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166回国会参議院2007/05/22

外交防衛委員会 第12号

発言数
292
登壇者
17
会派数
5
開催日
2007/05/22

会議録

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  理事の補欠選任についてお諮りします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に岡田直樹君を指名いたします。     ─────────────

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官下川眞樹太君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案を議題といたします。  これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山本一太自由民主党

○山本一太君 本日は、安倍総理の御出席をいただいて、総理質疑という形でこの委員会が開かれることになりました。本来であれば、担当でいらっしゃる久間大臣にもいろいろ御質問をさせていただきたいことはありますが、せっかくの総理質疑ということで、時間も約三十五分ということで限られておりますので、本日は、私の質疑はできるだけ対総理に絞らせていただきたいと思います。久間大臣、お許しいただきたいと思います。  さて、今回の駐留米軍再編特措法案、これはやはり日米同盟というものの観点から、これをスムーズに維持し、強化していくということにおいては非常に重要な法案であるというふうに認識をしております。その日米同盟という観点から、まず法案の中身に行く前に総理に、先月行われた日米首脳会談について一つか二つ質問をさせていただきたいと思います。  四月にキャンプ・デービッドで行われたこの日米首脳会談、いろいろと報道もされましたし、私も外務省の資料を取り寄せてかなり詳細に読ませていただきました。相当に中身の濃い議論を総理がブッシュ大統領とされたというこの中身の雰囲気は伝わってきたんですが、当然、日米安保については、約束したとおりに再編を促進するという話もありましたし、あるいは弾道ミサイル防衛の話も、これももうちょっと議論を深化させていこうという話もありましたし、ずっと資料を読んでいたんですが、アジア情勢、特に北朝鮮問題はもちろんのこと、中東情勢とか気候変動とか、果ては日米の文化交流とか、さらには国連改革に至るまで、非常に幅広いテーマで総理とブッシュ大統領が議論をされたということを、ずっとこう資料を読みながら確認をさせていただいたわけなんですが。  総理がこの記者会見でおっしゃったように、今回の四月の日米首脳会談の最大の成果は、ブッシュ大統領との間で掛け替えのない日米同盟を確認をしたことだと、こういうふうにおっしゃったんですが、今度の総理の初めての訪米、そして首脳会談の私は最大の目的というのは、安倍総理とブッシュ大統領の間に個人的な信頼関係をつくるということに尽きるんじゃないかというふうに思っています。  いろいろ報道を見ていますと、総理も早速ブッシュ大統領とジョージ・シンゾウと呼び合う関係をつくったということで、もう記者会見の中でも総理が何度となくブッシュ大統領のことをジョージというふうに呼んでおられたんですが、今回、ブッシュ大統領とこれだけ長い時間一緒に過ごされていろんな会談を重ねられた上で、総理としてジョージとは非常にうまい関係を結べると、ジョージ・シンゾウは大丈夫だと、必ず信頼関係を結べるという確信を持たれたかどうか、そこら辺の率直な感想からお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米同盟関係は、我が国の安全保障そして外交の基盤である、このように思います。  日米の安保条約には、もし万が一、日本が侵略を受けた際には日米で共同対処することが書かれているわけであります。日本にとっては正に米国は、唯一、日本が万が一のときに共同対処する、そういう国である。しかし、この条約はあるわけではありますが、同盟が機能をしていくためには両国がお互いに信頼をしなければならない、これは国民同士の理解と信頼も必要であります。と同時に、やはりトップ同士が信頼をし、お互いがどういう考えを持って外交に当たっているか、安全保障、外交を展開をしていくかということをよく分かっていることが大変大切であろうと。建前を述べ合うだけではなくて、お互いに率直に胸襟を開いて本心を話し合っていくことによって信頼を培いながら、言うべきことは言っていく、あるいはお互いに同盟国として助け合っていくときは助け合っていく、そういう関係を築いていきたいと、このように考えておりました。  私も官房副長官として何回か森内閣時代あるいは小泉内閣時代にブッシュ大統領との会談、夕食、昼食に陪席をいたしたわけであります。しかし、今回、総理として初めて訪米をいたしました。夕食、昼食を含めて約六時間にわたって様々な課題について語り合うことができたわけでございます。そういう中におきまして、お互いにどういう姿勢でもって様々な問題に対処していくことを考えているか理解し合うことができたのではないか、このように思うところでございます。

山本一太自由民主党

○山本一太君 ジョージ・シンゾウの、シンゾウ・ジョージの関係は大丈夫だということだと思うんですけれども、大変心強い御答弁だったんですが。  今回の総理の訪米、日米首脳会談のいろんな報道をテレビのニュース等で拝見をさせていただきまして、二十七日がたしかキャンプ・デービッドの会談だったと思うんですけれども、その前日、今総理がおっしゃった夕食会、安倍総理御夫妻とブッシュ大統領御夫妻が一緒に夕食をともにしたという場面があって、総理と昭恵夫人が宿泊をされたブレアハウスまでわざわざブッシュ大統領夫妻が迎えに来て、四人で談笑しながらホワイトハウスまで歩いていくという、そういう場面がブラウン管に登場いたしました。  私、この御夫婦の夕食会に実は大変興味がありまして、大変リラックスした雰囲気の中で、例えば松坂大輔投手の大リーグの活躍なども少し話題に上ったというふうに伺っていますけれども、どういう雰囲気だったのか。もし、総理が、話せる範囲で結構なんですが、この夕食会の中でブッシュ大統領の人柄とかあるいは哲学がかいま見えたみたいなもしエピソードがあれば、一つぐらい御紹介いただければいいなと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) キャンプ・デービッドにおける首脳会談の前日において、ホワイトハウスで晩さん会が開かれたわけであります。この夕食会に当たりまして、私どもが泊まっているブレアハウスまで大統領御夫妻、迎えに来ていただいたわけでありますが、これは私ども夫妻とブッシュ大統領の関係というよりもやはり日米同盟関係が極めて強固であるという姿を、これはやはりアジアに対して、また世界に対して発信することが日本や地域の安定に資する、この考えの下からブッシュ大統領がそうした行動を取っていただいたんではないか、こう思うところであります。  夕食につきましては、ブッシュ大統領御夫妻と私ども夫婦と、そして加藤大使夫妻、そしてプロゴルファーのベン・クレンショー夫妻も同じテキサス出身で大変親日家であるということで呼ばれていました。大変和やかに食事をすることができたわけでありますが、ブッシュ大統領はリンカーン大統領を極めて尊敬をしておられる。その中で、リンカーンがいかに苦悩したか、南北戦争に当たって。そして、リンカーン大統領は在任中は極めて支持の低い大統領でもあったわけでありますし、再選の際には御承知のように南北戦争続行中でしたから、言わば南部側は投票をしていない、半分からしか選ばれていない、かつ接戦で当選を果たした。しかし、彼が言わば強い信念を持って臨んだことによって後世から評価を得ることができた、そんな話をしておられます。恐らく、御自身の現在の姿に重ねられているんだろうなと。それと同時に、やはりリンカーンは、自国の国民がお互いに殺し合う、あるいは多数の死者が出ることに対して、本当に日夜悩み続けたという話をしておられました。  私は、その日の昼に、ベセスダ海軍病院に傷付いた米兵のお見舞いに、お見舞いのために病院を訪問をしたわけでありますが、私が訪問したことについて、私に対して直接ではないんですが、私の家内に対して、首相が訪問していただいたことは大変うれしく思っていると、そんな感謝の表明もありました。言わば、リーダーはいかに信念を持って正しいと思ったことを完遂していく、しかし、つらいけれども、時には厳しい決断もしなければならない、そんな話をしておられました。たまたま話の中で、また家内が執務室を今まで当然見たことがないということで、大統領がわざわざ執務室まで連れていっていただきまして、そこで様々ないろいろな決断が、米国の大統領がここで様々な決断をしてきたと、そんなエピソードも話をしてもらいました。

山本一太自由民主党

○山本一太君 ありがとうございました。大変いいお話だと思います。  私は、外交というのはパーソナルタッチというのが物すごく大事であって、やはり安倍総理がブッシュ大統領と極めて近い関係、信頼関係を築くということが今後のやはり日本の外交政策に大きな切り札になってくるんではないかというふうに思っております。是非、これを契機にブッシュ大統領、日米首脳の信頼関係をどんどんと深化をさせていっていただきたいと思います。  そこで、この法案の内容について次に総理に御質問させていただきたいと思いますが、法案の細かい中身というよりは、もうちょっと大きな視野で総理の御答弁をいただきたいというふうに思っています。  この在日米軍のこの再編の問題については、実は我が外交防衛委員会でもかなりいろいろと議論をしてまいりました。この米軍の再編、駐留米軍の再編というものは、これは抑止を維持しながら、かつその基地の集中している沖縄とかあるいはその周辺の地域の負担を軽減するということはもちろん我々よく分かっておりますし、またこの法案の内容についても、これはもう一々内容について総理にお伺いするつもりはないんですが、一つは、負担の増える地域に対して特別な交付金をつくるということとか、あるいは特に負担の大きな地元市町村については、これは公共事業に対する特例を設けるとか、あるいはもう一つは、在沖縄海兵隊をグアムに移転するこのプロセスを促進するための特別な措置をつくるとか、そんな形の法案であるということはよくこの委員会でも議論をしてきたわけなんですけれども、総理に伺いたいのは、そういう中身の法案、今なぜこの日米の間で、日米関係を考えてこの法案を通さなければいけないのか。その意義について総理の言葉で御説明をいただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米同盟関係というのは、これは日本の安全保障、外交の基盤であります。そして、この日米の同盟、そしてまた米軍の抑止力によって、日本また地域の安全、安定が保たれている、これはもう間違いのない事実でございます。この同盟関係をお互いの信頼関係の下に維持をしていくためにも、この言わば同盟を維持をするために、あるいは米軍の抑止力を維持するために、負担をしている地域の皆さんの御理解が極めて私は重要であろうと、こう思うわけでございます。  そういう中におきまして、やはり沖縄を中心として基地が集中している地域、地元の皆様の御理解を得るためにも負担を軽減をしていくという努力を私たちはしていかなければなりません。今回の米軍再編は、こうした地元の負担を軽減をしていく、そしてそれと同時に、やはり抑止力を維持をしていく、この二つの目的のために我々はこの米軍再編を進めていかなければならない。そして、地域の皆様の御理解を得るために努力をしながら、切実な声にも耳を傾けながら着実に進めていくことが重要であろうと。そして、そのことによって、日本また地域においてより安定性は高まっていく、地域の安定、そして平和は維持されていくということに私はなっていくと、このように思います。

山本一太自由民主党

○山本一太君 今の安倍総理の答弁は非常に明快だと思います。やはり米軍基地が集中している地域の負担を軽減していくと、これがこの法律の最も大きな趣旨であるというお話を今していただいたわけですが。  先ほど総理に申し上げたとおり、この法案は主に三つの部分から成っていまして、いわゆる基地、今回の再編によって負担が大きくなる地元の市町村に対して新しい交付金をつくると。これは再編交付金というふうに呼ぶんでしょうか、こういうものをつくるということと、グアムへの移転ですね、海兵隊の移転のスムーズな促進を図るための措置を設けるということなんですが。  さて、今総理がおっしゃった地元の負担を軽減しなければいけないということなんですが、この新しくできる交付金の制度なんですけれども、これはいわゆる基地、今度の再編によって負担が増える地域、市町村であっても、この負担を受け入れていただける、そういう市町村に対して、これを対象に交付金を出すという仕組みになっておりまして、久間大臣、何度も委員会で答弁をされたんですが、しかもその進捗状況を見ながら交付金を付けていくという、こういう仕組みになっているわけです。  私、これはもう当然のことだというふうに思いますが、総理御存じのとおり、中にはこのやり方に異論を唱える方々とか自治体もあって、これは一種のあめとむちではないかと。つまり、この負担を受け入れる市町村にはお金を付けると、で、受け入れない地域には交付金は出しません、こういうやり方で、何というんですか、地方を追い込んでいくみたいなのはいかがかという声も中にはあるのは事実でして、たしか二月か三月の予算委員会、この場所だったと思うんですが、野党のある委員の方が対総理質疑で、いや、この新しい交付金のやり方というのは、まるで国が地方のほっぺたを札束で何かこうぱっぱっと殴るみたいな話ではないかと、これが税金というのはひどいというたしか総理に対する質問があって、総理がいやそんなことはないとかなり強く反論されたシーンを私よく覚えているんですが、この点についてやはり総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。この本当に負担を受け入れてくれる市町村に対して新しい交付金を付けるという制度についての総理のお考えをお聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この安全保障の問題、国全体にかかわる問題、幾つか同じような問題があるわけでありますが、この安全保障の問題、やっぱり日本の安全を守らなければいけない、かつまた極東の安定というのは日本にとって極めて重要である、こういうことについての御理解はかなり私は進んでいる、このように思います。しかし、そのために、では米軍の基地が自分の町に行ったら、これはやはりだれもが、それはちょっと困るだろう、嫌だなと、こう思われるだろう、このように思うわけであります。しかし、日本全体としてはやはりそれは大切である。日本全体として必要なこの安全保障をしっかりとしたものにしていくために必要な基地に対して、やはり日本全体としては必要だからということで御理解をいただき、受入れをしていただく方々、もちろん、中には同じ住民の中にも反対があるにもかかわらず、やはりそういう決断をしていただいた地域に対して、国としてその地域の発展のために支援をしていくというのは私はそれは当然のことなんだろうと、このように思います。  そういう考え方から再編交付金、こういう仕組みをつくるわけでございますが、言わばお金をもって何とか物を動かしていこうということではなくて、それはやはり国全体の安全保障のためにそういう決意をしていただいた、判断をしていただいた方々に対して、国としてもやはりそういう方々の判断に対して、決断に対してこたえていく義務を果たしていく、それが正にこの再編交付金であるということを申し上げたいと思います。

山本一太自由民主党

○山本一太君 私も今の総理の御答弁に全く同感でして、国の平和とか安全というものは国民全体が享受するということなんですけれども、他方で、そのための負担を負う地域というのは、これはもう限られているといいますか、ある特定の地域の方々に負っていただくということを考えれば、私は、国がそういう、その負担を受け入れてくださった自治体、これはもちろんいろいろ反対の意見とかいろんな意見がある中で決断をしてこの負担を受け入れていただけるということですから、それに対する国の支援というのは私はあって当然だというふうに思います。  もう総理も御存じのとおり、この新しい交付金については、基地を抱えるいろんな地域からもう既にかなりの要望が上がってきているというふうに私も記憶をしていまして、例えば三沢とか百里とか小松とか横田とか座間とか、そういうところからも恐らくこの交付金のことについて自治体の長あるいは議会の方から要望が上がってきていると。つまり、受け入れる地域の方にも強いニーズがあるということだと思います。  たまたま私、先月ですけれども、三沢の市議会議長とそれから市長さんの名前で久間防衛大臣に送られた要望書というものをちょっと手に入れて読んでみたんですけれども、その中に、苦渋の決断ではあるけれども、この三沢市としては、これはその訓練の移転による負担増を受け入れざるを得ないと、こういう結論に達しました、ついてはやはり地域の振興のために国の方もこの交付金の対象となるような地域にしっかり指定してくださいと、こういう要望書を実は読ませていただいたということもありまして、これはやはり地域のニーズもあるということを改めてやはり国民の皆さんにも分かっていただかなければいけないんじゃないかというふうに思います。  さて、今回のこの駐留米軍の再編の問題というのは、実は日米同盟、日米関係というものをどうやってとらえるかという古くて新しい議論をもう一度喚起する私は非常にいい機会だと思っております。これについては、ちょっと時間も限られておりますので、後ほど時間があれば、もう一度総理にこの法案がもたらす意味、インプリケーション、日米同盟に対する影響等々はお聞きしたいと思いますが、今日はちょっと順番を変えて、一つどうしても総理にお聞きしたいことを先に御質問させていただきたいと思います。  もう総理とブッシュ大統領の首脳会談でも明らかなように、日米同盟がこれはもう日本外交の正に大きな柱の一つであるということは、これはもうだれも否定する人はいないと思いますし、やはりこの日本の抱える様々な問題、特に北朝鮮問題、これは核廃棄の実現、北に核開発をあきらめさせるという目的においても、あるいは総理が国会議員になられて以来ずっと取り組んでこられた拉致問題を解決するためにも、これはアメリカの協力は不可欠だと思いますし、日米連携が欠かせないということなんだと思うんですね。  特に私がちょっと最近懸念をしておりますのは、総理は日米首脳会談のときにも再三この北朝鮮問題についてブッシュ大統領と話をされて、とにかく北に対してはきちっとスクラムを組んでいくと、もし北が余り、例えば約束したことを履行しないのであれば、忍耐は無限じゃないという話もされて、対抗措置といいますか圧力を加えるということもあり得るというお話をされているわけなんですが、もちろん私は総理がブッシュ大統領にこの話を再三されているということを信頼をしておりますが、しかしここに来て、ちょっとこの北朝鮮問題、特に拉致問題についてアメリカ政府と日本政府の間にやや温度差が広がっているんじゃないかという観測があります。実際に幾つかそれを示唆するような現象が出てきていると。  総理も御存じのとおり、六か国協議がうまくいかない、北朝鮮、ちっとも約束を守らない、こういう中でどうも水面下で米朝が進んでいるんじゃないか。少なくとも二月の六か国協議では、アメリカは、北朝鮮がちゃんと約束を守って核廃棄に向かって第一段階の措置を踏み出せば、例のアメリカの北朝鮮テロ支援国家指定の解除の手続を始めるというふうに言っているわけであって、そういうその米朝の何か水面下の動きがあったらちょっとまずいなというのがまず一つ。  さらには、これは日米首脳会談の際に、これ真偽のほどはよく分かりません、事実なのかどうかも分かりませんが、ライス国務長官が説明の中で、国内法に照らせば、このテロ支援国家指定というものはアメリカに対するテロが対象になっているわけであって、日本の拉致問題の解決みたいなものは前提条件ではないというふうに説明したとかしないとか。結構事実が曲げられて報道されているような気が個人的にはするんですけれども、こういう話もちょっと出てくると。  さらには、総理御存じのとおり、二〇〇六年版の国務省のテロ報告書ですかね、もうちょっと長い名前だったと思いますが、テロに関する報告書でも、五年版に比べると少し拉致問題に対する記述が削除されてきて、まあ削除というか、一部がなくなってきて文字が少なくなっているというようなこと、こういういろんなことを考え合わせてみると、何となくここに来て、日米のこの拉致問題に対する温度差というのが広がっているんじゃないかという懸念を持たざるを得ない部分もあるんですが、それについて総理はどのようにごらんになっているか、そのことをお聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般のキャンプ・デービッドにおける首脳会談におきましては、最初、時間を掛けて私とブッシュ大統領だけのテタテの会談を行いました。その後、大人数の拡大の会合を行ったわけであります。  両方の会談におきまして、拉致問題を含む北朝鮮の問題について意見の交換を行いました。私からまず初めにブッシュ大統領に対しまして、横田めぐみさんのお母様の早紀江さんが、ブッシュ大統領とお目に掛かったあの日は、めぐみが拉致をされて以来自分にとって最も感動的なすばらしい一日であったと、こうおっしゃっていた、このことをブッシュ大統領に伝えてもらいたいと私は言われていますということをブッシュ大統領に伝えたわけであります。ブッシュ大統領も、自分にとってもあの日は忘れられない一日であった、今その話を伺った自分も本当に感動しているという話でございました。  そして、この拉致問題について日本と米国の考え方でありますが、大統領は日本のこの拉致問題に対する姿勢を完全に支持をする、こうはっきりと明言をしているわけであります。もちろん、例えば拡大の会合では多少首脳以外の方が発言する場合もありますが、首脳会談は基本的に首脳がしゃべった中身がすべてであります。ブッシュ大統領は私に約束をしています。このテロ支援国家の解除についても、拉致問題を当然考慮するということをはっきりとおっしゃっているわけでありますし、また大統領より共同記者会見において、この問題に関する議論が拉致問題に関する自分の強い思いを弱めるようなことがあってはならないということもはっきり明言をしているわけでございます。  そういう意味におきましては、私とブッシュ大統領との間ではこの問題について完全に一致をしている、こう申し上げてもいいのではないだろうか。まあ、新聞等の評論ではいろんな評論がありますね。ちょっとはすに構えて論説を書けば、何か優れた論説であると思っている人たちもいるわけでありますが、中身はこういう中身であって、私はこのブッシュ大統領が言われたこと、これは正にそのとおりだろうと信頼をしております。その後、電話会談でももう一度このブッシュ大統領の発言に対して私も御礼を申し上げたわけでありますが、大統領からも自分の気持ちは全く変わっていないという話があったわけでございます。  日米間が何となくそごがあるような雰囲気をつくろうとしている、これは正にある意味では北朝鮮の思うつぼにはまっていくわけであります。それはいささかも揺るぎがないということをはっきりと申し上げておきたいと思います。

山本一太自由民主党

○山本一太君 ありがとうございました。  今のは大変心強い言葉だったと思いますが、いずれにせよ、北朝鮮問題を含めて日本の外交において、日米連携というものが極めて重要だということはこれはもう言をまたないことであって、正にそういう意味では、安倍総理とブッシュ大統領の私は信頼関係が切り札だというふうに考えております。  このテロ支援国家解除の問題については、これは当然解除するのはアメリカ政府の判断でありますけれども、我々議会の有志も、アメリカの上下両院の議員の方々に少なくとも我々の懸念を共有していただこうということで独自に書簡を作りまして、このテロ支援国家指定の解除については、これこれ日本ではこういう問題があって、こういうふうに考えているので、是非議会の方としても理解をしてもらいたいと、こういう書簡を今準備をしておりまして、五月末までには上下両院の全議員に送りたいと思います。これも、ある意味でいうと政府を後押しをすることになるのではないかというふうに思いますので、一応御報告をさせていただきたいと思います。  さて、時間がなくなってきましたが、北朝鮮についてもう一つ総理にお伺いしたいことがあります。北朝鮮、全然約束守りません。何かバンコ・デルタ・アジアの凍結された北朝鮮の資金の返還ができたら、ちゃんと第一段階のあの約束した措置を履行すると言っていますが、とにかく情報錯綜しちゃって、ある日は、何か知らないんだけど、中国とか関係国がマカオにバンコ・デルタ・アジア銀行を買い取らせるという話が出たり、既に何かイタリアとかロシアに送金を始めたという話が出たり、いろいろ錯綜していますが、結局全然動いていないと。  先般、北朝鮮の報道官か何かが発信をした文書をちょっと読んだんですけれども、それも何か、今現在進行中だとか書いてあったり、とにかく資金の流れが自由になればなんて、何か一回限りだと思っていたら、国際金融システムの中でこれからもちゃんと北朝鮮が資金を動かしてくれることを条件にみたいにハードルを上げているふうもあって、ちっとも動いていないと。  こういう事態を受けて、先般の首脳会談でも総理とブッシュ大統領が話をされて、いや、やっぱり忍耐というのは無限じゃないと、場合によっては強い措置も考えなければいけないということもおっしゃっていますし、麻生外務大臣とライス長官の外相会談でも、やっぱり北が全然動かないんだったらば何かの措置を考えなければいけないという話が出ていると。  こういう事態を受けて、日本政府として北に対して、この問題が全然動かなかったらどういうタイミングで圧力を掛けていくのか。これなかなか、総理、具体的には難しいと思いますが、もし、どういうタイミングで北にプレッシャーを掛けるのか。あるいは、そのプレッシャーを掛けるとすれば、今ある制裁、つまり二つの経済制裁法案の下で行っている制裁を広げるという形に重きを置くのか、それとも国連安保理決議を通じて国際的な圧力を強めていくという方向に力を入れるのか。そこら辺について答えられる範囲で御答弁をいただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の首脳会談におきましても、この初期段階の措置を北朝鮮がとっていない、履行していない、これはもう誠に遺憾であると、我々の忍耐も無限ではない、このまま推移していけば更なる措置も考えていかなければいけないということを我々日米の首脳が共同記者会見で述べたわけでございます。  確かに、現在、彼らが約束した措置をとっていないわけであります。北朝鮮がこのように国際社会の懸念に対してこたえなければ、彼らが抱えている問題、食料の問題や経済の問題、そうした問題は決して解決することができない、ますます状況が厳しくなっていくということを理解させなければならないと思います。そのためにも国際社会がきっちりと連携をしていくことが重要だろうと思います。  日本は既に厳しい制裁措置をとっている。これは山本さんも専門家でありますし、山本委員が中心になって作った制裁の法案を我々根拠に今厳しい、万景峰号の入港を認めないことも含めて厳しい措置をとっているところでございます。  さらに、どういう措置をどういう場合にとっていくかということについては大体もう不断の検討を重ねているわけでございます。日本としてはかなりの高いレベルで今行っている。これからは、基本的には国際社会においてもっともっとこの問題について理解を深めながら、私どもとともに制裁を、国連決議で既に決めている制裁をきっちりととっていっていただくようにすることも大切であろうと、こうも思うわけでありますが、今後、更なる北朝鮮側の行動を見ながら、我々、場合によっては圧力を高めていく、そして国際的な圧力をきっちりと高めていくことを考えなければならないと、このように思っております。

