財務金融委員会 第17号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2007/06/05
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 財政及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事松野仁君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長内藤純一君、総務省大臣官房審議官岡崎浩巳君、財務省大臣官房参事官香川俊介君、財務省主計局次長松元崇君、財務省主税局長石井道遠君、財務省理財局長丹呉泰健君、文部科学省大臣官房審議官合田隆史君、文部科学省大臣官房審議官辰野裕一君、中小企業庁長官石毛博行君、国土交通省大臣官房審議官加藤利男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三谷光男君。
○三谷委員 おはようございます。民主党の三谷光男です。 きょうは、トップバッターで質問をさせていただきます。早速質問に移らせていただきます。 まず最初に、平成十九年度、今年度におきまして、所得税、住民税の税率や負担額が税源移譲などによりまして変わります。その変わることについて、市民やあるいは納税者に説明をするためにさまざまな通達、広報上の措置がとられております。自治体に対しましては総務省から、給与所得者等納税者に対しましては国税庁から、通達あるいは説明用のビラが配布をされております。それぞれどのような通達、あるいはどのような説明、あるいは広報上の措置がなされているのか、総務省そして財務省主税局からそれぞれ簡潔に説明をお願いいたします。
○岡崎政府参考人 税源移譲に関しまして、総務省から自治体への通知というお話でございます。 地方分権を推進するための税源移譲の円滑な実施に向けまして、昨年の十月十八日に、総務省から地方団体に対しまして、税源移譲に係る周知広報について、一つはその趣旨、要点、重点的に行うべき期間、二つ目には地方団体に求められる役割や取り組み内容、三つ目に関係団体や機関との連携や協力といったような、必要な留意事項を取りまとめて通知をいたしたところでございます。 具体的な項目としましては、例えば、広報紙、ホームページなど各種媒体を用いた周知広報活動、あるいは、住民向け説明会の開催、さらには、納税通知の早期発出や納税通知に際しての周知広報活動などの取り組みをお願いしたところでございます。
○石井政府参考人 税源移譲に関します財務省なり国税庁の広報でございます。 まず、国税庁におきましては、源泉徴収義務者向けに、源泉徴収税額表が変わる場合に、毎年、改正の周知というチラシを配っておりますが、そのチラシの裏面を利用いたしまして給与所得者向けのチラシを作成いたしまして、これは五百万枚ほど刷っておりますけれども、企業に周知を依頼いたしております。 また、財務省におきましては、税制に関する既存のパンフレット、「税のはなしをしよう。」という表題をつけさせていただいておりますが、この中に税源移譲の内容を盛り込んでおります。また、財務省、国税庁のホームページに詳しくその内容等を盛り込んで周知を図っているところでございます。
○三谷委員 毎年のことではありますけれども、今回の場合は税源移譲のこともございます。あるいは定率減税廃止のこともございます。どのように負担が変わるか、それをきちんと納税者に理解をしていただく、大変大事なことだと思います。 お手元に、理事会のお許しをいただきまして、資料を配付させていただきました。総務省の自治体向けの通知につきましては、税源移譲により所得税、住民税が変わることの周知に加えて、定率減税廃止による税負担の増減についても比較的丁寧に触れられております。したがいまして、ホームページ上に載っているものもそうであります。 そして、この通知をもとに市町村が周知のためにそれぞれつくった説明用のビラにおいても、これは市町村によってさまざまでありますけれども、定率減税廃止に伴う税負担増も盛り込んだ納税者の実際の税負担増が、モデルケースも交えて、おおむねきちんと盛り込まれております。 一つ、市川市の例で、説明用資料二枚目、三枚目でありますけれども、まず一枚目の、二ページ目、税源移譲のことが触れられております。二枚目、三ページ目になりますけれども、定率減税のこともきちんと盛り込んで、モデルケースを交えながら、実際の負担額がこのように変わりますよということがきちんと示されております。 問題は、今主税局長がお話しになられました国税庁、税務署からという受けとめ方に、源泉徴収義務者の方の受けとめ方はそうなっておりますけれども、給与明細と一緒にこのチラシを入れてください、こういうお話で配られたお手元一枚目、一ページ目のビラでありますけれども、確かに定率減税廃止のことは注の中には書かれております。 「景気回復のための定率減税措置がとられなくなることや、皆さんの収入の増減など、別の要因により、実際の負担額は変わりますので、ご留意ください。」ということは申しわけ程度には盛り込まれております。だけれども、これは誤解を与えるんではないかというふうに思うんです。このように、モデルケース、まあ、税源移譲のことだけです、所得税、住民税で相殺されて負担増減額はゼロです、こういうことが明確に示されています。 この定率減税廃止に伴う税負担の変化についてもきちんと触れて、納税者向け、お一人お一人の給与所得者の皆さんへ給与明細の中に入れてくださいよと言って配られているチラシなわけですから、どうしてきちんと触れて、実際にふえる負担額、モデルケースも交えながらわかるように、理解いただけるように説明をしないんでしょうか。どうしてなんでしょうか。教えてください。
○石井政府参考人 今回の税源移譲でございますけれども、これは所得税と住民税合わせた個々の納税者の負担が基本的に変わらないという設計になっております。 しかしながら、先生御承知のとおり、所得税と住民税の課税方式が異なりますために、給与所得者など多くの方が一月以降の源泉徴収から所得税は減るものの、六月から住民税がふえるという差が生ずるわけでございます。 このように、所得税と住民税の税額変動の生じる時期が異なることによりまして納税者が混乱を起こすことがないように、税源移譲は増税ではないことを納税者の方に周知する観点から、総務省あるいは国税庁とともにこの税源移譲に伴う税負担の変動を中心に周知を図っているところでございます。 この税源移譲の広報におきまして、確かに今お示しになられましたチラシにもございますように、私どもは税源移譲とあわせて、定率減税が廃止される旨も必ず明記をいたしております。さらに、例えば財務省のホームページを見ていただきますと、定率減税廃止による負担の増加額を給与収入階級別に具体的に記載をするなど、納税者の方にそういう点も含めた誤解が生じないよう私どもとしては努力をいたしておるつもりでございます。 それから、定率減税自体は平成十八年度の税制改正において決定されたものでございまして、その段階で、当然のことではございますけれども、全国での説明会あるいはパンフレットそれからホームページ等において、定率減税の廃止による負担の増加額というものを具体的に掲載いたしまして、十分な理解が得られるよう努力をしてきたところでございます。 〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
○三谷委員 今、石井主税局長、定率減税廃止のことを明記というふうに言われましたけれども、先ほども申し上げましたとおり、本当に申しわけ程度に注をつけている。まあ多分、後で文句を言われないためにだとしか思えないです。わざわざ源泉徴収義務者に向けて、給与明細にこれを一緒に盛り込んでください、入れてください、こういう受けとめ方に源泉徴収義務者の方はなっているんですよ。 実際に納税者の立場、とりわけサラリーマン、給与所得者の納税者の立場に立てば、その負担増を実感するのは多分年末調整時であるか、あるいは一部確定申告時なんですよ。そのときに、わざわざお一人お一人のところにこれが盛り込まれて、このイメージがあったら、怒りが逆に増幅するではありませんか。何でそんなことをわざわざやるのか、私には疑問で仕方がありません。隠しているように思われても仕方がないではないですか。 財務大臣、このビラについてどのように思われますか。立派な説明用のビラだと思われますでしょうか。お答えをお願いいたします。
○尾身国務大臣 まず、定率減税でございますが、一九九九年、当時の厳しい経済状況の中で、臨時異例の措置として定率減税を実施したわけでございます。その景気の状況が正常化したということを踏まえまして、十八年度と十九年度の二回にわたってもとに戻すということをやったわけでございます。したがいまして、先ほど局長から説明をいたしましたように、十八年度において、いわば半分ずつ、二年間に分けて戻しますよというPRはかなりさせていただいたというふうに思っております。 他方、税源移譲に伴う所得税の減税と住民税の増税については、まさに基本的には同額、増減税同額なのでございますが、しかし、実施の時期が、所得税については一月の初めから、それから住民税については六月から徴収が始まるということでございます。その点のタイムラグが問題でありまして、これについては特に誤解のないように、基本的には増減税イコールであるということを踏まえて、私どもとしては全力を尽くしてPRに努めてきたところでございます。 なお、この関係については理解が行き届かない点もあろうかと思いますので、今後ともPRに努力をしてまいりたいと考えております。 〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○三谷委員 大臣、今のお話の中で、定率減税廃止は増税ではないと。正確に言えば増税ではないかもしれません。だけれども、先ほども納税者の立場に立ってと申し上げました。税金を払う側からすると、今まで続けてきた、今まで当たり前に思っていた税負担額がふえるわけですから、税金がふえる、すなわち増税という受けとめ方になるんですよ。申し上げていることは、納税者の立場に立って、実際の負担額を理解いただくためにわかりやすく、きちんと実際のところを説明していただきたいというふうに思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。 時間が三十分しかきょうはありません。もう一つ大事な質問がございますので、話をかえさせていただきます。 日興コーディアルグループ粉飾決算事案についてお尋ねをいたします。 金融庁の処分として、証券取引等監視委員会からの勧告を受けて、五億円の課徴金が決定されました。少し時間がたちましたけれども、この課徴金は、どのような事実に係る、そしてどのような事由による課徴金か。そして、その五億円の課徴金、どのような算定で決まったんでしょうか。説明をお願いいたします。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。 証券取引法の百七十二条におきまして、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類を提出した発行者が、当該発行開示書類に基づく募集または売り出し等を行った場合には、課徴金を国庫に納付する旨が規定されているところでございます。 この中で、発行開示書類に基づきます募集によりまして有価証券を取得させた場合、この場合には、有価証券発行の発行価額の総額の百分の一、これを課徴金とすることとなっているところでございます。 なお、株券等につきましては百分の二でございますが、本事案につきまして、日興コーディアルグループは重要な事項について虚偽の記載がある発行開示書類を関東財務局に提出いたしまして、この発行開示書類に基づく募集によりまして五百億円の社債券を取得させた事実が認められたところでございます。 したがいまして、この規定に従いまして、社債の発行総額の五百億円の百分の一でありますところの五億円、これを課徴金の額としているところでございます。
○三谷委員 要するに、平成十七年三月期決算の有価証券報告書、不正利益をどれだけ計上したかの問題ではなく、虚偽記載によって、平成十七年十一月の一般募集された五百億円の社債に係るわけでありますね。この有価証券報告書を見て株を買った投資家へのいわば罪滅ぼしとも言えるような、ペナルティーにはならない、関係ないわけであります。 平成十七年の証券取引法の改正で百七十二条の二がつけ加わりました。翌年の話なら課徴金の額も変わることになりますが、このケースの場合はこの五億円だけ、今の三國谷局長の御説明のとおりということになります。要は、課徴金ならば五億円、ここまでということになります。 そこで、証券取引等監視委員会に伺います。この日興コーディアルグループ不正会計事案の調査はどの課が当たりましたでしょうか。特別調査課なんでしょうか、あるいは課徴金・開示検査課なんでしょうか、お答えください。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 本件につきましては、発行開示に係る問題に着目をいたしまして、開示検査を担当いたします課徴金・開示検査課が検査を開始いたしまして、その過程で、本来連結されるべき関係会社が連結されておらず、また、本来計上できないEB債評価益を計上することによりまして利益が過大計上されるという開示上の重大な虚偽記載が明らかになったものでございます。 こうした事実認定を踏まえまして、発行開示書類に係る正しい情報を市場に極力早く提供すべく迅速に処理を行うという観点から、最終的には委員会が課徴金の賦課を求める勧告を決定したところでございます。
○三谷委員 どの課が調査に当たったか。課徴金・開示検査課が当たったわけでありますね。今、事務局長お話しになられましたように、それで虚偽記載が明らかになったということであります。 資料で、話を簡単にするために、四枚目、五枚目、この粉飾事案のスキームあるいはこの問題の流れをまとめさせていただきました。そして、六ページ目に、証券取引等監視委員会の調査の流れ。これは、今までにも監視委員会の方々からいろいろ御説明を受けながら、私なりにこの調査の流れをまとめたものでございます。間違っていましたら、事務局長、後で答弁の中で御訂正ください。 まず、下地の調査をきっとこの市場分析審査課が行うんだと思います。問題は、そこから、今もお尋ねをいたしました、特調がやるのか、課徴金課がやるのか。重大、悪質な場合、そして検察に対して刑事告発が前提となる話の場合は特別調査課が調査に当たる、それほど重大、悪質でない場合、出口が課徴金前提の場合は課徴金・開示検査課が当たる、少し乱暴かもしれませんけれども、こういうまとめ方をいたしました。 なぜ、特調ではなくて課徴金・開示検査課がこの日興コーディアル粉飾事案の調査に当たることになったのか。そして、これはまさに今説明をいたしました、どちらが当たるか大きな分かれ道がございます。どのような判断で、こちらがやります、こちらにやらせますということが決まるんでしょうか。御説明をお願いいたします。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 先ほど私がお答えいたしましたとおり、この事案につきましては、発行開示書類に係る問題でございますので、まずは正しい情報を市場に極力早く提供すべきであるというふうに考えられておりまして、迅速に処理を行うという観点から、最終的に課徴金の賦課を求めるという勧告を決定したところでございます。 そこで、この課徴金調査を始めたその後、犯則調査に切りかえるというようなことについての可能性でございますけれども、あくまで一般論でございますが、個々の事案に係る課徴金調査の過程におきまして、仮に当該事案の重大性、悪質性等を考慮いたしました結果、犯則事案として対応すべきと判断した場合には、調査の過程で得られた情報を端緒に、改めて犯則調査を開始するということはあり得るというふうに考えております。 なお、行政調査において得られた情報を犯則調査に利用することにつきましては、証券取引法上、行政上の検査権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならない旨規定されている一方、判例にもございますけれども、行政調査の情報を端緒とした犯則調査への移行は必ずしも禁じられているわけではないということも承知されております。 以上のことから、証券監視委員会といたしましては、これまでにも、法令実務上の制約に配慮しつつも情報の活用を図っているというところでございまして、今後におきましても、保有する情報の活用を図りながら、委員会の業務全体の円滑な運営ということで、取引の公正の確保、市場に対する投資家の信頼保持に努めてまいりたいというふうに考えております。
○三谷委員 特別調査課と課徴金・開示検査課は、それぞれ独立性が強いですね。双方の調査の資料もいただきました。証取法の中でもきちんと規定をされて、法律の根拠も違うことになっています。そして、これは監視委員会の方々から伺った話ですけれども、証拠情報のやりとりは一切しない、独立性があるからしないんだ、こういう話を聞きました。あるいは、さっき私、分かれ道と申し上げましたけれども、協力して調査に当たるということもしない。 そこで、お伺いをします。 一つは、今も内藤事務局長、要約をすれば、発行開示書類に係る問題だから課徴金課だというお話が最初にございました。だけれども、多少、風説の流布とかのこともございますけれども、では、ライブドア事案、これも発行開示書類に係る問題でありますが、発行開示書類に係る問題だから課徴金課なんだというのはちょっとおかしいのではないかと思います。そして、今のお話の中でも、一般論として、犯則事案として対処すべきだという場合には特調が出ていきますよと。だから、その特調が出ていくものと課徴金課で行うものと、どうそこの判断の分かれ目があるんでしょうか、どなたが判断をされるんでしょうか、こう聞いておるわけであります。 あわせて、課徴金・開示検査課が調査に当たって調べていく中で、調べていったら、これは出口が課徴金ではない、極めて悪質、重大だ、犯則事案に相当するんじゃないか、検察への告発に相当するんじゃないかと。そうやって、最初は課徴金課だったけれども、特別調査課にゆだねられる、特調が後から出ていくというような案件、ケースは過去にはあったんでしょうか。 あわせてお答えください。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 まず、本件につきまして課徴金の調査を行ったわけでございますけれども、今後この特別調査課で調査を行うというような考えはあるかというふうなお尋ねということで理解をいたしましてお答えを申し上げますと、個別事案に係る犯則調査の内容につきましては、従来より、調査実施の有無を含めましてお答えすることは差し控えさせていただいております。これは、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるために必要であるということをぜひ御理解いただきたいと思います。 ただ、一般論として申し上げますと、監視委員会としては、事案の態様等を総合的に勘案いたしまして、刑事罰に相当する事実があると疑われる場合には、必要に応じて犯則調査を行い、法令に基づき厳正に対応するということで対応しているわけでございます。 それから、一たんこの課徴金調査を行った上で犯則調査の方に切りかわったという例があるかということでございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、法制、制度的にはそういうことはあり得るというふうに申し上げました。 それから、個々の具体的な実務の中でございますので、必要に応じまして開示検査を行い、その中で問題があるものについて、特別調査課といろいろ情報の交流、伝達というものを適宜行っております。 したがいまして、具体的にどうかということについては明確にお答えするということはできませんが、私ども、法令上の制約はございますけれども、その中で、情報の交流をしながら、私どもの調査、検査の実効性を高めるというふうに努めているわけでございます。
○三谷委員 時間もなくなってしまいました。総合的とかという言葉も使われながら、なかなか答えていただけません。 最後に、ちょっと飛んでしまいますけれども、この日興コーディアル不正会計事案、きょうで終わらせることなく、きちんと、再度機会を与えていただきましたら、質問に立たせていただきたいと思います。最後に、もう一足飛びに、金融担当大臣にお尋ねをいたします。 証券取引法百五十七条、いわゆる包括条項でありますけれども、過去一例だけあるということは言われておりますけれども、事実上適用されたことがありません。どういう場合にこれは適用されるんでしょうか。あるいは、この適用についての、金融担当大臣、大臣もまた弁護士でもございます。個人的なことも交えながら、金融担当大臣としての見解をお尋ねさせていただきます。
