厚生労働委員会 第30号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/06/18
会議録
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、片山虎之助君、舛添要一君、直嶋正行君、山本保君及び松村祥史君が委員を辞任され、補欠として荻原健司君、森ゆうこ君、谷合正明君、坂本由紀子君及び武見敬三君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 日本年金機構法案、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案及び厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 本日は、三案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介申し上げます。 まず、早稲田大学法学学術院教授・法学博士・社会保険新組織の実現に向けた有識者会議座長の佐藤英善参考人でございます。 有限会社セレーノ代表取締役・社会保険新組織の実現に向けた有識者会議委員・社会保障審議会年金部会委員の杉山千佳参考人でございます。 次に、株式会社日本総合研究所調査部主任研究員・社会保障審議会年金部会委員の西沢和彦参考人でございます。 次に、中央社会保障推進協議会事務局長の山田稔参考人でございます。 函館大学客員教授の磯村元史参考人でございます。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。当委員会を代表しまして、私の方から御礼を申し上げます。 参考人の皆様から忌憚のない御意見をいただきまして、三法案の審査の参考にさせていただきたいと存じます。忌憚のない御意見をお述べをいただきたいと思います。どうぞよろしく一日お願いいたします。 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと思います。 なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のままで結構でございます。発言は、私の方から指名をさせていただきますので、挙手の上、よろしくお願いをいたします。 それでは、まず佐藤参考人にお願いをいたします。佐藤参考人。
○参考人(佐藤英善君) 先ほど御紹介をいただきました佐藤英善と申します。早稲田大学で行政法を専攻しております。このような貴重な時間をいただいて、いろいろ意見を述べさせていただく機会をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。 私は、平成十七年に、七月でございましたが、厚生労働大臣の下に設けられました有識者会議、これは社会保険新組織の実現に向けた有識者会議でございますが、その座長をしておりましたし、かつて公務員制度調査会の委員もやっておりましたので、本日は、行政法の研究者という立場に加えまして、今のようなこれまでの多少の知見も加えさせていただいて、発言をさせていただきたいと存じます。さらに、やはり私も被保険者の一人でございますから、国民の立場からも是非いろいろ述べさせていただきたいと存じます。 まず、この間、私自身も唖然と実はしております。というのは、やはりかつて年金制度の基金がいろいろ無駄遣いされて蚕食されてきましたし、もう一つは、基本的に国民の立場に立った運営がこれまで行われてきたとは言えなかったからでございます。 まず、問題の所在と背景ですが、今回の年金制度の運用の問題点は、ずさんな年金記録の管理問題に象徴されておりますように、すべてここに表れているかと存じます。 御案内のとおり、年金番号への未統合の記録であるとか、オンライン上に収録されていないがマイクロフィルム上には存在するとか、オンライン上にもマイクロフィルム等にも記録がないけれども領収書等によって納付が判明している例とか、こういう例ございますけれども、オンライン以前の台帳管理とか磁気テープ化する際のミスとか、あるいは完全な番号制度の実施の遅れ、あるいは基礎年金番号への統合の遅れ等、いろいろその原因はございますけれども、制度改変時の対応や名寄せのプロセス、その進捗状況等の工程管理並びにチェックシステムなど組織管理の基本を欠いていたと、制度を統括する経営レベルあるいは具体的に現場を預かる職員の皆さんのレベルでもやはり十分国民の立場に立った運営は行われてこなかったと存じます。そして、年金制度の運用が基本的に申請主義で成り立っていることが示しますように、先ほど申し上げましたように、国民の立場から制度設計あるいは運用が行われてきたとは言えない。そういう意味では、組織的管理責任、長期的見通しに立った管理体制が確立していたとは言えないのではないかと、そういうふうに指弾されてもやむを得ないと存じます。 改革の経緯でございますけれども、社会保険庁は、このような様々な問題が生じる中で、平成十六年に民間出身の長官の下で社会保険庁改革を進めてまいりました。一つは国民サービスの向上、二つは予算執行の透明性の確保、三つ目は個人情報保護の徹底、四つ目は保険料徴収の徹底、五つ目が組織改編などであります。 組織改革につきましては、有識者会議を設置して議論してまいりまして、平成十八年の通常国会にねんきん事業機構法案、国の特別の機関としてつくるという提案をいたしましたけれども、その間、国民年金保険料の免除等の事務の不適正な処理等がございまして、結局、審議未了、廃案になったわけでございます。このため、今回新たに日本年金機構法案、法人化の問題と非公務員化を盛り込んだ法案が提出されたと、こういうことでございます。 有識者会議で特に組織の問題を検討したわけでありますけれども、年金問題は国民サービスをいっときも中断するわけにまいりませんから、並行して業務改革など、いわゆるねんきん定期便等がその一つでありますけれども、その導入、あるいは人事制度の見直しと並行してやっておりました。 他方、組織改革のポイントは次の四点にございます。 第一は、国民の老後の生活を支える年金の管理運営は、国民の皆さんに安心してお任せいただくためにも、国の責任において行う。この点については、今回の法案でもこの大原則はきちっと堅持されておりますから、私どもとしても十分賛成できる点でございます。さらに、年金記録の管理責任、これが国民から見ればこれで大丈夫かと、こういうことでございますので、この点についても国に責任がきちっとあると、そういう観点から法案ができておりますので、その点でもよろしいかと思っております。 第二の点は組織のつくり方の問題でございますが、役所の行政の組織はそれぞれが監査とか監督とか仕組み、監督の仕組みはございますけど、必ずしもきちっとございません。お金のことは会計検査院、業務監察は総務省の行政監察局、こういうことですので、まず意思決定機能、執行機能、監査機能という三つの機能を強化してその役割分担をきちっとしていくという、さらに被保険者や事業主の意見等を反映できるような業務運営ができるようにする、これが一つの課題でございました。 意思決定につきましては、通常の省庁ですと独任機関、トップが一人でありますけれども、そうではなくて、今回、私どもの考え方は合議制機関をきちっと取る。今回の法案でも、理事会が設けられ、そこに合議制機関が設けられる、さらに非常勤理事などを置きまして、外部の知見を持った意見を述べていただく機会、民間企業にある外部の非常勤取締役のような役割を担う機構も盛り込んでございますので、この点も賛成できると思います。 それから、新法人には運営評議会を設けるという構想でございますから、私どももやはり年金受給者などの意見を反映していただく組織を是非つくってほしい、こういうことでございましたので、これもよろしいかと思っております。平成十六年の夏に社会保険事業運営会議を社会保険庁、設けましたけれども、日本年金機構でも同様な組織をつくっていただくことが重要と考えております。 監査機能につきましては、これは、他の独立行政法人などと同様に、監事による業務監査、会計監査等を設定する、さらに外部の会計監査人ないしは監査法人による適正な監査が行われるような仕組み、これをきちっと取り上げる。 業務執行については、それを担うのは人でありますから、その人たちが適正かつ効率的な業務執行ができるような人事制度をつくる。能力主義、実績主義に応じた人事とか、あるいは研修等による人材育成とか、あるいは民間のノウハウ等を十分取り入れ、業務の特性に合わせた人事管理ができるようにする、顧客サービス本位でコスト意識を十分持った、そういう職員の採用とか育成等を行っていく、こういうことが重要だと存じますけれども、今回は非公務員化するわけでございますから、この点は更に効果的に実現できると思います。 第三は、年金制度の仕組みや運用が年金加入者の立場に立ったものとならなければならない、こういうことでございます。 これは、先ほど申しましたように、典型例がすべて申請主義に過度に依存してきたんだと。御本人のことは御本人が一番知っているはずだ、法律も申請主義ででき上がっている、年金の裁定時に本人の申出に基づいて記録を確認したり訂正したり基礎年金番号に統合すればよいという発想、これらが大体、日本の行政一般の基本的考え方なんですね。大体やる側の論理で、行政を行う側の論理でほとんどでき上がっている。これが、公共サービスという分野になると著しく国民を軽視する形の運用になりかねない。今回はそれが典型例だと思います。 途中で申し上げましたように、業務改革で百六十項目にわたる業務改革を進めておりますけれども、これは今申し上げた点を勘案した結果でございます。 この点に関連しましては、総務省に第三者により構成された委員会などをつくって不明な被保険者資格の認定を行う、こういうことでありますし、あわせて、これまでの年金制度の運用の問題点を洗い出すために、行政監察の一環ですけれども、検証委員会が設置され、既に活動を始めている。大変喜ばしいと思います。 第四が、年金制度やその運用を行う人の問題、職員の問題でありますけれども、これは法人化あるいは非公務員化の問題でございますので、その点について申し上げます。 今回、法人化と非公務員化が提案されておりますが、その意義は二つあると存じます。 一つは、国民の目から見て、年金制度の運用はもはや行政組織にはゆだねられない、公務員には任せられない、そういう根強い不信感がございますので、今回思い切って非公務員化することによって国民の信頼を回復せざるを得ない。国も本当にやる気があるのかと、そういうことでありますから、これを非公務員化することによってその意思もきちっと示す、働いている皆さんも血を出す面があるかもしれませんけれどもやむを得ない、こういうことだと思います。 もう一つは、やはり非公務員化することにより年金業務にかかわる職員制度改革のメリット。これは幾つかございますけれども、やはり年金制度という業務の特性に合わせた人の採用あるいは登用、そういうことができるような仕組みが取れるかと思います。 それから、次の問題でありますが、職員の給与なんかの設定につきましても、公務員の場合ですと、やはり労働基本権の制約があることから、これは法律で定められた俸給表、人勧を基準にした給与表等を作っていくわけでありますが、そうすると、やはり柔軟性を持たせるとしてもやはり制約がある。 一方、日本年金機構は非公務員化するわけですので、独自の給与体系をつくることができますし、勤務年数に応じた部分とか能力、実績に応じた部分、役職の重さ、あるいは新法人の業務や組織の特性、こういうものを勘案した、最適にそれを組み合わせた制度がつくれるでしょうし、能力と実績に応じた在職管理、昇任昇格等が行い得るんではないかと思います。採用も、独自に業務に合わせた基準で採用できる、そういうことですので、非公務員化はこれはやむを得ない、あるいはその方が的確な制度が設計できる、こういうことだと思います。 それから、公的なサービスの問題でございますけれども、やはり年金業務は大量の実施業務を行いますので、現在、普通ですと、通常の行政組織でやれませんから、社会保険庁のような外局にするとか、あるいは独立行政法人や特殊法人などの公法人にしていく、これが行革の流れでございますが、やはり法律で業務が定められる独立行政法人や特殊法人は営利企業ではありません。民間との競争関係にもありません。このことが親方日の丸風の意識、ぬるま湯につかった運営に陥る危険性がございますけれども、しかし、今後業績が悪ければ、問題があれば、国会の御判断で法律改正などにより廃止も可能ですし、業務の見直しも可能です。大臣から任命された役員の更迭も可能でございますので、日本年金機構はより緊張感を持った規律の高い組織にできる、こういうことだと思います。 最後に一言申し上げますが、やはり年金問題は国民の老後の生活を支える生命線です。今日、国民のだれもが、我々の老後は大丈夫か、国は一体何をやっているのかと、正に国や行政、そして政治の意義さえ問われかねない、こういう実情にございますので、まず、年金制度については国が責任をきちっと持つ、年金記録問題についても徹底して調査を行い、権利が時効で消滅することがないよう対応をしていただくなどの点を今回更に明確にしていただけると存じます。そして、国民をいっときも早く安心させていただきたい。 もう一つは、今社会保険庁に働いている職員の皆さんも、今後自分の身分がどうなるのかと大変不安な状況で仕事をなさっていると思います。早く制度改変をするならするで決断していただいて、新組織への業務のバトンタッチを早急にやっていただきたい。そのために、是非、先生方におかれましては、今回の政府提案の日本年金法案や年金時効特例法等の関連法を早期に実現していただければ、私としては大変有り難いと考えている次第です。 以上でございます。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。 次に、杉山参考人にお願いをいたします。杉山参考人。
○参考人(杉山千佳君) ただいま御紹介をいただきました有限会社セレーノ代表取締役の杉山と申します。 本日は、参考人として陳述の機会をいただきまして、厚くお礼申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は元々、子育て支援や少子化対策に関する分野でジャーナリストとして活動する傍ら、家族政策に関する新しい制度や仕組みづくりの問題、現場における子育て支援のNPO法人と行政の協働のコーディネートなどに従事しております。その立場から、平成十四年から始まりました社会保障審議会の年金部会委員と今回の年金部会、そして平成十七年から始まりました社会保険新組織の実現に向けた有識者会議にも参加させていただきました。今日は、その経験を踏まえて意見を述べさせていただきたいと思っています。 まず、今回の記録問題などを見ておりますと、国民は非常に不安を感じているのだということを実感します。では、何に不安を感じているのかといいますと、私の年金大丈夫かしらという目の前のこともさりながら、実はもっと漠然としたところで、ただただ未来に対して不安を感じているのではないかといった印象を持っております。 ここで国やマスコミが行うべきは、何か悪いところを見付けては糾弾し、不安をあおり、国民を混乱させることではなく、何が不安をもたらしているのか、その要因を突き止めてそれを取り除き、少しでも安心して暮らしていけるよう正しい情報提供を行い、環境を整備することではないかと思います。 この不安の根っこには少子高齢化があると思います。子供の数がどんどん減っていくというこれまで日本が遭遇したことのない事態に陥り、今までのやり方が通用しなくなり、これからどうしていいか分からなくなってきているのではないでしょうか。子育て支援の現場にいてつくづく感じることですが、これまでの価値観ではもはや駄目なのだということを国民一人一人が謙虚に受け止め、意識を変え、行動を変えることが求められているのだと思います。 具体的な不安の問題に話を戻しますと、第一は老後の不安があります。そこには、年金制度そのものの不安と、実務を担当する社会保険庁に対する不信、根本的なところで少子化などがあろうかと思います。 年金制度そのものの問題は、今議論しています年金部会などで集中的に検討し、実務を行う社会保険庁の問題とは切り離して考えた方がよいように思いますが、二点だけお話をさせていただきますと、ワーク・ライフ・バランスの推進を始め、これまでの終身雇用の働き方とは違った多様で柔軟な働き方でだれもが働く時代に突入したと思います。年金制度もこうした変化に対応した制度であることが求められています。制度が私たちの新しい働き方を妨げることがないよう御配慮いただきたいと思います。 そして、年金制度は世代間の扶養で成り立っていること、不安がっている御高齢の人たちを支えているのは、少子化で人数の減っているもっと不安で不安定な若い人たちであります。