国土交通委員会 第9号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/04/12
会議録
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 測量法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房審議官布村幸彦君、文化庁長官官房審議官吉田大輔君、国土交通省河川局長門松武君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土地理院長藤本貴也君及び防衛省防衛政策局次長金澤博範君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 測量法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池正勝君 おはようございます。自由民主党の小池正勝です。今日は測量法の一部改正の法案について御質問をさせていただきます。 当国土交通委員会で地理院長さんに座っていただくというのは、私の記憶では全くございませんで、希有な機会に巡り合えた光栄でございます。国土地理院さんが最新の技術をもってすばらしい様々な成果を発揮しておられるということは、先般の能登半島沖地震でも、地殻の変動、移動が何センチだということまで瞬時にして発表されたという報道があったわけでございますけれども、それを見ても、最新の技術を使ってすばらしい成果を発揮しておられるなとあのとき思った次第なんですが、そう思って先日の大臣さんの提案理由説明を聞かしてもらいました。 その中で、近年のデジタル技術の発達により、測量成果についても電子データによる普及が進み、インターネットによる迅速な提供が求められているところでありますと。正にIT時代でございますから、正にそのことをおっしゃっていると思いまして、正に時代に沿った形にしようとしているんだなと思うんですが。 そこで、今の測量法を見さしてもらうと、今の測量法では、国土交通大臣は、基本測量の測量成果のうち、地図その他必要と認められるものを刊行しなければならない。刊行と書いてありまして、刊行というのがインターネットでの公表に入るのか入らないのか、いろんな議論があるんでしょうが、いずれにしても、刊行という言葉ですと、これ辞書で調べてみると、刊行というのは文書を世に問うことだと、こう書いてありますから、確かにインターネットでは少し違うと。言ってみれば、この測量法の刊行という表現が今のIT時代にそぐわないということで今回の改正をされるということですから、方向として私自身も賛成するものですし、むしろ早期にやっていただきたいと思う一人でございますが。 そこで、今グーグルマップなんというのも既にもうインターネット上にも出ているわけでございますから、正にそういうことからしても、国土地理院がインターネットに対応できないということの方がおかしいということですから、正に即座に、いち早くこの改正をしていただきたいと思うんですが。 そこでまず、インターネットでの提供が可能になるような今回の法律改正なんですけれども、まずそのメリットとして、すべての国土地理院さんが持っておられる地図がインターネットで見られるということになるんでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) お答えをさせていただきます。 インターネットのまず提供につきましてでございます。現在の測量法でございますと、国土地理院が基本測量と言っています、これは地理院が測量をする基本的なものでございますけれども、その基本測量によりまして作成しました地図あるいは作成しました空中写真、いわゆる航空写真ですね、そういうものにつきましては、国土の地形あるいは建物、道路、そういうものにつきまして正確な状態で表しているということで、国の社会あるいは経済活動の基盤となる情報だというふうに思っております。したがいまして、だれでも容易に入手できるようにということで、先ほどお話がありました国土交通大臣に刊行の義務を課しているわけでございます。 刊行というのは、先ほど先生の方から刊行の定義のお話がございましたけれども、一般的には物ですね、物によっていろいろ提供をするということを念頭に置いておりまして、そういう意味で、これまで紙による地図あるいはデジタル化時代に対応しましてCD―ROM、そういう物によってそういう刊行という形で提供をさせてきていただいたわけでございます。インターネットによる提供は物による提供ではございませんので、どうも厳密に言うと刊行には読めないというようなこともございまして、今回の測量法の改正におきまして、国土交通大臣の義務といたしまして、刊行だけではなくインターネットによる地図情報の提供、これを今回制度的に位置付けさせていただくということで改正をお願いをしていることでございます。 先ほど先生がお話ししましたインターネットによる提供、とりわけその中でダウンロードができる、言わばパソコンの中に取り込むことができるような状態にどういうふうな手順でやっていくのかと、こういうことでございます。具体的には、今いろんな地図を我々出していただいておりますんで、直ちにすべてがそういう状態に置くというのはなかなか難しいこともございますので、二万五千分の一の地形図、こういうやつが非常に一番利用されておるものでございますし、これにつきましては既にCD―ROMの形で刊行をしております。こういう広く利用されている地図から順次インターネットによる提供あるいはダウンロードができるような状態にしていきたい、こう思っておりまして、先ほど言いましたいろんな様々な地図につきましては、世の中のニーズを把握しながらそれに対応する形で逐次できるだけ早く提供の範囲を広げてまいりたいというふうに思っております。 よろしくお願いいたします。
○小池正勝君 今のお話は、まず、たちまちは二万五千分の一だということです。二万五千分の一というのは一番よく使われている地図ですから、確かにそこからやるということはよく分かるんですが、しかし、例えば五万分の一とか様々な地図が様々な用途に使われていますから、これは一遍にできないというのも分からないわけではありませんので、一日も早くこのすべての地図が対応できるようにしていただきたいと、これはお願いしておきたいと思っております。 そこでもう一つ、今回インターネットでの提供ということになったときのメリットの一つとして、これが一番大きいと思うんですが、地図の更新間隔は短縮されるということがよく言われております。私ども地図常時見ておりますが、例えば道路ができた、しかし地図は全然変わっていないというんで、状況と全く違うというんで往生することはよくあるし、これはそういう方は非常に多いと思うんですけれども、やはり地図が、瞬時というわけにはいきませんけれども、更新間隔、状況に合ったようなものに常に常に更新しておいてもらわないと、地図も非常に利用不便だということになろうかと思うんですが、まず今現在の更新間隔、つまり刊行と言われている時代の更新間隔はどれぐらいなんですか。
○政府参考人(藤本貴也君) 私どもといたしましても、できるだけきめ細かく更新をしていきたいという思いで仕事をさせていただいております。ただ、紙地図ですとか、あるいはCD―ROMの刊行をする場合、これを作る、要するに作り直しをしないといけない。そして、それを流通経路へ乗っけて、例えば紙の地図ですと本屋さんのところで手に入るようにさせていただいている。そういう流通のための時間あるいはコスト、これが相当掛かるということもございます。 そういう意味で、我々としましても、そういう地図につきましてできるだけ安く御提供をしたいということもございますんで、地図の、地図上でいろんな変更はもう日々刻々ございますけれども、これをできるだけ集めまして、ある程度蓄積した段階で変更をさせてもらう、更新をさせてもらうというふうにさせていただいておるところでございます。 具体的には、従来の紙地図ですとかあるいはCD―ROM、これにつきましては、都市部においては大体三年ないしは五年置きぐらいということでございますし、山間部等では比較的地勢の変化が少ないものですから、長い場合には十年から二十年というふうなことで、確かにおっしゃるように少し長いんではないかという御指摘もいただいております。 したがいまして、インターネットによる提供によりまして、地図に反映すべきいろんな条件変化がございますので、それがありましたらできるだけ早く、遅くとも情報を我々が入手しましたら数か月以内にはもうインターネットに提供できるように、極力早くそういう国民サービスを高めるように努力してまいりたいというふうに思っております。
○小池正勝君 今のお話は、都市部では大体三年から五年ぐらいの間隔がありましたと。五年というと、もう道路はでき上がっているところは幾らでもあるわけですから、状況が全く変わってしまっているわけですので、そういう意味では状況と違う地図、状況と違う新しい地図が出るというふうなことがよくあるわけですから、そんなことにならないように、今度は、今おっしゃった数か月というお話ですから、瞬時とは言わないけれども、状況を常に的確に反映するようなものが見られるようになるということですから、これは大変な利便性の向上につながっていくんだろうと思うんですね。 ですから、これを、せっかくインターネットが利用できるようになるわけですから、本当に絵にかいたもちじゃなくて、本当に数か月でやってもらって、状況を的確に反映するような地図にしておいてほしいということでございます。 それからもう一つ、これもよく言われる話なんですが、インターネットで地図を提供していただけるという話になると、特に古地図の問題なんです。古地図というのは、文化的な意味があるというのはもちろんですけれども、そういうことではなくて、もちろんそれも大事な話なんですが、その利用だけではなくて、例えば防災面を考えたときに、昔川筋だったと、廃川されて、もう現状では全く分からない、しかし破堤するときには昔の川筋に沿って破堤するということがよく言われるわけですよね。 そういう意味で、防災面を考えると、昔の地図というのは、単に文化的な面だけではなくて防災面から極めて貴重な地図だということがよく言われるわけですけれども、こういったものも、市販で刊行されてもなかなか入手はできませんから、インターネットで提供をしていただけるということになるんでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 古地図といってもいろんなやつがございますけれども、例えば有名な伊能地図のようなものがございます。これは地理院として刊行したものではもちろんないわけですけれども、これも実は私ども、写しではありますけれども一部所有をしておりまして、そういうものもございますし、また過去に明治以降刊行したいろんな地図、これも我々、今持っておるわけでございます。 先ほど先生お話ありましたように、古い地図からは当時の地勢、土地利用の歴史だけではなくて自然の歴史もその地図の中には含まれているということで、文化的にもあるいは地政学的にも非常に重要なデータだと、こういうふうに思っております。また、先ほども御指摘ありましたように、河川の跡などもそういうことから分かってくるということでございまして、防災面からも非常に役に立つものではないかと、こう思っております。 私ども国土地理院といたしましても、これらの古い地図、過去に刊行した地図、こういうものにつきましても、あるいはそれと併せて空中写真を撮ったやつもございますので、こういうものにつきましても、利活用を促すという観点から、順次今電子化に取り組んでおります。まずは電子化をしないと提供できないということになりますので、今電子化に取り組んでおりまして、これまでに私どもが刊行した地図の大体九割ぐらいまで電子化ができてまいりましたので、できるだけ皆様方のニーズを見ながらインターネット上でも提供できるようにこれから検討してまいりたいというふうに思っております。
○小池正勝君 今回のインターネットでの提供ということのメリットとして、地図の更新間隔の短縮であるとか、それから今の地図の古い地図、あらゆる地図が見られるということで防災面の利用ができる、もちろん文化面もそうですけど、大変大きいと思うんで、このメリットは単に机上のものにするんじゃない、絵にかいたもちじゃなくて、それを具体的に是非これを実行していっていただきたいと思うんですが、そこで、メリットだけではなくてデメリットとして今回のことで危惧される向きもあるんですけれども、それは何かというと、個人情報の問題であります。 刊行されている地図であれば、これは個人情報とかいうことではないわけでございますから、それについての個人情報という問題ではありませんけれども、例えば先ほど院長さんがおっしゃいました、空中写真というのをお持ちだということでございまして、そういったものがインターネットへどんどんどんどん出ていくということになると、これは個人情報との関係でどうなんだろうかということが気掛かりなんですけれども、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) まず、地図の方でございますけれども、先生のお話にもありました地図の方は、今刊行さしていただいているやつをそのままデジタルにしてインターネットで提供すると、こういうことでございますので、特別今までも個人情報については問題が出てきているわけではございません。 また、空中写真につきましても、インターネットではございませんけれども、これもいろいろ刊行さしていただいているものもございます。それをまた順次インターネット化に乗っけていくということになると思います。これもだから地図と同様で、今まで刊行さしていただいております。それにつきましては、解像度が、個人の例えば顔が見えるような解像度までのものではございませんので、そんなこともございまして、これまでも個人情報について具体の問題が指摘されたことはございませんので、当面はそういうことで大丈夫じゃないかと、こういうふうに思っております。 ただ、これからいろいろ解像度が高い写真、空中写真ですね、こういうものがこれからどんどん出てくる可能性もありますので、そういうものをインターネットなんかでだれでも利用できるように公表する場合、こういうプライバシーだとかあるいは個人情報だとか、そういう問題が出る可能性もございますので、解像度を例えば少し下げるだとか、そういう検討を今後してまいりたいというふうに思っております。
