決算委員会 第5号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/04/23
会議録
○委員長(泉信也君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十日までに、松下新平君、主濱了君、仁比聡平君及び福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として松井孝治君、津田弥太郎君、小林美恵子君及び尾立源幸君が選任されました。 ─────────────
○委員長(泉信也君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に小池正勝君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(泉信也君) 平成十七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、文部科学省及び厚生労働省の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(泉信也君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉信也君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(泉信也君) 速記を始めてください。 ─────────────
○委員長(泉信也君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井基之君 平成十六年度の国民医療費、三十二兆円を超える数字が発表されております。高齢化の急速な進展等によりまして医療費は今後更に増え続け、やがて五十兆円には達するのではないかと、そのような推計もなされているところでございます。このような状況下で、昨年の国会におきましては、国民皆保険制度を将来にわたって持続可能なものにするための医療制度抜本改革の一環として、健康保険法、医療法等の改正等々の法律の改正手続もなされたところでございます。そして、健康保険法におきましては医療費適正化計画の策定が盛り込まれたように、医療費の適正化、これから正に大きな課題となってくると思います。最初に、医療費適正化問題について厚生労働副大臣にお尋ねをしたいと存じます。 御案内のとおりですが、医療費適正化の名の下に、平成十四年、平成十六年、平成十八年四月一日、二年ごとに診療報酬、調剤報酬、医薬品の単価あるいは医療材料の単価の引下げ等々、医療サービスの単価引下げによります医療費の抑制的な施策が相次いで実施されました。直接的なこれは経済的な医療費抑制策だというふうに考えます。 私は、本来、医療の適正化ということ、すなわち医療の質や内容が向上される、あるいは生活習慣病などの予防対策が推進される、国民に対する保健意識の高揚がなされる、そのような多種多様な医療保険政策を展開する、そして結果として、良質な医療となり、コストも削減をしていくんだと、そういった多くの幅広い政策の中で医療費の適正化というものは認識されるべきだと考えております。 厚生労働省におきましても、こうした考え方から、今回の医療提供体制の見直し、あるいは健康日本21政策、あるいは新健康フロンティア戦略などの施策が展開される、そのような御努力をいただいているものと思っております。 医療費の適正化政策、非常に幅広い面からの施策の御検討をお願いしたいと思いますが、一つ御紹介をさせていただきたい論文がございます。これは、二〇〇一年の三月号のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンといういわゆる医学専門誌に発表されました、アメリカあるいは日本の医学者の方々等お書きになったレポートでございます。表題は、日本語に直しますと、いわゆる抗インフルエンザワクチンの学童接種における日本の体験、そういったことで、過去の一九四九年から一九九八年まで五十年間の多くの統計数字を解析された、極めて内容のあるペーパーでございます。 それによると、要旨だけかいつまんで申し上げますと、日本においては、学童への予防接種計画を導入したことによって、実は死亡の増加がアメリカと比べて日本においてその抑制効果が高かった。日本においては、学童へのワクチン接種によって結果として年間三万七千人から四万九千人の死亡を抑制することができた、しかるに学童に対する予防接種を廃止したことによってその後の日本における死亡率は増加をしておる。アメリカと比べて日本の方が、こういうインフルエンザ、その接種の影響が大きい。結果として日本においてインフルエンザの学童への予防接種をしたことが高齢者をインフルエンザから守り、また死亡を減じたと、このようなペーパーでございます。このようなことからも、非常に医療政策というのは幅広いジャンルでいろいろな相関が出てくるものだということがこのペーパーからも読み取ることができます。 まず最初に、インフルエンザについてお尋ねをさせていただきたいと思います。 平成十六年の三月、参議院の厚生労働委員会でも御質問をさせていただきました。当時、ワクチンの業界は厚生労働省の要請によりまして二千七十四万本のワクチンを製造いたしました。しかし、その年実際に使用されたワクチンは一千六百四十三万本、つまり四百三十一万本が実は残ってしまった、そして結果としてこれは廃棄をされることになってしまいました。この多くは、いったんは製造メーカーから流通を経て医療機関に納入をされたものです。そして、その納入されたものが返品されて残った、そういった経緯をたどりました。 今シーズン、平成十八年、もうインフルエンザシーズンはそろそろ終えんになっているということで終えん宣言もなされたように伺っておりますが、昨年の十月十七日で厚生労働省は、各都道府県に対しましてインフルエンザワクチンの安定供給についてという通達を出されております。これによりますと、八月の末までの予約の本数が二千五十三万本、そして生産予定は二千四百万本あるから十分余裕がありますよと、そういうふうな内容でございました。 実際には、厚生労働省の資料を読ませていただきますと、平成十八年シーズンに向けて、厚生省の指示を受けて実際には約、昨年よりも五百万本多い二千五百十八万本を製造されたということでございます。そして加えまして、厚生労働省は、昨年、ワクチンメーカーに対して不足時の融通用に六十万本を保管せよという、そういう要請もなされております。メーカーは要請に応じてそのような在庫を持っております。これら含めますと、どうも今シーズンの終了時、昨年の四倍以上の六百万本近くが廃棄しなけりゃならないと、こういった可能性を持っておる。そして、これらの廃棄に掛かるコストというものは、すべてこれはワクチン業界が負担することになります。 このようなことが続きますと、これやっぱり企業にとってかなり大きなダメージが繰り返されることになっております。少しワクチン政策について民間企業依存が大き過ぎるのではないかという感じがします。 二〇〇四年の三月に厚生労働委員会で私はこの問題質問をさせていただきました。そして、そのとき、時の坂口厚生労働大臣がこのような答弁をなさっていただいております。ワクチン等については、これは国民全体にとりましても非常に危機管理の問題となるわけです、今年のこと等も踏まえてもう少しこのワクチンだけは買取りにしてもらうとか、何か若干やっぱり考えなきゃいけない、少しこのままでは具合悪いんだと私も思っておる一人ですと、このような答弁がございました。 また今年同じようなことが繰り返されている、そのような感じがしてなりません。私は、政府の施策というものは、何かしなきゃいけないのは分かっているとしたら、具体的に例えば、そのときそのときのいわゆるワクチンの適正需要数の予測というものの何か精度をもう少し向上するだけの知恵はないのか、あるいは毎年返品が繰り返される、これはある意味であしき商習慣だと思うんですね。この商慣行を是正するという取組はなされないのか。あるいは、少なくとも何らかのとき、緊急避難用にその商品を、製品を保管するように国が求めるのであるならば、それらは国が買い上げて備蓄をすべきではないかと考えますけれど、副大臣、どのようにお考えでしょうか。
○副大臣(石田祝稔君) 厚生労働省では、従来からインフルエンザワクチンの需要予測に基づいて必要なワクチンが確保されるように取り組んでいるところでございます。 御指摘の平成十八年から平成十九年にかけてのシーズンにつきましては、これは暖冬等の影響によりましてインフルエンザの流行が例年ほど多くはなかった、そういうことの結果、現時点で約六百四十万本が未使用の状況となっております。 通常期インフルエンザワクチンにつきましては、毎年流行を繰り返すこういう感染症に備えまして使用されている性格上、新型インフルエンザ対応のような危機管理を目的とした国家備蓄にはこれはなじまないのではないかと、このように考えております。 また、需要見込みにつきまして、どうしても不確定な要因が残ることを前提とせざるを得ませんけれども、御指摘も踏まえまして、今後は、今シーズンの経緯も参考に、データに基づいてより精度の高い需要見込み、これはどうしてもやっていかなきゃいけない、そういう努力をしていかなきゃいけないと思っております。それとともに、過剰な返品が問題とならないよう、地方公共団体や医療関係団体等の協力も得ながら、流通状況や在庫の把握と調整を行うなど、ワクチンの安定的な供給に向け一層努力をしてまいりたいと考えております。
○藤井基之君 よろしくお願いいたします。 先ほどのニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンのレポートにもある旨ちょっと御紹介しましたけれども、インフルエンザワクチン、平成五年までは予防接種法によりまして学童に対しては接種義務があったわけでございます。そのため、ワクチンメーカーは、それまでの数字で見ますと、多いときで一千七百万本ぐらいの生産をして、それが実際に使われておりました。 ところが、平成六年に、この義務接種が廃止された途端に、これは実際のニーズがなくなりました。平成六年の生産数量はわずか三十万本の生産量となっております。このような廃止によりまして生産量が極端に落ち込んだことから、ワクチンを作っていた企業は、それまでのワクチンの生産ライン、あるいは、それによって、そこに働いていた従業員等を抱えまして非常に大きな経営上の困難に陥ったわけでございます。これらにつきましては、各メーカー各々の努力によりまして危機を乗り切ったと聞いております。 しかし、結果として、平成五年当時、日本には七社のワクチンメーカーがありましたが、その後、三社は結局撤退をしてしまいました。現在は四社しかありません。さらに、先ほど質問させてもらったようなワクチンの商慣行あるいは大量残余の問題等があって、これからもワクチン生産をどうしようかという検討を実は企業内では進められている企業もあるやに伺っております。 私は、感染症予防対策、これは国家の防衛問題とともに、国民にとっては極めて重要な、いわゆる安全保障のような、そういった政策を持つものであり、長期的なあるいは戦略的な対応策というものを取っていなければいけないんだろうと思うわけですね。 古い話で恐縮でございますけれども、一九一八年、大正七年の春から翌年にかけて世界じゅうでいわゆるスペイン風邪が猛威を振るいました。我が国におきましても、二千五百万人が感染して三十八万人の方が死亡したと言われております。新型インフルエンザウイルスがこれから入ってくる状況を憂えるつもりはありませんけれども、感染症の予防対策の強化というものは重要な施策の柱になってくると思います。 そして、そういった意味で、私は、今般、厚生労働省がワクチン産業ビジョンというものを設定されてワクチン政策を前向きに取り組むという、そういった方向性を示されたこと、私は非常に高く評価をさせていただきたいと思います。そして、このワクチンの研究開発とか、需給の安定のための国の支援をやっていただくことに加えまして、ワクチンにおきましては、安保論ではありませんけど、国内における需給の体制を確立すること、これが大切だと思います。厚生労働副大臣の御見解をお願いしたいと存じます。
○政府参考人(高橋直人君) お答え申し上げます。 ワクチン産業ビジョンでは、危機管理的なワクチンに対する社会的需要や良質な小児医療の維持向上にワクチンが不可欠であることなどを踏まえまして、国の関与によって将来にわたり我が国において必要なワクチンを開発し、安定的に供給する体制を確保する必要性を示しております。 また、今後のワクチン需要の展望と今後の課題を示すとともに、この産業ビジョンを具体化していくためのアクションプランとして、基礎研究から臨床開発、実用化への橋渡しの促進、関係企業の戦略的連携による臨床開発の強化を図り、国際競争力のあるワクチン生産基盤の確保、あるいは新型インフルエンザなど、危機管理上必要であるが民間の採算ベースに乗りにくいワクチンに対する国の税制、研究開発助成などの支援、こういったことを提示いたしておるところでございます。そういった方向で私どもとしても施策を推進してまいりたいと、かように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございます。 御案内のとおりですが、世界におきますワクチンの開発、そして供給できるメーカー数というのはどんどん減少してきております。だから、先ほど私は国内での需給体制というのは大切になるんじゃないかということも加えて申し上げたわけですが、それについても踏まえて政策の展開をお願いしたいと存じます。 今度は、国内問題言いましたけれども、ちょっと外を向いてみますと、感染症の問題、我が国でも例えば結核の問題が、再度結核患者が増えるような状況があるとか、新しい感染症の問題が出てきております。ワクチンというのは最終的に究極的には感染症対策の切り札になってまいります。 国際的に見ますと、特に途上国等におきまして我が国以上に感染症の問題は深刻です。熱帯、亜熱帯諸国における例えばマラリアの被害、毎年五億人以上の方々が感染しておるし、百万人から三百万人に及ぶ死者が出ていると言われております。マラリアの発生地域の居住者数というのは二十二億人、世界人口の約三分の一がマラリアの罹患の危険の中で生活をしております。 このマラリアを撲滅するべくWHOを中心にTDRですか、熱帯病研究特別計画、これを組まれておりまして、その中でワクチンの研究開発が進められておりまして、実は我が国の大阪大学微生物研究所、ここがWHOの支援を受けてSERA、セーライン・リピート・アンチジェンですか、このたんぱくをベースにしたワクチンの研究開発を続けておる、そしてこのワクチン極めて有望なものだと、そういうふうに聞いております。 厚生労働省はワクチン産業ビジョン策定されたこと評価させていただくと申し上げましたが、このワクチン産業の強化というのは国内だけのターゲットのみならず、国際的なこういう感染症対策、これに対する日本の国際貢献にもつながっていくのだと思いますが、このプロジェクトに対する御支援に前向きな対応を取っていただきたいと存じますが、いかがでございましょう。
○副大臣(石田祝稔君) 今委員、マラリアのことについてお触れになりましたけれども、まさしく現状はそのとおりであるというふうに思っております。 そういう中で、特に、先ほどもお触れいただきましたけれども、ワクチン産業ビジョンにおきましても、途上国で有用なワクチンの開発が国内メーカーにおいても行われるよう国際協力の関係省庁と連携して支援を行うと、こういうことがうたわれておりますので、委員御指摘のように、やはりこういう国際的な貢献につきましてもしっかりとこれは取り組んでいく必要があると、このように考えております。
○藤井基之君 ありがとうございます。 先ほど議論出ましたが、新型ワクチンの問題についてもお尋ねをさせていただきたいと存じます。 この新型インフルエンザ、パンデミックというような言い方でWHOを中心に世界各国にそれの対策の強化を求めているわけでございます。我が国におきましてもその対策、厚生労働省を中心に御熱心にやっていただいていることは存じております。 この関係の中の一つ、新型インフルエンザ対策行動計画の中で、鳥から人への感染を起こすウイルスを用いたいわゆるパンデミックワクチン、プレパンデミックワクチン、プロトタイプワクチン、この開発が進められているというふうに伺っております。現在、国内の企業が合同してベトナム株を用いたプレパンデミックワクチンについて、もう既に臨床治験を終えて、いわゆる厚生労働大臣に対して製造承認申請を行っているというふうに伺っております。 このワクチンの製造というのは、通常の化学的な薬品と異なりまして、その承認を取得した後、例えば鶏卵による培養でありますとか、弱毒化、製剤化という製造工程から、最終的には国家検定を受けて、そしてこのものは市場に出ていくことになります。ですから、相当な期間が準備として必要になってくると思うんです。 現在、この新型インフルエンザワクチンの開発ステージはどのような状況にあって、将来、いつごろになるとこのものが製品として市場に上市されて、国民が安心してこの対応を取れるようになるとお考えでしょうか。その見通しについてお尋ねしたいと存じます。
○政府参考人(高橋直人君) 新型のインフルエンザの対策といたしまして、このワクチンの開発は大変重要でございます。国立感染症研究所が中心となりまして、現在、官民一体となって開発に取り組んでいるところでございます。 具体的には、鳥—人、鳥から人への感染を起こしたウイルス株を用いまして生産しましたプレパンデミックワクチンによる臨床試験が実施をされております。本年一月末までに三社から薬事法上の承認申請が行われまして、現在、その有効性や安全性などについて審査中でございます。 一方、その備蓄につきましては、これ、プレパンデミックワクチンは、実際その使用する場面は、海外での、あるいは国内での何らかの、パンデミックより前の、人から人への感染が若干起きたような段階で使うということを念頭に置いておりますけれども、その備蓄につきましては、このプレパンデミックワクチンの原液を本年二月末までに約一千万人分生産をいたしまして、この十八年度補正予算によりましてこのワクチンの原液を買い上げたところでございます。これは、先ほどベトナム株のお話がございましたが、これはベトナム株とそれからインドネシア株、半分ずつで現在備蓄をしようとしているといったところでございます。 それからさらには、本年三月には、十八年度の予備費によりまして、今後のウイルス変異株に対応したプレパンデミックワクチン、これも一千万人分でございますけれども、その供給体制の確保に必要な経費について助成を行ったところでございます。
○藤井基之君 是非、十分な御検討をお願いしたいと存じます。 続いて、少しお薬のことについてお尋ねをしたいと存じます。 昨年の国会で薬事法という法律が改正されました。平成二十一年から全面施行されることになっておるわけです。この改正のポイントは、いわゆるセルフメディケーションに使われます一般用のお薬、一般用医薬品、これについていわゆるリスク分類をして、その分類に応じて適正な使用のための情報提供等々の規定が設けられる、一般用医薬品の安全対策の充実を図ることがその目標の一つになっております。 昨年の四月、参議院の厚生労働委員会でこの法案の審議の際にお尋ねさせていただきました。国民がセルフメディケーション意識を非常に高めている、健康管理について非常に注意を払っている、そしてその健康志向が高い、そういった意識の下、国民の幅広いニーズに対応し、もっと有効性の高い一般用のお薬が供給されるように政策的に考えたらどうかと、そういった御質問をさせていただきました。当時の赤松副大臣から、一般用医薬品の振興のための環境整備というものをしっかり考えていきたいと、そういった御趣旨の御答弁をいただきました。 私は、最初に申し上げましたが、国民医療費が増加を続ける中で医療費を適正にする、そのためには幅広い政策を網羅的にやらなければいけないんだと思っています。人生八十年を迎えた今であります。老後を健康で元気に過ごしたいと国民だれしもが思っているわけでございまして、その意識として、国民意識、国民の健康意識、非常に高いものがございます。政府も医療制度改革の一環で、生活習慣病の予防のための健診であるとか、あるいは保健指導の強化等の施策を進められておりますが、私は、国民のそのセルフメディケーションを支援する、このことは、保険医療費の適正化という観点からも、これ、ある意味で大きな意味を持つ施策になろうかと考えます。 そのためには、いわゆるしっかりした、国民のニーズにこたえる安全性の高い、有効性もしっかりしているお薬の供給を考えなければいけなくなっております。その一環として、医療用のお薬、まずお医者さんが使っていただく保険で使われる医療用のお薬、ここに、新しいお薬は原則としてそちらで使われることになるわけです。そういった医療用のお薬の中から、効能効果等が、大衆の方々がセルフメディケーションに使ってもいいじゃないか、好ましいと、そういったお薬を一般用のお薬としても別途製品化して国民に供給する、いわゆるこれ横文字で言われているスイッチOTC薬と、そういったような言葉で使われておりますが、このようなスイッチOTC薬の市場化の推進、これ非常に大切だと私は考えております。 厚生労働省におきましても、施策の一環としてスイッチOTC薬の推進策、御検討をいただいていると思いますが、それは、医療用のお薬を一般用にした場合、例えば今の医療用のお薬を使われるための必須の基準であります薬価基準の中に収載をされている、そして、それが一般用になったら、そういった薬価基準から削除されて医療保険では使用できなくなるんじゃないかと、実はそのような懸念を多くの関係者がお持ちだというふうに伺っています。もう御案内のとおりでございますけど、例えば一般用のお薬として使われているもの、例えばアスピリンのようなもの、当然のことながら医療の場におきましてもこれは有用なお薬として使われているわけでして、どちらかでなければいけないということではないんだろうと思うんですね。医療用の医薬品として高い評価を受けたお薬がセルフメディケーションのために用いやすいものであるならば、そのような形で別途、一般用として製品化をさせてそれを供給する、そして国民のセルフメディケーションのためにその手助けとしてそれを供給する、このようなことは非常に私は重要な施策だと考えます。厚生労働副大臣、いかがお考えでしょうか。
○副大臣(石田祝稔君) 今セルフメディケーションのいろいろな観点から御指摘もいただきましたが、この委員の御心配になっていらっしゃる問題につきましては、薬価基準上の取扱いにつきましては、医療用医薬品と同一成分の一般用医薬品の有無にかかわらず医療上の必要性に基づき判断しておりまして、一般用医薬品が開発されたことを理由に薬価から削除することはこれまでも実施したことはございません。
○藤井基之君 ありがとうございました。 今副大臣から明確な御説明いただきまして、これで少しは懸念が解消されるかというふうに存じます。 ただ、今お話ありましたのは、これまで実施されていないと、こう御答弁なさいましたので、これから先もこの片方だけだということでないということは、私は、それを踏まえた、将来的にもそういったことは一義的に、いわゆる一般用のお薬が開発されたら医療用から削除する、こういうことはしないと、そういうことだというふうに理解をさせていただきたいと存じます。 もう一つ、このお薬に関係して、薬剤師さんの問題についてお尋ねをしたいと存じます。 医療安全の問題というのが非常に大切な問題でありまして、医療費適正化によって医療の安全対策がおろそかになったら何のための医療費の適正化施策になるかということになろうと思います。ですから、医療の提供される質をちゃんと維持して、そして医療費の適正化というふうに物の筋道はなるべきだと考えております。 厚生労働省は、本年の三月の三十日に、医薬品の安全使用のための業務手順マニュアルを作成されまして、通達をなされております。これまで厚生労働省は、平成十四年には医療安全対策検討会議を設けられて、総合医療安全対策を策定されました。そして、その後、医療法等々の法改正を含めまして多くの安全対策施策を充実強化されてまいりました。新設された医療法第六条の十、この規定を受けまして施行規則の一条の十一第二項で、病院や診療所、助産所の管理者は、医薬品の安全管理に関する手順書を作成して、その手順書に従って業務を実施しなきゃいけないとされております。そして、平成十四年の医療法施行規則の十一条では、特に入院施設を有する医療機関に対して、医療安全対策の強化を厚生労働省は求めております。 厚生労働省の平成十七年の医療施設調査によりますと、有床診療所、ベッドをお持ちの診療所の数は全国で一万三千四百七十七施設となっております。この有床診療所に勤務する薬剤師さんの数が何人いるかというと、全国で千四百九十・二人。コンマ二というのは多分パートの方がいらっしゃるという換算だと思います。つまり、これを単純に計算しますと、有床診療所には、一人薬剤師がいる診療所だけだとしても、一人だけだとしても、全体の約一割にしか薬剤師さんはいないということをこれ意味しているんですね。 このような状況で医薬品の安全使用管理マニュアルを通達をされておりますが、有床診療所で実効ある対応というのは可能になるんでしょうか。医療安全対策において薬剤の安全確保が非常に重要な課題の一つであることはもう論をまちませんが、医療安全総合対策におきましても薬剤部門の体質の強化を提言されております。昨年の三月の参議院予算委員会におきまして私は質問させていただきまして、厚生労働大臣から、年内に検討会を立ち上げてこの問題に対する薬剤師の配置の充実強化に対する検討を進めるという、そういった御答弁を時の川崎厚生労働大臣からいただきました。 もう一年たちました。厚生労働省におきますその後の検討の経過あるいは結果がありましたら、お示しいただきたいと存じます。
○副大臣(石田祝稔君) 病院薬剤師につきましては、医療の安全に関する意識の高まりの中、患者に対して適切かつ安全な薬物療法が行われるよう、求められる役割が重要となっております。また、医療技術の進展等により、実施する業務が高度化、多様化してきているという状況もございます。 こうした状況の中で、病院薬剤師の業務及び人員配置の在り方を議論するため、病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会を立ち上げまして、昨年の十二月二十七日に第一回目の検討会を開催したところでございます。現在、病院薬剤師の業務及び人員配置に関する実態調査を実施をいたしまして、その集計を行っているところでございます。今後、実態調査の結果を踏まえまして、病院薬剤師のあるべき業務と人員配置の在り方を議論し、今年の夏を目途に報告書を取りまとめていただく予定にしております。
○藤井基之君 ありがとうございます。昨年お約束いただいたのが三月でございますので、この夏を目途ということですので、できるだけ早い段階で御検討を済ませて御報告をいただきたい、そして安全対策の充実に資する施策の展開をお願いしたいと存じます。 文部科学大臣、お待たせいたしました。これからちょっと大学の関係のお話をさせていただきたいと存じます。 御案内のとおりですが、ここ数年、薬科大学とか大学の薬学部新増設が相次いでおります。平成十四年のとき、薬科大学、薬学部というものは、私立大学が二十九校ありました、国公立大学が十七校ありました、合わせまして四十六大学というものがありました。そして、入学定員は八千百十名でございました。その後、今年、平成十九年になりまして、この大学数は七十二大学になっております。そして、入学定員も一万三千人を超えるものとなりました。私立大学に限りますと、平成十四年には二十九大学でした。来年にも三校増えるというふうに伺っておりますので、そうなりますと五十八大学、正に倍増することになります。 先般、厚生労働省から薬剤師の国家試験結果が発表されておりまして、それによりますと、今年、九千百五十四名新しく薬剤師として免許を受けたことになっております。これから先、大学の数が増え入学定員も増えることになりますと、今後、毎年一万人以上の方々の薬剤師が誕生することになろうかと存じます。 厚生労働省は、こういった大学が増える前の平成十四年に薬剤師の需要と供給についての調査をなされました。その当時、十年先の平成二十五年時点で、薬剤師の供給数は三十六万九千七百六名になる、一方で需要数は二十三万二千三百二十七名、つまり十三万人もの薬剤師の余剰が出ると、そういう推計を平成十四年に行いました。 もちろん、それから大きく環境は変わってまいりました。例えて言いますと、先ほど申し上げました薬科大学や薬学部が急増したこと、また薬学教育が二年前から六年制が実施されることになったこと、そういうことからこの薬剤師の需給環境というのは平成十四年当時とは大きく変わってきていると思います。 私は、平成十七年十二月に出されました厚生労働大臣の諮問機関、社会保障審議会医療部会の取りまとめた医療提供体制の意見の中に書かれております、薬剤師数については、薬学教育六年制の導入等の影響を踏まえて、需給の把握に努め、所要の検討を行うことが必要である、このように明記されております。私は、現在、早急にこの需給の調査をするべきだと考えますが、まず、厚生労働副大臣のお考えをお尋ねしたいと存じます。
