っていましたけれども、残念ながらカロリー表示してありませんでした。児童自立支援施設にも行って聞きましたけれども、十日間の献立表はちゃんと出て、掲示板、張ってあるそうですけれども、しかしやはりカロリー表示はしていないということです。 これ、食育基本法、十七年に成立しまして、去年十一月に初めて食育白書というのが発表されました。これももう話はしませんけれども、この話をすると長くなるからしませんけれども、是非、やっぱりそういう少年院なり児童自立支援施設の中で少年の自立更生の中でも食育という、例えば栄養教員だって、これ全国まだ四十四道府県しか配置されていません。まだ三つ足りません。足りない県は言いませんけれども。 こういう点、これ文科省、今日来ていると思いますんで、是非文科省も食育の大切さ、欠食、偏食、肥満。やっぱり朝御飯を食べない、子供たちだけで食べている人四割とか、中学生の四人に一人は食べない、孤食とか、こういうことでは、どんなに学力、学校を土曜日また少し授業時間数を増やすとか、夏休み少し減らそうとか、それで学力を上げようとか、それは中教審とか教育再生会議でいろんな方々が議論をしています。これはこれで私はいいと思いますけれども、基本はやっぱり早寝早起き朝御飯、文部科学省やっているんじゃないですか。もう少し地方にこの考え方を根付かせることというのはとても大事だと思います。どんなに学力が上がっても、家庭のきずながなければ、この少年法の問題だってやっぱり最終的には家庭なんだろうと、そう思うわけですから、これは少年院、児童自立支援施設で述べた感想として述べさせていただきたいと思いますから、こういう中で少し取り入れる点があったら、是非ひとつ検討をしていただきたいと思うわけであります。 以上申し上げましたけれども、この点、もし御回答、簡潔に、もう時間ありませんから一言でいいです。
○政府参考人(梶木壽君) 服装の点でございますが、二十年前に制定いたしました制服でございます。今改定作業をしておりますので、デザイン、色調ともに現代に合ったものになろうかと思っております。 蔵書の点でございます。愛光女子学園では六千冊の本を持っております。毎年、篤志家の方々からも寄贈いただいております。予算も投入いたしまして、読書をさせるというのは非常に大事でございますので、力を入れてまいりたいと思っております。 それから、施設の開放でございます。少年院は全国的に体育館あるいは運動場の開放をしております。愛光につきましては、近所に地域センターとか市立体育館があるためでしょうか、施設を使わせてくれという要望がないようでございますが、これがありましたら積極的に対応したいと考えております。 それから、食育は御指摘のとおり大切であろうと考えております。カロリーの表示をするように指導をいたしておりますし、子供たちにも食事作りに参加させて勉強させようと考えております。 以上でございます。
○岡田広君 済みません。厚生労働省はいいです、もう時間ありませんから。 それで次、夫婦小舎制という、この点について、これももう時間ありませんから要望だけさせていただきたいと思いますけれども、夫婦小舎制がだんだん、これを取っている施設の割合が年々減ってきています。 私、なかなかこれは大変だろうと思います。それでも、あの武蔵野の児童自立支援施設を視察をして、その後に御夫婦、特に奥様に聞いてみました。そうしたら、これは仁比先生、お名前言っていいのかな、仁比先生が後悔はないですかと聞いたら、子供の笑顔を見たらすべて忘れます、子供の笑顔が一番だと言っていました。これ、私、すごく感動、感激をしました。先生、言いましたよね。本当に私、あの言葉聞いて、やっぱり夫婦小舎制はすばらしいという。ですから、これ、どんどんどんどん、パーセンテージ言いませんけれども、こういう中でなかなか交代制に変わっているということですけれども、この夫婦小舎制の存続というのも是非努力をしていただきたいと思っています。これ、要望だけにしたいと思います。 もう一つ、児童自立支援施設を視察をした結果、自活寮ということ、あることを聞きまして、退所した方がそこでまだ生活をしていると、勤め、勤務をしながら夜は帰ってくるという、そういうことですけれども、私非常にこれは、まだ仕事にも適応できない、社会にも適応するのにはまだなかなか難しいということで自活寮あるんだろうと思いますけれども、これは国立だから、モデルケースでつくったから自活寮もあるんだろうと思いますが、地方の都道府県でつくっているものにはこれはありません。それで調べてみましたら、自立援助ホームというのは、これまだ全国に全部ありません。こういう、退所したってすぐ社会に、仕事があるかどうかも難しいですけども、適応なかなかできないと思います。 ここの点について、この考え方、簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 御指摘のとおり、退所した後ということが非常に大事でございまして、委員が先ほど御指摘をされました自立援助ホーム、子供が共同して施設を退所した後生活をする場でもありますし、日常生活の援助、相談、それから就職の支援などをするところでございます。これ、全国でまだ四十一か所ということでございますので、これをしっかりこれから増やしていきたい、この点に力を入れていきたいと考えております。
○岡田広君 是非増やしていただきたいと思います。 そして、もう一つ、この児童自立支援施設で行う学校教育についてお尋ねをしたいと思います。 児童自立支援施設には様々な問題を抱える子供が多いことを踏まえて、それぞれ、例えば武蔵野の児童自立支援施設の場合はさいたま市から教員が派遣されるということで伺っております。茨城県にも茨城学園というのがありますが、那珂市から派遣されますけれども、この前武蔵野で聞いたら、派遣される教員の中で講師の方が多いんです。やっぱり私は、非常勤や嘱託の講師の教員により対応するんではなくして、常勤の教員による対応、しかもやはり優秀な教員を派遣をして育ち直しを、自立更生を図っていくというのはとてもこれは大事なことなんだろうと思います。優秀な教員による教育、ただ形式で国で決められたから派遣しなければいけないという考え方であったのでは、そうでなくても正に普通の子供たちとは少し差があるわけですから、そういう点について、これは文部科学省ですかね、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。 児童自立支援施設内の分校、分教室に係る教員の定数措置につきましては、通常の学校の分校や学級と同様に、義務教育の標準法という形で公立の小中学校の教員の定数の標準を定めた法律に基づきまして、国庫負担を行い教員の配置を行っているところでございます。 それぞれの児童自立支援施設内での学校教育における教員の配置については、その施設の置かれております都道府県の教育委員会が任命権者として、生徒指導のベテランの方でありますとか、それから適切な教員配置を行っていただけるものと考えておりますけれども、御指摘のような実態がありましたら、できるだけ各教育委員会にもきめ細やかに対応できるように促してまいりたいと考えております。
○岡田広君 是非きめ細やかに対応していただきたいと思います。 もう最後です。いずれにしても、この少年犯罪を一件でも減らす対策というのはとても大事だろうと思っています。本法案がそのためにどのような効果があるのか。そして、今後この法案の成立してということを契機にしまして、これから少年の健全育成、育ち直しの環境を更に充実をさせる、少年の自立更生のために努力するということはもう大事なことでありますけれども、これについて大臣の決意を。 私は少年院を訪問をして、その中で、壁に少年院に入院した子供たちが書いたいろんな感想文とか、いろんなことを、作文とか見せていただきました。いつも私に元気をくれてありがとうとか、お母さん、私を産んでくれてありがとうとか、そういう中でやっぱり子供たちを立ち直らせる、そういうためには、もちろん法務省だけではなくて、この児童自立支援施設は厚生省ですけれども、今文科省もある、関係省庁、関係機関との十分連携を図って、やっぱり少年のためのいい社会、これもつくっていかなきゃならないと思うんですが、最後に大臣の決意を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 今回の法案は、事案のいろんな問題点をきちんと究明をした上で、少年の適した処遇の選択の幅を広げるという中で、少年の健全な保護育成に資するということを目的にしておる法律でございます。 いろいろ御質問いただき、また御見解も伺わせていただいたわけでございますが、全くおっしゃるとおりでございまして、少年院の中でも、また自立支援施設を始め、あるいは学校教育、社会教育、家庭教育等々、国を挙げて少年の保護育成に努めていく、そのためにこの少年法の改正が大きな寄与をなすものと確信をいたしております。
○岡田広君 ありがとうございました。
○松村龍二君 岡田委員に引き続きまして、この少年法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。 私は、捜査の、調査の可視化の問題について中心に御質問いたしたいと思います。 現在、裁判員制度が近く始まるということもありまして、犯罪全体についての捜査の過程での可視化、録画や録音をしておいて、必要とあればこれを使用するという可視化の問題があるわけですけれども、この法務委員会におきまして、少年については特に暗示に掛かりやすいとか、真実の追求が誤ったことになってはいけないということから、少年の調査手続において可視化をすべきであるという強い御意見を述べる委員の方が多かったかと思います。 これに対しまして、警察はまず第一番目に事案に接するわけですけれども、警察、法務省といたしましては、時期尚早というか消極的、あるいはかたくなに否定的という表現がよろしいかと思いますが、受け入れられないと、こういうお話でございます。これには立場の違いがあるんではないかなというふうなことも感じます。 先般、日弁連の方の参考人の御意見がございましたが、一人の冤罪者をつくってはいけない。極端に言えば、少年等の触法の事件があっても、世の中がどう不安になっても、治安面で問題があっても、それはそれ、一人の冤罪者をつくってはいかぬということに徹したお立場であろうかなというふうに思います。警察や法務省は、当然に冤罪者をつくっていいという立場ではありませんけれども、やはり社会が要求する治安にしっかりこたえなければならないという大きな立場があるんではないかなと思います。 また、日本は極端に自白を求める社会でありまして、法制度も諸外国と違う面があるんじゃないかなと、こういうふうに思います。例えば、イギリスなどでは取調べの録音、録画が実施されているところでありますけれども、イギリスでは、原則無令状で、令状なしで逮捕を行い、極めて短時間、二、三十分程度の取調べを行い、事実上黙秘権も廃止されていると。しかし、黙秘の事実を被疑者の不利な証拠とすることもできると。無罪率も非常に高い、陪審員で有罪か無罪か決めてもらえばいいんだよということでありまして、我が国とは刑事司法制度全体が相当に異なっております。 したがって、諸外国で録音、録画が実施されているからといって、刑事司法制度が異なる我が国に直ちに導入すべきとも思われません。それぞれの国の刑事司法制度全体の比較と多角的な検討を行った上で慎重に判断する必要があると思います。 私はかつて三十年間警察という組織にいたわけですが、ある県で警察本部長をしておりましたときに、刑事十人、名刑事を十人集めまして座談会を行って、これを機関誌に載せようということでやったことがありますが、ある刑事が、名刑事が、本部長さん、刑事の喜びって何か知っていますかということを言われたので、さあ何だろうなと言いましたら、非常に難しい事件を捜査をして、根の限りを尽くして相手を説得し、相手もそれを自供したら死刑になるわけですからなかなかしゃべらない。そこを根を尽くして、情理を尽くして調べをして、本人が悔い改めて犯罪を明らかにしたと。そのときに、その刑事が、本部長も知らない、刑事部長も知らない、捜査一課長も知らないという中で、自分だけが知っているという中でたばこを一本吸う、これが刑事の喜びですということを聞かされたことがありまして、やっぱり取調べというのが非常に人間的な難しいことで、一つの職人芸なのかなというふうなことを感じたこともあるわけでございまして、本件の審査と直接関係あるかどうか分かりませんが、そんな経験をしたので、一言御紹介させていただくわけです。 そこで、本題に入りますが、今回問題となっております触法少年の調査、審判手続やその後の措置を通して少年の健全育成を図るということがこの少年法の目的かと思いますが、少年が行った事実についての真相解明が必要不可欠であります。事実があったのかなかったのか、あるいはどのような事実があったのか、さらにはその非行の動機や背景が何なのかが分からなければ適切な処分ができるわけがありません。また、事実の解明があって初めて少年は自ら行った事実に向き合い、反省し、真の立ち直りが図られると思います。 先般の参考人からお話を伺ったときに、少年事件であっても事実認定をしっかりしてほしい、十四歳未満の事件が起こっても、今までは保護だけが良いこととされ、起こった事件にふたをして事実認定に力を入れてこなかったことが現在の少年犯罪を生んでいるという大変貴重な意見、指摘が行われたところであります。こうした被害者の方の声を我々としても真摯に受け止めなければなりません。 加害者が少年であるがゆえに事案の真相解明が不十分な結果に終わることは決して許されるものではないと思います。しかしながら、調査手続におきまして、取調べの全過程を録音、録画してしまえば、警察官の前でしゃべったことが全部公になるのではないかという疑念を少年に抱かせ、十分な供述が引き出せず、事案の真相が解明されないこととなり、結果として少年の健全育成に支障が生じるのではないかと思われます。 何回も答弁の中でお話がありましたけれども、少年からは、親兄弟への思い、学校への不満、仲間、先輩等への思い等があからさまに語られることが多いわけでありますが、これらはそれぞれの関係者にそのまま伝わるおそれのあることに少年は強い懸念を持っていると思われます。少年のあからさまな思いが語られることこそが、少年が真に心を開くことにつながるのであります。そして、このことが事案の真相解明、ひいては本人のために最も適切な処遇を発見する出発点になることが極めて多いのであります。 そこで、まず法務省に御質問いたしますが、最近、少年の事件で、少年が事件を起こしたこと自体は分かっていても、詳細な犯行動機、犯行態様等を少年自身が語らなかったり、あるいは、語ったとしても、動機や事件の背景が理解困難な事件が多いように感じております。 少年事件であっても、少年にとって最も適切な処遇を選択するために事案の真相を解明することが不可欠であるという点について、法務当局の見解をお伺いします。
○政府参考人(小津博司君) 委員御指摘のとおり、触法少年を含む少年事件について事案の真相を解明することは、もちろん非行のない少年を誤って処分しないためにも、また、非行のある少年について、個々の少年が抱える問題点に即して適切な保護を施し、本人の立ち直りやその健全な育成を図るためにも、そして、被害者を含む国民の少年保護事件への信頼を維持するためにも不可欠であると考えております。 特に、非行のある少年の立ち直りのためには、質問等の調査がその後の児童福祉機関や家庭裁判所の調査や処遇選択に資するために行われるものでありますことから、非行の有無、内容のみならず、少年の性格、行状、生育歴、家族の状況、交友関係等の要保護性に関する事実も含め、その真相を解明する必要があるものと考えております。
○松村龍二君 そこで、事案の真相解明や少年の健全育成のために、少年本人から話を聞くということはどのような意味を持つのか、お伺いします。
○政府参考人(小津博司君) 少年に対する質問は、物証等の客観的証拠の収集と並びまして、事案の真相解明に極めて重要な役割を果たしていると認識しております。例えば、密行的に行われる事件や、そもそも物証の乏しい事件、あるいは少年本人だけが事件のかぎとなる重要な事実を知っている事件等は、その少年に対する質問によって真実を聞き出さなければ事案の真相を解明することは不可能でございます。そもそも、物証等の客観的な証拠の分析だけで真相が解明できる事案はむしろまれでございますし、客観的な証拠の発見そのものが供述を得て初めて可能になることが多いと思われるわけでございます。傷害事件を例に取りますと、少年の供述がなければ、どこに凶器等があるのかということも分からないということもあろうと思います。 また、御指摘のように、犯行の動機の理解に苦しむ事件も増加しておりますけれども、この動機に関する少年の供述を得ることがそこのところを解明していく上でのもちろん大きな手掛かりになるわけでございます。また、少年本人から、行った行為の動機や態様や、本人が抱える問題点、人間関係等々について率直に話を聞くということは、非行の原因は何かということを明らかにしていく上でも重要ですし、また、本人がどういう問題を抱えているかということを自分自身が見詰め直すという過程にもなることもあるわけでございまして、本人の立ち直りや健全育成にとって大きな意義があると考えているところでございます。
○松村龍二君 低年齢の少年から事案の真相や本人の個人的な問題などにつき本当の話を語ってもらうためにはどのようなことが大切と考えておるか、お伺いします。
○政府参考人(小津博司君) この点につきましては、先ほど委員御指摘になられましたように、いろいろな自分自身が抱える問題について、少年が心を開いて、自分を取り巻く人間関係あるいは非常にプライベートなこと、時には心の傷に深くかかわるような事実も率直に語ることができるような状況を整える必要があるわけでございまして、これは質問を行う側が、少年の年齢や性格等に応じて適切で分かりやすい言葉を用いるなどの配慮も必要であると思われますし、また、質問に当たる警察官等が、その少年と向き合ってコミュニケーションを重ねつつ、その信頼を得ていくことが不可欠なのではないかと認識しております。
○松村龍二君 低年齢の少年の事件につきまして、質問状況の録音、録画を義務付けるべきとの見解がありますが、今お答えいただいたように、低年齢の少年の事件では、少年への質問においては、少年が話しやすい環境を整えることも重要であると思われます。質問状況の録音、録画等を義務付けた場合、少年が話をすることをためらうなどして真相解明が困難となるなどの弊害があると私は思いますが、どうか。法務当局の見解をお伺いします。
○政府参考人(小津博司君) ただいまの点につきまして、私どもも委員と同様の認識を持っているところでございまして、やはり率直なやり取り、あからさまな思いを語るということが妨げられ、結局はその調査の目的に反することにつながりかねないのではないかなと考えておるところでございます。 この録音、録画の問題につきましては、これまでにも御答弁申し上げておりますけれども、刑事事件の被疑者等の取調べに関しまして、司法制度改革審議会の意見書も踏まえまして、そこで将来的な検討課題とされているわけでございまして、法務省としても慎重な検討が必要であると考えているところでございますが、さらに、触法少年についての質問の特別な事情等も考慮しながら、一層慎重に検討すべきものではないかなと考えております。
○松村龍二君 次は警察庁にお伺いしますが、録音、録画は、一方で少年の権利保護に資する面があるということは否定しませんけれども、他方で事案の真相解明にとって支障となり、少年の健全育成という法目的が達成できなくなるおそれがあります。また、真相解明が不十分に終われば、被害者にとっても不満が残る結果となります。したがって、可視化には十分慎重な議論が必要と考えますが、警察庁としてはどのようにお考えか、お伺いします。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 少年につきましては、今委員から御指摘のありましたように、暗示を受けやすいとか、また迎合的になる特性を有するということは我々十分承知をしているわけでございますけれども、他方で少年の健全育成のためには、これまた御指摘があったように、まず事案の真相を解明することが是非とも必要であると考えております。そのためには、取調べの場では、面接でございますけれども、面接の場では、無用の緊張を少年に与えないように配慮しながら少年とのコミュニケーションを重ねまして、信頼関係を構築していくということが必要でございます。 しかしながら、取調べの全過程が録音、録画されてしまいますと、供述の内容とか過程とか、その表現ぶり、態度等が公になってしまうんじゃないかという心理的圧迫が加えられて、十分な供述が得られないといったケースが出てくるおそれがあるというふうに感じております。特に少年からは、公の場とか面と向かっては言えないような心の奥に秘めた親への思いとか兄弟への思いとか、学校への不満とか、仲間、先輩への思いとかがあるわけでございまして、本当はこういったことを率直に話してもらうことが正にその非行の原因又は背景の解明につながっていくと思うのでありますけれども、こういったことがそのまま関係者に伝わってしまうというふうなことを恐れて、そういうことに対して強い少年は懸念を持つのではないかというふうに考えております。 それから、少年事件につきましては共犯事件が大変多いんでございますけれども、この共犯であるところの仲間とか先輩等についての供述内容のほか、この供述に至った経過とか、また態度、また表現ぶり等がありていにそのまま録音、録画されてしまいますと、それがありのままに外部に出るんではないかと、そうすると、これらの関係者から恨みを買ったり、また場合によっては身の危険まで生じる可能性もありますことから、むしろ大人以上にこういったことに対して強い抵抗感を持っているんじゃないかというふうに考えております。他方で、今申し上げましたように、こういった率直な心の奥に秘めたような思いを聞き出す中で非行の原因とか動機等の真相の解明につながっていくものというふうに我々は考えております。 そういうことで、録音、録画がされてしまうということでありますと、こういった供述が得られなくなって、真実の解明に支障が出るおそれがありまして、その過程を録音、録画することにつきましては極めて慎重な検討が必要と我々考えております。警察としましては、これまでもこういった観点から、少年その他の関係者が秘密の漏れることに不安を抱かないように配慮しながら調査を行うようにという指示を行っているところでございます。
○松村龍二君 最後の質問ですけれども、事案の真相解明を通じた少年の健全育成という観点から取調べの可視化には課題があることは分かりましたが、一方で少年の特性への配慮も重要であると考えております。今回の法改正を踏まえ、少年の特性への配慮をどのように図っていくのか、警察庁の見解を伺います。冤罪事件をつくらない決意を警察庁を代表して表明していただきたいと思います。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 触法少年に係る調査は、刑事責任の追及を目的としたものではございませんで、少年の健全な育成のための措置に資することを目的として行われるものでございまして、こういった趣旨から、今も申し上げましたように、少年が自ら真実を語りやすいような環境を整えることが大事だというふうに考えております。 このため、触法少年の調査に当たりましては、少年警察活動規則でございますとか犯罪捜査規範において、少年の心理とか生理その他の特性に関する深い理解を持って当たること、また、非行の防止及び保護をする上で最も適切な処遇の方法を講ずるようにすること、また、少年の被疑者の呼出し又は取調べを行うに当たっては、当該少年の保護者又はこれに代わるべき者に連絡するものとすること等と規定いたしまして、少年に配慮した対応をするように指示してまいったところでございます。 今後、法改正が成立した際には、この施行に向けまして、規則の整備とか通達の発出による改正の趣旨、留意点の周知等に取り組む必要があるものと認識をいたしております。とりわけ、十四歳未満の少年に着目した配慮事項を規則又は通達において盛り込むことといたしたいと考えております。さらに、全国会議等を開催しての指示でありますとか執務資料の整備、また部外の専門家による指導等を含めた各種指導、教育の充実強化、マニュアルの作成等によってその趣旨が徹底されるように取り組んでまいる所存でございます。 こういったことを通じて、非行なし事案がないように最大限努力してまいりたいと考えております。
○松村龍二君 終わります。