○小池正勝君 今おっしゃった空中写真については、これからますますその精度が高まっていくということがよく言われているわけですから、個人情報との関係というのを是非お考えいただければと思っております。 それから、今回の法改正案の中で複製の承認の合理化ということが書かれてあるわけでございまして、複製の承認の合理化というのは、これは利用しやすくなるわけですから、これもういいことだろうと思っていますし、正に規制緩和の一つだろうと、こう思っているわけですけれども、問題は、営利目的で利用する人も複製の承認をしますよということになりました。これも、もちろん営利目的に使うことがいけないということはありませんから構わないんですが、問題は、国が予算を掛けて税金で一生懸命作った、最新の技術を導入して作ったことがただで営利会社に利用されて、それが営利目的で金もうけに使われるというのはやはりおかしいんではないかと。つまり、ただで利用するというのは、営利会社にただでというのはやっぱりおかしいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 複製の問題でございます。 今、我々複製と申しましたのは、我々が刊行しております例えば二万五千分の一の地図、これをそのままの形で使ったり取得したりすることを複製というふうに申し上げておりますけれども、従来は、国が測量成果として作成した地図をそのまま複製して、そして専ら営利の目的でこれを使うということにつきましては、国が、私どもが刊行しております地図と紛らわしい、そして品質的にも確保されたものにはならない、いわゆる海賊版的な複製物を流通させるようなことになりますと刊行の仕組みが維持できなくなると、こんなこともございまして、一律禁止というのがこれまでの法律でございます。 一方、近年インターネットがこういうように出てまいりまして、インターネット上にいろんな情報を入れようとするときに、その背景に私どもの地図をそのまま使ってみたりとか、ハンディーナビというのがありまして、持ち歩きの地図ですね、山登りしたりする人がよく使うようですが、そういう中に、ハンディーナビの背景にそういう地図を入れておくと、こういうような使い方がいろいろ出てきております。 これを、その地図をそのまま使いたいというニーズも非常に多いわけでございまして、これらについては、必ずしも我々が今刊行しておりますいろんな紙地図だとかあるいはCD―ROMだとか、そういうものと競合するものでもございませんし、また、地図の利用を促進するという面でもこういうものは認めてもいいんではないかということで、今回、改正によりまして、そのままの複製につきましても、仮に営利目的だという場合でも、こういうものにつきましては、中身によりまして承認できるように今回の改正をお願いをしているということでございます。 先生お話しの料金の件でございますが、価格ですね、国がこういう、今刊行した地図、これが複製されましていろんな用途に使われる、これはこれなりに有用なことだと、こういうように思っておりますけれども、国の地図の内容をそのまま営利目的で複製して使うということになりますと、著作権という考え方もございますので、そういうのを念頭に置きまして適正な対価をお払いいただくように検討していきたいと、こう思っております。
○小池正勝君 今のお話は、この法律の中には書いてありませんけれどもお金は取ると、こういうことでよろしいんですか。
○政府参考人(藤本貴也君) 著作権というのを勘案しながらお金をいただくというふうに考えております。
○小池正勝君 よく分かりました。正にそうしないと、一生懸命国が税金でやったのにお金もうけに使われてというのはやはりおかしいと思いますから、是非そこはそういう方向で進めてほしいと思っております。 それから、今回の法改正のもう一つの目的でワンストップサービスということが書いてあるわけですけれども、地理院ですべてが分かると、これは大変すばらしいことだと思うんですが、しかしそれには、地理院だけではない、地方公共団体等様々な測量をやっているわけですから、そういうところとのネットワークがきちっとできていなければ、ワンストップサービスといったって、これも絵にかいたもちになってしまうわけですけれども、現在地方公共団体等との連携というのはどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 先生お話しのように、今回の改正におきまして国土地理院の方がインターネットの言わば総合的な窓口をつくらせていただきまして、そして複製承認とか使用承認とか、そういう申請の受理の事務を地方あるいは国の他の機関から地理院に委託をいただくと、こういう仕組みを今回入れさせていただこうということでございまして、それによりまして承認の手続を国土地理院の方で一括して行うワンストップサービスを行いたい、こういうことでございます。 ワンストップサービスの実現のためには、おっしゃるように国土地理院と関係の公共団体との連携、これは非常に重要になってくるわけで、その間をオンラインで結んでインターネットでやり取りができるようにしないとこれは円滑に進まないというふうに思っております。そういう意味で、法の施行されるまでの間に、これまでの既存のシステム、各市町村で持っています、我々も持っています、そういうものをうまく活用しながら、地方公共団体等にも余り負担にならないようなそういうシステムの在り方を検討するというようなことを通じまして、地方公共団体とも十分相談し、このワンストップサービスが円滑に進むようにしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○小池正勝君 現状でも連携はできているんですか。そもそも今は連携がないと聞いたんですが。
○政府参考人(藤本貴也君) インターネットのやり取りという意味では今はございませんけれども、元々、地方公共団体がいろいろやる測量がございます。これは一般的には公共測量という名前で呼んでおりますけれども、そういうものにつきましては我々の方にその測量の写しをいただくとかいう形での従来の連携はやっておりますし、私どもも各ブロックごとに地方測量部がございます。そこを窓口にいろいろ連携はさしていただいているというのが実情でございます。
○小池正勝君 いずれにしても、ワンストップサービス、これは地図に限りませんけれども、やはり住民の利便を考えればワンストップでできるというのは一番いいことですから、地図についても是非、絵にかいたもちにならない形で地方公共団体との十分な連携をお願いしたいと思っております。 大臣にお聞きしたいんですが、このような形でメリットが様々ある、更新期間の短縮であるとかインターネットで瞬時に見られるとか、あるいはワンストップサービスであるとか、様々なメリットが今回の法改正であると思います。しかし、これが絵にかいたもちになってしまったんでは何にも住民サービスの向上にはつながらないわけで、先ほどの更新期間のお話もそうですし、小まめにこれは更新してもらわないと駄目なわけでございますし、ワンストップサービスもそうなんですが、やはり地方公共団体等そういったネットワークをきちっと築き上げなければこれもまた絵にかいたもちになってしまうわけで、正にこの法律の改正をして真に住民サービスにつなげるためには正にこれを真剣にやっていかなければならないということなんだと思いますが、それに向けての大臣さんの決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 最新の地図というものを国民が広くインターネットを通じて迅速に入手できるという、これは本当に最近のIC技術の目覚ましい進歩の成果だと私は思います。 また、先ほど小池議員もお話をしていただきましたけれども、私も現場へ行かしていただきましたが、能登半島地震のときには、どの地点でどの程度の、何センチですね、あの地盤がどこで動いたということをもういち早く示したというように、国土地理院の最近のそういうIT技術を活用した技術の進歩というのは本当に目覚ましいものだと思います。そういうものを国民が広く共有できるということは大変すばらしいことで、今回の法律もそれをねらったものでございます。 更新頻度につきましては、都市部においてはおおむね三年から五年、そしてまた山間部では十年から二十年というようなことが、今までの紙地図においてはそのようなことであったわけでございますけれども、先ほどもお話がありましたように、道路がもう敷設されているのにそれが書かれていないということでは、これは今まで言っていたことと大分差が出てくるわけでございまして、こういうものにつきましては、道路とかそういうもの、あるいは港湾、そういう河川、そういうものについて大きく地形が変わる場合、特に道路ですけれども、これはもうなるべく早くそういうものをインターネット上供給できるように、そういうものができたら少なくとも、今、日本も広いもんですからすぐには、直ちにというわけにはいきませんけれども、遅くとも数か月以内にはそれがダウンロードできるようなサービスを提供していくように努力をしていきたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、今後、インターネット提供により行政とか産業とか国民生活、各分野においてデジタル地図が使われて、効率的で質の高い活動が実現するように努めてまいらなければならないと思っております。紙地図の場合、いろんな人がいろんな縮尺で作りましてそこへいろんなものを書き込んでも、合わしたときに合わないんですね。ですけれども、このインターネットで送られる我々のこの基本測量に基づいたものにつきましては、いつどこを合わせてもきちっと合うというところも大変な便利なものだと思いますので、これからも頑張っていきたいと思います。
○小池正勝君 大臣さんから前向きかつ積極的な御答弁をいただきましたので、以上で私の質問は終わります。
○委員長(大江康弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時二十八分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、後藤博子君が委員を辞任され、その補欠として長谷川憲正君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 休憩前に引き続き、測量法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○北澤俊美君 民主党の北澤でございますが、答弁者の皆さん、御苦労さまでございます。 今回の法改正は、大臣の趣旨説明にもございましたように、近年のデジタル技術の普及や、またインターネットの利用者の増大ということに対応して利用者、国民の利便に供するという趣旨であるというふうに理解をいたしておるわけでありますが、具体的には、それぞれ説明がありましたように、国が保有する地図などのインターネットによる提供、それから二番目に測量成果の複製承認等の手続の簡素化、さらに測量成果のインターネット上でのワンストップサービスとそれに付随するものと、こういうことであります。 午前中、小池委員の方から大変丁重に、丁重にじゃない、きめ細かくポイントを質疑をしていただきましたんで、私は幾らかわき道の方から質問をさせていただきたいというふうに思います。 それで、時代の変化に適応して法案を整備するということは大変重要なことではあるわけですが、一方で、過去の歴史を見れば、法規制をすることによって国民に不利益を与えたりしてきたこと、この測量の歴史も不幸な歴史が幾つかありますんで、やはり歴史をしっかり検証した上でやるべきだと、こういうふうに思っておりますが。 この法改正については私は高く評価をいたしておるわけでありますが、しかし、やや遅れたかなという気はないでもないんですが、その間にフロッピーディスクやそれからCD―ROMを地図の編さんに、編さんといいますか解禁に利用するというようなことを小出しにやって対応はしてきたわけですが、しかし、今回のは何といっても測量の世界の新時代を開くというふうに言ってもいいんではないかというふうに思っておる次第であります。 そこで、ちょうど地方統一選挙があったから余り時間はなかったんですが、いろいろ資料をいただいて読ませていただいて、正直なところを言うと楽しかったんです、この歴史はなかなか読みごたえのあるので。その中で特に、あれは調査室だったか地理院だったか、何か私が楽しく読めるような参考になるものはないかと、こういうふうにお尋ねしましたら、新田次郎さんの「劔岳 点の記」というもの、それからまたもう一つは井出孫六さんの「アトラス伝説」というのを紹介していただきました。今、インターネットの時代で大変便利なんですね。古本屋へ行って探さなきゃいかぬかと思ったら、うちの事務所でインターネットでやってもらったらちゃんと送ってきてくれまして。 たまたまこれがお二人とも長野県の出身でありますし、またここの登場人物が、「劔岳」の方は柴崎芳太郎さんという方、諏訪の出身でありまして、また井出さんが書かれた「アトラス伝説」の川上冬崖は御存じのように画家としては大変有名な方でありますが、これがどうも長野の私のすぐ近くの松代藩の出であるという。ちょっと調べてみましたら、今大分有名になっております硫黄島の栗林中将の近くの御出身であるというようなことで、楽しくいろんなものを勉強させていただいたわけでありますが。 