予算委員会 第11号
- 発言数
- 373 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/02/19
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、お手元に配付のとおり政府参考人及び会計検査院当局の出席を求めることとし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 次に、お諮りいたします。 最高裁判所事務総局小池経理局長、小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。
○稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美でございます。 本日は、初めての予算委員会の質問ということで、思い切って、政治家になる前から疑問に思っていたことなどをお伺いいたしたいと思います。 総理が目指しておられる「美しい国、日本」とは、総理の言葉をかりれば、日本の歴史と伝統を重んじ、品格ある国家、そしてまた世界から尊敬される国ということでございます。 外交については、主張する外交、すなわち、自国の立場をきちんと伝える外交である。聖徳太子の、日出るところの天子、書を日没するところの天子にいたす、こういった気概のある外交ではないかと思っております。 そこで、麻生外務大臣にお伺いいたします。 二月に発覚いたしました、中国の海洋調査船が事前の通告なしに日本の排他的経済水域内で調査活動をしたことについて、政府は、不誠実な対応だったと反発をされており、中国の李肇星外相が来られたときに強く抗議をするというふうに報道されておりました。 十六日の日中外相会談で麻生外務大臣は、この件について、すなわち中国の海洋船が日本の排他的経済水域内で調査したことについて、抗議をされたのでしょうか、それともされなかったのでしょうか。もし抗議をされたとすれば、その具体的な表現について、また、抗議をなされなかったとすれば、その理由についてお伺いいたしたいと思います。
○麻生国務大臣 今言われました点につきましては、この問題については、例の騒ぎになりましたその直後に、日本政府としては、李肇星というか外交部に対して正式に抗議を行っております。 この問題については、私がお目にかかる前に、総理大臣、官房長官だとか、いろいろ会っておられて同様の質問をしておられていることもありましたので、私の方からは、この問題については今後どうするかという話が一番問題なんだと思うということを申し上げて、向こうも賛成をしておりました。 これは、いわゆる外交部と、海軍とかいろいろ中の系列の違いもありますので、私どもとしては、今後こういったようなことが起きないようにしてもらわないと、せっかく友好的に変わりつつあるところがこの問題で壊れるのは甚だ建設的でないと思いますので、いわゆる枠組みというものがありますので、この枠組みの遵守を、きちんと守ってもらいたいと。この点につきましては、枠組みを堅持するということに関しては向こうからのお答えを正式に得ておりましたので、それ以上の抗議をいたしたわけではございません。
○稲田委員 わかりました。 これからも、こういうことがあった場合には、ぜひとも明確に抗議だということがわかる形で抗議をしていただきたい。これからも多分お会いになる機会もあると思いますので、明確に、強く抗議をしている、不快感を表明しているということがわかる形で抗議をしていただきたいと考えております。 次に、私たち個々人に名誉があるように、国家にも名誉があると思います。これは何も真実と違うことを美化して言うとかそういうことではなくて、いわれなき非難を受けたときにはきちんと反論することであると思います。 このような観点から見て、非常に憂えるべき事態が、米国の下院の決議案という形で提出されております。昨年の九月にもエバンズ議員の提案、そしてそれが国際関係委員会において全会一致で採択されたということがあります。慰安婦に対する決議案です。 その内容の一部を紹介いたしますと、例えば、慰安婦は二十世紀最大の人身売買であった、また、慰安婦の奴隷化は日本国の政府によって公式に委任、組織され、輪姦、強制的中絶、性的暴行、人身売買を伴っていた、多くの慰安婦は、最終的には殺害されたり、交戦状態が終了した後に自殺に追い込まれた、二十万人もの女性が奴隷化されて、そのうちわずかしか生きていない。いわば、二十万人の若い女性を日本国政府が強制連行して、組織的に性奴隷にして、そして、あげくの果てには殺害をし、もしくは自殺に追いやったというような、本当に破廉恥で悲惨な決議案であったわけです。 幸いなことに、この決議については、下院の決議はなされずに廃案になったわけですけれども、ことしになって、また、今度は日系の下院議員から同じような決議案が出されています。その中では、二十万人という具体的な数字は落ちておりますけれども、ほとんど同じような内容で、最後には、日本の公式な謝罪を求める、若い女性を日本帝国軍隊が強制的に性的奴隷化したことを公式に認めて謝罪せよ、日本の首相は公的立場において声明としてそれを公にすべきであるというような決議案がなされていて、二月十五日には公聴会が開かれた。 資料一でその内容について書かれておりますけれども、こういったことについて、まさにこの公聴会、三人の元慰安婦の方が出てきて証言をされて、聞いている人たちが同情したということですけれども、日本からは何の反論もする機会を与えられず、まさに欠席裁判のようなことが行われているわけです。 我が自民党でもこの問題については勉強会が開かれていて、中山成彬元文部大臣、また中山泰秀先生などが、日本の前途と歴史教育を考える議員の会で勉強会を開いております。この会は平成九年に、中川昭一先生が代表、そして今の総理が事務局長で発足した会で、そのころは安倍総理も、この従軍慰安婦問題については強制性について全く証拠がないんだということもおっしゃっていましたし、その証言をした吉田清治なる人物、この証言を本にまでして、朝日新聞などで勇気ある証言だと非常にもてはやされた人物ですけれども、この人物が詐欺師のようなうそつきで、全く根拠がないというようなことも総理は当時認めておられたわけです。 こういった問題について、麻生大臣は、この決議案に書かれているような破廉恥な、つまり、日本帝国軍隊が若い女性を強制的に性奴隷にして、あげくの果てに殺したり自殺に追いやったなどという事実があったという御認識なのか、また、そういった事実がないというのであれば、この決議案について政府としてどのように対応されていかれるつもりなのかについてお伺いいたしたいと思います。
○麻生国務大臣 基本的に、全くそのような事実を認めておる立場にはありません。 今御指摘の点は、一月の三十一日、マイク・ホンダというアメリカ・カリフォルニア州選出の下院議員の話のことを言っておられるんだと思いますが、そのことが出されたことは承知をいたしております。今月、現地時間の二月の十五日に開催をされました下院の公聴会におきまして、同様に、マイク・ホンダ下院議員や慰安婦というものの意見に対しては、反対の意見の議員も多くその委員会に出席されたということも承知をいたしております。 この決議文の内容ですが、法的拘束力が全くないものでありますし、また私どもから見て、客観的な事実には全く基づいておりませんので、日本政府の従軍慰安婦の問題に対する対応に関しても、これを踏まえて対応しているというようなことがありませんので、甚だ遺憾なものだと思ってもおります。 こういった一部の議員の動きを受けまして、引き続き日本の政府としては、我々の立場について理解を得るためにいろいろ努力を行ってまいりたいと思っております。 また、この下院の公聴会の位置づけについても御質問があったと思いますが、この位置づけにつきましては、下院のいわゆる一小委員会の公聴会でありますので、アジア太平洋小委員会だと記憶していますが、何ら決定を行うような委員会ではないというように御理解いただければと存じます。
○稲田委員 ぜひとも、その決議案の内容が客観的事実とは異なるんだという今の麻生大臣の御認識をアメリカに対しても発信していただきたいと考えております。 こんな中で、こういった決議案が出される根本には、河野官房長官談話があると思います。というのは、この決議案の中でも、日本国内に、河野内閣官房長官談話の内容を薄めたり撤回したりすることを要望している、そういった動きがあるのが不当だということが書かれておりますので。 そこで、官房長官にお伺いいたしますが、この河野官房長官談話、安倍総理も以前は非常に問題だというふうに認識を示されていたんですが、この談話を変えるとか撤回するとか、そういったおつもりが政府としてあるのかどうか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど来稲田先生から御指摘のいわゆる慰安婦問題につきましては、政府の基本的な立場というのは、平成五年八月四日の河野官房長官談話を受け継いでいるというところでございますし、それは、安倍総理も同様のことを国会で答弁されていると思います。そういうことでございますので、政府としては、この談話を受け継いでいるということでございます。
○稲田委員 私は、内閣として受け継いだということは、それは理解するんですけれども、それが事実関係としてないというのであれば、その根拠がないというのであれば、やはり見直しも考えていただきたいと思います。 総理は、予算委員会の質疑に答えて、強制性というのは狭義と広義があるんだと。狭義の、例えばこういう米国下院決議で書かれているような狭義の強制性はないけれども、広義の強制性はあるという趣旨なのか、ちょっとそこはわかりませんけれども、広義ということを言い出せば、本当に経済的理由で慰安婦になったとか、そういうことも含まれるのかもしれませんが、そういった点も含めてぜひ検討をしていただきたいと考えております。 次に、慰安婦の問題につきましては、日本国内で十件の裁判が起こされております。もう既に終わったものもありますが、結果としては、平成十年の山口地裁判決で認容された以外はすべて請求は棄却をされているわけです。しかし、その理由中の判断で、慰安婦に対する不法行為、すなわち米国の下院決議で書かれているような事実があったというふうに認定されているわけです。 例えば、東京高裁の平成十五年七月二十二日判決。少し読みますと、「ささいなことを咎められて警察署に連行されて、拷問され、福岡と聞いている地に連れて行かれ、毎日何十人もの軍人に性行為を強要された。」などと書かれておりますし、また、平成十六年の十二月十五日判決、控訴は棄却ですけれども、中国で、「日本軍が占領した地域には、日本軍人による強姦事件を防ぐ等の目的で、「従軍慰安所」が設置され、日本軍の管理下に女性を置き、日本軍将兵や軍属に性的奉仕をさせた。」「日本軍構成員らによって、駐屯地近くに住む中国人女性(少女を含む。)を強制的に拉致・連行して強姦し、監禁状態にして連日強姦を繰り返す行為、いわゆる慰安婦状態にする事件があった。」などと、まさに米国の下院決議でしようとしているような内容のことが日本の判決の中に書き込まれているわけです。 このように、裁判所が、請求自体は棄却しながらも、判決理由の中で事実認定をしているのはなぜかということなんです。私は弁護士をしていたのでその理由は推測できますけれども、この点について、慰安婦からの裁判について事実関係を、すなわち原告が主張している事実関係を国として争っているのかどうか、また、証人だとか当事者が出てきて、証人尋問、当事者尋問をするときに、国の代理人は一問でも反対尋問をされているんでしょうか、法務省の当局にお伺いいたします。
○大竹政府参考人 お答えさせていただきます。 御指摘の慰安婦訴訟における原告の主張は、国賠法施行前の事案であるなど、主張自体に法的根拠がなく、事実関係を確定するまでもなく請求が棄却されるべきものと考えております。 そこで、国は、事実関係について認否、主張をせず、また反対尋問もしておりません。
○稲田委員 それはもう法律家にだけ通じる理論で、全くおかしいと思います。 例えば、ある人が、お父さんが強姦殺人をしたといって訴えられている事件で、弁護士が、強姦殺人をしたかどうかはともかくとして、それは除斥期間だ、時効だと言って争っているのと同じわけで、そういったことをする弁護士がいれば、普通ならすぐさま解任なんですよ。なぜ国がそんな訴訟のやり方をしているのか、私は全く理解できないんです。 法廷では、裁判では、弁論主義という大原則があって、当事者間で争いのない事実というのは事実として認めるというのがその原則なんです。すなわち裁判所の真実と実体的な客観的真実というのは必ずしも一致しない、これは法律家ならだれでもわかっていることですけれども。 そうしますと、原告が事実関係として請求原因で主張していることを全く国の代理人が争わない、慰安婦と主張する方々、またたくさんの戦後補償裁判で被害者だと主張する方々が事実として主張していることを国の代理人が全く争わなければ、それがすべて判決理由中に事実として書き込まれるわけです。 私は、これは非常に国家の名誉を毀損していることで、大変な問題だと思います。なぜこのような訴訟方針をとっているのかについて、また、この点についてどうお考えなのか、法務大臣にお伺いいたします。
○長勢国務大臣 先生は弁護士でいらっしゃいますので、訴訟のことについては重々御専門でありますが、うちの役人も司法の専門家でございます。おっしゃることは、俗にはよくわからないわけではありませんけれども、裁判でもともと全く根拠のない主張をされておるということでありますから、その主張されるもとになっている話なぞ論ずるまでもないというのが現在までとってきた法務省としての立場だというふうに承知をしております。 そこに争うという、争う必要のないところまで争うことが必要なのかどうかということは、裁判という場面を除けば、おっしゃる主張もわからないわけではございませんが、極めて訴訟技術上の問題としての対応をしておることは事実でございます。
○稲田委員 私は、非常に問題だと思います。本当に何が国益なのか、主文ですら勝てばそれでいいのか。主文で勝って、理由中で次々と原告主張どおりの事実が認定されて、それは、私は国家の名誉を毀損することだし、国益に反することだと思っております。 実際、きょう、お手元にタイム誌の資料をつけて、和訳もつけておりますけれども、それで何と書かれているかといいますと、侵略者はようやく侵略の事実を認め出したという内容の論文なんです。加害者は日本で、何が書いてあるかというと、その内容は戦後補償裁判の判決が書かれています。 例えば、七三一部隊で日本軍がペスト菌をどこそこの村で散布して、何百何十何人の人が死んだ、どこそこの村では何百何十何人の人が殺されたと非常に細かい認定がされていて、それはどうしてかというと、国の代理人が事実関係を全く争っていないからです。 それから、劉連仁さんの事件といって、北海道の炭鉱に、鉱山に強制連行されて、終戦前に逃亡して、十三年間逃亡生活をしていた人の遺族からの裁判についてです。当時の厚生省が終戦後その劉連仁さんをきちんと見つけてきて中国に帰すべき義務があったのに、それを怠ったということで、損害賠償請求を認めたんです。 その判決の後に、当時の厚生省、現在の厚生労働省にコメントを新聞が求めたら、厚生労働省は何と言ったか、担当者が何と言ったかというと、いきなり判決に書かれても寝耳に水、訴訟が起こされたことすら知らなかったと。厚生省が劉連仁さんを保護して中国に帰すべきだったという裁判で、当の厚生省が寝耳に水で、訴訟が起こされたことすら知らなかった。一体どんな裁判の争い方をしているんだと、私はもう本当に不思議でしようがないんです。 毒ガス訴訟もそうです。一審では全く事実関係を争わずに、東京地裁で平成十五年に請求認容の判決が出たんです。高裁になって初めて法務省は、日本が遺棄した化学兵器ではないという事実関係を争い出されましたけれども、遅いんですよ、高裁からでは。 だから、私は、この毒ガス訴訟に限らず、戦後補償裁判すべてについて、事実関係についてきちんと争っていただきたいと思っております。そうしないと、本当にどんどんと誤った歴史が、判決の理由中に書かれることによってつくられていくということです。 それともう一つ、法務省の担当の方というか、法務大臣でも同じなんですけれども、言いたいのは、事実関係を争うと同時に、最初に主張すべきことは、この戦争による被害は平和条約で解決済みなんだという、その主張をまず最初にしていただきたい。それも、一審では、毒ガス訴訟でもしていないんです。 平和条約が締結されれば、それとは別に個人補償をどんどんと認めていけば、平和条約を締結した意味が全くない。国内であれば、交通事故であれば、損害があればそれに対して補償するというのが正義ですけれども、国際法の戦争被害ということであれば、平和条約を締結すればそれ以上に個人補償しないというのが、私は国際法上の正義だというふうに考えております。 麻生大臣にお伺いいたしますけれども、この慰安婦問題の決議について、日本国として反論していく場合に、日本国内の判決でこういった下院決議に沿うような内容での判決、事実認定がなされていることが障害にならないかどうか、その点についてお伺いいたします。
○麻生国務大臣 これは、稲田先生、時間の経過は確かにある程度たっておりますので、大分薄れてきているというのは否めない事実だとは存じます。 ただ、現実問題として、よく言われましたように、従軍という言葉を使われておりましたけれども、従軍というのは、医者とか僧侶とか記者とかいう言葉には当てはまるけれども、慰安婦というのは従軍対象の名前で使われるか否かというのは随分言われたところであって、結果として、いわゆる従軍慰安婦という言葉に置きかえられていったという経緯があります、御存じのとおりですけれども。 そういったようなことを見るにつけ、この種の話は事実としてきちんと対応していくというのが本来の筋だと私も思っております。
○稲田委員 今の答弁で、多分、判決でそういった事実が書かれているということは、私は、外交上支障がある、このように認識をしております。 それで、資料三で、昭和二十六年十二月十四日の参議院法務委員会戦争犯罪人に対する法的処置に関する小委員会の議事録を用意しております。これを読めば、サンフランシスコ平和条約の解釈についても、当時の政治家、東京裁判の弁護人がどのように解釈していたかがわかります。本日は、その話題ではないので省略をいたしますけれども。 東京裁判の弁護人であった林弁護士の意見を載せておりますが、林弁護士は、東京裁判の事実認定は事実誤認が余りにも多いということを主張されて、その根拠を、理由を幾つか述べられております。 その中の一つに、当時の日本の国家がこの裁判に理解がなかった、日本の政府が理解がなかったために、事実を明らかにするに必要な費用の支出を惜しまれたのであります、したがいまして、証拠を収集するだけの私どもに財力がなかった、このように書かれているわけですが、これを見まして、まさに今の戦後補償裁判が、同じようなことが言えるのではないかと思うわけです。 現在係属中の戦後補償裁判は数多くありますし、今のような闘い方をしていれば、どんどんと、次々と起こされて、理由中の判断に書き込まれると私は思いますが、国家の名誉を守るためにも、そういった戦後補償裁判を争うための人と予算をきちんとつけるべきではないかと思います。それがいかに国益を害することか、今のような戦後補償裁判のような争い方をしていればということなんですけれども、この戦後補償裁判について、もっと事実関係を争うために人とそして予算をつけるという考え方について、法務大臣、どのように思われるでしょうか。
○長勢国務大臣 総じて、こういう行政裁判といいますか体制は、若干不備な点があったと思います。法務省が代理人になるわけでありますけれども、担当省庁との連携あるいは担当省庁の中でのこういう訟務の位置づけというものが、若干弱い点があったのかなと思っておりまして、昨年来、体制を整備するように指示をし、今進めさせておるところでございます。 戦後補償問題については、おっしゃるように、この事実認定において国益に反すると思われるものが書かれるということは困ったことだとは思いますが、しかし、現実に主文において棄却されている中でのお話ですから、いわゆる訴訟法上といいますか、法律上、そのことが評価される程度というものはそんなに大きくないんだろうと思ってはおりますけれども、これは訴訟だけの問題ではないという見地からも、まだまだ検討する点はあるのかなという思いでございます。
○稲田委員 ぜひともその点はよろしくお願い申し上げます。 私は、政治家の任務というのは、使命というのは、国民の生命、身体、財産そして領土を守ることだと思っておりますけれども、と同時に、やはり国家の名誉を守ることも政治家の重要な任務であると考えております。 最後に、戦後補償という、外交でもちょっと後ろ向きの話題をいたしましたので、前向きの質問で終わりたいと思うんです。 東アジア諸国に対して、今、日本の法整備を輸出して、そして法整備支援ということがなされていて、私は、非常にそれは重要で、価値観外交の側面支援にもなると思っているんです。そしてまた、日本の法律をきちんと外国語に翻訳して、そして法整備をする、非常に重要だと思っているんですが、官邸が司令塔となって、政府としての戦略、また人材バンクを創造すべきだと思っておりますけれども、法整備支援の重要性と今後の推進について、官房長官にお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 稲田先生御指摘のように、法制度支援というのは大変重要な分野だと思っております。麻生外務大臣がカンボジアでのクメールルージュの関係の裁判の話をしておりますが、それは、法律自体を持っていくというよりは、やり方も含めて持っていっているわけでありますけれども、極めて重要な問題だと思いますし、また協力の形としても私は望ましいのではないかと思っております。 そこで、政府では、昨年、三年間の翻訳整備計画を策定いたしました。約二百本の日本の法令の翻訳を進めるとともに、先般、翻訳の準拠となる標準対訳辞書というのを作成いたしまして、内閣官房のホームページに掲載をして、対外的に発信をしているところでございます。 政府としては、法整備支援について、ODAも活用しながら、今後とも積極的に推進していく所存でございますが、法律は法律としてこのような形でやっていきたいと思っておりますが、恐らく法律というのは、必ず経済実態、経済活動などが伴って、そのベースとして法律というのがあるんだろうと思うので、今申し上げたように、ODAを含めて経済実態あるいは活動実態と一緒に支援をしていくということが大事なのかなという意味において、この法律を英語にしていくことがそのベースになるのではないかというふうに思っておりますので、引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
○稲田委員 期待をしておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 本当に、戦後補償裁判、まだまだ実は質問したいことがございますけれども、時間になりましたのでここで終わりますので、どうか、きょう指摘した点についても、法務大臣、外務大臣、御検討いただきたいと思います。財務大臣もよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○金子委員長 これにて稲田君の質疑は終了いたしました。 次に、馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。 先週の基本的質疑に引き続きまして、一般質疑の機会をいただきました。 先週の基本的質疑、まだ十分に質疑ができなかった部分もございますが、まず冒頭は、先週金曜日、私どもの同僚委員、小川議員が、尾身大臣のNPO法人STSフォーラムの理事長としてつかれていることについて、これは大臣規範である兼職規定に抵触するのではないかという質疑がございました。 これに対しては、尾身大臣の方から、ことしの一月の当初、七日でございますか、このSTSフォーラム、NPO法人の理事会にて、兼職についてはこれを辞するということで、兼職規定については抵触しない、事務的な手続を終えたという御答弁がございました。 確かに、外形的にはそのような形で、理事長の職務権限、これは停止するということであるかと思いますが、しかし、職務権限を停止されたとしても理事長というお立場は変わらない、外形的には第三者から見れば、その職務権限ありやなしやというのはなかなかわかりにくいものであります。 こうした中で、NPO法人の理事長の職務権限停止というだけで兼職規定から外れるということ、これはいかがなものかと私は思うわけでありますが、この認識につきましては、各大臣も同様のことをされているということでありました。国民から見れば非常にわかりにくいのではないかということを改めて申し添えて、私は、STSフォーラムについて別の観点からのお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 さて、STSフォーラムでございますが、そもそもこれが提唱され、そしてどのような経緯で内閣府から予算が拠出されるようになったか、これにつきまして局長から御答弁いただけますか。端的にお願いいたします。
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のSTSフォーラムの件でございますが、御案内のように、科学技術の進歩というのは、人類の繁栄と豊かで便利な生活をもたらした一方、地球環境問題等ももたらすということが明らかになってまいりました。 尾身大臣は、科学技術政策担当大臣に御在任の当時、つまり平成十三年四月から十四年九月まででございますが、この間、このような問題意識に立ちまして、科学技術を社会と調和させて発展させていくために、世界各国の科学者、政治家、企業家等が一堂に会し、科学技術と人類の未来について議論、意見交換する、いわば科学技術分野におけるダボス会議といったようなものを開催するということを、平成十三年九月に全米科学振興会、十四年の五月に英国王立国際問題研究所、こういうところで提唱されまして、世界の関係者から多大の関心を持って迎えられたわけでございます。 このような背景を踏まえまして、科学技術の基本的な政策に関する事項の企画立案並びに総合調整をする内閣府として、まず平成十五年度概算要求において、同フォーラムの開催に向けて、国内外の関係者との間で協議を行うための必要な経費を計上したものでございます。
○馬淵委員 局長からその提唱の意義というものを御説明いただきました。 委員長のお許しをいただきましてお配りしたお手元の資料の4に、そのSTSフォーラム、国際フォーラム構想というのがございます。今この目的の部分をお読みいただけたというふうに理解しておりますが、STS、サイエンス・アンド・テクノロジー・イン・ソサエティー、尾身大臣が一生懸命に科学技術の分野について取り組んでこられた、その熱心さのあらわれの一つのフォーラムの構想だというふうに私も理解をしております。 今局長の御答弁にありましたように、平成十五年度でまずはこの開催の準備経費という形で概算要求が上がり、平成十五年度は七百三十三万一千円の予算がつきました。そして、お手元の資料の1にございますように、十六年度、十七年度、十八年度と、それぞれ八千万超の予算がついております。この予算づけについては、先ほど局長のお話にありましたように、尾身大臣御自身が科学技術の担当のときに概算要求をお認めになられ、そして尾身大臣御自身がこのSTSフォーラムという会議体、機関の長として就任をされたわけであります。 そして、今年度、八十二兆円になんなんとする今回の予算の審議の中で、平成十九年度、このSTSフォーラムに対する内閣府の予算というのはございますでしょうか。局長、御答弁いただけますか。
○丸山政府参考人 今御質問の平成十九年度予算の件について御説明申し上げます。(馬淵委員「ありますか、イエスかノーかで」と呼ぶ)ございます。 平成十九年度の予算は、経緯を御説明しないとわかりにくいので、ちょっと簡単に経緯を含めて御説明を申し上げます。 平成十九年度の概算要求では、私ども、従来どおり、STSフォーラムの開催を支援する経費を要求してございます。これは、先生配付されました資料と同じ、平成十八年度とほぼ同様の予算を夏の段階では昨年要求したわけでございます。 ただし、STSフォーラムにつきましては、支援開始当初から、フォーラムは民間の活動として行うことが最終的には望ましい、支援の期間は運営が安定するまで当面の措置ということで考えてございました。それから二点目に、平成十八年四月にフォーラムの実施主体がNPO法人となりまして、きちんとした運営主体が設立をされたということ。それから三点目に、平成十九年度の概算要求、これは昨年八月三十一日でございますが、その後の九月に第三回目のSTSフォーラムが成功裏に開催をされまして、その結果を踏まえて、改めてSTSフォーラムの開催に関する内閣府の関与のあり方について私ども見直しを行いました結果、STSフォーラム開催にかかわる内閣府としての財政的支援は必要がないというふうに判断をして、予算編成過程におきまして財政当局と協議し、STSフォーラム開催への支援は取りやめることにいたしました。 また、フォーラムのより有効な開催を期するために情報収集を目的に行っておりました科学技術と社会のあり方に関する国際的な価値観の構築に向けた委託調査についても、過去三回のフォーラム開催によってSTSフォーラムがどういう課題を取り上げて議論したらいいかということが明らかになりましたので、今後は必要がないと判断して取りやめることにいたしました。したがって、平成十九年度予算案では、STSフォーラムの開催自体に係る経費、平成十八年度は約八千二百万円でございますが、これは計上されてございません。 なお、別途、日本の科学技術政策担当大臣が各国の科学技術関係大臣を招聘して開催する科学技術大臣会合のための予算、これは、STSフォーラム開催行事の一環として世界レベルで政策対話を図るという予算を三千九百万円計上しているところでございます。
○馬淵委員 平成十九年度には概算要求がなされましたが、しかしそれについては今回取り下げられたということであります。平成十九年度予算では概算要求に一たん上げた、しかし取り下げた理由としては、今局長が御答弁ありましたが、当面の措置であるということでありましたが、しかし、平成十五年度、その段階での概算要求では、当面の措置などということはうたわれてはおりません。そして、当然ながら、厳しい財政の中でシーリングが定められ、この財政規律の中で概算要求に上げたものを、一たん上げておきながら取り下げるというのは、大変これは珍しいことではないかというふうに感じるわけでありますが、この概算要求を上げて取り下げたところで、内閣府としてもこのSTSフォーラムに対しての関与のあり方について見直しを図るという御答弁でございました。 どういう関与の見直しを図られたんでしょうか。これは高市大臣、具体的にお答えいただけますか。
○高市国務大臣 これは、概算要求を一回したものを取り下げようと決めた場所なんですけれども、実は私自身もその場におりました。 なぜかといいますと、私は九月の二十六日に大臣に就任をいたしました。十月、十一月と、主に十月ですけれども、八月の概算要求の内容も細かく見ながら、私なりにいろいろわからないところとか疑問、事業の意義、そういったものを職員と話をしておりました。十月だったか十一月だったか、ちょっと日までは覚えていないんですけれども、今局長が答弁申し上げたような内容が理由のすべてでございます。 まず、概算要求の表を見ていますと、このNPOがやっているSTSフォーラムというのが一つぽこっとついていて、よく役所がいろいろな民間団体が行う事業に支援をするような場合に、似たような形の事業に対してたくさん複数の団体に支援を行っているようなことがあるんですけれども、これは一つだけ独立して出ておりましたので、この事業についてもうちょっと詳しく聞かせてほしいということで、レクを一、二回してもらったと思います。 その後に、私ども安倍総理の方から、できるだけ予算については切り詰めていってくれ、無駄を排して必要なところに重点投資をする、また、必要なことは必要なことで残していい、そういったことで御指示を受けておりましたので、これ、もし一回概算要求した後に取り下げるというのは、今後のことを考えたらかなり難しい問題もあるんじゃないかとは思ったんですけれども、今局長が答弁申し上げましたとおり、調査委託の業務といっても、大体もう目的、議題というのははっきりしてきているし、そして、私が就任する直前、三回目が成功しています。ただ、全くすべて取り下げてしまうかといったら、科学技術大臣の会合に関しては、これはまだまだ内閣府の方で支援をする必要もあるだろうし、一遍に経費をすべて自分でやってくださいというのも余りにも激変でございますので、ここはフォーラムの催しの一環ではあるけれども、これはまだ少し内閣府で見て、きっちりと各国から大臣を集めるということですから、成功に導くべきではないか、私自身もそういう判断をいたしまして指示をいたしました。
○馬淵委員 高市大臣からは非常に率直な御意見をいただけたなというふうに思います。 一たん概算要求で上げたものを取り下げるのは、かなりこれは難しい問題があると今御自身の言葉でもいただきました。しかし、こうした会合に対しての経費は必要だと。そうなんですね、まさに。 このSTSフォーラムというのは、尾身大臣が科学技術担当の在任時代に御自身が実行委員長になるということで要求をつけ、そしてそれが予算づけされました。その後、NPO法人に変わりはしました。しかし、NPO法人になる、これが十八年の二月の二十八日になっているわけです。つまり、十八年度の予算の段階でも当然ながらこのことは十分に理解をされている。それにもかかわらず、十九年度では概算要求を上げているんです。これは極めて異常な出来事である。尾身大臣御自身が、自身がトップにつかれるその団体に予算をつけ、そしてその後、継続的に八千万超、皆増から、やがて八千万超の予算がつけば、毎年毎年ほぼ同額がこのように出ていく中で、概算要求も上げている、それを取り下げた。難しい問題があると高市大臣がおっしゃるように、私は、これは極めて異常なことだな、そう感じざるを得ません。 さて、尾身大臣が、しかしながらいかにこのように科学技術、こうしたことに熱心にお取り組みをされているかということのあらわれではあるかと思うんですが、今、高市大臣、かなり難しい問題があるなと感じたというふうにお話しになりました。 つまり、概算要求を上げる時点、そもそも、取り下げたところでは、これは検証しながらということでありますが、概算要求を上げる時点でなぜこのことに気づかなかったんでしょうかね。もちろん大臣が着任前の話でありますが、業務は継続性が当然求められます。そのことに対して大臣は、今のお立場で、これはおかしいなということを、あるいは今難しいと思った、お感じであったと、難しい問題があるとお答えいただきましたが、そもそもこの十九年度の概算要求を上げた段階での科学技術担当大臣の御判断というものに対して、高市大臣はどのようにお考えですか。御答弁いただけますか。
○高市国務大臣 この概算要求を上げた時点での前大臣の判断ということになるんですが、これはあくまでも聞き取りでございますけれども、第三回のSTSフォーラムが開催されたのが九月十日から十二日なんですね。ですから、内閣が発足する十六日前からの開催でございますが、概算要求を提出した八月末の時点でこの第三回のフォーラムの参加者の登録状況等を把握することというのはある程度可能だったんですけれども、十九年度の財政的支援の要否について検討するためには、やはりこの第三回目のフォーラムが成功裏に終わって、これは自立していけるよという判断がなされなければ、これまで要求してきたものを要求しないという判断には至らなかった、こう聞いております。
○馬淵委員 高市大臣、今御自身でもお答えいただきましたが、八月末の段階で、九月に開かれるフォーラムですから、参加者の登録状況を把握が可能であったと今おっしゃいましたね。もちろんこれは前任の大臣の方の御判断でありますが、把握できる状況であったにもかかわらず、九月のSTSフォーラムの開催を見て、成功裏に終わったから概算要求を取り下げたというのは全く筋が通らないのではないんでしょうか。これはいかがですか。
○高市国務大臣 それまで継続的に行政を担ってきた役所のスタッフは、これで一定程度自立の道を歩めるだろう、そういう判断ができたと思います。 私自身は、その説明を受けた上で、やはり十月、十一月というのは、どこか予算でカットできるところはないか、また重点化できることはないか、その観点で判断をし、指示をいたしました。
○馬淵委員 高市大臣の御判断というのは、私は非常に賢明な御判断だと思うんですね。だから、高市大臣の御判断を今私はこの質疑の中で問うているのではありません。その以前の、概算要求がなぜなされたのか、現大臣として前任の大臣の御判断をおかしいとは思われませんか。 そして、もっと言えば、さかのぼれば、平成十五年当時、科学技術担当大臣であられた尾身大臣が御自身がトップにつくこの機関に予算をつけ、その後、八千万超の予算がずっとつけられてきた。そして、今お話にありましたように、ひとり立ちできる。ひとり立ちできますよ、このSTSフォーラム、NPO法人。先ほど申し上げたように、二〇〇六年、平成十八年の二月二十八日にNPO法人に承認されていますが、これは、運営資金を法人会員から一社当たり二百万円の徴収となっています。大変大きなお金がこのNPO法人に流れ込んでいる。 この問題に対して、理事長を兼職されるのはいかがなものかというのが小川議員の質疑でありましたが、私は、そもそも、このSTSフォーラムに予算がつくそのスタートのところから、そして概算要求がつくところまでが、これがなぜこのような形で尾身大臣の熱心なその取り組みに対して、内閣なり政府がここまで一生懸命予算をつけるのか、不思議でならない、こう申し上げているのであります。 高市大臣、重ねてお伺いいたします。 前任の御判断、適切なんでしょうか。九月に開催されるフォーラムが成功裏におさまるかどうかを確認すると言っているその言葉と、八月末では登録が確認できることは可能だったという御答弁、これは矛盾することになりませんか。高市大臣、前任の御判断は適切でしょうか。大臣にお聞きしています。
○高市国務大臣 適切であったと思います。
○馬淵委員 重ねてお尋ねをしますが、九月の十日—十二日の段階での登録も含めて確認できるはずなのに、成功裏に終わったから概算を取り下げる。取り下げた御判断を私はとやかく言っているのではありませんよ。この概算要求をつける時点で十分にそのことは想定されるというか、把握しているんです。にもかかわらず概算要求を上げたのは、何があったんでしょうか。 改めてお伺いしますが、高市大臣、御自身は、この前任の大臣の御判断が適切だったとお答えいただきましたが、御自身が、このように、わずか十日後に開かれるフォーラムなり会議なり機関が、それが登録状況も把握できる段階で概算要求を上げるなどということを、では、高市大臣御自身は率先して今後もおやりになられるんでしょうか。お答えいただけますか。
