法務委員会 第3号
- 発言数
- 369 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/02/21
会議録
○七条委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府犯罪被害者等施策推進室長荒木二郎君、警察庁長官官房審議官野村守君、警察庁刑事局長縄田修君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長米田壯君、警察庁警備局長米村敏朗君、警察庁情報通信局長武市一幸君、総務省自治行政局選挙部長久元喜造君、法務省大臣官房長池上政幸君、法務省大臣官房訟務総括審議官大竹たかし君、法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長小津博司君、法務省矯正局長梶木壽君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務省大臣官房審議官猪俣弘司君、外務省大臣官房参事官水上正史君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長上田隆之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○七条委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局小池経理局長及び小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○七条委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武田良太君。
○武田委員 自由民主党の武田良太でございます。 今国会初めて法務委員のお仲間に加えていただきまして、またトップでの質問の機会をちょうだいいたしましたことに厚く御礼申し上げたいと存じます。 大臣の所信表明に対しまして、何項目か御質問をさせていただきたいと思いますが、まず、裁判員制度について質問をしたいと思います。 これは、司法制度改革の中の重要な柱の一つでございますし、また国民の司法参加という意味では重要な制度であると私は認識をいたしております。この制度の円滑な実施のためには、国民の深い理解と、そしてまた国民のみずからの意思による積極的な参加ということが重要になってくるわけでございますけれども、ことし二月に内閣府が特別世論調査をしたところ、まだまだ周知徹底が図られていない、そしてまたこうした制度が導入されるんだということを認識していながらも、積極的に参加しようとされる方がそう多くはなかったということでございます。法務大臣におかれましては、国民それぞれが裁判員制度への参加意識がもうちょっと高まるように一層の広報啓発の推進に頑張っていただきたい、このように思っております。 先ほど申しましたけれども、裁判員制度というのは、国民が刑事裁判に主体的に参加することによってその感覚を裁判に反映することができると思います。何となく閉鎖的なイメージがある裁判の中に、開かれた空気というものをつくることによって、そういった感覚を反映させることによって、やはり国民の司法に対する信頼度というものも私はまた高まってまいるのではないかなというふうに思うわけでございます。 司法制度改革としまして、さまざまな分野で改革が進められておりますし、多くの制度が既に始まっておりますけれども、あと二年に差し迫ったわけですね、裁判員制度の開始というものが。司法制度改革の総仕上げと言えるこの制度を円滑に開始できるように、皆さん方も御努力していただいていると思うんですけれども、これを本当に、信頼をより確かなものにするためには、やはりまださまざまな工夫が必要じゃないか。裁判員として国民の理解を求めるためには、皆さん、国民というのは仕事もあるし、家庭もある、そうしたそれぞれの生活環境の中の負担軽減というものに関してもやはり配慮をしていかなくてはならないと私は思います。 今国会に、そうやって円滑に実施するための法整備ということで、部分判決制度の導入などを内容とする裁判員法等の一部を改正する法律案が提案されるとのことであります。しかしながら、裁判員制度というのがまだ施行されていない状況の中でまた新たな法整備をするということはちょっと珍しいケースだなと思うんですけれども、裁判員制度施行前にこういった法整備を行う理由について大臣にお答えいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 裁判員制度が始まるということは、国民の皆さん、相当程度に浸透しておると思いますが、では、裁判員に指名されたときに参加をするかという参加意識についてはまだまだというのが実態であります。御指摘のとおりであります。ぜひ皆さんにも参加していただけるように、これから全力を挙げていかなければならない、それは我々の大きな課題だと思っております。 仕事がある、そういう時間その他の負担感もありますが、もっと大きいのは、どうも調査によれば、そんな難しいこと、そんな責任の重いことをやりたくないという気持ちがあるようでありますので、もちろん責任は重いわけでありますが、また法律を扱うわけではありますが、余り過大に負担感あるいは難し過ぎるという思いをお持ちになることのないように、広報の方法等々も工夫して努力していきたいと思っております。 お尋ねの、今回予定している法律案でございますが、おっしゃるように、参加される方々の負担をなるべく少ないものにしていかなきゃならぬということは当然のことであります。 そういうことを考えますと、現在の刑事裁判では、一人の被告人が幾つもの事件にかかわっておるということが起こります。これを併合して審理するということになると、それを同じ裁判員がやるということになると、幾つもの事件をその人がずっとやらなきゃならぬ。大変な負担になる。そうすると、従来どおりのやり方ではその負担を軽減することができませんので、場合によってはそれぞれの、同じ被告人であっても、事件を分けて審理してもらう。つまり、裁判員が別々のをやるということも可能とするという仕組みをつくれば、その分負担を軽減することができますので、そういう道を開くということが今回やろうとしておる中身であります。 このことは、裁判員制度を設計する段階でも各方面で御議論になっておりまして、これを早く整備しておくべきであるという意見がもともとあったわけであります。これは始まる前につくっておかなきゃならないことでありますので、今回御提案させていただくということであります。
○武田委員 ありとあらゆる負担軽減策が国民の裁判員制度に対する積極的な参加意識を高めていくということは、これは大変重要なことであると思います。 これは、制度の施行前であっても、やはりいいアイデアが次から次に出たり、また足りない部分を見出されたりした、そうしたときには積極的に、前向きに、遠慮せずに、しっかりとやっていただきたいというふうに考えております。 そこで、先ほど大臣のお言葉の中にありましたけれども、部分判決制度というものに対して、もう少し詳しい内容をお聞きいたしたいと思います。副大臣、お願いします。
○水野副大臣 部分判決制度と申しますのは、裁判所に同一の被告人に対する複数の事件が係属した場合に、まずその複数の事件のうち一部の事件を区分して、区分した事件ごとに審理を担当する裁判員を選任して、順次これらの事件を審理し、有罪、無罪だけは判断して、それは判断するものの量刑はしないという部分判決を行うものでございます。そして、その部分判決を踏まえて、新たに選任された裁判員の加わった合議体が全体の事件について、今度は量刑も含んで終局の判決をする、そういう制度でございます。
○武田委員 わかりましたが、これまた法案審議のときにさらにお伺いしたいと思っております。 それでは、次の質問に移らせていただきますけれども、継続審議となっております条約刑法についてお尋ねをしたいと思っております。 これはいろいろな場、我が党におきましても部会等でさまざまな議論、そしてありとあらゆる方々が多くの関心を寄せておるとお聞きしております。しかしながら、今日までの国会審議等においてさまざまな慎重論というのも出ておったという状況でございまして、これは拡大解釈されて、一般の国民までもそれが適用されるんじゃないかとか、対象となる犯罪が余りにも漠として多過ぎるんではないかとか、ある方によれば、また治安維持法の再現じゃないかとかいろいろな意見が出される。ですから、そういうことを考えれば、これは一歩間違えれば、もしかしたら危険な要素もはらんでおるという部分もあると思うんですね。 しかし、我々の今の周りの状況を考えてみましたら、先日も人口が集中する繁華街で暴力団抗争による発砲事件がございました。一人の組員が射殺されたという事件もございましたし、そして各国の国際的なニュースが毎日流れてきておりますけれども、バグダッドにしましても、昨年のロンドンにしましても、先日のインドとパキスタンを結ぶ列車の爆破事故等々を見ても、国際テロ組織によるテロというものがもう本当に多発しておるような状況でございます。 我々は何が何でも国民の生命と財産、そして安心と安全というものを確保していかなければならない、このことは皆さん方も御理解いただけると思うんです。しかしながら、もう一個私が訴えたいのは、平成十五年の通常国会で国際組織犯罪防止条約というものの締結の承認を国会でいたしております。そしてもう一個は、十六年の通常国会ではサイバー犯罪条約、これの締結の承認をもう既にいたしておるわけですね。 それで、今、大臣も御承知と思いますけれども、犯罪がグローバル化しておりまして、本当に深刻な世界的な問題になってきておりまして、この国際社会の中で、世界諸国と協力しながら、我々もそうしたテロと対決をしていかなければならないと考えておるわけでございます。 麻薬にしましても、テロにしましても、組織犯罪というものは起こってしまうともう大変な被害をこうむってしまいます。ですから、起こる一歩手前で未然に防げるものであれば、そういう制度というものをやはり我々は考えていかなくてはなりません。テロというのは所と人と時を選ばない、であるからこそ、なお一歩手前で我々は抑止力を高める方策というものを練っていく必要があると思っておるわけでございます。 この必要性に駆られながらも、しかしながら、いろいろ先ほど言いましたような御意見が出る。それに対しては、これは紛れもなく重大な組織犯罪のみに限定するという定義づけをもっとわかりやすい形で、我々は深く議論の根をおろしていかなければならないと思いますし、その上で国民の理解というものもいただいて、そして早期成立をやはり目指していかなくてはならないと私は考えておるわけですけれども、法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○長勢国務大臣 この問題につきましては、私の所信表明においても申し上げましたけれども、国際社会と協調しつつ、麻薬やテロなどの組織犯罪あるいはサイバー犯罪というものに対して防止をしていく、処罰をしていくということはもう国際的な課題であることは御指摘のとおりでございますし、これに積極的に取り組んでいくことが世界の主要国としての我が国の大きな責務、役割であると思っております。 今おっしゃいましたように、麻薬、テロといったような犯罪というのは起きてからでは間に合わないわけでありまして、そのために国際社会が連帯して阻止をするために国際組織犯罪防止条約あるいはサイバー犯罪条約ということが国連において国際条約としてつくられたわけでありまして、もう既にこの国際組織犯罪防止条約については世界で百三十カ国が締結をして、G8で加盟していないのは我が国だけという状況でありまして、これは国際連帯の中でやるということは、主要国が抜けちゃうと話にならないわけで、早期に我が国もこれに加わっていくことが急務であると思っております。既に締結については国会で御承認もいただいているところでございますので、いろいろ今まで大変この委員会で御審議を尽くしていただいておるわけでございますが、ぜひ早期に成立をさせていただきたいものだと思っております。 その際、いろいろ御懸念もあるわけでありますので、それはまた委員会で十分な御審議をいただきたいと思いますけれども、国民の中には、この法案が、忘年会でそんな話をするとすぐ逮捕されるんじゃないかというような誤解もまだ解消されていないことも聞くわけでありまして、組織的な犯罪集団の関与する重大な犯罪に限って処罰の対象とするものである、したがって、組織的な犯罪集団と関係のない一般の国民の方々に適用されるものではないということなども十分御理解をいただいて、そして国民の納得できるような法案として、ぜひ早期に成立をさせていただきたいと希望させていただきたいと思います。
○武田委員 主要国の責任を果たすという意味でも、そしてまた我々が肝に銘じておかなきゃならないのは、我々だってあすは我が身で、いつテロというものに遭遇するかもわからない、そうした危機感を抱きながら慎重な議論を進めていきたいと私も考えておる次第でございます。 次は、刑法についてです。 今現在では免許取得者が八千万人を超えておるというふうにお聞きいたしておりますが、ちょうど私の地元福岡県でも、去年の八月二十六日に市職員が飲酒運転により追突事故を起こし、欄干から海に自家用車が転落して三名のお子さんのとうとい命が失われた、本当に痛ましい、つらい事件でございました。それから、埼玉県の川口市で、保育園児の列にわき見運転の車が突っ込んでとうとい四名の命が奪われた。そうしたことが、本当に今の日本列島ありとあらゆる地域で絶え間なく続いておるような感じがいたしております。 このような大変痛ましい事件がいまだに後を絶たない状況なんですけれども、自動車の運転による死傷事故の現状について、政務官は現状をどのようにお考えでおられるか、お尋ねしたいと思います。
○奥野大臣政務官 武田委員御指摘のとおり、最近の自動車の運転による死傷事故というものには、飲酒運転などの悪質かつ危険な運転行為によるものや、多数の方が亡くなられるような悲惨な結果を生じるものが多発しているわけでありまして、また犯人が捕まらないで時効になるような、被害者の立場に立てば大変心中余りあるものもたくさんあるように感じます。 先ほど御指摘になった、川口市の事件の被害者があした私のところへおいでになりますけれども、ぜひそういった方の心が納得していけるような法的な立場というのが必要なんだろうな、こう思います。 こんなことから、こういった飲酒運転を含めて自動車事故に関しては、大きな社会問題になっているわけでありますから、これを根絶するための政府全体で真剣な取り組みをしていかなくてはいけないんだろうと思いますし、特にその抑止のために刑罰の強化といったことも含めて真摯な取り組みをして、法務省全体としても、必要かつ適切な施策を講じていきたいというふうに考えております。
○武田委員 この問題は、大臣の所信の中にもありましたように、世界一安全な国日本の復活という部分でも絶対に大事な問題だと私は考えておりますし、またこの悪質な飲酒運転による交通事故というのは、絶対に根絶していかなくてはならないと考えます。 そこで、この点に関して、大臣が法制審議会に自動車運転による過失致死傷事犯等に対処するための刑法の一部改正について諮問されておるというふうに伺っておりますけれども、その内容についてお伺いしたいと思います。
○奥野大臣政務官 今申し上げたように、悪質な飲酒運転中の死亡事故に対する罰則が国民の求める処罰に合致していないというような御指摘があるわけであります。また、自動車運転による業務上過失致死傷罪の最近の裁判所が言い渡す刑、これは科刑と言うわけでありますが、その科刑状況を見ますと、法律に定める刑や、あるいはその組み合わせで刑が決まる処断刑、そういったものの上限で決まっているようなケースがたくさんあるというのが実態であります。 そこで、今、こういった事態に即して適正な科刑を行うために刑法の一部改正が必要であろう、こういうふうに思われておりますので、法務大臣から法制審議会に対して、自動車運転過失致死傷罪を新設し、その法定刑の上限を七年に引き上げるということを内容とした諮問をしたわけであります。 しかし、現在の刑法は、業務上過失致死に対して行為責任主義のもとで法定刑が定められているわけでありまして、国民感情からいいますとまだまだ低いんじゃないかというようなこともあって、いわゆる結果責任主義で刑法を定めるということを期待する国民の一部の考え方からはまだそこまでは至っておりませんけれども、今の法体系の中で認められるルールを少し厳しくしていこうじゃないか、こんなことをねらって法制審議会に審議をお願いしたわけであります。
○武田委員 大変意義ある諮問であると考えますので、これは早目に法案を今国会にぜひとも提出していただきたい、このように考えております。 それでは、次は、犯罪被害者のための施策について質問をさせていただきたいと思います。 この問題は、平成十六年十二月に犯罪被害者等基本法が成立し、これを受けて翌年、犯罪被害者等基本計画が閣議決定されております。重要な内容が多く含まれておると思いますが、犯罪被害者の方々の損害の回復につきましては、多くの犯罪被害者等にとって、損害賠償の請求により加害者と対峙することは、犯罪等によって傷つき疲弊した精神にさらなる負担を与えることになり、また訴訟になると、高い費用と多くの労力、時間を要することや、独力では証拠が十分に得られないことなど、多くの困難に直面するとされております。また、犯罪被害者の方々の刑事手続への関与につきましては、事件の当事者である犯罪被害者等が刑事手続の推移及び結果に重大な関心を持つのは当然であるが、現状について、事件の当事者にふさわしい扱いを受けていないという批判があるとされております。 こういった指摘を踏まえまして、犯罪被害者の方々の権利利益のより一層の保護を図っていくこと、そして基本法で規定されている、すべて犯罪被害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有すると言える社会を実現していくことは極めて重要なことだと考えられます。 法務省において、この国会に犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法の一部を改正する法律案を提出されるということでございますけれども、犯罪被害者の方々の保護、支援を一層充実させていくことについて所見をお伺いしたいと思います。副大臣、お願いします。
○水野副大臣 先生おっしゃられるとおり、犯罪の被害に遭われた方々とかその御家族のお気持ちを真摯に受けとめて、保護、支援を図っていくということは極めて重要だというふうに考えております。 そのために、御指摘のとおり、犯罪被害者等基本法や、それに基づいての基本計画が閣議決定をされておるわけなんですけれども、そして今国会において提出しようとしている法案というのは、この基本計画を受けまして、今先生も御指摘になりましたけれども、まず、犯罪被害者が損害賠償請求などをするときに非常に大変だということがありますので、これに関しては、刑事手続の成果を利用する制度を創設することなどを盛り込む予定でおります。また、犯罪被害者が、自分自身が刑事裁判に今まで積極的に参加できないということに対しての不満もございましたので、刑事裁判に参加できる制度などの創設も内容としております。 法務省としては、犯罪被害者の方々の権利利益の一層の保護を図るため、これらの制度を一日も早く導入することが重要であると考えており、できる限り速やかに所要の法案をこの国会に提出したいというふうに考えております。
○武田委員 本当に被害者の皆さん方はお気の毒であり、そうした被害者の皆さん方の気持ちに沿って、一層の充実に努めていただきたいと思っております。 それでは、最後の質問にさせていただきますけれども、出入国及び在留管理について御質問させていただきたいと思います。 小泉前総理は第百五十六国会におきまして、日本を訪れる外国人の皆さん、この旅行者の数を二〇一〇年までに倍増するという目標を掲げられました。これは、政府そして関係省庁、民間も含めて、皆さんの大変な努力のおかげをもって、昨年は八百万人を超えたということでございます。 二〇一〇年までに一千万人を超えるということ、これは大変高い、大きな目標になってくると思うんですけれども、やはり一人でも多くの外国人の皆さん方に、日本の四季を初め、そして日本にしかないすばらしさというものをわかってもらうことも、十分に今からの国際化の中で国益にかなうものであり、何とかしてこの目標達成に我々も精いっぱいなる努力を果たさなければならないと思うのです。しかしながら、それは数ばかり目当てにして、何でもかんでも入ってくれということになれば、それでなくても、今外国人犯罪は多いし、また不法滞在者も多いし、そうした問題というものが一層膨れ上がる可能性だって私は出てくると思っております。 この目標は達成しなければならない、それに向けて総力を挙げるというアクセルを踏みながら、しかしながら、そうしたよからぬことを企てる外国人が入らないようにするために、例えばバイオメトリックスを利用した厳格な審査規定でそうしたものを未然に防ごう。しかしながら、もう一個、大臣は所信の中で、まともと言ったらおかしいんですけれども、きちんとした外国人の方々に関しては、審査の効率化と迅速化を図っていくということもおっしゃられました。本当に、アクセル踏んでブレーキ踏んで、しかも目標達成に頑張っていかなければならない、そして治安は確保しなきゃならない、安心、安全は保障しなければならない。 さまざまな環境の中で大変な作業になると思うんですけれども、一定の安全と安心を確保しながらさまざまな手だてを打って、しかも目標数値を達成するということに関して、大臣はどのようなお考えでこの目標数値達成に御尽力いただけるのか、これをお聞きしたいと思います。
○長勢国務大臣 御指摘のように、日本にたくさんの方々に来ていただかなきゃなりませんが、来られたときに、ずっと待ってばかりで入るのに手間がかかるというのもいろいろなところから不服がありますし、また、いわゆる不法入国されることは絶対に阻止しなきゃならないという大きな課題があります。 我々としては、できる限り入国される方々がスムーズに入国できるように、可能であれば待ち時間が二十分程度にしたいものだというふうに今まで努力をしてまいりました。これはやはり基本的に、厳格化をするにしても迅速化をするにしても、人の問題に絡みますので、一貫して入管関係の定員の増員に努力をしてまいりましたので、これからもまた御支援をいただきたいと思います。 それだけではなくて、まず、早くやると同時に厳格にやるために、入国されたときに全部並ぶわけですけれども、少し問題のある方がおられるとずっと長引くことになりますので、そういう方はちょっと別の部屋に行ってもらって、ほかの方々がスムーズに入れるようにするという、いわゆるセカンダリー審査と申し上げておりますが、こういう工夫をするとか、またいろいろな機械化その他の中で審査がスムーズに進むようにどんどんしておりますし、それから韓国とか台湾の場合は、そっちへ職員を派遣してチャーター機を事前に審査するプレクリアランスというやり方をやるとか、あるいは地方空港では繁閑が激しいですから、大事なときに応援体制をきちんとするとか、なるべく迅速に進めるようにしております。 ことしの秋から、いわゆる指紋によるバイオメトリックスを利用した上陸審査を始めることになりますので、これによって審査が相当厳格なものになるわけでありますが、その分遅くなることも懸念をされます。それで、今いろいろやり方を工夫しておりますので、これを導入することによって待ち時間が長くならないように努力をして、工夫をして進めたいと思っております。
○武田委員 二〇一〇年、一千万人突破はしたは犯罪はふえたということにならないように、適切な施策を講じていただきますことをお願い申し上げたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○七条委員長 次に、神崎武法君。
○神崎委員 公明党の神崎武法でございます。 私は、二十三年ぶりに法務委員会に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。 大臣とは学生時代から親しくおつき合いをさせていただいておりますが、本日お尋ねできますことを大変うれしく思っているところでございます。私は、まず、司法制度改革からお尋ねをいたしたいと思います。 二年後に裁判員制度の導入を控えておりまして、今、総仕上げの段階に入っていると思われます。ある意味では、今回の司法制度改革は、明治維新、また戦後の改革に匹敵するだけの重要な改革であろうと私は認識をいたしております。 裁判員制度についてお尋ねしたいわけでございますが、各種の世論調査を見ましても、裁判員制度に参加をしたいと思う方が少ないんですね。参加したくないという方が大体七割を超えている。裁判員制度を知っているというのも三〇%ぐらい、三割ぐらいにとどまっているわけでございます。法務省も最高裁も大変な御努力をされていることと思いますけれども、なかなか周知徹底が進んでいない。残された期間の中で、どのように周知徹底をされるのか、御決意を法務大臣と最高裁にお伺いしたいと思います。
○長勢国務大臣 あと二年余に迫りましたので、我々ももう正念場だと思っております。今までも、いろいろな広報等の手段を尽くしてまいりましたが、やり方も少し工夫をしなきゃいかぬかなと。 どうも、やはり裁判に入るということ自体に戸惑いがどうしても根強くありますし、入ると、法律がかなり難しいとか、そんな恐ろしい責任はとりたくないという気分があるわけで、そういう問題も、それは責任は重いわけでありますけれども、そんなに一人で責任を感ずるというほどの話ではないということも理解をしていただければ、気楽にというのは変な話ですけれども、安心というか、不安なく御参加していただくという気持ちになっていただけるように、余り詳細な内容だとか意義ばかり言っていないで、そういう広報もやり方を考えていかなきゃならぬのかなと思っております。 よろしくお願いします。
○小川最高裁判所長官代理者 議員御指摘のとおり、各種世論調査の結果を見ますと、依然として、裁判員として刑事裁判に参加することに必ずしも積極的ではないというのが現状でございます。その理由をちょっと見てみますと、日程調整が困難だということとか、それから裁判に参加する上で非常に心理的に不安が大きいというようなところが、どうも多数を占めている状況だろうと思います。 そこで、裁判所といたしましては、このような国民の不安や負担感を少しでも軽減するために、法務省や日本弁護士連合会などと連携協力を図りながら、裁判員裁判の審理等を主宰するという立場でございますので、そうした立場から、審理、評議、裁判員の果たす役割などを具体的にお伝えするということに力点を置いて広報活動を行ってまいりました。 今後は、今、選任手続のイメージが大分固まってきておりますので、選任手続を含め、裁判員裁判全体のより具体的な運用のイメージといったものをできる限り国民の皆様に知っていただいて、その参加意欲を高めるための広報活動に最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○神崎委員 裁判員の負担を軽減すること、これも大変重要であります。その意味では、部分判決制度を御検討されているということは非常にいいことだと思います。 そのほかにも、休暇をとりやすくする、あるいは裁判所の近くに保育所を確保するなり、裁判員としての負担を軽減して、国民が参加しやすくする、そういう環境づくりに積極的に努めるべきだと思いますが、法務当局のお考えを伺いたいと思います。
