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166回国会参議院2007/04/17

日本国憲法に関する調査特別委員会 第2号

発言数
107
登壇者
8
会派数
2
開催日
2007/04/17

会議録

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) ただいまから日本国憲法に関する調査特別委員会を開会をいたします。  この際、衆議院日本国憲法に関する調査特別委員長代理保岡興治君、発議者衆議院議員葉梨康弘君からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。保岡興治君。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 昨日の参議院本会議におきまして、私の答弁中表現に不十分な点がありまして、皆様に誤解を与えたこと、誠に申し訳なく、おわび申し上げます。  私の意思は、参議院におきましても十分な審議を願ってのことでございました。昨日の参議院議運理事会におきまして陳謝し、会議録の訂正をお願いいたしました。その訂正内容につきましては、議運理事会に御一任を願ったところでございます。  委員会審議を始めるに当たり、改めておわび申し上げる次第でございます。

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 葉梨康弘君。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 昨日の参議院本会議における私の答弁中、配慮を欠いた発言があったことにつきまして、保岡議員より陳謝いたしまして、同様の措置をおとりくださいますようお願いしたところでございます。  委員会審議を始めるに当たり、改めておわびを申し上げます。     ─────────────

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 委員の異動について御報告いたします。  本日までに、小野清子君、秋元司君、中村博彦君、阿部正俊君、澤雄二君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭郎君、野村哲郎君、田中直紀君、荻原健司君、魚住裕一郎君が選任されました。     ─────────────

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国憲法の改正手続に関する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 日本国憲法の改正手続に関する法律案を議題といたします。  衆議院日本国憲法に関する調査特別委員長代理保岡興治君から趣旨説明を聴取いたします。保岡興治君。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 日本国憲法の改正手続に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  日本国憲法は、その第九十六条において改正のための手続を定めているにもかかわらず、そのための具体的な国民投票法制につきましては、日本国憲法が施行されてから六十年近くを経過しようとしている今日まで整備されてまいりませんでした。このような基本的な憲法附属法の整備は、国権の最高機関、国会の唯一の立法機関として国民の負託を受けている私ども国会議員の基本的な責務であります。憲法改正国民投票法制の整備は、憲法制定権力の担い手である国民がその権利を行使する制度を整備することであり、憲法改正に対する国民の主権を回復し、憲法それ自体が基本理念とする国民主権を確立することにほかならないからであります。  本法律案は、平成十二年一月に衆議院に設置された憲法調査会における日本国憲法に関する広範かつ総合的な調査、そして、一昨年九月に衆議院に設置された日本国憲法に関する調査特別委員会における論議の成果を法律案として取りまとめ、昨年五月二十六日に提出し、その後の法案審査を踏まえ、これをより良いものにするために、去る三月二十七日に修正案を提出し、更に審査を行った後、今月十二日に特別委員会において修正議決されるべきものとされ、翌十三日の衆議院本会議において、委員長報告のとおり修正議決されたものであります。  以下、本法律案の要点を申し上げます。  第一は、国民投票の対象であります。本法律案は、あくまでも日本国憲法第九十六条の実施法であり、憲法改正の国民投票のみを対象といたしております。ただ、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票に関しては、言わば憲法第九十六条の周辺に位置するものと考えられることから、修正により、その意義及び必要性の有無について、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとする旨の規定を附則に設けたところでございます。  第二に、国民投票の期日は、国会が憲法改正を発議した日から起算して六十日以後百八十日以内において、国会自身が議決した期日に行うことといたしております。  第三に、国民投票の投票権者は、日本国民で年齢満十八年以上の者とし、この要件に合致する限り、成年被後見人以外のすべての日本国民に投票権を与えることといたしております。なお、この法律が施行されるまでの三年間に、公職選挙法、民法、その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の規定を附則に設けております。  第四に、憲法改正の発議があったときは、国会に両議院の議員各十名で構成する国民投票広報協議会を設置することといたしております。この広報協議会は、憲法改正案やその要旨、新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明を客観的かつ中立的に記載するとともに、その憲法改正案に対する賛否両方の意見を公正かつ平等に記載した国民投票公報の原稿の作成など、憲法改正案の内容を国民に周知広報する活動を行う機関でありますが、このような周知広報活動は、憲法改正案の内容を熟知している国会議員でもって組織する国会の機関が自ら行うことがふさわしいとの考えから、このようにしているところであります。  なお、その委員の選任に当たっては、原則、各会派の所属議員数の比率による割当てということになりますが、しかし、この原則により委員を割り当てた場合に憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が一人も選任されないこととなるときは、各議院において、当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮することといたしております。  第五に、投票の方式については、賛成するときは投票用紙に印刷された賛成の文字を、反対するときは投票用紙に印刷された反対の文字をマルの記号で囲むこととしております。また、投票人の意思を最大限酌み取るため、賛成又は反対の文字をバツの記号、二重線等で抹消した投票も有効とすることとし、無効の票が少なくなるよう最大限の配慮をいたしております。そして、憲法改正案に対する賛成票の数が賛成票の数及び反対票の数の合計数の二分の一を超えた場合は、当該憲法改正について国民の承認があったものとしております。  第六に、国民投票運動についてでありますが、多くの国民の皆さんがこれにかかわるであろうことを前提に、国民投票運動は基本的に自由とし、投票の公正さを確保するための必要最小限度の規制のみを設けることといたしております。具体的には、表現の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう留意しなければならない旨の適用上の注意規定を設けること、国民投票運動が禁止される特定公務員は選管職員等に限定していること、公務員等、教育者の地位利用による国民投票運動は、その範囲を明確にした上で禁止するものの、違反に対する罰則は設けないこと、公務員法制上の公務員の政治的行為の制限については、この法律が施行されるまでの間に、公務員による憲法改正に関する賛否の勧誘その他の意見の表明が制限されることとならないよう必要な法制上の措置を講ずるものとしていること、テレビ、ラジオにおける有料広告については、投票日前二週間に限って禁止すること、政党等は、テレビ、ラジオや新聞において、賛否平等に無料で広告をすることができることとすること、買収罪は対象を極めて悪質な行為に限定するよう、七重の縛りを掛けていることなどがその内容であります。  第七に、国民投票に関し異議がある場合の訴訟制度を設けておりますが、この訴訟の提起があっても、原則として国民投票の効力は停止しないものとしております。  第八は、憲法改正発議のための国会法の一部改正に関する事項でありますが、まず、個々の議員が憲法改正原案を提案するには、衆議院においては議員百人以上、参議院においては議員五十人以上の賛成を要するものとすること、次に、憲法改正原案の提案は、内容において関連する事項ごとに区分して行うものといたしております。さらに、日本国憲法等について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案や日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設けることといたしております。  最後に、この法律の規定のうち国民投票の実施に関する部分は、公布の日から起算して三年を経過した日から、また、国会法の一部改正の部分は、公布の日以後初めて召集される国会の召集の日から、それぞれ施行することといたしております。なお、憲法改正原案の提出及び審査に係る国会法の規定は、この法律が施行されるまでの間は適用しないものとしております。  以上が本法律案の趣旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 速記を起こしてください。  保岡興治君。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 先ほど趣旨説明の中で、「国の唯一の立法機関」というところを「国会の」と言い間違えたことで、訂正をさせていただきます。恐れ入ります。

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。  日本国憲法の改正手続に関する法律案、国民投票法案の審議が参議院で始まるわけでございます。ただいま保岡議員、葉梨議員から、昨日の本会議での御発言について陳謝があったわけでございます。保岡議員の発言につきましては、二院制における参議院の使命、参議院の役割という根幹にかかわる問題であるということで、与野党問わず問題視をしてきたわけであります。この点につきましては、次の質問者であります岡田直樹議員が二院制の問題、二院制の本質論に及ぶ掘り下げた議論を展開されると聞いておりますので、私は当委員会の質問のトップバッターということでございますので、日本国憲法の改正手続に関する法律案について、発議者の先生方に全般にわたる問題を私なりに確認しておきたいところを一通り伺っておこうと思いますので、よろしくお願いをいたします。  まず、本法案が今日こうして参議院で審議されるまでには長い経緯があったわけであります。確かに憲法が施行されて六十年間、九十六条に定める憲法の改正手続法が今までなかったことは国会の不作為であり、それによってより良き憲法を作っていこうという国民の権利が奪われてきたということも事実だと思いますが、ここ数年、衆参でこの問題について真摯な議論が積み重ねられてきたということも十分に踏まえなければならないと思います。  平成十七年秋の第百六十三回国会以降、衆議院では日本国憲法に関する調査特別委員会、参議院では憲法調査会を舞台に国民投票制度に関する調査が行われたわけであります。平成十七年十月には民主党の憲法改正国民投票法制大綱、それから十八年四月には自民党の日本国憲法の改正手続に関する法律案がまとめられたわけであります。自公民の三党間で調整が続けられたわけでありますが、一本化には至らないということで、百六十四回国会の五月二十六日に与党案、日本国憲法の改正手続に関する法律案、それから民主党案の日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案が衆議院に提出されたのであります。百六十四回国会以降、衆議院の特別委員会で両案をベースに審議が続けられ、両者の主要な相違点を中心に審議が行われまして、私が見る限り、与党の案と民主党の案には相当の歩み寄りが見られたというふうに思います。平成十八年十二月には与党、民主党、それぞれから修正の方向について発言がなされ、平成十九年三月二十七日には与党併合修正案が提出されたという経緯であります。  この間における与野党の真摯な議論については、私は本当に敬意を表したいと思います。政府提案ということではなくて、議員立法について衆議院での議論を見ておりましても、これほど与野党が真摯に議論を重ねてきたということは、これが正に国会の本来の姿だというふうに思うのであります。しかしながら、最後は与野党一致ならず、与党の併合修正案という形になりましたが、この我が参議院におきましても、以上の経緯というものを十分に認識した上でこの案に基づいて真摯に議論を重ねて、国民の負託にこたえていかなければならないというふうに思います。  そこで、与党のこの併合修正案と衆議院段階で出されておりました民主党案の最大の違いとされる国民投票の対象についてちょっと議論といいますか、考えてみたいというふうに思います。    〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕  与党案はこれを憲法改正に限ると、衆議院での民主党案はこれを重要な国政の問題にも広げるということであります。憲法改正の手続法なんですね、憲法改正手続法なんですから、憲法改正に限るべきだというのはある意味では当然のことと思うわけでありますが、一般的に言って、いろいろな国政の更なるいろんな問題に広げるということは地方自治においては既に行われているわけであります。  ただ、地方自治は首長と議会が言わば二元代表制ということでありまして、時として首長と議会の意思が違う、ねじれるということがあるわけであります。どちらも住民の代表ということでありますから、この首長と議会の間がねじれますと非常に対応が難しいわけであります。それでは住民の声を聴こうじゃないかと、直接聴こうじゃないかということで住民投票が行われるわけでありまして、それは意義のあることだと思うんですが、国会は、国会を唯一の国の立法機関としているわけでありまして、我が国は議会制民主主義を採用しているわけであります。ですから、国民の意思を参考までに聴こう、諮問的なものであってもそれは事実上拘束力があるわけですから、広く、こういういろんな重要な問題とはいえ、国民投票というものを導入するということは議会制民主主義の根幹にかかわるという意見、私はその意見にやはり同調をしたいというふうに思うわけです。  法的拘束力のある憲法改正の場合の国民投票と、諮問的な一般的な国民投票とは本質が違うわけでありますから、ですから、昨日、岡田直樹議員の本会議での質問で岡田議員が指摘されておられましたように、諮問的なものであるといっても一般的な国民投票制度を導入することは憲法改正の必要があるんじゃないかと、こういう意見ですね、私もそういうふうに思います。