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166回国会参議院2007/04/27

決算委員会 第6号

発言数
219
登壇者
27
会派数
5
開催日
2007/04/27

会議録

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日までに、伊藤基隆君、小林美恵子君、松井孝治君、津田弥太郎君及び藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君、大門実紀史君、松下新平君、主濱了君及び大久保勉君が選任されました。     ─────────────

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) 平成十七年度決算外二件を議題といたします。  本日は、国会、会計検査院、財務省及び金融庁の決算について審査を行います。     ─────────────

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) 速記を始めてください。     ─────────────

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 それでは、まず最初に金融担当大臣に幾つかお聞きしたいと思います。  資本市場を健全に育成させていくためには、企業財務情報が適正に作成され、また開示されるということが基本かと思いますが、残念ながら、ここ数年、この財務諸表等をめぐりましていろんな事件が起こっております。それを受けてこの国会に公認会計士法を改正するという運びになっているわけでございますが、それに関連して二、三お聞きしたいと思います。  私は、財務諸表、企業会計情報の適正な作成に当たって、会計士あるいは監査法人というものが極めて重要な役割を果たしている、それが間違った虚偽な作成等を行ったということになれば、その責任が追及されるのは当然だと思います。しかし、それと同時に、経営者の責任というものも厳しく追及されなければならないんではないか。経営者はプレーヤー、監査人は、会計士はむしろアンパイアという立場ではないのか。アンパイアの非だけが責められてプレーヤーの非が軽んじられるというようなことになれば、それはむしろバランスを失するんではないかなと、こんなふうに思います。  そういう観点で見たときに、欧米の制度と我が国の制度を比較しまして、どっちかというと経営者側の責任というものが、例えば罰則等におきましても日本とけたが違うと。アメリカ等では、一度そういうことをやってしまえば経営者としてはもうなかなか立ち上がりにくいというぐらいに厳しい規制を掛けておると思うんですが、今回も、しかしその点が、これは所管が法務省ということもあってかもしれませんけれども、置き去りにされて、会計士法の改正だけが行われようとしている。これはいかがなものかという感じがするんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 御指摘の企業財務情報の信頼性の確保というものは大変重要な観点でございまして、一義的な責任を負います者はやはり各企業の経営者であることは論をまたないところでございます。こうした観点から、昨年成立いたしました証券取引法等の改正におきまして、企業財務情報の信頼性の一層の確保に向けまして措置がなされたところでございます。  御紹介しますと、第一に、有価証券報告書等の虚偽記載罪の法定刑の上限を我が国法制下で経済犯罪の最高水準でございます懲役十年、そして罰金一千万、法人両罰七億円に引き上げております。第二に、財務報告に係る内部統制の有効性につきまして経営者自らが評価を行うことを義務付ける内部統制報告制度を罰則付きで導入いたしました。第三に、有価証券報告書等の記載内容の適正性につきまして経営者に確認を求める制度を導入するなどの措置を講じたところでございます。  今般、国会に提出いたしました公認会計士法等の一部を改正する法律案につきましては、こうした経営者側の責任強化の措置を前提としつつ、財務諸表の適正性の確保につきまして一方で重要な役割を担うこととなる監査法人等の監査の充実強化を図るところとしたところでございます。  財務諸表の適正性を確保していくためには、会社におけるガバナンス等の適切な発揮と監査法人等における実効性ある監査の実施の双方両々相まって機能しなければならないと考えておりまして、これらの実現に引き続き努めてまいりたいと考えております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 今、会社法でそのような改正が行われたということは私も承知しておりますが、それでもなおかつ欧米と比べて軽いんではないかということを申し上げておりますんで、是非これは金融担当大臣としてもお考えいただきたいなと思います。  それから、今の当事者である経営者とやっぱりそれをチェックする立場を担っている会計士、監査法人との関係が私は若干微妙ではないのかな、そこに一つの問題があるんじゃないかというようにかねがね思っているんです。  それはどういうことかといえば、弁護士であれば、それは本人の利益のために本人に成り代わって専門的な知識、経験等を生かして活動するということですから、それは本人が選んで本人がその報酬も決めればそれでいいことだと思いますが、会計監査の場合は、経営者の財務諸表の作成、それから会計書類、そういうものをチェックする、監視する立場にあるわけでございます。監視される側が自分を監視してくれる人を選び、なおかつまたその期間とか特に報酬を決めるというようなことになれば、これは監視する側が非常に立場上弱い立場にある。幾ら法的に責任もあり、また独立性を求められているといえども、根本のところで首根っこを押さえられているというようなことであればどうしても十全な活動が制約されてくるんではないかと、様々な面でですね、そのことがいろんな問題が起こる一つの淵源になっているんじゃないかなと、こんなふうに思うんですね。  それを解消する、そういう一種のねじれ現象を解消するにはじゃどうしたらいいのか。方法は二つだと思うんですね。一つは、そういう問題の起こしそうな会計士を選んだり、あるいは期間や報酬を値切ったために十分なことができなかったり、あるいは少し、そんなに厳しくしなくてもいいじゃないかというようなことを云々というようなことにならないようにしていかないといけないわけですけれども、そのためには、責任、経営者の先ほど申し上げた責任を厳しくするか、あるいは監査人の選任、あるいは報酬の決定を経営者から独立した立場の人にやってもらう。アメリカのように、やっぱり独立の外部監査役あるいは取締役会、そういうところが決定するというように改めるのが望ましいんではないかというように思うんですが、大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 森元委員おっしゃるように、プレーヤーがアンパイアの報酬を決める、いかにも中立性や公平性が損なわれる可能性があるのではないかという重要な御指摘でございます。  監査人が監査の対象である会社の経営者との間で監査契約を締結し、監査報酬がその会社の経営者から支払われるという、いわゆるねじれの問題を克服していくことは、これはもう言うまでもないことでございます。  こうした観点から、昨年五月に施行されました会社法におきまして、会計監査人の選任に関する議案の提出、会計監査人の報酬の決定、これにつきまして監査役等に同意権が付与されたところでございます。これを更に進めまして、例えば監査人の選任議案の決定権や監査報酬の決定権を監査役等に付与すべきではないか等の議論がございます。  こうした観点から、会社法が施行されたばかりでございますので、監査役等に同意権が付与された効果をまずは見極めながら考えていきたいと思っておりますし、取締役や監査役などの会社の内部機関の間における業務執行権等の分配の在り方にかかわる問題としてとらえまして、会社法上の十分な検討を今後進めなければならないというように考えるところでございます。  他方、昨年末に取りまとめられました金融審議会公認会計士制度部会の報告におきましては、会社法につきまして関係当局において早急かつ真剣な検討が更に進められることを期待したいというような提言がなされておりまして、金融庁といたしましても、会社法制を所管する法務省と十分意思疎通するなど図りまして、適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 会社法が改正され、施行されたばかりだから少し様子を見てというのも全く分からないわけではありません。しかし、他方、やっぱり会計士法をこのようないろんな事柄があったことによって改正しようとするわけですから、そうであれば、そもそもバランスの欠いていると思われるような部分についても、やっぱりそういう時期を見てというふうなことでなくて、むしろ同時にやってほしかったなと私は思っておるんですけれども、是非早急に検討を進めていただきたいとお願いをしておきたいと思います。  それから、もう一つ懸念されますのは、この会計士の方々、こういう問題が起こりますと、責任とか規制、罰則強化されるわけですが、余りにもその点だけが強化どんどんされていき、他方、それに見合うだけのメリットというか報酬というか地位とか、そういう部分がおろそかにされるというようなことになってきますと、せっかく難しい試験をパスして会計士という資格は取ったけれども、監査はやめておこう、そんなことするともう危ない、人生どうなるか分からないと、極端な場合。それよりは、むしろもう少し気楽な立場で、自由に活動もでき実入りもいい例えばコンサルのような業務の方に出ていこうと、こういう人が増えてくるんじゃないか。現実にそういう動きがもう一部見られるというふうに承知しておりますが、こういうことになると、私は事は非常にゆゆしい問題になると思いますね。  せっかくいろんな制度を立派につくりましても、それを担っていく人がいない。大げさに言えば、日本のやっぱり健全な資本主義社会が成り立たなくなる、大げさに言ってですけれどもね、ということさえ考えるわけですが、この点について大臣としてはどういうふうに考え、どういう手を打ったらいいとお考えでしょうか。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおり、中央青山監査法人の分離解体以降、そのような御指摘の懸念が指摘されていることは十分承知しておるところでございますが、今国会に提出いたしました公認会計士法等の一部を改正する法律案は、監査業務の複雑化、高度化が進展する一方で、監査をめぐる不適正な事例等が生じ、組織的監査の重要性が高まっている状況に対応するために監査法人制度等について見直しをさせていただきたいと思っております。  こうした法律案におきましては、監査法人等に対する監督責任の在り方の見直しとして、課徴金納付命令等行政処分の多様化を図る一方で、公認会計士の独立性及び地位の強化を図る観点から、監査人の独立性に関する制度整備や不正違法行為を発見した場合における監査人による当局への申出制度等の導入を図っているところでございます。  公認会計士監査が果たすべき社会的役割は大変重要でございまして、御指摘のように、我が国全体として監査業務に従事する者を確保していくことは必要なことでありますので、そのためにもまずは監査の信頼性を確保していくことが第一番でございまして、こうした監査法人制度の見直しが我が国証券市場の健全な発展に寄与し、ひいては再び公認会計士さんが適切な業務運営に当たることができるというような環境を整備していきたいというように考えております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 是非そういう人がどんどん増えてくるというようなことのないように十分全体を見ながら、いかに適正な財務書類等が作成される環境、条件がつくられるか、十分御考慮いただきたいと。  もう一点、今お話がありました課徴金についてお願いしておきたいと思いますが、これも今度かなり厳しく重課される方向にあるわけですが、この監査やっていた期間の最大一・五倍の課徴金ということになっているかと思いますが、そういうことになりますと、その監査報酬だけで大体監査法人というのは経営が成り立っているわけですけれども、既にもう報酬等で支払ってしまっているやつを後からさかのぼって何年分全部返しなさいと、返す原資がないわけです。そうなれば勢い倒産というようなことにもなりかねないわけですので、その運用に当たりましても今申し上げたようなことも十分頭に置いて考えていただきたいというように思います。  それから次に、ちょっと話題を変えまして、地域金融機関について何点かお聞きしたいと思います。  金融審議会の第二部会から地域金融に関する報告書が出されました。その内容は、地域密着型金融の取組を恒久化したこととか、それからその推進策について金融機関の自主性に力点を置いたとか、あるいは当局へのこれまでの過大、過剰とも言える報告を少し軽減したとかいうような点は評価できるかと思います。しかし、幾つかちょっと気掛かりな点もございますのでお聞きしたいと思うわけですが、まず第一点は、地域の再生、活性化に地域金融機関が積極的な役割を果たすべきだというふうに書かれておるわけですけれども、そのことはまあそうだろうと私も思います。  ただ、地域金融機関がどの程度の人的な体制があり、あるいはノウハウがあって、そういう地域再生に貢献できるかと。これは実力以上のことを例えば求められる、監督指針等に記入されて、それが指摘事項や指導事項になってくるというようなことになりますと、金融機関としては過大な負担を強いられますし、また再生にも余りプラスにならないんじゃないかと、こういうふうに考えるんですが、その辺のお考えについて御所見をいただければと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 地域密着型金融の今後の対応につきましての御指摘でございますが、先般、金融審議会第二部会で報告書がまとまりました。この報告書では、地域金融機関は地域経済の再生、活性化につき地域の情報ネットワークのかなめとして資金供給にとどまらず、情報、人材の面でも果たせる役割があるという御指摘がございまして、森元委員の御指摘とほぼ同じ趣旨だろうというように思っております。  一方、報告書におきましては、委員からの御指摘のあったような懸念も踏まえまして、地域貢献の名の下にコストを無視した取組を地域金融機関に求めるのではなくて、自らの収益にもつながる持続可能な貢献を行っていくことが重要というように言っているわけでございます。  当庁といたしましても、地域金融機関が地域密着型金融の推進を通じまして、自らの健全性を向上しつつ、地域経済の再生、活性化への取組を行っていくことが重要であろうと考えておりまして、今後、監督指針の見直しに当たってはこのような点に十分留意して行いたいというように考えております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 じゃ次に、不良債権の処理についてお聞きしたいと思いますが、大手行の不良債権はまあ一応緊急事態は脱して平時に復したと、こういうふうに言われておりますが、そういう中で地域金融機関の不良債権比率は依然高いわけですけれども、しかし、それを急激に解消、改善しようとしますと地域経済の地盤沈下につながるんじゃないか、よく一時言われました貸し渋りとか貸しはがしというようなことを引き起こしかねない、招きかねないんじゃないかと、こういうふうに懸念するわけですが、この不良債権処理についてどういうふうに臨まれるか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 不良債権比率の水準としましては、主要行に比べまして地域金融機関が高いところにいまだ位置しております。業態別不良債権比率を御紹介申し上げますと、十四年三月期、主要行八・四、それが十八年三月期には一・八%ですから、言わば四分の一にばちっと減っておるわけでございますが、特に信用組合におきましては、十四年三月期で一二・七、これがいまだ一〇・七ですから、減っておるのが二%と、こういうことになりますと、やや不良債権処理が遅れているというように感じるところはもう当然でございます。  しかし、地域金融機関の不良債権については、急激な処理を求めた場合、地域経済や取引先の中小企業に重大な影響を与えるおそれがございます。したがいまして、金融庁といたしましては、地域金融機関に対しまして、地域密着型金融の機能強化を促して、中小企業金融の円滑化に向けた取組を進めることによりましての不良債権問題の解決をするというアプローチを取ってきたわけでございます。主要行が外科手術に対してこちらは漢方薬で治療しているということでございます。当庁といたしましては、金融審議会の報告も踏まえまして、引き続き地域密着型金融の取組を推進することを通じまして、地域金融機関の財務の健全性の確保を図ってまいる所存でございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 じゃ次に、郵政民営化との関係で一点お聞きしたいと思いますが、今年十月一日から民営化がスタートするわけでございますが、この郵便貯金銀行が民営化され、貸出し業務にも進出してくるというようなことになりますと、その大きな資金量をバックにして相当有利な条件等を出しやすい力が、体力があるわけですので、これが地域の中小企業あるいは小売店等に本格的に貸付先を求めて出てくるというふうなことになりますと、既存の地域金融機関がもろにその影響を受けるんではないかなと、こういう懸念もあるわけですけれども、郵便貯金銀行の新規参入業務の認可に当たってどういう方針で臨むお考えかをお聞かせいただきたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 郵政民営化法では、政府出資等、国の関与が残る移行期間中の郵貯銀行の業務範囲の拡大につきましては、二つ大きく指針を出しております。民営化当初、これは現在の公社と同じ業務範囲を行うということでございまして、第二には、移行期間中、これは他の金融機関等との間の適正な競争の確保や利用者への役務の適切な提供等につきまして民営化委員会の意見を聴取の上で、主務大臣の認可によりまして段階的に業務拡大を行うというように二段階論を取っております。  こういう明確な枠組みが用意されているところでございまして、こういう枠組みの下で、業務範囲の拡大につきましての検討を行うに当たりましては、他の民間金融機関とのいわゆるイコールフッティングの状況、郵貯銀行の経営状況、さらにはオペレーショナルリスクの管理を含む金融機関としての適切な業務運営体制、リスク管理体制の整備の状況等を踏まえたものとすることが大事であろうというように思っております。郵政民営化委員会におきましても、同様の認識の下に、昨年末に所見というものを取りまとめるなどをしていただきまして、民営化に向けた準備が進められているところでございます。  金融庁といたしましては、郵貯銀行より新規業務の認可申請があった場合には、こうした制度設計の趣旨や金融監督上の観点から適切に判断することになると考えておりますが、いずれにしましても、郵貯銀行が民間金融システムに混乱を起こすということがないように、日本の金融システム全体の安定と活性化に寄与して、利用者利便の向上に資することができるというような体制を組みたいと思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 是非今おっしゃられました線で進めていただきたいと思います。  次に、また別の話でございますが、バーゼル2との関係についてお聞きしたいと思います。  この三月末から民間金融機関にはバーゼル2が適用されて、その中でアウトライヤー基準というものを算定して、それを金融庁の方に報告するということになったようでありますが、これ自体は外部に公表されるものではないというふうに承知しておりますけれども、他方、同じバーゼル2の中で、バンキング勘定の金利リスク量を開示しなさいと、こういうことになっている。  この金利リスク量というのはどうやって計算するのかといえば、内部管理上使用しているリスク量を開示することになっているということのようですが、しかし、実際にはアウトライヤー基準というものに限りなく近い、それそのものなものが結果的に開示せざるを得なくなるんではないか。そうなると金融機関間の比較が一つの基準ですぱっと測れますので、どの金融機関が危ないとか、ここは安心だとか、そういうようなことがマスコミ等で報道され、あるいは、そういうマスコミからの問い合わせがあったときに答えなければ、答えないということは危ないからだろうと逆に受け取られて、そういうことが積もり積もってといいますか、そういう動きが風評リスクを拡大していくことにつながらないだろうかと、そういうことを懸念する向きもあるわけでございますが。  この点について、そういう心配はないよというようなことでもしあればそれが一番有り難いんですけど、その辺、大臣のお考えなり方針をお聞かせいただきたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) バーゼル2の第二の柱と言われるものの中に、銀行勘定の金利リスクに関しまして、金融機関が、金利変動に関する標準的な仮定、標準的金利ショックに基づく資産・負債ネットの経済価値の低下額を計算しまして監督局へ報告することとされております。言わば監督局への開示でございまして、一般預金者等への開示ではございませんが、他方、第三の柱では、各金融機関が、内部管理上で使用する金利変動に関する仮定、これを金利ショックと言いますが、に対する損益又は経済価値の増減額の定量的な開示を求められております。  このように、第二の柱では、監督当局がある程度統一的な基準、アウトライヤー基準を設定しまして多数の金融機関を効率的かつ効果的にモニタリングしていくのに対しまして、第三の柱では、各金融機関の規模、特性に応じた金利リスク管理の適切性に関する情報開示を求めておりまして、性格がそもそも異なる。そして、第三の柱で開示されたものが直ちに第二の柱に連動するということではありません。  また、第三の柱におきましては、金融機関の金利リスク管理の方針及び手続の概要といった定性的な開示も行うこととされておりまして、このように各金融機関がその抱える金利リスクを適切に管理するとともに、当該リスク管理の方針等を開示することとすれば、金利リスクに関する定量的な開示は風評リスクにつながることではないというように思っておりますので、御理解をいただきたいというように思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 これは実際にはこれからですので、そういう取扱い、運用につきましては十分そういう点配慮をいただいて、くれぐれも問題が派生的に起こってこないようにしていただきたいというふうに思います。  それから、次に話題を変えまして、金融商品取引法の件で一点お聞きしたいと思いますが、現在、施行令あるいは施行規則案を作成されて、これをパブリックコメントに付しておられるかと思います。従来は施行期日は九月末というふうにお聞きしておりますけれども、そうだとすると、あと四か月ぐらいしかない。しかし、その施行令、施行規則のボリュームは紙にして三千七百ページという膨大なものだということですから、これを各金融機関がしっかりと、コメントを出すのもさることながら、それを受け止めて準備態勢をしっかりと取らないと、正に網の目からこぼれ落ちるようなものがいろいろ市場に出てきたからそれを何とかして消費者保護をしないといかぬというふうなことから始めたものが、金融機関の体制が十分でなければ法律の趣旨そのものが全うされてこなくなってしまうんじゃないか。要するに、準備期間が余りにも短いんじゃないかというふうに思うんですが、施行をそれとの兼ね合いでどういうふうに考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 昨年六月成立しました金融商品取引法制でございます。特徴は、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、市場の公正性、透明性の確保及び我が国金融・資本市場の国際化への推進、こうした観点から適切かつ円滑な施行が極めて重要だと考えております。施行時期につきましては、関係各方面における所要の準備期間等も勘案した上で、本年九月ごろの本格的施行を目指しているところでございます。  おっしゃるとおり、政府案、内閣府令案等の分量が大部でございまして、三千七百ページでございます。これに周知、広報に努めてまいらなきゃなりませんし、この時期についての懸念の御指摘でございますが、関係各方面における準備期間を十分に確保する必要があることは当然でございますけれども、我が国金融・資本市場を取り巻く環境の変化に適切に対応するためにはできる限り速やかに施行することが望ましいというように他方で要請がございます。  施行時期につきましては、こうした点を総合的に勘案しまして本年九月ごろを予定しておりますけれども、更に詳細なスケジュールにつきましては、今回のパブリックコメントの状況等も踏まえながら確定してまいりたいというように考えております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 基本的にできるだけ早くと、それは結構ですけれども、それのために準備が十分整わないにもかかわらず拙速な施行になるということの方が問題が大きいと思いますので、私は余り九月にこだわらないで慎重にやっていただければなというふうに思っております。  それからもう一点、サラ金の借り過ぎというか、多重債務に陥って人生を駄目にしてしまうと、こういう問題が起こったために国会で法律が改正されたわけでございますが、これいよいよ実施されていくときのポイントとしては、一つは、やっぱり借り手側の事前の教育とかあるいは相談とか、あるいはそういう状況に陥ったときの善後策についての的確な対応ということが一つと、それからもう一つは、やっぱり法の網をこれまたかいくぐるやみ金融業者のばっこ、こういうものを取り締まっていくということがこれからの課題だと思うんですが、いずれにしても、そういうものを的確に対応しようと思えば、そういう相談窓口等を一つは充実していく、それでもう一つは、取締りを強化するための体制、ということは人の増員を図るというふうなことが必要になってくると思うんですが。  相談窓口は地方自治体、特に市町村に中心的な役割を期待されているようでありますが、今大変全体に行政改革で人員削減が求められる中で新たな人を増やすということは、市町村にとっても、あるいは警察にとってもなかなか厳しい環境かなと思うんですけれども、大臣としては、その辺これからどういうふうにお取り組みになられるか、お聞かせいただきたいと思います。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 多重債務問題の解決は急務でございます。政府を挙げて取り組んでいるところでございまして、去る四月二十日、多重債務者対策本部におきまして、直ちに取り組むべき具体的な施策という形で、多重債務問題改善プログラム、これを決定したところでございます。  この中で、やみ金融の撲滅につきましては、警察や監督当局の取締りを徹底する、そして自治体の相談窓口の整備につきましては、比較的対応能力が認められる自治体に対しましては、丁寧な事情の聴取や具体的な解決方法の検討、助言ができるよう、相談体制、内容の充実を要請するというようにされております。これらの取組につきまして、既に消費生活センターや消費者向け相談窓口を設置している自治体における相談内容の充実など、できるところからやり始めるというような考え方が重要というように示されております。  これらの対策は、深刻化する多重債務問題を一刻も早く解決するため、関係省庁や自治体が直ちに積極的に取り組んでいただけるように認識しておるものでございますが、本問題の解決のためにそれぞれの主体において可能な限りの体制整備に取り組んでいただきたいというように考えております。特に、多重債務者と言われる者が日本全国で二百三十万人、相談体制にあずかれる人はそのうち一割か二割と言われておりますので、言わば一番住民に密接な市町村に期待が掛かるのも当然でございますが、それがかえって過重な負担にならないような工夫を凝らしていきたいというように思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 それじゃ、山本大臣、ありがとうございました。  それじゃ次に、尾身財務大臣にお聞きをしたいと思います。  まず第一点目は財政の健全化についてでありますが、二〇一一年度を目途にプライマリーバランスを均衡させるというのが政府の大きな方針でございます。そのためには歳入歳出で合計十六兆五千億円、歳出カットあるいは増収、いずれか図らないといけないと、こういう見通しを政府は立てているわけですけれども、その中心は歳出削減で対応しようということですね。その額が昨年の骨太の方針の中では十四兆三千億から十一兆四千億だと、こういうふうになっております。  お聞きしたいのは、まずこの歳出の額の根拠というものが、積算根拠ですね、きちっと積み上げてこれで幾らこれで幾らというようなものになっておるのかどうかということと、それから、十四兆三千億から十一兆四千億というと約三兆円ぐらいの幅があるんですけれども、この幅はどういうふうに理解したらいいのかと、まずその点をお聞きしたいと思います。

