財政金融委員会 第2号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/02/22
会議録
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小泉昭男君及び柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として柏村武昭君及び大塚耕平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、大村内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大村内閣府副大臣。
○副大臣(大村秀章君) このたび内閣府の副大臣を拝命をいたしました大村秀章でございます。金融関係を担当させていただくことになりました。 山本大臣を支えまして、職務の遂行に全力を尽くしてまいりたいと考えております。 家西委員長を始め各委員の先生方、御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。(拍手) ─────────────
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のために、本日の委員会に参考人として元株式会社日興コーディアルグループ特別調査委員会委員長日野正晴君、みすず監査法人理事長片山英木君及び日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、金融、証券市場をめぐる諸問題に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○峰崎直樹君 おはようございます。民主党・新緑風会の峰崎でございますが、参議院の財政金融委員会でこのように証券・金融市場の集中的な審議ができることを与野党の皆さん方に改めて感謝を申し上げたいと思います。 また、今日は、参考人として日野委員長あるいはみすずの片山理事長、ありがとうございました。 実は、最初に日銀総裁に、昨日〇・五%に短期金利を上げられたと、この点について二、三、時間が非常に少のうございますが、お聞きしたいというふうに思います。 なぜ上げたのかということについて本当はるるお話を聞きたいところなんですが、今日は、「金融市場調節方針の変更について」という文書を、午前中、実は事務方の方からお聞きをいたしました。そこで、ずばりその中身についてお聞きしたいと思います。物価の問題なんですが、この中で、物価は、消費面では小幅な前年比プラスとなっており、原油価格の動向などによっては目先ゼロ近傍で推移する可能性があると、こう読んでおります。 端的にお聞きしますが、ゼロ近傍の中にはマイナスになることもあり得るというふうにお考えでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 端的にお答えいたしますと、目先ほぼゼロ、あるいは場合によっては、主として原油価格の下落に連関するものでありますが、場合によっては若干のマイナスに陥る可能性はあります。
○峰崎直樹君 GDPのデフレーターを実は私どもも注目をしている一つの指標なんでありますが、さらに、内閣府のコアコアと言っているいわゆる消費者物価の上昇率、これ依然としてマイナスになっております。それでもやはりこういうフォワードルッキングというか、そういう観点から今回の措置に踏み切られたと、こう理解してよろしゅうございますか。
○参考人(福井俊彦君) 発表文はすべて御理解いただいているという前提でお答えいたしますと、基本的な分析は、日本経済の先行きを見ました場合に、生産、所得、支出の前向きの循環がきちっと働くと、こういうことでございます。したがいまして、原油価格等の要因によって物価が、上昇率が一時的に下がりましても、このメカニズムが阻害される心配はないと、こういうふうな判断でございます。
○峰崎直樹君 二〇〇〇年当時、日銀のダム論というのがございました。私どももそうかなと。輸出が増え、設備投資が増え、そして企業業績回復する。雇用にこれは結び付いて、トリクルダウンで実は家計が潤沢に潤っていくと。本当にそうなんでしょうか。 このところの格差問題というのは、実はこのところが余りダム論が利かなくなっているんじゃないのかと。それは日本の、後で実は日興コーディアル問題の問題にも関係するんですけれども、どうも日本の企業の体質といいますか、企業が配当やあるいは株主に対する貢献というようなことで、その潤沢な資金というものがどちらに向けられているのかという構造が大きく変わりつつあるんじゃないかと思うんですね。 そういう中でも、今お話しなさったような観点で、実は必ずこの需要に結び付いていくと、こう判断をされているんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 今委員、例えば二〇〇〇年との比較ということも少しお話しなさいましたけれども、私どもよく点検いたしました、日本経済だけでなくて世界経済全体との動きの連関性ということも点検いたしました。二〇〇〇年のときと比べまして、世界経済はより地域的な広がりを持って持続的な経済拡大の可能性が強まっていると、当面大きな世界経済の調整が起こるリスクはそう大きくないと、これが一つでございます。日本経済につきましては、それと密接な連関を持って今後とも順調な拡大が続くと。高い成長率は望めないにしても、そういう状況だと。 ただし、日本もそうですが、世界どこの国に行きましても、委員御指摘のとおり、これはグローバル化の下で企業は非常に厳しい国際競争場裏にさらされています。この国際競争に打ちかちながら前進しなければいけないというふうなことで、固定費の抑制スタンスというのは世界企業おしなべて強い。したがいまして、賃金という形での家計部門への還元ということがそう急速に強まるということは予見されないと。それでも、経済全体の流れを見ておりますと、緩やかな景気の拡大というのは持続性を持っていると、こういうふうな判断でございます。
○峰崎直樹君 この文書の中の四点目に、要するに、仮に低金利が経済・物価情勢と離れて長く持続するという期待が定着するような場合には、行き過ぎた金融・経済活動を通じて資金の流れや資源配分にゆがみが生じと、こう指摘がございます。 そこで、端的にお聞きしたいんですが、今、政府・自民党の、与党の方は、名目三・九%の経済成長率ということを上限として設定をし、下限はもちろんあるんでありますが、そういういわゆる「改革と展望」を出しております。これは日銀総裁も参加されている経済財政諮問会議の中で論議をされております。 最近非常に特徴的なんですが、日銀総裁は余りこの問題について発言されておりません、この経済財政諮問会議の中でですね。どっかの政党の幹事長さんは随分日銀総裁に牽制球投げていますから、当然そういう問題も意識されているのかもしれません。 しかし、日銀総裁、この三・九%の目標という達成するときの前提条件として、こういういわゆる資源配分のゆがみをこの段階でもたらさないかどうかですね。これには、いわゆる実質経済成長率がどのようになっていくのかとか、そういうものによって大きく変わってくるんだろうと思うんですが、その点との関連でどのように考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 経済財政諮問会議で私が一貫して主張申し上げておりますことは、まず第一に、人口が減る日本経済の中で将来にわたって持続的な望ましい成長経路を確保しようと思えば、まず第一に潜在成長能力を上げていかなきゃいけないこと、日本銀行はこれをフルに支持いたします。潜在成長能力が上がったとして、それを実際の成長率に絶えず実現していかなきゃいけないと。つまり、波の少ない経済成長ということを実現していかなきゃいけない。この点についても日本銀行はしっかりと貢献させていただきますと。それに加えて、名目成長率というのは結果として出てきますということを私は申し上げています。日本銀行は名目の成長率を保証することはできませんということも明確にいたしております。 したがいまして、日本銀行として、潜在成長能力を上げる、かつそれを持続的に現実のものとして実現していくためには、いつも金利機能が十分資金及び資源を最適のところに配分するという機能を働かしていかなければ実現しないと。そこが日本銀行の最大の責任負担の部分でございますので、そこをしっかりやっていくと。当面はかなり低い金利で緩和環境を維持しながら経済をサポートするんですけれども、徐々に、可能な限り金利を引き上げて金利機能の働き方をより強くしていくと。こういう、ある意味で微妙でかつ難しいバランスをねらった政策パスを歩みつつあるということでございます。
○峰崎直樹君 先日、G7が行われましたけれども、その中で円安の問題、率直に申し上げて通貨価値の中に為替の問題というのは大きいと思うんですが、ユーロとの比較をしたら、この一、二年の間に実は五割ぐらい、まあ言ってみればユーロ高というのですか、日本が非常に低く評価されているわけですね。これは、一見すると輸出企業には大変有利な環境なんですが、我々国民の側からすればその分実は購買力が低下をするという問題になってまいります。 そういう観点から、別に、金利の引下げをやれということを私言っているわけじゃないんですが、キャリートレードという問題が実は国際的に議論されています。そして、多くの場合、ヘッジファンドが実は世界的に荒れ狂っています。そういうものに対して、ヘッジファンドを本当にきちんと中央銀行間でコントロールできるんだろうか。こういう実は大きな問題が抱えていて、その根源をなしているのが日本のいわゆる潤沢な低金利の、しかも大変じゃぶじゃぶの金利あるいは金融政策にあるんではないかと、こういう疑いが掛けられていると思いますが、日銀総裁はそれについてはどのように判断をされ、どういう対応をされたのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) G7で議論されましたことは、実体経済としては世界経済全体として地域的な広がりを持って順調な拡大が今後とも展望できると。ただし、実体経済の好ましい回転というのは、金融市場を通ずる資金の望ましい配分ということが常に伴って本当に実現できると。 金融市場はこれまたグローバル化が進みまして、国境を越えて資金が自由に移動するようになっていると。今おっしゃいましたヘッジファンドによる媒介機能も含めてそうでありますが、これはプラスとマイナスの両面があると。プラスの面は、やはり国境を越えて自由に資金が移動するということは、より効率の高いところに資金が流れて世界経済を一層活性化させると、こういうことでありますが、一方で、世界経済が順調だと、先行きインフレのリスクもほどほどにうまく何というか抑制され続けていくという楽観的なムードが市場に蔓延し過ぎると、市場の中でリスク感覚が少し甘くなってポジションが一方的に偏って形成されるリスクがあると。そうすると、あるとき何かのショックで急激に巻き戻されると、市場に混乱が起こるというだけではなくて、せっかく好ましい状況にある各国の実体経済にまで悪い影響を跳ね返してくる、そこまで心配しながら世界経済を運営しましょうというのがG7の議論のポイントでございます。 円キャリートレードだけが焦点になったわけではなくて、やっぱり世界各国の市場で比較的甘いリスク感覚でポジションテークが行われていないかということを十分目を凝らしましょうと。ヘッジファンドの行動についてはなかなか十分観察し切れないところがあります、オフバランスの取引なんかも非常に多いものですから。でも、モニターを強化しながら、やはり世界的な監視の能力を強めていこうと、こういうふうな議論になっております。