○山本国務大臣 不正行為の禁止を定めた証取法百五十七条の包括的規定は、複雑で変化が激しい証券取引の規制に当たりまして、立法当時に想定できなかったような新たな不正行為等にも対応可能とするために設けられたものでございます。今後、デリバティブ等新しい金融商品が活発に創造されることを考えますと、この機能の重要性というのは申し上げるまでもございません。 一般論として申し上げれば、証券取引等監視委員会は、証取法百五十七条の不公正取引につきましても犯則調査権限を有しているものでございまして、仮に法令違反に該当する事実があると疑われる場合は、必要に応じて調査を行いまして、その結果、悪質な法令違反行為が認められることになりますれば厳正に対処するもの、そう考えております。
○三谷委員 機能の重要性と言っていただきました。要は使う勇気がないのだというふうに私は断じさせていただきます。 また次もやらせていただきたいと思います。これで質問を終わります。
○伊藤委員長 次に、鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。 きょうは、財務大臣に、税とか税収とかいうことについて、現況や基本的なお考えを少しお聞かせをいただきたい、議論をさせていただきたい、こんなことで質問に立たせていただきました。 まず最初に、現況、景気の回復に伴って、税収が好調であるというふうに言われております。なかなか国民の多くは景気が回復したということを実感しておりませんが、この議論はきょうはせずに、一応そのような基調であるというふうに言われておるわけでありますが、平成十五年度の一般会計の税収が四十三兆三千億、そして、十七年度でございますが、四十九兆円まで上がってきたということであります。もちろん、景気が回復をして、そして税収がふえるということは結構なことなんですが、しかし、過去においても、いわゆる景気の変動に左右されて、税収見積もりを誤った、見誤ったというようなケースも多々あります。 とりわけ、少しさかのぼりますけれども、昭和五十年代の後半、財政再建目標を急いでいくという中で税収の見積もりが甘くなった、それで結局財政再建が水泡に帰したというような事例もあったわけであります。十八年度決算が間もなく完結をする時期になったわけでありますが、そのことについて、少し具体的にお伺いをしていきたいというふうに思います。 十八年度はもう五月分を残すのみということで、四月まではこの前発表があったわけであります。とりわけ、大臣は、今度の十八年度で大型の補正を組まれました。四兆五千九百億円という補正を組まれたわけでありますが、結果的に十八年度補正後の税収見積もりは五十兆四千六百八十億ということになりました。 そこで、お伺いをしたいんですが、四月末までの累計が、私の方の計算で四十兆五千九百四十億ということであります。そうすると、今申し上げた五十兆四千六百八十億を達成するということになると、五月に九兆八千七百億、これだけあれば達成できるということなんですが、さて、ここで、五月分の九兆八千七百四十億という税収の確保は大丈夫なのか、まず大臣にその点をお伺いしてまいりたいと思います。
○尾身国務大臣 十八年度の税収実績見込みにつきましては、今お話しのとおり、昨年十二月の補正予算の編成の時点におきまして、それまでの税収の実績、あるいは中間決算などの企業収益の状況等を見ながら見積もりを行ったものでございます。今後収納される五月分の税収につきましては、法人税収で七兆円程度を見込んでおりまして、二〇〇六年度税収がどうなるかは、この五月分の法人税収の動向次第であると考えております。 したがいまして、今後とも、企業収益の動向、さらに、それが法人税収にどのように反映されるか、よく見きわめていく必要があるというのが現在の状況でございます。
○鈴木(克)委員 御答弁としては、当然そういうことなんでしょうけれども、確かに法人税はかなり好調ということであります。 しかし、振り返ってみますと、十七年度の五月、かなり景気が回復をしてきたという状況の中で、八兆六百九十億だったんですよね。そうすると、十八年度五月では十七年の五月よりもさらに一兆四千億上回らないとこれが達成できない、こういうことなんですが、特に一月から三月については、景気が少し下向きになったというような状況もあったわけでありますが、十七年の五月をさらに一兆四千億上回る、そういうような税収が本当に大丈夫なのか、この点をもう一遍確認してまいりたいと思います。
○石井政府参考人 十八年度の税収見込みにつきまして、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、補正予算の編成時点におきまして入手できる最新の情報をもとに見積もりを行っております。 五月分の税収は、法人税が大宗を占めております。法人税収と非常に関係が深い企業収益につきましては、決算発表が行われているわけでございますけれども、経常利益の伸び等は上半期よりもやや低くなっているという発表はございますけれども、依然として好調であることは事実でございます。 したがいまして、私どもとしては、法人税収がまだ半分しか収納されていないという状況にございまして、企業収益の動向が税収にどのように反映されていくかということを引き続き見守ってまいりたいというふうに考えております。
○鈴木(克)委員 もちろん、引き続き慎重に見守っていくしかない、それはそのとおりなんですが、少しお話を申し上げますと、過去に、バブル期、例えば平成二年度がピークだったように思うんですが、そのときの五月分の税収というのは八兆四千七百八十億なんですね。平成三年度、若干陰りが出たという状況でしたけれども、七兆七千四十億。もちろん、先ほど申し上げましたように、十七年度では八兆六百九十億、こういうことであります。しかし、本当に九兆八千七百四十億というのは、いまだかつてそれだけの税収があったことはないんですね。私は、非常に厳しい状況になっておるんではないのかなというふうに思っております。 そこで、これは仮定の話というと大変御答弁しにくいかもしれませんが、万々が一に税収不足が起きたときにどういうふうにお考えになっていくのかということでございます。 私も、小さな市ではありますけれども、市長を務めてまいりました。非常に財政については苦労をしてきたつもりなんですが、そういう経験も踏まえてお伺いをしていくわけですけれども、仮に、一カ月して、十八年度の補正後の税収見積もりが過大見積もりだった、若干の不足が出たということとなったときは、御案内のように、決算調整資金の制度をお使いになっていくということだと思うんです。 そこでお伺いをするんですが、決算調整資金というのは現在、今どれだけ残高があるのか、お示しをいただきたいと思います。
○松元政府参考人 お答えいたします。 平成十八年度決算につきましては、歳出歳入とも現在鋭意取りまとめを行っている段階でございまして、確たることを申し上げられる状況ではございません。したがいまして、決算調整資金制度を活用する必要があるかどうかにつきましても、同様に確たることを申し上げられる状況にはないということでございます。 なお、決算調整資金の残高につきましては、昭和五十六年度決算で同資金を活用いたしまして、残高がゼロになりまして以降、現在まで残高はゼロとなっております。
○鈴木(克)委員 もちろん、今私も、仮に税収が期待どおりなかった場合ということを前提に申し上げたわけですが、後段の、決算調整資金、現在はゼロ、昭和五十六年度以降ゼロということでございました。 私は、ここにきょう、決算調整資金に関する法律というのを持ってまいりましたけれども、いずれにしても、先ほど申し上げたように、私も、小さな町の首長として予算を組むときには、財政調整基金を取り崩そう、取り崩すまいと非常に悩みながら予算編成をしてきた、そういう経験があるわけであります。そういう中で、決算調整資金残高がゼロというのは、私は、非常に問題というのか、奇異に感ずるわけですね。 今まで決算調整資金制度を用いたのが、先ほどお話しの昭和五十六年度、それからあと、平成四年、五年、九年、十三年度、まあ、高については出たり入ったりありますけれども、一応そういうことをやってきたわけですね。しかし、にもかかわらず決算調整資金残高がゼロというのは、私は非常に奇異に感じておるわけですが、その辺、もう一度御答弁いただけませんか。
○松元政府参考人 お答えいたします。 決算調整資金法の附則第二条第一項におきまして、決算調整資金の現在高のみでは不足を補てんし切れない場合には、国債整理基金から決算調整資金に繰り入れを行うことができる旨の規定がなされております。したがいまして、決算調整資金の残高がゼロであることが法律上問題があるとは言えないと考えております。 また、決算調整資金に財源を積み立てることにつきましては、多額の公債を発行せざるを得ない極めて厳しい財政の現状におきましては、まずは公債発行をできる限り抑制することが必要であると考えております。したがいまして、そうした中、公債発行につながります資金の積み立てにつきましては慎重な検討が必要ではないか、かように考えております。
○鈴木(克)委員 そうでしょうか。その辺の見解を私、財務大臣にぜひお伺いしたいと思うんですけれども、もちろん、今御答弁いただきましたこの法律第二条に、「この法律の目的を達成するため、決算調整資金を設置する。」こういうふうにうたわれておるわけですね。では、この法律は何のためにあるんでしょうか。私は、それはおかしいと思うんですよ。もちろん、一方で、大量の赤字国債を発行する、だから資金を積んでおる余裕はないんだということかもしれませんけれども、本来、こういう法律があって、こういう制度をきちっとやっていくというのが財政の規範であるというふうに私は思うんですよ。四半世紀にわたってこれをゼロの状況にしておいて、それじゃ何のためにこの法律を用意されておるのか。 全国の市町村も本当に、先ほど申し上げましたように、財政調整基金、これを極力崩さないように、そして、少しでも上積みしていこうということで努力をしておるわけです。そういう全国の自治体の状況と、国が今やっておる状況と、そして今の御答弁と、私はどうしても一貫した理念というか、ないというふうに思うんですけれども、財務大臣、いかがですか。
○尾身国務大臣 ただいまのお話を伺っておりまして、私は鈴木委員の御意見にも傾聴すべき点があると考えております。しかしながら、現実にこの残高はゼロになっておりまして、そのこと自体は、法律上は問題がない。それからまた、もし国債整理基金から平時においてそちらに繰り入れておくということは、現在の財政状況から難しいのも事実でございまして、そういう意味で、今後の検討課題ではあると考えておりますが、慎重に対応してまいりたいと考えております。
○鈴木(克)委員 ぜひひとつ、やはりここが財政の根本、基本的な考え方の部分だというふうに私は思っております。幸い、財務大臣も御理解をいただいたようでございますので、私はやはり、本来の状況に戻していくべきだ、そしてまた、そういう最善の努力をしていくべきだということを強調しておきたいというふうに思います。 さて、五月分を十八年度の決算に繰り入れるということは、昭和五十三年にさかのぼると思います。いわゆる税収の年度所属区分の変更ということをやったわけですね。結局、昭和五十二年度までは、翌年度四月分までの税収が前年度の税収になっておった、しかしこれを、五月分まで税収を前年度の税収に組み入れるようにしたわけですね。 これは、財政当局にしてみると、五月分の税収というのは三月決算の法人税収がどっと入ってくるわけです。ある意味では、非常においしいと言うと語弊があるかもしれませんけれども、そういう状況でした。とりわけ当時は、石油ショックだったと思いますが、大きな、財政の厳しい状況があってそういうことをやった。これはこれでわからないわけではないわけですけれども、しかし、それによって、私は何が言いたいかというと、税収見積もりを立てるということが非常に難しくなったというふうに思うんです。 どういうことかといいますと、例えば税収見積もりを立てるのは、さっき大臣も御答弁されたように、十一月から十二月ぐらいですよね。そして翌々年の五月までを予測しなきゃならぬわけです。そうすると、一年半先まで税収予測を立てるということになるわけです。これは非常に難しいことを今皆さん方おやりになっておるわけですね。 この税収見積もりの状況について、特にこの五十三年、年度の所属区分が変更されて以来の状況について、私は、大臣の率直なお考えをこの際ぜひ聞かせていただきたい、このように思います。
○尾身国務大臣 昭和五十三年にこの五月分を、前の年のといいますか三月に終わる年の税収の中に入れるということをいたしたわけでありますが、これは現に、所得というか利益が発生している時点が三月であるということで、実際は五月に納税が行われるものを、その前の年といいますかもう既に終わった年の年度の所得に繰り入れるということにしたわけでございます。これで、確かにおっしゃるとおり、税収の見積もりが難しくなっている点はございます。 しかし、この年度の所属区分の問題は一つの処理の仕方でございまして、既に長い間のルールとして定着をしているわけでございます。私どもとしては、極力税収の見積もりと実績の乖離がないように、しっかりとした見通しを立てて今後対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○鈴木(克)委員 私、ここに今、昭和財政史第一巻を持ってまいりました。この中にどういうふうに書いてあるかというと、長くなるので要点だけ申し上げますと、「翌々年の五月ぐらいまでの税収を正確に予測することは極めて困難である。「五十三年度までは九月時点の大法人の決算見込み調査というのを主税局はやる……それが翌年度の上期の法人税の税収」となり、」云々と、いろいろあるんです。 この昭和財政史の中でも、今のこの状況はやはり問題がある、こんなことは普通きちっと予測するのは不可能なんだということが指摘をされているわけです。私は、こういう指摘というものをきちっと見直してというか自覚をして、ではということで、基本的な考え方をやはり出していくべきだというふうに思います。 そこで、いわゆる平成二年三月の財政制度審議会もやはり同じようなことを言っているんですね。所属区分をもとに戻したらどうだ、これを検討すべきだ、こういうことを言っておるわけでありますが、やはりこれは、我が国財政運営の根幹にかかわる問題だというふうに思うんです。どこかでだれかが決断をしていかなければならない、こういう異常な状況を正していかなきゃならないというふうに思うんですが、財務大臣、いかがですか。
○松元政府参考人 お答えいたします。 平成二年三月の財政制度審議会におきまして、この税収区分のあり方につきまして御議論がございました。その中で、報告につきまして、この五月分の税収をどうするかということにつきまして、「今後の重要な課題として幅広く検討し、例えば景気により税収が大きく変動する法人税について、その可能性を探っていくことも考えられる。」ということでされているところでございます。 ただ、当時は、平成二年という状況でございまして、特例債脱却、これは五十年の補正より特例債発行をし出したわけでございますが、この特例債の脱却ということが当時見えていたという状況下でそのような議論がなされたということでございます。 今日、国の財政事情が極めて厳しいという状況にございます。先ほど御答弁させていただきましたが、そういった中でこれを変えるということにつきましては、公債発行につながるということでもございます。そういったことから慎重な検討が必要ということかと考えております。
○鈴木(克)委員 平成二年三月一日の財政制度審議会の、私もこれを持ってまいりました。しかし、やはり深刻にこの状況を財政審では言っておるわけですね。読んでいけばまた時間がかかりますけれども、いずれにしても、「会計処理の観点からは、発生主義の立場をより徹底させた年度所属区分の基準であると考えられるが、税収見積りの観点からは、この措置が見積りを非常に難しくしていることは否めない事実である。」こういうことを言っておるわけです。 だから、いやそれは心配要らないよ、我々はちゃんとやっていくよということなら、しかし、現実に過去何回も決算調整資金制度を利用しておるわけですから、だから私は、この辺でもう一度、ここの基本的な問題を議論すべきだし、そして、考えるなら、やはりこの際、きちっとした方針をつくっていくべきだ、このように思いますが、大臣、いかがですか。もう一度御答弁ください。
○尾身国務大臣 財政の区分の話につきまして、あるいは決算調整資金の話につきまして、制度のあり方を含めまして、極めて大事な御意見を伺いました。そういうふうに感じている次第でございます。 これはすぐにどうこうするということは、今までの発生主義的な考え方、あるいは財政が非常に厳しい状況を踏まえると、なかなか困難であろうと思いますが、鈴木委員の御意見をしっかりと傾聴して、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
○鈴木(克)委員 最後の質問になると思いますが、実は私は、過般、財務省所管の独立行政法人、これは五つあるわけですけれども、別の委員会で質問をさせていただきました。 何を聞いたかというと、実は、一般競争入札の落札率が一〇〇%というのが三十八件、その五つの独立行政法人の中であった。これは、一般競争入札で一〇〇%というのは明らかにおかしいじゃないか、これはだれかが金額を漏らしておるとか、何らかの操作がなされておる以外考えられない。円単位でぴたっと合っているわけですね、常識では考えられないということを申し上げ、そして、調査をしましょうということになって、内閣委員会でありますけれども、出てきたのが、実は三件のケースを出されてまいりました。しかし、現実には三十八件あるということを御答弁いただいておるわけですね。 したがって、あとはどうなっておるのかということをとりあえずお伺いしたいと思います。
○香川政府参考人 五月二十五日の内閣委員会におきまして、先生から、財務省所管の独立行政法人につきまして、平成十七年度の一般競争入札のうち落札率が一〇〇%であった件数が三十八件であるというのを、田中副大臣から御答弁申し上げたところでございます。 その際、委員から三件の工事を例示されまして、これは平成十五年の造幣局の例それから平成十八年の酒類総合研究所の例だったわけですけれども、これについて、落札率が一〇〇%となった理由につきましては、五月二十九日に内閣委員会に対して資料を提出させていただいております。見積もりをとって、市場調査を行って、その価格を予定価格としたというような理由であったと思います。 それで、御指摘の三十八件でございますが、これはすべて物品購入や役務の契約でございます。その一〇〇%になった理由を私どもの方で各法人から聴取いたしましたところ、市場調査により入手した情報を予定価格としたこと、及び、市場調査を行った結果、市況の変化がないことから前回の契約単価をもとに予定価格を算出したことというような報告を受けております。いずれにしても、見積もりをとってそれを予定価格にした、それに変化がないからまたそれを予定価格にしたという例でございました。 いずれにしても、今後とも、内部規則等にのっとりまして、公正かつ厳正に入札事務を行っていくよう指導していきたいと思っております。
○鈴木(克)委員 この問題は、私、まだまだ、今お伺いしておるのは財務省所管の独法でありますけれども、本当に、財務省以外の所管の、所管というか関係の独法でも、こういう、一般競争入札で落札率一〇〇%というケースは必ずあるというふうに思うんです。 私は、今御答弁いただきましたように、この三件の資料をいただきました。しかし、またの機会に譲りたいと思いますけれども、では一般競争入札というのは何なんだという、その原点をもう一遍考えなければならないような状況も明らかにあるわけですね。 例えば、一般競争入札に付したけれども、三社が参加した、しかし、予定価格に至らなかったから不調に終わった、再度入札を繰り返して、四回目はようやく予定価格で落札したということで、「一連の手続には瑕疵は無く、入札を数回実施することにより予定価格に近づき、最終的に一致したのではないか」と。これは本当に、これを信じろと言われても、考えられないです。 きょうはこれぐらいにさせていただきますが、私は絶対にこういうことを許してはならないというふうに思っております。ぜひひとつ、大臣初め皆さん方にも、そういう視線でこれからも仕事に携わっていっていただきたいということを強く申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、岩國哲人君。
