文教科学委員会 第13号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/05/22
会議録
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、大仁田厚君及び小泉顕雄君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君及び岸信夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に中島啓雄君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 学校教育法等の一部を改正する法律案外六案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官兼行政改革推進本部事務局審議官原雅彦君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案、日本国教育基本法案、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上七案を一括して議題といたします。 まず、学校教育法等の一部を改正する法律案、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案及び教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。伊吹文部科学大臣。
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま委員長より御示唆のございました七法案のうち、政府提案をいたしております三法案について、逐次その内容を御説明申し上げます。 まず、このたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 昨年、約六十年ぶりに教育基本法が改正され、新しい時代に求められる教育理念が法律上明確になりました。 近年の教育を取り巻く様々な問題を解決し、内閣の最重要課題である教育の再生を実現するため、改正教育基本法の理念の下、学校における教育の目標を見直すとともに、組織運営体制及び指導体制の充実を図る必要があります。 この法律案は、このような観点から、義務教育の目標を新たに定め、各学校種の目的等を見直すとともに、学校に置くことができる職として新たに副校長等を設ける等により、学校教育の充実を図るものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、改正教育基本法において明確にされた教育理念を踏まえ、義務教育の目標を定め、各学校種の目的等に係る規定を見直すとともに、学校教育法に規定する学校種の順序について、教育を受ける者の発達段階等を踏まえ、幼稚園から規定することとするものであります。 第二に、学校は、教育活動等の状況について評価を行い、改善のための措置を講ずることにより、教育水準の向上に努めるものとするとともに、保護者等との連携協力を推進するため、教育活動等の状況について情報を提供するものとするものであります。 第三に、大学等は、学生以外の者を対象とした特別の課程を修了した者に対し、証明書を交付することができることとするものであります。 第四に、学校の組織運営体制及び指導体制の充実を図るため、小学校、中学校等に置くことができる職として、新たに副校長、主幹教諭、指導教諭を設け、これらの職務内容をそれぞれ定めるものであります。 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。 次に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国民から信頼される教育行政を実現するためには、教育基本法の改正を踏まえ、地方における教育行政の中心的な担い手である教育委員会がより高い使命感を持って責任を果たすとともに、国と地方の適切な役割分担を踏まえつつ、教育に国が責任を負える体制を構築していく必要があります。 この法律案は、このような観点から、教育委員会の責任体制の明確化や体制の充実、教育行政における地方分権の推進と国の責任の果たし方等について所要の措置を講ずるものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、合議制の教育委員会が自ら管理執行し、教育長に委任することができない事項を明確化するとともに、教育委員会の事務の管理執行状況の点検、評価の制度化を図るなど、教育委員会の責任体制を明確化するものであります。 第二に、市町村は教育委員会の共同設置等に努めることとするとともに、市町村教育委員会は事務局に指導主事を置くよう努めることとするなど、教育委員会の体制の充実を図るものであります。 第三に、地方公共団体の長がスポーツ、文化に関する事務を管理執行することができることとするとともに、県費負担教職員の転任については市町村教育委員会の内申に基づいて行うこととするなど、教育の地方分権を推進するものであります。 第四に、教育委員会の事務の管理及び執行が法令に違反する場合又はその管理及び執行を怠るものがある場合において、緊急に生徒等の生命、身体を保護する必要が生じ、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、文部科学大臣は教育委員会に対し是正、改善の指示ができることとするなど、教育における国の責任の果たし方を見直すものであります。 第五に、都道府県知事は、私立学校に関する事務について、必要と認めるときは、都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言、援助を求めることができることとし、私立学校に関する教育行政の充実を図るものであります。 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。 最後に、教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 学校教育の成否は教員の資質能力に負うところが大きく、教育基本法の改正を踏まえ、教員全体への信頼性を高め、全国的な教育水準の向上を図ることが重要であります。 このため、教員が、社会構造の急激な変化等に対応して、最新の知識、技能を身に付け、自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得られるようにする必要がある一方、指導が不適切な教員に対しては厳格な人事管理の実施を通じて毅然と対応する必要があります。 この法律案は、このような観点から、教育職員の免許の更新制の導入及び指導が不適切な教員に対する人事管理について必要な事項の制度化を図るものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、教育職員の普通免許状及び特別免許状に十年の有効期間を定め、更新制を導入するとともに、勤務実績不良等により分限免職の処分を受けた教員の免許状の効力を失わせることとするものであります。なお、既に授与されている普通免許状又は特別免許状を有している教員についても、十年ごとに更新講習を課すものであります。 第二に、公立の小学校等の教諭等の任命権者は、児童等に対する指導が不適切であると認定した者に対して指導の改善を図るための研修を実施しなければならないこととするとともに、研修の終了時の認定において児童等に対する指導を適切に行うことができないと認める者に対して、免職その他の必要な措置を講ずることとするものであります。 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。 三法案につきましては、何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(狩野安君) 次に、日本国教育基本法案、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案について、発議者佐藤泰介君から趣旨説明を聴取いたします。佐藤泰介君。
○佐藤泰介君 日本国教育基本法案、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案につきまして、民主党・新緑風会を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要について御説明申し上げます。 今、教育現場では、教育の格差、いじめ、不登校、学力低下、子供をめぐる痛ましい事件の続発など、様々な問題に直面しております。こうした教育の問題を抜本的に改善するためには、昨年六十年ぶりに改正された教育基本法ではなく、日本国教育基本法案が明示する新しい時代に対応した新たな教育理念の下で、民主的、自律的な運営を行うための地方教育行政の抜本的改革、教育職員の資質能力の向上を図るための養成段階からの教育職員免許制度の改革、そして学校教育の環境整備のために必要な安定的な財源の確保が不可欠であります。私たち民主党・新緑風会は、これらの要請にこたえるため、日本国教育基本法案等四法案を提出いたしました。 まず、日本国教育基本法案は、昨年に引き続き再提出するものであります。 以下、主な内容について御説明申し上げます。 第一に、我々は物質文明を脱し、コミュニケーションや知恵や文化を重視する情報文化社会の創造を目指し、その担い手を育成するために重要なアイデンティティーの醸成を図るため、前文において、教育の使命は、「人間の尊厳と平和を重んじ、生命の尊さを知り、真理と正義を愛し、美しいものを美しいと感ずる心を育み、創造性に富んだ、人格の向上発展を目指す人間の育成である。」とし、「同時に、日本を愛する心を涵養し、祖先を敬い、子孫に想いをいたし、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求すること」を明記しております。 第二に、前文で明記した、これからの我が国の教育の基本的な理念に基づき、各条文では、何人に対しても生涯にわたって学ぶ権利を保障すること、子供の発達段階に応じた教育機会及び環境の確保、整備を図ること、国は普通教育の最終責任を有すること、幼児期の教育及び高等教育に対する無償教育の漸進的な導入に努めること、生命あるものを尊ぶ態度を養うことや宗教的な伝統や文化に関する基本的知識の習得等を教育上尊重すること、地方公共団体が行う教育行政はその長が行わなければならないこと、公立学校に学校理事会を設置すること、公教育財政支出について国内総生産に対する比率を指標とすることなどを規定したほか、建学の自由、私立学校の振興、障害を有する子供への特別な状況に応じた教育、職業教育、情報文化社会に関する教育等についても規定いたしました。 続きまして、日本国教育基本法案の理念を具体化するため、民主党・新緑風会の学校における教育力向上に向けての政策パッケージ、いわゆる学校教育力向上三法案を順次説明いたします。 最初に、教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 本法律案は、質の高い学校教育を実現するためには、高い資質及び能力を有する教育職員が学校教育に携わることが不可欠であることにかんがみ、教育職員の免許状の制度の改革について基本的な理念及び方針を定めたものであります。 以下、主な内容について御説明申し上げます。 第一に、本法律案は、教育職員が高度の専門性と豊かな人間性が求められる職業であることを踏まえ、その養成段階において、教育職員としての使命感を涵養しつつ、その職務をつかさどるために必要な資質及び能力を確実に修得させるとともに、実務に就いた後においても、研究、修養の機会を十分に与え、その資質能力の一層の向上を図ることができるようにし、並びに教育職員の資格付与等に関し国が果たすべき役割と責任を明確にする等を基本といたしております。 第二に、免許状を子供の発達段階に適切に対応したものとするため、教諭の普通免許状及び特別免許状は、初等教育諸学校、中等教育諸学校、そして特別支援学校に三区分することとしております。また、教諭の普通免許状は、専門免許状及び一般免許状に区分することといたしております。専門免許状は、一般免許状を有し、教育実務等に八年以上携わった者が、教職大学院において、学校経営、教科指導、生活・進路指導等の各専門分野における高度な資質能力を修得するために必要な科目の単位を取得した者に授与することとし、一般免許状は、修士の学位を有し、一年間の教育実習その他の教科及び教職に関する科目の単位を教職大学院その他の大学院等において取得した者に授与することといたしております。 第三に、普通教育に関し国が最終的な責任を有することにかんがみ、普通免許状は文部科学大臣が授与することといたしております。 第四に、免許状は、原則として十年ごとに、知識、技能に関する講習、模擬授業を中心とする演習等から成るおおむね百時間の講習を受講した上、その修了認定を受けない場合には失効することといたしております。また、専門免許状取得者は、十年ごとの講習の対象者とはしないことといたしました。 第五に、一般免許状の授与を受けようとする者に対し、修士の学位並びに教科及び教職に関する単位の取得に係る特別の奨学制度を設けることといたしております。 次に、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案は、昨年に引き続き再提出するものであります。 以下、主な内容について御説明申し上げます。 第一に、責任の所在が不明確な教育委員会を廃止し、その事務を地方公共団体の長に移管するとともに、地方公共団体に新たに教育監査委員会を設置し、長に移管された事務の実施状況に関し、必要な評価、監視、勧告等を行うこととしております。 第二に、地方公共団体が設置する学校に、当該学校の運営に関する重要事項を協議する機関として、保護者や地域住民、校長等から構成される学校理事会を設置することといたしております。 第三に、公立学校の教職員の任命は、すべて設置者である地方公共団体の長が行うこととしております。 第四に、設置者である地方公共団体の長は、いわゆる指導力不足教諭等がいる場合に、引き続き児童等に不適切な指導等が行われることがないよう必要な措置を講ずることといたしております。なお、指導力不足と認定するに当たっては、当該教諭等の所属する学校に設置されている学校理事会の意見を聴くことといたしております。 最後に、学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案は、昨年に引き続き再提出するものであります。 以下、主な内容について御説明申し上げます。 第一に、学校教育の環境の整備は、子供たちの発達段階等の状況に応じた適切かつ最善な環境で学校教育を受けることができるよう、多様な教育機会の提供、きめ細かな教育指導の充実、安全、快適な学校教育のための諸条件の整備、心身の健康、職業選択等に関する相談体制の充実等を旨として行うことを基本方針とすることとしております。 第二に、国は、この基本方針に基づき、学校教育の環境整備に関する施策を総合的に策定、実施する責務を有することとしております。 第三に、地方公共団体は、この基本方針に基づき、学校教育の環境整備に関し、国との適切な役割分担を踏まえ、その区域の特性を生かした自主的な施策を策定、実施する責務を有することといたしております。 第四に、教職員の数、教員の有する免許状の種類ごとの比率その他教職員の配置、学級編制、学校の施設設備など学校教育の環境の整備に係る重要項目についての目標水準、その達成の目標年次等に関し、日本国教育基本法案第十九条の教育の振興に関する計画の一部として、政府は整備指針を、地方公共団体は整備計画を、それぞれ策定することといたしております。 第五に、国及び地方公共団体は、日本国教育基本法案第十九条に規定する教育予算の確保、充実の目標を踏まえ、整備指針、整備計画を達成するため、必要な財政上の措置等を講ずることといたしております。 第六に、行政改革推進法の国立大学法人等の人件費の総額削減を定めた規定、公立学校教職員の削減を定めた規定及び人材確保法の廃止を含めた見直し等を定めた規定を削除することといたしております。 以上が四法律案の提案の趣旨及び内容の概要でございます。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(狩野安君) 以上で七案の趣旨説明の聴取は終わりました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(狩野安君) 速記を起こしてください。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中曽根弘文君 質問のトップバッターを務めさせていただきます自由民主党の中曽根弘文でございます。 会期も終盤に近づきまして、国会の閉会後には参議院選挙もあるということで何となく慌ただしくなってまいりましたけれども、教育は多くの課題を抱えておりますし、国民の皆さんの関心も非常に高い。そして、この国の将来を左右すると言っても過言ではない大変重要な課題でありますので、この参議院におきましてはしっかりとした充実した審議を行わなくてはならないと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。なお、私、質問時間三十分ということでもありますので、御答弁の方も簡略にしていただければと思います。 安倍内閣が昨年の九月に発足以来、近隣諸国との関係を急速に改善をいたしまして、また防衛庁の省への移行とか教育基本法の改正とか、あるいは国民投票法の成立など公約を着実に実行いたしておりますけれども、中でも教育基本法の改正という憲法に次ぐと言っても過言ではないこの大きな戦後のテーマを実現されたということは私は国民の皆さんからも高く評価されていると、そういうふうに思っております。 昨年十二月に教育基本法が六十年ぶりに全面的に改正されて、教育の理念あるいは目標というものが、新しい理念が明示をされたわけであります。改正前の教育基本法はいろいろ問題もありましたけれども、しかし国民の教育水準を世界のトップクラスにまで高めたと、我が国の教育の水準を世界のまた最高レベルまで持ち上げ、国の発展に大きく貢献したと、そういうふうに思っております。 しかしながら、この間社会は大きく変化をいたしまして、国民の価値観も多様化をし、特に青少年の規範意識や道徳心が低下をした、あるいはいじめとかそれによる自殺も多発をしている、そしてまた凶悪犯罪も続出している、あるいは学習意欲が低下をしているとか、教育も危機的状況と言われるまでになってしまいました。 このような状況の中で、富国有徳を訴えて教育改革に大変な熱意を傾けられました小渕総理の主導で教育改革国民会議が平成十二年の三月に設置をされまして、私も、文部大臣やまた教育問題担当の内閣総理大臣補佐官としてこの審議に加わり、またその後、自民党の教育基本法検討特命委員会の委員長代理やまた与党の教育基本法改正に関する協議会の委員も務めまして、約七年間、新しい教育基本法の制定に力を注いでまいりました。そして、昨年の十二月には参議院の教育基本法に関する特別委員会の委員長を拝命いたしまして、六十年ぶりの改正の最後の仕上げの一翼を担うことができ、大きな感慨を私自身禁じ得ないところでございます。 そこで、この教育改革関連三法案の具体的な質問に入ります前に、教育全体のことでまず総理にお伺いをしたいと思います。 改正されたこの教育基本法には、教育の目的として、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と書かれております。 まず、根本的なことでありますけれども、総理はこの国の教育のあるべき姿はどのようなものであるとお考えなのか、また、どのような日本人をつくっていこうと考えておられるのかについて伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この戦後の六十年間、子供たちをめぐる、また子供たちの周りの環境、大きく変化をしてきたと、このように思うわけでございます。 旧教育基本法におきましては、教育の機会均等という目的を果たす上において大きな役割を担っていた、そしてその役割の中において機会均等という目的を私たちは果たすことができた、そして、その上に立って我々は今日の豊かな日本をつくり上げることができたのではないか、このようにも思うわけであります。 一方、この豊かになる中におきまして、日本においては言わば価値の基準を損得に置く嫌いがあったのではないか、そういう反省もあるわけでございます。損得を超える価値、例えば家族のきずなであるとか家族の価値、あるいはまた、地域や国に対する愛情、愛着といったものを私はおろそかにしてきた、ないがしろにしてきた嫌いもあるのではないだろうか、このように思うわけでございます。 やはり損得を超える価値、道徳あるいは公共の精神もそうなんだろうと、このように思うわけでございますが、そういう中から規範意識も生まれていくわけであります。我々はそうした価値をしっかりと子供たちに身に付けてもらえるような、そういう教育を行ってまいりたい。すべての子供たちに高い規範意識や学力を身に付ける機会、我々はそういう機会を保障していかなければならないと、こう思っているところでございます。豊かな人間性と創造性を備えた人間を育てるための教育を目指していきたいと、このように考えております。