○峰崎直樹君 まだ時間があればもっと聞きたいところなんですが、あと二点よろしくお願いしたいと思います。 そこで、実は日銀総裁、今回のいわゆる決定会合においては、それほどマスコミの混乱って見られなかったと思うんですが、一月の決定会合は相当、実は事前の予想そして直前の予想と大きく変わりました。ブラックアウトルールというのがあると思いますが、これはその中枢部でどういうふうに変わっていくかということを知らなければあのような動きは私はなかったと思うんですが、そのブラックアウトルールに違反した行為というものが本当になかったのかどうか、この点は調査あるいは点検はされたんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 前回のときと昨日のときと、その直前の状況等が非常に違っていたと、御指摘のとおりだと思います。 私どもも静かに振り返っておりますけれども、前回の場合、金利がプラスになって初めて、生きた金利を更に動かすということにつきましては、過去、量的緩和政策を取っておりました期間を含め、約七年近いゼロないしはゼロ金利、金利がほとんど死に体であった状況が続いておりまして、生きた金利を動かすというのは本当にほぼ七年ぶりの新しいことであったことが一つ。 それから、日本銀行の意思決定プロセスが旧法と違って新日銀法の下では完全な合議制であると、事前に何かコンセンサスができるというふうなものでないということの理解の浸透が十分でなかったこと。それから、前回特にそうですけれども、経済指標が強弱入り乱れたものが出てきている難しい環境の下にあったと。そういうふうなことで、市場関係者もあるいは報道機関も我々の方も、反省してみると、必ずしもそうした環境に十分慣れた上での対応でなかったという点で反省事項を持っていると思います。 今回はそういうことがなかったということで幾らか反省が生かされてきていると思いますけれども、今後ともこの合議制というものの意味を十分広く理解をちょうだいしながら我々ももっと努力をしていかなきゃいけないと、こういうふうに思っているんです。
○峰崎直樹君 実は、私どもは一番心配していたのは、やはり昨年、お隣の大久保委員から質問の中で明らかになった村上ファンドの拠出の問題の経過があって、どうもやはり政府筋に遠慮があるのではないのかというような疑いも持たざるを得ないような状況というものが私はやっぱりあったんじゃないのかというふうに、どうしてもやはりそっちの方に目が向いてしまうわけであります。その意味で、私どもの主張はもうここで改めて繰り返しませんけれども、そういう問題があったんではないかなというふうに思えてなりませんので、これは私の意見ということで。 最後に、日銀として、日興コーディアル問題、これ新聞紙上などで、どうも短期資金が取れなくなってきているんじゃないのかと、日銀も相当やはりこれについては神経を集中しているんじゃないかと、こういう報道などもありましたけれども、日銀総裁、この点いかがでございましょうか。
○参考人(福井俊彦君) 日興コーディアルの問題につきましては、今様々な調査が行われ、結果を見ながら是正措置が講じられつつあるというふうに理解しています。投資家の信認を確保していただくために、あるいは証券市場のより健全な発展を期待していく上でそうした努力をしっかり進めていただきたいと。同グループが迅速かつ真摯に信頼回復に向けた対応を取られることを強く期待いたしております。私どもは、資金繰りの状況を見ておりまして、今御懸念のようなことがないというふうに確信しております。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。これで日銀総裁、結構でございます。三洋信販あるいは山一証券とかですね、あのときの、やはり思い出さざるを得ないなというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○委員長(家西悟君) 福井総裁は御退席いただいて結構でございます。
○峰崎直樹君 それでは、今日は日興コーディアル問題だけに絞って実は質問させていただきたいと思いますが、この問題は相当やはり私は深い問題だと、日本版エンロン事件ではないかと、こういうふうに私自身は思っております。 今日、みすず監査法人の片山理事長、新聞でしかまだ報道聞いておりませんので後でまたお伺いしたいと思うんですが、八月に解散をされるというような話も聞いております。アーサー・アンダーセンというアメリカを代表する監査法人が消滅をしたということとやや似てきているのかなというふうに思えてなりません。 そこで、山本大臣、最初に、冒頭お聞きしたいと思いますが、昨年十二月十八日に証券取引等監視委員会が五億円の課徴金の支払を勧告いたしたわけであります。それは一体なぜ勧告したんでしょうか。──内藤さんで結構です。
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。 日興コーディアルグループは、子会社でございますNPIがその株式のすべてを所有をし、実質的に支配しているNPIHを連結の範囲に含めず、また、NPIHが発行しNPIが保有していたEB債の発行日を偽るなどしてNPIの会計帳簿等を作成し、本来計上できない当該社債券の評価益を計上することによりまして、十七年三月期において重要な虚偽記載のある有価証券報告書を作成したと認められました。さらに、当該有価証券報告書を参照情報といたします発行登録追補書類を十七年十一月に提出をいたしまして、これに基づき五百億円の社債券を募集、取得させたと認められました。 したがいまして、これに基づきまして監視委員会は五億円の課徴金納付命令勧告を行ったものでございます。
○峰崎直樹君 ちょっと細かいこと聞きます。この間、金融庁は、この証券取引等監視委員会の中に特別調査課というのと、それからもう一つ、課徴金・開示検査課と二つあるんだそうでありますが、どちらが調査に入ったんですか。
○政府参考人(内藤純一君) 課徴金・開示検査課の方でございます、が調査をいたしました。
○峰崎直樹君 それはなぜそちらの方なんでしょうか。それと同時に、そこのいわゆる課がこの特別調査課との間で情報の交換というのは絶えずやられているんでしょうか、その辺りは内藤事務局長の下でどのように進められているんですか。
○政府参考人(内藤純一君) 本件につきましては、発行開示書類に係ります正しい情報を市場に極力早く提供すべく迅速に処理を行うという観点から課徴金事案として調査を行ったものでございます。 そこで、この先ほど情報交換、両課の情報交換というお尋ねでございますけれども、課徴金調査の件につきましては、これは行政処分というものを念頭に置いた調査でございます。他方、特別調査課につきましては、犯則事件調査ということで刑事処分を念頭に置いた、告発を念頭に置いた調査でございまして、この関係については情報は厳格にそれぞれの目的に応じた形で対応するという形で厳格に、その区分を明確化して運営をしているということでございます。
○峰崎直樹君 私はもうそこからおかしいと思っているんですよ。昨年三月に私は金融担当大臣、当時与謝野さんでしたが、その方に質問したときに、この中にはインサイダー疑惑もありますよということは明確に質問しているんです。そうすると、インサイダー疑惑が入った不正開示その他取引が行われているとすれば、当然これはその審査も刑事罰を視野に入れて審査をしていかなきゃいけないのは私は当然だろうと思うんですよ。初めからそこのところだけに絞っているというところにどうも、今回の金融庁の対応というのには初めからもうこのいわゆる事件については、問題点については範囲を絞ってしまっちゃっているんじゃないかという気がしてならないんですけれども、山本大臣、どうでしょうか、この点について。
○国務大臣(山本有二君) 当時のことは知る由もありませんが、私の今現在から過去を振り返った印象からしますと、先生の御指摘の刑事告発も十分その視野に入れながらの私は課徴金の検査開示課での事実の調べがずっと継続的にあっておったと。決して刑事を除外しての話では絶対にないと私は確信しております。
○峰崎直樹君 ちょっと今の表現の中で、知る由もないというような話は、ちょっとこれは行政の継続性からしてとんでもない発言ですから、これは訂正していただきたいと思うんですが。
○国務大臣(山本有二君) この大臣の任にはなかったという意味での話でございますので、その点は訂正させていただきます。
○峰崎直樹君 言葉の問題よりももう中身が大切ですから、先に行きたいと思いますが。 そこで、五億円の課徴金、これだけでもう今回は終わりなんでしょうか。この点は、山本大臣、この間いろんな調査報告書、後で日野委員長からもお聞きしたいと思います。こういう事実をつかんでこの五億円だけで終わりだと、こういうふうにもう判断してよろしいんでしょうか。その点どのように考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(山本有二君) 十二月に勧告が出たところでございますけれども、これからの見通しについて大変申し上げにくいところがございます。一般論として申し上げれば、仮に法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、監視委員会において必要に応じて調査を行い、法令に基づいて適切に処理していくことになりますので、いまだ流動的な余地があるというように思っております。
○峰崎直樹君 ということは、これで終わりではない、これからまだもっと調査をして、あるいは調査するべき問題出たらしっかりと調査をし、そして対応していくと、こういう理解だというふうに思いますので、その点は確認しておきたいと思いますが。 そこで、このNCCは、日興コーディアルグループのことをNCCと呼ばしていただきますが、NCCの側は勧告を受けて、結果的に社長さんとか会長さんは辞める意思がなかったと言われているのにお辞めになられたわけですけれども、これはなぜなのかということを聞きたいんですが、ちょっと時間の関係ありますんで先に進みますが。一月十五日までに訂正報告書を出しますということであったわけでありますが、これが提出が二月二十八日に延期をされました。これはなぜ二月二十八日に延期されたんですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。 訂正報告書の提出時期の延期につきましては、日興コーディアルグループ自身において判断したものでございますが、日興コーディアルグループが昨年十二月十八日発表したところによりますと、同グループにおきまして特別調査委員会等の第三者による事実や原因の究明等が行われていること、会計監査は特別調査委員会等の調査の結果を踏まえて行う必要があること、また当初発表時、これは十二月十八日でございますが、に予定しておりました監査法人を変更いたしましてあらた監査法人に監査を依頼をすることになりましたが、あらた監査法人は訂正年度の監査を担当した監査法人とは別法人でありますことから、会計監査の終了までに二か月相当の時間が必要と見込んでいること、こういったことが延期の理由として挙げられていると承知しているところでございます。
○峰崎直樹君 片山理事長、当然これ日興コーディアルグループは、会計監査やっておられるのはみすず監査法人だったですね、旧中央青山ですから。そうすると、訂正報告書を出そうとするときに当然相談があったと思うんですが、そのときはどうされたんですか。
○参考人(片山英木君) 訂正報告書の監査につきましては会社から御依頼がございました。ただ、私どもとしましては、訂正理由についてその詳細な内容を、会社の側にその理由の説明を求めまして、なおかつ私どもの方の人員の状況等もいろいろ検討している中で、まだ、そういった中で会社の方からあらた監査法人にお願いをしたという連絡が入ったという状況でございます。
○峰崎直樹君 要するに訂正理由は納得できないと、我々は、今までのその会計監査をやってきて、その訂正理由としていわゆるSPCを連結から外す、このことについては正しいと今でも思っていらっしゃるんですか。
○参考人(片山英木君) 当初御依頼があったときに会社から御説明受けた訂正理由と、その後、証券取引等監視委員会の方から発表になった理由とはちょっと少し内容にどうも違いがあるような印象を受けたものですから、それについての御説明等も踏まえて会社に御依頼を申し上げました。
○峰崎直樹君 またその問題は、会計論争はちょっと今日は余りやりませんけれども、その点についてずっと最後まで付きまとってまいりますので、お付き合い願いたいと思いますが。 そこで、課徴金五億円、これ個人で払うというふうに一応決定されたようですが、これはもう納付されましたですか。
○政府参考人(中江公人君) お尋ねの件につきましては、課徴金納付命令の決定に合わせまして、一月五日付けで被審人である日興コーディアルグループに納付書を送付し、その後、当該納付書によりまして一月九日付けで同社より国庫金を取り扱う歳入代理店で課徴金が納付されております。
○峰崎直樹君 どうもこれ個人で、何か六人ぐらいで払われるということを聞いているんですけれども、国税庁にお伺いしますが、私たちが家を建てたり何かしますと必ずお調べが来るんですよね、どう調達されましたかというふうに。国税庁、これは調べるんですか。
○政府参考人(加藤治彦君) 個別にわたる事項について答弁することは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、私ども国税当局といたしましては、従来からあらゆる機会を通じて資料、情報の収集に努めておりまして、課税上問題があると認められる場合には税務調査も行いまして、適正な課税の実現に努めているところでございます。