山本一太自由民主党

○山本一太君 私は国会議員になって十二年になるんですが、最初に参議院に当選していろんな党の部会に行きまして、当選して一週間後ぐらいに、当時の安倍総理、まさかこんなに早く総理になられるとは思ってもいなかったんですが、総理からお電話をいただいて、自民党の中で拉致問題に対する勉強会をつくったので是非、山本さん、出てきてくれというふうに言われて。当時、自民党の中で拉致問題について本当に真剣に取り組んでいた方々というのは限られた少数の方々だけだったんですね。総理はもうそのころから、これはもう主権国家としては絶対に許せない犯罪だと、もし無実の日本人の方がこの北朝鮮に拉致されてあるのであれば、我々は政治の責任として絶対に取り返さなければいけないと、その勉強会で大演説をされたわけで、私はその印象が今でもすごく強いんです。  今日は時間がないんで、これ以上、また日米同盟等々のことには戻れないんですが、最後に総理に一言申し上げたいんですが、やはりこの北朝鮮問題、もちろん核の問題も大変重要な問題ですが、拉致の問題も重要。これは、拉致問題を含めた北朝鮮問題というものは安倍政権でなければこれは解決できないと、安倍総理でなければこの拉致問題を進展させることができないと、そういう是非総理には気概を持っていただいて、引き続きこの北朝鮮問題、拉致問題を含む、北朝鮮の核、拉致の問題に取り組んでいただきたいと思います。  そのことを最後に強く御要望を申し上げまして、少し早めに終わらないと全体が入らないものですから、私の質疑はこれにて終わらせていただきます。  ありがとうございました。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイでございます。  今日、この委員会で議題になっている駐留軍の再編の円滑な実施に関する特別措置法に対して、総理大臣に質問させていただきます。  この法案は既に衆議院を通過しています。そして現在、この参議院で審議中です。しかし、NHKの中継によって審議の模様を国民に紹介するのは本日初めてです。日本とアメリカの関係にとって本当に重要な法案であると私は思っていますから、本来ならば衆議院の審議でも一度くらいNHKで放送すべきであったと私は思います。しかし、せめて本日放送されることは有り難いことだと思います。ですから、法律案の細かい問題よりも、法案のねらいと趣旨について分かりやすく質問したいと思います。総理も、国民に分かりやすく簡潔な答弁をお願いしたいと思います。  法案提出の意義についてですが、日本政府は次の四つの利点を挙げています。一番目は、国として再編に取り組む姿勢が明確となり、日米関係にとってプラスになる。二番目には、沖縄を含む負担軽減を早期に実現させることが可能となる。三番目は、再編による負担を受け入れた市町村の期待にこたえられる。そして四番目は、いまだ再編を受け入れてない市町村に協力を求める。私は、特にこの四番目の点についてその実施が極めて重要であると思います。  後ほどそのことについても質問させていただきますが、その前に、まず本法案が日米関係にもたらす意味について質問します。  米軍再編は、日本だけでなく世界規模で行われていることは御存じのとおりと思います。米国は二〇〇一年秋以降、全世界において米軍の展開体制の見直しに着手しました。  そこで、一番目の質問ですけれども、この世界規模で行われている米軍再編の目的あるいは背景について総理はどのように認識しておられるのか、まずお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる米ソの冷戦構造が崩壊をしたわけであります。その段階では、世界はもうこれはより平和な時代になってきた、そういう認識も示されていたわけでありますが、残念ながらそうはならなかったわけであります。言わばテロとの戦い、あるいは大量破壊兵器の拡散、そして地域紛争の続発、こうした新たな課題、新たな脅威を我々は抱えているわけであります。  そうした新しい状況、安全保障環境が大きく変化した、その変化に対応する上において、そしてまた軍事技術が大変革新されたわけであります。この軍事技術の革新を背景に、より機動性の高い体制を実現をするために米軍が世界規模で言わば米軍の再編を行っていると、このように認識をいたしているわけでございます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今の答弁の内容は私もそのとおりだと思います。その中に一つ出なかったことについて、ちょっと触れさせていただきます。  二〇〇四年八月には、戦後最大と言われるアメリカの海外駐留軍の再編が発表されました。それによれば、米軍は全体として海外駐留軍を七万人減らす、特にヨーロッパの撤退が大きかったのです。韓国の駐留する米軍削減も発表されました。そして、ハワイとグアムの拡充が行われている中で、在日米軍の大掛かりな再編が行うようになりました。  そこで、沖縄からのアメリカの海兵隊のグアムへの移転は、日本が要求したことよりもアメリカの世界規模で行っている再編の一環であることも事実であると思います。つまり、アメリカにとって、海兵隊を本国に戻すことは日本からの依頼がなくても実施されたと考えます。ですから、在日米軍の再編は、他の国で実施されている米軍再編とやや趣を異にしているのではないかと考えます。それは、米軍の都合というよりも、日本側の意向が色濃く反映されたからではないかと考えます。それは、経費の多くを日本側が負担していることからも分かります。  このことに関して、二番目の質問は、日本における米軍再編の目的、背景について、総理の認識をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この言わば米軍の再編、世界全体の、世界規模の再編におきまして、日本におけるこの米軍再編につきましては、私たちはこの再編という時宜をとらえまして、我が国としての基本方針は、抑止力を維持をしながら、そして地域、地元の負担、負担を負っていただいている地元の負担の軽減を図っていく、この機をとらえて負担を軽減していくことによって、日米同盟をある意味では信頼関係を高めていくことによってより強化をしていきたい、こう考えたわけでございます。  そして、その中におきましても、先ほど委員が御指摘になったグアムへの海兵隊の移転でございますが、これはもう従来から沖縄にとってこの海兵隊を移転させてもらいたい、島外に移転させてもらいたいというのは強い要望としてあったわけでございます。ですから、私たちは、この再編の機会に米側との交渉において日本が主体的にこのグアムへの移転を進めていきたい、こう主張し、その方向に向けて米側も判断をしたということでございまして、これはそもそも決まっていたということでは全くなくて、やはり日本が沖縄の今までの要望を踏まえて米側に我々が日本としての主張を展開をする中において、言わば米軍再編を進めていく中において、これは日本側の主張として、主体的な主張として了解をされたということでございます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 もちろん、日本の方からもその移転を要求することは私たちもよく知っていますけれども、それだけで移転することになったのではないということは私も、あるいは我々は考えています。  そこで、ちょっと角度を変えて、このことに関連して先の質問に移らせていただきます。  安倍総理は、さっきの答弁でもありましたように、四月二十六日と二十七日の二日間、総理として初めてアメリカを訪問しました。そして、二十七日のキャンプ・デービッドにおいてブッシュ大統領と日米首脳会談とワーキングランチを行いました。外務省が作成した日米首脳会談の概要によれば、訪米の最大の成果は、ブッシュ大統領との間で掛け替えのない日米同盟を認識し、この同盟を強化することに合意したことであるとされています。また、総理は、一月の施政方針演説では、世界とアジアのための日米同盟は我が国外交のかなめですという表現を使われております。  この掛け替えのない日米同盟と世界とアジアのための日米同盟、どちらも大変きれいな言葉と思いますが、中身についてはさっぱり私には分かりません。この二つの言葉の意味についてそれぞれ御説明いただいて、今後日米同盟をどのように進めようとされているのか、お尋ねいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米間は掛け替えのない同盟であるということを先般の首脳会談でお互いに一致をしたわけであります。両国にとってなぜ掛け替えのない同盟であるか。これ日米同盟というのは、お互いに自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった共通の基本的な価値を持つ国が同盟関係を持っていくということにおいては、これ特別な同盟関係と言ってもいいのだろう、こう思うわけでございます。  そして、日本にとりましては、安保条約の五条において、日本が万が一侵略された場合には共同対処する、それを約束をしているのは世界で米国、条約によって約束をしているのは米国だけでございます。そして、米国にとっては極東の安全、これはもう米国の国益でありますが、この極東の安全を維持をしていくために同盟関係は不可欠な同盟であるということでございます。正に、両国にとってこれは掛け替えのない同盟である、これを間違いのない、これはお互いにとって掛け替えのない同盟であるということについて首脳会談で一致できたことは良かったと、これは正に世界に対して私たちの同盟の性格を示したものである、このように御理解をいただきたいと思います。  そこで、アジアと世界のための日米同盟でございます。これは今、掛け替えのない同盟というのは、この日米同盟の性格を示したものでありますが、アジアと世界のため、これは正に日米同盟の目的でございます。そして、これはアジアのためのということは、正に日米同盟関係が、これはアジアに向ける米国のプレゼンスを担保するわけでございます。正に、これはアジアの平和と安定に資することにもなっていっています。そして、アジアが抱える諸課題に日米でお互いに協力をして取り組んでいくということも大切でございます。つまり、アジアの中において日米同盟が有効に活用されていく、これは正にアジアのための日米同盟になっていく。そして、正にさらに世界規模における、世界における日米同盟は、例えばこれは中東地域の平和と安定のためにお互いが努力をしていく。  また、軍事面だけに限らずに、先般の首脳会談におきましては、言わば気候変動についての共同声明を出すことができたわけでございます。これは正に同盟関係を基盤に気候変動という世界的な課題について日米が協力をしていく、そしてそれをもって世界のこの環境、地球環境のための貢献をしていくということにもつながっていくわけでございます。  また、中東諸国を訪問した際には、中東の国々からも、正に日米で協力をしてイランの核問題に対して建設的な努力をしていく、あるいはまたイラクの安定化、復興のために努力をしていくということに対しての評価もあるわけでございます。また、例えばパレスチナの問題、中東和平の問題についても日米がお互いに協力をしていくということも重要であろうと、このように思うわけであります。  世界の平和のために、安定のために、この日米同盟は大切な資産として更に私は活用していかなければならない、そのためにも同盟を強固にしていく必要はあるのではないかと、こう考えております。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 はっきり言って私の方から余りまだぴんときませんけれども、国民の皆さん、中継に注意してこれを聞いているなら分かっている人もいるかと思います。  しかし、その中で、雰囲気として私も分かったことは、この日米同盟を更に世界のため、あるいは日米関係のために強化することは総理の目指す方向であると私は見ています。その方針を実施するために集団的自衛権が何とか行使できるようにと総理が考えているようです。そのことに関連して幾つかの質問をしたいと思います。  まず、集団的自衛権とは何か、国民に対して分かりやすく総理の言葉で説明していただきたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権とは、国際法上は一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化される権利であると解されています。なお、我が国が国際法上固有の権利として集団的自衛権を有していることは当然であろうと、このように考えています。  言わば、国と国との関係において日本をより安全にしていく、日本の安全を守っていく上において、日本と密接な関係がある国が攻撃された際に日本がその国を守る行動を取る、そういうことでございます。そのことによって、言わば日本が万が一、これはお互いにそういう意味では助け合っていくことによって、より平和で安定した地域をつくっていくことにも私は資するという基本的なそういう考え方があるのではないかと、このように思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今の説明でも分かりましたように、集団的自衛権の行使が、少なくとも今まで、憲法ができて以来、この六十年間ではその行使が許されていなかったということは確かです。その方向に今政府・与党が動いている、行使を認められるように動いているということは私たちは見ていますし、懸念していますけれども。  その問題に具体的にもっと入る前には、それと関連してマスコミの中でもこの方向性にどういう報道がされているかということを例にしたいと思います。  この法案の提出の背景には日米関係のいろんな会議で得られた合意があります。その一つには、二〇〇五年十月にまとまった在日米軍再編に関する中間報告があります。この中間報告が発表された翌日には新聞各社の社説には注目すべきコメントがたくさんありました。その幾つかをちょっと簡単に紹介したいと思います。  一つは、中国、北朝鮮、テロなどの脅威に日米が共同で対抗する枠組みが作られたのように、この中間報告を高く評価している新聞もあれば、逆に、テロとの戦いや北朝鮮の脅威に対抗する必要性は理解できる、しかし、だからといって米国の軍事戦略に丸ごと従うわけにはいかない、どこまで一緒にやるか、それはあくまでも日本独自の戦略に基づく判断でなければならないとした危惧を指摘したコメントもありました。また、日本がアメリカの戦争に自動的に引き込まれてしまう事態は避けなければならないと書いた新聞もありました。私もこのことを非常に懸念しています。  日米同盟関係の強化のねらいは、総理が設置した安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会にもはっきりと表れていると思います。既にその懇談会の第一回会合が今月の十八日に開かれたと聞いています。  総理は、それに関連して、五月の二日の記者会見において、時代に合った安全保障のための法的基盤を再構築する必要がある、また我が国の平和と安全が維持されるように日米同盟がより効果的に機能しなければならない、日米同盟に関する幾つかの類型、我が国の国際的な平和活動の貢献に関する幾つかの類型に即して集団的自衛権の問題も含めた憲法との関係の整理について研究を行っていく必要があると述べておられますが、この懇談会では具体的にどのような類型のものを検討されているのか、お伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども別の質問に対してお答えをしたわけでありますが、我が国をめぐる安全保障の環境、大きく変わったわけでございまして、テロとの戦い、あるいは大量破壊兵器の拡散、そしてまた、続発する地域紛争という問題がございます。そして、その中でまた、さらに日本は、世界において世界の平和と安定のために貢献することを求められているわけでありまして、その中でどのように我々は責任を果たしていくべきかという課題があるわけでございます。  そうした状況の中で、日本をそして地域をより平和で安全にしていくために、そしてまた、私は日本国民の生命と財産を守る、そういう責務を果たしていくために、さらにはまた、世界から期待をされている貢献を日本が果たしていくことによってより世界を安全にしていくために、法的な言わば基盤を整備をしていく、憲法との関係を整備をしていくという目的において、私の下に安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会を立ち上げたところでございます。そして、そこにおきまして、やはりこれは分かりやすく、これは国民の皆様方にも説明をしていく必要があるわけでありますし、また議論もこれは分かりやすい現実的な課題について議論をしていく必要があろうということで四つの分類を例としてお示しをいたしました。  一つは、公海上においての米艦の防護でございます。日本の自衛艦と米国の艦艇が公海上で併走しているときに、米艦が攻撃を受けた際に日本の自衛艦がそれを拱手傍観をしていることがどうなのかどうかということであります。これは同盟の信頼関係の私は根幹にもかかわる可能性もあるのではないかと、このように考えております。  また、弾道ミサイル防衛でございます。これは、まあ現在の技術水準は別といたしまして、技術はどんどん進歩をしておりますから、そういう中におきまして、米国に飛んでいくミサイルをミサイルディフェンス、日本のミサイルディフェンスの機能を使って撃ち落とすことが、これはできるかどうかという問題であります。明らかに米国の都市をねらっている、そしてそのまま見ていれば何万人の米国の市民が被害を被る、あるいは亡くなっていくという中において、日本がその能力を有しているにもかかわらず、日本に飛んでこないからといってそれをそのまま何もしないで見ていなければならないのかということでございます。  そしてもう一点は、言わば国際的な平和活動を行っている際の武器使用の問題でございます。一緒に言わば平和維持活動あるいは復興支援活動等々を行っている中において、他国の部隊が攻撃をされた際に、もし救助を要請されたと。逆の場合は日本は救助されるわけでありますが、救助を要請されたときに、日本がそれはできませんと断らなければいけない状況の中で、お互いに幾つかの部隊が一緒に協力をし合いながらそういう国際的な活動を行うわけでありますが、果たしてこれは信頼関係を維持して共同で作業することができるかどうかという課題もあります。  そしてもう一点は、いわゆる後方支援の在り方の問題でございます。  こうした点について、四類型について、四類型を中心にこの懇談会におきまして有識者の方々に見識を生かしていただき、御議論をいただきたいと、このように考えているところでございます。集団的自衛権の問題を含めた憲法との関係の整理について、結論を予断することなく様々な観点から検討をしていただきたいと、このように考えております。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今、まさしく総理の答弁の中では、この懇談会の中でその類型、今話しましたような例では、もしこれは本当に実施する方向に動けば、これはあくまでも集団的自衛権の行使を認めるという方向になるのは間違いないと思います。  一つは、総理は、この懇談会においては、その結論を予断することなく様々な観点から見識、学識に基づいて議論していただきたいとは述べておられますが、懇談会のメンバーの中でこの集団的自衛権の行使に関して慎重若しくは反対の態度を表明している方が一体いますか。すべての方がもう容認派ではありませんか。これに対する総理の御所見を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この懇談会におきましては、外交防衛の実務経験者、政治、外交、国際法あるいは憲法等の幅広い分野の学界関係者や経済界の民間有識者、各界の代表の方々に御参加をしていただいております。言わば現場を知っている方々を含め、また実務に精通している方々、そして今までこうした問題について真剣にいろいろと議論をしてこられた、また論文を出されてきた方々に私は集まっていただいたと、このように思っているわけでありまして、こういう皆様に是非建設的な御議論をいただきたいと、このように思っているところでございます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 そのメンバーから、その構成からも考えると、もう最初から結論ありきというようなことになっている。少なくとも中立の立場では議論している懇談会ではないと私は見ています。  そして、やはり国民の中でもこれに非常に懸念している声が高いんです。国民だけではなくて、与党の中でもそういう声が聞こえているということは、私たちの耳にも入っています。一つの表れは、五月十二日、十三日に行われた共同通信の世論調査によると、集団的自衛権行使は憲法で禁止されているとの政府解釈に関して、今のままでよいは六二%となっています。この世論調査の結果を総理はどのように考えていますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世論調査というのは同じ設問、課題であっても、その実施主体やあるいは時期や、あるいはこの設問の仕方によって大分結果が違ってくるんですね。ですからそれは、世論調査ですからいろんな世論調査があるんだろうなと、このように思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 しかし、総理に対して、この懇談会に対しての支持というか、議論してもよいという人も国民の中には六〇%。しかし、これはあくまでも結論ありきでは行ってほしくないということは当たり前ですし、やはりそこでも国民の声を聞きながら考えなければならない、何しろ、六十年間も日本ではこの集団的自衛権の行使が認められていなかったんだから。この懇談会ではもう報告を秋でするということもありますから、そんなに早くそういう結論が出るのはどうかなと思っています。  もう一つの、ここから今、別な問題に入ります。  もう一つの大きな問題が、沖縄駐留の米軍海兵隊のグアム移転経費であります。中でも、日本側が負担で建設することになっている海兵隊用の家族住宅の建設費が余りにも高いのは大きな問題になっています。五年以内にグアムには家族住宅が三千五百戸造られることになっています。しかし、一戸当たりの費用が何と八千万円にも上ると報道されています。そして、それに比較すると、既にグアムに米軍用に造られている家族住宅の一戸当たりの値段はその四分の一、二千万円しかありません。  この家族住宅建設用の資金は日本側が用意することになっています。そうして、政府系金融機関である国際協力銀行から出資あるいは融資などの形で貸すことになります。その資金は家賃などとして五十年間で返還される予定と聞いていますが、果たしてその回収が本当に可能であるか大きな問題であります。  いずれにしても、その資金は国民の税金が元になっているので、大きな無駄遣いになっているのは間違いありません。  少なくとも、総理にお聞きしたいことは、一戸当たりの八千万円も掛かることについてその積算根拠を国民に説明する義務が政府にあると思いますが、総理はどのようにお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御質問でございますが、この家族住宅の二十五・五億ドルという金額は、検討段階における米国の見積りでございまして、これはあくまで概算でございますので、引き続き積算の詳細を日米間で協議をして、出資、融資が確実に回収されるようきちんと精査していくことが大切であろうと、このように思っています。  確かに、この二十五・五億ドルを戸数の三千五百戸で割ると八千万円と、こういうことになるわけでございますが、グアムにおいては大量の建設資材等をすべて島外から搬入する必要がある等々、いろんな高くなるという理由はあるようでありますが、しかし現段階でのこれはまだ積算、見積りでございますから、これからさらに詰めていきたいと、このように思っております。今、鋭意、防衛大臣も恐らくそれは精査をしていくであろうと、このように思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 これも国民が聞いていることで、本当に八千万円というのは、現段階ということは、実際には後々そこから安くなるかどうかはこれはもちろん分かりません。  ちょっと私はもう一つ、あと六分しかありませんから、大きな問題について質問をさせていただきます。  これは、神奈川県のキャンプ座間への米陸軍司令部の移設は、今回の再編の中で米軍が最も重要視しているものの一つであります。また、キャンプ座間米軍基地強化は、米軍の司令部の移転だけではありません。自衛隊の中央即応集団の司令部もキャンプ座間につくることになっています。  この二つの司令部の統合によって、キャンプ座間の周辺地域の住民たちが新たな大きな危機にさらされることは間違いありません。つまり、万が一東アジアでは戦争が発生すれば、日本あるいはアメリカをターゲットにするミサイルの最初の一発は、ほかならぬ座間に飛んでくるのです。そうなれば、直接被害だけでも、いろんなそこの市が周りにありますから、何十万、いや何百万人の人に被害を被ることになります。そうして、日本の大動脈、東海道新幹線あるいは東名高速道路、国道十六号線が麻痺して、そうして、今は例えば巨大災害として対策が進められている東海地震とは比較的にならないほどの甚大な損害が首都圏を覆うことになります。  ここはなぜ本当にやっていけないことか。そういう人口集中しているところには、例えば日本は批准して加盟して国際人道法、ジュネーブ条約追加議定書第一議定書五十八において、加盟国の軍民施設分離が規定されています。その一つの文章だけを読みますと、人口の集中している地域又はその付近には軍事目標を設けることを避けることとなっています。  だから、私が質問したいことは、人口集中するキャンプ座間には、新たに米軍司令部を呼び込み、更に自衛隊の中央即応集団司令部との統合司令部をつくることは、今読みましたように国際法上認められないことだと考えますが、いかがですか。  そして、ついでに、まだキャンプ座間には、隣接する地元の座間市あるいは相模原市は基地強化につながるという理由などで非常に反対しています。この地域住民たちの反対をどのように解決するつもりですか、お聞きします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) キャンプ座間の米陸軍司令部の改編及び陸上自衛隊の中央即応集団司令部の同キャンプへの移転は、昨年五月のロードマップにおいて在日米軍再編の一環として日米間で合意したものでございます。これらの措置は、国際法上問題を生じせしめるものとは考えていません。また、地元との関係につきましても、相模原市については一定の御理解が得られたものであると、こう認識をしています。  今後とも、地元自治体等に対して米軍再編の必要性について御説明を行うなど、御理解と御協力を得られるように努めていきたいと思っています。  そこで、ただいま委員が御指摘になりましたジュネーブ諸条約第一追加議定書第五十八条(b)でございますが、これは、紛争当事者が人口の集中している地域又はその付近に軍事目標を設けることを避けることを定めています。この条約は、この同条は、平時において締約国に対して義務を課すものではなく、また、武力紛争においても、あくまで紛争当事者に対して実行可能な最大限度まで攻撃の影響に対する予防措置をとることを義務付けたものであります。  こうした規定ぶりである以上、御指摘の再編案件が追加議定書の五十八条(b)の規定との関係で問題となることはないと、こう考えております。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 時間がなくなりましたから、もうここで終わりにしますけれども、最初に私は話しましたように、一つのこの法案の趣旨の大切なことは、いまだ再編を受け入れていない市町村に協力を求めるということは非常に大事です。それは今実施されていないと思います。  以上です。

