国土交通委員会 第4号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/03/22
会議録
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、後藤博子君が委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院国土交通委員長塩谷立君から趣旨説明を聴取いたします。塩谷立君。
○衆議院議員(塩谷立君) ただいま議題となりました国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律は、国際観光文化都市にふさわしい良好な都市環境の形成を図り、あわせて国際文化の交流に寄与することを目的として、昭和五十二年六月、衆議院建設委員長提案により、十年間の時限法として制定され、昭和六十二年及び平成九年に二回の期限延長が行われて現在に至っているところであります。 法制定以来、約三十年にわたって事業が実施されてきたことにより、都市公園、下水道、道路等の整備水準は着実に向上してまいりましたが、二十一世紀の我が国経済社会の発展のために観光立国を実現することが極めて重要であることにかんがみ、国際観光文化都市においても、更なる国内外観光客の受入れの促進と利便性の向上を図るため、引き続き施設整備を中心とした施策を強力に実施することが必要であります。 以上の観点から、本案は、現行法の有効期限を更に十年間延長して、平成二十九年三月三十一日までとするものであります。 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。
○藤本祐司君 私は、ただいま可決されました国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、国際観光の振興を基本的施策の一つとしている観光立国推進基本法の下、地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の実現が促進されるよう、法制度も含め、観光関係施策の一層の充実に向けた検討を進めること。 二、国際観光文化都市を目指す地方公共団体のまちづくりを効果的に支援すべく、本法における国際観光文化都市の指定基準及び国際観光文化都市の整備に関する事業計画に係る施設の範囲について、再検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(大江康弘君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。冬柴国土交通大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいまの本法案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重させていただき、国際観光文化都市の整備の推進に努力してまいる所存であります。 ありがとうございました。
○委員長(大江康弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 委員長、どうぞ御退席ください。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房都市再生本部事務局次長松葉佳文君、内閣官房内閣参事官小滝晃君、警察庁交通局長矢代隆義君、総務大臣官房総括審議官久保信保君、国土交通省都市・地域整備局長中島正弘君、国土交通省道路局長宮田年耕君及び国土交通省住宅局長榊正剛君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 皆さん、お疲れさまでございます。今日は午後から各委員会が始まるということですが、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 安倍総理大臣の今国会における施政方針演説の中でも、魅力ある地方の創出ということで、地方の活力なくして国の活力はありませんと、私は、国が地方のやることを考え、押し付けるというやり方はもはや捨て去るべきであるというようなことで、地方の自主的な取組に応じて大いに応援をしていくと、こういう観点から都市再生、地域の活性化という法案を今国会に九本出しておられると、こういうことを聞いておりますが、国土交通省だけでも本都市再生特別措置法等の改正案、それから地域公共交通の活性化・再生法案、それから広域的地域活性化基盤整備法案というような法案が並んでおるわけでありますが、これはやっぱり各法律による施策がばらばらに行われるのではなくて、やっぱり各省あるいは各局が一致協力して総合的な施策として効果が上がるように是非施行をしていただきたいと、こう思っております。 今回、地域活性化担当大臣ということで渡辺張り切り大臣が指名をされたというようなこともありますので、都市再生、地域活性化という意味で今国会に提出された法案群の総合的な意味というようなことを国民に分かりやすいようにポイントを解説していただければと思います。これは内閣官房の渡辺チームの方にお願いいたします。
○政府参考人(小滝晃君) お答えさせていただきます。 委員もお述べのとおり、安倍総理は地方の活性化なくして国の活力なしと繰り返し述べておられまして、地域活性化策は安倍内閣の最重要課題の一つとされておるところでございます。こうした中で、二月六日に取りまとめられました地域活性化政策体系でございますが、これは関連法案九本の提出を含む政府の地域活性化策の全体像を取りまとめたものでございます。 その考え方でございますが、従来のような、国が地方のやることを考えて上から押し付けるようなやり方では真に地域活性化を推進する上で限界があると、地域力を根っこから掘り起こすような形の取組が不可欠であるといった認識を基本に、地方のやる気、知恵と工夫を引き出しまして、地域の独自の取組を支援していくという、従来にはなかった新しい考え方に立つものでございます。 その内容でございますが、全国には過疎や高齢化に苦しんでおられた地域でも、独自に商品開発や観光客の誘致などに取り組まれた結果、人口増加、所得向上など大きな成果を上げた事例が実際に出てきているわけでございますが、こうした地域の挑戦を広げていくために、広域的地域、都市、農村などの様々な圏域に応じ、あるいは、新商品開発、企業立地、雇用対策、基盤整備、地域公共交通などの様々な分野について各種の具体的支援策を用意をいたしたというところでございます。 同時に、これらの様々なメニューが用意された支援策を上手に使っていただく、そして地域が頑張っていただくというための基礎的条件を整えるということのために、地域活性化の専門家が各地域に実際に出向きまして、地域で頑張る方々と一緒に解決策を探っていく地域活性化応援隊派遣制度などを実施することとしております。既に一月に熊本市、二月に仙台市で派遣相談会を実験的に開催させていただきまして、あらゆる分野の相談に乗るような形の相談会を実施させていただいたわけでございますが、来年度までに全都道府県で開催をすることとしております。 仙台市での相談会におけるアンケート結果では、回答者の全員が期待していた情報が得られたと、あるいは、七割の方が今後地域活性化に取り組む意欲がわいてきたというふうに回答されておられまして、手ごたえを感じているところでございます。 政府といたしましては、こういった方向で努力をしていくことが真の地域活性化に近づくために不可欠と考えておりまして、全国各地の地域の創意工夫と意欲を掘り起こし、政府を挙げて地域活性化に向けた支援を行っていくこととしているところでございます。 以上でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。なかなか簡潔な説明というわけにはいかないんでしょうが、是非、簡潔に、効果が上がるように今後御努力をいただきたいと思います。 都市再生法の関係について質問させていただきますが、平成十三年に都市再生本部というのができて、その上に追い掛けてこの都市再生特別措置法というのができたわけでございますが、どちらかといえば、今までは東京、大阪といったような大都市が中心ではなかったのかなというような気もいたしますが、平成十六年にはまちづくり交付金ができて、だんだん金額も増えてきたというようなことで、こういったまちづくり交付金の今までの実績、効果といったことも含めて、現在までの取組と、今後、やはり取組の重点は全国各地の地域の中核となる都市あるいは中小都市にも及ぼしていくべきではないかと思いますが、その辺も含めてお話をいただければと思います。
○政府参考人(中島正弘君) お答えをいたします。 まず、まちづくり交付金の今までの実績でございますけれども、平成十九年二月末の現在で全国六百六十四市町村、千百二地区において活用していただいております。 このまちづくり交付金でございますけれども、おおむね事業期間が三年から五年でございまして、交付期間の終了時に目標の達成状況、事業を始めますときに計画に目標を記載いたします、この計画によって、例えば居住人口を増やすだとか商業の販売額を増やすだとか、そういう目標を立てますが、その目標の達成状況について市町村が計画終了後自ら事後評価を行ってそれを検証して次の計画に生かしていくと、こういう仕組みになっておりまして、一番早いグループはちょうど三年でございますので、今二十九地区が事業完了予定でその事後評価の実施中でございます。 詳細はその結果にまたなければなりませんが、大半の地区においては掲げた目標の達成が可能な状況だと聞いております。また、アンケートによりましても、このまちづくり交付金によってまちづくりを総合的にとらえ、考える、あるいは実行するきっかけになったという評価もちょうだいしております。 また、このほかの、都市再生、ただいまはまちづくり交付金のお話でございますけれども、そのほかにこの法律に基づきまして国交省がとります措置としては、これは法律の冒頭、当初からあった措置としまして、都市再生緊急整備地域を政令で指定いたしまして、その地域内で行われます民間のプロジェクトをサポートする、支援するという枠組みがございまして、二つの方法がございまして、一つは、都市計画の特例でございます都市再生特別地区を設置して、都市計画を比較的自由に再設定していただいて民間プロジェクトを推進すると、これは二十三の地区で実施をされました。 もう一つの支援方法は、民間のプロジェクトを認定いたしまして、民間都市再生事業計画の認定と言っておりますが、それに金融上の支援を民間都市開発推進機構からするというものでございまして、これは二十四のプロジェクトが認定を受けております。そのグループと。 さらに、先ほどまちづくり交付金の話をしましたが、まちづくり交付金に遅れること一年で、そのまちづくり交付金の区域において同様に民間のプロジェクトを国土交通大臣が認定いたしまして、やはり民間都市開発推進機構が金融上の支援をするというスキームを二年前につくりまして、その認定が、これはまだ実質二年未満の実績でございますが、合計五つ、五地区で認定をされております。 こういった成果が今まで上がってきておるところでございまして、今後は、まずもって今回お願いしている民間都市再生事業計画、緊急整備地域におけます認定が期限が来ますので、それを延長をお認めいただいて、更に民間の活力を生かした都市再生を進めていきたいと思っておりますが、今御指摘ございましたように、緊急整備地域におけるプロジェクトの推進も、どうしてもポテンシャルの高い地域ということで、大都市地域、特に東京が先行いたしまして六十四の緊急整備地域指定しましたが、これから事業を期待しているという地域、実はまだ何のプロジェクトも起こっていないという地域が四十一もございまして、これらを中心に、今後地方での展開を私どもも期待していきたいし、努力していきたいと思います。 また、後発、後から措置していただきましたまちづくり交付金、これの充実、活用でありますとか、最後に申しましたまちづくり交付金の地域における民間のプロジェクトの立ち上げと、こういったことにも意を用いて、今後の重点はやはり地方都市における都市再生の推進と、こちらの方にシフトしながら全体としての都市再生を一層推進していきたい、このように考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。なかなか大都市と地方との格差というようなことも言われている折から、その辺のバランスは十分よく考えて実施をしていただきたいと思います。 先ほども申しましたが、国交省としても広域的地域活性化基盤整備法というようなことを法律を出されるということで、地域自立・活性化総合支援制度というのを始められると、こう聞いておりますが、どうも中身を聞いてみると、都市再生特措法の方は市町村が主体だと、こっちは都道府県が主体だというものの、事業としてはかなりダブっているんですね。道路、公園、下水道、河川、土地区画整理、市街地再開発等々、ダブっておるんで、その辺の整理というのはどうなっているのか。場合によっては両事業を併せて実施をするようなこともできるのかどうか、その辺ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中島正弘君) 一番違いますのは、地域自立・活性化交付金は県の事業を支援する交付金だということです。まちづくり交付金は市町村の事業でございます。 したがって、事業のメニューとして、委員今おっしゃったように、道路、公園、下水道など、ダブるものもございますんですが、例えば違うものとして、市町村がやらない事業で県がやる事業、港湾でございますとか空港でございますとか、そういった事業は今度の交付金の方が中心的になります。さらには、河川事業も、一応まち交も入っておりますけれども、市町村がやるのは例外でございますので、都道府県が中心の事業でございますので、そういったものが入ってくる。また、事業の性格としても、広域的な、市町村の区域を越えた広域的な地域活性化策ということでございますので、港湾の地区に物流拠点を整備するのと合わせてそのアクセスの道路を整備するという場合に、道路と物流拠点が市町村を越えてしまえば、まち交ではちょっと一体的に手が出せる方法がないんでございますが、今度の交付金で県の事業としてやれるところはやるということでございます。その他補助メニューといいますか、交付金のスキームとしては似ておりますけれども、詳細見れば違うところもございます。 両方使えるのかというお尋ねでございますけれども、当然でございますけれども、同じ道路に、同じ場所に二つ入るということはこれはあり得ないのでございますけれども、地区が重なるということは十分あり得る、可能であると思っています。むしろ、両交付金制度をうまく御活用いただきまして、市町村はこの分を受け持つ、県はこの分を受け持つと、そういった使い方を私どもとしても期待をしておるところでございます。
○中島啓雄君 例えば、最近富山市でLRT事業を始めたんですが、これなんかなかなか富山市長の知恵で、高架化関連事業費とかまちづくり交付金とか、いろんなものを集めてきて非常にうまい仕掛けをやっていますが、本当を言うと、国交省なら国交省でワンストップショッピングでできると一番話は早いんで、そんな方向も含めて、使いやすいように御検討をいただければと思います。 次に、密集市街地整備の関係についてお伺いをいたしますが、確かに大都市の密集市街地というのは防災上も大変問題があるだけでなくて、都市環境、居住環境としても早く整備をしなければならぬと、こういうことで、平成十三年に重点的な整備地区を十年間で最低限の安全性を確保すると、こういうことで始められたと聞いていますが、もうその五割の折り返し点になったわけですが、その辺の進捗状況はどんなふうになっておりますでしょうか。
