環境委員会 第3号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2007/03/23
会議録
○西野委員長 これより会議を開きます。 理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事竹下亘君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に並木正芳君を指名いたします。 ————◇—————
○西野委員長 次に、環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、G8環境大臣会合について政府から報告を聴取いたします。若林環境大臣。
○若林国務大臣 G8環境大臣会合が、三月十五日から十七日までドイツのポツダムで開催されました。我が国からは、国会のお許しを得て、私が出席をいたしました。 本会合は、主要先進国の環境担当閣僚が一堂に会し、国際社会が直面するさまざまな問題につき意見交換を行うもので、例年、G8議長国において開催されており、G8サミットに環境面から貢献を行う重要な会合です。今回は主要途上国であるブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ各国からも環境担当閣僚が参加いたしました。今回の会合では、気候変動とエネルギー及び生物多様性について議論を行うことが目的でありました。私は、この会議に出席するとともに、この機会を活用して、気候変動問題などについて、米国、中国の閣僚等と意見交換を行いました。 本日は、これらの結果について、簡潔に御報告をいたします。 まず、気候変動とエネルギーに関しては、気候変動が及ぼす影響や、本問題に対してG8各国が果たすべき役割などについて議論が行われました。私からは、まず京都議定書における我が国の六%削減約束を果たすことへの決意を表明し、自然の生態系や人類に悪影響を及ぼさない水準で気候を安定化させるためには中長期に世界全体の温室効果ガス排出量を半分以下にまで削減することが必要であり、そのためには、主要排出国が参加する実効ある枠組みの構築が重要であることを主張してまいりました。さらに、先日安倍総理から二十一世紀環境立国戦略の策定指示を受けたことを踏まえ、我が国がG8議長国となる来年に向け、地球温暖化対策においてリーダーシップを発揮していく決意も表明してまいりました。 また、生物多様性に関しては、生物多様性の損失が及ぼす経済的影響、地球上の生物種に関する情報システムの構築など、生物多様性の損失への対策についてさまざまな視点から議論が行われ、ドイツが本会合において提案したポツダム・イニシアチブが合意されました。私からは、現在、作業中の第三次生物多様性国家戦略を世界の生物多様性の現状に即応した内容とし、二〇一〇年に向けて関係各国と連携しながら、生物多様性の保全に貢献することを表明するとともに、生物多様性条約第十回締約国会議の日本招致に対する支持を各国に要請いたしました。 次に、各国等との意見交換について御報告申し上げます。 私は、米国、中国、ドイツ、英国の環境担当閣僚及び欧州委員会環境担当委員、気候変動枠組み条約事務局長と会談し、各国の地球温暖化対策の現状や、二〇一三年以降の次期枠組みのあり方、生物多様性条約第十回締約国会議の日本招致等について意見交換を行いました。各国閣僚等の見解や、会談を通じて得られた相互の人間関係は、今後の国際交渉の場等で役立ててまいりたいと思います。 我が国がG8議長国となる来年に向け、私は、今後とも、できるだけ多くの国と協力をし、気候変動問題を初めとするさまざまな環境問題においてリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。 以上です。
○西野委員長 これにて報告の聴取は終了いたしました。 —————————————
○西野委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官本田悦朗君、経済産業省大臣官房審議官伊藤元君、国土交通省河川局長門松武君、環境省総合環境政策局長西尾哲茂君、環境省総合環境政策局環境保健部長上田博三君、環境省地球環境局長南川秀樹君及び環境省自然環境局長冨岡悟君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○西野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本ともひろ君。
○山本(と)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の山本ともひろです。 本日は、大変貴重なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。 それでは、早速質問をさせていただきたいと思います。 今大臣の方から、ドイツで行われましたG8の環境大臣会合について御報告をいただきましたが、実際に大臣が参加をされまして肌身で感じて帰ってこられた所感、それと、今御報告にあったとおり、中国ですとかインドですとか、いわゆる先進国ではない、我々としましては余り環境問題に関心がないのかなと思っていたような国も積極的に参加をしたようでございます。そのあたりの、五カ国ほど参加したようですが、そういった国々の対応、反応をどのように大臣はお感じになられたのか、教えてください。
○若林国務大臣 ただいま報告を申し上げたように、G8プラス5の環境担当閣僚との会合及び主要国とのバイの会談を積み重ねてまいったわけでございますが、G8の主要国サミットの議題として気候変動問題、地球環境問題が取り上げられるということの重みというものをまずずっしりと感じたところでございます。 同時に、これはドイツの首相の強い意向と伺っておりますけれども、生物多様性の問題というのは温暖化と大変密接に関係がある、近年、生物多様性の損耗というのは著しいものがあり、これは気候の変動、温暖化と非常に関係が深いという認識でありまして、これをまたG8の議題にセットで上げていくということにつきまして、関係各国の皆さん方が、非常にすばらしい提案だということで、多くの国々が、ドイツが生物多様性問題を温暖化問題とあわせて議題にするということに賛同及び支持の発言が相次ぎまして、非常に盛り上がった会合であったと思います。 しかし、同時に、この問題は、先進諸国と途上国との基本的な認識の違いということが鮮明にあらわれてくる問題でありました。 平たく申し上げますと、途上国の皆さん方は、温暖化に関して言えば、この百年、産業革命以来、先進国は豊かさを求めて地下資源をどんどんと活用して成長を確保し、そして幸せな、豊かな生活を獲得することができた。しかし、その結果として、エネルギーの使用に伴う温室効果ガスの排出など、地球環境に対する多くの負荷を与えてきた。 これは大変だということで、全体にこういうエネルギー使用に抑制をかけていく。そういう先進国のことが強まってくると、途上国だって、これから開発を進め、経済成長をし、そして国民が豊かになるということを求めていく権利があるんだ、その権利を先進国が抑制する、抑圧するというのはおかしいじゃないか。まことに基本的な問題でありますが、会議冒頭から、そういうことをめぐりまして激しいやりとりがあったわけでございます。 先進国側は、さはさりながら、途上国の中にもいろいろなステージがあるわけでして、途上国側も温室効果ガスの削減に、その途上国の置かれた立場に応じてやはりさらに一層の御努力をお願いしないと地球自身を守れないじゃないか、こういうことを申し上げ説得をした、こういう場面でございました。 そして、この両方にかかわる問題として、各国の中での代表的な動きとして、発言として申し上げれば、ブラジルはアマゾンの熱帯雨林を多く抱えているわけでありますが、この熱帯雨林が伐採が進みますと、当然、温室効果ガスの吸収源が少なくなるというようなことから、温暖化に対して非常に影響がある。先進国側からは、こういう伐採を抑制しろ、削減しろということを強く言われる。 しかし、これはブラジル側からすると、国の貿易政策とも非常にかかわり、材木の輸出が難しくなる、あるいはまた、材木産業、伐採産業にかかわる労働者の雇用の問題がある、失業がふえる。そのために、ここ数年、思い切った伐採制限をした結果として経済問題が大きな問題になってきた。こういう問題に対して、先進国側が生物多様性の問題も含めましてもっと理解と支援をお願いしたい、お願いというよりも、当然の権利として、先進国側はその義務を果たすべきであるというような強い意思表示がございまして、私は、難しい問題だな、しかし大事な問題だな、こういう印象を受けたところであります。 また、中国は、著しい経済成長をいたしておりまして、大変なエネルギーの使用が増加しておりますから、それに伴いましてCO2など温室効果ガスの排出もふえているわけでございます。 しかし、中国は、気候変動枠組み条約に加入をもちろんしているわけですが、自分たちはその条約に基づいて途上国としての義務は十分果たしているんだ、具体的ないろいろな例を挙げながらそれを大変強調しておりまして、将来の行動については、我々も努力はするが、引き続き先進国側が率先して排出削減に取り組むべきだ、そういうかねての姿勢は中国は変わっておりませんでした。 それぞれの立場に基づく独自の主張をしたわけでございますが、議長は、今回の会合で一つの考え方を採決する、あるいは取りまとめてそれぞれが義務を負うというようなことをしたのではまとまりが難しいという判断をされまして、言ってみれば、それぞれ主張をすべきものは主張をしてもらいたい、言いっ放しというわけではないんですが、そういう主張を通じてその中から共通項を見出していきたいという姿勢で議事を運営いたしまして、そして、五項目になりますが取りまとめをして、これは決議ではない、議長が議論を総括したらこういう議論であったというような整理をいたしましたので、最後は、参加各国ともそういう議長の整理を了解した。 こんな経緯でございました。
○山本(と)委員 大臣、本当に丹念な御説明、まことにありがとうございました。 この温室効果の問題、あるいは温暖化の問題、大変日本の市民レベルも相当意識を持ってきているように私も感じております。 大臣も、大変重い問題だと肌身で感じたというような御答弁でございましたが、その中でも、やはり今、先進諸国あるいは温室効果ガスを大量に排出している国、例えばアメリカ、中国、インド、そういった国に対して、日本国民は、日本に世界でリーダーシップをとってほしい、環境問題でリーダーシップをとってほしい、がつんと言ってほしいというふうに思っている国民は多いかと思いますので、これからも、大臣におかれましてはそういった国々に対して、環境にもっと配慮していい地球にしていこうというように、がつんと言っていただければありがたいなと思います。 さて、その温室効果ガスの問題で、今、日本は温室効果ガスの排出量をマイナス六%を目標にしております。チーム・マイナス六%等々でPR活動もしていただいていますので国民も相当理解をしてきていると思うんですが、これは単純な、素朴な疑問なんですが、このマイナス六%、なぜマイナス六%なんでしょうか。教えていただきたいと思います。
○南川政府参考人 京都議定書でございます。九八年の十二月にまとめられたものでございます。これは、温室効果ガスの排出削減についての法的拘束力のある数値目標を初めて決めたという画期的な国際協定でございます。あくまで温暖化防止に向けての第一歩ということであります。 この京都議定書のもとでは、共通だが差異のある責任という原則に基づきまして、まず先進国が率先して排出削減に取り組もうということでありまして、先進国全体で少なくとも五%の削減をしよう、それを目標に具体的な取り組みが決められたわけでございます。その結果としまして、日本はマイナス六%、アメリカはマイナス七%、EUはマイナス八%、そういうセットがなされました。その後、アメリカが離脱したことは御承知のとおりでございます。 九八年の十二月の妥結に至るまで、三年程度でございます。大変長い間、どういった内容にするかについてさまざまなレベルで交渉と議論が行われました。最終的には首脳レベルでさまざまな議論が行われたと聞いておりますけれども、先進国全体としての五%以上の削減ということから、先ほど申しましたような数字が決まったということで承知をしております。
○山本(と)委員 単純な計算式で出てきた数字ではなく、いろいろ世界じゅうの各国の首脳が話し合って、いろいろな状況等々踏まえて判断をしたというようなことなんだろうなと今の御答弁で私も理解をしましたが、マイナス六%を削減しようというこの目標、これに対して、では、今の日本の置かれている状況はどうなのかなということになりますと、実際はその九〇年代よりプラス八%になっている。そうしますと、では、それを実質マイナス六%にするということは、もう既に上がっているわけですから、それを合算して、足し算しますと、単純にマイナス一四%の努力をしなければいけない、そうなると相当ハードルが高いんだなと。 では、それを、対策を今後どうやっていくんだろうかと心配になるわけでございますが、その点はどうなっていますか。