若い人たちは大人のしていることを見ています。先々、私たちの子供たちに過剰な負担を負わせるようなことは避けていただきたい。互いに譲り合う気持ちの中でみんなの幸福を探っていけたらと考えております。 さて、信頼できる年金制度をつくったとして、それがよく機能しなければ制度そのものも信頼はなくなってしまいます。今の年金制度はこのような危機にさらされていると言えます。とにかく、どのような制度になろうとも、しっかり機能する組織として出直していただきたいと切に願っております。 私は、新組織実現に向けた有識者会議に参加させてもらって、社会保険庁という役所がいかに旧態依然とした古くて硬直化した組織であったかということを目の当たりにしました。今の村瀬長官は、この組織を改革するために平成十六年に長官に就任されたのだと思います。その後、有識者会議で議論をして感じたのは、少なくとも今の社会保険庁はこの事態を重く受け止め、庁を挙げて改革を断行しているなということでした。その間にも、現場の事務所で収納率を上げるために不適正な事務処理をしたといった問題が発覚し、指示系統が分断されているなど風通しの悪い組織の仕組みの問題が浮上したりして、委員は皆ひどくがっかりもしました。それでも、年金に対する不安や不信を少しでも取り除くためにこの組織が変わってくれることを祈ってやってまいりました。 その流れでいいますと、今回の記録の問題も、社会保険庁改革を進めてきたから問題が表面化してきたことであり、なぜこのような問題が起きたのか、なぜ発見が今になってしまったのか、原因の追求は徹底的に行っていただきたいですし、ミスはきちんと訂正していただきたいですが、それ以上に、過去のずさんさを今責め立てても建設的ではないと思います。改革を進める中で出てきた過去の問題ですから、改革はある意味前進していると言えるでしょう。ここで無駄に時間をロスするよりは、国民の皆さんに、今社会保険庁は何をしているのか、新しい組織とはどのようなものかを十分に説明し、粛々と業務を進めていっていただければと思います。 以下、新組織に対して五点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。 役所はこれまで窓口に来たら対応するという方法を取ってきたようですが、これからはユーザー側の立場に立ってこちらから情報を届けるという仕組みに切り替えるべきだと思います。ねんきん定期便という新しい通知制度ができたわけですから、このサービスについてももっとPRし、窓口に行って何時間も待たされなくてもちゃんと手元にあなたの情報が届きますよということを周知した方が、私たちは安心するし、自分の年金だということに対しての関心も高まると思います。これらもユーザーである国民の意見を聴いて対応を改善していくなど、利用者本位でサービスの向上に努めていっていただけたらと思います。 次に、年金教育についてですが、国民の年金に対する理解が余りに表層的だと感じています。スウェーデンの中学生の公民の教科書には、社会保障の説明や年金制度についても、制度や仕組みで説明するのではなく、年を取るとはどういうことか、自分の親やおじいちゃん、おばあちゃんが年を取るとどうなるのかといった身近な生活の問題として理解できるように書いています。我が国の教育問題にも関係しますが、私たちを守る生活の根底にある制度の話ですから、単に暗記して知識にするのではなく、何をどのように若い人に伝えていくか、教育の専門家などとも意見を交えて考えていっていただけたらと思います。できれば、授業の中にもきちんと組み込み、指導内容そのものの検討もしていっていただけたらと思います。 また、新組織は様々な経過の中で非公務員化による新しい法人として再出発しようとしています。そこでは、これまでできなかった国民の漠然とした不安を取り除くサービスを是非行っていただきたいと思います。具体的には、年金や社会保険とライフプラン、それにまつわるお金の相談など包括的に乗れるような窓口を是非設置していただけたらと思います。高齢化社会において豊かな老後とはお金があることだけではないと思います。日々の暮らしの中で、何にお金を使って人生を楽しむのか、医療、介護、そして次の世代をどうはぐくむか、国民にとってはすべて自分の問題であり、縦割りで処理できる問題ではありません。そんな血の通った会話ができる窓口を私たちは求めています。 残り二つは組織に対してですが、どんな事業を行うときでも常に費用対効果については検証を続けていただきたいと思います。 税金なり保険料なり、国民の負担の下で業務が行われるわけですから、幾らお客様主義とはいえ、必要以上のことはしていただかなくても結構だと思っています。常に国民の信頼をかち得るという視点で必要な業務を精査して行っていただけたらと思います。そのためには、検証、評価、改善、実施の繰り返しが大事だと思います。マンネリズムに陥らないよう自己管理しながら、併せて外部評価も受けながら進めていっていただけたらと思います。 また、有識者会議の議論を通して私が特に実感しましたのは、社会保険事務所に勤務している人たちの顧客満足度に対する意識の低さでした。どちらを向いて働いているのか、何を目指して働いているのかといった動機付けもないままやってきたのだろうかと思ってしまうことも少なくありませんでした。 近年、村瀬長官は積極的に現場に出向き対話を行うなど改革はかなりよくやってきているかと思いますが、職場の風通しや雰囲気を良くすること、前向きな気持ちでみんなが一体となって働ける職場づくりは、利益を追求する組織でないだけに難しいとは思いますけれども、だからこそ重要だと思います。研修などを通して意識とスキルの両方を高めるような人材養成を行ったり、組織運営や人材の採用なども外部のアドバイスを受けながら積極的に変革していっていただけたらと思います。 繰り返しになりますが、社会保険庁を改革しただけではこの国民の不安のすべてを取り除くことはできないと思います。少なくとも大きな要因の一つを取り除くことはできるのではないかと思います。当たり前のことを当たり前に行うというのは言うはやすしで実は難しいことではありますが、それこそ信頼につながります。私たち国民ものど元過ぎればにならないよう、自分の問題として見守っていきたいと思っております。 以上をもちまして私の意見を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。 次に、西沢参考人にお願いをいたします。西沢参考人。
○参考人(西沢和彦君) 日本総合研究所の西沢和彦でございます。 本日は、大きく分けまして二つのことを申し上げさせていただきたいと思います。お手元にレジュメを配らせていただいておりますので、これに沿って話を進めてまいります。 一つは執行機関改革。社保庁改革と申しますのは、行政、制度を運営する執行機関の改革であるというふうに位置付けられると思いますが、執行機関改革に必要な視点と改革の方向性について、まず述べさせていただきます。 社保庁改革を行うというのは、社保庁をたたいて留飲を下げたり、懲らしめて喜ぶというものではなく、あくまで国民が幸せになるためのものであり、社会保障制度がより便利に低コストで確実に執行されるために何をすればいいのかといったことが大目的であるというふうに思います。 これも具体的に六つほど申し上げますと、一つが納税協力費用、英語で申しますとタックス・コンプライアンス・コストというふうに言いますが、これと行政費用の抑制です。 タックス・コンプライアンス・コスト、納税協力費用とは何か。我々は日々、税、社会保険料を支払うために金銭的、時間的なコストを費やしております。税理士、社会保険労務士の方への委託費用あるいは人事部の人件費、パソコンソフト、ハードの費用、あるいは納税に係るあれこれ思案を巡らせる時間などなど、こういったものを納税協力費用と申します。 税理士の先生が税務職員より多いことを考えても納税協力費用は膨大に上るといったことは想定されますし、これは米国の推計ですけれども、IRS、内国歳入庁のコストが年間九十五億ドルであるのに対して、米国政府の推計では納税協力費用は一千七十億ドルから一千八百五十億ドル、十倍から二十倍に及んでいると、こういった推計が出ております。 そうしますと、行政費用と、我が国では税、社会保険料合わせて約二兆円ございますが、行政費用と納税協力費用、これをトータルで合わせてより安くしていくといったものが徴収機関、執行機関改革の大目標の一つであるはずです。まず、こういった目標が今回の日本年金機構法案の中にあったのか、あるのかといったことを一つ問いたいと思います。 二つ目が国民の利便性の向上です。 例えばこういった事例がございます。税制で社会保険料控除という控除があります。国民年金の第一号被保険者の方は、社会保険料の納付証明書、これが社会保険庁から手元に送付されてきます。第一号被保険者は全国で約二千百万人おられますが、納税者はそれを受け取って確定申告書に添付してまた税務署に出すと、国からもらった紙をまた国に出す、こういった無駄が行われているわけです。これも例えば税と社会保険料が一括徴収されていれば無駄が省けるわけです。 これ以外にも、例えば事業所の方。税、社会保険料、国税は税務署に、地方税は市町村に、社会保険料は社会保険庁と都道府県ごとの労働局にそれぞれ納めると、こういった無駄もあるわけです。こういったことが省ければ、事業主の方は本来の事業によりお金と時間を投入することができると。どれほど経済成長に寄与するか分かりません。 第三に、制度と執行のバランスです。 執行というのはあくまで制度をうまくオペレーションしていくためのものです。我が国の社会保障制度というのを見ますと、非常に執行の難しい制度になっていると私は思います。例えば、国民皆年金、このような崇高な理念を私ども持っているわけですが、所得のない人からも保険料をきちんと払ってもらいそれに応じて給付を行うというのは、制度としては、非常に理念としては美しいですけれども、いざ執行してみるとなると非常に困難なことがあります。それが現実のものとなって現れているのが、国民年金保険料の未納、未加入問題。特にこれは社保庁の方々の責任に帰されるところが多いですけれども、制度自体、非常に執行の難しいものであるといったことを認識する必要がございます。 また最近では、現在法案が出されているかと思いますが、厚生年金のパート適用拡大問題。現在は正社員の労働時間の四分の三という単一の基準ですけれども、ここに九万八千円という年収基準を設け、さらに、従業員規模三百人以上という事業所の規模基準を設けると。千二百万人いるパートの中からこれらの基準を満たす人たちをピックアップするというのは、大変な仕事になってしまいます。 そうしますと、これだけの制度を執行していくためには、本来であれば費用をより掛けなければいけないかもしれない。国民皆年金という我が国の目標を達成するためには、もっとオペレーションにコストを掛けなければいけないかもしれない。それはお金だけではなくて、行政者の説明であったりするわけです。そうしますと、費用削減一辺倒、六分割といったスローガンの下で執行機関改革をしていくことが、果たして社会保障制度の安定的な運営につながるのかといったことを第三に問わなければいけないかと思います。 第四に、執行の強化です。 これは、昨年九月、総務省行政評価局の調査でも明らかになりましたが、厚生年金に入っている事業所は、適用している事業所は現在約百六十万、加入していないと推計されるものが六十三万から七十万、加入していない人たちとみなされる方々が約二百七十万人、これだけの方々の未適用事業所、未加入者がいると。この数字以上に深刻な事態です。例えば、転職を繰り返している、中小零細な事業所にお勤めになっている方々、本来は最も老後の所得を保障されなければいけない方々が老後所得が不安定な状況に陥っている。これは是非とも食い止めなければいけません。 厚生年金の適用拡大といいましても、執行に穴があったのではパート労働者に対する適用強化といったこともできないわけです。制度と執行というのは両輪であって、これからを考えますと、就業形態の多様化、労働の流動化などなど、適用の強化といったものはますます難しくなると考えられます。そうしますと、執行機関改革に当たっては、こうした方々をきちんと社会保険の適用できるかどうかといったことが十分に練られていなければいけません。 第五に、社会保険料の性格に合致した執行機関へといったことです。 これはやや抽象的なことかもしれませんが、ちょっと辛抱してお聞きいただきたいと存じますが、社会保険料というふうに保険料の名を付けられて我々は日々徴収なり納付を行っておりますけれども、保険料と名は付きつつも、もはやこれは非常に租税に近い形になっております。と申しますのも、幾つか理由がありますが、賦課方式で運営されていると。現役の所得から一定割合を払ってもらわないと、もう制度は数年たてば立ち行かなくなってしまう。どうしても払ってもらわなければいけないものであると。したがって、強制徴収をしていると、税と同じく。さらに、所得再分配を世代間、世代内で行っていると。先ほど世代間扶養という言葉もありましたが、そのとおりでして、若者がきちんと払わないと年金給付もできない、高齢者医療の給付もできないわけで、さらに、世代内でも所得再分配を行っております。 このように、社会保険料と保険料の名は付きこそすれ、税の色彩が非常に強くなっているわけです。これは我が国だけではなく、先進諸外国でも、例えば、米国が社会保障税と呼んでいたり、近年のイギリスが税と社会保険料の整合性といったことを目指して改革を進めてきたりしている事例に見られるように、先進諸国でも共通の事例です。そうしますと、税という性格により合致した徴収執行機関に改めていく必要があるということです。 六番目に、これが日本年金機構法案のメーンテーマだと思いますが、組織及び役職員の質改善、維持といったことがあると思います。 今申し上げましたことというのは、いずれも国民のためにどうすればいいかといったことを私なりに考えたもので、大方の方はこれに異論はないというふうに私は思います。 そうしますと、この一番から六番、六個申し上げましたが、を実現していくために何を真剣に考えなければいけないのかといいますと、社保庁の組織論にとどまらず、税と社会保険料を一括して集めるという中で、納税者の利便性を高め、コストを削減し、執行を強化していくといった方向が求められると思います。 私は、この税と社会保険料一括徴収は非常に重要なテーマであり、先進諸外国でも行っており、戦後、我が国の税制の礎を築いたシャウプ勧告でも勧告されておりながら、今回全く真剣に議論されてこなかったと思っております。社会保険新組織の在り方を考える有識者会議は元々、社会保険庁を税とは独立に分離して組織をどう考えるかといったものでしかなく、税と社会保険料の一括徴収といった重要な選択肢を冒頭から排除してきたものであるというふうに考えております。 したがいまして、日本年金機構法案そのものについては、本来であれば私は、税と社会保険料の一括徴収を有力な選択肢としてもう一回議論していただきたいところではありますが、さはさりながら、日本年金機構法案について申し上げたいと思います。それが申し上げる第二番目の点です。 非公務員型、民間的な勤務条件、これと組織及び役職員の質改善と因果関係が不明確であるということが一つ挙げられると思います。 非公務員になれば組織の倫理が向上してモラルがアップするのかというと、これは明確な因果関係は認めることができません。そうであれば、今社会保険庁の職員の方が公務員の身分でありながら日々努力されているといったことはなかなか説明が付きにくいですし、民間企業であればモラルがアップするのであれば、今介護保険で話題になっているようなことも起きないかもしれません。さらに、非公務員で倫理観、モラルがアップするのであれば、今不祥事の起こっていない行政組織についても予防的に民間組織に、非公務員にしなければいけないはずです。税務署の職員だって非公務員にしておけば今後不祥事は防げるかもしれません。警察署、消防署の方々も非公務員にすれば不祥事が事前に防げるかもしれません。 二番目に、強制徴収委任の実効性についてです。 今回、強制徴収委任を財務大臣に対して行うことができるというふうになっておりますが、これについては二点疑問を持っております。 強制徴収を行うためには、滞納者が悪質であるとまず日本年金機構が判断しなければなりませんが、資産、所得を課税ベースとする、特に資産を課税ベースとする税目を持っていない日本年金機構、企業の利益を課税ベースとする税目を持っていない日本年金機構が早くこの悪質性を認定できるのかという問題が一つございます。 もう一つは、日本年金機構から厚生労働大臣そして財務大臣、国税庁長官というふうに強制徴収を委任するルート。強制徴収して債権を確保するためには、スピードが必要です。時間がたてばたつほど、債務者、納税者の資産状況は劣化し、又は資産隠しが起きかねません。そうしますと、スピードが要求される中で、こういった経路にしたままスピーディーな強制徴収ができるのかといったことがあると思います。 第三に、職員の採用についてです。 第三者機関にこれは委任すると、職員採用のみならず、また業務委託範囲についても第三者に委託すると言っていますが、そもそもこの第三者といったものが理論的に存在するのかといったことに私は非常に疑問を持っています。だれかが選ぶ以上、第三者ではあり得ないわけで、また国会の中で国会議員の先生方が国民の負託を受けて登場している以上、ここで重要なことを決めないで第三者に委任する、国会で法律でそれを第三者に委任するというのは、国会というのは一体何なんだという気もいたします。白紙委任のような気がいたします。 さらに、第三者機関で、社保庁からこの人たちはいいですよと名簿を送られるというふうになっておりますが、ここには社保庁の旧職員の方々以外の応募も加わるべきだと私は思います。意欲のある社労士の方あるいは企業で人事労務畑の長い経験のある方、意欲の高い方、こういった方々も既存の社保庁の職員の方々同様に同じテーブルに立ってコンペティションが行われるべきであるというふうに考えております。これが明らかではありません。 最後に、年金事務費について。 今回、保険料が年金事務費について使えるということが恒久化されることになる模様でございますが、年金事務費で最もコストが掛かるのは、この未納者や未加入者に対する督促や納付勧奨などであると思われます。特に、国民年金推進員の方、七千人おられますけれども、この方々の経費が事務費か給与費かといったことが国会でも議論になっておりましたが、事務費ということでありますけれども、年金保険料をまじめに払わない方々に対する納付督促や勧奨、これをまじめに保険料を払っている方の年金保険料を財源に行うことが、年金保険料をまじめに払っている方々に対する背任行為ではないか、私はこのように考えるわけです。 しかしながら、国民皆年金という非常に執行の難しい制度ですので、国民皆年金維持のこういったコストについては私は税で賄うべきだと思います。税で賄い、さらに毎年度毎年度の予算編成決定過程を通じて国会で厳しく費用対効果について審議されるべきだと思います。そうしませんと、まじめに保険料を払っている方々の保険料納付意欲も、何だ、あのふまじめな人たちに使われているのかといったことになりかねないわけでございます。 私からは以上でございます。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。 次に、山田参考人にお願いをいたします。山田参考人。
