内閣委員会 第10号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/04/24
会議録
○委員長(藤原正司君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、犬塚直史君が委員を辞任され、その補欠として松井孝治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤原正司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総合研究開発機構法を廃止する法律案の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として内閣府大臣官房総括審議官土肥原洋君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤原正司君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総合研究開発機構法を廃止する法律案の審査のため、本日の委員会に総合研究開発機構理事長伊藤元重君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤原正司君) 総合研究開発機構法を廃止する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日です。 今日は、総合研究開発機構法の廃止法案、長ったらしいのでNIRAということで省略をいたしますが、についての質問をさせていただきます。 質問を始めるに当たって、伊藤理事長には大変お忙しい中御出席をいただきまして、ありがとうございます。私からもお礼を申し上げたいと思います。この法案について幾つか危惧される点があって、政府の方からの答弁を聞くだけでは心配な点がありますので、是非理事長にもおいでいただいて忌憚のない御意見をいただきたいと、こんな気持ちでお招きをいたしました。快くお受けいただいたことを感謝申し上げたいと思います。 それでは、限られた時間ですので早速質問に入ります。 改めてこの廃止法案について、この法案を提出した理由というか趣旨というか、について担当大臣から御説明をいただきたいんですが、なぜこの時期になったのかという点も含めて大臣からのお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 私もNIRAと略称で呼ばせていただきます。NIRAにつきましては、平成十三年の特殊法人等整理合理化計画におきまして見直しが取り上げられて以来、機構におきましても改革の在り方を検討してまいりました。それから既に五年余りが経過しまして、他の特殊法人等の多くは既に組織ですとか事業形態の見直しを終えております。 そこで、先般、閣議決定されました行政改革の重要方針、平成十七年十二月ですが、これを踏まえまして事業の内容を抜本的に見直した上で早期に機構を財団法人化させることとなりました。また、この行政改革の重要方針で、国からの出資金を無利子貸付金に振り替えることも決定されております。 この理由から本法案を今国会に提出させていただきました次第です。
○朝日俊弘君 今改めて提案の理由をお聞きしたわけですが、ちょっと振り返って、NIRAが設立をされたときどうだったのか、どういう趣旨というか目的でこのNIRAという機構が設立されたのか。たしかもう随分、三十数年前になると思います。総合研究開発機構法案の提案のときの理由なり、あるいは趣旨なり目的なりを踏まえて、改めてちょっと振り返って、なぜこのNIRAという研究機構を設立することになったのかについて御説明いただきたいと思います。
○副大臣(大村秀章君) お答え申し上げます。 総合研究開発機構、NIRAは、現代の経済社会及び国民生活の諸問題を全国民的な課題として取り上げ、民間研究機関の活用と助成を図りつつ、自主的な立場から総合的な研究開発を推進する機関ということで、今委員御指摘のように昭和四十九年の三月という設立でございます。産業界、学界、労働界などの有識者の発起によりまして、認可法人として設立をされたわけでございます。 当時はそうしたいわゆるシンクタンクといったものが日本に余りなかったという状況を踏まえて、官民、関係者、労働界も含めて多くの関係者でこういったものをつくっていこうということで、法律も作って認可法人として設立をされたということが経過でございます。
○朝日俊弘君 実は、私も数年前、NIRAの研究報告をお聞きする機会がありました。具体的には、薬害再発防止についてそのリスク管理の在り方をシステム的に考えようという提案でありました。どうしても医薬品というと狭い医療関係者だけの発想で物事を考えがちなんですけれども、そうではなくて、システム工学の立場の皆さんからの意見もいただきながら新しい仕組みをつくろうという研究成果などをお聞きしまして、大変そういう意味では重要な役割をこのNIRAという機構が担っているなというふうに思っていまして、ますますそういう意味での役割は今日一層求められているというふうに私は思っています。 ですから、そういう立場で幾つかお伺いしたいんですが、まずは政府として、このNIRAのこの間の事業実績といいますか、研究実績といいますかについてどんなふうに評価されているのだろうか、また、いわゆる第三者評価ということがきちんとなされてきているのだろうか、この点について御説明をいただければと思います。
○副大臣(大村秀章君) お答え申し上げます。 まずは政府としての評価ということでございますが、まず実績を申し上げますと、NIRAは、その設立以来、内外の研究者、研究機関等の協力を得まして、全部で千二十四件の研究開発プロジェクトの実施をいたしております。また千四百点の出版物の刊行、それからシンポジウム、フォーラムなどの開催、また内外の研究機関、研究者とのネットワークの形成などを行ってまいりました。 これまでの機構の研究実績につきまして、最近の例を挙げますと、例えば平成十七年の四月に公表されました広域地方政府システムの提言、国・地域の再生に向けてという研究発表をいたしましたけれども、これが地方制度調査会における道州制の在り方の検討の参考とされたこともございます。また、毎年研究成果を日中韓の首脳会議に提出をしております、日本・中国・韓国の経済協力に関する共同研究の提言の一部がビジネスフォーラムの設立として実現をしていることもございます。 そういったことで、選択的な公共政策案を提供するシンクタンクの業績といたしまして高く評価をされるべきものだというふうに私ども認識をいたしているところでございます。 他方、第三者機関の評価という御質問もいただきました。 これは、先ほど大臣の御答弁にも一部ありましたが、特殊法人等整理合理化計画、これは平成十三年十二月の閣議決定でございますが、に基づいて、政府の、これは認可法人でございますから、そのフォローアップの中で有識者会議として設置をされました特殊法人等改革推進本部参与会議におきまして、このNIRAの在り方につきまして合計四回にわたり議論をされたわけでございます。 その中で、これまでの実績を踏まえまして、例えば研究分野の明確な重点化が必要ということでありますとか、また民間のシンクタンクに不足している政策の考え方、組立て方の部分を形成する役割を担うべきだということでありますとか、競争的資金の導入を通じて研究成果を厳格に評価をする仕組みが必要といったような課題がこの特殊法人等改革推進本部参与会議におきまして指摘もされているわけでございます。 そういう意味で、そういった評価がされているということを御報告をさせていただきます。
○朝日俊弘君 今、政府としての一定の評価をしていると、こういうお話でありました。担当大臣としてはどんなふうに評価をされていますか。
○国務大臣(大田弘子君) NIRAのこれまでの研究実績を見ますと、専門性が高くて重要な政策課題の解明に貢献してきたというものが少なくありません。 例えば、平成十六年の四月に人口減少と総合国力という研究報告書が出されましたが、これは、少子化問題というのは国家的危機であるというとらえ方をいたしまして二つの非常に重要な基本戦略を提言しております。これは平成十七年四月に経済財政諮問会議が二十一世紀の日本のビジョンをまとめましたときも重要な参考になりました。 一方、これまでの機構は、認可法人であったということもありまして、研究したことの対外的なPRについては必ずしも十分ではなかったというふうに見ております。今後は、これまでの実績を基にして、これまでやや欠けておりました情報発信機能を更に強化して、伊藤理事長のリーダーシップの下で社会により貢献するシンクタンクを目指すことが重要であると考えております。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。 政府としてもまた担当大臣としても、かなり一定の評価若しくは積極的な役割を期待していると、こういう御説明、御意見でした。 さて、NIRAとしては、自らの事業について、当然事業報告もされているでしょうし、一定の自己評価をされてきていると思います。この間の活動について、これは伊藤理事長にお尋ねしたいと思いますが、NIRAとしてのこの間の活動について総括的にどう評価されているのか、自己評価ということでお尋ねしたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 最初に、NIRAの理事長としての前に、私、二十年ぐらい前に初めてNIRAのプロジェクトに参加させていただいて以来、二十年外からNIRAを見てきまして、それから一年NIRAの理事長をやっているということもありまして、ちょっと個人的な印象からまずお話しさせていただきたいと思います。 大変すばらしい研究をしていると思います。二十年前のあのプロジェクトは日米の共同プロジェクトであったんですけれども、大変レベルが高くて、これはNIRAでないとできないと。