予算委員会 第3号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/10/13
会議録
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 おはようございます。公明党の魚住裕一郎でございます。 今日で基本的質疑最終日というふうになるわけでございますけれども、しっかり質問をさせていただきたいと思います。 総理、自民党総裁選を勝ち抜いて、また総理大臣に御就任されました。誠におめでとうございます。私も若い部類かなと思っておりましたけれども、更に総理はお若くて、またしっかり、また誠実に御答弁している姿をテレビを通じて国民の皆様見ておられまして、非常にしっかり次の時代、次の日本をつくってくれるというふうな、そんな期待が集まっているのではないかなというふうに思うところでございます。 また、私ども公明党も新しい代表、太田昭宏さんを選出いたしまして、立党の原点に立ってまた命懸けで闘おうということで、ともに新しい体制で諸課題にしっかり挑戦してまいりたいと思いますので、どうぞ御指導のほどよろしくお願いをしたいと思います。 それで、総裁選やっているさなかに、十日スタートでしたか、九月の、十一日が翌日であったわけであります。いわゆる九・一一、そこから丸五年というふうな形で新聞、テレビ等で報道でかなり特集が組まれました。五年ですから、ちょうど小泉政権五年間とほぼ匹敵するわけであります。 この参議院の予算委員会で、二〇〇一年の九月十九日に、閉会中でありましたけれども閉会中審査やりまして、集中審議、同時多発テロの集中審議やりました。私も質問立たせていただいたんですが、いろんなこの同時テロに対する対応の中で、当時、九八年ですか、ローマ会議で国際刑事裁判所というのが議論されて、日本の外務省もしっかり積極的に推進をしたという経緯を引用しながら私も質問に立たせていただいたわけでございますが、五年たってもまだいまだに我が国は加入していないという状況であります。 先般、六月六日の日でございましたけれども、私ども公明党のこのICC早期加盟を推進する小委員会、それから自民党のICC議連、ともに連名で関係省庁、官邸にも早期加盟を求めるという提言をお持ちをさせていただいたところであります。国際社会の中にもやはり規範をしっかり作っていくべきであるというふうに私も思っているところでございまして、このICC加盟に関する総理の基本的姿勢、また決意をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国際社会における深刻な犯罪を防止をする、そうした犯罪に対する対策のために、また国際の平和と安全のために、日本はこの国際刑事裁判所、ICCを一貫して支持をしてまいりました。また、現在、関係省庁で必要な国内法の整備について作業をしているわけでございます。そしてまた、政府としては、国会の御承認を得ることができれば二〇〇七年中にICC規程を締約できるように目指すべく必要な作業を着実に進めてまいりたいと考えております。
○魚住裕一郎君 国際機関ですから、そうなると分担金という話になるんだろうというふうに思うんですね。また、国連の場合もそうでありますけれども、職員等含めて人的貢献どうするのか。裁判所ですから、また裁判官もそろそろ改選の時期になっているのではないのかな。その辺につきまして外務大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、この種の分担金は国連の分担金の比率と同じ比率で各国が割り振るという形に通常はなっておりますので、分担金は約十九億八千万になると思われます。一応、外務省というか政府といたしましては、平成十九年度の概算要求にこの金を計上いたしておる。概算要求の段階で大蔵省に切られるとまた話は別ですので、よろしくお願いを申し上げます。 もう一点御質問のありましたいわゆる職員の派遣でありますけれども、今インターナショナル・クリミナル・コートというこの組織に対しまして、日本としては邦人の職員、判事ではありません、職員を二名送っております。今ダルフールとかコンゴとか、いろいろ問題点、地域ございますけれども、そこに送らせていただいて、なるべく早く、二〇〇九年に裁判官、判事の改選選挙がございますので、それに合わせまして、私どもとしては邦人の判事が出せるような方向で事を進めたいと思ってやらせていただいております。
○魚住裕一郎君 是非しっかりお願いしたいと思います。 それで、今総理の方から国内法の整備という話がございましたけれども、大車輪でその辺の整備をしっかりやってもらいたいと思いますが、法務大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 総理及び外務大臣から御説明ありましたとおり、今、批准に向けて国内法上の整備が必要かどうかを関係省庁と至急今検討を進めておるところでございます。 一つの問題は、日本における刑罰法規との関係で整備をする必要があるかどうかという問題と、また関係機関と協力をしていかなければなりませんので、その協力に関する規定の整備がどの程度必要かという点について一生懸命議論を進めておるところでございますので、早急に結論を得て、批准に向けてお願いをしたいと思っております。
○魚住裕一郎君 是非所期の目的が達成できるようにお取り計らいをいただきたいと思います。 さて、就任早々、訪中、訪韓をされまして、ずっと課題となっておりましたこの東アジア外交、大きく開いていただいたなと。すぐ直後といいますか、その最中に核実験報道があったわけでございますけれども、間一髪、先に訪中していただいたなというか、実感を率直に言って、胸襟開いた関係をつくっていただいたというふうに感謝をするものでございますが、日中共同プレス発表もかなり、なるほど画期的だなということがたくさん盛り込まれておりまして、私としても本当に御苦労に心から敬意を表するものであります。 中国はやはり近年物すごい経済発展をしているところでありますが、その裏側というのは相当深刻なんではないのか、それは格差であるかもしれませんが。ただ、それよりも環境問題が相当深刻化しているんではないのか、あるいは今後エネルギーはどうするのかということとか、そういう問題もあるだろうと思います。 あのプレス発表の中で、エネルギー、環境保護等につきまして互恵協力を強化するというような項目が入っているわけでございますが、日本政府としてこの中国の環境問題、今どのように把握しているのか、お知らせください。
○国務大臣(若林正俊君) 魚住委員が御指摘なされておりますように、中国の環境問題はもう大変深刻な状況になっているというふうに我々もとらえております。中国自身も真剣に取り組んでいるところでございます。 具体的には、中国における大気や水の汚染、さらにそれに伴って砂漠化が進んでおりますし、黄砂の発生などは大変深刻でございます。中国自身はその環境白書の中で、経済の急速な発展に伴って環境問題が集中的に現れてきていると、環境と経済発展との矛盾がますます顕著になってきているというふうに自ら環境白書の中でも述べているところでございます。 こういう中国の環境汚染は、アジアや地球全体への影響という観点から見ても大変重大な問題でありますし、季節によって我が国にも大変な黄砂が降ってくるというようなことが言われておりますし、また漂着・漂流ごみなども見られるところでございます。 例えば、二〇〇三年の中国の温暖化ガスの排出量で見ましても、全世界の排出量の一六・四%に相当する四十二・三億トンでありますし、これは世界第二位の排出量になっております。でありますから、中国は本年策定いたしました第十一次の五か年計画におきましても、汚染物質の排出削減などを数量目標も掲げまして削減に努力をすると、そして対策に取り組んでいるところだと思います。 我が国としても、日中友好環境保全センターなどを通じまして、ODAによる支援も環境対策に重点を置くなど、強力に技術協力を含めて協力してまいりたいと、こんな考え方でおります。
○魚住裕一郎君 確かに深刻な事態のようでございまして、日本の環境専門家によれば、普通、先進国であれば順次個々にいろんなぼつぼつと環境問題出てくるようでございますが、中国は同時に現れていると。大気汚染とか土壌の問題とか、あるいはダイオキシンとか環境ホルモン、あるいは砂漠化、生態系保護、地球温暖化とか、環境問題のデパートという指摘もありますし、また一つ一つのこの規模が何しろでかいですから、砂漠だって日本全体が入るようなところもあるわけでございまして、相当、資金的にも人的にも技術的にも大変なんだろうなと。そこに協力をしていくということは非常に大事だと思っております。 今環境大臣御指摘ありましたけれども、確かに我が国も日中友好環境保全センターでありますとか、あるいは小渕さんのときの緑化の委員会でありますとか、種々な、あるいは民間含めて相当協力しているなとは思うわけでありますが、もうやはりちょっとステージを変えるといいますか、新機軸を出すといいますか、そういうような本格的な取組が必要になってくるんではないのかなというふうに思っております。 十日の日ですか、衆議院の集中審議の中で我が党の東順治副代表が、日中環境パートナーシップ、こんなものをきちっとやっていくべきではないのか、その三本柱の一つでまた中心軸はこの環境汚染の防止、また省エネ循環型社会への転換、さらに三点目で環境教育と、こういうものを柱にしてしっかり本格的に取り組むべきではないのかという提言がなされました。 そういう意味で、私も、今までの努力は努力として大変貴重なものであるし、効果もあったと思いますが、更に隣国として手を差し伸べるといいますか、そういうことが必要になってくるんではないかと思っておりますが、総理の御見解をいただければ有り難いと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、中国との間におきましては、あらゆるレベルにおいて交流、連携を進めていこうということになりました。政治、経済、文化等々でございます。そして、また中でもエネルギーや環境や金融や知的財産の保護等々についてもしっかりと連携をしながら、また協力をしていこうということが決まったのでありますが、その中でも特にやはり今先生が指摘をされましたこの環境、環境こそ戦略的互恵関係が、取り交わされるというか、戦略的互恵関係を説明する上において、環境で協力していくというのが一番私は分かりやすいのではないか、両国にとってはですね、と私はこのように思っております。 特に、今中国のこの環境の状況というのは非常に深刻に、急速に悪化しているのも事実でございますし、人口が増えていく中にあって、一人当たりの消費量も増えていくし、工業化がどんどん進んでいく、そして農地が荒れていく。全体的にそういう状況の中で、海もつながっているわけでありまして、我が国の漁業者が心配するところでもございます。 そうしたことを含めまして、特にこの環境の分野においてそうした連携、協議をするべきだという委員の御発言でございます。私も是非検討してみたいと、このように思います。
