文教科学委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2007/03/13
会議録
○委員長(狩野安君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 一言ごあいさつを申し上げます。 去る一月二十五日の本会議において文教科学委員長に選任されました狩野安でございます。 委員各位の御支援、御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ─────────────
○委員長(狩野安君) まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、荒井正吾君が委員を辞任され、その補欠として私、狩野安が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に中川義雄君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。 まず、文教科学行政の基本施策について、伊吹文部科学大臣から所信を聴取いたします。伊吹文部科学大臣。
○国務大臣(伊吹文明君) 委員長のお許しを得まして、第百六十六回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。 日本が豊かで、未来に向かって成長する活力を持ち続ける国、自己抑制の利いた品性ある国民より成り立つ国であるためには、豊かな個性と創造性を備え、心温かくたくましく、そして規範意識を持つ人材が必要となります。安倍総理は美しい国日本を実現する上で、これらの人材をつくり上げる教育改革は最優先の課題であると確信をしています。 私は政治家として、日本社会に受け継がれてきた良き習慣・伝統により、これしかない社会システムである自由競争原理・市場経済の避け得ぬ欠点を補い、自助の気概と創意工夫が生かされる、活力ある日本の国の形を目指してまいりました。文部科学大臣としても、人間力回復の教育改革により、自由競争原理のやむを得ぬ副作用を抑え、品性ある国民による品格ある国、日本をつくり上げたいと願っております。 さきの臨時国会において、約六十年ぶりに教育基本法が改正され、新しい時代に求められる教育理念が明確になりました。もちろん、教育を取り巻く様々な問題が改正教育基本法の成立によりすぐに解決できるわけではなく、改正教育基本法の理念の下、多くの国民の声を聴き、関係法令を整備し、予算で政策を支え、文部科学省を含め関係者の意識改革を進めねばなりません。教育問題は国家百年の計であるだけに、その最終評価は、私たちがこの世を去った後に出てくるでしょう。そのことを肝に銘じ、関連諸法の改正、教育振興基本計画の策定、必要な教育予算の充実など、様々な具体的施策に、国民の代表たる議員各位とともに一歩一歩着実に取り組んでまいりたいと存じます。 まず、公共の精神や伝統と文化の尊重など、改正教育基本法により明確となった教育の目標を各学校で実現するため、学校の教育目標を見直すことが必要です。そのためには、中央教育審議会でお取りまとめいただいた答申を踏まえ、今国会に学校教育法の一部を改正する法律案を提出したいと考えております。 これを受け、基礎的、基本的な知識、技能の確実な定着と、自ら学び自ら考える力を育てるため、学習指導要領全体の見直しや必要な授業時間の確保を図ります。それとともに、習熟度別少人数指導など個に応じた指導の充実、国語力の育成や理数教育の充実など、総合的な学力向上に取り組みます。 また、高等学校における必履修科目の未履修問題を踏まえ、高等学校で身に付けるべき知識と教養は何かとの観点や、大学入試の在り方を見据えた高等学校教育について検討してまいります。 子供たちをめぐる痛ましい事件が相次いでいることを踏まえ、学校、家庭、地域が一体となった規範意識や倫理観の涵養、奉仕・体験活動や読書活動の推進、有害環境対策などを通じ豊かな心の育成を目指します。 いじめ問題の状況は社会問題化し、深刻な事態に立ち至っています。いじめはどの学校でも、どの子供にも起こり得るという認識の下に、教育現場での関係者の一糸乱れぬ毅然とした対応を徹底するとともに、子供たちの危険信号を見逃さず、いじめの早期発見、早期対応が図られるようにすることが大切です。夜間、休日でも子供たちの悩みや不安を受け止めることのできる電話相談の全国での実施など相談窓口の充実や、スクールカウンセラーの配置などに取り組んでまいります。 また、幼稚園の教育機能を強化するほか、幼児教育の将来の無償化に向けた財源、制度等の問題について、将来の国民負担の議論の中で総合的に検討するとともに、認定こども園制度の活用を促進し、幼児教育の振興を図ります。 