国土交通委員会 第25号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/06/13
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房総合観光政策審議官柴田耕介君、総合政策局長宿利正史君、国土計画局長渡邊東君、都市・地域整備局長中島正弘君、都市・地域整備局下水道部長江藤隆君、道路局長宮田年耕君、住宅局長榊正剛君、自動車交通局長岩崎貞二君、航空局長鈴木久泰君、文部科学省大臣官房文教施設企画部技術参事官岡誠一君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長小野晃君、環境省大臣官房審議官谷津龍太郎君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君及び環境省水・大気環境局長竹本和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○塩谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀岡偉民君。
○亀岡委員 自由民主党の亀岡偉民です。おはようございます。 きょうは、道路問題について少しお尋ねを申し上げたいと思います。 冬柴大臣には、今国会もたくさんの法案を精力的にしっかりと通していただきまして、本当に心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。 実は、高速道路の問題についてちょっと私自身お尋ねしたいんですが、道路公団が平成十七年十月に民営化をされまして、もう一年半ぐらいたつわけですが、その間にちょっと最近疑問に思うことが何点か出てまいりました。特に道路維持管理に関して、私どもは東北自動車道をよく使うわけですが、なかなか昔のように、世界で一番きれいな高速道路と言われた時代からちょっと事情が変わってきたかな、草は生え放題とか、かなり管理に問題が出てきたんじゃないかなと。 これは私自身だけの感想かどうかわかりませんが、この民営化された経緯というのは、会社が黒字を出すために民営化をしたということではなくて、国民のためにいかに一番サービスができるかということの中で民営化が行われたはずなんです。これは大臣に改めて聞くこともないんですが、民営化されたからといって、民営化された会社が独自の会社の利益の追求のためだけにということは絶対ないと思うんですが、ぜひこの辺、民営化された経緯を踏まえて、大臣の御見解を少しお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○冬柴国務大臣 道路関係四公団が民営化されましたのは、四十兆円にも上る有利子債務、これを確実に弁済していこう、そしてまた国民負担を最小限に抑えながら必要な道路は早急につくっていこうというような考えのもとにこのような道路会社がつくられたはずであります。 ただ、まだ設立して間がないということもありまして、もっと地元に対する配慮ということも今後考えていかなきゃならないのではないかというふうに思っております。そのように我々も進めていかなければならないと思います。 きょうの新聞の中に速弁というようなものが書かれてありまして、中日本高速で人気がじわりと出てきたと。これは、駅弁とか空弁というものからヒントを得てこの中日本高速道路が導入して、大変人気があるというんですね。地元の料亭とか弁当屋さんに、地元の食材を使ってお弁当をつくってもらった。これがなかなか人気があって、ちょっと高いんですが、千百五十円から上は三千五百円というような、そういうものがよく売れているそうでございます。 また、宇都宮のギョーザをサービスエリアで売っているとか、いろいろ配慮はしかけている萌芽はあるんですが、なお一層、やはり地元密着で、地元の方にいろいろお手伝いをしてもらいながら、さっき言われたように、維持管理で草が生え放題というのではこれはいけないと思いますので、我々の方としましても、独立の会社ですから命令するわけにいきませんけれども、やはり我々としては、こういうふうにやっていこうじゃないかというような申し合わせとか、そういうことはしたいというふうに思います。
○亀岡委員 ありがとうございます。 今大臣おっしゃられたように、弁当も、私もきょうの新聞を見させていただきましたが、かなり努力をされているのはわかるんですが、本来の道路利用者の運転者に対する維持管理という点でのサービスも含めて、これはやはり株は国が持っているわけですから、会社が黒字になることが本当の目的ではなくて、国がしっかりと管理監督責任を果たしながら、もうちょっと、受益者負担ですから、利用者側にもう少しきちんとしたサービスが得られるような方法論、これは御指導もぜひお願いしたいと思います。 それから、今お弁当の話が出ましたが、当初、民営化するときにファミリー企業の問題が大変問題になりました。ファミリー企業が維持管理も含めて全部競争なしでとってしまう、これを競争の原理を投入しながらきちんとやっていこうという趣旨もあって民営化されたわけですが、最近の報道なんかを見ますと、何か全部子会社化をしてしまうとかという報道も幾つかなされたりして、本来、子会社ということが大きな問題になっていたのであって、もっと多くの競争の原理を取り入れながら利用できるような方法論、発注の形態をつくろうということがあったわけですが、どうも最近は何か違う方向に走り出しているのかなと。 民営化になってファミリー企業をどうするかという問題、ファミリー企業を僕は全部なくせとかということじゃなくて、一緒になって取り組みながらいい方向を探っていくんだろうと思っていたのですが、全く独自の子会社も含めてつくっていきたいなんという話も新聞に出ていたので、私はびっくりしたんです。 道路局長にちょっとお聞きしたいんですが、ファミリー企業の再編の考え方は当初と変わっていないのかどうか、そして現在どうなっているのかというのをぜひお尋ねできればと思いますので、よろしくお願いします。
○宮田政府参考人 お答え申し上げます。 ファミリー企業は、道路公団時代、やはり非効率でございますとかあるいは契約の不透明性ということでその見直しが言われておりました。 三つのカテゴリーでその仕事を再編しようということで、一つは、管理瑕疵とか企業信用に直結するコア業務は会社自体に内部化をする、それから、グループとして経験、ノウハウ、技術の保有、蓄積が必要な業務は子会社化をする、三番目でございますが、委員御指摘の維持修繕あるいは保全点検、そういうものにつきましては市場性を有するということで、市場性を有する業務は競争化を図っていく、そういう三つのカテゴリーで仕分けをしております。その考え方は当初と今も変わっていないと思います。 市場競争により行う業務につきましては、平成十七年度から、応募要件として、会社の業務経験は問わない、そういう形式要件は撤廃するということでございまして、ただし、配置予定者にその業務を適正に遂行するための知識とか技能があるかどうかを確認する性能要件に切りかえております。 それから、平成十八年度からは、競争参加条件を満たせばだれでも競争に参加できる一般競争入札、条件つきの一般競争入札を導入して、競争性を高めるように環境を整備したというふうに聞いております。 ただ、まだ十分でないところもあると思います。国土交通省といたしましては、入札契約状況についてフォローアップをしてまいりたいと考えております。
○亀岡委員 ありがとうございます。 今ちょっと、当初の考え方と変わっていないというお話をお聞きしたのですが、ぜひ民営化のときの理念をしっかり生かしながら、私は、今お聞きしたいと思ったんですが、確かに、聞いておるというのはわかるんですが、先ほどから大臣の発言にもあったように、やはり基本的には、民営化させてその会社が黒字になる、黒字にするためにこの会社をつくったわけではないので、各サービスエリアで地元との連携を図りながらもうけることもいいでしょう、そしてまた、今言われたように、ファミリー企業や中できちんと技術を継続して生かせるような環境をつくりながらやっていく、そういうときには、局長、ぜひしっかりした指導をしていただきたい。 今回も、きのう決算の内容が出たようですが、黒字になって喜ばれるんじゃなくて、先ほど言ったように、では、総トータルで高速道路を利用する利用者側にどれぐらいの還元ができるか。 先ほど言ったように、例えば、草なんかも全部きれいに刈って事故のないようにということで、かなり公団時代は配慮がなされていた。ところが、最近になって、黒字にするために維持管理費、経費を削り始めた。黒字にはなったけれども、実際に利用者の不満がふえてきた。サービスエリアでは人気が出るけれども、実際に、では、運転する人たちが高速道路を利用するときに、この高速道路は変わったねという違和感を持たれるような黒字の出し方は僕はぜひやめていただきたいと思うんですね。 ですから、これは、せっかく三つの会社、四つの組織にしたわけですから、それらがもっともっと国民のためにどういうふうな関与ができるかとかという観点で、幾ら民営化したから、もう民間にしたんだから任せておけばいいではなくて、その辺は、ぜひ国が、きちんと国民の側に立って、国民の声を聞きながらしっかりした指導をしていただくという体制も私はとっていただきたいと思いますので、局長、その辺しっかりお願いしたいと思います。 それから、今の民営化に絡めて、もう一つ私の方では、実は前にもここで質問させていただいたことがあるんですが、もともと道路公団時代に高速道路をつくるという計画が、しっかり設計図までできていて、そして地元との協議も行われていたんですが、その協議が民営化した途端に全部ストップしてしまった。そして、ある日突然違う方向性の指示が出てきてしまった。 これは、公団と国土交通省、民営化する前からの話し合いはしっかり続けていくというお話をいただいておったんですが、どうも私どもの地元では、中央道という高速道路を今つくられているんですが、この中央道も民営化されてからほとんど話し合いがない。 実は、大笹生・笹谷インターというのをつくるに当たっては、地域の整備を含めて、地域振興インターチェンジということで、地域がかなり今度は整地をしながら、地域活性化インターを望んできちんと話し合いをしながら進めてきたのに、ある日突然、ダイヤモンド型で、全くそういう説明がなくなってしまったということで、非常に困っておると。 私は、これはぜひ、前にもお話ししたとおり、せっかく地元の住民の皆さんが、高速道路と一緒に協力してやりましょうと話し合いを続けてきた中で、その信頼関係を崩すことなくしっかりと進めていただきたいというお願いをしたわけですが、ぜひ、大笹生・笹谷インターチェンジ含めて、中央道の今の進捗状況を含めて、ちょっと経過を説明していただければと思うので、よろしくお願いします。
○宮田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、東北中央道の進捗状況について御説明申し上げたいと思います。 福島ジャンクションから米沢間二十八キロにつきましては、従来は、委員御指摘のように道路公団が整備をするという路線でございました。平成十五年十二月の第一回の国幹会議で新直轄でこれをやるということで事業主体が切りかわったまさにそういう区間でございます。 新直轄にするに当たっていろいろな、公費節減とか、そういう議論もございました、そういう経過もございました。今のところ、用地買収を進めておりまして、栗子トンネル、これは延長八千九百七十五メーターございますが、それの避難坑の工事、あるいは橋梁工事をやっておりまして、用地の取得率が九五%、発注率が二一%という状況でございます。 早期完成に向けて、地元の御理解、御協力をいただきながら推進してまいりたいと考えております。 もう一つの御指摘の大笹生インターチェンジ、これは、委員が質問の中でお話しになりましたように、周辺の地域開発とあわせて、地方公共団体、具体的に申し上げますと福島市が主体となって設置される地域活性化インターということで、平成十一年十二月の当時の国幹審の議で決められたインターチェンジでございます。 その大笹生インターチェンジ周辺の開発計画というのと一緒にこの開発インターの整備が進められるわけですが、平成十三年に都市計画をいたしましたが、福島市におかれまして、計画の見直し、地域開発の縮小の見直しを行われているというふうに聞いております。この見直しにあわせて、インターチェンジの構造も見直しをされております。 最初、トランペット型、道路公団がつくるインターチェンジでございましたので、料金所があるインターチェンジ、したがって、少し用地を、とぐろを巻いたような形のあれでございますが、これよりも工事費の安いインターチェンジ、ダイヤモンド型のインターチェンジで見直そう、全体の事業規模を小さくしようということを福島県の方で検討されているというふうに聞いております。 いずれにいたしましても、県、市、地方整備局一体となって、今後、調整をしていく必要があると思っております。周辺における地域開発や地域ニーズと整合のとれた形でやるということは重要でございます。 当方といたしましても、しっかり県、市と一緒になって、地元の方々に御説明をし、御理解を得てまいりたいというふうに考えております。
○亀岡委員 今の縮小の件、地方自治体、地元からそういう話があったとお話があったんですが、どうも地元から聞いていますと、民営化してほとんど話ができなくなって、予算がないという話がたくさん出てきてしまうので縮小せざるを得なかった、地元の住民の皆さんはほとんどそれを知らないということで、だれに言っていいかわからない、東日本に言うと、うちは施工するだけだ、こういう話になってしまうということで、かなり地元の住民の皆さんには不満がたまっておりまして、では、何のための民営化だったんだと。 多分これは私の地元だけではないと思うんですね。これは、前にもお話ししたんですが、全国各地でこういうところが何カ所かあるんじゃないかと思うんですね。ですから、ぜひ、何のために民営化したのかということも含めてもう一回見直していただいて、そして、東日本が答えられないわけはないと私は思うので、答えられないときは国土交通省と一体となって地元の皆さんに説明をしてもらうとか協議をしてもらう。 前の体制とがらっと変わってしまったということに対してみんな不満を持っているものですから、ぜひその辺は、国土交通省としても、大臣にもお願いなんですが、局長さんにも、国がつくった民営化の会社でありますから、国民のためにいかにあるべきかということはしっかりと認識をしてもらいながら、その中でまた黒字にするのであれば、それはそれで結構ですし、その辺はきちんと御指導のほどをお願いしたいと思います。 特に、私のところはもう一つ、阿武隈東道というのがあるんですが、これは、山と山の間に都市部が、相馬がありまして、伊達郡というところ、伊達市というのがあって、そして福島市がある。山を切り開きながら何とか連携をとって道路をつながないと経済効果が生まれない。まさに、民営化されたもの、そして国土交通省との連携がしっかりしていないと、そういうものも今度は望みが薄くなってしまったんじゃないかとみんなあきらめがちになってしまって、そして過疎化のところは余計過疎化が急速に進展しかねないということがあります。 ぜひこれは、確かにたくさん人は通らない、でも、つくることによって通るようになって、その地域経済の活性化が生まれてくる、過疎化対策にもなっていくということもありますので、そういう姿勢は崩さないで、道路局としても、東日本も含めて一緒に対応できる体制をつくっていただきたいと思うので、ちょっとその辺のお考えを聞かせていただければと思うので、局長、お願いします。
○宮田政府参考人 御指摘のとおりだと思います。全般的な民営化の中で、利益追求ということではないのだろうと思います。 ただ、一つ、維持管理につきましても、民営化に際して政府・与党の方で、維持管理費を三割削減をする、その成果を料金の引き下げ、一割引き下げを既にやっておりますが、そういうものにも振り向けております。 それから、地域開発の方、新直轄の方は、会社というよりも整備局、これが会社にかわって一生懸命地元と一緒になって地域の活性化を考えていく、そういう立場にあるんだろうと思います。全般的な、会社あるいは整備局、県、市の連携を一生懸命図ってまいりたいというふうに考えております。