○中曽根弘文君 この教育基本法の改正を受けまして、今回、教育改革関連三法案は異例とも言えるスピードで国会に提出をされたわけでありますが、これは総理の教育再生に懸ける熱意の表れであると私は思っておりますけれども、この三法案は教育改革の枠組み全体の中でどのような位置付けとなるのか、また、ほかにも改正すべき教育関係の法律が数ある中で、今回まずこの三法案を改正しようという理由はどういうことなのかということについて説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど委員がお話しになられましたように、歴代の内閣は教育改革に取り組んでまいりました。特に、平成十二年には小渕、森内閣におきまして教育改革国民会議を設置をいたしました。委員は、当初は大臣として、そして後半は総理補佐官として責任を持ってこの教育改革に当たられたというふうに承知をいたしております。そして、同年の十二月には教育基本法の改正を始めとする報告をいただいたわけでありまして、そして各般の教育改革に全力を挙げてその後も取り組んでまいりました。昨年末には教育改革国民会議で提言をされていました教育基本法の改正を六十年ぶりに行ったところでございます。 そして、今回の教育三法案は、この教育基本法の改正を踏まえまして、またこれまでの中教審等での議論、また再生会議における、教育再生会議における議論を踏まえまして、特に緊急を要するとされる学校教育や地方教育行政の制度改正を行おうとするものでございます。 さらには、さらには、今後は教育再生会議の議論を深めながら、改正教育基本法を踏まえまして、必要となるその他の法律の改正や教育振興基本計画の策定、教育予算の充実等大きな枠組みの中で改革を進めていきたいと、このように考えております。
○中曽根弘文君 次に、教員の資質について伺いたいと思いますけれども、学校教育の中で重要なのは、言うまでもなく教員であり、教員の資質であると思います。 今回の改正案の中にあります教員免許の更新制の導入は、教育改革国民会議でも議論されたものでありまして、七年たって日の目を見ることになりましたけれども、私は、単に教員の指導力や教科関係の能力審査、これを行うということだけではなくて、教員が最新の知識とかまた教育理論などを学んでレベルアップを図ると同時に、責任感や使命感のある、そしてより信頼される教員となるための重要な機会として、教員からも講習を受けて良かったと喜ばれるものとしなければならないと思っております。 平成二年の予算委員会で、私は、教員の長期社会体験研修制度の拡大について提案をいたしました。 教員は、小学校へ入学してから大学を卒業するまで十六年間教わる立場で学校へ通い、また教員免許を取得してから今度は教える立場で学校に就職すると、そして若くても先生、先生と呼ばれるわけであります。つまり、世間一般の人に比べて社会を知る機会が少ないのが現状であります。 そこで、半年から一年くらい民間企業やデパート、ホテルなどに勤務をして、いわゆる他人の飯を食うことで企業の厳しさやまた人との接し方など、いろいろな経験を積むことは教員自身にとっても非常に意義深いことであります。特に、小学校低学年の児童を持つ親の立場からすれば、自分の子供は、心豊かで視野の広い、バランス感覚の取れた先生に教えてほしいと、そういうふうに願っていると思います。実際に、長期社会体験研修を終えた教員のほとんどから、自己啓発につながったとか、あるいは学校改革の意欲がわいたというような高い評価をこの制度は得ております。 たしか平成元年に千葉県の高等学校の先生が一年間デパートで研修をしたのが第一号だったと思いますけど、平成十五年には全国で千五百人長期社会体験研修で派遣をされましたけど、昨年は何と残念ながら千百七十人に減少してしまいました。これは、代替の教員を配置しなければならないという、そういう問題もありますけれども、是非増員をしていただきたいと強く要望をいたします。 また、私が文部大臣時代に韓国を訪問いたしまして、あちらの教育部長官との間で両国の教員交流の事業を開始をいたしました。この七年間で韓国と中国から合計約千二百人の教員や教頭、校長を招聘していますけれども、毎回約二週間日本に滞在をしてもらって、学校訪問とか教育関係者との交流、あるいは民間との交流、意見交換、そして日本の名所旧跡の見学などを行っております。教室で大勢の子供を教える先生を我が国に招聘をいたしまして、日本人の生活とか習慣とか、あるいは考え方などの実態を知ってもらう、日本への理解を深めてもらうことは非常に重要なことだと私は思っております。 この六月には、日本の教員約三十名が逆に韓国からの招聘を受けてあちらを訪問いたしますが、今年の一月には韓国から、当時、私のカウンターパートナーであった当時の教育部長官が百六十名の教員とともに団長として来日をいたしましたので、今回、日本からの教員訪韓団の団長は私が務めることになっております。 私は、こうした様々な教員の研修とか交流など、地道な取組を継続していくということが優れた教員の育成につながると考えておりますが、この長期社会体験研修制度や教員の交流事業には当然費用も掛かりますけど、これらの制度や事業の充実とか拡大について、文部科学大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) ただいま中曽根委員がおっしゃいましたとおり、単に教師としての狭い視野で教えるということだけではなくて、広い社会体験を持ち、また海外から来られた教師の経験者の方々と意見も交換する、そして広い視野の教師として教壇に立っていただくということは、もうおっしゃるとおり、非常に有意義なことだと思います。 残念ながら、最盛時には約千五百人ありましたが、昨年は千百七十人ですか、少し数が減っておりますので、いろいろ事情がございますが、まず一つは、どのような分野を体験していただくのがよかったかという各教育委員会ごとの成功事例のようなものをお互いに共有してもらうように私どもも教育委員長会議等でよくお話をしたいと思いますし、今御指摘がありました代替教員の定数の措置、それからお金が要りますので、その辺りは年末の予算編成にかけて私としては微力を尽くしていきたいと思います。 また、中国、韓国等からの初等中等教員の招聘事業は、先生が御努力になったときの数から百人ほど増えまして今三百人になっておりますので、少し内容の質的な充実をこちらの方はまず図るということを優先させていただきたいと思っておりますが、いずれも大変有意義な御提言でございますので、しっかり受け止めてやらせていただきたいと思います。
○中曽根弘文君 教育におきましては、とにかく教員の資質の向上と優秀な教員の確保が決定的に重要でありますので、必要な予算措置は十分に行っていただきたいと思います。 次に、話がぐっと変わるんですけれども、幼児期の教育についてお聞きをいたします。 改正されました教育基本法第十一条に幼児期の教育を新たに規定することができました。三つ子の魂百までとよく言われますけれども、幼稚園、保育園での小学校就学前の教育にも力を入れなければならないのは当然でございます。最新の脳科学からも、乳幼児期は脳が急速に発達する時期であって、正に乾いたスポンジに水がしみ込むがごとく様々な知識や社会性をどんどん身に付けていく、人間の発達段階にとって非常に重要な時期であると言われております。 現在、諸外国でも幼児期の教育の重要性、さらには少子化対策ということもありまして、例えばフランスやアメリカやカナダやイギリス、そして韓国などでは、近年、国家戦略として幼児期の教育の無償化を進めております。また、日本でも厳しい財政事情の中、保育料を半額にしたり無償化している自治体も、地方自治体もございます。 我が国でも閣議決定がなされております、いわゆる骨太の方針二〇〇六その他でも、将来の無償化について総合的に検討すると、そういうこととなっておりますが、私は自民党の幼児教育議員連盟の会長を務めておりますけれども、我が国においても幼児教育の無償化についてできるだけ早く実現すべきと考えております。 無償化や親の負担の一層の軽減について、総理のお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 乳幼児期の教育は極めて人格形成の上で重要である、私もそのとおりであろうと、このように思うところでございます。 そこで、幼児教育について無償化すべきではないかという意見が与党でも強い意見としてあることは私も承知をいたしております。この骨太の方針二〇〇六におきましては、将来の無償化については歳入改革に合わせて総合的に検討すると、このように書いてあります。まず、財源、制度等について、これはやはりよく検討していく課題でございますが、歳入改革と合わせてこの無償化については総合的に検討していかなければいけないと、こう思っております。 重ねて申し上げますが、いずれにいたしましても、幼児期の教育は極めて重要であるという認識については正にそのとおりであろうと、このように考えております。
○中曽根弘文君 幼児期の教育の重要性については十分御理解いただいているわけでありますが、歳入改革に合わせてということでありますが、そういう事情もありますけれども、親の教育費の負担の軽減ということについてはまたいろいろな方法がありますので、是非そういう点は御検討いただきたいと思います。 それから、改正教育基本法の大きな特色の一つは、教育改革国民会議でも提案をされました教育振興基本計画の策定の規定を盛り込んだことでございます。 教育への投資を惜しんでは十分な改革は実行できません。科学技術基本計画などのように国の目指す具体的な目標や実施方策を国民にはっきりと明示するとともに、確実に実行するための長期的な財政支出計画の策定も不可欠であります。行革推進法などによりまして教員定数の削減が求められるなど教育改革には様々な制約が課されておりますけれども、私は、教育振興基本計画を今後策定するに当たりましても、こうした制約付きの状況下では国民が期待しているような充実した計画を作ることは困難ではないかと考えています。効率化を進めることももちろん大切でありますけれども、何でもかんでも横並びで一律に削減するのではなくて、教育の思い切った改革、再生を実現するためにも必要なところへは十分な投資をすべきと考えております。 教育再生を最重要課題として掲げる安倍内閣の実質的に最初の予算となる来年度の概算要求におきまして、思い切った教育への財政支出を行い、安倍内閣は日本の未来を担う青少年の教育に全力でもって取り組んでいく内閣であるという国民への強いメッセージをはっきりと示すべきと考えますけれども、総理大臣の御決意のほどを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、教育再生を私の内閣の最重要課題の一つに位置付けているわけでありますし、教育再生を進めていくためには必要な教育予算の確保が不可欠であると、こう認識をいたしております。そのために、徹底的なこれは効率化を図っていかなければならない、そしてまためり張りを付けていくことも重要だろうと思います。そういう中におきまして必要な教育予算については財源を確保してまいりたいと、このように考えております。
○中曽根弘文君 もう少し積極的な御答弁をいただきたかったんですが、今の総理の御答弁をお聞きになられて、文部科学大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) やはり、私が教育を預かっている立場と、日本全体を見ながら政治をやらなければならない総理の立場は若干違いますから、これはお父さんをごらんになっていてもよくお分かりだろうと思います。 そこで、効率化を図る、そして財政の再建をしていかなければならないというのもこれは大きな国家の目的なんですけれども、一番国民に分かりやすいメッセージはやはり教育予算が増えたということだと思いますね。しかし、ただ単に教育予算を増やすだけでは決していい結果は生まれないので、どういう無駄があるのかということはやっぱりよく検証して、その上で私はやはり全体として予算が、教育予算が増えていくように努力をすると、これが文部科学大臣として私の責務だと考えております。
○中曽根弘文君 子供はそれぞれの家庭にとってだけではなくて、社会全体、また人類共通の宝でもあり、また夢でもあると思います。また、希望であると思いますが、私は本来、本人と親と、また社会全体がこの教育というものは共同して行うものであって、家庭とか学校のみに任せるのではなくて、国民一人一人が教育の問題を真剣に考えて、そしてできることから実行していくということが大事であると思います。そういう意味で、みんなで教育を考えて行動する教育の日を設けたり、あるいは国民運動を展開したりするということも今必要ではないかと思っております。 最後に、総理にこの点についてのお考えを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育につきましては、また教育再生についてもそうなんですが、学校にすべて押し付けてはならない、学校の先生にすべて押し付けてはならないわけでありまして、親、また保護者には保護者の責任があるわけであります。また、地域社会においても、かつては地域社会が教育力の一翼を担っていたと、このように思うわけであります。親、保護者、そしてまた家族、地域、そしてまた社会で責任を持っている企業等々もそうなんだろうと思うわけでありますが、社会総掛かりで教育の再生に向けて努力をしていくということが大変大切だろうと、このように思います。という意味におきましては、教育の再生は国民的な課題であると、このように思うわけでございます。 そういう中におきまして、教育基本法が改正され、そして今度この三法案、参議院で御審議をいただいているわけであります。そういう中におきまして、大変国民的な関心、また理解も高まってきたのではないかと思うわけでございますが、さらに与党におきましても国民的な議論の広がりに向けて御協力を賜りたいと、このように思うところでございます。
○中曽根弘文君 終わります。ありがとうございました。
○有村治子君 自由民主党の有村治子です。中曽根先生に引き続き、後半の二十分を担当させていただきます。 安倍総理が御就任以来掲げられている美しい国を実現していくために、国民性をつくる礎となる教育こそが内閣の最重要課題だと明言されて、日本のトップリーダーとして子供たちの人格形成を成す教育問題に果敢に取り組まれている総理の政治姿勢には心からの敬意と共感を覚えております。日本の将来に責任を負う同じ議会人として大変勇気付けられるとともに、同じ幼い子を持つ親の一人としてもとても有り難いことだと存じております。 その一方で、親が子供を殺し、子供が親を殺し、子供が子供の命をあやめてしまうという事件が相次ぐ中で、日本の子供たちを取り巻く社会環境をいかに良くするか、教育改革の必要性はかつて見ないほどの多くの国民の皆様に支持される関心事となっています。 今回、教育関連三法案が審議される背景には、愛する子や孫が通う学校を良くしてほしい、子供たちの人格形成に大きな影響力を持つ先生方の質を高めてほしいという民意にこたえ、また、教育の第一線で活躍されている先生方がその人格と能力を遺憾なく発揮できるよう環境を整えようという意図がございます。 そこで、総理に伺います。 先生方の教育専門職としてのモチベーション、言わば士気、やる気を維持して、恩師と呼ばれるに足る高い人格と能力を発揮できるようにするには何が一番大事だとお考えでしょうか。総理の御認識を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ほとんどの、多くの先生方が子供たちに対して情熱を持って教育を実践していく上において努力をしておられると、このように思っています。子供の人格形成に向けて大変な真摯な御努力をされている、私もこのように思います。 私も、小学校時代に教えていただいた担任の先生方には、本当にいい先生に巡り合ったなといまだに感謝をしているわけでありますし、先般も、九十歳になったそのときの担任の先生をみんなで囲んで卒寿のお祝いをしたわけでございます。やはり、先生が情熱を持って、子供たちの人生に自分は責任を持っているんだという気持ちを持って子供たちと相対していくということがまずは基本ではないか、このように思う次第でございます。 私の地元の吉田松陰先生は松下村塾において多数の有為な人材を育てたわけでございますが、吉田松陰先生は、教育は、学は人たるゆえんを学ぶなりと、つまり人間として必要なことを教育において学んでいかなければならないと、このようにおっしゃっているわけであります。 同時に、人々、尊きものの己に存在するを認めんことを要すと、このようにもおっしゃっているわけでありまして、すべての人々にすばらしい点があるんだと、こうもおっしゃっているわけでありまして、例えば伊藤博文に対しては、この子は周旋の才があると、言わば政治家にとって必要な資質を当時から見抜いていたんではないかと、こう言われているわけでありますが、それぞれの子供たちに可能性がある、すばらしいものがあると、子供たちの資質、未来を信じることも極めて重要ではないかなと、こう思うところであります。 私も、小学校のときの担任の先生が、自分は子供たちを信じているということを何度もおっしゃっていたことを今でも思い出すわけでございます。情熱と、そして子供たちの未来を信じる、そういう姿勢が重要なのではないかと、このように思います。