富田茂之公明党財務副大臣

○副大臣(富田茂之君) 今後の歳出削減の内容につきましては、過去五年間の改革実績を踏まえながら、ゼロベースから聖域なく歳出を見直すとの考え方の下、各分野における取組と内容が定められ、具体的な金額が決定されているところであります。  削減額に幅があるのはなぜかという御質問ですが、経費によりましては、今後の資材価格や人件費の状況、また内外の経済情勢等によってある程度幅を持って考える必要があるため、このような幅を持たせた数字を出しているところであります。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 要するに、幅はともかくとして、その積算根拠というものは事細かくあるんでしょうかというのをもう一度ちょっとお聞きしたいと思います。

富田茂之公明党財務副大臣

○副大臣(富田茂之君) 細かな数字を重ねているわけではありませんので、先ほど御答弁したように、それぞれ各分野における取組を重ねたものでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 私は、やっぱり国民の、歳出削減を進めるにしても、国民の理解がなければ実際にはなかなかできないと。そうすると、今のお話のように、何といいますか、くくりとしての一つの見込みを立てているというように理解をするんですけれども、そうだとすると、幾らこの数字を見ていてもそれが何を意味しているのかということが分からないわけですね。分からないんだけど信頼してくれと、こういうことになるのか、いや、それとも、そういう作業はこれから毎年の予算編成を通じて一つ一つ国民にも説明をし、理解、納得をしていくんだと、こういうことなのか、まあ後者しかないんだろうと思うんですが。  そうだとすると、私はこの十一兆四千億から十四兆三千億というものがどの程度実現できるんだろうかなということも思いますし、私自身はかなり厳しい、数字的に厳しいんじゃないかなというふうにも思うんですが、大臣の御所見をお聞かせいただければと思います。

富田茂之公明党財務副大臣

○副大臣(富田茂之君) 先生御指摘のとおりだと思いますが、特に社会保障につきましてですが、今後五年間で一兆六千億円程度の削減を行うこととしております。これは、過去五年の改革を踏まえまして、今後五年間においてもこれまでの改革努力を継続いたしませば、公的保険給付の範囲の見直しとかサービス提供コストの抑制など、各制度の見直しに取り組んでいく中で実現していけるというふうに考えておりますし、また文教の分野でも、子供の数の減少とか教員の給与構造改革を反映する等しまして、それぞれの分野における具体的な取組を踏まえまして歳出削減額が定められているところであります。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 じゃ、仮にこの十四兆ないし十一兆の歳出が削減された場合に、日本の予算のGDP比がどのぐらいの規模になるのか、それは世界的に見てどの水準かというのをお聞かせいただければと思います。

富田茂之公明党財務副大臣

○副大臣(富田茂之君) 基本方針二〇〇六におきまして、十四兆三千億から十四兆四千億円の歳出削減を行った場合、二〇一一年度の国、地方の歳出額は百十三兆九千億から百十六兆八千億円程度になるというふうに推計されております。この歳出額を、日本経済の進路と戦略の参考試算として内閣府が作成いたしました試算で示されております二〇一一年度のGDP比の推計値で割りますと二〇%程度となります。ただし、この国、地方の歳出額には社会保障給付のうちの社会保険料を財源とするものが含まれておりませんので、ここに留意することが必要かと考えております。  国際比較につきましては、OECDにおきまして社会保険料を財源とする社会保障給付を含めた政府支出規模の対GDP比が公表されております。しかし、国によりましては社会保障給付に占める社会保険料の財源割合は相当に異なりますため、社会保険料で賄われる部分を除いた歳出額の水準を単純に国際比較することによって政府支出の規模を議論することは困難であるということを御理解いただければと思います。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 今お話がありましたように、もし社会保険料を入れたら、二〇%にどのぐらいの規模のものが上乗せになるんでしょう。分かればで結構ですけど。

富田茂之公明党財務副大臣

○副大臣(富田茂之君) 御指摘の社会保険料を財源とする社会保障給付を含めた政府全体の支出規模の対GDP比ですが、OECDの発表した数値を比較いたしますと、二〇〇六年の我が国の数値は三六・三%であるのに対しまして、アメリカは三六・五%、イギリス四五・三%、フランス五三・八%、ドイツ四五・九%、イタリア四九・六%、カナダ三九・五%となっております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 私は、やっぱり日本の今の財政の問題、いろいろな点がありますけれども、一つは、やっぱり国民の租税、社会保険料の負担率、いわゆる国民負担率が世界の中でアメリカに次いで低い。アメリカはしかし公的医療保険がありませんから、そのことを勘案すると恐らく主要国の中では一番低いんじゃないかなと思いますが、その反面、長期債務残高がもう世界最大、最高水準と、こういうところが一番の問題だと思うんですけれども、その割に国民の間に危機感、財政に対する危機意識というものが余りないようにも思うんですね。  どうして危機意識が余りないんだろうかというふうに考えますと、世界的に見ても極端に悪化している財政とは言われるものの、そのことが国民生活とか国民経済に直接にいろんな支障、弊害をもたらしているか、そういう現象が起こっているかというと、幸いなことと言っていいと思いますが、起こっていない。そのことが危機意識が小さいことにつながっているんではないかというふうに思うんですが、そういう理解でいいのか。あるいは、そしてまた、なぜそういう、財政が悪い割には実態生活、経済に影響が余り深刻に出ていないのか、その辺について御所見をお聞かせいただければと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 今おっしゃった意味で、私どもとしては、まあ言えば国民生活が特別支障なくいっているわけでありますので、財政改革の名の下にこの支出の縮減を全力でやっているわけでございますが、全体として見ると、例えば外国の格付機関が日本の財政に対する評価を上げるというような現象も起こっておりまして、目先、特別な支障があるように国民の皆様が感じておられないかもしれないという感じはいたします。ただしかし、現実には債務残高一四八%という状況でありまして、私どもとしては、このGDP比もむしろ雪だるまが膨らんでくるという状況になっていることに対して極めて大きな危機感を持っておりまして、少なくともこのプライマリーバランスを黒字化をしてGDP比を縮小する、雪だるまが小さくなるということを目指して、そして、それが長い目で見た国家経済のために必要であるということを国民の皆様に是非理解をしていただかなければならない、そうでないと財政再建が実現できないという危機意識を持って、これからもいろんな意味で説明をしてまいりたいと考えているところでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 財務大臣始め財政当局がその財政に対して危機意識を持っていただくというのはもう当然ですし、そのとおりだと思うんですが、私が言いたいのは、そのことがどうして国民に伝わらないのかという点ですね。これはやっぱり今のような状態は異常であると私自身は思いますが、その異常なことが具体的な形になってしかし現れていない。しかし、これがそのまま放置しておけばそれでずっと安泰で物事が進んでいくかというと、どこかの時点でいろんな影響が形となって現れてくるだろうと思うんですけれども、そのことについて財政当局から的確なメッセージが発出されていないんじゃないか。  例えば、今おっしゃられた債務残高がGDP比一四八%にしても、例えばこれが二〇〇になったらもうこれが限界なのか、あるいは一〇〇ぐらいであれば何とか持ちこたえられるのかと、そういう何か一般の人が分かりやすいような形での説明というものがないと、ただ抽象的に大変だ大変だ、このままではいろんな面で支障が将来起こりますよと、それを繰り返して百遍言っても、一般の人はああそうかというふうなことには受け止めないんじゃないのかなと、その工夫が今大変必要じゃないのかなというふうに思うんですけれども、大臣として何かお考えございませんでしょうか。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 確かに担当の責任者としては今、森元委員のおっしゃるとおりだというふうに感じております。  私どもとしては、例えば公共事業にしても社会保障にしても、あるいはODAにしても、その他もろもろ厳しい削減方針を貫いてきております。例えば公共事業、道路や何かも含めます公共事業も切り過ぎて、道路の建設のニーズにこたえられないという悲鳴が上がっておりますし、また、社会保障にしても弱者切捨てであるというような批判もいただいているわけでございますが、そういう批判はある程度覚悟の上で厳しい削減方針をずっと貫いてきたところでありますし、またこれからも貫き通さなければならない。  したがいまして、支出の面ではそういう悲鳴が上がっておりますが、逆に言うと、それだけ悲鳴が上がってもなおかつ歳出削減の努力をこれからも続けていくというところに実は私ども固い決意があるわけでございまして、そういう決意というのが、逆に言うと、そこまで外国からのこの財政運営についての信頼感というものも、我々がこの財政再建をしっかりやっていくという固い決意に対する評価なのかなというふうに感じているところでございます。  さはさりながら、御存じのような状況で、非常に厳しい財政状況でございまして、他方、国民負担率は三九・七%という世界一実質的に低い負担率になっている。財政制度等審議会におきましても、中福祉低負担であり、この状態を続けて後世にツケを残すことは適当でないというようなことも言われているわけでございまして、そういう財政状況について国民に正しく理解をしていただく努力はこれからも続けていきたいと考えているところでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 今おっしゃられましたように、今のような歳出削減を第一とした財政健全化策を取り続けていきますと、私は中福祉低負担が低福祉低負担にならざるを得ないと思うんですね。果たして、そういうときにそういう形での財政再建というのは、財政は健全化したけれども社会は果たして健全になったんだろうかと、こういう問題提起を同時にしていかないといけないと思うんですね。  この構造改革を進めることによって社会の様々な面で格差が広がっているんじゃないかという指摘がここ盛んに行われているわけですけれども、歳出削減あるいは規制改革というようなことで政府の役割を小さくすればするほど不均衡が拡大する、格差が拡大するというのは当然といえば当然のことだと思います。やっぱり政府の役割というのは教科書的に言えば資源の有効利用と富の再分配になるわけですから、それが小さくなれば反対の動きになってくるのは当然と。  私が言いたいのは、歳出削減の方が増税策に比べたら国民の理解を得やすいというのはあるかと思いますけれども、しかしこれが限度を超えたところまで突き進んでいけば、歳出削減の結果、別の形で国民負担もやはり増えるという面が必至であるわけですし、果たしてそういうことが国民一人一人に具体的に示したときにどちらがいいのか、例えば中福祉中負担がいいのか、低福祉低負担の方がいいのかと、それを具体的に言わないと、抽象的に言ったってぴんときませんから、そういう作業が今最も必要じゃないかというふうに思うんです。是非それを大臣以下財政当局として御尽力いただきたいなと思うんですが。  そういう問題提起の中で申し上げたいのは、日本と全然違う方向で国家運営、財政運営をしているのが北欧諸国だと思うんです。端的に言えば、日本の負担率の二倍の負担をし、よく高福祉高負担と言われる。我々の発想からすれば、あんな二倍の負担までしてよく国民の間に不満が出てこない、あるいは高額所得者は国外に逃げ出さないなと、あるいは経済の活力があれでよくそがれないで安定的な成長を達成できているなと、こういうふうに思うんですけれども、北欧諸国では我々が常識的に考えているのと違う方針で財政・国家運営をしているにもかかわらず、我々が心配する問題が起こっていないのはなぜかと。大臣としてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) スウェーデンのことが例だと思いますが、国民負担率が七〇%と、つまり百万円の所得のある人は七十万円を税及び社会保障負担、医療保険の掛金とか雇用保険の掛金も含めた負担で国あるいは地方公共団体などに納めていると、こういうことでございまして、その代わり、医療費もただ、老人ホームもほとんどお金が掛からない、学校などもほとんどお金が掛からないという高福祉の国であります。ですから、そういう中で、それも負担が高いわけでありますけれども、これは国家全体として国民的なコンセンサスがあって、そして高福祉高負担になっているというふうに考えております。  ただ、高福祉高負担、中福祉低負担、低福祉低負担という、負担と給付の内容がほぼ見合っている国はそれなりにバランスが取れているというふうに考えておりますが、日本の場合には中福祉低負担、財政制度等審議会においてもそういうふうに言われているわけでございまして、負担の方は世界一実質的に低い、しかし債務残高は世界一高いと、こういうことでございまして、今の状況がこのまま続くと、先ほども申し上げましたような雪だるまがどんどん膨らんでくると、こういうことでございまして、この状況をこのままほうっておくわけにはいかない。  したがって、少なくとも給付と負担の関係をどういう形にせよ対応できるような内容にしていかなければならないというふうに私自身も考えているところでございまして、それは正に国会等におきましていろんな御議論をいただいて、この日本という国家をどういうふうにしていくか。例えば、ODAにしろずっと切り込み続けておりますし、その他も非常に大事な予算も、科学技術にしても幾らか伸ばしておりますけれども、昨今、中国とかあるいは韓国とかの大幅な科学技術予算の伸びに伴う研究開発の進展状況を見ますと、今のような状況を続けていくことが国家百年のためにいいかということになりますと、極めて問題であるというふうに考えているわけでございまして、やはり国家として今言ったようにパイを全部小さくしてそのままいくということが国の将来としていいかということについては極めて議論をすべき問題があるというふうに考えております。  ただ、財務省としては、やはり国民的に改革を進める、改革を進めるというと財政支出を削減するという言葉と同義的にとらえている方もかなり多いわけでありまして、そういう意味で改革を進めることについては私どもは今までどおりの意欲を持って、無駄な経費を縮減するという意味で改革を進めていかなければならない。しかし、将来的に、今のこの負担と給付の関係がバランスが取れていない、その関係は何らかの形でバランスを取るような形にしていかないと国家百年の方向が正しく決まらないと、こういう危機意識は私ども非常に強く持っているところでございまして、その点もやはり立法府の方々にも御理解をいただきたいなというふうに思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 その財政の収支のバランスを確保しないと、均衡化させないといけないと。それはもうそのとおりなんですけど、私が今問題提起しようとしているのは、それを歳出削減でやるのか増税で歳入増でやるのかと。併せてやるということに結果的にはなるんだろうと思いますが、そういう割合あるいはその規模をどの程度と想定してやるのかと、こういう話ですよね。  そのときに、北欧諸国の高福祉高負担、あれを国民の多数の人が支持をし、政権交代があっても半世紀にわたってあの基本路線が変更されてない。それはなぜかと私もかねがね不思議に思っておりましたので若干勉強いたしましたが、完全ではありませんが、分かったことは一つ二つあります。  一つは、やっぱり国民の多くの方々が若くて元気で働いているときに納めた税金、社会保険料が、いずれ自分が働けなくなったり病気になったり身寄りがいなくなったり、だれかに助けてもらわないと真っ当な生活ができなくなったら、そのときはしっかりと今まで貢献したもので自分にお世話をいただけるんだと。そういう、要するに、社会のため、人のためであると同時に、自分のためでもあるということの信念をしっかりと持っておられる。  それはなぜ信念を持っているかというと、税金の使い方に対して一つは情報公開が徹底されている。どういう使い方されているかということが分かるということが一つと、それから教育、福祉、医療は地方自治体にほぼ全面的にゆだねられて、自分たちの身近なところで民主的コントロールの下でその執行が行われている。変なことすれば次の選挙ですぐその議員は落とせばいいと、こういうふうに信念を持っているというようなこと。要するに、情報公開による国や自治体、ひいては議員、公務員に対する信頼が非常に厚いということが高福祉高負担を支える基盤になっているんじゃないかなと、これは私なりの理解ですけれども。  残念ながら、翻って日本の場合には、国や自治体あるいは我々議員あるいは職員に対して国民の信頼が非常に低い、これを回復しない限りなかなかこの国のあるべき姿を幅広く議論していくという土台ができてこないんじゃないかなと、こんなふうに思ったりしております。  それで、歳入の点は、削り込むだけじゃなくて、今も大臣もちょっとおっしゃられました。例えばODAにしても、国際的な貢献をするあるいは国際的な約束を果たしていくためにも、やっぱり削っているだけではそれは履行できないわけですし、私は、科学技術費は今厳しい中でも増額しておりますが、それに尽きず、やっぱり日本の将来というものを考えたときに、今ここを力入れないと将来が危なくなるよというのはほかにもあると思うんです。その最たるものの一つが少子化であり、その少子化対策の一つの柱は教育費だと私はかねがね思っております。  少子化対策は、ちょっとしたぐらいの金額では、焼け石に水というのも言い過ぎですけれども、効果がない。やはりそれだけの手当て、対策が講じられることによって、一人一人の人がしっかりと子育てをしていこうと、安心して、あるいは自信を持って、夢を持って子育てに励もうと思ってくれるぐらいの、そういう規模にするということが大事だと思うんですね。  ちょっとしたものを幾らやってみても、それは意識の変化につながるかと、ここがポイントだと思うんですけれども、財務省が建議の中で出している資料を見て若干私はがっかりしたのは、就園奨励費を増やしてもそのことが出生率に影響ない、だからそんなことをやっても効果はないんだというような資料を出しておられますが、それは、ごく一部のささやかなところをそんなこと出してみたところで、そのことで人がもう一人子供をつくろうかなんて思わなければ何の効果もないのが当たり前なんです。ですから、一人の人はもう一人、二人の人はもう一人、三人というように、やっぱり子育てをしたくなるような環境をつくらないと全くお金が生きてこないと思うんですけれども、その辺について大臣はどうお考えでしょうか。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 少子化問題、大変大事でございまして、今、進路と展望の中の内閣府の試算がございますが、あの試算は、うまくいけばプライマリーバランスが二〇一一年に黒字になるかもしれないという試算になっておりますが、その試算には実は二つの要因が入っております。一つは、社会保障費が高齢化に伴って増加する、もう一つは、基礎年金の負担を三分の一から二分の一に上げるという、この二つの要因を入れているんですが、あと残りの二つの要因というのが、私ども考えておるのが入っていない。一つは少子化問題であります。もう一つは、金利が上がるかもしれないということであります。  少子化問題については、今お話しのとおり、三十年前はフランスと日本の出生率は約一・九で両方同じでございました。その後、フランスは物すごく少子化に力を入れてまいった結果、出生率二・〇になって人口も幾らか増えている。日本は一・二六になって人口が減っている、人口減少社会と言われているわけでございます。ですから、百年後には四千五百万の人口になるという推計がなされているわけでございます。  見ますと、日本はGDPの〇・七%しか少子化対策に使っていない。フランスは三%、日本の四倍使ってきている。もちろん社会制度とか慣習とかいろんなことがありますけれども、国の予算そのものを見ても非常に少ない額しか使っていないわけでありまして、私どもが人口対策、少子化対策を本格的にやるためにはやはりそのくらいの負担も考えた上で財政再建を進めていかないといけないのではないかというふうに考えておりまして、一昨日の経済財政諮問会議におきましても、財務大臣からこのくらいお金が掛かりますよというようなことを言うのは甚だもって問題もあると思いましたが、しかし、少子化対策を国として本格的にやるためにはやはり財政の方もある程度確保していかなければならないという点からあえてその数字を出させていただいたわけでございまして、そういうものも踏まえながらこれからの日本を考えて、その中で財政再建をしていかなければならないというふうに考えているわけでございまして、この辺につきましては、国家として百年後にどういう国家像を持つのか、人口四千五百万でいいのかということを踏まえながら、その中で財政再建もきちっとやっていくという考え方に立って国民の理解を得ていきたいと考えている次第でございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 大変力強い、心強い御答弁お話しいただきましてありがとうございました。  正に、先ほど私も申し上げたように、財政再建成って国破れるでは何のための財政再建か分からない。やっぱり改革というのは削るだけが大臣もおっしゃられましたけれども改革じゃありません。やるべきことをやるのが改革だと思いますので、本当に百年、千年の大計の下に、今我々が何をやらないといけないかということをしっかりと踏まえて財政、予算編成に取り組んでいただければ有り難いなと思います。  少子化の原因も、これは議論すればいろいろあると思いますが、私も少し考えてきましたけれども、私なりにこれが根本だと思い至りましたのは、やっぱり子供の家庭における役割というものが大きく昔と変わったと。昔は子供が一家の支え手、特に親にとって老後の支え手でありました。しかし、最近は大変いい社会になったわけですが、社会保障制度がそれこそ充実して年金、医療、介護が整いましたから、独り身であってもそれなりの人生全うできるという条件ができました。それだけに、子供はもう支え手ではなくなってしまったということだと思うんです。  それじゃ、だれに支えられているかというと、自分の子に支えられていないで人の子に支えられている。みんなが人を当てにして、自分は人生を、極端に言ったら語弊もありますが、謳歌していると、気楽に人生を送っていると、こういう状態ではないのかと。子供がそういう意味で、ある意味で社会化しているとすれば、そういう費用負担、相互助け合いも社会的にやらないといけないんじゃないか。  ですから、やっぱり少子化対策は、だれがその費用を負担するかというようなことは、そういうこともしっかりと頭に置いてやる必要があるんじゃないかということをもう一つ申し上げておきたいと思います。  その上でですけれども、なぜ子供を余り産まないんですか、育てないんですかとお聞きすると、大半の人が、七、八割の方がお金が掛かるからだと答えている。お金が掛かる要素は、確かに保育料、医療費もあるかと思いますが、私はやっぱり一番金額的にかさむのは教育費だと思うんです。  特に日本の場合、幼稚園から大学まで私立のウエートが非常に高い。国公立を望んでも、義務教育の期間は別としましたら、全部が全部国公立に入学できるわけではありません。私学を選択せざるを得ない人が、その費用負担、余り国公立と変わらなければ問題ありませんが、四、五倍掛かると言われております。授業の内容は全くと言っていいぐらいに変わらない、卒業した資格も変わらない、しかし負担だけが四、五倍というのは、これは余りにも不公平で、憲法の平等原則に照らしても問題じゃないのかなという気がいたしますし、今議論しているこの少子化からしましても、例えば子供が二人で、一人が私学の高校、もう一人が私立の大学となったら、普通の一般的な、平均的なサラリーマンでは真っ当な生活ができないとさえ言われております。これじゃ子供を二人、三人、四人とつくろうという気になかなかならない。しかも、子供は支え手でないんですから、ましてやそういう気になるのは当然であります。  少子化対策に力を入れていただくのは大変有り難いわけですけれども、教育、特に私立の教育費負担をやっぱり大幅に引き下げる施策を講じないと、私は少子化は止まらないんではないかとさえ思うんですが、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 今いろんな改革をやっておりますが、大学改革というのも経済財政諮問会議で議論しているところでございます。  そういう中で、今お話しの私立高校、大学、物すごく公立と比べてお金が掛かっておりまして、特に国立の大学が大体において学生の四分の一、私立の大学が四分の三ということになっております。その私立の大学の個人負担というのが非常に高くなっておりまして、今お話しのとおりの現状でございます。やはり教育の機会均等ということも含めて国立と私立のバランスということをこれから考えていきまして、どうしていくかということについての改革もしていかなければならない。  そういう中で、じゃ国立と同じだけの支援を国からやるのかということになりますと、これはまた膨大なお金が掛かるわけでございまして、私ども財政当局としてただそれだけを出せばいいということにはならないわけでありまして、これもまた全体の将来の国家像の中で収入、支出両方併せてどう考えていくかということを考えながらこの問題も解決していかなきゃいけないと考えております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 大変な額の財源が伴う話でありますから簡単じゃないのは承知しておりますが、少子化の先進国ともいうべきヨーロッパの国々、フランスやスウェーデンにおっても、ヨーロッパはほとんど教育費は無償負担ですよね。それでも少子化が起こっているわけですけれども。しかし、日本のようにこれだけの私学負担があるということになれば、よりブレーキが掛かるのは言わば当然ではないのかな。この一・二五を少なくとも一・五、できれば一・八ぐらいまでは何とか回復したいというためには、やっぱりよっぽどこれは検討をして国民的コンセンサスづくりをしないといけないんじゃないかと。やっぱり国の土台が揺るぎかねない問題だということでお取り組みいただければと思います。  次に、地方財政について少しお聞きしたいと思います。  先ごろ分権推進委員会が改めて発足をいたしまして新たな議論がスタートしたわけでございますが、私は、分権一括法あるいは三位一体の改革を振り返りまして、地方の声を聴きましても余り評価が高くありませんし、その前と後ではどれほど実態が変わったかということを考えましたときに、そんなに大きな変化がなかったんじゃないかな。これをやはり本当の意味での地方分権、地方自治というものを確立していくためには地方の自主性、自律性、自己決定権を更に強化しなけりゃいけない、そういう観点でお聞きしたいと思います。  まず、権限移譲の点では、財務省はやっぱり各省庁の中にあって率先して地方分権進めてもらいたいなと私は思うんですけれども、これまでは国の権限移譲をむしろ主導してきたんじゃないかと、こういうふうに見られている向きがあるかと思うんですが、その点について御所見をいただければと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) これは、私どもは地方分権という基本的な考え方の下に、地方でできることは地方でという考え方で、全体の国の方針の中で私どもも積極的にこれを進めてきたというふうに考えております。  そういう中で、国と地方の財政の問題は、大変、今我々から見ておりますと国の財政よりも地方の財政の方がはるかに楽であると。例えばプライマリーバランスも、国は赤字だけれども地方は黒字であるということになっております。これは地方というのは地方合計という意味であります。地方の間の格差というのが非常に広がってきているということはございますんで、そこの点についての手当てはしっかりとやっていかなければならないと考えておりますが、国と地方の関係の財政格差という意味では国の方が非常に厳しい状況になっている点は是非御理解をいただきたいなというふうに思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 プライマリーバランスを計算すればおっしゃられるようなことになっているのは私も承知しておりますが、これも欧米の主要国は、むしろ国の財源不足は中央政府が全部しょって、地方政府は収支均衡予算を維持するというのが原則であります。日本は、その中で地方もそれなりの財源不足をしょっているという意味では、私は世界の主要国の中ではむしろ地方は今でも相当の犠牲を、犠牲という言い方は良くないですけれども、国とともに努力をしているという点は大臣としても御認識いただきたいなと思うんです。  PBで見ればそういうことですが、先日も群馬県の、大臣の地元のある町、話を聞きましたら、そこは三役は何と五割報酬をカットしている、そうでもしないと財政がもたないというようなことでございます。そういう危機的状況にあるということは十分御承知いただきたいと思います。  それで次に、三位一体の改革について地方は余り評価しておりません。それはやっぱり補助率カットが大半だったということと、それから交付税の削減が先行したということによるんじゃないかと。やっぱりこれは補助金をやめて自主財源である地方税で財源が賄えるようにするというのが本来の趣旨だったと思うんですが、そういう方向で是非進めるべきだと思いますが、その点についてお聞かせいただきたいのと、あわせて、直轄負担金については、特に地方は口は出す余地がないけれどもお金だけは出さざるを得ないという立場でございまして、こういうものはまず真っ先に廃止するのが筋ではないのかなと、こういう意見が地方の間に強いですし、私もそう思うんですが、その点について併せてお聞かせいただきたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) まず、直轄負担金について申し上げますと、これは道路とか河川といった国の直轄事業を実施することによります便益が地方公共団体に直接及ぶという観点から、法令に基づいて受益者たる地方公共団体に建設管理費の一部の負担を求めているものでありまして、受益、負担のバランスという意味から見て合理的な制度であると私どもは考えております。直轄事業の実施に当たりましては、したがいまして地方公共団体に対してその内容や地元負担等について十分説明を行い、理解を得てやっているわけでございまして、今後とも情報交換、意思疎通をしっかりと図ってまいりたいと考えております。  それから、三位一体でございますが、補助金カットあるいは交付税の削減をしたその代わりに地方に財源を渡しまして、三兆円の所得税の減税と三兆円の地方税の増税をしたわけでございますが、トータルとしては三兆円で三位一体は全くイコールだったんですが、実は東京のようなところと田舎の県では全く実情が違っておりまして、東京の方は税金を納める人も企業もたくさんある、したがって、合計は三兆円でも東京の方には今まで以上に収入が増えてきた。ところが、田舎の市町村、県では、財源、税源移譲していただいても、そこには税金を納める人も税金を納める企業もいないと。  したがって、トータルとしての三兆円はイコールなんでありますけれども、補助金、交付金の縮減と税源三兆円の移譲はトータルとしては一緒なんですけれども、その移行した、地方に移譲した税源は全部簡単に言うと東京の方に行っちゃって、田舎の県はふたを開けてみたらほとんど税金を納める企業も税金を納める会社もないと。したがって、絵にかいたもちになって、あっと気が付いたら、実は国から来ている交付税とかそういうものと比べると物すごく収入が減ってしまったと。つまり、そういう意味で財政的な格差が拡大してしまったという実情にございます。  私どもは、この点について総務省とも相談をしながら、各地方公共団体の間、特に東京は十八年度で一兆四千億の基準財政収入と基準財政需要の差がある、つまり黒字がある。それに対して、この一兆四千億のお金を地方に回すと赤字の八つの県の赤字額を全部補てんすることができるというような状況でございまして、東京一極集中の税源構成というものは基本的に何とかしなければならない。何とかするメカニズムとして、やはり交付税というのは、国税でいただいたものをその地方の実情に応じて、財政力格差に応じて地方に配分しているわけでありますから、格差是正効果がある。その財源というのは、やはり国で税として納めていただいたものを配分をするというメカニズムにしませんと、例えば東京都に入った税金を東京都からいただいてほかの県に回すということは現実にはできないわけでありますから、そういう点のメカニズムについても是非国会の方でも御理解をいただきたいなと。  その格差の是正を、今総務省、財務省、相談をしまして、プロジェクトチームをつくって、どういうふうにしたらこんなに大きく開いた格差をある程度是正できるかという具体策について検討を進めているところでございまして、その検討の結果がまとまりましたらまた御相談をさせていただきたいなと考えているところでございます。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 まず一点だけ。  三兆円の税源移譲は、私はこれは大きな前進だったと思います。しかし、問題はやっぱり何のための税源移譲だったか。これが、補助金がなくなって、地方の自主的な財政運営の財源として移譲されたんだったらそれはよかったわけですが、残念ながら、例えば二分の一の負担だったのが今度三分の二の負担になって、負担が増えた分の手当てをするための税源移譲だったというのが三兆円のかなりの部分を占めているわけですね。ですから、これが余り地方からも評価されない最大の点でありますんで、これは、今後の進め方としてはそういうことのないように是非していくべきだと思いますし、お願いをしておきたいと思います。  それから、今大臣からお話がありましたように、交付団体と不交付団体との間の格差が広がってきているというお話がございました。私も正にそこが一つの大きな問題だと思います。特に、交付税を削減すればするほど、その影響は交付団体にしか来ない。ということは、結局財政力の弱い団体ほど痛みが大きい、要するに格差が広がる方向にありますんで、是非ここは、地方の固有財源である交付税の法定率はきっちりと堅持すると、あるいは特例減額はしないということをこの際大臣から明言いただきたいというのが一点と。  お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、交付税の不交付団体との間の財政調整をどうするかという話ですが、これはやっぱり、不交付団体を増やしていこうという今方向にある中で、交付税の枠組みだけではどうしてもそれは解決できる問題ではありません。じゃ、どうすればいいかというと、実力を何で見るかはともかくとして、やっぱり生産とか消費とか所得とか、そういう経済の実態と比べても異常に東京に集中している税、これは要するに私は、一括本社で経理しているという会計処理の結果こうなっているにすぎない、一種のフィクションだと思いますけれども、そういうものを変える、そのためには地方税の構成を変えていく以外に方法はないと思います。  そういう意味で、最近、総務大臣が地方消費税を拡充する方向で税源配分を見直すということをおっしゃっておられますが、これに対する財務大臣のお考えをお聞かせいただいて、終わりたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 交付税を削るなと、こういうことでございますが、交付税というのは要するに国がいただいた税金の一部を地方に回すわけでございまして、これはある意味でいうと財政力格差の是正に効果が効いてくると、こういうことでございます。ですから、その枠はやっぱりある程度トータルとしてはなければならない。  それから、地方消費税について、この比率を増やすということについては私は必ずしも反対ではありません。ありませんが、国と地方の関係からいうと、国の財政状況の方がトータルとしては厳しくて、地方の財政状況の方がトータルとしてははるかに楽であると、こういう実態を踏まえていかなければならない。  そういう中で、不交付団体の数を増やすということになりますと、不交付団体で余っているお金を、ではその足りないところにどうやって回すかというメカニズムが動かないと、こういうことになるわけでございまして、一見、不交付団体の数を増やすということは良さそうに見えて、実は交付団体で田舎の県の非常に貧乏県の方に回すべきお金がない、片方では不交付団体は物すごくお金が余ってしまうという現象になるわけでございまして、そういう全体の地方の間の格差について、その格差を拡大する方向に行っていいかどうかということについては私は極めて疑問であるというふうに考えております。  そういう意味で、やはり地方公共団体の間の、少なくとも田舎に住んでいる人と都会に住んでいる人の間の、国家とか地方の行政サービスをほぼイコールにするような調整というのはできるメカニズムにしておかないと、不交付団体はどんどんどんどん、例えば十八歳まで全部、いろんな少子化対策をやれる、交付団体の方は何もやれないという格差が相当あるというふうに聞いておりますので、そういうやはり地方公共団体の間の格差是正というのは国家全体の大きな課題であるというふうに考えておりますから、その点についても是非御理解をいただきたいと思います。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 これで終わりますが、その問題意識は共有していると思うんです。私は、具体的な方法はいろいろあると思います。  一つだけ言えば、今資料としてお示ししましたように、税によって、その実態と税収との割合の間に大きな差がある税目もあるわけですから、地方税の税目を国税を含めてどういうふうに組み合わせるかということだけによってもかなりの格差が縮まるわけであります。その辺は抽象論で幾ら議論しても始まりませんから、これから具体的に議論をしていきたいと思います。  それからもう一点、最後に申し上げたいのは、何度も繰り返しになりますが、プライマリーバランスで計算すれば、それは財務大臣のおっしゃるとおり国の方が厳しいと、それは分かります。しかし、地方の方は諸外国に比べて今でも大きな借金を抱えている。これだけ大きな借金抱えている地方財政はほかの国にはありません。  しかも、地方団体のプライマリーバランスはなぜ黒字になるかといえば、償還期限が短い、それから自分で財政自主権が極めて制約されている中で借金返しをしていかないといかぬということで、切り詰め切り詰めやった結果が国よりもプライマリーバランスで計算すれば若干いいというだけのことで、地方財政の実態は、もう本当に血を出すような歳出削減をやらないともう予算を組めないと、現にもう赤字予算を組まざるを得ないというようなところも出てきておりますんで、決して中身は、そんな国に比べて余裕があるなんてことはおっしゃらないでいただきたい。そんなことを財務大臣がおっしゃると、全国の歯を食いしばっている市町村長さんはもうがっかりされる。やっぱり実態をしっかりと見ていただいて、地方の困っている状態をお考えいただきたいと思います。  それで終わります。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) それは、おっしゃるとおり貧乏県はそういう実態でございます。しかし、片方で東京のように一兆四千億もプラスになっているところがある。そういうところとの是正をやっていかないと、貧乏県を助けることができない。  だから、困っているところがあるから国の方に来いといったって、地方公共団体の間のバランスが取れていなければ、そちらのバランスを先に取っていただいてみんなで同じ苦労をするということの中で、国も地方もそこそこのバランスでやっていくというふうに考えていただかないと、そういう物すごいお金が余っているところをそのまま置いておいて、足らないところのことを国が見ろというのはやはりおかしいんじゃないかと私は思っております。