○北川(知)大臣政務官 山本委員の方から御指摘がありましたように、一九九〇年レベルに比較しても、今現在のところ八・一%この排出量がふえているということでありまして、京都議定書の約束期間が来年から始まるわけでありまして、二〇〇三年までの五年間で、合算すれば一四・一%、今後その排出を抑制していかなければならない、非常に厳しい状況であることは承知をいたしておりますし、達成についても容易ではないことは承知をいたしております。 その中で、このような厳しい状況を踏まえ、京都議定書目標達成計画の中にも盛り込まれておりますけれども、排出量が最も大きい産業部門において、業界がみずからの目標を設定する環境自主行動計画の確実な達成、そして太陽光発電、バイオマスなど再生可能エネルギーの導入拡大、そして自動車の燃費の改善、建築物、住宅の断熱性向上等による省エネ性能の向上や、省エネ性能の高い家電そして事務機器等々の一層の普及が必要であろうと思っております。こういう対策を着実に進めていくことであろうと思います。 そしてまた、これらの対策、施策の一層の加速化を図っていくことはもとより、来年度末までに行います計画の定量的な評価、見直しに当たって、九〇年当時から比べましても、我々のライフスタイルは随分変わってきておりまして、そういうことも踏まえ、あらゆる方面から検討が必要と考えております。排出量の見通しと対策、施策の進捗状況を今後厳格に評価し、必要に応じて対策、施策を追加することにより、六%の削減約束の確実な達成を図る決意を持って、政府も臨む必要があろうと考えております。
○山本(と)委員 京都議定書ということですが、私も京都で生まれ育っておりますので、この京都議定書がきちっと目標達成をされて、地球環境に配慮された施策が推し進められることを私も希望しておりますし、大臣や、今御答弁いただいた北川大臣政務官ともども、私も微力ながら活動していきたいなと思っております。 そこで、今北川大臣政務官からもお話がありましたが、これはやはり、政府だけではなかなか難しい、民間の努力も必要である。そこで、私、いろいろ考えていたんですが、企業で、独自に積極的に環境問題に取り組んでいる企業、あるいは、環境に配慮したプログラムをみずから積極的にやっている会社、企業はたくさんあると思うんです。 そういった企業に対して、例えば、屋上の緑化をやっている、では何平米以上やれば少し税制上優遇しますよとか、何かそういう企業にもインセンティブが与えられるような税制は可能かなというような問題意識がありまして、今すぐやれということになると、相当、税制のほかの分野ともかかわりが出てきますので難しいかとは思いますが、いずれ、そうやって環境問題に熱心に取り組んでいる企業に対して、法人税を少し減税するとか、何か将来的にそういうことをやってはどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○南川政府参考人 失礼しました。私、先ほど、京都議定書を九八年と申しましたが、九七年でございます。大変失礼いたしました。 御指摘の税制のグリーン化を含む経済的手法でございます。市場メカニズムを活用して、規制などによらないで、各主体の経済合理性に沿った取り組みを促す大変有効な手段だと考えております。 京都議定書の数字をいかに達成するか。来年から第一約束期間が始まるわけでございます。その中で、企業につきましてだけではなくて、例えばビル保有者とか、それから国民、さまざま、そういった方に、税制のグリーン化を通じて対策の実施を促していくということは大変重要な手段と考えております。ぜひとも、その効果的な方法を総合的に検討していきたいと考えております。
○山本(と)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 さて、先ほど大臣から御報告をいただきましたG8環境大臣会合で、二つ大きな議題があった。そのうちの一つの生物多様性、これに関して、私もいろいろなところで、報道等で聞いたりテレビで見たりするんですが、相当外国の生物が日本にも入ってきている。これは世界そのものがグローバル化をして、国境がなくなってきて、いろいろなものが、人ですとか物ですとか、あるいはお金ですとか、そういうものがどんどんいろいろなところから入ってきては出たりしている。 そういった中で、日本の固有の種、日本古来から日本で生息をしていた、そういった生物が、例えば、一時期ムシキングなんというカードゲームが子供の間ではやりました。こんなちょっとしたカードを集めて、それをゲーム機に入れて、カブトムシなんかがバトルするような、そういうゲームが非常にはやったわけですが、そのときに、ちょうど外国のカブトムシやクワガタを輸入できるようになった。子供たちがそれを手にすることができるようになったので、また余計に、ゲームだけじゃなくて昆虫の飼育も相当はやった。それで、子供たちがまたそれを、何かのきっかけで屋外に放してしまう。そこで日本のカブトムシやクワガタが混血状態になっていって、どんどん日本固有のカブトムシ、クワガタがいなくなっていくのではないかというような危惧もあるようです。 あるいは、私、京都市内に住んでおりますが、実は京都市内でも相当山がありまして、猿害といいまして、猿が出没してきて、いろいろ人間に危害を加えたり、農作物を乱すなんという、そういう話もあって、猿も相当、我々にとってはある意味害もあるんですが、そのニホンザルも実は混血が進んできていて、ニホンザルもどんどんいなくなるのではないのかというような危惧もあるようです。 このあたりは、その混血が進んでいくものに対して、政府として何か対策がございますか。
○北川(知)大臣政務官 ただいま御質問のありましたこの外来生物の問題、特にカブトムシ、クワガタ、そしてニホンザルという問題点でありますけれども、外来生物は、新生物多様性国家戦略において、生物多様性の危機の一つに挙げられているところでありまして、在来生物に対して、捕食、競合、交雑等を通じた影響を与えるおそれがあるということでもあります。 このような外来生物については、平成十七年六月に施行された外来生物法に基づき、特定外来生物に指定をし、飼養等の規制や放つことの禁止、防除等の対策を進めているところであります。 また、これらの対策をより効果的に推進するため、特定外来生物の生態や防除手法に係る知見の充実、インターネット等を活用した普及啓発に努めているところであります。 今委員の方から御指摘もありました猿等につきましては、平成十七年度に和歌山県の方で、タイワンザルの交雑による雑種といいますか、そういうものが発見もされておりますので、四十三頭捕獲をいたしておりまして、こういう問題点を通じながら、今後、こういう日本古来の種というものを保存していく努力をしていきたいと考えております。 以上であります。
○山本(と)委員 引き続きそのような努力をしていただきまして、日本古来の生物あるいは固有の生物をしっかり守っていっていただきたいなと思っております。小学生や中学生の夏休みの思い出として、カブトムシをとったりクワガタをとったりというような風景が、我々が見たこともないようなクワガタをとって帰ってくるような、そんな世界が来ないように祈っております。 そこで、今安倍総理が、日本が相当世界で、環境問題、リーダーシップをとっていこうということで、先日も政府の方で、地球温暖化対策本部、そういったものも開催をしていただいたようですし、あるいは、今は、総理の指示のもと、二十一世紀環境立国戦略というものを策定していただいていると聞いております。 きょう、大変有意義な質疑をさせていただきました。この質疑の内容をすべて盛り込んでくれといっても相当無理があると思いますが、きょう行いました議論、ぜひこの二十一世紀環境立国戦略にもどんどん盛り込んでいっていただきたいなと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○若林国務大臣 二十一世紀環境立国戦略につきましては、ただいま中央環境審議会に特別の部会を設けていただいて、そこで幅広く論議をしていただいて、問題提起を受けているところでございます。 しかしながら、この二十一世紀環境立国戦略を総理が指示された背景といたしまして、総理御自身が一月の十二日からヨーロッパ各国を訪問し、その後、東アジアのサミットでアジアの皆さん方との協議をいたしました際に、多くの首脳の皆さん方から、やはり地球が直面している重要な問題として、エネルギーと環境の問題、そして、環境の中でも、エネルギーとの関係でいえば、地球の温暖化が加速されているということの危惧が表明されていたわけでございまして、それらを受けて、総理から、国内外にわたる地球環境、生活環境をめぐる諸問題をここで集約して、大きな方向づけをする、戦略を立てる、そういう意味での御指示があってスタートを切ったものでございますので、どうしても中心になっていきますのは、世界に発信するという視点からいいますと、地球温暖化問題が中心の課題になるだろうと思っております。 同時に、先ほどもお話ししました生物多様性の問題というのは、人類にとって大事な問題でありまして、これが温暖化と裏腹の関係として生物多様性の危機が論じられているということもございますので、そういう位置づけもしっかりしなければいけませんし、また、地球の汚染ということでいいますと、循環型社会をつくっていくという日本の主張、これはG8でも日本のイニシアチブで議論が始まっておりますいわゆるスリーRでございます。このスリーRの位置づけということをはっきりさせた上で、環境政策の大きな柱にしていかなければならない、こんなふうに考えておりますので、そういうことを大きな柱として環境立国戦略を策定していくことになると考えておりますが、この中央環境審議会の報告をいただき、さらに関係の方々の御意見も聞いた上で、五月の末ぐらいに取りまとめをしたい、こんな考えを持っているところでございます。 委員が提起されました生物多様性の問題も、今申し上げましたような枠組みの中で取り上げてまいりたい、こう考えております。
○山本(と)委員 本日は、若林環境大臣また北川大臣政務官とこのように有意義な議論ができ、私も大変感謝をしております。 私も、まだまだ若輩ではございますが、与党の一員としまして、地球環境、環境保全、そういったものに対してしっかりと一緒に仕事をしてまいりたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 本日は、ありがとうございました。
○西野委員長 次に、末松義規君。
○末松委員 民主党の末松義規でございます。 きょうは、環境G8サミットというテーマ、そして、あと、環境健康被害者の救済について、二つについてお伺いしたいと思います。 まず、大臣、環境G8サミット、本当に御苦労さまでした。 先ほどからお話を伺っていると、大臣もかなり積極的に参加をされて、日本の立場を主張されたという感じでございます。特に、大臣が日本はこの六%の削減をしっかりやるんだという決意を改めて表明されたということは、極めて重要であると思っております。 そのときに、大臣の方から先ほど御説明があったように、日本が認識として、中長期的に世界全体の排出量を半分以下にするべきだという御説明というか御認識が示されたということでございますけれども、中長期的にというのは具体的にどういうスパンで考えておられるのかということと、もう一点は、半分以下というのが、結構、IPCCとかいろいろなところで出されている研究報告によれば、その辺の認識があるとは思うんですが、日本独自にも計算されたような、そういうことがあるかも含めて御説明をいただきたいと思います。
○若林国務大臣 委員には、かねて、地球環境問題、とりわけ温暖化対策につきましては、見識を持たれて検討をし、いろいろ提言をいただいておりますことに、まず敬意を表したいと思います。 G8サミットにおきまして私が中長期的に温室効果ガスを半分以上削減しなきゃいけないということを申し上げた背景は、実は、会議が始まりましたら、先ほどお話をいたしましたが、途上国側、また途上国側にもメキシコとかブラジルとか中国とかいろいろ立場の違う途上国もあるわけですが、先進国側もロシアとかイギリスとかというのはかなり認識が違っておりまして、ヨーロッパ、EUは、先生御承知のように、次期枠組みについては、二〇二〇年には二〇%ないし三〇%の当面の短期的な目標を決めておりますし、二〇五〇年には半分以上削減するという水準で、六割というような線も出しております。どちらかというと、そういうことをリードしたいというEU側の意向が出ておりましたものですから、大変な反発が他の国からございまして、議論が個別論になって、拡散しそうになっていったわけでございます。 そこで、私は、議論が拡散する前に、参加国全部が共通の認識をまず持って、その土俵の中で次の議論をしていかなければ、いつまでにどの程度というような議論で議論をしてしまうと、なかなか収れんしていかないということを心配いたしまして、私、議事の進行として、まずは温暖化はとめなきゃいけないということについて反対はありませんねという提案をしました。 同時に、では、とめるということであれば、いわゆるプライマリーバランスですけれども、地球が吸収する海面及び陸上、森林の吸収量と排出量との関係で見れば、排出量が倍を超えているという事実認識はみんなで共有しようじゃないか。そうだとすると、とめるということであれば、いつまでとめるかはいろいろ議論があっても、半分以上削減しないと温暖化はとまらないね、そのことはみんなで共有しようじゃないですかということを言ったわけですね。 そこで、議長がそういう視点を入れまして、また、UNFCCCのデ・ボア事務局長がポイントの整理をしたのを受けて、実は問題点の整理を最終的に図ったわけでございます。 私が思いますのに、日本の役割というのは、非常に先行しておりますEU、そのEUの先行しております基本につきましては、日本はかなり共有しているんですけれども、それを同じような形で、今の状態で日本がそのことを主張しますと、離脱をしているアメリカとか、あるいはまだこれから、先進国のせいだよ、こう言っている途上国、特に中国などが、次期枠組みで、かねて日本が主張しています、主要排出国全部が参加する形で取り組まなきゃいけない、そういう体系ができなくなっちゃうわけですね。 その意味で、日本は、ドイツの後、来年は議長国を引き受けております。G8の議長国は同時にG20の責任者であり、また環境大臣会合の議長国にもなるわけですから、そういう立場を心得ますと、日本がこうだということを言うのは、言い出すタイミングとか環境条件についてかなり慎重でなきゃいけないという思いをひしひしとそこで感じまして、先ほど申し上げたような形で、私は、中長期的に半分以上の削減をしなきゃいけないということの共通の認識を主張したということでございます。 いろいろ胸のうちにはあるんですけれども、今、日本が置かれている状況、役割ということを考えますと、先行して日本がリーダーシップをとっていくための環境条件あるいはタイミング、そういうことについては慎重に考えさせていただきたいという意味で、歯切れが悪いといえば歯切れが悪いというお受けとめがあるかもしれませんが、先ほど申し上げたような筋の話をしたところでございます。
