財政金融委員会 第12号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/05/29
会議録
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、江田五月君、金田勝年君及び池口修次君が委員を辞任され、その補欠として富岡由紀夫君、末松信介君及び前田武志君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認めます。 それでは、理事に中川雅治君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 株式会社日本政策投資銀行法案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。尾身財務大臣。
○国務大臣(尾身幸次君) ただいま議題となりました株式会社日本政策投資銀行法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 本法律案は、行政改革推進法に基づき日本政策投資銀行を完全民営化するとともに、その長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持するため、日本政策投資銀行を解散して新たに株式会社日本政策投資銀行を設立し、その目的、業務の範囲等に関する事項を定めるものであります。 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、新たに設立する株式会社日本政策投資銀行の目的につきましては、その完全民営化の実現に向けて経営の自主性を確保しつつ、長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持し、もって長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することとしております。 第二に、株式会社日本政策投資銀行の業務につきましては、譲渡性預金等の受入れ、資金の貸付け、資金の出資等を行うこととしております。 第三に、株式会社日本政策投資銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため、財務及び会計、監督等につきまして、所要の規定を整備しております。 第四に、政府は、株式会社日本政策投資銀行の株式につきまして、市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、平成二十年十月一日から起算しておおむね五年後から七年後を目途として、その全部を処分することとし、処分後、直ちにこの法律を廃止するための措置等を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(家西悟君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○峰崎直樹君 おはようございます。 冒頭、昨日の農水大臣がお亡くなりになったということで、いろいろ我々も国会で追及をしてきた立場でございますが、その点は引き続いて事態の真相を解明するということは必要だと思うんですが、冒頭、やはり同じ政治家の一員として、国政に携わった人間としてお悔やみを申し上げ、また、これからもいろいろとこの種のことが起きないようにお互いに頑張っていきたいなと、こう思っております。 さて、今日は、これから参議院選挙も戦われる前になってまいりますといろんなものが打ち出されてまいります。そうした中で、ふるさと納税制度という問題が菅総務大臣の方から出されてきたわけであります。もちろん、この種のアイデアというのは、実は私どもの平岡法務担当、法務の次の内閣の大臣でございますが、平岡さんの方も今年の一月に同じようなそのアイデアを自分のホームページで明らかにされていましたので、必ずしも菅総務大臣の専売特許というわけではないわけでありますけれども、現職大臣が自ら地方税に対して、ふるさとに自分の今納めている地方税の一割程度を、一割というふうにたしか聞いておりますけど、今、今日副大臣お見えなんで、冒頭その中身、どんなことを考えられているのか、またそれについては総務省としてはどんな考え方を持っておられるのか、冒頭お聞きしたいと思います。
○副大臣(大野松茂君) 今お話にございましたように、これまでも地方団体の首長の皆さん方からいろいろな御意見もありましたし、また議員の間にもいろいろな議論がございました。特に首長の間からは、都会に出ていった者が地元で成長する際に負担した教育や福祉のコストに対して何らかの形で還元ができる仕組みができないかと、あるいはまた、生涯を通じた受益と負担のバランスを取るべきではないかと、このような意見があったところでございます。また、最近は、都市に生活している納税者からも、自分が生まれ育ったふるさとに貢献をしたい、また自分とかかわりの深い地域を応援したいと、このような意見も聞かれるところでございます。 ふるさと納税につきましては、このような地域に対する真摯な思いを生かして、地方の活性化にも資する仕組みを税制として構築するとの趣旨で菅大臣が改めて提示をいたしたものでございます。 早速、総務省といたしましては、千葉商科大学学長の島田晴雄先生を座長といたしまして、地域振興の有識者や地方公共団体の長、税の専門家などの皆さんで構成する研究会を六月一日に設けまして検討を開始することといたしたところでございます。様々な議論があろうかと思いますが、実現に向けて研究会において幅広い議論をいただき、年末の税制改正に間に合うように総務省として基本的な考え方を取りまとめることができれば有り難いと思っております。 この一連の菅大臣の提言の中で、例えばという形で一割ということをそのときに口に出されたと、こう認識しております。
○峰崎直樹君 改めて総務副大臣にお聞きするんですが、目的は何なのかというときに、今いろいろおっしゃったんですけど、ふるさとで育てた人材は育っているのに、その方が東京へ出ていっていると、せっかく地方で育てたのに人材は東京に行きっ放しだと、あるいは生涯の受益と負担の関係についてそういう意味で考える必要があるんじゃないかと、あるいはふるさとに応援したいとか貢献したいと。 これは一体何なんですか。その目的を明確にしておかないと、これ実に受け止め方によってはいろいろおかしな税になってしまいますので、その点もう一回、六月一日に設置されるこの例えばふるさと納税制度の検討会の目的は何なのかということを明確にしてください。
○副大臣(大野松茂君) 一連の議論の中でもこれから出てまいるものと思っておりますけれども、やはり地方と言うなれば都市部との関連の中で税の在り方がいろいろ問われていくわけであります。 その中で、例えば都市に住んでおる皆さん方がふるさとをどのようにするかという議論も当然この中に出てくることもございますし、都市と地方との税収の格差の問題でありますとか、そのような具体的な議論の中でこれから具体的な方向がお示しいただけるのではないかと、このように思っているところでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、これ格差是正が目的なんですか。国と地方の間の格差是正が目的なんですか。だからそこを、格差是正が目的なのか、いや、私の育ったふるさとに何らかの形で応援したいというのが目的なんですか。そこら辺をあいまいにしておくと非常に、税の議論というのは非常に原理原則にこだわるところがありますので、その点をもう一度明確にしてください。
○副大臣(大野松茂君) それぞれの地域にお住まいの皆さん方がふるさとに対する思いが非常に強くなっているということも私はあると思います。それは、例えば、地域の自分の生まれ育ったところがいろいろな形の中で苦労されていることが最近多いと、そういうことの中で改めてふるさとに思いをしたいという具体的なものもございますし、それと同時に、この税の格差の問題がありますものですから、それが併せてこの議論の中に出てくると思うんですが、一番熱い思いは、やはり真摯に私たちのふるさとに何らかの形で貢献をしたい、応援したい、このことの大きな声だと私は思っております。
○峰崎直樹君 ふるさとに対して何らかの応援をしたいという、非常に私の受け止め方からするとあいまいなんですよ、そこが。そこが明確になっていないと、税制上どういう対応していったらいいのかということについて、じゃ議論のしようがなくなってくるということがまたあると思うんですよ。 じゃ、応援するのに寄附で応援するというやり方もあるでしょうね。あるいは、年を取ってふるさとにもう一回戻りたい、戻って労役を、つまりサービスを自分が提供したいということもあるかもしれませんよね。そうした中で、なぜ地方税の一割をどこへでも、自分のふるさとに寄附しようと、寄附というか、自分のふるさとに納税できるようなと、こういう、まあ言ってみればもうそれだけが先に出てきているんですけれども、非常に今お話を聞いていてよく分からない。 そこで、財務大臣にお聞きします。 財務大臣は、このふるさと納税制度、税制にかかわってくるところですから、地方税同士でやるんならいいんじゃないのというふうに傍観者的になられるのはちょっとまずいんで、このふるさと納税制度というのは一体どういうふうに、国と地方の関係、当然交付税の問題、いろいろかかわってまいりますけれども、どういうふうにこの問題については判断されているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 現在、都道府県と言った方がいいと思いますが、地域間の財政力格差が拡大する傾向にありまして、これに対して早急に対応する必要があるという点では私と総務大臣は認識は一致しているところでございます。 そういう問題の対応に当たりまして、まず国と地方の財政状況について御理解をいただきたいと思いますが、債務残高の税収に対する比率を見ますと、国が十五倍、税収の十五倍が債務残高である、地方全体としては三・五倍であるという点が一つございます。それから、プライマリーバランスで見ましても、国がマイナス四・四兆円の赤字であるのに対しまして、地方は五・四兆円の、総体としてですね、五・四兆円の黒字であるということなどから見て、国とそれから総体としての地方を比べますと、国の方がはるかに厳しい財政状況にある、このことをまず御理解をいただきたいと思います。 その上で、個別自治体の財政力を見ますと、地方交付税で歳入を補てんしている自治体がある一方、東京のように基準財政需要と基準財政収入の差が一・四兆円と大幅ないわゆる財源超過になっている自治体がございます。 そういう中で、この東京の一・四兆円という財源超過は、この財源が不足の、財政力指数が非常に低い八つの県、島根、高知、鳥取、長崎、秋田、宮崎、沖縄、和歌山、この八つの県の全体の財政、過小財政といいますか、財政不足をカバーするだけの実は黒字になっているということでございます。 そういう状況の下におきまして、先ほどの地方公共団体の間の財政力格差という問題の解決が必要であるという点では、私と総務大臣は意見が全く一致しているわけでございます。ふるさと納税制度につきましては、したがいまして、基本的に私どもは住民税の問題であるというふうに考えておりまして、地方税の間の調整の問題として対応をすべきであると考えております。 いずれにいたしましても、地方における受益と負担というその関係、受益と負担の関係をどう考えるか、それから租税制度に関するその根幹にかかわる問題でもございまして、今後この点については十分慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○峰崎直樹君 財務大臣の立場からすればそういうふうにしか答えられないのかもしれませんけれども、私はどうも、総務大臣がこういう形でふるさと納税ということをおっしゃられる背景には、格差の是正、格差の是正に対してだったら、国と地方の間の税源配分だとか、あるいは交付税の改革だとか、そういうことを通じて基本的にはやっていくべき課題なんですよ。にもかかわらず、ふるさと納税ふるさと納税っていう、研究会まで立ち上げるという意図は何か別の意図があるんじゃないかと思えてならないんですよ。 それは何かというと、この六月に地方税が一気に上がるんですよね。一応、総務省の方に、どのぐらいこの地方税が上がるのかということについてちょっとデータを出してくれないかということでお話をしていたんですが、時間の関係で、三十五分までしかありませんので、私の今日配りました資料の二枚目見てください。給与所得者に関して、定率減税の廃止及び税源移譲による収入別所得税・個人住民税の負担額の変化、月額と、こう書いております。 独身の世帯がまずあって、この独身の世帯で、独身で七百万円というのはちょっと高いかなと思いますんで、五百万円ぐらいの独身、これも今のフリーターとかそういう方々からすれば比較的いいわけでありますけれども、この五百万円のところの、所得税と住民税と並んでいて、見ていただきますと、五百万円の方の住民税は一万二千六百円から二万一千七百円にこの六月から上がりますね。まあ倍とまではいかなくても八割アップです。三百万円の方ですと五千円が一万五百円、これはもう完全に倍以上ですよね。 次のページ見てください。給与所得者で、夫婦、子供二人です。これで、五百万円の年収のある方が住民税どう変わるかというと、これまでは五千九百円だったのが一万一千三百円、五千四百円のアップになりますよ。もちろんそれは、所得税が減っているということももちろんあるんですけれども、この六月から一気に倍、事実上の倍になっている。七百万円の年収の方ですと、一万五千百円が二万四千五百円、九千四百円のアップと、これも六割アップですね。要するに、こういうふうに六月のいわゆる給料、賃金から事実上これ天引きされていくわけですよ。あっと思ったら、あれっ、こんなに税金が上がっているぞと、こうなるわけですね。 総務省、これ、数字間違いありませんね。ちょっとお墨付きを与えてください。あっ、その前に何か、財務大臣、何かありますか。
