法務委員会 第10号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2007/05/08
会議録
○委員長(山下栄一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十七日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山下栄一君) 少年法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。長勢法務大臣。
○国務大臣(長勢甚遠君) このたび、政府から提出しました少年法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 近年、少年人口に占める刑法犯の検挙人員の割合が増加し、強盗等の凶悪犯の検挙人員が高水準で推移している上、いわゆる触法少年による凶悪重大な事件も発生するなど、少年非行は深刻な状況にあります。 このような現状を踏まえ、平成十五年十二月、青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱において、触法少年の事案について、警察の調査権限を明確化するための法整備を検討すること、触法少年についても、早期の矯正教育が必要かつ相当と認められる場合に少年院送致の保護処分を選択できるよう、少年院法の改正を検討すること、保護観察中の少年について、遵守事項の遵守を確保し、指導を一層効果的にするための制度的措置について検討することが示されたほか、同月、犯罪対策閣僚会議が策定した犯罪に強い社会の実現のための行動計画においても、非行少年の保護観察の在り方の見直し及び触法少年事案に関する調査権限等の明確化について検討することが取り上げられましたが、これらの検討事項は、いずれも、かねてから立法的手当てが必要と指摘されていたところでもあります。 また、平成十四年三月に閣議決定された司法制度改革推進計画において、少年審判手続における公的付添人制度について積極的な検討を行うこととされました。 そこで、この法律案は、少年非行の現状に適切に対処するとともに、国選付添人制度を整備するため、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法等を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。 この法律案の要点を申し上げます。 第一は、少年法を改正して、触法少年及びいわゆる虞犯少年に係る事件の調査手続を整備するものです。 すなわち、触法少年の事件について警察官による任意調査及び押収等の強制調査等の手続を、虞犯少年の事件について警察官による任意調査の手続をそれぞれ整備するとともに、警察官は、調査の結果、家庭裁判所の審判を相当とする一定の事由に該当する事件については児童相談所長に送致しなければならないこととし、児童相談所長等は、一定の重大事件に係る触法少年の事件については、原則として家庭裁判所送致の措置をとらなければならないこととしております。 第二は、少年法及び少年院法を改正して、十四歳未満の少年の保護処分を多様化するものです。 すなわち、十四歳未満の少年についても、家庭裁判所が特に必要と認める場合には、少年院送致の保護処分をすることができることとしております。 第三は、少年法、少年院法及び犯罪者予防更生法を改正して、保護観察に付された者に対する指導を一層効果的にするための措置等を整備するものです。 すなわち、遵守事項を遵守しなかった保護観察中の者に対し、保護観察所の長が警告を発することができることとした上、それにもかかわらず、なおその者が遵守事項を遵守せず、保護観察によってはその改善更生を図ることができないと認めるときは、家庭裁判所において少年院送致等の決定をすることができることとするほか、少年院及び保護観察所の長が保護処分中の少年の保護者に対し指導、助言等をできることとしております。 第四は、少年法及び総合法律支援法を改正して、国選付添人制度を整備するものです。 すなわち、一定の重大事件について、少年鑑別所送致の観護措置がとられている場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、家庭裁判所が職権で少年に弁護士である付添人を付することができることとしております。 その他所要の規定の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の趣旨であります。 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において修正が行われております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(山下栄一君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員早川忠孝君から説明を聴取いたします。衆議院議員早川忠孝君。
○衆議院議員(早川忠孝君) ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明いたします。 第一は、いわゆる触法少年に係る事件についての警察の調査の範囲及び要件を明確化するとともに、いわゆる虞犯少年に係る事件についての調査の規定を削除するものであります。 すなわち、本法律案が定める警察官による調査が単なる主観的な疑いによって開始し得るものではなく、客観的な事情から合理的に判断して触法少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合に限ることを明確にするとともに、虞犯少年については、現状で行われている調査を否定するものではありませんけれども、調査対象の範囲が広がり過ぎるとの意見があることを踏まえると、あえて明文の規定を置く必要はないと考え、政府案の規定を修正するものであります。 第二は、警察官による調査に関し、少年の権利保護のための規定を置くものであります。 すなわち、少年の権利保護のために一定の配慮をすべきであることから、調査に関し、少年及び保護者がいつでも付添人を選任することができることとするとともに、調査は少年の情操の保護に配慮しつつ行うべきこと、及び質問が強制にわたることがあってはならないことを明記する規定を政府案に加えるものであります。 第三は、少年院に送致可能な年齢の下限を設けるものであります。 すなわち、少年院への収容年齢の下限をおおむね十二歳とすることとし、政府案の関連する規定を修正するものであります。 第四は、保護観察中の者に対する措置につき、遵守事項違反が新たな審判事由であることを明らかにするものであります。 すなわち、本法律案による制度において、保護観察中に警告を受けたにもかかわらず遵守事項違反を繰り返していることが、家庭裁判所における新たな審判事由であることを明確にするために、政府案の規定を修正するものであります。 第五は、国選付添人の選任の効力の失効に関する規定を削除するものであります。 すなわち、本法律案による国選付添人の選任について、その審判を終局させる決定の前に少年が釈放されたときであっても、その効力は失われないこととするのが適当と考えることから政府案を修正するものであります。 以上が本法律案に対する衆議院における修正部分の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山下栄一君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終了いたしました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十時七分散会