あわせて、本年四月からの新たな特別支援教育制度の下、発達障害を含む障害のある子供一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の一層の充実に努めたいと存じます。 さらに、子供たちの健全な食生活の実現と豊かな人間形成を図るため、栄養教諭制度の円滑な導入などにより、家庭や地域と連携しつつ学校における食育を更に推進するとともに、子供の体力の向上に向けて、学校における体育の充実、運動部活動の振興など学校、家庭、地域が一体となった取組を推進してまいります。 また、引き続き、環境教育、人権教育の充実などに努めてまいります。 教育再生のかぎを握っているのは良き教師に尽きると言ってよいでしょう。家庭や地域社会の実質的な崩壊により、今日の教員はかつてより多くの重荷を背負い、学校現場で黙々と日々の努力をしておられることを私は知っております。これら教員が時代に合った資質を備えることにより、学校教育を一層充実したものとしなければなりません。このために、教育免許の更新制度の導入、指導が不適切な教員に対する人事管理システムの構築が必要です。先般の教育再生会議の第一次報告を受け、また中央教育審議会でお取りまとめいただいた答申を踏まえ、今国会に教育職員免許法等の一部を改正する法律案を提出したいと考えております。 しかし、その一方で、教員に対する体系的な研修の充実、優秀教員の表彰、来年の予算編成を見据えためり張りのある教員給与体系の確立、教育活動以外の教員の事務負担の軽減などを併せて進めることにより、教員が、その期待される役割を国民の期待に沿って果たし得る条件が整ってくるものと考えております。 地方教育行政の中心的担い手である教育委員会制度については、学校、教育委員会、国という教育行政の流れの中で、児童生徒への教育の最終責任はだれが負うのかが明確になる体制の構築が急がれます。このため、教育再生会議の提言も参考としつつ、また中央教育審議会でお取りまとめいただいた答申を踏まえ、今国会に地方教育行政の組織及び運営に関する法律等関連する法律の改正案を提出したいと考えております。 教育改革を推進する上では、保護者や地域住民の意向、評価も大切にしながら、各学校や地域が創意工夫を凝らし、学校同士が切磋琢磨して教育を充実させることが必要であり、教育の成果を検証し、その結果を踏まえて絶えず改善を図ることが必要です。このため、全国学力・学習状況調査を本年四月に実施するとともに、保護者や地域住民による評価や、客観的、専門的な観点から行う第三者評価を含めた学校評価の更なる定着、推進に向けた取組を進めます。 充実した教育を支える環境整備も引き続き重要な課題です。安全、安心な学校づくりを進め、学校施設の耐震化の一層の促進などに取り組むとともに、学校や通学路の安全を確保する子ども安心プロジェクトを推進してまいります。 また、高度情報化社会への対応の観点から、IT環境の整備、教員のIT指導力の向上など、学校における教育の情報化の推進に積極的に取り組んでまいります。 核家族化や共働きの増加に伴い、家庭で子供をしつけ、日本社会に受け継がれてきた社会規範を教えながら、地域社会で温かく子供をくるむという雰囲気も、時代の変化の中でなくなってきています。学校だけではなく、家庭や地域が一丸となって子供たちをはぐくむ環境を整備する必要があります。このため、地域の協力を得ながら、放課後に子供たちが安全で健やかに活動できる居場所づくりを推進する放課後子どもプランを本年四月から全国の小学校区で実施をいたします。 また、子供の基本的な生活習慣の育成を図る「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進するなど、きめ細かな家庭教育支援に取り組みたいと存じます。 高等教育における何より大切なことは、自分の専門外の幅広い教養の厚みに裏打ちされた知性あふるる専門家をつくり、これからの知識基盤社会を支えていくことです。 このため、健全性を確保した奨学金事業の充実などを通じ国民の学習機会を保障するとともに、国立大学の教育研究の更なる活性化、私立学校の一層の振興、大学院教育の充実、第三者評価制度などを通じた高等教育の質の保証と向上、留学生交流の拡充などを推進いたします。さらに、教育研究の基盤を支えつつ、国公私立大学を通じた競い合いを促し、各大学の改革への取組を支援することにより、国際競争力に富む個性豊かな大学づくりを目指します。 生涯学習のための環境を整備し、だれでも再チャレンジができる社会の構築のため、再チャレンジ支援総合プランに沿って、大学等における社会人の学び直しの機会の充実などを図ります。 