○副大臣(石田祝稔君) 薬剤師の需給の問題につきましては、今委員も御指摘のとおり、平成十四年に薬剤師問題検討会が行った予測の段階でも、これは平成十四年時点で既に供給が需要を上回っていると、こういうことが推定をされておりました。また、将来につきましても医薬分業が更に進展をしていく、こういうことを仮定をしたとしても供給が需要を常に上回ると、こういう予測がされておりました。そういう中で、平成十八年四月より薬学教育六年制課程がスタートしたことを踏まえまして、六年制課程を経て養成される薬剤師の社会的需要、六年制課程導入後の供給の動向などに基づいた薬剤師需給の予測について改めて把握する必要があると認識をしているところでございます。 このため、厚生労働省としては、委員御指摘の点も踏まえまして、薬剤師の需給予測について有識者による検討会を立ち上げ、検討をし、その結果を公表してまいりたいと考えております。
○藤井基之君 文部科学大臣にお尋ねしたいと存じます。 今お話をさせていただいているような環境下に薬学教育の環境がございます。実は、この問題につきましては、二年前にこの法律の審議の際に、六年教育を導入する際、実はそのとき伊吹大臣にも党の中でもいろいろと私なんかは勉強させていただいて教えていただいたわけですが、そのとき文部省政府委員は、この大学の急増しているトレンドが見えるときにどういう考えをされますかというお尋ねしたときに、これは規制改革の一環なんだよ、だからいい大学が残って悪い大学は淘汰されるということは、これは競争原理として当たり前なんだと、そのような趣旨で、一定の基準がそろっていれば、これは当然のことながら大学は認められるべきだと、そのような趣旨の御答弁をいただいております。 私は、確かにルールはそうかもしれないけれども、今般もう一度大臣にお尋ねしたいと思っておりますのは、その後この流れが一向に減らない、ある一定の数で、私はこういう新設の問題というのは、当然十八歳人口の問題を考えても、私学が多く増えているということは、私学だったら当然大学経営のことを考えると思うんですね。そのように考えたら、おのずから律速的なところがあるんだろうと、こう思っておったんですが、先ほど申し上げましたようにまだ来年もまた新しく私立薬科大学は増えるという流れにあるというふうに伺っております。 文部科学大臣にお伺いしたいと思います。現在、生まれてくる子供の数というのは百万人と少しでございます。私立大学薬学部だけでも一万人を超える定員に今なっております。政府としてこのような非常に多くの薬学生を学ばして将来薬剤師をつくっていくという、そういった政府の施策というものというものはこのままの民間に任せる形で流れていって本当に好ましい状態になるとお考えでしょうか。これについてちょっとお考えをいただきたいと存じます。
○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、何事もいい面があれば困った面が出てくるのは当たり前のことであって、当事者の判断と責任、自己責任ということでやっている地方分権の流れが結果的に本当にこの困った団体のところへお金が流れる状況になっているのかということとよく似たことなんですよね。 ですから、必要に応じては、それは祖先返りをして政府は介入しなければならないかも分かりませんけれども、一つ考えておかなければならないのは、薬剤師の方々というのは従来のようなお仕事だけをされるのか。これから確かに人口は減っていくかも分かりませんけれども、六年制大学でその能力を持っておられる方がいろいろな分野で活躍されるかどうかということも考えなければいけない。それほどの専門的にやっぱり高い能力を持つというための六年制を導入したわけですね。 ですから、文部科学省としましては、我々が介入して我々が思うとおり大学の数をコントロールするということはちょっと現時点では許されないと思いますね。ですから、確かに、現時点ではどうなっているかといえば、一応の基準、いい加減な大学をつくられては困りますので、うちの立場からすると、基準に合っていると判断をして、それを専門的に審査をして合格をすれば、各大学の審査を受け入れるということにしているんです。 しかし、医師と歯科医師と獣医師と、それから船舶職員の四分野においては、各々所管しておられる省庁が、今先生がおっしゃった業界別の需給の見通しを立てて抑制してほしいというお申出があった場合について、これが社会的に合意が得られると判断した場合はそういう措置を講じておりますから、今の御質問は私どもよりもむしろ厚生労働省がしっかりとした需給計画をお立てになって、私どもに協議をお願いするべきことだと思っております。
○藤井基之君 ありがとうございました。大臣の明確な御判断をいただきまして。そういうようなことを私も思いまして最初に厚生労働省の方まず答弁を求めさせていただいたわけでございます。今大臣の御見解、十分に理解をできるところでございます。 あわせまして、その大学の問題についてもう一つ大臣にお尋ねしたいと存じます。 御案内のとおり、大学設置基準の三十九条で大学が設置すべき附属施設というものが規定をされております。薬学に関する学部、学科については、従前から薬用植物園を持つようにと、そういった規定がございます。 これは、六年制の制度が設計された段階、そして法改正のときにも実は要望させていただいたわけですが、国会の中でも。薬学教育六年制実施が昨年からされてきている。そして、この六年制教育、この六年制のコースでは、医療機関であるとか薬局において長期の実務実習、これが必須となるカリキュラムである、このために六年制という制度が導入された、そう言うと言い過ぎかもしれませんけど、一つの大きなメルクマールはここをちゃんと担保するために六年教育をしたんだということがございました。 現在、実習についての受入れ体制につきまして文部科学省あるいは厚生労働省においても御努力をいただいていると存じておりますが、私は、大学が急造されていること、あるいは入学定員が急増している、それも六年制のコースの入学定員が急増してきております。こうなると、この実習のための施設を確保することが近々の課題になっているようなんですね。 これについては今申し上げましたように関係者の努力をいただいているわけでございますけれど、例えば医学部におきましては、医学部の学生の教育のために附属病院の設置というものがこれは義務付けられております。同様に、私は、薬科大学、薬学部、少なくとも六年制の医療薬学のジャンルを専門にするコースにおいては、これは附属施設として薬局の設置というものを義務付けるような御検討をいただけたらというふうに考えるんです。 現在、御案内のとおりかもしれませんが、実際に附属薬局を大学として持っている学校はありますが、その数は限られております。私は、これにつきまして、大学当局あるいは地域の薬剤師会あるいは等々、多くの関係者の合意形成の上、自分たちの子供のための実習施設は自ら持つという形での制度設計、これを御検討いただきたいと思いますけれど、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 各々の大学、学部若しくは学科については、その設置に必要な附属施設を置くということが書かれてあって、薬学部の場合は、先生がおっしゃったように薬草園という規定になっておりますね。 六年の間に六か月ですか、実務の研修が必要ですから、附属病院若しくは薬局が設置されていることは望ましいわけですが、現時点においては、自分の大学にない人たちは民間の施設その他で研修を受けておられると。現在のところ、私どもの把握している数字では、トータルの数字は学生数に合うだけの施設はございます。しかし、中国、四国、北陸においてはマッチングが必ずしも十分じゃないと。 ですから、おっしゃっているようなことを義務付けるというのも一つの考え方ですし、義務付ければ、それだけの施設のお金が余分に要るわけですから、とても薬学部を新設したり、あるいは薬学科を新たにつくるという自信がないなというんで、先ほど来御質問になっているように、数を結果的に抑制していくという方向に働くということはあり得ることだと思いますが、率直に言えば、その六年間の課程の中の六か月の研修について、それだけの経営負担を義務付けるということは私はなかなかやっぱり難しいんじゃないかなという気がしますね。 どうしてもそれが必要であるということであれば、薬剤師会は、数が減るから、養成数が減っていくからいいかも分かりませんけれども、全体のやっぱり需給計画の中で、六年制の立派な薬学を修めた先生方を待っている産業界なんかもたくさんあるわけでしょうから、その辺の数をやっぱり確定していただいて、そして御協議をいただいて、そのまた補助を出せということを言われるとこれはもう財源的にとても文科省の予算の中ではできませんので、厚労省と御協議をしながらやっていくということだと思います。
○藤井基之君 ありがとうございました。 改めて厚生労働省にお願いをしておきますが、早急な需給の調査をしていただいて、その結果によりましては、今大臣から御答弁いただきましたように、文部科学省とも御協議をしていただきたいと存じます。お願いをしたいと思います。 最後に一つだけ、ちょっと別な観点の質問をさせていただきたいと存じます。障害者自立支援法についての問題でございます。 御案内のとおり、障害者自立支援法が成立をいたしました。そして、加えまして、利用者の負担の軽減であるとか制度改正による激変緩和のために、昨年度末には大規模な補正予算の措置もとっていただきました。今後のこの法案の円滑な施行を期待したいと思っております。 ただ、これの施行に関しまして関係者の方々の御意見を伺っていると、一つだけ御懸念があるという指摘がございますので、それについて御質問をさせていただきたいと存じます。 御案内のとおり、障害者自立支援法、これは障害の程度区分が知的障害者、精神障害者、身体障害者、三障害統一の基準でそれを判定すると、そういった判定基準がなされて、その検討がされてきたわけでございます。ただ、どうもこれによると、昨今言われているのは、知的障害者とか精神障害者の判定がちょっと不利なといいましょうか、そういったような答えが出ているんではないかと、そういう指摘がございます。 御案内のとおり、これはその理由として考えられることは、まず一つは、一次判定における七十九項目、この多くが寝たきり老人や認知症などの老人介護に対する判定の基準、それを持ってこられているということですね。それが一つ。それからもう一つは、それに知的障害者の独自の判定項目を判定結果に加算してその危険度、リスクというものを見ていく、いわゆる充足度を見るというふうにしているんですが、どうもこの加算が必ずしも十分ではないのではないんだろうかということです。 具体的には、関東地方のある市の判定結果によりますと、いわゆる入所可能となる区分四以上の判定が、身体障害者ではその五二%であるのに対しまして、知的障害者では三六%にしか届きません。また、区分の五以上になるジャンルでは、身体障害者ではその三六%となっておるのが、知的障害者の場合では一四%にしかならないということだそうでございます。 日本知的障害者福祉協会が医療者約二万人を対象に行った調査によりますと、施設入所者ではその七五%が、また知的障害程度で最重度あるいは重度と判定されている人でも七二%の方が、新しい障害区分の一次判定においては入所が継続できない区分三と判定されてしまったと、そういうことだそうでございます。 もう厚生労働省におきましては既にこの判定基準の見直しの検討を進められているというふうにお聞きしておりますけれど、この障害者の御家族やあるいは施設関係者の御意見も十分に踏まえて十分な検討を行っていただきたいと存じますが、厚生労働省の御見解をお尋ねしたいと存じます。
○副大臣(石田祝稔君) 障害程度区分の判定につきましては今委員が御説明いただいたとおりでございまして、なかなか精神障害の方には数字が出にくいと言ったらこれは変な言い方になりますけれども、どうしても二次判定で上位区分に変更される率が多いと、こういうことが言われておりまして、私どももいろんな御意見を伺いまして、やはりこれは各々の障害特性をより一層反映できる仕組みにこれは見直していかなきゃいけないのではないかと、このように考えておりまして、現在関係者から各課題をお伺いをしているところでございまして、見直しの検討に向けこれらの課題の整理を進めてまいりたいというふうに思っております。 なお、これからどういうスケジュールでということになりますと、障害程度区分勉強会につきましては、二月の第一回会合からこれまで三回開催をいたしておりまして、各関係団体から意見を聴取してきたところでございます。今後引き続きヒアリングを実施するとともに、六月ごろを目途にいったん課題の整理を行いたいと、このように考えております。
○藤井基之君 是非よろしく御検討をお願いしたいと思います。 終わります。
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。 本日は、過去二回質問をいたしましたけれども、七対一看護、それから療養病床削減の問題について再度今日は質問をさせていただきたいというふうに思います。 と申しますのは、地方の統一選挙がございまして、参議院の補欠選挙もあったわけでございますが、その選挙のために、私、全国を回りまして、いろんな方々に選挙の支援をお願いしたわけでございます。しかし、どこに行きましても、実はこの七対一看護の問題、療養病床の削減の問題についてかなり厳しい実は御不満、御批判をいただいたところでもございます。 それに対して明快な実は回答ができないというような状況の中で、一体厚生労働省は、かなり時間はたったわけでございますけれども、どういうふうなお考えをお持ちなのか、そして、いろんな質問をした経緯の中でどのようにお考えが変わってこられたのか、そういう視点から本日は質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず、七対一看護の問題についてでございますが、まず第一に、中小病院の定義というのはどうお考えになっているのか。つまり、今回、都道府県等々にお示しになりました地域医療計画等々の問題に関しまして、中小病院、大病院の役割というのが書き込まれているわけでございますけれども、非常にこの定義があいまいな中で私は書き込まれているような気がしてしようがないわけでございます。是非、今お考えになっている中小病院の定義というのをお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(白石順一君) 御指摘の都道府県にお示しした報告書の中で、中小病院その他の記述、確かにございます。 その定義は、結論から言いますと、特に病床数等によってここから先が中小病院、ここから先が大病院だというふうな特に分類というものはいたしておるわけではございません。 例えば、平成二十年度から医療計画を新たに策定をお願いするわけでございますけれども、そういう場合の医療連携体制をつくるという際にも、例えば大学病院や県立病院、比較的大規模な病院からそれ以外の比較的中小の規模の病院、診療所というものも含めての医療連携体制の構築でございますので、特段、ここから先の大きさの病床数の病院については何かの役割はこうすべきだというふうなことではございません。小さな病院でも、専門病院のところとかいろいろございます。
○西島英利君 つまり、私が申し上げるのは、厚生労働省は厚生労働省で職員の皆さん方を採用されて、まさしく専門的にずっと経験をされてまいります。ところが、都道府県レベルに行きますと、要するに、都道府県で職員さんを採用されて、そしていろんな職場を回ってこられるわけですね。そうしますと、じゃ、専門的な知識があるのかどうか、それはないわけですよ。そうしますと、ああいう記述で非常にミスリードをしてしまう可能性が十二分にあると。 つまり、あそこには中小病院の役割というのが書かれています。診療所の役割とか開業医の役割というのが書かれています。そういうようなことで、定義がないままそういう言葉を使っていいのかどうかというのが私疑問でしたので、もう一度それについて是非お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(白石順一君) 御指摘もっともなことでございまして、どこか病床数の規模に応じてこのような機能分担をすべしというふうなことはございません。よくよく、都道府県に対して御説明する際には、何かそこら辺の間違いがないようによく説明も付け加えさせていただきたいと思います。
○西島英利君 実は、これは七対一看護の問題にもかかわる話でもございますけれども、先日、厚生労働大臣が参議院の厚生労働委員会で、七対一看護を取る病院はある程度制限をしていかなきゃいけないというふうなお話をなさいました。 そういう中で、要するに、結果的に七対一看護を、ある意味では、どういう病院が基準になるのかというのをこちらでお示しになるときに、例えば病床の問題とか、それからどういう機能を持った病院とか、そういうことを今後実は検討されていくわけですよね。まだ検討されていないわけですね。そのときに、やはりこの中小病院というものの考え方を幅広く持っていかれませんと、要するにベッドでかなりの部分が抑制されていく可能性があるんではないかということを考えて私は御質問をしているわけでございます。 つまり、診療報酬の中には二百床以上と二百床以下で実は点数が違っているというような部分もあるわけですよね。例えば、精神科であれば二百床以下の病院というのは余り多くはないわけです。ところが、実際的に精神科病院の中でやられている役割というのは、今度は総合病院といいますか、そういう一般病床とは全然違う役割がある。外来についてもそうでございます。しかし、そういうことを無視した中で二百床というこの数字の中で実は区分けをされているという部分がありますので、ですから私はこの質問をちょっとしつこくさせていただいたということでございます。是非、この辺り認識していただきながら、今後分かりやすい御説明を都道府県にしていただければというふうに思います。 それでは、次でございますが、今回、国民医療費、平成十二年、診療報酬がマイナス改定、プラマイゼロ、そしてさらにはまたマイナス改定という状況になったわけでございますけれども、その前提としては、こういうふうに今後の医療費が伸びていきますという推計値を出されたわけですね。この推計値に基づいての医療費の抑制策というのがかなり私はされてきたのではないかなというふうに思うんですけれども、実際、推計値と実際の決算値では乖離が私あっているんではないかなというふうに思うんでございますけれども、この経過の中ではいかがでございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 国民医療費の実績についての、その推移についてのお尋ねかと存じます。 実績を見ますと、平成十二年度では三十・一兆円でございまして、翌平成十三年度が三十一・一兆円と一兆円増えているわけでございます。これは、平成十三年度には特に大きな制度改正がなかったということでございまして、おおむね私ども三から四%伸びているといったことがここで見えているわけでございます。 その後、平成十四年度が三十一兆、十五年度三十一・五兆、平成十六年度三十二・一兆と、これは四年を掛けて、十三年から十六年度にかけまして一兆円というふうに伸びは下回っているわけでございますけれども、ただ、その背景といたしましては、平成十四年度におきましては診療報酬のマイナス改定がありましたし、また高齢者の一割負担というものがございました。また、十五年度には健保本人の三割負担というものがございました。また、平成十六年度には薬価のマイナス改定というようなことがございました。したがいまして、私ども厚生労働省といたしましては、大きな制度改正あるいは診療報酬改定のなかった時期の医療費の伸びはおおむね三から四%、すなわち約一兆円程度増加するものと考えておりまして、私どもが示しております将来見通しでも同様の傾向となっているものでございます。 なお、十七年度につきまして、これ概算医療費が出ておりますけれども、それで見ましても実績値といたしましてやはり三・一%の増が示されております。また、十八年度、四月から十一月でございますけれども、マイナス三・一六%の改定の中でプラス〇・一%ということでございますので、やはり自然体で見ますとおおむね三%程度の伸びを示しているものと、このように考えております。
○西島英利君 ちょっと今の答弁には私疑問があるんですが、自然増というのは織り込み済みですよね。織り込み済みで、実はこれだけのシーリングを掛けてどうのこうのという話も出ているわけでございまして、もうこれは答弁結構でございますけれども、ですから、今マイナス三・一六であったにかかわらずこれだけ伸びているというのは、私はこれは織り込み済みだと思っているんですね。 問題は、先日、社会保障審議会の医療保険部会に出された資料に全国医療費適正化計画案、これは都道府県の担当課長会議にも出された数字でございますが、これによりますと、平成十八年の制度改革がなければ平成二十年は三十七兆円になっていたと、ところが、制度改革をすれば平成二十年は三十五兆円で済むと、こういう数字が出ているわけですね。さらには、平成二十七年には、制度改革をしなければ四十七兆円、すれば四十四兆円と、こういう数字が出ております。 それでは、制度改革後でございますから、平成二十年は来年度でございますけれども、三十五兆円まで行くんでしょうか。いかがでございますか。
○政府参考人(水田邦雄君) 実は、全国医療費適正化計画の案でお示しした医療費の将来見通し、これは昨年の医療制度改革の際にお示ししていたものと同内容でございますけれども、これによりますと、制度改革実施前の医療費は平成二十年度で三十七兆円ということでございます。これは、先ほど申し上げました大きな制度改正あるいは診療報酬改定がなかった場合の医療費は、約、年間一兆円程度増加するという最近の傾向から見ておおむね妥当なものと考えてございます。 さらに、平成二十年度の医療費についてでございますけれども、改革前の三十七兆円の国民医療費から、平成十八年度に行われました三・一六%のマイナス改定の影響、それから平成十八年十月、それから二十年四月に実施する予定の患者負担の見直し、これらによる影響を織り込んだ結果として三十五兆円になると、このように見込んでいるわけでございます。これはあくまでも、昨年の医療制度改革の際にお示しした医療費と同内容のものについて、それを内容を明らかにしたものでございます。
○西島英利君 今までも制度改革をしてこられた、これは医療費の抑制策として制度改革をしてきたわけですね。 今回、もう一つの制度改革がありますよね、高齢者医療制度。後期高齢者医療制度は、これはまさしく、要するに医療費の抑制策として実は出てきている策でもあるんですね。 これは御存じのように、平成十四年に、健康保険法の改正のときに附則として高齢者医療制度の創設ということがそこに入ったわけですよ。これはまさしく、これ以上とてもとても一般の人、高齢者の方々にはこれ以上自己負担はもうとてもできないよねと。そうしますと、やっぱりそれなりの医療費の適正化策を考えなきゃいけないということで、この高齢者医療制度という考え方がそこで打ち出され、そして去年これが法律として通り、そうしますと、今正にそれ検討されている最中だと思うんですけれども、しかし、これが導入されればどのくらいの医療費の適正化が起こるのかという推計値は当然出しておいてしかるべきだと私は思うんですが、その辺りの数字がどうしても見えてこないと思うんですね。恐らくされていないんだろうというふうに思うんですよね。これ平成二十年からスタートする制度であります。ですから、そういう意味で、この数字が本当にこの推計値として妥当な数字なのかどうか。 つまり、医療費抑制策は何でどんどんどんどん次から次に決められてくるのかというと、推計数字によって、これじゃやれないからということで抑制策が次から次に実は打ち出されてきているわけですよ。ですから、こういう数字が独り歩きするということは、非常に混乱を来すことは間違いないわけですね。ですから、そういう意味で私はこの問題を今ちょっと御質問をさせていただいたということでございます。そして、これには答弁は結構でございますけれども。 次は、平成十七年の医療経営実態調査がございました。これによりますと、例えば一般病院であれば、これ医療法人でございますけれども、百床当たりの収支の比較、その他の一般病院でやりますと、これ、平成十五年と十七年で比べてみますと、伸び率がマイナス八%前後、医業収入。医業費用でもマイナス七・五。それは当然ですね、医療法人はこれ赤字にすることはできませんから、必死になってこれは抑えなきゃいけないんでございますけれども。こういう状況の中で、一つには、この実態調査がほとんど考慮されないまま平成十八年の診療報酬改定が行われたのではないかなという気がしないでもないわけでございます。 さらには、福祉医療機構。これは、福祉医療機構というのがございますけれども、この中での経営分析参考指標の概要というので、平成十七年度の決算分の実は数値が出ております。これはどういう数字なのかといいますと、御存じのように、福祉医療機構は全国の民間病院を中心にして公的に貸付けをしているところでございます。ですから、この貸付けを受けている病院のデータが必ず上がってまいります。 そのデータで分析をした結果でございますけれども、医業収益と医業利益率の推移ということが数字として出ておりまして、医業利益率が大体二%以上ずっとあったんですね。平成十六年度が二・五%ございましたが、平成十七年度は医業利益率が一・二%まで落ちてきておるんですよ。かなり経営が厳しい状況が起きているわけでございます。 こうなってきますと、今回のこの状況から見ますと、七対一看護が導入されました、これだけ経営が厳しい中で、じゃどうしたらいいのかと、考えるのは、看護師を増やして七対一看護を取ろうと、そう考えるのは当然ですね。前は特三類というのがあったんですよ。そのときにも同じようなことが起きました。本当に看護師のどんどんと引き抜きが起きたわけでございます。 そういう中で、今回七対一看護というのが打ち出されてきたわけでございますが、今日発売の週刊東洋経済、これにもそのことが書いてあります。つまり、この中にはこういうことが書いてあります。「激烈極めたナース争奪戦は大学病院の独り勝ちに」と。つまり、七対一を取りますと、これは数値計算を単なる点数を当てはめてやっていきますと、一人看護師を増やせば、七対一取りますとですよ、年間四百たしか六十万ぐらいかな、の増収になるんですね。年間四百六十万ぐらいの増収になるんですよ。これはちゃんと計算しましたので間違いないと思います。 ということは、今回東大が二百人近く増員をしたわけですよ。そういう流れの中で見てみますと、これは東大は勝ち組に入っていますので、そうすると十億円近い実は増収になってくると。そもそも東大の看護師さんたちの給料は非常に高いわけですね。高いレベルの中でこれだけの増収があるわけでございます。高いから皆さん方動くということも当然これは考えられるんだろうというふうに思います。 ですから、今回そういうような混乱を招くということも含めてお考えになってこの七対一看護を導入されたのかどうか、それを是非お聞きしたいということと同時に、さらに看護職員一人当たりの月平均夜間時間七十二時間以内、二人以上の看護職員による夜勤看護体制、これがないといけない。この二つが今度は条件になって、この二つが満たされなければ、特別入院基本料ということで点数的には五百七十五点なんです。つまり、本来取れる点数から、正に半分以下に減ってしまう。経営できるはずないですよね。医療機関というのは大体五〇%前後が人件費率なんですよ。ということは、これだけの減収になってしまうということは、もう病院を閉じるしかないという状況の中で、今回全国に行きましたときに、そのような御批判といいますか、御質問をたくさん受けたということでございます。 しかも、そういう状況が起きたので、今年の一月の十日に中医協が建議書を出しております。そして、この建議書で、様々なことがこの建議書の中で言われているわけでございますが、まさしく混乱を来しているということははっきりとここに書いてあるわけですね。そして、三項目が書かれておりますけれども、この三項目は私は読みません、お分かりになっていると思いますから。 それで、こういう混乱が起きている状況の中で、中医協が一月のこれは三十一日ですか、一月の三十一日付けで出しました建議書に対しまして、厚労省は、それ以降何か対策をされましたでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 一月三十一日に中医協から七対一のこの入院基本料取扱いについて建議書が出されたわけでございます。この内容におきましては、主たる内容につきましては、平成二十年度の診療報酬改定におきまして、急性期等手厚い看護が必要な入院患者が多い病院等に限って届出が可能になるような基準に見直すこと、こういったことを内容とする建議をいただいたところでございます。 この建議を踏まえまして、私どもといたしましては、第一に、その手厚い看護を必要とする患者の判定方法に関する基準の策定に向けまして、既にこの三月に急性期入院医療における看護職員配置と看護必要度に関する実態調査に着手をしております。また、二番目に、都道府県、医療関係団体、それから関係省庁等に対しまして建議書を送りまして、看護師の募集、採用に当たっては、地域医療に配慮をお願いすべく周知を図ったところでございます。さらに、今後、平成十九年度の看護職員の確保状況、それから入院基本料の届出状況等につきまして、その推移の把握を行うこととしているところでございます。