○有村治子君 皆さんの将来を信じていると答えてくださった恩師の言葉が本当に心に残っていると、教育基本法の御答弁のときに総理がおっしゃっていただいたことがよみがえってまいります。 私は、教育に主軸を置いて議会活動を続けてきましたこの六年間、選挙区である全国を回って、学校の先生方、PTAの皆様、児童生徒の皆さんとひざを交えて対話を重ねてきました。その中で、学校や先生方への信頼が低いことは社会全体の大きな損失であり、逆に学校や先生に対しての揺るぎない信用や敬意がある社会は、より多くの人が利する公益、国益につながると確信するようになりました。そこで、学校の先生方の権威と誇りを取り戻して、みんなで学校を良くして地域への貢献をしていこうと語り続けてまいりました。 そこで、教師の皆様には是非尊敬に足る生き方を実践してくださいませと語り、そして父親、母親を始めとする保護者の皆さんには、たとえ先生方と意見の違いがあったとしても子供たちの目の前では先生の悪口を言わないでください、そして良い先生を是非積極的にたたえてくださいと申し上げてまいりました。児童生徒、お子さんたちの前では、是非一生お付き合いできる恩師を見付けてくださいねと話し掛け、地域を良くしていきたいと集ってくださった国民の皆様には、子供たちが健全で安全に育つ環境をともにつくってくださいと語り掛けてまいりました。 このような呼び掛けには、私が思った以上に、確かに子供の前で先生の悪口を言わないことだけでも大事ですよね、実行してみるねと前向きなフィードバックをいただくことが多く、地域のために、子供たちのために何かいいことをしていきたいと思ってくださる国民の皆様の数は決して少なくないと勇気付けられ、一定の手ごたえを感じています。 そこで、総理及び伊吹文部科学大臣に伺います。 教育をなす主な当事者、すなわち学校の先生方、また父親、母親を始めとする保護者の皆さん、全国で千九百二十五万人いる幼稚園から大学、高専までの児童生徒の皆さん、また教育を支える地域や国民の皆さんに、教育に対する信頼を築くために、それぞれ何を期待し、いかなる言動を求められるのか、端的に、一言、ワンフレーズで語っていただきたいと存じます。 全国の教師や保護者の皆様が総理の目の前にいらっしゃると想定して、教育の再生のために国民に何を求められるのか、トップリーダーとしての哲学や思いが伝わる、総理御自身のお言葉で直接語っていただきたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま有村委員がおっしゃったように、やはり先生に対して子供たちが尊敬のまなざしで学んでいくという環境をみんなでつくっていくという努力も大変大切なんだろうなと、このように改めて認識をさせていただいたような次第でございます。 先生方に対しましては、先ほど申し上げましたように、やはり情熱を持って子供たちに接してもらいたいと、こう思います。 また、保護者の皆さんには、やはりまずは教育の基盤は家庭なんだということも認識をしていただいて、そういう責任感も持っていただきたいなと思いますし、また、保護者の皆さんも、先生と一緒に子供をはぐくんでいくという気持ちも必要ではないか、こう思います。 また、地域の皆さんも、地域みんなで子供たちを宝と思って育てていくという姿勢も極めて重要ではないだろうかなと思います。 そういう中におきまして、我々、国としても、国としての責任も極めて自覚をしながら、しっかりと自覚をしながら任に当たっていかなければならないと、このように考えております。
○国務大臣(伊吹文明君) 有村先生が各地を回って皆さんにワンフレーズでおっしゃったほどはうまく言えないんですが、やはり国会というのは各国民の代表が集まっておられるところですので、ここで決めていただいたことに私はやっぱりすべて今おっしゃったことが凝縮されていると思います。 まず、教師ですね。これは、改正教育基本法の九条で、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めると、こう書いてございます。私の理解からすれば、職業人であると同時に、教師という師は、人を教え導くという言葉ですから、その使命感と愛情と力量を常に磨いていただきたいと思います。 子供たちは、自分が存在しているのは、やっぱりお父さん、お母さんがおられて、おじいさん、おばあさんがおられて、多くのまた人たちの中で自分が生きているということを理解してもらいたい。これは、教育基本法の一条、二条の教育の目的、目標に書いてございますように、家族や地域、国を愛し、生命や自然を大切にし、公共の精神の豊かな人間性と創造性を備えた日本人に育ってほしいなということでございます。 保護者は、これはもう先生がおっしゃったことに尽きますが、自分が生み出した命を慈しみ、そして責任を持つことを是非望みたいと思います。教育基本法十条には、子供の教育については、先ほど総理が申しましたように、一義的責任を持つのは家庭であるということが書かれておりますので、このことを是非理解してほしいと思っております。 最後に、地域、国民については、教育基本法十三条に、教育を学校だけに任せるのではなく、自分たちの問題として個々の役割と責任を分担し、相互の連携と協力の下に、しっかりとした価値観と判断力を持つ個としての人間と、義務と規律を備えた国民としての日本人を是非育てていただきたいと願っております。
○有村治子君 総理大臣及び文部大臣の御発言、保護者に求める一言というのは、子を持つ親としてもしっかりと心に受け止めたいと存じます。 次に、免許外担任についてお伺いをさせていただきます。 現在、へき地など学級数が少ない学校において、その教科を教える免許を持っていないにもかかわらず、専門外の教科を受け持ち、生徒に教えることを認める免許外担任という制度があります。免許外担任というと聞こえはいいのですが、これは、私には言わば無免許の時限的合法化のようにも見えます。 例えば、中学校社会科の教諭が学生時代から自分が苦手だった英語の教科を、あなた、若いから英語できるでしょうと言われて一年間授業を担当したり、音楽の先生が家庭科を一年間受け持つこともあります。音楽教諭としてすばらしい資質を持つ先生であったとしても、家庭科を教える素養があるとは必ずしも限りません。 ここで、今日配付しております資料をごらんくださいませ。NHK中継を御視聴の方は、現在この委員会で配付しましたこの資料を、私、有村治子のホームページ、最新情報というコーナーから直接ダウンロードしてお手に取っていただくことができます。 この資料が示すとおり、今この瞬間も、本当はその教科を教える免許を持っていないのに生徒の前で教鞭を執っておられる免許外担任に教えられているクラスが全国の中学でざっと約一万件弱、九千七百二十校、高校でも三千四百クラスあります。 専門外の教科を教えなければならない先生方の御労苦も案じますけれども、授業内容についての専門性を全く持っていない先生に例えば英語や数学など主要教科を一年間教えられ続けることになる生徒もこれまた大変不幸でございます。これこそ学力に響きます。 この免許外担任制度は、東京は発生件数がゼロですが、東京以外の四十六道府県においては近年でも中学、高校のクラスで恒常的になされている実態があります。本日、テレビやラジオを視聴されている皆様も、各都道府県の実態を是非この資料でごらんいただきたいと考えています。それぞれの地方議会でこの問題を取り上げていただき、子供たちが受ける教育の質の向上のために、ともに立ち上がっていただければ有り難いと考える次第でございます。 不適格教員の教育現場からの退場を求める民意にこたえて、教育の質的向上を目指そうとする今回の法改正の趣旨からも、早急な是正が図られる必要があると私は考えます。 総理は、この免許外担任の現状を、まだまだ一万件近く中学で起こっているこの現状をどのように認識され、いかに対応すべきとお考えでしょうか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられました免許外教科担任の制度でございますが、これは言わばへき地等、また小規模な中学校、高等学校において、教科の免許状を有する教員の採用等が困難な場合に例外的な措置としてとられていると認識をしていますが、確かに今、有村委員が御指摘になったような問題点があるのは事実であると。我々もそういう問題点については共有をしているわけでございます。授業の質を確保するために、非常勤講師を含めて、担当する教科の免許状を有する教員の配置にこれからも一層努めていかなければいけないと、こう思います。 件数に、許可件数については、今先生が御提示になった表にもありますように減少傾向にあるわけでございますが、各教育委員会に向けて改善に向けた一層の対応が必要であると、こう認識をいたしております。
○有村治子君 このような免許外担任の改善を図るためにも、やはり現実的に問題になってくるのは予算であると認識をしております。 そこで、教員定数改善に向けての財政的根拠についてお伺いをさせていただきます。 学校の先生方には、教諭としての本来の職責に加えて、登下校時における児童生徒の安全確保のための送り迎えなど、現代社会が求める多くの新たな仕事がのし掛かっています。先生方に求められる本来の職責を心して全うしていただくためには、教員の先生方の定数を改善することが必要不可欠だと私自身強く認識をしております。しかし、現状は、本来であれば昨年度から実施されるべき教員の第八次定数改善の計画が、政府における総人件費改革の方針の下、とんざしているというのが現状でございます。 安倍内閣の最重要課題として教育再生が位置付けられている以上、学校の第一線でまじめに職務を遂行していらっしゃる先生方の定数改善を着実に実行する、そのための財政的根拠をしっかりと確保するという安倍総理の御決意を伺いたいと存じます。教育再生の実効性を上げていくための私たち国民に見える形での教育予算の拡充についての担保をトップリーダーとして明言していただけるかどうかという点でございます。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育再生は私の内閣の最重要課題の一つであります。最重要課題として我々も取り組んでいかなければならない。だからこそ、昨年、教育基本法を六十年ぶりに改正をして、今回その改正を受けて三法案を御審議をいただいているところでございます。 教育の質を高めるためには、先ほど申し上げましたように、各教育委員会に対して、例えばこの免許外解消に向けた取組も促していかなければならないと、こう思っています。また、基本的に教員の皆さんが子供たちと向き合う時間を増やしていくことが重要であると、こう認識をしているわけでありますが、副校長及び主幹教諭による組織力を充実をしていくことも重要であろうと、そのためにはですね。そしてまた、学校の事務量の軽減などに取り組んでいく、その取組を進めていくことも大切であります。 さらには、教育再生を実りあるものとするためには、教職員配置の在り方、まためり張りを付けた教員給与体系などについて検討していくとともに、事務処理等の外部委託や、またボランティアの活用等も考えながら教育力を増していくことが重要であると考えています。また、と同時に、行政改革も進めていかなければいけません。それも私の内閣の大切な使命であるわけであります。 その中で、総合的にこれは検討をしながら、そして先ほど申し上げましたように、効率化を徹底をし、そしてめり張りを付けた上において真に必要な教育の財源は確保をしていかなければならないと、こう考えております。
○有村治子君 御答弁ありがとうございます。 全国の先生方と連携をしてお話を伺いますと、いまだに全国の中学校、公立中学校の例えば地理の授業ではソ連と書かれた地図を使わなきゃいけないという現状がございます。理科のビーカーが割れても、そのビーカーがなかなか回ってこないから理科の先生が自費でそのビーカーを買い換えているという現状も一件、二件ではございません。 そういう意味では、本当に志を高く掲げて、総理がおっしゃっていただいたような、本当に子供たちの可能性を引き出すために第一線で頑張ってくださっている先生方が本当に応援してもらっているんだと実感できるようなことは、一番分かりやすいのは予算だと思います。是非、教育現場の先生方と日本の将来を信じる皆様のために教育予算の拡充は是非目に見える形で力を、特に義務教育費国庫負担の件もあります、お力を与えていただきたいと存じます。 安倍総理は、次代を担う子供たちをはぐくむ学びの質、信頼、環境の向上に向け、教育改革に私たち国民みんなで総掛かりで取り組んでいこうという姿勢を取っておられます。大変力付けられます。教育の在り方について多くの国民の皆様が強い関心を示して持論を語られ、国政においても最重要課題として取り組まれるようになってまいりました。これは、歴史の評価に堪え得る意思決定を重ねようと努められている安倍総理の一貫した政治姿勢のたまものだと、教育に主軸を置き活動してきた若手議会人として大変に有り難いと存じております。 国の根幹を成す重要課題に向き合い、実直に粘り強く取り組まれる安倍内閣の実績の揺るぎない積み重ねこそ、国民の皆様に美しい国をともに築いていくための原動力、信用力になるのだと確信をしております。数十年後の日本のあるべき姿に思いをはせて、その形の第一線を成す愛すべき日本の子供たちのためにひたむきに取り組まれる安倍総理の志と、予算を付けようとされるその気概に共感をし、直前に迫りました難関を私自身何とか乗り越えてともにその一線に立たせていただきたいという意思と決意を明確にして、私、自由民主党有村治子の質問を完了させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。 本国会は教育改革国会ということでございます。政府からも教育三法が提出をされましたし、私どもも、日本国教育基本法案を始め、それを実現を確実にしていくための法案を出させていただいて、この文教科学委員会で議論を深められますことを大変意義深いことだというふうに思っております。 まず、総理にお伺いをしたいと思いますけれども、教育改革、いろんな議論があります。教育再生会議も行われておりますし、国会でもいろんな議論がありますが、その教育を良くしていく根本ですね、これは何だというふうに考えておられるかというのを是非議論をさせていただきたいんですが。 私は、やはり教育再生の王道というのは、現場に、教育現場に優秀な人材を大量に十分に投入をして、そしてその教員あるいはその人材に思う存分その力を発揮してもらうと、もうそのこと以外にないんだと、こういうふうに私は考えておりますけれども、総理はどのようなお考えかをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も委員と同じように、教育も、教育は人なり、正に優秀な人材を教育の分野に投入をしていくことが重要であろうと思います。子供たちがすばらしい先生に巡り合う、そのことが本当に私は教育にとって一番大切なんだろうと、こう思うわけでございます。と同時に、もちろん、私の内閣におきましては行政改革を進めております。そうしたことも踏まえながら、優秀な教員、人材を確保していきたいと思っています。
○鈴木寛君 御賛同いただきましてありがとうございます。 民主党が今回提出をいたしております、教員免許改革法案というのを出させていただいておりますが、その第一条でも、その目的に、質の高い学校教育を実現するためには、高い資質及び能力を有する教員が学校教育に携わることが不可欠だと、こういうことを明記をさせていただいているわけでありますが、この教員の資質の向上でございますけれども、政府のお考えは、政府の案では十年の有効期間を設けて免許を更新をし、そのごとに三十時間の講習を受けると、こういうことが明記をされておりますが、これは別に悪くはないんですけれども、これは既に都道府県で十年経験者研修というのが行われていまして、そのことを法律上追認をすると、こういうことにすぎないんではないかなと、こういうふうに思います。これだけではやや私は不十分なんではないかと。 是非議論すべきは、そもそも今、教員実習というのが日本では二週間から四週間ぐらいしか行われていないというのが実態であります。そして、二万人が大体一年間に新しく教員になる数なんですけれども、教員免許というのは二十万人弱ぐらい出ているわけですね。結局、二十万人を受け入れなければいけないので、まあ言い方は悪いですけれども、少しこの教育実習が薄くなっていると、少しどころか私は大いにというふうに思いますが、ここを何とかしなければいけないのではないかと。 で、この国会でも、あるいは最近は新聞、メディアでも、教育世界一、これはフィンランドでございます。フィンランドを見ますと、授業時間は必ずしも日本より多くない、にもかかわらず学力世界一だと。その理由は幾つかありますけれども、やっぱり一つ重要なポイントは、そもそもフィンランドの先生は全員修士課程を終わっておられて、しかも最低でも四百時間以上の教育実習をやっておられてですね。 私は、やっぱりいいものは見習った方がいいと、やっぱりこのフィンランドに見習って、我が国も教員のレベルを、この正に教育再生を議論しているこのタイミングで修士レベルに引き上げていくと。加えて、教員実習もやっぱり一年間ぐらいやっていくと。それから、今の先生方も、八年ぐらいたったところでもう一回そういう大学院に戻っていただいて、きちっともう一回勉強し直していただくと、こういうことが必要であるというふうに思っておりまして、私どもの教員免許改革法案ではこうしたことを提出をさせていただいているわけでありますが、これは総理に、どうぞそっくりまねしていただいて結構でございますので、教員の養成についての充実、これを是非御決断をいただきたいと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員がおっしゃったように、教員の養成を充実をさせていく、それは私は確かに方向性としては大変重要な御指摘だろうと、このように思います。 また、フィンランドにおいては、すべて先生が修士を卒業しておられるということでございます。フィンランドにおいて大変教育が成果を上げている。教育において成果を上げている。これは先生の資質がすばらしいということにもあるんでしょうけれども、また地域やクラスみんなで子供たちを育てていこうと、お互いに助け合っていこうという機運も非常に高いものがあるというふうにも承知をしているわけでございまして、そういう点からも、やはり社会総掛かりで子供たちの教育に当たっていくことは大切だなと、こう思います。 民主党案にございます教員養成の一律六年制への移行でございますが、ただ実現のためには課題も多いと思うわけであります。具体的には、現行の教員養成は短大と学部、そして修士レベルでそれぞれ教員の養成が行われています。現行の修士課程における教員養成数と教員採用数との比較においてはまだこれは大分乖離があることでありまして、直ちに対応するというのは困難であると、こう思います。 また、修士課程への移行のための財源確保や、大学の指導体制の構築が必要であります。そのための修士課程のこの受入れの学生の数を増やすためには、その予算も必要ですし、それを教える体制もつくっていかなければいけないという中において、慎重な検討が必要ではないか、こう思います。なお、大学における教員養成課程の改善を図っていくことはもちろん大切であると、こう認識をしております。 政府としては、教員養成カリキュラムの改善、そして教職大学院制度の創設などを実施をして質の高い教員の確保に努めてまいりたいと、このように思っております。