○国務大臣(尾身幸次君) いや、今のことについてでありますが、これは所得税と住民税の問題です。つまり、三位一体で、それぞれの人にとりまして所得税を減税をして、その分住民税を同じ額だけ増税したわけです。ただ、タイミングがずれておりまして、所得税の減税は一月の一日から、住民税の増税というか徴収の期間は六月からと、こういうことになっておりまして、いや、七月一日かな、なっておりまして、半年ずれているわけでございます。ですから、住民税だけを見るとその分増税になっているというふうに見えますが、全く同じ額を年間所得税については減税をしておりまして、個々の納税者については納税額は全く同じということでございますので、その点を御理解をいただきたいと思います。 確認の方は総務省の方にしていただければと思います。
○峰崎直樹君 確認、ちょっと先に、じゃ確認します。
○副大臣(大野松茂君) 今配付なされておる資料は、この数字でございます。
○峰崎直樹君 財務大臣、質問もしないのに答えていただいたので有り難いんですけれども。 この定率減税を元に戻した、そして税源を移譲したと。その前に重大な法律違反やっているんじゃないですか。九九年だったか、これ二〇〇一年だったか、このいわゆる定率減税を廃止するときには所得税の抜本改革やりますということが大前提になっているんですよ。何にもやらないで元に戻しただけでしょう、これ、景気が良くなったと称して。そして、そのときの最高税率の問題はどうなったのか。これ、恒久的減税と称してやりました。 法人税もやりました。法人税は、今年の税制改正の中で財政が大変厳しい厳しいと言いながら、例えば皆さん方の配当課税あるいはキャピタルゲインの問題にしたって、二〇%の税率が掛かるところを一〇%にまける。今年の十二月三十一日に決めても来年の一月一日からですよ。要するに、もう来年の一月一日から進むやつまでもう全部、これはもう減税するということを決めちゃっているんですよ。 こんなことをしておいて、この定率減税のところだけは、いやいや、これは元に戻るだけですからと言って、それは普通のサラリーマンの世帯からすれば、そんな何年か前に定率減税があって、それが元に戻っただけですよと、三位一体改革があって、これは国税から地方税へ税源が、ある意味では一〇%の定率減税移ったことが反映しているんですよと、今までとトータルすれば何も関係ありませんよと言っても、受け取る側はそう受け取らないですよ、これ。今おっしゃられたようなことを。 確実に六月の終わりになったら、あれ、こんなに税金増えてどうなっているのといったときに、いや、だから皆さん、その中からふるさとに一割だけどうですかと。自分のふるさとは困っているんだからと。こういう毛針発言、昨日だれか、おとといですか、日曜討論でNHKを聞いていたら、なかなかうまいこと言うものだなと、これは正に毛針だなと。ふるさと納税と言っているけれども、要するに、いわゆる六月になったら一気に負担増が上がることに対して、いやいや、皆さんそれは今までと、国税と地方税合わせたらトータル変わりないんですよと。まあ、もし負担がそれだけ重くなったらそのうちの一割ぐらいはふるさとに納税してくださいよと、こういう毛針発言じゃないかと思うんですよ。 どうですか、総務副大臣、そういうふうに受け止められても仕方ないんじゃないですか、これ。選挙目当てのために、何かふるさと納税ふるさと納税と言って、何かあたかもふるさとを重視して地方を、選挙対策をやっているようにしか思えないんですけれども。どうですか、副大臣。
○副大臣(大野松茂君) 今財務大臣からもお答えがあったところでございますが、三位一体改革に伴うところの税源移譲でございまして、その実質的な数字につきましては今こちらにお示しをしたとおりでありますが、例えば所得税の関連につきまして申し上げますと、所得税のボーナス徴収及び年末調整による影響というものもございますし……
○峰崎直樹君 え、ちょっと聞こえない。
○副大臣(大野松茂君) 所得税のボーナス徴収また年末調整による影響というものもございます。 したがいまして、年の税額で見た場合は、定率減税の廃止の影響を除きますと所得税と住民税の合計額の増減はございません。
○峰崎直樹君 そういうことは分かっているんですよ。我々はそれは、いろいろと税をやっていれば、この一月から六月の間の分は払っていませんよということで一気にこれは上がってくると。しかし、受け取る側はそう受け取らないがゆえに、何でこんなに上がるんだいということで、これはたしか地方税、住民税が上がってくると、たしか国民健康保険の財源まで変わってきたり、配分が変わってまいりますから、大変大きな影響力を持つわけですよ。 だから、そういう意味で、それに対する毛針でこういうふるさと納税やっているんじゃないんですかと。まあ、そう言ったって、いや、毛針ではありませんというふうに決まっているから聞きませんけれども、そういう意味で、私は、まやかしの何かふるさと納税というものの在り方を検討する委員会を立ち上げて、結果的にどんなものが出てくるのか分かりませんけれども、私はそう大したものは出てこないなというふうに思わざるを得ないわけであります。 これはもうこれ以上やっても仕方ありませんので、もう時間があと十分しかありませんので、次に、もう一つの資料を見ていただきたいと思います。 これは予算委員会でも使いましたけれども、イギリスのロンドン大学の名誉教授にロナルド・ドーアという方がおられまして、その方をわざわざお呼びをして勉強会をやりました。上の数字がその勉強会のときの数字で、下の数字は岩波新書で「誰のための会社にするか」というところから取り上げた、要するに、今や株主天下へこういうふうに変わってきましたよということを下の図は岩波新書で明らかにされて反響を呼んだわけであります。 上の数字見ていただきたいと思うんですが、これは資本金十億円以上の企業で、売上高から研究開発費まですべてこれは官庁の資料でございます。二つの景気上昇期、一九八六年、あの円高不況からバブルの真っ最中のいわゆる増加率を、八六年から九〇年の実績を調べたものです。そして、今回、正に小泉内閣の改革時代の二〇〇一年から二〇〇五年の増加率を調べたものであります。 ごらんになって分かりますが、上の数字で売上高は五・五と四・九、そう大きな差はありません。付加価値の方はむしろ大企業の場合には増えておりまして、六・八から七・九。役員給与と賞与です。あの日興コーディアルのときに私随分問題だということを申し上げましたけれども、見てください、あのバブルの最盛期ですら二二・二%しか上がっていないのに、九七・三。この間に倍になっているんですよ。これは恐らく成果主義とかいろんなことがあるのかもしれません。アメリカ流の経営も入ってきたのかもしれません。従業員の給料見てください。一九・一%バブルのときは増えたのに、何と二〇〇一年から二〇〇五年にかけてマイナス五・八と。これを見て私も唖然としたわけでございます。配当見てください。一・六%の伸びしかなかったのに、二〇〇一年から二〇〇五年にかけては一七四・八%ということは二・七倍ですよ、これ。そして、配当分の累積内部留保、かつては内部留保は一・七八あったわけですけれども、今やこれが〇・三一まで内部留保は減ってきている。つまり、内部留保を全部吐き出して配当と役員給与、賞与をどんどんどんどん増やして、従業員給与だけは成果が上がっているのにどんどんどんどん下げていった、リストラをしていったと。 そして、尾身大臣、尾身大臣が一番お得意の研究開発費見てください。かつては、この五一・四%というのは何に対する五一・四%かちょっと私も調べておりませんが、いわゆるその研究開発に回している比率でございます。何と五一・四%から一一・一%。日本の科学技術予算というのは非常に、トータルとして見たときに、官民で比較すると、GDPの三%台ということで、世界最高だと言われています。これは尾身大臣がよく御存じのとおりであります。その中心成しているのは民間企業なんですよ。いわゆる公的な税を使った研究開発費というよりも、民間が圧倒的に強いから実は今までの競争力が持ててきたわけですよ。このいわゆる五年間、見てください。かつてのいわゆるバブルの時代におけるあの景気が良かったときには半分はその研究開発費というものの伸びがあったけれども、その伸びが一一・一%まで、五分の一まで下がっているんですよ。これゆゆしいことじゃないですか。 この表をごらんになって、尾身大臣と金融担当大臣、お二人にどういうふうな感想を持たれたのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 私もこのドーア氏の作成の資料を見させていただきました。 今回の景気回復の局面におきまして、特に大企業を中心として役員報酬や配当が増加する一方、従業員給与に伸び悩みが見られることは確かであると考えております。 この背景は、今般の景気回復局面は、グローバリゼーションの進展の中で、企業がいわゆるこの雇用、設備、債務の過剰を解消する中での回復であったために従業員の賃金の伸びが緩やかになっていること、さらに、役員報酬につきましてはその算定方法として業績連動型の仕組みを導入する企業が増加していること、配当につきましてはその原資となる純利益が大きく増加している等が挙げられると考えております。 他方、こうした企業部門の改善は徐々に家計部門に波及をしてきております。例えば、昨年から正規雇用が増加に転じておりまして、失業率も二〇〇一年の五・二%から最近三・八%まで改善をしております。また、有効求人倍率も二〇〇一年の〇・五六倍から本年四月には一・〇五と、一を超える水準で推移しているわけでございます。 今後、この景気回復を持続される中で、企業経営の改善が更に進んで労働市場がタイトになることを通じて、従業員の賃金も上昇してくるものと期待をしているわけでございます。 なお、この資料によりますと、先ほど御指摘のとおり、大企業の研究開発費の伸びが以前と比べて低くなっておりまして、長い目で見た企業の国際競争力の観点から気掛かりであると思っております。 ただ、今御指摘のいろんな数字は、実はこの二〇〇六年、昨年には大幅な改善が見られているんだろうというふうに考えておりまして、この今の比較の中で二〇〇六年の数字を、私どもとしてはこれを足してみるといろんな課題が解決をしつつあるというふうに考えております。 いずれにしても、経済のグローバリゼーションの中で、我が国の企業部門が国際競争力を維持発展させていく、向上させていくということが重要でありまして、この観点から引き続き構造改革を進めていきたいと考えております。
○国務大臣(山本有二君) 岩波新書の「誰のための会社にするか」というロナルド・ドーアさんの指摘は、現代の企業社会における一つの警鐘を鳴らしていることは事実だろうというように思っております。特に、先生御指摘の一九八六年から今日に至るまでのこの間の従業員給与における面の低下というのは、言わば資源の再配分の中における格差の拡大の要因になることは間違いございません。 その意味におきましては、こうした傾向がどこかで歯止めを掛けられ、またさらに、納得のいく、社会全体が歓迎をもって迎えられる体制というものをどうすればいいかはともに考えていく必要があろうと思います。特に、先ほど御指摘の研究開発費は世代間を超えて新しい発展を生むというようなこともありますので、そんな意味を含めてどこにどう利益処分をしていくか、特に富の再配分は歴史的に難問であると言われた今日までの歴史でございまして、その意味におけます先生の御指摘は重要だというように考えるところでございます。
