農林水産委員会 第10号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/05/08
会議録
○委員長(加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、保坂三蔵委員及び小川勝也委員が委員を辞任され、その補欠として岩永浩美委員及び平野達男委員が選任されました。 ─────────────
○委員長(加治屋義人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官今城健晴君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加治屋義人君) 農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩城光英君 岩城光英です。 我が国古来の伝統的な風習、文化、それから生活様式の多くが農山漁村から生まれていることは皆様御承知のとおりでありますし、それぞれの土地ならではの料理、いわゆる郷土料理や地酒がありますし、また季節ごとの行事やお祭り、さらには棚田や散居集落に代表されるような景観などはもう日本の原風景だと思っております。また、お互いに助け合って地域社会をつくっていくという結いの精神や和の精神、これらも日本の心のよりどころだと、こんなふうに考えているわけです。 活性化というのは単なる人口減少対策でもあるいは企業誘致対策でもなく、あらゆる面において活力の衰えているこの農山漁村を元気にしようということで理解をしておりますけれども、時代の流れの中で農山漁村は後継者不足に悩み、また過疎化が進み、耕作地の放棄や山が荒れてしまうなどの現状を招いています。これらに対して劇的な処方せんはないものの、今からしっかりと手を付けなければならない重要な課題だと思っております。 そういった観点から今回の法律案が提出されたと理解をしているものでありますけれども、まず大臣にお伺いいたしますが、今回のこの法律案を中心とした農山漁村活性化策での期待される効果についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
○国務大臣(松岡利勝君) このたびこの法案を出させていただきました。そして、その結果この法案を制定していただきましたら、いろいろな施策を講じていく、その結果何を期待しているかと、こういうことでございます。 一言で言いますと、地方の活力なくして国の活力なし、これは安倍総理の一大方針でございます。そのような意味で、やっぱり地方に活力が戻ってこなければならないし、また地方が生き生きと活性化をして元気になっていかなければならない、これが国全体の活力のもとであると、このように思っております。 ところが、一方で今、先生も御指摘ございましたように、地方が人口減少等もございまして、いろんなまた要因が重なりましてなかなか活力が出ていない面がございます。したがいまして、そういった意味から、この法律を制定をしていただきまして、その結果といたしまして、特にいろんな条件を整備いたしまして、団塊の世代の皆様方がいよいよ二〇〇七年からは定年退職が始まる、こういったこともございますし、こういった方々のいろんな知識やいろんなお力、能力、こういったことがこの農村部においても大きく生かしていただくことができますように、受入れ、そういったことの条件整備も含めまして、本当に農山村がにぎわいを取り戻すような、定住も含め、都市との交流も含め、そしてまた地方の資源が生かされて、いろんな意味で活力が最大限に発揮できるような、そういう効果を期待をいたしているところでございまして、また他の所管の方も地域の活性化ということで幾つも法律も出されております。そういった法律との相乗効果も相まって地方全体の活力が大きく取り戻すことができるような、そのような効果を求めて期待をいたしているところでございます。
○岩城光英君 ありがとうございました。 これまでも農山漁村地域での定住並びに交流促進策として様々な施策が実施されてまいりました。例えば、平成元年には特定農地貸付け法、平成二年には市民農園整備促進法、平成六年には農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備促進に関する法律、平成十年には優良田園住宅促進法、平成十二年中山間地域等直接支払制度、そして平成十六年の立ち上がる農山漁村事業などなどがございます。 中でも、優良田園住宅促進法に基づく支援、これは農水省と国土交通省によるものでありましたけれども、実際にその法律にのっとりまして基本方針を策定したのは全国の三十三市町村であり、具体的な建設計画を認定したのは十二市町村にとどまったと、このようにお伺いしているわけでありますが、これらも含めまして、いろんな施策を通じての反省というか改善点とか参考にすべき点、こういった一連の事業の評価についてはどうとらえていらっしゃるのでしょうか。そしてあわせて、このことを今回の法案にどのように生かされようとしているのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(永岡桂子君) では、先生にお答えいたします。 農山漁村での定住や交流を促進するためには従来よりもいろいろな施策を講じてきたものでございます。それぞれ効果があったものと思っております。 この中でも、中山間地等の直接支払制度につきましては、地域の活力の維持向上に大きな役割を果たしているものと考えております。これは、地域が話合いをいたしまして、自らの取組によってその取組を決定いたしまして、これに対して支援を行う制度としたことによって、地域の関係者の共通認識が芽生えたことが成功の一因であると考えております。 また、先生が今お話ございました優良田園住宅法、これにつきましては、制度の自治体への周知が結果として不十分であったことなどが理由によりまして活用が進んでいないために、その効果が十分に発揮されていない、そういう施策もあると承知しております。 こうしたことを反映いたしまして、今回の法案におきましては、地域の特性に精通した地方自治体の創意工夫、これを地域の関係者の皆さんの意見として取り入れつつ活性化計画を作成いたしまして、これに対して支援をする仕組みとしたことでございます。地域での説明会の開催などによりまして十分な周知活動を実施していくこと、これによりまして地域の活性化が図られるように工夫をしながら取組を推進していくと、そういうことでございます。
○岩城光英君 この定住あるいは交流促進策については様々なアンケート等がなされておりますけれども、どちらかといいますと、都市生活者に対して農山漁村での生活、これについてはどう思うかというような質問が多いように見受けられます。逆に言うと、農山漁村、受け入れる側の立場に対しての質問、アンケート、これは少ないように思うんです。農山漁村の活性化というとき最も考えなければならないのは、その地域に住んでいるその住民のことだと思います。伝統的な行事も、山や田んぼあるいは畑の景観も、その地域に住む住民がいてこそ継承され保全されるものです。そういう意味で大変難しい問題でありますけれども、外からの定住とか、それから二地域居住という施策の前に、まず地元の方々が自分自身が定住促進していくということを基本に考える必要があると思います。 そういう意味では、地方に生活する地元住民自身が自分たちの地域の活性化に対してどういったことを望んでいるのか、そういったことについての把握はされているのかどうか、その辺をお伺いいたします。
○政府参考人(中條康朗君) ただいまは、本施策につきまして、地元住民の要望についてもしっかり把握した上で具体策を講じるべきではないかという御指摘でございました。 本法案に基づきまして都道府県又は市町村が活性化計画を作成します際には、地域の農業団体、それからNPO法人等の民間団体の意見を反映する仕組みを設けることとしているところでございますけれども、活性化計画の作成過程におきまして、地元住民を含め、地域で活性化に向けた関係者の意思統一が行われることが期待されるものというふうに考えております。 このように、今回の新しい制度につきましては、地域が一体となって創意工夫をしつつ様々な対策を実施できるよう工夫しているものでございまして、法案成立後、法律施行までに地方公共団体等への説明会を全国で開催するなどしまして、新たな対策の趣旨の周知徹底を図っていく所存でおります。
○岩城光英君 ありがとうございます。 一律に農山漁村といいましても、それぞれ持つ歴史、伝統、それから風土、風習、そういったものが異なっております。ですから、地域の特性、個性をどう生かして活性化につなげるか、それが大事なことだと思うんですね。 私が市長を務めておりました福島県のいわき市、四十数年前に十四の市町村、五市四町五村が合併して誕生いたしました。ですから、同じ一つの市、これは神奈川県の半分の面積になるんですけれども、いわき市だけで、同じ一つの市でも漁村もあれば農村もあれば、同じ農村といってもそれこそ中山間地域から非常にへんぴなところまで様々な側面を持っているんですけれども、私はこのいわきの展望というか活性化を考えました場合に、合併前の地区の単位でそれぞれ個性、特性を生かしながらその地域の発展を図っていく、活性化を図っていく、こういう施策を進めたつもりです。 そのために一番大事なのは、自分たちの地域は自分たちでつくっていくというその地域の住民の方々の意識の啓蒙だと思うんですね。特に、若い人たちが自分たちの地域の将来をどう考えてどういうふうにしようとしていくか、それを行政がどうバックアップしていくか、そういう面で若いその地域のリーダーづくり、これが非常に大切だと思います。 ですから、今回のこの法案を中心とした取組も、それぞれの地域のリーダーをつくっていく、そして自分たちの地域は自分たちがつくっていくんだという意識を持っていただく、そういうことも含めてこれから実施をしていただきたいと、こんなふうにお願いをさせていただきます。 それから、市長のときにドイツとかフランスに私は行きまして、グリーンツーリズムとか体験学習、自然体験学習を学ぶために視察をしてまいりました。そんなことを生かして、海と山いわきまるごと大探検というんですが、小学生、中学生の親子を、都会の方々をいわきに招いて、海で釣りの体験とか魚のさばき方教室を開いたり、あるいは野菜の収穫とか田植えの経験をしてもらったり、いろいろとそういったことを施策として実施させていただきました。非常に効果が上がってきておりますし、いわき自体のPRにもつながっているんで、これからもこの事業を継続していただけるものと思っているんですが。 ただ、いろいろと課題はあるんですよね。例えば、体験学習等を行える農場等の施設としましては、農業構造改善事業、これによりまして体験農園付きの宿泊施設、これはいわきにもありますけれども、全国にも数多くあろうと思います。こういった施設を有効的に活用していくことも極めて大事なことだと思うんですが、この辺について農水省として支援策を講じてこられたとか、そういったことがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。 元気な地域づくり交付金等におきまして交流施設等を整備してきたところでございますけれども、農山漁村におきます体験学習等の推進に当たりましては、委員御指摘のように、このような既存の施設を有効に活用することが重要であろうというふうに考えております。 また、施設整備後の社会経済情勢の変化等から当初計画どおりの利用状況となっていない施設につきましては、平成十六年度の私どもの経理課長通知によりまして、情勢の変化に応じた幅広い利活用が行われるような措置を講じてきたところでもございます。 なお、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金におきましても、廃校それから廃屋などの既存施設を有効に活用しまして、例えば滞在型の交流体験施設に改修することも可能としておりまして、地域の創意工夫によりまして、コストを抑えつつ、効果的、効率的に本交付金を活用していただきたいと、このように考えているところでございます。
○岩城光英君 これからも積極的な支援策あるいは有効に使っていただく活用策を講じていただきたいと思っておりますが、こんな例もあるんですね。 自然体験学習を小学生、中学生にさせる場合に、学校側としてはどうしても例えば海浜自然の家とか、文部科学省関連の施設を中心に使うと。せっかく農水省で造ったその体験農園等の付いている宿泊施設とかそういった施設を造っても学校側にPRされていないということも、あるいは使いにくいのかも分かりませんけれども、そういったこともありますので、この辺は文部科学省とよく連携を図りながら、あるいは働き掛けをしていただきながら取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中條康朗君) 委員御指摘のとおり、この施設を例に挙げましても、他省庁との関連は非常に重要でございます。特に農山漁村の活性化となりますと、これは農業施策だけでは賄えないところがございまして、関連省庁との連携を一層強めることとしておりますけれども、例えば私ども、各省庁の副大臣から成ります副大臣プロジェクトチーム等をつくっていただいておりまして、こういった場でも各省連携を取って対応させていただくということにしておりますので、あらゆる面で連携を図っていきたいと、このように考えております。
○岩城光英君 それから、農林漁業の経験ゼロの団塊の世代、あるいは経験ゼロの若者、これは都会だけでなくて地方でももちろん多いわけでありますので、こういった意味では、都市と農村のその区別はないと認識をしております。 また、いわきの例で大変恐縮でございますが、例えばいわき市で新規農業の就業希望者への農業体験として、市単独で農業研修生には月十万円、受入れ農家には月五万円の補助を出して農業実習の機会を与えているんです。しかし、研修期間が終わった後いきなり農業に従事する、これについては、その農地を借りる側、本人の方も不安ですし、また貸す側も非常に不安がある、実際経営ができるかとか、そういう不安ですね。そこで、農業経営を更に一年か二年、実習、研修が終わった後体験できる、自分が実際リスクを背負いながら農業に従事するんだという体験をさせることも必要だと、こんなふうに思っております。 このためには、そういうシステムをつくっていかなければいけないんですが、例えば、市町村が遊休農地、こういったものを取得あるいは確保して、これを、そういった研修を終わって次に本格的に農業をやるまでのつなぎと言っては言葉が適切かどうか分かりませんけれども、一、二年の間貸すことができるような、そういう制度も考慮していく必要があろうと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋博君) 御指摘の農業内外からチャレンジ精神を持ちました新規就農者を確保、育成するということは、農業の活性化のみならず地域の活性化にとっても非常に重要だというふうに認識しております。その際に、御指摘のございました市町村が主体となってこのような新規就農者に対して、研修から実際の就農までの間にどのような施策を講じるかという点でございます。 農家、先進農家に研修をしていただくということは、これは各地で行っているわけでございますけれども、実際その後に市町村がどのような形でこの新規就農者に対して対応するかでございますけれども、今、現行制度におきましては、一つのやり方といたしましては、市町村が、都道府県知事の許可を得まして、公用、公共用といたしまして、研修農場あるいは研修牧場、そのような形で農地の権利を取得した上で、当該農地の上で新規就農者に研修を行うということは、これは農地法の中で認められております。 さらに、一歩進めまして、市町村が、これは保有合理化事業を活用していただきまして、市町村、あるいは市町村公社、県公社等あるわけでございますけれども、この保有合理化法人が農家から農地を取得あるいは借り受けまして、これを新しい担い手あるいは新規就農者に貸し付け、拡大をする。これは一般の保有合理化事業でございますが、一部の、これは市町村が自らというのはまだないんでございますけれども、市町村公社あるいは県公社においては、このような農家から借りた土地を二年とかその程度の期間、新規就農者に対して研修としてまず供与していく、その後、その土地をその研修者に対して貸付けをしていく。これは保有合理化事業の研修事業と、それから売買あるいは貸付事業と組み合わせた仕組みがございます。このようなことをやっております実は地域もございますので、こういったことを積極的に活用していきたいと思っております。 ただ、その際、平成十七年度まではこういう市町村が行います実践農場等の運営等については強い農業づくり交付金の中で私ども措置をさせていただいたんでございますけれども、三位一体改革の中で、十八年度以降、これは税源移譲の対象という形になっておりまして、十八年度以降は市町村の自主性の中で取り組んでいただくということになっておりますけれども、一応仕組みとしてはそういう形を活用している地域もございますので、市町村自らではないんですが、是非とも市町村もできますので御検討いただければと思います。
○岩城光英君 更に工夫重ねながら、より充実した施策を展開していただきたいと思っておりますので、まだ市町村に周知徹底されていない部分もあろうかと思いますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。 それでは次に、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金について何点かお伺いします。 この交付金は、市町村から国に対する直接的な申請であり、また認可されれば国からストレートに市町村へ交付金が渡されるということで、これまでになかった画期的なことであると、こんなふうに考えております。従来は、国と市町村の間に都道府県が入っておりまして、その申請事務の指導、時には申請に対してブレーキを掛けたり、私ども市町村の立場から当時の言わせていただきますと有り難迷惑なところがあったりおせっかいなところがあったり、そういったことがあったわけでありますけれども、今まではそういった形で都道府県が中間的な役割を果たしてきた側面があります。今後、こういった直接的な申請と、それからストレートな交付金が国から市町村に渡されるということになりますと、今まではやりたくてもできなかった道が市町村にとっては開けてくる、意欲のある市町村にとりましては非常に期待するものが大きいと思うんであります。 ただ、反面、これまで以上にそういった申請が直接国に上がってきますと、国の事務作業が煩雑になってしまうということもこれは予想されるわけでありますが、この交付金の検討過程でそういった点はどのように検討されてきたのか、あるいはほかにも課題等があったのかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(中條康朗君) ただいま国におけます本法案に係ります事務処理の体制等の課題についての御質問でございました。 委員御指摘のとおり、現行の交付金の仕組みでは、市町村から都道府県に申請を提出していただきまして、県として取りまとめた上で国に申請する形を取っておるものでございます。今般、農山漁村の振興のための施策に係る市町村の役割の重要性にかんがみまして、都道府県だけでなく市町村からも国に直接申請することを可能としたところでございまして、地域の実情に応じて適宜活用していただきたいというふうに考えております。 いずれにしましても、国としましては、新交付金の申請に対しまして、関連しますところは今回の場合、私どもだけではなくて林野庁それから水産庁と広がりますので、こういった関係と密接な連携を図りながら、しかしながら窓口は一本化しまして、この一本化した窓口によりまして円滑な事務処理を行うと、こういう体制で、万全の体制として臨みたいというふうに考えております。
○岩城光英君 この交付金、今回三百四十一億円ですが、これは今までの元気な地域づくり交付金等を組み替えることによって拠出されたものだと理解しておりますが、この元気な地域づくり交付金、これは従来の補助金から交付金化されたことによりまして地方自治体にとってどのようなメリットがあったのか、またそのことが今回のこの交付金にどのように生かされているのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(永岡桂子君) お答えいたします。 元気な地域づくり交付金、これは平成十七年度の補助金改革のときでございますね、百七十五の補助金事業が統合、そして創設された七つのうちの一つの交付金でございます。これは入口重視から出口重視へとなりました。この間の事業種類間のですとか地域、地区間の分配ですね、地方の裁量にゆだねるなどの特徴がございまして、地域にとっては使いやすく、また地域の自主性や裁量性が発揮できるような仕組みとなっておりました。 また、今回の新交付金につきましては、更に地方分権改革の趣旨を徹底いたしまして、農、水、林、この三つの事業が一つの計画で一体的で、またかつ弾力的に実施できるということ、市町村への直接補助金が可能となったことで市町村の主体性が生かされるなどの、これまで以上に地域にとって使い勝手の良い交付金とすることとなっております。
○岩城光英君 それでは最後に、国井副大臣にお伺いしたいと思いますけれども、地域活性化というのはあらゆる分野での取組がこれは必要だと思います。そういう意味で、今回この法案を含め九つの関係法案が提出されております。国を挙げて地域の活性化策、これに取り組んでおるその姿勢は大変評価するところであります。 ただ、大事なのは、それぞれの関係省庁との調整、連携の強化、これが極めて大事な点だと思いますけれども、この点についてはどのように取り組もうとされていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○副大臣(国井正幸君) 今先生御指摘のように、総合的に連携することは極めて重要なことだというふうに思っています。 今回の法律案は、農山村の居住者をいかに増やして地域経済活性化するかということでございますが、これまでも地域の強みを生かして、あるいは特徴を生かした地域産業活性化法による地域産業の活性化という取組もやってきたところでございますし、あわせて、交通インフラの整備等も含めて、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案による広域的な基盤の整備ということもこれまた必要でありまして、今次国会に提出されているわけでございます。 あわせて、内閣官房副長官と私も含めてでございますが、副大臣会議に関係府省、八府省になるわけでございますが、ここで副大臣会議も持っておりまして、それぞれの障害等についてはできるだけ取り除いて、各府省の縦割りの弊害をなくして何とかやっぱりこの目的に沿った円滑な実施ができないか、そして相乗的な効果が期待できないかと、こういうふうなことで鋭意副大臣会議等も行っておりまして、既に今年度においても二回開催をさせていただいているわけでございます。 今後とも、先生御指摘の趣旨に従って、関係府省一体となってより効果の多い施策の実現に向けて努力を重ねたいと、このように思っております。
○岩城光英君 終わります。