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。 これから百二十分ということでございますので、大変長丁場でございます。多分、途中で皆さんも、ちょうどよい時間ごろでございますので、ちょっと眠気も感ずるところがあるかもしれませんが、そういうときにはびっくりするようなことで皆さんの目を覚ましていただくと、こういうやり方で進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。 そのしょっぱなでございますが、少年法の改正に入る前に、午後の冒頭、冒頭というか、あれですので、ちょっと一、二点、昨今の問題で気が付くところをお聞かせをいただいて、皆さんの一回まずは目を覚ましておいていただきたいというふうに思っております。 まずその第一点は、先般、先般というか、ここのところ大変問題になっておりました、それから社会の大きな注目にもなってまいりました民法七百七十二条、いわゆる三百日規定にかかわる問題でございます。 これについて先般法務省の方で通達を出されまして、それが施行になったということでございます。これは、既にその前に与党の皆さんも大変心配をなさいまして、プロジェクトチームを立ち上げていろいろな御議論をなさってこられましたが、いろんな訳ありということなんでしょうか、そのプロジェクトチームの活動がいったん、また再スタートをするというような形に今は収まっているようでございます。 そういう中で法務省が通達を出されました。その内容と、ちょっと実施の状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) この問題について、法務省の基本的な考え方はかねてから大臣から御説明申し上げているとおりでございますが、五月の七日に民事局長通達を発しまして、法務局を通じて全国の市町村に新しい取扱いの指針を示したわけでございます。この指針が二十一日以後具体的に取扱いを開始ということで、今その取扱いが始まったところでございますが。 まず内容でございますけれども、これは民法七百七十二条の第二項で、三百日以内に生まれた子というのは離婚前の婚姻中の懐胎と推定されるわけでございますけれども、しかしながら、この規定を形式的にかぶるものでありましても、懐胎が離婚前ではない、離婚後であるということが医師によって証明できるという場合にはこの推定を働かす必要がないわけでございますので、そのような医師の証明書を添付して出生届をされる方につきましては、新たにこの七百七十二条の嫡出推定の適用を受けないものという扱いを戸籍上もさせていただくと、こういう内容でございます。 具体的には、医師の方が超音波診断等を中心になさるわけでございますけれども、その診断によって何日から何日までの間に懐胎したものということが推定されるという証明書を書いていただきます。その一番早い時点と離婚の時点とを比較いたしまして、その離婚より後に一番推定の古い時点が来ましたときは新しい取扱いの範囲内ということで取扱いをさせていただく、こういう内容でございます。 まだ取扱いを開始いたしましてから三日間たったわけでございます。最初の二十一日に二十二件の届出がございました。昨日までに合計で四十五件の取扱いをいたしております。これらは当面は法務局にすべて上げて、要件に合致するかどうかの検査をいたしまして、その検査を基に市町村に受理をするかどうかという指示を出しまして受理をさせていただくと、こういう段取りにいたしております。
○千葉景子君 通達を出されたということによりまして少なくとも三日間で四十五件の届けがあったと、四十五カップルというんでしょうかの皆さんがそのお子さんの戸籍を作ることができるようになったということであろうかと思っております。 ただ、言われますように、問題はむしろ離婚前に懐胎をしたというケース、この場合が相当、数としてはあるのではないか。そこが一定救済をされませんと、本当に戸籍を持てないお子さんという問題がこれからも続いていくのではないかというふうに指摘をされております。 そういう意味で、離婚後に懐胎をしたということが証明されたということについては一定の解決の道が付いたわけですけれども、離婚前の懐胎について、今後法務省としてどんな考え方でこの問題に取り組んでいこうとされているのか、あるいはもうそれはしようがない、もうそんなものはほっぽっとけという御態度なんでございましょうか。その辺の考え方について大臣にお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 私どもも、何とかそこを解決をできないものかといろいろな議論を部内でもさせていただいておりますが、是非そこに大臣としても温かい目を向けて取り組んでいただきたいものだというふうには期待しておりますが、大臣いかがなものでしょうか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 現行の嫡出推定制度、先生もう御案内のとおりでございますが、妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定をするということを基本にしておるわけでございます。この基本的な考え方というのは維持されるべきものと基本的には考えております。そういうことを、その考え方の基本の中で今回通達を出さしていただいて、それに触れないものについては手続的に裁判を経なくても戸籍の受付を行うということにしたわけでございます。 ちょっと脱線するかもしれませんが、私も選挙区に帰りましたら、いろんな方々がこの問題、関心を持っておられまして、かわいそうじゃないかというお話もありました。もちろん必ずというわけではないわけで、それに問題があるという人は調停、裁判を経られれば当然その御主張のとおりの戸籍にできるんですよという説明をいたしましたところ、ああそうなの、それならいいんじゃないのと、そういうことは新聞にはどこにも書いてないねというお話を聞きまして、やはりなかなかこの問題、世間では十分な理解をされていないんだなということを感じました。そういうことは直接これからの検討に関係あるわけではありませんけれども、私は個人的には、基本的には現行制度は維持されるべきものと思っております。 ただ、与党におきましていろいろ御議論もありまして、仮に婚姻中に懐胎をされたというケースであっても、社会通念上やむを得ないとかいうような場合もあり得るであろうから、これは子供のためをも考えながら民法の原則の範囲内で考えられることがあれば考えてみようという取扱いになったと承知をいたしておりまして、これから与党で御検討が行われるものと思いますので、これに対しては法務省としても御協力を申し上げていきたいと今考えているところでございます。
○千葉景子君 是非、これは必ずしも与党、野党と対立をするものでなく、やはり今この問題で子供が戸籍ができないというようなことになりませんように、これはそれぞれ国会の中でも議論がこれからされていくであろうと思いますので、法務省としてはそれを邪魔するようなことだけはしないように是非お願いをしておきたいというふうに思っております。 この問題が出ましたときにやはりもう一つ、民法の今度は七百三十三条、いわゆる女性に設けられております待婚期間、この待婚期間を今の嫡出の推定の規定を前提にしながら、計算も合理的にできるという範囲で百日に短縮したらどうかという考え方が提起をされました。私どもこの間、選択的夫婦別姓等も含めてこの待婚期間を百日に短縮しようということを一貫して提起をさせていただいてまいりました。法制審議会なんかでも短縮ということを提起がされているところでもございます。 そこで、先般、残念ながら与党の方ではここまでおまとめいただけなかったものですから、私どもの方でこの待婚期間を百日に短縮をするという法案を提案をさせていただきまして、今この参議院に継続させていただいているというところでございます。是非これを、与党の中でも御賛成の方がたくさんおいででございますので、是非成立をさせていただいて、少なくともこれまでのように百八十日という、女性だけ長く待婚期間を設けられるということも何か不公平でもございます。そして、計算上も百日で十分に足りるという考え方でございますので、是非この短縮を実現をしていただければというふうに思っております。 大臣、いかがでしょうか。もうこの際ですから、この待婚期間の見直し、せっかく法律も出させていただきましたので、まあやろうじゃないかと、こういう御決意を出していただければというふうに思います。これ計算もちゃんとできるんですから、まさか貞操観念がこれでなくなるというようなことを万が一にも大臣のお口からまさかお出になるとは思えませんけれども、どうぞ御決断のほどをお願いをしたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) この待婚期間についてもいろいろ御意見があることは承知をいたしておりますが、もう現行制度の趣旨というのは私から専門家である先生に御説明する必要がないことだと思いますので省略をいたしますけれども、この問題は婚姻制度、家族の在り方、また先ほどお話しになった嫡出推定制度とも連動する問題であって、結局これらの問題についての基本的な考え方が違うことがいろんな意見がある原因になっているんだろうというふうに私は考えます。 そういうこともありますので、この改正についてはやっぱり国民各層の意見を幅広く取り上げるものとして考えていかなきゃならない、これから更に慎重に検討していかなきゃならない問題だというふうに考えております。
○千葉景子君 少し御理解がちょっと足りていないんじゃないかと思います。今日はちょっとこの法案の問題ではありませんのでこれ以上やりませんけれども、是非これは、この法律改正というものを実現をする方向で私どもも努力をしてまいりたいと思っておりますので、御承知をいただければというふうに思っております。 あともう一点、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。 先ほどから、松村理事の方からも私がお聞きしようということをひょっとしたら先手を打って聞いていただいたのかなという感じがいたしますけれども、可視化の問題などがございました。 そこで、それとちょっと関連いたしまして、裁判員制度について実施に向けて様々な準備が進められています。今日ちょうど報道されておりました。最高裁の諮問委員会で一定の裁判員の参加に関する答申が出されたということで、これがいずれ規則なりになるのではないかというふうに思いますし、それから、模擬選任手続というんでしょうか、と模擬裁判のようなことも一般に公募、公募というか、なさっておやりになっているというようなこともございます。 現段階で細かい今日はことは必要ございませんですけれども、どんな準備状況になっているか、そして問題点など残されていることにはどんなことがあるのか、簡略に最高裁の方から御説明をいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(小川正持君) お答え申し上げます。 裁判員法の施行を二年後に控えまして、最高裁判所は、裁判員法が最高裁判所規則に委任しています事項等について規則制定作業を進めております。 〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕 昨日、規則制定諮問委員会の答申をいただいたところでございますが、来月には答申に基づいて規則が制定される見込みでございます。 答申された要綱案の主な項目でございますが、一番目として、裁判員候補者に対し候補者名簿記載通知の際にあらかじめ調査票を送付して、候補者の都合を早期に把握すること。二番目として、呼出し状に裁判に要する見込みの期間を記載するものとすること。三番目として、呼出し状を裁判員選任手続期日の六週間前までに発送するものとすること。四番目としまして、裁判員等選任手続の期日にお越しいただいた候補者の方には原則として全員を質問するものとすること。五番目として、裁判員裁判を全国本庁五十か所のほか、八王子、小田原、沼津、浜松、松本、堺、姫路、岡崎、小倉、郡山の十支部でも実施すること。六番目として、裁判員等の日当の上限額について、裁判員及び補充裁判員につきましては一万円程度、裁判員候補者については八千円とすることでございます。 今後は、この規則にのっとり、候補者の負担ができるだけ軽くなるような運用を検討していくことになります。具体的には、辞退を希望する理由としてどのような事情があるかについての実情把握や、できるだけ負担の少ない裁判員選任手続の在り方の検証を目的としまして、企業や各種団体等にも協力していただき、模擬の選任手続を繰り返し実施していく予定でございます。
○千葉景子君 御説明をいただきまして、これからまだ解決をしなければいけない問題もあろうというふうに思いますし、なかなかこの参加について少しずつ理解が深まり、そして参加をしてもよいと思う方が少しずつ増えているというふうには受け止めておりますけれども、かなり条件を、環境を整えませんことにはやっぱり多くの皆さんの参加意欲というものは出てこないようにも思っておりますので、是非積極的に今後とも準備を滞りなくやっていただきたいというふうに思っております。 それで、この裁判員制度ということでどうしても忘れてはならないのが、やはり先ほど出ておりました可視化という問題でもあろうというふうに思うんです。御説明さっきありましたので聞かせていただいておりましたけれども、ただやはりこの裁判員、十分に実態を、それから取調べの状況が本当に信用できるものかというようなことを裁判員にとっても適切に判断をするということをするためにも、やはり可視化ということは私は避けて通ることはできないのではないかというふうに思っております。 そういう意味で、いろいろとあります。それが全部あれしたら捜査というのが非常に本人の話を十分に聞くことができない、あるいはむしろ緊張して本当のことを言いにくくなるのではないかというようなことをよく言われるんですけれども、私はちょっとそうではないんだろうというふうに思います。 その辺のことございますけれども、やはり流れとして、そして裁判員制度ということの導入も含めてこの可視化ということについて大臣として本当にどう考えられるのか、御決意のほど、そして導入に向けて何がネックになるのか、その辺も含めてお考え方をお聞かせをいただいておきたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 裁判員裁判において、裁判員の負担を軽減するためにも自白の任意性、信用性について分かりやすく迅速に立証することが極めて重要であるというふうに考えております。そのため、検察においては具体的に争点を絞り込んだ上で身柄拘束中の被疑者、被告人の取調べ過程・状況に関する客観的な資料を積極的に活用すること、取調官の証人尋問や被告人質問を効果的に行うなどの方策を尽くすものと承知をしております。 また、検察当局としては、これに加え任意性についても立証責任を有する検察官の判断と責任において、任意性の効果的、効率的な立証のため必要性が認められる事件について、取調べの機能を害しない範囲で検察官による被疑者の取調べのうち相当と認められる部分の録音、録画を試行していると承知をいたしております。 〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕 しかしながら、取調べ状況の録音、録画を義務付けることについては、取調べ状況のすべてが記録されることから関係者のプライバシーにかかわることを話題とすることが困難になるとともに、被疑者に供述をためらわせる要因となり、その結果真相を十分解明し得なくなるなどの問題が指摘されておるところでございます。 この問題については、御案内のとおりずっと以前から議論のあったところでございまして、現在法曹三者でいろいろ議論がされておるというふうに承知をいたしておりますが、先ほども松村議員からお話がありましたが、結局、自白を強要する余りにまずいことがというか、いろんなまずいことが起きたことも許し難いことでありますが、同時に、そのことによって犯罪者が犯罪逃れが非常にやりやすくなるということが起こっても困るという意味で、刑事訴訟手続全体をどうやるかという中で十分な御議論をしていただきたいものだと思っております。
○千葉景子君 今の御答弁の中にも私はちょっと引っ掛かるところあるんですけれども、それはちょっと別な機会に改めてまたきちっとやらせていただきたいというふうに思っております。後ほどこれはまた少年の手続に関してもお尋ねをしなければいけないということになるかと思いますけれども、それは後ほどにさせていただきたいと思っております。 さて、少年法でございますけれども、この間の質疑の中で様々な問題点が整理をされてきているのではないかというふうに思います。ただ、全体として、私も質疑を聞きながら、結局は今の実態と、もし改正をすることになりますと一体何が変わって、今の実態、実務では何か困ることが本当にあるんだろうか、変える必要が本当にあるんだろうか、こういう私は印象を持ちます。何か別に実際には変えなくても十分にいろいろな少年に対する対応というのが取れるんだけれども、どうもやはり、何か凶悪になっているとか、あるいは衝撃的なそういう事件があると、こういうことに余りにものっとって、やっぱりそれでは、今のやり方では駄目なんだ、むしろ厳しい対応策というのを取らなければいけないんだ、どうもそちらに流されているのではないかという危惧を持たせていただいています。 そこで、そういう観点から、今日は少し細かいところになるかと思いますけれども、聞かせていただきたいというふうに思っております。 まず、家裁への原則送致、こういう原則が今度は取られるようになりました。この家裁への原則送致の規定というのは、制度というのはどういう趣旨で盛り込まれることになっているのでしょうか。この原則家裁送致の意義、趣旨をまず御説明をいただきたいと思っております。
○政府参考人(小津博司君) お答え申し上げます。 本法案により、児童相談所長が警察官から触法少年の事件の送致を受けたときは、警察の調査結果及び児童相談所における調査等の結果を踏まえて処遇を決定することとなりますが、重大な触法行為をした疑いのある少年については、非行の重大性にかんがみ、家庭裁判所の審判を通じて非行事実を認定した上で適切な処遇を決定する必要性が特に高いと考えられます。 また、かかる重大事件につきましては、まず証拠資料に基づいて非行事実の有無、内容を確定することこそが被害者を含む国民一般の少年保護手続に対する信頼を維持するために必要であると考えられますし、さらに、家庭裁判所の審判手続においては、被害者等は記録の閲覧及び謄写や、意見の陳述を行ったり審判結果等の通知を受けることができるため、被害者保護という観点からも、少年法が定める家庭裁判所の審判手続によって事実解明等を行う必要があると考えられます。 そこで、本法案第六条の六の第一項、衆議院での修正後は第六条の七の第一項でございますが、これによりまして、都道府県知事又は児童相談所長は、いわゆる検察官関与の対象となる少年法第二十二条の二第一項の罪に係る重大な触法行為の疑いのある事件の送致を受けたときは、原則として家庭裁判所送致の措置をとらなければならないこととしたものでございます。
○千葉景子君 御説明はお聞きをいたしました。 ただ、これまでも決して家庭裁判所の関与というのが全くなかったわけではございませんで、ただ、やはり少年の問題については児童相談所、福祉的な機関がやはりその観点から事件をどういうふうに扱うのが一番いいのかということを考えて、そして、家庭裁判所に関与してもらうということもありますし、児童福祉の観点から保護をしていくということもやってまいりました。 そういう意味では、児童福祉機関が一定の裁量を持って、そして先議権を持って少年の適切な処遇そして対応策というのを考えてきたわけでございます。だから、決して何でもかんでも児童相談所だけでやっていたとか、あるいは家庭裁判所というのを使ってはいなかったということではないわけですね。 だとすれば、それは柔軟な手続も取れてきたわけですので、この原則家裁送致という割とかちっとした規定にしてしまいますと、この児童福祉機関の裁量あるいは先議的ないろいろな調査ということが非常に硬直化させられてしまうと、こういうことになるのではないか。言わば、児童福祉的な観点が形骸化していくというおそれがあるのではないかというふうに思いますが。 この家裁送致の原則という制度は、今の現行法の児童福祉機関が言わば先議的な、裁量的な権限といいましょうか、そういう立場にあるのだということを否定をするというものなんでしょうか。それとも、その原則はきちっと大事にしながら一定家裁の関与を、むしろその範囲を広げようという趣旨なのでしょうか。その辺をもう一度説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(小津博司君) まず、児童福祉機関先議の原則と言われているところでございますが、現行少年法の三条二項では、触法少年及び十四歳に満たない虞犯少年につきましては、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り家庭裁判所の審判に付することができるとしておりまして、これが児童福祉機関先議の原則と言われているわけでございます。 一般論といたしまして、心身の発達が不十分な低年齢の少年については児童福祉機関の措置にゆだねることが適当な場合が少なくないと考えられるところでございまして、本法案におきましてもこの点については何ら修正を加えていないところでございます。 原則家裁送致の制度の趣旨につきましては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、本法案に盛り込まれております制度は家庭裁判所送致を一律に義務付けているものではございませんで、ただし書において、児童相談所における調査の結果、家庭裁判所送致の必要がないと認められるときは、家庭裁判所送致以外の措置をとることができることといたしまして、家庭裁判所送致の必要性の判断について児童相談所長等の裁量を認めているところでございます。
○千葉景子君 もしお答えが可能であるのであれば、今お話しいただきました、調査の結果その必要がないと認められるときは家裁に送らなくてもいいのだという御説明でした。具体的な例といいますか、こういう、その例としては考えられるのだというようなこと、もし御説明がいただければお願いしたいと思います。
○政府参考人(小津博司君) 抽象的にというよりも、なるべく具体的にという御趣旨だと思います。 もちろん事案事案で異なると思いますけれども、例えば、その少年の心身の発達の程度が非常に不十分で、しかもやった事柄の動機や態様、これはもちろんそれを刑罰法令に照らし合わせてみれば、私が申し上げたような意味での一定の重大な犯罪に当たるような行為ということにはなりますけれども、その実質を見ていくとそれほど悪質、重大とは言えないような事案であるというようなことが分かった場合が考えられようかと思います。あるいは、共犯事件におきまして、当該少年の関与の程度は非常に低いということが明らかになったような場合なども考えられるのではないかと思っております。
○委員長(山下栄一君) 村木審議官いいですか。村木審議官も手挙がってます。
○千葉景子君 いいです。
○委員長(山下栄一君) いいですか、はい。千葉さん。
○千葉景子君 その判断というんでしょうか、調査の結果その必要がないと認められるときというのの判断は、最終的にはどこがなさるんでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 児童相談所が判断されるわけでございます。
○千葉景子君 それでは、厚労省の方にちょっとお尋ねいたします。 今のような御説明でした、法務省の方からですね。これ実際にそうすると児童相談所の方で様々御判断をなさるということになります。ただ、これまでと違って、通告がされたということではなくて、あくまでも送致されてくるわけですね、児童相談所に。そういう意味では法的な言わば性格というのは違うんですけれども、今のお話ですと、児童相談所の方で調査をされてその必要性を判断をされるということです。 これまでの手続、運用と、そうするとどう違ってくるんでしょうか。児相の方としてはどういうふうにそれを対応されるつもりなんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 先ほど来法務省の方から御答弁がありましたとおり、今回の法改正におきましても児童福祉機関先議の原則は変わらないわけでございます。したがいまして、児童相談所におきまして判断をしていくということになるわけでございます。 重大な罪の範囲というのはかなり広いというふうに考えておりまして、先ほど法務省からも御答弁がありましたが、形式的には重大な罪に該当する場合であっても、実質的には非常に加害児童が幼かったり、あるいは行為の態様や結果が軽微であるとか、あるいは事実関係が非常にはっきりしているというようなケースであれば、児童相談所の判断として、家庭裁判所での手続によって子供に負担を掛けるよりも児童相談所限りで判断をすべきというような事例はそのように判断をしていくということになります。 そういう意味で申し上げますと、児童相談所におきまして一つ一つの個別のケースごとに個別に判断をしていくという点では変わりがないというふうに考えております。 ただ、じゃ相当実際に家庭裁判所に送られるケースが増えるかどうかという点に関しましては、従来、児童相談所というのは、例えばその子供が起こした非行が、例えば刑法の何の犯罪に当たるのかとか、ここで言う重大事案に当たるかどうかというようなことを判定をする機関ではありませんので、こうしたケースのうちでどれだけを家庭裁判所に送ったというところの数字的に申し上げるデータがありません。 そういう意味では、具体的にどれだけ件数が変化をするかということについてははっきりしたことを申し上げにくいんですが、個別に判断をして、ケースごとに判断をするという仕組みについては変わりがないというふうに考えているところでございます。 ただ、今回の法改正の趣旨が、重大犯罪についてはやはり他の触法事件に比べても内容が複雑で、多角的な観点から慎重な事実認定を行うことが必要であるケースが多いということ、それからまた重大な触法事件については真相を解明すべきという社会的な要請が強いということ、そういった法改正の趣旨も踏まえながら、具体的な今後の取扱いについて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○千葉景子君 双方の御答弁をお聞きをいたしますと、何で今度この原則送致という規定が入ったのか、いま一つやっぱりよく分かりません。結局は、何かその主導権みたいなものをむしろ警察の側に取らせるということにしかすぎないのではないかという感じがするのです。 そういう意味では、私はこの規定を削除するということも必要ではないかと。なくても、今お話がありましたように、児相が様々な調査をされて、やっぱりこれは家裁できちっとした手続を取ろうというふうにこれまでもやってこられたというところもあるわけですし、やっぱりこの子供は保護を中心にきちっと児童福祉で対応していこうということもやってこられたということを考えますと、何かこの規定は何のために本当に置かれることになったんだろうかということを考えざるを得ません。 そういう意味では、私どもはこの規定はやっぱりもう一度削除をして見直して、そして、確かにその事案の解明がもっと必要だという要請があることは私も知っております。それはまたこういう形ではなくしても可能な問題ですので、この規定というのはやっぱりいったんなくして、そして改めて考えていく必要があるのではないかということを指摘をしておきたいというふうに思っております。 次に、今度の警察による調査手続についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。 今回、この触法少年について、警察による調査という手続が認められるようになっております。この調査というのは、この間の議論でも、私もそうだろうなと思うんですけれども、言わば捜査とは違うわけですね。捜査とは違う調査ということですね。その辺の、捜査じゃなくて調査、この違いをちょっともう一度改めて明確にしておいていただけないでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 触法少年の事件の調査と犯罪の捜査は、いずれも犯罪構成要件に該当する行為の有無や内容等を主な対象として明らかにするという点では共通する面がございます。 しかしながら、犯罪捜査は、刑事訴訟法第一条にございますように、刑罰法令の適用実現を目的とするものでございまして、刑事責任を問えるかどうかを明らかにするためのものであるのに対しまして、触法少年の事件の調査は、刑事責任の追及とは無関係で、事案の真相を明らかにして、これを基に少年の立ち直りに最も適した処遇選択ができるように、専ら少年の健全な育成のための措置に資することを目的としております。この第六条の二の第二項にその旨明らかにしておりますが、両者は、その基本的な性質、目的が異なるものでございます。