○長勢国務大臣 いずれ御提案申し上げたいと思っているわけでありますが、余り過重に拘束されないように、部分判決制度のようなものを今検討し、提案をさせていただきたいと思っております。 また、特に、気分的にどうも気が重いなというところを少し軽減というか、理解をしていただけるように努力しなきゃいかぬということは一つの大きな課題だと思っておりますが、同時に、仕事があるとか、介護あるいは育児といったようなことで、ちょっと行きたくないなという思いの方もたくさんおられますので、今、企業団体あるいは個別企業に対して、休暇といいますか、あるいはこの時間がとれるように制度を整備する等々の要請を関係各所にも御協力いただきながら私どもも一生懸命やっております。また、今申しました保育、介護などについて、どういうサービスができるかということも検討をいただいて、周知を図っていきたいと思っておるところであります。
○神崎委員 次に、法テラスの問題ですが、昨年十月に業務を開始しておりますけれども、コールセンターへの相談件数が当初予測の三割程度にすぎないということが言われております。また、地方自治体職員の研修の際でも六%ぐらいしかこの制度を知っていない、こういうことも言われておりまして、やはり周知徹底をもっと考えるべきではないかと思われますが、法務当局の御見解を伺いたいと思います。
○菊池政府参考人 お答え申し上げます。 日本司法支援センター、法テラスは、残念ながら、まだ浸透度というのが必ずしも十分ではないということは委員御指摘のとおりでございます。そこで、法テラスにおきましては、地元の地方紙に広告を掲載したり、あるいは地方自治体の方にもお越しいただいて協議会を開催するなど、努力を続けております。 私ども法務省におきましても、マスメディアを利用した広報活動は続けておりますし、また地域に根差した活動をしておられる人権擁護委員、保護司、調停委員、民生委員といった方々はトラブルに巻き込まれた方と接触する機会が少なくないと思われますので、そういう方の御理解をいただくことも大切だというふうに思っております。 そこで、私どもでは、昨年の十二月に、これらの方々を所管しております省庁あるいは担当部局に対しまして文書を出しまして、協議会とか研修会を実施する場合には、法テラスについて説明する機会を与えていただきたいというお願いをいたしました。そのお願いの結果、幾つかそういう機会を実際に設けていただきまして、法テラスについての説明をさせていただいております。 私どもといたしましては、今申し上げましたような方策も含めまして、幅広く法テラスが利用していただけるように、今後とも周知徹底活動に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○神崎委員 ぜひ、今後とも周知徹底を期していただきたいと思います。 それからもう一つ、法科大学院の新司法試験の関係でございますけれども、昨年初めて行われまして、合格率が四八・二五%だったと思いますけれども、本年は、初年度の不合格者も加わるために受験者が恐らくふえるだろう、そうなりますと合格率も大幅に下がるんじゃないかというようなことも言われております。 この新司法試験の現状について、どのように法務大臣は評価されておられるのか、伺いたいと思います。
○菊池政府参考人 事実関係について、私の方から御説明を申し上げます。 昨年初めて新司法試験が実施されまして、受験者の数は二千九十一人、合格者は千九名、合格率は御指摘のとおり四八・二五%でございました。 十九年度の合格率についての御指摘がございましたが、合格率は、何人の方が受験して、そのうち何人が合格されるかということで決まってくるわけでございますが、合格者につきましては、試験の結果を受けまして、司法試験委員会が、法曹となる者に必要な学識と応用能力を有するかどうかという観点から御決定になることでございます。また、受験者の数は、法科大学院の厳格な修了認定に基づいて法科大学院を卒業した方の数が基礎になるわけでございまして、いずれの点も現時点では不確定要素が多くてはっきりしたことは申し上げることができない性格のものだということを、恐縮でございますが、御理解賜りたいと思います。 いずれにいたしましても、私どもとしては、質の高い法曹を数多く輩出するという新しい法曹養成制度の目的にかなうように、関係者と連携を図りながら今後も努力を続けていきたいというふうに考えているところでございます。
○神崎委員 冒頭、司法制度改革全般についてお尋ねをいたしましたけれども、全体として順調に今後改革が進むように、御当局の御努力を期待申し上げたいと思います。 次に、民法七百七十二条二項の問題についてお尋ねをいたします。 民法七百七十二条二項は、婚姻成立の日から二百日後、または婚姻の解消、取り消しの日から三百日以内に生まれた子を婚姻中に懐胎したものと推定する規定を定めております。婚姻後三百日以内に誕生した子は、前の夫の子と推定し、戸籍の実務でも、今の夫の子と証明できても子供を戸籍に入れられないでいる事例が見られるわけでございます。 ある新聞社のアンケート調査によりますと、過去五年間に、七百七十二条二項の規定により出生届を受理できなかったり修正を求めるなどした市区は全体の八割を超えているということであります。この規定の改正や運用の見直しについても、態度を鮮明にした市区の七割が必要だと答えているわけです。 ですから、出生届を受理しないということは、その生まれたお子さんが無国籍ということになるわけですし、また、今の夫の子であるにもかかわらず前夫の子として戸籍簿に記載されますと、今度は訴訟を起こして、親子関係不存在確認の訴えとかを起こして、結局、戸籍上は前の夫の子供だったのが今度今の夫の子供に変わった形に残るわけですね。そういうことに対して、関係者は非常に困っているのが現状でありますし、戸籍の現場も困っているのが現状です。私は、実態に合わせてこの規定の運用を見直すなり、法改正をすべきものと考えます。 そこで、まずお尋ねしたいのは、自治体の窓口担当者でつくる団体、全国連合戸籍事務協議会が、二〇〇二年に民法七百七十二条の改正や運用の見直しを法務省に求めたけれども、法務省は、要望には応じられない、こういう回答をしたということでありますが、法務省内でどのような検討がなされたのか。それから、戸籍の現場、また親子関係の関係者が困っている、こういう現状について、法務省としてやはりその時点で適切に対応すべきではなかったのか、この点についてお尋ねをいたします。
○寺田政府参考人 今委員御指摘のとおり、この問題は非常に社会的にも重要な問題だという意識を持っているところでございます。 今お尋ねのありました全国連合戸籍事務協議会でございますが、これは、戸籍事務そのものが法務省から法定受託事務という形で市町村に事務の取り扱いがゆだねられておりますが、その担当者の間で、実務的にいろいろ不都合がある、あるいは新しい法律ができてどういうやり方が適当かということを話し合う、そういう場でございます。 数々の要望が寄せられて、直ちに運用上認められるものあるいは検討するもの、いろいろあるわけでございますが、おっしゃるとおり、二〇〇二年のこの全国連合戸籍事務協議会の総会の場で七百七十二条の取り扱いについての御決議がされまして、法務省に対して、関係がある親子関係不存在の裁判の手続等あるいはこの七百七十二条の、特に三百日の離婚後の嫡出推定の期間等について見直しをお願いする、こういう趣旨でございました。私どもも、その提案者の方からいろいろ御事情をお伺いして、これはなるほど、現場ではいろいろこういう問題が出てきているということを認識するに至ったわけでございます。 他方、御要望のありました裁判の手続あるいはこの七百七十二条という親子関係の基本についての実体法の規定を直ちに見直すということについては、いろいろと大きな問題も御承知のとおりあるわけでございます。親子関係の基本にかかわる問題でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、慎重に対応するということで今日まで来て、さまざまな検討を他方でいたしているところでございます。
○神崎委員 私は、もっと法務当局は現場の声に敏感であってもらいたいと思いますし、やはりそれぞれの時点で適切に対処をすべきであった、このように思うわけであります。 大臣は所信表明で、「民法七百七十二条に関する取り扱いなど、実態に合ったものとなるよう検討を進めてまいります。」とお述べになっておられる。現在実態調査をするように御指示も出されていると伺っておりますけれども、実態調査の状況はどうなのか、またいつまでにこの問題について結論を出されるのか、お伺いをしたいと思います。
○長勢国務大臣 現実に、今御指摘のような問題が生じており、各方面からもいろいろな御意見をちょうだいいたしております。 事実としてそういう問題が起きているわけでありますけれども、恐らくこういうことが起きるいろいろなケースがあるんだろうと思いますし、またその原因もさまざまだろうと思うんですね。そういうことも踏まえながら、直せるものは直していかなきゃならないと私も思っておりますが、そのために、これを実際に扱っておられる戸籍事務の窓口ですとか、あるいは事案を扱っておられる家庭裁判所だとかというようなところからいろいろお話を聞いて、それを踏まえて検討を早急に進めたいと思っているわけであります。 ただ、事がこういう問題なものですから、いわゆる統計的なデータというものがあるわけでもないようですし、また個人のプライバシーにもかかわりますので、どういう形でお話を聞いたり整理をしたりということも少し検討を要するなというのが今思っておることでありまして、早急にそこら辺の方針を決めて議論を進めたいと思っております。 ただ、先生は私と同じクラスでしたけれども、先生の方がよっぽど法律は詳しかったので私が答えるのは変なんですけれども、七百七十二条はそれなりの理由があってつくられてきた制度でありますし、その根幹を変えたらどういうことが起こるのかということも考えなきゃなりませんし、それに触れない形で、法律以外の方法ででも現実の問題を処理する方法があるかもしれませんし、そこら辺、広くまた御指導いただきながら検討していきたいと思っております。
○神崎委員 この種事案が年間千件を超えているんじゃないかというような指摘もありますし、ぜひ法務大臣として早急にこの問題について救済策を出していただきたいと思います。 次に、国際刑事裁判所についてお伺いをいたします。 国際刑事裁判所、ICCですね。二〇〇七年に、ICCの規程を締結できるように進めたいということを安倍総理も言われました。私どもの党は結党以来国際刑事裁判所の創設推進を掲げてきたところでございまして、私も、党の代表として、二〇〇二年の本会議場で代表質問として、このICC加盟を早急に日本政府としてもやるべきだということを御提案したところでございます。 ICC加盟国は今百四カ国。アジア、オセアニア地域では五十三カ国のうち加盟国は十二カ国にとどまっておりまして、その意味では、日本が加盟することによって日本の果たす役割は極めて大きいと思います。 加盟に必要な国内措置としては、分担金の支出と国内法の整備が必要でありまして、分担金につきましては本年度予算に計上されておりますが、国内法の整備としては、ICCのような国際機関に対し、犯罪人引き渡しや証拠の提供、執行協力のできる制度をつくる必要がありますし、また、偽証や証拠隠滅でICCの活動を妨害することを犯罪として処罰する法律も必要だというふうに考えております。 国内法の整備はどのようになっているのか、これは外務省にお答えをいただきましょう。
○猪俣政府参考人 お答えいたします。 今御指摘がございましたように、国際刑事裁判所に関するローマ規程につきましては、できるだけ早期に加入したいということで、今、国内法の整備もしているところでございます。法務省とも協力しながら法案を今詰めて、この国会でぜひお願いしたいと考えているところでございます。
○神崎委員 次に、犯罪被害者の問題についてお尋ねをいたします。 二月七日の法制審の総会におきましても、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための法整備に関する要綱が答申されまして、現在、法務当局で立案作業中というふうに承知をいたしておりますが、今回の立法は、犯罪被害者とその家族、遺族の悲願が大きく実現するものとして私も期待をするところでございます。 我が党は、一貫して犯罪被害者等の支援に努力いたしまして、特に、刑事裁判への犯罪被害者の参加は党のマニフェストにも掲げてきただけに、感慨ひとしおのものがあるわけでございます。 まず、一つお伺いしたいのは、現在、犯罪被害者等に支払われます給付金、平成十七年度支給決定額では十一億三千万円にとどまっております。ところが、被害者の会のいろいろな調査によりますと、被害者等に対する総支給額は、米国五百三十八億円、英国二百九十億円、フランス三百六十億円、ドイツ二百二十五億円と、日本は金額が少な過ぎるわけでございます。 今後、欧米並みに引き上げるべきだと考えますが、犯罪被害者等基本計画によりますと、犯罪被害者等に対する経済的支援制度について、手厚くするための制度のあるべき姿などについて検討することになっておりますけれども、現在どのような検討が行われているのか、これは内閣府にお尋ねをいたします。
○荒木政府参考人 お答えを申し上げます。 御指摘のありましたように、一昨年の暮れに閣議決定されました犯罪被害者等基本計画におきまして、経済的支援を手厚くすることを前提といたしまして、被害者に対する経済的支援のあるべき姿、それから財源に関する検討を行い、二年以内に結論を得るというふうになっております。 これを受けまして、昨年の四月に、有識者と関係府省庁から成ります経済的支援に関する検討会を設置いたしまして、おおむね月一回のペースで検討を進めているところであります。 基本計画におきましては、我が国の社会保障・福祉制度全体の中でのあるべき姿を検討するということにもなっておりまして、我が国の制度の中でできるだけ被害者の方に厚くなるように検討が進められているところであります。 スケジュール的には、本年の五、六月ごろを目途に中間報告が得られるように検討を進めておりまして、国民からの意見募集を行った上で、期限であります本年中に最終取りまとめができるように進めてまいりたいと考えております。 なお、諸外国の制度に比べて給付総額が少ないという御指摘がございました。御指摘のとおりでありますけれども、御案内のように、被害者等に対しましては、犯罪被害給付金以外に一般の社会保障・福祉制度からの給付もなされますし、この一般の社会保障・福祉制度が国によって大きく異なっております。また、犯罪被害の給付の対象となります凶悪犯の被害、殺人、強盗、強姦等の被害の件数といいますか、これが押しなべて諸外国は圧倒的に我が国よりも多いというような事情もございまして、一概に、犯罪被害給付金の総額を単純に比較するというのはできないのではないかと考えております。 しかしながら、諸外国の制度を大いに参考にして、いいところはどんどん取り入れて、できるだけ厚くしようということで、検討会におきましても、昨年九月に海外調査を実施いたしまして、鋭意参考としながら検討を進めているところでございます。
○神崎委員 ぜひとも、犯罪被害者等に対する経済的支援制度につきましては、手厚くする方向で御検討をお願いしたいと思います。 最後に、被害者等が刑事裁判手続に一定の関与をする制度の導入につきまして、日弁連や刑事法の専門家から、法廷が報復の場になり混乱する、被告人に不利、審理が感情的になる、こういった批判もされておりますけれども、その点についてどうお考えになっているのか。また、既にこのような制度を導入している欧米諸国でそのような問題が発生しているのかどうか、この点について法務大臣にお伺いをいたします。
○長勢国務大臣 この犯罪被害者の刑事参加について、いろいろ法制審でも審議をさせていただきましたが、御指摘のような慎重な御意見というものもあったわけでありますけれども、こういうことも含めて法制審で御議論をいただきました。 法制審では、検察官と被害者とが十分にコミュニケーションを図り、互いに役割分担をすることにより、被害者が感情的になることは未然に防止することができる、また、裁判長の適切な訴訟指揮権の行使によって刑事手続の混乱は防ぐことができる、さらに、被告人には黙秘権が認められておりますし、実際には主として弁護人が防御活動を行っておるという現状から見て、被告人の防御権が不当に害されるおそれはないという考え方から、今回の答申になったものと承知をしておりますので、法務省としては、それを踏まえて立案作業を進めて、国会に提出をさせていただきたいと思っております。 外国のことについてもお尋ねがございました。現実に外国では広く利用されていると聞いておりまして、例えばドイツでは、二〇〇四年には一万件を超える事件に公訴参加が行われていると聞いておりますが、これらのところで実際の審理が混乱をしたり、被告人の防御権が不当に侵害されるというような弊害が現に起きているというようなことは承知をしておりません。そういうことはないというふうに承知をしております。
○神崎委員 ありがとうございました。終わります。
○七条委員長 次に、高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司でございます。 重量級の質問者の後ですけれども、元気よくやりたいと思います。法務省も、副大臣が結構元気よくやっていただいているので、力強く思っております。 まず、所信の質問に入ります前に、きのうから結構ニュースを見ておりますと、閣僚の忠誠心みたいな話が随分出ているので、それにつきまして大臣の見解を伺いたいと思うんです。 法律上、憲法の忠誠義務とかいろいろありますけれども、きのうから言われていることは、そういうことではなくて、どうも与党の中からも、忠誠心がないのはいかぬじゃないかとかいろいろ言われているようでして、私もテレビや新聞を見ておりましたら、長勢大臣がおくれて立っている例として使われていたり、何か不本意だなと思ったものですから、ぜひちょっと、まず長勢大臣の忠誠心というのを、与党内からも出たことにつきましての見解を伺いたいんです。
○長勢国務大臣 我が党幹事長の御発言についての御質問だと思いますが、国会でもこれから皆さん方の追及も厳しくなるだろうから、緊張感を持って一生懸命やれという御趣旨だろうと思っております。 なお、私が立つのが遅かったというのは、私は見ていませんが、ちょっと態度がのろかったんだろうということでありまして、忠誠心に欠けるところはないと思っております。
○高山委員 総理が入ってきたときに立つのが一、二秒おくれたですとか、そういう何か形式的なことで忠誠心をはかるというのは、すごくへんてこだなというふうに私も思っています。 私も、委員会でこんな踏ん反り返って座っているときとか、たまにありますけれども、それでも、委員会の質疑、これはもう真剣にやらなきゃいけないな、いつもそういう真摯な気持ちで委員会に臨んでおります。 この忠誠心ということですけれども、ちょっとさら問いなんですけれども、大臣は、これはだれに対するとか、何に対する忠誠心がやはり閣僚として必要だというふうにお考えですか。
○長勢国務大臣 行政の長として国政を預かっておられるのが総理大臣でありますし、我々は総理大臣から任命をされておりますので、総理大臣が国民の方々に一生懸命やられることに対して、我々も協力をというか、指示に従って一生懸命やらなきゃならないということだろうと思っております。
○高山委員 ありがとうございます。 それでは、大臣所信に対する質疑ということなんですけれども、まず、きのう、大臣所信だけで、こちらの予算の説明というのは省略されたんですけれども、私、これを見ていましたら、また、裁判員制度啓発活動の推進を図るための経費として三億二千六百万とかさりげなく入っているんです。 昨年から司法制度改革のタウンミーティングでのやらせ問題、またそれに懲りずに、本年の一月に入ってから裁判員フォーラムでのサクラの動員の問題、こういう裁判員制度の普及啓発に関してちょっと不適切な方法、それを私は感じたんですけれども、残念ながら、この長勢大臣の所信を見ますと、裁判員制度のこともちょっと書いてあるんですけれども、申しわけなかったとか、考え方を改めたいとかいうことではなくて、一層努力を重ねていくという、これは方針を変えないというような感じがするんですよ。 それで、予算のあり方を見ても、別に、例年どおり、あれだけ不祥事を起こした、下請かもしれませんけれども、これを全然そのまま切らないで、何か法務省として、あれだけタウンミーティングでやらせがあり、また裁判員フォーラムでもサクラ動員等々あり、これは全然反省していないなということを私は思いましたので、ちょっと所信に対する質問はこのままじゃできないなと思って、違う質問をさせていただきます。 まず、副大臣に伺いたいと思うんですけれども、私、資料を配って、皆さんのお手元に行っていると思うんですけれども、これはアエラの記事です。法務省を相手に副大臣の大げんかとかいうのがあって、「でも、この人のようなケンカなら大いにやってもらいたい。」とかいう記事なんですね。 私も、本当に水野副大臣、ほとんど年も変わらないのに、すごく筋の通った方だなと思って陰ながら尊敬しているんですけれども、ちょっと私、詳細はわからないものですから、これはまず何が争点でこういう裁判になっているのか、ずっとライフワークとされているようなので、そこを教えてください。
○水野副大臣 大げんかをしたつもりはないんですけれども、アエラの記事については、気候ネットワークというNPOが経済産業省に対して情報開示請求をした、それに対して情報開示がされなかったということの結論が出た、それに対してNPO側が不服を持って訴訟を起こした、その判決が出たということだというふうに承知をしております。
○高山委員 いや、そういうこともそうなんですけれども、そもそも、このNPOさんと経産省の間で、どうしてこういう訴訟にまでなっちゃったんですか。何が論点なのかをまず教えてください。
○水野副大臣 その点については、NPOの方が訴訟を起こしたということですので、NPO側に聞かれるのが一番適当だというふうに思うんですが、恐らく、省エネ法に基づくエネルギー使用量について経済産業省は不開示にした、そういうことに対して、不開示はおかしいということでNPO側が訴訟を起こしたというふうに認識をしております。
○高山委員 副大臣のホームページにもいろいろと詳しく書かれているんですけれども、これは経産省あるいはNPO、それぞれいろいろな言い分はあると思うんですけれども、副大臣は今までいろいろライフワークでやられていたわけで、ちょっとこれは不開示はやはりおかしいんじゃないかという思いがあってこういうことを書かれているんでしょうか。
○水野副大臣 その辺の問題、いろいろと私も一政治家として関係はしてきた問題ではございますけれども、直接的には温暖化対策、もしくはエネルギー政策の話でございますから、法務副大臣としては直接的な所管外のことでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 いや、せっかく僕は応援するつもりで聞いているんですけれども。 経産省の方にちょっと伺いたいんですけれども、これはどういう裁判で、経過として今どういうふうになっているのか、それで、控訴した理由等をちょっと簡潔にお願いします。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。 この事案は、もともと平成十六年の八月に気候ネットワークが各経済産業局長に対しまして、エネルギーの使用の合理化に関する法律、省エネ法というのがございます、その省エネ法に基づきまして、各事業場あるいは工場が、毎年度、省エネ法におきましてどれだけのエネルギーを使用したのかというエネルギーの使用量その他エネルギーに関する状況を報告することになっております、そういった報告を定期報告としていただいているわけでございますが、それにつきまして情報公開請求をされたわけでございます。 私どもは、その一部の内容につきまして、企業の競争上不利益となるおそれがあるということでございまして、一部の事業場につきまして不開示とすることを決定いたしました。こういった決定に対しまして、平成十七年に気候ネットワークが国に対しまして提訴された、この判決が先般あったということだと承知しております。
○高山委員 もう一回副大臣に。 これは一月ですよね。一月に入ってからこういう判決があった。去年もあったみたいなんですけれども。それで、一月の判決に関して副大臣は、この判決が出ましたよ、控訴するしない、いろいろあると思うんですけれども、どういう報告を受けていますか。
○水野副大臣 訟務関係の方から、判決についてはそういう判決が、今回は大阪地裁ですか、前回は名古屋地裁だったと思いますけれども、判決があったという報告は受けておりますし、その書面については、判決の書面その他については私も一応目を通してはおります。
○高山委員 それに対して、副大臣、どういうコメントといいますか、どういうことをおっしゃいましたか。
○水野副大臣 判決が出た場合、行政訴訟の場合は十四日以内に上訴するかどうかの判断をしなければいけないということでございますので、いろいろな議論は省内でいたしましたけれども、それはその途中の経過のことでございますので、詳細についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 その詳細についてはコメントを差し控えたいということですけれども、なぜそれはコメントできないんですか。
○水野副大臣 基本的には、具体的にだれと何を話した、だれが何を言ったかということをすべて明らかにするということは、訴訟の係属において差しさわりがある場合も生じ得るというようなことで、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 私は、副大臣もいろいろホームページなんかでも言われているように、これはただ形式的に法務大臣や副大臣が担当者になっているだけで、実質的には経産省VSNPOというような気がするんです。 要するに、形式的な決定権者である方々、その方々と経産省とでどういうお話をされているのか、そこを教えていただきたいだけなんですけれども。
○水野副大臣 形式上といいましょうか、法務大臣権限法でしょうか、法務大臣に最終的な決定権はございますし、その中でさまざまなやりとりというものは当然いろいろなレベルのところであるというふうに思いますけれども、具体的にだれが何を言ったというようなことは詳細を差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○高山委員 控訴を決裁するためには副大臣というのはどのような関与をするんでしょうか。
○水野副大臣 それは訟務、国が抱えている訴訟、原告であるもの被告であるもの、合わせて一万数千、一万二千ぐらいあるというふうに思いますので、問題によっては大臣、副大臣、政務官まで報告を受けないものもありますし、もちろん全部受けるものもあるわけですけれども、今回の場合は、説明は受けております。
○高山委員 説明を受けた大臣、副大臣というのは、これで控訴しなさい、するな、こういう決裁をするんですか。
○水野副大臣 個別のケースは別として、一般論として言えば、そういうような大臣に上がるものというのは、関係の人たちの決裁欄というのがあるのが一般的だというふうに思います。
○高山委員 控訴するかしないかというのは結構裁判の当事者にとってはでかい問題だと思うんですけれども、個別のケースは別としてというか、この件に関して副大臣は決裁はされたんですか。
○水野副大臣 個別のケースについてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 決裁権者である副大臣が、どうして個別のケースを答えないんですか。答弁拒否ですか。
○水野副大臣 個別のケースでございますので、答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 決裁したかしないか聞いているだけなので。私も、本当に応援のつもりでやっていますので。