○末松委員 安倍内閣が続けば、来年、若林環境大臣が環境G8の会合またG20の会合を取り仕切る立場になられる、そして日本でのサミット、それにつなげていくという話でしょうから、大臣の非常に取りまとめということを重視したアプローチは、それは評価できると思っております。 私が質問したのは、途上国に対してそういう懸念を起こす形で言うのではなくて、要するに、これは昨年末から、さっき大臣が言われた、温室効果ガス排出量が七十二億トンですか、それとあと、今度は森林吸収が三十一億トンでしたっけ、そのくらいの、倍以上あるねと。だから、それを、その差をできるだけプライマリーバランスでバランスしていかないと地球温暖化が進むだけだというお話を今承ったと思うんですけれども、時期的なものはいつごろ、実は頭にはございますかというのが一つ私の質問なんで、そこはちょっとお答えください。
○若林国務大臣 実は、日本とイギリスとで共同のプロジェクト調査をいたしております。 ともに、一体、めどとしていつごろを念頭に置いていろいろな計算作業をし、予測をし、対策を論じたらいいだろうかというような議論の中で、めどとしては二〇五〇年を共通のめどとして検討作業をしていこうじゃないかという合意をいたしまして、かなり幅広い分野で地球温暖化対策を、省エネルギー、エネルギー技術あるいは温暖化防止技術の展開とか、あるいは技術をどういうふうに普及させていったらいいかという普及のシステムとか、そのためには社会システムも変わっていかないと大幅な削減というのは難しい。この間の京都議定書第一約束期間の程度の削減であってもそれぞれの国が大変苦労しているわけですが、産業構造とか、あるいは生活のスタイルも含めました社会構造とか、そういうことに及んでいかないと半分を超えるような削減というのは難しいなということで、今かなり幅の広い検討を専門家の学者を中心に検討していただいております。そういうときの目標年次としては二〇五〇年というのをめどに置いているわけでございます。 そのことを、その検討の研究の成果というものをいずれまとめて世界のそれぞれの国の皆さん方にもお話をしていく過程で、二〇五〇年というようなところがいいのかなということになれば非常に望ましいと思うんですけれども、どこに置くかによってそのプロセスが決まってくるわけですね。急にとんと落とすわけにもいきません。そうすると、中間をどこでとって、どういうふうに落としていくかといったようなシミュレーションも出てくるわけですから、そこはやはり各国との協議を通じて決まってくるのが筋書きではないか、こう思っております。 しかし、EUは、御承知のように二〇五〇年というのを先行的にもう明示したわけでございます。私は非常にこれを高く評価はしておりますが、御承知のようにEUは二十七カ国ですから、EUとして世界と話をしていくには、EU内部がどうなんだというのを二十七カ国間で合意しないと物が言えないわけですね。その意味で、EUとしては、こう言わないとEUとしての立場の説明ができないということもありますから、EUはもう先行して二〇五〇年というのを出しましたし、EUの中でもリーダーシップをとっています英国は、やはり二〇五〇年というのを決めて、それをいわば法案化して、今次国会に出すべくもう準備に入っている、こんな事情になっております。
○末松委員 これから若林大臣が来年に向けて各国との調整ということで、EUをまず急先鋒になさりながらまとめていかれるという意欲をお示しされた。ただ、二〇五〇年というのが望ましいというお話を、今、日本としても考えているというのはお伺いしました。 ですから、EUは二十七カ国をまとめるのにやはり具体的に目標がないとだめだということであれば、世界二百カ国弱をまとめていくにも目標がないといけない。そこは今の話からなんですけれども、当然、やはり具体的な目標をつくらないとなかなか議論が最終的には煮詰まっていかないだろうということであります。 ちょっと関連の質問になりますけれども、当然、二〇五〇年までに、日本としても排出量、今五%弱ありますけれども、それをおおむね半分にしていくというのは、これは大臣も確認をされておられるんですね。そこをちょっとお答えいただけますか。
○若林国務大臣 その確認をどこでどういう形でするかということになりますから、オフィシャルに確認したということはまだ申し上げられる段階にないんですけれども、種々の作業を進めるに当たって、めどとしてそういうものを持たないと議論が前に進まないという意味で、議論の前提としては二〇五〇年を中長期のめどに置いて、いろいろな作業を進める、あるいは論議をしていくというようなめどにさせていただいているというふうに御理解を賜りたいと思います。 実は、委員も十分地球環境問題に造詣が深いのでおわかりだと思うんですけれども、エネルギー消費というものとパラレルな話ですから、これを進めていくには、一つは、二〇五〇年のときに人口の構成がどうなっているんだというようなことが非常にエネルギー消費に影響があるんですね。だから、人口をどういうふうに見ていくのか。さらに、経済成長と非常にかかわりますから、経済成長をどう見るのかというような議論がなきゃならなくなるわけですね。そういう部門と、では確定できるかというと、なかなかそういう部門と同じで確定できないので、仮置きを前提として、仮置きをしながら私の方の作業を今進めている、こういう事情にあるわけでございます。 その点を御理解いただきませんと、そう決めたからといって他のシステム全体が、それ、右へ倣えでついてくるということになりませんから、だから、そういう部門とのすり合わせを早急に並行して進めて、おおむね、そうだな、こういう合意を、ほかの部門の皆さん方ともすり合わせをこれからしなきゃいかぬ、こう思っているんです。
○末松委員 まさしく今大臣がおっしゃっているように、東京であるかどうか知りませんけれども、日本で行われるサミットまでにははっきりと目標を確認しておかないと、ほかの国には言えませんね。 ですからそれは、二〇五〇年ということ、私どもも基本的に今、民主党内で論議をしています。おおむね二〇五〇年ぐらいを目標に、当然半分以上はやっていくというようなことを今議論しているわけですけれども、そういう中長期的な目標がないと、それはやはり腰が定まらないということで、大臣御自身が一番おわかりでしょうけれども、あとは、いろいろ、さまざまな障害を取り除いていかれるのは大臣の政治手腕、あるいは安倍内閣の政治手腕という話になると思いますので、そこはしっかりと、私も野党ですけれども、野党としてもそれはきっちりとやっていってもらいたいと思っております。 といいますのは、二〇五〇年で、今、経済成長とか人口、それは途上国の人口はすごく多くなりますね。だから、途上国の重要性は非常に増していくんですけれども、ただ、経済成長が何だ、人口が何だという話をやっていて、地球温暖化問題でそれこそ人類的な危機になったら、経済成長も何もないわけですから、生存が脅かされるわけですから、そこはしっかりとやっていただきたいと思います。 環境G8の問題はこれだけにしておいて、次に、環境健康被害者の救済について質問させていただきたいと思います。 実は、私もずっと思ってきたんですけれども、例えば水俣病とか、最近のアスベストとか、東京の大気汚染訴訟の問題とか、あるいはイタイイタイ病とか、公害の問題で関係者の方々といろいろお話をさせていただいて感じるのは、被害者の方々が非常に、本当に不幸な、不幸というか厳しい状況に陥っておられることが問題であります。 水俣病も、五十年間で、さまざまな過程を経てだんだん救済の幅は広がってきましたけれども、まだそこは終わっていない。卑近な例で、東京の大気汚染の訴訟についても十年間になってきている。自分が健康被害に遭いながら、そしてまた訴訟をしなきゃいけない、その費用も捻出しなきゃいけない、これはちょっと不公平というか、そういうふうに私は思うわけであります。 ですから、それは、どうしてこういった問題が数年も数十年もかかるんだということをやはり政治の世界でしっかりとそこは議論して、一定の方向を出していかなきゃいけないと思うんです。 そのために公健法とかいろいろな法律、あるいは努力がなされてきたわけなんですが、私は、この問題を考えるのに、本質的な問題として感じるのは、国というか行政が公害とかいう問題で病気の実質的な認定者になっているんですね。それはなぜかというと、いろいろな専門委員会を開きます、そしてお決めになったことを、公害の関係だったら環境省がそれを認定基準だということで発表していくわけなんですね。 例えば公健法で、では補償をするところはどこかといったら、病気の認定基準に基づいて今度はやはり環境省が、国がやっていくという話になってきますし、では裁判で被告になるというのはだれなんだというと、やはり国が被告で、環境省が被告になってきている。 どうもみんな、一人何役もやって、環境省、国にとっては、もしそういった形でいろいろと認定をする方がたくさんふえていけば、予算もとらなきゃいけない、そういった意味で大変ということは当然意識としてはあるでしょうから、そうすると、できるだけそういったお金は節約をしたいと思うのは、環境省がそう考えたとしてもそれは人情の世界なのかもしれません。 ただ、それがために、被害者の方々がずっと個人の生活が、環境の被害に遭って体が非常に思わしくない中で、今度は認定という基準から外れて、漏れて、そして塗炭の苦しみの中、数年から数十年、ずっと苦しみ続けて、しかも裁判をやらなきゃいけない。裁判の費用は、だれが出してくれるのでもない、自分でやらなきゃいけない。そして、では病気の立証責任はどうするんだといったら、それも自分でやらなきゃいけない。専門家はどうやって頼むんだというところから始まって、大変な状況になっているのがここ数年から数十年続いているというのが、私から見たら、これはおかしいなと思うわけであります。 それぞれに政治的な動きもあって、また法的な動きもあって、公健法という話もありましたけれども、やはりここは政治の世界で救済をしていかなきゃいけないと思うわけです。 そういうことで、問題として一番私が感じるのは、環境省なら環境省が一人何役もやっていて、それはおかしいと。認定をする人は認定をする人、そして、実際にそういった補償を決定する人は補償を決定する人という形でやはり何かきちんと分けていないと、これはみんな環境省の裁量によってすべてが決まるというのは、もし裁判で原告になった方にとって、これはおかしいだろう。 なぜそこを感じたのかといいますと、最近、原爆被爆の関係で、どこかの、あれはたしか名古屋地裁でしたっけ、で厚労省が発表した文の中に、裁判所の判決は、あれは不当だ、なぜかといえば、あれは医学界における通説を裁判所がとっていないから、だからあれはおかしいんだという表現があったんですね。 それは、考えてみたら、では、厚生労働省がやっている専門家のグループの人たちだけが通説なんですかと。これはまたおかしな話であります。 裁判所にとっても、裁判官が勝手に自分で決める話じゃないから、最後はどちらが法の趣旨にのっとったということを判断するわけですけれども、両専門家の意見を聞いて、それで判断されるわけであります。 ですから、水俣病でも、関西訴訟の中で最高裁の判断が出て、それは厚生労働省がやった認定基準と必ずしも矛盾しないという位置づけはできると思います、そこまで厳しくない、より範囲を広げた認定基準を最高裁としてとったということでありますから。ただそこは、厚労省が定めた認定基準よりも緩やかな形での認定基準がなされたということは、非常に画期的なことなんですね。でも逆に言えば、厚生労働省の定めた認定基準だけに頼っていれば、そういうことは救済されるチャンスがなかった、あるいはないということになります。 ですから、そこは、客観的かどうかはわかりませんけれども、できるだけ客観性を持った形で、独立した機関がきちんと判断すべきだと思うんです。 その観点から、私ども民主党も、新たな法案等を作成するということも含めて検討しているところでありますけれども、今、公害等調整委員会の方が来ていますから、ちょっとお伺いしたいんですが、公害等調整委員会の方は、できるだけ独立した動きをされておられるということですけれども、その活動を簡単に説明してください。
○加藤政府特別補佐人 それでは、簡単に、公害等調整委員会がどういうことをしているのかということを御説明いたします。 おっしゃったように、公害等調整委員会というのはいわゆる準司法機関を担う独立行政委員会でございまして、一つは、公害紛争処理法に基づいて、公害紛争の迅速かつ適正な処理をする。もう一つは、鉱業、つまりマイニングの方ですね、鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律に基づきまして、鉱業、砕石業、砂利採取業と一般公益または農業、林業その他の産業との調整を図るということ、つまり二つのことを主な任務としております。 そういうことでよろしゅうございましょうか。公害紛争につきまして、もう少し説明いたしましょうか。