○峰崎直樹君 今の金融担当大臣のお話聞いていて、本当に是非、この格差の問題がこういう形で変わっていく大きな背景に、会社法の改正、それからもちろん税法の改正だとかいろんな形で出てきていると思うんですね。そういうところを少しやっぱり、今ちょうど経済財政諮問会議が二〇〇七年の骨太方針を作るときに一体どうだったのかということを、これ格差の拡大も含めて。 我々は、たくさん取っているからけしからぬと言っているんじゃなくて、非常にこの低くなっているところが本当にずっとそのまま低くなる、あるいはもっとそれが落ち込んでいくという、そこのところに実は問題なんで、従業員給料も役員給与、報酬と同じように伸びていくんであればそれは問題ないと思うんです。ただ、国際競争力という観点も我々もしっかり考えなきゃいけませんよということはそうだと思うんですが、持続的な発展を考えるときに、従業員の給与、あるいはこれは、ここにはあれ入れていませんけどね、派遣労働とかですね。契約社員と臨時雇いは入っているけれども、派遣労働やあるいはパート労働は入っていませんけれども。 しかし、いずれにせよ、そういう持続的な発展ができるようなものにするときに、よく財務大臣おっしゃっていますよね、経済財政諮問会議で。少子化に対応できるものであったんだったら、それはもう財源は、それは惜しまないということをおっしゃっていました。少子化の大きな原因になっているのは、要するに結婚できるような給料になっているのかと、結婚して子供を育てられるようなそういう労働条件をもらっているのかと、そういったところに大きな問題があるんですよね。 だから、そうなると、このいわゆるこれまで小泉改革の下で進められてきたいわゆる路線というものに対して、一回ちょっとこれを見直してみなきゃいけないんじゃないのかということを、私はこれ警鐘乱打しておく必要があるんじゃないんだろうかと、こう思って実はこの資料を、前回予算委員会のときにも使わせていただきましたけれども、またロナルド・ドーアさんをお呼びしたら、〇一年—二〇〇五年までいただきました。二〇〇六年になったら良くなるだろうと、こうおっしゃっているんですけれども、もう何度も私、日銀総裁が来るたびに、今日後で日銀総裁来られるようですけれども、ダムの水論と称して、もう数年たったら給料良くなりますよ、もうすぐたったら良くなる、一向に良くならないんですよ、これ。だから、消費に結び付いていかない。だから、日本経済も今またどうやら踊り場じゃないかというふうに言われているんですけれども。 そういう意味で、もう一度私たちは、この今大きく変化してきているこの時代の中で何が一番やはり大きな問題になっているのかと、この点はしっかり見ていかなきゃいけないんじゃないんだろうかなということを申し上げて、ちょうど三十五分までということなんで、あとの質問まだ用意しておりましたけれども、これはまた委員会等の場で質疑をさせていただきたいということを申し上げまして、取りあえず私の方からの質問を終わらせていただきたいと思います。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、泉信也君が委員を辞任され、その補欠として秋元司君が選任されました。 ─────────────
○富岡由紀夫君 民主党・新緑風会の富岡由紀夫でございます。今日はよろしくお願いいたします。 まず冒頭、昨日の松岡農林水産大臣の大変ショッキングな訃報に接しまして、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思っております。 それでは、質問に入らさせていただきたいと思います。 まず、景気、経済認識についてちょっと順番を変えて質問をさせていただきたいと思っております。 法人税を払っている今の、最近の、直近の企業というのは大体何社ぐらいあって、日本全体の企業のうちの何%ぐらい比率として占めているのか、教えていただきたい。それと、法人所得金額の支払額、上位一〇%ぐらいの企業で法人所得金額全体の何%ぐらいを占めているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。 まず、私ども国税庁の二〇〇五年分の調査によりますと、内国の普通法人、約二百五十八万社ございますが、利益計上法人はそのうち八十五万社、全体に占める割合は三二・九%でございます。 それから、もう一点先生のお尋ねで法人所得金額上位一〇%の企業で法人所得金額全体が何%を占めるかというお話でございますが、私どもの調査は各法人の所得階級別に取っておりますので、所得金額上位一〇%というような計数はございません。 ただ、若干近似でございますが、所得金額五千万以上の法人を足し合わせますと約六万五千社ございまして、構成比で言いますとその六万五千社は全体の利益計上法人の七・七%に該当します。その七・七%に対応する法人で所得金額は三十七兆九千八百億余、それで構成比では、所得金額の構成比は八九・四%、約九割を占めている、七・七%の法人で八九・四%の所得金額を出していると、こういう関係でございます。
○富岡由紀夫君 黒字企業が三二・九ということは、赤字法人数というのは七割ぐらいということでよろしいんですか。
○政府参考人(加藤治彦君) 恐縮でございます。 今三二・九%と申し上げましたのは利益計上法人で、逆数で欠損法人は六七・一%、百七十三万社ということでございます。
○富岡由紀夫君 今お伺いして非常に驚いているんですけれども、わずか上位七・七%の企業で日本の法人所得金額の八九・四%、八九%、言わば九割ですね。七・数%の、七・七%の企業が九割の利益を計上しているということでございます。これは非常に偏った状況だというふうに私は思っております。今言ったように、七割の企業は、日本の景気は回復したと、若しくは少し順調に進み始めたということでいろんな調査報告出ておりますけれども、七割の企業はまだまだ赤字でございまして、そして、利益を上げているといってもわずか全体の七・七%しか上げていないという状況でございます。 これで本当に日本の景気は回復したと言えるのか、財務大臣、そして今日は日銀総裁にも来ていただいておりますので、それぞれ御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 今の全体の、数は少ないわけでありますけれども、いわゆる大企業、九〇%近い法人所得を得ているということでございまして、そこまでの企業が全体として利益をかなり上げているということは、いわゆる景気がかなり良くなってきたことの証左であるというふうに考えております。企業部門全体といたしましては、いわゆる設備、雇用、債務の過剰、三つの過剰がほぼ解消し、収益の改善、設備投資の増加などが見られるわけでございます。中小企業の景況につきましても、大企業と比べますとまだ厳しさが見られますが、全体として見れば改善傾向にあると認識をしております。 家計部門につきまして、失業率、二〇〇二年の五・四%から、本日発表になりました四月の数字、三・八%の失業率へと改善をしているわけでございますし、有効求人倍率も一・〇五倍というふうに推移しておりまして、雇用情勢も改善をしております。個人消費の方も持ち直しの兆しが見られるわけでございまして、そういう中で、労働市場がタイトになることを通じて賃金の上昇が徐々に実現されてくるであろうと私ども期待をしているわけでございます。 世界経済全体については、原油価格の動向とかあるいは世界経済、アメリカなどの経済について留意が必要であると思いますが、国内の民間需要に支えられた景気回復は順調に続いていると認識しております。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行におきましても、業種別の景気の動き、あるいはできる限り個々の企業の収益状況等につきましても情報を集めながら全体の景況判断いたしておりますが、マクロ経済全体の判断という形に最終的にまとめ上げますと、日本経済、引き続き緩やかに拡大しているという判断でございます。そして、先行きにつきましても、生産、所得、支出の好循環のメカニズムが維持される下で息の長い成長を続けていく可能性が高いと、こういうふうに判断いたしております。 なお、私どもも時々、国税庁の法人企業実態調査、拝見しております。委員御指摘の欠損法人の数が結構多いということは承知しておりますが、実態よく知りませんけれども、過去にさかのぼりましても、景気のいいときでもこの数は結構多いというのが過去の実績ではないかという気がしております。ちょっと正確でないかもしれません。
○富岡由紀夫君 欠損法人が多くて景気がいいというのは、それはその表現の仕方というか観察の仕方が間違っているんじゃないかと私は思うんですけれども、まあそれはそれとして。 今、福井総裁おっしゃいましたけれども、日銀さんもいろんな企業に対して調査されているというふうにおっしゃっておりましたけれども、具体的にはどういう手法を取られて調査されていらっしゃるんですか。
○参考人(福井俊彦君) 全体、何と申しますか、産業別あるいは企業別、大企業、中小企業等のウエート別に、バランスの取れた調査をするために短観という形で調査をしております。そのほかに、本店及び支店を通じまして、個々の地域のリーディング産業あるいはリーディング産業でなくても特色のある企業について景況感をつぶさに伺っております。
○富岡由紀夫君 日銀短観というのは、よくいろんなレポートの中でも引用されて、日銀さんが政策決定をされるときに非常に重要な指標として使われているというのは承知しておりますが、今ちょっと是非教えていただきたいんですけれども、間違っているかどうか御確認いただきたいんですが、日銀の短観の調査対象基準というのがございまして、これは資本金が二千万円以上の企業を調査対象としているというふうに承知しております。 先ほど、国税庁さんは二百五十八万社と言っていましたけれども、そのうちの調査対象、二千万円以上の企業というと約二十二万社ぐらいしかないと。これ、比率にすると八・数%の企業だと、数だと思っております。非常に、二百五十数万社あるうちの二十万社、上位本当に一〇%未満のところだけを調査対象として、そして日銀短観のアンケートを取って、あと地方の支店も、リーディングカンパニーというふうに言っていましたけれども、これも多分同じ基準だと思いますが、そういったところだけを調査対象として日本全体の景気を推し測る、今の状況を推し測るというやり方は本当に適切なのかどうか、福井総裁、どうでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 本店、支店におきます個々の企業調査は、必ずしも短観対象先ではございません。それも含みますけれども、より幅の広い企業に個々にお伺いしているデータも多いわけでございます。そのほかに、幅広い調査として、短観でカバーされていない領域については、中小企業金融公庫の調査、国民金融公庫の調査結果、十分拝借しながら景況感の判断に取り入れております。
○富岡由紀夫君 支店、個々の支店で短観以外の企業から調査しているというんですけれども、具体的にどういった調査されていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 支店長あるいは調査担当の者が個々の企業を訪問して、いろいろ経営の状況についてお伺いしているということでございます。
○富岡由紀夫君 短観の基準に満たない二千万円未満の企業に対してどのぐらいの数調査しているのか、分かれば教えていただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 私どもの持っているリソースにも制約がございます。そんなに大きな数ではないと思いますが、少なくとも短観対象外の企業についてもお伺いしていると。数は今すぐに明確に分かりません。その数といいましても、相手を常に固定しているわけではありませんので、順次違った企業を訪問しているという感じであります。
○富岡由紀夫君 そのウエート付けはどのぐらいで見ていらっしゃるんですか、日銀短観企業とそれ未満の調査、資本金の二千万円未満の企業の、対象のウエート付けはどういうふうに。
○参考人(福井俊彦君) ウエートはありませんけれども、支店長会議のときに各地の支店長から詳細な報告があり、これは本店で、全国的な統計あるいは短観による判断を補うに十分な情報がそこに集められてくるということでございます。
○富岡由紀夫君 是非ちょっと、じゃ今言ったような統計というか、判断に使われた、そういった各支店での、二千万円未満の状況について是非後で、後ほどでも結構でございますので、そのデータをちょうだいしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 短観のようにまとまった統計という形になっていないということは今の私の説明でお分かりになられると思いますが、そういうものでよければ何がしかの情報は差し上げられると思います。