○峰崎直樹君 この方々は払えると思いますね。とにかくすごい高給取りですわ。日興、NCCの社長さんぐらいになると、本俸大体年俸で九千万、業績連動型の報酬が、年によって違いますが五千万から一億ぐらい。それから、ストックオプション、毎年一円で調達して十万株をいただけると。一円ですよ。千三百円ぐらいしていましたから毎年一億三千万、これが実は退職金代わりだというふうに承知しているんですが、その会社で何かこの間辞めるときに数億円の退職金が払われたと。これなんですよね、さっきも申し上げたように、日本の企業体質変わってきているんじゃないかなと言っている。 日野委員長にお伺いします。何でこんなスキームを、後でも述べますが、やったのかという、その中で唯一、ああそうか、そういうことだったのかと、こういう日興コーディアルの今回のスキームというのは、何のためにこういう粉飾決算をやったのかということについて、実はそれは、たしか國廣委員だったでしょうか、要するに利益を上げてそれが報酬に跳ね返ってくるからじゃないか、こういう実は指摘がございました。やっぱりそういうふうに思われますでしょうか。ちょっと総括的に最初お聞きしたいと思います。
○参考人(日野正晴君) 本件の動機についてのお尋ねだと思いますが、動機と申しましても様々な動機があり得るわけでございまして、一つは、やはり会社の利益を上げるという動機があったことは事実だろうと思います。それからもう一つは、先ほど御指摘がありましたように、インセンティブもやはりその動機の一つにあったかと思われます。
○峰崎直樹君 だと思いますね。 そして、不思議なのは、赤字企業が粉飾して黒字にするというのはあるんだけれども、黒字企業なのに粉飾しているんですよね。それは恐らく業界第三位の地位が危なくなってきたというのもあったのかもしれません。これはちょっと憶測でしかありませんので、またこれは議論しますが。 ところで、まず確認しておきますが、あらた監査法人は二月二十八日までに訂正報告書を出すことを確約をしたんでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 日興コーディアル自身におきまして二月二十八日に提出すると公表しているところでございますが、その後、この方針に変更があったということは承知しておりません。
○峰崎直樹君 日興コーディアルグループというのはすごい企業ですよね。その傘下企業も海外にだってあるんですけれども、これ一か月や二か月近くの間に本当に訂正監査できるんだろうかという、そういう心配をする公認会計士の方もおられます。ここにも一人おられますけれども。相当やっぱり、本当にやれるんだろうかねと。 しかも、これ、日野委員長、あれですよね。今回の調査は範囲が、この先ほどの内藤事務局長が提起をした問題点、EB債発行の問題とそれから連結外しの問題。しかも、それは〇五年度だけに絞ってこれが調査をされましたね。しかし、この調査書を読むと、それ以前からやっていた、ほかの事案もあったと、こういうふうになってきているわけですよ。そうすると、ここまでやらないとこのあらた監査法人の訂正報告書というのは完結しないというふうに思いますが、その点、どのように委員長は判断されますか。
○参考人(日野正晴君) ただいま峰崎先生が御指摘になりましたように、私どもに与えられましたミッションと申しますのは、先ほど証券取引等監視委員会からお話がありましたように、限定されたものでございます。ただ、その事実を認定するに当たりましては、それに至る経緯といいますか、あるいは会社側の土壌といいますか、そういったものも究明いたしませんと、なぜ本件のようなことが行われたのかということが事実として認定できないということもございましたので、若干これまでのいきさつ等にも踏み込んだといいますか、そういった調べを行いました。
○峰崎直樹君 ちょっともう一回戻ります。 内藤事務局長さんに入るんでしょうか、SPCであるNCC、NCCの一〇〇%子会社であるSPCであるNPIHをこれを連結すべきだと、こうおっしゃったんですね。当たり前ですよね、実質一〇〇%の子会社ですから。しかも、人的にもう完全に一致しているんですから。これを、いや投資目的だ何だと言い張っている方がおかしいと私は思うんですが。そうしたら、その下のベル24というのを一〇〇%、まあ今は一〇〇%でないと思いますが、持っているんですよね。これはベル24まで連結しないと完結しないんじゃないですか。それはどう思います。
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。 連結の範囲に含めるか否かにつきましては、判定の対象となる会社それぞれにつきまして、その意思決定機関を実質的に支配しているか否かなどを財務上、営業上若しくは事業上の観点から個別に判断して決定するものでございます。 本件のNPIHの場合には、今委員御指摘のとおり、NPIによりその株式一〇〇%を保有される完全子会社であることに加えまして、事業所も従業員もいないペーパーカンパニーである、NPIHの役員はすべてNPI役職員が兼務をしていた、ベルシステム24買収のためNPIに利用されていたことなどから、NPIの実態を踏まえまして、NPIが意思決定機関を実質的に支配していると認めたものでございます。 他方、御指摘のベルシステム24を連結するか否かにつきましては、財務諸表等規則や日本公認会計士協会が作成いたしました連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の取扱いなどに基づきまして判断される事項であるというふうに考えておりますが、監視委員会の今回の勧告では、直接この問題については言及することはいたしておりません。 いずれにせよ、監視委員会といたしましては、仮に、今後の展開等も含めまして仮に法令違反に該当する事実が疑われるというような場合には、今後とも必要に応じて調査を行い、法令に基づいて適切に対処していきたいというふうに考えております。
○峰崎直樹君 これ説明になってないんですよね。 これは皆さん、お手元に一枚目ありますから、これがどこまでが今回中央青山監査法人はどういうふうに見たのか、ベル24はどうだったのかということについての範囲が書いてあります。これは分かりにくいですけれども、見ておいていただきたい。 この間いろいろ、片山理事長ともいろいろな議論をしました。その中で、唯一これはやっぱりまともなことをおっしゃっているなと思ったのは、斎藤静樹さんという方おられるんですが、企業会計基準委員会の斎藤静樹委員長、たしか明治学院の先生だったと思いますが、この方が、これは二〇〇六年の三月十五日の日経新聞に載っていたんですけれども、自民党の中の何かライブドア問題が大変議論になった一月中旬にどういうことをおっしゃっているかというと、現行基準でも既に出資比率や役員派遣など実質的な支配力で連結の是非を判断するルールがある、こういうことを明確におっしゃっている。これが一番私は正しいし、これやらなきゃいけないというふうに思っているんですよ。 だから、ベル24のものも含めて、私は、これは本当はその連結の範囲に加えるべきだというふうに思っていますが、事はこれ今日の本題ではありません。 そこで、今から日興コーディアルグループ特別委員会の調査報告書に基づいて、ちょっと、日野委員長、進めていきたいと思うんですが、私は、実は昨日の夕刊の日経新聞にたまたま、日野委員長がこの調査委員会の調査報告書をまとめられるときに、実は非常に心配していたのは、日野委員長以下、公認会計士の方がこの四名の中に入っておられません。いや、大丈夫かなと思って、しかしなかなかすばらしい報告書が出ているんです。やっぱり分かったんです。日野委員長がもうこの連結が非常に重要だということで何か勉強をしっかりやられていたということを、実は検事の時代にやられていたということで、本当に頭が下がる思いでございました。その意味で、是非この報告書について、中身についてお聞きしたいと思うわけでございます。 その前に、山本大臣、この報告書については山本大臣はどういう評価をされましたか。
○国務大臣(山本有二君) 一般論として申し上げますと、企業における開示に不適切な点があった場合には、当該企業自身がその原因を究明し、是正すべきものは是正するとともに、適切な再発防止策を講ずるなど、投資家等に対する説明責任を果たしていくことが重要だと考えております。この過程におきまして、日興コーディアルグループが自ら特別調査委員会を設置し、そこで報告が取りまとめられたことは評価できるとの趣旨を申し上げました。 また一方で、現時点では同グループの過去の財務諸表について訂正報告書が提出されているわけではなくて、今後の動向についても引き続き注視していく必要があると考えております。その意味におきまして、この特別調査委員会の日野報告書、重要であろうと考えております。
○峰崎直樹君 中身読まれましたですか。
○国務大臣(山本有二君) 一字一句精査しているわけではありませんが、概括的にアンダーラインを引いて勉強させてもらいました。
○峰崎直樹君 それでは、私、日野委員長に聞きますので、また後でその関連でお話ししたいんですけれども。私、これ本当に三回ぐらいアンダーラインを私も引きながら読まさせていただきました。 そこで、まず最初に、皆さんの資料二ページ目を開けていただきたいと思います。最初は〇五年三月期の粉飾決算問題であります。 日野委員長、報告書の中で、責任の所在とは別に次の三点を事実というふうに認定をされていますが、私読み上げますから、それを確認していただけますでしょうか。 第一番目の点。平成十七年三月期の日興コーディアルグループのEB債の発行日操作と連結除外による評価益の計上は不正利益である。その不正利益の計上は利益操作の意図に基づく日興コーディアルグループとしての組織的関与があった。いかがでしょうか。
○参考人(日野正晴君) 今のこの①の点についてお答えいたしますと、このとおりでございます。
○峰崎直樹君 あと二点、三点、また後で確認しますが、これは大臣、お聞きしますけれども、こういう利益操作のことを何と言うんでしょうか。不正経理と言うんでしょうか。ちょっと事前に言ってなかったので。いや、三國谷さんいい。分かりません。粉飾決算と言うんじゃないですか。粉飾決算だというふうにお認めになりますか。
○国務大臣(山本有二君) その粉飾決算という概念がイコール刑事事件かどうかという中身があるかどうかについては分かりませんが、言葉としては、正確性を欠く経理内容であるという意味ではそのとおりだと思います。
○峰崎直樹君 正確性を欠くというのは非常に難しいんですよ、これ。片山理事長さんおられるから、会計監査やるときに一番難しいのは、例えば棚卸しなんというのは物すごい数ありますよね。こんなものが完全に一枚一枚全部合うなんということはあり得ないですね。だから、これはやっぱりある程度、いや本当に間違いかどうかということについての細かい点は分からないんですよ、これは。しかし、それが非常に重要な影響を与えるとか意図的であるかとか、ここに意図的に利益を操作したと書いてあるんですよ。これは実は粉飾なんですよ。ですね。 その意味で、まず私は、やはりこれは粉飾決算であったと。いや、経理がごまかしていたとか、そういうあれじゃない、粉飾なんですよ。となると、今何かおっしゃっていましたけれども、刑事事件とは関係なくとか言っていて。そうじゃないんです。まだこれは今から中身を追及していきますので、その刑事の問題はまた後でいろいろ出てまいりますから、それはちょっとそこのところでまたお聞きしますので、先に進まないでください。 二番目。SPCの連結外しを利用した不正取引は本件以前より継続的に行われている。それから、三点目。平成十八年三月期も、ベル24の自己株式消却を原資としたSPCの配当中、百六十七億円を不正計上している。このあと二つの点も、日野委員長、お認めになりますね。