高野博師公明党

○高野博師君 公明党の高野博師です。  まず最初に、集団的自衛権について何点かお伺いしたいと思います。  まず、これまで、戦後ですが、集団的自衛権を行使したという、あるいは戦争、あるいは武力の行使の例というのはどのぐらいあるんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる集団的自衛権の行使としては、非常に明確なものは、これはアフガンに対する攻撃、いわゆるアフガン戦争の際にヨーロッパの国々が、NATOにおいて定められているこの集団的自衛権の行使を行うということにおいて言わば攻撃を行ったということではないかと思います。

高野博師公明党

○高野博師君 自衛権、個別的、集団的自衛権を行使したときは、国連の加盟国はすべて五十一条に基づいて報告をするということになっているんですね。この報告はアメリカだけが出しておりまして、アメリカは個別的、集団的自衛権の行使を開始したという報告をしているだけでありまして、ほかの国は出しておりません。今までの例を含めますと、これが集団的自衛権の行使だという例は今総理がおっしゃったアフガンの例がまあ考えられるかなというだけでありまして、明確にこれが集団的自衛権の行使だという例はないんではないかと思うんですね。  もう一つ、集団的自衛権を憲法に明記している国というのはどのぐらいあるんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 各国の憲法において集団的自衛権に関する規定があるかについて網羅的にすべて把握をしているわけではありませんが、例えばポーランド共和国、チェコ共和国、スロバキア共和国の憲法に関連の規定が置かれていると、このように承知をしておりますが、言わば個別的自衛権と集団的自衛権、これが言わば自衛権であると、自衛権は言わば自然権ですね、ドロワナチュレルと言ってもいいんでしょうか、自然権としてあるということにおいて、あえて、自然権である以上、憲法に殊更記述をしていないというふうにも解釈できるのではないかと思います。  また、ちなみに自民党の憲法の改正草案においてもそれは明記をしていない。それは、今申し上げたような考え方によるところでございます。

高野博師公明党

○高野博師君 今、有識者会議でその検討をされているわけでありますが、そもそも集団的自衛権を認めないと日米同盟というのは維持できないのか、あるいは国民の生命、財産あるいは日本の安全保障を守れないのかどうか、あるいは国際貢献ができないのかどうかということだと思うんですね。そこで、今お話ししましたように、過去にもあんまり例がないと、これは集団的自衛権の行使だという例は。もちろん、憲法に書く必要はないと、これは国際法上認められているわけですから。憲法にこれを明記する云々という議論はあんまり意味がないかなとも思います。  しかし、集団的自衛権が認められたから、それでは日本の安全がより守られるから、国民の皆さん、安心してくださいよと言えるような状況になるかというと、必ずしもそうではないんだろうと思うんですが、その辺の御認識はいかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの集団的自衛権が明記されている、されていないという議論でございますが、国連憲章にも集団的自衛権については言及があるわけであります。むしろ、この国連憲章において自衛権を個別的、集団的自衛権と、このように整理をしたと言ってもよろしいんではないかと思うわけでありますが、日米の安保条約の前文にも、両国は集団的自衛権を権利として持っているということがこれは書いてあります。また、例えば当時の日ソの五六年宣言においても、実は集団的自衛権をこれは持っているということについての言及もあるということは申し添えておきたいと思うわけでございます。  そしてまた、この集団的自衛権は言わば自然権としてあるという観念から、繰り返しになりますが、自民党の憲法の改正草案にも書いていないわけでありますが、しかし、もちろんこの国の安全又は地域の安定を守る上においては、言わばこうした武力あるいは安全保障上の措置だけではなくて様々な力が必要であろうと、このように思います。言わばODAを活用した国際的な貢献における信頼関係のこれは構築ということも大切でしょう、日本はそういう努力を当然今まで行ってきているわけでございます。  しかし、それと同時に、私が申し上げるように、四類型において、こういう類型について果たしてどうだろうかということを具体的に申し上げているわけでございまして、先ほど委員が御指摘になったように、基本的にこれは典型例としての集団的自衛権の行使というのでしょうか、さらに個別具体的、類型的にこれがそれに当てはまるかどうかという研究やこれは解釈についての法的基盤をやはり整備をしていく必要があるのではないかと、こうした問題意識から懇談会を立ち上げたということでございます。  もちろん、自国の安全を守るためには様々なこれは角度から努力をしていく必要が当然あると、このように私も認識をしております。

高野博師公明党

○高野博師君 四つの類型についても、本当にそれが現実的かなという感じがします。  例えば、公海上でアメリカの艦船と日本の艦船が一緒に航行していると、そこでアメリカの艦船が攻撃されたとき日本は何もできない、そしてその場合には日米同盟が崩壊するんではないかというような議論も結構なされておりますが、しかし現実にアメリカだけを攻撃するということがあり得るのかどうか、時間差はあるにしても。あるいは、本当にアメリカを攻撃する国が今あるのかということであります。頭の整理としては、四つの類型はいいかもしれません。しかし、余り現実的でない議論という私は印象を持っております。  しかし、いずれにしましても、本当に国民の生命、財産を守るために必要だというのであれば、真っ正面からこれは議論する必要があるんだろうと思います。しかし、もう一方で、私は、もっとやっぱり日本の平和主義ということ、これについてはきちんと現実の脅威には対応できるような体制を整えながらも、しかしもっと日本の平和主義あるいはソフトパワー、平和戦略、こういうものを強めていくということが必要ではないかなというふうに思っております。  美しい国というのはやっぱり武力を使わない国だ、人間の尊厳が実現する国だ、できる国だという、あるいは自分の国だけが美しいということではなくて、貧困や紛争、いろんなところでいろんな問題がある、こういうことについても思いやれる国が美しい国ではないかなというふうに思います。  ちょっと最初に集団的自衛権の話をしてしまいましたが、国際情勢について、まず大枠について総理の認識を伺いたいと思います。  グローバリゼーションが進んでいるという中で、地球の温暖化が進んでいる。麻薬、テロ、貧困、あるいは地域の紛争等、様々な問題がある。経済もグローバル化している。国と国の間の格差も大きくなっている。国の中でもいろんな問題が起きている。中東情勢もあるいは東アジアも不安定な要因がたくさんあると。世界じゅうの人々が不安を持っているんではないかということ。地球の温暖化については、これは大量破壊兵器だという学者もいるぐらいであります。人類の社会、国際社会が向上しているというよりも、むしろ劣化しているのかなという私は感じを持っております。  そして、この国際社会というのは、力に対しては力をという力の論理、あるいは市場の論理、国家の論理というのが支配的になりつつあるのではないか、人間の論理というのが弱まりつつあるのではないかという私は認識をしておりますが、総理はどういう御認識か、簡潔にお答えいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば、金融資本は国境のない中において世界を駆けめぐるわけでございます。そういう中において、だんだんこの貧富の格差は、これは広がっていくのではないかと、そういう指摘もあるわけであります。だからこそ、この国際社会がそうした格差と真正面から取り組んでいくことが大切ではないか、こう思うわけであります。  六月にドイツのハイリゲンダムで開催されるサミットにおいても、気候変動の問題、そしてまたアフリカの貧困の問題、またこのアフリカの貧困の問題を含めて世界におけるこうした格差の問題、またそうしたものを、これを解決をしていくためのイノベーション等々についてここで議論がなされるわけでありますが、そうした課題について、世界的な課題として国々が力を合わせていくことが重要であろうと思うわけでありますし、御党が主張しておられる、今まで主張してきている、国連で実践をしてきております言わば人間の安全保障という観点から、人間がその尊厳を守り、基本的な人権を守り、そして日々の生活、また環境衛生を守っていくために国際社会が連携をしていくことも極めて重要ではないかと、このように認識をいたしております。

高野博師公明党

○高野博師君 正に日本が国際社会の中で何ができるかというときに、理念としてやっぱり人間の安全保障というのがなくてはならないだろうと思っております。  日米同盟について若干お伺いしたいと思います。  国際情勢、安全保障の環境が非常に変化しているという中で、日米同盟の在り方についてもいろいろ議論がありますが、小泉総理のときは華々しく世界の中の日米同盟と、勇ましくこれをうたい上げたのでありますが、今ほとんどそれが聞かれなくなりました。安倍総理は掛け替えのない日米同盟、これはかなり落ち着いて現実的かなという感じがいたしますし、いずれにしても、同盟関係というのは厳粛で神聖で確固たる信頼関係がなければ成り立たないというふうに思っております。  そういう中で、先般の2プラス2、久間大臣も出席されましたが、その中で日米同盟、この中でアメリカ側は核の傘というのもきちんとコミットした。これは東アジアの核ミサイル、北東アジアの核ミサイル問題等を考えれば、これは抑止力ということも考えると意味があると評価ができるんではないかと思っております。  そういう中で、またこの2プラス2の委員会の中で、日本がオーストラリア、インド、あるいはNATOとも関係を強化していくということがうたい上げられておりますが、これは共通の価値観に基づく協力関係だと。それは法の支配、正にそれが法の支配、民主主義、自由市場経済、人権、それは結構だと思います。しかし、そういう共通の基本的な価値観だけで国を、地域を選んでいいのかなという感じがいたします。  例えば、日米豪、このオーストラリア含めた、これは対中包囲網ではないかという批判もありますし、NATOとの関係を強化すればロシアを若干刺激すると、いろんな問題がある。しかし、今まで日本というのは、基本的価値観が違っても、この違いを認め、受け入れた上で友好関係を築いてきたという過去の歴史があるわけでありまして、各国には正に歴史的、文化的、政治的な背景があって、いろんな価値観、違い、体制を持っているわけでありますから、そういう中で、やはり基本的価値観といいながら実際はパワーポリティックスといいますか、パワーバランスというような発想が入っているんではないか。要は、日本がアメリカと同じことを言い出したんではないかというふうにとらえられることが私は若干懸念をしているということであります。  そういう中で、この米軍再編という問題、先ほどもいろいろ議論出ているように、米軍の抑止力を維持しながらできるだけ沖縄の負担も軽減する、こういう基本的な考え方の中でやるわけですが、抑止力については、これは対国に対しては効果はありますが、テロリストに対しては抑止力というのは全く効果がないということ。テロリストはどこにいるか分からない、国境もない、国民もいるわけではない、数名でもできるということでありまして、この抑止力という点については対国家ということであろうと思っております。  そこで、普天間の代替基地、これについてお伺いしたいと思いますが、特に地元の住民の強い要望があるわけです、もっと柔軟に対応してもらいたい。これも先般の委員派遣の中でも、地元の市長から、普天間飛行場の代替施設に関するV字案を基本として可能な限り沖合に寄せるという提案は、昨年四月の当時の防衛庁との基本合意の趣旨に沿ったものである、正当なものであると、こういう言い方をしております。  要するに、いったんできてしまえば簡単に変えるということはできない。将来にわたってこの代替施設と向き合う住民、これが安全性の確保あるいは騒音という問題について、できるだけ政府は配慮する必要があるのではないかということであります。  実は、私の地元の入間にも基地があります。この入間の基地ができて、よく知らないで引っ越してきた人が、実は騒音で補助の対象になるぎりぎりのところに家を買ってしまった、しかしもう耐えられないほど騒音に悩まされているという事情がありました。今でもそういうことがあって苦しんでいる人はたくさんいる。  今の普天間の代替施設の建設に当たっては、住民の要望というのを十分に聞いてもらいたい、もっとアメリカに対して交渉して申し入れたらいいんではないかと思うんですが、これは防衛大臣はどうお考えでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) いや、地元の意見はできるだけ聞くことにいたしております。  しかしながら、このV字案を作る経過について言いますと、V字案が、やっぱり地元のそういういろんな要望から、それでV字案になったわけでありまして、V字案にすると、上りと下りの風向きによって二つ区別ができるし、騒音も非常に避けられるということでああいう案になった経緯がございますから、そのときは実は名護市もV字案そのものについて結構コミットしておるわけですね。むしろ仲井眞知事さんの方は新たに登場したピッチャーですから、仲井眞さんの場合はそうですけれども、名護市の市長さんはその当時の経過についてはよく御存じなものですから、合理的な理由がなければなかなかこれを変えるというきっかけになりませんので、今アセスをやろうとしておりますから、そういうような結果の中で意見が出てきて、本当におっしゃるように騒音が大きいのかどうか、それは結構そう違わないというふうなこともあの当時言われて今のV字案になった経過等もございますので、その辺の意見等も調査の結果を見ながらやっていったらいいんじゃないかと思っておりますので、いずれにしましても、地元の意見についてはよく耳を傾けようと思っております。

高野博師公明党

○高野博師君 それでは、環境アセスも含めて、この住民の要望については柔軟に対応するという理解でよろしいですね。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 柔軟に対応するというよりも、合理的な理由がそういうので示されれば、これはもうだれしもがそれに従うわけでありますので、案外、結構、私も後から調べてみますと、いろんなことを考えながらあのV字案というのは作られたなというのはよく分かりますので、騒音のいろんな、量とかいろんなことも、果たしておっしゃるほどそう百メートルとか五十メートルで違うのか違わないのか、その辺も結構ありまして、やっぱりせっかく日米間で合意しておるわけでありますから、それを変えるにはそれなりのやっぱり合理的な理由がないとなかなか難しい点もございますので、その辺についてはよく見ながらやっていこうと思っております。

高野博師公明党

○高野博師君 合理的な理由は恐らくあるんだろうと、住民の声の中には。そこはよく耳を傾けていただきたいと思います。  もうあと一分しかないので、最後に、私の地元の所沢の米軍通信基地なんでありますが、若干グローバルな話からローカルな話に移って恐縮ですが、大事な話なんです。  もう私は六年前からこれに取り組んでおりまして、その間に現地の調査も何回かやりました。そういう中で、今米軍側と交渉しているということでありまして、その東西横断道路ができれば、環境問題あるいは交通渋滞、これも解消するという地元の強い要望があるんですね。米軍再編の大きな一環と位置付けることができると思うんですが、そこで、地下にするのか、あるいはどういう形で道路を造るのかということを今検討中だと思いますが、できるだけ早く着手してもらいたい、建設に、ということをお願いして、一言だけ。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今施設部会で検討しておりますので、これをまた合同委員会にかけられるように、できるだけ努力していこうと思っております。

高野博師公明党

○高野博師君 是非よろしくお願いいたします。  終わります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  先週末から沖縄で大問題になっております事態について、私は総理に今日はお伺いしたいと思います。  名護市の米軍の新しい基地の建設工事で、海域調査ということで海上自衛隊の五千七百トンの掃海母艦が派遣された。また、その現場周辺には掃海ヘリコプターも旋回したという話です。新しい米軍基地を造るのにそうした巨大な艦船が出る、異常な事態だと思います。沖縄では、新聞の報道でも市民を相手に巨大艦船を出したと一斉に批判が起こっております。  そこで、総理に伺いたいんですけれども、沖縄の仲井眞知事はこう述べているんですね。自衛艦まで出すのは県民感情を考えるとやり方が荒っぽい、銃剣を突き付けるような連想をさせる、デリカシーに欠け強烈な誤解を生む、信じられない、こう述べているんですね。総理は、知事のこの言葉をどのように受け止められますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の調査でございますが、現地調査の実施は、主として民間業者によるほか、限られた期間内で作業を安全かつこれは円滑に実施をしていく必要がありました。その観点から、海上自衛隊が持っている潜水能力等を活用して協力を行ったものであります。言わば国の資源を有効活用したということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。そういう能力を持っている言わば人的資源があるわけでございますから、それを活用したと、こういうことでございまして、今後とも、環境調査に当たっては地元の皆様に対して誠意を持って十分に御説明をしていかなければいけない、沖縄県に対しましても、今回の調査につきましてもよく誠意を持って説明をしていきたいと、こう考えております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 総理、国の資源の有効活用なんて本当驚いた話ですよ。そうしたら、自衛隊どこでも行くじゃないですか。  そして、話はそんな話じゃないんですよ。何で沖縄が知事も含めて怒っているのか。それは、ちょうど現地の新聞にありますけれども、県民世論への国家の威圧だ、そう言っているわけですよ。そして、実際防衛省も、掃海母艦を沖合に停泊させたことで妨害活動が減るのではないかと考えたと、はっきりと、自衛隊の有効活用によって沖合に軍艦を浮かべて、そしてその妨害や市民の声を抑えようと、そうしたわけですよ。それが国家の威圧とみんな言っているわけですね。  先週、ちょうど当委員会で沖縄の視察を行いました。私も参加いたしました。そして、そこで沖縄県知事ともお話をさせていただきました。知事はこう述べたんですね。政府は県民の話を聞かない、頭越しというしこりがある。あるいは、島袋名護市長も、防衛庁は新基地建設について誠意を持って協議し結論を得るという昨年の当時の防衛庁長官との合意書、これを守らないと強い不満を述べておりました。  そうした中で今回の事態ですよ。沖縄の新聞は、自衛隊が国民に銃口を向ける行為、県民への軍事的恫喝、そういう声がずっとオンパレードですよ。そして、住民にアメリカとの合意を問答無用で強行するのか、それが批判です。地元自治体が意見を述べても政府は聞き入れない。そういう姿勢に立場を問わず、自民党推薦のそういう方々も含めて、市町村長、知事も含めて怒っている。議会も同様なんですよ。  私、何度か質問しましたけれども、小泉前首相は、地元自治体の理解なしでは実行不可能だ、頭越しはしない、繰り返しそう答弁されてきた。そして、総理御自身も、沖縄など地元の切実な声をよく聴き、耳を傾ける、そう繰り返し答弁されてきました。こんなやり方で県民の理解が得られると総理はお考えなんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど威圧を行っていたではないかというお話がございましたが、全く威圧ということは考えていないわけでありまして、掃海母艦の方も言わば作業のバックアップとして、安全に作業を進めていくためのバックアップとしてこれはその場にいたという私も報告を受けているわけでございます。  いずれにいたしましても、海上自衛隊の能力を活用したということについても、県側にもよく意図等々について、必要性等についても誠意を持って説明をしていきたいと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 総理、地元の声をよく聴いていただきたいんですよ。自民党の沖縄県連だってこう述べているんですよ。国と地元、県との協議が続く中で海自派遣は誠に遺憾、本県の政治情勢を全く理解していない、こう述べているわけですよ。ですから、威圧ではない、バックアップ、そのためだと、とんでもない話だと思いますよ。  それで、私、お伺いしたいんですよ、総理。自衛隊が巨大艦船まで差し向けて、(発言する者あり)巨大艦船ですよ、五千七百トンの掃海母艦を差し向けて新しい米軍基地の調査に協力するということはかつてあったんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この海自の活用についてなんですが、これは潜水夫、海自の潜水能力ですね、潜水を行う言わば潜水夫の方々に潜水して作業をしていただいたわけなんですよ。ですから、そして当然その人たちが何かあったときのために、救助も含めてのバックアップとしてこれは艦艇があるということでございまして、威圧とかそういうことでは全くないということは、潜っているのは言わばダイバーが潜っているわけでございまして、ですから潜っているわけですから、それは自衛隊かどうかなんということ自体がなかなか、制服、制服というかそういう装いをしておりますが、しかしそれはあくまでもダイバーだということは申し上げておきたいと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 初めてですか。  沖縄は日本復帰三十五周年迎えたばっかりですよ。銃剣とブルドーザーで土地を奪われ米軍基地を造られた、そういう歴史を持って、それと二重写しになるんですよ。ですから、みんな威圧だと、そういうふうに受け止めて、一斉に新聞が書き批判している。知事も自民党県連も批判しているんですよ。  ですから、そういう中で私はつくづく思います。これはお答えなかったけれども、初めてだと思いますよ。こんなことかつてなかった。こんなかつてない前代未聞のことまでやって、遅れなく米軍の新基地を造ろうということが今回のことだと思います。総理とブッシュ大統領との会談の中で、在日米軍基地の再編、その遂行、合意したことの履行、これについての一致があったということです。要するに、今回の事態というのは、その実行を確実にやる、スムーズにやる、そのために県民の声や世論、これを切り捨てる、威圧する、そのためにやったと思います。  私は率直に最後に伺いたいんですよ。総理、そのアメリカとの約束と沖縄の声とどっちが大事なんですか。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 安倍内閣総理大臣、簡潔に御答弁願います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地元の皆様の切実な声に耳を傾けながらこの米軍の再編を着実に進めていきたい、何といってもこの米軍の再編というのは地元の言わば負担の軽減にもつながっていく、このように思っております。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 緒方君、時間です。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 基地のそういう押し付けというのは時代錯誤だと、とんでもないということを申し上げて、時間ですので質問を終わります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。総理もお疲れでございましょうが、もう最後でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。  これは小泉前総理にもお伺いしましたけれども、まず最初に、安倍総理にとって、あるいは日本政府にとってと言い換えてもいいんですが、沖縄とは何ですか。つまり、総理の沖縄に対する御認識をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 沖縄といえば何といっても沖縄戦が思い起こされるわけでございまして、一般の住民の方々、軍人軍属、そして米兵合わせて二十万人の方々が命を失われた。その沖縄において、正に地域住民を巻き込んだ悲惨な沖縄戦が戦われたわけであります。正に沖縄の願いは平和であろうと、このように思うわけでございます。  そして、長い間米国の施政下にあったわけでございます。そういう中にあって、やはり沖縄の発展ということにおいては、いろいろなこれはハンデを背負ってきたんだろうと、こう思うわけでございます。今後、私たちは、正に沖縄の願い、平和を実現するためにも努力をしていきたいと、こう思っております。  それと同時に、私は、沖縄のこの発展を我々も支援をしていかなければいけない、そういう責務を感じているわけでありますが、沖縄は現在、日本の中でも最も出生率が高いわけでありますし、県民の人口も、県民もこの平均年齢、大変若い人口が多いわけであります。そういう意味におきましては、正に沖縄には日本の未来があるのではないかと、このようにも思うわけでありますし、日本の地図では正に南端に位置をするわけでありますが、アジア全体で見れば正にアジアの中心とも言えるのではないだろうかと思うわけでございます。  そういう現在のこのアジア全体が一つになっていくという中において、沖縄の未来は大変私はすばらしいものがあるのではないかと、このように確信をいたしておるところでございます。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 沖縄の未来がすばらしいものになるという総理のお話でございますけれども、私は全く逆でございまして、沖縄の未来は大変暗いというふうに認識しております。  さて、今総理ちょっとおっしゃったんですが、去る沖縄戦で多くの住民が犠牲になったという趣旨のことを今お話がございましたけれども、その沖縄戦についてスタッフから何かレクチャーを受けられたり、あるいは若しくは総理御自身が沖縄戦について書かれた本をお読みになって何らかの沖縄戦から酌み取る教訓があるとすれば、どうぞ教えてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が森政権において官房副長官であったときに、クリントン当時の大統領が沖縄に来られました、そこで開かれたサミット出席のためでありますが。その際、平和の礎に赴かれまして、そこでスピーチをされたわけであります。私は、大変すばらしいスピーチであったと、このように思うわけでありますが。  私もそのときに初めて平和の礎を訪れたわけでございますが、その礎におきましては、先ほど私が申し上げました、これは日米の差を設けずに、当時の敵味方なくすべての名前が刻まれていることに、ある種の感動を覚えたわけでございます。また、沖縄戦というのは住民も巻き込んだ戦いであったわけでございまして、多くのその中から悲劇が生まれたということも私、承知をしているわけでございます。  そういう中から、やはり沖縄を含め日本の、そして地域の平和と安定をしっかりと守っていかなければならないと、このように思っているところでございます。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 総理も御承知だと思いますが、衆議院の方でも大分問題になったわけですが、教科書の検定問題ですね。これは、軍の命令によって集団自決が沖縄戦の場合にあったということと、軍の命令はなかったという二つの説があるわけでございますけれども、実は私も戦争体験しておりまして、私の学校は四百名ほどの職員、生徒がいましたけれども、沖縄守備軍司令部から一人の将校がやってきて、口頭でもって、今日ただいまから全校職員、生徒は軍に動員されたということで、戦場に出されたわけなんです。  それで、防衛庁の戦史室にたくさんの陣中日誌というのがございますけれども、それを繰ってみればすぐ分かりますけど、軍隊における命令というのは圧倒的多数が口頭でなされているわけなんですね。ですから、今の軍命令があったという住民の証言もたくさんありますし、また、いや、軍命令はなかったという、そういう人たちもいるわけなんですが、私からしますと、軍命令がなかったというのをどういうふうに証明しようとするのかということが非常に疑問に思われるわけです。それから、よく御承知のように、戦争後、軍の機密文書というのはみんな焼き払われたわけなんですね。  ですから、そういった意味からいっても、全般的な総合的な観点からしますと、軍の命令なしに手りゅう弾を使って住民が自決するということはあり得ないというのは私なんかはっきり言えると思うわけですが、そういう観点からして今回の検定について総理はどういうお考えをお持ちでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、総理として個別の教科書検定について意見を述べることは差し控えるべきではないだろうかと、このように思うわけであります。  教科書検定は、教科書用図書検定調査審議会において専門的な調査審議を行っていると、この審議に基づいて検定がなされていると、こう承知をしているわけでございますが、私が言わば影響力を行使をするということはあっては、政治の場から、それはあってはならないのではないかと、このように思うところでありまして、この個別の事例についての意見の開陳は差し控えさせていただきたいと、このように思います。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 私が先ほど沖縄の未来について悲観的なことを申し上げたのは、理由がございます。それは、今年沖縄が日本に復帰して三十五周年を迎えるわけなんですが、実はこれまで、政府が沖縄県に対して、復帰時点から二〇〇六年度までに総額約八兆三千億円に上る経費を与えているわけなんですね。その結果、道路、港湾、インフラの整備は大分進んだわけなんですが、二〇〇六年度の失業率は、全国平均が四・一%に対して沖縄は七・七%で、全国最悪。また、二〇〇一年度の一人当たりの県民所得は、全国平均が二百八十四万円なのに対し沖縄は百九十九万五千円で、全国最低。また、自治体の自主財源率は、全国平均が四九・九%に対して沖縄はわずかに二七・三%。県内の市町村財政も全く似たようなものでして、全国平均が五三・一%に対して沖縄では三三・一%というのが実態なんですね。  ですから、なぜそうなっているのかと。つまり、これだけ巨額のお金を出していながらなぜそうなっているかということを、もう時間がないので私の方からちょっと意見を申しますが、実は普天間以南の中南部の基地を返してもらって、これを民間が使って町づくりあるいは産業を興すというようなことをすると、雇用も十倍くらい増えるし、それから所得の方もはるかに増えるわけなんです。ですから、総理はよく沖縄の負担を軽減するとおっしゃるわけなんですが、実はグアムに八千人移っても、新たに名護の方に造ってしまえば負担の軽減にほとんどならないわけですから、その辺を是非御理解いただいて、文字どおりの負担の軽減をしてくださることをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。  午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、ツルネンマルテイ君が委員を辞任され、その補欠として犬塚直史君が選任されました。     ─────────────