○魚住裕一郎君 文字どおり、日本、中国の英知を結集して、何からやっていくべきなのかということをしっかり検討をしていただきたいというふうに思います。 さて、十月二日から法テラスというのがスタートしました、法テラス。法務省所管でやってきたわけでありますが、私も司法制度改革、一生懸命取り組みながら、非常に国民の皆様が困ったことを身近に相談できるところが必要だなということで取り組んでまいりましたし、また、我が党の青年局でもその実現方、ローカフェ、コーヒーでも飲みながら法律の問題について教えてもらえる、そういうことを推進をしてきたわけでありますが、十日ほどたちました。現在どんなような、概況をちょっと教えていただければ有り難いなと思っておりますが。
○国務大臣(長勢甚遠君) 法テラスは十月二日、御案内のとおり、十月二日から業務を開始をいたしましたところでございます。 法テラスの業務は、コールセンターによりましていろんな相談に応ずるというのが一つの仕事であります。十日までの間では一万六千件ぐらい御相談があったということでありまして、順調な滑り出しかなと思っております。その他、国選弁護人の話ですとか、あるいは法律扶助の話ですとか、あるいはいろんな意味での法律相談の話等々の、非常に国民の皆さんに法律に身近になっていただくための大事な仕事をしていただくわけでございます。 この間、これから少し力を入れていかなければいけないのは、このスタッフとしての方々の確保ということが、法テラスが国民に有効に機能するように、一番大事な部分でございますので、日弁連等とも御協力をいただいて、この整備に努めて、所期の成果を発揮できるようにしたいと、このように思っております。
○魚住裕一郎君 一万六千件も、大体千五百件ぐらい毎日アクセスがあるんだなということで、なかなかいい反響だと私思っておりますが、是非更なる取組をお願いをしたいと思っております。 司法制度改革、この国民の相談ということで今の法テラス、また今年の、もう発表になりましたけれども、新しいプロセスで法律家を養成する法科大学院の制度、これも大きな柱だなと。もう一つは、国民とじかに関係してくる裁判員制度ではないのかなと。二〇〇九年の五月までにスタートをさせるということで、日本を大きく変えるという意味で一番影響が大きいのが裁判員制度ではないかなと私思っておりますが、総理はこの裁判員制度についてどのような意義を御認識なさっているのか、お知らせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この裁判員制度は、一般の国民の皆様に裁判に参加をしていただくということでございますが、この裁判の過程に参加をしていただきまして、その言わば国民一般としての感覚を判決に反映をさしていただく、裁判に反映をさしていただく制度であります。 つまり、今までは裁判というのは裁判官と弁護士と検事、特定の人たちがやっている、しかし、それは時には私たちの人生、生活に大きくかかわってくるわけであります。そういう意味におきましては、やはり国民が実際に参加をしていく、これは権利であり義務でもあるわけでございます。そういう意味におきましては、二〇〇九年、だんだんこれは時間が迫ってまいりましたので、より一層国民に対する周知徹底、また啓発活動を行っていかなければならないと思っております。
○魚住裕一郎君 裁判員制度というのは、やはり国民参加ですから、国民の側において人権意識が高まっていく、あるいは当事者意識、さらには統治者、今までの被統治者というんじゃなくて、自分が主体であるというふうな、そういうふうなのが高揚をされるということで大変な意義があるかなというふうに思っておりますが、この辺の準備状況、どのようにお取り組みか、お知らせください、法務大臣。
○国務大臣(長勢甚遠君) 裁判員制度の創設に当たりましては魚住先生にも大変な御尽力をいただいた経過がございますが、当時から一つの大きな課題は、国民の皆様に理解をしていただく、分かりやすく言うと、裁判員に選任をされた場合に皆さんが積極的にそれに参加をしていただくということが大きな課題でございまして、今そのために、国民の皆様に理解をしていただくためにパンフレットを配る、ビデオは作る、いろんな模擬裁判等も実施をする、教育現場も含めて啓蒙をする、こういうことを裁判所、法務省、日弁連等々、協力をして一生懸命努めておるところであります。 どうにかまあ少しずつは理解が深まってきたかなと思っておりますが、まだ一息でありますのと、どうもこういう法曹界というのはこういう宣伝、広報ということについて余り上手とも言いかねるところもございますので、またいい知恵があったら教えていただきたいものだと思っております。 一生懸命取り組んでまいります。
○魚住裕一郎君 是非大々的にやっていただきたいと思います。 そこで、最近、新聞ざっと見ておりますと、総理、何か、いろんな問題ありますよ、格差とか負担増とかですね。まあ国民、がくっとくるような、そんなところでありますが、一方で、社会面見ると、どこかの知事の弟が云々とか、あるいは県の出納長が捕まったとか、ぼんぼん出てくるわけですね。いや、議員、国会議員が口利きしたんじゃないかというのもありましたけれども。やはり政治と金と、いまだに出ているなという感じがいたします。 去年のこの臨時国会のときに、たしか防衛施設庁の問題が、成田の飛行場の問題から、また防衛施設庁、本当にトップ、事務方のトップ、技官のトップですかね、技術方の、が主導をして談合をやったという。そしてまた、最近の話、新聞見ていますと、この請け負った会社も違約金を払わない、官製談合だから支払拒否しているというような報道もなされておりまして、与党、自民党、公明党で要するに官製談合防止法、これ、しっかりお上の側も処罰するというのが提案、出させていただいておりますが、やっぱり早期に成立を図っていくべきではないかなと思っておりますが、その辺についての総理の御決意をお願いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国、地方を問わず、入札談合の事件が続発をしていることは大変残念でございます。特に官製談合の問題、これはもう根絶をしなければならない問題であります。特に国民の税金を使って行う事業において、そうした談合が行われることによってむしろコストが高くなって国民の税金の無駄遣いにつながっていくわけでございますから、もう私どもといたしましてはこれは徹底的に根絶をしていくという決意を持っております。 その中で、議員立法によりましてこの官製談合をなくすための法律が、防止法が出されております。是非しっかりと御議論をいただきまして、この法律が成立をし、そして官製談合がなくなることを期待をしたいと思います。
○魚住裕一郎君 だんだん公共事業費も削られてきて、余計にそういう傾向というのが出てくるんじゃないかなと思っているところでございますが。 それでは次に、国土交通大臣、そういうことがいろいろ問題もはらんでいるんでありますけれども、やはりしかし、インフラ整備はしっかりやっていかなきゃいけないということは確かだろうと思っております。 先般、本会議、我が党の浜四津敏子議員に答弁の中で、このインフラ整備については、激しさを増す国際競争力の中で生き抜いていくためのインフラ整備しっかりやっていこうというお話がございました。 国際競争力という言い方をすると、港であるとか飛行場とか、あるいはそこに対するアクセス道路とか、そういうことが想定されるわけでありますが、これについてどのように、もう少し具体的に御説明していただけますか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 二十一世紀を生きる我々の子供や孫たちが自信と誇りを持てるような美しい国日本、そのような国土を形成していくのが国土交通省の大きな使命であると考えております。 ただ、公共事業費は最近大変厳しくなってきておりますけれども、真に必要ないわゆる社会資本の整備というものにつきましては重点化、効率化、こういうことを徹底しながら着実に実行していかなければならない、このように思います。 そのような中で、御案内のように、今まで全総法と言われていました国土の形成というものにつきまして、昨年、国土形成計画法が施行されました。それによって、今策定中でありますけれども、日本の本土とそれから四国、九州、これを八つの区分けをいたしまして、そのそれぞれが持つ歴史や伝統、文化あるいは自然、そういうようなものを最大限に生かして個性あふれる地域というものを形成していただきたいというふうに思っているわけでございます。 そういうことを踏まえながら、三つの方面に分けて設備投資を図ろう、国土形成を進めていきたいというふうに思っております。 その一つは、何といってもやっぱり安全、安心の国土の形成です。自然災害に強い国土、そしてまたもう一つは、姉歯事件でも明らかにされたような、ああいうことがもう絶対起こらないようなそのような建築物、こういうものも必要だと思います。 二番目が、今御指摘がありましたような、激しさを増してきた国際競争力に勝ち抜く国土の形成です。御案内のように、日本は四面すべて海、四面環海の国土でございます。したがって、貿易をいたしますにしても、貿易量の九九%は海運ですね、船で運ばれているわけですね。人はもちろん航空機が最近は多いわけでございます。そういうことを考えますと、国際港湾とかあるいは国際空港の整備ということは、このような競争力を勝ち抜くいわゆる強い国をつくるためにもう非常に急がれると思います。しかも、そのようなところから消費拠点あるいは生産拠点への道路あるいは鉄軌道というようなものも敷設していかなければならないと思います。 三つ目が、先ほど言いましたような魅力ある頑張る地方というものを形成していくことが必要だというふうに思います。具体的には、もう今も述べましたけれども、洪水、はんらんですね、あるいは土砂崩れというようなものが、もう想定を大きく超える集中豪雨というものが最近多いわけでございまして、そういうものにも安全な国土、ハードとソフトの両面から対策を講じていかなければならないと思っております。 先ほど言いました姉歯の問題につきましては、建築基準法とかの改正をしましたし、今国会には建築士法の改正もお願いしております。 国際競争力の強化につきましては、アジアのゲートウエーと言われるように、先ほど言いましたような港湾とか空港の機能、アクセス道路の整備。それから、観光立国としてその地方、魅力ある観光地づくりに必要な基盤の整備、それから頑張る地域の応援には高規格の道路網ですね、そういうものについて地方の求めがあればこれは是非早急に造っていきたいというふうに思っておりますし、また地方と外国とダイレクトに結ぶ空港とかですね、そういうものも必要だと思います。民間活力を引き出す、潜在力を引き出すために必要なインフラを重点的に整備していかなきゃならないと思います。中心市街地の活性、これも大事でございます。 そういうことで、真に必要な分野における社会資本整備に、着実に推進してまいりたいと、このように思っております。