ただ、同時に、非常に感じたことは、せっかくこれだけのことをやっているにもかかわらず、いわゆる発信力、つまり外に対してアピールするということを余りされてこなかったのかなと。良く言えば縁の下の力持ちということだと思いますけれども、少し厳しい言い方をすれば、発信に対してそれほどこれまでしっかりやってこれなかったのかと。これは私の個人的な印象でございますけれども。 実は、先ほどお話しになりました特殊法人等整理合理化計画を受けまして、NIRAの機構の中に学識経験者から成る懇談会を設置して、そこで機構の研究活動の実績評価を行っていただいたという経緯がございます。 そこの評価については、まず第一点としては、研究の中身についてはいわゆるプロフェッショナルとして高く評価すべきものが少なくないと。ただし、第二点として、総合性とか、あるいは研究資源が非常に分散しやすいということ、また外部から見てNIRA、機構がどのような目的の研究機関なのか非常に分かりにくいと、こういうことで、いわゆる情報発信力が非常に弱いんではないかというような御指摘を受けておりまして、その点、私の最初の印象と非常に似ているところがございまして、今後はその点を少し改めて、発信の方にもしっかり力を入れていきたいというふうに思っております。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。 私も、そういう意味では基本的に積極的に評価をしているわけですが、ただ共通しておっしゃったように、知っている人は知っているけれども知らない人は知らないという、これは当たり前のことなんですけど、そういう点でやや残念というかもったいない点があったんではないかということを私も感じています。 今日特にお尋ねしたいのは、そういうふうに一定程度課題もあるということを指摘しながらも、評価をされてきているこのNIRAという総合研究開発機構が今回の法律によってその機構法を廃止すると、こういうことに提案されているわけですね。何でやろうと。それなりに三十数年実績を積んできていると評価されてきている機構が、なぜこの時点で認可法人から財団法人へ組織変更しなければいけないのか。そういうふうに組織変更したことによってかえって困ったことになりはしないか、あるいは組織変更することによって国や政府とNIRAとの関係はどういうふうになってくるのかという点がどうもいまひとつ不明確なんですね。もっとぶっちゃけて言えば、評価されているんだったらこのままでええやないかと、こういう話なわけです。 そこで、まず今回の改正で、具体的に財政の面とか幾つか後でお尋ねしますけれども、今回の改正で認可法人から財団法人へと組織変更されることによって、NIRAと国、あるいは国、政府とNIRAとの関係はどうなるのか、この点についてまず総括的に大臣にお尋ねしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(大田弘子君) 今回の法律案は、認可法人であります機構を財団法人に変えることによりまして、機構の事業運営ですとか人的な編成ですとか資金調達の自由度を増して組織の自立化を図ろうというものでございます。よりNIRAが国からの独立性、中立性をしっかりと確保して自由な研究体制を更につくり、優れた実績をつくっていこうとするものです。 国とNIRAとの関係ですけれども、今出資金になっているものを無利子貸付金ということにいたしまして、これはいずれ返済される資金になりますので、その後は財政面でのかかわりはなくなるということになります。
○朝日俊弘君 そこで心配になるんですよ。ちょっと改めてこのNIRAの財政状況の現状についても御説明をいただきたいし、それから特に心配しているのは、しばらくは無利子貸付金と、こういうことになるようですけれども、いずれは返していただくわけですから、そうすると国が今まで出資金で出していた、今度は無利子貸付けにする、しかしいずれはなくなる、財政規模としてはかなり苦しくなるんじゃないかという心配をしています。 そこで、改めて現時点におけるNIRAの財政基盤の状況と、それから今後の試算というか見込みというかという点についてどうお考えか、御説明いただきたいと思います。
○大臣政務官(田村耕太郎君) NIRAの現在の資産状況について、財政状況について御質問がありました。 機構の今の資産は、平成十八年三月三十一日現在で三百二十五億円、負債が三億円、資本金三百二十二億円となっております。機構はこういう出資金を国債、地方債、社債などで長期運用しておりまして、その運用益で事業を実施しております。 したがいまして、先生がおっしゃられましたとおり、財団法人化直後は財団法人の正味財産として残される寄附金及び利益剰余金、これは大体百十億円になります。無利子貸付金、これは政府以外の出資者がどの程度無利子貸付けに応じてくれるかによるんですが百五十五・五億円プラスアルファ、これを原資として、それを運用して事業を実施してまいります。 このため、初年度の運用実績の予想なんですけれども、これは政府以外の出資者がどの程度払い戻すか、その代わりとして貸付金に応じてくれるか、これによるんですが、先生がおっしゃいましたとおり、いずれにせよ、政府の出資金も貸付金に変わったとしましてもどんどん返済していきますので、運用原資及び運用益は減少していくものと考えます。そして、最終的に返済が完了します平成二十八年時点、これを現時点、平成十九年三月末時点の金利でシミュレーションしてみますと、大体今年度の運用益の約半分の四・七億円程度になるものと見込まれます。 ただ、ここにいらっしゃいます伊藤理事長が強力なリーダーシップを基に改革を行われますので、その改革の成果が民間に正当に評価されましてまた新たな資金の獲得につながる、そういうことも期待をしております。 以上です。
○朝日俊弘君 期待しているのは分かるんだけれども、私は心配の方が大きいんですね。 今の御説明で、例えば、国の出資金のほかに地方とか民間とかも出資いただいているんですよね。例えば地方から約五十億円出資いただいている。地方財政厳しき折、返してくれというふうに言われたりしたら、今の期待しているという話も、要するに払い戻さなきゃいけなくなるはずですよね、もしそういう要求が来たら。そういうことは余り心配されていないんですか。ちょっと念のため。
○大臣政務官(田村耕太郎君) 実際もうヒアリングしておりまして、やはり先生がおっしゃられますように、財政状況厳しい折ですから、各自治体の方は返してもらえるものであれば早く返してほしいという自治体が多くて、財団法人化直後に政府以外の出資者の出資金が全額払い戻されると、そういう仮定で資金は手当てをしておりまして、それには十分対応できるというふうに考えております。
○朝日俊弘君 そうすると、その点は、そういう場合も想定されるけれども、十分対応できるように考えていると、こういうお話ですが。 ところで、政府による長期の無利子貸付けという話が、何かちょっと私不勉強のせいか余り聞いたことがないんですね。百五十億とか長期に無利子で貸し付けてもらえたら有り難いなと思うんですけれども、そういう例を聞いたことがないんですね。ちょっとその点について幾つか御説明いただけますか。例えば、いやいやこういう例は結構あるんだとか、あるいはそういう長期の無利子貸付けということをすることについての正当な理由、根拠となる法律、あるいは契約不履行になった場合どうするのかという点について、ちょっと細かい点ですが、具体的に御説明いただきたいと思います。
○大臣政務官(田村耕太郎君) 過去に法人の組織形態が変わる際に政府から無利子貸付けを受けた例といたしましては、民間都市開発推進機構、日本下水道事業団、外貿埠頭公団などがあります。 無利子貸付けを受ける理由なんですけれども、平成十三年に特殊法人等の組織見直しの類型別ガイドラインというのが作成されまして、そこに、民営化された特殊法人、認可法人につきましては、国又はこれに準じるものの出資は制度上及び実態上受けないというように規定されております。 そういう中で、ただ、先ほど申し上げましたとおり、機構はその出資金を長期に運用して、その運用益で事業を行っていますので、長期投資の、長期の債券投資の元本償還の期間とこの払戻しの期間、これがうまくマッチングしない場合、過大な負担が一時的に生じることになります。それを外部の調達によりますとまた金利負担が生じますので、それをしっかりと政府が無利子貸付金という形で、出資金ではない形で、ガイドラインを守る形、そしてまた行政改革推進法の趣旨、政府の資産・債務改革、平成二十七年度末の政府資産の対GDP比を平成十七年時点の同じものの約半分をめどとして減らしていくと、そういう趣旨に合う形でやっていきますと、この無利子貸付金という形が一番望ましいものとなってくるということで無利子貸付金を受けるということになっております。 また、この法律の根拠なんですけど、財政法第九条第一項におきまして、国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡、若しくは貸し付けてはならないと規定されている趣旨を踏まえ、本法案におきまして無利子貸付金に係る根拠規定を設けたものであります。 また、債務不履行になった場合のことですが、政府は債権者の立場から、国の債権の管理等に関する法律に基づき、貸付金に見合った担保として財団法人が保有している債権又は金融機関等の保証人の保証を求めるほか、貸付事業の実施の報告を求めるなど無利子貸付金の管理を行い、貸付金の返済ができなくなる事態が生じないように万全を期してまいります。