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 休憩前に引き続き、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案を議題といたします。  この際、防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。久間防衛大臣。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 先般、当委員会におきます私の答弁中、できるだけ早く、これからこの法律が通りますと、このスキームに基づいて事業費を精査して全体の事業費を決めていき、我が国の負担分を決めていきますという話を申し上げました。  そのときに、予算の単年度主義との関係から、単年度単年度で決まっていくとどうだろうかという問題がありますので、これはやっぱり国会へ報告して何らかの形で一定の縛りをするようなことにした方がいいと私自身は思っておりますということを申し上げましたが、それを別に条約というような形で申し上げたわけじゃございませんで、そのときの政治判断をそのときの政府がするわけでございますが、何らかの形で国会へ報告して、国会の関与があった方がいいという意味で申し上げたわけでございますので、その辺もし誤解を与えたとすれば、その辺のことについての御理解を賜りたいと思うわけであります。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 ただいまの久間防衛大臣の発言に関して、予算単年度主義だということで、それによって不測の事態がないようにしたいという趣旨だというふうに理解をいたしますが、今日は財務省、政府参考人で来ていただいておりますが、まず、単年度主義と言っておりますけれども、国庫の債務負担行為あるいは継続費といったようなものについて、要するに複数年度にまたがる我が国の支出はこの二つだというふうに理解をいたしておりますけれども、その点について少し御説明いただけますでしょうか。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) 今御指摘ありましたように、国庫債務負担行為と継続費というものがございまして、ともに経費の支出が二か年度以上に要するものについて後年度、これは財政法では五年度以内となっておりますが、にわたる債務負担の権限を付与するという仕組みがございます。  それぞれ若干の違いがございますが、例えば国庫債務負担行為は債務負担権限のみを付与するということでございます。他方、継続費は、債務負担権限とともに後年度にわたる支出権限を付与するということになっております。また、国庫債務負担行為の場合は、予算に計上された年度に全額債務負担行為を行わなければならないのに対しまして、継続費の場合は債務負担行為を各年度に分割して行うことも可能である等々、そういうふうな若干の違いがございますが、いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように、支出が二か年度以上に要するものについてはこのようなスキームがあるということでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 この法律が通って、最終的にグアムにおきます海兵隊の住宅を造る金額も、上限だということで言われておりますけれども、それが固まった段階で日本側の負担というのが決まってくるということだと思いますが、私は、前もこの委員会の中で申し上げましたけれども、それを国際約束という形にして国会の承認を得た方がいいというふうに思っていますけれども、久間大臣は、今の御答弁で、そういうことではないんだというふうにおっしゃっていましたけれども、いずれにせよ、国際約束という形の国会承認がないにしても、国庫債務負担行為あるいは継続費という形で、当然グアムの海兵隊住宅が一年でできるわけではないと思いますから、複数年度にまたがっていくということになると思うんですが、これはどちらを考えておられますか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 国庫債務負担行為の場合は、今も説明にありましたように財政法上五年以内というふうになっているわけですね。これ、二〇一四年まで掛かって造るということになりますから、それを超えていくことになる可能性もあるわけです。物理的には、発注したものについてはそんなに長く掛からないで仕上げることはできるかもしれませんが、全体計画としては五年以上に掛かるわけでありますから、その辺はどういう形にするのがいいのか、そのときのやっぱり政府の判断で何らかの形を決めておかないと、後のやりくりといいますか、米国にとってもそうでしょうし、我が国にとっても、予算のいろんな変動等があったときにどうなるのかと気になりますので、何らかの格好で全体事業費はこう決まりましたということを国会に報告しながら、いろんな議論をそのときの政府として政府の責任でやるべきじゃないかなと思っております。  今私の立場で、現時点でこういうアイデアでということでは持っておりませんけれども、全体事業費が決まった段階でやっぱりここは、これは議論すべきじゃないかなと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 大変重要な御答弁ですので確認させていただきますけど、全体の事業費が確定した段階で国会に報告をして、そしてそれが当然五年を超えるわけですから、何らかの形でそれを最終的にはそのときの国会の了承をもらうということだということでよろしいですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) いや、そういうことも含めて、そのときに具体的に定まった段階で、あるいは今後のスケジュールが決まった段階で議論がされるべきであろうと思いますし、今私の立場でそれをこうしたらいいというふうなことをはっきり言える段階ではございません。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 ちなみに、財務省、せっかくお越しでいらっしゃるので伺いますが、こうした財政事項のある国際約束という形になるかあるいはそうでないかというのはまだこれ決まっていないわけですけれども、いずれにしても、外国との関係で財政事項のある支出で、国庫債務負担行為で国会の議決を得て国費を支出している例があるという、ほかにどういう例があるかということと、それから金額としてはどのようなものになったかというのをちょっと伺いたいと思います。

鈴木正規財務省主計局次長

○政府参考人(鈴木正規君) ちょっと、具体的な例ということでちょっと手元にはないんですが、前回か前々回であったかと思いますが、浅野外務副大臣の方からちょっと御紹介があった例というのは私既に議事録で伺っておりますけれども、インドネシアとの間での橋の建設に必要な資金についての例の御説明があり、そのことについては承知しております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 間違いなく、恐らく、どういう形であるにせよ、かなり大きな、場合によってはかつてないほどの金額だということだと思いますので、是非できるだけ、国会の関与というよりか、国民が理解するという意味での国会の関与ということを考えていった方がいいと思いますので、是非そのことをお願いしていきたいと思います。  さて、質問を変えさせていただきたいと思いますけれども、午前中の安倍総理が入っての我が党のツルネン議員の質問の中で、日米同盟は世界の日米同盟だという発言、これは総理の発言でありましたけれども、ありました。  久間大臣、そして麻生外務大臣に伺いますが、日米安保条約は世界を対象にしたものなんでしょうか。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) そういう意味で言われたのではなくて、日米安全保障条約というものが五十年の長きにわたってこの地域の安定にということで、アジア地域の安定が世界の安定につながるというような観念で考えておられると思います。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 日米が安保条約に基づいて同盟関係ができ上がっておりまして、その後、やはり日本はアメリカと軌を一にしてといいますか、いろんな国連の場におきましてもその他の行動等におきましても軌を一にしてやってきておる、それが世界の中で非常に安定感を持って見られておるという、そういうような意味で、世界の中で日米安保条約に基づく日米同盟が機能しているというような趣旨で言われたんだと私は聞いておりました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 国民はテレビで見ているわけでありまして、最近の集団的自衛権の話もそうだと思いますけれども、受ける印象は、日米同盟というのは世界の日米同盟なんだと、国民の側が受け取る印象ですよ、したがって、本来安保条約で規定されている地理的な要素を超えるという印象を与えるんだと思います。ここから先、答弁求めても議論がすれ違いになりますから、答弁は求めませんが。  私が申し上げたいのは、日米安保を、今素直に総理の答弁を聞くと、これは世界の中で日米安保が機能するから、中東平和というような発言もたしかあったような話も思いますので、そうすると、日米安保があるからイラク特措法もあるんだというふうに国民は思うわけですよね。日米安保というコンテクストでは本来はイラク特措法は法律上は語れないはずなんですが、だから特措法を作っているわけであって、それをしかし、だんだんだんだん世界に向かって一緒に歩んでいくという印象を少なくとも受けるというふうに思いますので、それが、極論すれば、そういうふうにしていくんだということであれば、はっきりと日米安全保障条約も改定をしていくべきだし、そのことを国会の中で、を通じて国民に問うていくべきなんではないかなと。申し上げたいのは、少しずつ解釈によってどんどんどんどん幅を広げていくというのは非常に危険だというふうに思いますので、そのことは是非申し上げていきたいというふうに思います。  あわせまして、集団的自衛権の話についても午前中様々な議論が行われました。これ、集団的自衛権についてはいろんな考え方があると思いますが、政府が出しております四類型というのがありますけれども、特に、何ですか、心情論として、アメリカと同盟を結んでいる中でアメリカに向かっていくということが分かっているミサイルを日本側が迎撃できないのは非常に日米安保を損なうという心情論は理解できないわけではありません。しかし、法解釈ということでいえば、これは集団的自衛権に一番四類型の中で該当するものなんではないかなというふうに思いますけれども、米国向けの弾道ミサイル迎撃について、外務大臣、防衛大臣にそれぞれ、個人的見解というのがあるのかどうか、この場で、分かりませんが、伺えればと。どういうふうにそれを集団的自衛権に該当するかどうかということも含めて伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 四類型、いわゆる公海上の艦隊護衛と、今言われました弾道ミサイルの防衛と、それから国際的な平和活動の際の武器使用でしたか、それといわゆる後方支援の在り方という、大きく分けて四類型だと思っております。  この中で、今御指摘になりましたように、ミサイルの防衛の例を引かれましたけれども、これは私どもが一番最初に、これは防衛大臣の方の範疇でしょうけれども、これは技術的に可能かというのは別の話です、これは。私ども、技術屋ではありませんけれども、少なくとも成層圏まで出たやつを後から追っ掛けていって当たるなど、とてもそんなレベルの話は世界じゅうにないと思いますので、今その種の話はちょっと現実的にはどうかなと思いますが。ただ、例えば今グアムの話をしておりますが、グアムに自衛艦がいたときにそこにいきなりミサイルが飛んできたということは、それはアメリカの中でということになり得ますので、それはいろいろな例はあろうと思いますけれども、いずれにしても、こういったいろいろな例に関しては、これは、何というか、懇談会の中でいろいろ議論をしていただかないと、私どもの狭いちょっと予測範囲を超えないのはいかがなものかと思っております。  その上で、これまでの集団自衛権を有しているというのは、これはもう主権国家である以上当然のこととして自衛権を有しているわけですが、その憲法第九条の許容する範囲の中で必要最小限度の範囲にとどめるべきであるというもので、集団自衛権を行使をするという話になりますと、その範囲を超えるものは憲法上許されないのではないかというように今までの議論はされてきたというのがこれまでの現実だったと、この五十年間にわたって、多分そういった話だったと思うんですが。  今回、安倍総理の言っておられるのは、日本をめぐる安全保障の環境が随分大きく変わったんで、そういった中で実効性がある安全保障というものを考えていった場合に、いわゆる法的基盤というものをもう一回再構築しないといかぬのではないか、少なくともここら辺の周辺事態は、過去三十年前、四十年前とは随分違ったものになっておるのではないかと。したがって、憲法上のいわゆる関係との間において、これ法的整理をしなくちゃいかぬので、そういった研究を進めるという考えを表明しておられるというんであって、先月、十八日に行われました、何ですか、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の第一回の会合が開催されたと、私はそのように理解をしておりますんで、この懇談会において、いろいろ懇談会の中に出られる議員の方々を含めて、これは幅広い観点からいろいろ有意義な話をされるんだということを私どもは期待をしておりますんで、それがどういうところになっていくのかというのは、ちょっと今の段階で私どもの方から申し上げられるのはここまでだと存じます。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 衆議院の方でも議論がございましたので、また議事録読んでいただければと思いますが、そういうシチュエーションがどういう状態で起きるかによっていろんな取り方があろうかと思います、そういうことを言いました。  といいますのは、我が国と全く何も関係がなくていきなりどおんと向こうに飛んでいって、向こうを、向こうというのはアメリカですね、アメリカを攻撃するような、そういうような場合なのか、我が国との関係が緊迫して武力攻撃事態等が発生しておって、そしてその延長線で、出てくる直前の米国を撃った場合とか、いろんな状態によって結構違ってくるんじゃないかと。  しかし、今までの憲法解釈でいくと、いずれにせよ、我が国にまだ武力攻撃が及んでいない状態でよその国に行くのをそれを撃ち落とすというのはそれは問題があるというふうに従来の憲法解釈はされておりますから、私たちはそれを踏襲しておりますけれども、そういうようなことだけでいいのかどうか。日本よりも強敵なやつを先にたたいておけばそこはもう二度と出てこないだろうと、そうしたらそのうちに日本はゆっくりやっつければいいと思えば、日本に対する武力攻撃は、まだ知っていない段階でそこをやるだろうという話を答えましたところ、いや、そういうことはあり得ないんでって、質問者の方から、むしろもう武力攻撃がまず日本に対してやっておいた上でやった場合を聞いているんだと言われましたんで、ちょっとかみ合わなかった点がございますが、いずれにしましても、そういうようなシチュエーションによっていろいろ解釈の仕方も変わってくるんじゃないかなと思いますので、この問題については、今後ああいった懇談会でどういう議論がされるのか注意深く見ていきたいと思っておりますが、現在までの憲法解釈でいくと、かなり狭い概念でとらえられておるというふうに理解しております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 この問題についてこれ以上議論はいたしませんけれども、冒頭申し上げましたように、心情的に同盟関係に与える影響というのは当然理解ができるわけであります。ただ、法治国家ですから、心情的に理解ができるということと、それを法を超えてやっていいかという大きな問題があるんではないかなというふうに思いますし、憲法にかかわることであれば最終的には国民投票ということになりますから、憲法にかかわる問題というふうに解釈をすれば最終的には国民投票ということに、憲法を変えるということになれば国民投票ということになってくるお話になると思いますけれども、いずれにしても、安全保障は、国会の関与はもちろん大事ですけれども、同時に国民としての意識が大変重要なことだと思いますんで、これは御答弁求めませんけれども、そうした、国民もそういう意識になっているかどうかということも含めて、慎重に事を運ぶべきじゃないかなというふうに思います。  あわせまして、次に厚木基地のNLPについて御質問をしていきたいと思います、伺っていきたいと思いますけれども、まず訓練の実施状況、これ五月十日、十四日、十五日実施をしておりますけれども、前回行われたときと今回の回数というのはどんな感じでしょうか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 現地において防衛施設庁の職員が目視等によって確認をいたしておりますけれども、今先生の御質問でございますけれども、今回のNLPの回数でございますが、硫黄島においては計千四百七十回でありました。厚木飛行場におきましては、戦闘機、また低騒音機も含めて百八十回のNLPが行われたわけであります。ただ、硫黄島におきましては、NLPと同じように昼間の離着陸の訓練もしてございますので、NLP全体としては三千六百四十回ということになると思います。  前回は直近では平成十二年の四月に行われておりますけれども、この際には、厚木飛行場、横田の飛行場でそれぞれ五十回、七十回の訓練が行われたわけであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 硫黄島の天候が悪かったんで厚木になったということでしょうけれども、硫黄島の天候はどのように悪かったかというのはお分かりになりますか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 海上自衛隊の硫黄島の航空基地隊が日々天候については確認をしているところでございまして、中止をいたしました五月七日から九日の状況でございますけれども、硫黄島付近に前線が停滞をして霧が発生をして見通しが悪い状況であったと聞いております。  なお、三日間の天候は雨一時曇り時々強い雨ということでありました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 天候回復の可能性というのも当然あったんだと思うんですけれども、その回復を待たずに機材、人員を厚木に移動していったというのはどういう理由によるんでしょうか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 米軍の空母の出港の予定等々があって、それに間に合うように硫黄島で使いました機材を厚木へ持ってきて空母へ、整備をして空母へ積まなきゃならないと、そういうスケジュールがあって、いろいろな機種によって違うわけでありますけれども、機材が違うわけでありますけれども、順次計画に従って本土の方へ返したと、それによって向こうで行うことができなかったと聞いております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 かなりこのNLPによる騒音被害というのは大きいんですけれども、騒音の状況をどういうふうに把握していますか。騒音計の設置状況を教えていただきたいと思います。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 今先生御質問の騒音計、自動測定装置というのが、常時騒音を把握するために備え付けておりますけれども、厚木飛行場周辺で十八か所今設置をしているところでございます。なお、神奈川県等地方自治体も装置を設置しておりまして、三十六か所設置していると承知をしているところでございます。  なお、先生、昨年の一月に対象地域、住宅防音工事の対象区域が広がりまして、これから順次この自動測定装置を増やしていって、きっちりとした測定ができるように更に充実に努めていきたいと考えているところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 騒音計はきちっと設置をしていただきたいと思います。  今回のNLPの騒音の状況というのはどういうふうな感じだったんでしょうか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) まず、住民の方からの苦情件数でございますけれども、国への苦情件数が六百八十件でございました。また、私どもが知り得た自治体への苦情件数というのは八百九十件と承知をしているところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 それは、これ七年ぶりのNLPということですけれども、七年前と比べてどうでした。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 七年前の平成十二年で厚木飛行場でNLPを行ったことは先ほど申し上げたわけでございますけれども、延べ十一日間で四百十件の苦情がありました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 したがって、今回の方が延べ日数が短いにもかかわらず苦情件数が多いということは、今回の方がうるさかったということなんじゃないかなというふうに思いますけれども、その点はどういうふうに認識されていますか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 騒音の測定数値というのは七年前と同じような数値が出ているわけでありますけれども、ただ、六年間厚木で夜間の離着陸訓練をしていなかったということもございまして、今回このような結果になったのではないかなと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そういう中で、実は米側は、これは今回は静かだったということを、厚木基地司令官がふだんより静かだったということを記者会見で言っているんですね。防衛省はどういう認識持っていますか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 今先生の御指摘、米側へも確認をいたしましたんですけれども、厚木での騒音を減らすために米軍が、米側が努力をした、例えば高度を上げたとか飛行回数を減らしたという努力をしたというところを述べたということを聞いているわけであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 ということは、ふだんより静かだったとは言っていないということですか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) 静かにするためにそういう努力をしたということを言ったということを聞いております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 記者会見でふだんより静かだったということを言っているわけなんですね。少なくとも政府としては、七年前よりも多くの苦情が寄せられているということも考えれば、実態としては、その騒音被害を受ける住民からすると七年前以上の騒音だったということは伝えなきゃいけないし、その点について米側の理解も、理解というか、それはっきり伝えなきゃいけないと思うんですけれども、そのことは伝えたんですか。