○段本幸男君 自由民主党の段本幸男でございます。岩城委員に引き続いて質問させていただきたいと思います。ただ、内容が若干重複する部分出てくるかもしれませんが、あらかじめ御容赦願いたいと思います。 まず最初に、連休も終わりました。そして、連休中のいろいろニュースを見ていると、東京の東京ミッドタウンでこれだけの人が集まった、いや、新しくできた新丸ビルで何十万人が行列つくった、こんなふうなニュースが載っていました。こういうふうなニュースを見るにつけ、いや、農村が都市に比べて非常に魅力を失っているのかな、非常に私自身は心配しているところです。 それもそのはずで、私が全国回っていると、やっぱりそれぞれの農家が今一番展望を失っている、そんなこの六年間で感じがしております。ある農家なんかは、いや真っ暗やみの中で、その目指すべき方向の光すら見えないんだと言うんですね。せめてどこを目指せばいいのか光を見せてほしい、特に稲作農家なんかはそういう強い調子で物を言います。 是非、こういうものを見ていると、やはり農山漁村の活性化はもちろん必要なんですが、その根本は農業が、農家が元気になること、これがなきゃいかぬと思うんですね。農林省そのものはこういう農業に対してどんなビジョンをお持ちなのか、今、農政大改革の年と言われていますが、どういう方向で引っ張っていかれようとしているのか、是非、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 今、段本先生から御指摘がございました、農村、農家はどのような方向を目指して、我々は政策としてそれを進めていくのかと、こういうことでございます。 今、もう本当に端的に申し上げますと、全国的にも人口が減っていく、その中で農村部は特に人口の減少が大きいであろうと、加えて、その中で高齢化がまた一段と進んでいる、全体や都市部に比べまして一段と進んでいる、そういう中で活力が失われていく、そして、このままで、今おっしゃいましたように、光が見えない、どうなんだろうと、こういうことでございます。 そこで、我々としては、結論から申し上げますと、そういう農村の現状を打破しまして、そしてやっぱり活力に満ちた社会をつくっていく、そういう観点から、地方の活力なくして国の活力なし、こういう基本理念で安倍内閣、安倍総理、この農村に対して取り組んでいるわけでございますが。 私も、先般、アメリカでエタノールの生産の現地を見てまいりました。これはやっぱり本当にすごい大きな流れだなと。ブラジルでも見てきましたが、やっぱり世界全体の大きなこれは流れだなと。見ましたところはウィスコンシン州、中西部ですが、もう正にエタノール生産をやっておりまして、二〇〇二年からやって二〇〇七年ですからもう五年やっている。千三百軒の農家が出資をして、正に農家経営なんですね。どうですかねと言ったら、その経営を任されている人が言うわけですが、原料のトウモロコシも五年前に比べて倍になりました、売上げも倍ちょっとになりました。じゃ、出資に対しての配当どうなっていますかと。まあ千ドルに対して去年の配当が二千二百ドルですと。こういう話でありまして、ですから、これはもう、また一面にはそれはえさとの競合、食料との競合ということも出てくるかもしれませんが、やはり大きな方向としてそういうふうに、正に農家から見ますとこれはもう大変な大きな方向があると、意欲に満ちている、活力に満ちていると、やっぱりそういうこと言えるんだろうと思います。 そういう点が、私どももこのバイオマスの生産の加速化ということをこれはもうずっとそれは言ってきましたし、間違ってない方向だということで、これは地球温暖化の問題やエネルギー問題、いろんな問題に対処しながら、農村において所得の場、雇用の場、この拡大につながっていく。日本の条件、事情の中で、しっかりとやっぱりそういった方向を目指していく。 それから、やはりよそのものが、外国のものが入ってくる一方で、攻められる一方で閉塞感がある、こういう中にあって、やっぱり外に向かってどんどん展開をしていく、はばたいていくと、こういったことも、日本の農産物というものがやっぱりすばらしい、そういったことを生かしながら、最大限にそのことを生かしながら取り組んでいく。 あわせて、私は、この都会の人たちや、またもうその都会で仕事が終わった人たちが、定住なりまた農村にゆとりや安らぎを求めてお見えになる、こういった受皿をつくって、にぎわいを取り戻す。正に農村に多くの人たちに、住むことも含め、交流も含めて来ていただく、こういったことによって大きな大きな今までにない一つの方向がこれは示されていくんではないか。こういったことを目指して作ってお願いを申し上げているのが今のこの農山漁村活性化法案でございますが、もちろんこれはこれとしながら、先ほど申し上げましたような大きな大きな、農村が農家が、ああこっちの方向で夢持って頑張っていこう、こういったことができるような、そういった方向をしっかりと定めていきたいと思っています。 アメリカの農業法も、今まだ結論がどのようなものが出てくるか注視をして見ておりますけれども、やはり大きな新たな時代に対応した生産というものを位置付けながら農家に対するインセンティブを与えていく、こういったことをやっておりますので、我々も相手を見ることだけでなく、自分たちも、日本としても独自の更なる農家を元気付ける、そういうインセンティブというのは何なのか、こういったこともしっかりやっていきたいと思いますし、特に先生方全国をお回りになりながらいろんなことを実感をしてきておられると思いますので、そういった観点からの御指導もいただければと思っております。
○段本幸男君 私も、大臣おっしゃった環境と農業の調和とか、非常に重要な、これから二十一世紀の地域にとって農業にとって重要なことがある、同感の思いです。是非頑張っていただきたいというふうに思います。 しかし、今回出された農山漁村地域活性化法について、その提出の経過なんか見ていると、総理が美しい日本をつくるとおっしゃったものだから急遽農林省でもやらないかぬといって慌てて作ったような感じも全くしないわけではない。中身見ていても、議員立法のように、国が基本方針定めて、そして、まあ交付金はありますけれども、県、市町村が基本計画作って、それをうまくやっていくというだけで、具体的内容が非常に乏しいような感じがするんですね。 交付金の法律的な担保だけで本当に地域活性化が図れるのか、その辺の農林省の考え方、そして具体策を本当に、必ずしも法律で全部示すことがいいことじゃないと思うんですね。これからむしろ勝負になっていって、どう指導していこうとされるのか、具体策をどう進められようとするのか、その辺についてのお考えもお聞かせ願えればと思います。
○副大臣(国井正幸君) 今先生、具体策が幾らか乏しいんじゃないかと、こういうふうな御指摘でありますが、そういうふうにならないように、私どもも是非この交付金を有効に使って、交付金がすべてということにはなりませんが、やる気のある地域というものをいかに伸ばしていくかと、こういうふうなことで、特に具体的には生産基盤及び施設の整備、あるいは生活環境の整備あるいは地域間交流促進施設の整備等、自治体等が行うあるいは農業者も共同等で行う部分については是非交付金でもって支援をしていきたいと、このように思っておるところでございます。 また、地域資源として、これは直接この法案ではありませんが、御案内のとおり、農地・水・環境保全の取組等もありますし、あるいは今関係府省挙げて、先ほど大臣の答弁にもありましたが、バイオマス資源等の利用を含めて地域の持てるものをやはりしっかり出してもらって、その地域の活性化に併せて努力を更に重ねたいと、このように思っている次第でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○段本幸男君 私は、そのかぎは、実は今読売新聞が二十一世紀日本をどういうふうに持っていくかというのでコラム記事を掲載しております。その中にずっと終始一貫して流れているのが、やっぱり周囲と助け合うことが大切な社会というのがずっと一貫して流れているように感じているんですね。それは恐らく、市場原理中心でずっとしばらく来たそのひずみを感じ取ってマスコミ辺りが、やっぱりそういうもう少し核家族化した中でも助け合うようなものを持っていかないかぬ。これは恐らく農耕民族が本来持っていた、そういう良さであったんではないかと思います。残念ながら都会では、マンションで隣に住んでいる人も知らないというようなコミュニティーでつくれないものがある。農村には私は持っていてまだまだそういうものが残っていると、こんなふうに思うんですね。やはり農林省が、もちろん見掛けの経済的な面も必要なんでしょうけれども、生活文化というんですかね、そういうものをうまく支援していく、そのことが農村活性化につながるんではないか。ひいては日本再生につながると読売新聞は見ているんではないか、私はそういうふうに思うんですけれども、この法律でそういった農村文化みたいなものがどういうふうな気持ちで組み込まれて入れられているのか、その辺のお考えをできたらお示し願いたいと思います。
○副大臣(国井正幸君) 確かに先生御指摘のように、農村には助け合う文化が薄れてきたとはいえまだまだ残っているというふうに思います。 そういう意味で、先ほども申し上げましたが、農地・水・環境保全対策ですね、これなどは農業者はもちろんのことでありますが、非農家も含めてその地域に居住している皆さんが力を合わせて自分たちの美しい環境をしっかり守っていこうと、お互い助け合ってやっていこうと、こういうふうなことだというふうに思っております。 やはりこれから自分たちの地域は自分たちで守るんだと、お互いがその地域の共同の住人として、ともにやっぱり助け合っていくことが必要だというふうに思っていますので、農林水産省としてもその助け合う心、ともに支え合う地域づくり、これに向けて最大の支援をしていきたいと、このように思っておるところでございます。
○段本幸男君 是非しっかりやっていただきたいと思います。 次、農地制度についてお伺いしたいと思います。 今、農林省が農政大改革と言われる目玉として品目横断的経営安定対策出しておられます。全国回っていると、ようやく火が付いてきたかな、みんな真剣に議論していこうかな、こんな動きが見られるんじゃないかと思っています。 私も、この人口減少時代に、十年先にはもう七割の人で、十五年先には六割の人で集落担っていかないかぬとすれば、今からやっぱりどういう方向を、そういうことをやっていかないかぬ、こんなふうに言っているんですけれども、しかし多くの地域で見られるのは、担い手に集積しようとしてもなかなか農地制度がネックになって、もう非常に枚数が多くなって形上の集約だけでそれが将来の展望に結び付かない、こんなケースも多々見られるんじゃないかと思います。 今回の法律でも、そういうところを受けて、農地集約化のための制度が盛られていますが、恐らく現地で経営基盤強化法でもやられたその結果を見ても、もうなかなかうまく動いていない、実際に動くのかどうか非常に心配な面もあると思うんですね。農林省では別途、農地政策に関する有識者会議設けてやられているとも伺っております。 今日の新聞によれば、経済財政諮問会議が、農地を株式化して、そして企業もどんどん入れていっていろんなことやればいい、いろんなアイデアが出てきているようです。私は、どれがいいかもちろんまだこれからの段階だと思うんですけれども、やっぱり現地に行っていろんな農家の人たちが本当にどういうスタンスでいるのか、十分議論しないとこれはなかなかうまくいかないな、こんな気持ちがしているんですけれども、農地制度について一体どういう見通しを持っておられるのか、現時点はまだ方針定まっていないと思いますけれども、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) 農地制度のお尋ねでございますけれども、委員おっしゃられましたように、今後の我が国農業の担い手をいかに育成確保していくか、そしてその経営の安定をいかに図っていくかということを問題意識といたしまして、本年四月からスタートいたしました品目横断的経営安定対策などの農政改革、このような農政改革を促進するためには、やはり担い手の農業経営、あるいは営農活動が行われておりますそのような生産が展開されている農地について、現状とその課題というものを徹底的に検証そして見直しをした上で、今後その担い手の育成確保に向けた課題を整理した上で、制度、予算全般にわたった総合的な見直しを図る必要があると、こういう認識の下で現在この農地制度の見直しに着手しているところでございます。 具体的には、農地といいますものはやはり農業に不可欠な必要な資源ということで、これを農業として有効に利用していく、こういったようなきちんとした理念をまず明確化させていくこと。そして、このような理念の下に、今御指摘のございましたように担い手の規模拡大、特にこれまでのいろいろな様々な経緯の中でいわゆる分散錯圃と言われているような状況もございます。こういったものを克服しまして、担い手に面的にまとまった形で農地が利用集積させる、そういったようなことを加速化していくこと、これが非常に重要だというふうに考えております。 当然のことながら、それ以外にも、この規模拡大あるいは効率的な営農推進という観点から、農業経営についての法人化の推進の問題、あるいは新規参入をどうやって促進していくのか、さらには農地そのものについて優良農地をどうやって確保していくのか、あるいは耕作放棄地の発生防止、こういったものをどのように行っていくのか。 農地政策が直面しておりますあらゆる課題について、当然のことながら、経済的視点ばっかりではございません。これは、農地というのは財産権の一番の基本の最たるものでございますので、憲法あるいは法律上の視点、あるいは現地の本当の社会実態の視点、そういったような様々な角度から検討を踏まえた上で総合的な対策を打ち立ててまいりたいということで現在検討しているところでございます。
○段本幸男君 更に突っ込んで農地制度についてもう一つお伺いしたいんですけれども、今、後継者不足というか、担い手そのもの自身、特に後継者が不足しているというふうなことが言われていますが、私は、新規にIターンで農業に来たいという人は結構いるのかな、こんな認識を実は持っているんです。 福井県の上中町、今は町村合併して名前が変わったかもしれませんが、ここで、ある集落で後継者がいなくなってしまった。で、町長が、それならもう東京で人を募集して、全然知らぬ人を来てもらうしかないな。一人募集したら、東京で三十人の人が集まったらしいです。 私が茨城県の八郷というところに行ったら、いろいろ東京で勤めていたけれども、やっぱり自分のライフスタイルが欲しいからといって六人の人たちが有機農業で、東京にいたときのサラリーの半分で農業を、奥さんも入れて、それで将来ともやめるつもりはない、こういうふうに言っておられる人もいました。 恐らく、新規就農者は相当潜在的にはある。ただネックになるのが、やはりそういう人たちは資本がない、土地がない。この辺がネックになっている。一方、地方を回っていると、農家の方は、もう農地手放してもいいんだけれども、やっぱり先祖伝来の土地だから私の代に手放すわけにいかないし、そういうものをどうしたらいいのか非常に思案しぐねているような面も見られる。それはさっき言った日本文化の伝統の良さでもあるわけなんですけれども、そういったものとの兼ね合いが非常に難しい微妙な問題になっているんじゃないかと思うんですが、今回のこの法律でそういうものがうまく解きほぐすことができるのかどうか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) 委員御指摘のとおり、今後の担い手の育成確保につきましては、新規就農者対策も含めまして、この農地の制度の観点から申し上げますと、担い手となる方々にどのように土地を集積していくのかというのが非常に大きな課題になると思っております。 ただ、その場合に、北海道あるいは一部都府県の地域ございますけれども、そういうようなところを除きますと、全般的に農地の価格というものが農業の収益をはるかに超えたような価格水準となっている現実がございます。したがって、やはりこの農地の集積ということについては、所有権の移動というよりも賃貸借、これを中心とした利用権の設定による規模拡大なり新規就農の設定ということが重要であると考えております。 その際、農地の出し手、いわゆる地主さんの側からいきますと新規就農者、これは新規就農者だけではないんですが、地域になじみのない方に農地を貸すということに対します不安がございます。また、新規就農者の場合には、御指摘のとおり、資力に乏しいというような状況もございます。 これまでも、あるいは農業委員会によるあっせんでございますとか、あるいは特に新規就農者対策の場合には経営体育成資金の貸付け、あるいは研修の実施、あるいは新規就農者が円滑に農地が確保できるような農地情報の提供、あるいは先ほどもちょっとお答えさせていただきましたが、農地保有合理化事業の活用というようなことで一定期間貸し付けた後に土地を売り渡すような事業等もあるわけでございますけれども、現在検討しております中で、これまでのやはり政策についての課題といったようなものを踏まえながら、更にこれを一歩進めていくような方策についても検討してまいりたいというふうに思っております。
○段本幸男君 農地制度はやはり一つの大きなかぎだと思いますから、是非検討をして、交流がうまく進むようにやっていただきたいと思います。 次に、交流についてお伺いしたいと思うんですけれども、人口減少をしていく中で農村が活力を持つためには、大臣おっしゃいましたように交流人口を増やしていくしかない、もうこれしか恐らく手はないだろうと思うんですね。さすれば、今、農山漁村地域活性法が出されたというのは大変時宜を得た時期にその措置がなされていると私は評価させていただいております。 現に私の見てきた中でも、例えば山梨県北杜市の須玉町というところでは、NPOが中心になってやっぱり都市との物すごい交流が進んでいる。あるいは都市サイドで見れば、武蔵野市というところが、小学五年生を全員農村に五泊から八泊ぐらい農家分宿させて農業体験さすことによって、子供たちがやっぱりいい日本のものを学んできて教育上非常に大きな効果を上げている。 いろんな例も見られます。しかし、全般を見れば、都市、農村の共生・対流を進めてきました「オーライ!ニッポン」もできましたが、ややそこで頭打ちしている感じが全然なきにしもあらずというふうな感じがしております。これを打破していくためには、一農林省だけではなくて、もちろん自民党の検討会なんかには各省庁来られていろいろ検討していただいていますけれども、やはり省庁の垣根を越えていろんなことをやっていく必要がある。 例えば、二重生活というんですか、デュアルライフの徹底支援。私はさきの予算委員会では、二重住民票を作ったらどうかという提案もしました。あるいは経団連なんかと一緒になって、かつてフランスが作ったようにバカンス法を作って、今は非常に短い日本の休暇をもっと長く取って、そして全体として豊かにしていくような方法、あるいは都市からもっとファンドという格好で金を呼び込む方法とか、いろんなものがある。 一農林省では非常に難しい問題かもしれない、しかしその新ステップに進まぬとこの効果が出ないんじゃないかというふうに思いますが、農林省はどのようなお考えでしょうか。
○政府参考人(中條康朗君) ただいま都市、農村の共生・対流について、次のステップへ進むべき段階が来て、それが重要ではないかという御指摘をいただきました。私どもとしましては、関係する府省とも連携を図りましてこの農山漁村活性化の施策を推進することが重要であるというふうに認識をしております。 そのためには、新たに、本法案及びそれに基づく交付金と地域再生法に基づく地域再生計画、それから地域資源を活用した中小企業地域資源活用プログラム、これは経産省のプログラムでございますけれども、などとの連携を図ることとしておりますし、また今後、内閣官房副長官と関係府省の副大臣から成ります都市と農山漁村との共生・対流に関するプロジェクトチームでの議論も踏まえまして関係府省との連携を図ることとしておりまして、これらの府省との連携によりまして各地での共生・対流の取組の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。 さらに、委員御指摘でございました民間のアイデア、それから活力を生かしていく観点からは、今年度から新たに民間向けの支援策としまして広域連携共生・対流等対策交付金というものを創設したところでございまして、公募方式で広くアイデアを募集しまして、都市と農山漁村にわたる多様な主体間の連携によりますモデル的な取組を支援することともしているところでございます。 このように、委員御指摘の農山漁村活性化の次のステップに向けても取り組んでいるところでございます。
○段本幸男君 是非頑張っていただきたいんですが、一農林省ではこれは大変難しいんだろう、そんな気もしないこともないんですね。 そこで、例えばイギリスが、社会で成功を収めた人はリタイアしてから田園で過ごすことが一つのステータスになっている、こういうふうな国民性があるというふうなことがあります。恐らく日本の場合は単純にそんな形ばかりではなくて、むしろ農村への投資をするとか、デュアルライフと言われるようなものをするとか、そういったことになってくるかもしれませんけれども、そういうものを醸成していく、国民の中にそういう意識をつくっていくことが農山漁村の活性化、ひいてはやっぱり日本社会の健全な姿をつくっていくんではないかというふうに思いますが、そういう共生の道づくりについて内閣府としてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 先生の御指摘のとおり、地方の活力なくしては国の活力はなく、また農山漁村の活性化、地域活性化は政府の最重要課題という位置付けであると考えております。特に、農村地域における美しい景観、自然環境や文化、伝統は美しい国づくりに欠かせないものであると認識しております。 このような観点を踏まえまして、本年一月二十五日に閣議決定されております日本経済の進路と戦略、経済の進路と戦略という題ではございますが、その中にも、住民それぞれが誇りを持てる地域社会は美しい国の骨格を成すものであると、このようなしっかりとした位置付けがされているということでございます。 また、御指摘のとおり、我が国におきましても、特に団塊の世代ですとかそれから二十代の若者の方々、こういう方々の田舎暮らしへの関心の高まり、要するに新しいやはりライフスタイル、こういうものに対する新しい価値観を持った、人生観というようなものを持った方がやっぱり増加しているという情勢にあると思います。 このような流れを踏まえまして、本年二月六日に、政府全体として様々な地域活性化の全体像、地域活性化政策体系という形でしっかり取りまとめておるところでございます。この中におきましても、農山漁村というもので、今まで気付かれていないようなものをも含めて地域固有の資源を最大限に活用するという方向ですとか、正にそこで農業そのものを取り組んでいただく方々の関心の高まり、こういうものも含めまして、全省を挙げて取り組んでいくという政策体系になっております。 特に農山漁村、いろんな今までは気付かれなかったようなもの、地場産品ですとかいろいろございます。そういうものも含めて、地域のやる気、知恵と工夫を引き出していくという取組を徹底的に支援してまいろうと。知恵と工夫にあふれた魅力ある地域というふうに変わるために、また魅力ある農林水産業としていくために、例えば各省の出先機関の窓口をワンストップ化していきますとか、それから地域活性化応援隊を派遣していきますとか、そういうようなことをもやっておりまして、そういう政府一体となった取組で積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
○段本幸男君 是非、安倍政権の柱として国民に見えるように頑張っていただきたいと思います。 次に、有機農業についてお伺いしたいと思います。 アメリカではロハス生活、ロハス的生活というんですか、こういうようなものがはやっているというふうに伺っています。健康と環境、持続可能な社会を心掛けるような生活スタイルというふうに伺っております。イタリアのスローフードなんかも似たようなものではないかと思うんですね。 有機農業推進法というのもこういう中で、さきの臨時国会で私もその一員として加わらせてもらって成立させました。我が国の農業をもっていく場合に、我が国の農業の特徴は、目の届く範囲で、あるいは物の聞こえる範囲で、そして比較的ITが非常に進んだ密度、こういう特徴を持っている地域ならば、ここで手を掛けて安全なものを高く売る、それしか道がないんじゃないかというふうな感じがするんですけれども、是非こういう意識を国民全体に普及させて有機農業を積極的に推進すべきと考えるんですが、現在の農林省の取組の状況をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 委員からお話がありました有機農業推進法でございます。 この法案、お話がありましたように、さきの臨時国会で成立をしたわけでございますけれども、この法律に基づきまして農林水産大臣が基本方針を定めるということになっております。これにつきましては、食料・農業・農村政策審議会の審議等を経まして、去る四月二十七日に策定し、公表したところでございます。 この基本方針におきましては、平成十九年度からおおむね五年間に、国及び地方公共団体が有機農業の推進に取り組む上で基本となる事項等を取りまとめております。 その内容といたしましては、まず第一に、有機農業の推進及び普及の目標であります。その目標につきましては、おおむね平成二十三年度までに有機農業に関する技術体系を確立いたしまして、全都道府県で指導できる体制を整えていくという目標を掲げております。第二番目に、今後具体的に講じていく施策について定めております。その内容といたしましては、道府県の農業大学校等を活用した有機農業を行おうとする人への研修や技術開発の促進、さらに消費者や流通業者に対する情報提供を講ずることとしております。第三番目に、関係機関、団体等との連携協力体制の整備や有機農業者の意見の反映に努めること等を盛り込んでいるところでございます。 委員からお話がありましたように、今後これを強力に推進していく必要があると考えておりまして、まず五月中に全国でブロック会議を開催しまして、この基本方針の周知や、都道府県に対しまして推進計画の策定の働き掛けを行ってまいりたいというふうに考えております。
○段本幸男君 済みません、時間ないのに、もう一問だけ。 今度、サミットが北海道の洞爺湖で開催されることに決まりました。農村地域で開かれるというのは初めてのことです。これは、是が非もこれを契機に、日本の美しい田園空間はこんなものだ、自然環境はこんなもの、そして安全、安心な農業をやっている日本農業というのはこんなものだというのを世界にアピールする大変重要なチャンスだと思いますが、農林省はどのような取組をされているんでしょうか、お伺いして、質問を終わらせていただきます。
○委員長(加治屋義人君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○副大臣(国井正幸君) 今回の洞爺湖サミットを、場所を選んだというのは、伺うところによりますと、やはり美しい日本を是非世界に向けてアピールしたいと、こういう総理の思いが強かったようであります。 特に、そういう中で、美しい日本の原風景というのがやっぱり農村、農山村にあるというふうに私ども思っておりますので、この際、食料自給基地である北海道ということと併せて、美しい景観の下で安全、安心な食料を国内でしっかり頑張って作っていると、こういう姿を世界の皆さんにも含めてアピールをしたいし、あわせて、やはり農山村が自信を取り戻す、そういう契機にもできればと、このように思っている次第でございます。 ありがとうございました。