○富岡由紀夫君 今お話しいただいたように、先ほど、日本全体の法人所得の九割はわずか上位七・七%の企業で計上しているといったところでございます。そして、今、日銀さんの短観で企業のいろんな業績を判断するときに、アンケートを出すのはわずか上位八・六%、八・数%のところだけを調査対象として推し測っていると。ですから、さっき、くしくも日銀総裁おっしゃいましたように、過去でも景気が良かったというふうに判断されているときでも多くの企業が赤字だったということがやっぱり生じてしまうんじゃないかなと私は思っております。景気がいい、いいというふうに言われても、私どもも地元の中小企業、地域の経済を見ると、決してそんなこと、みんなだれも思っていないというのが実態だと思います。 先ほど、峰崎先生からの質問にも関連するんですけれども、今大企業が利益を上げているやり方が私は非常に問題だというふうに思っております。財務省さんの資料でも、先ほどの何とかドーアさんの資料と全く同じような数字が出ております。二〇〇五年には、二〇〇一年度対比雇用者報酬は三%減っていると、しかしながら配当金は一七七%増えている、役員報酬も八八%増えていると、これは財務省さんのデータでもございます。これは非常に偏った利益計上の仕方じゃないかなと思っております。 会社の中でも、株主とか経営者が利益を一杯吸い上げていると、従業員はこき使われて利益を、何というか、収益を、給与を下げられている。これが、その会社だけじゃなくて、下請企業、中小企業との間でも全く同じことが行われているんじゃないかと私は思っております。大企業は価格決定権を持っていますから、仕事が欲しい下請企業は大企業に従わざるを得ないんですね。そうすると、いろんな下請の発注価格も単価を引き下げられたり、あと原料や材料の仕入価格、これも今たたかれにたたかれております。仕事を取らないと、毎日の仕事を回さないと従業員を中小企業は養っていくことができませんから、赤字覚悟で仕事を受注している、赤字覚悟で製品を納入している、これが実態ではないかと思います。今の日本全体に非常にこれが、非常に顕著にこの傾向が進んでおりまして、その結果が、わずか七・七%の企業が史上空前の利益を上げていると、全体の九割以上の利益を上げているという状況でございまして、これが本当に好ましい日本の社会の在り方なのかどうか、私は甚だ疑問であります。 こういった姿が美しい日本の姿と言えるのかどうか、福井総裁、御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 日本経済は、同時に、非常に厳しい国際経済競争の中で常に一歩先頭に立って進むと、これは日本経済が先々までも人々の幸せを確保していくためにどうしてもたどっていかなきゃいけない道と、その間に企業が様々な苦労があると、その相克の中で少しでもいい、バランスの取れた経済を実現していく、多くの人がそこに工夫を注ぐ必要があるということだと思います。
○富岡由紀夫君 私がお伺いしているのは、大多数の国民の犠牲、大多数の中小企業の犠牲によって得られた一部大企業の最高収益、これが美しい姿、それによって得られた国際競争力が美しい日本の姿であると言えるのかどうかということをお伺いしておりまして、国際競争力、そういった形でのやられ方、在り方について、本当にこれが望ましい、美しい姿なのかどうかということを改めてちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) グローバル化の中で、やはり日本がきちんとした位置付けを確保していくための多くの方の選択肢、そういう方向に向けられていることは現実、幾ら厳しくてもこれは現実の姿だというふうに思います。その中で、やはり現実に潜在成長能力を幾ばくか上回る安定的な成長軌道に今乗り、かつ、それをより確実なものにしていこうという段階にございます。 つぶさに見ておりますと、大企業だけでなくて、やはり少しずつ全国各地の中堅企業、中小企業にも好影響が波及しつつあるという状況でございます。これを着実に維持していくという姿が、マクロ経済に責任を持たしていただいております日本銀行としては、最も、何といいますか、将来の展望につながる経済運営の進め方ではないかというふうに考えております。
○富岡由紀夫君 今私が問題提起させていただいているのは、その一部の企業が利益を上げるやり方だと私は思っているんですね。 昔は、私も銀行でいろいろと仕事させていただいて、いろんなグループ同士で、共存共栄という言葉がありまして、お互いグループ内で持ちつ持たれつやっていこうという意識が非常にあったというふうに思っておりますが、今はそのグループの系列も全く度外視して、それこそインターネットか何かで競争、オープンに入札させて、全く関係ない企業でも単価が安ければそこに発注してしまうというような非常にドライな仕事の契約が進んでいるというふうに理解しております。こういう姿が本当にいいのかと、私は非常に疑問に思っております。 先ごろフランスで選挙がございましたけれども、そのとき議論の一つとして取り上げられました、エアバスの親会社の元CEOが、リストラを一万人以上、自分たちの従業員を一万人以上リストラしているのにかかわらず、退職金として十三億円相当ぐらいを受けるということが問題になっておりました。従業員の首を切ってリストラをして、そして自分で十何億円も退職金をいただく、もらう、こういう形は望ましい姿なのか、フランスでも議論になったと思いますが、これに対して福井総裁はどう思いますか。それも国際競争、グローバル化の中で仕方ないことなんだ、当然のことだというふうにお考えでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 私は、そういうことをいいとか悪いとか決め付ける立場にはございません。やはりそういったことは、社会の中の価値観をみんなでどういうふうに分かち持ってより良き社会をつくるかという国民全体の価値観のシェアの仕方でありますので、みんなで大いに議論して、そこのところは将来につながるいい価値観をシェアする方向で努力をするという以外に方法はないんじゃないかというふうに思います。 フランスにおきましても、選挙の過程でそういう議論が相当濃密に行われたということは委員御指摘のとおり私も承知いたしております。
○富岡由紀夫君 私は、やっぱり今国民の議論の中でそういった価値観がよく理解されて議論されてないんじゃないかというふうに思っているんですね。景気が良くなった、一部の企業が良くなったことを受けて日本全体の景気が良くなったというような報道をされて、それで良かった良かったというふうに表面的に思っている人がたくさんもちろんいると思うんですけれども、しかしその裏側には今言ったような構造的な大きな問題があるということが本当にみんな理解した上で、今の在り方、グローバル化をいいというふうに私は理解しているとは到底思えておりません。 ですから、こういったことを国民の中にしっかりと明らかにして、本当にそういう姿が望ましい経済社会の在り方なのか、日本の社会の在り方なのか、私はしっかりとする議論があると思います。 今先ほどそういった問題、一部大企業が利益を上げる、それで一部大企業のうち株主そして経営者が莫大な収益を一点集中的に吸い上げる、これの原因はやはり私は、株主の権利が強くなり過ぎているということが大きな原因だと私は思っております。 特に、外国人投資家が日本に最近いろんな形で入ってきております。その中でヘッジファンド等々もあります。敵対的買収という形でそれが現れたり、知らない間に株式が買い上げられて、いつの間にか日本の企業と思ったのが外国人投資家、外国人の所有比率が五〇%を超える状況になってしまったとか、そういったところで、今それぞれ株式防衛対策も含めてそういった当該企業も右往左往しているといった状態だと思いますけれども、こういう在り方が本当に望ましい姿なのか、私は非常に疑問に思っております。株主の権利だけを主張すれば、短期的な収益を上げるためにリストラしなさいよと、そして収益を上げてそれを配当に回せと、株価を上げるためにリストラをどんどん遂行して下請のいじめをしなさいよと、従業員もどんどん給料を引き下げなさいよ、こういったことがもう外国人投資家は本当に面切って今言ってきております。 グローバルスタンダード、海外からの投資もどんどん促進しようということで政府もやっておりますけれども、これが野方図に進んでいくと、知らない間に日本人は非常に痛い目に遭って、一生懸命働いてもその収益が外国人投資家にみんな配当金として持っていかれてしまう。こういったことをやっぱり国益の観点からも私は考えないといけないんだと思います。 逆に、グローバルスタンダードの中で日本の企業も海外に行っているという議論もありますけれども、私は、それをアメリカとイギリスと同じようにそういうやり方をして、海外のところでそういった利益の搾取というか現地の従業員をこき使って搾取するやり方、これは私は決して美しい日本の国の在り方じゃないと思っております。国際競争力、グローバル化といっても、それがすべて正しいという前提で動くんではなくて、日本は何だかんだ言ってもまだ世界第二位の経済大国でございますから、本当に美しい経済活動というのはどういうものなのか、経済発展というものはどういうものなのか、企業の在り方はどういうものなのか、私は、提言していく立場を担ってもいいんじゃないかと私は思っております。 そういった意味で、この行き過ぎた、何というんですか、株主重視の在り方についてどう思いますか。今度、山本金融担当大臣にちょっと御意見をお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(山本有二君) 先生の御指摘、重要であろうというように思っております。 グローバル化について肯定論、否定論、両論あることも存じ上げております。ただ、今グローバル化を否定することによるマーケットの縮小、それによる富の分配の、全体としての富のパイ自体が縮小することに対する懸念の方が私は今最も大事なことであろうと思っております。世界経済がグローバリズムの中で動いており、また市場規模も二〇〇六年におきます五十兆ドルあるわけでございまして、その意味における我が国の金融機能というのは一割に満たないところになってきておるわけでございます。 そうした中での先ほどの従業員給与の指摘でございました。先ほど申し上げましたように、給与はやはり企業を担う従業員の皆さんのものだという従業員所有説も企業の議論の中であるわけでございまして、その意味におきました場合に、株式配当のみに重点を置く企業の利益処分の在り方というものに対する警鐘はもっともなことだろうというように思っております。 他方、企業経営は個別でございます。その中におきます従業員給与の格差において、役員になろうというインセンティブ、向上心が働いて企業が繁栄するというような立場を取る人もおれば、また従業員が企業に対する嫌悪感や倦怠感、これによって企業活動の能率を悪くして、やがて企業が倒産するということにもつながる傾向がございます。 両論相まってこれからいい方向への一つの一里塚であってもらいたいと願うばかりでございます。 以上でございます。
○富岡由紀夫君 今ちょっといろいろとグローバル化の中で話が、そういう国際競争力の分野にもお話しさせていただいておりますが、国際的な大きな金融の世界の問題として今ヘッジファンドの問題もあろうかというふうに思っております。 先ほどG8の蔵相会談で尾身財務大臣も出席されたというふうに新聞では報道されておりますけれども、私は、この中でドイツが非常にヘッジファンドの規制に対して熱心に議論されたというふうに伺っておりますけれども、それに対して、イギリス、アメリカ等に追随して日本はやや消極的な対応の発言を議論されたというふうに伺っておりますけれども、このヘッジファンドに対する取組についてG8でどういった議論をされたのか、簡単で簡潔にちょっとお話しいただければと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 先般、G8のポツダムで行われました財務大臣会合でありますが、首脳会議、サミットの準備会合という意味も含めて行われました。 ヘッジファンドにつきましては、自由経済のメカニズムの促進に貢献をしているというプラス面の評価がありました反面、潜在的なリスクが複雑化して大きな問題を引き起こす可能性があるという共通の問題意識から議論が行われまして、このヘッジファンドに対する規制の在り方につきましては、当初は、主としてドイツから、コード・オブ・コンダクトといいますが、業界による行動規範を作るべきであるというような提案がありました。これにつきましては、実質的な規制強化になるという意見が、私どもだけではなしにアメリカ、イギリス、フランスその他ほとんどほかの国が大部分同じ意見でございましたが、いろいろ議論、相談をいたしまして、最終的には、取引金融機関、いわゆるカウンターパーティーといっておりますが、によりますリスク管理あるいは業界団体による実務慣行の見直しを通じて問題を未然に防止する方向でいくべきであるという点で意見が一致したわけであります。 ヘッジファンドの実態につきましては、今回の会合におきまして、各国、国際機関の金融の専門家の集まりであります金融安定化フォーラムから実態調査の報告がございまして、その報告の中では、ヘッジファンドの取引が拡大する中で、金融機関のリスク管理の強化を通じて金融システム全体のリスクを軽減していること、他方、商品内容が複雑化したことで、特に市場流動性の低い商品のリスク評価が困難になっているという面もあること等が指摘されまして、これに基づく提言が行われ、その後の進捗を本年十月のこの金融安定化フォーラムからもう一度報告をしていただくということになりました。 さらに、私の方から、ヘッジファンドの取引の相手方である金融機関等への資金取引の集中が見られる中で、主な取引の相手方と大臣レベルで非公式な意見交換を行ったらどうかという提案もいたしまして、各国の賛同をいただいたところでございます。 今後とも、ヘッジファンドの問題につきましては適宜適切に議論を行って対応してまいりたいと考えているわけでございますが、この規制をしないことが消極的だとか後ろ向きであるという考え方ではなく、ヘッジファンドの役割を積極的な意味においても評価しつつ、必要な弊害は除去していくというのが大方のコンセンサスであったというふうに考えております。