○参考人(日野正晴君) まず②の点でございますが、本件以前より継続的に行われていると、それが不正取引であるという点につきましては、私どもも、先ほど申し上げましたように、私どもに与えられたミッションと申しますのはこの〇五年三月期の決算に関することでございますので、その動機あるいはその土壌を調べていく過程でそういったそれに近いようなことがあったのではないかということを把握いたしました。 具体的に申し上げますと、本件は、その特徴的なことは、従来の点と違っておりますのは上場株式が対象であったという点でございます。これは、NPIにとりまして上場株式を対象とした投資案件というのはこれが初めてでございまして、従来は未上場の株式が対象でございました。未上場の株式の場合には、利益の出し方といたしまして時価ということを算定しなければなりませんけれども、マーケットに上場されている株式ではございませんので、時価を算定するに当たりましては、だれかに売却しまして客観的な時価を定めなければならないと、そういった手法が従来何件かございましたと。そういった手法がこの上場株式においても用いられたという意味で、この②の、従来もそれに似たような行為が行われていたということを申し上げておきたいと思います。 それから、③の点につきましては、これも私どもに与えられたミッションと違いますが、実際は、確かに自己株式を消却して、これはこれだけではないと思います。NPIHにたまりました様々な利益を配当という形でNPIに全部利益を吐き出したということでございまして、これ自体が不正計上かどうかということはまた別の問題かと思います。
○峰崎直樹君 利益を吐き出した、確かにそうかもしれません。これはすべての利益じゃないんですね。ちゃんと中央青山さんから、配当可能なのは、二百四十億は駄目ですよ、百六十七億しか駄目ですよというんで百六十七億になっているんです。ここは、後で〇六年三月期決算やりますけれども、これは正にそれは中央青山がそこを指導していっているんですよ。後でちょっと話しますが。 お手元の中で、その前にちょっと聞いておかなきゃいけないと思うんでありますが、金融庁、今のお話を聞いて、これだけ、金融担当大臣、今粉飾決算だということを認められて、しかも範囲は相当広いぞと、そして日興コーディアルグループも百六十七億円の不正経理がありましたということも認めたんです。そうしたら、あの課徴金命令五億円とEB債の十二月十八日だけの命令ではこれは終わらないんじゃないんですか。もっとこれは調査をしなきゃいけないんじゃないですか。 その点、山本大臣、調査をしなきゃいけないかどうかだけ、ちょっと時間ありませんので、答えてください。
○国務大臣(山本有二君) あくまで一般論として申し上げれば、金融庁といたしましては、仮に提出された財務諸表に法令に照らし問題がある場合には、法令に基づき厳正に対処していくこととなります。
○峰崎直樹君 是非厳正にやっていただきたいと思うんですが。 そこで、またちょっと、まだそこのところ終わっていないところがあるんですが、この間、責任者として平野NPI前会長、山本NCC前常務とともに、これは二人はもう確実にやったということで実行犯で明確に決めておられますが、日野委員長、有村前社長は社長なんですよね、日興グループ全体の。あるいは金子会長もこれはやっぱり責任があるのではないかというようなことをおっしゃっているんですが、あるんじゃないんですか、どうですか。
○参考人(日野正晴君) 私どもに与えられました任務というのはこの事実関係を調査するということでございました。ただ、その事実関係の調査と申しましても、全く責任問題から避けて事実だけを調査するということはなかなか難しゅうございまして、ある一定の責任が認められるかどうかということは調査報告書の中でも結論部分でお示ししているとおりでございまして、少なくとも証拠上は、金子会長につきましてはこれを認めるような具体的な証拠はなかったということでございます。 それから、有村社長につきましても、本件の行為に関して何らかの関与があったかということについての具体的な証拠は確たるものはございませんけれども、しかし、詳細にほかのいろいろな様々な証拠を検討していきますと、社長という立場であったことを考慮いたしますと、この本件行為に対する積極的な関与の疑いを完全に払拭することはできないのではないだろうかという、そういう結論に立ち至りました。
○峰崎直樹君 そこで、その調査の過程で、何か十人ぐらいの人は非協力的だったというふうにおっしゃっていますね。 金融庁、この調査やっぱり限界あるなと思ったのは、協力してもらえない人がいるんですよ、十人ぐらい。と同時に、そのことはちょっとまた別にして、平野さんのメールが完全に非常に重要な時期が消えているんでしょう、ほかの方々はあったけれども。平野さんのメールというのは、平野さん、こちらの平野さんじゃありませんよ、平野NPIの会長さんの、正に実行犯の中の中心人物なんです。これ、すっぽり欠けているということについて、これは調査報告書に載っていますから分かるんです。 金融庁にお聞きするんですけれども、証券会社とかそういう金融機関に、いわゆるボイスレコーダーとかあるいはメールについてはいつまでと、きちんと保管しておきなさいよと、こういうたしか規則があるやに聞いていたんですが、これは社内規則の誤りかな。 金融庁はそういう点について、何らかのそういう重要なことについて保管しておくようにというような指示などは出されたことはございますか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 金融機関につきましては、それぞれ適正ないろんな情報管理等をしていることと存じます。 具体的なことにつきましては、今資料を手元に持ち合わせておりませんが、ただ、このNCC、コーディアル、NCCの本社、それから今回の対象は証券会社そのものではございませんでして、いわゆる金融機関ということではございません。金融機関は上のコーディアルの下の子会社でございまして、この事件に直接関与しているものではございません。
○峰崎直樹君 これは日本のやっぱり会社法の一番悪いところじゃないですか。連結の対象にしている、つまり、このいわゆるホールディングがあって、その下にたくさん連結で付け加えている。支配権はみんな持っているんですよ、人事権も。利益も上げていくんです、そこから。だけれども、責任問題になってくると途端にここがおかしくなっちゃうんですよ。これ最大の欠陥だと思います。この点についてはまたいつか別の機会にやらなきゃいかぬと思いますが。 ところで、今度社長になられた、お名前何て言ったかな、桑島さん、この方はシステムのこれまで社長さんだったということです。そうしたら、こういう平野さんのメールがない、そうしたらこれをどういうふうに回復するかとかボイスレコーダーのあれはどうなっていたのか、こういったことについて聞かなきゃいけないですよね。 お願いがあるんですけれども、是非これ、桑島さんに来ていただいて、社長に来ていただいて、それ以外にも桑島さんに来て、聞かなきゃいけないんですが、この点は非常に重大だと思うんですよ、私。分からないですよ、もしかしたら証拠隠滅かもしれない。 この点、是非、委員長のお計らいで桑島社長を当委員会に参考人としてお呼びください。
○委員長(家西悟君) 理事会で協議いたします。
○峰崎直樹君 それでは、先に急ぎたいと思うわけでありますが、この公開買い付けの問題に次、移っていきたいと思いますが、二ページを見ていただきたいわけでありますが、ベル24という会社、この後ろには、ソフトバンクグループのBBコールという会社を買収しているんですよね、ソフトバンクも実は絡んでくるんです。まあとにかく複雑なものでありますので、これは相当根っこは深いなと思っているわけでありますが。 そのことはちょっと別にして、次の三ページ目、開けてください。大量株式の公開に関する公開買い付け制度の意図的回避が行われたんではないかと。 委員長、委員長というのは日野委員長でございますが、平成十六年八月四日以下ずっとそこに記載をされていますが、このCSKという会社が持っていたベル24の株式、これ要するに支配権持っていましたから、もちろん三分の一以上持っていたんです。そこから買うときに、二回に分けているんですよ。一回目が三二・三%。これ意味がありますよね。三分の一条項をクリアしているわけですよ。そして次に、第三者割当てが入ってきて、そして残りを全部取得すると。 これ委員長、違反じゃないですか、証取法。どうですか。
○参考人(日野正晴君) 私どもも、この株式の取得の過程から見まして、三分の一を最初から超えるつもりで取得する意図があったのにもかかわらず二日に分けて行ったということが当時の証券取引法に違反するのではないかという疑いを持ちましたので、平野社長にその点は確かめました。 調査報告書をごらんいただきますと、二十四ページに私どもと平野社長とのやり取りがその点に関してございまして、平野社長も三分の一を超えない限度で初日、第一回目の取得をしているわけでございます。 当時の証券取引法の解釈を私が申し上げるのもなんですけれども、昨年改正されました金融商品取引法の第二十たしか七条の二の第一項第四号だったと思いますけれども、こういった連続的な取引を、新しい金融商品取引法、もう既に施行されておりますが、これでは違法というふうに断じられているわけでございますが、昨年の改正までの証券取引法の解釈上は、こういった取引はいわゆる脱法的な取引とはされておりましたけれども、必ずしも証券取引法にストレートに違反するというふうにはならないと解釈されていたものの、私どもといたしましては、その点の意図を確認するためにこの二十四ページにございますような事情聴取を行ったということでございます。
○峰崎直樹君 百五十七条でこれやれるじゃないですか。偽計取引ですよ。偽計取引は使わないとは言っていないんですよ。これは過去に一回しか事例ありませんけれども、御存じだろうというふうに思います。 先に進みます。 私は証券取引法違反できちんとやはり対応すべきだと思いますが、一番肝心なのはEB債発行に関するインサイダー等疑惑です。 この三ページ見てください。下の方の下段でございます。平成十六年九月二十七日に、NPIHはベル24の株で一株二万八千円の買い付け価格で株式公開買い付けを発表いたしました。一か月間ですね。その前の九月二十四日に、TOBを実施を前提とするNPIへのコミットメント枠を二千七百億から三千五百億に増額をしている。それから十六年九月二十二日、その前の水曜日に実はEB債の発行を決議している。ここで実は本当は決議しているんですね。で、そのEB債発行はいつ、じゃ発行すると決めたのかというと、九月十六日だと、こう言っているわけですね。ということは、もう九月二十八日に二万八千円でTOBを掛けるということを分かった上でEB債の発行を決議しているんですよ。そうでなきゃ間に合わないでしょう。新聞広告を出さなきゃいけないんですから。上場会社の、いわゆるTOBを掛けますよというのは。ということは、もう二十二日はもう分かっていますよ、これは。分かった上で、TOBの価格分かった上でさあ買いますよとかいろいろ言ったら、これは完全にインサイダーじゃないですか。 委員長、日野委員長、私はTOB価格を知った上での不当な利益を計上しようとしたインサイダー取引だと思いますが、どのように判断されますか。
○参考人(日野正晴君) 法律的な評価をどういうふうにするかということは別にいたしまして、事実関係といたしましては、先ほど似たような取引を以前に行ったということを申し上げましたけれども、証券取引の市場におきまして、先にその売値を決定して、その後でその仕入れ値を決定するといいますか、そういった手法がこの場合にも用いられているというふうに私どもは判断いたしました。
○峰崎直樹君 でも、これインサイダー取引じゃありませんか。山本大臣、どうですか、お聞きになって。
○国務大臣(山本有二君) インサイダー規制というのは、公開買い付け会社の役員等の感情で、その特別な立場を利用して公開買い付け等の実施又は中止に関する事実を知って、当該事実が公表される前に公開買い付けに係る上場株券等を売買することを禁止するものであるとした場合に、役員の特定等がまた必要な要件になってくるだろうとも思いますし、この事実認定については大変難しい面があるだろうと思っております。
○峰崎直樹君 難しくないじゃないですか。事前にその情報、重要事実を知って実はそこでその取引をしているわけですよ。 二番目に聞きますよ。 もう一つの疑惑は、日野委員長、TOBを二万八千円というふうにしたのは、意図的に株価を上げ、そこに株価が上がれば、そのEB債の発行期付けで二万四千四百八十円と、これは後で、後でというか、実際には後でやっているんだけれども、八月六日付けに戻しちゃうわけですね。それはいいんだけれども、要するに、SPCを使って利益を上げようと、それを取り込もうというときに、二万八千円という価格、これは当時の株価からして、プレミアム付けますから当然これはそんなに私高いものじゃないと思うけれども、しかし、そこに上げようと、上がっていくということは、TOBを掛ければ株価はそこに向いて上がっていくんですと。これは株式関係者だったらみんな常識ですよね。そうしたら、これは相場操縦に当たるんじゃないんですか。日野委員長、どうでしょうか。