○西島英利君 これからという話なんですね。 さらには、今回の診療報酬改定で、もっとこれもびっくりするようなことがあったんですが、今までは看護師、要するに准看護師、看護師というのがございますけれども、この看護師比率七〇%以上という点数と、四〇%から七〇%、さらにはもっと低いところでありますと二〇%から四〇%というのがあったんですね。これが今回これは廃止されて七〇%以上となっておるんですよ。これはダブル、トリプルの実はカウンターパンチですよ。しかも引き抜かれている。そしたら、これはもうとてもじゃないけどこの点数は取れないというようなことが起きておるんですね。 どうしてこれだけ急激な手段を取られたのか。私ははっきり申し上げると、これはもう病院つぶれていいんだと、地域医療崩壊してもいいんだと、その方がベッドがなくなるから医療費はどんどん抑制されるんだと、うがった見方をすると、そこまで厳しい私は意見を言わさしていただいてもいいんじゃないかというぐらい実は地域医療というのは非常に大変な状況に陥っているわけでございます。 ですから、少なくともこういう部分については何らかのやっぱり緩和策は、こういう混乱が起きているんであれば私はやるべきではないかと思いますが、何一つそういう対策、数字が見えてきておりません。 確かに、これをまた緩和すると、言われるところは恐らく財源の問題はどうしますかということだろうというふうに思いますけれども、じゃ、そうであれば七対一看護を凍結すれば済む話ですよ。これからの新規の届出に関しましてはこれは凍結するということであれば、これは財源全く関係ありません。 何で私がこの話をするかといいますと、実は看護師さんが動く時期というのは新卒の時期、ですから四月一日。もう一つは六月、十二月というのがあるんですよ。これが一番多いんですね、看護師さんが動く。なぜかといいますと、六月一日付け、十二月一日付けでボーナスがもらえますから、このボーナスをもらうまでいて、そして看護師さんが動くという、実はそういう実態があるわけでございます。 そうしますと、今度の六月が、また大きなその流れが来年の三月三十一日に向けて起きる可能性は十二分にあるわけでございますので、私は、これは何らかの対策といいますか考え方を早急に取られませんと、一度駄目になった医療提供体制、これは元に戻らない。これはイギリスが、それを本当にイギリスが証明しているんですよ。御存じでしょう。イギリスが、今でも手術が必要なときに半年ぐらい待たなきゃいけないという状況が今イギリスで起きているわけですから。ですから、そういう意味で、私にしてみたら、本当にそういうのんきなことでいいのかなということもあります。 もう一つは、急激なこういう対応をされたもう一つの原因は、病棟単位でなくて病院単位でやられたということだろうというふうに思うんですね。ですから、これだけの大変な数を採用しなければ七対一が取れないんで、必死になって全国行脚をして、東大に言わせると、どぶ板を開いてまで探してきたと言われるわけでございますけれども、そういう状況が今起きているんだというふうに私自身考えております。ですから、何らかの方策を今しなければいけないんだろうというふうに思います。 もう一つは、実は平均在院日数との絡みがございます。平均在院日数でかなりの部分が実は縛られているわけでございますけれども、都会と地方では全然違うんですね。地方では後方支援病院がありません。都会では、平均在院日数で、うちはもう何日までしか診ません、あとはどこか病院探してくださいと。で、結果的に患者さんたちは病院探さざるを得ない。そういう流れの中で、実はうちは平均在院日数、この日数でやられていますというのが僕は現実だろうというふうに思うんですね。 私も国会議員していますけど、私にほかの国会議員の先生方から一番多い要望は何かといったら、どこか病院探してくれないか。これはやっぱり結構、市会議員でも県会議員でもその役割が一番多いというんですよ。ですから、そういう意味で、この地域医療を崩壊させるような今回のようなこの改定に関して、やっぱり何らかのメッセージを、明快なメッセージを出されないと、このままではどんどんどんどん医療提供体制が崩壊していくんじゃないかなというふうに思っています。 昨日の毎日新聞を見ますと、もうとてもやれないからやめたという病院の特集が載っておりましたし、今回のように雑誌がこういう形で特集するということは今までなかったことですね。一般紙にもそういうことは書かれなかったことが書かれるということは、非常に今地域は大混乱をしているんだという認識を是非持っていただきたいというふうに思うんですが、副大臣、いかがでございますでしょうか。
○副大臣(石田祝稔君) 今委員のずっとお話を聞かせていただいておりまして、私も地元でほとんど似たようなことでいろいろとおしかりもいただいております。つい最近も御相談があったのは、具体的に病院を紹介してくれと、こういうお話もございましたし、今委員のおっしゃることは、私は本当に地域の現状としてそれはもうそうなんだろうなと正直に実感をいたしております。 この七対一につきましては、今いろいろと御指摘のありました問題等もこれは建議書という形でもう出されておりますので、これを具体的にどれだけ早くできるかと、これについてはしっかりと検討していかなきゃいけないと思いますが、今お触れになった六月のボーナスの時期とかいうのにはちょっともう間に合わない、そこまではちょっと今現状では難しいというふうに思っておりますけれども、やはり二十年の診療報酬改定ということは言われておりますので、それには何としても間に合わせなきゃいけないとは思います。
○西島英利君 副大臣、これはもう政治判断なんですよ。これは、はっきり言って厚生省事務局でできる判断でないと思います。ですから、副大臣、大臣はまさしく政治判断ができる立場にいらっしゃる方でございますので、是非、政治判断、何らかの政治判断を私は期待をしたいと思います。 さらにもう一つ、実はこれもちょっとおかしいなと思ったんでございますが、やはり同様に都道府県職員向け参考資料の中で、都道府県別に見た人口十万人対医師数、これを、この中に書いてあることを読みますと、しかし、平成十年から十六年において東京、大阪の医師が顕著に増加している事実はなく、医師が大都市に一極集中しているとまでは必ずしも言えないと、こういうことが書き込まれています。 それで、今日、私は資料をお配りしていますですね。資料が配られていると思います。これ見ますと、一番上は東京でございます。大阪が黄色、そしてその下が福岡、愛知ということでございます。ここはまさしく大都市でございます。その下は九州各県でございます。特に東京の場合はかなりの数字の増があっているわけですね。確かに十万人当たりという数字でいきますと数字は変わらないかもしれませんが、大都会はどんどんどんどん人口が増加してきている中で、こういう形で実は従事医師数が増えてきている、これは間違いございません。 さらに、これは平成十六年の実はデータでございまして、ちょうど平成十六年から臨床研修制度が始まった年なんです。そして、大混乱が起き始めたのは平成十七年でございます。医局に残らない、大学病院に残らないというような混乱も起き、そして大都会への集中という話が出てきたところでもございます。 ですから、何のためにこういう文書を出されるのか。私、これもやっぱりミスリードにつながっていくと思うんですね。ですから、集中してないから、それぞれの都道府県でやられるべきだ、やれるはずだというようなそういうメッセージも取替えになれないということで、やはりこういうデータを出されるときは慎重に対応していただきませんと、本当に対策を組もうと思っても、真の対策が組めなくなるのではないかということで、私はこれをちょっと御指摘をさせていただきたいと思います。 次が療養病床削減の問題でございます。先日も同じように、社会保障審議会の医療保険部会の中に、四月十二日に療養病床削減の具体的な考え方が出されました。この十五万床の根拠というのは、そのときにお示しをなされたわけでございますけども、この根拠をいろいろ見ると、わざわざその数字に合わせたように、十五万床に合わせたように考えておられるんじゃないかなという気がしてならないわけでございます。 さらに、一番最初に、この医療法それから健康保険法の改正のときに根拠として出されました中医協診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会、このデータをまずは使われたわけですが、それ以降、このデータをフォローをいたしております。そして、平成十九年三月十九日に、やはり中医協にこの分科会から提出されておりまして、平成十八年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査の結果についての中間報告書が出されているんですね。 私は、前回も実はこのお話をされましたが、明快な回答がありませんでした。もう一度申し上げますけども、なお、当分科会に対して要請された事項は、患者に係るコストに着目して医療区分、ADL区分を設定することであった。しかし、医療区分一に関して入院医療を必要としないという政策判断がなされ、診療報酬についてもコストに見合わない点数が設定されていることについては、当分科会として大きな疑問を呈さざるを得ないという、実は報告書の中に、これにこう書かれています。それでもそれを今使われている。一体どこで政策判断の検討をなされたのか、私、これ非常に疑問なんですね。一番の専門調査会、しかも中医協ですよ。厚労省というのは中医協の事務局であるべきですよね。ですから、この調査会から出されたこの報告書についてはやはり忠実に考慮していかなきゃいけないはずなのに、疑問を呈さざるを得ないというこの報告書は、中間報告書が出されたにかかわらず、四月十二日の社会保障審議会医療保険部会ではまたそのデータを使ってなされていると。一体これ、どういうことでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘のありました中医協の分科会におきます慢性期医療の包括評価に関する調査、これは分科会でやったわけでございますけれども、そこでの任務と申しますのは、正にこういった慢性期医療の包括評価に係ります医療区分の設定について審議をすることがこの分科会に課せられた使命でございます。 その医療区分の在り方そのものにつきましては、このフォローアップの中間報告におきましてもおおむね妥当とされたところでありまして、言わばこの分科会に与えられた所掌以外の点につきまして、すなわち値付けの点でありますとか、この調査のデータの使用の仕方につきまして疑問を呈さざるを得ないと、こういうコメントが付いたと私どもは認識をしております。 点数設定の話は別といたしまして、正に私ども、今回、療養病床の必要数を算定する基準を策定するに当たりまして、やはり療養病床に入っておられる方々の患者像、そういった方々の医療の必要性というものを把握する必要があったわけでございますので、正にこの調査で示された入院者の医療の必要度を踏まえて患者の仕分を行うという作業を行ったわけでありまして、言ってみますと、その患者像を知るという意味でこの包括評価分科会のデータを用いたということでございますので、それ自体妥当であると思っております。 また、手続的には、こういった法令上、特に審議会等の手続は求められておりませんけれども、関係審議会である社会保障審議会医療保険部会におきまして関係者の御意見をお伺いしたところでございます。今後は、各都道府県におきまして作業は進められたわけでございますので、そういったものも踏まえながら考えていきたいと、このように考えております。
○西島英利君 私が申し上げておるのは、専門調査会が出したやつですよ。おたくたちはそういう意味では専門じゃないですよね、要するにこういう政策判断なされたというのは。ところが、専門家調査会ですよ、専門家調査会がこれに疑問を呈さざるを得ないというふうに言っているわけでございますから、それに対してやっぱり何らかの対応をすべきだというふうに私は思うんですけれども、もう一度いかがでございますか。
○政府参考人(水田邦雄君) その点につきましては、もう繰り返しになるわけでありますけれども、私どもこの分科会におきます医療区分の検討というものは、それはもちろん中医協におきます診療報酬上の評価におきまして尊重しているわけでございます。ただ、そこでその調査の過程で得られました療養病床に入っておられる方々の状況、患者像というのはこれはある意味で公の財産であると考えておりまして、それに基づいてこういった新しい療養病床の再編計画を立てること自体否定されるべきものではないと考えております。
○西島英利君 それでは、これは医療を必要としないと言っていないというんですよ。そうでしょう。しかも、療養病床というのは、要は長期に療養される患者さんのためにつくられた制度じゃないんですか。しかも、安定してなきゃおかしいわけでしょう、包括化的ですから、診療報酬上は。ということは、しょっちゅう指示の変更があったらおかしいはずなんですよ。ですから、指示の変更はしないから医療が必要としないというふうな政策判断は、これは間違っているんだと私自身は思っています。もうこれ以上結構ですよ、それは結構です。 そこで、さらには、医療区分一はそうだと。さらには医療区分二の中でも一割が介護に移ることができるとしておる。さらには、うつ状態、褥瘡、創傷処置、それから皮膚の潰瘍、こういうのは介護施設やれると。だから、これ移れるんだと言われるわけですね。 ところが、去年も自殺対策防止基本法、自殺対策基本法ができたばかりでございまして、まさしくこれの中心はやっぱりうつ病対策であること、これは間違いないわけですよ。ですから、今でも六十五歳以上の方々の自殺が実は一万人以上いらっしゃる。今後この自殺が増えていくということは専門家の間で言われているわけですよ。それを、このうつ状態は介護施設でやれるんだと。どこでどうこれ判断されたんですか、お教えいただきたい。
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘のとおり、今回の再編計画の中で、医療区分二の患者の一部にも、一定程度状態の安定が見込まれて、療養病床、すなわち入院医療が必要でない方々、より適切な人員配置で老健施設等でも対応が可能な方々が存在すると、そういうことが考えられるので、ただいま委員御指摘のありました四つの状態などの項目に該当する方の一部を想定して、こういった方々につきましては老人保健施設等においても対応可能であろうと。特に、現在、老健施設等における医療の提供の在り方の見直しの方向性というものも視野に入れて示したものでございます。 御指摘されますように、自殺の可能性が懸念されるようなうつ病の患者に対しましては、これは専門的な治療が必要でございますので、通常は専門の医療機関あるいは精神病床において対応されるべきものと考えておりますが、例えば脳梗塞の後遺症等によるうつ状態、後遺症等によりましてうつ状態となっているような高齢者につきましては、老人保健施設等において受け入れ、状態の悪化等必要な場合には精神科の専門医に相談や受診を仰ぎつつ、これらの場において医療面を含めた必要なケアを提供することは可能であると考えているところでございます。 すなわち、うつはすべからく老健施設で対応が可能と言っているわけではございません。現在、療養病床の中におられるそういった、例えば脳卒中後遺症のようなうつ状態にある方々につきましては、適切な人員配置を得ました老健施設等において対応が可能であると、このように考えているところでございます。
○西島英利君 これは私、先ほど申し上げましたよね、都道府県にこれ示されているんです、都道府県に。今局長は確かにそういうお話をされましたけれども、都道府県の職員たちはそれ分からないんです。そういう中で、じゃこれは全部排除していこうという考えになるのはこれは当然なんですね。ですから、どこでこれを要するにそういうふうに判断をされたのか。そういう検討会があったんですか。それ聞いていないですよ。いろいろ調べました、私も。 しかも、例えば皮膚の潰瘍とかこういう創傷処置も含めてでございますけど、一番怖いのは感染ですよね。結構多いのが院内感染を起こす要するに耐性菌、結構これは創傷とか皮膚の潰瘍とか多いわけですよ。もしこれが蔓延していけばどうなりますか、院内じゃなくて、そこの施設の感染。肺炎を起こしたらこれはもう大変重篤な状況になることは間違いないわけでございまして、そこまで議論をされてこういうデータを出されたのか、それとも、私さっきから何回も申し上げていますように、数字合わせとして出されたんじゃないかなという懸念があるわけです。 さらには、この前、人口問題研究所がこれからの人口推計値を出しております。そうしますと、将来推計人口、平成六十七年までは七十五歳以上は増加の一途をたどるという推計を出しておるんですよ。増加の一途をたどるという。私も今団塊の世代でございますから、じゃ私は一体どこで診てくれるんだろうかと。私は一応病院はしていますけれども精神科病院でございますから、身体的な病気になったときはうちで診れないわけでございまして、しかも長期の療養が必要になったときには一体どこで診てくれるのかと。 こういう人口的なものもきちんと加味するようにとは言っておられます。しかし、もし加味するのであれば、平成六十七年までこれ増加していくわけです。ここまでお考えになって十五万という数字をお出しになっているのかどうか。確かに、これは都道府県が積み重ねてやる問題だというふうにおっしゃるかもしれませんが、それとこれとはまた別ですよね。要するに、国が出された一つの指標というのは非常に大きな影響を与えるんだということで私は今申し上げているわけでございますけれども、この人口の将来推計値に関して、何かございましたらお教えください。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の療養病床の再編成の目標に関しまして、まず十五万床という足下での医療療養病床の必要病床数を示しているわけでありますけれども、今後の算定に当たりましては、先ほど委員お触れになりましたとおり、各都道府県におきまして、計画期間中の後期高齢者の人口の伸び率、これはプラス要因でございます。並びに、その一方で、今後の在宅医療の推進あるいは早期リハの強化による重症化予防、これはマイナス要因でございます。これらを総合的に勘案して、それぞれの実情を加味して設定することとしておるわけでございます。 当然ながら、プラス要因として後期高齢者人口の伸び率という要素を明示をいたしましたのは、正にこれから団塊の世代を中心にいたしまして、現在千二百万人おられる後期高齢者、これが二〇二五年には二千二百万人になると、こういうことが見通されているがゆえにそのような措置を講じたわけでございますけれども、ただ、中長期的に政策目標として考えますのは、七十五歳以上の高齢者の増加率よりも、療養病床の需要の伸びをいかに抑えていくかということが重要であると考えてございまして、そのために、住宅政策との連携を図った多様な住まいの場の確保、あるいは在宅医療の拡充、介護との連携強化に努めていくということが今後の大きな政策課題であると考えているところでございます。 そういった人口的な観点での御質問に対しましては、そういった大きな政策課題上の様々な諸課題を解決することが必要であると、このように考えているところでございます。
○西島英利君 つまり、本来こういう数値を出すときは、まずは環境整備どうしたらいいのかというところから始めてこういう数字が出てくる話だと思うんですね。これからやる話ですよね。ですから今混乱が起きておるんですよ、私申し上げているのは。ですから、やはり明確な説明というのが、やっぱり国には僕は必要とされているんだろうというふうに思います。私じゃ説明できないですもん、こういう状況の中では。是非、その辺りをお願い申し上げたいと思います。 もう一点でございますが、認知症疾患センターの問題についてでございます。 私は、これは平成十七年の十月の六日の厚生労働委員会で質問をさせていただきました。そのときに大臣から、せっかく合計百六十か所に設置されておるセンターであります、これを今後どういうふうに活用していくのか、これまでのことをよくまた見直してみて、そしてまた今後どうするかということ、しっかり検討しなきゃならないいろんな問題があると思いますので、今仰せいただいたようなことも含めて検討しながらしっかりした答えを出さなきゃいかぬと思っていますということでございます。 そして、一部検討されております。その検討の内容は何なのかというと、アンケート調査を取られているんですね。認知症疾患センター機能強化ということでのアンケートを取られておりまして、それに対して点数を付けておられまして、何点か何点かと書かれています。はっきり言ってこれは無意味です。無意味です。センターの機能よくお分かりになっていない。例えば、救急対応しているかどうかと書いてありますが、前は空床確保あったんですよ。ところが、もうとてもとても点数的に設定できないからということで、料金的に設定できないからということで空床確保は今ないんですね。ところが、いろんな形の相談機能、それから一番多いのは、実は入院、入所希望なんです。 全国的にうまく機能していないところはどういうところかといいますと、入所施設を持っていないところが余りうまく機能していない。そういうところをきちんと見直して、じゃこれをどういう形で発展させていくのかというのを考えるのが僕は当然だというふうに思うんですが、こういうふうな大臣の答弁をいただきながら、今年の予算に全くこれが反映されていない。つまり、存続ができないということになっているんですよ。一体これはどういうことでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) お答え申し上げます。 高齢化の進行に伴い認知症の方の増加が見込まれる中で、その支援体制を整備することは重要な課題であると認識しております。 お話のございました老人性認知症疾患センターは、老人性認知症患者に対する専門的な医療相談や夜間等の緊急対応、地域の保健医療、福祉関係者への技術援助などを行う拠点として平成元年度より実施してきたところでございますが、老人性認知症患者に対する医療・福祉サービスの提供に当たりまして一定の役割を果たしてきたところと認識しております。 しかしながら、介護保険制度の創設やその見直し等により認知症患者を地域で支える環境が大きく前進している中で、地域において十分機能していない老人性認知症疾患センターもあるのではないかという指摘もあることから、その機能について見直しをする必要があると考えております。このため、まずは老人性認知症疾患センターの果たしてきた役割等について検証を行った上で必要な対応を行うこととしたものでございまして、平成十九年度においては同センターの事業は国庫補助金としては廃止されたものの、実施要項については継続し、都道府県の事業として行うことが可能としておるところでございます。 いずれにいたしましても、認知症疾患センターにつきましては、こうした検証結果も踏まえまして、鑑別診断や急性期対応など認知症疾患に係る医療や医療と福祉の連携なども含め、認知症対策全体の在り方を考える中で検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○西島英利君 ちょっとそれおかしいですよ。つまり、現実的に今これが運営されているわけですね。それが突然、補助金はもう出しませんと、実施要項だけはそのまま残しますから、あとは都道府県でやってくださいと。それぞれのセンターは職員も雇っておるんですよ。そして二十四時間体制もつくっているはずですよ。そういう流れの中で、何の説明もないままぽんとはしごを外されて、あとは都道府県でやってくださいと。じゃ、都道府県にはそれぞれ財政状況というのがありますから、うちではとても見られないというところはじゃ廃止していくんですか。本来、見直しというのは継続しながら見直していくというのが本来のやり方ではないのですか。そのことだけちょっとお聞かせいただいて、時間が来ましたので終わらせていただきます。
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま御指摘のありました点も含めまして、先ほど申し上げましたように、地域における鑑別診断、急性期対応など認知症疾患に係る医療や医療と福祉の連携などを含め、認知症対策全体の在り方の中でセンターについては検討を行っていきたいというふうに考えております。
○西島英利君 終わります。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 今日は、文部科学省、伊吹文科大臣に主にお尋ねをしたいと思います。 まず、三位一体改革によって税源移譲対象になった教育関係補助事業、たくさんあるわけでございますけれども、その実施状況についてお尋ねをしたいと思います。 〇四年度から〇六年度の三か年にわたって三位一体改革が進められましたけれども、その結果、国庫補助負担金から約三兆円が移譲されましたが、そのうちの約一兆円超は義務教育費国庫負担金を始めとする教育関係の補助金でございました。義務教育にとってはこの補助金改革というものは非常に大きな転換とも言える改革ではなかったかと思います。ある意味では、戦後の義務教育の財政的な根幹を揺るがすものではなかったかと私は思っております。 そこで、この三か年間の対象項目、移譲となった対象項目は全部で二十項目ぐらいあるわけですけれども、それぞれの実施状況がどうなっているのかということ全般にわたって本当はお聞きしたいんですが、そんな時間ございませんので、主に二〇〇四年度、五年度、六年度、それぞれの中からピックアップして幾つかお伺いをしたいと思います。 実施状況について、一つは情報教育等設備整備費補助金、それから十七年度はいわゆる就学援助と言われる準要保護等の一般財源化、それから〇六年度は最も大きい教職員の給与費に当たる義務教育費国庫負担、この三つについて補助金改革がされたわけですが、その実施状況とそれからそれについての成果及び問題点について、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 三位一体の改革というのは、地方自治の観点からはあるいは良かったのかも分かりませんが、私が所管している立場からいうと、困った地方自治体に私の判断で措置するお金がなくなるということですから、本当にこれは良かったのかなということは、文部科学省としてはあのとき決して賛成ではなかったという意見を申し上げてきたことは御承知のとおりだと思います。 それで、全体としましては、委員の今おっしゃった例えば情報教育等施設整備補助金については、高速インターネットに接続している学校の割合は平成十六年度以降順調に伸びておって、七一・八%が八九・一%になっている。それから、要保護及び準要保護児童生徒援助費の補助金の部分については、平成十七年度に比較して十八年度で約二十一億増えていると。それから、義務教育国庫負担金については、これはもう当然のことですが、十八年度及び十九年度については必要な教員の定数及び給与費は確保していると。 これはしかし、マクロの数字なんですよ。ですから、三位一体の改革というのはどういうことが行われたかというと、日本全体として、文部科学省について言えば、所管をしていた補助金をなくする代わりに、それと等額の税目を住民税という形で所得税から住民税に移したわけですね。 ですから、全体としては今申し上げたような数字になっておりますけれども、個々の自治体でどうなっているかというのは、必ずしも私どもとしては、もう地方自治の話ですから、把握はできておりません、率直なところ。 そして、地方の予算というのは、もうこれは言うまでもないことですが、結果的に、マクロとしては補助金のトータルがなくなって、そして税目としてマクロとしてのお金は地方へ行っていると。だから、東京都は大得をしたと思うんですね。東京都以外に、税源が不足している自治体については、交付税で基準財政需要というものを積み上げて、不足しているところは交付税で当然穴埋めをしているわけですよ。 ただ、問題は、地方分権、三位一体、地方自治ということになってくると、予算の編成権は地方自治体の長にあるわけですね。だから、地方自治体の長が基準財政需要で積み上げたとおりの予算を組んでおられるかどうかということは、本来は、これはもう地方自治の力の源泉である地方議会がそのことをはっきりと検証して事後評価をしていただかないと困るわけです。その全体の事後評価をされた結果が、マクロとしては先ほど申し上げたようにかなり順調に増えていますが、個々の自治体についてどうであるかということは、これは私どもとしてはむしろ総務省の財政局に結果を尋ねなければならないことなんです、一つ一つの自治体については。 ですから、マクロにおいては、今の先生の御質問に対しては順調に予算措置はなされているという状況です。