○水野副大臣 同じ答弁でございます。
○高山委員 だって、副大臣、これは報告を受けているわけでしょう。では、副大臣が決裁しなかったということですか。どういうことですか。ちょっと教えてください。
○水野副大臣 控訴したということは、大臣が最終的に決裁をしたということでございます。副大臣としては、その大臣の判断を尊重して、その判断に従うということでございます。
○高山委員 もちろん、最終的には、これはやはり忠誠心の問題でもあると思うんですけれども、大臣の判断に従っていただかなきゃ困るんですけれども、その途中で、このケースの場合には副大臣も関与されたということなので、決裁したのかしないかだけ教えてください。
○長勢国務大臣 この案件について、委員御指摘のとおり、副大臣は今まで政治家としていろいろ御意見をお持ちでございました。私も、副大臣からその御意見もお伺いをいたしました。また、あわせて経産省の方の御意見もお伺いをいたしました。 法務大臣としては、両者の御意見が若干違っておったわけでありますけれども、経産省の御主張、法令に違反するとかというレベルの問題ではありませんし、それについて上級審の判断を待ちたいということでありましたので、訟務当局としては、控訴期限も迫っていましたので、私のところに決裁を持ってまいりましたが、副大臣の決裁はされていませんでしたけれども、時間がありませんでしたので、私の権限ですので、私は決裁をいたしました。副大臣にもその旨お話はしてございます。
○高山委員 すごくいい上司だな、忠誠心が高まるという感じがするんですけれども、控訴の決裁の書類に関して副大臣がこれだけ答弁をされないということであれば、その決裁の書類を出してください、委員長。
○水野副大臣 今大臣が御答弁されたように、私自身は印は押さずに、大臣が印を押されて控訴したということでございます。
○高山委員 私、信念を貫かれたということに関しては、ああと思ったんですけれども、法務大臣、長勢大臣、私は長勢大臣はすごく立派だなと思っている面がありまして、それは、前大臣の杉浦大臣が、例えば死刑の執行を信念に基づいてされなかったということがありました、だけれども長勢大臣は、これは執行するのが職務であるということでやられたんだな、さすが職人だ、すばらしいなと僕は思っております。(発言する者あり)失礼、大臣ですね。 それで、尊敬しているんですけれども、確かにこれは難しいケースだったとは思いますけれども、大臣として、副大臣の決裁が空欄で来ちゃった、これはどうですか。職務に対する忠実性ということで、どのように大臣はお考えになりますか。
○長勢国務大臣 お考えは副大臣から私は聞いておりましたので、御本人も副大臣として押したい気持ちが多分あったろうと思いますし、いろいろ複雑だったろうと思いますので、私が権限者でありますから、殊さらそのことに、押す押さないにこだわることまでする必要はないと私は判断しましたので、何の奇異も感じませんでした。
○高山委員 あと、これもまた副大臣のホームページを見ていくと、訟務部が大変なので控訴を選ぶべきだみたいなことが結構書いてあるんですよね。合理化をするべきだ、争うには値しないというようなこともいろいろ書いてあるんですけれども、ちょっと副大臣に、控訴するしないの御判断について、確かに今までは国のメンツにこだわり過ぎるみたいなところがあったと思うんですけれども、今どういうことをお考えか伺えますか。
○水野副大臣 一般論として言えば、そのホームページに書いたことはそのとおりだというふうに思っておりますし、個別のケースについては、当然、大臣その他とも相談しながら判断していく、そういうことだというふうに考えております。
○高山委員 最後に副大臣、気候ネットワークの裁判は、名古屋と大阪と来て、また次、東京で裁判があるらしいんですけれども、これはまた、もしこの流れでいくと、地裁で敗訴という可能性も高いなと思っている方がいると思うんですけれども、この場合、副大臣はどのような判断をとられるおつもりですか。仮定の話ですけれども。
○水野副大臣 まさに、本当に個別案件での仮定の話ですので答えられませんけれども、基本的には上級審において、今控訴審に行っている話でございますから、上級審の判断を仰ぐということが基本的なことなのかなというふうには思っております。
○高山委員 本当に、こういうしゃくし定規な法務省にあって、さすが副大臣、さすがだなと私は思っております。 ちょっと次の話に行きますけれども、これはきのうの新聞なんです、資料でお配りさせていただきましたけれども、「収支報告「選挙費用」もずさん」「実際と異なる記載」と。「長勢法相ら」とか「「数字合わせ」に終始」とかいろいろ書いてあるんですけれども、本当に、最近、この事務所費問題みたいなのがやたらと出てきて、正直言って、現行法の不備とかもあるのかな、何かやたら複雑ですし、ちょっとわかりにくい部分があるなと思うんです。 まず、長勢大臣、こういうのが新聞に出ちゃいましたけれども、これはどういう経緯で訂正されたのか、ちょっと説明してください。
○長勢国務大臣 ミスがあったことについてはおわびをまず申し上げたいと思いますが、私も担当者から事情を聞きましたけれども、選挙運動収支報告書ですか、それについて、御案内のとおり、公費から出る分があるわけでございますが、その公費負担の分の扱いについてちょっと知識が足りなかったということだと思いますが、間違えましたので、その分の訂正をさせていただいたということでございます。
○高山委員 細かいことなんですけれども、これは御自身のことなので、どういう間違いがあって、それをどう訂正したのか、ちょっと説明していただけますか。
○長勢国務大臣 ポスターかはがきかはちょっとわかりませんが、公費から負担をいただいたものは国が直接費用を払っておるわけですから、選挙運動としてはその分は収入ではないわけですけれども、それを収入として記載をしたということのようでございます。それは、記載すべきではなかったということであります。
○高山委員 何か今、またよくわからなくなっちゃったんですけれども、総務省の方から詳細をちょっと説明していただきたいんですけれども、総務省の方、来ていますよね。 この長勢先生の事案は何が問題だったんですか。ちょっとそこを説明してください。
○久元政府参考人 大変恐縮でございますけれども、個別具体の事案についての御質問というふうに理解いたしましたが、私ども、詳細を承知しておりませんので、特段お答えすべき材料はきょうは持ち合わせておりません。
○長勢国務大臣 ちょっと、口頭でしゃべるのがなかなか面倒なのかもしれませんが、私が承知しているところは、選挙運動で支出した額の中には、公費で払われている、負担している分も、支出としては記載をすべきだということのようなので、そうなっているわけです。それで、それと同額の収入があったことになっておるわけですが、公費で負担されているわけですから、公費から負担されている分は選挙運動の収入としては記載しないことになっておるわけですから、その分は、本来、収入がなかったはずなんですね、ないというふうに記載すべきだった。しかし、あったことで記載されている。それはどういう形で支出されているかというと、選挙区事務所から支出されていることになっていますので、この分をこちらの方に戻し返すことにしなきゃなりませんね。その分が間違っておったということであります。(高山委員「それでどういうふうに訂正されたんですか。物すごく不親切なんだけど、総務省が」と呼ぶ)それは私の個人のことだからなんでしょうが。 選挙区支部から選挙運動の方へ支出していますね。それで、ここで収入があったことになっているわけですが、この収入がなかったわけですから、収入が多かったわけですから、公費分がその支出に充てられている形になっているものですから、この分の支出を減らして、こっちも支出がなかったわけですから、こっちに戻した、選挙区支部の方ですね、という訂正を行ったというふうに今聞いております。
○高山委員 総務省も、これは大臣御自身のこととはいえ、こんなすごく細かいことまでここで追及するのが目的じゃないので、ちょっと不親切だなと私は思いますけれども。 今ちょっと聞いた限りだと、こういう支出があったことになっているとか、そういうことをいろいろ言われていたんですけれども、そもそも、選挙費用の公開というのは、こういう数合わせ的なものでいいんですか、ちょっとそこだけ伺いたいんですけれども、一般論で。
○久元政府参考人 選挙運動の収支報告書につきましては、事前に通告をもしいただいておれば、私どもも調査するなりして御答弁申し上げることができたかと思いますけれども、そういうことではございませんでしたので、一般論として申し上げますと、選挙運動の収支報告書につきましては、選挙運動に関してなされた寄附、またその他の収入並びに支出について、所要の事項を記載するというふうになっているわけであります。 そこで、この公費負担相当分につきましては、先ほど大臣が答弁されましたように、これは、この収支報告書においては収入には計上しない。つまり、公費として直接業者に支払われるわけですから、これは候補者としては収入には計上しない、こういう取り扱いで従来から運用されているところでございます。
○高山委員 まず、今の総務省の方ですけれども、何か私が事前に通告していない的な発言がありましたけれども、さっきこの新聞記事も渡してありますし、このことを聞くのでちょっとお願いしますねということも言ってありますし、理事会の前に、答弁者は別に政府参考人でいいんだということで仕切っているはずなので、ちょっと今の発言は撤回してください。
○久元政府参考人 恐縮でございますが、私どもといたしましては、通告をいただいたというふうには理解しておりませんでした。 ちなみに、この選挙運動収支報告書につきましては、富山県の選挙管理委員会が受理をするということになっておりますので、富山県の選挙管理委員会から改めて報告を聴取した上で、私どもとしてはその内容を承知する、こういうことになりますので、そこは御理解をいただきたいと存じます。
○高山委員 これは先ほど総務省の職員に、私、これを聞きますからということで渡しているので、大臣のことを離れて、あなたの答弁はちょっとおかしいと思うので、中で今もう一回確認して、それでもう一回答弁を、撤回するなり訂正するなりしてください。 時間をとめておいてください。
○久元政府参考人 選挙運動の収支報告書につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、これは富山県の選挙管理委員会が受理をするということになっております。したがいまして、先ほど大臣が答弁されたような内容の訂正がなされたとするならば、それは富山県の選挙管理委員会が受理をする事柄でありまして、私どもの方は、そちらの方に調査をして御答弁することができる、こういうことでございます。(発言する者あり)
○七条委員長 今の答弁に何か補足することがあればどうぞ。久元選挙部長。
○久元政府参考人 新聞の記事につきまして質問をされるということにつきましては承知をしております。(発言する者あり)
○七条委員長 何か追加の質問はありますか。追加質問があれば、あるいは、今の答弁以外にできないということであればでありますけれども。もう一度、同じ答弁でも、どうあるべきかを主張してください。
○久元政府参考人 私ども、この新聞の記事について質問をされるということにつきましては承知をいたしました。それはそのとおりでございますが、先ほど長勢大臣が答弁をされました事柄につきましては、私ども、具体的に質問されるというふうには承知をしておりませんでしたので、先ほどあのように答弁をさせていただいたということでございますので、どうか御理解をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
○高山委員 私が大臣の説明ですっとわかればそれでよかったんですけれども、これはなかなかわかりにくいので、今何が問題なのか、この記事になっていることの一体何が問題なのか、公選法はわかりにく過ぎるので僕はそのものも問題だと思っているけれども、でも、今のあなた方の説明を聞いていると、どんどんわからなくなってきちゃうんです。 ちょっと大臣に伺いたいのは、今の大臣の説明ですと、やはり何か数字合わせ的なイメージがあるんですけれども、この件に関して、そんな細かいことを大臣にというんじゃないんですけれども、これは、取材に来たりなんなりというのは、まず、だれから聞いたんですか。事務所の方に大臣は、どういう報告を受けて、どういう指示をしましたか、この件に関して。
○長勢国務大臣 事務所の方にマスコミさんの方から照会があったということを秘書から聞きまして、よく調べて正確に対応しなさいというふうに指示をしました。
○高山委員 それで、その結果、訂正されているわけですけれども、どういう報告を受けたわけですか。
○長勢国務大臣 先ほど言ったように報告を受けたわけで、先ほど言いましたように、本来、公費から負担されていますので、事務所からは負担していないわけですから、それを負担したというふうに届けておったのは間違いでしたので、その分を、支出がなかったわけですからなかったことにして、選挙区支部に戻すという訂正をしましたという報告を受けております。
○高山委員 そうすると、選挙区支部の方の会計というのは、どうしてそこでそういう調整ができるんですかね。その選挙区支部の方にまた戻したりとか、何でそういうことができるんですか。
○長勢国務大臣 何でというか、選挙運動で余った分を私の選挙区支部に戻したということです。
○高山委員 これはまた総務省に伺いますけれども、選挙運動で集めた寄附が多くなってしまっている、それで実際の支出より多かったと、その余ったお金というのはどういうふうに処理するのが適切なんですか。
○久元政府参考人 その点につきましての特段の規定はございません。 したがいまして、それは、引き続きその候補者がそれを保有しているということも可能でありましょうし、また、みずからの資金管理団体、また別の政治団体に寄附をすることも可能であろうというふうに思います。
○高山委員 ちょっと今のは不思議なんですけれども、選挙のときなりなんなりに候補者に対してばあっと一般の方から寄附が来る、それが余った場合の規定がない。これは法の不備か何かなんですか、ちょっと教えてください。
○久元政府参考人 公職選挙法の規定は、長年の各党各会派の御議論の結果、現在の規定になっているということでございますけれども、この規定の趣旨は、収入、支出の双方を明らかにするということで現行の規定になっているというふうに考えております。
○高山委員 収入と支出の双方を明らかにするということは、それは実際にどういうふうにお金が動いたのかとか、あるいはどういうふうに使ったのか、そういうことを、明らかというのは国民に示す、そういうようなことですか。趣旨をもうちょっと詳しく言ってください。
○久元政府参考人 選挙に関する資金の収支ということにつきましては、公職選挙法に基づきまして、選挙が終わった後に選挙管理委員会等に選挙運動の収入また支出について報告をしてその内容を明らかにする、また、それ以外の日常的な政治資金につきましては、政治資金規正法に基づいて、政治資金の収支報告書としてこれを明らかにするというのが、基本的な法の趣旨であるというふうに存じます。
○高山委員 これは大臣に伺いたいんですけれども、法の趣旨からすると、実際にお金をだれからもらってこの人は選挙をやり、それでどういうふうに使ったのかということですよね。記事によれば、ぴったし合わせなきゃいけないと思って初めはやったんだけれどもというような記事がありましたけれども。 大臣、御自身がこういう記事になったからというわけではなくて、なかなかその実態と本当の記載、出している記載がどうも合わない閣僚の方がほかにも、柳澤大臣だとか若林大臣だとか伊吹大臣、名前が随分出ていますけれども、現職閣僚の方でも本当に大ベテランの方々ですよね。多分スタッフの方もベテランの方だと思うんですけれども、実際にはこれは非常にわかりにくいような気がするんです。 これは、何か法律に問題があるんですか、それとも議員の側に、私も含めて、問題がやはりあるんでしょうか、どうお考えですか。
○長勢国務大臣 私の問題に関しましては、事務所の者から報告を受けている限りは、公費負担の分の記載についての知識が不足をしておったという単純な問題で、この点は申しわけなかったと思っております。 そういう意味で、先生御指摘のようなことまでは今は感じておりません。
○高山委員 大きい話をしようと思ったんですけれども、では、ちょっと細かい話で、この出納責任者の方というのは、新人の方なんですか、ベテランの方なんですか。
○長勢国務大臣 出納責任者というか出納の事務の責任をやっておった者は、新人というか、前回の選挙が初めてだったわけではありません。
○高山委員 そうすると、前回の二〇〇五年の前にも、大臣、何回か選挙をやられているわけですけれども、その際の選挙の収支報告に関しては、ひょっとして間違えているかもしれないなということで、御自身の事務所でもう一回精査をするということはされましたか。
○長勢国務大臣 新聞で急に言われたので、そのことまではまだ指示はしておりません。
○高山委員 同じ出納責任者の方ですので、この方は、先生の通常の資金管理団体等の会計責任者とはまた別の方なんでしょうか。
○長勢国務大臣 選挙区支部の事務をやっております。
○高山委員 そうしますと、先生の本当に一番大事ないわば金庫番というべき方が、こういう割合初歩的というのか、私はさっき結構難しい問題じゃないかと思ったんですけれども、大臣としてはそういう見解ではなかったので、こういう初歩的なミスをされているわけで、大臣としましては御自身、きちんと精査して、ありのままちゃんと書けているかどうか、そういう指示を事務所の方にされて、大丈夫だったのか大丈夫じゃなかったのか、こういうことを明らかにするつもりはありますか。
○長勢国務大臣 私自身が直接帳簿を提出する前に見ることはほとんど不可能でありましたので任せておりますが、法律上適正にきちんとやるようにということは言ってまいりました。 今回については、調べさせてそういうことでしたので、そういう処理をしたという報告を受けております。その前のことまでは聞いておりませんが、それは聞いてみたいと思います。
○高山委員 大臣の金庫番の方といいますか会計責任者の方、この方は随分同じところで、私は本当に今大臣から聞いて初めてわかったことですけれども、やられているのであれば、同じようなミスがないとは限らないなという思いをきょういたしましたので、これはちょっと過去にもさかのぼって、きちんと大臣としてみずから明らかにしていただきたいなと思うんですけれども、大臣、今後そういう指示をされて、過去の部分、この方が会計責任者の部分だけでもちろんいいんですけれども、それを明らかにするおつもりというのはありますか。
○長勢国務大臣 聞くことにいたします。(高山委員「それで明らかに」と呼ぶ)まず聞いてみますから、その上で、また必要があれば報告いたします。
○高山委員 大臣からは必要があれば報告していただけるということで、やっと所信の方の質問に入りたいと思うんです。 この大臣所信の中でも、登記特別会計、前回随分やったのにまだやっているんだな、継続しているんだなということがありまして、その中で特に伺いたいのは、まず根本的な質問なんですけれども、コンピューター化をするということで登記の手数料を値上げしますということがありましたね。コンピューター化をして経費がどんどん下がってくるのかと思いきや、余り経費が変わらないなということがあるんですけれども、まず、それがなぜなのかということを伺います。
○寺田政府参考人 おっしゃるとおり、昭和六十年に特別会計をつくりまして、その後、六十三年に法改正をしていただいて、現在、コンピューター化を進めております。また、委員も御承知のとおり、平成十九年度、つまり来年度末で登記本体のコンピューター化というのは一応完了するという見通しで今作業を進めているところでございます。 この間、当然のことながら、コンピューター化に移行する経費ということで、この手数料の額もそれに見合った額をいただいているわけでございます。 具体的に申し上げますと、コンピューター化が始まる前は、当時は登記簿謄本と言っていたわけでございますけれども、その登記簿謄本の額というのは三百五十円ですとか四百円ですとかというレベルの額だったわけでございますが、現在、登記事項証明書というのは千円になっているわけでございます。登記特別会計全体の枠も、おっしゃるとおり、非常に膨れ上がりまして、現在は千六百億を超える額もいただいているわけでございます。 なぜこれが下がらないかでございますけれども、一方で、この登記特別会計全体の中でやはり人件費というものが相当の比重を占めるわけでございますけれども、これはこの間に公務員の給与ベース等が上がっている関係で、私どもできるだけ節約いたしまして、現に毎年二百人を超える純減を出しているところではございますけれども、他方、そういう給与の引き上げ等もございますので、トータルとしてはそれほど下がっていないという関係にございます。 また、このコンピューター化が完成するという時点に今来ているわけでございますけれども、この間を見ますと、確かに一時的に移行経費というのが三百億を超えるような非常に多額をつぎ込ませていただけるような額を予算としていただいている時期もあったわけでございますが、移行経費というのは平成十九年度になりますと九十億のレベルまで下がってきていて、その意味では、コンピューター化のための予算というのは下がってきてはいるわけでございます。 他方、しかし、この間、なお地図のコンピューター化というものが当分の間必要になるわけでございますので、これを三年間集中的に行う経費というのもございますし、さまざま、平成二十二年度ぐらいまではやはりある程度の額をいただく必要があるわけでございます。 これが全部完成した後は、おっしゃるとおり、相当、全体の経費というものを切り詰めていけるものだろうというふうに私どもとしては考えているところでございます。
○高山委員 そうすると、二十二年までは移行経費がかかるけれども、二十二年以降は大幅に安くできると考えております、そういうような今答弁と理解していいんでしょうか。
○寺田政府参考人 おっしゃるとおり、先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、平成十九年度末までは、いわゆる登記の本体のコンピューター化の経費というものがあったわけでございますけれども、それは縮まるわけでございます。ただ、その間に、なお向こう三年、地図のコンピューター化があるわけでございますので、あるいは、コンピューター自体を全面的に新しい仕組みに組みかえるという関係もございます。そういうものが終わった後は、おっしゃるとおり、このコンピューター化の経費自体は……(高山委員「何年になるの」と呼ぶ)平成二十二年度を過ぎる時期ということになるわけでございますけれども、コンピューター化自体の経費は下がっていくというふうに考えております。
○高山委員 大臣、ちょっといろいろあれだったと思いますけれども、では、平成二十二年以降は下がるということなんですか。そうじゃないの。今の説明がちょっとわかりにくいんですけれども。 要するに、では、何年から手数料は下がっていくんですか、そこをちょっと答えてください。
○寺田政府参考人 今のお話は、一つはコンピューター化の経費が下がっていくかどうかというお話でございますので、全体のコンピューター化の経費は下がっていくということでございます。 手数料をどうするかというのは、手数料の定め方は、そのときの手数料令で、物価等のいろいろな勘案すべき事項がございますので、それを勘案してお決めになるということでございます。これは私どもと財務当局とのお話し合いで決めることでございまして、その計算に当たって、そのときにどういう状況になるかということを基礎として考えなきゃいけませんので、一概に今の時点で申し上げられませんけれども、全体としての経費の部分は、おっしゃるとおり下がっていくから、下がっていく要素は確かに出てくるということは言えるだろうと思いますけれども、確たることを現時点で申し上げられる段階ではないということでございます。
○高山委員 局長が物すごく慎重な答弁をするので、ちょっとまた勘ぐるんですけれども、特別会計を改革に逆行して維持して、手数料もせっかく千円取っているから、ずっと何かまた別なことに流用していこうみたいな、それで先ほどからそのような慎重な答弁なんですか。 これは、初めの説明ですと、コンピューター化するから手数料をこれだけ上げます、五百円のものを千円に上げます、だけれども、それはコンピューター化に使うので、終わったら下がりますというような説明だったというふうに国民は理解していると思うんです。 今ので、コンピューター化の経費は下がるというのはわかるんだけれども、それが手数料にどう反映されるのか。財務当局とのいろいろな調整はもちろんあるでしょうけれども、そんな大きいボリュームのコンピューター化、たしか三百億近く毎年かかっているやつ、あれがどかっとなくなって、まだ何か下がらない要因があるんですか。どういう要因で下がらないのか、ちょっと教えてください。
○寺田政府参考人 最初に申し上げましたとおり、この基本的な経費の中でのコンピューター化に要する経費というのは非常に大きな比重を占めておりますので、その意味で、全体としてこれを下げる要素というのは大きいと思います。 ただ、私は、今高山委員は必ず二十二年度に下げるかとおっしゃるので、それは今の時点では確として申し上げられませんけれども、下げる要素はある、そういうことを、全体として経費の面ではということを申し上げているわけでございます。
○高山委員 何だかちょっと私はわからなかったんだけれども、わかったという委員もいるので、次の話題に移ります。 もう一つ調べていてびっくりしたんですけれども、登記の閲覧ですとか謄本をとるとかいうのに公用というのがあるらしいんですけれども、この公用というのは一体何ですか。細かいことなので、局長に。
○寺田政府参考人 これは、登記の手数料令の中で、官公署等からの職務上の登記事項証明書、かつては登記簿謄本と言っておりましたが、それの交付請求については、その請求の公益性等を根拠といたしまして、手数料を納めることを要しない、無料だということになっているわけでございます。
○高山委員 公用というのは、普通に市役所の職員や県庁の職員さんがとことこと法務局に行ってとってくるんですか。それとも、何か特別のルートがあって、公用だということで照会をかけてやる。どういうやり方をしているのか、ちょっと教えてください。
○寺田政府参考人 公用請求でございますけれども、おっしゃるとおり、登記所に行きまして登記事項証明書をとる、あるいは閲覧をするという場合には、申請書にそれがどういう職務上の目的で公用に当たるかということを示していただいて、それをもとに手数料を取らない、こういう扱いをしているわけでございます。
○高山委員 今の局長の御説明ですと、そうすると、では、普通の一般の不動産屋さんですとか司法書士の皆さんと一緒に並んで、市の職員とかも一緒にとる、そういうようなイメージでいいんでしょうか。
○寺田政府参考人 これはいろいろなケースがございます。そこの窓口がどういう形態をしているかにもよるわけでございますので、一般的に申し上げられませんけれども、もちろん、別の窓口に行って公用請求だからということでとるケースもありますし、窓口が一つしかなくて、そこの窓口で公用請求だということを示してとる場合もございます。
○高山委員 全謄本の閲覧やもらうものの中で、公用というのは何%ぐらいを占めているんですか。
○寺田政府参考人 確定した平成十六年の数字で申し上げますと、登記事項証明書、登記簿謄本等に相当するものでございますが、これは全体の二〇%が公用請求になっております。閲覧の場合ですと、五二%がこれに相当するものになっております。