その中で、特に六世紀末に聖徳太子が測量を督励したというようなことから我が国の測量が始まったというようにこの日本の測量史年表にあるわけですが、それからあとはまあだれでも知っているような高橋至時とか伊能忠敬あるいは間宮林蔵という歴史上の人物が来るわけでありますが、私はこういうものをいろいろ見て、ここで地理院長に大ざっぱにおさらいをしていただいて、我が国の測量制度の沿革とか制度、現行制度の仕組みといったようなものをまずお話をいただいてそれから質疑に入りたいというふうに思いますんで、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(藤本貴也君) 非常に幅広いお話を冒頭いただきまして、私も地理院の経験はそう深くないものですから付け焼き刃でございまして、先生の方がお詳しいかもしれませんが、明治以降の沿革ということでございましたので概略申し上げたいと思います。 先ほど先生、伊能忠敬のお話ございました。江戸時代の伊能忠敬というのは御承知のとおり非常に精密な地図を作ったわけでございますけれども、全国を網羅的にある一定の水準の地図を作ったという意味では伊能忠敬が一番最初と、日本では最初ということのようでございます。当時、ヨーロッパ、イギリスからも非常に高い評価を得て、明治時代、幕末の日本が救われたというふうな逸話も幾つか残っておりますけれども、技術的にはそれは必ずしも十分伝承されておりませんで、明治に入りまして、明治維新の後すぐに国土地理院の前身になります民部省のところに戸籍地図掛というのが設置をされております。当時はフランスからの技術を中心に導入いたしまして、測量体系の構築をしたというふうに聞いております。 その後、内務省地理局というふうに組織が変わりましたが、明治の十七年でございますけれども、参謀本部の中に測量局、これができまして、この中に地図が一元的に統一をされるということで、先ほど言いました内務省地理局もこの中に合併をされる、こういうことになっております。その明治十七年以降、終戦直後まで陸軍の中に組織があると、こういう形で測量を担ったわけでございますけれども、そういう中で大正時代にあるいは明治時代に三角点の設置をする、あるいは五万分の一の地形図を、これは大正十三年に完了をしております。 三角点の設置の中で、先ほど先生おっしゃいました剣岳の上の三角点、この設置につきまして柴崎芳太郎さんが当時の山岳会のメンバーと競ってその山の上に登るという、日本で一番登山では難しい山だそうでございますけれども、当時言わばプロの山登り士である測量の技師が一番乗りを果たしたというふうな、そういう話が先ほどの剣岳の話だと承知しております。 今申しましたように、戦前は地図は軍が全部コントロールをするということでございまして、終戦が御承知の二十年八月十五日でありますけれども、九月一日付けで内務省の方に移管をする。わずか二週間でございますけれども、GHQに当時の地図、これを接収をされるのを避けたいというふうな当時のメンバーの思いもありまして、わずか二週間で内務省の方に切り替えるという離れ業をやったそうでございます。内務省の地理調査所ということで戦後の復興あるいは高度成長を測量で支えるというふうになってきたということでございます。 今回の改定をお願いしています昭和二十四年に制定をさせていただいた測量法、これが内務省の地理調査所の中で新たな測量体系ということで法律ができたわけでございます。この測量地図はもちろん軍から離れましたものですから、測量の重複を排除する、言わば効率的に測量をみんなでやっていかなきゃいけないということ、そして正確な測量をやらないといけない、この二つを二本柱にいたしましてこの測量法が制定をされまして、国土地理院はその中の一番基本的な部分、いわゆる基本測量と言っておりますけれども、これを担うということで、それ以外の公共団体等が行います公共測量だとか、あるいは民間がやりますその他の測量、こういうものをきちっとやるための技術的な基準を作る、あるいは基準点のきちっと整備をする、あるいはそういうものに対する指導をさせていただく、こういうようなことをやることになったわけでございます。 昭和三十六年でありますが、測量法、改正いただきまして、測量業の発展ということで、測量業に関する規定を追加をさせていただいております。これを契機に多くの民間測量会社、これが誕生し、その後育ってきたということでございまして、公共的な測量につきましては民間の測量会社が担うというふうな形がこれで定着をしてきたということでございます。ちなみに、ヨーロッパの中でもイギリスなんかを見ると、国家が直接測量をする、国の機関が直接測量をするというのが非常に多いような国も今でも存在をしているわけでございます。 こんなようなことで、現在では、この測量法に基づきまして、地方あるいは民間、これを十分に活用しながら効率的に正確な地図を測量をさせていただくということで現在に至っているということでございまして、今回、先ほど先生お話ありましたように、デジタル化という非常に大きな流れ、これに、まあ遅まきながらといいますか、先生の御指摘をかりればそういうことかもしれませんが、そのデジタル化にできるだけ早く対応し、そしてそれをまたエンジン役、引っ張るエンジン役になっていきたいということで今回の改正をさせていただこうということになったわけでございます。
○北澤俊美君 詳細にありがとうございました。 今もお話ありましたように、私の先ほど申し上げた川上冬崖というのは、日本画の流れから今度は洋画に非常に力量を発揮した人でありまして、結局は、日本の測量はフランス式が主流だったものがドイツ式に転換するわけですね。そのときに、洋画をフランスで勉強したということでフランスに知人が多くて、シーボルトの息子が頻繁に手紙をよこしたり、それから日本へ来たときに彼を頼ったとか。 それから、イタリアのラグーザ。これは偶然なんですけど、私、去年イタリアへ行きまして、シチリアへ行きましたら、シチリアでガイドしてくれた人にいろいろ聞きましたら、このラグーザがイタリアから美術学校の先生で日本へ招かれたときに、たまたま散策をしていたときに垣根越しに日本のお玉さんという人を見初めて、通って通って通って嫁さんにしてシチリアへ連れていった。シチリアで美術学校をやったけれども、なかなか成功はしなかったが、このお玉さんが大したもので、ラグーザから教わった絵の技術で一躍有名になって、さらにシチリアの社交界の女王様になったという逸話がありまして、シチリアへ行っていろんなそんな足跡も見てきましたが。 彼なんかもその川上冬崖と接触をしたということで、結局、多分この「アトラス伝説」を引くと、山県有朋が陸軍をフランス式をドイツ式に変えるののいけにえにされたということなんですが、そういう悲惨な最期を遂げただけに、川上冬崖の絵というのは本当に貴重品でして、長野県でも冬崖の絵というのはほとんどないと、長野県出身なのにというような話を昔から聞いておりましたけれども、この測量の歴史の中ひもといただけでもそういうものがあるわけですね。 先ほど伊能図の話が出ましたけれども、西南の役で政府軍が意外に苦戦をしたんですね。ところが、これは薩摩の軍が強かったり、あるいは西郷さんの人望が高かったから政府軍はだらしがなくて苦戦をしたと、こういうふうになっているんだけど、これ測量史の方から見ると、伊能図を編さんしたために、必ずしも正確でなかったために、現地の地理状況が把握できなくて苦戦をしたと、こういうふうにこの測量図の方はそういう歴史を書いておるんですね。 したがって、古い時代は主に租税の徴収と軍事の利用が地図の大きな役割であったというふうに思うんですが。 そういう歴史を経てきたわけですが、日本も長年にわたって日本の測地系というものでやっていたんですけれども、GPSの普及などによって旧来の日本測地系では国際的なものには対応できない、さっき大臣もちょっとずれがあるというような話をしていましたが。国際的な標準である世界測地系に変更して測量基準の不整合の問題というのはなくなったわけでありますけれども、この国際対応がなされた今日、日本の予算はどうかと思って私もいただいた資料を見ました。百億そこそこのお金で七百八十人の体制でやっているということでありますが、外国と比べて遜色のない、言わば先進国である日本の地理院の予算とか人員規模とか、そういうものを外国に比べてどんなふうな状況にあるんですか。
○政府参考人(藤本貴也君) 国際比較というのは一概になかなかやりにくいところもございまして、例えばアメリカ、ドイツなんかは連邦制でございますので、予算を見るときに連邦だけで見ていいのか、あるいは人員もそういうことが言えようかと思います。 そういう意味で、先生のお話で少し比較をしてみたわけでございますけれども、先ほどちょっと申しましたイギリスとフランス、ここは日本と割と似た統治体系でございます。日本の場合、国土地理院の人員、先ほどお話ありました定員が七百八十八名、予算が約百七億ということでございますが、例えばイギリスにつきましては予算が日本が百七に対しまして二百三十三億、フランスにつきましては百八十三億というふうに聞いております。 また、人員につきましても、日本の先ほど地理院は七百八十八名と申し上げました。イギリスが千七百四十七名、フランスが千七百九十二名と、こういうふうなことでございまして、人口当たりで見ますと、イギリス、フランスのまあ四分の一とか五分の一とかそれぐらいのオーダーでございまして、予算も大体そんな感じでございます。 もちろん、地理院だけが少ない予算で頑張っているということじゃなくて公務員全体そういう面があるんじゃないかと、こう思っておりますけれども、いずれにしましても、今回の改正によりまして、より一層効率的に地図情報の提供ができるように我々としても頑張っていきたいと思いますし、先ほど、冒頭、経緯を申し上げましたけれども、私どもは、地理院は基本的な部分をやらせていただく、できるだけ地方の団体、地方公共団体とかそういうところと一緒になって測量全体をうまく進めていこうという形でやらせていただこうではないかというふうに思っております。
○北澤俊美君 今の答弁をお聞きしていても、大臣もお分かりだと思いますが、先ほども話があったように、能登半島沖地震にも大変な貢献をしてきておりますし、この後、河川局長、道路局長からも御答弁を後ほどいただくと思っておりますが、最低限こういう基礎的なものにはきちんとした、財政逼迫の折とはいいながら、種芋まで売って生活が成り立たないような話が我が日本ではあってはならぬと、こういうふうに思っておりますので、後ほど大臣にまたお聞きをいたしますが、とどめておいていただきたいというふうに思います。 そこで、今、日本はもう地図情報についてはある意味フルオープンに近い状態になっておるわけでありますけれども、過去の歴史は必ずしもそうでなかった。それで、測量図の世界で、自国の地図を公開する、あるいは非公開で秘密裏にしているというようなことはこの世界の中ではどんなふうになっておるんでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 先ほどの予算とかそういうものと同様でございまして、各国の公開の状況、あるいは各国でおいて手に入れた地図を国外に持ち出していいのかどうか、その辺につきまして網羅的に私ども把握しておりませんし、また、なかなかきっちりした根拠に基づいて、どこまで公開になっているのかとか、あるいは、例えばある組織において申請を出して許可をするという仕組みになっておりますけれども、それがどうも外から見ていると非常に厳しくて事実上許可がほとんどないだとか、そういうようなことはある程度推測は付きまして、例えば東南アジアとか中近東辺りでは割と持ち出しが非常に厳しいとか、そういうところが多いようでございますけれども、なかなか厳密なところがよく分からないところがございます。 例えば、お隣の中国でも割と非公開に、そもそも非公開になっている地図が非常に多いようでございまして、割と民間の方が、民間といいますか一般の方がお作りになる地図は別ですけれども、国家として作られている地図、こういうものはどうも非公開のものが多い。あるいは、国外へ持ち出す場合も国務院あるいは中央軍事委員会の許可を得る必要があるというようなことで、この許可も非常に弾力的なのかやや厳しいのか、どうも厳しいのではないかという感じもしないではないんですが、その辺定かではございませんが、そういう許可を得る必要があるというようなことになっておるようでございます。 それから、韓国の場合においては、向こうへ行きますと地図を購入するのは特別な制約は余りないようでありますけれども、ただ、国外へ持ち出すということになりますと、これは日本の国土交通大臣に相当するわけでございますけれども、建設交通部の長官の許可を得る必要があるというようなことでございます。 ただ、いわゆる欧米といいますか、アメリカですとかあるいはイギリス、フランス、ドイツ、そういうような国では、日本とほぼ同じように地図については公開されている、比較的自由に扱える、こんなことのように伺っております。
○北澤俊美君 繰り返すようでありますけど、先ほどのシーボルトの事件は蛮社の獄として我々も中学校の社会科の勉強で教わったような気がいたしますが、先ほどの川上冬崖も結局は冤罪であるんですけれども、横須賀の造船所が造成されようとしているときに横須賀の地図を外へ出したと。そうでなくて、本当はそうでなくて、裏で、それが出された形にして、それがまた封を切らないまんま山県有朋のところへ戻っていたと。それを山県有朋はしっかり握って大隈重信や板垣退助と政治的に対決して憲政を我がものにしたと、こういう歴史なんでありまして、これ測量の地図一つ取ってもなかなか生臭い話でありましてね。 そこで、今日の高度な写真機能を備えた人工衛星による公開映像、そういったものからすると地図や写真の非公開はもうほとんど無意味なんじゃないかと、こういうふうに思いますが、客観的にそんな認識をしていいんですかね。