○富岡由紀夫君 アメリカとかイギリスがヘッジファンドの規制に反対するというのは分かると思うんですね、理解できるんですが。というのは、そういったところはヘッジファンドで逆に攻撃している立場ですから、もうけているところですから、そこはもう規制されちゃ困るという議論になるのは当然だと思います。ドイツは、逆にそれでやられて痛い目に遭っていますから、もっと規制を強化しようということでいろいろ今回そういう提案をなさったんだと思います。 日本はどっちなんでしょうかね。私はやられているんじゃないかと思うんですけど、何でやられている人が勝っているアメリカとかイギリスに追随しなくちゃいけないのか、私は非常に疑問だと思います。本来であれば、私はこの議論は、山本金融担当大臣にG8に出席していただいて御議論いただいた方が良かったのかなと私は思っておりますけれども、金融担当大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) ヘッジファンドについての議論は、アメリカのSECやFRBとも日本は事細かく議論を重ねてきております。規制当局の方から申し上げれば、できるだけ市場の健全性を確保したいという考え方の下に規制に偏りがちな議論が多いわけでございます。ただ、FRBの高官によりますと、やはりプライベートファンドは一般投資家の自由度と同じように完全自由でなければならないし、ヘッジファンドにおきましても、システムリスクがない以上市場の中では受け入れていくべきであるという考え方が主であるわけでございます。 そのようなことを考えましたときに、ドイツにおけるG8の尾身大臣の議論というのは大変成果のある議論でございまして、現在の世界的なグローバリズムの中のヘッジファンドの存在の在り方についての警鐘が鳴らされたことは非常にいいことであろうと思います。 また、富岡委員御指摘のように、ドイツにおけるフランクフルト市場におけるヘッジファンドでの買収劇につきましての懸念ということはドイツ特有のものでございましょうし、また、日本におけるMアンドAの企業におけるこの現在の展開についての懸念ということにおきましても日本的特徴であろうと思います。 しかし、今後の道行きを考えましたときには、やはりそこには利用者保護の観点、一般投資家保護の観点がまず第一番にあるべきだというのが日本の考え方の第一番でございますし、今後、流動性と効率化というヘッジファンドの大変なメリットを日本型でどう生かしていくかということを模索していきたいと考えておる次第でございます。
○富岡由紀夫君 今、山本大臣おっしゃった利用者保護というのは、投資家という意味ですよね。
○国務大臣(山本有二君) 投資家というより一般投資家です。
○富岡由紀夫君 一般投資家という意味ですね。 一般投資家のそういったところはしっかりと支えていかないといけないんですけれども、私が一番懸念しているのは、一般投資家じゃなくて、個別のたくさん資産を持っているごく少数の投資家ですね。例えば、ちょっとこの後、足利銀行のお話もさせていただこうと思っておりますが、新生銀行とか、あの長銀がやられたり日債銀がやられたりしたときに、外国のこのファンドを組成されたのは、本当にごく限られた人たちだけがお金を出して、それで莫大な利益を上げて売り逃げしていっちゃったと。日本の税金も八兆円も新生銀行に使ったり、そして新日債銀のあおぞら銀行でしたか、には五兆円ぐらい使ったりして、もう日本の国民の税金を使ったのにもかかわらず、外国に非常に、何というんですか、おいしい思いだけ、おいしいところだけさらわれてしまったというようなことがございますけれども、そういうやり方というのはやはりある程度国益という観点から私は規制すべきだと思っているんですけれども、こういったことを踏まえてどういうふうにお考えなのかを教えていただきたいと思います。 そして、今、足利銀行が秋には受皿が決まると言われておりますけれども、そういったことのないように、是非そういったハゲタカファンド的なところだけには、やっぱり地域経済を考えたときにそういったところに売り渡したときは非常に心配がありますから、そういったことも含めて、今どういうふうにお考えを持っていらっしゃるのか、金融担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 日本における長銀、日債銀等々における富の喪失というような問題につきましては、これは国家的な問題として取り上げるべきだという先生の御指摘は大変貴重な御意見であろうと思っております。 ヘッジファンドにつきましての、そうした意味で少し拡大して考えていけば、短期的な投資、しかもその投資から投機というような流れというものは是非ともこれは食い止めるべきであろうというように考えております。しかし、その手法ということになりますれば、今後市場への過度な規制という面との相まった調和が必要でございますので、研究をしていく必要があろうと思います。 また、今後、我が国として考えるべきは、各金融機関の企業収益力の問題も考えていかなければなりません。大体、外資系と言われるインベストメントバンクにおける収益が二〇%を超えていると。日本市場の中でそうした収益を上げられるに比して、日本企業等々についての収益力が低いという面が我が国の特徴でございます。特に、不良債権の処理に当たっての時価評価、これが事業計画の将来的な見込みを含んでいないという点に私は今後の課題があるように思っている次第でございます。 今後、こうしたことを研究しながら、伍して闘える日本の金融体制にしていかなければならないし、またそうしたことにおきます富岡委員の貴重な御意見もちょうだいしたいというように考えるところでございます。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。 ちょっと時間が迫っておりますので、先ほど福井総裁に質問するのがちょっと漏れてしまいましたので、ちょっと戻って質問させていただきたいと思いますが。 日銀は、将来のいろんな物価の見通しというか予測を非常に重要視されて金融政策運営をされていらっしゃるというふうに私は思っているんですけれども、先般、OECDのところでそれに対していろいろと注文というかコメントがございました。新聞によると、日本の日銀は一段の利上げはまだ国内需要に悪影響を及ぼすのでやめた方がいいんじゃないかと。そして、実際の利上げはそういった予測、日銀が重要視しているそういった予測で動くより、デフレが実際に脱却したという結果を見てそれから動くべきだというふうに、日本に対して、日本の日銀に対してそういうコメントをされておりますけれども、これに対して、福井総裁のこれに対する、コメントに対するお考えをちょっと、反論というかお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
○参考人(福井俊彦君) OECDの方々とは日本銀行もいろんな形で対話を続けてきておりまして、基本的な認識に非常に大きなそごがあるというふうには思っておりません。先般のOECDのレポートは表現的にややそういうふうな形になっておりますけれども、現在各国中央銀行、少なくとも先進国の中央銀行の金融政策の基本的なスタンスというのは、足下の物価だけを見ていて金融政策の責任が全うできると、こういうふうに考えている中央銀行は一行もございません。 やはり先行きの経済をどういうふうに深く読み、そして将来につながる金融政策をするかという点がむしろ共通のスタンドポイントになっていると、こういうふうに認識しておりまして、日本銀行の今取っておりますスタンスは、足下の物価を無視するということは一度も申し上げたことはございません。現在の物価を更に将来に引き延ばしてどういうパスが想定できるかと、その望ましい蓋然性のシナリオを持つことができるんであれば、それを実現できるような金融政策を必要なタイミングでやっていくということでありまして、将来につなげる立体的な枠組みという点で御理解をいただかなければならないと、こういうふうに思っています。
○富岡由紀夫君 ちょっと駆け足になってしまって大変恐縮なんですけれども、事前に御連絡させていただいておりました財務省の天下り人事について、ちょっとお伺いしたいと思います。 東証の自主規制機関の理事長に財務省の元次官の林さんという方が決定されたというふうに新聞では報道されておりますけれども、これは今政府で進めている、公務員制度改革をやっているわけですけれども、これに逆行するんじゃないかというふうに思っております。まさしく公務員制度改革を骨抜きにしてしまうような内容に私は受け止めたんですけれども、これについて財務大臣はどういうふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 東証の問題、本件につきましては、東京証券取引所が株式会社として自らの御判断で自主規制法人の理事長として適切な人物を選定されたものと考えております。本件に関連して財務省から何らかの関与があったとの御指摘がありますが、そのようなことは行っていないと聞いております。
○富岡由紀夫君 そのほかにも、全国地方銀行協会の会長に元大蔵事務次官の小川さんという方も就任するらしいと。何か今駆け込み的に財務省の天下りが進められているんじゃないかというふうに新聞では報道をされております。 また、日本政策投資銀行、今日お話出ました、の次期総裁、そしてあと新政策金融機関であります、今議論されている株式会社日本政策金融公庫のトップには天下りはしないということでいろいろな委員会の中で発言をされておりますけれども、ちょっと心配なのは、株式会社日本政策金融公庫の中身なんですけれども、これは旧JBICというか、JBICとか国民生活金融公庫、それぞれ別勘定で管理されるというふうにいろいろと説明を受けておりますけれども、その中の全体のトップは天下りはしないと言っていますけれども、そういったJBICのトップ若しくは国民生活金融公庫のトップに今までと同じように財務省の次官とかそれに準ずるような方がまた天下りするんじゃないかという懸念があるんです、心配しているんですけれども、そういったことはないというふうに考えてよろしいんでしょうか、尾身財務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) ちょっと誤解があるように思いますが、私どもは、適材適所であるということで、一定の公職にあった者が自動的にそのポストに就くというようなことは絶対にありませんと、こういうふうに申し上げているわけでございまして。 私も客観的に見ておりまして、その経歴が、例えば昔公務員であったからそういう人は一切就職をしてはいけないというようなことは必ずしも言えない。やはり基本的にその組織の代表として適切であるということをつかさつかさの方が判断をして、そのつかさつかさというのは本当に権限のある人が、決定権のある人が判断をして適切な結論を出していただくことがいいと私は思っておりまして、これについて、何というか、逆に、かつて公務員であった人をそういうところに一切使うのはいけないというふうに先入観念的に決めるのはどうかなというふうに思っております。 ただ、昔このポストに就いていたから自動的にそこに行くのが当然だというような形の考え方は私どもは一切持っておりません。