○千葉景子君 今のお答えで、その目的は、捜査というのはやはりその事実が訴追に値するのかどうかという、処罰を求めることができるかという観点で行う、調査といわれるものは子供の健全な育成、こういうことに資するような目的において行われると、それはそうだと思うんです。 ただ、実際の調査それから捜査、いずれも事案の解明とか、その主体となるものが一体だれなのかということを定めたり、そういうことでは共通はするのだろうというふうに思うんです、捜査も調査もですね。そういう意味では、確かにその目的とするところは違うんですけれども、警察の対応として具体的な、何というんでしょうね、おやりになることとすれば捜査と調査というのはかなり共通はしてくるんではないかというふうに思います。 いずれにしても、先ほど言った子供の健全な育成とか、そういうことは警察が御判断するというものではないんだろうと思うんですね。最終的にはそれはやっぱり児童福祉の観点で判断をすることであって、ただ、それをやるために調査ということによって事実をまずなるべく解明をしておこうと、これが調査なんだろうかなと思うんですけれども、そういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(小津博司君) 御指摘は警察の調査と児童相談所の調査の違いということで御説明をさせていただきたいと思うのでございますけれども、児童相談所による調査は、児童や保護者等にどのような処遇が必要かを判断するために主に児童福祉司や相談員が中心になって行うものでございまして、主に所内での面接や訪問面接、電話、照会、委嘱、心理診断、医学診断、行動観察等の方法によりまして、児童の状況、児童の家庭環境、児童の生活歴や生育歴、過去の相談歴、地域の養育環境等の事項を調査するものでありまして、非行事実の有無や内容の解明を直接の目的とするものではないと承知しております。 他方で、警察による調査は、当該少年の抱える問題点に応じて最も適切な保護処分を選択することができるように、少年の非行事実の存否やその原因、動機等を含む内容の解明を中心として行うものでありまして、その調査結果は、現在でも児童相談所や家庭裁判所の判断資料として活用されているわけでございまして、今回、警察の調査権限を法文上明記いたしますけれども、その警察の調査の性質またその調査の結果がどこでどのように使われるか、つまり児童相談所や家庭裁判所の判断資料として使われるという、その点については変わりがないわけでございます。
○千葉景子君 そうなりますと、今現在でも児童相談所等の意を受けてといいましょうかね、その前段階として、警察で言わば事前段階の捜査というか、そういうこともやっておられますよね。例えば、まだ何歳か分からないと、そういう段階で、事実はどうなんだろうか、事件の中心となったのはだれだろうかというような捜査もやっておられます。そういう意味では、現在の制度の中でも様々な、警察の言わばお手伝いといいますか、警察も協力をしながら事案の解明だの、それから児相にその事実関係の調査をしたものを届けて、最終的にどういう措置がいいかという判断の材料にされているというふうなことも具体的にはあるんだろうというふうに思います。 そうすると、一体、今の制度の中でも十分にやられていることにプラスして、特段に警察の調査という権限、しかも捜査とは違うんだというものを規定をするという意味というのは改めて一体何なんでしょうか。要するに、もう調査ということは児相にはやらせないで警察がやるんだと、こういう趣旨なのでしょうか。それとも、そうではなくて、児相の調査はある、ただそれに少しお手伝い、より一層事案の解明ができるように警察もしっかり手伝いをしようと、こういう趣旨で盛り込まれているものなんでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 先ほど御答弁申し上げましたように、警察の調査と児童相談所の調査の関係、それから家裁の審判における調査との関係が変わるものではございません。 しかしながら、現行法におきましては、警察の触法少年に関する調査、それ自体が少年法の中できちんと明文をもって定められておりませんので、そのことを明文で書いてはっきりさせるということが一つ。そして、一定の重大な事件については、警察は触法少年を児童相談所に送る、そして児童相談所は原則として家庭裁判所の方に送る、こういう仕組みをつくったということが異なりますけれども、繰り返しになりますが、調査におけるそれぞれの役割は変わっておりません。 少しお手伝いかどうかということでございますけれども、やはり事件が発生をいたしまして、初めから十二歳、十三歳の子供のやったことだと分かっているケースもあるかもしれませんけれども、そうではないケースもあろうと思います。警察がいろいろ調べを始めまして、あっ、これはやっぱり十四歳に満たない子供の事件だということがだんだん分かってきて、しかもやったことはこういうことだと。先ほど私、共犯事件で役割が軽い場合という例を挙げましたけれども、そのようなところもやはり警察の方の調査で基本的には分かるはずのことであろうと思います。 児童相談所の方の調査は、先ほど申し上げましたように、そういう事案の解明、つまり犯罪行為が行われたかどうか、そこにおける言わば共犯者間の関係がどうかということを解明するということが直接の目的ではありませんので、その子供をどうしたらいいかということについての調査がやっぱり主であろうと。 そういうことで、警察の調査で果たすべき役割と、児童相談所の調査で果たすべき役割と、また、これが家庭裁判所に行ってから家庭裁判所で全体として総合的に調査をすると、こういうような役割分担であろうと思いまして、そのことは新しい制度においても変わりはないと認識しております。
○千葉景子君 新しい制度でも変わらないということであれば、何でまたこれもそういう規定が必要なんだろうかという、先ほどちらっと、逆に言えば手続を規定することによってむしろ明確に、これまでやってきたことを明確にしたんだとおっしゃってはおられましたけれども、どうもいま一つこの規定の置かれた背景というものがちょっとよく分かりません。 今の御説明によりますと、そうするとこれからも警察の調査ということは、十分に児童相談所の意向とか、あるいは児童相談所の、何というんでしょうね、と協力をしてというんでしょうか、例えば児童相談所の方で、もう余り警察の方が触ってくれるな、そうすると余計子供に悪影響があるみたいなことがあったらちょっと控え目にするとか、要するに、これまでのように児童相談所が最終的にはこの子供に対する様々な保護処遇を考えていくということには変わりないわけですから、児童相談所、児童福祉という観点を十分に考えながら、そしてまたその意向に反する、相対立する、反するような形で調査というのが行われるということはないんでしょうね。
○政府参考人(小津博司君) 刑罰法令に触れる事象が起こりましたときに、例えば人が殺されていたというときに、それがだれが犯人であろうか等々について明らかにするということは、それ自体警察の責務でございますから、それは正に警察の責務として事案を解明するということになります。その過程で、その犯人が少年である、あるいは十四歳未満の子供であるということが明らかになりました場合には、警察は少年法のその後の手続を十分念頭に置かれて捜査、又は十四歳未満の場合でしたら調査を行われることになると思います。 児童相談所の方に事件が警察から送られてきた後のことを考えますと、それは警察としては言わば警察としてやるべき調査を尽くして、事実関係等々を明らかにして児童相談所に送るわけでございますので、本来的にはそこで警察の調査は終わりということになると思います。 ただ、警察がいろいろ関連のことをやっていきますときに、全く新たな、また新たな証拠が出てきたということで、追加して児童相談所の方にお送りすることはあろうと思います。ただ、その段階では既に児童相談所の調査という段階に入っておりますので、そこのところはもちろん十分児童相談所の方と協議してといいますか、児童相談所の方の調査の妨げにならないということも十分配慮しながら、言わば例外的に行われることになるのではないかと考えております。
○千葉景子君 そうなりますと、先ほどから調査と捜査は違うというお話だったんですけれども、逆に言えば、そうすると、調査とは言うけれども、むしろ実態としては捜査というものに性格的には重なっていくのかなという、そんな気もするんですね。 調査というのは、やっぱりあくまでも主体は児相だと。その言わば事実関係をいろいろ材料として提供するという意味で事前の捜査をして児相の様々な判断に供していくということであれば大変分かりやすいんですけれども、どうもそこもちょっと釈然としないというか、はっきりしないところがあるというように思います。 そういうことを考えたときに、一体、調査に当たるのは警察の方ではどういう立場の方がこの調査というものに当たるのでしょうか。例えば、捜査というものに実質近いのであれば、本来、司法警察員といいましょうか、言わばそういう立場の者がやるべきことになろうというふうに思います。この調査の場合には、一体だれが警察の中で立場としては実際には行われるのでしょうか。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 調査に当たりますのは、実態的には警察官が中心でございますけれども、警察官のみでなくて、警察官以外に少年補導職員という職員がおります。これは、大学で心理学を修めた人とか、それからまた教員の免許を持っている方とか、また、長年この少年の問題に携わってきた方とかいう専門家が多く従事しておりますけれども、そういった方々も一緒に調査に当たるということに現実にはなっております。
○千葉景子君 そうすると、この調査というのは、どちらかというと補導とかそういうものに近いといいますか、そういうことを携わっている職員の方が中心になるということなんでしょうか。
○政府参考人(片桐裕君) 事案の解明ということについてはやはり警察官がたけておりますから、これはやはり事案の解明については警察官が中心になっていくのではないかと思います。ただ、その背景にある非行の原因であるとか少年の特性についての具体的な調査とかいうものについては少年補導職員の方がたけている部分もございますから、ですから、両者相まって事案の解明、また非行の原因の究明ということに当たっていくということでございまして、結論を申し上げますと、事案の解明については警察官が中心だということでございます。
○千葉景子君 何かだんだん分からなくなってくるんですけれども。 要するに、事案の解明と、それからその少年の保護とか、それからいろんな心理的な状況とか、要するにそれが相まって行われるということでございますが、そうすると、やはり調査というのは捜査のような、あるいは児相の調査のような、非常に何か位置付けが、逆に言えば非常に幅広い。何かそれ、そんなに警察の、別に不信を持って言っているわけではなくて、そういう多角的なあらゆる面からおやりになるというのが本来の役割なんだろうかなというふうに思います。 これまで児相で、やはり心理学とかいろいろな教育的な専門性を持った方々が調査に当たってきたということでございますので、そういう意味では、じゃ、それだったらそういう面は、その少年の保護にどうやって期するかというような面では児相のむしろ充実を図っていくという方がこれまでの趣旨にも、それから少年保護という意味でも理にかなっているのではないかというふうに思うんです。 だから、これまでやられてきたように、児相が中心になる。しかし、事実の解明とかあるいは一定のその背景事情とかですね、事実の解明という面では児相だけではなかなかできないところがある。だから、そこは警察のやっぱり十分な力もかりて、あるいは協力をし合って事案の解明、そしてさらには児相を中心に保護の在り方というものを確定をしていくというこれまでのやり方で、それをむしろ充実をしていくということで私は大変十分ではないかなと。今が十分かどうか分かりませんが、そういう体制でやっていくということがやっぱり理にかなっているのではないかというふうに思います。 そういう意味で、この規定については、私どもやっぱり児相を中心に、児相の調査に警察も協力を十分にしてもらうという意味で、児相が主体となり、その要請とかあるいは同意があって、事案の解明にどうぞ警察の方協力をしてくださいというような形で警察の力を大いに発揮してもらうということがよいのではないかという提起をさせていただいているわけですけれども、そういうやり方では警察の方は困るんでしょうか。ちょっとお聞かせをいただきたいと思いますが。
○政府参考人(片桐裕君) これまでの実態の経緯というか、ちょっとお話を申し上げますと、警察は、警察法二条というのがございまして、警察の責務というのがございます。その範囲内において任意の活動ができます。その一環として、私ども非行少年の補導、触法少年の補導を含めて行ってきたということでございまして、その一環として触法少年に係る事実の調査ということも行ってきたということでございます。 それで、我々の調査というのは、要保護性があるかどうかを見極めた上で児童相談所に通告するかどうかということを決める必要があるわけでございますので、まず非行の事案の事実の解明を我々がしまして、その上で要保護性があるかどうかの判断をして、要保護性があれば児童相談所に通告をすると。児童相談所は、その通告があって、そこから仕事が始まっていくという整理になっているわけでございまして、前段として我々はずっと長年こういった調査活動を行ってきたということでございます。 そういった歴史的経緯を踏まえて、現実には私ども警察の方が、特に事案の解明については、調査についてはたけている面がございますから、それでずっとやってまいったということを踏まえて、今回我々のやってきた調査というものを法律上、少年法上に明確に位置付けるということにされたということで理解をいたしております。
○千葉景子君 そうすると、結論的には従来やってきたことを法案の中で明確にしたと、それだけなんだと、それにすぎないというふうに考えていいんですね。それ以上のことは何にも盛り込まれてない、ただ文言上明確にした、それだけですか。
○政府参考人(片桐裕君) これまでも、我々、捜査の権限はあっても触法少年の調査をなぜやるんだということについて、警察法二条と我々は言っていますけれども、国民からすると極めて分かりづらい部分があって、そこで何で警察がやるのかということについて疑問を呈せられるケースもあったわけでございますので、そういった意味で少年法で明確に位置付けていただければ我々の活動もきちんと国民の側に御理解いただけるという面が一つございます。 もう一点は、これまでこの調査において物的な証拠資料を集めるための強制処分権限認められておりませんでしたが、それによって事案の解明が進まないということが実態的にあったわけでございますので、そういうことを踏まえて、今回、この調査に当たっての令状主義の下に強制処分権限が与えられるということが一つ大きな意味を持つものだというふうに理解をしております。
○千葉景子君 先のことまで言っていただきまして、確かに調査権限の中に強制調査権限というものがありますので、それもお聞かせをいただきたいと思っておりますけれども、その前段の方の言わば少年に対する質問とか、そういう面での調査ということは、じゃ従来のやってきたこと、それが規定もなくて何かうさん臭く見られるので、それじゃ法律の上に明示をしておこう、それにすぎないんだと、そう説明をいただいたので、じゃ、そういうものだというふうに理解をして解釈を今後していきたいというふうに思います。 そういう意味では、十分に一定の捜査が終わって、捜査というか調査というんでしょうかね、児相の方が主体的に調査を行うようになったら、当然のことながら児相の要請とかあるいは児相の意向に反してとんでもないことを行うようなことはないんだというふうに受け止めさせていただきたいというふうに思います。 今、先にお話しいただきました強制調査権限の方なんですけれども、この必要性、今お話がございました。これまでは令状に基づいたことができなかったということでもございます。従来の対応は、じゃ必要があったとき、どういうやり方でなさっておられたのでしょうか。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 現状を申し上げますと、十四歳未満の少年の犯行であることが事案発生当時に明らかでないとか、また、その事案において十四歳未満の少年のほかに共犯者として十四歳以上の少年が含まれているといったようなケースにつきましては、これは犯罪捜査として捜査を行ってきたと。したがって、その過程で令状を得て強制処分を行うこともあったということでございます。 ただ、逆に申しますと、犯罪発生当時から十四歳未満の少年の犯行であることが明らかなケースであるとか、また途中から明らかになった場合はその時点からでございますが、これは犯罪捜査ではございませんので、また現在、少年法上、触法少年の調査について強制処分権限が認められておりませんから、我々はそれを行うことができなかったということでございます。 こういった場合には、触法少年本人とか関係者、保護者も含めて、そういった方の御協力を得て、その御同意の下に証拠を御提出いただくとか、また同意を得て解剖をするとかいう形でこれまで進めてまいったところであります。 しかしながら、そういった形の協力が得られないケースがございますので、そういったケースにおいては事案の解明が十分に図られないというふうなケースが現実にございますので、今回、是非、こういった事案の解明を図る観点から、調査につきましても強制処分権限を認めていただきたいということでございます。
○千葉景子君 私の理解をするところでは、従来も、例えばいろんな証拠物になるようなものの押収ということができないので、同意を得て任意に提出をもらっているとか、あるいは、例えば殺害ということがあって、死体の解剖というようなことにつきましても親族の同意を得たりする形で行われてきたということは私も承知をしております。 そういう意味では、令状をもってできる限り明確にという、事案の解明に処していきたいということであろうかというふうに思うんですけれども、ただ、そうなりますと、家宅捜索等で非常に教育現場とかそういうことにも強制的な権限を行使をしていくということもあり得るわけですので、この辺は、逆に言えば明確な権限に基づいてできるという反面、非常にデリケートなところに対する配慮ということもまた反面必要になってくるだろうと思いますので、ここを指摘をさせていただきたいというふうに思います。 先ほどからずっと流れてきまして、やっぱり調査とはいいながらも、事案の解明、そして共犯関係の有無とか、様々なことを考えますときには、捜査ではないといいながら、それに準ずるようなやはり活動でもあろうというふうに思っております。 そういう意味では、少年に対して質問を行うというようなときに、少年を保護するための、それから手続上、やっぱり防御権と言ったらいいのでしょうか、やっぱりそれを一定配慮をする、そういう必要が私はあるのではないかというふうに思っています。 これがよく言われますように、例えば黙秘権の告知であるとか、あるいは供述を強要されないことの告知であるとか、そういうことをやはり明確にする、あるいは配慮をする、こういうことが必要なんではないかと指摘をされるところではないかと思いますが、この辺の、少年を保護するための配慮といいましょうか、その辺はどのように取られていくおつもりでしょうか。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 触法少年に係る調査は、今もずっとお話が出ておりますように、刑事責任を追及することを目的としたものではございませんで、少年の健全な育成のための措置に資することを目的として行われるものでございます。 したがって、少年を適切に保護するためには、少年がまず、まず事案の解明が何よりも大事でございますので、少年が自ら話をしやすい環境を整えるということが極めて重要だというふうに考えております。 他方で、これも累次お話出ておりますように、少年には暗示を受けやすいとか、また質問者に迎合しやすいとかといったような特性があるというふうに言われておりますことから、国家公安委員会規則でございます少年警察活動規則でございますとか犯罪捜査規範において、少年の心理、生理その他の特性に関する深い理解をもって当たること、また、非行の防止及び保護をする上で最も適切な処遇の方法を講ずるようにすること、また、少年の被疑者の呼出し又は取調べを行うに当たっては、当該少年の保護者又はこれに代わるべき者に連絡をするものとする等と規定しておりまして、少年に配慮した対応をするようにこれまでも指示してまいったところでございますが、今後とも更にこういった特性に配意するように指示してまいりたいと考えております。
○千葉景子君 是非きちっとした配慮をしていただきたいと思います。 その配慮に当たって、答えは要りません。なぜならば、やらないと言われるから要らないんですけれども、聞いておいてください。 やっぱりその配慮のために、言わば無理に、無理矢理言いたくないことを言わなくてもいいんだよというようなこととか、あるいはいつでもだれか、何というんでしょうね、支援をしてくれる付添いを付けてもらうようなこともいつでもやっていいよというようなこととか、そういうやっぱり温かい配慮といいましょうかね、そういうものも含めて私はいろんな形で徹底をしていただきたいというふうに思います。 聞くと答えは逆になりそうですので、意見として申し上げておきますので、是非それは受け止めていただきたいというふうに思っております。 そういうことをやはり一定の何か規則あるいは部内のマニュアルというような形でやっぱりきちっと決めて、そして徹底をする必要があるだろうというふうに思います。今、それに大体近い御答弁だったのかなとは思いますけれども、その辺は改めてちょっとお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 これまでも、国家公安委員会規則であるとか通達において少年の特性に配意した面接を行うようにずっと指示してまいりましたけれども、今回こうしたことで少年法にその調査権限、明確化されますので、更に具体的にかみ砕いてその特性について配意するようなマニュアルのようなものを作って、現場の方に流したいというふうに考えております。
○千葉景子君 是非そこはきちっと対応をしていただきたいというふうに思います。内容についても是非更に検討をして、マニュアルを作っていただきたいというふうに思っております。 ここで、先ほどの問題ですけれども、やはりこういう手続について可視化という問題、これはやっぱりここでも避けては通れないのではないかなというふうに思っております。 衆議院の議論の中でも、そしてこの参議院のこの間の議論の中でも、この可視化を進めるべきという指摘も度重ねて行われてまいりました。そういう意味では、その指摘が大変たくさんあったということについては警察の方でも十分御存じだと思いますし、御認識をなさっているものだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(片桐裕君) 十分に認識いたしております。