○政府参考人(藤本貴也君) 近年、測量の成果と、通常よく使われますのは地図ですとか、いわゆる地上で測量したものですとか、あるいは航空写真、空中写真で撮った測量の成果とか、そういうものがあるわけで、そういうものの公開がどうかと、こういうことになろうかと思います。 よく最近話題になっておりますけれども、衛星画像から写した写真が今グーグルアースというので見ることができるだとか、今そんなようなことになっておりまして、世界各国の衛星画像、これが割と、極めて容易に手に入ると、こういう状況になっております。 今、割とよく我々が手にしたり見たりできるのは、アメリカの民間会社、これが打ち上げました商用衛星がございます。いろいろありますが、その中でクイックバードという衛星がありまして、これが二〇〇一年に打ち上げられております。この人工衛星の撮ったものは、これは民間の企業ですから、有償でいろんなところに出ていっていると。これの解像度が六十センチぐらいだそうでございます、六十センチぐらいの解像度。 そういうものがもう一般に流布しておりますんで、多分今の先生の御趣旨は、もうそんなに非公開にしたってしょせんは無意味ではないかと、こういうようなお話じゃないかと思いますけれども、測量で撮る写真はそれよりも解像度がもうちょっと高いわけですね、例えば十センチから六十センチぐらい。したがって、その差がどれぐらいかという評価の仕方はございますけれども、そういう意味では、空中写真について国によっては非公開だと、あるいは地図によって非公開だという国があること自身が全くおかしいというわけではないかもしれないという気はいたします。 また、地図につきましても同じようなことでございまして、各国それぞれの安全保障に対する考え方だとか、あるいは各国それぞれの置かれている事情だとかもろもろあるんだろうと思いますので、その中でそういう判断をされているのではないかなという気がいたしますが、いずれにしましても、衛星がどんどん発達してまいりますので、徐々にそういう非公開の意味が薄れてくるんじゃないかな、そんな気はいたしております。
○北澤俊美君 それじゃ、防衛省の方、お尋ねをいたしますが、先ほど長い歴史を申し上げましたが、三角測量というのは我々も何となく素人でも分かるわけでありますけれども、これがオランダ人から江戸時代に入ったときに江戸幕府は、これは幻術なり、幻の術だと言って禁止したんですね。ところが、その七、八年後に明暦の大火があって、明暦の大火の今度復興のときに測量をしろと言ったら三角測量でやったと。こういうやっぱり技術は何よりも真実を明らかにしてくれるのかなと、こう思ったわけですが。 そういうものを全部ひっくるめまして、戦前の地図の国家機密の扱いから発行を中止した時期があるんですね、たしか昭和十六年ごろだと思いますが。そういう歴史が、防衛省は旧陸軍とは完全に切れてはおりますけれども、国防とかそういう意味からいたしまして、今回のこれだけフルオープンに近い開示をするということについて国防上で何か懸念があるかどうか。先ほども話にありましたように、人工衛星から極度にもう明らかになる。先ほどの小池さんのお話にあった、個人情報にも触れるんではないかというような話もありましたから、軍事基地や軍事関連の施設が余りにも明らかになり過ぎることについて、防衛省として何かお考えがあるんですか。
○政府参考人(金澤博範君) 今先生が歴史的なお話をされました。また、先ほど国土地理院長から日本における地図の作成主体、測量主体のお話がございました。 そこで見られますように、かつては国防機密というような扱いをされたこともございます。確かに、今でも国防上、私ども自身国土地理院が作成されました地形図を購入等して、それを教育訓練に使ったりあるいは実任務に使っておりまして、今でも非常に重要な役割を果たしております。また、同時に、何か悪さを仕掛けようとする人、テロリストを含めまして、その人たちにとっても地図情報というのは非常に重要な情報だろうということは変わらないと思います。 ただ、測量技術、印刷技術あるいは頒布の制度といいますか、それがここまで発達しておりまして、正確な地図をだれでもが今はもう見られるような時代になっておりまして、私どももそれを前提にいろんな安全保障、国防を考えておりまして、今般の法改正によりましてそれが加えて電磁的な方法でも公開されるということになりましても、新たに特段国防上懸念すべきことだろうとは思っていることは全くございません。 御心配ありがとうございます。大丈夫でございます。
○北澤俊美君 そういう時代になってきているということと、その明言していただいたことは、我が国が極めて健全な国家であるということのあかしだというふうに思います。 そこで、河川局長と道路局長、おいでいただきまして、ひっくるめて質問して恐縮でありますが、同じ観点でお答えをいただきたいというふうに思いますが。 先ほども能登半島沖の地震の対応についてもお話がありましたが、測量の成果が水害や土砂災害などの災害対策に貢献してきた歴史というのはこれは否めないというふうに思うんですが、また、そういうものについて過去の事例があれば簡潔にまたお答えをいただきたいというふうに思いますが。 それから、このワンストップサービスによりどんな効果が期待できるのかということ。それから、今の人工衛星を使った空中からの測量によると、日本周辺のプレートの移動が非常に鮮明に分かって、そのことがまた日本の地震その他にどう影響するかというようなことになる。 それから、私は初めてこんな言葉を聞いたんですが、その資料の中にゆっくり地震というのがあるんですね。このゆっくり地震というのはどういうのかというと、よく分かりませんが、そういうことも防災上の基礎的なデータになってきているのかなというような気もいたすわけでありますが。 あわせて、道路局も今は直轄国道の脇にいわゆる道の駅とかいろんなものをやってデジタルでいろいろ表示をしてサービスをしておりますが、そういうものと地理院の測量成果の提示というものをどういうふうにつなげて貢献しているのか。また、今回のこの開示によってどんなこと、効果を期待しているのか。 お二人、順次お答えをいただければ有り難いと思います。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。 河川行政でございますが、戦後、昭和二十二年にカスリン台風、それから三十四年に伊勢湾台風という大きな水害を受けまして、先ほど来お話にあります国土地理院の前身であります地理調査所が行いました調査によりまして、低地の微妙な地形の変化とかが水害にどう影響するのか、あるいは水があふれて我々が住む方のところにたまります水の深さがどういうふうに変化するんだと、あるいは湛水時間がどのぐらいになるのかというような解析に非常に役に立ってございます。さらに、今日では測量成果は水害あるいは土砂災害の未然防止、災害発生後の復旧復興などの点で基盤となる必要不可欠なデータとなっているところでございます。 さらに、近年の測量技術の進歩でございますが、二点の面から御説明申し上げますが、短期間に広範囲の測量ができるということからコストが縮減されたこと、あるいは例えば一本の川でいきますと流下能力等河川が持つ性質が川全体で同一時点で評価できると、こういったメリットもございますし、もう一つの点でございます精度の向上でございますが、はんらん域の微地形の情報を取得できること、さらにはそれをビジュアルに分かりやすく提供する手法なども開発されておりまして、これは非常に河川行政にとって役に立ってございます。 後半のお尋ねでございますが、今回の測量法の改正によりまして河川行政にどう影響するのかということでございますが、測量データの活用が促進されることによりまして、例えば市町村によりますハザードマップの作成とか公表が一層促進され、災害の減災という視点で大きな期待を持っているところでございます。
○政府参考人(宮田年耕君) 道路行政も地理院の業務成果と密接に関係しております。大きくは三つだろうと思います。 一つは、地理院の方で水準点、それを戦後改めて設置し直した、精度を上げてきたということで、私どもの道路を測量するときの基盤が非常に整備をされたというのが一点目でございます。 二点目は、二万五千分の一の地形図でございますが、これは戦後改めて整備が始まったというふうに伺っておりますが、二十五年ほど前に全国をカバーしたということでございます。道路を造るときに、まず最初には二万五千分の一の地形図を見て、そこで地形でどういうルートを引くかという作業から始めます。そういう点で、二万五千分の一の地形図が全国をカバーしたというのは道路行政にとって非常に大きな進歩だったろうと思います。 三番目が、先生お触れになりましたが、そういった地図のデジタル化でございまして、これも二十年ほどからスタートしておりますが、デジタル道路地図というのを作っております。これは地理院のいろんな成果あるいは御支援を得て作ったものでありますが、これがカーナビの地図ということで始まっておりまして、今やカーナビを設置している、あるいは累計の出荷台数ということでいいますと二千五百万台、そういう数になっております。そういうカーナビゲーション、デジタルでないと多分サービスが提供し得なかったろうと思います。 後段のお尋ねでございますが、そういったデジタル道路地図というのをいろんな民間会社も手掛けていらっしゃいます。そういった方々が、ワンストップサービスになりますと非常に簡易に許可を得て次の整備に取り掛かるということでございますので、そういった点で今度の測量法の改正というのは有効だというふうに考えております。
○北澤俊美君 いろいろありがとうございました。 あちこち飛んで済みませんが、文部省からどなたか、文科省は。 地理院が事務局を担当している全国児童生徒作品展というのがもう既に十回開催されているようでありますが、この資料を見せていただきましたら、なかなかいい試みでやっているんですけれども、参加者が少ないんですね、非常に少ない。これはいい企画ですから、子供のときに自分たちで地図を作ってそれを応募していくなんということは、個人もいいし、それからグループもいいし、学級もいいし、そういうことをやることは大変いいことではないかと思うんですが、文部科学省の質問取りの人にそういうふうに言ったら、それは各教育委員会があるとか決まり切ったことを言いまして、そういうのを縦割り根性だと、こう言うんだという話をして、まあにこやかに話はしましたけれども。 これは、将来日本の国をしょって立つ子供たちに地理の意識を、しかも自分たちが手を出してやるというようなことはいいことですので、これは少し文科省、力を入れたらどうかなと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。 先生に昨日そういった面で失礼がありましたらまたおわび申し上げたいと思いますが、先生御指摘のとおり、地理に関する教育が非常に重要な課題であると思っております。子供たちが小学校の段階から地域社会、そして日本の国土、そして世界へと対象を広げながら子供たちの地理的な認識あるいは地理的な感覚というものを養うことは大きな課題でございます。 実際具体的には、小学校四年生以上におきましては地図帳を教科書として活用してございます。小学校の段階ですと、自分たちの住んでいる身近な地域について地形を調べたり、土地の利用の様子を調べたり、公共施設の場所を調べたりということを白地図にまとめたりするという作業をしてございます。また、山や海などの自然や田畑などの地域の特色を地図にまとめると、そういう取組、それから観光マップを作成するという取組も授業の中で展開されているところでございます。また、それ以外にも、地域の人たちから聞き取りを基にした地域安全マップということも、子供たちの安全の上で作成の上活用されているところでございます。 それからまた、中学校におきましては、より広い視野で県全体の自然、産業ですとか、それらをイラストマップで表すという取組があったり、日本地図を略図として描ける力、あるいは世界の地図をおおよそ概略描ける力と、そういったものを授業の中で取り組んでいるところでございます。 そういった取組は学校教育で積極的に取り組んでいるところでございますので、そういった成果を、国土地理院で実施されております全国児童生徒地図優秀作品展という取組をお伺いしたところでございますけれども、現在文部科学省では学びんピックという取組をしているところでございまして、学校での学習の成果を、学校で培った様々な力を競い、高め合う全国的な規模の大会というものを専門家、有識者の目で評価していただいて認定をして、学びんピックという形で文部科学省が自らのポスターの中で御紹介をしたりホームページで御紹介をしたり、そういう普及活動にも協力をさせていただいている事業がありますので、今後、国土地理院ともよく相談をさせていただきながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○北澤俊美君 是非、そういう形でやっていただきたいと思います。これは小さなことのように見えるけれども、教育基本法を今慌てていじるよりはこの方が即効性があるような気もいたしますので、お願いをいたします。 さて、大臣、これちょっと申し訳ないんだが、通告にはありませんが、海千山千と言ってはいけないが、大変実力のある大臣でありますから即答していただけると思うんですがね。先ほど日本の測量史のお話をしましたが、聖徳太子の時代は中国からの知識や技術をもらって、それから江戸時代からはもう西欧の技術が入ってきていますね。これは私書き出してみましたが、寛永年間からずっとドイツ、フランス、オランダ、あらゆるところから来て今日の日本の測量を築き上げてくれたわけですね。 是非、国際貢献をそろそろ日本がこの分野でやることも大事ではないかなと、こんなふうに思っておるんですが。それについて、ODAを使ったりいろいろして、いろいろ貢献の仕方はたくさんあると思うんですが、私は、我が国のこれだけ優秀な測量技術を日本だけのものにしないで世界のものにしていくことは重要だというふうに思います。 それと、今回の改正によって全国的に経済効果というか、社会的な効果が期待できるわけでありますけれども、大臣としてこの法案を提出されてどんなふうにお考えになっておるか、こんなふうになったら我が意を得たりというようなことをちょっと御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 基本測量を国土地理院において行っておりますけれども、二万五千分の一の地図が全国的に全部できまして、こういうものがデジタルで国民に広く供給されるということになりますと、その上にいろいろな記入ができると思うんですね。 