○政府参考人(榊正剛君) 実は密集市街地については、一九六〇年といいますか、昭和三十五年から住宅地区改良法に基づいて地区改良事業というような形で改善などの取組をやってきたわけですけれども、阪神・淡路大震災が起きまして大変たくさんの方が密集市街地のところで火災に遭って亡くなられたということもございまして、それで平成九年に密集市街地整備法というのを作らせていただきまして、これによって事業をするということでやってまいりました。 平成十三年十二月に、委員御指摘のように、都市再生本部の方で第三次都市再生プロジェクトというような形で危険な市街地八千ヘクタール、平成二十三年度末までにこれをゼロにするんだと、なくそうといったようなところでやってまいっております。平成十五年に、平成九年に作りました密集市街地整備法の枠組みだけではちょっと取組が遅れるというようなこともございまして、防災街区整備事業を創設をいたしまして、密集市街地整備法の改正を行ったところでございます。 ただ、平成十四年から十七年まで約四年間で進捗率が三割になっておりまして、それでこの進捗度合いでいきますと実はあと三割が見込みが立っているというか、多分いけるんじゃないかと。逆に言いますと、四割は今のままですと密集市街地のまま残ってしまいそうだと、こういうことがございまして、そういったような進捗状況でございますので、今年の一月に第十二次の都市再生プロジェクトで密集市街地整備の取組を加速しようと、こういう決定がございまして、これを受けまして、私ども今回の密集市街地整備法の改正を出させていただいております。 この法案が成立しますれば、直ちに全国にお話をいたしまして、残り四割もやはり平成二十三年までに何とかたどり着けるように努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○中島啓雄君 是非その残りの四割も促進をしていただきたいと思いますが、これは実際に推進をされる側に立ってみると、もちろん地域の住民のいろいろな御要望、あるいは高齢化してなかなかお金を出そうにも出せないとか、非常に多くの問題があると思うんですが、今どういう課題に直面をしているのか、今回の法律改正によってそういった点が改善されるのかどうか、その辺について伺いたいと思いますが。
○政府参考人(榊正剛君) まず、重点密集市街地ということでございますので、どうしても宅地自体が非常に狭小ですし、住宅も狭小であるし、借家に住まわれる方が非常に多いということでございます。かつ、老朽建築物が多いということなんですが、老朽建築物をまず除却をしようと思いますと、どうしてもそこに住んでおられる方がそこに入らにゃいかぬということになりますが、その受皿住宅が不足しているということと、密集市街地でございますので、実はまともな道路がなくて、そのままだと建て替えも非常に困難だと、こういう形になっておりますので、道路等の公共施設整備を入れにゃいかぬのですが、それが遅れていると。先ほど申し上げましたように、敷地が狭いとか接道していない住宅が多いということなものですから建て替えもなかなか難しいと、こんな状況の課題でございます。 このうち、受皿住宅の不足というところについては、容積率の適正配分型地区計画制度というような形で、実は容積率移転というのは道路がきちっと整備されていないと容積率移転してはいけないというんですが、今回の場合は、地区計画で必ずここに道路をきちっと整備できるというふうに見通しが立っている場合には、その道路整備がまだできていないんですが、できることを前提に容積率移転ができるというようなことができるようにしまして、受皿住宅を事前に整備するというようなことができるような仕組みにしたということと、公共団体の要請によりまして、都市再生機構、ここは非常にこういう密集市街地でのノウハウを持っているところでございますので、そういったところが受皿住宅を整備できるようにしておるというところでございます。 それから、公共施設の整備の遅れというところにつきましては、防災街区整備事業、これは強制力を備えた事業手法でございますが、施行地区要件は現在、非耐火の建築物が三分の二以上ということになっております。非耐火だけですと数が少ないということもございまして、なかなか難しいところがあるんですが、実は大地震のときに倒れて火災に遭うということが非常に多いものですから、耐震設計されていない非耐震の建築物も合わせて三分の二以上であれば施行要件に合うよというような形で緩和をするということと、第二種市街地再開発事業も、五千平米でやっておりましたが、これを二千平米の小さい面積でもスタートできるというような形に緩和をするようにいたしまして、これによりまして道路の基盤整備と老朽住宅の建て替えを一緒にできると、こういうことになるのではないかと思います。 それから、先ほど申し上げましたように、都市再生機構が公共団体の要請を受けまして受皿住宅と道路等の公共施設の整備ができると。それから、容積適正配分型の地区計画制度についても、道路ができることを前提にと申し上げましたけれども、その受皿住宅と同時に、それができたその後にきちっとした道路整備ができると、こういうことでございまして、こういったようなことで公共施設の整備が進むのではないかと思っております。 それから、建て替えが困難というところでございますけれども、先ほど申し上げました防災街区整備事業と第二種市街地再開発事業の施行要件の緩和によりまして、ある程度の建て替えができてくるのではないかということと、実はその建て替え計画については除却費についての補助制度ぐらいしかなかったんです。それじゃなかなか、こういう密集市街地でございますので、建て替えしようと思っても民間同士の権利調整というのが必要なわけです。それが、そういう制度がなかったということで、今回は税制上の特例措置という形で、土地を譲渡したときに事業用資産の買換え制度ですとか不動産取得税ですとか、そういったような土地の民間の自主的な権利調整についてインセンティブを与えるというようなことを創設をいたしましたので、これと従前の補助制度と併せましてインセンティブで建て替えが進むのではないかというふうに考えております。 今回の改正による方策を最大限講ずることによりまして、先ほど申し上げましたように、残り四割を早く解決するために努力をしたいというふうに思っておるところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをいたします。 じゃ次に、道路法の改正の関係について伺いますが、今回、市町村によって国道あるいは都道府県道の管理ができる、新設、維持、修繕等ができるということで、これは地域密着型のいろいろな街路施設を造るという意味においては大変結構な話だと思いますが、環境問題、交通安全、あるいは健康ということを考えた場合に、もっと市街地、いわゆる街路においては、歩道なり自転車道なりの整備、あるいは駐輪場の整備といったようなことを積極的に取り組んでいくべきではないかと思います。 歩くのは、歩行者優先といっても、狭い道では自動車が出てくると大変でございますし、自転車も、今度の自転車道法の改正で、自転車法の改正、道路交通法か、道路交通法の改正で、自転車は車道を通るというのが原則なようですが、車道も、これは狭いと常に自動車の脅威になりますし、逆に歩道を通れば今度は歩行者の脅威になると。あるいは、自転車に乗っていてもお分かりだと思いますが、電信柱とか歩道橋とかあるいは街路樹とか、そういったものでなかなか真っすぐに走れないんですよね。 そういった意味で、今後、歩道、自転車道の整備というのは相当積極的に取り組むべきではないかと思いますが、その辺について御見解を聞かせていただけたらと思います。
○政府参考人(宮田年耕君) モータリゼーションが急速に発展をしまして、高度成長期、一生懸命道路の延長を延ばす、そういう事業を主体的にやってまいりました。そういう関係もありまして、昭和四十五年、これは交通事故死者数が最大になった年でありますが、一万六千人を超える死者数ということでありました。その四十五年を境目にして道路構造の方も少し政令を変えて、自動車ばっかりではなくて、自転車あるいは歩行者の安全ということで改正を重ねております。 それから事業の方も、交通安全事業で今まで単純な歩道だけしか対象事業にしておりませんでしたけれども、何回かやっぱり事業の拡大をしておりまして、駐車場でありますとかあるいは駐輪場の事業を取り組むというような対応もしてきております。 やっぱり、自動車は都市内で考えますと四十キロから五十キロの走行速度、それから自転車は時速十五キロぐらい、歩行者は四キロから五キロということで、速度差があるいろんな乗り物あるいは歩行者、それをやっぱり空間的に分離するということがまず第一必要なんだろうと思います。それから、自動車も自転車も走るばっかりではなくて止まるという機能もありますんで、そういう整備も必要だというふうに考えております。 ただ、今までそういうふうに転換をしてやってまいりましたが、歩道、自転車道がまだ七万八千キロしかできておりません。自動車道、道路の路肩を走らぬといかぬというのはなお百万キロ残っております。駐輪場の方も一生懸命整備をしてきておりまして、今約四百万台分の駐輪場を造っております。 これから高齢化社会でありますし、子供さん方あるいは高齢者の方々、身障者の方々が安全に通行できるという観点からも、歩道、自転車道の整備あるいは駐輪場の整備が重要だというふうに考えておりまして、今回の制度改正によって手段が広がりますんで、なお一層整備促進できるように頑張ってまいりたいと考えております。
○中島啓雄君 是非頑張っていただきたいと思います。 ちょっと話は変わりますが、放置自転車対策あるいは駐輪場対策という意味で、平成十四年ごろですか、鉄道の駅の前というのは放置自転車がたくさんで大変だという話なんですが、豊島区が、駅の周辺に放置自転車がたくさんあるのは鉄道事業者の責任であると、こう称して新税を取るんだと、こういうことを言い出して一騒動になりまして、いろいろ意見交換はしたわけですが、幸い、総務省の方の御配慮で、特定少数の納税者が税収の大半を納税するような法定外税を新設又は変更する場合にはよく納税者側の意見を聴取しなさいというようなことで、これはもう法律改正までしていただいて、総務大臣の意見付きの同意書が出たと。 そういったことを受けて、鉄道側ともよく協議をして、協力が得られるということで、結局この新税構想は廃止になったわけでありますが、いずれにしても、放置自転車対策あるいは駐輪場対策というのは、これは基本的には地方自治体側の責任であると思うんですね。 自転車駐車場法でも、もちろん鉄道事業者とか、公共的な施設の設置者、デパート、スーパーといったようなことの駐輪場設置に対する協力義務というのはあるわけですけれども、これは協力義務でありますから、やっぱり地方公共団体が主体になって協力を求めていくと、こういうのが本来の姿勢であると思いますが、その辺について確認をしておきたいと思いますが、総務省の方にお願いをいたします。
○政府参考人(久保信保君) 今お話がございましたけれども、委員御案内のように、地方公共団体、これは地方自治法の規定にございますように、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を総合的に実施する役割、これを広く担っているという存在でございまして、放置自転車対策でありますとか駐輪場の整備、こういったことも自治事務の一つとして実施していくべきものであると考えております。 また、昭和五十五年に議員立法で制定されました自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律におきましては、国や地方公共団体、そして民間事業者などが連携協力して放置自転車対策などに取り組むよう努めるというふうにされております。 したがいまして、私ども総務省といたしましては、地方公共団体が行います放置自転車対策や駐輪場の整備につきまして、地域活性化事業債でありますとか特別交付税といったような地方財政措置を講じるなどいたしておりまして、関係省庁と今後とも密接に連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 最後に、大臣にお伺いしたいと思いますが、いろいろな法律改正の下で都市再生なり地域の整備を進めたいと、こういう意欲は十分分かるわけでございますが、先ほどから申しておりますように、やっぱり総合調整というか総合的な効果が発揮できるということが大事だと思いますので、その辺の、都市・地域、再生・活性化への決意といったものを伺わせていただければと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 都市再生特別措置法が制定されましてから五年が経過いたしました。我が国の活力の源泉となります都市の再生に向けた取組は進めてまいりましたが、今後とも、全国において民間の資金やノウハウ、このようなものを生かして都市の再生を引き続き推進してまいります。また、地域の実情に応じたまちづくりを推進することが重要でありますので、そのような配慮をしてまいりたいと思います。 また、地震等が発生すれば被害が甚大となるおそれのある密集市街地につきまして、その安全性を早急に確保することが必要であることから、道路等の公共施設の整備及び老朽化した建築物の除去、除却や建て替えを一層促進するための更なる取組が必要である、このように思っております。 このために、今国会におきまして、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を提出させていただきました。この中には、都市再生緊急整備地域における民間都市再生事業計画の認定制度の延長、五年間お願いしておりますが、あるいは道路と一体的に整備する受皿住宅等の敷地に容積率を移転できる地区計画制度の創設等の施策を通じ、道路等の基盤整備を推進しつつ、老朽化した建築物の建て替えの促進を図ることによる危険な密集市街地のリノベーションの戦略的な推進を図ろうとしています。地域の担い手を活用したまちづくりの推進や、地域のニーズに即した柔軟な道路管理の推進等を行うこととして、都市の再生や地域の活性化のための施策を一体に講じていく決意でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 終わります。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。 都市再生特別措置法等改正案についていろいろな視点から御質問を申し上げたいと、このように思います。 まず最初に、五年前に都市再生特別措置法が成立をして、先ほども大臣のお話にありましたとおり、五年間月日がたったということでございます。この五年間の間、この法律がどうであったのかと。国民にとって良かったのか悪かったのか、どういう反省点があるのかということも含めまして、いわゆる政策評価という観点からまず議論をしたいというふうに思います。 小泉前内閣による都市再生政策は、正に政権の目玉政策として推進されてきました。振り返りますと、小泉内閣発足直前の平成十三年四月六日に政府は緊急経済対策を決定をし、ここで都市再生と土地の流動化を景気対策の主要施策の一つとして打ち出されたと。小泉内閣発足直後の五月に内閣に都市再生本部が設置され、そして都市再生特別措置法が国会で審議、可決され、翌平成十四年の六月に施行に移されました。そして、五年を経た今、制度の延長措置や規制緩和や税制、財政支援措置などを講じる法改正が行われようとしておると、こういう経過でございます。 この五年間の政策評価が問われるわけでありますけれども、その視点は、まず、法律の目的に、第一条に記載されてありますように、「近年における急速な情報化、国際化、少子高齢化等の社会経済情勢の変化に我が国の都市が十分対応できたものとなっていないことにかんがみ、」と五年前です、「これらの情勢の変化に対応した都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため、」となっております。 この法律が記載しております目的に照らして、五年間、法施行のプロセスと結果において目的を達成したのかどうか。また、メリット、デメリットはどういうものがあったのか、そういう総合的な政策評価をまず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 都市再生は、都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図ることと、このように述べられておりますが、時代の変遷などにより損なわれました安全性あるいは快適性、美しさなど、都市が本来備えるべき機能を取り戻し、豊かで快適な、かつ経済活力に満ちあふれた都市を実現することを目的といたしております。 このような目的の下、平成十四年に制定された都市再生特別措置法に基づきまして、都市再生緊急整備地域が全国で六十五地域において指定されました。民間都市再生事業計画の認定が二十四件、そして都市再生特別地区の活用が二十三地区でなされました。 これらのことは、支援措置としては、民間都市開発機構により出資等、あるいは税制特例、割増し償却ですね、五年間で五割増しと、あるいは固定資産税の特例、標準課税五年間二分の一等、それから都市再生地区における措置としましては、容積率等の割増し等が行われたわけでございます。これによりまして、民間の資金やノウハウを生かして都市再生の拠点となる施設の整備が推進されてまいりましたし、都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上が図られてきたところでございます。 私の住んでおります尼崎もこの緊急整備地域の一つで、目に見えてこのようなものが実施に移されているということを実感している次第でございます。