ですから、やっぱりそれを一緒にするというのはそれは問題だというふうに思うわけであります。  しかし、この点についてはいろいろな御議論があったと思います。発議者の先生方から、民主党の案の問題点なども含めて、率直に御意見をお伺いしたいと思います。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) 中川委員にお答えいたします。  ただいまのいわゆる国民投票の対象ということでございますが、御承知のように、今の日本国憲法におきましては国会を国の唯一の立法機関である、こう規定いたしまして、基本的には議会制民主主義を採用しております。もちろん、それを補完するものとして直接民主主義の制度もありますけれども、これはごく限られておりまして、最高裁判所裁判官の国民審査、それから地方自治特別法における住民投票、これは憲法に規定されております。そして、憲法改正国民投票、この三つに限られると、こういうことであります。  一般的国民投票制度、これは民主党さんから御提案をいただきましたけれども、やはりその一般的投票の効果が諮問的なものであったとしても、実際は拘束力を持ち得るということを考えておりまして、もしそうであれば、いわゆる議会制民主主義との根幹にかかわる非常に重大な問題であって、先ほどもお話しいただきましたように、このことこそが憲法改正事項そのものであるというふうに解せざるを得ないということであります。  また、そもそも国民投票が必要な要件とされており、その結果に法的拘束力があります憲法改正国民投票そのものと、任意で諮問的な効果が想定される一般的な国民投票、これは非常にその性質を異にするということでありまして、これを同時に規定をする、あるいは同じこの枠の中で制度設計をするということについては、これは適切であるかどうかということは大変議論のあるところでございまして、私どもはやはりこのような考え方から、今回の国民投票法案におきましては憲法改正に限るということで制度設計をさせていただいたということでございます。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 私も全く同意見でございます。  昨日の本会議、そしてただいまの保岡議員の趣旨説明があったわけでございますが、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票に関しては、言わば憲法第九十六条の周辺に位置するものと考えられることから、その意義及び必要性の有無について、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとすると、こういう趣旨の規定が附則にあるわけでございます。  いわゆる予備的国民投票と言われるものだと思うんですが、今、船田先生からお話がありましたお答えと、それからこの附則との整合性といいますか、本則とこの附則を照らし合わせますと、ちょっと一貫性がないような気もいたします。そういう意見もあるわけでありまして、この辺の考え方の整理をお伺いしたいと思います。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  今御指摘のいわゆる予備的国民投票の考え方でございますが、当初、私どもとしては、先ほど御答弁申し上げましたように、今回の国民投票法制におきましては、憲法改正に限るということで原案も作らせていただきました。しかし、その後、委員会での審議、あるいは参考人、公述人の皆様からの非常に貴重な意見を聴かせていただきまして、やはり憲法改正国民投票制度をよりよく実施していくというためには国民の皆さんがどういうところにその憲法改正の必要性を認めているのか、こういった問題、あるいはそのどこを改正すべきなのか、そういう有権的な世論調査といいましょうか、そういうものもやはり制度の中に入れておいた方がよりスムーズな憲法改正に向けての議論やあるいは手続が進むんではないだろうか、このような考え方に至ったわけでございます。  そこで、予備的国民投票、いわゆる憲法改正を要する問題、それから憲法改正の対象となり得る問題、これはもう九十六条の周辺にある問題というふうに位置付けまして、このことにつきましては、やはり実際の正式な憲法改正国民投票制度の以前に実施されるということを前提として私どもが制度設計をしようと、こう考えたわけであります。    〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕  ただ、具体的なその中身、どういう方法でどういう時期に、またどういう設問でこの投票制度を行うかということについては、まだ具体的な成案を得ているわけでもありません。正にこれは今後この法が成立していただければ設置されるはずの憲法審査会、そこにおきまして鋭意検討し、そしてよりよき国民投票が行われるようにこの予備的国民投票の制度を活用すべきであると、こういう考え方から置かせていただいたものであります。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 ありがとうございました。  次に、投票権者の年齢要件についてでございますが、衆議院における併合修正により、投票年齢は当初の与党案の満二十歳以上から原則として十八歳以上の日本国民とされました。私は、この考え方は是とするものであります。  与党案では、公職選挙法や民法など、国民投票手続部分が施行される三年後までに成年年齢等を検討、十八歳以上、二十歳未満の者の公職選挙投票権が整備に至らない場合は国民投票では二十歳以上が投票するということでよろしいんですね。  民主党案の方は、このような経過規定はなかったわけですね。年齢要件というのは国政選挙と同様とすべきであるという自民党と、異なる年齢要件を規定しても支障はないとする民主党との間で意見が違っていたというふうに聞いております。経過措置に関する判断がそういうところで分かれたということだと思います。  この経過期間に検討対象となる法律、これは少年法や道路交通法など三十本程度あるというふうに聞いておるわけでありますが、国民投票の投票権者を十八歳以上とすることと、成人年齢を決めている法律は相当数あるわけでありまして、その役割も違うわけで、もちろんなるべく統一した方が分かりやすいとは思いますが、例えば未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法など、国民投票の投票権とは次元の違う問題もあると、こういう意見もありまして、この経過措置における必要な法制上の措置というのは実際にいろいろ各方面と議論していくとなかなか難しい問題を含んでいるように思います。  この点について、この経過期間中にどういう法律を整備していくべきだというふうに発議者の先生は現時点でお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 中川委員にお答えを申し上げます。  この投票権年齢を二十歳から十八歳という問題は、我々の併合修正案におきまして与党案に対して修正を加えた非常に大きなポイントでございます。そして、昨日、本会議における質疑にもございましたけれども、やはりこの二十歳から十八という問題には非常に国民的にもいろいろと議論を伴う問題ではあるんだろうというふうに思います。  またさらには、昨日、岡田委員の方からも御質疑ございまして、権利には責任を伴うというような議論がございましたけれども、この二十歳の問題というのは、例えば民法におきましては二十歳にならないと一人前の契約もできない、あるいは刑事法の世界においては二十歳未満は少年として扱われる、あるいは公職選挙法における国政選挙、地方選挙への選挙権も二十歳とされていると。さらには、今御指摘のございました未成年者飲酒禁止法、喫煙禁止法の問題もございます。  刑事法の世界、民事法の世界、あるいは行政法の世界において、やはりこの二十歳という年齢を十八にするというのは、そろえていくということがこの社会のシステムの中では必要になってくるんだろうというふうに思います。  そして、先ほども御指摘ございましたが、十八歳、十九歳、あるいは二十歳というようなものを法律の本則に引いております規定というのは三十本近くの法律がございます。さらには、それだけではなくて、各種の行政法の中で未成年者という形で引いて、そしてこれを許認可の要件としているような法律というのは非常にたくさんあるわけでございます。  ですから、それぞれについて民法をこれにそろえればほかの行政法が変わってくるのか、あるいはそれぞれ、今おっしゃられたような未成年者喫煙禁止法、飲酒禁止法、これについて必要性があるのか、そうならば法律の題名自体を未成年者ということではなくて、この二十歳をもし存置したとしても、例えば若年者、若い人というような形で変える、そういったような法制上の手当てもまた必要になってくる。あるいは少年法の世界においても、昨日、本会議で答弁させていただいたように、やはり二十歳を十八にしてこれは責任を持っていただいたらいいじゃないかというような意見もある反面、また刑事的な制裁というのはそれとは別だというような意見もございます。  衆議院段階での特別委員会での議論では、まずそのような関係法令についてこれを全部ピックアップいたしました。それについて、それぞれがこの三年間の間にその必要性の有無について検討していくと、そしてそれをそろえていくということが非常に必要になってこようかと思います。  例えば、民法ですとかあるいはほかの刑事法の世界ですと、法制上の措置をとったにしても、それから周知期間、施行の期間までも入れますと結構な時間が掛かるというような問題もまた出てくるということで、附則の第三条におきまして、国は、法律が施行されるまでの間に関係法令について必要な法制上の措置をとると。そして、その法制上の措置がとられて、それがみんな十八歳にそろうというような段階までは二十歳としていくという形での整合性を取らせていただいたというのがこの併合修正案の趣旨でございます。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 確かに、民法上一人前の大人として扱ってもらえない年齢の人に対して、国の行く末を決める憲法改正の投票権を認めるのはどうかということは当然あると思います。ですから、基本的には民法、刑法関係のいろいろな規定とそれから投票権を有する年齢要件、これをそろえるということは、分かりやすいということだけではなく、やはり法制度の整合性あるいは考え方を統一していくということからいいましても必要なことだと思います。  ただ、未成年者喫煙禁止法とか未成年者飲酒禁止法、ここをそれじゃ国民投票の投票権者の年齢要件を十八歳まで下げるということで、この未成年者と言われている十八歳、十九歳の人たちにも喫煙はいいよ、飲酒もいいよと、こういうふうにすべきだというふうに今直結び付かないんじゃないかという意見もあります。ここは今、葉梨議員が、若年者というふうに改めてその整合性を取っていくという方法もあるというお話を伺いました。正にそういったいろいろな知恵を出して、一つ一つのこの問題について検討を重ねて、それで分かりやすい法制にしていく必要があるというふうに思うわけでございます。  次に、投票用紙への賛否の表現の方式についてなんですが、これは賛成、反対の文字をマルの記号で自書すると。反対の文字を例えばバツにするあるいは二重線で消すというようなことでも、これは賛成の投票と見て無効票を減らす、こういう配慮をされたということで、これは大変評価をしているところでございます。  白票といいますか、あるいは何も記載しない票について、これを反対の意思表示とみなすべきだという考え方もあるわけですけれども、民意をそのように解釈するのはどうなのか。むしろ、何も書かない票を、これを反対票というふうに解釈するのは民意をつくり出すということになる、そういう考え方が自民党の中にあるというふうに聞いておるわけでございますが、そういうことで私はよいと思っております。  そこで、憲法九十六条ではその過半数の賛成を必要とするということで憲法改正が実現するということでありますが、その過半数の意義ですね。  本案では、賛成の投票の数とそれから反対の投票の数を足して、その二分の一を超える場合には国民の承認があったものというふうにしているわけであります。そういうことで私はいいと思うんですが、この憲法九十六条の過半数の意味につきまして、学説でも三説あるわけですね。一つは、有権者総数の過半数の賛成を必要とすると、こういうふうに解釈する。それから、投票者総数の過半数の賛成を必要とする、こういうふうに解釈するんだと、それから、有効投票の過半数の賛成を必要とする、こういうように三説あるわけであります。そこで、この考え方いろいろあります。現に学説だけではなくて、現実にいろいろな方がこういうふうに考えるべきだという、それぞれの思惑も込めていろいろ主張されている実態があると思うんですね。  ただ、有権者総数の過半数の賛成を必要とすると考えますと、棄権者はすべて原案に反対したものとみなされる結果になる、棄権者を一様に反対者として取り扱うのは妥当ではないと私も思います。つまり、投票をしない人をどう見るのかということでありますが、投票をしない、投票所に行かないということでそれは憲法改正に賛成していないんだというふうに見るべきでは必ずしもないと思うんですね。実際に、もうこれは特に国民的に異議がない、あるいは大勢はこれは憲法改正が実現できるだろうと、この内容についてはですね、グループごとに判断していくわけですから、そのときの国民投票においてはこれはもう投票の結果は自分なりに判断して明らかだと、こう思ったときには行かなくてもいいんじゃないかと、こういうふうに考える人もおられると思います。  これは、次に私が論点として指摘をしたい最低投票率を設けるべきかどうかという議論と関係をしてくるわけでありますけれども、要するにその投票をしない人は反対をしているというふうに単純に考えるという考え方は私は妥当でないというふうに思います。ですから、有権者総数の過半数の賛成を必要とするという意見は、これは取るべきではない。  それから、投票者総数ということですね、こういうふうに見る考え方、これは無効投票はすべて反対投票ということになるわけでありまして、無効投票を投じた者を、これも一様に反対者としてしまうのも、これはどうかということであります。つまり、何も書かない、白票だと、こういう票について必ずしもそれは、賛成もしない反対もしないという、あるいは分からないという、あるいはお任せすると、こういうことかもしれないので、反対というふうにこれを考えるのも適当ではないというふうに思います。  一部には、憲法九十六条の過半数の賛成という解釈としまして、改憲案に賛成する者のみに明確な意思表示をすることを求めている、それ以外の者には意思表示を求めていないんだと、こういう意見もあります。こういう意見ですと、白票は賛成していない票というふうになりますから分母に算入すべきだということになるわけでありますが、やはりこれは適当ではないと思います。  また、有効投票を分母とすると、投票率が低いと全国民のうちかなり少ない人によって改憲が決まると、こういう批判をする方もおられます。しかし、私も学説全部もちろん読んだわけじゃありませんが、有効投票数を分母にすべきだとの説が多いというふうに思います。この有効投票数を二分の一の分母にされているこの原案ではそういうことになっております。  ここで、その考え方をもう一度明確にしていただきたいというふうに思います。