先ほどの文部科学省のお話にありましたように、自らの、自分の町の地形図の上にいろいろなことを書き込むという、そういうようなことが非常にもう、愛郷精神といいますかね、地図や歴史というものを知ることによって自分の住む町や村に対する大変な愛情といいますか、そういうものがわいてくるわけで、私はそういうような利用の仕方もあるだろうし、あるいはいろんな商店街、あるいは我々が今都市再生とかあるいは地域再生ということに取り組んでおりますけれども、そういうものを考える上においても共通の土台がここにできるということは非常に大きいと思います。いろいろなところから地図を買い集めてきてやるんではなしに、インターネットで自分のところでダウンロードして自由に日本のあらゆる場所の地形図が取り入れられるということは大変すばらしいことだと思います。 そして、世界的な目で見ましても、私は今、日本の国土地理院がやっている仕事というのは物すごく先端を走っているように思うわけであります。したがいまして、全地球地図というものについても我々はこれをリードいたしておりまして、ほぼ陸地部分については概成したと言ってもいい程度まで今来ているわけでございます。 したがいまして、特に今、東南アジアとかそういうところからの青年を招いて測量技術を教えたり、あるいは我々の方から出向いたり、そういう仕事も随分昔からやっておりまして、これは東南アジアだけではなしに全地球的にそういう技術を移転をしているということもあります。 それから、この間のスマトラ沖地震という大変なことがありましたけれども、そういうものにつきましても、どの部分で土地が隆起し、どの部分では土地が下がったかという、要するに土地が沈んだかというようなことまで我々の方では観測ができて、そういうものもそういうところに提供しているということは、私は相当すごいというふうに思います。 それから、伊能忠敬さんの地図を私、実は海上保安庁にすばらしい地図が残っていたんです。ちょっと、一か月ぐらい前の新聞にもそれ出ていましたですけどね。私はもう早速行って現物見ましたけれども、やはり自分が歩いたところには全部赤い線を入れておりまして、そしてところどころで立ち止まって、北斗七星との関係で天文学的にその位置をやはり測量した地点をそこへ書き込んであるんですね。私は本当にすごいことをやったもんだなと。これが何か、五十五歳だったかな、六十歳、五十五歳から始めたというんですね。それで日本全国歩いているわけですからね。ちょうど一八〇〇年ですから、今から二百年ほど前のことです。 その伊能地図があったがゆえに、まあこれは本当かどうか知りませんけど、イギリスが地図の技術を教えてやろうというようなことで、実は日本を植民地化しようとした。そのときに、伊能地図、おれのところはこんな地図があるからそれはいいんだと言ったところ、これは世界最先端だと、我が国でもとてもこれはできないというふうに驚嘆したと、それで退散したという歴史があったようでございまして、我々の先輩というのはすごい、私もすごい年になりましたけど、伊能忠敬はそれから日本国じゅう歩いて地図を作ったというのはすごいことだと。 残念ながら、これ万博か何かにするために皇居へ全部集めた、それが火事で焼けたとか、あるいは大震災で焼けてしまったとかいうことがありまして、本物は、原本はもうこの世の中にないようですけれども、それを非常にきれいに写したものがいまだに残っているということで、実は私の選挙区の尼崎の地名も全部書いてあります、もうびっくりします、全部筆でですね。そういうことを二百年以上も前に我々の先輩がやったということは大変な誇りだと。 お尋ねに答えたか答えてないか分かりませんけれども、私は、今国土地理院がやっている仕事は世界にも誇ることのできるすばらしい仕事であると誇りを持っております。
○北澤俊美君 伊能忠敬のお話も承りました。確かに大変な才能の持ち主であると同時に意思の強さを感じて、私も今回いろんなものを読んでそう思ったんですが、焼けてなくなるということからいいますと、一番残念だったのは、終戦の二十年に参謀本部の測量部が長野県の松本市の隣にある波田町へ疎開をしようとしたんですね。それが新宿駅で空襲に遭って貴重な資料が相当焼失したという歴史が残っておりますけれども、重要な資料は大切にしていかなきゃいかぬと思います。 そこで、国土地理院は今つくば市にあるわけですね。私もいろいろ連絡を取ったりなんかしていましたら、つくば市だと。どのぐらい掛かるんですといったら、二、三時間掛かるという話であります。ところが、非常災害対策本部のメンバーになっているんですね。院長じゃなくて、参事ですか、だれか分かりませんが、セカンドの人か。これ、災害対策本部がほれって言ったら、みんなテレビに、タクシー乗って降りてきて、官邸へ飛び込んでいくのをみんな見ていますが、つくばでもって言われて、えんこら二時間、三時間掛かってたんじゃ、これなかなかしんどい話でしてね。研究部門とか実務部門は残しておいても、一番の中枢のところは、大臣、ここへ、国土交通省の方へ、まあ連絡室もあることですから、これは考えるべき課題だとは思うんですが、これ、冬柴さんが大臣やっているからちょうどいい機会で、おだてて言うわけじゃないが、胸に落ちてやろうと思えば冬柴大臣ならできるというふうに私は思うんです。これは非常にリーズナブルな私は提案だと思っているんですよ。大臣の御見解をお聞きしたいと思う。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大変もう有り難い応援の話をいただきました。ただ、つくばに私もちろん行きましたけれども、大変大きな観測点とか機器とか、もう既に整えられているんですね。 ただ、今、北澤先生がおっしゃったような問題もありまして、国土地理院における災害対策の体制強化を図らなきゃならないということで、今年四月から国土地理院の政策調整を行う職員二人を霞が関に配置するということを認めていただきました、予算上ですね。それから、千代田区九段にあります関東地方測量部というところがあるんですが、そこへ防災課というものを今回設置いたしまして危機管理体制を強化したというところでございます。 今後とも、関係機関との連携強化とか災害時における緊急の対応のために必要に応じて東京における業務体制を充実するなり、本当に適切に対処しなきゃならないというふうに思いますので、また応援をひとつよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○北澤俊美君 これは引き続きの課題で、是非頑張ってやっていったらどうかなと、こういうふうに思います。 そこで、もう答弁は要りませんが、ずっと私も余計なことを随分しゃべってきましたけれども、資料をいろいろ見る中で、これ地理院を中心にして我が国の測量の歴史を何か書いたらいいと思うんですよ、書いたら。国土交通省は、この間も、前の、何だ、河川局長をやった竹村公太郎さんの名著もあるし、大石技監も私は本もちょうだいしたり、なかなか文筆家がいるんですよ。藤本さんだって、こっそりだけどペンネームでもって違う名前でどこかへいろいろ書いたのを私は見ましてね、これだれだって調べたら藤本さんだったというのが後で分かったけど、本人には言いませんでしたが、文才もあることだから一層御研さんをいただいてもう少し楽しいものを作ったらどうかなというふうに御提案を申し上げて、終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合です。 先日書店に行きましたら、書店に行きまして地図が売られているコーナーへ行きまして、まあ観光ガイドだとか並べられているようなところですけれども、こういう声がありまして、その方は浜松の方だったんですけれども、四月一日から政令指定都市になって、そういう移行したばかりということで楽しみに書店に来て、自分のところの地図がどうなっているのかと、そうしたら、反映された、いわゆる政令指定都市になった名前が区になった地図がなかったということですね、そんな声を聞いたわけでありますが。 基本的に国土地理院の基本測量の更新を受けて、その更新情報を利用して民間の地図業者が最新地図なんかを更新して発刊するかと思うんですけれども、昨今、市町村合併が頻繁に行われておりますけれども、行政界が変更されるに伴いまして国土地理院ではどのように更新をされているのかということと、今回の法改正でいわゆる更新間隔の短縮を図るわけでありますけれども、いわゆる測量成果のインターネット提供によってそういった行政界の更新情報はどのように早く回っていくのかというところをお聞かせください。
○政府参考人(藤本貴也君) 今、先生のお話は、私どもの地理院の地図の更新が結果として民間の地図も早くやっていくということで、そういう意味で、こういういろいろな更新を早くしたらどうかと、こういう御趣旨ではないかと思いますが、市町村合併があったりした場合は、本来なら直ちにいろんなものを改訂をし、我々の地図を改訂しないといけないというふうな思いもありますが、いろんな諸データを集める中で、必要な段階、ある程度いろんなデータが集まった段階で更新をすると、こういうふうなのがこれまでのやり方でございまして、特に今回の市町村の大合併、これは同じ時期に集中的に起こりましたので、こういう合併の結果を直ちに今の紙の地図とかそういうものに反映させるというのはなかなか厳しいというのが実態でございます。 特に、今我々が刊行します紙の地図は、それをもちろん印刷をする、現行を修正しまして印刷をする、そして流通経路に乗せまして各書店に配付をする、もし更新になった場合は古い地図は全部回収しまして新しいものと交換をする、こういうことをしなくちゃいけないわけでございます。そんなことで、できるだけそういう中でお安く皆さんに提供しないといけない、こういうふうに思っております。 そういう意味で、地図ではいろんな、市町村合併の問題以外にもいろんな変更点ございますけれども、そういうものにつきましてもできるだけ早く更新をしたいとは思っておりますけれども、ある程度そういうものを見ながら、そういうデータが蓄積された段階で更新をしていくというのが今の現状でございまして、一般的には都市部で大体三年から五年ぐらいということでございまして、山間部は割と地勢の変化が少ないんで、長いものについては十年から二十年ぐらいというのもございます。そんなような状況が現況だということでございます。 そこで、先生のお話の今回のインターネットによる提供ということになるわけでございます。インターネットに提供になりますと、先ほど言いましたような流通経路に流して皆さんに、本屋さんにお出しする、あるいはそういう古いものは回収する、こういう手間が相当省けるわけでございまして、地図に反映すべきいろんな諸条件が出てきましたら、それを我々は入手いたします。その後、データ整備をいたしましてそして提供するということになりますんで、今の時代、入りますと遅くとも六か月後ぐらいにはユーザーの皆さんに提供できるように、六か月じゃないですね、数か月後ぐらいですね、失礼しました、皆さんに提供できるようにやっていきたい、こんなように思っております。 それが結果として災害対応とか、その他もろもろにもいろいろ役に立つんではないか、あるいはそういう民間の方がいろいろ修正するにもお役に立つんじゃないか、こういうふうに思っております。
○谷合正明君 分かりました。数か月というところでございますので、できる限り、ネット社会でございますので、そういう時代に合わせた迅速な更新をしていただきたいと思います。 それで、私が住んでいる岡山県におきましては、避難場所などの防災情報ですとか子供たちの通学路の危険箇所の情報を国土地理院の持っているその地図上に情報を重ね合わせて表示したおかやま全県統合型GIS、地理情報システムが昨年六月から運用が開始されておりまして、利用も町内会等も含めて約三十近くに上るということでございますが、まだ都道府県によってはこういったGISはすべての県には普及していないというふうに聞いております。今回の測量法改正によって、そういう地方公共団体におきますGISの取組に対してどのようにこれが、法改正が役に立っていくのか、この点について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(藤本貴也君) 先生お話しのGISの関係でございます。 地方公共団体におきましてITが非常に進んで全般的にきたかということを踏まえまして、いろんな地理情報をこのGIS上でできるだけ簡単に検索をできる、あるいは電子化をしていって皆さんに提供するというものが随分進んできておりますけれども、まあ縦割りというわけじゃないんですが、各県を見ましても、県の中のそれぞれの業務単位あるいは組織単位にいろいろ作っておられて、一本化されているというのはなかなか、おっしゃるように岡山は割と進んでいるようでございますけれども、GISの導入は割と進んでおるんですけれども、いわゆる統合型ということであります、県一本で提供するという形になっているのはまだ四分の一ぐらいというふうに伺っております。 今回の測量法改正におきまして、インターネットによる提供というようになります。そうなりますと、デジタルないろんな地図というものがこれからももっと普及する、あるいは促進する。一方では、私たちといたしましても、一番問題は白地図といいますか、GISの基になる白地図が共通のものにならないといけない。そのために、我々も県と協力をしながら共通な白地図になるようなものをできるだけ早く整備をしていきたい、あるいは余りばらばらにならないように基準というものをきっちり作っていきたい、こんなように今考えておるところでございます。