○加藤敏幸君 私も、尼崎は縁のあるところでございまして、某ビール会社の跡地を今再開発されておりますけれども、あそこは新しい勤労者用の居住、いわゆるマンションというふうなものも整備されて大阪にも神戸にも近い、そういうような意味では非常に魅力的なところであると。 そこで、大臣が今お答えございました安全性、快適性、さらに美しさという、景観というやつですね。そこで、私は特にこの居住環境の向上という視点から、この法律、五年間どういう成果があったのかということについて議論してみたいと、こういうふうなことでございます。 この法律のスキームや認定された二十四の事業計画を見ても、今の尼崎の事例は、私はこれからも非常に評価を見詰めていきたいと、場合によったら移りたいなと、そういう思いも含めてありますけれども。ただ、多くの事業計画なりに既に成果があるところは、私はやはりオフィスビルであり商業施設であって、そこにいわゆる住宅政策あるいは居住政策といったものを実現していくということについては、なかなか私はまだまだ弱いというような感じを受けているわけであります。 特に、何で弱いんだと、こういうふうに言われますと、私は、住まいですから、住む人がいて初めて住まいなんですよね。それからもっと大事なことは、十年間だけここに暮らしますとかそういうことではなくて、自分の子々孫々とは言いませんけれども、自分の生涯、家族、子供たち、地域、それから昔から小学校一緒だった同級生の彼、彼女、そういうある種人間が生きていく上でのコミュニティーという、やっぱり生活とは言いませんけれども社会共同体としての実体とその将来性、展望がなければ、私は居住環境ということにはなかなか言えないんではないか。 そして、我が国の住宅政策がある種魅力に欠ける、そこのポイントというのは、今私が申し上げたようなそういう視点に幾らか欠けた、いや相当欠けた部分もあったのではないかということを私自身思っておるわけでございますし、一度国土交通大臣とは一体住まいとは何なんだと、そして我が国が住まいを目指すときに一体どういう物の考え方、もっと言うと、大げさに言うと哲学ということになりますけれども、そういうふうなこともやっぱり一通り議論をしておく必要があるんではないかと。ただ、本日のこの法律はそれだけに焦点を絞った法律ではございませんから、そこばっかりやるわけにはいきませんので、ただ、そういう視点で少し議論をしてみたいということでございます。 そこで、例えば東京の大規模再開発事業の先駆けとなりましたあの有名なアークヒルズは、都市計画決定時の地権者で残っている人は大幅に減ったとされております。また、六本木ヒルズは容積率が大幅に緩和されて、まあいろいろな権利を持った、小さな権利、大きな権利を持ったそういういろんな人々が保留床として手に入れるものは随分確保されてきたと、このように改善されてきたので比較的多くの住民が残っているとされていますけれども、例えば代表例としてアークヒルズ、六本木ヒルズの地権者の定着に関する推移、あるいは事業の前後の住民数の推移について把握されているデータがありましたらお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ちょっとその前に一言だけ。あと、その補足として。 私、大都市の改革ばかり先ほど申し上げましたけれども、今委員がおっしゃいますように、快適で豊かな住生活あるいは都市の創生という意味で、まちづくり交付金をこの法律の中でちょっと遅れましたけれども交付して、公共公益施設の整備が全国で六百六十四市町村で千百二地区において実施され、市町村の創意工夫が生かされた都市の再生や地域の活性化が推進されました、実績としてですね。 これらは、今言われるように、都市の、住む人たちの、オフィスビルというようなものではなしに、そこに住む人たちが快適に住めるということを目指しているものでございまして、例えば高齢化社会が進展いたしましたので、あるいは情報化、国際化の更なる進展を踏まえまして、高齢者を含めた多くの人々にとって安全で暮らしやすい都市をつくる。活力の源泉となる都市の魅力や形成力を高めるという地域の活性化を図ることが必要でありますので、この法律によって都市再生の一部として、そういう視点でも広く進められてきたということをちょっと付け加えて答弁をさせていただきたいと、補足させていただきたいと思います。
○政府参考人(榊正剛君) およそ市街地再開発事業ということでございますので、基本的に従前の土地利用状況なり地域のまちづくり方針を踏まえた上で商業・業務・公共公益施設、それに加えて居住機能も含めた必要な都市機能を選択しながら張り付けてくる、こういうのが再開発事業でございます。 御指摘のアークヒルズと六本木ヒルズでございますけれども、簡単に申し上げますと、アークヒルズは従前二百二十戸の住宅がございまして、四百八十一戸の住宅が整備をされております。そのうち七十六戸が権利者用の住宅という形で整備をされております。当時、地権者の方が九十六名ですが、うち四十五名の方が残留しているということですので、残留を希望された中で出ていっておられる方もおられるのかなという感じになっております。 六本木ヒルズでございますが、従前五百六十四戸に対しまして、権利者用の住宅は五百九十五戸で、トータルでは七百九十三戸の住宅が整備されております。地権者の方が四百五十二名おられましたが、三百七十一名の方が残留されておるという形になっておるところでございます。
○加藤敏幸君 大臣の方から、まちづくり交付金を含めた政策の成果というところに及ばれたと思うんですけれども、私は今、アークヒルズとか六本木ヒルズとか、非常にテレビに出たり象徴的な、またこの法律を十分使った、ある種成功しているというんでしょうか、うまくいった側面を持った開発について、そのときに私は、やっぱり見ていくと、商業地開発の新しい手法なのかという受け止め方だってこれはできるわけであって、そうではなくて、これは住宅環境を質を上げるんだと。 それから、最も大切なことは、夜間住民がいないですね。昼間だけ人が一杯いるけれども夜中になると正にだれもいないという、そういう無人の町、ビル街をつくるということについてのマイナス面はここ十何年間議論し尽くされてきたわけですね。だから、夜間人口も含めてそこに愛着を持ち、住んでいくんだという地域に思いを持った人たちの数をどれだけキープできるかということがこの手の、特に東京都に限って言えば、やっぱり巨大開発の一番大事な点だという視点から、そういうふうなことが一体どのぐらい考慮された開発になっているのか。 そこで、今事例として、最初の地権者の方々はやっぱり自分が生まれ育ったこの土地に、六本木にやっぱりこれからも住んでいきたいと。あるいは一の橋の今開発の問題がありますけれども、先祖代々ここで魚屋やっていたんだから、その場でまた商売替えてでも生きたいと、自分の小学校はここだという、そういうふうなところを一人ずつ失っていくわけですよね。 それは、経済的な事情があって権利を手放していくという人もおられるかも分からないけれども、しかしもう一つは、やっぱり人が住むに十分でない。きれいで格好いいけれども、人が住むについて、そういうふうな居住環境としての内容をどのぐらいそれは持っておれるのかという視点から、このことについてやっぱり私たちは今考えていく必要があるのではないかということを申し上げたということでございまして、当然政府も、私が今言ったことを全然反対だということではないとは思いますけれども、この考え方についていま一つ政府としての御見解をどなたか出していただければと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) もう委員のおっしゃるとおりでございまして、やはり住居というのは人生の中で一番長い時間を過ごすところでありますし、妻や家族と子を産み育てそしてくつろぐ場でもあります。 そういう意味で、そういうところが壊されるような改革であってはならないと思います。それが、近代的な大きなマンションとか建て替えられるにしても、やはりその思想、それはそういう空間であってほしいと思います。それは、すぐれて個人資産ではありますけれども、客観的には町を構成する社会資産でもあるという視点、これを失ってはいけないと思うわけであります。 そういうことを総合しながらこの改革は進められていかなければ、いわゆる地方の活力を活性化するということは出てこないというふうに思います。
○加藤敏幸君 そういう、正に私は、見識のある答弁を踏まえまして、さてそこで、この法、施策を延長せよという要請を政府から受けておるわけですから、その意義について考えてみたいと思うんです。 まず、これは特別措置法、すなわち時限立法でありますから、これはやはり命のある法律であったと、こういうふうに思うわけでありまして、また、それが立法されたときの状況というのは、最初に申し上げましたように、日本国じゅうの土地がもう動かなくなった、経済にとってもう血流が止まった、銀行の再建と、新宿にはもう何とか、地上げの虫食いに遭ったような土地があって、それも全然動かない、都市から人々は全部逃げていくと。 そういうふうな、もう日本経済どうなるかという、そういう環境の中の緊急措置の一つとして、この法律は非常に私は視点としては当たっていたところもあると思うんですけれども。民間のお金とノウハウを使おうではないかと、それから民間がやりやすいように、今までいろいろ規制があって、どちらかというと規制があって開発があると、そういうことが日本の国際的な競争力を失わせておるんだと、そういう議論も受けて、そういう環境の中で立法措置をとられたと、こういうことだと思うんですよね。 さて、そういうようなことで、これを更に延長せよというのは、そういう経済的な環境が同じなのかといったら、そこは政府は違うと言っておるんですよ。むしろ、私どもは、まだまだ様子が良くないよと、経済はと言ったら、いやそうではないんですと言われておる中で、景気、経済状況が悪いという理屈は、僕はもう少し払拭されてきたと。 しかし、なぜこれを延長されるんですかというと、一つは、この事業支援策が一定の成果を上げて、更にこれを推進しようという政策当局や民間事業者の意思が依然として強いということが一つ考えられる。つまり、ある意味で政策評価が高く、更に政策を継続することが今後とも大きな公共的利益をもたらすであろうと、こういう判断がある。 もう一つ考えられるのは、政策がある程度目的を達成したものの、やり残しの懸案が残っているような場合、つまり、この法律に関して言えば、様々な規制緩和や行政の支援措置によって都市再生事業の準備は進められているが、例えば地権者の合意形成に手間取ったり、周辺住民の反対運動が強かったり、様々な理由で手掛けた計画や事業準備にてこずっているところが結構あり、現時点で法律を失効させるわけにはいけないんで、五年、もうちょっと延長してほしいという、言葉を換えれば後に引けない部分もあるので延長を要請すると。二通り考えるわけでありますし、またこの二つの要素が重なって両方の側面があるということだというふうに思います。 そこで、私がここでお聞きしたいのは、国土交通省として、こういった大規模な都市再開発への支援措置の流れの中で、今後、自治体や事業者の要望にこたえて対象を積極的に広げていかれるのかどうか、方針を伺いたいと。 現在、都市再生緊急整備地域は六十四地域、しかしこれは少し未着手のところも随分あるという話ですけれども、そのうち都市再生特別地区は、これちょっと資料と先ほどのお答えで数が違うんですけれども、二十三地域でいいんですか。都市再生特別地区は資料では二十二地区だったんで、これはお答えいただきたいと思います。認定民間都市再生事業計画は二十四か所となっており、既に完成したところもありますけれども、今後これを積極的に増やしていかれるのかどうか、ここのところをお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(松葉佳文君) 今お尋ねをいただきました、繰り返しになるかもしれませんが、都市再生緊急整備地域につきましては全国で六十五地域、約六千六百ヘクタールを指定しております。それから、特別地区につきましては二十三地区でございます。それから、民間都市再生事業計画につきましては二十四の大臣認定が行われているところでございます。 これまで五年間でいろんなプロジェクトが具体化してきておりますけれども、権利調整が他方で難航するなど、様々な隘路から未着手になっているという事業もまだ数多くあるわけでございまして、これらにつきましては引き続き支援していく必要があると考えております。 また、一方、プロジェクトの実施に伴いまして新たな人の流れなども出てまいりまして、これがまちづくりのエネルギーとなって地域の価値の向上につながるような取組、例えば防犯活動等によって安全、安心なまちづくりを進めるというような、そういう新たな取組に発展するといった先進的な事例も出てきております。 今後、都市再生緊急整備地域の指定などに際しましては、例えばこうした動きなども応援するというようなことも含めて、引き続き進めていくことが大切なことではないかと思っております。 また、中心市街地の活性化や密集市街地の再生などの課題につきましても十分配慮するとともに、先生御指摘のように、広く地方自治体や民間事業者あるいは地元の方々の意見、要望、それから地域の状況なども十分把握に努めながら、御指摘の点については取り組んでまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 私がこういう視点で質問申し上げたのは、我が国の法律というのは、時限立法、特別措置法でスタートしていくと、永久法ではないのかという形で継続をされていく、世につれ状況につれ少しずつ何か変わっているような変わっていないような、そういうふうな法律も多々多いわけですから、やはり立法時の法の目的なり目標というふうなものと私はやはりけじめを付けていくという考え方も必要ではないかというふうに思うわけであります。 