森元恒雄自由民主党

○森元恒雄君 分かりました。そういうお話であれば、そこは私も全く異論はございません。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 民主党の犬塚直史でございます。  国の会計は本当に分かりにくいと思うわけであります。  財務省で国の財務諸表作成の取組がなされてきているんですけれども、地方では、特に私の地元なんかでは小さいところ多いんですけれども、なかなかそういう取組が大変であると。また、平成十八年度時点で三十一特別会計六十三勘定ですか、これが存在して、一般会計と異なる特例的処理が行われることがあるということで、今後検討される発生主義や時価会計がどういうふうに取り入れられていくのか、できれば、IPSASですか、イプサスというような国際的な会計基準が今後どういうふうに取り入れられていくのか。  できれば、ほかの国とか自治体間同士の比較をする、あるいは時系列でずっと比較をするというようなことをして、有権者の代表として数字を見ていきたいというふうに思うわけですけれども、そうした基準の適用の対象としても、中央政府、地方政府からどこまで伸ばしていくのか。あるいはこの企業会計基準との線引きというような話もあるようで、なかなか本当に大変な作業だなと、つくづく素朴に思うわけなんです。しかし、企業でずっとやっておりますと、やっぱりもっとタイムリーな形でもっと分かりやすくできないものかなと、本当に素朴に思うわけであります。  決算委員になりまして、私は一番初めにこの平成十七年度の決算の資料をいただきまして、こんなにあるわけですね。昨日机の上に乗せて測ってみましたら二十八センチありまして、すごい資料だなと。この資料をやっぱりこう見ていくという作業はかなり大変でして、本当でいえばデータでいただきたいと。データではくれないものですから、事務所で、あの機械は四万円ぐらいの機械なんですけれども、これを読み込むと画像としてどんどんどんどんデータになっていくんですね。これをPDFというファイルに変えますと、自由自在にいろんなキーワードで検索ができる、あるいは表計算に使うことができる、比較がしやすい、グラフにもできるというようなことを、私はもう買ってしまったんですけれども。しかし、ちょっと待てよと、元々これはデータであるものを、何でこれ紙にして、また私のところでデータにしなきゃいけないのかなと、そういうふうに思うわけですね。  そこで、参議院の方にちょっとお伺いしたいんですが、どうしてこれデータでくれないんですか。

川村良典参議院事務総長

○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。  決算書等の議案につきましては、参議院規則第二十四条、本院議員から議案が発議されたときは印刷して各議員に配付するとの規定、及び第二十七条、衆議院又は内閣から議案が提出されたときは印刷して各議員に配付するとの規定に基づきまして、全議員に印刷物として配付をいたしております。  議案は、議決対象であり極めて重要なものでありまして、内閣及び衆議院にもかかわるものであります。その在り方の変更等につきましては、やはり院内のしかるべき場での御検討が必要ではないかというふうに考えているところでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 その規則がいつの規則だか教えてくれますか。

川村良典参議院事務総長

○事務総長(川村良典君) 参議院発足時の規則でございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 ということは、六十年以上前だということだと思うんですけれども。  考えてみれば、表計算というような非常に便利なソフトが出てきたのが八〇年代の後半ぐらいからようやく出てきて、我々が慣れてくるのにやっぱり十年ぐらい掛かったと思うんですけれども、日進月歩でこういうものがどんどん変わってきて、今ではデータベースでもちょっと勉強すれば使えるような中小零細企業もあるというような時代になっているわけですね。  そんな中で、これはどうかなと。興味があったものですから、一体どのぐらい紙を配っているんですかということを聞いたんですね。そしたら、平成、これは十八年度、内閣から本院に提出された議案等のページ数というのを出してもらったんですね。法律案、条約、予算、決算、穴が空いているものだけ、これだけで百四十五件、議員一人当たり六千三百七十三枚。そして、これ二千五百枚入りの箱で二・五箱。これ掛ける二百四十二名ですので、これを、参議院だけですよ、縦に積み上げると百三十六メーターになる。これ、とんでもないことになるわけですね。これはもう参議院だけ、しかもこれ議員だけの話でして、これを参議院全体でいうと約三百万枚で二百六十メーター、これ参議院だけですから、衆議院も合わせますと五百メーターぐらいの紙が毎年毎年こうやって消費をされているということになるわけです。  そこで、素朴な質問なんですが、これ何とかならないんですかね、大臣。

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) どなたにお尋ねでしょうか。──川村事務総長。

川村良典参議院事務総長

○事務総長(川村良典君) 先ほど申し上げましたとおり、現在の取扱いは参議院規則に基づいて行っているものでございます。また、先生方のパソコンなりコンピューターへの習熟度といった問題もあるわけでございまして、すべてそれではそういうデータベース化することでいいのかといった問題もあるわけでございまして、この点につきましては、やはり先生全体の御意向なり御意見なり、そういうものを踏まえた上で検討していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 そういうことで、やっぱり一つには、データベース、コンピューター化していくということが必要なのかなと、もう一つは、今日、後半に少し伺いますけど、会計基準を、公会計基準をもう少し頑張っていただきたいなという二点を今日は質問をさせていただきます。  それで、昨年の十月に会計検査院から公表されました「各府省等におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果について」、これについて今日は少しお伺いをしたいと思います。  まず財務省に伺いますが、この中に出ております最適化計画策定対象、要するに業務をこういうコンピューターを使って最適化をしていくという業務対象になった二十一共通業務・システムと五十六個別業務・システムの中にODAのシステムがないんですね。この財務省が持っている予算・決算業務・システムと、例えばですけど、このODAのシステムというのはどういうふうにつながっているんでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 各省庁におきます予算の執行、具体的には支払事務でございますけれども、これは、今お話がありました各府省共通システムの中にあります予算決算行政システムというのがございまして、そこで、通称ADAMSと呼んでおりますけれども、そういうシステムを使いまして、各省庁の会計事務処理を一元的に集中的に行うということが現状で行われております。  したがいまして、ODAにつきましても、その支払事務につきましてはこのADAMSを使用して、支出の都度、支出科目ごとに支出金額等を入力して、執行実績が管理されているということでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 ということは、外務省の方でADAMSというソフトを、システムを使って入力をすると、それに基づいて、その入力した数字に基づいて財務省がこの数字を見るということだと思うんですけれども。  そういうことになると、これ今日たまたま新聞に載ったんですけれども、今日の読売新聞なんですが、ODAで三百十二億使途不明という今日の記事なんですけどね。これ中身見ますと、日本の政府開発援助、ODAとして行われた債務救済無償資金協力で、二〇〇二年度に供与した二十か国のうち十九か国が使途報告書を提出しておらず、少なくとも総額約三百十二億円が使途不明になっているという記事がここに出ているんです。  じゃ、そのODAの、外務省がやっているそのADAMSというのが、外務省が入れたものしか財務省は見れないと。更に要請があれば外務省は出るんでしょうけれども、何かやっぱり細かい内容まで見て、特に外国のことなんかになると、やっぱり領収の一枚もきちんと見ないと、その数字の裏に何があるかというのはもうちょっと想像ができない世界だと思うんですが、これ財務大臣に伺いたいんですが、こういう、間に一つ違うシステム入っていて把握しなきゃいけないというのは、何か隔靴掻痒の感がないでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 今御指摘のとおり、ADAMSで把握しておりますのは各省庁が入力した支出金額という形でございます。  それでは、そのそれぞれの予算の執行、だれが責任を持つのかということでございますが、それぞれ各省庁の責任においてそれぞれ適正に執行するというのが大原則でございまして、それを事後的には検査院等でチェックしていただくというようなことになっております。  今後とも、ただ、今御指摘ありましたように、検査院での検査結果や、あるいは私どもも執行調査等もやっておりますので、あるいはまた国会での御議論なども踏まえながら、こうした予算の執行がより適正になるように、予算にもきちんと反映させながら努力してまいりたいというふうに思っております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 この各省庁におけるコンピューターシステムというのは、その大本を言うと、十五年七月に電子政府構築計画というものに基づいてできているわけでして、予算としては、例えば十六年度一年間だけで四千七百七十億使っておると。その中で、例えば十七年度までに今申し上げた最適計画を策定しなければいけない。最適計画を策定しなければいけないということは、本当にたくさんのシステムがあるわけで、それを省庁横断的に無駄を省いて、本当に内容が見られるようなものをシステムとして作っていこうじゃないかという最適化計画の策定対象になっているのが七十七業務・システム、支払金額で四千六百五十三億円という形になっているわけですね。  ここで質問なんですけれども、これは官房のIT室に対する質問ですが、最適化計画策定において、例えばDFD、仕事のフローを作っていって図示して、無駄がどこにあるかということをしっかり見ていく、これは省庁横断して考えなきゃいけないこと、あるいは共通業務・システムの中に必要な調整がまだ行われていないというような指摘がされているんですけれども、これに対してどのような対応を今考えておられるんでしょうか。

安藤友裕内閣参事官

○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、会計検査院の報告では、DFDの作成過程において確認が十分でなかった等の理由のため情報の流れの記載に不整合を生じている箇所が見受けられたとの指摘がなされておるところでございます。この点につきましては、各府省において修正が必要な箇所につきましては既に必要な修正作業等をしていると承知しております。  今後とも、最適化の実施に支障のないよう、的確に取り組み、対応をしていくよう督励してまいりたいと考えておるところでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 最適化、最適化ということなんですけれども、例えば総務省の共通システムで、共通システムと言っているんですが、ここで十六年度で二百億円使っているシステムがあるんですけどね。これは何かといいますと、電子メールシステム、電子掲示板システム、電子文書交換システムと、こう書いてあるんですね。システムと言われるとそうかなと思うんですけれども、要は電子メールと掲示板と文書を交換するグループウエアのことかなと。それで二百億も毎年掛かるのかなと、素朴な疑問なんですけど、総務省、これはどういうことなんでしょう。これは統合されているんでしょうか。

石田直裕総務省行政管理局長

○政府参考人(石田直裕君) お答えいたします。  今委員の御質問は二つに分かれていると思いますけれども、第一点の二百億円の方でございますけれども、平成十八年、昨年の会計検査院報告の結果におきましては、確かに共通システムについて支払金額二百億円と出ておりますけれども、これらにつきましては、霞が関WANだけではなくて、政府認証基盤の経費、さらには各府省のLANの運用経費も入ってございます。  委員御指摘の、今の共通システムの電子メールシステムだとか電子掲示板システム、電子文書交換システムのことだと存じますけれども、これらに係る経費につきましては、平成十六年度では約八億円ということになっております。  二点目の御質問の共通システムは統合されているのかということでございますけれども、この共通システムには、政府機関内におきます情報の円滑な流通、共有を図るため、各府省のLANを相互に接続をいたします政府内専用ネットワークでありますところの霞が関WANというものが含まれております。  今委員御指摘の電子メール、電子掲示板、電子文書交換システム、各システムとも、この霞が関WANの基本機能といたしまして総務省が一体的に運用しているということでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 簡単に言うと、でっかいサーバーを総務省で管理をしていると、これをみんなで使ってくださいよと、大体そういう理解で間違いないと思うんですね。  ということは、じゃ、そのでかいサーバーを総務省で管理して二百億を使っていますよと、まあそれはいいとして、じゃ、そこでいろんなシステムを動かしておると。例えば、法務省の登記情報システム、これは同じ十六年度に五百三十億使っているんですけれども、例えば登記情報システムは、今のところ、不動産登記、商業・法人登記制度の現状から一体どの程度の発展性を考えているかということなんですね。  これ最も古いシステムの一つなんですけれども、例えば諸外国の例を言いますと、米国のある州の話ですけれども、不動産の登記と固定資産税と取引の事例がすべて一つのシステムの中に入っているんですね。ユーザーはどういうふうに見れるかというと、不動産の取引の資格を持っている人間はそのシステムに入ることができて、一つの物件についての今までの取引事例が全部一覧で見られるんですね。払った固定資産税もすべて見ることができると。非常に市場の透明化が図られているわけですね。  そういう業務とこのシステム、そして省庁間の壁を取り払っていくようなことを、何か抜本的なことを提案する部局がないとなかなかこれは進んでいかないのかなというふうに思うんですけれども。  まず、法務省に伺います。この登記情報システムの発展性、どの程度の発展性を見込んでいるんでしょうか。