○末松委員 ちょっと私の方で一言申し上げたいのは、では、公害等調整委員会の方は、政府が決めた認定基準に対して、これを変えたり、そういったことはお仕事はされていますか。つまり、認定基準に従ってやっておられるのか、あるいは自分のところでいろいろと専門家を集めてそういった審議もするという話も聞いていますけれども、そこはいかがですか。
○西野委員長 委員長からの指名を受けてから答弁してください。 加藤委員長。
○加藤政府特別補佐人 おっしゃるような意味での公害紛争が当該委員会に係属したことは、ここのところございません。 やっているのは、認定を受けた患者の方々が、協定に基づいて当委員会に、症状がA、B、Cのどのランクに当たるか、そういうランクづけをやっているということでございます。
○末松委員 では、ちょっとまた公害等調整委員会には時間があったら別途後で答弁をいただきたいと思いますけれども、今、加藤委員長さんが言われたように、要するに、認定基準については公害等調整委員会では一切変更する権限もなければ、そこは基準に基づいてやっているということなんです。 今裁判で争われているのは、認定基準について、それが妥当なのか妥当でないかが争われていて、それによって救済の範囲がどれだけ広がっているかあるいは狭いのか決まっていくということであります。 外務省にお聞きしますけれども、G8といいますか、先進国の中とか、あとEUとかで、そういう認定をやっているところと、裁判、大体裁判が主だと聞いていますけれども、そういった国々は、病気の認定とかそういうことはどういうふうに考えてやっているところでしょうか。
○本田政府参考人 米国、英国、フランス、ドイツにつきましてこれまで調査した限りでは、公害病等の認定制度を有しておらず、被害の救済は一般的に司法制度、裁判によって解決が図られております。 また、訴訟に際しては、政府による被害者への特段の支援制度はないものと理解しております。
○末松委員 多分、それに司法制度で解決をしていくということで、行政が一切そこは認定基準なるものをやっていないということなんですね。 ということは、裁判所において、多分それは国家賠償法か何かあるのかどうか、そういった公害を垂れ流した場合、一応企業だったら企業の責任でしょうから、そこはいずれにしても裁判所で認定を判断するということでありますから、国がかかわっていないということは、日本の法律、公健法なんかの位置づけとしては、それは行政が認定基準でやるかどうかという話でやっているわけなんですけれども、ちょっと判断するところが役所ではないという話なんですが、大臣の方も、ヨーロッパ、EUですか、今のような認識をそういうふうにされておられますでしょうか。
○若林国務大臣 日本の行政の、紛争に関して行政がかかわる、この行政システムというのは極めて異例のようでございます。今外務省の方から御答弁をいたしておりますが、主要先進国の公害関係の紛争の処理というのはほとんどすべて司法部局の決定によってなされている、こういう仕掛けになるわけですね。 どうも、これは別に識者の話を聞いたりあるいは組織内で論議をしたりということではございませんが、私は、やはり基本には、日本独特の文化といいますか社会の意識といったようなもの、日本の長い歴史のかかわり合いがあるんじゃないかなという気がするんです。これは、司法が個別の判断を的確に、そして社会が納得するような形でやれる体制が、明治以来あるいはもっと前からかもしれませんが、うまくできていなかったというようなことも関係があるかもしれません。 しかし、中央集権の中で、明治政府以来、いろいろな行政の規制を含む行政システムというのが隅々まで及んでいった中で、紛争が起こったときも、いわば行政判断といいますか、行政の方がそういう一人一人の持っている悩みとか苦しみとか種々の問題なんかもよく聞いて円満に解決していくということを求められていたというような過去の経緯がある中で、白か黒か、イエスかノーかというのを一人一人司法の方が判断をしない、また司法に求める前に行政の方に求めてきていたというような歴史的な経過の中で、日本独特のこういう救済システムができてきたんじゃないか、こういうふうに思うんですね。 これを今後ともそのままでいいのかどうかというのは、基本的な問題はあろうかと思います。あろうかと思いますが、そういう経過の中でできたシステムでございますから、できるだけ司法判断で事柄が解決をするようになるのが私は望ましいというふうに思うんですけれども、さりとて、行政が手を引いちゃって、それは司法でどうぞというわけにはなかなかいかないのが、現実、和解の勧告、司法側から和解を期待されるというようなこともかなり多くあるんですね。 そういうことを考えますと、一気にもいかないし、今ある仕組みの中で被害者を公平、公正、妥当に救済をしていくような仕組みというのは今後さらに検討していかなきゃいけない、こんな思いでございます。
○末松委員 今の大臣の御認識、私も共感するところがあるんですね。やはり、認定基準を行政がつくるんじゃなくて、独立したところが認定基準をしっかりとつくる、それで、あと問題があれば裁判所で判断するという話だと思うんです。 今エアポケットになっているのは、裁判になると、やれ五年、十年と、今まで司法が非常に遅い解決をやってきたものですから、それだけかかって、それだけ苦しみが、それを覚悟して、金銭的な出費も覚悟しなきゃいけない、その人たちをどう救済していくかということだろうと思うんですね。 私たちは、水俣病なんというと、あれは何か特定の地域の特定の病気だよねという話しかなかったんですけれども、アスベストなんという話になると、それは我々、潜在性が三十年、四十年あるというので、私なんかかかったって全くおかしくないんですよね、アスベストの横のところ、体育館なんかでよく遊んでいましたから。 だから、みんながかかる危険性があって、そのときは、かかったらもう、あなたは運が悪かったねという形で、もし救済してほしいんだったら五年、十年の裁判に勝ち抜いてからやってよねと言われると、私たちはちょっと本当にそこは、これが日本国民という立場でいいのかねと。憲法で言う健康で文化的な生活という形が保障されているのかという話になるかと思います。 ですから、これは私はまたキックオフの議論にしたいと思うんです。これは引き続きまた大臣とも御議論させていただきたいと思います。 最後に、外務省の方にお願いですが、そういった最初の、欧米もどちらかというと、EUもそうですが、最初にその裁判だって、やはり自分で出費をして裁判に勝たなきゃいけない。そのため、その間に自分も健康被害を受けている、こういうことの救済制度、今はないという話でしたけれども、北欧のスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、これについてもぜひちょっとお調べをいただきたいと思いますが、答弁をお願いします。
○本田政府参考人 委員御依頼の件につきましては、環境省等関係省庁とも協議の上で、可能な範囲で調査を行いたいというふうに思います。
○末松委員 ありがとうございます。これで質問を終わります。
○西野委員長 次に、村井宗明君。
○村井委員 民主党の村井宗明です。 今回の環境大臣のG8の報告、私は本当に大臣がすばらしいなと思う点が一点ありました。それは何かというと、中長期的に世界全体の温室効果ガス排出量を半分以下に削減することが必要であるという発言をされたことです。 今、この地球環境問題、日本の場合、具体的な話とそしてどうでもいい話の二つに分かれていると思います。地球温暖化問題を解決することは可能です。そのためには具体的な三つの方法のどれかをやらなければならない。環境税か、税制のグリーン化か、はたまたキャップ・アンド・トレードか。具体的な方法によって削減できるにもかかわらず、いろいろな反対があって、今まで私たちはその歩みをすることがなかなかできませんでした。唯一歩みとしてできたことは、産業界には自主的にやってもらう、それからもう一つ、国民には自発的にやってもらう、そういった本当に負担のない話だったらみんな賛成してできる。だけれども、それはやってきたけれども、実質的に本当に温室効果ガスが削減できたのか。できなかったんです。温室効果ガスを実質的に削減しなければならない具体的な方法、環境税か、税制のグリーン化か、はたまたキャップ・アンド・トレードか、義務を課するようなことを私はやっていかなければならないと思っています。 そんな中で、まず大臣に私はお聞きしたいと思うんです。 今回G8の環境大臣会合で言った、中長期的に世界全体の温室効果ガス排出量を半分以下にまで削減することが必要であるという発言を真摯に思っているかどうか。そして、もし、これを公式確認するために、民主党からこの温室効果ガス排出量を半分以下に削減することが必要であるということを委員会もしくは国会決議として提案する場合、大臣はそれに賛成するつもりがあるかないかについてお聞かせください。 〔委員長退席、桜井委員長代理着席〕
○若林国務大臣 先ほど来各委員の御質問にお答えをしてまいりましたけれども、基本は温暖化をとめる、ストップ・ザ・温暖化ということについて、世界の、先進国であろうが途上国であろうが、その影響を人類が受けるわけですから、そこは共通の危機認識というものを共有しなきゃいかぬということを、この間、私は強く主張したわけですね、そこに反対がありますかと。それは反対がない。反対がないなら、温暖化をストップするには、当然のことながら、海や山での吸収限界と排出している量とのギャップ、これをいわゆるプライマリーバランスとして、吸収と排出とをバランスさせなければ進行していっちゃうんですから、バランスをさせるということについては反対ないですね、いいんですねということを先進国、途上国の皆さん方に提起しているわけです。 そして、そこがいいとすれば、現実に排出している量が吸収量の倍を超えているわけですから、排出している量を半分以下にしなければストップしないということは明白になるじゃないですか。 ただ、時期をいつまでにするかという話になると、遅くなればなるほど温暖化が進行していきますから、その影響被害というのは大きくなっていく、早くやれば温暖化の低い段階でそれが実行できるから少なくて済む。しかし、それをいつまでにやるかというのは、各国の産業構造のみならず、社会構造、生活に直接かかわってきますから、物すごく対立して、なかなか一致点が見出せないというのが今の現状なんですね。 それで、私があるいは日本が半分以下にしようと言うことは、これは国内問題なんです。国内問題なんですね。しかし、地球全体で半分以下にしないとだめなわけですから、地球全体が半分以下にするための国際的合意を取りつけていく必要がある。 それで、取りつけていく場はどこかといえば、これは気候変動枠組み条約の締約国です、もう百七十カ国以上もあるわけですから。しかし、それをリードしていくのはG8だという意味で、G8及びG20の場が大きな役割を持つ。その議長が来年は日本にかかってくるし、そして日本が議長のときに、ポスト京都議定書と言われている二〇一三年以降の枠組みについて方向づけをしなければならない、そういう年回りになっているわけですね。 そういう意味で、日本がそういうふうに決めたからということで、そういう国際的合意がつくりやすいかどうか、つくれることになるのかどうかというようなこともよく考えてやらないと、そういうことを決定する時期、さらに、いつまでにということを決めることの世界への影響、そういうことを考えた上でやらなきゃいけませんので、せっかくの委員の積極的な御提言といいますか御質問に、それはそうですというふうに今お答えすることは難しいわけです。 そういう事情を民主党を初め皆さん方とももっと話し合った上で、そういう対応ぶりというようなことも、実はよく意を通じておかないと、事柄のいい解決の手法にならないんじゃないかということを申し上げたいと思っているわけでありまして、私がそういうことを国際舞台で、G8プラス5で言ったということは、確かに事態はみんなわかっているんだけれども、収れんをどうやってやったらいいのかがうまくいかない中で、いわば収れんのきっかけとして、これは言わざるを得ないという意味で申し上げたというふうに御理解いただきたいと思うんです。
○村井委員 残念ながら、大臣、私が質問した内容と答えがちょっと食い違ったので、もう一回言います。 まず、今私はこの国の意思を表明することが必要だと思っています。それは何かというと、今までは、例えば、アメリカもCO2を削減するつもりは正直ありませんでした。ところが、大統領選挙以降は、多分政策の方針転換をしてくるでしょう。それからイギリスも、きょう私らは、実は民主党は英国大使と勉強会をさせていただいたんですが、地球温暖化問題について明確に削減の法案を通しました。 さてそこで、今日本は、このまま、この大臣が言ったような意思である温室効果ガスを、中長期的には半分以下までに削減するという主張を私たちは明確に公式確認する必要があると思うんです。だからこそ私たちは、この委員会で、もしくはできれば国会の本会議で、中長期的に温室効果ガスを半分以下までに削減することが必要であるという文言を公式確認するための決議を上げるべきだと思っていますが、大臣はそれに反対されますか、賛成されますか。