木村隆秀自由民主党防衛副大臣

○副大臣(木村隆秀君) きちんとお伝えをさせていただいておりますし、私どもとしては、できるだけ硫黄島で訓練をしていただけるようにこれからも米側と調整を進めていかなければなりませんし、万が一という場合には、できるだけ厚木の住民、近くの住民の方々の被害が出ないように、これからいろいろ努力をしていきたいと思っております。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 委員長、ちょっと済みません。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 久間大臣。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 昨日、関係の市長さんたち皆さんお見えになりまして要請がありました。そのときも出た話なんですけれども、米軍の方は、まあ回数ももちろん減らしましたでしょうが、それよりも、善かれと思って高度を高くして、音ができるだけ高くして減らそうとしたらしいんですけれども、市長さんたちの話によりますと、高度を高くぐっと急に上げたために今までよりも遠い範囲まで音が届いたので、そして今までは余り、七年前には感じなかったところまでが騒音を感じたというような、そういうことも昨日おっしゃっておられましたので、善かれと思ってやったことが必ずしもよかったのかどうか、この辺はまた検証してみないといけないなと思います。  いずれにしましても、七年間やっておりませんでしたので、かなりあの地域の皆さんにとっては衝撃があったんじゃないかなというふうに、そういうように思いました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 今回は空母が出港しなきゃいけないということでやられたということですが、その空母はどこに行ったんでしょうか。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 今言われておりますナイト・ランディング・プラクティス、通称夜間離発着訓練、略してNLPといういわゆる訓練ですけれども、これは空母キティーホークの艦載機でありますので、空母キティーホークはアメリカの第七艦隊に所属をしておりますので、当然のこととして第七艦隊の行動の詳細についてちょっと私どもの関知するところではありませんので、これは米軍の運用に関することというように理解をしておりますので、私ども政府として申し上げる立場にはないというように御理解いただければと存じます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 今回の米軍再編で空母艦載機は岩国に移駐するということになっていますが、岩国移駐後も厚木基地でNLPというのはあり得るんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) これは、二〇〇九年の七月若しくはそれよりも後になった場合でも、できるだけ早くこのNLPの基地については候補地を探してアメリカと協議を始めることにしておりますので、基本的には厚木もそしてまた岩国もNLPは行わないというようなつもりで今米軍再編の計画を進めているところであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 米軍再編後も、しかし厚木あるいは三沢、横田も予備飛行場であることには変わりないですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それは、万一の場合の、そこでできない場合の予備飛行場であることは変わりありませんけれども、あくまで予備でありまして、メーンは別途造るという前提で計画しております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 予備が使われる可能性というのはどれぐらいあるんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 天候でどうしてもやむを得ないというような場合には、それは予備はないわけじゃございませんが、そういうふうなことからも、要するに硫黄島が非常に天候があそこは悪化しやすいんですね。だから、今度探すときには、やっぱりある程度精度を持って予測できるようなところを、これもまた大事なことでありますので、硫黄島は非常に遠くて、そういうことのないように、ある程度のキロ数も向こうはだから要求しているわけであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 次に、グアム移転経費についての質問に移りたいと思いますけれども、防衛大臣は、先日、住宅建設に関する調査、これ、先般予算委員会で資料を出さしていただいておりますけれども、その後どのように調査は進んでおりますか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) いまだ具体的には、まずこの米軍再編法案が通りまして、これを受けた形で本格的にいわゆるJBICでやるということを認めてもらったら、それを前提としてこれからやっていくのが一つであります。  それともう一つは、今度のやつは普天間の代替施設ができて、それを条件にしてグアムへ移転という話になっておりますから、そちらの方の話も併せてやらなければなりませんから、まだ、米軍の方も具体的に、今直ちに詳細ないろんな枠組みも含めてまだ出してきておりませんので、今度の調査費等でもちろんいろんな実行単価その他を我が国なりに精査していきますけれども、まだそこまで至っていないということであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 住宅建設費については再三様々な委員からも指摘がなされておりますが、これは余りに高いということでありますし、私自身も米側が公表したグアムで造った海兵隊の隊員向けの住宅、これは入札した価格が一戸当たりのコストで日本側が今計算しているのは四分の一だというような、その資料も防衛大臣にもう随分前にお渡しをして、そのときに調査をするということは言っておられたわけでありますから、スキームがこの法案が通ってから固まるというのはそのとおりだと思います。  法的なスキームが固まるというのはそのとおりだと思いますが、調査そのものは早い段階でできたんじゃないかなと思いますが、何ゆえその調査をされなかったのか伺いたいと思います。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) いや、そういうことよりも、今度グアムで造る場合は、一軒一軒を今みたいに単発で出ているんじゃなくて、三千五百戸をどういう計画で出していくか、これにもよってくるわけでありますし、米軍が出してきた資料というのは非常に、見積りというのは非常に、まあ大ざっぱと言うわけにいきませんけれども、非常に高いやつですから、先生御指摘のその資料を見るまでもなく、この数字は高いというふうに、そういうふうに思っておりますので、やるなら、もう正式に物価の状況、あるいはまた、特に労務者をどうするか、これを決めてもらわないと、グアムの人を使ってやる、あるいは米本土から持ってくる、あるいは日本から連れていく、そういうようなことになりますと、これはすべての工事費に労務単価が物すごく高くなりますから、そういうやつについての全体像が決まらないと建設コストは決まってこない点もございますので、これが決まったら、まずそういうような条件等についてすり合わせをしていく。  それと同時に、いろんな資材をどういうふうにするか、建設のテンポをどうするか、そういうものを決めた上でやっていこうと思いますし、それともう一つは、アメリカ自身もそうですけれども、どういう階層の連中が行くかによって、同じ海兵隊の家族住宅といっても、結構そこはまた間取りその他も違ってまいりますので、そういう詳細が決まりませんとなかなか単価が出しにくいんじゃないかと思いますので、その辺は結局は安くなるようにやらなきゃこっちが損するわけですから、それは安くなるように努力したいと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 グアム移転経費で来年度予算の概算要求に盛り込むべきものというのはあるんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今の段階でまだ決めておりませんけれども、来年度はまだ調査費ぐらいなものじゃないでしょうか。そんなに具体的な、そして土地は向こうの土地を利用するわけでございますんで、具体的な建設に掛かるということまでは至らないと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 調査費程度ということですが、その具体的なところまでいかないということだと思いますが、昨年五月のロードマップの後、日米間で協議はされているんだと思いますけれども、どういうメンバーで、どういう場所で協議が行われているんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 先般も審議官クラスがアメリカに、ハワイに行ってきますって私のところにその出張の許可をもらいに来ましたんで、何かと言ったら、これから先の打合せについてやりますということで、そういう形でアメリカ本土に渡る場合もありますし、ハワイ島に行って打合せをすることもあろうかと思いますが、何回かはやっておるようでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 しっかりと詰めていっていただきたいというふうに思います。  最終的には、来年度の予算について、今、調査費というような話でありましたけれども、例えば、このグアムにおける施設整備に関して具体的な金額で合意されるのはいつごろというふうに考えておられますか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) これは、私の勘で言ってはなんですけれども、こういうやつが決まりましてからやっぱり調査をして最低一年は十分掛かるわけでありまして、やっぱりそういう点では、来年度はその調査をして果たしてその設計まで持っていけるかどうか。そこは一年半ぐらいは掛かるんじゃないかなと思いますんで、来年度はもう本当にそういう点では無理だろうと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 当然、合意した場合には国会に報告するということの説明責任を果たすべきと考えていますけれども、先ほどの話で、そういう理解でよろしいわけですね。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 私は、これは国民みんなも関心がありますし、また、国民だけじゃなくて、特に国会の先生方も全体としてどれぐらいの金額まで圧縮できたのかというようなことについてもまた関心があろうかと思いますので、私どもとしては、やっぱりこれは調査して設計を組んで向こうと合意をして、そしてその内容については国会へ報告すべきものだというふうに認識しております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 次に、国際協力銀行の出資、融資について質問に入っていきたいと思います。  財務省は、もしあれでしたら結構でございますので。  国際協力銀行は今度民間銀行になるわけですね。株式会社日本政策金融公庫という形に、民間銀行になるわけでありますが、出資財産保全とか貸付金返済を確保する義務というのが法律上あるんでしょうか。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) いいですか。じゃ、ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) じゃ、速記を起こしてください。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今、法律上の義務としては明文規定はございませんが、国際協力銀行も銀行でありますから、当然、自分の出資、融資したものについての返済については、それを確保するというのは当然のこととして出てくるものと思いますし、そしてそれに、もうその義務をもしやらない場合は一般的な監督権限に基づいての指導はあろうかと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私がこの質問をしているのは、今回の法案で国際協力銀行が出資をしたり融資をしたりするということなんですが、その裏側で、例えば利息ゼロ、無利子融資というのもできると。しかし、裏側で無利子融資の分は無利子で国からお金が行きますよと、それから出資する金額についても国からお金が行きますよということも書かれていますし、さらにその出資をしたもので損失が出た場合には、これは別会計になっていて、国が負担をするということになっているわけでありまして、そうだとすると、もちろんそうはいっても善管注意義務ぐらいのことはやるでしょうけれども、果たして本気になって出資財産保全や貸付金返済を確保するのかなという疑問を持ったわけであります。  今おっしゃったように、法律上の義務はないと。じゃ、監督というふうにおっしゃいましたけれども、どこが監督する権限を法律上持っているということですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それは金融担当大臣なり、今の場合でしたら財務大臣ですね、財務大臣なり、今度一般民間銀行になった場合は、一般の権限としては金融監督担当大臣でしょうけれども、防衛大臣はこの法律に基づいてのいわゆる主務大臣としての権限が発生しますから、だから主務大臣の監督下に置かれることになります。そして、主務大臣としては、国としては出資、融資を、低利融資をしている場合、その原資を、特に出資をしている場合には、これはやっぱり財政法とか国有財産法に基づく債権といいますか、そういう形での監督責任は伴いますから、この法律に基づいてその監督権限を行使しなければならない、そういう立場にあると思いますので、それで担保できるんじゃないかなと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 法律に基づいての監督権限というのは、法律の中の条文には余り書かれていないような気がするんですけれども、具体的には監督権限に触れられているところというのはあるんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) この法律の、この法案の今の第二十二条第一項により読み替えて適用する国際協力銀行法第五十二条第一項が、防衛大臣は国際協力銀行の業務を監督するということになってまいります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そういう形で監督権を行使をしながらということで、出資財産保全、貸付金返済の確保の履行に努めてもらいたいというふうに思いますが。  次に、事業主体、SPEを使われるということですけれども、このSPEの経営陣というのはどういう人がなるのかなと。国際協力銀行からの出向者とか、防衛省、外務省からの出向者、OBの天下りが行くような気がしなくもないんですが、どういう人を考えておられるんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) すぐ何かあると天下りと言われますけれども、そういうことよりもむしろ、これは初めてのケースでございますから、むしろ、このSPEがどういうようにしてまずつくられるか、民間活力を積極的に導入するために今後競争的な手続で選定されていくんだと思いますが、そのときの人選も含めて、これから先むしろいろいろと知恵を出していかなきゃならないんじゃないかなと思いますので、その辺は、役人だから駄目だというような言い方されますと、役人の中の方がかえっていい場合、いい人材もおるんじゃないかなと思いますので、私は、民間がすべていいように最近言われておりますけれども、必ずしもそうじゃないんじゃないかなというケースも見ておって感じることもありますので、余り排除しないで選定すべきじゃないかなと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私も、別に民間がすべていいと言うつもりは特にないんですが、もっと言えば、本件については、建設コストの見積り、それから米側が支払うであろう、何というんですか、家賃の交渉もすべて防衛省が中心になってやるということなんだと思うんですね、過去のこの委員会の議論でいえば。SPEが関与できる部分というのは余り大きくないと思います。  そうだとすれば、変な癒着がないという前提での防衛省あるいは国際協力銀行が責任を明確にするという形で出向者を出していった方がいいんじゃないかという気もします。その代わり、その人は、極論すれば片道切符ではなくて、そこで実績を上げたら本省に戻ってきてしかるべきポストに就けるような形にした方が、全体としてのコストも下がるでしょうし、無駄もなくなるんではないかと思いますが、その点のお考えはどうでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それは私自身もそういうような道を探るべきだと思っております。  ただ、現在の公務員法上、民間会社に行って帰ってくる、これが、この場合は結構長期になるかもしれませんので、今の民間に行くのは二年ぐらいの程度でございますけれども、そういう形でどうなのかなと思いますので、現在のような仕組みのままでいいのかどうかも含めて具体的になってきたときには検討をする必要があるんじゃないかなと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 いろいろと議論をしていきますと、米軍住宅について言えば、極論すれば、国が全部国際協力銀行をかませずにやった方が責任の所在という面では明らかになるでしょうし、そうなれば民間会社の出向といったような話はなくなるんじゃないかなというふうに思います。  逆に言うと、責任の所在が、先ほど国際協力銀行、あるいは今度日本政策金融公庫ということになるわけでしょうけれども、の絡みで質問をさせていただいたのは、国際協力銀行は国から無利子でお金が来る、そして出資金の分も国から来る、損失が出たらそれは補てんしてもらえると。損失が出る可能性というのはどこであるかといえば、入ってくる家賃でもって造った建物の費用を回収できなければ損失が出ると。非常に分かりやすいプロジェクトなんだと思うんですが、そこで、じゃ、あえて高いものを造ってだれが得をするかというと、SPEから今度はどこかの請負の建設会社なりに本当の天下りをする場合にその人は得をするでしょうというようなことなんだろうなと思いますんで、そういうことがないような仕組みというのを考えた方がいいんではないかなと。  ですから、先ほど来申し上げていますように、国が前面に立った形をつくって考えていった方がいいんではないかと思いますが、そこはまだこれからということですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それはこれからでございまして、まず、SPEそのものについても、一つがいいのか各地区ごとに別々にするのか、そしてまた今度のこういうのをプロポーザル方式みたいなことでやっていくのか、いろんなやり方をこれから先検討しなきゃいけないんじゃないかなと思いますが、いずれにしましても、とにかく何が一番安いか、どうやったら競争させることができるか、そういうふうなことも視点に入れながらこれから先全体の仕組みを考えていったらいいんじゃないかなと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 何が効率的で安いかということは是非考えていただきたいことだと思いますが、あわせて、国が元になって出資するお金、貸し付けるお金に仮に損失が出た場合に、最終的な責任というのは防衛大臣が負っているという理解でよろしいですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それは主務大臣になっておりますから、そういうふうになるんだと思いますね。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そうすると、防衛大臣が責任を持って損失が出ないように働き掛けるということがこの法案の趣旨だということを、立法過程で大臣として確認の答弁をしていただきたいと思います。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 国が出資したり低利融資で融資のための補助を出したり、そういうようなことをするわけでありますから、国民の税金が使われるわけでありますんで、それらが確実に返ってくるように、今度のスキームづくりについては責任を持って対処しようと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 次に、法案の他の部分について伺っていきたいと思いますが、この法案の第七条で再編関連振興特別地域というものが規定をされております。この再編関連振興特別地域の要件として、駐留軍等の再編による当該再編関連特定市町村区域に対する影響が著しいものとして政令で定める場合というふうになっておりますが、その中に大規模な航空機の移駐を伴うということが衆議院段階で示されておりますけれども、具体的には何機ぐらいが大規模に当たるんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) まだ基準を明確にはしておりませんけれども、五十機程度以上の航空機の移駐を行う場合にはこれに該当するんじゃないかなというふうなことを内部では話しております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 それでは、この人員の増加というのはどういうふうになりましょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 人数についてはまだはっきりしませんが、五十機以上の航空機が移駐するということになりますと、それに伴って増員するのがどれぐらいかなということをはじいて、一つの五十機を基準としながら人員の増加についても類推させようと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 航空機の移駐が伴う場合は影響が出るだろうと、騒音等ということでしょうけれども、私も小泉委員も地元に座間という地域を抱えておりまして、そこには人員が増えると。人員だけの増加はその再編関連振興特別地域の要件にならないんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 人数が増えるだけでは必ずしも影響があるとは言えないわけで、今日の質問でしたか、どこかでどなたかが言っておられましたが、そこに司令部が来るとまずそこを目掛けてミサイルが飛んでくるんじゃないかと、だから非常に危険な地域になるからそこは反対なんだというふうな話をされましたが、そういうことはちょっと考えにくいんで、やっぱり今度の場合は、そこは、座間には司令部機能として確かに機能は移ってまいりますけれども、まあ人員が増えた場合はプラスマイナスいろんなことが考えられますので、今度はまた特に即応集団が移ってまいりますから、そういうことを考えますと、経済効果としては人員が増えることによってのプラスの面もございますので、ただ単に人員が増えたというだけではちょっと対象にはなりにくいんじゃないかなって率直に言って思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 かなり地元、キャンプ座間周辺は、司令部が来ることに対して神経質、反対という声が大きいわけでありまして、そういうことで、再編関連振興特別地域に指定されるから受け入れるよという地域でもないかもしれませんが、しかし法律の趣旨からいえば、人数が増えることによる影響というのはあるんではないかなというふうに思いますが、大臣としては、人数ではなくて、これは音とかそういうことによる影響というふうに考えられるということですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) そういうことでございまして、具体的に、そこにある部隊が来てそこで演習をやるとか、そういうようなことで周りに影響を非常に与えるという場合は、これは考えられますけれども、司令部が来るという、そういうことでの影響というのはやっぱり、私たちがこの法律で今度交付金をやりますのは、その地域の人もさることながら、国民全体が見たときに、ああ、あそこはやっぱり気の毒だなと、何とかしてやらぬといかぬなという、そういう思いを寄せるようなところかどうかというところに一つは視点を置いておりますので、そういう点では、単に司令部が来て人員が増えるというだけでは、そういうような地域になるということはちょっと言いにくいんじゃないかなと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 法の七条は、これ、影響が著しいという書き方がされております。影響というのは、騒音だけではなくて、例えば危険性というものも含まれると思うんですが、危険性は影響の中に含まれている理解でよろしいですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 先生の今までおっしゃっておったやつが再編関連振興特別地域という、要するにそういう公共事業の関係だというふうに理解しておったものですから、それに対するお答えをしていたんですけれども、交付金とかそういうやつでの対象地域だったらまた別でありますので、それは影響をいろんな尺度でまた測っていけるんじゃないかなと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、この七条で言うところの影響というのは危険性も含まれるという理解でよろしいですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 部隊の司令部が来て、そこが来たために危険が増すんだというふうな、そういう発想がなかなかできにくいわけでありまして、むしろそこに部隊がおるということは安全度も増す形になるわけでありますので、今日の午前中の質問でもちょっとその点が出ましたけれども、まず、そこに部隊の司令部があったらそこにミサイルの第一発目は飛んでくるんじゃないかという話でございましたが、それはちょっと違うんで、やっぱり部隊の司令部というよりも、今のミサイルだったら、まず相手の目とか耳とかそういうのをねらうとかいろいろありますので、そういうようなことでの危険度が増えるということにはちょっとならないというふうに私らとしては理解しているわけであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 最後の質問に入りますが、交付金というものがこの法律の中に様々規定をされているわけですけれども、参議院の予算委員会の質疑で、原子力発電と同じような形でというような、交付金を出すんだというふうに久間大臣が御答弁されているわけですけれども、今でもそういう考えだということでよろしいですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 同じような考えというよりも、あれを念頭に置いて、原子力発電の場合も、国全体としてはどこかに造らないと日本にとっては電力が足らない、しかしながらそれは、恩恵はみんなに行き渡るわけだけれども、造られるところはやっぱりそれは嫌だというふうに思っておられるわけですから、そういうところの人たちが何かいろんな事業をやる場合には、それに対する交付金をやってでも納得してもらおうというような形であの法律は多分できたんだと思いますが、それと似たような発想ができるんじゃないかと。全国的なことでは米軍再編というのは避けて通れないし、やらなければならないけれども、それを再編によって負担が増えるところについてはやっぱり何らかの配慮をしてやる必要があるんじゃないかということで今度の法律を作ったわけでございますので、そういう点では、ああいうふうな考え方と根っこは一緒であるというような意味で答えたわけであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 終わります。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 民主党の犬塚でございます。  いよいよ米軍再編の法案の審議も大詰めに入ってまいりました。私は、前回いろいろと、SPEなんかを中心に、いかにして安く将来性見える形でこういう事業が展開できるのか、あるいは経費節減のためどうしたらいいかという視点で質疑をさせていただいたんですが、今日二回目なんですけれども、これやればやるほど、この米軍再編をして日本がこれからどういうふうになっていくのかなという疑問がやっぱり、そもそもになってしまうんですが、出てくるわけであります。  二〇〇四年、私が当選させていただいたんですが、そのときの大きな争点の一つがやっぱりあのときのイラクに対する自衛隊の派遣でありました。特に地元の人たちは、戦争体験ある人たちが、一体日本はこれからどうなるんだということを本気で心配されていたのが今でも鮮明に覚えているんですけど、長崎は特に被爆県ということもありまして、一体どうなるんだと、米軍再編これからやっていって、それはまあいいとしても、一体日本はどこに行くんだということがやっぱり一つ大きな疑問だと思います。  そうした中で、今度、安倍総理が官房の中に懇談会を開くと。今まで安倍総理が言っておられたのは、日本とアメリカの集団的自衛権の研究をするんだということを盛んに言っておられましたんで、私はそういう集団的自衛権の研究をする懇談会なのかなと思っておったんですね。そうしたところが、出てきたタイトルが安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会という名前ですので、名前としてはこちらの方がはるかにいいと思うんですけれども、まずその辺、官房の方に、この懇談会の今までの設立の経緯と趣旨というようなところからまずは教えてください。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) お答えいたします。  昨年九月、安倍内閣が成立をいたしまして、総理の所信表明演説の中で集団的自衛権の個別具体的な在り方について研究をしたいということを明確に最初に発言をいたしました。それを受けまして、五月の十八日に、今御指摘の安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会が設立をし、スタートしたところでございます。  この懇談会は、今年の秋をめどに個別具体的な、安倍総理がこの十八日には四つの類型について発言をされておりますが、これを中心として結論を出していただく予定でございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 そこで、大変大事な、言わば総理の公約を受けるような懇談会ですから大事な懇談会だと思うんですけど、私、官邸のホームページで発表している資料三というのを今ここに持っているんですけど、まずこのタイトルが総理の問題意識というタイトルで、その下に括弧して冒頭発言案と書いてあるんですけど、これはだれが書いた文章なんですか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) お尋ねの資料は官邸のホームページで発表されているものでございます。十八日の安全保障の再構築に関する懇談会第一回会合における総理の冒頭発言資料として、総理の指示の下で事務方、内閣官房が用意したものでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 総理の指示の下で書いたという割には、この中を見ても集団的自衛権という言葉がただの一度も出てこないんですね。総理があれだけ集団的自衛権と言っていて、その懇談会に冒頭発言に集団的自衛権が一言も出てこないというのはどういうことなんだか、御説明願えますか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 総理のかねてからの問題意識を踏まえまして、総理は十八日の安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会第一回会合の冒頭発言におきまして、個別具体的な類型の例として、一つに公海上の米艦防護、二つ目として弾道ミサイル防衛、三つ目として国際的な平和活動の際の武器使用について、四つ目としていわゆる後方支援の在り方、このような四つの類型を示されました。  懇談会の議論におきましては、これら個別具体的な類型に即し、集団的自衛権の問題はもちろんでございますけれども、例えばPKOを始めとする国際的な平和活動への積極的な関与という観点から、いわゆる集団安全保障と我が国の活動の関係などについても検討する必要がある場合もあり得ると。このように、幅広い観点から憲法との関係の整理につき結論を予断することなく様々な観点から検討していただきたい、このように考えての発言でございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 趣旨は分かりますし、内容もその四類型だというのはよく承知しているつもりなんですけれども、非常に簡単な質問なんですが、あれだけ集団的自衛権とおっしゃっていたのに、この冒頭の発言にその言葉が一つも出てこないというのは何か意味があるんですかね。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 先ほど申し上げました四つの個別具体的な事例の中で、予断なく議論していただきたいということの中で、必ずしもすべてを集団的自衛権ということに限定しない議論もあり得るのではないかと、集団安全保障と、そういうふうな観点からの議論もあるのではないかということで、集団的自衛権ということをあえて表現しないで、先ほど御指摘の総理発言になったものではないかというふうに思います。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 それでは、この四類型の中でどれが集団的安全保障に当たるのかということを想定して類型にしたのか、教えていただけますか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 先ほど御説明申し上げましたが、一つ目が公海上の米艦防護、二つ目が弾道ミサイル防衛、四つ目が、国際的な平和活動の際の武器使用、四つ目がいわゆる後方支援の在り方でございまして、この三つ目、四つ目がPKOを始めとする国際的な平和活動の在り方ということでありますけれども、それぞれ専門的な見地から結論を予断することなく憲法との関係の整理につき様々な観点から検討していただきたいと、専門家の方々に検討していただきたいということで、一、二、三、四について、どれをもって集団的自衛権、あるいはどれをもって集団安全保障ということは明文に申し上げないと、そういうスタンスで総理発言をされていると承知しております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 四つの中でおっしゃるように後半の二つが国際的な平和協力活動と、前の二つが日米同盟にかかわるというところなので、どちらかというとこちらの方が集団的安全保障ではなくて集団的自衛権に当たるのかなという感じはするんですけれども、そこで、それじゃ、余りこれまだ討議一回しかされていないので詳しいお話をするつもりは全くないんですけれども、ただ設問の仕方が私は引っ掛かるというので今聞いているわけなんですよ。集団的自衛権と言いながら、出てきたものはそれが使われていないと、中身を見ると集団的自衛権じゃないものも一杯入っておると。  例えば、このミサイル防衛の話なんですね。これは実は日米同盟の文脈の中に出てくるんですね。日米同盟の中にある二つの、共同訓練中の併走する艦船の話と、もう一つが弾道ミサイルの話になっているわけなんですね。  これで質問なんですけれども、特にこれ米国に向かうかもしれない弾道ミサイルというふうに特定をするというのは、これは集団的自衛権の文脈だからこうしているんですか。そんな特定というのはできるのかしら。例えばカナダに向かうもの、カナダに向かいそうだからこれは迎撃の研究をしない、米国に向かいそうだからこの迎撃の研究をすると、そういう話になるんでしょうか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) この懇談会におきましては、委員の方々にそれぞれ専門的な高い見識の上に立って結論を予断することなく様々な観点から検討していただきたいと考えております。  そういう中で、今御指摘がございましたカナダに向かうか、あるいはアメリカに向かうかということを限定して総理が発言をされたわけではございませんが、ただ、総理の問題意識として、日本をめぐる安全保障環境が大きく変化今している中、国民の生命、財産を守るために日米同盟が効果的に機能することがこれまでに増して重要であると。そういう観点から、同盟国である米国が弾道ミサイルによって甚大な被害を被るようなことがあれば、我が国自身の防衛に深刻な影響を及ぼすことも間違いないと。それにもかかわらず、技術的な能力の問題は別として、仮に米国に向かうかもしれない弾道ミサイルをレーダーで捕捉した場合でも我が国は迎撃できないという状況が生じてよいのかと、そういう問題意識を示されたというふうに承知をしております。  大量破壊兵器の拡散の問題は国際社会が対処しなければならない喫緊の課題であることも事実であります。一方、総理が述べられた問題意識は、総理自身も述べられているとおり、厳しさを増す日本を取り巻く安全保障環境に対処できるよう、より実効的な安全保障体制を構築する責務を負っていると、そういう認識の下で示された問題意識であるというふうに理解をしております。  いずれにせよ、この懇談会においては、委員の方々からそれぞれ専門的な高い見識の上に立って結論を予断することなく様々な観点から検討していただきたいと考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 この弾道ミサイルの防衛のような話を日米同盟の枠の中から一歩も出ないで考えようとするということ自体に私は無理があると思うんですね。そういう枠内で総理がこうして懇談会に検討せよというような状況では、何か心配でしようがないと、一体どうなっていくのかなという気がするわけです。というのは、我が国は、隣に核兵器を持っている、しかもミサイルの実験をやっている国があるわけですから、我が国の上空を越えてどこに行くミサイルだろうと、あるいはひょっとして我が国に来るかもしれないミサイルでありますから、これはもう例外なくすべて迎撃するというような、そういうスタンスの研究をするというのは当たり前だと思うんですけど、その辺はいかがでしょうか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) ミサイルがどこに行くか分からない、しかし我が国がレーダーで捕捉したならばすべて迎撃すべきではないかと、こういう御質問であるというふうに思います。  これについて、含めてですね、この懇談会の中で議論をしていただきたいと思っておりますので、議論を予断させるような形でのコメントというのは差し控えさせていただければと。御理解いただきたいと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 もし、そういう可能性も含めて懇談会の中で議論をするんであれば、これは日米同盟のこの前段の二つの中に入れるべき話ではないということになるんですよ。  というのは、やっぱり同盟関係を結んでいるからこそ、集団的自衛権を発動するに当たって、米国に飛んでいくんだから米国が助けてくれと言わなくてもこれを迎撃できるという論理になるわけですから、そうではないと、同盟関係の中にこれは入れないで、むしろ日本が世界に対して持っている世界の平和と安全に寄与するためというような文脈のところにミサイル防衛も入れないと議論が非常に狭くなってくると、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 基本的には、総理の問題意識としまして、この集団的自衛権の研究という中での問題意識でございます。その中において、日米同盟の中における集団的自衛権の在り方についても議論をしていただくわけでございますが、最初に委員が御指摘のように、PKO等、それだけに限らない個別具体的な事例も提起をされておられますので、あらゆる状況についてどのようなことが検討できるかということについては、懇談会の委員の方々に柔軟な中で議論していただくということは大切なことだと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 私は、総理が、国民投票法案も通ったと、三年後には憲法改正をできる法的な整備もできたと、そしてそうした中で集団的自衛権ということを総理が一生懸命言っておられると、懇談会まで開いていろいろ検討していくということなので、非常に大きな話を期待していたのでこういう質問をするんですが、もし中身が、例えば搬送艦船の話だとか、PKO参加時の武器使用の話ですとか、あるいはこれは後方支援の問題という話であれば、むしろ政策官庁としての防衛省が現場からの意見としてこれをしっかりと審議というか検討して、法案の形にするなりあるいは提案をするなりというレベルの話ではないでしょうか。防衛大臣、いかがでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) いや、法律を作る場合でも、従来から政府が取っておる解釈は非常に厳しく狭くいっておりますから、現行の解釈のままだとなかなか難しい点があるので、そういう点でもこういう懇談会等で議論をやってもらって、これは集団的自衛権の話じゃないじゃないかという話になれば非常に政策判断はしやすいわけですね。だから、そういう意味じゃ、議論の場に上がるというのは私はいいことだと思っております。  それと、先ほどの犬塚委員の話の中でちょっと気になりましたのは、全く、アメリカじゃなくて、AからBへ、ほかの国へ行く場合ももうすべからくミサイルについては撃ち落とせばいいじゃないかとおっしゃいますけれども、そうすると、A国とB国との紛争に日本が関与した格好になりますから、アメリカに向かっていってアメリカが非常にダメージを受ける、そうしたら日本がいざというときに助けてもらえない、そういうような国に対するダメージをストップしないでいいのかという問題とは若干そこはやっぱり区別して問題提起をしてもいいんじゃないかなというふうに思いますので、私はそういうようなことから的を絞られたんじゃないかなと思っております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 正にそういうあらゆる事態を想定をして、これから新しい事態にどうやって備えていくかということをこの懇談会で話してもらいたいところを、集団的自衛権というまず大きな前提で来てしまって、中身を見ると非常に、特に、じゃもう一度聞きますけど、PKOの武器使用なんていう話は集団的自衛権とどういう関係があるとお考えになりますか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) これは、もう武器の使用につきましては非常に国会でいろいろ言われまして、とにかく個人が判断してピストルというのか小火器を撃つんだということで答弁がありましたのを、私の防衛庁長官のときに、混乱を招くために、上官の命によって撃った方がいいんだということで、その答弁内容を、前の答弁を否定せずにじわっと変わっていって、今ではその方がいいということに変わってしまいました。  しかしながら、それぐらい従来のあれは、武器使用についても武力行使と一体化する、それが武力行使のきっかけになるというようなことから止められておったという集団的自衛権と非常に密接不可分な関係がありましたので、あえてこういう形で出されたんじゃないかなと思っております。  だから、本来なら警察行為じゃないかというようなことですら武力行使だという、そういうようなとらえ方で、武器の使用と武力行使が非常に、どこで線引くのかというような、そういうような議論がありましたので、それでこういうような有識者の皆さん方に問題提起をされたんじゃないかなと思っておりますから、そこでいろんな議論が出てくることは私は非常にいいことだと思って期待しております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 いろんな議論が出る中で、例えば、今年のゴールデンウイークは私UNDPKOに行って、PKOの人たちが各国から来たときに、交戦規定をどういうふうに、各国交戦規定が違う中で非常に苦労されていると。状況を把握するのにも、なかなか現地の状況分からないという中で国内の議論をどうやってまとめていくかということで非常に苦労されていると。そうこうするうちにどんどんどんどん事態が進展していってしまうというようなことなわけですね。  今のお話に非常に関係すると思うんですが、その程度の話と言ったら失礼ですけれども、武器使用の、言わば交戦規定、PKOで出ていったときの日本の交戦規定、要するに出ていくか出ていかないかというのはこれは大きな問題でありまして、それは是非懇談会でもやってもらいたいんですけど、出ていった後の交戦規定などについてここでわざわざ書くということは私は本末転倒であって、これをここに書くことによって森自体が見えなくなってしまうと、そういうふうに感じるんですけど、いかがでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それは、先生の場合は二〇〇四年に出てこられたからあれですけど、それ以前のは、とにかく武器の使用についてもう非常にうるさい議論ばかりで、まず外国に行ったときはとにかく丸腰で行かにゃいかぬかのような、そういう議論ばかりあっておったわけでありますから、やっぱり今は、もうこういう議論をこういう委員会の席でやれること自体が非常に進歩しているわけでございますけれども。  そういうことで、やっぱり総理にしてみれば、今までみたいなああいう神学論争からずっと一歩ずつ踏み出して、最近では少し議論はできるけれども、もう一回きちんと皆さんの意見を聴いた上でどうやったらいいのか、現在の法律等のままでいいのかどうかも含めて議論するきっかけをつくりたいと思われたんじゃないかと思いまして、私は非常にいいことだと思っております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 大臣、進歩しているとおっしゃいましたけど、私はやっぱり、日本どこへ行っちゃうんだろうなと。その神学論争をしていた時代の資料を私も読みましたけれども、やっぱり右だろうが左だろうが、戦争の体験があって、軍人さんの学校を出て実際に現場で戦った人たちが戻ってきて右と左で大論争をやっていると。そうした中で、だんだんそれが六十年もたって神学論争みたいになったのかもしれません、その辺はよく知りませんけれども。  ただ私は、今の、集団的自衛権と言いつつも、何か武器使用の話であったり、あるいは給油中、あるいは米軍と一緒に並んでいるときの米軍に対する攻撃に対してどうするかというような話を、総理が今までずっと言ってきた集団的自衛権の文脈の中でこういうものが出てくるというのが、日本どこへ行っちゃうんだろうなというふうにますます不安に感じるんです。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 総理の国会答弁なんかを聞いておりますと、憲法で禁じている集団的自衛権の行使というのがどこまでなのかということをやっぱりもう少し詰めたらいいんじゃないかというのが根っこにあって、憲法で禁じられている集団的自衛権はこういうことまでは言ってないんじゃないかという思いが根っこにやっぱりあるんじゃないかなと思うんです。  私たちも実を言うとそういう思いがあるわけです。何でもかんでも集団的自衛権だから駄目だというような形で従来論じられてきているけれども、本当に憲法で禁じている一線はここなんだという、そこがあって、それ以前の問題までもシュリンクしてしまって駄目になってしまっているんじゃないかなという思いがありますので、ああいう形で有識者といいますか部外の人たちの意見で、そういうやつの意見を開陳してもらいたいという、そういうことじゃないかなと思っております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 集団的自衛権という言葉を使うと、憲章五十一条の集団的自衛権というのが初めて出てきた言葉ですので、その集団的自衛権といった国際法上の集団的自衛権と日本が憲法との関係で問題にしている集団的自衛権はどうも別物のような気がするんですね。  それは例えば、そうしたら、米国の自衛権の行使について今度伺いますけれども、現代の国際法で、戦争を含むあらゆる武力の行使というのは一般的にはこれは禁止をされておると。これを阻却するにはたった二つの理由しかないと。それは、集団的であろうが個別的であろうが自衛権の行使と、そして憲章七章下の集団安全保障と、この二つだけだという理解なんですけれども、そこまではまずよろしいですよね。  アフガニスタンの話なんですが、憲章五十一条で、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、要するに国連が何かの措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛権の行使を認めているわけですね、五十一条では。とすると、このアフガニスタンに関しては米国は自衛権の行使として始めたわけなんですけれども、これはもう自衛権の行使として始まった武力行使は国際法上は終了していると考えていいんでしょうか。これは外務省ですね。