○鈴木寛君 これ、総理、今慎重にということでございますが、もう少し踏み込んで御検討いただけないかと。 これ、私思いますのは、やっぱり今、我々はどういうつもりで教育再生の議論をしているかと、こういうことだと思うんですね。その基本問題だと思うんですね。基本姿勢だと思うんです。すなわち、日本の教育というのは戦後一貫してトップレベルにありました。しかし、この二〇〇〇年に入って急速に、例えば読解力とかコミュニケーション能力で申し上げると、二〇〇〇年に国際学力調査でいうと八番になってしまって、二〇〇三年に十四番と、急速に落ち込んでいるわけですね。 このコミュニケーション能力とか読解力というのは、単に学力だけの問題ではなくて、正に今問題になっているいじめとか引きこもりとかあるいはニートとか、こういう問題のやっぱり根底にもあることでありまして、これを何とかやっぱり本当に総掛かりで上げていこうと。そのことは私たちも全く同じ思いで前国会から総理、大臣とも一緒に議論をしてきたと思うんです。 それで、特に中を分析してみますと、やっぱり塾に行けないお子さんあるいはスポーツ教室に行けないお子さん、今は学力だけじゃなくて体力のこの学力格差も問題になっていますよね。でありますから、公教育をきちっと立て直して、もう一回この世界一の教育立国を目指していこうではないかと、こういうことで議論をさせていただいているんだというふうに思います。 確かに、今、大体五千人弱でしょうか、修士の枠というのは。二万人ということになりますと一万五千人の枠が必要だと、こういうことで、そこについては慎重にと、こういうことなんですが、私は、だからこそ正に国会の最大の課題で、これ結局、財務省とか文部科学省にお任せをしていたんであればこの一万五千というところの定数は埋まらないと思います。しかし、そこで正に政治的リーダーシップでこの一万五千に向けて、もちろん来年からというわけではありません。しかし、大きな方針をきちっと決めて、五年とか十年とかという目標を持ってこの一万五千を埋めていこうと、こういう議論に私は是非この国会の議論をしていきたいと。 実は、この場は今日は文教科学委員会ですが、文教科学委員会は私は六年間所属させていただきましたが、この六年の間に二つの修士化というのをやっているんですよ。それは、一つは二〇〇二年にロースクールというのをつくりました。法科大学院です。これ総理も御承知のとおり、今までは法学部を出て、そして大変難関な司法試験を受けてそこから法曹、弁護士とか検事さんとか裁判官になると。これはまあ、もちろん優秀なすばらしい人徳の方も大勢いらっしゃるんですけど、余りにも過酷な司法試験によってその才能に偏りがあるということで、もっと、きちっと修士課程をまじめに通えば、まあ半分ぐらいの方々が法曹になれると、こういうことで、基本的には法曹人材というのは修士化をするということでやりました。そして、本当に大勢の方の御努力によって、今七十を超える大学に法科大学院ができて、そこで六千人の方が正に法曹を目指して頑張っておられるわけですね。とかですね、あるいは二〇〇四年にも薬剤師、これを六年制にしました。これも今、毎年薬剤師というのは八千人なんです。 ですから、その法曹人材で、法曹人材になるのは三、四千人ですけれども、しかしその枠としては六千人の枠を確保し、薬剤師についても今こうした方向に向けて頑張っているわけです。薬剤師の八千人ができて、弁護士の六千人ができて、そして今、安倍内閣、一番大事だと。私も教育、本当に大事だと思います。恐らく、国民の皆さんも裁判官とか弁護士とか薬剤師と同じように教師は大事だというふうに恐らく思っていただけると思うんです。合意いただけると思うんです。この問題にあと一万五千人、何とか取り込めないだろうかという御提案を申し上げているわけです。 先ほどお話ありましたように、今すべての大学生の数というのは三百万人いるんですよね。三百万人の中でそれこそめり張りを付けて、もちろん奨学金なんかはちゃんと、ロースクールのときもつくりましたから教職大学院向けの奨学金もつくらなきゃいけないと思います。私たちもそういう提案をしています。もちろん、お金は多少掛かりますけれども、しかし本当に今危機的にあるこの日本の教育を立て直すために、ここは是非、昔は、私は、昔いいことも悪いこともありましたけれども、やはり師範学校というのはなかなか良かったと思うんですよ。やはり戦前、戦後、先生になる、正に帝大に行くよりも東京高等師範に行くということは社会的にも尊敬を集め、それぐらいのステータスがあった、総理もそのことは御賛同いただけると思いますが。 やっぱり、そういう中で、今ほとんどのこうした専門職ですね、プロフェッショナルが六年制になっていると。この実態を踏まえて私たちは真剣に予算のことも提案をさせていただいていますんですが、もう一度、積み上げの議論ではなく、正にリーダーシップをここで発揮していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 鈴木委員は常に建設的な御議論をされていると、敬服をする次第であります。 この修士化の問題についても、大変今委員の御議論を拝聴させていただきまして、言わばどれぐらいの専門性を求めていくかということなんだろうと、このように思うわけでございます。 修士化、まず、修士化そのものが本当にどれぐらい必要かどうかということも議論もしなければならないと、このように思うわけでございますが、いずれにせよ、レベルを上げていく、そしてその中で、やはりそのためにこの限られた財源の中でどう効果的に対応していくかという観点もあるわけでございまして、その中で我々、更にやはり検討をしていく必要があると、このように認識をしているところであります。また、フィンランドの例等も更に掘り下げておく、勉強していく必要もあると、こう認識をいたしております。
○鈴木寛君 慎重にという言葉を取っていただきましてありがとうございました。是非検討していただきたいと思います。 やっぱり、優秀な人材を教育現場にということだと思うんですね。それと、我々が、今どれだけの専門性とおっしゃったとおり、やはり教員の皆さんに更なる使命感を持っていただくためにも、やっぱりそれぐらいの大事な専門職なんだということを制度論、政策論からも我々が掲げていくということは非常に私は重要なことだと思いますので、是非御検討をいただきたいと思います。 総理のそうした御発言がやや曇る理由、私、分からないではないんです。と申しますのも、行革推進法というのがなければ総理ももう少し明快に前向きに検討と言っていただけるんじゃないかと思うんですけれども、実は行革推進法の四十二条の一項と五十三条の一項というのがありまして、これ国立大学の教職員を純減をする、あるいは人件費の総額を五%以上カットするという話なんですね。 確かに、ロースクールの議論をした二〇〇二年とか薬剤師の六年化の議論をした二〇〇四年には行革推進法なかったんですよ。だものですから、この国を、命の安全とか、あるいは本当に司法改革とか、その時々の重要課題をやるためのやはり人材ですからと、そういう議論ができたんだと思いますけれども、二〇〇五年に行革推進法ができてしまって、そして一律にそうした人材をカットしていくんだと。これは、後で西岡先生の方から公立学校における教員人材の話も出るかと思いますけれども、要するに、やっぱりこの行革推進法、いろんなところに、その教員の養成の現場、そして正に教育の現場、この双方に大変なひずみを生んでいるということは私は事実だと思います。 したがいまして、私たち民主党も、学校環境整備推進法の附則で、今申し上げました四十二条の一項と五十三条の一項と五十五条の三項と五十六条の三項、これは要するに国立大学と公立学校の教職員を純減をさせるという、その規定を外さないとそもそも教育改革の議論ができないのではないかという危惧を持っておりまして、ここを変えられるのは、文部科学大臣は変えられないんですよ。総理しか、この行革推進法の正に教育の部分と抵触する部分を直せるのは総理しかいらっしゃらないんですが、総理、ここについての御決断、御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この行革推進法につきましては、行政改革を進めていくと同時に、これは、行政改革を進めていくというのは、機能的な政府をつくっていくということと、国が大きな言わば借金を抱えている中において、国民に対して、我々、現在政権を預かる者として責任を果たしていくためにはこの財政再建を進めていかなければいけないと。そのためにも、この行政改革を正に例外なく、聖域のない中で進めていかなければいけないと。それにつきましてこの法律で縛っているというものでございます。その中で各分野、大変な御努力をいただいていると思います。 そこで、ただ、文部大臣からも、例えば少子化によって減っていくクラスにおいても、例えば八人とか七人とか、そういう減り方をしていって、全体では例えば何クラス分、先生何人分減るけれども、学校においてそれをそのまま個々に当てはめることは難しい、困難であるという話も伺っているわけでございます。しかし、今我々は、すべての行政の分野において行政改革を行っていくという強い意志を持って努力をしている中において、今の段階で、それがたとえ教育の分野であったとしても、直ちにその変更をするということを私が申し上げるわけにはいかないと、こう思うわけであります。 取りあえずは、この行革を進めていく中において、効率化を図りながら、めり張りを付けて、何とか真に必要な財源を確保するために努力を、また人員を確保するために努力をしていきたいと、このように思います。
○鈴木寛君 もちろん、私たち民主党の中でも、この行革も大事、教育改革も大事、あるいはすべての国においてそうだと思うんですね。 私は、昨年一年間、民主党の中で次の内閣の文部科学大臣をやらせていただきましたが、もう大議論をしました。その結果、民主党も行革推進法、対案を出させていただく中で、しかし、やはりこの教育とかあるいは医療とか、やっぱり人の命にかかわるとか、あるいは人生にかかわるところというのは、もちろん行革も大事だけれども、公共事業とか公共調達の官製談合とかあるいは天下りを、これを完全に廃止して、これを廃止すれば無駄遣いがもっともっと減るわけですから、それを正に教育費に向けていこうではないかと、こういうことを我々は議論しました。 昨年の秋に、小沢代表を筆頭とする政策マグナカルタというところで、これ、まずは、まずこの議論の前提で確認をさせていただきたいのは、OECDの諸国が三十か国あります。三十か国の中で日本の教育費というのは三十番目だということですよね、対GDP比で。ちなみに、日本はGDPの三・五%しか教育費に使っていません。これは三十番目なんです。三十か国中三十番目なんです。 この教育費の使い方を、教育改革というのであれば、本当に今、私たちも大事だと思うんです。で、我々民主党としては、少なくとも、OECDの平均が今五・二ですから、そこに少しは近づけて、何とかOECDの国の真ん中辺りまでは、いろいろな努力ももちろんしなければいけません、それから国民の皆様方にも御理解をいただかなければいけませんけれども、このことを我が党は決めさせていただきました。これは参議院選の最大の私は論点だと思いますけれども。 これ、総理、改めて伺いますけれども、結局、やっぱり優秀な人材と、そしてその数なんです。もう一度フィンランドの例を出しますけれども、やっぱりフィンランドは優秀な人材が日本の一・六倍の割合で学校現場に投入されているわけですよ。これも結局、一人当たり教員の生徒数というのも、これもOECDの国の中で最悪のランクにあるわけでありまして、やはりこれも、正に十分な必要な予算を、もちろん効率、めり張り、先ほどその言葉しか出てきませんでしたけど、やっぱり予算の総枠を改善しないとこの問題は解決できないんではないかなと、こういうふうに思います。 これは結局、我々は教員を増やします、教員を六年制にします。総理は教員を増やすのか。先ほど有村委員に対する御答弁、よく分かりませんでした。もちろん効率とかめり張りとか、当然であります。当然でありますが、教員増をやるのかやらないのか、その点についてもう一度総理に姿勢をきちっと明確にさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただ単にこの予算を増やしていく、あるいは教師の数を増やしていくということではなくて、やはり大切なことは、本当に何が真に必要な教育の予算なのか、そしてまた教師においては優秀な人材と、そしてまた先生方が子供たちと向き合える時間を増やしていくことが大切であろうと、こう考えているわけでございます。ですから、そういう中におきまして、我々は真に必要な教育の予算と優秀な人材を確保していきたいと、このように思っているわけであります。 教員一人当たりの児童生徒数については、これはまたやはりきめ細かな指導を行うために、これまで諸外国の水準に近づけることを目標に改善を図ってきました。その結果、教員一人当たりの児童生徒数は、OECDの調査では、二〇〇〇年に小学校の二十一・四人だったものが、二〇〇六年には小学校で十九・六人と、また中学校でも十七・三から十五・三と、一応これは改善をされてきています。また、平成元年以降、生徒一人当たりの教師の数は三〇%以上の増になっているわけであります。にもかかわらず、教育をめぐる状況は厳しい状況になってきているということも我々認識をしなければいけないと、こう思います。 また、教員一人当たりの児童生徒数が比較的大きな我が国や韓国は、国際的な学力調査については上位を占めているわけでございまして、教員の数と学力との関係は必ずしも一致はしないのではないか、こう思うわけでございます。 しかしながら、もちろん、教員の質を高めていく、あるいは先生方が子供たちと向き合える時間をこれは増やしていくことは、単に学力だけではなくて、規範意識の問題等々も含めてこれは考えていかなければならないと、こう認識をいたしております。