○富岡由紀夫君 時間になりましたので質問を終わりますけれども、今の適材適所というところで、その林元事務次官は問題だというのは、実際には、証券局に勤めたんですけれども、それはリリーフ的な役割で本当に短期間だけやったということで、本当にそういった証券市場に詳しいのかどうかということが、新聞なんかを見ますと全くそういったところの経験がないんじゃないかといった懸念があったものですから質問させていただきました。適材じゃないんじゃないかなという懸念の下に質問させていただいていることです。ポストがあるから必ずやったということ、駄目だということじゃなくて、そういう意味合いでございます。 ちょっと、先ほど回答していただけなかったんですけれども、株式会社日本政策金融公庫のそういった各部門ごとのトップに天下りはしないということを是非言明していただきたいと思います。先ほどちょっと御回答の中でなかったものですから。その点を確認して、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) この東京証券取引所の件でありますが、これについて、それぞれの団体が自らの御判断で決定されるべきものであるというふうに承知しております。 いずれにいたしましても、公務員が再就職をしたことにより行政がゆがめられてはならないということは当然のことでございまして、今後とも厳正かつ公正な行政が行われるよう十分に配意してまいりたいと思っております。
○富岡由紀夫君 済みません、政策金融公庫のトップ人事についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 先ほども申し上げましたように、個々の団体等についての人事はそれぞれの責任者が責任を持って決めるべきものでございまして、私どもとしては一定の公職に就いた者が自動的にその職に就くというような考え方は持っておりませんし、これは政府としてそういう考え方を決めているところでございます。 したがいまして、だれがどうのこうのというようなことを今ここで申し上げるわけにはいかないということだけは御理解をいただきたいと思います。
○富岡由紀夫君 終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 今日は一般調査ということでございまして、最初にまず、生命保険の名義借り、また架空契約ということにつきましてお聞きしたいと思います。 これは、契約者が入った覚えのない架空契約あるいは名義借り契約といったいわゆる不正契約が見付かっていると、こういう報道がございました。かく言う私も、随分前ですけれども同じような被害に遭ったことがございまして、もう十数年前でございますけれども、いつの間にか契約したことになっていて、判も押されて名前も書かれていたということがございました。 こういうことがどの程度実態として行われているのか、また、当局としての対応をどうお考えになっていらっしゃるのか、まずそこを山本大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 西田委員御指摘のような報道がございました。 個別会社に関する事柄は差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、いわゆる名義借りとして考えられる具体例を申し上げますと、募集人が営業目標を達成するため、自ら保険料を負担することを条件にして知人等に保険加入を依頼する場合等が挙げられております。 こうした不適切な保険契約の発生防止のために、保険会社に対しまして、金融庁は保険会社向けの総合的な監督指針を定めております。一つは架空契約等を防ぐための保険契約者の本人確認、そして契約の継続状況の常時把握といった対応を求めております。 各保険会社におきましても、契約後の契約者意思の確認や、短期で解約に至った案件の解約理由確認等、不適切な契約の防止に努めておられると承知しておるわけでございますが、金融庁としましては、引き続き、保険会社に対し、不適切な契約の防止のための体制整備、日々の保険募集活動の適切な管理を求めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 正に、こういう不正はなぜ起きるのか、その不正の温床はどこにあるのかという根本までさかのぼって対応しなければならないと私は思います。 その不正の温床は、会社にもちろんよりますけれども、契約の取付けにかかわる営業体制そのものにやっぱりあるのではないか。そういうことを認識して自主的に営業改革をしているケースも会社によってはあると思います。 もう一度、今、総合的な監督指針のお話もいただきましたけれども、こうした営業体制ということまで踏み込んだ当局としての指導体制、また、そういう自主的に営業改革をしている事例がもしございましたら、それも含めてお話しいただければと思います。
○国務大臣(山本有二君) 現在、生保の保険金の支払漏れにつきまして、本年二月に全社、三十八社に対して報告を求めて、四月に各社より調査の進捗状況等の報告がなされております。 また、遅くも十九年十一月ごろまでに、こうした保険業法違反等に対する調査も併せましていただけるように考えるところでございまして、そうした調査の中から、先ほど西田委員御指摘の過度な営業ノルマに対する管理等々が健全に行われているかどうか、さらに、営業マンのノルマのみならず経営現場におきます健全性について担保される方法が取られているかどうか等々を見極めていきたいというように考えているところでございます。
○西田実仁君 是非、信頼関係ということにかかわる大事な問題でございますので、徹底した調査とともに適切な指導もお願いしたいというふうに思います。 続きまして、前回質問させていただいたことに対しての、若干ちょっと分からない点もございましたので、財務省さんにお聞きしたいと思います。四条公債に関することでございます。 前回、連合審査の際に、平成十五年、十六年度に多くの特殊法人が独法化した際に、政府の出資金で累積欠損金を償却するという措置がとられたということについてお聞きしました。それが、政府出資金が四条公債の発行によって充てられているということからして、果たしてどうなのかという趣旨の質問をさせていただいたわけでございます。 その際に、四条公債の累積発行額、償還額又は残存額ということについて御質問した際お答えいただきました数字は、昭和四十一年度から平成十九年度までの四条公債累積発行額は二百八十六兆円であったと。そして、その償還額は十九年度末までの見込みで四十五兆円、そして引き算すれば残存額は二百四十一兆円と、こういう数字をお示しいただいたわけでございます。 しかしながら、この残存額における公共事業、また出資金、貸付金、それぞれどれぐらい内訳があるのかという質問に対しましては、総合減債制度を取っておる関係から、これはそうした個別の資産の残存額と四条公債の残存額というこの見合いはしていないんだと、全体として総合減債制度ですのでそうした内訳はない、こういう御答弁でございました。これはまあそうなんだろうなというふうに思うわけでございます。 しかし、財政法の四条を見ると、これは言うまでもなく四条公債発行時点では、公共事業費は幾らか、出資金は幾らか、又は貸付金は幾らかということは明確になっているわけなんですね。毎年発行される予算書にもそのように書いてあるということからしますと、発行時点でのこの内訳というのは分かるんだろうと思うんです。 ですから、発行時点ベースでの累積額がそれぞれどういう内訳になっているのかということについて御答弁いただければと思います。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。 四条公債の発行でございますが、最近四年間、平成十四年から平成十七年度末までの累計の新規発行額について見ますと、約三十二兆円ということでございます。 この内訳ということでございますが、その点につきましては、前回もお答えいたしましたとおり、国債管理の観点からの区分ごとの整理は行っていないということでございますが、仮に十四年度から十七年度までの四年間の累積の発行額、約三十二兆円を区分ごとの公債発行対象経費、これは御指摘ございますように対象経費幾らというのがございますので、この四年間の累計額で案分いたしますと、公共事業に相当する部分が全体の九一%、出資金に相当する部分が全体の八%、貸付金に相当する部分が全体の一%でございますので、公共事業に相当する発行額は約二十九兆円、出資金に相当する発行額は約二兆円、貸付金に相当する発行額は約四兆円と推計することができるということでございます。
○西田実仁君 そうすると、償却、償還額も前回累積でお示しいただきましたけれども、今の比率で大体償却しているということも基本的には考えればよろしいんでしょうか。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。 ただいまの御答弁で、貸付金に相当する発行額約四兆円と申しましたが、約〇・四兆円の間違いでございます。その点、まず訂正させていただきます。 その上で、この差額のところが減価償却部分かという点でございますが、減価償却分、当然その分については入っておろうかということでございますが、減価償却につきましては、国の資産の管理という観点から、これは国の資産に関します財務書類の方で減価償却については行わせていただいておる。ただ、この部分が正確にどういった額になっておるかということは、公債発行対象経費でございましても、補助金という形で地方の方に参っておる部分もございます。そういった点に御留意いただければと存じます。
○西田実仁君 前回御答弁いただいたときに、ちょっと一つ分からないのは、大臣の方からこのいわゆる特殊法人から機構を独法化したときの出資金による償却ということですけれども、大臣の御答弁では、出資金見合いの支出が有形無形の資産として残り、将来国民がその利益を享受し得るということから公債発行対象経費としているわけでございます、ただ、現実には、ということで、例えば福祉の施設等の法人については、独立行政法人にするときにその辺をきちっと整理して引き継ぎませんと、実態に合わないものが残ってくるということでありましたので、国会の議決もいただきながらその整理をさせていただいたと、こういうことでございますという御答弁をいただきました。おっしゃるとおり、国会で議決をして個別法によってその旨が記されているということだと思います。 この御答弁を素直に読むと、出資金に見合う資産は、独法に移行の際、償却して残っていないということを御答弁されたんだろうというふうに思うんですね。一方で、松元次長は、私の質問に対して最後に、四条公債の残高と個別資産の対応関係は分からないが、全体として四条公債の残高に見合った資産価値を有しているものと考えていると答弁をなさっておられます。 これは、今財務大臣がおっしゃった御答弁と次長がおっしゃった御答弁とはやや矛盾があるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○政府参考人(松元崇君) この四条公債におきまして発行対象経費にいたしたことと独立行政法人にいたします際に各個別法に基づきまして資産といたしまして償却をいたしたことの関係でございますが、この四条公債に対象といたしておりますのは、国全体として資産性が認められるかということでございます。したがいまして、研究開発、それぞれの研究開発法人が行っておりますそういった研究開発、なかなか民間では行い得ないものである、その成果は将来にわたり国民に有形無形の資産として残り我が国の経済社会の発展に寄与する、そういった意味で後年度の負担にしてもそこは許される四条公債発行対象ではないかということで、従来四条公債の発行対象経費としておったということでございますが、個別の法人ということで見てまいりますと、そこは個別の法人の資産として残っているわけではない、むしろ損金として処理されておった、そういった欠損金が累積されてきていたというのが実情でございました。 そういったことから、独立行政法人に改められます際に、そういったことはこの民間企業会計と同じ考え方でとらえた場合、ですから国民経済全体ということではなくて民間企業会計と同じ考え方でとらえた場合、これは独立行政法人の会計基準、これは総務省の方でお作りいただいておりますが、この独立行政法人の会計基準はできるだけそういった民間企業会計と合わせたような形でという御議論ございました。それに合わせていくということになりますと、分かりにくいのではないかといった御指摘がございました。そういった御指摘も受けまして、それぞれの個別法に置かれました資産、債務の承継規定に基づきましてそういった対応がなされたということでございます。