○若林国務大臣 方向性については、認識は違っていないと思うんですよ。 それを国会決議、委員会決議なりあるいは本会議での院の決議にすることが適当かどうかというのは、どうかもう少し各党間の中でよく話し合っていただきたい。そのことが、世界をリードする、来年は議長国になる日本の姿勢として本当に有効かどうかというようなことは、どうか各党間でよく相談をいただきたいというふうに思います。 私は、そういう意識が国内の立法者の中で非常に高まってほぼ一致してくるんだということは非常に結構なことだと思っているんです、そういうのを背景にして政府はいろいろな働きかけをしますから。ただ、それを決議という形にすることがいいのかどうかというのは、ひとつどうかそういう話し合いの場でやっていただきたい、こう思っております。
○村井委員 今、地球温暖化問題に反対する人はいないんです。みんな口では地球温暖化問題は大切だねと言う。ところが、具体的な話になると、みんな二の足を踏んでしまう。そんな中で、少なくともこの環境委員の中で、しっかりと意思を表明する必要があるんです。 大臣、もしそれができないとしたら、どういう理由があるんでしょうか。
○若林国務大臣 私はしばしば繰り返し言っていますが、日本がそういうことを意思表示したからといって、実は、来年日本が議長国になるときに、世界の主要排出国、アメリカや中国、さらにインド、ブラジル、そういう国々も含めて、同じ土俵に乗って削減努力をしてもらえるような環境づくりにプラスになるのかどうかということでございます。 私は、EUがあるいは英国が先行してやっているということに同調して、日本がそういう意思表示を立法府でするということがプラスかどうかということについて言えば、今の時点ではまだ決めかねております。そういう意味です。
○村井委員 私は、きちんとした日本の意思表示、公式確認をしなければ、日本はまだ何だかんだ言って、温室効果ガスの排出量を増加させることを閣議決定で認めたじゃないか。もちろん、お金を払って京都議定書を達成したことにする、これはこれでいいけれども、温室効果ガス全体は多少削減、だけれども、肝心の二酸化炭素量は削減しないという閣議決定。これでどうやって世界のリーダーシップなんてとっていけるのか。 G8で地球温暖化問題についてのリーダーシップをとることは、私は今は難しいと思います。だからこそ、後でまた協議でも結構ですので、まず与野党ともに一致できる総論だけでも、意思確認と公式決定をぜひしようじゃありませんか。 さて、少々問題のある各論の方へ話を移したいと思います。 まず、各論なんですが、今、京都議定書の目標達成計画の中で、私がきょう資料を配らせていただきました。村井宗明質問資料ということで配らせていただきました。 この一ページ目で、これは環境省の資料で、産業部門からは八・六%の削減、これが今の日本政府の温室効果ガス削減量の京都議定書達成計画になっています。さて、その次のページ、産業界は自主行動計画で二・二%減少というのを打ち出しています。今まで環境省や経産省の答弁では、今経産省は、産業界は自主行動計画を一生懸命やって削減したんだから、だから具体的な義務を課する必要はないなんと言っておられますが、では本当にこれでいいのか。政府は八・六%削減と言っていて、産業界は二・二%削減。十分にこれで足りているのかどうか、数値の差も含めてお答えください。 これは政治家答弁でお願いしていて、参考人答弁じゃないはずですけれども。大臣にお願いします。 〔桜井委員長代理退席、委員長着席〕
○南川政府参考人 私ども、産業部門の中で自主行動計画に参加している業界、それは一部でございます。また、経団連の方法は、経団連として独自に推計をいたしたということでございます。したがいまして、当然ながら、その数字は一致しないということはあり得るわけでございます。 また、私ども、実際に目達計画を算定しますときには、経団連に参加しています個別業種ごとの排出量推計、また、その他の業種の推計も合わせまして、さまざまな観点から、その計算を行っているところでございます。したがいまして、そこには差が出てきている。 決して、経団連の言っていることをそのまま受けてつくっているわけではないということでございます。(村井委員「政治家でと言っているはずですよ」と呼ぶ)
○若林国務大臣 副大臣も政務官も政治家でございますからね。 私が大臣……(発言する者あり)結構ですよ、それは。ただ、事前に、私が今のお話について大臣答弁だというふうに聞いていなかったものですから、副大臣なり政務官でもいいのかな、こう思ったわけでございます。(発言する者あり)
○西野委員長 私語はおやめください。
○若林国務大臣 ただ、私は、これで自主的な行動計画で産業界がやる、こういった経過があって、そのような意思決定をしたわけですね。それを本当にやってもらう、しっかり実現してもらうということをまず監視しているわけですよ。それが第一約束期間で達成できなかったら、それこそ世界に日本が立っていけなくなっちゃうわけですね。だから、そういう意味で、いよいよスタートを切るための見直しをことしやるということで、もう着手をしているわけです。それは、セクター別に、その事業別にきつく見直しをしながら、それでどうしてもいかない、いけないというようなことになったときには、規制的な方法も取り入れなきゃいけないかもしれない。 しかし、できれば、いろいろな経過があって、政府が決めた、あるいは法律上の措置として規制をするというふうに、頭からキャップをかけるというふうになっていないわけですから、今の仕組みの中でやれる限りはやって、目標が達成できれば、今回の第一約束期間中のマイナス六%はそれで乗り切っていければいいな、こういうふうに思っているところでございますが、ある人に言わせれば、乾いたぞうきんをさらに絞って、すり切れるぐらいまで環境省は今絞っていると言って、非難の声が私のところに来ますけれども、それは、乾いている部分もあれば、まだまだウエットの部分もあって、もう少し精査しながら、みんなでやる。そのときに、企業側が、排出側が本当にやる気を、気持ちを切りかえて持ってもらうということが大事なんですね。規制は最後の手段だ、私はこう思っています。
○村井委員 済みません。参考人でいいと言ったところと、できたら政治家でと言ったところで分けていて、ここは政治家としての責任のある答弁だと思うんです。 その上で、今大臣は、本当は規制すべきだけれども、私も一点一致するのは、自主取り組みでできるんだったら、別にそれでいいんです。だけれども、だめだったら規制しなければならないというのは、一致していると思うんですね。 そんな中で、京都議定書をずっとやってきて、本当に自主取り組みでできたのか、できなかったのか。答えは、政府は八・六%と言っていて、産業界は二・二%だった。実際、規制なしの自主的取り組みでできたという結論なんですか、できなかったという結論なんですか。大臣、どちらでしょうか。政治家でお願いします。
○若林国務大臣 これからなんですよ。ことし見直して、来年が初年度で、そして現実の規制に入るんですね。今まではそのための準備をしてきたわけですよ。準備段階です。それはそれぞれの努力があります。 しかし、その努力で、なおもっと注意して努力しなきゃいけない分野があるんじゃないか、あるいは、自主的に取り決めた水準がそれでいいのか、もっとできるんじゃないか、そういったことを今見直しているわけですね。それで、来年から実施に入る、こういうことですから、私は、何か結論が今出て、もうだめなんだ、こういうふうに言っているつもりは全くないんです。可能性を十分持って、これから見直しをし、そして対策を強化して来年の初年度を迎えようと今しているところでございます。 それから、先ほど、規制は共通して、私も規制が必要なんだということを認めたというふうにおっしゃられましたけれども、私は、規制なしでできればそれが一番いい、そっちの方がいいということは、そのように思っているわけでして、どうしてもそこでできなければ、いろいろな規制の仕方はあると思いますけれども、規制を導入せざるを得ないかと思っておりますが、今の六%の水準ということ、しかも、委員が前から指摘しておられる産業界が実際の削減をする削減量というのは、その程度のことは自主的にやろうと思えばできる、こういうふうに私は期待をしながら思っておりますから、産業界のさらに一層の努力を求めていきたいと思っております。
○村井委員 自主的取り組みでできればそれでいい、それは一致しています。どうしてもできなければ規制しなければならない、それも一致しているんです。言っていることはそんなにお互い違っていない。 その中で、では、今現在の二・二%という目標と八・六%という政府の目標のこの乖離。どこまで行けば規制的な政策に変わっていくのか。どこまで以下だったら、どこまで頑張れれば自主的取り組みでいいか。二・二から八・六の間で、そのボーダーラインは、大臣、大体どの辺からと考えますか。
○若林国務大臣 実は、経団連側の自主的な取り組みの対象外の業種があるんですね。これは主要七業種で産業界が自主計画をつくっておりますけれども、その差は、経団連側に含まれていない、建設業なんかは含まれていないんですよ。それから、農業その他の業種が含まれておりませんし、そういう含まれていない業種も政府の方は努力をお願いしているわけでございますから、八・六と二・二そのものを比較して、そしてどこにあるんだ、こういうのは、比較をし、その中で水準を決めるというのはちょっとなじまないんじゃないかなと思っていますが、そういう技術的な数字の見方とかいうようなことになりましたら、ひとつ参考人の方で答弁させていただきたいと思います。
○村井委員 次の質問は少々細かいので、参考人で結構です。 今大臣から、自主行動計画の対象の産業と、もう一つは、政府が八・六%削減と言っている産業との間に少しずれがあるという話がありました。そこで、二・二と八・六の数字が多少ずれている、そんなにずれることはないと思うんですが。 まず、今政府は八・六%削減を産業界でと言っていますが、そこで質問なんですが、では、今自主行動計画の対象になっている産業だけに限定すれば、大体何%削減を政府は目標としておられますでしょうか。参考人でお願いします。
○南川政府参考人 恐縮ですが、きょうそこまで数字を持ってきておりません。
○村井委員 わかりました。 では、調べていないという話なら調べていないというのでも結構ですが、少なくとも、今の自主行動計画で、政府が目標としている産業界での八・六にはとんでもなく行かない。残念ながら、今彼らがやっている二・二は何とか行くかもしれないけれども、自主行動計画だけで規制をしないというんだったら、もっともっと数値を引き上げてもらわなければならないと考えるんです。 さて、この話は次に話していきたいと思います。 私が配った資料の最後のページなんですが、京都議定書目標達成計画における主な対策の進捗状況という表です。これは環境省が出しておられる表です。 さて、今現在のところ、二〇〇五年のところで四一・三%の政策が進んだというふうに書いてあるんですが、残念ながら、CO2は九〇年度比八・一%、進んだどころかふえているんです。政策が四割進んでもふえるということは、一〇〇%に行った時点で本当に削減になるんでしょうか。その辺のお聞かせをお願いします。政治家の答弁でお願いします。
○土屋副大臣 お答えします。 この目標達成計画は、二〇一〇年時点での対策の見込みを掲げておりまして、二〇一〇年までに各対策を一〇〇%実施することにより、マイナス六%の目標が達成できるとしているものであります。 排出の状況はさまざまな要因に影響されまして、各対策の進捗と全体の排出削減量が、単純に比例するものではなく、各対策の進捗状況をもとにその時々の排出量を示すことは大変困難であります。つくった時点では経済状況が今よりも大変低迷していましたので、その時点での差があったということを御理解いただきたいと思います。 いずれにしましても、目達計画を今見直ししておりますので、現時点で今後どうなるかということを詳しくは説明できませんけれども、今後一〇〇%達成するためには、過去の二倍のスピードで対策を進めることが必要だと考えておりますので、追加対策を検討してまいりたいと思っております。 それから、先ほどの二・二%とマイナス八・六%のことでございます。先ほど御説明もしましたけれども、経団連の二・二%の中に含まれていない、私たちがつくった目標達成計画の中に含まれていない、建設業、農業、そのほかの業種が含まれての算定方法でありますので、ちょっとそこいら辺も違ってくるとは思います。
○村井委員 今副大臣がおっしゃられたので、副大臣にそのまま質問します。 今、京都議定書の目標達成計画と自主行動計画との間の業種に差があるとおっしゃられました。では、自主行動計画になっていない今の業種に対しては、どうやって温室効果ガスの削減に取り組んでもらおうと考えておられますか。
○土屋副大臣 現在、次回目達計画を、改めて見直しの作業をしております。その中でいろいろな議論があって今後答えが出てくると思いますので、現時点で、大変申しわけありませんが、細かいことの御説明ができないことをお許しください。