○鈴木寛君 総理、今、全国高等学校長会から教科「情報」の、今必修になっているんですね、実は。これ情報科、私も以前、内閣の高度情報通信社会推進本部とか、この教科「情報」を必修にしようということをやっていた一人なんですけれども、で、この必修になってやっとIT立国に追い付くという体制ができて今日、この教科「情報」を必修から外してくれという要望が文部科学大臣、中教審のところに上がっているんですよ。 これも、結局はやっぱり十分な定数を確保できない、そうすると結局未履修になってしまうと。これもう本末転倒なんですね。今どき、どこの国にIT教育、情報教育を、必修なものをやめようと言っている国があるかと。これはもう一番やらなきゃいけない。正に本当に今悲惨な事件が、これほとんどネットが関係しています。それからいじめの問題も、携帯メールによるいじめという問題なんです。 ですから、本当に子供たちに、これは高校だけじゃなくて中学校でも小学校でも、今もう行われておりますけど、更に充実をしなければいけない一番重要な部分の一つであるにもかかわらず、こういう要望が出てきていると。これも、先ほどいろいろ工夫をしてとおっしゃいましたが、やはり工夫には限界があるんで、ある程度の人間と、人員と、そして予算を確保するということは、これはやっぱり不可欠だと思うんですね。 そういう意味で、先ほども少し御答弁にありましたけれども、文部科学大臣から既にその御説明も行っているようでありますけれども、行革推進法の五十五条の三項、これよく読んでみるともう破綻していると思うんですね。すなわち、教員数について、児童生徒数の減少に伴う自然増を上回る削減を規定されているんです、行革推進法というのは。要するに、生徒が減るよりももっと強いレベルで教員を減らしなさいと、こういうことが書いてあるわけでありまして、しかし一方で標準法というのがありまして、標準法で例えば四十人学級と決めていれば、八十一人だってこれは三人先生を置かなきゃいけないわけですね。八十一人から百二十人まではこれは三人なわけですよ。 そうすると、単純に、単純に生徒数に応じて、更にそれを上回るレベルで教員を切っていったら、情報の教員もいない、それから先ほど有村委員からも、自民党の有村委員からちゃんと提起があったように、免許外の教員に教わるという事態がどんどんどんどん深刻化するんです。このことは標準法違反なんですよ。そうですよね、大臣、文部大臣。 だから、片や標準法違反な状態と行革推進法と、これコンフリクトしているんです。こういう問題があって、もう既に行革推進法というのは破綻をしていると思いますし、あるいは人確法についても十八年度中に結論を得るという話になっています。しかし、もう十八年度終わりましたけれども、これについてどういうふうな議論があるのかということもまだ決まっていません。 いずれにしましても、今日、私、申し上げたいのは、今回正に総理が教育を掲げておられる、これは私はチャンスだと思うんですね。正に国会を挙げて、国民の皆さんの合意もいただいて、OECDの中で一番教育にお金を使わないこの日本という国をもう一度、皆さんからいただいている税金です、その使い道を、本当に、この教育改革をやろうというのは本当に国民の皆さんの総意だと思うんです。そのために、きちっとその予算を確保し、人員を確保し、もちろんただ人員を確保すればいいということを私は申し上げていないのは総理御理解いただいていると思う。ちゃんと修士にして質を上げて、教育実習もきちっとやって現場の実践力を上げていこうと。そうしなければ、今総理は答弁では子供に向かい合う時間が大事だとおっしゃいますけど、どうやって向かい合うんでしょうか、いないのに、人が。 確かに、明らかに学校現場にいろいろな大人がかかわるとすごく教育効果が上がっていることは、総理も御理解いただいておりますコミュニティ・スクール、これいろんなところでやっています、三鷹の第四小学校でも。やっぱり、ボランティアの方々がアシスタントティーチャーという形でどっと入っていただくと、それはもう明らかに教育効果上がっていますし、斜めの関係ができて、そしていじめられたときの相談相手とか、あるいは人生の希望を持つ、そのあこがれの対象に出会うとか、やはり本当に子供たちを愛する大人たちが本当に温かい輪で子供たちを包んでいく、そういう学校を本当に総掛かりでつくるということは明らかに教育的に意味がある。 その主軸になる、その中核になるのが正に学校の教員であり、そしてもちろん地域のボランティアの皆さんですけど、その大前提として、私たちは教育予算をきちっと確保し、そのことを促進する制度をつくるという、法律を作り予算を作る私たちは責任があるんだということを申し上げさせていただきたいと思いますが、是非今日の議論を踏まえて、更なる教育改革に旗を上げられる以上、きちっと形で、政策の形で示していただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○西岡武夫君 西岡武夫でございます。 安倍総理に御質問申し上げます。 総理が、安倍政権の最重要課題は教育問題、教育政策である、このように言われましたことは極めて大きな意義があると思うんです。この機を逃しては我が国の教育改革はなかなか進まないだろうと、非常に大切な時期を今迎えていると思います。そういう意味では、総理大臣が、かつて中曽根内閣のときに、中曽根康弘総理が教育問題を掲げて総選挙に打って出られたことがございました。そのときに次ぐ非常に大きな機会であると私は考えています。 ところが、どうも政府が出しておられます法案を拝見しておりますと、法案を出すことに意義があって、法案を、法律を成立させることに意義があって、内容が十分こなれていないのではないか、内容が伴っていないのではないか。現に、先ほど来、中曽根議員、有村議員の御質問を承っておりましても、この法案を出すに至って与党の内部でどれくらい議論をなさって法案が出てきたのかということを大変、失礼でございますけれども、疑問に思うくらいでございます。 先ほど総理は、こういうことをおっしゃいました。損得を超えたところに大切なものがあると、正にこれが教育であると。そういたしますと、総理、教育というのは正に市場原理にはそぐわない分野であると、こう私は考えますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) すべてを市場原理に任せていい分野ではないと、このように思います。しかし、市場の持っている合理性あるいは効率化を追求していくという、そういう市場の持つ特性を生かしていくことは大切ではないだろうかと、このように思うわけでございます。 教育を受ける子供たちや親たちにとって、教育の現場にある人たちが常に努力をしていくということは大切であります。しかし、それはそもそも先生の資質であると、こういう考え方もあるでしょうし、学校というのはそういうものだという考え方もあるかもしれません。しかし、必ずしも、残念ながらそれはそういうふうになっていないところもある、そういう方々もいるのも事実であって、頑張った人たちが、また努力をしている先生たちが報われていくという仕組みも必要でしょうし、お互いに切磋琢磨をしていくという競争も私は教育の質を高めていく上においては大切ではないだろうかと、このように思うわけでございます。 ですから、そのバランス感覚が大切ではないだろうかと、このように思うわけでありますが、要は、今委員が御指摘したように、市場の原理ですべて割り切れる、また割り切っていい分野ではないということは当然のことであろうと思います。
○西岡武夫君 小泉政権のときに一番大きな問題だったのは、市場原理に任せてしかるべき分野とそうではない分野とをきちっと区分して、その上で自由主義経済の問題を考えるべきであったと。その議論がなされないままに市場原理至上主義みたいな考え方が蔓延したことが今の日本の社会を大変大きく狂わせているのではないかと、私はこう思います。 そういうことを教育現場に持ち込んではいけないと。特に、独立行政法人化した国立大学、私はこの独立行政法人化には反対でございましたけれども、この分野に市場原理を持ち込むということ、現に持ち込まれていて、そしてどんどん国立大学の予算は削減されつつあると。これは日本の将来にとって非常に大きな禍根を残すと思うんです。 実は今日、私の持ち時間はわずか二十五分間でございますので、教育の全体像について総理がどうお考えなのかということをお聞きするのは、委員長にお願いをいたしまして、是非別の機会に設けていただきたい、時間を設けていただきたいと思いますので、今日は個別のことについてお話を申し上げますけれども、そういうことを明確にすることがまず大事であろうと、こういうふうに思います。 そこで、ただいま同僚の鈴木委員からの質問の中でございました、教員の定数と、そして教員の資質を向上させるということは正に、特に、特に義務教育については最大の課題であると、私はこう考えるんですけれども、総理はこの点はいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教員の質を高めていく、正にこれは、教育は人でありますから、教員の質を高めていく、そして子供たちにとって必要な人材を確保していくことは教育にとって極めて重要であると認識をしております。
○西岡武夫君 それでは、総理は、今回提案されました教員免許の更新制によって本当に教員の資質が向上するとお考えでしょうか。 教師というのは、子供たちの前に立ったとき、その先生がたとえ初めて立った日でも、児童にとっては先生なんです。したがって、教員の養成ということをきちんと行うことが最も大切であると、そのように考えますと、先ほど鈴木委員から御指摘申し上げましたように、教育実習、すなわち現実に学校の教壇に立って教えるという実習というものを十分やった方が先生になると、そういう教育の仕組みをつくり上げなければ学校の現場というのはなかなか向上しないと私は思うんです。 そういう意味で、私どもは今回、教員養成制度を抜本的に改革するということを御提案を申し上げているわけでございますけれども、先ほど来総理は、まあ十分検討しなければいけないというようなことを御答弁になっておりますけれども、実は、これは昭和、まあかなり古い話になりますけれども、昭和五十一年からこの問題は当時自民党の中でも議論をされているんです。そして、五十八年には総選挙の自民党としての公約にもなっているんです。ですから、今始まったことではないんです、これは。 と申しますのは、先ほどこれも鈴木委員から指摘のございました行革推進法の中の五十六条の中で、人確法の廃止も含めてこれを検討するというようなことが述べられているわけでございますけれども、人確法を制定したときに本当は教員養成を充実するということとセットでやるべきことだったんですけれども、残念ながらそれができていない、そして今日を迎えているわけでございます。 したがって、教員養成の仕組みを抜本的に変えなければ、優れた人材を教師として迎えるということはなかなか困難になっている。今日のように、日進月歩それぞれの学問分野というものが目覚ましい発展を遂げている中で、優れた教師とは何ぞやという問題が大きな問題になっている。しかも、わずか二週間や四週間の学校現場での経験では、自分が一体教師に向いているのかどうかということを御本人もなかなか自覚できないだろうと。 したがって、私どもが御提案申し上げているのは一年間、四月一日から三月三十一日まで、丸ごと一年間教育実習に充てると、このように考えますと、どうしても現在の学部の四年間の中には収まり切らない。教育課程を勉強される学生の諸君は一般の大学の学生の勉強される科目以外に教育課程についての勉強をしなければいけない、そういうことを考えますと、学部の中にこれを押し込んでしまうのは難しいということもこれあり、修士課程ということを御提案を申し上げているわけでございます。 この点について、総理はどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど鈴木議員と議論を行ったわけでありますが、教員の質を向上させていくためにも、この教員の養成課程を充実をさせていくということはこれは有益であろうと、こう思うわけでございます。 そこで、しかし、修士の評価の仕方は、やはりこれはよく検討、研究してみる必要はあるのではないかと、こう思うわけでございまして、例えば、今、大半の先生方は修士は出ておられないわけでございますが、その中にも有為な、立派な先生方はたくさんいらっしゃるわけでございます。また、例えば、これは社会的なそういう修士課程、専門の教育論についてのこの研修、また勉強をしてこなかった方々も、社会においていろいろな経験をしてきた、そうした経験を生かした上において人格的に子供たちから尊敬をされている方々もたくさんおられるわけでございます。 そういう意味におきまして、そういう言わば社会人として経験を積んだ人たちに対して、教壇に立つという、そういう門戸も広げているわけでございます。ですから、一概にはなかなか言えないのではないかと、こう思うわけでございます。 そこで、民主党の御提案でございますが、先ほど申し上げましたように、教員の養成につきましては、短大レベルやまた学部、修士レベルで、それぞれのレベルにおいて行っているわけでございまして、それを今度すべて修士ということにする上においては、これは予算上の措置も必要でありますし、また養成をしていく上においての、これを受け入れる側の体制においても、それは十分な体制もできていないという課題もあるのではないかと、このように思います。
○西岡武夫君 だからこそ、私は冒頭に、総理が、安倍政権の最重要課題は教育であるということをおっしゃったわけですから、非常に困難な問題はたくさんある。それはもう十分承知しています。しかし、これまで十分議論されているんです。その蓄積は当然、役所にもあると思いますし、内閣全体にもあると思うんです。 現に、かつて文部省の時代から研究指定校制度というのがございまして、いろいろな研究を学校を指定して長年行ってきているわけです。そういう蓄積も是非、総理、教育が最重要課題とおっしゃるならば目をお通しいただきまして、これ実行できるんですから、是非やっていただきたい。 これから長い議論が始まりますので、今日はこの程度にこの問題いたしますけれども、どうしても譲れない問題は、学校のやっぱり先生の定員の問題を、総理、ここではっきりしていただかないと議論は進まないと思うんです、自民党さんの中からもそういう意見が出ているわけですから。 と申しますのは、行政改革推進法の五十五条第三項、先ほど鈴木委員が読み上げられた部分ですけれども、私もあえてもう一度申し上げます。 この三項に、児童及び生徒の減少に見合う、見合うですよ、数を上回る数の純減、純減ですよ、をさせるため必要な措置を講ずるものとすると、ここまで書いているんですよ、この法律では。 これを総理は、今回出されました法案の中の附則で結構ですから、これは削除すると、そういう法案を安倍総理がお出しになっていればこの問題は一遍に解決するんです。それぐらい教育は重要だということを総理はおっしゃっているんですから、なぜそれをなさらなかったのか。これで伊吹大臣に教育をどんどん改革せよと言われても、手足を縛ってプールに大臣をほうり込んで泳げとおっしゃっているのと同じですよ。
○国務大臣(伊吹文明君) 総理から決意は後ほどお話になると思いますが、まず、今、西岡先生がおっしゃったこの法律の読み方ですね。これは、私も最初この法律を読んだときには、児童生徒の数の減少に応じて教師を減らせというんだと、一方で標準法で、あるいは地方財政措置の基準財政需要上、四十人学級というのは決められているわけですから、児童がどんどんどんどん減っていった数に合わせて教師を減らせということなら学級編制ができないじゃないかというんで、主計局からもいろいろ意見を聞いてみました。 これは、例えば一つの学校で十九人と十九人まで減りますと、二つ足すと四十人以下になりますから、四十人以下になりますからこれは一人教師が減るんですが、そうじゃない場合は、クラスの編制に合わせて担任教諭というのは一人ずつ置かなければなりませんから、これはきちっと予算措置が、先生、できているんです。これは、児童生徒の数に合わせてどんどん減らしていくというわけではないんです。 問題は、それを超える人数で減らせと言われますと、結局どこかで児童生徒に向き合う人の数を減らしていかねばなりませんので、我々としては、それが結果的に学校の先生の、教師に向き合う時間を奪っている一番大きな原因だろうと思いますので、そこのところだけは何とかしなくちゃいけないと、私は担当大臣としてそう思っております。 ただ、そのやり方として、今先生がおっしゃったように総理がすぐ附則に書いて出すというやり方もありますし、予算編成の中で総理が決断をされて、予算関連法案としていずれそこの措置をするやり方もありますし、今中教審、今再生会議あるいは経済財政諮問会議、いろいろなところで議論をされているわけですし、何よりも国会でこれだけの議論をしていただいているわけですから、内閣としてそれを受け止めて年末の予算編成に当たらせていただきたいと。 今のところは、そこまでお答えするのがぎりぎりの限界だと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま文部大臣から文部省としての考え方を述べてもらったわけでございますが、しかしながら、確かに、確かに子供たちと向き合う時間を減らさないようにするためにはどうしたらいいかという観点からもいろいろと検討はしていかなければいけないと、こう思っているわけでございます。 これから正に概算要求そして予算編成と、こう向かっていくわけでございますが、その中におきまして真に必要な教育のための予算と、そして教育の人材を確保する、そしてまた先生が、教師が子供たちと向き合う時間を確保するためにはどういう方途があるかということについてよく検討していきたいと考えております。
○西岡武夫君 伊吹大臣も安倍政権の下でございますから、総理大臣を横に置いてなかなかそれ以上のことをおっしゃるのは難しいというのは私、十分承知しておりますけれども、そうは総理おっしゃっても、この法律がありますとなかなか簡単にいかないんですよ。それはもう十分お分かりだと思うんですよ。 現に、これも昔話になりますけれども、私学振興助成法という法律を私、議員立法で作りました。憲法違反だっていろいろ批判もありましたけれども、思い切ってこれは皆さんの努力で成立をしたんです。大学紛争のときに私立大学の授業料がなかなか値上げできない、紛争の火種になるからというようなこともこれあり、私学に対する経常費助成というのは予算措置で初めやったんです。予算措置でやったんです。予算措置ではとてもじゃないけれども、毎年毎年それは財務当局と切った張ったのやり合いをしなければできませんから、やはり法律というものの裏付けがなければ駄目だということで私学振興助成法という法律を作ったわけです。 そういう経験からいたしますと、この行政改革推進法の中の五十五条、五十六条、また大学については四十二条と五十三条、この条文は削除しなければ教育政策というのは進められませんよ。これを是非お願いしたい。検討するというお言葉でも結構ですからいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、行革推進法においてきっちりとこの行革を、かなり苦しい中においても推進をさせていくという、そういう意思を示したわけでございまして、すべての分野、教育の分野においては今委員が御指摘になった条文に示されたとおりでございます。 しかし、その中におきまして、先ほど申し上げましたように、教育の現場のことを我々もよく認識もしなければいけないのは事実でございます。しかし、今の段階でこの行革推進法を、今おっしゃった条文を廃止をしろと、このように言われても、それはやはり我々今は必死でこの行革を進めていかなければならないという立場にあるわけでありますし、我々はその旗を下ろしてはならないと、こう思っているところでございます。 いずれにいたしましても、今後の概算要求、予算編成におきまして、教育において真に必要な予算の確保と、また、先生方が子供たちに向き合っていく時間を確保するためにはどうすればいいかということもよく念頭に置きながら検討していきたいと、このように思います。
○西岡武夫君 あと一分になりましたのでまとめますけれども、総理、私はここで文部科学省の代弁をして予算折衝しているんじゃないんですよ。この法律をこのままにしておいては、本当に総理がおっしゃっている安倍政権の最大の課題は教育であるという言葉がうそになるんですよ。うそになるんですよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、それはもう全く私は違うと、このようにはっきりと申し上げておきたいと、こう思うわけでございます。 これは、予算がすべてではございません。教育においては、例えば昨年の教育基本法の改正に当たりましても、六十年ぶりの改正でありましたが、これを行ったわけでございます。そして、それを受けて今回教育三法の改正を行っているわけでございます。 社会総掛かりでこの教育の再生に向かっていく、取り組んでいくという姿勢を我々は示しているわけでありまして、これは全く、今委員が御指摘になったように、私たちが熱心でないということではないという証明になると、私はこのように確信をしておりますし、今後とも、我々は私の内閣の最重要課題として取り組んでいきたいし、また、そのことをよく国民の皆様にも御説明してまいりたいと、こう考えております。