○岩國委員 岩國哲人でございます。 けさは、この委員会で、尾身財務大臣初め各閣僚の皆さんに、主として、日本の教育を支える税制のあり方について、また、日本経済の底辺と言っては失礼ですけれども底上げの中心となる中小企業をめぐる税制について、その他、今後の財政再建の上で欠かせない国債と政府紙幣のあり方についてを中心に質問させていただきたいと思います。 まず最初に、小泉内閣そして安倍内閣と、教育重視ということで一本の線が貫かれております。また、国民はそのように理解しております。 しかし、言うこととやることが逆ではないか、これは今までの予算委員会でも随分指摘してまいりました。教育関係者の安心を倍にする、だから安心を倍にする安倍(あんばい)内閣と看板を掲げながら、言うこととやることがアベこべだから安倍(あべ)内閣ではないか。そのように、安倍(あんばい)内閣と呼ばないで安倍(あべ)内閣としか呼ばれないのは、ここにも一つの原因があるのではないかと思います。 まず最初に、教育重視と言いながら、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、こうしたいわゆる先進国の教育にかける公的な予算、それぞれの国のGDPに対してどれだけ教育費が予算の中で計上されているのか指摘いたしましたけれども、平均して五・五%に対して我が国の場合には約三・五%、半分近い公的予算しか使われておらない。 国際競争力、特に日本の場合には、石油資源がない、あるいは石炭資源もない、資源に乏しい我が国のたった一つの国際競争力を支えるのは人間という資源ではないか、これも私は訴えてまいりました。人間への投資こそ最も大切な未来への投資、その未来への投資を怠っているのは日本ではないか。これが数字ではっきりとあらわれております。 この差額、先進国の五・五%に対し我が国は三・五%、我が国のGDPの二%の格差というものはだれが負担しているか。家族が、両親が負担させられている。二%を金額に換算しますと約十兆円ということになります。各家庭は、子供のために、この隠れた教育負担金をずっと負担しながら今までやってきましたし、またことしも、あるいは来年もこの負担金がやってくるかもしれない。 こうした中で、尾身大臣にお伺いしたいと思いますけれども、民間のいわゆる育英団体というのは、熱心に辛抱強く、学資に乏しい学生を大学へあるいは大学院へと支えてきておられます。その中の一つに井上育英会、これは、明治の元勲と言われる井上馨侯が創立されて、途中基金が乏しくなったときに鮎川義介さんが資金を補充して、今も八十年を超える歴史を誇っております。 その中からは、官界あるいは経済界、学界その他でいろいろ活躍しておられる方もおられます。尾身大臣もそのお一人だとこの育英会から聞かされてきましたし、多くの人が尾身大臣の活躍を期待しておられるだけに、私は、尾身大臣に、こうした民間の育英事業に対して政府はどれだけ温かい税制改革を施してきたのかと。 この五年間にゼロ金利政策の犠牲者となっているのは、一般の、退職金で生活していらっしゃる高齢者の人ばかりではありません。こういう教育事業は、大切な基金を守りながら、その利子収入を糧に、貸与学生に少しでもたくさんお金を渡したい、学生の数をふやしたい、そして先輩から拠金を仰ぎたい。あらゆる努力を続けながらも、ついに刀折れ矢尽きて、基金の取り崩しに入らざるを得なくなった。 井上育英会という伝統と歴史を誇るこの育英会も例外ではありませんでした。六年前からついに基金の取り崩しが始まったのです。私もその役員会に何回も出席し、理事の皆さんたちが、これはどこの育英団体でも起きていることでしょう、なぜ政府はもう少しこうしたところに踏み込んだ税制改革あるいは温かい施策というものを施さないのかと。 これは文部科学大臣にお伺いすることでもありますけれども、しかし、税制の根幹を占める財務大臣として、このような育英事業に対してどのような温かい税制の手当てをしてこられたのか、これからの見通しはどうなのか。 まず最初に、この五年間にゼロ金利政策の犠牲となった育英事業に対してどのような措置を施されたのか、それをお答えいただけませんか。
○尾身国務大臣 教育の重要性につきましては論をまたないところでございますし、先ほどのお話の井上育英会、私も学生のころにお世話になりまして、岩國委員とほぼ同世代でお世話になって、そのおかげで無事に学校を卒業できたという経験がございます。 将来の我が国を支える人材を育成する教育の役割は極めて重要でございまして、こうした観点から、大学等の教育機関やあるいは奨学金を交付する団体などに対する寄附金につきまして、税制上の優遇措置をとっております。 法人税につきましては、学校法人や学生等に対する学資の支給等を主たる目的とする公益法人を特定公益増進法人といたしまして、これに対する寄附金につきましては、損金算入の限度額を一般の寄附金に比べて二倍に拡大しております。 さらに、国公立大学法人あるいは私立学校、独立行政法人日本学生支援機構、従来の日本育英会でございますが、こういうところに対します寄附金につきましては、寄附金の全額を損金算入とする特段の優遇措置を講じているところでございます。 また、所得税につきましては、大学や奨学金の支給を目的とする団体に対する寄附金につきまして、控除対象限度額の範囲で寄附金額全額の所得控除を認めているところでございます。この控除対象限度額につきまして、従来、総所得の三〇%でございましたものを、十九年度税制改正におきまして四〇%に引き上げたところでございます。 いずれにいたしましても、今後の寄附金税制のあり方につきましては、公益法人制度改革に対応する税制全般について具体化を図る中で、公益活動の重要性を踏まえつつ検討してまいりたいと考えているところであります。
○岩國委員 そうした政府の施策が効果をもたらしているかどうかという検証、実証はされましたか。 政府が、二五%から三〇%に、そして、直近では三〇%から四〇%に引き上げられました。二五%から三〇%に控除限度額を引き上げられた結果として、どれだけ寄附行為がふえたんですか。幾らふえたかを端的にお答えください。
○石井政府参考人 三〇から四〇に引き上げたことに伴って具体的にどうかという数字は把握しておりませんけれども……(岩國委員「私が伺ったのは二五から三〇に引き上げたその結果です」と呼ぶ)はい。 私、今手元に持っております数字は平成十五年度から十七年度までの特定公益増進法人への寄附金の増加額でございますけれども、特定公益増進法人への寄附金は、平成十五年度には五百七十五億円、十六年度には六百六十九億円、十七年度には六百四十二億円という数字を今手元に持っております。
○岩國委員 こうした個人の寄附行為に対する助成を主な目的としてされたこの改革、私が文科省からいただいておりますのは、特定公益増進法人に対する個人からの寄付金額の推移について、平成十五年度十七億円、それが直近では十一億円。約三割以上減っておるじゃないですか。ふえることをねらって結果として減ってしまった。これはどういうことですか、その理由を説明してください。 全く当てが外れたのか、効果がなかったのか。そして、効果がなかったという現実を踏まえて、さらに三〇%を四〇%に引き上げられた。引き上げた以上は、ある程度、責任者として見込みというものがなくちゃいけないでしょう。当てもなくただ四〇%に引き上げて、この我々の国会でそれを認めてほしいと。 四〇%に引き上げた当ては、見込みは幾らなのか、この二つの点をお答えください。
○石井政府参考人 先ほど申し上げた数字でございますが、拠出者が法人の場合でございまして、失礼いたしました。 個人の場合でございますけれども、突然のお尋ねなので手元の資料での数字でございますが、全体の寄附金の一人当たりの金額が、平成十五年が一人当たり十八万円、平成十六年分が一人当たり十五万円、平成十七年分が一人当たり十七万円という数字でございます。 なお、四〇%に引き上げることに伴ってこれが具体的にどのようにふえるかという点につきましては、寄附を個人なり法人がどういう理由で行われるのか。現状では、寄附金の枠が必ずしも限度いっぱいまで使われていないという現実もございます。したがいまして、これが具体的にどのように増加するかということまで積算をすることは困難でございまして、いたしておらないところでございます。
○岩國委員 こうした個人の寄附行為を少しでも奨励しようという目的で皆さん考えていらっしゃるわけでしょう。我々もそれを期待しているわけですから、予告してあることについては正確に答えていただきたいと私は思います。 次に、二五から三〇に引き上げてもふえたという結果が出ていない。にもかかわらず、今度は三〇をまた四〇に引き上げる。私は悪いことだとは思いません。しかし、政策を打ち出すときには、ある程度、腹づもり、心づもり、当てというものがあるでしょう。当てもなく国会に上程し、四〇でも効き目がないから来年は今度は五〇ですか。私はそういう打ち出し方はおかしいということを申し上げて、次にアメリカと日本。 アメリカの場合には、ハーバードもスタンフォードも、有名な私立大学は大変財政的に豊かであることは、大臣初め皆さん御存じだと思います。その主な理由は、特に高額所得者を中心とする寄附行為が非常に盛んであるということ、二番目に、件数も多いんです。件数というのは、五十ドル、百ドルから。私の娘たちも五十ドル、百ドルせっせと寄附をしておりますけれども、アメリカの会社では会社が同額をマッチングという制度でもって寄附をしてくれる。大臣、御存じなかったですか。 私は、モルガン、メリルリンチ、アメリカを代表する会社に勤務しておりましたけれども、そこでは、私が百ドルのチェックを切ると、会社が同じ百ドルのチェックをそこに重ねて、そして学校へ寄附が行われます。学校は、私の百ドルではなくて、メリルリンチの百ドルと合わせて二百ドルの寄附を受け取ることができる。これをマッチングというんです。 お手元の資料にお配りしていると思いますけれども、三枚目の一番下、「マッチング制度について」、それから四枚目、最後のところに、我が国の政府は国民生活白書の中でこのマッチングという制度を既に紹介しております。このマッチング制度というものを日本でももっともっと導入すべきだということをうたい出して、それが平成十二年。それから既に七年もたって、遅々として進んでおらない。 こういうゼロ金利政策のもとで、教育が、育英事業が犠牲になろうとしている、尾身財務大臣自身が自分を育ててくれたとおっしゃった井上育英会も苦しんでいるときに、こういうマッチング制度というものを、所管がどこであろうと、広い意味の税制政策の一環として、法人が百ドルをマッチングさせた場合にその百ドルはすべて損金算入にさせる、そのような制度を私は大胆に導入すべきじゃないかと思うんです。これこそ教育重視の小泉内閣であり、安倍内閣でしょう。法律をあれこれいじったり強行採決したりすることよりも、国民の心にもっと温かい風が吹いていきます。 外国がそういういいことをやっているのであれば、そして、日本が異常なゼロ金利政策をまだ続けなくてはならないならば、一刻も早くこうしたマッチング制度というものを導入し、日立や東芝や、そういうところに勤務している社員が、自分が一万円寄附すれば会社も一万円寄附してくれる、勤務している社員と会社が二人三脚で、あの学校、この学校、この育英団体を応援しているんだ、これこそが日本のカルチャーを変えていく大きなインパクトに私はなると思います。大臣、どういうふうにお考えになりますか。
○尾身国務大臣 正直なところ、このマッチング制度なるものについて私がお伺いしたのは今初めてでございますが、お話を伺っている限りにおいては、非常によさそうな制度であるという印象でございます。 もとより、全体の寄附金税制の中でどういう考え方に立っていくかということをこれから検討しなければなりませんが、今の御意見、貴重なものとして拝聴をさせていただきました。
○岩國委員 大臣は初めてお聞きいただいたということです。聞く限りよさそうとおっしゃいますけれども、私が言う限り、いい制度に決まっておりますから。 尾身大臣、必ず早急に検討する、税制の立場から検討してみたいということをはっきりお約束いただけますか。
○尾身国務大臣 税制のあり方がどうかということについては、あらゆる可能性、あらゆる問題について不断の検討をする必要があるわけでございまして、公平中立、簡素、かつ活力というようないろいろな税の基本原則に照らして、我が国の将来を考えながら、この問題も含めて検討してまいりたいと考えております。
○岩國委員 ありがとうございました。 ただいまは税制と教育との関係についてお伺いしましたけれども、今度は財政と教育についてお伺いいたします。 教育費の負担、これはいろいろなところに影響しておりますけれども、最近非常に気になることは、大臣が所管していらっしゃる審議会の一つだと思いますが、財政審議会の答申で、中学校、小学校の合併をもっと促進しなさい、そうすれば公的負担が少なくなる、このような提案がなされております。これは事実ですか。お答えください。
○合田政府参考人 私どもの承知しております限りでお答えを申し上げます。 御指摘の財政制度等審議会におきましては、現在、建議に向けて検討を進めておられるというふうに承知をしてございます。まだ具体的な建議という形では出されていないというふうに私どもとしては承知をしてございます。
○岩國委員 何か歯切れの悪い御答弁ですけれども、財政審議会を所管する省庁はどこなんですか。文部科学省ですか、国土交通省ですか。財務省じゃありませんか。そしてこういうところが、目的は財政再建を目的にと。つまり、財政再建というにしきの御旗を掲げれば、地方の中学校や小学校の数がどんどん減っていく。私は、これは悪政だと思います。 私は、イギリスにもフランスにも長く住んできました。イギリスもフランスも、決して大きな領土を持っているわけではありません。しかし、地方の、日本では田舎という表現もありますが、イギリスの田舎、フランスの田舎、どこも緑が青々として、小さな村落が残っているんです。日本は、財政再建を目的に、東京栄えて地方滅ぶ、その方向へこれは進めようということではありませんか。 イギリスやフランスの小さな村落が残っているところには、三つのものが必ずあります。教会と郵便局と小学校です。この三つが残れば村落は残る、そのとおりです。私は、日本でもこのように、お寺や神社がちゃんと残り、そして郵便局が残り、私が郵政民営化に反対した理由の大きな一つは、郵便局を隅々にまで、人間の体でいえば毛細血管のように、きっちりとした公的なサービスが体の全身に行き渡るように、そういう願いで私は郵政民営化に反対してまいりました。 郵便局を残すこと、学校を残すこと、そして教会を残すこと、この三つがきちっと守られているから、ドイツの田舎でもフランスの田舎でもイギリスの田舎でも、村落が、生き生きとして、青々として残っているんです。 大臣、どのようにお考えになりますか。中学校、小学校を合併させていく、それが百七十億円のコストダウンにつながる。結果として、その十倍の千七百億、百倍の一兆七千億を使っても、村落を回復させるということは至難のわざです。 そうした観点から、目先の二百億、三百億のコストダウンを図るために大きな間違いを犯すということに対してどのようにお考えになりますか。これが本当の安倍内閣の財政再建ですか。お答えください。
○尾身国務大臣 教育の再生も極めて大事でございますし、財政再建も極めて大事であると考えております。 ただいまの財政制度等審議会の答申といいますか意見につきましては、私、今初めてお伺いしたところでございまして、よく調べて対応したいと思います。
○岩國委員 大臣、お忙しいとは思います。しかし、新聞の見出しぐらいはちょっと目を通していただきたい。私でさえも読んでいるんですから。私でさえも、財務とか財政という字が見出しに並んでいると、必ずその記事を読みます。 財政審議会がこのようなことを提案しておる。これは毎日新聞の五月三十一日の記事なんです。(発言する者あり)今、私の発言中ですから。
○伊藤委員長 御静粛にお願いします。
○岩國委員 毎日新聞の五月三十一日の記事にこれがちゃんと載っておる。だから私は質問に取り上げ、そして、ちゃんと質問予告もしてありますから。 財政再建、大変大切に思っておられることは、そういう大臣の姿勢は尊重いたします。財政再建を大いに進めてください。しかし、財政再建が大切なのか、教育再建が大切なのか。財布が大切なのか、心が大切なのか、財布と心のどちらを重視されるのか。この一事をもってしても、私は、目先の中学校、小学校の合併をいろいろな地方で進めさせて、それが村落崩壊につながって、そして十年後、二十年後に、新しい政権がこれは大きな失敗だと思ってそれを回復させる、これは大変大きなお金がかかります。 ぜひ私は、こうした軽率な発言や発想にブレーキをかけていただきたい。そのことをお願いして、次の質問に移らせていただきます。 総務省を中心にふるさと納税が検討されております。このふるさと納税も、私もふるさとを愛することにおいては人後に落ちないと思っておりますけれども、先ほどの小学校、中学校の問題もしかり、ふるさとを大切にしよう。皆さんの中にも、いわゆる地方の小さな小学校、中学校を卒業された方がいらっしゃるでしょう。自分の母校がなくなるとき、ふるさとへの愛情がどうしても薄れていきます。自分の母校が木づくりでも、かなり老朽化しておっても、自分の学校が残っている限り、ふるさとへの思いはますます募るでしょう。日本人というのはそういう民族だと私は思うんです。 ふるさとへの思いというのは、やはり自分の母校のあの懐かしい校舎につながっていく。だから、校舎を大切に、木づくり校舎を大切に。簡単に学校の移転というのを進めないでほしいということを先ほど申し上げました。 次に、ふるさと納税。 予算委員会でも私は訴えましたけれども、いわゆる東京、大阪、名古屋、そういった三大経済圏の範囲外の地方の道府県においては、十八歳になると、進学のために、就職のために、十八歳の若い人たちが、十八歳の春、ふるさとに別れを告げて、ふるさとから出ていきます。同じように、そういう地方の県では、富山県でも奈良県でも、島根県でもそうですけれども、預けたお金が地元へ還流しないで、大都市の大企業に使われてしまう。 お金も出ていくんです。人も出ていく、金も出ていく。そして、そこで生まれ育った政治家ではない人が、選挙になるとその県へ帰ってきて、山口県の票を持って東京にまた帰っていく。人も出ていく、金も出ていく、票も出ていく、これが地方の現状なんです。 しかし、その中でも投票率が高いのは地方です。国民年金の納付率も、島根県の場合には今でも八〇%の人がきちんと納めている。東京、大阪、名古屋、こういうところは、二十年前に比べて三割の人が、二割の人が、もう納めることをやめてしまいました。こういう年金のおかしさ、そして、情報を早く持っておられたんでしょう、五千万件の中に入りたくないという危機本能がそうさせたのかもしれません。島根県の人は危機に鈍感かもしれません、今でも年金を信じて八割の人がお金を納めている。東京、大阪の頭のいい人は半分しか納めていない。こういう現状になってきています。 若い人は出ていく、金も出ていく、そして票も出ていく、そういう国内格差の中で、ふるさと納税という新しい発想が本当に効き目があるのかどうか、この点について御質問したいと思います。 まず最初に、ふるさと納税というものを今提案し、具体化しようとしておられますけれども、この新しいふるさと納税制度によって税金の流れが金額でどれぐらいのインパクトがあると税の専門家のお立場からは想定しておられますか。お答えください。
○岡崎政府参考人 ふるさと納税につきましては、当委員会におきましても、三月二日に広津委員から御質問、御提案をいただいたことがございます。また、地方団体の首長からも、今お話がありましたような、都会に出ていった者が地元で成長する際に負担した教育や福祉のコストに対しまして何らかの還元ができる仕組みができないかというような意見が多く寄せられているところでございます。さらに、最近、都市で生活している納税者からも、自分が生まれ育ったふるさとに貢献したいというような意見も多いところでございまして、これらを踏まえまして、五月一日に、菅総務大臣が、このような地域に対する真摯な思いを生かし、地方の活性化にも資する仕組みを税制として構築する趣旨でふるさと納税に係る研究会を立ち上げまして、実現に向け検討する旨を表明したところでございます。 先週末でありますが、六月一日に研究会を設けたばかりでございまして、ただいまの御質問、金額的にどのぐらいの効果があるのかということにつきましては、どういった仕組みになるのかとかいうことが決まっておりませんので、現時点ではちょっとお答えをいたしかねるところでございます。
○岩國委員 どういう仕組みになるかによって金額が変わってくる、御答弁のとおりだと思います。 したがって、その仕組みについて、どういう前提を置いて、どういう仕組みにすればこれだけの金額に膨らむ、どういう仕組みにすればこれは大きくなり過ぎる、税の専門家のお立場からも、もっとシャープな、具体的な疑問なり提言というものがされないと、ただふるさと納税というムードの風だけを吹かせて、やってみたらほとんど金は動かなかったでは何にもならないわけです。ふるさと納税という具体性のないムードだけ吹かせて、金は動かないで、動いたのは票だけだったということでは、もっとおかしいんです。 そこでお伺いしますけれども、税の専門家のお立場から、ふるさと納税の仕組みについて総務省の方で検討しておられる案の中で、先進国の例も既に検討されたと思います。いわゆる先進国と言われる中で、このようなふるさと納税的なことをやっている国があったのかなかったのか、それが一つ。二番目に、ふるさとという定義が、人によってはふるさとが二つか三つある場合もあります。生まれたところがふるさとだったり、育ったところがふるさとだったり、そのふるさとの定義、認定はどういう基準でされるのか。この二つをお答えください。