○魚住裕一郎君 御丁寧な説明、ありがとうございました。 民間が一生懸命やって、それに基づいてそこから例えば輸出をするみたいな、そういう非常に港湾って大事だなと思いますし、そこがまだ工事できていなかったら、せっかく民間が一生懸命やってきたものもふたをしてしまうようなものでありまして、状況を見ながら重点的にやはりインフラ整備をしていただきたいなと、是非お願いをしたいと思っております。 今国土交通大臣の方からありましたけれども、安心、安全ということで、災害ということも大きな問題になろうかと思っております。 今年も台風が一杯発生をしましたし、また十三号や、今は十八号が来るんですかね。また、七月の豪雨ということもありました。本当に大きな損害が出たし、亡くなった方も出たということでありますが、先月の二十九日の総理のあの所信表明の中には防災という言葉が、もう一回よく見ましたけれども、なかったんでございますが、是非この予算委員会のこの場で防災、減災ということについての総理の御所見を賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の生命と財産を守るという観点からこの防災は極めて重要な国の政策課題であるというのは言うまでもないと、こう思っております。 日本は台風の通過地点にあります。また、山や急峻な地形の中で流れている川等、災害が人的被害、地域を破壊するという危険性、蓋然性が高い中において、何とか防災にこれ努めてきたわけでございます。よく、こうした災害は忘れたころにやってくると、こう言うわけでありますが、しっかりと教訓を生かしていくためには、常に防災という観点から、私どもも含めて気を引き締めながら国民に対する啓発活動も行っていく必要があると、こう思っています。ハード、ソフト両面から、こうした災害によって国民の大切な生命が失われることのないように努めてまいりたいと思います。
○魚住裕一郎君 そこで、まあまた台風が来るかなという状況でありますが、これは先般、国土交通省で河川堤防の点検結果を発表されました。点検済みの区間五千九百キロのうち、二千百キロについて堤防の強化が必要だというふうな結果のようでございますが、この堤防の質的強化に向けた財源確保策あるいは整備計画が大事かなというふうに思っております。 また、そういう堤防とかの治水施設の耐震性というのもやはり早急に作っていく必要があるんではないのか。平成七年の阪神・淡路大震災のときに淀川河口の河川堤防が二キロにわたって崩壊したということがありまして、まあ十日間で緊急の盛土工事やったわけでありますが、こういうような耐震基準というんでしょうかね、震度六以上の大規模地震を想定した耐震性というものを早急に取り組んでいく必要があろうかと思いますが、国土交通省、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。 これまでの治水事業ですね、堤防の高さの確保とか堤防の太さを拡幅するとか、いわゆる量的な整備を中心にやってまいりました。これによりまして、大体重要な地域につきましては堤防の形の量的な整備は進んでまいったところでございます。 一方、今先生御指摘のように、堤防は基本的に土で造りますので、みずみちが堤防の中でできてしまって破壊に至るとか地震によります破壊とか、こういった耐震問題という質的な問題がクローズアップされてきておりまして、近年調査をいたしまして、逐次その対策を打っているところでございます。 また、治水施設がその機能を発揮するためには適切な維持管理が必要でございます。このために、堤防等の巡視、点検をきっちりやっていくということでございますし、またゲートとかポンプ、機械類でございますが、丸ごと耐用年数が来たから取っ替えるということではなくて、部品をよく点検して一部を取っ替えることによって長寿命化が施設全体で図られるというようなこともやっておりますし、そういうことをやりまして、コスト縮減を図りながら厳しい財政状況下の中で効率的、効果的な維持管理に努めてまいる所存でございます。
○魚住裕一郎君 河川施設の劣化も、例えばこの間聞いた話なんですが、揖斐川のところの排水機場も、昭和四十年に造って後、四十一年たつわけですね。本当にあの辺、江戸時代から、もっとその前からですかね、水が一杯出るところでございますので、非常に地元の皆さん心配をしておりましたので、よろしくお願いしたいと思っております。 それで、国土交通大臣、社会資本というのはかなり高度成長期に整備してきました。道路であれ港湾であれ飛行場であれ、あるいは公共住宅であれ、あるいは下水道とか、この大量に整備、蓄積されてきたものもそろそろ更新時期といいますかね、耐用年数といいますか、来ているんではないのか。そうすると、国土交通省ではこの社会資本整備について四十二年まで、二〇三〇年までのこの辺の維持管理、更新費の推計を行っているようでございますが、それによりますとほとんど新規事業に使えなくなってくるんじゃないのかというようなことも考えられますし、最悪はもう維持管理ですべて終わってしまうんじゃないか、こんなことも言われているわけでありますが、やはりストック量にふさわしい財源の確保、また計画的、重点的な維持管理、更新が求められると思いますが、冬柴大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 社会資本がその本来の役割を果たし続けるためには、平素からの維持管理、更新、こういうものを計画的かつ効率的に行っていくことが必要であります。しかしながら、これまで整備されてきた社会資本は今後急速に老朽化していくわけであります。 例えば、今御指摘の下水管でありますけれども、この老朽化に起因する道路の陥没ということが、残念ながら最近五年間で全国で約二万六千件も生じたということも報告されております。また、建設後五十年以上の橋梁、これが現在八千九百の橋がそうなっておりますけれども、それがたった十年後には二万八千四百にも達する、約三倍に増加するということになります。 その結果、投資可能総額が今後横ばい、今まではずっとこう三%ずつ削っているわけですけれどもね、公共事業、しかしそれを横ばいと仮定しても、二〇〇四年度と二〇三〇年度と比較しますと、維持管理、更新費の合計額が投資可能総額に占める割合、現在三一%でありますけれども、六五%にまで増大をしてしまうという見込みになっております。 したがいまして、日ごろから施設の状況に応じた修繕をすることによって施設の延命化をする、ライフサイクルコストができるだけ少なくなるように、計画的な維持管理を行いながら必要な更新を図っていくことが必要だというふうに思います。したがいまして、御指摘のように、二〇三〇年では六五%までがこの更新、維持の費用に食われてしまって、新しい事業が残りの三五%ということになってしまうということでございます。
○魚住裕一郎君 是非しっかりやっていただきたいと思います。 それで、総理、次に、災害そのものではないんですけれども、大雨が降ったら川でいろんな、こう流れてきますね。海に流れるわけでございますが。私、この間、富山市の浜黒崎という海岸へ行ったんですけれども、まあ材木が一杯といいますか木が一杯で、白砂青松どころじゃなかったなという。それからまた、お話聞いたんですけれども、あの石川の千里浜というところも、ここも世界有数の浜だそうですね。 ここと、その石川県とフロリダとニュージーランドぐらい、浜辺を車で走れるし、またきれいな浜になっている。そこが災害になると、どばっと物すごい大量の材木が来る。材木だけではない、最近はごみが一杯来ている。場合によっては、外国で投棄されたごみが一杯流れ着いてくる。そうなってくると、本当は地元でしっかりきれいにしなきゃいけないということなんでしょうけれども、しかしそこでも限度があるねと。 だから、国土交通省なりあるいは環境省でこの補助事業ということではやっているようでありますが、私は美しい日本というときにまず思い浮かべるのは、白砂青松で、まあ太平洋側であれば富士山が見えるような、そういうのがイメージとして実はあるんでありますけれども、足下見たら、ごみと瓦れき、材木、流木ばっかしだと。これはやっぱしいけないな。 ほかから飛んできたのは迷惑なものでありますから、どこもやりたくないというのが本音でしょうけれども、しかし、やはり美しい国をつくる以上、また観光ということも考えると、しっかり国としても対処していくべきではないのかなというふうに思いますが、是非一元的にしっかりまた予算付けてやっていく必要があるんじゃないかと思っておりますが、この問題についての総理の御所見をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正に委員おっしゃるとおりでありまして、日本は大変海岸線が長いわけでありますが、この長い海岸線が大変美しいというのもこの日本の自然の美しさの大きな特徴であろうと思います。白砂青松のこの海岸を守っていくことは、美しい日本をつくっていくことにもつながっていくと思っております。 昨今は、この白い砂だけではなくて、松も松くい虫にやられているという問題点もあるわけでありますが、この漂着ごみについては本当に地域の皆さんがボランティアで随分大変な御尽力をいただいております。政府といたしましても、地方公共団体あるいは関係者とよく連携を取りながら万全の体制をつくっていきたいと思っています。 漂着ごみ対策に係る関係省庁会議を本年四月に設置をしたわけでありますが、今年度末を目途に当面の対策を取りまとめる予定でございますが、いずれにいたしましても、美しい海岸を守るために万全の対策をつくってまいりたいと思います。