○西田実仁君 よく分かりにくいのは、次長がおっしゃっている公共事業費、出資金、貸付金の区分ごとの経理は行っていないと、個別の資産の残存価値という考え方は取っていないというふうに再三おっしゃっておられますよね。そういう御答弁がある一方で、全体としては四条公債に見合った資産価値を有しているというふうに言われているわけですね。区分ごとの経理をしていなくて、なぜ全体として資産価値を有していると言えるのか、そこがよく分からないんです。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。 繰り返しになりまして恐縮でございますが、区分ごとの経理と全体として資産価値を有しているということにつきましては、これは研究開発につきましても個別の法人の資産としてはそこは存在しないと、減価していくという形になりますが、その正に民間の研究所では行い得ないような国の将来にわたってその効果が現れてくるような経済社会の発展に寄与するような形で社会全体に寄与している、そういった形で国民全体の資産としては残っているという考え方に基づいてこの四条公債の発行対象にしたということでございます。 四条公債の発行対象といたしましては、この出資金のほかにも貸付金あるいは公共事業といったものがございますが、これらにつきましては、全体としてこの四条公債見合い資産の平均的な効用発揮期間を六十年という形で設定させていただいております。 〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕 これはそれぞれの、個別に言いますれば、この公共事業にしましても、いろんなものにつきまして償却期間というのは議論はあろうかと思いますが、この六十年ということを設定いたしました時点におきまして、全体の平均的なところを取ってそういった形にしておる、そういった形で六十年という償還期間が設定されておりますので、そういった六十年を通じて全体として償還を図っていく、これを総合減債制度ということで私ども呼んでおりますが、この総合減債制度を採用しているということから個別に区分は行っておらないということでございます。
○西田実仁君 前回もちょっとお聞きしましたけれども、総合減債制度そのものは理解しますが、全体として国民の資産に後世に残しているというお答えなんですが、それが目に見えにくいというか非常に分かりにくいというところだと思うんですね。 四条公債が充てられるのは公共事業のほかに貸付金、出資金があるわけですけれども、出資金については、これはかなり古い御答弁ですけれども、昭和四十二年の参議院における予算委員会で当時の水田大臣が御答弁されておられますけれども、この出資金また貸付金というものはもう恒久財産であって永久に効果を発揮するというふうに答弁されているわけですね。ですから、出資金については償却をするという考え方はそもそも取っていないというのが旧大蔵省としてのお立場ではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。 出資金につきまして大蔵省としての考え方ということでございましたが、総合減債制度という観点から、国債管理の観点から申しますと、これは公債発行対象経費として六十年で償還されていくということでございまして、それにつきましては公共事業あるいは貸付金、そういったことと区別はしておらないということでございます。 他方、国の資産管理という観点、国債管理ということとまた別に国民の財産としての国の資産管理、これをどうしていくかということにつきましては、これは近時、企業会計の考え方を活用して、正に国民に分かりやすく示していく必要があるということで、国の資産や負債等の財務状況を開示するということから、これを平成十四年からだったと存じますが、国の財務書類ということでこの決算を作成、公表してきているところでございます。 この国の財務書類の考え方におきましては、民間企業会計の考え方にできるだけ倣うということから、出資金につきましてもその純資産が毀損している場合につきましては、これは約三割毀損しているといったような場合につきましては強制評価減という考え方、これが企業会計にございますが、強制評価減という考え方を取るということにいたしておりまして、この国の資産管理につきましては、現在はそういった考え方をしておるということでございます。
○西田実仁君 ということは、そういう国の資産管理ということで考え方を変えたということ、この水田大臣の答弁は恒久資産であるということで、そういう意味では償却はしないという考え方だと思いますので、変えられたんだろうというふうに理解いたします。 それで、残り時間ないので、外為特会のことについてちょっとお聞きしたいと思いますけれども、これにつきましても、特に積立金がなぜ必要なのかということを前回、三月にお聞きさせていただきました。その際には、積立金は、将来、国内金利が高くなり海外金利との逆転が起きる、歳入不足に外為特会が陥るかもしれないと、あるいは、保有する外貨資産について円高に伴い発生する評価損見合いの役割をしているというのが次長がお答えいただいたことでございましたし、また篠原局長からは、同じような趣旨で、外為特会の金利変動あるいは為替変動のリスクを吸収して通貨当局の信認を確保するという観点から積み立てているという御答弁でございました。それは正にそのとおりで、円相場と米国国債価格の変動率が大きいことを勘案すると、利益を計上して将来のリスクに備えた価格変動準備金的な資金は必要であろうというふうに思うわけでございます。 お手元に資料として配らせていただいたものを見ていただきますと、二枚つづりになっておりまして、表一の方は外為特会における貸借対照表を九一年から二〇〇七年までのものを並べたものでございまして、表二の方は同じく外為特会の損益計算書でございます。 損益計算書の方から見ていただきますと、今言われているところの積立金というのは、じゃどのぐらいあるのかということになりますと、一番下でございます。最近年度の剰余金処分というところを見ていただきますと、一番右側、積立金積立額というのが、これが本来的な意味での積立金であろうというふうに思うんですね。幅としては二千億から二兆二千億円という幅になってございます。その左の項目を見ていただくと、一般会計歳入への繰入れというのが一兆から二兆円弱ぐらいございまして、合わせたものが当然剰余金というふうになっているわけでございます。 しからば、この剰余金はどこから出てくるのかというと、その上の段、本年度利益というところから発生しているわけであります。その本年度利益は歳入と歳出の差であるということは言うまでもございません。 〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕 ここで、まず、技術的なお話で恐縮ですけれども、その前の貸借対照表に移っていただきますと、外国為替の評価損益というのが借方の上のところにございます。これが評価損として、繰損も出ておりますけれども、貸借対照表にはそうした評価損益というものが別項目として貸借対照表に計上されてございます。しかし、この評価損益は期間処理はされていないと。 本年度利益には、先ほど申し上げましたとおり、この貸借対照表上に出ている評価損益は別項目として置いておいて、それで歳入歳出の差額を本年度利益として、言わば利ざやだということだと思いますけれども、計上されている。こうした処分はなぜなさっておられるんでしょうか。
○政府参考人(篠原尚之君) お答え申し上げます。 ただいま委員からお話ございましたように、外為特会の保有外貨資産につきましては、為替の変動による評価損益を貸借対照表の上では外国為替等評価損益ということで計上しておりますが、損益計算書には反映しておりません。これは、外国為替資金特別会計の場合は、他の国の会計と同様でございますが、現金主義を採用しておりますために、言わば現金の過不足を生じない未実現の損益を損益として計上していないということであるからでございます。 一方、御承知のように、民間の企業会計の慣行を参考といたしました財務書類をここ数年公表してきております。この財務書類の中では、外国為替相場の変動による評価損益を貸借対照表だけではなくて、各会計の業務費用及び財源を明らかにしました資産・負債差額の増減の計算書という名前で為替換算差額の項目で公表しているところでございます。
○西田実仁君 ちょっと時間がないのでどんどんお聞かせいただきたいと思いますが、先ほど、冒頭、申し上げ、冒頭というかこの質問の項目で最初申し上げましたとおり、いわゆる本年度利益の処分状況を見ていただきますと、一般会計歳入への繰入れが一兆から二兆円なのに対して、本来的な意味での価格変動準備金たる積立金積立額は二千億円から二兆円強という幅になっているわけでございまして、本年度利益の半分は一般会計への繰入れになっているわけです。一般会計への繰入れが優先し、いわゆる価格変動準備金はその残額が積み立てられているというふうにも見えるわけですけれども、この点いかがでございましょうか。
○政府参考人(篠原尚之君) お答え申し上げます。 ただいま先生からお話ございましたように、外国為替資金特別会計は、言わば為替相場の急激な変動の際に必要な為替介入を行うというために設けられている会計でございます。したがいまして、外為特会の健全な運用の確保の観点というのが非常に重要でございます。 それとともに、やはり一般会計の厳しい財政状況を勘案いたしまして、行革推進法でも、相当と認められる金額を一般会計に繰り入れなさいという規定がございます。 こうした二つの観点を勘案いたしまして、外為特会の決算上の剰余金の一部を一般会計に繰り入れるということにしているところでございます。
○西田実仁君 それはそうだとして、貸借対照表を見ていただきますと、ではこの積立金が本当に価格変動準備金たり得るのか、今の御説明、たり得るのかというところで貸借対照表を見ていただきますと、積立金というのは下に、貸方のところにございまして、この積立金の細目を見ますと、積立金は全額が財政融資資金預託金になっているわけでございます。しかも、ほとんどが約定期間七年以上になっているわけなんですね。 そういう意味では、価格変動に備えるという意味で非常時に取り崩せる性格の代物ではない、そういう意味では価格変動の準備に備えられないのではないかと、準備にならないのではないかというふうにも見えるわけですけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府参考人(篠原尚之君) 外為特会の積立金でございますけれども、その積立ての重要な目的というのは、保有する外貨資産につきまして円高に伴い生ずる評価損の見合いという役割を持っているわけでございます。そういった見合いの資産を持つことによって特別会計の健全性を保つ、それがひいては非常時、為替が急激に変動したときに通貨当局として適切な行動が取れるという市場の信頼にとって重要なことであるというふうに考えているわけでございます。 評価損自体は、これは為替の変動に基づいて発生するものではございますけれども、直ちに現金の必要が生じるというものではございません。したがいまして、片や積立金を積み立てるということによって特別会計としての信頼性を確保する必要があるというふうに考えているところでございます。
○西田実仁君 直ちに必要でないから預託金七年以上のものが多くても構わないという御答弁ですね。
○政府参考人(篠原尚之君) 積立金は約定七年未満のもの、約定七年以上のものがあるわけでございますけれども、確かに急にあしたお金が必要になるという形の性格の資金ではないということは事実でございます。
○西田実仁君 それで、そういう七年以上のものが過半を占めている、大半を占めているということだと思います。 最後ですけれども、これはもう既に国会で承認をしていることなので、国会のガバナンスということでやや反省も込めて申し上げれば、この貸方の外国為替資金証券、いわゆる為券の発行額の限度額が今年度は四十兆円増になっているわけでございます。過去最大の市場介入がどのぐらいだったかというと多分三十兆円ぐらいだというふうに思いますので、それを上回るような巨額の為券発行ということが、外準はすべてが借金であるということと見合いでしょうから、これが果たして真の外貨準備運用になるのかどうかというような疑念もやや持っておりまして、最後、大臣にそのことを、なぜ四十兆円もの巨額の為券発行になったのかということをお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 我が国の為替介入は、市場に過度の変動や無秩序な動きがあり、経済活動に大きな悪影響があると判断された場合に実施してきているところでございます。 このような観点から、今後の為替市場のいかなる動向に対しても引き続き十分な余裕を持って機動的に対応できるよう、円資金調達面においてもあらかじめ万全の体制を整えておくことが為替市場の安定的な推移に資するものであるというふうに期待されております。そのことから、外為特会の借入金の限度額を十六年度予算におきまして百四十兆円に引き上げたところでございます。 なお、借入金限度額は、あくまで今後の為替相場におけるいかなる動きに対しても機動的に対応できるような借入金の上限を定めるものでございまして、こうした限度額まで必ず借入れを行うということを予定しているものではないと考えております。