○参考人(山田稔君) 御紹介をいただきました山田です。 最初に、私ども中央社会保障推進協議会についてごく簡単に御紹介をさせていただきます。 中央社会保障推進協議会は一九五八年九月に結成をされ、多くの民主団体、労働組合、また多くの学識経験者が加盟される中、憲法二十五条に基づき社会保障制度の拡充に一貫して取り組んできております。現在、すべての都道府県に都道府県社保協、そして三百を超える市町村、地域単位の社保協を組織し活動しております。 今日は、参考人として貴重な機会をいただきましたので、常日ごろの活動を通じて寄せられた国民の皆さんの率直な声を踏まえて意見を述べさせていただきたいと思います。 一つ目は、何といっても五千万件を超す宙に浮いた年金、さらには一千四百三十万件の未入力の年金の問題です。 保険料が高くて払えない、将来暮らしていける年金が受け取れるのか不安、こういった声は、年金制度に対する常日ごろの国民の怒り、不満としてどの世論調査でも依然として政府に期待をする上位の課題となっています。日本の年金制度の構造的欠陥が無年金、低年金者をつくり出し、さらに、今日の格差と貧困が保険料を払いたくても払えない滞納者、さらには将来の無年金、低年金者を拡大するという悪循環に至っています。 皆さんも御承知のことと思いますが、今、年金が全くない高齢者の数は百万人を超えると見られています。国民年金は四十年間一か月も欠かさず保険料を納めても月額は約六万六千円、国民年金だけの人約九百万人の実際の平均月額は四万七千円にすぎません。老齢年金受給者では六二・一%が年収百五十万未満という状況です。こうした中、暗くなってもテレビだけで明かりはつけない、ふろも少なめのお湯で我慢し、トイレの水も五回に一回しか流さない、こうした追い詰められた生活を余儀なくされている高齢者は少なくありません。 また、低年金の高齢者には国保料、介護保険料が大きな負担となっています。保険料、利用料が払えなくて保険証が取り上げられ、病院にも行けない、利用料が払えなくて介護サービスが受けられないなど、大変な生活が余儀なくされています。 政府、厚生労働省は、百年安心な制度をつくるといって二〇〇四年に国民の反対を押し切って年金改革を行い、国会審議なしの保険料連続引上げ、給付水準の自動的引下げを国民に押し付けてきました。度重なる改悪があっても多くの国民は厳しい生活実態の中でもぎりぎりのやりくりをして年金保険料を納めているわけです。そうして納めた保険料は当然自分の年金権に一〇〇%反映すると信じています。ところが、今回の五千万件を超す宙に浮いた年金、一千四百三十万件の未入力の年金問題は、こうした国民に対する決定的な裏切りであり、国民の怒りが全国各地で爆発するのは当たり前です。 この間、衆参厚生労働委員会の審議を通じ政府の対応が示されていますが、当初の、保険料を払ったかどうかは自分で証明しろとの対応は国として無責任極まりない、かつ全く責任のない国民の側に責任をなすり付けるようなものであり、国民が許すわけはありません。衆議院での参考人意見陳述で厳しい批判の意見が述べられたことは記憶に新しいところです。 その後の対応でも、朝日新聞にも大きく報道されましたが、年金相談の電話をしても掛からない、やっと掛かったと思ったら記録確認のできないコールセンターに回され、申し訳ありませんが何日か後にお掛け直しください、これでは国民の不安、不満、不信、怒りは増大こそすれ解消するはずがありません。 国民が求めているのは、今日明日を急いでの泥縄式の対応ではありません。まず、国が全責任を持って事の解決に当たること、すべての受給者、加入者が納得できる解決策を示すこと、不安を解消するためにすべての受給者、加入者に保険料納付記録を送付することです。国が直ちにやるべきことは、五千万件問題の解決と同時に、すべての年金加入者に対して不安解消という国としての責任を果たすべきです。 二つ目は、こうした状況の中での社会保険庁解体問題です。 日本年金機構法案の内容については述べるまでもありませんが、社会保険庁を廃止し、非公務員型の公法人、日本年金機構を設置して年金事業を行う、可能な限り年金業務を民間企業に委託することなどを目的に社会保険庁を解体するということになっていますが、国民はこんなことを望んでいません。 公的年金は長期にわたり制度を維持することが必要です。個人の加入状況や保険料の記録を何十年という期間、確実に管理しなければ正確な給付は行えません。こうした事務を、一定期間ごとに入札を実施をして業者を入れ替える、結果、安定的な運営は困難になるんではないか、国民は危惧するところです。年金記録が流用される危険性はないのか、このことも国民は当然危惧をします。 年金不信の主要な要因は、保険料の高さと最低保障もない年金金額の低さ、さらには二十五年間保険料を納めなければ受給できない受給資格期間の異常な長さなど、さらに度重なる年金改悪による保険料の引上げと給付水準の引下げなど、構造的かつ根本的な問題であり、社会保険庁を解体したからといって解決するものでも、また国民が納得するものでもありません。 今回の五千万件問題を通じ、国が直接責任を持ち、責任を果たすことがいかに重要か、極めて鮮明になったと思っています。繰り返しますが、国民が求めているのは、国、すなわち厚生労働省、社会保険庁がしっかりと責任を果たすということです。 世界的な趨勢は、五月二十二日の衆議院厚生労働委員会での参考人意見陳述で立正大学の渡部教授が述べられたとおりであり、日本年金機構法案は世界的潮流に完全に背反する非常に非効率な政策であり、決して導入すべきではないというふうに思います。 再度朝日新聞からの引用で申し訳ありませんが、十六日朝刊に「社保庁法案 どさくさで押し通すな」という社説が掲載をされました。国民の意識を非常によく反映をしていると思いますので、一部紹介をさせていただきます。 社会保険庁法案の提出をきっかけに噴き出した年金不安は、かつてないほど広がっている。そんな中で自民党は、年金の時効をなくす法案と抱き合わせで、社会保険庁法案を成立させようとしている。年金記録が宙に浮いたり消えたりした人を救済するため、年金の時効を停止して支給漏れを補償することは必要だ。そのための法案に異論はない。しかし、社保庁を六分割して非公務員型の公法人とする政府案は、採決を急ぐべきではない。ずさんな管理記録はまだ全容が明らかになっていない。政府の救済策もあいまいなところがたくさんある。そんな中途半端な状態で社保庁の枠組みを変えても、年金への信頼を高めるどころか、かえって不信を増大させかねない。ここは廃案にして出直した方がいい。年金制度を長く維持していくには、何といっても信頼が第一だ。まず、年金記録の実態をすべて明らかにして、救済すべきだ。その上で、二度と間違いを犯さないよう対策を示すことを優先させなければならない。正にこのとおりだというふうに思っています。 五千万件問題で決定的となった年金に対する不信を克服するためにも、年金機構法案は廃案にし、国、厚生労働省、社会保険庁を挙げて年金に対する国民の信頼回復に全力を傾けるべき、このように思います。 国民年金法の一部改正法案にも簡単に触れておきたいと思います。 法案は、保険料収納率を向上させるために、国民年金保険料の未納者に対して国民健康保険の有効期限を短期にする制裁措置を盛り込んでいます。保険料を払わなければ低年金、無年金になる可能性が高くなる。将来の不安はその分確実に大きくなる。こんなことは国民は分かっています。分かっていても、年金保険料を払うだけの余裕がない。国民健康保険料の保険料も決して安くはありません。というよりも、非常な負担となっています。けれども、病院に行けなくなると大変なことになることから、医療保険だけはと国民健康保険を払っている。こんな厳しい国民の生活実態を全く無視をし、かつ全く異なる制度間でペナルティーを科すなどもってのほかです。国保では、既に長い間、資格証明書や短期保険証による制裁が行われていますが、収納率の向上には役立っておらず、逆に制度不信を強めるとの指摘もあります。 今回、短期保険証の対象とされるのは二百万世帯と推計されていますが、この世帯は、年金保険料の支払を促すどころか、逆に、頑張って国民健康保険料を払っていても保険証を取り上げられる、こういうことになりかねない。ひいては、国保制度を年金制度からのペナルティーが崩壊させることになりかねないというふうに思います。こんな法案は廃案にする以外あり得ないというふうに思っています。 最後に、低年金、無年金問題など、年金の空洞化問題、さらには、女性の年金権やパート労働者の年金権問題など、根本的な問題の解決なくして年金制度の信頼回復はあり得ないということを再度強調させていただきたいと思っています。 公的年金制度は老後の生活を支える大切な制度ですが、この命綱である年金制度の現状は非常に深刻です。正に空洞化が日々進行している、そういう状態です。さらに、ワーキングプアに代表されるように、年金保険料を払いたくても払えない人が急増し、将来の低年金、無年金者も拡大の一途をたどっている、こういう状態です。 社会保険庁を民営化しても、年金制度は何も変わりません。国民の中に年金制度に対する不信が渦巻いている中での採決など許されないというふうに思っています。国民の年金制度に対する信頼を回復するため、五千万件問題での国が全責任を持った全受給者、全加入者が納得いく解決策、さらには、根本的な問題解決に向けた最低保障年金制度創設について引き続き厚生労働委員会でも徹底した審議が尽くされることをお願いをし、私の意見陳述を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。 次に、磯村参考人にお願いいたします。磯村参考人。どうぞ御着席のまま御発言ください。
○参考人(磯村元史君) 磯村でございます。身体的な理由から立ってしゃべらせていただきたいんですが、よろしゅうございましょうか。
○委員長(鶴保庸介君) そうですか。はい、どうぞ。
○参考人(磯村元史君) 本日は、日本年金機構法案等の三法案に対する意見をまず申し上げて、あと続きまして今後の御審議に関連する参考意見を三点申し上げたいと思います。 まず、いわゆる社会保険庁改革法案につきましては、昨今のこのような情勢に照らし、かつ近い将来を展望した場合には、どうもこれは反対せざるを得ないなと、こんなふうに思っております。 その理由は、御存じのようなこの継ぎはぎの年金制度、もう六十五年たっております。この継ぎはぎの年金制度というこの複雑な組織がある限り、組織を幾らいじっても中身はそんなに良くなるものじゃございません。それどころか、今この時期に組織をいじりますと、関連する記録が更になくなります。そのほかに、関連する給付判定のノウハウもなくなってしまいます。こんなことでいいのかなと。まあ例は悪いんですけれども、例えば子供が大病をした、その大病したのは部屋の造作が悪いからだといって部屋の造作を直すようなものでございますね。 なぜそう申し上げるか。これはお役所もそうですけれども、事業体の組織というのは戦略に従います。戦略は人とシステムに従います。特にこのシステムというのは、取り扱う制度、要するに年金という安心を確保するもの、これの運営面にあるわけでございます。現行の年金制度が継ぎはぎで複雑なものになっているということは、三年前の皆様、国会議員の先生方が随分未納が多かったという点を見ても明らかだろうと思います。 しかも、この社会保険という仕組みあるいはあいまいな財政方式というものを前提とした制度が、国民のみんなにとっては、二十年先、三十年先にはどうもこれ維持できそうもないなというのが本能的に分かっております。また、マクロ経済スライドの導入ということが言われておりますけれども、保険料は固定された、しかし、どうもこれはイギリスもドイツも六十五歳を六十七とか六十八にしているよと、いずれ我々の年金もそうなるんじゃないのかという不安も本能的に感じております。 まあそんなことで、制度が複雑で本能的な不安があるものですから、当然先ほど皆さんがおっしゃったようなことが出てくるわけなんですが、ただこのシステムというのは、当然出てくるミスや不備をあらかじめ想定しておいて、それをなくすのが組織のマネジメントでございます。ですから、ミスや不備の発生する部分を、これが確実に発生しないように制度を変えない限り、組織だけをいじっても、これは民間企業でも役所の組織でも同じだろうなと思っております。むしろ、こんな大事な時期であるからこそ、組織だけをいじりますと、それに伴うリスクと追加の人手不安が出てくるのではないかと思われます。 組織改編に伴う新たなリスクというのは、先ほど申し上げた関連記録の喪失と給付条件判定のためのノウハウの喪失でございます。 ノウハウといいますと、例えて言いますれば、私は保険証も何にも記録がないと言われたときに、あなた大病したことありませんか、いや、ありますと。そのときにどこへ行きました、ああ、何とか病院へたしか行きました。そのときに健康保険利きましたか、ああ、利きましたと。ああ、それじゃ、健康保険が利いているんなら多分国民年金か厚生年金のどっちかに入っているんでしょう、どこの場所ですかと、こんなふうな聞き方をしてさしあげると、かなり記憶がよみがえってまいります。言わば犯罪捜査で証人の古い記憶を手繰り寄せていくのとよく似ているわけですね。こういうノウハウがなくなっていくんじゃないかなと、こんなふうに思います。 言葉が非常に難しいという点もありますね。例えば、委員の皆様方、いかがでしょう。私は何号だよということを即座におっしゃられる方いらっしゃいますでしょうか。一号、二号、三号とございます。これが、ほとんどの方御存じないんです。また、難しい言葉にこんなのがあります。支給停止という言葉があります。支給停止というと、みんなもらえなくなっちゃうと思っちゃうわけですね。こんなふうに言葉が難しいことも、実はみんなが記録や訂正申請を放置している原因にもなっているわけでございます。 したがって、当面の三年間というのは組織の改編作業に憂き身をやつすんじゃなくて、記録の散逸防止と名寄せを図りながら記録管理の不備を回復すべきじゃないかなと、こんなふうに思っております。何か社会保険庁を解体して六千人とか七千人の人が首になるそうでございますが、そんな、今もったいない。ベテランがおられるんだったら、この人たちを記録管理の回復に費やすべきだなと思いますね。 とりわけこの原簿の備付け、何か今度やっと、法律案を見ますと、原簿を備え付けろという規定が入っているんですね。今ごろ何だろうなと思うんですが。