○亀岡委員 どうもありがとうございます。 特定道路財源のことも含めて、地方は不安になる材料がいっぱいある。そういう中で、民営化したことによって逆にその不安をあおることのないように、逆に言えば、民営化してよりよきサービスがふえたとか安心感が生まれたとか言われるような結果を生み出していただきたいと思いますので、ぜひこれは国土交通省として、民営化したんだから全く関係ないということではなくて、私は、逆に言えば、徹底して、国土交通省と東日本、西日本、中日本すべてが一体となって、国民のためにどうあるべきか、その中できちんと技術の継続や経費削減はあってもいいと思うんです。 そのかわり、例えば、高速道路を利用するときに運転する側にとって負担の軽くなるような、昔のように、本当に世界で一番いい高速道路と言われるような高速道路体系をしっかりつくっていく目的だけは果たしていただきたいと思いますし、もし必要があれば、こういう場に各民営三社にも来ていただいて、そういう意識をしっかりと植えつけていただく機会もあればつくっていただいて、できれば国民のためによりよき体制づくりをお願い申し上げたいと思います。 これで質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○塩谷委員長 徳田毅君。
○徳田委員 おはようございます。自由民主党の徳田毅でございます。 限られた時間でございますので、早速ですが質問に入りたいと思います。 本日は、道路、航空行政について質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず最初に道路関連でございますが、道路資産の老朽化対策について質問させていただきたいと思います。 我が国では、戦後、道路等の社会基盤整備が行われ、特にそれは高度経済成長期に多く建設されました。それらは、国民生活の向上や日本経済の発展というものに大きく寄与してまいりましたが、今後、建設五十年を超える橋梁やトンネル等が急激に増加していくことが予想されております。 この問題は地方にとっても重大な事項でありまして、例えば私の鹿児島県を例に挙げますと、鹿児島県が管理している橋梁は現在約八百三十橋、建設後五十年以上のものは、現在はまだ約四十橋でわずか五%にすぎませんが、二十年後には約三百四十橋で四一%に急増し、当然、維持管理費が急激に増大することで地方の財政を大きく圧迫することとなります。 このように、橋梁などの道路施設の老朽化が急激に進行することから、今後ますます道路施設の効率的、計画的な維持管理、更新が重要であると考えますが、国土交通省の御見解をお伺いしたいと思います。
○宮田政府参考人 我が国全体でも鹿児島県とほぼ同様の状況でございまして、建設後五十年以上経過した一般道路の全橋梁に対する割合というのは、現在で六%でございますが、二十年後には約四七%、こういうふうに見込んでおります。大幅に増加をいたします。したがいまして、維持更新費の増大というのが当然予想されるわけでございます。 こうした状況でございますので、国では全体で二万橋管理をしておりますが、五年ごとの定期点検をしております。定期点検によりまして、健全度の把握、そういう点検の結果に基づいて、緊急対策が必要な橋梁については順次修繕を行っております。 そういう手を入れながらということでございますが、ほうっておけば非常に寿命が短くなる。今平均が、橋梁が六十年でございます。これをできるだけ手を入れながら長くする、ライフサイクルコストを縮減するために長くしたいと思っていまして、寿命を約百年に延ばすような維持、修繕、更新を進めてまいりたいと考えております。 地方公共団体の管理する橋梁でございますが、長寿命化あるいは維持更新に係る費用の縮減、そういうものを図るために、今年度から長寿命化修繕計画の策定費用について国が補助する、そういう制度をつくりました。 今後とも、高齢化する道路ストックにつきまして一層のコスト縮減を図って、必要な維持更新、修繕更新を効率的、計画的に進めてまいりたいと考えております。
○徳田委員 ありがとうございました。 我が国より三十年早く道路整備が進んだアメリカでは、一九六〇年代後半にこの維持管理費の予算というものが大幅に削減されて、そして、一九八〇年代には落橋事故が発生するなど、重大な社会問題となりました。国民生活の安全といった観点からも、やはりしっかりとこの維持管理という部分にも取り組んでいただきたいというふうに存じます。 次に、道路事業の整備目標の公表についてお尋ねします。 公共事業に関して透明化と言われて久しいわけですが、最近、ようやく事業評価や住民参加型の計画づくりなど、ある程度情報が示されるようになってまいりました。その一方で、実施中の事業について、いつできるのかなどといった重要な情報について、これは各年度の予算の見通し等によるものが大きいとは思いますが、余り明確にはされておりません。 例えば、民間企業が工場の進出を決定する際には、材料の搬入や商品の出荷等に利用する道路がいつどの程度整備されるかという情報が重大な判断要素の一つであると思います。 また、地方自治体によるまちづくり計画や企業誘致などの地域振興策の検討においても、幹線道路の整備見通しがなければ有効な計画が立てられなくなる。さらには、道路事業を進められる地域の住民の方々にとっても、その事業の見通しが十分に説明されなければ将来の生活設計に対する不安が生じ、場合によっては道路行政に対する不信感にもつながってしまうおそれもあります。 こうした課題にこたえる動きとして、現在、九州地方整備局ではちゃくちゃくプロジェクトという取り組みで、道路事業の完成時期を公表した上で事業を進めるようになっており、地元自治体や地域の皆様から大変好評を得ていると聞いております。 このように、道路事業の完成時期は、企業の活動や自治体のまちづくり、そして住民生活の上で非常に重要な情報であり、このように完成の時期を明確にした上で事業を進める取り組みについてさらに促進すべきだと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○宮田政府参考人 お答え申し上げます。 道路事業は、他の公共事業に比べましても非常に懐妊期間の長い事業でございます。直轄事業をとりましても、最初からでき上がるまで平均十年を超える、そういう期間を要しております。設計をし、用地買収をし、工事をするということで、長期を要するわけですが、特に用地取得については、提供していただく方々、住民の方々の御理解を得るというのが一番肝心なんだろうと思います。 そういうことも含めまして、今委員御指摘の九州地方整備局初め東北、関東等の地方整備局におきまして、地域の支援体制あるいは道路用地の確保等、そういう環境が整っている事業につきまして完成目標時期を公表する、場合によっては、その目標時期にちゃんと合わせるために土地収用制度も有効に活用するということで、完成までの事業の進捗管理をやっておるということでございます。 こうした取り組みによりまして、圏央道の沿線で、道路整備による効果を見越して、工業団地の立地あるいは商業施設の出店というのが進んだ事例がございますし、地元の自治体の協力体制が強化されることによりまして、用地買収でありますとか埋蔵文化財調査が着実に進んだという事例がございます。 国土交通省といたしましては、完成時期の公表が、関連する企業活動あるいはまちづくり、住民生活に大きな影響を与える、委員御指摘のとおりだというふうに考えておりますので、先ほど申し上げましたように、効果が高く円滑な事業進捗が図れる事業については積極的に完成目標を公表して、公表した目標が達成できるように事業進捗管理をやってまいりたいというふうに考えております。
○徳田委員 ありがとうございました。 三つ目に、地方の道路整備について、道路については最後の質問をさせていただきたいと思います。 昨年十二月には道路特定財源の見直しに関する具体策が閣議決定され、ここで、真に必要な道路整備は計画的に進めることとし、十九年中に今後の具体的な道路整備の姿を示した中期的な計画を作成することとしています。 ここでお伺いしたいのですが、真に必要な道路とはどのような定義、どのようなものを考えておられるのか、また、中期計画においては地方の道路の重要性についてどのように配慮するお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○宮田政府参考人 委員御指摘のように、昨年の十二月八日の道路特定財源の見直しに関する具体策で、真に必要な道路は計画的に整備を進める、そのために年内に中期計画を作成するということがあわせて一項目めに決定をされてございます。 真に必要なというのは、定義がそれぞれで異なるということもございますので、私ども、年内に中期計画をつくって、財源、税率、そういうものが説明できる内容とともに、必要な道路というのが中期計画の中で明らかにできるようにしてまいりたいというふうに考えております。 それで、今おっしゃいました地域に必要な道路、それを中期計画の中でどういうふうに考えていくのかという御質問でございますが、地方部は人の移動の約九割が自動車でございます。極めて重要な移動手段だというふうに考えておりまして、地域の活性化とか安全、安心、そういうものの確保で、必要な道路ネットワークの整備を進めていく必要があると思っております。 先ほど申し上げました具体策の取りまとめに先立ちまして、与党から、地方の道路整備はおくれており、道路特定財源の見直しにより地域間格差がさらに拡大するのではないかとの強い不安感があり、こうした不安感を払拭するとともに、生活者重視の視点から、地域の基幹道路、高速道路や高次医療施設への広域的なアクセスの強化、通学路、バリアフリー対策、無電柱化などの道路整備に対して、地域の自主性にも配慮しながら適切に措置すること、そういう申し入れをいただいております。 中期計画の作成に当たって、地方の道路整備は重要な視点だというふうに考えております。そういうものも踏まえて、年内に中期計画を作成してまいりたいと考えております。
○徳田委員 ありがとうございました。 やはり道路というものは、国民生活や経済社会活動を支える本当に基礎的なインフラであり、人口が流入する都市にとっても、またその地域の発展を望む地方にとっても、大変多くの国民が熱望しているものであります。どうかしっかりと取り組んでいただきまして、地方にとっての長年の夢を、多くの人たちの長年の夢を本当にいち早くかなえていただきますように、お願いをしたいと思います。 次に、大きく話はかわりますが、航空政策についてお伺いしたいと思います。 私は奄美大島、徳之島の出身でありまして、そういう中で、離島住民の生活や産業活動、また観光振興、こういった観点からも、離島空港に対する航空政策というものは、これまた離島にとっては最重要課題と考えます。その上で、離島にかかわる航空政策についてお伺いしたいと思います。 特定離島路線航空機に係る特例措置として、現在、十九年度、二十年度ですが、航空機燃料税は四分の三に軽減されています。しかし、本土—沖縄本島路線航空機に係る特例措置は、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興策の一環から、航空機燃料税を二分の一に軽減されております。これは本土からの観光客の安定的な確保を図るために実施されているものだとありますが、この観点からすれば、他の離島においても同じように二分の一に軽減していただくことはできないものなのかということと、また、やはり着陸料というものも大きな問題でありまして、これもこれからの検討課題だと思いますが、この二つについて、御見解をお伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。 本土—沖縄本島路線に対します航空機燃料税の軽減措置でございますが、今委員御指摘のとおり、沖縄の歴史的な事情、あるいは米軍基地の問題など特殊な諸事情を踏まえまして、平成九年七月より、沖縄振興策の一環として、特に沖縄経済において重要な地位を占めております観光事業に資することを主たる目的として実施しているものでございます。 一方、奄美路線あるいは沖縄本島以外の沖縄離島を含みます離島路線につきましては、需要が小さく経営が厳しい状況でありますので、このいわば生活路線の維持を図ることが極めて重要であると我々も考えてございます。 このため、国として、このような離島路線維持のため、航空機燃料税につきましては四分の三の軽減措置でございますが、それ以外に、離島独自の支援措置として運航費や機体購入費に対する補助を行うなど、総合的な対策を講じているところでございます。 したがいまして、航空機燃料税の軽減率につきましては、政策目的が異なることから違いがあることは事実でありますが、国土交通省といたしまして、地域の足の確保の重要性にかんがみまして、今後とも、離島路線に関するさまざまな措置を活用して離島路線の維持に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、着陸料の軽減措置につきましては、沖縄路線、離島路線ともに六分の一に軽減してございます。
○徳田委員 ありがとうございました。 確かに、離島路線というのは今大変厳しい状況に置かれておりまして、原油価格の高騰などもあって運営的にも大変厳しい。そうした中で、やはり地方航空のネットワークというものも崩れつつあります。 しかしながら、離島に住む住民からすると、これはすべて生活路線でもありますし、また、観光振興を図る上でこれからの将来的なものをどこまで築けるかといったことにも大きく影響してまいります。そうした中で、国としてそのような方策を講じていただくことが、本当にまた離島にとっての大きな熱望の部分でございますので、どうか御配慮いただきますように、よろしくお願い申し上げます。 そしてもう一つ、平成二十二年十月には羽田の四本目の滑走路が供用予定であると思いますが、この増強された分の発着枠について、離島を含めた地方への配分はどのように考えておられるのか、これも一つお伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 羽田の再拡張事業、第四滑走路ができた後の発着の配分の問題でございますが、羽田空港は国内線の基幹空港であるという位置づけのもとで、これを活用して、まず国内航空ネットワークの充実を図るということが最優先課題だと思っております。 その中で、地方路線の充実というのも委員おっしゃるように重要な課題と認識しておりまして、このため、従来より、発着枠の配分に際しまして、航空会社の地方路線の形成、充実への貢献度等の評価結果に応じて発着枠の配分を行う評価方式の採用を行うなど、地方路線の充実に配慮した措置をとってきたところでございます。 再拡張事業により増加する発着枠の具体的な配分のあり方につきましては、今後、学識経験者等から構成される懇談会において検討していただくことを考えておりますけれども、いずれにしても、引き続き、地方航空ネットワークの充実、離島路線の充実を図っていくことが重要であると考えております。 ただ、具体的な路線、便数につきましては、航空会社の経営判断で決定されるものでありますので、地元においても引き続き需要喚起等の取り組みを行っていただくことも肝要だと考えております。
○徳田委員 ありがとうございました。 最後に、地元関連の質問を一つだけさせていただきたいと思いますが、それは、奄美群島振興開発特別措置法についてでございます。 奄美は、昭和四十七年に日本に復帰を果たした沖縄よりも一足早く、昭和二十八年にアメリカ占領下から日本に復帰をいたしました。その当時は二十二万人以上いた人口が、本年五月一日現在、推定人口は十二万三千三百六十一人まで落ち込み、二〇三〇年には八万五千人台になるとの予想もあります。そうした中で、やはり今、奄美の特色を生かした産業を進めていくことで経済的自立を図るということが喫緊の課題であり、そのためにはこの奄美群島振興開発特別措置法というものは本当に不可欠である、これからも不可欠であると考えます。 先般も冬柴大臣には奄美にお入りいただき、住民の生の声をお聞きいただいたと思いますが、その上で、平成二十一年三月三十一日で期限切れとなるこの奄美群島振興開発特別措置法について、延長も含め、どのようにお考えなのか、最後にお伺いしたいと思います。
○冬柴国務大臣 奄美群島は、本土から遠く離れた外海に位置するなど地理的、自然的特殊事情を抱えておられます。また、本土との所得格差につきまして、経済面、生活面でももろもろの格差が存在していることも十分承知をいたしております。このため、昭和二十八年の本土復帰以来、法に基づく数次の振興開発計画によりまして、道路や港湾等の社会資本あるいは生活環境の整備、新たな産業の育成、観光の振興等による地域の自立的発展に向けた環境づくりを積極的に推進してきたところでございます。 御指摘のとおり、現在、奄美群島全体では毎年千五百人程度の人口減が生じておりますが、国、県、市町村が一体となった振興策による下支えによりまして人口減がこの程度にとどまっているとも思えます。こうしたことから、振興開発の取り組みは非常に有効かつ重要なものと認識をいたしております。 平成二十年度末に期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法の延長につきましては、奄美群島の現状やこれまでの振興開発事業の成果、鹿児島県が実施する総合調査等を踏まえまして、奄美群島振興開発審議会で御審議をいただけるものと考えておりますので、その結果を十分尊重しつつ対処してまいりたいというふうに思っております。 私も奄美には何回も行かせていただきまして、奄美群島の首長の方々あるいは住民の方々とも親交が深いので、そのような事情はもう十分に承知しているつもりでございます。奄美の美しい自然、そしてまたすばらしい伝統、文化というようなものが広く国民に理解されて、そして特に観光、あるいは今クロマグロの養殖等も成功しつつありますけれども、そういうような産業振興にも努めてまいりたいと思います。