○段本幸男君 終わります。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。今日は、質問の場を与えていただきましたことに、まず同僚議員に感謝申し上げます。 まず冒頭、先般、WTOの議長ペーパーが出てきまして、内容を見ますとかなり厳しい内容ではないかと思います。特に、項目が一杯あるんですが、今日は一点、いわゆる重要品目の対象数ということで、我が国は一〇ないし一五%ということを提示しているんじゃないかというふうに思いましたけれども、議長ペーパーでは一ないし五%という極めて厳しい内容になっておりました。 当然、我が方は我が方の主張をされると思うんですが、ちまたではもう二けた台というのはないんじゃないかというような、ちまたと言っても意味はちょっと不明ですが、そういった声も聞こえておりまして、これからのWTOの交渉の見通しとこの議長ペーパーに対する大臣の所見をちょっとお伺いしておきたいと思います。ただ、分野はもう大臣の得意とする分野でもございますので、多分いろいろお話しされたいことがあると思いますが、簡潔にひとつお願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 平野先生から簡潔にということでございますので、そのようにお答えしたいと思います。 まず、ファルコナー・ペーパー、三十日の日だったと思いますが、出されまして、ちょうど私もそのときジュネーブに行っておりまして、出されたのが二時と、私が会談したのが十一時と、三時間ぐらい早かったんですが、そこで内容的にもいろいろと議論をいたしました。 一言で言いますと、これは各国とも非常に反発をしておると、これが現状だと思っています。それは議長ですから、各国にとって厳しいものを提起して議論を巻き起こす、こういったねらいがあるんだということを御本人もおっしゃっておりました。そこで、よくマスコミ的には日本は厳しいと言われていますが、私は、日本も厳しいんですが、すべてどの国も厳しいんだろうと思っています。 例えばアメリカからすると、国内支持を本当に百五十億ドル以下に削減ができるのかどうか。また、EUにいたしますと、最上位階層の削減率が、EUとアメリカが言っている間なんということになるとこれは大変な数字になるんですが、果たしてそれができるのかどうか。また、インドからするとSPの問題、途上国からしてもSPの問題、これが本当にできるのかどうか。それから、オーストラリア、カナダにとっても輸出国家貿易、これ独占貿易禁止と言っていますし、これ本当にやめることができるのかどうか。それと、農業分野じゃないですが、NAMAの世界において、ブラジル辺りもNAMAで本当にこれはちゃんとした対応ができるのかどうか。非常に各国とも、極めて国内的には自国の立場からすれば困難な点を指摘されたなと思っています。 そこで、一から五%ですけれども、これはもう、これを一番最初言っておったアメリカでさえ、もう一という数字は今言っていない。にもかかわらず、ファルコナーは一をまだ言っている。だから、これは逆に、言っていた人さえ、こんなこと今更言われてもなというような話なんですが、いずれにしても我々としてはこれは到底受け入れられる数字ではない。上限関税に言及がなかったことは評価するとしても、この重要品目についてはとてもこんな形で受け入れられるものではない。ただ、タリフラインをベースにいくのか、貿易量全体をベースにいくのか、いろいろその分母の取り方はあると思うんですが、私ども、とにかく日本の立場を少しでも、ちょっとでもその主張が反映できるように、いよいよこのペーパーを基に議論が始まったな、こういうことでございますし、しっかりやってまいりたいと思っております。 あわせて、EUとの連携、これはお互い共通するところがあるし、お互いに連携しないとお互いの利益を守り合えないところもございますし、またインドとの関係、これは昨日もインドのナート大臣と電話会談を行いましたが、そういった意味も含めて、お互い連携をしっかり強化する。NAMAを今度は引き合いにしながら、ブラジルとも我々もできるだけの連携は取っていくと。そんなようなわけで、二国間それから多国間の場、あらゆるパイプ、チャンネル、場を通じて、ひとつ全力を尽くして交渉に臨んでまいりたいと思っております。 そこで見通しですが、ここがなかなか見通しというのは、予断を許さないというよりも、何とも言い難い点が一杯ございますが、一応の見通しとしては、ファルコナーは、六月末ぐらいまでに議論を重ねて、そして最終的なできればテキストにしたい、こういうことを言っておりました。それを受けて、じゃ七月から八月の初めぐらいにかけて、いわゆる夏休み前にはモダリティーをやりたいんだ、こんなようなわけであります。我が国は参議院選のさなかということにもなりますから、これはなかなか政治的にもそちらに力をそがれるという点もあるかもしれませんが、私どもは、しかしそれはそれとして、全力で、総力を挙げて経産省とも一体となって取り組んで、そしてこの我が国の立場をしっかりと貫いてまいりたいと、こう思っております。
○平野達男君 いずれ、現場でもこの動向にかなり関心を持っている方がたくさんいます。その動きとか、これからの動きとか方向性につきましてはできるだけ情報発信すると同時に、日本の姿勢と、もし妥結の見通しが立った場合にはそれに対する対応、国内対策をどうするんだというようなことを早急に出すような姿勢を是非お願いしたいというふうに思います。 そこで、今日の法律の話に入りますけれども、まず、先ほど来人口減少という話が出ておりますが、この点につきましては、私、この当委員会でも何回かお話をさせていただきました。私は、この人口減少というのは日本ではもう避けて通れない現象でありまして、特にその中でも関東はまだ入超、いわゆる人口の入超が目立っていると。私は岩手県の出身ですけれども、岩手県でも、ある地域はこれからも人口が増えると。しかし一方で、日本全体としては人口減少が始まっているという中では、人口の中でも二極化が起こってくるのではないか。一方で、大変な勢いで、これは過疎化どころではないという言葉を私は前使いましたけれども、人が減っていくというような地域も出てくると。こういう現状が、これからの農村、農業にどのような影響が出てくるのかということについての御認識を、改めて大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) その問題意識といいますか認識は、私は多分、平野先生と一緒なんだろうと思うんです。 先生御指摘のように、これからは少子化ということで、全体的に減っていくと。そういう状況の中で、じゃ、都市部と農村部、もう大ざっぱに分ければ都市部と農村部。農村部はどうなっていくのか。ざっと、幾つかのデータなりなんなりはあるんですが、今後二十五年間の人口減少率というデータもあるんですが、農山漁村部では二〇二五年までに一六%減っていってしまうと、こういうことになっていまして、これはもう都市圏と比べると、まあ先生の方から見えるかどうかは知りませんが、これは都市圏で、農村部はこうですからね。もうこんな、ざっと数えても、五、六倍か六、七倍の割合で農山漁村の人口が減っていくと。これはもうゆゆしきことであり、大問題であると。正に地域社会の存立、維持すら危うくなる。既に限界集落ということも言われているわけであります。 そういった認識をしっかり持って、じゃ、どうやっていくか。だからこそ、いろいろな可能性、これをもう最大限に活用いたしまして、総合的な体系的な対策を立ててこの地方のやっぱり人口減少というものに歯止めを掛けると同時に、地方で人口を受け入れる、そういったような努力をしっかりしていかなきゃならないと、こう思っております。
○平野達男君 後半の部分で、人口減少に歯止めを掛ける、あるいは要するに定住を促進するという、そういう趣旨を言われましたけれども、それは非常に大事なことだと思います。しかし、これから大事なことは、人が減っていくという現実を受け入れることだと思います。これを直視した上で、その地域の農村をどういうふうに立て直していくか、農村をどうやって維持していくか、農業を維持していくかという、この視点が私は非常に大事だと思うんです。 今回の法律に関しては、まあ後で言いますけれども、そういう視点をもう外しちゃってるんですね、私に言わせれば。だから、定住も交流もいいんですよ。だけど、定住促進、交流なんかは、やれるところはどんどんやっていますよ、こんな法律なんかなくたって。問題は、そういうことができないところがたくさんあるということなんです。そういう中で、その地域の農業をどうやっていくか、農村の機能をどうやって維持していくかということが、もうこれは最大のポイントだと私は思っているんです。 そこで、次の質問に移りますけれども、農業の担い手というのは、これは繰り返しの質問になって恐縮ですが、経営規模とか経営の形態でやっぱり決めるべきものなんでしょうか。これを改めて質問したいと思います。 この背景にあるのは、もう農業従事者はこれから減っていきます、基幹的農業従事者の六割は六十五歳以上ですから。そういう中で、農業従事者を減らすという方策というのはやっぱり違っているんじゃないかと。今この農業従事者が減っていくというプロセスの中で、どういう農業を、農地流動化を進めていくか、それから農村政策を進めていくかという観点が大事なんではないかというふうに思うんですが、改めて、先ほどの私の質問に対してのお答えをお願いしたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) 農業の担い手に関する御質問でございますけれども、委員もよく御指摘のとおり、やはり我が国の農業の今の脆弱性の中で、今後、食料自給率等の問題も含めて、日本の農業構造をどのように構築していくのかということが一番の課題であるわけでございます。 一昨年、基本計画の見直しを行っているわけでございますけれども、この基本計画の中で、いわゆる平成二十七年の目標といたしまして、他産業並みの所得を確保し得る、いわゆる効率的経営、安定的経営体というものが我が国の農業生産の七割から八割、そういったものを占める、そういったような力強い農業構造を目指していくということが基本法及びその基本計画に基づいた現在の担い手の目標だというふうに考えております。 したがいまして、このような担い手、効率的かつ安定的な経営体というものを基本法の中でも位置付け、その経営体としては、一つにはもちろん個別の経営があるわけでございます。もう一方では集落の営農組織というような形のものもあるわけでございまして、このような経営体が日本の構造の相当程度を占めていく、そこに向かって様々な政策を集中をしていくと、こういうことが現下の担い手政策の基本であるというふうに考えております。
○平野達男君 私は、このことも繰り返して申し上げてきましたけれども、農地流動化も反対ではありません。集落営農もいいと思います。ある程度の集積をして農業で自立できるような農家をつくるというのも、これは方向性としては正しいと思います。 ただ私は、背景にあるのは、今そういう方向に向かいつつ、外的状況が整いつつあるんではないかと。つまり、それは何かといいますと、農業従事者がやっぱり減ってくるということに対してはという一つの条件があると。条件が整っているという言い方が妥当かどうか分かりませんが、そういう環境にあるということだと思いますね。 それから、あともう一つは、これも前も申し述べましたけれども、ただでさえ今耕作放棄地が増えている。耕作放棄地が増えているということは、農地の出し手がどんどん出てくる、だけど受け手が少ないというその状況の中で、四ヘクタールだ、二十ヘクタールだという基準を設定するというのは、これはやっぱり今の農村の現状に全然合わないんではないかというふうに私は思います。 特に、後で農村計画の話若干触れますけれども、今必要なのは、集落の中において、あの人はあと十年ぐらいしたら後継者がいないから農地を放すというのは大体集落レベルでは見えますから、そういう中での集落全体としての地域の農業構造、農業の担い手、担い手というか農業をどうやって保っていくかということに対しての集落のいろんな話合いをして合意形成することだと思うんです。その中で出てきますと、今二ヘクタールの人でも、あの人は五年後、六年後は四ヘクタール、五ヘクタールになるかもしれない、今集落営農で五ヘクタールだけど、それは十年後、二十年後には十ヘクタール、二十ヘクタールになるかもしれない。立派な担い手なんですよ。 ここでの違いは何かというと、国が四ヘクタール、二十ヘクタールと一律の基準を設定していることが、これは大問題なんです。 今、農村の中では、いや、あの人、農地手放すからあの農地をどうしていこうかということに対しての問題意識を強く持っている。問題意識を強く持っているから、じゃ将来的に、五年、十年後に対しての、この地域の農地の利用形態がどうあるかということを本気で話すれば話できるんです。その中で四ヘクタール、二十ヘクタールが出てきたものだから、話混乱しちゃうんですよ。そういう意味で、この担い手の四ヘクタール、二十ヘクタールの品目横断の選別政策というのは誠に、繰り返して申し上げますけれども、今の農山村、特に中山間地域の農山村にとっては本当に厳しい話、迷惑な話だと私は思っています。 大臣、それに対するもう一度御見解をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 平野先生の議論と我々かみ合うところもあるんですが、かみ合うというか、問題意識は大体一致していると思う。しかし、問題は、その問題をどう解決していくか、これを乗り越えていくか、その乗り越え方、解決の仕方のところでちょっと違ってきていると、こう思うんですが。 いずれにいたしましても、年とともに弱っていってもう仕事はできなくなる、こういう状況になってくる。じゃ、後はだれが継ぐんだ、息子はもうほかのところに行っていていないと、こういうことになってくると。そうすると、それはどうしてもそこをだれかがちゃんと請け負っていくとなる。それは、認定農家がじゃそこを買い取るなり借りるなり何らかの形で集積をしてやっていくか、集落営農という大きな形でくくってひとつそこに担い手がちゃんとしっかりと存在をしてやっていくか、そんな方法が一番現実的なんだろうと思うわけであります。 問題は、先生はそれを二十とか四とかで切る必要ないじゃないかと、こうおっしゃるわけでありますが、いや、そこは我々はどうしてもある一定の、助成をしていく、国民の税金を使って一つの政策というものを推し進めていく、そこにはやっぱりある一定の目標を立ててその目標に到達していただく、そういう努力をしていただく、またそういう頑張りをしていただく、こういうところに助成ということであります。 これはちょっともう先生も十分御承知というか、御存じの上だと思うんですが、今、それは世界じゅうどこでも、歴史的に見て、もう中国においても、先進国はもとよりですが、やっぱり農業従事者というのはどんどん減ってくる、減っていく。これは歴史の必然というか、経済的な伸展に伴っての必然になっていくわけでありますが、その分、逆に機械化とかいろんな形で人力から機械力へと、またその機械もまたより高度化していくという形の中でそこが担われてくるわけです。 じゃ、耕作放棄地が増えていく、どうするか。それについて私は、やっぱりこれからバイオマスの問題、こういったことを通じて、そこを企業的にもやれるような、そういった企業的にも、的ですね、やれるような人たちが、そこにしっかりと集落営農も含めて存在をして、これをバイオマスの生産の対象としていくとか、そのような形で私は大きくこの耕作放棄地というものをなくしていくと。今回外国の例、見てきましても、まだまだ日本はその石油連盟等にもお願いをして条件を整えなきゃならぬと思うんです。 ちょっと長いんですが、アメリカでも言っていました、その組合の人たちが。メジャーがもうちょっと、メジャーがなかなかガソリンスタンドを認めてくれないんだと。だから、そういったことで、そういう条件整ってくれば日本でもどんどん進んでいきますからね。私は耕作放棄地もそういう形で作付けができるような、そういう主体としての、企業的な面も含めたそういう営農主体というのがやっぱり必要なんだろうと。そこのところについての基準の問題を抜きにすれば、平野先生と余り議論は違っていないんじゃないかと、こう思っています。
○平野達男君 私が言いたいのは、四ヘクタール、二十ヘクタールという基準を出すということは、これは前にも言いましたけれども、視点はやっぱり農業の業だけなんですよ。経営の効率化という視点だろうと思うんです。そうじゃなくて、そこに、農業基本法から食料・農業・農村基本法に名前を変えましたよね。農村という観点が全く欠落するんじゃないかと、この農村という観点を入れて農村地域ということを考えていかなければ駄目なんじゃないかという、そこの根本なんですということが私の考え方の基本だと、に立っていると私自身は思っています。 ですから、先ほど言いましたように、農地流動化もこれから進めなくちゃならないですよ。集落営農も場合によっては進めなくちゃならないです。だけど、それはプロセスというのがあるでしょうと。このプロセスこそが今これから大事なんじゃないでしょうかということを言いたいわけです。 だから、ゴールイメージとしての、あるいは将来的にはそうなるということを、方向性を今の段階で目指すのが大事なんですが、農村は今まで経験したことのない状況に入ると思うんです。この観点を農林水産省がしっかり持っていかなければ、農村は本当、これから大変なことになってしまうんじゃないかということを、これを言いたいんです。 だから、そういう意味で、次の質問に移りますけれども、定住促進や地域間交流の推進は農山漁村の活性の有効な手段かという問いを私は通告しておりますが、これに対して簡潔でいいですからお答えをお願いしたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 委員の方から、定住促進それから地域間交流の推進というのは農山漁村活性化の有効な手段かという御質問をいただきました。 昨年二月に内閣府が公表しました世論調査によりますと、都市地域と農山漁村地域の交流が必要であると思っている方々は七八%、それから共生・対流の取組に関心がある方が五二%となっておりまして、都市と農山漁村の共生・対流に対する関心は高いものというふうに理解をしております。それから、定住、交流などを自らのライフスタイルとして実践したいと望んでいらっしゃる方が三〇%、中でも団塊の世代を含む五十歳代が三五%、それから二十歳代の若者が三七%と、この二つの世代が他の世代に比べまして高いという結果ともなっております。 このような実践願望をいかに実現に向けていくのかということが一つのポイントでございまして、今回の対策では、地域がそれぞれの特性に応じて創意工夫をすることによりまして取り組める仕組みとしたところでございます。 例えば、委員御指摘のまだその定住促進に取り組めていない地域においても、まずは農山漁村において地域間交流等を推進する、交流を推進することは取り組みやすいのではないかというふうに考えておりまして、これには市民農園、体験農園などの交流、触れ合いといった施設の整備もございますし、それから、先ほど申しました二十代の若者の農村での長期滞在のボランティア活動、そういったものでも支援を行うことができることとしているところでございます。 また、こういう経験を踏まえまして、定住を希望する方々には次のステップとして、空き家それから生活情報の情報提供とか、それから人生二毛作などのキャンペーン、こういったものを張るということにしておりまして、総合的にこの定住、共生・対流、交流が進むこととして対策に取り組んでいるところでございます。
○平野達男君 皆さん方、地域間、都市農村交流というのをどういう意味でとらえているかは分かりませんが、岩手県でも例えば葛巻町なんかは一生懸命やっています。やっていますが、都市からどういうところに来るかといいますと、畜産開発公社というのがありまして、そこに牧場があるんです。そこに来るんですよ。これが全国的にも有名になっていますから、新聞にも出ますし、マスコミにも出ます。しかし、そこにだけ来て、あと、そこに風力発電なんかもありますから、それなんかは見に行きます。だけど、葛巻町というのは非常に町としては広い町です。あちこち集落もあります。だけど、その集落には都市農村交流というのは基本的には余り関係ないところもたくさんあるわけです。だから、都市農村交流というのはあくまでも点、せいぜい言って部分なんですよ。もっと言えば、そんなことをやれる市町村なんというのは岩手県の中でもそんな数ない。もっと更に言えば、そういうことをやれるところというのは、自分たちの創意工夫でやっているからこんな法律なんかなくたってやっているんです、もう既に。 私が言いたいのは、先ほど言ったように、農村というもののイメージをとらえるとき、私は頭の中では面的なものとしてとらえています。定住だ都市農村交流だ、いいですよ、立派ですよ、やったらいいですよ、それは。だけど圧倒的な部分は、そういうところには、そういう定住とか都市農村交流に対しては余り恩恵が受けられない。極端な話で言えば、関係のない地区が圧倒的にあるということなんですよ。そこで人が減っていく、農村をどうやっていくか、農業をどうやっていくか、ここに視点を当てなかったら、これは本当に重要な問題を今伏せているというふうに悪く取れば取れちゃうんですよ。 大臣、どうでしょうか。私は定住促進も都市農村交流も否定しません。やれるところはどんどんやったらいいです。だけど、効果は私は本当に限定的だと思います。しかし、それよりも何よりも、繰り返しになりますけれども、農業従事者が減っていく。減っていくことを私は悲観的にとらえる必要もないと思うんです、本当に農業をやりたい人にとってはチャンスだから。そういうことに着目した計画と、さあどうしましょうかということに対しての国としての、政府としての考え方をやっぱり提示することの方が私はよっぽど大事だと思う。それに対して大臣はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(松岡利勝君) いや、もうこれ私も平野先生のおっしゃっていることはよく分かります。今、葛巻町の例を挙げられましたが、しかしまた、それはそれで確かに、点に一つの畜産の牧場があるから、そこにいろんな見るものもあったり食べるものもあったり飲むものもあって来られると。しかし、それを離れたところの集落は交流から全く外されて関係ないと。それも一つの実態でしょう。 だから、どういう魅力あるものを、やっぱり人が来るような集客といいますか、人が寄ってこられるようなものをつくっていくか。だから、それはやっぱり農村とか山村が持っている、本来持っている魅力をどう生かし切るかと、こういうことだと思うんですが、昔でいえば、森林浴という言葉もはやりました。はやったというよりも今でもそれはあると思うんですが、だから、そういう持っているものを、皆さんがお見えになっていただけるような、来ていただけるような、そういう形でどうやっていくか、そういうことだろうと思いますし、私も平野先生がおっしゃっているようなことは十分受け止めて、そういう気持ち、今のおっしゃっているようなお考え、こういったことをやっぱり十分受け止めて、我々も政策の中にそれは反映していきたい、端的に言うとそう思います。決して反対していません、そのとおりだろうなと思っていますから。
○平野達男君 私が、もう一つ、なぜこんなことを言うかといいますと、いわゆる過疎というか、これから、過疎といいますか、財政力の弱い首長さんと話しますと、その地域が人が減っていきますということを認めたくないんですよ。何でかといいますと、こういう話をしますと話が後ろ向きになってしまうということなんだろうと思います。その代わりどうするかといったら、こういうことを言うわけですよ、定住促進します、観光推進、都市農村交流を推進しますと。しかし、現実問題から見たときには、そんなことが、仮にやれるところはどんどんやったらいいし、私は効果もそんな、限定的だと思います。 だけど、繰り返しになってしまいますけれども、今本当に考えなくちゃならないのはそういうことではなくて、繰り返しになりますけれども、農村がどういう状況、どういう変化していくかという実態を直視するような、そういう契機を是非私は国でつくってもらいたいというのがこれは私の強い提案なんです。そうして、都市農村交流も定住促進もいいですよ。だけど、そうじゃなくて、五年後、十年後、この地域の集落あるいは農村がどうなっていくんだということをしっかり見据えた上で、この地域の農業をどうやっていくか、あるいは農業の活性化を、農村の活性化をどうやっていくか、そういった原点に立ち返った検討をするような仕組みを是非用意してもらいたい。これは私の言うところの、骨格は何も固まっていませんが、農村計画という今回通告申し上げた基本的な考え方なんですけれども、それに対しての大臣の御見解をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) それはその地域その地域に事情も違いますし、また持っている特徴、特性も違うと思いますし、そしてまたいろんな方向性ということについてもまた内容的に違う面もあるでしょうし、そういうものを総合的に分析、整理をして、そしてその地域の方向性はどういうふうな方向に行くべきか、やっぱり将来を見据えた形でみんなでまた考えながら取り組んでいくということをしっかり考えていくということは大事なことだろうと思っています。それは全くそのとおりだろうと思っています。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 よく、お仕着せでやるというよりも、やっぱりみんながいろんなところも見ながら、いろんなところも研究しながら、自分たちの地域はこうやっていこう、そしてやっぱり沸き上がってきた、自分たちの中から本当にしっかりと取り組んで、責任のある形でやっぱりみんなが力を合わせて目指していく、そういったことが本当に大きな成果を生んでいくんだろうと、私もそう思いますよ。 そういう中で、我々としては、その特性、特性に応じて、こういう法律体系を作っておいて、そしてそれをしっかりとサポートしていくと、こういうふうな形で、まず自主自立があって、それをしっかりサポートしていけるような、こういうような体系になっていくことが一番望ましいんだろうと、それはそのように思います。 したがって、今農村計画法というような話が出ましたが、これは私も官房企画室におりましたころから何度か浮かんでは消え、浮かんでは消えた言葉だったんだろうと、そのときそのときで多少背景や目指したものは違ったかもしれませんが。フランスなんかは正にそういうやり方で、農村計画法的なやり方でやっている。農村は農林省が計画を立て、それに基づいて事業の実行は各省庁がやるみたいな、正に計画という面で一つの総合的なくくりをしている。だから、そういったこともとらえ方、考え方としては私はあってもいいんだろうと、こう思います、どこが主体になろうと、だれが主体になろうと。 そういう意味では、先生のそういう御指摘も受けながら、私ども、より良きものを目指して、運用という面も含めて、英知を集めて取り組んでいきたいと、こう思います。