○西岡武夫君 これで終わりますが、総理が、今申し上げたこの行政改革推進法の中の四つの条文の項目を削除されたときに初めて安倍政権が教育を政権最大の課題であるということを私も認めて結構でございます。 以上です。 ─────────────
○委員長(狩野安君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。 ─────────────
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。 総理は、美しい国づくり、そのために人づくりだと、だから教育を再生したい、そして規範意識を重視したいと何度も言われてきております。現に今回の学校教育法改正案の中には、教育の目標として達成するものに、国を愛する態度と並んで規範意識が盛り込まれています。 まず、冒頭お伺いします。総理の言う規範意識とは何でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 規範意識とは、みんなで決めた規則あるいはマナーを守っていくということであります。もちろん法律を守っていくということは当たり前でありますが、この法律以前にやはり守るべき規則、あるいは、これはみんなで守っていかなければ社会が成り立っていかない、そういう決まりを守っていくという、そういう意識を私は規範意識と、このように申し上げています。
○蓮舫君 規範とは、辞書で引きますと、行動や判断の基準となる手本や模範です。失礼ながらお伺いしますが、規範意識をおっしゃっておられる安倍総理並びに安倍内閣を構成しておられる大臣の皆様方には規範意識はあるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、規範意識は持っております。しかし、もちろん私も欠点の多い人間であります。自分は完全無欠であるという傲慢な態度をもって人を批判しようとは思っておりませんし、そういう態度はむしろ子供たちに悪い影響を与えるのではないかと、こんなようにも思うわけであります。 人は完全ではない、間違いもあります、欠点もあります。その中において、やはり社会を成り立たしていくため、人それぞれがお互いに尊重して、尊重し合って、そして人生を豊かに過ごしていくためにもルールをお互いに守っていくという努力をすることが必要だということは、我々は当然常に意識をしなければいけませんし、子供たちに教えていかなければいけない。我々自身が、また私自身も欠点の多い人間でありますが、しかし、子供たちに規範を説いていく、そういう責任から逃れることはできないのではないかと、このように思っているところでございます。
○蓮舫君 いや、正に子供に規範意識と言うのであれば大人が問われるべきところなんですが。 昨年の安倍内閣が発足してから起きた幾つかの事柄をここにまとめさしていただきました。(資料提示)私は、こうした中でも一番子供たちに見せたくない、あってはならないと思えるのが政治とお金の関係だと思っております。 総理、私、何度考えても分からないんですが、松岡農林水産大臣、還元水の件は調べて答弁すると約束をしたものが、約束にのっとらないで、法律にのっとって処理していると言うだけで説明はしない。しかも、税金で払っていただいている議員会館の光熱水費は本来法律にのっとったらゼロ円です。ゼロ円のはずが、五年間で二千八百万円計上している。これはおかしくないんでしょうか。 先ほど総理はおっしゃいました、規範意識とは法律以前に守るべきものだと。私は松岡大臣は規範意識を守っていないと思いますが、どうなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この政治資金の規正法、事務所費も含めてですね、政治資金規正法のこの成り立ち、在り方というのは、これは政治資金、言わば政治活動の透明性を高めていく、これは政治資金の集め方もそうですが、使い方においてもこれは透明性を高めていかなければいけない。しかし、政治活動においてはその政治活動の自由を保障していかなければいけないという、そういう考え方も当然あるわけでございます。 そういう中において、この政治活動の自由、そして、それと同時に、政治の場として、政治に携わる者として透明性を高めていくことによって国民に対して責任を果たしていく、そういう中においてでき上がってきているのがこの政治資金規正法であります。 そして、その政治資金規正法の求めるところによって松岡大臣は適切にこれは処理をしていると、このように国会で述べているとおりでありまして、私もそのように報告を受けているところでございます。
○蓮舫君 以前の小泉総理は答弁がとても短くて逆に分かりにくかった。安倍総理は答弁が長くて何をおっしゃりたいのか分からない。是非、分かりやすく端的に答えていただきたい。 今総理がおっしゃいました、政治とお金の関係は透明にすることがいいことだ、その思いは一緒です。私どもは、政治活動に使ったお金一万円以上すべてに領収書を付けてなるべく透明度を高めようという独自案を出しておりますが、政府は法改正はしないでいいという方向なんでしょうか。まだ独自案を出しておられませんが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま御質問をいただきました。 しかし、政治資金規正法というのは政治活動そのものにかかわることでありますから、言わば政府としてそれは私たちが縛るということではなくて、正に議員の立法によって、議員が各会派で議論をした上において自ら手を縛る、これが私は正に政治の基本ではないか、このように思うわけであります。議員の活動と政府とは時には緊張関係になることもあるわけでありますから、ですから政府ではなくて議員が立法として、議員立法としてそれを行うということではないかと、このように思うわけであります。 自民党、また与党において、案がおおむねまとまったという報告を受けているところでございます。
○蓮舫君 民主党は既に法案を提出しております。自民党からまだ出ていないというのは、じゃ議員の意識の違いということを総理は今理解しているのかなと思いましたが、私は、いずれにせよこういう姿勢というのは子供にちゃんと見せていくべきものだと思っているんですね。 規範意識ということであれば、是非今日は総理に聞かしていただきたいのは、年金問題について聞かしていただきたいと思います。 政府は、保険料を納めれば年金をしっかりと払っていくと約束をしている。約束を守るということは規範でございます。ところが、保険料が納められた年金記録はあるんですが、それがだれのものか分からない持ち主不明の年金記録が何と五千万件ある。結婚して名前が変わった、仕事を幾つか変えた、引っ越しをした、そのたびごとに市町村や社会保険事務所にきっちりと報告をして年金保険料を納めたにもかかわらず、社会保険庁のミス、入力ミスやずさんな管理でそれが一体だれのものか分からなくなっているのが五千万件。 総理、これは国が保障する保険、社会保障制度として誇れる仕事ぶりなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま御質問ございました件は、これは正に年金の中の中身の話でございまして、厚生労働委員会で深い議論をやっていただきたいと、このように思いますが、今御質問がございましたからお答えをさしていただきたいと思います。この委員会においては教育三法を議論をする場だと、このように思っておりましたからこのように申させていただいたわけであります。 御指摘の五千万件の記録につきましては、基礎年金番号に統合されていない記録のことであります。基礎年金番号導入前にお亡くなりになった方など統合する必要のない記録や、今後、年金裁定時までの間に記録確認が行われ統合されていく記録が含まれています。五十八歳の段階でこれは通知をいたしますので、その段階で自分の今の年金の状況はどうだということが、言わば社会保険庁から通知が行きますから、そこで社会保険庁に問い合わすなどしながら統合されていくものも多数あるわけでございます。これはそういう仕組みになっているんですからそうなんですよ。 そして、社会保険庁では、昨年来、年金記録相談の特別強化体制を取っています。年金記録の確認を幅広く国民の皆様に呼び掛けています。まずはこの中で、一つ一つ確認の申出に対して丁寧に対応していく必要が当然あるわけであります。さらには、本年六月からすべての年金受給者の方に送付する年金振り込み通知書において記録確認の呼び掛けを行うと、このように報告を受けています。 今後とも、国民の不安が解消されるように有効な方法を工夫をしながら、厚生労働省において更にしっかりと対応さしていかなければならないと、このように考えております。
○蓮舫君 御高齢者が老後の生活の最大限頼っている年金を、社会保険庁のミスで本来もらえる額よりも少なくもらえる、あるいは、支給要件を満たしてないといって本来満たしてあるものを切ってしまっている実例が出ているんです。国が約束したものを守らないで、でも一方で子供には規範意識を教えていく、その矛盾があるからあえて質問さしていただいているんです。 今総理おっしゃいました、呼び掛けているとおっしゃった。いいですか、五千万件、行方不明、迷子になっている年金記録がある。そのうち千九百万件が今実際に年金を受けておられる方、八十歳までの方の記録なんです。これをしっかり整理すれば今もらっている年金がもっと増えるかもしれない、あるいは、記録がないから年金差し上げられませんと言われている方が年金をもらえるかもしれない、この可能性があると柳澤厚生労働大臣は委員会で答弁しました。じゃ、可能性があるんだったら、総理が今言うように皆さんに幅広く呼び掛けるんではなくて、社会保険庁が、あるいは国家がきっちりと責任を持って調査をして足りない部分はしっかりお渡しをする、その役割があるんじゃないですかと私は伺っているんです。 柳澤厚生労働大臣は調査をしないと言います。総理も、調査はしないで、これは年金受給者が自分で調べてくださいとおっしゃるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまおっしゃった問題について、五千万件というのは、これは既に受給されている方々ではなくてすべてですから、これは先ほど申し上げましたように、これから年金が裁定される中において通知が行きますから、そこで、通知が行きますから、そこで統合するわけであります。
○蓮舫君 既にもらっている人いますよ。既にもらっている人がいるんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そして、いや、五千万、五千万人はすべてだと言っていますから……
○蓮舫君 五千万って言っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、いや、五千万って、今すべてと言っていますから、その中に入っているということも言って──私の言っていることをまず聞いてくださいよ、ちゃんと。質問しているんだったら、まず私の言っていることをちゃんと理解して聞いていただきたいと思います。
○委員長(狩野安君) 蓮舫さん、静かにしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 五千万件というのは、もらっている人も、また、まだ裁定前の人も、すべての数を今おっしゃっているんだろうと思いますね。そして、千九百万件というのは既に裁定済みの方々のことをおっしゃっているんでしょう。だから、私は今そう、おっしゃっている、そう申し上げているわけですから、そこをよくまずは聞いてから反応していただきたいと、こういうことをまず申し上げておきたいと、こう思っています。 ですから、五千万件のうち、これから裁定される方々については、これから通知が行くということを一番最初に申し上げたわけであります。 そして、さらに、千九百万件の方々すべてと、このようにおっしゃっているわけでありますが、しかし、この方々の中で、おおむねの方々は大体これは正しい、これは真正なものであると、記録は真正なものであると、こう申し上げてもいいのではないかと、こう思うわけであります。 これは、昨年の八月二十一日から三月の三十日までの年金記録相談の特別強化体制の間に社会保険事務所等の相談窓口で約二百十五万四千件の相談がございましたが、その相談件数全体に対して、少なくとも九九%に当たる二百十四万四千件は既に基礎年金番号に収録済みであったもの、あるいはまた、他の年金手帳記号番号や旧姓で記録が管理されていることがその場で確認されて基礎年金番号に統合されたと、こういうことであります。ということをいえば、大体九九%が真正であった、おかしいなと思って相談した人の九九%が実は真正であったわけであります。 そういうことからいえば、すべてのこの被保険者、年金受給者に対して年金加入記録を送付して点検をお願いをすることは、効率的な面についてこれはどうであろうかと言わざるを得ないと、こう思っているわけでございまして、今後は社会保険庁で実施をしている年金記録相談の特別強化体制を活用していただき、そしてまた周知を徹底をしていきたいと思います。 年金について大切なことは、いたずらに不安をあおってはいけないんですよ。年金というのは、これは信頼、やはりこれは年金に対する信頼をこれはそぐということになってしまうのではないかと、このように危惧をいたしておるところでございます。
○蓮舫君 いたずらに質問しているわけではないんです。五千万件、実際に記録が浮いて行方不明に、迷子になっているデータがあって、今総理、答弁で把握している数、おおむねと答えましたね。おおむねって何ですか。そのおおむねという数字を明らかにするために、名寄せをしたら何人の分のデータになって、今実際もらっている額が実は減額、勝手にされていたとか、勝手に社会保険庁のミスでもらえなくなっている人たち、救済措置を取れる人たちを、国は総理の指示できっちりやるべきではないですかと、調査すべきではないですかと私は伺っているんです。おおむねとか、二百四十万件の相談があったから。五千万件の話をしているんですよ。改めて、私どもは消えた年金記録被害者救済法案を出しておりますが、ここは総理と姿勢が決定的に違うんだということを改めて分からしていただきました。 では、引き続き教育再生会議についてお伺いをいたします。 私は、教育再生会議と、あるいは文科省が、文科大臣が諮問をしている中教審の違いがまだ、いまだにはっきり分からないんですが、でも総理は教育再生が大切だとして、自分の最重要課題だとして会議を設けたとされるんであれば、教育再生会議に期待しているものは何なんでしょうか。端的にお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど延々と年金についてお話をされたんですが、質問されたんですが、是非それはやはり厚生労働委員会でやっていただきたいと思います。 また、いたずらに年金の仕組みについて不安をあおってはいけないというのは、かつて年金の財政について、もう破綻する、もう破綻すると言われていますが、現在は経済の状況は大変良くなってまいりましたから、十二兆円ですね、今財政は改善をしているということは申し上げておきたいと、このように思います。 その上で、教育再生会議についてでありますが、教育再生が私の内閣の最重要課題であります。この教育について、様々な分野から見識を持った方々に集まっていただいたわけであります。その中におきまして、子供たちに高い水準の規範意識を身に付ける、あるいはまた高い水準の学力を身に付ける機会を我々は保障していくために教育再生に向けて御提言をいただく、そのために教育再生会議を設けたわけでございます。
○蓮舫君 いたずらにあおっていないということは再度言わしていただきます。年金に関しては、例えば厚生労働省は、二十五年目以降の出生率、経済成長率、労働力人口、独自の判断で試算をしておりますけれども、相当甘い数字出していますよ。 改めてこれはまた議論をさしていただきますが、今の教育再生会議において、総理がおっしゃいました。四月十七日に教育再生会議第二分科会、これ規範意識とか家庭、地域再生について議論をするところなんですが、ここで識者からのヒアリングと委員の議論が行われました。その日、各委員と山谷えり子総理補佐官から具体的に出された、その会議の出された提言です。この個別提言が入るかどうかはまだ私、知る由がないんですが、五月中には第二次報告を出されると伺っています。 この山谷補佐官が親学をアピールしたいとこの会議の中で発言をされているんですが、総理の言う人づくりというのは、子供に情操や規範意識を教えるだけではなくて、育児についてまで政府は指南をすべきだとお考えなんでしょうか。これは確認をさしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問に答える前に、先ほど厚生省が甘い数字を述べたではないかと言いましたが、前回の、五年ごとに年金の再計算をやっておりますが、前の再計算のときよりも今の経済の状況が良くなっていることによって、先ほど申し上げましたように十二兆円、運用は改善をしておりますし、また、二〇二六年において代替率は五一%になっているということも申し上げておきたいと、このように思う次第でございます。それはきっちりと国民の皆様に申し上げておかなければならないと、こう思うところであります。それは、近年の経済のこれは回復を反映したものでございます。いかにこれは、出生率だけではなくて、経済の状況等もこれは年金の給付に大いに反映されるということのあかしではないかと、このようにも申し上げておきたいと、こう思うところでございます。 そこで、今の言わば親学についてでございますが、これは教育基本法の、改正教育基本法におきましても、保護者の役割、責務を述べているわけであります。そして、それとともに、保護者に対して地域が支援をしていくということも重要であると、このようにも書いてあるわけでございますが、そこで、やはり子供をはぐくんでいくこのやはり基盤は家庭であろうと、こういうことでございます。その中において、科学的な知見を紹介をしていく、このような育て方が大切であるという、これはアカデミックな意見を紹介をしていくことも大切ではないだろうかと、このような観点から今議論がなされているところでございます。
○蓮舫君 政府は子育て指南をするべきですかと伺ったんですが、おやりになるんですかと聞いたんですが、どうなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子育て支援はいたしますが、子育て指南をするという考えはないわけでありまして、今申し上げましたのは、そうした科学的な知見等を御紹介をするのは有意義ではないだろうかと、このように申し上げているところでございます。