○徳田委員 ありがとうございました。 私の鹿児島の先輩でもある久保亘先生は、地図上の離島はあっても、政治行政の上で離島はあってはならないという言葉があります。それは私も本当に大きく賛同するものでありまして、今大臣がおっしゃったとおり、離島に住む者にとっては、所得面、経済面、あらゆる面において大きな格差が本土とはあります。そうした中で、どうか本当に奄美の未来に対して特段の御配慮をいただきますようにお願いを申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○塩谷委員長 原田憲治君。
○原田(憲)委員 自由民主党の原田憲治でございます。 私は、トラック、バスの長距離輸送の安全についてお伺いをいたしたいと思います。 まず第一に、トラックの運賃実態、輸送運賃ですが、届け出と乖離したものとなっていると聞いております。貸し切りバスの料金実態も同様の状況が起こっているのではないかと考えておりますが、国土交通省の見解をお尋ねいたします。
○岩崎政府参考人 トラックの運賃につきましては、規制緩和前は認可制にしておりましたけれども、規制緩和後、届け出制自体も今廃止しているところでございます。それから、貸し切りバス事業につきましては、事前届け出制という制度になっております。 こうした運賃の実態の把握の状況でございますけれども、基本的にやはり事業者が民民でやっていただくものということでございまして、必ずしも十分に私ども今把握しているという状況では、率直に言ってございません。 特に、貸し切りバスでございますが、監査等におきまして届け出運賃に相違して下限割れの運賃を収受しているということが判明した場合は、必要な指導を行っているところでございます。 特に、貸し切りバスにつきましては、この六月に関係者から成る委員会を設けたところでございます。こうしたものも活用しながら、どういう実態になっているのかということについての把握に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○原田(憲)委員 わかりました。 トラックの料金、輸送運賃というんですか料金というんですか、安全性を軽視した料金の値下げ競争が続いております。主な理由として、トラックの荷主と同様に、契約上優位な立場にある旅行業者を含めた対策が必要であると考えております、これは観光バスのことですけれども。 トラックの輸送の過酷な現状の一例を挙げさせていただきます。 静岡県の吉田から盛岡まで、午後十時に出発して翌朝五時に着けという仕事があったそうでございます。七時間の間に七百五十キロメートル走らなければならない計算になります。この計算でいきますと、百キロ平均で走っておっても、とてもじゃない、翌朝五時には着けないわけでありまして、こんな条件でも実際に仕事を受ける業者といいますか事業者がおるということを、ぜひ御承知おきいただきたいと思います。 実際にはこの輸送は、翌朝五時に着く予定が翌朝七時に着いた、二時間おくれで着いた。この結果どうなったかというのは承知をいたしておりませんけれども、こんなとんでもない、安全性を無視した、時速百キロで走っても間に合わないような、これは不可能ですね、平均時速百キロといったらどれぐらい最高速度で走るか、想像がつくと思います。 こういうような安全を無視した実態があるということなんですが、国土交通省の見解をぜひ伺いたいと思います。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、トラックの安全を担保するには、もちろん実運送をやっている事業者、トラック事業者自体がしっかりしなきゃいけませんけれども、荷主でありますとか、トラックで多くあるのは、傭車の形態、元請、下請の形態がございますが、そういう荷主ないし元請から無理な指示が出て、やむを得ず安全運行ができないという実態も多々あろうかと聞いております。 今のトラック法の中でもそうした荷主に対しての勧告制度がございまして、過積載などについてはそれを適用しております。今おっしゃったようなケースについても、どういう対応をしていくのがいいのか、我々も真剣に取り組みたいと思っております。 この五月には、荷主とトラック事業者でどういうパートナーシップを組んでやってもらえばいいかというガイドラインをつくったところでございますが、さらにそういうものを普及していく。逆に、そういう悪い荷主、悪い元請についてどうやっていくかということについて、勉強を重ねていきたいと思っておるところでございます。
○原田(憲)委員 トラックの輸送の実態というのはぜひ解明していただきたい。 私の掌握しているところでは、まず荷主がおります、それから元請の運送会社、その次に一次下請会社、その次に荷物取扱業者、これが複数介在をしておる、その上で実際に荷物を運ぶ運送会社、事業者が存在をしておる、こういう実態があるようでございます。統計に出てくるのは、恐らく荷主から元請運送会社へ幾らで請け負わせたかというようなことが統計に出てきて、世界と比べても日本の輸送コストはそう低くない、安く請け負わせていないというような実態が出てくるのではないかな、こんなふうに思っております。 私はいつも申し上げますけれども、もう少し、机上じゃなくて、役所の中でやるのじゃなくて、やはり現場の人たちの意見を、特に荷主と元請の運送会社、大手の運送会社さんというのじゃなくて、実際に高速道路等で、高速道路を使わせてくれるようなところはまだいいと思いますけれども、ドライバーさんの意見を、監督官庁である、陸運局になるんでしょうか支局になるんでしょうかわかりませんけれども、そういうところでぜひ実態の調査をしていただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○岩崎政府参考人 私どももそういう実態の把握にできるだけ努めてまいりたいと思っております。 昨年度から特に、先ほど申しました荷主とトラック業者とのガイドラインをつくるために実態を少し調べたところでございますけれども、今の先生の御指摘も踏まえながら、そうしたものをさらに深めていって、本当に荷主と、あるいは元請と実際の運送事業者の関係はどうなっているか、どういうような条件が出されているのかということについて調べて、荷主なり元請をどういう形で指導していくのか、協力を仰いでいくのか、考えていきたいと思っております。
○原田(憲)委員 よろしくお願いを申し上げます。 輸送業界でこういう過酷な条件で過当な競争が繰り広げられるような実態が続けば、これから日本の物流に大きな影響が出てくると思います。といいますのは、そこまでしてトラックドライバーになりたくないというような人が多くなっているように聞きます。実際、地方においては、運転手のなり手がいないということで困っておる事態もぼちぼち出てきておるようにお伺いをいたしておりますので、ぜひその点を留意していただきたいと思います。 トラックの物流につきましては、国土交通省のみで解決できる問題でないことは承知をいたしておりますので、関係省庁ともよく連携をとりながら対応していただきたい、このように思います。 次に、同じような問題が観光バスの労働時間等の面において起こっておる、大変厳しい運行を強いられているようなことはないのか。 例えば、いわゆるツアーバス、関西と関東を結ぶツアーバスというのが多いようにお聞きをいたしておりますけれども、大手さんといいますか、路線の高速長距離バスは、お互いの営業所で仮眠所を共有して使うとか、そういった実態があるようでございますけれども、いわゆるツアーバスはそういったところを持たない。 私が懸念をいたしておりますのは、例えば、駐車場で車中で仮眠をしておるような実態があるのではないか。お客さんを運んできて、先方の駐車場で車中で仮眠をとりながら、帰り便を待って、帰りにまた運行して出発地点に戻ってくる、そういう実態があるのではないかな、このように思っておりますが、こういうような実態は国土交通省として掌握をされておりますでしょうか、お尋ねをいたします。
○岩崎政府参考人 ツアーバスの過労の状況でございますけれども、この四月に貸し切りバスの重点監査をいたしましたけれども、ツアーバスあるいは新規参入の貸し切りバス事業者、こうしたものは全体で三百十六事業者おりまして、法令違反が二百四事業者、六四・六%に上っておりました。特に、ツアーバスは八一%でございます。また、過労運転の比率も、ツアーバスについては、八十四事業者中四十事業者が過労運転の義務違反をやっているということがわかりまして、我々も非常に遺憾だと思っているところでございます。 先生お尋ねの仮眠施設でございますけれども、路線の高速バスにつきましては、それぞれの目的地で仮眠施設を持つようにということでちゃんと我々も制度を組んでおりまして、それを周知しているところでございます。ツアーバスについて、そのあたりの周知が十分でなかったということでございますので、昨年、ツアーバスについてもちゃんと仮眠施設を持たないといけませんよということについては通達をしたところでございます。 今後、ツアーバスについては、引き続きいろいろ監査をしていって実態をよく把握したいと思っておりますけれども、今先生御指摘の、仮眠施設を本当に持っているのかどうか、こうしたものを含めてきっちり見ていきたいと思っております。
○原田(憲)委員 よろしくお願いを申し上げます。 ツアーバスは、旅行業者がいわゆるA地点からB地点まで人を運ぶというようなことで契約をしてお客さんを集めるというような実態で許可をされておる、このように思いますけれども、実際のところは、どうも高速路線バスと変わらないということであろうかと思いますので、この点をぜひ掌握していただいて、事故のないように、しわ寄せは必ずドライバーさんに来ます、このことをぜひ忘れないでいただきたい。会社間同士のことが、しわ寄せが必ずドライバーに来るということをぜひ認識いただきたいと思っております。 それから、各方面に、自動車交通行政というんでしょうか輸送行政というんでしょうか、そういったところに見られることだと思いますけれども、規制緩和後の行政の事後チェック体制が甘いのではないかな、このように思っております。 これは、タクシーにしても、今申し上げましたバスにしても、その前に申し上げましたトラックにしても、認可運賃というんでしょうか、そういうような運賃体系をとっておった時代と違って、規制緩和後の事後チェックが甘いのではないかな、こんなふうに思っておりますけれども、この辺のお考えは国土交通省としていかがでしょうか。
○岩崎政府参考人 規制緩和をいたしまして、資格のある人はだれでも入ってきてくださいということにいたしまして、それはそれでよかったと思いますけれども、やはり公正にルールを守って競争してもらうということが非常に重要だろうと思っております。 そういう意味で、先生御指摘の、監査体制がどうだったかということでございますが、平成十四年の七月には、これは規制緩和をバスとかタクシーでしたときでございますけれども、我々の監査員は百八名でございましたが、この年度末には二百名まで約倍増ということで、体制の強化を実施しているところでございます。 繰り返しになりますけれども、公正な競争をやってもらうにはこうした監査体制の充実が必要だろうと思っております。今の二百名体制でも必ずしも十分ではないので、今後とも、こうした定員の面での確保、それから監査の手法の効率化等も含めてやっていきたいと思っております。
○原田(憲)委員 よろしくお願いをいたします。 事後チェックの体制が甘いのではないかということを申し上げましたけれども、実は先般、ツアーバスに関する全国実態調査、今局長もお話しいただきましたけれども、この調査の中で、私びっくりしたんですね、車検証の不携帯が一両あった、また車検証のコピーのみ携行していたケースが数件あったとこの調査結果に出ておりまして、これは、道路運送車両法では不携帯でも罰則もあるということでありますが、調査をした人がこのままバスの運行を認めたというんです。これは一体どうなっているのか。本来はあってはならないことです。 もちろん、取り締まりのために行った調査ではありませんから、ストップできなかったと言われればそれまでかもしれませんけれども、こういう実態が事後チェック体制が甘いのではないかと私は指摘をしたところなんです。運行しちゃいけないと法律を決めておるもとが、調査に行って、その事実を掌握しながら、そのまま、それでは気をつけて行って、そこまで言ったかどうかはわかりませんけれども、運行を認めた。運行しちゃだめだと言う監督官庁が運行を認めたということは大きな問題だと思います。 この点いかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、三月にありました全国の実態調査で、車検証を持っていなかったのが一両、コピーのみ持っていたのが五両ということでございました。現場の街頭検査をやった職員からの報告によりますと、口頭による注意をしたということを聞いております。また、現場において、現に多数のお客さんが待っていたので、車検証の携行をしていなかったあるいはコピーのみで差しとめということまですると混乱が生ずるということで、おっしゃるような運行差しとめまでは行わなかったというふうに聞いております。 ただ、やはり反省点といたしまして、もう少し警察と連携して、今のようなことについての罰則の適用を速やかにできなかったかとか、あるいは、たとえ往路に行かすとしても、復路にはそんなので帰っちゃいけませんよという指導をちゃんとするとか、あるいはそういうものは直ちに監査に入るとか、いろいろなやり方があったんだろうと思っております。反省点として生かしていきたいと思っております。
○原田(憲)委員 今後こういうことがないようにしていただきたいと思います。 ツアーバスの問題は、運行だけではなくて、実は大きな問題を含んでおります。といいますのは、地方の小さいバス会社、都市内の輸送を担っておる企業さんが、一生懸命やってもお客さんが少ないので赤字だ、その分を都市間高速で売り上げを上げて、何とか会社として維持しておるという実態を私はお聞きいたしております。正規でまじめにやっている人が、汗をかいて一生懸命やっている人が報われないようなことにならないように、ぜひ今後とも取り組んでいただくようにお願いをいたしまして、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○塩谷委員長 古賀一成君。
○古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。 国会も最終盤に近くなりまして、きょう質問の時間を与えていただきましたので、きょう一日で解決する問題ではありませんけれども、常日ごろ国土交通行政にとって大変気になっておる分野につきまして、今後の方向も含めて、大臣にあるいはお役所の方にひとつ現時点での確認をさせていただきたく、いろいろな項目について、私が重要項目と思うところについて質問をさせていただきたいと思います。 まず、きょうは文部科学省の方にも来ていただいておりますけれども、こちらに御質問を申し上げます。 実は、手元に、これだけのはがきが私の事務所に来たんです。数週間にわたりまして、この三週間、たくさんはがきが来るなと思っておりました。これは、実は学校関係者の方々、先生もおりますし、ほかのいろいろな方もおられるんですけれども、例の職員の給与の問題、義務教育の国庫負担問題かなと思いきや、ほとんどのはがきに、学校の校舎の劣化、施設の老朽化、こういったものに対する切々たる要望が来ているんです。 この手の大量に来るはがきというのは、大体文章が決まっているとか、こういうのがちょいちょいあるんですけれども、これはもう全部違うんですね。それぞれがそれぞれの思いで、四百字書いたり二百字書いたり、本当に直筆において、自分が現場で考えている、悩んでいることを書いておられる。その中に施設の関係が大変多くて、びっくりしておったんです。 そのときに、せんだって、六月九日、全国の新聞に、公立学校の校舎が耐震強度の面で大変危ないというショッキングな記事が載りました。 これについて、もちろん学校というものは、日本にとって宝である子供が日々勉強しているところであるし、いざ災害となれば避難所になる場所でもある。そういう意味では、子供たちにとってだけでなくて、コミュニティーにとってもしっかり強固であるべき施設だと思うんです。 これが実は、新聞報道によりますと、十三万棟の公立学校のうち、震度六強で少なくとも四千三百二十八棟が倒壊のおそれ、こういう記事でございました。しかも、耐震診断の進捗状況もまだ一〇〇%でない。今後これがどういうふうになっていくのか、今後これを財政的にも政策的にもどう措置していくのかというものは大変重要なところであろうと思い、まず冒頭の質問をさせていただきたいと思います。 この調査の結果の概要、そしてこの時期においてこうした調査をされた趣旨というものはいかがなものであったのか、文部科学省の方から御説明を賜りたいと思います。