○高市国務大臣 私は、確かに、一回概算要求したものを、取り下げの申し入れを財務省にしてほしいと言ったのは、もう三回開いて三回成功したんだったら、それでいけるだろうという判断もありました。 それと一つは、今後の議題、非常にこれは大きな問題ですよね、科学技術の進歩とその影になる部分、ここをしっかりと議論していこう、そしてまた、世界じゅうから一流の科学者の方、また政治家の方などの知見を集めて、今後の世界じゅうの科学技術のあり方、モラル面も含めて考えていこう。これは非常に大きなテーマで意義があるし、この事業そのものを提唱されたというのは、多分私じゃできないと思います。尾身大臣のネットワーク、それからやはり尾身大臣の情熱があったからできたし、こういうフォーラムが始まった。日本に科学技術大臣が各国から集まってきて議論をする、これはすごく意義のあることだと思うんですよ。 それで、一回、二回、三回、一回始まったことを、普通だったら、三回ぐらいで、では国は手を引きますから、こうはならないと思います。三回目まできっちり成功して、そして、もう議題も今後のことも理念的なものも確立された、何とかうまくいっている、こういう話でしたから、それだったら、もうぼちぼちいいんじゃないの。その次の年に向けてもいいと思うし、ことしも年末に向けての予算編成があるけれども、少なくとも科学技術大臣会合そのものはちょっと切り離して支援もしなきゃ、失敗されちゃ日本の名誉にかかわりますのでこれはきっちりやらなきゃいけないけれども、フォーラムそのものの運営、ここに関してはもういいんじゃないの、こういう判断でございました。 ですから、概算要求時点では、まだこれから開催される会議そのものについて、それは、何か仕込みがあって、こう言ったらこう言ってくださいみたいな仕込みがあるのなら別ですけれども、やはり終わるまで気を抜いちゃいけないと思います。ですから、前大臣の判断が不的確であったとは私は思いません。
○馬淵委員 今、高市大臣も、三回ぐらいで手を引くことはないというようなこともお話ありました。しかし、今回そういう判断をされた。 私は、何度も申し上げますが、こうしたNPO法人になり、あるいは、本当に政府が内閣府としてお金を出していくことが適切か否かという判断、これは重要な問題だと思っておりますし、御判断自身は私は賢明な判断だと思いますが、このように、STSフォーラムそのものに対しても、尾身大臣が一生懸命取り組んでおられるのはよくわかりますが、お金の出方も含めて、いかんせん、概算要求を急遽取り下げるなど、不思議でならないということをまず事実として確認させていただきました。 さて、尾身大臣がこのように科学技術に対して一生懸命に取り組んでこられた。御自身は、平成九年九月から平成十年の七月まで経済企画庁長官をされておられました。科学技術について一生懸命に取り組んでこられた。その後、平成十三年の四月二十六日から沖縄北方担当、科学技術担当の大臣につかれるわけであります。尾身大臣御自身が沖縄に深くかかわっていかれるということになるわけでありますが、まさに科学技術と沖縄振興、尾身大臣がその御自身のお立場の中でこれを結びつけて、そして沖縄をさらに発展させようというそのお考えの提唱だったのが、先般も御指摘をさせていただきました沖縄科学技術大学院大学構想でございます。 改めて、この大学の予算をごらんいただきますと、大変立派なキャンパスであります。これはまだイメージでありますが、海に面し、そして緑豊かな恩納村のキャンパスイメージであります。そして、これは平成十五年から十四億二千万、ずっと予算はふえてまいりました。今年度予算案、平成十九年度は八十七億三千万円の予算が措置をされようとしております。このように、尾身大臣が御自身の得意分野である科学技術と沖縄振興とを結びつけた大学の提唱、平成十三年の六月に御提唱をされていったわけであります。 さて、尾身大臣がこうして沖縄に、担当大臣になられたというのが最も大きなきっかけの一つであるかと思われますが、尾身大臣御自身の沖縄とのかかわりについて、少しお尋ねも含めて私の方から御説明をさせていただきたいというふうに思います。 尾身大臣は、先ほど申し上げたように、平成九年から十年の七月まで経済企画庁長官を務められました。重要閣僚として経済問題に取り組まれる、そういったお立場であったわけであります。平成十年八月から平成十一年十月、これは党の総務局長をお務めになられました。平成十年の十一月の十五日、このときには沖縄県知事選挙がございました。当時、大田知事、稲嶺知事、まさに与野党激突の一大政治決戦のその場となった沖縄県知事選に、総務局長としては当然ながら深く選挙にかかわられた、このように聞いております。 さて、その後は、尾身大臣は平成十二年七月に幹事長代理につかれ、平成十三年四月まで幹事長代理につかれ、その後、平成十三年四月から今申し上げています沖縄北方及び科学技術担当の大臣につかれたわけであります。尾身大臣がこのように沖縄に深くかかわられたのは平成十年、この沖縄県知事選挙であったと、これも国会の中で議論がなされておりました。平成十四年三月十九日の沖縄北方に関する特別委員会の議事録の中でも、野党議員からこのことについて御指摘があり、尾身大臣御自身が「経済企画庁長官になるまで、私は沖縄の方々をほとんど存じ上げませんでした。稲嶺知事の選挙のときに何回か沖縄に行きまして、いろいろな方と、経済界だけではございません、いろいろな方にお目にかからせていただきました。」と、こう御答弁をされておられます。 さて、尾身大臣はこのように、総務局長になられて沖縄県知事選で沖縄の方々と深くかかわるようになったと御答弁をされているわけでありますが、尾身大臣の平成十年の沖縄県内の企業からの政治献金というのは、尾身大臣の政治団体にはゼロ円でございます。平成十一年には、尾身大臣の政治団体に三百九十六万円、突然沖縄企業から献金が寄せられるようになりました。平成十二年、翌年も同じく沖縄の企業から三百七十二万円、さらに、沖縄に設置された尾身大臣の政治団体から百万円と献金が寄せられ、最も直近でいえば、平成十八年三月三十一日の自民党群馬県第一支部への献金内容の報告を見れば、法人企業百五十七法人、五万円超の献金のうち、沖縄県内から二十九件、三百四十八万円の献金が続いてなされております。 このように、尾身大臣は、総務局長になられて後、沖縄北方担当大臣になられて後、こうした形で献金をずっと受け続けておられるわけであります。 さて、こうした企業献金のあり方に対しては、もちろんさまざまございますでしょうが、当然ながら、沖縄担当大臣になられたということで、沖縄に深くかかわられる、それもあるでしょう。しかし、企業とすれば、見返りを求めてくるのも当然あるのではないかと思われます。 そこで、お尋ねをさせていただきますが、これは局長にお尋ねをさせていただきます。 さて、沖縄科学技術大学院大学、こちらの大学の中で、既にさまざまな土建工事が発生をいたしました。これらの土建工事に対して、発注実績について端的にお答えいただけますでしょうか。
○清水政府参考人 お答え申し上げます。 独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構から発注いたしました施設整備関連工事は、これまで八件ございます。
○馬淵委員 金額を教えていただけますか。
○清水政府参考人 ただいま申し上げました八件総額で、約六・六億円となってございます。
○馬淵委員 六・六億円、これらに対して、発注実績、今八件というお話でございましたが、土建工事、こちらを落札あるいは契約されたのはどちらでしょうか。
○清水政府参考人 八件のうち、落札者につきましては、幾つかございますが……(馬淵委員「土建工事」と呼ぶ)土建工事につきましては、改修工事等につきまして、株式会社國場組それから株式会社大地緑建、以上でございます。
○馬淵委員 株式会社國場組、こちらが合わせて、先ほど、発注された六億六千万ですかのうちの五億六千六百万、八六%をこの國場組が受注をされているという実績でございます。 尾身大臣の政治団体に献金をなされている企業グループ、尾身大臣の政治団体に沖縄幸政会という企業献金を受ける政治団体がございますが、尾身大臣、お尋ねいたします。この國場組さんというのは、尾身さん御存じでしょうか。
○尾身国務大臣 私もいろいろな企業から支援を受けております。その支援につきましては、政治資金規正法に基づきまして、総務省にお届けをし、公表をされております。先ほどの数字も、私は確認をしておりませんが、多分、その公表の内容に関するものであろうと考えておりまして、総務省に届けた書類のとおりであります。
○馬淵委員 國場組というのを御存じですかとお尋ねしております。
○尾身国務大臣 知っております。
○馬淵委員 國場組は、尾身大臣の政治団体への献金をなされているグループに入っておられますか。
○尾身国務大臣 一つ一つどの企業についてそうだというようなことは、政治資金規正法に基づきまして総務省に届けてありますので、それをごらんになっていただきたいと思います。
○馬淵委員 私は通告をさせていただいておりますが、これについて再度お伺いいたしますが、國場組は沖縄幸政会に入っておりますかとお尋ねをしております。
○尾身国務大臣 私の後援会にどの企業が入っているかどうかということをここでお答えする必要はないと思います。政治資金規正法に基づいて、政治資金をいただいたものについては総務省に届けてあります。
○馬淵委員 沖縄幸政会の法人会員の中に國場組というのが入っておられますね。さらには、同じように國場組のグループが入っておられます。そして、尾身大臣の政治団体のみならず、熱心に能力ある者は家族でもとおっしゃった御長女の支援団体、尾身朝子協力企業の中にも、國場組グループが名を連ねておられますね。 さて、今お話にありました、お答えする必要はないというふうにおっしゃいましたが、尾身大臣は、財政の担当者として、そして現在この予算の審議の中で重要なお立場でおられます。尾身大臣御自身が提唱された沖縄のこの科学技術大学院大学、そこに予算がつき、そして土建工事が発注される中、尾身大臣の政治献金は突如として沖縄企業グループから寄せられるようになり、その献金をしている企業が既に発注をされたうちの土建工事の八六%を受注されていることについて、一切の説明責任はないとおっしゃるのでしょうか。この国会の場で改めてお伺いいたします。
○尾身国務大臣 大学院大学について私は全力を挙げてこれを推進しておりますが、その大学院大学に関する個々の工事について、どの企業が受注したとか幾ら受注したとかいうことすら、一切存じ上げておりません。
○馬淵委員 この國場組が、今申し上げたように、沖縄幸政会並びに尾身朝子協力企業、尾身大臣の政治団体の献金を行うグループの中の中核である、このように言われているわけでありますが、そのことに対しては、財政の担当である尾身大臣が何一つお答えする必要がない、こう御答弁をいただいたと私は理解をいたしました。財政担当の大臣として、あるいは所管大臣として、これを推進されてきた立場でいれば、これは当然ながらに説明する義務があるのではないかと私は思いますが、どうも御答弁をされることが何かお困りのようでもあります。ならば、この沖縄の予算についてさらにお尋ねを続けていきたいというふうに思います。 この沖縄の科学技術大学院予算の推移、先ほども申し上げたように、尾身大臣の提唱後、十四億二千万から今日まで八十七億三千万円、累計で二百数十億、また、今後これらの整備費については総事業費七百億円とも言われております。こうした予算案が策定される中で、この内訳としては、大学関連経費からさらに今後は施設整備費、当然ながら、山の中にあるキャンパスとなるわけでありますから、土建工事がどんどんと発生してまいります。今年度においては、八十七・三億円のうち過半に及ぶ四十四億二千万円が大学施設整備費として計上をされております。 こうした予算の措置の中で、私は前回の質疑の中でもお尋ねをさせていただきましたのは、こうした予算に対して、当然ながらこの沖縄の科学技術大学院大学を運営していく中では予算措置をどのように要求していくのかが重要な課題になっていくと思われます。この重要な課題となっていく予算措置に対して運営委員会、すなわち沖縄科学技術大学院大学を進めていく、その検討メンバーが、今後の予算措置についてはさまざまな議論を行う、人事構想も含めて行っていくのは当然であります。 そこで、お尋ねをさせていただきたいわけでありますが、この運営委員会は、尾身大臣が提唱された大臣時代、繰り返し出席をされておられました。そして、その後、先般の私の質問の中では、大臣は、これについては、正式にボード・オブ・ガバナーズの会議で決めていただいて、オブザーバーとしてその後参加をする、こういうことになったわけでありますと。大臣は、御自身が大臣離任後の参加について述べられております。 局長、御答弁をお願いしたいんですが、この運営委員会のオブザーバー、尾身大臣は、オブザーバーとしてはこれは、正式にボード・オブ・ガバナーズの会議で決めていただいて、そして、その後参加をするとおっしゃっておられます。オブザーバーというのは、運営委員会における任命行為はあるのでしょうか。局長、御答弁をお願いします。
○清水政府参考人 運営委員会のオブザーバーについてでございますが、運営委員会は、規則にのっとりまして、運営委員でない者から会議の運営に資するため意見を求める必要がある場合には、オブザーバーとして出席を依頼することになっております。したがって、一定の任期を定めて任命を行っているものではなく、会議開催の都度、必要な者に対しオブザーバーとして出席を依頼しているものと承知しております。
○馬淵委員 お手元の資料9に記載のとおり、これは内閣府の説明でございました。運営委員のオブザーバーは任命行為があるわけではありません、会議の都度、必要な者に対して出席を依頼です。 私も運営委員会の規約を見てみましたが、アーティクルシックスと書いていますね、第六条に書いてあります。「委員以外の出席」というのは、「運営委員会委員でない者に対して意見を求めるために出席を求めることができる。」と、こうなっているわけでありまして、任命行為があるわけではありません。 しかし、尾身大臣の御答弁は、正式にこのBOG、ボード・オブ・ガバナーズの会議で決めていただいて、オブザーバーとしてその後参加をすると。あたかも任命行為があって、その後ずっと出ているんだというような、そのようなニュアンスでお答えになられておりますが、局長、大臣の御答弁と今の任命行為あるやなしやという部分については、これは食い違っておりませんでしょうか。
○清水政府参考人 運営委員会におきましては、尾身議員が構想の提唱者であり、科学技術に対して知見、経験を有しておられること等にかんがみまして、運営委員会において意見を求めることが必要であると認めまして、出席を依頼しておられるということでございます。
○馬淵委員 そうなんですね。つまり、だから会議ごとに出席を要請する、それは日程の調整を行って出席を要請するということであります。 尾身大臣は、さきの質疑の中で、また私の質問に対して、このように述べられております。財務大臣に就任して以来、先ほどのオブザーバーの職責を辞退しておりますと。これは先ほど申し上げたように、任命行為はございません。任命行為がないということは、すなわち、出席を求められれば、これは求めに応じるのか応じないのかということであります。大臣は、あたかも任命行為があって、それを受けてずっと出ていたかのような御発言をされ、さらには、財務大臣に就任して以来は職責を辞退したと。ある一定の区切りでやめられたかのような御答弁をされていますが、このボード・オブ・ガバナーズの運営委員会の定めによれば、そのような形にはなっておりません。 局長、御答弁いただけますでしょうか。大臣は、就任して以来、オブザーバーの職責を辞退しております、このように述べられておりますが、ある一定の期間をもって任命行為がなされ、このオブザーバーになられているのではないわけでありますから、大臣の御答弁というのも、これも先ほどの御説明とは食い違うことにならないでしょうか。局長、御答弁いただけますか。
○清水政府参考人 尾身大臣におかれましては、財務大臣就任後は運営委員会の参加をやめておられるわけですが、大臣就任後に出席しない意向である旨について運営委員会の間に御意向が伝わりましたので、運営委員会において御出席を求めていないということと承知しております。
○馬淵委員 尾身大臣が、このボード・オブ・ガバナーズ、運営委員会の求めに応じないということを決められたわけでありますから、ある一定の期間、どの期間でおりたとか、あるいは辞したとか、そういう事実はないということの確認をさせてください。いかがですか。
○清水政府参考人 オブザーバーとして財務大臣御就任後に出席はされないという意向が示されてございます。任命行為等があるわけではございません。
○馬淵委員 そこでお尋ねをさせていただくわけでありますが、今、任命行為等はないということの確認をさせていただきました。 さて、運営委員会は昨年の十二月に開かれるわけでありますが、運営委員会が開かれるためには、その事前のさまざまな会議が持たれるというのは、私は事務上当然のことだと思います。その事務上行われる会議というのはどのような形式で行われていたんでしょうか、局長、お願いいたします。
○清水政府参考人 お答え申し上げます。 公式な運営委員会の準備のために、随時、委員限りで自由な意見交換が行われることがあるものと認識してございます。
○馬淵委員 どのような形態で行われたんでしょうか。
○清水政府参考人 公式な運営委員会の準備に当たって随時行われてございますが、例えば、外国在住の運営委員もございますので、電話によって意見交換を行うということがあるかと承知しております。
○馬淵委員 電話によって、電話会議が行われることもある。当然、国際会議が開かれるというのがこのボード・オブ・ガバナーズの位置づけでありますから、運営委員会というのは国際的な方々がたくさん集っておられるわけですから、国際会議、すなわち、全国から、世界じゅうから集まって一堂に会する。しかし、それを実現するための準備の会議というのは、なかなか一堂に会すことができませんから、電話等の会議になります。 この電話等の会議は、今非公式というお話がございましたが、これは日常一般の企業でも当たり前のように行われることであります。国際性豊かな企業であれば、電話会議は、時差に合わせて、それぞれ各国の方々に電話の前に集っていただきながら、その電話は受話器から聞こえるのではないような形で、さまざまな方法があるんでしょうけれども、電話によって皆さんの声がすべて聞こえるような形で会議を行うというのは、日常的に通常行われるあり方だと私も理解をしております。 さて、十二月十一日のボード・オブ・ガバナーズ、運営委員会を開くための電話会議、これは十月の二十四日に開かれたものと理解をしておりますが、どういう会議でありましたでしょうか。前回も確認をさせていただきましたが、これについて局長から御答弁をいただけますでしょうか。
○清水政府参考人 十二月の運営委員会の準備に向けまして、委員の間で非公式な意見交換が電話によって行われたものと承知しております。
○馬淵委員 非公式、公式、これは、公式会議というのは運営委員会そのものしかないという理解であると思われますが、非公式であれ、いずれにせよ運営委員の皆さん方が集って会議に参加をされました。その参加の内容というのは、人事であったり、あるいはさまざまな今後の運営についてであります。 平成十八年の十月の二十四日午後九時五分、日本時間二十一時五分から二十二時二十分において行われた、七名の方々が参加をされた、このように聞いておりますが、その内容について、局長、改めてお答えいただけますでしょうか。
○清水政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の電話会議につきましては、委員の間における非公式な意見交換でございまして、その内容について私ども確認してございませんので、具体的なお答えは差し控えたいと存じます。
○馬淵委員 これは私は、この予算委員会の中での協議事項ということで、これについては何らかの議事録があるのではないかということでお尋ねをして、その存在は局長に確認をしていただきました。御提出を求めておりますが、局長、これは御提出いただいていますか。
○清水政府参考人 御要求の資料については、理事会の協議事項になっていると承知しております。非公式な意見交換について、内容の真偽について確認しないまま、参加者の了承を得ず、独自に、単なる部内メモ、部内説明用の非公式のメモとして作成したものでございます。
○馬淵委員 非公式でということで、まだお出しいただいていないわけでありますね。 このメモについて私は再三再四お尋ねをさせていただきましたが、どういう形態のものですか、局長、御答弁いただけますか。
○清水政府参考人 十二月の運営委員会に向けまして、外国在住者を含む運営委員会委員の間で、電話によって非公式な意見交換が行われたと承知してございます。
○馬淵委員 メモの形態についてお答えください。
○清水政府参考人 私どもにおいて、非公式な意見交換の参加者から情報を収集して作成した非公式なメモでございます。(馬淵委員「形態です、形態」と呼ぶ)紙にして二枚のものでございます。
○馬淵委員 これは、私に対して内閣府から御説明をいただきました。金曜日の段階で、内閣府沖縄振興局の総務課事業振興室長、そしてこの新大学院大学の企画推進室次長の板谷英彦氏から、私に、A4二枚、そして一種類である、このように御説明がございました。そしてさらに、では、それについて、どのようなものですかとお尋ねをしたところ、週刊誌に載っているようなやつですとの御答弁がございました。 これ、お尋ねをします。 私は、ならば、まだ理事会で出していただけていないようでありますが、週刊誌に載っているようなやつです、A4二枚、一種類ですという私に対する説明でありましたので、では、それについて紙で書いてくださいとお願いをいたしました。内閣府並びに政府の方々が、会館の事務所で説明をした内容と国会での答弁が時々食い違うことがある、そのようなことがあってはならない。私と、政策秘書も含めて二名、複数で聞いておりましたが、それに対して局長にお願いをしたところ、それはお出しすることができない、紙に書いてお出しすることはできないというふうにおっしゃった。金曜日の夜の九時二十一分に、局長から、それは出せません、御勘弁願いたいというお話であります。 重ねて尋ねますが、週刊誌に載っているようなやつですとおっしゃった、そしてA4二枚、一種類、このことを内閣府の担当板谷氏は私に御説明されたわけであります。清水局長、なぜそのことを御説明をいただいたにもかかわらず、この国会の場では御答弁いただけないんですか。
○清水政府参考人 内閣府において作成いたしましたメモについて、昨年十月二十四日に開催された運営委員会委員の間での電話による非公式な意見交換に関するものであるということにつきましては、御指摘の週刊誌の記事に指摘されているものと共通しているところでございますが、私どもの作成したメモの内容につきましては、先ほど来申し上げておりますように、非公式なものであるということにかんがみて、そのお答えを差し控えさせていただいたものでございます。
○馬淵委員 局長、私が予算委員会で質問させていただきますということで説明に来られて、私に対してははっきりとそう説明されたんですよ、週刊誌に載っているものということで。これに対しては、なぜ御答弁の中で、ここに書き込んでいただけなかったのか。 この週刊誌に載っているようなやつですというお話でございましたが、この週刊誌に載っているようなやつ、私は存じ上げませんでした。調べてみますと、これは週刊新潮の〇七年の一月四日、十一日の合併号ですか、これの三十三ページにこのメモというのが載っております。随分と小さな写真でありますからわかりにくいんですが、見ますと、ここには何やら、虫眼鏡が必要なのかもしれませんが、「取扱厳重注意」というのが読み取れます。そして「OIST BOG電話会議(クローズド会議)について(概要)」というのがありますね。幾つかこれは読み取れます。 この中には、ある委員の御発言として、尾身大臣御自身がインプット、情報という意味でしょうね、尾身大臣のインプットについて紹介があったと書かれている。「来年度予算の確保に向けて、BOGからの強い要求があればより大きな予算が確保される可能性が高い旨の話があったとのこと。特に円滑な施設整備に向けて、施設予算についてはプライオリティが高いとの指摘があった。」と、こう書かれています。 さて、先ほども確認をしたとおり、尾身大臣は、オブザーバー、アドバイザーというのは任命行為がなされてつかれているわけではないんです。昨年の十月の二十四日の段階では既に財務大臣になられておりました。運営委員会から任命されたわけではない、そのたびに出席要請が行われる運営委員会の中で、オブザーバーとしてずっと今日まで出てこられた尾身大臣が、委員にインプット、情報を入れた。強い要求があれば大きな予算が確保される可能性が高い旨の話があった、このように尾身大臣の話が伝えられた。 尾身大臣は、これについて私が前回質問をしたときに、こう答えておられます。 「九月の二十六日、閣僚に就任前は、自民党の沖縄振興委員会の大学院大学小委員会の小委員長という仕事をやっておりました。したがいまして、予算要求の段階で原案をつくるときには全部見ております。」見ておられるということを御自身が説明をされた。 そして、先ほど私が繰り返し確認をさせていただいたとおり、オブザーバーは任命行為ではありませんから、会議のたびに招集あるいは出席が求められるわけであります。しかし、尾身大臣はそれに対しても、「ただし、大臣に就任して以来、先ほどのオブザーバーの職責を辞退しております。」このように述べられておりますが、辞退という事実は、会議の要請がなければこれは発生しないわけでありますから、これは答弁としては私は適切ではないと思います。 「そして、予算につきましては、そういう事情でもございますので、これは事務的な折衝に一切任せておりまして、本来、この項目は大臣折衝には上がってきておりません。事務レベルの折衝で処理したものでございまして、」このように述べられておる。 そして、最後に「特別の口出しはしておりません。」こう語られております。 この電話会議で委員が指摘したのは、査定をする財務省側に何か口ききをしてくれという話ではなくて、要求する側により高いプライオリティーで大きな予算が確保される可能性が高い施設整備費に向けてのその要求があればいいんだよということを、尾身大臣は要求する側にお話しされたということが明かされています。 御答弁は、財務大臣として査定者の側に何か特別な口出しはしていません、こう回答されているわけでありますが、要求側にアドバイスしたことについては、前回の答弁でも何一つ触れられておりません。 そして、尾身大臣のその発言が、この委員会の中で紹介されたとおり、この大学予算、平成十九年度のこの大学の施設関連整備費については、純増十・三億円のうち、実に八・九億、増額分の八七%はこの大学施設整備費に盛り込まれています。 そして、直近でも、一月二十九日、尾身大臣の政治団体に献金を続けている國場組が落札をし、今日まで既に入札工事の八六%が國場組に落札されている。 この電話会議が、この中で尾身大臣のインプットとして紹介されている言葉が現実のものであるならば、財政規律を担当する大臣として、徹底した予算削減を訴える大臣として本当に適切な発言であったのかは、大きく問われるところではないんでしょうか。 このメモについては何度も何度も要求をしていただいていますが、御提示していただくことができておりません。この週刊誌に載っているやつですという内閣府の御答弁もある中で、資料というのは、取り扱い厳重注意というもの、私の手元にございますが、これを実物かどうか確認していただけませんか。理事会に資料要求しても出していただけていないようですが、これ、確認してください。内閣府、確認してください。内閣府、確認してください。
○清水政府参考人 私どもが作成したメモについては、委員による非公式な意見交換について、参加者からの情報収集に基づいて、内容の真偽について確認しないままに、また参加者の了承を得ずに、独自に単なる部内説明用の非公式のものとして作成したものでございますので、その文書との関連について確認することは差し控えさせていただきたいと存じます。(馬淵委員「確認してください。内閣府、確認してください。事務的なことじゃないですか。事務的な手続じゃないですか」と呼ぶ)
○金子委員長 内閣府清水沖縄振興局長、もう一度。
○清水政府参考人 お答え申し上げます……(発言する者あり)
○金子委員長 御静粛に。 もう一遍、内閣府清水沖縄振興局長、答弁してください。
○清水政府参考人 内閣府において作成いたしましたメモにつきましては、先ほど申し上げましたように、内容の真偽について確認しないままに、非公式な意見交換について参加者の了承を得ず独自に作成したものでございます。その内容についてお答え申し上げることは差し控えさせていただいているところでございまして、その文書との関連においての確認についても差し控えさせていただきたいと存じます。(発言する者あり)
○金子委員長 それでは、これは理事会で協議します。(馬淵委員「いや、確認じゃないか、だめだ」と呼ぶ) 配付をされていないものを今出されて、それで、これがどうかどうかということについては、再三、非公式の資料であってコメントできないと言っているんだから、確認しようがない。それについてどうするかについては理事会でやらせていただきます。 これの資料担当の杉浦理事と中川理事で御協議を理事会でしていただきます。 馬淵澄夫君、質疑続行を願います。(発言する者あり)
○馬淵委員 確認してくださいよ。(発言する者あり)
○金子委員長 それでは、十分の持ち時間を残して、馬淵澄夫君の質疑を中断します。そして、次の質問者、立ってください。馬淵君の質問は午後の冒頭からスタートします。それで結論。それで、今の問題は理事会で協議とします。
○馬淵委員 終わります。
○金子委員長 次の質疑者、行きます。川内博史君。(発言する者あり) それでは、速記をとめてください。 〔速記中止〕
○金子委員長 速記を起こしてください。 川内博史君。
○川内委員 まず冒頭に、先週の金曜日、二月十六日に発表された米国産牛肉の問題でありますが、二十カ月齢以下の牛ではない可能性のある米国産牛肉、ばら肉二箱が発見された事案について質問をいたします。 この事案について、出荷施設はタイソン社レキシントン工場であるということでありますが、これは事前の調査で指摘事項のあった施設であるというふうに聞いておりますが、どのような指摘事項があったのかということを御答弁いただきたいと思います。
○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。 昨年の七月の輸入手続の再開に当たりまして、六月二十四日から七月二十三日までの間に、すべての対日輸出施設三十五カ所について、農林水産省及び厚生労働省の担当官が施設のマニュアルの整備状況等について現地調査を行いました。当該レキシントン工場につきましても行っております。 そしてその際に、当該工場におきましては、小腸、第四胃について処理設備が未整備または具体的な処理手順が定められていなかったわけでありますけれども、当該施設から対日輸出品適格リストに掲載されているという書類上の不備が認められました。その点について指摘をいたしまして、その後、米国政府よりその改善が確認されたという報告を受けて、輸出が可能になったということでございます。
○川内委員 この施設について、改善がされて輸出承認が与えられた、しかし今日の事態に立ち至っているというわけでございますが、この二十カ月齢以下と証明できる牛由来ではない可能性があるばら肉二箱が、日本向けに仕向けられたものであるのか、あるいはそうでないのかということについて、早急に確認をしなければならないと思います。 しかし、日本向けに仕向けられたものであるとすれば、日本向けに仕向けられたものは出生の証明あるいは月齢の証明がもともと義務づけられているはずでありますから、今現段階においても、二十カ月齢以下であったか否かということについてはすぐ即座にわかるはずでありますが、そのことについて米国側に照会をしているのか、そしてその回答が来ているのかについて、御答弁をいただきたいと思います。
○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。 今先生御質問の点につきましては、現在、米国に、今回の誤って日本向けに輸出されたということの原因あるいはその周辺状況とあわせまして問い合わせをしているところでございます。現在、米国において調査中というふうに理解をいたしております。
○川内委員 いや、日本向けに仕向けられたものであれば、二十カ月齢以下であるのかそうでないのかというのはすぐわかるはずなんですよ。これは二月五日にわかっているわけですからね。検疫所でもう即座にわかるはずなんですよ、すべて書類は整っているはずですから、日本向けに仕向けられたものであれば。そして、日本向けに仕向けられたものであれば、これは重大な家畜衛生条件違反であるということになります。 安倍内閣総理大臣は、特定危険部位が入っていなかったからいいんだみたいなことを何か会見でおっしゃっていらっしゃるようでありますが、家畜衛生条件上は、二十カ月齢以下であること、そして特定危険部位が取り除かれていること、この二つが絶対の条件であります。日本向けに仕向けられたものであれば、これは二十カ月齢以下であるかどうかというのはすぐわかること。そして、それがもしそうであれば、重大な家畜衛生条件違反である。さらには、日本向けに仕向けられたものでないとすれば、事前の施設審査では、対日輸出施設はすべてラインが分けられている。日本向けでないものが入ってくることはないはずであります。それが紛れ込んでいるということは、これは貿易のシステム全体にかかわる問題です。どちらにしても重大な問題です。厚生労働大臣、そう思いませんか。 大臣は、間違って入っていたんだったら別に問題ないみたいなことをこの前御答弁されていますが、違いますよ。家畜衛生条件違反であれば重大な問題だし、日本向けでないものが間違って入ってきているとすれば、それは貿易のシステム全体にかかわる問題ですよ。AMSという米国の農務省の一部局が審査をし、FSISという検疫局が審査をし、そして水際で税関が審査をし、それが全部スルーされて日本に来ているんですよ。貿易システム全体にかかわる問題ですからね。 これはどちらにしても重大な問題であるということをお認めいただかなければならないと思いますが、どうですか。
○柳澤国務大臣 本事案に係ります混載された牛肉二箱は、米国政府が発行する衛生証明書に記載がなく、すなわち、米国農務省が対日輸出を認めた貨物ではないこと、次に、米国政府より誤って混載されたのではないかとのとりあえずの報告を受けているところであります。 したがいまして、本事案につきましては、現在、米国農務省が詳細な調査を行っているところでありまして、その結果を踏まえて、事案の性質に応じた対応をしなければならない、このように考えております。
○川内委員 いや、私が聞いているのは、日本向けでないものが日本に来ているとしたら、それは貿易システム全体にかかわる問題でしょう、重大でしょうということを聞いているんですよ。閣僚としての評価を聞いているんです。
○柳澤国務大臣 まさしく、そのような点について今米国政府に調査を求め、そして、米国政府のそのあたりのことについての調査結果の報告を待っている、こういう段階であります。
○川内委員 調査結果を待つだけではなく、早急に米国政府に対して、今、担当レベルで、米国大使館を通じてやりとりをしているようでありますが、これは、農水大臣が直接ジョハンズさんに、これは一体どういうことなんだ、家畜衛生条件違反であるとすれば重大な問題だし、貿易システム全体にかかわる問題であるとすればさらに重大な問題だと。日本向けではないものが幾つものチェックをくぐり抜けて日本に入ってきているという事態ですよ、日本向けでないものが来ているとすれば。どちらにしても重大な問題だ、一体どういうことなんだということを農水大臣はジョハンズさんに直接言わなきゃいかぬと思いますよ。どうですか。
○松岡国務大臣 川内先生にお答えいたします。 今、柳澤大臣から御答弁がございましたように、アメリカ政府に詳細な調査を求めておりまして、これにつきまして、今先生が御指摘のございました、その仕組み全体のミスにつながる問題か、それとも、やった人がついついたまたま間違えて積んだのか、単純なミスであったのか、こういったことについては、アメリカ側のやはりその詳細な調査を待たないことにはどちらともこれは判定しようがない、そういう面がございますので、今、詳細な調査を求めている、こういうようなことでございます。 もちろん、その調査に当たりましては、回答につきましては、一日も早く早急に今求めている、こういう段階でございます。 それから、今先生ちょっとお話がございましたが、二つぐらい御指摘を申し上げたいんですが、一つは、私からジョハンズ農務長官に、こういうことでございましたけれども、アメリカ農務省の場合は、いわゆる家畜としての世界と、それから屠畜をした後の食品衛生としての世界と、両方を農務省がやっております。したがって、日本の厚生労働省における食品衛生部が実は農林省の中にあるのと同じでありまして、したがって、ここは食品衛生の世界なものですから、私の所管というよりも食品衛生の所管になるわけでありますが、これは、そういう違いは別にいたしましても、やはり政府間のきちんとしたルートで、大使館を通じてというのは一つのこれはルートでございますので、今はそれに基づいてやっておる。 それと家畜衛生のお話がございました、これは家畜衛生証明違反ではないかと。これは、もともと家畜衛生の証明というのは従前からあったわけでありますが、BSEが発生した以降、いわゆるEVプログラム、輸出証明プログラムというものができました。二つの条件がきちんと定められました。特定危険部位の問題と二十月齢以下という問題、この二つの条件が定められた。しがたって、まず一番最初のEVプログラムのものは、これはまさにそれにひっかかって、そういう問題が今提起されているわけであります。 したがって、家畜衛生というのは、あくまでも家畜の時点のときの衛生のこれは世界でありますから、それが間違って入ってきて家畜のえさになっちゃいかぬということで家畜衛生証明条件というのがあるわけでありまして、したがって、第一義的にはこれはあくまでもEVプログラムの問題、そして、さらに二義的に家畜衛生の問題、こういうことだというふうに御理解を願いたいと思うんですが。 以上であります。
○川内委員 大臣、私が言っているのは、家畜衛生条件という、日本と米国との間の、牛肉に関して言えば、その貿易の条件を定めた国際約束のことを言っているんですよ、家畜衛生条件。家畜衛生証明とはまた違います。家畜衛生条件があって、それに基づいてEVプログラムが定められて、その中に、特定危険部位の除去と、さらには、二十カ月齢以下でなければならないという二つの条件が定められているわけですね。 さらに、昨年の一月に特定危険部位入りの箱が見つかったときには全面停止をしたわけです。重大な事案であるということで、全面停止をしたわけですね。今回のこの荷物が日本向けに仕向けられたものであるとすれば、昨年の一月の事態と全く同様の事態であるということを私は指摘しているんですよ。 したがって、昨年の一月の事案のときには、中川農水大臣は、ジョハンズさんに直接さまざまなことをおっしゃっていらっしゃいます。松岡農水大臣も、事の重大性にかんがみるとすれば、食の安心、安全というのは国民の重大な関心事項ですから、ジョハンズさんに、早急な調査をしてもらいたい、そうでなければまた全面停止にならざるを得ませんよ、昨年と全く同様の事態ですよということぐらいは言ってもいいのではないかということを申し上げているんですけれどもね。