○高山委員 最後に大臣に聞きますけれども、そうすると、謄本をもらうのが二〇%ぐらいで、閲覧なんかは五十何%ですよね。これは、普通の一般の民間の司法書士さんとか不動産業者の方が閲覧した場合には手数料を取っているんですよね。公用だと手数料を取らない。 私は大臣にこれから聞きたいんですけれども、地元のさいたま市の市役所に電話をかけて、電話代とかはどうしているんですかと聞いたんですよ。そうしたら、電話代は年間四千五百万ぐらいかかっていますねということだったんですけれども、さいたま市では職員の方は私用の電話とかしているんですかと聞いたら、やはり公用の電話だと言うんですよね。これは公用の電話であっても、やはり電話代をちゃんと払っているんですよね。 どうして登記は、さっき何とか令と言っていましたよね、それで無料とするということなんですけれども、これはどういう経緯で無料となったのか、教えてください。細かいことなので、では、まず経緯を局長に聞いて、ちょっとおかしいと思うかどうかを大臣に聞きます。
○寺田政府参考人 この扱いは、実は不動産登記法では非常に古い歴史を持っておりまして、官公署とのいろいろな相互協力の関係もございますので、いろいろな要素がありますが、いずれにいたしましても、登記特別会計以前からの仕組みとして定着していたものでございます。 登記特別会計を導入する際に、国会におきましても、この間の経緯にかんがみまして御議論いただいたわけでございますけれども、衆議院の大蔵委員会での附帯決議にあらわれておりますように、この協力関係は、当面、従来の慣行を尊重するように努めることという附帯決議をいただいているわけでございまして、その後も、私どもとしては、両様の考え方はもちろんあり得るわけでございますが、公用請求というのを無料とする扱いを続けているわけでございます。
○高山委員 これは官僚の特権だとまでは言いませんけれども、だって、閲覧の半分が公用なんでしょう。それで、しかも、謄本をもらうのも二〇%ぐらいは公用で、この分もし手数料を取っていたらばみたいな、随分手数料そのものが安くなったんじゃないかなという印象を持つんですよね。 それで、これは大臣に伺いたいんですけれども、当然、電話代なんかは、法務省なんかでもNTTに、私用の電話をかけているわけはないわけですから、公用の電話を使われていて払っていると思うんですね。交通費なんかも、当然、私用で出かけているわけはないわけですから、公用で全部認められていると思うんですけれども、こんなのは経費化したらよかったじゃないですか、各県庁や市役所で。どうしてこれは公用無料、しかも半数ですよ、年金未納なんてものじゃないですよ、半数、これだけの数。 この制度に関して、今までいろいろお気づきにならなかった点もあるかと思うんですけれども、今このやりとりを聞いて、ちょっと大臣の所見を伺いたいんです。
○長勢国務大臣 長年の経過がある話のようでございますが、ちょっと聞いておりまして、まず、電話とか郵便とかとは、相手が独立採算でやっておった公共企業体等であったのと純粋官公署の場合とではちょっと違うのかなと思いながら聞いておりました。 いずれにしても、公用については、請求の公益性、官公署間の相互協力関係を尊重する必要があるという理由のようでありますし、従来、国会決議等の経過もあるようでありますし、また、現在地方自治体の置かれている厳しい財政状況などを考慮すると、この取り扱いを維持せざるを得ないのかなというふうに今は考えております。
○高山委員 惰性やマンネリをなくす、改革を今進められている長勢大臣にしてはちょっと後ろ向きの答弁だったなと思うんです。 独立した相手、NTTが独立しているというようなことは、多分独立採算でやっているというようなことをおっしゃりたいんだと思うんですけれども、だって、これは登記特別会計で、受益と負担の割合が乙号事務、甲号事務だとかはっきり明確に分かれているわけですよね。それで、しかも、甲号事務か乙号事務かわかりませんけれども、どっちかを民営化だか市場化テストだかをして、できるかということを今度やるわけですよね。そのときに、こういう半数も閲覧があったり、市場化テストなのか民営化なのかちょっとわかりませんけれども、そういったときにも、従来の慣行なので、前例踏襲で官僚主義的にまたこれをやられるおつもりなんですか、大臣。
○七条委員長 新しい質問に入る前に時間が来ておりますから、簡潔明瞭に。
○長勢国務大臣 官僚主義的かどうかわかりませんが、先ほどお話をいたしましたように今は考えております。
○高山委員 所信に対する質疑は、ちょっともう時間がなくなってしまったので、また続きをやらなきゃいけないなと思っておりますけれども、きょうはこれで終わります。
○七条委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○七条委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。 きょうは、大臣所信に対する質疑ということでありますけれども、私、きょうのテーマを自分なりに最近のテーマということで選んでみたんですけれども、やはり人権にかかわる問題というのが随分いろいろ課題としてあるなというのが実感です。 特に、最近法案審議をしていると、間接的には人権にかかわるのかもしれませんけれども、刑事の問題であるとか民事の問題であるとかという中で、どうも人権の問題についての議論が余り進んでいないんじゃないかな、こんな感じを受けているので、結果的に、拾ってみたら人権にかかわる問題が非常に多かった、こういうことでございましたので、そんな話題を取り上げてみたいと思います。 そういう意味でいきますと、まず最初にちょっと聞いておきたいなと思うのは、実は、柳澤厚労大臣の、例の、女性は子供を産む機械である発言なんですけれども、これについても、実は、女性の人権というものを軽んじているというようなところがあるのではないかなというふうに私も思いますので、柳澤発言に対する大臣の率直な感想といいますか所感というものをちょっと教えていただければと思います。
○長勢国務大臣 感想というか、厚生労働大臣の御発言は、女性に関して、いろいろなお話の流れの中だったのではありますけれども、女性が産む機械、装置であるというような御発言があったというふうに伺っていますので、これは、人間についてのあるまじき発言だというふうに思っております。
○平岡委員 私もそう思うのでありまして、これまでも要求してきたとおり、柳澤厚労大臣の辞任要求というものをみんなで声を上げていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているということでございます。 そこで、大臣の所信の中にも、人権問題についていろいろ触れたところがございました。これについてちょっと聞いてみたいと思うんです。 いろいろなところがあるんですけれども、まず最初に、「深刻ないじめ問題への対処」ということで、いじめ問題に対してしっかりと対応していくんだという趣旨の所信が述べられているわけでありますけれども、大臣としては実態をどのように認識されておられるのかというところをまずお聞かせいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 いろいろな報道あるいはことで耳にするわけでございますが、やはり特に深刻に感じますのは、いじめを苦にして自殺をするという事案が幾つかありました。大事な、将来ある方々が、そういう深刻な状況にまで陥っておる、そのことに対して、先生なり家族なり、あるいは同級生なりが何ら手を差し伸べていない、また、そういう雰囲気がこの日本になくなっておるということは、非常に深刻な事態だと思っております。
○平岡委員 いじめがよくないことであるというのは、まさに今おっしゃられたとおりでありますけれども、それが大体、日本全体で、例えばどれぐらい広まっているというか問題になっているのかという問題の程度の認識ですね、まずお聞かせいただきたいのは。その程度の認識いかんによっては、何を今緊急にしなければいけないのかということにもつながってくると思うんですけれども、大臣はいじめはよくないという認識は持っておられるとは思いますけれども、それが今、日本の国の中でどれだけ大きな問題になっているのか、その認識をお示しいただけますか。
○長勢国務大臣 法務省では、いじめ問題に関して、子どもの人権一一〇番やSOSミニレターというものを通じて、問題の把握というか、相談に対応してきたところでございます。 この件数を見てみますと、いじめに関する人権侵犯事件というのが、十七年では七百十六件、これは十三年が四百八十一件ですから、相当大幅にふえつつあります。また、人権相談は二千六百二十二件ということでございます。 これは法務省で把握しておる関連する数字でございますが、そのほかの関係省庁でもいろいろな数字があると思いますが、いずれにしても、数においても相当な数に上りますし、また、先ほど申し上げました、個々のケースの深刻さにおいても非常に重大な事態だなと思っております。
○平岡委員 非常に重大な事態であるという御認識をお持ちということで、ぜひ、そういう認識に立ってこれからいろいろな施策を進めていただきたいというふうに思うわけであります。 今年度補正予算で、いじめ問題についての対策ということで、法務省でも補正予算の中でしっかりと対応したいということが示されているようであります。ともすると、補正予算というのは、来年度予算でちょっとつけられなかったところを今年度予算で補っていく、そういう方式になりがちなところ、この補正予算について言えば、緊急性があり、すぐにでも対応しなければいけないというような趣旨で法務省として手当てされたのではないかというふうに私は思います。 ぜひ、こういう施策を今法務省が講じているんだということを多くの国民の皆さんに知っていただくという意味で、大臣から、この補正予算でつけたいじめ対策についての施策、どういうものを考えているのか、この点について、ぜひ御披露いただきたいと思います。
○長勢国務大臣 今年度、補正予算を講ずるということでありましたので、将来的にこういうことをやろうということを省内で検討しておったんですが、それを待たないで、補正予算ですぐにでもやろうじゃないかということで、予算要求をして、認めていただきました。 具体的には、あすですけれども、二月二十二日から、インターネットによる人権相談受け付けシステムを導入することにいたしております。また、子どもの人権一一〇番をフリーダイヤル化する、さらに、SOSミニレターを全国の小中学生へ配付するということを実行して、子供たちがより相談しやすい体制を整備するということにいたしております。
○平岡委員 ぜひ、こういった施策が本当にいじめの根絶につながるように、当局としても努力していただきたいということをまずお願い申し上げたいと思います。 それから、大臣の所信の中に、人権啓発ということについても、「充実強化に努めてまいります。」こういうことでございましたけれども、まず、人権啓発というのは一体何なのかということを、大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 人権啓発というのは非常に抽象的な言葉ですし、もう少し言えば、国民の間に人権尊重の理念を普及させるということがその目的ということだと思いますが、具体的にといいますか、わかりやすく言えば、国民の一人一人が人間を大事にするという気持ちを持ってもらう、そういう人権尊重の考え方を基礎にして行動するということを皆さんにわかってもらうようにするためでありますので、毎年法務省では、十二月四日から十日までを人権週間と定めて、それを中心にして、全国各地で講演会や座談会、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌による広報、啓発冊子等の配付、各種イベントにおける啓発活動を行っておるわけであります。 各地方の人権擁護委員の方々に委嘱をさせていただいておりまして、その方々から、人間の触れ合い活動等を通じて、あるいは自然との触れ合い活動を通じて、人間を大事にしていこう、していくのは当たり前だよ、それでなきゃおかしいんだよということを、あらゆる手段を通じて広めるように、深めるようにやっておるところであります。
○平岡委員 人権啓発というのは、基本的には、我々自身の問題として、我々自身が人権侵害をしているようなことはないんだろうか、あるいは私たちの身の回りに人権侵害が起こっているようなことはないんだろうか、そういうことを振り返ってみて、みずからが人権の重要性について認識をし、そして人権侵害をみずから行うことのないようにしていこう、それが本来の人権啓発ではないかというふうに私は思っているんですね。 そういう視点で物を見ますと、私がちょっと違和感を感じたことがあるんです。それは、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律というのが昨年できましたけれども、これに基づいて、北朝鮮人権侵害問題啓発週間というのが昨年の十二月十日から十六日まで行われているということがあるんですね。 拉致そのものは許されるべきことではないということ、それははっきりしているわけでありますけれども、これは法務省がかかわっているということで、法務省がどういう立場でかかわっておられるのかなというのを非常に違和感を感じたんですけれども、法務省の中で担当しておられる部局はどこになるんでしょうか。
○長勢国務大臣 人権擁護局が担当いたしておりますが、拉致問題そのものは当然当省の所管ではございません、中心的な所管ではありませんけれども、拉致も人権侵害でありますし、その他の人権侵害もあの国ではあるわけで、その問題について、各省、関係省庁共同して対処しようということでありまして、ただ、その事務を、法務省もその一端を担っておる。それは、人権問題に関するいろいろな広報等々のノウハウその他についてあるからということで事務局的な処理をやっておりますが、内容については関係省庁の協力のもとに行っておるわけであります。
○平岡委員 重ねてお聞きしますけれども、北朝鮮人権侵害問題啓発週間というのは、一体何を目的とした週間なんですか。
○長勢国務大臣 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律が制定をされておるわけでございますが、拉致問題を初めとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処のために、これに関する国民の認識を深めるとともに、国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し、その抑止を図ることがこの法律の目的でございまして、そのために国は最大限の努力をするというふうに定められておるところであります。
○平岡委員 さっきこの質問の冒頭に、人権啓発の目的は一体何なんだろうかということをお聞きいたしまして、それほど大臣とは考え方は違っていなかったと思うんですけれども、拉致問題がけしからぬことはけしからぬということではあるんですけれども、国民の皆さんに人権啓発をしていくときに、この拉致問題について一体何を啓発しようとしておるのか、私はそれがよくわからないんですよね。 拉致問題について、これは国際的な問題でもあり、人権にかかわる問題でもあるということは当然でありますけれども、この問題にどう対処していくかということについては、やはり本来、外交的な問題であったり、あるいは法務省がかかわっていないところでいろいろあるんだろうというふうにも思いますけれども、法務省の人権擁護局が担当になってやるという問題は、むしろ、北朝鮮に対するいろいろな問題を国民の中にどんどん広めていくことによって、日本にいる在日朝鮮人の人たちに対する人権侵害につながっていくのではないかという逆の方の懸念を私は大変強く持ったんですね。事実、そういうことを心配しておられる方々が非常に多くおられるというようなことでございます。 私は、今回、法務省の人権擁護局がこの問題について中心的に出てきたということの趣旨がよくわからない。私が言っているような心配というのは人権擁護局の方ではしておられないんでしょうか、どうでしょうか。
○長勢国務大臣 まず、事務的な取りまとめをしておるということは政府内で決定されたことでございますが、中心的な役割という認識とは若干違うのではないかと思います。内容的には法務省が中心になっていろいろなことを企画立案しておるわけではなくて、取りまとめをやっておるというふうに御理解いただきたいと思います。 同時に、この拉致問題を初め北朝鮮の人権問題というのは許しがたいことでございまして、これは政府挙げて国民の皆さんに御理解いただくということが必要でありますので、その一翼を担うことは当然のことだと思っております。 その反面、今先生御指摘のように、在日の朝鮮人の方々に対してこういうことを契機に人権侵害に当たるようなことが起こるということはあってはならないことでありますので、そのことは当然十分な配慮を払い、また、そういうことのないように我々としても適切に対処していかなきゃいかぬと思っております。
○平岡委員 今、大臣は、法務省は中心になっていないというような表現をされましたけれども、私がいただいた、どういうチラシが配られているのかというのを見たら、まさに法務省というのがやはり前面に出てきて、その後に、これを張り出すような省庁なのかもしれませんけれども、そういう省庁名が並ぶというような一律的な形でやるということを法務省がまさに指示しているということじゃないんですか。 それから、法務省の人権擁護局から都道府県の拉致問題担当部局長あてにも、北朝鮮人権侵害問題啓発週間についてどういうことを実施するのかという様式を出せ、あるいは実施した結果についても出せというようなことをやっているということは、まさに法務省が中心になってやっているんじゃないんですか。
○長勢国務大臣 法務省が作成しているチラシもあると思いますが、各省もいろいろつくっておられるのではないかと思います。 それから、今申しましたように、事務的な取りまとめをしておりますので、発出名が法務省の名前になっているということは、ちょっと具体的には正確に承知をしておりませんが、あり得ることだと思います。
○平岡委員 私が持っている懸念というのは御理解いただいているというふうに思うんですけれども。 それで、全国各地で、十二月十日から十六日までの週間の間に事業が実施された。これは非常に意味があるといいますか、もともとの人権擁護週間というのがあって、それは十二月十日に終わる、一週間で行う、それに引き続いてこれが行われるというようなことで、ある意味で人権擁護ということを少し色づけするためにそういう期間を選んだのかなというふうな気もするんですけれども、一体、全国各地でどのような事業が実施され、それについては法務省としてはどう評価しておられるのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 法務省ということよりも政府全体として、この週間を中心にして、テレビ、ラジオ、新聞等の各種媒体を活用した広報、ポスター等の作成、配付、講演会の開催等によって、国民世論の積極的な啓発活動を行ったところであります。 その一環として、法務省としても、関係各省庁と連携をした中で、人権擁護局及び法務局、地方法務局を中心に取り組みを行いました。 主な取り組みとしては、啓発週間周知ポスター及び同週間に関する啓発チラシデータを作成の上、各府省庁及びその地方出先機関、地方公共団体等に配付したほか、週間中の十二月十四日には、千代田区の日比谷公会堂において、拉致問題対策本部及び当省人権擁護局の共催による、拉致被害者家族による講演を中心とした拉致問題を考える国民の集いを開催したところであります。
○平岡委員 今、大臣の答弁の中に、北朝鮮の人権侵害問題について国民に広く広報することに努めたという話がありましたけれども、拉致問題以外の北朝鮮の人権侵害問題、具体的にはどんなことを国民に広報を努めたんですか。
○水野副大臣 この法案は、拉致問題はもちろん極めて重大な人権侵害でございますから、これは対象でありますが、それに加えて、北朝鮮国内の、例えば強制収容所とか、そういうような人権侵害も極めて重要だというふうに認識をしております。 広報に努めたということで言うと、例えば、ちょっとキャッチフレーズの細かいのは忘れましたけれども、大量に製造したポスターも、日本でも北朝鮮でも泣いている人がいる、そんなようなポスターの名前だったと思いますけれども、当然そこには、日本国内でも拉致の被害者の方々はとんでもない人権侵害に苦しんでいる、一方で、今お手持ちの資料ですね、北朝鮮においても、例えば強制収容所その他などで、とんでもない人権じゅうりんが金正日の体制のもとで行われている、そういうようなことを念頭に置いている、そういう広報をしたというふうに考えております。
○平岡委員 それは念頭に置いているのかもしれませんけれども、広報に努めた中身が、そんな強制収容所の問題とかあるいは脱北者の問題とか、一言も触れていませんよね。一体これは何の広報なんですか。拉致問題の広報をしているだけじゃないですか。人権問題に絡めて拉致問題についての広報をする、そういう形をとっているにしかすぎないんじゃないかと私は思いますよ。
○水野副大臣 この北朝鮮人権法は議員立法で、私も提出者の一人でありましたから、経緯についてはよく承知しておりますけれども、もともとは、人権週間を十二月の十日から十六日にした経緯というのは、十二月十日がいわゆる世界人権デーなわけですね。それで、二〇〇五年の十二月十六日に国連で北朝鮮人権状況の非難決議があったわけですね。 そういうようなことからして、当然、国内の拉致問題に対しての被害ということに加えて、北朝鮮におけることも、まさに、北朝鮮でも泣いている人がいるというのは、そういうことも念頭に置いているということでございます。
○平岡委員 勝手に念頭に置いているだけで、本当に北朝鮮における人権問題について考えようという姿勢じゃないと私は思いますね、これは。 では、ついでに聞きますけれども、法務省でこの北朝鮮人権侵害問題啓発週間の間に使った予算というのは幾らですか。
○長勢国務大臣 事務方から答弁させます。ちょっと今手元に、わかりません。
○平岡委員 法務省は、全国の関係の人たちに対してどういう事業を実施したのかということの報告を求めているという立場ですよね。自分たちが幾ら使ったのかということもわからない。 では、どこの予算で使ったのか、どこの部局の予算を使ったのか、まずこれを答えてください。
○長勢国務大臣 事務局から答弁させます。
○富田政府参考人 ちょっと今、正確な資料を持ち合わせておりませんが、例えば、ポスター等に二百六十万、日比谷公会堂の借料等に三百万程度を使用していると承知しております。(平岡委員「どこの予算ですか」と呼ぶ)人権擁護局の予算として使っております。
○平岡委員 国内に人権侵害問題、人権問題がたくさんあるわけですよね。そういうところにしっかりとやはり努力をしてもらわなきゃいけないという中で、ある意味では、この北朝鮮人権侵害問題啓発週間というのは、本来は、この問題は、拉致問題の対策特別本部だとか外務省だとか、そういうところでしっかりと取り組むべき話であって、逆の効果があるかもしれないこういうことを人権擁護局の予算を使ってやるということ自体、私は、これは方向性が間違っているんじゃないかというふうに思います。 法務省がこうやってかかわることによって、何か法務省が在日朝鮮人の方々に対する人権侵害を進めるようなことに手をかしているというふうに思われたら、私は、これは全く逆の方向だと思いますね。その辺はやはりしっかりと考えていただきたいというふうに思います。 では、ついでに聞きますけれども、南アフリカのアパルトヘイトのときにも国連の決議が出てきますけれども、そのとき法務省は何かかかわったんですか。
○長勢国務大臣 アパルトヘイトのときのことはちょっと私は存じませんので、後ほど事務局から答弁させますが、人権擁護局のなすべき人権擁護の関係の予算をこの問題に流用したという誤解であれば、そういうことではないと思います。 先ほど申しましたように、政府部内で事務局をどこに置くかという過程の中で人権擁護局というふうに決められたわけでありますので、そのための予算を人権擁護局に配賦していただいてやっておるということでありますから、ほかの予算をそのために減らしているということではないと思いますし、それから、先生の御懸念は十分気をつけなければならないことではありますけれども、北朝鮮の拉致を初めとする人権侵害については、これは国を挙げて取り組むべきことでありますので、政府内の一翼を担うということはあって当然のことだと思っております。
○平岡委員 私の心配していることを理解していただいているということなので、大臣がそういう認識を持っていただいているのであれば、そう極端なことにはならないかもしれませんけれども、実は、これから聞く話としては、北朝鮮のミサイル発射事件というのが昨年の七月五日にありましたね。その後、在日朝鮮人の皆さんに対する人権侵害というのが非常にたくさん起こっているというような事態が発生しているわけです。 当局としては、こうした人権侵害事件についてはどの程度把握しているのか、このことについてまずお聞かせいただきたいと思います。これは法務省、法務大臣とそれから警察庁の両方に聞いておりますので、それぞれ答えていただけますでしょうか。
○長勢国務大臣 御指摘のように、北朝鮮のミサイル発射あるいは核実験ということが起きまして、これを契機として在日朝鮮人等に対する嫌がらせ等の事案が発生したことは、まことに遺憾なことだと思っております。 人権擁護局から全国の法務局、地方法務局に対し、このような事案に関する人権相談あるいは人権侵犯事件の調査、救済等に積極的に取り組むように指示を出しております。 北朝鮮がミサイルを発射した以降現在までの間に、全国の法務局に寄せられた在日韓国・朝鮮人からの人権相談は二件、また人権侵犯事件は四件というふうに報告を受けております。 今後とも、この問題についての取り組みを強化してまいりたいと思います。
○米村政府参考人 お答えをいたします。 ミサイル発射、昨年の七月五日でありますけれども、それ以降、朝鮮学校の生徒あるいは朝鮮総連関係者、関係施設等に対するいわゆる嫌がらせ事案につきまして、被害届によって警察が認知したものとして警察庁が報告を受けておりますのは、脅迫事案あるいは暴行傷害事案など十二件であります。そのうち二件の事案について、犯人を検挙いたしております。 さらに、被害届は出されてはいないものの、例えば無言電話をかけられる等々の嫌がらせを受けた事案につきましても、関係者から相談を受ける、あるいは被害者からの直接の申告という形で把握をしているところでありますが、警察庁といたしましては、先ほどの十二件を含めて、今日まで全体として八十件程度の報告を受けているところであります。 私どもとしましては、今後とも、この種事案の未然防止に努めますとともに、発生した事案につきましては、厳正な捜査を行って、検挙に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○平岡委員 今、法務大臣と警察庁の方から具体的な数字を挙げて、どれぐらいあったのかということを報告していただきましたけれども、私も詳しい資料を持っているわけではありませんけれども、逆に、そういういじめを受けるとか、人権侵害を受けているだろうという被害者の人たちの方から見たときの数字というのは、もっともっと、今おっしゃられた数字とは違う数字なんですよね。 例えば、七月の五日から十月の十九日までの間で、私がいただいた資料でいくと、百七十件近いそういう人権侵害があったであろうというようなことが伝えられていますし、それから、やはり学校関係でも、数多くの嫌がらせとか、あるいは暴言であるとか、そんなことも報告されているという事態にあるわけです。しかし、法務省とか警察庁というまさに権力を握ったところにそういう話を持っていくと、またこれを契機にいろいろなことをやられるんじゃないか、そういう心配も多分あるんだろうと思うんですね。 そういう状況に置かれている人たちに対する人権侵害問題というのは、法務省が人権問題について所管している省庁でありますから、しっかりと取り組んでいくという姿勢を持っておかなければいけない、このように思うんですけれども、大臣の御見解をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 北朝鮮のいろいろな行動について、国民の皆さんは相当お怒りになっているのは周知の事実であります。とはいいながら、そのことによって個々の在日の方々に人権侵害に当たるようなことがあってはならないということを、やはり皆さんにも理解をしていただかなきゃならない。そのため、そのように取り組むように法務局にも通達等も出しております。そういう取り組みをきちんとやっていきたいと思います。
