法務委員会 第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2007/03/13
会議録
○委員長(山下栄一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山下栄一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。 法務行政の基本方針に関する件について、長勢法務大臣から所信を聴取いたします。長勢法務大臣。
○国務大臣(長勢甚遠君) 委員長を始め委員の皆様方には、平素から法務行政の運営について格別の御尽力を賜り、厚く御礼を申し上げます。 私が法務大臣に任ぜられてからはや五か月が経過いたしましたが、改めて、その立場と責任の重大さを痛感しております。法務大臣として、常に国民の視点に立った法律の適正な執行に努めてまいる所存でありますので、皆様方の一層の御理解と御支援を賜りたいと存じます。 また、今国会にも数多くの法律案を提出することとしておりますので、速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。 それでは、所信の一端について申し述べさせていただきます。 第一は、司法制度改革の推進についてであります。 昨年、日本司法支援センターが業務を開始いたしました。これは、身近で頼りがいのある司法の実現を目指すものであります。日本司法支援センターが真に国民の要請にこたえるサービスが提供できるよう、一層努力を重ねてまいります。また、裁判員制度の導入までいよいよ二年余りとなりました。国民の皆様が裁判員に指名されたときに参加してもらえるよう、制度導入の意義、内容を御理解いただき、参加への懸念や不安が解消されるように広報等に全力を挙げてまいります。あわせて、裁判員制度の円滑な運用等のため、裁判所に同一被告人に対する複数の事件が係属した場合に、区分した事件ごとに裁判員を選任することを可能とする部分判決制度を創設することなどを内容とする裁判員の参加する刑事裁判に関する法律等の一部を改正する法律案を今国会に提出することとしております。 また、一連の司法制度改革が実効あるものとなるよう、法教育の更なる充実、普及、さらに、本年四月から開始される裁判外紛争解決手続の認証制度の円滑な実施などに取り組んでまいります。 司法の中核をなす裁判所の体制につきましては、今後ともその充実強化を図る必要があり、判事等の一層の増員を図るために、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を提出させていただいております。 第二は、安全、安心な社会の実現についてであります。 残虐な忌まわしい事件が頻発しており、世界一安全な国日本の復活はすべての国民の願いであります。国民の不安をなくすため、治安関係部門の体制充実強化など、法務省一丸となって全力を傾注してまいります。このための法律案も提出することとしております。 一つは、自動車運転による過失致死傷事犯等に対して事案の実態に即した適正な科刑を実現するために、自動車の運転に必要な注意を怠り人を死傷させた者に対する罰則を強化することなどを内容とする刑法の一部を改正する法律案であります。 次に、犯罪被害に遭われた方々について、司法手続においてその保護、支援の更なる充実を図るため、被害者の方々が刑事裁判に参加する制度を創設することなどを内容とする犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案であります。更生保護法案においても、仮釈放等の審理において犯罪被害者等から意見を聴取する制度を整備することとしております。 また、前国会から二つの法律案が継続審議となっております。 国際社会と協調しつつ、麻薬、テロなど組織犯罪やサイバー犯罪を防止し処罰することは国際的な課題であり、これに積極的に取り組むことは、世界の主要国として我が国が果たすべき責任でもあります。委員の皆様及び国民の皆様に御理解をいただき、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案を成立させ、既に国会で御承認いただいている国際組織犯罪防止条約及びサイバー犯罪条約を早期に批准することが必要であります。 また、少年法等の一部を改正する法律案は、少年の保護事件に係る調査手続の整備、十四歳未満の少年の保護処分の多様化、保護観察に付された者に対する指導を一層効果的にするための措置等の整備及び国選付添人制度の整備を内容とするものであり、少年非行の現状に適切に対処するために早急に必要な改正であります。 国際テロの脅威は依然深刻であります。国際社会の一員として毅然とした姿勢を示し、テロの未然防止と国際協力の強化に努めてまいります。北朝鮮関係につきましては、拉致、核、ミサイル問題等重大な問題が依然として存在していることから、関係省庁とも連携協力の下、関連情報の収集、分析等を通じて問題解決に積極的に貢献してまいります。また、オウム真理教関係につきましても、その動向把握に一層努力し、公共の安全の確保に万全を期してまいります。 第三は、矯正、保護、人権擁護体制の整備であります。 刑務所等における処遇については、昨年、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律により監獄法が全面改正されましたので、その円滑適正な施行に万全を期してまいります。