○魚住裕一郎君 是非よろしくお願いしたいと思います。使いづらいという指摘もあるんですね。千立米ないと補助は出ませんよというような形になっちゃうと、もう年に全国で数件しかないというような、それじゃ余りにもという気が、何のための補助か分からないというふうに思いますので、その辺を含めてよろしくお願いしたいと思います。 最近またにぎわしている、ちょっと飲酒運転についてお聞きしたいと思いますけれども、一生懸命取り組んでおられることは分かっておりますけれども、また八月に福岡で幼児三人が犠牲となったという案件もございまして胸が痛むような思いでありますが、しかし取締りを始めたら警察のお巡りさんだと、どこかの巡査部長だったみたいなことも実は大きくマスコミ報道をされているわけでございますが、警察のこの飲酒運転に対する取組、また傾向性につきまして、国家公安委員長、お願いいたします。
○国務大臣(溝手顕正君) 飲酒運転によります事故は、平成十三年に罰則強化をいたしたところでございますが、それから傾向としましては相当減ってきております。まあ標準的なレベルでいいますと、ピーク時よりは六割、五割から六割程度のところまで減ってきたことは事実でございます。というところにその八月二十五日の事故が起こったわけで、大変痛ましい事故で、引き続きまた続発する事故がございまして大変苦慮しているところでございます。 ちょうどその時期がタイミングが合ったかのように交通安全週間が始まったわけでございますが、交通安全週間を見てみますと、九月二十一日から九月三十日まで、ちょうど新内閣が発足したときと一致するわけでございますが、飲酒運転による交通事故は百十二件で、昨年に比べて二百九十九件減少、大幅に減少をいたしております。さらに、死亡事故は三件でございまして、昨年に比べて七件減少しておるわけです。したがいまして、全体の流れとしては非常に効果が出ているというように受け止めております。 しかし、その中で警察官の不祥事ということ、これはもう大変私としてはけしからぬことだと思っておりますので、公安委員会としてもいろいろ物を言っていかなくちゃいけないし、また警察官にしっかり自覚を持って業務に就いていただくよう督励をしてまいらなければならないと、このように考えているところでございます。
○魚住裕一郎君 それで最近、逃げ得といいますか、ひき逃げが多くて、逃げた方が得じゃないかというようなことも言われておるんですね。それは、法改正によって危険運転致死罪、これは二十年以下の懲役、ひき逃げで業過致死と、あるいはひき逃げということであれば併合罪で七年半という、それを知ってか知らずか、とにかく逃げちゃうというのが多いわけでありますが、その辺の刑罰の格差といいますか落差、これをやっぱり穴埋めしていく必要があるんだと思うんですけれども、公安委員長、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(溝手顕正君) 御指摘のように、いわゆる逃げ得だということが起こってはならないと、これは断固阻止しなくちゃいけないという姿勢で対応してまいりたいと思っております。 警察といたしましては、いわゆるひき逃げは救護義務違反ということで、発生した場合には迅速かつ的確な初動捜査を実施するとともに、逃げ得とならないように事故前の飲酒や事故前後の運転の状況等について捜査を徹底して、危険運転致死傷罪の立件を絶えず視野に置いて頑張っているところでございますが、しかし、これだけでは十分ではないだろうというように先生と同じ認識を持っております。 いわゆるひき逃げに対する罰則の引上げというのは当然検討していかなくちゃいけないということで、次期通常国会を目指してこれに対する法改正というのを検討しているところでございますので、どうぞ御理解をいただきたいと、このように思います。
○魚住裕一郎君 総理、日本社会はお酒に甘いといいますか、そういう側面も指摘されているわけでございますが、こういう飲酒運転について民間でもかなり一生懸命取り組んでいるなと。例えば居酒屋でも、自分のお店の売上げが減になるかもしれないけれども、代行車の割引券であるとか、あるいはキーを預かるとか、いろんな努力をしている。また、会社とか役所でもとにかく宣誓書を出させるみたいなこともやっているわけでございますし、また、外国の例を見るとボブ運動みたいなものもあって、仲間内でだれが帰り運転していくか、その人には飲ませないというようなことをやってみたり、あるいはアルコールインターロックを付けろというふうな要請もあるわけでございますが、やはり規範意識を向上させる、鈍麻させないといいますか、そういう全体としての取組といいますか、必要になってくるんだろうというふうに思いますけれども、この点に対して総理の御所見をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、犯罪の被害者を含む交通事故の被害者、また、特に飲酒運転による交通事故の被害者の御家族のお話をお伺いをしたことがございます。いかにそうした結果が人生を狂わせ、また大きな影響を御両親を始め御家族に与えるか。また、何よりも失われた命は帰ってこないわけでありまして、この飲酒運転による事故というのは普通の交通事故と違って防ごうと思えば防げるわけでありますし、しかもそれはやってはいけないということを分かっていてやる、悪質でもございます。やはり、今先生がおっしゃったように、総合的に取り組んでいかなければいけない。 一つは、やはり徹底的なこの啓発を、国民に啓発をしていくという活動をやらなければいけないと思います。運転をする人に飲ませてはいけない、あるいはそれを勧めてもいけないし、むしろ止めなければいけないということも含めて啓発を進めていく。そしてまた、取締りも当然徹底をしていくわけでありますが、さらには、やはり先ほど申し上げましたような観点から、そういうことをした人に対しての制裁を強化をしていくという観点から制度を改正をしてまいりたいと思います。
○魚住裕一郎君 じゃ、関連お願いします。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。山本保君。
○山本保君 公明党の山本保です。 最初に、安倍総理大臣、御就任おめでとうございます。 そこで、実は、御存じかとは思いますが、参議院で扇議長を代表といたしまして、十五日から中国を訪問いたします。偶然、こういう歴史的な総理のお仕事の直後ということになります。私も、未熟でございますが、公明党の代表として参加させていただきますので、できましたら、今回の訪中を踏まえて、何かアドバイスなり、若しくは御所感なり御所見をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、中国を訪問した際、胡錦濤主席との間におきましても、是非議員同士の議会交流をこれは進めていきたいというお話をいたしました。胡錦濤主席も、是非日本からの議員を受け入れ、そして交流を進めていきたいと、こういうことでございました。その後、呉邦国全人代委員長とお目に掛かりましたときに、呉邦国委員長から、今度扇議長も来られると、それを是非楽しみにしていると。その一行の皆さんを楽しみにしていると。そして、今衆議院の河野議長との間にこれはつくっているこの交流メカニズムを是非参議院との間にもつくりたいということでございました。 私の方からも、この参議院の扇議長は極めて魅力的な人物であり、同行する先生方もすばらしい方々ですので、じっくり日中の未来について話をしていただきたい。そういう交流はやはりお互いの信頼関係を増していくのではないか。そのときには、お互いの国の状況等について率直に意見を言い、相手のこの状況に対してもお互いが率直な意見を言えるような関係にしてもらいたいと、こんなことを話したわけでございまして、是非先生におかれましても、今この日本の現状をもし中国が誤解しているのであればということで、是非日本のこの真実の自由と民主主義のこの国の実情を伝えていただければと、このように思います。
○山本保君 ありがとうございます。しっかりやらせていただきます。 それでは、次に、今日の本題に入ります。 最初に総理大臣にお聞きしたいんですが、特に今回いろんな政策の中で私注目しておりますし重要だと思っておりますのは、女性の再チャレンジについてでございます。これについて今日は少し詳しくお聞きしたいと思っております。 女性の再チャレンジ、もちろん仕事ということで能力を生かすということも重要でございます。それだけではなくて、生きがいを持って社会貢献、また地域貢献と、こういう社会的な仕事を、また家庭の中でも頑張っていただける、こういう女性がたくさん増えてくる。そのことは、私は実は、前は高学歴の女性は子供を産まないというようなことが言われることもありましたけれども、そうではなくて、そういう方に向いた支援体制がなかったのであって、私は女性が生きがいを持って生きていくということは、イコール少子対策でありますとか子育て支援ということと非常に関連があると思っておりますが、総理はこの辺について、これまで官房長官時代からいろいろ仕事をされておられます。是非お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の内閣におきます子育ての支援は三本柱、少子化対策は例えば三本柱でございまして、まず女性が子供を産み育てやすい社会をつくっていく。仕事をしながら、仕事をしながら子育て可能な社会にしていくためには、暮らし方や仕事の仕方、働き方を変えていく必要があるだろう、そういう意識を変えていく必要があると。そしてもう一つは、子育てをしている家族を支援をしていく。そしてもう一つは、言わば子供を育てることのすばらしさについて、また家族を持つことの意義、価値について、これはもう一度みんなで再認識をしていこうということでございます。その中でも、今委員が御指摘になられましたように、女性が能力を生かしながら子供を育てられる環境をつくっていくことが大切であります。 再チャレンジの中でも、女性の再チャレンジにおいて、一度育児のために、出産、育児のために仕事から離れた女性がまたもう一度職場に復帰しやすい環境をつくっていくために、また企業側にも努力をしていただきますし、またその間の、また戻るに際しての研修、あるいは子育てをしている間のいろいろな支援策等々を充実をさしていきたいと思っています。 また、私もマザーズハローワークに行ってきたわけでありますが、随分改善されたなというのが印象でございます。かつての職安とは全然雰囲気が違いまして、子供を連れていって、そこで子供を遊ばせながらいろいろとアドバイスを受けられる、そんなことにもなっていますし、そういう子育て中の女性に関する情報がそこに行けば集まっているわけでありますし、同じ悩みを持つ方々がそこに集まることによっていろんな相談もできるということではないか。 また、言わばIT技術を駆使して今後テレワークができる環境を整備していくことによって、このテレワーク人口を倍増していくと。自宅で仕事ができるということになれば、出産、育児の期間は自宅において仕事をしていくということも可能になっていき、仕事から離れずに済むのではないかと、こんなことも考えております。