○参考人(日野正晴君) 九月十六日に、先ほど峰崎先生が御指摘になりましたように、このミーティングに出席した者の間で、九月の末日のこの株価の上昇を図って評価益を水増しする意図で九月中にTOBを行ったというふうにまではなかなか認定できないだろうと。しかし、このTOBを公表いたしますと、当然この公表後は、TOB価格、当時二万八千円でございましたけれども、これに向けて収れんしていくということは、これは証券市場に携わる者でありますれば当然に予測が付くことでございまして、それゆえに、このTOBの公表を九月末日に先立って行えば九月末日の株価を相当程度以上にコントロールできると、こういった証券市場での言わば常識といったようなものを考え合わせますと、このTOBは、もちろん産活法に基づく、そういった目的もございましたけれども、このTOBに乗じて評価益を増加させる意図も併せ存在していたのではなかろうかという疑念は払拭できないものと思われると認定いたしました。
○峰崎直樹君 本当にそうだろうと思うんですね。 山本大臣、相場操縦だというふうに思いませんか。
○国務大臣(山本有二君) 個別の事案について相場操縦に該当するか否かをコメントすることは控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、監視委員会として、相場操縦に該当する事実があると疑われる場合には、必要に応じて調査を行い、法の定めに従い適切に対処する所存でございます。
○峰崎直樹君 是非しっかりやっていただきたいと思います。 三点目、じゃ、お伺いします。 このEB債の問題のところで、これらの相場操縦やあるいはインサイダー取引を実施したことに伴ってこういう不正行為をやったということは、必ずそれについてだれかが得をし、だれかが損をしている。しかし、結果的に、この会社間のやり取りですから、本当はEB債発行に伴ってNPIが損すればNPIHが得するとか、そういう構造になっているわけですけれども、そのことは別にして、こういう不正行為をやったことは、会社に損害を与え、自己又は第三者の利益、利得行為を行ったという、いわゆる一般的には特別背任に該当するというふうに、これは、元高検の検事長までやられた日野委員長、どういうふうに判断されておりますでしょうか。
○参考人(日野正晴君) 御指摘のその特別背任の点につきましてでございますが、私どもはその点までは踏み込んだ事実の認定を行いませんでした。
○峰崎直樹君 私は、これらの疑惑を金融庁は是非今後また引き続き解明をしていただきたいなというふうに思うわけであります。 さて、そこで、時間も本当にもう、私、今日は二時間ぐらい欲しいなと思ったんですが、もうあと二十分ぐらいしかなくなってまいりましたので、先を急ぎたいと思います。 片山理事長には、ここに実は、平成十七年四月十一日に株式会社日興コーディアルグループ監査委員会あてに、中央青山監査法人指定社員・業務執行社員藤間義雄さん、指定社員・業務執行社員清水毅さん、この方の出されたいわゆるSPC外しは妥当ですよという、EB債の発行もここにきちんと何かお墨付きを与えた文書があるんですね。これが存在するということは、片山理事長、御存じですよね。
○参考人(片山英木君) はい、存じ上げております。
○峰崎直樹君 実は、これがやはり今回、率直に申し上げて私は問題があったというふうに、これは本当に決定的な証拠になっちゃったと思うんですね。その意味で、このEB債あるいは連結外しの問題についてはきちっと整理をしたいと思うわけでありますが。 そこで、金融担当大臣にお聞きしたらいいのかな、日野委員長にお聞きすればいいでしょうか、このEB債、エクイタブルボンドとかというんだそうですけれども、他社株転換社債って、私も余り詳しくないんでよく分からないんですが、通常はNPIとNPIH、ともに一〇〇%子会社同士の間でやり取りするわけですよ。それで、二万四千四百八十円という価格を決めて、それより株価が上がれば何か利益が非常に上がる、それよりも下がれば損をすると。そこで、当然のことながら普通はオプション料が入るんだけど、オプション料が付いてない。実際上それを、もし株価が二万四千四百八十円以下だったら実際は株式配当だけになってくると、実際には一%ぐらいの配当率にしかならないんだそうです、これ計算してもらったら。 そうすると、NCC、NPI、NPIHの三社でできレースをやったんじゃないですか。右のポケットから左のポケットへ行ったり来たりすることによって片方はもうかったけど片方はもうからないという、こういう取引というのは会計上どういうふうに整理されたらいいのかなというのは、私も専門家じゃありませんのでよく分かりませんが、これ、みすず監査法人の片山理事長、こういう取引というのは会計上本当に許される取引なんでしょうか、ちょっとお聞きしたいと思うんですが。
○参考人(片山英木君) 詳しい内容につきましては、これ今私ちょっと申し上げられませんけれども、当時、当時として知り得た状況の中では、この取引自体が全く会計上の基準に違反しているというようなことを断定的に言える状況ではなかったと考えております。それは当時の判断ということでございます。
○峰崎直樹君 今はどうですか。
○参考人(片山英木君) 今は、会社が財務諸表を訂正するということについて、そういうことが今行われようとしているという事実につきましては大変重大に受け止めております。
○峰崎直樹君 やっぱり大分変わってきているんですね。やっぱり誤りは早く直された方がいいというふうにもちろん思っております。 さて、そのことについてちょっと先に進みたいと思うわけでありますが、実は監査法人の方と、調査委員会の方とM会計士と、これたしか中央青山の会計士の方とやり取りをされています。このやり取りの模様についてはこの資料の一番最後に触れています。さすがにこのSPC使って百四十七億利益を上げるときに、あなた気持ち悪くなかったかいと言ったら、やっぱり、ああ、そうですね、気持ち悪かったですねと。会計士として素朴に気持ち悪くなかったかい。はい、実現もしていないし、短期トレーディングの有価証券ならそうすべきだけど、これはある程度長期なものなのでと。そして、一番最後のところ、調査委員の方が、監査委員会や新聞から言われるに至って、やはりもっと強硬に議論しておけばよかったと一般的に思いましたか。コメントは控えます、当時は粛々と判断したと、脅かされたわけでもないと、こう言っているんです。 私は、よく分かりませんけれども、日興コーディアル証券と、あるいは証券会社、大法人、これと公認会計士の監査法人との関係ですね、圧倒的に優越的地位が私は証券会社にあるんじゃないかと思えてならないんです。これは、みすず監査法人の片山理事長に私は逆に同情しているんですけれども。 というのは、IPOをやるわけですよ。五十社ぐらい、たしか去年やっていらっしゃいますね。たしか一番だと思います。ということは、このいわゆるIPOをだれがその監査法人になるかということで、証券会社からIPOを紹介されて、監査法人をやってくれと。圧倒的に有利なんですよ、やっぱり。 ここを私は、今回の証券会社がやっていることの犯罪性というのは私は非常に重いと思うんですが、この点率直に、みすず監査法人の片山理事長、どんなふうに思っていらっしゃいますか。是非、率直な感想を聞きたいと思います。
○参考人(片山英木君) 新規のIPO案件につきましては、今、峰崎先生おっしゃられるように、証券会社さんからの御紹介等多くあるわけでございますが、ただそこは、実際にそういった当然監査をする立場の者とそういった形でIPOを営業段階で促進する者等の間にはきちっとしたやはりそういうファイアウオールをしておりますので、そこのところは私どもはそういったものが影響しているというふうには考えておりません。
○峰崎直樹君 これは、銀行と、貸手と借り手のあのときの情報格差の問題を含めて優越的地位の問題を言われるんですが、ここの優越的地位も私は無視できないと思いますね。これは、是非、今後の大きな論議をするときの改革すべき課題だと。報酬の問題だとか独立性を強めなきゃいけないときに必ずこの問題が私は起きると思っていますので、その意味で、我々も公認会計士の皆さん方をしっかり支援していく、その立場に立っていきたいなというふうに思っております。 さて、もう時間があと十分足らずで、今日はもう、まだ〇六年決算の問題が非常に大きいんですよ。これ、今日委員長に是非お諮りして、次回もできるだけ早くこの問題を集中的に議論したいなというふうに思っていますので、お願いをしておきたいと思うわけでありますが。 そこで、ちょっと先に進みたいと思いますが、ライブドア事件というのがございました、一年前に。これとの対比で私は著しく今回の事件に対する公平さを欠いているんじゃないかと思うんですが、法務省、今日お見えになっていると思いますが、そういう感じをお持ちになりませんか。
○政府参考人(三浦守君) お答えいたします。 刑事事件の処理につきまして、個別の事案における捜査機関の具体的な活動内容にかかわる御質問でございます。 ライブドア事件については、現在、公判係属中でもございますので、法務当局といたしましてはお答えを差し控えさしていただきたいと思います。 なお、いずれにいたしましても、検察当局といたしましては、個別具体的な事件ごとに法と証拠に基づきまして刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するというふうに承知しております。
○峰崎直樹君 資料の五ページ目、日興コーディアルグループによるSPC・ベル24とライブドアにおける投資事業組合の比較表、見てください、どっちの方が悪質か。次のページ、見てください。ライブドアと日興コーディアルのスキームの比較表。やったことはほとんど変わらないじゃないですか。資本市場を正に運営し、つかさどっているのはどちらなんですか。日興でしょう。こっちの方が悪質じゃないですか。 一方で刑事事件にして、何十万人の株主がこのライブドアによって無価値になっちゃったわけですよ、ほとんど。刑事被告人になりましたよ。私も悪いと思う、あれは。だけど、それよりもっと悪い事件を起こしているんじゃないんですか、これ。巨悪を眠らせぬというのは法務省の、特に特捜検事の大きな役割じゃないんですか。 もう一度答えてください。
○政府参考人(三浦守君) 先ほど申し上げましたとおり、検察当局は、個別具体的な事件ごとに法と証拠に基づきまして刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するというふうに承知しております。
○峰崎直樹君 今日は〇六年三月の決算についてはちょっと時間がありませんから触れられません。 山本大臣、これ日本版エンロン事件というふうに名付けたらどうでしょうか。どう思われますか。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘は、特別目的会社SPCやデリバティブといった要素が絡んでいるなどの点で両事案は共通する面があるという趣旨かと推測しておりますけど、当局といたしましては、個別事案の評価を行うことは控えるべきだと考えておりまして、御指摘の点について予断を持ってお答えすることはこの際、恐縮ですが、控えさしていただきたいと思います。
○峰崎直樹君 一つ一つ確認していきましょうか。 エンロンというのはアメリカを代表する優良企業でした。何を使ったんですか。デリバティブを使って、そしてSPCを使って利益あるいは負債をそこに飛ばしていたんじゃないですか。これと日興コーディアルの今回は、スキームとして違いますか同じですか、答えてください。
○国務大臣(山本有二君) その点におきましては、両事案共通する面があると思います。
○峰崎直樹君 これを監査した監査法人アーサー・アンダーセン、隠ぺいの疑惑を含めてとうとうなくなりましたね。本当につらい話なんですが、みすず監査法人の、今日、片山理事長お見えになっております。報道でしか分かりませんが、もし、後でお答えいただきたいんですが、この八月ごろにでもですね、七月ですか、監査法人として幕を閉じられると。正に名門監査法人で、これは日本の企業社会に大変大きな影響を与えると思いますが、私も何だか、アーサー・アンダーセンと旧中央青山が同じ道をたどっている、これは共通しているか共通していないか、大臣、どう考えますか。
○国務大臣(山本有二君) 有名な監査法人が深く関与しているということにおいても共通をしていると思います。
○峰崎直樹君 非常にエンロンという会社はアメリカを代表する優良企業で、たしかベストテンに入っておりました。日興コーディアル、昔の日興証券ですけれども、一九四四年の創設だそうで、私が生まれた年でありますが、まあどうでもいい話ですけれども。 この年にできて、大変日本の三大証券として資本市場、非常にしにせの企業であります。しかも、御存じだろうと思いますが、委員会設置会社に早くから移行いたしました。四半期開示をするとか、かなり機能しているところがあるなと思いながらも最後は押し切られていますけれども、あの監査委員会というのはなかなかの仕事をしていると私は思っていますね。 アメリカで優良な企業だった、日本でもそういう形で資本市場の優等生とまで言われていました。似てませんか。山本大臣、どう考えられます。