○松岡国務大臣 先生、調査を早くしてくれというか早くすべきだということにつきましては、私どももそのように思っております。 その上で、その当該施設だけの単独の問題なのか、または、タイソン社やアメリカの対日輸出条件プログラムが守られるか守られないかという全体の問題なのか、こういったことも早急に明らかにして、その上で判断すべきだと思っております。 そこで、先生先ほどおっしゃいました、家畜衛生条件があって、そしてEVプログラムがあるんだと。これは逆なんです。(川内委員「それはおかしい」と呼ぶ)違います、違います。いや、それは違います。家畜衛生条件はもともとあったんです。そして、アメリカのBSEが出てきたので、そこであのEVプログラム、二つの項目が出て、家畜という世界にまで入り込んじゃいかぬというので、それをつけ加えてできたんです。ここはそういうことですから。(川内委員「それでEVプログラムが……」と呼ぶ)いや、違うんです。家畜衛生条件というのは、例えば、日本から四カ所アメリカに輸出していいという施設があります。群馬にあり、宮崎にあり、鹿児島にある。先生の鹿児島に二カ所あるんですね。それと同じように、もともと以前からずっとあったものなんです。それに今度はBSEという問題ができたので、あの二つのいわゆるEVプログラムという条件ができた。それを今度は、牛の世界でそのことが及んじゃいかぬというので家畜衛生条件にそのことが加わったわけです。 したがって、まず、法的に言うなら、特別法的にできたのがEVプログラムでありまして、それを一般法であります家畜衛生条件の方にも引き写した、こういうことでありますので、そこはまずEVプログラムが第一義的にあるんです。それを受けて家畜衛生条件というのが第二義的につくられている、その部分はですね、これはそのように御理解を願いたいと思います。 いずれにいたしましても、早急な調査の回答ということにつきましては、私ども、たまたま中川大臣のときはジュネーブとかいろいろなところで行き合ってお会いになった、こういうことでございますので、今、ちゃんと外交ルートがきちっとありますから、そこを通じてしっかりやっておりますので、先生の趣旨も体して、早急な回答を求めたいと思います。
○川内委員 家畜衛生条件が先かEVプログラムが先か、そんなことをここで論争する気はありませんが、私が農水省の事務方からずっとこのBSEの問題に関して御指導いただいている中では、家畜衛生条件があり、そして、それに基づいてEVプログラムが締結をされるというふうに聞いておりましたので、大臣も後でちょっと確認をされた方がいいと思いますけれども。 私が申し上げたいのは、大臣はこの米国産牛肉の問題について厚生労働大臣とともに責任を持っていらっしゃるお立場ですから、そういうお立場として、これは重大な事案であるという認識がもしおありになるのであれば、ジョハンズさんに早急な調査報告を求める、重大な事案であるということを直接おっしゃっていただくべきではないのかというのが私の問題意識。しかし大臣は、重大な事案であるという認識は持っているが、ジョハンズさんに言うまでもない、今事務方同士でやっているんだから、その報告を聞いてからでいい、そういうことですね。
○松岡国務大臣 言うまでもないということではなくて、もうしっかりきちっとやっておりますから、そして早急な回答を今求めておる、これは政府間として求めておる、こういうことでございまして、これは、私の立場とか事務方とかいうような意味ではなくて、政府として重大な認識を持って求めておる、このように御理解願いたいと思います。
○川内委員 では、政府間としてやっていると言うのなら、文書でやっているんですか。全部口頭でしょう。確認しましたよ。口頭でやっているんですよ、大臣。政府間でしっかりと調査をしてくれというのであれば文書でやるべきだし、農水大臣の名前でやるべきだし、厚労大臣と連名でやるべきだし、そういうことがしっかりやられていないからこういうことが起きるんですよと指摘をしておきたいと思います。この問題ばかりやってもちょっとあれなので、私の意見として聞いておいていただきたいというふうに思います。 さらに、格差の問題に移らせていただきます。 私は、この通常国会の最大のテーマは格差の是正であるというふうに思います。柳澤厚生労働大臣の発言をきっかけとしてさまざまな問題が提起をされているわけでございますが、私は言葉じりをとらえる気持ちは一切ありません。言葉狩りをする気も一切ございません。ただし、その根底にある思想については、やはりこの前も御指摘を申し上げましたけれども、ただしていかなければならない、それは政府の施策に大きく影響をするからであるというふうに思っています。 二月十五日、先週木曜日の参議院厚生労働委員会での柳澤厚生労働大臣の答弁であります。生産現場で働く労働者について、工場労働というかベルトコンベヤーの仕事、労働時間だけが売り物ですというようなところと答弁をされたということだそうでありますが、この答弁について事実をお認めになられますか。
○柳澤国務大臣 今、突然にその御指摘を受けましたけれども、私の記憶におきましても、大体そうした言葉遣いで申し上げたかなという記憶でございます。
○川内委員 労働時間だけが売り物ですという言葉は、現場で一生懸命働いていらっしゃる皆さんに物すごく失礼な御発言であるというふうに思います。 のみならず、例えば日本の工場の現場というのは、現場の皆さんのさまざまな御努力によって生産性あるいは効率性というものを上げて、日本の製造業が世界に進出するに当たっての原動力になっている。すなわち、日本の製造業あるいは工場の現場は、現場こそが日本の成長の源である。労働時間だけが売り物なんじゃないですよ。本社にいる人たちの方が、偉そうにしているだけで何にもしていないのかもしれないんですよ。実際には、工場の人たちが頑張っているから日本の品物が売れるんだということです。 私は、大臣、発言を撤回すべきだ、議事録から削除を大臣みずから求められるべきだというふうに思いますが、どうですか。
○柳澤国務大臣 何と申しますか、私のそこでの表現、全体としてとらえていただきますとその趣旨は理解いただけるんじゃないかと、このように思いますけれども、指図でありますから、また関係のところと協議をさせていただきたい、このように思います。
○川内委員 関係のところと協議をして、議事録を削除する方向に向けて協議をするということでなければ、大臣、これは昨日の東京新聞の聖心女子大の教授の論文なんですけれども、「政府は声高な少子化対策推進の陰で、ひとり親世帯の母子加算を廃止し、生活保護老齢加算を廃止し、障害者の自立を困難にする「自立支援法」を通過させた。こうした福祉の切り捨て、格差の加速と「人を人とみなさない社会」とは、どこかでつながっているはずである。」というように、国民の皆さんの中に、今の政府は人間を人間として見ないのではないか、それが機械発言につながっていたり、あるいは労働時間だけが勝負だというような発言につながっているのではないかという疑念を持っているんだと思うんですね。 そういうことはないんだ、そういうことはないと……(発言する者あり)明確に、ちょっとうるさい、僕は正直な人間なんだ、素直なんだから惑わされるじゃないですか。政府として、人間を人間として尊重し、そしてともに国づくりをしていくんだという意味において不適当な発言であったということで、削除に向けて関係者と協議するというふうにもう一回御答弁いただけますか。
○柳澤国務大臣 先ほども申し上げましたように、私は、我々の社会は人間によってつくられている、人間にはそれぞれ尊厳があるということをもちろん前提にして、すべてのことについて臨んでおります。 しかしながら、先ほどの御指摘のこの私の発言についても、私は、全体を見ていただければその観点で別段誤解が生ずるとは思いませんけれども、「だけ」というような言葉については、ある人々を傷つけるのではないかとせっかくの川内先生の御指摘でもございますので、そのようなことが可能かどうか御相談をしたいということを申し上げました。
○川内委員 ありがとうございます。 それで、もう一つ、柳澤厚生労働大臣に答弁を訂正していただかなければならないところがございます。 それは、昨年の十月六日、衆議院予算委員会基本的質疑において、我が党の菅代表代行が、介護保険料、国民健康保険料、住民税について、高齢者の皆さん、年金生活者の皆さんは大変な負担増になっているということを御指摘申し上げました。 それに対して、まず安倍内閣総理大臣から、「平均的な年金以下だけで生活をしている方々に対しては新たな負担はない、このように承知をしております。」というふうに答弁をしていらっしゃいます。 さらに、柳澤厚生労働大臣がこの総理答弁を補足して、「通常のモデル年金をもらっている、あるいは年金だけで世帯が成り立っているというところは大体二百万ぐらいでございますから、この中に入って、地方税の変動による影響は受けない階層に属しておられるということを総理はおっしゃった、こういうことであります。」というふうに答弁をされていらっしゃいます。 そこで、この答弁が実は間違っているということを御指摘申し上げなければならないわけであります。まあ国民健康保険料はみんな上がるわけですけれども、介護保険料と住民税に限ってもいいですが、通常のモデル年金世帯であっても、大変な負担増になっている世帯が日本の地域の中にはたくさんあるということをお認めいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 今、先生から、十月六日の、臨時国会における予算委員会におきます菅代表代行と私との質疑応答について御指摘をいただきました。 あのときの議論を思い返してみますと、要は、菅委員からは、今回の公的年金控除の二十万円削減、縮小、縮減でもって当然課税最低限が変わるわけですけれども、その地方税への反映として地方税の課否が変わる、今まで非課税だったところが課税になる、そのことがまた介護保険料に非常に大きな響きを持つということを御議論なさいました。それは、質問通告の段階から、大体、茨木だとか厚木だとか武蔵野というようなところのケースを想定されて、そこで御議論が行われる、こういうことであったわけでございます。そこで、私どもの方の答弁の準備も、勢い、そこのいわば三都市における公的年金控除の引き下げとそれの地方税へのはね返り、さらには介護保険料へのはね返りということについての議論として整理をされておりました。 そこで、私ども、特に私でございますけれども、私は、そういう関係から、モデル年金の場合には大体そういったことの影響を受けないということで御答弁申し上げましたけれども、今、川内委員の御指摘のとおり、実は、この地方税の課否の問題もそれから介護保険料の問題も生活保護と密接に絡んでいるという制度的な仕組みがありまして、生活保護の級地の場所によってはそういうようなことが起こるということも私ども認識をいたしておりまして、議論のプロセスとして、先ほど言ったような大きな三つの都市を中心とした議論でありましたので、そこまで私の答弁が触れ得なかったこと、これはもう本当に言葉が足らなかったということでありまして、しかし、その事実としては認識をいたしているところであります。
○川内委員 住民税、介護保険料については生活保護に密接にリンクをしていると。生活保護一級地、二級地、三級地という、この一級地、二級地、三級地という言い方も私は変えた方がいいと思いますが、政府がそう言っているのでこの言葉を使いますが、生活保護三級地、もう委員長のところなんかほとんど三級地ですからね、そういうところはモデル年金世帯は大変な負担増になっているんですよ。 今、厚生労働大臣がおっしゃられた答弁をわかりやすく言えば、東京のモデル年金世帯と委員長のところのモデル年金世帯では、介護保険料と国民健康保険料の平成二十年における負担額の差は、これは事務方からで結構ですから、御答弁いただけますか、どのくらい金額的に違うのか。
○阿曽沼政府参考人 お答えを申し上げます。 十七年度と二十年度を比較いたしまして、一、二級地の場合と三級地の場合で申し上げますと、介護保険料は四万九千円ほど違います、年額でございますけれども。それから、地方税の場合には四千円ということでございまして、トータルで年額五万三千円ほど三級地の方が負担が大きいということでございます。
○川内委員 都会のじいちゃん、ばあちゃんより田舎のじいちゃん、ばあちゃんの方が負担が重いわけですね。これは、格差ということを考えたときに、都市と地方の格差が問題だ、都市と地方の格差を是正しなければならないという政府のお考えともそぐわない。これは、介護保険料あるいは住民税の課税をどうしていくのかということに関しては、同じ年金額なんですからね、同じ年金額をもらっていても税負担の差、保険料の差が田舎の方が大きくなるというこの問題は早急に是正をすべきであるというふうに思います。 大臣のお考えをお聞かせください。
○柳澤国務大臣 この問題、非常に幾つかの要素が間に挟まりましてそういう結果を招来しているということであろうと思います。したがいまして、今のお話は、私だけで何か答えが出るかといいますと、なかなかそうでない面もあります。 しかし、理屈をこねますと、生活保護の級地というのは、やはりかかる生活費が違うんだということが前提にありまして、ところが、年金なぞのように全く国家だけの制度だということになりますと、それがかかわりなく支給される。したがって、生活費が安いところでは、いわば負担能力があるという格好で負担がふえるというような仕組みになってはいるんですけれども、今申したように、それがまたいろいろな各制度の仕組み方によって極端に、大幅に出るというようなことは、我々としても問題意識として強く持っております。 したがいまして、これは、生活保護の級地がそれほどの生活費の差を本当に今反映したというものになっているのかどうか。それからまた、介護保険料の保険料率の決定の仕方というのが階段状になっておりまして、いわば不連続なんですね。ですから、ちょっと違うとぼんと上がってしまうというようなこともこれあり、いろいろな多方面での検討をしないとならない、そういう性質の問題であります。 したがいまして、私どもとしても、次の機会、これはどの機会が最初来るかわかりませんけれども、そうしたことの問題意識を強く持ってそれぞれの制度に当たって、改定の時期が参りましたときには、私ども、そういう強い問題意識を持ってこれに取り組んでいかなければならない、このように考えます。
○川内委員 次の機会のときにということでございますけれども、今、この格差の問題というのは国民的関心事であるというふうに私は思います。都市と地方の格差、そういう中で、同じ年金額をもらっていらっしゃる高齢者の方々の中で、都会よりも地方の方が介護保険料、住民税が高い、年額にして五万三千円負担が重いということに関して、次の機会に議論しますというのでは、私は、田舎にお住まいの高齢者の皆さんは、一体どういうことなんだというふうにお思いになられるのではないかなというふうに思います。 また、大臣は、御自分の答弁に対して、菅さんが茨木や厚木のことを言っていたので一級地のことだけ議論したんだというふうに言いわけをされましたけれども、ここは茨木市議会でもなければ厚木市議会でもないんですよ。柳澤厚生労働大臣が茨木市議会の社会保険福祉部長だったら、いや、モデル年金世帯は負担増は生じませんという御答弁でいいかもしれない。しかし、ここは国会ですからね。しかも、地域でいえば生活保護三級地の方が圧倒的に多いんですよ。そういう中でこのような極めて不誠実な御答弁をされたことに関して、いやまあ、それは一級地のことを議論したんだからそうかたいことを言うなみたいなことでは、そういうことだから疑われるんですよ。 間違えたら訂正すべきは訂正するという真摯な態度が必要なんじゃないでしょうか。申しわけない、言葉が足りなかった、訂正すると言ってくださいよ、間違えているんだから。
○柳澤国務大臣 先ほども申し上げましたように、言葉が足りなく、それからまた、事態については認識がございましたということを申し上げた次第でございます。
○川内委員 過ちを改むるにはばかることなかれという言葉もございますので。この予算委員会の、きょうはテレビ中継されていませんけれども、この菅さんの議論のときはテレビ中継されているんですよ。全国の皆さんが、柳澤大臣あるいは安倍内閣総理大臣の御答弁をテレビを通じて見ていたんです。 それで、モデル年金世帯以下は負担増は生じないと安倍内閣総理大臣は言っている。モデル年金世帯以下は、生活保護一級地、二級地、都会であっても、国民健康保険料は物すごい上がっているんですよ。そういう意味では、この安倍総理の発言も私はごまかしがあるというふうに思いますし、柳澤大臣の発言もごまかしている。それをテレビで全国の人が見ているんですよ。それを指摘されて、いや、そのときは一級地だけを想定したんだということをおっしゃられるのは、私は残念だなという気がするということを申し上げておきたいというふうに思います。 それでは次の、生活保護の水準と、これはワーキングプアにもかかわる問題ですが、二月一日の、政府がおっしゃる成長力底上げ戦略チームのペーパーには、ワーキングプア問題と正面から取り組むと書いてあるんですね。ところが、でき上がった文書にはワーキングプアがなくなった。正面から取り組んでなくなったということなんですけれども、これは一体どういうことなのか、大田大臣に御説明をいただきたいと思います。
○大田国務大臣 いわゆるワーキングプアの問題に正面から取り組むという気持ちは変わっておりません。 ただ、ワーキングプアという言葉自体、さまざまな使われ方がなされておりまして、その概念が明確ではありません。いろいろ調べましたが、唯一、定義が明確であるのはアメリカです。統計上の概念として規定されております。このときの貧困線、貧困レベルですけれども、栄養バランスのとれた食事をとるために必要最低限の食料品コストを計算し、それを三倍するという概念になっておりまして、これも、一九六〇年代に連邦農務省が規定して以来、後は消費者物価上昇率でスライドさせるだけというだけで、米国内でもこの定義には批判がございます。 したがって、ワーキングプアの定義の議論に時間をかけるよりも、対象を明確にして政策を講じていくことが必要である、すなわち、フリーターなどの非正規労働者、あるいは母子家庭の方、生活保護を受けておられる方、障害者の方々、こういう対象を明確にして、そこに必要な政策を講じていくことの方が重要であるという結論に達し、底上げ戦略の政策体系をつくっております。
○川内委員 ここはアメリカじゃないですから、アメリカは関係ないです。大臣、ワーキングプアに正面から取り組むという気持ちは持っているが、結論からは抜けたと。気持ちだけ持っていて、対策しないということをおっしゃっているわけですね。 いいですか、日本においては、生活保護水準という明確な定義がございます。これは、社会保障審議会の生活保護制度の在り方に関する専門委員会に座長が提出をされたメモでございますが、「生活保護基準は被保護世帯の最低生活の保障水準であるだけでなく、国民の最低限度の生活を最も包括的に示す尺度(貧困基準)として存在している。」というふうにまとめています。したがって、生活保護基準にまで達していない所得層は、これは、日本でもいわゆるワーキングプアとして施策を講じていかなければならない層である、ワーキングプアというものを定義することはできるというふうに私は思いますが、それをされない、難しいということでございます。 では、厚生労働大臣はこの前、何とかして統計をさまざまに集めてそれを取りまとめようとしているんだというふうにおっしゃられた。どういう人たちの統計を取りまとめようとされているのかということを御説明いただけますか。
○柳澤国務大臣 ワーキングプアにつきましては、今、大田大臣がお話しになられたとおり、もともとが英語でありまして、それはアメリカの基準からきている、こういうことでございます。 しかし、私どもの国においても今そうしたことが非常に問題意識として国民の間に持たれているというようなことがございますので、私ども、何とかその数字を、実態というか、そうしたものをつかめる手法はないか、実は定義がないものですから、そのこと自体で調べていくということはできないんだけれども、ほかのいろいろな統計データからそうしたことをつかめないかということで努力をしている、こういうことでございます。
○川内委員 定義すべきではないですか。大田大臣、どうですか、ワーキングプアについて定義してしっかり取り組む。正面から取り組むと最初言ったわけですから。
○大田国務大臣 先生御指摘の生活保護、これは定義がございます。それで、もちろんこの生活保護の方々も含みます。さらに、フリーターを初めとする非正規労働、母子家庭の方、障害者の方を含みます。つまり、対象がはっきりとして、その方々に必要な施策は何かということを考えることが大事であって、概念が不明確な、いろいろ調べましたが、明確な概念で使われていないワーキングプアという言葉の定義に時間をかけることは必要ではないと判断いたしました。
○川内委員 ワーキングですから、働く人たちの中で生活保護水準にまで所得が達していない方たちということで定義づけていけばいいのではないかなと私は思いますけれども、それを明確に定義づけることができないとおっしゃられるのは、結局、対策しないと言っているのと同じことだと思うんですね。 だって、今現在、さまざまに動いている社会保障政策というのはあるわけで、そこで救えない人たちが出てきているから、いわゆるワーキングプアという新たな概念が登場しているわけですよ。それに対してどう定義してどう対策していくのかということについて、定義できないというのは、今ある施策の中でしか対応しないと。ということは、今ある人たちしか救えない、ワーキングプアは救わないと言っているのと同じことじゃないですか。論理的におかしいですよ。
○大田国務大臣 先生が今おっしゃった定義で使っている学者もいます。しかし、そうではない定義をして、論文をして分析している学者もいます。要は、概念が明確ではありません。 ただ、先生がおっしゃったような方々はすべて対象の中に含めて施策を講じております。
○川内委員 いや、だから私が言っているのは、いわゆるワーキングプアという、今までの日本の社会の中には想定していなかった方たちが生まれてきている、それを、官房長官は新たな貧困層という言葉をお使いになられたじゃないですか。そういう方たちに対してどういう施策を打っていくのかということについてしっかりした議論をする、だから、底上げ戦略会議の中でも真正面から取り組むと最初はおっしゃられたんじゃないですか。それを、定義できませんとか、今ある施策の中で十分に対応していきますというのは、これは詭弁でしょう。まあ、これは水かけ論になりますから……(発言する者あり)追及した方がいいですか。 では、もう一回答弁。
○大田国務大臣 先生御指摘のような、今起こっている問題に対象を明確にして具体的な政策を打っていくことが重要であるというその認識は全く一緒です。定義に時間をかけることはしないということです。
○塩崎国務大臣 今、大田大臣からお話があったように、明確な定義はアメリカであるだけでありますが、去年、二回にわたってNHKが「ワーキングプア」という番組をつくられて非常に衝撃を受けて、私も見て衝撃を受けました。いろいろなパターンの人たちがあの中に入っていますね。ですから、ワーキングと言っても、実は、何というか、ホームレスの男性の方もいましたが、いろいろな方々がいました。あの中で出てきた言葉が、いわゆる新たなる貧困という言葉であり、そしてまた、いわゆるワーキングプアという言葉だったと思うんです。 それで、一体これはどういう定義なのかというのは、確かに、今申し上げたようにいろいろなパターンがあって、一概には言えない。そういう中で、しかし、確かに何か問題が起きていることはこれは間違いない。それはやはり、三つの過剰の一つである過剰雇用というものが解消されたけれども、別な形でいろいろな問題が起きてきている。フリーターを中心に非正規雇用がふえちゃった。これも含めていろいろな問題が起きていることは間違いない。したがって、いわゆる格差問題、いわゆるワーキングプア問題には正面から取り組むというふうに我々言って、いつも私は、いわゆるというのをつけてきたわけであります。 しかし、どうもワーキングプアという言葉は定義がなくて、場合によっては川内先生、ぜひ定義をしていただきたいと思いますが、我々、例えば非正規雇用の中でも、これは千六百万人余りいますけれども、その人だけ個人でとってみると、実は御主人は結構いいお給料を取っているとか、そういうことで非常にこの定義にいろいろなばらつきがあるものですから、我々としてはやはり、働く人全体の所得や生活水準が上げられるように底上げをやっていこうということで今回の政策を打たせていただいたということでございます。 その内訳は、いろいろなグループがあって、さっき大田大臣から言ったとおりでありますが、幅広く、問題がありそうなところについてはすべてやはりしっかり政策を打っていこうというのが今回の、全体の底上げをしていくことによって所得やそれから生活水準を上げていこうじゃないか、こんなことでありますので、ぜひこれも一緒にお考えをいただけたらなというふうに思います。
○川内委員 だから私も、いわゆるワーキングプアと、いわゆるをつけていますよ。 それで、世帯単位で見るときに、さまざまな統計がありますね、全国消費実態調査とか家計調査とか。そういう世帯単位で見たときに、被生活保護世帯の所得水準にまで達していない世帯というのは、明らかに対策をしなければならない世帯であるということになるわけですよ。私は、対象を明確にする、それが施策を講じる場合の第一の前提であるというふうに思います。しかし、政府はそうは思っていらっしゃらないということが今明らかになってきているわけでございますが、ぜひ、また予算委員会の、まだあと一カ月も二カ月もあるでしょうから、しっかり議論をさせていただきたいというふうに思います。 厚生労働大臣、ちょっとこのワーキングプアの問題に関して、私は、今申し上げたように、世帯単位で見たときに生活保護の扶助基準にまで達していない世帯については、政府としてどう向き合っていくのかということを考えなければならないというふうに思いますが、そのときに、先ほど御紹介した、生活保護基準について、被保護世帯の最低生活の保障水準である、そして、国民の最低限度の生活を最も包括的に示す尺度として存在しているというふうにこの生活保護制度の在り方に関する専門委員会の座長は定義しているんですが、私はこれは不十分な定義であるというふうに思っていて、それはなぜかならば、生活保護法の三条には、最低限度の生活とは何ぞやということが書いてあって、「健康で文化的な」という言葉がついています。 最低生活、最低限度の生活というと、一番下というイメージになるわけですね。ところが、健康で文化的な最低限度の生活、健康で文化的な最低生活ということになると全く意味合いが違ってくるので、それが生活保護の目的ですから、趣旨ですから、今後、政府がさまざまな文書の中で、生活保護関連についても、最低生活とか最低限度の生活とかいう言葉を使う場合には必ず健康で文化的なという言葉をきちっとつける、この健康で文化的なという言葉をつけることが物すごく大事なことだというふうに私は思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 今、川内先生御自身が指摘をされましたように、生活保護法第三条そのものにも、健康で文化的な最低限度の生活がということで、これを保障するという制度としてつくられるべきだ、こういうふうになっておりまして、それを端折って最低限度の生活というような言葉でいろいろと便宜使っているのでしょうけれども、当然、その言葉の背後の認識としては、やはり、生活保護そのものがうたっているところの健康で文化的なという認識が私はあるものと考えております。
○川内委員 その認識があるのであれば、健康で文化的なという言葉を必ずつけるというふうに今後していただきたいと思いますが、もう一度大臣、必ずつけると。そうでなければ、言葉というのは違う意味に変わっていきますよ。健康で文化的な最低生活を日本国憲法においても国民は保障されなければならないということでしょう。どうですか、大臣。
○柳澤国務大臣 極めて、ここのところは法律にもう書いてあるわけでございますので、便宜の問題だ、このように思います。 しかし、今後折に触れて、今委員の御指摘になられたようなことをこれからさらに強く念頭に置いて取り組むということは言わせていただきますが、すべからく、それはもう法律の第三条に書いてあることでありますので、相当の程度は、審議会なりなんなりの先生方の表現にお任せさせていただきたいという面もあろうかと思います。
○川内委員 いや、そこが私はやはり最も大事な部分であるというふうにちょっとこだわらせていただきたいんですが。 では、今回、生活保護の母子加算が廃止をされます。この母子加算の廃止について、どのような経緯で廃止をすることが決まったのかということについて、これは事務方からで結構ですから、御説明いただけますか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 今、議論にございましたように、生活保護のあり方、その水準につきましては、さまざまな議論がございますことから、私ども、審議会の方で生活保護の水準について審議をしていただいた経過がございます。先ほど委員が御紹介されました座長のあのメモというのも、そういう審議会での過程で出てきた座長のメモでございます。 平成十六年十二月に、生活保護制度の在り方に関する専門委員会の報告書では、現行の生活扶助基準は、標準三人世帯の生活扶助基準を一般低所得世帯の消費水準と支出において検証、評価をした結果、その水準はおおむね妥当ということが言われております。 ただ、さまざまな加算につきましては、高齢者世帯の加算、母子加算につきましては、その水準について必要がないという結論に達しましたので、高齢者加算につきましては三年間かけて、また、十六歳から十八歳の母子加算につきましては来年度まで三年かけて、加算について段階的に廃止をさせていただいたところでございます。 それで、十五歳以下のお子さんを抱える母子家庭、父子家庭も含みますけれども、その家庭の加算につきましては、今後三年間かけて段階的に廃止するとともに、自立支援の観点から、働いておられる母子世帯の方々については、その働くことに伴う諸経費を補てんする意味での加算を新たに創設する、こういうことを十九年度予算でお願いをしているところでございます。 基本的な考え方は、現在の母子世帯の扶助基準が、大体、母子世帯の平均、所得を五つに分けた場合、真ん中の第三分位の消費水準に合致しておりますので、そういったことから、加算をつけますとその第三分位の基準よりも上回ることになるということから、段階的に廃止する、こういう考え方に立っているところでございます。
○川内委員 今、生活保護の母子世帯の母子加算について、社会保障審議会福祉部会生活保護制度の在り方に関する専門委員会で結論に達したというふうに御説明されました。本当に結論に達していますか。
○中村政府参考人 加算のあり方につきまして結論に達しておりますので、高齢者加算それから十六歳から十八歳までの間の母子加算について予算措置を講じてまいりましたし、十五歳以下の母子加算について来年度予算からお願いしているところでございます。
○川内委員 大臣、これは大変なごまかしですよ。この専門委員会では、母子加算について結論は出せないと言っていますよ。議事録を私全部読みましたよ。母子加算について結論を出すことはできない、非常に難しい問題だ、生活保護制度全般にかかわる問題だと。母子加算を廃止していいなんということはこの取りまとめの文書にも書いてないですよ。一体どう釈明するんですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 報告書におきましては、母子世帯につきまして、ただいま私が申し上げましたように、消費水準につきましては、母子世帯を加えた被保護世帯の生活扶助水準は一般母子世帯の消費生活支出よりも高い、また、母子加算を除いた生活扶助基準は、一般勤労母子世帯の生活扶助相当基準とおおむね均衡した水準になっているということを指摘した上で、一般母子世帯の消費水準との比較の観点からは現行の母子世帯の水準は必ずしも妥当なものであるとは言えない、こういうふうに結論づけております。
○川内委員 「必ずしも妥当であるとは言えない。しかし、」と、「しかし、」とこの後続いているじゃないですか。 七月十四日の第十四回生活保護制度の在り方に関する専門委員会で岩田委員長は、「その辺りをこの報告書では、ある程度書いた上でどういうふうに加算を存続させ、あるいはどの程度の額が妥当かということは、さっき言ったようなもう少し専門的な委員会で精査する。あるいは保護課の方で精査されて、提案されるということでいかがでしょうか。」と。母子加算を廃止するという文章を書くなんてだれも言っていないですよ。しかも、この専門委員会では、母子加算廃止について賛成だ、切るべきだと言っている委員がいますか。
○中村政府参考人 委員が今言われた留意事項のさらにその後に、母子加算の見直しの方向性として、現行の一律、機械的な給付を見直し、一人親世帯の親の就労に伴う追加的な消費水準に配慮するとともに、世帯の自立に向けた給付に転換することとし、これに沿って支給要件、支給金額、名称、支給名目等を見直すことが考えられる、こういうふうになっております。 私どもは、こういう意見書に基づきまして、これまでも、まずは十六歳から十八歳の母子世帯の方、この世帯には高校生もおられますので、高校の就学について配慮しながらこういう見直しを行ってまいりましたし、今回、十五歳以下について見直しをさせていただくこととしております。
○川内委員 いや、全然私が聞いたことに誠実にお答えいただいていないわけですが、では、端的に申し上げましょう。 この専門委員会では、母子加算の廃止について、母子加算を廃止すべきではないという意見が大勢であった、しかし、厚生労働省としては、この委員会に提出をされたさまざまな資料に基づいて母子加算を廃止することを厚生労働省として決めたと言わなきゃだめでしょう。厚生労働省が決めたんですよ。この専門委員会は、母子加算の廃止について廃止していいなんということは言っていないですよ。最初の答弁を訂正してください。
○中村政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、生活保護の水準につきまして、全般の世帯の生活保護水準は低所得者の消費支出と比較しておおむね妥当である、加算については問題がある、こういうことでございますので、私ども、毎年度の基準の設定に当たり予算計上させていただいたということで、その考え方の基本として、水準の検証については、ここに、先ほど御紹介いたしましたように、母子加算を除いた生活扶助基準額は一般勤労世帯の生活扶助相当額の支出とおおむね均衡している、見直しの方向として一律、機械的な給付見直し、こういうことを取りまとめていただいておりますので、その考え方に沿って私どもが基準の見直しをしてきた、こういうことでございます。
○川内委員 いや、局長は最初、この専門委員会で決まったので母子加算を廃止したと御答弁されたじゃないですか。ところが、私が、いや、この専門委員会の議論では、母子加算の廃止について明確に廃止してよろしいというようなことは一行も書いていないと。それはさまざまな議論がありますよ。しかし、母子加算について問題だなどという書き方はしていないですよ。それを廃止するというのは、厚生労働省が判断したわけだから。専門委員会の御議論では、母子加算の廃止については否定的な意見が大勢であった。これは大勢であるのは認めざるを得ないんだから、だれも賛成していないんだから。しかし、厚生労働省としては廃止を判断したというふうに正確に答弁していただかなければ、国民の皆さんに正確な情報が伝わらないですよ。 大臣、これは私も、実は町で街頭演説をしていましたら、ある若いお母さんに声をかけていただいて、家庭内暴力で御主人と離婚をされて、赤ちゃんが一人いる、仕事を探すんだけれども、赤ちゃんがいるとなかなか仕事も見つからないし、生活保護を受けることにしました、でも、必ず自立をして働くようになって子供を育てていきたい、だけれども、何か母子加算というのが廃止をされるというふうに新聞で読みました、大変不安ですということをお話をしていただきました。 そういうお母さん方が日本全国にたくさんいるわけですよ、母子家庭で生活保護を受けていらっしゃる。もちろん、生活保護を受けていらっしゃらない、頑張っていらっしゃる母子家庭に対しても、私は、児童扶養手当などを削られたことは大変問題だ、これもまたこの予算委員会の中で取り上げたいというふうに思いますが、大臣、どうですか。 この専門委員会の議論では、母子加算を廃止していいなんて言っている人は、実は私もちょっとごまかしていまして、一人いるんです。どこかの市の市長さんが、三位一体で予算が削られて大変だ、母子加算は削った方がいいとその市長さんは一人言っています。しかし、大部分の委員は、母子加算なり母子加算に見合う加算は必要であると。なぜかならば、それが、自立に向けて、自立を支援していくために大変重要な基礎になるからだというふうに論を展開していらっしゃいます。それを事務局が、事務方がねじ曲げて取りまとめ、文書にして、そして、最初はここの場で、委員会が決めたんだと言ったんですよ。 こんなこと許せますか、大臣。どうでしょう、御見解をお聞かせください。
○中村政府参考人 今委員の方から、専門委員の方々で賛成された方は市長さんお一人だというお話がありましたけれども、他の委員でも、経済学者あるいは福祉学者で賛成されている方はおられまして、一人だけだということではありません。 例えば、母子加算のあり方は再検討されるべきで、自立を促すような形の使い方がいいのではないかとか、さまざまそういう御意見がございまして、賛成される方が市長さんお一人ということではございません。
○柳澤国務大臣 こうした審議会の議事録というのは、それぞれの委員の先生方の御意見に満遍なく配慮をした文章を書いて取りまとめの文書にするということは、この審議に参加した先生方への敬意の気持ちもありまして、こうしたことになることはありがちなことだと私は思います。 しかし、そこからどこを結論部分として考えるかということでございますが、その過程の、こういう意見もある、ああいう意見もあるというところを非常に強調されてしまうと、今、特に非常に子細にわたってこうした文章の読み込みをなさる川内委員のような方からすると、いろいろ気にかかる文章があって御指摘もいただくんだろうと思いますけれども、基本のところは、私はやはり、最初のところに書いてある、「これらの結果より、一般母子世帯の消費水準との比較の観点からは、現行の母子加算は必ずしも妥当であるとは言えない。」というその認識、そして最後のくだりですけれども、この見直しに当たってはこういうことを留意するようにというようなことが書かれていることからして、やはり大勢としては、見直しを委員会としては方向性としてお認めになられた上で留意事項までいただいている、このように読みとめて事態を進めているというふうにぜひ御理解を賜りたいと思います。