先ほどの局長のお話、説明の中で、新しく人の動きなんかも変化することによって安全、安心なまちづくりという、含めた新しいニーズも散見されてくるんだということもあるということについては理解できますけれども、私は、法律としてはやっぱりけじめを付けて、例えば次に五年間なら五年間で仕上げて、もしそういうことがあるんなら、私が言ったやっぱり居住環境の向上ということも含めて、大日本の、大って付けたらおかしいんですけれども、大東京のやっぱり居住環境としての価値をどうするのかということをも視野に入れた、それこそ新しい立法というふうなものを想定されて今言ったようなことをやっぱり提起されていくことの方が、私は国会としてはそういうふうなことを考えるべきではないかな、また行政にもそういうふうなお考えが必要ではないかなということを意見として申し上げたいということでございます。 そこで、先ほど住民参加、担い手の育成というお話がありました。そこで、少し見方を変えて、大変皆さん方には失礼なんですけれども、ただ、関連するジャーナリズム、あるいは評論、あるいは専門家の意見の中にも多少そういう見方をされる方がおられますので、少し意地悪な見方をしてみますと、この法律は、民間ディベロッパーが、ある地区について自身の先行取得した土地を含め事業対象地区の三分の二の地権者の同意を取り付け、容積率の大幅な緩和などを含む再開発事業の案を提案すれば、例えば地域内の残りの三分の一の地権者が反対しようと、また周辺の住民が反対しようと、よほどの問題がない限り提案が認められ、強制収用も可能な事業施行者として民間ディベロッパーがその再開発事業を進めることができると、これもまた六か月以内にというふうに、なかなか強力な私は法律ではないかと。また、その強力さゆえに、従来なら十何年掛かったものが結構速いテンポで開発が完了していくということも反面あるわけでございますけれども、私はこういう見方がやっぱり一方され得る、これもまた一つの事実だと思うんです。 そこで、話がまとまった地区については、ディベロッパーの事業計画が推進されやすいよう、これまで動きが鈍かった役所を急がせ、また反対運動があればこれを封じて、民間主体で自由に再開発をさせてあげようというものだと、こういうふうな意見もあります。 しかし、私は、都市再生事業というのは、先ほど申し上げましたように、その町をどのような人間が住む空間にしていくのか、地域の歴史性や文化をいかに反映させて、個性的で魅力的なまちづくりをしていくのか。それは、外部からのデザイナーとかそういう特殊な人だけじゃなくて、実際に住んでいく人すべてがその辺の議論にやっぱり参画をしていかないと、結局は質的なものより量的な、フロアがたくさんできたとか、人がたくさん、集客能力があるとか、そういうことだけが議論のポイントになってしまって、本来の町が変えられてしまうことになるのではないか。 したがって、無機質ということとデザイン性というのはよく分かりませんけれども、まあ私の言葉で言えば、冷たい空間ができてしまうということにやっぱりなってしまうんではないかということであります。とにかく集客力のある商業施設が増えればいいのではないかということだと、私は、法律が目的にしている、何で国がここまでの面倒を見ないかぬのかということでいくと、何のための都市再生なのというふうに言わざるを得ないということでございます。 そこで、今回の法案では地域の担い手を生かした地域活性化対策として、市町村都市再生整備協議会の創設がこれは提案されていると伺っております。これは主として地方都市での再生事業を想定されていると思いますけれども、この辺のところは行政がきめ細かいフォローをしないと、本来の意味での住民参加、市民参加の都市再生はできないのではないか。この地域の担い手のニーズを反映させる実効性ある施策について、具体的にどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたい。
○政府参考人(中島正弘君) 今委員からお話ございましたように、今回の改正では市町村都市再生整備協議会という制度を創設することとしております。この協議会におきましては、まちづくりに密接な関係を持つ様々な主体が、都市再生整備計画及びその実施について活発な議論を行うということを期待いたしまして、市町村が都市再生整備計画の作成を行いますときにこの協議会の意見を聴かなければならないと、こういう規定を置いておりまして、そのほかにも、都市計画の要請を市町村が行うときに意見を聴きますとか、そういう一定の権能をこの協議会に持たせているところでございます。 我々のねらいといたしましては、先ほど来お話ございますように、まちづくりを進める上で従来公が実施してきた事柄でございますけれども、これを公だけではなくて多様な主体に参画いただいて個性的な地域づくりにつなげようと。こういういわゆる担い手、現にいろんな地域で様々な取組をされる人々、団体が出てまいりまして、そういう方が地域の課題に取り組んで自律、協働してたくさんの仕事をしておられました。これも内閣の都市再生本部の決定、昨年の七月でございますが、都市再生の担い手についてという決定がございました。今言ったような状況を踏まえまして、今後、政府は、地域のまちづくりの活動の担い手として、今言いましたようなNPOなどの団体が十分に活動できるように、関係法令等において手続や管理運営への参画に係る位置付けを明確化等を検討する、こういうことでございまして、それを受けた措置でございます。 何も協議会は、この法律に書いておりますまち交の計画を作るときだけ活躍されるということを決して、それだけを期待するわけでは決してございませんで、そういう公式のといいますか、法律の位置付けを与えることによってその協議会がきちっとしたポジションへ、市町村はもとより、ほかの方々からも認知され、活動のすそ野を広げて様々な取組に活動されるということを期待してこういう措置をとっているところでございます。
○加藤敏幸君 政策担当者としてはそういうふうなところを意図されていると。だけど、やっぱりそういうのは下手なんですよね、行政というのは。一番下手な人に一生懸命やらせているというところが、私は質問してお答えをいただいて言うのもつらいんですけれども、案外そういう本音のところの議論をしておかないかぬのではないかということと、それから、やや蛇足ですけれども、ここで今意図されていることは、日本の二千有余年の歴史の中でも、私はこれ、民主政治の正に実践じゃないんですかと。住んでいる人たちが自分の住まいをどうするんだというところに主体性を持って考えていくことを、むしろ政府が、今まではどちらかというと、表面的には協議会をやっておいて、もうほとんどレジュメから全部準備をして、あとは、はいはい言わせて一応オーケーですと、そういうふうなケースも多かったんですよね。 ところが、今は、おれたちは下手なんだと、もうやっぱりみんな頼みますよと、いい案出してくださいよ、そのためにはNPO、いろんな組織も含めて能力を活用いたしますということに来たのは、正に官が主体となった律令国家以来始まっている、大宝年間からずっと律令制で、太政官布告までずっと続いて今もそういう状況が続いておる日本の歴史において、町こそは自分たちでつくろうということを、私は非常にいい、だから、これはうまくやれば、正にある意味で、私たちが戦後ずっと目指してきたやっぱり日本型民主政治の一つの結実はこういうところにしっかりとした成果ができ上がると、こういうことだというふうに思いますので。 茶々を入れる気はないんですけれども、真剣に、もう本当に国土交通省といえば最も大きくて力があって、まあ権力機構とは言いませんけれども、そういうお役所の日々の行政の手法が、やっぱり主体が入れ替わった、住む人が主体でやってくださいと。これはまちづくりも全部そうなっていかないかぬわけですよね、地域地域でと。私は、そういう意味で、新しい時代がこういうところからスタートさせていただきたいし、冬柴大臣ができなきゃ私がやってもいいんですけれども、その辺のところ、よろしくお願いをしたいというふうに思います。 そこで、この法律の中で、私、先ほど随分ちょっと意地悪な言い方をした民間ディベロッパーの皆さん方への期待と、もう一つは規制ということからの議論をしてみたいというふうに思います。 認定事業者となるべき民間ディベロッパーの皆さん方の話ですけれども、この法律はあくまで民間を主体とする都市再生あるいは都市再開発を支援するというものでありますから、善悪、善し悪しは別にいたしまして、特に首都圏における大規模都市再生事業の推進母体である大手開発業者にある意味で期待を私は寄せざるを得ないと思います。 例えば、現在二十四か所が認定されている都市再生事業計画についても、あえて固有名詞を出させていただければ、三井不動産、三菱地所、鹿島建設、東急不動産など大手ディベロッパーの名前が事業者名に、あるいは開発目的を設立された株式会社の株主として出てきております。 やはり大規模再開発となりますと、また民間の活力、資金を活用するという意味から、資金力、あるいは資金を集める力、あるいは地権者間の調整力、あるいは設計力など様々な能力が必要となるので、大手ディベロッパーに頼らざるを得ない部分はあると、これは私もそう思います。自治体の皆さん方もやはり期待どおりの開発をしてもらいたいものだから、この法律にのっとりスタートしたからには、都市計画の審議会などでも結構スピードを上げて処理をしているというふうなケースが多いというふうに聞いております。 しかし、一方で、都市計画において周辺地域を含めた大きなビジョンをつくり、将来像を、単に事業者に任せるのではなく、広範な利害関係者の意見を反映させる仕組みをきちんとつくり、そのことを実践していかなければならないのではないでしょうか。 実態として、民間の事業者は、どうしても自前の土地や一定の空き地があるとか地権者が少ないとか、とにかく再開発しやすいところから手を付けようといたしますし、これは民間会社であるからにはやっぱり利益性というふうなことが追求されますから、けだし仕方のないところであり、ある意味で当然のことだというふうに思います。しかし、これでは開発地域間では統一性のない、あるいは東京だとか大阪だとかあるいは高松だとか、そういうふうな都市にとっても一貫性の欠ける再開発のモザイク、寄せ集めと、お好み焼きみたいなものになってしまうのではないかと。周辺に公共的なプラス作用をもたらさないことになる。 まあお好み焼きがそうであるかと言ったら大阪で怒られますから撤回いたしますけれども、今後の認定において国土交通省は公共性などについて、よりチェックするとの方針であるようですけれども、この認定事業者たるディベロッパーの皆さん方、それから住まわれる方、地域の人含めて、この公共性の確保という点についてどういうふうな考え方に立たれるのか、御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(中島正弘君) 公共性をどう確保するかという問題でございます。 都市再生緊急整備地域におきまして──先ほど私六十四と言ったかもしれませんが、六十五の間違いで、もし六十四と言ったら訂正させていただきますが、現在六十五の緊急都市再生整備地域、最近ちょっと一個増えましたので六十五でございます、におきまして事業が行われたときに、この緊急整備地域は、それぞれ地域におけるまちづくりのビジョンとして、その地域の整備の目標でございますとか、公共施設の整備に関する基本的な事項を定める地域整備方針というのを決めると。これは都市再生本部が閣議決定しました基本方針に即して決めるわけでございますけれども、そうやって政府が決めているということでございますけれども、決めるときは当然関係する地方公共団体の意見を聴いてそれを尊重するという規定がございますし、あるいはその関係地方公共団体が案の内容を申し出るという規定もございますので、関係公共団体と十分な意思の疎通をした上で政府が責任を持って決めているというものであります。 それで、この地域整備方針に即してといいますか、この地域整備方針に沿ってそれぞれのプロジェクトは行われなければいけない、それ認定の要件になっておりまして、したがって、委員の御質問にお答えするとすれば、そのプロジェクトが公共性を持つかどうかということは、私どもが作った地域整備方針がいかに公共性の高いことをちゃんと書けているかということに尽きると思います。 したがって、自らが作った方針が立派なものであれば相手の振る舞いも立派になるし、自らの作った方針がお粗末であれば相手の振る舞いもお粗末になると、こういう自覚を持って、やはりその緊急整備地域におきます各プロジェクトがそれなりの公共性の高いものになるためには、具体的なちゃんと議論をしてしっかりしたものを作っておかないといけないと、そういうことを考えております。
○加藤敏幸君 お役人として私は結構踏み込まれているというふうに思うんですよね、今の御答弁は、いい意味で。それはやはり事業者がどうのこうのじゃないと、自分たちはそこに公共性をきちんと確保した地域整備方針を確立することが命なんだと、あとはそれを実現させますよと、今そう言われたというふうに思いますし、そうあるべきだと思いますしね。五年前はやっぱり経済の面から厳しい状況があったんですよ。でも、今は環境が変わってきましたねと、だから、この今言われた公共性とは何なのと。そこに最初に申し上げました住居環境、居住環境の整備という大きな目的を五年前とは違った意味で、この公共性の、地域整備方針の中に従来と更に進んだ形で取り入れていく。そして、それを認定事業者にむしろこうやらなきゃいかぬのですよと、認定されないんですよというふうな形でリーダーシップを発揮していくという形に私はステージが変わってきたんではないんですかと。 そのことを行政の立場で、いみじくも今自信を持って、言いなりじゃないんだと、自分たちがどこまで書き込むかと、それの説得性、その地域整備方針の力強さが命なんだと言われたわけですから、国会としては、行政がそう言われた以上は、それに沿って行われるものだと、やっぱりそれは六十余種、いろんなところでいろんな方がおられますから、それを徹底されて私はいくことが、今国民が行政に対して、お役人に対して、何かあの社宅が高いとか、いいところにあり過ぎるとかいろいろ公務員たたきを発していますけれども、一面、本当に行政の役割が必要なんだと。民間事業者の良さも分かるけれども、やっぱり行政がそういう非常に公平な、そして長期的な視点、あるいは非常に大きな、正に歴史性だとかそういうことまでも俯瞰し得るだけの地域整備方針の骨格をつくり得るということを提起することが、私は正に行政が今復活する大きなポイントになるんではないかと。話が大げさになって大変申し訳ございませんので、そういうことを申し上げておきたいというふうに思います。 それでは次に、都市再生の理念をどうお考えになるのか、少し御質問をしたいというふうに思います。 二〇〇四年の政府の通商白書では、ヨーロッパの都市再生の事例を紹介されています。例えば、スペインのバスク州では、重厚長大の製造業から転換し、生活の質の向上、文化に重点を置いた都市再生事業を目指しております。また、ドイツのフライブルクは、ソーラー発電など再生可能エネルギーの活用による環境への配慮という視点から都市の再生事業が行われました。やはり都市再生においては、どのような町をつくり、どのように変えていくのかという大きなテーマ、あるいは時代精神とは申しませんけれども、そういうものに基づくビジョン、将来像あるいは戦略がなければ成功しないということであると思います。 欧米、特にヨーロッパは我が国とは歴史が違いますので、全く同じ議論はできないというふうに思いますけれども、都市再生と産業再生をどうドッキングさせるのかという視点が私は近年強くなっているというふうに思います。 翻って、我が国の場合、この都市再生なり開発というのは、例えば駅前を再開発しようとか、ごちゃごちゃして汚いから商店街、住宅街を少しきれい、小ぎれいにしたい、だからビルを建てようかとか、とにかく人が集まるまちづくり、あるいは商業、サービス産業の振興というところに重点が置かれてやってきたというふうに思います。 しかし、地方都市の現実を見ますと、郊外の大型店がにぎわい、中心市街地が空洞化するという、私から見ると大変な事態になってきておる。