○平野達男君 今日の審議の中でも、自分たちのことは自分たちでやるんだと、地域のことは自分たちで守っていくんだというようなお話がございましたけど、全くそのとおりだと思います。 要は、国ももうこんなに財政赤字をたくさん抱えていますから、いろんな補助金出してどうのこうのという、いろんな政策をやるということも展開しにくい状況になってきているわけで、要はもう自分たちの創意工夫でやっていくという覚悟を求めるということが大事だと思うんです。そういう中で、必要なことは、国は、今までみたいにお金は出せませんと、だけど、例えばこういう枠組みでいろんなことを考えたらどうですかという提言ができるんですよね。その提言をやっていただきたいということなんです。 その提言ができるんですが、今回のようなこの法律、私は反対じゃないですよ、いいですよ、賛成ですよ。だけど、今の、繰り返しになって恐縮ですけれども、農山村がこれから迎えなくちゃならない現状というものを直視した法律になっていない。このことだけを再三ちょっと申し上げておきたいと思います。 それから、大臣、私は住民力という言葉、これは岩手日報の記事に連載された言葉なんですが、私、非常に好きな言葉でありまして、正にこれからこの住民力というのをどうやって発揮していくかということだろうと思うんです。住民力を発揮できるかどうかというのはもう正にその地域の意思一つに懸かっているわけですけれども、それを発揮させられるような環境づくりというのはこれはできるんだろうと思うんですね。 そこで、大臣、この住民力という言葉をどのように思われるか。私はこの住民力という言葉をもっともっと使っていったらいいんじゃないかなというふうに思うんですが、それに対しての御感想をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) もう一言で言えばすばらしい言葉だと思います。やっぱり住民みんなが力を合わせて、そしてやっぱり自分たちの地域、社会、将来、そういったことをつくり上げていくと、そういう意味ですばらしい言葉だと、感想ということであればそう思います。
○平野達男君 私は、もう地元ではこの住民力ということを、いろんな報告会とか懇談会とか歩きながらも、この言葉を使いながら、これを高めていくしかないんだというようなことを言っていますが、是非大臣も機会があればこの住民力という言葉を使って、やっぱり自分たちのことは自分たちでやるしかないんだというようなことを、突き放す意味ではなくて、やっぱり覚悟を促すという意味でも是非使っていただきたいということを、これは御要望として申し上げておきます。 次の質問に入りますが、今度は農地制度の話に移らせていただきます。 まず、今の農地法というのは自作農主義という軸が一本入っているわけでありますけれども、これからの農業、今の農業ももうそうなんですが、これからは借地農業が日本の農業の中心になるのではないかというふうに私は認識を持っておりますけれども、大臣はどのように思われますか。
○国務大臣(松岡利勝君) それはもう先生の御指摘は全く正しいと思っております。 借地農業というか、昭和四十年代においては賃貸借によるものは三%程度であった、ところが昭和五十五年の農用地利用増進法の制定以降、これは大幅に変化がございまして、このいわゆる賃貸借というものは物すごく増えてきたと。近年では、耕作目的で農地の権利移動面積の約八割、これが賃貸借となっておりまして、担い手の規模拡大というのは現実上、事実上、借地によって実現をされている、こういうようなことでございますので、また経済的な面から見ても、これを所有をして買い取るということはこれは大変なお金が要る。しかし、それがリース的に借りればそれほどのお金は要らない。こういった現実的な、経済的現実からしてもやっぱり借地というのが進んでいくんだろうと、こういうふうに思いますので、私は正に今は借地時代、そういうことなんだろうというふうに認識しております。 〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
○平野達男君 もう一点お伺いしますが、今、元気な高齢者たちが農村に残って農業をやっている方が結構います。その人たちの御子息さんは都会に出ているということで、その方は、御子息さんは戻ってこないというような家庭が結構あるんじゃないかと思います。そうしますと、基本的に不在地主が増えてくるのではないかという感じがしますが、それに対しての御認識をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 正にそのとおりなんですね。やっぱり先生よく御承知で、調べておられる上での御指摘ですから、私どもも、私も全くそのとおりですと。そうなってくると、じゃ今度はどう対応するかという、こういう問題が先生の問題意識にあってお尋ねになっているんだろうと、こう思うわけでございます。 そこで、これからはやっぱりこういう不在地主のものをどういうふうにして農地として活用し、生かしていけるような、そういう言ってみれば取組をしていくか、これが大事なんだろうというふうに思いますので、この不在地主の方々、こういった方々の農地、これをきちんとした農業者に集約ができるようなそういう取組をしっかりやっていこうと、これはもう本当に大きな大事なポイントだと、こう思っています。
○平野達男君 そこで、今度は農地法の話に入っていきますけれども、農地法の第一条、読みますとこう書いてあるんです。この法律は、農地はその耕作者自らが所有することが最も適当であると認めて、耕作者の農地を取得し、及びその権利を保護し、並びに土地の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ることを目的とする、これ、第一条の目的です。キーワードは、農地はその耕作者自らが所有することが最も適当であると認めてという、ここですね、ここから自作農主義というのが出ているわけですね。 農地法につきましては、御承知のように昭和二十七年、一九五二年ですか、制定されまして、農地解放の成果を受けて制定されたものでありまして、先ほど言いましたように、自作農ですから、原則借地農業は認めない。それから、農地解放前は不在地主がたくさんいましたから、不在地主は少数の大規模地主ですね、それが大部分は不在地主だったんですが、不在地主も認めないと、そういう精神をまず農地法に生かしたということでありますね。 そして、あわせて、残存小作地については、いわゆる農地の解放ができなかった小作地についてはその小作権を保護しましょうという規定になりまして、実はこれが貸した農地は返らないというその後のいろんな問題を生じることになりまして、借地農業が中心だということで今進んできていますが、これを進めるに当たって農地法と非常にぶつかるものだから、先ほどの答弁にありましたけれども、農地利用増進法あるいは経営基盤強化法といういわゆるバイパス法を作って対応してきたという経過がこれはあります。 そこで、改めてお伺いしますけれども、この農地法の第一条の規定というのは、もうこれは今でも有効かという問い掛けは正しいかどうか分かりませんが、この農地法第一条の規定についての評価について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) もう今先生が歴史的に説明をされたとおりで、二十七年に制定された、これは戦前の大規模地主、これを解体してそれぞれの実際耕作をしておった小作農、この方々に農地を分け与えるというか、そういうことで、いわゆる自作農主義、実際耕作をしている人にやるという自作農主義、そういうことで、この第一条というのは正にそれをしっかりと定義した、定義というか規定した法律であります。 しかし、現実はそれにじゃ合っているのかと、こういうことなわけですが、四十五年ですかね、そこで改正がありまして、所有のみならず借地も含めて農地が利用されると、こういうことで、したがって現在は自作農主義から耕作者主義、このような形になってきていると。先生の問題提起は、そうだとするともうバイパス法でやっていたことを根本に変えてそういうふうにやったらいいんじゃないかというお話なんだろうと思うんですね。 そこで、私も、大事なことは実態、おっしゃったように、もう自作農というよりも耕作者主義で、借地が多くて、そこでやっている、これをどうとらえるか。だから私は、これは実態をしっかりとらえて把握して、その上でどういう整理をしたら最も今、そして現在、これからの今後の方向に向かったいわゆる制度設計ができるのか、こういう形で今現在、この農地政策についていろいろ検討を今進めさせているし、進めているところなんです。 ひとつそういうふうなことで、先生の問題提起、御指摘もお受けいたしながら、しっかりここは私ども、大事な問題ですから、制度と実態が合うように、そしてまた制度がなおかつ将来に向かってより良い一つの方向を示していくように、収れんしていけるように、そういう認識で取り組んでいきたいなと思っています。
○平野達男君 今の答弁の中では、検討するという方向でいろいろ検討しているというお話だったんですけれども、私は、この農地法の持つ意味というのは非常に大きくて、今まで農地利用増進法、経営基盤強化法というバイパス法で作ってきて、ツールとしていろんな、ツールというか仕組みを改正してきたんですね。その場面場面で部分的な改正によって対応してきたということで、現実問題として、これから農地流動化を利用権中心設定で進めようということについては、今の制度でもそんなに差し支えないんではないかなと思っているんです。 ただ問題は、あくまでもそういうものを小手先で、部分部分で改正してきたために、あくまでも農地流動化という、農地という世界での法律改正という枠組みにはまっちゃっている感じがするんです。 何を言いたいかといいますと、農地法を引いて、例えば土地改良法とか農協法とかいろんな法律がありますけれども、私は、この農地法を根本的に変えることによって、例えば土地改良法にしても農協法についても、他の法律も多分同時にいろんなところの見直しが始まると思うんです。大勢はもうこれから借地農業が中心になってきます。そういう中で、農地法を変えるというそのものの行為が、これは私非常に大きな意味があるんではないかというふうに思います。既に環境は、この農地法の第一条はこれはもう今現実に即していないというのはだれが見ても明白なわけでありますから、もう環境は整っているんです。あとは農地法を本当に改正するかどうかという意思があるかどうかという、そこに掛かってくると思うんです。 ところが、農地法というのは、やっぱりこれすごい法律で、歴史的な重みもありますから、なかなかこれを抜本的に変えにくいという事務方のいろんな問題もあるんだろうと思うんです。しかし、繰り返しになりますけれども、今農業が変わっていく、農村が変わっていくという中で、この農地法を変えるというのは私は非常に意味があると思います。これを借地農業を主体とした法律として全面的に組み替えていくということは、この法律の改正にとどまらず、いろんなところに、これからの現状に即した制度の見直し、対応を検討する、そういう検討をし始める、それを促す契機にもなり得ると思うんです。そのことに対して、もう一度大臣からの御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 農業が何を土台にして行われているか、これはもう農地であります。したがって、産業という農業は農地を基にして成り立っておると。そして、この資本主義社会、自由主義社会の中で農地所有ということがあって、そしてまた今はその所有ということ自体が、農業の発展と併せて、また農村全体の振興と併せてどういう姿、どういう方向性を取ることがやっぱり一番求められているのか。 私は平野先生の問題意識はよく分かるつもりでおります。したがって、今、私は、先ほどいろいろな、まず実態、何が実態に一番即して、そしてまた将来に向かっているのか、こういったことをしっかり把握しながらと申し上げました。その上に立ってあるべき姿というものをしっかりと見定めていきたい、今こう思っています。 ですから、いろんな提案がございます。いろんなところからもいろんな提案があります。だから、いい提案も、また余りにもちょっと離れ過ぎていて、それはちょっと果たして現実に合うのかな、農地の世界に合うのかな、金融の世界と農地の世界と一緒になるのかなという点もありますしね。 だから、そういった意味では、これ以上言いませんけど、私どもはしっかりと見定めて、そして検討の方向又は改革の方向、こういったものを、余り時間ばかり掛けていてもしようがありませんので、適当な時間でしっかりとその方向性を出していきたいと、こう思います。
○平野達男君 農地法改正ということになりますと、借地農業中心の仕組みを立てればいいというだけじゃなくて、いろんな多分提案が出てきますからなかなか大変だと思うんです。大変だと思うんですけれども、今、繰り返しになりますけれども、もう本当に農業、農村は大きく変わっている、その転換点に立っていますから、是非この農地法の改正ということをやってもらいたいと。一条から改正するということをやっていただきたいということを繰り返し要望を、強く要望を申し上げておきたいと思います。 そこで、一点だけ、これは高橋局長にお伺いしますけれども、これ通告していませんけれども、一点ちょっと確認したいんですが、私はやっぱり不在地主というのはこれから増えるんだろうと思うんです。それで、農地が適正に利用されていれば所有は不在地主でも構わないという考え方がこれから出てくると思うんですが、局長、これをどのようにお考えになりますか。
○政府参考人(高橋博君) 今、不在地主の御質問でございますけれども、先ほども委員御指摘ございましたように、不在地主の今後の増加の一つの要因としては、やはり高齢化している中で相続による世代交代ということでございます。 この場合、ちょっと専門になって恐縮でございますけれども、相続によって親から子供に農地が移転することについては、これは農地法の例えば許可の対象ということにはなっておりません。これは原始取得という形で、もう自動的にこれは相続をされるという形になります。したがいまして、親が地方におられて、その子供たちが都会におられるような場合には、もうそこに相続が発生すると同時に、不在地主という形になるわけでございます。 不在地主の問題につきましては、先ほど大臣からもお話ございましたけれども、やはりこのような状態は耕作放棄化をするおそれが非常に高い、かつそういったことに対する把握自体もなかなか困難なことがあるということでございますので、やはりこのような不在地主の土地については、どのような形で担い手、地域に住んでいる担い手に集約をさせるかが一番重要だというふうに思っております。 そこの不在地主を認めるか認めないかという議論については、今申し上げましたように、相続の部分に関してこれを止めるというのは多分憲法上非常に難しいというふうに思っておりますので、やはりここはある程度現実に即した形で、このような土地も担い手にどのようにうまく集積をさせていくかという形で現在検討しているところでございます。
○平野達男君 大変難しい問題があると思いますけれども、この不在地主はやっぱりある程度受け入れる方向でやっていかないと、今のこれからの農村の現状からすると現実に合わない面が多々出てくるんじゃないかと私は思います。これを突き詰めていきますと所有と利用の分離という話になりまして、これをどこまで進めるかというのもこれまた非常に難しい話なんですが、だからこそさっき言った、これから借地農業中心になっていく中でどういう法体系、考え方でやるかということについては、私は今すぐ、大至急やっぱり整理していく必要があるんじゃないかなというふうに思います。 私は、農地解放前というのは、少数の大規模地主、大多数の小規模小作という時代から、これからは、この表現が適切かどうか分かりませんけれども、少数の小作者、大規模小作者あるいは中規模小作者と言ってもいいのかもしれません、で、大多数の零細地主という構造になっていくんだろうと思うんです。だから、そういう構造の中でそれをどこまで受け入れていくかということを、これ現実的にやっぱり検討していくということが必要だということをもう一度申し上げておきたいと思います。 そこで、今朝の日経新聞に面白い記事が出ておりました。面白いというか、へえというような記事が出ておりまして、二点ございまして、一つは、農地の定期借地権制度の創設。これは私はそんなに悪いことではないんじゃないかというふうに思っています。もう一つが、農家が企業に農地を譲る代わりに株式を受ける制度を創設するという、そういうことが経済財政諮問会議の中で盛り込まれるのではないかと。今日、経済財政諮問会議がありますから、最終的にどうなるか分かりませんが、どうもそのような方向だということです。 この農地取得、株式と交換でというのは、もう事実上、農地取得を株式会社に認めるということと同じことだと思いますが、違いは何かというと、農地の保有者もリスクをしょえと。要するに、農地経営、農業経営で失敗した場合には、現物出資しているわけですから、それが金融の世界でいう減資になったりしますんで、うまくいけば問題はないという、うまくいけば配当を受けられるわけですが、失敗した場合には自分もリスクしょいなさいよと、そういうことなんだろうと思います。 問題は、先ほど言った株式会社に門戸を開くということの提言なわけですが、これに対しての大臣の御所見をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 新聞のそういう報道は見たところであります。そこで中間的な取りまとめが行われると、本日。その結果がどうなるかというのは、これまた私も今、平野先生もおっしゃいましたように分からないんですが、そういう議論がされているということは事実だと。 そこで、これもまた私が今から申し上げることが、新聞で見た限りだけで言うことが当たっているかどうか分からないんですけど、実は、端的に言って、御手洗会長が私に、農地を株式にして、それで出資したら一番合理的ですよという話があったんです、あるときね。まあ一見、ぱっと聞くと、極めて理屈の上でも、ああそれはそうですねと、こう思うんですね。そうすると、あぜも要らないんだと、どこからどこまでというその区分けも要らない、土地のあれも要らない、とにかくある一定の面積を株式にするんだから、あぜも要らないから、その分、あぜの分だけでも農地が増えますよと、こういう話があったんですね。 私は、だから、それは論理、理屈としてはそれはそういうこともあるんだろうけれども、日本はやっぱり農耕民族ですから、それは漢民族もそうですけど、農耕民族というのはやっぱりどうしたって土地に対する執着というのは大きいものがあります。だんだん時代が変わってきたといっても、まあそう一遍にぱっと変わるもんじゃないんだろうと思う。これが一つ。 それから、どうもそのあぜというか、そういうものの役割というものをほとんど理解されていないなという思いが実はしたんです。あぜがあることによって、そこは田んぼが区切られて、そして、水をそのあぜでせき止めて、そしてダムの働きをして、言ってみれば貯水の働きをしながら、逆に一遍に流さずに水害、災害というものを防ぐ大きな大きな防災上の働きをしている。だから、そういったものを、あぜが働きをしているということを、これを経済的にだけ見ればあれは無駄だと、こういうことになったとき、日本というのは、これだけ国土が傾斜があって、地形があって、国土が狭い中で少しでも国土に水を長い時間ためて置いておく。ミシシッピ川みたいに六千キロもあるわけじゃないわけですから、ためて置いておく。ためておいて、淡水の間に、それがいろんな生活用水や工業用水や農業用水に利用されるということで、水田が果たしている、またその水田というものが田んぼで区切られていることによって果たしているいろんな効果、役割、どうもこういったことが全く頭からこれは抜け落ちているな、こういうことがありまして、私はそういったことも含めて考えますと、そして株式にしたところで、じゃ本当にばあっともうそれこそ換地をした後みたいに、土地改良して、はい、あんたはここですと、換地した後みたいに整合性が取れて、本当に農地の集約がもうぱっと株式にすれば一遍にできるのか。 そういういろんなことを考えますと、一つのどなたかの御見識かは知らないけれども、どうですかね、平野先生がどう思って聞いておられるのか私も分かんないんですけど、ちょっといろいろこれは多角的に検討しないと答えは一言じゃ言えないなと、こんな思いですね。
○平野達男君 私は、これを別に賛同するわけじゃないんですけれども、唯一もしメリットがあるとすれば、農業経営者、これは企業かどうか分かりませんが、現物出資されますから、要するに自己資本というか、資本ができるんですね。これが最大のメリットだろうと思うんです。利用権設定は、借りたら農業経営そのもののリスクが全部破綻したとしても農地は返さなくちゃならない、そういうことなんですが、農業経営がもし失敗した場合には、要するにもう現物の出資という農地持っていますから、要するに株式会社の世界でいけば減資をして、それで皆さんでリスクをしょいましょうと。だから、そういった意味では、企業マインドに合った人にとっては非常にくみしやすい制度になるんです。だから、逆に恐ろしいとも言えるんですね。 だから、今日のお話の中で大臣は、これは私は、何とも言えないという答弁ですけれども、今まで農林水産省は株式会社の農地取得は認めないというスタンスを取っているわけですから、答弁とすれば、これはやっぱり基本的に今までのスタンスからすれば、何とも言えないと言うんじゃなくて、これは認められないと言うのが私は大臣の答弁であるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) このことに対する答えをというよりも、これをどう受け止めるかということだったんで、私としてはまだ新聞で読んだ限りですから、これを提案者なりがどういう意図とかどういうねらいで言われたのかといったことが分からないという前提で、そしてどう受け止めるかということであれば一言で言いようがないということを申し上げたんですが、私ども株式会社の議論はずっとやってまいりました。アメリカの中西部のあの大農地の地帯でさえ、そこに住居を置かない人が代表者になる株式会社には認めてないんですよ。認めてないんです。 やっぱり、ただ土地投機的に借りたり、そういったことになると、農村というのは共同社会ですから、そして都合悪くなったらぱっとどこかへ行ってほったらかしにしていくというんじゃ、これはやっぱり、農地というのは農村全体の中でこれが管理されない、ちゃんとした形で管理されないということにもなってしまいますし、そこに我々は株式会社の所有に対する一つのスタンスというものを持っているわけですよね。それは私も、この意図がどういう意図なのかという内容なりなんなりはっきりしたら、それについて賛成、反対というのはしっかり言おうと思っております。
○平野達男君 いずれ株式会社の農地所有、保有という形態には変わりないわけですから、そこのスタンスはしっかり維持していきたいというように思います。 私、株式会社の農地所有については、特に今、日本はもうごみがあふれていますから、一番おっかないのは一時転用だと思っているんです。一時転用をやって、砂利か何かを売って、下にあるあるいは土を売って、その中に埋め戻しとしてごみを使ってしまうようなことが私、往々にしてあっちこっち起こっているんじゃないかというふうに思っています。この門戸を、またそれをやりやすくしてしまうということに対して、私は性悪説に立っているわけじゃないんですが、そういう可能性が非常に高いということもありますので、これ簡単に認めるわけには私はいかないというふうに思っております。 最後に、高橋局長に、これ通告申し上げてありませんけれども、お聞きしますけれども、定期借地権の設定についてはどのようにお考えになりますか。
○政府参考人(高橋博君) 定期借地権、御承知のとおり借地借家法の世界で既にあるわけでございますけれども、農地の場合におきましても、要は解約について制限のない形ですね、いわゆる期間が満了すれば自動的に戻ってくるというシステムについては、これは二十年以内の期間についてはもう既にございます。したがって、今提案されているのは、二十年を超えるような期間について、その期間の満了時にこれ自動的に持ってくるシステムをつくったらどうかというような議論だと思っております。 これについては、確かに、例えば果樹の栽培を行っているような方は、これ長い借地権というのが必要ではないかという方もおられますが、片一方で、そんな二十年も営農に縛られるというのも困るねというような方もございます。したがって、この定期借地権問題については、よく現場の実態を踏まえた上で、本当に必要かどうか、二十年超も、以内はもう既にできておりますので、二十年超が本当に要るのかどうかということについては、よく聞いて検討すべきものだというふうに思っております。