○朝日俊弘君 そうすると、財政面においてはきちんとした法律なり理由に基づいてそれなりの手当てをしているということで、そう心配するに当たらないという御答弁だったというふうに思いますが、多少まだ実際やってみてどうなのかなという気は残るは残るんですけれども。 さて、そうすると、もう一回ちょっと先ほどの質問に戻るんですが、財政的にそういう手だてがあるとして、NIRAのそうすると運営、これからの運営、あるいは人事、それからNIRAがこれから取り組んでいく研究、様々な事業、こういう面では実際にはどうなんだろうか。もちろん財政的な裏付けも当然必要になってくると思いますけれども、国と、あるいは国及び政府とNIRAとの関係の引き続きの質問ですが、NIRAの運営、人事、あるいは研究事業等々の面においてどういうふうに変わるのか変わらないのか、この点については担当大臣と伊藤理事長にそれぞれお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 現在、政府は、認可法人でありますNIRAに対して、役員の選任、認可でありますとか、予算、事業計画及び資金計画の認可といったような事前の関与を行っておりますが、財団法人になりました後は、こういう政府による事前の関与は廃止されることになります。このため、NIRAは事業運営ですとか人的編成、資金調達について組織の自立化が図られまして、より自由度が増します。こうしたメリットを最大限活用する形で改革をしていくということが重要になってまいります。 国との関係で、先生の御懸念にお答えいたしますと、平成十七年に閣議決定されました行政改革の重要方針では、事業に向けて講ずべき措置として、公益性、政策性の高い業際的、先駆的課題の研究に特化するということが掲げられております。財団法人の事業活動につきまして法令で具体的に規定するということは自主性を損ないますが、この閣議決定されました部分については、寄附行為に盛り込んだ上で中期的に策定される研究事業計画あるいは毎年度の事業計画に反映されるものと考えております。 実際、先日認可しました十九年度の事業計画でも、この趣旨を踏まえまして、国政、国際関係、地域の三つの分野で具体的な研究テーマが例示されております。組織変更に当たりまして定款を寄附行為に変更認可するわけですが、この寄附行為を審査することで国としても閣議決定に趣旨を反映させるということになるかと存じます。 先ほど、財政面での御懸念を御指摘いただきましたが、今後は財政基盤を強化する観点から、受託研究あるいは会員制の導入といった形で収入源の多様化を図ることが必要です。その意味でも、有料の調査業務を行い得る実力あるシンクタンクになっていくということが重要であると考えております。
○参考人(伊藤元重君) 財団法人においては理事会が意思最高決定機関ということはもちろん承知しておりますが、機構の場合には、行政改革の重要方針において示されました内部組織としての学識経験者等で構成される委員会を設け、研究計画の審査や研究成果の評価を実施し、評価等を公表すると、この方針に従いまして、毎年事業計画を策定するに当たっては、財団の内部に設ける予定でございます研究評価委員会の意見を伺いたいというふうに考えております。その上で、常に適切な研究課題を掘り下げるように、取り上げるようにしたいというふうに考えております。 人事につきましては、これまで内部組織についても部課制を取っておりましたが、財団法人化後は基礎的な業務である人事、財務等は除きまして、あとは基本的にフラットな組織にして、研究プロジェクトの企画から実施、そしてその成果の公表までの業務を一体化する、いわゆるフラット化の方向を考えてございます。 先ほどもちょっと触れた点にもありますけれども、活動が総花的で情報発信力が弱いという評価をいただいていることもありまして、こうした点を是正していくということが組織の活力を高める上で重要だと。 具体的には、十九年度からは研究助成事業あるいは研修事業等、初期のNIRAが重視してきた点については今後行わないということを決定しておりますし、あるいは自ら研究活動を行う場合においても外部の人材をどういうふうに有効に活用するのか、そういう日本のあちこちに存在する知識、知見のネットワークのコアとしてどういう役割が果たせるのかと。それから、タイムリーで分かりやすい情報発信をどうやって行えるのか。あるいは、単に毎年毎年研究をしていくだけではなく、そういうフローの継続ではなくて、それが蓄積されることによってストックとしてNIRAの中に知識をためたものをどういうふうに活用していただくかというようなことを今考えております。さらには、地域と連携を強化するということも今後更に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 お二人の説明を聞いていると、かなりそういう意味ではいろいろ新しいことも積極的に取り組んでいこうと、こういうお話なんですが、それはそれでいいと思うんですけど、ただ、そこで気になるのが、法律の書きぶりが随分何か実務的にというか淡々とというか、こう書いてあるんですよ。組織変更後の財団法人の目的を、現在の機構の目的と同様のものに限るというふうに書いてあるんですね。 何か、書き方によっては私はもっと、今いろいろお話があったように、発展的にというか別のもっと広い目的の書き方があったんじゃないかというふうに思うし、あるいは、余り事細かに書かないで、むしろ自由に自主的に判断してくださいという書き方もあるだろうと思うんですね。 だから、目的のところを何か従来のNIRAの目的と同様のものに限るというふうにあえて書いたのは何でかなと。もう少し配慮をした書きぶりがあってしかるべきではないかと読んでいて思うんですが、これはどういうことですか。
○国務大臣(大田弘子君) 財団法人に組織変更後の目的につきまして、先生御指摘のように、附則第四条第一項で、機構の目的と同様のものに限ると規定しております。これは法人格の同一性を保持したまま組織形態を変更すると。つまり、機構が政策研究を行うための財団法人となる、そのことを担保するために設けた規定でございます。その範囲内で、つまり政策研究を行う財団法人であるという範囲内でNIRAが自主的な判断で新たな要素を加えたりあるいは絞り込みを行ったりということは何ら妨げるものではありません。 また、その目的の達成のために実施する事業につきましても、法律案の規定によって制約を設ける、何らかの制約を設けるということはしておりませんので、財団法人化後のNIRAが自主的な判断に基づいて組織運営を行う上でこの法律案が制約や障害になるということはないと考えております。
○朝日俊弘君 分かりました。私は、同様のものに限るという書き方してあるものだから、随分制約的なものなのかなと読んでしまいました。 そうすると、ちょっとこれは伊藤理事長にお尋ねしたいんですが、NIRA、NIRAと、こうずっと呼んでいるんですけど、ナショナルインスティチュートなんですね、そのNIRAのNIというのは。名称は変更するおつもりですか。ナショナルインスティチュートというのはやや不適切な表現になりはしないかと思ったりするんですが、この点、ちょっと参考までに。
○参考人(伊藤元重君) 財団の名称なんですけれども、まず日本名に関しては、財団法人総合研究開発機構としてスタートをしたいと取りあえず考えております。ただ、英文名称については、正直なところまだしっかり考えていないというのが事実だと思います。 今の御指摘の点、重要な点だと思いますので、英文名称を検討する際には是非考慮に入れさせていただきたいと思いますが、ただ、いわゆる略称のNIRAというものは既にかなりブランドが定着しておりまして、私も仕事柄アジアの国に回ることが多いんですけれども、アジアのいわゆるシンクタンクの方とか研究者の方もかなりそれを認知されているんで、こういうものをどういうふうに継承したらいいかということを少し考えておりますけど、いずれにしても、御指摘の点を踏まえて今後検討させていただきたいというふうには考えております。
○朝日俊弘君 確かに、せっかくブランドとして通用している名前を消すことはないという御意見ももっともだと思うし、ただ、そんなにこだわっているつもりはないんですが、名は体を表すですから、きちんと検討いただいた上で、今後の活動にふさわしい名称が必要であればそれはそれで採用していただくようにお願いをしたいと思います。 そこで、今後の活動について幾つか伊藤理事長に引き続きお尋ねしたいんですが、先ほど来もう既に幾つかお答えいただいているので多少重複するのかもしれませんけど、これからのNIRAの活動、これまでの活動の問題点というか、あるいは克服すべき点というか、課題が幾つかあった。既に幾つか挙げられていますが、今後、この今回の法律で組織変更される、問題解決に向けて今回の組織変更という法改正はどういう影響を与えるんだろうか。私は、やや悪い影響を与えるんじゃないかと心配しているんですね。マイナスの影響があるようでは困ると。 すべての課題を御説明いただく時間はないと思いますが、例えば、こういう課題についてこういうふうに克服をしていきたい、その際、今回の組織変更というのはむしろマイナスになるんじゃなくてプラスになるのかどうなんだろうか、その辺ちょっとお考えを聞かせてください。
○参考人(伊藤元重君) これまでNIRAは大変恵まれた環境の中でいろんないい活動してきたんで、それをもちろん維持できれば好ましいということも言えると思うんですけど、私のようないわゆる大学でずっと活動してきた人間をこういうところに連れてきたということの一つの恐らく理由というのは、また違ったやり方もあるだろうというふうに思います。 そういう意味では、恐らくNIRAが新しい組織の中でやるべきことというのは幾つか方向性は見えていると思いますけど、一つは、やはり先ほど申しましたように、いわゆる活動分野を絞っていくということですね。つまり、何でもやるんではなくて、限られた資源の中でいわゆる効果を発揮できるような選択と集中をやっていくと。既にこの十九年度の活動からそういう形で、かなりそういう方向で今取り組んでおります。 それから二つ目は、やはり先ほども申しましたように、いい研究をするだけではなくて、それをやっぱり社会に発信し、あるいは社会から知見を取り入れるという、その発信とかあるいは社会とのいわゆるやり取りというのは非常に重要だろうと思います。既に私が理事長に就任しましてから、政策レビューとかあるいは対談シリーズという形で少しずつそういう試みをしておりまして、いろんな方からこういうことを是非もっと広げてほしいというふうに伺っておりますので、こういう形でよりタイムリーなことをしっかりやっていくということが重要だろうと思います。 そして三つ目に大事なことは、やっぱりこういうネットワーク社会であって、特に大学だとか地域のシンクタンクのところに非常にいろんな知見があって、しかしそれが散逸している状態であるときに、やっぱりNIRAみたいな、しかも機動的に動ける組織があれば、そこでいろんな形で新しい政策研究だとかあるいは地域研究だとかいうことができるんだろうと。 ちょっと蛇足なんですけれども、大学にいますと、もっと厳しい予算の中で今研究しておりますので、そういう意味ではいろいろなやり方があるのじゃないのかなと個人的には思っております。