この原簿の廃棄が横行している上に、実は法律自体に基礎年金番号を記載しろという規定がなかったんですね。今度入るようになりました、まあ妙な話ですが。こんな考え方の中で組織だけいじったらどうなるのか、極めて肌寒い感じがするものであります。 じゃ、組織を改編しなくて何かやり方があるのか。あります。 具体的に言いますと、一例でございますが、現行の社会保険制度を基本から変えるんです。基礎年金を全額国庫負担にします。これは無駄をなくせばできます。ざっと国の無駄、私ども素人が見ても十五兆円から二十兆円はあると思います。これがあれば優に基礎年金は全額国庫負担にできます。じゃ、それの上乗せになる報酬比例部分はどうするんだ。これは、いろんな制度をうまく使って任意加入ということにすればよろしいのかなと。いろんな制度というのは何だ。企業年金もあります、四〇一kもあります、財形個人年金もあります、中小企業退職金共済制度もあります。これを統一的に税制上の手当てなどを講じて任意加入できるようにすれば十分やっていける。 そういたしますと、変な話ですが、社会保険庁の大部分が自然に要らなくなっちゃうんです。今無理して新しい法人をつくらなくたって、こういうふうに根元を変えれば社会保険庁という組織は自然に要らなくなります。あまつさえ、未納や未加入の問題は全くなくなります。そのほかに、余分なことですが、お金が手元から離れますから、不祥事や天下りの問題もなくなります。こんなうまい方法はないんじゃないかなと思っております。そんな具合でございますので、どうか組織をつくり変えたから、入れ物をつくり変えたからこれで終わりということに是非なさらないでいただきたいなと思っております。 引き続きまして、今後の審議の参考意見を三つ申し上げたいと思います。 一つが、不服審査への対応でございます。お手元の一枚物の紙に話の順番だけ書いておきました。 現在、御存じのように、不服審査につきましては社会保険審査官及び社会保険審査会法という法律がございまして、ここでは、ちょっと時勢に合わなくなったので、次のような問題点が考えられております。 一つは、この審査官というのは厚生労働省の職員の中から任命するということになっておりますが、身内に甘いんです。二つ目、審査請求は原処分、例えば窓口であなた駄目よと、こういった原処分があってから二年間過ぎますと、もう時効になって取り上げてもらえないんです。実は、この取り上げてもらえないところが関門になりまして、初めて裁判を受ける権利が出てくるわけですね。後で申し上げます。三番目の審査請求前置主義というのがございます。今申し上げました、ここの関門を通らないと裁判を受ける権利が出てこないのであります。これ、憲法で認められている権利が、あなた駄目よと言われて二年過ぎたら、もう受けられないんですよね。したがって、憲法で認められたこの裁判を受ける権利というものを行使しようと思うと、東京に一つしかない社会保険審査会にたどり着いてということになる、これがなかなか至難の業でございます。 一方、報道されております総務省の行政相談窓口に各都道府県に第三者判定委員会を設置するという件がございますが、六月四日、この委員会で行われました質疑応答を拝見いたしましたが、これでは、僣越でございますが、現場は混乱すると思います。また、大臣は、新聞によりますと、説得力のある話なら証拠がなくてもというふうな意味のことを述べておられるそうでございますが、全部が全部説得力を持っておりますでしょうか。障害者はどうなるんでしょうか。私みたいな老人はどうなるんでしょうか。あるいは、そこまで行けない人はどうなるんでしょう。 こんなことを考えますと、この第三者判定委員会、不服審査の窓口が拡充されることは非常に結構でございますが、今の審査会法との間の整合性を持った整理を是非やっていただきたいなと思っております。 今、庶民が頼りにしているのは社会保険労務士でございます。この社会保険労務士の方々が現在の審査会法というものに採用されておりますこの審査請求前置主義というものをどう評価しておられるのか、その辺を是非お調べいただいて、必要があれば現在の審査会法を改正若しくは廃止して新しい法律を作るぐらいの整合性のある不服審査の対応体制をおつくりいただきたいと思います。現場が混乱するのが一番かわいそうでございます。 なお、この審査会なり審査官の方々が過去に審決、いわゆる判決でございますね、された事例が随分たくさんございます。この事例を是非一遍お調べいただきたいんです。その中に、お役所のミスで門前払いになって泣き寝入りしているケースが随分たくさんあると思います。 二つ目、社会保障番号への対応でございます。 これは、たらればの話でございますが、基礎年金番号の導入計画の段階、すなわち昭和五十四年から六十年の段階でこのお話があったら、今のような混乱はかなりなくなっていただろうなと思われます。韓国でも導入しております、一九六二年に。これがなぜ我が国でできないのか。この番号制度にはいろんな評価がある、議論もあると思いますが、少なくとも年金も含め国の全体の業務効率は格段に上がると思います。正確性も、スピードも、経費の面も、大幅に改善されるだろうと思いますので、是非御検討いただきたいなと思っております。 幸か不幸か、今回の混乱で国民の皆さんが、やっぱり番号があった方がいいかねと、その方が効率面でもいいような感じもするよというふうにも思っておられるんじゃないかと思います。ただ、こんな意見を申し上げますと、私の推薦人の方はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、申し訳ありませんけれども、私はそう思っております。もしそういうことになるんならば、今ここでまたその基礎年金番号をいろいろ苦労して探し出して転記するよりも、最初から社会保障制度番号を入れた方が二度手間にならなくて済むんじゃないかなと思います。 三番目、国民年金のPR方法についてでございます。 今般、年金特別会計からの事務費の支出が年金の教育、広報になら使えるというふうに変わったそうでございます。私は、事務費というのは本来は全額国庫負担にすべきであると、先ほどの西沢さんの御意見もございましたが。今でもこれはどうかなと思いますが、少なくとも現行制度を続ける場合には、国民年金なり厚生年金なりには義務だけじゃなしに入りたくなるような御説明をしていただきたいんですね。一方、今度の日本年金機構法案第二条には、被保険者等は、政府の管掌年金事業に対する理解を深め、その運営に協力するよう、被保険者が協力するというのもこれ妙な話ですね、まあ等が入っていますから理解はできるんですけれども、そうならば、政府にもこの努力規定を是非課したいと思うんです。 国民年金若しくは基礎年金の本質的なPRをお願いしたいなと思います。例えば、一例でございます。このレジュメにちょっと付けておきましたが、下の方の表でございます。 やっぱり人間、損か得かで判断するのが一番早うございます。仮に、民間に同じ仕組みの年金保険制度があったといたしまして、同じ制度なら、年金数理上の計算は、同じ掛金で同じ給付が出るわけでございます。同じ基礎率であれば、表のAに書いてございますように、同じ掛金の給付、国民年金が一〇〇仮にあったとしたら、民間の保険も一〇〇出ます。国の保険はここに国庫負担が付きます、五〇。しばらくすると二分の一になるそうでございますが。民間の保険にはもちろん国庫負担はございません。Cにありますように、国民年金には経費がまあほんのわずか、比率から見ますと掛かりますが、民間の保険、これはオープンになっていませんのでクエスチョンマークを付けてございますが、多分二〇ぐらいはあるだろうなと言われております。 これ三つ足して比較いたしますと、国民年金というのは同じ掛金で同じ制度であれば一五〇もらえるのに、民間なら八〇ぐらいしかもらえないというふうなお得度でございます。倍近いお得度ですね。なぜこれをもっとPRしてもらえないんだろうか。私は、四月になって新入学生が入ってきますと、必ずこれをPRいたします。分かってもらえます。今、年間三十回ほどボランティアで市民大学等に講演に行っております。この話をいたしますと、かなり分かっていただけます。これは、民間保険のことを悪く言っているわけじゃありません。民間の保険には民間の保険の特徴、利点がありますから、決して民業圧迫ではなく、単純に国庫負担が付いているということを申し上げたいわけでございます。 そんなことでございますので、入らないと国庫負担を放棄するよというふうな分かりやすい話を是非していただきたい。年金というのは、入りたくなるような制度、払いたくなるような制度が本物だと思います。それを、未納者から国税庁に委託してまで強制的に取り上げるというのは本末転倒だろうと思います。どうしても国税庁から取り立てていただくのなら、正々堂々と年金保険税というふうに名前を変えていただきます。 最後に、今現場の職員の方というのは随分良くなりました。苦労しておられます。だれが悪いんだというと、悪いのは別のところですね。あるいは仕組みそのものが悪かったのかも分かりません。どうか泥のなすり付け合いや政争の具にだけはしないで、施行までの三年間に、直すべきところがあったら是非、与野党協力して、メンツにこだわらず直していただきたいと思います。 意見を終わります。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 参考人の方々にもう一度お願いを申し上げます。御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いをいたします。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○中村博彦君 本日は、五名の参考人には、貴重なお時間を賜りまして、心から感謝を申し上げます。自民党の中村博彦でございます。 もう社会保険庁のずさん極まりない組織、システムは国民の前に浮き彫りになりました。この社保庁がどう大改革されるか、どのような形で受皿になるか、正に国民注視の的でございます。日本年金機構がその役割を果たすことができるのか、今本当に問われています。 社保庁のトップが統治機能不全になったわけでございます。日本年金機構、非公務員型、国民には聞き慣れないシステムでございます、非公務員型。理事長として新組織のガバナンスが発揮できるか。皆さんが御指摘していただいているように、政府参考人では呼べない、参考人としか呼べない、この理事長がどれだけの責任を持って日本年金機構を管理運営できるかということをお聞きをいたしたいと思います。佐藤参考人。
○参考人(佐藤英善君) 少なくとも、先ほど申し上げましたように、従来の意思決定機能とは全然違いますね。合議制機関になるわけです、理事会がございますので。そこへ民間のノウハウを持った人たち、経験豊かな人たち、その人たちがまず入って意思決定その他もやれる、これが一つございますね。それからもう一つは、外部から非常勤理事などを入れるというシステムを持っておりますから、そういう人たちがきちっと外部の目で見ていただく。透明性も高くなると思いますね。それから、当然これは経営責任を問われる、こうなると思います。 ただ、国会との関係では、確かに直接お呼びできないという、こういう間接性がございますので、これは厚生労働大臣にきちっと監督権限を発現していただく、こういうことになるかと思うんですね。 それからもう一つは、監査機能が、先ほども申し上げたんですが、従来はそれぞれの組織には監査機能を独自には持っておりませんですね。今回は監事もおり、それから監査人あるいは監査法人による外部監査もできるという、こういうことになりますので、そういう点でも従来とは格段にガバナンスは変わるはずでございます。 最後は、人を得られるかどうかでしょうね。
○中村博彦君 そうでしょうね。やっぱり人というところが大変大切なものでないか。 本当に御存じのとおり、三年前でございましたか、民間からということで民間人を社保庁長官にした。そしてそのときは納付率の問題でございました、未納。しかしながら、御存じのとおり、平成十七年で今なお六七%と、八〇%の目標には到達をいたしておりません。鳴り物入りでの長官ですらこのようなていたらくでございます。 それじゃ、この六分割の中で事務委託ができる、事項の性格から事業委託ではなく事務の委託になろうかと思いますが、今申し上げた徴収義務でございますね。この徴収義務がアウトソーシングをして機能が発揮できるのかが重要、そして同時に、受託する民間企業というのは収益性と業務の公正と両立をなし得なくてはいけない。 この受託企業を考えたときに、果たして現状からして徴収事務がどこまで執行完遂できるか。杉山参考人、お願いしたいんですが。
○参考人(杉山千佳君) いろいろな業務があって、すべてをアウトソーシングするというわけではないだろうというふうに思っています。悪質な場合の徴収に関しては手続がかなり正当に取られているというところがありますし、そこを外部委託ということではなくてそれなりに責任を持った人が行くというようなことで対応をすればいいというふうに思います。 そこにそれなりの権限を与えていくという手続を一つ取るということと、あとは、たしかちょっと記憶があいまいなんですけれども、朝日新聞の「声」の欄に派遣労働の方が、年金の手続の部分のところを私たちのところにもう委託してくれたらいいのにというようなことを「声」の欄で書いていらっしゃったかと思うんですけれども、そういったところはどんどんと得意な民間委託の会社にアウトソーシングをしていけばいいし、今すべてを公務員でやってきたというところが多分今回見直しが必要なところで、どこをどのような仕事の役割で効率と、それから公正であったりとか、責任の所在を明確にしてやっていくのかというところを検討していくということが必要なんだろうというふうに思っております。
○中村博彦君 アウトソーシングにしてもそれから職員の採用審査にしても第三者機関が行うと言われています。そして、先ほども佐藤参考人から人だということがございました。この第三者機関がどのような形で二つの事項についてなし得るか。 今御存じのとおり、この社保庁で新人事評価制度、十九年度の新人事評価制度が動いています。昇給、昇格が中心ではありますが動いています。そして多分、今国民の皆さんから考えてみると、一番の注目は何か。現在の社保庁の正規職員が一万七千三百六十五人、この正規職員を一万三千にするという構想がございます。多分今も山田参考人か磯村参考人言われておりましたけれども、多分今の国民からすれば、どれだけの現在の職員が新しい年金機構で業を担っていけるのか、そこが一番の私は注目だと思うんです。七、八千という言葉がございましたけれども、どれだけの人事評価で、分限免職とか懲戒免職といろいろございますけれども、どういう形で不適格者が差っ引かれていくか、この辺が私は一番の今国民注視と思いますので、その辺はどのように杉山参考人はお考えでございますか。
○参考人(杉山千佳君) 私がその有識者会議でやり取りを、議論をさせていただいているときに痛感というか感じましたのは、民間であったら、もっと能力主義であったりとか、それから実績主義であったりというところがあったであろうが、公務員の場合は年功序列で終身雇用で、会社の売上げであったりとかそういうことは特に考える必要はありませんので、そのまま、特にこの人がこれだけの仕事ができる人だとか、これだけのことをしたから、じゃそこに加算をしましょうというようなことがなくずっと働いていらっしゃってきたんだなということを伺って実感したわけですね。それは私のような民間の人間からするとちょっとびっくりする話でして、やはりそこは能力の高い人にはそれなりにインセンティブを与えた方がよりやる気も持って働くであろうし、その辺りを、今回公務員でなくなるというときには改革を進めていっていただきたいなというふうに思っています。
○中村博彦君 先ほども佐藤参考人が申されましたけれども、果たして第三者機関がそれだけの役割を担うことができるか。やはり責任という問題、そういう問題からして、最近の審議会は、審議会に責任を押し付けますけれども、大体官の御用学者が審議会をつくる。そして、御存じのとおり、第三者機関にしても、本当に責任持った第三者機関としての動きというものができるかどうか、その辺を佐藤参考人にお聞かせ願いたい。
○参考人(佐藤英善君) 私個人の実は考え方もあるんですね。というのは、例えば新しい法人に人を移していくとき、採用するわけでありますけれども、それで採用された人はよし、残された人はまた問題が、その御本人にとっては深刻な問題でございますよね。それを、一つは社保庁改革という観点から、つまり国民の目線で納得がいける優れた人材を一方で採用しなきゃいけない。それから、既に今働いている人たちの保護ということもある。これをやはり判断するには、一つはっきりしているのは、内部の組織で判断することはできませんね。そこで、第三者機関になると思います。 それで、この第三者機関の評価する委員会のつくり方については、今先生おっしゃっておられたことでもあるかもしれませんが、やはり下手をすると、従来御用学者みたいな方がなりかねない。こういう僕は選任の仕方はやめた方がよろしいと思いますね。そのためには、例えばある程度公募してもよろしいんじゃないでしょうか。それでやる、公募することで責任を持って参加していただけますので、その中から人選をなさっていくならいいんですけれども、ここが問題に今後なると思いますね。大体、公募というのは行われないんじゃないかと思いますが、僕は公募すべきだと思うんです。