○平野達男君 いずれこのまた農地法については是非しっかりとした見直しを、しかも早急にやっていただくことをお願い申し上げておきます。 そして、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律案にちょっと戻りますが、基本的にこれは反対ではありません。ただ、今日も段本委員からお話がございましたけれども、法律の構成を見ますと、例えば所有権移転等促進事業、これはどこかでありましたね、これ。こういう昔のあれをちょっと引っ張り出してきて、法律事項がないから持ってきたみたいな、そんな感じもちょっとしまして、悪くはないんですが、こういう法律よりは、先ほど言ったように、農村の現状をしっかり見て、自分たちのことは自分たちで考えなくちゃならないんですよというような、突き放す意味じゃなくて、そういう行動を促すような枠組みを是非つくってくれることを、つくることを、まあ政権交代があったら私らがやりますけれども、この枠組みをつくるというのは、いろんな法律が関係するからなかなかできないんですよね、役所の協力がないと。是非やることをお願いというよりも主張しまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(加治屋義人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律案を議題として質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。どうぞよろしくお願いします。 政府が示す農業政策の方向性についてお伺いをいたします。 今年から品目横断的経営安定対策が本格的に実施されております。これは皆さんおっしゃいますように、選別政策ではないかというふうに言われています。一方で、今回の農山漁村活性化法案による施策は、農山漁村へ移住とか二地域居住を通じて農山村に人を呼び寄せるというものであります。品目横断の法案は、四ヘクタール、二十ヘクタール、午前中もたくさん話が出ましたが、例えば四ヘクタール持っておられる方、二十ヘクタールに移行する方、その方たちはもう農業をしなくてよいというような状況において、例えば健康の面とか年齢の面とかいいながら農村から都市部へ出ていってしまわれる方がもしかして出てくる法案ではないかというふうに思います。そういう意味で、この法案と二つ目の農山漁村の活性化法案というのは相反するような気がいたします。 例えば、農業の就業者を減らすもの、そして農村や農業にかかわりのある人をふやすもの、この方向性はとっても矛盾を感じるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) 和田先生に矛盾を感じるんじゃないかと言われますと何となく答えがしにくいんですが、しかし、いや矛盾はしないように政策を進めてまいりたいという観点からお答えをさせていただきたいと思います。 生産構造をしっかりしたものにしていくと。今、零細で小規模な所有なものを集約化して、そしてやっぱり生産性を高めて、そしてまた競争力のある農業をつくっていく。一方で、小規模零細のままでは、そしてまた高齢者ということで年を取ってしまえば、そこがもう耕作放棄地みたいになっていってしまうと。そういったことにならないように、集落営農や、ある一定の認定農家にこの農地が集約をしていく、そして年を取っておやめになってもちゃんと後はそこは耕作がされていくような、そういうふうな生産構造を集約化をして、そして強い農業構造をつくり上げていくと。 これが担い手に集中をしていくという対策でございまして、決して小規模切捨てとか、その方たちがもうどっかへ行ってしまって要らないとか、そういうものではなくて、ただ一方で、どうしてもこのままいけば、先ほどから議論がございますように、農村地域というのは他の地域に比べて非常に減少率も高いですし、高齢化率も高いですから、やはり今生産構造を強化し強くすると同時に、そういう減少率も高齢化率も他に比べて高いというそういう地域に受皿をつくって、そして定住をしていただくなり、また滞在をして交流という形で来ていただくなり、そういうような受皿づくりを目指そうと、こういうことでございまして、二つを組み合わせて矛盾のないようにしっかり農業の将来性をつくっていきたいと、こういうことでございますので、よろしくお願いいたします。
○和田ひろ子君 例えば品目横断の問題点というのは、今も申し上げましたように、規模による選別と品目がふさわしくないという、もうずっとこれは皆さん言っていらっしゃいますけれども、何か九州と北海道にとってもいい政策で、私たち会津、福島県なんかには本当に合わない政策だというふうに思います。 そして、過去の実績、WTOに関することがあるというふうに言われていますが、未来永劫、平成十六年、十七年、十八年の過去の実績なんというのもちょっとこれは本当に理解のしにくいことなんですけれども、例えばこの品目横断の議論は何年前からされておられるか分かりませんが、二年前ぐらいだとすれば、今、さっき大臣がおっしゃいましたように、答弁でも言われていますように、将来を見据えて品目になんかこだわらないというようなことであるとすれば、例えばトウモロコシとかサトウキビ、エタノールなんというのは、その二年前からもうもちろんありましたが、今現在は大変問題になっている、大変世界が注目していることだとすれば、品目をあんな項目に決めることもおかしいというふうに思います。 そして、選別の場合も、四ヘクタール、二十ヘクタールも、さっき平野委員もおっしゃいましたように、例えば三ヘクタールだって意欲のある農業者が隣のもう農業をやらない人の田んぼも途中で買えるわけだし、だから四ヘクタール、二十ヘクタールなんというふうに選別をするのも本当におかしいことではないかなということも思っています。 例えば、だから先ほど申しましたように、品目横断、選別政策に対象外になった人が、今まではこの農業を守るために集落にきちんといたけれども、今度はいなくてよくなってしまう、もう農村から離れてしまう人が簡単に、親の代からの土地を守るために今までいたけれども、もう作らなくていいんならいなくていいなという大きな本当にそれが理由の一つというか、大きな理由になってきてしまうんではないかというふうに思います。 昨年秋の麦の加入状況というのは、作付面積、面積のところで九〇%、九割というふうに言われていますよね。あとの一割の皆さんのお気持ち、例えば麦を作らない人が次の作目を作るいろんな模索の結果、やっぱりやめようなんという人も出てくるんじゃないか。離農や離村を決断するのに十分考えられます。これまでも相当なスピードで農業人口というのはすごく、農家の人口が減っている時期にこれは本当にゆゆしき問題だと思いますが、農業の地方の人口減少について、何回もお答えいただいてありますが、もう一度お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) 品目横断的経営安定対策の趣旨なり考え方につきましては、今大臣からお答えしたことに尽きるというふうに思っておるわけでございますけれども、やはり現下の状況を見た場合に、今後の地域の農業の担い手をやはりきちんとした形で早急につくり上げていくということがこれはもう最大の課題であろうと。 ただ、その際に、先ほど来申し上げておりますけれども、個別経営農家の場合には確かに四ヘクタール、十ヘクタールというような要件がございます。しかしながら、集落営農組織、現地の実態等を見た場合に、小規模な方々であってもこれに参画をしておりますし、またここに直接参画をしなくても、この集落営農とのかかわりで高齢者の生きがい的な参画の仕方でありますとか、そういう様々な工夫というものが各地で今進んでおるわけでございます。 麦につきまして今委員から九割というようなお話あったわけでございますけれども、この九割の数字につきましても、例えば春まきの対象者でありますとか、あるいはビール麦等そもそも品目横断の対象になってないものというのがこのほかにありますとか、あるいは若干収量等については実需者との間での播種前契約等において前年度を上回るような形、そういうような形になっておりまして、地域全体の農業生産、麦に関しては確保ができているのではないかと思っております。 いずれにいたしましても、農業のきちんとしたものをつくり上げるのと同時に、今回の法案によります交付金の制度、あるいは同時にスタートいたしました農地・水・環境対策、こういったものと従来の中山間地域の直接支払等とを組み合わせて、片一方で農村地域の活性化対策を講じながら、力強い農業構造を早急につくり上げていくということで御理解いただきたいと思います。
○和田ひろ子君 品目がふさわしくないというふうに私申し上げましたが、品目について、トウモロコシとかサトウキビとか、変えていくというお気持ちはありませんか。
○政府参考人(高橋博君) 品目横断的経営安定対策の対象品目につきましては、これは法律の段階のときにもお答え申し上げたわけでございますけれども、基本的に我が国の食料自給率にとりましてカロリー量が高いもの、トウモロコシの場合には、委員御承知のとおり、これはえさという形でございまして、最終的には畜産物という形でこれが転化されていくということでございますので、そういった意味で別途のまた対策の中で講じておるということが一点。 それからもう一点、サトウキビにつきましては、これは沖縄のサトウキビについては、この品目横断的経営安定対策の実施と合わせまして、本年度から新たにサトウキビに対します品目別の対策を講じていると、こういうことでございます。 また、同じ砂糖の、甘味原料作物でございますビートについては、御承知のとおり既にこの品目横断の対象になっておるということでございますので、様々な御議論があるわけでございますけれども、例えば福島のソバみたいなものについては、お米の需給調整の中の産地づくり対策の中で従来、麦、大豆等と若干差が付いていたものが、地域特産品としてきちんと、今回は地域特産物として挙げられるような形での取り上げ方もしてございますので、品目横断だけではなくて、米の対策あるいは農地・水・環境と併せて御評価いただければと思います。
○和田ひろ子君 飼料というふうにおっしゃいましたけれども、搾ったかすも飼料になるわけですから、そういうエタノール系の話ももう少し御検討をいただきたいなというふうに思います。 次は、今人口の減少についてはお答えいただいたんだっけ、人口の減少についてもどう思いますかということ。
○政府参考人(高橋博君) 今お答えをしたわけでございますけれども、やはり地域対策の中で力強い農業をこの品目横断的経営安定対策の中でつくり上げていくと。あわせて、農村地域全体の底上げ対策として、先ほど来申し上げておりますように、地域対策として既に従来から中山間地域等の直接支払制度等がございました。 また、この農業構造をつくり上げる中で、先ほど来、都市部へ流出していかれるのではないかというお話があったわけでございますけれども、現場の集落営農等の実態から見れば、例えば高齢者の生きがい農業あるいは女性就農という形で、集落営農組織の対象品目以外の部分においてもきちんとした形で役割を位置付けられておられる、そういうような取組があるわけでございまして、こういう地域対策とこの品目横断と併せて農村地域の活性化に資してまいるように、先ほど来大臣申し上げたように、ここのところに矛盾がが生じないように政策展開を進めてまいりたいというふうに思っております。
○和田ひろ子君 何かお年寄りにも役割があるようにおっしゃいましたけれども、お年寄りは役割というよりは、体が大変だから、もう本当にできなくなったら、もしもう集落営農の方に任せちゃったら、例えば病院のない村にいるよりは町に住んだ方がいいわけですから、減少するというのは当たり前のことだというふうに思いますから、そのことはよくわきまえていただきたいなというふうに思います。 農林省は、そういうふうに人口減少を憂えておられるようでありながら、実はいろんなことで肯定しているというか、平成十七年の三月に発表した農業構造の展望で、平成二十七年までの十年間に農家数は最大八十万戸が減ると想定しておられるんですよね。これは農家であった八十万世帯がすなわち、例えば一家族三人だとしたら、三、八、二百四十万人の人口が減っていく、一家二人だとしても、二、八、十六、百六十万人の人口が減っていく、四人だったら四、八、三十二、三百二十万人も減るということを意味します。 また、今年三月に水産庁が作成した漁業の生産構造と経営展望というところでは、平成二十九年の沿岸漁業の経営体数が七万七千、その就業者数が十一万七千人になると見込んでいます。これは平成十七年の数字と比較すると、それぞれ三四%、三九%減少するというふうに予想をしているんですよね。結局、人口減少を憂えながら、予想はこういうふうにされておられるわけなんですね。農家や漁家のすべてが農山漁村を離れるというふうに私も思いませんが、それにしても相当数の離農者、離村者が出るというふうに思います。 また、今回の農山漁村活性化支援プロジェクト交付金の政策目標として、農山漁村へ定住者を平成二十八年度までに百五十万人増やすことというふうにされておられますが、この政策目標の算定の根拠は、農山漁村の人口減少部分とちょっと同じようなことで想定されているのか、そういうふうにも何か勘ぐられてしまう。定住構想について、さっきは平野議員も質問をされておられますけれども、現在農山漁村に住んでいる多くの人たちは、生業として農林漁業に携わって、その地域で住み続けることによって農業をやっている、漁業をやっている方だから、もしこれがないとすれば、本当にそんな思いをされて行かないんじゃないかなというふうに思います。 そして、百五十万人増やすということなんですけれども、例えば団塊の世代とか退職者とか、皆さんそういうふうに、本当にNPOでおいでになりたい方もいらっしゃるというふうに言われておりますけれども、都会ですばらしい文化を享受した人が農村に来て、例えば下水、水洗トイレもないところで、そして三けたの道路はまだ舗装率も悪いところで、そして文化といって、本当の文化、本来の文化は耕すという意味ですから、耕す文化は十分にあるんですけれども、芸術文化とか、そういうのはありません。そして、そういうところに、本当に住んでもらいたい人たちのところには病院もありません。そんなところに本当に人なんか来ていただけるんでしょうか。 例えば、下水道の下水道率なんか見ますと、福島県なんか四二・六%なんですが、これは郡山とか福島とかいわきとか、そういうところが下水道は普及しておりますけれども、農村部なんかは下水道はまだまだしていません。これは、東京は九八・四%、第一位です。神奈川は九四・五%、第二位です。そういう人たちが本当に農家に来ていただけるのか。私のお友達なんか、同級生が将来は会津に住みたいんだけどなと家族会議で言ったら、奥さんと子供さんたちから、パパ、勝手に行ってというふうに言われたというふうに言われます。 こういう状況で本当にそういう人たちに、もっともっと地域のインフラを良くすることの方が先で、これはまだまだ後のことなんですよ。こういういいインフラが整備されて下水道事業も全部完備されたら、それは皆さん行ってみたいなということになるかもしれませんが、観光でいらっしゃるのとは別なんですから、そういう点をもっとしっかり考えていただきたいんですが、いかがですか。
○政府参考人(中條康朗君) 交流を進めるときに、そこの地域の生活の基盤になるような施設の整備等がまず優先されるべきであって、それをしっかりやるべきじゃないかという御指摘があったというふうに理解をしておりますけれども、農山漁村の活性化を図る上で交流を行う、で、二地域に居住される方、若しくは定住をしていただく方、こういう方を積極的に取り込んでいこうということでございますけれども、あわせまして、現在その地域に住んでいらっしゃる方も含めまして、まず農山漁村の基幹産業であります農林漁業の振興を図ることが第一番に重要であろうと、私どもはそういうふうに考えております。 このため、この法案におきましても、地域におけます農林漁業の振興を図るための生産基盤、それから施設の整備、これに関しましてしっかりと振興していこうということでございまして、あわせて、そこに住む方々の生活基盤、生活環境といいますか、そういったものも整備することをこの法律の対象の事業として盛り込んでいるところでございます。そのために、交付金の交付を行うといった支援もこの中に仕組みとして設けているところでございます。 さらに、定住される方、それからまた既にそこにいらっしゃる方について言いますと、本法案によります措置や従来から講じております農林漁業振興策と併せまして、地域資源の活用、それから農山漁村への工業等の導入、計画的な導入といいますか、こういうことによりまして農山漁村の経済の活性化を図ること等もねらいとしておりまして、あわせて情報基盤の整備とか、こういう生活環境の整備も進めまして、現在住んでいらっしゃる方、それから新たにそこに移られる方若しくは定住される方にとっても住みよい環境になるような、そういったものをこの法案でもねらいとしたところでございます。
○和田ひろ子君 今の、私、言葉じりつかまえて言うわけではないんですけれども、あわせてあわせてというふうにおっしゃいますけれども、あわせてではなくて、地域に住んでいらっしゃる方を主体として、その人たちがまずいい、そういう文化を享受する、そのことの方が、あわせてではなくて、言葉じりつかんで言っているわけじゃなくて、そういうことをきちんとやっていただくことこそが定住を進めることであるし、交流人口を受け入れることになるというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いします。 一所懸命という言葉がありますが、一ところで、例えば日本の歴史を考えますと、領主様が替わっても農家の皆さんはそこにきちんと定着をして農耕をしながら一所懸命にその土地を守ってきた、瑞穂の国日本をつくってきたというのが、この日本の脈々たる、そういう農家の皆さんのお気持ちだというふうに思いますので、どうぞ考えていただきたいと思います。 この間、五月六日の朝日新聞の天声人語に、粒粒皆辛苦、これ粒々辛苦という四字熟語というふうに辞書には出ていますが、粒粒皆辛苦というのは、山形県のあの斎藤茂吉さんが、米の一粒一粒にも苦労があるというふうに言っておられたというふうに書いてありました。本当に正に農家の皆さんのお気持ちというのは粒々辛苦なんだなというふうに思います。 そして、田植というのは女の仕事だったけれども、男の人たちは「生きかはり死にかはりして打つ田かな」というふうに、本当に田んぼというものを真剣に守ってきた人たちの今結果であるのであって、四ヘクタールだの二十ヘクタールだのという、そういうくくりでくくってしまわれることに私は大変疑問を感じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次は、農地・水・環境保全向上対策についてお伺いをいたします。 品目横断的安定対策と併せて、今年から農地・水・環境保全対策も本格的にスタートしました。これは今年だけ手を挙げるということなんですか。
○政府参考人(中條康朗君) 本対策は十九年度から本格的に実施することとしておりまして、五年間の期間を考えております。したがいまして、本年だけ採択ということではございませんで、これから後も採択は可能でございます。 ただ、今申しましたように五年間の施策でございますので、これが遅れますと、残期間が一年度、二年度になりますから、私どもとしてはできるだけ早い時期に着工していただくことを期待しているものでございます。
○和田ひろ子君 これは決まってから急に県も市町村も農家の皆さんに言ったので、本当に説明が不足で、今年の四月からスタートして今年中にやらないと五年間の政策には享受できないんだってというふうにみんな思っているんですよ。 それで、そうだとすれば、百歩譲ってそれを分かったという人がいるとしても、その二十年に申し込んだ人は二十年から五年間だというふうに思っていますよ。私、いろいろ聞いてきたけど、今年からの人が五年で、次の年の人は四年だというふうには思っていませんよ。そういう県の説明も市町の説明も大変何かいろいろ錯綜していて、みんな分からないでいることの方が多かったように思います。 そして、例えば集落全体がこの水辺の事業に参加するとしたら、その中におじいさん、おばあさんとかいて、私はとてもそんなところに参加できないから嫌だというふうに言われたらどうするんだろうとか、例えば村の村長さんの話だと、そういう事務的な面倒くさいことは、事務的なことは村できちんと肩代わりするからやってくれと言われても、休日がみんな一緒でなかったり、そういうことがあったりして、本当に若い人たちはもう勘弁というふうにして、だれも申し込んでくれなくて困ると言っていました。 例えば、昔、三十年、四十年代は、私なんかは村の皆さんの隣ぐらいの町の外れに住んでいますから、村休みというと鐘が鳴ったり、何とか村の皆さん、今日は村休みですからなんていうと、村が休みになったら、その休みになった日に田んぼに出たら罰金があるとか、みんなから村八分にされるとか、そういうことあったんだけど、今は村休みなんていう日がもちろんないし、そんなときに出て行って文句言ったら、何、じゃ、なんてかえって訴えられてしまうと。そして、例えばスーパーになんか勤めている人は必ず日曜日が休みでない、土曜日が休みでない、もうローテーションで休まなくてはいけない。そして、例えば自動車屋さんにいたら土日が一番忙しかったりする人たちが多くて、こんなところにとても参加できないという人が一杯おられました。そして、子供の、みんな子供に対して勉強会を開けだの、もう本当とても、スポ少はやらなくちゃいけないし、いろんな学校の授業には出なくちゃいけないしで、こんなことはとてもできないというふうに言っておられる方がたくさんいるんだけど、そういう事実はごらんになっていますか。
○政府参考人(中條康朗君) この農地・水・環境保全向上対策につきましては、御案内のとおり、農村の高齢化、それから農家以外の方が増えているという混住化の進行ということが背景にございまして、従来集落ぐるみでこういう維持保全をされておりました農地とか農業用水ですが、こういったものを地域ぐるみで、今度は農家だけではなくて全体が集まっていただいてやっていただくというようなことをねらいとして、しかもこれ自主的にやっていただくことを私ども期待をして取り組んでいるものでございます。 したがいまして、その地域の発意が非常に重要でございますけれども、私どもとしては、それを支援する形でできるだけ丁寧にそこは御説明し、支援できることは精一杯させていただこうというふうに思っておりまして、これまで、まず十七年度には全国で四百地区選びまして、そこで既にそういう集落がどういう状態になっているのか、実態調査を掛けさせていただきました。十八年度、昨年度でございますが、そのほかに二百地区ほど増やして、六百地区で実際にやっていただきまして、委員御指摘のいろんな問題がないかどうか確認させていただきました。おおむねこれで対応はできるということが分かりましたので、しかしながら慎重にやらなきゃいけないという思いで本年度から本格的な導入を図っているところでございます。 もし委員のような御指摘がございましたら、これは私どもとしては、やっぱり解消することは非常に重要でございますので、是非そこにさらに説明等加えたいと思いますが、既に説明会等二万回以上の説明会をしておりまして、もしそういう事態が更にあるようでありましたら、追加して、十分その辺のそごのないように対応してまいりたいと、このように考えております。
○和田ひろ子君 本当に時間なくなってしまってもう残念なんですけれども、また三百三億円というお金なんですよね。十八年度までに六百モデル地区というのがあるんだけど、そのモデル地区というのがみんなに啓蒙されているかどうか、そういうことの事例を農家の皆さんがよく知っているかどうかも分からないし、それで、何かちょっと若い人に聞いたら、何かそんなところに作業に出ると五千円もらえるそうだけど、五千円もらったってそんなとこに行けねえよななんていうふうな人もおられました。 そういうことも考えて、是非、私、すごくいい発想であって、大変いいことだというふうには思いますけれども、もっと地域の実情に合ったやり方で、こういういろんな項目に合わないと駄目だのそういうことではなしに、例えば一つずつでも、例えば水の管理とか環境整備だけでもまずやってみなさいと、その中でだんだん、子供の勉強会もやったらいいんじゃないか、大人もみんな話合いしたらいいんじゃないかなんていうふうならいいけど、項目全部やって、これに合わないと駄目なんていうようでは、本当に実情には合ってこないと思いますし、また五年間というスパンを決めるということも私はとても、せっかく根付いたものがもう打ち切られて、あとはまた継続になるのかどうかは知りませんけれども、それなら最初からそういうことは決めないで、こういう事情があるというふうに言っていった方がもっと地域の皆さんには受け入れられるんではないかなというふうに思います。 お答えは要りません、時間になりましたので。ありがとうございます。