○神本美恵子君 大臣、最後にそれは聞こうと思ったんですが、もう私のこの補助金改革についての質問の全体的な大臣のお考えを聞かせていただきました。 恐らく文科省としても、例えば義務教育費国庫負担というその制度の趣旨からすれば、こういう形で税源移譲して、交付税措置をして一般財源として地方に移すことによって、どちらかというと地方の自由度が広がる、確かにそういう部分もあるかもしれないけれども、それよりも自治体の財政力によって地域間格差が生まれてくるのではないかという懸念を文科省としてもお持ちであったというのは、この間、私も三年間見てきましたので、文科省の主張も、それから歴代大臣もそこへの懸念を非常にお持ちで、文科省としては、全国どこに生まれ育っても一定水準以上の教育条件、環境を整備するのが文科省として、国としての責務であるということを一貫しておっしゃっておりましたので、そういう意味では、今大臣がマクロとしては確保できて順調にいっているというふうにおっしゃいました。それは金額として確かにそうではありましょう。けれども、正に御心配、懸念をこれまでもされていたように、地方の財政力格差によって教育水準の格差が出てくるのではないかというその懸念について、ちょっと具体的にお伺いをしていきたいと思います。 例えば、就学援助の問題なんですが、これは文科省の調査によっても、二〇〇四年度にいわゆる給食費や学用品代、修学旅行費などの就学援助を受けた小中学生は全体の一割を超える約百三十三万人というふうに言われております。二〇〇〇年の就学援助を受けた人数が九十八万人、それから三六%も増えている。この増加については、本当にこの間言われておりますような経済不況、雇用の不安定化というようなことが影響しているかと思いますけれども、一方で、〇五年度の準要保護に係る就学援助が一般財源化されておりますので、これによって就学援助を支給する認定要件といいますか基準が厳しくなった市町村が多くなっているということも、これは文科省がやはり心配になったからでしょうか、調査をしていただいております。日経新聞にその調査結果が出ておりましたけれども、大半の自治体は従来の制度を維持しており、就学援助はおおむね適正に行われているというふうに文科省としてはとらえていらっしゃるようです。 しかし、この〇四年度までの十年間で認定基準限度額の引下げを行ったのは、つまりこの一般財源化される前までの十年間は、認定額をやっぱりいろんな事情で基準を引き下げたところは十九市区町村だったんですね。それが、〇五年度、いわゆる一般財源化されてから、その年度は四倍以上の八十七市区町村が引下げを行っております。それから、支給額も減額したというところが五市区町村、認定基準は変更しないけれども支給額を減じたというのが十三市区町村で、合計、認定基準を引き下げる、引き上げると言った方がいいのかな、とにかく所得制限を引き上げることによって対象者数を減らした、あるいは支給額を減らしたというところが一年間で計百五自治体になっているわけですね。 このことから見ますと、やっぱり就学援助が一般財源化されたことによってなかなか必要とする人に行かなくなっていっているのではないかというようなことも懸念されるわけですね。これは学校教育法で、経済的な困難を生じている児童生徒に対しては援助をするということが、市町村は講じなければいけないというふうに定められているわけですので、法的根拠もきちっとある問題です。 この事業が適正に執行されているかどうかということについては、一般財源化したからあとは地方任せですよではなくて、文科省としてきちっと適正な事業の執行ということで責任を持つ必要があるのではないかというふうに思いますが、この就学援助の執行についてどのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 総論として、先生、まずはっきりしておかなければならないことは、財政が窮迫しているから自治体によって格差が付くんではなくて、まず税源移譲しているわけですから、税源が十分なところは補助金相当部分は自治体が税源として確保しておられたわけですよ。税源移譲はされたけれども税収が伴わないところは、交付税で算定基準をきちっと算定をして交付税をお渡ししているわけですよ。 ですから、あとは地方の首長が教育をいかに判断をするのか、そして、先生がおっしゃった要保護及び準要保護の児童の認定基準をどうするのか、これ条例でみんな決めているわけですよね。それを、教育を軽視してそういうことをやった場合に、それを監視すべき地方議会がどういう質問をし、どういう行動をしているのか、そして、教育をそれほど軽んずる首長を次落とせるだけの地方の有権者の力があるのかどうなのか、それにゆだねるということをやったわけですよ。正にやったわけですよ。 だから、財源がないんじゃないんですよ。要するに、教育の補助金としての財源は税の移譲で行われているのか、そうでなければ交付税の算定基準の中にきちっと入れて地方へお渡ししているわけです。それをそのとおりの予算編成をしておられないということについて、我々はそれは困りますよということをできるだけ申し上げなければならないわけでして、それは先ほどおっしゃっていたように、金額を下げるということは、補助金が入ってくる限りは、金額を下げれば、補助率は一定ですから、国から、だれかの税金が国を通じて入ってくる金額が減りますから、地方自治体はそういうことはしないんですよ。だから、自主財源になったからそういうことをしているわけですよ。 ですから、何事も、地方の自由を増すといういいことがあれば、こういうことが起こるというマイナス面があるわけですよ。そして、国がみんな持っていれば、国がはしの上げ下ろしまで介入するから自由度がなくてやりにくいという弊害が出てくるわけです。要はその間のバランスなんだけれども、そのバランスを良く保てるかどうかというのは、地方に渡した限りは、やっぱり地方議会の私は力、正に地方自治の力が試されている部分だと思いますよ。
○神本美恵子君 珍しく私も大臣と本当に意見は一致しております、この件に関しては。 ただ、じゃ、そういう教育に関して予算をきちっと確保するような首長を住民が選べばいいと、あるいは議会できちっとそういう条例を定めて就学援助必要なところにはきちっと行き渡るようにすればいいというふうにおっしゃいます。確かにそうです。しかし、現実そういっていないという今の現状から見て、ちょっと今日もう一つ、国庫負担金から一般財源化されたものでもう二十数年たつ教材費について、ちょっと私、研究された論文読ませていただいたので、それを基にちょっと一緒に考えていただきたいんですけれども、お配りした資料に、「教材費予算措置率の推移」というものをお配りしています。 これは、文科省の方で作られた、これ義務教育費国庫負担が削減されるんではないかというさなかに文科省としてやっぱりこういうものを作られたんですね。多分御承知だと思いますが、この教材費は昭和六十年、一九八五年までは義務教育費として国庫負担対象になっておりました。それが一般財源化されてからの各都道府県における、まあ市町村ですかね、予算措置率の推移がグラフになっております。 一九八五年、昭和六十年から九八年ぐらいまで、ちょうど一〇〇というところが一般財源として措置された。それが一〇〇%教材費として各市町村で予算措置された分がこの一〇〇のところなんですが、一九九八年ごろから一〇〇%を割り込んでいて、恐らくこの辺、バブル崩壊等の経済状況、地域の経済状況があったと思うんですけれども、減っていって、今や七三・一という数字になっております。 ですから、大臣おっしゃるように、確かに首長の責任できちっと、国としては交付税で措置しているんだからそれをきちっとやるのが当たり前で、やらない首長は落とせばいいと。理屈はそうなんですが、選挙を何度も何度もこれはやってきて、された結果、やっぱり教材費が国庫負担であったときに比べると、景気がいいときは国の交付税措置以上に使われているわけですよね。これは首長の、何というか、認識とか見識とか教育観とかいう問題だけではないものが、全体の経済状況、財政力状況がこういうふうに教材費の予算措置率として表れているのではないかと。 こういうことから考えると、大臣がおっしゃることも分かるけれども、しかし文科省として、国の教育行政を預かるところとして、全国どこに生まれ育っても子供たちが一定水準以上の教育環境の下で学べるようにする、この責任を果たしていただくために、今こうやって税源移譲されて、もう補助金改革が進められていますけれども、それでも文科省としてこういうことにならないような何か、ことが必要ではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 私は先生と大体意見はいつも一致していると思いますけれども。率直に申しますと、どちらかというと、まあこのごろは随分風向きが変わっちゃったんですが、自民党は中央の補助金をもって物事を処理していく政党で、民主党は地方分権、民でできるものは民だという主張が非常にお強かったと思いますよ、流れとしては。その流れの中で小泉さんという異能の人が出てきて、私は民主党の主張を小泉さんが取っちゃったためにこういうことになった部分がやっぱりかなりあると思うんです。 ですから、地方分権で必要な部分はそれは大いに進めればいいですけれども、やはり命とか健康とか教育とかという根幹的な部分についてどうするかということは、民主党のもう十年前の、十年前はなかったのかな、何年か、五、六年前の民主党さんの御主張と違うやっぱり御主張を今されて、僕は非常にそれに共感を持っております。 ですから、力を合わせて、少し我々の方で正していくべきものについては取り戻させていただきたいし、予算が必要な部分についてはそろそろ選択と集中をどこにするかということも考えるときに来ていると。私は、常にではないけれども、先生とそう意見は違わないと思っております。
○神本美恵子君 ここでエールの交換し合ってもしようがないんで。 私は、大臣とそう違わないというところはいいんですが、大きく違うのは、やっぱり国は金は出すけど口は出さないと私はいつも言っているんですけれども、きちっとした教育条件整備はするけれども教育の内容とかその細かい使い道について口は出さないというのが、私の個人の考えではなくて、これは民主党の考え方はそうなんです。例えば、交付税として地方にやるけれども、あとは地方で自由に使ってくださいと言うけれども、それには、ただ何でも大きな財布にどんぶりでやるんじゃなくて、教育なら教育に使う分ですよという一括交付金という考え方で民主党は来ていますので、小泉さんの改革とも違うし、伊吹大臣がその辺、民主党の一括交付金の考え方をどうお考えかはちょっと今日はもう聞く時間がありませんので、後でお暇があれば言っていただいてもいいんですけれども。 そういうことで、資料の二のところに教材費の予算措置状況ということで、平成十六年度、これは十七年度決算やっておりますが、ちょっと私が手にした資料が、資料三の方に都道府県別に見た市の財政力指数、これが、民間の研究所なんですが、国民教育文化総合研究所というところが調べた財政力指数、これが二〇〇四年度分でしたので、それに合わせて予算措置状況も四年度に合わせたんですけれども。 これでこう見ていただくと、全く財政力指数と教材費の予算措置状況が一致しているわけではありませんけれども、大きく見るとやっぱり、例えば財政力指数トップは愛知県、それから次が神奈川県、東京都というふうに全国平均を上回っているところが大体予算措置状況も全国平均を上回っている。これが逆転しているところも幾つかあります。後でゆっくり見て、御自分の県を見ていただくといいと思うんですが、ここの首長はちょっとけしからぬということで次の選挙では落としてもらうとか、それがまさしく伊吹大臣がおっしゃっていることだと思うんですけれども。 ということは、結局、都道府県や市町村の財政力によって教育に措置されるはずの国の補助金、交付税になっていますけれども、交付金がそこに使われないでどこかに消えていっているのではないかと。こうならないために、文科省としてやっぱり何かやるべきではないかというふうに思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) それは総務大臣がお答えをすべきことだと思いますが、文科省としてやるということであれば、やはり文科省の判断で困窮自治体に配分するべきお金を少し増やしていくという道を取らなければ私はならないと思います。やはり総務省として、基準財政需要の中にきちっと算定をして配っているお金をどこに自治体の首長が予算編成で使ったのか、それを地方議会がどう認めたのかということはやっぱり検証をしてもらわないといけないので、いろいろ検証すると人件費の問題だとか超勤の問題だとかいろんな問題が出てくると思いますね。
○神本美恵子君 就学援助の問題も教材費も、こういう形で毎年、私は例えば文科省として調査をする、まず統計を取っていくというのは、非常にこれは重要なことではないかと思います。こういうふうに教材費が確保されていませんよとか、図書費が確保されていないのはここですよということを国民の皆さんあるいは各都道府県の皆さんにも分かるように統計を取って調査を実施していくということは非常に重要なことではないかと思いますので、それは是非お願いをしておきたいと思います。 それで、残された時間が限られておりますので、次の課題、テーマに行きたいと思います。 次、私は、夜間中学の問題について今日は取り上げさせていただこうと思っております。 これは、私自身も夜間中学という存在について認識をしたといいますか、それは、十年ほど前に日教組の役員で東京に来たときに、たまたま私が教育文化の担当をしておりましたので、そこに高野雅夫さんという方がいらっしゃいました。夜間中学を全国に設置する運動をしている、たった一人で全国行脚をしているというふうに来られて、そのときに御自身で書かれた本、「タカノマサオ」という本をいただいて読ませてもらって、もう大変強烈なショックを受けました。 大臣、夜間中学について、これ通告も何もしておりませんけれども、御存じだとはもちろん思いますが、どのように大臣としては認識していらっしゃいますか。
○国務大臣(伊吹文明君) かなりやはり社会状況が変わって、戦後は本当にお昼間働かないと食べていけないような、まあ義務教育の課程、本来昼間の義務教育を受けるべき児童もいたわけですね。そういう方々、家事手伝いなどを余儀なくされている学齢の生徒が多くいましたので、そういう人たちに対する学校として始まったということは、私たちが子供のころはそうでした。しかし、現在は義務教育の履修を結局終了しないまま年齢が超えちゃったという人が非常に多いということ、これは大きな私は事情が変わってきたと思うんです。 それで同時に、この前なるほどなと私が思いましたのは、大阪大学と大阪外語大学が合併をして、これは夜間中学校ではありませんけれども、大阪外語大学の夜間の人たちから夜間の大学部がなくなるんじゃないかという批判がありまして、実態をいろいろ見ますと、勤労をしながら夜大学へ通っているという人はもうほとんどおられないんですね。お昼の家事がある後、自分で学びをもう一度したいとか、あるいはお昼職業を持っていて立派な会社のサラリーマンなんだけれども、もう一度勉強したいとか、こういう方が多くなってきておりますから、私は夜間中学校というものをすべて否定するつもりはありませんけれども、実態的にはかなり昔のイメージとは変わってきているということは先生も当然御理解なすっていると思います。
○神本美恵子君 夜間大学とはまた違った意味で、私はこの間、また昨年、日本弁護士連合会が文科省にも意見書を持っていかれたと思うんですけれども、夜間中学といいますか、義務教育未修了者あるいは不就学者、学齢期を超えた年齢の方たちで義務教育を未修了のままでいらっしゃるという方たちについての実態調査なり、その対象となる人たちからの人権侵害救済申立てがあって、それを基に夜間中学などの実態調査をしたものを意見書としてまとめて、文科省にも出されております。是非大臣も、お目通しかもしれませんが、目を通していただきたいと思うんですけれども、その未修了者の人たちが学ぶところとして戦後スタートしたのがこの夜間中学なんですね。 ところが、お手元に資料四としてお配りしておりますが、この夜間中学、これは公立の夜間中学ですが、その学校数、在籍数の推移ということで、戦後すぐからスタートして、一九五〇年代からこの一番ピークになっているこの辺が、伊吹大臣がおっしゃった、子供のころの、昼間、家事手伝いや家業の手伝いで学校に行けない、新制中学スタートはしたものの、とても家庭の労働力として子供は重要だったので、その貧困のため、あるいは戦争の混乱で中学校に行けなかった、そういう人たちのために夜間に学校で二部授業、三部授業をしようということで行われたときの、これがこのピークでこんなにたくさんになっていると思いますが、その後すごい谷間ができているんですね。 この谷間は何なのかということを、私も今回質問するに当たってたくさんの資料を関係者の方からいただいて読ませていただきましたが、一九六六年に当時の行政管理庁、今の総務省に当たるんですか、行政管理庁と書いてありましたが、がこの夜間中学の早期廃止勧告というのを出しておりまして、それでがっと減っているんですね。しかしその後、一九七〇年に入って、日中国交正常化などで中国からの帰国、残留孤児の方たちの帰国が始まりまして、その方たちの日本語を、読み書きなどを保障するためにということで、また数がずっと増えております。 こういう推移の後ろには、私は文部科学省の、当時の文部省の、義務教育を所管し、すべての国民に義務教育を保障すべき文部科学省としての、そこを保障されなかった、その機会を様々な理由で奪われてきた人たちに対してどのように保障するのかという責任、責務といいますか、それに対する認識が私はこの数の背景にあるのではないかというふうに思うんですが。 今現在、こういう義務教育未修了者の人たちに対して夜間中学を各都道府県に最低でも一校はつくってほしいという願いがあるんですが、それについて、その二つ、夜間中学の存在と役割についての認識と、それから一校でも多く設置をという、これについて文科省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、現在の中学校の夜間学級、いわゆる夜間中学は、当初の設置の趣旨とは異なりまして学齢期の子供は在籍をしていないわけでございます。それで、いわゆる学齢期を終えた方が在籍をしているわけでございます。また、外国籍の方も大変高い割合で在籍をしているという状況がございます。そういう意味で、現在の中学校の夜間学級には、義務教育未修了のまま学齢を超過した方に対する学習の機会を提供するということで、一つの意味合いというのは持っているというふうに考えるわけでございます。 ただ、こうした方の学習ニーズにどのような形でこたえていくのかは、やはり住民に最も身近な機関でございます市町村教育委員会が判断をするということが適当でございまして、その際、中学校の夜間学級を設置するかどうかにつきましても、市町村の教育委員会が地域や学校の実情等、諸般の事情を勘案しながら判断をすべきものというふうに考えているところでございます。
○神本美恵子君 局長、一つの意味合いがあるという、私ちょっとその言葉に非常にやっぱり引っ掛かったんですが、やっぱり文部科学省として、すべての国民に義務教育を保障する責務を負う文部科学省として、その学齢期に受けられなかった人たちに対して、機会を失った人、奪われた、様々な理由です、それは、そういう人たちに対して教育を、何といいますか、学齢期を超えてでも学びたいという人たちに対して保障しようという、それが夜間中学だというふうに私は認識をしているんですけれども、そうではないんですか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほども申し上げましたように、いわゆる夜間中学の果たしてきた役割というのは、これは評価されなければならないと考えておりますし、また、義務教育を未修了のまま学齢を超過した方の学習の機会を提供するという意味合いから、中学校のこの夜間学級がこれらの者に対する教育の場として有する意義というものは、先ほど申し上げたような考え方を持っているわけでございます。 ただ、その場合どういうやり方を取るのか、また中学校夜間学級という形でそういう場を提供するのか、そこは設置者でございます市町村教育委員会がやはり判断をすべき事柄だと考えるところでございます。
○神本美恵子君 だから、設置者任せではいけないのではないかと私は思っています。 ちょっと紹介したいんですが、要するに義務教育を受けられなかったために今どういう生活といいますか人生を生きていらっしゃるかということがたくさん、これは「夜間中学生 百三十三人からのメッセージ」ということで、全国夜間中学校研究会というところが出しているんですが、本当に読むと、これは個人の責任ではないと。今、例えば電車に乗るのに駅名を読めない、日本人ですよ、外国人ではないんです、日本人、日本に生まれ育った方が駅名が読めない。病院に行っても自分が掛かりたいその科が読めない。それから、役所に行っても自分の名前が書けない。名前を書いてくださいと言われると手が震えて、怖くてもう行けないというような生活を送ってきた人たちが、夜間中学校に出会って、そこで文字と言葉を獲得していってのことが書かれています。 幾つかちょっと紹介しますが、この方は京都市の夜間中学校の学級に行っている方なんですが、「こどもがまだちっちゃいときにがっこうのしゅくだいをしてて、」、大臣のところですね、京都、「してて、わからへんとこきかれても、わたしも字がわかりませんのでおしえられずこどもには、こんなおかあちゃんでわるいなあって、なんどもこころのなかであやまってましたんや。もっとはようにべんきょうしてたら、こどもにもおしえられたのにむかしは、つらいこといっぱいあって、」という平仮名ばっかりの、まあ活字にしていらっしゃいますけれども、そういうこととか、「がっこうに はいって べんきょう すこし よみかきできます 先生 ありがとう はじめての「もん」くぐる むねのドキドキ まちがえて もじをかく うれしさ」、「目をあけているのに 今まで見えなかった字が 見えるようになった うまくはかけないけど 字をかくのがたのしい」。目を開けているのに、文字を獲得していないということは見えていないというのと同じだと、そのことが、書けるようになって、読めるようになって初めて分かったというような、そういう、私たちも当たり前のように文字を読み書き、話していますけれども、そのことを奪われているということがどういうことなのかということをこの夜間中学に学んだ方たちが書かれています。 潜在的にこういう方たちはまだまだいらっしゃると思うんですけれども、今、文部科学省としては、義務教育未修了者あるいは不就学者の数をどのように把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 義務教育の未修了者の数につきましては、私ども承知をしていないところでございます。 ただ、国勢調査におきましては、未就学者の数としては約十六万人という数があるということは承知をいたしているところでございます。
○神本美恵子君 承知をしていないというところに文部科学省のこういう義務教育未修了者の方たちに対する認識が如実に現れていると私は思います。 ここ、資料五と資料六に、これは全国夜間中学校研究会の方たちがまとめられた資料なんですが、公立夜間中学校は、真ん中の列にあるように今全国で三十五校あります。その次、裏のページを見ていただくと、百数十万人と推定される義務教育未修了者ということで、これは夜間中学の方たちが恐らく推計をされた数字だと思います。国勢調査によると、今、全国に十五万九千七百人が未就学者数として、これは二〇〇〇年の国勢調査の結果で出てきています。しかし、この十倍はいるだろうということが推計されているんですね。 推計の仕方も私もいろいろ調べたんですが、例えば小学校入学者数と中学校卒業者数を比べてみると、単純に減っている分で、卒業していないと。しかし、その中には行方不明や死亡や海外へ行ったとかいろんな数字がありますので、あくまで推計になりますが、その辺りが分かる限り減らして計算をした結果が百数十万人というふうに言われています。 そこで、そういう推計をするんではなくて、正確に把握する、まあどこまで正確に把握できるか分からないにしても、この国勢調査のやり方を工夫すればもう少し正確に出てくるのではないかというのが、これは全国夜間中学研究会の皆さんや日弁連も意見書の中で指摘をしていますが、それについて総務省の方にお伺いしたいんですけれども、今、国勢調査の教育に関する項目は十年に一回の大規模調査で調べられるらしいんですが、小学校と中学校を卒業しましたか、あるいは未修了ですかというふうに小中一くくりになっているんだそうです。こうしますと、小学校を修了をしたけれども中学校は未修了という人がこの数字の中には入らないわけですね。小学校も中学校も未修了という人の数になってしまうので、そこを一くくりにしないで区分してほしいという、そうするともう少し正確な数字が出てくるのではないかということを御要望として聞いているんですが、総務省としていかがでしょうか。
○政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。 国勢調査についてのお尋ねということでございますが、国勢調査の調査事項というものは、まず、いろんな観点がございますが、国や地方公共団体の様々な行政施策に共通的に利用されるという観点、また記入が確実にまた正確に行われるかという観点、また国民の報告負担への配慮といったような観点、これら様々な観点から総合的に検討を行いまして、その上で統計審議会に諮りまして決定させていただいておるところでございます。 先生お尋ねの国勢調査につきまして教育について小学校と中学校を分けて調査するということでございますが、この教育に関する調査事項というのは非常に多くの方々が回答しづらいという、難しいというふうに感じておられる方もあるようでございまして、かなりデリケートな項目であることは確かでございます。そういうこともございまして、国勢調査におきましてこれをさらに小学校と中学校ということで細分化することにつきましては、正確な記入がどれだけできるかという、その記入の正確性の担保ということが難しいということも考えられますので、実態としましてはこれを分けていくのはなかなか困難なことではないかというふうに考えております。
○神本美恵子君 まあデリケートな、センシティブ情報というようなことを総務省とやり取りさせていただいたときもおっしゃったんですが、でも、それだけに必要な情報と言えるんではないかと思うんですね。これは総務省としても、私は文科省としても、文字を奪われた人といいますか獲得できなかった、その機会を奪われた人たちの実態をどういった形で調べたがいいのか。国勢調査が一番いいのではないかということで今総務省にお聞きしたんですが、国勢調査で調べることが無理であれば、文科省として何らかの工夫をしてこの実態を調査すべきだというふうに思いますけれども、あるいは総務省ともう少し、まだあと三年ほどありますので、次の調査まで、この間研究をしていただきたいなと思うんですが、文科省としてはいかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) この義務教育の未修了者の全国的な調査でございますけれども、仮に調査するとなれば、対象が極めて全国民を対象とした大規模な調査でございますし、その内容が今もお話ございましたように非常にセンシティブな内容でございますので、なかなか難しいものがあるなというふうに思っております。
○神本美恵子君 難しいのは分かってますよ。ですからそれを工夫するのが、どんなに難しくてもこのことが自分たちの仕事だというふうに思うか思わないかなんですよ。 私は、この資料を読んだだけでも、いろいろあれこれ考えてみました。例えば、中国帰国者の方で日本語が習得できていない方たちは厚労省に聞いて、帰国者として受け入れている方たちで調べればいいんじゃないか、在日の韓国・朝鮮人で日本にもう定住されている方たちについてはまたこういうふうにして調べたらいい、法務省に聞けばいいのかなとかいろいろ、文科省としてやっぱりこれは自分たちの仕事だというふうに思ってないんですか。思ってないんですね。いかがですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生のお気持ちはよく分かります。 先ほども申し上げたように、五年ぐらい前は、先ほど御質問の地方分権の話についても、自民党はもう困った政党で、中央統制的で、地方にもっと分権をすべきだとおっしゃっていたのは民主党なんですよ。ところが、このごろはどうも話が少し逆転をしてきている。それは小泉さんという異能の人が出てきたからだと私は思います。 今の話も、私は調べるやり方はあると思いますよ、先ほど総務省の統計局長が参考人としてお話ししたように。しかし、その際は、個人情報の保護だとかどうだとかということを阻却していいんだという、やはりほかにも、先生はこの問題について大切なことだから個人情報を阻却してもいいんだというお立場に立って今お話しされていますけれども、ほかの項目についても使途によっては、これは非常に大切だから個人情報の秘匿を阻却してもいいんだという考えの人はたくさんいるんですよ。だけど、大体そういうときは、今度の学力テストでも個人名を書かせるのはけしからぬという御意見だってたくさん日教組にだってあるわけですから。 ですから、御質問としては非常にうまく攻めておられるなと私は思いますけれども、やっぱりバランスを取った議論にしていただかないと困るんで、民主党としては、それじゃ公益上必要であると政府が認めた場合は個人情報の保護についてある程度阻却をするんだというお考えでよろしいんですか。