○川内委員 いや、それは御理解を賜りたいと言われても、絶対理解できないですよ。 この取りまとめ文書の中の、厚生労働省にとって都合のいい部分だけとりましたと今大臣はおっしゃったんですよ。しかも、最初は局長さんは、専門委員会で決まったから廃止をしましたとここで明確におっしゃったじゃないですか。専門委員会で決まったから母子加算を廃止したんだとおっしゃったですよ。そのようなことを言われれば、私はこの議事録をたまたま見たからそれが指摘できるわけですけれども、普通の人は見ないですよ、議事録までは。(発言する者あり)いや、勉強家であるということを主張しているわけじゃないんです。そういう役所のごまかしを、閣僚として、いや、まあそれはそうなんだということで見過ごしていいんでしょうかね。私はちょっと違う。 しかも、では、生活保護を受けていらっしゃる母子家庭の総消費額、母子加算を入れて、さらには教育扶助を入れて、さらには、その他の加算が幾つかあるわけですけれども、その加算を入れた額と、そして第三・五分位の母子家庭の月の所得額、それをちょっと数字だけここで言ってください。
○中村政府参考人 母子世帯、母と子一人の第三・五分位の所得について申し上げます。 まず月額でございますが、収入額が二十四万一千百九十六円でございます。消費支出額が十九万二千七百八十四円。生活扶助相当支出額、これは、生活保護の方の基準になっておりますのは、住宅とか医療とか教育とかそういったものは別の扶助になっておりますので、生活扶助相当支出額が十一万八千百三十六円でございます。 これに対して、生活扶助基準、加算を除いた額でございますが、十一万六千八十六円、加算を加えますと十三万八千八十四円、こういう額でございます。
○金子委員長 時間が来ました。
○川内委員 時間が来たのでまたこの次に譲りたいというふうに思いますが、きょうは、経済産業大臣にもちょっと中小企業関係のことでお伺いしたいことがあり、また、総務大臣にも失業率のことでお伺いしたいことがあり、財務大臣にも実効税率のことについてお尋ねをしたいことがあったんですが、たくさん課題を残しました。次の機会に譲らせていただきたいと思います。 とにかく、この母子加算の問題については、専門委員会は母子加算の廃止を結論していないということを、最後に委員長、局長さんは最初、委員会が結論したと言ったんですからね、それだけちょっと答弁を訂正させてください、それだけ。時間だけれども、これは大事なことだから。(発言する者あり)いや、理事会って、何でもかんでも理事会にしないでくださいよ。
○柳澤国務大臣 これを私も今こうして見ておりますが、やはりこれはどう考えても見直しの方向性を言っておりますし、そのときの留意事項もちゃんと記しておりますから、これだけの答申を、そんなことは全く言っていないとされるのは、ちょっと川内先生にしては……(川内委員「廃止を決定していないと言っているんですよ。専門委員会は廃止を決定したと言ったんですよ。しかし、さまざまな議論があるのは私だって認めているじゃないですか」と呼ぶ)でも、「以上を考え合わせれば、」「これに沿って」「等を見直すことが考えられる。」と言っているわけでございますから、やはり私としては、この答申に沿って事務手続を進めていったということが妥当性を欠くということはない、このように申し上げます。
○金子委員長 これにて川内君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、午前中の馬淵澄夫君の残余の質疑を許します。馬淵澄夫君。
○馬淵委員 引き続き質疑をさせていただきます。 先ほど、私が質疑の中で、この沖縄科学技術大学院大学、その運営委員会を開催するための電話会議の内容について局長に答弁を求め、再三のお答えをいただく中で、具体の中身について御指摘をさせていただきました。そして、そのメモ、理事会に御提出を求めていましたが、なかなかお出しいただかないということであったんですが、先ほど理事会でメモの提出がなされたということであります。 私の手元に、理事会で協議いただいた、理事会に提出された電話会議についての概要、これはまさに週刊誌に載っているものそのものであるかと思われますが、私が再三再四確認をしているにもかかわらずお出しいただけなかったのは本当に残念なんですが、やはりこれを見ると、出せなかった理由がここに何となくあらわれているのかなと思います。 清水局長、これは端的にお答えくださいね、あなたはこの一月に内閣府に任命されてまいりましたが、その前職は何ですか。
○清水政府参考人 財務省大臣官房国際局・大臣官房・主税局担当でございます。
○馬淵委員 清水局長、尾身大臣にお仕えになられたお立場であったあなたが一月にこちらに来られて、そしてこのメモについては、内閣府がこれを察知している、関与している、そのことをお知りでありながら、なかなかお出しいただけなかったわけであります。 行政としてはこれはしっかり開示をしていただかねばならない問題だと改めてお伝えをしますが、このメモを見ますと、私が先ほど来より指摘させていただいたように、ある委員、これは黒塗りになっていますが、「尾身大臣からのインプットについて紹介があった。来年度予算の確保に向けて、BOGからの強い要求があればより大きな予算が確保される可能性が高い旨の話があったとのこと。特に円滑な施設整備に向けて、施設予算についてはプライオリティが高いとの指摘があった。」十月二十四日ですから、尾身大臣は在任されています、財務大臣に就任をされています。その下にもこのように書いてあります。「尾身大臣の立場について、「当面はBOGのアドバイザーとしての地位は使えない」旨の指摘があったことが紹介された。」 つまり、御自身が大臣に在任されて、就任されて、そしてその上で、当面自分はBOGのアドバイザーとしての立場は使えないということをこの委員におっしゃった。そして、その委員に尾身大臣からインプット、来年度予算の確保に向けて強い要求があれば大きな予算が確保される可能性が高いよ、このようにおっしゃったということですね。施設整備について、施設予算についてはプライオリティー、優先順位が高い。 繰り返し確認ですが、この沖縄科学技術大学院大学、尾身大臣が科学技術担当、そして科学技術の発展のためにずっと貢献されてこられたと思いますが、尾身大臣が科学技術をずっと担当されてこられて、そして沖縄大臣、科学技術担当大臣になられたときに提唱された。まさに沖縄振興と尾身大臣が執心されていた科学技術を合体したこの計画、このプロジェクト。その中で年々の予算がふえてくる。二百八十億余りの予算が措置されてくる中で、大学の施設整備費、これが毎年ふえてくる。今年度に関しては、この予算増のうちの実に九割にも及ぶ大学施設関連経費が増となっている。土建工事を中心とするこの予算措置がなされている。 そして、尾身大臣の政治団体である沖縄幸政会あるいは幸政会あるいは群馬第一選挙区支部、こちらには、御自身が経済企画庁長官時代、一円も献金がなかった沖縄企業から三百数十万の献金が年々行われている。その献金を重立った企業としてされている國場組という会社が、実に今年度、今次までにおける六億数千万円のうちの八六%、七%になんなんとする受注を受けておられるのが國場組。 この実態は、まさに政官業の癒着の構図と疑われても仕方がないのではないんでしょうか。この政官業の癒着の構図と疑われても仕方がないような旨のその委員の発言がこのメモには書いてある。 繰り返し申し上げますが、かつて平成十二年、越智通雄金融再生委員長は、その御自身の発言の中で、金融検査に手心を加えるということを語られたことによって辞任をされました。事実上の更迭です。監督する立場におられる方がこのような発言をなさって、そして、このように予算に対して、査定側でなく要求側にサジェスチョン、アドバイスをするというのはいかがなものか。 高市大臣、お尋ねをします。 高市大臣はこの内閣府のメモをごらんいただいて、どのようにお感じでしょうか。高市大臣、ここには明確に「尾身大臣からのインプット」と書かれています。高市大臣はいかがお考えですか。
○高市国務大臣 感想を言えと言われましても、そのメモ自体が、本来、独立行政法人と内閣府の関係というものは、独立法人制度の趣旨そのものが行政からの関与を少なくするものなんですね。ですから、ふだんの事業の推進に関して、すべて内閣府で把握しているようなものじゃない。だから、そもそもこのメモをつくったこと自体が私はどんなものだろうと思っているぐらいです。 なぜかというと、この機構の運営委員会の会議というのは、内閣府の職員も普通は呼ばれなきゃ入れない。非公式の会議というのは入れないんですね。ただ、この電話会議が行われた時点、十月二十四日ですね。十一月の末ぐらいに、大体その十二月の十一日に開かれる予定の運営委員会での課題が決まる。その議題によっては、内閣府の職員もその運営委員会に呼ばれて何か説明をしなきゃいけないようなことも起き得る。だから、そのための情報収集として、そこに参加をされていた委員から聞き出した。 ですから、その一言一句がそのとおり正確なものか。もう言った、言わないの話になりますので、私は、そこに書かれてある内容すべてに責任を持って、それが正しいとか正しくないということも言えませんし、答える立場にはありません。 ただ、申し上げておきたいのは、私にとって大切なのは、行政が適正に執行されたかどうかなんです。もしも、そのメモにあるとおり何らかの圧力がかかって、内閣府は既にもう八月に概算要求しているのに、もっと何か公共事業をふやせみたいな圧力がかかって、その結果、例えば、うちが財務省に対して、概算要求でああ出したけれども、もっとお金をふやしてもらえませんかと。午前の答弁では、むしろ減らしてくださいという取り下げに行ったぐらいですから。これだけ行革、行革とうるさいときに、ふやしてくれませんかなんという申し入れをうちがしたとしたら、それは外部の人の圧力で行政の執行がゆがめられたことになります。 しかし、結果的にはそんな事実はありませんし、十二月の運営委員会でも、そのメンバーから、内閣府の職員、説明のために呼ばれましたけれども、予算をふやしてくれとか、組み方をかえてくれなんという要求は一言もなかった。だから、内閣府の行政は適正に執行された、それだけは自信を持って言えます。
○馬淵委員 高市大臣は先ほどの概算要求の取り下げも御自身で判断されたということでありました。高市大臣には、そうした行政としての取り組み、引き続き、私は賢明な御判断をされたと思っていますので、それはぜひしていただきたいと思います。高市大臣御自身がぜひ高市らしさ、この沖縄振興に御自身のらしさを出していただけたらと思います。 しかし、しかしですよ、この中で書かれていること、沖縄のこの問題については、内閣府の担当の方が、ここも職員が書かれたと言われています。この中で委員に発された尾身大臣のインプットと呼ばれるものについては、繰り返し申し上げますが、財務大臣、財務規律としてこれをしっかり、徹底した歳出削減を守らねばならない立場の方が、アドバイス、査定する側じゃないですよ、要求側にアドバイスをするということは、これはいかがなものかと言われても仕方がないのではないか。 そして、先ほども申し上げているように、尾身大臣のその政治団体には、繰り返し國場組から、この発注の公費、工事実績発注の八割にも及ぶその國場組からの献金も受けておられる。これが政官業の癒着ではない、こうおっしゃるならば、明確にこの委員の方とお話し、ここでしていただくべきではないでしょうか。 尾身大臣、この群馬第一選挙区支部に対する國場組からの献金、ここですべて、この委員会で明らかにしていただけませんか。これが質問です。
○尾身国務大臣 民主党はどうも沖縄大学院大学の予算をふやすのに反対であるという印象を私は受けております。これは国のために必要なものであります。 私は財務大臣就任以来、もちろん、いろいろな方とお会いしておりますし、食事もしております。しかし、予算の具体的な内容について一切話をしておりません。
○馬淵委員 お答えいただけませんか。私は、これは疑念が生じても仕方がないのではないかということでお尋ねをしているんです。群馬選挙区支部に出された、献金された、その沖縄企業からの献金、これはこの委員会で御開示いただけませんか。
○尾身国務大臣 政治家としての尾身幸次に対する献金は、すべて総務省に届けて、だれでも見られるように公開をしております。この予算委員会の場で私の個人的な政治活動についての献金を答える必要はありません。必要があれば、その書類をしっかり見ていただければ、日本じゅうの人が見られるわけですから。
○馬淵委員 尾身大臣、私の御質問にはお答えいただけていないようですが、あなたが科学技術とそして沖縄振興とをマッチングさせて提唱されたこの大学院大学、構想はすばらしいじゃないですか。そして、家族ともども、それこそ能力ある御家族を同行されて、それもすばらしいことだと思いますよ。 しかし、あなたがやってこられたことの中で、このようにメモに書かれているように、予算に対して要求側にアドバイスをするということが、財務大臣として適正な行動なんでしょうか。適正な行動かどうか。だから、このことを当委員会の中で明らかにしていただけたらと思います。いかがですか。
○尾身国務大臣 私は大臣就任以来、予算の個別の問題についてアドバイスしたことは一切ございません。現に、この紙を見ておりますが、これを踏まえて、「十二月のBOGでは、十分な準備をした上で予算増に向けた決議文の作成及び働きかけを行う方針が確認された。」とありますが、決議文の作成も働きかけも、その後一切ないじゃないですか。
○馬淵委員 大臣、あなたは財務規律を守る立場ですよ。財政規律を守る立場におられて、結果がなってないじゃないかの話じゃないでしょう。あなたがこのように、この委員の方にインプットされたとメモに残っているんですよ。あなたがされたことに対して、あなたがこういう情報を出したことに対しての是非が問われているんです。結果の話ではありません。財政規律をしっかりと守るべき財務大臣が、要求側にこのようなアドバイスをしたことが、内閣、政府として正しいとお考えですか。答えてください。
○尾身国務大臣 何回も答えておりますが、私は財務大臣就任以来、予算の要求の具体的内容等について、このボード・オブ・ガバナーのメンバーにアドバイスなどをしたことは一切ございませんし、現実に、ボード・オブ・ガバナーで、この紙に書いてあるような行動を起こしていないということがその証拠じゃないですか。
○馬淵委員 尾身大臣は、そのようなことを言っておられないと言います。しかし、このメモの中には、内閣府の職員がこれを書かれたと繰り返し聞いておりますが、尾身大臣からのインプットということで、十月の二十四日に記されています。これを作成した内閣府の責任も、当然ながら問われなければなりません。 尾身大臣が言っていないとおっしゃる、そしてこのメモが残っている、そしてこのメモに関しては、尾身財務大臣のおそばで仕えた局長は、なかなか御提出をいただけなかった。やっときょうお出しいただきましたが、この中身についての真偽は、何一つここでは確認されていませんよ。引き続き、この委員会の中でこれは明らかにしていただかねばなりません。 繰り返しお尋ねします。 高市大臣、このメモの内容について、この委員の発言がございますが、高市大臣の方から再度これについて確認をしていただけませんでしょうか。いかがですか。
○高市国務大臣 本来でしたら、内閣府の職員が入れない会議です。このときも、実際、その場には入っておりませんでした。そのメモ以外、何か言った、言わないを実証するテープがあるわけでもない。とにかく、インナーの会議が終わって出てきたであろうその委員の一人か二人をつかまえて聞き取りで作成した最初は個人的なメモだったんだろうと思います。ところが、その後十二月に開かれる予定の委員会でどういった議題になるのかということを上司にも報告しなきゃいけないでしょうから、そういった意味でつくったメモだと思います。 本来でしたら、行政文書となっているものに当たりますから、もう既に役所の中で上司との打ち合わせに使ったり説明に使ったわけですから、要求があったらすぐに出すべきなんです。出せるものなら出したかったです、一日も早く。ただ、そこに個人の名前が書いてある、その聞き取りをした委員の記憶、それも、そう言ったと思うというようなことで間接的に聞き取っていますから、内容が正確なものかどうかわからない。 個人情報が含まれておりますから、ですから、どの範囲で出せるかということの検討に、大変申しわけないですが、時間がかかりました。 それ以上のことは私では真偽がわかりません。
○馬淵委員 真偽がわからないものについてただしていく、特に予算の執行にかかわることですから、また、予算の編成の事務処理の権限をお持ちになる財務大臣がかかわっていることですから、その真偽をただすのがこの大事な委員会の場ではないんでしょうか。 ぜひこのことについて当委員会の中でも引き続き確認をさせていただくことをお伝え申し上げ、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○金子委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。 次に、岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。 まず、官房長官にお聞きしたいと思います。 安倍内閣、もちろん毎週、閣議を原則二回開かれていると思いますが、この閣議で、安倍内閣総理大臣が入室されたときに、そのまま、それまで各大臣、当然お話しになっている方はいらっしゃると思いますが、総理大臣が入ってきてもそういった私語、雑談を続けている大臣というのは多いんですか、この内閣は。
○塩崎国務大臣 閣議室内での模様については、申し上げるべきことではないと思っております。
○岡田委員 まあ、普通なら明確に否定されると思うんですが、否定されなかったということは、そういうことが常態化しているというふうに想像するわけですが、もう一つ聞きます。 中川幹事長、昨日もこういうふうにおっしゃったそうです。「自分が目立つことを最優先する政治家や、」ここはちょっと首をかしげますが、「野党の追及が怖くて改革を進められない政治家は、内閣・首相官邸から去るべきだ。」そういう政治家がいるんですか。今の閣僚の中にはいるんですか。官邸にはいるんですか。
○塩崎国務大臣 いないと思います。
○岡田委員 中川幹事長が、公といいますか公開の場でそういうことをおっしゃっているわけですね。そうすると、中川幹事長の言っていることは間違っているということですか。
○塩崎国務大臣 中川幹事長に聞いてください。
○岡田委員 もしこれが、今官房長官が言われたように、事実じゃないということだとすると、あなたは中川幹事長に厳しくそのことを問い詰めなきゃいけませんよ。 私がこの発言を聞いて思うのは、恐らくこれに近いことはあるんだろうと想像しながら、この日本の最高意思決定機関である閣議の場というのが一体どういう状況になっているのか、私は一国民としてもとても不安ですよ。一体どういう状況なんでしょうか。
○塩崎国務大臣 閣議が始まる前に、その控室があって、それはテレビに映っております。総理が入ってくるときに我々がどうしているのか。全員起立をして、ちゃんとごあいさつをしております。閣議の部屋の中で行われていることはつまびらかにするべきことではありませんが、規律正しくやっております。
○岡田委員 まあ、規律正しくやっているのなら、中川幹事長がこういうお話をするというのは間違ったということになるわけで、そこはぜひ二人できちっと、どちらが正しいかについてまた聞きますから、確認をしておいていただきたいと思います。 こういった、非常に今の内閣に対して、もちろん、いろいろな緊急事態が発生したときに、やはり最終的には閣議の場で物事を決めていかなきゃいけませんから、そこがもし、規律もなく、言われているようなことであるとすると、それは私、とても心配になる、国民の一人としても心配になる、そういう視点で今申し上げたわけであります。 そこで、先般発表された成長力底上げ戦略、これについて簡単に少し聞いておきたいと思いますが、この中身に行く前に、そこに書かれたこういう文言、私は非常に気になったんです。「単に「結果平等」を目指すような格差是正策とは異なり、」というふうに書いてあります。もちろん、努力を全くしない人とした人で結果が同じになるようにすべきだなどと言う人は私はいないと思うんですね。やはり、努力というものがきちっと反映された、そういう結果でなければいけないと思います。 しかし、いろいろな努力をしても報われない人がいる、そしてその結果として格差がつくこともある、そういう場合には、今の内閣、「「結果平等」を目指すような格差是正策とは異なり、」と言っているということは、これは格差を是正しなくていいということですか。
○塩崎国務大臣 ちょうどいいチャンスなので少し御説明申し上げたいと思いますけれども、この成長力底上げ戦略は、成長戦略の一環として、経済成長を下支えする基盤、人材能力、就職機会、中小企業の向上を図って、働く人全体の所得や生活水準を上げて格差の固定化を防いでいこうじゃないかというのが大きな考え方であります。 今御指摘の結果平等云々の話でありますけれども、我々は、言ってみれば格差是正というものを目標にする対症療法的なことを考えているわけではない、今の、人材能力、就労機会、中小企業戦略、この三つの矢でいこうじゃないか、こう言っているわけであって、意欲のある人とか企業がみずからの能力向上に努められるように、言ってみればチャンスの平等といいましょうか、今まさに大事なことを岡田委員もおっしゃったと思いますけれども、やはりチャンスを最大限に拡大して、人材の労働市場への参加とか生産性の向上を図っていくことで成長を全体として底上げて、そして、いわゆる格差問題と呼ばれている問題の固定化というものを避けていこうじゃないか、こういうことを申し上げているわけであります。 ですから、言ってみれば、結果平等で何しろ格差を是正すればいいんだということだけではないだろうということを我々は申し上げているわけで、まずはチャンスを平等に与えなければいけないというのは、まさに今岡田先生おっしゃったとおりで、我々はまさにその考えに基づきながら、そのための支援をやって、働けない人が働けるように、そして、生活保護や福祉の中に言ってみれば閉じこもってしまった人に、足腰をみずからが強くできるようなチャンスを我々が支援しながらやっていこうじゃないか、そういうことで、いわゆる格差と呼ばれている問題、あるいは、けさ川内先生から大分出た、いわゆるワーキングプアの問題などから脱却をしていくように底上げを図っていこう、こういうことだと思うんですね。
○岡田委員 結果平等から機会平等へというのが一つの大きな流れだと私も思います。しかし、だからといって、結果平等というものを全く考えなくて、機会さえ平等であればいい、まあその機会ということの意味もいろいろあると思いますが、実質的な機会を確保されたらそれでよしということでは私はないと思うんですね。 つまり、政治の大きな課題の中に所得の再分配というものがある。そこについての安倍内閣の基本的考え方というものが、ずっと安倍さんの話を聞いていても見えてこないものですから、官房長官、もしお答えできるならお答えしていただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 今、岡田先生、所得再分配のお話をされました。所得再分配は、言ってみれば、全員が同じ所得を得ている場合には所得再分配というのはあり得ないわけであります。したがって、所得の多い人、少ない人があって、その中でどうやってみんなで支え合っていくかというのがまさに所得再分配。これは、税もあるし社会保障もあるわけであります。 我々は、格差を是正することだけを目標にするのでは決してなくて、それぞれの人々にチャンスを与え、そして、みずから働くことによって、働けない人が働き、そして働けない人が、今の言ってみれば生活保護という福祉の世界の中でもちゃんとやっていけるようにしていかなきゃいけないということは、もちろん我々、福祉の問題としてやっていかなきゃいけませんが、福祉にいなくてもいい人たちにも上がってもらわなきゃいけないということで言っているわけであります。 ですから、この我々の戦略は、まさに成長をする中でパイを大きくしていく、その中でこの所得再分配も起きていくわけで、格差を是正する元手はどこにあるのかというと、やはりそれは全体のパイがでかくなったり成長していくことによって初めてこの格差是正のための元手というのが出てくるんだろうと思うので、それを我々はしっかりと支えていこうじゃないか、下支えしていこうじゃないかと。そして、その基本は、やはり一人一人の働く人たちの能力でありますから、その能力向上をどうやって図っていくかということで、ジョブカードを中心に、人々がキャリアアップできるようなチャンスをみんなで支えていこう、そして、一方で、就労がなかなかできない人には、先ほど来繰り返し申し上げているように、働く機会をできる限りつくっていく支援をやっていこうということだと思います。
○岡田委員 この中身は、例えばジョブカードにしたって、どのぐらいの規模でやろうとしておられるのかというと、全く書いていないんですね。ですから、この報告書を見たってイメージがわかないんですよ、一体何を考えているのか。 官房長官、これは非常に急がれたと思うんですが、たしか二週間でしたか、どうしてこんなに急いで結論を出されたんですか。
○塩崎国務大臣 正式に諮問会議で総理から骨太の方針を待たずしてこの底上げの問題については早くやれと言われてから二週間、三週間の話でありました。しかしながら、我々は、もう政権発足当時から、もちろん、先ほど川内先生のときにお話ししたNHKの「ワーキングプア」の番組も見て問題意識はさらに先鋭化もしておりましたし、準備はずっとしておったことでありまして、二週間で全部つくったということでは決してない。ただ、前倒して早くやれということであったので、この二週間集中的にやったというだけで、突然二週間前に始めて二週間後に出てきたというような話では決してないということでございます。
○岡田委員 もし今官房長官のおっしゃるように、政権発足後ずっと真剣な議論をしてきたということであれば、どうして実施が、来年度ではなくて再来年度、平成二十年度からなんですか。今から一年以上空白になるんですよ。その間は準備期間だ、本格的な実施は平成二十年度からだと。もし本当に、官房長官がさっきおっしゃったように、これは重要な問題である、政権発足以来非常にプライオリティーを高く置いて検討してきたと、そうであれば、どうして来年度予算にそのことが盛り込まれていないんですか、一年間あけるんですか、そのことをお聞きしたい。
○塩崎国務大臣 もともと諮問会議などで、生産性の向上というのはもう重点プログラムとしてやっております。加速プログラムというのを今やって、これから中身が出てくると思います。高市大臣がやっていただいているイノベーション25、これも、製造業のみならず、非製造業にどういう生産性向上のイノベーションがあり得るかという観点を含めてやっているわけであります。 それから、最低賃金の問題はもう柳澤大臣から何度も繰り返しお答えをしているように、そういうようなものがすべて入っているわけでありますが、例えばジョブカードのようなものは年明けになって具体化を、名前をつけたりすることはやってまいりましたが、あらゆることは考えてきているわけでありますけれども、今御指摘のとおり、中には予算化がまだできていないようなものが、二十年度からというのはあります。 しかし、今回のジョブカードにしても、基本的には、国家資格でもないし、国が全部やるわけではない。やはり民が中心となって、それも政労使、行政も、それから労働組合の皆さんも、それから企業の人たちも、これは一緒になってやらにゃいかぬ。こういうことで、なるべく、国のお金をつぎ込んでやるようなものではなくて、民間の知恵の中で、キャリアアップをみずからの力でやれるような仕組みをつくっていこうじゃないか、こういうことで予算化されていないものもあるわけでありますが、もちろん事務費的なものが要ったりとか、そういうものはこれからもあろうと思いますので、おっしゃるとおり、それはこれからまた考えていかなきゃいけないことでありますけれども、いろいろな問題については、ずっと考えてきたことでございます。
○岡田委員 いろいろ言われましたけれども、この報告書自身にどう書いてあるか、もう一回最後に読んでおきます。「平成十九年度中は、基本的には本格実施の準備及び各施策を有効に組み合わせた先行的取組みを展開する期間とし、本格実施は平成二十年度からとする。」明確に書いてあるんですよ。だから、十九年度は準備期間だ。本当に、官房長官おっしゃるように、重要なもので前から検討してきた、そういうことであれば、こういうことにはならないと私は思います。そのことをまず申し上げておきたいと思います。 中身はこれからもう少し煮詰まったところで議論させていただきたいと思いますが、三本の矢ということでありますけれども、それぞれに具体性が非常にない、そういうふうに私の印象を申し上げておきたいと思います。 さて、もう一つの格差社会の問題として、外国人労働者の問題について少し申し上げたいと思います。先般、同僚の中川議員が取り上げておられましたが、中川さんと私は選挙区が隣同士で、同じような現実を見て、問題意識を持っているわけであります。 そこで、まずお聞きしたいと思いますけれども、日系外国人が日本に入ってきて労働者として働いているという中で、この前も私少し申し上げましたが、子供たちが学校に行く、そのことは非常に結構なことなんですけれども、しかし、学校に行かない子供もたくさんいるという現実がございます。 文部大臣、これをちょっとまずお聞きしたいと思いますが、義務教育の就学年齢の子供たちの中で、もちろん義務じゃないということではあるんですけれども、どのぐらいの子供たちが小学校、中学校に行っていないという現実にあると思っておられるんでしょうか。
○伊吹国務大臣 まず、外国人の入出国を管理しているのは、御承知のとおり、法務省です。法務省の統計によりますと、平成十七年度末で、我が国の外国人の登録者は約二百万人でございます。このうち、今先生が御指摘になりました、日本でいえば義務教育の年齢に当たる五歳から十四歳までの児童は十二万三千人おります。同時に、私たちが学校を調査しております。その調査で、義務教育の諸学校に在籍する外国人生徒は六万四千でございます。そうすると、先ほどの十二万三千と六万四千の差の約六万、これが未就学の児童生徒かというと、そうではないんですね。 それは、外国人学校へ行っている子供もおります。それから、何より私たちにとって悩ましいのは、法務省に外国人登録をしておられる二百万人という外国人だけではないんですね、日本におられるのは。ビザ切れの後で不法に日本におられる方もたくさんおられます。その方にもある程度責任があると思いますが、その方の子供さんにまで責任があるかというと、これはやはり非常に問題があると思いますから、この十二万三千と六万四千の差の六万以上に未就学の児童生徒はいると考えないといけないと思うんですね。 そこで、これは法務省の仕事でもあるかもわかりませんが、我が文部科学省としては、外国人が非常に多い地域、例えば先生のお地元の四日市ですね、こういうところの十四地域について、未就学の学生がどれぐらいいるかということを予算をかけて調査しております。まだ完全に、すべての数字が地方自治体から出てきておりませんけれども、例えば富士市という市がありますが、ここは、外国人の義務教育就学年齢に当たるけれども行っていない人が一・一いるとか、あるいは太田市というところでは一・七いるとか、こういう数字が出てきております。 この子供たちをどう扱うかについては、引き続き御質問があればお答えいたしたいと思いますが、とりあえず、実態はどうなっているかという御質問でございますので、以上のようなことでございます。
○岡田委員 日系外国人の場合に、それこそ派遣社員であったりというようなケースが非常に多いわけですから、なかなか一カ所にいない。例えばきょう、私の地元、三重県四日市市にいたと思えば、もう来月から浜松に行っているとか太田に行っているとか、そういうことも十分にあり得るわけで、そういう意味では、把握がどこまでできているかという問題は、幾ら調査してもあると思うんですね。 私は、子供たちには全く罪のない話で、本当にきちんと教育を受けさせてあげたいと思うわけですけれども、同時に、日本の国あるいは日本国民という視点で見たときに、違法に今日本にとどまっている人たちはもうお帰りいただかなくちゃいけないということでありますが、日系人として日本で働いておられて、そして今非常に定住化志向が高まっています。以前であれば、何年か働いてブラジルとかボリビアとかいろいろな国にお帰りになっていたのが、日本でずっと暮らしたいと。そういう事態が一方であるときに、義務教育すら終えていない若者たちがどんどんそういう形で日本にとどまって、そして、義務教育も受けていないということであれば、なかなか就職もままならない。そういう中で、これは、本人にとってもお気の毒なんですけれども、日本社会にとっても大きな問題を今生みつつあるんじゃないか、私はこういうふうに思うわけであります。 したがって、ここは、どの役所かと、この前も厚労大臣は自分の役所だけではないと研修に関して言われましたが、やはりもっと大きな取り組みで、例えばそういった子供をきちんと就学させていない日系人についてはもうお帰りいただくとか、そういうことも含めて、つまり、条件をつけるということも含めてきちんとした対応をしなければいけないのではないか、こう思いますが、だれに聞けばいいかわからないので、これは官房長官にお聞きしましょうか。官房長官、いかがでしょう。
○伊吹国務大臣 岡田委員の今の御質問は、私は非常にバランスのとれた御質問だと思います。 この問題の根本は、これはその人の、国家、日本の国をどう考えているかという政治理念、価値観によって大きく違ってくると思いますが、外国人労働者というものを経済の観点から日本の国内へ受け入れるべきなのか、それともどうするかというこの根本論をやはりきちっと議論するのが大前提だと私は思います。 教育の観点からいうと、日本の国というものを大前提にする限りは、憲法と教育については教育基本法というもので日本の教育の統治システムができている。そうすると、「日本国民は、」と書いてあるわけですね。しかし、先生が先ほどおっしゃった、それをよくわかった上でとおっしゃっているのは、まさにそのとおりなんです。一方で、国際人権規約の条約がございますね。それから、私たちは、教育基本法を議論する際に、民主党の出していただいた案についても、やはり国会でかなり幅広く議論されております。ここは、日本国内におられるあらゆる人はという書き方になっておりますね。 ですから、いいところはお互いに取り入れてやっていけばいいわけですから、この二つのことを考えると、入れてしまった限りは、不法な方は、これは政府の見解というんじゃなくて、政治家として私は、やはり帰っていただくのが筋だと思います。 しかし、合法的に日本に入っておられる方については、経済的な観点が一つ、それからもう一つは、語学的な面で日本の義務教育へ行けないという観点があります。ですから、経済的な分野は、就学のための助成というのは我が省でできますが、それ以上のことは少し難しい問題が残っております。 しかし、事語学が十分できないために日本の学校へ行けないという方々については、今まさにおっしゃった日系人、ブラジルの方々ですね、ポルトガル語を中心に就学ガイドブックその他をつくって、できるだけ日本語とポルトガル語の間の相互理解ができるように、各教育委員会に通知を出して、予算措置を講じております。 見ておりますと、多くはやはり、語学がというよりも、なかなか、先生がおっしゃったように、いろいろなところへ移っていく、それから経済的な基盤が整っていないということもあって、言葉だけをこちらが助成したから学校へ行けるという状態でもないようなんです。ですから、少なくとも合法的に日本に入ってこられた方については、私の役所だけではできませんけれども、全力を挙げてやはり日本としてそれに措置をするのが私は筋だと思って文教行政を預かっております。
○岡田委員 今大臣がおっしゃったことに加えて、私が申し上げたのは、合法的に今の制度のもとで入ってきたとしても、将来いろいろな問題を生みそうな場合にはやはり一定の制約をかけるべきではないか。そもそも、今の入管制度の中で合法であっても、実際にはそういう労働力として入ってきて、そこはいわゆる想定外のことが日系人については起きているわけですから、それを正面からやはりきちんととらえて制度を組み立てるべきではないか、そういう問題意識で申し上げております。 もう一つの、外国人労働力という意味で、研修・技能実習制度についても、これは厚労大臣だと思いますが、いろいろ政府の中でも議論されていることはそれなりに承知をしておりますが、入り口のところで、技能研修制度、それがきちんと機能していない。だから、それを直さなきゃいけないという発想で物事を組み立てていくのか。現実に、この技能研修制度の圧倒的な部分は単純労働である。だから、本当に技能研修という形で日本に入ってきている人、もちろん、いないとは言いませんけれども、それは限られた範囲で、ほとんどが単純労働。 例えば、最近ですと、もちろん中小零細企業で働いている方が多いわけですけれども、第一次産業、農業や漁業の現場でも随分働いておられますよね。例えばアジの干物をつくったり、カキの貝をより分けたりとかですね。そういったものは果たしてこの制度が前提にしているような高度な技能が必要なのかというと、現実は単純労働として、なかなか日本人もそうやりたがらない仕事ということもあると思いますが、行われている。 そういったことについて、これからどう考えていくのか。やはり単純労働というものも、この前も同僚の中川さんも言われましたが、一定の範囲で認めていくべきじゃないか、認めた上で制度をしっかりとつくるべきじゃないか。今の研修制度ですと、一年目は最賃法の適用もない。そういう中でいろいろな収奪も行われている。そういうことを考えると、本当に技能の伝承のために必要な部分は部分として、それは一つの制度としてあってもいいと思いますが、単純労働についても一定のたがをはめた上で認めていく、ただし、それは一定の期間いていただいてお帰りいただくという前提、そういうふうにきちんと整理すべきじゃないかというふうに私は思うわけです。 これは各省庁ではなかなか結論が出ない問題で、やはり私は、内閣官房が中心になって真剣に議論していただく必要がある、こういうふうに思いますが、まず厚労大臣、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 技能実習制度につきましては、私は、両面あったと思います。日本が空洞化というふうな言われ方もしたんですが、海外に工場進出するときに、そこで雇用する労働者をあらかじめ日本に呼んで本社工場か何かでがっちり技能実習をさせる、そういう意味の、本当にコネクションもしっかりした枠組みでのそういう技能実習制度もあったと思うんです。しかし、また他面、今岡田委員が指摘するような形で、むしろ、技能実習というよりも単純労働というようなものを頭に置きながら、そういった制度に乗せていったというようなことも実例としてはあるのではないか、このように思います。 これを一体どうするか。もう技能実習などという枠組みを取っ払って単純労働という形に思い切ってして、そういうこととして規制をしていったらどうか、こういう御提案かと思いますけれども、私ども、今技能実習制度というものを所管している役所の立場からすると、やはり、研修は研修でこの充実を図り、また実務の方は実務の方でしっかりと雇用管理をしていくというような方向でのいわば制度の改善、こういうことを志向していく、こういう方向にございまして、現在、その考え方に沿ってどういう改善が図り得るかということについて、専門家の人たちによる検討をお願いしているという状況です。 単純労働ということについては、これは入管法の本来の考え方、大きな枠組みがあるわけですけれども、それとの調整というようなことも当然必要になってくるでありましょう。そういう観点から、私がここで何か明確に物を言うということは、やはり差し控えたいと思います。