○谷合正明君 是非そういった取組が促進されることを期待いたします。 続きまして、国際協力の分野についての質問に移らせていただきます。 かつて、NHKの「プロジェクトX」の中にも、アフリカのギニアで、国土地理院というか測量士の方が地図のない国で一から地図を作ったというストーリーで報道があったわけでございます。当時、ギニアもフランスから独立して希望に満ちあふれていたわけでありますが、独立した当時、フランスが国の重要資料のほとんどを本国に持ち帰ったと。その中には国土基本図、地図も含まれていたと。地図がないためにギニアの開発は行き詰まり、道路、鉄道、農地、新たな国土開発のめどすら立たなかったということで、日本が一九七七年にODA約十億円の予算を提供して、足掛け四年掛けてこの地図を作ったという話でございます。 確かに、私もアフリカでありますとか発展途上国等よく行っておりましたので、その国に行くたびに現地の本屋に行って地図であるとか地図帳を探すんでありますけれども、大体地図を売っている国というのは、地図帳を売っている国というのは余りないんですね。あるとしても、ヨーロッパの国が発刊している地図帳があったり、その国独自が発行した、発刊したものというのはめったにありませんでした。そういう国が多いんだろうなと、今でも。 最近は、中央アジアですか、旧ソ連から独立した中央アジアですとか、あるいは東ヨーロッパ等でもやはり独立した、新興独立国というのが増えております。いわゆる地図のない国というのがあるではないかと。地図のない国は幾らあるかといっても、それは数字として出てくるものではないんですが、そういった地図が整備されていない国であるとか、あるいは国土地理院に準ずる機関がないような国とか、そういった国というのはあると私も実感として分かるわけですが、その実態はどうなっているのか、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
○政府参考人(藤本貴也君) 地図のない国、あるいは地図を整備するための専門的な組織が特にどうなっているか、こういうことでございますけれども、その辺はちょっとつぶさになかなか把握私どももできておりませんで、個別に、海外に行った連中がそこはどうだとかというふうな話がございますけれども、なかなかここで御報告できるほどしっかりしたデータはございません。誠に申し訳ございません。 ただ、先生のギニアの例と似たような話でありますけれども、ユーゴスラビアがこれも独立をいたしまして、これが独立した際に、やっぱり地図がしっかりその独立した各国に配置されていなかったというふうなことで、正確な地図がやはりこれは非公開というよりそもそもないという状態がございまして、これらの国はそれぞれやっぱり国土地理院というような、そういう地図を作成する機関もあるいはノウハウもなかった、こんなことがございました。 そんなことで、我々としてもそういうところに対していろんな技術協力をさせていただいたりというようなことはこれまでやらせていただいておるところでございます。
○谷合正明君 それ、どういった技術協力をしているのかという、幾つか例を挙げていただければと思うんですが、お願いします。
○政府参考人(藤本貴也君) そういう地図ができていないところでございます、各国によっていろいろな事情が異なりますんで、JICAを通じてのODA等での支援というようなことになろうかと思いますけれども、その前段といたしまして、相手国においてどのような地図が要るのか、あるいはどういう技術が必要なのか、あるいはどういう機材が要るんだろうかと、そういうふうなものにつきまして、まず事前に行って評価をしないといけない、向こうの事情を調べないといけない。そんなことで、そういう地図の作成、技術移転に関する事前調査、こういうような形での協力をやっている。あるいは、それがあるとしますと、専門家が向こうに行きましていろんな技術協力をさせていただく、あるいは向こうの国からお越しいただいて、日本で研修をさせていただいたというふうなこと、今でも毎年こちらにお越しをいただいて、そういう研修なんかもさせていただいております。
○谷合正明君 分かりました。 そのほかに、緊急援助的なものもあると思うんですね。例えば、海外で発生した災害、直近でもソロモン諸島で地震が起きました。また、記憶に新しいところで、先ほど大臣の方から話もありましたとおり、二〇〇四年の十二月に起きたスマトラ沖の大地震、あるいは二〇〇五年の十月のパキスタン北部の地震、こういった地震に対して、国土地理院としてはどういう対応を取られてきたのか教えてください。
○政府参考人(藤本貴也君) 海外で大きな災害がありますと、我が国としてもいろいろな形で応援をするということになろうかと思います。その際には、当然、現地でどういう状況になっているかというのをまず調べないことにはそういう対応が見えてこないということになるわけでございます。 私ども地理院の方としましては、測量とか地図の分野を預からしていただいておりますので、主に自然災害に関しまして、被害の範囲がどういう形になっているのか、そういうものを取得をするというふうなことで防災対策に生かしていきたいというふうにしてやっております。 とにかく、衛星なんかを活用しまして、どういう地殻変動が起こっているか、こういうようなことも把握をさせてもらい、そしてそれを基に、地震なりあるいは火山の噴火に伴う地殻変動、これがどうなっているのか、あるいは地下でどういう状況が起こっているのか、あるいは具体的な地図も余りないわけでございますから、ある程度大ざっぱにではありますけれども地図を提供するとか、こんなことによりまして救助ですとか復旧対策、こういうものに生かしていきたい。 先ほどちょっと申しました、人工衛星から画像を撮りますと、地震の起こる前と後で画像を撮りますと、どの程度隆起をしたかというようなものも解析をすると出てくるわけでございます。そんなようなことで御協力をさせていただいているということでございます。 例えば、二〇〇四年のスマトラ沖の地震のとき津波の被害地域をある程度とらえていくとか、あるいはパキスタンのときでは断層だとかあるいは地すべりがどこで起こったとか、そういうようなものも早めにとらえて皆さんで共有をしてそういう対策を立てるための材料にさせていただく、こんなことをさせていただいております。
○谷合正明君 そういった技術協力というか、自然災害の直後の協力といったところが、実は回り回るってことはないですけれども、我が国の防災に対しても非常に有益ではないかと思います。例えば、ソロモンの地震のときも、結局同じ太平洋の地域として日本、我が国を含んだプレートの動きが分かってくるではないかと。 そういう意味では、国土地理院の宇宙測地技術を活用した海外協力というのは、実はそこで得られた技術や成果というのは我が国の防災に役に立つのではないかと思うんですが、この辺りどうでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 先ほど、先生からもお話ありましたけれども、宇宙測地技術、これを用いましていろいろ海外での現状把握をさせていただいておるということを申し上げました。 こういう技術の中には国土地理院で中心的に開発をした技術、そういうものもいろいろございまして、先生おっしゃったとおり、海外でいろいろそういうものを経験をいたしますといろんな事例も増えてきます。様々な条件の違うところでのデータも把握できるというふうなことで、解析技術のいろんな精度の向上、こういうことにも役立つのではないかと思っております。 それから、先生もお話がございますソロモン諸島の件でございます。世界の海溝沿いで発生する巨大地震であります。これを、解析を通じまして、日本の海溝で起こるであろう東海地震とか東南海地震、そういうものに、いろんな発生メカニズムを検討する上でも、いろんな形で役に立つというふうに思っております。
○谷合正明君 もう一つ、国土地理院さんが今リードして行っている国際協力事業の一つに地球地図プロジェクトというものがございます。これは一九九二年に当時の建設省が提唱したものであると聞いております。つまり、地球環境問題の解明のために地球全体の信頼できる地理情報が不可欠ということで、当時そういう提唱があったわけでございます。この地球地図プロジェクトの概要というんですか、目的等はどうなっているのかと。 また、昨今、例えば中国から黄砂が我が国にも結構来るなということ分かってきたわけですが、そういった自然災害などの、災害というか自然環境の変化、こういったものが分かってくるのではないかなと、影響評価なんかできるんではないかなと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 先生のお話で、今パンフレットを見せていただきましたが、我々は地球地図プロジェクトという名前でこれを呼んでおりまして、特に地球環境にいろんな意味でお役に立つんではないかと、こういうようなことで、平成四年に提唱させてもらって、そして平成六年には地球地図国際ワークショップというのを日本で開催をし、そして平成八年に地球地図国際運営委員会というのを設立させていただいた、こういう経緯がございます。 内容的には、先ほど言いました地球環境への影響ということで、先ほど来のお話のように、地図もきちんと整備をされていないわけでありますから、世界全体についての一元的な、統一的な地図というものはなかなか存在しないというので、共通のデータを蓄積をしようということで、八項目のデータで、共通のものをこの世界地図の中にデジタルで落とし込めるようなものを作っております。すべて申し上げるとあれですけれども、今の黄砂の話ございましたんで、植生だとかあるいは土地利用だとか、土地の被覆状態がどうなっているか、そういうようなものを八項目でございます、それを地図にそれぞれ各国データを作って持ち寄ると、こういうことにしておるわけでございます。 現在、百五十六か国が参加をしていただいております。国連加盟が二百か国弱だと聞いておりますので、かなりの国の数が参加をいただいております。 私ども、この事務局を担当させていただいておりまして、途上国に対するいろんなデータ整備の応援もさせていただいております。引き続きこのプロジェクトの推進、頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○谷合正明君 それで、今百五十六か国が参加ということなんですけれども、この資料によると、昨年、二〇〇六年の七月時点では、その参加国は多いわけでありますけれども、データを実際公開しているというところまで行った国というのは二十二か国にとどまっているということで、最新の進捗状況とその完成のめどというのはどうなっているのかという、お願いします。
○政府参考人(藤本貴也君) ただいま現在ですと二十八か国になっております。全体の面積で四分の一ぐらいでございます。今、公開準備中と、一応データ作りまして、データのチェックを今している、これが七十九か国ございまして、合わせまして百七か国、全体で面積で七割ぐらい、ここまでの整備のめどが現在立ってございます。 まだ提出いただいていない残りの国、五十か国余りございますけれども、そういうところにはできるだけ早く提出をしていただくようにお願いをしておるところでございますし、そうはいってもなかなか間が埋まってこないということもございますんで、一方では、完全なデータにはなりませんけれども、我が方で少しお手伝いもしまして、その部分のデータをまあ完全なものではないんですが作りまして、できれば今年度中ぐらいにはある程度全体がそろうような形には持っていきたいなというふうに思っております。
○谷合正明君 是非それを楽しみに待っております。 最後に、大臣にお伺いいたします。 先ほどの北澤委員と同趣旨の質問になるわけでございますが、国際協力の分野で国土地理院の果たす役割というのは非常に大きいなと。 そこで、私もいろいろな国行って感じてきたことは、ODA一つ展開するに当たりましても、この地図というものは本当に基本中の基本で、これがない限りはもうこれどうしようもないなと。国土地理院の方にお伺いしましたら、日本のこの測量技術というのはどうなんだと、世界の中で。これはもうトップクラスですと。しかも、その測量技術だけでいえば、例えばフランスだとかドイツもありますけども、防災というところと兼ね合わせてみると、これは非常に我が国独特というか我が国しか持っていない知見でございますと。正にそのとおりだなと。 今、スマトラですとかソロモンとか、アジア太平洋地域での災害というのはやはり多発しております。私は、そういう意味では、アジア太平洋地域であるとかあるいは先ほど例示いたしました中央アジアの地域などの新興独立国を中心に我が国の協力というのを是非やっていただきたいなと思っております。 しかも、その技術協力というのは、後々、日本が引いたとしてもその国に生かされるような協力であるとか、あるいは地図作成というのは本当に縁の下の力持ちみたいな陰の仕事でありますので、なかなか日本がやったという貢献のアピールというのは難しいかもしれないんですけれども、是非日本をアピールできるような、そういった地図の協力というのをしていただきたいと。最後に御所見を伺います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 我が国において、本当に歴史も先ほど来いろいろと話がありましたけれども、この測量技術というものは大変先端を行っておりますし、そして最近のIT技術というのも取り入れてすばらしい成果を今得つつあると思います。そういう技術を、今、谷合委員がおっしゃるように、今から国土を開発を進め発展していこうとしている国に提供するということは非常に大事だと思います。その場合に、国土の状況を正しく把握する必要がありますし、地図の整備されていない開発途上国等における測量・地図作成分野における我が国の国際貢献、これは大変重要だと私は認識をいたしております。 したがいまして、これまでも国土地理院は、測量・地図作成分野についての専門家の派遣とかあるいは研修員の受入れなど、大変技術協力を行って大きな実績を上げていることは事実でございます。地図に落とし入れますと、ほとんどのアフリカ、東南アジア、中央アジアあるいはヨーロッパにまでそのような足跡が残っているわけでありまして、非常に私は誇るべき成果だと思っております。 したがって、今後も、測量・地図作成分野の国際貢献には、わずかな予算と少ない人員の中ではありますけれども、工夫をして是非そういうものにこたえていきたいし、そしてこの技術で、環境問題、そういうものについても世界をリードしていきたい、このように思っております。