水野賢一自由民主党法務副大臣

○副大臣(水野賢一君) 法務省といたしましては、これまで登記情報システムの導入、拡大を図り、登記事務のコンピューター化を進めてまいりましたし、さらに、インターネットを通じて登記情報を確認することができる登記情報提供サービスや全国の登記情報を入手することができる登記情報交換システム等を実現し、広く国民一般に不動産登記に関する情報の公開を可能としてまいりました。  今先生御指摘の、諸外国では不動産取引の事例とか税とか、そういうようなことも含めて、そういうような情報などもいろいろ入っているというようなお話ございましたけど、こうしたことについて、既にそれらの情報を所管する省庁等において、個々の行政目的及びそれぞれの情報の性質に応じ、適切かつ必要な範囲において公開されているものと考えておりますが、この登記情報システムを通じて提供するということについては、登記情報というのは一般公開を目的とするものでございますので、これらの情報を盛り込むことがどこまで適当なのかとか、さらには二重投資となるのではないかなどの問題を含めて慎重に検討すべきものだというふうに考えております。  法務省といたしましては、今後も登記情報システムの整備を進め、国民のニーズに合った適切な登記情報の公開が図られるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 今日は、一つにはここのところを一番申し上げたいんですけど、今のお話だと、言っていることは分かるが、不動産取引とか固定資産税の話になると、やっぱり違う省庁の話だからちょっと難しいよということだと思うんですね。  私は、これ非常にもったいないと思うんです。やっぱりこれだけ金を使ってしっかりした共用システムをつくっているんですから、ここはひとつ省庁の垣根を越えて、セキュリティーの話とはちょっと別にして、セキュリティーはセキュリティーでちゃんとやるんですけれども、やっぱり一体的に運用してどこまで見せるか、どこにそれを切り分けて見せるかということを考える。しかし、全体としてどういう運用をして、いかにして早くこの財務の情報を公開していくかということをだれか考えないといけないと思うんですね。そういうことを私、官房のIT室だと思って昨日質問レクに聞いたんですけれども、同じ質問で恐縮ですが、官房のIT室いますか、この省庁の垣根を越えてシステムをつくるということは、どういう今取組をお考えですか。

安藤友裕内閣参事官

○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げますと、政府全体としてより便利で効率的なシステムとしていくことが非常に肝要でございまして、各府省共通の業務・システムだけでなく、政府の他の最適化計画の対象となるような業務・システムにつきましてもより便利で効率的なものとしつつ、全体最適の観点から連携を図っていくことが非常に重要となるところであります。一方、その際には、利用者の行動フローの分析でございますとかニーズをしっかり把握しつつ、さらにはシステムのライフサイクルとか技術的観点、費用対効果等を踏まえつつ取り組んでいくことも肝要かと考えております。  基本的には、政府の業務・システムの最適化につきましては、以上のような観点から担当府省において必要な取組を進めてきておるところでございますけれども、今後とも更なる全体最適に向け、一層の連携調整を密に行っていくことが肝要と考えておりまして、その状況も踏まえつつ、内閣官房といたしましても適切に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 ちょっとよく分からなかったんですが、私が申し上げたかったのは、例えばさっき私申し上げたアメリカのある州の例を言うと、登記情報システムを使うことによって不動産取引のマーケットが変わったんですよね。ここを見に行けば非常にオープンなもの、しかし非常にアップデートしているものが常に見ることができる。ということは、たとえ外国人が行ってもここのシステムをうまく使えば安心して、しかも公正な取引ができるようになった。これによって非常に不動産の取引が活発化した。常にそのトレンドが、あれはたしか二週間単位で一般にも公開をされておるというような、取引の市場さえも変えてしまうというような可能性があるんですが。  もう一回伺います、IT官房に。省庁の垣根を越えてシステム設計をするような体制に今あるんでしょうか。この登記情報システムについて伺っているんです。

安藤友裕内閣参事官

○政府参考人(安藤友裕君) お答えいたします。  今委員御指摘のような観点は非常に重要な点でございまして、私どもといたしましても利用者視点に立って、利用者にとって飛躍的に利便性の高いシステム構築というものに取り組んでいかなければならないというふうに考えております。  その第一歩といたしまして、内閣官房において、関係の府省共通システムなどの連携調整を図るための体制といたしまして電子政府推進管理室というものを設けて、今取組を行っているところでございます。今後、IT戦略本部におきまして、四月五日に本部決定いたしました政策パッケージの中に盛り込まれたような電子政府の一層の利便性の向上に向けた取組などをしっかりと進めていくことによって国民の負託に是非こたえていきたいというふうに考えておるところでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 ちょっと時間食ってしまいましたが、一番私がこれでやっていただきたいなと思うのは、決算報告をもっと早く見たい。関係各位の御努力にはもう心から敬意を表するんですが、それでも平成十七年度決算、つまり昨年の三月に締めた数字を今まだ審議をしているという現状をやっぱりもっと早くできないかな。企業でいえば、毎月毎月これ締めるわけで、毎月締めて監査をした数字を基にして毎月進んでいるわけですね。それが積み重ねていって一年間の決算になるわけで、そういうことがないとやっぱり非常に効率的な運営というのは難しいんじゃないかと思うんですね。  IT官房、もう一回聞いていいですかね。この決算を早めるためにどうやってこのシステムを今後使っていくつもりですか。

安藤友裕内閣参事官

○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。  委員御指摘のように、スピーディーなシステム構築というのは非常に重要だと思います。この点については、関係府省の方で、担当府省の方でまず一義的にはそのシステム全体のありようを常により良いものにすべく検討を重ねていただいているところでございまして、そういったものを踏まえつつ、必要な調整の部分については内閣官房としても的確に対処してまいりたいというふうに考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 財務大臣、副大臣のリーダーシップをこの分野で、省庁超えて、本当に一般企業並みのタイムリーなものを作っていくというリーダーシップを是非お願いしたいと思うんですね。  もう一つは、公会計制度の取組と今後の見通し及び海外の状況との比較というような状況をちょっと伺いたいんですけど、平成十七年九月に国の財務書類が公表されて、今後、これは財務省方式ですね、財務省が作ったものですが、今後、発生主義とか時価会計をどういうふうにここに入れていくかということについて伺います。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘のとおり、企業会計の考え方を導入いたしました公会計の整備ということに取り組んでおりまして、諸外国の公会計制度などの状況も参考にしながら、平成の十五年六月に公会計に関する基本的な考え方というのを取りまとめまして、この考え方に沿いまして省庁別の財務書類を平成十四年度決算分から、さらには国の財務書類の作成を平成十五年度から行ってきているところでございます。  こうした形で一応国の財務書類一通りでき上がったところでございますが、今後ともこうしたものがより広く活用されますように、いろいろ工夫はしてまいりたいというふうに考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 それでは、総務省方式について聞きます。  平成十八年五月に新地方公会計制度研究会報告書が出たわけですけれども、国と整合性の取れたこの制度を早急に整備できるようにするための、総務省とそれから地方における取組との連携の在り方、地方は非常に大変だと思うんですけど、今一体何が一番問題なんですか。

椎川忍総務大臣官房審議官

○政府参考人(椎川忍君) 地方公共団体の公会計の整備についてでございますけれども、今御質問ございましたように、十八年の五月の新地方公会計制度研究会の報告書におきまして、国の財務書類に準拠した形で発生主義を活用いたしまして、貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書及び純資産変動計算書の四表の整備を標準形として進めていくようにということで報告をいただいておりまして、これを進めていきたいというふうに考えておりますけれども、私どもが十八年五月末で調査をいたしましたところ、現在までの作成状況は、普通会計のバランスシートは県、市町村の全団体でなされておりますけれども、その他の市町村に参りますと五二・三%の作成状況と。  さらに、地方公社、三セクまで含めました連結のバランスシートという形で見てまいりますと、県、指定都市は全団体で作成済みでございますけれども、その他の市区町村はわずか三・四%ということでございまして、国に準拠した財務諸表の整備という観点から見ますと、小さな町村が大変御苦労なさっているというふうに思っておりまして、今後、そういった団体に整備を要請をいたしまして進めていくというのが課題ではないかというふうに思っております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 この件については、同僚議員と一緒に東京の取組を見に行ったりしました。そしてまた、九州では大分県の臼杵市の市長さんなんかは非常に頑張ってやっておられるということなんで、これも本当に頑張ってもらいたいと思うんですね。  最後の質問ですが、国際公会計基準、IPSAS、この策定プロジェクトがやっぱりこれは発生主義を実現するためにスタートをしたと。しかも、この国際会計士連盟のパブリックセクター委員会で九六年に開始したと。世銀、アジア開発銀行、国連開発計画、国際通貨基金の資金援助を受けて何とかグローバルスタンダード策定に向けて動こうとしているという理解を私はしているんですけれども、こうした比較のしやすい、しかもできるだけリアルタイムで見ることができるこのスタンダード策定に向けた財務大臣、そして総務、そして会計検査院の御決意を伺って質問を終わります。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) この企業会計の在り方、考え方を活用した国の財務状況の開示を行うという財務書類でございますが、財政制度等審議会におきましても実務者等による検討が行われているところでございます。  国際的な公会計の基準といたしましては、国際会計士連盟の下にあります国際公会計基準審議会が作成した国際公会計基準があるわけでございますが、原則として企業会計の基準に準拠しつつ、公的主体の特殊性に配慮した修正を行うというアプローチを取っているという点でこの国際基準と我が国の作成基準は共通しているところがあると考えております。  また、実際に、我が国の基準における資産や負債の定義についての検討などに際しましてもこれを参考にしているところでございまして、今後とも公会計の基準の検討に際しましては、このような国際的な基準も参考にしてまいりたいと考えております。

河合常則自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(河合常則君) 地方公共団体の公会計につきましては、国の作成基準に準拠してこの整備を進めていくべきものだと考えておりまして、今後とも国際公会計基準等の国際的な動向も見ながら国の取組を踏まえて推進してまいると、そういうつもりでございます。  いずれにしましても、市町村合併進んでおりました真っ最中でございましたので、この点は先ほど答弁しましたようにちょっと遅れておったのかなという感じもしておるのでございます。

大塚宗春会計検査院長

○会計検査院長(大塚宗春君) 会計検査院の立場からお答えしたいと思います。  国の収入支出等は財政法、会計法などに基づいて処理されておりまして、会計検査院は国の収入支出の決算等について、従来から正確性、合規性、経済性、効率性、有効性などの多角的な観点から検査を実施してきております。  会計検査院は、特別会計に関する法律に基づき作成することになっております特別会計財務書類についてもこれを検査することとしておりますが、財政制度等審議会がこの作成基準を検討するに際して、委員御指摘の国際公会計基準も参考にしてきたことを承知しております。  会計検査院といたしましては、このことも念頭に置いて特別会計財務書類に対して厳正な検査を行ってまいりたいと、このように考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 終わります。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。  今日は決算委員会でございますので、特にこの数年私ども決算委員会でも議論してまいりました特別会計について、財務大臣の御見解を中心にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  特別会計といいましても非常に幅広い分野がたくさんでございますので、今日は特にその中で、剰余金あるいは積立金の問題を中心にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  まず最初に、財務大臣にお伺いをしたいんですけれども、この特別会計の剰余金、積立金については財務省の方で、これは政府の方針になっていると思うんですが、平成二十二年度までに二十兆円の縮減を行うと、こういう方針で取り組んでおられるというふうに受け止めております。しかし、剰余金だけで見ましても五十兆円以上、積立金を見ますと二百兆円以上ある。  こういう中で、私どもよく分からないのは、なぜこの縮減目標が二十兆円になるのかという、この目標設定そのものがどういう考え方でお立てになったのかということが特段説明をされておりません。したがいまして、そういう意味で、今日は是非、その二十兆円の目標についてまず最初に議論させていただきたいというふうに思います。  それで、この間の経過を少し私の方で拝見させていただきますと、この二十兆円の縮減目標については、平成十八年度に財政融資資金特別会計の十二兆円の積立金を取り崩されたということが一つございます等、十三・八兆円を削減、既に十八年度で行われております。それから、十九年度については一・八兆円の剰余金等が一般会計に繰り入れられておりまして、この二十兆円の目標ということでいいますと、残り三年間で約四・四兆円を縮減すると、そうすれば目標の二十兆円は達成できると、こういう状況にございます。  一方で、この間、外国為替資金特別会計の剰余金をほぼ毎年のように一般会計に繰り入れておられますが、実績を拝見いたしますと、例えば十九年度は約一・六兆円強、十八年度も一・六兆円強、十七年度は少し少なくて一・四兆円と、過去三年間を振り返りますとこういう実績がございます。そうしますと、残り四・四兆円という数字だけのことで申し上げれば、例年並みに外国為替資金会計から繰入れを行えば二十兆円の目標は達成できると、こういうことになってくるというふうに思います。  そこで、冒頭申し上げたことが大変重要なんですが、二十兆円のまず目標というのがどういう考え方でお立てになったのかということと、ここまで来ると、せっかくここまで努力されたわけですから、目標二十兆円ということではなくて、もう一段引き上げるとか、更に二十兆円を超えていく努力をすると、こういうことも十分、それでも可能なのではないかというふうに受け止めておりまして、この間の目標の設定であるとかこれからの考え方について、まず最初に財務大臣の方の御所見をお伺いしたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 特別会計につきましては、多額の剰余金等が存在をし、財政資金の効率的な活用が図られていないというような問題が指摘されているところでございます。  そういう意味で、先ほどのお話のとおり、十八年度の予算におきまして、財政融資資金特別会計の積立金の国際整理基金特別会計への繰入れ十二兆円を含めまして、十三・八兆円の余剰金等の活用を図ることにいたしました。  さらに、余剰金等を財政健全化に貢献させるという観点から、行革推進法におきまして、この十三・八兆円を含む総額二十兆円程度の財政貢献に関する目標を設定したところでございます。  このような状況を踏まえまして、行革推進法に基づき、特別会計に関する法律は、特別会計の剰余金の処理に関して財政健全化に向けた特別会計共通のルールとして、これまで四つの特別会計にしか規定されていなかった余剰金の一般会計への繰入れ規定を事務及び事業を行う全特別会計に適用することとしたところでございます。  十九年度におきましては、この本ルールに基づきまして、全特別会計の剰余金等、事務及び事業を徹底的に精査した結果、ほぼ前年度同様の一般会計への繰入れ額一・八兆円の財政貢献を確保することにいたしました。そして、その内容につきましても、今まで一般会計に繰り入れたことのない五会計を含めまして、合計七会計から繰入れを行うこととしたところでございます。  今後は、この法律の規定に基づきまして、この目標を確実かつ少しでも早く達成することができるよう、毎年度の予算編成におきまして全特別会計の剰余金等の使途及び水準を精査しまして、必要な水準を超える剰余金等につきましては最大限財政健全化に活用してまいりたいと考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 今の大臣のお話にあったように、今回の法改正で、従来は四つに限定されていた一般会計への繰入れルールを全体に広げたということ、それから、外国為替資金特会だけではなくて、ほかの特会からも十九年度においては幾つかの特会から一般会計に繰り入れておられるということなんですが。  ちょっと確認の意味も含めてお伺いしたいんですが、この十九年度において、外国為替資金特会以外の特会、これはトータルで六つだと思うんですが、この特会から一般会計に繰入れを行われましたが、これは相当努力されたことだというふうに思っています。こういうやり方はこれからも続けていくというふうに理解させていただいてよろしいんでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) お答え申し上げます。  大臣からも御答弁がありましたように、今後とも必要な水準を超える剰余金については最大限活用したいということでございますので、それぞれの年度年度でよく特会を見させていただきまして、可能な限り財政健全化の方に活用させていただきたいというふうに考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 そういうことから言いますと、冒頭言いましたように、多分大臣のお答えも、私、勝手にそういうふうに受け止めたのかもしれませんが、決して二十兆円で当面二十二年度まで終わりじゃないよと、さっきできるだけ早く二十兆円達成したいという御答弁もいただいていますので、恐らくこれはこれから更に可能であればどんどん積極的に財政健全化に向けて努力をしていきたいと、こういう御意思だというふうに承ったんですが、それでよろしゅうございますかね。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 例えば、外為特会等につきましては、為替変動のための資金という意味もございますので、その辺りも含めましてよく実情を見ながらできるものはやっていくと、こういう考え方でございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 是非よろしくお願いしたいと。実情を見ながらということなんですが、今日は議論させていただきませんが、外為特会もかなりもっと思い切ったことできるんじゃないかというのが私の持論でございますが、またこれは改めてやらせていただきたいと思います。  それで、実は会計検査院の方が去年の十月に「特別会計の状況に関する会計検査の結果について」というレポートをお出しになっています。私は、これは非常な労作だというふうに思っていまして、大変私どもも勉強になりました。  それで、今、決算剰余金の議論したんですが、会計検査院の方、これお持ちですかね、今。それの六十二ページから六十三ページにかけて、決算剰余金の繰入額、翌年度歳入への繰入額について一覧表とコメントが入っています。実は、ここは非常に示唆に富んだ部分がありまして、例えば平成十六年度のこの会計検査院の検査の時点での繰入額はトータルで四十三・四兆円あったんですが、翌年の繰入れに三十六兆円回されている、それから積立金には五・九兆円、一般会計に一・四兆円繰り入れられている、こういう結果なんですが、この翌年繰入れ三十六兆円の中で、実は翌年繰入れといっても、ある程度歳出として財源が見合っている繰入れとはっきりしていない繰入れがある、要するに未定部分の繰入れと。こういう分析されていまして、実はこれが平成十六年度だけでも約二・四兆円、二・五兆円近くあると、こういうことでございます。  これは、私は会計検査院のこの分析は非常に当を得ていると思うんです。つまり、剰余金の一部を構成するこの繰入れについても、もちろん来年以降支出が決まっているといいますか、それに充てなきゃいけない部分は当然繰り入れていくということになるんでしょうが、あいまいなものをそのまま繰入れとして多分従来はいろいろやってきたと思うんですよ。そのはっきりしないものが行われてきた、ですからこれだけたまっていると思うんですが。ここで、このはっきりしないものについてはやはり私は見直していくべきだと、こういうふうに思っています。もちろん、中には年金だとかいろいろありますから、扱いが非常に難しいものもあると思うんです。しかし、できるものはそういう努力をしていくべきだと、こう思っています。  それで、実はこの十九年度に、さっき言った外為以外の六つの特会からの一般会計繰入れ、金額はそんなに大きくないんですけれど、拝見しますと、くしくもというんですかね、この会計検査院が分析されたいわゆる未定分の繰入れにすべてはまっているものの中から六つ一般会計へ繰り入れられているんですよ。金額は非常に小さい、この残り金額からいうと非常に小さいんですが、そういうふうにされていると。  ということは、財務省の御意思としてはこういう部分も今後しっかり取り組んでいくよというふうに受け止めているんですけれども、そういうことでよろしゅうございますかね。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 今先生が御指摘いただきましたように、特会によりましては保険特会のように事故が起きた場合に支払うというような特会もございますんで、なかなかそういう意味での想定が難しい、歳出の想定が難しい特会もあることは事実でございますけれども、先ほど大臣から御答弁がありましたように、やはりそれぞれの特会の実情をよく見させていただきまして、可能なものについてはできるだけこの厳しい財政事情の中で財政に貢献していただく必要があるというふうに考えておりますので、今先生御指摘ありましたように、それぞれすべての特会につきまして十分翌年度の歳出の額も含めまして見させていただいて、可能な部分については一般会計に繰り入れたいというふうに考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 この会計検査院のレポートを拝見しますと、その他結構たくさんございます。農業経営であるとかあるいは公共事業関係の特会にもあるわけなんですが、今日はこれはもうこれ以上はちょっとやりませんが。  それで、今のやり取りで、会計検査院の方のこのレポートをお作りになった経過も含めて、御見解はここに多少入っていると思うんですけれども、私の説明に対する補足も含めて御所見があればお伺いをしたいと思うんですが。