○千葉景子君 認識をしているという、それでもないよりはいいと思いますが、是非、認識をした以上はその指摘にできるだけやはりこたえ得るような、どうぞこれから御検討をいただきたいというふうに思っております。これも指摘にとどめさせていただきたいと思います。 それでは次に、今度は少年院送致年齢の問題に移らせていただきたいというふうに思います。 今回、これももう大分議論になってまいりましたけれども、十四歳未満の少年について、特に必要と認める場合というのは一体どういう場合があるのか、少し典型例のようなものを具体的に御説明をいただけないでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) まず、特に必要と認める場合ということでございますので、保護処分の種類の選択に当たって、非行事実及び要保護性の程度、内容に照らして少年院送致の保護処分が最も適当であると、かつ他の保護処分によっては少年の改善更生の目的を達することができないと認められる場合ということになろうと思います。 したがいまして、典型的ということで申し上げられるかどうかは、もちろん事案ごとに異なるわけでございますけれども、その少年自身について、非常に少年の性格に深刻な、かつ複雑な問題があって殺人等の凶悪重大な非行に及んだような場合、もちろんそれだけでそう決まるわけではございませんけれども、そして開放的な処遇を基本とする児童福祉施設の中では処遇をすることが困難であろうと思われるケースでございます。 ですから、これまで児童福祉施設に入っていたけれどもうまくいかなかった、大変に乱暴なことをしたというふうなケースがあれば、それがあるいは最も一番分かりやすいかと思いますけれども、そのような場合には限りませんけれども、一つの典型例として挙げさせていただきます。
○千葉景子君 何だか分かったような分からないようなことでございます。 確かに、具体的にといってもなかなかその事案によって違ってくるでしょうから、明確に具体例というわけにはいかないのかもしれませんが、そうなってまいりますと、やはりこの間言われておりますように、この少年院送致、小学生が該当してくるという可能性も全く否定はできないわけですよね。 私は、やっぱりこの小学生までをも少年院に送致をするということは、これはこの委員会でもやはりこれはよしという方はいらっしゃらないわけでして、できるだけそういうことはむしろ避けるべきではないかという気持ちの方がみんな共有をしているのだろうというふうに思っております。 大臣、改めてここは確認をさせておいていただきたいんですけれども、大臣も、当然のことですけれども、小学生がやはり少年院に送致をされるということは、これは非常に好ましいと思っておられるわけではないと思うんです。その辺り、少年院に小学生が送致をされることについて抑制的にやっぱり考えるべきなんだというふうに思いますけれども、大臣の改めての御見解というんですかね、大臣のお言葉がこれからの言わば指針のようになっていくわけですので、是非そこの大臣としてのお考えを明確にしておいていただけたらと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 本改正が行われたとしても、十四歳未満の低年齢の少年の施設内処遇は児童自立支援施設等の児童福祉施設で行うというのが原則であると基本的に考えておるわけでございまして、特に必要と認められる場合という要件を満たすあくまでも例外的な場合に少年院送致が許されるものとなると思います。 こういう例外的なものが小学生に全部当たるということはないと思いますけれども、じゃ、全くそういう可能性がないのかと言われれば、小学生であるからというだけで少年院送致はできないというふうに考えるのも適当ではないと私は思いますが、しかしその判断に当たっては、当然その少年の年齢も考慮されると考えるのが当然だろうと思います。 したがって、実際には小学生が少年院送致の処分を受けるということはまあ相当まれな話だろうというふうには思います。
○千葉景子君 大臣も、まあまれなことだと、まあ普通は考えられないという多分お気持ちであろうというふうに推測をさせていただきます。 やはり、小学生、考えても、小学生と中学に進級をしたというところにはやっぱりかなり大きなそこに区切りというのがあると思うんですね、人間の成長にとって。やっぱり小学生であれば家族の中で本当に、今家族もなかなか十分じゃないですけれども、そういう小さな範囲で生活をしていたというまだ段階です。中学になると、やっぱりその行動範囲それからいろんな人間関係の範囲、こういうことも広がってくると。ここに随分大きな違いがあるのだろうというふうに思います。 そういう意味では、今大臣がおっしゃいましたように、小学生が少年院に送致をされるということは本当にまれなことだろうというふうに受け止めて、そういう是非運用をこれからも心掛けていただきたいというふうに思っております。 そうはいっても、年少のやはり少年が収容される初等少年院、ここの在り方というのは大変重要だというふうに思っております。そういう意味で、この初等少年院の矯正教育の在り方、今後の方向性など、法務省の方でどうお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(梶木壽君) 先ほど来御説明をしておりますように、少年院の処遇の基本といいますものは、規律とリズムのある生活の下に、一人一人の年齢、心身の発達程度等を考慮いたしまして、資質の特徴等に応じた再非行防止のための教育と育て直しのための教育を計画的に実施していくということでございます。 このうち、今御指摘になりました年少少年を収容する初等少年院におきましては、特にその収容対象者の年齢を考慮いたしまして、重要な処遇指針として三点ほど挙げられるかと思います。 まず一点目は、規則正しい生活習慣を身に付けさせたり、基本的なしつけや他者への思いやりを養うなどのいわゆる育て直しという観点を重視すべきであろうと考えております。また二点目といたしまして、保護者との面談、保護者の参加を得て行う行事あるいはカウンセリング等を通しまして、保護者と少年との関係改善に積極的に取り組む必要があるということでございます。さらに三点目といたしまして、学校への復学、進学、こういった就労支援に力を入れる必要がある。ということは、在籍する学校の先生方との関係を継続をさせていくという必要があるというふうに考えております。 今申しましたような処遇指針が、特に年少少年の処遇に当たっては重要であろうと考えております。
○千葉景子君 是非、そういう考え方を大事にしていただいて更なる充実を図っていただきたいと思うんですが。 私もこの間、少年院、見学、視察をさせていただき、そして先般はちょっと児童自立支援施設伺うことができませんでしたけれども、これまで何回か児童自立支援施設、地元神奈川にもございます自立支援施設、少年院等も何回となくお邪魔をさせていただいて、お話も伺ってきた経緯がございます。 そういう中で考えますと、今、少年院それから児童自立支援施設、いずれも今のままでいいところがありますし、それからやっぱりもうちょっと改善をしていったらどうかと、それから逆に、少年院の一定の規律性のあるものを児童自立支援施設などでも学ぶべきところがあるだろうし、あるいは少年院の方でも児童自立支援施設の言わば家庭的なそういう雰囲気というんでしょうか、そういうものから一定のものを酌み取っていくものもあるだろうというふうに思うんですね。 そういう意味では、双方がやはりもう少し接点を持つ、あるいは重なり合った処遇の部分というのも当然あるだろうというふうに思うんですが、大臣、そういう意味では、先般、参考人の方からも、両方が共同して勉強しているというような機会もできているようでございます。 そういうことを考えますときには、やはり縦割りのそういうことを超えまして、厚生労働省そして法務省がある意味では共通の子供の育ち直しというようなことも考え合わせて、いろんな、少年院のこれからのより一層の充実、児童自立支援施設についてもまた新たな観点も盛り込んだ充実ということを考えていく必要があるんだろうと思います。 何か真ん中ですぱっと切れて、こっちはもう少年院、こういうやり方は児童自立支援施設と、そうすぱっとは二分化できない部分というのも随分あるんではないかというふうに思います。その辺りをいろいろな形で共同して研究をし、そして対応をしていっていただきたいというふうに思うんですが、そのリーダーシップはやっぱり大臣に取っていただく必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 今回の改正の趣旨は、度々申し上げてきておりますように、少年の背景、状況等に応じた適切な処遇を選択できるようにするというところにあるわけでありまして、そういう意味で若干意見の相違もありますが、年齢だけでは、一律に年齢で区切るというものではないんではないかということを御提言申し上げてきたわけであります。 同時に、ずっと衆議院も含めて議論いただいてきておりますが、雰囲気として、少年院へ行ったらとんでもないことになって児童自立支援施設へ行くと大変いいことになると言わんばかりのような雰囲気が感じられるときもあって、私自身残念に思ってきたところでございますが、それぞれ役割がまたいいところもあるわけでありますので、それを御理解いただいて、少年に一番適切な処遇がなされるところに選択が行われ、そしてその間、両施設間において十分な連携を取って、またいいところを取り合って、これからの少年の育て直し等々に十分な成果が発揮できるような運用ができるようにしたいものだと考えております。
○千葉景子君 今横から話がありましたけれども、悪い施設、いい施設、そういう分け方ではないことはもう当然でございまして、私もそこは認識をさせていただいているつもりでございます。是非、大臣、今の御答弁に沿いましてリーダーシップを発揮していただきますようによろしくお願いをしたいと思います。 次に、問題はまだまだございまして、今度は保護観察中の少年に対する措置について、これも少し明確にお聞かせをいただいておきたいというふうに思っております。 今も保護観察処分を受けた少年に対する保護観察、これは具体的にどのような流れで行われているんでしょうか。その中で、例えば遵守事項を守らなかったというようなこともそれはあるのではないかと思いますが、そういう際の対応の仕方などを含めてどのような形で行われているのか、ちょっとまず前提として御説明をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(藤田昇三君) 御案内のように、我が国の保護観察は常勤の国家公務員である保護観察官と、それから民間のボランティアでございますが、保護司との協働作業、協働体制で行われておるところでございます。 少年に対します一般的な保護観察のやり方を申し上げますと、まず、保護観察処分が家庭裁判所で行われますと、決定がありますと、保護観察官は保護観察の開始の非常に早い段階、通常はその日に少年と面接をいたします。そして、処遇計画というものを策定をいたします。それ以降、保護司と協働で保護観察を実施していくわけでございます。 その過程で、保護観察官といたしましては、保護司と連絡を取り合いながら、対象者の生活が乱れたりあるいは遵守事項違反があるというような場合には、保護観察所に呼び出して指導をするなどをいたしております。それから、保護司さんの方は、保護観察官が作成しました処遇計画に基づきまして、多くの場合は自宅で対象者とかあるいはその家族と面接をいたします。あるいは、場合によっては対象者の家とか職場なども訪問をいたしまして生活の指導を行いまして、いろんな相談に乗る、助言をするというような処遇を行います。 少年との接触状況とか少年の生活の様子につきましては、毎月、保護司さんが報告書を作りましてこれを保護観察官に提出をするということで、保護観察官はその状況を把握できる、そして必要に応じて両者で協議をしてより適切な保護観察の方法を考えると、こういうようなやり方になっております。 ただ、他人に危害を及ぼすおそれがある少年など、処遇に非常に困難を伴う者、こういう者につきましては、保護司さんにお願いをしないで保護観察官が直接面接指導をするというようなことも行っておるところでございます。 遵守事項を守らない少年というのも相当数いるわけでございますけれども、保護司さんといたしましては、保護観察官といたしましても、基本的に粘り強く、少年の特性を考慮しながら、いろんなやり方で少年を指導していくようにいたしております。もう御案内のとおりかと思いますけれども、保護司さんの場合には、いろんな、例えば少年の趣味などを考慮してそれに合わせた話をする、あるいは自宅に好きなお茶菓子、あるいは場合によっては食事も用意して、いろいろと少年の心を開くというような粘り強い指導を行っているというところでございます。
○千葉景子君 何とか少年の育ち直りをお手伝いをしていこうということで、保護司さんも大変な御努力をされておられますし、保護観察所もそれを束ねてやっておられるということでございますが、それだけやっぱり少年の保護ということを本当に大切にしながら取り組まれております。そこへ今回は言わば改めて少年院へ送致をする可能性といいましょうか、そういう制度を盛り込むということになりました。 その是非というのはもう私も聞かせていただいたりいたしましたので、ちょっと違う観点でお聞かせをいただきたいと思っておりますが、この少年院送致を求める手続というのはどういうふうに行われていくのでしょうか。まあ今はできるだけ、先ほどのお話だと好きなものを一緒に食べたりとかいいながら少年の立ち直りをサポートしているんですけれども、この少年院送致ということが入ってまいりますと、どういう段階で、どういう手順に基づいてそういう措置が取られていくことになるのでしょうか。その辺のちょっと流れを説明いただけませんでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 私の方から制度上どのようになっているかということを中心にして申し上げます。 保護観察所の家庭裁判所に対する申請は、保護観察を受けた者がその遵守すべき事項を遵守せず、その程度が重いと認められる場合には申請ができることとしております。そして、遵守事項違反の程度が重い場合とは、違反のあった遵守事項の内容ごとに少年の遵守事項違反の態様や指導内容及びこれへの対応状況等を総合的に判断して、保護観察によっては本人の改善更生を図ることができないと認められる程度の場合をいうと考えております。 典型的な場合として考えられますのは、保護観察官や保護司との接触にほとんど応じず、あるいは接触に応じても虚偽の申告を繰り返すなどして生活の実態を明らかにしようとしないなど、保護観察の意味を失わせるような態度を取り続けるような場合があるのではないかと考えております。
○千葉景子君 今ちょっと例を出していただきましたけれども、例えばその遵守事項違反の程度が重い、これは例えば虞犯通告の要件とも重なってくるのでしょうか。虞犯通告の制度を利用するので足りるというふうには言えないのでしょうか。その点について御説明ください。
○政府参考人(小津博司君) 現行法上、虞犯通告の制度があるわけでございますけれども、これは正に虞犯事由があることが保護観察をしている側に分かった場合でございますので、私が例として申し上げましたように、保護観察官や保護司との接触に応じないなどの事情でその少年の生活状況等が十分に把握できない場合には、仮に実際は少年に虞犯事由がありましてもそこのところは分からないということがあろうと思います。そういう意味も含めまして今回の要件と虞犯通告の要件がまず異なります。 それから、このたび新しく設けようとしております制度は、保護観察によってはどうしても本人の改善更生を図ることができないということでございますので、保護観察をしている立場からいたしますと、何とかその保護観察の枠組みの中でやろうと努力をして、そして本人に対して警告を発して、それでもどうしても駄目だというときにこちらの手続にのせるということでございますので、そのような意味におきましても、いわゆる虞犯通告とは異なる面があるというふうに考えております。
○千葉景子君 今のお話だと虞犯事由があるかどうかが分からないという、そういうこともあるだろうということなんですけれども、そうすると、ある意味では、虞犯事由がない程度でも少年院送致ということがまたあり得るということに、可能性とするとあるのかなという感じもいたします。せっかく社会内で保護観察という形で最終的な保護処分というのが選択をされ、その中でやっぱり少年の保護を図っていこうということなので、やっぱり安易にまた少年院に送致をするという手法が取られてはならないというふうに私は思います。 そしてまた、保護司の皆さんも、大変ある意味では心が二分されるような、やっぱり一方では何とか信頼関係を築いて、その中でまた少年院に送るなんということがない形で立ち直りを図ってもらいたいと、これが切なる願いだというお話も伺いました。しかし、反面、それをやりたくてもなかなか訪ねてくれない、あるいは行方がちょっと分からなくなりつつあるとか、そういうことで御苦労され、どうしたらいいんだろうと悩んでおられる面があることも承知をしております。 そういう意味では、そこをどうやって立ち直りを図っていくかということの一つのこれが手法なのかなと思いますが、ちょっと少年院送致というのはいかにも、何か少し距離感があるなという感じはいたします。 いずれにしても、保護司さんのやっぱりそういう信頼関係をつくって頑張ろうということを、やっぱりその気持ちを阻害することがないように、それから、保護司さんに余りの負担というか責任を、判断の責任を負わせるような形になったのでは、これは本来の保護観察の制度に、保護司さんの活動を言わば無にするような結果になりかねませんので、やっぱりここの最終的な責任というのは保護観察所が負っていくということになるんだろうと思いますけれども、その点について、大臣、この遵守事項違反による取扱いというのは、保護司さんに過大な責任とかあるいは不信のようなものを与えないように運用を図っていただきたいというふうに思いますが、その点についての大臣の御見解といいますか、をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 今回導入しようといたしております遵守事項違反による警告や少年院送致等の決定の申請については、法案の条文上も保護観察所の長が行うということになっておりまして、保護観察所が最終的な責任を負うものと考えております。 また、実際に警告や申請の手続を取るに当たっては、保護観察官が前面に立って直接十分に実情を調査し、保護司さんからは情報提供など適宜必要な協力をいただくことはあるとは思いますけれども、保護司さんとしての立場や活動に支障を来すことのないように意を払いながら保護観察所が責任を持って対応することになるというふうに考えております。
○千葉景子君 是非そこは、保護司さんがまだ自分で頑張ってやっていくと、そういうお気持ちなりがございますれば、そういうものを尊重しながらやっていただきたいというふうに私からお願いをさせていただきたいと思っております。 そうなってまいりますと、保護観察官のある意味では大変責任ですね、保護観察所長ということになるわけですけれども、今の状況ですと、本当に一人一人の少年をどの程度よく細かいところまで見ることができるのかと、こういう心配もございます。 やっぱり保護観察制度の実効を向上させるには、保護観察官の増員ということもこれも不可欠な条件ではないかというふうに思います。そうしませんと、今せっかく大臣が責任は保護観察所が、保護司さんにそういう過大な負担を負わせるようなことにはしないという、もう本当にそのとおりであろうというふうに思うんですけれども、保護観察所の体制が大変乏しいと結果的には保護司さんの方が言わば何か重い責任を負いかねない、そういうことにもなってしまうと思うんです。 そういう意味で、保護観察官の増員等も当然のことながら必要になってこようかと思いますが、大臣、その点について是非積極的にお考えをいただきたい。そういうところにはやっぱり十分な財政も考えてよろしいんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣の御決意をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 保護観察制度は、観察官、保護司さん、官民協働一体でやるというところに特徴があるわけでありまして、その一方でちょっと保護司さんに頼り過ぎではないかという御批判もあったところでございます。やはりそういうことも反省に立って、余り難しいような問題ですとか、今、先ほど御説明いたしましたような警告や申請といったような事案になった場合には、やはり観察官も直接保護に当たるという体制を取っていきたいというふうな方向で今進めておるところでございます。また、そのための資質の向上にも今取り組んでおります。 そういう点で、今後、保護司さんに大変な御尽力をいただいているわけでございますが、それに甘えることのないようなきちんとした体制をつくり直していくということでございますので、そのためにはおっしゃるとおり増員ということが一つの壁になるわけでありまして、今までもこの増員に向けて努力をしてまいりましたが、今後とも国会の先生方の御協力もいただきながら、更に必要な増員の確保に全力を挙げていきたいと考えております。
○千葉景子君 それから、この少年問題ということを考えますときには、先ほどから申し上げますように、児童福祉の分野のやっぱり強化充実ということがこれも不可欠な条件だろうと思います。法務省もしっかりせいということもあるんですけれども、厚労省の方、頑張れと、しっかりせいと、これも大変重要なことで、私も強調しておきたいというふうに思います。 児童相談所それから児童自立支援施設等、この強化充実ということが必要だというふうにも思います。先ほど法務省にも、大臣にもお聞かせいただきましたけれども、その児童自立支援施設なども、私も大変その理念、それからそこで今頑張っておられる職員の皆さん等の本当に献身的な御努力というのも私も大切だというふうに思います。 ただ、今の皆さんだけに頼っていたのではいけないわけでして、そこも人の問題、それから施設の在り方、それからやっぱり少年院などとの言わば相互乗り入れといいましょうかね、取り入れられるところ、いいところはお互いうまく取り入れていくということも必要だというふうに思います。 そういう意味で、児童相談所の強化、あるいは児童自立支援施設の体制整備や処遇のこれからの充実というようなことについて、一生懸命やります、それはだれでも言いますので、少し、こういうふうにしていきたい、そういうことを是非ここでお披瀝をいただいて、みんなでそれに向けて応援団も含めて進めていこうということになりますので、少し具体策などもあれば含めて御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 特に、まず児童相談所は、障害のお子さんの問題ですとか、それからこの件と非常にかかわりの深い非行の問題ですとか、様々な問題を扱っておりますが、とりわけ今虐待の件数が非常に増えたことで、相当体制の充実強化が必要だというふうに考えております。 私ども、特にこの中核になっている児童福祉司の配置の数を増やしていくということは非常に大事だというふうに考えておりまして、この間、順次やってきておりまして、今年も更に大幅な増員を図っていただいたところでございますが、この点、これからも更に努力をしていきたいというふうに思っております。 それから、少年法とのかかわりで申し上げますと、一時保護施設が実は特に大都市部を中心にいたしまして定員を超過しているというような状況にございまして、特に虐待を受けた児童と非行の児童が同じ部屋でというようなこともあるわけでございまして、これ十八年度の補正予算でも間取りの改善でございますとか警備の問題とか一定程度改善をいたしましたが、さらに何とかこの定員超過状態をしっかり改善をしたいということでございまして、定員超過の自治体には本年の六月末までに整備計画を策定をしてほしいということで、これを求めているところでございますので、この計画に沿いまして何とかできるだけ早くこの定員超過の状況を改善をしたいということでございます。 それから、児童自立支援施設に関しましては、こちらの場合はキャパシティーの方はそれなりにあるわけでございますので、やはりケアの質のところが非常に大事だというふうに思っております。特に、夫婦小舎制でやれるところが少なくなって交代制になるということであれば、ますます職員のチームワークの問題とか専門スタッフの質の問題ということをしっかりやっていかなければならないというふうに思っています。 この自立支援施設につきましては、検討会も開きまして去年の二月に報告書をまとめていただいておりますので、これを基にして、一つは医療の方の強化ということで、嘱託医の訪問回数を増やしたり、それから施設長でございますとか専門医等の任用資格、任用要件の厳格化は図ったところでございます。今年から特に施設の団体の方で先駆的な具体的なプログラムの集約でございますとか、専門的支援、援助技術に関する調査研究を既にスタートをさせていただいたところでございますので、この結果も見ながら更にケアの向上を図っていきたいというふうに思っております。 それから、法務省との関係で申し上げますと、法務省と厚生労働省との間での勉強会、それから現場のスタッフの交流研修、これは非常に得るところが大きいというのが双方の職員の本当に実感でございまして、こういった取組については更に今後充実強化をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○千葉景子君 本当に今そういうお声もありました。先ほど岡田先生の方からもありましたように、夫婦小舎制というのも、もう本当に今の時代、なかなか困難なところがございます。そういう意味では、そこの待遇なりをもう本当に普通の倍ぐらいなやっぱり待遇にしてもいいくらいなこともあるのかなとも思いますし、それから、交代制の職員ということになりましてもやはりかなりの心身ともの負担というのがあるわけですので、そういうことなども含めて是非充実をしていただきたいというふうに思います。 それから、やっぱりこれだけいろんな価値観の多様化、あるいは技術等も発展をしてきているところですので、そういう意味でも、社会のありよう、そういうことも念頭に置きながら、体制の充実それから処遇の在り方、やっぱり家庭的な雰囲気の中で、これも私は大変大事だというふうに思うんですけれども、逆に言えばそこだけで完結をしてもうまくいかない。社会の中へ行ったらもう家庭的な雰囲気どころか、もう本当に一人でほっぽり出されてしまっているという状況もあるわけですので、その辺をどうやってそういう中でもきちっと自立した形で生活をしていくことができるか、こんなことも学んでもらっていかなければいけない、いろいろあると思います。すべて言い尽くせませんけれども、どうぞ頑張っていただきたいというふうに思っております。 最後になります。大臣、いろんな議論をさせていただきました。私は、今求められていることは、確かに、一体、何か事件が起こりますと、何があったんだろうか、どういう事実だったんだろうかということをやっぱり多くの皆さんがきちっと知りたいという要請もあると思います。これも否定できません。それから、ある意味で被害を受けた皆さんにとっては、やっぱり何とかその気持ちを、もう二度とこういうことがないようにしてほしいというお気持ちがある。そういう意味で、やっぱり事案の解明に警察の皆さんの力も十分にかりなければいけない、こういうこともある。 しかし、何といっても基本的な少年に対する理念というのは、やっぱり少年が被害を受けた者もそういう被害を及ぼしちゃった者も改めて育ち直して、育ち直りをしていくと。ここがやっぱりすべての共通点なんだろうというふうに思うんですね。 やっぱりそういう思いを、理念を持ちながらこの少年法、今日決まるかどうか分かりませんけれども、そういう運用で進めていただきたいと思いますが、その辺の最後の大臣の御決意をお聞かせをいただいて終わりたいというふうに思います。