○岡政府参考人 お答えいたします。 まず、調査の趣旨でございますけれども、毎年、文部科学省としますと、四月一日現在で耐震改修状況の調査をしておりまして、ことしも、毎年の調査の一環としまして、十九年の四月一日現在の耐震化等の状況を調査したものでございます。 今般の調査結果ですけれども、公立小中学校の耐震診断実施率というのは八九・四%という形になっておりまして、前年度が六七・九%ということで、前年度に比べまして二一・五%の進捗状況になっております。それから耐震化率でございますけれども、五八・六%ということでございまして、前年度が五四・七%ということでございましたので、前年度に比べまして三・九%の進捗という形になっております。 それから、先生が今おっしゃられましたように、耐震診断の結果、危険性が高いとされる建物が一定割合存在することが明らかになったということでございまして、私ども極めて深刻に受けとめているところでございます。 文部科学省としましては、耐震診断未実施の設置者に対しまして、耐震診断の速やかな実施を求めるとともに、各地方公共団体に対しまして、診断結果を公表すること、それから耐震診断結果を踏まえ緊急性の高いものから優先的に耐震化に取り組むこと等を求める通知を発したところでございます。 私どもとしましては、関連予算の確保を図るなど、引き続き耐震化に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○古賀(一)委員 今の答弁を聞いて、ちょっとまたわからないところがふえたんですけれども、といいますのは、毎年四月一日現在でやってあると。そうしますと、去年の段階、二年前の段階、例の耐震偽装があれだけ問題になったその時期にやはり同じくやっているわけですね。ところが、これだけの大規模な範囲にわたって、小学校、中学校、公立学校が危ないというところは余り表に出なかった。それはもちろん、調査率が今年度で九〇%、去年よりも二〇%伸びたというんですけれども、昨年の段階でもこういう傾向というのは当然わかっておったんだと思うんですよ。それが何で、新しい政策として、新しい予算措置として、新しい対策を講じなきゃならぬという議論がなしに、ことし降ってわいたように、大変なんだ、深刻なんだ、それで、先ほどのお話のように、公表を今後地方の教育委員会に求めていくと。何かばたばたとしている。 これは、今までの毎年の調査においてこういう傾向ははっきりしていて、構造的にこういう問題があるというのはもう把握してあったのではないですか。
○岡政府参考人 お答えいたします。 先生おっしゃいました耐震診断の結果の状況でございますけれども、今年度の調査からきちんと調査をしまして、今年度初めて発表したものでございます。ですから、前年度の調査ではそういった発表はしておりません。
○古賀(一)委員 確かにこれまでは耐震性ありなしという程度の判断だったとどこかの報道で聞きましたけれども、では、ことし、調査方法を変えた、もっとお金をかけて緻密なる耐震調査に切りかえた、それで初めてこれだけのものがはっきりとしたというふうに理解してよろしいんですか。
○岡政府参考人 お答えいたします。 今先生おっしゃいましたように、今年度からより詳細な調査をしまして、今回の発表のような結果が明らかになったということでございます。
○古賀(一)委員 私は、これはこの委員会で言ったことがあるかもしれませんが、二十七、八年前に実は建設省の道路局におりまして、そのときに、ちょうど時を同じくして、アメリカで社会資本、公共施設の劣化という問題が大問題になったんです。「荒廃するアメリカ」というキーワードで、相当な分野にこの問題提起が広がりました。その本を私見つけて、実は私自身が翻訳して出版をしたんです。 そのときに、インターステートハイウエーの橋、五つのうち一つがもう現在のトラックの荷重に耐えないということで通行どめになりとか、現にニューヨークのウエストサイドハイウエー、都市高速ですね、これも物の見事に路盤が落ちて死亡事故が起こる。あとは、ブルックリン橋のロープがさびて、維持管理されないままにぶち切れて、日本人が死ぬ、こういうのもあったんですね。 だから、いずれ日本も、高度経済成長時期にばたばたとつくったそういうものが耐用年数を迎え、維持管理に大変お金がかかる時代が来るだろう、こう思って、いわば警鐘を鳴らすような意味でも私自身そのキャンペーンをやったんです。 今の話で、耐震強度の問題だけでこれだけのものが、どちらかというと、去年までは大ざっぱな調査で済んできた、しかし、詳細にやるとこれだけの危険性を持つ現実が残った。そして、こういう耐震強度なんかはわからない学校の先生及び父兄からは、見た目だけでこれだけ老朽化している、危ない、使いにくいというはがきが来ているんですね。 私はやはり、これからの行政のパラダイムというか、社会資本、公共施設、そういうものが築何十年たって、つくれつくれ、行け行けどんどんで来たけれども、本当に、目立たないけれども、そういう維持、補修、管理というものをもっと正面に据えてチェックすべき時代だろう、こう思っております。 これは後ほど見せてもいいんですけれども、それだけの現実があるんです。文部科学省にはぜひ、義務教育の国庫負担問題だとか教育改革だとか、文部科学省も大変でしょうけれども、やはりそういう地道だけれども重要なところはぴしっと押さえて今後手を打っていくということをしっかりとやっていただきたいと思います。 あと、新聞記事を全部見ましても、本当にこれだけのものが危ないという記事の中で、文部科学省は公表しなさいと言っているけれども、では、公表したときに、地域からはすぐ改築しろというふうになる、その場合の財政の問題。今、予算措置を講ずる、こうありましたけれども、その点についてもうひとつ詳しく、今後具体的にどういう措置をしようとしているのか、方針を文部科学省にお伺いいたしたいと思います。財政措置、予算であります。
○岡政府参考人 お答えいたします。 財政措置でございますけれども、十八年度補正予算で一千百三十六億、それから十九年度当初予算で一千百四十億の公立文教施設整備費がございます。それを活用して耐震化を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、補助率は基本的には二分の一でございますので、そういった中で、残りの部分については地方負担になりますけれども、学校施設等整備事業債でありますとかそういうものを地方に活用していただいて、耐震化を円滑に進めていただければと考えているところでございます。 〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕
○古賀(一)委員 補正予算あるいは当初予算ということで措置は当然あるんだろうと思いますけれども、今のピッチでいった場合、では、未整備のもの、耐震改修をすべきものの総数から見て、どのぐらいの時間がかかるでしょうか。大ざっぱで結構です。
○岡政府参考人 お答えいたします。 現在の、先ほど申し上げました十八年度補正予算それから十九年度当初予算を使いますと、今私ども想定しておりますのは、耐震化率が六三%を超えるというふうに考えております。 また、今後のお話でございますけれども、現在、公立学校施設における現状の分析でありますとか今後の整備方針につきまして、外部の専門家の御意見をちょうだいしながら検討しているところでございます。文部科学省におきましては、その結果を踏まえまして、公立学校施設耐震化のための計画策定をして、耐震化関連予算等の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○古賀(一)委員 ストレートに何年かかるとは言えないんでしょうけれども、今のお話でありますと、十八年の補正と十九年の当初で、前年に比べて、五八・六%から六三%だから五%アップ、残事業が四〇%あるから、八年ぐらいで終わりそうにも聞こえるんですけれども、これだけの膨大なものでありまして、本当に八年ぐらいで改築できればいいなと思いますが、もうこれ以上言いません。 これはしっかりと、学校というものは本当に、これからの未来を担う子供の学習の場であり、地域のコミュニティーの場であり、いざ災害等が起こった場合の地域の人のよりどころになる、安全であるべき場所でありますから、ぜひ文部科学省として真剣に情熱を込めて対応していただきたい、かように思います。 二番目の質問でありますが、それにまた関連した似たような話でもあるんですが、アスベストの問題であります。 これについても、私はこの委員会で質問をしてまいりましたけれども、現下において、まだ十分な対応はとられていない。むしろ、アスベスト問題が大きく報道された、地方公共団体は自分の所管のところにアスベストがないか調べた、あった、そこで十分な検討もまだ行われないまま、資格を、アスベストの除去についてしっかりとした技術を持ったところがきれいな体系できちっとやっていくという体制がないままに、地方公共団体を中心にばたばたと除去工事を発注し、そしてアスベスト除去についての技術を持たないままに請け負い、丸投げし、それが案の定問題になる、こういう事例も全国で幾つも実は発覚をしておるんですね。 私の地元でもありました。福岡市の事例なんですけれども、海の近くの競艇場、それにアスベストがずっとあった。それを除去する、全然資格のない、技術もないところがこれを請け負った、そして案の定、あったはずのアスベストが、現在取ってみたのは非常に少なかった、どこに行ったんだ、不法投棄したんじゃないか、こういうことで疑心暗鬼が疑心暗鬼を生んだというような事例があり、実は新聞にも載り、行政処分も行われたんですね。まだこういう混乱の中にアスベスト問題がある、こう私は思っております。 このアスベストは、ざっと一千万トンですか、諸外国から輸入をしたものが日本に来た。スレートを中心に、あるいは吹きつけを中心に、まだいろいろ残っておる。これが、先ほど言った老朽化、耐用年数で解体というのが、まさに二〇一〇年、間もなくですよ、これからピークを迎えてくる。こういう状況でありまして、私は、アスベスト問題、ほとぼりが若干冷めた感じもしますけれども、これもまた、先ほどの問題同様、しっかりと対応をしなきゃならぬし、その体制をもう一回ここでレビューして、これで十分かということを各省庁で見詰め直してもらいたい、かように思うんです。 そこで、文部科学省にも、きょうそういうことで耐震強度の問題で来てもらいましたから、学校についても非常に気になるので、お聞きしたいと思います。 ちょうど二十年前、一九八七年に、全国で千三百三十七の公立小中学校で吹きつけアスベストが発覚しまして大騒ぎになったことがあるんです。ところが、その後、全体的にほとぼりが冷めてきて、この前のアスベスト問題まで封印というか、世の中をにぎわすことはなかったんですけれども、少なくとも二十年前には千三百三十七の学校で吹きつけアスベストが大問題になったという経緯があったんです。 その後、何せ子供が勉強する場所ですから非常に重要な空間だと思います、学校におけるアスベストの賦存の状況あるいは残存量、除去の進捗状況というものはいかがになっているんでしょうか。行政はどういうふうに今これを解決しようとしておるのか、文部科学省の分野について、まずお聞きしたいと思います。
○岡政府参考人 お答えいたします。 文部科学省では、子供たちの安全対策に万全を期すため、吹きつけアスベスト等の使用実態調査を、これは十五万二千機関ございますけれども、実施してきているところでございます。 最近の状況でございますけれども、アスベストの含有量が一%を超えるものについて暴露のおそれのある部屋等を保有する学校施設は、平成十八年三月時点の調査では九百五十八機関ございました。同年の九月に調査を再度いたしまして、その時点では二百三十二機関になっておりますので、七百二十六機関の減になっております。また、アスベストの含有率が〇・一%を超え一%以下のものについて暴露のおそれのある部屋等を保有する学校施設等は、平成十八年十二月時点の調査では六十七機関ということになっております。 文部科学省としましては、従来から、アスベスト除去等の対策につきまして国庫補助等を行っております。また、先生のお話にもございましたように、風化しないようにということもありますので、引き続き、アスベスト対策の実施状況に関するフォローアップ調査を継続して実施することや、会議等でアスベスト対策について継続して周知を行うことなど、安全対策に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○古賀(一)委員 わかりました。 それでは、厚生労働省もお越しいただいておりますので、一応今のところ、アスベスト問題は、労働安全衛生法というか、その体系が対策の中心になっているように思うんですけれども、私はこれで不十分だと思っているんですけれども、厚生労働省、旧労働省ですね、アスベスト問題発覚後、現在までの対策の強化、そして今後の方向、そしてその真ん中にある現在における課題というものをどういうふうに認識し、推進しておられるか、御説明をいただきたいと思います。
○小野政府参考人 お答えを申し上げます。 厚生労働省関係におきましては、アスベストに関しまして、昨年の九月一日に労働安全衛生法の施行令を改正いたしまして、製造、輸入等を全面的に禁止いたしました。 委員御指摘のとおり、今後は、こうしたアスベストを使用した建築物の解体などの作業における暴露防止対策というものが大きな課題であるというふうに認識をいたしております。 このため、解体工事等につきましては、労働安全衛生法の石綿障害予防規則に基づきまして、吹きつけ石綿の除去作業場所の隔離ですとか、湿潤化による発じんの抑制、労働者への防じんマスクの使用などの暴露防止対策を義務づけておりますので、その徹底を事業者に対して現在指導しているところでございます。 平成十八年におきまして、全国の七千五百十七の解体工事現場に対しまして、この規則に基づく措置に関して立ち入りによる指導を実施したところでございます。また、事業者が工事を進めやすいように支援をするという観点から、この解体作業等における石綿暴露防止に関する講習会を全国六十七カ所で実施いたしました。延べ約三千名の方に受講をいただいておるところでございます。 こういった措置を含めて、規則に定められた措置等の徹底を図りまして、暴露防止対策に努めていきたい、こういうふうに考えております。
○古賀(一)委員 今、七千五百十七現場について立ち入りとありましたけれども、それは立ち入りをした件数が七千五百十七なんですか。そうですね。その結果、どうなんですか。うまくいっているんでしょうか、問題はないんでしょうか。私も現場の話をいろいろ聞くんですね。確かに、規則がこう変わった、強化をした、現場には七千五百十七件について立ち入りをしたと。でも、そこで課題はないのか、そこら辺の評価をお聞かせ願いたいと思います。
○小野政府参考人 お答え申し上げます。 今、平成十八年の数字は直接持ち合わせておりませんけれども、同じく平成十七年の八月から十月末までにかけて監督指導を実施した結果を御説明させていただきます。 平成十七年につきましては、全体で千二百八十の作業現場を監督指導いたしました。その中で、この石綿障害予防規則に関する違反が認められましたものは七十一現場、違反率が五・五%でございました。この違反の内容でございますけれども、一つは、労働者に対する特別教育というものが規定されておりますけれども、こういった教育が十分に行われていなかった、これが二十六件、違反率二%。それから、アスベストの使用の有無の事前調査ですとか記録保存が適切に行われていない、そういうものが二十三件、一・八%というような実態になっております。 これらにつきましては、監督指導した際に、直ちに速やかに是正するように、こういうことで指導し、是正されていると思っております。