小松一郎外務省国際法局長

○政府参考人(小松一郎君) 国際法についてのお尋ねでございますので、僣越でございますが、私の方からお答えをさせていただきます。  犬塚先生おっしゃいましたように、国連憲章の基本的な構造は、第七章において、平和に対する脅威、平和の破壊、侵略行為に対する行動というものを定めているわけでございまして、国連憲章が本来予定しておりましたのはこの七章の下における集団安全保障の措置で、侵略等が起こりましたときに国連自身がこれに対処をすると。  五十一条の自衛権でございますが、これはよく何度も言われていることでございますけれども、位置的にも七章の一番最後に載っているわけでございます。そういう意味で、この五十一条の自衛権というものは、本来国連憲章が予定しておりましたのは、七章の下における国連集団安全保障を補完する意味合いというものを置いていたと、これは事実だろうと思います。そういう認識が、今おっしゃいました自衛権を使える、この五十一条で自衛権を行使できる時間的な制限として、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間というふうに書いてあるということでございます。  それでは、何をもってこの安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとったと言えるかということでございますが、それは基本的にやはりこの国際の平和と安全に対処するという実効的な措置がとられていなければならないということになるわけでございまして、元々は、正にこの憲章四十二条とか四十三条に基づきます正規の国連軍が武力紛争等に対処をするということが念頭に置かれていたわけでございます。  ところで、この正規の国連軍というのは、御案内のような事情で、つくられたこともないし、全く機能していないということでございますので、そういう前提の下でこれは解釈をしなければならないであろうと。したがって、アフガニスタンにおいてこの自衛権の行使が今もう終わっているのかどうかということにつきましては、断定的に申し上げるのは非常に難しいというふうに考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 そこで質問なんですけど、今年、アフガニスタンのPRTに参加するのを打診されたと新聞報道で読んだんですけれども、昨日の質問レクでは、いや言われてないんだというような話だったんで、それは聞きませんけど。  一般論として、今、麻生大臣も2プラス2で言われたように、日本が何らかの形でアフガニスタン、イラクの安定に貢献をする、場合によってはPRTに参加するかもしれないというような事態ですね、今だったらこれ集団的自衛権の行使になるんですか、それとも憲章七章下の集団安全保障にかかわる活動になるんでしょうか。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) これは武力を行使しておりませんので、したがって武力行使の対象にはならないということになるんだと存じます。  ただ、今PRTというものに関するこの枠組みのことに関して、日本として参加するというより前に、それを依頼を受けたことが、少なくとも国連軍からそういった話が正式に来たことはないというのが今の現状であります。  ただ、総理がNATOで言われた中で、いろいろな形で、このことに関してどういう形で我々としてこのアフガニスタンの治安というか安定というか平和と復興に関して支援ができるかということに関していろいろな枠組みを研究してみにゃいかぬということは、私どもとして将来起こることとして検討しておかねばならないことだと思っております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 特に、これから非常に自由と繁栄の弧ということで、もちろん経済的な、あるいは政治的な、あるいは外交的な話を中心として、場合によっては軍事的、警察的な、あるいは司法的な話も出てくるかもしれない。それは分からないですね、行ってみないと。  そういうときに、日本は一体どこまでやってどこからやらないんだと、どこはどういうふうに決めたものには参加するけれどもここには参加しないんだという議論を私は懇談会でするのかなと思っていたわけなんですね。特に、今のアフガニスタンの関係でいうと、やっぱり自衛権の行使で来たものですから、日本が集団的自衛権を発動して米国の応援をするというスキームなのが一番武力の行使は自然なのかなという気がいたしますが、それはちょっとこっちに置いておきまして。  アフガニスタンよりも、やっぱり私は、そういう、これから日本がどういうふうになるのかなという意味では、イラク戦争に対して支援をしたと、戦争と呼ぶかどうかはあれですけれども、イラクのこの事態に対して日本が陸自、空自を送って支援をしたということをどういうふうに検証するかということは大変今大事だと思うんですね。  改めて、私は、二〇〇三年三月十七日、ブッシュ大統領が最後通牒、最後通告演説ですか、最後通告演説を行ったのを改めて見てみたんです。あれ、皆さんよく御記憶だと思うんですが、最後の最後まで安保理で決議を取ろうとしたと、一部の常任理事国が反対をして、これに対してビトーを発動するという事態になったために、米国は最後はあきらめて自らの行動を起こすことを決定したということなんですけれども。そのときのブッシュ大統領の演説が実にはっきりしたことを言っているんですね。これを今読みますと、国連安保理はその責任を果たさなかった、ならば我々が果たすということをはっきりと言っているわけですよね。安保理が機能しなかったと、これだけ大変な事態で我が国がこれだけ危機に瀕しているのに集団安全保障が機能してないと、そういうときは我が国はこれを自分でやるんだという文脈でこのイラク攻撃は始まったわけですよね。  これに対して、説明としては、やっぱり国連安保理決議の六七八、六八七、一四四一ですか、あれを一応理由として持ってきているわけですね。しかし、本当のところはもう自分で言っているわけですよね、お国が危ないから自分で守るんだという話ですよね。  しかし、質問レクのときにも確認をしたんですけど、我が国としては、米軍が行った安保理決議六七八、六八七、一四四一に基づくこの武力行使に一〇〇%今でも賛同しているという答えだったんですけど、それはそのとおりでよろしいですか。

小松一郎外務省国際法局長

○政府参考人(小松一郎君) 御質問は、対イラク米軍の武力行使の法的根拠、国際法上の法的根拠についての御質問だというふうに理解をいたしましたが、これについては度重ねて政府から御答弁申し上げておりますように、なるべく丸めて申し上げますと、この安保理決議六七八、六八七及び一四四一号の複合的効果でこの武力行使が認められているということでございまして、このような考え方は日本政府のみが非常に恣意的に言っているということではございませんで、例えば二〇〇三年のイギリス、英国の法務総裁、これは我が国で言う内閣法制局長官に当たるような職の方でございますが、によっても同様の見解が表明をされているわけでございまして、国際的にも受け入れられている考え方であるというふうに考えてございます。  したがいまして、御質問に戻りますと、そのようなものとして我が国政府は武力行使について支持をしているということでございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 質問は、我が国が支持しているのは分かっているんですけど、これを一〇〇%この理由付けで支持するかというのが質問なんです。六七八、六八七、一四四一を根拠としてこれを複合的な安保理決議として一〇〇%支持するかと聞いているんです。

小松一郎外務省国際法局長

○政府参考人(小松一郎君) ある行為を支持をするという場合のその理由、政治的ないろんな理由というのとその支持をしている対象の行為の国際法上の法的根拠というのは一応別の問題だというふうに理解しておりますけれども、その法的根拠というところにつきましては、もう繰り返し申しておりますように、この三つの安保理決議の複合的効果で国際法上正当化をされるということを申し上げている次第でございます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 ということは、国連の集団安全保障が機能しなかった、機能しないことはよくあると思うんですよね。機能しなかったときに、米軍がアフガニスタンのときは自衛権の行使で行ったわけですよね。しかし、イラクのときはそうじゃないわけですね、自衛権の行使では行ってない、集団安全保障は機能してないと。こういう米軍の活動にこれから日本はどういう対応をするのかなというのが質問なんですね。  これは小松さんでは答えにくいと思うんですが、大臣、いかがですか。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、あれは九・一一といういわゆる平和に対する脅威、国連憲章第七章の三十九条でしたっけね、あれの話からそれが出てきたんだというのがもうアフガニスタンだと思うんですが、このイラクの場合は、御存じのように、十二年間にわたりまして度重なる国連のいわゆる決議に対して何らそれに対して履行することをしなかったというのが、それまでの国連の累次の勧告を無視されたという十二年間にわたるものを背景にして出ているというんで、いわゆる自衛権の行使とは違うんだという御意見に関しては全くそのとおりだと思います、もとの発想している、あれが発想しているもとが違いますんで。  ただ、今、日本はそれに対して支持をしたわけですけれども、私どもとしてアメリカがそういう行動に出たら常にそれを支持するかと言われれば、それは時と場合によるんであって、そのケースごとに考えていくのが当然なんだと。これは同盟国だから常に一緒なんということはありません。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 それで出だしに戻るんですが。ありがとうございました。集団的自衛権の研究をすればするほど、もうこちらを立てればあちらは立たずという話になると思うんですね、それは同盟関係の研究になるわけですから、集団的自衛権の研究というのはですね。これは集団安全保障が本当だったらやるべきところ、集団安全保障が機能しないときにはどうするのか、自衛権を行使するのか、自衛権を行使するときに集団的自衛権も含めて自衛権を行使するのか、その両方ともうまくいかないときどうするのか、そういう議論を私は懇談会でするのかと思っておったわけなんです。  こういう、これ官房に伺うんですが、結局、集団的自衛権と総理が言って、タイトルとしては安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会というタイトルに変わって、結局、この中を見ると、集団的自衛権は一切出てこないということになると、結局、研究対象としているのは、ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんけど、対世的義務と。一九七〇年の国際司法裁判所が判示した、要するに、自国のことのみではなくて国際社会全体に対して負う義務としての、まあ貢献としての義務と、対世的義務と、これを今研究しているのじゃないかなと。つまり、そういうことをもし研究するんだったらそういうふうに言えばいいわけで、総理については、今後私は集団的自衛権の研究ということは言わないでもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 総理は、かねてより、日本をめぐる安全保障環境が大きく変化する中で時代状況に適合した実効性のある安全保障の法的基盤を再構築する必要があると、そういう問題意識の下で今回の安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、これを立ち上げられました。  総理は、一つとして、国民の生命、財産を守るために日米同盟が効果的に機能することがこれまでにも増して重要である、こういう問題意識の下に、二つ目として、世界の平和と安定なしに我が国の平和と安定はない、PKOを始めとする国際的な平和活動への一層積極的な関与が必要であると、こういうことを述べられておられまして、国際社会に対する貢献とも関連する問題意識を述べられているわけでございます。  こういう中で、いずれにしても、この懇談会におきまして、各委員の方々には、今御指摘のような国際法上の論点も含め、それぞれの専門的な高い見識の上に結論を予断することなく様々な観点から検討していただきたいと考えております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 ちょっと今おっしゃる意味がよく分からなかったんですけど、総理が集団的自衛権の研究と言っていて、しかし、その中身としては集団的自衛権ということにとらわれずにもっと広くいろんな研究をしているんですよと、こうおっしゃっているんですか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 最初に御質問ございましたが、この懇談会の冒頭発言の中で総理が四つの個別具体的な類型について発言をされましたが、必ずしもすべてが集団的自衛権に該当するという前提ではなくて、該当する場合にはどういうことが、例えば、解釈の問題になるのか、あるいは憲法改正までつながる問題なのか、そもそも集団的自衛権には該当しないということなのか、それが集団安全保障というふうな視点にもなるのかと、そういうことについて、あらかじめ結論的な方向ということではなく、予断を持った方向性を提示しているわけではなく、専門家の方々にその辺、柔軟な中で結論を出す議論をしていただきたいと、そういう姿勢であるというふうに思います。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 済みません、まだよくすっきり分からないんですけど、さっき何か神学論争みたいな話がありましたけど、集団的自衛権というとこういう神学論争的な話になってしまうんですかね。  そういうことではなくて、本当に、神学論争ではなくて、あらゆる事態を想定して我が国の対処するやり方を対外的にも理解しやすいような形で、要するに集団的自衛権というともうこれは解決済みの話でありまして、国際法上は、ニカラグア事件というものがあったときに、当該、攻められている国が攻められていると、大変な武力攻撃を受けておると、助けてくださいと、この二つの条件を言ったときには、第三国がこれを援助する行為を集団的自衛権として認めるという、これは国際司法裁判所の判示があると私も承知をしておるんですけれども、それ以来この集団的自衛権についてはそんなに論争になるような話ではないと思うんですけど、まず、これは、小松局長、いかがですかね、その理解でよろしいですか。突然済みません。