○委員長(山下栄一君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(長勢甚遠君) いろんな要因で、国民の皆さんも何でこんなことが起こるんだろうという不安をお持ちであるということは私もひしひしと感ずるわけでございます。特に、少年非行については特に複雑なことがたくさんございます。 今、先生御指摘のように、今回の法改正、成立さしていただいて、今のことを踏まえて、特に社会との関係、家族との関係、それと個人とのバランス等々、それを踏まえたいい運用ができるように、またこれからの健全な育成にお役に立つように頑張っていかなければならないと思っております。
○木庭健太郎君 本日は、これまでの質疑を踏まえながら、関係する幾つかの点について確認を求めながら質問をしたいと思います。前の方々と重なる部分もございますので、そこもよろしくお願いをしたいと思っております。 まず、虞犯少年の調査手続の問題についてお尋ねをしたいと思っております。 政府原案のときは、触法少年の事件について警察官等による任意調査権限を明確化するとともに、押収、捜索、検証等の強制調査権を付与して、虞犯少年の事件について警察官による任意調査権限を明確化することとされていましたが、衆議院の修正におきまして、虞犯少年については警察官等による調査に関する規定が削除されたわけでございます。 虞犯少年につきましては、現在、相手方の協力が得られる範囲で警察により調査が行われておりますが、法律上の根拠が明確でないとして相手方の協力が得られない、また協力を得るのは困難な場合であって事実解明に支障があるという指摘があったということで、政府原案では虞犯少年の事件について、警察官等による任意調査権限を明確化するということにしていたわけですね。 ただ、衆議院において、こうしますと、結局、警察官等は虞犯少年である疑いのある者を発見した場合においては必要があるときは事件について調査することができるというような規定になっておりますから、これをそのままにしますと、やっぱり警察による調査権限の及ぶ範囲というのが不明確ではないかというのが最終的な衆議院の議論であり、これが過度に拡大するおそれがあるという懸念の中から明文での規定を除去したという経緯がございました。 ただ、この修正をしたとしても、これまで警察が行ってきた虞犯少年の事件についての調査実態は何ら変更するものでもない。また、大臣そのものも、警察において適正に調査を行っていただきたいものと思っておりますという答弁をされているわけです。しかし、やっぱり一方で、明文の規定を欠くと政府原案の立法目的であった法律的根拠がなくなってしまって相手方の協力が得られないと。 この前参考人来たときに私が一番やっぱりびっくりしたのは、この問題について、被害者のお母さんですよね、この方から、一番残念だったのは何かというと、この虞犯少年のここの部分を削除したことがもう一番悔やまれてならないとおっしゃるわけですよ。私は正直何だかびっくりするようなところまでありました。私は、やっぱり一つの制限という意味では、この虞犯少年の問題というのは非常に大きな一つの、私たちは、一つの在り方だと思いましたが、全く逆の意見もあったと。 これを考えたときに、何を言いたいかというと、真相解明というやつと少年の健全育成の観点というもののこの難しさですよね、そんなことも強く感じたんですけれども、ともかく、この虞犯少年事件の調査手続の規定を削除したことについて、改めて大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) ここは委員会で大変熱心に御議論いただいておるわけですけれども、どうしてもこの国会での議論は、法律に書け書けと言ったり、書くな書くなという話ばかりになって国民の皆さんには分かりにくいことがよくあるという例を今申し上げられたんだろうと思いますし、が、しかし私としても、政府として法律論としてお答えを申し上げなきゃならぬと思いますので申し上げさせていただきます。 虞犯少年に係る事件について、虞犯事由、虞犯性といった非行の内容については現在でも警察が調査を行っているところであります。このような調査に関しては、従来、法律上の根拠が明確でないとして相手方の協力を得られず、あるいは協力を得る上で困難を伴う場合があったため、政府提出法案においては虞犯少年に係る警察の調査権限を確認し明確化することとしておりました。 今般の衆議院での修正によりこの規定は削除されましたが、元々政府提出法案でも、以前から警察が行ってきた虞犯少年に係る事件の調査の範囲や方法等を変更しようとするものではありませんでしたから、この修正によってこれまでの虞犯少年に係る警察の調査権限が変更されたり否定されるとは考えておりません。 したがって、明文の根拠規定が置かれないこととなったのは残念でありますが、警察はこれまでと同様に虞犯少年に係る非行事実の存否や内容について任意での調査を行うことができることに変わりはなく、警察においては従前どおり、虞犯少年に係る事件について事実解明と少年の健全育成を図るため、適切に調査を行っていくものと考えております。
○木庭健太郎君 もう一つ、調査手続の整備のところでお聞きしておきたいのは、触法少年の事件について、警察官による任意調査権限を明確化する規定に関しまして、衆議院におきまして、これが、対象となる少年が触法少年である疑いのある者から、客観的な事情から合理的に判断して触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある者にここは修正されたわけでございます。 この趣旨も、先ほどのと似ているんですけれども、警察の調査権限の及ぶ範囲を明確にするとともに、単に警察が主観的な疑いや必要性を認めただけでは足りないということを明らかにした上で、客観的な事情から合理的に判断して触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある場合に限定したということでございますが、これはこれで一つの在り方だと私どもも思っておりますが、具体的に、これを修正したことによって対象となる少年の範囲が結果的にどのように変わることになるのか、当局に確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(小津博司君) 御指摘の修正の内容でございますけれども、単に警察が主観的に嫌疑を抱く程度では足りず、客観的な事情から合理的に判断して、十四歳未満の少年と刑罰法令に触れる行為との結び付き等が存在すると思料されるものをいう、このような趣旨であると解されるわけでございます。 ただ、政府提出法案におきましても、もちろん合理的根拠に基づいて疑いのあると認められるということが前提でございまして、そのためには、単に警察が主観的に嫌疑を抱く程度では足りず、客観的な事情から合理的に判断することが必要であるものと私どもも考えておりましたので、そういう意味では、この修正は調査の対象となる触法少年の範囲について、政府提出法案の内容をより明確に文言として表していただいたと理解しておりまして、調査の対象となる少年の範囲に実質的な差異は生じないものではないかと考えております。
○木庭健太郎君 もう一つ、冤罪を生じさせない措置の問題です。 今日は、可視化の問題も含めて、両側からの意見で随分いろんな議論がなされました。 ただ、それでも私どもはやはり、この委員会でも議論になりましたが、去る十四日の日のあの大阪高裁の判決、どうしても頭に引っ掛かるわけでございまして、事件当時十四歳の少年に対する家裁決定について、もうこれ、自白は取調べ官の誘導がうかがわれ、信用性に疑いがあるとして、その決定を取り消して家裁に審理を差し戻したと。高裁の決定では、自白の信用性について、取調べ官が取調べ中に机をたたくなど穏当を欠いたという、明確に指摘をしていると。 このような冤罪を生ずるおそれがある以上、やはり触法少年に黙秘権の告知を義務付けるなどの適正手続の保障の問題、取調べの過程を録音、録画する必要があるという意見、これが出てくるのはある意味では当然のことの一つの問題だろうと思わざるを得ない一面があるんですよ。 これ、先般、参考人の方々にも伺いましたが、ここについてはやはり何らかの措置をきちんとする必要がある、可視化の問題も含めてですよ、様々な御意見がございました。 ともかく、冤罪を生じさせることがなく、触法少年に対する任意調査の適正をどう確保していくのか、これがやはり一番大事な課題だと我々も思っております。この点について刑事局長から伺っておきたいと思います。
○政府参考人(小津博司君) ただいま委員御指摘のような御批判があることは私どもも重々承知しているわけでございます。 録音、録画の問題、また供述拒否権の告知等の問題につきましては私どもの考え方は説明させていただいておりますので、それよりも、むしろそれではどういう方法で任意の調査であるということを確保して不当なことが行われないようにするのかということでございます。 本法案におきましては、政府案の段階から、六条の二の第二項におきまして、そもそもこの調査の目的を、事案の真相を明らかにし、もって少年の健全な育成のための措置に資するという目的を明らかにし、また同条の第三項で、少年の心理その他の特性に関する専門的知識を有する警察職員に調査をさせることができるとするなどの規定を置いていたわけでございます。 さらに、衆議院における修正によりまして、先ほど申し上げました六条の二の二、調査は少年の情操の保護に配慮しつつ行うべきこととする規定が付け加わりましたほか、六条の三としまして、調査に関し少年や保護者がいつでも弁護士である付添人を選任することができるとの規定が付け加わったところでございます。さらに、六条の四の第二項として、質問が強制にわたってはならないことが明記されたわけでございます。 法案上はこのような形で、委員御指摘の点がないように規定する案となっているということにつきまして御説明させていただきました。
○木庭健太郎君 警察庁の方をちょっと呼んでいないものですから、ただ、そういう今の法案に基づく問題に更に伴っていく問題としては、先ほど警察の方もおっしゃっておりましたが、やはりこの法案成立後はひとつそういう専門家の意見もお聴きになられて、一つの準則みたいなもの、マニュアルですか、やはり形として法務省も加わった上で作っておく必要が絶対あると思うんで、その辺はよく連携を取りながら是非指導はしていただきたいなという思いはいたしますが、刑事局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 本日も含めまして、御審議の中で警察当局の方から、今回の改正が成った場合にはその趣旨を十分に踏まえて新しいマニュアルと申しますか、等を作るという御説明がございました。少年法自体、もちろん法務省所管の法律でございますので、改めましてこの元々の法案、そして付け加わりました修正の内容等々につきまして、私どもからも警察御当局の方に必要があれば更に御説明を申し上げる等々の御協力をさせていただきたいと思っております。
○木庭健太郎君 もう一つ、刑事局長、可視化の問題も、これはいろんな意見はあると思います。ただ、我々この当委員会では、単にこの少年法だけでなく、裁判員制度の問題から始まって長い期間を掛けていろんな問題を議論してきました。いろんな議論をする中で、やはりこの可視化の問題というのは検討の大きな課題の一つではないだろうかという議論は既にやってきたわけであって、やはりこの少年法のこういう議論の中でもこれだけの指摘がなされたわけであって、今後こういった問題もやはり検討を重ねていかなければならない課題ではないかなと思います。 一つは、それは検察は検察としての御意見、法務省は法務省としての一つの見解はあるかもしれません。でも、その上でも、やはり一つのこういう考え方について本当にどうなのかと。特に私たちが注目しているのは、やっぱり裁判員制度という大きな変更はもう間もなく目の前に控えている、それを前にするならば、そういったことも捨てずに検討を重ねる必要があるんではないかなと、そんな思いを深くいたしますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(小津博司君) 捜査の適正化それから自白の任意性の問題につきましては司法制度改革審議会での御議論がございまして、審議会での結論、やるべきこととして御提案がございましたのは、いわゆる取調べ状況を記録する制度、そして、いわゆる可視化の問題については少し長いスパンで検討するようにということでございまして、それを受けて法曹三者の協議会を設け、議論しているわけでございます。その中で、その長いスパンで議論しろという御提言も可視化の問題を含めてと理解しておりますが、我が国の刑事司法制度全体の中で捜査等々をどのようにやっていったらいいかと、こういうことであると受け止めております。 したがいまして、法曹三者の協議会等におきましても幅広い見地から、つまりいろいろな捜査手法あるいは刑事司法の在り方等について議論を重ねてまいりたいと、そのように思っているところでございます。
○木庭健太郎君 それでは、先ほども議論になりましたが、もう一回、これは保護観察中の少年の措置の問題なんですけれども、先ほどもお聞きしておりましたが、つまり、保護観察中の少年が遵守事項を遵守せず、保護観察所長の発する警告にも従わず、その程度が重く、保護観察によってその改善更生を図ることができないと認めるときは、家庭裁判所は審判により少年院送致等の決定をすることができる措置を導入する、これの意味合いというのは一体どこにあるのかというのを、先ほど議論をしながら、もう一回御説明をいただきたいなと思いました。 正にこれは保護観察官や保護司の指導監督機能を強化させようということの趣旨なのか、保護観察の実効性を高めるためにはこういった制度がどうしても必要と感じているのか、どういった趣旨なのかということを少し感じましたので、保護局長から伺っておきたいと思います。
○政府参考人(藤田昇三君) 御案内のように、保護観察におきましては、一定の遵守事項というもの、一般的な遵守もありますし、そのもの特有の遵守事項を特に定めるということもあります。そういうものを義務付けまして、これを遵守するように指導監督するというのが保護観察の中核的なものでございます。 しかしながら、実際には、保護観察官や保護司がいろいろ努力をして指導をし、再三いろんなことを注意をしながらやっていくわけでございますけれども、どうしても従わない、遵守事項の不遵守を繰り返す者が相当おります。あるいは、中には、およそ保護観察官や保護司の面接を受けようとしないというようなことで接触が一切絶たれるというような状態になるというような者もございます。そういう場合には、社会内処遇としての保護観察というものが実質的に機能しないということになってしまいます。保護観察官も保護司さんも随分手を焼いているという事例があるわけでございます。 今回の制度、すなわち一度警告をする、そしてどうしてもこれが従わない、そしてその程度が重いというような場合に家庭裁判所において他の保護処分を言い渡すことができるという制度、これが導入されますと、当該少年にとっても、又は一般的にも遵守事項の重要性ということが明確になります。少年に遵守事項を遵守すべきであるということ、遵守することの重要性というものを自覚させることができます。したがって、保護観察の実効性は高まっていくというふうに私どもは考えております。
○木庭健太郎君 ただ、逆に、先ほど保護局長おっしゃっていたみたいに、これまでその少年たちの間と保護司さん、保護観察官の方の間にある一定程度の人間的きずなができている。いろんなことの中で保護観察というのが機能している面もある。 確かに、手を焼いてどうしようもない人がいるときどうするのかという、そういう苦情も上がってきたとおっしゃる。ただ、それがあるからといって、それがあるからといって、全体の枠の中にこの少年院等送致が、やるんですよという制度を大枠として入れた場合に、子供たちに対する影響というのが出てくるんじゃないか。これは私じゃなくて、実際にこの制度を導入することで、これまでつくってきた保護観察の対象少年と保護司、保護観察官との信頼関係の構築が損なわれるんじゃないかという意見が幾つか実際に出されているのであって、この辺に対して局長として、そういう信頼関係を損なうんじゃないか、心配ですよね、危惧、この辺に対してどうお答えをなさるか、見解を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(藤田昇三君) 御指摘のように、保護観察におきましては、保護観察官や保護司が保護観察の対象者に自ら改善更生に向けた努力をするようにと働き掛けるわけでございます。それを実効あらしめるためには、御指摘の対象者と保護観察官や保護司との信頼関係というのが構築されて、それが保護観察が進むにつれて深まっていくということが肝要であるというふうに考えております。 本法案における警告と少年院送致等の決定の申請の制度というものが導入されました暁には、先ほども少し申し上げましたけれども、少年に対して遵守事項を遵守することの重要性というものを自覚させることができます。そうしますと、ひいて、保護観察を受けるということの重要性ということを認識させることができる。それは少年自身に主体的に保護観察を受けようという意識というものをより一層喚起することが可能になるというふうに考えるところでございます。 それを踏まえて、保護観察官や保護司が厳しい中にも温かい心を持って根気強く指導を続けていくということをいたしますと、少年との間に信頼関係はおのずから構築されて、またそれが深められていくということが一層容易になるというふうに考えるところでございます。 もちろん、この制度というものを少年にその過程で説明をするということも必要だと思います。あるいは、親にも説明をするということもあろうかと思います。その仕方などにおきまして、その少年の自主性、自発性というものを損なうようなやり方を取りましたならば、これはマイナスの方に働くということがもちろんあり得るわけでございますけれども、保護観察官や保護司さんの運用の適正ということを得るならば、信頼関係を構築して深めていくという方に働いていくものと考えております。
○木庭健太郎君 そこまでやるためには何が必要かというと、やはり同じ議論になるんですよ。何が同じ議論かというと、人が足りねえじゃねえかという議論ですよ。 今、保護観察官というのは約六百五十名ですよね。これで見ていらっしゃる年間の対象者が約六万人ですか、この指導監督、補導援助、六万人、六百五十人で六万人。今おっしゃったようにきめ細かいということになったら、これ大変な話なんですよ。保護司の方たちも大変ですしね、これは本当にもう。大臣は大幅に何としても頑張るという決意をさっきおっしゃっていましたから、具体的にちょっと局長、どんなふうにしてこれ増員、具体的に重ねていこうと当局では考えて大臣に上げようとしておるか、説明を求めておきますわ。
○政府参考人(藤田昇三君) 保護観察官の増員の関係につきましては、先ほど大臣から御答弁を申し上げたとおりでございます。 私ども事務当局といたしまして御説明をさせていただきますと、平成十八年度に四十五人の増員を得ております。平成十九年度に四十三人の増員を得ております。本年度から私どもの体制整備ということもいたしまして、保護観察所に専門官制というのを導入いたしました。それで、現場の第一線の保護観察官、今御指摘のとおり約六百五十人が保護観察事件を担当をいたしておりますけれども、それに加えまして、保護観察所などにおります課長ですね、この職をつぶしまして、百三十人をいわゆるプレーイングマネジャーということにいたしました。これで、決裁ももちろんするわけでございますけれども、第一線の保護観察事件も担当する保護観察官として働くということになりました。また、実力を強化するということで、研修体系も見直し、あるいは職場内のオン・ザ・ジョブ・トレーニングというものを強化するようにいたしております。こうした総合的なこともやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。 今後とも、保護観察の実効性を更に向上させるために、保護観察官の増員につきましては、諸般の事情も考慮しながら、私どもは適切に対応したいというふうに思っております。
○木庭健太郎君 大臣、そんな具合だそうです、現場は。なかなか大変です。是非、本当これがうまく機能するためには、やはり一番大事なポイントがそこなんだろうと思います。もちろん、施設の収容の問題とかいろいろありますよ。でも、やはりその保護観察の部分というのは本当に大事な部分だなと思いますので、この支援を是非、大臣先頭に立ってやっていただきたい。 最後の項目で、十二歳以上の少年の少年院送致の問題、もう議論に随分なりました。やっぱり、ここだけは改めて大臣に認識をきちんとお伺いしておきたいという部分でございまして、大臣にまず二つ伺います。 児童自立支援施設と少年院における処遇の違い、大臣がどう認識されて、しかも、しかも、やっぱり十一歳、十二歳の小学生については保護処分の施設内処遇として、児童自立支援施設と少年院のどちらが収容先となると大臣は考えているのか、ここをまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 両施設の違いについてのあれでございますが、両者を比較しますと、例えば児童自立支援施設が、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させる児童福祉法に基づく施設であることに対し、少年院は、非行のある少年を収容して非行性を除去するための統一的かつ一貫した処遇を行う施設であること。また、児童自立支援施設には医療措置を専門とする施設はないが、少年院には心身に故障のある者を対象とする医療少年院があること。三つには、少年院は原則として非開放施設であり、少年が施設から逃走できないような構造が取られているのに対し、児童自立支援施設は開放施設であり、例外的に家庭裁判所の許可を得て強制的措置をとることが可能であるということなどの違いがあるというふうに承知をいたしております。 今回の改正があった場合に、十四歳未満の者をどちらに入れるのかということは、法律上は家庭裁判所が決定することでございますので、私からお答えするのは難しいわけでございますが、一般論で申しますと、十四歳未満という低年齢の少年の施設内処遇ということになりますと、原則として従来どおり児童自立支援施設等で行うのが相当というふうに考えておりまして、特にその非行の内容、至る動機、背景等から、この開放処遇を基本とする児童自立支援施設等では適当でないと認められるに限って例外的に少年院ということになるのではないのか。また、そういう考え方を前提にして、特に必要のある場合と、認める場合というふうに少年法二十四条の改正規定を置いたところでございます。 先ほども御答弁申し上げましたが、小学生に関してはより慎重な判断がなされると思われますので、実際に少年院に送致されるということは、小学生がですね、相当まれなことではないかというふうに考えます。
○木庭健太郎君 最高裁にお尋ねします。 児童自立支援施設送致とするか少年院送致とするか、家庭裁判所における判断基準は何か、お伺いしておきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) お答え申し上げます。 少年に対してどのような保護処分を行うかの処遇選択は、個々の事案に応じた各裁判官の判断であり、判断基準という形で申し上げることは困難であります。ただ、一般論として申し上げますと、家庭裁判所は従前から、非行の内容、非行に至る動機、少年の年齢や心身発達の程度、少年の性格、環境等、さらには少年院と児童自立支援施設等における処遇の内容の違いなどを十分考慮した上で、少年の改善更生のために最も適切と考えられる処遇を選択してきているところです。 今回の法案におきましては、決定時十四歳未満の少年については、特に必要と認める場合に限り少年院送致の保護処分をすることができるものとされておりますので、このような立法がなされたときには、家庭裁判所におきましても、決定時十四歳未満の少年については、その趣旨を十分に踏まえ慎重な判断が行われるものと考えております。 以上でございます。