○朝日俊弘君 幾つかまとめてお答えいただいたような形なんですが、理事長がこのNIRAの理事長に就任された去年ですか、に静岡新聞に論壇というところにこれからのNIRAの役割について話されているのが載っていました。 その中にいろいろ指摘されているんですが、一つは、省庁の枠を超えたというか、大きな視点から政策をとらえていきたい、そういう組織が必要だと。それからもう一つは、機構は研究だけではなくて、多くの研究者とか行政機関とか、あるいはシンクタンク、結構シンクタンクも増えてきましたから、そういう間のネットワークを張ることが必要だと、こういうふうな抱負というか、を述べられているんですが。 そこで、ちょっとくどいようですが、そういう理事長が従来から考えてこられ、そして今後こんなふうにしていきたいという展望をお持ちだと思うんですけれども、そういうことを実行していくに当たって今回の組織変更はどうなんだろうかと、この点はどうですか。
○参考人(伊藤元重君) 組織変更の多分主たる目的というのは、そういう研究だとか調査活動をより機動的柔軟にかつ自由度を持って行うというふうに理解しておりますので、そういう意味では、今先生がおっしゃったような方向でいく一つの大きな流れになるだろうというふうに期待はしております。 それで、先ほどの御発言の中にございましたように、今いろんな政策の問題だとかあるいは社会が抱えている問題というのは非常に多岐にわたっておりまして、例えば食料問題やあるいは貿易問題も、特定の省庁の問題というよりはやっぱり日本全体のいろんな視点で考えるべき問題が多いと思いますし、あるいは対外関係の問題も、経済だけではなくて、政治だとかあるいは文化とか社会とかいろんな観点から議論する必要があると思うんですね。 そういう一つ一つの知見というのは、いろんな政策経験者とかあるいは大学の研究者とか地域の方にいらっしゃるわけですけれども、それをどういうふうにまとめ上げていくのかということが非常に重要で、そう考えたときに、いわゆる民営化したNIRAという組織の中でやれることというのは、ひょっとしたらいわゆる政府の中の組織とはまた違った形でいろんな機動性を持ってできるのかなというふうには考えております。
○朝日俊弘君 そうすると、これからの活動にとって今回の法改正、組織変更の問題は、むしろマイナス要因というか障害になるということよりは、より積極的な展開を可能とするものだというふうに受け止めておられるというふうに理解してよろしいですか。 この点だけははっきりしておかないと、もし理事長が、いや実は心配しているんだと、こういうことでしたらこれはもう反対しなきゃいけませんので、もう一遍念のためお尋ねします。
○参考人(伊藤元重君) もちろんいろんな資源がたくさんあれば、それは好ましいことではあるんですけれども、ただ、こういう形に変えていただくことによって、今私が申し上げたような新しい方向をやる可能性は一杯あると思いますので、私の恐らく職務というのは、それを実際に実現していくことだというふうに考えております。
○朝日俊弘君 分かりました。 それじゃ、やや細かい点になると思いますが、今理事長がおっしゃった点を政府としてどういうふうに考えているのかという点で幾つかお尋ねしたいと思います。 NIRAがこの間、毎年、シンクタンク年報あるいはシンクタンクの動向に関する調査ということで、NIRAの活動だけではなくて、様々なそのほかのシンクタンクの動向等についても調査をし、あるいは情報を提供されてきました。そういう意味では、シンクタンクの中のネットワーク機能というものを持っていたというふうに思うんですが、今度NIRAが財団法人になることによって、そのほかのシンクタンクとの関係がほとんど同じレベルのシンクタンクの活動というふうになってしまうのかなとやや心配をしている点があって、従来NIRAが果たしてきた役割が財団法人になっても引き続き果たせるのかなという心配をしているんですが、この点について政府としてはどう考えていますか。
○国務大臣(大田弘子君) より自律性が増すことによりまして、中立的な立場で、その時々の政策課題、経済社会の様々な課題にNIRAが取り組んでいくことになります。また情報発信能力も、先ほど来伊藤理事長が力を入れるとおっしゃっておられるように、情報発信力も高まるものと期待しております。それによりまして、シンクタンクの中での認知度も高まり、国際的にも認知度が高まってシンクタンクをネットワークのコアとしての役割も高まっていくものと思っております。
○朝日俊弘君 今のこととも関連するんですが、国際研究交流において、日本と中国と韓国がシンクタンクとして経済協力に関する共同研究など、言わばNIRAが日本のシンクタンクを代表するような形で取り組んできている過去の実績というか経過があります。 こういう点についても今後活動に支障を来さないかと、要するに財団法人化することによって、という心配をしているんですが、この点についてはどうお考えですか。
○国務大臣(大田弘子君) 今の御懸念は、財団になると他のシンクタンクから協力が得られなくなるんじゃないかということでございますが、NIRAが行っております日中韓の共同研究のパートナーからは、NIRAが財団法人になっても是非継続していきたいという希望が寄せられております。 NIRAのこれまでの活動というのは大変貴重な財産でございますので、海外のシンクタンクではその組織形態が認可法人であったのか財団法人であるのかということは余り問題にされておりませんで、実績でしっかりと結び付いた研究のネットワークができておりますので、御懸念の点は御心配ないというふうに思っております。
○朝日俊弘君 形よりも中身だということ。 もう一つ、公共政策に関する基本インフラとして、いろんな政策研究情報を集めて整理をして利用しやすいようにということで、いわゆるその分野における図書館としての機能をNIRAの大来佐武郎記念政策研究情報館が果たしてきたというふうにお聞きしたんですが、この情報館、図書館がもう閉館されている。これは、ある意味では図書館という形がいいのかどうかという問題はあるのかもしれませんが、しかし少なくとも公共政策にかかわる政策研究情報を収集、整理、利用できるという機関というか施設というか、図書館的な機能を果たす役割というのは大事だと思うんですが、これ何かもう既に休館状態になっているようで、閉館されるということなんですが、これに代わる何らかの機関をお考えなんでしょうか。どんなふうにお考えですか。
○国務大臣(大田弘子君) 大来佐武郎記念政策研究情報館、これは事業全般の合理化を踏まえて閉館したものでございまして、御理解いただければと思いますが、大来佐武郎著作物、それから下河辺淳アーカイヴの特殊コレクションにつきましては引き続き保管しておりまして、他の図書館で利用できないものについては閲覧の要望にこたえるということになっております。 それから、先生御指摘の今後の情報提供ですが、海外のシンクタンクが発行する論文などから日本の政策研究者が関心を持つと考えられますテーマを選んで解説を加えたレポート、世界の政策研究インデックス、こういったものも十八年十月から新たにホームページ上に掲載しておりまして、公共政策研究の情報インフラの面につきましてはこれからも充実させていくというふうに期待しております。
○朝日俊弘君 以上、幾つか私が心配し過ぎるのかもしれませんが、気になる点についてお尋ねをしました。 特に私は、三十数年のこの間の活動を一定評価をしながら、今日ますます、例えばそれぞれの省庁の枠を超えた、あるいはもっと言えばそれぞれの研究分野を超えたリサーチが是非とも必要だと。何か役所が変われば言葉も変わったり文化も変わったりするような状況があって、この内閣委員会というのは変な委員会でして、いろんな役所が集まるので、そういう意味では文化の違いが随分じかに体験できて面白い委員会だとは思うんですけど、下手をすると何議論しているか分からないという委員会になる。そういう意味では、ある種、そういう境を越えた研究というか活動というのは非常にこれから大事になると思います。是非、伊藤理事長のこれからの取組に期待をしたいと思います。 そこで、最後に理事長には、この際、国と政府あるいは国会に言いたいことがあれば、御注文があれば是非伺っておきたいと。余り隣にいる人のことを気にしないで、率直にお答えいただきたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 特に私の方から申し上げたいということはございませんけれども、NIRAの、NIRAと呼ばせていただきますけど、活動は今後も国、地域あるいは海外と非常に深い関係を持っていくことが望ましいと考えております。 先ほどちょっと申し上げたんですけれども、私が理事長に就任してから一つ中でいろいろ議論をしていただいていることが、いわゆるシンクタンクとしてのフローからストックへと。つまり、毎年研究をただ、あるいはプロジェクトをやるだけではなくて、それが蓄積されて見える形で利用していただくということが非常に大事だと思っています。 例えば、一つの取組として、各地域の活性化の問題についていろんな成功事例を、あるいは失敗事例を集めて、それをケーススタディーでかなり分かりやすい形にためていくんですね。そうすると、一年にはある数しかできませんけど、それが次になるとその倍になると。それがNIRAの中に蓄積されていくことによって、実際に将来いろんな形で使ってもらえるんじゃないだろうかと。