○平岡委員 そこで、これは大臣の所信にも触れられているのでありますけれども、人権擁護法案、平成十四年に最初政府から提案されて、その後、紆余曲折があって、これからどうされるのかなということで私も関心を持っておりましたけれども、大臣の所信では、「人権擁護法案については、従前の議論を踏まえ、今後も真摯に検討を進めてまいります。」これは、全然わからないんですよね。一体、具体的に何をしようとしているのか、さっぱりわからない。 まず最初に、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。大臣は、この人権擁護法案についての法案の提出の見込みというのをどのように考えておられますでしょうか。
○長勢国務大臣 人権擁護法案については、先生も御案内のとおりだと思いますが、平成十四年に国会に法案を提出した際、あるいは平成十七年に再提出しようとした際、さまざまな議論があったところでございます。当然、政府として法案を出す以上は与党等との御議論も踏まえて出す必要がございますが、今現在ではさまざまな議論がある中でございますので、その御意見を踏まえながら、さらに検討していかなきゃならない段階ではないかと思っております。
○平岡委員 私が心配しているのは、現在、安倍総理という人が内閣のトップを占めているということです。安倍総理がこれまでどんなことをおっしゃられていたか。これは新聞報道でしかありませんけれども、幹事長代理のときに安倍現在の総理が言われた話としては、人権侵害の定義があいまいで果てしなく解釈が広がる危険性がある、いいかげんな形で国会に提出し成立させてはならない、例えば北朝鮮出身者の人権を守っている朝鮮総連の方々が委員になれば、私は真っ先に人権侵害を行っていることにされる危険性がある、こういうような口調で、非常にこの人権擁護法案をまるで敵視するかのような発言をされているということであります。 こういう総理大臣のもとで本当に人権擁護法案が出せるのかなというのが私は心配なんですけれども、今回の通常国会において、公明党の方々が中心になって、本会議とか委員会でも質問されておられまして、そこで総理の答弁をちょっと見てみますと、人権擁護法案についてはこれまでもさまざまな議論がなされてきたところであります、まずはそうした議論を一つ一つしっかりと吟味しながら、慎重の上にも慎重な検討を行うことが肝要と考えております、こういうふうに答弁になっているんですけれども、長勢大臣のところには安倍総理から何か指示はおりているんですか。具体的には、どんなことを今安倍総理はこの人権擁護法案について長勢大臣に言っておられるんでしょうか。
○長勢国務大臣 本会議の答弁は今お話しになったようでございますが、その後、参議院の予算委員会でしたでしょうか、本会議でございましたか、改めて答弁をなさっておられると思いますが、総理は、特別にこれについての御指示ということではございませんけれども、その参議院等の答弁にありますように、さまざまな論点について真摯に検討を行うべきであるというお考えだと伺っております。
○平岡委員 伺っておりますということだけで、この大臣の所信で今後も真摯に検討を進めてまいりたいということでは、前に進みそうな感じがしませんよね。総理がどんな考え方を持っているか、私は知りません。だけれども、真摯に検討してまいりますと。それは、ただ単に時間稼ぎをしているとしか私には思えないんですけれども。 今、真摯に検討しているという検討の項目というのは具体的に何があって、どういう議論がされているんですか。いろいろな問題があるときに、一生懸命検討している小委員会みたいなものがあって、それがだれのどういう指示に基づいてやっているのかわかりませんけれども、目に見えて何か進めておられるところが他方の分野ではあるにもかかわらず、この問題については一体だれが何をしているのかさっぱり見えてこない、こういう状況だと思います。 大臣、質問ですけれども、真摯に検討するという対象となっている事項と、その検討状況を私に説明していただけますでしょうか。
○長勢国務大臣 さまざまな論点がありますが、人権侵害の定義、または人権委員会のあり方、人権擁護委員の選任要件、報道関係条項などについて今までも議論があり、それらについてまだ結論はきちんと出ない。これは我々の中でも議論しておりますが、与党内での議論がまだ方向づけがされる状況になっていないという状況だと思います。
○平岡委員 いろいろ言われて、何も出ていないというのでは議論のしようがないんだけれども、例えば、人権侵害の定義というふうに今言われました。いろいろな文献を見ると、何か人権侵犯事件とかいう言葉も使われています。 実は、これは余り大きな声で言う話じゃないんですけれども、先日、大臣が所信を読まれたときに、「人権啓発や人権侵害事件の調査・救済活動の充実強化に努めてまいります。」と言われて、侵害と侵犯というのがどう違うのかなと私はふと思ったわけでありますけれども。 人権侵犯事件について言えば、大臣も所信にしっかりと述べておられますし、法務省の所管事項の中にも、「人権侵犯事件に係る調査」とか「被害の救済及び予防」といったようなことで、何を対象にしているのかということが、要するに、人権侵犯事件という形で書かれているんですよね。それにもかかわらず、人権侵害の定義ができない。逆に言って、人権侵犯、人権侵害の違いはあるかもしれませんけれども、その対象となるべきことの定義ができないというのは、一体何をしているんですか。今の法務省の仕事はできないんじゃないですか、そんなことをしていたら。どうですか。
○長勢国務大臣 人権侵害といえば、当然、不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為をいうことになると思いますが、当然、擁護法案をつくるということになれば、その個別の事案がどうかということもきちんとした上で、それに対する対応の制度をつくっていかなきゃならないわけでありますから、その意味でいろいろ議論があるということでございます。
○平岡委員 いろいろ議論があると言われるんですけれども、今、どこでどういう議論をされているんですか。
○長勢国務大臣 今まであった議論を含めて、事務局から答弁させます。
○富田政府参考人 人権擁護法案の問題点については先ほど大臣が答弁されたとおりですけれども、要するに、我が国の人権擁護事務、特に人権侵害事件については、法務省設置法に所掌事務として掲げられているだけでありまして、具体的な権限の規定がなかったわけであります。そういう意味で、非権力的な行政として、啓発、そして勧告、説示等をやってきているわけでございます。それを、具体的な権限を持たせて明確にしていこうというのが人権擁護法案であります。 そうなりますと、その所掌事務の範囲が明確にならなければならない。今までは非権力的でありますから、なるべく広く救済する方向でやってきたわけですが、それを具体的にどの範囲でやるかということになりますと、これはなかなか難しい問題であります。 従来の人権擁護法案は、特別救済の範囲は一応限定はしておりますけれども、そのあたりが、全体として御理解の得られるような案がなかなかできないというようなところで、現在、人権擁護局でさらに検討を続けているところでございます。
○平岡委員 今の答弁は、人権擁護局の中で、今、人権侵害の定義だとか人権委員会のあり方とかあるいは人権擁護委員の選任要件とか、こういうことを検討しているということですか。
○富田政府参考人 そのとおりでございます。
○平岡委員 それだったら、人権擁護局の中でいつごろ結論が出ますか。人権擁護局の中で検討しているのなら、人権擁護局でまず結論を出さない限りは外には出ませんよね。それを出してもらわない限りは先へ進まない。 人権擁護局の中でいつ結論が出るのか、先ほど来のいろいろ課題となっている分について。それを答弁してください。
○富田政府参考人 この件につきましては、自民党内でさまざまな議論があったところであります。私どもとしては、そのさまざまな議論に対して十分説得できる案ができなければならないというふうには考えておりますので、現在、それを一生懸命考えているところでございます。
○平岡委員 一生懸命考えていないとは言っていないじゃないですか、私は。いつできるんですかと言っているんですよ。ちゃんと示してもらわなければ、こんな、「今後も真摯に検討を進めてまいります。」というようなお題目だけを言っていたのでは、何ら大臣所信なんかになっていないですよ。 まず、擁護局がいつできるかということをちゃんと示さない限りは、大臣が判断できないじゃないですか。大臣が大臣としての判断をするために今事務的に作業をさせているということで擁護局がやっているのなら、擁護局がいつできるかというのをちゃんとここで言ってください。
○富田政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、具体的なそれぞれの案件について、自民党内で行われました議論について説得力ある形の案を現在検討しておりますけれども、現在の段階でいつそれができるということはちょっと申し上げられない状況にございます。
○平岡委員 私が人権擁護局長をしかっても、多分人権擁護局長はそれぐらいのことしか答弁できないんだろうと思いますけれども。 まさにこの問題は、大臣、人権擁護局の中で議論を重ねたらできるという問題じゃないんですよ。まさにこれは政治決断の問題なんですよ。確かに、人権侵害の範囲とか人権侵犯の範囲とかというのはいろいろな考え方があるかもしれません。だけれども、そこは最後は政治的にここで決めていくんだというものをやはり示さない限りはできないんですよ。 ほとんどの問題が、多分自民党の中でいろいろなことが言われていて、事務方がやろうと思っても、自民党内で大きな声をする先生方がいたら引っ込まざるを得ない、こういう問題ですから、かつての小泉総理みたいに、そういう自民党の勢力は抵抗勢力である、私たちは人権擁護法案についてはこの方針でやるんだ、そういうかたい決意を大臣みずからが示さなきゃいけない。 そして、安倍総理にも、ここまで強く反対してきたという立場からは、認められるかどうかというのはわかりませんけれども、むしろ安倍総理に決断を迫るぐらいの覚悟を法務大臣に持っていただきたいと私は思うんです。いかがですか。
○長勢国務大臣 人権擁護ということが大変大事な問題であることは先ほど来申し上げていることでございますが、人権擁護法案については、今までの長い経過がある問題でございますので、私なりにまた改めて考えてみたいと思います。
○平岡委員 大臣の所信の中に、「従前の議論を踏まえ、今後も真摯に検討を進めてまいります。」こういうふうに言われている。これがお題目にしかすぎないというのじゃなくて、本当に真摯に検討した結果を、長勢大臣がいつまでやられるか知りませんけれども、この通常国会で内閣改造というのはないと思いますから、在任されている間にでもちゃんと示していただいて、もっと世の中に議論を問うてください。 そうしないと、本当にこの問題については、もうみんな、あきらめ感みたいなのがあるんですね。安倍さんのもとじゃこれはできるはずがないな、もういいんじゃないかな、もうだめじゃないかな、私はそんな雰囲気が蔓延しているということを大変心配しています。 これは、国際的にもちゃんとしたものをつくれということを言われているわけですから、大臣としての決意をもう一度私は示していただきたいと思います。
○長勢国務大臣 長い懸案になっていることでありますし、また大変議論の分かれている部分もあるようでございますので、そういう方向づけができれば大変いいなとは思っております。
○平岡委員 方向づけができればよいと思いますと何か他人事みたいに言われましたが、しっかりと取り組んでいく、しっかりと方向づけをしていくと。 さっきも私は言いましたけれども、この問題というのは、ある意味ではもう議論は尽くされているんですよ。議論は尽くされていて、最後は政治決断なんですよ。だから、安倍総理がどういう人権擁護法案をつくるのがいいのかということを判断すればできちゃうんですよ。ただ、それが本当に我々の目から見ても一般の国民の目から見ても十分なものなのかどうか、そういう議論は当然また出てきますよ。だけれども、政府として出すか出さないか、どういうものを出すかというのは、私はまさに政治決断そのものだと思いますね。 しっかりと決断をしていただくように、闘う政治家と言われている安倍総理に、闘おう、一緒になって闘おう、逃げないでください、逃げる政治家にならないでください、これぐらいの気持ちで迫っていただきたいというふうに思います。 次に、これも人権にもかかわる話でありますけれども、入管の問題のちょっと個別的な問題について触れさせていただきたいと思います。 先日、大臣が記者会見もされて発表されたようでありますけれども、二月十六日に、イラン人のアミネ・カリルさんの長女マリアムさん十八歳に対して、市内の短大に進学するための二年間の在留特別許可を認められたという記事が出ておりました。 大臣はこの在留特別許可をどういう理由で認められたのか、まず説明をしていただけますでしょうか。
○長勢国務大臣 このアミネ・カリル一家につきましては、平成二年以来不法滞在を続けておるわけでありまして、退去強制処分は平成十二年に出しましたが、これが裁判で争われて、昨年の十月に最高裁で退去強制処分は適法という判決も出されたところでありますから、当然、即収容、送還すべき事案であるというのが原則であります。 ただ、今御指摘の、長女の方が強い勉学意欲を持っておられるということもありましたし、また、できる限り円満に帰国していただきたいということで今まで説得をしてまいりました。 同一家は、もともと四人とも在留させろという御要求でありましたが、ことしに入りまして、同一家から、不法在留については反省をする、一家は帰国をする、それと同時に、長女はぜひ留学をさせてもらいたい、こういう要望がありましたので、その長女の方の強い勉学意欲を尊重して、本来、一遍帰国をしていただいて特別に上陸許可を与えるという方法もありましたが、一たん帰国することなく留学できるように、在留特別許可をその特別の事情を考慮して付与したという経過でございます。
○平岡委員 余り言葉じりをつかまえるつもりはないんですけれども、大臣、この記者会見の中で、日本人の優しい思いやりを持って人情ある措置をした、こういうふうなことを強調したというふうに新聞に書いてあるんですね。諸般の事情を、積極要因、消極要因を考え、最後はそれなりの思いやりを持って判断されたということなんだろうと思います。 その気持ちを私は決して否定するわけではありませんけれども、あわせて言っておられるのが、総理も心を痛めておられたというふうに言われたということで、官邸の意向があったことを示唆したというふうに報道されているんですけれども、この件については、総理の方から具体的に何か指示があったんですか。
○長勢国務大臣 特段私に指示ということよりも、当然閣議その他の場で総理にお会いしますので、新聞にこういうことが報道されましたから、どうするんだと言って気にかけておられたことは事実であります。具体的な指示があったわけではありません。
○平岡委員 長勢大臣としては、安倍総理のリーダーシップを示すという意味で、これは安倍総理がリーダーシップを発揮してこういう措置を認めたんだというようなことを示したいという気持ちもあって、こういう表現をとられたのかなというふうにも思ったんです。それでちょっとお聞きしたわけですけれども、明確な指示はなかったということで、大臣みずからの御判断で、諸般の事情をかんがみてこれをされたというふうに理解させていただきたいと思います。 そこで、実は似たような事件というのが多分幾つかあるんだろうなと私も思います。どのぐらいの件数があるのかということを聞いたわけではありませんけれども、その中の一つに、現在控訴審が行われている案件として、中国残留孤児の実子と偽って十年前に入国した中国人男性の長女あるいはそのお兄さんという方が現在裁判をしておられるというのが報道されております。 昨年の三月には、東京地裁、第一審で、お兄さんの方の李峰さんについては退去強制処分の取り消しが行われているという状況、あるいは同じく昨年の七月には、妹さんである李金花さんについても、第一審で退去強制処分の取り消しが行われている、こういう事態になっているわけでありまして、第一審は両方、兄弟の方が勝訴しているという状況にあるわけでありますけれども、当局の方ではこれを控訴しているということなんです。 お二人とも高校生というようなことで、周囲の人たちに助けられながら今一生懸命勉強も、あるいは生活もしておられるというような事態にあって、ぜひ日本にとどまって自分たちが持っている夢をかなえていきたい、こういう希望を持っているというふうにも私は漏れ聞いているところであります。 私は、先ほどのマリアムさんの事例とどこがどう違うのか、細かいことはまた議論がいろいろあるのかもしれませんけれども、非常によく似た事案だなというふうに思いまして、この問題について長勢大臣が、第一審で当局は負けているわけでありますので、ここいらでしっかりと、先ほど言いましたように日本人の優しい思いやりを持って人情ある措置をとっていただけないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○長勢国務大臣 今御指摘の事案については、現在係争中ですから、私から今、これをどうするこうするということについてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。 ちょっと誤解があったらいけませんので申し上げたいと思いますが、不法に日本に滞在されている方々には断固とした措置をとるのが当然の私の責務だと思っております。ただでさえ、日本は法律を破ってもいいんだというふうに誤解をされるような状況が生じたのでは私は責任が果たせないと思っていますので、そのことはまず明確に申し上げておきたいと思います。 そのルールを守った上で、その上を超えて、なおかついろいろな観点から、今の先生の御指摘によれば日本人らしい人情の心を持って対処すべき事案はないとは言いませんけれども、原則は、きちんとした対応をするというのが基本であります。私は、今後とも、そういう視点に立ってこの問題に取り組んでいく方針であります。
○平岡委員 断固とした措置をとる、そのこと自体は私も否定するわけではありませんけれども、大臣が常に断固とした措置をとるということで、こういう事案についてはあらゆるものについて認めないということであるならば、またちょっと大臣としての適性について私もどうなのかということを問わなければいけないと思いますけれども。 とりあえずは、この在留特別許可については、それを出すか出さないかについてのガイドラインというのがあるんですよね、大臣。一応、大臣も、断固とした措置をとるというのはガイドラインに沿ってやるということを意味しているのであって、ガイドラインには関係なく私はすべて断固とした措置をとるというふうに言っているわけではないわけですよね。いかがですか。
○長勢国務大臣 もちろん、そういうことを申し上げているわけじゃありません。ガイドラインは何のためにつくってあるかといえば、世の中には似て非なるものというものもちょいちょいあるわけで、形式的に何かが一致しているからみんないいというようなことになれば、日本はただでさえ甘い国と言われているわけでありますので、そういうことのないようにきちんとした対応をしていくということを申し上げているわけで、当然、このガイドラインを、そういう方針を踏まえて適用して、この趣旨でやっていきたいと思っています。
○平岡委員 例えば、このガイドラインを見ますと、積極要素としていえば、「本邦への定着性が認められ、かつ、国籍国との関係が希薄になり、国籍国において生活することが極めて困難である場合」といったようなものについて、「人道的配慮を必要とする特別な事情があるとき。」というようなものとして例示がされているわけですね。 いみじくも大臣が、今の段階でどうするかということについてはコメントを差し控えたいんだというふうに言われました。いつの段階ならコメントできるんですか。
○長勢国務大臣 このガイドラインは、それぞれこういう問題を踏まえてあるという意味での積極要素と消極要素を例示していると思います。これに該当すれば必ずどうなるということをこのガイドラインで示しておるわけではありません。ただ、こういうものを積極的な考慮要因としてするということは事実でありますから、そういうふうに進めたいと思っております。 今おっしゃったのは、先ほど御指摘のあった裁判中の事件について、いつ判断するのかということですか。(平岡委員「中国残留婦人の実子の方の件」と呼ぶ)これは裁判を現在やっていますから、ちょっと今どこでとおっしゃってもすぐには申し上げかねる点もありますが、少なくとも、高裁の判決が出れば、上告するかどうか判断をしなければならぬ時期は来ると思います。
○平岡委員 私も、むやみやたらと、困っているからといって全部救ってくださいと言っているわけじゃなくて、既に第一審でそれなりの判断が示されている。 先ほどちょっと言いましたけれども、在留特別許可に係るガイドラインの中でも積極要素として示されているような話として、例えば、判決理由の中でも、この人たちについて言えば、七歳から日本語による教育を受けており、中国社会への適応は難しい、あるいは事情もわからずに来日したという原告を責めることはできないというような判断がこの裁判の中で示されているわけですね。 そういう判断が示されている中で、私は、大臣として、何が何でも、何から何まで認めるというんじゃなくて、そういう個別具体的に裁判の中で事実関係として認めてもらったということを踏まえて、大臣として何らかの判断をすることが可能な事態に今あるのではないかというふうに思うんですね。そういう意味でどうですかと聞いているんですけれども、今の時点ではコメントできないというふうに言われているんですよ。では、どの時点になったら大臣としてのみずからの見解を示すことができるのか、このことを聞いているんです。 いつだったら、控訴審で判決が出たら、そのときに大臣としての見解を示されるということですか。
○長勢国務大臣 控訴しているということは、この事案について裁判所の判断をお願いしておるわけですから、その間、それをどうということを申し上げるのは、今控訴しているんですから適法であると主張しておるわけですので、それしか申し上げかねるわけで、その判断が出るのは高裁判決が出たときだろうと思いますから、そのときには法務省としての判断を改めてしなければならない、その判決を踏まえた判断というものをしなければならなくなると思いますということを申し上げました。
○平岡委員 ちょっと確認なんですけれども、控訴審に上がっているということ自体は事実でありますけれども、控訴審に上がっていると、やはり大臣としての判断を示してはいけない時期にあるということなんですか。大臣としては、いろいろな事象をかんがみて、このことについてはこういうふうにしようということで、例えばマリアムさんに対して在留特別許可を出したのと同じようなことを今の時点でやることは何か法に反する話なんですか。どういうふうに位置づけられる話なんですか。もし専門的になるんだったら入管局長でもいいですけれども。
○長勢国務大臣 法律は先生の方が詳しいでしょうけれども、それは控訴を取り下げればいいということもあり得るんでしょうけれども、そういう趣旨でおっしゃるんであれば、今、取り下げることは考えていないということにならざるを得ないと思います。
○平岡委員 つまり、今大臣が何らかの判断をして、この裁判について決着をつけるとともに、在留特別許可を出そうというふうに判断をすることは、法律的には可能であるという理解でいいわけですね。ただ、それをやるつもりがないという答弁を今されたということですね。ちょっとその確認だけとらせてください。
○長勢国務大臣 法律的にはそのとおりだと思いますし、と同時に、おっしゃるように、今、控訴を取り下げることは考えていないということであります。
○平岡委員 安倍総理にまた新聞でもよく読んでいただいて、総理に心配をしていただければ、総理も心を痛めておられたということを理由にしてそういうことができるのかもしれませんけれども、今の長勢大臣の答弁では、なかなかこの事案については日本人の優しい思いやりを持って人情ある措置ができる状況にない、こういうことだというようにちょっと聞こえてしまいまして、大変残念であります。 引き続き、この問題については、大臣の気持ちが変われば、法律的には可能であるということがはっきりいたしましたので、大臣のところにしっかりとお訴えを申し上げたいというふうに思います。 次の問題に移りたいと思います。 これも人権問題にかかわる話ではあるんですけれども、最近話題になっている民法七百七十二条の嫡出推定の問題であります。 この問題については、予算委員会で同僚の民主党の枝野委員が質問されておられることでもありますけれども、何か大阪地検で、離婚後に前夫の子と称して出生届をした者について、公正証書不実記載、同行使罪ということで起訴したというようなことが報じられて、そしてそれについては誤っていましたということで謝罪をされたというような記事が出ておるようでございます。 これについて、一体どういう状況なのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思うんですけれども、大臣としては、この起訴した問題についてはどういう認識を持っておられるのかということについて、まずお聞かせいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 非常に単純に申し上げますと、担当の検察官が、法律の理解というか、法律を知らなかったと言うに等しいわけで、非常に申しわけない次第だと思っています。
○平岡委員 このことについて、対応というか対処というか、何らかのけじめをつけるおつもりはあるんでしょうか。 特に、私は今担当の検事がという言葉があったのがちょっと気になるんですけれども、これは担当の検事さん一人が判断して起訴してこういう問題が起こったのではなくて、やはり組織的に見落としていたのではないかという気がしてしようがないんですけれども、この案件にかかわったいわゆる検察官は大体どのぐらいの数おられるんでしょうか。
○長勢国務大臣 その担当の検察官のほかに、刑事部副部長及び刑事部長、三人というふうに承知をしております。
○平岡委員 その三人の検事に対しては、どういうふうにこれから法務大臣としてはけじめをつけていきたいというふうに思っておられますでしょうか。
○長勢国務大臣 それなりに対応するように今検討させております。
○平岡委員 それなりに対応というのがよくわからない。大体、けじめのつけ方というのは範囲があるんじゃないですか、ここからここまでの範囲内の中のどこだという。それなりと言われると、私もそれなりに質問をするというか、何かそれなりで常に逃げられて、これから常にそれなりそれなりと言って切り抜けていくことになってしまうので、それなりという答弁で、私が、はい、そうですかと言うわけにはいかないんで、もうちょっとしっかりと、どういう具体的なことが考えられるのか、そのレベルはちょっとお示しいただけますか。