大塚宗春会計検査院長

○会計検査院長(大塚宗春君) 今委員が御指摘にありましたように、私ども昨年十月に取りまとめました「特別会計の状況に関する会計検査の結果について」という報告の中で、特別会計の決算剰余金及び積立金等につきましては、特別会計を所管している各省においてその内容や残高に留意して、特別会計の事業内容、財源の性格、事業に対する需要の動向等から見て可能な場合には、決算剰余金の一般会計への繰入れ等に必要な規定を整備したり積立金等の適正な保有規模について検討したりすることによって、一般会計への繰入れを含めてその有効活用を図るなどの検討を行うことが必要であるということを所見として述べたわけですけれども、その所見を述べる過程といたしまして今いわゆる見合い分の話もさせていただいたわけです。  そして、私どもといたしましては、特に何らかの基準がなくて、積立金等としてそのまま保有しておくということは今の財政状況の折から見て必ずしも適切でないだろうということでもって有効活用についてお願いを申したということであります。  その結果と申しましょうか、それを踏まえまして、先般成立しました特別会計に関する法律に関連規定が設けられまして、そして十九年度の特別会計予算書の積立金明細書等において積立ての水準等を記載したり、十九年度の予算において剰余金等の活用を図ったりするなどの対応が、先ほどの御議論の中でも見られますように、なされたというふうに私どもは承知しております。  そこで、私どもといたしましては、そうした対応がなされましたことを今度は踏まえまして、これからの決算の、今年次以降の決算において、そうした対応が、例えば積立金の水準が適切になされているかどうか、また規定どおりなされているかどうかといったような点も踏まえまして、さらに個別に状況を検査というプロセスの中で更に検討してみたいと、こんなふうに検査院としては考えております。  検査院としましては、昨年度の報告に対してそれ相応の対応が取られたことに対しては非常に尊重しております。  以上でございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 ちょっと後段部分のところは、まだ積立金の議論を私していませんので、後でまた御所見いただきたいと思いますが。  次に、特別会計のいわゆる事務事業費の部分についてお伺いをさせていただきたいと思います。  特別会計の平成十九年度予算の歳出総額を見ますと、重複計上部分を除きますとトータルで約百七十五兆円だというふうに思います。その中で、例えば国債の償還であるとか交付税の交付金であるとか、そういったものを除きますと、いわゆる公共事業であるとか等の事務事業の費用がトータルで十一・六兆円。実はこれは、いわゆる、こここそ、何といいますか、特別会計の様々な経費を見直す上で一番根幹の部分であるというふうに思っています。  ところが、残念ながら、実はこの見直しを財務省としても努力はされてきたというふうに思っていまして、たしか十七年度のスタートのときにはこの事務事業の費用はトータルで十七兆円あったと思うんですが、それを十八年、十九年とかけて十一・六兆円まで縮減をしてこられたということなんですが、これに対して、例えば経済財政諮問会議においては、この事務事業費の見直しもきちっと削減目標をつくって削減にもっと積極的に取り組むべきだと、こういう報告書が出ていまして、これは平成十七年の十一月の段階でありますが、ちょうど財政審が特会改革を出されたときに、経済財政諮問会議の民間議員がコメントを出した部分でありますが、財政再建、プライマリーバランス黒字化に貢献するために、事業内容の廃止を含めた厳しい見直しを通じて実質的な事業を行う十七兆円について削減目標を示し、成果が上がるような改革を行うべきである、このため年次報告書の公表によって歳出額と一般会計繰入れ額について実績と将来見通しを明らかにした上で数値目標を設定し、効率化に努めるべきであると、こういう見解が出ています。  私も、特別会計改革を進めて財政健全化を進めていく上では、こういった目標管理をきっちりしていくということは大変重要なことだというふうに思っているんですが、この点については財政当局として様々な努力をされてきていることは分かるんですが、なかなか先が見えないといいますか、これから先どうなっていくのかということについてはっきりしませんので、是非目標管理をしていただきたいと、こう思うんですが、この点については、大臣、いかがでございましょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 実は、特別会計、今御指摘のとおり、正に改革の対象となるべきものが十一・六兆円ということで十九年度予算ではなっているわけですが、この中には、実はそれぞれ公共事業関係費、それから社会保障関係費等々が入っております。したがいまして、それぞれ公共事業については削減目標が昨年の基本方針の中で決まっておりますし、社会保障についても削減の方針が決まっております。  そうした中で、きちっとそれぞれの歳出項目の削減を行った上で、ここの部分についてもきちんと削減していくというふうなことで、そういう意味で、各項目についてのきちんとした目標の下でこの額を最大限削減していくというふうに今考えているところでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 ということは、あれですかね、その予算編成の方針の中で、今の話はそうですかね、例えば公共事業の削減目標であるとか社会保障の目標が出されているんで、それに沿って特別会計の事業についても見直しを行っていくんだと、こういう理解でよろしいんですか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) もちろん、それぞれの主要経費ごとにきちっとした目標が立っておりますので、それをきちっとやった上で、さらには特別会計についてはいろいろ御批判もありますので、そういう御批判も含めて、最大限要するに無駄なものを省いていくということで成果を上げていきたいというふうに考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 分かりました。  ということは、特別会計については、若干そういうプレミアム的な発想も含めて取り組んでいくんだと、こういうことでよろしいわけですね。是非よろしくお願いいたします。  それから次に、三点目なんですが、実は、ここに平成十九年度の「特別会計改革の取組み状況について」という、これは尾身大臣が国会の答弁でPR資料と、特別会計改革のPR資料だというふうに答弁されたというふうに聞いているんですが、僕らの間でもこれ、説明を聞くときに、財務省のPR資料によるとと、こういうことで伺っているんですが、この中に、実は、先ほど議論しましたこの剰余金の処理についてという中で、特別会計の剰余金の処理については、共通のルールとして、合理的な見積りに基づき積み立てる金額や翌年度の歳出の財源に充てるため翌年度の歳入に繰り入れる金額を除き、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れることができる旨の規定を整備すると、こういうふうに書いてあるんですね、これは特会法の改正の際のPR資料ですから。  ところが、実は特会法の方には、最後のくだりの一般会計に繰り入れることができるということは実は特会法の八条か九条に入っているんですが、合理的な見積りに基づき積み立てる金額や翌年度の歳出の財源に充てるためというところについては法律には書かれていないというふうに思うんですが、私は、これはPR資料と実際の法律とが違っているという意味でちょっと問題じゃないかというふうに思っているんですけれども、この点についてはどうなんでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 現行の法体系の中では、予算とあるいは決算にどういう書類を添付するかというのを法律で記載するということになっておりまして、その作成要領については財務大臣が決めるというふうな姿になっております。  したがいまして、ここで書きました趣旨は、そういうふうな中できちっと法律で添付資料として位置付けた上で、今書いてありますような内容のものを添付資料の中できちっと書き込むように財務大臣として指示していくということで、このPR資料でございますけれども、この資料に基づいた内容を実行に移すというふうなことで考えているところでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 だけれども、それはちょっとこの書き方からいうと、規定を整備と最後に書いてあるんですよね。ですから、これ、ここと法律が違うじゃないかというよりは、むしろやっぱりこういう精神で本来は法律をきちっと整備すべきじゃなかったのかなというふうに私は思うんですけれども。  特に、さっき会計検査院の方からもお話ございましたけれども、度々この特会の剰余金については会計検査でも指摘をされていますが、今回の指摘の中でも、例えば平成十四年から十六年度まで三年連続して百億円超えの繰越しが発生している会計を見ると十会計あると。これはたしか報告書の中にありましたし、不用額が百億円を超えている、三年続けて、こういうのが十八会計あると。  こういう実態から含めて考えても、やはり今の御答弁では、実際に各省庁が一般会計への繰入れを今までは嫌って積立金だとか繰越しだとかにしてきたのを財務省として本当に十分チェックされているのかどうかというのは見えないんじゃないかと思うんですが、やはりここは今後の課題として、ルールとしてきっちり書き込むということにすべきではないかと、こう思うんですが、大臣、どうですか。大事な部分だと思うんですけれども、ルールはっきりした方がいいんじゃないんでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) まず、事実関係だけ先にちょっと述べさせていただきますが、先ほども申し上げましたように、こうした必要な水準をきちんと明らかにしていくというふうなことで考えておりますので、できるだけそういうふうな説明責任が果たせるように今後とも努力してまいりたいというふうに思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 大分時間なくなってきましたんで、余りこのやり取りばかりしているわけにいかないんですけれども。  やはり合理的にきちっとやっているんだということを、これは財務省の姿勢もここに書かれているわけですから、今のやり方だとさっき言いましたようによく見えないと思いますし、是非、今後ルールとして明確化していくということは御検討いただきたいというふうに思います。  それから最後に、積立金について質問させていただきたいというふうに思います。  これも、先ほどお話しした会計検査院の報告書にも指摘されていますが、ほとんどのこの積立金について保有規模に関する基準が示されていない、こういうふうに指摘をされています。もうちょっと厳しい指摘ではなかったかと思うんですが、最後の総括のまとめのところで、要するに、その積立金額のボリュームについて具体的な水準等が一切触れられていないし、なぜこれだけの積立金にしたのか説明がないという指摘がされているわけなんですが。  それで、今回は、これもPR資料に記載されていますが、積立金については、その必要性、必要な水準等を予算の積立金明細表において公表すると、そういう規定を整備しますということでこのPR資料にも書かれていますし、法律の中には一部そういうものも入っているというふうに思うんですが。  ところが、ちょっと今お手元に資料を一枚お配りしていると思うんですが、ちょっとごらんいただきたいんですが、これは実際にはもうすべての特別会計にこういう似たような文言が入っているんですけれども、今日は、これお配りしたのは財務省の所管する特別会計の積立金明細表の注釈を抜粋をさせていただきました。  それで、これを拝見しますと、要は簡単に言うと、必要な額を積み立てると。唯一具体的な水準が入っているのは外国為替資金特別会計。これは百分の三十を乗じて得た金額とすると一番最後に入っていますけれども、唯一これが具体的水準を言っているだけで、例えば一番上の地震特会を見ますと、ちょっと読んでみますと、地震再保険特別会計においては、特別会計に関する法律の規定により再保険金並びに借入金の償還金及び利子に充てるために必要な金額を積立金として積み立てることとしており、大規模地震等が発生した場合における再保険の支払額等を勘案し、必要な金額を積み立てる。以下、同文なんですよね。例えば、財投の特会のところも、一番最後のところですが、健全性を確保するために必要な金額を積み立てる、産投会計も、ちょっと表現は違いますが、非常に抽象的な日本語ですよ、全部ね。  本当は指摘されていることは違うと思うんですよね。それぞれの特会について、その特会の性格なり支出の水準から見てこれだけ積立てが必要なんですと、こういうことがこの明細表にきちっと書かれなければいけないと思うんですよ。企業でいったら、貸借対照表の下の注釈で例えば減価償却の累計が幾らとかあるいは特記事項を書くのと同じで。  それぞれの特会、拝見しましたけど、すべてそうです。必要なものを積み立てると書いてあるんですよ。これじゃ基準を明確にしたことには私はならないと思うんですが、この点はどうなんでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 例えば、地震再保険特別会計のところは、大規模な地震が発生した場合に備えるということなんですが、具体的には関東大震災とか、何百年に一回という地震のために備えているものですから、実は上限が非常に大きなものですから、そういう意味で全額今は積み立てているという状況でございます。  それから、財政投融資資金の場合には政令におきまして千分の百まで積み立てるというふうになっておって、その辺での説明責任の中で、もう少しきちんとこの説明責任を果たすという意味で今後またできるだけ分かりやすい表現にしていく必要はあろうかと思いますが、そんなことで、今後とも、この内容につきましても、先ほど申し上げましたように、必要な金額をできるだけ分かりやすく説明するように努めるということはしていきたいというふうに考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 大臣、これは非常に大事な部分だと思うんですよ。例えば財務省のコメント、さっき、今お配りしたものですから、私はちょっと勘ぐっている。財務省がこういうコメントを書いているものですから、ほかの省庁皆同じですよ。例えばエネルギー対策特別会計見ると、今後運転が予定されている原子力発電所の設置に伴い必要となる金額を積み立てることとしている。国立高度専門医療センター特別会計、事務及び事業の適切かつ安定的な運営を維持するために必要な金額を積み立てることとしている。こんなの基準でも何でもないですよね。だから、それぞれが必要と思ったものを積み立てているんですと、こんなの説明じゃないと思うんですよ。  これは是非、今後改善をしていただきたいと思うんですが、財務大臣、どうでしょう。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 行政とか政策についての明快な説明というのは説明責任を果たす上で極めて大事であるというふうに考えておりまして、この積立金明細表につきましても、今後とも適正に記載されるように努めてまいりたいと考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○直嶋正行君 是非よろしくお願いしたいというふうに思います。これは、さっきもお話があったように、法律の方にもそういうふうに書き込まれているわけであります。  それで、さっき鈴木さんの方から財投と地震の話がありました。今日はもう時間ないんでやめますけど、さっきちょっと申し上げたように、外為特会も含めて、これは非常に、基準を明らかにしていただいているんで非常に前向きな議論ができるということで思っているんですけれども、この水準については以前にも一、二度やらせていただいたことありますが、私なりにまた考えがありますので、それはまた改めて議論させていただきたいと思いますが。  いずれにしても、今日は、さっき大臣からお約束いただいたことも含めて、是非、この財政の健全化をしっかりやっていかなきゃいけないということは、これは恐らくここにいらっしゃる方全員の共通の思いだというふうに思いますので、そんな面でまた努力をしていくということも、私の方もいろいろとまた注文を付けさせていただくかもしれませんが、そういうふうに解釈をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。     ─────────────

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、主濱了君が委員を辞任され、その補欠として津田弥太郎君が選任されました。     ─────────────

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉でございます。よろしくお願いします。  今日は、国の財務諸表、国の財務書類に関しまして質問したいと思います。  先ほど、犬塚委員の方で国際公会計に関するコメントがございましたが、実は、犬塚委員と私、それと尾立委員、さらには若手国会議員で、レスキュージャパンという私的会合を、勉強会を行っております。これは、何とか日本を救いたいと、つまり国の借金をどうやって管理していくか、これはもう複式簿記、発生主義でやるしかないということで勉強会を始めました。そのために、東京都に行きまして東京都の公会計を勉強したり、若しくは財務省主計局の方からいろいろ教えてもらって国の状況を考えました。  当初の段階では、国の予算に関しては、言わば大福帳ということで、肝心なところが分からないと。肝心なところが分からないような形にして役人さんが好きなようにできると、こういう状況かなと思いましたら、いや、違うんです。きっちりやっている部分もありまして、財務省はよくやっているという部分も相当あります。このことをまず評価したいと思うんです。  今日は、資料としまして「国の財務書類」を全委員に配付しておりまして、これを使いながら御説明しようと思っています。これは平成十六年度の「国の財務書類」になっておりまして、一ページ開けてもらいましたら、どういうものかということで書いてあります。  第二パラグラフに、「一般会計及び特別会計を合算した財務書類のほか、一般会計の財務書類及び独立行政法人等を連結した財務書類で構成されており、企業会計ベースで国の財務状況を幅広く提供するものです。」、ポイントは、連結ということと、あと企業会計ベースです。ですから、非常に分かりやすくなっておりまして、どこに国の問題があるかというのが分かります。どうしても、一般会計、特別会計、独法ということで、個別に見ていろいろ説明してもらいましても、分かったような分かんないような、煙に巻かれたような気になりますが、これで見ましたら日本の国にどこが問題かというのがよく分かると思うんです。  そこで、まず第一の質問なんですが、この「国の財務書類」に関しまして、何部発行されていて、だれに渡しているのか、それを確認したいと思います。これは全議員に渡されているんじゃないかと思いますが、そのことを確認したいと思います。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 約千部を作成しておりまして、御要求いただいた国会議員の方、マスコミ関係者、財政制度審議会の委員、関係省庁にお配りしておりまして、国会議員の皆様には、お求めになられた方にお渡しするという形で今やっております。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 分かりました。是非、私どもも活用していきたいなと思っております。  ページ九ページを見てもらってよろしいでしょうか。こちらがいわゆる国の貸借対照表です。これは一般会計、特別会計、独法が入っているものです。  左側が資産サイドで、資産の合計が平成十六年三月三十一日が六百九十兆になっています。平成十七年三月末が七百兆になっているという状況です。一方、負債に関しましては、右側を見てもらいまして、平成十六年三月三十一日が、負債合計というのが書いてありますから、これが九百四十六兆、平成十七年三月末が九百七十六兆です。  じゃ、資産と負債、計算したら資産が足りないんじゃないかということで、どのくらい足りないかということで計算した数字が下の方に付いていまして、資産・負債差額、平成十六年三月三十一日で二百五十六兆のマイナスです。平成十七年で二百七十六兆のマイナス。これは一般企業でしたら、資本がマイナスということで、これは何と言うんでしょう、通告しておりませんが、財務省お願いします、企業会計でこの部分がマイナスということは。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 負債超過ということでございますので、企業ですとなかなか厳しい財務状況になっているということになるかと思います。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 そうですね、債務超過ということですね。通常は破綻します。もちろん、国に関しましては、一般の企業と違いますから、将来の増税とか地方税とかいろんなことがありますから、必ずしもここがマイナスであってもすぐに問題とは言いませんが、非常に注意を要するという状況かと思います。  ですから、この委員会では、このマイナスの数字をなるべく少なくする、場合によってはプラスに持っていく、このためにきっちり決算をチェックしましょうということを是非お伝えしたいと思います。  続きまして、じゃ平成十六年三月三十一日と平成十七年三月三十一日の資産・負債差額の数字を見ますと、差額が二十兆円増えています。つまり赤字が二十兆円増えておりますが、このことは何を意味するか。このことを財務省に、大臣にお尋ねしたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 十六年度末における資産・負債差額二百七十六兆、前年度末に比べまして二十兆円悪化しているわけでございます。  この理由の主なものは、十六年度に発生した国の業務費用約百二十三兆円であったのに対しまして、税収、租税収入等の財源が約百二兆円にとどまっていたため、差引き二十一兆円の財源不足が生じたと、こういうことでございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 そういうことですね。つまり、一般会計の方で不足分がここにたまってくるということですから、何とかここを増えないようにしないといけないということだと思います。  ちなみに、平成十七年三月末の数字は出ていますが、今回の決算というのは平成十八年三月末の決算を審議すると思いますから、平成十八年度、つまり平成十九年三月末の資産、負債の差額というのは幾らなんでしょうか。財務省にお尋ねします。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) まだ十七年度末の今作業をしておりますけれども、そういう意味で、その十七年度末の作業が終わりますのが今年の夏ぐらいになるんですが、今の既に出ております省庁別財務書類から今ざっと試算をいたしますと、約二百八十九兆円のマイナスになるという見込みでございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 分かりました。二百八十九兆円のマイナスということでしたら、この一年間で十三兆円ほど悪化しているということですね。  先ほどお尋ねしましたのは、まだ正式な数字が分かっていないということなんです。一ページ目を見てもらいたいんですが、平成十六年度のものを平成十八年八月にできています。ということは、平成十七年度は恐らくは平成十九年、今年の九月にできるということで、ちょっと遅いんですね。ですから、これは犬塚委員も指摘しましたように、一年遅れどころか一年半遅れなんです。  一般企業はどうなっているかといいましたら、月々決算ができるような状況ですから、ここはもうどんどん予算を付けても私はいいと思うんですよね。この予算を付けることによって国の財務管理がきっちりやって税金の無駄遣いができないんでしたら、掛かったコストの数百倍、場合によっちゃ数千倍、場合によっちゃ数億倍の費用対効果になりますから、是非導入してほしいと思うんです。で、国会議員が、国の財務状況を瞬時に見ながら、どこが問題だということを指摘できると思うんです。是非お願いしたいと思います。  では、続きましてこちら、お配りしました日本経済新聞の四月二十五日の一面です。  今日、本会議がございまして、そこでも質問したんですが、十二兆円の欠損金を政府出資金で処理しているということなんです。ここは通告しておりませんが、これは私の方が財務大臣に対しまして、こういった出資金の減額、いわゆる減資というのは企業だったら大変なことです。特別決議が必要なものです。ですから、きっちり国会に対して報告すべきじゃないかということに対して、いや国会に対して報告していますよということなんですが、じゃ、ちなみに平成十七年度の出資金の減額は幾らで、どういう形で報告されているか、もし分かったら教えてください。恐らくは、重要なのはすぐに情報が出せるという状況なんですね。つまり、分厚い書類がありまして、もうなかなか探しても分かんない状況でしたら、これは公表とは言えません。適宜発表できるという状況です。財務省、どうですか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘の欠損金の話でございますが、それぞれの特殊法人を独法化にする際に独法化の基本となる法案が出されております。その法案の中で資産と負債、それぞれ時価評価するようにと、そしてその差額を出資金とするというような規定が大体盛り込まれております。そのそれぞれの法律の規定に基づきまして新たにできた独立行政法人の出資金が決まるというのが、それぞれの大体独法の姿になっております。  ちょっと今、十七年度の数字はちょっと手元にないので、また後ほど御連絡、済みません。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 ここが問題なんです。つまり、独法化する段階では、法律案が国会に来ます、それで法律を可決します。でも、そのときに、幾ら出資金が減るかというのは分からないんです、聞きましても。といいますのは、前の特殊法人は企業会計で決済してませんから、ですからめくら判を国会は打つんです。そして、一年後に監査が出まして、企業会計ベースで資産は幾らだと、負債は幾らだと、じゃ差額は、出資金は幾らになると。前の出資金に比べてその差額が減資するんです。この報告が全くないんです。  ですから、国会で承認したといいましても、めくら判なんですよね。だから、よく言いますのは、官僚が勝手にやっている、その公表をしないと、それが日経新聞の指摘なんです。それで損が出ましてもだれも責任を取っていないんじゃないかと、こういうことなんです。  このことに対して、尾身大臣、どう思われます。政治家として、是非、政治家の良識として答弁を願いたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) この日経新聞の記事に関する問題は、細かいことは別として、大筋この十二兆円という数字は、従来は特に研究開発関係の予算については出資という形で出しておりました。しかし、この独立法人化に伴いまして、これをこれから先は出資という形ではなしに補助金等という形で出すことにしたところでございまして、実は出資という形で研究開発費を出しておりましたが、これは形に残ったものが余りないと、こういうことでございまして、それを今後は補助金という形に直したわけでございます。  もちろん、研究開発の成果は国民に対する有形無形の知的財産などとして残っているわけでございまして、その利益が国民に還元されているものではございますが、民間企業会計と同じような考え方でとらえた場合は、分かりにくいという指摘もあったところでございます。  そこで、十四年以降は補助金という形にいたしましたが、かつて出資金という形で出した研究開発費を一括して処理をしたと、こういうことでございまして、いわゆる何かごまかしたというような種類のものではないという、その点だけは御理解をいただきたいと思います。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 これまでの制度が問題だったと思うんですね。つまり、単純化しましたら、特殊法人にタクシーチケット渡したんです、百枚、勝手に使ってくださいと。その中で、いろんな研究開発に使っていて、どのくらいに使われているかというのは国会で全くチェックできてないんです。たまりたまって最後に請求書が百万円来ましたと。じゃ、そこでどうして落としたかといったら、いわゆる出資金と相殺するということなんです。  ですから、特殊法人というのが非常に問題であって、独法化することによって一歩前進だというのは認めます、独法化しましたら、これまでだったらめくら判だったのが毎年毎年補助金ということで一般会計でチェックできますから。でも、これまでに、もしかしたら国会の議決を経ずにいろんな研究開発がなされていても十分な説明がなされていなかったと思うんですね。そこに対して、過去の問題に関して出資金を減らすことに関しては、私は非常に説明責任として疑問を感じています。  もちろん、金額が小さかったらいいんですが、十二兆円というのは大きいんですよね。これは年間の消費税に近いような数字ですから、こういった数字がなかなか、過去のことだからとか若しくは制度の問題だからといって、私は納得することができません。  じゃ、次に行きます、時間がありませんので。  ページ四十三ページを見ていただきたいと思います。その上の段で、出資金の明細ということで、これ質問通告を一つ飛ばしまして、強制評価減というのが上の方に書いていると思うんです、これは右から二つ目の、この合計が五千八百四十億の強制評価減になっています。これは、いわゆる市場性のない独法に対して出資をしていて、どうも状況悪いからこれはもう減価するということで強制減価をしていると思いますが、じゃ具体的にこういった事由が発生したところはどういったところかということを質問したいと思います。  いわゆる主要な五法人名及び評価減額及びその理由を聞きたいと思います。財務省お願いします。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 五つ申し上げますと、一つ目が年金資金運用基金の承継一般勘定、これが評価減が千三百五十六億円でございます。これは、主に年金住宅融資事業におきます国からの交付金が当該年度は未払になったことから、それによる減でございます。強制評価減でございます。  それから、二つ目が中小企業金融公庫の融資勘定でございます。これが千百六十三億円の減額になっております。理由は、主に貸倒引当金の繰入れ損によるものでございます。  それから、三つ目が日本原子力研究所でございまして、これが千百四十八億円の減。  それから、四つ目が核燃料サイクル開発機構の八百九十五億円でございます。これは、先ほど大臣から御答弁がありましたように、いわゆる出資を財源とした研究開発による費消ということで、これについて減を立てたものでございます。  それから、五つ目が都市再生機構の都市再生勘定でございまして、四百七十一億円でございまして、これは独法移行時における主にニュータウン事業の欠損金があったということによるものでございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 分かりました。  こういった強制減資をする場合に、財務大臣の方から国会に対してこういうことをやりましたということで是非公表してください。そうしましたら、国会議員の方は、じゃどういうふうになっているかということで個別の委員会に伝えまして、そこで問題はなかったのか原因究明ができると思うんです。  続きまして、ページ六十一ページを見てください。  ここにもう少し、この上の段なんですが、これは強制評価減後の、出資金の強制評価減をしたところのリストです。いわゆるブラックリストなんでしょうか。つまり、ここだったら出資がうまくいっていませんと。もちろん政策目的で、どうしても政策を実現するために損が出るというところもあります。ただ、この中に、本当に政策目的で損になっているのか、いやいやいわゆる天下りとか官製談合とかいろんな面で問題があるところもありますから、この辺りを是非精査する必要があると思うんです。  特に、こういったところに関しましては、ラスパイレス指数、高い随意契約若しくは天下りの実態があるかないか、この辺りを是非公表してもらいたいんです。つまり、この一覧表に載っけるんでしたら、ラスパイレス指数がどのくらいで、つまり従業員の給与水準は高いのか低いのか、さらには随意契約はどのくらいであるかというのを是非公表してほしいです。これは、評価減をしているということは、いわゆる国が親としましたら、子会社に対して減資をしているということですから、当然ながら親会社よりも子会社の従業員は給料は民間でしたら下げるのが普通なんですが、実は多くのこういった法人は国家公務員以上の給料をもらっています。この辺りも是非メスを入れるべきじゃないかと思います。  続きまして、これは一例としまして、住宅金融公庫、前回でも説明をしたんですが、ここに関して新たに問題が発生しました。まず、前回の指摘した点を思い出すために説明しますと、住宅金融公庫のラスパイレス指数は一三五、つまり公務員の三五%増しの給料です。平成十七年度に退官されました元建設省事務次官の前総裁は退職金が四千万円ありました。この方は、退職後、財団法人の建設経済研究所顧問になられていると。典型的な天下りです。この方は住宅金融公庫にいるときに、給与を含めましたら約二億円の収入があったというのが前回分かったと思います。この住宅金融公庫は毎年三千七百億円の国庫補助金を入れていたんです。それでも一般勘定の純資産は三千九百四十六億円の大赤字です。  これはページ五十三ページを見てください。これは非常にいい資料なんですが、五十三ページの中段に住宅金融公庫というのがあります、出資先。上の段、次の金額といいますのが、出資金額、その次が資産、負債、純資産額、資本金、国からの出資額、出資割合。注目してもらいたいのは純資産額による算出額、この部分です。それと、あと貸借対照表上の計上額。ここを見ていきましたら、この企業がどういう状況にあるかというのが分かります。住宅金融公庫の一般勘定をずっと見てきまして、純資産額は三角が付いていましてマイナス三千九百四十六億円です。いわゆる債務超過というのがはっきり出ています。貸借対照上は、財務省の方はこれはもうゼロということで出資金をゼロにしていると、こういう状況です。  だから、この表をきっちり見ていきましたら、どの法人に問題があるかということです。こういった企業に対してまだまだ補助金が行っているというのが問題です。  じゃ、これをベースに質問します。  昨年の証券会社に払った手数料の合計金額とトップスリーの証券会社に落とした手数料の金額を聞きたいと思います。理事長、お願いします。