○神本美恵子君 総務省の国勢調査の在り方については、まだこれから有識者等との検討もあるようですから、そこの検討状況も見ながら私もやり取りをさせていただこうと思いますが、それはあくまで国勢調査で調査ができるのではないかというだけであって、私がお聞きしたのは、文科省として国勢調査に頼らずに、本来国として義務教育を保障しなきゃいけない、憲法でもうたわれている、そのことをやるために、ニーズが分からないとか実態を把握してないとおっしゃるから、じゃ把握してくださいよと、それは困難だで終わらないで、困難を克服する方法を考えてくださいということを私は申し上げているんです。今すぐこれやり取りしても、あと三分しかありませんので、これはまだこれからやらせていただきたいと思います。大臣、そういう意味ですからね。そうやって切り返して私が黙ると思ったら大間違いですので。 私は最後に言いたいのは、この資料六のところに書いておりますが、公立の夜間中学は三十五校しかないけれども、自主夜間中学という形で、やっぱり地域住民のニーズ、あるいは目の前でそうやって生きていくのに非常な困難を抱えている人たちを見て、退職した教職員や市民の方たち、あるいは弁護士とかマスコミ関係者の方たちが自主的に市民の会をつくって夜間中学を開いてあるわけですね。こういう、もう年数見ても分かっていただけるように、山城って、これも京都なんですかね、一九七八年から、それから最近設立されたところもありますけれども、本当に営々と設置者である市町村にも働き掛けながら、夜間中学を開設してほしいという要求をしてもしてもしても設立されないんで、自分たちでボランティアで会費を出し合ってやっている夜間中学がこれだけあるんです。こういうところへ、じゃせめて、実態調査している間も高齢ですから亡くなっていかれるわけですよ、その人たちにせめて文字を獲得できるようにということでやっているこの活動に対して国で財政支援はできませんか。
○政府参考人(加茂川幸夫君) いわゆる自主夜間中学についてのお尋ねでございますが、その実態について詳細は存じませんが、今の委員のお話ですと、実態としては中学校の夜間学級と同様のものがありながら公立学校の学級として認可されていないものを指しておられるのだということでありますれば、この資料にもございますように、その財政的支援の根幹は最大の人件費であったり運営費でございましょうから、公立の学級として認められるべく働き掛けられるのが、地方の判断にゆだねられるべきがまず第一かと思うわけでございます。 ただ、様々な理由で公立学校として、学級としての位置付けが難しいということでございましたら、実態として申し上げますと、社会教育の分野で、公民館等の施設においていわゆる外国人に対する日本語教室でございますとか成人に対する様々なサービス提供が行われている実態がございます。 確かに実態はございますが、こういった各種の学級あるいは講座の開催でありますとか、その開催、参加者の支援策につきましても、一番その学習者の身近な存在である地方自治体がそれぞれの実情等に応じて判断をしておるものでございまして、それがふさわしいのではないかと私ども考えておるわけでございます。
○神本美恵子君 要するに、財政支援は国としては考えないという御答弁のように今聞こえましたけれども、まずは私は、この自主夜間中学にも是非足を運んでいただきたいし、それから公立の夜間中学も、その実態を見て、そこでどういう教育活動が行われていて生徒さんが何を獲得しているのかということを是非見ていただきたい、そして全国的な調査をしていただきたいということを大臣にもお願いをしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。 今日、会派の皆さんの御協力をいただきまして質問時間をちょうだいいたしましたので、柳澤厚生労働大臣には、是非実のある質疑になりますように、よろしくお願いをいたしたいと思います。 そしてまた、大塚院長にもお出ましをいただいております。通告外で時々コメントを求めさせていただくこともあろうかと思います。高い見識の下から是非コメントをいただければと思っております。よろしくお願いいたします。 昨日、実は統一地方選挙、後半戦終わりましたけれども、多くの首長選挙の出口調査というやつですか、あの中でも、やはり福祉関係というのを非常に関心があるというようなアンケート結果も出ておりましたので、今日は特に医療・保健分野の不正請求の問題について質問をさせていただきたいと思っております。 まず、もちろん税でないこの健康保険料や年金保険料というのは国民の負担でございます。一部でございます。診療報酬は、特に私たちが納める税金、そして健康保険料から支払われているわけでございますが、その大事な公金といいますか、がだまし取られていないか、しっかり監視する必要があります。 そこで、資料、今お配りをさせていただきました。一ページに報道されております神奈川社会保険事務局が発表しました医療法人社団天道会菅谷クリニックの処分内容とその理由について、まず概略を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医療法人社団天道会菅谷クリニックにつきましては、平成十九年二月十五日に保険医療機関及び保険医としての取消しを行っております。取消し理由は、自費診療したものを保険診療したかのように装うなど、診療報酬を不正に請求、いわゆる二重請求ですが、等をしていたためであると、こういうことでございます。
○尾立源幸君 ありがとうございます。 そこで、この新聞の見出し、大変ショッキングなわけでございますが、「診療報酬」ということで書いてありますが、「元厚生技官が不正請求」と。大変不名誉なことかと思いますけれども。 この菅谷理事長というのは、以前、厚生労働省にいまして、不正請求をチェックする医療指導監査官を務めておられました。これだけでも驚きなわけでございますが、この方はそこで得たノウハウを使ってどんなふうに不正請求を行っていたか、まず議員の皆さんにも御理解をいただきたいと思います。 資料の二ページ目が、不正請求マニュアルとも言うべきこの菅谷クリニックで作られておった、使われておった治療費請求マニュアル、社外秘、持ち出し厳禁というやつでございます。 そこで、三枚目をめくっていただけますでしょうか。ここは、わざわざ、左の上を見ていただけばお分かりのように、保険治療プラス自費治療、組合せ治療請求例と、こういうのがあっていいのか私は分かりませんといいますか違法だと思うんですけれども。 まず、症状という欄を見ていただけますか、左の一番上。このクリニックは美容クリニックで基本的には売っておりまして、顔の染みを取りたいと、こういうふうに来院されるわけでございます。すると、この病院では、カルテの病名は腫瘍と書きなさいということになっております。 例えば、レーザー治療ということで、患者さんからは、来られた方からは三十一万五千円を自費で請求するような、合計請求欄というんですね、三十一万五千円、こういうふうになっておるわけでございます。しかしながら、今申し上げましたように、カルテ上は腫瘍と偽って染み取りのレーザー治療を、両ほほの、又は、あるいは上下の唇の腫瘍摘出手術を二か所行ったということで、会計表というところを見ていただけますでしょうか、保険請求欄というのが書いてあると思いますが、三千三百七十点、これを一回、もう一回三千三百七十点を一回と、こういうふうに都合六万七千四百円を保険請求するよう指示しておるわけでございます。すなわち、患者さんからは三十一万五千円もらいつつ、保険で六万七千四百円請求します。そのうち三割は自己負担でございますので、七割を支払基金の方から、四万七千百八十円ですか、プラスで請求するというのがこの例でございます。 あと、御丁寧なことに、ずっと下まで同じような手口で二重請求ができるような組合せ例を、非常にすばらしいマニュアルを作っておるわけでございます。 それで、下の方をちょっと見ていただきたいんですけど、一番下の私の名前の上の辺りですが、会計表、「神奈川社会保険事務局の承認を受けて療養担当規則様式一—二、三にのっとり作成してあります。」とか、こんなことも書いてありますし、また、中には、混合診療なのではとやっぱり従業員の方も疑うわけですね。そうすると、保険の世界に混合診療という言葉はありません、だから大丈夫なんですよみたいなことも書いてあると。非常に用意周到に、こんなふうに作られておるわけでございます。 そこで、厚生労働大臣にお聞きしたいのは、病名を偽って、行っていない治療の診療報酬を請求する、これは不正請求に当たると思いますが、よろしいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 本来、保険請求できないとされている診療行為等に対して保険で診療報酬を請求するということは、これはもう正しくないことでございます。 ですから、これは当然、保険の対象になっていない染みの除去というようなことでございますから、これを保険請求をするということは不正請求ということになるわけでございます。
○尾立源幸君 もちろんそういうことだと思いますが。 それで、ここでちょっと私は疑問に思うのは、このOBの方、菅谷さんが不正請求を行っていたわけなんですが、この処分に対する厚生労働省の姿勢に大きな今疑問を感じております。 なぜかといいますと、まず、この神奈川社会保険事務局は、菅谷クリニックの本院、横浜市泉区にございますが、ここに監査に入りました。そこで、三十七人分、百六件、四百八万円の不正請求を指摘したわけでございますが、これは情報提供のあった患者さんに関する診療二百二十四件だけを調べたということなんですね。これは、当然、菅谷クリニックの診療のごく一部でございまして、じゃあと残りはどうしたんだということなんですが、それ以外の過去五年分に関しては、菅谷クリニックが自主的に点検して申告せよと、こういうふうに厚生労働省は指導されているわけですね。これでは私、正に泥棒に自分の犯罪を見付けて申告しろと言っているようなものなんですよ。この自主点検、申告というものの問題点を三つほどまず挙げさせていただきます。 まず一つは、監査に入った際に、菅谷理事長、この方非常に口の達者な方らしいんですね。非常な議論をされると。独特の論理を展開される方でございまして、もう保険事務局の方も辟易されているというそんな話で、もう平行線なんです、どんなに話をしても。今でも、これ認めたのかというと認めていない。架空の請求は行っていないというふうにずっとおっしゃっておるわけでございます。そういう方に自主点検せよと言っても、自分は間違っていないと言っているわけですから自主点検のしようがございませんよね、まず一点。 二点目は、この不正請求の金額が、自主点検をして金額が膨らめば膨らむほど当然菅谷クリニックは返還すべき診療報酬が増えることになります。この方は当然医師の資格を持っていらっしゃいまして、この医師免許の剥奪等については医道審議会で議論されるわけですが、この医道審議会で、不正請求の金額が増えれば多分不利なことになろうかと思います。そういった意味で、処罰が厳しくなるようなことを前提に自主点検して金額をたくさん正直に言うだろうかと、こういう二番目の疑問がございます。 三点目は、厚生労働省にお聞きしますと、じゃこの点検をいつまでに、自主申告をいつまでにやるように言っているんですかというと、期限がないとおっしゃっているんですよ。これでどうやって自主申告が実効性のあるものになるんですかということなわけでございます。 そこで、柳澤厚生労働大臣、私今三つの点を指摘しました。この自主点検、自主申告制度というのは、今の私のお話を聞いていただきまして、機能すると思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、監査でございますけれども、監査の場合におきましては、不正を指摘された医療機関は、指摘を受けた事例について過去五年間にわたりさかのぼって全例自己点検を行い、その点検結果を報告するということになるわけでございます。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 したがって、自主点検を行わないというようなことで、言わば一種のサボタージュが行われるというような場合には、これは告発を行うなど厳正に対処するということでございまして、監査というものの現在の仕組みから申しますと、そういうことで、同じようなものについては自分自身で点検を行って姿勢を正した、そういうことを自ら行えということを指示をするわけでございまして、それに従わない場合にはその後の行政措置が行われるという、そういう手続になるわけでございます。
○尾立源幸君 行政手続というのはこれまで行われたのかどうか、私もこれは聞いておりませんが、実際にそういうことで発令したことはあるんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この監査とその後の行政的ないろいろな手続というものは一連のものとして、他の事例におきましても必要に応じて適切に行われているということでございます。
○尾立源幸君 何か、あったかないのか分からないようなお話でございますが、恐らく強硬的な手段は取られていないんじゃないかと私は思っております。 そこで、大塚院長、今ずっと検査をやっていただいているわけですけれども、こういうので本当に実効性がある自主申告というのがなされるのかなというのが私の疑問なんですが、院長は、感想で結構ですけれども、どうですか。
○会計検査院長(大塚宗春君) 私は個人的には、まず、現行の制度がどの程度うまく運用されているのかどうかというのをまずチェックすると。そして、もし仮にそれがうまく運用されていないとすれば、どういった点を直したらいいのかというふうに進めていくのが筋だろうということで、この件については今どういう状態なのかということをよく存じ上げませんので、これ以上のコメントは差し控えたいと思います。
○尾立源幸君 大臣もう一度、先ほど後ろの方から耳打ちされていましたけれども、本当に実効性のある監査の結果が出ているのか、きちっと確かめていただきたいと思います。その監査がいかに抜け穴だらけかというのはこれから徐々にお話しいたしますが、その中でもあらわにしていきたいと思います。 そこでもう一つ、今回の処分は本院だけが対象になっております。資料の四ページ目を見てください。これちょっと私が手作りで作ったもので、ややこしいのでございますが、お金の流れとその主人公たちが出てきておりますが、左下が今回の菅谷クリニックでございます。ここは本院以外に、横浜、川崎、銀座、新宿、相模大野という五か所の分院がございました。しかし、川崎のクリニックというのは二月末にもう閉院をいたしました。また、四月一杯で銀座、新宿のクリニックも閉院の予定だということでございます。さらに、本院も売却される予定だというふうな情報が入っております。 廃止された場合、今申し上げました監査はどのように行われるのか、そしてまた過去のカルテはどのようになるのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 健康保険法第七十八条におきましては、保険医療機関等が廃止された場合であっても、開設者であった者等に質問等の監査を行うことができるということになっております。このため、不正請求が疑われる保険医療機関から廃止届が提出された場合には速やかに監査を実施し、事実確認を行うことといたしております。 なお、カルテにつきましては、法律上、診療後五年間は病院等の管理者に保存義務が課されておりますし、また、仮に五年以内に病院等が廃止された場合には、その病院等の廃止時点における管理者が保存するよう指導をいたしておりますので、いずれにしても監査は、廃止によって、それは不便はあるわけでございますけれども、それが途中でできなくなるというような事態にならないように法律上の手当てが行われているわけでございます。
○尾立源幸君 大臣、今日に至るまでこの菅谷クリニックの監査がいかに困難であったかというのは御存じですかね。これ、呼出しをされているんですけれども、その呼び出されたときに診断書を持ってきて、頭が痛いから行けないとか、出頭拒否もしておるような人なんですね。先ほど申し上げましたように、一刻も早くこれ全件調査を保険事務局の方でやっていただくと、監査に入っていただくと、これをすれば足りることなのに、なぜそんなに悠長に構えていらっしゃるのか、私には大変疑問に思わざるを得ません。 といいますのも、この自費プラス保険請求という詐欺的なことを行ったのは、少なくとも平成十三年には神奈川保険事務局に被害者の方がもう相談に行っておるんですね。今、何年ですか、平成十九年ですよね。もっと早く手を打っていれば、そんな、こういうもう本当どさくさに紛れて店を畳んで逃げてしまうというような、こんなことをやろうとしているわけです。いまだに厚生労働省は動こうとしていない。私は非常に大きな疑問を感じるわけですけれども。 そして、もう一点、是非、もう廃止される、そういう情報が流れているわけだから、今さっさと呼び出していただきたい、このように思うわけなんですけれども、それでもまだ閉院されてからやるというような態度でございますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 情報提供が、今委員が御指摘になられたように、行われたのはもう十三年の時点であるということは私も認識をいたしております。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 本件のその情報提供が最初に行われたときからの推移でございますけれども、この情報に基づきまして直ちに指導を行ったところでありますけれども、不正請求の事実を確認するまでに至らなかったということでございます。そして再度の情報提供が二年半前にありまして、このとき個別指導から不正請求が判明して、その後、監査に入ったというようなことであるわけでございます。 そういうようなことでございまして、風評というか、そういうものによってはいろいろと問題のある事案ということなのかもしれませんけれども、私どもとしては、やはりこうした定められた一連の監査の手続、あるいは監査によっていろいろ判明した事実その他によって、告発に至るかどうか、そういったことについては法に定められた手続によって進めさせていただいているという状況でございます。
○尾立源幸君 何か大臣、非常に歯切れの悪い御答弁でございまして、非常に何か厚生元技官だったのがどうなのかが原因しているのか分かりませんが、社会保険事務局もマニュアルをもうしっかりお持ちなわけですよ、この不正請求の、それでもこのゆったりした態度は何なのかということをまず私は指摘をしたいと思います。一刻も早く入ってもらいたいなと思っております。 それともう一点、そのスピードの問題もさることながら、この額の問題も非常に不透明なんですね。というのは、今回、不正請求が行われた金額で指摘したというのがたったの四百八万円、約四百万円なんです。私は、実際はこれよりはるかに大きな金額が不正請求されているのではないかと、これは常識的に考えてそう思います。 例えば、そういう意味でちょっとお聞きしたいんですが、まず菅谷クリニックの二〇〇一年から二〇〇五年の売上げというのは百六億円あります。一年で大体二十億円ぐらいの売上げがあるわけですね。そこで、お聞きしたいんです。このうち診療報酬収入、保険を使った収入はどれくらいあったのか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医療法人、御指摘の法人でございますけれども、決算内訳におきましては、これを公にすることによってやはり法人の正当な利益を害するというおそれがあることから、私ども、行政機関の保有する情報の公開に関する法律によりまして、ただいまの情報については御答弁を差し控えざるを得ないと、こういうことでございます。
○尾立源幸君 もう不正請求していると厚生労働省さんが認めていらっしゃるところじゃないですか。その何で罪人をこんなにかばわなきゃいけないのか、これまた不思議な態度なんですが。 まず、二〇〇一年から二〇〇五年と言いましたが、二〇〇六年は分かっております。一億八千万円が診療報酬収入でした。これは実はテレビ、日本テレビなんですが、で不正請求疑惑がもうこれは取りざたされちゃいましたもので、レセプトのチェックが非常に厳しくなったということで、この医院も控えたんですね。その時点で一億八千万円まだあるわけなんですよ。そうすると、疑惑が取りざたされる前というのは私はもっと多いんじゃないかなと思っているわけです。 そこで、最低まあ一億八千万円が私の知る限りのところでございますので、五年間、これは積算いたしますと、まあ約六年ですね、十億八千万円、約十億円でございます。この半分が不正請求だったと仮定する。なぜかといいますと、先ほど百六件の不正請求が見付かったと言いました。このときチェックした請求書は二百二十四件でございます。約半分が不正請求だったんですね。そうすると、五億円もの税金や保険料が私はだまし取られていた可能性があるんではないかと、このように思うわけでございますが、厚生労働大臣、私の推計は全くでたらめでしょうか。 そちらに資料、手元に本当の診療報酬収入はお持ちなんですよね。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、やはり法律に基づいて行政というのは行われるわけでございますので、監査におきまして不正を指摘された期間はもう過去にさかのぼって自己点検を行って、しっかりしたその点検を行った結果、保険者に不当に受け取った報酬というものは返還するということでございます。現在、その正に点検を求めているという段階でございます。 で、点検を行わない、あるいは返還すべき額を返還しないなど悪質な行為が認められる場合には告発を行うなど、不正請求の返還が適正に行われるように厳正に対処していくということでございます。
○尾立源幸君 もう泥棒が逃げようとしているんですよ、さっさと店じまいして。そんな悠長な態度でなぜ待ちの姿勢になられるわけなんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもとしては、監査をいたしまして現在点検を求めているということでして、そしてその手続が円滑に運ばない場合には、またその段階において厳正に対処するということで進めているわけでございます。
○尾立源幸君 それでは、今不正請求として確定した四百八万円、これは返還されたんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現在、この確定しました四百万円というものは不正請求の一部分にすぎないというふうに当然認識をして、それでさらにさかのぼっての全例自己点検を求めているわけでございまして、それが確定された後において返還を求めるということになっていくものと認識をいたしております。
○尾立源幸君 監査で指摘した四百八万円すら、まず現時点では取り戻せてないということですよね。もしこれが、四百八万円はもう確定しているわけなんですが、返還されなければ、どのような措置を講ずることが厚生労働省としてはできるんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この場合には、これからまた手続を進めて行政としての告発をするということになるということであります。
○尾立源幸君 告発されても、なくなったお金はもう取り戻せませんよ、早くやらないと。 そこで、この監査の実効性というものについても、すごく私は調べれば調べるほど疑問を感じております。まず、平成十七年度に返還を求めた不正請求額は、厚生労働省の方で求めたのは六十億六千万円全体ではあるわけですね。そして、しかしながら、私驚いたのは、このうち実際に、六十億六千万のうち幾ら返還されたのか、正確な金額を把握されていないというふうにお聞きしておるんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 監査による返還額全額は六十億ということでございますけれども、それがすべて返還されているというのではないかという御指摘は、そういう状況にございます。
○尾立源幸君 まず、この不正請求の返還には二種類ございまして、指導による返還と監査による返還というふうに分けられておりますね。指導による返還がこの六十億六千万のうち三十二億八千万。監査による、これはもっときついやつですが、二十七億八千万。面白いことに、指導による方が返還される割合が高くて、監査、強制力を持った方の方が、相手がごねるのか何だか分かんないんですけれども、なかなか返還してこないと。しかも、実際幾ら返還されたかを把握していないと、このようにお答えをいただいておるんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今申し上げましたように、十七年度におきまして返還を求めた額は六十億六千万、指導による返還分は三十二億八千万、監査による返還分は二十七億八千万、委員の御指摘のとおりでございます。ということでございますが、これは現在の段階でそれが既に返還が行われたという金額については把握をしておりません。
○尾立源幸君 これは国民の、冒頭申し上げましたように貴重な税金であり保険料であります。指摘するだけで終わっていると、これはまあ中途半端な仕事ですよね。きっちり取り戻すところまでやって、皆さんの仕事は私はしっかり責任を果たしたというふうに思うわけでございますが、厚生労働大臣、どうですか。その考え方、私のはおかしいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) もとよりそのとおりでございまして、返還請求をしているわけでございますから、その請求どおり返還が行われるということが返還請求の目的であるということは言うまでもないわけです。
○尾立源幸君 それならばしっかり、ビフォーとアフターをしっかり把握していただきたいと思いますし、今回この監査が余りお金を取り戻すという意味では機能していないのかなというふうに思うわけでございます。なぜかといいますと、まず監査の場合は抜き打ちではなく予告で入っていますよね。そうしたら、時間的な余裕がありますから、これまたいろいろ書類の改ざん等が可能なわけでございます。 そして第二点は、監査の対象は一部だけで、あとは自主点検にゆだねますというような体制でございますし、さらに不正請求を返還しなくても、保険者が裁判を起こさなければ、保険者、いわゆるこの図表にございます、四ページ目ですか、保険者という老人保健、政管健保、組合健保、国保、こういったところが裁判にでも訴えなければ取り戻す手だては実はないんですよ。これは非常に甘い監査ではないかなと私は思っております。こんなんだったら、そんな人はいないでしょうけれども、不正請求をしてくださいと言わんばかりのこんな制度なんではないかなと。性善説に基づいてやられているんでしょうけれども、今はそういうことは言っていられない。大変貴重な税金、保険料でございますから、そこはしっかりやってもらいたいと思いますし、またこういうことに協力してくれる患者さんの思いも、しっかり無駄にしないように思いを酌み取っていただいてやっていただかなければならないと思います。 そこで、私は提案なんですが、診療報酬、何度も言っているように、これは税金や保険料でございます。もっと強制力を皆さんに持ってもらった方が私はいいんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。例えば、国税などは立入調査権、強制徴収権ありますよね。また、差押えをしたり、そういうこともできます。こういうツールというか武器を、どうですか、大臣、必要じゃないですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この返還金の強制執行について御議論をいただいているわけですけれども、返還金及び加算金というのは民法上の不当利得の特例として定められているものでございまして、民法が適用になる私債権というふうに解釈されておりますので民事上の執行手続が必要になってくると、こういうことでございます。それを公的な債権と同じように、もう即強制執行力を持たせるということの法制を取るべきだというのは、立法論としてはそういう御議論もあろうかと思うんですけれども、現行の法律に基づいては、あくまで私債権ということで、民事上の執行手続によってその回収を図るということになるというふうなのが現状でございます。