市街化、活性化対策も単に人を集めればよいということだけではもう間に合わない。むしろ、人が集まるということは、何で集まるのかということの中に、先ほどヨーロッパの事例にもありますように、産業再生というものを私は組み合わせた都市の再生、地域都市の再生ということを考えるべき時期に来ているんではないでしょうかというのが主張点であります。 そういうふうな意味で、私は、産業政策、産業創出という視点からこの都市の再生ということを、私はこれはいろんな方法があるというふうに思います。産業にもいろんな産業がございますから、単に工場を持ち込むとか、あるいはいろいろな研究所を持ち込むとか、そういうふうなことだけではなくて、もう少し違った意味で産業との共存、共生、そういうようなことを図れる形での都市計画、都市再開発というふうなことが必要だというふうに思います。 この点について何か御見解がございましたら、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(中島正弘君) 今、都市の再生、特に地方の都市再生で最もニーズが高いといいますか、要請が強いのは、やっぱり活性化といいますか、雇用をどうつくるか、地域経済の活性化どう図るかということでございます。まちづくり交付金が随所で活用されていただいていますが、その目標としても、やはり観光客を増やしたいだとか、何とかその商品の販売額を増やしたいんだとか、自分たちで造った施設への来場者を、県外からの来場者を増やすんだとか、そういった目標を掲げて地域の産業の再生、振興を図るという課題を持った計画を作っておられるという市町村が多数ございます。 また、まちづくり交付金で、平成十九年度の予算案でございますけれども、新しく基幹事業というんですか、メニューの中に、まちおこしセンターという名前を仮に付けたんでありますが、地場産業の開発、情報発信等のまちおこしの中核となる施設、これは地域の要望も強かったものですから、基幹事業として追加するということもさせていただきました。これらも地域の生産活動の活性化の支援につながればと思っております。 いろんな方法ございますけれども、コアとなるといいますか、自生的な、地域のサービス業、商業というのはどうしても派生的なニーズでございますので、よほど集客力があればともかくとして、やはり一番核になる、物づくりみたいなのがあれば本当は一番いいんでございましょうけれども、そういったものを地域が持って、それを核に発展してくるというような絵がかければ、市町村長さんといろいろ話しますけれども、そういったことがまちづくりの課題としていろんなことを、景観も大事、歴史も大事、居住も大事と、いろんなことを言うんでありますが、その中心にやっぱり、町が食えると言うとちょっと言葉が私も不適切だと思いますけれども、生きていけるという基盤をしっかりつくるということがまちづくりの基本かと思います。 そういった意味で、微力ながらいろんな手を講じまして市町村のそういった活動を支援していきたいと、このように思います。
○加藤敏幸君 やっぱり食えるということは大事なことだし、食えないまちづくりというのも、これももう本当に何のことかということにやっぱりなっていくと思いますし、住んでいる人たちも、やっぱり生業であり、やっぱり家業であり、あるいは自分が就職している仕事との兼ね合いというのは物すごく大事なんですよね。 だから、私は、箱物だとかもういろいろな技術的なことを考えますけれども、やっぱりポイントは今言った、産業政策と言うと話が大げさですけれども、生業、家業ですね、あるいは各種の地場産業だとか、そういうふうなことを視野に入れて、そのことを大切にするし、そういうまちづくりが、例えば堺の包丁なんかも、私はすばらしい、自分でやりますから世界一の切れ味だと。その良さがやっぱり生き残っていくような堺。ところが、あそこはなかなか不便なところで、だからそこをどうしていくのかということを私は、住民との話合いというのはそういうことも含めて、大きなテーマ、小さなテーマ含めた私は議論も必要ではないのかということで、是非とも経済産業省とも、いろいろと境界線があるかも分かりませんけれども、連携をしてやる必要があるのではないかというふうに思います。 さて、ちょっと少し時間をいただきまして、事例検証的にちょっとお伺いをしておきたいんですけれども、一つは六本木ヒルズから何を学ぶかということで、かねがね私はこの六本木ヒルズというものに興味を持っておりました。テレビによく出てくる人が住んでいるとか、そういうことではなく、都市再生事業の中でも最大のものであり、また中身も将来を見通した質の高いものとなっているという評価もあると聞いております。 この六本木ヒルズは平成十五年に完成したわけで、本日審議しております都市再生特別措置法ではなく、都市計画法に基づく市街地再開発事業として、まあ名前を出してあれですけれども、森ビルが第一種市街地開発事業の施行者として開発したものでございます。第一種でありますから、権利変換方式で進められたと。 そこで、なぜこのような住宅密集地で権利関係も複雑であったにもかかわらず成功したのかと。この点を言えば、私はビジョンづくりと合意形成の努力があったからではないかと思っております。 計画当初、これは昭和六十三年の街づくり懇談会の設立に始まり、森ビルやテレビ朝日などの努力によって地区内への説得活動が実を結び、それが街づくり協議会となり、そして平成二年に地権者の八割が同意して六本木六丁目地区再開発準備組合の結成となりました。その過程で、関係者がまちづくりの在り方を徹底的に議論し、合意形成のために多くの労力を費やしたということにあります。そこには緑豊かな文化都市をつくろうというビジョンが一貫をしておりました。一九八八年から二〇〇三年という十五年以上もの長いスパンを掛けて完成したわけであります。やはりここの再開発においては、こういった住民の人たちが十分理解できるビジョンの提示と丹念な合意形成努力があったからではないかと、このように思います。 何も宣伝しておるわけではございませんので、いい面を言えばこういう側面があったと。現在の法スキームでは、手続面、規制緩和面、さらに公的な支援において更に再開発を進めやすくなっていると思いますけれども、やはりこの六本木ヒルズの経験というものを私は参考にしなければならないと思います。 そこで、最初の質問ともダブることになりますけれども、都市再生特別措置法の効果を検証する上で、この法律の適用を受けなかった、随分面倒くさいことをされたように見えるこの六本木ヒルズと、現在のお代官様に代わるぐらいの権力を持つと言われている、この法律に持つ二十四の事業計画と比較することは意義があると、このように考えております。 例えば、六本木ヒルズの近くの防衛庁跡地の再開発事業である東京ミッドタウンなどとの比較において、どのようなことが言えるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中島正弘君) 六本木ヒルズは今お話がございましたように第一種の市街地開発事業でありますし、東京ミッドタウンは大規模土地を取得してやったという、まあ任意の事業という、事業手法としてはそういうことでございます。 また、都市計画の特例はどちらも再開発地区計画という特例を使っておりまして、東京ミッドタウンの方は途中で法律の名前が変わりまして、再開発等促進区となっております。元は同じ再開発地区計画でございます。で、容積の緩和を受けておりません。 どこが違うか。一番違うのは地権者が六本木ヒルズでは四百人を超えますし、東京ミッドタウンは今一人でございますので、その権利調整に随分時間が掛かりまして、六本木ヒルズは十三年余掛かっていますし、東京ミッドタウンは約六年ぐらいで開業までいくと。 それで、スピードアップの点を、何を学んだかというと、六本木ヒルズから学んだということで、今回の都市再生に反映しているであろうと。必ずしも当該プロジェクトの影響ということではございませんけれども、平成十三年十二月の「都市再生のために緊急に取り組むべき制度改革の方向」という都市再生本部の決定がございまして、法律できる前でございますが、その中に、民間事業者を使ってという、先ほどから何度もおっしゃっていますが、当時はこういう色彩が非常に強うございまして、民間事業者の力の発揮というのがあります。その中で、「手続きの並行処理などによるスピードアップ」というのがございまして、もう逐一読みませんけれども、例えば、臨港地区の解除、都市計画の手続の時間を短縮するとか、権利変換に伴うときの道路の廃止の手続をどうするとか、埋蔵文化財とかアセスの手続などを例示して、地権者との関係はこれはどうしようもないというか、そこは汗をかくしかないんでありますが、その後役所に入ってからの手続時間をなるべく短くするということでございます。 その点が一番違うところといいますか、時間、リスクを軽減するという意味では進んだところではないかと、こういうふうに思います。
○加藤敏幸君 要約すれば、行政との関係において発生する時間資源については節約ができたと。しかし、普通の地権者との、お一人お一人との関係については余り節約ができたとは聞いていないということですよね。 だから、私は、ミッドタウンの場合は防衛庁敷地という、もう極めて巨大な一地権者のとんでもない部分があったという意味でやりやすい面もこれはあったというふうに思いますけれども、申し上げたいのは、六本木ヒルズは大変だったんだけれども、それだけの根気強い決意それから努力をすることによって、その後も含めてそれなりの成果が出てきたということにおいて新しい法律は私は非常に強力な法律だと思っているんですけれども、だからといって、認定事業者にとって時間とはコストですから、資金をどう回すかとか、もう御存じのとおりだと思うんですよ。 便利だということではなくて、丁寧に地権者との対話をしていくことが本当の意味での、住宅環境を良くする、そしてその開発したものが長生きをするという、命を与えるのはやっぱり住んでいる人と掛けたコストというものに非常に大きな価値があるんだということを是非とも私は肝に銘じてほしいと。六本木ヒルズがうまくいったのは、やはりまちづくりに対する、私は、性根の入った理想なり理念、それがやっぱりあったと思うんです、どうしてもやっていきたいという。その熱意、情熱をなくして、手続論的にうまくいくからということだけでは事業がうまくいきませんよということが一つの教えではないのかと。 それからもう一つは、今度は六本木ヒルズから何を学ぶのか、その二という形で、六本木ヒルズは言わば都市再生の典型的モデルとなっておりますけれども、実は光の部分だけではなく当然影の部分もあります。こういった巨大開発の下で様々な都市問題が発生していることを忘れてはなりません。 まず第一は交通問題でございます。六本木周辺の交通渋滞、通行量の増大に伴う大気汚染、路上駐車とかいろいろな問題、そして当然安全面からも大きな課題が残っております。 第二に、地域の高度利用によって、これは他の地域と同じでありますけれども、都市化の進展によるヒートアイランド現象、いわゆる環境との関係で問題を深刻化させております。ヒルズの場合、屋上緑化などいろいろ努力をされていて緑地面積は大幅に増えたと発表されておりますけれども、ただ、航空写真などでチェックをして有効性を調べてみますと、やはり緑地という視点から見ると、そう評価できるという内容は多くはないんではないかというふうに思います。 第三の問題は防犯の問題であります。六本木地区は世界の各種先端企業が集まるビジネス街として観光客や外国人が多く訪れる国内も含めて観光地になっております。いろいろな傷害事件等、また治安問題、いろいろな問題が発生をしております。また、事業者の理念に反し、依然として昼夜間の人口差が大きく、夜間人口の少なさと死角的空間が多いことから、住民にとっては不安の大きい地区となっていると。警察、住民によるパトロールが行われたり、駐車違反の厳しい取締り、防犯カメラの設置、国際交流事業の実施などで犯罪研修、いろいろ改善努力をしておるわけでありますけれども、急激な都市化は様々な問題を起こすことを忘れてはならないと。 また、完成のときから、電波障害、風害、日影の問題ですね、新たな問題が生じたり、また、夜間の突貫工事の被害も相当あったというふうに聞いております。 こういうふうな問題があったわけでありますけれども、ヒルズにおいてもいろいろと計画どおりにはいかない面があったと。また、予期できない面も起こるということがございますので、これらの開発段階、完成後に生じた様々な問題について国としても今後の再開発事業に生かしていくべきだと、このように考えますけれども、見解がありましたらお願いします。
○政府参考人(中島正弘君) これはもう御指摘のとおりだと思います。この五年間という短期間で、認定事業が二十四でございますけど、そのほかに都市計画の特例だけ受けたというプロジェクトもございますので、四十三だと思いますけれども、四十三ぐらいのプロジェクトが立ち上がりました。逐次これが完成をしていき、もうできたものもございますし、ちょうど今この時期にというものもございますし、順次でき上がってきます。それぞれ事後的に評価があると思います、うまくいった、うまくいかなかったと。こういうデータを丹念に取って、これを次に生かすというのが私どもの役割、それをみんなで共有するというのが大事なことだと思います。 個々のプロジェクトの評価はちょっと差し控えますけれども、例えば、汐留なんかも徐々に評価が固まる、景観上ちょっとどうかという御批判もあるようでございますでしょうし、例えば一例で申しますと、新宿ができましたときに、新宿も初めてのああいう大型ビルをたくさん並べた開発でたくさんの教訓を都市開発にもたらしたと思っておりますが、自動車交通という意味では東京は地下鉄が随分発達しているので意外にうまくいきまして、丸の内や六本木なんかも意外に車という、六本木はちょっと評価は違うかもしれませんが、インフラ弱いんで、丸の内や新宿ぐらいのインフラがあれば地下鉄が相当効くなという。 その一方で、あの新宿のときの反省は、人があふれまして、人間の動線というのをもっとちゃんと考えないとうまくいかないなというふうなことがございまして、その後、いろんな開発ではビルと地下鉄の連結というのをもう当然のように、ラッチの位置まで議論してからやるというふうなことになってきたと思います。 そういった意味で、いろんな都市開発の事例を踏まえてその後生かされてきておりますので、今回の都市再生の一つの成果としてこれらのプロジェクトが世に出たわけでありますから、それぞれの評価を踏まえて次に生かすということを国全体として官民挙げてやっていくということだと思います。