○村井委員 残念ながら、そういうことなんですよ。産業界全体で八・六%削減と言うのはいいけれども、自主行動計画の対象になっているところは二・二パーしか下げないし、それ以外になっている残りの業種も、では実際に何かやっているかというと、具体的な規制の手段というのはないんですよね。だからこそ、今きちんと自主行動計画を全体に広げてあげるか、さもなくて、どうしても八・六まで行かないようだったら規制的な措置をとっていかなければならない、私はそのように確信しています。 さて次に、これは参考人で結構です。産業界の自主行動計画にある二〇〇五年から二〇一〇年までの削減量の見通しを、総量としての削減量でお答えください。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど御指摘ございました、経団連の試算値としてマイナス二・二%という数字であることは承知をしております。 経済産業省でございますので、経済産業省所管の三十三業種でございます。この部分につきましては、二〇一〇年度の排出量についての見通しを含んでいない自主行動計画もございますので、恐縮でございますが、積み上げベースでの二〇一〇年の排出総量の削減見込みということについては、把握をしておりません。 他方、環境省と協力いたしまして、本年度から自主行動計画のフォローアップを実施するとともに、二〇一〇年度の目標水準を現実に達成できるか否かにつきましては、排出量の増減を含めて、きめ細かくフォローアップをしてきているところでございます。 こうした中で、目標水準を引き上げる業種、あるいは新たに自主行動計画をつくった業種等出てきております。こういう着実な努力を今後とも続けてもらうよう強く働きかけてまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、こうしたことにつきましては、現在、中央環境審議会と産業構造審議会合同で、目達計画の徹底した見直しを進めております。そうした中でも十分議論をして、よりよいものにしていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○村井委員 今おっしゃられたように、実は総量ベースでの削減量がわからない状態になっています。もちろん、これから目標を引き上げてもらうことは非常に大事だと思っています。 次に、では、国民の啓発による二〇〇五年から二〇一〇年までの削減量の見通しをお答えください。参考人で結構です。
○南川政府参考人 お答えいたします。 まず、国民の啓発によります運動でございます。私ども、これにつきましては、各種の施策につなげるための重要な施策であるということで、横断的施策というふうに位置づけております。 といいますのは、この普及啓発事業、省エネ機器の普及とか、あるいはビルのエネルギー管理システムの導入等、そういった対策との切り分けが非常に難しいということから、その効果だけを定量的に算定して、それを対策として進めるということが技術的に困難だということで、特別にその効果の数値目標ということは設定しておりません。 ただ、私ども、クールビズ、ウオームビズ運動をやっております。その中で、試みにその効果を算定しますと、去年でございますけれども、ウオームビズで百四十一万CO2トン、クールビズで百十四万CO2トンという結果が出ております。
○村井委員 通告では、次に参考人の方に環境税導入のいきさつについての具体的な話を伺うことになっていたんですが、時間がないのでそれは飛ばします。 それは飛ばして、その上で、次に大臣に聞くことになっていた、環境税が、環境省が二〇〇四年、二〇〇五年、二〇〇六年と提案をして、何で実現できなかったのかについてお答えください。
○若林国務大臣 炭素に対する負荷を高めることによる削減の効果について、十分我々が説得できなかった、これだけの効果が出るだろうという我々の主張を、説得することができない。環境税としてある一定の課税をするときに、CO2排出炭素に着目して、その提案は、課税の負担率は提案自身が少し低いんですね。その低い、その程度のことで、本当にガソリンの消費だとか重油の使用だとかというのは、そんなものでそれだけのインセンティブに本当になるのかねという意見から始まりまして、もういろいろな質問を受けたけれども、必死に説明をしましたが、なかなかその効果というものを説明し切れなかったというのが一番の理由であったのではないかと思います。 実は私は、こういう立場になるまでは、これを推進するという強力なグループのリーダー格をやっておりまして、攻め込んでいったんですね。しかし、力足らずで挫折をしてしまったわけですが、私は今環境の責任大臣としましてどういう手法をこれから導入していくのかということを真剣に考えていかなきゃいけないと思います。 それと、やはり自動車特定財源の問題がありまして、自動車あるいはガソリンに対する課税、これも形を変えてみますと、ヨーロッパなんかではこれは環境税と言っているんですよね、ガソリン課税を。日本は、税収を目的にして、税収を道路整備に充てるということだから、そういうスタートを切っているんですが、そこが、ヨーロッパなどが自動車燃料課税というのは環境税として課税しているんですよ。 そういう見方をしますと、ガソリンに対しては大変な課税をしているというふうな主張もありまして、石炭あるいは重油、ガソリンなどに対する、そういう課税全体をもう一度スクラップ・アンド・ビルドで見直してやらないとまずいじゃないかという主張もございまして、なかなか十分説得ができなかった、こういうふうに理解をいただきたいと思います。
○村井委員 大臣が私たちと一緒で環境税導入派だということはわかりました。それはもちろんいいことなんです。 その上で、説得できなかったという抵抗勢力は一体だれなのか、これを具体的にお答えいただきたいと思います。
○若林国務大臣 いや、別に、だれか抵抗者がいて抵抗勢力だ、こういうことではなく、私は実は党税調の、税制調査会の副会長もやっておりました。その税制調査会のかなり綿密な、専門的な税制の立場からの、幹事も含めた議論の中でも、多勢に無勢でありました。それを導入したらいいという役員はごく数名でございまして、やはりそういう効果の説明ができないとかいろいろな議論をしておられまして、どこが抵抗勢力でどうだ、こういうようなことではなく、やはり力不足だった、こういうことでございます。
○村井委員 その上で、今は大臣になられたわけですから、再度、大臣の権限で提案をする気があるかないかについてお答えください。
○若林国務大臣 この手法だけが削減効果のある手法だというふうに決めるわけにはいかない状況になっているように思います。 ですから、実はグリーン税制全体の問題の中で、環境税という方式がいいのか、いろいろ排出権取引の問題なんかもございますね。あるいは規制という手段もございますよね。ですから、幅広く検討をした上で、その対策の一つとして現在位置づけておりますので、これからそういう検討の結果、これが有効だという、再びそのような結論が得られますれば、それを、別に権限というようなことはございません、要望ですから、環境省として税務当局に税制改正要望を出す、こういうことになるわけでございます。
○村井委員 何か、大臣になられた途端にちょっと消極的になっておられることを、非常に残念に思います。 さて、その上で、では環境税以外の手段もあるはずじゃないか。具体的に今政府がやっているのは、残念ながら、自主的に減らしてくださいというのと、国民に呼びかけて自主的に減らしてください。それで、やってもやっても結局減らなかった、逆にふえましたというのが今の現状です。 環境税をやるか、もしくはキャップ・アンド・トレードに踏み切るか、具体的な、本当に効果のあるどちらかをやらなければならないと私は思うのです。環境税がもしだめだとしたら、ではキャップ・アンド・トレードの導入について、その見込みはどうでしょうか。そして、すぐに導入が難しいとしたら、その障害になるのは何だと考えられますか。どなたか政治家の答弁をお願いします。
○若林国務大臣 キャップ・アンド・トレードの問題については、委員御承知のように、今自主参加型のいわば実証的な事業を十七年度から始めたんです。約百社程度の参加で、いろいろな業種に及んでいますけれども、そういう中で知見を重ねております。 そういうのと同時に、ヨーロッパの方ではEU—ETSで、既に第一次的には実施をしているというふうに承知しておりますが、先般EUの環境の委員とバイで話をしたときに、私は幾つか疑問を出しました、つまり、これでうまくいっているのかね、こういうことで本当にちゃんとできているのかねと。 いろいろ聞くところによると、そういうことの障害も、問題点も出ているように私は承知しているということでやりとりをしたんですが、EUの環境委員長は、専門家同士として、私が、ではこっちから勉強に行くから、実際の企画と、実際実行してみてどういう問題が起こっているかというようなことについて詳細を勉強させてもらいたい、こっちからチームを出したいと言ったら、ウエルカムだ、ぜひ来てくれ、こういう話になりました。その話を聞きつけて、イギリスの環境大臣も、せっかくベルギーまで来るならイギリスにも来てくれ、イギリスの体験、経験をしてきた知見をお話ししましょう、そういうことを共有しながら問題点を乗り越えられるものは乗り越えていこう、こんな話がありまして、私は、この四月に入りましたら、なるべく早い時期に、環境省だけではなくて、もう少し幅広い検討チームを編成して、EUのシステム、実行しておりますイギリスのシステムの経験と課題、そんなことを勉強してきてもらおうと思っております。 具体的に、今調査の編成及び調査項目の整理といったようなことに入っているところでございます。
○村井委員 時間が来ましたので、質問を終わらせていただきますが、最後にまとめさせてください。 まず、大臣が総論で言っておられる中長期的に温室効果ガスを半減しなければならないという目標については、私は何とか国会決議で公式確認をしなければならないと思っています。 そして二点目、各論についても、残念ながら今までの自主的な取り組み、国民への自主的な呼びかけでは削減できなかった以上、環境税もしくはキャップ・アンド・トレードという具体的に実効性のある政策に踏み切らなければならないという御意見を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○西野委員長 次に、近藤昭一君。
○近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。きょうは質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。 環境委員会に所属をして随分になります。よく縦割り型の問題とかと言われるんですが、私は、ある意味縦割り型で、いいとは言いませんが、縦割り型のよさを発揮していくべきところもあると思うんです。それぞれの省庁がそれぞれの立場からきちっと意見を言っていく、そしてそれを徹底的にぶつかり合わせていく。 ただ、最終的にはやはり一番大事なこと、それは国民の皆さんの視点に立っていくということだというふうに思います。そういう意味では、もう私なんか若輩が大臣に申し上げるのは大変に失礼でありますが、やはり最終的には国民の視点に立って、大臣はそれぞれの省庁の代表、代弁者というか、トップだとは思いますが、やはり国民的視点に立っていただきたい。 私は、そういう意味では、今の時代というのは、それぞれの省庁がそれぞれの意見をぶつかり合わせていっても、最終的には環境というものを第一に考えている、それが重要だと思っているんですね。そういう意味では、縦割り型であり、それぞれの省庁が並んでいても、やはり最終的に環境省が、環境というものがトップにあるべきだというふうに思っております。そういう視点で、ぜひ大臣には御奮闘いただき、いろいろと御指導いただきたいというふうに思っているんです。 そこで、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 最近、環境の問題というのが、今申し上げたように、大変に大きく関心を得ているわけでありますが、鳥インフルエンザウイルスの問題であります。 最近、三月十八日でしたか、環境省から、H5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスの検出が野生のクマタカからあったという発表がされまして、この野生というところに私は大変に衝撃と心配を持っているわけでありますが、このことについて、今どのような調査の状況になっているのか、どのようにお考えなのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○冨岡政府参考人 お答え申し上げます。 熊本県相良村で保護収容いたしましたクマタカの個体から、本年三月十八日にH5N1亜型鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受けまして、環境省といたしましては、感染、発生の拡大が見られないかどうかを、関係機関とも連携しながら、状況把握に努めているところでございます。 まず初めにとりました対応といたしましては、三月十九日月曜日から二十日にかけまして、環境省と熊本県等が連携しまして、クマタカを保護収容いたしました地域周辺での野鳥の生息状況の調査を行いました。その結果、野鳥の大量死等の異常は確認されませんでした。 次に、周辺地域での野鳥へのウイルスの感染状況を調査するため、水鳥のふんの採取と小型陸鳥の捕獲を行ったところでございます。 さらに、広域的な状況把握といたしまして、現在近畿以西で実施しているカモ類のウイルス保有状況調査、これを四月まで継続することといたしております。 なお、本件に関しましては、相当濃密な接触がない限り、鳥から人への感染は発生しないと考えられておりますので、日常生活におきましては、鳥の排せつ物等に触れた後には手洗いやうがいを行うということをしていただければ、過度に心配する必要はないということで、冷静な行動をお願いするよう呼びかけているところでございます。 以上でございます。