○国務大臣(山本有二君) 似ているか似ていないかの判断は大変すぐれて主観的なものだと思いますけれども、峰崎委員の御指摘の点だけを参考にするとするならば、共通面が多いというように思っています。
○峰崎直樹君 もう一つ似ているところがありました。 取締役会というのは機能していたのかなと。日野委員長、これは、読売新聞の取材に応じられて、取締役会は二、三か月に一回だけしかやられていなかったと、こういうことを報告されておりますね。エンロンもたしか、あのケネス・レイとかスキリングだとか、三名の方が大体独断でやりました。ほとんど機能してなかったと言われています。似てませんか、山本大臣。
○国務大臣(山本有二君) この点におきましては、ちょっと私が渉猟した資料の中に取締役会の回数、また有村社長、金子会長等のガバナンスの面につきましての資料がありませんので、何とも言えないところでございます。
○峰崎直樹君 日野委員長、今のお話聞いて、これは日本版エンロン事件だなというふうに思いませんか。
○参考人(日野正晴君) 私、エンロンという名前は聞いたことはございますが、その事件の内容についてつまびらかにいたしておりませんので比較することはなかなか難しゅうございますが、委員会設置会社、新しく会社法で導入されたアメリカ型のガバナンスのシステムだと思いますが、先ほどお話がございましたように、従来の取締役会と違いまして、いろんな委員会にいろいろ委任しているであるとか、あるいは株の執行の方にかなりの部分を権限を委譲しているといったような意味においては、従来型の取締役会設置会社とはかなり違った面をやはり持っているんではないだろうかなというふうに考えました。
○峰崎直樹君 片山理事長、みすず監査法人も何か閉じられるということで、名門監査法人が消えてしまうのかなというふうに思うんですけれども、その辺りの、エンロン事件との絡みでどんなふうに考えておりますか。
○参考人(片山英木君) 私どもの、今回、この間記者会見した内容の点とこの日興コーディアルの問題、これが直接結び付いて、これだけが理由で直接結び付いているとは私は考えておりませんが、またそのエンロン事件との比較でどうかという先生の御質問については、詳細なやはり情報がまだ不足しているものですから、比較できるだけのことがないので、的確なお答えは今ここでは申し上げられません。 ただ、エンロンでアーサー・アンダーセンという非常に大きな事務所が結果的にはなくなってしまいましたが、私どもは、やはり今回のこの決断というのは、あくまでそういったことが、アーサー・アンダーセンが非常に混乱が起きたということを聞いているものもありまして、そういうことにならないように、できるだけ証券市場の混乱が生じないような形の対応を考えての判断だというふうに御理解いただければというふうに思います。
○峰崎直樹君 時間が本当に、残念だな、あと一時間欲しいなというふうに思いますが、次回の、次回というか、ある表を見ていただきたいわけでありますが、実は、〇七年の、四ページ目です、左が今日実はいろいろと議論をしようとした中身でございました。ここの関係者については、調査委員会の報告の中に、有村社長の関与はかなり濃厚だと、平野NPI元会長、それから山本CFO、元CFOも、これももう明確だとおっしゃっています。是非、この方々は次回来ていただかなきゃいけないなと思っています。 〇六年三月期、これは予告編なんですけれども、ごらんになっていただいて分かるのは、何が変わってきたかというと、形はよく似ているねと。ところが、SPCと言われているものをNPIが持っているものは全部一律で付けますよと、ただしNPIHのSPCは休眠法人になりましたので、もうこれは付け替える必要はありませんと。去年の四月二十七日の三月期の決算発表のときにそういう丁寧な説明は一切ありませんでした。これからはSPCは一律連結しますということだけは言ったんですよ。だましていたんじゃないんですか、これ。 そして、なぜこうしていったのかということを、ずっとこの調査委員会の報告書を読みました。きっかけは、昨年の月刊現代の町田徹さんの論文から始まっています。それが見たから、実は一月の六日から奥山理事長は日興コーディアルにはせ参じているわけですよ、六名の公認会計士を連れていって。そして、私は、二月の何日だったでしょうか、質問をいたしました。三月にも質問しました。一貫して、奥山理事長は、このSPCをこれはもう一律連結しなきゃいけないんだと、このやり取りに終始しているわけですよ。今度は日興コーディアルの方が、何でそれを変えなきゃいけないんだ、今までいいと言ったじゃないか、お墨付きだってあるじゃないかと、こう言っているわけですよ。そして、どうなったのかというのがこのスタイルですよ。 そして、このNPIHというSPCに残っていた、何億か私は分かりません、二百四十億ともあるいは二百億とも言われている。そのいわゆる利益と称するものだけが残っているものから利益を吸い上げたんじゃないんですか、百六十七億。本当は二百四十億全部出そうとしたら、その公認監査の方から、いや、百六十七億以上はこれは配当利益は出せませんと、こういうふうに言ったという実はからくりがあるんです。ということは、奥山理事長にも来ていただいて、こういうある意味では、〇六年三月期決算をリードしていった責任というのは私は問われるべきだと。だから、〇五年三月期は日興コーディアルが指導した今度は粉飾決算だと、〇六年三月期は奥山理事長を中心としたみすず監査法人の皆さん方がある意味では引っ張っていった粉飾決算じゃないですか。 右の方から左へ持っていくだけで利益を上げる、そんなでたらめなことをやっていたということで、次回は、今申し上げた方々及び最初、冒頭申し上げた社長さん、桑島社長さんにもおいでをいただいて、是非その辺りの真相を解明したいと。日本版エンロン事件、粉飾問題、インサイダー疑惑、相場操縦、これらの問題についてしっかりと私はこの委員会で解明しなければいけないというふうに主張をしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(家西悟君) 日野、片山参考人におかれましては、御多忙のところ御出席いただき、ありがとうございました。 御退席いただいて結構でございます。
○西田実仁君 公明党の西田でございます。 全くテーマは変わりまして、今月の二月の十日に、一年前でございますけれども、預金者保護法が施行されまして、ちょうど一年がたつわけでございます。昨年末ぐらいから起きてきた例えば菓子メーカーの問題あるいは湯沸器のメーカーの問題とか、この安全ということに対する当然の義務を怠った場合には顧客から遠ざけられてしまうということが起きてきておると思うんですね。 これは、安全ということでいえば、お金ということの安全ということについても全く同様であろうというふうに私は思っているわけでございます。特に、金融機関というのは一番大事なそのお金を預かっているところでございます。昨日、金利が引き上げられたといってもまだまだ利息は少ない、にもかかわらず金融機関に預けていくというのは、やっぱりその安全ということが大変重視されている、このように思うわけでございます。 そこで、まず大臣に、預金者保護法施行から一年というのを経過いたしまして、全体として今このお金の安全、預貯金の安全ということについてどのように評価をされているのかということをまずお聞きしたいと思います。その視点としましては、一つはやはり金融機関による被害補償の進捗、また情報セキュリティーに対する対策、あわせて、当然自己責任ということも大事になってきますので、預金者への様々な啓蒙、こうした三つの点を併せまして、全体として法施行から一年たった今のこの時点に立って、どのようにお金の安全が図られているのかということについて評価されるか、御認識をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) この預金者、預貯金者保護法、議員立法であると聞いております。また、本法の起草者のお一人である西田委員がかなりの御尽力されたと聞いております。 この法律につきまして、相当数の偽造・盗難キャッシュカードによる犯罪被害者の方々が金融機関から被害の補償を受けているものと認識しておりまして、この法律というのは預金者、預貯金者保護に大きく貢献しているというように評価をいたしております。 被害者への補償に加えまして、顧客への制度の周知等につきましても、各金融機関及び金融関係団体の理解、協力もございまして、全体として順調に行われているものとまた考えるところでございます。 今後の課題といたしましては、犯罪手口の多様化等を踏まえた情報セキュリティー対策の一層の向上が必要と考えておりますが、こうした点も含めまして、金融庁といたしましては、引き続き各金融機関におきまして預貯金者保護法の適切な運用が行われるよう指導監督してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 全体としては確かにこの預貯金者保護法ができることによって随分お金の安全ということが守られてきていると、私もそう思っておるわけでございますが、ただ、課題がないかといえば、またそういうことでもないだろうというふうに思います。 特に、この偽造キャッシュカード又は盗難キャッシュカードによる被害の状況がどうなっているのかということを様々当局としてもおまとめいただいております。その盗難キャッシュカードの方は思ったほどまだ余り被害が減っていないという状況がございます。偽造キャッシュカードの方は随分被害は減ってきているものの、いわゆる大手主要行から中小の地域金融機関へとその被害が広がってきている、移ってきていると、こういうことも言えるんではないかと思うんですね。 そこで、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針というものが改正をされておりまして、この預貯金者保護法の精神にのっとり、この総合的な監督指針、どう改正され、またそれが実施されているのか、これにつきまして御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) ただいま御紹介いただきました監督指針の改正でございますが、まず簡単に経緯を御紹介させていただきますと、金融庁におきましては、ATMをめぐる犯罪が多発してきたといったことを踏まえまして、昨年の三月に警察庁そして各金融機関団体を交えまして情報セキュリティに関する検討会というのを設置したところでございます。ここでは、例えば犯罪手口などの情報を網羅的に収集するとともに、各種セキュリティー対策の有効性を検証するといった作業をやってまいりまして、この作業の成果というものを反映させるということで、本年一月に監督指針の改正を行ったところでございます。 主な改正点でございますけれども、ATMシステム及びインターネットバンキングのセキュリティー対策に関する監督上の着眼点といたしまして、一つには、内部管理態勢でございますが、リスク分析、セキュリティー対策の策定、実施、対策の効果の評価、見直しから成るいわゆるPDCAサイクルがきちんと機能しているかどうかといった点、また二つ目には、セキュリティーの確保について体制の構築の段階、運用の段階、そして被害が発生した段階、それぞれの段階においてリスクを把握した上で、自らの顧客あるいは業務の特性に応じた対策を講じているかどうかといった点、それから第三点目といたしまして、顧客対応でございますが、不正取引に係る損失の補償に関して、預貯金者保護法の趣旨を踏まえ、利用者保護を徹底する観点から、真摯な顧客対応を行う態勢が整備されているか、こういった点を明記しているところでございます。 〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕 中小・地域金融機関におきましては、業界団体が中心となってこうした監督指針の改正の周知徹底を図っていただいているというふうに思っております。
○西田実仁君 今お話しいただきましたとおり、この監督指針が改正されまして、顧客対応と今三番目に言われたところでございますけれども、利用者保護を徹底する観点から、真摯な顧客対応を行う態勢が整備されているかどうかということが盛り込まれているという御答弁でございました。 この利用者保護を徹底する観点というのは、すなわち預金者保護法の立法者意思が十分に尊重され実施されているかどうかということになろうかと思いますが、その点、御確認ですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 趣旨が徹底されるということが重要であると思います。