○加藤敏幸君 最後になりますけれども、前にも申し上げましたけれども、私は阪神・淡路大震災の被災者でございまして、自分の持っていたいわゆるマンションというものが傾いて使えないということから再建ということ、そういうふうなことに、私自身はこちらの方におりましたから、残った住民が力を合わせて再建をされたということでございました。 そのときに、私はこれ耐震偽装のときにもお話があったというふうに思うんですけれども、容積率の改善、つまり容積率を増やしてもらえれば建て替えたときにいわゆる権利が増えますから、見掛け上一人一人のコストが下がるということで、再建策にとっては非常に魅力的なところなんです。しかし、いろんな形で行政からの支援策はあったし、それは大変役に立った、お世話になったというふうに思っていますけれども、通常は容積率の改善というのはこれはあり得ないことなんですね。あり得ないというのか、こういうふうな倒壊したものだとか、それから耐震偽装のときには。 しかし、今ここでやっている都市再生の場合は、プレミアムというかな、やっぱりインセンティブとして容積率については私は誘導策として改善、改善というのか増床されるということがあるわけでありまして、これは同じ国民としてやはりそういうふうな恩恵を浴すると。何でその恩恵を浴するんですかと。そこには公共性があるという理屈以外考えられないんですよね、説得性ということからいけば。だから、それは単にもうけたとか、今やれば得するぞと、そういうふうな動機だけではなくて、やはり都市再生という、理想とは言いませんけれども、その目的に沿った私は努力を、容積率をやっぱりプレミアムを付けられたという恩恵に浴する者は、私は真剣に考えるべきだということだと思うんです。 そのことの評価は、十年、二十年、三十年たったときに私はやっぱり評価されるべきものではないかと。だから、今の段階でどうこう言えない。しかし、その当時、時代を生きた国民の中にはいろんな災難遭い、いろんな問題を抱えた人たちが一生懸命生きていく中で、それぞれ努力をされた中で、私はこの都市再生の事業に携わられる皆さん方には、是非ともやっぱり公共、公のために自分が受けた恩恵をやっぱり生かしていくという、そういう精神が必要ではないかなというふうに思います。 こういう議論までここで議論してみても、それがどこまで広がっていくのか心もとない面もありますけれども、ただ、そういう議論も、私は立法者として、やはり利害の調整だけではなくて、やっぱり求めるべき理想についても私は国民に語り掛けていくという、そういう努力も必要ではないかなということを日々思っているわけでございまして、最後に、まだこの審議は続きますけれども、私の質問の最後に、全体を通じて大臣の御所見をいただきたいなと、このように思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 都市再生という問題についての深い、哲学的な面まで踏み込んだいろんな考えからの御質疑だと、重く受け止めなければならないと思います。 なるほど、この都市再生緊急整備地域で整備された、驚くべき短期間にすばらしい都市景観を生み出した、そういうようなものが、今後も一部ではやっていかなければならない部分はたくさんあると思いますけれども、私は、全国の地方都市というか、都市と言ったら言葉が局限されますけれども、人がたむろするところ、そこが美しくて快適で豊かな住生活を送れる場所に、そしてまた特に少子高齢時代を迎えまして、高齢者の方は自動車を運転して遠くに出掛けるとかいうことができにくいわけでございますから、そういう人たちも自分の家の周囲で自分の足で歩いて暮らせるような、歩いて暮らせるまちづくり、そこにすべてのサービスというものが、アーバンライフというものが楽しめる環境をつくっていかなきゃならない。これはユニバーサル社会で、公共交通機関だけではなしに、公共の公園とか道路も、そういうような方々が自分の足でそういうものを楽しめるような都市をつくっていかなきゃならぬ。私は、そういうものが時代の変遷とともに失われたとするならば、これで取り戻さなきゃいけない。 そのためには、市町村単位で自ら、おっしゃったように、その土地の持つ歴史、伝統、文化、そして自然ですね、そしてまた、そこに長く息づくそういうものを生かした、その土地の人々の自主的、自律的な発想によって町をつくっていただくということが私は大事だし、それを支援するのが正にこのまちづくり交付金の制度であり、そして様々な、その中で資金が要るというものについては民都機構からの資金の援助とか出資とかそういうものでありますし、それから、そこに住む人々のコンセンサスというものが協議会とかそういうもの、それから都市再生整備推進法人というようなものも利用しながら、私は、それこそ稚内から石垣まで、日本の隅々までそういうものが発想され、我々がそれを支援することによって住みよい町ができてくるということが一番大事な視点だろうと思います。人間的な、無機質なものじゃなしに、温かみのある町というものが再生されるということが大事だと私は思います。
○加藤敏幸君 ありがとうございました。終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 本日の質疑におきましては、私の方からはまず道路法等の改正から質問をさせていただきたいと思います。 地域のニーズに即した柔軟な道路管理制度を通じて安全な歩行空間を創出していくと、これが今回の法改正のねらいでございます。今、政府の目標としましては、平成二十四年までに交通事故死者数を五千人以下に減らしていくということが掲げられております。そのうちの施策の一つとしまして、自転車利用者対策の推進というものをうたっているわけでございます。 今、自転車は全国で、間違っていたら訂正していただきたいんですけれども、全国で八千万台ほどあると言われておりまして、この自転車というのは非常に大きな、道路法等の改正を考える上で非常に大きなポイントではないかなと思っております。 自転車については、言うまでもなく健康増進にも役立ちますし、また環境についても負荷の少ない乗り物でございます。しかし、自転車が乗り入れることができるそういう自転車専用道というのは我が国におきましては圧倒的に少ないと。また、車道にありましても歩道にありましても、今も事故が少なからず生じております。 まず、自転車整備の推進に向けた取組について伺いたいわけでありますが、道路交通法上は自転車は車道を走ることと原則されておりまして、私も初めてそのことを知ったわけでありますが、まず、自転車歩行者道の総延長距離、先ほど道路局長の方から一部答弁あったと思うんですが、もう一度確認の意味で質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(宮田年耕君) 自転車歩行者道の設置されている道路延長、十七年度現在で七万二千キロでございます。 ただ、四十五年から自転車歩行者道を整備しておりまして、そのときの基準は、自転車歩行者道、幅員二メーター以上ということでございます。現在の道路構造令の基準というのは三メーター以上でございます。こういうのも含めて七万二千キロでございます。
○谷合正明君 警察庁の方にお伺いいたしますけれども、原則は自転車は車道を通るということなんですけれども、そうなってはいないのが現実ではないかなと思うんですが、自転車が通行可能な歩道の総延長距離というのは今どうなっていますでしょうか。
○政府参考人(矢代隆義君) 御指摘のとおり、自転車は車道通行原則ですが、都道府県公安委員会が普通自転車の歩道通行可の規制を行った場合には車道を通っても歩道を通ってもいいと、こうなっておるわけでございますが、これの、自転車の歩道通行可の規制の総延長、計算方法といたしまして、両側に歩道があればその規制を掛けた歩道ごとに積算いたしますが、十八年三月末現在では、全国で六万八千九百九十二キロメートルでございます。
○谷合正明君 先に事実関係を確認させていただきましたが、今自転車の事故が増えているのではないかと指摘されておりまして、自転車が加害者となるケースもあれば被害者となるケースもございまして、自転車といいましても一口に、私がイメージするような自転車は、主婦の方が乗るような普通のタイプの自転車から、宅急便で使うような本当にスポーツタイプの自転車まで、いろいろ多種多様な用途があるわけでありますが、今そういった自転車の専用通行空間の整備が、先ほどもありましたけれども、まだまだ不十分ということもあり、自転車をめぐる事故について増えているのではないかと。 今実態としてどのように把握されているでしょうか。警察庁の方、よろしくお願いします。
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。 自転車の事故は、相手方が歩行者の場合と、それから相手方が自動車、二輪車、あるいは列車、自転車同士もございますが、いわゆる車両の場合がございます。 それで、昨年一年間に発生いたしました事故を見ますと、対歩行者事故が二千七百六十七件でございます。それから、自動車と、他の車両等と衝突する事故ですが、これが十七万一千四百九十五件でございまして、合わせて十七万件強でございまして、事故全体の二割弱を占めているところでございます。
○谷合正明君 これは本当に事故の約二割ということで、これは大きい数字だなと思うんですね。特に、交通事故全体が、自転車に関する事故が今十七万件台ということだったんですけれども、これはたしか調べたところ、平成七年、十年前のデータと比べるとこれは増えているということでございます。やはり自転車をめぐる環境整備をしなきゃいけないんだなと私は思ったわけであります。 もう一つ、実際に地域に入って聞く要望は通学路ですね。通学路の歩道整備率というのはどうなっているんだということもよく聞きます。実際、今この通学路の歩道整備率というのはどうなっているでしょうか。
○政府参考人(宮田年耕君) 通学路の歩道設置率でございますが、トータルで申し上げますと約三分の一、三三%でございます。通学している児童が百人以上、通行量の多い通学路で見ますと四六%という設置率でございます。
○谷合正明君 私も議員になりまして、地元の町内の婦人会の方といろいろと話したときに、通学路の安心、安全ということで要望を受けまして、そのときにいろいろお答えしていたんですけれども、実際、自分自身が通学路を歩いたことがなかったと。実際に小学生が歩く通学路を歩いてみようというふうに思い立ちまして、歩いてみました。そうしましたら、やはり車の目線とは違って、歩行者の目線で歩いてみるといろんなところが見えてまいりました。私の通学路に関していえば、本当に生活道、本当に細いところ、隣に農業用水があって、もう今にも落ちそうな道路の道幅なんですけれども、そういったところもあれば、国道二号線のバイパスを越えていかなければ小学校に行けないという、車も抜け道も使って通りますので、非常に危険だなということを実感しました。実際に事故もあるんだということを話を聞かせていただきました。 先日も埼玉県の川口市におきまして、生活道路の中での通園途中の事故という痛ましい事故もございました。今、幼児、小中学生の登下校時の事故についてはどのように把握されているんでしょうか。
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。 私ども、事故統計は、事故に遭った方が通学目的であったか、あるいは買物目的であったかという目的別に統計取っておるわけでございますが、それで、登下校中ということで取ってみますと、幼児、小学生、中学生合わせまして、歩行中が四千七百四十五人、それから自転車乗車中が四千四百六十四人ということで、合わせて九千二百九人ほどの死傷者が出ておりまして、うち死者は十四人でございます。 それで、これは幼児とそれから小学生、中学生で少し特徴が違うわけでございまして、六歳未満の幼児でございますと、歩行中と自転車乗車中を比べますと大体二対一ぐらいでございます。小学生でございますと、歩行中が九に対して自転車乗車中が一割弱ほど、それから中学生になりますと逆になりまして、歩行中が二割で自転車乗車中が八割強といったところでございます。
○谷合正明君 登下校中の事故というのは増えているんでしょうか、減っているんでしょうか、ここ数年。もし分かれば教えていただきたいんですが、分からなければ結構。済みません。
○政府参考人(矢代隆義君) 登下校中の事故につきましては、これは、事故というか死亡事故全体が減っておりますので、大きな流れといたしましては減少しております。
○谷合正明君 分かりました。 今回の道路法改正案におきまして歩行者の安全確保についてどういう措置がとられるのかということについて、国土交通省にお伺いしたいんですが、先ほど来のお話の中で、やはり子供が巻き込まれるケースでありますとか、自転車が巻き込まれ、巻き込んだりする事故のケースというものが依然として多いわけでございます。このような悲惨な事故を防止して、安心、安全の歩行空間を形成していくためには、通学路などの歩道整備、あるいは自転車道の整備を含めて歩行者優先の道づくりを推進することが重要ではないかと。多くの国民は歩道の整備が必要と認識をしております。 道路局長にお伺いしますけれども、今回の道路法の一部改正におきまして、これは歩道等に着目して地域のニーズに即した柔軟な道路管理を行うことが目的であるわけでありますが、歩行者の安全確保という点におきましてどのような措置がとられるのでしょうか。
○政府参考人(宮田年耕君) 大きくは二点、今回そういう観点での一部改正をお願いしております。 一つは、地元を最もよく御存じの市町村が、本来の道路管理者であります都道府県に代わりまして、国道とか都道府県道の歩道の拡幅あるいはバリアフリー化、駐輪場の整備が行うことができる制度、いわゆる代行制度でございます。それからもう一つは、地元市町村が道路管理者に対して、地域の歩行者の安全に資する交差点付近の改良、そういった改築の要請ができる制度、いわゆる要請制度、この二つを盛り込んでございます。
○谷合正明君 是非そうした制度が実効を上げるように努めていただきたいと思います。 もう一つ、私が視覚障害者の方からいただいた声なんですが、その方はつえをついて歩くわけです。かつては、歩道を歩く上ではその方は優先的に周りの方も配慮しておったと。しかし、現在になってきますと、バリアフリー化が進んでいるとか、あるいは元気な高齢者も増えたり健康ブームもありまして、歩道を歩く方が増えてきましたと、その方の実感として言われるんですね。かつては、弱者といえば、例えば視覚障害者の方なんかは優先的に通行が、皆さんが配慮していただいたんですけれども、今は何か歩道の中にもたくさん弱者がおってルールが徹底されていないと。その視覚障害者の方がよくぶつかるんですということをお伺いしました。 歩行者と自転車との歩道上の区分というのはどうなっているのか、また歩行者同士の通行についてはどうなっているのか。ルールもありましょうしマナーの部分もあるでしょうが、いずれにしても周知徹底というものが、啓発というものが大事になってくるんではないかなと思うんですけれども、その辺り、警察庁の方よろしくお願いいたします。
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。 歩道上で、まず自転車との関係でございますが、自転車が歩道を通行できるとされている場合でも、比較的幅員が広い場合には真ん中に線を引っ張っておりまして、自転車はその車道寄りの方を通るというふうになっておりまして、それがルールでございまして、またその歩道上は徐行すべきことと、それから歩行者に支障を及ぼすおそれがある場合にはこれは一時停止するようにと、こういうのがルールでございます。 それから、歩行者全体でございますが、これは歩行者については歩道通行と。それで、車道を横断するときや道路工事のために歩道を通行することができないときには車道を通ってもいいと、これルールでございますが、これを踏まえまして、歩道上の中では、これは交通の教則ということで安全教育の中でも実施していることでございますけれども、障害者の方々など一定の、いわゆる弱者と言われる方々でございますけれども、身体障害者の方々等がそばを通行している場合には道路を開けたり、あるいは交差点等の危険な場所で困っているのを見た場合には手をかす等して、安全に通行することができるように支援してくださいと、こういうふうにしておりまして、教育としてはそれをやっておるわけですが、今御指摘のように徹底していないところが、向きがあるかと、こういう御指摘だろうと思います。