○中村博彦君 分かりました。 今の問題点の中で、やはり社保庁のコストパフォーマンスは非常に低い、ここだろうと思うんですね。一万円徴収に必要な経費、国民年金が八百十円、国税が百三十六円、約六倍。職員一人当たりの徴収額、国民年金が三・三六億円に対して国税は九・五五億円、約三分の一。事業経費に占めるシステム経費の割合は、社保庁が三六%、国税が七・九%、約四・五倍。このような形になってございます。本当にこの辺を効率化するためにはどうしたらいいのか。 そして、西沢参考人にお伺いいたしますが、もちろん西沢参考人は日本年金機構では駄目だということをおっしゃっておるのかも分かりませんが、それじゃ、今のこのコストパフォーマンスを解消させるためにはどういう打つ手があるのかということをお聞かせ願いたい。西沢参考人。
○参考人(西沢和彦君) 今、中村委員の方から社保庁のコストパフォーマンスについてお話がありましたが、先ほどの私の陳述の中で申し上げましたけれども、税と社会保険料を一括徴収する、このことがまず優先に考えられるべきだと思います。 例えば、給与の源泉徴収をしている事業主は毎月従業員の給与を国税庁に報告します、これは源泉徴収の義務のない人についても。このデータをもってすれば、社会保険料の徴収もこの給与額で即座にできるわけです。市町村に事業主が特別徴収をするのも、この源泉徴収をもってすればすぐできるわけです。ですから、同じ作業を事業主が行っていることをもって、それを一つにして集約するということが非常に重要な選択肢だと思います。 国民年金についても同様です。今、国民年金の加入者の多数が雇用者です、自営業者ではなくて。ですから、本来税の源泉徴収のシステムを使うことが最も効率的なはずです。一人一人国民年金推進員を昼間働きに行っている雇用者の下に向かわせて無駄足をつくるよりも、事業主の源泉徴収を行うと、このことをまずもって検討すべきだと思っております。それは、社会保険庁の方や税務署の方が今仕事をサボっているということはないと思います。一生懸命やっていると思うんですが、制度の重複をまずなくすことが非常に重要だと思っております。
○中村博彦君 各省庁でレガシーシステムの改革計画というのが進んでおります。本当に記録管理システムにしましても、この所有権が社保庁、著作権がNTT、こういうような動きの中でございまして、御存じのとおり、社保庁事業収入の中でシステム経費は約三%、民間であれば一・三%、システム経費が一千六十六億円も掛かっております。これもやはりどう改革していくか、これは年金機構の一番のやはり課題だと思います。 この辺について簡単に、佐藤参考人と杉山参考人にお答えをいただきたい。
○参考人(佐藤英善君) 実は、私ども組織改革の検討をやっておりましたときに、このデータ管理が基本でございましたので、杉並の高井戸の管理センターなども伺いました。そのときも伺いましたけれども、先ほども出ましたように結構システムがちぐはぐなんですね。そこで、今回、思い切ってお金を掛けていただかないと、掛けるべきところへは。ところが、もう残念ながら、予算その他で思い切ったことができないために継ぎはぎだらけのシステムができているんじゃないかと思うんですね。 今回、どれだけむしろ国会の先生方、予算措置などで御英断なさっていただくか、どういう財源をお使いになるのかだとむしろ私は思います。 以上です。
○参考人(杉山千佳君) 今の御質問と先ほどの西沢参考人のお話などを聞きながらも、将来的には重複をなくしていくような記録の管理システムというのが必要になってくるであろうということを感じます。 ただ、それが今なのかというと、多分それは、今だとむしろかえって誤解を招いたりとか、国民の方々に御心配をお掛けしてしまうことになるんじゃないだろうかというふうに思っております。 まずは、信頼を回復するという意味で、この日本年金機構法案を通して、組織を廃止、解体して新しい運営を再構築していくというところをきっちりと進めることによって、私たちはできるんだよということをまず国民の皆さんにお示しすること、それで是非年金も納めていただきたいし、この年金制度は信頼に足るものなんだよということをお伝えし、私たち国民もそれを受け入れて、私たちも勉強しなければならないこと、自分のことですからあると思うんですね、その辺りを一緒につくり上げていくという、そういった関係が大事なんじゃないのかなというふうに思っております。 以上です。
○中村博彦君 五人の先生方全員に御質問することできませんでした。申し訳ございませんでした。ひとつ年金、国民安心のために御努力いただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。 五人の参考人の皆様、本日はお忙しい中、ありがとうございます。 早速質問に入らせていただきます。 私、佐藤先生から順番にちょっとお聞きしたいと思っております。 佐藤先生は、国民の立場に立ってということをかなり強調されました。それは、その後、西沢さんの方からありましたが、私は、利便性と、それから安定感、そして不安を払拭すること、それが国民の立場に立ってということだと私は思っております。 いろんなところでこの年金のことを話しますと、国民の皆さんはやはり今まで国にお任せして、あるいは政府にお任せしてやったことを責任放棄されているような気がすると、六分割して民間にという言葉自体に不安、一番大きな不安を持っているというのが私の実感でございます。 そこで、社会保険庁のことをずさんだと一言で言われましたが、どうも行政一般論になっているような気がします。社会保険庁のどこが問題だったのかということが余りなかったような気がします。 私は、厚生労働省からのトップ、ある一部の、一番上の層、それから次が社会保険庁の第二層、そして昔の地方事務官の第三層と、この構造でお互いに一体感を持って行動してこなかったと、それぞれが自分たちのところばかり目を向けていたという問題なんだろうと私はとらえております。そして、私たちは、これは年金機構に変わった場合もそうですが、これは社会保険庁だけの問題ではなくて厚生労働省全体の問題にかかわってきていると、そのようにとらえているんですね。厚生労働省の官僚の方と、それから今度新しくできる機構、特殊法人や独立行政法人、そしてそこに関連する業者と、三位一体のもたれ合いと私は言っておりますが、その構造がまた続くんではないかということを感じているわけです。 そこで、先生は有識者会議の座長をされているということですが、厚生労働委員のメンバーの方は皆さん、我が党の櫻井議員の質問でこの厚生年金保険制度回顧録というものの内容を大体の方が知っております。厚生年金始めた当時あるいは社保庁をつくる当時の、どういう目的でこの年金を始めたかということが赤裸々につづられております。 そこで、佐藤先生はラグビー部長をされておられて、私、社会保険というのは正にワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンだと思っているんです、それが正しいやり方だと。しかし、これに書いてある設立の過程では、決してそのような考え方ではないということを皆さん大体御存じなんです。 そこで、有識者会議で過去の検証、どういう目的で年金を導入し社会保険庁を設立しというような検証はされたんでしょうか。
○参考人(佐藤英善君) 実は二段階になっておりまして、まず、私どもの前にもう一つ有識者会議が実はございました。その段階で基本的な問題点の洗い出しをしたと存じます。そこで基本的に、年金制度の責任をどこが持つかという基本的枠組みと、それからその執行機構につきましては行政機構の中で、それで扱うという基本線を既にお決めになっていたんですね。 その上で私どもが具体的な組織の在り方を検討しておりましたので、結論を申しますと、今先生がおっしゃったような過去の制度設計の段階までを検証したわけではありません。 以上です。
○足立信也君 先ほど中村理事の質問の中で、データの管理が、これが一番の根本であって大事なことだと。そして、今の四つのコンピューター、NTTデータの四つのコンピューターシステムでやられているわけですね。 それで、今、正にシステム開発、今のままではうまく使えない、機能が不十分だと、システム開発を今やられています。五年計画で、平成二十三年がゴールの予定だと思います。そのシステム開発をされている段階で新たに分割をして機構へ移すということが可能かどうかというのはどうお考えになりますか。
○参考人(佐藤英善君) これは、私どもの委員会の中に大山先生というその道の大家がおられまして、専門家がおられましたけれども、ITシステムの専門家でいらっしゃいますし、国全体のそういう情報化対応、これも全体をごらんになりながら検討なさっておられましたので、そちらの動きとの対応で動いていたと思うんですね。そういう形で進めておりました。 それからもう一つは、データ管理その他の問題については、もちろん業務改革に大きく関係するものですから、当然、これまでの改革のプロセスその他については私どもが情報をいただいて、それで検討の素材にしてきた、こういうことです。
○足立信也君 それでは、杉山さんに質問いたします。 私たちの考え方は、働き方の多様性というのがもちろん今あります。私自身も、基礎年金番号の前に四つの年金手帳を持っておりました。 そこで、まず一元化という考え方が、このような事態を生むこともなかったのではなかろうかと、一元化ということをまず考えました。そして、徴収システムはやはりこれも一元化がいいのではないかと、西沢参考人のお話もございました。 次に、今、少子高齢社会でやるべきことは賦課方式からの脱却なんですね。先ほど、年金は賦課方式だと断定されましたが、私は、賦課方式から脱却していく方向でないと維持できないと思っております。 そして、四番目が保険料の流用問題なんですね。平成十六年の予算委員会でも、当時の小泉総理も年金保険料は年金の給付以外に使うべきではないと。そしてまた、自民党のワーキンググループの中でもそれはある意味総意であったんではなかろうかと、そういうふうに認識しております。 今回の法案で、今まで年金に関する事業が事務とそれ以外のものと二つに分かれておりました。事務的経費に関しては、保険料を使うという時限的な法案でやってまいりました。これが、先ほど教育という、あるいは広報というふうに言われましたけれども、年金に関する事業全体、すべて保険料が使えるというふうに法案では読めるんですね。この点に関して、保険料の保険給付、年金給付以外への流用に関してはどのように考えられておられますか。
○参考人(杉山千佳君) 幾つかかなり根本的な大きな提案があったかと思うんですけれども、本当に大きな問題に関しては、今すぐ私の個人的な意見を申し上げることというのはとても難しくて、いろんなところで議論をしていく必要があるんだろうというふうに思います。 で、一点、賦課方式をやめてはどうかという御意見がある……
○足立信也君 ちょっといいですか。保険料の流用の問題だけで結構です。
○参考人(杉山千佳君) 流用の部分だけでいいですか。はい。 その件に関しては、税金であっても保険料であっても、国民の負担であるということに関しては同じ負担だなというのが正直な気持ちです。で、お財布がどっちから出てくるのかという辺りの話でありましょうというところで、どのように説明をしていただければいいのかというところが一個だろうというのと、あと、私の感覚としては、保険料の中でそういった事務手続を行うというのは別にいいんじゃないですかという気がするんですけれども、それは年金を運用するために必要な事務のお金ですので。その中に教育であったりとか広報があるというところは、それこそその範囲の問題ではあろうかと思いますが、一つ一つ議論をしていけばよいことではないかと思います。 以上です。
○足立信也君 法案を見ますと、年金事業に関するすべてが保険料を使えるというふうになっていると私は認識しております。 それでは、西沢さんにお聞きします。 今、使うときは税も保険料も同じだろうという御意見がございました。私たちは、利便性を考えて、徴収するときは同じ扱い、あるいは同じやり方でいいんではなかろうかという考え方です。そこで、海外の事例も含めて、西沢さんは触れられませんでしたが、これシャウプ勧告で、日本がそのとき、厚生省は抵抗し、大蔵省はほぼまとまっていた案、国会提出の直前に見送られたというシャウプ勧告のことなんですが、外国の事例も交えて、税と保険料徴収、これ保険料も強制徴収ですから、どのような利便性を、もう一度お示しください。
○参考人(西沢和彦君) 直近で税と保険料の徴収統合したのはイギリスです。 イギリスは、まずこういったことを調べました。事業主に対してヒアリング及び統計の収集を行いました。それまでは税と保険料、個別の徴収でした。組織が別でした。従業員の源泉ですね、それは別々の徴収でした、国税と国民保険料。中小企業、中小零細企業ほど源泉徴収の事務負担が多いといったことを彼らは見いだしました。これは当然のことです、規模の利益が働きませんので。大企業であれば、一つのコンピューターソフトで事務できますから、従業員一人当たりのコストは安いですけれども。そこでイギリスは、では政府に二枚出している紙を一枚にしようと、このことによって特に中小零細事業者の方々の事務負担が減ると、こういったことで国税と社会保険料の徴収統合を行ってきたわけです。 これが直近の例でして、それ以前にも既にアメリカやカナダ、スウェーデン、イタリア、G7の諸国の中ではドイツ、フランス、日本を除き、G7諸国プラススウェーデンは一体的徴収をしていると。ドイツ、フランスにつきましては、公的年金、公的健康保険とはいいましても、元々私的年金、私的健康保険から発足しております。政府の制度とは一歩引いた制度でスタートしておる経緯もありまして、個別に徴収しているといった次第でございます。
○足立信也君 よく分かりました。 そこで、大蔵省はほぼその方向でいいんではなかろうかとまとめておられた。厚生省はどうも抵抗したみたいです。なぜだと思いますか。
○参考人(西沢和彦君) シャウプ勧告が出ました後、大蔵省がいったん法案までまとめて、またそれが審議入りせずに廃案になったといったことを、私もそこまでは聞いております。 以下申し上げることは推測ですけれども、当時は大蔵省、厚生省、労働省がそれぞれ税、社会保険料を集めて、国として集めておりましたが、推測で申し上げますと、国税で一括徴収してそれ一般会計なりに入ってしまった、あるいは国税の人が汗をかいて集めたお金は厚生省、労働省もなかなか自由に使いにくいといった事情があったというふうに私は推測をいたしますが、ちょっと推測で恐縮ですが、以上です。
○足立信也君 先日のテレビ中継があった委員会質問で、これ佐藤先生にお伺いいたします、でも自民党の片山議員がおっしゃっておりました、税と社会保険料は違うだろうと。私は、不規則発言になるかもしれませんが、具体的にどこが違うからできないんだということを言ってほしいということを申し上げました。 佐藤先生は長年かかわっていられると思うんですが、なぜ徴収、税と保険料、一体的にできないとお考えですか。
○参考人(佐藤英善君) まず、シャウプ勧告の、昭和二十四年でございましたけど、これはもう国、地方の財政問題を含めた改革論議なんですね、一つはね。そういう側面から私も、専門領域に近いものですから詳しく存じておりますが、その話をすると長くなりますから。 まず今日的に見た場合、先ほど西沢参考人の御発言等があって大変勉強になった点は多うございますが、基本的に私は、例えば今、取る側から、いかに徴収率を上げるかという観点からお考えになるのか、それからもう一つは、年金というものの社会福祉性ですよね、これをどうするかという、そういう観点を僕は頭の中に描いているんですね。そうすると、国税庁の皆さんは果たしてそういう福祉的観点から政策立案ができるかという問題が一つございますよね。そうすると、先ほど私が言っていることと矛盾するんですよね。 つまり、国民の立場で、ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンでありますけど、そういうことにはならないんじゃありませんか。予算の締め付けやるのは大蔵省さん、国税庁はその外局でありますから、制約をするのはね、こういうことだと思うんですよね。ところが、やはり本質的に政策が異質なんですよね。その政策立案と、それからそのためにそれを支える財源をどうするか。 それをもし、先ほどおっしゃったように税制で持っていくということであればそれは割と分かりやすいと思うんですけど、そちらの議論をきちっとしないで、取る方、観点からお考えだけになるというのは、ちょっと私は賛成しかねる。老後の安心を財務省さんが考えていただけるんだったら別ですが、そういう政策立案は御専門じゃないんですよね。そういうことがまず根本的にあるんで、まだほかにもいろいろありますがね。