○古賀(一)委員 厚生労働省と文部科学省はもう結構でございます。 そこで、アスベストについては、いわゆる石綿暴露防止規則ということで、大きく言えば労働安全衛生法の体系の中でやっている。これはあくまで作業現場における作業員の、労働者の健康被害防止という観点なんですね。 ところが、アスベスト問題というのは、工事現場で、はつりをして除去したアスベストの処理の問題もある。それから、後ほど申し上げますけれども、一番大量にアスベストが入っているのはスレートだと思うんですよ。スレートも、例えば五十年前につくった工場、屋根ぶきに全部スレートでつくった。強い雨が降る、海風にさらされる、強い太陽を浴びる、やはり劣化していくんですね。これが結局、大雨で一部めくれる、風で飛ぶというようなこともこれまたある。これは労働安全衛生規則ではどうしようもない範囲なんですね。 だから、そういう面でいうと、アスベストについての総合対策というもの、廃棄物処理からスレートの問題からいろいろなものをやはり検討すべきテーマだろうし、これまた先ほどの耐震設計と同じように、そろそろその問題が、一定の時間を過ぎて、火を噴いてくる、表に出てくる時期だけに、私はそう思うんです。 そこで、国土交通省としてこのアスベストの、建築でアスベストを使うわけですね、スレートにしても。その裏返しが解体であり劣化だと思うんですよ。その意味では、国土交通省は相当の責任を担うし、政策的な措置を講ずる力もノウハウも持っていると私は思うんです。 そこで、国土交通省にお伺いをいたしたいんですけれども、今私が申し上げましたような、全体を見渡したときに、国土交通行政として、アスベスト問題の方向あるいは深刻さ、そういうものをどう認識しておられるかをここで確認させていただきたいと思います。
○宿利政府参考人 まず、アスベスト問題についての私どもの基本認識でありますけれども、これは人命にかかわる話でございますから、一つは、被害の未然防止を徹底するということ、それからもう一つは、やはり国民が不安を持っておりますので、これに的確に対応していくということが必要だと思っておりまして、そういう意味で、関係各府省ときちっと連携をしながら、かつ、スピード感を持ってしっかりと対応していくということが必要な、極めて重要な課題であるという認識をしております。 まず、国土交通省の具体的な取り組みでありますけれども、一つは、除去をきちっとやっていくということが特に急がれたわけでありますが、これにつきましては、国の機関の建築物、公共住宅、あるいは鉄道駅やバスターミナルなどの交通関連の施設につきまして、吹きつけアスベストなどの使用実態調査を行いました。それに基づいて、調査の結果、吹きつけアスベストなどが使用されているというものにつきましては、除去、封じ込めなどの対策を鋭意進めてきているところでございます。 また、アスベストの処理を的確に行って被害を未然に防止するという観点からは、古賀委員からもお話がございましたけれども、一つは労働安全衛生法、それから大気汚染防止法、また廃棄物処理法といった法律の中で細かな規制がされておりますので、この規制に基づいて適正に工事が行われるということが極めて重要だと考えております。 そういった観点から、私ども、建設業者に対しまして、関係法令の遵守について周知徹底を折に触れて図っているところでありますし、アスベストの除去現場におきまして適法に手続や作業が行われるということが大切だと思っております。そういう意味で、きょうここに今お持ちしておりますけれども、これは「目で見るアスベスト建材」という冊子でございますが、容易にアスベスト建材を識別できるような参考資料として私どもが作成をいたしまして、これを配布しておりますし、あるいはインターネットを通じた情報提供などを図って、周知徹底に努めております。 また、これは古賀委員御承知のところでありますが、昨年の通常国会で建築物における吹きつけアスベストなどの使用を規制するための建築基準法の改正が既に行われておりまして、昨年の十月一日から施行されているところであります。 このような国土交通省としての取り組みと関係各府省の取り組みを緊密に連携させまして、この問題について適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○古賀(一)委員 確かに、アスベスト関連法制は救済法からあるいは大気汚染、建築基準、労働安全衛生、各分野でされてきたのは、今局長の御報告のとおりです。 しかし、一点、私はここで申し上げたいことがあるのは、建設業者に法令遵守ということで言っておる、その遵守すべき法律をこうやって強化してきた、こういう話だと思うんですね、今のお話は。 ところが、あの耐震偽装だって、建設業法がある、建築基準法という法律がある、建築士法という士法もある、いろいろな規制がかかっておったのに、それを無視して、結局、あの耐震偽装の問題があったわけですよ。そして、この耐震偽装が問題であったのは、この一軒だけが地震でつぶれるということももちろん重要な問題なんですけれども、それが結局、地震のときに倒壊し、都市の安全、災害時のいろいろなものに支障するという、いわゆる外部不経済というか、潜在的な外部不経済まで含む重要な問題だったから問題であったと思うんですよ。 アスベストもよく似ていると思うんです。法令は今たくさんこうやって強化している。それが遵守されるのか、その遵守する能力が今度はこれに携わる人たちにあるのかというのが実は問われていると私は思うんです。 先ほど私が申し上げました、いわゆる福岡市での管内でのアスベスト除去工事が、資格のない者が、そういう縛りがないから、アスベストの除去工事はもうかるぞ、うちがとるぞと、資格もないのにとる、とって丸投げする、案の定アスベストがどこに消えたかわからぬような状況になる。こういうのは、今後、民間工事とかでいろいろ出てくると私は思うんですよ。 私はそこで、それは法律を守ってもらえばいいんだというのは、確かにお役所の論理としてありますけれども、これだけ外部不経済で、将来、広い地域に影響があるかもしれない。中皮腫なんというのは、二十年、五十年後発病する、がんになるという、すぐ見える話でもないんです。そうすると、これは本当に万全の仕掛けを打つべきだと思う。 そういう中で、申し上げたいのは、公共工事におけるいわゆるアスベスト除去工事あるいは封じ込め工事、こういうものに当たっては、技術士の要件、本当にアスベストをきちっと除去できる、単に建設業の許可を持っているというだけではなくて、本当にアスベストという重要問題で、非常に作業が難しい、いろいろな配慮をしなきゃならぬ、この段階で水をまく、この段階でビニールを張る、非常に経験も必要、そういう分野だと思うんですよ。そうしますと、公共工事については、技術要件をもっと、もうイーファン高めるべきだと私は思うんです。 国の工事については、実は、国土交通省所管で日本建築センターというちゃんとした財団があり、各工法について技術審査証明制度という制度を持っているんです。アスベスト除去については、この会社が開発した除去工事のこのプロセス、この機械、このやり方は十分な技術として認定しますという制度があるんです。アスベストについてはざっと三十あるんですよ、三十社が持っているんです。 ところが、せっかく認定を受け、申請を出し、検証してもらって認定をもらっているにもかかわらず、結局、いざアスベストの発注工事になれば、やったこともないところ、技術もないところ、そういうものが地方公共団体の公共工事、民間工事でばんばんやっていくなら、我々市民というのは安心できないと思う。せっかくこういう制度をつくり、技術審査証明という制度で民間会社に、みんな頑張れ、技術を高めろ、高めたら認証する、こういう制度を生かさない手はないと私は思うんですよ。 そういう面で、私は、公共工事、実は国はやっているんですけれども、地方公共団体あるいはひいては民間へ、やはりこういう技術を持ったところにきちっとやらせるという体系を政府はとるべきだ、こう思い、国土交通大臣にお聞きしたいんです。 実は、地方公共団体の発注行政については総務省所管だと。ところが、総務省なんかは、アスベスト問題については直接関係ないということで、専門知識もないですよ。やはりこれだけの大騒ぎになった問題でありますから、いわゆる建築行政は国土交通省がやっている、その裏返しが、解体のときにこのアスベスト問題が出るわけでありますから、私は、国土交通省は十分にリーダーシップをとる能力と、またノウハウと責任を持っていると思うのであります。 この点について、少なくとも地方公共団体が発注するアスベストの除去、封じ込め工事等々は、今後もっと技術資格を高めていくということについてどういう御方針をお持ちか、私としてはぜひそういう方向で強化してもらいたいと要望を申し上げながら、御意見を賜りたいと思います。
○冬柴国務大臣 私に対するお尋ねにお答えする前に、パット・チョートさんの「荒廃するアメリカ」を古賀議員が翻訳された、大変な見識だと思うんですね。 当時、アメリカの公共事業費は削減に削減を重ねていた。現在の日本とよく似ているんですね。そして、そのために、多くの橋梁等の保守点検等を怠ったがゆえに、当時、たしかニューヨーク市でも一万四千件ぐらいの設置、保存の瑕疵による損害賠償請求を受けて大問題になった、そしてまた日本人も死んだというようなことから、レーガンのときに、公共事業予算、特に保守点検等について大事だということで、その流れは今日まで続いて、公共事業費は大変大きく伸びているんですね。 そういうことでありまして、一つの本がこれほど大きな影響を与えたというのは少ないと思うんですが、そういう警世の書を翻訳されて日本で広められた、それは心から敬意を表したいと思います。 それで、お尋ねについてお答えいたします。 一昨年六月に、これは私の地元でございますが、クボタがアスベストについて、自分たちがつくったこと、そしてそういうものが非常に大きな被害を及ぼすことというようなことを公にいたしまして、これは前からいろいろ問題にされていたところですけれども、最近また非常に大きな影響を及ぼし、そして今、現在それで苦しんでおられる方に対する医療等、あるいは亡くなった方に対するお見舞い等、因果関係を問わず、給付金という形で対処するという大きな流れができたという、非常に大きな問題であります。 このアスベストを除去する、これについては、二次的にそれが飛散しないように、工事をしている人だけではなしに、その周辺に居住しておられる一般の市民に対して、アスベストというものを吸引するようなことがないような工事をする、非常に大事な視点だと思います。 そういうことから、先ほど御指摘がありましたように、財団法人日本建築センターにおきまして、吹きつけアスベストが安全に除去できる技術について、審査証明事業として技術評価を行い、そして証明書を発行しているということがございます。 御指摘のように、国土交通省の官庁営繕工事におきましては、施工業者は工事に相応した技術を有することを証明する資料を監督職員に提出しなければならないというような文言を入れまして、そして、このような吹きつけアスベストを除去する工事についてはこの証明書を提出させる、そういう提出できる業者にやっていただくということで対処していることは、委員がおっしゃったとおりでございます。 また、地方はどうなのか、地方公共団体あるいは民間の事業者等に対してはどうかというところが最大の御指摘でございますが、我々としましては、そういう業者を通じて飛散防止に努めなきゃならないし、また、そういうものについてはそういう証明書を発行して、そしてそういう業者がどなたであるかということはきちっと明らかにすることができるということを講習会等の場を通じて周知を図っております。 そして、今後も情報の提供に努めますし、そしてまた、そういう人たちによる吹きつけアスベストの除去、そういうものをやってほしいというようなことの意見表明はしますけれども、それを法的にまで高めることができるかどうか、私どもは、現在は周知徹底という方法で、地方公共団体には、それを行う場合にはそういう業者にやってもらうようにすべきだということがわかるように周知徹底するという方向を今とっているわけでございますが、御指摘は重く受けとめながら、もう少し見させていただきたいと思います。
○古賀(一)委員 私は、国民の立場からいえば、アスベスト問題というのは極めて気持ち悪い、見えない、二十年後に発症する、そういう問題で、これについて万全を期すということについて国民はだれも反対もしないし、そうしてほしいと思っていると思うんですよ。 一方、産廃の処理もそうですよ。このアスベスト除去工事もそう。今、不況ですから、何か金になりそうな工事があれば、いかがわしい、経歴も十分でない、ノウハウも十分でないという人たちがすぐ入り込んできそうな分野でもあるんですよ。産廃もそういうところがあります。 やはりこういう国民が期待していること、国民にとっては、ちゃんと行政がそこのところを対応しなきゃならぬ分野であり、一方で、これをやろうとするのがそういういかがわしいものも懸念される分野となれば、すぐ法律で書けとは言いませんよ、しかし、それは得意の通達行政で、やはり国民の、地域の方の健康というものから見て、極力技術の高い者を最優先してやれと。例えば日本建築センターのそういう技術審査制度、ほかにあればそれも挙げてもらっていい。そういうことを推奨しないと、結局、技術を高めた者がばかを見る。それは国益にも反すると思うんですよ。私はそういう面で、何を逡巡されるんだろうかと。 だからこれは、総務省所管の分があるならば総務省に、やはりアスベストの問題から見て、こういう方向で通達をどうか考えてくれぬかというような協議ぐらいはやっていいと思うんですね。 これについては、大臣もひとつ受けとめられたと私は受けとめまして、ここで終わりますけれども、アスベスト問題は、昭和五十年代初期にあれだけ大問題になって、ほとぼりが冷めて、案の定大問題がまた発覚して、また大騒ぎになる、おたおたする、こういうものの繰り返しを歴史的にやってきたんです。また最近ほとぼりが冷めたから、このままでいいだろうと思っていたら、私は、必ずこれはまた起こると思います、必ず起こると思う。 私はそういう面で、この点について今後とも見守っていきたいと思うし、ぜひ国土交通省においては鋭意その方向での検討をお願いし、一日も早いアクションを期待しておることを申し上げまして、この問題を終わりたいと思います。 次に、もう一つ環境絡みで、CO2問題。 いよいよ地球温暖化の問題は、加速的に何か深刻化しているように私肌で感じますね。暑いし、いろいろな外国に行きましても、去年は異常気象だったという話をよく聞くんです。そうしますと、今後このCO2問題はどうなっていくか、今後私は大変深く勉強していきたいと思っておるんですが、政府において、まず、CO2削減計画、目標、現状はどうなっておるか、ちょっと概略を御説明いただければと思います。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 温暖化問題でございますが、その予想される影響の大きさまた深刻さから見て、人類の生存基盤にかかわる重要な問題だと認識しております。 お尋ねの、我が国政府としての対策でございますが、平成十七年四月に閣議決定をいたしました京都議定書目標達成計画に基づきまして、さまざまな施策を各省連携のもとで講じているところでございます。 しかしながら、平成十七年度、これが最新の数字でございますけれども、これを見ますと、我が国の温室効果ガスの排出量は、基準年でございます一九九〇年と比べて七・八%の増加ということになっております。したがいまして、京都議定書の六%削減約束、この達成に向けて、さらに大きな努力を要するような状況であると認識しております。 このため、業務あるいは家庭部門におきます住宅・建築物の省エネ性能の一層の向上、また省エネ機器の一層の普及、さらに燃費性能のすぐれた自動車の一層の普及、公共交通機関の利用促進などの交通流対策、加えまして太陽光発電、バイオマスなどの再生可能エネルギーの一層の普及を初め、対策の加速化と強化が必要だと考えております。 このような認識のもと、現在、関係省庁とも連携をいたしまして、先ほど申し上げました目標達成計画の見直し作業を進めているところでございます。この中で、必要な対策の追加あるいは強化の検討を行いまして、今年度中に見直し内容を決定して、六%削減約束の達成に確実を期す、こういうことにしてございます。
○古賀(一)委員 私、環境省に申し上げたいんですけれども、確かに、各省庁集まって、各部局に集まってもらって、この分野で何十万トンのCO2削減ならぬか、そういう積み上げは今議論をやっているのかもしれない。でも、国民サイドから見れば、何かCO2の削減、ブッシュがどうだ、サミットでどうだ、いろいろ新聞には載るけれども、自分のこと、もっと具体的にやれることというイメージが何か伝わってこないような気が私はするんですね。 それで、今のような御説明もあるんでしょうけれども、例えば、こういう分析というか目標、やり方というのはないんでしょうか。ソーラー発電を、今現状は世帯数に対して普及は何%、しかしこれが三〇%になればCO2削減は何百万トンとか、テレビを一日一時間、今国民の皆さんが減らせれば、CO2は何十万トン減りますとか、国民にとってわかるような説明がほとんどなしに来ているから、何か盛り上がっていないというか、そういう感じがするんですよ。むしろ一番大きいのはやはり家庭じゃないでしょうか。テレビを一時間消せばどうなる、電気自動車の普及が三〇%に達したらこうなりますという、国民にわかるような形で、ああ、ではそういう社会になればいいなと、企業も電気自動車を頑張る。 やはり国民のそういう価値観というのか、そういうものをかきまぜて、そっちに誘導していかないと、この問題は、何かお役所が計算ばかりして、産業分野ではトランスポーテーションの分野で何百万トンと書いたって、それは本当なのかと、絵そらごとみたいに見えるんですけれども、政府はそういう、国民にCO2削減をもっとわかりやすく訴えるあるいは説明するという努力はやっておられるんでしょうか。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 ハイリゲンダム・サミットに向けまして、先月、五月二十四日でございますが、安倍総理が、美しい星50という政策を国の内外に提案いたしたところでございます。その中で、やはり先生御指摘の、国民こぞって温暖化対策に積極的に取り組むような方向がぜひ必要だという考え方から、一人一日一キログラムの温室効果ガスの削減を具体的に進めていこうという呼びかけを総理から申し上げました。 こういうことを中心に、これから国民運動をしっかり政府としても展開すべく、必要な施策を講じてまいりたい、このように考えております。