それは恐らく国際関係の問題についても、あるいは国政の問題についてもあるのかなと。 シンクタンクの機能というのは、正に今先生がおっしゃったように、日々いろんな形で動いているものとは少し一線を画しながら、中期的、長期的に威力を発揮するということが一つなのかなと。 それから二つ目は、先ほどやっぱりこれも先生がおっしゃったんですけれども、かつてエイズ薬害問題の後、いわゆる中立的な立場からリスクの問題についてNIRAの方で研究をさせていただきました。同じような形で、今後いろんな問題について、いわゆる個別省庁とかあるいはそのときのいわゆる政策の中にいらっしゃる方とは少し離れた立場で、しかしいわゆる大学の基礎研究とは違った形でいろんな問題について研究調査する。言わば、全部NIRAでやるという意味ではなくて、いわゆる日本のいろんな知識をフル活用してやる拠点としていろんな方に利用していただけるような研究所になれば、シンクタンクになればいいなと。 それから三つ目は、これも私大事だと思っているんですけど、私の職業柄、国際研究をやっていますので海外へ行くことが多いんですけど、今度NIRAの理事長になったんだと言うと、かつての、旧知の海外の政治家の方とかあるいは政府の方とかあるいは研究者の方、いろいろ非常に関心を持っていただいて、さすがにやっぱりNIRAがこれまでやってきたブランドというのは非常に重要だと。そういう意味では、海外の方の意見を日本に持ってくるというような役割も、これもやっぱりシンクタンクならではの機能だろうと思いますので、そういう形でいろんな形でお役に立てるようなことをしたいとは考えておりますので、是非また叱咤激励あるいは御批判もいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。もう少しずうずうしい注文もあるのかと思いましたけど。 それぞれの研究分野も下手をすると自閉的というか内閉的になる傾向があって、そこでしか通じない言葉というか概念を使ったりして、それが何かすごい高等な学問のようなふりをする人がいるんですけど、そういう点をどうやってぶち破るか、人材をどうやってごちゃ混ぜにするかみたいなところを是非やってほしいと思います。 最後に大臣に、余計なことは言わないでいいんですけど、国としてはどういう形でサポートするのか、総括的にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) これまでのNIRAの活動、それから日本のシンクタンクの役割について深い御理解いただいて、温かい御指摘と御質問ありがとうございます。 日本には中立的な立場で政策課題ですとか社会問題をきちんと分析して研究して提言するというシンクタンクが余りありません。今後、この伊藤元重先生という、学識はもちろんですが、政策課題について優れた感度を持ち、国際的にも広いネットワークをお持ちの理事長のリーダーシップの下で、このNIRAが日本を代表する、欧米の有力なシンクタンクにも匹敵するシンクタンクになるということを政府としても期待しておりますし、そうなるものと信じております。 政府としましては、この理事長主導の改革がより大きな成果を上げますように、政府の出資金を一定期間無利子貸付金に振り替える措置を講ずることで理事長を可能な限り支援してまいる所存です。どうぞ今後とも御支援をよろしくお願いいたします。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。終わります。 ─────────────
○委員長(藤原正司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、黒岩宇洋君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤原正司君) 引き続き、総合研究開発機構法を廃止する法律案を議題として質疑を行います。
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。 この法案、廃止ですか、平成十三年に特殊法人、認可法人を見直そうと、整理合理化をやろうということで閣議決定がされまして、それに基づいて決定されたことでございますが、NIRAは政府の法案作成とか公共政策の決定に随分貢献されてきたということを前提にして基本的なことをお伺いしたいんですが、いわゆる特殊法人、認可法人の整理合理化という面でいいますと、思い切って民営化するということも一つの考え方でございますが、今回は財団法人化されたということでございますが、この辺は何か御趣旨がございますか、大臣。
○国務大臣(大田弘子君) NIRAを取り巻く状況が設立当時と大きく変わっていることを踏まえまして、財団法人化に当たりましては、設立の原点に立ち返って時代の要請にこたえる形で事業の抜本的な見直しを行いました。 例えば、民間シンクタンクの育成というこのNIRAの当初の使命の一つはおおむね達成できたというふうに考えまして、十九年度から研究助成事業は廃止しております。 その一方で、日本の政策形成が中央集権から地方分権へ、それから官僚主導から政治主導へと大きく転換する中で、しっかりした分析に基づいて何が政策上の課題なのか広く国民に問題提起することの重要性が高まっております。その点、NIRAはこれまでその時々の政策課題にかかわる研究を数多く行うという実績を持っておりますので、これまで築き上げてきた研究ノウハウですとかネットワークというものを広く社会に生かすことが必要だというふうに考えました。そういうことで、廃止はせずに事業を抜本的に見直した上で財団法人として残すということにいたしました。
○白浜一良君 公的な役割が残るということでございますが、そういう面では財団法人じゃなしに独立行政法人にしてもいいわけでございますが、逆の意味で独立行政法人にされなかった意味というのはどこにございますか。
○国務大臣(大田弘子君) シンクタンクが客観的な分析に基づいて政策提言を行いますためには、中立性、独立性というのが非常に重要になってまいります。その点で、独立行政法人と比較しましたときに、財団法人の方が政府の関与はより少なくなります。自主性が高まるということになります。で、財団法人とすることにいたしました。 これまでNIRAにつきましては専門家の間でかなり認知もされてきておりますので、公的な性格が薄くなることで事業活動に支障を来すことはないであろうということで、その自律性を増すということの方がより重要であると考えました次第です。
○白浜一良君 それで、ちょっと中身の話を伺いたいんですけれども、二百七億円の出資金があるわけですね。国の出資金が百五十五・五億ですか、地方からの出資金が五十億九千万、民間の出資金は九千六百万と、こういうふうに伺っております。 それで、これは財団法人化されて出資金の返還ができるということでございますが、地方自治体とかは一挙にこれを返してくれというような事態には即対応できるような体制になってございますか。
○大臣政務官(田村耕太郎君) 朝日先生の先ほどの質問にもありましたが、白浜先生の御心配のとおり、直接いろいろ自治体と話してみますと、財政状況厳しい折、できるだけ早く返してほしい、そういう率直な意見を多く聞きまして、財団法人化直後に出資金全額返済、政府以外ですね、その事態も十分想定しておりまして、それに見合う形のお金は手当てしておりますので、十分対応可能と考えております。
○白浜一良君 それに見合う手当てを考えているというのは、どういう手当てですか、具体的に。
○大臣政務官(田村耕太郎君) 五十五億、地方自治体からの出資金がございますが、それが全額払戻し要求が来た場合に対応できるように、約六十四億円の債権につきまして平成十九年九月までに償還できるよう計画を進めております。
○白浜一良君 分かりました。 それから、国の出資金も八年後に全額返済と、こういう計画になっていると伺っていますが、この辺は政令で決めるということらしいんですけれども、具体的にどうなっていますか。
○大臣政務官(田村耕太郎君) 先生のおっしゃるとおり政令で今定めているところですが、方向性としましては、均等年賦返済と三年間据置きで、その後の五年間に均等年賦で返済するという計画を検討しております。
○白浜一良君 それで、出資金がどんどん返還される流れにあるわけでございますが、実際平成十七年度の決算を見ますと、費用が十億七千五百万円ですか、収益が十億七千七百万円、黒字が二百万、こういうふうになってございますけれども、その収益の内訳はほとんど出資金の運営基金運用収入なんですね。これが六四%。これがどんどんどんどん減っていくということは、事業規模というか、その収益予算が縮小していくということなんですけれども、これはそういう流れを認めていらっしゃるんですか。
○大臣政務官(田村耕太郎君) おっしゃるとおり、朝日先生の質問の中でも詳しい数字を申し上げましたが、貸付金全額返済後、平成二十八年度の、今の現在での金利を想定しましてシミュレーションしてみますと、運用益は現在の約半分の四・七億円と見込んでおりますので、そういう事業規模に縮小するということを想定しております。
○白浜一良君 その辺が、いわゆる今まで果たしてこられた役割、また今後担うべき役割がきちっと充当できるのかどうかというのが大変大きな課題だと、このように思うわけでございます。 それで、確認をしておきたいんですけれども、このNIRAの、財団法人に向けて、事業に向けて講ずべき措置ということで、公益性、政策性の高い業際的、先駆的課題の研究に特化すること、こういうふうに挙げていらっしゃるわけでございますが、今少しお話伺いましたように、その運用益も縮小していくわけですね。そういう中で、このような課題を設けられて十分役割を果たせるのかどうかということが問題というか課題として残るわけでございますが、この辺は大臣いかがですか。