○谷博之君 民主党の谷博之でございます。久しぶりに質問をさせていただきたいと思います。 既に午前中からいろんな質問も出ております。また、私も一月の三十一日に本会議でこの法案についての大臣に対する質問もいたしました。そのときは時間がありませんでしたので、今日は少し細かい部分までお聞きしたいと思っております。 この法案の私は柱は、午前中からも出ておりますが、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金というこの問題だと思うんです。これは既にお話もありましたけれども、いわゆる元気な地域づくり交付金、これプラス交付金をほかにも複数合わせて一本化して、そしてそれを法律補助として一応規定したと、こういうふうに私どもは考えております。このいわゆる元気な地域づくり交付金というのは、予算的に見ますと、平成十七年度が四百六十六億円、平成十八年度は四百十五億円、こういうことでありますが、今回のこの交付金は三百四十一億円、こういうことになっています。交付のための根拠法まで作って大幅に減額をする、その理由は一体何なのか、まずそこからお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金、これは十九年度予算額は委員御指摘のように三百四十一億円となっております。これは、農、林、水の事業は一つの計画で一体的かつ弾力的に実施ができるということで、その辺の合理化といいますか合理性を確保できるということ、二つ目は廃屋利用など既存施設の活用、それから地域提案メニューの採用などを行うことによりましてより経済的な事業が実施できるということ、あるいは柔軟な仕組みになるということ、それから市町村への直接補助、これが可能となることによりまして市町村の主体性が生かされるということ等々を勘案いたしまして、これまで以上に事業の効率的な実施、それからコストの縮減が期待できること等を総合的に勘案して計上しているところでございます。 なお、平成十九年度予算におきましては、この交付金と併せまして、地域の資源でありますバイオマス利活用のための交付金の創設等も行っておりまして、これまでにも増して充実した予算額の確保を図ることとしておりますし、より集中的、効率的な運用に努めることによりまして、農山漁村の活性化を総合的かつ積極的に推進しているところでございます。 委員の御指摘でございますが、具体的には、例えば十八年度は百三十七億円でありましたバイオマスの環づくり交付金、これを組替え、拡充いたしまして、地域資源活用国民生活向上対策、これバイオマスの関連でございますけれども、二百三十七億円を計上しております。こういったことがございまして、平成十九年度予算におきましては、新たな社会的ニーズに対応して農林水産省の非公共施設費、これを大きく組み替えておりまして、その中で農山漁村活性化プロジェクト支援交付金としまして三百四十一億円を計上したものでございます。
○谷博之君 もう少し関連してお聞きしたいんですが、この元気な地域づくり交付金というのは、具体的に私どもの栃木県でその事業内容を見ておりますと、農道整備とかあるいは農業用の排水施設の整備とか、そういう従来型の公共事業的な事業に使われているというふうに見受けられます。このことがいわゆる元気な地域づくり事業に、あるいはその地域の活性化につながっていくのかということになると、果たして一〇〇%そのことを認め難い部分もあるんではないかなというふうに思っております。 この点は、その使われ方について大臣はどのように考えておられましたか。
○国務大臣(松岡利勝君) 今の谷先生からの御指摘でございますが、活性化のためにはなるだろうが、定住促進は都市との交流に直接つながっているとは言えないのではないかと、このような御指摘だったと思いますが、この交付金は、もう御案内のとおりで、平成十七年度に創設されまして、地域の創意と工夫によって自然環境、景観、文化などの多様な地域資源を有効に活用する事業として、これまで千地区で実施をしてきたと、こういう事実がございます。 事業の具体的な内容といたしましては、暗渠排水の整備によりまして新たな作物を導入することによって農業者の安定的な収益確保や地域農業の振興を促進することができたと。これは栃木においてもそのような地区があるというふうに聞いております。それから、地域特産物を活用いたしました加工体験施設の整備により都市住民との交流の推進も図ることができた、こういう事実もあるところでございまして、農業振興を通じた定住の促進、都市との交流といった本交付金による直接的な効果がこの事業の推進によって更に生じていくと、このように考えているところでございます。 なお、継続中の地区につきましては完了までこの事業を継続する予定でございまして、事業完了後は、適切な評価を行うことによりまして、その結果につきましては農山漁村活性化プロジェクト支援交付金に適切に反映してまいりたいと。 谷先生御指摘のような結果にならないよう、今申し上げましたような、事実そういう効果があるような、そういう形をしっかりと私どもは求めてこの事業を運営してまいりたいと、このように思っております。
○谷博之君 今大臣から御答弁がありましたが、その継続事業分ですよね、この元気な地域づくり交付金というのは平成十七年度、十八年度、この二か年の事業としてやられてきまして、それが今回の新しい法律に移行するというか、発展していくということになるんだと思うんですけれども、その継続分が、これは我々がちょっと調べた調査ですが、約二百億というふうに聞いています。としますと、三百四十一億から二百億を引いた、実質はこの新しい、新規の法律による事業によって使える予算というのは百四十一億しかないんじゃないかなというふうに私は思うんですが、その辺の解釈はそれで正しいでしょうか。
○政府参考人(中條康朗君) 御答弁いたします。 十九年度予算につきましては、三月の予算成立を受けまして地方自治体からの要望を確認し、継続地区分として、委員御指摘のとおり約二百億円、割当て内示を行ったところでございます。それから、この新法に基づき交付金を活用して行う新たな事業につきましては、御指摘のとおり約百四十億円を想定しておりまして、結果、継続分と合わせまして三百四十一億円というものを計上したところでございます。 ただ、新法制定後の交付金の配分等に当たりましては、もちろんこれは計画を提出していただくことになりますので、その計画の目標、それから事業内容、こういったものを総合的に評価いたしまして対応していくというふうに考えております。
○谷博之君 ここで予算の多い少ないを議論をするつもりは余りないですけれども、しかし考えようによっては、これだけの新しい法律を作って、しかも予算補助から法律補助にまでしていって、なおかつ実質的な予算というのが大幅に減額されるということになれば、私はこの事業というのは最初からかなり後ろ向きの事業になるんじゃないかなと。つまり、看板の掛け替えというよりは看板を下ろすような話になってくるんじゃないかなと、こんな心配さえしています。しかも、それは義務的経費ということでないわけですから、将来はこの予算が半額になったりあるいは廃止をされるという、そういうことだって極端なことを言えばないとは言えない。 そういうことについての考え方はどういうふうに、将来、考え方を持っておりますか。
○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。 この交付金は一部の法令等により指定された経費のような義務的経費ではございません。これは委員の御指摘のとおりでございます。ですが、農山漁村活性化法案におきまして活性化計画に基づく事業を実施する上で重要な手段として位置付けておりますし、法律上、位置付けられております。また、法律上の交付金となることによりまして、施設用地の確保の円滑化等の本法案に規定する他の法律上の特例措置、これと一体となって事業実施を促すこととなりまして、より効率的かつ効果的な事業展開が可能になりますとともに、制度的にも安定した事業の実施が可能になるものというふうに考えております。 いずれにしましても、農山漁村の活性化を図るために、毎年度の必要な予算の確保には努めてまいる所存でございます。
○谷博之君 そういう説明はそういう説明として受け止めざるを得ないわけですが、ちょっと一つ気になりますのは、この法律の附則に、この法律の見直しについては七年後の見直しということが書かれています。ということは、私は七年間というこのスパンというのは非常に長いような気がするんですね。 例えば事業の実施内容とかあるいは交付金の金額だとかそういういろんなことについて、私は七年待つまでもなくしっかり見直しをしたりしていく必要があるんだろうというふうに思っているんですが、これらについてはこの法律がスタートした後、そういう今の御答弁のように予算をしっかり確保しながらやっていくということですから、その答弁を信じるしかないわけですけれども、かなりそういう点では、法律の体制整備というか、そういう建前からいうと、私はもっともっとこの見直し一つ取っても短期にこういうものは見直す必要があるんじゃないかなというふうに強く感じております。ですから、そういうことができるようなやっぱり実際的な運用というものを図っていく必要があるんじゃないかなと。だから、交付金の金額とか支援の内容とか運用の改善とか、こういうものにしっかりその都度取り組んでいっていただきたいと、こういうふうに要望しておきたいと思うんです。 もう一つ、この交付金について、先ほども午前中質問がありましたけれども、これは自治体の計画提出というのが必要の要件になっているということです。ところが、今御案内のとおり、全国は非常に自治体の市町村合併が行われています。 これは例えば具体的に一つの例ですが、私の県の、新しく日光市という市ができました。この市は二市二町一村が合併をして新しい日光市、面積は県の四分の一です。大変広大な市が誕生いたしました。しかもそういう中で、合併特例によって、合併後の市会議員選挙で人口比によって市会議員の方が選出をされました。一番小さな村は人口が約二千人でした。こういうところから市会議員さんが出たのがたった二人です。 全体の議員構成を見ていても、少なくともそういう過疎地域というのは、そういう合併した自治体においては、そういう議員の数一つ取ってもそうですけれども、人口比でもそうですし、全体の新しい市の中ではなかなか力が十分発揮できないという、そういうふうな部分もこれあえてあるんじゃないかなというふうに私は思うんですね。 そのときに、こういういわゆる事業が、やろうとしたときに、その一つの合併した市がこういうふうな前向きに積極的に計画を策定してそれを提出するということになればいいわけですけれども、これは当然自治体の負担も伴う話ですから、二分の一の。そうすると、やっぱりそういういろんな議論が出てきます。そういった場合に、私たちは自治体のそういう要件というよりは、むしろ一番活性化したいと思っているそういう特別の地域、そういうふうな非常に必要としているところが、いわゆる特例的にその地区が主体的に活性化計画の策定をしてそれが提出できるようにすべきではないかと、こういうふうに私は思っているんですが、その辺はどうでしょう。
○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。 本法案に基づきます活性化計画の作成につきましては、地域の活性化を図るためには地域が自ら考え行動することを基本としまして戦略的に取り組む必要がございますけれども、地方自治体が地域の意見を取りまとめて活性化のための計画を作成することによりまして地域における施設の整備等が計画的かつ総合的に行われることが期待されること、さらには、こうした取組に対する法律上の支援措置としまして、地方自治体が自ら実施する事業、それから地方自治体がその費用の一部を負担して推進する事業につきまして国から交付金を交付することとしていること等から、地方自治体を計画作成主体としているところでございます。 一方で、御指摘の、市町村合併により行政区域が拡大する中で、従来行政が行ってきました機能を補完する役割として、NPO法人等の活動が重要になってきているのも事実でございます。このため、この法案におきましては、NPO法人、それから農林漁業者の組織する団体等からの提案に基づきまして、活性化計画に事業を位置付けることにより、これらのNPO法人等が自らそれを実施できることとしております。 この措置によりまして、農山漁村の活性化に向けて各法人、団体の創意工夫を生かした取組を支援することとしているところでございます。
○谷博之君 そのほかにも、自治体の負担が非常に増えてくるということによってそういう自治体に対する支えの質問などもしようと思っていましたが、時間がありませんのでそれは割愛をさせていただきますが、ともかくこういう大きな交付金の事業というのは、当然、それは全額国がそれを負担するわけじゃありませんで、地方自治体の負担が当然伴うということになります。こういう意味では、そういう地方自治体に対する支援策というものをやはりしっかり考えていく必要もあるだろうというふうに思っております。これらはこれからの課題ということでまた議論をしてまいりたいと思っています。 さらに、この問題について関連してお聞きしたいんですが、団塊世代のいわゆる誘致策といいますか、そういうことについて、これはどこの県でもこういう取組をしていると思いますが、栃木県の例を出して恐縮ですが、例えば栃木県でも、とちぎ暮らしというふうな一つのキャンペーンを張ってそういう団塊の世代に呼び掛けをするとか、あるいは具体的には県の農業大学校にそういうふうなとちぎ農業未来塾というのを開設をして、この四月から二十名の受講生が入りまして、そしてもう具体的な勉強に入っていると。こういう方々は非常に積極的に農業に帰農するというそういう熱意にあふれておりまして、学校側も将来こういう方々に農地をあっせんする、こういうようなことも検討すると、こんな報道もされております。 このような栃木県を始めとする地方自治体のこういうふうな取組について大臣はどういうふうな感想を持っておられるか、そしてまた、今後こういうふうな定年帰農希望者への支援策として国はどのような取組を行う予定なのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 一言で言いますと、すばらしい取組をされているなと、このように高く御評価申し上げたいと思います。そして、このような取組はこれは本当に時宜を得たものでございますし、また最もこれは必要な求められるものだと思いますので、我々農林水産省といたしましても、可能な限り最大限こういった取組を御支援申し上げていくようなそういう取組をしていきたい、こう思っております。 いずれにいたしましても、今、谷先生御指摘の、とちぎ暮らしを呼び掛けるホームページ、これが意欲ある市町村や関係団体と連携して総合的な取組体制として整備され、とちぎ農業未来塾を開設されたということでございます。本当に我々の立場から見ましても先取りをされた形で、そしてまた農業に新しい一つの、何といいますか、道を開かれたような、そういった形でのこの取組でございます。これが成功して、そして大きな成果を上げて役割が果たされていかれますように、その点を強く本当に私どもも関心を持って見守って、先ほど言いましたように、必要なことがあればしっかり応援もしたいと思っております。
○政府参考人(高橋博君) 具体的な支援策についてでございますけれども、団塊世代の退職に伴いまして、他産業で培いました様々な知識、ノウハウの活用と、これは地域農業の発展のみならず、農村地域の活性化についても極めて重要という観点から、農林水産省といたしましても、内閣全体の重要課題であります再チャレンジ支援策の一環としましてこの施策を推進しております。 具体的には、団塊世代等の就農、定住を啓発するキャンペーンをまず実施をしていくと。経験がなくとも就農できるように、新規就農相談センターにおけます相談活動、あるいは定年者向けの就農フェアの開催、企業に在職したままで農業の基礎的知識、技術を習得できる就農準備校、あるいは道府県の農業大学校におけます定年帰農者を含めました中高年、高齢者に対します研修コースの設置、実際の就農開始におけます必要な機械、施設の購入のための無利子資金の貸付け、あるいは必要な農地情報の提供、あっせん、さらに就農後におけます普及組織等を通じましたきめ細やかな技術指導ということで、実際に就農希望者がどこに入っていくのか、情報収集あるいは就業相談をしていく段階から実際に就農いたしまして定着するまでの各段階に応じました支援措置を講じることとしております。 また、あわせて、このような方々が農村へ定住を促進するために、空き家の情報あるいは生活関連情報などの提供、地域活動への参画、農ある暮らしのための支援など、そういったものについての受入れ体制についての整備についても支援することとしております。
○谷博之君 大変前向きな御答弁、ありがとうございました。 関連をしてといいますか、林業関係についてもちょっとお伺いしたいと思っておるんですが、これは栃木県内にNPOの日本樹木育成研究会という団体がございまして、ここが宇都宮大学の附属舟生演習林というところで、いわゆる森林管理士という新しい民間の資格者を養成するために、実技を兼ねたそういう講座を開設をするということで今計画をしております。 こういう動きを見ておりますと、やはり林業分野での団塊世代の誘致についてもこれは大事なことじゃないかなというふうに思うんですが、こういうことについて大臣はどのようにお考えになっておりますでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) この点につきましても、今、谷先生、先ほどのとちぎ農業未来塾の取組と同じように、一般のNPOという立場からそういうお取り組みをされておられるということは、本当に今地球環境問題、また温暖化対策の問題、そういった中で森林や緑が果たしていく役割、必要性というものは大変な高いものがあると思っております。そういった意味からも、こういった取組をされておられるということにつきましては、誠にこれは崇高なものでございますし、心から敬意を表してまいりたいと思っております。 そして、こういった取組がなお大きく広がって、また大きな成果が上がっていくように、私どもも精一杯あらゆる可能な御支援を申し上げていけるような、そういった方向で取り組んでいきたい、このように思っているところでございます。
○谷博之君 この問題についても大変前向きな御答弁いただいて、大変感謝しております。 そういう山の荒廃を何とか、森林所有者の努力だけじゃなくて、いろんな森林ボランティア団体などの活用を図りながらやっていこうという、そういう試みがやられているわけですけれども、そういう意味でこの施業実施協定というのが、森林の所有者と、それからこういうNPOや、そこから養成された森林管理士が実際に直接森林施業にかかわっていくと、こういうふうなシステムもできてきているわけですけれども、ただ、これは、例えば不在地主の場合なんかはなかなかこういう協定を結ぶということが難しい、そういうケースもあると思うんですね。現実に森林組合などにもなかなかこういうところまでは、やるということは非常に少ないというふうな話も聞いていますので、ここら辺の仕組みづくりというのが大事なことではないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) 先ほどのことと関連しましてもですが、社団法人国土緑化推進機構が緑と水の森林基金を活用して、森林ボランティアのリーダー養成等に対する支援も行っておるわけでございますが、こういったことに加えて、今先生御指摘の点でございますが、これはもう森林の整備保全を図るためには森林所有者自らの努力はもちろんでありますけれども、NPO法人等による国民参加の森づくりを推進することが重要でございます。 このため、国といたしましては、NPO法人等と森林所有者等が森林施業の実施に関する協定を結び、市町村長が認可した場合にはNPO法人等が森林整備事業の実施主体として国庫補助を受けることができる仕組みを設けるとともに、協定の締結自体につきましても、NPO法人等の活動場所の紹介や森林所有者等との連絡調整などに対する支援措置、それから市町村長が行う協定の認可事務等の経費についての地方財政措置を講じているところでございます。 今後とも、NPO法人等も活用しつつ適切な森林整備を推進していくと、このようなことでございます。
○谷博之君 関連して、ちょっと林野庁長官にお伺いしたいんですが、今民間でこういういろんな林業技士とかあるいは樹木医とか森林インストラクター、こういうふうな資格が民間資格として複数に今そういう資格ができているわけですけれども、将来的には、こういうのは国が一定の基準を定めて体系的に整理をして公式認定資格とするようにすべきではないかという、そういう声もあります。この点についてはどのように考えておられるでしょうか。
○政府参考人(辻健治君) 先生御指摘のように、森林・林業分野におきましては、現在社団法人の日本森林技術協会や財団法人日本緑化センターなどの民間団体が林業技士、樹木医などの資格の認定を行っているところでございます。 これらの資格につきましては、当初、国の補助事業等によりまして公益法人がその業務を実施をしていたところでございますけれども、その後、平成八年に閣議決定されました公益法人に対する検査等の委託等に関する基準によりまして、法律に基づかずに公益法人が行う資格付与等の業務は行政の関与を行うことができないということとされたところでございます。これを受けまして、これらの資格は民間資格として独立した経緯がございますし、また、既に民間資格として定着をしてきているということから、改めて国が関与するのではなくて、民間団体の林業技術等の能力を活用していくことが重要であると考えているところでございます。 なお、林野庁といたしましては、多様な主体による国民参加の森づくりを進めることとしており、民間団体がこのような資格制度を設け、森林の整備、保全等の技術の向上を図ることは重要なことと考えているところでございます。
○谷博之君 時間がありませんから、次に質問移りたいと思うんですが、こういう団塊の世代の誘致に伴って、その地方の自治体が、例えば六十代の方が誘致でその自治体に入る。そして、その五年、十年、十五年後に七十、七十五、八十という年代になってくるわけですが、こういう人たちが、将来介護保険料とか国保などの、いわゆる自治体や住民に対する負担というのは、やはりこれは高齢化の進捗と同時に当然これは負担になってくるわけですよね。現実に、先日、北海道の伊達市でこういうことがテレビで放映されておりました。 これは、団塊の世代の方々に来ていただいて活性化する、都市と交流をするということは非常に大事なことなんですが、将来のそういう社会保障負担の増大についての住民の懸念というものがやっぱりそういうことであるということでありますから、この点については、農水、厚労、総務とお聞きしたかったんですが、特に厚生労働の方から簡単にそれに対する考え方をお聞かせいただきたいと思うんです。
○政府参考人(薄井康紀君) お答え申し上げます。 今委員御指摘ございましたように、高齢者が増えてまいりますと、介護保険なりあるいは国民健康保険、医療保険の財政というところへの影響が懸念されるということは御指摘のとおりだろうと思います。 介護保険制度についてでございますけれども、これは国庫負担二五%国が負担をしているわけですけれども、これを実際に動かす中で、これ将来団塊世代が七十五歳に到達をして後期高齢者になられますと介護給付費が増えてくると、こういうふうなことに対応いたしまして、ここは各市町村の高齢者の人口構成の違いなど、言わば市町村の責めに帰さない事由によって財政力に格差があると、こういうふうな問題につきまして、そういうふうな格差が生じないように国庫負担を通じまして国が必要な財政調整を行うこととしているところでございます。 また、国民健康保険でございますけれども、サラリーマンのOBにつきまして、被用者保険の保険者が保険料を除きます医療給付分を負担をいたします退職者医療制度というのを現在設けておりますけれども、来年の四月からは六十五歳以上七十五歳未満の方を対象といたしまして保険者間の財政調整制度を導入することとしておりまして、国保財政に負担が偏らないようにと、こういうふうな配慮をいたすこととしているところでございます。 さらに、今後の高齢化に対応するために、今回の医療制度改革によりまして、平成二十年の四月からは七十五歳以上の後期高齢者を対象といたしまして、都道府県単位ですべての市町村が加入する広域連合が運営主体となります新しい高齢者の医療制度をつくるということといたしているところでございます。 いずれにいたしましても、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、引き続いて世代間の公平性の確保あるいは給付と負担の均衡と、こういったものも考えていきながら取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(加治屋義人君) 谷博之委員、時間来ておりますので、簡潔にお願いします。