島田精一独立行政法人住宅金融支援機構理事長

○参考人(島田精一君) 平成十八年度に住宅金融公庫は総額で約二兆二千億円のMBSを発行いたしまして、これを引き受けた証券会社に支払いました手数料は約七十七億二千六百万円となっております。これは発行総額に対して約〇・三五%に当たります。  トップスリーの証券会社名と金額は、一番は野村證券でありまして十一億二千九百万円、二番目はみずほ証券でございまして十億七千八百万円、三番目はゴールドマン・サックス証券、十億一千百万円でございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 ちょっと質問通告していないんですが、もし前年度の順番が分かりましたら教えてもらいたいと思います。みずほ証券は前年度は何位であったか。

島田精一独立行政法人住宅金融支援機構理事長

○参考人(島田精一君) 十七年度ですか。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 はい。

島田精一独立行政法人住宅金融支援機構理事長

○参考人(島田精一君) 平成十七年度は、一番が野村證券、二番がゴールドマン・サックス、三番が大和証券SMBC、四番がみずほ証券でございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 どうしてこれを聞いたかといいましたら、みずほ証券が躍進しているということです。  前回の委員会質問で、みずほグループから二名、会社派遣があって、その会社の給料はみずほ持ちであると。ですから、こういった企業にとりましては非常に割のいいんですよね。二人、人を出すだけで、もしかしたら手数料が十億円近く入ってくると。こういった現象がもしあるとしましたら問題だということを指摘したんです。ですから、証券会社に、いわゆるマンデートと言うんですが、いろんな仕事をさせる場合にはきっちりとしたコンプライアンスが必要だと。  そこで、問題になりましたのが、じゃ、だれがこういったマンデートを上げるかと。つまり、責任者はだれかといいましたら、これは中川財務企画理事ということです、経歴を見ましたら。このお方は四月一日、今年の四月一日に入ってきたということなんです。済みません、この方の経歴を教えてください。

島田精一独立行政法人住宅金融支援機構理事長

○参考人(島田精一君) 住宅金融支援機構は今年の四月一日から独立行政法人となりまして、ビジネスモデルも証券化支援事業に抜本的に転換する改革に取り組んでいるところでございます。  この改革の実現のためには、MBSによる市場からの資金調達を有利な条件で円滑に行うことが何よりも重要でございまして、先日主務大臣から御指示をいただいた中期目標におきましても、専門性の高い業務においては必要に応じ高度の知見を有する外部の人材の積極的な登用を図ることとされているところでございます。このため、本年四月一日、金融・証券業務に関して経験豊富な中川理事に就任していただいたところでございます。  お尋ねの中川理事の経歴でございますが、直前は東京不動産管理株式会社に二年十一か月在籍されました。その前はみずほ証券株式会社に一年五か月、それ以前は株式会社みずほ銀行、株式会社富士銀行に勤務されておりました。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 富士銀行に入って、みずほグループに長年働いてきたと。この東京不動産管理というのは調べておりませんが、恐らくはみずほグループの不動産管理会社です。そういう方がいわゆる証券化の責任者ですから、これは、そういうことはないといいましても、どうしても同じ金融グループの証券会社に手数料を渡してしまう、若しくは情報を漏らしてしまうというおそれがあります。それはあくまでもおそれです。ですから、やはりきっちりとその辺りは考えておいた方がいいと思っているんです。これは税金を投入している公庫でありますし、また私は、住宅金融支援公社ですか、に関しては非常に期待をしております。アメリカにおきましてはジニーメイ、ファニーメイといういわゆる証券市場の中核となる発行体がいます。それに値する潜在性があるんです。ですから、資本市場、特に発行体のリーダーとしてきっちりその辺りは管理してもらいたいなと思っております。  島田理事長はそういったことができる人材ということで民間から来てもらった方ですから、是非、島田理事長のリーダーシップを期待しております。一言何かございますか。

島田精一独立行政法人住宅金融支援機構理事長

○参考人(島田精一君) 今、大久保先生のおっしゃられたように、この新しいビジネスモデルで、これからは財投資金でなくて市場から証券化によって資金を集めて、それを住宅ローンとして長期固定ローンという形で国民の皆様のニーズにこたえていきたいと、こういうことで抜本的に、将来的には補給金にも頼らず、それから、もう既に行っておりますが、財投資金も使わずに新しい私どもの住宅金融支援機構の機能を十分発揮させられるような組織にしたいということで、私も全力を挙げているところでございます。  今御指摘の証券発行に関して、少しでも疑義があるようなことは一切ないように組織的にも対応していきたいと思っております。MBSの引受け証券会社の選定に関しましては、毎年度の引受主幹事候補の選定、各起債ごとにおける引受主幹事の二段階でのあれをやっておりますし、そういうことで、最終責任は私が決めるということでやっていきたいと思っておりますので、そういうことで是非いろいろな問題が起きないように全力を挙げていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 続きまして、ページ五十三ページをもう一度見てもらいたいんです。  これは市場価格のない出資先に関する評価ですが、ここで一番重要なのは右から三つ目と二つ目、つまり純資産と貸借対照表。特に純資産がマイナスのところは要注意です。ところが、プラスのところも見た方がいいなと思っています。つまり、純資産と貸借対照表の金額で、純資産が大きいところ、つまり企業でいえばもうかって含みがあるところです。  じゃ、こういった先はどこがあるか。トップテン、上位十社をお願いします。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 出資先の法人で純資産の額の大きい順で申し上げますと、平成十六年度末の時点でございますけれども、一番が日本郵政公社で四兆八千七百四億円、二つ目が公営企業金融公庫で二兆四千五百三十六億円、三番目が日本道路公団二兆五百七十五億円、四番目が日本中央競馬会一兆八百七十五億円、五番目が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構で一兆二百四十五億円、六番目が日本政策投資銀行六千五百九十六億円、七番目が国際協力銀行で二千九百八十五億円、八番目が本州四国連絡橋公団千九百二十四億円、九番目が国際復興開発銀行で千五百五十三億円、十番目が首都高速道路公団で千五百億円というふうになっております。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 時間がありませんから次に行きますが、こういった先もあるということです。  じゃ、この十社の中でいわゆる国から補助金をもらっている法人はどこでしょう。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 三つございまして、一つ目が鉄道建設・運輸施設整備支援機構でございますが、これは新幹線の建設費用をここに入れているということでございます。それから、二つ目が日本政策投資銀行でございますが、九億円でございますが、これは省エネの融資の利子補給でございます。それから、三番目が国際協力銀行、これは二百億円ございますが、これはODAとして債務免除を行ったことに係るものでございます。  以上でございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 今日は時間がありませんが、こういった先に対して別途ラスパイレス指数、あとは随意契約率、こういったことをチェックしたいと思います。といいますのは、含みがありますから、随意契約で更に孫会社、下の方に資金を流しているという可能性もありますし、もう一つ指摘したいのは、これだけ含みがありますから、実はこういったことを全部開示しましたら、国の借金は意外と少なくなる可能性があるんです。  じゃ、これはページ六十ページを見てください。合計金額が載っています、一番下に。貸借対照表計上額というので三十八兆円の出資金があります。ところが、なぜか知らないんですが、純資産額の合計が出ていません。これは幾らかというのを教えてください。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 十六年度末におきます国の出資分に係る純資産額の合計は四十八・九兆円でございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 ということは、四十八兆円と三十八兆円の差、つまり十兆円含みがあったんです。つまり、ポケットにいわゆる余裕資金があるということなんです。やはりこういったものも開示すべきですよね、積極的に。こういったことを是非指摘したいと思います。  この「国の財務書類」に関しまして非常に重要な情報があります。是非こういった情報を今度は一般予算、予算の方にフィードバックしまして、税金を無駄遣いしないと、こういったことが是非とも必要なんです。このことに対しまして、是非、尾身大臣にリーダーシップを発揮してもらいたいと思うんです。是非一言お願いします。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 国家財政等に対する透明性の確保というのは極めて大事でありまして、国民の理解を得ながら施策を進めていくという考え方の下に、できる限りの透明性を確保していきたいと考えております。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 もう最後の時間になりました。最後の一問です。  ページ六十五ページを見てください。上の段に借入金の明細というのがありまして、財務省のところに、二段目に横浜正金銀行というのがあります。横浜正金銀行から三十四億円の借金なんです。  実は、横浜正金というのはGHQで清算されているんです。だから、ない銀行からどうして三十四億円借りているのか。もしかしたら金利は幾らなのか。これ七%で六十年間、複利計算しましたら、二千億円近くになるんです。これは非常に不思議なんです。実は、同じように外資金庫も存在していないと思います。何でこういったものが載っかっているのか、また、今後どういう形で処理されるのか、このことを最後に質問しまして、私の質問を終わります。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘の横浜正金銀行及び外資金庫からの借入れにつきましては、戦費調達に伴う外地あるいは戦地におきます国庫金の受け払い等に関連したということだと考えております。  それで、これは昭和十二年設置されました、臨時軍事費特別会計法によってつくられました特会に帰属したものでございます。この特会につきましては、昭和二十一年に終結しまして、その後の決算を整理した結果、約百九十八億円の歳入不足という形になっております。  これにつきましては、ポツダム宣言の受諾に伴い発生する命令に関する件に基づく大蔵関係諸命令の措置に関する法律ということで、当分の間、この収入支出については別途整理し、据え置くものとするということにしております。これら旧臨時軍事費の関係の債務の処理につきましては、旧外地あるいは戦地における国庫金の受け払い等に関連した債権債務の整理がまだ明確に完全になってないんではないかというようなことから、そのまま据え置かれているということでございます。

大久保勉民主党・新緑風会

○大久保勉君 日本の戦後処理はまだ財務諸表的には終わっていないということを指摘しまして、これで私の質問を終わります。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  まず、本題に入ります前に確認させていただきたいんですけれども、今日の新聞にも報道されておりましたけれども、二十四日、公務員改革というのが閣議決定の日に東京証券取引所の新設理事長に元財務省事務次官を充てる人事が決まったとの報道がなされ、今日も報道されておりまして、「東証「天下り」深まる対立」、「官邸 改革骨抜きを懸念」、霞が関は「民間の自主判断」と報道されておりますけれども、財務大臣、何か御感想ございましたら、また山本大臣もありましたら、簡単で結構ですけれども、御所見を述べていただきたいと思います。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 本件につきましては、東京証券取引所が自らの判断で林正和氏を選定されたものと考えておりますが、私は林さんとは、私が経済企画庁長官のときの官房長でございまして、その人物の能力、識見等はよく存じ上げております。そういう点から申しまして、極めて適切なすばらしい人材を選んだなというのが私の感想でございます。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 公務員改革の趣旨の最も大事なことは、再就職に当たりまして、権限や地位を背景に、強制にわたるような、強要にわたるような不公平な再就職のあっせん等を禁じなければならないというように思っております。  また、他方、この東証の自主規制法人の理事及び理事長の選任と申しますのは、欠格事由に該当しない限り、東証及び当該法人においてまずは判断されるべき事柄であろうと思っております。  そこで、この自主規制法人の理事長に林正和氏が就任されたという報道でございますが、まずはここにおきます私の関心事項は、人材の面で適切なものかどうかということでございました。という意味では、属人的には誠に適切でございます。ただ、今後、官房長官等が御心配になっておられますように、金融業におけますこうしたポストにおきましては、マーケットメカニズム、こういったことがかつての護送船団方式等によるゆがみというものを招かないような注視というものについては注力していかなければならないというように思っております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 私も、属人的にと言われますと、大概私は天下りであろうと何であろうと適切じゃないかと思うんですけれども、今公務員改革がどういうことでやっていくのかということをよく是非今後の内閣としても取り組んでいただきたいというふうに思っております。  それで、本題に入らせていただきますけれども、保険金の不払及び保険料の取り過ぎが次から次から起こっておるということで、生命保険では、平成十七年に明治安田生命が死亡保険金などの支払を不当に拒んだとして二度の業務停止命令を受けたほか、本年三月には十社が医療保険などのいわゆる第三分野と呼ばれる保険商品において三千五百八十五件の不払があったとして金融庁から一部業務停止命令を含む業務改善命令を受けていると。また、本年四月の金融庁のまとめでは、生命保険三十八社による生命保険の不払は、平成十三年度から十七年度までの過去五年間で、件数にして合計約四十四万件、金額では総額三百五十九億円にも上り、さらに大半の生命保険会社が期限までに調査を完全に終了し切れなかったため、不払の件数、金額ともにより一層増加する見込みであると。また一方、損害保険でも、十八年に自動車保険の支払を怠った事例が見付かり、二社が業務停止命令を受けております。また、本年三月には、東京海上日動火災ほか損害保険五社が、金融庁からの点検要請を受けて調査した結果、十万八千三百六十四件も火災保険料を取り過ぎていた事実が報告をされております。  このように、金融庁の指示によりまして、もう各分野で調査を行うごとに次々次々と不適切な事態というのが判明して、しかも最終的にその件数、金額、それはいまだ確定できていないんですね。まだまだどこまでこれは出てくるのかというような感想というか、受けているんですけれども、どの時点でこれは区切りが付くのかと。  大臣は、各社の報告を受けて、不払の件数、額がかなり多いと、再発防止に万全を期すことが可能かどうかを含め原因究明を進める、各社とも性根を入れて対応してほしいと、こういうふうに言われておりますけれども、保険会社がこのような事態を招いた原因、背景、これをどのように分析をされ、また契約者保護のためにどのような再発防止を考えられているかどうか、お答えをいただきたいと思います。

佐藤隆文金融庁監督局長

○政府参考人(佐藤隆文君) まず、事実関係につきまして全体の概要を御説明させていただきます。  一昨年来、保険金の不払、火災保険料の取り過ぎ等といった利用者保護に欠ける問題が生保会社、損保会社において明らかになっているということは、保険事業に対する保険契約者の信頼を損なうものでありまして、極めて遺憾でございます。  先ほど御指摘いただきましたうち、まず保険金支払の問題について事実関係を御報告させていただきますと、まず生命保険会社でございますが、実は大きく二種類の問題があったかと思います。一つは、いわゆる不適切な不払というものでございまして、これにつきましては、平成十七年七月に全社に対して、全生命保険会社に対して報告を求め、不適切な不払が多数認められた明治安田生命に対して業務改善命令及び一部業務停止命令を発出したところでございます。また、不払事案が認められたその他三十一社につきましても、報告等を求め、保険金支払管理体制の整備、改善状況のフォローを続けているということでございます。  それから、もう一つの種類の問題は保険金の支払漏れと言われている問題でございまして、これにつきましては、本年二月に、私どもの方で全生保会社に対して件数、金額についての報告をこの二月に求めたところでございまして、四月十三日までに報告書の提出を受けまして、現在精査をしているところでございます。生保各社の公表によりますと、全三十八社中三十七社において、合計で約四十四万件、総額約三百五十九億円の支払漏れが認められているということでございますが、現在、各社において引き続き調査を続けているところでございまして、遅くとも本年十一月ごろまでには調査が終了すると、こういう報告を受けているところでございます。  それから、損害保険会社の方でございますけれども、こちらも二種類の問題が大きくあろうかと思います。  一つ目は、付随的な保険金の支払漏れということでございまして、この点につきましては、平成十七年九月に全社に報告徴求を行いました。その結果、二十六社で問題が認められたということで、十七年十一月にこの当該二十六社に対して業務改善命令を発出したところでございます。しかしながら、その後も検証が完了していないということが認められたものですから、平成十八年十一月に改めて報告を求めまして、この点につきましては遅くとも本年六月までに調査が終了するという報告を受けているところでございます。  また、損害保険会社に関しますもう一つの問題は、第三分野の商品に係る不適切な不払という問題でございます。これにつきましては、平成十八年七月に全社に報告徴求を掛けたところでございまして、本年三月十四日に十社に対して業務改善命令を、さらにそのうち六社に対しましては一部業務停止命令を発出したところでございます。この業務改善命令に基づきまして、四月十三日に各社から改善計画の提出を受けているというところでございます。  それからもう一つ、最近話題になっておりますのは保険料の取り過ぎという問題でございます。これは、火災保険につきまして、例えば耐火性のグレードによって保険料の軽減が設けられているという枠組みになっておりますが、その個別事案への具体的適用が不正確であったという問題でございます。この点につきましては、平成十九年三月末を目途として、保険申込書に記載された契約データ等を基に、建物構造級別の適用等、誤りの蓋然性の高い契約を抽出して調査を行い、また、さらに今後一年程度掛けてすべての契約について確認し、問題がある場合は適正化を図っていくと、こういう状況にございます。  私どもといたしましては、各保険会社の業務改善の状況、進行中の調査の進捗状況を注視し、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。  それから、このような事態が生じました原因、背景でございますが……

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) 恐縮ですが、手短にお願いいたします。

佐藤隆文金融庁監督局長

○政府参考人(佐藤隆文君) あと少しでございます。  不払等の大きな要因といたしましては、各保険会社が、入口である保険募集から出口である保険金支払まで、商品の特性を踏まえた適切な管理体制を整備していないまま商品を開発し、販売してきたということが考えられるのではないかと思います。より具体的には、経営管理機能の不備、商品開発、改定にかかわる各部門の連携不足、保険募集時の顧客に対する不十分な説明、コンピューターシステムの整備の不備、支払担当者への教育の不足といったことが掲げられるのではないかと思っております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 ずっと事実経緯、私が先ほど言っているんで、その背景と原因というのを最後のところだけ答えていただければよかったんですよね。その最後のところも、入口から出口まで云々という話もありましたけれども、じゃ、何でこういうことが起こるのかというのが、もっと最初、さっき改善計画を出さしたけれども、じゃ、それで十分なのかどうなのかという。  本当にある社長が、保険会社というのは保険金を支払うために保険があるのだと反省していると。これ、当たり前のことなんですよね。保険会社というのは保険を支払うためにある会社であって、そこを今ごろ気が付いたというか反省しているんではもうどうしようもない。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕  それで、要するに請求主義だと、できるだけ払わないようにしようという体質がそれぞれの保険会社にあるところに問題があるんじゃないかということを言っているわけですよね。ですから、そこら辺の反省というのはどうそれぞれにさせるのかという、どういう改善をしていくのかという。もっと言えば、今広告が、毎日毎日テレビ等でどんどん、もう安いですよ、これですよと。で、実際支払うときになったらいろいろなクレームが付いているということも聞いておりますけれども。安さだけ強調するその広告の在り方というのはどうなのかとか、それから、もっと言えば、もう非常に詐欺まがいだというような声もあるということで、本当にここでこの泥沼のようなことを深く反省をして、また再発防止をしていかなければならない、そしてまた監督責任もあるんじゃないかと、このように思いますけれども、大臣、まとめていかがでございましょうか。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) まず、先生御指摘のように、この問題の背景は、請求主義ということもかなり重要なことでございますし、また、商品においてその品質を比較する市場のシステムができ上がっていたかどうか、そういうこともございます。また、支払管理体制につきましても、その支払における不服申立て、あるいは支払における苦情、そういったものの開示制度等十分でなかったように思っております。今後、そうした点を十分検討し、特に一個人と会社の情報の非対称性、こういったものを埋めていく必要があろうかと、こう考えております。  金融庁は、利用者等の保護の観点から、問題の実態把握、各社に対する調査の要請、フォローアップ、立入検査、必要に応じ行政処分を行うなど、申し上げましたように対応を取っていきたいと思っておりますし、引き続き保険会社に対しては、問題の検証、迅速かつ適切な顧客対応や再発防止策の策定を求めるなど、適切な監督に努めるように心掛けたいというように思っております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 時間がございませんのでこれ以上お聞きしませんけれども、是非この体質を変えていくというぐらい徹底的にやっていただきたいというふうに要望して、この問題は終わりますので、もし御退室であれば、どうぞしていただきたいと。  それから次に、汚水処理の問題についてお尋ねをしますけれども、非常に今まで水質汚濁の原因というのは産業系というか工場排水等が多かったんですけれども、今や公共用水域の水質汚濁の原因というのは、炊事とか洗濯とか入浴だとか、そういう日常生活に伴って排出される生活排水が大きな原因になっているわけですね。そういう中で汚水処理をしていかなければならないわけですけれども、今、大ざっぱに言って、国交省の公共下水道とそれから農水省の農業集落排水事業、それから環境省の浄化槽と、この三つのそれぞれの省、それぞれの事業でこの家庭の生活排水というのをやってきているわけですけれども、現在、このそれぞれの進捗状況とか予算、今までどれだけ使ってどこまで行っているかというのをそれぞれお答えいただければと思います。

中島正弘国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(中島正弘君) まず、下水道のことを申し上げます。  下水道の処理人口は約、十七年度末でございますが、八千八百万人、処理人口普及率にいたしまして六九・三%でございます。次に、総投資額、これは三十年代の後半に下水道の五計を始めまして、それ以降の金額をもう単純に物価水準考えないで足しただけでございますが、単純合計で約八十兆円でございます。  後ほどそれぞれお答えがあると思いますが、三つ足して全体のいわゆる汚水の処理人口普及率で申しますと、下水道と農業集落排水と合併浄化槽で、三つ合わせて十七年度末現在で八〇・九%、このサービスを受けていない方が残り二割でございまして二千四百万人と、こんな状況でございます。

實重重実農林水産省農村振興局整備部長

○政府参考人(實重重実君) 農業集落排水事業についてお答えします。  農業集落排水事業による汚水処理施設の普及人口は、平成十七年度末で約三百三十六万人であり、総人口約一億二千七百万人に対する割合は二・六%となっております。また、昭和五十八年度の事業創設以来、平成十八年度当初予算までの累計事業費は約四兆二千七百億円となっております。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕

由田秀人環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長

○政府参考人(由田秀人君) 浄化槽につきましては、平成十七年度末で全国で約二百五十万基ございまして、処理人口は一千九十三万人となっております。この処理人口の総人口、いわゆる一億二千七百万人に対する割合は八・六%となっております。  浄化槽の整備に要する費用につきましては、住民が負担する分は別としまして、国庫補助事業として行われている事業の補助対象額は、昭和六十二年度から平成十八年度末までの累計で約七千五百億円であります。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 今それぞれお答えがございました。  下水は八十兆、今までずっと通して。下水道分が八千八百二万人で、六九・三%。浄化槽が、補助金ですけれども、五千四百億で、千九十三万、八・六。それから、農村集落が三百五十二万人、二・八%、これ三兆九千八百億今まで使っているんですね。  今までのはそれぞれやってきたということですけれども、今から特に人口の少ないところ、人口五万人未満のようなところにどんどん、じゃ今までどおりそれぞれの省庁で下水道は下水でどんどん管を引いていっていいのかどうかという。例えば、百メートル引くのに今、管を引くのに千二百万円ぐらい掛かると。一キロ引いたら一億二千万。そこに何軒の家があるのかと。それは管引くだけだから、それをずっとつないでいって最終処理をしないときれいな水にならないわけですから。そういうことをやはりもう今から考えるべきではないかなといういろいろ本質的にはそういうのがあるんですけれども、私は、今日は決算で財務省でございますので、決算というか、そういう部分から、地方財政、今非常に厳しい状況でございます。  夕張市ももう破綻、御承知のように破綻をしたわけですけれども、下水道もやっていましたね。その下水道を夕張市はどれぐらいのパーセントでやっているのか。それから、これは処理費、汚水の処理費が、大体どれぐらい取らなければいけないんだけれども使用料としては幾ら取っている、その差額は幾らだということを、総務省、分かりましたらお答えいただきたい。