○塩崎国務大臣 特にいただいていた質問ではないわけでありますが、極めて重要な問題だと思います。 先生、今、外国人労働者、単純労働でも入れるべきではないか、そういうふうに思っていらっしゃるというふうにおっしゃったと思うんですね。今後どうするべきかということを政府として考えるべきではないか、こういうお尋ねだったかと思います。 いろいろ考慮すべき問題があると思います。先生がなぜ単純労働者を外国から入れるべきだとお考えになっているのか……(発言する者あり)入れるべきだというお話で、これからの話、現状の問題点はまた別にして、それで、入れる理由というものが何なのかということだと思うんです。もし、労働力がこれから減っていくから、単純労働者も減っていくから外から引っ張ってこいということであるならば、まだ我々は、さらにその手前に考えなければいけないことがあるのではないか。 まず第一に、日本国内で本当に、ニートというのは働いていらっしゃらないわけでありますから、こういう人たちがいる、この存在をどうして労働力化しないのかというようなこともあります。つまり、日本人の人的資源をフル活用しないままに単純労働者を外国から入れるということをどう考えるのか。 もう一つは、先生の御出身の官庁であります経産省が所管をしている産業構造の問題として、単純労働者を入れるということが日本の産業構造の変化にとってどういう意味を持つのか、これも考えなきゃいけないと思うんですね。つまり、絶えず高度化をしなければいけないということであれば、賃金が安いことをもって外国人労働者を入れればいいということであれば、競争力のない産業だけでも賃金を安くすればまだ競争力があるという産業をそのまま生かし続けることがいいか悪いか、そういう問題も考えなければいけない。 もう一つは、この社会、日本社会のあり方の問題として、ドイツやフランスなどでのいろいろな経験があって、我々はそれをどう受けとめていくべきなのか、そういった問題をやはり考えていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っています。 したがって、どっちという問題ではなくて、先生が御提起されている問題、極めて重要な問題でありますが、さまざまの問題をやはりクリアしていかなければいけないし、またダイナミックに考えていかなければいけない問題だと思っております。 官房で検討すべきということでありますが、問題意識は持って考えていきたいと思っております。
○岡田委員 官房長官、恐縮ですけれども、私、評論家に聞いたんじゃなくて、官房長官に聞いたんです。もちろん、あなたがおっしゃったようなことは十分わかった上で質問しているわけです。単純労働を入れれば、恐らく日本の、最賃法の話が今出ていますけれども、やはり賃金引き下げ圧力にもなっている、そういう面もあると思います。 しかし、一番考えなきゃいけないのは、もう既に単純労働として数十万の人が入っているという現実ですよ。これからのことを言っているんじゃないんです。今そういう現実にあって、それが、建前は研修とかそういうことですから、そのそご、建前と実際の違いの中でいろいろな問題が発生してきている、そのことを何とかしなければいけないんじゃないか。 もちろん、単純労働をどんどん認めろと言っているんじゃありません。しかし、今の現実がなしで済むかというと、私は必ずしもそうは思えないものですから、そういう意味で、一定のたがをはめた上でそういったものも認めていく、そういうことしかないんじゃないか、そのことについて、少なくとも総合的にきちんと内閣として検討すべきだということを申し上げているわけです。
○塩崎国務大臣 私は別に評論家として言ったわけではなくて、内閣官房長官として申し上げたわけでありますが、それは当然先生も、単純労働者を入れるべきだということであるならば、今私が申し上げたような問題について、すべてを答えていただかなければいけないと思うんですね。 では、あえて今の政府の立場を申し上げれば、どちらかといえば、やはり専門的、技術的分野については海外から入れましょうと。しかし、これは実際はふえていないんですね。むしろ減っている、職種によっては。では、それをどう考えるのか。 つまり、どういう経済社会を日本はつくっていくのかというときに、今は、外国から入ってきてもらう人たちには、やはり専門的な人たちに入ってきてもらって、そして日本の産業を高度化していかないといけない、競争力を強くしていかないといけないという意味でこうやっているわけです。したがって、単純労働者を入れることによって産業の競争力を引き上げていくという逆の方向をやるということが、それがいいことかどうかということを考えなければいけない。 今とろうとしているのは、やはり産業競争力は強くしていかなきゃいけないということで、日本の経済を、社会を強くしていこうということをやっているわけであって、そこにこの外国人労働者の扱いというのは政策として出ているわけであります。 それをどうするかというのは、さっき言ったような問題が全部クリアできたらやるという意味ですよというのは、それはなかなか難しいですよねということを丁寧にちょっと言ったつもりであって、もう少しはっきり言ってしまえば、今の問題がクリアされていない限りは、やはり、今まだできていないアッパーエンドの労働力を外国から入れるということをもっとやってから考えるべきことじゃないのか。そのことによって日本の経済というのは強くなるわけですから、それもできていないうちに、単純労働者だけ、数が減ってくるから入れようぜという話では済まないんじゃないかということを言っているわけであります。
○岡田委員 私の言っていることに全く答えていないわけですけれども、官房長官、ちょっと現実をよく見た方がいいと思う。もっと現場をしっかり見ていただきたい。 現実に、研修・技能実習制度という名の中でそれだけの単純労働が大量に入っている。これはこれからもどんどんふえていきますよ、放置しておけば。だから、単純労働を認めないというなら、現実に単純労働がどんどんふえている、そして研修・技能制度、先ほども言いましたけれども、一年目は研修だ、最賃法の適用もない、いろいろな人権侵害も報告されている、そういう現状があるということをしっかり踏まえて、そしてそれをどうすべきなのか。 もちろん、単純労働全部なしにこの国が回っていくならいいですよ。しかし、現実はそうじゃないでしょう。特に一次産業や零細企業でそういった外国人の力をもし取り除いてしまったら、やっていけないというところはかなりあると思います。それをどこまで認めるかというのは、もちろん政治の判断ですよ。 ですから、そういうことを、もっと正面から、逃げずに、現実を見て、そして内閣として対応を考えていただきたい、そのことを申し上げているわけでございます。
○塩崎国務大臣 全然逃げているわけではなくて、この研修・技能実習については、さっき柳澤大臣からお答えを申し上げたように、今いろいろな検討をしているわけですね。さっき御指摘のように、一年目は最賃も適用されないということで、結果として、あのNHKの「ワーキングプア」で出てきているようなものも、賃金が下がっている、あるいは下請代金が下がっているというのは、そういうところから起因しているというような指摘もあるわけであります。 それで、何もやっていないわけでは全くなくて、きょうは中野先生がおいでですけれども、私が前、副大臣をやっていました副大臣会議でも、この問題については正面から、それこそがんがんの議論で、どっちかという方向は明確に出ないものもありましたけれども、先生が御指摘になっているようなことはすべて考えていることであり、今も考えていることであるわけで、現実を見ていないわけではなくて、むしろ現実を見ているからこそ我々はずっと真剣な議論をやっているわけで、場合によっては、私たちがやった、中野先生が中心になってまとめていただいたペーパーもお届けしてもいいです。どれだけ我々が真剣に考えているか、あるいは現実を踏まえているかというのがおわかりいただけると思います。 むしろ、外国人労働者を入れること、単純労働者を入れることによって、では、どういう産業構造、競争力の産業をつくろうとしているのかというのを明示していただいた方がいろいろな議論にプラスだと思うので、ぜひ、先生、入れるべきだということを明言されるならば、どういう社会、経済にしていくのかというのもセットでお出しをいただくと、お互い勉強になっていいんじゃないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡田委員 官房長官、あなた、本当に不誠実な人ですね。 つまり、さっきから私が言っているのは、もう単純労働で入っているという現実をしっかり見据えて対策を考えるべきだと言っているんです。あなたは、単純労働は入っていないんだと言う。 そして、あなたが議論してきたその紙も私は全部見ていますよ。単純労働、外国労働者に依存しないという前提を立てて議論しているじゃないですか。結論はそうじゃないですか。だから、そこが、もう少し真剣に、いや、それは、心ある政治家は、どちらの言っていることが説得力があるか、みんな現場を見てわかっていると思いますよ。 ぜひ内閣として、しっかりと正面からとらえてもらいたい。このまま放置しておいたのでは、いろいろな問題が現に起きているし、さっきの学校の問題もそうですよ、いろいろな人権侵害もそうですよ。もちろん、ちゃんと研修制度の中でやっている人たちもいる。だけれども、そうじゃない部分もあるから私は申し上げているわけであります。 これでもう終わります。この話は不愉快だ。これ以上あなたとしても仕方がない。
○塩崎国務大臣 現実を踏まえていないというわけでも全くないし、単純労働者が事実上入っているという御指摘の点についても、私もよくわかっています。だからこそ、副大臣会議でも、それから今回の底上げでも真剣な議論をしてきたところです。 私の愛媛県は、今治地区にはタオルがあります。ここの、例えば染色とかそういう三Kのところは、ほとんどこの技能実習の人たちがやっているんですね。では、これをどう考えるのかということも考えなきゃいかぬ。造船もそうです。造船も、結構中国からたくさん入ってこられています、この技能実習で。それから、木材の加工をやっているところなんかもそうですよ。私たちは、それはもうよくわかって、現実にそれを見ていて、地域の経済の強さ、弱さというものを見ながら、今先生が御指摘になっているような問題については、本当に真剣に考えなきゃいけないと思って、現実に考えていることであります。 ですから、入っていないなどということを言っているわけでは全くないわけでありますが、なかなかしかし、そう一筋縄でいく話ではないからこそ、今一生懸命検討を続けているところでございますので、そこのところは、御理解をいただいて、答えが出てくるのを待っていただいて、それでまた議論をさせていただければありがたいと思うし、また議論も、その間、一緒にやらせていただきたいと思います。
○岡田委員 今、官房長官は、単純労働という現実はある、外国人が単純労働に携わっている現実はあるというふうにお認めになったわけです。 そうであれば、この技能研修制度で、その手直しでそれができるのかというのが次の問いなんですね。それは、技能研修制度の趣旨というのは、単純労働じゃないという前提で組み立てられていますから、それではその手直しではできないだろうというふうに私は思って、今まで議論をさせていただいたわけでございます。 続きは、また改めてやりたいと思いますが、とにかく、非常に重要な問題であるという認識を持って、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、経済と財政の問題について少し申し上げたいと思います。 この前も少し議論をしたわけですが、大田大臣に、小泉内閣のときの「改革と展望」、そこで示されたシナリオと、今回の「進路と戦略」の移行シナリオ、これは基本的な性格が変わったんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
○大田国務大臣 数字的なものは前回申し上げました。 今回の「進路と戦略」は、安倍内閣になってから初めて示す中期的な展望になります。安倍内閣は成長力強化ということを最大の課題にしております。したがって、その成長力強化のための政策をとり、その効果が十分に発揮された場合の経済の姿を示すというところに主眼を置いております。
○岡田委員 もうちょっと端的に言いますと、「改革と展望」の中ではこういう表現ですよね、政策努力を前提にした、標準時に考えられるケース。ところが、「進路と戦略」の中では、移行シナリオについての説明ですけれども、政策実行の場合に、視野に入ることが期待されるもの。つまり、標準的なケース、一定の努力は必要だけれども標準的なケースだというふうに示した「改革と展望」と、それから、政策実行の場合に視野に入ることが期待されるシナリオ、これは移行シナリオですね。基本的に位置づけが変わっているんじゃないですか。
○大田国務大臣 御指摘のとおりです。 「改革と展望」の参考試算におきましては、過去のトレンドと足元の実績に基づいて改革の効果を平均的に見積もっております。「進路と戦略」につきましては、成長力強化のための政策をとり、その効果が十分に発現された場合ということで試算をお示ししております。 もちろん、この政策の効果がどれくらい出るかというのは、民間を通して発揮されますので、不確実性がございます。したがって、発揮が不十分な場合、あるいは外部経済に悪い要因があった場合の成長制約シナリオもあわせて示しております。
○岡田委員 そこで財務大臣にお聞きしたいんですが、財政再建の際のもとになる数字ですね。 「改革と展望」、つまり昨年のときには、いわば改革努力を前提にしながら、標準的なケースということで、二〇一一年、三・二%、名目成長率、それで数字をはじかれた。今度は、それが三・九になった。しかし、それは、単に数字がふえただけじゃなくて、位置づけも変わった。かなり楽観的といいますか、期待値が入った数字に変わったわけですよ。 そうであれば、財政の計算をするときの前提として三・九というものを用いるのは、これはやはり違うんじゃないかというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○尾身国務大臣 このたびの「進路と戦略」につきましては、高い数字と低い数字と二つありまして、私どもは、非常に政策効果が十分に出た場合、あるいは世界経済が順調にいった場合というのを高い数字と考えておりまして、いろいろな要因で政策効果が十分に出なかった場合、世界経済の動向等が思うようにいかなかった場合ということで、二種類ございます。 私どもは、そのいずれをとるということではなしに、そのいずれの前提においても財政健全化ができるようなことを考えながら政策運営をしていきたい、こういうふうな考えでございます。
○岡田委員 これは、昨年随分経済財政諮問会議でも激論が闘わされたところだと思うんですけれども、昨年の骨太の方針二〇〇六では「財政健全化の取組は、」「名目成長率三%程度の「堅実な経済前提」に立つ。」と。いろいろな議論が行われた結果、やはり財政再建の前提になる数字というのはかたく見なきゃいけないんだ、そういう思想があったと思うんです。 今回、全体の見通しは三・九とぐっと上がったわけですが、しかし、ここの考え方は、やはり私は生きているべきじゃないか。将来目指す数字を、高目を目指すというのは、それはそれで一つの考え方かもしれませんが、やはり財政再建ということを考えるときには、そういう楽観的な数字ではなくて、かなり地に足のついた、そういう堅実な数字で財政再建の数字をはじくべきじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
○尾身国務大臣 全体として二つのパスを考えておりまして、そのいずれの場合にも財政再建が実現できるようにしていきたいというふうに私どもは考えております。 これが、具体的に、結果としてどのような数字になるかということはまたちょっと別でございますが、政策としては、高い成長を目指すような政策をとりながら、その現実の結果がどうなるかということを見きわめていきたい、こういうふうに考えております。
○岡田委員 大田大臣もお認めになったように、「改革と展望」の三・二と、それから今回の「進路と戦略」の三・九は数字の性格が違うということですから、そういう異なる、性格が変わったにもかかわらず、財政とかあるいは年金とか、いろいろなものの前提にこの三・九を置いて計算をしていくとすれば、それはかなりミスリーディングであるということを私は思うわけですけれども、大田大臣、いかがでしょうか。
○大田国務大臣 各省の試算が成長率についてどのような想定を置くかというのは、それぞれの考え方があると思います。 まず、今ちょっとお挙げになった年金の財政、これは超長期の経済前提によるものです。今回出されました暫定試算も、二〇一一年度までの経済前提は「進路と戦略」によっておりますが、二〇一二年度から二一〇〇年度までの超長期の経済前提は、最近の経済動向を踏まえて厚労省が設定したものです。実際、その「進路と戦略」の下の方のシナリオ、成長制約シナリオに基づいて想定がなされた場合も、年金の所得代替率は大きく変わらないということが示されております。 したがって、一方的に楽観的な試算を出している、そういうことは全くございません。そういう政策をこれから講じていくということです。
○岡田委員 前回、私は、上げ底路線だというふうに申し上げたんですけれども、目標としてそういうのを据えることを私は否定するものではありませんが、その目標値がいつの間にか実現可能な数字という前提でいろいろな計画ができていくということになると、それは違いますということを申し上げておきたいと思います。 次に、ノロウイルスの風評被害について一言。 この点は自民党の小野寺議員からも先般質問が出たところですが、私は、やはり相当気の毒なことになっているなと思うんですね。今、カキの養殖に携わる人たち、生産額が半分以下に、あるいはそれ以下に落ち込んで、単価も下がって、年が越えられない。つまり、春になるともうそれは廃棄しなきゃいけないというところも多いわけですね。 こういう事態にどうしてなったんだろうか。私は、役所の側に問題はなかったのかというと、やはりかなり責任があるんじゃないかと思いますが、厚労大臣、いかがですか。
○柳澤国務大臣 ノロウイルスについては、やはり、ウイルスで現実に発症をしてしまうというようなことを、私どもは一番、役所の役割柄、最も強い関心を払っているところであります。 そういう意味で、少し流行の兆しが見えた段階で、十二月の十八日でしたけれども、総理からも特別な指示をいただいて、よく推移を見て対策をとるようにということで、私ども、その予防のためのPRということを一生懸命やらせていただいたわけでございます。 そういうことが最も強い関心事でございますが、同時に、無用な風評被害等を生むということは、これはもう私ども断然避けなければならないことでございますので、私ども、今度のノロウイルス食中毒の発生状況などにつきましても、速報値を取りまとめながら、その時点におきまして原因食品がカキと特定された事例の報告はなかったというようなことを公表して、そういう無用な風評被害というようなものが生じないように、また特段の配慮をいたしたつもりでございます。
○岡田委員 私が問題だと思うのは、今のお話だと、十二月十八日の段階でカキを原因とするノロウイルスの発生はなかった。そして、ここ数年を見ても、かつてはノロウイルスの発生の中で魚介類を明らかに原因とするものが二割近く、二〇〇一年は二二%、二〇〇二年は一八%。しかし、二〇〇四年、二〇〇五年にはそれが四から六%程度にまで、半減以下、非常に減っているわけですね。そういうことの説明もきちんと国民に対してなされていない。ただ従来からの延長線上でやってこられた。ましてや、十二月の十八日までの段階では、その年はなかったにもかかわらず、カキとノロウイルスというのが非常に結びつけられて報道された。 そういうことについて、厚労省の発表の仕方、そこにやはり問題があったんだというふうに私は思いますが、いかがですか。
○柳澤国務大臣 そういうようなことは、当然、私ども避けなければならないわけでありまして、その観点から、都道府県等に対しまして、食中毒原因の公表の際に、正確な原因の公表によって風評被害の防止に努めるよう、そういうことに格段の留意をするように通知をするとともに、厚生労働省においては今シーズンの食中毒原因等の速報値の公表、また関係団体の要請を踏まえたQアンドA、これはもう非常に、厚労省としてのこの問題についての基本的な文書でございますので、これについてもこの要請を踏まえた改定を行った、こういうようなことをいたしておるわけでございます。 したがいまして、今後とも、専門家、関係者の意見を踏まえて、より的確な情報提供に努めて、特定の食品に対する風評被害が起きないように、これはもう格段の注意を払っていきたい、このように考えます。
○岡田委員 私も、ノロウイルスというのは非常に影響の大きい、しかも、昨年の暮れから非常に大規模にその被害が拡大する可能性があったわけですから、そのことについて厚労省がきちんと正面から取り組む、そのことは重要なことだ、そういう前提でお話ししております。 しかし、それにしても、ここ数年かなり減ったこととか、去年の段階で、まだその時点では出ていなかったこととか、そういうことがきちんと厚労省から伝えられないまま、従来の延長線上で報道された。そして、現に今大変な状況になっている。こういうことですから、単に想定問答を少し変えたとか、あるいは一般論として風評被害にならないようにと通達をしたということではなくて、やはり、カキを初め二枚貝の生産者の皆さんが今現に被害を受けているということに対して、もっとポジティブな、これは本来厚労省じゃないと言われるかもしれないけれども、しかし、現にその原因をつくったわけですから、もっとポジティブな広報をやって、そして国民の間にある固定観念というか誤解を解いていく、そういう努力を、厚労大臣、ぜひやってもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 そのつもりで取り組んでまいりたい、このように思います。 同時に、我々は、この問題について、やはり水産庁との連携も非常に大事だと思います。ですから、我々は客観的な事実をしっかり把握する、そしてそれを水産庁にしっかり受け渡して、水産庁はそれを受けて、厚労省もこう言っていますよというようなことでやっていくというような連係プレーも必要であろうと思いますし、現にそういうことにも心がけたというのが今度の我々の取り組み方でございました。
○岡田委員 まだ国民の認識はそう変わっているとは思えませんので、しっかりとやっていただきたいと思います。 きょうは終わります。
○金子委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。 次に、前原誠司君。
○前原委員 民主党の前原でございます。前回の続きをさせていただきたいと思います。 菅総務大臣にまずお尋ねをしたいと思います。 前回の予算委員会の冒頭の議論で、安倍総理と分権のあり方について議論をさせていただきました。そのときに、安倍総理はこういう答弁をされております。つまりは、分権の最終ゴール、どういう分権像を描くのかということが小泉内閣で全く議論されずに、目的地のないまま三位一体という中途半端なものが行われてきた、最終ゴールをやはりしっかり議論することが重要ではないかという議論をさせていただきましたときに、安倍さんはこう答えておられるんですね。私は、基本的には道州制をやはり考えていくべきではないか、このように思うわけでありまして、道州制を進めていくことによって初めて一極集中から地域に核ができてくる、道州制を見据えながら、それと同時に中核的な市を、広域的な連携も進めていくべきではないか。 そして、私がその前段で三層構造について言っています。基礎自治体、そして広域調整、これは緩やかな道州か強固な道州かは別にして道州、そして国という三層構造について申し上げたものを受けて、今前原委員が指摘をされたような姿に近いのではないか、こういう言い方をされているわけであります。 道州制担当も菅大臣はされているわけでありますが、最終ゴール……(発言する者あり)ああ、そうですか、失礼しました。地方分権を主管の大臣であると思いますけれども、総務大臣としては、最終ゴールですね、安倍さんは、私が三層と言うことについてああいうことをおっしゃったのは、道州制を軸にして、しかし中核的なものということで、そういう三層的なものには賛意を示されているわけでありますが、菅総務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 私も、基本的には全く同じであります。 ただ、一挙に道州制というのは、なかなか行くには時間がかかると思いますので、さきの臨時国会で成立をしました地方分権改革推進法、こうした法律によって国と地方の権限をやはり明確に私は分ける必要があると思うんです。そして、権限、財源、税源も含めて地方に移譲する体制をまず私はつくっていきたい。そして、そのことが徹底をすると、今委員が言われましたように、やはり国、道、そして中核をなす地方自治体、そういう形というのが私も望ましいと思っています。
○前原委員 小泉政権と違って、初めてその最終ゴール、もちろん詰めていかなくてはいけませんし、今菅大臣がおっしゃったように、これはプロセスは相当大変だと思います。したがって、最終ゴールを定める中で、このプロセスというものをどのようにしていくかということももちろん時間をかけてやっていかなくてはいけませんし、ただ、分権の姿というものを国民に見せながらしっかりと議論していくことが必要だと思っておりますので、またそこは建設的な議論をプロセスも含めてやらせていただきたいと思います。 そこで、なかなか分権といってもわかりにくいわけであります。国民にとっては何がメリットなんだということ、ここも私は分権の哲学として明確に政治が示す必要があると思うわけであります。私なりの考えはありますが、まず菅大臣から、分権のメリット、幾つでも結構ですよ、何がメリットなのかということ。国民が聞いて納得するような題材を我々は示さなきゃいけません。何がメリットだとお考えでしょうか、分権の。
○菅国務大臣 委員も地方議員出身だったと思いますし、私も横浜の市会議員を経験しました。そういう中で、やはり地方の自由度、このことが、これは補助金なり法律によって非常に制約をされている。そして、本来であれば実体を伴わない部分も国でさまざまな制約をしてきているということも、私は地方議会のときに非常にそうしたものを疑問に感じていました。 そして、やはり国というのは国全体にかかわる、よく言われる話でありますけれども、私は、外交だとか、防衛だとか、あるいは教育だとか、あるいはもろもろの司法の問題だとか、そうしたものを国がきちっとして、そして、住民の皆さんにとって身近な問題についてはやはり地方自治体が自由度を持って、そのかわり責任を持って物事を決めて実行に移していく、そういう姿というのが私はこれからのあるべき姿だというふうに思います。そういう意味では、地方の自由度を増す、そして責任もとれる、そういう体制というのが今一番求められているのではないかなというふうに思います。 それと同時に、道州制の担当大臣は渡辺大臣が今就任をされていますけれども、渡辺大臣と私は緊密に連携をしながら、道州制の議論というものは、あるべき姿というのは渡辺大臣のところで今、国民の大衆的な意見というんですか、考え方を喚起するようなことは渡辺大臣にやっていただいて、私は、現実問題に対応する地方分権改革推進担当大臣として、そうしたものを強く進めていきたい、こう思います。
○前原委員 今おっしゃったことについては全く異論はありません。 私の意見を申し上げると、大きく言って三つあります。 一つは、この間も安倍総理に対して申し上げましたが、今、余りにも多層的である、行政機構が。国があって、国の出先機関があって、そして都道府県があって、政令都市があって、中核市があって、特別市があって、市町村があるということと、今まさにおっしゃったように、補助金あるいは権限を国が握っている。そしてまた、起債についても、もちろん一八%という一つの基準はありますけれども、前よりは緩やかになったといっても、しかし国の関与はいまだに残っている。そしてまた、交付税措置という形でさまざまな複雑な計算もしなきゃいけないということ。それが、私は、コストと時間の無駄というものに物すごくつながっているんではないかと思うわけであります。 これは次回に譲りたいと思いますが、菅大臣は横浜の市会議員ということでいらっしゃいました。私は京都市という政令都市の府会議員をしておりまして、この政令都市と道府県の関係というものは極めてあいまいですよね。きょうはこれについては質問はいたしませんが、政令都市がたくさん出てきます、市町村合併の中で。しかし、政令都市ができても県の職員は多分減らないという問題が出てくるわけです。 県の権限を市に基本的に移譲するのが政令市ですよね。なのに、その政令市が生まれてきても、例えば新潟、これから、静岡なんか二つできますよね、静岡、浜松。大阪、堺。大阪はこれで二つになるわけです、大阪市と堺市。そして、大臣の御出身の神奈川県なんかは、川崎と横浜という二つの政令市がある中で、例えば市内選出の県議会議員でいえば百二名中五十七名でしょう。ですから、そういうところの無駄というもの、これは今、また議論させていただきたいと思いますけれども、そういうことも含めて無駄を徹底的に削らなきゃいけないということ。 二つ目は、やはり地域の個性とか特性を生かせるような権限、財源をしっかりと移譲させなきゃいけない。 もう一つは、私は、何でもある程度の競争は必要だと思うんですよ。そこで、地域に権限を与える中で、地域間の競争がしっかりと図られる。例えば、極端に言えば、道州制をどういう形にするかということの最終像で若干変わってきますが、税が変わってくれば、企業の移動、人の移動も起きるかもしれない。アメリカの連邦制なんかはそういう状況で、州によって税率が違う。そういう意味での競争原理というのは働くわけですね。どういう形にするかは別にして、私は、やはり地域間競争をいい形で生ませることが必要ではないかというふうに思っております。 この三つを私は思っているわけですが、特に三点目、地域間競争をしっかりと行う素地を分権でつくるんだということについて、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○菅国務大臣 まず前段の話で、委員が民主党の代表のときに、政令指定都市の県会議員について発言を踏み込んだものをされました。私は、そのときに、本質を突く発言だなと理解を示した者の一人であります。 ただ、そういうことは、多分、思っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、この改革の中でそこは整理をしていかなきゃならないだろうというふうに思っております。 それと、地域間の競争でありますけれども、私は、やはりこれはなきゃならないというふうに思っています。 今回、私は総務大臣に就任をしまして、二つのことを実は考えました。一つは、地方が国に対して非常に不信感を持っておりましたので、そこについて、まず安心感を与えることが一つ大事だろうというふうに思いました。もう一つは、地方に活力がなくなってきている。まさに地方の活力なくして国の活力なしが安倍内閣の基本方針であります。 ですから、地方がそれぞれみずから考えて行動に起こせる仕組みをつくらなきゃならないということを私は考えました。そして、頑張る地方応援プログラムというのを今つくっておるわけでありますけれども、地方には地方の魅力があります、そして特色があります、そうしたものを引き出す。地方が独自に地方間の競争をすることによって地方の活力が生まれて、そして国の活力が生まれるだろう、このように考えておりますので、委員の御指摘の地域間の競争というものは私も絶対に必要だと思っています。
○前原委員 総論は意見が合いましたけれども、頑張る地方プログラムについてはいろいろ申し上げたいこともありますし、また、地域間格差をなくしていく、地方を応援したいということに、これは後で議論しますが、私は今の地方財政計画を含めてなっていないと。むしろ地域間格差が拡大するような仕組みになっているということを、これは後で指摘をさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、地域間の競争は必要であると。それがやはり、私は、地域の活力のもとになるという前提に立たなければ、分権社会というのは国民にとって受け入れられないんだろうと思います。 さて、そこで、地域の格差あるいは地方の疲弊というものについて、少し具体的な事例も含めて議論させていただきたいと思うわけでありますが、夕張の問題であります。 昨年の十一月十四日に、夕張市が「財政再建の基本的枠組み案について」というものをまとめられました。菅大臣、この枠組み案というのは、だれが、どこがつくられたものなんですか、この案は。
○菅国務大臣 夕張市だと思います。
○前原委員 当然、私もそういうふうに思っておりましたし、夕張市がつくらなくてはいけないものだろうというふうに思いますが、今、夕張がいろいろなテレビで取り上げられて、マスコミでも脚光を浴びております。そして、あるテレビ局のクルーが夕張市に視察に行って、そして夕張市の職員と話をしたときに、その職員から、この「夕張市財政再建の基本的枠組み案について」というものは、ほとんど総務省が書いたものである、そして、最後の、市民負担額の試算だけは夕張市でつくった、そういうことを市の職員があるテレビ局のクルーに言っているわけでありますが、これが事実としたら問題だと思われませんか、大臣。
○菅国務大臣 そういう事実というのはないと思います。
○前原委員 これは、我々もそのテレビ局も認識をしておりますし、また、取材をした人もわかっているわけでありますので、調べたらわかることであります。 もしこれを本当に総務省が書いたとしたら大問題ですよね。大臣、今おっしゃったように、そういうことはないと思いますということでありますが、ここでお互い調べてない前提で議論しても時間の無駄でありますので、しっかり内部で調べて、私もさらに深掘りをして調べますので、調査結果を委員会に報告していただけませんか。 本当にこれは夕張市が書いたものなのか、それとも、夕張市の職員があるテレビ局のクルーに言ったように、総務省が書いたもので、最後の試算だけが夕張市が書いたものだということであれば私は大問題だと思うわけでありますが、そのことをしっかり調べていただけませんか。それで報告していただけませんか。
○菅国務大臣 間違いなく調査をして、委員長あるいは理事会の許可を得て、しかるべき処置をしたいと思います。
○前原委員 委員長、そういう大臣の御答弁ですので、取り扱いをよろしくお願いいたします。
○金子委員長 了解いたします。
○前原委員 さて、菅大臣、夕張のことなんですが、私はこれは、一つは、粉飾決算をしたということは大問題だと思っているわけです。会社で粉飾決算をやれば証券取引法違反ですよね。そして逮捕される、法的処罰を受けるということでありますけれども、粉飾決算をして、その責任者は市長になるんだと思いますけれども、責任者は。法的に、粉飾決算をしたことについて、今の仕組みで、罰則、あるいは国が市長を訴えるということはできないんですか。
○菅国務大臣 現在の法の中では、国が訴える仕組みというのはありません。 私が去年夕張市を訪問した際に、市長と議長、副議長から、不適切な財政処理について、私に対して昨年の暮れにおわびがありました。
○前原委員 私も調べました。総務省にも問い合わせて調べましたけれども、今の仕組みでは粉飾決算をした自治体を処罰することはできないわけでありますが、これは、極めて私は大きな法の抜け穴だと思うんですね。 今、今国会に提出を予定されている、いわゆる早期是正措置、あるいは法的処理の問題。今の法的処理の問題、財政再建制度の問題というのは、これはかなり昔の法律ですよね。相当古い法律ですね。しかも、特別措置法という法律ですから、今、財政再建団体は準用という形で全部やっているということでありまして、古いものということと、今申し上げた早期是正措置というものが今のところない。それから、法的に、そういう法を犯した場合、行政責任を問うことができないということ。それから、今回法律に出されますけれども、今のところは一般会計というもののみにスポットが当てられていて、例えば水道とか観光とか、夕張はまさに観光の特別会計、そこでつけかえを行ったわけでありますが、そういったところすべて含めた把握をする仕組みになっていないということで法律案を出されると思うんです。 この新たに出される法律案の内容を見ていましても、いわゆる罰則規定というか、その法律を犯したとき、早期是正措置をやるから、ちゃんとこれからはしっかりとフォローするからそういうものは生まれないんだということなのかもしれませんが、やはり私は、首長の責任、行政責任をしっかり問うような仕組みをつくらないといけないのではないか。最後に、結果的にそういう粉飾決算をして手当てがおくれて、そして、後で議論しますけれども、財政資金を投入しなきゃいけないということになると、これは夕張市民のみならず、北海道民のみならず、国民全体がそのしりぬぐいをしなきゃいけない、こういうことになりますよね。 新たに今国会に提出しようとされている早期是正措置についてもその点が抜けていると思うんですが、その点についての大臣の答弁をいただきたいと思います。
○菅国務大臣 委員御指摘のとおり、今度私どもが考えている早期是正法、今の法律は昭和三十年にできた再建法でありまして、非常に時間がたっております。そして、結果的には、今回の夕張問題のように一挙に、市が財政再建団体に入ることを表明して初めて表面化するわけですから、レッドカードの前にイエローカードのようなものをつくる。それも、御指摘いただきましたように、第三セクターも含めて連結ですべてがわかるような仕組みをぜひつくりたい、こう考えております。 そういう中で、この早期是正対象になれば、常勤監査というのもこれは入りますから、今委員の懸念されたようなものは私はないというふうに実は思っていますけれども、一般的には刑法で対応するのかなというふうに実は思います。