○古賀(一)委員 大臣、これは今後、年々この地球環境、CO2問題は大きくなってくると私は思います。危機すら感じます。 それで、今のような、政府サイド、そして業界相手の、しかも抽象的な目標というか数字を並べるようなことではなくて、安倍総理が言っておられると言うけれども、やはり抽象的でわかりにくいと思うんです。 例えば、具体的なことがたくさんあるんです。そういうものをずっとモデル事業としてやる、あるいは補助を出してもいい、そういうものをどんどんやっていけば、おのずともっと新しい知恵も出てくると私は思います。 屋上緑化だってそうなんですよ。私も言い出してもう十何年たちます。コンクリートのベランダに芝生、パレット芝生というものがあるんですよ、プラスチックの箱に芝生を置いて、ぽんぽんぽんと置くだけで一発でコンクリートのベランダが芝生のあれになるんですけれども、これで散水すれば十四度の差があるんです、十四度ですよ。都市緑化にもなるし、美化にもなるし、CO2問題もあるし、省エネにもなるし、ヒートアイランド現象の減少にもなる。では、屋上緑化は試算すればこうだと。 それから、校庭緑化だってそうですね。それから、外断熱方式で建築物を今後こうすればこれだけの省エネになる。そういうものを、やはり国民にとって、ああ、そうなのかというメニューを、最低、メニューを示し、それに助成金とか広報を加えればもっといい。 やはり私は、そういう試みというものがCO2削減については必要な時代だろうと思うし、国土交通省の中で、具体的な事業は何があるのか、地域の知恵で何かやっておるところはないか、世界で最先端でやっているものはないか、あるいは我々で思いつくものはないかというのを一回議論すべきだと思う。 その中で私がぜひ提案したいのは、私もいろいろな技術関係の人と話をするんですけれども、外断熱とちょっと関係もあるんですが、特殊塗料で大変断熱効果が高い塗料というのがあり得ると思うんですよ、あるんですよ。もっといいものも開発すればあるかもしれない。 例えばこれを使うならば、家庭あるいは屋根、物流でいえばコンテナそれから保冷車、そして何よりも一番大きいのはスレートぶきの工場の屋根。さっき言ったように、もう三十年、四十年たっている、風化し始めたんじゃないか、もう強度も落ちている、危ない、こういうところに、そういう技術、ハイテク、そういうものでやる。 例えば、一番わかりやすいものは、老朽化した工場にこの特殊塗料をまくことによって何が起こるか。一つは美観ですね。国土交通省だって景観というものを物すごく重要視している。それから断熱効果は、今までのスレートに比べて四、五度下がるというんですね。五度下げるというのは相当のCO2効果があります。そして、美観と省エネの次に、結局、アスベストの封じ込めということになるんですね。工場を解体してスレートを全部一回取っ払うということになれば、工場は一回閉鎖ですよ、何カ月間。それが、こういう吹きつけによって、工場は稼働させながらできる。そういうものが実はあるんです。これはある大学に全部検証もしてもらったんです。 これは一つの例ですけれども、私は、事は、国民にわかるような形で、そして実際、効果があるような積み上げなんですよ。この分野で、運輸関係で五百万トンの削減とか、いろいろ書いても世の中は動かない。やはり全部が、一つ一つの知恵による積み上げでCO2というのが減っていくんだと思うんです。 そういう面で、これで終わりますけれども、CO2削減について、そういった新しい、国土交通省が先鞭を切って、国民にわかる政策体系のメニューを出すということについて、ぜひやっていただきたい、こう思いますけれども、最後に大臣の決意をいただきたいと思います。
○冬柴国務大臣 まことにわかりやすい対策だと思います。総理からも私に対して、もう古賀議員がおっしゃったのと同じような指示がありました。 そういうことから、私ども国土交通省におきましては、官庁の庁舎、これは全省庁、地方も含めて、一千平米以上、屋上があり、そしてその構造がそれに適する部分については、半分は太陽光発電パネル、そして半分は緑を植える。そういうことにしますと、約十万平方メートルありますから、半分で五万。その五万で発電されるものは、今、国土交通省が使っている建物、地下二階、地上十一階で七万平方メートルありますが、そこで使っている電力全部を賄えるぐらいのものがあります。 それから、先ほどの、私も屋上の緑化したところを見ましたけれども、真夏では、緑化していないところは六十度まで上がりますが、緑化したところは三十度で保たれていました。三十度の差があります。そういうことはやはり非常に大きな効果がありますし、我々もこれを早急に実現しようと、総理の指示でもございます。 それから、きょうは私、初めてこんな、ちょっと行くところがあるものですからきちっとネクタイをしてきたんですけれども、とにかく六月一日から九月末まではクールビズでやろう、そして二十八度に保とう。これも具体的な、隗より始めよで、全部でやろうということで、こういうこともやっております。 今後も、このCO2削減については、国民にも、テレビが一軒に何台もある、しかも大きくなっちゃった、それからパソコンも一人で何台も持っておられる、そういうような生活のライフスタイルが変わったということが非常に大きいと思うんですね。そういう意味で、委員がおっしゃったように、国民にわかりやすい形でCO2削減に努力しようじゃないかというアピールをしてまいりたい、このように思います。
○古賀(一)委員 それでは、古賀一成は終わりまして、田島一成にかわります。
○西銘委員長代理 田島一成君。
○田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。 古賀一成委員にかわってと申し上げようと思ったところ、先に言われてしまいましたので、失礼します。 きょうは、この国土交通委員会で質問時間をちょうだいいたしました。大臣以下、関係者からの明快な答弁をぜひいただきたく、お願いを申し上げておきたいと思います。 きょうは、私、いつも環境委員会におりますものですから、先ほどの古賀委員の方も環境問題に焦点を当てた御質問でしたけれども、今回は地球温暖化とは少し視点の違う、食品リサイクルの観点から、ディスポーザーのあり方についてお尋ねをしたいと思います。 ついせんだって、改正食品リサイクル法が成立をいたしました。生ごみ残渣、環境部門の中では食品循環資源という扱いをしておりますけれども、その生ごみ残渣を供給する食品関連事業者を対象として、栄養価の高い生ごみをどのようにして飼料や肥料にしていくのかということをより厳しく法律の中にうたった改正の法律でありました。 ところが、その環境委員会での審議の中でも議論をさせていただいたのが、ディスポーザーの普及状態であります。 大臣も御存じのように、今や、集合住宅を中心に全国的に、このディスポーザー、生ごみ粉砕機が普及をしてきています。この点については国土交通省の方も調査等をされてきたところでありますけれども、この普及率、非常に飛躍的な伸びを示しているというふうに聞いています。 食品リサイクルのあり方からすると、私ども、ディスポーザー自体は非常に問題が大きいというふうに感じているわけですけれども、まず大臣、この食品リサイクルの改正法の成立、それとリサイクルのあり方、またディスポーザーについての御認識をぜひ冒頭お聞かせいただきたいと思います。
○冬柴国務大臣 私も集合住宅に住んでいる一人でございまして、ディスポーザーは買ったときからついております。 ただ、これにつきましては、食品廃棄物等の有機性廃棄物については資源として有効利用することが重要でありまして、国土交通省としても、下水汚泥の有機性廃棄物を肥料や熱エネルギーとして活用するリサイクルの推進に取り組んでいるところでございます。 ディスポーザーについては、家庭等から発生する生ごみを効率的に収集して、下水汚泥とともにリサイクルする有効な手法の一つと考えられております。 ディスポーザーの導入の是非につきましては、各地方公共団体におきまして、それぞれの地域特性を踏まえまして、経済性、環境面等総合的な観点から評価を行うとともに、地域住民や専門家の意見を聞きながら判断をしていくべきだろうというふうに思います。 と申しますのも、ディスポーザーを採用した場合に、いい面と悪い面があります。その地域において、それを採用することによっていい面を評価できるのか、あるいは悪い面を取り除くためにもうディスポーザーは使わない方がいいという判断をされるかは、その地域地域の特性に応じて判断されていくべきではないかという考え方を私は持っています。
○田島(一)委員 御存じとは思いますけれども、近年、エタノールブームで、アメリカのトウモロコシの市場価格が非常に高騰してきています。といいますのも、現在、配合飼料の主原料であるトウモロコシが高騰してくると、日本のいわゆる酪農家等々に非常に大きな打撃を及ぼすであろうというふうに言われているものですから、私は、この生ごみ、食品循環資源を、肥料ではなく飼料、いわゆる家畜のえさに活用していくことこそ、今のもったいない精神をきちっと踏襲した資源循環ではないかなというふうに考えるんですね。 今、大臣の御答弁の中では、資源としての有効利用は肥料であるとかエネルギーというふうにおっしゃいました。もちろん今回の食リ法の中でもそのようにうたわれているんですけれども、この豊富な栄養価を持つ生ごみを有効に活用すると考えれば、飼料化の方が何よりやはり重要ではないかなというふうに考えるんですが、その点についてのお考えをぜひ聞かせてください。
○冬柴国務大臣 私どもも、北海道及び歌登町と、現在の枝幸町でございますけれども、共同で、平成十二年から十五年までの四年間、このディスポーザー導入の是非につきまして判断するために、技術的評価をするための参考資料を提供する目的で、社会実験と申しますか、共同研究を行ってきたところでございます。 その中には、いろいろな考え方が、先ほど言いましたように、いい面と悪い面がある程度されているわけですけれども、今おっしゃったような角度、それを飼料に使う有効性という角度からはちょっと見ていないように思います。 したがいまして、こういうものを採用することによって、悪臭の防止とか、あるいはゴキブリ、カラス等の衛生問題の解消とか、一番大きいのはごみの減量化による高層住宅等からのごみ出し作業の軽減ということ、それから、エネルギー効率として、下水道によるリサイクルの促進、それから減量化によるごみの収集、焼却処理の効率化というようなところが、その結果、そういうメリットがあるということがわかりました。 それから、デメリットとしては、やはり雨水等と合流したときにそのまま流れてしまう、河川等あるいは海洋の富栄養の原因になる、それから管渠の堆積物による流下阻害ということで、それこそ硫化水素による腐食が進むのではないか、あるいは負荷増大により水質が悪化しないか、それから汚泥発生量が増大しないか、この汚泥は汚泥で我々は処理をしようとしておるわけですけれども、そのような点が、もっと細かいのがあるんですけれども、指摘されておりますが、今委員が御指摘のように、これを飼料として使うという発想はここにないように思います。
○田島(一)委員 大変残念なことなんですね。 実は、五月二十二日に、衆議院の環境委員会でもこの改正リサイクル法の審議を行いました。そのときに、私、若林環境大臣に同じようにディスポーザーの設備についての考え方を聞かせていただいたところ、やはり好ましくないということをはっきりおっしゃっていただいたんです。 きょう、環境省の部長にもお越しいただいていますので、環境省としてこのディスポーザー設備はどう認識をされているのか、改めてちょっとここで御披露いただけないでしょうか。
○由田政府参考人 ディスポーザーは、食品廃棄物のリサイクルを進める観点においては、特段評価できるものではないというふうに考えております。今後とも、家庭の生ごみを含め、食品廃棄物のまずは発生を抑制し、リサイクルを進め、減量に努めていくことが重要であるというふうに認識をいたしております。 循環型社会の形成が求められている今日におきましては、消費者におきましても、食品廃棄物の発生抑制、再生利用、減量に努めていただくことが重要でありまして、そのための市町村の取り組みに対する支援及び消費者に対する普及啓発に努めてまいりたい、このように考えております。
○田島(一)委員 大臣はもっとはっきりお答えいただいたんですよね。 ディスポーザーによって、いわゆる肥料化は可能であったとしても、飼料化という問題については対応することができません。もちろん、この改正食リ法においては、現在の生ごみの五五%を家庭ごみが占めているわけでありまして、にもかかわらず、この家庭ごみに対しては手を打つことはなかったわけでありますが、やはりこの家庭ごみについても何とかして減量していかなきゃいけない、それをできれば飼料化、それが無理ならば肥料化という有効な使い方、リサイクル、再利用が何よりも求められているんだというふうに考えます。 残念なことに、その啓発すべき、先頭に立つべき我々国会議員も、ついせんだってできた衆議院の赤坂議員宿舎にもこのディスポーザーが設置をされています。どういった経緯でこの赤坂の議員宿舎に設置がされたのか。これだけメリットもデメリットもあるというふうに、先ほど大臣もお答えいただいたとおり、いいのか悪いのか結論が出ていない中で、宿舎に設置をされた経緯についてぜひお聞かせいただきたい。 あわせて、今、議員会館も建設計画の真っただ中でありますが、この建設計画の中にもこのディスポーザー設置が予定されているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。衆議院の方でお願いします。
○山本参事 お答えいたします。 赤坂議員宿舎整備等事業は、国が示した条件、要求水準と言っておりますが、それに従って事業者から提案を受け、その内容と価格から落札者を決定するという、いわゆる総合評価落札方式を採用してございます。 提案の内容の審査に当たっては、外部有識者等から成る審査委員会を設置し、入札者からの提案が、国が示した条件、今お尋ねのごみ処理施設に関しましては、本院といたしましては、東京都条例、関係法規に基づき設置する、あわせて、建物規模に応じ、施設内で発生したごみを種類別に処理、保管し、ごみの減量化、資源化、再利用化が可能な計画とするという条件を出しまして、その本院の出した条件に合致するか否か等について審査を行ったところでございます。その審査の結果、今回のディスポーザーを含めた提案が採用されることとなったものでございます。 新議員会館におきまして、ディスポーザーは導入されるのかということに関しましては、ディスポーザーを導入する予定はございません。
○田島(一)委員 ありがとうございます。 PFIという手法を使うと、全体の計画をとらえてイエスかノーか、採用するか否かという結論に至ったわけですから、このように部分的に問題があったとしても、最終的には、それをのんだ結果ついたというふうに受けとめました。 ついていたからといって、利用しなれば本当はいいわけですね。しかしながら、あったら便利だから、当然みんな使います。実際に、歌登町での実験結果を見ても、今まで生ごみ収集でされていたときと、ディスポーザーが設置されてからとでは、ディスポーザーが設置されてからの方がごみの投入量がふえたという実験結果も出てきていました。 それを思うと、私は、生ごみのにおいがしないとか、カラスの問題がというふうにおっしゃいますけれども、まだまだ打つ手はあるのではないか。いわゆる悪臭等についても、ディスポーザーは無臭かといえば、全く無臭でもありません。当然その問題点も指摘されていました。 そういうことを考えると、果たして本当にこの調査結果が、もっと深掘りをするべきではなかったのかな、実はそんなふうに思えてなりません。 今回の歌登町で行われた実験結果、二〇〇五年の七月に、最終取りまとめが「ディスポーザー導入時の影響判定の考え方」というふうに出されています。残念なことに、問題が起こり得る可能性は随分指摘をされていますけれども、これを導入すべきかどうかは各自治体に任せるという、言ってみれば、技術的な資料を提供するにとどまっております。この点が私は非常に残念でなりません。 いいのか悪いのか、国土交通省として明確な結論に至らないうちに、今なお、どんどん集合住宅を中心にディスポーザーが設置されている。ディスポーザーについての安全性であるとか、また、さまざまな問題点を完全にクリアしないまま、なし崩し的に解禁している現状は、私は、言ってみれば、国土交通省が余りに無責任なのではないかな、そんなふうに感じますけれども、この現状をどのように受けとめていらっしゃるのか、お答えください。