刑務所に関しては、その著しい過剰収容を緩和するために、施設の拡充、定員の確保に努めております。PFI手法を活用した刑務所の第一号施設である美祢社会復帰促進センターは、本年四月から運営を開始いたします。真に国民に理解され支えられる刑務所となるよう、関係自治体や民間事業者との連携を十分に深め、円滑で適正な運営を実施してまいります。 刑務所出所者等の再犯の防止が緊急の課題となっております。性犯罪者処遇プログラムや就労支援を始めとする改善指導等、効果的な矯正処遇を更に積極的に推進するとともに、更生保護の機能を充実強化するため、犯罪者予防更生法及び執行猶予者保護観察法を整理統合し、保護観察における遵守事項を整理して充実させること等を内容とする更生保護法案を今国会に提出させていただいております。また、刑務所出所者等に対して保護観察官による強化された直接処遇と充実した就労支援を行い、その改善更生及び再犯防止を促進するため、自立更生促進センター構想を推進してまいります。 また、深刻ないじめ問題への対処など、人権啓発や人権侵犯事件の調査、救済活動の充実強化に努めてまいります。 人権擁護法案については、従前の議論を踏まえ、今後も真摯に検討を進めてまいります。 第四は、出入国及び在留管理体制の強化であります。 昨年、我が国に来日した外国人は初めて八百万人を突破し、外国人入国者は着実に増加しており、今後も、観光立国政策の目標である二〇一〇年までに来日外国人の一千万人突破の実現に資するため、更なる審査の効率化、迅速化に努めてまいります。 他方、凶悪な外国人犯罪が後を絶たず、テロリスト、犯罪者、不法滞在をもくろむ者の入国を防止するため、バイオメトリクスの利用を導入するなど、厳格な審査体制を強化し、万全を期してまいります。また、二十万人とも言われる不法滞在者については、大幅に減らすことを目標に警察等関係機関と連携し、摘発を強化してまいります。あわせて、在留管理の在り方について、幅広い見地から検討を進めてまいります。さらに、外国人労働者に関する各種の議論を踏まえ、その受入れの在り方などについて、関係各省とともに検討を進めてまいります。 第五は、国民の生活に密着した分野における取組についてであります。 まず、身近な戸籍制度に関し、社会における個人情報保護に関する国民の関心の高まりなどにかんがみ、戸籍に記載された個人情報を保護するとともに、あわせて、その真実性を担保するための法整備を行うため、戸籍法の一部を改正する法律案を今国会に提出させていただいております。 また、昨今、生まれた子の戸籍をめぐる紛議が増大していることにかんがみ、民法第七百七十二条に関する取扱いなど、実態に合ったものとなるよう検討を進めてまいります。 さらに、都市再生の円滑な推進に寄与するため、全国の都市部における登記所備付け地図の整備事業を強力に推進してまいります。 そのほか、国家公務員の退職後の年金制度に関する状況等を踏まえ、執行官の退職後の年金についての暫定措置を廃止する等の必要があるため、執行官法の一部を改正する法律案を今国会に提出させていただいております。 また、刑事司法の分野における国際連合等への協力及び民商事法の分野におけるアジアの国々に対する法整備支援についても、我が国に対する国際的信頼を高めるためにも、その取組を続けてまいります。 委員長を始め委員の皆様方の一層の御理解と御指導を賜りながら、このような取組を通じて、法務大臣としての重責を果たすべく、水野副大臣及び奥野大臣政務官とともに全力を尽くしてまいる所存であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(山下栄一君) 次に、平成十九年度法務省及び裁判所関係予算に関する件について順次説明を聴取いたします。 水野法務副大臣。
○副大臣(水野賢一君) 平成十九年度法務省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、法務省所管の一般会計予算額は六千五百十一億二千百万円であり、登記特別会計予算額は一千六百五十九億二千六百万円でありまして、そのうち一般会計からの繰入額が六百九十三億九千七百万円でありますので、その純計額は七千四百七十六億五千万円となっております。 この純計額を前年度当初予算額七千二百七十億五千六百万円と比較しますと、二百五億九千三百万円の増額となっております。 次に、重点事項別に予算の内容について御説明申し上げます。 まず、定員の関係でありますが、平成十九年度の増員は一千二百三十一人となっております。その内容を組織別に申し上げますと、矯正官署で、刑務所等保安業務体制の充実強化等のため六百六十四人、地方入国管理官署で、出入国管理体制の充実強化のため百九十五人、検察庁で、検察体制の充実強化のため、検事四十三人を含め二百五十六人、更生保護官署で、保護観察体制の充実強化等のため五十人、公安調査庁で、公安調査体制の充実強化のため三十五人、法務局で、地図整備事務体制の充実強化等のため二十三人、法務本省で、訟務事件処理体制の強化等のため八人となっております。 他方、平成十七年十月四日の閣議決定に基づく定員合理化計画等により平成十九年度においては九百三十三人を減ずることとなっており、増員との差引きにより、前年度定員と比較いたしますと純増二百九十八人となります。 