○谷合正明君 終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子です。 今回の改正案は、インターネットやデジタル技術を使いまして国が得た測量成果を広く国民に還元するものだと理解をします。戦前、戦中は機密情報とされていた地理情報を国民に還元をして平和的に利用していくということは、学術そして文化、産業の発展、国民生活の向上の上でも大変役に立つと私も思います。 そこで質問なんですけれども、午前中の議論でもあったんですけど、料金の関係の議論がありました。営利目的の場合、複製承認を得て利用するということができますけれども、その場合の対価は適正な対価を考えるという御答弁をいただきました。 改めてお聞きしたいんですけれども、いわゆるネットによるデジタル地図の提供に伴う料金ですとか、それと今国土地理院が委託をされています日本地図センターの紙地図の料金ございますよね。この料金は今後どうなるのでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 今、先生お話のありましたように、現在のまず紙地図、あるいはデジタル系でいいますとCD―ROM、こういう形で刊行させていただいております。 まず、新たに今回インターネットで提供をするときに、インターネットで画面でごらんいただく、これは閲覧、我々の事務所に来ていただいて成果を見ていただくのと同じ、要は閲覧と言っています、これと同じでございますから、これはもう無料でいいんではないかと、こう思っております。ところが、これを、何というんですかね、パソコンといいますかコンピューターの中に取り込みまして、いわゆるダウンロードと、こう言うんだそうでございますけれども、そういたしますと、いろんなこれを処理ができると、こういう場合については、先ほども言いましたCD―ROMなんかで提供するのと同じことでございますので、それと均衡を取った形での価格の設定をさせていただきたいというふうに思っております。 それから、現在提供されています紙地図ですとかCD―ROMとか、地図センターを通じて提供させています。この価格はどうなるかということでございます。 従来、やはり刊行に伴う実費をいただくという観点で価格を設定させていただいておりますけれども、物価上昇において少し過去に値上げをさせてもらったりしてはいるようでございます。また、平成三年以降は我が国の経済がこういう状況でございまして、大きな物価上昇もなかったということで、特に今のところ改定をこれまでしておりませんで、そうはいうものの、今回のインターネットの提供は追加になります。これによって直ちにこの価格を変えようということはございませんけれども、いろいろな物価変動とか今後の状況を見まして、この辺をどうするかというのは検討してまいりたいし、またできるだけ適切な価格に設定されるように努めてまいりたいというふうに思っております。
○小林美恵子君 はい、分かりました。 あと、さっき午前中もありましたけれども、インターネット活用によって懸念されること、私も質問をさせていただきたいと思います。 例えば改ざんなどによりまして地理情報の正確性が損なわれたりしないかどうか、また基準点が所在する土地所有者名がネット上で常時公開されることになるかと思います。こうした正確性の問題でありますとか個人情報の保護の対策ですね、これはどのように考えておられますか。
○政府参考人(藤本貴也君) まず、インターネット上でいわゆる不正アクセスといいますか、よく問題になるのを報道等でも出ていますし、我々も非常に気にしているところでございます。 これまでも全く我々インターネットを扱っていなかったかというとそうではなくて、部分的にインターネットでもごらんいただけるように、ダウンロードはできないんですけれども、そんなサービスは一部させていただいておりまして、そういう中で公開用のサーバーというんですか、そういうものにつきまして不正アクセス、あるいはサービスを阻害するいろいろな行為、こういうものに対する防御措置をとらせていただいているということでございまして、そういうことによる改ざん防止をやらせていただきまして、これまで特段のものがございませんので、今のところは大丈夫かなと思っておりますけれども、油断をするとまずいということがありまして、今後そういうことのないように、引き続き適切な措置を講じていけるようにしていきたいと、こう思っております。 また、個人情報の件でございますけれども、特に我々の測量の成果の中で個人情報に絡むものというのは、点の記というのがございまして、要はこれ測量の結果を出すための記録で、基準点がどこにあるかという、どういうふうにして測量したか、その中に例えば、個人の家の中にその測量点があったりする場合がございます。そういう場合に個人情報ということが課題になるんじゃないか。そこの中に所有者とか氏名とか入ってくるわけです。 インターネットで閲覧する場合に、閲覧される方の名前ですとかあるいはメールアドレス、それから使用目的、そういうものを記載して登録をいただきまして、IDを取ってもらった方だけ閲覧できるようにと、こんなふうにやらせていただいております。そんなことで、できるだけ問題ないように引き続き検討してまいりたいと思っております。
○小林美恵子君 はい、分かりました。 では、法案とは別に、昨年四月十四日に開かれました行政減量・効率化有識者会議での国土地理院の人員削減とか業務見直し問題について質問に入っていきたいと思います。 私は、先ほどからの議論を聞いておりましても、国土地理院の業務というのは、ただ単に測量をしたり地図を作成していることだけではなくて、本当に国民の生活とか災害対策に大きく寄与をされていると思うんです。 ところが、この有識者会議の議論を見ますと、とにかく独立行政法人にすればいいという発言がもう多々見られるんですよね。これまでの国土地理院の業務が国民の生活にとってどういう役割を果たしてきたのかというのが、なかなか有識者の皆さんからの意見はないというふうに思います。 諸外国を見ても、先ほどもお話がありましたけれども、地理情報の整備とか管理に関する業務は国が実施しているというふうに思うんですけど、改めて大臣にお伺いしたいと思うんですけど、この国土地理院の業務というのはやっぱり国が責任を持って行うべき業務だというふうに考えますけど、大臣はどうですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私はお説のとおりだと思います。 国の構成要件、三つありまして、国土、国民、そして統治機構です。その三つがそろわないと国家として承認はできません。その一番大事な国土の位置、形状をきちっと国内外に示し得る唯一の、最終的に示し得る官庁というのは国土地理院でありまして、これを国から離すというわけにはいかないと私は思います。それは、私は、どこの国もそういう発想はありません。 したがいまして、私はここにいるからそんなことを言っているわけではなしに、この国土、自分の国の位置や形状を有権的に最終的に示すそのような官庁が国から離れていいとは思いません。したがいまして、いろいろな議論はあったようですけれども、私は、これは国の機関としてきっちり責任を持って、今までるる述べてきたような仕事を誠実に処理をしていくべきである。 戦前、これは参謀本部、陸軍が持っていたということ、あるいは外国もそんなようなことで、国の安全のためにも地図は国が管理していたという時代がありますけれども、あるいは豊臣秀吉のときの地図、地検図の、これは税を取り立てる。明治の初めのときの地租改正、これは改正図というのを作られましたけれども、これも税を取り立てるために作ったものですけれども、それは時代は変遷しましても、民主国家になっても、自分の国の位置や地形を最終的に示すのが国の機関以外にあるということは私は考えられません。
○小林美恵子君 さらに、有識者会議の委員の発言等を見ますと、例えば測量とか観測、地理情報の提供に係る研究や技術開発の業務は企画立案の業務と切り離すことができるのではないかということで、何が何でも独立行政法人化というのをよく見受けられる議論になっているかと思うんです。 そういう点でいきますと、先ほどの大臣の御答弁でいきますと、こういう業務を切離しもしっかりしないで一体のものとして、独立行政法人化に移行することは断固として意見を述べていくと、移行はさせないというお立場だということを理解していいですか、どうですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) もう言っていただいたとおりでございまして、私は有機的、一体的に、わずかな八百人足らずのあれですけれども、これは一体になってやはりその責めを果たすべきであるというふうに思っています。
○小林美恵子君 大変大臣から心強い答弁をいただきました。是非、独法化反対を断固として貫いていただきたいというふうに思います。 次に、定員の純減について質問をさせていただきたいと思いますけど、国土地理院はそういうふうに国が責任を持って行う業務だというふうに大臣もおっしゃっておられるんですけれども、いかんせん人員の削減でいきますと、昨年五月十二日に国土地理院が出された見直しでいきますと、二〇〇六年度から五年間で七百九十七人中七十人の純減を行うとございました。定員の九%というまさしく大幅な削減だというふうに私は思います。 内訳を拝見しますと、公共測量の指導とか調整業務の外部委託十三人とか、測量成果に関する審査業務の合理化で七人とか、地図修正などの基本情報調査業務の外部委託と合理化で十三人、それから、先ほども議論ありましたが、これから開発促進をしようとしているGIS業務の合理化で十人とか、内部管理業務の電子処理の推進、集中で二十七人削減するとございます。 国土地理院の担う業務といいますのは決して減少はしないというふうに思うんですね。それでこんな人員削減を行って、本当に国としての責任が果たしていけるのかな、業務に支障は来さないのかというふうに思うんですけれども、これまでの人員が過剰配置だというふうに地理院長はお考えなのでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 私ども、決してそういうふうに思っているわけではございません。 お話のとおり、五年間で七十人の定員削減というのが定められたわけでございます。我々、これに対応するために、先ほど来話が出ています、わずかな予算とわずかな人員ではございますけれども、業務の合理化ですとか、あるいは外部委託を活用するですとか、あるいは電子処理を推進する、あるいは業務の処理を集中的にやっていく、いろいろな工夫をしながら、限られた職員数の中で効率的な業務を行いまして、国民の負託にこたえていくよう頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○小林美恵子君 決して今までの人員配置が過剰だとは思わないというふうにお話がございました。 私は、お聞きしましたら、一九八九年度、国土地理院の職員の皆さんは八百八十三人だったと。二〇〇六年度では七百八十八人ということで、九十五人既に削減をされておられます。しかし、非常勤の職員の方が、八九年度では五十三人、二〇〇六年度で百四十七人配置されておられまして、つまり職員数を合計しますと、八九年度は九百三十六人、二〇〇六年度は九百三十五人なんです。 要するに、国土地理院の業務というのはそれだけの人員が必要だという業務ですよね。それを、定員をこんなに削減するというのは、いろいろ工夫して頑張るといっても、やっぱりこれは総人件費削減ありきで、こういう必要な人員ということは、やっぱり断固としてこの必要な人員を確保ということを求めていくことが大事だというふうに思いますけど、この点はいかがですか。
○政府参考人(藤本貴也君) 今先生御指摘のとおり、定員状況が非常に厳しいことは事実でございます。 私、前職、近畿地方整備局長をやらせていただいておりましたが、国土交通省の出先の機関も、同じように非常に厳しい中を業務の合理化あるいは外部勢力の活用等々をやりながら国民サービスを低下しないように頑張っておるところでございまして、私ども地理院といたしましても、いろんな新しい需要で、基盤地図の問題あるいはGISの問題等々新しいニーズがまだまだございます。そういうものも、極力業務の合理化、改善をする中でそういうものに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○小林美恵子君 是非、人員削減はもうやめてくれという立場で頑張っていただきたいということを強調しまして、質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。 ─────────────
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。 法案の説明にもございましたけれども、今回の測量法の改正は、インターネットによる提供、複製承認手続の規制の緩和、ワンストップ化、永久、一時標識の公表などですが、これによって国民はどのような恩恵を受けるんでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 今回改正させていただいた点、何点かございます。 具体的に申し上げますと、一点目は、国土地理院の最新の地図、これをインターネット上で提供する。これは、先ほど来の議論にもございましたけれども、新鮮な情報を速やかにお出しできるということが一点ございます。 それから、複製の件でございます。営利目的の場合も使用状況を見てお認めさせていただこうということでございますけれども、例えばインターネット上の背景図に使う、あるいはハンディーナビの背景図に使う、こういうふうなものはお認めさせていただいたらどうか、こう思っております。そういう意味で新しいビジネスにつながる可能性があるのではないかと、こういうふうに思っております。 それから、内部利用、複製のものも、個人的に使うあるいは内部的に使うというふうなものにつきましては承認を要らないようにしようということになりますんで、これも国民の皆さんの事務の軽減といいますか、こういうものにつながってくる。 それから、四点目はワンストップサービス、これは各地方公共団体だとかそれぞれのところにいろいろ申請をしないといけない。これを一か所で、もうワンストップでやれるようにしようということになりますと、地図にかかわるいろんな方々のいろんな労力が軽減されてくると、こんなようなことで、いろんな形での効果があるんではないかというふうに思っております。