赤松正雄公明党

○衆議院議員(赤松正雄君) 中川議員の御質問にお答えします。  まず、非常に丁寧に三つの学説を説明いただきましてありがとうございます。有権者総数の過半数を取るのか、また投票者総数の過半数を取るのか、また有効投票総数の過半数を取るのか、こういうふうな観点でお話しいただきました。  結論的に考え方の基本というのは、投票所に足を運んだ国民の意思をできるだけ酌み取り、可能な限り無効票を少なくする工夫をする、こういうところに基本を置くという考え方で今回の有効投票総数の過半数という考え方を取るに至りました。  当初、先ほど中川議員からも御説明一部ございましたけれども、衆議院段階の原案では、賛成するときにはマル印、反対するときにはバツ印を記入して、白票は無効票とした上で有効投票総数の過半数でもって決める、こういう考え方で当初取っておりました。また、民主党の皆さんの衆議院段階の当初の案におきましては、憲法改正国民投票におきましては、国会が発議した憲法改正案に対する承認の有無が問われているのであるから承認か否かを問うべきである、こんなふうにされていたわけですけれども、両方の、双方の趣旨を踏まえて、先ほども申し上げましたけれども、投票人の意思を酌み取ることを重視するという観点に立ちまして、更に検討を加えて最終的に、まずあらかじめ投票用紙に賛成及び反対の文字を印刷しておくことにしまして、投票人はそのいずれかをマルで囲むと。また、賛成又は反対の文字をマルで囲むのではなしに、例えばバツの記号等で消したものにつきましても投票人の意思を合理的に換算して、それぞれ反対票、賛成票として有効票とカウントするという方法がよいのではないか、そんなふうに考えまして今回の修正に至ったところでございます。  白票や、あるいは賛成、反対の両方にマルを付けたような投票はあくまで無効票ということになり、これらを除外した投票総数、すなわち有効投票総数を分母として、賛成票がその過半数であったかどうかによって国民投票の結果が決せられる、こんなふうにした次第でございます。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 ありがとうございます。  次に、最低投票率規定を設けることの是非についてお伺いをしたいと思います。  いわゆる与党案、今の案ですね、それから衆議院段階での民主党案におきましても、この最低投票率という規定は設けていないわけであります。しかし、野党の先生方から最低投票率を設けるべきだと、こういう主張も見られるわけでありまして、この最低投票率の規定を設けるかどうかというところはこの委員会でもひとつきちんと議論をしておきたいというふうに思います。  例えば、投票権者の五〇%の投票を要求するべきであるとする立場は、投票の結果、過半数の賛成を得ても投票率が著しく低い場合には憲法改正の正統性への疑義が生じかねないということを理由としているわけであります。実際に、これに反対の意見ですね、最低投票率の規定を設けるのはこれは適当でない、あるいは、むしろもう少し強く言えば許されないと、こういう意見があるわけで、結局、憲法九十六条の規定には「その過半数の賛成を必要とする。」とだけ書かれているわけでありまして、その過半数の定義がしっかり決まれば、そこに更に最低投票率という要件を加重に掛けるというようなことは憲法の要請しているところではない、もう少し進めて言えば憲法はそこを認めていないと、こういう意見もあると思うわけであります。  そこで、実態的にも、こういう最低投票率規定を設けますと、いわゆる棄権をしなさいという、棄権運動といいますかボイコット運動、こういうものを誘発するんではないかと、こういう問題があって、だから反対だ、こういう意見もございます。  これに対して、衆議院での議論、議事録を読んでおりましたら、いや、ボイコット運動が起こっても、これはそのボイコットというのも改憲案を承認しないという国民の一つの意思表示と見ることもできるわけだから、ボイコット運動をいけないという必要はないという、こういう意見も出ているようであります。  しかし、本来、棄権をする自由というのは、私の一票は憲法を変える側にも変えない側のどちらにも使いませんと、こういう自由、あるいは投票をする人、投票所に行かれる方の判断にお任せしますという自由であって、ボイコット運動というのは棄権する自由を憲法を変えない方向に使わせようということでありますから、本来、やはりしっかり自分で勉強して考えて、それで投票所に行って自分の意思をはっきりさせましょうって、こういうふうに運動をするべきであって、このボイコット運動というものをよしとする意見というのはやはり国民を愚弄しているんではないかなというような私は気がするわけであります。  それから、今ちょっと申し上げたわけですけれども、憲法九条に絡むような重要な問題であれば当然投票率は高くなるはずでありますが、例えばいろいろ憲法の中には技術的な、余り多くの国民の皆さんが関心を持たないのがむしろ自然であるようなテーマの場合には、よく分からないから関心のある人たちで決めてくださいよという自由も民主主義においてはあるんではないかと、こういう御意見も衆議院で披露されているわけでありまして、ですから、そういうことを、やっぱり私もそうだという気はするんで、やっぱり最低投票率の規定を設けるというのはいろいろな理由を考えましても適当ではないと私は思います。  衆議院ではいろいろ議論が出たようでございますが、与党案、民主党案ともに最低投票率についての規定はないわけですけれども、ここのところについて今現実に参議院では既にそういう意見も出ているわけでございますので、発議者の先生のお考えをお聞きしたいと思います。