○谷博之君 時間が来ましたから、総務省の方にも、少なくともそういう移住していく自治体に対して元々住んでいた自治体からいわゆる負担増についての一部を負担をしてもらうという、そういう仕組みをやっぱり検討すべきではないかと、こういうふうなことも御質問したかったわけですが、これらについては、総務省の方でいろんなそういう税の仕組みを見直すというふうな動きもありますので、それにゆだねていきたいというふうに思っております。 時間が来ましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。 農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律案に関連しまして質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、農山漁村の現状と活性化について質問をさせていただきたいと思います。 農山漁村ですね、大野晃長野大学の教授が限界集落というような概念を提唱されております。その定義によれば、六十五歳以上の高齢者が集落人口の半数を超えると地域の社会的な共同生活の維持が困難になってきて、消滅の危険性が出てくるというような状況を限界集落という言葉で表現をされておりますけれども、この農山漁村の集落の抱えている課題と今後の集落の維持あるいは活性化対策について、このいわゆる限界集落等の実態調査の結果も踏まえて農林水産省、どのように考えておられるのか。また、国土交通省も同様の調査をしておりますので、国土交通省の調査結果についても教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 今、限界集落の実態調査の結果を踏まえた私ども認識につきましてお問い合わせがございました。 農林水産省におきましては、厳しい状況にあります農山漁村集落の現状を把握するための調査を行っておりまして、十七年度の調査結果によりますと、今後消滅する可能性のある農業集落が千四百程度あると推計されるなど、都市と比較しまして、人口の減少、高齢化が著しく、高齢者を始めとします住民の生活への影響など大きな問題となっている集落もあると承知をしております。 一方で、農山漁村の集落は、国土それから自然環境の保全、良好な景観の形成など、我が国の農業、農村が持っております多面的機能と相まって、自然、文化、歴史を大切にする美しい国づくりに向けて極めて重要な役割を果たしているものでございます。このような農山漁村の集落の活力の維持、再生を図るためには、集落の基幹産業でございます農林水産業の持続的発展を図りますとともに、集落機能の強化に向けた取組が必要であるというふうに考えております。 このため、今回の法案に基づきます措置、それから中山間地域におきます直接支払など、各般の施策を講じるほかに、平成十九年度から、農業者だけでなく都市住民等も含めた地域ぐるみでの農地・水・環境を守る施策、共同活動への支援に取り組むことに対しまして新たに施策として位置付けているところでございます。
○政府参考人(辻原俊博君) 私どもが昨年の四月に行いました限界集落の実態調査についてのお尋ねでございますが、先ほど限界集落の定義についてはお話がございました、六十五歳以上の割合が五〇%ということでございますが、悉皆的に過疎対象の地域の六万二千の集落について調査をしたわけでございますが、このうちこの限界集落の定義に当てはまる集落が約七千八百ということで、全体の一二・七%を占めているという結果になっておるところでございます。 このような集落では農用地や森林の荒廃、また集落自体が高齢化してきておりますので、そこに住む高齢者を始めとする住民の生活への影響など様々な問題が発生しておるところでございます。また、これらの集落の多くが地理的に中心部から離れました中山間地域に位置するというようなことが多いわけでございますが、大変生活の基礎的条件が厳しいということでございまして、住民ニーズが行政に反映されにくいというような実態もあるところでございます。したがいまして、このような住民の不安や要望に対しましてやはり行政がしっかりと目配りをしながら、各省連携の下に対策に取り組んでいく必要があるというふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、地域のことはそこに住む方々が一番よく御存じなわけでございまして、また集落の在り方とか集落の性格というものも各地域によって違いもあるというふうに認識しておるところでございます。 私ども、現在、国土計画を検討中でございます。国土形成計画の全国計画や、その全国計画を踏まえて各ブロックごとに作られます広域地方計画におきましても、地方の意見をしっかりと伺いながら、そのような集落への必要な支援の在り方等につきましても、それぞれの地域の特性を踏まえまして検討を深めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 集落の世帯数の減少あるいは高齢化等、大変厳しい実態調査の結果が出ているわけでありますが、そういうところで実際生計を立てているのは農林水産業等が多いわけでありまして、やはり今回の法案提出とも非常に関係があると思うんですけれども、後で御説明はいただきますけれども、こういう極端な例を言えば限界集落というような概念でとらわれるような集落の状況があると。これを何とかしなければいけないと。これをほっておけば、当然ながらこれまで積み重ねてきました中山間地の農地等も更に荒廃してしまうということでありまして、この対策が急がれているわけであります。 そういう意味で、それと関係する、立ち上がる農山漁村というようなものも関係してくるんではないかと、そのように考えておりますので、この立ち上がる農山漁村の事業並びに立ち上がる農山漁村の有識者会議というのが設けられておりまして、様々な活動を展開しておるということでございますので、これまでの活動とその成果について、松岡農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 先生御指摘の立ち上がる農山漁村の有識者会議のこれまでの活動とその成果でございますが、農林水産業を核とした自律的な経営感覚豊かな先駆的な事例を、これは総理官邸で開催される有識者会議において選定をし、そしてまた政府広報やシンポジウムの開催などあらゆる機会を活用してそのことを全国へ発信、奨励していく、そのことによりまして地域自ら考え行動する意欲あふれた農山漁村づくりを推進する、立ち上がる農山漁村というものはそういったような目的でやっておるものでございます。 これまでに平成十六年度から十八年度まで合わせて百十の事例、立ち上がる農山漁村として選定したところでございまして、今月二十三日には、私の提案によりましてこれらの事例の代表者が一堂に会する、立ち上がる農山漁村サミットを開催し、企業、NPO、都市住民等と農山漁村との新たなネットワークづくりを実は図ると、このようにいたしているところでございます。
○渡辺孝男君 そういうように農山漁村が自ら様々な工夫をしながら、共同体意識も高めながら集落を発展させていく、それにまたそういう有識者等の知恵もいただきながらやっていくと。成功事例があるとまたそれを参考に頑張るところも出てくるということでございますので、いい成果が得られるように期待をしております。 次に、これと関係しまして、今度、本年度新規に行われる集落機能再編促進事業委託というものがあるわけでありますけれども、この点につきまして、その目的と内容について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 集落機能再編促進事業委託についてのお問い合わせでございます。 近年、過疎化、高齢化の進展によりまして、集落が従来持っておりました農地、林地を始めとします地域資源の管理、それから歴史、文化の保存等といった集落機能が低下いたしまして、先ほどから御指摘があります冠婚葬祭など地域社会としての活動維持そのものも困難になってきている、そういう集落も存在してきている、現れているというふうに認識をしております。 このような中にありましても、一部の地域におきましては、近隣の複数集落によります集落機能の相互補完を行う取組等によりまして自治範囲を見直し、これらの問題に対応していこうという動きが実を結びつつある事例も、実例も出てきているところでございます。こうした取組は、集落機能が低下した集落における問題の解決策の一つとして考えられるところでございまして、これを全国的に展開していくために集落の特性に応じたモデルを提示することが必要であると、このように考えているところでございます。 このため、御指摘のありました集落機能再編促進事業委託においては、地域住民とか行政機関、学識経験者等から成ります協議会が集落の現状と課題の把握とその認識を深めるための活動の推進、それから新たな地域コミュニティー計画の作成等々を実施いたしまして、集落機能の再編による自律的なコミュニティーのモデルづくりに取り組むことを支援することと、そのようにしているところでございます。
○渡辺孝男君 先ほど国土交通省の調査結果についてもお伺いをしたわけですが、限界集落に近いような状況のところですと、やはり集落の再編等もしていかなければいけない。行政的な合併等、様々な工夫あるいは機能的な再編ということで、機能が欠けてしまったような集落のところを補っていくようなそういう対応、あるいはどうしようもないときにはみんな一緒に移動してもらって、そこで集落機能は営みながら別なところで空間的な再編をしていく。そういう大きな概念があるわけですけれども、これ地域によって様々事情は違うんで、やはりモデル的に集落の機能の再編の事例を集めていく。あるいはそれを進めていって成功事例を出していくというのは大変重要な課題だと思いますので、こういう新規事業が行われるということは大変重要なことだというふうに考えております。そういう意味で、これをしっかり進めていただいて、いい成果を出していただきたいと思います。 次に、何といっても集落機能を維持するためにはそこで経営が成り立っていかなきゃいけないということで、農山漁村の主たる構成者であります農林漁業者の経営安定ということが一方では大変重要になってくるわけでありまして、この経営安定対策の今後の基本的な方向と本年度の取組につきまして、松岡農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 農業者に対する経営安定対策につきましては、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を占める望ましい農業構造、これを確立するために担い手を対象とする品目横断的な経営安定対策を本年四月から本格実施をすると、このような今状況でございます。 さらに、その対策と併せまして、本年度からはスーパーL資金等の無利子化、これも図っていくと。さらにまた、融資主体型補助の実施ということで今までにないスタイルの助成もやっていくと。新たな税制特例の創設など、担い手に対する支援措置の大幅な充実強化を図ったところでございます。
○渡辺孝男君 それで、農家所得のちょっと統計等がいただいた資料にあるわけですけれども、平成十五年までと平成十六年度が少し数値が急に少なくなっている、あるいは部分的には上昇しているものもあるわけですけれども、大きな変化が十五年と十六年の間にありますので、統計的な処理の状況等も含めまして、その原因等についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(長清君) お答えいたします。 平成十五年から十六年にかけましての農家の所得が連続しておりません。これは、農家の所得のとらえ方を見直したことによるものでございます。 具体的には、農家の所得、これは農業所得とそれから農外の兼業の所得といったこれらの合計でございますけれども、十五年以前は農家を家としてとらえるということで、農業就業者の方々はもちろんですけれども、農業に従事していなくてもその生計をともにしている方々、御子息の方ですとか、そういった方々の所得も含めて農家の総所得としてそれまでは調査しておりました。したがいまして、一般的によく勤労者の世帯の所得と比べると農家の所得は高いといったことが当時の数字としては出てきておるといったことでございました。 こういった考え方に対しまして、当時から様々な御指摘がなされておりまして、やはり農家を家としてとらえるという従来の考え方から、農家を経営としてとらえるというふうな考え方がふさわしいのではないかというふうな御指摘を踏まえまして、十六年からは農家を経営といった観点で把握するといったことで、こういった一般の世帯の所得といったものは調査から除いて実施するということによって、こういった言わば調査の不連続といったことが生じたものでございます。 なお、私どもは、その後も新たな調査に基づきまして、現在直近で十七年の所得調査まで把握しておりますが、いずれにしましても、やはり農産物価格の下落ですとか、あるいは兼業収入の減少といった傾向がございますので、先生御指摘ございましたように、農家の所得は徐々にではございますけれどもやはり減少傾向にございまして、厳しい状況にはなっております。 引き続き、政策ニーズに対応した的確な統計調査の把握に努めてまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 やはり、統計の数値だけ見ていますと分かりにくいと、説明を聞けば分かるんで、こういう統計の処理が変わったときには、前のデータと比較できるものを横に置いておいてもらうと経過が分かるんで、そういう統計の処理が変わるときには、前のデータで見ればこうだ、新しい統計で見ればこうだというような二つのデータを出してもらうと非常に分かりやすいのかなというふうに思っておりますので、比較ができるようなデータを、見る方の立場に立ってみますとそういうのも欲しいということでありますので、工夫をいただければと思います。 それから、次の質問ですけれども、農山漁村の地域バイオマスの利活用というのが非常に新しい産業として期待されるわけですけれども、この産業の振興の取組について農林水産省にお伺いをしたいと思います。特に、農山漁村の地域活性化にやはり少し希望が見えるような形で推進をしていただきたいなと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(染英昭君) 委員御指摘のとおり、バイオマスの利活用は地球温暖化の防止、あるいは循環型社会の形成のみならず、新しい産業の育成によります地域の活性化に大変役立つものだというふうに認識しております。 そういう観点から、農林水産省といたしましては、平成十八年三月に閣議決定していただきましたバイオマス・ニッポン総合戦略に基づきまして、いわゆる地域のバイオマスを総合的に利活用するバイオマスタウンの構想、これを推進しているところでございます。 具体的には、現在まで九十七のバイオマスタウン構想を公表したところでございまして、そういう中では、いわゆる地域の活性化につながるような取組という意味で、例えば家畜排せつ物をメタン発酵させて発電する取組であるとか、あるいは製材所の残材とか間伐材などを原料といたしまして熱利用したり堆肥の原料にするような事業、さらには水産加工品をメタン発酵させて発電する取組など、いわゆる地域の特性に応じて新しい産業を生み出そうという動きが広まっているところでございます。 今後のことを考えますと、今申し上げたような取組に加えまして、先般、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けました工程表を策定したところでございますので、今後は各地域におきまして、いわゆるバイオエタノールの生産等を含めまして新しい産業の創成、これをやりながら地域の活性化を含めた政策を推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○渡辺孝男君 私も北海道でバイオガスのプラントも拝見をしたことがございます。農家さんで本当に努力してそういう大きなプラントを自治体と共同で造られているということで、畜産農家の方でしたけれども、大変先見的な考え方を持って挑戦して取り組んでいるなということで感心をしましたけれども、各地域で大掛かりなものでなくてもこういうバイオマスの利活用で産業が興っていけば、先ほど申し上げましたとおり、集落の減少等、やはり雇用が出てくる、産業が出てくれば発展をするチャンスが出てきますので、こういうものを進めていただきたいと思います。 次に、「立ち上がる農山漁村」有識者会議が取りまとめました、昨年の三月ですけれども、自ら考え行動する農山漁村活性化の提言の中に、大学等の知見を生かし協働で農山漁村の活性化を図ることがその提案の中に盛り込まれておりました。こういう大学等との連携で地域活性化を図っていく、農山漁村の活性化を図っていくということについてどのような取組がなされているのか、あるいはなされようとしているのか、この点を農林水産省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 農山漁村の活性化を図る上で大学等の研究機関の知見を活用しますことは地域の創意工夫を引き出す上で重要であると考えておりまして、「立ち上がる農山漁村」有識者会議からもその旨を御提言いただいたところでございます。 このことを踏まえまして、平成十八年度の立ち上がる農山漁村の事例選定に当たりましては、独自の知見と技術を持って地域の取組に協力した大学、それから企業、NPO、これらを新たな力として同時に選定をいたしました。このほかに、平成十九年度から新たに創設しました広域連携共生・対流等対策交付金におきまして、大学等も交付金の対象とするなどの取組を進めているところでございます。
○渡辺孝男君 大学等の関係したものも交付金の対象とするということでありますので、いろんな知恵をいただきながら農山漁村の活性化に協働で取り組んでいただきたいと、そのように思います。 次に、都市と農山漁村の共生・対流について質問をさせていただきます。 平成十四年に内閣に設置されました都市と農山漁村の共生・対流に関するプロジェクトチームのこれまでの活動と成果並びに今後の活動方針につきまして、関係省庁である農林水産省の国井副大臣にお伺いをしたいと思います。
○副大臣(国井正幸君) 今先生御指摘のように、平成十四年にこの関係府省一体となったプロジェクトチームを作ったわけでございますが、おおむね成果といえば三つあるんじゃないかと思います。一つはオーライ!ニッポン会議を立ち上げたことが一つあるだろうというふうに思っておりますし、それから、総理へ共生・対流の一層の推進に係る提言をさせていただいたということでございます。さらに、それらを踏まえて、このプロジェクトチームの中で関係府省と一体となって予算措置の設定をお願いを申し上げてきたと、こういうふうなことがあろうというふうに思います。 そういう中で、これまでの農林水産省から見ておりまして、農林漁家の民宿等も随分増えてきたというふうな報告もいただいておるところでございまして、持てる資源をしっかりやっぱり生かして、今後とも関係府省と連携を取りながら、私どもも全力で地域の活性化に向けて取り組んでまいりたいと、このように思っている次第でございます。
○渡辺孝男君 これができたときは本当に地域の交流人口増えるということで大変期待をしておったわけですが、倍増倍増というわけにもなかなかいかないので、今回の法案提出にもつながったものと思いますけれども。 次に、大臣の方にお伺いしたいんですが、今回の法案提出に至ったこれまでの経緯と法案成立による期待される効果についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) この点につきましては、農山漁村をめぐる情勢というのは非常に厳しいものがございます。人口減少、それから高齢化といったものについて、他の地域に比べて特別進んでいると。 そういう中で、農山漁村の活性化を図ってまいりますためには、都市住民が農山漁村へ関心が高まりつつあると、こういった社会情勢の変化、さらには二〇〇七年から団塊の世代の定年退職、こういったような時期的な事情、こういったことを踏まえまして対応を図っていく必要がある。そのため、農山漁村における居住者や滞在者を増やすという新たな視点からの対策を総合的に推進する、そのような目的で今回の法案を提出をした次第であります。 この本法案の成立によりまして、国が基本方針を示すことによりまして、定住等及び地域間交流の促進に関する基本的な考え方が関係者に共有されまして、地域における施設の整備等が計画的かつ総合的に行われることが期待をされるとともに、交付金を法律に位置付けることによりまして、施設用地の確保の円滑化等、他の法律上の特例措置と一体となったより効率的かつ効果的な事業展開が可能となる、こういったことによりまして農山漁村の活性化を目指したい、このような成果を上げていきたいと、こういうことでございます。
○渡辺孝男君 農山漁村の活性化のために、まずは都市の方々と農家を、農業等に携わっておられなかった方が市民農園等を通じて農業に関心のある方に農業に携わってもらう、その中から新規就農をされるような方も出てくればということでありますけれども、この市民農園の開設状況と今後の推進策、目標等が定められておりましたらばその目標等についてもお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 市民農園についてのお尋ねでございますが、市民農園の開設状況は、平成十八年三月現在で全国で三千百か所、約十五万七千区画に上っておりまして、特に都市的地域につきましては約二千四百か所、約十二万三千区画と全体の八割を占めている状況にございます。都市住民の市民農園に対するニーズにこたえるために、平成十九年度におきましては新たに広域連携共生・対流等対策交付金を創設しまして、体験農園の全国的拡大を進めていくための効率的な効果的な取組内容の企画を募集し、支援することとしているところでございます。 食料・農業・農村基本計画工程表におきます市民農園の政策目標についてでございますけれども、特にニーズの高い都市的地域におきましてその区画数、これ平成十五年度末で十一万八千区画でございましたけれども、これを平成二十一年度末には十五万区画に増加させることとしておりまして、今後とも、都市住民のニーズにこたえて農業に触れる機会が広がるように、その普及を図ってまいりたいというふうに思っております。
○渡辺孝男君 都市的地域で市民農園八割ぐらい占めているということでありますが、都市的地域でも耕作放棄地が増えているという状況と把握をしております。この対策としまして、市民農園としてあるいは教育ファームとして活用する、あるいは新規就農の実践教育の場としても活用したらどうかというような考え方もあるわけですけれども、そのような検討がどのようになされているのか、農林水産省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中條康朗君) 耕作放棄地についてのお尋ねでございます。 耕作放棄地につきましては、平成十七年度の農林業センサスによりますと約三十九万ヘクタールで、平成十二年度調査より約四万ヘクタール増加したという報告を受けております。このうち都市的地域に該当する市町村の耕作放棄地も約一万ヘクタール増加しているというふうに報告を受けております。 都市的地域の耕作放棄地の発生原因としましては、高齢化、それから後継者不足等の労働力不足に関する問題、それから地域内に農地の引受手がない等の担い手に関する問題、それから相続によります農地の分散化、土地条件が悪いなどといった農地に関する問題などが挙げられております。 このため、耕作放棄地の活用につきましては様々な対策を実施していく必要があるとは考えておりますが、議員から御指摘のありました市民農園の整備と利用もその一つとして推進しているところでございまして、教育ファーム、それから新規就農の実践教育の場として活用する方策につきましても、地域の実情を踏まえながら検討してまいりたいと、このように考えております。
○渡辺孝男君 農山漁村等における体験学習を実施している地域間交流推進校の現状と今後の推進策について、またそれを担当する教員の研修等について文部科学省にお伺いをしたいと思います。またさらに、短期山村留学、青年相互交流事業というものも行っているわけでありますけれども、その現状と今後の推進策、及びこれを実施する上での指導者の育成が重要でありますので、その研修の推進につきまして、同じく文部科学省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(布村幸彦君) 最初に、学校教育の取組を御説明申し上げます。 子供が農山漁村等で自然体験、農林漁業体験、地域の人々との交流を行うことは、異なる地域や文化に触れることで物の見方や考え方を広げる、あるいは相互理解、共生することの大切さを知ることに資するという意味で意義深いものと考えております。学校教育におきましては、このような体験活動を通じまして豊かな心の育成が図られるよう、文部科学省として豊かな体験活動推進事業を取り組んでおり、学校の取組を支援しているところでございます。 先生御指摘の都市と農山漁村との共生・対流に資する地域間交流推進校につきましては、十五年度当初は九十四校でございましたけれども、十八年度から百四十一校、そして十九年度も百四十一校に拡充しているところで、必要な経費を確保しまして、その推進に努めているところでございます。そして、これらの指定校の優れた実践につきましては、取組の成果を各学校で共有するために、全国六か所で行うブロック交流会を通じてその普及に努めているところでございます。 また、教員の研修についてでございますけれども、これまでは独立行政法人の教員研修センターで指導者研修に取り組んできたところでございます。今後、各教育委員会におきましては、教員に対する研修の充実に努め、体験活動の実施に際しまして、青少年教育指導者との一層の連携ということも進めていただきたいと考えているところでございます。 引き続き、農林水産省を始め関係省庁との連携の下、学校における体験活動の推進に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(西阪昇君) 短期の山村留学制度でございますが、これは一年以上の長期にわたる本格的な山村留学をより広めていくために、一週間程度の短期の山村留学をモデル的に実施をしているものでございます。平成十七年度から制度開始をいたしまして、平成十七年度は四か所でございました。平成十八年度は六か所ということでございます。 また、青少年相互交流事業でございますが、こちらは都市部と農村漁村部の青少年の交流を体験活動を交えながら推進していこうというものでございまして、十八年度から開始をしているものでございます。三つの交流事業が十八年度実施されているところでございます。 今後におきましては、私ども、こういう先進的な事例を広く紹介をいたしまして、全国的な普及に努めていきたいと考えております。 また、これらの事業を推進するに当たっての指導者の養成ということでございますが、これまでこれらの事業につきましては地元の関係施設の職員の方々あるいは農林水産業の従事者の方々に専門家としてかかわっていただいておりますが、今後はこれら専門家の方々の連携を促す役割を担う指導者の養成を図っていきたいというふうに考えておりまして、今年度、新たに青少年団体等に調査研究を委託をして、取組を効率的、効果的に充実させていきたいと考えております。