また、フリーター、ニートといった社会現象を踏まえ、しっかりとした勤労観、職業観を身に付け、若者が明確な目的意識を持って職に就くことができるようにすることが必要です。このため、各学校段階を通じた体系的なキャリア教育、職業教育を推進してまいります。 我が国の経済発展と国民の豊かな暮らしを支えるイノベーションの創出には、科学技術・学術の振興が不可欠です。この知をめぐる国際的な大競争時代にあって、科学技術創造立国の実現に向け、大学や研究機関、地域や民間の能力が最大限に発揮され、最先端の研究開発が行われるよう、めり張りを利かせた科学技術の政策を実施してまいります。 そのためには、まず、世界を牽引する優秀な人材を養成確保し、その能力を発揮する条件を整えねばなりません。具体的には、次代を担う人材への理数教育の充実、若手、女性、外国人が活躍できる環境の形成が大切だと考えております。 また、独創的、先端的な基礎研究の推進、国立大学等の教育研究施設の整備充実、科学研究費補助金などの競争的資金の拡充、大学発ベンチャーの育成、世界最高水準の研究拠点の整備を図りたいと存じます。さらに、イノベーションの創出を目指した産学官連携の強化や知的クラスターの創成等に積極的に取り組みます。あわせて、国民の血税で賄われる研究費の公正で効率的な使用を徹底するための措置を講じます。 さらに、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、原子力、宇宙・航空、地震・防災、南極・海洋等の各分野の研究開発についても、国際競争を勝ち抜くために不可欠なものや社会、国民のニーズに迅速に対応すべきもの等を中心に、戦略的に取り組んでまいります。また、安全、安心な社会を実現するための科学技術を推進するとともに、危険を生ずる放射線発散行為を防止するための措置を講ずることにより、安倍内閣が目指す世界一安全な国日本の復活に貢献してまいりたいと存じます。 我が国の基幹ロケットであるHⅡAロケットは六機連続して打ち上げに成功しており、世界水準を超える九割を上回る成功率を達成してまいりました。これら宇宙輸送システムを始めとして、国家の総合的な安全保障に密接に関連する海洋地球観測探査システムや高速増殖炉サイクル技術、世界最高性能の次世代スーパーコンピューターやエックス線自由電子レーザーの開発といった五つの国家基幹技術の研究開発を推進いたします。また、国際的な協力が必要なプロジェクトについても戦略的に推進してまいります。特にITER計画については、国際協定に基づく我が国の義務を確実に果たすために必要な措置を講じます。 すべての国民が心身ともに健康に生活するためには、スポーツの振興が不可欠であります。このため、総合型地域スポーツクラブの育成など、だれもがいつでも、いつまでも、身近にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指します。 また、来年開催される北京オリンピックなどの国際的な舞台で日本代表選手が活躍できるよう、ナショナルトレーニングセンターの整備充実や、トップレベル競技者の育成強化など、国際競技力の向上に取り組みます。さらに、二〇一六年オリンピック競技大会の東京招致が実現されるよう、東京都や関係団体と協力してまいります。 美しい国日本の実現のため、我が国が誇る優れた文化、伝統を大切にしていくことが重要であります。このため、先般見直した文化芸術の振興に関する基本的な方針に基づき、より一層戦略的に文化芸術を振興いたします。伝統文化を始めとする文化遺産を継承、活用し、日本文化を積極的に海外に発信するとともに、子供の文化芸術体験活動の充実や地域文化の振興を図り、文化芸術立国を目指してまいります。さらに、国語の正しい理解の推進や新しい時代に対応した著作権施策を推進いたします。 このほか、各分野における国際交流、国際協力の積極的な推進や、行政改革の着実な推進などの課題に対応してまいりたいと存じます。 私は、内閣の最重要課題である教育再生やイノベーションの創出を始め、文部科学行政全般にわたり、関係者の皆様の御意見を伺い、文部科学省の職員とともに微力を尽くし、最大限の努力をいたしたいと存じます。 委員長を始め委員の先生方には、今後とも引き続き一層の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) 次に、平成十九年度文部科学省関係予算について、池坊文部科学副大臣から説明を聴取いたします。池坊文部科学副大臣。