○岡崎政府参考人 ふるさと納税につきまして、諸外国の例ということでございます。 先ほどちょっと申し上げましたが、先週末、六月一日に、千葉商科大学学長の島田晴雄先生を座長といたします、それから、地域振興の有識者、地方公共団体の長、税制の専門家等で構成する研究会を立ち上げたばかりでございまして、これからまさに議論をいただくという時点でございます。 どういう仕組みになるかわかりませんので、それに類似する先進国の例というのは現段階ではちょっとお答えをしがたいところでございますが、仮に、個人住民税のような地方税における個人所得課税、これを納税先を選択できる仕組みがあるかどうかということでありますと、私どもの調べた限りでは、現時点では承知をしていないところでございます。 それからもう一点、ふるさとというのはどういう定義かといいますか、イメージはどうなのかということもございましたが、ふるさとのイメージにつきましては、生まれた場所、育った場所、あるいは過去に居住したことがある場所など、人によってさまざまなイメージがあるものと考えておりまして、ふるさと納税の検討に当たりましては、ふるさとというものをどういうふうに考えるかという点も含めて研究会でしっかり検討していただきたいと考えております。
○岩國委員 ふるさとというその四文字は、日本人の心を非常に打つ言葉の一つだと思います。有名な童謡もあります。それだけに、日本人はふるさとという言葉に弱いんです。弱いし、また、そのふるさとを明確に税制の上できちっと定義づけるということも非常に私は難しいと思います。 今、御答弁の中でも、昔の勤務地であったり、育ったところであったり、生まれたところであったり、時にはお母さんの実家のあるところであったり、あるいは自分が結婚した場所であったり、恐らく十本の指ぐらい出てくるでしょう、ふるさとの中に。そういう広範囲であいまいなふるさとというものを税の上で選択させるという発想そのものに私は無理があるように思うんです。だからこそ、先進国はどこもこんなことをやらないでしょう。私は、合理的であり、公平であるべき、透明であるべき税制と一番なじまない言葉がこのふるさとという言葉ではないかと思うんです。 私は、ふるさとという言葉は好きです。しかし、あいまいで、不透明で、情緒的な言葉を税の世界に持ち込むという発想そのものに大きな無理があるということ。どんどん具体的に検討してみてください。私は私の立場でそれを批判していきたいと思います。 例えば、ふるさと納税を選んだ人は、ふるさとはそのとき県を選ぶのか、市町村を選ぶのか、両方選べるのか、こういう問題もあるでしょう。県を選んでみた、しかし市町村にはほとんど行かない、だから市町村を選びたいと思う人が多いのではないかと思います。選んでみたけれども、名前だけは出さないでほしいということもできるのか、いや、何が何でも名前を出してもらわなきゃ意味がないと思う人もあるでしょう。選択はできるのかどうか。これは祭りの寄附じゃありませんから、祭りの寄附なら、名前を出して麗々しくどんどん書いてもらわなきゃ意味がないということになるでしょう。祭りの寄附と同じように顕名制なのか、匿名制なのか、それは選択できるのか。それによっても、これは大きな金になるのか、小さな金にとどまるのか、いろいろな動きが出てくると私は思います。 そういった点についての検討は、そこまで今現在進んでいますか、とてもそこまでは進んでいませんというのが現状なのか、お答えください。
○岡崎政府参考人 たびたび申し上げて恐縮でございますが、先週研究会を立ち上げたばかりでございまして、正直申し上げまして、今御指摘ありましたような顕名制、匿名制、あるいはそれが選択できるのかといったあたりまでは検討していない段階でございます。 ただ、いずれにしても、研究会におきまして、できるだけ簡素で、わかりやすく、使いやすい仕組みというものを、事務手続上の負担などを含めてしっかり検討していただきたいと考えております。 氏名公表のあり方につきましても、具体的な制度設計、事務手続への影響なども踏まえて検討を進めていくものと考えております。
○岩國委員 聞けば聞くほど心配になるのがこのふるさと納税。政府の骨太とか基本方針の中に盛り込もうというのであれば、少なくとも皆さんの事務レベルでは相当研究が進んだ上で、研究会とか審議会の方へたたき台として出さなきゃいかぬでしょう。 島田晴雄先生を中心とするこの研究会というのは、いつ解散する予定ですか。仕事を始めたら、必ず解散目的日があるでしょう。私は、出雲市長として、新しい組織をつくるとき、全部の組織をつくり直しました。それらの組織に終了期限をつけました。二年以内に終わる仕事は二年後に解散する、仕事が終わっていなくても解散する。六時になったら太陽が沈む、日のある間に仕事をしなさい、サンセット方式。そうやらなければ、だらだらだらだらいつまでも、研究会、委員会、何とか部、何とか課、組織がいつまでも続くだけの話です。仕事を始めるときには、終了をさせるのはいつなのかという終了予定日、目的日、ゴールというのがあるでしょう。 いつになったらその研究会の仕事は終わるんですか。お答えください。参議院選挙の前ですか、参議院選挙の後ですか。ことしじゅうですか、来年ですか。
○岡崎政府参考人 六月一日の第一回の研究会におきまして、菅総務大臣からは、税のお話でございますので、秋以降の税制改正の議論に間に合うように基本的方向を取りまとめていただきたいという要請を各委員にいたしたところでございまして、私どもとしてもそうした運びを考えております。
○岩國委員 要するに、参議院選挙、国民の関心も大変盛り上がっているようです。その中で、こうした、地方を大切に、地方を活性化しようという一つの具体的な構想としてこのふるさと納税に関心が高まっておるとき、これは参議院選挙の投票には間に合わない。参議院選挙の結果を踏まえてから考え直すということではないでしょうけれども、七月二十二日には間に合わないということですね。 それでは、私自身はそのメンバーでももちろんありませんけれども、専門家の御意見として、あるいは尾身大臣も御意見があればちょうだいしたいと思います。 五%の消費税のうち、一%は地方に還元されております。この一%の消費税というのはそれぞれの県庁ごとに割り振られていますけれども、資料の1をごらんください、地方消費税の税収が各県によって、多ければ一〇%小さい。 一人当たりが納める消費税額については当然ばらつきがあります。それは所得格差というのもあるでしょう。これを思い切って、それぞれの地方で税収させるのではなくて、国が一括して、尾身大臣のもとで、その一%というものを人口割りできれいに割り振る。そのようなやり方の方がすっきりして仕事もやりやすい。 ごらんになれば、東京の消費税というのは非常に多い税収が上がっています。これは東京に住所を有する人だけが消費税を払ったのではなくて、地方から来た人が、東京のホテル代、東京の高いレストラン、そこで払っているから石原慎太郎知事にこれだけ入っているわけです。 東京の人が石原都知事に払っているだけではなくて地方の人にも石原都知事に払わせるという今のやり方を改めて、尾身大臣のもとで、すっきり、ぱっちり、くっきりと、一%、人口割りできれいに配分する。私はその方がいいのではないか、そのように思いますけれども、尾身大臣、お答えください。
○尾身国務大臣 一番のポイントは実を言うと二つありまして、一つは、国の財政と地方の総体としての財政は国の方がはるかに厳しい、地方の方がかなりゆとりがあるという実態にあるということでございます。しかし、他方で、東京を中心とするいわゆる都市部といわゆる田舎の方のところの財政力の格差というのが非常に大きくありまして、基準財政需要と基準財政収入の差額を見ますと、東京が余剰が一兆四千億あるのに対して、島根県やその他の県を含めた財政指数の非常に低い県八県分のいわゆる赤字が東京一つの黒字に対応しているという関係にあるわけでございます。 したがいまして、この地域間格差、都市部と地方の格差というのが非常に大きな問題になっておりまして、その格差を是正するということが日本全体としての大きな課題であるというふうに考えております。そういう中での格差解消の一環として、ふるさと納税という構想も出てきたというふうに思うわけでございます。 この格差をどうするかについては、私ども、総務省と財務省で相談をしながらいろいろと考えていくわけでございますが、したがいまして、その実態から見て、要は、地方税の間の格差である地方における財政収入の格差というものが非常に問題であって、地方税のばらつき、結果として都市部に厚く、農村部というか地方に薄くなっているという実態。逆に言うと、先ほどお話を伺いましたように、地方から東京に出てきて買い物をする人の税は東京の方に入っちゃうという実態もあるということで、それもそうだなという思いがいたしましたが、全体として、地方には税を納める人も、税を納める企業もない、中央には税を納める企業や個人がたくさんいるということでございまして、その格差を何らかの形で是正していかないと、いわゆる行政サービスに地方によって非常に大きな差がついてしまうというのが実態でありまして、一つの国家として、このあたりの不均衡というものを直していくことが非常に大事だと思っております。 その一環として、今お話しの、消費税を中央でまとめていただいて、それを人口によって配分する、それも一つの考え方であろうかというふうに思っておりますけれども、地方分権という名のもとに、国と地方の税収の比率が今五五対四五ぐらいでありますが、歳出の方は四〇対六〇ぐらいになっている。つまり、収入の面から見ると国全体が五五%の収入で地方全体が四五%の収入に対して、地方交付税は国から地方に渡しますので、支出の方は地方が六〇で国が四〇というようなことになっております。これを是正するために税収の方も五対五にしろというのが、地方分権という名のもとにおいて、ある部分の関係者から主張をされておりますが、これは、先ほど申しました格差是正のための国の役割を非常に難しくしてしまう。先ほど言いました話はその逆だと思っておりますが、そういう意味で、中央でまとめて税収をいただいた上で、地域の格差を是正するために配分を行う。人口比率などの客観的なファクターで配分を行って、そして、その配分された中身については、地方のまさに地方自治のもとに自由に使っていただく、こういう考え方も基本的にはあろうかというふうに思う次第でございまして、これは税制、財政全般の問題でございますけれども、一つの示唆であるというふうに考えております。
○岩國委員 総務省の方でも財務省の方でも、ぜひ、地方への消費税の配分のあり方について、こうした東京と地方との格差ということが国会でこれほど議論されているわけですから、その格差を縮小する役割ではなくて、格差を拡大するお手伝いまでこの消費税がやっているという結果を踏まえて、地方への消費税の一%配分は廃止すべきだと私は思います。 消費税という、グローバルな経済の中での消費行動から入ってくる税金をローカルに無理に分けようとするから、こういうおかしなことになるんです。グローバルなところから生まれたものをローカルに割り振る。東京都の上と下を見てください、千葉県と神奈川県。千葉県と神奈川県の人は、東京に比べてはるかに少ない消費税を払っている。ということは、千葉県や神奈川県の横浜の人たちは買い物を余りしないということなのか。そうじゃないんです。電車に乗って、東京で買い物をして帰っていくんです。こういうことははっきりわかっているでしょう。大阪近辺でもその現象は起きています。名古屋近辺でも起きています。電車に乗って消費税を払いに行く、そういう行動がどんどんどんどん、これから便利になればなるほど、自動車に乗って、電車に乗って消費税を運びに行くようなものです。それをそこへとどめ置くという発想がもう古くなってきている。そして、地方との格差を縮小するには消費税の地方配分を廃止する、まずそれを私はやるべきだと思うんです。 それこそがふるさと納税じゃありませんか。ふるさと納税といいながら、そのふるさとから自動車に乗ってきた人が、名古屋で払った、消費税は富山県へ返さない。それよりも、ちゃんと富山に住んで、名古屋で買い物をしても東京で買い物をしても自分の県に入ってくるんだという安心感で消費税をいただく。それがあるべき姿じゃないかと私は思います。 御提案としてお話し申し上げますので、ぜひそういう角度からも、ふるさと納税との関連と絡めて御検討いただきたいということを申し上げまして、次の中小企業の問題に移ります。 これも、経済界の中でのふるさとといえば中小企業でしょう。大企業はますますグローバル化し、国際化し、大企業を優遇しても、決して私は、大企業を批判するわけではなく、嫌いでもありません。私は、そういう大企業のための資金調達を三十年間ずっとやってきた男です。大企業の大切さもわかります。国際競争力を守る役割もわかります。 しかし、雇用の面、一般の国民の暮らしを守る面、そして中小企業に対する予算のつけ方から見ると、私は、いわゆる中小企業と言われるところにはもっともっと温かい配慮が必要ではないかと思うんです。 なぜなら、日本の会社、法人と言われるうちの九九%は中小企業と言われておるところです。雇用の約八〇%は中小企業です。そういうところを底から温めることによって、本当の日本経済の底上げが図られるんじゃないかと思うんです。 頂点ばかりをねらって、そこの利益が上がっても、その利益は海外へ投資される。大企業をどんどん優遇しても、その経済戦略、企業戦略は海外進出。そして雇用の場も、大企業は日本での雇用よりも海外での雇用をふやす。大きな企業の最近十年間の、どれだけ雇用をふやしたか、どこでふやしたか、分析してみてください。日本での雇用をふやすよりも、海外での雇用をふやしている。海外での雇用をふやすために日本の税金を使っていいんですか。 私は、むしろ、海外へなかなか出かけることもできない、海外で雇用をふやすことももちろんできない、利益を海外へ投資することもできない、こういう中小企業に、もっと国政として政治の配慮というものが行くべきじゃないかと思うんです。 そこで、一つお伺いいたしますけれども、私は、かつて塩川財務大臣とも六年前の予算委員会で議論をさせていただきました。中川経産大臣とも、二年前の二月、経産委員会で議論させていただきました。フラットタックス、大臣、御存じですね。 例えば二〇%という一律課税、アメリカでも議論されました。アメリカで議論されて、アメリカで実現しなかったからといって、日本があきらめる必要はないんです。アメリカと日本の違いは、日本は中小企業のウエートが非常に高いという経済的な特性を持っていますから。世界の中で一番中小企業のウエートが高い、そして、その中小企業に一番わかりやすいフラットタックスを導入することによって日本経済にどういう効果が生まれるのか。 塩川財務大臣はこのように答弁していただきました。これは平成十三年十一月十三日の予算委員会での質疑です。「零細、なりわいとしてやっておられる企業、そういうようなものには一回対象に考えてみてもいいんじゃないか。」とおっしゃったのが六年前。 六年間、財務省の中で考えた痕跡がありますか。お答えいただけませんか。
○石井政府参考人 先生がかねてからフラットタックスについて御指摘をされ、塩川財務大臣の御答弁も、私どもも承知をいたしております。 先生の御指摘は、中小企業に対して、会社の法人税と経営者の所得税とを通算して一律の、例えば二〇%の税率を課するという仕組みを御提案いただいているものと承知しております。 これにつきましては、従来からお答えを申し上げておりますけれども、税の公平公正という観点が一つございます。それからもう一つ、中小企業にとどまらず、法人課税のあり方そのものに関する問題がございます。 まず、公正公平という点について若干申し上げますと、会社の所得と経営者個人の所得を通算するということでございますので、一方で、サラリーマンを初めといたします一般の個人は……(岩國委員「私はそこまで聞いておりませんよ。それは次の質問です」と呼ぶ) 内部で、そのような御指摘も踏まえて議論をいたしておるのは事実でございます。
○岩國委員 私は、こうしたフラットタックスという、私が言っているからというのではなくて、いろいろな方もおっしゃっている。アメリカの大統領選挙でも一つの大きな政策として打ち出されたことは皆さんよく承知のとおり。世界に例のないいろいろな問題を抱えている日本だからこそ、そして、職場をもっと広げたいという中小企業の人たちの願い、そういうものをもっともっと酌み取って、小さい者、弱い者に対する私は温かい政策の配慮というものが欲しい。その一つがこのフラットタックス。 もしフラットタックスを導入することによって、中川経産大臣が答弁していただいたように、アジアのいろいろな若い人たちが、アジアの会社が、日本では中小企業が一番やりやすい、日本で会社を始めてみよう、それこそがアジアの中における日本の一つの大きな役割ではないかと思うんです。 公平性がちょっと欠ける、いろいろな問題点もあるでしょう。しかし、政治というのは何をやってもどうせ問題があるんですから、問題の中でも一番効き目があって、一番人に喜ばれて、少し問題があってもちゃんとそういうふうに政策目的を説明できるのであれば、私は、フラットタックスを限定的にでも、期間を限ってでも導入してみたらどうかと思います。 次の質問に移ります。 最後の質問ですけれども、景気がよくなるか悪くなるか、いろいろな意見があります。そして、政府の中では、景気の動きは底がたい、こう繰り返しおっしゃっていますけれども、本当に底がたいかどうか、疑問も出てきております。 仮に、景気がよくなれば金利は上がります。金利が上がれば、今まで発行した国債の値段は下がります。財務省にとっては、景気がよくなれば、税収はふえるという反面、金利の支払いがふえていく。そして、今まで発行した国債の価格が銀行の金庫の中で暴落する。景気がよくなればこういう問題が出てくる。一方、景気が悪くなれば、一部の人の懸念の中にそういうことが出てきておりますけれども、景気が悪くなればどうなるか。税収が減って、さらに国債を発行しなきゃいかぬ。国債の残高がさらにふえていく。景気が悪くなればさらに国債の発行額がふえていく。景気がよくなれば国債の値段が暴落する。こういう、前へ進んでも後ろへ進んでも怖い状況にあります。 そこで、私は小泉総理とも三年前の委員会で議論させていただきましたし、あるいは石原国土交通大臣とも道路公団の民営化に絡んで提案しましたけれども、政府紙幣。政府は国債ばかり印刷するから、印刷した国債はコストがかかる、金利を払わなきゃいけない。同じ印刷するなら、国債ではなくて、政府紙幣を発行してはどうかと私は思います。 日本には、日本銀行の印刷する日銀券だけが今紙幣として、しかし、委員の皆さんのポケットの中には五百円玉、百円玉、入っておるでしょう。あれは、日本銀行ではなくて、大蔵省、財務省がつくっておられるんでしょう。硬貨だけつくるんじゃなくて、紙幣の方も財務省が発行すべきだと私は思うんです。 これは償還の必要がありません。金利を払うコストもかかりません。景気がよくなって金利が上がっても暴落するものではありません。金利なし、暴落なし、償還なし。政府紙幣については、そういうことをやればインフレにつながるんじゃないか、こういう意見もあります。もちろん、無制限に発行すれば、国債だってインフレになります。福田元大蔵大臣が国債発行に踏み切ったとき、一番の批判は、これはインフレにつながる、そういう批判でした。しかし、それから国債を毎年毎年発行して、毎年毎年これがインフレにつながるという議論は国会の中でも聞いたことがありません。 国会が金額をきちっと制限しながら、政府紙幣を限定的に発行し、金利コストを下げる、そして将来の国債暴落の規模を少なくする、もうそろそろというよりも、今こそ早急に私は政府紙幣の発行に踏み切る検討を始めるべきだと思いますけれども、尾身大臣、お答えいただけますか。
○尾身国務大臣 岩國委員の政府紙幣の発行についての御意見については、かねがね承っているところでございます。 ただ、市中にこれを流通させた場合に、民間部門にとって現金の保有需要には一定の限度がありまして、そもそも市中にどのように消化させるかという大きな問題もございます。仮に消化できたとしても、現金需要を上回る部分は日銀に還流して、日銀がその引き取りを政府に求めた時点で財源措置が必要であるといった問題が生じます。 さらに、市中に流通させずに日銀に対して政府紙幣を発行する場合には、無利子、無期限の国債を中央銀行に引き受けさせるのと同じことになりまして、国債の日銀引き受けを禁止している財政法第五条の趣旨に抵触して、通貨価値の安定を損ない、激しいインフレを招くおそれがあるというふうに懸念されるわけでございます。 今のお話につきましては、私どももそういう観点から極めて慎重に考えていかなければならない課題であると考えている次第でございます。