○渡辺孝男君 最後、時間なくなりましたので、国土交通省も共生・対流に関して事業等を行っておりますので、簡潔にお答えいただいて、質問を終わりにしたいと思います。
○政府参考人(安原敬裕君) お答えいたします。 国土交通省では、従来から都市と農山漁村の共生・対流の推進につき、幅広い施策を講じております。本日は、御質問にありました若者世代への支援策といたしまして二点御紹介をさしていただきたいと思います。 一点目は、UIJターン支援プロジェクトでございます。これは、地域づくりに熱心な市町村に対して、三大都市圏に居住する二十歳から三十五歳までの若者を一か月間程度の期間体験調査員として派遣し、農山漁村の実生活を体験しながら地域活動あるいは住民との交流に参加すると、そして最後に、若者の目から見た地域振興に対する提言を行うというものでございます。 平成十二年度から十八年度までの間に、延べ百五十一の市町村に三百四十三名派遣しております。若者の大半が農山漁村の役目の重要性への理解を深めますとともに、実際にIUJターンした若者も出てきているという状況でございます。また、受け入れた市町村でも、若者の提言に刺激を受けて、新たな施策や地域レベルでの研究会の発足、こういったことが見られ、相当の効果が出ていると考えているところでございます。 次に、地域優良賃貸住宅でございます。これは、地方に定住する若者やUIJターン者の受皿となる公的賃貸住宅の供給についてでございます。従来ありました制度を再編いたしまして、子育て世代につきまして、高齢者とともに居住の安定に特に配慮が必要な世帯として位置付けまして、こういった方々に地方公共団体が賃貸住宅を供給する場合、国の助成につきまして、その整備費用のおおむね四五%、また子育て世代等で一定の要件を満たす方につきましては、家賃低廉化のための費用のおおむね四五%を助成すると、そういった……
○委員長(加治屋義人君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○政府参考人(安原敬裕君) 新たな制度を今年度から創設したところでございます。 以上でございます。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 最初、法案審議に先立ちまして、さきの臨時国会に引き続き、緑資源機構、林道談合疑惑法人及び林野公益法人、政治連盟からの松岡大臣への政治献金の問題についてお聞きしたいと思います。 資料をお配りいただいていると思います。この資料のまず一枚目のところ、林道談合疑惑法人から松岡農水大臣に対する献金一覧というのがありますけれども、今回、新たに九六年から二〇〇五年までの松岡大臣に対する林道談合疑惑法人及び法人代表者からの献金を調べてみたわけです。総額で八百五十二万円に上っています。表で見ますと、〇一年から疑惑法人からの献金は表向きはストップしているんですけれども、代わりに法人代表者からの献金が行われるようになっています。 いずれにしても、このような談合疑惑法人及び代表からの献金というのは返却するというのが、やっぱり談合疑惑を解明する省庁のトップの在り方として当然じゃないかというふうに思うんですけれども、まずこれについて一つお答えいただきたいと。 それからもう一つは、二枚目を見ていただきたいんですけれども、これは林野庁所管の公益法人等と表裏一体の政治連盟からの献金ということなわけです。これも九六年からさかのぼって調べてみたんですけれども、驚くことに総額で一億超えているんですね。一億三千百八十四万円と。この中でも一番下の欄にあります特森懇話会、今回の談合で緑資源機構から事業を受注する業者で組織する任意団体なわけです。特定森林地域協議会の政治連盟で、この協議会は受注実績に応じて会費を年に数千万徴収するという談合受注システムの役割を担っていた疑惑が持たれているわけです。この政治連盟からも大臣は五百二十万円政治献金を受け取っているわけです。これもですね。 それと、さらに、その上の段のところを見てほしいんですけれども、最も政治献金が多い三千二百八十万円を松岡大臣に政治献金をしている全国森林土木建設業政治連盟、この活動の趣旨というのは、林野公共事業の予算拡大運動というのを挙げているわけです。松岡大臣はこの政治献金を受けてこの林野公共事業の予算拡大にどういうふうな役割を果たしてきたのか、この大きく二点について端的にお答えを願います。
○国務大臣(松岡利勝君) 一枚目ですけれども、もう既に十年以前前からいただいていないものはいただいていませんし、〇一年からは一切の団体からも献金は受けてないと。したがってこの五年—七年というのは全く公益法人と今御指摘あった団体からは献金はいただいておりません。
○紙智子君 端的に。
○国務大臣(松岡利勝君) 短いとおっしゃるけど、自分で言うだけ言っておいて人に答えさせないっておかしいですよ。 それで、この森林弘済会の理事長さんというのは私の先輩であります。したがって、森林弘済会というのは団体としてここに献金を受けた事実はございません。したがって、この方はもういつから理事長やっておられるか私も確かじゃございませんが、団体の代わりに個人がやったと、そのような形での献金はいただいてないと思っております。あと、また、これは元、私も役所におりましたから、その先輩や、まあ同僚の方というより全部先輩だと思うんですが、この方々が、献金を個人的な形でいただいた。したがいまして、政治資金規正法に基づいて届け出ておったものがこのようにおまとめになったと、こういうことでございまして、緑資源機構の談合等の疑惑ということにつきましては、これは誠に遺憾の極みだと思っております。そのような意味で、私自身も大変個人的にも遺憾の極みであり誠に残念だと、このように思っております。 したがいまして、この十年前ぐらいの時点で当時の考え方で返すべきものは既に返しておりますが、今回この森公弘済会の理事長さんからの分につきましては、それから林野弘済会の会長さんの分につきましても、これは個人献金ではありますものの、やはりきちんと身を正すべきというふうな考え方で、四月の十二日だったかと思いますが、まあちょっと確かな日付は分かりませんが、既に返却をいたしたところでございます。 それから二枚目のことにつきましては、これはもう政治資金規正法に基づきまして、まあ十年間ですから足せばこういう金額ということになるのかもしれませんが、これはきちんと政治資金規正法に基づいて献金をいただいたものと、それを適切に御報告申し上げたものと、そのようにお答えをしたいと思います。
○紙智子君 今、一枚目のところについては団体も個人も返却しているということですよね。返却をしたということですよね、受け取ったやつについては。
○国務大臣(松岡利勝君) 返却すべきものはしたと。
○紙智子君 ものはしたということですよね。二枚目については、これは政治資金規正法に基づいているから問題はないという回答ですよね。 今まで、やはりKSDの問題にしても日歯連の事件にしても、結局……
○国務大臣(松岡利勝君) 一緒にしないでくださいよ。
○紙智子君 いや、一緒にしないでくれって言うんですけど、公益法人と政治連盟について、代表者も同じ、その場所も同じと。だから本当にコインでいうと裏と表の関係で、裏と表は顔は違っても一つのものだと、同じ。そういうこの表裏一体ということがあのときにも大きな問題になったわけですよ。だからこそ、厚生労働省がその後公私の峻別を行うために全国の実態調査までしているんですよ。 私どもは、全国各地の山林が今荒廃しているという中では、当然、林野の事業の予算の増額ということは、これは否定するものではないですよ。だけど、問題は、こういうふうな形で、言わば政治連盟をつくって、政治家に多額の献金をしながら要求を実現するということが、これがいかがなものなのかというふうに思うんです。 全森建、財団法人の全国森林土木建設業界の活動概要を見ますと、そこに何て書いてあるかというと、政治力の結集って書いてあって、そこで、業界の社会的、経済的地位の向上を目指すため、政治力の結集が必要であることから、全国森林土木建設業政治連盟を創設し、関係団体と強力な連携の下に活発な活動を展開しているというふうに書いているわけですね。 だから、文字どおり公益法人と表裏一体の活動で、公益法人の足らざるところを言わば政治連盟が行っているものだというふうに思うわけですよ。このこと自体、大臣、問題だと思いませんか。
○国務大臣(松岡利勝君) 何度も言いますとおり、政治資金規正法に基づいて、これは認められた範囲で献金をお受けいたしているものでございまして、それ以上申し上げることはございません。
○紙智子君 結局そういう答弁になるわけですよね。 私はやっぱり、松岡大臣自身が元は林野庁におられて、こういう談合のシステムといいますか、それから天下りの役割ということなんかも実は知っていたんじゃないのかというふうに言われても仕方がないと思うんですよ。やっぱり、そういうことを本当に納得いくようにというかちゃんと受け止めて、それに対して正すべきは正すというふうに言わなきゃいけないのが本来の大臣の役割だというふうに思うわけです。 事務所費問題についても、結局、まあ恐らくこの後言っても同じことの繰り返しになると思いますけど、やっぱりそういう一貫した姿勢があるということ自体が私は非常に問題だし、これは国民にとってはとても納得いかないことだというふうに思います。 私は、今日このことだけで時間費やすつもりはないので──いや、ちょっと、答弁求めてないですから、いや、次にだって移らなくちゃいけないので、それはまた次の機会にやりたいと思います。 それで、今日は法案の審査ということで、質問の次に移りますけれども、活性化法案についてですけれども、この活性化ということについては、私自身はそれ自身に異存があるわけじゃないんですけれども、問題は、なぜ農山漁村が今のような惨たんたる状況になったのか、その原因をやっぱり明確にすることと、それと裏表の関係でもあるんですけれども、本来の農山漁村の活性化というのは農林水産業の振興、すなわち農林水産業に従事する人の農林水産業の所得を増大をさせて安定をさせると。で、従事者を抜本的に拡大をして地域の活性化を行うということが本筋だというふうに思うんですね。 まず、この点について大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 先ほどの、林野庁にいたときからこういったことに、知っていたのではないかという御指摘でございますが、いろいろ勝手に言われることは自由でございますけれども、全く失礼千万な話でございまして、そういったことは一切ないことを明確にしておきたいと思います。これはやっぱり名誉に関することでありますから、もしあるとすれば、いずれそれは明らかになることだと思いますが、全くなかったことについて、幾ら質問の自由といいましても、そういったことまで言われることについては、これは大変私は心外だということを申し上げたいと思います。 まず、今お尋ねの点でございますが、今回、農山漁村の活性化が図られると考えているのかと、何でそうなったのかということでございますけれども、農山漁村における就業の場の確保に当たっては、まず基幹産業であります農林漁業の振興を図る、これが重要だと、このように思っております。それから、この法案におきまして、地域における農林漁業の振興を図るための生産基盤及び施設の整備に対して交付金の交付等による支援を行う仕組みを設けているところでございます。 また、本法案による措置や従来から講じている農林漁業振興策と併せて、地域資源の活用や農村地域への工業等の導入等により、計画的、総合的に農山漁村の活性化を図って就業の場の確保に取り組んでまいる、そういう考え方であります。 さらに、農山漁村の活性化に向けては、今回の法案に基づく農山漁村の居住者や滞在者を増加させる措置と併せて、例えば、地域産業活性化法による地域産業の活性化、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律案による広域的な基盤の整備など、関係府省の地域活性化関連措置と相互に役割分担、連携を行って農山漁村の活性化を図ることといたしているところであります。
○紙智子君 本筋のやっぱり活性化のやり方というか、本当に考えなくちゃいけないと思うわけですけれども。 やっていると言われるんだけれども、実際に今目の前に日豪のEPAの交渉が行われていて、四月二十四日ですか、やられたわけですけれども、このEPAが実施されるということになると、国内生産の減少額は七千九百億円と、関連産業の経営や雇用の影響や耕作放棄地の増加、それから影響抑制のための新たな財政負担で約四千三百億円と。予算委員会のときにもやりましたけれども、北海道庁が試算した影響額で一兆三千七百十六億円と。だから、農山漁村の活性化どころか、これが進むことになれば崩壊になってしまうわけです。 今まで振り返ってみても、一九八八年のときに農産物十二品の自由化が行われて、牛肉、オレンジの自由化がやられたと。九五年のWTO協定で米の自由化を通して農山村は痛め続けられてきたわけです。 一九八五年のときに六十二万六千戸あった専業農家が二〇〇五年には四十四万三千戸に減少したわけです。この専業農家でも今の三分の一が後継者がいないというのが実態なわけで、この後米価が下落することになると、農業者は自らの子供たちにとても農業を継げと言えない状況があるわけです。だから、農業後継者もいないし、集落は高齢化した農業者だけという事態になっているわけですよね。 農産物のこの自由化路線、今はEPA、FTAということなんですけれども、この推進路線、これをそのまま放置していますと、結局、農山村の活性化どころか、その維持さえこれ困難になってくるんじゃないんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(松岡利勝君) 御指摘は御指摘として承っておきます。
○紙智子君 やっぱり本当に活性化ということを考えるんだったら、このまま自由化を進めるべきでないということを指摘をさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。 これは前回、先日も質問したんですけれども、輸入飼料のアフラトキシン汚染の問題なんです。これはその後反響が大きくて、私どものところに多くのメールが来ました。その中で、ある養豚農家から、配合飼料のカビ毒がひどいということで、カビ毒の吸着剤が国の規制値内であれば足りると言われた添加量の二倍以上必要になっているんだというんですね。配合飼料に入っているトウモロコシを飼料会社に長年勤務していた獣医師に見てもらったら、高濃度のカビ毒に汚染されているというふうに即答されたと。この問題は大き過ぎて発覚させるのが困難だというふうに、そういう悲観されたというふうに訴えられているわけです。 四月の二十五日付けのこれ日本農業新聞ですけれども、日本農業新聞は一面使ってカビ毒問題やっているんですね、特集で。見えない敵に立ち向かえと、カビ毒対策特集ということで、カビ毒って何かと、防止方法とかいろいろここで書いています。こういう吸着のための企業の宣伝なんかも書いてあるんですけれども、こういうことになっているわけですよね。 農水大臣、こういうひどい実情といいますか、現場の声、こういう実際の姿をどのように認識をされているでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) 飼料用トウモロコシにつきましては、配合飼料の原料として使用されておりますことから、配合飼料中のアフラトキシンについて基準を設定し、飼料の安全性の確保を図っている、こういうことでございます。 これまでのところ、消費安全技術センターによる検査の結果、基準を超える事例は認められておりません。また、飼料用の輸入トウモロコシについても、水際でのモニタリング検査を実施しているところでございます。 この結果、例えば特定の輸出国においてアフラトキシンの濃度が上昇する等の異常な事態が判明した場合には、汚染実態に応じて輸入届出制度の対象とする等の対策を検討し、飼料の安全性の確保に万全を期していきたいと、このようにして対処してまいりたいと思っております。
○紙智子君 厚生労働省の輸入食品の命令検査で、二〇〇七年の一月、二月、三月というふうにアメリカ産トウモロコシの検査しているんですけど、一月も二月も三月もですけど違反が出ていて、一月は二件、二月は三件、一二ppbとか一五ppbとか四〇ppbとか出ています。三月は十二件の違反が出ていて、最高濃度で五〇ppbに及ぶものもあるわけです。 ところが、飼料の方はどうかというと、今お話もありましたけれども、肥飼料検査所の今年の一月と二月の米国産のトウモロコシのアフラトキシンの検査では、九件検査して検出ケースが四件と、それも最大の汚染率が七ppbというんですね。 人間向けのトウモロコシの場合は、少なくとも飼料用トウモロコシよりは扱いはちゃんとやっていると思うんです、口に入るものですからね。それにもかかわらず、人間のトウモロコシからは基準値の一〇ppbを超える違反が数多く出ているにもかかわらず、この飼料用トウモロコシからは検出をされないと。おかしいと思いませんか。私はこれおかしいなと思うんですね。 ところが、検出されていないと言うんだけど、現場ではカビ毒の吸着剤を倍以上使わないと駄目なくらいカビの毒の汚染がひどいんだと。これは農林水産の消費安全技術センターの検査が不適切なんじゃないかと、そのことを証明していると言わざるを得ないと思うんです。 前回も指摘したんですけど、やっぱり輸入届出制度ですね。部分じゃなくて、やっぱり、そもそも輸入届出制度を確立をして、入着時の飼料用トウモロコシを少なくとも食品検査と同じレベルで検査するように改める必要があるというふうに思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(松岡利勝君) 飼料については、飼料安全法という法律に基づきまして、輸入業者に対し、その事業を開始する前に、輸入する飼料の種類や配合飼料の原材料等を届出させることにいたしております。さらに、平成十五年の飼料安全法の改正によりまして、有害物質の混入の可能性が高い輸入飼料等を農林水産大臣が指定をいたしまして、輸入業者に輸入の都度届け出ることを義務付ける仕組みを導入いたしております。 消費安全技術センターにおいては、これらの届出により把握した情報に基づきまして輸入、製造、流通段階でのモニタリング検査を実施しておりまして、安全性の面などで問題があった場合には、検査の強化や再発防止に向けた改善指導等を実施しているところでございます。 今後とも、これらの措置を的確に実施することにより輸入飼料の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○紙智子君 前回質問して、一定の対策ということで一歩前進なんだけど、ちょっとそれでもまだ足りないから、やっぱり輸入届出制度を確立してやるべきなんじゃないかということをちょっと本格的に検討していただきたいなというふうに思うんです。 そして、カビ毒ということでいうと、このアフラトキシンだけじゃなくてオクラトキシンというのもあるんですね。オクラトキシンAというのは人にも腎臓の疾患を引き起こして、動物実験では肝臓がんや腎臓がんを起こす危険性があるというふうになっています。豚がこのカビ毒に感受性が強いということで、オクラトキシンAに汚染された飼料を食べると血液や臓器に移行すると。ドイツやスイスやポーランド、ユーゴスラビアの調査では、ソーセージなどから二〇%前後のオクラトキシンのAが、汚染が指摘されているわけです。 それで、驚くことなんですけれども、これ東京理科大学の名誉教授の上野先生のグループが調査したんですけど、東京に住む健康な成人百八十四人の血液を検査したら、八五%の人がオクラトキシンAに汚染されているというデータが出ているわけですね。ところが、食品衛生法上それから飼料安全法ともにオクラトキシンAの基準が設定されていないと。全く野放し状態になっているわけです。 厚生労働省及び農水省にこのオクラトキシンAの基準設置とそれに基づく規制をするべきじゃないかということをお伺いします。それぞれお答えください。
○大臣政務官(菅原一秀君) 御指摘のオクラトキシンAにつきましては、現在我が国では規格基準が設定されておりません。国際的な動向といたしましては、食品の国際規格を策定いたしております国際機関でありますFAO、WHOのコーデックス委員会におきまして、小麦等のオクラトキシンAの基準値設定につきまして現在検討がなされているところでございます。また、EUにおいては穀物等に基準値が既に設定をされております。 厚生労働省といたしまして、平成十六年度以降、厚生労働科学研究におきまして、国内に流通する食品中のオクラトキシンAの汚染実態等の調査研究を現在実施をしているところでございまして、今後、コーデックス委員会での検討の動向や、あるいは国内に流通する食品についての更なる調査結果を踏まえまして、オクラトキシンAに係る基準、規格基準の必要性について検討してまいりたいと、このように考えております。 なお、これまでのところ、オクラトキシンAの検出事例が小麦粉等で認められております。その濃度につきましては、このオクラトキシンAの基準を設定しておりますEUの基準値をおおむね下回っているという調査結果が出ていることも併せて報告を申し上げる次第でございます。
○国務大臣(松岡利勝君) まず、農林水産省の立場からお答えいたしますが、カビ毒のオクラトキシンAは主に穀類等に寄生するカビから産生されるものでありますが、現在のところ、飼料中の含有の許容量に関する国際的な基準は設定されていないということでありまして、食品に関する国際基準の設定については現在コーデックス委員会において検討が進められていると聞いております。 また、我が国においては、消費安全技術センターによる飼料中のオクラトキシンAの汚染実態の調査を進めているところであります。これまでのところ、我が国においてオクラトキシンAによる家畜への被害の報告はありませんが、農林水産省といたしましては、今後とも状況把握に努め、我が国における飼料中の基準設定の必要性等について要すれば検討してまいりたいと思っております。
○紙智子君 では、最後にもう一問だけお聞きします。 BSEの問題なんですけど、四月二十四日に松岡大臣と米国の農務長官との電話会談の結果が発表されました。それ見ますと、対日輸出基準遵守に問題のない施設については、検査を行って問題のない施設については全箱検査を終了すると。さらに、OIEの総会における米国のBSEステータスの正式決定を受けて、国際基準に則した貿易条件に早急に移行するようにジョバンズ農務長官から要請を受けていると。これに対して、国内の手続にのっとって必要なレビューを行うというものだったわけですけど、この間ずっと違反が繰り返されていて、証明書のないものも入ってきて、そういう中でどうしてこういう結論になるのかということをお聞きしたいと思います。
○委員長(加治屋義人君) 時間が来ておりますので、簡潔に、大臣、お願いします。
○国務大臣(松岡利勝君) はい。 全箱確認は、昨年七月の輸入手続再開に当たって、念のため全箱を開けて製品の適合性を確認する、そういう目的で、輸入業者の協力を得て、当面の対応としてこれは実施してきたものであります。 輸入手続再開以降、これまで約一万六千トン、約二千件の貨物について全箱確認を行ってきたところであります。これらの貨物については、三件の混載事例があったものの、米国側のシステム全体についての問題は確認されていないことから、単なる間違いやミスであったということでありますが、厚生労働省と協議の上、対日輸出を行っているすべての施設について査察を行い、特段問題がない施設については全箱確認を終了することが可能であるとの判断をしたところでございます。 いずれにいたしましても、今回査察をするということが国民の食の安全、そしてまた安心、安全をしっかり守っていく上で必要なものであるという我が国の立場の主張が受け入れられまして、今回の査察がアメリカ側が受け入れることになったと、私どもはこのように認識をいたしておりますし、さらに、それ以降のことの国際基準に云々ということにつきましては、まだ今の時点で何ら、私どもとしてはまだ、将来のことでありますから、予断を持ってお答えをすることは差し控えたいと思っております。
○紙智子君 構造的な問題がないと、単純ミスというのはアメリカの言い分であって、国民は本当にそういうふうに思っていませんし、やっぱりその言い分をそのままうのみにしてやるというのは問題だというふうに思います。やっぱりこの問題も引き続きまた追及したいと思いますので、これで質問を終わります。
○委員長(加治屋義人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加治屋義人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会