赤松正雄公明党

○衆議院議員(赤松正雄君) 中川議員にお答えいたします。  最低投票率の問題は非常に大事な論点だろうと思います。今日も、一部新聞で世論調査をされて、最低投票率を設けるべきだという声が八〇%に達したという報道にも接したところでございまして、やはりしっかりと国民の皆さんに分かっていただく、そういう努力が必要だなということを改めて痛感をいたしました。  昨今、いろんな様々な選挙でなかなか投票率が上がらないということと連関して、国民の皆さんには、投票率が低いということで、そういう大事なものが決められるということについては反射神経的にそれはいけない、こういうふうな発想をされたんじゃないかと、そんなふうに考える次第でございます。  今、中川議員から丁寧にいろんなお話ししていただきましたけれども、私その今の御指摘を整理するような格好になってしまいますけれども、二つあると思います。一つは、先ほどもお話に出ておりましたように、やはり最低投票率制度というものを設けますとボイコット運動というものを誘発してしまいかねないということで、国民の投票の結果が国民の意思を正確に反映することにはならないということがまず一点。それからもう一点は、これも先ほどお話ありましたけれども、憲法九十六条が規定する以上の加重要件として最低投票率制度というものを設けるということはやはり憲法上の疑義も生じかねない、そういった視点というものが二つあろうかと思います。  ですから、低い投票率に対する懸念というのは、むしろ投票率を上げるというそういうこと、国民に対する、今の段階からしっかり知っていただくということが大事ですけれども、さらに周知、広報や国民投票運動の在り方ということについてしっかりと対応する、こういうことが必要ではないか、そんなふうに考えた次第でございます。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 そういう考え方で私は結構だと思います。今のお考えをやはりきちんと国民の皆様方に分かりやすくこれも説明をしていっていただきたいというふうに思うところでございます。  次に、公務員、教育者の国民投票運動の規制の問題についてお伺いをしたいと思います。  公務員、教育者の地位利用による運動の規制につきましては、これをどう規定するかということについて様々な意見があるというふうに思います。  これらの者の意見表明や活動を萎縮させる現実的危険性を持つのでそもそも規定する必要がない、それは日本人の良識の力とか、あるいは日本社会の民主主義力で制御するしかないと、こういう意見も衆議院では参考人の方から述べられております。一方、自民党の中には、こうした地位利用運動については罰則を設けるべきだと、こういう考え方もあるわけでございます。  与党のこの併合修正案につきましては、罰則は設けないが、公務員、教育者がその地位にあるための影響力又は便益を利用した国民投票運動は禁止するというふうにされているわけであります。  一方、附則十一条では、国は、この法律が施行されるまでの間に、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、公務員の政治的行為の制限について定める国家公務員法、地方公務員法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとするとありまして、公務員、教育者の投票運動の規制についての考え方がこの法案の中でも何か定まっていないような気もするわけであります。  私は、やはりその地位にあるために、あるいは教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力又は便益を利用して国民投票運動をいろいろしていくということは、これはもちろん好ましくないんですが、この表現はあいまいな表現でありまして、やはり拡大解釈されることのないようにしなければならないというふうに思うんですね。具体的にこの解釈が広がっていく歯止めというのはどういうふうなことかちょっとよく分からないので、罰則がないからいいじゃないかということかもしれませんが、やはりここのところはきちんとどういう場合を言うんだということを明らかにしておく必要があるのではないかというふうに思います。  教員について、確かにこの投票権者の年齢要件を十八歳というふうに、十八歳以上ということになりますと、高校三年生の授業で教員がこういう憲法改正は駄目だとか、こういう憲法改正はすべきだと、そういうふうに考えなさい、それを成績と絡めるようなそういうことが行われれば、これは本当に大変なことだというふうに思いますが、一般的には、やはり公務員も表現の自由があるわけで、余り萎縮しないようにすべきだというふうに私も思います。  公務員の組合が一方に偏った運動をしていくということを懸念する声もありますが、なぜ公務員だけなのかと。民間の組合も同じなわけですから、公務員だけ、特にそういうことを駄目だというふうに考える理由が、本当に自分のその地位とかそういうものを利用した運動でなければ、それは余りそちらの方を懸念して厳しくしていくということはどうかというような気もいたします。  その辺についての発議者のお考えをお伺いしたいと思います。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 中川委員にお答え申し上げます。  人を選ぶ選挙であります公職選挙法の世界とそれから政策を選ぶ投票であります国民投票とは、おのずから仕組みが違ってきております。そして、やはり憲法改正の国民投票ということになれば、たとえ公務員であろうと、できるだけ自由にいろんな意見表明をやっていただくということは非常に大切になってくるわけです。  ただそうはいっても、それが、今おっしゃられましたように地位を利用するだとか、あるいは明らかに国民投票運動に公正が害されるというような行為については一定の規制を設けておかなければならない。その意味においては、この公職選挙法の世界とそれから国民投票の我々の法案の世界というのは、ある意味で、これは全然、その度合いは全然違うんですけれども、立て方としては法技術上パラレルになっております。  ですから、例えば特定公務員の選挙運動の禁止というのが公職選挙法にございまして、そこの部分においては、警察官であるとか裁判官、こういった者が禁止の中に入っているわけですけれども、これは、公職選挙法の世界というのがどちらかというと、この投票の公正というのを罰則あるいは取締りによって担保しようというような色彩が強いものですからそういった者まで入れているわけですが、今回の国民投票法案、我々の法案においては、中央選挙管理委員会に係る部分という形で、正に本当の投票の公正のコアの部分だけにしています。  また、地位利用について今もお話がございました。地位利用については、やはり公職選挙法の世界において教育者、公務員の地位利用というのが罰則をもって担保されているわけですけれども、やはり我々としても、要件を絞った形で、その影響力、便益、これがある者がそれを行使するような、そういった形での地位利用というのは行われてはならないだろうと。ただし、それについては行政罰、まあ懲戒処分ということになりますけれども、そういった形で担保をしていこうという形で、要件を縛りながら、公務員、さらには教育者の地位利用ということを規定させていただいておるわけなんです。  そして、実は公職選挙法の世界においては特定公務員の選挙運動の禁止、それから教育者、公務員の地位を利用しての選挙運動の禁止というのがございまして、いわゆる公務員の政治的行為、これについての規制というのは公職選挙法の世界ではございません。そうではなくて、公務の中立性を担保するという意味で、それぞれの公務員法の世界において切り分けられて規制がされているというのが今の現状の法体系です。  ですから、この我々の附則というのは、そういったような公務員法の世界において、公務員であっても自由な、まあ地位を利用して、あるいは特定公務員ということであれば駄目ですけれども、自由な国民投票に関する意見表明あるいは勧誘、これが行えるような形を取っていただこうと、そして、公務の中立性との整合性をしっかり取りながら、公務員であっても国民の一人としてしっかり意見表明だとか勧誘行為が自由になるような、そういうような法制上の措置の検討を行っていこうというのがこの附則の趣旨でございます。  そして、例えばその勧誘行為が政治的な目的を持った組織的な署名運動、あるいは示威運動、あるいは政党その他の政治団体の機関紙の配布等を随伴する場合まで、なかなか一律に自由にするのではなくて、やはり公務員といえども、自由にすべき部分と、公務員の政治的中立に位置付いて甚大な疑いが生じる場合にはこれを規制する部分とをもう少し丁寧に切り分けていこうというのがこの法案の趣旨でございまして、ほぼ公職選挙法における法律の立て方とパラレルになっているというようなことを御理解を願いたいと思います。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 法文上の問題ですけれども、地方公務員法三十六条二項において、政治的行為の制限として、公の投票において特定の事件を支持し、又はこれに反対する目的をもって、一定の政治的行為をしてはならないとあるわけですが、この公の投票というのは通常は住民投票を考えていると思うわけでありますが、文理上、これに手当てをしなければ国民投票は最たる公の投票に該当すると、こういうことであります。  他方、一般職の国家公務員については、国家公務員法の百二条第一項で、政党又は政治的目的のために、人事院規則で定める政治的行為をしてはならないとありまして、この人事院規則は制限列挙で禁止行為が定められておりまして、国民投票が読み込めるような条文はないと、これは衆議院での審議の際の衆議院法制局の答弁でございますが。こういうことで、このまま国家公務員法の手当てをしないと一般職国家公務員に関する政治的制限規定は掛からないことになってしまうと、こういうことでございます。これはどっちかにそろえるべきだということだと思います。例えばそういったような問題もありまして、これからの検討課題ということだろうと思います。これはそういう問題があるということを指摘させていただくにとどめたいと思います。    〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕  次に、広報についてお伺いをします。  まず、有料の広告放送の規制について、これは投票日前二週間は禁止だと。これはこれでいいと思います。資金に物を言わせるものを排除する、あるいは表現の自由との関係もあると、こういういろんなことを勘案してこういう規定になったということで、私も理解をいたします。  まず、有料の広告放送の規制について、テレビやラジオで行う意見広告は今申し上げましたように投票日前十四日間は禁止ということになっているわけですが、ここで新聞を除いた理由は何なんでしょうか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  今、中川委員御指摘のように、私どもの案におきましては、特に電波によるメディア、つまりテレビ、ラジオ等でございますけれども、これにつきましては、今御指摘のように、国民の感情に訴えたり扇情的なものとなってしまう、そういう可能性があるということで、この放送メディアにおける広告についてはやはり何らかの規制といいましょうか、必要であると、こういうことでございます。  しかし、また一方では、広告主のいわゆる表現の自由ということもやっぱり保障しなければいけない、こういうふうに思っておりまして、民主党さんともいろいろ衆議院の段階で様々な話合いをいたしましたけれども、民主党さんは、最終的にこの放送メディアにつきましては有料広告は全面禁止と、こういう形で出してこられました。  我々も耳を傾けて、そういうこともあるかもしれないと、こう考えていたんですが、やはり今申し上げたような広告主の表現の自由という観点も考えるとちょっとそれは行き過ぎなのかなと、こういう感じでございまして、私どもとしては、ちょうど期日前投票、これ十四日前から始まるわけでございますが、その期日に合わせる形でやはり十四日間禁止ということが最もそのバランスが取れているんではないかということで採用させていただいたわけでございます。  そういう中で、新聞広告でございます。新聞広告にも有料、無料、両方ありますけれども、有料の広告におきます新聞の場合には、これは放送メディアとは違いまして、やはり活字という形で、あるいは絵も入るかもしれませんが、そういう形で余り扇情的なものというのは考えにくいと。また、国民の皆さんがその活字の媒体を見て、新聞を見て、それで御判断をいただく時間的な余裕もあります。また、読み返す、そういう余裕もございますし、また、いやいやこれはおかしいんじゃないかということで、また別の資料に当たってみる。こういった国民の皆様の判断を、極端に扇情的なもの、あるいは刺激的なもので一方に追いやるということではない、そういう冷静さというものが活字にはあると、こう考えております。  そういう観点からして、放送メディア、電波メディアのような制限というのは特に加えなくてもいいのではないかと、このような結論に達したわけでございます。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 分かりました。  それで、今のはいわゆるCMということでございますが、一般のテレビの番組ですね、これはテレビの番組の影響力は大変大きいというふうに思うわけでございます。この点につきまして、一般放送事業者等は国民投票に関する放送については、放送法第三条の二第一項の規定、放送番組編集の準則の趣旨に留意するものとするということになっているわけでございます。衆議院での審議の中で民放連の方からも、放送局には、放送法により政治的に公平であること、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること、これは政治的公平と多角的論点の提示と言っているということでございますが、それが強く求められているという御発言がございました。  実際に、テレビの影響は大変大きいと思います。番組の中でキャスターの方が意見を言うということは番組として当然だという見方もあるわけですけれども、一方で、テレビの影響は非常に大きいので、この点いろいろ考えていくべきではないかという意見、それからやはり、それに対しまして、いわゆる放送事業につきましては当然表現の自由があるわけでありまして、こうした今のこの原案の規定でも萎縮をするということで、これはやはり公平に心掛けなければならないということは、これは自己規制に任すべきであって、法文上こういった規定を置くことも問題だと、こういう意見と両方あると思います。  その点について、いろんな議論があったと思いますが、発議者の方の御意見をお伺いしたいと思います。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  今、中川委員御指摘のように、マスコミ規制ということにつきましては、できるだけこれも国民投票運動を活発に行うというためにはなるべくこれはない方が望ましいというふうに思っております。  それから、報道内容の適正化ということにつきましては、既にテレビ等については、今御指摘の放送法での規定がある、それからテレビ、新聞などにおきまして、マスコミ各社では自主的に倫理綱領を定めていたり、あるいは第三者機関を置く、こういったことで措置を講じているというわけでございます。  ただ、最近のテレビ等の番組の実態というものを考えてみますと、これは案件も違うわけであります、杞憂に終わればいいと思うんでありますが、一部の報道におきまして番組の内容が捏造される、こういった事態も一方では発生をしている、これは事実でございます。そういったことも考えると、私は決して、だからといって規制を設けるということはよろしくないと思います。あくまで放送事業者の自主的な是正、あるいはマスコミ界全体における浄化作用というものに私は期待をしたいと思っております。ただ、やはり国民投票運動の中におけるテレビ、ラジオの番組や新聞などにおきましてもそうなんでありますけれども、やはり事実と違う内容を伝える、あるいはいろいろと意見が分かれているときに一方的なコメントだけを行うということは、やはりよろしくないことだろうというふうに思っております。  そこで、様々な議論ありましたけれども、私どもの修正案におきましては、特に放送事業者の皆様に対してでございますが、国民投票に関する放送については、政治的公平性等を定めた放送法第三条の二第一項の規定の趣旨に留意してほしいと、こういった念のための措置を書かせていただいたということでございます。  ただ、そうはいいましても、この規定というのは、この私どもが提案している法案で新たに規定をするということではなくて、あくまでも現行法にのっとっております。現行法にのっとった上でそれを遵守してほしいという正に留意事項でございますので、新たな法規制を設けたものではないということは申し上げておきたいと思っておりますが、そのような規定を設けることによりまして、しかし、本来は放送、メディア、事業者が自主的にこの問題について公正中立を保っていただきたい、あくまでもこういう趣旨でございますので、その点の御理解を是非ともいただきたいと思っております。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 次に、無料広報についてお伺いをしたいと思います。  国民投票広報協議会が設置されるわけでありますが、ここの委員は、各議院における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て選任するということになっております。ただし、各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは、各議院において、当該各派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとするとされているわけであります。配慮ということで不十分だという意見も出ているようでございますが、やはり大変これは行き届いた規定だというふうに思います。  ただ、実際にその憲法改正の発議ということになりますと、各議院で三分の二以上の賛成ということですから、当然賛成の会派の方が多くなる、賛成の議員の数でいえばもう当然多くなるわけですね。内容によっては、ほとんどの会派が賛成する、あるいはほとんどの議員が賛成する、極端な場合には全部の議員が賛成だ、反対の議員はいないと、こういう場合もあるというふうに思うんですね。もちろん、全部賛成ならばこの規定はないわけですし、この規定は働かないんでしょうけれども、反対の会派が非常に少数であっても委員を割り当てると、こういうことになっている。  さらに、この百六条では、「国民投票広報協議会は、両議院の議長が協議して定めるところにより、日本放送協会及び一般放送事業者のラジオ放送又はテレビジョン放送の放送設備により、憲法改正案の広報のための放送をするものとする。」とありまして、この放送に関しては、「憲法改正案に対する賛成の政党等及び反対の政党等の双方に対して同一の時間数及び同等の時間帯を与える等同等の利便を提供しなければならない。」と、こうあります。  そこで、賛成の会派が圧倒的に多い場合ですね、もうほとんど反対の議員はいない、あるいはもうすべて賛成だと、こういう場合にも、賛成、反対を同じように、時間数も同じにして同等の利便を提供しなきゃならないということになるのは、何か逆に釈然としないというか、実態にそぐわないというか、国民に対しても逆に誤ったメッセージを与えるということにならないかというような気もするわけでありますが、この辺はどうお考えなのか、お伺いします。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  大変難しい部分でございますけれども、まず広報協議会のメンバーにつきましては、そこに、原案にも入れてありましたけれども、院の構成にのっとってその委員を選任をすると、こういうことになっております。もちろん、極端に少ない場合、あるいはそのいずれかの決定において例えば反対が少数であったという場合に、いわゆるドント方式とか比例方式によって委員が選任されないような場合にはやはり特別の配慮をしようと、こういう規定を設けているということでございます。  それから、広報協議会が作るいわゆるパンフレットですね、広報パンフレット、それからテレビ、ラジオあるいは新聞の無料枠の提供でございますが、これらにつきましては賛否平等ということを一応原則と考えた次第でございます。これは賛成が三分の二以上で国会が国民に対して発議をする、そういう観点からするとちょっと違うんじゃないかと、こういうお話でございますが、私ども当初そういう考え方を持っておりました。  しかしながら、例えばヨーロッパに私ども調査をいたしましたときに、ヨーロッパの幾つかの国におきまして、私は相当な数だと思っておるんでございますが、やはり賛成か反対かということを国民に問い掛けるときに、賛成部分というのが多くて反対部分が少ない、こういうことになりますと、そのこと自体がまた国民の皆さんに対する、何というのかな、印象を左右してしまう。やはり憲法改正に賛成か反対かということを問い掛ける場合には賛成意見と反対意見を同等に扱う、これがやはり民主主義の一つのルールではないか、こういった意見も出されました。我々も大変そういった意見に対しては、それももっともだなということで耳を傾けた記憶がございます。  そういった調査等のことも踏まえ、またその後の委員会における与野党の議論を踏まえて、やはりここは賛成と反対というのを同じ分量、同じ紙面ということにいたしまして組み立てていこうと、このようなことになった次第でございます。  また、今先生御指摘のように、極端な場合、例えばほとんどの会派が賛成していると、こういう場合であっても、反対の会派がある場合には賛成、反対一対一となるようにまず平等に割り当てる。それから、さらに極端なことで、全会派がこの憲法改正原案に賛成した場合どうであろうかということでございますが、これにおきましてもできる限り国会で示された多様な意見を国民に伝えるべきである、そういう観点から、例えば国会に招致をした参考人や団体の中で反対意見を有する者に一定の枠を割り当てると、こういうような配慮もきちんと行って対応すべきではないかと。これはまあ一対一ということが当たるかどうかは、これは今後の広報協議会の中での議論というのを経なければいかぬと思いますけれども、やはり全会派が賛成したとしても、反対意見にはこういうものがありますということをしっかりとやはり広報に載っける、あるいは無料枠にもきちんと載っけるという努力が必要であると、こう考えた次第でございます。  もし逆に、全会派が反対した場合にも、これはあり得ないと思いますけれども、そのときにも今度は賛成意見にはこういうものがあったということでそれを付けることもあり得る、理論的にはそういうことがあると思います。