榮畑潤総務大臣官房審議官

○政府参考人(榮畑潤君) 平成十七年度の地方公営企業の決算状況調査というのを御報告ですのでいただいておりますが、それによりますと、下水道の普及率が二八・三%、処理経費が三億三千三百六十六万円、使用料収入が五千八百二十万円で、その処理経費と使用料収入の差額が二億七千五百四十六万円。したがいまして、その回収率は一七・四%というふうに私どもは承知しております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 破綻をしたわけですけれども、じゃこれで、再建計画で、下水道使用料、今どれぐらい取っているのがどれぐらいにするという計画なのか、ちょっと。

榮畑潤総務大臣官房審議官

○政府参考人(榮畑潤君) 財政再建計画におきましては、現在、月十立米使用した場合の使用料が、現状の千四百七十円から平成十九年度には二千四百四十円に改定するという旨の計画と承知しております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 それで、これは夕張だけじゃないんです。平均というか、全国的には汚水処理の費用というのは二兆二千三百四億円なんです。そして、使用料で回収できたのが一兆三千九百十億円、六二・四%は使用料として回収しておりますよ、だけれども、実際その差額は八千三百九十四億円ですよと。これだけでも大変なんです。八千三百九十四億円それぞれの市町村、一般会計から補てんしているわけですね。この六二・四%というのは、東京も入っている、大阪も入っている、大都市、政令指定都市、全部入っているわけです。それが六二・四%。  夕張市のようなところというのが多いわけですから、それが一七・四%、毎年三億三千三百万掛かっている。それだけの使用料をいただかないといけないのが、五千八百二十万円しか入っていないわけです。残りのその三億円近く、二億七千万ですか、あの夕張市でですよ、これ毎年掛かるんですよ、これは。三割近くの普及率のところで三億円近い差額を毎年毎年地方が負担しないといけない、これは全国にとってみたら、地方財政にとってはこれは大変な負担だということをしっかりここら辺で認識をしなければ。建設費も大変な問題になるんです、建設費も。今までずっと、例えば下水は公共事業費の一一、二%を使ってやってきました。毎年一兆円、地方が二兆円使って、処理費が一兆円で、四兆円ずっと掛けてやってきましたよ。  もう過去のことは言いませんけれども、だけれども、それ使って、結果、建設費はさることながら、使用料として取れない。一七%しか取れないわけですから、夕張市のような市が毎年毎年三億円近いような一般会計から補てんをするなんというのは大変なことだということがないといけないんですよ。  本来だったら、これは公営企業ですから、地方財政法第六条、これは本来使用料によって賄わないといけないわけなんだ、これは。だけれども、それがずっと常態化して、雨水があるとか全部これできるまでだとかいう話でありますけれども、これが常態化して、ただし書というのはありますよ、災害だとか特別の事由があるというただし書、そのときは一般会計から入れてもいいということになっているわけですけれども、これがずっと常態化して、ほとんど半分も取れていないんですよ、地方の都市は。  これ是非、全国の市町村、どれだけの使用料があって、下水道、公営企業、どれだけ一般会計から補てんをしているかということを全国一覧表を是非出していただきたいんですけれども、委員長、ちょっとよろしいですか、総務省の方から。今じゃなくていいけど、後で出していただけますか。

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) 当委員会理事会で検討いたします。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 後で出していただけます。要するに、八千億の内訳というか、どの市が、どの町が、本来だったらこれだけ使用料として取らないといけないのにこれだけ取れておりませんよ、一般会計からこれだけ出ていますよという。  それで、是非今日は財務省、富田副大臣は我が党の環境部会長もされておりましたのでここら辺はよく分かっておられると思うんですけれども、もう本当にここら辺で全体を見直す必要があるんじゃないかと。それぞれがやる、交付金で一括という手段もありますけれども、本当にこれは地方の市町村にとってはもう隠れ公債比率、何というんですかね、隠れたものがどんどん出てきますよ、今から。  そこら辺について、副大臣、どうですか、この見直し、それぞれの三省の事業、地域に合ったと言いますけれども、なかなか合ったようなことにはならないということなんですが、副大臣、答えていただければと思いますが。

富田茂之公明党財務副大臣

○副大臣(富田茂之君) 弘友委員が合併浄化槽の普及に本当に尽力されてきたことは、同じ党の所属の議員としてよく存じ上げておりますし、言わんとするところはもう重々理解していますが、これはもう三省の各施設の適切な役割分担によって、地域の状況に応じて効率的に整備することが重要であるというふうに思います。  これは、弘友委員御指摘のとおり、一般的にはやっぱり人口密集している地域では下水道などの集合処理、また人家がまばらな地域では合併処理浄化槽による個別処理が合理的になるのではないかと思いますが、やっぱり建設費、維持管理費、コスト等にかんがみまして、それぞれの地域で適宜適切に見直しを行うことが重要であるというふうに考えております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 それで、今までなかなかそれぞれの自治体、それぞれの地域で、うちはこういうふうにやりますよと言ってもなかなかそれが通らないという体質があったんですよ。個別にお聞きしますと、要するに下水道整備の計画が、地方の事業計画と、市町村の、それから国の計画とえらい乖離があるんですね。国の計画ではみ出した部分というのが物すごくある。ちょっと資料で読んでもいいんですけれども、本当にある。  そういう部分について、はみ出した部分について、国交省は市町村の計画に合わして縮小したりするような考えはあるのかどうか、お尋ねします。

中島正弘国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(中島正弘君) 恐らく委員の御指摘は、流域下水道が一番問題があるんじゃないかと思うんですが、下水道事業計画はそれぞれ、大体今五年から七年ぐらいの期間で、これこれの区域で整備をいたしますと、処理が始まりますと区域を示して計画を作るわけでございますけれども、下水道法に基づいて公共団体が定めますが、それが、流域下水道のときはその主体が二人かぶりまして、県が事業区域を流域下水道について定めますと。ただ、流域下水道は、御案内のように処理場と主な管渠は県が造って、それ以外の終末、末端管渠は市町村が整備するわけでありますが、市町村も流域関連公共下水道の計画を作って区域を定めますと。  これは、本来はといいますか、一致すべき、両者が調整を取って整合的に定めるべきものでございますけれども、しかし、それが残念ながら一部の都道府県において、おおむね流域下水道の県の方の区域が関連する公共下水道の市町村の区域よりも大きくなっているという箇所が残念ながら見受けられます。  議員の御指摘も踏まえまして、私どもとしましては、このような都道府県に対しましては、両者の進捗状況に差異が生じる場合には引き続き計画区域の見直しを実施するよう指導してまいりたいと、このように思っております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 その見直しと、もう一つは、事業計画区域がもう既に事業計画区域になっている、だけれども、大体いつ、今の予算の状況だとか人口の少ないようなところ、じゃ、いつ、六年以内、七年以内に果たしてこれは来るのかどうかって分からないと。じゃ、おおむね七年であれば浄化槽も付けますよという話になっているんですけれども、そういうところの見直し。事業計画を付ければ二重投資になるわけですよ。それを、補助金出して浄化槽付けたところにまた、いい水が流れているのに、下水と変わらない、処理したきれいな水が流れているのに、それをまた下水につながないといけないというのは、これはおかしいんじゃないかと。  だから、事業計画区域であってももう既にそういう浄化槽等は大分普及してやってきているというところは、そういう計画も市町村によって見直しが私はできると思うんですけれども、いかがですか。

中島正弘国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(中島正弘君) 一つ大きな要素は、これからやっぱり人口が減ると。人口減少社会を迎えて、今までの計画はどうであったかというのを見直すことは重要なことだと思います。先ほど来話が出ておりますように、都道府県の構想というのを作りまして、ここは下水道、ここは農業集落排水事業、ここは合併浄化槽と決めてまいりました。もちろん今でも適宜見直しをするようにということを言っておりますが、人口の減少などを踏まえて、もう一つ大きな要素は、私は、合併がございましたので、合併して市町村区域が非常に広がって、いろいろな種類の汚水処理施設がもう交じってきております。  そういう状況も踏まえて、適切に見直すように公共団体を今後とも指導していきたいと、このように思います。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 まさしく局長が言われたように、今、人口減少社会になっていますね。だから、今まで過大なというか、まず処理施設から造っていくわけですから、最終の処分、処理する。それから管を引いていくということで、だから、最初にもう造っているから、もうなるべく多く取り込まないかぬということになるわけですよね。  ですから、まず人口減少ということも考え、また市町村合併ということもあって、今までの片一方の方はほとんど下水でもうやっていますけれども、片一方はほとんど手が付いておりませんよとかいうところがある。ところが、合併したところは、あっちが下水道やっているからうちもやってもらいたいみたいな話になりかねないんです。  ですから、計画をきちっと作ってやるようにしていかないと、私は、今から、夕張じゃありませんけれども、平均は六二%を取っている、それで八千億ですけれども、東京だとか政令市除いたらもうこれは大変な、一回やってしまえば毎年毎年掛かるんですよ、このお金は。私は別に国交省下水道をいじめているわけじゃないんですよ、全然。だから、別々にやるからこういうふうに。  大臣、こういうのは本当に、汚水処理行政というのは一つの、これどこからも恨まれるかもしれませんけれども、部局にして、そしてやれば、一発でこれ全国やれると思うんですよ。だから、そういうことを考えていかないと、これは本当に市町村、大変な負担になっていくというふうに思いますんで。  最後に大臣、もしそういう汚水処理行政、無駄を省くということで、大臣も群馬でございましたですか、よろしくお願いします。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 私の地元も都市と農村が混在をしておりまして、その地域に応じた適切な汚水処理体制を整えることが極めて大事であると思っております。そして、何よりもそれにつきましてはその地域の住民の声をしっかりと聞いて対応すべきだと思っております。

弘友和夫公明党

○弘友和夫君 最後、大臣の答弁がありましたけれども、終わりますけれども、是非情報公開して、下水をやりましたらこれぐらいの使用料をいただかぬといけませんよとか、そういう情報公開をした上で住民の声を聞かないといけないというふうに思いますので、よろしくお願いします。  以上で終わります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門でございます。  国有地の売却、払下げ問題で質問いたします。  国有地の有効活用とか不必要なところを売却するというのは、国庫に収入が入りますから国民のプラスになるということで、全般的には反対するものではございませんが、時々ちょっとうさん臭いプロジェクトが出てまいります。大体、明治以来、国有地払下げというのは利権話がいつも付き物だったわけですけれども、そういう点で、私は再三取り上げてきたのが大手町開発という問題で、国会で取り上げるのは今日で五回目になります。壮大な国家プロジェクトですから、まだまだ取り上げていく必要があると思っておりますけれども。  資料をお配りいたしました。そこに概要がございます。簡単に、初めての方もいらっしゃると思うので説明いたしますと、これは千代田区大手町の皇居の向かい側の合同庁舎等があるところの話です。一、二号館跡地というのがございまして、これは図解してありますけれども、平成十七年、〇五年の三月に千三百億円で随意契約で都市再生機構にまず売られております。どういうわけか、すぐその十一月に有限会社大手町開発に、売った部分は全体の三分の二でございますけれども、価格としては、随契で都市再生機構が買ったのにプラスその間の管理事務費だけを上乗せしたと、ほぼ随契で買った価格で大手町開発というところに売却をされております。つまり、随契で都市再生機構が安く買って、トンネルの役割を果たして民間の大手町開発に売却がされたということでございます。  この有限会社大手町開発というのは、匿名組合、出資者として三菱地所等々が書いてありますが、お金の資金を出しております。さらに、この有限会社大手町開発というのは、上の方にありますけれども、開発全体を企画立案してきた大手町まちづくり株式会社というものがありますけれども、それがつくった有限会社でございます。そのまちづくり株式会社は、経団連の事務総長さんが代表取締役、取締役が三菱地所がここにも入っております。  さらに、その全体の方向を打ち出したのが、上の左の方にあります大手町まちづくりビジョン委員会、この委員長が伊藤滋さんという早稲田の特命教授で、都市計画、不動産業界の主みたいな存在の方でございますが、この方は政府の国有財産売却の有識者会議の座長も務めておられまして、森ビルのブレーンもされております。不動産業界からアドバイザリー収入、報酬を受けている人物でもございまして、こういう人が政府の有識者会議の座長にふさわしいのかということは再三指摘をしてきたところですが、私は問題だと思っておりますが、そういうことでございます。  話をスキームに戻しますと、この大本にあるのが大手町まちづくり推進会議ということで、あの辺にビルを持っている経団連とか、そういう大企業が地権者四十社入って構成されております。  何をやろうとしているのかといいますと、この一、二号跡地に、取りあえず今の段階ですと、そのそばにあります経団連、日経新聞、農協などが替え地でこの跡地に入るということでございます。容積率が、国の都市再生本部で国家プロジェクトということになりまして、伊藤滋さんの働き掛けがあったかどうか分かりませんが、御本人はそういうことをやってきたとおっしゃっているようなところがありますけれども、いずれにせよ、元々七〇〇%の容積率が一五九〇%になっております。三菱地所など不動産ディベロッパーが最初から絡んでおりまして、具体的に設計監理も三菱地所というふうになっております。  資料の三枚目にどんなものが建つかということで載せておりますけれども、ここに建つのは三棟建つと。A棟、B棟、C棟です。このA棟というのは三十一階で、これは主な区分所有者は日経新聞です。真ん中のB棟は、これが三十七階で、主な区分所有者はJAと先ほど資金を提供した出資者の人たちですね。二十三階建てのC棟が経団連が主な区分所有者と。こういう形で、四月一日着工、とうとうこの四月一日に着工いたしました。十一日には、安倍総理、御手洗経団連会長が出席して盛大な起工式が行われたということでございます。  私は二年前からこの問題を取り上げてまいりましたけれども、とうとう本体着工というところになったわけですけれども、この一、二号館の跡地、結局これで一番もうけたのはだれなのか、財務省、いかがですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 一番もうけたのはだれかという質問につきましては私どもちょっとお答えにくいんでございますが、国といたしましては、この大手町の再開発のプロジェクトにつきましては、都市再生プロジェクトの一環ということで私どもは都市再生機構にこの土地を売却したところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 皆さんの有識者会議の座長の伊藤滋さんは、今年の一月二十五日、都市経営フォーラムでこんなことをおっしゃっております。この大手町開発で、経団連、日経新聞も土地を買うときは、つまり今のところから一、二号館の跡地を移るときは、ベースの容積率八〇〇%くらいから、ちょっとこれは不正確だと思いますが、一四三〇%で買っているから大変高いお金で買っていると、それだけ国がもうけましたというふうに有識者会議の座長の伊藤滋さんがおっしゃっていましたけれども、本当に国がもうけたんですか、これ。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 先ほど申し上げましたように、国といたしましては、不動産鑑定士による鑑定によりまして売却しているところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 伊藤滋さんにお伝えください、そういう不正確なことを有識者会議の座長が言うべきではないと。  この構図見て分かるとおり、国は千三百億円ですね。ここは面積が、ちょっと今は数字ありませんが、いずれにせよ平米一千万ぐらいの金額で売られているわけです。それっきりですよね。一五九〇というのは、その後容積率を緩和してもらって延べ面積が増えますから、これは物すごく高くなっていますね、今はですね。国はもうけておりませんですよね。これは確認できますか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 先ほど申し上げましたように、国は不動産鑑定士に鑑定を依頼いたしまして、ここの地区について、容積率は当時七〇〇%でございましたが、総合評価ということで九五〇%、二五〇%の上乗せをして評価が行われ、時価を算定していただき、売却し、先生の資料にございますように千三百億円で売却したところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 したがって、座長さんが言われるのは当たらないということでございますので、訂正するようにお伝えください。  問題は、どの時点で容積率がだんだんだんだん増やされていったかでございます。  国から都市再生機構に売られたのは平成十七年三月ですね。このときは七〇〇、今の換算もありますけれども、いずれにせよ七〇〇がベースでございました。都市再生機構から大手町開発に平成十七年の十一月にほぼ原価のまま売られていると。この後、同じ十一月ですけれども、容積率が一二〇〇%になっております。平成十八年の一月に容積率が一五九〇%になっています。民間に売ってから都市計画で容積率が引き上げられているわけですよね。これ、逆に考えると、容積率引き上げて、民間に売る前に引き上げて売れば、もっと高く売れたんじゃないですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) この容積率につきましては東京都が決定しているところではございますが、先ほど申し上げましたように、国が売却する時点では九五〇%という前提でやっておりましたが、その後、東京都が容積率を引上げしたわけでございますけど、売却の時点ではこのことについては想定できなかったために、国としては九五〇%ということで売却したところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 これは都市再生本部がかんでいる国家プロジェクトですね、全体として、第五次決定ですね。そしたらあれですか、東京都が、財務省が売ってから、財務省の知らないうちに上げて財務省に損をさせたということですか。そういうことになりませんか、今の話だと。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 繰り返しになりますけれども、十七年三月売却の時点では七〇〇%に上乗せ二五〇%というところまでは想定できたわけでございますが、その後、東京都において大手町のこの地区につきまして十七年の十一月に容積率を引き上げたわけでございますが、私どもが売却した時点ではそこまでの引上げというのは想定されていなかったところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 これは重要な問題でして、今一平米、この前不動産関係リサーチしましたら二千五百万は下らないと。売ったとき一千万ですよ。倍で売れたかも分からないんですよ。これ、皆さんの土地じゃありませんよ、国民の財産ですよ。そんなことを見通せなかったわけですか。責任問われるんじゃないですか、一千三百億が二千五百億で売れたかもしれないんですよ。  そんなことも見通し利かなかったと、東京都が後でやったから分かりませんと、そんなことで済むんですか、これ。これだけ損失を、国民の財産の損失生んだんじゃないんですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 繰り返しになりますが、私どもとしては、売却時点で想定されている事態につき不動産鑑定士の方に鑑定をお願いして、それに基づいた時価で売却することとしており、本件につきましてもその当時、十七年三月当時では引上げは想定されなかったところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ですから、これ、東京都のプロジェクトならまだお話は分からなくもないですけど、これ国家プロジェクトなんですよね。国が関与しているんです、都市再生本部が関与しているんです。都市再生本部には財務省からも人が行かれているでしょうし、そしてその都市再生本部を自分で動かしてきたと伊藤滋さんは言っているわけだから、その人が座長にいてどうしてそんなぽかをやるんですか。後から引き上げられたと。  財務大臣、いかがですか。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 私どもとしては、今理財局長の答弁したとおりだと考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 金額では物すごい損失を、国民の財産を安く売ってしまったということになるわけで、これは急な質問というふうにとらえられて混乱されているかも分かりませんが、厳しく反省をしてもらわなきゃいけないというふうに思います。  言わば、本来国有財産を高く売れたと、それでいいわけですよ、はっきり言って、いいわけですね。ところが、安く売ってしまって、容積率が後で上げられたと。元々容積率を上げる可能性があった場所ですよね、ここは。そうすると、言ってしまえば、国が得るべき利益がこの民間のディベロッパー含めて、経団連や日経新聞やJA全部含めて、民間に利益が、国民が得るべき利益が移転されたと、そういうことになるんですよ。この責任、ちょっときちっとしてくださいよ。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 繰り返しでございますけど、十七年三月に鑑定を、評価を行ったわけでございますが、この時点で一般的に収集可能かつ信頼できる情報を収集した上でやったわけでございますので、その点は御理解いただきたいと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 一切反省はないんですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 繰り返しになりますけれども、私どもとしては予測可能なことにつきまして情報を収集し、それに基づいて不動産鑑定をお願いして時価に基づいて売却を行うということで、そういった形で売却したということを御理解いただきたいと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は理解しても、これ国民が知れば納得できる話ではないということでございます。  次に、気象庁と三号館、これは三枚目に地図がありますけれども、その跡地が同じように伊藤滋さんの座長の有識者会議で、開発に種地として使うというか、開発全体の中に位置付けていくとなっています。これも同じように、同じようにですよ、随契で、しかも公示価格はまだ一千万ぐらいかも分かりませんが、そういう安く売るということですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 二十三区内の庁舎の有効活用につきましては、今先生から御指摘がございましたように、伊藤滋先生を座長にいただいております有識者会議で現在検討いただいているところでございますが、現在、中間取りまとめを行い、その中では、利用者の利便、業務の能率性に配慮しつつ、適切な移転・再配置を選定するとともに、移転先となる庁舎につきましては、財政健全化の観点から、土地の経済的有効活用という観点を踏まえ、未利用の容積を活用して庁舎を高層化し、他の庁舎の入居官署も併せて余剰地を捻出するというのが基本的な考え方でございます。  御指摘の大手町の庁舎につきましては、未利用の容積が大きいことに加えまして、大手町は民間ビルの需要が高く、地価水準も非常に高いことから、できる限り余剰地を捻出するとともに、財政健全化への貢献を最重視し、公正かつ透明な手続の下、できる限りの売却収入を早期に上げるための有効活用策を検討するとされております。  現在、この方針に基づきまして、大手町の庁舎を含めまして二十三区内の庁舎につきましての有効活用を検討しているところでございますが、現時点では具体的な活用方策にまだ結論を得たわけではございません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 財政の健全化のためですよね、そもそもこの話はですね。どうして一千億も、一千億以上も損するような売り方をしたのかと、厳しく問われますよ、これは。  元々この構図そのものがおかしいんですよ、三菱地所の絡み方も含めてですね。しかも、この気象庁と三号館、三菱地所がわざわざ提案をしております、政府の会議で、民間ヒアリングのときにですね。要するに、最初からこの大手町を安く払い下げさせて、つまり国民には損ですね、それで自分たちでハイエナのように、地権者の大企業からディベロッパーから三菱地所から、みんな群がってやっていると。それに政府の有識者会議まで方向を出して絡んできているというのはもう異常なプロジェクトでございます。このままでは済まされないというふうに思います。  そういう中で、ひょいと出てきたのが政策投資銀行の話でございます。三枚目の地図で、計画地の隣に政策投資銀行がありますけれども、その向かい側に手書きで太線で囲っている部分を、この国有地を政策投資銀行が買うということだそうですけれども、この購入費を、政策投資銀行の予算を見ましたら、百一億円、動産不動産取得費として計上されております。政策投資銀行に聞くと、およそこの九割がこの購入費だということですね。そうすると、八百六十平米ぐらいですから、九十億、百一億の九割ですから九十億ぐらいとすると、やはり最初の一平米一千万ぐらいの前後で見積りがされていると思います。  先ほど言いましたとおり、今この辺りは価格が急騰しておりまして、いろんな数字がありますけれども、私どもの調べでは二千五百万は下らないと、それ以上という話もありますけれども。そうすると、九十億では買えるわけがないと。二百億以上になるかも分からないと思いますけれども、これ九十億じゃ買えないというふうに思います。どうして九十億しか計上していないのかと。これ考えられるのは、同じように随契で、随契ならば先ほどと同じように、都市再生機構のときの値段と同じように一千万ぐらいでちょうど九十億と、ぴったり合うなというふうに思うわけでございます。  これは、そういう想定で政策投資銀行が九十億の予算計上をされて、政策投資銀行の予算計上というのは財務省がきちっとそれを検証されているはずですから、随契で政策投資銀行に売るということにもう約束がなっているんでしょうか。