○尾立源幸君 持てばいいじゃないですかね、もっと強力なのを。今、担当の方ともお話ししましたけれども、いや、もう私たちはこれが精一杯なんですわと、こういうふうにおっしゃるんですね。もっと実効性があるように、大臣のリーダーシップで、よし、やろうと、法改正してやろうと、こういうふうにおっしゃれば我々賛成しますよ。できますよ。 それと、これはあれですか、延滞利息とか何かペナルティーは付くんですか、この例えば四百八万円に関して言うならば。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 加算金というふうに申しておりますけれども、返還額にその額の四〇%相当の加算金を付加することになっております。
○尾立源幸君 最初の問いに答えていただきたいんですけれども、実効性を持たせるために、法改正も含めて、どうですか、やりませんかということなんですが。
○国務大臣(柳澤伯夫君) にわかにそういう立法論を問題提起をされたわけでございますけれども、これは今後、私も今委員の御指摘を念頭に置きまして検討の機会を持ちたいと、このように思います。
○尾立源幸君 この分野は非常に甘いんじゃないかと私は思っております。というのも、私も税の方でずっと仕事をしてまいりましたんですけれども、もっと厳しいことをやっております。しかしながら、この保険料も税も、ある意味では本当もう紙一重、一緒なんですよね、今、国民の負担という意味では。是非、同列に扱っていただきたいですし、こういう悪いやからが出てこないようにするためにも、この分野の罰則等も厳しくしていただきたいなと、このように思っております。 そこで、もう一度この四ページ目の複雑な図を見ていただきたいと思いますが、今、左上、国民って書いてございますが、税金で、この分野の税金として十一・二兆円、医療関係で厚生労働省の方にお金が流れております。そして、保険料という形では十六・三兆円が保険者の方にお金が流れておると。大変大きなお金が流れておるわけでございますけれども、そのうち、そういう意味で会計検査院の方にお聞きをしたいんですけれども、今この国民の貴重な保険料、税金が流れている中で、会計検査院の平成十七年度決算検査報告書では、不正請求ということで四億円を指摘されておられます。これはここの右側の保険者というところのレセプトを審査をして四億円見付けられたというふうに聞いておりますが、今、私、柳澤厚生労働大臣とお話ししておったような、悪いことをした人が、不正請求をした人が返さなければいけない債務をきちっとこの保険者に適正に返しているかどうかという、そういう視点で会計検査院の方では検査はできないものなんでしょうか、まずお聞きしたいと思います。
○会計検査院長(大塚宗春君) まず、会計検査院のこの診療報酬についての、医療費とか介護給付費についての検査についてですけれども、診療報酬とか介護報酬の請求が適正に行われているかということに着眼いたしまして、今委員がおっしゃられました市町村等の保険者に保管されている各種の請求書等を点検する、レセプト等を点検するなどの方法でこれまで検査を行ってきまして、そして毎年その検査の結果につきましては決算検査報告に不当事項として掲記しているところであります。昨年度は四億円の不正請求を指摘いたしました。そして、その指摘した医療費とか介護給付費のその後の返還状況については、当局からの報告を求めて確認をしているということをしております。 そこで、今先生御指摘のように、厚生労働省等による医療機関とか介護保険事業者に対する監査の結果の不正請求された額、これが保険者に返還されないということですと、それは当然医療費とか介護給付費に係る国の負担額が過大となるということになりますので、当然、会計検査院としても、厚生労働省及び市町村等の保険者等に対する会計実地検査をいたしまして、このような事態がどの程度あるかということを実態を把握するなどして今適切に対処してまいりたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
○尾立源幸君 是非、厚生労働省の方で余りやる気がないようなので、会計検査院の方として是非やっていただきたいと思います。 というのは、例えば四百八万円が、これだけだとしますね。そうすると、保険者というのは十も二十もあるわけでございまして、例えば十保険者ですと、たった四十万円ぐらいの債権になってしまうわけですね。これを裁判をして取り戻すという面倒くさいことを保険者は普通やらないんです。もうやりたくないというのが本音のようなんですね。 しかしながら、これは人のお金を預かっているからそういうことを言うわけでございまして、我々からするとそんな態度じゃ困るわけなんで、しっかり裁判をやらずとも取り返せるようにしてほしいというのを柳澤厚生労働大臣に私申し上げているわけでございます。非常に実務的なことでございますけれども、こういうことをきちっとやっていかないと実効性ある監査はできないなというのが私の指摘でございます。 それともう一点、新聞報道、最初のページに戻っていただきたいんですが、これはちょっと柳澤厚生労働大臣のおっしゃった告発とは違うんですが、神奈川社会保険事務局が詐欺容疑の方で神奈川県警に告発するとされております。 まず、告発を行ったかどうかをまず確認をさせていただきたいと思います。 そして、社会保険事務局からの告発だけでなく、平成十七年五月には菅谷クリニックの患者さんが不正請求について神奈川県警にもう既に告発をしております。これらの告発を受けて捜査が進んでいるのかどうか、これまた厚生労働大臣と警察庁にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この神奈川県社会保険事務所による詐欺容疑での告発の有無でございますけれども、当該医療機関の開設者である菅谷氏は診療報酬の請求について熟知をしておりまして、悪質性が高いというふうに私ども認識をいたしております。したがいまして、厚生労働省といたしましては、できるだけ速やかに告発をするように鋭意準備を進めているところでございます。
○政府参考人(縄田修君) お尋ねの事案につきましては、神奈川県警察におきまして神奈川社会保険事務局から相談を受けております。クリニックをめぐる診療報酬の請求をめぐりまして、いろいろ状況をお伺いしているところでございます。 相談の中身につきましては、詳細は答弁差し控えさせていただきますが、不正に診療報酬を請求した疑いがあるというものでございます。神奈川県警察におきましては、社会保険診療報酬支払基金等に対しまして捜査への協力を求め、保険診療の対象となる医療行為の範囲や同クリニックに対する行政処分の事由等について関係機関から、正に厚生労働省等からもお話をお伺いしながら事実確認に努めておるところでございます。告発等、この要件、充足する旨確認できましたら、これを受理して適切に対処するものと、このように報告を受けております。 それからもう一件、別途患者の方からの告発についてお尋ねでございました。 この件につきましては、平成十七年五月にクリニックの患者の方から告発を受理していると報告を受けております。告発の中身は、十四年の一月あるいは十五年十月にかけてと若干以前のものではございますが、神奈川県警察におきましては詐欺容疑ということで告発を受理して今捜査をいたしております。関係者から資料の提出を求めたり、あるいは、若干専門的な要素が絡んだ告発でもございます、関係機関あるいは専門の医師等からも聴取しながら捜査を行っていると、このように報告を受けております。 今後とも必要な捜査を進めまして、法と証拠に基づきまして適切に対処するものと、このように承知をいたしております。
○尾立源幸君 こちらはまた随分ゆっくりされているわけでございますが、警察の方も捜査していてなかなか先に進まないというのは非常に医療の壁があるというふうに聞いております。このやっぱり裏付けを取るためにはお医者さんの協力が必要でして、しかしこの方は非常に訴訟マニアでございまして、私はたまたま今日国会で発言しておるので訴状は送られてきませんが、テレビ局やら社会保険事務局の方もみんな訴状が送り付けられているというほどちょっと変わった方ですし、また自宅に電話まで掛けてくるような人だということなんですね。そういう意味で、なかなかもう普通のお医者さんはそういうのにかかわりたくないと、もう勘弁してくれということで捜査が進まないというふうに私聞いております。 そこで、まあそうはいってもこれ国のことでございますから、お医者さんは国立病院にもたくさんいらっしゃるわけでございますから、厚生労働大臣、そこの先生にちょっと匿名でお力をかりるというふうなことがあってもいいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、この個別の事案についても、いろいろな私どもの立たされている状況からいって、ただいま告発の準備はしているというところまで申し上げましたけれども、それ以上、今御指摘のようなことについて私がこの場でいろいろ申し上げるのは差し控えたいと、このように思います。
○尾立源幸君 それでは、もう一つ別のこの方には容疑もございまして、不正請求以外の問題でございます。 これも、日本テレビの中でも紹介されておったんですが、この理事長は、レーザー治療を行うという際にわざと出力を上げてやけどをつくって、患者さんが何度もクリニックに通うような、そんなことをしむけておったということなんです。これは単なるうわさではなく、菅谷クリニックに勤務していたお医者さんの証言として、放送、これもされております。 そこで、皆さんにもちょっと見ていただきたいんですけれども、(資料提示)こういういろんなチラシを作っておりまして、染みやいろんなものがきれいになりますよという中で、実は入れ墨、タトゥー、これもきれいになるということで、こんなものがパンフレットに記載をされております。ここにイーグルの、ワシの入れ墨があったのがきれいになっておるということですね。委員長、見ていただけますか。これはすばらしいことだと思いますが、じゃ、実際にどんなふうになったのかというと、これが実際の患者さんのタトゥーでございます。(資料提示)よろしいですか、これがね。これが治療したらどうなった。同じ人ですよ。こんなになっちゃった。見たくないですよね。私も皆さんに御披露するのはどうしようかと迷ったんですけれども、見てください、大変なことになっております。これが真実であれば私は傷害罪になるんじゃないかと思っておるわけでございます。 一般論で結構ですので、法務省の方にお聞きしたいんですが、こういうふうに故意にレーザーの出力を上げて患者さんにけがをさせたような場合、これは傷害罪になるのかどうか、ちょっと御見解をお聞かせください。
○政府参考人(小津博司君) あくまでも一般論ということでございますけれども、傷害罪、刑法二百四条の構成要件は、人の身体を傷害した者ということでございますので、正に具体的な事案においてこの構成要件に当てはまる行為があったかどうかと、こういうことで判断されるわけでございます。 具体的な事例につきましては、捜査機関において収集された証拠によって認定された事実に基づきまして判断がなされるわけでございます。 医療機関で行われた行為が問題になります場合には、それが医療行為との関係でどうなのかということも含めて証拠が収集され、検討がなされるということになろうかと思いますけれども、現時点での法務当局の答弁としては、このようなことで御理解賜れればと思います。
○尾立源幸君 柳澤厚生労働大臣、これ治療と呼べるのかなと思うんですけれども、いかがですか、感想。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 医療は適正に行われなければならないと、このように考えます。
○尾立源幸君 こういうのを見ていただくと、本当にこの方にお医者さんを任せていていいのかなと、こんなふうにも思うわけでございます。医師としての免許を持たせているのは危険なんじゃないかとも思うわけでございますが、いかがですか、厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今ここでお見せいただいたことに基づいて私が医療免許の適否を論ずるというのはやはり差し控えなければならないと、このように思います。
○尾立源幸君 是非、不正請求だけでなく、この技術的な面、倫理的な面も含めて、今後是非審査をしていただきたいと思いますし、何よりもまず、その自主点検、申告、早くやっていただいて、しっかり取り返していただかないと、またこれ、再度これも質問させていただくことになろうかと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 そして最後に、これは医療報酬だけじゃなくて、今度は介護報酬についてもまた同じような不正請求事案が出てきております。 厚生労働省は十日、広域展開する事業所が虚偽の指定申請をしていないか早急に監査するよう、指定権限を持つ都道府県などに通知していますが、介護報酬の不正請求の監査と返還の仕組み、これもどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護保険法において介護報酬の不正請求に対する手だてが規定をされておりますけれども、それは、まず第一に不正利得の返還あるいは加算金、さらには事業者の指定等を取り消すというようなことに手続は規定をされているわけでございます。 介護報酬の審査支払事務につきましては、保険者から委託を受けた各都道府県の国保連合会が行っていると、こういうことでございます。 国保連合会における審査におきましては、受給者の要介護状態区分等の情報、あるいはマネジメントを行う介護支援事務所がサービス提供実績に基づいて作成した給付管理に関する情報、さらにはサービス事業所が提供した介護給付費請求に関する情報、こういうようなものに関する電子情報を機械的に突合することによってすべての介護報酬請求の審査を行っているところでございます。
○尾立源幸君 介護報酬も基本的には診療報酬と同様な仕組みだということだと思います。ここもまたこういうふうに不正の温床にならないように、是非早め早めに手を打っていただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、私の質問、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山下栄一君 今日は二点確認させていただきます。まず最初に、私、カネミ油症問題ですね、厚労省、環境省にお聞きしたいというふうに思います。その後、労働局の問題。 カネミ油症事件は昭和四十三年に明らかになりまして、大変な大きな事件として今日まで記憶されておるものでございます。それで、私、平成十三年の十二月の十一日、参議院決算委員会でこの問題を取り上げさせていただいて、カネミ油症は従来、PCBが原因だと言われてきたけれども、ダイオキシン汚染だと、人体へのダイオキシン汚染だということを明らかにさせていただいて、当時の厚労省、環境省、国会で初めて認めていただいて、そして当時の坂口大臣に、ということであるならば診断基準を見直すべきではないかと、これ見直す必要があると、こういうふうにおっしゃっていただきました。その後、平成十六年に油症班で検討していただいて、診断基準も見直されて今日に至っております。 それで、この今国会で与党として、もちろん野党の皆さんにも賛同いただきまして、この油症、もう四十年たとうとしておるわけでございますが、苦しんでおられる方が今まだ長崎、福岡を中心に全国にいらっしゃるわけでございます。カネミ油症被害者救済策ということで与党として検討チーム、プロジェクトをつくりまして、そして救済にかかわる、特に仮払金の免除の法案、新法、これを提案する予定になっておりますし、それだけではなくて、昭和四十三年以来、厚生省に油症班がずっと続けられて、今日までずっと研究費、厚生科学研究、配分されてきております、金額も少しずつですけれども上がってきておりまして、これは非常に世界的にも注目されておりますダイオキシンの人的汚染被害でございます。 それで、今日は最初に確認したいことは、この油症研究の見直しについてでございます。 今まで、このPCBを表にした治療法に関する研究ということで今日まで来ましたけれども、これをダイオキシン類の人体の影響の把握、治療法の開発等に関する研究という観点から研究そのものを大きく見直して、そして様々な専門家も、専門家もいろいろと出入りございますけれども、人類への貢献ということもあると私は思いますので、そういう意味で多くの専門家の方々も参加していただいて、そしてさらに、苦しみ抜いておられる、四十年間、御本人だけでなくて次世代も、赤ちゃんも、子供さんですね、そういう悲惨な事件でございますので、そういう意味では、治療法の開発等を含めた研究体制を見直すということにつきましての厚生労働大臣のお考えを確認したいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) このカネミ油症事件につきましては、いろいろと山下先生を始め与党の先生方に御検討をお願いいたしておりまして、その御検討の成果によりましていろいろな措置が講じられる動きになってきたことに対しては心から敬意を表したいと、このようにまず思います。 油症研究につきましては、昭和四十三年の事件発生以来、最も高い知見を有する九州大学を中心に研究班が設置されまして、医学的な研究が進められてきております。厚生労働省といたしましても、この研究班に対して研究費の助成を自来行ってまいったということでございます。 御指摘のダイオキシン類等による人体への影響につきましては、この研究班において研究を実施し、平成十六年には油症診断基準にダイオキシン類の一種であるPCDFの血中濃度を追加いたしますとともに、治療法の研究等を進めております。 今後とも、与党カネミ問題プロジェクトチームにおける御議論等を踏まえまして、ダイオキシンの人体への影響の把握や根治療法の開発等を目指しまして、研究班の研究内容、実施体制等について充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 充実強化なんですけれども、やっぱりダイオキシン類の人体への影響ということを表にした、それを明確にした研究班の設置ということが私は非常に世界的にも評価されていくのではないかというふうに思いますので、今までの、従来の油症班の研究ということからダイオキシン類の人体への影響ということに、またその治療法の開発ということに視点を移したそういう見直しが大事だという見解につきまして、そういうことで見直しが進んでいると聞いておりますけれども、再度確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の見直しの方向でございますけれども、今委員からお話をいただきましたように、従前、やや熱媒体のというような形でのとらえ方をしておりましたのを、はっきり、食品を介したダイオキシン類等の人体への影響というようなことで、より直接的にテーマを設定するということでございます。したがいまして、研究の内容も再編されるものと考えております。 これまでの油症研究の成果を踏まえまして、より多くの分野からの専門家の参画もいただきまして、特にダイオキシン類等の直接の経口摂取という特殊性に着目いたしました人体への影響の把握やダイオキシン類の体外への排出を目的とした根治療法の開発等を目指す研究班の新体制を新たに平成二十年度から構築をするということといたしております。 いずれにいたしましても、与党PTの御議論を踏まえながら、油症研究班と協議をいたしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 ありがとうございます。 環境省に確認します。 環境省もダイオキシン類の人への影響、ずっと研究を続けられていると思いますけど、その報告と、環境省から見てダイオキシン類の人への影響についてどのように考えるか、確認させてください。
○政府参考人(上田博三君) お答えします。 ダイオキシンの毒性については、動物を用いた実験において、発がん性、肝毒性、これは肝臓の毒性、免疫毒性、生殖毒性などが認められておりますけれども、ダイオキシン類の毒性は動物の種によって違いがございます。こういうことから、動物実験の結果をそのまま人に応用することはできないわけでございます。 そういう点で、人への影響は非常に重要なわけでございますけれども、ダイオキシンの人への影響については、皮膚症状、発がんの可能性とともに、内分泌攪乱作用を有する化学物質であるとされております。影響についてはいまだ不明な点が多く、更なる研究が必要と考えております。したがいまして、油症患者等に対して実態調査が行われましたなら、御指摘の人への影響の解明の一助になることが期待できると考えております。 なお、環境省において、平成九年以来、ダイオキシン類の人への蓄積量についての実態調査を実施しておりますが、その都度、成果を公表してきたところでございます。本年は十年目を迎えますから、今までの成果をまとめて、ダイオキシン二〇〇七の国際会議で報告することといたしております。 環境省としては、引き続き、厚生労働省と連携しつつ、ダイオキシン類関連の健康影響調査研究を推進していく考えでございます。
○山下栄一君 ちょっと時間がなくなってきましたんで、もう一点だけ、環境省、質問します。 今ちょっと触れられましたけど、今年の秋にこのダイオキシン国際会議ですね、これ東京で、日本で行われるというふうに聞いて、準備もされておるというふうに思いますけれども、カネミ油症の研究の知見についても発表されると。台湾でも同じような事件があって、共同研究も一時期されたこともあるわけでございますけど、非常に、人的な影響につきましては、日本のこの非常にマイナスの事例ではございますけれども、その不幸なことを人類への貢献に転換するための私はきっかけになるのが今回のカネミ油症研究体制を脱皮させるということになっていくのではないかと思いまして、今年の会議は非常に注目される、世界も注目しているというふうに思うわけでございます。 この点につきまして、このカネミ油症の十年近くの取組につきましても言及すべきだと思いますし、そういう準備も進んでおると聞いておりますけれども、環境省の所感をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上田博三君) ダイオキシン二〇〇七国際会議、正式名称は第二十七回ハロゲン化有機汚染物質シンポジウムといいますが、これは今回で日本での開催が三回目となります。平成十九年の九月三日から七日まで東京で開催されるわけでございます。本会議では、ダイオキシンに関する世界の研究者が一堂に会し、最新の情報や成果を発表することになっております。 環境省としても後援の手続を進めているところでございます。場合によっては環境大臣の出席も検討しているところでございます。本会議において、環境省はこれまでの調査研究で得られたダイオキシンの人への蓄積量等について研究者の協力を得て発表することとしておりますが、先生御指摘のとおり、長年にわたるカネミ油症の研究で得られた知見についても研究者により発表されると聞いているところでございます。カネミ油症研究の発表を始め国際会議で行われる最新の情報や意見交換については、ダイオキシンの毒性等について調査研究をしている環境省といたしましても大いに関心を持ち、注目をしているところでございます。
○山下栄一君 厚労省、環境省を中心に大変な、一時期、平成九年から削減努力をして、税金もたくさん投入して削減努力をしてきた問題でございます。今もう、じゃ解決したのかというと、そうではないというふうなこともいろいろと報道されている部分もございますし、研究者の発表もございます。そういう意味で、よく連携取っていただいて、もう最近は内閣としての連絡会議もなくなっているような感じが、まあ連携はやっておられるんでしょうけど、よく、再度この会議を契機に連携を取っていただきまして、これ私は人類への貢献ができる大きな日本としてのテーマだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、労働局の問題に移らさしていただきたいと思います。 今日は、厚労大臣だけじゃなくて検査院、検査院はいつも出席ですけど、人事院、それから法務省刑事局長、来ていただいておるわけでございますが、今回、平成十七年度決算検査報告で記述されたこの会計検査院の報告というのは、ちょっとこれはもう尋常ではない、物すごい報告だなというふうに私は感じました。 これは、全国に労働局、四十七都道府県、その下に三百三十九の労働基準監督署、四百七十六の公共職業安定所、合計二万三千人を超える職員を抱えていると、厚労省の六割以上がこの都道府県労働局でお仕事されていると、国家公務員だと。今、労働行政は非常に日本の国内の政治課題としても大きくなっておりまして、経済成長戦略の骨格の一つでもございますし、また経済格差の問題におきましても、雇用の観点から、若い人、そして女性労働者、高齢者、様々な政策が期待されておるところでございますし、政府もやっておられると、そのかぎを握るところがこの二万三千人抱える労働局の仕事だと、ここには労働基準監督行政、職業安定、職業紹介等が入っておるわけでございます。もちろん労働保険の仕事もあるわけですけど。それが、そのすべての労働局、四十七都道府県すべて漏れなく、不正、不適切な会計処理が行われておったという問題でございます。 それで、この問題は、もう厚労委員会で委員長の方から、平成十六年に、検査院で、深刻な問題なのでと、調査するようにという国会要請に基づく調査を平成十七年、十八年、二年続けて四十七都道府県悉皆調査をされた、重大な決意でされたと、このように当時の厚労委員会で、平成十六年の厚労委員会で検査院の局長が述べておられます。 我が決算委員会でも、去年、おととしと二年続けて、二年続けて警告決議を内閣に対して、厚労省じゃございません、内閣に対して決議を行っておるわけでございます。その答弁、答弁というか、こんなふうにしてますという報告もいただいておるわけでございますが。 これ是非、法務省でよくこの検査院の報告をしっかり読んでいただきたいなと。これは内閣に提出して国会に報告されているやつですからね、憲法に基づいて。こういう報告をして、これちゃんと対応しなかったら、何のために税金使って検査院は調査したんだと、こうなると思いますし、二回も決算委員会が警告決議をやって、それで結局どうなったんだということは、これは立法府の、特に参議院の行政監視能力が疑われてしまうというふうに私これ読みまして思いまして、これは本当に深刻な話で、これ、どないしたらいいんかいなと思って、だれに聞いたらいいんやろかというふうなことを感じた次第でございます。 それで、これ検査報告読みましたら、犯罪性が極めて私、これは私の判断ですけど、犯罪性が高いという報告が随所にされていると、場合によっては四十七都道府県すべての労働局で立件できるんではないかというふうに思うような記述もあるわけでございます。 ちょっと読みます。全四十七労働局において、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計処理を行い、庁費計二十七億円余支出していたと。全四十七労働局でございます、虚偽の内容の関係書類、こういうふうに書いてあるわけです、これ。 それで、会計検査院にお伺いいたします。検査院法には、検査院法三十三条、犯罪を認識した場合、検察庁に通告しなければならないと、こういうふうに書いてございます。今回のこの物すごく気合の入った私は報告だと思いますけれども、この犯罪の検察庁への通告というのはされたんでしょうか。
○説明員(千坂正志君) お答え申し上げます。 今回の四十七労働局の不正経理の事態について、関連して会計検査院が検察庁に通告した事例はございません。
○山下栄一君 じゃ、調べられて、報告を見たら、実際これ逮捕されている人もおりますからね。 特に、この北海道、秋田の話は、北海道、秋田両労働局、これ検査院の報告ですよ、管下の安定所において経理担当職員が国庫金振り込み明細票の不正な差し替えを行う、これは日銀の書類にもかかわる話でございますけれども、それ差し替えて計五百七十五万円を領得していたほか、パソコン等購入費二百十一万円を領得していたと、自分の懐に、自分で使って、自分のものにしていたと。これはもう犯罪そのものだと私は思うんですけれども、こういうことを報告して、何でこれ検察庁に通告しないのかなと。全然分かりません。
○説明員(千坂正志君) 北海道労働局ほか四労働局において私的流用が確認された計十三名については、すべて既に本人が捜査当局に逮捕され又は厚生労働省において刑事告発等が行われておりますので、本院として刑事告発する要はないものと承知しております。
○山下栄一君 それは根本的におかしいですよ。それは調べて分かっているわけやからね。そんな、途中で厚労省に報告されたかもしれませんけれども。 それで、ちょっとその前に。これ検査院の指摘ですけれども、報告の中で、要するに長年の慣行でこういうことをされていたと書いてありますよね。この決算委員会の十五年度の措置要求決議でも、長年にわたり組織的に不正、不適切な経理が行われていたと、このように私たち決議しております。そしたら、厚労省に通告されたんですか。検察庁に言わないで厚生労働省に、こんな事件がありますからちょっと調べたらどうですかみたいなことをおっしゃったんですか。
○説明員(千坂正志君) 検査の結果につきましては厚労省の方に伝えております。