中川雅治自由民主党

○中川雅治君 私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。昨日の本会議に続きまして、よろしくお願いを申し上げます。  委員会の冒頭、発議者から昨日の本会議の発言に関する陳謝が行われました。私は与党の一員でございまして、またこのような若輩でございます。ただ、参議院の一員として一言だけ申し上げさせていただくならば、やはり昨日の御発言の一部には私が聞いても余りいい感じはしなかったという、そういう部分がありました。発議者の方々、衆議院で大変御苦労をされましてこの法案を通過させた、そこでほっとして安心をして多少気が緩んだのではないのかと、こういう厳しい御指摘もありました。私は決してそんなことはないと思うのでありますが、しかしこの参議院での審議、極力緊張感を持って慎重に願いたいと思うわけであります。  先ほど中川委員の方から二院制の議論を岡田が掘り下げてやると、こういう前触れをいただきましたけれども、この場は国民投票の法案を論ずる場でありまして、二院制を論ずる場ではない、そう思うのであります。  ただ、簡単に申し上げたい。以前、自民党内で新憲法の素案作りをやっておりましたときに、衆議院の優越をかなり強化させるといいますか、逆に言いますと参議院の役割を少し後退させた、そういう試案が世間に出まして紛糾したことを思い出します。私はそのとき、これでは二院制ではなくて一・五院制ではないかと、こういうふうに反論を述べたことを記憶しておりますけれども。  我々参議院の考え方、これ自分が自分の考え方を一般化するわけではありませんけれども、やはり以前に参議院の憲法調査会において、舛添先生が小委員長を務めた二院制と参議院の在り方に関する小委員会という小委員会がありまして、ここでかなりの御議論の末に報告を取りまとめております。ここでは、我々はこの二院制を維持する中でも参議院が独自の役割を担っていく、衆議院とはまた異なる独自の役割を担っていく、また参議院がそのように自ら改革すべく努めていくと、こうした内容になっておったと思います。  発議者の二院制に関する御見解、特に参議院の意義をどのようにとらえておられるか、どうか慎重な御答弁をお願いいたします。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 岡田議員にお答えいたします。  冒頭に申し上げたとおり、決して参議院を軽視する趣旨は毛頭なかったんでございますが、むしろ謙虚に我々、完全なものは世の中にないので、衆議院ではできるだけ審議をし尽くして、我々としてはいいものと思って議決してお送りをしたわけですが、もし不足があれば、いろいろ御議論賜ってより十全なものを作っていただく御努力をお願いしたと、そういった意味での慎重審議をお願いしたつもりでございまして、表現が足らずにそういう趣旨が伝わらなかったことについては非常に申し訳ないと思っております。  そして、今、岡田委員から二院制の意義についてお話が、御質問がございましたが、憲法は当然のことながら衆参両院をもって国会の議決とすることになっておりまして、両院は基本的に対等であると。もちろん、両院を設けたことにはそれなりの意義があって、一院に権能が集中して専横することがないように、チェック・アンド・バランスが利くように、むしろ一院の行き過ぎとかあるいは間違い、その他問題があればそれを修正する機会をもう一院で持つと、あるいは一院が政府と対立した場合にその緩和を図っていく機能も期待されていると思います。  また、衆議院は四年の任期で途中解散がございます。しかし、参議院は六年の任期で解散がなく、半数三年ごとに改選という選び方も違いますから、民意もそれなりに立法府に多様にいろんな要素を持って反映できる。したがって、多様な意見ということも言えましょうし、いろいろな分野の意見ということも言えるし、いろいろな時期における国民の意思を常に国政に反映させる、そういったともに機能を果たしていく役割が期待されていると思います。  ただ、いろいろ、内閣の不信任決議とかそれから予算の先議権とか衆議院のみに認められる権限、あるいは、衆議院解散中の緊急議会における暫定議決などは参議院のみに認められる。その他、法律案、予算、条約、あるいは内閣総理大臣の指名等においてそれぞれ衆議院の優越が認められているといった憲法上のそういった仕組みになっているものと承知しておりまして、両院が相協力し、立法府の、国権の最高機関、国の唯一の立法機関の責任を果たしていくということでなければならないと思っております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 今御答弁にありましたように、日本国憲法は確かに衆議院の優越を定めております。ただ、参議院が衆議院を補完するというそれだけではなくて、その特性に応じてお互いに、確かに完璧なものはこれは人間の集まりにないと思いますから、それを相互に補完し合っていくというこのことが大事であろうと、こう思うわけであります。  参議院の場合は、今お話がありましたとおり、長い任期を与えられておりますから、じっくりと腰を据えて議論すべき、そういう得意の分野を持つとかあるいは決算を重視するとか、そうしたいろんな我々自身の努力によって参議院が独自性を発揮して、衆議院とお互いに補完をし合いながらともに国会としての役割を果たしていきたい、こんなふうに思うわけであります。  ただ、一つ現実的な問題がありまして、もう釈迦に説法でありますけれども、日本国憲法の第五十九条二項、衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは法律となると、こうあるわけであります。この三分の二条項、いわゆる三分の二の採決条項、かなり高いハードルを設定しておりまして、これまでは参議院の伝家の宝刀というふうにも言われておったわけであります。与野党が衆議院で伯仲状態であれば、これは、参議院で否決された法律案というものが衆議院に戻されても再議決されることは困難であると、これが参議院の伝家の宝刀と言われていたわけでありますけれども、今は衆議院において与党が三分の二を占める状態でありますから、(発言する者あり)与党、与党と申しました、与党が三分の二。  こうした現状がありまして、さらにもう一つ、五十九条四項というところに、参議院が衆議院の可決した法律を受け取った後、六十日以内に議決しないときは、衆議院は参議院がその法律案を否決したとみなすことができると、こういうみなし規定がございます。したがって、参議院が、可決にせよ否決にせよ六十日以内に意思表示をしないときはこれは否決したものとみなされると。そして、現状では結局衆議院で再議決をされる。そうなりますと、我々参議院が意思表示をしないままこの大切な国民投票法案、憲法改正手続法案が成立をすると、私はこれは参議院としては決して取りたくない道なんであります。  ですから、参議院の持ち時間は余り長くないと思っております。速やかに、速やかに、しかし実りある審議を行うことによってこの法律を成立させたいと、これが私の願いであります。なおかつ参議院では、憲法調査会の段階からじっくりと議論をいたしました。相当長時間、国民投票法も含む憲法全般にわたって議論をしてまいりまして、その下地は十分できておると考えております。  以上は自分の考えでありまして、これは発議者の御答弁を求めるものではございません。  ただ、発議者には、最初に苦言を申し上げて、今度は敬意を表するようで恐縮でありますが、衆議院の通過までに大変長い時間掛けて御努力をなさった。本当に各党、自民党、公明党、民主党、この三党の方々がずっと政党間で協議をして合意形成を試みてこられた、このことには本当に深く敬意を表したいと思います。  ここで改めてになりますけれども、衆議院の憲法調査から本法案の作成、また委員会等における議論や併合修正案の作成、こういった流れについて御説明をいただきたいと思います。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 岡田議員御指摘のように、もちろん憲法全体についての総合的な広範な調査ということで憲法調査会の段階がありまして、その際にもいろいろ国民投票法制についての勉強は除外するということなしに一体としていろいろ考えてきて、また、最終報告にも速やかに国民投票法制について整備するべしというのが多数意見であったという議長報告も出たわけでございます。  それに沿って一昨年の九月に衆議院に憲法調査特別委員会が設置されまして以降、いろいろ、いきなり法案を提出、審議するという形を取らずに、法案の設計の段階から、海外視察も含めて二回行って、二十七日間、午前、午後、いろんな関係者、専門家と協議をして、それは議事録にきちっと本として正確に記録として残してあるわけでございます。  そしてまた、小委員間の参考人との相互の懇談という形式で意見交換をしたり、委員同士もまた発言をして、徐々にあるべき姿について、自分が提案した法案についてもその後いろいろと修正する考え方を述べるなどして、委員会の表舞台でもまた理事懇談会でも、あるいはそのためにいろいろな場面を通じてできるだけ相互に勉強を深くし、そうして昨年の五月二十六日に法案を、本当は一本で出したかったんですが、自公民ですね、民主党と与党の提案両方になったわけでございまして、それについて、今申し上げたように、いろいろ表舞台あるいは理事懇その他海外調査あるいはその他のいろんな場面において深く意見を交換したり、勉強したり、そういう期間を設けてまいりましたので、法案を提出してからはまだ五十数時間ということでございます。  ただ、参考人とか公述人とか意見陳述人は全員で五十八人、意見を聴くなどして相当論議を深めて、事実上民主党案と自民党案とは相違点が非常に少なくなってきて、論点というものも限られてまいりまして、最終的には、一番根幹の問題は、憲法改正手続法に関する国民投票のみに限定するか、一般の国民投票法制というか、国政上重要案件に関する国民投票にまで制度を広げて立法化するかというところが根本的な最後の一致できない点として残ったほど、あとは何とか努力をすれば一致できたんじゃないかと思えるような内容で詰め切れました。  そういった意味では、すべての論点を論じ、かつ論点を整理し、最後には残されたわずかのところで一致できなかったわけでございますが、最終的には、民主党案というものを基礎に、それから与党案というものを基礎に、両方を修正するという形で併合修正するという形まで取って、できるだけ幅広い、そして多くの方々の意見を踏まえた合意形成というものの形を最後まで努力をし尽くして、参議院に法案として修正議決してお送りした次第でございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 いわゆる三党、自民党、公明党、民主党、この関係者の方々で協議をされたというふうに伺っております。  委員会はさることながら、その三党の間でどのぐらいの時間数協議をされましたか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  今、全体の流れにつきましては保岡議員の方から説明を申し上げましたけれども、もちろんこれは表、表と言っては恐縮ですが、委員会、理事会あるいは理事懇談会、そういう場におきまして、あるいは小委員会も含めまして、大変長い時間議論をしてまいりました。  と同時に、やはり私どもとしてはその表の会合と同時に、やはりこの各党の御意見がどこにあるのかということを推し量るために、あるいはお互いに調整といいますかお互いの考え方を確かめ合うために、あるいはできるだけ同じ方向を向かっての修正ができないだろうかということで議論する場というのも確かにございました。まあ、それを非公式と言えば非公式なんでありますが、それは時間数からいってどのぐらいの時間であるかというのは、もう相当な時間を費やしておりますし回数も相当やっておりますので、そのことについて申し上げるつもりはございません。  しかしながら、すべての協議事項について、取決めをもしする場合あるいは修正を行う場合には、すべて表の議論にいたしまして、その表の議論の中で物事を決めてきたということは間違いない話でございます。是非、その辺のところをお酌み取りいただきまして参考にしていただければと思っております。  我々は、最後の段階で、わずか三点あるいは一点しか違わない状況にまで到達をいたしました。しかしながら、大変残念ではございますけれども、私どもの力が不足していたのか、あるいは民主党さんのお考えの中にやはり丸のみでなければ駄目だという御意見もあったやに伺っております。これはまあ私が言うべきものではないわけですけれども、そういう中で、現場での合意あるいは合意に近い状況が、結果として政党間の対立といいましょうか考えの違いということでそれがなし得なかったということを大変残念に存じておるわけでございます。  以上です。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 関係者、大変長い時間協議をされたということでありますけれども、大体何時間ぐらいですか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) 今の御質問でございますけれども、特にストップウオッチを持って調べたわけではありませんし、もう本当に感覚的なことしか言えないわけでありますが、もう本当に一週間のうちほとんど毎日、様々な議論をさしていただいたということは申し上げたいと思います。  もちろん、その時間については、水面下の話でございますので表の話にはもちろんなりません。また、このことによって、もう協議の時間が相当ありましたと、こういうふうに言うのはそれは言い過ぎだというふうに思っております。あくまで、表向きの時間帯については先ほど保岡委員から指摘をした部分でございます。私どものその別の部分での協議というのは、これはあくまで水面下のことであるということで御理解ください。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 まあ、なかなか計れないぐらいたっぷりと意見調整をされたのではないかと、こんなふうに思うわけであります。  三党の協議の中で、例えば最低投票率制度についてはどんな議論がなされましたでしょうか、伺いたいと思います。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  最低投票率につきましては、例えば海外の調査におきましてイタリアに行きましたときに、イタリアの政治学の権威でありますフサーロ先生にお会いをしたときに、最低投票率は設けるべきではない、設けるにしてもそれはごく低い比率で置くべきであると、こういった話もございました。我々みんな聴かせていただいたことでございます。    〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕  それから、先ほど来答弁もありますけれども、やはり憲法九十六条においてはそこまでの加重な条件は課していないということでございますし、また先ほど来話が出ておりますように、ボイコット運動が誘発をされて、それも国民運動であるかというといろいろな議論があるかと思いますけれども、やはりそれはある意図的な目的で組織された活動、あるいは運動というふうにとらえられるとすれば、それはやはり国民投票運動としては望ましくないものだと、こういうふうに考えております。そういうものを誘発するような事態を招く可能性のある最低投票率については、やはりこれは慎重であるべきだと、こういった議論がありました。これにつきましては、表の舞台におきまして各党いろいろと御議論がございましたが、私ども自民、公明、それから民主党の委員の皆様も、ほとんどこの最低投票率ということについては、これは設けるべきではないという意見が大勢を占めていたと、今思うとそういうふうに印象としては持っております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 今私が先ほどから御質問をしているのは、別に各党間の協議、現場の責任者の方々の協議をもってこの国会、衆議院における質問時間の問題とすり替えようという、そういう意図はないんです。三党の方々が、自民党、公明党、民主党の方々が本当に真剣に長時間掛けて腹を割って意見調整に努めてこられたと、その真剣な努力があったことはどなたも否定のできないところだと思います。この点を確認さしていただきたくて今のような質問をいたしました。  それでは、この衆参二院制の問題とも関連するわけでありますけれども、国会法改正案の憲法審査会と合同審査会についてお尋ねをしたいと思います。  確認のようになりますけれども、この合同審査会の目的、性格、これはどのようなものか、あるいは合同審査会は各憲法審査会に勧告をすることができるというふうな規定になっておりますけれども、この勧告というものはいかなるものか、法的な拘束力があるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) この法案が通りましたら次に召集される国会からということでございますから、参議院選挙後の国会から憲法審査会というのは両院に設置することができるわけでございます。憲法審査会においては、従前の憲法調査会で調査を行っておりました憲法あるいはそれに附属する基本的な法制などを審議するほか、憲法改正原案あるいは国民投票法、憲法改正の国民投票法のような手続法なども議決あるいは審議することができることになっております。  この憲法審査会、合同審査会の勧告のことについてもちょっとお触れいただきましたのでお答えしますが、まず、合同審査会を開くことができることとしたのは、憲法改正案の発議が最終的に衆参両院の総議員の三分の二以上の賛成を必要とする極めて重要な案件、議案の調査、審査であることにかんがみて、あらかじめ両院の憲法審査会が共通の土俵の上で憲法改正原案に関して議論ができるようにするためでございます。  そして、その成果として衆参両院の共通の認識、大枠のイメージを実効的に各院の憲法審査会に反映できるよう勧告の仕組みを設けたものでございます。憲法審査会の合同審査会における勧告を各議院の憲法審査会が尊重すべきであるとは思いますが、法的拘束力があるというわけではありません。各議院の憲法審査会において慎重かつ実質的な審議がされるものということは、そのままそのとおりでありまして、各議院の自律権というものをいささかも損なうものではございません。  なお、勧告のイメージについて申し上げますと、まあ個人的に申し上げると、憲法改正原案についての大綱、骨子のような基本的構成を示唆するようなところまでは合同審査会で話し合っていくということが適当ではないかと思いますが、いずれにしても両院の憲法審査会においてどういうことを合同審査会で議論していくべきか、どの段階でそれを開くべきかということを最終の三分の二の両院の多数を形成する意味で有効かつ適切にこれを活用するということでございまして、いずれの院の自律性をも損なうものではない、むしろそれを両様、それを発揮していただきながら、両院で三分の二の総議員の多数を形成し、三分の二の多数を形成する努力をしていただくその懸け橋になればということだと思います。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 昨日の本会議で、この合同審査会について、簗瀬先生、荒木先生からも御質問があったと思います。そのお二方の合同審査会に対するとらえ方、評価というものがかなり異なっておったように感じましたので、ちょっとお伺いをいたしたいと思いますが。  簗瀬先生は、憲法改正の発議を法律案の審議と同じように先議、後議という関係でやりますと、後の方の院の存在感がどうしても薄れてしまう、そういうおそれがあると、こういうふうに御指摘であったと伺いました。むしろ、簗瀬先生は、両院の合同審査会というものを原則的にして審議をすべきではないかという御意見のようでありました。私は、これは一つの御見識ではないかなと思ってお伺いをしておったんでありますが。  これに対して、荒木先生は、憲法九十六条が衆参対等の発議要件を定めておる、そしてまた、両院協議会の規定もここにはない。ということは、衆議院と参議院、非常に対等の発議要件を定めておるわけでありまして、ここで合同審査会を設けて調整をするということは、まあ別に衆議院の方が声が大きいとかそういうことを言うわけではありませんけれども、どうしてもその両院の独立性というものを損のうおそれもあるんではないかと、こういう御指摘の趣旨というふうに伺って、私は何かこれもまた一理あるのかなというふうに思ったわけであります。  なかなか自分でも判断が付かないところでありますけれども、この辺り、発議者はどう考えておられるんでしょうか。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 憲法審査会の合同審査会というものの果たす役割について、簗瀬議員がおっしゃったそういうやり方も非常に有意義じゃないだろうかと。多分、それぞれの院の審査会の自律性というものを尊重することから出発しなくちゃなりませんが、両方で同じ議案をそれぞれ三分の二の多数で議決するということになりますと、その懸け橋としての憲法審査会の合同審査会の役割は、簗瀬議員が言われたように運営されていく可能性が非常に強いと私も思っております。  さはさりながら、どうしても一致できないときに両院協議会の開催を定めるということも、これまた憲法に違反するようなものじゃなくて、最終的には両院協議会で議決するときは三分の二の多数で議決しますし、また、その議決を両院に持ち帰って更に議決するときは三分の二の議決ということになりますので、最終的には憲法の保障する両院、憲法に関する対等の権限にいささかも差し障りのある法案の内容になっていないと思料いたします。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 この今日の質問を二院制との関係から始めましたのでこういうふうな展開になってきましたけれども、以下、幾つか各論的なこともお伺いをしたいと思います。  国民投票運動の規制について昨日の本会議でも御質問を申し上げて、特に公務員等、教員の、教育者ですか、教育者の運動についての規制についてお伺いをいたしました。大変丁寧な御答弁をいただいたのでありますが、もう一歩具体的にお答えをいただきたいなと、欲張った質問でありますけれども。公務員というものはどのような運動ができてあるいは何ができないのかと、こういうことをはっきりとさせていただきたい、明快な御答弁をいただきたいなと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 岡田委員にお答えいたします。  昨日の本会議におきましては、むしろ公務員の政治的行為の制限について特化した形で質問をされたと思います。先ほど中川委員の御質問にもございましたけれども、政治的行為の制限については附則という形で整理したわけですけれども、ほかにも幾つかの類型で考えております。  一つは、中央選挙管理委員会の委員、投票事務関係者である特定の公務員、これについては国民投票運動自体をすることを禁止という形にさせていただいている。そして、公務員、教育者については、その地位を利用しての国民投票運動が禁止されますよという形での、地位利用という形での加重要件を課しております。  そして、附則の問題ですけれども、やはり公務員法の世界において整理するということを、昨日の答弁でもあったかと思いますけれども、現行法上、地方公務員法における公務員の政治的、制限規定に該当するか否か、これは検討を要するところではあるんですけれども、やはり公務員であっても国民として憲法改正に関する投票の勧誘だとか意見の表明、これは自由に行っていくべきである、片方で、やはり公務員の政治的中立性、公務の中立性といった問題についても十分に考えていかなければならない。  ですから、附則にもございますとおり、国民投票に関する意見の表明、投票の勧誘、これを自由にするというような措置をとる中で、ほかに許されない行為との切り分けをしっかり丁寧に検討していこうというのがこの法案の趣旨でございます。このような三つの類型になっているということを御理解を願いたいと思います。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 次に、昨日も質問いたしましたが、附則十一条の公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限され得ることとならないよう、公務員の政治的行為の制限について定める法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとすると、こういう附則が付いております。法文そのままではありませんけれども、ほぼこのような内容であろうかと思います。  これについて具体的にどのような見直し、検討あるいは法制上の措置を講じていかれるか、お伺いをいたしたいと思います。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) お答えいたします。  ここでは、今も申し上げましたとおり、国家公務員法、それから地方公務員法というような代表的な公務員法の法制を例示として挙げておりますけれども、その他の法令というのは、例えば特別職の公務員、これについて規律する法令というのがございます。特別職の公務員といいますと、選挙によって選ばれた公務員だけではなくて、例えば自衛官、こういったものは特別職の公務員となりますから自衛官についてどうするんだ、あるいは宮内庁の職員、宮内庁の職員も特別職ですから宮内庁の職員についてどうするんだ、そういったことをやはり書いていかなきゃいけない。ですから、その意味でその他の法令というような形で規定されているわけですけれども、それぞれの法令について実際のところ、先ほど中川委員の御指摘にもございましたけれども、地方公務員法の世界で書いてあることと、あるいは人事院規則に下ろしている国家公務員法の世界と、また多少仕組みが異なってまいります。ですから、それぞれを検討しながら、一括法という形でいくのかあるいは別々にいくのか、そこも含めてなんですけれども、要はこの法令の形式という形にとらわれる。まあ今、この法令の形式をどうだということは、なかなかたくさんの法律がありまして決めかねるところもございます。  したがいまして、原則として、ここにございます憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されないような形、これを本当の基本として、それぞれの法制について検討を加えていくということでございます。  ですから、あくまで、ここのところも本則で適用除外という形にしなかったというよりも、むしろ我々はそういった場面で丁寧な議論ができるというふうな形を考えておりまして、こういう形で提出をさしていただいております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 次に、先ほどから中川委員の質問にも出ましたし私も申し上げました最低投票率制度について、導入しなかった理由は先ほどから、また昨日から再三御答弁をされております。ボイコットの運動のおそれもあると、こういうことでありますけれども、私、思いますのは、国民皆平等な主権者でありまして、選挙や投票に行かない人はその主権を放棄したという、そこまでは申しませんけれども、やはり投票所に足を運んで積極的にその意思表示をした、自らの貴重な権利、参政権、そしてそれが集約された形での国民主権、そういうものを行使した人とそうでない人、これ別に優劣を付けるわけではありませんけれども、やはり一概に投票率高い低いでその国民投票の結果というものを判断することはできないのではないかなと思うわけでありますが、この辺り、発議者はこの法案の作成や審議に当たってどんなふうにお考えでいらっしゃいましたか。