○山本保君 私、まずその考え方に大変賛成いたしますが、少し私としてはもう少し付け加えたいと思っているのであります。 まず、仕事をするということだけに限りますと、なかなか私は難しいところもある。また、総理のまとめられました再チャレンジプランなどを見ましても、専修学校とか放送大学、国立女性教育会館というのが出てまいります。私は、本来こういう仕事というのは、まず人生を豊かにするための仕事をするものは学校だと思っておるわけでありまして、それは正規の学校であります。その正規の学校が出てこないんであります。 私、福祉が専門でやってまいりまして、今でもよくこう浮かぶわけでございますが、中卒そして若しくは高校中退、その御夫婦が一生懸命子育てをしている。しかし、仕事は大した仕事ではないんです。また、そうなりますと体が壊れたり、また夫婦仲が悪くなってそして離婚してしまったとか、そういう方も実は残念ながらおられます。 私、まず最初に文部科学大臣にお聞きしたいんでございますが、このとき、こう考えますと、私はまず生き方を、今の生き方は、まず学校へ行き、仕事をし、落ち着いたら結婚、出産、子育てと、こういう感じの社会でございますけれども、これは少し無理がある。まあ若しくはできる方はもうよろしいんですが、ほかの生き方もあっていいのではないか。まず最初に子育てをする、そしてそれから学校へ行き、そしてきちんとした仕事を探していくという生き方もあっていいのではないかなと思っておりまして、今日はそのことをずっとお聞きしたいんですが、最初に文部科学大臣、この高等学校以上の学校にそういう方をもっと入れていただくということが必要だと思うんですが、いかがでございましょう。
○国務大臣(伊吹文明君) 子育てというのは、家庭においては基本的に父親と母親が各々の特質をしっかりとわきまえて共同してやるべきものだと思います。しかし、現在の日本の社会の状況の下では、残念ながらその責任の多くは女性に掛かっているということです。したがって、子育て、先生がおっしゃるように子育て中であっても子育て後にも女性が社会に参加をすると。学校へ行く、あるいは職を持つ、ボランティア活動をする、それによって異なる価値観に触れるわけですね。それが人間として女性を大きく成長させていく。したがって、その権利は男性だけに限定されるものではありません。 社会参加のうちの一番大きな要素は、総理が申しました職業に参加することと併せて、学校に行くことだと思います。したがって、文部科学省としては、子育て中であっても学校へ行けるようなメニューは作っておるわけです。 高等学校、専修学校、大学において、まず通信教育というのがありますね。これは子供さんを抱えながらもやれる。しかし、ある程度、子供を見ながらやるということは大変です。それから、学校には通信教育でも時々行かねばなりません。それから、夫が帰ってきたとき面倒を見てもらえる夜間化をしております。そして、そういうものの単位を共通に取れるように、通算できるようにしております。 しかし、多分先生のお気持ちの中では、それはメニューとしては結構じゃないかと、しかし実際それを食べるためには、子供をだれがその期間面倒見てくれるんだねという当然御疑問があると思います。 通信教育の一部においては、スクーリングに学校へ出ていくときに、託児所をつくっておるところがあります。大学においてはお茶の水とか早稲田で子供さんを預かっているところがありますが、これは必ずしも十分とは言えません。 したがって、御家庭や地域の協力がなくてそういうことを進めていくためには、これは先生の御出身の厚労省とも御相談しなくちゃいけないんですが、何らかのやはり子供を教育を受けている間受け入れる託児所、その他のものを充実させていくことは、今後の安倍政権の課題として考えていかねばならないことだと理解しております。
○山本保君 ありがとうございます。私も全く同感でございます。 大臣、例えば女性の、高等学校以上の女性がどれだけ学んでいるかという統計はあるんですが、例えば子育てをしているかどうかという統計はないんでございます。正にそういうことを元々学校教育は意識していなかった。特に高等学校というのは子供が行く学校だと思っておられるようだけれども、これはそうではないわけでございます。ハイスクールというのは正に社会の分枝としてのいろんな仕事をし、そして生きがいを見付けるための学校として造られている学校でありますのに、子供が行くということで動かされているというのが問題だと思っております。 そこで、今お話にもありましたのでちょっと順序を変えまして、池坊副大臣に、今の保育の問題と、そして一緒に奨学金についてお聞きしたいんです。 これは以前私の尊敬する文部省のOBの当時現役の方と話しておりまして、これは冗談なんでございますが、アメリカでは保育所が高等学校にたくさんあるんだよと、こう言われまして、だけど山本君、日本でもし女子校で子供が生まれたら退学だよと、こういうちょっときつい冗談がございました。しかし、これは冗談ではなくて、正にそういう状況にあるということであります。 池坊大臣、私はまず高等学校以上の学校にきちんと保育所を置くべきだと思いますし、また、今お話ありましたように、仕事がなかなかしにくいわけですから、今までの授業料対象の奨学金以上に、これはもちろん厚生労働省と相談されまして、子育てをしている男性、女性には奨学金の追加分といいますか、子育てについてのものを出すようなことも考えてよろしいのではないかと思いますが、副大臣、いかがでございましょう。
○副大臣(池坊保子君) 山本委員には、いつも子育て支援政策にお力添えをいただきありがとうございます。 高校にまた通いたい、託児所があればとおっしゃる、男性からそのようなお声が聞こえることは大変心強い思いでございます。出産のために中断してまた学業を継続するためには、じゃだれが子供を見るのか、やはり託児所に頼るほかございません。 今大臣がきめ細やかに御答弁なさいましたように、通信教育では一時期だけ預かるところが東京都立一橋高校そして茨城県立水戸南高校と二か所ございますが、二か所じゃ足りませんし、それは一時期でございますので、これは是非増やすように努力していかなければいけないと思います。 また、大学は今のところ十か所ございますけれども、これぐらいじゃとても足りません。これは主として職員のためでございます。学生のためではありませんから、もっと学生のために、私は認可外でもいいと思いますから、あったら、あらなければならないと思っておりますので、これも是非厚生労働省と手を取り合いながら進めていきたいと思います。 また、おっしゃいました奨学金は、公明党の尽力によって有利子、三万、五万、八万、十万と、今六十三万一千人の方が受けていらっしゃいます。で、今のところ子供の数によっては家計基準が緩やかになっておりますが、これはそんなにじゃ優遇されているかというと、多少緩やかというだけで、まだまだ足りません。 これは是非、私ども、財務省のお力もいただきながらしっかり予算を取って、これから再チャレンジ、まず再チャレンジのためには勉強を続けるということが大切だと思いますので、これも潤沢にいくように各省庁のお力をいただきたいと思います。山本委員のお力もいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。頑張ってまいります。
○山本保君 それでは、ここで観点を少し変えまして、先ほど総理の方からもマザーズハローワークのお話が出ました。 私も愛知名古屋で見学をしてまいりました。女性のための新しい職場探しでありますとか、またそのための保育の情報提供、相談を受ける、大変よろしいと、非常にいいものができたなと思っております。まだ全国十二か所だけだそうでございますが、このマザーズハローワークについて今後の、評価でありますとか今後の方針を大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) お母さんが子供を育てながら就職、職を持ちたい、こういうような方々に職をあっせんするためのマザーズハローワークのありようについては、先ほど総理から、御自身が見学にいらっしゃって、かつての職安の環境とは随分変わった状況になっているという御説明までございました。私もそれに耳を傾けておりました。 今のマザーズハローワークは、まず、子連れでも来所しやすいと。子供はちょっとよそに預けていらっしゃいというんではなくて、子連れで来られる。それから、担当者がやっぱりそういうお母さんの状況についてしっかりしたノウハウを持って、本当に親身になってこの相談に乗ってくれると、そういう細やかな職業相談ができるということ。さらには、どっちみち働きに出るということになると、保育所のサービスをどんなふうに受けられるのかというようなことも情報としてお知らせする。そのためには市町村との連携が十分取れている等々のことで、大変積極的に行っているということを申させていただく次第です。 どのような状況かというと、私も実は不慣れな分野でございますが、平成十八年四月から八月までの実績が、先ほど言ったように全国で十二か所しかないにもかかわらず、就職件数が約五千四百人に上った。これはちょっとしたものだと私は思って、やっぱり政策というのは、本当にしっかりと的に当たった的確なものであった場合にはこういう効果を上げるんだということで、これもよく我々腹に置いて取り組まなきゃいけないなと、そういう一つの材料であるような気がしています。