○国務大臣(大田弘子君) 財団法人は民間法人ですので、その事業活動につきまして法令で具体的に規定するということは自主性を損なうことになります。しかし、このことは寄附行為に盛り込みますと、中期的に策定される研究事業計画、毎年度の事業計画には反映されるものと考えております。現在も、十九年度の事業計画でもこのような趣旨を踏まえた具体的な研究テーマが例示されておりまして、主な政策課題は国政、国際関係、地域という三つの分野で体系的に整理されております。 組織変更に当たりましては、定款を寄附行為へ変更すると、この変更認可を行うことになりますので、寄附行為を審査することによって閣議決定の趣旨というものを反映されると考えております。
○白浜一良君 そこで、伊藤理事長に伺いたいわけでございますが、公共政策論議の基礎資料、こういうものを多く提供されてきたわけでございますが、これは当然今後も役割は担いますよというふうに理解してよろしゅうございますか。
○参考人(伊藤元重君) 閣議決定でそういうふうな御指示を受けておりますし、先ほども触れました寄附行為の中でそういうことをきちっと明記してやっていきたいと思っております。
○白浜一良君 それで、少し具体的な事業内容のお話を申し上げたいわけでございますが、中央政府も当然合理的な、スリムな政府にということは時の流れでございますし、地方もそうあるべきだということで、私どもの党としてはきちっと公共的な事業を事業仕分けをして整理しようということを政策的にもお訴えしているわけでございます。 そういう面では、地方自治体の方は、夕張を挙げるわけじゃないんですけれども、それぞれ御苦労されているんですけれども、財政的にもいろいろ大変だと。それぞれ自治体で歴史もございますし、これでいいのかなと、客観的に、そういう行政評価をする基軸というものがなかなか持ちにくいということがあるかと思うんですが、そういう面では、NIRAで都市行政評価ネットワーク会議、こういうふうなことをされていると伺っているんですが、この現況というのはどうなってございますか。
○参考人(伊藤元重君) 今御紹介いただきました都市行政評価ネットワークでございますが、平成十七年の十一月に発足しまして、当時は十五の自治体の加盟でございましたが、現在はそれが六十九の自治体が加盟しております。これは我々としても今各自治体の方々のこのネットワークに対する期待の大きさを表しているというふうに思っております。 具体的な活動は、共通の手法でそれぞれの都市自治体が行政評価を行って、しかもその評価全体について自治体間で意見交換とかあるいは情報交換をする議論の場を提供したいというふうに考えておりまして、それによってもちろん成果として都市自治体の業務の改善とか、効率化とか、あるいは政策、施策の研究事業及び人材育成事業の円滑な推進につながればいいというふうに考えております。 大体今、年に一回、全国の加盟自治体が集まって行う会議以外に、各地域ブロックごとにワークショップを行ったりして、一方でそういう評価の活動をすると同時にそういう意見交換も行っている状況でございます。今後更にこれを伸ばしていきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 これは理事長が直接されるか大田大臣がフォローされるのかちょっとよく分かりませんけれども、大変大事な視点だと思うわけでございまして、総務省とも御相談されて、今六十九団体が加盟されているということでございますが、そういう研究成果を生かす意味からも、全国の自治体が一つの具体的なそういう地方行政の在り方として見詰めていく、そういう軸を提供するということをもう少し広げていくような努力をされたらいいと思うんですけれども、これは大臣ですかね。
○国務大臣(大田弘子君) 今御指摘の都市行政評価ネットワークというのは、都市自治体が共通の手法で行政評価を行っていく、そして情報交換、議論を行う場ということで、特に毎年一回全国の加盟自治体が集まって評価結果を議論し、地域ブロックごとにワークショップを開催し、地域の特性を踏まえた分析、報告、活発な意見交換を行うという大変貴重な試みだというふうに思います。現在、加盟していない自治体にも広報活動を行った結果、今先生御指摘のように六十九自治体が加盟するに至っていると。 地域それぞれの実情を踏まえてそれぞれの試みでスリム化を行っていく、それから地域の活性化を図っていくということは大変国としても重要な政策課題でございますので、これからのこのネットワーク会議の動向については、私どもも先生御指摘のように総務省とも連携を取りながら十分に注目して、地方分権それから行政改革の確かな動きにつなげていきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 しっかり総務大臣ともこのテーマでお話しされて推進、啓蒙されたらいいと思いますので、よろしくお願いします。 それから、これ伊藤理事長にお伺いしたいんですが、今までは、受け身と言うとなんなんですが、事業をされてきたんですが、今度は財団法人になられるわけですから、積極的な事業展開をされた方がいいんじゃないかと。出資金の運営収入を中心とした運用から、これは圧縮されていくわけでございますから、そういう面で、いわゆる受託研究というんですか、テーマを受けてそれで研究されるというか、それは収益にもつながりますから、そういう方向性を積極的に展開されたらどうかと御提案申し上げるわけでございますが、そういうお考えはございますか。
○参考人(伊藤元重君) もちろん財団法人化後は収入源の多様化を図ることが非常に重要だと考えておりますので、今御指摘がございましたように、受託研究ですとか、あるいは場合によっては会員制というふうなものを導入する方向で今現在検討しております。 そういう取組、特に受託研究の場合なのかもしれませんけれども、それはもちろん収入のルートを拡大するという意味もあるんですけれども、いわゆる相手先との間のいろんなネットワークづくりにもつながるのかなという意味で、そういう意味ではそういう、お金の面とそれからNIRAのネットワークを更に強化していくというバランスを図りながらやっていきたいと思います。 ただ、そういうことを実際にやっていくためには、一番やっぱり大事なことは、NIRAの研究成果がそういうことを依頼するに足りるという評価を得ることが重要だと思いますので、そういう意味でも、資金援助、いろんな形でこれから受けられるような、評価を得られるような成果をたくさん出していきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 今理事長からも少しお話出ましたが、いわゆる会員制、会費制で広げるというのも一つの手でございまして、ただ、どんなところでも会員になれるというわけにもいかないと思うんで、そういう会員制を拡大される上での一つのお考えというか、特にこういう点にちょっと力を入れて会員を募っていきたいとか、そういうお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 今具体的にどういうふうな形で会員を広げるかということについて考えているわけではございませんけれども、先ほどから何度も繰り返しておりますように、NIRAが強化していきたいところはやっぱりネットワークづくりだろうと思います。ですから、そういう意味では、単にホームページでそれを募集するとか、あるいは郵便、メール等で募集するとかということではなくて、実際に私も含めたNIRAの者が足を運んでこういう形で一緒に考えていく、仕組みに協力してもらえないだろうかとか、あるいは参加してもらえないだろうかという形で少しずつ広げていくというのが一番適当かなと思っております。 具体的に、その中で最終的に会員制を仮に導入した場合にどういう方々に入ってもらえるかというのは少し考えながら走り出していきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 せっかく財団法人化されるわけでございますから、積極的に取り組んでいただきたいと、このように要望しておきたいと思います。 それから、大きく、今回財団法人化されて、従来の成果を踏まえながら新たな展開もされるわけでございますから、どうそういう国民の皆さんというか、ニーズのある皆さん方に知っていただくかということもこれ大事なわけでございまして、NIRAがシンクタンクとしての存在感が、今までは行政関係の人が中心だったかも分かりませんけれども、広くそういう民間も含めて周知されていくような努力をされるべきだと、このように思うわけでございますが、この点はいかがですか。
○参考人(伊藤元重君) おっしゃるとおりで、私が理事長に就任して政策レビューとか対談シリーズを作った目的もそこにございまして、なかなかこれは作ったらすぐ見てもらえるというものではないんですけれども、例えば大学の学生なんかは最近随分読んでいるみたいで、そういう意味ではこれから少し違った方々にも見ていただくような一つの窓口が開いたんじゃないだろうかと。これも今後は例えば書籍化するとか、これまでとは少し違ったところにも幅を広げてNIRAの活動を理解していただくという発信の活動は広げていきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 その意味で、具体的に一つ提案申し上げるんですが、NIRAのホームページですね、いろいろ工夫して作っていらっしゃるかも分かりませんが、使う方の、見る方の側から見ると見づらいということもございまして、そういう今理事長がおっしゃったような今後の方向、ネットワークづくりを含め、今後の方向性から見ればもう少しこのホームページ全体の内容を変えられたらいいと思うんですが、この辺、取り組まれるかどうかも含めてお考えを聞きたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 既に財団法人化後を見て、ホームページを今大幅に変えるという形で作業に取り組んでおります。 これはまだ企画段階でございますけれども、ホームページを単に見やすくするというだけではなくて、一つの方向性として、例えば電子シンクタンクみたいなものが可能かどうかということも検討させていただいて、なるべく新しい時代に合うようなシンクタンクの姿、それをホームページの中でも実現していければと。