赤松正雄公明党

○衆議院議員(赤松正雄君) 先ほど中川委員、また今の岡田委員から、先ほど船田提出者からも御答弁いたしましたけれども、改めてのお尋ねでございますが、例えば全国民が投票された場合一〇〇%、その場合の過半数が五〇%ということですから、そういう意味では最低投票率制度を設けましても、具体的に例えば今の例だと一〇〇%と五〇%、七割だと三〇%というふうなことになってまいりますので、先ほど委員がおっしゃったように、必ずしも投票率が低いから全体の意思が反映されてないということにはならないんじゃないかというふうに思います。  また、私、衆議院の憲法調査特別委員会の場において非常に印象的でありましたのは、参考人として呼びましたり、また大阪でのいわゆる地方公聴会でも意見陳述者として御意見を表明されましたジャーナリストの今井一さん、この方が具体的に徳島や岩国の住民投票におけるボイコット運動のありようというものの事例を具体的に引き合いに出されまして、やはり最低投票率制度を設けるとボイコット運動を誘発するという具体的な実例を挙げてお話をされたんですけれども、非常に印象的で傾聴に値するものがあった、そんなふうに感じているところでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 それでは、投票権者の年齢要件についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。  最初に自分の感じ方を申し上げますと、成人式などに出ますと最近新成人がえらい子供のように見えるわけなんです。それは自分がだんだんと年を食ってきたせいであろうと、正にそのとおりなんだろうと思いますけれども、体はでかいけれども何か心はまだ幼いのではないかなというふうに思うわけであります。これは私ではなくて別の人も、昔の二十歳というのは今でいうと三十ぐらいになるのではないかと、逆に言うと、今の三十でやっと昔の成人ぐらいなんじゃないか、こういうことをおっしゃる方もおられました。  どんなわけかなと考えてみるんですけれども、これは、長寿社会で非常に人間の寿命が延びまして、その分人間の成長もゆっくりと時間を掛けて、なかなか大人にならない。昔、我々の学生のころにモラトリアム人間というような言葉もはやりましたけれども、そんなふうに、人間一般に成長が遅れていると言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そうした状況の中で、二十歳でもなかなか投票に行かないし、また、どこまで国民としてしっかりとした判断を下せるのか心もとないなと思うことがある中で、それを十八歳に引き下げることについてはやや私は慎重な考えを持っておりました。各党内でもそれぞれの議論があったことと思いますけれども、特に自民党の中では、聞いている限りは、十八歳への引下げというものに対してかなり異論もあったように思うわけであります。  この点、非常に大きくある意味では譲歩されたんではないかなと思うわけでありますけれども、この辺りの御検討の趣旨をひとつお伺いをしたいことと、もう一つは、引き下げると決めたわけでありますから、これはやはり速やかにこの法律が施行されるまでの間に引き下げるのが筋であろうと思うわけであります。その辺りの御決意というものも併せてお伺いをしたいと思います。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  今、岡田委員の御指摘ありまして、私も同感とするところもあるなと思っております。確かに、長寿社会になりまして、人生設計といいましょうか、一生が個人差はありましても長くなっている。そういう状況の中で、余り性急に大人になることを拒否すると、こういった傾向もあるいはあるのかもしれないし、また、モラトリアム時代という本もありましたですね、私も大変面白いと思って読んだことがありますけれども、そういう若年層におけるモラトリアムの何か風潮というのも一方ではあるんだろうというふうに思っております。  また、しかし一方では、体格とかあるいは身体的な能力というか特徴、そういうことからしては、今度は早熟という言葉もまた一方であるように、逆にすごく進んでいる部分もあるのではないかというふうに思っております。  一概にこういう傾向であるということは言えないと思いますけれども、私が感じるところでは、やはり今の若い世代はかなり以前に比べても物事をよく考え始めているんじゃないかということを感じておりまして、そういう傾向もやはり捨ててはいけない、しっかり見なきゃいけない部分だと思っております。  と同時に、私ども海外での調査もありました。私どもの投票権年齢が二十歳であるということを言いますと、幾つかの国では驚かれました。まだ二十歳なんですかと、こういう話でございます。  実際に統計を見ますと、正確な数字は私手元にないんですけれども、大体の印象だけで申し上げますと、いわゆる普通選挙が行われている国、百八十数か国あるようでございますが、その中で百六十二か国が十八ということでございます。十六という国も若干ではございますがございますし、二十歳のところも若干ございます、日本を含めまして。しかし、二十歳が選挙権年齢というところはごくまれといいますか、非常に少ないということであります。また、いわゆる先進諸国の中では日本のみが二十歳であると、こういう状況でございますので、やはり十八というのが世界標準あるいはそれに近いものであろうと、こういうふうに考えます。  また、既に十八に踏み切ったそういう国々の中で何回か国政選挙、あらゆる選挙が行われておりますけれども、そういう中で、二十歳から十八にしたために特に問題になったという事例は私どもは何も聞いていない、こういう状況でございますので、もう時代からすると十八というのが世界標準でもあり、我が国としてもこれは真剣に考える必要があると、こういうふうに思った次第でございます。  ただ、これは決して、今お話ししましたように、私ども、特に委員会での議論あるいは海外調査での様々な情報というものを総合的に判断をしたわけでありまして、譲歩をしたしないという話ではなくて、この点については各党とも前向きに取り組んできたその当然の結果ではないかというふうに思っています。  ただ、私どもとしては、先ほど来も議論しておりますように、その公選法における投票権年齢が二十歳のままで、そして国民投票における投票年齢が十八であると、こういう事態が生じますと、やはり投票権名簿あるいは選挙権名簿を二種類用意しなければならないということ、あるいは、ある選挙においては投票できて、あるものにおいては投票ができないという、そういう個人のレベルにおいてのそごといいますか、矛盾というのができてしまいます。  そういったことを考えますと、やはり諸外国でもほとんどそうでありますけれども、いわゆる選挙における選挙権年齢と、それから国民投票の投票権年齢というのはもうほとんど一致している、こういうことでございますので、私どもとしてももうそろそろ、これは国民投票が十八にするということであれば、この選挙権年齢も十八にすべきであるというふうに思ってこのような制度設計にさせていただいたということであります。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 日本はまだ二十歳かと驚かれるぐらい多くの国々で十八歳になっておるというお話でありました。  こうした国々では、例えば、昨日も申しましたが、刑法、少年法、あるいは道路交通法、それから先ほども御指摘のありました未成年者の飲酒や喫煙を禁ずる法律というものはどのようになっておりますでしょうか。大体のお話で結構ですが、お伺いをしたいと思います。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) お答えをいたします。  実は、この年齢に関しての法律構成というのは日本が特に複雑であるんです。刑法の刑事責任年齢が十四歳であるということは御承知のとおりだと思いますけれども、労働法制の中における年少者雇用、これは十五歳になります。そして、十六歳ですと、道路交通法ですとオートバイの免許を取ることができます。それで、十七歳というのはちょっとなくて、十八歳になりますと、これが相当法律の段階としては多いんですけれども、児童福祉法、これは十八歳。それから、風俗営業法における風俗営業等への立入りが十八歳。それから、十九歳というのが、サッカーくじが十九歳から買えるようになりまして、そして二十歳というのが民法にございましたり、あるいは、先ほども言いましたけれども少年法にある。その少年法の世界の中においても十八歳から極刑になるとか、あるいはかつて十六歳が逆送年齢であったという形で、いろいろと実はこの法制上の制度というのが違ってきているのは日本が非常に特殊でございます。  これはなぜかといいますと、また戦前と戦後で学制が大分変わりましたので、ですから、旧制の中学それから新制の中学あるいは旧制の高校あるいは新制の大学、そこら辺が大体卒業した年齢がそれぞればらばらで、そのままやはり法律として存置されてきてしまっている。その一番上限が大体二十歳なんです。  ですから、二十歳を十八に下げるということになりますと、他の国と比べますと日本の場合は相当多くの法律において社会システムとの関係で整理をしなければならない、そういうような御事情は御理解願いたいと思います。  ほかの国で申し上げますと、実はスイスもございました。スイスは、かつて国民投票で、選挙権年齢でございますけれども、これを十八歳に下げるというような国民投票をかけたところが否決をされました。そして、否決をされた後に民法を二十歳を十八に下げるというようなことを行いまして、それから後に選挙権年齢を十八に下げた、そういった例がございます。  刑法の年齢ですとかその他の年齢、それについては今後いろいろと検討しなければならないんですけれども、少年法の世界においてはどちらかというと日本は非常に高い年齢を設定しているというようなことを御理解願いたいと思います。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 それぞれ法令の趣旨が異なりますし、またいかにも日本的な細やかさで重々、段々になっておるんだなということを再認識するわけでありますけれども、ある意味では煩瑣といいますか。  この国民投票法案、投票権者を十八に引き下げるから、これをいい機会に全部こうそろえろというわけではありませんけれども、やはりある程度統一的な大人になる年齢というものが、この日本の法体系全般に一つのラインが決められることが適当なのではないかと思いますが、この辺りの御見解というのを、ございましたら。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  今、葉梨提出者から大変詳しい専門家としてのお話がございましたけれども、それほど年齢要件が法の目的によってあるいは趣旨によって非常にばらばらであると、こういうことは指摘をされると思います。  ただ、私どもとしては、この国民投票の年齢とそれから公職選挙法に規定した選挙権年齢、それとやはり密接に関連をしている民法、少なくともこの公選法と民法につきましてはやはり国に対してこの三年間という経過期間のうちにこれしっかり議論をし、そして国会でもしっかりと議論をした上でこの改正という措置をとっていただきたい、こういう、まあ義務ではありませんけれども、非常に強いお願いをしていると、こういう法律の体系になっております。  そのほかはどうかと、こういうことでございますが、今、岡田委員おっしゃるように、この際ということで、できるだけ、年齢要件が決まっている、そういう法律を洗いざらい見直して統一をしてやれればこれは一番いいとは思っているんですけれども、やはり今申し上げたように、法律の趣旨、あるいは改正をしても公布から施行までの期間がみんな、いわゆる周知期間というものもみんな違います。そういったことも考えますと、やはり一律にやるというのはなかなか技術的に難しいことかな、こう考えております。関連する法令が、この国民投票年齢十八にするということによってなれば一番いいことでございますが、それは今後の検討課題ということでございます。  少なくとも、この公選法とあるいは民法というものは、そこはやはりきちんと変えた方がいいのではないか。さらに、強いて言えば公選法の規定を変えるということが最低限の条件になるだろうと、こういうことでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 三十何本かあるとお伺いしております関連の法令に優先順位を付けながら、しかしまあこの際一度その年齢規定というものを洗い直してみるというのは我々国会全体の役割ではないか、仕事ではないかと、こんなふうに思うわけであります。  今日は若干早口でお話をしましたせいか、少し時間も残りましたけれども、私が今日お聞きをしたい要点というものはほぼお伺いをしたように思います。最初に苦言を申し上げて、本当に先輩方に御無礼だなと思うこともあるわけでありますけれども、是非今後ともこの参議院での審議が非常に実りあるものになりますように御努力を賜りたいと思います。そして、衆議院の段階で、また各党におかれて国会の中はもちろん外でも、そして非常に濃密な議論を積み重ねてこられたというこのことに敬意を表しまして、我々参議院もしっかりとそれを受け止めて、各党本当に率直に腹を割って審議を進めてまいりたいと思います。  どうもありがとうございました。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  今日は、日本国憲法に関する調査特別委員会、改正手続の法律案につきましての最初の日でございます。衆議院の先生方、本当に御苦労さまでございます。また、先ほど来から御答弁の中でも御紹介をしていただいておりますけれども、長期間にわたっていろんな場面で審議を尽くし、また議論を詰めてこられて、今日衆議院から送付されたような法律案を作られました。私もいろんな段階で大変な御努力をされているということを仄聞をしておりましたことから、心から諸先生方に敬意を表するものでございます。  私ども参議院においては、第二院ではございますけれども、上院として下院に負けない深みのあるしっかりした議論を尽くしていこうと、こういう参議院の決意は各会派みんな同じような思いで持っておりまして、私もその一端としてしっかり取り組んでいきたいと思っております。  そこで、冒頭、先ほど来からもお話ございましたし、保岡先生、また葉梨先生の冒頭の御発言もございました。発議者、特に保岡先生と赤松先生につきまして、この現行憲法下における二院制の意義、特色あるいは機能等についてどのように認識をされておられるのか、その認識をお示しをいただきたいと思います。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 先ほど岡田委員にもお答えしたとおりでございますけれども、憲法は衆参両院で国会を構成するように定められておりまして、もちろん一院制の国もあるわけでございますけれども、あえて我が国が二院制を設けたのは、やはり明治憲法以来の伝統もあったと思いますし、一時、マッカーサー試案の中には一院制もあったものをむしろ二院制に、議会に戻したという経緯もあるようでございまして、要するに、衆議院一院ではいろいろなことが、もし間違ったり問題の点があったりすると、それがそのまま国会の議決にならないように審議に慎重を得てチェックしていく第二院が必要であったり、あるいはまた政府と一院とが対立して衝突したような場合に、二院がその仲介、緩衝の役割を果たしていただくような場面も想定されますし、また衆議院と参議院とでは構成、選任の仕方が違います。衆議院は基本的に四年の任期で、途中解散がございます。参議院は六年の任期で解散がない、そして三年ごとの半数改選という仕組みになっておると、これは多様な国民の意見を時宜にかなった形で反映させるという意味では優れた制度だとして採用されているものだと思います。  なお、参議院の選任の在り方からすると、解散がないということもありますし任期が長いということもあって、比較的冷静な理性の働く良識の府として、動といいますか、民意に非常に敏感で、解散に反応してみたりあるいは任期が短いことに反応してみたりする、そういった一院の特性というのがありますが、それを中長期の課題であったり、冷静あるいは良識、理という観点からいろいろチェックしていただくと、そういう機能もあるかと思います。  その他いろいろあると思いますけれども、そういった両院の特色をそれぞれ生かして、両院が相まって、国権の最高機関で唯一の立法機関である国会の権能を国民の負託にこたえて立派に機能させていくのが、この憲法が求めているところだと思います。