○蓮舫君 子育て支援はまだまだ足りないと思いますが、子育て指南はしないということで安心しました。 例えば、こういう見識ある方たちの御意見で親学というのが出てきたときに、政府がこの親学をきっちりと各家庭にしてもらいたいんだとするのは私は非常に危険な方向だと思うんですね。それはそれぞれの家庭がやるべきものであって、政治家として考えなければいけないのは、こういう提言が出てきたときに、なぜじゃ母乳で育てられないのか、なぜテレビを見せてしまうのか、なぜ演劇を見せられないんだろうか、なぜできないんだろうかという、その、何というんでしょうか、ハードルとなっているものをどうやって取り除くかというのが私は政治だと思っております。 総理は、衆議院の教育再生特別委員会の答弁で、そもそも家庭における教育力が低下をしているのも事実でありますと言いました。これは何をもって確信しているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずは、これは文科省の調査かもしれませんが、世論調査の結果、七割の方々が家庭における教育力が低下をしていると、こういう認識を示しておられるわけでございます。 そして、この六十年、言わば核家族化が進んできたわけでありまして、そして両親が子供と過ごす時間も減少してきていると、こう言われています。言わば、おじいちゃん、おばあちゃんがいる中において、こんなように教わった、こんなようにしかられたということがあったのではないかと、こう思うわけであります。それは、それぞれ経験によって多少もちろん個人差があるのは事実でありますが、大体、蓮舫さんはこの言葉はお嫌いかもしれませんが、大体おおむねそうではないかと、こう思うところでございますが、その中において、やはり言わば大家族の時代と、核家族化していく中で、また更に子供と向き合う時間が少なくなってきている時間の中では、言わば教育力としては低下をしてきている、これは一般にみんなそのように感じているというのは、そうだなと私も思っているところでございます。
○蓮舫君 実感ではないんですね、データによるもので確信をされているということでしたが、私は総理と考え方が違うんですよね。家庭の教育力は低下をしているんではなくて、教えたいとする気持ちはあるんでしょうが、随分と環境が変わってきたんだと思います。恐らく総理が小さいころには、大多数のお母さんが専業主婦で、おじいちゃん、おばあちゃんと二世帯同居をする家庭も珍しくなかった。複数の大人が子供を見てあげましたよ。いろんな伝統をそこで継承していくことができたんでしょう。でも、今時代は変わって、専業主婦より兼業主婦の方が多くて、それで共働きの家庭が増えて、地方よりも仕事のある都会に出てきて、そしてそこで子供を産んで、そして育てている。極めて孤立した育児というのが随分増えてきたと思います。 親に掛かる負担が増えて物理的に子供と接する時間が少ないというのも、これは事実でしょう。であれば、どうやってその御家庭が子供さんにしっかりとしつけや教育をできるようにさせてあげるんだろうか。それは働き方の見直しであったり、お父さんかお母さんが、どちらかが子供と見合える時間をつくるためのワーク・ライフ・バランスの法整備だと思うんですね。親学とか、あるいは教育基本法で変えたからといって、規範意識を法律に盛り込めば子供たちが育っていくんだという、そういう精神論では私はないと思うんですが。 最後に、短い時間で民主党にお伺いをいたしますが、政府案と違って、具体的に民主党案ではこれが教育で変えなければいけないということを、一言だけアピールをいただけますでしょうか。
○鈴木寛君 お答えを申し上げます。 我々民主党は、正に税金あるいは予算、法律、これを変えられるのは我々政治家でしかないというふうに思っております。 先ほど来議論がございましたように、政府・与党は、国立大学、公立学校の教員の純減を定めた行革推進法を堅持して、そしてOECD諸国の中で一番低い水準にある教育、この抜本的改善も行わないことを前提にいろいろな議論を積み上げております。 我々民主党といたしましては、まず教育予算を対GDP比のOECD平均であります五・二%までに引き上げて、そして教員の質を上げ、そして数を増やしていく、そうしたことを抜本的に、正に税金を投入し法律を作ってやっていくという、教育現場に優秀な人材ということを目指して頑張ってまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○蓮舫君 終わります。ありがとうございました。
○山本保君 公明党の山本保でございます。 貴重な時間で、短い時間でございますが、最初に、この教育法に入ります前に一つ総理にお尋ねをしたいと思っております。といいますのは、私の地元で先週発生いたしました、長久手町で発生した立てこもり発砲事件に関連してでございます。 私も、昨日、亡くなりました林一歩警部のその現場へ行かしていただきましたけれども、もう本当に残念でなりません。心より御冥福をお祈りしたいと思っております。また、負傷された警官の方にも早く、いっときも早く元気になっていただきたいと思っております。 そこで、残念ながら、非常に安心、安全な国であると、こう言われてきた日本でありますけれども、今回、選挙中の長崎市長の事件、また東京の町田市の事件、そして今回のこの長久手町の発砲事件と、こういうことが繰り返されているわけでありますが、総理にお伺いしたいと思います。 大変皆さん心配されておられます。アメリカのような国になってはならないと思っているわけでございます、こういう点におきましては。今後の日本のこの銃の規制といいますか、それについてどのような方針をお持ちなのか、安心できるアピールをお願いしたいということ。 それから、一緒にお聞きします。もう一つだけ。今回、非常に若い、すばらしい青年の警察官が亡くなられてしまいました。是非、この方の御遺族、御親族、そして今もまだ第一線で頑張っておられます警察官の方に対する総理からの感謝と、また、できれば激励のお言葉をいただけないかと思いまして、この二点をお聞きしたいと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 銃器犯罪は平穏な市民生活を脅かすものであります。不法な銃の所持、使用は、断じてこれは撲滅をしていかなければならない、このように考えております。 愛知県長久手町で発生をいたしました立てこもり事件など、昨今の凶悪な銃器使用事件の発生を踏まえて、今まで次のような検討を進めなければならないと認識をしております。関係省庁から成るプロジェクトチームを立ち上げまして、銃器議定書締結のための国内担保法整備、そして銃刀法の罰則強化など法令等の見直し、水際対策の一層の強化、そして学校教育の場において講じ得る教育施策等について検討を進めているところでございます。 今回、特殊部隊SATはテロ等に対応するため警察に置かれた精鋭部隊であります。防弾装備も含め必要な資機材を整備をしていると、このように承知をしております。しかしながら、本件について、将来のある若い隊員が殉職する結果となったことは断腸の思いでございます。また、まだ小さなお子様を抱えておられる奥様の気持ちを察しますと、これは言葉もないわけでございます。今後こうしたことが起こらないように万全を期していかなければならないと、このように思います。 今後、警察当局において詳細な検証を行った上で、装備資機材も含め、反省、教訓事項を抽出をし、必要な措置を講じるべきものと、このように考えているところでございます。
○山本保君 決してこういうことがもう二度と起こらないようにしなければならないと思います。そうでなければ、あの亡くなられた警察官のこの尊い犠牲が無になってしまう。決して、このことを起こさないということを是非今後も徹底していただきたいということを私からも申し上げます。 それで、では本論の教育改革について、この四法についてお伺いいたしますが、最初に法律ではなくて全体で予算のことを、まあ先のことを言うのはちょっとどうかと思いますが、二十年度の予算編成において、やはり総理、教育改革、教育再生ということを一番重要視されておられるわけですから、是非、これは我々与党これから考えていくわけですけれども、小中学校、義務教育だけではなく、幼児教育、そして大学等の高等教育、そしてそれだけはなく、実は最近特にやはり重要だと思われておりますのは、町の商店街などで子供たちがそこへ買物に行ったりする、そういうときに非常なその人間関係の中で、人様の子供にもいろいろ注意をしたり教えたりする、これは正に職業観を育てましたり、また社会観を育てていくという大変貴重な、いわゆる地域の教育力というのもございます。 学校教育だけではないわけでありますけれども、このすべてにわたりまして、教育全般について、教育予算全体を増額していくということについて総理から決意を伺いたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御質問にお答えをする前に、先ほどの殉職されました林一歩警部についてでありますが、この林一歩警部の尊い職務行為に対しまして可能な限り報いていきたいと考えております。賞じゅつ金の付与や叙勲の贈呈も行ってまいりたいと、こう考えているところでございます。 教育再生についてでございますが、教育再生は我が内閣のこれは最重要課題でございます。内閣を挙げてこの教育再生に取り組んでいきたいと思います。社会総掛かりで教育の再生を進めていく、これが重要ではないかと、こう考えているわけでございまして、この社会総掛かりで教育再生に取り組み教育新時代を開いていきたいと、このように思います。 来年度の教育予算につきましては、教育再生会議及び経済財政諮問会議等における議論を踏まえながら効率化を徹底をし、そして義務教育だけではなくて幼児教育、大学教育、さらには地域における教育等についても真に必要な予算について財源を確保していかなければならないと、このように考えております。
○山本保君 それは大変心強いお言葉でございます。是非これは内閣としてしっかり進めていっていただきたいし、我々も与党としてそれを後押ししてまいりたいと思っております。 次に、今日、実は先ほどもお話がありましたが、私も公明党を代表いたしまして、教職員についての、教員だけではございませんが、やはりこれからの大事な課題であります先生方の、優秀な、また力のある先生を増やしていくということは重要だと思っております。公明党としても、ここで言わば定数増というようなことをするべきではないかということについてお聞きしたいと思っております。総理です。 ただ、私は、先ほどの議論について言いますと、すべての教員が六年制の大学院を出てからというのは、ちょっとこれはどうかなと思います。今でも諸学校など四年制の大学、いわゆる師範型などという言葉がありますように、ほとんど先輩、後輩で成っていると。正に単一型の教員というような形というのは余りよろしくない。先ほど総理も言われましたけれども、いろんな人材が入ってくる必要がございます。当然、大学院、また博士なども入っていただく、これは当然なことだと思っております。 私はもう一つ、いわゆる教育事務職という方たちもおられます。日本では事務というのは非常に軽視されておるようでありまして、俗に良くない言葉で事務屋さんなどというふうに言いますと何か専門性はないというような形でありますが、教育に関して申しますと、それは実際、子供といろんな対応をする先生方の仕事、その教育情報をきちんと管理し又は整理して、そして次に使っていくという、こういうことの専門職としての教育事務というのはこれは非常に重要なわけでありまして、私は同じような、今度御質問ではありますけれども、こういう方も含めて、目に見える措置を安倍内閣として行うべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いかに教育の人材を確保していくか、これは我々にとっても重要な課題でございます。ただいま委員が御指摘になったようなそういう工夫も我々いろいろと検討をしていかなければならない、このように思います。 教育の質を高めるためには、教員が子供と向き合う時間を確保することが極めて重要でございますので、その中で副校長や、及び主幹教諭による組織力の充実、学校の事務量の軽減、また事務体制の強化などの取組を進めていく必要があるというふうに考えております。 また、教育再生を実りあるものとするためには、教職員の配置の在り方、めり張りを付けた教員給与体系などについて検討をしていくとともに、事務処理等の外部委託を進めていく、あるいはまた、ボランティアの活用等を考えながら教育力を増していくことも重要であると、このように考えております。
○山本保君 是非このように、単に数字上の教員の数だけを増やすというような議論ではなくて、教育構造の中で様々な専門家が子供の教育に携われるような、そのような形での、今後予算などにもそれも生かしていきたいなと思っておりますので、是非総理も検討していただきたいと思います。 先ほど、最初に警察官の話をいたしました。今、行政改革進んでおりますけれども、正に警察官に関しましては、残念ながらこの日本の今の安心、安全が損なわれつつあるということで毎年増員をしていること、これは与党として進めているわけであります。これももちろん重要であります。しかし、考えてみますと、教育ということはそれ以上に、また積極的に未来を開いていくと、こういう仕事でありますので、これについても我々は、厳しい財政ではありますけれども、何とか教育に関してはお金を出していきたいと、こういうふうに思っております。 次の質問に移ります。 教育公務員特例法の中で、教員の質でございますけれども、指導が不適切な教員という方が一部おられると、少数だと思いますけれども。いろんな議論がありまして、そういう方は教育、教員から辞めていただくというような議論もあったんではありますけれども、一応、私ども、まずその指導力を勉強していただいて改善していただこうということを、そのための研修を行おうというような案にしたわけでございます。 それで、ただ、そうなりますと、一つ心配しておりますのは運用面でございます。正に、この教員の任命権、県の、いわゆる都道府県教育委員会でございます。市の教育委員会、また校長さんからのいろんな意見も当然参ります。しかし、どの方が恣意的に認定をされるというようなことにもしなってしまいますと、これは教員の身分の保障に大変問題が出てくるおそれがございます。 この不適当な、不適切な教員であると、こう認定するというときにも、国としてきちんと一定のその基準なり、またそのためのシステムなり設けていく必要があるかと思いますけれども、総理、この辺はいかがでございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変重要な点を御指摘をいただいたと思っております。 今回の教育公務員特例法の改正案におきましては、指導が不適切な教員を任命権者が認定するに当たり、教育学、医学、心理学等の専門家や保護者の意見を聴かなければならないことといたしています。また、事実の確認の方法や手続については教育委員会規則で定めることとしていますが、国としても、指導が不適切な教員の認定が公正かつ適正に行われるようガイドラインを示してまいりたいと考えております。
○山本保君 このガイドライン、またそのための特別の専門性の高い委員会をつくりますとか、何かその辺について分かりやすい、こうすべきというよりは正に助言だと思いますけれども、その形の運用をしっかり取っていただきたいと思っております。こういうことがもし一回でも起こりますと、全体に響いてくる問題であります。 次に、伊吹文部科学大臣にお伺いをいたします。 これは、与党でこの案をまとめますときの一つの大きな課題でありました私学の自主性についてであります。今回のいわゆる地教行法の改正につきまして、都道府県知事が私立学校に関して事務を管理する、及び執行すると、これまでもあったわけでございますが、必要なときには県の教育委員会に関して助言又は援助を求めることができると、こういうことが定められました。 ただ、この辺につきまして、やはり私立大学、また私立学校といいますのは、正に建学の精神、宗教的な理念でありますとか哲学的な背景でありますとか、様々の正にすばらしい人間の英知を基にして今まで運用されてきたのが私立の学校でございます。 これについては、国は基本的にその自主性を侵してはならないと、こういうことはもう当然言うまでもないわけでありますけれども、今回のこの条文がそういう点でしっかり行われるために、まず、例えば知事さんが言うにしましても、知事さんが特に教育についての権威があるという方ばかりではありませんし、まず私立学校側の意見をよく聴いたり、又は私立学校の自主性というものを十分尊重するような方法を取らなければならないと思っております。 この辺についてはいろいろこれまでも議論されているところでありますけれども、大臣、ここについてお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) それでは、私から確認的に御答弁を申し上げます。 議院内閣制の下でこの法案を出すときに、与党協議の中で公明党から今先生が御指摘になった危惧がいろいろ表明されたのは今おっしゃったとおりでございます。 まず、私立学校といえどもこれは公教育の一端を担っているわけでありますから、主権者から負託を受けた国会が定めた法律は、これはもう守っていただくというのはもう大前提という当然の前提の中で、今先生がおっしゃった地教行法の二十七条の二の運用に当たっては、やはり御指摘のように建学の精神というものはあるわけですから、これを尊重するのはそれはもう当然のことでございますので、知事が私立学校と協議をするとともに、助言を求められた教育委員会の方も私学の自主性を尊重するなど適切な配慮をしていくということは、もうこれは当然のことだと思っておりますし、この法案が国会でお認めをいただいた後は、そのような方向のことを知事部局の方にも御連絡を申し上げたいと思っております。