○岩國委員 私は、国会が責任を持って限定的に、そして、日本経済、財政再建に貢献するやり方は幾らでも工夫できると思いますという意見を申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 まず、財務大臣に確認をしたいと思いますが、国有地を初めとする国有財産、これは国民のために公正かつ有効に活用されなければならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○尾身国務大臣 国有財産については有効に活用しなければならないとおっしゃるのは、そのとおりであると考えております。
○佐々木(憲)委員 公正かつというふうに私は申し上げたわけでありますが。 財務大臣は、内閣の都市再生本部のメンバーですね。
○尾身国務大臣 そのとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 私は、五月二十二日の財務金融委員会で、国有地を利用した大手町開発について質問をいたしました。このプロジェクトは、内閣の第五次都市再生プロジェクトとして位置づけられております。問題の焦点は、国民の財産ともいうべき国有地を公正公平に活用するのか、それとも一部の特定の企業に供するのか、こういうことにあると思っております。 前回の質疑で、国土交通省が作成をいたしました資料の提出を求めました。それは、大手町合同庁舎跡地を活用した国際ビジネス拠点形成推進方策調査報告書というものであります。 これがそれですけれども、国土交通省にお聞きしますが、この報告書は、いつどこに発注をされたのか、その発注は随意契約か、金額は幾らか、これをお答えいただきたい。
○加藤政府参考人 お答えいたします。 御指摘の調査は、平成十六年十二月十五日、独立行政法人都市再生機構に対し委託をいたしました。随意契約でございます。契約金額は、五千九百六十九万円ということでございます。
○佐々木(憲)委員 六千万円も税金を使って作成をしたものということであります。 ところが、この資料を理事会で協議をして提出をお願いしたわけですけれども、出てきたものが、最初は中抜きのものでありましたが、全部出してもらいたいということで、出していただきました。 その内容を見ますと、真っ黒に塗りつぶされておりまして、お配りした資料の四、後ろの方ですけれども、それがあります。例えば、皆さんのお手元にありますように、資料の四の下を見ますと、三十三ページというところがありますね。これは、施行後・ケース一と書いてありますが、工区、街区、画地、間口云々、上にずっとその項目がありますが、中のデータが全部真っ黒なのであります。それから、その次を見ましたら、三十四ページ、施行後・ケース二・第一ステップと書いています。これも同じように、第一ステップ、第二ステップ、全部真っ黒であります。こういうものが出されてきても、何が何だかさっぱりわからないわけであります。 これは、何でこのように真っ黒にしたんでしょうか。
○加藤政府参考人 本調査では、土地区画整理事業の導入の可能性を検討するという観点から、非常にざっくりした、一定の仮定を置きまして、それぞれの土地所有者の土地の評価額等についても試算を試みているということでございます。 ただ、これについては、そういうものでございますけれども、現在都市機構においては、区画整理の施行者として適切に評価した土地評価を提示しながら土地所有者の皆さん等と交渉をしているところでございます。 そういう中で、今申し上げたような性格を持つものですから、概略の計算値であります当該試算値を開示すれば、事業上の評価額とのそご等に関し、いたずらに土地所有者等に不安とか不信を抱かせるということになりかねない。ひいては、それが事業の遅滞、遅延等を生じかねないといったような土地区画整理事業に及ぼす影響を勘案してでございます。これが一点でございます。 二つ目に、例えば、当該試算値があたかも土地評価額と同様に投資家等に受けとめられて、企業の資産価値について誤った認識を世間一般に形成させる等の風評被害を招くというようなおそれもあるといった土地の所有者に及ぼす不利益、これらを勘案いたしまして、それぞれの土地所有者の土地の評価額等については開示を控えさせていただいている、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 全く理解できない説明であります。 土地所有者の事実上の評価額とそごを来す、そこで不安とか不信を招くとおっしゃいました。しかし、これはもともと試算としてざっくりとしたとおっしゃいましたような計算でありますから、それはもうそのことは前提でありまして、そごも何もないわけであります。 二つ目に、風評被害を招くと言いますけれども、こんなもの、風評被害を招くはずがないわけです。例えば、五十一ページ、次のページをあけていただきますと、私はおかしいと思うのは、国有地ですよ、これは。政投銀は別として、財務省、登記、八百五十九平米とありますね。これは一体なぜ塗りつぶすんでしょうか。財務省が持っている土地、これは何も私有地ではございません。国民の財産であります。これは隠す必要はないんじゃありませんか。 共有財産である国有地は国会に数字を出す。この点について、このときはこのようにざっくりと評価をしておりましたというのを出すのが当然じゃないんですか。これぐらいは少なくとも出していただきたい。
○加藤政府参考人 今お尋ねの財務省の土地ということの評価についてでございますが、これについては、先生御案内のとおり、この地区全体が連鎖型の土地区画整理事業をやっております。したがいまして、この時点での比準価格、この表がございましたが、これは確かに財務省さんの土地になっておりますが、この土地は将来、換地後、換地されてほかの所有者に渡るわけでございます。 したがいまして、換地後の土地の評価にも影響するということで、今申し上げたように、ここの部分については、施行後の評価については控えさせていただきたい、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 何もわからないじゃないですか、国会には。国有地が一体この再開発でどのような値打ちになるのかというざっくりした計算をしたと。それを、六千万円もかけて、予算を使って都市再生機構に調査をさせた。それがなぜ出せないんですか。ほかに影響がある、ほかに影響があるといったって、国有地なんですから。 委員長、これは当然、この国有地の部分については少なくとも提出していただきたい。理事会で協議していただきたい。
○伊藤委員長 ただいまの御要望については、後ほど理事会で協議をさせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 問題の焦点は、前回も指摘しましたが、国有財産が不当に安く一部の大企業に提供されて、利権の対象になっているんじゃないかという点であります。 そこで、確認をもう一度しておきたいと思いますが、大手町合同庁舎一、二号館を国が二〇〇五年三月三日に都市再生機構に売り渡した。そのときの総額は一千三百億円、単価は一平米当たり九百七十万円、このときの容積率は七〇〇%に若干上乗せして九五〇%、こういうことでよろしいですね。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。 今御指摘の大手町合同庁舎一号館、二号館の売却につきましては、平成十六年十二月二十七日に複数の不動産鑑定士に鑑定を依頼いたしまして、十七年一月十四日に鑑定結果を受領し、その結果に基づきまして、ただいま先生が御指摘になられましたように、一平方メートル当たりの単価は平米九百七十万円、総額千三百億円、売却の時期は、平成十七年三月三日に売却したものでございます。
○佐々木(憲)委員 そのとき、土地の容積率は、長い間七〇〇%でありましたが、その年の十月二十六日の東京都の都市計画審議会で一二〇〇%に変更する、これは審議、採決された日であります。そして十一月二十五日にそれが告示されております。これはそのとおりですね。
○加藤政府参考人 ただいま先生御指摘のとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 その直後に、二〇〇五年の十一月二十八日、都市再生機構は、国から入手した土地の三分の二を有限会社大手町開発に売りました。その総額は九百十五億円で、単価は諸経費を上乗せして一千二十四万円。このときも、前提となる容積率は国から買い入れたときと基本的に同じで、いわば原価で買って原価で売った、そういうことだと説明を受けておりますが、そういうことでよろしいですか。
○松野参考人 委員御指摘の件でございますが、私どもが国から取得しました大手町合同庁舎跡地、この三分の二を有限会社大手町開発に売却したときの総額と単価は、九百十五億円、単価一平方メートル当たり一千二十四万円でございました。これは、取得原価にもろもろの諸経費を上乗せしたものでございます。
○佐々木(憲)委員 要するに、国有地が、容積率七〇〇%をベースにした価格でまず都市再生機構に売って、都市再生機構が大手町開発という民間会社に売ったわけです。その価格は原価どおりですから、いわば都市再生機構がトンネルになったわけであります。随意契約で民間の大手町開発に売却されたわけですね。 問題は、配付資料の一枚目にありますように、「大手町開発の流れ」を見ていただきたい。その土地の容積率が、わずか二カ月の間に七〇〇%から一五九〇%に引き上げられているわけであります。その結果、当然地価が上昇いたします。収益価格は上昇する。国土交通省の先ほどの報告書の試算によりますと、概算で収益価格は約倍に上昇するということになるわけです。大まかに言えばそういう傾向にあると考えていいですね。
○加藤政府参考人 お答えいたします。 個々の土地については、それぞれ土地の形状とか位置とかによって変わりますけれども、今のお話のように一般論として申し上げれば、容積率が増大することによってその土地の有効利用の可能性が高まり、それが収益価格等にも反映される、これが一般的な考え方ではなかろうかと考えております。
○佐々木(憲)委員 低価格で手に入れた国有地が、容積率の引き上げによって地価が倍に上昇し、膨大な利益を生み出すということであります。問題は、この利益がだれの手に入ったのかという点なんです。 本来、値上がりした価格で売れば、国の財産である国有地は一定の財政的な貢献をするだろう。しかし、そうならなかったわけであります。国家財政には貢献しないばかりか、もともとの低容積率で計算をした価格で売却をした。したがって、二カ月後に莫大な利益が出るにもかかわらず、既にその利益を得ることが不可能であった。つまり、損失が出たと言ってもいいと思うんですね。 都市再生機構はどうかといいますと、これも三分の二の土地の部分に関してはトンネル機関になっているわけです、仕入れ原価で売ったということですから。 低価格で手に入れた有限会社大手町開発、これは、容積率七〇〇%をベースに計算した九五〇%という価格で手に入れた、その土地を利用して周辺の地権者との間で換地を行っているわけです。容積率何%で換地しておりますか。
○松野参考人 お答えいたします。 土地区画整理上の換地としては、区画整理の仮換地を決めるとき、その時点では既に一二〇〇%になっておりましたから、それは当然、一二〇〇%ということを前提に換地しております。
○佐々木(憲)委員 容積率九五〇%で手に入れた土地を一二〇〇%で売ったわけであります。換地をしたわけであります。その差は二五〇%。その分、大手町開発に利益が転がり込むわけであります。しかし、実際の容積率は一五九〇%、これは換地した地権者にとっても利益となる、そういう仕掛けになっているんじゃありませんか。
○松野参考人 今、大手町開発、直ちにその利益につながっているのではないかというお話がございましたが、これは必ずしもそういうふうな評価はできないと考えております。 というのは、一二〇〇に上がるとか、あるいは市況がタイトになってきてかなり値上がりした、その時点で売ることができれば、確かにそういうことはあるかもしれません。しかし、この私どもと大手町開発が保有するという事業は、ほぼ十年間にわたって売ることができない、保有し続けなければいけない、こういう事業でございまして、単純に、途中で値上がりしたから売る、あるいはこれから値下がりしそうだから売る、そういうことができない、非常に厳しいリスクを伴っているわけです。 したがいまして、これはできるだけ、当初のその時点の容積率を前提に取得する、その上で十年間保有しなければいけない、こういう事業の背景を御理解いただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 その説明は全く納得できませんね。大体、国土交通省は、この報告書で書かれておりますように、容積率が上がるということを前提に試算をして、どこの会社に幾らの利益が上がるかという計算までしているわけです。 お配りした資料を見ていただければ、先ほどの、最後から二枚目それから最後のページ、これも真っ黒に塗られておりますけれども、ケース二・第一ステップ、第二ステップというふうにありまして、結果的に土地の値上がりがどこに幾ら貢献するか、この計算がここで行われているわけであります。当然数字を出すべきだと私は思います。 こういう形で容積率が上がれば、当然その土地が上がり、その上がった土地をもとにして再開発を行い、膨大な利益が入ってくる、こういうことがもう明確なんですよ。その時点で売ればそうなるとおっしゃいましたけれども、現実にこのように進行しているわけであります。国の財産をこういう形で無駄に使っていいのか。私は、焦点は容積率が上がることを前提とした再開発にあるというふうに思うんです。 そこで、財務省にお聞きしますけれども、容積率が引き上げられるということ、これはいつ知りましたか。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、私どもは、不動産鑑定士の方に鑑定を依頼いたしまして、鑑定結果を受領いたしましたのが平成十七年一月十四日です。その後、売却時期は平成十七年三月三日でございます。 それで、先生今お尋ねの、容積率が引き上げられたことについて財務省はいつ知ったかということでございますが、私どもが最初に動きとして知りましたのは、平成十七年九月一日に東京都から、地権者向けの地元説明会がございまして、その中で容積率の引き上げを検討する用意があるという説明をお伺いいたしました。その後、十月二十六日に、東京都が都市計画審議会に対し、本件土地に係る都市計画を変更し容積率を一二〇〇%に引き上げることについて付議され、さらに、先生御指摘のように、審議結果を踏まえて、十一月二十五日に正式に容積率を一二〇〇%に引き上げる旨の告示がされた、こういった経緯で私どもは承知しております。
○佐々木(憲)委員 それは事実経過からいうとそういう説明になるんでしょうが、容積率が引き上げられ、土地が上がるということの想定を当然その以前からしているわけでありますが、それはいつごろから知りましたか。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。 私ども、国有財産の売却に当たりましては、不動産鑑定士の方に評価を依頼いたしまして、その評価の結果に基づきまして時価で売却することとしております。 それで、評価の前提となる容積率につきましては、国交省の制定いたしました評価基準に基づきまして、土地の価格に最も精通し、客観的に土地の評価を行う公正中立な立場にある鑑定士の方が、その時点での合法性等の観点から評価されるわけでございます。 したがいまして、私ども財務省といたしましては、こうした前提に基づきまして不動産鑑定士の行った鑑定結果を判断して尊重し、それについて、いただいた時価に基づいて売却するということで、売却した時点では、先ほど申し上げましたように、七〇〇%に総合設計での二五〇%を上乗せしたものをいただいたところでございます。
○佐々木(憲)委員 質問に答えていないんです。 この全体のスキームはずっと以前からできているわけです。二〇〇三年に内閣の都市再生プロジェクトとして認定をされているわけですね。したがって、当然その時点から、この再開発はどういう手順でどのような容積率の変更があり得るのか、そういうことを想定した上でこの売却を行っているはずなんです。二〇〇四年六月ごろにはその認識はありませんでしたか。
○丹呉政府参考人 お答えいたします。 繰り返しでございますが、私どもは、不動産鑑定士の方に鑑定を依頼する、不動産鑑定士の方はその時点における容積率等を前提にするということでございます。 それから、先ほど申し上げましたように、容積率の引き上げについて私どもが承知いたしましたのは、平成十七年九月一日に東京都が地元の説明会において引き上げについて検討するという話を伺ったときでございます。
○佐々木(憲)委員 配付資料を見ていただきたいんですが、二〇〇三年一月に小泉総理を本部長とする都市再生本部、その第五次決定で大手町再開発が国家プロジェクトとして位置づけられております。既にこのころには大手町再開発の構想が明らかになっていたはずであります。 明確な形で記録があるのは、二〇〇四年六月十八日に開かれました第二百十八回国有財産関東地方審議会の議事録であります。その議事録は今この手元にありますが、ここではこういうふうに書いているんですよ。このスキームでは、一たん機構が、つまり都市再生機構ですね、国から合同庁舎跡地を購入して、その後に民間の事業会社に対して持ち分の一部、三分の二を譲渡するという形をとるわけでございますと。もうはっきりと構想が示されているじゃありませんか。だれが説明したんですか、これは。財務省じゃないんですか。 これを説明しているのは財務省の国有財産業務課長であります。こういうふうに言っているんです。要は、入札をせず、今回機構に随意契約で売るわけです、この認定事業者になりますと、認定事業者といいますのは大手町開発のことです、直接国がこの事業会社に随意契約で売ることもできます、合同庁舎の三分の二の保有、信託の受益権という形で譲渡を行うことにしております、これは地元地権者が設立する事業会社の資金調達に配慮したものでありますと。 容積率についてはこう言っているんですね。これは委員からの質問がありました。いわゆる何階建てというイメージはどういうふうになるんでしょうか、例えば四十階とか五十階とか六十階とか、大体高さはそろうと思いますが、そのイメージはどんな感じになるんでしょうかと。これに対して管財第二部長がこう答えているんです、財務省ですよ。今の跡地のところは商業地域でございまして、建ぺい率が八〇%、それから容積率が七〇〇%となっております、日比谷通りの向こう側は容積率が一〇〇〇%ということになっておりまして、いずれ丸の内方面の先行的に再開発されているエリアと同様に、三十階とかそういった百メートルを標準としたようなイメージを踏まえ、今後具体的な計画をつくっていくというようなことになろうかと思いますと。 このようにして、容積率が上がる、もう既にこのときにそういう構想になっているということを財務省が自分で説明しているじゃないですか。財務省が自分で容積率が上がるということを前提に、しかもトンネルとして都市再生機構を使うということまで言って、三分の二はそちらで売るんだ、それは何のためだ、いや、それは地権者のためだ、こういうことを説明して、国有財産売却はよろしいでしょうか、賛成ですという形でここで決まっているんですよ、審議会で。もう既に二〇〇四年六月にこういうことをやっているんじゃないですか。二〇〇五年の九月になって初めて知ったとかという話じゃないでしょう。私は、この背後に、これで利益を得る大手企業の要望があったのではないか。 資料を見ていただきたいんです。この資料をあけていただきますと、「大手町都市再生に向けた要請事項」というのがあります。これは、私は先日ここで質問をして、都市再生機構から出していただきました。ただ、これは、その要請文全文ではなくて、こういうものがありましたという説明文であります。これは二の資料に出ております。 「地権者側から出席者全員に資料として「大手町都市再生に向けた要請事項」が配布された。」というふうに説明がありますね。これはいつ行われた会議でしょうか。
○松野参考人 この会議は平成十五年八月というふうに聞いております。