○副大臣(池坊保子君) 平成十九年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成十九年度予算の編成に当たっては、内閣の最重要課題である教育の再生やイノベーションの創出など科学技術・学術の振興、さらに、スポーツ、文化芸術の振興についての施策を総合的に展開するため、文部科学予算の確保に努めてきたところでございます。 文部科学省所管の一般会計予算額は五兆二千七百五億円、エネルギー対策特別会計は一千四百七十九億円となっております。 以下、平成十九年度予算における主な事項について御説明を申し上げます。 第一に、初等中等教育の充実を図るための関連施策を総合的に進めることとしており、中でも、いじめ、不登校等への対応や体験活動など生徒指導に関する施策として八十六億円を計上しているほか、教育水準の向上を図るため、全国的な学力調査の実施に六十六億円、充実した教育を支える環境整備の一環として、特別支援教育の推進に十一億円を計上しております。 また、義務教育費国庫負担金については、優秀な教職員の確保及び教育課題に対応するための緊急的な教職員配置を実施することとし、一兆六千六百五十九億円を計上しております。 なお、教員の給与については、人材確保法に基づく優遇措置の取扱いについて、平成十九年度予算からの縮減は行わず、現在進行中の教員の勤務実態調査を踏まえた教員給与のめり張り付けと併せて二十年度に見直すこととしております。 さらに、学校施設の耐震化等、直面する諸課題に積極的に対応できる学校施設造りを推進するため一千四十二億円を計上しております。 第二に、子供たちが地域社会の中で心豊かで健やかにはぐくまれ、安全、安心な活動拠点をつくるための総合的な放課後対策として厚生労働省と連携した放課後子どもプランを創設することとし、文部科学省六十八億円を計上するとともに、「早寝早起き朝ごはん」国民運動など、家庭の教育力の向上のための取組を推進することとしております。 第三に、教育分野における再チャレンジの支援として、大学、専修学校等における社会人の学び直しの機会の充実などに百七十八億円を計上するとともに、キャリア教育、職業教育等の充実など、自立し挑戦する若者の育成を図ることとしております。 第四に、大学改革を推進するため、国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実などに六百十五億円を計上するとともに、第二次国立大学等施設緊急整備五か年計画に基づき、重点的、計画的整備の推進を図るため五百二十億円を計上し、奨学金事業については、貸与人員で五万二千人を増員することとしております。 第五に、私学助成について、私立の大学や高等学校等に対する経常費補助に総額四千三百十九億円を計上するなど、私学の振興を図ることとしております。 第六に、国際教育交流・協力を推進するため、留学生交流の推進に四百六億円を計上するとともに、大学の知を活用した国際協力の推進や外国人の生活環境適応のための教育の充実を図ることとしております。 第七に、スポーツの振興について、ナショナルトレーニングセンターの整備推進を始めとする国際競技力の向上及び生涯スポーツ社会の実現に百三十二億円を計上するなど、豊かなスポーツ環境づくりを推進することとしております。 第八に、文化力による地域づくり、国づくりについて、子供の文化芸術体験活動など、文化芸術創造プランの推進に百八十六億円を計上するとともに、「日本文化の魅力」発見・発信プラン、文化財の次世代への継承と国際協力の推進及び文化芸術振興のための文化拠点の充実を図ることとしております。 第九に、科学技術関係人材の育成、確保、活躍の促進に向け、次代を担う人材への理数教育の充実のため百八億円を計上するとともに、若手、女性、外国人が活躍できる環境の形成など、初等中等教育段階から研究者育成まで一貫した総合的な人材育成施策を推進することとしております。 第十に、基礎研究の充実とイノベーションを生み出すシステムの強化を図るため、科学研究費補助金を始めとした競争的資金について三千六百八十九億円を計上するとともに、基礎研究からの技術シーズの創出、産学官連携の本格化と加速、地域イノベーションの強化などに取り組むこととしております。 第十一に、国家基幹技術など戦略重点科学技術への重点投資を図ることとし、宇宙輸送システムの整備等に三百七十九億円、次世代スーパーコンピューターの開発等に七十七億円計上するなど、各分野の研究開発を戦略的に推進することとしております。 第十二に、科学技術の国際活動を戦略的に推進することとし百七十億円を計上しております。 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、説明を省略させていただきたいと存じます。
○委員長(狩野安君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十八分散会