○木庭健太郎君 最後に、大臣にお伺いをいたしたいと思います。 実際に私ども、両方の施設を見させていただいて、大臣が何か少年院はそんなところじゃないんだとおっしゃったとおり、私ども見させていただいて、この初等の少年院というのがいかにいろんな形の受入れ、個々に応じた処遇プログラムをやっているかということも見させていただいて、ある意味では予想した以上にすばらしい施設だということも確認した上でお尋ねを最後にしておきたいと思うんですけれども。 やはり今後大事になってくるのは、児童自立支援施設と少年院との連携、どういうふうにきちんとやっていくかという問題が一番大事になってくるんだろうと。それは、先ほど千葉委員もおっしゃっておりましたし、参考人質疑をやったときもこの意見が、職員同士の交流を始めとして意見がございました。 ともかく大事なことは、大臣も常におっしゃるように、私どもも思っております、その少年に最も適したきめ細かな処遇プログラムがどうできるかというのがもちろんポイントだと。その上で、やはりそう考えるならば、この自立支援施設と少年院の連携を更に強め、きちんとした対応をしていく必要があると思いますが、大臣の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(長勢甚遠君) 先生の御意見に私も全く同じ意見でございます。 今は、少年院においてもそれぞれできる限り一人一人の状況に応じた処遇プログラムをもって、それに応じた矯正教育を進める努力をしておりますが、同時に、児童自立支援施設におかれてもいろんな工夫をされておられる。これを相互に意見交換をし、より向上を図っていくということが極めて大事だと思います。それらを通じて、より適正な少年に応じた立ち直りの支援ができることを我々も一生懸命努力していきたいと思います。
○木庭健太郎君 終わります。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 残念ながらいらっしゃいませんけれども、先ほどの千葉委員の質疑と答弁を聞いておりましてちょっと引っ掛かるものを感じましたので、児童相談所の調査について、まず厚生労働省にお尋ねをしたいと思います。 私、児童相談所における調査というのが、これは当然一定の処遇方針あるいは援助方針、これを定めるという目的に向かって行われていると。何の無目的に子供と接しているわけではないということは十分分かるんですけれども、児童相談所における児童福祉司やあるいは判定員や一時保護所の保育士さんというんでしょうか、などの仕事というのは、これは単なる方針を決めるためだけを目的としたものではないのではないかという感覚があるんです。調査そのものが、そういった意味でのすべてを包括した調査そのものが、それ自体として援助という面も有しているのではないかというふうに思います。 実際に、そのような調査を経て、面接を経て在宅にとどめて、児童相談所に例えば月に一度先生に会いに来てくださいねというような形で通所の援助を続けるというような場合は、これは正に援助そのものなわけですし、そういった子供たちとの接し方、あるいは背景となる家庭や学校、地域を含めてそういうところの接し方というのが児童相談所の調査の本分なのではないか、そういう辺りに専門性があるのではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 児童相談所が児童に接する場合でございますが、一番最初のときは、普通私どもが頭の整理をしますときは、適切な援助方針を決める前のアセスメントに当たる部分というのが入口の部分だというふうに考えております。 しかしながら、こういう何らかの援助が必要ということで児童相談所に来られる児童でございますので、様々な心理的な負担を感じていたり問題を抱えていたりということがあるわけでございますので、そういったアセスメントであっても、面接を始めとする対応に当たっては、その児童の状況に応じた援助的視点を含んだ対応になるということでございます。 また、その後、その援助方針が決まった後、在宅で過ごす児童が定期的に児童相談所に通ってきて児童福祉司等と面談をするというようなケースにつきましては、これはまさしく援助でございます。
○仁比聡平君 もう一つ触法事件、十四歳に満たない子供たちの触法事案について、もちろん、警察がその端緒を見付けて、端緒に接して通告をしてくるというものがあるのは当然だと思うんですけれども、学校からの相談あるいは家庭、親御さんからの相談の中で、例えばその子供がシンナーを吸っているとか、あるいは万引きを常習的にやっているとか、あるいは粗暴なところがあって傷害事件や暴行事件を度々起こすとかいうようなことが学校や親御さんの相談の中で明らかになって、つまり触法事件であることが明らかになって、それを児童相談所が調査するということもたくさんあると思うんですね。 私がある現場の方に伺いますと、警察からの通告というのはごく一部であって、学校や親御さんからの相談の中でそういう触法事実が明らかになるという場合の方が圧倒的だというふうな声もあるんですけれども、数字が今日の時点で突然のことでしたから明らかになるかどうかは分かりませんけれども、その辺り、学校からの児童相談所への通告や連絡というのがどのくらいの割合を占めるものなのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) 児童相談所に各方面から通告があるわけでございますが、その相談の内容、例えばこれは非行であるとか、非行の中でも特に触法の事案であるというような、テーマごとにその経路を取った統計が、直ちに今お答えできる数字がございませんが、児童相談所に寄せられる相談一般で申し上げますと、これ平成十七年度の数字でございますが、相談件数が三十四万九千八百七十五件、およそ三十五万件でございます。このうち、警察からというものが一万三千五十七件ございまして、これパーセントに直しますと三・七%でございます。学校からが一万二千四百十件でございますので、警察より少し少ないぐらいの数字。また、親御さんや親戚の方からというものは十五万六千二百九十五件でございますので、これは四割強に上っていると、こういう状況でございます。
○仁比聡平君 それで、大臣にお尋ねする前に法務省刑事局長にお尋ねをしたいと思うんですけれども、先ほど千葉議員の質疑の中で、送致の意義、あるいは警察の調査とこの児相の調査の違いというような形でお答えになられたわけです。 これまでと児童福祉先議主義という点では変わらないんだというふうにおっしゃるんだけれども、だけれども先ほどの答弁、警察庁の方の答弁も聞いていて私が感じたのは、結局、触法の少年について、これは警察が事案の解明をこれを徹底してやって、これ調査を尽くして、そして児童相談所に送致をする。児童相談所の判断は、それはこの法律の提案の構造でも奪われているわけじゃないと思いますけれども、子供に対する調査を尽くして送致をするというのは、これは結局、事案解明の名の下に少年を取調べの対象にして、そしてその結果を児童相談所に送致をする。児童相談所は、一定重大の事件については原則家裁送致、そういう構造になっているんじゃないんですか。 これ、児童福祉の先議主義を後退させるものではないというふうにおっしゃるけれども、私、実際にそういう形に運用されていくとしたら、言わば警察捜査前置主義、そういう形になるのではないかと先ほどの答弁を伺っていて思ったんですが、いかがですか。
○政府参考人(小津博司君) あくまでも一定の重大な事件についてこのたび新しく警察が送致という手続を取ることになるわけでございますけれども、このことによって、これまで警察がどのような事件について、どのような事件と申しますのは、触法事件の中のどのような事件についてどの程度調査をしていたのかということが変わるものではないと考えております。 もちろん、このたび物的な強制手続が入りますからその点は変わりますけれども、それを除けば基本的な警察の調査の性格が変わるものではないと思いますし、警察の調査の対象がこの改正によって変わるものではないと考えておりますし、警察の調査と児童福祉機関の調査の関係、それからその先、家裁に行きました場合の家裁の調査との関係も変わるところはないと、このように認識しておりますが。
○仁比聡平君 いや、本当にそうでしょうか。 法律の組み方としてはそうはなっていないというふうに局長はおっしゃりたいのかもしれないんですけれど、皆さんの全体の答弁の趣旨からすれば、これまで警察の調査権限が十四歳に満たない子供たちに対しては明記をされていなかった。したがって、対物処分はもちろんだけれども、調査として事案解明のためにやらなければならないことができにくい状況があった、あるいはできない状況があった、だから今回の改正をするというわけでしょう。ということは、これまでできなかったことをやれるというわけでしょう。 加えて、児童相談所の調査では事案解明には足りないと、児童相談所を責めるのではないが、これまではそうなっていたというふうにおっしゃっているわけだから、警察が少年警察の分野において十四歳に満たない子供たちを相手に、今局長が言ったような従来から変わらないなんということはあり得なくて、どんどん範囲が広がるということになりかねないじゃありませんか。
○政府参考人(小津博司君) 現在、警察の調査権限が少年法上明文化されていないということ、それから、対物の強制調査ができないということによって調査に支障が生じていると私どもは認識しております。今回の改正が行われますとそのようなことができるようになる、その点は委員御指摘のとおりだと思います。 しかし、それでは、例えば対物強制手続ができることによって、これまでは全く警察が無視をしていたといいますか、とてもとても自分たちができないことだといって放置していた事件を更に積極的にすることになるかと申しますと、そこは警察がこれまで非常にいろいろな形で苦労をしてやっていて、場合によってはそこの事実関係の解明が不十分なままに、しかし、やはりこの少年を放置していてはいけないということで児童相談所等に通告をしていたような事案、これが、よりきちんとした事案の解明の下にその先の手続に役立ててもらえることになると、そういう関係になるのではないかと理解しております。
○仁比聡平君 それでは、刑事局長も、先ほど私が厚労省審議官にお尋ねをした児童相談所における調査、これが援助も含めて具体的にどのように運用され、実際に福祉的な制度として現実に多く機能しているということはお認めになるんですね。
○政府参考人(小津博司君) 御指摘のとおりでございます。 私が御答弁申し上げますときに、今度の新しい制度を念頭に置いて、つまり、送致をして、原則家裁送致になる重大な事件を念頭に置いて答弁いたしておりますので、例えば殺人事件、そうなりますと、警察における事実解明というものの役割が基本的に非常に大きいだろうということで申し上げておるわけでございますが、児童相談所で取り扱われる事案というのは多種多様であろうと思います。 それから、児童相談所で行われる過程での、調査ということになると思いますけれども、対象の少年と接触し話をすること、それ自体が少年の立ち直り等々にとっても非常に重要な意義を持っているのではないかと、そのようにも認識しております。
○仁比聡平君 村木審議官、もしあれだったら御退席いただいて結構でございます。 今の小津局長の御答弁を踏まえてちょっと伺いたいんですけれども、少年警察活動、この在り方がこの委員会でも大変な問題になってまいりました。今、小津局長が言われたような、そんな形にこの法改正後になるという保障がどこにあるのかと。 今日も大阪の地裁所長襲撃事件の問題が他の先生からも取り上げられましたけれども、これはつい最近に明らかになった重大な問題なのであって、こういう少年に対する冤罪事件というのはこれまで数々引き起こされてきたわけですよ。これまでの十四歳以上の犯罪少年、あるいはこの大阪の例のように、未満の少年に対するこれだけの冤罪事件が引き起こされ、それに対して警察は、特にこの国会で警察庁は、そのたびごとに反省を口にしてきました。だけれども、反省を口にしながら繰り返してきたわけでしょう。その少年警察の在り方を正すことこそ先決なんじゃないんですか。その点についてのこの法案提出者としての局長の意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(小津博司君) 警察における調査手続が適正なものでなければいけないという観点から、本法案でどのような内容を盛り込んだか、また衆議院での修正でどのような内容が盛り込まれたかということにつきましては既に御説明申し上げたところでございます。 その中でも、付添人という制度が、これは修正によってでございますが、入りまして、初めて警察の触法少年に対する調査という手続で、もちろんこれまでにも代理人ということで弁護士の方が関与する道はあったわけでございますが、少年法上、付添人という地位を持ったということは非常に大きな意義があるのではないかと考えております。
○仁比聡平君 いや、今のお話おかしいじゃないですか。数々の冤罪事件を引き起こし、口では反省すると言いながらその後も繰り返してきた、それが少年警察の分野における警察の実情ですよ。すべてではないかもしれないが、実際にそういう重大な事件が起こっているわけでしょう。そこについて、在り方を正すことが先決ではないかと私は言っている。どうなんですか。
○政府参考人(小津博司君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、この警察の触法少年に対する調査権限を少年法上明らかにするのに合わせまして、その調査の目的、そしてそれが任意のものであること等々のことを合わせてこの法案を御審議いただいているということでございます。
○仁比聡平君 全然答弁になってないじゃないですか。私が少年警察の在り方を正すことこそ先決なのではないのかと、二度にわたって尋ねていることに対してお答えにならないわけです。お答えにならないというのは、これまでのその冤罪を引き起こしてきた少年警察活動の在り方を是認するという立場になるでしょう。是認するつもりですか、局長。
○政府参考人(小津博司君) 少年事件のこれまでの刑事手続では、捜査あるいは調査につきまして裁判所においていろいろな御指摘がなされているということは、私どもも重々承知しているところでございます。その点につきまして、繰り返しになって恐縮ですが、この法案では先ほど申し上げましたようなことを条文上は明らかにしているわけでございますが、警察御当局からの答弁によりますと、今回の、修正も含めたこの法案の内容を踏まえて、マニュアル等々でこの趣旨を全国の警察に徹底していくということでございますので、その作成については私どもも十分協力していきたいと考えております。
○仁比聡平君 裁判所において指摘をされてきたことを承知しているなどというのは、そういう答弁は本当に僕は信じ難いんですよ。裁判所でそういった判決が下されて、社会的にも、メディア的にも重大な問題として報じられると、これはごくごく一部ですよ。私自身が付添人活動をしてきた経験の中だって、あり得もしない目撃証言がとうとうと何十通もの調書になって、それが少年を少年院送致にする根拠として提出をされ、それが使われようとする。その疑いを晴らすために、少年も家族も付添人もどれだけ苦労しているか。何でそんな目に遭わすんですか。そこを正すことなしに、刑事罰の適用を目的とした手続ではないからなどというような形式論理で、少年警察活動の権限の拡大、ここを図るという法案を提出するその感覚を私は理解できない。 大臣にお尋ねをしたいんですけれども、被暗示性、被誘導性が高いと、これは少年一般に言われることですけれども、十四歳に満たない児童、中でも小学生、その被暗示性、被誘導性が高いというのはこれは当然のことですね。皆さんも認めておいでになりました。 少年警察の活動がこれまで一点の曇りもなく適正に行われてきたというんだったら百歩譲ってもいいですけれども、そうじゃないんですよ、現場は。実際にこの法の改悪後、十四歳に満たない子供に対して不当な取調べが行われた、そういうことになったらどのように責任をお取りになるおつもりですか。実際にそういう取調べが行われれば、後からそれが冤罪であるということが明らかになったとしても、低年齢の子供に対しては重大な傷が残ります。そういう立場にその低年齢の子供を置いてはならない、そこも少年法の大切な理念だったのではないでしょうか。その点について大臣がどのようにお考えなのか、お尋ねをしたいと思うんです。
○国務大臣(長勢甚遠君) 警察の調査活動に一点の曇りがなかったかどうかということは、私も責任持って答える立場にはございませんけれども、今回、調査権限を明確化すると同時に、今局長が答弁しているようないろんな手だても講じておるところでございます。警察当局においても、それに沿った形で、適正な形での調査活動を実施してもらわなければならないと、このように思います。 一方、私は、ずっと前から地元の皆さんから言われていることは、最近の子供たちというのは、何歳かは定かではないところもありますけれども、悪いことをしても注意をしても、警察に言ってみろと、警察は手は出せないんだと言っていて、これはどうにかしてもらわないと町の治安が守れないという苦情をたくさん聞かされてきました。 先生の御指摘のように、警察の調査活動が問題を起こすということはあってはなりませんし、同時に国民の皆さんが安心できる社会をつくるということも大事なことでありますし、もちろんこの調査活動は治安を守るという目的だけではありませんけれども、この法案は是非ひとつ皆様方にもそういう点でも御理解いただきたいものだと思います。
○仁比聡平君 私は、市民警察として警察が治安を確保してほしいという住民の期待にこたえるべきだというのは、それは当然のことだと思いますよ。そこを否定しているんじゃないですよ。そうじゃなくて、実際に乱暴なこと、数々の冤罪事件が起こっているのに、現実に、その中で、十四歳に満たないその低年齢の子供たちをその取調べにさらすということをやって本当にいいのかということをお尋ねをしているわけです。 この少年警察の在り方をどう正すのかと。これについて、これから、この法改正後も中でマニュアルを作るからいいじゃないかというような話がずっとあっているわけですけれども、そのマニュアルを警察に任せて作ってもらうということでは解決はできない、問題点は解消されないと。本来、この点について徹底してこの委員会で審議を尽くすべきだと思います。 これからのことについて、小津局長、どんなふうにお考えなんですか。少年警察の活動の在り方について、どうやってこれ正していくおつもりなんですか。
○政府参考人(小津博司君) この法案を立案して提出させていただいた事務当局の立場として、この法案、そしてその修正にどのようなことが盛り込まれたかは御答弁申し上げたとおりでございます。 私どもといたしましては、警察当局に対しまして、この少年法を所管する立場として、この改正の趣旨、またこの委員会における御議論の状況等を踏まえまして、警察の方でそのマニュアルの作成を含めて適正な調査に万全を期するための取組を行われることにつきまして、十分御協力申し上げていきたいと思っております。
○仁比聡平君 検察、警察という、そういう関係の問題ではなくて、この法改定を提案をしているその法案の担当者として、実際に不当な権利侵害が起こらない手だて、付添人などの立会いの問題や、あるいは不利益な供述を強要されないその権利の告知の問題や、あるいは付添人の選任権の告知、あるいは可視化、こういったテーマがたくさん出されました。このことについて、法案の担当者としてしっかり警察に対して物を言うべきだと、決して所管が違うからといって警察任せにすることは絶対にあってはならないということを私は強く申し上げておきたいと思うんです。 別の角度で大臣にちょっとお尋ねをしたいんですが、私、初回の対政府質疑の際に、一週間前になりますけれども、少年審判における保護処分、これは保護観察であったり少年院送致であったり児童自立支援送致であったりしますけれども、この保護処分というのは不利益処分であるという最高裁の理解を示してお尋ねをしていきました。 大臣にそのときにはお聞きをしなかったんですが、保護処分も、健全育成を目的とはするが、自由を奪い、あるいは制約をすることを始めとして少年にとっての不利益処分である、そのことはお認めになりますか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 自由を拘束するという意味では、不利益な部分があると思います。
○仁比聡平君 その不利益処分が発動されるという可能性を持って進められるのが少年に対する調査であり、あるいは審判の過程になるわけですよね。特に、この本改定で問題となっている警察の調査において、付添人の選任権の告知の義務すらこれまでの御答弁の中ではお認めにならないわけです。これはおかしいと思われませんか。不利益な処分に向かって取調べの対象とされるんですよね。そのときに、権利保障の大切な事々が知らせもされない、少年自身に。おかしいと思われませんか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 調査段階での付添人選任に関する規定は衆議院の修正により付け加えたものでございますが、そもそも触法少年は刑事責任を問われる可能性がない。また、触法少年の調査ではその身柄拘束を伴うこともなく、またさらに、触法少年に対する質問、呼び出しは、あくまでも強制力を伴わない任意によるものであります。 刑事訴訟法においても、被疑者の任意の取調べの際、被疑者に弁護人選任権を告知することは義務付けられておりませんので、こういうようなことに照らしますと、触法少年に対する質問に当たって、付添人選任権の告知を一律に義務付けることまでは必要ではないというふうに考えております。
○仁比聡平君 そのような答弁を法務省はされてこられたわけですけれど、この質疑の中で、虐待がその少年の問題行動や非行の原因になっているというケースがたくさんあると。例えば、施設に入所している子たちの中の六割はそれを占めるんではないかと、数々そういった提起がされてきました。大臣も、数の問題は別として御理解いただけると思うわけです。 与党の修正案担当者は、親だけではなくて、少年に固有の付添人選任権を定めたところが画期的なんだというふうに前回述べられたわけですね。それは私、今申し上げた虐待のケースでいいますと、問題行動を起こしている子供が何らかの端緒で警察の取調室に入ることになる。だけれども、親は、その子を虐待しているような親ですから、その子が何か、そもそもしばらく家に帰ってこなくても警察で調べられているなんて思わないかもしれませんね。まして、その子が警察で不当な扱いを受けないように弁護士と相談して付添人を選任しようなんて考えない。お金も掛かるでしょうなんというようなことを、先に念頭に思ってしまう。 そんなときに、子供が警察官から、付添人選ぶことができるんだよ、弁護士さん頼むこともできるんだよというふうな話もなしに弁護士にアクセスしようなんというような発想になりますか。そういう虐待を始めとして、親や家庭環境の関係で子供がその問題行動に走っているのではないかということがこれだけ指摘をされながら、その子に付添人の選任権すら告知をしないというのは私、理解できないんですよ。だって、弁護士さんを頼むこともできるんだよというふうに説明をしただけで少年の供述態度が根本から変わるなんという立法事実は私はないと思います。おかしいと思いませんか。
○国務大臣(長勢甚遠君) そういう供述事実が告知をしたからということで、こういうことの修正が行われたわけではないんだろうと思います。低年齢の少年について一定の配慮をすべきであるという指摘などあったことなどを理由としてこの修正が行われたものでありまして、私どもとしては大変貴重な御提案だと考えております。
○仁比聡平君 問いにお答えにならないわけです。 子供に弁護人選任、付添人選任権や、あるいは黙秘権かどうかは別として、不利益な事実を述べる、そういう強要をされないということを伝えたからといって、どうして真摯な話ができなくなるのか。しきりにおっしゃるけれども、そんな立法事実がどこにあるのか私は示されていないと思うんですよ。大人だってそうでしょう。今日も松村理事から、死刑事件に当たるような重大な事犯で自白、自供をするときの被疑者の心境というお話ありました。あるいは刑事の取組というお話ありました。御紹介のあったお話は黙秘権は告知をされているはずです。弁護人選任権も告知をされているはずです。そのような権利保障が告知をされるということと、対象になるこの件では子供たちが本当のことを自分の心情から話すようになるかということは、これは別の問題じゃありませんか。そこを一緒にして、告知をしたら、あるいは権利を保障したら真相解明ができなくなるとか、そういう言い方は私はもう絶対納得ができない。憲法の適正手続を理解していない議論だとしか私は思えないと思うんです。 本当に残念なんですけれども、時間が迫っておりますので、最後になりますけれども、大臣にお尋ねをしたいと思います。 大臣は、一九九〇年に国連総会で採択をされた社会内処遇措置のための国連最低基準規則、これ東京ルールというふうに呼ばれているんですが、これは御存じですか。これは御存じかどうかだけで結構です。 いやいや、もう知らないでいいですよ、責めませんから。責めませんから。
○国務大臣(長勢甚遠君) ちょっと正確にはよく、正確というか、よく分かりません。