○長勢国務大臣 人事にかかわることですのでそれなりにと申し上げたので、申しわけございませんでしたが、範囲と言われましても、人事のことなものですから、今決定していないので申し上げかねるんですが、何もないということはまずないということだけははっきり申し上げたいと思います。
○平岡委員 私も、こういう問題について、ミスもあるでしょうから、そんなに厳しい処分をお願いしますということではなくて、それだけ多くの検察官がかかわっておりながらこうした問題が見過ごされてきたということは、やはり基本的な民法の法律の仕組みというものが問題ではないか、そこのところで、大臣のこの問題についての認識をさらに真剣なものにしていただきたい、もっと見直しについての姿勢を強めていただきたい、こういう意味で質問しておりますので、ぜひその辺は理解していただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、この問題についてちょっと本題的な話に入りますと、いろいろな事例がありますから、すべての事例がカバーできるように抽象化して言うことはなかなか難しいのでありますので、典型的な事例に限定してちょっと考えていただければというふうに思うんですけれども、よく例に出されるのが、再婚したんだけれども、前の夫と離婚後三百日以内に出産をしたという事案についてです。 長勢大臣は、よく調査をして私なりにまた検討してみたいとか、あるいは安倍総理は、民法の改正ということであれば慎重な検討が必要になると思うというような趣旨の答弁をされているようでありますけれども、よく調査をしてということで、先ほど神崎委員の方から実態調査はどう進んでいるのかというふうなお話がありましたけれども、それについては、まだまだこれからいろいろな人の話を聞いて、早急に対応するという程度の抽象的な答弁しかしていただけなかったようであります。 しかし、よく考えてみると、本当にこれは実態調査をしなければ、私が今言ったような典型的な問題について対応できないことなんでしょうかということです。どうですか。どういうことが問題なのでその検討が必要なのかというところについて、大臣の見解をちょっと示してもらえますか。
○長勢国務大臣 正確に私も議論の方向性を今思い描いている段階にありませんので、ちょっと思いつきに近いところもあるかもしれませんが、それをお許しいただいてお聞きいただきたいと思います。 先生、今、簡単なことだと言われましたが……(平岡委員「いや、簡単な事例で議論しましょうと言っている」と呼ぶ)簡単な事例。簡単な事例というのはどういう意味ですか。(平岡委員「再婚をして、前の夫と離婚後三百日以内に出産したという事案」と呼ぶ)
○七条委員長 一応、もう一度質問をしていただいて、答弁していただければ。議事録の関係もありますので。
○長勢国務大臣 済みません。では、もう一度教えていただきましょうか。
○平岡委員 いろいろな事例があると思いますから、いろいろな事例を取り出してきてどうだこうだという議論をしたら本当に収拾がつかなくなるので、よく挙げられている典型的な事例でちょっと議論させてくださいということを言っているんですね。 典型的な事例というのは、離婚して再婚しました、再婚禁止期間というのが六カ月ありますから、六カ月以後に再婚するわけですけれども、それで子供が生まれました。その子供は、前の夫と離婚して三百日以内に生まれました。この人について言えば、前の夫の子供と推定されるわけです。そういう事例について、何が検討されるべき問題なんでしょうかということを今言っているんです。
○寺田政府参考人 法律の仕組み等の関係でちょっと補足的に説明させていただくわけでございますけれども、おっしゃいましたとおり、今の民法の規定というのは、七百七十二条の第一項というものが基本でございまして、そこで、婚姻中に懐胎したものというのはその婚姻の夫の子と推定する、こういうことになっております。これは極めてかたい推定でございまして、嫡出否認ということで夫の側から覆すという裁判がなければひっくり返らない。 問題は、しかし、懐胎したかどうかというのが一義的にはなかなかわかりませんので、そこで第二項の推定規定をさらに置いておりまして、離婚後三百日をたつその以内に生まれた子というのは、懐胎したのは離婚の前だということを推定している、これは、事実としてそう推定しているわけでございます。 したがいまして、今、確かに、離婚後さらに再婚されるケースがおいでになって、場合によってはどこかで懐胎されて、それが、生まれるお子さんが三百日以内に生まれるということは、これは当然、ケースとしては現に、それほど多数ではないにせよ、少なくない範囲で見られるわけでございます。 その場合に、第二項の推定をそのまま適用いたしますと、当然のことながら離婚前の懐胎ということになりますので、それは前の夫の子とせざるを得ないわけでございます。現にそのとおり戸籍の扱いはしているわけで、そこでさまざまな問題が生じる。 当事者の方は、多分、いつ懐胎しているか等も含めておわかりになっておられるケースがあるんだろうと思います。しかし、戸籍当局にとりましては、なかなかそのことはわからない。裁判をしてわかるケースはあるけれども、戸籍の窓口ではそういう判断をせざるを得ない。そこで当事者の方の御意向と戸籍の扱いというものに摩擦がある。そこで、今、さまざまな御主張があって、これを何とか戸籍の窓口での取り扱いで救済していただけないか、あるいは裁判を、手続をもう少し幅を広げた形で簡単にできないかというようなことが問題になっていると私どもは理解をいたしております。
○平岡委員 そういうふうに問題が所在しているのはわかっているんですよ。だから、検討してまいりたいというと、何を検討する、その検討する対象になっていることは一体何なんですかというのを聞いているんです、私は。何が解決されないと今言ったような問題が解決できないのか、そこを聞いているんですよ。
○長勢国務大臣 先生、簡単な問題と言われたので、何が簡単なのかなと思ったんですが、今のケースだと、結局、三百日後に、懐胎した相手が、再婚をしたんだから、その後の夫に決まっているという場合であればそれは簡単ですけれども、事実としてそれをどうやって、だれがという問題が残る問題ですから、それは、簡単な問題というより、一番よく議論される問題だと思うんです。 仮に、その女性の方が、これは後の、再婚した人の子だよということを主張したら、それで自動的に認めるということを何らかで決めたとした場合に、すべてうまくいくのかなと。というのは、そういう事態が生ずる原因というのもいろいろあるかもしれないというふうなことが少し私は気になっているところであります。 むしろ、そういう原因のいかんにかかわらず、三百日以内に生まれた子供さんが、前の人でないということが客観的に、自動的に明らかになるケースは、当然、何らかの措置を講ずるのは当たり前だと思いますが、そういうものはどういうものなのかとか、あるいはそうでないケースについてはどうするかというのは、もう少しいろいろなことを考えたいものだなと私としては思っておる。 ちょっと御理解いただけたかどうかわかりませんが、今の思いを申し上げたところであります。
○平岡委員 さっきも議論で実態調査とか、今大臣も、三百日以内に生まれたケースはどういうケースなのかとか、何とかかんとかいろいろ言われていましたけれども、本当にこれは実態調査が必要なことなのかどうか。私は、こんなの実態調査、別に必要ないと思いますよ。そういうケースがあることは事実なんですから、それに対してどう対応するかの問題であって。 例えば、よく引き合いに出されるのが、昭和十五年に民事局長通達で、今、結婚して二百日以内に生まれた子というのは嫡出推定がないわけですよね、だけれども、通達で、これは嫡出子として受け入れてもいい、そういうのを出しているわけでしょう、民事局長。こういう通達を出すときには、実態調査というのをやった上で局長通達を出したんですか。どうですか。
○寺田政府参考人 今の御指摘の問題というのは、似ている側面もございますが、しかし、今論じている問題とは違う側面もあります。 結論から申しますと、当時、昭和十五年に大審院の判決がありまして、ここの二百日以内に生まれた子というものの扱いは嫡出推認でないといけないのかどうかというようなことが問題になって、しかし、それは嫡出子として扱える場合がある、これを学説では推定されない嫡出子と言っておりますが、それを裁判で認めたことがある。その裁判で認めたことを契機として通達を出したということでございますから、基本的に実態調査というものを、当時のことは存じておりませんけれども、そういうことの要素というのは少なかったんだろうというふうに考えております。
○平岡委員 まさに、実態調査をしなくても、こういうケースの場合にはこういうふうに取り扱うのが適当であるケースというのはあり得るんですよ。 いみじくも、前の前の民事局長の答弁でも明らかになったように、この民法七百七十二条というのは二つ推定をしているんですよね。一つは、第一項の、要するに夫の子であるという推定と、第二項の、それは婚姻中に懐胎した推定であるという、これは二重の推定をしているわけですよ。 だから、夫の子であるという一項の部分についてはなかなか難しいのかもしれませんけれども、いつ懐胎したのかということについて言えば、例えば、婚姻成立から二百日以後に出生あるいは婚姻解消から三百日以内に出生した子については、妻が婚姻中に懐胎したものと推定する、そうして推定されたらさらに夫の子と推定という話ですけれども、いつ懐胎したのかという話は、今や科学的に、医学的にも、そんなに難しくなく、私はわかるのではないかと思うんですよ。 私自身は余り医学的知識がないからわかりませんけれども、物の本を見たら、いつあなたは妊娠したから、今度、予定日はいつですねというようなことはやっているわけですからね。それをやれば、いつ懐胎したかというのがわかるなら、それを根拠にして、私は、第二番目の推定というものを覆す事実があるということで物事を進めることはできるんだろうと思うんです。
○長勢国務大臣 神崎先生にも誤解を与えていたようですが、先生にもですね。実態調査と言うものだから、何か大々的に調査票を配ってこうやるということをイメージされて御心配になっていて、えらい時間をかけてサボろうとしているんじゃないかという疑いをお持ちのようでございますが、調査という言葉しかなかったのでそう言っておるんですけれども、どういうケースがあるか少し調べて、というのは、今先生がおっしゃったように、わかるケースもあるだろうし、わからないケースもあるかもしれないしということを言っているだけであって、調査票を配ってどうとかということを私は今考えておるわけではありません。 いずれにしても、少し気になるようなこともありますので、私なりに整理をして検討を進めたいということは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○平岡委員 私たちから見ると、大臣を信用していないわけじゃないんですけれども、実態調査をこれからやりますというのは、何か時間稼ぎをしているように思えてしようがないんですよね。何か嵐が過ぎ去るのを待っているのかな、そんなふうにも思えますね。(発言する者あり)いやいやというふうに与党席からありましたけれども、決して私は大臣がそんなことを言おうとしているのではないと思いますけれども。 私が言ったような典型的なケースというのは、本当に、別に実態調査をするまでもなく、すぐにできるような話ですよ。あとは手続をどうするか。こういう書類を持ってきてくれたら、こういう形で検査をしたものであるならば、第二項の推定は事実として覆すことができます、その場合には、では、どうしましょうかと。そうしたら、またあの民事局長通達の、結婚後二百日以内に生まれた子というようなことで、推定のない子として取り扱うこともできる、こういう話じゃないですか。そんなに難しい話じゃない。 しっかりと、大臣、民事局長は頭がいいんですから考えさせて、整理をすることは簡単だと思いますよ。それで最後は大臣がしっかりと政治決断をするということでできると思いますよ。どうですか、大臣。
○長勢国務大臣 今先生が言われていることも私の調査という言葉の中に入っていると思っていただいても結構ですが、日ごろからよく、政治家は役人の言いなりになったと言われるものですから、民事局長の言いなりになってはいけないなと思って調査と言っておるわけであります。そんなにサボる気はありませんから、ひとつよろしくお願いします。
○平岡委員 私は今典型的なケースをちょっと問題に取り上げたんですけれども、典型的でないケースというのもいろいろあると思うんですね。最終的にこれが落ちつく先は何なのかといったら、やはり民法の女性の再婚禁止期間というのを見直さなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思うんです。これは国際的にも非難をされているということも報道されています。 大臣、事前通告してありますから、女性の再婚禁止期間、民法七百三十三条、この立法の趣旨は一体何なのか、このことをまずちょっと認識を示していただければ。
○長勢国務大臣 女性の再婚禁止制度についてでございますが、これは、女性が前婚の解消後、短期間のうちに再婚して子を産んだ場合、その子の嫡出推定が前婚の夫と後婚の夫との間で重複し、父親を確定することが困難になることから、これを回避するための手段として設けられたものであり、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐためのものであると考えられておりますということでございます。
○平岡委員 ちょっと時間がないのでだあっと読み上げますけれども、そういう立法趣旨であるならば、医学的な根拠が確保できる場合、例えば、これも医学的知識がないものですから勝手に私が頭で考えたものなので、後で医学的に否定されたらちょっとまた議論したいと思いますけれども、離婚時または再婚時に妊娠反応がない場合、妊娠した日が離婚した後であることが証明される場合、あるいは生まれる子の出生時に親子関係がDNA鑑定で証明される用意が整っている場合、こういうような場合には女性の再婚禁止期間を適用しないということを認める改正をしてもいいのではないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○長勢国務大臣 今先生がおっしゃったような議論は、かつて法制審議会でも議論されたというふうに伺っております。しかし、結局、平成八年二月の答申においては、いろいろ検討すべき問題があるということで盛り込まれなかったというふうに聞いておりますので、なお検討を要する問題ではないかなと。 先生の御意見は今伺いました。
○平岡委員 私もその法制審の議論をつぶさには知りませんけれども、大体法制審というのは、夫婦別姓の問題にしても、何か別な価値観みたいなものがあって、こういう、何のために見直すのかというところの視点がずれているケースというのは結構あるような気がしますね。そういう意味では、これ以上この問題は立ち入りませんけれども、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。 ちょっと時間がなくなったので、通信傍受法の話に移りたいと思います。 十六日に通信傍受法の運用に関する報告というものがなされております。これを見ますと、平成十八年までの期間を見ると、これは平成十五年以降公表されているんですか、だんだん通信傍受法の適用している盗聴、通信傍受というものがふえていたり、あるいはことし報告されたものの中には、通信傍受したけれども逮捕者が出ていない、つまり犯罪にヒットしていないというような事例も出てきているんですね。 そう考えると、これは安易な運用が行われているんじゃないか、適切な運用が行われていないんじゃないかというような危惧もあるわけでありまして、この点について、しっかりと大臣のまず答弁をいただきたいと思います。
○長勢国務大臣 通信傍受が行われた発付件数は、御指摘のように徐々にふえておるわけでございます。徐々に捜査実務に定着してきたかなというふうに思っておりますが、当然、運用が安易に行われたり、プライバシーを侵害するものであってはならないことは言うまでもないところでございますし、ほとんどと言っていいくらい、この対象となっておる事件は麻薬捜査にかかわるものでございます。 逮捕者がいない事案というものも若干、ないわけではありませんけれども、麻薬というような捜査でありますので、非常に捜査が困難あるいは相当の時間を要するということから、逮捕に至らない事案もあり得ることですし、またあった例もあるわけでございます。そのことはひとつ御理解いただきたいと思います。 いずれにしても、令状請求については、捜査当局において要件の検討等を慎重に行ってやっておりますし、また、裁判官によって必要についての判断がなされた上で実施しておるものでありますので、適正に通信傍受が行われているものと承知をしております。
○平岡委員 時間がないのでもうやめますけれども、我々、これまでも何度となくこの通信傍受法、盗聴法の廃止法案というのを出してまいりましたし、現在生きている限りにおいても、濫用されていないということをしっかりと確認していかなければいけないと思っていますので、そのことを大臣にもしっかりとお伝えして、私の質問を終わりたいと思います。
○七条委員長 なお、先ほどの人権擁護局長の答弁に誤りがあり、訂正したい旨の発言がございますから、これを許します。
○富田政府参考人 先ほど、北朝鮮人権啓発週間におけるポスター作成に約二百六十万円、日比谷公会堂の借料に約三百万円と御説明しましたが、この点、ポスター作成及び日比谷公会堂の借料の総額で約二百七十万円でありますので、先ほどの説明を訂正いたします。 なお、これは法務本省の予算から支出されております。
○七条委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。 予算委員会でもやりましたけれども、法務委員会、この委員会でも。裁判員制度、間もなく二年と少しで始まろうとしている。法務省所管の宣伝費は三億二千万円、そして裁判所は十三億円台、今審議している予算案では十四億円近い金額になっているものと理解をしております。 これまで、この裁判員制度の全国フォーラム、裁判所版タウンミーティング、こちらの方で、実際に契約書にあった平成十七年九月三十日という日、これは事後的に書き込まれた、いわゆるさかのぼり契約の可能性が高いという事実であるとか、また、さきには、私もどういう映画になっているのか見たいと思っておりますけれども、「裁判員」という映画をつくられました。プレス発表はもう既にされています。ホームページでは予告編も見られるというふうになっています。最高裁の講堂で三月二十日に試写会がある。これが、契約書が交わされていないということで大変驚いているわけですね。国の契約は、会計法上、契約書が締結されたときをもって、記名押印された時点で効力を発揮するというふうに聞いております。 ここから質問になります。小池経理局長に伺います。 この裁判員制度の九月三十日付の契約、これはいつ行われたのか、今のところわからなくて調査中だというふうに聞いているんですね。先日、予算委員会では、小池経理局長は昨年の一月三十日に就任されているんですね、裁判員制度全国フォーラムは一月二十九日に東京のイイノホールで終わっているんですね、つまり、翌日に就任をされているので、通常のさかのぼり契約は全部事業が終わって、大体このくらいかかったという端数が出たところで契約を、これは好ましいことではないけれども、そうやって行われてきているので、就任された後のことじゃないですかというふうにお聞きしました、それについては、就任してからではないと思う、こういう答弁を得ているんですね。 とすれば、前経理局長の就任時期だったと考えていいですか。この前経理局長は、どなたで、現在はどこの役職にいらっしゃるのか。
○小池最高裁判所長官代理者 その担当の職務の任にありましたのは、御指摘のとおり、私の前任者でございます。その者は、大谷剛彦、現事務総長でございます。
○保坂(展)委員 委員の皆様に配付した資料をごらんいただきたいと思います。こちらは、このさかのぼり契約があったのではないかと最高裁が答弁をしている平成十七年度、これは企画競争によって随意契約の相手方を定めて、その後随意契約をしたということで、その企画競争の参加企業五社が、企画書に見積金額を幾らと入れたのか、最高裁の方から提出していただいたペーパーです。 ごらんのように、NTTアド、第一印刷所、廣告社、この三社が三億四千九百六十五万円、九けたの数字で一致をしています。ぴったりここまで合ってしまうというのは、三億五千万円が上限ですよという、価格の定義を説明会の席上口頭でなさったというふうにも聞いているので、九けたじゃなくて七けただよということがあるかもしれない。しかし、七けたが三つそろうこともまたまたこれは珍しいわけです。事前にこの三社が相談をしたということなのか、あるいはこの三社に対して別のだれかから、この金額でいこうねという指示があったのか、あるいはこの三社はあずかり知らないところで事後的にだれかが金額を書いたのか、自然現象というふうに考えるのか。 これは、公平公正な競争があったかどうか。この数字を見て、あったと国民は思わないわけです。これは、大変な数字だという疑念が持ち上がっています。どう考えられますか。
○小池最高裁判所長官代理者 今、委員御指摘のように、三社の数字が一致しておりますが、どういう経過でそのような形になったか、最高裁としては承知いたしておりません。 これは、推測というふうになりますけれども、委員御指摘のように、四月の二十七日の実施の説明会におきまして、目安となる予算の上限額として三億五千万円ということを口頭で提示しております。そのため、三社を含め各社の提示額が、この三億五千万という額に非常に近接した額になっているということがございます。恐らく、それが一つの原因ではないかと推測しております。 ただ、今回の企画競争におきましては、審査基準のうち、むしろ、企画競争というところから、業者の企画内容というところに大きなウエートが置かれておりまして、この点で業者の決定がされているというところがございます。企画の具体的内容というのは御紹介できませんけれども、その内容はバラエティーに富んでいるものであったと承知しておりまして、こういったことを総合いたしますと、御指摘の点から直ちに談合の可能性云々という形にはならないのではないかというふうに考えている次第でございます。
○保坂(展)委員 昨年からことしにかけて、談合事件、非常に厳しく、各自治体にも飛び火して、最終的には、これはほとんどの場合裁判の場で決着を図られる、最高裁まで上がってくる事件も今後あるかもしれません。 この三つの数字がぴったり一致したということについて、これはおかしいなというふうに私は思います。きれいにそろった、自然だな、こういうことも時々あるんだという意見はほとんどありません。この三つの数字がそろってしまったということについて、その参加企業の企画書を出していただきたいと私は求めました。実際にこの契約を行った株式会社電通の値段は八百万円安いわけですけれども、これも含めて提出を求めています。しかし、営業上の秘密だということで四社は、そして残る、企画を受けたこの電通も含めて、企画書は出せないという返事でしたが、この真実をしっかり、どういう事情でこの九けたの数字が合ってしまったのか、一切疑念や疑問を抱かせないためには最高裁自身がみずから調べるべきだし、また国会に対してもその企画書を提出すべきではないですか。
○小池最高裁判所長官代理者 これは企画競争というものの運営ということに係るわけでございますが、説明会におきまして、提出された企画書を公表しないということを説明しております。 その理由は、今、委員御指摘のように、選定されなかった企画を提出した業者の企画アイデアは、一つのノウハウであり、営業上の秘密として公表を差し控える必要がある、そういうことを踏まえて、企画競争というものがうまく運営されるという考えに立っているわけでございます。そういう意味で、公表しない扱いといたしております。 委員の強いお求めがございましたので、このたび電通に対しては公表の可否を改めて尋ねましたが、その了解が得られなかったわけでございます。 談合があったのかどうかということにつきまして、私どもの考えは先ほど申し上げましたところでございますが、今後の情勢あるいはこういった事柄全体に対して今調査をいたしておりますので、そういった流れの中でまた考えてみたいと考えております。
○保坂(展)委員 これは、企画競争ですから競争入札ではないわけですね。ただ、企画競争だとはいっても、最初からこの事業を受ける業者が決まっていて、企画競争は一種のセレモニーであるというケースを疑っているわけです。その場合、見積金額などは、言ってみれば三社ともそろっちゃうといういいかげんさがあったんじゃないか。私は不自然だと思います、この三つがそろっているのは。最高裁として、調査をし、報告していただけますか。
○小池最高裁判所長官代理者 企画競争のとらえ方は、先ほど申し上げましたとおり、私どもとしては、金額の点については予算がございますので、この点をアッパーリミットとして、裁判員制度をPRしていくなるべくいいアイデアが欲しいという形で考えました。そういったところからしますと、委員御指摘の点につきまして、今後のやはり情勢を見ながら考えてまいりたいと思っております。
○保坂(展)委員 これは、情勢を見ながら考えるという情勢ではないと思うんですね。調査をして、どうして一致したのか、報告すると言えませんか。
○小池最高裁判所長官代理者 今の御指摘の点を踏まえまして、検討したいと思います。
○保坂(展)委員 この映画「裁判員」について、俳優さんもかかわった方も非常に苦労されて、最高裁の方も一生懸命やっている事業で、非常にこれは残念なことだと思うんですよ、裁判所当局も。何でこれは契約をしていないのか。 もう一つ、きのうほかにありますかというふうに聞いたら、私自身が行きたかったんですが、私の事務所の者が横浜の裁判員制度全国フォーラムに参加させていただきました。そして、この漫画、短時間でよくわかりますよね。「よくわかる!裁判員制度Q&A」これは、最高裁判所で十二月発行ですね。見ると、一千百万円ほどで電通に依頼をしている。これも一覧表を皆さんのところに配ってありますが、広報用イラスト入りパンフレット、契約未了とあるんですが、もう使っているのに契約していないんですか。
○小池最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、契約未了でございます。 これは、御指摘のとおり、企画競争によりまして、十月の十一日に業者を選定いたしました。そして、これはタウンミーティングに間に合わせるという意味で一部納品をいたしましたが、残余の納品のものが残っております。私どもとしては、近々契約を結ぶという予定でおります。
○保坂(展)委員 私、幾らなれないといっても、最高裁の経理局長でいらっしゃって、もちろん経理局長だけが法律のプロではなくて、だれもが会計法上の二十九条の八の規定を知っていらっしゃる。国の契約はいつから発生するんですか。口頭了解、意思疎通じゃありませんよ。契約書をもって、契約書締結によって効力を発揮するということですね。したがって、契約書に記名押印しない段階、契約がない段階の事業に対して、契約を後でつくるということをなぜこんなに簡単にやっているんですか。小池局長、何でそんなことを認めているんですか。意味がわかりません。どうしてこんなことをやっているんですか。