○山本保君 そこで、私、その名古屋のハローワークでお聞きしたことなんですが、あっ、なるほどと、当然のことでありながら目が開かれた思いがしたんですが、職場を考えますときに、実は自分の能力が発揮できるいい職場でありますとか当然給料がいいところであるとか、そういうところで女性が選ぶよりは、子育てをしてくれる保育の環境があるところを選ぶと。しかし、これは考えてみますと、実際仕事の場とか、日本の残念ながらこれは国土交通、都市計画の私課題だと思うんですが、離れておりますし、それからお仕事は忙しいですし、そうなりますと、結局近場の保育園を使って、はっきり言えば能力を使えないようなことに仕事をしているということが多いんじゃないかと思うんでございます。 そこで、柳澤大臣、ここでひとつ、今まで保育政策というのは待機児童ゼロ作戦に代表されますようにまず数をきちんとという考え方でしたが、ここで少し転換といいますか、内容を女性また男性がその力をしっかり生きがいを持っていけるような形で子育てを応援する体制が必要ではないかというふうに変えるべきではないかと思っているんです。 そこで、具体的に一つ提案は、事業所内保育所というのがございます。しかしこれは、事業所内保育所は基本的にその企業で全部責任を持ちなさいという方針。考えてみますと、企業は何もせずに地域の保育所へ入れますと公費が出ます。自分でやれば全部自分持ちだ。これは正にただ乗りをした方が得ですよということになるんじゃないか。今、保育所が足りませんのに全国の企業所内保育所は逆に減っているというようなこともある。仕事が大変だからですね、経営的に。これはおかしいのではないか。 又は、今保育所は会社でも経営できるよといいますが、自分のところへ来ている会社の職員のためにやっては駄目で、地域のためにやればいいんですよ、工業団地の中にあって地域の中に、霞が関に住んでいる人なんかいない。こういうときでもそれは認可にしないんですよと。かといって、その方が地域の保育所へ行けば公費出るんですよ。 どちらにしたって要るんですから、私は、事業所内保育所、文科省などもやっております。こういうところをきちんと、その内容をきちんと高めた上で認可保育所としてきちんと公費補助をすべきではないかと思うんでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今先生おっしゃるように、職住近接、それから、まだ特に幼児期の子供は発熱が非常にしやすいんですね。そういうことからすると、お母さんがすぐ戻れる距離に働いているというのがもうこれはいいに決まっているんですね。 そういう意味で、恐らく先生は職場内の、事業所内の保育所施設も認可をして、認可をすればいろんな助成金が支給されるわけですから、そういった意味合いでこういう御指摘をいただいたものと思っております。 しかしながらと申しては話が壊れてしまうんですけれども、今の制度の枠組みはどうなっているかというと、国費と地域公共団体の予算でもって保育所を面倒見るという仕組みになっております。したがいまして、従業員の福利厚生施設としてできた、それからまた従業員の子女しか保育として預からないようなところにも地域公共団体のお金も混じるところのそういう支給の対象にしろと。これはなかなかうまく枠が溶け合わないというか、うまくしっくりとぴたっと合わないという面があることは、もう専門家であられる先生のよく御存じなところだと思います。 ただ、地域の子供も預かってくれる、こういうようなオープンなシステムであるというような場合にはこれは支給の対象になり得るわけでございまして、今現在、三千三百七十一か所の事業所内の保育施設がそういう対象になり得るということで、全く排除しているわけでもないという実態がありますことはひとつ御認識を賜りたいと思います。 また、両立支援レベルアップ助成金というようなことで、運営費について、これはもう全然違う系統の助成でございますけれども、運営費の二分の一を支給するというようなことで、厚生省としてもできるだけ、この枠内であったときに先生のような御主張に対してどうこたえるかということで今苦心をしておりますので、更にまたいろいろと検討を深めていく必要があろうかと思っております。
○山本保君 しかし、私としてはちょっとこれは論議が逆転していると思うんですよ。 まず、福利厚生のために始まったのだというのを、これをそうではなくて、正に子育てをする若しくは女性の生きがいを、しっかり生き方を応援しようというふうに理念を、考えも変えましょうということにします。それから、地方が出すというのはそれは当然だったんですが、今度その分を例えばきちんと会社には持っていただいて、国費分についてはきちんと出す。これであれば、別に制度としても何ら矛盾はないと思っておりますので、検討していただきたいと思います。 もう一つ、ついでにといいますか、保育所に入れるということも大事ですが、特に低年齢の場合はやはり育児休業をしっかり取れるようにすべきだ、公務員や大企業だけではないと、中小企業でもしっかり取っていただく。最近、このことについて力を出されていると思いますが、この辺について状況をお知らせください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 育児休業制度をしっかり取る、あるいは勤務時間についてフレックスな、子育てによく適合したような勤務時間を取るということの重要性は私は論をまたないことだと思っております。 これについて今厚労省がどういう取組をしているかということでございますけれども、これは先般御制定をいただきました次世代法で、今現在企業の行動計画の策定をお願いしているということでございます。どういうふうにこの育児休業の時間を取ってもらうか、そういうようなことについて目標を設定してもらって、その目標に向かって計画的な行動を取っていただく、こういうようなことを今進めつつあるところでございます。 そういうようなことをいたしまして、その目標が達成された暁にはいい御褒美が出るかということでございますが、このマークでございまして、次世代認定マークというものを差し上げるというようなことになっております。こういうものが、この企業のある意味でコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティー、CSR、こういうようなものの表象として高く評価されるような社会的な環境、雰囲気をつくっていくことが私は大事だと、このように思います。 加えまして申し上げますが、この中小企業におきましては、育児休業の取得というのが非常に難しいというわけでございます。そこで、育児休業取得者が初めて出たら、一人当たり、一人目については百万円を支給しましょう、二人目が出たら六十万円を支給しましょうという制度を、五年間の時限的な措置でございますけれども、新たな助成制度として創設いたしました。こういうようなことをもって国の意思が中小企業の経営者にもしっかり伝わるような、そういう特例措置にしているところでございます。
○山本保君 これは自慢になってはいけませんが、坂口、私どもの副代表が大臣だったときに、私どもも、やはりこれは家庭にだけ責任を持たせるのではなくて、会社の方にもきちんと持ってもらおうということで、今おっしゃったような政策を考え、それが、そのプランが実現してきております。もっともっとこれを進めていきたいと思っております。 そうしますと、ゼロ—一歳ぐらいのところは多分育児休業がもっと増えてくるだろうと。そのときに保育は何をするのか。そうしますと、今の制度では地域子育て支援センターというのがあります。これはただ附属的なオプションみたいな感覚なんですが、私は、これをもっと充実させまして、ここにきちんと相談員なり、また訪問する方なり、専門家を置くようなものを、これを各地域に置くべきだ。つまり、分離型の保育所でありますとか幼稚園、これをつくることもよろしいんですけれども、家族一緒に親子で応援をするようなこの施設をもっとつくるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今先生御指摘のように、事実上保育所にあるわけですけれども、保育所に子供をまだ預けてもらってない、こういうような人たち、こういうような親御さんたちの育児の相談にあずかる拠点といたしまして地域子育て支援センターというものを設置をいたしております。 これについては、通常の保育園の保育士というような通常のレベルの保育の知識に加えまして、かなり相談の相手となる能力、資質を涵養しようということで、特別な専門性を持ったその知識、技術を高める研修を実施しているところでございます。 今先生から、もうちょっとこの面で充実すべきではないかと。これは、今先生がおっしゃったような、ちっちゃな子供さんのときに、私は今先生のお話聞きながら、保育士の問題なのか、あるいは小児科のお医者さんとこう非常にかかわりのある分野なのかというようなことで、はたと今考えさせていただいておるところでございますが、今後、事務的に更に検討していってみたいと、このように思います。
○山本保君 ありがとうございます。 ちょっとそれで、もう少しさっきのところに少しだけ戻りまして、こういうことで女性がきちんと仕事をしてきたときに、ちゃんとした仕事に入る、子育てを応援する、そうしますと、例えば公務員試験がこういう方に、子育てをした男性、女性、している男性、女性にもきちんともっと開かれるべきではないかと思うんです。公務員試験の制度のこれからの改革について人事院にお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(谷公士君) いわゆる骨太の方針に、三十から四十歳程度のフリーター等にも国家公務員への就職機会を提供する仕組みの構築ということがございまして、このことに関連いたしまして、実際に各府省が採用していただく、採用に結び付くということでないと意味がございませんので、受験資格、試験実施の方法、日程等につきまして、各府省と調整しながらその具体化に向けて検討を進めていくことにしておるところでございますけれども、この問題に関する人事院としての基本的な考えは、国家公務員としての採用の機会ができるだけ多くの国民に開かれているべきものということにございますので、その受験資格につきましては、就職が困難な時期にやむを得ずフリーター等になった方々に限らず、御指摘のような子育てのために職業に就かれなかった方やいったん別の職業に就かれた方々の中で改めて国家公務員として働きたいという志を持つ方につきましても、その機会をお与えするということができるような仕組みとすることを考えているところでございます。