赤松正雄公明党

○衆議院議員(赤松正雄君) 魚住委員から御指名いただきました。  私は、今原理的なことは保岡委員が答えられたと思います。私は三点ほど申し上げたいことがございます。  まず第一に、私ども、私も魚住委員と同じように公明党でございますが、公明党は衆議院段階、衆議院に公明党が進出する前の段階、つまり一番最初は参議院に籍を置いたという、参議院から出発をした政党であるということで、私、昭和四十四年から政党機関紙の記者をいたしておりましたので、その前史、そしてその後の歴史をそれなりに知っておりますし、いかに参議院、大事であるかということはそれなりに分かってきた、身にしみて感じていることでございます。それが一点。  二点目は、私、実は一昨年、厚生労働副大臣という立場をいただいて、初めて答弁をする側で、大した答弁の場はありませんでしたけれども、衆議院、参議院と両方の委員会に所属をしていろいろ議論を、以前の立場とは違う立場で、責任ある立場で見させていただいて、非常にやはり、先ほど魚住委員御自身がおっしゃっておりましたけれども、より深い議論をという話がありましたけれども、衆議院もそれなりに一生懸命もちろんやっておりますけれども、参議院に法案が移って、私は医療制度改革法案についての議論に参画をしたわけですけれども、非常に多方面、多角度、深い議論がなされて、非常に強く感心をした覚えがあります。  三点目。三点目は、昨今参議院が非常に力を入れておられる、例えば衆議院が予算、参議院が決算、あるいはまたODAの問題に関して独自の様々なる調査研究をされているということについて、二院制のいい側面を非常にうまく活用されてやっておられるなということを痛感いたしておる次第でございます。  以上です。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 ありがとうございました。  それで、二院制の関係で付言してお聞きしたいんですが、憲法審査会の中で合同審査会というのが規定されてございますが、この中で、国会法でも委員会における合同審査会というのがありますが、ここには勧告という言葉はないんですね。それで、勧告というのは一体どういうものなのか、そしてまた合同審査会自体どのタイミングで開かれることを想定されているのか。  さらに、勧告ってかなり強い言葉ですよね。参議院の議決の前に勧告をなされた場合、第一院の意思を参議院に押し付けられるんではないのかと。そうなると、二院制という趣旨からしていかがなものかというふうなやっぱり疑念が出てくるわけでございまして、その辺まとめて御答弁いただければと思います。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 御案内のとおり、憲法改正の権能という点では、両院は全く平等の立場で憲法上、権限が定められていると思います。  そういうことで、二院制の趣旨を、そういった同等の権利を持つ両院の構成という意味で損なわないものにしなきゃならない。  これは魚住委員のおっしゃるとおりでございますが、特に憲法改正の発議は最終的に衆参両院の総議員の三分の二以上の賛成を必要とするものでありますし、両院の憲法審査会が、そういった意味で同じ議決を総議員の三分の二でするという前提に立てば、事前にできるだけ共通の認識や大枠のイメージを実効的に各院の憲法審査会にそれぞれ反映できるようにすることが必要で、両方の懸け橋みたいなものが非常に大事な存在になるかと思います。  勧告という仕組みはそういうことで設けたわけでございますが、あくまでそこの合同審査会で合意する、それは両方の対等の立場で構成する中で合意される、その勧告も決して法的拘束力を持つものではなくて、もちろん尊重しなければならないものだとは思いますが、あくまでも院において最終的にそれぞれが三分の二の多数の、総議員の三分の二の多数で議決して初めて発議ということになるということで担保されておりますので、両院の審議が円滑に進むようにこの制度は活用していくべきものかと存じます。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 両院の関係で申し上げれば、あともう一点、両院協議会というのが設けられております。  憲法の規定にも何点か両院協議会ということが出てきているわけでありますが、今回この法案では、憲法に規定のない両院協議会を設けて協議の余地を、交渉の余地を認めるということでありますが、ただ、憲法それ自体、それぞれの院のその議員の三分の二という議決要件を定めているわけでございまして、その後両院協議会やって何やるんですかといいますかね、再度議決するわけですか、その後。不一致になった議決の後に両院協議会やって、それはどういうふうにお考えになっているのか、ちょっとその辺御説明いただければと思いますが。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 先ほど申し上げたように、両院で三分の二、総議員の三分の二以上の賛成がそれぞれ必要だということにかんがみて、合同審査会というものを設けてそこで調整していくということで、なおかつ最終的に、独自性というのがありますから違った議決をしたという場合に、最後の努力を両院協議会でなお尽くすという意味で両院協議会の制度をここに設けてありまして、そこで否決されてしまえばそれで終わりになるわけでございまして、出席議員の三分の二の多数で両院協議会で議決されれば今度は両院に下ろして、それぞれの院で更に総議員の三分の二の多数の議決があって初めて発議ということになるので、両院協議会というのはあくまでも最後の最後の努力を尽くす場ということを想定して法案に規定しているところでございます。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 次の議員に、委員に更に後問はしていただきましょう。  次に、提案者の先生方にお聞きしたいんですが、この憲法改正、これは限界があるとお考えでずっと議論されてきたのか、あるいはもう無限定なのかということでございまして、限界を超えた発議というのがなされた場合、これはこの予防策といいますか、あるいはその後争う策といいますか、これはどういうふうにお考えになるのか。この無効訴訟では、あれですね、これは入らないというか、そういうような規定ぶりになっていますが、やっぱり入れておいた方が分かりやすいんじゃないのかなというふうに思いますが。お願いします。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  憲法改正に限界はあるのかないのかということですが、学説には様々議論があるということは承知しておりますが、私どもが衆議院におきましていろいろ議論した中におきましては、やはり憲法改正には限界があると、こう解するのが通説であるし、私どものよって立つところであるというふうに思っています。  その際、限界ということで説かれておりますのは、三つの原則ですね、三原則、いわゆる基本的人権の尊重、国民主権、平和主義、この三つのどれかが損なわれるような、そういう改正が行われようとすれば、それはやはり大きな問題である、改正の限界を超えると、このように判断せざるを得ないということでありまして、今までもそういう考えでありましたが、今後も、そのような考え方を両院においても踏襲していただければと思っております。  それから、もし限界を超えた発議に対する予防策はあるのかと、こういうことでございますが、今、基本的にはそれは想定しておりません。憲法改正の限界を超えているか否かを含めまして、憲法改正案の内容の是非を判断できるのは、やはり第一義的には発議する国会であって、また最終的には主権者である国民のみであるということであります。  ですから、国会がまず限界を超えているか否かということを慎重に審議をする必要がありますし、もし、その中でも限界を超えている原案がもし出された場合においても、これは国民の皆さんの判断によってそれを否決していただくと、こういう意味では二つのストッパーが掛かっているというふうに思っております。  それから、例の無効訴訟という制度が別途設けられております。実は、この無効訴訟というのは、これは国民投票が公正に行われ、その結果が適正に決定されるという目的、趣旨で置かれたものでありますので、憲法改正案の内容の是非を判断する、あるいはそれを無効訴訟の事由とするというのは適切ではないというふうに考えております。  そういうことからして、この無効訴訟においては、改正の限界を超えた場合それを無効に入れるかどうかというのは私どもは想定していないと。あくまでも国会がまずそれをきちんと限界であるかどうかの判断をし、もしそれがかなわない場合には国民の投票においてそれを否決していただくと、こういうことで歯止めを掛けたいというふうに思っております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 そうなりますと、明治憲法から現行憲法になるときに、明治憲法下の改正規定で現行憲法を制定したという形になっていますよね。だけど、学者からしてみると、宮沢先生とか含めると、これは革命だというような議論がなされました。  今の船田先生の御答弁ですと、ストッパー掛からなかったらまた革命が起きるのかと、ということもあり得るのかと。それはそれで容認されるということなんでしょうか。それは、国会も三分の二で発議しているし、国民の皆さんもそれで過半数だよと、そういうことでいいんですか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) 大変難しい問題でございますが、帝国憲法と日本国憲法の関連、これはもう確かにいろんな御議論があって、先ほど宮沢先生の学説も御披露されましたけれども、私は、そうであってもやはり、これは明治憲法あるいは帝国憲法の改正をして、それで日本国憲法が、現行憲法が制定されたというふうに解するのが私は妥当であるというふうに思っております。  途中いろいろな経緯がありましたけれども、しかしこれは現憲法と一体を成すものとしてと、こういう条文もございまして、やはりそれに従って制定をしていく、あくまで部分改正であるというふうに私は理解をしております。  そういう観点からも、これから、じゃその革命があったときどうなんだと、こういう話でございますが、やはりそれは国民の良識と国会の良識、それによって判断をし限界を超えるものを出さないと。そのためのストッパーを掛けることについては、私は十分に可能であるし、また国民の成熟度というものはそういったものを許さないと、こういう態度できちんと歯止めを掛けるというふうに私は信じたいと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 次に、全面改正ということはあり得るのかどうかということをお聞きしたいと思っております。  これは、学説的にも可能だという説もあれば、いやそうじゃないんじゃないのという説もあろうかと思っておりますが、いずれにしても大変、全面改正と、あるいはそれに近いような条文総入替えみたいな形になると大変な分量になるなというふうに思うわけでございますが。  ただ、まず全面改正というのは、例えばこの憲法と一体を成すものとして公布するという形になっているものですから、この条文上、全面改正が可能かどうかということと、それから、大量な条文、全面あるいは総条文を変えるというような形になってきた場合、発議の項目ごとに提案を発議するとなってますね。そのときもそのようなものとして発議がなされるのか。その場合、この周知方法ですよね。憲法全文勉強しろと言われても、百八十日間で勉強できるのかと。大変な周知期間といいますか、適切な、ただ、今予定されている広報手段で国民が理解難しいんじゃないのかというふうにちょっと懸念されるんですが、まとめて全面改正に関する御答弁をいただければと思います。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  先ほどの関連ということでありますが、憲法の改正というのは、憲法の定める手続と制約の下で現行憲法に変更を加えるという定義だと私は思っております。そしてまた、憲法九十六条第二項におきましては、今御指摘いただきましたように、憲法改正について国民の承認を経たときは、現在の憲法と一体を成すものとして公布すると、こういうふうに定めているわけでありますので、事の道理として現行の日本国憲法を例えば廃止する、全面改正をするということは私は想定していない、またできないというふうに思っております。  しかし、一方で、現行憲法の理念、原則、先ほどの三原則申し上げましたけれども、そういう根幹の部分は維持しつつも、更にいろんな議論が出て、そして全面的な改正というんでしょうかね、形式上の問題でありますが、部分改正ではあるけれども、その項目が多岐にわたるというようなときもあろうかと思います。そういったものについては、私はそれは現行憲法においても当然に許容しているというふうに理解をしております。  ただ、この項目が非常に多くなった場合、じゃその発議の形態をどうするか、どういう問い掛けにするのかということですが、これは私どもの原案の中にもありますように、内容において関連する事項ごとに区分して発議すると、こういうことでございますので、できる限り、これはどの程度束ねるかということは分かりませんけれども、内容ごとに関連するものをまとめ上げていくと、そして一問として問うていく、しかしその設問はかなりの量に上るだろうというふうに考えております。そういった状況はある程度想定されるかと思います。  また、周知方法はどうかと、こういうことでございますが、これも多岐にわたる場合にも、やはりできる限り周知のための様々な手段、広報パンフレットもあります。それから、無料枠におけるテレビ、新聞の広報活動もございます。ありとあらゆる手段を使ってこれを周知させるということで、それは決して不可能ではないと思っております。  ただ、そもそも衆参両院の三分の二以上の賛成によって発議をする、こういう状況を考えますと、余り多岐にわたるものというのは私はその三分の二には含まれてこないと、三分の二があるからこそ、おのずから改正部分というのは絞られてくるはずだと、こういうふうに考えております。  万が一のことを考えると、今のような前段の説明ぶりになると思いますけれども、実際問題としては三分の二条項があるからなかなかそういう事態は想定しにくいと、これが当面の私どもの見解でございます。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 次に、発案に関連してお聞きしたいと思いますが、人数要件、衆議院で百名、参議院で五十名ですか、これ、お土産法案を防止するという、そういうような趣旨で人数の要件が規定されるというふうに理解するものでございますが、ちょっとかなり厳しいなと。だけど、確かに重要な案件であるというふうにも理解するわけでございますが。  じゃ、これ修正の発案はどうなのか。同じように考えているのか。そうすると、余りにも、少数者の意見開陳といいますかね、それを封じてしまうことではないのかというふうに思うわけでございますが、この点はいかがでしょうか。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 魚住委員にお答えを申し上げます。  まず、発案という前に、やはりこの憲法審査会、衆参の憲法審査会において、従来の衆参における憲法調査会と同様に、少数意見にも配慮した形での運営がなされるということをまず期待を申し上げます。また、そうならなければいけないというふうに思います。  そして、いろいろな話合いが行われた中で、いざ、じゃ発案ということになりますと、これは憲法については両議院の総議員の三分の二以上の賛成が必要ということになりますから、臨時会の召集がいずれかの議院の四分の一、あるいは予算を伴う法律案が衆議院五十人、参議院二十人というようなことになっていること、これを参考として一定の数の賛成者が必要であろうということで、衆議院は百人以上、あるいは参議院は五十人以上としているわけなんです。  そして、この国会法の改正の中で、議院における修正にはやはり百人、五十人というようなことを要するというふうになっておりますけれども、憲法審査会自体の中において修正の動議を提出するには、法案修正の場合と同様です、これは一人でも可能です。ですから、その段階で少数者の意見というのも十分に反映することもできるかと思いますし、またその前段階としてやはり憲法審査会というのは少数者の意見に十分に配慮した運営がなされるべきだし、また、なされなければならないというふうに考えております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 それで、あと、よく憲法の教科書に載っているのは、内閣に発案権があるのかどうかというのがありますが、この法案はちょっと触れていないんですね。民主案もたしか衆議院段階で触れていなかったと思うんですけれども、これはどのように理解したらよろしいんでしょうか。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) お答えいたします。  憲法の解釈として、内閣の解釈として、内閣に憲法の改正原案の提案権があるというようなことは、この国会の質疑においても、内閣法制局の当時の第一部長、阪田第一部長からも表明されているというような経緯は、もう魚住議員御承知のとおりだろうと思います。  しかしながら、この法案はそれについては一切触れておりません。我々がここで提出いたしましたのは、議員による憲法改正原案の提出手続のみについて定めた法案でございます。ですから、この法案が通りまして、その後に、では内閣が提案をしたいということになっても、この法案の下では内閣は提案をすることはできません。ですから、憲法上、内閣に提案権があるかどうかという問題とは別に、この法案においては内閣は憲法改正原案を提案することはできない、我々はそういう世界の中で議論をしているんだということを御理解賜りたいと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 当初、国民の提案権といいますかね、請願等を手段にして、実質的に国民に提案の機会を付与するというような議論なされたと思っておりますけれども、これはどこに行きましたですかね。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 魚住議員にお答えを申し上げます。  先般来の議論の中でも、現行の日本国憲法において直接民主制的なものについてはそれぞれ限定的に列挙をされているという議論がございましたけれども、直接民主制とはまたちょっと議論は違いますけれども、この請願、国民からの請願ということについては今、憲法第十六条で明記されておって、そして国会法の世界でも規定をされている。これを我々は大事にしていこうというふうに考えております。  したがいまして、憲法改正の原案に係る請願、これは憲法に言います「その他の事項」ということで当たってまいりますので、一般の委員会と同様に、憲法審査会に付託する、議員の紹介により付託することが可能であります。そして、二十人以上の議員が要求すればそれは会議に付さなければなりませんし、そして議決をするということに、採択するということになってまいりますと、その内容を憲法審査会が提出する憲法改正原案として立案することは、採択した請願の趣旨に沿う憲法審査会の措置であり、また、もちろん三分の二、両議院の総議員の三分の二以上によって発議されるわけですけれども、またそれは責務であるというふうに考えております。  ですから、今憲法に書かれております国民の請願権、さらには国会法の規定、これを十分に活用することによって、今委員がおっしゃられたような国民からのいろんな形での要求あるいは要請、請願、そういったものにこたえていくことが十分に可能であるというふうに考えております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 じゃ、ちょっと飛ばしまして、この発議の形式あるいは投票の形式で関連してお聞きしたいと思いますが、先ほどもちょっと関連してお話が出ました、改正項目が複数にわたる場合、内容的に関連する事項ごとに発議するというふうになっているわけでございますが、この関連性の判断の適切性の担保、並びに不適切な発議を争う手段、これはどのように考えているのか、お答えください。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、場合によってはその改正項目が複数にわたる場合というのも当然あるわけでございます。一方で、何が内容ごとに関連するまとまりのある事項かということは、一方では個別の憲法政策ごとに民意を問うという要請があります。しかし、また他方では、相互に矛盾のない憲法体系を構築するという要請もあります。後者の方は特に虫食いという状態を引き起こしてはいかぬという、こういう要請もあるわけで、その両方の要素を厳密に議論をし、そのバランスを取ろうということで、結果的に内容に関連する事項ごとに発議をすると、このような文章になった次第でございます。  その関連性の判断の適切さはどう担保できるかと、こういうことでございますが、これも先ほど御答弁申し上げましたように、何が関連する事項かの判断は、憲法上、国民に対する憲法改正の発議権を有する唯一の機関である国会のみがそれを判断できるんじゃないかと、こう思っておりまして、衆参両院の国会議員による議論を通しまして適切に判断する、現状ではそういうことしか言えないかなと。別に何か歯止めを掛けるということは、これは現状では考えにくいことでございまして、あくまで国会の良識においてこれを判断していくべき問題であると、こう考えております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 続いて、国民投票の対象に移らせていただきたいと思いますが、与党案と民主党案、大きく違うところがその対象が違うということでございますが、そんな中、憲法問題予備的国民投票というんですかね、そういうことが出されたわけでございます。この予備的国民投票というのは提案者の中でどういうタイミングでなされようと、想定しようというふうにイメージされているのか、それをお示しいただきたいと思っております。  三年間の凍結期間の中でもやろうというふうにお考えなのか、そしてその場合、投票権者とか投票運動等は、これは規定されている憲法改正国民投票と同じというふうにイメージされているのか、その辺ちょっと御説明をいただきたいと思います。