○佐々木(憲)委員 二〇〇三年、平成十五年の八月でありました。つまり、もう既にその時点で、ここには「正式な要請文書ではない。」と書いていますけれども、会議の席上で配付されたんですよ。これが正式ではないということは、言い逃れにもなっていないと思いますね。 それで、以下の三点について記載されていると。「都市基盤整備公団は合同庁舎跡地を取得し、連鎖的再開発を確たるものにするため換地対象地を継続的に保有。併せて、都市基盤及び建築敷地の整備を目的にした区画整理事業を行う。また、再開発地での建築物整備は、大手町まちづくり会社等民間が行うことを基本形とする」「大手町での連鎖的再開発を安定的に実現するため、合同庁舎跡地の取得に当たっては現行容積率七〇〇%を前提とした評価をもとに交渉を行う」と。もう既に売り渡す一年前にこういう要望を地元地権者の側から出されている。 しかも、次のページをあけていただきますと、「新経団連会館建設について」。二〇〇四年五月二十七日の日本経済団体連合会第三回定時総会、これの二ページのところをあけていただきますと、「日本経団連では、当初より、次の項目が満たされることを本計画への参画の条件としてきた。」と。三つ挙がっていまして、一つは「新たな資金拠出なしで、日比谷通り沿いに現会館と同等の床面積が確保できる。」「(二)リスクを負わない。」「(三)近年のリニューアル投資を現会館の資産価値に含める。」実に勝手な言い分を、損はしない、もうけが上がるようにしてくれと。こういう形で、結局、財界、大企業の言いなりになっているんじゃありませんか。だれがこういうものをやれと言ったかといえば、明確じゃないんですか。 政府が決定したその背後にあったのが、日本経団連あるいはその地域の財界の大手企業ということになるということは極めて明確であります。この点については、もう時間がなくなりましたので、私は、さらに引き続き追及をするつもりでおります。 以上できょうは終わっておきます。 ————◇—————
○伊藤委員長 次に、金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局総括審議官中江公人君、金融庁検査局長西原政雄君、金融庁監督局長佐藤隆文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井真樹君。
○土井(真)委員 自由民主党の土井真樹でございます。 本日は、昨年来問題となっております、生命保険会社並びに損害保険会社のいわゆる不払い問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。 生命保険会社、損害保険会社の不払い問題、これは一民間企業の問題ではないというふうに私は思っております。特に、生命保険とか損害保険というのは、我々日本の社会保障制度を補完するという位置づけもありますので、大変重要な社会的意義もあり、そしてまた重要な役割を担っているというふうに考えております。ですので、この不払いの問題はきっちりと解決をして、そして、国民の皆さんが安心してそういう保険に加入できるような形をとっていかなければならないというふうに考えております。 そこで、きょうは、金融庁の方に大きく二点ほど問題をお聞きしたいと思っております。 まず、先般、生命保険協会並びに損害保険協会の方から、参考人質疑によって、今後二度とこのような問題を起こさないように行動していきたいという決意の表明がございました。それについてはしっかりと理解したんですけれども、それに対して金融庁の方は、まず一点目は、なぜこのような問題がこれまで発見されなかったのか、表ざたにならなかったのかという点、もう一つは、今後このような問題を起こさないようにどのように行政を行っていくかという、大きく二点についてお伺いします。 そもそも、不払いの問題の発見については、二〇〇五年以降、金融庁がいろいろな取り組みをしていることはいろいろ説明を受けて理解しております。そして、不払いという問題がそもそも問題化される最大のきっかけというのは、通常、契約者、本来保険金を受け取れるべき契約者からの苦情、例えば、契約している保険会社への苦情とか、あるいは業界ですね、生命保険協会の業界団体、あるいは当局ですね、監督当局に苦情を申し出てきて、それがこういう不払いの問題があるということのきっかけになるかと思われます。 そこで、生命保険会社の方の不払いの問題で質問します。 二〇〇五年に金融庁は明治安田生命に対して二度にわたって行政処分を行っておりますが、金融庁は、それ以前、二〇〇三年に合併前の明治生命並びに安田生命に検査に入っております。それぞれ個別の検査の内容についてはなかなか答えにくいと思いますが、この検査において、今申し上げたような契約者からの苦情の状況がどのように検証されているか、また、このような苦情処理についてどのような指摘を保険会社にしているのか、一般論でよいのでお答えください。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 金融検査において、保険の関係で苦情についてどのように扱っているのか、こういう御質問でございました。先生御指摘のとおり、この苦情というものは、やはり問題の把握という意味ではその端緒として非常に重要性の高いものだというふうに我々は認識をいたしております。 したがいまして、従来から、保険会社の検査に当たりましては、私どもの方に利用者の方から寄せられた苦情、こういったものについてはしっかりと分析をいたしまして、そうした上で、まず、例えば検査先の選定、あるいは事前準備の段階で、何をどういうふうに見てくるのかという検査のポイント、検証のポイント、こういった点について十分下調べをした上で検査に入るということに活用をさせていただいております。 また、立ち入りした後におきましては、当庁が持っている苦情のみならず、やはり当社に対して出されている苦情、こういったものもいろいろございますので、そういったものもあわせて検証を行うということで、その苦情がどのような処理手続をなされ、どのような処理をされているか、こういった点を我々検証しているところでございます。 私どもは、そういった中におきまして、この苦情処理体制というものがやはり利用者保護の観点からいえば非常に重要なことであるというふうに考えておりまして、その観点から、昨年六月に保険検査マニュアルを改定させていただきました。このマニュアル自身は平成十二年の六月につくったものですが、やはりその後の事情等も勘案しまして大幅に改定をしまして、苦情処理体制についてはチェックポイントを大幅にふやしました。 そのような形で検査についての環境整備を行っているところですが、具体的に、それではどのような指摘が行われているのかということでございました。 この点につきまして、最近の代表的な指摘の事例を申し上げますと、一つは、営業職員に対する苦情の定義の周知徹底が図られていないということで、その結果として所管部署への報告が行われていない。 これはどういうことかと申しますと、苦情の定義というのが、結局十分な周知徹底を図られませんと、営業の現場では、その現場で解決しちゃったものについては、もう苦情処理が終わっているんだからこれは苦情ではない、例えばそのような形で、苦情としてカウントされていない、取り上げられていない、こういうような例が多々見受けられます。 その結果として、所管部署への報告、この所管部署といいますのは、通常、苦情処理については一元的に管理をしているそういう部門がございます、そういったところに報告しなければいけないのが、それがなされていない。したがいまして、多数の苦情について把握漏れがある、こういう実態、これが一つ指摘のポイント。 それからもう一つですが、実際には苦情がしっかりと把握されてはいるものの、それについて踏み込んだ原因分析がなされていない。したがって、抜本的な対応策というのが練られていない、こういったケースでございます。 すなわち、個々の対処方法については対応策は練られたとしても、火元でこれが原因だという原因を正さないことには、それがあちらこちらで同じような苦情が起きる、そういうようなことが現出しております。そういった点も検査においての指摘事例として挙げられると思います。 今後とも、こういった点については十分検証に力を入れてまいりたいというふうに思っております。
○土井(真)委員 詳しく説明いただきましてありがとうございます。 こういう苦情をもとに、保険会社みずからが自浄能力を発揮することが重要だと思います。せっかく苦情が保険会社に集まっても、それが例えば、今お話にありましたように、それぞれの現場、支社とか代理店で握りつぶされてしまって本社に伝わらないとか、あるいは伝わってもそれが問題発見の端緒に活用されないということであれば、結局、結果として経営の改善につながらないということになりますので、ぜひともその点、しっかりと指導していただきたいというふうに思います。 それでは次に、二〇〇五年七月、金融庁では金融サービス利用者相談室というものを設置して、国民の皆さんから金融サービスに関する苦情相談を受け付けていると聞いております。そこで、金融庁の苦情相談対応について質問をいたします。 まず、二〇〇五年七月にこの金融サービス利用者相談室を設置する以前の問題として、その以前から、やはり国民の皆さん、いろいろ苦情とか相談があったと思いますけれども、金融庁では、それ以前、このようなさまざまな国民からの意見にどのような体制でどのように対応してきたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○中江政府参考人 お答えいたします。 二〇〇五年に金融サービス利用者相談室が設置される以前でございますけれども、金融庁に対する利用者からの電話による相談等につきましては、その内容を所掌する各担当局、課の職員が直接対応しておりました。もっとも、このような対応につきましては、当該利用者の方にとりましては、複数の担当課にまたがる相談などの際にはたらい回しと受け取られる状況が生じる場合があること、また相談等の受付窓口の所在がわかりにくいことなどの問題が見受けられたところでございます。 こうした問題に対処し、利用者の利便性を向上させる観点から、二〇〇五年の七月に、利用者からの相談等に一元的に対応する利用者相談室を金融庁に設置したところでございます。
○土井(真)委員 そして、それ以降、国民の皆さんがこの金融サービス利用者相談室を利用されているんですけれども、ちょっと新聞で見たんですけれども、金融サービス利用者相談室の利用件数というのが、二〇〇六年では五万二千件余り。それに対して、消費生活センターでは十七万件余りということで、国民の皆さんが相談するときに、金融庁の相談室よりも、むしろ消費生活センターの方に圧倒的に多くの方が相談しているようなんです。 このように、せっかく金融庁がつくられた金融サービス利用者相談室でありますので、ここにどんどん国民の皆さんが相談されることが重要と考えます。今お話ししたように、まだまだ十分利用されていないのではないかと思いますが、金融サービス利用者相談室の国民の皆さんへの周知は、どのように知らしめているのかお答え願えますでしょうか。
○中江政府参考人 まず、利用者相談室の開設に当たりまして、相談室を紹介したリーフレットを全国の財務局、都道府県庁、商工会議所、業界団体等に広く配布し、相談室の利用を呼びかけております。また、その後も、金融庁ホームページのトップページのわかりやすい場所から、常時相談室の案内を参照できるよう工夫しているところでございます。 今後とも、利用者に気軽に相談室を御利用いただけるよう配慮してまいりたいと考えております。
○土井(真)委員 それでは、その利用者相談室、今、具体的に、利用状況、どのような相談が寄せられているのか、できる範囲で、その内訳を簡単に紹介していただけますでしょうか。
○中江政府参考人 利用者相談室の利用状況でございますが、昨年四月から本年三月までの一年間に相談室に寄せられた相談等の件数を申し上げますと、預金、融資等に関するものが一万二千九百二十四件、保険商品等に関するものが一万七千三百四十九件、投資商品等に関するものが一万八百二十七件、貸し金等に関するものが八千二百七十四件など、合計で五万二千五十四件、一日平均で申し上げますと二百件を超える相談件数となっております。 そのうち、具体的な相談の事例ということでございますが、保険商品等に関して申し上げますと、自分自身の事案が不払いに当たるのではないかとの疑問ですとか、支払い請求時の告知義務違反に関するものなどとなっております。
○土井(真)委員 ぜひ、ここの相談室に寄せられる国民の皆様の声を行政にしっかりと生かして、問題の早期発見に努めていただきたいと同時に、今回、金融商品取引法も成立しましたことですので、よりよい金融サービスを国民の皆さんが受けられるように環境整備に努めていただきたいと考えていますが、大臣からの決意をお伺いできますでしょうか。
○山本国務大臣 当庁では、金融サービス利用者相談室に寄せられました相談等を関係部局で共有いたしまして、検査監督のみならず、企画立案におきましても有効に活用するよう努めているところでございます。 御指摘の金融商品取引法制の整備に当たりましては、金融サービス利用者相談室に寄せられました相談等も含めまして、幅広く国民の声を反映し、よりよい金融サービスが提供されるよう、なお利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上を図ってまいりたいと考えております。 今後とも、国民の多様で良質な金融商品・サービスの選択肢が提供されますように、先頭に立って環境整備に取り組んでまいりたいと存じますので、土井委員の御示唆もまたちょうだいしたいと存じます。
○土井(真)委員 ありがとうございます。 それでは、次の、二つ目の問題として、今後このような不払いの問題を起こさないようにどのように対応していくか、お伺いしたいと思います。 まず、その前提として、今回の生命保険、損害保険各社で、平成十七年以降、保険金の不払い並びに支払い漏れ、膨大な件数が発表されているわけですけれども、これらの起きた原因、要因について金融庁の方はどのように考えていらっしゃるのか、詳しく教えていただけますでしょうか。 〔委員長退席、井上(信)委員長代理着席〕
○佐藤政府参考人 一昨年来、保険金の不払い、支払い漏れ等といった利用者保護に欠ける問題が生保会社及び損保会社において明らかになっていくということは、保険事業に対する保険契約者の信頼を損なうということで、極めて遺憾でございます。 御質問いただきました不払い、支払い漏れ等の要因といたしましては、主要なものとして以下のような点が考えられると思います。 一つには、商品開発から保険募集、保険金支払いの各段階を通じた社内での部門間の連携の欠如、そして、支払い担当者の商品知識の不足、保険募集時の顧客に対する説明の不足、苦情の分析を通じ業務を検証、改善するための体制の不備、支払い漏れを防止するためのコンピューターシステムの整備のおくれ、保険金支払い時に顧客に必要な案内を行う体制の不備、こんなことが主要なポイントであろうかと思います。 これらの点につきまして、各保険会社においては、保険契約者等の保護の観点から、業務全般を見直し、適切な業務運営に努めていただきたいというふうに考えております。金融庁といたしましても、保険金の不払い等が認められる保険会社に対して、迅速かつ適切な顧客対応と実効性ある再発防止策を求めるといった対応でそれをサポートしていきたいというふうに思っております。
○土井(真)委員 今、再発防止を求めてということでお話がありましたけれども、もうちょっと、その再発防止のために各社に対して求めていること、指導していることを少し詳しく教えていただけますでしょうか。
○佐藤政府参考人 先ほどお答え申し上げましたような不払いの諸要因を踏まえまして、その再発防止策として以下のような点が重要であるというふうに考えております。 若干ダブりますけれども、適正な業務運営体制の整備について、経営陣自身が強いリーダーシップを発揮して各部門の業務運営に直接関与する体制の整備。そして、商品開発から保険募集、契約の管理、そして保険金の支払い、こういった各段階にかかわる各部門の連携を強化させる。また、支払い担当者に対する十分な教育研修の徹底。そして、保険募集時の顧客に対する説明の徹底及びその枠組みの整備。さらには、苦情の分析を通じて業務を検証し改善する枠組み整備。さらには、支払い漏れを防止するためのコンピューターシステムの整備、これも大事だと思います。またさらに、保険金支払い時に顧客に対して必要な案内を行う、どういった保険金について請求することができるかといった点を含めた丁寧な案内を行う、こういった体制の整備、これらも重要であろうと思います。 金融庁といたしましては、監督指針によって着眼点を示し、それに沿ってこういった点をフォローしていくと同時に、例えば、業務改善命令等を個別に打つことがございますけれども、そういう業務改善命令等を打った場合には、このような再発防止策の策定、実施というのを必ず求めることにいたしておりまして、各社における業務改善の進捗状況というのを、その提出された業務改善計画に沿ってきちんと行われているかどうか、こういった点を含めてフォローアップをしていくということかと思います。 〔井上(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○土井(真)委員 ぜひとも、今御説明がありましたような再発防止のためのそれぞれの施策をきちんと各保険会社が実行していくように、そして、実行して、このような問題が発生しないように指導していっていただきたいというふうに思います。 次に、もう少し具体的に、先日、今お話がございましたような業務停止命令を出された明治安田生命が昨年、二〇〇六年の七月、さらに三井住友海上は二〇〇七年二月に、業務停止命令に対して抜本的な業務改善が図られたとして、その業務停止命令が解除されております。それにもかかわらず、また今回、明治安田生命では、今回のような多額の、あるいは多数の件数の支払い漏れが発生しております。 前回の業務停止命令のときは不適切な不払いということでの業務停止命令だったと思いますし、今回はちょっと違って支払い漏れということで、問題点の所在は前回とは違うというふうには思いますが、契約者にとってみれば、やはりいずれにおいても保険金を支払ってもらえないという問題は同じでございます。そのときに、業務改善が図られたとして業務停止命令を解除した金融庁の判断は果たして問題なかったのか、何だったのかということについて、所見をお伺いしたいと思います。
○佐藤政府参考人 御指摘いただきましたように、金融庁は、平成十七年十月に、保険金の不適切な不払いが多数認められました明治安田生命に対して一部業務停止命令及び業務改善命令を発出いたしました。その後、この明治安田生命におきまして、不適切な不払いの再発防止のための支払い管理体制等の整備が進んだこと等から、平成十八年七月に停止命令を解除したものでございます。この業務停止命令は、経営管理体制の抜本的な改善が確認されるまでの間の新規業務の停止というものでございました。この新規業務の停止命令を平成十八年七月に解除したということでございます。 他方、これも御指摘いただきました、私どもで本年二月に生保全社に対して報告を求めました保険金等のいわゆる支払い漏れは、保険会社として不払いの決定はしていないものの支払い可能な保険金の一部の支払いが漏れている、こういった事案でございまして、いわば不適切な不払いとは少し対象を異にするものであるというふうに思っております。 ただ、しかしながら、この明治安田生命におきまして、不適切な不払いとは別に支払い漏れといった問題も発生しているということは遺憾でございます。今後、明治安田生命におきまして、支払い漏れ問題への対応を含めて、保険契約者等の保護の観点から、業務全般を見直し、適切な業務運営に努めていただきたいというふうに考えております。
○土井(真)委員 さらに、損保の方も、第三分野の処分を受けた損保、十社ございますが、それについても抜本的な業務改善を図る必要があるわけでありますが、これらの会社からは、四月、先々月ですね、業務改善計画が提出されておりますが、これらは十分なものでしょうか。お答え願えますでしょうか。
○佐藤政府参考人 本年三月十四日に、第三分野における不適切な不払いが認められた損害保険会社十社に対しまして業務改善命令を発出し、うち六社については業務の一部停止命令を発出いたしました。当該業務改善命令を受けまして、四月十三日に各社から業務改善計画が提出されたところでございます。 業務改善計画の概要は既に各社から公表されておりますけれども、その中から重立った項目として主要なものを挙げてみますと、一つには、経営管理体制を強化する、こういう観点から、商品開発から保険金支払いまで部門横断的に業務全般を管理するセクションの設置あるいは内部監査の充実強化、またさらに、経営陣のリーダーシップの発揮といったことがございます。 また、二つ目には、保険金支払い管理体制の整備という観点から、第三分野の支払い査定の一元化や不払い事案の再審査、不服申し立て制度といったものの導入。 また三つ目には、契約者保護を強化する観点から、募集人の販売資格制度の導入あるいは苦情の件数、概要等の積極的な開示、ディスクロージャー、こういった措置が盛り込まれているというふうに存じております。 これらの計画は、各社において発生した問題についての原因分析を行った上で改善策を取りまとめたものというふうに承知をいたしておりまして、現時点においては、再発防止の取り組みとして相応のものであるかというふうに思っております。 ただ、しかし、重要なことは、このような各社の取り組みが実効性を伴って着実に実施されるということでございますので、私どもとしては、各社の業務改善計画の進捗状況をフォローアップしてまいりたいというふうに思っております。