○足立信也君 目的によって、各省庁それぞれ目的が異なっていて、そしてまたそれが縦割りという表現もあるわけですね。両面のお答えだったというふうに認識いたしました。 済みません、磯村さんにお伺いします。 この法案、日本年金機構法案だけでも二つの第三者機関あるいは第三者委員会ができるんですね、もう公布の日からできるわけです。それがアウトソーシングの推進であったり、職員の採用のシステムづくりですね。さらに、それに加えて年金、宙に浮いた年金といいますか、消えた年金記録の問題で、また検証委員会と、各地方地方に新たな第三者委員会、四つできるようになるわけですね。 社会保険庁は人員削減計画をずっと続けておりまして、たしか三、四年で五千人だったかと思うんですね。新しい機構に変えようと言っている段階、その前に第三者委員会を四つつくってやっていく、人員削減してやっていくと。これに対してどのように思われますか。
○参考人(磯村元史君) どちらが先かという問題が一つあろうかと思うんですが、ここのところはまだ私、はっきりどなたからもその辺の段取りを伺っている機会がございません。 仮に、記録管理の判定のための第三者委員会を先につくるということであれば、あるべき論としては、人員削減の前にそちらの方に人員を移すべきじゃないのかなと思います。 以上です。
○足立信也君 山田さん、申し訳ございませんでした、時間がありませんので。 私は、社会保険庁という名前を消して、似て非なるものなのかあるいは別物なのか分からないような段階だと思うんですが、要は、今までのこの回顧録も含めて、社会保険庁のような役割の機関をなくすというのが大事なんだと、そのように思っております。 社会保険というものがどういう役割を担っているのかをしっかり認識していただいて、そして徴収の面は、それは目的が違うだろうということになればすべての省庁にわたって似たような機関がまた必要になってくるという無駄の問題もございますし、私はやはり利便性というものは何よりも欠かせないんだろう、そしてまた、今国民の皆さんに、今までずっと信頼してきたのに、国のやっていることだから信頼してきたのにと、それに対して裏切られたような気持ち、この不安感を払拭することがまず大事だと思っております。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。 本日は、五人の参考人の皆様には本当に大変貴重なお時間を賜り、そして御意見を賜り、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。 私の方からは、まず初めに、佐藤参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。 佐藤参考人におかれましては、有識者会議の座長としてこの法案の策定過程において大変御尽力をいただいたと認識をさせていただいておるところでございますけれども、この社会保険庁においては、平成十六年以降、先ほどもいろいろございましたけれども、職員による不祥事、あるいは事業運営について様々な問題が明らかになり、こうした問題を一掃するための改革案が必要だと私は考えているところでございますけれども、ガバナンスが強化され、しっかりとした仕事ができる、また仕事をする新組織をつくらなければならないと私は考えております。有識者会議におきましてもこのガバナンスの強化は大きなテーマとして議論がされて、様々な提言もしていただいたと認識をしておりますけれども。 そこで、この今回の法案により国民の年金制度に対する安心そして信頼を高めることができる新組織をつくっていかなければなりませんが、まずはこの新組織におけるガバナンスの強化策という点に関しまして、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(佐藤英善君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、とにかく従来の行政システムでは、内部を向いた組織でございますから、少なくとも自己ガバナンスするという機能は残念ながらないんですね。そこで、まず企画立案という意思決定のレベルできちっとしたガバナンスをどうやってやるかとすれば、合議制機関で、しかも外部の目が入る形を取って、そうなれば当然、これはどんどん公開されるわけですね。これが第一です。 それから、内部に従来持っていない監事による監査とか、あるいは外部の監査人あるいは監査法人、そういうものを入れていく。当然、それは厚生労働大臣に報告もしなければならない。それから、非常勤理事などを当然入れるわけです、四人以内の中で入れるわけでありますから、こういうところできちっとした目を向けていただいて、チェックをしていただく、こういう辺り。それから、何と言っても先ほどから申し上げているように、従来お役人の世界で暮らした人が自らの業務のガバナンスができるわけがないんですね、内輪の話でございますからね。外部からやはり人が入るということは大きいと思いますね。それから、中途採用の職員なんかが行われる可能性ございますし、そういうことなどでガバナンスは強化できると思っています、従来以上にですね。 以上でございます。
○浮島とも子君 またもう一点、佐藤参考人に続けてお伺いさせていただきたいんですけれども、この年金の新組織の非公務員化のメリットについてちょっとお伺いをさせていただきたいと思いますが、社会保険庁のこれまでの業務運営や、私も経験ございますけれども、本当に対応が不親切であり時間が掛かりという様々な問題がありました。国民の側、私たちの方から気が付いて何か申請しない限り動かないという待ちの姿勢のサービスなどがとても問題だと私は思ったんですけれども、国民の視点に正に欠けていて、正に先ほどもちょっと佐藤参考人のペーパーの方にもございましたけれども、親方日の丸と言われても仕方がない状況にあったと思います。 今後、この顧客志向という新組織をつくっていくためには、この新組織の人事の政策をどのように展開していくべきであるかということをお伺いさせていただきたいと思います。
○参考人(佐藤英善君) まず、これは、中心になる職員の皆さんは社会保険庁に今在席している人たちから採用していくと、こういうことがございますよね。しかし、今回非公務員になるというのは、個人のレベルでいえば大変なことですよね、職場を失うわけですから。その上で新しい職務に就く、これが一つです。 それから二つ目は、これまで厳しい国民の監視の下でこの問題が、ここでもそうでございますが、議論されております。旧態依然で移るということはちょっと難しいと思うんです。そこで、まず職員の皆さんの意識改革でしょうね。これは幾ら指導してもできないような成果がこのインパクトによって僕は生まれると思います、一つは。 それから二つ目は、やはり採用する段階でもう一度、真剣に年金業務をやるという責任を、あるいは何といいますか、やりがいを持てる人たちに移ってもらう、こういうことをチェックするわけでありますから、そういう意味でも大分違う。 それから、今度は業務に合わせた人事制度をつくれますから、しかも業務は固定的ではございませんし、それに合わせた中途採用と、つまり民間から、あるいは役所の中からでもよろしいわけですけど、公募などなさって、優れた適格な人材を確保していく、こういうオープンシステムにきちっと変わっていくと、これは大きいと思います。
○浮島とも子君 次に、杉山参考人にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、社会保険庁における業務改革についてお伺いをさせていただきたいと思います。 今回の日本年金機構の設立も、最も大切なことは、国民の皆様にお届けする年金サービスの質の向上をどういうふうにしていくかという点にあると私は考えております。私としては、この日本年金機構がその発足当初から、国民の皆様から信頼される、そして質の高いサービスが提供できる組織として出発を図っていただきたいと考えているところでございますけれども、今後、新法人の発足に向け、どのように社会保険庁の業務改革を推進すべきであるかということを杉山参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
○参考人(杉山千佳君) 繰り返しになりますけれども、やはり国民の目線に立った業務を行っていくということに尽きるのではないかというふうに思います。 先ほどもありましたねんきん定期便といった、これから個人、今までは窓口に来たら情報を提示するというのを、こちらからお知らせをするという大転換だというふうに私は思っているんですけれども、そういったところのツールを利用して、そこで様々な国民の方たちとの双方向のやり取りをいとわずに行うという、そういったことからまず始めていく必要があるんじゃないかということを思います。 あとは、私も社会保険事務所に何度も行って嫌な思いをしたりもしている者なんですけれども、やはりそういったところから体質を変えていくということと、それから民間にとてもいいサービスを行っている企業が大変多うございますから、そういったところのノウハウをよく学んで、新しいノウハウを新組織として構築していっていただきたいということ。で、組織としての目標は何なのかということの目標設定と、それからそれを個人の目標にも持っていくというようなことで、自己管理をして仕事をするということを心掛けていっていただけたらなというふうに思っています。 以上です。
○浮島とも子君 ありがとうございます。 また、私は、学生に対する年金教育の在り方が今後とても大切になってくると考えているところでございますけれども、先ほども杉山参考人の方からスウェーデンのお話等々ございましたが、国民年金の納付率を年齢別に見てみますと、二十代、三十代、若者の納付率がほかの年齢層に比べてとても低い状況にあって、若者にとってはまだまだこの年金というのが身近な問題ではなくて、必ずしも納付意欲が高いとは言えない状況にあるのではないかと思います。 しかし、この将来の制度の支え手となる子供たちに年金の意義、そして重要性を教育の中でしっかり教えていくことがやはり必要なんではないかと考えているところでございますけれども、佐藤参考人から皆さん、五人の参考人にお伺いをさせていただきたいんですけれども、この年金教育を実効性ある形で展開していくにはどうしたらよいのか、またどうするべきかという点について、それぞれ参考人の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○参考人(佐藤英善君) これは、やはり世代間でお互いに助け合うということですね。そうすると、このことをまず家族の中で、次は教育の中で、義務教育の中などでお互いに小さいときから話し合えるという、あるいは教えてあげる、なぜそれが重要か、これをやっていきませんと、若い人ほど納付率は悪いんですね。余り二十年、三十年先については、将来どうなるか分かりませんから、そういう一般的な無自覚、こういうのもございますんで、小さいときからとにかく、おじいちゃん、おばあちゃんの生活はどうやって成り立っているのと、そういう話、あるいは介護保険とも関係、つながっているわけですよね、そういう話をやはり義務教育の中などでやっていく。 それからもう一言、先ほど足立先生の御質問とかかわるんですけれども、そういうことに年金の財源を使う、そういうことを私ども有識者会議で言っていたわけですけれども、その他一般にまで使われるということはむしろ逆でございまして、かつてのそれ以外のものに使うことを、むしろこれは私どもとしてはやってはいかぬ、使えるとすれば、今の教育とかあるいは年金の有利さなどをどうやって知らせていくかとか、PRでございますよね、そういうのには使ってよろしいんじゃないかと、こういうことでございましたので、その点も併せてお答え申し上げます。
○参考人(杉山千佳君) 年金は払うものなんだよということを若い人たちにだけ伝えるということは、もうもはやできないというふうに思っています。これだけ少子高齢化が進んでいる中で、若い人たちは、僕たちの年金出るのというようなことを本当に今の御高齢の方よりも不信に思っているし、現実、その数字が、少子化の数字がこれだけ下がっているという現状の中では、本当に私たち大人が何をすべきかというところに問われているだろうというふうに思っています。 特に、社会保障給付費に至っては、高齢者に対しては手厚くて子供に対しては相当少ない、先進国に比べても非常に少ないという部分の問題は、もうほうっておくことはできないと思います。だから、国としてある程度若者にも温かい国なんだよと、高齢者にも温かいけれども、若者にも温かいということをまず政策で示していくということ、それに関してある程度説明をしていって、その上にこの年金の問題もあるし社会保険庁の問題もあるというふうに説明をしていくということが必要だろうと思います。 今余りに関心を持てていないというところが一番問題で、このまま関心を持たなくて、国を信用できないという若い方を増やすのではない方法というのを私たちも考えていきたいし、是非皆さんにも考えていただきたいなと思っています。 以上です。
○参考人(西沢和彦君) 私は、情緒で語るよりも、正しいデータで若者を説得すべきだと思いますね。例えば、政府は二倍もらえる年金というふうに言いますけれども、二倍ももらえるんだったら払わなくていいじゃないかと、こういうふうになるわけです、その方が国のためになるわけですから。そうではなくて、今の年金制度というのは、特に若い人にとってみれば、半分は確かにインシュランスプレミアムとして払ったものが将来返ってきますけれども、半分はタックスの側面が強いですね、上の方に対する所得分配あるいは同世代の所得再分配ということで。 ですから、有利性を殊更強調してインシュランスプレミアムと言ったりするのではなくて、定量的に、半分はインシュランスプレミアムです、半分はタックスですと、こういった性格のものになってきますということを定量的に伝えて、理解ある若者たちに訴え掛けるのが私はいいと思います。
○参考人(山田稔君) 簡単な答弁で申し訳ないというふうに思いますが、私は、国として社会保障制度を大事にしない状態のまま、教育として年金は大事だとか医療は大事だとか言ってもそれは無理だというふうに私は思っています。憲法二十五条が本当に大事にされているという中で、例えば年金であれば魅力ある年金制度にすべきですし、当然払える保険料にすべきだというふうに思っています。 そういう制度としての改善を図らずして、国民の側に、いや、払え払えと言ったって、それは今の、ましてこの今日の格差社会といいますか、貧困と格差が拡大をする中で、払いたくても払えないという方が多くいらっしゃる中で、教育ということで払えるという状況はつくり出せないというふうに思っています。 以上です。
○参考人(磯村元史君) 私はやっぱり、学生、若者本人には余り欲がありませんので、親にそういうPRをすべきじゃないかなとも思っております。そのときには、極力分かりやすく、間違っても誤解を生ずるような官庁用語、法律用語は使わない、これが一番大事だろうなと思っております。例えば、支払免除という言葉がありますが、これはまけてもらうことじゃないんですね、学生の場合は猶予なんです。そういう言葉も使わない、こういうPRが必要なんじゃないかなと思っております。 以上です。
○浮島とも子君 最後に、佐藤参考人と杉山参考人にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、今回、この日本年金機構から民間へのアウトソーシングについてお伺いをさせていただきたいんですけれども、この改革案では事業運営の効率化を徹底するという下に新法人から民間へのアウトソーシングを積極的に進めるということとしております。 そこで、どのような点に留意をして公的年金という公共のサービスの民間委託を推進を図るべきかという点について両参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
○参考人(佐藤英善君) まず、何を民間委託化するかをはっきりさせるということですね。そこで、財源管理、データ管理、この基本をどこできちっと責任持って押さえるかをやった上で、それで民間に委託しても問題ない、あるいはその民間ノウハウはそちらの方が使いやすい、効率がいい、こういうことをきちっとすることは大事だと思いますね。 それで次に、民間委託するときの基準作りとその基準の透明性ですよね、これをはっきりする。それから、このプロセスをチェックするシステムを必ずやらせる。それから、事後チェックもやる。こういうことはもう当然だと思うんですよ、公の財源を使うわけですからね。そういう点に留意していくことがまず基本だと思います。