赤松正雄公明党

○衆議院議員(赤松正雄君) 憲法問題の予備的国民投票につきましてでございますが、これは先ほど来、お二方の委員の御質問にも答えが提案者の方からありましたように、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保という非常に重要な観点から、これからその附則にありますように憲法審査会の中で検討を加えて必要な措置を講ずるということになっておりまして、今の時点で、先ほどどういうタイミングで、また三年間の凍結期間内でも実施するのか、あるいは、その場合、投票権者、投票運動等は同じかと、こういう御質問ありましたけれども、一切、そういうことも含めて、この行われる憲法審査会の場で検討を加えるということであります。  ただ、極めて個人的なことの、私の具体的な個人的なイメージをと、こう言っていただいたというふうに理解いたしまして、私はその国民の憲法改正に対する期待あるいは期待しない、どういう方向性を持って国民の皆さんが憲法改正に対してイメージをしておられるのかということについて、正に凍結期間である三年間の間に衆参両院のこの憲法審査会の場においてありとあらゆる角度での検討が行われます。  実際にその憲法をどうするのか、法律で対応できるのか、憲法を別に変えずともやれることがあるんじゃないかというようなことをあらゆる角度から検討を始める、ようやく初めて始まるわけですけど、その状況の中で、場合によったら国民の意図どこにありやということを有権的、世論調査的な格好で聞いてみようということになるかもしれませんし、いや、もうそれは必要ないということになるかもしれませんし、というふうな感じで、その三年間の中における議論の成り行きによって、それをうまく決着させるために参考になる意見をという観点が必要になってきた場合、そういう三年間の中で、タイミングで行えるケースもあるんじゃないか、そんなふうに私自身、個人的には思っておるところでございます。  以上です。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 個人的なイメージも含めて御答弁ありがとうございました。  国政選挙との関係でございますけれども、憲法では国会の定める選挙の際行われる投票でもいいよという、九十六条に書いてあるわけですね。そうして、国政選挙と同時実施も規定してもらってきているわけであります。それが実際、果たして本当にそれでいいのかどうか。  というのは、私もこれはもう大混乱するなと、人を選ぶ選挙と、政策を決めていただくというか国の在り方を決めていただくこの国民投票とで余りにもばらばらになり過ぎるなというふうに判断をするわけでありますが、ただ、これ国民主権主義を具体化する大事な法案でございますけれども、立法不作為というような言い方もずっとされてきたわけでありますが、じゃ、今回これ規定されていないわけでありますが、九十六条で容認されているこの同時実施については立法不作為というふうにそしりを招かないか。  そしてまた、今投票率も大きな話題になっておりますけれども、投票率の向上とか経費半分で済むんじゃないのとか考えると、やはり小規模であるとか技術的な改正とか、かえってこっちでやった方が、ただ国民的関心のない技術的な改正みたいな場合は同時実施の方が分かりやすいんではないのか。逆に、同時実施を何か排除したような形になっちゃうと、総理の解散権まで制約するような形になるんじゃないのか。この辺ちょっとまとめて御説明をいただけますか。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 確かに憲法は、九十六条は、先生の言われるように国政選挙と同時に行うケースと特別な国民投票を行うケースと二つの選択制を認めているわけでございます。  しかし、どちらも状況において判断される選択肢として憲法は示しているのであって、我々は政党やその構成する人を選ぶ選挙、特に政権を争うというか政権を獲得するために行う選挙とルールと、それから国政上重要な政策についてこの憲法、最高基本法という形でその改正を問う案件とはやはり性格が非常に違うと。これルールを作るといっても、ルール自体非常に、先生が言われたみたいに非常にレアな、もう語句字句を直すとか非常に簡単な憲法改正というのは、レアなケースを考えれば確かにルールは可能かもしれないけれども、しかし、通常この二つのこの国政選挙と憲法改正国民投票を同時に行うことは、ルールも違う、そのルールを同時に実施するのはなお混乱を招く、かつ国民からは更に理解が得られないということになると、選挙も、また憲法改正国民投票も混乱するということが予想されるので、我々としてはそれをそれぞれ別に行うことを想定して立法するということを最終的に決めたわけでございまして、そういう同時に行う選択肢の立法がないからといって立法不作為には必ずしもならないと。もしそういう必要性が今後議論の中で出てくれば、その段階で制度設計をすれば十分足りるというふうに考えて、今回の法案の中にはその両方を実施するルールは作らなかった、むしろなかなか難しくて作れないというのが正直なところでございまして、これはよくよく検討した結果でございますので、御理解賜りたいと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 大変な御苦労をされた上で本当に立法されたということを承知するものでございますが、せっかく憲法、書いてあったものですから、聞かせていただきました。  次に、先ほど来から話題になっておりますが、投票権者の関係で年齢の問題出ました。これは提案者の皆様の共通認識として十八歳を成年とする、そういう国民的合意というか、あるんだと、先ほどは世界標準というような表現がありましたけれども、そういう御認識でいらっしゃいますか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  先ほども御答弁申し上げた次第でございますが、やはり普通選挙が行われているであろう百八十数か国のうちの百六十二か国で既に十八歳ということが実施をされております。そういう観点からすると、今御指摘のように、世界標準であろうというふうに思っております。  もちろん、いや、やはり今の若者はどちらかというとちょっとモラトリアムの考えが強くてという意見もありましたし、また逆に、いや、もっと日本人の若者は案外物をよく考えているよと、こういういろんな議論があることは承知をしておりますが、やはり世界的な傾向と、また現在における日本の若者のその状況というものを踏まえた場合に、もう十八にしていいのではないかと、こういう意見はもう相当な数に至っております。半分以上だと私は理解をしておりますけれども、そういう考え方に基づいてこの十八歳ということをあえて踏み切ろうと、こういうことにしたわけでございます。  ただ、その場合重要なことは、単に十八歳にすればいいということではなくて、やはりいわゆる憲法教育というんでしょうか、政治教育の一環だと思いますけれども、義務教育や高校教育においての憲法の仕組みであるとか、もちろん国の仕組みも当然含まれるわけでございますが、あるいは政治全般についてやはり公正中立な形の中で教育が行われる必要があるというふうに思っております。現在の中学、高校の学習指導要領にも当然それを教えるべしと、また、それに基づいて教科書ができ上がっているわけでございますけれども、それが足りるか足りないか、これはまた別の立場から十分な議論が必要だというふうに思っておりますけれども、そういった教育の場におけるその憲法、あるいはその政治、あるいはその統治機構の問題、こういうことについてもやはり十分これは議論する必要がある、教えていく必要があるだろうというふうに思っております。  それから、先ほどの話でもありますけれども、投票権の年齢、公選法のですね、それと国民投票の年齢が違っているということはやっぱり避けなければいけないということで、一定の経過期間を置きまして、それで、いずれも十八になるように最大限の努力をしようということも併せて、附則も含めて書かせていただいた、規定をさせていただいたということであります。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 十八歳で国の在り方を判断できる、そういう能力があるということで御判断されておりますし、そうであれば、人を選ぶ選挙も十八歳だったらあるねということだろうと思うんですね。  そうすると、国政を預かるといいますかね、ただ、衆議院の被選挙権、これがやっぱり二十三ぐらいになるんでしょうかね。いやいや、そのぐらい、だって五年間間置けばね。もちろん別の問題ではあるけれども、やはり実際、どこだったかな、フランスだと十八歳で、下院は被選挙権が二十三になっていますわね、お調べになっているから分かっておられると思いますし、イギリスでは十八歳の子供を選挙権で、二十一歳が被選挙権になっていると。まあどれが世界標準か分かりませんけれども、その辺はどのようにお考えですか。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) この国民投票法において投票権者を十八歳に引き下げるということになった場合に、三年の間に公選法の規定について必要な検討を加えて必要と思われる措置をとるということになっているわけですが、その中には当然選挙権が基本にありますけれども、被選挙権についても関連して議論の対象に恐らく政治的になってくるのではないだろうかと思います。  ただ、二十三というようなお話もございましたが、そういう具体的な年齢については今のところ全く想定をしておりませんので、またそういう法の趣旨に沿って適切に議論してこたえていく中の一つのテーマになるんじゃないかと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 次に、公的な広報活動ということについてお聞きしたいと思いますが、投票人に公報が配布されますね。規定だと、十日前までにお手元に届くようにしなさいというふうになっているわけでありますが、しかし、最長百八十日ありますね。百七十日、その書き物がないといいますかね、公的解説資料がないということになるわけでございますが、まあ、もちろんマスコミでいろいろ書かれているかもしれませんし、テレビでもかなり宣伝もし、やっているかもしれない。しかし、公的な一番信頼できるであろう解説資料がないというのは、これはいかがなものかなと思いますが、この辺はどうお考えでしょうか。そして、あわせて、例えば諸外国では公的なインターネット上のサイトですかね、少なくとも選管に三十日前にまで持っていって、そこから配って十日前までにというよりは、公的サイトで立ち上げたらまあ二十日ぐらい早くなるなということはあると思いますが、その辺も併せてお示しください。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  国民投票公報ですね、いわゆる広報協議会が正式に配布をするものでありますが、これはやはり投票人が投票するに当たって十分に参考にするだろうと思いますので、国民投票公報を期日前投票が開始するまでにできれば配布したい、これが望ましいことと思います。  しかし、制度上、発議後に広報協議会が設けられる、そして国民投票公報の原稿を作成をするわけでありますが、発議後、例えば最短では六十日で国民投票が行われると、こういう状況も発生するわけでありますので、広報協議会が中央選挙管理会に原稿を送付するのは早くても国民投票の期日前三十日までとせざるを得ないということ、そしてその後、都道府県及び市町村の選挙管理委員会による印刷、配布に時間を要することを考慮しますと、法律上の義務付けとしては国民投票の期日前十日までに配布をする、そういうふうに規定をせざるを得ないとは思っております。  もっとも、時間的余裕がある限り、国民投票公報を期日前投票が開始するまでに配布するよう努めるということは、これは言うまでもないことでございますので、そのような制度の趣旨にしたいと、こう考えております。  なお、今御指摘のありましたように、公報以外にやはり無料枠ということで、テレビ、ラジオ等の無料広告枠を最大限に利用するということは非常に有益でございますし、それですべてを代替するわけにはいきませんけれども、有効な理解を深めるための手段になるというふうに思っております。  また、御指摘をいただきました公式のサイトを立ち上げたらどうかと、こういうことでございますが、私どもも具体的に話合いはしておりませんけれども、個人的な見解としては公的なサイトを立ち上げるということは極めて広報活動の上で重要な要素の一つであると、こう考えております。ただ、一方で、やはりインターネットを使う国民投票運動において、全く規制がなくてもよいかどうかということについては、これはなお議論を要するところかなと。もちろん、なるべく規制はない方がいいわけでありますが、誹謗中傷というものがもしサイトに載っけられて、それが消せないというような状況が出た場合にはどうするのかと、こういった歯止めもやっぱり一応は考えておく必要がある。しかし、原則は自由でいいのではないかと、こう思っております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 いや、国民投票運動の話をしているんじゃなくて、この協議会としてどう国民の皆様にお知らせするかという、もちろん軍事的なところまで入ってくる人もいるわけですから万全ではないかもしれないけど、だけど、やっぱり前向きに議論をしていくべきではないのかなということでお聞きをさせていただきました。  それで、公的な解説資料の要旨というのがありますね。要旨が非常に大事だと思いますけれども、その中立性、正確性、これはどのような形で担保をされているんでしょうか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  憲法改正案の要旨、これは大事なものでございますが、これは憲法改正案の内容を要約したものであり、法律案でいえば国会の審議における参考資料として配付される要綱のようなものを想定をいたしております。  憲法改正案の要旨等の憲法改正案そのものに関する記載については客観的、中立的に行うことを規定しておりまして、この内容あるいは様式等、これはすべて広報協議会できちんと協議をして各党合意の下でやっていくと、こういうことでございますので、これはきちんとした歯止めが掛かっていて、公正中立を旨とするということになっていくものと期待をしております。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 先ほど魚住委員から、インターネットの資料は運動で使うんじゃなくて広報としてやる場合のことを聞いているんだよというお話がございました。広報はもちろん両院の議員で構成する広報協議会で行うわけですけれども、そこで議決すれば、国民投票公報と同じものであればそれは何ら問題がないと思いますので、それは広報協議会が決してそういったインターネットによる広報を行えることができるものとなっていると思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 ありがとうございました。  それから、今度は国民投票運動の規制の在り方をちょっとお聞きしたいんでありますけれども、この規制のスタート時点というのはどこにあるんでしょうかね。発議になってから規制が掛かるという理解でいいですか。つまり、発議されるまでは対象がないから、国民投票運動の、それまでは自由にやっていて、だけど、いろいろ議論されていますわね。がんがんやって、その後、突然ばたっと規制掛かると。何か最後盛り上げていくといいますか、選挙ではありませんけれども、ちょっと盛り上げが欠く国民投票になるのも変だなという気もするものですから、ちょっとお聞きしたいと思います。  それから、関連して、拡声機が使っていいのか。例えば、公職選挙法を関連して言っているわけじゃないけど、あと運動時間も何か選挙法はありますわね、制限が。そこまでいくと何かもう迷惑な形になっちゃうねと、生活の平穏を害するんじゃないのと。これは規制掛けてないわけです。これは、そういう場合が生じる場合は、国家の在り方決めることだから、大事なことだから我慢しなさいというようなことでよろしいんですか。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) お答えいたします。  発議があってから規制が始まるというのは全く御指摘のとおりだと思います。それまで多分、長い時間を掛けていろんな党派がいろんな案を出しながら、それについて国民がいろいろと意見を述べていくということは決して私は規制されるべきではないし、そもそもそれぞれの党の案がそのまま改正案として発議されるかどうかというのはその時点で不明確ですから、法律的にも何らかの規制を置くということは私はできないんだろうというふうに考えています。  ただし、発議が行ってから規制を掛けて、何かお祭り騒ぎをずっと鎮めるということではなくて、我々の意図しておりますのは、国民投票運動の規制については本当に必要最小限のものにしているということです。先ほどの特定公務員の問題であるとか、あるいは公務員の問題でありますとか、公務員の地位利用の問題であるとか、あるいは投票の妨害、それから詐偽投票、そういった本当にその公正が担保されるかどうかというぎりぎりのラインを正に規制の対象としていることであって、例えば文書図画、今のぼり旗というお話もございましたけれども、のぼり旗であるとか文書図画、これについての規制を置いているわけではありません。  ただし、これからも御議論あろうかと思いますが、スポットCMについては、ただ最後二週間は、これは冷却期間を置こうということをしておりますけれども、新聞広告についてもその規制を置いているわけではありません。  そして、今の拡声機の使用ですけれども、これについてもどんどんどんどん自由に意見を表明していただこうということで規制も置いておりません。しかしながら、その拡声機を使用して深夜までがなり立てる行為がその行為をやった方の政治的立場に対してプラスと出るのかマイナスと出るのか、それはしっかりと国民に判断していただくことであろうというふうに考えております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 それから、公務員の国民投票運動といいますか、議論がされてきておりますが、公務員制度改革、今議論たけなわだ、人材バンクどうか云々とかありますが、提案者の皆様はこの公務員改革の議論の進展している中でこの政治的行為の規制はどういうふうにあるべきかというふうにお考えなのか、どなたか代表してお答えください。

葉梨康弘自由民主党

○衆議院議員(葉梨康弘君) 先ほども、この公務員についての政治的行為の自由については、法形式はこれから検討するにしても、国公法なり地公法なりあるいはその他の特別公務員についての規律する法律幾つかございますし、関係法令ということでしっかり整理をしていくということを申し上げましたけれども、現状においては、片っ方で行われております公務員制度改革の議論とは全く別であるということをここで申し上げておきたいというふうに思います。公務員制度改革によってどういう形で公務員制度の法律が作られるか否かにかかわらず、この三年の間に、国民投票に関しての勧誘その他の意見の表明が公務員であっても国民として自由に行われるように法制度をしっかりと整備していくと、そういう趣旨であるというふうに御理解願いたいと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 それと、先ほど御答弁の中でありましたが、有料広告放送でございますが、これは修正案で二週間前までになりましたね。その前は一週間。一週間延ばすことによって冷却されるわけですか。その一週間延ばした理由といいますか、一週間じゃ冷却しないんだと。でも、与党の原案は一週間で冷却するよという原案ですよね。でも、やっぱり二週間なきゃ駄目なんだというふうな形であの審議の中で変わってきたというふうに御理解してよろしいですか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  御指摘のように、私どもの最初の原案におきましては投票日前一週間、有料広告放送、いわゆるテレビのスポットCMの禁止期間を設けました。これはもう言うまでもなく、やっぱりテレビ、もちろんラジオもあると思いますが、特にテレビは非常に国民の感情に訴える部分というのが大きいわけですし、それがエスカレートした場合には、これはなかなかそれを修正するといいましょうか、それと違う意見を闘わせる、こういうことで言論の自由市場において是正をしていくということがなかなかこれ難しくなる、こういうことであります。しかも、それが投票日前にかなり集中をして行われると、その主張、あるいは場合によっては間違った主張もあるかもしれませんが、それを正すときに、その正すだけの時間がなくなっちゃってそれで投票日を迎えてしまうと、こういう問題が出てきますので、やはり最低限一週間の規制は必要であろうということでスタートしたわけでございます。  ただ、その後、やはり期日前投票というものが当然この国民投票においてもあるわけでございますので、そういうことを考えますと、やはり投票を始めるときに当たって今申し上げたような事態が頻繁に発生するということは、これはやっぱりよろしくないということで一週間から二週間ということにさせていただきました。  民主党の皆様からは、いやこれはもう全面的にと、こういう話もあったんでございますが、それはやはり広告主の表現の自由という問題もありますので、やはりこれ、全面というのはちょっときついのではないか。  それから、やはり我々、選挙運動もやっておりますので皆大体の共通の認識がありますけれども、やはり投票日に近くなればなるほどエスカレートするものでございますので、そういう点も考えますと、最初から全面規制というのはこれはちょっと行き過ぎであって、せめて二週間前、期日前投票の始まるときには同時に規制を加えるというのが両方のバランスからして最適ではないかということで修正をさせていただいたということであります。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 次に、放送法第三条の二第一項の趣旨に留意という、これ、与党案といいますか送っていただいた案では百四条、四月十日に衆議院において出された民主案では百五条でございますが、これ先ほど来から質疑になってございますが、よく分からないんです。  この規定は、まず留意というのは一体どういうことなのか。この発議があった後は放送法はなくなるんですか。同じことを二重に書いているんですか。じゃ、無駄なことを書いたことになるのか。いや、意味を持たせるんだったら、この留意というのは一体何のことなのか。更に編集について口出しをしますよということを与党も民主もおっしゃっているということにならないか。その辺ちょっと、併せるとよう分からないんですが、その辺ちょっと御説明していただけますか。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  この報道機関の、まあ規制という言葉は余り使いたくないんですが、放送法の留意をしてくれということにつきましては、これは民主党の案にも、修正案にも入っております。ただ、民主党の考えは私から申し上げるわけにいきませんので、我が与党の考えということでお聞きをいただきたいんでありますが。  確かにこの放送事業者、それぞれ倫理委員会等を設けまして様々な公正中立と、特に政治問題についての公正中立ということをお考えいただいております、措置をしていただいております。また、第三者機関ということで幾つかの機関がございますし、そこに個人の権利が侵害されたときには提訴できるという、そういう仕組みもございます。  ですから、特にこの国民投票運動において新たな規定を設ける必要はないという意見もあったんでございますが、やはりしかし、最近の事例としてのいわゆる番組の内容の捏造の問題であるとか、そういったことが幾つか事例として出てきてしまいました。大変残念な事態でございます。これは自浄作用ということで放送業界としてきちんと対応していただいていると認識はしておりますけれども、やはりこの国民投票運動につきましては、すべて初めてやることでありまして、このことについて決して新たな規定を設けるということではありませんけれども、やはり放送法の三条二第一項の規定がありますということを注意喚起をすると、こういう意味であえて同じ趣旨で書かせていただいていると、留意をしていただきたいということを書いております。決して新たな規制を設けるつもりもございません。  また、しかし逆に、じゃ設けなくていいじゃないかと、こういう意見でありますが、私どもの国民投票運動あるいはこの憲法改正国民投票制度の中の世界においてもこのことは留意していただきたいねという、改めて申し上げることによって注意を喚起させていただきたい、こういう趣旨で書いたものでございますので、是非御理解いただきたいと思っております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 いや、だけど、今先生がおっしゃった「あるある」の関連して放送法を改正するんじゃないですか。だから、それでも足りないという趣旨なんですか、この三月二十七日時点は。どうぞ。

船田元自由民主党

○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。  先ほどの事例において放送法の改正ということもあるわけでございますけれども、私どもとして、現在の放送法の規定あるいは改正されるであろう放送法の規定以上に規制を掛ける、あるいは措置をとるということは一切考えておりません。この規定によって従来以上に、例えば編集の自由等に介入することは一切考えておりません。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 だけど、この放送法は三条の二にあるんですよ。この国民投票法案は百四条じゃないですか。頭にある方が皆さん、放送事業者の皆さん、しっかり認識していると私は思うんですけれどもね。あえてここに書き込む、まあでもこれ、民主案もそうやっているしねというのはあるんですけれども、私個人ではちょっと解せないかなというふうに思っております。  最後の質問をさせていただきますけれども、最低投票率というのが何回も出てきました。確かに憲法の要求する以上の厳しい要件を課すのはいかがであるかと、あるいはボイコット運動を引き起こす、誘発しますねということが確かにそうだなと。ただ、そうなってくると、極端に低い場合、皆さん方はこの政治的、その改正条項の政治的な正統性、レジティマシーといいますか、それどういうふうに担保するといいますか、どういうふうに発想しておられるか、御答弁をいただきたいと思います。

保岡興治自由民主党

○衆議院議員(保岡興治君) 魚住委員が言われるように、非常に低い投票率の場合、それ政治的にどう受け止めるのかという御指摘でございますけれども、やはり我々としては、そういう投票率にならないよう投票の、国民投票の対象になっているテーマに関して投票率が低いということが予想される場合、全力を挙げてその投票率を上げると。むしろ、そういう関心が薄いものについて、どこかで、決めの問題でございますけれども、十分な根拠なしに、あるいは予測も難しい中でその最低投票率を決め打ちするということは、普通、憲法上、外国の例でも最低投票率を規定している場合は憲法上規定している例が多くて、私が伺っているところでは憲法上要件になっていない最低投票率というのはないように記憶しているんですが、間違いがあったら申し訳ありませんが、それほど最低投票率は各国慎重に扱っておりまして、本当に、先ほど船田議員からも御説明したとおり、イタリアにおいて関係者のお話を聞きますと、これはもう、もし設けるとしても非常に低いところに設けなきゃならないということになります。そういう低いところが一体じゃどこなのかということについて、我々は、やはり答えを求めるよりは投票率を上げる努力をすることに政治的な意義が、政治的状況をそういうふうにとらえて、政治的な責任を果たしていくべきだというふうに考えております。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 まあ、最低投票率は民主党案にもないわけでございまして、これからまだまだ審議の中で議論されると思いますが、しっかり関心を持っていきたいと思っております。  まだちょっと気が付いた点を中心に質問をさせていただきましたけれども、誠意を持って誠実にお答えをいただきましたことを感謝を申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

関谷勝嗣自由民主党

○委員長(関谷勝嗣君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十八分散会

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