○土井(真)委員 ぜひとも、今お話ありましたような形でしっかりと監督していってもらいたい、そして、このような問題が発生しないようにしていただきたいというふうに思います。 最後になりますが、今お話ありましたような検査監督によって、きちんとした形で経営がされていくと同時に、一点、今度は逆に、今こういう不祥事があると、どうしても検査あるいは監督が十分かということで、今度は民間会社側にかなり厳し過ぎるような検査も行われるおそれがあるのではないかという心配がございます。 特に、民間の経済活動がそういう余りにも厳し過ぎる検査によって萎縮してしまいますと、今度は新しい民間活力、新しい商品の開発であるとか、そういうサービスを充実させるということに歯どめがかかってしまうんじゃないかというおそれもありますので、ぜひともそこら辺のバランスを考えた形で検査監督を行っていただきたいというのが一点。 そして、それぞれの保険会社が、自分たちの内部監査なり、あるいは外部監査によって、自分たちが、金融庁の今言ったような検査監督がなくても問題を起こさないような経営をしていくことが重要であると指摘させていただきたいというふうに思います。 そして、最後に大臣に、今回、この保険金の支払いに関する不払い並びに支払い漏れに関する今後への対応についての御決意をお伺いしたいと思います。
○山本国務大臣 適時適切な保険金の支払いというものは、保険会社の最も基本的かつ重要な責務でございます。生保、損保双方において、保険金の不払い等の利用者保護に欠ける問題が数多く生じていることは極めて遺憾でございます。各保険会社におきましては、保険契約者の保護の観点に立って、業務全般を見直して適切な業務運営に努めていただきたいと考えております。 特に、企業のガバナンスを強化いただきたいと思っております。募集、支払い、こういった業務担当者のもとまで経営者の理念が貫き通されるようなガバナンスがなければなりません。もし今後、それがあいまいで、あるいは不備で支払い漏れがあるというようなときには、経営者の交代や責任の明確化ということがしっかり行われなきゃならぬというように私は思います。 そして、企業内部の構造をもう一回見直してもらわなきゃなりません。これは、商品開発から支払いまで、やはりそこを連絡する情報の管理、横断化というようなものがなければ、商品開発においては、つい売りやすいものに重点があります。しかし、本来、利用者は支払ってもらえるものというものに対する重点がありますから、開発の段階からそうした支払いについて視野に入れながらの開発が必要だろうというように思います。 次に、開示の問題は、不服申し立て、苦情処理全般において、もっと透明感がなければなりません。特に、保険会社間の競争原理、そして保険商品における比較広告の問題等々、さらなる開示が必要だろうというように思っております。 今後、金融庁としましても、こうしたものに引き続き厳正にかつ適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○土井(真)委員 終わります。どうもありがとうございました。
○伊藤委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き、金融に関する件について調査を進めます。 質疑を続行いたします。楠田大蔵君。
○楠田委員 民主党の楠田大蔵でございます。 本日は、生保、損保のいわゆる不払い、未払い問題に関しまして質問をさせていただきます。 まず、そもそもの話でございますが、生保、損保の不払い、未払い問題が今回起こってきました原因、背景を、大臣、いかに考えられるか。あわせて、不払いと違いまして、今、未払いに対しての社会的批判というものも新たに強くなってきておりますが、この流れというのは金融庁の想定どおりの流れであるのかということも含めまして、簡単によろしくお願いします。
○山本国務大臣 一昨年来、保険金の不払いなどといった利用者保護に欠ける問題が生保、損保におきまして明らかになっております。保険事業に対する保険契約者の信頼を損なうものであり、極めて遺憾でございます。 不払い等の大きな要因といたしましては、各保険会社が、入り口である保険募集から出口である保険金支払いまで、商品の特性を踏まえた適切な管理体制等を整備しないまま、商品を開発、販売してきたことが考えられております。この点につきまして、各保険会社におきましては、保険契約者等の保護の観点から、業務全般を見直し、適切な業務運営に努めていただきたいと考えておるところでございます。 金融庁といたしましても、保険金の不払い等が認められる保険会社に対して迅速かつ適切な顧客対応と実効性ある再発防止策を求めるなど、引き続き適切に対応してまいりたいと考えるところでございます。
○楠田委員 原因、背景というのをもう少し踏み込んで御説明いただければと思ったんですが。 私自身、視察にも参りましたし、質問に対していろいろそばから聞かせていただいておりましたが、不払い、未払いの問題というのは、保険という業態に内在する問題ではないかと私は思っております。予定の支払いと実際の支払いの差である死差益というものが、名前も悪いですが、三利源の一つでありまして、もうけの根本でもあるわけであります。それだけに、この死差益を上げようとするのは、仕事上当然だれでも思いつくような話でありまして、根が深い問題ではないかなと私自身思っておりますが、そうした観点からこれから質問を続けてまいりたいと思います。 まず、生命保険全三十八社に二月に出した報告徴求の状況でありますが、そもそも報告期限を四月十三日に設定された理由をお聞かせください。
○佐藤政府参考人 生命保険会社のいわゆる支払い漏れにつきましては、生保協会で自主的な点検というのを平成十七年の末からやっていたわけでございますけれども、調査の進捗状況を見てみますと、必ずしも基準を統一的にカバーできていないのではないかといった疑念がわいたものですから、平成十九年の二月一日に、すべての生命保険会社に対して、支払い状況について一斉の報告徴求をかけさせていただきました。 四月十三日を期限にいたしましたのは、この時点ではかなり自主的な調査というのが進捗しているであろう、こういう判断をしたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、十三日、その設定いたしました期限までにしかるべき回答を得る必要があるということで設定したということでございます。
○楠田委員 四月十三日に設定を、まず保険業界自身が自主調査を平成十七年末からされていたということで、この時期に設定をしたというお答えでありましたが、しかし、もう既に周知のとおり、この期限までにすべて出てきたところはほぼなかったわけであります。見ておりますと、早くても五月末、六月末、遅いところが九月末と、半年近くも要求からおくれて出すということをしているわけであります。 そもそも見通しが甘かったのではないか、私はそのように思っておりますが、この点はどうでしょうか。
○佐藤政府参考人 問題の大きさにかんがみまして、私どもとしてはできるだけ早く全容解明を全社においてしていただきたい、こういう思いで四月十三日という設定をしたわけでございますけれども、各社における調査が進捗するに従いまして、さまざまな、より広範な事例があるということが見えてまいりました。その結果として、この際、すべての分野をカバーしたきちんとした調査をしていただく必要があるということで、各社において必要な調査を行うためにはなおしばらく時間がかかる、こういうことになったということかと思います。
○楠田委員 私の率直な感想といたしまして、非常に金融庁の皆様は頑張っておられるのだと思いますが、その体制自身が非常に弱いものがあるのと、あと、民間の業界の方に大変なめられているんじゃないかという印象も持っております。期限を設定しておきながら、もちろん、すべて広範に四月十三日までに出せという思いでこの設定をしたはずでありますし、そうしていただきたいはずの日程でありますから、自主点検自体がそもそも信憑性があったのかという思いもしますし、また、報道が出て、その後追いでやっているという印象もいたしております。 そうした中で今後の動向でありますけれども、法律を見ますと、これから、例えば立入検査、業務改善命令、業務停止命令等を行うことが当然保険業法のもとで可能でありますけれども、こうした、そもそも期限を守らないような状況でありますから、これからどうした対応をとっていくか、この見通しについて、ぜひ大臣からお願いいたします。
○山本国務大臣 このような不正について、徹底的な究明と分析、これは何より必要でございまして、監督局保険課で鋭意やっておりますが、委員御指摘のように、金融庁の人員の限界等々もございますし、そのような意味では、我々も今まで予想できなかった、予測ののりを越えた分野が発見できたというように思っておりまして、この努力については、今までにないことであろうと思っております。 また、ある生保会社に直接尋ねてみますと、本社四千人の体制の中で三千人がこれに当たって、土日返上してやっているというようなこともございます。そのような意味におきましては、緊張感を持って分析、検討に当たっていただいているというように考えておるところでございますが、今後、こうしたことが再発防止につながるように、徹底した報告徴求に厳格な態度で臨んでいきたいというように考えるところでございます。 〔委員長退席、井上(信)委員長代理着席〕
○楠田委員 大臣、非常に私は心もとないお答えだと思っております。 今まで、十七年の明治安田生命の問題に始まりまして、このような不払い、そして引き続き未払いという問題が累次にわたって出てきているわけであります。いわばこの業界に対して全体的に金融庁の保護観察下にあるような状況の中で同じような過ちがまさに芋づる式に出てきたわけでありまして、先ほど大臣が申された、予測を超えたという表現は全く当たらないのではないか。 人員の問題はもちろんあるかもしれませんが、しかし、そもそもこうした問題は、最初に私が申したように死差益を目標にしていたところさえ存在したわけでありますから、全く予想がつく問題ではないか、むしろ今まで先送りにしたツケが回ってきたのではないか、そう思っておりますが、大臣、もう一度御見解をお願いします。
○山本国務大臣 保険特有の商品設計において死差益というものは存在するわけでございます。しかし、それだからといって不払い問題が起こるかどうかというのは、また別な問題でございます。 例えば、経営側におけるガバナンスの問題、コンプライアンスの問題あるいは商品の募集と管理そして支払いという横断的な情報の流れがあるかどうか等々、企業内部におけるそうした組織の問題もございます。 そんなことを含めまして今回は徹底的な解明をしているわけでございますので、どうぞひとつその点の御理解をいただきたいというように思います。
○楠田委員 後に損保の点でもこれは触れたいと思いますけれども、理解することは到底私にはできない思いであります。やはり事後のチェックということに限界としてこだわられているところもあるかもしれませんが、そもそもこうした免許、認可をしているわけでありますから、内部の体制がそれに足りていないということを今さら認められて、多くの契約者の方に迷惑をかけた後に今徹底的にやっているというのでは、決定的に物事の流れが遅いのではないか、私はこのように考えております。 また、この調査の中で、過日の参考人質疑の直後に、五月二十一日の朝日新聞の朝刊にも出ておりましたが、社内調査の中で架空契約、名義借り契約等も見つかっている、こうした問題が出ております。この不正契約等に対する今の時点での把握状況をお願いいたします。
○山本国務大臣 生保の保険金や失効返戻金等の支払い漏れにつきましては、本年二月に全社三十八社に対して報告を求め、四月に各社より調査の進捗状況等の報告がなされました。 一般論として申し上げれば、失効返戻金の支払い漏れの背景に、架空契約等の不正契約の存在が考えられるところでございます。現在、生保各社は引き続き調査を続けておりますけれども、当局としては、支払い漏れや失効返戻金等が発生した原因やあるいは保険業法に違反する行為の有無等を含め、報告内容をしっかり精査、分析しているところでございます。 先ほどの御指摘のように、十九年、本年の十一月ごろまでに調査が終了するめどでございますが、今後、こうした報告を受けまして、さらに徹底した再発防止策を検討したいというように考えるところでございます。
○楠田委員 また、こうした調査の中で、今、社会保険庁の年金の問題が大変な国民の関心を集めておりますが、よもや、民間の生保、損保の業界でも、時効による不払いといった問題は確認されていないでしょうか。この点はどうでしょうか。
○佐藤政府参考人 現時点において、私どもの方で、そういう事例があるというふうには承知いたしておりません。
○楠田委員 明確に通告をしておりませんでしたので、そうした回答になるのもいたし方ありませんが、社会保険庁の場合は、御存じのとおり、会計法において五年の期限が定められているわけであります。国に対する権利は、五年間これを行わないときは時効により消滅すると書いてあるわけでありますが、この点を調べますと、民間の方でいうと、商法の六百六十三条で二年と定めがあります。また、一般的な約款によると、あれだけ分厚い約款ですから時効のことを見ている人はほとんどおられないと思いますが、実は三年というのが一般的な時効であるようでございます。 私が想像いたしますに、三年という期間はかなり短い期間でありますし、だれも気づいていない中でこれだけ未払い、不払い問題が起こっていれば、後から確認されても、約款に応じて支払っていない、不払いをしているという会社が私は確実にあるんじゃないかと思っておりますが、この点は調査を約束していただけますか。
○佐藤政府参考人 一般的に、時効が成立する、その結果として契約者の方が権利を失うというようなケースにつきまして、これはケース・バイ・ケースで、それぞれ多種多様でございますので一概には申し上げられませんけれども、保険会社の側で保険会社に帰するべきような責任があって、そういうことが要因で支払いがおくれているというようなケースの場合には、時効の適用というものについては慎重な検討が必要ではないかというふうに思います。 なお、私どもの方で支払い漏れの調査を各保険会社に命じておりますけれども、この支払い調査は過去五年分にさかのぼって、つまり、平成十三年度から十七年度までの五カ年間にわたっての実態を調べるべし、こういう調査を要請しているということでございます。
○楠田委員 私は、これはめちゃくちゃ重要な話だと思っておりまして、先ほど慎重な検討が必要と言われましたが、あの社会保険庁さんですらといいますか、だからこそといいましょうか、当然社会保険庁の側に責任があって、支払っていたはずの年金が消えて、それが後から証明されても、時効を盾に払っていなかったことが長く続いていたわけであります。そういう事例を考えると、私は、民間の会社の契約の中でも約款を盾に払っていないケースが数多くあるのではないかと思っておりますので、この点はぜひ調査を改めてお願いしたいところでありますが、大臣、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 情報の非対称の典型のケースになろうかと思います。 利用者保護の観点に立って、まさに時効の援用権の放棄、喪失、あるいは知り得た時期、知ったときという解釈、そのほか、会社側、自主規制の生保協会、損保協会等とも相談してみたいというように思っております。
○楠田委員 今大臣からも前向きな答弁をいただきましたので、委員長、これは理事会にお諮りいただいて、ぜひ調査をしていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○井上(信)委員長代理 後刻、理事会で協議をいたします。
○楠田委員 それでは、次に進ませていただきます。 今回の問題において、やはり私は、新たな未払いの問題は、発想の転換と、そして今までの保険の活動、会社の業態の内部のインセンティブづけをいかに変えていくか、これがかぎではないかと思っております。 そもそもの話でまた聞かせていただきますが、保険という商品の中で未払いというものが、不適切な不払いはもちろん契約違反でありますが、未払いというものは契約違反であるか否か、この点をお答えお願いします。
○佐藤政府参考人 いわゆる不適切な不払いというものと支払い漏れという、大きく二つカテゴリーがございます。 不適切な不払いにつきましては、本来支払うべき保険金等の請求に対して、保険会社の不適切な判断により不払いを決定したものでございますから、これは約款に違反するということであろうかと思います。 他方で、いわゆる支払い漏れにつきましては、さまざまなケースがあるわけでございますが、例えば生命保険各社で継続調査中の支払い漏れ問題の中では、各社の公表を見てみますと以下のような事例が認められます。一つは、保険会社で請求書等を十分に確認していれば支払い漏れを防ぐことができた事例。もう一つは、保険会社で請求を受け付けた際に、支払い可能性のある他の保険金の請求を顧客に適切に案内していれば支払い漏れを防ぐことができた事例といったことでございます。 これらの支払い漏れは、いずれも保険会社において正式の請求を受けておらず、かつ不払い決定をしたものではございませんので、直ちに約款に違反するとまでは言えないものと考えられますが、契約者等から見れば、本来支払われるべき保険金が支払われていないという点では不払いと同様の問題を有しておりまして、このような支払い漏れを招いた業務運営は不適切であるというふうに考えられます。 いずれにいたしましても、保険会社において、保険金等の請求を受けた場合に、適切な判断に基づき支払いを行うことはもちろんでございますが、他の保険金等の支払い事由に該当するかどうかを確認すること、そして支払い可能性のある保険金の請求を適切に顧客に案内すること、これらが保険契約者等の保護の観点から重要であるというふうに思っております。このような点を踏まえまして、保険会社においては契約者等の視点に立った業務運営に努めていただく必要があるというふうに考えております。
○楠田委員 私自身の認識としましては、この問題において未払いの部分というのはそもそも約款の違反とはなかなか言いにくい中で、約款に違反しないのであればわざわざ親切に支払う必要はないんじゃないかと思っている経営者の方が多くおられたのではないか。こうしたところに問題があると思っているわけです。 そういう意味では、今回、こうした事件、問題を契機に、未払い自体が、何らかの約款違反とはいかないまでも、非常に保険会社の経営にとってマイナスであるというような動機づけをしていく必要があるのではないかと思っております。これをいかに監督していくかというのは非常に難しいところだとは思いますが、そうしたことに関しまして今既に何らかの努力があられましたら、この点も教えてください。 〔井上(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐藤政府参考人 会社全体として、契約者の立場に立って払うべき保険金をきちんと払う、こういう企業文化がきちんと醸成されるということが極めて大事だと思いますし、そのためには、経営陣みずからが強い意識を持ってそういったことを社内に浸透させ、営業の現場までその考え方が事務手続のフローも含めて浸透しているということが大事であろうかと思います。また、そういうことを担保するために、社内のさまざまな事務フローあるいは内部のチェック、内部監査、給与の面でのインセンティブの付与、さまざまなことを活用して、こういった目的に沿った企業の中の全体の業務運営の仕組みというものを構築していただくということが重要だと思います。
○楠田委員 その思いはよく私も理解できますが、これをいかに監督官庁として実効性を担保していくかということがこれからの問題ではないかと思います。 まず一つ、海外の事例なんかもあると思いますが、明治安田生命に視察に我々が参りました際に、あそこの相談室の中で、電話をかけてこられた方に対しては一元的にチェックする体制をつくり上げたということはおっしゃっておりましたが、私が思いますに、あそこの窓口に電話をかけてくる方というのはむしろまだ契約者の中では少数ではないかという思いもあります。 そうした中で、例えば、先ほど話がありました請求書、手術をしたことに対する請求書、その後の入院をしたことに対する請求書、そしてその後の通院をしたことに対する請求書、これがそれぞれ別々であって、すべてが出ないと支払うことができない。まさに請求主義というもとに、契約者側からすると大変不便な体制にもなっている。 そうしたことを考えますと、請求書というものを全く一元化して、請求書一枚送れば、その診断書に基づいて、どこまで支払いができるかということを会社の側がむしろ判断してお客様に報告する、通知する、ここまでいく必要があるんじゃないかとも思っております。ちょっと具体的な話になりますけれども、この点に関しては大臣はどう思われますか。