○参考人(杉山千佳君) 一点は、費用対効果を見たときに、これは民間でやった方が全然効果が上がるし、それから金額的にもコスト的にも大丈夫、民間の方がいいだろうという部分に関して民間にアウトソーシングしていくということが一点。あとは、民間ならではのサービスができるという部分に関しては、せっかくなのでそこにやって取り入れていっていただくというようなことだろうと思います。 先ほどちょっと意見のときにも述べさせていただいたんですが、できるだけ生活に寄った形の様々な窓口相談、そういったものが将来的にはあってもいいじゃないかというふうに思っています。その辺りは多分、民間の方がお得意ではないかなというふうに思っています。 以上です。
○浮島とも子君 本日は大変貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。 これで終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 参考人の皆さんありがとうございました。 最初に、佐藤参考人にお伺いをしたいと思うんですが、参考人のお話の中で、年金行政の問題点として申請主義への過度の依存という御指摘がありました。これは私もそのとおりだと思うんですね。今回の宙に浮いた年金という原因もやはり将来的には統合できるんだ、それは申請でやればそうなるんだということがやはり背景にあったんだろうと思うんです。これは日本の社会保障行政全体にもある意味共通する問題点ではないかとも思うんですね。その問題意識の下にねんきん定期便の導入という業務改革も行われた、これもいいことだと思っております。 ただ、今この事態に当たって、またこの申請主義といいますかね、問題が出てきているんじゃないかと思うのが、社会保険庁、事務所に今問い合わせ殺到しているんです、電話もパンクしているんですね。要するに、心配な方は問い合わせてくださいという対応になっているんですね。やっぱり申請主義から脱却するということであれば、まずその第一歩として、今回のこのいろんな問題を解決するために個々人の年金保険料の納付記録を心配な人は問い合わせてくださいというのではなくて、国の側から送る、ある意味定期便ではなくて臨時便を一斉に出すようなことを申請主義から抜け出す第一歩としてやってみたらどうかなと思っているんですが、御意見をお聞かせください。
○参考人(佐藤英善君) それは、むしろやらなきゃいけないと私自身も思っています。その方が基本的には今の状況が、被保険者、分かるわけですよね。それを三十五、四十五、五十八という、こういう刻みでやっておりますけれども、今の事態が何かというと、今の状況で私はどうなっているということ、世代関係ないですね、年齢。これをすぐやれるかどうかなんですね、実務的にといいますか、お金その他の問題で。そういう問題残りますけれども、本来やれば相当問題点を解消できるんじゃないですかね、と思います。それから、申請主義に過度に依存しているという発想もいささか改められると思いますね。
○小池晃君 私もこれ是非やるべきだと思っていまして、やっぱりこれで実際正しい記録を送られればそれで安心できる人も一杯出てくるだろうと思いますし、やっぱりこれだけの問題を国民にもある程度率直に協力も求めて解決していくという姿勢が必要なんじゃないかなというふうに思っています。ありがとうございました。 それから、西沢参考人、山田参考人、磯村参考人にお伺いしたいんですが、そもそも今回の事態を通じて、私は、やっぱり年金というのが何十年にもわたって国民のある意味では資産、大事な財産を管理していく大切な仕事であると、その能力があるかどうかということではなく、やはり国が責任を持ってこれはやっていくべき仕事なんだということが私はむしろ浮き彫りになったんではないかというふうに思ってはいるんですけれども、今回のこの機構法を通じて国のやっぱり業務から分離してしまう、このことで日本の年金にどういう影響を与えるのか、その点について御見解をそれぞれお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(西沢和彦君) 今回、徴収執行機関ですか、徴収して記録を管理して給付するこの組織の話に集中しがちですけれども、私の考え方は、先ほど申し上げましたけれども、制度が複雑であるとこの執行機関に対する負荷が非常に大きくなるんですね。一億三千万人いる国民で、保険料を払って初めて給付を受けられるというこの皆保険の仕組みというのは、執行機関に非常な負荷を掛けてきたと思います。それが国民年金の未納率の上昇であったりすると思うんです。ですから、制度改革、システムに負荷を掛けない制度改革と執行機関改革が一体的にあるべきというのが私の一つの考え方と。 もう一つ、社保庁の職員の方々に対するモラルアップが叫ばれますけれども、私は、この制度が安定的に運営されるためには、普通の人が普通に仕事をしていれば運営されるようなものでないといけないと思います。優秀な人が集まって一杯一杯仕事をしたのではいつか破綻してしまうわけですから、凡人といいますか、普通の人が普通に仕事をしていれば制度が運営されるようなシステムにむしろつくり変えるべきかなと思っておりますし、最後に、民間に対する過度な期待があり過ぎるのかなと思っております。公的サービスの供給者というのは、金銭を目当てに多分働くわけではないと思うんですね。社会的な使命感ですとか、私、おれこそが国の礎を築いているという使命感がその人を突き動かすわけで、それは民間でも公務員でも同じだと思います。ですから、給与や昇格、昇進で人を釣っても、それは永続的ではないと思っております。
○参考人(山田稔君) 日本の年金制度がこれからどうなっていくのかというのは、非常に国民の、前回の二〇〇四年の改革以降ずっと持ち続けている不安であり、まあ不信までは行きませんが、そういう感じを持っているというふうに思っています。今回のこの問題が発生をしてはっきりしたのは、やはり三十年、四十年先のことに対してだれが責任を持ってくれるのか、だれが信頼に足るのかという点では、やっぱり国が責任を持って運営すべきだということがよりはっきりしているんではないかというふうに思っています。 今の年金制度を本当にいい方向で改善をしていく、それについては皆さんの御意見も一致しているんだろうというふうに思いますが、年金制度をどうつくり変えていくのかというときに、じゃ、その運営管理が全く国から、全くといいますか国から離れていく、そのことに対しては、国民が信頼しようとしているその足下から信頼の根拠をなくしていくようなものになるんじゃないかなというふうに思っています。 そういう点では、国が本当に、意見の中でも言いましたが、国が全責任を持って国民の老後の生活、その大きな経済的な基盤である年金を責任を持って運営をするんだというこの安心感を与えるということがまず第一ではないかというふうに思っています。そのことを大きく逸脱をしていくという方向になるんじゃないかなというふうに私は思います。
○参考人(磯村元史君) 非公務員型というものと民間企業とは似て非なるものでございます。もし非公務員型で民間企業に対する厳しさと同じようなことを要求なさる、あるいは民間企業が持っておると思われるガバナンスと同じものを期待されるんであれば、今度の改正証券取引法、すなわち日本版SOX法と言われます金融商品取引法というのがございまして、金融商品取引法では民間企業に相当な厳しいガバナンスを要求しております。それが実行できない場合には厳しい処罰も予定されております。そういうものと同じものを新しい日本年金機構に要求なさるという前提であれば、まだ信頼感は多少つながるかも分かりません。でない限り、今の程度のガバナンスじゃ、まず無理だと思います。 以上です。
○小池晃君 磯村参考人にちょっと引き続き、第三者機関のことで、先ほど今のままだと現場が混乱するというふうにお話しされましたが、これは法的根拠なしに、ある意味で一回行われた行政処分をひっくり返すようなことができるんだろうかということは大変疑問に思うんですが、こういう法的な根拠が一切ない第三者判定機関の在り方について、更に付け加えることあれば是非お聞かせください。
○参考人(磯村元史君) この性格がどういうものなのかよく分かりませんが、ただ、六月四日御議論なさった大臣、副大臣の御答弁を拝見いたしますと、何か審議会的な位置付けのようでございますね。したがって、勧告はできると。勧告ができる程度の法律的な裏付けのないものでしたら、だれも言うこと聞きませんね。 以上です。
○小池晃君 それから、社会保障番号のこと、若干さっき話題になりまして、山田参考人に御意見をお聞きしたいんですが、安倍首相も社会保障番号の導入ということを言い出しています。 それで、これは今の宙に浮いた過去の問題解決する手段にはなり得ないということが一つあると思うのと、医療、年金、介護を一つの番号というふうにした場合に、どういう病気をしたのか、どういう治療をしたのか、あるいは収入は幾らか、すべてが丸裸になっていくわけですね。その点でいうと非常に、基礎年金番号すらまともに管理できないようなこういう実態の中で、こういうプライバシーがすべて筒抜けになってしまう。住基ネットのときに、氏名、住所、年齢だけで大問題になったのに、これはやっぱりプライバシーという点から見て大変問題が大きいのではないかと思うんですが、先ほどちょっと若干議論もあったので、山田参考人の御意見をお聞かせください。
○参考人(山田稔君) 社会保障分野といいますか、年金でも医療でもそうですし、生活保護でも障害者の自立支援法でもそうですが、基本的には社会的弱者と言われている方たちも含めて、非常にプライバシーについては敏感な方というのは、当然置かれている状況の中で大きいわけです。それが、今回の年金のこの機構法案についても、本当にプライバシーは守れるんだろうかというのは率直な国民の疑問であり不安だろうというふうに思っています。 これが、国がしっかり責任を持って解決をするということのないままに、更に社会保険番号という格好で不安に不安を重ねるようなやり方で、今、安倍首相も含めて新たな提起をされるという点では、本当に、こんな言い方して申し訳ないですが、政府は一体何を考えているのかというのが国民の率直な思いだというふうに思っています。 本当にこれを国民の目線で解決をするということがどうして最優先されないのか、五千万件だけでなくすべての加入者が安心できる、そのことがまずどうして解決されないのか、そのこと抜きにプライバシーが更に拡散をする、そういう不安を増やすのかということが国民の率直な気持ちだろうというふうに思っています。 そういう点では、新たな提起については、より混乱を招くだけだというふうに私は思っています。
○小池晃君 引き続き、山田参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、年金の問題でかなり急速にやっぱり世論が変化して国民の怒りが広がっていますが、やっぱりこれだけ内閣支持率が一週間でもう二〇%ぐらい下がるような事態になったということは、やはりこの間の政府が進めた年金制度の制度改定などに対する不信感というのは土壌にかなりあったんじゃないかと思うんですが。実際、いろんな国民の声も聞いている立場にあると思いますので、皆さんがどんな思いでいるのか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
○参考人(山田稔君) 今言われましたように、年金に対する今回の国民の大きな怒りというのは、この五千万件問題が発生をした、それから急速に生まれてきたものではないというのは御承知といいますか、当然皆さんも御理解されているというふうに思います。 二〇〇四年の年金制度の見直しのときに、保険料は上がるけれども給付は下がる。このことが、国民が百年安心だということで納得しているわけがないわけです。そのじくじたる思いが、ずっと抱えながら今回のことです。そういう点では、それ見たことかというのが国民の率直な意見といいますか、感情だというふうに思っています。 それに加えて、年金だけではなくて、この間、社会保障のあらゆる分野で制度の見直しがあり、保険料や利用料が引き上がる。さらには税制の見直しがあり、定率減税の廃止も含めて負担が増やされる。こうやって国民にはどんどんどんどん負担が押し付けられる、その中で本当に苦労して苦労して払っている年金の保険料。意見の中にも言いましたけれども、そうやって苦労して払うというのは、すべて自分の年金権につながるということを一〇〇%信頼して払っているわけですから、それが全く根底から裏切られたということに対しては、国民の素直な感情がやっぱりこれだけの怒りだというふうに思っています。 また、それに更に輪を掛けて怒りを増幅させているのは、それこそ今定率減税の廃止で住民税の納付書が国民のところに届いています。住民税を大きく引き上げた納付書は直ちにすべての国民に届けるのに、どうして年金の納付記録は、是非安心をさせてくれという、国民が求めているにもかかわらずそれが出されないのか、このことに対する怒りも今回の国民の怒りを大きく増幅させている要素の一つだというふうに思っています。
○小池晃君 西沢参考人にお伺いしたいと思うんですが、年金保険料の納付率の向上ということが今回の法案の一つの目玉になっていて、参考人は国税庁に強制徴収を委託することについて、個人の資産を把握できない新機構がなかなかそういう対象者を特定することは難しいんじゃないかというコメントもされていますが、この点について、御説明いただけますか。
○参考人(西沢和彦君) 御存じのように、社会保険庁は企業からは厚生年金の保険料納付、企業に対して代行してもらっていますけれども、それはあくまで従業員の給料の申告に基づいて社保庁行っているわけで、その企業ごとの利益の状況とかを当然把握しているわけではありませんし、企業の資産も把握していないです。他方で、国税であれば利益に基づいた税徴収を行っていますから利益も把握していると、あるいは市町村であれば固定資産税を取っていますので資産状況も把握していると。強制徴収を行うのであれば、利益、資産の状況を知っておりませんと、その悪質性をなかなか認定しにくいわけです。 これは個人についても同様です。個人も、国民年金保険料というのは定額負担ですから、所得を一義的に社会保険庁は知っているわけではありません。市町村や国税であれば知っているわけです。すると、その人は悪質かどうかという認定は甚だ困難になってまいりますし、仮に悪質だと分かっても、取り立てようとしたころにはもう資産逃れが行われていたり、あるいはその企業、個人の資産が劣化しているかもしれません。取りっぱぐれになってしまう懸念があると、そういうことです。
○小池晃君 ありがとうございました。 それから、最後、山田参考人にお伺いしたいと思うんですが、やっぱり今回の事態を通じて、安心できる年金制度をつくるということが本当に大事になってきていると思います。 先ほど、空洞化などの実態についてもお話があったんですけれども、今の日本の年金の問題を解決するためにどういう改革が必要なのか、財源のことも含めてお考えをお聞かせください。
○参考人(山田稔君) 意見陳述の中にも若干触れましたが、最低保障年金制度という制度を創設する以外、根本的な解決はあり得ないというふうに思っています。私以外の参考人の方々からも出ていますが、やっぱり収入のない人にも保険料の納付を義務付けている今の日本の年金制度というのはもう限界を迎えると。当然、払えないという事態も発生をするわけですし、また払えなくて減免をすると低年金ということにもなります。そういう点では、空洞化を食い止める、そのことも含めて、またこの間、年金をめぐっては女性の年金権やパート労働者の年金権の問題等々あります。根本的にこれらの日本の年金制度が抱えている問題を解決する、そういう点では最低保障年金制度の創設しかないというふうに思っています。 最低保障年金制度については、別に私たちが言っているだけではなくて、連合や全労連などの労働組合、労働団体もそうですし、民主党、共産党、社民党の皆さんも政党レベルで、名前こそ若干違いますが、やっぱり最低保障年金という、そういう仕組みを用いない限り問題解決しないというふうに言われています。また、経済界もその方向で、骨太方針二〇〇七に向けてという格好で経済同友会が提言をされているというようなこともあります。 ただ、私たちが一番危惧をしているのは、やっぱり財源の問題が非常に大きな問題になってくるだろうというふうに思っています。仕組みはいいけれども、じゃ財源をどうするのかということです。財界などは消費税をというふうに提言をされていますが、消費税というのは本当に社会保障の財源としては一番ふさわしくない財源だというふうに思っています。御承知のように、消費税というのは収入の少ない人ほど負担感が非常に強い税金ですし、そういう点では憲法二十五条の理念に一番そぐわない財源だというふうに思っています。 そういう点で、最低保障年金制度という制度、それについては多くの方の意見が一致をしてきているわけですから、憲法二十五条の理念に基づいて、やっぱり税金の集め方、使い方を改めてこの国の在り方として考え直す、その中で本当にこの年金制度に対する信頼を回復をする、その方向に是非向かっていくべきだというふうに私は思っております。