○仁比聡平君 御存じないんじゃないかと思うんですよね。保護局長いらっしゃいますよね。保護局長はさすがに御存じなんではないかと私は期待をしているわけですけれども、この中には、保護観察、社会内処遇の在り方について、これは国連総会で決められたものですから、つまり世界じゅうの社会内処遇の知恵、取組、ここの中でこういうふうに行うべきだというルールが数々定められているわけです。 その中で今日、法案との関係でお聞きをしたいのは、そのルールとして、対象者が遵守すべき条件、これは実践的であり、明確であり、かつ可能な限り少なくなければならない。つまり、達成可能な特別遵守事項じゃなきゃ駄目だということなんですよ。そして、違反が自動的に拘禁処分を科すことになってはならない、こういうふうに定められているわけですね。これは社会内処遇、少年に対する保護観察が本人の自覚、自立を基礎として保護司さんを始めとしてその信頼関係の中で行われるべきものだということからすれば当然のことだと思うわけです。このような特別遵守事項足り得るんでしょうか。 今の理念を踏まえてちょっとお聞きをしたいんですけれども、体制の問題ですよ。今回の法改定で特別遵守事項違反、これを少年院送致に結び付けるということになっていけば、保護観察所は、担当の保護観察官が責任を負って、保護観察の対象者が遵守事項に違反したという事実を明らかにする責任が生まれることになりますね。それは、その義務を果たせなかったということについて少年の側に正当な理由はないと、つまり、守れたはずなのに守れなかったということを明らかにし、かつ、保護司さんも含めて、保護観察官はもちろんのことですけれども、保護観察を実施する側、実施者の方には、その過程において瑕疵がなかった、扱ってきた方の責任ではございません、その子供が守れたはずなのに守れなかったんだということを立証する必要があるでしょう。そういう重大な責任が私は生ずるんだと思うんです。 だけれども、実際には、保護観察所は、一人の保護観察官が成人も含めて百件近い対象者を担当しています。過密なところは百数十人という担当者を持っていますね。少年事件の対象者の処遇に必ずしも十分な人手と時間を掛けられる体制にはないわけですよ。そこでどうしてその子の更生のために本当に的確な特別遵守事項を定めるということができるというのか。それをずっと追い掛けて少年の処遇を見守るということができるというのか。 もしこれができない、体制の上でこれ、十分な処遇を行える保証がないままこれやるとしたら、処分の厳格化を図るこの法の改定がかえって保護観察の幅を狭めてしまう。正に少年院に送致するぞという威嚇によって子供たちを律しようとする、これまでの信頼関係に基づくものから威嚇、これを本質とするものに変わるじゃないかという懸念が出るのは当然じゃありませんか。そんなふうに変えてしまうというおつもりなのか。そうでないというんだったら、どうなのか。 本当に残念ですけれども、質問時間来ていますから、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(藤田昇三君) 東京ルールズにつきましては承知をいたしておるところでございまして、特別遵守事項について御指摘のようなことが書かれておるということでございますが、今回の改正によりまして、特別遵守事項、従来も実際の運用はそうでございましたけれども、特別遵守事項というのは、裁判所の意見を聴きまして、それを尊重しつつ保護観察所において決定をするということにいたしておりまして、恣意的な特別遵守事項を作るということはいたさないように心しておるつもりでございます。 実際の特別遵守事項の違反があるかどうかということを把握する仕方でございます。御指摘のように、きちんと把握しなければ、これは遵守事項違反があるんだということ、そして、その程度が重いということが確認できなければ、保護観察所長は家庭裁判所に対する新たな保護処分の求めをするということはいたさないわけでございます。 御指摘のように……
○委員長(山下栄一君) 時間が過ぎていますから簡潔に。
○政府参考人(藤田昇三君) きちんと見なきゃいけないという対応、体制でございますけれども、保護司さんと保護観察官との連携協力を密にしながら、保護観察官が特にこの分野については心して直接の確認を十分にするというやり方をもって遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 それが本当にできるんですかと私は言っています。 終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。 今日は午前の十時から長時間にわたって質疑が続いておりまして皆さんお疲れだと思いますけれども、あと四十分、是非最後までお付き合いをいただきたいというふうに思っています。 最初は、やはり触法少年に対する警察の調査に伴う触法少年の保護の問題でございます。 私はこのことをずっと聞いているわけでありますが、とにかく、警察が触法少年に対して調査権限を持つ、根拠を明確にすると。そして、物的な強制権を持つということでありますので、これに対する触法少年の保護規定を明確にやっぱりすべきだと、それが憲法の理念にも合致することであると。これは今ほど来ずっと議論のあることでありますが、私も本当にそういうふうに思っております。 ところが、政府の方もあるいは与党の修正発議者の方も、付添人の選任権、これを創設したという点は評価をさせていただきますけれども、それ以外のものについてはがんとして譲らない。せいぜいマニュアルで、この法案が成立した後、改正案が成立した後、マニュアルで対処すると、付添人の選任の告知の制度を何とか盛り込みたいと、そういうところまで行きましたけれども、それ以外の、答弁は強制されないとか、あるいは付添人の面会への立会い権、こういうものについては依然としてまだガードが固いわけでありまして、私としては、今日最後の機会になるかも分かりませんので、この答弁を強要されないとか、あるいは付添人の立会い権等について、まずここから質問をしていきたいというふうに思っています。 〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕 実は、少年警察活動推進上の留意事項についてという、これは警察庁の通達があるわけでございますが、これが平成十四年に出されております。これは、少年警察活動規則などとセットになって、少年事件の捜査、調査のルールをある程度内部的にマニュアル化したものでございます。これを見ますと、少年の面接とか取調べのところで立会い等という規定がありまして、これを見ますと、非行少年と面接する場合においては、やむを得ない場合を除き、少年と同道した保護者その他適切な者を立ち会わせることに留意することと、こういう規定があるわけでございます。 最初にお聞きをしたいのは、この規定の趣旨、そしていろいろお聞きしますと、この規定が余り守られていないんではないか、遵守されていないんではないか、こういう話が衆議院の参考人質疑の中にも出されております。 事は非行少年ということではなくて、更に年下の触法少年の話でありますので、私は更により徹底して適当な大人の立会い権、これをやっぱり認められるべきではないかという、そういう立場でこの通達の趣旨、そしてこれがどの程度警察実務の中で履行、遵守されているのか、このことをまずお聞きしたいというふうに思います。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 今御指摘がございましたように、少年との面接については、警察庁次長通達であります少年警察活動推進上の留意事項についてにおきまして、やむを得ない場合を除き、少年と同道した保護者その他適切な者を立ち会わせることに留意することを求めているところでございます。 〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕 これは、その趣旨でございますけれども、少年に無用の緊張を与えることを避ける、要するに真実を語りやすいような雰囲気をつくるということ、それからまた真実解明への協力が得られるとか、また事後の少年の効果的な指導育成に効果があるとかいうことが期待される場合についてこの立会いを認めるというふうな趣旨の規定でございます。 では、この適当と認められる者ということはどういうことかということでございますけれども、これは今申し上げましたような観点から判断をすることになりますけれども、一般的には、保護者のほかには少年の在学する学校の先生とか、それからまた少年が仕事を持っている場合にはその雇用主の方とかいうふうな方々を想定をしているというものでございます。 これがどれぐらい守られているかということについては、数値的に私ども調べたものがございませんので確たることは申し上げられませんけれども、特に触法少年についてはある程度と申しますか、そういった立会いが行われているというふうには聞いております。
○近藤正道君 随分自信のない言い方じゃないですか。だってこれは、少年事件については、皆さんもお認めのように被暗示性が強い、被誘導性が強いと。これ少年一般の特性ですよね。触法少年については、十四歳未満であれば更にこれが強いわけですよ。ですから、皆さんとしては言わば通達で、原則、調査、面接、まあ面接ですね、これには適当な大人を立ち会わせろと言っているわけでしょう。だから、少なくとも触法少年については、十四歳未満についてはちゃんと守られていますよと、何でそれ言えないんですか。 つまり、なぜこんなことを聞くかというと、これ守られていないという話が公の場でどんどん出てくるから私は改めて聞いているわけですよ。守られているんですか、守られていないんですか、はっきりしてくださいよ、それ。
○政府参考人(片桐裕君) 今申し上げましたように、やむを得ない場合を除き、で、結びは留意すると書かれてありまして、決して義務付けているものではございませんで、必ずしも原則こうしなさいとも言っているわけではない。 現場では必ず、少年を呼び出す場合には、保護者の方又はそれに代わるべき方に一応連絡をいたします。その方が同道してくる場合もあれば同道してこない場合もあります。同道してこない場合にはこれは立会いをしていただくこともできないわけでございますから、それはいろんな事情があって立ち会うことができる場合、できない場合があるわけでございますので、一概に何件ぐらい立ち会っているのか、立ち会っていない場合はおかしいじゃないかという話には私はならないというふうに考えております。
○近藤正道君 実にいい加減な言い方だと思いますよ。この通達を見れば原則立会いと、これもうはっきり言っているでしょう、これ、原則立会い。適当な大人を立ち会わせろと、これもうはっきりしていますよ、文言の上で。それ、どうして原則と例外を逆転させるようなことを言うんですか。それはやっぱり少年が、とりわけ触法少年の場合は問題があるから、更にやっぱり強い調子で原則立会いと。これ原則でしょう。皆さんがその原則と例外を警察が勝手に入れ違うから、その実態がどうなっているか皆さん自身が分からなくなっているわけですよ、これは。 現にこうやって通達がある。今でもある。今度は警察が、より今度は触法少年に対して根拠を明確にして一定の権限を持つ、対物の強制権まで持つ。だから私たちはせめて、憲法の趣旨からいけば当然なんだけれども、この皆さんの通達の趣旨からいっても、これを足掛かりにしても、今度の法改正に伴って少なくとも触法少年の保護規定はやっぱり制度的にきちっと行わなきゃならぬと、そういうふうに主張するのは当然でしょう、これ。どうですか。
○政府参考人(片桐裕君) 繰り返しになって恐縮でございますが、最後は、留意することと書いてありまして、決して原則立ち会わせなさいという結びにはなっていないということは是非御理解をいただきたいと思います。 それで、今も申し上げましたように、保護者の方が付いてこられない場合とか、また付いてこられても、かえって保護者の方がおられると子供が真実を語れないというケースが結構多いんです、実は。やっぱり信頼する親の元ですべてを自分がしゃべりづらいというような方も多いわけで、また子供の中には親が立ち会わない方がいいという子供もいるわけで、いろんな事情があって、そういう中でもって留意しなさいということを申し上げているわけなんでございまして、是非その点は御理解を賜りたいと思います。
○近藤正道君 非常に勝手な、皆さんの都合いい解釈だと思いますよ。 先ほど来の議論をもう一回整理して言いますと、それは大臣もお認めのように、保護事件についても、やっぱり不利益処分なんですから、できる限り憲法三十一条以降の適正手続というのは、やっぱりそれは事柄の性質に反しない限り、これはやっぱり準用されるべきだと。 そういう趣旨の下で、今言った少年警察活動推進上の留意事項についてというのがあって、原則は大人を立ち会わせなさいと、こうなっているわけでしょう。それを更に警察の権限を実質的に大きくする、明確にするわけだから、少なくとも触法少年の権利はやっぱり明確にすべきだと私らが言うのは当然ですよ。 そこでお尋ねしますけれども、この適当な大人、面会の立ち会う大人の中に何で弁護士、付添人が入らないんですか。それは、皆さんは自分勝手に、自分の都合のいい人だけはいいけどこういう人たちは駄目だって、何でそういう差別するの。付添人がなぜ入れないんですか。
○政府参考人(片桐裕君) 恐縮でございますが、これ例示でございまして、これでなければいけないということを規定しているわけではございません。そして、弁護士たる付添人についても必ずしも排除されるものではないと我々は考えております。
○近藤正道君 そうしますと、これは例示だということであれば改めて確認をいたしますけれども、現在でも、弁護士たる付添人が立ち会いたいと、触法少年の調査、つまり面接に立ち会いたいというふうに言った場合には、原則これは応ずる、立会いを認める、これがそうするとルールだというふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(片桐裕君) 立ち会っていただくかどうかは、今もちょっと申し上げましたけれども、少年に無用の緊張を与えない、与えることを避けることに資するとか、真相の解明に協力をいただけるとか、また事後の効果的指導育成に効果があるとかというようなことを判断をして立ち会っていただくかどうかを決定するわけでございますから、付添人の方が立ち会いたいとおっしゃったからといって必ずしもこの趣旨に合致するわけではない。この趣旨に合致するのであれば立ち会っていただくと、こういうことでございます。(発言する者あり)
○近藤正道君 今場外がありましたけれども、正に付き添わせるか付き添わせないか、立会いを認めるか認めないか、それ警察が判断するんですか、そうすると。そんなばかなことないでしょう、それは。本人も希望している、保護者も希望している、付添人、弁護士も希望している。そのときに、皆さんは勝手に、いや今はまずいと、今そんなことを言うとしゃべらなくなるから困る、そんなことできるんですか。そんなことあり得ないでしょう。 基本的に皆さんは、今のこの通達でも、皆さんとしては立会い認めなきゃならぬでしょう。これを更に警察の権限が実質的に強化されるわけだから、法律、あるいは最低でもマニュアルの中にこの規定は、つまり立会い、調査に、面接に弁護士である付添人をやっぱり立ち会わせる、この原則を明記すべきなんじゃないですか、これは。今でさえもそうなんだから。一層の、警察の権限は明確になるんだから、これ明確にしなきゃ駄目でしょう、これ。私はおかしなことを言っていると思わない。そうでしょう、それ。答えてくださいよ、これ。
○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。 法律的に整理をして申し上げますと、この面接というのは任意の活動でございます。ですから、保護者ないしは少年本人が面接を受けたくない、会いたくないということであれば、会わないということもできるわけでございます。なおかつ加えて、付添人の立会いがなければ会わないというお話があれば、これは最終的には我々としては、では面接をやめるか、付添人を付けての面接を行うか、どちらかしかないわけでございまして、それはぎりぎりのケースを申し上げれば、少年本人ないしは保護者の方が付添人がなければ面接させませんよということであれば、それは立ち会っていただくということになるわけでございます。
○近藤正道君 余りごちゃごちゃごちゃごちゃ幾つかのレアケースを議論したってしようがないでしょう。私はあくまでも一般的な大原則を言っているわけですよ。先ほど来、話あるけれども、とにかく繰り返し繰り返し少年事件、とりわけ触法事件については虚偽の自白、冤罪事件が出ているわけですよ、これは。そういう中で皆さんは、日弁連なんかはこのことによって更に冤罪が増えると大変危惧の念を持っておるけれども、警察の調査権限を明確に根拠付ける、強制権限も与える。ならば、今だって原則認められている弁護士である付添人の立会い権、これやっぱり明確にすべきなんじゃないですか、これは。最低マニュアルの中でそれは明確にすべきなんじゃないですか、これは。私おかしなこと言っていないです、それは。そういう方向というのは検討できるんでしょう、それは。
○政府参考人(片桐裕君) 繰り返しの御答弁になって恐縮なんですが、面接はあくまでも任意のものでございますから、少年ないし保護者の方が、付添人が立ち会うことが必要である、でなければ面接を受けないということであれば立ち会っていただくと、こういうことでございまして、任意の活動でございますから立会い権ということにはなじまないのではないのかなと私は思います。
○近藤正道君 概念的な言葉遊びしたってしようがない。 私はよほど、例えば子供が拒否をしているとかそういう場合は別として、一般的に特段の事情のない限り同席は認める、そうあるべきなんじゃないですか、これは、任意であろうがなかろうが。そのことをマニュアル、これはまあ多分警察内部の通達あるいは規則になると思うんだけれども、その中に明記する方向で検討してください、それは。どうですか。
○政府参考人(片桐裕君) 今こうして通達の中に立会いに関する定めを置いているわけでございますけれども、この立ち会っていただく方の中に例示として付添人の方を入れることについてはやぶさかではございません。
○近藤正道君 皆さんはとにかくこの今の通達でさえも守っていないんですよ。だから、やっぱりきちっと付添人もこの中に明記をして、そしてこれをやっぱり遵守させる。警察の現場にきちっと徹底してください、それ。 その上で、もう一つお尋ねをいたしますが、私は、先ほど来議論がありますけれども、とにかく冤罪事件、大阪地裁所長襲撃事件、この間の大阪高裁の判決ありましたけれども、あるいは沖縄の浦添の事件もありましたけれども、本当にやっぱりひどい状況だと思いますよ。こういう中で、せめて私は、全体の今は司法改革の議論はあるけれども、せめて触法少年についてはやっぱり可視化、このことについて私は別格で議論してもいいんではないか。 今日も午前中議論ありましたけれども、国連の拷問禁止の特別委員会、国連の拷問等禁止委員会、この最終報告が出まして、捜査の可視化、これをやっぱりやらなきゃならぬと言っていますよ。それに対して皆さんは、適切に対応しますと。だから、適切に対応するということは、少なくとも触法少年についてはこれは別格で先行して可視化はやっぱりやるべきなんじゃないですか。録画、録音、これ検討すべきなんじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(片桐裕君) 今日も当委員会で可視化については何度か御答弁を申し上げましたけれども、繰り返しになって恐縮でございますが、また再び申し上げたいと思います。 まず、何よりも少年の健全育成を図ることが目的の面接でございますので、そのためにまず真実の解明が必要である。少年自身に事実にきちんと向き合っていただいて、そこから初めて健全育成も始まるというふうに我々は考えておりますので、まず真相の解明を図る必要がある。そのためには、少年に正直に、できる限り正直に真実を語ってほしいということでありまして、そういったために、執拗な緊張を与えないような場をつくるとか、少年と何といいますかコミュニケーションが取れるような場をつくっていくとか、それによって面接官と子供の、少年の信頼関係が構築できるような形にすることが大事だというふうに思っております。 しかしながら、調査の全過程が録音、録画されてしまいますと、少年に対して供述の内容とか過程とか態度等が公になってしまうんではないかという心理的圧迫を与えることになりまして、十分な供述が得られないおそれがあるところでございます。特に、少年の場合には、供述の過程で親とか、それからまた兄弟への思いとか、学校への不満とか、仲間、先輩等への思いとか、心の奥に秘めたそういった思いがあるわけでございまして、こういったことがあからさまに語られる、そういった中で子供の、少年の非行の原因とか背景が分かってくるということでございますけれども、こういった録音、録画によってそれが公になってしまうということであれば、それに対して少年は強い懸念を持って、したがって十分な供述が得られないという可能性があるわけでございます。 実際の調査においては、今申し上げましたように、こうした少年の思いを聞き出しながら、非行の原因とか動機等の真相の解明を進めていくものでございまして、こういった過程が録音、録画されますと、事実に即した供述が得られなくなって真実の解明に支障が出るということでございます。 したがって、調査の過程を録音、録画することについては極めて慎重な検討が必要であるということでございます。
○近藤正道君 全く説得力ないですよ。可視化されたからといって真実を話さないなんて、そんなことはあり得ない。それは、皆さんが勝手な取調べができなくなる、都合が悪いと、もうその一点以外の何物でもないですよ、これは。 次の質問に入ります。 少年院の収容下限年齢のことでありますが、私はこの質問をずっとしてこなかったので、そもそもの質問で大変恐縮でございますけれども、まず今現在は少年院の収容下限年齢十四歳なんですが、この十四歳と定めている科学的な根拠を教えてください。 そして、もう一つは厚労省の方にお尋ねをいたしますが、なぜ十四歳未満、自立支援施設なのかということでございます。私も、この間、国立の武蔵野学院に行ってきました。夫婦小舎制、疑似家族、このありようを見てきました。そしてまた、参議院でも、あるいは衆議院の参考人質疑でも議事録を全部読まさせていただきまして、このことにやっぱり情熱を傾けている人の話も聞きました。愛着という概念ですね、愛着の形成と。このことを非常に大事にしていて、一定年齢以下の場合はこのやっぱり愛着の形成、ここを非常にやっぱり大事にするという、そういう話をされていました。多分愛着の形成という物の考え方を土台に夫婦小舎制というのが出てきた。つまり、疑似家族でやっぱり少年の育ち直しを支えていく、こういう考え方が出てきたんだろうというふうに思いますが、この科学的な根拠と成果について厚労省からお尋ねをしたいというふうに思います。二つです。
○政府参考人(小津博司君) まず、少年院法でございますが、戦後の昭和二十三年に新たに制定されました。制定当時の少年院法では、初等少年院及び医療少年院はおおむね十四歳以上の者を収容するとされておりました。その後、昭和二十四年に少年法、児童福祉法の改正と併せて少年院法の改正が行われまして、その際におおむねの文言が削除されたわけでございます。この昭和二十四年の改正法案の提案理由説明では、十四歳に満たない少年は、これを十四歳以上の犯罪少年又は虞犯少年と同一に取り扱うことは適切でなく、もしこれに収容保護を加える必要のあるときは、すべてこれを児童福祉法による施設に入れるのが妥当であると思われ、またその少年院の運用もその方が一層効果的になるので、十四歳未満の少年は少年院には収容しないこととした旨の説明がなされておりますので、その当時、政府としてはそのような判断をしたということは記録に残っておりますが、さらにそれ以上の詳細につきましては明らかではございません。
○政府参考人(村木厚子君) 児童自立支援施設、非常に長い歴史を持っておりまして、その経験、それから児童福祉の御専門、心理の御専門の方々と非行という問題を抱えた児童の育て直しについて様々な検討をしてきた結果としまして、一般に特に年齢の低い児童については、一つは健全で自主的な生活、枠のある生活というのを保障していくということが非常に重要であるということ。それから、子供が愛されて大切にされているという実感を持つこと、自分に対する肯定感を持てるということ、非常にこういう家庭的、福祉的なアプローチが有効であるということで、それを支える一つの大きな手段として、子供と職員との間での愛着関係、信頼関係をはぐくみ育てていくということが非常に重要であるということで今のような処遇の体系を取っているところでございます。
○近藤正道君 結局、今回はおおむね十二歳ということで、おおむねは一歳ということですから、一挙に三歳下がったわけですよね。それまでは十四歳まで、この人たちはつまり集団的な規律の下で一定の矯正教育をやっていくと。ところが、それ以下の人たちは集団の下での矯正教育ではなくて、正に愛着の形成、ここに全力を注ぐというところで整理をしてきた。その境界が一挙に三年も下がるということの理解が私にはできない。一歳ぐらいだったらいいんですけど、何で一挙に三歳も変わるんですか。 だって、元々は矯正教育にはこれを理解できる年齢というのがやっぱりあるんだと。罪を犯した自分を客観的に見詰める、そういうやっぱり能力のある人にしかその集団規律の下での矯正教育はできない、自分を客観視できない人に矯正教育をやったってしようがない。そこに達しない人たちはとにかく愛着の形成、ここにとにかく力点を置く。そういうふうにやってきたのに、それがどうして一挙に三年もずれてくるのか。そこのところを与党の修正案提出者から分かりやすく私に説明してくれませんか。