○近藤(昭)委員 今御答弁をいただいたような調査、また、過度に心配をするなということであります。 もちろん、過度に慌ててというか過敏になる必要はないのかもしれませんが、少し御見解等々をお聞かせいただきたいんですけれども、野生の場合というのは、先ほど申し上げたH5N1亜型は高病原性というふうには言われないということでありますけれども、私が大変に心配しておりますのは、野生のクマタカから鳥インフルエンザウイルスが検出されたということ、そしてまた、クマタカが御承知のとおり絶滅危惧種1B類の希少な範疇に入っているということなんですね。 ですから、先ほど申し上げましたように、冷静というか、確かに今御答弁をいただいたようなことなのかもしれません。しかしながら、こういったものは先手先手を打ってというふうにいかなくてはならないと思いますし、今の御認識だと、調査をしたけれども、そんなに広がっているわけではないだろうというふうにおっしゃるわけでありますけれども、御承知のとおり、逆に変な風評被害にはなってはいけない。しかしながら、変な風評で広まっていって過大な被害が出てはいけないと思う一方で、逆に、きちっとやっていただかないと、本当に絶滅危惧種であるということ、また、これが広がっていくというと大変なことになるということであります。そのことに対する御認識と対応についてお聞きをしたいというふうに思います。
○冨岡政府参考人 先生御指摘のように、クマタカは絶滅危惧種に属する鳥でございまして、クマタカは環境省のレッドリストにおきまして絶滅危惧1B類に分類されておりまして、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種でございます。現在、成熟個体が約千八百羽と推計されております。そういうことで、こういうことも勘案しながら私どもはこういった問題に十分対処する必要があると考えております。 なお、野鳥につきましては、私ども、本年一月以降、鳥インフルエンザが発生いたしました宮崎県、岡山県の四地点でかなり広範な調査をいたしましたし、近畿以西の二十二府県におきましても、主に水鳥を対象としたウイルス保有状況を調査しているところでございます。 これまでのこういった検査からは、合計二千羽以上の検体を検査しておりますが、これまで検出されなかったところでございます。そういうことから、現在のところ、専門家の皆様に専門的な見解をお聞きいたしましても、国内での野鳥の大量死等の情報もないということから、我が国の野鳥の間に高病原性鳥インフルエンザウイルスが蔓延しているとは考えてはおりませんけれども、今後の状況は予断を許さない面があるということは確かでございまして、引き続き、野鳥の調査を継続的に実施し、迅速な対応をとってまいりたいと考えているところでございます。
○近藤(昭)委員 ぜひきちっとした調査また対応をお願いしたいんです。 ところで、鳥インフルエンザウイルスということに関連をして、こういったウイルスの蔓延を防いでいただく、きちっとやっていただきたい、そのことに関連してですが、クマタカあるいはイヌワシ、こういった大型の猛禽類というのは生態系の頂点に立っている。そして、先ほどもお話し申しましたように、絶滅危惧種に指定されている。その保護は非常に重要な課題なわけでありますね。 そういう意味では、今いろいろとお答えをいただいた感染ルートの特定あるいは対策をしっかりやっていただきたいということとともに、少し関連をして、私の地元の愛知県、徳山ダム、ここにもイヌワシ、クマタカ、そういった非常に絶滅危惧の貴重な鳥類がいるわけでありまして、これは、聞くところによりますと、十年間で大体七億六千万以上かけているということであります。 先ほどお答えの中に、きちっと全国的な調査もしているということであるのですが、この十年間にわたる徳山ダムの関連のそういった調査を見ても、必ずしも十分に現状と課題が明らかになってはいないのではないかというふうに思いますが、いかがでありましょうか。
○土屋副大臣 先生の地元ということで大変御心配だと思いますけれども、今、高病原性鳥インフルエンザの問題は、経済社会に与える影響が大変大きいもので、環境省としてもしっかりと取り組んでいかなければならない課題であると認識しております。 重なりますけれども、感染経路の究明と発生予防等に資する取り組みとして、ウイルスの保有状況に関するモニタリング調査、先ほどもありましたけれども、ふんをチェックするとか、あと水鳥なんかのふん、それと小さい鳥の、病原菌を保有しているかどうかのチェック等を、今全国的に調査をしております。都道府県でも二十二県にわたって今しております。 それから、野生鳥獣の感染症に関するマニュアルも三年前からつくっておりまして、都道府県の対応もしていただいているところでございますし、それから、人工衛星による野鳥の飛来経路に関する調査を平成十六年以降、継続して実施しています。 今後とも、国内外の高病原性鳥インフルエンザの発生状況も踏まえまして、取り組みをしっかりとしていきたいと思っておりますので、またいろいろな御助言をいただきたいと思います。
○近藤(昭)委員 ですから、取り組みをいただいている、そのことは評価をさせていただくわけでありますけれども、今申し上げたのは、十年間ずっと調査をしてきた、必ずしも徳山ダムの周辺だけでなくて、非常に広域にわたっているということであるんです。 ただ、私が心配しておりますのは、かなり積極的にやっていただいていてもまだ不十分ではないか、十分なんですかということと、わかっていらっしゃるんでしょう、そういった状況が。そういった絶滅危惧種がいる徳山ダム、ダムの有用性云々等はちょっとおいておいて、そういった絶滅危惧種がすんでいる、そしてその調査も行っている、そして調査の結果が必ずしも十分ではないと私は認識しているんですが、中で試験湛水が行われているということについて、どのようにお考えでしょうか。 冒頭申し上げましたように、ダムの運用とかそういうところはそれぞれの意見があるんだと思うんです、ダムが必要とか、これはこういう目的に使われるんだと。ただ、環境という部分でいうと、頂点に立つ大型鳥類がいるところでそういった試験がどんどん先に行われていくことについてはどのようにお考えですかということであります。
○冨岡政府参考人 生息状況につきましては、国交省の調査、そういったものを踏まえまして、環境省といたしましても、保全について今後とも努力してまいりたい、かように考えております。
○近藤(昭)委員 時間に限りがありますので、また次の質問の中でもいろいろと関連してお聞きしていきたいと思うんですが、私は、もちろん時というものは動いていくわけですし、計画というものがどんどん動いていくんだと思うんです。そういう中で、調査を同時にしながらも、わからないことがある中でどんどん事が進んでいくということを危惧する、そして、そこにストップをかけていけるのが環境省、ストップをかけていかなくちゃいけないのが環境省だというふうに冒頭申し上げたんですね。 それで、戦略的環境アセスメントについてお伺いをしたいというふうに思うわけであります。 これも、環境省の方で頑張って、戦略的なアセスメントの導入に向けての動きが出ている、これはいいことだと思うんです。ぜひ、省庁間の壁を越えて、国際的な評価にたえ得る戦略的アセスメント導入に邁進していただきたい、こういうふうに思うわけであります。 ですから、今ガイドラインということでありますが、ガイドラインというだけではなく、近い将来の法制化に積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えておるわけでありますが、大臣、この点につきまして、いかがでしょうか。
○若林国務大臣 御指摘のありました戦略的環境アセスメントの問題でございますが、平成九年のアセス法制定時に、戦略的環境アセスメントについて、制度化について検討を進めるという附帯決議をいただいているわけでございます。それを踏まえまして、翌平成十年には、戦略的環境アセスメントについて、実は最初の研究会を開催するなどによりまして、検討を開始したわけでございます。 昨年四月には、第三次環境基本計画を定め、その中において、戦略的環境アセスメントについて、共通的ガイドラインの作成の取り組み、これを踏まえて、制度化に向けて取り組みを進めることが、実は閣議決定をするところまでこぎつけたわけでございます。 これを受けまして、昨年八月から、戦略的環境アセスメント総合研究会を設けまして、そこで共通のガイドラインの取りまとめなどに向けて検討をいただいてきているところでございます。 今後、この共通的ガイドラインを踏まえまして各省で取り組みの具体化を進めていただくわけでありますが、その進行を見ながら、戦略的環境アセスメントの導入がさらに大きく進展をするということを期待しているところでございます。 これを法制化するということにつきましては、やはり具体的な事例の積み重ねを待って、それぞれ、道路だとか、河川だとか、いろいろこれから始めるわけですから、そういうような積み重ねを待って、その法制化はそれらの結果を踏まえた上で検討をすべきことだというふうに考えております。
○近藤(昭)委員 具体的な事案を重ねつつ法制化に取り組んでいくと。 先ほど、私どもの村井議員が質問をさせていただいたときにもちょっと出ましたけれども、大臣、この問題は、国際的には戦略的環境アセスメントというのは随分と導入をされていて、日本はかなりおくれていると私は思うんですね。そういう意味で、それに向けて取り組んでいくという御答弁ではあるのかもしれませんが、少し急がなくてはならないと思うんです。 大臣、どうなんですか。環境の観点からすれば、もうすぐにでもやるべきだと思うんです。ところが、大臣もいろいろとお考えになっての御発言のような気がするんですが、なかなかそれをすぐにということにいかないような、何かいろいろと、抵抗といいましょうか反対といいましょうか御懸念というか、そういうのがあるんでしょうか。
○西尾政府参考人 今の状況をちょっと御説明申し上げます。 戦略的アセスメントにつきましては、実は、今までも検討しておりましたけれども、第三次基本計画の中で、戦略的環境アセスメントに関する共通的なガイドラインの作成をする、そういうことをして導入していこうという道筋が示されておりますので、その道筋に従ってきっちりやっていこうと。 今、戦略的アセスメントの総合研究会ということをやっております。その議論が大詰めに来ておりますので、それの議論できちんと共通的なガイドラインをつくってもらう、それを関係の省庁で具体化していく、そういうことで進めたいということで取り組んでいるところでございます。
○近藤(昭)委員 そういう中でやっているということであります。期待をしたいと思います。 そういう中で、先ほどもちょっと触れました徳山ダムの試験湛水の問題でもそうですけれども、どうしても、まず事業計画ありき、その事業の中でアセスをやり、こういう問題点があるんだということでそれに対応していく。 でも、これから戦略的ということで申し上げますと、環境アセスを行った結果、事業を行わないというふうな選択もやはりあるべきだと思うんですね。どちらかというと、今までは、事業をやる、それの中でのアセスであって、私は、そうではない、戦略的アセスというのは事業を行わないという選択もあるべきだというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
○西尾政府参考人 御指摘のとおり、戦略的アセスメントは、事業アセスよりももうちょっと早期の、上位の計画の段階でやっていこうということでございますので、話が全部煮詰まってしまってからやるということではなくて、その前に早期に環境を配慮していくということでございます。今申し上げました研究会で検討いただいております導入ガイドラインの中でも、そういうことで、複数案を比較評価を行うというところに力を入れて記述されておりまして、これは、今パブリックコメントに付されております、もうすぐ煮詰まってくると思っておりますが。 その中で、事業を行わない案ということにつきましても、それが現実的である場合、それから他の施策の組み合わせ等により対象計画の目的を達成できる案を設定する場合、そういった場合には、そういう事業を行わない案ということも複数案に含めるものとするというようなことを記載されておりまして、これが研究会でまとまってまいりますので、そういった記載が盛り込まれまして、先生御指摘の事業を行わない案というようなことも含めた複数案を含む戦略的ガイドラインということがつくられればいいな、こういうことで期待をしておるところでございます。
○近藤(昭)委員 大臣、今ちょっと西尾局長からも御答弁がありました。法制化に当たっては、そういった、ゼロオプションといいましょうか、事業を行わない、こういう選択肢も含めて法制化を目指してこれからいろいろと事案を積み重ねて頑張っていく、こういうことでよろしいでしょうか。
○若林国務大臣 まず、ガイドラインができ上がってきて、それに従ってそれぞれの事業部門、セクターが戦略的アセスの実施要領をこれから決めて、それで実際やってみるという、今、その段階なんですよ。 委員のお気持ち、法制化のお気持ちも、もちろんあります。そういうことを念頭に置きながら、ようやくこのガイドラインが大詰めに来て、そして、そのガイドラインが決まれば、それに従った、それぞれの部門、セクターが実際の実施要領をつくっていかなきゃいけないわけですね。実施要領をつくってその戦略的アセスというのをやってみるということ、それでそのやり方ということについて十分協議をしながらしっかりとした戦略的アセスをやってもらっていく中で、いろいろな問題をやはり受けとめていかなきゃいかぬわけですよ。 我々の気持ちだけでそれで法制化へというふうに今ここでそんなことまで言ってしまうと、これは今事前の戦略的アセスのガイドラインに取り組んでいる皆さん方にやはり失礼じゃないかと私は思うんですね。この皆さん方は、本当に難しい問題に取り組んで、昨年以来、今日までやってきていただいていますからね。 まずは、しっかりとしたガイドラインを定め、そしてそのガイドラインに即したそれぞれ事業別の実施をしていくということをして、その成果を見た上で法制化の具体的な案を考えていく、こういう手順ではないかと思っております。