○谷合正明君 特に高齢になりますとそういう教育を受ける機会もなかなかなかったりしますので、その辺りも知恵を是非、私も考えなきゃいけないんですけれども、出していただいて、頑張っていただきたいと思います。 それで、高齢者、障害者にとりまして安全な歩行空間の確保という点におきましては、やはり放置自転車の問題というものが大きい問題としてございます。 全国に駅周辺に放置されている自転車が三十八万台ほどあると私お伺いしておりますけれども、今回の道路法の一部改正におきまして違法駐車対策を進めるためにどのような措置を講ずることとしているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(宮田年耕君) 放置自転車の問題、委員御指摘のように過去百万台近くございましたものが駐輪場の整備で三十八万台、九万台というふうに減っておりますが、なお深刻な問題だというふうに認識をしております。 それで、これまで放置自転車対策、平成十七年度に道路管理者も設置をできるというふうに改正をしておりますが、十八年度におきましては民間事業者も道路上に占用物件として駐輪場を置くことができるということを改正をしております。 今回の道路法の改正には、道路管理者が設置する駐車場が今申し上げた民間の事業者とのバランスを考慮して有料とすることができるというふうな改正が一つでございます。これによって地域の駐輪場のバランスが取れてくるんではないかなと思いますし、さらには、先ほども申し上げましたが、市町村が都道府県に代わって駐輪場の整備ができる、自らできると、こういうふうにしたことと、もう一つは、市町村自らが駐輪場の整備が行うことができない場合であっても本来の道路管理者に要請をすることができるということを、そういった措置を講ずることにしております。 こういった措置によりまして、引き続き総合的な違法駐輪対策を進めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 是非その違法駐輪対策を迅速に、積極的に進めていただきたいと、そのように思います。 続いて、大臣にお伺いしたいんですけれども、歩道、自転車道の整備についての大臣の決意をお伺いしたいんですが。 私、スウェーデンに留学したことがありまして、初めてスウェーデンの地に降り立ったときに一番感動したのが、夕方、歩道に老夫婦が手をつないで本当にゆっくり歩いて、散歩されている光景を見て、本当に豊かな光景を見たというか、日本ではなかなか余り見なかった、まあ今はあるのかもしれませんけれども、ゆったりとした歩道に本当にゆったりと高齢者の方が散歩を楽しまれている様子を見ました。実際に、その歩道だけでなくて自転車道というのもあの地域は整備されております。公共の、自転車の空気入れなんかも公共のサービスとしてストックホルムの市街地なんかには設置されているというぐらいに、自転車については非常に環境整備されているわけでございます。 もちろん、日本と北欧と人口密度も違いますので一説に同じように論じることはできませんけれども、ただ私は、これから日本はコンパクトシティーであるとか、あるいはビジット・ジャパン・キャンペーンなんかもやっていますけれども、やはり歩くことがもっと楽しめるような空間をどんどんつくっていかないといけないと思っております。 大臣も、この間の衆議院選挙の際に、私、尼崎に行ったときに、当時幹事長でしたけれども、冬柴幹事長が自転車に乗っていらっしゃると、幹事長が自転車に乗っていると聞いて本当にびっくりしたんですけれども、幹事長も、大臣も自転車をそうやって尼崎市内で乗っていらっしゃったということは、やはりそれなりの視点で、やはりまちづくりの中に歩道であるとか自転車道の整備というのは大事だなということを十分認識されていると思うんですけれども、大臣の、道路行政を預かる大臣としまして、今後、元々歩道だとか自転車道の整備というのは道路特定財源でも使うことができるわけでありますから、なお一層取組を強化していただきたいと思うわけですが、決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ありがとうございます。 尼崎は、淀川水系の河川が運んできた土砂が堆積した沖積層ですから、真っ平らなんですね。したがいまして、アップダウンがありません。そういうことから自転車が大変普及しておりまして、国道二号線沿いには自転車専用の道路も尼崎市内は造られておりまして、大変自転車が普及し、便利に使われている地域でございます。私はそういうことは大切な視点だと思います。 平成十七年現在で全国の道路に歩道等が整備されている割合は、先ほど道路局長が答弁しましたけれども、一般国道では五八・六%ですけれども、生活道といいますか、都道府県道では三五・五、市町村道では実に八%ということでございまして、それを合計した平均が一三・三%ということでございますので、我々の生活道である市町村道が、やはりこれはもっとしなきゃいけないということを痛切に感じます。それで、その結果、歩行者や自転車の死者数は、交通事故の全死者数の四三%を占めているということになりますと、これはやはり、私はこれを是非整備しなきゃならないというふうな思いに駆られます。 こういう中、昨年三月閣議決定されました第八次交通安全基本計画では、人優先の交通安全思想を一つの基本理念として掲げておりまして、特に、先ほど言われました川口のあの悲惨な事故等がありました、ということで、通学路等における歩道等の整備や自転車利用環境の総合整備を積極的に推進するということになっています。 これを受けまして、国土交通省といたしましては、通学路を主とした歩道等の整備を進めてまいらなければならないという決意をしています。また、安全、快適な自転車利用を図るため、路肩等の空間の活用を含め、自転車道、専用ですかね、の整備を積極的に進めていかなければならないというふうに思っています。 ちなみに、私は、市営バスなんかでも低床で自転車をそれに載せられるようなバスも必要じゃないかなと。歩いていって先でその自転車に乗り換えられるような、そんなことも考えているところでございまして、歩行者、自転車乗りの人が安全で安心して暮らせる町をつくっていかなければならないと思っております。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 密集地法についても質問を用意させていただいてたんですが、時間の関係上また来週の方に回させていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子です。 今回の改正案の中心は都市再生特別措置法にあると思います。そこで、民間事業者に対して都市再生緊急整備地域指定や民間都市再生事業計画の認定で、都市計画上そしてまた財政的支援などでどんな優遇をされてきたのか、簡潔にお答えいただけるでしょうか。
○政府参考人(中島正弘君) 民間事業者に対する支援でございます。 まず、法律では、平成十四年制定当時から都市再生緊急整備地域の指定をしまして、その指定した地域での特例というのがございます。都市再生緊急整備地域での特例と。これは、この地区で都市再生、まず都市計画の特例を申し上げます。都市再生特別地区の決定というのがございまして、これは都市計画でございますから、こういう都市計画が決まりますと容積率などの緩和の特例が受けられるという仕組みでございます。もう一つは財政上の措置でございまして、民間都市再生事業計画の認定というのを受けますと、認定した事業に対しまして民間都市再生支援機構による金融支援、出資、社債の取得、公共施設を代替して整備した場合の無利子の貸付け、債務保証が受けられるということでございます。これが一つのグループ。 もう一つのまとまりは、平成十六年に同法を改正しまして、まちづくり交付金制度を創設したところでございますが、これに一年遅れて平成十七年に更に改正しまして、このまちづくり交付金の行われる区域でのプロジェクトに対する、まちづくり交付金の計画の区域での民間プロジェクトに対しまして同じく国土交通大臣が認定する制度を設けまして、民間都市開発推進機構による金融支援、この場合は出資でございますが、を講じたところでございます。
○小林美恵子君 では、緊急整備地域指定や特別地区、そしてまた民間都市再生事業計画の認定に当たりまして、住民の意見の反映、参画があるのかどうか、お答えください。
○政府参考人(中島正弘君) 民間都市再生事業計画の認定の基準に、「工事着手の時期、事業施行期間及び用地取得計画が、当該都市再生事業を迅速かつ確実に遂行するために適切なものであること。」という規定、法第二十一条一項三号の規定がございまして、その添付書類の中に、都市再生事業についての事業区域内の土地及び付近地の住民に対する説明会の開催の状況、及び当該住民から提出された当該都市再生事業に対する意見の概要を提出することを求めております。これで一応チェックをしているということでございます。 さらに、認定に当たりましては、これは国土交通大臣が認定するわけでございますけれども、関係地方団体の意見を聴く、これ法第二十一条第二項の規定がございます。この規定も併せまして住民の意見を踏まえた認定がなされるものと考えております。
○小林美恵子君 認定に当たってはその地方公共団体の意見を聴く、要するにそれに対しては住民の意見が聴取されないということで理解していいですか。
○政府参考人(中島正弘君) 法律の条文上は、公共団体の意見を聴く際に、公共団体が住民の意見を聴くというような規定はございませんが、地域住民に近いところにあり、まちづくりの責任のある公共団体について、そういう役割を期待しているということでございます。
○小林美恵子君 法律上の規定はないということでございました。つまり、住民の意見が反映されないで、民間主導の開発に様々な優遇を付けて、国が支援をし、もうけるのは民間事業だということだと私は理解をしました。 そこで、今回の改正案ですけれども、民間都市再生事業計画の認定申請期限延長とございます。現在、認定件数二十四件でございますけれども、延長となれば認定件数は増えるのでしょうか。
○政府参考人(中島正弘君) 具体的に何件増えるという数字を持っているわけではございませんけれども、当然、五年の期限の延長が認められれば、その期間なりに新たに申請が出てくるということを予定し、また期待をしておるということでございます。
○小林美恵子君 では、私、具体事例で質問をいたします。 これ一部しか用意してまいりませんでしたけれども、これはUR都市機構が出しました大阪駅北プロジェクトのリーフです。いわゆる旧国鉄跡地の二十四ヘクタールの、梅田北ヤード開発と言われているものです。大阪駅前の、正に一等地と言われています。しかも、いわゆる都市再生緊急整備地域指定地とされているところでございます。このリーフには、これ小さいですから、周りがビルが一杯ということを示したかったんです。こちらがその二十四ヘクタールのところですね。この中にこのように書いてあるんですけれども、「都市再生緊急整備地域での民間都市再生事業を総合的にプロデュースし、まちづくり基本計画を実現。」とございます。つまり、私は、今回の改正案による認定申請期限延長で名のりを上げる事業計画だと察するわけです。 そこでお聞きしますけれども、この先行開発区域、七ヘクタールありますけれども、この上物の開発事業者はどこでしょうか。
○政府参考人(中島正弘君) 当該地区につきましては、鉄道・運輸機構及び都市再生機構が共同で、A、B、C三ブロックに分けまして公募をしまして、その審査を経て事業予定者が決定しております。 A、B、Cブロック、南からA、B、Cと、こういうことでございますけれども、Bブロックを都市再生機構が先行募集して、これがオリックス・リアルエステート株式会社を代表とする会社、企業グループ、それと、A、Cブロックはこれは一体として募集されまして、これが三菱地所株式会社を代表とする企業グループにそれぞれ決定をしております。
○小林美恵子君 どちらも有名な開発事業者でございますけれども、ここが民間都市再生事業計画認定となりますと、先ほど御説明があったように、金融面、税制面での優遇を受けるということになるわけでございますよね。もうけている開発事業者に優遇されていくということでございます。 そこで、先行開発区域です。この区域の容積率の緩和がどうなっているのか、そしてまた、特別地区となりますとどのようになるか、お答えいただけますか。
○政府参考人(中島正弘君) 現状、元々ヤード跡地でございまして、準工業地域が決まっておりまして、二〇〇%の容積率でございます。周りは商業地域でございますので、一応開発を前提に、周辺の商業地域と同じに商業地域に塗り直しまして容積を今決めております。これ十八年二月に決まりまして、商業地域で容積率が八〇〇のところと六〇〇のところとございます。駅に近い方、南側が八〇〇で、それで六〇〇だと。建ぺい率八〇%。あわせて、商業地域に付随するものでございますから、準防火地域を防火地域に変更します。 それと、地区計画を全体に掛けまして、整備方針とか最小限度の公共地区施設といいますか、インフラを決めたりをしております。 現在までに行われているところ、以上でございます。
○小林美恵子君 特別地区になりますと、今はいわゆる用途変更をされて商業地域になっているので八〇〇%、六〇〇%と。特別地区になるともう際限なく容積率を緩和するということですよね。
○政府参考人(中島正弘君) その後、ベースを商業地域に変えて八〇〇、六〇〇にして、今選定された民間事業者グループがプランを練っている、大体概略は決まっているんでございますが、詳細設計をしているところです。その結果、どういう都市計画を特例して、どういうことをするかというのはまだ決まっておりませんで、そういう意味では現時点で申し上げることは何もないわけでございます。
○小林美恵子君 これはUR機構のホームページから取ったものでございます。これでいきますと、いわゆるオリックスに、開発事業者となりました地域でいきますとBゾーンという地域なんですけれども、この書面には容積率は約一〇〇〇%と書いてあります。そして、地上三十八階、地下三階の高さ百七十九メートルの超高層ビルと。三菱地所の開発でいきますと、百七十九メートル、百七十三メートル、百三十二メートルという、これまた超高層ビルと、四棟が一定案としてあるというふうにございました。 これによりますと、これでいきますと、先ほどお見せしましたけれども、大阪駅周辺といいますのは、とにかくビルがすごいんです。それで、計画決定を含みますと、百メートル以上の超高層ビルが四十六棟も乱立するというふうに指摘もされています。実は、その高さの合計は富士山の約二倍弱だということでございますけれども。 そこで、大臣にお伺いしたいと思います。 こうしたことが、ビルの乱立が促進されていくということについて、大臣はどのように御認識されますか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) これは地域によると思うんですね。大阪駅周辺というのは、ここは今までは操車場、本当に暗いところだったんです。それで、大阪駅の表の方はいろいろ、私の子供の時分はいわゆるやみ市が密集していましてね、ビルなんて何もなかったんですよ。しかし、そこが今大きなビルが建ち、そして低かった阪神百貨店ありましたけれども、これも大きくなった。 そういう発展の中で、大阪人は、そういうビルは、それは全部がとは思いませんけれども、私は、自然の流れとして、大阪の顔としてまたそこが都市再生、都市としての、生まれ変わるだろうと、そしてまたその中も、最新の技術を駆使したロボット技術とか、そういうようなものを産官学で推進する場所とか、そういうものができてくるとするならば、私は、そこにそういう高層のビルが建ったとしても土地利用としては自然だろうと思います。 それが、地方都市の都心部に百メートルを超えるようなものができると、これはもう大変な話だと思いますけれども、このような大都市圏の中で、しかもそういうふうに非常に商業とかあるいは人の流れが、百万人単位の人が流れるようなところであれば、これは僕は許されるんではないかと。ニューヨークなど摩天楼を見ましても、あんなことにはならぬでしょうけれども、その方向かなというふうに思います。