○渕上貞雄君 インターネットによる測量成果の提供が行われるようになれば、刊行された地図とは違って更新の頻度が大変多くなると思うんです。より最新のものが提供されることになると思いますが、逆に今度は刊行物の更新がこれまで以上に行われないというような心配が生まれてくるわけですが、インターネットを利用できない人たちへの測量成果の迅速な提供はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) インターネットで提供いたします地図、これは、先ほども申し上げましたように、物で刊行しまして物理的に各地に配置をする、お配りするというものと違うわけでございますんで、非常に新鮮な情報といいますか、更新頻度がかなり高められると、こういうことでございますけれども、先生の御指摘は、一方のこれまでの紙地図、この辺が不便になるんではないかと、こういう御指摘ではないかと、こう思います。 私どもも、インターネット、まあ私も余りインターネット得意な方じゃないんですが、インターネットを利用できない環境の方、そういう方がやっぱり書店で手軽に手に入れていただかないといけない。あるいは、もう一つは、災害のときに紙をぱっと持ち出しましていろんなそこにデータを書き込む、こんなような使い方も随分されます。そんなことで、インターネットで提供するものとまた違ういろんな需要がございます。 そういうこともございますんで、今後とも適切な頻度で更新をし、また刊行をしていきたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 二〇〇四年度の公共測量実態調査報告書では、公共測量成果の一般への公開状況について、非公開と答えた機関の九割強が公開体制が整っていないことを理由に挙げていますが、公開体制の整備に向けて今後どのような取組を促進されていくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(藤本貴也君) 二〇〇四年に実態調査をいたしましたときに、三四%の機関が非公開というふうなことが出ておりまして、そのうちの九六%が、体制が整っていないんで非公開だと、こういうことをおっしゃっておったわけでございます。 測量成果、それぞれの地方公共団体なりで測量いたしました測量成果につきましては、それぞれの団体でももちろん極力公開をしていかないといけないということでございますけれども、これにつきましてはそれぞれの機関の課題でございますんで、私どもから直ちにどうこうということはなかなか言えませんけれども、今回、インターネット提供というのをやらせていただきます。これは、地図のデジタル化というのが大幅にそういう横から促進するというふうな効果がございます。そういうふうになりますと、非常にそういうデジタル化になりますと、特にインターネット系でのアクセスがやりやすくなってくる、こういうふうになるわけでございまして、それが結果としてデータの公開を促進する役割も果たすんではなかろうかというふうに考えております。
○渕上貞雄君 この問題については先ほど同僚議員からも質問がございましたが、インターネットによる測量成果の提供によって更新の頻度が高まり、より精密なものが提供されるようになると考えられますが、その過程で得られた情報を含め、精密な分だけ個人を特定できるような情報等含まれる可能性も多くなると思うんでありますが、このような個人情報保護をどのように保護しようとしているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(藤本貴也君) 今回のインターネットによる提供というのは、中身として特別新しい何かを提供しようというわけではございませんで、これまで紙地図だとかあるいはCD―ROMだとかで刊行しておったもの、これをインターネット上に載せようと、こういうことでございます。 現在お出ししておりますのが、都市部では大体一万分の一、全国全部なべてやっておりますのが二万五千分の一の地図を、割と、比較的細かいところでいきますと、大きな地図でいきますとそういうことでございます。そうしますと、例えば一万分の一の縮尺にしますと十メートルが大体一ミリぐらいになります。そうすると、一万分の一の地図を見ますと、家一軒が大体黒い米粒のような形で見えてくると、この程度でございまして、特段個人情報というところまではないんではないかということでございますし、またこれまでも個人情報の問題が、具体的な問題が出てきたことはございませんので、インターネット提供もそれと同じ中身をお出しすると、こんなことになろうかと思います。 それから、一方、航空写真ですね、空中写真、これにつきましてもインターネットで今後提供していくことになっていくかと思いますけれども、これにつきましても今の解像度ではそこまでには至らないのかなということもございまして、特段現時点において、いろいろ提供させてもらっていますけれども、そういう個人情報の問題が生じたことはございませんが、これからだんだん解像度の高いものを提供していったり、あるいは作成していったりということになろうかと思います。そういう場合には、プライバシーですとか、あるいは個人情報ですとか、そういうことが出てこないようにいろいろ留意してまいりたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 測量法は営利目的で販売するために測量成果をそのまま複製する行為を認めておりませんでした。これは、測量成果を営利企業の利潤追求のために濫用されるのを防止するためであったと言われておりますが、提出法案ではこれを緩和しようとするのが目的であって、利用も認めるものでありますけれども、やはり税金を使うという立場から考えると、営利目的に使う問題についてはいかがなものか。その辺についての考え方について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(藤本貴也君) 先生、利潤追求のための濫用というふうなお話がございました。 そういう見方もあるかもしれませんが、これまでは、我々が刊行しております地図、これを複製をしまして専ら営利の目的で販売する、これにつきましては、国が、我々が刊行しておりますものと非常に紛らわしい、あるいは不正確なものが出るかもしれない、あるいは刊行そのものをおかしくしちゃうと。そういうようなこともございまして、これまで一律禁止をしてきたというふうに理解をしております。 その中で、インターネットの背景ですとか、先ほど言いましたハンディーナビというやつですね、そういうやつの背景に、我々の方で作りました地図をそのまま背景に使って付加価値をその上に与えると。こんなような使い方が出てきまして、こういうものにつきましては、私どもの刊行している地図と紛らわしいというわけでも必ずしもないんではないか。こんなこともありまして、地図を活用、むしろ活用していただけるという効果もあるんではないかということで、今回、複製についても営利の場合も認めていいんではないか、こんなことでございます。 ただ、いろんな形で我々は地図が活用されるということは非常に好ましいと思っておりますけれども、やはり従来と同じように、国土地理院で刊行しております地図がそのままの形で同じようなものがまた営利で販売される、これはやはり余り好ましいわけでございません。測量成果の濫用というようなこともございますので、こういうものについては引き続き禁止をするようなことで考えてまいりたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 基本測量、公共測量の精度を確保する観点から、測量士、測量士補の国家資格制度が設けられていますが、測量士、測量士補とはどのような役割を持っているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(藤本貴也君) 先生おっしゃった基本測量、これは国土地理院が行っておる測量の基礎的な部分が基本測量、それから公共団体等が行っているのが公共測量、こういうものでございますけれども、基本測量ですとかあるいは公共測量ですとか、こういう高い精度、正確さを要するこういう測量につきましては、これに従事する者につきましては、国土地理院に登録されました先生おっしゃる測量士とかあるいは測量士補、これに当たらせるということにしております。 測量法におきまして、測量士につきましては、測量に関する計画の作製あるいはこれを実施をするということになっております。測量士補の方は、その測量士の作製しました計画に従いまして測量に従事する者と、こういうことで位置付けております。一般的には、測量士補というのは測量士の指導監督の下で作業を行うと、こういうことになろうかと思います。
○渕上貞雄君 測量士、測量士補の資格の取得には、国土地理院長の実施する試験に合格して得るか、学歴、経験によって得る方法があるようですが、大学等の卒業を条件として資格を与える制度については、測量の技術の進展に的確に対応できない測量技術者を生むおそれがあります。 現在の資格体系を見直すべき等の意見がございますが、その見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(藤本貴也君) 測量の分野の技術も、これも日進月歩でございまして、地理院の技術は世界的だという先ほどお褒めの言葉も一部いただきましたけれども、技術そのものが非常に進んでおりますし、先端化しておる。そんなこともございまして、測量士、測量士補という資格を取った後も新しい技術をどんどん学んでもらわないといけないという意味で、先生御指摘のような、資格取得後もいろんな研さんに努めるということが重要なことだと思っております。 継続教育というようなことをよく言われますけれども、これは民間の取組でございますが、社団法人日本測量協会、ここが測量継続教育制度というのを平成十七年の末にスタートをさせました。まだ若い制度でございますので、こういう取組の運用状況ですとかあるいは普及状況、こういうものを見ながら、こういうことがどういうふうに活用できるか、我々としても検討しながら測量制度についての検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 最近では、土地の利用履歴を調査するため、図書館に旧版の地形図を閲覧、複写に来られる利用者が非常に多くなっています。しかし、地形図の場合、国土地理院の有する著作権の保護期間が切れた後でも、測量法の規定によって勝手に全体の複写を行うことはできず、一々国土地理院長の承認を必要とされていました。とりわけ、明治、大正期の地形図でさえ部分的なコピーしか認められないのが現場では問題になっておりました。 そこで、測量法と著作権法との関係についてお伺いをいたします。 今回の改正では、図書館の複写サービスにおいて一々国土地理院長の承認を得られなくなりますが、これはあくまで測量法の下なので、著作権保護期間内の地形図を半分を超える範囲でコピーをしたい場合、著作権法上はどうなっているのでしょうか。測量法の承認は要らなくなるが、著作権者としての国土地理院に許諾を求める必要があるという解釈になるのでしょうか。国土地理院の承認が必要とされる場合、①測量に使用する目的、②刊行する目的、③ネット上での提供する場合以外の複写については複製権を主張するつもりがないという意思表示と考えていいのかどうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(吉田大輔君) まず、著作権の関係について御説明させていただきたいと存じます。 測量法上の承認制度とは別に、測量成果としての地図は著作物としてその作成に当たりました国土地理院等に著作権が存在いたします。 図書館でのその著作物の複製につきましては、著作権法第三十一条によりまして、図書館は、利用者の求めに応じて、著作権者の許諾がなくても著作物の一部分について複製をすることができるということが認められております。また、著作権法で許された範囲を超えまして複製をすることにつきましても、著作権者の許諾があれば可能でございます。具体的な取扱いはその地図の著作権者の判断によるものと考えております。
○政府参考人(藤本貴也君) 著作権については今お話しいただいたようなことだと思います。 我々の測量法の目的というのは、測量の正確さを確保するというのが主眼でございます。著作権の方は、そういう創作的なもの、表現したものの保護と、こういうことになろうかと思います。 法の目的は異なっておるわけでございますけれども、今回、改正によりまして測量法上の承認は不要になるような場合、具体的には、営利ではない、非営利でしかも内部利用、こういうふうなたぐい、まあ大体図書館に行って写しを取りたいという方は個人の趣味の方だとかそういう方が多いわけで、基本的にはそういう場合が多いわけでございます。そういう場合につきましては、我々としましては、特段、著作権者である我々の権利を侵害するわけではないんではないかというようなことで、これまでは今先生おっしゃったような運用の仕方をしておったんですが、今後につきましては、通常、図書館においては地図の複製、今言ったようなものにつきましては国土地理院の承認を一つ一つ要しないような形でできればやっていきたい、こういう形でまた御相談申し上げたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 終わります。
○委員長(大江康弘君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 測量法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、来る十七日午後一時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認めます。 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十三分散会