○近藤(昭)委員 大臣のお話は、そうするといろいろと状況を見ながらと。確かに、いろいろな方がかかわっていらっしゃることであり、先ほど私も冒頭に申し上げましたように、それぞれの立場がある、それぞれで意見を言っていくんだと思うんです。そういう意味では、様子というか、そういった議論と、あるいは、それぞれの実施をということで大臣はおっしゃるのかもしれませんけれども、ただ私が申し上げましたように、少なくとも二点あります。一点は、環境大臣でいらっしゃるという、環境を大事にしているということである。もう一つは、私は、さっき申し上げたのは、国民の皆さんにとって今環境が大事だという認識。 けさもちょっとイギリスの方とお話をしましたけれども、イギリスあるいはEU、それぞれ省庁で縦割りがある、イギリスでもそれぞれの国でもあると。それぞれの立場で物を言うんだ。ただ、最終的に、地球温暖化対策でも、環境が大事だという視点だから温暖化対策ができるわけで、例えば経済的な側面とかいろいろな側面があるけれども、これだけ温暖化してきたんだ、これに対してどう対応していくんだという、これが第一に来るから温暖化対策を目標を定めてやれる。ですから、それはそれぞれの省庁がぶつかっていっても、最終的に政府が判断をしていく。そこでおっしゃったのは、それぞれの官庁はそれぞれの立場で物を言っていくけれども、大臣は、横で、なるほど、環境が大事だからと。だから、どこかで妥協というか折り合いをつけなくちゃいけないわけですから、政治家の中では、やはりまず環境をやっていかなくちゃいけないから、地球温暖化をやろう、こういうことになった、こういうことをおっしゃっているんですね。 今、大臣のお話を聞いていると、環境大臣に大変に失礼な言い方かもしれませんが、何か環境アセス、戦略アセスについては状況を見ながらということで、大臣の御意思といいましょうか、こういう環境アセスをつくっていかなくちゃいけない、少なくとも答弁の中には、こういうゼロオプションまで含めるという考え、こういうふうに出ているというのに、大変に消極的なような気がするんですが。
○若林国務大臣 非常に残念でございます、私が消極的だと受け取られたということはなぜなのかよくわかりませんけれども。 非常に努力して、昨年の八月からやってきて、いよいよ大詰めを迎えて、この最後の報告を受けることになっております。これはどうしても実施したい、戦略的アセスを実施したいというその意欲に基づいてここまで持ってきて、これが報告されればガイドラインをつくります。ガイドラインでゼロオプションを含めたその手法というのは明らかに、報告書でもらう前ですからね。それをもらって、それを示して、河川とか道路とか公共事業も含めまして、そういうような実施要領を決めて、それは実際実行してもらわないといけないんですよ。ですから、環境が大事なんて当然のことなんですが、その大事なものをどう守っていくか、どういうふうにするか、そういうことの手法をこれからガイドラインとして示すわけですね。 委員がおっしゃっていたように、すぐ法制化のときにも入れるか、こういう話ですから、法制化は、そういう実施状況を、経験を積みまして、それはどのくらいの期間があればいいのかというのはわかりませんけれども、なるべく早くそれらの経験を踏まえて、国民的な指示、理解を得られて法制化を提案していくということになると思うんですね。 まだガイドラインができる前から法制化をして、これを入れますというようなことを今言うということについて、時間が必要だろう、手順を踏まなきゃいけないだろうということを申し上げたわけでありまして、このことについては、うちの事務当局を叱咤激励しながらここまでやってきているということを御理解いただきたいと思います。
○近藤(昭)委員 ですから、大臣、いろいろな考え方があって議論をして、あるいは経験を、経験というか、いろいろな事実が積み重なっていって最終ゴールがあるんだとおっしゃるようなことはよくわかるんです。ただ、国民の皆さんの理解も得ながらというようなお言葉も今ありましたけれども、何も全部ゼロだと言っているわけではなくて、それはそういうオプションも含めてやらないと本当の戦略的アセスじゃないんだと私は思うんですね。 何も、全部環境で、例えば少しというか、どれぐらいのことかわかりません、そういうことこそ経験値とかいろいろな議論になっていくんだと思いますが、こう調査をしていった、いろいろな問題が出てきた、白か黒か、ゼロか百ではないと思うので、調査をした結果、もう全部が中止だ、こういうシステムをつくれと言っているわけではなくて、そういうオプションも必要ではないかと。そのオプションをとるかどうかこそは議論かもしれませんけれども、何かそういうものも入れるかどうかもこれからの議論だというのはやはり消極的だと私は思うんですね。大臣の、今関係スタッフを叱咤激励して、きちっとした戦略アセスとおっしゃいましたので、これからぜひ御努力をいただきたいというふうに思うんです。 ただ、いろいろなものがどんどんどんどん進行していますし、大臣のおっしゃった言葉で言いますと、現行の中でいろいろなものが積み重なっていく。そういう中で、例えば課題が出てきたらそういったものもその法案に反映していく、こういうことだと思うんですけれども、一刻も早く、そういう積み重ねのデータをしっかりと集めて戦略的環境アセスメントを導入していただきたいわけでありますが、今、国民の皆さんのということもありましたが、いろいろと心配もあるんです。そういう意味で、まだ法案は最終的に、つくられる、適用される前にもいろいろと心配がある。 そこで、ちょっとお伺いをしたいと思うんですが、これは徳山ダムの問題なんですね。徳山ダムの水を木曽川に引く、徳山ダムに係る木曽川連絡導水路事業、こういうのがあります。事業費およそ九百億円ということで聞いておりますが、国の来年度予算としては十四億六千万円の調査費を計上している。この主要な目的は、一九九四年の既往の最大規模渇水における木曽川での河川環境被害の軽減というふうにされているんです。 一九九四年の渇水の際、五十年か百年に一度と言われていますが、木曽川での河川環境被害についてどのような調査があるのか、お聞かせをいただきたい。また、これに対して、つまりこういったことに対して導入をすることによって被害が軽減できる、こういうふうに言われているわけでありますから、それについてはどういう調査があるのか。また、これに対して、緊急水毎秒二十立方メートルを流すことによって、どのような被害軽減が見込まれているのか。そういった、どういう見込みがある中でこの事業をお進めになられようとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○門松政府参考人 お答えいたします。 委員御質問の平成六年、一九九四年の渇水でございますが、調査を始めたのが昭和二十三年でございます。それ以後、近年に至るまでの最大の渇水でございました。その渇水に対して、揖斐川の上流につくられます徳山ダムの容量を活用いたしまして、木曽川の渇水による被害を軽減しようというのが大きな目的の一つでございます。 平成六年、一九九四年の渇水でございますが、木曽川の既往最大という渇水になっていますが、被害の具体的な例でございますが、延べ十日間にわたって飲み水、水道水でございますが、断水しております。十日間のうちで、最大十九時間の断水を行った日もございました。これによりまして、約百二十万人の人たちの飲み水が不自由をいたしました。 また、木曽川水系に立地します工場の生産に影響が出まして、約二百七十億円もの被害を受けております。 さらに、木曽川大堰の下流、河口まででございますが、水がほとんどなくなるような、瀬切れといっておりますが、これが数キロにわたりまして、約二十日間にわたり水がなくなっちゃったという状態が続きまして、水質が悪化しまして、河口から五十八キロ付近にあります犬山橋地点の溶存酸素量あるいは大腸菌群数が環境基準値を超えまして、基準を達成しなくなるような異常な事態が発生したところでございます。 さらに、利用の面でございますが、岐阜県美濃加茂市のライン下りが十四日間にわたりまして運航取りやめというような被害が出ていまして、社会的、経済的、環境的に大きな被害を受けたところでございます。 このような異常渇水、過去最大の渇水をにらんで、この連絡導水路事業によりまして、おおむね、一〇〇%とは言えませんが、この渇水による被害をできるだけ軽減しようということでございまして、木曽川の異常時における流況が安定するということでございました。現在、必要な調査を実施計画調査で実施しているところでございます。 なお、異常渇水時におきます緊急水の補給によりまして、木曽川の環境にどのような効果があるか、定量的に把握すべく、今検討している最中でございます。
○近藤(昭)委員 その被害はよくわかっているんです。 それで、そういうことで連絡導水路事業を起こす、そういった事業の必要性があるということでありますが、一方で、大変な事業だというふうに思うんです。それは、地下といいましょうか地面に管を埋めていく。聞くところによりますと、主要な部分が地下で、表面に出ているところというんでしょうか、それが規模が七十五ヘクタールを超えないということで、環境アセス法の対象事業にならないというふうに環境省も国交省も見解を示されているようですが、いかがでしょうか。
○西尾政府参考人 今お尋ねの、徳山ダムの木曽川連絡導水路の事業でございますけれども、これは河川工事ということで、百ヘクタールであればアセスメントをやらなきゃいかぬ、七十五であれば第二種ということで、そういうことを検討しなきゃいけないという制度になるわけですけれども、ただ、私どもちょっとこの具体の施設計画をお聞きしている段階ではございませんですので、今この時点で、環境影響評価法の対象になるかならないかということをちょっと申し上げることはできない、こういう状況でございます。
○門松政府参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げましたとおり、現在、建設を前提といたしました事業実施の調査中でございまして、具体的な施設計画が確定していない段階でございます。 具体的な計画が固まりますれば、それを環境影響評価法の規定に該当するかどうか、判断してまいりたいというふうに思っております。
○近藤(昭)委員 時間も参りましたので、これで質問を終わりますけれども、いろいろと被害があった、それに対しての対策、それはそれで、その立場からの対策があるんだと思うんです。それを全く否定するものではないんですが、一方でそのことによっていろいろな影響が出てくる。ですから、その影響が出てくることに対して環境面からきちっと配慮をして、そしてそれについての調整を図っていく、それが必要だと思います。そして、そういう中で、ゼロオプションもやはりあるときには必要だというふうに思うわけであります。 どうぞ、国際的な評価を受ける戦略的アセスメント導入に御尽力をいただきたいということを申し上げて、終わりとしたいと思います。 ありがとうございました。 ————◇—————
○西野委員長 次に、内閣提出、温泉法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。若林環境大臣。 ————————————— 温泉法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○若林国務大臣 ただいま議題となりました温泉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 温泉は、年間延べ一億人以上が利用し、国民の高い関心を集めていることから、入浴者に対する温泉の成分等についての情報提供の充実が求められております。 また、我が国は豊富な温泉資源に恵まれていますが、その資源には限りがあるため、持続可能な利用を進める必要があります。 本法律案は、このような状況を踏まえ、温泉の保護及び利用の適正化を図るため、定期的な温泉の成分分析とその結果の掲示、温泉の掘削等の許可への条件の付与等の措置を講じようとするものであります。 次に、本法律案の内容を御説明申し上げます。 第一に、温泉は成分や温度が年月の経過により徐々に変化することから、入浴者に温泉の成分等に関してより正確な情報を提供するため、温泉を公共の浴用または飲用に供する者に対し、定期的に温泉の成分分析を受け、その結果を掲示することを義務づけることといたします。 第二に、温泉の掘削、公共の浴用への提供等には都道府県知事の許可が必要でありますが、許可後の状況の変化により温泉資源の保護、公衆衛生等の観点からの問題が発生する場合があることから、許可に条件を付し、条件に違反した者に対しては許可の取り消し等を行うことができることといたします。 第三に、温泉法に基づく許可の手続の簡素化を図るため、許可を受けた者の合併、分割または相続に際しては、改めて許可を受けることを不要とし、より簡略な承認の手続により地位の承継をできることといたします。 このほか、温泉利用施設における掲示項目の追加等の所要の規定の整備を図ることといたしております。 以上が、本法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○西野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る四月三日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会