○小池最高裁判所長官代理者 裁判所として、会計法の原則というものに沿った形でない今契約の状態になっているということについては、まことに申しわけなく思っております。 実は、ここを担当している部署は経理局の用度課というところでございます。四人の職員がこういった役務調達の事務を担当しております。それで、二つの原因がございます。 一つは、裁判員制度の広報というもの、こういう仕事をやったのは初めてでございまして、積算の、業者の見積もりのチェックというものが非常に難しいというところで事務が遅滞した。 それからもう一つは、公共調達の適正化ということで、随意契約の見直しということが行われました。その中で、それを競争入札に直していくという作業がございましたが、これも四人の職員のところで担当しておりました。 それでまた、広報予算、非常にたくさん認められました。その中で、タウンミーティングあるいはメディアミックスというものは値が大変大きゅうございますし、広報効果も大きい。そういうものに非常に精力を集中していきましたところ、こういったものについて遅滞してしまったということでございます。 会計法の趣旨というのは私ども十分理解しておりまして、遵守していかなければいけない、委員にも予算委員会からも御指摘を受けておりますが、ここは非常に反省しております。これからこれを是正するように、鋭意努めてまいりたいと思います。
○保坂(展)委員 先ほど経理局長自身がおっしゃったように、こちらの仲間由紀恵さんを使ったキャンペーン、これは総額六億円のメディアミックスですね。タウンミーティングに至っては三億四千万円。総額で、十四億円近いわけですから。 こういう六億円のキャンペーン、これも女優さんのスケジュールも押さえて、撮影もして、版下もつくって、事後的な準備が全部済んでから契約をしてしまった。つまり、これも事後的にさかのぼった契約というか、本来なら始める前に契約するということが守られていなかったということですね。 そして、タウンミーティングに至っても同様、今、いつだったのかを調査されているということですが、こういう大切な契約をするときに、刑事局長いらっしゃっていますけれども、刑事局長だけの決裁だったんですか。本来なら、事務総長に許諾を得て決裁をもらうというのが当然じゃないか。 そしてまた、これだけ裁判所の信頼をてこにして、裁判所の信頼しか裁判員制度のよりどころはないんですよ、これをよりどころにして広げていく、世間に周知していく、しかも、最高裁としては初めての広報事業ということであれば、きょうも定例日だと思います、裁判官会議にきちっと、こういう予算でこういう使い方でこうやりますと報告しているんでしょうか。いかがですか。
○小川最高裁判所長官代理者 裁判員制度に関する広報活動の企画や実施につきましては、刑事局の事務の一環といたしまして、刑事局のスタッフのほかに総務局などの関係各局課のスタッフが加わりまして、企画案や実施計画案を検討、作成しております。そして、この案につきまして関係局課の意見を聴取した上で、刑事局長において決定するという体制をとっております。その結果につきましては、適宜、事務総長にも報告しております。経理局長においては、以上のような決定を受けまして、調達手続を行うということになっております。 それから、裁判官会議の関係でございますが、予算の実行につきましては事務総局に任せられておりますので、個別の広報案件の実施につきまして、裁判官会議において了承を得たということはございません。裁判官方には、適宜、裁判員制度の広報の実施についてお知らせをしております。 以上です。
○保坂(展)委員 そうすると、これは事務総局の独走だったということですかね。本来であれば、今のお話の中で報告を上げていますという話なんですが、事務総長は決裁していないんですか。その点と、当時の事務総長はどなたですか。
○小川最高裁判所長官代理者 事務総長には報告をいたしておりますが、そのときに事務総長の方から特に異論があるとかいうようなことは伺っておりませんので……(保坂(展)委員「承認はない」と呼ぶ)ですから、了承しているということだと思います。 それから、平成十七年度の裁判フォーラムですが、当時の事務総長でございますが、竹崎現東京高裁長官でございます。
○保坂(展)委員 この問題は、いつ、どのような理由でさかのぼり契約が行われたのかということを、急いでこの予算審議中にしっかり国民の皆さんに報告をしていただきたいと思います。 ちょっと残された時間で、死刑の問題をやりたいと思います。大臣、よろしいでしょうか、お疲れだと思いますが。 私どもは、死刑の問題というと、与野党で政策の価値観が分かれるという問題ではなくて、与野党それぞれ違う意見があるわけですね。私どもは死刑廃止を推進する議員連盟で、会長が亀井静香議員でございます。自民党から共産党まで、公明党さんも、社民党、民主党、五党の議員で活動をしております。 そして、その五党の超党派のメンバーで、死刑制度調査会というのを国会に、衆参につくろう、三年間は議論しようではないか、その間、仮釈放のない終身刑、これを導入しよう、そして死刑の執行を停止しよう、またこの調査会では、死刑制度の存否並びに代替刑はどうあるべきかなど、国民に開かれた議論をするべきだというふうに考えております。時間がないので、これについてはそういうふうにお伝えをしておきます。 ところで、矯正局長に伺いたいんですが、東京拘置所で二人の方がクリスマスの午前中に処刑をされました。これまで処刑をされた最高齢の方というのは七十歳と聞いているんですが、今回は、お一人は七十七歳、もうお一人は七十五歳。その七十五歳の方は、関節炎、リウマチのために車いす生活だった。歩けない、起立できない、立てない状態だったというふうに聞いています。そういう日常でしたか。
○梶木政府参考人 ただいま委員がお尋ねの事柄は、死刑を執行された特定の方についての個別的な事情あるいは情報といったものと理解しております。私どもといたしましては、御本人そして御家族のプライバシーあるいは心情といったものについて、十分に配慮すべき事柄であろうと考えております。 したがいまして、具体的な御答弁について差し控えさせていただきたいと考えております。
○保坂(展)委員 それでは、大臣にお伝えをしますが、私が聞いているところは、これは御家族の方を通して、あるいは支援者の方を通してなんですが、この方は車いすで弟さんと面会されているんですね。したがって、執行された当時も車いすで、我々は、二〇〇三年に当時山本委員長の時代に、衆議院法務委員会として東京拘置所の刑場を見に行っています、国会として見たのは非常に久しぶりのことだったそうなんですが、その部屋は私も行っていますので、車いすでそこに向かったのか、あるいは両わきを抱えて、立てないわけですから、起立してこそ縄をかけられるわけで、立てない状態で両わきを抱えられて、そしてスイッチが押されていわば執行されたのか。これは世界じゅうにも、しかも、彼はクリスチャンだったというふうに聞いています、この日はクリスマスの日だったこともあって、ヨーロッパなどで大変大きな報道もありました。 こういう事実を、大臣は聞いたことがありましたか。言えないというのはわかっているので、大臣に聞きます。時間がありません。
○長勢国務大臣 執行の状況等についてのお話でございましたが、その状況がどうであったかとか聞いたことがあるかないかとかについては、お答えを差し控えさせていただきます。
○保坂(展)委員 先ほど、広報の話をしておりました。裁判員制度が始まるわけですね。素人の素朴な意見、法律の専門家じゃなくても別に構わないんだ、これまでの量刑についての基礎的な知識などは急に身につくわけはありません。裁判員制度が導入されて、そして被害者の法廷への参加も考えられる。 昨年、死刑確定者は二十人と非常にふえているんですね。十年前に比べれば、三、四人ですから、非常にふえている。こういう中で、死刑のあり方について、このままの制度だと死刑判決は非常に多くなる、確定していく人の数がウナギ登りという中で、国会が責任を持って、また法務大臣としても死刑制度をめぐる議論をしっかりやっていくべきじゃないかと私は思いますが、その点について伺って、終わります。
○長勢国務大臣 死刑の確定判決が昨今多いということ、また確定判決のままの方が多数に上っているということは事実でございます。この評価についてもいろいろあるわけでありまして、私なんかのところにも、百人にもなっているのに何をやっているんだという意見も来ますし、また判決が甘いという意見もないわけではありませんし、またそれと全く逆の御意見も来ておるわけでございますが、死刑制度そのものについては、御案内のようにいろいろな意見があるわけでありますし、それは議論をいろいろな場面でしていくことは大事なことだと思いますが、世論調査などでは八割近い方が存続の意見というのも事実でございまして、そういうことを含めて、いろいろな場面で御議論がされればよろしいことだと思っております。
○保坂(展)委員 時間が来たので終わります。引き続き、議論をしていきたいと思います。
○七条委員長 次に、石関貴史君。
○石関委員 民主党の石関貴史です。 まず、タウンミーティングの件についてお尋ねをします。いわゆるやらせの質問でございます。 去年の十二月に出されましたこの調査報告書を見ると、やらせが行われたと確認されたタウンミーティングですけれども、司法制度改革についてのものが一番多いというふうに思います。タウンミーティング全体のうちで、やらせが行われたと確認をされた司法制度改革のタウンミーティングは何件あって、やらせ全体のうちにこの司法制度改革のものというのは何件あったんでしょうか。一番多いように思いますが、いかがですか。
○池上政府参考人 司法制度改革のタウンミーティングにつきましては七回行われておりますが、そのうち六回について、質問依頼及び具体的な質問内容の依頼が行われたと認められていると承知しております。
○石関委員 これは、ほかのやらせと比べて、全体の中でも非常に司法制度改革のものが多いですよね。何で法務省はやらせについて頑張ったんですかね。何か特に理由があるんですか。 〔委員長退席、倉田委員長代理着席〕
○池上政府参考人 御指摘の司法制度改革タウンミーティングといいますのは、平成十六年九月ごろから行われたものでございますけれども、この年の五月に、裁判員の関係の法律、そして総合法律支援法が成立しました。九月ごろからこの準備を始めているところでございますけれども、その段階におきまして、こうした裁判員制度や日本司法支援センターというものがどのようなものであるか、あるいはそういった事柄の存在自体が国民の皆様に余り、特に総合法律支援制度についてはほとんど知られていない状況にございました。 そうしたことから、法務省の職員が効果的な広報啓発のために、本来なら国民だれもが知りたい一般的な質問が国民の側から出てくれば望ましいと考えていたにもかかわらず、こうした質問が出ない可能性が高い、そういったことへの懸念などから行われたものであったと承知しております。 このような事情があったにせよ、司法改革タウンミーティングにおいて国民の声が十分に聞かれなかったのではないかという懸念を抱かれたことにつきましては、まことに遺憾に存じているところでございます。
○石関委員 このような事情というか、そういうことを懸念してやらせで頑張ったということでありますが、まさに公正であるべき司法において、こういうインチキを頑張るということで周知を図るというのは大変な問題であると思います。 この報告書、今の答弁の内容については大臣も御承知のことと思いますが、司法を預かる法務大臣としては、改めてお尋ねをいたしますが、いかがですか。
○長勢国務大臣 事情は今官房長が申し上げたとおりでありますが、余り制度自体が知られていない時期でありましたので、なるべく盛り上げて効果を上げたいと思ったことは、やむを得ない事情もあったにせよ、何らかの意図があったのではないかという誤解を与えたことはまことに遺憾なことであったと思っております。
○石関委員 公正であるべき、フェアであるべき司法の問題ですから、これはやむを得ない、そうですねというわけにはまいりません。今後、こういった制度の周知を図るにはこんなインチキをすることのないように、公正にしっかりと進めていただきたいと思います。 続いて、所信の中で、不法滞在について大臣は触れられておりますが、今回の所信の中では、「二十万人とも言われる不法滞在者については、大幅に減らすことを目標に警察等関係機関と連携し、」このようにおっしゃっておられます。ただ、これは、前回、百六十五回国会の法務大臣のあいさつの中では、ここの部分が、「犯罪の温床となる不法滞在者の半減を図るべく、不法滞在者対策を推進」しますというふうにおっしゃっているんですが、これは何でバックしちゃったんですか。 これは、頑張ってもだめだ、とても自分が言ったことが達成できそうもないということでお考えをお改めになったのか。あるいは、まあこのぐらいで何とかやっていこうというふうにまたお考えを変えることになったのか。いずれなんでしょうか。御答弁をお願いします。
○長勢国務大臣 考え方、方針は全く変わっていないのでございますが、少し数字的に、書き方としてそういうふうな表現になりました。 どういうことかと申しますと、平成十六年ごろは不法残留者というのが二十二万人と言われておりまして、これを一生懸命やってまいりまして、ことしの一月では約十七万人ということに減少しました。一方、いわゆる不法入国者というのが確実にわかっておる不法残留者以外におりまして、不法入国者は数字がわからないわけでありますので、不法残留者と不法入国者を足した広義の意味での不法滞在者は約二十万人ということになるので、これを半減と申しましたのは、二十二万人を半減しようという話をしておったので、これが十七万人になりました。だから、十七万人だと、正確に言うと、それを半分にしますから八・五万人にするということになるんですが、二十万人の半減となると十万になっちゃいますものですから、広義の不法滞在者が二十万人なので、それを半減と言うとちょっと正確でなくなるものですから、そういう表現にいたした次第でございまして、厳密に言う不法滞在者を半減していくという方針は全く変わりません。
○石関委員 今のお答えですと、不法滞在を十万人に減らすのは無理だというお見込みの上でおっしゃっているわけですか。
○長勢国務大臣 平成十六年時点で言っておった二十二万人を半分にするという計画はそのとおり実行いたしますので、これは半減にいたします。だから、十一万人にはなります。その方針で今進めております。 それに不法入国者の問題をちょっと一緒に入れて書いたものですから、そういった表現になったのは御理解いただきたいと思います。
○石関委員 大臣、前に半減というふうにおっしゃって、今回表現が変わっていますから、印象としては何かやる気がちょっとうせてしまったのかな、残念だというふうに受け取られてしまいますので、御丁寧に御説明いただきましたから、そういうことかというふうに思ったんですが。 この不法滞在者をしっかり管理していって減らすということで、今十一万人とかおっしゃいましたけれども、なかなかそれ以上には頑張っても減らないんですかね。半減、また目標を達成して、それからまた半減、半減。これは非常にすばらしいことだと思うんですが、なかなかそういうわけにいかぬ、ぎりぎり頑張ってもこれぐらいの不法滞在者は残ってしまうんだ、こういう何か相場観というのはお持ちですか。
○長勢国務大臣 相場観というよりも、計画をつくりました当時、人員の問題もあり、それから現実に、不法滞在者は減らしますけれども、また不法滞在者も若干ふえるわけですね。そういう実態にあるものですから、とにかく半分にしようという意気込みでやろうということを決めたわけです。それから、さらに減らすのをあきらめたとかそういうことじゃありませんで、とりあえず半分にまで一生懸命やって、その上で、さらに次の段階、また改めてさらに減らすように計画的に進めるべきだろうと思いますが、当面はとにかく半分にするまで頑張ろうということで、今頑張っておるわけです。
○石関委員 不法に滞在しているのが多いということは国として全くよからぬことですから、しっかり頑張っていただきたいと思います。 今の数字なんですが、我が国における不法滞在者の国民の数の対比での割合なんですけれども、日本というのは島国であって、入管に関しても、大陸の中で国境を接している国とはまた違ういろいろな特質もあろうかと思うんですが、不法滞在者の国内の人口に対する割合で考えた場合には、諸外国と比べてどうなんでしょう。日本は管理がしやすいとか、しにくいとか、そういった見方もこの数字からできるんではないかと思いますが、そういった数字はお持ちですか。
○稲見政府参考人 お答えいたします。 諸外国でございますけれども、そもそも日本と同じレベルで不法滞在者の数をつかまえているという国は非常に少のうございます。お隣の韓国が、日本と同じようなシステムでございます。いろいろ制度の変遷がございますが、今でも我が国の不法滞在者以上に不法滞在者が多くて苦労していると承知しております。人口は、韓国は御案内のとおり、日本よりはるかに少ないんですが、そういう意味では日本の方が比率は少ない。 それから、ヨーロッパやアメリカに至りましては、そもそもどのぐらい不法滞在者、不法入国者、不法残留者がいるのか、その統計すら、ゾーンで百万から二百万の間とか、そういう程度しかつかんでおりませんので、そういう意味では我が国との比較ができにくいということでございます。 以上でございます。
○石関委員 ほかの国ははるかに多いだろう、数字自体も日本ほどしっかり把握をしていないようだということでよろしいんですね。わかりました。目標達成に向けてしっかり、引き続き、ますます頑張っていただきたいと思います。 続いて、国外逃亡の外国人、国外に逃亡した国内で犯罪を犯したと思われる容疑者の問題についてお尋ねをします。 先般、静岡県浜松市の女子高生ひき逃げ事件で、ブラジルに逃亡した日系ブラジル人の容疑者がブラジルの捜査当局によって在宅起訴されたということが大きく報道されました。こういった、いわゆる代理処罰というふうに報道もされておりましたが、そもそもこの代理処罰というのはどういったものなのか。それから、こんな実例がこれまでにもあったということを、わかりやすく御説明をお願いします。
○小津政府参考人 お答え申し上げます。 代理処罰という言葉でございますけれども、これは、一般的には、本来の処罰国にかわって他の国が処罰するという理念を指すとされておりますけれども、いろいろな意味に使われているようでございまして、もちろん法律上、何か定義があるわけでもございません。 今、ブラジルの件について御指摘がございましたので、かえってその例で申し上げた方がおわかりいただけるかもしれませんが、実は、ブラジルにおきましては、憲法によりまして自国民の引き渡しを禁止しているわけでございます。他方で、同じくブラジルの刑法においては、ブラジル人が犯した犯罪については、原則として、国外で犯した場合にもブラジルの法律が適用されるというのがあるわけでございます。 したがいまして、今回の件は、確かに我が方からいろいろと要請をしたことは事実でございますけれども、決して、日本の刑罰権をいわばブラジル側に渡して、そういう意味でかわってやってもらったということではないということだけは申し上げさせていただきたいと思っております。(石関委員「そのほかの例を」と呼ぶ) そういう意味で、例と申しますのは、我が国から別の国に対して、何らかの経緯で、そちらの国できちんと処罰をしてほしいという要請をするということであろうかと思いますけれども、いろいろな場合にあり得るかもしれませんけれども、今回のような形で行ったのは非常にレアケースであると認識しております。
○石関委員 要請をして、先方の国内法で処罰をされる場合もあるし、要請がなくても勝手にやるということもあるということですか。 では、要請をして、成功例というか、国内で犯罪を犯した人が自国に、日本からいうと逃亡して逃げて戻ったというところで、我が国から要請をして、何らかの要請を受けて処罰が行われたというのは、これまでに例があるんですか。
○米田政府参考人 要請の有無というのはちょっとよくわかりませんが、私どもといろいろな連絡をとり合いながら、その相手国において、その国内法で国外犯処罰規定を適用したというのは、先ほど御指摘いただきましたブラジル人によるひき逃げ事件以外にも、今月に入りまして、やはり浜松におきますブラジル人による強盗殺人事件がございまして、これについては起訴と同時に逮捕されております。 それから、過去、中国との間では、比較的このやり方が活発に行われておりまして、例えば、福岡におきます一家が殺されたような事件などもございます。
○石関委員 今、ちょっと答弁があいまいで、確認をしたいんですけれども、要請の有無についてはよくわからないといった趣旨の御答弁がありましたけれども、それは何なんですか。要請したかどうかもわからないと。何の要請もしないけれども、その先方の国が、これは犯罪者だ、日本で犯罪を犯したじゃないかということで、勝手に処罰をする例があるというのが先ほどの御答弁ですね。今の御答弁だと、では要請についてはとお尋ねをしたら、要請の有無があったかどうかわからないというようなこともおっしゃいましたね。 何だかわからないけれども、何となく伝わってやっているのか、要請するということは、何か外交ルートを通してしっかりやるんじゃないんですか。書類を警察でまとめて、外務省を通して、法務省とも御相談をされるのかもしれませんが、これをやってくれと。記録がないとか、何か要請があるかないかわからないというのは全く理解できませんけれども、どういうことですか。
○米田政府参考人 要請というのは、どういうレベルまでいくと正式の要請になるのか。このブラジルの場合は、外交ルートで書類を向こうに渡しております。ただ、これがいつも、では、今後ブラジルとやるときそうなのかというのはちょっとわかりません。 それから、中国などは、要請と言えば要請と言えるかもしれませんけれども、要するに、情報交換とか連絡とかというレベルで行ったりするということもございます。
○石関委員 御自身にもわからないとおっしゃっていますけれども、わからないじゃ困りますね。犯罪を犯して行っちゃって、何かいろいろな段階がある、外交だけでなくて、情報交換ですか、情報を提供するなり、情報交換をするものがあると。これでは安心して任せられないじゃないですか、警察に。外務省にも。 何か犯罪をして行っちゃったら、警察が何してくれるかわからない。こういうチャンネルがあって、こういう段階でこの要請をするとかしないとか、これは警察任せなんですか。情報交換にとどまることもあって、処罰をされなくてもしようがないということもあるのか、必ず相手の国で何らかの処罰をしてくれとか、引き渡してくれとか、こういうものというのは何か形式があるんじゃないんですか。
○米田政府参考人 これは、国によって、そしてその状況によっていろいろ異なりますので何とも言えませんが、先ほど法務省の刑事局長が御答弁しましたように、あくまでこれは、日本の処罰権を代理するというより、相手国で相手国の権限として処罰をするものでございます。それの発動をどう促すかということで、それはそれぞれの事件といいますか、相手国により、またそれぞれの事件によって異なるということで、あくまで私どもとしては、当然処罰をしてほしいという意思表示をいたすわけでございます。
○石関委員 それでは、今の御答弁だと、国内で容疑者だと認定されたものについては、すべて何らかの要請をしているということでよろしいんですね。眠らせているものは一個もないということでよろしいんですか。
○米田政府参考人 個別の捜査については、それぞれ一種の戦術のようなものがございます。それで、例えば、その逃亡した被疑者の生活基盤がまだ日本国内に残っている、つまり帰ってくる可能性もあるというようなときは、むしろ相手国内に本当にいるんだろうかといういろいろな情報を向こうの当局から得ながら、こちらに残っている家族を通じて説得するとか、そういうような場合もございます。 したがいまして、容疑者が判明したからすぐそれで相手国に処罰を働きかける、もちろんそういう場合もございますし、そうでない場合もあるということでございます。
○石関委員 いろいろな事案があると思いますので、今おっしゃったようなことであれば、これはデリケートに扱うということもあろうと思いますが、いずれにしても、情報を相手の国と事件ごとにやりとりして、今のようなことをしっかり確認したり、では、相手国に処罰を求めていくのかということは必ずやっているということでよろしいんですね。
○米田政府参考人 そのとおりでございます。
○石関委員 それでは、そういった国外に逃亡した外国人の容疑者のうちで、実際に引き渡しを要求して引き渡しをされた者の数というのは、過去どれぐらいいらっしゃるんですか。
○小津政府参考人 外国からいわゆる外交ルートを通じて犯罪人の身柄の引き渡しを受けた者につきましては、平成八年から十八年までの間で合計七名であると承知しております。
○石関委員 先ほどの代理処罰というんですか、逃亡先の国で、彼なり彼女の本国へ戻って国外犯として処罰をされた人の数というのは把握をされていますか。
○小津政府参考人 先ほど警察御当局の方から御説明申し上げましたが、被疑者が外国に行った場合に、それを日本に戻ってくるのを待って検挙する場合、それから、その国が自国民の引き渡しを禁止していない場合には引き渡しを受ける場合、それから、そうではないけれども、いろいろな捜査協力の一環として日本の情報を向こうに提供しつつ、恐らくはいろいろな事情で日本で処罰することが困難な場合にはそちらで処罰できないかというケースもあるわけでございますが、それとは別に、日本で悪いことをして本国に帰って、当然、それがその本国としても本当にけしからぬことであるということで、きちんと証拠もあって、そちらの方で処罰をされるということは十分あるわけでございます。そうなりますと、代理処罰とかこちらから要請ということでは全くないわけでございます。 それだけいろいろなケースがございますので、日本で悪いことをして外国に逃亡して、それでその本国でどれだけ処罰をされたのかということについての数字は、そういう事情で私ども把握していないということでございます。
○石関委員 これは、本国で処罰されても、日本で犯したこれこれの罪で処罰をする、こういうことになるわけですよね。それを把握していないんですか。
○小津政府参考人 少なくとも、法務当局においては把握しておりません。
○石関委員 法務は把握していないですけれども、警察はどうなんですか、外務省は。 これは、うやむやにされちゃうということになりますよね。その事件の結末までしっかりと当局においてそれぞれの関係の省庁が責任を持つ、その後どうなったのか、それがわからないということでは、被害者や被害者の家族やいろいろな関係者、これはどうなっちゃったんだろうということになりますよ。これはいかがですか、警察と外務省は。
○米田政府参考人 先ほど申しましたとおり、日本国内で犯罪が行われて、それで私どもが捜査をしている、そしてICPO等を通じていろいろ手配もしているという中で、外国からちゃんと回答があって、そして把握できているというものは、かなり把握はできると思います。 ただ、外国において、例えばこちらに連絡なく処罰されてしまうということも、それはないとは言えませんので、そういう意味で全貌がちょっとよくわからないということでございます。
○水上政府参考人 私どもとしましては、外交ルートを通じて依頼したものについては、多分把握しているんだと私は思いますが、今手元に数字を持っていませんし、きちんとしたお答えは別の機会にさせていただきたいと思います。
○石関委員 きちんとしていなくてもいいですから、把握はされているということでいいんでしょう。在外公館があって、いろいろな情報を集めているんでしょう。そのために多額の税金で在外公館を設置して、外交官に対するいろいろな、身分保障とかいろいろあるわけですよね、それなりにしっかり生活ができるような。そういった税金で給与をもらっているということですから、勝手に外交ルートで入ってくることじゃなくて、そこの国における在外公館の職員や皆さんで情報収集している、日本に関係のある犯罪者や容疑者がそこで処罰をされたかどうか、こんなことも把握をするのは当然のことだと私は思いますよ。そのくらいのことはされているんですね。