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、磯村参考人にお聞きをいたします。 この間、例えば漢字を仮名に変換をするときに適当に入れてしまっているという問題や、あるいは旧台帳など台帳を捨てているという問題、それから十年前、基礎年金番号を導入するときにもっと広報をしてみんなから、今通知をして戻すというようなことをやるべきだと思いますが、そのことを十年前にやっていたらもう少し事態は変わっていただろうと思うのですが、特にこの台帳を捨てている、通達を出して捨てている、先日、昭和十七年から昭和二十九年までの旧台帳を捨てているという答弁で、マイクロフィルムに撮っているからいいんだと言うんですが、なぜ大事な旧台帳というか、永年保存となっているのに捨てるのか、全く理解ができないんですが、もう素朴な疑問、どうしてこんなひどいことが起きるのか、それについての御意見をお聞かせください。
○参考人(磯村元史君) 難しいですな。ただ、一つ言えますことは、原簿を捨てるということは、これは法令違反の疑いがありますね。 それから、漢字を仮名に入力するというときの問題といたしましては、当時、昭和五十年代から仮名入力をしていたと思うんですけれども、当時はもう既に漢字ラインプリンターというのが開発されておりました。私、現役のときには自分で使っておりましたので承知しておりますが、なぜその漢字ラインプリンターを組み込んだハードを入れなかったのか。お金をけちったんじゃないのかなとも思いたくなるんですけれども、その辺がむしろ解明のポイントになるんじゃないかというふうに思われます。 直接の御答弁にならない説明で申し訳ありませんが。
○福島みずほ君 NTTデータベースと日立に一兆四千億円お金を掛けて、コンピューターのお金を使ってきた、そして著作権は社会保険庁が持たないということですが、そのコンピューターというか、このデータの処理、それから全体の仕組みについての問題点と提言をお願いします。
○参考人(磯村元史君) 尽きるところは一つだろうと思います。要は、単年度主義会計を改めない限りこの問題は解決できないと思います。 なぜならば、ソフト資産というのは繰延資産になるわけでございます。繰延資産になるということは、今の官庁、単年度式会計ではなかなか容易に導入できないというふうに伺っております。まあ、私はそうでもないと思うんですけどね。 以上でございます。
○福島みずほ君 佐藤参考人にお聞きをいたします。 私は、厚生省年金局や社会保険庁の業務文書を提出して、きちっとやはり年金記録に関してどういう文書をかつて出してきたかということなどを明らかにすべきであると。 それから、今ワンビシアーカイブズというところに、民間の倉庫に七千九百万円使って例えば台帳のマイクロフィルムなどを預けているというふうに聞いているんですが、年金記録の管理状況をすべて正確に把握すること、どこにどんな台帳があって、どこにどの部分のマイクロフィルムがあってどういう管理をしているのかなど情報公開をこの際徹底的にやらないとまた雲散霧消するんじゃないか、大変心配をしています。その点についてどうお考えでしょうか。
○参考人(佐藤英善君) まず、あれでございますかね、総務省の検証委員会というのが今動いていますね、あれはそういうことをまずおやりになるんじゃないんですか、一つはね。 それから、一般的に情報公開をどういう形で、だれでもできるようにすべきなのか、あるいは国会が求めるべきなのか、いろんなレベルございますよね。国民それぞれが求めるということになりますと混乱を招いちゃうかもしれない。それであれば、国会のレベルであるとか検証委員会とか、責任を持ったところできちっと求められまして、それでおやりになるというのが、まずどうでございますかね、その方が僕は実効性が高いと思うんですけどね。そういうことであれば、どうぞ。
○福島みずほ君 国会として求めたいと思いますが、いかがお思いでしょうか。
○参考人(佐藤英善君) それはよろしいんじゃないですか、国権の最高機関ですからね。
○福島みずほ君 山田参考人にお聞きをいたします。 今回の法律改正の中に、やはり事務費として保険料を使うということの提案があるわけです。この点については、幾ら限定的といっても、法文の解釈上どうしても拡張解釈もあり得るわけで、事務費について保険料を使うということはやめるべきだと思いますが、この点についてどうお考えでしょうか。
○参考人(山田稔君) 私はやめるべきだというふうに思っています。 やっぱり国民といいますか、加入者側からすると、自分たちが加入をして保険料を払っている、それはすべて自分たちの年金につながるという信頼も含めて加入をしてきているわけですから、拡大解釈ができ得るような状態に広げていくべきでは決してないというふうに私は思っています。
○福島みずほ君 磯村参考人にお聞きをいたします。 三年前、年金積立金の使い方や、あるいは資産運用で株を買ったりすることはどうかといった議論を、三年前この委員会で非常に展開をしました。年金積立金というのはどうあるべきか、あるいはその運用についてどうあるべきか、監視についてどうあるべきかについての御見解を教えてください。
○参考人(磯村元史君) 年金積立金というのは老後の資金でございます。老後の資金の運用は、まず減らすべきではないというのが原則だろうと私は思っております。減らすべきでないんであれば、少なくとも市場変動のリスクのあるもの、すなわち株式あるいは外債、こういった市場変動のリスクのあるものについての運用はすべきではないと思っております。したがいまして、今の運用のやり方は非常に問題を含んでおると。現実に、数年前には数兆円の損失を出して問題になったことがあって、やっと最近、過去の損失も取り消してやっと水面下に浮上したように聞いておりますけれども。 一方では、今運用利回りの予定を年率、毎年でございますよ、毎年、百五十兆円の資金を四・一%に回そうとしております。この毎年四・一%というのは大変なことでございます。といいますのは、ほぼ八割近いものを債券で運用せざるを得ませんので、七割、八割の債券の運用、例えばこれが一・五ぐらいしか回りませんと、残り二、三割の市場変動のあるものの利回りを、これは計算してみればすぐ出てまいりますけれども、一〇%強に回さないと全体としての予定利率四・一%を維持できないわけですね。それを公約にするというふうなことは非常に危険極まりない運用であるなというふうに思っております。 以上でございます。
○福島みずほ君 磯村参考人に、事前に配付された論文に、例えば数十の天下りポストが新たにできることになると、焼け太りとはこのことであるというふうに批判をされていらっしゃるのですが、今回の法案についての評価、それからなぜ焼け太りという可能性を指摘されるのか、教えてください。
○参考人(磯村元史君) まず、焼け太りと指摘しました文章の意図は、もう既に御審議をいただいております政府管掌健康保険の各都道府県移管といいましょうか、その部分についてでございます。 その際申し上げましたのは、実は健康保険に限らず保険というのは大数の法則でもって運営するのをよしとしております。したがって、分母が小さくなる分割というのは保険の理屈に反するわけでございます。なぜ反してまで各都道府県に保険者の機能を移さなければならないのか。推測いたしますと、多分、天下りのポストをつくりたいからであろうと、こういう推測を下したわけでございます。 以上でございます。
○福島みずほ君 各政党も、社民党もマイ年金通帳といったものを例えば作って、それを本人が見て常に確認をしたりというふうにするとやっぱり本人の意識も高くなりますし、また記憶漏れが補充できたりと思うのですが、佐藤参考人、こういうふうな提案についてはどうお考えでしょうか。
○参考人(佐藤英善君) 実は私自身も被害者なんですよ。なぜかと申しますと、私の名前は佐藤英善と書きますけど、読み方はヒデタケなんですね。そうしましたら、大学を出まして一年半ばかり民間企業出ましたら、その分が、大分前でしたけど、ちょっと確かめてみましたら間違えておりました。しかし、直観的に多分ヒデヨシと読んだんじゃないかと思いまして、コンピューターで調べていただいたらすぐ出てきたんですよね。今そういうことを気が付いたんですね。 それで、手続を取りましてそれをつないだんですけど、六十歳を過ぎていましたんで、ある部分は、一年数か月分は消えちゃったんです、時効で。そこで、年金手帳が来たのが多分六十歳になる直前とか、ある一定の時期なんでしょうね。常時持っているようなものじゃないんですよね、しかも私はもう少し先にもらおうと思っていましたから、だから余り関心がなかった。 そういうことを考えますと、常時関心が持てるような何か仕組みも取るのも、それはよろしいんじゃないでしょうかね、やっぱり、と思いますが。
○福島みずほ君 貴重な被害体験をどうもありがとうございます。 磯村参考人にお聞きをします。 ちょっと膨大で申し訳ないんですが、安倍総理はコンピューターの五千万件の照合をまたやると、五千万件のうち受給者だけか分かりませんが。私というか社民党自身は、もっと台帳、マイクロフィルムとそれからオンラインのをきちっと照合をすべきだ、あるいは台帳を全部やっぱり、ほこりかぶったのも含めて全部出して照合をすべきだとか、あるいは今回の時効の援用をしないということの金額などもいろんな見積り出ておりますが、莫大なお金が掛かると思うんですね。 これは、ちょっと突然聞いて済みませんが、どれぐらい費用が掛かるというふうに思われているのか、あるいはこの費用は一体どこから出すべきかという点についてお考えを教えてください。
○参考人(磯村元史君) 正直なところどれぐらい掛かるか見当が付きませんが、ただ、今委員おっしゃいましたように、現在多分ワンビシアーカイブズの倉庫及び高井戸の業務センター、こういったところに保管されているであろう資料並びに各市町村にもしやあるかも分からない原簿でございますね、こういったものはいったん全部集中して名寄せをすべきだろうと思います。名寄せというのは、人間の名前に、あるいは番号に書類を合わせることでございます。これをやらない限り、必ずや根拠がない、判定委員会でも判定ができないといううらみが残ります。これは必ず残ります。 したがって、そのための費用がどれぐらい掛かるかは、正直、原簿なり書類なりを集めてみないと分かりませんが、じゃ、その財源はどうするんだということでございます。 これは大変途方もない意見かも分かりませんが、例えば、今公務員、国家公務員百万人、地方公務員三百万人、合計四百万人おられます。これの年間の給料が約三十兆円でございます。今回の事件は、民間企業であれば社員全体が連帯して負うべきものであります。日本国、株式会社日本国の社員はだれかというと、公務員でございます。そのほかに、株式会社日本の取締役は国会議員の皆さん方であります。したがって、現国会議員の皆さん方と社員であるべき公務員の皆さん方が連帯してこのお金を負担する。まあ全部とは言いません、ごく一部で結構です。 例えば、今三十兆円のわずか〇・一%でございますと、年収五百万の人は五千円出せばいいんですよ。そうすると、全体で三百億円集まります。それから、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合の年金の積立金が約五十兆円ございます。これも〇・一%拠出していただくと、そうしますとこれ五百億円出てきます。両方で約八百億円出てまいりますが、これを財源の一部にするというふうなことで、今回の件は本当に皆さん済みませんでしたと、公務員寄ってたかって、国会議員も含めて頭をそって、お金を出しておわびしますと言うと一件落着すると思います。 以上でございます。
○福島みずほ君 今回、民間委託というのが一つのポイントになっているのですが、他方、一九八〇年代、アルバイトや派遣の人にデータを入れさせたと。もちろん、派遣が駄目、パートが駄目、アルバイトが駄目というわけではないんですが、そのときの管理体制と指示の徹底などが不十分だったんではないか。最近も新聞に、当時入力した人がおぼつかない感じでやっていたというふうな実体験が出ておりましたけれども、今回の民間委託で一体この年金業務がどうなるのか、大変心配をしています。 この年金相談も、インターネットで派遣で募集をしている。経験、学歴不問で十八歳から六十五歳までで、どなたでもできる仕事ですというふうな中身なんですね。これでみんなの今の年金の不安にこたえられるかという思いがあるんですが。 山田参考人にお聞きをします。この民間委託ということが、本当にこれで年金安心してきちっとできるのか、あるいは分割をしてどこが最終的に責任を負うのか、その点についてはいかがでしょうか。
○参考人(山田稔君) 今、年金機構法案が出て、民間といいますか、そちらありきの議論が進んでいますが、本当に国民が心配していることがどうして民間じゃないと駄目なんですかというのが率直な疑問だというふうに思います。どうして、これだけの問題を起こした社会保険庁といいますか、国、厚生労働省、社会保険庁が、本当に責任を感じて自らの手で解決をするということがどうしてできないんですかというのが、私は率直な意見だというふうに思っています。 この間、確かにアルバイトの方とかが入力に携わられてという問題があるかというふうに思っていますが、それはその方々の問題というよりも、システムとして非常に問題があったということを聞いております。そういう点では、民間だから駄目、公務員だから駄目、そういうことじゃなくて、私は、今回の問題はだれが責任を負うのかという点では、正に国、厚生労働省、社会保険庁がまず責任をしっかり負うべきだというふうに思っています。 なぜこれほどまでに社会保険庁の解体を急がなければならないのかというのは、国民にとっちゃ全く分からぬ議論だというふうに思っています。これだけの問題が出たからこそ、余計に、社会保険庁の解体をストップさせてでも、全力を挙げて問題解決に当たるという姿勢を国が示すべきだと私は思っています。
○福島みずほ君 ありがとうございます。 磯村参考人が先ほど、これだけデータの問題など問題になっているところでこの法案を通すと、逆に雲散霧消するというか、一体どこがどう責任を負うのか、あるいはノウハウがどうなるのか、あるいは関連するデータの保存が、ただでさえ今分割をしているわけですが、どうなるのかとおっしゃいましたけれども、私もそれを実はとても心配をしています、前のことが分からなくなってしまうんではないか。その点についてはいかがでしょうか。
○参考人(磯村元史君) 過去の省庁再編のとき及び情報公開法の施行のときに、実は政府の保有する文書ががくっと減ったことがございます。これはどこかのホームページに出ていますですね、役所の。その理由は定かではございませんが、多分、省庁再編によって文書が破棄されたというふうなコメントが付いておりました。 事ほどさように、これは民間企業でもそうですけれども、どこの組織体でも組織が変わると大体文書の整理をいたします。そのときに原簿を捨てるということも実はないわけではございません、既に原簿は大分捨てられておりますけれども。そういう部分のほかに、先ほども陳述のときに申し上げました頭の中に入っているノウハウですね、これが人の異動によってなくなってしまう、これが実は一番怖うございます。このノウハウの消滅というのは書類の消滅以上の被害かも分かりません。 以上でございます。
○福島みずほ君 西沢参考人に同じことをお聞きをします。 これだけデータの問題や、それから、実は今の時点でいろんな新しい事実、入力されてないものやいろんなことが明らかになっています。今回、六分割して機構を変えてしまう、このことでむしろ問題点が、所在がまた不明確になるんではないか。この点についてはどうお考えでしょうか。
○参考人(西沢和彦君) 最初、佐藤参考人がおっしゃいましたと思うんですが、こういう趣旨だったと思うんですけれども、結局、人だとおっしゃいました。それは、社会保険庁にしようが日本年金機構にしようが、その中で働くトップや従業員の人だという趣旨だと思うんですね。我々は組織形態論ばかり話していますけれども、その中にいる人たちが意識を継続してモラル高くしてくれていれば委員御指摘のようなことが軽減されるわけで、組織論をするよりも人のモラル、意思ですね、彼らをたたくというよりも、今であれば彼らの精神面、体の健康面をむしろ気遣って一生懸命やってもらうとか、そんな人論というんでしょうか、テクニカルなものよりも人論がむしろ重要のような気がします。 ちょっと済みません、答えになってなくて。
○福島みずほ君 どうもありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十五分散会