○衆議院議員(大口善徳君) 最初、政府案はとにかく下限が全くなかったわけですね。それで、全く下限がないということでいいのだろうかと、やはり下限を設けるべきだろうと、こういうふうに考えたわけです。やはり、少年院で処遇する場合もある程度ターゲットをやっぱり絞っていかないと、きめ細かな処遇ができないわけです。ですからやはり目安を作ろうと。そのとき、学校教育法は十二歳で、中学校入学の年齢といったら十二歳だということですので、これが一つの目安になると。 ただ、弾力的な処遇、弾力的なその少年に合わせた処遇もしなきゃいけない。少年が、個別的な差異があるわけです。その心身の発達の度合いというのは個によって違ってくると、こういうことでもありますので、やはり弾力的に扱おう。その場合に、一応十二歳というのを一つの線を引いて、そして弾力的な取扱いもしなきゃいけないだろうということで、おおむねという形で付けさせていただいた。そうしますと小学生が入るわけですよね。じゃ、もう小学生は少年院が駄目だと、こういう考えもあるわけですが、やはり小学生というものだけで本当にその少年院という選択肢をなくしていいのだろうかと。 そして、村木審議官も衆議院でも答弁されていますし、この参議院でも法務委員会でも答弁されていますように、やはり児童自立支援、私どもも視察をいたしました。そして、小舎夫婦制という形で非常に家族的な処遇をされている、開放的な処遇をされている。そういうことで、非常に低年齢の子供たちにとっても非常にふさわしいものであるわけでありますけれども、やはり村木審議官も答弁していますように、この開放的なものになじまない者があると。武蔵野学院の先生もそういう御意見があったと、こういうふうに村木審議官との話合いの中でもそういうふうにおっしゃっているんですね。それは、やはり無断外出を繰り返して、そして開放処遇がむしろ子供の本人の落ち着いた生活環境の確保という点でマイナスになるケースがある。これは閉鎖処遇の下で高度の医療的なケアをする必要もあるだろうと。こういうことでありますので、やはり少年院という選択肢を全くなくすということについてはこれはいかがなものかな。 ただ、少年院といっても初等少年院あるいは医療少年院においては、やはりその年齢が低年齢ということを、特性というものをしっかりと配慮した形の処遇をまたこれはしなきゃいけないだろうと、こういうふうに思っております。 最終的に、これ家庭裁判所の裁判官が本当にその少年にとってどちらの処遇がいいのか、私は基本的には児童自立支援がいいと思いますよ。だけれども、まれなケースとしてやはり少年院で対応しなきゃいけない場合もあるだろうと。その選択肢をやはり奪うわけにいかない。ただ、じゃ五歳でもいいのかということになると、そういうわけにいかないだろう。ある一定の、学校教育法で十二歳というのが中学校の入学年齢だと、それにおおむねというものを付けた形にしたと、こういうことでございます。
○近藤正道君 さっきも言いましたように、私も国立の武蔵野学院に行ってきましたし、この間までここの院長をやっておられました徳地さんは、この間参考人質疑で来られました。衆議院の議論も、議事録を読ませていただきました。徳地さんの話によりますと、一人大変なのはいたけれども、自分の長い人生の中で基本的に問題はなかった、一人いたけれども、それは十四歳になって少年院に移したということであって、あとはみんな基本的にうまくやっていけたということを言っていますよ。 ですから、この話は、自立支援施設の方から、とにかく大変な子供たちが入ってきてとてもこの開放処遇では対応できません、したがって、何とかもっと低年齢から少年院という閉鎖的なところで対応できるように法を改正してくださいと、こういう形で出てきた話ではなくて、何か特異な事件が起きて、そして、こんな子を開放処遇等の開放施設に入れておくのかと、こういう言わば世論に押される形でこの法案、立法事実が出てきたと。背景がそういう形で形成されてきた。それは間違いなんじゃないですか。 こういう、福祉施設の方から自らの限界を認めて何とかしてくれという形で出てきたものでないような法改正というのは基本的におかしいんではないかと私は思うんですけれども、どうですか、厚労省。
○政府参考人(村木厚子君) 児童自立支援施設の立場から申し上げれば、制度として十三歳以下の子供には選択肢がないわけでございますから、それまで本当に、とにかく私どもしか受入れ場所がないということで必死でやってきたわけでございまして、これは制度が変わりましてもこういう努力というのは引き続き続けていくところでございまして、そう思っております。 ただ、徳地先生など経験者からもたくさんお話を聞きましたが、やはり非常に苦慮をするケースというのは、暴力性が非常に強い、それから、児童自立支援施設が非常に大事だと思っている愛着について、お子様の性格として極端に共感性に欠けて職員との情緒的な関係が育ちにくい、そのために暴力行為が繰り返して起きるというような、なかなかその処遇が非常に困難であるという事例、数は本当に少のうございますが、そういったものがあるということもまた事実でございまして、より良い選択ができるような仕組みというのを考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○近藤正道君 私は、だって、ここの参考人で出てこられた徳地さんはそんなこと言ってないですよ。また、衆議院で参考人で出てこられた奥山さんだってそんなこと言ってないですよ。廣瀬さんだって言ってないですよ。皆さん、開放ですからなかなか大変だと。 しかし、国立の二施設、武蔵野学院を含めて二施設は、開放であるけれども部分的に閉鎖的なそういうものを内部に持っていますよね、保有していますよね。だから、強制措置を付けてくれればそれは対応できるわけですよ。そしてまた、国立であれば医療スタッフもそれなりに備わっているわけですよ。だから、そういう児童自立支援施設に対応できないような子供なんていうのはそうたくさんいるわけじゃない。一年に正に数えるほどしかいない。全部それは国立のその二つの施設で十分対応できる。対応できないんなら、むしろ国立の二施設を更に充実強化をすればいいと。 これ、みんなの話聞くと、みんなそうですよ。厚労省に一体だれがそういうことを言うんですか。私らが聞いてそんなの全然ない。だって、この質問の事前の調査をする際にも、私が聞いても、そんなことはありませんとみんな言っていましたよ。ところが、皆さんはこの場に立つと、いや少数だけれどもあるんだと。そんなことないでしょう。 皆さんは正に、自立支援施設、愛着の形成、つまり抱き締める、これをだって放棄するんですか、三年間にわたって。これは正に皆さんの存在が問われているわけ、それは。だから厚労省頑張れという話がさっきから出るわけ、それは。私らにもっと力をかしてください、だからせめて小学生は児童自立支援でやらせてくださいと何であなた方は言わないんですか。もう一度答弁してくださいよ。
○政府参考人(村木厚子君) 児童自立支援施設の職員は、これまでも、またこれからもそうでございますが、できるだけ私どもで児童の立ち直りをしっかりやっていきたい、処遇で申し上げれば、基本はできれば在宅で、それがどうしても無理ならば児童自立支援施設へということでございまして、更に少年院という手段が加わっていくわけでございますが、私どもとしては当然原則は、特に十四歳未満の子供につきましては私どもは引き続き児童自立支援施設でケアをしていくわけでございますから、処遇を良くしていく、その力を付けていくということについては最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○近藤正道君 私はそんなに知見はないけれども、ここで参考人の皆さんの話を聞く、衆議院の議事録を読む、そして定められた視察へ行って見る、あるいはこの間仁比議員がここで提出をしてくれた武蔵野学院のドクターの論文を読む、どれを見ても、やっぱりここで何でやれないんだろうかと思いますよ。だから聞いているわけ。 結局、これはそういう下からの話ではなくて、とにかく時々ごくまれに起こる非常に耳目をそばだてるような事件、これに対して、何で言わば閉鎖のところで集団的にきちっと規律をしないんだ、あんな開放のところに置いておくんだと、この世論に押されたとしか私はやっぱり思えない。本当にこれでいいのかなと私は思えてなりません。本当にこのおおむね十二歳という一挙に三年を下げるやり方について私は納得はできないんだけれども、どうもこれが通る可能性が強い。 そこで、最後に大臣にお聞きをいたしますが、先ほど、特に必要がある場合、このことについていろいろ聞かれていた。相当にまれの場合だと。原則小学生は児童自立支援だ、少年院ではない、相当にまれだと言っていましたけれども、これは立法者の意思として聞くんですけれども、正に小学生で少年院というのはもう例外中の例外だと、こういうふうに立法者意思としては確認させてもらってよろしいですか。最後の質問です。
○国務大臣(長勢甚遠君) 家庭裁判所で御判断されることでございますが、十四歳未満の少年院送致は特に必要と認める場合に限り例外的にすることということになっておるわけでございまして、したがいまして小学生という場合には特段に例外的なケースであろうというふうに考えております。
○近藤正道君 例外の例外という、そういうことにはならないんですか。大臣が相当まれだと言っているから、私は普通の我々が使う言葉で例外の例外だと、そのぐらいだというふうに理解していいですか。
○委員長(山下栄一君) 長勢大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(長勢甚遠君) 例外の例外の定義が分かりませんので、相当まれでございます。
○近藤正道君 終わります。
○委員長(山下栄一君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について簗瀬進君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 少年法等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨説明をさせていただきます。 ただいま議題となっております少年法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 今回の少年法改正案は、触法少年事件に対する警察官等の任意調査権限の明確化及び強制調査権限の付与、十四歳未満の少年の少年院送致、保護観察中の遵守事項違反による少年院収容制度など、少年事件の厳罰化の流れを一層推し進めようとするものであります。衆議院において、民主党提案の修正案が一部取り入れられ、若干の改善あるとはいえ、なお大きな問題が残っております。 まず、改正案は、触法少年事件について、警察官等による任意調査権限を明確化しています。重大事件については、警察が適正な手続の下で調査することはやむを得ない場合もあると思われますが、調査の主体はあくまでも児童相談所と家庭裁判所です。警察官等が独自の判断で調査することができる改正案の仕組みでは、警察が触法少年事件の中心機関となり、児童福祉の役割が大きく後退するのではないかと危惧されます。 また、表現能力などが不十分で暗示や誘導にもかかりやすい低年齢の少年に対して、任意とはいえ、警察官等による調査が行われることになれば、虚偽の自白がつくり出されるのではないかと危惧されます。しかも、調査の全過程の録音、録画が必要だとする我が党ほか野党議員の質疑に対しても、明確な答弁は得られませんでした。 次に、家庭裁判所の審判を相当とする一定の事由に該当する事件については、警察官は、児童相談所長に送致しなければならないものとしています。従来、警察は、児童相談所への通告の準備行為として調査を行うにとどまっていましたが、今回、通告とは別に送致規定を創設することは、警察官が触法少年を児童相談所に通告しないまま、又は通告した後も、送致のために長期にわたって調査できることとなるおそれがあり、極めて不適切であります。 また、遵守事項を遵守しない保護観察中の者に対し、保護観察所長による警告手続を導入し、保護観察では改善更生を図ることができない者については、家庭裁判所が審判により、少年院送致等の保護処分を決定することができるものとしています。しかし、保護観察中の少年は、保護司や保護観察官との信頼関係を築きながら成長、更生していくことが期待されており、少年院送致等の威嚇により遵守事項を守らせようとすることは、保護観察制度の本来の意義を失わせるものであり、二重処罰に当たるおそれさえあります。 さらに、政府原案では、現在、十四歳とされている少年院収容の下限年齢を撤廃しましたが、衆議院においておおむね十二歳以上と修正されました。しかし、おおむね十二歳という下限年齢は、小学生の収容も可能としますが、小学生は児童自立支援施設で育て直しを図るべきであります。 また、児童の健全育成と保護の充実を図るため、児童相談所や児童自立支援施設等の人的・物的体制の整備拡充を行い、児童福祉の向上、発展に努めるべきであります。 本修正案は、こうした問題点について、少年法の理念に基づいた修正を行おうとするものであります。 以下、その内容を御説明いたします。 第一に、触法少年事件についての警察官等の調査を、児童相談所長の要請を受けた場合又はその同意を得た場合に限定し、その調査を適切に行うための準則は国家公安委員会規則で定めるものといたしております。 第二に、少年に対する質問に際しては、少年、保護者等が求めたときは、児童福祉司又は付添人の立会いを認め、警察官は、少年に対し、あらかじめ、答弁を強要されないこと及び児童福祉司又は付添人の立会いを求めることができる旨を告知し、少年の答弁及び質問の状況の全過程を記録媒体に記録しなければならないものとしております。 第三に、警察官は一定の事由に該当する触法少年事件を児童相談所長に送致しなければならないとする旨の規定、及び児童相談所長等は、警察から一定の重大事件の送致を受けたときは、原則として家庭裁判所送致の措置をとらなければならないとする旨の規定をそれぞれ削除するものとしております。 第四に、家庭裁判所は、審判の結果、保護観察中の者が遵守事項を遵守せず、保護観察所長の警告を受けたにもかかわらず、遵守事項を遵守しなかったと認められる事由があり、その程度が重く、かつ、その保護処分によっては本人の改善更生を図ることができないと認めるときは、決定をもって少年院送致等の保護処分をしなければならないとする旨の規定を削除するものとしております。 第五に、初等少年院における処遇は、児童自立支援施設における処遇と著しく均衡を失することがないように留意されなければならないものとするとともに、少年院収容年齢の下限をおおむね十四歳以上といたしております。 第六に、国及び地方公共団体は、触法少年及び虞犯少年事件に適切に対応できるよう、児童相談所、児童自立支援施設等について、職員の増員、研修等の実施、施設の充実等必要な体制の整備に努めるものとし、これに伴い、法律の題名を少年法等の一部を改正する等の法律に改めるものといたしております。 以上が本修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(山下栄一君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 日本共産党を代表して、少年法の一部を改正する法律案について、政府案に反対、民主党提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。 第一に、少年警察活動の在り方について、私は、数々の冤罪が引き起こされ、そのたびごとに反省を口にしながら、なおも少年に対する違法取扱いと冤罪を繰り返してきた少年警察の在り方を正すことこそ先決ではないかと重ねて伺いました。 しかし、法務省は、この質問に対する答弁を避けられました。この改正の後、十四歳に満たない児童、中でも小学生をその取調べにさらして、自白強要が起こらない保障はどこにもありません。現実に違法や強要が起こったとき、低年齢の児童に与える深刻な影響を考えるなら、調査の名で警察権限の強化をすることには断じて反対でございます。 さらに、取調べの可視化に背を向けたままである上、大臣も保護処分の不利益処分性を認めながら、少年に対する、供述を強要されないことや付添人選任権の告知すらせず、ここには憲法の適正手続保障に抵触する疑いすら私は感じます。 第二に、法案が、少年院への送致年齢をおおむね十二歳以上に引き下げる点です。審議を通じても、処遇の多様性を答弁をするだけで、強制措置が可能な国立二施設への送致ではなく少年院でなければならない対象者が一体どんな子供たちなのか、その姿も、その合理的な理由も根拠も示すことは私はできなかったと思います。 一方で、十四歳に満たない少年の特性と非行や問題行動との関連性について、政府が全体としてまともな科学的検討を行っていないということも明らかになりました。低年齢の子供たちを閉鎖的な施設での強制の対象にする、これは大変重大なことであり、多様化に名をかりた厳罰化のそしりを私は免れないと思います。 第三に、特別遵守事項違反による少年院送致の問題ですが、これは、これまでの保護観察がその基礎としてきた信頼関係、これを少年院送致という威嚇に変えて、社会内処遇としての保護観察の意義を大きくゆがめるおそれがあります。保護観察対象者に対して十分な処遇を行える体制が整わないままでこのような処分の厳格化のみを行うなら、かえって少年の社会内処遇、保護観察のこれまでの役割と到達点を掘り崩すことになるのではないでしょうか。 私は、このほか数々の問題を含むこの法案の改正案で問われてきたのは、これまで、児童相談所の取組と家庭裁判所の審判を中心に、あくまで児童福祉的対応の対象とされてきた十四歳に満たない子供たちにどう向き合うのかの根本問題だと思います。 政府の答弁にもかかわらず、法案自体の構造から見れば、これまでの処遇理念を広範にかつ根本的に変容、変質させかねない危惧が浮き彫りになってきたと考えます。非行への対処の在り方という、社会にとっても少年、家族にとっても重大かつ重要な問題において、この基本理念にかかわる構造の変容が審議も十分に尽くさずに採決をされようとしていることに対しても断固として反対を申し上げたいと思うわけです。だからこそ、少年付添人の活動はこれから更にその責任と役割を増すのではないでしょうか。 この法案にも含まれる付添人の制度の充実、そして現場でこの付添人活動に当たられる弁護士を始めとして関係者の皆さんの一層の御奮闘を心から祈念し、政府案のこの重大な問題点、これを前向きに解決するものとして民主党案には賛成であるということを申し述べて、私の討論といたします。
○近藤正道君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、政府提出の少年法等改正案に対する反対討論、民主党提出の修正案に対する賛成討論を行います。 まず、政府案に対する反対理由を申し上げます。 第一の理由は、立法事実がないということであります。 今、少年非行が増加、凶悪化、低年齢化している事実はありません。警察庁の統計や犯罪白書でも刑法犯少年、凶悪犯の検挙人数はここ数年減少しており、触法少年の検挙人員の人口比に占める割合も一九八一年当時と比べれば半分以下であります。 第二の理由は、触法少年に対する警察の調査権や押収等の強制権限を導入することにより、少年法の児童福祉優先の理念が骨抜きにされようとしているからであります。 現行法では、十四歳未満の少年については児童相談所にゆだね、福祉的対応で事実確認を行うことになっております。ところが、政府案では、実質、警察に第一次的な調査権限を与えることになるのであります。少年の扱い方について専門的知識を有しない警察の調査は少年を抑圧したり萎縮させることになりかねず、誤った事実を導き出しかねません。政府案には、これを防止するための必要な規定、例えば付添人の選任権とその告知、黙秘権の保障とその告知などが明記されておりません。しかも、警察は、取調べの可視化に消極的であります。警察の行き過ぎた調査権に歯止めを掛け、子供を守り冤罪を防ぐルールやシステムがないのは極めて問題であり、政府は触法事件に係る冤罪事件に何も学んでいないと言わざるを得ません。 第三の理由は、少年院への収容年齢が十四歳からおおむね十二歳に引き下げられたことであります。 おおむね十二歳とした科学的根拠について、政府から納得のいく答弁はありませんでした。おおむね十二歳の年ごろの少年、とりわけ小学生が少年院で矯正教育を受けることは不適当だというのが多くの専門家の見方であります。この年齢の少年には、厳格な規律の中で教育し直すより、家庭的な暖かい雰囲気の中で成長を支援していくことこそ必要であります。厚労省もおおむね児童自立支援施設で大丈夫だと言っております。困難な点は改善で対応可能なはずであります。せめて小学生ぐらいは児童自立支援施設で対応することを明確にすべきであります。 第四の理由は、保護観察中の遵守事項に違反した十四歳未満の少年を少年院に送致できるようになっていることであります。 今でも遵守事項違反には虞犯通告制度があり、現行制度で十分であります。新たに虞犯事由があった場合に少年院に収容するならともかく、保護司との約束を守らないという理由で収容するのは明らかにバランスを欠いております。また、過去の非行事実について二重処罰になるおそれもあります。保護観察中の遵守事項違反に対し制裁として少年院収容を予定することは、信頼関係に基づく社会内での更生という保護観察制度の理念を放棄するものだと言わざるを得ません。 政府案は、我が国の少年非行防止施策の基本理念を福祉、医療、教育による援助・支援型から警察中心の取締り・監視型へと転換させるものであり、容認できないわけであります。 民主党の修正案では政府案で懸念される点が基本的にクリアされており、賛成いたします。 以上、政府改正案への反対理由、民主党修正案への賛成理由を申し上げ、私の討論とさせていただきます。
○委員長(山下栄一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより少年法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、簗瀬君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山下栄一君) 少数と認めます。よって、簗瀬君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山下栄一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、簗瀬進君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 私は、ただいま可決されました少年法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 少年法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 触法少年に対する警察官の調査については、一般に被暗示性や被誘導性が強いなどの少年期の特性にかんがみ、特に少年の供述が任意で、かつ、正確なものとなるように配慮する必要があることを関係者に周知徹底すること。また、これら少年に配慮すべき事項等について、児童心理学者等の専門家の意見を踏まえつつ、速やかにその準則を策定すること。 二 当委員会における平成十八年六月一日付「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」において、「裁判員制度の実施を控え、刑事司法制度の在り方を検討する際には、取調べ状況の可視化、新たな捜査方法の導入を含め、捜査又は公判の手続に関し更に講ずべき措置の有無及びその内容について検討を進める」としていることにかんがみ、この検討の中で、触法少年に対する警察による質問状況の録音・録画の要否についても、刑事司法手続及び少年審判手続全体との関連の中で検討すること。 三 保護観察中の少年の遵守事項違反を理由とする少年院送致等については、保護司や保護観察官と少年との信頼関係を基礎とする保護観察制度の理念を後退させることがないよう、適正な運用に努めること。 四 低年齢の少年は、発達段階に応じた個別処遇が必要であることにかんがみ、十四歳未満の少年の少年院送致、特に、小学生の少年院送致については、児童自立支援施設との連携を図りながら、受入態勢に万全を期し、教育、情操面において遺漏なきを期すること。 五 保護観察制度の実効性を向上させるため、保護観察官の増員を図るとともに、少年の保護事件について適切な経験・能力を有する保護司を確保し、育成するための取組を積極的に推進すること。 六 少年非行の防止、抑止のためには、特に、児童福祉的対応の体制強化が緊要であることにかんがみ、児童相談所における児童福祉司等の専門スタッフの増員や専門性の強化、少年非行対策班の設置など必要な人的体制の整備・拡充を進めるとともに、一時保護所の設備の改善・充実を図ること。 七 触法少年の中には、虐待を受けたり、発達障害を有するなど医療的ケアが必要な児童が少なくないことにかんがみ、児童自立支援施設において児童が児童精神科医等の専門家による十分な医療的措置を受けられるよう、人的・物的体制の整備・拡充を図ること。 八 少年の非行は、家庭、学校、地域社会等の問題が複雑に絡み合って生じていることを踏まえ、少年非行の防止や非行少年の更生に当たっては、その処遇を担う機関だけではなく、関係諸機関、団体等が有機的に連携し、地域社会と協働した総合的な取組強化を推進すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山下栄一君) ただいま簗瀬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山下栄一君) 全会一致と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、長勢法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。長勢法務大臣。
○国務大臣(長勢甚遠君) ただいま可決されました少年法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(山下栄一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時六分散会