○江藤政府参考人 お答え申し上げます。 ディスポーザーの問題につきまして、今委員からお話がございました。例えば、都内で非常に普及しているというものは、処理装置を設けて、処理したものをきれいにして下水に流すという形で、新規のマンション等を中心に非常に普及してきております。 一方、私ども、先ほど委員から御指摘がありました旧歌登町の実験でございますけれども、これは、ディスポーザーから処理しないで直接下水に流した場合にどういう影響があるのかという観点で検討を行ったものでございます。 といいますのは、現在、私どもが下水道整備を進めておりますものは、ディスポーザーを受け入れる前提で計画しておりませんので、そういう面では、端的に言えば、いろいろな悪影響が考えられます。したがいまして、公共団体でもしそういう検討をされるのであれば、どういう悪影響があるのか具体的に検討していただくための検討手法として、歌登で検討した内容をお示しし、公共団体の方でそれを参考に検討いただきたい。 公共団体で判断いただくというのは、例えば、下水処理場の能力であるとか、あるいは生ごみの処理の形態といいますか、これも公共団体はさまざまでございますので、公共団体にとってトータルとして何が一番望ましいのか、そういう観点で公共団体に御検討いただき、私どもとしては、下水道の処理機能等のチェックをさせていただくのですけれども、公共団体としてそういう合意形成がなされれば、そういうのも選択肢の一つとしてあり得るのではなかろうか。 ただ、検討は十分やっていただく必要があるという意味で、そういうものをお示ししているということでございます。
○田島(一)委員 今御説明いただいたディスポーザー、実は二つの種類があるということをあらかじめ私の方が説明しなきゃいけなかったのかなと思うんですけれども、今おっしゃってくださったように、直接投入型のディスポーザーと、いわゆる排水処理システムがきちっと完備できる、二つのパターンがあるわけですね。 排水処理システムがきちっと備わったディスポーザーであるならば、いわゆる下水道への負荷は相当軽減されるというふうに思います。問題なのは直接投入のディスポーザーですね。歌登町でやられた実験の結果を見ても、やはりいろいろなデメリットの可能性を指摘されているわけであります。 であるならば、私、ディスポーザーの設置を百歩譲ってオーケーするとしましょう。それならば、せめて、直接投入型のディスポーザーは全面禁止すべきだぐらい、私は、この実験結果からしても示せるんじゃないかなというふうに思うわけですが、どうしてそこまで踏み切られなかったのか。ディスポーザーを設置する場合には、一般家庭並みの水質に処理して下水に流す排水処理システムを完備したものでなければならないぐらいの結論を導くことは十分にできたのではないか、そう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○江藤政府参考人 この検討の中で、先生御案内のように、下水道の施設、排水設備から管渠、ポンプ場、処理場、すべてについて、それぞれどういう影響があるのかというのを数量的に把握しようということで検討を行っておりまして、結論的には、下水道として決定的に問題があるということは確認できなかった。 例えば、パイプに堆積物があるわけですけれども、これは通常でも下水のパイプというのは汚泥が堆積するんですね。それが、ディスポーザーを使うことによってその量がかなりふえてしまって、閉塞のおそれがあるのではないかというようなことを私ども心配したんですけれども、この実験結果では、確かに量はふえておりますけれども、それは維持管理で十分対応できる範囲、量そのものはそんなに思ったほど多くなかったというようなことで、決定的に問題があるという結論には至っていない。ほかの処理能力であるとかいろいろな面でも、そういう結論になったということを客観的にお示ししているところでございます。 〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕
○田島(一)委員 どこまで国土交通省としてディスポーザーの普及状況というものを把握されているのか。 今申し上げたように、直投型とそれから排水処理型の二つの比率であるとか、また、ディスポーザーの利用者自体にとっても、下水道システムに及ぼす影響を一つ一つ見ていきますと、例えば、ディスポーザーでごみを粉砕する際に流さなければならない水というものがどうしても必要になってきます。 自動給水式であるならばその心配は要らないのでしょうけれども、実は、適切な水の量というのは、計算式ももちろんこの実験結果の中にも挙がっていました。単位厨芥量百グラム当たりの給水時間掛ける云々というような非常に複雑な計算式が設けられていて、一々、台所で皆さんがごみを捨てるに当たって、今捨てるごみは何グラムだ、だから水はどれぐらいの量で何秒間流さなきゃならないなんて電卓片手に打つ方は、私は聞いたことがありません。もちろん、そんなこともやっていらっしゃらないから、歌登町の実験結果でも随分幅のある結果が出ておりました。 つまりは、いつでも詰まったり故障したりするきっかけが利用者によってあるという問題もあるわけでありますし、御利用なさっている方々に聞いてみても、大体十年もてばいいところだね、十年たつと大体壊れるよというようなお話を聞いています。近年の集合住宅の耐用年数等々からすると、十年が長いか短いかは言うまでもありません。 このようなものを、逆に、万能だからということで設置を広げていく、言葉は悪いですけれども、野放しにしていると、ある意味、いろいろな問題がまた出てくるのではないかというふうに考えるわけであります。 例えば、生ごみの量が減るというふうに大臣も先ほどお答えいただきましたけれども、今このディスポーザーを設置するメーカー側では、捨ててはいけないものというのを幾つか挙げています。大量のイカの生皮、大量のカニの殻、豚や牛の骨、かたい貝殻、そしてまた、セロリの皮やタケノコの皮も繊維質ですからだめだというようなことをうたっています。 こういうものを抜いていくと、結局、生ごみの絶対量はわずかながら減るんでしょうけれども、ゼロにはならないわけですね。つまりは、ごみ収集業務が減る、CO2対策だとおっしゃるけれども、全く収集しなくていい代物でもありません。 そして、その一方では、厨芥以外のもの、例えば、輪ゴムであるとか飲料水のキャップ、瓶の栓などなど、ガラスや陶器だって入るおそれもあります。しかし、それを取るのも非常に困難であります。割れようものなら、なおのことであります。そうなると、肥料なり飼料に使えるはずの生ごみに、こういった実際に使えないものがディスポーザーの中に入ってしまうという危険性もあります。防ぐ手だてはありません。 もっと言うと、先ほどおっしゃったように、下水道システムに対しても、排水設備や管渠それからポンプ場や水処理施設、汚泥処理施設など、とりわけこの直接投入型は数多くの懸念すべき影響があるということを実験結果で出されているわけですから、疑わしきもの、また負荷がかかるものについては即刻やめさせるような手だてをしていかないと、この普及状態からすれば、私は、将来に大変大きな心配を、ツケを残してしまうのではないかなというふうに考えるわけであります。 具体的に、現在の普及状況は国土交通省で実際に把握をされているのか。されているならば、最近のデータを一度お示しをいただけませんでしょうか。
○江藤政府参考人 普及状況ということでございますけれども、これもまた先ほどと同様に二つに分けさせていただきますと、単体型のディスポーザーについては、今まで下水道の管理者は、基本的に好ましくないということで禁止をするあるいは自粛を要請するということで対応してきておりました。そういう中で、万一それを受け入れるとすればどういう影響が出るのかというのを検討したのが今回の報告書でございます。 したがいまして、その報告書を受けて、公共団体で検討してみたいというところがあれば、これから検討が始まるという状況であろうと思っておりますので、そういう面で、単体型のディスポーザーの設置状況については、現在私どもはまだ把握しておりません。 処理装置つきの方は、これは下水道管理者や公共団体ごとに届け出をやっていただくという形になっておりますので、全国の集計は今手元にないんですが、例えば東京都におきましては、現時点でそういう処理装置つきのディスポーザーは六百二十七件、これはマンションの戸数でございますけれども、既に設置されているということでございます。
○田島(一)委員 実際に、東京都の件数は今お示しをいただいたんですけれども、全国的にはまだ調査もされていないということであります。今回の歌登町での実験結果をまとめられたのが二年前でありますから、この二年間、実際に何をなさっていたのか。 地方自治体で導入するかしないかということの技術的な資料、情報提供はされたんですけれども、実際にそれがその実験結果をもとにしてどのような普及状態にあったのか、これはやはり調査をきちっとやるべきだと思うんですね。実験をやりました、報告を出しました、これで終わりですでは済まない問題がやはり出てきていると思うんですね。 例えばそれ以外にも、これは国土交通省ではなく、どちらかといえば経産省かもしれませんが、安全性の問題についても私は相当懸念する点が多いと思います。いわゆるストッパーなりをかぶせないと回らないというような安全弁等がついているディスポーザーがほとんどだと思いますが、ひょんなことで、先ほど申し上げたように、中に落としたものを拾おうと手を突っ込んでけがをしたケースがないのかどうかなど、多分、そのようなデータも国土交通省はお持ちではないと思いますが、そういった安全性から見た視点、当然これは下水道の管理だけではなく、国土交通省も経産省も環境省も農水省も、いろいろな分野が絡む課題だと私は思うんですね。 実際にこの実験結果を受けて、これから先この普及についてどうあるべきかという調査なりをさらに深めていかなければならないと私は考えるんですが、その点についてどうですか。
○江藤政府参考人 先生御指摘のとおり、これまでの私どもの検討で十分かと申しますと、まだまだ課題はたくさん残っております。 そういう意味で、私ども、この報告書を公共団体にお示しした後、公共団体で具体的に御検討なさる際にはぜひ私どもに御相談ください、私どももいろいろなアドバイス、お手伝いをします、情報を提供しますというようなことを申し上げておりまして、幾つかの自治体で検討を始められたところはあるんですけれども、そういう相談をする中で、私どもも一層技術的な検討を深めていきたいと思っております。
○田島(一)委員 必ずやってください。国土交通省だけでは、視点の欠落と言っては失礼ですけれども、やはりあると思うんですね。先ほど大臣も、飼料化については考えを持ち合わせていなかったとおっしゃっていただきましたけれども、飼料の自給率等々を向上させていくことを考えても、やはりこういう視点は盛り込んでいただかなければならない。 ですから、多面的な角度からディスポーザーのあり方をとらえるという点で、ぜひ今後研究をさらに深めていただきたい、このことは強くお願いをしておきたいと思います。 さて、今回、二〇〇五年の七月に国土交通省から出された「ディスポーザー導入時の影響判定の考え方」の取りまとめ、この取りまとめが、実は余り芳しくない扱い方で、民間の業者に悪用されていると言ってもおかしくないような実態をちょっと今から御紹介をしたいと思います。 これは、ディスポーザー、生ごみ処理機を販売しているメーカーのホームページからの引用であります。 ディスポーザーとは何ですかというような消費者からの質問に対して答えたりするようなQアンドA形式で、随分いろいろなメーカーがホームページでディスポーザーを売り込む体制を整えていらっしゃるんですが、「日本であまり普及していない原因はなんですか?」という問いに対して、「まず、その想像以上の便利さを体験されてない方が多いためと思います。」「二つめの理由として、下水環境への負荷状況がハッキリわからないという憶測的な見解から、使用をできるだけ控えるよう自粛をもとめている自治体があるためです。ゆえに国内大手家電メーカーからの販売もありません。」 その次です。大事ですから聞いてください。「国土交通省により正式なディスポーザー環境負荷量テスト結果が公表されています。」これは二〇〇五年七月の結果のことだと思います。「その良好な結果により、当店でも自粛していましたディスポーザーの販売を開始しました。」こうあるんですね。 皆さんは、調査結果を二〇〇五年七月にお出しになりましたけれども、良好な結果だというふうに受けとめていらっしゃいますか。お答えください。
○江藤政府参考人 先ほども申しましたけれども、良好か良好でないかというか、私どもとして、下水道に対する影響はどうかという視点で見たときに、影響はあるけれども決定的な技術的な問題はなかろうという判断を一応あの報告書についてはやっております。 ただ、先ほど来先生がおっしゃっているように、例えば、ディスポーザーの機種によってその影響というのはまた全然違ってまいりますし、公共団体の処理能力であるとかいろいろな状況でこの答えというのは全く違ってくる可能性がありますので、私どもは、検討されるのであれば、これはあくまで検討する手法を参考にしていただきたい、そういう趣旨でお示ししておりまして、それぞれの自治体でぜひこれも参考の一つにしていただいて、またそれぞれの地域の実態を十分踏まえて検討をしていただきたいというふうに思っております。 今委員の方から御指摘がありましたそのホームページについては、初めてお聞きしましたので、ちょっと実態を調べまして、適切に対応したいと思います。
○田島(一)委員 客観的に調査研究をされた実験結果がある意味ではねじ曲げられて悪用されている事例として、私は今お示しをしたところであります。 それ以外のメーカーも、非常に大げさな表現を随分使っています。下水処理場に負担をかけません、環境に優しいなど、ある意味では、ディスポーザーがすべての問題を解決するんだと言わんばかりの誇大広告が随分ネット上では出ています。 こうした誤解を与えていること自体が、私は、国土交通省が参考にしてください程度にとどめたから、この結果をあいまいに受けとめ、都合よく受けとめてきたメーカーがどんどん便乗して、国土交通省のこの結果をよい結果だというふうに知らしめているんだと。 これは、ある意味では経産の問題にも当然なってくるので、これからまた調査をしなければならないと思いますけれども、実際に、このディスポーザーは環境負荷を与えないということはないわけですね。可能性があるというような言い方でこの調査結果はまとめられているんですけれども、見方によっては、国土交通省は随分逃げているな、何に対して遠慮しているのかな、はっきりおかしいならおかしいとなぜこの結果を受けて示されないのかなと私は考えるわけなんです。 ある意味自治体に任せて、自治体が判断してください。しかしながら、下水道システムに対しては、かなりの負荷がどんどん時間をかけてかかるわけであります。自治体に、それこそ下水設備に補助金等を国からも相当出してきた。しかしながら、管渠やポンプ場などの耐用年数も、ひょっとしたらこのディスポーザーの普及によって縮まっていくかもしれない。そうなれば、またぞろ国から補助金を出さなきゃならない。 こういう悪循環を少しでも引き延ばすために、こういうような疑いのある、問題のあるディスポーザーなどに対しては毅然たる態度で国土交通省がやはり示すべきだと僕は考えるんですが、自治体任せにしてしまっているこのディスポーザーの導入に対する考え方をなぜ国土交通省から示せないのか、お示しいただけませんか。
○冬柴国務大臣 生ごみをどう処理するかということについてはやはり環境省なり、私はセクショナリズムで言っているわけではありません、それから、このディスポーザーの型式とかそういうものについては、適法に、それでいいということは恐らく経済産業省だと思いますけれども、そういうふうに認めていられるわけであって、ですから、それを使った場合に、我々としてはそれはどういう影響があるかということを調査したわけでありまして、出てきたところをお示しした。 それから、地方公共団体は、それぞれ全く一律に、例えば、生ごみを減量するということについて非常に関心のある自治体もあれば、あるいは、そういうふうに暗渠とかあるいは下水処理等について負荷が大き過ぎるからこれはやめた方がいいとか、それはそれぞれの地方公共団体が、例えばそういうものを採用させるかどうかということについて判断されるわけであって、私どもは、その判断のときにこういうものを、いい面もあれば悪い面もありますよということを示したということであって、責任を逃げていると言われると、ちょっと違うと思うんですね。 ですから、飼料に使うかどうかということについては、それは農水省が判断されることだろうと思います。 それから、このディスポーザーを絶対使ってはいけないというようなことを我々が、型式としてそういうふうに認められる以上、私は、それを私の方が差しとめるということは難しいのではないかと思いますが、その点について御理解をいただきたいと思います。