小松一郎外務省国際法局長

○政府参考人(小松一郎君) 御質問は、一九八六年のニカラグア事件、これはニカラグアが、近隣国であるエルサルバドル等にニカラグアのゲリラがいろいろと侵入をしたり軍事的な支援をしているというようなことを理由にして、アメリカがニカラグアの国内のコントラという反政府団体を軍事的に支援いたしましたことを国際法上違法だといってニカラグアがアメリカを訴えたという事件でございますが、この集団的自衛権の問題についてはこのニカラグアの判決で決着が付いているのでもうはっきりしているじゃないかと、こういう御質問ではないかというふうに理解をいたしますが、確かにこのニカラグア判決におきましては、国連憲章第五十一条の文言などを根拠といたしまして、自衛権は武力攻撃の場合にのみ行使し得ると論じられているほか、集団的自衛権の行使に当たっては、今委員からもおっしゃいましたけれども、被攻撃国による要請が必要であるというようなことが論じられているということはそのとおりだというふうに理解をしております。  例えばこの判決の評価でございますが、一つには、一方の当事国でございますアメリカが、当初からそもそもこのICJに管轄権がないと主張していたにもかかわらず、米国の参加がないまま、いわゆる欠席裁判でございますが、本案の訴訟手続が進められて事実認定などが行われたということについて様々な批判的な議論もあると承知しております。  この判決の内容といたしましても、英国の出身の判事でございますとかアメリカの出身の判事は反対意見を出しているというようなことも別途ございまして、この判決の内容についても、武力攻撃の概念でございますとか集団的自衛権の行使の要件、司法判断の適合性等について様々な評価があると。例えば、日本の学会におきましても、高名な日本の学者の方が国際法外交雑誌という国際法学会の雑誌に論文を書いておられますが、この中では、先例としては制限的にとらえるのが適当であろうと、こんなことも述べておられるというようなことを承知しております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 判決の中でいろいろ経緯があって問題点もあると、反対の意見もあるというのはよく分かりましたけれども、私が言いたかったのは、要するに併走している艦船がいるからとか、あるいはPKOでそこに行ってどこまで武器の使用をしていいかとかいう、そういう話ではなくて、そもそもそこに行くための意思決定の際に、じゃ我が国としては集団的自衛権を行使していくのかいかないのかという議論をするべきであって、この懇談会の中を見ると、そういうことじゃ、もう行ってしまった後に武器の使用をどうしようかだとか後方支援どうしようかという、そういう検討を総理の方が求めているように見えるわけなんですよね。私は、その前の、日本、一体どこ行ってしまうんだという話は、いろいろな事態があったときに日本は一体そこに出ていくのかいかないのか、どういう協力をするのかというときに、集団的自衛権あるいは集団的安全保障、それ以外のところという話になるわけで、余りにもこの類型というのはそれとは懸け離れているんではないでしょうかというのが私の質問なんですけど、いかがですか、大臣。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今おっしゃられました、出掛けていくのが、自衛権の行使としてまず出掛けていくかどうかという、集団的自衛権の行使として出掛けていっているやつは一つもないわけですよ。例えば、アフガンのときのインド洋に行っているやつだって、自衛権、集団的自衛権か、あるいはアメリカの場合は個別的自衛権、NATOの場合は集団的自衛権の行使として戦っていますけれども、それに対する支援は、国連もああいう決議をしていますから、自衛権の行使も含むという決議をして各国に要請していますから、我が国は支援はしていますけれども、あれはあくまでそれを支援しているのであって、日本としては自衛権の行使はしていないわけですね。  行っているときに、併走しているときに、どういうふうにしてそれを攻撃されたらどうするかという問題はやっぱりそこでは発生するわけですから、そういうようなテーマを与えたとしても私はそれはそれなりの意味があると思うんです。自衛権の行使でないときに、そういうような攻撃されたときにどう判断したらいいかという問題は発生するから、こういう問題はそれが自衛権の行使につながっていくことになりゃせぬかという議論も片一方では出てまいりますので、そういう意味では、ああいうテーマを与えて議論してもらうというのは、私は非常に参考になるので、議論の行く末を見たいと思っておるわけです。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 議論の行く末を見たいという、おっしゃるのは正に私もそうなんですけれども、総理が、憲法改正の前夜と言ったらおかしいですけど、あと三年掛けていろんな議論があるんでしょうけれども、こういう時期に総理として就任をして、集団的自衛権の話をするといって、本当にじゃ何を我が国として検討するのかと。衆目が集まって、しかも議論ができるようなこういう懇談会を設けてもらって、懇談会の議論が表に出てくると。もう私は大きなチャンスだと思うんですよ。いろんな話ができるチャンスなんです、衆知を集めて。日本は一体どこに行くんだという国民の不安を払拭する大きなチャンスなんですよ。今までこういう話がどんどんできる政治的な状況じゃなかったのかもしれませんけれども、今この話をしなかったら、もうとてもじゃないけど間に合わないと思います。あと三年の間にこれ徹底的に話しなきゃいけないと思うんです。  にもかかわらず、こういう、瑣末と言ったら失礼ですけれども、今まで問題であった、行ってしまった後に自衛官の人たちが大変苦労しているような話をここでわざわざ総理が持ち出すような話じゃないだろうと、私はそう思うんですけど、官房、もう一度いかがですか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 基本的に総理の問題意識として、集団的自衛権の行使が具体的にどんな場合に該当し、またそれがどのような形で憲法改正やあるいは現行憲法の解釈含め、できるかできないかについて整理をしたいというお考えであるというふうに思います。  その中で、四つの具体的な類型を出されたわけですが、これは新たな時代状況を踏まえ、新たな安全保障政策を構築をするために、新しい時代の日本が何を行い、また逆に何を行わないのか、明確な歯止めを国民の皆様方にお示しするという意味での議論でもあるのではないかと思います。そういう中で、この四つの類型は非常に分かりやすい。  そして今、久間大臣からもお話がございましたが、これは集団的自衛権ではございませんので、それがさらにこのような四つの類型で踏み込んだときに集団的自衛権に当たるのか当たらないのか、当たらない場合にはそれはどういう解釈ができるのかということについて議論を行うということは、論点整理含め、国民の皆さんにも大変分かりやすいと、そういう姿勢を示すものではないかというふうに承知しております。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 これから我が国が何ができて何ができないのか明確な歯止めを掛けると、そのために広く議論を喚起をして、そして国民の目の前でこれをしっかりと論議をしていくということですので、懇談会の議事録のこの委員会への提出を求めます。  官房、どうですか。議事録の提出を求めます。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) はい、承知いたしました。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 どうもありがとうございました。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) 失礼。議事要旨を提出させていただきたいと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 議事要旨ではなくて議事録を提出をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

下村博文自由民主党内閣官房副長官

○内閣官房副長官(下村博文君) これは、恐縮でございますが、一回目のこの懇談会の中で、座長によって懇談会の議論については議事要旨を提出をさせていただきたいということで懇談会の委員の了承を取っておりますので、是非御理解いただきたいと存じます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 この懇談会の趣旨からしまして、これは広く議事録を国民の前で我々も参加して議論できるような形にしたいと思いますので、委員長から提出の要請をお願いしたいと思います。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) この件については、後日、理事会で検討させていただきます。

犬塚直史民主党・新緑風会

○犬塚直史君 それでは、これで質問を終わります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 先週に続きまして、再編交付金の問題について質問をさせていただきます。  先日の質疑、ちょっと途中になってしまったんですけれども、今度の交付金が電源立地地域対策交付金制度を参考にしたという、そういうことをお尋ねした際に、大臣は似たような考えだと、そういう御答弁をされました。原発を参考にされるという理由についてもう一度説明していただけますか、分かりやすく。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 我が国の電力事情その他からいきますと、石油とか石炭とかの火力発電、あるいは水力発電、あるいは自然エネルギーを利用した普通の発電、そういった発電だけでは十分でないということで、原子力発電に頼らざるを得ないということでスタートしたわけですね。  しかしながら、原子力発電の場合は、事故がないように政府としても電力会社としても完璧を期しますけれども、やっぱり何かあるんじゃないかという不安感が絶えず付きまとうわけであります。そうすると、自分のところに造られるのは嫌だという、そういうそこはかとない不安というのはありますけれども、国全体としてはやっぱり造らざるを得ないわけですね。  そういうことを考えましたときに、あの法律で、造る代わりにそこには交付金を出しますから必要な事業等についての事業をやってくださいよという形で、妥協といいますか、そういう形で妥協点を見いだそうとした。  それと同じような考え方で、米軍再編も、全体としては例えば沖縄に非常に集中している、それを全国にある程度負担を分散してもらいたい、そういうときに、それを何らかの形で負担を受けてもらうところにはそのお願いをする。あるいは、今厚木にあります艦載機をもう少し今度は、海の騒音がそれほど厚木みたいに人口密集地でないところに持っていく、そういうところについては交付金を出したらどうかというような、そういうような考え方。そういうところが同じように考えてやっていいんじゃないかということでやったわけであります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 今御説明いただきましたけれども、再編交付金の性格ということですね。ですけれども、私は原発の場合と違うのではないかと思うんですね。  原発というのは、自治体が国の要請も含めいろいろ検討した上で、地元が手を挙げてそして受け入れるという、そうなっていきます。自治体には受け入れないという選択もあり得るわけですね。  再編の個別案というのは、名護市、鹿屋市、岩国市、座間市、相模原市等々、たくさんの自治体がかかわるわけですけれども、負担増になる自治体の中に、それでは、大臣、原発と同じように自分から手を挙げた自治体ってあるんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それは、原発だってたまたま挙げたところがあったかもしれませんけれども、まあなかなかないだろうということで、電力会社とかなんとかが一生懸命説明して、そして、原発の場合は、固定資産税も入ってくるという、そういう計算もあったでしょう。ところが、手を挙げたかどうかというのは私もつまびらかじゃありませんけれども、原子力発電について、まあ余り積極的には賛成はなかったんじゃないですか。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 はっきりと御答弁ができない。  原発の場合はあるんですよ、そういう例というのは。だから違うんです、明らかに。  だから、僕がここで大臣に確認していただきたいのは、今回対象になっているそういう都市、岩国等々のそういう都市で、自ら手を挙げたという自治体がありますかとお尋ねしている。はっきり答えてください。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それはこちらからお願いしないと、なかなか自分の方からどうぞ来てくださいよという自治体はないと思いますよ。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣もないとお認めになったということですよね。  それで、ですから、例えば、厚木の艦載機を移しますけれどもこれだけの補助金を付けるからどこか受け入れてくれるところありませんかと呼び掛けて、じゃ岩国がぱっと手を挙げたわけじゃないんですよ。違いますよね。はっきりしていますよね。移駐計画がそういうふうに作られたんなら原発と同じですよという説明も成り立つかもしれません。しかし、そうではないということですよ。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 原発の場合は手を挙げた市町村あったかもしれませんけれども、それは、あったからなかったからじゃなくて、要するに受け入れてくれるところは国民全体から見ると有り難いわけですよ。日本に原子力、手を挙げたところしかもしやりませんとなったら、なかったらどうしますか、原子力発電。今の日本で原子力発電がなくてやっていけますか。ところが、たまたま挙げてくれたことがあったから、あそこはあったじゃないかと言いますけれども、挙げなかったらどうします。やっぱりそういうことを考えますと、挙げたから挙げないからで本質と違うわけじゃないんですよ。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣、そうおっしゃいますけれども、違うんですよ。要するに、今回の再編の場合には自ら手を挙げた自治体はないと大臣はお認めになった。原発の場合にはそれがあるんです。ですから同じようには言えないんですよ。ですから、別の言い方をすれば、再編計画というのは日米の政府で作ったものですよ。それを後から関係の自治体にこれでやらせてくれと、そういうものですよね。ですから、手を挙げた自治体のみを対象とするわけではない。政府が選んで、ロードマップに従ってこうやらせてくれという、そういうケースですよね。そうですね。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) より厳しい状況だとおっしゃりたいのか、どういう、意図は分かりませんけれども、要するに、よそがなかなか引き受けてくれないところ、原子力発電の場合だってそこはお願いせぬといかぬだろうということもあってやっぱり交付金という制度をつくっているわけで、それでなかったら何で税金使うんだという話になりますから。そこはやっぱり論理が、やっぱり原子力発電が日本にとって必要であると、そしてそれを受け入れてくれる、そういうような自治体に対しては交付金を与えましょうという、そういうことをやったわけですから、原則としては同じじゃないでしょうか。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 私が言いたいのは、有無を言わさず、とにかく日米両政府が決めて、そして自治体にその受入れを求めるのみと、そういうことを言っているんですよ。  原発の場合には、自分から進んで、いろんな条件があると思います、交付金もある、いろいろあるかもしれない、しかしこうやって受け入れますというふうに自治体が自主的にそういうふうに受け入れるという、そういうところがあって成り立っているわけですよ。  ところが、今回の場合にはそういうものはない。しかも、ロードマップで決めて、日米両政府でかくかくしかじかと、全部それを決めて、それでよろしくという、そういうことじゃないですか、仕組みは。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) お願いしておるわけですから、そして米軍とのやっぱり合意の下でどこをどういうふうに移そうかというふうなことでやっているわけですから、そういう意味じゃ、政府からお願いをして市町村に受けてもらうと。  だから、向こうの法律とそのままじゃないわけですからね。向こうのやつを参考にして、原子力発電ですらああいう形で法律を作って交付金をやるんだから、今度の場合は政府がお願いをして市町村に受けてもらうわけだから、だからやっぱりそういう交付金をきちんと出すようなことにしていいんじゃないかということで、それをしかもSACOみたいに予算措置じゃなくて法律でそれをきちんと裏付けをする方がいいんじゃないかと思ってやっているわけであります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 ですから、今のやり取りで明確になったことは、日米両政府で決めたロードマップに従って関係自治体にお願いしますと、それでこれでやってくれと、そのために交付金を出すと。  そして、じゃ逆に、自治体の側にやめてくれと言う、それを拒否するという選択権ってあるんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今度の法律は、米軍再編が円滑にいくために交付するわけですから、やめてくれと言うような市町村に交付金を交付する制度じゃございませんので、そこは誤解のないようにしていただきたいと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 誤解していません。  要するに、選択の余地を与えない相手に対して交付金を与えて迫る、それだけなんですよ。交付金を要らないと言っても、じゃ基地は来ないんですか。来るでしょう。はっきりしてください。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) それはまた別問題でありまして、そこは、どうしても避けて通れない場合はそういうふうな選択肢もあります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 いや、そういうような選択肢じゃなくて、それしかないじゃないですか。  例えば、どこかの市が、やめてくれと、そういうふうに言ったら、やめますと言うんですか。そういう選択があるんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) やめますとは言えないでしょうね。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 要するに、選択はない。はっきりしてください。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) ないとも言えないと思います。それは大所高所から判断した上で、またどういうふうな改定するか分かりませんけれども、やはり、ないとは言えませんし、また絶対かというと、絶対ということでもありません。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣、大事なところなんですよ。  要するに、日米の両政府でロードマップ決めた。ブッシュ・安倍会談があってその促進も決めた。その下で、今対象になっている自治体で、基地をお願いすると言っている再編の関係での自治体で、自治体がやめたら、ノーと言ったら、じゃやめますという、そういうことはあり得ると今おっしゃられましたが、あるんですか、本当に。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) とにかく、できる限り説得し、協力をしてもらうように努力をいたします、最後までですね。しかし、そうした挙げ句、絶対ないかとは言い切れないと思います、それは。  それはもう、例えば、今沖縄にあります訓練を全国で展開し、訓練を五か所、六か所でやっていますよね。そういうやつについては、一応もうここでやりますということで決めておるわけですね。そういう場合に、その受け入れる市町村、飛行場のある市町村は非常に迷惑ですよね。そういう市町村が反対と言ったときに、こちらとしては、訓練をそこでやらさないかやらせるかは、それはどちらの選択もあるわけですよね。だから、それはこちらとしては極力お願いをしていますけれども。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣、非常に大事な答弁を今されているんですよ。次回の委員会で冒頭に弁明とか釈明とかないということを私は本当に希望しますよ。ないですよね。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 将来のことですから、絶対ないとか絶対あるとか、先ほどから何回も言っていますように、ないとは言い切れないとか、しかし、やめることがありますかというと、ある場合もありますと、だから言っているわけですから。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 着実にスムーズに合意を履行するというのが今の政府の立場ですよね。それに対して今防衛大臣がおっしゃられたことは、地元の住民の反対があればそれに対してそのとおりにしないこともあり得るとおっしゃられているんですよ。確認します。言ってください。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 地元の意見は聞くようにしますが、地元の言うとおりに一〇〇%しなきゃならないということにはなっていませんので、そこのところは誤解のないようにしてください。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 誤解はないです。もう答弁できちっと議事録に残る話をされているわけですよ。  じゃ、私伺いますが、岩国市で昨年、艦載機移転をめぐる住民投票において九割という圧倒的な多数の市民が受入れを反対を意思表示したわけです。そういうケースに対して、じゃ、それでは今のように、九割の住民が反対しているんだから岩国にはそういうことを、再編の計画をそのとおり押し付けないと、実行しないと、そういうこともあり得るんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) その辺はまたいろいろと議論していただかなきゃならないのは、厚木の場合、それの代替施設、代替をどこかに持っていかなきゃならないわけですね。そして、そのときにそれが実行できませんと、厚木の現在の、まあ訴訟もされて違法な状態で、国側が負けていますよね。そういう状態が続く形になるわけですよ。そういう選択をするか、やっぱり岩国にその説得をして住民の皆さん方にも理解をしてもらって、あそこの海岸の沖合にあれだけとにかく遠く離して飛行場を造ったわけですから、そちらで厚木の人たちの思いを少し受けてくれませんかという形でお話をして、それで理解を得ようとしているわけです。  だから、今九割とおっしゃいましたけれども、住民投票のそのときの空気はまた別ですから、現在の状況じゃ必ずしもそんな状況じゃございませんので、こちらは辛抱強く今一生懸命努力をしているわけでございますので、そういうのをあおるような話はしていただきたくないなと思いまして、むしろ住民側に厚木の住民になったつもりで受けてくださいよと、そういうようなことを言っていただけると大変有り難いですね。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣、全然あおっていないですよ。現実を述べているんですよ。  例えば、先日、衆議院の委員会で岩国市の井原市長がお見えになって、そこで意見陳述された。これ、手元に資料があるんですけど、大変心を打つ心情を私は非常に受け止めましたよ。紹介しますよ。  正に圧倒的な民意が表明されたと思います。条例に基づいてきちんと実施されました、住民投票ですね。その結果というのは、政治的には私は重いものだというふうに考えますし、尊重されるべきものだろうというふうに考えています。しかし、その後の状況を見ると、そういう民意の重さが余り感じられないのは私は残念であります。現実の政治状況の中になかなか配慮されないというのは残念であります。ちょっと辛口になるかもしれませんが、日本の民主主義の限界なのかとも考えていますという、市長御自身がそういうふうに述べられているわけですよね。で、住民投票の結果がある。今やれば別の結果が出るなんといっても、市の代表の市長である井原さんがこう述べられているわけですよね。  こういうことを、大臣、どう受け止められますか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 市長さんのいろんなこれまでの選挙での話とか、住民投票の、また選挙とか、いろんな中で市長さんの立場もよく分かりますので、非常に辛いお立場だろうなというふうに思っております。  しかし、そういう状況でありますけれども、私なんかも直接市長さんともお話ししながら、さはさりながらという形でいろいろとお願いをしているところであります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 アメリカでは、フロリダのジャクソンビルという町は、米軍が基地再編で二百五十機を超えるそういう戦闘機の移転、その候補地になったと。住民投票で六割の住民が反対をしたと、それでその計画を中止しているんですよね。  日本で、岩国で九割の住民が反対をして、なおかつ押し付けるんですか。やはりさっきの大臣の話で言えば、やっぱり見直すということはあるわけですよ。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 我が国の場合はそういう直接民主主義というよりも間接民主主義を取っておりまして、岩国の市議会では、先般、国の、厚木からの艦載機の移駐について前向きに取り組むべきだという決議がされております。だから、そういうことも考慮しないといけないわけでありまして、過去のそういう住民投票だけをとらえて、私は住民投票のときは直接タッチしておりませんので分かりませんけれども、どういうような住民投票だったのかですね。  名護の場合も一緒でありまして、名護も住民投票があって、いったんはそれであれしましたけれども、また市長さんが替わりまして、そしてその下で名護としては受け入れるという、そういう返事をいただいて、そして現在進んでいるわけですね。だから、住民投票住民投票と言っておっしゃいますけれども、それはそのときの住民投票でありまして。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣の言葉は大変重大ですよ。市長がこれだけ述べていることに対して全然答える立場にない。私は、そういうすべて押し付けるという立場、それがやはり立場を超えて、国の政策だからやむを得ないと、基地は受け入れようと思っている方々の間にも不信を広げていると思いますよ。  例えば、座間市の星野市長はこう述べているんですよ。恒久化解消が示されない限り、国が負担軽減策の一つとして再編交付金の話を提示しても話に乗らないと。それは、六十年以上やむを得ず基地負担を受け入れてきた、そういう座間市が、再編に当たって恒久化解消策はどうするんだと、いつまでも負担に耐えられないと、そう叫んでいるわけですよ。それに対して国は何も示していない。  大臣、座間市のホームページ見たことあります、ごらんになったこと。そこには国からの未回答項目というのがずらっと並んでいますよ。是非見てください。やはりこういうことに対して答えなきゃいけないんじゃないんですか。そういうことが、これまで基地を受け入れて、それでやっていこうという人たちの間にも、こんなことじゃやっちゃいられないという気持ちを生んでいるんじゃないですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 座間市が恒久化を解消するという、そういう方針で従来から主張してきておられるのはよく知っております。  しかしながら、日本とアメリカとの安保条約がいつになったら終わるかということは、現在の日本を取り巻く環境からいうとできないわけであります。だから、そういう期限を切っての恒久化は解消しましょうというプランニングがなかなか立てられないので、回答できない。ちょうど、沖縄において十五年というのを期限を切られましたために、その話について乗れなかったのと同じであります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 報道では、キャンプ座間には六月にも新司令部移転準備の先遣隊がやってくるという、そういうことが言われております。負担増が正に始まろうとしているんですよね。  大臣、先遣隊が来る前に、やっぱりそういう問題について市ときちっと話し合う、具体的にそういう場を設定して、そして話し合う。話し合うのは当然ですよね。やっぱりそういうことはきちっとやると約束していただけませんか。  大臣、最後だから大臣に。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 久間大臣、簡単に答弁してください。時間が来ています。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) これまでも座間に対してはいろんなレベルで説明をしてまいりましたし、これから先も説明はしてまいろうと思いますけれども、今この時点で恒久化解消策を提示しろと言われても提示できない、そういう状況については御理解賜りたいと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 理解しないけど、時間なので終わります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 久間大臣にお伺いします。  先ほど官房副長官がいらしたので、実は官房副長官にお伺いしたかったわけですが、お帰りのようですので、もちろん大臣は総理の代弁はできないと思いますが、安倍総理は盛んに戦後レジームからの脱却ということを申しておられますが、大臣は、閣内の一員として、総理がおっしゃる戦後レジームというのは具体的にどういうイメージをお持ちなんでしょうか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 総理とイコールじゃございませんから、若干違うかもしれませんが、戦後六十年たった今日、戦後のあの当時の形ででき上がったやつをそのまま現時点に合わせていいのかどうかという、そういう観点から見たときに、でき上がっております枠組みをもう少しフレキシブルにしていいんじゃないかという、そういう思いで戦後レジームからの脱却という発言をしておられるんだろうと私は思っております。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 いま一つ、午前中時間がなくてお伺いできなかったんですが、総理も、それから大臣も、外務大臣もそうですけれども、よく、今回の再編によっていかにも沖縄の基地が大幅に減るかのような、そういう印象を受けるわけなんです、御発言からですね。ところが、実際に沖縄の実情を見てみますと、今回の米軍再編に伴って、最近、米陸軍の迎撃ミサイル部隊の六百人が新たに配置されたり、あるいは米空軍の最新鋭戦闘機のF22が一時的とはいえ嘉手納に配備されたり、嘉手納や普天間の騒音はかえってひどくなってきているわけですね。  前から申し上げておりますように、沖縄の空域ですね、空の四〇%ほど、それから、沖縄の那覇軍港を含め二十九か所の水域、港湾部分が米軍に管理されているわけなんですね。そうしますと、今回の再編で日米で合意されたロードマップが全部完了したとして、一体どれくらいの基地が減るんですか。大臣は御存じでいらっしゃいますか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今、数字はつぶさでございませんけれども、確かに面積からいったら、北部のああいう山林その他も入っておりますし、演習場その他広いから、全体の面積からいったら減るパーセンテージは少ないかもしれません。しかしながら、都市部のいわゆる人口密集地といいますか、人口密集地の中での面積からいったら、嘉手納以南なんかが入ってまいりますとかなりの面積が減るんじゃないかなと思っております。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 先ほども申し上げたんですが、嘉手納以南の基地が返されるとこれはもう沖縄はすばらしいところになると思います。これはもうだれが見てもはっきりしているわけなんですが、実は北部の方に代わりの基地を造らなければそれこそ沖縄の明るい未来が開けるわけですが、私は、午前中に総理が沖縄の未来は明るいという趣旨の御発言がありましたけど、私から言わせますと非常に悲観的になるわけです。  それはどういう理由かと申しますと、実は平和条約が結ばれるときに、沖縄が将来どこに帰属すべきかと。日本に返るべきか、それとも独立すべきか、それともアメリカの一州になるべきかという、いろんな議論がございました。そうすると、ハワイの沖縄出身の移民たちは日本に復帰するのに猛烈に反対したわけなんです。私などは復帰するのを主張したわけなんですが、さんざん怒られたわけですが。その理由は、日本に返ったら必ず沖縄の将来は日本の軍隊とアメリカの軍隊の日米両軍の共同管理地になると、それは間違いないと、だからそういうことにならないようにしなくちゃいけないということを強く言われたわけなんです。  現状を振り返ってみますと、自衛隊は既にもう沖縄に六千人以上おりますが、混成団を更に旅団に格上げしようとしていますね。そういう状況からすると、自衛隊も増えてくるし、それから北部に基地ができますけれども、その普天間の代替基地というのは、アメリカの会計検査院の記録を読みますと、耐用年数二百年、運用年数四十年になるような基地を造ると書いてあるんですね。最近、つい二、三日前の地元の新聞は、やはり米軍が運用年数四十年の基地が欲しいということを要請しているということが出ているわけなんです。  そこで伺います。これは防衛施設庁に伺いますが、前のSACOの最終報告と現在の再編の今回の法案とはどこでどういう部分に関連していて、どこでどういうふうに異なっているかというのは、どなたでも結構ですから教えてください。