しかし、これはなかなか、ホームページはすぐに今改良するプロジェクトに入っておりますけれども、その先の話についてはしっかり考えて一つ一つ実行していきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 最後に、大田大臣、今回財団法人化されるわけでございますが、これまでの成果は成果といたしまして、新しい流れつくることも非常に大事なんで、当然国の出資金も当面は継続されるわけでございますし、財団法人にして良かったなというところまでしっかり政治の側がリードをして適切な対応をしていっていただきたいと思うわけでございますが、最後にお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 今、日本に三百余りのシンクタンクがございますけれども、その時々の政策課題、社会の問題に客観的に取り組んでしっかり分析して本格的な政策研究、政策提言を行うというシンクタンクは余りありません。それから、いろいろなところにいる政策に関係する人、例えば大学、政府関係者、ジャーナリストあるいは地域の識者といった者をつなげてネットワークにしていくシンクタンクもございません。 それから、私も大学で政策研究をやってきた者として、いろいろなケーススタディーというのが非常に重要だと考えております。例えば、先生がさっきおっしゃった地方自治体での行政改革の成功事例、地域活性化がうまくいった事例、あるいは国の政策でも、どういうプロセスでこういう政策になったかというようなことを研究したケーススタディーの蓄積というのは大変重要だと考えておりますが、そういうものを蓄積したシンクタンクもございません。こういう点は伊藤理事長が非常に強調しておられる点です。 したがいまして、今後、理事長のリーダーシップの下で更に今のホームページも含めて改革を加速化させて、新しい財団法人となったNIRAが欧米のシンクタンクに匹敵するような日本の新しいシンクタンクのモデルになってくれるということを政府としても強く期待しております。
○白浜一良君 終わります。
○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますが、最後になりましたけれども、何点かお尋ねしたいと思います。 シンクタンクの経営というのはなかなか難しくて、何か金を払って情報をもらうということにみんな慣れていないんですね、日本人は。ただだと思っている人が多いからね。そういう意味では、伊藤さん、なかなか大変ですよ、これから。そういう意味で、財団法人になると今度は黙っていてもお金が来るわけじゃないから。だから、それだけに真剣にやってもらわないといけないと思いますけれども。 ただ、これが、特殊法人の改革について、この問題が、財団法人化になったのは、経営責任の不明確性や経営の自律性の欠如の問題、あるいは事業運営の非効率性、不透明性、あるいは組織や業務の自己増殖性、あるいは国からの巨額の財政支出ということが指摘されて、これが財団法人になることになったわけでありますけれども、これまでの三十年余りの経営の中で、特に今申しました中でいずれが該当するのかと、問題になっておるかということについて大臣からお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 平成十三年十二月に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画におきまして、NIRAは、平成十七年度までの集中改革期間中に財政基盤の充実の状況、それから研究成果の実績を勘案して財団法人化の方向で組織の在り方を見直すということにされました。 これを受けまして、機構の在り方につきまして特殊法人等改革本部参与会議が開かれ、計四回にわたり議論されました。その中で、中立的な政策研究機関として、国からの自立を図る意味で財団法人に移行すべきであること、それから、出資者である国や地方自治体の財政事情も踏まえて研究分野の明確な重点化を図るべきであること、それから三番目に、研究成果の評価の在り方や研究成果について見直しが必要であるということの指摘を受けました。 これを見ておりますと、今先生が御指摘の特殊法人としての、よく指摘されております経営責任の不明確さですとか経営の自律性の欠如という経営上の問題があったというよりも、むしろ、その設立当初に比べて他の民間シンクタンクが育ってきたということを踏まえて、NIRAがより独自性を発揮して社会に役立つ組織になるべきであるということの御指摘がなされたというふうに考えております。それを踏まえまして、平成十七年十二月の行政改革の重要方針において、より自律性、中立性を発揮できる財団法人という道が取られたというふうに認識しております。
○亀井郁夫君 分かりました。 そういうふうな認識でやられたんですけれども、これからの運営は非常に厳しいわけですから、よろしくお願いしたいと思いますが、特に研究開発機構というけれども、実際やっている仕事は調査業務が中心ですよね、研究開発というけれども、名前はそうですけれどもね。役員が九名、従業員二十六名ということですけれども、今後この名称なんかについても変更の必要があるんではないかと思いますし、三百三十二億円というのは非常に大きな金額で、これが八年たつと、二百二十億円がなくなりますから百十億になりますけれども、私の知っている民間シンクタンクでも会社を挙げてやっているけれども、人数は役員五名、従業員三十名ぐらいということで三十億円でやっているわけですから、それに比べれば随分楽だと思うけれども、大変ですよ。その辺はよく考えていただきたいと思うんですけれども、これについては大臣はどう思われますか。
○国務大臣(大田弘子君) NIRAは、現代の経済社会、それから国民生活のいろいろな問題の解明に寄与するために、経済、社会、技術等に関する各種の専門知識を結集して行う調査研究の実施並びに助成等を行うということを目的にして設立されました。この目的に従いまして、これまで機構自らが研究事業を実施するということに加えまして、他の研究機関への委託や助成を行うことで総合的に研究開発を推進するということを行ってまいりました。この実績というのは、これまでしっかり果たしてきたというふうに思います。 これが財団法人になった後、その名称をどうするかというのは、移行後の姿がはっきりした段階で、よりふさわしい名称があるのかどうか、検討していく必要があるかと思います。 ただ、これは財団法人になりますと民間法人ですので、新しいNIRAが定める事項だというふうに考えておりますので、これについては伊藤理事長に補足の発言をしていただきたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 名称については、先ほども申しましたように、取りあえずは財団法人総合研究開発機構という形で始めたいと考えておりますけれども、その後はよく議論して一番適切な形のものを検討したいというふうに思っております。 それから、先ほどお金の話になりまして、私の経済学部はその更に十分の一ぐらいの予算でやっておりますので、もちろん予算は多ければ多いほどいいわけですけど、限られた中でいかに成果を上げるかということが私の責務だというふうに考えております。
○亀井郁夫君 これまではたくさんのお金の中で自由自在に研究できたということで非常に恵まれた状況でやっておられたんだけれども、今度はそうはいかない。大臣は、今度は財団法人になったから勝手にやれよと言っているわけですから、なかなか面倒見てくれませんからね、そういう意味じゃ僕は大変だと思いますよ。そばで見ていてもそういう例はたくさんありますからね。上に立つ人間がどのような気持ちでおるかによって、その会社がちゃんと生きてくるんです。だから、大臣がもう勝手にやれという気持ちじゃ到底良くなりませんから、大臣のためにいろいろやる機関だぐらいに思わないと本当にうまくいきませんよ。そういう意味で頑張っていただきたいと思いますが。 これまでは、いろんなシンクタンクの助成だとか委託研究、そういうのが中心で、特に委託研究なんかも多くて、自分のところでてっぺんを持つというよりもむしろみんなにやらせることが多かったんだけれども、今度はそうはいかないと。自分が書くわけだから、ライバルになるわけですよね。そういう意味では今までのような仕事のやり方はなかなかできないと思いますけれども、下請に出すケースなんかはやっぱり今後考えておられるんですか、理事長。
○参考人(伊藤元重君) 先ほども大臣の方からも少しお話がありましたように、NIRAの当初の設立の時期には日本にシンクタンクがなかったと、少なかったということで、それを助成するということはかなり重要な責務だということで委託だとか助成を行ってきまして、ただ、一九九〇年代まではそういう状態が続きましたけれども、外のシンクタンクが育ってきたということもありまして、二〇〇〇年ぐらいからはむしろ自主研究だとかNIRAの中で実際にイニシアチブを取ってやるということが増えているということで、財団法人になりましてもそういう方向で更にいきたいと思います。 ほかのシンクタンクとの関係なんですけど、ここはもう釈迦に説法でございますけれども、競争関係であると同時に、実はこれネットワークでありますので、むしろほかのシンクタンクと一緒にやることによっていろんな成果が出るケースもあるわけで、例えば日中韓の三国のシンクタンクが一緒になることによって、その国の間の問題が議論できる、あるいはほかのシンクタンクと共同してやるということも十分考えられるというふうに考えております。