○山本保君 中身については私もいいんですが、イメージが何か失敗した方向けだというようなところがある。もちろんそれが重要な課題であることは分かりますが、私、最初に申し上げましたように、人生の生き方としてそういうことを積極的に取り入れていくという方もいるのではないか。私自身も、実は三十四歳でやっと役所に入ったという経緯がございまして、何とかこういう方の応援をしたいと思っております。 最後に、一つだけ冬柴大臣にお聞きしたいんでございます。 支持者の方からも、女性専用車両というのが非常に大事であると、好評であるということも聞いておりますので、これが現在どうなっているのか。そして、私思いますに、新幹線とか夜間のバスとか、また国際線の夜のときでありますとか、女性のことを聞いておりますと、やはりできるならば隣は同性の方の方がいいという方がおられるようであります。ただ、それについて調べたこともないようであります。 是非この辺は、もちろん民間のサービスではありますけれども、これを国の方が、ある程度女性専用車両にも応援したということがあるようでございますので、これをきちんとやっていただきたいと思っておりますが、最後の質問です、どうぞよろしくお願いします。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が過ぎておりますので、手短にお答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 女性専用車両につきましては、平成十三年の三月に京王電鉄が新宿—調布間、平日の二十三時、十一時以降の電車について女性専用というのを設けられまして、非常にこのようなきめの細やかなことを事業者が発案し実行されたことは高く評価したいと思います。 それが翌年になりますと、これが燎原の火のごとく、本当に、JR西日本の大阪環状線、これは全線で始発から朝九時まで、それから夕方は五時から九時まで、そのように通勤の人を対象に専用車両を設けたほか、ずっともう全国的にこれは波及してきました。 バスにつきましては、やはり深夜便でございます、長距離深夜便でございますけれども、非常にきめ細やかに、例えば二便発車するうち一便は女性専用車両にしているというような越後交通の事例とか、あるいは座席の一部、前三分の一は全部女性にするとか、そんなことをやっていただいているところもあります。現在、鉄道では二十六事業者六十三路線がやっております。 ただ、残念ながら、飛行機あるいは新幹線についてはそれがまだ行われておりません。ただ、飛行機につきましては、予約のときにそのような注文があればそれを実行するというようなことでございます。 国土交通省としては、このようなきめ細かな配慮を事業者がされることを私としては歓迎をしたいというふうに思います。
○委員長(尾辻秀久君) これにて山本保君の関連質疑は終了いたしました。 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、市田忠義君の質疑を行います。市田忠義君。
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。 今、雇用を取り巻く状況というのは、かつて経験したことのないような異常な深刻な事態であります。これが格差社会の根本問題の一つにもなっているわけですが、まじめに努力して働いても働いても貧困から抜け出せない、そういう人が大量に増えている、社会問題化している、いわゆるワーキングプアと言われる存在ですけれども、総理にまずお聞きしますが、ワーキングプアとは一体どういう状況の人々のことで、総理としてどういう認識、対応を考えておられるか、まずお聞きしたいと。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、たしかNHKの番組だったと思いますが、ワーキングプアの特集の番組がなされまして、大きな衝撃を与えたというふうに私は聞いております。つまり、一生懸命頑張って働いているけれども、給料が大変低い水準にとどまっているということだと思います。 近年、このワーキングプアと呼ばれる人々が増加をしていると、こういう指摘があるわけでありますが、給与所得三百万円以下の者の数が平成十七年度で千七百万人であるとの報告を受けています。そうした中には近年増加している非正規雇用者が相当数含まれているのではないか。これはやはり、近年のこの非正規雇用者の増加というのは、経済産業構造の変化や、また場合によってはこの価値観の変化ということもあるのではないかと、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、このフリーターなど若者を中心に低所得の非正規雇用者が増加をしていることは、これは将来の格差の拡大につながっていくわけでありまして、十分に注意が必要であると、こう認識をしております。 そのために、ワーキングプアと言われている若い方々が、この非正規雇用から正規雇用に移っていく可能性をもっと拡大をしていく環境をつくらなければならないと思っております。具体的には、フリーター二十五万人常用雇用化プラン等により、正社員への転換を推進して、二〇一〇年までにピーク時のこのフリーターを八割までにしたいと思っております。また、ハローワークにおいて正社員としての就職の支援を積極的に支援をしてまいりたい。また、正規、非正規の労働者の均衡待遇を何とか、その均衡待遇に向けて法的整備を含めて検討をしていきたいと考えています。
○市田忠義君 国税庁に確認しますが、年収三百万円以下という極めて低い賃金の労働者がこの五年間でどれだけ増えましたか。
○副大臣(富田茂之君) 国税庁が実施しております標本調査によります民間給与実態統計調査の結果によりますと、一年を通じて民間企業に勤務した給与所得者で年収三百万円以下の人数は、平成十二年は一千五百七万人でありましたが、平成十七年は一千六百九十二万人であり、百八十五万人の増加となっております。
○市田忠義君 この五年間で百八十五万人増えたと。全労働者の四割近くなったわけですが、改めて総理、どうしてこういう低所得層が急激に五年間で増えたのか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにこれ増えてはいるわけでありますが、その前から、この五年以前からそういう傾向はあったわけでありますが、それは先ほど申し上げましたように、経済、産業の構造が変わってきていることも一つ大きな要因でございますし、またもう一つの要因というのは、価値観について、働くことの価値観も随分変わってきたのではないかと思っております。
○市田忠義君 働き方の価値観の違いと。希望してワーキングプアになりたい人がどこにいるかと。私は、現実を見ない暴論だと思うんです。 不安定雇用の若者がどういう働き方を望んでいるか。内閣府、二〇〇六年の国民生活白書、どう述べていますか。
○政府参考人(西達男君) 平成十八年版国民生活白書におきましては、正社員を希望するパート、アルバイトを中心に転職希望者が増加していると指摘をしておりまして、具体的には、転職希望者は一九八七年から二〇〇二年の十五年間で百二万人増加したが、現職がパート、アルバイトである転職希望者の増加、九十二万人増によりそのほぼすべてが説明できると指摘しております。 なお、現在、パート、アルバイトで将来、正社員になりたいと考えている人は多いとの指摘もしておりまして、これは、具体的には内閣府で行いました多様な働き方に関する意識調査を基に指摘をしておりまして、例えば現在、パート、アルバイトとして働いている二十代男性のうち八五%が十年後に正社員として働くことを希望しておりますし、十年後もパート、アルバイトとして働くことを希望している者はゼロ%となっておるところでございます。
○市田忠義君 もう数字が明確だと思うんですね。 非正規労働者というのは今千六百万人、そのうちの八割が年収百五十万以下なんですよ。しかも、不安定な働き方を強いられている人のほとんどは、今も話があったように、正社員で働きたいという希望を持っている。ところが、その希望がなかなかかなえられないと。 どうしてかと。原因は雇う側にあります。働き方の多様性じゃないんです。みんな正社員にできればなりたい。安い給料で必要なときだけ雇って、昇給も昇格もない、いつ首切っても平気だと。企業にとってこれほど使い勝手のいい労働者はいない。自動車や電機など日本を代表するような企業でも、実際に工場で働いている人というのは正社員は少なくて、派遣だとか請負だとか契約社員入り乱れて働いているというのが現状であります。 総理に改めてお聞きしますが、派遣や請負で大企業の工場に送り込まれている労働者がどんな働き方をさせられているか、知っておられる範囲で結構ですから、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細については厚生労働大臣からお答えをいたしますが、いわゆる大企業のこれは製造業の現場についてのお話なんだろうと思います。もちろん、製造業の現場では、その大企業の正社員の方々も働いておられると思います。それと同時に請負の方々が、言わば、まあいわゆる協力会社的な立場で働いていると思います。その中で、近年いわゆる偽装の請負の問題が指摘されたところでございます。
○市田忠義君 私は現実をもっと直視していただきたいと。NHKのワーキングプアをごらんになったんだったら、どういうあれを見て感想を持ったかというのを自分の言葉で語っていただきたかったというふうに思うんですけれども。 あれは派遣や請負で働く人々に共通する姿であって、例外じゃないんですよ。例えば、神奈川県内の自動車メーカーで派遣労働者として働いている人、時給は千二百円、工場のラインで塗装の傷やほこりを点検する仕事、昼間は八時から十七時まで、夜は二十時から翌朝の五時までの勤務が一週間置きに組まれる。時差ぼけから疲れが取れない日々が続いたと。仕事が遅い人は容赦なく首です。月収は二十万円。何か一見高いように見えるけれども、派遣会社が管理している三LDKの寮に三人で共同生活です。給与から寮費が五万円引かれる。布団代、共同使用の洗濯機、冷蔵庫、テレビの利用料で一万円引かれる。水道光熱費で一万円引かれる。そして、所得税や社会保険料引かれると、手取りはわずか十万円です。ある日、四十度の熱で寝込んだら、派遣会社からマスクをしてでも仕事に行けと、そう言われたと。ついに倒れたら、もうおまえは要らないと、寮から出ていけと。新たにアパートを借りるお金もなくて、この人はホームレスになったと。日本を代表する大企業の生産現場でこういう働かせ方が広がっている。総理は異常と思われませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、もちろん労働基準法に違反する働き方をさせているのであれば、直ちにそれは法の執行をしなければならないと、このように思うわけでありますが、いずれにいたしましても、いわゆるワーキングプアと言われる人たちを前提に言わばコストあるいは生産の現状が確立されているのであれば、それはもう大変な問題であろうと、このように思います。 言わば非正規の方々も正規への常にチャレンジができるという状況をつくっていくことにおいて、企業も積極的に向かい合うことによって、むしろ長期的、中長期的には企業の私は基本的に信頼感は高まり、また基本的には活力も高まっていくのではないかと思います。