○山下栄一君 そしたら、長年にわたって、調べただけでも平成十一年からずっと毎年のように、すべての労働局にわたってこういう架空の請求書を業者から出ささしたりしてそういうことをやっているということも分かっているし、公金を自分のものにしているとかいうようなことも分かっていて、それで、厚生省に言うだけで、ちょっとこれは、会計検査院のこの三十三条の、ここに書いてある、しなければならないと書いてあるわけですね。会計検査院は仕事を怠っているんじゃないか、ここまで気合入れて調べて、犯罪性があることがたくさん発覚して、実際、五労働局八人の人が逮捕されている、七人ですか、逮捕されているでしょう、これ。長年にわたり組織的に行われているのが分かっていて、組織にそんなこと報告したら、自分で主体的に必死で調べて告発しますか、そんな厚労省は。組織的にやっているんやから、そんな、個人的にやっているんじゃないわけやからね。 だからこそ会計検査院は、第一条で、会計検査院法、内閣に対して独立の地位を有すると、こういうふうにすごい権限、これ憲法機関ですからね、会計検査院というのは。それでもう裁判官と同じような独立性が保障されているんでしょう、検査官の方は。何でこれお役所に遠慮する必要があるんですか。自分で主体的に、これまた条文に書いてあるわけやから、三十三条に、会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を、これ認めるか認めないか難しいかも分からぬけれども、検察に相談したらいいんでしょう、その事件を検察庁に通告しなきゃならないと。 この条文は空文化していると私は思いますけれども、やる気がないということですか、検査院は。これだけ調べておられて、税金使って調べたんでしょう、これ、全労働局。物すごい時間とエネルギー、人を配分して一つ一つの書類全部調べ上げてやって、それで当局だけに言うんですか。ちょっと考えられないですね、私は。
○説明員(千坂正志君) 厚生労働省によって既に告発などが行われていれば、会計検査院が重ねて検察庁に通告する必要はないと考えております。
○山下栄一君 とんちんかんなことを、全然おかしな、答弁にならないですよ、あんた。 これ、刑事局長、報告書読まれました。何か感想ございますか、この報告、会計検査報告読まれて。これ一人の特定の職員がやった話じゃないんですよ、これ。で、多くの人が逮捕されている。どうですか。
○政府参考人(小津博司君) 御指摘の内容、私も承知しておりますけれども、委員御指摘の趣旨は、私個人が読むかという問題もさることながら、検察当局のこの事件に対するかかわりと申しますか、ということであろうと思うわけでございますが、この報告書は公刊されているものでございますので、捜査当局ももちろん承知し得る状態にあるわけでございます。 ただ、検察当局が捜査をする過程で、いつ、どのような資料に基づいてということにつきましては、ちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思っております。
○山下栄一君 厚生労働大臣、こういう答弁を厚労委員会でも答弁され、去年の総括質疑でも民主党、また自民党からの御質問で答弁されておりますけれども、要するにこの事件で逮捕され、起訴され、有罪確定した局と、どこの局、四つほどありますけれども、どんな罪だったのかということをちょっと、御存じでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不正支出、不正経理のうち、私的流用事案について逮捕者が出ているわけでございますけれども、広島局におきましては逮捕者三名ということでございまして、罪状は、有印公文書偽造、行使、有価証券偽造、行使、詐欺、それからまた業務上横領等でございます。それから、兵庫局におきまして逮捕者二名でございますけれども、罪状は、収賄、詐欺、わいせつ等目的販売、所持、電子計算機使用詐欺でございました。北海道局におきましては逮捕者一名でございますが、窃盗、詐欺が罪状でございます。秋田局、逮捕者一名でございますが、これも同じく窃盗、詐欺でございます。 ということで合計七名が逮捕され、それぞれの罪状で罪も確定いたしている状況でございます。
○山下栄一君 今回の二年間の会計検査院の調査によって、その結果、逮捕され、起訴され、罪が確定した。検査院、言えます。
○説明員(千坂正志君) 北海道労働局ほか四労働局において私的使用が確認されたのは計十三名と承知しております。
○山下栄一君 今の厚労大臣の答弁聞いておられました。皆さんが調査されて、その結果、告発され、逮捕され、もう判決が下りているやつがあるでしょう。それ、どれですか言うているんですよ。広島とかそんなのはもうあなた方が調べる前から逮捕されてたんや。
○説明員(千坂正志君) 内容は同じなんですが、逮捕済みのほかに退職した者とか、そういう者を含めて十三名ということでございます。
○山下栄一君 逮捕され、告発され、罪が確定した事例は、皆さんの調査の結果ですよ、それはどれですかって聞いているんですよ。
○説明員(千坂正志君) お答え申し上げます。 広島局で逮捕者三名、兵庫局で逮捕者二名、北海道局で逮捕者一名、秋田局で逮捕者一名と承知しております。
○山下栄一君 自分で調べて、三十三条に基づく仕事もせんといて、私の質問の趣旨全然理解しないで、そんなひどい答弁ありますか、あんた。論外ですよ、あなた。それが憲法機関ですか。いや、いいですよ、もう。もう答弁する必要ないですよ。 それで、ちょっと刑事局長に確認しますけど、架空の書類をでっち上げて、架空の会計書類、それたくさんある、もう書類は一杯ありますけど、やり方もたくさんありますけど、架空の会計書類を作って、それに基づいて公金を動かす、支出する、それはどんな罪なんですかね。
○政府参考人(小津博司君) あくまでも一般論ということで御容赦いただきたいんでございますけれども、公務員がその職務に関して行使の目的で虚偽の文書を作成したということになりますと虚偽公文書作成罪が成立するとされているところでございますし、また、それに基づいて財物を交付させれば詐欺罪が成立するということでございます。
○山下栄一君 これ、今厚労大臣おっしゃっていただいた広島労働局、兵庫、秋田、北海道もそうですけど、これ全部詐欺罪が必ず入っているんですよ。詐欺プラス有印公文書偽造ですか、作成プラス行使、あと横領、収賄、窃盗もありますけどね。これが全四十七労働局すべての労働局で架空の書類を作っていたんですよ。これ、検査院が、全部さっき読みましたよ、私。今日もう時間がなくなってしまいましたですけどね。 私がひどいと思ったのは、これもひどいんですけど、職業紹介所で相談に乗る人おるでしょう、相談員、相談員の採用、これも架空の採用をして、架空の採用はだれから、具体的に勤めている職員の家族とか親戚とかを全部書いて作って、雇用関係書類、出勤簿もだからでっち上げないけませんよね、払わないかぬのやから。支給調書、これもでっち上げる。様々なものをでっち上げざるを得なくなってくるんですよ。おまけに源泉所得税、これも納めないかぬ。それも納めて、残りのお金を全部裏金にして飲み食いに使ったりしているということですよ。相談員に対して必死の思いで失業者の方とか若年雇用者の方とか相談する、その人ですよ。その人を全部でたらめな書類ででっち上げてやっていると、これ全部書いてあるんですよ、私これ読んで分かった話ですから。 一つの例なんですよ、これ。これ一人の話じゃなくて、慣行的に、慣例的に長年にわたってこういうことが行われていたと。これはもう慣例的に告発し、これはだれかが、騒いだやつだけとか、慣例的に懲戒処分もし、懲戒処分もでたらめやと私は思います。今日時間ありませんから、次に回しますけど。そんな、組織的にやっておるわけですからね。本省における、二万三千人を抱えている本省の懲戒処分ゼロですよ。大阪府の裏金ありましたけど、知事自ら懲戒処分ですよ。 これは厚生労働省だけじゃないかも分かりません。こんなすごい恐ろしい検査報告を、多額の公金をもちろん投入されたと思います。僕は、本当に重大な決意で調査された割には、今の答弁は信じられない答弁ですけどね、検査院は。 ただ、私はこれは、この前、緑資源の問題で公正取引委員会は検察とタイアップして捜査するというようなのを新聞で読みましたけど、こういうことを一つ一つ関係の役所だけに報告して、処分するならどうぞとか、告発するならどうぞみたいなやり方は、全部税金が伴って、まして今、経済成長戦略の根幹であり、格差是正の核となるこの雇用行政にかかわる話がまかり通っていて、通り一遍の、警告決議に対する、こんなふうにしますだけじゃ、読めば読むほどもう嫌になりますよ、これ。私たちも二回やりましたけど。これ、何回やっても一緒ですわ、こんなの。 これは、だから、犯罪性のあるやつは人事院にしっかりしてもらいたいと思うけども、懲戒処分も別に任命権者がいつもやらぬでも、国家公務員八十四条に基づいて自らできぬことないわけですから、そういうことをやらないと、公務員改革なんてとんでもないと。今、公務員改革言ってますけど、行政に対する信頼もなければ、国会議員に対するいろんな様々な御批判も国民からいただいておりますけど、だけど、この種、こういう国会に報告いただいて、決算検査報告を受け取って、この問題をいい加減にしていたら、あんたたちは何のために警告決議やったんですかと。警告決議は内閣全体にやったんでしょうと。それに対して通り一遍の綱紀粛正とか、それで済ますんですかと、これは国民の声だと思いますよ、私は。 だから、私はこれは、様々な情報、書類は逐一、一つ一つ、まだそれでも見付かってないのもあるかも分かりません、四十七労働局悉皆調査された、それは少なくとも協力しながら、もう考えられないような物すごい虚偽文書、架空、たくさんここに書いてありますけど、それはやっぱり協力して、法務省として検査院と協力して立ち上がってやろうということをやらないと、私は法務省の行政まで今度は信頼を失うのではないかと。もしそれができぬのだったら、法律改正をしてでもやるような話じゃないかと思いますけど。 この文書、検査院の報告をよく読んでいただいて、それで何ができるのかということを法務省として是非御検討を願いたいと、このように思いますけど、いかがですか。法務省に。
○政府参考人(小津博司君) 捜査当局としての検察当局との関係につきましては、先ほど申し上げたところではございますけれども、改めまして、もちろん犯罪の成否というのは個別の事件で収集された証拠に基づいて判断されるべきことではございますので、一般論ということではございますが、当然、検察当局といたしましては、法と証拠に照らして刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処していくものと承知しております。
○山下栄一君 これ検査報告は内閣に対して提出されていますので、法務省も入っていますから、重大な関心を持って対応したいという答弁できませんか。
○政府参考人(小津博司君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、この検査報告書は検察当局においても入手可能な状態になっているわけでございますが、検察当局がどのような段階でどのような資料を用いるかということについて法務当局の方からお答えを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○山下栄一君 もう時間来ておりますけど、最後に大臣、内閣のメンバーとして、この問題は私は厚労省だけの問題じゃないと思っています。こういう事案について御指摘を受けて、一応は対応されているんですけど、大臣として、私の今日の質問を聞いていただいた上で、政治家のお立場として、国民の信頼が懸かった話なんで、どういうふうに対応するかということ、前向きの何か御答弁あれば是非お願いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、山下委員から私どもの管轄下にございます各県労働局における本当に申し訳ない不正経理あるいは不適正経理といったものについて厳しく御指摘をいただきました。 私どもも当初は自主的な調査によってということを考えましたけれども、国会の皆さんから御指摘をいただき、是非これは検査院の手によってすべてを明らかにすることが大事だということを受けまして、厚生労働省としては検査院の検査に対して全面的に協力をするということの中で、十七年、十八年の決算報告に報告されたような事態が明らかになったわけでございます。 私ども、本当にこれは国民の皆さんに対して申し訳ない事態であると、このように深く反省をいたしまして、この不正経理につきましては、これを基本的に国庫に返還をするということをいたして、その意味では原状回復を図らせていただくというようなことをやり、また人事的な処分につきましては、人事院の定める懲戒処分の指針を参考としながら、さらに必要に応じまして国家公務員倫理審査会の御協議もいただきまして、厳正に処分を行ったということでございます。 そういうことで、今回のことについてはもう本当に組織を挙げ、省を挙げて反省をし、このようなことが再び起こらないようにいろんな対処策も講じさせていただいておりますけれども、そういったことを形式的に行うだけでなく、本当に根本のところから意識改革を行って、これから先、こんなことが二度と起こらないように対応をしていかなければならないと、このように考えている次第です。
○山下栄一君 終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。 私、今日、生活保護の問題について質問をいたします。 生活保護法は日本国憲法の理念に基づいて目的を掲げており、その三条には、「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。」と明記をしています。さらに、生活保護の解釈と運用の中で、国がこの制度によって保障しようとする最低生活の性格について、中を飛ばしますけど、その要旨とするところは、それが単に辛うじて生存し続けることを得しめるという程度のものであってはならない、さらに、中略しますけれども、少なくとも人間として生活を可能ならしめるという程度のものでなければならないと述べています。 そこで、大臣に伺います。大臣もこの立場、同様でしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 委員は生活保護法第三条のところを御引用になられましたけれども、そもそも第一条におきまして、「日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、」ということが規定されているわけでございます。したがいまして、これに沿って生活保護制度を設計し、運用するべきものであると考えております。
○小林美恵子君 改めて確認をします。単に辛うじて生存し続けることを得しめるという程度のものであってはならないと、人間として生活を可能ならしめるというものでなければならない。これ同じ立場ですか、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもは、法律の下でその法律を実現すべく、執行に責任を負っているという立場でございます。
○小林美恵子君 それでは、生活保護世帯についてですけれども、昨年十一月時点でいきますと、全国で百六万五千九百世帯、うち大阪市は八万三千六百七十三世帯です。 私事でございますけど、私の住んでおります大阪市西成区は一万九千三百七世帯と、保護率でいきますと全国の十四倍になります。先日、西成区役所の担当課長にお伺いをしましたけれども、おっしゃっておられた言葉は、福祉に支えられた町だとおっしゃっておられました。正に私は、最後の生活のとりでとして生活保護は本当に重要な制度だというふうに思います。 ところが、政府は、二〇〇五年度から十六歳から十八歳までの母子加算の段階的廃止をし、今年度からすべての母子家庭の段階的廃止を決めました。老齢加算も二〇〇四年度から段階的廃止をし、昨年に廃止をされました。 まず、ここで、廃止した総額、今後の廃止総額、廃止の対象世帯を母子、高齢世帯それぞれごとに教えていただけるでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。 まず、高齢者の老齢加算につきましてでございますが、平成十六年度から三年間掛けて段階的に廃止したところであり、その総額は三百七十億円、対象者は三十二万件でございます。 母子加算につきましては、平成十七年度から三年間掛けてでございますが、まず十六歳から十八歳の児童に係る母子加算を段階的に廃止したところであり、その総額は二十億円、対象者は一万件となっております。また、十五歳以下の児童に係る母子加算につきましては、今年度より三年間掛けて見直すこととしており、その影響額につきましては今後三年間で百八十億円、対象者につきましては九万件になると見込んでおります。
○小林美恵子君 今御説明いただきましたように、母子加算の廃止した、また今後廃止する総額を含めますと二百億円、そしてまた老齢加算廃止総額は三百七十億円です。約八十兆円近いといいますか、そういう国の予算の中で、両方合わせても五百七十億円です。そういう、国の予算からすればわずかな額を廃止をして、そのことが廃止をされた保護世帯にどれだけ重い影響を与えているか、このことについては調べたことがございますか。
○政府参考人(中村秀一君) 生活保護につきましては、保護の御相談に見えた方に対しまして福祉事務所でケースワーカーの人が相談に乗り、保護の適否を定めて保護を決定するという仕組みを取っております。 また、保護を受けておられる方につきましては、生活保護法で自立支援をするということでございますので、毎月、保護費をお渡ししたり、また病気の方については医療扶助、家賃が必要な方については住宅扶助などやっておりますので、要すれば、ケースワーカーの方が自分の担当の被保護の方に毎月接し、又は必要に応じて家庭も御訪問させていただいていると、そういう仕組みでやっておりますので、そういった意味で、生活保護の実態は、今委員からお話ございましたように、世帯数で百万を超え、約、現在百五十万人の方が被保護の状態でございますが、全国の市及び町村部においては都道府県で千を超える福祉事務所が担当させていただいておりますので、そういった意味で実態は把握しているという状況でございます。
○小林美恵子君 いえ、廃止された世帯について厚労省としてしっかりと調査をされているのですか。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま申し上げましたように、国は保護基準を定めて、また保護費につきましては二兆六千億、十九年度予算で計上させていただいております。これは全体でございますが、そのうち四分の三を国が負担するということでございますし、保護の実施につきましては、都道府県及び市の福祉事務所が実施するということで、これは法定受託事務ということで生活保護法上規定されており、国と都道府県の関係でやっているということでございますので、都道府県、市の実施機関がされているということは国の法定受託事務でございますので、そういった意味では国が、そういう意味で母子世帯の方、高齢者世帯の方、それぞれ、被保護世帯の四割、高齢者世帯、母子世帯が一割という状況でございますが、そういった意味で生活保護行政をやっておるわけでございますので、状況を把握しておるということでございます。
○小林美恵子君 いや、それでは私は本省としてしっかりと把握をしているというふうには言えないというふうに思います。現場ではそういう状態になっているかもしれませんけど、本省がしっかりそのことをきちっとつかんでいるかどうかというのが問題じゃないかというふうに思います。 それで、別の質問に移りますけれども、四月十八日に、老齢加算を廃止された七十一歳の独り暮らしの高齢者が廃止取消しを求めて京都地裁に提訴したとの報道がございました。 ここでちょっとお伺いしますけど、生活保護の老齢加算、母子加算廃止取消しで提訴を求めた事案は何件ありますか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。 老齢加算及び母子加算の廃止、ただいま申し上げました経過で国の保護基準で廃止されておりますが、それにかかわります訴訟の件数でございますが、老齢加算に関するものが十件、母子加算に関するものが一件、それから老齢加算と母子加算の両方が含まれているものが一件という状況になっております。したがいまして、老齢加算、ダブりがございますが、老齢加算について十一件、母子加算について二件と、数え方によってはそういうことになるかと思います。
○小林美恵子君 ここで大臣に伺います。 私は、国や行政に対しまして提訴に踏み切るということはよっぽどのことだというふうに思います。並々ならない決意があったんだと思いますけど、こういう方々の、提訴に踏み切っていくという方々の思いを大臣はどう受け止められますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 生活保護につきましては、最後のセーフティーネットとして我が国においても重要な役割を担っている制度であると考えております。しかし、どの制度もそうですけれども、常に公平性の観点、それからまた、生活保護については自立促進の観点、こうした観点から国民生活の実態を踏まえまして、制度の在り方については適宜見直しを行っていくことが必要であると、このように考えております。 提訴という行動に移られた方についても、是非私どものこの考え方というものを御理解願えれば有り難いと、このように考えております。
○小林美恵子君 私は、大変な生活になって並々ならない思いで提訴に踏み切るという方々に対してそういう言葉しか大臣は掛けれないのかと、本当に情けなく思います。 改めて、私は実情をお示ししたいと思います。 大阪の生活と健康を守る会が実施したアンケートでございますけれども、二つの廃止によって該当の生活保護世帯が何をこれまで節約してきたかというのがあります。その一つは、まずは衣服です。衣服を節約されたという方が八〇%いらっしゃいます。その次は食費、七七・四%です。そして、入浴が五五・二%となっていきます。 実際の声もお聞きいただきたいと思います。 七十五歳の女性は、老齢加算がなくなり、大阪府の一時金も削られ、冠婚葬祭があっても行けない、スーパーへ買物に行っても、一緒に行けない。健康で文化的な生活と言うけれど、おふろの湯も毎日替えることはできない。電気代は節約のためにテレビの明かりで用事を済まし、食費も切り詰めていると。高齢者になれば安心して生活できると思っていたのに、こんなに毎日心細く寂しいことはないと。 母子家庭の方はどうかといいますと、食費は、カレーや煮物など三日から四日続けて食べられるものを作り、食費が掛からないようにしています。子供には御飯を食べさしているけれども、私は食べません、少しでもお米が減らないようにするためですと。国からいただいているお金ですが、到底足りません。子供の学校の合宿や修学旅行に回せる余裕が全くありませんと。 私、大臣、この実情は、先ほど大臣は憲法二十五条に基づくのが生活保護だとおっしゃいました。これが本当にそれに適用された実態だというふうに大臣は言えますか。大臣。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま委員の方が御議論に提起されております生活保護の老齢加算、母子加算の見直しにつきまして、まず経過なり考え方を御説明の上、今の委員のお話について御答弁さしていただきたいと思います。 まず、保護基準につきましては、本当に今の生活保護基準が妥当なものかということを社会保障審議会の専門委員会において平成十五年から十六年にかけて検証を行ったものでございます。 老齢加算と申しますのは、高齢者世帯のうち七十歳以上の方に対し生活扶助に加えまして加算が付けられていたわけでございますが、生活保護世帯ではございませんけれども、単身無職の世帯の方々の六十歳以上、また七十歳以上の消費支出を見ますと、七十歳以上の消費支出の方が六十歳代の方の消費支出よりも下回っていると、七十歳以上の方の消費支出の方が少ないという実態でございますし、また、単身無職の方の消費支出の水準と比べまして、生活保護の本体の方の高齢者の生活扶助基準はそれをカバーする水準になっているということでございますので、老齢加算については設定した当初にはそのときの考え方で設定されましたけれども、今日、老齢加算についてはその意義がないと、こういう検討会の意見に基づきまして廃止をしているという状況でございます。 同様に、母子加算につきましても見ますと、現在の生活保護の母子世帯の生活扶助水準は、母子世帯全体の、全国の母子世帯のちょうど真ん中の消費水準と同等のものでございますので、加算がなくても同等の水準であると、こういうことから母子加算については、一律の母子加算はやめると。むしろ、見ますと、就労されたり、そういったニーズが高いわけでございますので、一律の加算はやめて、むしろ就労支援というようなことについての加算を設けるべきだという考え方、あるいは十五歳以上の母子の世帯では、当時生活保護では高校進学については保護費で出しておりませんでしたけれども、むしろ高校進学というようなニーズに対してこたえるべきだと。そういったことで、先ほどお話ししましたように、十五歳以上の母子加算について最初に三年掛けて廃止いたしましたけれども、これに代えて高校の教育扶助を出すなどのことをやっております。 また、例えば今委員の方から母子世帯についてはどういう生活切り詰めしているかと、衣服費を切り詰めているというお話がございましたが、一般勤労母子世帯の消費支出額と一般勤労者夫婦子供の消費支出額を比べてみると、むしろ被服費等については母子世帯の支出が大きいと、こんなようなこともございまして、そういういろんな消費の実態を踏まえた上で、生活保護の基準の整理を行いまして、加算について三年掛けてまた激変を緩和するということで見直しするとともに、今回は母子世帯の方が職業訓練等を受けたり、又は勤労されている場合については、就労されている場合、そういった場合については、一律の母子加算は廃止いたしますけれども、それに代わる給付を創設するなどきめ細かい対応をさせていただいているところでございます。
○小林美恵子君 まず、私は大臣に、大臣が憲法のいわゆる二十五条に基づいて生活保護のこの目的もあるというふうにおっしゃいました。私が申し上げたことについて、局長でなく大臣がやっぱり答えてもらうべきだと思います。人間としてこういう実態が本当に憲法に則しているのかと、大臣はそう本当に思うんですか。どうですか、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ですから、今、社会・援護局長がお答えいたしましたように、生活保護基準の在り方については、社会保障審議会で二年掛かりで検証、評価を行ったということでございます。 老齢加算につきましては、七十歳以上に付けていたけれども、消費実態を見ると七十歳以下の方がむしろ消費が多いというようなことで、それにもかかわらず七十歳以上に老齢加算を付け加えているということはやっぱりおかしいのではないかと、公平の観点から見て合理性がないのではないか。 それから、母子加算については、今ありましたように、低所得階層ではなくて、平均的な所得階層の消費水準を上回っているということでやはり加算には妥当性ということがないのではないかと、こういうような検討に検討を重ねた結果、こういう基準の見直しをあるいは加算の見直しを行っているということでございまして、これは社会保障審議会の先生方におかれましても、生活保護基準の基礎には憲法二十五条があるということを十分踏まえてそういう御審議をいただいているということでありますので、御理解を賜りたいと思います。
○小林美恵子君 局長と同じ答弁は要りません。理解はできません。 今、いわゆる専門委員会でいろいろ議論されてきたというふうにおっしゃられました。では、私確認したいと思いますけれども、その比較されているいわゆる消費実態調査の年度ですね、これは一九九九年度、そしてまた比較されているその対象ですけれども、母子世帯は第三分位でいきますと三十二世帯のみです。これは間違いないですよね。間違いあるかないかだけ答えてください。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。 今委員が挙げられた数字については間違いがないと思います。年度につきましては、平成十一年度、十一年の全国消費実態調査でございまして、これは五年に一度でございますので、新しい結果は昨年出たばっかりでございまして、分析まだ途上でございます。