北原巖男防衛施設庁長官

○政府参考人(北原巖男君) SACOを経緯といたしまして、SACOで考えられました普天間代替施設、これにつきましては、直近では同じく辺野古沖に造るようになっておりました。しかし、御承知のようなもろもろの反対等がございまして、これがとんざをしてまいりました。  そのときに、また十六年八月の国際大学にヘリコプターが落ちたといったことから、これは何としても早く普天間飛行場を移設・返還しなければいけないといった中で、御承知の一昨年の十月二十九日の共同発表になり、そしてその後、そのときにはいわゆるシュワブのL字案と言われるものでございましたが、それ以降、今度は名護市とまた宜野座村、地元の市長さん、また村長さんが是非とも自分の陸上は飛ばないでいただきたいといった御要請がございまして、それが四月七日でございますけれども、V字案ができまして、このV字案を基にしまして五月一日のロードマップで日米間でこれで進めていこうと。そして、このV字案をベースにいたしまして五月十一日の知事さんとの合意書に至っているわけでございまして、私どもといたしましては、今そうした中で滑走路の面積等々も変わっておりますけれども、何としてもこの今ある危険を除去し、普天間を一刻も早く移設・返還しようということで今のこの五月一日のロードマップに基づいた作業をしているところでございまして、それに基づきまして、先般、知事さんあるいは地元の御了解をいただきまして、現況調査、これに着手をしたと、そして所要の機材を設置に今しているといったところでございます。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 ロードマップが完成したときに、先ほどの質問と関連するわけなんですが、すべて完了したとして、現在沖縄は面積からいって日本全土の〇・六%しかないわけですから、在日米軍の占有施設からいいますと七五%あるわけですね。そうすると、ロードマップが全部完了した暁、沖縄に一体どれくらいの基地が残ると判断しておられますか。

北原巖男防衛施設庁長官

○政府参考人(北原巖男君) 約七〇%になります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 七五%の基地が七〇%に落ちるというのは、わずか五%の削減ですね。一般的に非常に誤解を生んでいるのは、先ほど午前中に申し上げましたように、八兆三千億というお金が過去三十五年間、日本に復帰以来、政府によって沖縄に投下されてきたわけです。しかしながら、私が午前中に申し上げましたように、失業率も最悪だし、それから県民一人当たりの所得も最悪のままなんですよね。そうすると、先ほど申し上げたように、北部に普天間の代わりの基地ができるとすれば、一体いつまでこの基地はあるのか。つまり、私が申し上げたように、運用年数四十年あと沖縄に基地を置くつもりなのかどうなのか。この辺は非常に沖縄にとっては未来が明るくなるか暗くなるかの分かれ目になるわけです。その点についてどういうふうに、いつまで沖縄に負担を掛けるおつもりなんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 先ほどから度々申しておりますように、日米安保条約をどういうふうにこれから先やっていくか。これはやっぱり今の日本の状況からいきますと、いつまでにこれをもうなしにするというようなことの判断はできないわけでありまして、だから、座間についても恒久化解消策というのはなかなか提示できないというようなことを申し上げたわけでございますが、沖縄につきましても同じようなことでございまして、いつまでにということを今ここでなかなか言えないような状況でございます。  ただ、沖縄のいろんな、先ほどから何回も言っておりますように、面積は山林部分が入っておりますから、結構広いわけですから、まあ面積の縮小は少ないかもしれませんけれども、いわゆる人口が周密な地域についてはかなりの返還があるわけでございますので、そこを利用することによってこれから先沖縄の振興につなげていくこともできるんじゃないかなと思いますし、また政府としてもそれを従来もやってまいりました。基地を確かに沖縄に提供してもらっておりますので、そのために政府としては沖縄にはそれに対する思いを寄せておるのも事実でございます。  だから、沖縄復帰以来、八十九万であったのが今は百三十万を超えております。私の長崎県なんか、百六十万だったのが百五十万に減っております。離島を抱えるところというのは非常に厳しいんです。例えば、奄美大島なんか同じように復帰しておりますけれども、現状が、昔、復帰前と今と考えたらどうかといいますと、私、奄美の振興委員長も党でやっておりましたが、いつも言われることは、沖縄ぐらいやってくれよというようなことを町長さんたちから随分言われましたよ。  そういう点では、政府としては一生懸命やってきているのも事実でございますので、その辺についても思いを寄せていただきたいと思うわけであります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 今の大臣のお話はよく理解できるつもりですが、今回の辺野古に基地を造るために環境調査、事前調査をやっているんですが、世界自然連合の日本委員会の方は、防衛省は違法なことをしていると。つまり、事前調査をする前にどういう調査をするか方法書を出すのが手続上決められていると発言しているんですが、それは間違いございませんか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 正式な環境アセス法に基づく調査を出す場合には方法書を出してきちっとやりますが、まだ今それの以前の、事前の調査でやっているわけでございますので、法律に基づいて出すときにはきちっとした手続に基づいて出すことになるかと思います。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 その事前の調査をするのに自衛隊を派遣するなんというのは、私らから言わせると、鈍感力も極まれりという感じがするんですね。最近、「鈍感力」という本がベストセラーになっているようですけれども。  どうしてこういうことを申し上げるかといいますと、大臣、実は明治十二年に廃藩置県があって沖縄が日本に併合されたときに、明治政府の一体化政策に対して琉球王府が二つの点だけどうしても言うことを聞かなかったことがあるわけです。一つは、中国との関係を絶てということ、貿易関係を絶てということ、もう一つは、日本の軍隊を沖縄に置く、つまり、軍隊の基地を沖縄に造るということに対してはもう最後の最後まで抵抗したわけなんです。それを琉球処分という名前でもって、言うことを聞かなければ軍事力で聞かしてやるということで、警察力百六十人と陸軍の兵士四百人を連れていって言うことを聞かしたわけです。  ですから、そのときの歴史家たちにしてもインテリにしても、そのときのことを今もって非常に不愉快に思っていて、そして沖縄戦もその結果だと、沖縄戦の住民の悲劇もその結果だということを言っているわけなんです。  そういう状況の中で、たかが環境の事前調査をするのに自衛隊を持っていくということは、いかにも言うことを聞かぬと暴力で、あるいは軍事力、機動力ででも言うことを聞かしてやるよと言わぬばかりの印象を与えているわけですよ。  ですから、その辺についてもう少し今大臣がおっしゃるような御配慮があるとすれば、控えるべきであって、今回自衛隊を派遣したその法的な根拠は何ですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 今回、防衛省の中の施設庁が事前調査をやる場合に混乱があってはいけない。特に三年前やったときには、とにかくもう引きずり下ろされたり何かしまして大混乱で、結局は一年間掛かって何もできなかったわけであります。  今回でも、一部ちょっとダイバーがエアを吸うあれを外され掛かったということで海上保安庁に訴え出まして、事情聴取を海上保安部がしたようでございますが、そういうようなことがあって、万一のことがあったらいかぬからということで、救助を含めていろんなことで万全の態勢を取れるように待機はしておりました。  それと同時に、ダイバー、潜水士を持っておりますから、民間の企業がやりますけれども、ストップされてやれない場合には、短期間にできるだけ早く混乱なくそういうような器具を海中に置くというのについて協力できるようにということでそういうことをやりました。  だから、決してそういう威圧的なことをやったわけじゃございませんで、潜水士が潜ってそういうのを手助けしたということでございますので、そこのところについては誤解を受けるということは私は現実になかったんじゃないかなと思っております。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 いや、私がお伺いしているのは、法律はどうなっているんですか。法的な根拠はどうなっているんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 自衛隊の場合、官庁間の協力ということで、国家行政組織法上、官庁間の依頼を受けたら協力することができるようになっております。その解釈の一つとして、同じ省庁内ならなおさらのことそれはできるというふうに思っておりますので、よその省庁ですら協力できますから、自らの省内のことであったら協力はできるわけでございますので、その規定をそういうふうに読んだわけであります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 海上保安庁とか警察というのは何のためにあるんですか。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) 海上保安庁、警察は違法行為があったときに取り締まるためにあります。あるいはまた遭難者が出たときに救助するためにあります。しかし、それだけで十分かというようなことからいきますと、いざとなったときには、防衛省内の話でもありますから、防衛省から、施設庁から発注した業者等がおぼれるようなことがあった場合には一緒になって助けることができるようにと思って身構えておくというのは必要だったと思っております。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 こういうことがあろうかと思って心配で私は以前にお伺いしたのは、今回の合意事項の中にはこの基地の再編の推進に当たっては徹底してやるという、徹底してという言葉が入っているということでお伺いして、麻生外務大臣はソロー・インプリメンテーションという意味だということで言われました。そのときに私は、徹底してという意味は機動隊でも動員して反対派を押し付けてでもやるという意味じゃないんですかとお聞きしたら、そういう意味じゃないという趣旨の御答弁だったと思いますが、今回の自衛隊の派遣でちょっと私の判断が甘かったのかなという気もするわけです。  最後に外務大臣にお伺いしたいんですが、在沖米海兵隊のグアム移転に対して、現地グアムでは、先住民のチャモロ族など住民らが、グアムにこれ以上兵員や人口流入が増えると自然環境や社会環境が悪化するなどとして反対する動きが出ていると報じられておりますけれども、外務省としてあるいは防衛省として現地の方々と話合いをされたのか、あるいはアメリカ政府あるいはグアムの州政府を通して何らかの御理解を求められたのかどうかですね。  と申しますのは、実は沖縄が復帰する前に、沖縄に生物化学兵器が貯蔵され、核兵器が貯蔵されているということで大騒ぎになりまして、これを早く撤去してほしいということを要請いたしました。そうしましたら、太平洋のアメリカの統治下にあるジョンストン島に移すということになりました。そうすると、沖縄の人たちは、自分の痛みをよそに移したくない、日本本土にも移したくないという意味から、移すのではなくて廃棄してほしいということを強く要請したわけですが、今回のチャモロ族の方々も、沖縄まで見えて、そして沖縄の人々と一緒に基地をなくしていこうという運動をしているわけなんですが、その点について外務省、防衛省はどういう御配慮をなされたか、最後にお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 四月にたしかアメリカの政府として、いわゆる環境影響評価というのを実施ということで、その説明を、十七日、十八日でしたかな、何かやられたと聞いております。事実そのとおりしておるんだと思いますが、あそこはジョニャといったかな、そこの市がありますけれども、そこでその説明会をやっておる。あそこはたしか、ボルダーロというのは下院議員だと思いますが、グアム選出のアメリカの下院議員にボルダーロという人がいるんですが、この四月末でしたか五月にこの人に会ってその話、似たような疑問私もありましたもので、どうですかと言ったら、うちは問題ないという発言をいただきましたので、今、そのときはもう既に四月のあれが終わっておりましたんで、そのときの段階では特筆すべきような大きな反対運動が起きているということはないというのがそのボルダーロ下院議員から直接伺ったところであります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 終わります。  ありがとうございました。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

柳田稔民主党・新緑風会

○柳田稔君 民主党の柳田です。  民主党・新緑風会を代表し、在日米軍再編特措法案に反対の立場から討論を行います。  日米安保条約を基礎とする日米間の緊密な連携は重要ですが、一方で、世界じゅうに展開する米軍の行動に批判が寄せられている今日、改めて日本の重要な国益を確保していく上でもしっかりと我が国の権利を行使していく姿勢が重要です。  そもそも米軍再編は、冷戦後の世界においてテロネットワークとの戦い等、脅威が非対称的に拡散していく事態に備え、米国が全世界的に行っているものでございます。その戦略の一環として在日米軍も再編されようとしており、そこへ日本側の基地負担軽減の思惑が重なって再編のロードマップが合意され今日に至ったものだと認識しております。  なぜこのように国際的にも例のない巨額の移転経費負担が発生するのでしょうか。  この疑問は本会議場においても何度となく提起されましたが、政府からは、納得いく回答はおろか、在日米軍再編の全容や経費の全体像すら示されたことはありませんでした。何も答えられない政府の姿勢こそが、すべてアメリカの言いなりに合意してしまったことの証左ではないでしょうか。  米海兵隊のグアム移転に伴い、本法案には、経費負担の一環として国際協力銀行を通じてグアム移転にかかわる費用の融資、出資を行う特例措置が盛り込まれています。負担の根拠も不透明、資金の使途を検証する枠組みもないままに、実質的には国民の税金を使って行われる事業が数十年にわたって続くことになります。  特に、本院で再三指摘されてまいりました二十八億ドルのインフラ整備、米軍住宅の建設費が客観的に見ても高過ぎるのではないかという問題についても、この金額になった理由、見積りすら明らかにされることはありませんでした。  また、我が国の輸出入や海外経済活動促進のほか、開発途上地域の経済社会開発、経済の安定に資する業務を行ってきた国際協力銀行に対し、そのノウハウを利用したいがために本来の役割を恣意的に曲げてグアム移転の業務を行わせる強引なやり方は、大きな問題があると言わざるを得ません。  次に、平成十九年度予算において、地元への再編交付金五十一億円が確たる積算根拠も示されずに計上され、なし崩し的に物事が進められているのは極めて問題であります。  交付金というものは、本来基地の存在に対して交付されるべきですが、自治体の受入れ表明を交付の条件とするあめとむちで基地負担の受入れを迫る手法は、国民の税金の使い方として問題があると言わざるを得ません。財政支援を手段として自治体に圧力を掛けるやり方には既に地元から強い反発が出ており、逆効果となっております。自治体や住民の不満に正面から向き合わず、金銭によって懐柔する手法は、問題の根本的な解決にはならないばかりか、地方の主体性を無視するものではないでしょうか。また、実際には工事が進んでいるにもかかわらず、負担受入れを表明しない場合は交付金を出さないことが住民感情を逆なでする可能性も否定できません。  再編交付金に係る事項は政令委任が多いため、具体的な算定方式の内容、根拠、交付金の総額等について何度も委員会で質問し、資料要求も行いましたが、納得いく回答は得られませんでした。このままでは、国会の関与なくして金を出す権限を全面的に政府に与えてしまうことになり、容認できるものではありません。  今回の再編に伴い、座間、横須賀、横田など、日米の司令部機能の一本化が進むとされております。相互運用性の促進、日米共同訓練の機会が増えるなど、リスクも含め、関係がより一層深まることによって日米同盟そのものが変質していくと考えます。  一体、日本の在日米軍再編は、我が国の基地負担の軽減に寄与するものなのでしょうか。陸軍司令部が改編され、司令部機能が強化されることによる地域の安全保障環境の変化も考慮すれば、負担の軽減とは必ずしも言えません。  以上のように、本法案の問題点はまだまだ山積みしており、到底このまま成立させるわけにはいかないことは明白です。改めて、政府・与党の国会軽視、米国重視の姿勢には問題があることを訴え、反対討論を終わります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、米軍再編特措法に反対の討論を行います。  本法案は、日米両政府が進める米軍と自衛隊の再編を推進するために提出されたものであります。そもそもアメリカが進めている米軍再編は、先制攻撃戦略に同盟国を深く組み込み、地球規模で軍事体制を再編成するものであり、在日米軍と自衛隊の再編もその一環にほかなりません。アメリカの先制攻撃戦略に付き従って、米軍と自衛隊が一体となって海外で戦争できる体制づくりを進めるなどということは到底許されません。  政府は沖縄の負担軽減を強調いたしますけれども、米軍のグアム基地増強は、太平洋地域重視を打ち出したQDRに基づき、米国政府自身が自らの方針に基づいて進めているものであり、在沖海兵隊の移転計画はグアムに陸海空海兵隊統合の新たな一大戦略拠点をつくるという米戦略の一部を担うものであります。  その上、政府は、名護市辺野古に垂直離着陸機オスプレーの配備も可能な新基地を建設を進めているのであります。政府の言う負担軽減は全くのまやかしであり、再編が全国各地に基地被害を拡大し、沖縄に新たな負担を拡大することは明白であります。  法案は、在沖海兵隊司令部八千人とその家族九千人のグアム移転経費のうち約六十億ドルを日本が財政負担とするとしていますが、本来、在日米軍部隊がアメリカの領土に戻る費用は米国が負担するのが当然であり、そうした費用を負担した国など世界にはどこにもありません。日米安保条約、地位協定にも負担の根拠は一切ないことは政府自身が認めてきたことであります。ましてや、米軍占領下に銃剣とブルドーザーで強奪して構築された沖縄の基地の歴史に照らして、米軍の撤退費用を負担するということは到底認められません。  新たに導入する再編交付金は、従来の基地交付金などと全く異なり、再編、基地強化を受け入れた自治体にのみ対象にし、交付期間は原則十年限りで、計画の進捗状況に応じて交付金額を増やすとしています。重大なことは、政府が、自治体の受入れ表明がなくても、再編を拒否でも、日米で合意した再編案を押し付ける方針を表明しながら、その一方で受入れ表明したところにだけ金を出すという点であります。これは、金の力で基地を抱える地方自治体と住民を分断、懐柔、屈服させて基地強化を押し付けようというものであり、正に住民を愚弄するものと言わざるを得ません。  この間、沖縄で政府が、県民の大多数が反対する米軍新基地建設に向けた調査実施のために、事もあろうに自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を差し向けるという前代未聞の異常な事態が起こりました。政府の姿勢は基地強化反対の声を軍艦で威圧し、是が非でも日米合意を進めようというものであり、断じてこれを許すわけにはまいりません。  地方自治体や住民がこのような危険極まりない再編計画に反対と懸念の声を上げ、政府の強引なやり方を批判するのは当然であります。再編計画そのものを撤回し、本法案を廃案にすることを強く要求して、討論を終わります。

大田昌秀社会民主党・護憲連合

○大田昌秀君 社民党・護憲連合を代表して、駐留米軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案に対して反対の立場から討論します。  本法案は、米国の一極支配のための米軍の世界的再編に向けた、米軍の我が国の全土自由使用及び米軍と自衛隊の一体化を進める基地増強と軍事を最優先にする施策にほかなりません。  その証拠に、全国の駐留米軍の七五%が集中する沖縄の基地負担は、本委員会での政府答弁でも、わずか五%しか減少しない上に、嘉手納基地には米陸軍のPAC3部隊約六百人が新たに配備されるなど、基地負担の軽減が口先ばかりであることが明らかとなっています。  また、関係自治体の理解を得ながら再編を実施すると言いながら、住民の命と安全を守るため普天間基地を海外に即時移転すべしとの声には耳をかさず、逆に普天間代替施設の海域調査では海上自衛隊を動員し県民を威圧する一方、防衛大臣のさじ加減一つで交付金を左右する出来高払式の再編交付金制度を設けて、正にあめとむちの政策で基地の増強を進めようとしています。  さらに、米海兵隊のグアム移転費の負担は、外国軍の海外軍事施設建設に我が国の予算を執行し、現行の法体系をゆがめるだけでなく、約三兆円にも上ると言われる再編費用を国民に押し付けるものにほかなりません。  つまり、本法案は、全国の自治体に米軍基地の負担を強要し、国民にその経費負担を押し付けるとともに、戦争の放棄と地方自治の確立を目指す憲法の精神を踏みにじるものと言わざるを得ません。  よって、本法案に強く反対し、討論といたします。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、浅尾君から発言を求められておりますので、これを許します。浅尾慶一郎君。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私は、ただいま可決されました駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、在日米軍等の再編を実施するに当たっては、地元住民及び自治体の意見を十分に尊重するとともに、必要な情報開示に努めること。  二、「再編実施のための日米ロードマップ」策定から一年以上経過していることにかんがみ、在日米軍等の再編に伴う我が国の経費負担総額の概算をできる限り速やかに取りまとめ、国会に報告すること。  三、再編交付金の交付基準の作成に当たっては、受入れ表明など進捗状況の内容について自治体にとり明確な基準となるよう努めること。  四、在沖縄米海兵隊のグアム移転経費については、厳しい財政事情を考慮し、国民の理解を得るため、今後日米間であらゆる経費について精査し、経費の抑制に努めること。また、多年にわたり多額の経費を我が国が負担することにかんがみ、今後とも負担に関する米国との合意を国会に報告すること。なお、我が国の負担については、国会の承認を得ること。  五、グアム移転経費に関し、国の予算等から支出される国際協力銀行の出資・融資の資金については、出資財産の保全、貸付金返済に対し、国として万全を期すこと。  六、我が国の財政事情を考慮して、在日米軍駐留経費負担及びSACO関係経費など、在日米軍の駐留に係る経費負担の在り方について検討を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) ただいま浅尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、浅尾君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、久間防衛大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。久間防衛大臣。

久間章生自由民主党防衛大臣

○国務大臣(久間章生君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたし、努力してまいります。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 次に、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件、武力紛争の際の文化財の保護に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び千九百九十九年三月二十六日にハーグで作成された武力紛争の際の文化財の保護に関する千九百五十四年のハーグ条約の第二議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣。

麻生太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました武力紛争の際の文化財の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、昭和二十九年五月にハーグにおいて採択されたものであります。  この条約は、文化財の保護のため、文化財に対する敵対行為を差し控えること等、平時及び武力紛争の際にとる措置等について規定するものであります。  この条約は、文化財保護のための国際的な枠組みの主要な部分であります。我が国がこの条約を締結することは、文化財保護の分野における国際協力に寄与するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  次に、武力紛争の際の文化財の保護に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。  この議定書は、昭和二十九年五月にハーグにおいて、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約とともに採択されたものであります。  この議定書は、占領地域からの文化財流出を防止し、流出した文化財については、締約国が、管理、返還すること等について規定するものであります。  この議定書は、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約とともに、文化財保護のための国際的な枠組みの主要な部分であります。我が国がこの議定書を締結することは、文化財保護の分野における国際協力に寄与するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百九十九年三月二十六日にハーグで作成された武力紛争の際の文化財の保護に関する千九百五十四年のハーグ条約の第二議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、平成十一年三月にハーグにおいて採択されたものであります。  この議定書は、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約を補足し、この実効性をより高めるためのものであります。その内容は、平時及び武力紛争時に締約国が負う義務を具体化し、武力紛争の際に文化財を攻撃の対象とすることなどの特定の行為の犯罪化、裁判権の設定等につき規定するものであります。  この議定書は、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約とともに、文化財保護のための国際的な枠組みの主要な部分でもあります。我が国がこの議定書を締結することは、文化財保護の分野における国際協力に寄与するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。

田浦直自由民主党

○委員長(田浦直君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十七分散会

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