○前原委員 刑法で対応するのは、私は今の市長を告訴してくれということを別にここでは言っているわけではありませんが、何が言いたいかというと、やはり責任と、そして、私は国の法の不備だと思うんですよ。つまりは、先ほど、今国会に出されるわけでありますが、早期是正措置がなかった、あるいは三セクとか特別会計を含めたいわゆる全体の連結決算を見る仕組みがなかった、その中で、いわゆるああいう脱法行為が行われたということだと思います。だから、そこはしっかり穴埋めをしなくてはいけない。 それと同時に、私が申し上げたいのは、そういう国の法の抜け穴を縫ってああいう粉飾決算が行われて、その結果、極めて莫大な借金を抱えてしまったということは、今までの財政再建団体と私は別個に扱うべきなんだと思うんですね。どういうことかというと、これだけ大きくなったのは、もちろん粉飾決算をした人が悪いんですが、そういう抜け穴の中で、こういう大きな、莫大な借金につながってきて、それを前提に市民に対して、財政再建団体に落ちたんだから厳しい状況でのんでくれと言っても、これはきついんじゃないか。 つまり、今までの財政再建団体と同列に扱うことは、私は、おかしいんじゃないか。おかしいというか、それは、繰り返し申し上げますが、粉飾決算をした市長が悪い、市が悪い。しかし、それを認めるような、抜け穴の、いわゆる早期是正措置や連結決算を見る仕組みが国としてはなかった。だけれども、それで結果的には莫大な借金が膨れ上がってしまった。それで、十八年間で夕張市の市民に対して、あるいは職員に対して、だから今までどおり、同じように、これだけの赤字なんだから切り詰めてやってくれというのは、ちょっと私は無理が多過ぎるような気がするわけです。 例えば、首長の給与が七割カット、これはいいでしょう、特別職。これは私は仕方がないと思いますよ。しかし、一般の職員の給与は三割カットですよね。しかも、特別手当は全部なくなるわけですよ。すると、平均四割カットですね。四割カットで、それで我慢してくれという話。 それから、退職金。やめさせる人間を多くしたいという意図があったんだと思いますが、この仕組みを見ていますと、早くやめた方が得ですよね。つまりは、平成十八年度にやめたら五十七カ月出ます、十九年度にやめたら五十カ月、次の年は四十カ月、次が三十カ月、二十カ月、どんどんどんどん低くなっていく。早くやめた方が得だと。 労働組合が調べたところ、今、市の職員で八五%の人が二、三年でやめたいと言っている。今度の三月末で、今三百九名の職員のうち、百五十二名がやめると言っていて、まだやめたいと言っている人たちがたくさんいるわけですね。これは行政崩壊になりませんか。 つまりは、粉飾決算で膨れ上がったものを今までどおりしゃくし定規に再建計画、これは本当にサステーナブルなのかどうなのか、もつのかどうなのか。私、これはもたないと思います。十八年間これで我慢してくれと言ったら、さっきの大臣の答弁じゃないですけれども、これはみんな逃げちゃいますよ、ほかの地域に。そして、結局、外に行けない人たちが残るだけになって、今でも六十五歳以上の比率は四〇%ですよね、夕張。これはむちゃくちゃな再建計画だと私は思う。その点、いかがですか。
○菅国務大臣 これはぜひ御理解をいただきたいんですけれども、夕張市の人口は今一万三千人です。今委員から三百人を超える職員という話がありました。全国で一万三千人の規模の人口の市の職員というのは、約百五十人ぐらいなんです。ちょうど今の夕張の半分ぐらいのところでありまして、そういう中で頑張っている地方が今たくさんあるわけでありますから、それは少なくともそこぐらいまで、やはり夕張市も職員の数というのは切り詰めてほしいなというのが私の率直な考え方であります。 ただ、このことによって標準的な住民サービスに支障を来すようなことがあってはまずいですから、どこに行っても一定水準の行政サービスを保障するのが私どもの立場でありますから、そこは北海道庁がうまく、市民の皆さんに急激な職員減にあってもそうしたサービスができるように、今連携をして取り組んでいるところでありますので、御理解をいただきたいと思います。
○前原委員 直接お答えいただいていないと思うんですが、半分まではいいかもしれない、でも、さっき申し上げたように、二、三年で八五%の人たちがやめたいと言っている。もしやめたら、一五%の人が、おれも、おれもやめるよという話になりますよ。すると、だれも行政サービスを担う人がいなくなるわけですよ。 具体的なことを申し上げましょうか。 私も十二月の中ごろに、去年、夕張に行きまして、市あるいはいろいろなところに行きましたけれども、その一つに消防署に行ったんです。消防署、今は救急救命士の方が十一名いるわけで、そして二台の救急車、二十四時間体制でこの二台の救急車を十一名の救急救命士で運用している。三月末でやめられるのは四人ですよ、希望退職。七名になる。七名になったら、二台の救急車を運用できないんです。一台しか運用できない。 大臣が一番よく御存じだと思いますが、病院、これが今度診療所に格下げになりますよね。今でも自治医大から来てもらって、ようやく二名。しかし、三月でやめちゃう。だけれども、村上先生という方が今一人で頑張って何とか、診療所に格下げするけれども、有床診療所としてやろうとされているけれども、救急を受け入れるのは無理ですよね。となると、救急車が出動するような事態になったときに、夕張の外の自治体に救急車が行って患者を搬送するということなんです。栗山とか、あるいは岩見沢とか、あるいは、ちゃんとした施設がないといけない、設備がないといけないところは札幌まで行くわけですね。雪がなくて、ようやく高速を使って、うまくいって一時間半ですよ、片道、札幌まで。そうすると、救急車が出動すれば最低でも一時間半か二時間ぐらい帰ってこない。札幌まで搬送するということになったら、これは三時間か四時間ぐらい帰ってこない。一台ですよ。 先ほど、道とおっしゃいましたけれども、消防、救急は、市ですよね、市町村ですよね、担当は。ということは、道としてはこれは協力できない話もあるわけですよね。あるいは水道の話もそうですよ。 つまりは、こういった、もう目の前に、いわゆる技術を持った方々が退職希望、そして、特にこういう技能を持った人たちは給料の高いところに行きたいわけですよ、ほかのところに。先ほどの大臣の地域間競争、まさにそれを地でいくような話ですよ。流出していって、残るのは出ていけない人たち。だから、こういうことが実際に起きていて、先ほど御答弁いただいた、最低限の行政サービスは提供するような仕組みにするということにならないんです。どうお考えですか、今の救急救命士、一つの例で申し上げましたけれども。
○菅国務大臣 今、病院の話もありました。人口一万三千人の全国の市町村で総合病院を持っているところが幾つあるかということを考えたら、やはり一万三千に総合病院というのは、国民から今の状態では理解をされないんじゃないかなというふうに私は思っています。 救急車の問題であります。これについて、確かに非常に細長い地域でありまして、私も行きまして、救急体制というのはやはり確保しなきゃならないと私も思っております。そこで、二台の現行の体制、これを維持できるように、一月末現在、救急救命士、十一人いらっしゃいますけれども、これが七人になるということでありますが、六人体制で二台はできるということに、私、報告を受けておりますので、今までどおりの形で、二台の救急体制で行うことができるようにというふうに私は理解をしています。
○前原委員 一番初めの話に戻りますが、この夕張というのは、粉飾決算をやって、そして国の基準をさらに大きく上回るような莫大な借金をつくってしまったわけです。それは夕張が悪いんですよ、おっしゃるように。しかしながら、それを背負わされるのは市民なんですね、基本的に。だったら、先ほど、今まで十一人で二台回しているものを七人で二台回せ、できるからということですけれども、この人たちの給料、さっき申し上げたように、特にこの出動手当とかもなくなるわけですから、四割カットですよ、給料。 だから、これが本当に持続可能なのか、十八年間。私は無理だと思う。だから、そこは柔軟に、これは特別だと。もちろん、それは夕張の責任も問う。だから、できれば私は行政として夕張を何か処罰するということがあってもいいと思う、そのトップについては。しかし、そのとばっちりを受けるのは市民だということから考えて、もう一度この再建計画を私は見直した方がいいと思いますよ。どうですか。これは十八年間もつと本当にお考えですか、今お話をしたようなことも含めて。 〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○菅国務大臣 まだ正式には私のところには来ておりませんけれども、素案ベースでは当然来ているわけでありますから、その中で実現可能だなと私は今の時点で考えております。
○前原委員 これはしかし、たちまちに、先ほど申し上げた救急救命士、一つの例でありますし、時間がありませんので具体的には申し上げませんが、水道の技術者を含めて、それだけ給料を減らされて、そして退職金は早くやめた方がたくさん出る。そして、今、調査では、八五%の職員がやめたいと言っている。こういう状況で、とてもじゃないけれども、大臣は抗弁されますが、私は持続可能だと全く思わない。 だから、繰り返し申し上げますけれども、悪いのは夕張市ですよ、粉飾決算をした。だけれども、それで隠れて、問題が露呈するのがおくれて莫大な借金がふえてしまった。それをしゃくし定規に、特例措置も設けずに、悪いのはあんたたちなんだから基本的にこれでやりなさいと言っても、うまくいくものとうまくいかないものがあって、これは絶対にうまくいかないということを私は申し上げておきたいと思います。大臣の今のお立場ではうまくいくと言わざるを得ないのかもしれませんが、これは本当に市民の立場に立って、特別な例なんだと柔軟に見直して、そして、今後そういう粉飾決算が起きないようにしっかりするんだということも含めて、柔軟に見直すということぐらいは答弁していただけませんか。
○菅国務大臣 まだ私、これに同意する前でありますから。 私は、昨年の暮れ、十二月二十九日ですか、夕張市に行きました。そのときも夕張の素案というのはありました。しかし、私、現場に行ってみて、二つのことを実は変えなきゃならないなと思いました。 それは、総理の指示もあったわけですけれども、高齢者ですね。委員も夕張市へ行かれて、非常に南北に長くて、バス料金が私どもの感覚と比べてはるかに高いんですよね。病院に行くのに片道九百三十円でありましたから。しかし、全国で高齢者のパスを廃止している団体も結構今出てきていますから、当時はそう思ったんですけれども、やはり九百三十円というのは、余りにもこれはひど過ぎるだろうと。そういうことで、そこについては配慮をさせていただくことにしました。 それと、子供の手当てであります。これについても、北海道の中でも二つの市町村が、国基準でやっているところ、現実に実はあるんです。しかし、それをいきなり国基準に合わせますと多い方は月一万円負担が多くなるということで、これも実は私は、段階的にということで猶予期間を置かせていただきました。あとは、小学校とかあるいは子供たち、やはり夏はプールで泳いだ方がいい、こうも実は思いました。 そういう中で、できるだけ私どもとすれば柔軟に対応をさせていただくつもりで実はおります。ただ、やはり全国から見て、これは非常に注目していますから、全国の国民の皆さんが、夕張、ここまで頑張っているんだ、だからこれぐらいは、そういう雰囲気を出すまでに夕張市に頑張ってほしいなというのが私の率直な考え方であります。 それと同時に、私、去年夕張に行って非常にうれしかったのは、いわゆる市民団体の皆さん、NPOを初め、そうした人たちが、自分の町は自分たちで再建しよう、そういう息吹というものですか、そういうものを私は強く感じました。ですから、そういう面はぜひ応援していきたい、そういう思いを抱いて帰ってきました。 以上です。
○前原委員 この議論はこれで終わりにしたいと思いますが、大臣、ぜひ柔軟に。これは、もちろんほかにも大変なところはいっぱいありますよ。いっぱいあるけれども、先ほどから何度も申し上げているように、粉飾決算をして、知らない間に莫大な借金がふえてしまって、それのツケを払わされるという状況の中で、まさに職員の流出、あるいは希望退職含めて、行政崩壊の間近にあるんだというような認識を持っていただいて、この間行っていただいて、先ほどおっしゃった高齢者に対するバスの補助の問題とか学校の問題というのは柔軟に見直されたということでありますので、私は、ぜひ市民生活の目線に立って、持続可能な計画をしっかりと、常に修正を考えながらやっていただきたいと要望だけしておきたいと思います。 さて、大変な地域は夕張だけではありません。そこで、地方財政計画について少し議論させていただきたいと思うわけであります。 地方財政計画、どんどんどんどん下がってきております。前年よりも、ことしは、二〇〇六年に沿って歳出を抑制ということで、一般歳出については一・一%減ということで、地方財政計画の規模については六年連続で減らす、こういうことであります。 私が注目したのはどういうところかというと、景気回復ということが言われております。特に地方に実感がないというのは申し上げるまでもありませんが、例えば地方税だけ見ていると、平成十八年度が三十四兆八千九百億円あった、そして、来年度、つまり平成十九年度の予測では四十兆三千七百二十八億円ということで、地方税については五兆四千七百四十五億円ふえるんですね。 しかし、地方財政計画全体を削減するという中で、いわゆる地方譲与税とかあるいは地方特例交付金とかあるいは地方交付税というものを減らして、そしてトータルとしてはこの地方財政計画というものを抑制する、こういう仕組みになっているわけですね。 これはどういう問題が起きるのかということでありますが、財政力指数の高いところはいい、つまりは、税収が上がる地方はいいんですよ、これは地方税は上がっていますから。しかし、経常収支比率が高くて、そして財政力指数の弱いところは、いわゆる国からの交付税とかこういう譲与金とか、そういうものをもらわないとやっていけないんですよね。 つまりは、この仕組みだと、地方税は上がる、しかし、ほかの譲与税と交付税は下げる、そしてトータルの地方財政計画については抑制をするということになれば、地方の中でも、いわゆる地方税の集まるところと集まらないところの地方間格差、地域間格差というのはまさに広がるような仕組みになっていませんか、大臣。
○菅国務大臣 御指摘のとおり、地域間で格差が出てきているということは、これは事実だというふうに思います。例えば、一つの例として三重県を考えた場合に、北は非常に企業が進出をしてよくなっているけれども、南がその分と比較をすると非常に少ないとか、そういう状況にあることは間違いないというふうに私も思います。 ただ、全体として少しずつよくなってきているということも御理解をいただきたいと思います。
○前原委員 今大臣がお認めになったように、この仕組みというのは、地方税収が上がった、そしていわゆる交付税あるいは譲与金というものを下げて地方財政計画を抑制するということになれば、地域でも経済のいいところと悪いところ、これは交付団体でもですよ、不交付団体だともっともっと税収は上がっているわけですから。だから、そういう意味においては、この仕組みというのはまさに地域間格差がさらに広がるようなものになっているということをお認めになったわけですけれども、それは私は問題だと思うんです。 さらに、新型交付税、今度出してこられますよね、この通常国会に。それだと、基本的にはどういう仕組みになっているかというと、人口とそして面積を掛け合わせたものになっているということであります。 私も若干、前回予算委員会で触れさせていただきましたけれども、先般、我が党の岩國委員が大変いい資料を前提にいい質問をされておりましたけれども、ちょっとお配りした資料を見ていただけますか。一番最後に添付されている七というのが岩國委員が使われた資料であります。教育赤字という言い方を岩國委員はされておりましたけれども、つまりは、地方が人材の供給源になっているということであります。つまりは、仕送りも含めて、疲弊している地域がどんどんどんどん中央に人材と金を送っているという構図がここにかいま見られるわけですね。 それから、これはこの間つくった資料をもう一度ごらんいただきたいんですが、五枚目、五ページ、日本人の人口・合計特殊出生率ということで、ごらんをいただきたいわけでありますが、大都市ほど合計特殊出生率は低いんですよね。低いけれども、人口が集中しているから、人口はどんどんどんどんふえていっている。でも地方は、逆に言えば、出生率は高いのに、先ほど申し上げたようなことでどんどんどんどん人口が減少している。まさに、先ほど申し上げた、あるいはこの間岩國委員が指摘をされたような、地方が人材の供給源になっている、そしてまた、仕送りもして金も中央に集まっている。 しかし、この新型交付税、これをこのまま導入していきますとどういうことになるかというと、人口掛ける面積という、もちろん係数がつきますけれども、なりますので、これは格差が逆にまた広がっていくことになりますよね。 二〇〇七年度、平成十九年度は一割を新方式で算出するけれども、次年度からはその枠を拡大するということで、二〇〇九年度には新型の比率を三割にふやすということになれば、今申し上げたような現実を踏まえれば、先ほどの地方財政計画についても、税収の上がるところとそうでない地域の格差がますます広がると同時に、いわゆる出生率は高いけれども人口は減少していく、つまり、働き場所がない中で帰っていけないというところの格差がさらに広がることに、地域間格差を広げるようなことになるんじゃないですか。
○菅国務大臣 先ほどの私の答弁の中で財政力指数が低いところの話をしましたけれども、そこには、例えば十九年度は交付税総額を確保していますので、それはそういう形の中でしっかりと対応させていただきたい、このことをつけ加えさせていただきたいというふうに思います。 そして、新型交付税ですけれども、これは委員はもう既に承知の上の質問だと思いますけれども、今の交付税の算定項目数というのが九十幾らあるんですよね。非常にわかりにくい。それと、例えば、ことしの交付税が幾らで来年は幾ら、その次は幾らという予見可能性、これもなかなかつかみにくい。そういう中で、この新型交付税というのは、予見可能性を高めるために、算定項目数を簡素化するための一つとして私ども実は考えさせていただいたものであります。 そして、これは、基本的には、過疎地のように人口の少ない団体においては一人当たりの行政コストというのは当然割高になりますから、そういう係数を掛けるだとか、あるいは、今までの離島における通信だとか移動だとか、ほかのところと比べると非常に経費もかかるわけですから、そうしたものを十分に配慮した中で導入をさせていただきたいと思っておりますので、格差を広げるのではなくて、簡素と、そして予見可能性を高めるために、そういう目的でやっておりますので、拡大にはならないように地方団体とも相談をしながら今取り組んでおります。
○前原委員 具体的な議論というのは、また具体的な数字を挙げて議論させていただきたいと思います。 厚生労働大臣、今の議論の前提で、地方がどんどんどんどん人数が少なくなっていて、そして高齢化が進んでいるという状況があるわけであります。その場合、お配りをしている資料の六を見ていただければおわかりをいただけますが、介護保険ですよね。これは、地方では、いわゆる保険者として地方自治体がもう無理だということをおっしゃっているところが多々出てきている。これは耳にされていると思います。 つまりは、介護給付の負担割合ということになれば、半分に割って、行政が半分を負担する。特に、国と地方自治体で折半をし、そしてその残りを都道府県と市町村で割る。そして、その残りの半分については、第一号被保険者と第二号被保険者、一九対三一で割るということでありますけれども、この一九%の負担を求めるいわゆる高齢者の方がどんどんどんどんふえていく。しかし、四十歳から六十四歳までの人たちは減っていくわけですよね。 ということになれば、この介護保険のいわゆる保険者を自治体がやるということについて、もう限界に来ているんではないか。これは、仕組みそのものを見直していかないと、まさに先ほど申し上げたような持続可能なものではないのではないかと思いますが、厚生労働大臣、いかがですか。 〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○柳澤国務大臣 介護保険の負担でございますけれども、今委員がおっしゃられるような図式、資料の六ページの仕組みで運用されています。こういう仕組みでございますけれども、これで現実がどうなっているかと申しますと、平均値を中心として、まだそれほど開いていないという認識でございます。それからまた、例えば大都市が非常に楽をしているというようなこともなくて。 いずれにしましても、この一号被保険者、第二号被保険者の関係の難しさというもののために、あらかじめ調整交付金というものを国が用意しておりまして、それの平準化のために努力をする、そういう仕組みになっておりますので、ぜひそういうことも含めてこの制度の運用を円滑に進めていきたい、このように思います。
○前原委員 いや、私が聞いているのは、理解してくれということじゃなくて、人口減少社会、特に地方ではもう、日本全体では二〇〇四年から人口減少でありますが、地方ではもっと前から人口減少してきているわけですね。そして高齢化が進んでいるわけであります。その中で、この今申し上げた仕組みが成り立ちますかということ。 つまりは、一九%の第一号被保険者の人数が多くなってきて、第二号被保険者の数が少なくなる、そして地方もそれだけ人数が少なくなるので、保険者としてやっていけるような状況になっているのかどうなのか、持続可能なのかということを聞いているわけです。そういう認識、まだこれは持続可能だと思われているわけですか。
○柳澤国務大臣 これは、全体の費用が、給付費が膨らむということは、この円の面積が膨らむということでありまして、その円の膨らんだものを前提として、今言ったような負担割合で負担をしていく。そして、その負担割合につきまして、例えば、後期高齢者の人口構成割合が大きいとか被保険者の所得水準が低いとかというような、市町村の責めによらない理由のあるときには、保険給付の五%に相当する額でもって、それを調整交付金ということで調整をしていく、こういう仕組みでございます。
○前原委員 いやいや、説明をしてくれと言っているのではなくて。 これについても、少し数字をこれからまた挙げさせていただいて、どれだけ地方が保険者としてもう成り立たなくなっているのかということを、実例を挙げて、これから厚生労働大臣と引き続き議論させていただきたい。持続可能ではなくなってきているという認識もぜひ念頭に置きながら、実態を見て、そして御検討いただきたいというふうに思います。 さて、道路特定財源の話をさせていただきたいと思うわけでありますが、昨年の十二月八日に閣議決定がございまして、道路特定財源についての具体策ということでございますが、よく読んでもようわからぬところがあるんですけれども、「真に必要な道路整備は計画的に進める」ということで、この「真に必要な道路整備」って何なんだろうと。これは極めて主観的な問題だと思うんですね。ある地域の人たちにとったら、人口が少なくても、いや、おれたちにとっては真に必要なんだといえば真に必要でありますけれども、費用対効果を考えたときに、この「真に必要な道路整備」というのは、まあ政治的な妥協の産物なんだと思いますけれども、これは国土交通大臣、どういうふうな定義を、これは議事録に残るあれですから、この「真に必要な道路整備」というものの定義を少しお話しをいただきたいと思います。
○冬柴国務大臣 大変議論があったところでございまして、私は、受益と負担を、そのバランスをとるためには、そんな抽象的な言葉では争いがあっても困るので、具体的に、その整備の量とか内容を明らかにしなきゃならないということで、その次に書いてあるように、「十九年中に、今後の具体的な道路整備の姿を示した中期的な計画を作成する。」という言葉、定義ではありませんけれども、具体的にわかるようにその内容を示した方がいい、その姿を示した方がいい、真に必要かどうかということで争いがあっても困りますので。そういうことでございます。
○前原委員 この閣議決定においては、こういうことも書いてあるわけですね。今大臣おっしゃったように、十九年中に、今後の具体的な道路整備の姿を示して中期的な計画を策定するということでありますし、それから、二十年の通常国会において、この道路整備に充てることを義務づけている今の仕組みを改めるという所要の法改正を行う、こういうことがなされていて、また、毎年度の予算において、道路歳出を上回る税収は一般財源とするということでありまして、別に平成十九年度は義務づけされていないわけですね、一般財源化すると。 ただ、一般財源化されましたですね。一千八百六億円と一般財源化されたわけでありますが、これは、国土交通大臣、今後のいわゆる真に必要な道路整備計画で、もちろんそれは税収がどうなるかというのはありますけれども、大体この千八百六億円ぐらいが今後も一般財源に回してもいいような数字ということで平成十九年度に頭出しをされた、こういう理解でよろしいんでしょうか。あるいは、これをもっと減らすんですか、それともふやすんでしょうか。
○冬柴国務大臣 十九年は、十五年に五年計画で、五年間に暫定税率をいただく分に対して三十八兆円の道路整備を行いますというボリュームは示してあるわけです。したがいまして、十九年まではこの暫定税率というのはもう決まっているわけですよ。二十年以降どうするかという問題で、今までのように、税収即、要るか要らぬかは別としてですよ、そんなことないんですよ、たくさん要ると思うんですけれども、とにかく、即それが道路整備費に回るという、その仕組みは五十年ぶりに変えましょうということでございます。 それで、十九年に、ではその一般財源に回した分は何だと、これはいろいろ考えることがあります。それは、過去において補正予算等で、本来は道路整備費として支出しなければならないような分を出していただいている分があります。例えば、今年度でも集中豪雨で多くの河川がはんらんして、そして道路も壊されました。そういうものを整備するために、今回も補正で道路整備に要する費用が支出されております。これは緊急やむを得ない部分でございます。しかし、そういうものを積算すれば、おおむねそういう金額にはなると私は思っています。 そういう意味で、今回、毎年毎年その税収と道路整備に必要な部分とを比較しながら、一般財源にどれほど回るか、すなわち道路歳出はどれだけだったかということから出てくるわけでありまして、今回のものが前例になって今後それがふえるとか減るとかいう感覚ではとらえておりません。
○前原委員 財務大臣にお伺いしたいんですが、平成十九年度予算において一般財源化されたこの千八百六億円というものは、国の道路特定財源三兆四千七十六億円から見ると五・三%、あるいは地方の道路特定財源を含めた道路特定財源、国、地方全体は五兆六千百二億円、それからすると三・二%なんですね。 この問題の議論の中で、もちろんこれから議論されるということでありますけれども、国民からして、一般財源、五十年ぶりに変えるんだと安倍さんも所信表明演説で胸張っておっしゃっていましたけれども、頭出しのものはたったこれだけですよ。国で見ても五・三%、国、地方合わせて見ても三・二%しかない。これは財務大臣のお立場からして、どれぐらいをめどに、その道路特定財源を一般財源化するということになったら胸を張れるんですか、一般財源化したと。
○尾身国務大臣 道路特定財源については、小泉政権時代に非常に議論をされてまいりまして、昨年の暮れに安倍総理のリーダーシップのもとに方針が決まったわけでございます。 一般財源化を前提とした道路特定財源制度の見直しは、揮発油税を含めまして、いわゆる道路特定財源なる税収が自動的にすべて道路に使われるという制度創設以来五十年にわたりましたシステム、仕組みを変えるという意味におきまして、極めて画期的なものであると考えております。 ということになりますと、真に必要な道路は計画的に進めていくということになっておりますが、真に必要な道路の額といわゆる道路財源として税収に入る額とが違うことが想定をされるわけでありまして、自動的にこの税収全部が道路に使われるという仕組みを直す、こういうことでございまして、真に必要な道路がどのくらいかということをまた議論するのと同時に、仕組み自体を直すという意味で非常に画期的な改革であるというふうに考えております。
○前原委員 ちょっと、さっきの馬淵議員の質問でお疲れになっているのかもしれませんが、要は、私が申し上げたいのは、仕組みを変えるのが画期的だと言われても、道路特定財源の中で大体どれぐらいが一般財源化されるのかということの議論の方が、むしろ私は大きな意味を持つと思うんですよ。 そこで、国だけでいっても五・三%、全体を見ると三・二%、微々たるものですよ、この十九年度に一般財源化されるのは。もちろん、先ほど、平成十五年から十九年度までの三十八兆円という計画の中で暫定税率も含めてこの道路特定財源が決まっているので、その最終年度だというのはありますよ。だから、二十年度からは大きくこれはまた変わる話になりますけれども、財務大臣に伺ったのは、国土交通大臣とは見方が違って当たり前だと私は思っているから聞いたわけですよ。つまりは、こんなものでいいんですか、一般財源化するのは。真に必要な道路整備というのは主観で変わるんですよ、先ほど申し上げたように。あるいは、どのぐらいのタームで、つまりは期間でやるかによっても、単年度ごとに使う金額も変わってくるわけですね。 だから、そういう意味では、やはり財務大臣としては、これぐらい一般財源化してもらわなきゃいけないという意見があってしかるべきだと私は思います。いかがですか。
○尾身国務大臣 今までは、いわゆる道路特定財源の制度によって得た税収はすべて道路に使うということになっておりました。これからは……(前原委員「質問だけに答えてください」と呼ぶ)いやいや、簡単に申しますと、今数字を申し上げるわけにはいかないというのが結論でございますが、真に必要な道路はどうか、幾らかということを決めた上で、道路財源そのものの税収の見通しはありますから、その両方を一致させる必要がないということにおいて革命的な制度改正であると考えております。(拍手)
○前原委員 拍手をしている自民党の本当の程度がわかりますが、こんなもので革命的と言ったら、まあ、あきれて物が言えないということで、本当にもう質問をするのも嫌になるような話でありますが、一般財源というものをどう、先ほど申し上げているように、人口減少、そして自民党政治のツケで莫大な借金を抱えている、そして少子高齢化がどんどんどんどん進んでいる、その中で社会保障制度もしっかりやらなきゃいけない、都市と地方の格差というものも埋めていかなくてはいけない。 その中にあって、この道路特定財源というものを大きく見直すことがまさに革命的な議論だと私は思っておりまして、こんなもので革命的だということ、額を申し上げられないということでありますが、財務大臣とすれば、この額はもっとふやします、一般財源化をもっと大胆にやっていきますというような答弁があってしかるべきだと私は思いますが、期待はしません。 官房長官、平成十八年の三月の本会議で、当時の小泉総理が我が党の松本政調会長の質問に答えて、道路特定財源の一般財源化の議論はどの範囲なんだと。額については頼りない答弁だったので、もう聞いても無駄だと思いますけれども、今回の平成十九年度は国の分だけで、地方の道路特定財源というのは全く一般財源化されていないわけですよ。だけれども、小泉さんは、明確に「地方分の道路特定財源についても排除されているものではありません。」ということを答えているわけです。 これからの議論として、時の総理が地方も含めて一般財源化するということをおっしゃっているんです。額は別に聞きませんよ。せめて、国の道路特定財源でなくて、地方の道路特定財源も含めて一般財源化するという姿勢には小泉政権の答弁とは変わりないのかどうなのか、その点について明確にお答えください。
○塩崎国務大臣 いろいろな議論があって、道路特定財源の見直しが今回行われました。最初は自重税だけでもいいじゃないかというような話もありましたが、安倍総理の決断で、やはり揮発油税を対象にして、これはまさに昭和二十九年に田中角栄さんが議員立法でつくった。 それで、今御指摘の地方分について、これも当初、小泉総理が見直しの対象にすべきだ、こういうことでありました。それは私たちも問題意識は同じであります。 しかしながら、今回やったことは、おっしゃるとおり、地方の方には手をつけていないということは事実でありますが、この理由は、とりあえず、まず第一に、今回この国税の部分についてやることについて、穴を何しろあけようということで仕組みを変えたということで、先ほど来答弁しているとおりであります。 地方の問題については、これは財源構成が少し国とも違う、地方の財政への影響などを考えてみると、皆さんも選挙をやっているからよくわかると思いますが、地方では地方のやはり道路の事情、ニーズというのがある中で、道路財源の割り当てのあり方というのは少し違うわけであります。 したがって、今回はとりあえず国税についてやったということであって、問題意識は同じであります。
○前原委員 問題意識は同じということは、地方の道路特定財源も一般財源化に手をつけるんですかと聞いているんです。イエスかノーかで答えてもらったらいいんです。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、改革を小泉さんが提唱したときに言ったとおり、私たちも同じように、地方の道路特定財源についても将来的に一般財源化についての議論をしていこうという気持ちであります。
○前原委員 議論していこうじゃないんですよ、小泉さんの答弁は。一般財源化を排除していない、やると言っているんですよ。議論をするということではなくて、一般財源化するのかしないのかだけをお答えください。小泉さんの答弁の方針は変わるのか変わらないのか。
○塩崎国務大臣 小泉さんも排除をしないと言っているわけで、我々も排除いたしません。
○前原委員 方向性が一緒ということは、地方の道路特定財源も一般財源化に向けて、そういう予算編成をするということですね。
○塩崎国務大臣 予算編成をするところまでまだ議論が深まっておりませんが、これからも引き続き議論をしていくと申し上げているとおりであります。
○前原委員 とにかく私は、先ほど申し上げた、日本の置かれている財政状況、そしてまた、何に今国民が本当に税金を使うことを必要としているかという議論を含めて言えば、道路特定財源というのは手をつけるべきだと私は思います。もちろん、暫定税率の問題を含めて、いろいろ整理しなきゃいけないところはあると思いますけれども。 そういう中で、私は小泉さんが改革政権だったとは思いませんけれども、ただ、これについては、明確におっしゃったことについて後退をしないように、ぜひそこはリーダーシップを持って、官房長官もいろいろ御苦労が多いみたいですけれども、そこはしっかりと、いろいろな小じゅうと、大じゅうとがたくさんおられるみたいですが、決めたことはしっかりやる、官房長官は絶大な権限を持っておられるわけですから、そこは進めていただきたいというふうに思います。 さて、残りの時間で米軍再編のことについて議論させていただきたいと思います。 私がきょう聞きたい内容は、米軍再編について日本の負担がかなり大きい、本当にこれだけの負担を日本はしなきゃいけないのかどうなのかというところで議論させていただきたいと思っております。 そこで、どちらがお答えいただいても結構です。麻生外務大臣、久間防衛大臣、どちらでも結構でございますが、米軍再編はなぜ行われてきたのかということについて、簡単にそのバックグラウンドを御説明いただけますか。
○麻生国務大臣 今対象になっております沖縄等々、今回の米軍再編の基本ということに関しましては、基地の負担の軽減と抑止力の維持という二つを名目にいたしております。
○前原委員 いや、米軍再編のことを申し上げているのであって、基地再編の話をしているわけではありません。 私が申し上げているのは、例えば、二〇〇四年でありましたけれども、ラムズフェルド国防長官と超党派の議員でお会いしたときに、彼はこういう言い方をしているんですね。このトランスフォーメーション、米軍再編というのは、始まる点もないし終わりもない、終点もない。つまりは、その過程が重要、生活の一部にトランスフォーメーションはなっていると。つまりは、常に米軍の再編、米軍のあり方、世界の展開の仕方というものを考え続けるものなんだということを彼はそのとき言っていたわけです。 そして、その中で、原則は次のとおりだということを言っているんですね。軍事力を歓迎される地域だけに置きたい。そして、米軍というものは、選択肢、柔軟性を持たなければいけない。そして三つ目に、米国内にできるだけ多くの軍隊をとどめたい。そして四つ目に、米国内に駐留できる土壌、そのときは英語ではリーチバックという言い方をしていましたけれども、そういう土壌をしっかりつくっていきたい、こういうことをラムズフェルド当時の国防長官はおっしゃっておりました。 その中で、実際問題……(発言する者あり)ちょっと、くだらぬやじをするなよ。実際問題、なぜこの米軍再編が起きているかということは、これはお二人には釈迦に説法でありますが、ソ連が存在しているときの冷戦というのは、脅威は対称的なものであった。そして、ソ連の、いわゆる核競争も含めて、そういう対称的な脅威にどう対応するかということが米軍の最大の眼目であったけれども、ソ連は崩壊をし、そして直接的な脅威ではソ連はなくなったということ。 しかしながら、非対称的な脅威というものがどんどんどんどん広がっている。つまり、テロ組織というもの、あるいはブッシュの言い方をするとならず者国家ということで、昔のような対等な脅威ではなくなってきている。 しかし、非対称的な脅威、それが大量破壊兵器と結びついた場合には、九・一一テロなんかがまさに一つの大きな、大量破壊兵器は使われませんでしたけれども、アメリカ本土まで攻撃にさらされるような状況というのが生まれて、もしこれが大量破壊兵器、核や化学兵器や生物兵器と結びついたときには大変なことになるというところの中で、米軍再編というものをまさに生活の一部として、常に脅威は何なのかということを考えながらやっていかなくてはいけないということを、これは国防大臣がかわったって変わるものではありません。ブッシュ・ドクトリンからあるいはQDRから全部それを踏まえてやってきているところでありますから、これは大臣がかわろうが、そんなもの、変わるものでは全くないんです。常にやられている。もっと言えば、ブッシュ政権の前から、クリントン政権のときからこのトランスフォーメーションの議論はなされていて、加速したのがラムズフェルドであったということであります。 そしてまた、トランスフォーメーションの一つの大きなポイントにRMAというのがありますね。つまりは、軍事革命、軍事技術革命と言ってもいいかもしれませんが、いわゆる運搬手段、あるいはミサイル、精密誘導兵器、こういったもののいわゆる軍事技術の革命によって、戦われ方が変わってきた。つまりは、前方展開する必要も必ずしもなくなってきて、遠いところからまさに攻撃もできる。あるいは、もっと言えば、相手もRMAが進んでいて、前方展開することについての問題点というものもむしろ出てきている。ペンタゴンの中では、果たして空母というのはいつまで役に立つんだろうかという議論も当然ながらかなり長い間されているわけでありまして、そういうものも含めてトランスフォーメーションというのは行われている。 その中にあって、米軍再編が日本にどういう影響を及ぼすかということになってきているわけであります。 そこで、グアムの移転費用の中で、全体百二・七億ドルで、日本が六十・九億ドル持つということ、もちろん財政支出、真水では二十八億ドルで、あとは出資とか融資とかいうことになっていますが。今申し上げたように、脅威が変わってきた、対称的な脅威から非対称的な脅威、そして大量破壊兵器との結びつき、そしてまたRMAというものがある中で、不断にそれを見直していく中で、米軍自身も、前方展開というよりも、できる限りリーチバック、本土防衛というものに重心を置きたいということがあるわけですね。 にもかかわらず、御丁寧に、この防衛省、当時の防衛庁の資料だと、日本も経費を分担する理由として、我が国からお願いしてグアムに移転してもらうんだということをわざわざ言っているわけで、私は、果たしてそうなのかな、これだけのお金を本当に払わなきゃいけないのかなと。あるいは、もっと言えば、これからさらに、また米軍再編に伴うグローバル・ポスチャー・レビュー、つまり基地の再編というのは進んでいくと思うんですよ。そのとき、前例をつくってしまったら、またそのときにアメリカは、いや、日本の負担軽減のために本土に移るんだから、グアムやハワイに移転するんだから、また日本は金出せよという、あしき前例にならないかと思うんですね。 こういうトランスフォーメーションにあわせて、沖縄の基地負担が軽減されるのはいいことだけれども、果たしてここまで日本がお金を払わなきゃいけない必然性があるのかどうか、今後のことも含めて、私は大いなる疑問を持っております。その点について、どちらでも結構です、お答えいただきたいと思います。