○小林美恵子君 九九年度の分で第三分位は三十二世帯と、それだけを抽出して比較をしているということでございますね。 統計学上でいきますと、十万世帯の傾向を把握するのには一千五百十四世帯要るというふうに言われています。専門委員会でも、局長も大臣もよくお出しになる専門委員会でも、統計調査における一般母子世帯の客体数の少なさから、一般母子世帯の消費支出額との単純な比較により被保護母子世帯の基準の妥当性を判断するのはできないという指摘もあります。正に今御説明いただいた比較でいきますと、そういう指摘もあるにもかかわらず、母子家庭の命綱を断ち切る根拠にするのは私は余りにも無謀だということを強く指摘をしたいというふうに思います。 さらに、一般母子家庭ではどうかということでございますけれども、大阪府母子寡婦福祉連合会が昨年一月に出されました母子家庭の暮らしと就労に関する調査結果というのがございます。回答世帯の九割は生活保護でない母子家庭でした。その中で、年収百五十万円未満で生活をしている家庭は全体の七二・四%に上ります。さらに、こうした母子家庭の命綱である児童扶養手当を政府は来年から大幅削減をしようとされています。そういう中で、消費の抑制を余儀なくされていくというのは私は当たり前だというふうに思うんです。政府がそういうふうに抑え込んでいると思うんですね。こうした比較といいますのは、生活が大変な方同士を比較して、それでは底なしの基準になっていくんじゃないんですか。国民生活を低くする、これが厚生労働省の仕事になるんですか。大臣いかがですか。大臣。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま私どもが母子世帯の基準で保障しております消費生活水準は、今委員の方はいろいろおっしゃいましたけれども、一月二十四万円の消費生活水準の分位の方と同じ消費生活水準を、生活保護の食費、衣服費等生活保護で対象になっている部分について保障しているわけでございます。 このほか、先ほど申し上げましたように、持家でない、家賃が必要な住宅でお暮らしになっていて、自分の収入等で払い切れない場合については御案内のとおり住宅扶助が出たり、お子さんが病気し、また御本人が病気した場合については医療費が全額医療扶助で出ると。また、医療費については、一般の御家庭は例えば国民健康保険で保険料をお払いいただくし、病気になった場合に三割の自己負担を払っていただいていますが、そういった御負担もないと。 そういうような形で生活扶助は成り立っておりますし、今申し上げました二十四万円相当の母子、子供一人の二人の勤労世帯の消費生活水準というのは、夫婦子供一人の勤労三人世帯の方々の第一・五分位の大体平均所得、月額二十六万円という平均所得の世帯と合っておりますし、衣服、履物等の消費水準はそこら世帯については、夫婦子供一人の勤労三人世帯の被服、履物の消費水準よりも高いと。そういう水準と同じ水準の消費生活ができる……
○委員長(泉信也君) 簡潔にお願いします。
○政府参考人(中村秀一君) 基準額になっていると、こういうことでございます。
○小林美恵子君 いろいろおっしゃいますけれども、政府から見ればわずか月額約二万二千円ぐらいですよね、母子世帯から取り上げる母子加算額といいますのは。各世帯では一七%相当の支出を切り詰めることになると、お母さん方のお話でした。自分の食費を削るのか、着る物を切り詰めるのか、未来ある子供に我慢しろと言うのか。これ以上局長や大臣はどこを切り詰めよと言うんでしょうかね。 これは大阪市平野区の母子家庭のお母さんが安倍総理と柳澤大臣あてに書かれた一文です。 中一と小五の子供がいます。子供が大きくなるにつれてお金が掛かると実感しています。食べ盛りの子供たちに食べるなとはかわいそうで言えず、私の分を子供に与えるという現状です。破れたズボンでも我慢して学校に着ていってくれますが、それでいじめられたりしないかという不安もあります。未来ある子供のための母子加算廃止はしないでくださいと。 先ほど局長は高校の就学のための費用は出していると言いましたけど、修学旅行費はそれには入っていませんよ。だから、そういうふうに廃止されると、修学旅行にも行けなくなっちゃいますよね。こうした、私は、母子家庭の悲痛な叫びというのを大臣は背を向けて廃止をしていくという責任は感じないんですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来、お気に召さないかもしれませんけれども、局長がもう非常に詳しく、どうしてこういう判断に至ったかということの詳細な説明をさせていただきました。是非、私どもも、この公平の観点、またこれから施策の重点をそうした福祉から雇用というような方向へできるだけ移行していきたいと、こういうような観点からの措置であるということで御理解を賜りたいと思います。
○小林美恵子君 全く理解することはできません。そういうのを公平とは言いません。 母子加算廃止となりますと、正にその子供たちにも大きな、未来にわたっての影響を与えることにもなります。そして、母子世帯の最低の生活を崩していくことにもなると私は思います。母子加算は廃止することも、そしてまた児童扶養手当の削減をすることも撤回、中止をされ、老齢加算廃止の撤回もやるべきだということを求めまして、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 初めに、厚生労働省関係からやらしていただきたいと思います。 柳澤大臣、質問通告してありませんけども、平成十七年度の決算、厚生労働省についての検査の概要、これは前に出されました。見ますと、労働局、さっきから出ている労働局を始め二百六十六件の不当事項、その他含めて二百七十二件の指摘を受けているわけですが、これについてまず大臣としての認識を先に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは本当にもう遺憾極まりない事態であると、このように認識をいたしております。 不適正経理ということに加えて不正経理が指摘され、しかも不正経理の中に私的流用まで指摘をされるということに至ってはもう言語道断であると、このように考えておりまして、そのような事態に対する深い反省の上に立って、二度とこのような事態が生じないように今後努めていきたいと、このように考えております。
○又市征治君 本当に異常で、まるで会計検査院は厚生労働省のためにあるんじゃなかろうかと思うくらいの異常な事態、本当にきちっと取り組んでもらいたい、このことをまず冒頭申し上げておきたいと思うんです。 社会保険庁の一部の不正あるいは浪費問題も、ここ二年余りこの委員会でも厳しく追及もされてまいりまして、私も指摘してまいりました。しかし、この社会保険庁の問題について言うならば、どうも今、そうした幾つかの問題があったことに藉口して、これの解体と一部民営化、さらに職員の大幅削減の法案が出されている、こういうことでありますが、私は大変危惧を覚えています。 これは、何回かこの問題は取り上げてきたんですけれども、そもそも国民の年金に対する信頼の低下というのは何が原因だったか。少なくとも十四年間にわたって保険料は上がり続ける、給付は下がり続けます、こういう制度の中身。生活保護費以下の国民年金。失業すれば厚生年金制度から切り捨てられる。こんな仕組みなど、これらがやっぱり本質で大変な不信を招いているということがあるんであって、社会保険庁の一部の不正や浪費問題が本当の本質問題ではないんだろうと思うんですね。 加えて、国民年金の空洞化をもたらした問題については、これは過去の大臣も認められておりますけれども、むしろ、業務の中央一元化によって市町村の協力体制をむしろ取っ払ってしまった、大変失敗だったと、こういう御発言もあったわけです。 つまり、この制度なり政治の責任が大なのに、これ社保庁を解体をする、民営化などやりますという組織いじりで本当の意味で加入であるとか納付が効率化をするのか、本当に公平が守られるのか。建築基準法、建築基準の確認の一部を民営化したために耐震偽装を生んだように、私は大変危惧を抱かざるを得ない。たらいのお湯と一緒に赤子まで流してしまうようなことになりかねないんではないのかと、そういう心配があります。 そこで、今日はちょっと厚生年金の空洞化対策について伺っていきたいと思うんですが、この厚生年金の加入を逃げたり、あるべき企業負担を払わない企業が非常に多い、こういう実態にありますね。 そこで、まず社保庁長官に伺いますが、総務省の昨年の行政評価結果によりますと、加入義務のある事業所のうち六十三万から七十万事業所が適用漏れのおそれがあって、約二百六十七万人の従業員が将来年金を全く、あるいは部分的に受けられないおそれがある、こういうふうにしていますね。そして、総務省は例えばということで、加入指導しても適用までこぎ着けられないケースが多いとか、文書又は巡回説明しても適用率は著しく低いとか、呼出し又は戸別訪問による効果が非常に低いとか、最後の手段は警察に立ち会ってもらっての立入検査、職権による適用となるんだが、その実施がほとんどやられていないとか、社保庁が努力すべき点を幾つか具体的に挙げているわけですね。 なぜこういう実態になってきているのか。また、これを民間委託にやったら、これ大きく改善されるというふうにお考えですか。長官、お答えください。
○政府参考人(村瀬清司君) 今委員御指摘の未適用事業所対策でございますけれども、総務省の方から御指摘いただきました未加入者対策、これが具体的にどうなっているかということで数値の問題でございますけれども、これは……
○又市征治君 そんなことは聞いていない。
○政府参考人(村瀬清司君) いや、その前段として、済みません。 労働局の方からいただきました資料に基づきまして、どういう状況になっているかということでの御指摘の部分でございます。 我々把握しておりますのは、その七十万事業所のうち既に適用になった事業所もありますし、それから、これから適用をしっかりしていかないかぬ事業所もある、それらを含めての数値というふうに考えております。したがいまして、これをしっかりやっていくためにどうしていったらいいかということで、先ほど委員御指摘ありましたように、市場化テストの絡みで民間委託をして、現在二つの県においてやらせていただきました。その結果、民間で事業所調査をやった結果、加入促進に結び付くといういい結果が出てまいっております。 したがいまして、平成十九年度からは全国の四十七の事務局で、すべてのところで民間委託して事業所調査をやっていただくと、こういう形を進めてございます。その結果を受けまして、具体的に適用する、職権適用まで持っていく、こういう仕事は社会保険庁の仕事でございまして、これは職員がしっかりやっていくと、こういうことによって加入促進を進めてまいりたいと、このように考えております。
○又市征治君 私が聞いたのは、何でこうなってきたのかと、何でこうなっているんだということも併せて聞いたんで、これからやっていきますということだから、まあしっかりやってもらわないかぬのだけど、これ見てみたら、数値見ると物すごい低いんだよね。加入指導をやって適用までこぎ着けた例は二・五%とか、文書又は巡回説明しても適用率は一・六%から一・八%だとか、もう非常に悪い。 なぜこうなっているかというところを、何かそれは調査は民間でと、こう言うけど、しかし、今あなたがおっしゃった、この民間委託の試行、つまり市場化テストのモデル事業でやったけれども、社会保険庁自身、この結果まとめている中身見ると、東京での委託先は頑張って好成績を上げたけど赤字に終わりました、福岡では巡回した数では要求を上回ったものの、加入獲得は社会保険職員が行った実績を大きく下回り、費用対コストも悪かった、こういった反省も出されているじゃないですか。その理由は、加入勧奨の数値を上げさえすれば契約上は問題がないので、難しい相手企業には積極的な取組は行わない方がその企業にとっては利益が上がる、つまり経費が掛からないとまで書いてある。つまり、民間受託者と職員とでは全然仕事の観点が違うわけでしょう。あくまで利益が目的だから、取りやすい企業から取ると。こういう実は傾向というのは民間委託という場合に生まれてくるわけですね。だから、民間委託をこのまま拡大していったら公的保険としての公正さは限りなくゆがめられてしまうんじゃないのか。 そういう点で、やはり社会保険庁としてやるべきことはしっかりやるべきだということを私はこれは重ねて、もうこれは質問じゃなくて指摘だけしておきますよ。この点はしっかりやってもらいたい。 そこで、二つ目に、職員が今、さっきも随分労働局の問題出ましたよ。社会保険庁の職員が今、企業への戸別訪問であるとか職権の発動にひるむ雰囲気が非常に高い。職権発動なんか一回もやってないじゃないですか。ほとんどやってないでしょう。私は、多分に前述した社会保険庁の不祥事への過剰なバッシング、あるいは公務員バッシングとこう言ってもいいかもしれない、そういうことが原因だということがあって、訪問先で、何だおまえ、この税金泥棒なんて言われるから、そうするともう悪質な脱法事業者に立ち向かえない、こういう雰囲気がつくられている。私も随分現場いろんなところを聞きましたよ。そういう雰囲気がある。これは、長官も大体それは随分と回っておいでになるからお聞きになっているんだと思うけれども。 こうした無責任なバッシングにやっぱりひるまないで、正すべきはやっぱりしっかり正し、そして職員をもうちょっと加入適用部門に振り向けることが必要じゃないですか。やっぱり総務省も言っているように、この指摘事項の改善を図るためにもっと職員を、そういう意味ではこの人件費に占める加入促進業務向けの割合というのは一・八%にすぎないと総務省から指摘されている。大変にそういう意味では、内部事務ばかりやってこういうところの中身が少ない、こういう指摘なんだろうと思うけれども、職員を減らして民営化すればいいなんていう、とんでもない私は話だと思う。やっぱり職権を持っているわけだから。 そういう点で、ここのところはこうした総務省の指摘を生かしてどう取り組んでいくおつもりなのか、この点を二点目にお聞きしておきたい。
○政府参考人(村瀬清司君) まず、職員の仕事のシフトでございますけれども、一つは、事務の集中化、システム開発によりまして徴収のところへ人を持っていくということで、第一義的には国民年金の収納にまずシフト替えをしてございます。そして次のステップとしまして、今委員御指摘のありました徴収関係、健保、厚年のところへ人員を増やすという形で現在進めてございます。 一方、民間委託ということでございますけれども、これは何かといいますと、事務的なところをどんどん民間委託することによって、本来職員がやらなければ駄目な徴収業務、これについては人員をシフトしてやっていく、こういう考え方でございます。
○又市征治君 さて、次に、企業全体の加入逃れを言わばハードな脱法と呼ぶならば、これはどちらかといえば中規模以下の企業に多いわけですね。他方で言わばソフトな適用逃れがあるわけで、それは大企業にかなりある。ほかでもない、非正規身分への置き換えによる企業負担逃れですよね。これは大変な問題だ。だから、社会保険事務所からせっかく、これは百人以上の規模の会社だと、こういって訪ねていったけれども、いや、我が社は社員は五十人なんで、あと六十人は実は非正社員であります、こう言われたらどうにもなりません、こういうケースがあちこちであるんでしょう。 今、非正規労働者が一千六百八十万人、つまり勤労者全体の三分の一に増えた。その数だけ厚生年金の加入が身分的に妨げられているわけですよ。企業の利益追求のために従業員の将来の年金権を奪っても平気だと、こんなばかげた、企業の社会的責任を果たさない事業者が非常に増えてきている、こういう状況があるんじゃないですか。 さあ、それについて柳澤大臣、こうした非正規労働者の厚生年金加入促進、言い換えるならば、これは本当に企業の社会的責任をしっかり果たせという、こうした努力を厚労省としてはしっかりとやるべきじゃないかと思いますが、その点についての認識をお伺いしておきたい。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 非正規雇用というものにはいろいろな形態がございまして、一つはもちろんパートというようなことでございますけれども、これについては、今回、私ども、雇用年金の一元化の中で、パート労働者につきましても厚生年金への適用を拡大したいと、こういうようなことで法の改正をさせていただこうという状況でございます。 また、例えば派遣労働者につきましては、この点はもう派遣といえどもやはり一般的には派遣元での正規雇用ということでございまして、これらについては必要な要件を満たしていればこれは当然厚生年金の適用になるというわけでございまして、できる限り私ども、一般的に言って非正規雇用を正規雇用に移行させると、もちろん希望によってでございますけれども。そういうことを考える中で、当然、厚生年金の適用も増やしていきたいと、こういう方向で今施策を展開しているということでございます。
○又市征治君 現実にまるであんなにたくさんの派遣社員を使っている、そういう人が経済財政諮問会議の中に出てきてそれでのうのうと通している。企業が厚生年金の掛金払うというのは当たり前なんだという、私さっきから言っているのは企業にもっとしっかりその責任を求めてくださいよと、こう言っているんですよ。それが企業の社会的責任じゃないですか。 そういうものを、何かちょっと法律いじって、何か、一・何%の人が今度は厚生年金に入れるようになりますなんて、そんなことを聞いているんじゃないんですよ。これはもう全然抜本的な対策にならない。こういう無年金者が出てくるなんということを、将来心配な問題をこっちは言っているのに、その所管庁の責任者、そんな話じゃ駄目ですよ、これ。 今年度の今おっしゃった年金一元化法案でも、従業員は三百人以下の事業所の非正規労働者は厚生年金の適用外されているんじゃないですか。全く、こんな人たちどうやって救うんですか。 また、厚生労働省は、企業内に非正規社員を集めさせて、そこで国民年金への加入を押し付けようとしている。とんでもない話じゃないですか。なぜ、その会社で働いているのに国民年金に入らにゃいかぬのですか。そういうおかしげな、やっぱり人を雇ったらその人の福利厚生までやるんだよというのが、そのことを指導せにゃいかぬのに、こんなばかげた、労働者の福利厚生、その権利を守る立場を持った厚生労働省の姿勢としては全く話は逆さだ。もっと非正規労働者の格差の縮小、厚生年金への適用促進というものを企業に迫っていくべきだ。時間が、私はすぐ時間がなくなってくるんだからまあこれ以上言えないんだけど、もうちょっとしっかりやってくださいよ。 私は、そこで、幾ら年金がもらえるのかという当然の問いに対して、ようやく個人別にデータに基づき回答できるようになりましたけれども、社会保険庁の調査では、転職した分の漏れなどで六年間で二十二万件も訂正をされていた。これが受給者にとって幾らの損失なのか事前に尋ねたら、厚労省はシステムつくっていないと、こういうお話ですね。受給者の権利を守るところまで行ってない。 単純に考えると、四十年勤務のモデル年金額では、一年欠けていたら月額約六千円の損失、こういうことのようですが、これは間違いないのかどうか。また、信頼回復の一環として新たにデータも取って、権利の回復のための相談などきめ細かな人的サービスは今後ますます求められるわけですけれども、熟練した職員が本当の意味で公正公平な責任を持つべき仕事はたくさんあると思うんですが、これら二つの点、村瀬長官、その点についての認識をお伺いしておきます。
○政府参考人(青柳親房君) まず、金額についてのお尋ねがございましたので、これは私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。 どういう形で計算するかというのは、いろんな前提を立ててこれ計算をする必要があろうかと思いますが、夫婦二人の基礎年金を合わせた年金額ということで、夫の厚生年金の加入期間が四十年の場合と、例えば三十九年の場合ということで、その一年がじゃ足りなかったらどうなるかと、こういう比較をあえてさせていただきますと、いわゆる四十年加入のモデル年金相当のケースで考えますと、月額およそ二十三・三万円ぐらいになるだろうと。これが一年欠けた三十九年で同様の計算をしてみますと、二十二・七万円ということでございますので、単純に差し引きいたしますと月額でおよそ六千円ぐらいの違いが出るということかと存じます。
○政府参考人(村瀬清司君) 委員お尋ねの年金加入記録の漏れによりまして、年金受給額の裁定のし直しという部分で二十一万八千件、これは十三年度から十九年二月までの間の件数でございます。この中身につきましては、おっしゃるように、システム上で集計する仕組みはできておりません。ただ、いずれにしましても、年金裁定時における年金加入記録と職歴等の突合を丁寧に行いまして、しっかり裁定するようにしてまいりたいというふうに思っております。 一方、年金加入漏れの防止についてでございますけれども、御存じのように、平成九年、基礎年金番号に一本化するまでは各制度ごとの年金手帳番号ということで記録を管理をさせていただいておりました。したがいまして、六十歳裁定時にこの記録を集約するという仕組みでもって運営をしてきたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、年金裁定時からその後も起こっているというのは、実は平成十六年三月から五十八歳到達者に対する年金加入記録の通知、こういう事前通知というのがない仕組みの時期のものでございました。 したがいまして、事前通知をする、また平成十七年十月からは年金加入記録を印字した裁定請求書をお送りする、それから十八年三月からはインターネットを活用しまして年金の加入記録を御提供をする、また平成二十年度からは全被保険者を対象にしてねんきん定期便をお送りし、この十九年三月から先行いたしまして三十五歳の方に対して通知を送らさせていただいております。記録確認の機会を拡大することによりまして、記録漏れがないように、こういう仕組みをつくっていきたいと。そのためには、先ほど委員おっしゃいましたように、年金記録相談、これをしっかりできる職員を確保した上で特別体制を組んでいく必要があるだろうということで、昨年八月から年金記録相談の特別体制を組んでございます。 こういうことをやることによりまして、親切丁寧に各個人ごとの記録をしっかり管理、集約をしていくと、こういう事業の中で信頼感を保つような動きにしていきたいと、このように考えております。
○又市征治君 厚労省関係、まだ言いたいことはいろいろ、幾つかあったんですが、時間がなくなってきますからこれで終わりまして、文科省、伊吹大臣、お待たせをいたしました。 そこで、昨年の夏、二〇〇七年度の予算編成に当たりまして、文部科学省は国民の支払う教育費の負担軽減のために幾つかの措置を予算編成で要求をされているわけですが、一つは所得税、住民税の控除、二つには奨学金返還時の控除制度の創設ということを求められたと思うんですが、その結果はどうなったのか、まず事務方の方からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。 平成十九年度の税制改正要望におきましては、扶養控除の見直しによる家庭の教育費負担の軽減といたしまして、例えば所得控除から税額控除に改める、控除額を増額する、子供が多いほど優遇するなどの扶養控除の見直しを行う際に、現行の特定扶養控除の考え方を堅持してほしいという要望をいたしましたが、この扶養控除の見直しにつきましては、税制の抜本改正に併せて検討を行うことが適切であるとの理由で今後長期的に検討していくべきものとされたところでございます。 また、有利子奨学金の返還時における控除制度の創設につきましては、税で措置することの御理解が得られず、認められなかったところでございます。
○又市征治君 つまり、両方とも駄目だというわけだね。余り教育に対して熱心な内閣でないなと、こう言わなきゃならぬ。 そこで、大臣にお伺いするんですが、教育費を私的な支出で賄えるというのは高額所得者にだんだん限られていく、教育の格差が次世代の社会的な地位であるとか所得の差として拡大再生産されていくという、こんな傾向が強まっています。 お手元に資料をお配りしたんですが、国民生活金融公庫は学資ローンを行っているわけですが、そこの総合研究所が行った調査では、年収が低い世帯ほど家計に占める在学費用の負担が重い。つまり、教育の機会が均等でなくて金によって選別をされている、こういう状況がこのグラフでも見て取れるんだろうと思いますが、これ、伊吹文科大臣、このデータを見られて、所得による格差はやっぱり教育の格差になっていくのかなと、こういうふうに思われませんか。
○国務大臣(伊吹文明君) 教育、特に義務教育においては、親の所得によって子供の教育に差が付くということは、先生がおっしゃるとおり望ましいことでは私はないと思います。 ただ、今お示しいただいたこの国民金融公庫の世帯年収に対する在学費用の割合、これを見ますと、年収が低いほど在学費用の割合は大きくなる、これはもう当然のことなんですよ。(発言する者あり)いやいや、だって教育費は、教育費を一定とすれば所得が少ない人は比率が高くなるわけです。 まあ何というか、米百俵の精神で、日本の所得の低い人は必死になってやっぱり子供の教育費を乏しい中から捻出しているという数字だろうと思うんですね。だから、これによって教育の結果に格差が生ずるということ、証明よりも、むしろ親が随分苦労しているなということの私は証明として先生の御指摘を受け止めさせていただきたいと思います。
○又市征治君 そこで、その問題と関連して、給食費や文房具費あるいは修学旅行の積立金を学校に持っていけない、最低限の学校生活を他の子供と同様に過ごすためにぎりぎりの下支えが就学援助制度だということなわけですが、それがこの二〇〇五年にはこの就学援助を受ける児童生徒の数が全体の一三%、百三十八万人、五年前の九十八万人から四一%も増えているわけですね。所得の格差がやっぱり教育を直撃していると、こう言わざるを得ない。 そして、この二〇〇五年の文科省の調べでは、実は百五の市町村で就学援助の対象者数や支給額を減らしている、こういう状況が生まれてきている。国は就学援助のうち準要保護の部分に係る補助金を廃止されてしまった。このためもあって市町村は、これだけとは言いませんよ、このためもあって、財政上の理由などを挙げてこの準要保護を削っている。 例えば、これどういう中身を削っているのか、この点、まずお伺いしておきます。
○政府参考人(銭谷眞美君) 平成十七年度におきまして、準要保護児童生徒の認定基準を、これを変更したのかどうかという調査を文部科学省で行いましたところ、二千九十五の市区町村等のうち百五の市町村で準要保護の児童生徒の認定基準を厳しくしているわけでございます。一方、緩和をした市町村も十六市町村ございました。ですから、大多数の市町村は引き続き同じ基準で実施をしているというものでございます。 厳しくした市町村について状況を見ますと、所得基準につきまして、生活保護基準額に対する割合を変更しているという例が多いわけでございます。例えば、従来、生活補助基準額の一・五倍以下の収入の人を対象にしていたのを一・三倍までにするといったような市町村がこの百五の中にございます。その理由は、他の市町村との比較考量あるいは財政上の理由というものが多くなっているところでございます。 なお、準要保護の認定基準につきましては、これは各市町村が地域の実情を踏まえまして、それぞれが基準を設定をするというものでございます。
○委員長(泉信也君) 又市征治君、時間が参っております。
○又市征治君 時間が参りましたが、大臣、今お聞きのように、これにどう対処するのか。本当に、これは前に、去年だったでしょうかね、就学援助を受けている、東京の足立区が一番多くて四二%だと。その中で、小学校六年生に卒業に当たっての作文、記念作文を書いてください、それはあなたの将来の夢と希望について書きなさいと、こうだった。四二%も就学援助を受けているそのところで三分の一の子供たちがこの作文を出せなかった、出さなかった、こういう報道がされましたよ。もう十二歳の子供が将来の夢や希望をこんな格好で、自分たちが学校へ金を持ってこれないということがこういう状況まで、精神構造までおかしくしているということなどのときに、なおこの要保護さえも削られていくという格好ではなくて、これはむしろ上げる努力が必要じゃないのか、こう思うわけであって、その点の努力、GDPの、OECDの中で日本の占める教育費だって少ないわけですよ、最も低いわけだ。そのことをやれば伊吹さんとはまたいろいろと意見の違いがあるけど、しかし、低いことだけは事実。そういう点で言うならば、こういうことに対して本当にしっかり取り組んでいただく、そういう御決意を伺って終わりたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、神本先生と議論したことを先生もお聞きになっていたと思いますが、つまり、我々が補助金でもって措置をしていた部分を三位一体という形で地方へ税源とともに譲っちゃったわけですね。そして、その税源で十分賄えないところに対しても基準財政需要で今の就学援助等も入れている算定をしながら、不足しているところについては交付税で措置をしてあるんだけれども、厳しい財源事情のところはそれを更に削って別のところへ回しておるわけですよ、自治体が。だから、私たちは、今先生の御指摘も踏まえて、そういうことをしないでもらいたいと。そして、どこへ回っているのか。超勤に回っているのか、公務員の給与の一部に回っているのか、地方の条例で、その辺もしっかりと見極めて、私たちはそういう、教育を最優先にしてもらうように促します。
○委員長(泉信也君) 他に御発言もないようですから、文部科学省及び厚生労働省の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十二分散会