○山本保君 この辺は大変重要なところであります。今、今後この法律ができ上がってからということがございましたので、よくまた与党とも協議をしていただくと。よろしいでしょうね。そういう形で、きちんとこの私学の自主性については十分な配慮をしていただくということをお願いしておきます。 次に、ちょっと細かな話になりますけれども、池坊副大臣にお尋ねをしようと思います。 今日もお話がございましたように、今、学校、子供たちをめぐって様々な問題が起こっております。そして、今回の学校教育法の改正を見ますと、この中に、これは教育基本法の改正の中で実はもう決めたことでありますけれども、教育の第一義的責任は親にあると、そしてまた学校は地域や家庭と連携をしなければならないと、こういう二つの教育基本法の条文が入りまして、これを基にしまして、今度学校教育法の中に、幼稚園から始まる学校、各学校は地域又は保護者や地域と相談を受けたり、また連携を深めていくということが出てくるわけであります。 そうなりますと、例えば今までの教員というか学校というのは、そういうものとは言うならば切り離されていたわけであります。明治以来、学校の教員というものは、当時の教育に対する余り熱心でない社会という中でつくられてきた教育制度でありまして、地域や親の言うことを聞いておりますと子供の教育が遅れてしまう、こういうことから正に聖域として学校をつくって守ってきたわけでありますが、しかし、今となってまいりますと、様々の専門家もおり、そして学校自体の意味も変わってきたということから、この意義付けが変わってきました。 そして、今特に、よく私も相談を受けたりいたしますものは、例えばお父さんとお母さんが仲が悪くて夜遅くまでけんかが絶えなかったとか、また、そのことで今日は朝御飯を食べてきてない子供さんであるとか、そういうようなことが学校の先生方にしてはよく分かるわけであります。今までの法律ですと、それはそれ、これはこれということでありまして、まあ力付けたり激励をすることはあったとしても、それに対して学校の先生が何かを出るということは、法律的には、これはもう、もちろん人間的にやっていただいて構わないと思いますが、法律的にはそういう根拠も権限も責任もなかったわけでありますが、今回これが法律に、今回の法案ではそのことについての責任が出てくるわけであります。 ただ、そうなりますと、学校の先生はそういう勉強、いわゆるこれは社会福祉の方でいいますソーシャルケースワークという分野のものでございますけれども、こういうことについて余り勉強されていないと。私も専門でやってまいりまして、これは福祉と教育の大きな違いの一つなんですけれども、福祉の方は、こういうケースワークといいまして、その悩んでいる方全体を改善していこうという手法を取ります。教員の場合、教育の場合は、それとは切り離した形で、その子供の能力を伸ばそうと、ここに特徴があったわけですね。しかし、これは美しいことではありますが、実際にはなかなか、この両方を融合させなければならない、今度初めてこれができるわけであります。 そうなりますと、どうなんでしょうか、今私が具体的に申し上げましたような問題、これに対してすぐに先生がというのもこれは大変でございますから、例えば学校若しくはその地域ごとにスクールソーシャルワーカーというような方を置かれて、そしてこの専門家とよく連携を取りながらその地域又はその家庭への支援をしていく、そのときに教員がキーパーソンとして子供の側に立って仕事をしていただく、こういうことが必要ではないかと思うんであります。既に大阪とか香川などではこういうスクールソーシャルワーカーを配置しているとも聞いております。 今後、教育現場にこのスクールソーシャルワーカーを配置することについて池坊副大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(池坊保子君) 山本保委員がおっしゃいますように、いじめや不登校、様々な問題を抱えております子供の問題解決には、縦横の関係ではなくて、たくさんの斜めの関係が必要かと思います。その一つにスクールソーシャルワーカーがあるのではないかと思います。特に教育と福祉は連携を密にしなければならないと思います。 今おっしゃいますように、国としては、小学校においては子供と親の心の相談員、中学校においてはスクールカウンセラー、そして今おっしゃるスクールソーシャルワーカーは、国としていたしておりませんけれども、大阪などは平成十七年から本当によくやっていただいておりますし、茨城、香川、兵庫、そして滋賀も今やっております。ですから、十二億二千万のこれは問題を抱える子供を支援する予算を取っておりますので、この中において是非進めたいというふうに思っております。 アメリカなどは公立学校においてこの制度を取っておりますところも多うございますし、また、州によってはこの認定の許可を出したりいたしておりますので、私どももそのようないろいろな創意工夫をいたしまして、多くのスクールソーシャルワーカー、特に福祉専門の方々に入っていただきながら子供たちの支援に力を注いでまいりたいと思っております。
○山本保君 ありがとうございます。 先ほどから私個人の意見かもしれませんが、学校というのは、そういういろんな様々の子供に関して、また教育に関しての専門家の集まるセンターであると、こういうふうにつくっていくことが私は必要だと思っておりまして、教員の資格等だけを注目をして持っていくという方法はどうだろうかなということを重ねて申し上げたいと思っております。 総理、一つ、質問にはなかったんですが、私の同僚といいますか同級生で校長先生などもおられます。今回、再生会議とか様々の中でちょっと危惧をされておりますのは、教育現場を本当によく御存じの委員がちょっと少ないのではないかというようなことも言われているのです。これはもちろん多い少ないの問題ですからはっきりとは言えないと思いますけれども、是非そういう声のないような、是非、教員また実際の現場の先生方の声をしっかり聞いて、これから、この法律とはちょっと違いますけれども、中身をつくっていくと、教育再生を進めていくということについて、是非総理の決意をお聞きしたいと思いますが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、委員と同じように、大変現場の声は極めて重要であろうと思います。現場の声なしには空理空論になってしまうと、このように思うわけであります。 教育再生会議の中にも、現場を経験をしてこられた方々、また実際今も現場におられる先生方が入っています。当然、その現場を知っておられる先生方の意見というのは、委員の、各、他の委員からは尊重されるわけでありますし、議論の中でもそうした現場を知っている先生方の意見が取り上げられていくわけでございますし、また第一次報告におきましても、また第二次報告におきましても、そうした現場の声をしっかりと受けて取りまとめを行っていくことになると、このように思います。
○委員長(狩野安君) 時間です。
○山本保君 ありがとうございました。終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 教育を何とかしたいというのは、国民の皆さん、今日はテレビをごらんの皆さんも共通の思いだと思います。政治がこの思いにどうこたえるかというのが問われておりますし、そのために今政府が一番やらなくちゃいけないことは、教育にしっかりお金を掛けて、そして国民のこの願いにこたえる条件を整えることだと思います。 しかし、私、今朝ちょっと新聞を見て心配になったんですが、こういう記事が出ておりました。公立小中学校の統廃合加速をという記事でありまして、財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会が六月の初めにまとめる報告書の中で、小中学校の、公立小中学校の統廃合が経費削減効果があるということを強調をして、これを加速をするということを打ち出すと、こういう記事なんですね。 そこで、文部科学大臣にお聞きするんですが、文部科学省は、小中学校の統廃合は経費節減のために必要だと、こういうお考えでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) まず、教育的見地からいって、やはり子供はある程度集まって、そしてお互いに多様な子供たちの集団の中で育っていくというのが一番いいと、これはまず大前提だと思います。 それから、先生も私も同じ京都出身ですが、京都市内などでは、昔は、人口が非常に多いときは百メートル間隔で小学校がございますよ。そういう小学校はやはり統合して、そこで余った国民負担を有意義に使えるということは、私はあって当然構わないと思います。ただ、通学に全く無理な状況の小学校を統合する、財源の理由だけで統合するということはあってはならないんで、こういうことの判断はやっぱり一面的にはできませんですよね。現場に即して、財政的な見地から統合しちゃいけないというのも困るけれども、しかし近距離であるのに統合して財源を出すということも、また私はあっていいことだと思います。
○井上哲士君 これまで文部科学省は、あくまで教育環境の整備が目的なんだということを言われておりました。今も、経費削減だけを理由にこれは良くないということだったと思うんですね。 私、これ聞きますのは、どうも経費を削減をするということを優先をして教育の問題が考えられているんではないかと。実際、日本の教育の予算が大変貧困だということは今日の議論でも様々出されました。 私も表を作ってまいりましたが、(資料提示)今日の議論にもなっておりましたいわゆるOECD、世界の資本主義国三十か国が集まっている中で、教育にどれだけ予算をつぎ込んでいるか、国民総生産に対する教育費の割合でありますが、日本は三・五、フィンランド六・〇、フランス五・八、主な国だけを挙げましたけれども、三十か国の中で日本は最下位、前回の調査ではびりから二番目、九五年はびりから三番目でしたから、むしろ下がってきたと、こういうことになっております。 総理は、世界最高水準の教育を目指すと、こう言われるわけです。しかし、こういう貧困な予算のままで実現をできるとお考えなんだろうか。世界一の教育を目指すと言うならば、予算もやはり世界水準に引き上げるべきではないか。 去年、この問題での議論のときに、世界に比べ遜色ないという答弁もあったわけですが、内閣の最重要課題だと位置付けた今日も同じお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この予算の比較につきましては、いろいろな角度から見ていく必要もあると、このようにも思うんですね。 OECDの調査によれば、二〇〇三年における我が国の学校教育費に対する公財政支出の対GDP比は三・五%でありまして、OECD平均は確かに五・二%と、このようになっています。我が国のGDP比は、これは世界第二位の規模でありますが、GDPに対する一般政府の総支出の割合は小さいわけでございます。そういう意味におきましては、我が国の政府の支出というのは、他の国々と比べて、総支出はGDP比小さいということでございます。 そしてまた、その中で、教育支出の占める割合、この政府支出の中におきます教育支出の占める割合は英、仏、独並みであるということでありまして、単純な比較は困難ではないかと、こう思うところでございます。 いずれにいたしましても、今後、真に必要な教育の予算については財源の確保のために努力をしていきたいと考えております。
○井上哲士君 単純な比較と言われましたけれども、現実を比較する必要があると思うんですね。 学力世界一と注目を集めていますフィンランド、日本の約倍ありますけれども、ここでは幼稚園から大学まで授業料は掛かりません。義務教育は二十五人以下学級。これに比べて、日本は四十人学級。そして、学費が高くて高校や大学を泣く泣くやめなくちゃいけないという、そういう子供たちもいるということなんですね。私は、この現実を見れば、とても今遜色がないという状況にはないと思います。 そして、真に必要なお金ということで言えば、今私は、大変大事なのは少人数学級だと思います。勉強を丁寧に教えるという点でも、それから子供の悩みに細やかにこたえるという点でも大変重要な制度だと思いますが、文部科学大臣、お聞きしますが、今ヨーロッパ等でこの小中学校の学級編制がどのようになっているでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 小学校で見ますと、平均的な学級規模は、イギリスは二十六人、それからドイツは二十二人、日本の場合は二十八・五人、これはOECDの調査でございます。 それから、国公立の中学校の平均の規模は、イギリスは二十二・五人、フランスは二十四人、ドイツは二十四・七人、日本は三十三・七人という数字になっております。
○井上哲士君 私、学級編制の基準を聞いたんですが、今平均を答えられました。なかなか答えにくいからそういう答弁になったのかもしれませんが、学級編制の基準でいきますと、アメリカ二十四人から三十一人、イギリス三十人、イタリア二十五人、大体三十人以下ということになっておりまして、日本の基準は四十人なんです。大きく違うわけですね。 しかし、今、日本でも地方自治体が努力をしておりまして、何とかこの欧米並みのこういう学級編制にしようということで独自の努力がされておりまして、既に東京を除く四十六の道府県にこれが広がっております。地方も国と同様に様々困難があるのに、なぜこういうふうに広がっているかといいますと、やはり非常に国民の要求が強い。そして、教育的効果があるわけですね。 これは、二〇〇五年にある民間教育団体と新聞社が行った調査でいいますと、これは保護者の声でありますが、教育制度に関する改革への賛成で一番多いのが一クラス当たりの子供の人数をもっと少なくすると、実に八一・九%です。それから、実際にこの少人数学級を実施した学校に文部科学省が調査をしておりますが、総じて児童生徒の学力が向上した、それから授業でつまずく児童生徒が減った、これ小学校では九八・七%と、こういうふうになって、非常にやはり効果を発揮をしているわけですね。 そこで、総理にお聞きをいたしますが、保護者も教育関係者も、そして地方自治体もやはり圧倒的に支持をしているわけですから、こういう少人数学級への学級編制に国として踏み出すべきだと思いますけども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この学級編制の在り方については、学級編制の標準を全国一律に引き下げるという画一的な取組ではなくて、地域や学校の実情に合わせた柔軟な取組を可能にしながら、これまで進めてきた少人数教育を一層充実をしていくことが効果的ではないかと考えます。 今後とも、学級編制に係る国の標準は維持をしながら、その上で地方の取組が進むように努めていかなければならないと考えております。
○井上哲士君 地方の取組進んでおりますけれども、結局一部の学年にとどまっているんです。それは財政的背景がないからなんですね。そこをちゃんと国が私はフォローするべきだということを申し上げているんです。 中央教育審議会でも少人数学級については議論をされてまいりまして、一昨年五月の議事録などを見ますと、これは国がやるべきであって、自治体独自で雇う短期講師は費用に見合う効果が少ない、少人数学級は生活指導に効果がある、安上がりでやろうという考えはこの機会に改めるべきだと、こういうような議論もされておりまして、一人を除き全員が少人数学級賛成だったと、こういうことになっております。そして、これを受けて文科省の調査協力会議も開かれまして、その年の報告書では、小学校低学年ではせめて三十五人学級をという提案もしております。 文科大臣に確認をいたしましたが、中教審でこういう議論があり、こうした報告書も出されているということで間違いないでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 流れとしては、先生がおっしゃったことで間違いないと思います。 ただ一つ、先生、申し上げておきたいのは、地方は人口が減り、児童がどんどん減っていくんで、むしろ子供がいないから結果的に少人数学級になっているんですよ。財源だけでやるんであれば、一番自主財源の多い東京都がなぜ四十人学級を維持しているんですか。ですから、今、地方交付税の算定上は四十人、そして我々の義務教育国庫負担金の計算上も四十人ということになっております。 しかし、将来は努力をして、まずこれを三十五人に引き下げていくという方向で中教審は考えておられますから、私たちもその方向で努力はしたいと思っておりますが、財源があるから地方がやっているわけじゃ先生ないんですよ。地方は人口が少ないからそうなっているんですよ。
○井上哲士君 私はそんなこと言っておりません。財源があればもっとやりたいのに、国の財源の裏付けがないから一部にとどまっていると、こういうことを申し上げているんですね。 今申し上げましたように、中教審などでもそういう議論が行われましたし、文部科学大臣が少人数学級必要だということを国会での答弁でも当時ありました。 ところが、この流れが変わるんですね。二〇〇五年の六月に経済財政諮問会議に当時の文部科学大臣と中教審の会長が呼ばれまして、中教審会長は小一、小二は三十人学級にすべきだと、こういう発言をしておるわけでありますが、参加者からは様々これに対して閣僚などから批判があり、そして続く財政制度等の審議会で、少人数学級編制を教育水準の向上と同視するという安易な発想は排すべきだと、こういうことが言われ、そして昨年の行革推進法で、この五年間で一万人もの削減ということが教員にまで枠が掛けられると、こういうことになってしまったわけですね。 私、総理、先ほど申し上げましたように、少人数学級についての効果は非常にはっきりしております。要望も非常に強いんですね。真に必要なところにお金をと言うのであれば、私は真っ先にここにするべきだと思います。 日本はOECDの中でも一番予算を使っていないわけでありまして、ここはやっぱり切り替えると、そしてこういう声にこたえるということが必要だと思うんですね。保護者も教育関係者も中教審もこういう声を上げたときに、結局、官邸の司令塔と財務省がこれを止めたわけですから、これはもう総理の責任でこれを切り替えていくことが必要だと思います。 是非少人数学級の実現に踏み出すと、こういう決断を求めたいと思いますが、改めていかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの答弁の中でも申し上げたんですが、GDP比でいえば政府の一般総支出との比率においては、総支出というのは日本は少ないわけでございます。ですから、この支出全体を増やしていくためには、この歳入をこれは図っていかなければならない。それは言わば財源になっていくわけでありますが、ですから、この財源の手当てを我々も責任ある立場として常に念頭に置かなければならないというのは、これは我々が言わば責任を背負っている以上課せられた使命でもあると、このように思うわけであります。 その中において、いかに必要な人材を確保しながら、また、先生方が子供たちと向き合う時間を確保していくかということにおいて努力をしてまいりたいと思っております。
○委員長(狩野安君) 時間です、時間です。
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、やはり国民も教育関係者も望む方向に背を向けるようでは、そして子供や学校に命令だけ強めるという方向では教育は良くならない。我々は、教育条件の整備のために全力を挙げると申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(狩野安君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十一分散会