○亀井郁夫君 分かりました。 これからしっかり頑張っていただきたいと思いますが、情報の関係で、今までは情報のデータベース化という仕事をやっておられて非常に重宝がられているんですが、データベース化しても大体ただでみんな見ているわけですね。だから、情報がただという考え方で盛んに使っているわけだけれども、一生懸命やってもその収入はないわけですから大変になってくるんですけれども、こういったデータベース化の仕事もやはり引き続いてやっていくんですか。理事長にお伺いしたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 機構にしかできない情報提供として、国内のシンクタンクについて、いわゆるシンクタンク年報というものとシンクタンク動向調査というのを行っておりまして、また海外シンクタンクについてもいろんな情報を集めて、それぞれ無料で提供してきました。 これは、ただ、かなりいろんな形で有効に活用していただいていると思いますし、それから、そういう情報を出していただいているシンクタンクの方ももちろん無償で出していただいているわけですから、そういう意味で社会的なインフラとして無料で提供さしていただきたいと思います。 ただ同時に、これまでも紙の形で、その情報を更に付加価値高くして出す場合には実際に有料で提供してきたわけですから、今後も、今我々が無料で社会的インフラとして出している、例えば海外のシンクタンクでどういう今研究調査が行われているかということも、もし可能であれば付加価値を上げたものを、例えば書籍みたいな形で有料で販売するということも可能性としては十分考えられるというふうに考えています。
○亀井郁夫君 これからはだんだんまたNIRAの情報も有料化していくわけだから、金掛かるわけだから、そうすると、今までは政府がいろいろやっていることも参考になったのは、無料で提供しておったんでしょう、前までは。今度は有料になると政府がそれだけ頼んでくれるかどうかも分からないわけですね。有料になったら頼まぬよということになる可能性もあるんですけれども、そういう意味では、今度、財団法人化によって政府のそうした活動に悪い影響が起こるようなことはありませんか。大臣にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) NIRAはこれまで千二十四件の研究事業を行ってまいりましたが、その公表は原則無料で行ってまいりました。先生御指摘のとおりです。これは、総合研究開発機構法第二十三条において、NIRAの業務の一つとして総合的な研究開発の成果の公開が規定されていることを踏まえたものです。 今回、行政改革の重要方針を踏まえまして、財団法人化後は国、地域にとって中長期的に重要となる公益性、政策性の高い業際的、先駆的課題に特化して研究を行うということになっております。また、財団法人化後の使命、役割として、政策論議を活性化し、政策形成過程により強力に貢献するということを掲げておりますので、重要な政策研究がなされるという意味では御懸念のような事態は生じないものと思っております。 有料になってお金を払うに値する研究をするということが非常に重要なことで、そうなりますと、政府としても、お金を払って得られるような研究成果というものは、より私どもの政策を考える上でも重要なものになると考えております。伊藤理事長の下で、よりお金を払うに値する研究実績が積み重ねられていくというふうに考えております。
○亀井郁夫君 今大臣のお話だと、いろいろ使命が言われているけれども、それについては、いい研究すれば金を出そうということなんですね。有料で買ってあげるということで、ただでよこせということじゃないでしょうね。そういうふうに理解しましたけど、それでいいんですね。 こういったふうにNIRAが財団法人になることによって日本のシンクタンク全体が大きく変わってくるとまた思うんだけれども、これについては大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(大田弘子君) 様々な政策課題にしっかりとした分析研究を行って提言するというシンクタンクは日本にはまだそれほどございませんので、ここでNIRAがそういうモデルになってシンクタンク全体が底上げされていく、あるいは日本のシンクタンクを引っ張っていく役割を果たすということは政策形成そのものの厚みを増しますし、やや口幅ったい言い方をしますと、民主主義、日本の民主主義という点でも重要な意味を果たすと考えております。 伊藤理事長のリーダーシップの下で、NIRAが財団法人になり、より自律性を持った形で、また改革を更に進めるという形でこのようなシンクタンクの新しいモデルになってくれるものと考えております。
○亀井郁夫君 これからもいろいろと政府と一体になってやらなきゃいかぬケースもあると思うんですね。これまではただだから、来た書類はちょっと目を通して参考になったという程度に使われていたかもしれないんだけれども、今後はそうはいかないということになると思いますけれども。 これまで政府の方から特別に依頼したケースがあって、そしてまたそれについてはこのNIRAがそれなりの立派な成績を出したというふうなケースがこれまであったのかどうなのか、ちょっと教えてほしいと思います。
○副大臣(大村秀章君) NIRAにつきましては、その設立以来、内外の研究者、研究機関等の協力を得まして、先ほど大臣申し上げましたが、千二十四件の研究開発プロジェクトの実施、約千四百点の出版物の刊行、シンポジウムやフォーラムなどの開催などなどを行ってまいりました。 その中で、NIRAがこれまで行ってきた研究のうち、近年政府が参考にしたものといたしましては、例えば平成十七年四月に公表されました広域地方政府システムの提言、国・地域の再生に向けてというものがございます。これは、委員も御案内のように、地方制度調査会におきます道州制の在り方の検討の参考にもされました。 また、政府が依頼をしたものとして、これは毎年でございますけれども、研究成果を日中韓の首脳会議に提出をしておりまして、日本・中国・韓国の経済協力に関する共同研究というものを提出させていただいておりますが、この提言の一部がビジネスフォーラムの設立ということで実現をしているわけでございます。 そういったことで、そういうポイントポイントのものを政府としても参考にさせていただいてそれを使わせていただいているわけでございます。 なお、そういういろんな問題点につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、この特殊法人等の改革推進本部参与会議におきまして、研究分野の明確な重点化だとか研究成果の厳格な評価といった指摘もされておりまして、そういった指摘を踏まえて、今回、財団法人化ということでございますので、形が変わりますので、これまた伊藤理事長の下でいろいろ業務の組立てをしていただき、抜本的な見直しをされるということになりますけれども、それを受けてまた政府としても引き続きこういったポイントポイントになる研究成果は十二分に参考にさせていただいて政策に反映をしていきたいというふうに思っております。
○亀井郁夫君 政府のそういった積極的な姿勢の中でのNIRAのこれからの活躍ということになると思いますから、NIRAの御健闘をお願いしたいんですけれども。 特に、NIRAの場合は自分でかなりやってきたと。一般のシンクタンクが強くなってきたから、頼むんじゃなしに自分のところで二〇〇〇年以後は書いているというような理事長のお話でございましたけれども、そういう意味では、二百二十二億を八年後は返すわけだから、そうすると、それまでにずっと返していくわけでしょう。そうすると百十五億か、これだけが残るわけだけれども、そういう意味では非常に厳しいことになると思いますけれども。特に、会員制の募集なんかについては相当努力されないといけないことになると思いますね。毎月そういった調査研究結果を発表してそれを有料で普及するというようなことで会員を募集するというのは大変だと思いますけれども、そういう意味では理事長、どう考えておられますか、最後にそれをお聞きしたいと思います。
○参考人(伊藤元重君) 先ほどから何度も発信が重要だということを申し上げているんですけれども、やはりNIRAがどういうことをやっていて、どういうふうに今まで成果を上げてきたかということをしっかりまず世の中に広げていくことが、恐らく今、亀井先生がおっしゃった、それをベースに財政基盤を強くする方向につながるんだろうと思うんですね。 余り比喩としていい例かどうか分かりませんけれども、例えば新聞にしっかりした論考を書く、これは余り、まあ変な話ですけどお金にはなりませんよね。しかし、それを読んで評価していただくと、それをベースに、じゃもうちょっとしっかりした本を書いてもらおうというのは例えば個人の研究者に来るわけですけど、同じようにやっぱりNIRAの場合も、まず、どうもNIRAに頼んだらいい成果が得られるんじゃないだろうかという期待を持ってもらえるような発信をしっかりしていく中で、財政的な面についてもそれをサポート、それを支えにして更に強化していきたいというふうに考えております。
○亀井郁夫君 理事長の姿勢を聞きまして安心しましたけれども、本当にこれまでとは違って大変だと思いますからね。やはり見ていても、民間の場合、社長なり会長がその気になって使おうという気持ちでつくったシンクタンクは生き残るけれども、そうじゃなくて、従来の調査部の仕事を簡単に独立させたというふうなことで、自分で稼ぐといっても実際にうまくいかないのが本当で、そういうことですから、NIRAも、そういう意味では所管大臣が本当に使ってくれないとなかなか大変だと思いますから。本当ですよ、大臣笑っているが、大臣のシンクタンクのつもりぐらいに使っていかないとなかなかうまくいかないんですよ、本当に。そういうことを御注意申し上げたいと思いますけど、頑張ってくださいね、どうぞよろしくお願いします。 以上をもって終わります。
○委員長(藤原正司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 総合研究開発機構法を廃止する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤原正司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会