○水上政府参考人 していると思いますが、はいと今お答えする材料を手元に持っておりませんので、きちんとした形で別の機会に御答弁させていただきたいと思います。
○石関委員 していると思うということでありますけれども、どういうふうにしているのか、具体的にどの程度情報を収集されているのか、また改めてしっかり聞かせていただきたいと思います。 今、ちょっと外務省の方はよくわかりませんけれども、もししていないとすれば、外国に逃げていっちゃったらどうなっちゃったかわからないというケースも大変多くなってくると思いますけれども、ここの方はしっかり法務大臣としても、全部のシステムとして、今いろいろな捜査をしていて、国内に基盤があるかもわからないから、代理処罰を求めていくその段階に行かずに、いろいろなケースがあるんだと思いますが、トータルとしては、国内で犯罪を犯した容疑者については、しっかりフォローもして、結末がどうなるかというところまでしっかり被害者なりそういうところへもわかるようにする。 これはもう当然のことだと思いますが、法務大臣はいかがですか。
○長勢国務大臣 警察と私どもの方とどういう関係で今のような対応を責任を持ってやることになっているのか、ちょっと私今知らないんですが、いずれにしても、双方の中で、事件が起きたときにきちんと整理をして、フォローしておくべきことだと思います。
○石関委員 この後、ペルー人の容疑者についてお尋ねをしますけれども、警察から資料が来ないから外務省は相手国に要請ができないという答弁をこの前いただいておりますけれども、今法務大臣も、全体がよくわからぬという部分も現段階ではあるのかもしれないですけれども、これは非常に、あの役所がこの役所がみたいなのであったり、これはやはり逃げていったら得だという印象を与えますよ。 これは、今大臣おっしゃったように、大臣も責任の一端をしっかり担っていただいて、整理をして、逃げたらちゃんと追跡をして結末はこうだ、ここまでやれるシステムにしていただきたいと思いますが、強くお願いをしておきます。では、刑事局長、答弁してください。
○小津政府参考人 ただいまの委員の御指摘は、十分に承りました。 蛇足になるかもしれませんけれども、検察当局と警察当局の基本的な役割分担についてだけ御説明させていただきます。 日本国内でいろいろな犯罪が発生します。その中で、警察御当局のことを我々は第一次捜査権を持っていると言っております。殺人、強盗、その他社会で生起する事件につきましては、警察で捜査を遂げられて検察庁に送致してこられて、そこから我々の仕事が発生いたします。もちろん、大きな事件につきましては、我々も新聞報道等で承知しておりますし、当初から検察当局が一緒にやるということもございますけれども、基本的にはそういう構造でございます。 犯人が捕まっていない場合、大変に大きな事件については、これまた検察庁も当初から関心を持ちますが、それほどではない場合には警察御当局がやられますので、それを、外国に行った場合にどのようにやっていくかという実態の把握、捜査等については、まず警察御当局の方でおやりになっておられるということでございます。
○石関委員 今のは、構造がそうなっているからしようがないんだと聞こえますよ。それは困りますよ、そういうことでは。皆さんそれぞれが、大臣を中心に責任を担われているんですから、構造のすき間があるのなら、しっかり埋めるように頑張ってください。今、非常に無責任な答弁ですよ。事実がこうだからしようがないんだと聞こえますよ。もう一回そのことを答弁してください。
○小津政府参考人 そのように聞こえましたら、大変失礼いたしました。 我々としても、警察御当局と一緒になって犯罪の防止、検挙について全力を挙げているところでございますので、今後とも全力で当たってまいりたいと思っております。
○石関委員 大臣、もう一回確認とお願いをしますけれども、今の方々は役人ですから、これはやはり政治家がしっかり責任の頂点として、大臣おっしゃったように整理をして整備するということで、大臣、やっていただけますね。
○長勢国務大臣 だれがやっているかわからないというのじゃ困るというのは、おっしゃるとおりだと思います。今、刑事局長が申し上げましたのは、検察ないし法務、送致されていない事件とか、検察で把握する役割になっていない事件もありますので、警察当局と役割分担をきちんとして、外務省とも相談をして、御心配のないように対策をきちんとしなきゃならぬということはおっしゃるとおりだと思いますので、すき間があるかどうか、また検討させます。
○石関委員 法務大臣は今のようにしっかりおっしゃっていただきましたので、きょうのこの中では、まだ外務省のことがよくわからない部分がありますから、外務省はしっかり数字なり出してもらって、もしだめならこれは外務大臣に来ていただいて、また改めてしっかりお願いしてやってもらおうと思います。 そういった構造の問題があるからなのかどうかはわかりませんが、既にこの委員会でも、私、二度お尋ねをしております。今の代理処罰に関する事案ですけれども、これは群馬県の太田市というところで、ペルー人の容疑者が殺人の容疑で容疑者とされております。これはペルーに強制送還をされて帰ってしまったということでありますが、二度これまでにお尋ねをして、まだそのことは正式な要請はしていない、関係省庁、警察と外務それから法務省ですか、ここでいろいろ資料を収集してまとめて、ペルーの国に要請をするには至っていないんだけれども要請をする方向だというふうに私は受けとめておりますが、そういったことでよろしいでしょうか。このペルーの事件の簡単な概要と、今の捜査の進捗度合い、要請の進捗度合い、お聞かせをいただきたいと思います。
○米田政府参考人 まず、事案の概要でございますが、平成十三年の十月に群馬県の太田市で、公園内で六十九歳のお年寄りが刺殺されたという事件でございまして、別の事件でこの被疑者が捕まりまして、そして強制退去処分になっております。それが平成十六年の九月でございますが、その間、ずっと警察としても捜査をしておったのでございますけれども、鑑定の非常に難しい現場でございまして、鑑定によって被疑者を特定するということに大変手間をとりました。その関係で、結局、強制退去処分になった後に、このペルー人の被疑者であるということがわかったわけでございます。 私どもはこれに対しまして、ちょっと途中のいろいろな戦術は省かせていただきますけれども、ペルー国内法による国外犯処罰規定の適用を目指しまして、ペルー当局とかなり突っ込んだ協議、調整を今行っているところでございますけれども、現段階、どういう段階であるのかということについては、被疑者の逃亡も含めた対抗措置ということもとられるおそれもございますので、そこは答弁を控えさせていただきたいと思います。
○石関委員 この前までの答弁ですと、これは縄田政府参考人ですけれども、県当局とも十分すり合わせをしていないところですので申し上げかねるというところは御理解いただきたい、いずれにしても、早期に資料等の作成をしながら、それをもって警察当局同士も若干情報交換もしながら、外務省にもお願いをして早期に実現をしてまいりたい、こういうふうに思っておりますという縄田さんの答弁でありました。 今の御答弁を聞くと、早期に資料等の作成をしながら、それをもって警察当局同士情報交換しながら、外務省にもお願いをするというところまでは至っているということでよろしいんですか。前にお尋ねをしたときよりは随分進んでいる、外務省にお願いして、外務省を通じてペルーにもお願いしている、前から見ると随分進展しているということでよろしいんでしょうか。 〔倉田委員長代理退席、委員長着席〕
○米田政府参考人 具体的な、どの段階に達しているかということは、先ほども言いましたような理由で、大変申し上げにくいことでございますが、当然、国外犯処罰規定に向けた作業というのは進展をしておるということでございます。
○石関委員 この事件について、容疑者がちゃんと裁判を受けて、もし罪を犯しているのだったら、それについてしっかりと処罰をされるということが目的ですから、余りここで立ち入って、それを阻害するようなことはもちろんするつもりはありません。ただ、この前おっしゃったような、今も外交ルートを通じて要請をするところまではしっかりいっている、これは別に聞いても問題ないと思うんですね。先ほどの御答弁からすると、まだ国内にも居住や何かの拠点があったり家族がいる、そういうことではなくて、ペルーの方に帰ってしまったので、ペルーの国に外交ルートからお願いをしている、ここまで進展をしているんだという理解でよろしいですか。
○米田政府参考人 まことに抽象的なお答えになって申しわけないのですが、そういう正式な要請をしているとかしていないとかも含めまして、ちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと思います。先ほど申しましたように、作業としては、もちろん従来よりは進んでおります。
○石関委員 少なくとも、この前こちらで質問をした段階よりは進んでいるという御答弁でありましたので、しっかり最後、結末まで責任を持ってお願いしたいと思います。いろいろ現状の制度や構造的な問題というのはあると思いますが、そのことによって被害者や被害者の家族が、何だか泣き寝入りをするとか結末がわからないということがないように、このペルーの問題も、ブラジルだけじゃなくて、しっかりと責任を持って解決をしていただきたいと改めてお願いをいたします。随分進んだということは喜ばしいところですけれども。 それでは次に、これは先ほど我が党の平岡委員から、群馬県高崎市に居住をしている不法滞在のイラン人の方、在留特別許可についての質問がありました。ちょっともう一度、恐縮なんですけれども、かいつまんでこの制度の概要、在特というんですか、御説明いただきたいと思います。
○稲見政府参考人 在留特別許可の制度でございますけれども、入管法に違反して退去強制手続をとられた、これは本来であればその退去強制を執行するということになるんですが、いろいろな事情を総合的に勘案いたしまして、何を勘案するか、法律で決められているものもございますが、例えば、その者が永住許可を持っている、あるいは元日本人である、あるいは人身取引の被害者である、そういう場合には特別な考慮を払う、これは法律で要件を定めて書いてございます。 それ以外にも、総合的に法務大臣が判断して、退去強制するべき者なんだけれども特に在留を認める余地があるかないかという判断をして、退去強制手続の中で、特別に与えるものが在留特別許可という位置づけになります。 以上でございます。
○石関委員 この今の在留特別許可、在特というのは、現時点ではどれぐらいの方がこの許可を得ているんですか。
○稲見政府参考人 過去三年の実績件数をお答えいたします。この件数イコール人数でございます。 平成十六年が一万三千二百三十九件、それから平成十七年が一万八百三十四件、それから昨年はまだ概数でございますが、九千三百六十件となっております。 以上でございます。
○石関委員 この許可というのは、延長が可能なわけですよね。まず、許可を得た人もいろいろな例があると思うんですが、結婚をしているとか、どういう例が一番多いんですか。それとも、非常にバラエティーに富んでいて、それぞれいろいろあるんだということなんですか。許可が認められている中で、一番顕著に大きい例というのはあるんですか。
○稲見政府参考人 一件一件いいますと、確かにそれぞれ個性がございますのでなかなか難しいんですが、マクロにマクロにいいますと、一番多いのは日本人の方と結婚されている方、その結婚がイミテーションじゃない、いわゆる偽装婚じゃない、本当に結婚されて子供さんができちゃっている、こういうカテゴリーの方が一番多く結果的には在留特別許可になっております。 以上でございます。
○石関委員 期間については、一年から三年という期間でしたかね、この許可については。延長も可能であると思うんですが、今までの実績で見て、十六年、十七年、十八年とありますが、この中で延長されている数というのは、それぞれだと思うんです、ですからわかる範囲で結構ですが、十六年に一年もらっていて、それがまた一年延長され、また一年延長されという数は相当あるのかどうか。あるいは、一回の延長で、またいろいろな条件が変わって、はい、おしまいということでお国に帰られる方というのは非常に多いのかどうか。ちょっと内訳を教えてください。
○稲見政府参考人 在留特別許可という特別な在留資格があるわけでございませんで、在留特別許可によって、二十七定められておりますどれかの在留資格を与える、それに応じました在留期間も与えるということで、この与えたところからは普通の正規在留者の方と同じ条件になります。 ということで、実は、その方の期間更新が一年後にどうなっているかというのは、これは電算上でもなかなかチェックがしにくいということになりますので、本当に私の記憶と感情と勘でお答えすることになるんですが、在留特別許可を与えて、いかなる在留資格の場合でも在留期間としては大概一年が多いんですが、その一年以内に出国してしまった、これは非常にレアなケースだと思います。ほとんどの方が、期間更新を重ねていくというぐあいに考えてよろしいかと思います。
○石関委員 これは、本当にいろいろな事案があるので、それぞれ判断するのも大変だと思います。今回、法務大臣は、このイラン人の家族、お嬢さんに対して配慮をされたということで、私自身の感想としては大変立派な御判断をされたというふうに受けとめております。 ただ一方で、最近、日経新聞の夕刊にも連載をされておりましたけれども、その新聞の例は、アフリカ人の方が日本に来て滞在を目的に日本人と結婚する、それが逮捕されたりした場合には、普通の容疑者なり犯罪者であれば家族のことを心配するんだけれども、そもそも偽装というか実体がないような、愛がないと言ったら適切かどうかわかりませんが、そういう婚姻であるので家族のことを心配する人がいない、こういった記事がありました。結婚をしていても、愛がある人ない人と、それはいろいろいると思いますけれども、ただ、こういったことまで含めてやはり判断をする、許可を与える与えないというのは大変なことだと思いますが、どういう人がどういう調査をして決めているんですか。
○稲見政府参考人 これは、退去強制手続の中で判断してまいりますので、私どもの入国警備官という職種の人間と入国審査官という職種の人間、この二つの人間がそれぞれのプロセスで調査をいたします。 ただ、御指摘のとおり、偽装婚の調査というのは非常に難しくて、どちらの審査官にしましても警備官にしましても、その解明に苦労しているというのが実情でございます。
○石関委員 これは結構多いですよね。十六年から見ると、一万三千から九千と、一万内外の数字になっています。何人ぐらいでそういうことをして、どこまで実態的にそういった調査なり審査というのが行われるんでしょうか。 まあ、愛があるかないかという判断はできないと思いますけれども、普通で見たら。ただ、やはり、本当に実態的に生活を一緒にしている本当の婚姻なのか、本当じゃない婚姻というのはわかりませんけれども、先ほど申し上げた新聞にも載っていたような例というのもあるでしょうし、これはイラン人の件もそうですけれども、本当に困っていたり、本当に国内にいるべき理由があるという方とそうでない方とあると思うんですね。 これだけの申請が上がって、許可をもらえないという数がまた相当いるはずですから、そうすると、そこの部分でいろいろな事務の滞留があったり、真実がなかなかわからないということであっては困ると思いますので、どれぐらいの体制でこの許可についての審査は行われていますか。
○稲見政府参考人 専属で委員御質問の案件に当たっている人間は、そう多くはございません。大ざっぱに申しますと、全国で百五十ぐらいの審査官、警備官が当たっているとお考えいただいてよろしいかと思います。 それから、私の説明が不十分だったと思うんですけれども、日本人と結婚されている方、その全件がおかしいというわけでは決してございませんで、数多く許可している中には、間違いなく子供さんがいる、疑う必要がないという者もたくさんございます。 それから、御指摘のとおり、はっきり言いますと、年単位で調査を重ねてそれでも白黒がつかないという者も片方にはございます。 ということで、一件一件の判断にも時間がかかる、時間も違っているということでございます。
○石関委員 私はマニアじゃないのでこれぐらいにしたいんですけれども、今の、子供がいるとか、それも余り関係ない部分もあるかもしれないですよね。 さっき申し上げた日経新聞の夕刊の記事だと、奥さんと子供がいるんだけれども全然構わない。接見すると、アフリカにいる家族のことはよく聞かれるんだけれども、日本で結婚していて子供がいてもそのことに関心を持ってないようだ、記事ですけれども、こういう部分もあり、実態的に、まあ形式かもしれないですけれども、見て、本当にこれは結婚しているんだと、それは行って調べたりということもするんですか、書類だけじゃなくて。これぐらいにしておきますけれども、ちょっと教えてください。
○長勢国務大臣 非常に、殊さらに不法滞在を目的にして来日する人もおられるくらいでありますし、これ以上言いませんけれども、こういう問題もあって、かつ、この審査官の数がそれに比べれば極めて少ない。ですから、本来、実地に行って調べなきゃならないんですけれども調べることができないために、みすみす不法滞在を認可してしまうということも起こり得るという実態でありまして、大変な苦労を現場ではしておるということも御理解をいただきたいと思います。
○石関委員 そこで、法務大臣の配慮というのは、私先ほど申し上げたように、高く評価をするところでありますが、なかなかその現場、現場で、大臣のような配慮ができるわけでもありませんし、不法滞在と、不法じゃない、滞在すべき方の許可をするという体制はしっかり今後整えていただきたいというふうに思います。 次に移ります。 刑務所の過剰収容、この問題についてお尋ねをしますが、大臣、この所信の中で、刑務所の過剰収容の緩和について述べた文脈の中で、PFI手法の刑務所ができたということに触れられていますよね。このPFI手法の刑務所というのは、具体的にどういうものなんですか。PFIについては簡単でいいです。ただ、どこの企業が請け負って、どういう段階でどういうふうに内容が運営をされているのか。PFIというのは民間に任せるということですから、請け負った企業がありますよね。どのように運営をされているか、詳しく教えてください。
○梶木政府参考人 まず、PFIという言葉でございますが、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、ノウハウを活用して行う手法を呼んでおります。これによって効率的かつ効果的な公共サービスの提供を志そう、こういうものでございます。 我々の方では、この手法を活用いたしまして、現在、山口県の美祢市、それから島根県の浜田市、栃木県のさくら市、兵庫県の加古川市、ここで四つの事業を実施しているところでございます。 まず、この美祢社会復帰促進センターというのが第一号事案でございます。ここは、セコムを中心とした企業体がPFI事業者として事業を請け負ってやっております。第二号のPFI事業と申しますのは、島根あさひ社会復帰促進センターでございます。これは、平成二十年十月に収容開始するものでございます。ここは、大林組とALSOKのグループが企業体を組んで事業を担当することとなっております。それから、第三号、第四号、これは喜連川社会復帰促進センター、それから播磨社会復帰センターでございます。いずれも、施設につきましては国費で建設をいたしまして、そこの運営を民間の企業体と我々とで共同して進めるというものでございます。(石関委員「それはどこですか」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。喜連川と播磨についての企業体の資料をちょっと持ち合わせませんので、しばらくお待ちください。 失礼いたしました。この喜連川と播磨につきましては、本年十月から事業を開始しようとするものでございますが、落札の選定、今手続を進めておりまして、四月の中旬ごろに業者が選定される運びとなっております。 以上でございます。
○石関委員 これは、PFIになると、今おっしゃっていた社会復帰センターという名前になるんですか。刑務所ということではだめなんですか。
○梶木政府参考人 組織上は刑務所でございます。 ただ、我々といたしましても、新しい試みを民間のノウハウをかりて始めようということで、処遇の理念あるいは処遇の方法についても大胆に発想を転換していこうということでございますので、通称として、先ほど申し上げましたようなセンターを、現在まだ仮称でございますけれども、使わせていただいて施設を運営していきたい、こういうふうに考えております。
○石関委員 これは仮称ということですけれども、名前は、いつ、だれが決めるんですか。これは、刑務所という名前なのか、社会復帰促進センターですか、全然違いますよ、イメージが。うちの地元に刑務所ができるというのと、社会復帰促進センターと。また、収容される人も、刑務所に行くのか、社会復帰促進センターになるのか。これは、全然また意識が変わってくると思うんです。 これは、いつ、だれが決めて、この名前になるのか、あるいは違う名前も検討されているのか、あるいは何とか刑務所(センター)というような表記にすることも考えているのか、いかがですか。
○梶木政府参考人 名称でございますけれども、先ほど申しました、現在仮称ということで準備をしておりますが、四月の組織令の改正によりまして、これをお認めいただけましたら、恐らく正式な名称になると考えております。(石関委員「どこで認めるんですか」と呼ぶ)組織令の改正でございます。
○石関委員 それでは、ここの委員会は関係ないわけですか。組織令というのはここにかかるんですか。
○梶木政府参考人 お答えいたします。 現在、こういう施設を運営するための必要経費等について予算を提出して御審議をいただいておるところでございます。予算が成立しました暁には、まさにその組織が実態として動いていく基礎ができるわけでございますので、それができましたときに、その組織令の改正が行われ名称がきちっと決まるということでございますので、よろしくお願いをいたします。
○石関委員 今の御答弁を受けたら、これは名前も大変なことだと思いますよ、刑務所になるのか、復帰センターになるのかというのは。だとすると、これは予算審議の中でこの問題についても大きく取り上げて、今やってしまわないと、予算が通ったら、自然と政令改正でこれは終わる、もう後は法務委員会も関係ない、こういうことになっているんですか。
○梶木政府参考人 委員が今おっしゃいました名称、その組織令とは何かということでございますが、これは法務省令でございます。
○石関委員 省令だったら、もっとこれはかからないですよね。省の中で決まっちゃうんでしょう、これは。予算審議の段階でこの名称についても大いに論議をしておかないと、どうにもならないということですか、国民の皆さんや我々議員としても。 あと、この名称については、どこでどのように議論されて、今この復帰センターという仮称になっているんですか。
○梶木政府参考人 我々が過剰収容対策についてどういった取り組みが必要かということを内部で議論をし、検討し、予算要求をさせていただいております。その過程で、我々が新たにつくろうとする施設について、従来のものとは違う名称をつくろう、新しい処遇をしていこうということで、この特区法を利用させていただいたりということで計画してきたものでございます。
○石関委員 これは、でも大きな転換になると思いますね。 よく刑事ドラマなんかを見ていると、ムショ帰りという言葉がありますよね。これが世間様にいいか悪いかわかりませんけれども、ムショ帰りなんだというふうに世間も見て、そのことがいろいろな意味での復帰を妨げるかどうかというのもまたいろいろあると思いますけれども、これはセンター帰りですよ、センターから帰ってきたんだと。こういう人が刑期を終えて出てきて、いいか悪いかについて、私はやはりよく考えるべきだと思いますね。ムショ帰りがセンター帰りになることで、また再犯をするか、あるいは犯罪をしない再チャレンジになるのかどうか、こういう検討はすべきだと思いますよ。これは、余りまたここでしていると切りがないので、このくらいにしておきますけれども。 関連で、PFI手法の刑務所というのと過剰収容の緩和というのは、これはPFIがふえるとどんどん施設もできていって過剰収容が緩和をされる、こういう考えなんですか。これは大臣にお尋ねします。そのことと、今後もPFIをどんどんどんどんふやしていこう、今四つですけれども、そういうお考えでしょうか。
○長勢国務大臣 もう既定の政策を実行している段階ですので、ちょっと私が答弁するのは不適切かもしれませんが、刑務所の新設は今進めている四カ所までが計画の段階で、それ以上必要かどうかは改めて検討することにしております。 これは大変金がかかるわけですね。新設だけでなくて、増設も毎年予算をお願いして必死になって確保しておるわけで、新設となると相当金がかかるものですから、PFI手法でやればそういう意味での国の負担が軽いということで、これによって早く整備ができるという趣旨でこの手法を活用させてもらっておるというふうに私は理解しておるんです。
○石関委員 大臣の御答弁ですと、今の計画は進めていくということですけれども、今後もそれは安くいいものができるならどんどん進めようということでありますから、今の大臣の御認識だと、将来的にもPFIをふやしていくのか。
○長勢国務大臣 これ以上刑務所をふやしていく必要があるかどうかは、もう少し過剰状況等を見きわめた上で判断することになっていますので、PFIであるとかないとかじゃなくて、新設をさらに進めるかどうかは、今計画中の四カ所が終われば、終わった段階までにはまたさらに検討しなきゃならないということを申し上げましたので、それをやるときにどうするかということを申し上げたわけではありません。
○石関委員 最後に、一点お尋ねをします。 官製談合の根絶というのは当たり前のことです。それは政府も挙げて、我々国会議員も根絶に向けて今全力を尽くしているという状態であると思いますが、これは官製談合じゃなくてPFIになっちゃって、山口はセコム、島根は大林組とALSOK、それから喜連川と播磨についてはまだ決まっていないということですが、この入札に応じてくる会社、これには法務省なりここにいらっしゃる皆さんのそれぞれの役所からの出身者、いわゆる天下りはいない、公正にこれも行われるということでよろしいんでしょうね。 これは、官製談合はなくすけれども、PFIになっちゃって、PFIで受ける企業に天下りが行っているということでは大変な問題だと思いますが、これは天下りはないですよね、このそれぞれの会社には。
○七条委員長 時間が過ぎておりますから、手短にお願いします。
○梶木政府参考人 お答えいたします。 これらの事業の落札者の決定に当たりましては、事業提案の内容と、それから……(石関委員「短くやってください。天下りがあるかないかだけ。わからないならわからないでいいです」と呼ぶ)はい。失礼いたしました。
○長勢国務大臣 今手元に資料がありませんのでわかりませんが、あるかないかに関係なく適正にやっておりますので、それはお許しください。
○石関委員 これは大いに関係してくると思いますので、今手元でわからないということですから、また別にお時間をいただいて、しっかりこのことも審議を、確認をしていきたいと思います。 ありがとうございました。
○七条委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三分散会