○久間国務大臣 確かに、トランスフォーメーションは、米軍自体にとっても、全世界的ないろいろな動きの中でやるのは事実でございます。 しかしながら、沖縄に基地が集中している、特に海兵隊を減らしてもらいたいということは、沖縄の皆さん方が絶えず言ってこられたわけでございますから、私たちもこの機会にこれをしてもらいたい、そして早急にやってもらいたい。そういう中で、額賀長官とラムズフェルドさんが三時間にわたって詰めの作業を行った結果、結局、全体として百二億である、そのうちの六十億は日本が負担するけれども、しかし、そのうちのうちの方の財政支出は二十八億ドルで、あとは融資で返ってくる、あるいは出資で返ってくる、そういう形にして、アメリカも四十一億ドルを出すという形でこれは決着したわけでございますから、全体としては確かに百二億ドルという大きい金額かもしれませんが、財政的にはこれのうちの二十八億ドルでございますから。 そうなりますと、そういうふうに移転することによって、抑止力は維持しながら、グアムに置いてまだ抑止力は保持できますので、そういう中で沖縄の負担が減るならば、これは非常にいい選択じゃないかということで政府としても決定したわけであります。
○前原委員 前知事ですのでもう話をしていいと思いますが、この決定があったとき、私は稲嶺前知事とお話をしたときに、この八千名というものについては、ほとんどが海兵隊の司令部要員なんですね。そして、家族が九千名ということで、一万七千人ということで、これは、両大臣御存じのように、沖縄の中で犯罪を犯している九割以上が海兵隊でありますけれども、司令部要員というのはごくわずかなんです、犯罪を犯しているのは。 つまりは、ローテーション部隊という前線に投入される部隊が犯罪を犯していて、それに対しての拒否感が極めて強い。つまりは、おとなしい、いわゆる司令部要員はグアムに行って、そして、むしろ犯罪を犯す確率の高いローテーション部隊、そういったものは残るんじゃないかということで、自分たちの意図したものとは違うものになったということをおっしゃっていたんですよ、そのとき。 そういうことも含めて、先ほど私がお話ししたことも含めて、私は、この日本の負担というものについては、先ほど防衛大臣が、真水は二十八億ドルだ、あとは融資だとおっしゃいましたけれども、融資も出資も返ってくるかどうかわからないですよ。あれだって、賃料取るんですから、五十年、六十年かけて返してくれるような話になるかならないかですよね。本当に、これはひょっとしたら出しっ放しになるかもしれませんよ。 ですから、私は、今後のこういう議論をしっかりやるために、一つの物差しをやはりつくらなきゃいけないと思うんです。私の物差しは、米軍再編に絡んでのいわゆる基地再編については、これは米軍が払う。ただ、普天間の移転とか、あるいは厚木のいわゆる艦載機を岩国に持っていって、そういうものについては日本の話ですよね。実はこれは、トランスフォーメーションにかかわるグローバル・ポスチャー・レビューと何の関係もないわけです。普天間の問題も、それから岩国の問題も関係ない。そういうものについては日本がやりますと。私は、こういう明確な仕分けをしてアメリカ側との負担の割合をしっかり決めないと、これから先、アメリカの世界戦略の中で基地の再編が行われるのに、その肩がわりを日本がさせられるということになりはしないか。 外務大臣、その点について、私、これからの財政のいわゆるけじめも含めて、そういった方向性をしっかり日本として決めるべきだと思いますが、いかがですか。
○麻生国務大臣 今のお話ですけれども、基本的には、アメリカの世界戦略の一環として、日本も少なくとも世界の平和と安定というものに何らかの形で、これはみんな関係が極めて深いというのはもう御存じのとおりなんで、日本としてなるべく出し分が少ない方がいいという気持ちも私どももないわけではありません。 ただ、基本的には、防衛という観点からいきますと、日本との関係が極めて深いアメリカとの関係ということでもありますので、今回のものに関しまして、普天間とその関係の分だけは日本、しかし、立ち退いていく分に関しましては、アメリカの話だから向こうだけでやればいいじゃないかという話に関しては、私どももお気持ちはわからぬわけではありませんけれども、私どもとしては、その三割ぐらいといって二八%になった、一〇〇として、二十八億ドルになりましたので、二八になったという経緯があります。 残りは返ってこないかもしれぬじゃないかとお話しですけれども、これは発展途上国への円借とはちょっとわけが違いまして、仮にもアメリカという国との間で契約をしてやっていく話ですから、金利について等々のものは返ってくるんではないか、そこらは信頼関係なんではないかと思っております。
○前原委員 私も日米の同盟関係は必要だと思っておりますが、お金のやりとりというのはやはり明確にしなきゃいけない。それでなくても、地代を含めて六千億円以上の思いやり予算を出しているわけですよ、日本は。 そういうことを含めて考えれば、この移転費用というものがアメリカ側のいわゆるニーズなのか、日本からのニーズなのかということをしっかり仕分けをした上でけじめをつけていかないと、私は、今後そこら辺は、常にアメリカ側から日本が支払い要求をされるということになろうと思います。 簡単に、私もう時間が終わっていますので。
○久間国務大臣 今度のトランスフォーメーションが終わりましたら、嘉手納以南の土地がかなり返還されるわけですから、そういうものについては負担がこれから先は向こう、今の状態でいったら何年続くかわからない、それについてはなくなるわけでございますので、そういうメリットもあるということもまたPRしていただきたいと思います。
○前原委員 今後、そういった負担割合については、原則をきっちり政府として立てて国民が納得するような支払いをしていかないと、日米同盟関係そのものが基盤から崩れていくということはしっかりと認識して対処してもらうことを要望して、また議論させてもらいます。 終わります。
○金子委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。 次に、枝野幸男君。
○枝野委員 柳澤厚生労働大臣に伺います。 厚生労働大臣、次から次へといろいろな御発言をされて、それぞれ大変な問題だと思っておりますが、たまたまの失言ではなくて、先日、二月七日の私の質問に対する答弁、これは質問通告もしておりまして、二度三度と繰り返し、二度かな、柳澤大臣は、同じ趣旨の答弁、厚生労働省としての公式見解としての答弁だと思いますので、これは失言だから取り消すという話ではないと思っておりますが、産科医師の減少について、出生数の減少で、医療ニーズがはっきりと低減しているということの反映であるということを御答弁されています。大問題だと思います。 こうした認識で厚生労働省が医療行政をやっているということについて、厚生労働大臣も御承知だと思いますが、既に一般紙の報道でも、朝日新聞が先日の土曜日の報道で、全国の特に産科関連の医師の間から猛反発が起きていると。こういう認識では現場はやっていられないよという声がたくさん上がっている。どういう責任をとられますか。
○柳澤国務大臣 ただいまの枝野委員の御質疑、私の応答の場面におきまして、現在、産科のお医者さんが直面している大変困難な問題、すなわち、各病院におきます産科医の配置が非常に薄く広く行われていることなどによりまして、勤務医の勤務条件が非常に厳しいこと、それからまた、特に産科におきますリスクの高まりや訴訟の増加というようなことに対する懸念があること、こうしたことが産科のお医者さんの減少の理由にあるということにつきまして、私は、その際、触れることがなかったのでありますが、その点は十分認識をいたしているところであります。
○枝野委員 この関係でやりとりをしているので。 産科の医療の現場が大変、過当労働という言葉はそのときは使いませんでしたが、そういう状況にあること、そして、訴訟リスクの問題で大野病院問題を取り上げているんですよ。にもかかわらず、繰り返し繰り返しあのとき柳澤大臣は、そうした問題も取り上げられているにもかかわらず、ニーズが、出生数が低下をしているから、だから、あのときは、集約化をする、表現は違ったかもしれませんが、ネットワーク化する、効率化をする、こういう御答弁で、これに対応するんだということを繰り返されているんですよ。まさにそれが厚生労働省の公式見解なんですよね。 では、産科の医師の、産科だけじゃありませんけれども、一番象徴的なのが産科の医師の現場の過当労働、訴訟リスク問題、それよりも出生数、ニーズの低下ということが優先しているということは、これは否定できない事実じゃないですか。
○柳澤国務大臣 いろいろな現象が起こるときに、いろいろな理由、背景があるというふうに思っております。 そして、この産科のお医者さんの減少については、私が今申し上げましたとおり、産科のお医者さんの特に病院への配置、これが薄いということをもって、勤務医の先生方の勤務環境が非常に厳しい、それからまた、産科につきましては、医療上のリスク、また訴訟等のリスクが大きいというようなこと、それからまた、実際に数が少なくなってしまったことに対する対応、これはそれぞれにその原因に対して私どもとしては対応していかなければならない、このように考えているということであります。
○枝野委員 もう一度だけ聞きます。 あのときの質疑で、私は、一般的に、まず産科の医師が減っている理由は何かということをお尋ねしたのに対して、明確に大臣は、出生数、ニーズが減っているからということをお答えになって、そのことに対して世の中から批判をされていて、ようやく、先日の総理の御出席のあった質疑で、他の党の委員からの質疑で診療報酬云々だなんという話が出てきたりしましたが、あのときは全く触れなかったんですよ。しかも、その後、大野病院事件などで過当勤務やあるいは訴訟リスクの話が出てきても、そういう話にはならなかったんですよ、大臣の方からは。 さらに言えば、あのとき、どう対応するんだという話については、効率化を図る、集約化を図るという話だけで、集約化、効率化を図っても、結果的に現場の皆さんの例えば過当労働の状況とか訴訟リスクの話は何の解決にもならない。その話ばかりされているんですよ。 そうした意識、これはもう大臣の意識の問題じゃないと思います。通告をしてお答えになっている厚生労働省の、特にハイリスク医療に対する認識というものが、こうした質疑をたまたま聞いていらっしゃった、あるいは、今はインターネットの時代ですから、きょうの質疑もそうでしょうが、NHKでテレビ中継されなくても、テレビのニュースで取り上げられなくても、現場の医師の皆さんは見ていらっしゃるんですよ、聞いていらっしゃるんですよ。その人たちに、こういう厚生労働大臣じゃ、そして皆さん、学歴の高い皆さんということもあるんでしょう、よくわかっていらっしゃって、まあ、役所のつくっているメモを読んでいるんだから、役所自体がこんな認識なんだよねということで大変な怒りを買っているんですよ。そのことに対して、言いわけじゃなくてしっかりと姿勢を示さないと、これは与野党という関係だったらば、大臣がとんでもない答弁をしてくれたといって喜ぶことなのかもしれないけれども、違いますよ。 現場の産科医療は、またこの間の大臣の答弁で、そして今の言いわけを繰り返す大臣の姿勢で、やはりこの日本の厚生労働行政のもとで、リスクの高い医療そして過当な労働の医療はやっていられないよな、一人でもそういう現場のお医者さんが出てこないようにしなきゃならないです。だから、大臣に真摯な答弁を求めているんです。
○柳澤国務大臣 産科のお医者さんの減少の原因いかんというときに、まず第一に、出生、出産の数が減っていること、それも理由の一つではなかろうか。加えまして、今申し上げたとおり、実際に病院への産科のお医者さんの配置が非常に薄くなっているために、お医者さんたちの勤務条件、勤務環境というものが非常に厳しくなっていること、それからまた医療上のリスク、それからその医療上のリスクに伴うところの訴訟リスク、こういうようなものが非常に増加していることも、お医者さんたちの専攻されるときの理由、背景として私はあると思います。 ですから、そういうことがあっては、今我々が進めている、できるだけお医者さんを各地域に確保しておきたい、そういう医師、お医者さんの確保の問題としても、これらのそれぞれの理由、背景をできるだけ克服すべくいろいろな施策を打ってまいりたい、このように心から思っているということであります。 私の、医療の拠点病院あるいは集約化、ネットワーク化というようなことを説明するのに急の余り、そうしたことに言及しなかったということがあったわけですけれども、これについては誤解のないようにひとつ御理解を賜りたい、このように思っております。
○枝野委員 出生数の減少が産科医師の、ミクロで見たときの、例えば廃業とかの理由の一つに全くなっていないとは言わないです。たまたま、この地域は最近患者さんの数が少ないから、そろそろ年だからやめようかという産科のお医者さんもいるでしょう。しかし、全体として産科の医師が減っていることの事情としては、むしろ今おっしゃられた後者の方、つまり、過当な勤務状況とかあるいは訴訟リスクであるとかこうしたことの方がメーンであるということこそがむしろ現場の実感ではないのか、少なくとも私はそう思っています。 にもかかわらず、今もやはり、一度答弁したことを撤回するのはなんなのかなと思っていらっしゃるのかどうかわかりませんが、出生数の減少もということを最初におっしゃられる、そのこと自体の姿勢が、私はそもそも、実感、認識がどれぐらいあるのかなと。ちなみに言うと、小児科は減っていないんですよね。子供の数が減っているんですから、子供の数が減っていたら産科の医師が減るという理屈だったら、小児科の数も減っていなきゃいけないんですよ。小児科は減っていないんですよ。 そもそもそのことだけでもその理屈は全くナンセンスだということを申し上げた上で、そして、では、具体的なことを、先日、安倍総理は診療報酬の見直しで対応するという答弁をされましたが、それに対しては、そもそも自然分娩については診療報酬の対象じゃありませんという話、もう既に出ています。 つまり、どういうやり方で、今少なくとも出ている二つの問題、訴訟リスクの問題と、特に勤務医、特に高度医療を行う病院における勤務医の勤務実態というものを改善するのに何をしようとしているんですか。具体的におっしゃってください。
○柳澤国務大臣 総理がおっしゃったのは、私はここにはおりましたけれども、総理は社会部会長ということで、こういった分野について練達の方でございますけれども、総理が何を目しておっしゃったかということまで私がここで解釈をして申し上げるというのは、私としては控えたい、このように思います。 しかし、ただ、実際に診療報酬のお話としてそこに確かにお触れになられたわけですけれども、これについては、帝王切開等の診療について診療報酬の対象としているところもありますし、また、平成十八年度の診療報酬改定ではハイリスクの妊産婦の分娩管理については必要な評価を行ったということが事実としてございますので、それほど的を外した御説明、質疑に対する答弁ということでは私はないと思っております。 次期診療報酬改定におきましても、このようなハイリスク分娩等、産科への対応も含めた診療報酬のあり方については必要な検討を行っていかなければいけない、このように我々は考えているわけです。
○枝野委員 お金の問題がこの話の解決策の最初に残念ながら議論されていることが、私はちょっとずれているんだろうというふうに思います。 もちろん、病院経営、運営ということの観点からは、例えば産科の医師を複数配置するためには一定の収入がないといかぬということで、診療報酬を初めとして、病院の収入としてどれぐらい入ってくるのかということが非常に大きな要因になるんだろうと思います。そうした意味で、診療報酬を初めとして、お金の問題のところをちゃんとやるということについては、一定の評価はいたします。 しかし、産科の医師が減っていることの大きな原因が金目の問題なのかというと、私はそうではないというふうに思います。どんなに金をもらったって、三百六十五日、二十四時間、ハイリスクの出産について一人で当たらなきゃならない、それこそ大野病院で今回起訴されている産科の医師もそういう状況だったわけですよ。そうすると、自分は医療に使命感を持って一生懸命頑張ってやりたいと最初は思っていたとしても、そういう生活が何年も続いていけば、家族もいるでしょう、自分の体調もあるでしょう、いろいろなことがあってなかなか長続きしない。特に、産科はその性質上女性の医師の比率が高いし、これからどんどんふえていく必然性がある世界だと思います。だから、金目の問題以上に、まず労働環境の問題をやらなきゃならない。 さらに言えば、そうやって頑張っていても、何か、最善の努力をしても、残念ながら事故が生じたときに逮捕をされる、起訴をされるという、ここの部分のところが、私は、特に急激に産科を希望される方が減っているという状況を生み出している根本じゃないのかと。 この訴訟リスク、特に刑事における訴訟リスク、ここはまさに官でできる話なんですよ。民間における民民の訴訟リスク、民事で損害賠償を起こすということについては、それは起こしたいとか起こすのは、冬柴大臣おわかりのとおり、起こすのをやめろと言うわけにはいきませんが、官がやっているわけですから。起訴、逮捕するのは役所が、内閣がやっているんですから、そこの部分のところは今すぐにでもできる話じゃないですか。 そこの部分のところからまずやって、産科の医師、産科だけじゃありません、産科が一番象徴的だから言っているんです。外科などにも同じようなことが言えます。リスクの高い医療について、もちろん全部刑事免責しろという立場じゃ僕はありません。薬害エイズのときにはむしろ医師の刑事責任を追及した側です。だけれども、最善を尽くして、一定の水準を持っている、平均水準を持っている医師が最善を尽くした場合に刑事責任を問うというのはやめなきゃならないでしょう。 このことは内閣で、大野病院事件をどうするかは別としても、内閣でそういう方針を決めればできる話なんですよ。一刻も早くやりませんか、厚生労働大臣。
○長勢国務大臣 私が答弁する立場かどうかよくわからないところもありますが、何か、刑事ということのようなので、とりあえず答弁させていただきます。 あらゆる手段を尽くした者を訴追しなくてもいいような制度にしたらいいのではないかという趣旨のように伺いました。先生、当然、法律は重々御存じのとおりでございますから、法と事実に基づいて、ほとんど正当性があるということがはっきりしておる者については訴追されることはないんだろう、現在でもそうなっていると思いますが、問題は、あらゆる手段を尽くしてということはどういうことかということが明確にならなければ、検察としては法と事実に基づいて判断をせざるを得ないということになるんだろうと思います。
○枝野委員 提案だけしておきます。 そもそも業務上過失致死罪で、例えば大野病院事件も逮捕、起訴されているんです。業務上過失致死罪で一番件数の多いのは、交通事故なんです。交通事故で例えば人をはねてしまったという事件と、高度な医療技術の、これが最善を尽くしたのか尽くさなかったのかという事件が同じ業務上過失致死傷罪で問われているんですよ。私は、もうこれが時代おくれなんじゃないかと思うんです。つまり、医療事故について、これは刑事責任を問わなきゃならないということについては、医療事故特有の判断基準があるんだろうと思います。 交通事故については交通事故固有のこれまたいろいろな、最近新しい問題として飲酒、ひき逃げなどについての問題、もっと重くしろという問題もありますが、あるんだろうと思います。あるいは、例えば航空機事故なんかの場合も、これも業務上過失致死だったりするんです。これまた全然違う専門性の高い話です。 特に、初めからリスクが高いことがわかっているわけですよね、医療というのは。初めからリスクが高い、もしかすると患者さんが亡くなるかもしれないということをわかっていてやる業務なんですよ。そのことについて、自動車を運転する業務と同じ業務上過失致死傷罪の対象にして、検察官にとっても裁判官にとっても、一生の間に一件やるかやらないかわからない、そういう裁判官や検察官が起訴するかどうか、有罪かどうか判断するというこの構造自体を変えないといけない。 これはまさに今の産科医療の崩壊ということについて、配置転換で、配置の問題で過当労働を何とかしようという話はこれは時間がかかる、わかりますよ。だけれども、これこそ一番最初にできることです、すぐにでもできることです。ぜひとも厚生労働大臣と法務大臣、少なくとも前向きに検討する、急いで前向きに検討するというお答えだけはいただけませんか。
○柳澤国務大臣 まさに枝野委員おっしゃられるとおり、業務上過失致死というようなことですけれども、本当の過失があったかなかったかというようなことについて、専門家以外の方々が判断をするという通常の司法手続のほかに、いわば前置手続のような形で死因の究明の制度……(枝野委員「決意だけ示してください」と呼ぶ)はい。というようなことを私どもは今検討をしております。 ただ、最終のところで、司法手続とどういう関連づけを行うかということについては、なお検討の余地があるんだろう、このように思いまして、これは法務大臣からお答えされることだと思いますけれども、とにかく、我々としては前向きに、専門性の高い分野については、まずその前置的な手続としてそういう制度を設けたい、このように思っております。
○長勢国務大臣 厚生労働省の方におかれて、真相究明のやり方について研究をされておられるというふうに伺っております。 それがどういう結論になるか、まだまだはっきりしないわけでございますが、それが仮にはっきりしたとしても、そのことをもって、それがすべて刑事法上も正当行為ということになるのかならないのかは、やはり結果を見なきゃわかりません。 しかし、まず何よりもその真相究明のやり方というものをきちんとする。それをもって次の段階として、それを刑事手続上どういうふうに扱うかということをさらに検討して、一つのルールをつくらなければならないと思います。 可能であれば、こういうものはすべて正当行為、こういうものは全部だめとかいうことがはっきり分かれるようなことになれば一番簡単なんでしょうけれども、なかなか高度な技術にかかわる事案でありますから、相当な検討が必要なのかなと私としては思っております。
○枝野委員 前置的な手続で死因究明とかというのも、それもなされたらいいと思うんですが、これは多分冬柴弁護士はおわかりだと思いますが、それではだめなんですよね。刑法そのものについて手を入れないと、例えば航空機事故についても、原因究明としての航空・鉄道事故調査委員会があるんだけれども、そこでやる事実解明の話と、それから業務上過失致死罪で捜査をするのとの関係というのは、現場では物すごい混乱をしているんですよ。別の調査委員会があるからといって、警察、検察は別途動くんですよ、業務上過失致死罪という制度のもとでは。 ですから、刑法そのものの業務、業務上過失の業務そのものについて再定義を行う。たまたま今、両方向である。つまり、高度なハイリスクであるという医療の話と、それから日常みんながやっている自動車の運転というところと、両極端の方で現行法に問題が出ているんですから、しっかりとこの部分のところは早急に再構築し直すことが必要であるということを指摘しておきたい。我々も、その部分のところを、政府が動かないならば議員立法で研究をして進めていきたいと申し上げます。 もう一点、厚生労働大臣、二月七日の御答弁の中で、助産師の不足という問題について、こうお答えになっているんですよ。夜間の講習か何かによりまして、看護師資格を持つ者に助産師資格を与えるというような再教育。これまた現場の看護師さんたちは怒っていらっしゃいます。 つまり、看護師さんの多くの人たちもハードワークなんですよ。ハードワークで、まさに目の前にある患者さんとの関係での看護師としての業務だけでふらふらだという看護師さんが、やはり世の中のかなりの多数を占めていらっしゃるんだというふうに私は思います。その看護の実態というものをわかっていないんだな、この大臣は、こういう反応になってしまうような御答弁をされているんです。 組み立て方としては悪くないと思いますよ。看護師さんに助産師さんの資格を取ってもらう。今やっている看護師さんが助産師さんの資格を取れば、それはスムーズにいくでしょう。しかし、そのためには現場の看護師さんのハードワークという問題を、これまた大問題を解決しないと、まさに絵にかいたもちで現場の実態を全くわかっていない、こういう受けとめられ方をされている。このことについての御答弁をお願いいたします。
○柳澤国務大臣 日々さまざまな現場におきまして働いておられる看護師の方々には、感謝の念を抱いております。その中でも、働きながら助産師養成コースで学びたいという思いを抱いておられる方々に対して、どういう措置を、対応をしていくかということが我々の課題だ、このように考えております。 こういった現場の方々の思いにこたえるべく、厚生労働省としても、定時制での助産師養成コースの設置に取り組むこととしておりますけれども、その際には、看護師の二交代や三交代といった勤務形態にも十分配慮し、夜間だけではなくて昼間の時間を活用するなど、柔軟なコース編成をいたしたい、このように考えます。 また、定時制に必ずしもこだわることなく、全日制で集中的に学ぶコースとする選択肢も検討いただくなど、現場の事情に応じ、就労しながら学ぶ看護師の勤務と学習の適切なバランスに十分配慮するような制度を仕組んでまいりたい、このように考えております。
○枝野委員 実際に勤務をされている看護師さんが助産師の資格を取ろうと思って、仕事はハードだけれども頑張ろうと思っても、勤務先の病院、周辺の理解などがないと、実態は絵にかいたもちになります。そういうことも含めてちゃんとやられるということをお願いしたいと思います。 助産師についてもう一点。 実は、助産師さんの役割は大きいということを私はこの間の質問でも申し上げましたが、助産師と産科医師との連携を強化するという新しい制度が導入をされようとしていると聞いていますが、簡単に、どういう制度をどう導入しようとしているのか、お答えください。
○柳澤国務大臣 助産師さんにつきましては、助産師で独立の業を、お仕事をされる場合には、嘱託医というものを指名しておくという制度を今持たせていただいておりますが、これに加えて、連携医療機関を確保するということを後方支援の一環として義務づけさせていただきました。 そういうようなことによって総合的に産婦及び新生児の安全を確保したい、このように思っておりまして、従来の嘱託医のみに過度な負担が生ずるということのないような体制を構築してまいりたい、このように考えているわけであります。
○枝野委員 独立の助産師さんに頑張っていろいろな役割を担っていただく、もっともっと活躍をしていただく、その場合に医療機関との連携をしっかりとしていただく、万が一、リスクが高いとか何かあったときに。それは大変結構なプランなんですが、現場の現実は、なかなか連携医療機関を頼んでも引き受けてもらえない、見つからない。だから、独立開業していた助産師さんが、いや、これじゃもう仕事が続けられませんわ、こういう声も上がっていませんか。厚生労働省にはこういう声は届いていませんか。
○柳澤国務大臣 嘱託医の先生を、従来はほかの科目の先生であってもよろしいということであったのを、今回は産婦人科の先生にしてもらいたい、こういうことをこちらはお願いしているわけでございますが、それに絡みまして、やはり嘱託医の先生方の方から、今、枝野委員の指摘するような声が上がっているということも聞いておるところでございます。
○枝野委員 経済財政担当大臣、時間が足りなくなりそうなので結構でございます。なかなか、経済論争をずっとやりたいと思っていながら、その前のところでいつも終わってしまうので。申しわけありません。 一貫して現場、つまり机の上で書いたプランは立派だ、だけれどもそれが現場の状況とずれていて、結局現場にいろいろなもののしわ寄せが行くというのが、この間、厚生労働大臣と議論をさせていただいているところ、あらゆるところで出てきています。ぜひとも、この助産師さんの今の現場とのずれを早急に、今まで独立開業してやっていらっしゃる現場の助産師さんが、いや、だからやめなきゃならないだなんてことにならないように、万が一にも。 さらに言えば、現場の産婦人科のお医者さんはお忙しいわけですよ。普通に考えたら、自分のところの病院の中の助産師さんとは連携するにしても、外の独立助産師さんと連携しろと言われたって、こんなに忙しいんだから冗談じゃないですよとなるのがむしろ当たり前なんであって、連携医療機関をちゃんとセットしましょうということであるならば、それこそ、保健所がやるのかどうか、どこがやるのか、厚生労働省として、きちっとその両方が円満にできるようにカップリングをしていくということまで配慮をしなければ、まさに絵にかいたもちだということを申し上げたいというふうに思います。 時間がなくなってきているので、国土交通大臣、前回もお呼びをしてお答えをいただけなかったので、そちらを先にやりたいと思います。これは多分前向きな御答弁をいただけるんじゃないかと期待をして、質問をしたいと思いますが、障害者の皆さんの高速道路料金の話です。 最近、高速道路ではETCがかなり普及をしてきました。私の車も最近ETCがつきました。それで、障害者の皆さんは高速道路の通行料金の割引制度があります。割引制度のある障害者の方は、ETCの仕組みができたからぜひETCに変えてください、登録をしたお車についてETCを使って料金所を通れば、障害者の皆さんの割引料金で通れます。ここまでは大変いい話なんですね。 ところが、このETCを使って登録をした車は割引になりますという制度をした結果として、それは、障害者の方はいつも同じ車に乗っているわけではありません。どこか移動をされて、そこでレンタカーを借りるということもあるでしょう。今、障害者用の、障害者の方が運転しやすいレンタカーもあったりしますから、十分可能性はあるわけです。あるいは、例えば実家に帰って、あるいは親戚のところに行って、そこの家の車で何か買い物をするとかということも十分あるわけですが、ETCで登録をしていると、実際に障害者の方が運転をして障害者手帳を通行料金所で出しても障害者割引にならないというとんでもない運用が行われているんですよ。 おかしいですよね。当然、本人が乗っていて、ETCの場合は自動的にすっと通っちゃいますからちゃんと登録してください、わかりますが、登録をしている方であっても、障害者手帳を持って御自身で料金所を通るときにお見せになるならば、当然割引になっていいじゃないですか。ところが、こういう運用をされている。何とかしてくれませんか。
○冬柴国務大臣 結論は、使用実態を調査して、前向きには検討させていただきますけれども、若干違うところがあるんですね。 障害者手帳を示して、本人が載っている、写真もあります。そこに、使用される自動車の種類とナンバーが書いてあるんです。その三つが、すなわち、日常生活において障害者が通勤、通学、通院かもわかりません、そういうものに自家用車を使うということに対して、昭和五十四年からそういう障害者手帳で現金を半額割引ということが始まったわけです。 ETCができましたから、今度は自動車会社、事業者で集まって話をしていただいて、やはりETCを利用される場合でも半額割引がされるべきであるということで、十六年一月からこれは適用になりました。その場合には、社会保険事務所でETC搭載の自動車の番号、それからカード、そして車載器というものを組み合わせまして、それで通る場合は、その中に障害者が乗っていらっしゃるという推定のもとに五〇%割引しているわけです。 したがいまして、今おっしゃったことは、ETCを採用してしまうともう障害者手帳で割引できないじゃないかとおっしゃるんですけれども、本来、障害者一人について一台ということでここまで来ておりますので、それがこのようにモータリゼーションが進歩した今、それでいいかどうかということは、御指摘もありましたので、使用実態を調査して、そしてこたえられるような、問題の解決ができるようなことも前向きには検討をさせていただきたい。 ただし、これは自動車会社、高速道路会社は独立しておりますので、いろいろ複雑な問題はありますが、道路特定財源の問題でそういう問題についても考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○枝野委員 そもそも、一台登録ということ自体が時代に合っていない。 一番私が何だこれはと言われたのは、故障か点検か何かで代車に乗らなきゃならないというときに乗れない、割引してくれない、何だこれはという話になるわけですよ。これは、この予算委員会でも障害者の皆さんの経済的困窮の問題をずっと申し上げてきているとおりでありますから、高速道路の料金が半額になるかどうかは大きいわけでありますし、それこそ医療とかリハビリとか遠距離移動しなきゃいけないというケースも大きいし、社会参加のためにも大きいわけですから、ぜひ前向きの御検討をお願いいたします。 国家公安委員長、もう一点、障害者の皆さんのバリアフリーの関連で、駐車禁止を大変厳しく取り締まるようになりました。結構なことだと思います。我々も地元回りをするときに、駐車禁止違反にならないように気をつけなきゃいけないなと思いながらやっております。 ただ、駐車禁止違反を全部厳密にやると、世の中矛盾をすることがある。これの一つが、障害者の方が車を利用して移動する場合に、余り厳密、厳格にやりますと、それこそ車からおりてちょっと移動してと、我々だったら一分、二分、三分だったらまさに停車で済むようなことが五分、十分、十五分かかったりすることもあるわけですし、いろいろな意味で、障害者の方の運転される車については、都道府県警察、公安委員会ですか、そこの判断で、都道府県によっていろいろな違いがあるみたいです、その基準について。つまり、どれぐらい緩めるのか、例外を認めるのかということについて都道府県ごとに違いがあるようでございますが、私も徹底した分権論者ですが、こういう話については、余り地域によって違いがあっては困るだろうというふうに思います。 ぜひ、国家公安委員会の方で、全国の公安委員会そして厚生労働省とも御相談をいただいて、障害者の皆さんの駐車禁止の適用除外について、これは一律で、それなりに実態に合った対応をしていただくようにお願いをしたいと思いますが、前向きに御検討いただけますか。
○溝手国務大臣 昨年の六月の新駐車対策法制の施行を受けまして、障害者団体を含む各界から寄せられた要望等を踏まえまして、警察庁といたしましては、各都道府県別の警察に対しまして通達で指示をしておりまして、本年六月一日までに施行できるように、それを目途として、各県の公安委員会の規則等の見直しを行うように進めているところでございます。障害者の方の駐車禁止除外の考え方につきましても、当該通達の中で触れておりますし、しっかり見直していきたいと思っております。 蛇足になりますが、交付対象を知っている、権限を持っておりますのは各都道府県公安委員会でございますので、よく調整をとっていきたいと思っております。
○枝野委員 道路事情、交通事情は地域によって違うというのもよくわかっていますが、逆に言うと、だけれども、どこに住んでいる障害者の方も同じように配慮をいただかなければいけないと思いますので、ぜひ厚生労働大臣も意識をしておいていただければというふうに思います。 もう一つ、とんでもない話がこの週末出てきました。 法務大臣、大阪地検が民法七百七十二条の解釈を間違えて起訴をするという、僕は最初、話を聞いたとき、逆かと思いました。離婚後三百日以内に子供が生まれてしまったので、御本人が、いや、本当の父親じゃない父親の名前を書くわけにいかないねといって、本当の、実際の生物学上の父親の名前を書いて届け出が受理されてしまって、それは公正証書原本不実記載罪だといって逮捕されたんだけれども、最近七百七十二条はいろいろ取り上げられているから、起訴までする話じゃありませんでしたね、こういう事件だと最初思いました。 逆なんですよ。法律、民法に基づいて、離婚後三百日以内に生まれた子供なので、この人の子供じゃないですよ、だけれども、役所から、戸籍係から言われて別れた前の夫の名前を父親の欄に書いたら、おれの子供じゃないのにけしからぬといって父親が、それはそうですね、おかしいじゃないかと告訴をしたら、そうしたら、警察も大阪地検も、民法七百七十二条を全く理解していなかったのかどうか知りませんが、公正証書原本不実記載罪で起訴した、大きな間違いでしたと謝られたという話なわけです。 こんなケース、まさか全国に転がっていないでしょうね。きちっと調査してください、法務大臣。
○長勢国務大臣 まずもって、深くおわびを申し上げたいと思います。 私も、事案の説明を聞きまして、理解するまで大分時間がかかったぐらいでございまして、まことに申しわけございませんでした。
○枝野委員 これは、まず警察から送検されている、警察のところで見落としているんですね。起訴しているから、起訴した担当検事が見落としているんですね。起訴するとき、必ず次席検事、僕は、最終的な責任者は、大阪地検の次席検事が責任者だと思いますが、そこも見落としているんですよ。 この人たちを責めた方がいいのか、それとも自分たちを責めた方がいいのか、正直言って悩んでいます。つまり、法律の専門家ですよ、その検事だって、司法試験で一応民法をちゃんと合格点をとっているはずなんですよ。そういう人たちが少なくとも最低二人かかわっているわけです。二人かかわっていても見落として、これは公正証書原本不実記載罪だといって起訴してしまったんです。 当然だと思いますよ。だって、実際の父親が、おれは父親じゃないよ、この人とはもう離婚したし、離婚の前もずっと別居していました、私の子じゃありませんよ、それなのに私の名前が父親として書かれている、それは原本不実記載だ、何とかしてくれ、当然だと思いますよ。それを受けて、ああそうだな、勝手に父親じゃない人の名前を父親として届けるというのはけしからぬ、この感覚もある意味当たり前だなと思うんです。 当たり前だとして、しかも法律家が二人も最低かかわっていて見落とすような法律を放置している我々こそが、実は公正証書原本不実記載罪の幇助なのかな、そういう話なんですよ。笑い事じゃないんですよ。 これはもうまさに、今までも早急にやってくださいと言っていましたが、検事ですら見落とすような法律を放置している立法府の責任、放置をしている法務省の責任、これを考えたら、もう本当に早急に変えないといけない。この国会中にでも、ここだけでも変えなきゃいけないと思います。 法務大臣、これこそ責任のとり方だと思います。大臣在任中の前のときにこれは起訴していますから、前の大臣はそこら辺にいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、これは、検察は半独立機関ですからその責任は問えませんが、まさに法務省としてきちっとやってもらいたい。お願いいたします。