○小林美恵子君 こういう御意見、指摘もあることを紹介しておきたいと思います。 梅田北ヤード開発について、元読売大阪広告会社会長の糸川氏がこう指摘をしておりました。梅田北ヤードは大阪市で残された唯一の広大な空間ですと。しかも、私企業の土地ではなく、旧国鉄が持っていた言わば国民の財産である土地です、ここに何を造るかどうかではなく、何を造ってはいけないかとの発想で取り組まないといけないと。これまでと同じように高層ビルや商業施設、ホテルでは雑然とした町の延長になる、防災に役立つような空間として考える必要があるということも指摘をされました。 さらに、梅田北ヤードの開発は貨物駅移転を枠組みに入れていることは御存じのことかと思います。移転先の吹田市や大阪市東住吉区の百済の住民の皆さんは、貨物駅が移転されますと環境が悪化するということで不安を募らせ、移転の反対の意見を上げていることも御存じのことかと思います。こうした住民の指摘とか意見を、やっぱり私は、開発するに当たっても十分に酌み尽くすことが必要だというふうに思います。 改めて最後に大臣にお伺いしたいと思いますけれども、例えばこのビルの乱立じゃなくて防災スペースの空間をつくる、こういう御指摘も踏まえまして、大臣はどのように御認識されますか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私は、メジロ押しにビルが並ぶというようなことにならないと思いますよ。私は、やはり防災ということを重視したまちづくりが行われる、そのように確信をいたしておりますし、現在この中には全く道路がないんですね、そういうところの道路整備もして、良好な都市環境をつくって、そしてその中に今あなたがおっしゃったような、委員がおっしゃったようなビルが多目的で建てられるんであろうと。 これから計画は出てくるわけで、これは一つのプランでしょうから、我々にはまだ何にも出てないわけでございますけれども、そういうことが多くの人から期待を持って語られている。反対意見ももちろんあります。しかし、ここは、前の鉄道局跡は量販店がごっついビル建てて、そしてようはやってますよね、今。そういうことも併せ考えていただきたいと思います。
○小林美恵子君 では、時間も参りましたので、あとの質問は次回に回したいと思います。ありがとうございました。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。 小泉・安倍内閣の進める都市再生は、国際競争力の強化と不動産市場の再構築が柱となって、都市部の再開発優先に進められているものであり、そこには住民の生活向上という視点はありません。一体どのような都市づくりを行おうとしているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 大都市と地方都市、いろいろあるわけですが、この法律は、制定当時にはそうではなかったわけですが、後にまちづくり交付金等が入れられまして、稚内から石垣までという日本の隅々までを対象にした都市の再生ということが行われるということでございます。 そしてまた、国際化とか少子高齢化というもの、情勢が物すごく変わりました。交通渋滞もあります、人口の集中、過疎、過密があります。そういうようなものが都市に十分対応できていないという認識の中で、これからつくられるのは国際競争力の向上と、あるいは安心して暮らせる美しい都市の形成、持続発展可能な社会の実現、自然と共生した社会の形成というようなことが一つの大きな眼目になろうと思います。 もう一つは、防災上の危険な市街地の存在というものがあります。これは、かなりの確度で今後三十年の間に発災が予想される地震、津波、そういうものがあるわけでございまして、そういうものに対応できるような市街地の形成、あるいは慢性的な交通渋滞、これは大変な損害でありますので解消しなきゃならないと、これは二つ目の眼目であろうと。 三つ目は、やはり歴史や伝統、文化、そういう、諸所に湧出する温泉というようなものも活用したまちづくりが必要であろう。そして、それは個性あふれるまちづくりが必要だと思います。 それからもう一つは、高齢社会を迎えてコンパクトなまちづくりが必要だろうと。言い換えれば、歩いて暮らせるまちづくり。遠隔地に自動車で行かなきゃならないような、買物ができないような町をつくるんではなしに、町の中で買物もできる、病院もある、そして図書館もあるというような、自分の足で歩いて暮らせるような町をつくっていかなければ私はいけないというふうに思っております。 そういうようなことを実現しながら、一方では都市機能の高度化とか、そういうことも必要であります。先ほど言ったのは都市の居住環境の向上であります。そういうことで、本来備えるべき機能を取り戻し、そして豊かで快適かつ経済活力に満ちた都市を再現するということが大きな目的であろうと思います。今後もそのような形で都市再生を推進していきたいと思います。
○渕上貞雄君 東京一極集中の反省から都市機能移転等の取組がこの間進められてきたと思いますが、この都市再生施策は再び東京への一極集中、言うなら地方都市への一極集中をもたらすようなことになるのではないかと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
○政府参考人(中島正弘君) 法律の制定当時スタートしました緊急整備地域、そこでの民間プロジェクトの認定が二十四と申しましたが、それ以外に、都市計画の特例を受けたのが二十三ございまして、ちょっと重複があるものですから、整理すると四十三なんですが。 こういうプロジェクトはどうしても民間の活力、ノウハウを生かして立ち上げようということで、ポテンシャルの高い大都市圏に集中したことは事実でございまして、その四十三のうち東京では十八のプロジェクトが立ち上がっております。したがって、割合としてはやはり高いんだろうと思います。したがって、今後は、これらの緊急整備地域、地方にもございますので、そういった地域での立ち上がりを今後は期待したいと思います。 さらに、政策としましては、二年遅れてまちづくり交付金をやって、更に一年遅れてそのまち交の区域でやはり民間事業の認定をしてというスキームをつくりまして、地方都市の小ぶりのプロジェクトにもサポートしてきたわけでありますが、こちらの方は、まち交の区域の民間事業の認定というのは実はまだ五件でございまして、今後はこういったプロジェクトの進捗も期待をしたいと思っております。
○渕上貞雄君 一九九七年にこの密集市街地整備法が制定されて以降、幾つかの改定が行われてきましたが、法施行後、密集市街地の整備はどの程度進んでいるのか、お知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(榊正剛君) 現在、重点密集市街地は八千ヘクタールということで、平成十三年の十二月に都市再生本部におきまして決定をさせていただいておりますが、この整備の進捗状況でございますと、平成十四年から十七年度末までの四年間で約三割程度というふうになっておりまして、このまま推移いたしますと、平成二十三年度末までにはプラス三割ということのようなことで、まあ六割の達成水準と、四千七百ヘクタール程度にとどまるのではないかという見込みでございます。
○渕上貞雄君 密集市街地の整備は大変今のお話のように難しいと思うんでありますが、なぜ進まないのか、進まない原因はどこにあるのか、お知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(榊正剛君) 密集市街地ということでございますので、基本的に借家で住んでおられる方とか住宅自体が小さいとか敷地も小さいとか、こんなようなこともございまして、まず、建て替えとか除却される老朽建築物に家賃負担能力の低い居住者とか高齢者の方が多うございまして、移転の受皿となる住宅が非常にその地区には少ないということもあって老朽住宅の建築物の除却が進みにくいと。 それから、関係権利者が多うございますので、かつ借地権の上に借家権といったような形で権利関係も複雑ということもございまして、用地を確保しようと思いましても、そういった関係の調整が非常に難しいと。 それから、狭小な敷地ですとか、基準法で定められております接道条件を満たさない住宅がございまして、それについて建て替えしようと思いますと、なかなかそれが現状どおりの住宅が建ちづらいと、こんなようなことがございまして整備が遅れておるというのが実態でございます。
○渕上貞雄君 では、今回、法を改正することによって密集市街地の整備はどの程度進むと考えられるんでしょうか。先ほどのお話では、三割程度今までもう済んだというようなお話でございますけれども、目標達成はできるかどうか。その点、いかがでございましょうか。
○政府参考人(榊正剛君) 先ほど、三割で、さらに見込みで三割ということでございますので、残り四割が平成二十三年までに何とかやっていかにゃいかぬと、こういうことでございます。 実は、密集市街地の整備をこれ全面クリアランスで全面再開発するということになりますと、一つのプロジェクト、十年掛かろうかということもございますので、なかなかそういうやり方では難しいという点がございます。地区全体をクリアランスするんではなくて、一定規模以上の道路、公園とか、不燃建築物をある程度造りまして、地区全体の四割ぐらいになるような仕事の仕方というようなことでやっていくプロジェクトというふうに思っております。 そういうことを前提にいたしまして、それでもなお受皿住宅が不足しておるという点に言えば、容積適正配分型地区計画制度を設けまして、道路がなくても容積率移転ができる。ただし、その地区計画で道路だけはきちっとできるよというのを確保しておくといったような形で十分な受皿住宅の整備を事前に整備ができるようにしようというようなことですとか、公共団体の要請によりまして都市再生機構が受皿住宅を整備できるようになりますので、そういったような形で受皿住宅の不足に対応していきたいと。 それから、地区の中で六メートル程度の幅員の道路を造っていくということになりますが、そういった意味では、強制力を備えた防災街区整備事業でございますけれども、これは現在、非耐火建築物で三分の二以上となっておりますのを、地震のときに大火災が起きるというような実態も踏まえまして、耐震化されていない建築物も非耐火と同じような位置付けだということで、非耐火と非耐震の建築物で三分の二以上あれば事業ができるという形で、ある意味で緩和を行います。 それから、第二種市街地再開発事業も五千平米ということですが、なかなか五千平米ということになりますと、この五千平米自体が全面クリアランスということになりますのでなかなか難しいというふうなことで、そこについては二千平米に緩和するといったようなやり方で道路と住宅の建設を一体的に進めるような仕組みもつくろうと。 それから、先ほど申し上げました容積適正配分型地区計画制度ですから、必ず道路ができることを前提に受皿住宅を先に造って、受皿住宅ができますとその後に老朽建築物を除却をして道路整備を行うと、こういうことになろうかと思います。 それから、都市再生機構がコーディネート機能を持っておりますので、そういったコーディネート機能を活用いたしまして、公共団体の要請を受けまして受皿住宅と道路とか公園といったような公共施設を一緒に整備をするというようなことをしたいと思っております。 それから、現状の建て替えが困難ということにつきましては、先ほども申し上げました防災街区整備事業、第二種市街地再開発事業を活用すると同時に、実は建て替え計画の認定をすればいいということになっておりましたが、建て替え計画の認定自体がどちらかというと建築物の除却費だけが補助対象になっておりまして、なかなか建物を除却すること自体が権利者の調整が要りますので、それを民間にお任せするというような形になっております。これを税制上の優遇措置をつくりまして、事業用資産の買換え特例とか不動産取得税の課税標準の控除をいたしまして、ある意味のインセンティブを付けることによって地権者の自発的な建て替えを誘発すると、こういったような施策を取ろうと思っておりまして、こういう施策を取ることによりまして事業上の隘路を解消し、平成二十三年度までですが、その残り四割にもめどを立てたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○渕上貞雄君 重点密集市街地の整備、改善の目標として最低限の安全を確保するとありますけれども、最低限の安全とはどのような町を考えているのか、どのような町を想像すればいいのか、お願いいたします。
○政府参考人(榊正剛君) 先ほども、最低不燃化領域率四〇%程度というふうに申しましたが、これは大地震の際に発生する火災で人的被害が発生しないという水準として、不燃化領域四〇%。不燃化領域は何だといいますと、六メートル幅員以上の道路ですとか公園ですとか耐火建築物の敷地と、こういったようなものを合わせまして地区全体の四〇%以上を占めるような地区の整備を図るということを目的といたしております。 実は、不燃化領域三〇%の場合、こういったような大火災が起きますと市街地の焼失率が八割程度というのが経験値で分かっておりまして、それが極めて危険な状態だということでございます。この不燃化領域率が四〇%になりますと市街地の焼失率が急激に落ちまして、八〇%から、逆に言うと二〇から二五%程度に落ちるということでございます。さらに、この不燃化領域率が六〇%ないし七〇%になりますと、市街地大火の場合の焼失率というのは、個別に住宅が焼けるのは仕方がないとしても、市街地大火災になるということはほぼゼロ%になると、こういうようなことになっております。 したがいまして、市街地の焼失率を二〇から二五%程度になるようにいたしますと、密集市街地で火災が起きましても全面的な火災にはならないということと、ほとんどすべての方が広域避難場所へ避難することが可能となる、こういうような事柄もありますので、不燃化領域率四〇%を目標に密集市街地の整備をすると、こういうような考え方を持っているところでございます。
○渕上貞雄君 先ほども少しお話がございましたが、密集市街地における建て替え計画の認定制度がありますね。その実績が大変低いと今お話を聞きましたが、どのような実態なのかをお知らせ願いたいと思います。なぜ利用が少ないのか、その原因はどこにあるのか、お知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(榊正剛君) 委員御指摘のように、実はこの建て替え計画の認定制度の実績というのが平成十一年に一件だけでございまして、この一件にとどまっております。 先ほども御答弁を申し上げましたけれども、その際、この建て替え計画自体が、木造建築物を除却して延焼防止効果の高い建築物へ民間が自主的に建て替えをしていただくということでございますけれども、それについてのインセンティブというのは、実は建築物の除却費といったような補助制度しかないということでございます。 ところが、建て替え計画の認定ということになりますと、密集市街地の中で敷地を共同化しながら建築物を整備する、すなわち民間の中で権利調整をした上で計画を立てると、こういうことになります。そうしますと、民間の中で除却分の補助だけで、じゃ借家権、借地権の権利調整は全部民間の方で自主的にできるかということになりますと、これはなかなか難しいという部分があると、こういうこともございましてなかなか進んでいないというふうなことではないかと思っております。 したがいまして、こういった権利調整に必要な資産の買換えですとか譲渡についての税制上の特例を新設することによりまして建て替え需要にインセンティブを与えることにいたしまして、建て替え計画の活用によります民間の自主的な建て替えの促進を期待をしていると、こういうことでございます。
○渕上貞雄君 時間でございますので、質問を通告しておりますが、大臣以下、次回にいたしますので、よろしく。 終わります。
○委員長(大江康弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十七日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認めます。 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十九分散会