○西田実仁君 そういうことになるはずなんですけれども、様々なこの被害補償をめぐって問題が起きてきておりまして、特にこの中小の地域金融機関を相手取ったその被害補償について、裁判所に提出された準備書面等を私もいろいろと読ませていただいておりますけれども、その中には、例えばこんな、ある金融機関でございますけれども、この預金者保護法についてこういう認識が述べられている。この預金者保護法は、預金者保護を過大視する余り、預金者と金融機関との損失の公平な分担の視点を欠いている、近い将来これはもう不正請求、すなわちいわゆる成り済ましのことを言っていると思いますけれども、これが多発していって、この法案は、法律は改正されることを余儀なくされる欠陥立法なんだと、こういうふうに指摘している金融機関があるわけですね。 これは、今の御指摘いただいたような顧客対応をめぐる監督指針ということからすると、預貯金者保護法の立法者意思というものは、全く反するものではないかと私は率直に思うわけですけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 預金者等がそれぞれの個人の立場で自ら防犯に努めると、被害に遭うことにならないように努めるということも非常に重要な点だろうとは思います。 ただ、他方で、金融機関の側は安全な預金を提供するということをその業務の中核の一つとしておるわけでございますので、その一環として、業務運営のその一部として預金の安全を守るということは重要な責務であると思います。 また、その財務力の面、あるいはその態勢整備の面、こういった面におきましては、金融機関の側において努めるべき課題も一杯あるわけで、金融機関として果たすべき責務というのは非常に大きいわけでございますので、今御紹介いただきましたようなケース、詳細を承知いたしておりませんけれども、もしそういった御発言が金融機関としての基本的な責務を十分に認識していないということであれば問題であろうかと思います。
○西田実仁君 私も全く同感でございまして、これが正式に準備書面として出されているということで唖然としたわけでございますけれども、この被害、様々、過去被害ということにつきましては、附則がこの本法には付いておりまして、その第二条におきまして、本来、法理論上は、法律が施行されてから適用をされるというのが当然でございますけれども、しかしながら、当然、そういうことにもかかわらず、あえて附則で、その施行前の被害についても最大限の配慮がなされて補償されなければならないということを規定しているわけであります。 それはすなわち、法施行前の被害について救済をしていかなきゃいけないということを立法者の意思として明確にしてきたわけでございまして、この点につきましても、法施行前に起きた事件であるから、先ほどの同様の金融機関がこう言っているわけでありますけれども、この最大限の配慮は裁判規範性を有するものではないと、それはそのとおりだと思いますけれども、最大限の配慮という意味は。 しかしながら、立法者の意思は、過去被害におきましても、施行前の被害においても救済していくべきであると。こういうことである以上は、必ずしも預金者保護法施行前の事案であるから全くその配慮は必要ないんだというのは当たらないと私自身は思うわけで、一般論でございますけれども、この附則に込められました最大限の配慮という立法の意思ということを、これもしっかりと監督する際に考慮すべきではないか、またそのように指導すべきではないかと、このように思いますけれども、いかがでございましょう。 〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、この本法の附則第二条でございますが、「法律の趣旨に照らし、最大限の配慮が行われるものとする。」と、こういう文言が入っておるわけでございます。これを踏まえまして、私どもといたしましても、各金融機関団体に対して、この趣旨を踏まえた適切な対応を取るよう繰り返し要請をしてきているところでございます。 法律上は一定の基準を定めて、直接法律の効果が及ぶ基準というのを定めているわけでございますけれども、その対象外の部分について、これを一切門前払いするというようなことではなくて、とにかくまずはその被害の実態をよく被害者の方から伺った上で、その同条に値するものであるのかどうか、その辺を十分に吟味した上で対応していくということが重要であろうかと思います。
○西田実仁君 金融機関の方からすると、こうした預金者保護法、一年しか施行してたってもおりませんので、これからより浸透して、まだ知らない人も随分多いかと思いますけれども、これが浸透していけば被害補償がなされると同時に、いわゆる成り済ましも増えてくるんではないかということを大変に懸念をされているわけでございまして、ここで、今日は警察庁の方にもお越しいただいておりますが、この一年間でいわゆる成り済ましの犯罪というものがどういう案件があったのか、御紹介いただけますでしょうか。
○政府参考人(縄田修君) 私どもといたしましては、預金者保護法の補償制度を悪用した詐欺事件、これはすべて警察庁の方に報告がなされているわけではございませんが、報告があったもので見れば、昨年十月に埼玉県で幾つかの銀行を対象にいたしまして、五名ですが、検挙被疑者五名になりますけれども、五名の者が順次共謀をいたしまして二百数十万の現金を詐取したという事件につきまして検挙した事例がございます。
○西田実仁君 実際に成り済ましということは、そもそも立法の過程でも随分と議論がなされました。そのことを防ぐためにどうするのかということもあえて条文の中にも入れて、捜査当局への申出、あるいは金融機関から問われた場合には十分な説明をしなければならないということも規定しているわけでございまして、そうしたこともあってか、まだ今のところは成り済ましはほんの数件ということの今御報告がございました。 この過去被害、また施行後の被害の補償に関する様々なトラブルということについて、一番多いのは実は、捜査当局への届出というのを前提とした補償という組立てになっているものですから、警察に届ける場合に、それが盗難届なのか紛失届なのかということによってその後の金融機関との交渉の妨げになるというケースが実は多く私のところにも届いてきております。 そこで、もう一度この法律を確認させていただきますと、この法律の中には、盗難、第五条の三号でございますけれども、この「当該金融機関に対し、捜査機関に対して当該盗取に係る届出を提出していることを申し出たこと」ということが前提となっているわけでございます。ここで言う「当該盗取に係る届出」というのは、必ずしもこの解釈としては盗難届のことを言っているのではないんだろうというふうに私は理解をしております。 実際にすりとかに遭った場合には、本人は盗難に遭ったのか紛失をしたのかということの峻別ができないわけでございますので、そういう意味でも、これは余りかたくなに、捜査当局のところで盗難届ではなくて紛失届にしたからそれを今回のこの法律の適用を受けられないと、適用除外にすべてなるんだと、こういうことに運用としてあってはいけないんではないかと、このように法を素直に解釈すれば理解いたしますけれども、金融当局としてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御紹介いただきましたようなケースというのは、やはりまず何よりも、その実態が盗難に該当するのか、偽造に該当するのか、あるいは紛失であるのかといった点について、実態をよく確認するということが一番重要であろうかと思います。そういう意味では、個別のその事例について私どもが直接どうこう申し上げるのは困難でございますけれども、一般論として、そういう事実確認をきちんとやる、そういうことを重視した運用というものが重要ではないかなというふうに一般的には存じます。
○西田実仁君 金融機関の方からは、この被害補償に当たりまして、その可否を判断するときには捜査当局との協力というのが大変に大事であるというふうに言われているわけでございまして、特に、なるべく迅速に金融機関が対応しようと、補償に関して対応しようとしても、捜査当局からまたその協力がなかなか得られない場合があると。例えば、防犯ビデオがいったん押収されてしまって、実際に被害補償の可否を判断する際に重要な情報が得られずその対応が遅れてしまうと、こんなような声も金融機関から上がってきているわけでございます。 捜査当局といたしましては、様々な情報の交換とか連絡等を通じてこれは是非とも迅速にその補償に当たるということで一致協力していただきたいと、またその情報の共有を更に図っていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(縄田修君) しっかり協力せよということでございますが、捜査の遂行中といいますか捜査中につきましては、いろいろな証拠品あるいは関係者の供述等につきましては公にできないということにはなってはございますが、ただ、その銀行、金融機関との関係で申しますと、捜査に支障のない範囲でいろいろな情報交換、これを行っていくことが必要でありますし、先ほどのビデオのテープ等々もございましたけれども、これを保管するといいますか、押収はいたしましてもこれを保管する措置も必要によっては、場合によっては可能でもあろうかと思います。できる限り努力をさせて連携を密にしながら、実態の把握といいますか、被害届を出した者の状況につきましては把握をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○西田実仁君 あと残りは、この附帯決議に、これは与野党一致して出されたものでございますけれども、附帯決議の中に幾つか今後の課題として挙げられていることがございます。 この現状を確認していきたいと思いますけれども、一つには、やっぱりこの盗難通帳に関する扱いでございまして、その盗難通帳による被害をいかに防止していくのか、またその盗難通帳による被害を受ける預貯金者に対する保護の在り方についても検討していかなければならないと、このように附帯決議には第一番目に書かれているわけでございます。 この盗難通帳への扱い、元々この偽造キャッシュカードとか盗難キャッシュカードの以前から盗難通帳の被害の方が圧倒的に多かったわけでございまして、その後も被害額としては大変に大きな額になっているわけでございます。また、機械式取引の方がかなり犯罪を防ぐために上限を引き下げたりしていくこともあって、窓口取引も含めた非ATMの取引というものが今後増えてくる、そこに犯罪者がねらいを定めてくるということも十分に考えられるわけでございます。 前回もちょっと大臣にお聞きしました盗難通帳に関する保護ということについては、一昨年に福岡地裁で判決も出まして、金融機関に対する本人確認の不徹底ということから支払、補償を命ずるという判決もあったわけでございます。 今後、この盗難通帳に関しまして、やはりお金の安全ということを考えていくと、これはやはり十分に検討しなければならないんじゃないかと私自身は思っておりますが、大臣から御答弁をお願いできればと思いますが。
○政府参考人(佐藤隆文君) 盗難通帳に関する被害の現状についてまずちょっと御紹介させていただきますが、件数といたしましては、平成十五年四―六月の三か月で二百四十四件というのがございまして、これがピークでございましたが、それ以降減少傾向にございまして、平成十八年の各四半期におきましては平均して四十件台というところで推移しているということでございます。 これの要因といたしましては、ほとんどの金融機関で副印鑑制度というのを廃止したということもありましょうし、また窓口での本人確認手続が厳格化してきたといったことも考えられようかと思います。 このうち、その補償状況でございますけれども、既に金融機関の対応方針を決定したものを取ってみますと、盗難通帳でおおむね二割が補償されていると。個別には様々な事情があり、様々な原因があるということだろうと思いますけれども、そういった状況でございまして、まずはこの盗難通帳による被害が生じないような対応をしっかりやっていくということが重要であろうかというふうに思っております。