○長勢国務大臣 ミスを犯しました検事については、これはもう先生おっしゃるとおりで、申しわけないと言う以外ございません。しかし、こういうことはめったにあり得ない話でありまして、司法試験を合格されておられる法曹界の方々、こういう人はほとんどおられないんだろうと思いますし、また、この事件があったからといってどうということではありませんが、先般も御答弁申し上げましたように、民法七百七十二条についてはいろいろな御意見がありますので、どういう方法で考えていくかということは検討を進めたいと思っております。ただ、家族の仕組みに関する根本的な、根幹をなす法制でありますので、そういうことも含めて早急に検討を進めたいと思っております。
○枝野委員 関係者の処分、そして起訴された被害者、これは逮捕、勾留されているわけじゃないからその補償はされないわけなんですが、どうやってこれは謝るんだろうなというふうに思いますが、そういったことなど含めて、しかるべき対応をお願いしたい。 最後に、時間がなくなりましたので、通告だけをしておきます。 経済財政諮問会議の議員である御手洗氏に絡んで、派遣法違反の事例について厚生労働省は、公表できないんだ、この間も厚生労働省と議論してきていますが、公表できないんだと相変わらず繰り返しておっしゃられています。 私は、一般的にはともかくとして、そのトップを経済財政諮問会議の議員に出しているという特殊な事情を考えたら、キヤノンという会社に関連するところだけでも公表されてしかるべきだというふうに思いますが、この違反事例を把握しているのは厚生労働省の内局である。したがって、どういう違反事例がどこにどういうふうにあるのかということは、内閣の権限で把握をしている。したがって、当然、公表するかどうかは別としても、柳澤厚生労働大臣が把握をしているということに形式的にはなる。役人の皆さんはその手足である。 内閣として行政権限を持っていますから、内閣総理大臣に、キヤノン及びその関連会社による偽装請負の具体的事実関係について、しっかりと次の総理に質問させていただくまでの間に把握をしておいていただきたい。その把握、認識を前提として、このキヤノンの偽装請負問題について次回は内閣総理大臣にお尋ねをしたいというふうに思っております。 なお、この件については、それぞれ当事者の言い分があるでしょうから、繰り返し、御手洗氏をここに呼んでいただいて言い分をお聞かせいただきたい。それから、川内議員が言っております奥谷氏についても、御本人が一部分だけ取り上げられてけしからぬみたいなことをおっしゃっているようでございますので、十分釈明を聞きたいので、アールの奥谷さんについてもここで参考人で呼んでいただきたい、最後に申し上げて私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○金子委員長 これにて枝野君の質疑は終了いたしました。 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 きょうは、ホワイトカラーエグゼンプションの問題についてお伺いをしたいと思います。 十五日の参議院厚生労働委員会で、ホワイトカラーエグゼンプションについて、総理が今国会に提出はしないと答えました。まず大臣に確認をしたいと思います。このことは提出しないということで間違いありませんね。
○柳澤国務大臣 去る二月の十五日の参議院厚生労働委員会におきまして、安倍総理から、自己管理型労働制については今国会への法案提出を見送る、こういう御発言がございました。同じ労働基準法の中身でございますが、法定割り増し賃金率については、中小企業にも配慮しつつこれを引き上げるというための法案を提出いたす予定にいたしておりますが、その中には、自己管理型労働制については、これを含めないということでございます。
○高橋委員 今おっしゃいましたので、では、統一してお話ししましょう。自己管理型労働制については、今回は提出をしないというお答えだったと思います。 それで、皆さんのところに資料をお配りしております。一応提出をする予定だったときにだと思いますけれども、厚生労働省が国民の理解を得ようとしてつくった資料であります。「自己管理型労働制に関するQ&A」というものが出ております。その一部を配らせていただきました。 一番下を見ていただきたいんですが、「Q3 なぜ自己管理型労働制の導入が必要なのですか?」、この質問に対して、「企画立案等の業務に従事するホワイトカラー労働者に対しては労働時間規制の適用除外が喫緊の課題」とまで言っております。これは、喫緊の課題であるということに対して、大臣の本音でしょうか。
○柳澤国務大臣 自己管理型労働制は、日々の労働時間を働く人々自身が決め、時間ではなく成果等によって評価される仕組みでありまして、仕事と生活の調和の実現にも資する制度でございます。その意味で、この創設に向けて検討を行ってまいりました。 具体的には、労働時間の配分をみずから行うことによりまして、任された仕事を密度の濃い労働時間で仕上げ、そして余った時間を育児や自己啓発などに充てる、こういうような時間を確保することができるようになるのではないか、このように考えているわけでございます。 今回の案につきましては国民の理解を得ることができませんでしたけれども、引き続き、働く人たち、国民の理解をいただきながら、ホワイトカラー労働者の働き方の改革に取り組むことは必要だと考えております。
○高橋委員 要するに大臣は、急いでこれをやはり通したいという、今私が本音ですかと伺いましたけれども、そういうことだと受けとめてよろしいですね。うなずいております。 そこで、ちょっと時間がないので先に進みますけれども、今のお答えは、結局、一つ一つに逆の意味で国民に誤解を与えるのではないか。仕事と生活の調和を図るものだ、みずから時間を配分するものなので余った時間を自由に使えるんだと。それは、この制度を導入したら、では時間にゆとりができるんだろうか。そこが問題なんですね。ゆとりがあって、自分が自由が使える人に導入するという話をしていたような気がするんだけれども、何か、これをやるととても自由になるみたいなそういう印象を受けるんです。そこは本当にあいまいにしないで、きょうは解明をしていきたいと思っております。 まず、この制度の対象になるのはどのような方でしょうか。二枚目をめくっていただきたいと思います。ピラミッドの図形がありまして、てっぺんが「管理監督者」と書かれております。これは、いわゆる労働基準法四十一条によって労働時間、休憩、休日の規定などが適用除外とされている、今の制度でもそうなっている方たちのことを言うと思うんです。 問題は、では、今回の自己管理型労働の対象になるのはどういう人かというと、管理監督者の一歩手前ということが書かれておりまして、このピラミッドの下のところ、ちょこっと右側が欠けているということになるわけですね。では、この一歩手前とは何だろう。意味がよくわからないんです。そして、一歩手前と管理監督者の区別がどこにあるんだろう、それぞれどのくらいいるのでしょうか、お伺いします。
○柳澤国務大臣 まず管理監督者という人たちがおりまして、これは、今もう既に労働時間の規制を適用除外になっている方々でございます。 その下の三角の底辺の方に、専門業務型の裁量労働制と企画業務型の裁量労働制という方々が既に現行制度のもとでもいらっしゃるわけですが、今回の自己管理型労働制というものは、この専門業務型、企画業務型に、特に企画業務型に属するような人たちについて、もっと柔軟に労働時間制の適用除外の制度を設けようということでございます。 しかしながら、その場合に、現在の専門業務型裁量労働制や企画業務型裁量労働制のように、その部門に属したら、ヒエラルヒーというか、階層でいうと一番若い人たちのようなそういう人たちも全部除外されるというのは、これは非常にまた別の問題が出てくるということで、今回は、権限とか責任とか年収とかというようなものでもっと使用者側と交渉の力を持つ人たち、そういう人たちに限ってそういう自己管理型の労働制の適用を目指そう、こういう考え方がその三角の絵によって表現されているということでございます。
○高橋委員 とかとかとおっしゃいましたけれども、要するに、明確に区別ができないということではないでしょうか。 さっき伺ったのは、管理監督者と一歩手前の人たちはそれぞれどのくらいいるんですかということを伺いました。局長でもよろしいですので、お答えください。
○青木政府参考人 管理監督者についての数というのは正確な統計がございませんし、この管理監督者というのは、個々の企業において、まさに使用者側と一体となって労務管理権限を持って管理監督をする人ということで、労働基準法上の概念でございます。 したがって、具体的にそういった意味で統計調査はございませんけれども、我々が推計するに、六百万人程度は管理監督者がいるのではないかなというふうに思っております。
○高橋委員 今のお答えは、六百万人くらい管理監督者がいらっしゃるというお話ですか。では、その一歩手前は。
○青木政府参考人 一歩手前の人、今議論になっていますその案は、仕切り直しをしてもう一回検討しようということでありますので、その案自身でどういうふうにするかというのは大変問題だと思いますが、一歩手前の人ということで、その案ではいろいろな要件をかけております。一定の年収以上の者というようなことで、具体的、外形的な基準として考えておりました者です。その一定の年収をいかに区切るかということで相当数これは違ってまいります。 そういう意味では、一概にどのぐらいということは言えないだろうと思います。年収によって相当程度幅が出てくるというふうに思っております。
○高橋委員 私が問題にしているのは、その年収をどの程度にするかは法律が通ってから政省令で決めることになりますから、それはそれによって違いがありますよ。そういう問題ではなくて、管理監督者と一歩手前の性格が明確に分かれていないということを指摘しているんです。先ほど、大臣の答弁を伺っても局長の答弁を伺っても、それは明確に得られなかったと思うんですね。 例えば、めくっていただいて、Q6の方に「どのような人が対象となるのですか?」と書いています。その中に、「具体的には、企画部門などの担当課長やシニアの課長代理、チームリーダーなどの地位にある人」というふうな指摘がございます。つまり、これが一歩手前だとするのであれば、これは、現実には、もう既にそういうような方たちが管理監督者として申告をされて残業代が除外されている、そういう実態があるのではないでしょうか。 平成十七年三月の管理監督者の実態に関する調査研究報告書、これは厚生労働省の委託研究でございますので。管理監督者として届けられた者の八四%が課長同等クラスであります。つまり、管理監督者というものがあいまいにされているために、一歩手前の人も今現実にその中に入れられて、既に除外されている、その実態を認めますか。
○青木政府参考人 今お答えしましたように、管理監督者というのは個別の実態に応じて判断をするということでございます。企業において、管理職として、課長であるとか部長であるとか、あるいはさまざまな名前を使っておりますけれども、そういったもので整理をされるものではありません。どういう名前で呼ばれて企業がどういう整理をしていようが、先ほど申し上げましたような、労務管理権限を持ち、使用者側と一体的立場に立って職務を執行するという人が管理監督者ということで、実態を判断して労働基準法の適用関係を処理しているということでございます。
○高橋委員 そのようなあいまいなことでこの先どうなるんですか。つまり、企業にとって、いろいろ考え方はある、あいまいですよとなれば、それはどんどんと解釈が広がって、企業の都合のいいように除外する人がふえてくるということは避けられないじゃないですか。その点、大臣、いかがですか。
○柳澤国務大臣 これは、これから具体的には詰めの作業を法案化ということが決まった後において行うわけですけれども、権限とか責任とか年収で下限を画するわけですから、むしろ、ここの下限の方が非常に明確になってくるということすら言えるのではないかと私は思うのでございます。
○高橋委員 現行の体制できちんとされていないから、私は今指摘をしています。それで下限が決まればとか、そういうことでは理屈にならないだろうと。 では、この管理監督者の性格については、裁判は昔から争われておりました。報告書のまとめの中に紹介されているのだけで数えても、管理監督者の該当として認められたのは、二十九件中四件にすぎません。つまり、本来ならば権限が管理監督者とは言えない人たちまでも含まれていたという事実、まして、時間を自由に使えるという裁量については一件にすぎません。これまでのデータがそういうふうに示しているんです。これをあいまいにしたまま先へ進むと、さっき言ったように、都合のいいように拡大されるじゃないか、このことは指摘をしていきたいと思います。 次に続きます。 働き方を自己決定できる自律的労働者、自己管理型労働制の対象になる方たちは、使用者に時間管理義務はないと思います。間違いありませんね。局長に伺います。 〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
○青木政府参考人 管理監督者につきましては、労働基準法四十一条で労働時間についての適用除外ということになっております。そういう意味では、それを管理して割り増し賃金等を払う、あるいは八時間、四十時間の規制の適用が外されているということでございます。
○高橋委員 聞いたことにきちんと答えてください。自己管理型労働の対象になる方たちは時間管理義務はないですねと聞いたんです。
○青木政府参考人 自己管理型の労働制については、先ほど申し上げましたように、これから仕切り直して、引き続き検討ということであります。 したがって、その限りにおいて、これまで検討した中身として申し上げたいと思いますが、その自己管理型労働制について検討した際には、いわば労働時間規制を適用除外するということでありますので、一分一秒、そういったものをきちんと管理して割り増し賃金を払うという体系には入ってこないということでございます。
○高橋委員 そういうことなんです。時間を管理されない労働者、さっきからそう言っているんですからね。自由な働き方と言っているわけですから。 そうなると、法律案の要綱、今やろうとしているものの中には、使用者は、四週間を通じて四日以上かつ一年間を通じて週休二日分の日数の休日、年百四日以上を確実に確保しなければならないとし、これには罰則がついております。先ほど質問したように、時間の管理から除外される人に対し、休日百四日を罰則つきで義務づける、これは矛盾しませんか。
○青木政府参考人 まず、労働時間の管理でございますけれども、先ほど私が申し上げたとおりでありますけれども、そのほか、自己管理型の構想のときには、労働時間の状況について把握をしろというのも要件にいたしております。それは、大まかどんなような労働をしているのか、そういったものはきちんと把握をして、健康確保とかそういうことに対しては十分配慮しなくちゃいけない、そういう観点からそういう中身にいたしておるところでございます。 この年間百四日の休日につきましても、これは、自己管理型労働制というのは、日々の労働時間を働く人自身が決める仕組みとして検討してきたものでございます。働き過ぎを助長するおそれがあるのではないかという御懸念もございましたものですから、そのような弊害を防止するための措置として、まず罰則つきで年百四日の休日を確保するということにする。 それから、使用者に在社時間等を把握させまして、これは労働時間とは厳密に言えば異なります。在社時間等を把握させまして、医師の面接指導の健康確保措置を講じさせるとか、あるいは、制度の対象となるためには、企業内の労使委員会の決議あるいは本人が同意する、そういった二重の手続を必要とするというような仕組みを検討してまいりました。 働く人の健康等を考慮して、こういった慎重な仕組みとすべきという考え方に立ったものでございまして、矛盾ということではないのではないかというふうに思っております。 〔実川委員長代理退席、委員長着席〕
○高橋委員 大臣、どうでしょう。今の答弁を聞いていて、何だかさっぱりしないと思いませんか。矛盾していませんか。労働時間の管理はしないけれども、状況について把握をしろ、これはだれがどの責任においてやるのでしょうか。 まして、この提言の背景には、労働時間によって成果を見るんじゃないんだ、縛られないんだとか、あるいは、頭で考えるんだから、出勤している時間だけが労働じゃないんだということをさんざん言ってきたわけですよね。だけれども、百四日ちゃんと。だから、期末が近づいてくるとまとめて一カ月も二カ月も休んでもらうのかということさえ危惧しなければならなくなるんですけれども、やはりこれは矛盾していませんか。
○柳澤国務大臣 労働時間で賃金を決めていくということではなくて、賃金を決めるということに絡んだ労働時間ということからは離れる。しかし、他方、健康管理については、これは別途の話として、やはり休日であるとか、あるいは長く勤務すること、在社することによる、お医者さんに診ていただくというような健康管理のことについては、これに対してより配慮をしているという考え方でありまして、私は、自己管理型労働制における時間管理の問題とこの問題とは別個の問題である、このようにとらえております。
○高橋委員 今の御答弁も、賃金は離れるけれども健康は配慮するという、これもまたちょっと大変な答弁ではないのかなと思っております。経済同友会の北城幹事なども、この表現は矛盾しているのではないかという指摘をしていますよね。でも、別の意味でしている。つまり、こういう健康確保措置という規定自体が無理なんじゃないかという指摘があるのであります。ですから、これが空文化してはいけない。 ただ、今局長がお話しされたように、やはり働き過ぎを助長するのではないかという声があるということを皆さんは受けとめているんだ。やはりそれは、現実に、こうした制度をつくることによって長時間労働が過労死を招くおそれがあることを否定できないからではないかと思います。 〇五年の労働安全衛生基本調査では、メンタルヘルス失調で休業した者がいる企業は、一千人以上規模では八割を超えています。過労死予備軍はふえていると見なければなりません。東京労働局による、過重労働による健康障害を発生させた事業場に対する監督指導結果によれば、労働時間の不適正な管理や、長時間労働、不適切な健康管理を原因として過労死や過労自殺等を発生させて、労災認定された方たちは四十八人いらっしゃいます。そのうち、いわゆる店長や本社の部長など管理監督者、勤務時間を自己管理できる方たちは十一人もいらっしゃいました。こういう事実を見ていただく必要があると思います。 大臣、エグゼンプションにすれば過労死は減るのでしょうか。
○柳澤国務大臣 ですから、その労働時間規制の適用除外をすることについて、やはり労働強化というか過労というか、そういったことについての懸念があるということで、先ほど来申し上げております健康に配慮したこういう措置をとって、そうした不幸な事態に絶対に陥らないようにしようということで当時は考えてきた、構想してきたということでございます。
○高橋委員 今は、懸念があるとお認めになったと思います。ですから、きっぱりとおやめになるべきだと思います。 そもそも、過労による自殺は労災であるという考え方は、二〇〇〇年三月の最高裁判決がきっかけになったと思っております。一九九〇年に電通に入社をしてラジオ広告の企画業務についた青年が、日中は実務や会議、夜に企画書を書いた。リーダーから離れて一定裁量が持たされたころでありました。八カ月で七十回の午前二時過ぎの退社、亡くなる直前の八月は四日に一回は徹夜、こうした経緯を詳細に検証しながら、労働時間が極端に過剰な事例であったことを理由に、一〇〇%会社側の責任を認め、一億二千六百万円の支払いを命じた判決でありました。 この画期的判決は、その後の過労自殺判決を次々と勝利させ、サービス残業の是正や、労災にうつ病による自殺を認めさせる、あるいは安全配慮義務を使用者側に求めるなど、労働行政に大きく影響を与えました。御存じのとおりと思います。 労働時間規制を除外しても、長時間労働とうつ病、過労死、自殺などはやはりリンクする、長時間労働とそういう過労の問題というのはやはり切り離せない問題なんだ、だからこそ、今回、たとえ自律的な働き方といっても健康確保措置を置いた、今の百四日のことを置かざるを得なかった、そういうふうにお認めになりますか。
○柳澤国務大臣 健康に対して配慮をしているということですし、それからまた、この導入については、先ほど基準局長から申させていただきましたように、集団的な労使の委員会で合意をするということ、それからまた、本人が同意をするということを前提としてこの制度を運用していこうという、そこまで二重、三重の我々は配慮をしながら、そしてまた、この自己管理型労働制の長所を発揮させよう、確保しよう、こういうふうに考えていたということであります。
○高橋委員 今、二重、三重のとおっしゃいましたけれども、やはり最初は、確かに厳格な要件を仕組み、対象も狭く始まったとしても、小さく産んで大きく育てるのは常道ではないでしょうか。既に今やられている企画型裁量労働制においても本人の同意は要らないんじゃないか、そういう議論が既に始まっています。 経団連が〇五年の提言の中で年収要件を四百万と言ってきましたけれども、同じ年の経営労働政策委員会の報告の中では、一定の限られた労働者以外については原則として労働時間規制の適用除外とする制度を導入すべきである、つまり、導入する人がほとんどで、しない人が限られた人、そういう指摘までされているんです。 そういう中で始まるとなれば、それは幾ら二重、三重と言ってもだめなんだ、空文になるんだということを強く指摘して、これは断念以外にないということを指摘して、終わりたいと思います。 以上です。
○金子委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。 引き続き、裁判所の予算執行、この予算案でも裁判員制度の広報費約十四億円要求されていますので、最初に当たり前のことを聞きます。 裁判官及び裁判所職員の予算執行は、会計法令にのっとって、これを遵守して行う義務があるのかどうか。
○小池最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、遵守する義務がございます。
○保坂(展)委員 今答弁された経理局長は、昨年の一月三十日に経理局長に、前任者とかわられて就任をされている。前回、この裁判所版タウンミーティング、裁判員制度全国フォーラム、これはさかのぼり契約の可能性が高い、ただし、前任者のことだけれどもというふうにおっしゃいました。ところが、この裁判員制度全国フォーラムが、平成十七年十月一日に始まって、終わったのはいつかというと、昨年の、平成十八年の一月二十九日なんですね。つまり、翌日に就任されている。 さかのぼり契約というのは、事業がすべて終わってから契約される可能性も高いわけで、もしかすると経理局長自身の就任後のことではないですか。
○小池最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のさかのぼりという点につきましては、現在調査中でございますが、私の認識としては、私が就任した後のものではないと思っておりますが、なお調査したいと存じます。
○保坂(展)委員 調査中ということなんですが、前回の質問の後、最高裁からいろいろ平成十七年度の企画競争における随意契約について資料を求めました。 お配りをしているところのページをめくっていただいた左側に、裁判員制度タウンミーティング企画競争参加者の企画書提出時見積額とございます。時事通信は違いますが、それ以下、NTTアド、第一印刷所、廣告社、すべて三億四千九百六十五万円で、九けたぴたり一致しています。 これはどうして一致しているんですか。公正な競争ですか、これが。
○小池最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 この金額がどうして一致しているかというのは、私どもとしては承知いたしておりません。
○保坂(展)委員 司法試験に合格したというだけではなくて、裁判所のいわば頂点にある事務総局が、国民の皆さんに対して裁判員制度を広報する、これは企画競争で公平公正にやっている。ぴったり一致しているということについて徹底的に調べていただきたい。どうしてそんなふうになっているのか。 さらに、お配りした資料を見ていただくと、一枚目、これは最高裁判所のホームページです。矢印をしるしておきましたが、これは、裁判員制度タウンミーティングを随意契約で結んでいることに対して、これを点検し見直しをする、こう書いてあります。その「講ずる措置」というところですが、一般競争、総合評価方式も含む、または企画競争を実施、平成十八年からと。これは「講ずる措置」と書いているんですね。 ということは、これまでの答弁で、企画競争をしてきたというふうに言われているんです、前回。しかし、このホームページでは、十八年からやりましょうや、こう書いているじゃないですか。どういう意味ですか。
○小池最高裁判所長官代理者 この点につきましては十七年度も行ったわけでございますが、ここのフォーマットにつきましては政府の形に沿って書いたものでございます。
○保坂(展)委員 全くわからない話なんですね。ここには平成十八年からと書いてあるんですね、一般競争入札か企画競争。というと、「講ずる措置」というのは必要ないじゃないですか、平成十七年もやっているのであれば。これはホームページ、間違いですか。
○金子委員長 最高裁小池経理局長、わかりやすくお願いします。
○小池最高裁判所長官代理者 この見直しは、一般競争でやるというのが一番望ましい競争性の姿でございます。 それで、そこの記載というのは、まあ企画競争というものも入っておりますけれども、より競争性の高いものについて十八年からまた検討していく、こういう趣旨で記載したものでございます。
○保坂(展)委員 どうも最高裁は余り契約上のイロハのことについて踏まえていないというのは信じがたいことですけれども、さらに続けて聞いていきます。 タウンミーティングの企画提出、これは企業を選定する企画競争をやったと言われていますね。この責任者は一体だれだったのか。つまり、これまで聞いているところだと、事実上の責任者は刑事局長だと聞いていますが、三億円を超えるこれらの契約について、例えば事務総長などの許諾が必要だったんじゃないですか。明快に答えてください。
○小川最高裁判所長官代理者 選定の責任者は刑事局長でございます。
○保坂(展)委員 事務総長は関与していないということでいいですか。
○小川最高裁判所長官代理者 刑事局長の権限で選定しております。
○保坂(展)委員 刑事局長の権限でこれらは行われたということですが、皆さんのところに、こちらは最高裁で作成をしてもらった年間十三億円台の裁判員制度広報の細かい内訳ですね、こちらの方にございます。 細かい内訳で、どんと費用が載っているのは、平成十七年には、こちらですね、長谷川京子さんを起用して、新聞広告一面ですね、こちらを出されております。そして、つい一月にも出ましたけれども、次の年は仲間由紀恵さんを起用して、このとおり全面広告が出ておりますね。これについて、仲間さんを起用した総額六億円、廣告社との契約について伺っていきます。この契約をした日、契約締結日と、新聞広告が掲載された日はいつですか。 新聞広告は二回出ておりますが、最初の新聞広告はいつ出ましたか。私の方は契約をしてすぐに出たと聞いているんですが、手元にありませんか。
○小池最高裁判所長官代理者 申しわけございません。 最初に出た新聞広告は、平成十八年十月二十四日、読売新聞でございます。(保坂(展)委員「契約日」と呼ぶ)契約日は、十月十日と思います。
○保坂(展)委員 私が最高裁判所から取り寄せた契約書がございますが、ここには、経理局長、十月二十日とあるんですよ、十月二十日とございます。 十月二十日に契約をして、十月二十四日にこれだけのすばらしい一面広告、出せますか。撮影も、コピーも、企画も、全部、版下も入れてですね。これも事後的に契約書を交わしたんじゃないですか。あなたの在任中のことですよ。前任者のことじゃないですよ。
○小池最高裁判所長官代理者 契約日でございますが、失礼いたしました、十月二十日でございます。 それで、これにつきましては、まず随意契約の業者を定めたところから、準備行為あるいは実質的な業務遂行行為という形で事業を進めていたということは確かでございます。
○保坂(展)委員 それが、この大変人気の高いタレントさんのスケジュールを確保して、写真を撮って、そして全部版下まで上げて、契約して四日後に広告に掲載される。これは、さかのぼり契約の可能性高いどころか、そのものじゃありませんか。答えてください。
○小池最高裁判所長官代理者 さかのぼり契約というものをどうとらえるかという問題はございますが、契約の締結をしたという日より前にそのような行為を行ったということは、委員御指摘のとおりでございます。
○保坂(展)委員 裁判員制度を普及させていくために、最高裁判所は、私も見せていただきましたが、このような「評議」、これは映画というかDVDをつくっておられます。つい最近、記者発表で、今度は「裁判員」という映画をつくられる、裁判長は山口果林さんがやられているということですが、この映画「裁判員」、ジェイアール東日本企画、概算で七千万円を予定している。私、契約書と見積書、並びに、でき上がったという報道があったので請求書を事務当局に請求しました。 資料を見ていただきたいんですが、これは最高裁につくっていただいた資料です。裁判員制度広報関連資料というのがございます。ここで、二番目に「映画」と書いてあります。この「映画」のところの平成十八年、これを見ると「契約未了」と書いてあるんですね。契約していないんですか。映画はできちゃったんですよ。三月二十日には最高裁大講堂で試写会をやりますから、国民の皆さん、来てくださいとまで、いわば呼びかけているんです。契約していない、これは信じられないんですが、本当ですか。
○小池最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、契約書作成ということは、まだ未了でございます。現在それを決裁して、近々することになっております。 少し補足させていただきます。 これは九月一日に企画競争によって業者を選定いたしました。その後、議員御指摘のように、契約書を作成しないままシナリオの作成や出演者を確定し、撮影に入りまして、現在、途中から視聴覚障害者の方への字幕あるいは副音声の処理というような問題がございまして、そういったものを行いまして、今月末に納品していく、こういう予定になっております。
○保坂(展)委員 私も、裁判所というところは非常に頭がかたくて、石橋をたたいて渡らない、書類にちょっとでも不備があれば返される。厳格という意味でいえば、最も厳格な国の機関というふうに信じておりました。しかしながら、今の話を聞くと、国民に、プレスに対して、映画ができました、さあ、ごらんください、こう発表して、幾らかかるのかわからないから、でき上がった段階で精算しましょう、こういうことをやっていた。信じられないですね。 また、ホームページを見てみました。そうすると、公共調達の適正化についてということでホームページで記されてございます。このホームページは、何と、広報用映画の制作、支出負担行為担当官小池局長の名前で、契約した契約締結日が書いてあるんですね。これは九月二十五日、値段も六千八百八十八万円と書いてあります。このホームページはうそですか。
○小池最高裁判所長官代理者 このホームページの記載は、内部のそういう随契の公告をするという決裁を経て、いわばページにアップされたものでございます。
○保坂(展)委員 会計法の二十九条の八には、国の契約をするときには、契約担当官が契約書を作成しなければいけない。そして、契約が実効性を持つのは、これは最高裁の判例なんですよ、今言っているのは。一九六〇年、昭和三十五年に最高裁の判例で、契約書の存在、国が民間業者と交わす契約書が有効力を持つのは、契約担当官と相手方が契約書に記名押印した時点で確認するとあるんです。 これは、ホームページに公表している契約というのは、会計法違反じゃないですか。
○小池最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げましたように、この映画のものにつきましては、契約書作成は未了でございます。このものについて、何ゆえにこのようなホームページにアップされているかということにつきましては、事実について私ども確認させていただきたいと思います。
○保坂(展)委員 確認じゃなくて、今、本当にそんな精緻な議論をしていませんよね。非常に単純な議論です。会計法上の契約というのはいつ確定するのかと。最高裁判例を私が紹介するまでもなく、局長は知っているわけです。 だから、このホームページは間違っていますね。
○小池最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、このホームページは間違っております。 私どもも、昭和三十五年、一九六〇年の最高裁判例を経て、その後会計法が改正されたという経緯については承知しており、その解釈が委員御指摘のようになっているということは十分承知しております。
○保坂(展)委員 十分承知していながら局長がこれを認めていたのは、何なんですか、これは。局長に書類が上がってこなかったんですか。きょうの質問通告、これで初めて知ったんですか、わかっていて放置したんですか、どっちですか。
○小池最高裁判所長官代理者 契約未了ということは承知しておりました。 それで、ホームページにアップしたということは、これはもう、私がそういったものを、これは全国の随意契約の報告について大量のものが私の決裁になります。その中に入っていたと思います。私が判を押してホームページにアップすることでございますが、その実態とそのホームページに載せるべきものと乖離があったというのは、私が十分点検しないで判を押したせいであると考えております。
○保坂(展)委員 ホームページに本当のことでないことが載っていたというのは、国民を欺く行為なんですよ。一番核心の問題は、契約をしていないということを経理局長が知りながら映画の制作をずっと最後まで進めていたということにあるんです。これに対してどういう認識ですか。
○小池最高裁判所長官代理者 このように契約書を作成せずに事業遂行を進めていくというのが好ましくないというのは御指摘のとおりでございます。 私ども、これは二つのことを懸命にやっておりました。一つは、裁判員広報という非常にふなれな仕事でございまして、事務が錯綜しておりました。それから、先ほど委員御指摘のように、随意契約見直しという一般的な問題もございまして、これがすべて同じ係でやっているところがございました。そういうような状況、この仕事の中の難しさということの中で、少し事務の混乱があったということでございます。
○保坂(展)委員 予算委員会でございます。平成十九年度も、この資料につけてあるように、十四億円になんなんとする予算要求が裁判所から出ております。こういう形で、契約書も締結しないで、また内容も精査せずに、さあどうぞ使ってください、こういう形で広報されたらかなわないですよ、これ。 局長に伺います。 先ほど刑事局長の方から、事務総長には上げなかった、これも私は重大な答弁だと思いますね。十三億円という大変多額の広報費を、裁判員制度の国民への普及に対して最高裁事務総局は預かって、事務総長にも上げない。しかし、実体上、これは支出行為の責任者は最終的には最高裁長官なんですね。裁判官会議にこれはかけたんですか。事務総長は本当に知らないんですか。経理局長、お願いします。
○小池最高裁判所長官代理者 この事柄につきましては、企画については刑事局長、それから会計的なものについては経理局長、私、当職ということになっておりますが、これはもちろん事柄が重要でございますので、適宜報告をいたしております。 それから、裁判所といたしましては、今までの広報予算から見ると例を見ない多額の予算でございましたので、無駄な予算執行にならないように非常に厳重な業者の見積もりのチェックをいたしておりました。その見積もりチェックという指示が、私は厳しくやっておりましたけれども、それがこういう業務のおくれを招いた、このように考えております。
○保坂(展)委員 法務大臣、よろしいですか、長勢法務大臣。 法務省も、この裁判員制度、例えばこれは「裁判員制度」、これは法務省のDVDで、野沢元法務大臣も客演というか裁判員の一人として出演されています。法務省の場合はトータル三億円と、少しの広報予算ですね、裁判員制度。最高裁判所と法務省と合わせれば大変多額です。本当に広報に無駄や重複がないのか、しっかりと法務省としても見直していく、そういう議論を始めていくべきじゃないですか。
○長勢国務大臣 裁判員制度の実施はあと二年半ぐらいに迫っておりますので、国民の皆さんに十分理解をしていただいて参加していただくように、今、裁判所、法務省、全力を挙げておるところでございます。 これまでも一生懸命やってまいりまして、それぞれ連携をとると同時に役割分担をしながら進めてまいりました。しかし、先回の、最近の世論調査におきましても、余り裁判員にはなりたくないという数字がそんなに低くはないわけで、私としても、相当これはふんどしを、ちょっと言葉がまずかったら言い直しますが、もっと全力を挙げて頑張っていかなきゃならないと思っておりますし、そういう意味で、裁判所と法務省の連携のあり方についても、私の目から見るとちょっと足りないんじゃないかと思うところが幾つかあります。ぜひ見直しをして、しっかりやっていきたいと思います。
○保坂(展)委員 しっかり見直しをされるということですが、最後に、会計検査院に来ていただいていますが、司法検査課で検査をしたそうですが、ちょっと甘いんじゃないでしょうか。今のやりとりを聞いて、再度調べ直すという気持ち、当然だと思いますが、どういう見解ですか。
○諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。 裁判所の契約に係る執行状況につきましては、従来より検査を実施してきたところではございますけれども、今後とも、検査に当たりましては、ただいまの御議論を十分に念頭に置きまして、引き続き厳正な検査を実施してまいりたいと考えております。
○保坂(展)委員 大変あきれたし、あきれているだけでは済まない事態が明らかになったと思います。国民への信頼回復ということを含めて、もう本当に可及的速やかに、どういう事態が起こっていたのか裁判所には明らかにしていただきたいということを申し上げて、終わります。
○金子委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会