○西田実仁君 終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。 新保険業法の施行に伴って、自主共済がどうなっていくのかということが今大変な事態になっております。衆議院では自民党も民主党も質問をされまして、民主党では今議員立法も準備されているというふうな党派を超えた問題になってきております。 この問題、金融庁と法案審議の段階から、最初から議論してきた人間として、幾つか本質的なところを質問したいというふうに思います。 まず最初に教えていただきたいんですけれども、現時点での全体状況ですけれども、この共済、今回の適用に伴っていろんな団体が、団体の数がどれぐらいあって、届出申請あるいは解散、廃業という状況の数字をまず教えていただけますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) いわゆる特定保険業者の届出でございますが、平成十八年九月末が期限でございました。この際には三百八十九の業者がこの届出を行っておりまして、このうちおおむね四二%に当たる百六十五の業者が廃業を予定しているというふうに申し出ているというところでございます。
○大門実紀史君 この問題は、与謝野大臣も山本大臣も個別には配慮をすると、いろいろ丁寧に相談に乗りますということで、実際私も幾つかの団体の対応について金融庁に御相談をしておりまして、大変親切に対応してもらっているところで、幾つか調整中のところがございます。 ただ、全体の数字を今聞きますと、四二%、百六十五の共済団体が廃業ということですけれども、少額短期という方法もあるわけですけれども、いろいろその相談に乗る、配慮をしてもらうということがあったにもかかわらず、結果としてどうして四二%も廃業ということになったのか、なぜこんな事態になっているのか、大臣として今どうお考えか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 経過措置期間内の特定保険業者の皆さんは、保険会社又は少額短期保険業者となることを断念した場合次のような対応が求められておりまして、平成二十年四月以降、保険の新規引受けが禁止されてしまいます。その後、二十一年三月末までに他の保険会社又は少額短期保険業者との契約によりまして、保険契約の移転又は業務及び財産の管理の委託を行うことが義務付けられるわけでございます。当該期間内に対応できないやむを得ない事由がある場合は、期間延長の承認を受けた上で、移転等の対応を引き続き行うことが義務付けられるわけでございます。 特定保険業者の廃業と申しますのは、当局の事前承認が必要でございまして、廃業が承認されるためには以上の対応を経て保険契約の保険会社等への移転等がしっかりなされることが求められるわけでございます。このため、廃業に伴って直ちに契約が打ち切られたり、契約の清算等が行われることはありませんけれども、いずれにしましても、特定保険業者の廃業に当たりましては、保険契約者の不利益とならないよう留意してまいる所存でございます。 また、先生御指摘の四割という数字、また百六十五業者という数字、これが先ほど申しましたように、直ちに今契約しているものがなくなるというわけではございませんし、その意味では今後なお検討いただけるものというように期待しておるところでございます。
○大門実紀史君 確かにまだいろいろ確定しておりませんけれども、いずれにせよ、今四割のところが廃業の方向ということは大変な事態だというふうに思います。 これには小さな団体の負担の問題もありますけれども、私、そもそもこの適用除外の決め方に問題があったんではないかというふうに思います。流れ振り返りますと、これは共済事業者でもいろんなこと起きる、マルチ商法も含めてですね。いろんなことがあって、国民生活センターにも被害が増えて、自主的にやってきたところも破綻をする可能性も出てくるとか、様々な問題があって、契約者保護の観点からこういう共済にも保険業法を適用しようということになって、我が党も契約者保護と消費者保護という流れの中でこの法案には趣旨を賛成したわけですけれども。 今、中には法改正なんかしなくてもそういう悪質業者は摘発できるんだということをおっしゃる学者の方もいらっしゃいますけれども、私は違うと。それは刑事上の詐欺罪とか、それはできても、行政上やっぱりきちっとした契約者保護を整えるという点では必要な法案だというふうに思うわけです。 それは変わりませんが、ただ同時に、我が党は、その法案審議の段階から、自主的、健全にやっている相互扶助の共済が現にあると。こういうところに一律の規制を掛けるべきではないということで、もう法案が審議されている最中から議論をしてきたところでございますし、その法案審議の段階でも十分そのことは配慮していると、考えているという答弁が何度もされて、三國谷さんが何度もその後も答弁をされているように、要するに、三國谷さんの言い方によりますと、共済を運営している団体が高い自治性を有していると、つまり高い自治性があるということと、万一破綻しても自分で処理できると、つまり自己処理能力ですね、さらには同質性が高い、つまり契約者の特定性がはっきりしていると、こういう団体は適用除外にしていこうという方向で大体みんなが合意をしていたのがあの段階だったというふうに思います。 問題は、法案が成立した後、その前後ですけれども、私もそれをどうやって決めるのかというところで、当時金融庁の担当者に何度も私の部屋に来てもらって議論を、相当議論をいたしました。要するに、どう線を引くかということですね、それで基準はどうするかと。 金融庁の担当者も当時非常に努力していろいろ考えてはくれたんですけれども、しょせん私は役人さんだったなと、残念だったなと思うのは、論理の飛躍が起きるわけです。論理が飛躍しちゃうわけですね。それは先ほど言いました高い自治性、自己処理能力、契約者の特定性を担保する物差しを考え抜くんじゃなくて、そこで思考を停止しちゃって、それを担保するものとしてどういうわけか既存の法制度に位置付けられている団体ということに限ってしまったと。ここに今回いろんな問題を引き起こしている根本があるというふうに思います。 言ってしまえば、自治性、自己処理能力、契約者の特定性、三拍子そろっている団体でも根拠法を持たない団体は現にあるわけですね。ところが、金融庁がそこに限定したために適用除外にならなかったということでございます。 逆に言えば、私も労働組合出身で自ら共済事業にかかわり、新しい共済事業もつくった経験がございますけれども。別にですね、既存の法律に定められている団体、労働組合にしろ公務員にしろいろいろなのがありますけれども、別にその法律の中には先ほど言いました共済事業における自治性とか自己処理能力とか契約者の特定性などは何も規定がされておりません。金融庁が勝手に、その法律に入っていればそういうものが担保されると勝手に決めただけで、逆に言えば、法律の方ではそんなこと何も担保する仕組みになっておりません。したがって、それぞれの法律はせいぜい共済事業ができますぐらいのことしか書いていないわけですね。にもかかわらず、金融庁は、既存の法律に位置付けられていれば、先ほど言った三つの物差しが担保されるんだというふうにしちゃったわけですね。 これは法制度からいうと論理の矛盾があったと思います。そこに、何というか、今回の問題を引き起こしているいろんな大本があるというふうに思いますが、大臣は法律の専門家でございますから、その辺いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の昨年施行されました改正保険業法におきまして、保険契約者を保護し、事業者の健全な運営を確保する観点から、保険契約の相手方が特定か不特定か、営利か非営利かにかかわらず、およそ保険の引受けを行う者を広く必要な規制の対象としたところでございます。 他方、構成員の自治のみによる監督にゆだねて自己責任を問うことが可能であることが法令上、社会通念上、明らかな団体につきましては、団体の法的位置付けや外延と高い自治性が明確であることを条件に例外的に適用除外としたところでございます。 今回の改正で新たに保険業法が適用されることとなる団体の中に、長年にわたり有意義な活動を行ってこられたところが多くあることはよく承知しております。保険契約者等の保護のための法改正でございまして、御理解を願いたいと考えるところでございます。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、こうした団体ができる限り共済事業を継続できるように、各共済の実情や問題点をよくお伺いしながら引き続ききめ細かくかつ真摯に相談に乗ってまいりたいと思っております。 先生御指摘のように、オーダーメードでそれぞれの団体に応じた制度を構築するということが可能であればそうしたわけでございましょうし、アプローチとして、こうした少額短期というシンプルな保険形態を設けてできるだけそうした人たちに御利用いただくというアプローチ、そして先ほど申し上げました制度共済のほか、団体共済について既存の保険会社への移行等々で賄い切れない部分について更に検討しなければならないというように考えるところでもございますが、なおまた、施行後一年でございますので、この法律の運用等、あるいはその民間団体や共済団体についてのこれからの行動等を見極めながら慎重に判断していきたいというように考えております。
○大門実紀史君 もう大臣、その答弁書を読まなくて、私の聞いていることをそのまま答えてもらいたいんです。私が言ってるのは、もう簡単な話なんです。要するに、どういう物差しを決めようかというときに、金融庁は既存の法律にある根拠のある団体にしようと決められたと。言ってみれば、その前からずっと私一緒に議論してきたわけです。 要するに、先ほど言った三つの基準を満たすようなものが、ただ満たすといっても任意に決められませんから、それを客観的な物差しとして示すようなものがほかにあれば、それがつくれれば、別に既存の法律を持ってこなくてもよかったんではないかと。つまり、その客観的な物差しがほかにあれば別にいい話ではないかと。基本的にはそういう話じゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(山本有二君) その客観的な物差しで区分し、利用者保護が完全にできるというように考える具体案をお示しいただいて、それをともに検討するという作業が、政府の中で始める以前に各政党同士で始めていただくという手法が今後健全な保険のありようを決めていくのではないかというようにまずは思います。 そして、私もこの経過についてつぶさに全部承知しているわけではございませんが、各無認可共済における不適切な事例、あるいは犯罪的事例というものが多発する中で、今後どういう形で国民の消費者保護の観点を全うしていくかという点においては、この方法が考えられる当時の最大限のものであるというように私の方は受け止めておりますので、そうしたことを含めて、今後改正点があるならば、先ほどのように、先生の、基準に合わせていくというようなことのもう一つ先の具体例、こういったものをちょうだいできれば有り難いなと思っています。
○大門実紀史君 じゃ、私がその物差しをお示ししたら、それは研究していただけますか。
○国務大臣(山本有二君) まずは私個人で研究していきたいというように思っています。
○大門実紀史君 じゃ、お示しをしていきたいと思います。 いずれにせよ、金融庁としても、申し上げたいのは、もうここまで、与党の中でも何とかしろよという話になって、大問題になってきているわけですから、そもそものその物差しのところで私だけじゃなくていろんな方の知恵も集めて研究をしてほしいと、もうこれですべて決まりで何とかやれというんじゃなくて、ここまで大問題になっていますから、そういう物差しについての研究を続けてほしいと、それだけお聞きすれば、後、私も提案したいと思いますので、最後に一言、それだけお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 研究をしてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○委員長(家西悟君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時六分散会