○山本国務大臣 おっしゃるとおり、契約内容に手術欄と経過欄があって、それで経過欄の中に手術が書かれてあって、入院の手当は支給したけれども手術手当を支給していなかったというようなケースがございます。そんなときにむしろ積極的に告知することが、従来サービスとして単に位置づけられたものを、告知することを契約内容にまで高める、そういう御指摘かと思いますけれども、おおよそ利用者保護というものは、そうした観点から、利用者側に立った契約の解釈ということになろうかと思いますので、今後、そうした点を踏まえて研究、検討させていただきたいというように思っております。
○楠田委員 大変前向きな答弁をいただきましたので、そうした観点から指導監督をぜひ実効性あらしめていただきたいと思います。 もう一つ、先ほど参考人の答弁の中で、給与体系の中のインセンティブというお話もありました。 保険金の支払いをすることに対する営業職員のインセンティブをいかにするかということは、過日の参考人質疑で、第一生命に関しましては、お支払いのお手伝いをした場合に、件数に応じて奨励金を支給するという制度を平成十一年度から行っている。ここまでされるのかとびっくりしたところもありますが、逆に、過日視察に行った明治安田さんの方では、特別なインセンティブはないという答えがありました。個社ごとにどうも方針に隔たりが大分あるようであります。 この点に関しては、どの社も同じようなインセンティブづけをできるような指導をする予定はありますか。
○佐藤政府参考人 ただいま例示いただきましたように、保険会社におきましては、保険契約者の利便性を向上させる等のため、例えば募集人が既に契約をしている契約者の方から依頼されたさまざまな事務手続の作業、こういったことを行った場合に、その作業に対して手当を支給するといったようなことで、新契約獲得以外の事由による手当の支給等を行っている事例もあるわけでございます。 他方で、各保険会社が保険募集人に対して支払う手数料のあり方につきましては、基本的には各社の経営判断に属する事項でございますので、当局が一律に規定をし、指導するという性格のものではないのではないかというふうに考えておりますが、ただ、給与の体系、報酬の体系を設計する際にこういったインセンティブを組み込むということは、会社全体の業務フローの改善のために有用な、有力な手法の一つであると考えられますので、この辺は各保険会社がそれぞれの実態に合わせて最も有効な仕組みを設計し、導入していただくということで競い合っていただくことを期待したいと思っております。
○楠田委員 この点に関しましては、平成十八年の六月の監督指針の改正の中で、例えば、支払いに係る取締役等の認識及び取締役会の役割であるとか支払いに関する管理者の認識及び役割、人材育成及び査定能力の維持向上等、新たな着眼点をあえて取り込まれておりますが、こうした着眼点の中にこのインセンティブづけの部分も取り入れるというお考えはないですか。
○佐藤政府参考人 先ほど申しましたように、募集人に対する給与、報酬の体系につきましては、これは各社が責任を持って設計すべき分野でありますので、当局が一律にこれを設定し、指導するということには必ずしもなじまないとは思います。 ただ、先ほど例示をしていただきました私どもの監督指針では、全体として、経営陣を含めて、会社全体の支払い管理体制というものがきちんと機能するような社内体制を構築していただくということが極めて重要であり、そのための若干ブレークダウンした項目も着眼点として示しているわけでございますので、その着眼点に沿った中で、各社においてぜひ創意工夫をしていただきたいというふうに思います。
○楠田委員 もちろん経営陣の体制というのも非常に重要でありますが、やはり前線で販売をしている営業職員の方々こそがどのような思いでやられるかというのが特に生保に関しては重要じゃないかという思いがありますので、ぜひこれは実効性あらしめるようにお願いをしたいと思います。 時間も限られてまいりましたので進めてまいりますが、今までは特に事後のチェック、監督というものを聞いてまいりましたが、やはり事後チェックでは手おくれになる。契約者側にさまざまな不利益が生じてしまった後の、また、問題が余りにも大きくなり過ぎた後の問題を解決するのは非常に難しいことになるんじゃないかという思いがあります。 特に損保のものに関しまして、平成十八年七月に出した報告徴求の中で第三分野に関して不払いというものが多く出てまいりましたが、過日の参考人質疑で、これは石原会長の方から、医療、疾病など特殊要因への対応のおくれを完全に認められていた。そして、業務改善命令の内容等を見ておりますと、やはり非常に根本的な内容で指導をされている。 具体的に言いますと、医師の診断に基づかずに判定を行っていたとか、人材育成が不十分であるとか、第三分野商品の特性を踏まえておらずとか、特性に関する問題認識等が不足していたであるとか、まさに、新たな分野に進出をすること自体がそもそも整っていなかったのではないか、こうしたことが多く指摘を後からされているわけであります。 この点に関しましては、むしろ事前に、新商品を売る際の認可というものがあるはずでありますから、社内の体制を、第三分野に進出できるかどうか見きわめることもできたのではないかと思っておりますが、大臣、この点はどうでしょうか。
○山本国務大臣 各保険会社より商品認可申請があった場合は、保険業法におきまして、同法に定める以下の審査基準に従って審査を行い、基準を満たすものにつきましては認可するという枠組みになっております。契約の内容が契約者等の保護に欠けるおそれがないものであること、特定の者に対して不当な差別的取り扱いをするものでないこと、契約内容が公序良俗を害するものでないことなどでございます。 保険会社におきましては、認可を受けた商品の特性を踏まえて、入り口である保険募集から、出口である保険金支払いまで、適切な管理体制を整備した上で商品の販売を開始する必要があるということは言うまでもございません。しかしながら、今回の損保各社による第三分野商品の不払いにつきましては、各社において適切な管理体制が整備されないまま、おっしゃるように当該第三分野商品を扱ったことに問題があるということは言えようかと思います。 いずれにしても、金融庁としましては、保険会社において、保険契約者の保護の観点から業務全般を見直して、適切な業務運営に努めていただきたいと考えるところでございます。
○楠田委員 管理体制の不備という話もありましたが、まさしく、答弁いただきましたけれども、全く中身が整っていないまま、商品の中身のチェックだけで今回この業態にいたずらに進出をさせること自体が私は間違いであったのではないかと思っておりますし、これから続いてまいります、ことしの十二月に予定されている銀行窓販への全面的解禁、これはこのまま認めると私は大変また大きな過ちにつながっていくのではないかと思っておりますが、この点に関しては、大臣、どのように方針を持っておられるでしょうか。
○山本国務大臣 銀行窓販の拡大というものを控えて、こうした第三分野商品のような未熟な対応が今後とられる懸念というものがあることは委員の御指摘のとおりでありますし、我々といたしましても、緩みのないように窓販拡張についての監督を行っていきたいというように考えております。
○楠田委員 このほか、販売員、私も銀行におりましたので、証券外務員資格というものを一時期取りましたが、私は実は、九割以上の合格率でありますが一回目落ちまして、それで銀行でやっていくことをあきらめたわけであります。 合格率がとてつもなく高いこうした資格があって試験制度がとられていますけれども、この人たちの質が実際に向上しているのか、また、再試験というものがあるのかどうか、質問する時間はなくなりましたが、こうした指摘もあえてしておきたいと思います。 また、最後になりますけれども、公的年金の信頼というものが今非常に地に落ちた状態になっておりますので、こうした民間の保険の存在意義というのはますます高まってくるんじゃないかと思っております。事後チェック体制という大方針はわからないではありませんが、余りにも出しゃばり過ぎるのも問題とは思いますけれども、先ほど指摘しましたように、事前の段階でも、余りにも準備が整っていないようなものに対しては敢然と認めないという姿勢も貫いていただきたいという御指摘を申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 ことしの三月十四日、損保会社十社に対しまして、業務停止命令などの行政処分が行われました。まず、その法的根拠は何か、その処分を遵守しなかった場合、最も重い処分というのはどういうものか、お答えいただきたいと思います。
○山本国務大臣 保険会社に対します業務停止命令は、保険業法第百三十二条または保険業法百三十三条を根拠として発出されております。 保険業法百三十二条におきましては、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、その必要の限度において、期限を付して当該保険会社の業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができるというようにされております。 次に、保険業法百三十三条におきましては、保険会社が、法令、法令に基づく内閣総理大臣の処分、定款や事業方法書、普通保険約款等のうち特に重要なものに違反したとき、または保険業の免許に付された条件に違反したとき、または公益を害する行為をしたときに、当該保険会社の業務の全部もしくは一部の停止もしくは取締役等の解任を命じ、または保険業の免許を取り消すことができるというようにされているものでございます。 違反につきましては罰則もございます。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 行政処分は非常に重いものであるということですが、この行政処分を遵守しないという情報があった場合、金融担当大臣はどう対応されますか。
○山本国務大臣 先ほどの保険業法百三十二条、百三十三条を根拠として発出された業務停止命令に対して保険会社がそれを遵守しなかったということになりますと、当該保険会社の業務の全部もしくは一部の停止もしくは取締役等の解任を命じ、または保険業の免許を取り消す、あるいは二年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金に処し、またはこれを併科するというようにされているわけでございます。 いずれの場合にいたしましても、当該条項を適用するか否かにつきましては、事案の重大性や悪質性、内部管理体制等を総合的に勘案いたしまして、個別に判断されるべきものでございます。 また、業務停止命令の効果が子会社や代理店にも及ぶか否かにつきましては、停止命令を行う業務の内容によって異なります。例えば、保険契約の締結及び保険募集の業務について停止することと命じた場合には、当該保険会社から委託を受けている業務の範囲の中において、子会社や代理店にも影響は及ぶものというように考えております。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 具体的な事例を紹介しますが、例えば東京海上日動火災、行政処分を受けました。その結果、四月二日から七月一日までの三カ月間、業務停止命令を受けたわけであります。 職員に対しまして指示書というものを出しておりまして、そこには、第三分野商品の扱いについて次のように書かれております。これは「業務停止期間中におけるお客様からの照会に対する「対応トーク例」」というものなんです。 ある保険に加入したい、こういうふうに業務停止中にお客様から言われた。その場合は「ご加入手続きをさせていただくことはできかねます」このように答えなさいと。 それから、それなら説明だけでもしてほしい、こういう要望に対しては「ご説明をさせていただくこともできかねます」と。 それなら見積もりだけでいいのでつくってほしい、これに対しては「お見積りを作成しお渡しさせていただくこともできかねます」と。 それならパンフレットやチラシだけでももらいたい、これに対しては「パンフレットやチラシ等をお渡しさせていただくこともできかねます」と。 要するに、業務停止中はこういう対応をしなさいとされているわけであります。 また同時に、「代理店の皆様へ」という文書がありまして、お問い合わせを受けたらこのように答えなさいと。「現在、東京海上日動が業務停止期間中のため、第三分野商品に関するお問い合わせには、お答えすることができません。」こういうふうに指示をしているわけです。 金融庁はこのような対応について当然報告を受けていると思いますが、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 報告を受けております。
○佐々木(憲)委員 それで、当事者の東京海上日動だけではなく、この企業はミレアグループの一員であります。第三分野の商品の販売の自粛をグループ全体として国民に表明しております。例えば、東京海上日動への行政処分を受けて、グループの一員で一〇〇%子会社のあんしん生命、その会長は、公式には、グループ会社として自粛ということを表明しております。 金融庁も当然この対応を御存じだと思いますが、いかがでしょう。
○山本国務大臣 存じております。
○佐々木(憲)委員 グループとして自粛する、これは当然の対応だと思うんですね。 ところが、不思議だと思いますのは、東京海上日動が配付している代理店へのQアンドAというのがありまして、このQアンドAを見ますと、代理店に対しまして、東京海上日動、あんしん生命の第三分野の商品については取り扱ってもいい、こういう説明になっているわけです。 弊社とお取引いただいている代理店さん用「お客様とのご対応におけるQ&A」というのがありまして、その中に、あんしん生命の生保商品で対応できるか、これに対して、「あんしん生命委託代理店さんは、今までどおり、生保商品をご案内頂けます。」こういうふうになっているわけであります。 東京海上日動の代理店はほとんどがあんしん生命の代理店を兼ねているというふうに聞いておりまして、行政処分を受けた東京海上日動が幾ら第三分野の営業、販売を停止してグループ全体として自粛するといっても、このあんしん生命の第三分野の商品の営業、販売を同じチャネルでやっているのであれば、グループにとってはいわば痛くもかゆくもないという形になるわけで、ある意味では脱法行為のようなものになるのではないかと思います。いかがでしょうか。
○山本国務大臣 まず、業務停止命令と申しますものは、発生した事案の重大性、悪質性や、当該行為の背景となりました経営管理体制及び業務運営体制等を勘案した上で、保険会社におきまして、業務改善に相当の取り組みを必要とし、一定期間業務を停止させて業務改善に専念、集中させる必要が認められた場合に、当該個社に対して発出されるものでございます。 そう考えましたときに、保険会社に対して業務停止命令を発出する際には、経済的な不利益を課すことが主眼に置かれているわけではございません。このため、例えば募集業務の停止処分を受けた会社の代理店が当該会社の子会社の商品を勧めたとしましても、当該子会社に親会社と同様の体制面の不備がない場合には、直ちに問題を生じさせるものではないというように考えておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 しかし、この子会社というのは一〇〇%子会社でありまして、そして自粛をすると公式に表明しているわけであります。グループ全体としても自粛をするんだ、こう言いながら、代理店は自由でございます、こういうのでは、何のための自粛なのかよくわからない。 東京海上日動は、三月十四日付の行政処分を受けまして、「第三分野商品の保険金に関する再発防止策」というのをホームページで出しております。そのホームページを見ますと、「二〇〇七年四月一日から、原則、保険期間十年以上の下記損害保険長期第三分野商品に関する新規契約のお引き受けを中止し、短期性商品を中心に経営資源を集中的に投下することにいたしました。」その次に、「今後、長期性第三分野商品につきましては、原則、東京海上日動あんしん生命でお引き受けさせていただきます。」こういうふうに書かれているわけです。 つまり、これは、四月一日からこういうふうにします、企業戦略として、グループ会社のあんしん生命に損害保険長期第三分野商品を引き受けさせるというふうになっているわけです。それも四月一日からなんですね。営業停止は四月二日からなんですよ。業務停止の影響を削減するために、意図的に、戦略的にこういう方向をとったとしか考えられないわけであります。 こういうことを、行政処分をする段階で既に金融庁は知っていたんじゃないんですか。
○山本国務大臣 その点については存じ上げておりません。
○佐々木(憲)委員 知らないとすれば、このホームページも見ていないということになるわけで、一体何をしているのかということになるわけです。 東京海上日動は、二〇〇六年、つまり昨年十二月八日に、「損保長期第三分野商品に関する新規契約の引受中止について」というのを発表しております。内容は、第三分野商品について、東京海上日動あんしん生命と生損保商品販売のすみ分けをさらに徹底するということ、それに従って、ことし四月一日から長期第三分野商品の新規契約の引き受けを中止する。ですから、もう既に昨年十二月八日に、あんしん生命にみんな置きかえていくんだということをやっているわけですよ。四月一日から、もう第三分野の商品の新規契約は引き受けませんと。 だから、引き受けないということを知っていながら行政処分しても、これは何のための行政処分かということになるわけです。金融庁はこれを知らないでやっていたとしたら、完全に東京海上日動の戦略にはめられたという形になるわけであります。行政処分を受けたほかの損保あるいは生保、こういうことがないのか、大変私は気になるわけであります。 まず、この東京海上日動の実際の十二月八日付の方針、そして四月一日からの経営のやり方、そのことを踏まえて、四月二日から行われている行政処分、一体どういう効果があるのか、もう一度再検討すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 昨年十二月八日に、東京海上日動が、損保長期第三分野商品に関する新規契約の引受中止についての社内の決定をしたことを存じております。また、短期性商品を中心に、御指摘のあんしん生命で引き受けさせるということも社の方針で決めておることでもございました。 こうした中で、我々としましては個社に関するコメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、一般論として申し上げれば、金融庁としましては、業務停止命令等の行政処分を受けた会社の子会社が親会社と同様の問題を引き起こすことのないように適切に監督を行っていく所存であることを御報告申し上げます。
○佐々木(憲)委員 これは、東京海上日動というものが一〇〇%子会社とすみ分けをして、そして、行政処分を受けた商品は、自分はやらないが子会社に全部やらせるんだという作戦を最初から組んでいたわけですよ。だから、どちらかというと、行政処分を受けることを想定してすみ分けを始めていたと言わざるを得ないんです。行政処分をしたって意味がない。 いわば脱法的な行為を行っていたという疑惑が当然ここで出てくるわけでありますから、これはどういう経緯でそういう戦略を組んだのか、そして、行政処分が意味のないような状況になったその理由は一体どういうところにあるのか。そのことを知っていながらやったとすれば、金融庁はぐるだと言わざるを得ない。おかしいですよ、そんなのは。しかも、これは一社だけなのか。ほかの損保も生保も子会社を使ってこういう脱法をやっているんじゃないかと疑わざるを得ないんです。 したがって、この行政処分の実効性については当然もう一度チェックをしてみるというのが当たり前だと思うんですが、大臣、いかがですか。
○山本国務大臣 一般論で申し上げれば、損保におきます第三分野についての募集管理、支払いということについては、先ほどの質問にもございましたとおり、十分熟練しているわけではございません。その意味において、生保でこれを引き受けるという考え方というのは一般的なものであろうかと思いますが、先ほど佐々木委員の御指摘のとおり、行政処分の実を上げるべき考え方をとれば、子会社に対してあえて親会社が自分の経営のためにこうした業務停止命令の脱法的な措置をとるということであってはなりませんので、しっかりとした業務停止命令等の行政処分の実を上げるべく検討してまいりたいというように思っております。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○伊藤委員長 次回は、明六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十九分散会