○田島(一)委員 残念ながら理解はできませんね。はっきり言って、環境負荷が非常に大きいというような懸念もこの実験結果で出しているわけですが、残念なことに、民間の業者なんかはこれをよい結果だというように都合よく受けとめて、それをどんどん盾にして販売網を広げる、そしてまた普及を図っていこうというふうにしているわけであります。 こういうことを考えると、この実験結果を単に結果として地方自治体に示すだけではなく、さらに、今後の下水道に対して、また環境に対して本当に負荷がないのかどうか、続いてやはり調査をしていくべきだというふうに私は思うんですね。 しかも、国土交通省だけではなく、関連する、セクショナリズムを飛び越えた大きな範疇でやるべきだと思うんですが、最後にその点について大臣のお取り組みの心構えを聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○冬柴国務大臣 きょうは、環境省も来ていただいておりますので、また委員は環境委員会委員でもあられるということを伺いましたが、そういうところで我々も提起された問題について協議をしていきたいと思います。
○田島(一)委員 終わります。ありがとうございました。
○塩谷委員長 糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 本日は、自動車行政に関する質問をさせていただきます。 まず、トラックの運送業界の問題につきまして質問させていただきますが、原油の高どまり、高騰、スピードリミッターの導入、それから自動車のNOx・PM法の導入、また違法駐車の取り締まりの強化、こういうものが、トラック業界にとって経営上大変厳しい状況が近年続いておるわけでございます。トラック業界には小規模な事業者が非常に多くて、その都度対応に苦慮されておるわけでございます。 国土交通省では、その状況についてどのように把握され、そしてまた各団体からいろいろな要望が上がってきていると思いますが、適切にトラック業界が業務を遂行できるようにどのような対応を図っていらっしゃるのか、まずお答えいただけますでしょうか。
○岩崎政府参考人 まず、原油の問題でございます。 トラック業界、先生御案内のとおり、非常に事業者が多くて競争が激化する中、運賃も低下傾向にある。さらに、軽油価格が高騰して大変厳しい状況が続いております。 私どもも、やはり原油価格の転嫁を適切にやってもらう必要があるだろう、こう思っておりまして、一昨年、昨年でございますが、大臣先頭に経済団体の方にも働きかけて、トラック業界の原油に関する高騰の窮状というのを訴え、適切な対応をお願いしたところでございます。 それから、トラック業界、やはり安全とか環境について必要な投資を行っていただきたいということで、スピードリミッターの導入でありますとか、NOx・PM法で車の買いかえをしてくれ、こういうことを言っているところでございます。 予算面で対応できるところは予算面で対応し、あるいは税制面で対応するところも対応しておりますし、それから、トラック協会、御案内のとおり軽油引取税の交付金がございますので、そういうものを適切に使いながら、安全、環境はやっていただきたいですけれども、業界だけではなかなか難しいところもありますので、私どものできる範囲でいろいろな助成策、トラック協会とも一緒になりながら講じているところでございます。
○糸川委員 今回の、燃料のコストが増大する中で、なかなか運賃価格への転嫁というのは思うように進まないわけですね。ですから、コストはかかるけれども、小規模な運送会社が非常に多くなったことで、競争は激化してしまって価格競争にはなる。そうすると、その責任上、では、どこに影響が、しわ寄せが来るかというと、やはりトラックの運転手にかかってくるのかなと。 今、新聞等を見ますと、道路上の衝突事故であったり、高速道路上で落下物、それから横転事故であったり、トラックをめぐる交通事故というのが非常に多発しているんじゃないか。また、過積載、当然一回に運べる量は決まっておるわけですけれども、それを過積載にすることで少しでもコストを安くしようじゃないかと考えることが、逆に安全対策上は悪影響を及ぼしてしまう、こういうことにもつながっているわけでございます。 長時間運行させる長時間労働などの厳しい労働条件、このもとで運転手というのは業務を行うことになっているのが現状でございます。トラックの安全運行にこういう労働条件、さまざまな労働条件が影響を与えているということで指摘もされておるわけでございます。 このトラックの運転手の労働時間、労働条件の現状、これも踏まえた上で、トラックをめぐる安全の確保、これについてどのような措置を講じていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
○岩崎政府参考人 御指摘のとおり、トラックの交通事故でございますが、少しずつは減っておりますけれども、やはり依然として高どまりがございます。 それから、過労運転でございますけれども、私ども監査をやりますと、昔は過積載が非常に多かったわけですけれども、最近は過積載というよりはどちらかというと過労防止違反というのが割合多く見られる、こういう状況になっております。 運転者の労働時間というのは安全に直結するものですから、私どもも、こうしたものにつきましては厚生労働省とも連携をとりながら、トラック運転者の労働時間に関しましてルールを設けまして、ルール違反の人は取り締まるということをやっているところでございます。特に、過労運転等で大きな事故を起こすという方については処分のより厳格な運用等に心がけているところでございます。
○糸川委員 今処分の話が出たわけですけれども、業界全体として、先ほど前提となる話を私はしたわけで、非常に小規模なトラックの事業者が非常に多くなってきて、そういう中で、社会情勢的に原油の高騰であったり、また過酷な価格競争も行われる中で出ているわけですから、処分を厳しくするということであっても、限界の中で業者というのはやっているのではないか。 そうしますと、安全のことを考えていただきますと、どういう処分を御検討されるのかあれですけれども、やはり処分の方を厳しくするのではなくて、ある程度の助成であったり援助であったりというのができるのであれば、できる限りしていただきたいなというふうに思うわけです。 先ほどの、これは原田先生の質問にも関連することになると思うんですが、トラックの運転手の労働条件、これを改善しなければトラックの安全運行が確保できなくなるのではないかということはもう当然わかることでございますが、それには荷主の協力も不可欠なわけでございます。 国土交通省として、荷主に対してどのような働きかけを行っているのか。特に、平成二年に施行されました荷主への勧告制度の活用の状況、これはどのようになっているのか。また、勧告制度を活用しつつも、現状のような事故の多発、こういうような状況が継続するならば、荷主に対する罰則も法律上規定して、荷主に対して適切に指導できる法的根拠が必要ではないのかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○冬柴国務大臣 トラック運送の安全の確保というものについて、荷主の協力というものが必要不可欠であるという認識でございます。そのようなところから、委員から御指摘がありましたように、平成二年に貨物自動車運送事業法制定時に、そのような荷主に対して、荷主が過積載を強要するような場合に、我々の方から荷主に勧告をする、そのようなことをしないでほしいという勧告をするという制度が設けられました。 それをどうしているのかというお話でございますが、現在までにこの法律に定められた勧告というものを行った事例はありません。けれども、勧告に先立ちまして、我々は、荷主に対して協力要請、こういうことをやらないでほしいということで協力要請をいたしております。これは平成十八年度までに六千七百件行いました。 こういう措置から、過積載運行違反に係る行政処分の件数というのは、先ほど局長からも答弁をいたしましたように、著しく減っております。平成二年度は五千百七十八件の過積載事犯というものが検挙されておりますが、平成十八年にはこれが一割以下の四百五件にとどまっております。したがいまして、勧告という形はとっておりませんけれども、協力要請ということできめ細かくそのようなことを国土交通省としては行ってきて、それなりの実績が上がっているように思われます。 ただ、これは過積載の問題ですけれども、過積載運行について、主として荷主の行為に起因するものであると認められる場合などに荷主に勧告ができると書いてあるんですね。それに対して罰則をつくってはどうかという御提案ですけれども、過積載が処罰されるわけですね、運転手あるいは事業者は。ここまでいきますと、もう罰則は、私は弁護士ですから、教唆犯あるいは共謀共同正犯として処罰の対象になります。 したがいまして、荷主を処罰する規定をあえて置かなくても、過積載事犯として挙げたときに、荷主の関与が著しい、先ほど原田委員がおっしゃったようなとんでもないようなことが客観的事実として明らかになれば、これは、もしそこで事故が起こっておれば、共謀共同正犯あるいは教唆犯として処罰の対象になります。 それから、過積載だけではなしに、過労運転とか、先ほどのように七百キロを七時間で行けというようなことを強要するというか、下請として非常に弱い立場にある運送事業者に対して、継続的に発注しているような強い立場にある人がそういうことを言うという場合は、これは何とか、そういう部分についても勧告制度というものがあってもいいのではないかと私は思います。そういうことも考えたいと思います。
○糸川委員 大臣、最後に出てまいりましたけれども、立場的に弱い事業者の方が、それはもちろん、荷主の方に勧告であったり協力要請をした結果、勧告はゼロだということでございますけれども、確かに過積載は減ってきているわけですが、非常に大きな事故というのはまだまだ数多くあるわけで、特にトラックの事故件数というのは本当に多いわけですね。 ですから、ぜひこれは調べていただいて、事業者というのはどういう立場にあるのか、今大臣もお話しされたぐらい認識されておるようでございますので、ぜひ荷主との関係をもう一度検討していただいて、今後また取り組んでいただきたいと思います。 最後に、トラックのことについては最後なんですが、トラックの安全面上での現状、それから、厳しい経営環境を踏まえたところで、トラックをめぐるこれまで行ってきた規制緩和がどうだったのか、大臣なりの御評価をちょっといただきたいなと思います。
○冬柴国務大臣 規制緩和は、光と影があります。タクシーのときもそうでしたけれども、光の部分も十分あります。そしてまた、規制緩和という大きな流れでもあります。 そういう中で、影の部分は、先ほど来御指摘のように、業者が、タクシーと違って、台数もふえているけれども仕事もふえている、荷物もふえているというのがタクシーと違うところだと思います。しかしながら、ふえたのは、自動車がふえているのは、事業者の数が物すごくふえているんですよ。というのは、小規模の運送事業者がふえたということですね。 そうすると、その人たちが生き残っていくためには、熾烈な戦いの中で、元請から、元請というか荷主から仕事をもらうということに必死にならないと生き延びられないという事情が生じていると思います。そういうものが、過積載に対する教唆とか、あるいは労働強化といいますか、無理な労働を強いるような発注があったりするという影の部分があります。 したがいまして、この部分は、我々も、御指摘のように、是正をするためにいろいろな形で、立ち入りの検査とかあるいは運輸安全マネジメント制度等を駆使してやっていかなきゃいけない部分もありますし、それから、先ほどのような、勧告までいかなくても協力要請というものをきめ細かく行うことによって、過積載を物すごく、一割以下に減らした実績もありますので、そういう面で頑張っていかなければならないというふうに思っております。
○糸川委員 大臣、トラックだけじゃなくて、昨今、バスの規制緩和によって小さなバス会社が非常に数多くふえて、そういう会社が過酷な競争の中で非常に重労働を従業員にさせて、その結果、重大な事故につながるということもあるわけです。 ですから、影の部分を今大臣おっしゃられましたので、ぜひその影の部分を注目していただいて、そちらの方の対応を早くやっていただきたい。当然、処罰で何とかしますということじゃなくて、罰することがいいことなのではなくて、未然に防ぐことに力を注いでいただきたいと思います。 今、タクシーの話も出ましたので、ちょっと残った時間、もうほとんどございませんが、これは交通局長にお伺いしたいんです。 今国会におきましても、タクシーの業務適正化の特別措置法の法改正もされたところでございますが、たまにタクシーに乗りますと、これ、実は左側のドアが壊れていたんですよ、でも、きのう取りかえて、もうきょう完璧な形の車になっていますということを言われまして、えっと実はびっくりしたこともあります。 パーツはとってあるわけですね。ですから、どこかでぶつけたり壊れたりなんかしますと、その部分だけ取りかえて、夜のうちにつけかえて、次の日の営業には全く支障のないようにできる、その壊れた部分は修理班の方で直して、次の車が壊れたときにまたそれを使う、こういうような、何かプラモデルみたいに車を考えているところもあるように思います。 そこで、自動車リサイクル部品の認知度向上調査報告書、これは平成十四年度の経済産業省のあれですけれども、タクシー事業者等では、車両の使用年数、それから部品の耐用年数に応じたリサイクル部品の利用が進んでおります。事業用として役目を終えた車両からの部品、これを使用する場合、例えば当該車両が事故車であって、部品が非常に弱くなっている可能性もあるわけでございますが、安全面におけるチェック、これが必要であるというふうに考えております。 国土交通省として、どのようにその車両が安全なのかどうかということをチェックされ、安全性を確保されていらっしゃるのか。特に、車検に当たって、保安基準、車両構造上の安全基準、これを満たすことについてどのように確認されていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
○岩崎政府参考人 事業用自動車はやはりより安全に気を使ってもらわなきゃならぬ、このように思っておりまして、車検の制度の中でも、車検を受ける期間、これは、事業用自動車は一年ごとに受けてくださいという、期間を非常に短縮してやっております。それから、点検整備などにつきましても、自家用自動車は特に時期を特定しておりませんけれども、事業用自動車は一日に一回ちゃんとやってください、それから定期点検整備も、自家用自動車は一年ごとですが、事業用自動車は三カ月ごと、こんなことでやらせていただいております。 検査のときにも、ちゃんとした性能が発揮できるかどうかということについて、ブレーキテスターでありますとか、いろいろなものを使いながら確認をしておるところでございます。 それから、先生特に御指摘のリサイクル部品の使用でございますけれども、これにつきましては、リサイクル部品を使っていただくのは結構ですけれども、例えば、この型式の車に使うべき部品を別の型式の車に取りつけたりといったことはあっちゃいかぬとか、リサイクル部品を使うときにはちゃんと安全上のチェックをしてやってくださいというようなことで、そういうガイドラインを平成十四年に取りまとめたところでございます。こうしたものの周知を図ってきたところでございます。 今後とも、リサイクル部品の安全についても考えていきたいと思っております。
○糸川委員 局長、これは大臣もですが、これもやはり小規模なタクシー業者が規制緩和によって非常にふえてきた結果だろうと思うんですね。 今、確かにリサイクル部品に関しては、チェックをしてください、型式に合わないものは利用しないでくださいと言いますけれども、小規模な事業者というのは、自分のところで、そういうガイドラインをつくられても、周知徹底をしていても、わかっていても利用してしまう現状もあるように思えますので、事業者の観点からじゃなくて、やはり乗客の安全の観点から、ぜひそれは規制緩和の中でもしっかりとチェックをしていただいて、安全を確保していただきたいと思います。 以上です。終わります。
○塩谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会