次に、主要事項の経費について御説明を申し上げます。 第一に、法秩序の維持確保につきましては四千九十三億二千百万円を計上し、前年度当初予算額と比較いたしますと百八億二千六百万円の増額となっております。 その内容について申し上げますと、まず検察関係では、検察活動の充実を図る経費として一千四十九億五千三百万円を計上しており、この中には特捜・財政経済事犯対策の充実強化経費等が含まれております。 矯正関係では、刑務所等矯正機能の充実を図る経費として二千二百四十六億五千八百万円を計上しており、この中には被収容者の増加に伴う諸経費などの過剰収容特別対策経費や矯正処遇実施体制緊急対策経費が含まれております。 更生保護関係では、保護観察活動の充実を図る経費として二百十三億三千三百万円を計上しており、この中には再犯防止対策経費等が含まれております。 入国管理関係では、出入国管理機能の充実を図る経費として四百十四億八千八百万円を計上しており、この中には、出入国・在留審査体制の充実強化経費、不法滞在者対策経費等が含まれております。 第二に、司法制度改革の推進の関係では、主要事項について二百十億三千五百万円を計上し、前年度当初予算額と比較しますと百五億五千八百万円の増額となっております。 その内容について申し上げますと、まず、総合法律支援の充実強化を図るため、日本司法支援センターの運営に要する経費等として二百三億六百万円を計上しております。また、裁判員制度啓発活動の推進を図るための経費として三億二千六百万円を計上しております。さらに、司法試験制度改革の推進に要する経費として四億三百万円を計上しております。 第三に、国民の権利保全の充実につきましては、登記特別会計を含め一千八百五十三億一千百万円を計上し、前年度当初予算額と比較しますと四十億五千二百万円の減額となっております。 その内容について申し上げますと、まず登記関係では、登記事務処理の適正迅速化のための経費として、登記事務等のコンピューター化経費、地図整備事業の推進経費等を中心に一千六百五十九億二千六百万円を計上しております。さらに、人権擁護活動の充実を図るための経費として、人権擁護委員活動の充実強化経費やいじめ問題対策経費を含め三十七億五千四百万円を計上しております。 第四に、施設の整備につきましては、刑務所等矯正施設の拡充整備等のため、施設費として二百十四億七千七百万円を計上しております。 以上、平成十九年度法務省所管の予算概要を御説明申し上げました。
○委員長(山下栄一君) ありがとうございました。 次に、小池最高裁判所事務総局経理局長。
○最高裁判所長官代理者(小池裕君) 平成十九年度裁判所所管歳出予算について御説明申し上げます。 平成十九年度裁判所所管歳出予算の総額は三千三百三億九千四百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千三百三十一億六百万円と比較いたしますと、差引き二十七億一千二百万円の減少となっております。 次に、平成十九年度歳出予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。 まず、人的機構の充実、すなわち裁判官及び書記官の増員等であります。 司法制度改革が進展し、裁判所の体制の充実強化が求められている中で、増加し、かつ複雑困難化している民事事件、刑事事件及び家庭事件等の適正迅速な処理を図り、また裁判員制度導入のための態勢を整備するため、裁判官七十五人、書記官百人、合計百七十五人の増員及び振替による書記官三十人の増加をすることとしております。 他方、平成十九年度には百人の定員合理化をすることとしておりますので、差引き七十五人の純増となります。 次は、司法の体制の充実強化に必要な経費であります。 まず、裁判事務処理態勢の充実を図るため二百九億四千七百万円を計上しております。 その内容について申し上げますと、第一に、裁判員制度広報関係経費として十三億九千百万円を計上しております。この中には、新聞・雑誌広告、裁判員制度全国フォーラム経費等が含まれております。 第二に、知財事件関係経費として一億千六百万円を計上しております。この中には、IT化、専門研究等経費、外部への情報発信のための経費等が含まれております。 第三に、民事事件関係経費として七十四億六千五百万円を計上しております。この中には、民事調停委員手当、労働審判員経費、専門委員経費等が含まれております。 第四に、刑事事件関係経費として五十二億二百万円を計上しております。この中には、裁判員制度施行準備経費、精神保健審判員等経費、鑑定入院命令に伴う入院経費等が含まれております。 第五に、家庭事件関係経費として六十七億七千三百万円を計上しております。この中には、家事調停委員手当等が含まれております。 また、裁判員制度導入のために必要な施設を整備し、庁舎の老朽狭隘化に対応するための経費として二百二十六億四千六百万円を計上しております。 以上が平成十九年度裁判所所管歳出予算の概要であります。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(山下栄一君) 以上で法務大臣の所信並びに平成十九年度法務省及び裁判所関係予算の説明聴取は終了いたしました。 法務大臣の所信に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会