○西田実仁君 これについてはしっかりとした本人確認がなされていないケースも随分散見されておりまして、例えばマンション名が間違っているのにそのまま払い出してしまったというようなケースも実際にありますので、ここはしっかりとその徹底をしていただきたいと、また本人確認が十分でない場合には補償についてもしっかり取り組んでもらいたいというふうに申し上げたいと思います。 附帯決議の二番目には、インターネットバンキングに係る犯罪ということが述べられております。手短にお聞きしますが、ネットバンキングに係る犯罪について、その実態の把握を今金融庁としてはどこまでなさっておられるのか、またその防止策、預貯金者等の保護の在り方についてどう検討を進めているのかということについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) まず、インターネットバンキングに関します被害状況でございますけれども、平成十七年四月以降、各四半期ごとにとらえてみますと、四半期で二件ないし十七件ということで、なくなってはおらないわけでございますけれども、件数としてはその程度の件数で推移をし、まあ横ばいといったような状況になっているということでございます。これの補償状況でございますけれども、おおむね五割程度が補償されているというふうに聞いております。 インターネットバンキングにつきましては、金融機関の側もこのシステムの堅牢性の増強ということで技術的な対応等を講じるといったようなことはそれぞれ努力をしているというふうに承知をいたしておりますけれども、なお課題があるとすれば、そういったものについても取組を続けていくということが重要であろうかと思います。
○西田実仁君 今言われた数字は多分全銀協の方が調べた数字を言っているのであって、ほかの業態についてはまだ調べてないと、今月中にまとめるというふうにたしか確認をしていたんですけれども、最後そこだけ確認して、終わりたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 今月中をめどにまとめていきたいというふうに思います。
○西田実仁君 終わります。
○大門実紀史君 今日はアメリカのシティグループの一員であるサラ金のCFJについて取り上げたいと思います。 シティグループは、もう報道されておりますが、今年中に日本の株式市場、東証に上場しようという準備をしているようでございます。その上場する上でネックになっているといいますか、整理をしなきゃいけないのがサラ金のCFJということに今なっているようでございます。その中で、いろんな問題が今起きております。 サラ金のCFJは、日本のサラ金市場がもうかるということでシティグループが設立した会社でございますけれども、御存じのとおり、貸金業法の改正でこれからはもう大変だということで、今縮小整理に入っているところです。ただ、シティグループそのものでございますから、その一員でございますから、日本の市場に上場しようというならば、コンプライアンスをきちっとしたCFJの整理が求められるところなんですけれども、今行われていることは、もう世界最大級の金融グループとは思えないような、コンプライアンスを無視したなりふり構わない、違法行為とも取れるようなことを幾つもやっている状態です。 今日は時間が少ないんで全部取り上げませんが、例えば今退職強要ということをやられておりまして、三百二十店舗、CFJのですね、これを百三十店舗から四十六店舗と減らしていくわけですけれども、二月一日にはもう百三十店舗を四十六店舗に閉鎖を断行いたしまして、自宅待機が百八十三名と。この方々に、私はこれも違法すれすれだと思いますが、手元にあるんですけれども、まず自宅待機をさしておいて、退職届を出せというものを送り付けております。事実上の解雇通知でございまして、こういう形は労働法制上、裁判になれば無効になる可能性の強いことをやっております。 さらに、CFJから借りた人たちがどうなっているかといいますと、CFJは大量の債権を、どういうわけか東京都知事登録のクリバースという資本金わずか一千万の会社に、数百億から一千億近いんじゃないかと思いますが、その規模で売却をしております。わずか一千万の都知事登録の会社がそのCFJから買う資金をどうやって調達したのかということも非常に不可解な会社でございますけれども、こういう点では金融庁の債権譲渡のガイドラインに合致してやられているのかどうかという疑いもありますし、このクリバースの回収が今トラブルを頻発さしておりまして、貸金業規制法では破産調停の申立てをやっているところにはもう請求できないということになるわけですけれども、どんどん請求をしていて、今行政処分の申立てもたくさん出ているところです。 まあ取り上げればまだいろいろありますけれども、今日は質問としては、このCFJ、シティグループのCFJが、個人情報の不正利用、不正流出をした疑いについてだけ質問としては取り上げたいと思います。 というのは、個人情報の管理というのはコンプライアンスの核心でございますので取り上げたいと思いますが、こちらで確認をいたしました。去年の十二月の初めごろ、信用情報機関であるジャパンデータバンク、JDBと言われておりますけれども、これは全情連に加盟している信用情報機関ですが、そのJDBがCFJに対して、先ほど言いましたクリバースに対して顧客の信用情報を債権を売るときに一緒に売っちゃったと、売却したということを理由に一週間程度の利用停止という処分を行ったというふうに確認をいたしましたけれども、この事実を金融庁としてはつかんでおられますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘の件は民間会社の間の個別事案でございますけれども、御指摘のジャパンデータバンク、JDB自身が外部からの問い合わせに対して一定の回答をいたしておりますので、私どもの状況認識について一言申し上げますと、JDBはCFJに対しまして、昨年十二月初めの一週間、信用情報の提供を停止する処分を行ったというふうに確認いたしております。
○大門実紀史君 何月何日とか、処分の具体的な内容はお聞きになっておりますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 昨年十二月初めの一週間ということでございます。 それから、事案の詳細等については公表されておりませんが、私ども聞いたところでは、一部報道にあるようないわゆる目的外利用を認定したものではないというふうに聞いております。
○大門実紀史君 今、この個人情報が流出しても、金融庁にも正式な報告がない、情報を売られた本人も分からないという状況になっております。 JDBはこの処分を公表しておりません。現行法では公表義務はないということだそうでございます。ですから、金融庁の今の答弁で公の場で初めて処分があったという事実が確認されたというふうな変な話になっているわけです。金融庁への報告義務もありませんし、CFJはずっとだんまりを決め込んでおりました。JDB、ジャパンデータバンクとCFJの間だけでこの個人情報の流出が処理されたということで、これはとんでもない事態だと思います。これは、本来、信用情報機関の対応としても、もちろんサラ金会社もそうですが、この現状というのは大変おかしい事態じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、現行制度の下におきましては、信用情報機関は金融庁の監督対象になっていないということで、信用情報機関が会員に対して行った処分について当庁に報告することは義務付けられておりません。本件につきましては、当庁でJDBに問い合わせて確認をしたということでございます。 他方、さきの臨時国会で成立いたしました改正法におきましては、御案内のとおり、貸金業者が個人向け貸付けを行う際に指定信用情報機関への信用情報の照会が義務付けられておりますので、この金融庁の監督の下、指定信用情報機関が貸金業法の円滑な施行のために重要な役割を担うということになるわけでございます。 こうしたことを踏まえまして、指定信用情報機関が会員業者に対して例えば一定基準以上の処分を行ったといったようなケースには当局に報告等を行わせる仕組みというのも検討してまいりたいと思います。また、信用情報機関が、指定信用情報機関が顧客に重要な影響を与える処分を行ったようなケースについては、一定の場合に公表を求めるといった、こういう枠組みも今後検討してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 次は、今度の本改正ではきちっとされていくんですけれども、今の事態がこのまま見過ごされていいのかというふうに思います。 JDBの処分、一週間程度の利用停止という非常に軽い処分でございます。JDBの方は、先ほどありましたとおり、目的外利用ではなかったというふうなことを言っているようですけれども、目的外利用というのは、信用情報というのは、サラ金の場合は過剰貸付けを防止するという以外には使っちゃいけないというふうなことになっておりますから、それ以外に使われていないというふうなことをJDBは判断して軽い処分にしたようですけれども、先ほど言いましたクリバースというのは回収専門の会社でございます。したがって、過剰貸付けをしないために信用情報を使うというふうなことはもうほぼ実態的にあり得ない。私は、もう目的外利用が明らかではないかと。それを、シティグループということもあるのか分かりませんけれども、かなり甘い配慮をした結果ではないかと思います。このままで済ましていいとは私思いません。 現行法でも個人情報保護法に基づいてガイドライン等もありますけれども、金融庁がCFJに対して、この情報流出の中身について、事実について報告を求めることができると、現状でもできると思いますけれども、是非このCFJの信用情報流出について金融庁が報告を受けて精査をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) CFJに対する報告徴求の件でございますが、個人情報保護法の枠組みと、それから貸金業規制法の枠組みと両方あろうかと思います。 まず、個人情報保護法の枠組みの方では、個人情報の漏えい等の事故が発生した場合には、先ほど御紹介いただきましたガイドラインに基づきまして当局に直ちに一報するということを求めております。さらに、漏えいが一定規模以上等で影響が大きいという場合には、発生原因、類似事例の有無、個人情報の取扱状況等について報告を命ずると、こういう枠組みになっております。また、他方、貸金業規制法の枠組みでいえば、これは法令違反等が疑われる場合には規制法に基づいて私どもとして報告徴求をすることがあり得るということでございます。 御指摘の個別事案に係る対応につきましては言及を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論としては、こういった枠組みに沿って、基準に照らし、事実を確認した上で必要な対応を取っていくというのが基本的な私どもの立場でございます。
○大門実紀史君 このクリバースには八万口で二回、すなわち十六万口の債権が売却されたという情報を私つかんでおります。十六万口というと、仮に一口五十万としても八百億となる規模ですから、量からいって相当の、その中の全部とはまだ分かりませんが、相当の何万件という情報が売られた可能性が強いわけですから、是非、個別には答えられないでしょうけれども、報告徴求なり精査をしてもらいたいというふうに申し上げておきたいと思います。 私は、CFJは、先ほど言いましたシティグループ、世界最大と言ってもいいし、アメリカ最大と言ってもいいわけですけれども、そういう金融グループの一員がこういうことをやっていると。そのシティグループがこのまま何事もなく日本の株式に、数年ぶりらしいですけれども、上場していいのかと、ちゃんと正してもらわなければならないというふうに思います。業界の中では日本のサラ金には厳しいけど外資系には甘いという声も聞かれたりしているわけですけれども、私はそんなことはないと信じておりますが、山本大臣、その辺の、シティグループもかかわる問題ですからこの点はきちっとしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) シティグループでは、一月二十九日、本年七月までに日本におきまして在日支店の現地法人化及び銀行持ち株会社の設立を行う計画を発表したものと承知しております。 個別事案への対応についての言及はなかなかし得ないわけでありますけれども、一般的に、法令違反に関する重大な疑義が提起されれば、事実関係の把握に努めた上で、国内企業であるか外国企業であるかを問わず、内外無差別の原則の下で法令に基づいて厳正かつ適切に対処する所存でございます。
○大門実紀史君 終わります。
○委員長(家西悟君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時三分散会