小村武日本政策投資銀行総裁

○参考人(小村武君) 私どもが今予定をしております土地は、実は二十年前から国から駐車場の用地としてお借りをしております。現在、賃料は年間五千万円お払いをしておりますが、私どもの銀行は四十四年前に今の土地に建設をいたしました。当時、高さ制限等々がございまして駐車場は十分取れておりませんでしたので、二十年前から国から毎年一年ごとの更改でお借りをしております。  このたび、行革推進法で国が国有財産を売却を促進するというこの機会に、やはり私どもの業務に是非とも必要な土地を他の、先生のおっしゃるいろんな思惑のある方に売られてしまったら業務に非常に差し障りがあるということで、このたび予算に関連して要求をしたものであります。  価格は現在の路線価を参考にいたしまして要求をしております。おっしゃるように約九十億強でございますが、この価格で我々が必ず手に入れられるかどうか、これは価格をお決めになるのは理財局でありまして、これで価格が決定したわけではございません。一応の目安として路線価を参考にして計上させていただいたものであります。  それから、私どもは今、会計法、予決令に基づきまして随契の適格者であります。したがいまして、十分購入する資格があるということでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は、うさん臭いみたいなところを言われましたけれども、むしろ、随契で国の立場、国民の財産を高く売るならば、政策投資銀行はもう民営化されるわけだから、そういうところに売るよりも、今、大手町開発に市場価で、路線価じゃなくて、だから一平米二千五百万ぐらいで売れますよ。その方が、九十億が二百億の収入が国に入るわけだから、何も民営化される政投銀に安く随契で売ることはないと。それこそ大手町開発に倍で売ればいいじゃないですか。それこそ国民の収入になりませんか。いかがですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 本件はまだ私どもに正式の要請が参っておりませんけれども、仮に要請が参った場合には、私どもといたしましては不動産鑑定士の方の評価による時価によりまして売却することとなっておりますので、その点御理解いただきたいと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 とにかく、国民の財産を随契随契で安く売りたたかないでもらいたいというのと、国民の利益をほかに移転するようなことだけはやってはいけないというふうに思います。  ただ、私は、政策投資銀行がこの駐車場部分を今ごろになって急に買うというのは、私はそんな、駐車場が買っておかなきゃ不便だとかじゃなくて、この全体の第二次事業の青写真、想定図がもう既にあって、だから財務省と政投銀がもうツーカーで、随契で売ってやるから買っておけということ以外考えられないですよ。そんな、取りあえず駐車場とかそんな小さな話じゃないですよ、この開発は。だから、次のことまで想定されてそういうことをやっておられるような気がしますが、時間がないのでそれは次にやりますけれども。  いずれにせよ、大事なことは、国民の財産をもっと大事に大事にしないと、このプロジェクト全体が、もう問われておりますけれども、鋭く問われるということを申し上げて、今日は質問を終わります。  ありがとうございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  初めに、財務省の方からお伺いをしてまいりますが、三月十六日のこの委員会で私は特別会計法案について質問をいたしました。その後これは成立したんですが、この六十六条に大変奇妙な条文があるじゃないかということを申し上げた。それは、財政融資資金特別会計、この後、面倒だから財融資金というふうに略させていただきますけれども、これについて言えば、その債権を証券化して売り出してよいという、こういう趣旨の条文ですね。私は、この条項は本体と一緒に提案するのはなじまない、別途単独の法案として出してじっくり審議すべきじゃないかと、こう申し上げたんですね。行革推進法に入っていたとおっしゃるわけだが、それは漠然たるプログラム条項でしかなかったはずでありますから。  そこで、財務大臣、この百三十兆円という巨額の財融資金の運用方法を変える全く新しい提案なわけですから、当然別途単独に提案すべきじゃなかったかと、こう申し上げているんですが、この点についての御返事をいただきたい。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 財政融資資金特別会計は、財政融資資金の運用に関する経理を明確化することを目的として設置される特別会計であります。先般成立した特別会計に関する法律は昨年成立した行政改革推進法に盛り込まれた特別会計改革の基本方針を具体化したものでございますが、この行革推進法において、いわゆる財融特別会計につきましては財政融資資金の規模を将来において適切に縮減されたものとするとされているところでございます。  お尋ねの財政融資資金貸付金の証券化につきましては、財政融資資金の規模の縮減をという趣旨の実現を図るための手法でありまして、証券化対象額や手数料といった証券化に係る額を財政融資資金特別会計の歳入歳出に計上することとなることから、財政融資資金の経理を明確化するという財政融資資金特別会計の目的に合致するものであることを踏まえまして特別会計に関する法律に盛り込まれたところでありまして、これが適切な措置であると考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 なじみませんよ。私はこれから述べるようにこの財融資金の証券化には反対ですけれども、今年度が二千億円なら、後二〇一五年度までの八年間一体幾らを見込んでおられるのか。後半では年に一兆円にもなるんじゃないかと、こういう懸念がございます。  ところが、今現在の証券化マーケットは八兆円余りでありますから、そこへ新たに政府債権をもし十兆円ぐらい売り出すということになると市場規模は二倍以上になるわけでありますから、大混乱して暴落することもあり得る、こういうふうに思うんです。業界の思惑としては、当然来年度以降の国の大量の証券化をにらんで買いたたく。当然それは業界というのはそうですよね。これに対して荷崩れがしないという何か奥の手、お考えですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 証券化につきましては、平成十九年度は先生が今御指摘されましたように初年度でありまして、システム対応等の必要もございます関係で最大二千億程度の予算を確保したところでございます。平成二十年度以降の実施規模について確たることを現時点で申し上げることは困難でございますが、メリットがコストを上回る場合、それから今先生が御指摘いたしました証券化商品市場の状況等も踏まえ、実施規模を適切に検討してまいりたいと思っております。  なお、証券化実施の際には、投資家のニーズを踏まえた年限や償還の仕組みを設計するなど、商品設計の工夫を行うことにより極力有利な価格で販売することが必要であると考えております。このため、現在、証券化について知識、経験を有する有識者の検討会を開催しておりまして、こうした点につきまして市場関係者等からヒアリングを実施しつつ検討を行っているところでありまして、財務省としてはこの検討結果を踏まえつつ、また市場の状況をよく見極めながら実施してまいりたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 報道を見ていますと財務省は本音は消極的だと、こういうふうに書かれています。私もその方がいいと思う。証券化というのは国の、つまりそれは国民の資産をマーケットのリスクで毀損しかねない、こういう要素を持っているからですね。  だから、今おっしゃったように、財政審の特別委員会の小委員長を務めていただいた富田さん、中央大学の教授ですが、昨年の四月十七日の衆議院行革特別委員会でこれ発言なさっているわけですけれども、「証券化の適否については慎重な検討が必要です。」、こういうふうに消極的なことをおっしゃっていますよね。その理由をどういうふうに、どういう理由でというふうに受け止めていますか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 先生御指摘のように、昨年四月の衆議院の行革特別委員会におきまして、富田先生は、「国も、財政健全化に資するものがあれば証券化の手法を用いるべき」と、「ただし、貸付金は、日本国内で最も信用力の高い財投債、つまり国債で調達されたものですので、証券化の適否については慎重な検討が必要です。」との意見を表明されております。  富田先生の御指摘のとおり、財政融資資金の貸付金の証券化を実施する場合には、この商品を購入する投資家にとりましては国債よりも信用力の劣る財投機関に投資するということになりますので、国債よりも高い利回りを求められる結果、貸付金の売却価格の割引を求められると考えられまして、結果として財融特会にコストが発生することとなります。  こうした点も踏まえまして、経済財政諮問会議で取りまとめました基本方針二〇〇六におきましては、証券化はメリットがコストを上回る場合に実施することとされているところでございます。その証券化の具体的なメリットとしては、金利変動リスクを軽減するというメリットが指摘されております。また、証券化の意義としては、証券化によりましてマーケットの評価に従来以上に財投機関がさらされることを通じて財投機関のコスト意識の徹底が図られるという点も指摘されております。  私どもといたしましては、金利変動リスクの軽減といったメリットがコストを上回る場合に証券化を実施することとしておりまして、現在、先ほど申し上げましたような専門家の方にお集まりいただきまして、その手法等について検討しているところでございまして、そういった検討を踏まえまして適切に対応してまいりたいと思っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今おっしゃったように、尾身大臣、大臣も法律成立直前の三月二十日の財政金融委員会で、メリットがコストを上回る場合に実施すると、まあ今おっしゃったとおりなんだが、富田さんと同じようなことをおっしゃっているわけね。それはまあ専門家がこう言っているわけだから。  そこで、まずこの金利ですけど、金利変動はプラスのときもあるけれどもマイナスのときもある、当たり前のことですが。しかも、この金は国債で借りてそれを貸し付けているわけですから、金利は両方に付くということになりますね。そのバランスシートを両建てで減らしたからといって、長期的には金利変動による損得というのは相殺をされていくんじゃないですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 先生御指摘のように、長期的に見れば金利の上下動が財政融資資金の損益に与える影響は、調達金利に連動して貸出金利も変更されるため中立との考え方もございますが、他方で、財政融資資金は長期固定の貸付けを利ざやを取らずに実施しており、また一般会計からの繰入れなしで運営しているところでございます。したがいまして、各年度におきましても金利変動により、逆ざやにより損益が悪化するような事態を避けなければならないと思っております。  したがいまして、財政融資資金におきましては、この金利変動リスクに的確に対処することが必要でございまして、これまで財投債の発行年限の調整など、そういった資産管理に努めてきたところでございますが、この証券化につきましても、繰り返しでございますが、証券化のメリットとして金利変動リスクの軽減ということが言われておりますので、このメリットがコストを上回る場合に実施するという方針で対処してまいりたいと思っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 財融資金の場合、金利変動は、長期的には認めておられるようにニュートラルで、理由にはならないんじゃないのかと。また、金利変動リスクの軽減等と、こう言われるわけですが、この等の中身について全く説明がないのは等に該当する金利以外の理由が見当たらないということからだろうと思うんですね。むしろ不安要因ばかりじゃないのかと、こう思うんです。  例えば発行条件ですけれども、債権の借り手というのは自治体や独立行政法人なわけで、投資家が喜んで買う内容じゃありませんよね、これ。買ってもらうためには、そうすると政府は割引したり保証したりしなきゃならぬわけで、損をするのではないかという専門家のコメントもある、こういう状況です。ですから、専門調査会も、求められる利回りというのは国債、つまり財投債より高くないといけない、こう述べているわけでありまして、買手に高い利回りを保証するために割引発行が不可避だということになりませんか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 今先生御指摘のように、この証券化をする場合、商品を購入する投資家からはディスカウントを求められ、それが結果として財融特会のコストになるということは想定されます。  こうしたことを認識した上で、金利変動リスクの軽減といったメリットの場合に実施するわけでございますが、具体的に、この証券化に当たりましては極力コストを抑制することが必要でございまして、証券化商品の販売に即して商品設計の工夫を行うなど、より有利な価格での売却が可能になるよう工夫する必要があると考えておりまして、現在、その点につきまして、先ほど申し上げましたように、専門家の方にお集まりいただいて検討しているところでございます。  そういった検討を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと思っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 割引発行にせざるを得ないわけで、だから調査会の方も、足下では国民負担が発生すると明言しているわけですよね。その負担について、国民の理解を得るため金利変動リスクの軽減などメリットが上回っていることを確保する必要がある、こう書いている。書いているだけで、これ、そうなると言っているわけじゃないんであって、つまりは願望、必要条件であって、確保できてはいないわけですよね、これは。  それから、割引に発行手数料まで含めてコストをどういうふうに見ておられるのか。手数料が一%でも、年に一兆円発行されたら、もうけるのは百億円、手数料だけでそれは証券業界なり銀行はもうかるわけですね。喜ぶのは手数料等をもうける証券業界、銀行だけだ、こういう見方もあります。  まさか結論に合わせてコストを小さく見せようとしているんではないでしょうけれども、そこら辺のところはどうなんですか。

丹呉泰健財務省理財局長

○政府参考人(丹呉泰健君) 先生御指摘のように、証券化の実施に伴いまして証券会社に支払う引受手数料等のコストもございます。したがいまして、このコストも含めて、全体として極力抑制したものとすることが必要であると考えております。  このため、現在、先ほど申し上げましたように専門家の方にお集まりいただいて検討しておりますけれども、いずれにいたしましても、業者間の競争などによりまして手数料等のコストが極力抑制されるよう工夫していかなければならないと思っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 そこで、財務省の関係では最後に大臣にお伺いしますが、そもそも大前提として、財投の縮小や国有地の売却も含めて、政府資産の圧縮というのは本当に必要なのかどうか。これ、財政再建にどんなふうに役立つんです。それ、役立つというならまだ意味は分かるんですよね。だけど、今の問題は全く意味分からない。経済財政諮問会議の民間委員などから盛んにこのことが提案されて行革法に盛り込まれたわけですけれども、マーケットに放出して流動化、つまり不安定化させて、金融、証券、不動産業者などにもうけさせるだけじゃないのか。国民にとって全くこれ必要はないし、有利な選択でも何でもありませんよ、これは。  財政融資の中には確かに、私もこれまで指摘してきましたが、原発や道路公団などの無駄であるとか利権であるとか、またそれに寄生する天下り高級官僚など、浪費構造も確かにありました。しかし、財政融資本体の圧縮にも限度があるんじゃないですか。とりわけ、証券化についてコストを警戒して、危なければやめるということをやっぱりしっかりと、これは大臣、答えてもらいたい。でないと、全く国民のそれこそ財産、資産が毀損をしていくわけですよ。  この点、大臣、そこらのところを明確にひとつしていただきたい。

尾身幸次自由民主党財務大臣

○国務大臣(尾身幸次君) 簡素で効率的な政府を実現するという観点から、財務省といたしましては、行革推進法などに基づきまして、二十七年度末に国の資産規模を対GDP比半減するということを長期的な目安として資産圧縮に努めているところでございます。その際、各資産について一律に規模の半減を目指すということはしておらず、個々の資産の保有の必要性を政策目的に照らして厳格に判断した上で、国の資産の大宗を占める財政融資資金貸付金の圧縮や国有財産の売却、有効活用を推進しているところでございます。  いずれにいたしましても、資産・債務改革は簡素で効率的な政府を実現する観点から極めて重要な課題であると認識しておりまして、引き続き経済財政諮問会議等とも緊密に連携し、民間の知見も十分に活用しながら、先般公表した工程表に沿って、責任を持ってしっかりと改革を進めてまいりたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 それは何度もお聞きしましたけれども、メリットは長期的で分からないわけですからね、当面のコストは安全側に立って精査をして慎重にやってもらいたい。むしろ、今当面は二千億円ということですが、これは発行が遅れたからといってだれも困るわけじゃないんですよ。そこら辺のところはやっぱりしっかり見ていただいて、国民の側に毀損が生じるなんということにならぬように是非対処していただきたい。これはこの点だけ改めて申し上げて、次に移らしていただきたいと思います。  次に、金融庁、お伺いをしてまいりますが、時間の関係で、さきに同僚議員からもお尋ねがありました、生保、損保の不払の報告が芋づる式に増加をしている、まだ続いている。こういう格好でありまして、最新の件数、金額、主なパターンということでありますが、特に、時間の関係から私は自分で勝手に申し上げますが、さっきの、数値が間違っていたら後で言っていただきたいが、生保の未払、今現在で四十四万件、三百五十九億、ただしこれは大手四社の調査未了が六十七万件まだ別にあるということのようだが、それはそれでいいかどうか。損保では、昨年の九月時点でまとめたもので、大手六社の分で二万六千件で百六十二億円、こういう格好である。これ以外にまだ未調査のもの、それから第三分野のもの、こういうものがまだ未調査ということだと思うわけですが、特に悪質なケースについて、そこのところは数字が間違っておればそれは言ってもらえばいいんだけれども、特に悪質な問題について紹介をしていただきたい。

佐藤隆文金融庁監督局長

○政府参考人(佐藤隆文君) まず、生命保険会社のうちいわゆる不適切な不払でございますが、この悪質なケースといたしましては、例えば、生命保険の募集人が被保険者に対して不告知を勧めたにもかかわらず、虚偽の告知により保険金を詐取しようとしたとして契約を無効というふうにして不払としていた、こんなケースが掲げられようかと思います。  それからもう一つ生保で、いわゆる支払漏れというやつでございますけれども、これにつきましては、先ほど引用していただきました三十七社で合計四十四万件、総額約三百五十九億円、この数字は御指摘いただいたとおりでございますが、これも御指摘いただきましたように、まだ調査が完了していないと、今後増える可能性があるということでございます。  この分野における事例といたしましては、例えば医療保障の特約が付いているようなケースでございますが、給付金の請求に必要な診断書に入院と手術の記載の欄があるわけですが、手術欄ではなくて経過欄に記載があった手術の名前を見落とした結果、入院給付金だけが支払われて手術給付金を支払漏れしていたと、こういったケースでございます。  それから損害保険会社でございますけれども、これも大きく二つのカテゴリーに分かれますけれども、一つは付随的な保険金の支払漏れでございます。これは現時点で、十八年九月末時点での数字でございますけれども、二十六社で約三十二万件、百八十八億円の支払漏れが認められているということでございまして、これもなお調査続行中という部分でございますので、若干増える可能性があると。  この分野での事例といたしましては、典型的には自動車保険でございますけれども、主たる保険金の支払は行われているわけですが、特約で付いていた見舞金、香典、代車費用等の付随的な保険金について、契約者から請求がなかったために本来支払われていなければならないものを支払ってなかったといったケースがございます。  それから第三分野でございますけれども、これの不適切な不払につきましては、合計二十一社ですけれども、合わせて五千七百六十件、約十六億円の不適切な不払があったということでございます。  事例といたしましては、例えば、約款上、医師の診断により保険契約の始期前の発病、契約の前の段階での発病が認定された場合には保険会社が免責されると、こういう条項がございますが、この始期前発病の取扱いにつきまして、保険会社の社員が医師の診断に基づかずに判定を行うといったケースがございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 例えば、旧明治生命は二〇〇一年に、支払査定強化による死差益の拡大を方針に掲げて、査定部門に支払抑制額の数値目標を掲げさせた。金融庁は、悪質なものは明治安田だけだったと報告されておるけれども、しかし業界全体でもこの死差益が大手八社で二兆一千億円であって、明治安田というのはもう氷山の一角だ、こう言わざるを得ないんじゃないかと、こう思います。  そこで聞きますが、金融庁なり業界団体といった苦情ルートの実績というのはどういうふうに推移をしているのか。また、利用者が苦情を出した場合、会社側の相互の間でなすり合いをしたりもみ消しを図っているケース、こんなことを私の方も聞きます。こういう場合に、じゃ、利用者はどうすりゃいいんですか、どういうふうに指導なさっているのか、お聞きしたい。

佐藤隆文金融庁監督局長

○政府参考人(佐藤隆文君) まず、苦情の状況でございますけれども、直近で平成十八年十月から十二月まで、この三か月間でございますが、金融庁の金融サービス利用者相談室に寄せられました保険商品等に関する相談につきましては、生命保険に関するものが千二百五十三件、損害保険に関するものが二千五百九十五件、その他九百四十三件ということで、合計四千七百九十一件となっております。  また、同じ期間におきまして生命保険協会及び損害保険協会の相談窓口に寄せられた相談等は、それぞれ二千四百三十二件、八千三百二十八件というふうになっておりまして、これらの情報は申出人の求めに応じて保険会社等に伝達されているということでございます。  それから、こういった苦情が握りつぶされることがないようにという御指摘でございますが、例えば募集人とか代理店等に顧客から寄せられました苦情等につきましては、これを保険会社自身において速やかな顧客対応をする、必要な判断をするということは当然であろうかと思います。  また、代理店等から保険会社に苦情等の情報が的確に伝えられていない可能性もございますので、保険会社においては、例えば生命保険協会、損害保険協会に寄せられた苦情等も有効に活用して、自社の顧客との間で問題が発生しているかどうかを確認するというような体制整備に努めることが重要だと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 最後に、担当大臣に、山本大臣にお伺いしますが、こういうことが起こってくる大きな背景としては、自由化によって第三分野などの新商品や、あるいは一社で一千とも言われる各種の特約の乱造、そして社員、代理店への教育をおろそかにしてきたことが指摘されているんだろうと思うんですね。社員や代理店への教育は被保険者本位になっているか、こういう問題を金融庁はもっとしっかりとチェックすべきだと思いますが、その点はどういう実態なのかということを一つはお聞きをしたい。  それからもう一つは、不払の続出によりまして、まだ被害を受けていない利用者も解約をするというケースが出てくるわけですね、こういうような報道されている。その場合、解約すれば利用者が全く損なんですよ。損保会社なり生保会社は丸もうけなんだ、これ。こういう問題を、今回の不祥事の責任として業界全体のルールをつくるなり、金融庁の指導によって契約の乗換えなどでカバーできるように改善をすべきじゃないのか。そのことを金融庁はやっぱりきちっと、責任もあるわけだから、それを何か、それは民間の、現行法で言うならば、それはお互いに裁判でも何でもやってくれなんて、こんな無責任は話はどうもないんで、やはり監督官庁としてこういう点をしっかりと指導すべきじゃないかと思いますが、この二点についてお伺いをします。

山本有二自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(山本有二君) 第三分野、特約に関する不払の原因の一つとして、社員、代理店への指導、教育不足があることはおっしゃるとおりでございます。金融庁としましても、業務改善命令等におきまして、保険募集や顧客説明を行うための社員、代理店に係る管理体制の強化、支払事務所関係者に対する教育の徹底等をしっかり求めていきたいと思います。  また、各保険会社におきましては、これらを踏まえ、経営管理機能の強化、商品開発、改定に係る各部門の連携の強化等とともに、社員、代理店に対する教育研修の実施に取り組んでいただけるものと確信しております。教育研修を通じまして社員、代理店の能力、意識を実効的に高めるためには会社全体で継続的な取組が必要でございます。当局といたしましては、各社の取組を適切にフォローアップしてまいりたいというように決意しております。  そして、御指摘でございます、これから新たに契約者のために、解除等について、あるいは損害賠償についてある程度契約者側に立った視点で物事を解決できないかということでございますが、保険業法では、一定の場合につきまして顧客からのクーリングオフの申出に応ずべきことを義務付けるなど、契約解除に関する顧客保護のための規定を置いております。  そしてさらに、このクーリングオフの対象範囲を現在拡大すべく保険業法施行令等の改正案をパブリックコメントに付しておりまして、今その適用拡大を図ろうとしておるところでございます。  また、金融商品販売法におきまして、保険会社を含む金融商品販売業者が元本欠損のリスク等の重要事項を顧客に説明しなかった場合には、損害賠償責任を負うとともに、元本欠損額を損害額と推定するということとされておりまして、訴訟における顧客の立証責任の負担を一定程度軽減する措置をとっているところでございます。  さらに、保険会社との間で契約をめぐる紛争が生じた場合には、中立的な裁判外紛争処理手続を利用することが可能でございまして、特に生保における裁定審査会、損保における損害保険調停委員会、こうしたものを活用していただくように思っておりますが、このような枠組みを活用することで契約の解除等に伴う一定の損害の回復や救済が図られることとなると考えております。  現時点で、保険業法そのものは改正せずとも、こうしたことで実効性あることができると考えております。  いずれにいたしましても、保険会社等の不適切な業務運営により顧客が被害を被ることのないように、保険業法等に照らして適切な監督を行ってまいりたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 時間が来ましたから、もうあと十秒ぐらい。  これだけ根深く、また社会問題にもなったわけですから、消費者問題担当大臣とも連携を密にしていただいて、利用者の立場から救済策というものを検討していただきたい。  以上申し上げて、終わりたいと思います。

泉信也自由民主党

○委員長(泉信也君) 他に発言もないようですから、国会、会計検査院、財務省及び金融庁の決算についての審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十三分散会

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