○市田忠義君 こういう事態を異常と思わないかと聞いたのに、どう認識されているんですか。異常と思うんですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今おっしゃったような例が特定の企業で続発をしているということであれば、それは異常だと思います。
○市田忠義君 私が今紹介したのは極端な例じゃないんです。氷山の一角なんですよ。だから社会問題化しているんですよ。そういう認識では、私は、今の実態、改善できないと思うんです。 こういう働かせ方を可能にしているのが派遣や請負そして偽装請負です。我が党は、この間、偽装請負問題でこの予算委員会を始めいろんな委員会でも繰り返して追及してきました。今月三日、ついに大阪労働局が派遣会社を偽装請負で行政処分しました。何が問題で、だれを処分しましたか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま御指摘の大阪労働局による処分の対象会社につきましては、労働者派遣法に違反する請負を継続していたこと、労働者派遣法第五十条に基づく報告徴求に対して正しくない報告を寄せていたこと、平成十七年六月に既に業務改善命令を発出していたにもかかわらず遵法体制が十分確立されていなかったこと、こういうことが明らかになりました。このため、本年十月三日、大阪労働局長は、この企業に対しまして、企業の姫路営業所については一か月間、その他の事業所については二週間の事業停止、これは新規の契約を排除するというものでございますが、そういうことを命ずるとともに、請負事業の総点検と是正、違法な労働者派遣の再発防止措置、遵法体制の整備等を内容とする事業運営の改善命令を発出したところでございます。
○市田忠義君 何という企業ですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 株式会社コラボレートが対象でございます。
○市田忠義君 コラボレートが派遣していた受入先の企業はどこですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この会社は一つの企業グループのメンバー企業でございまして、そのグループ会社の名称はクリスタルコーポレートかと存じます。
○市田忠義君 聞いていることがお分かりになっていないんじゃないですか。それは、コラボレートというのは労働者を派遣した会社なんです。受け入れた企業はどこですかと聞いているんです。
○政府参考人(高橋満君) ただいま大臣がお答えをいたしました処分事案にかかわっての株式会社コラボレートが派遣をいたしました事業所の企業にかかわる情報でございますが、これは個別企業にかかわる情報でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○市田忠義君 そういう姿勢だから問題がなくならないんですよ。どうして企業名公表できないのか。問題があるから調査に入ったんでしょう。駄目ですよ。
○政府参考人(高橋満君) 派遣事業におきましては、許可の対象になっておりますのは派遣元事業所でございます。今の事案で申し上げますれば株式会社コラボレートでございまして、ここの許可事業所にかかわっての行政処分ということでございますので、そのように御理解いただきたいと思います。
○市田忠義君 何という情けない姿勢かというのが浮き彫りになったと思うんです。 コラボレートというのは、クリスタルという人材派遣グループの中核的な企業ですが、このコラボレートは、実際は労働者派遣であるのに請負を装っていた。労働者派遣と請負では、労働者を実際に働かせているメーカーにとってどこが違うのか、柳澤大臣、もう少し簡潔に分かりやすく、テレビをごらんになっている方に説明してください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 請負契約というのは、委員も御承知のとおり、ある一つの仕事を完成するということを請け負う。そして、それが契約上の債務です。そういうものでございますが、他方、労働者派遣法というのは、一人一人の労働者を雇用している先から派遣先に派遣をさせると、こういうものでございます。一番端的に言えばそういうことでございます。
○市田忠義君 全く質問を聞いておられないんですかね。ユーザー、それを受け入れた企業にとってはどう違うのかと聞いているんですよ。ちゃんと昨日も質問予告しておきましたよ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、受け入れた企業においては、ある一つの仕事、例えばメーカーであったらこん包なぞの部門が請負で下請に出されることが多いわけですけれども、そういうようなことは専門のこん包会社がやるのが非常に効率的であると、こういうようなメリットがあると、こういうことです。 それから、派遣の職員の場合には、通常そういう特殊、特別のいろんな知見を持っているような労働者を必要なときに必要な期間使うことができる、こういったことが原則的に受入先のメリットだろうと、このように思っております。
○市田忠義君 まだ分かっておられないと思うんですけれども、派遣の場合には労働安全衛生にかかわる使用者責任がメーカー側には発生するんです、一応ね、ひどい働かせ方をさせられているけれども。そして、一年以上派遣が継続した派遣労働者に対しては、メーカー側は、直接雇用いたしますという申入れを労働者に対してしなければならない義務を負うんです。請負はそういうことは一切要らないんですよ。労働安全衛生にも何の責任を持つことも要らないし、どういう期間働かせようが、正社員になりますかというようなことを申し入れる必要もない。ほかにもいろいろ違いはある。社会保険に入っているか入っていないかと。一番大事なポイントを、今一番問題になっていることを全然お答えになってないんですよ。 クリスタルは、請負を装うことで受入先である電機や自動車などの製造会社の負担を軽くしてやるというやり方で急速に業績を伸ばした、そういう会社なんです。このグループのオーナーが系列会社に徹底する人生観と経営姿勢、私読んで驚きました。こう書いてあります。大競争に勝ち残り業界ナンバーワンになるには、プロは規制緩和の違法行為が許される、境界線で勝負する、第三者に迷惑を掛けない違法やうそは許される。違法の勧めそのものであります。 このクリスタルグループは、以前、大門議員が予算委員会で質問しましたが、給与の前借りをした労働者から返済利子を取ることまでやっていたと。当時、厚生労働大臣は予算委員長の尾辻委員長でした。尾辻委員長はそのときにどう答えられたか。労働基準法違反は許されないと、しっかりと調べる、そう答弁されました。調べましたか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、市田委員の質問を真っ正面から受け止めているんですよ。どういうことが受入先のメリットかといったら、私が今言ったようなことがメリットだという、まず第一にそれを答えるのは、私は当然だと思いますよ。 この調べたかという質問に対しては、調べて、先ほど私が触れたような業務改善命令等を発出したと、それでなお、それが十分に矯正されないということの下で今度のような処分につながったというふうに私は理解しております。
○市田忠義君 ということは、金貸し業までやっていたということが明らかになりました。 クリスタルグループというのは違法のデパート、そう言ってもいい名うての問題企業だ。ですから今度の行政処分にもなったわけですが、ただね、ここで問題なのは、そのコラボレートを使って偽装請負の一番の恩恵を受けていたのはだれかというと、労働者の供給を受けている製造業者なんです。そのメーカーの側でも、コラボレートからの労働者の受入れが法律に違反する偽装請負だと十分認識していたはずなんです。偽装請負というのは、労働者を食い物にして派遣会社も受け入れる企業も双方が利益を上げる、言わば法違反の人入れ稼業そのものであります。 で、パネルを出してもらいましたが、(資料提示)受け入れる企業は正社員を一人雇えば、ここに書いてあるように、年金や健康保険料などの福利厚生費を含めると時給で大体三千五百円掛かる。これを派遣会社から派遣してもらうときは二千五百円で契約をする。ここで製造業者は一千円もうけると。派遣会社は労働者に千円しか払わない。ここで千五百円もうけると。ここももうかるし、ここももうかると、一番損するのはここなんです、直接雇用すればこうなるのに。 こういう仕組みが派遣請負の仕組みなんです。自分の工場で働いている人間に対して何の責任も負わない。先ほど具体的な事例を紹介したように、ほとんど前近代的な労働条件に置かれている、そのことにも何の関心もユーザー側は示さないと。社会保険に入っているかどうかも、本来自分たちが責任を負わなければならない自分の企業内で働いている人の安全と衛生にも全く関心、責任持たない。ただ部品のように、物のように働く人を扱って恥じないと。私は、これはもうモラルハザードとローハザードも極まりだと。総理、そう思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはいろいろな例があるでしょうけれども、もし経営者がまるで働いている人間を部品のように考えているんであれば、それは私は間違いだと思います。
○市田忠義君 厚生労働省に聞きます。 コラボレートから労働者の供給を受けていた企業はどこか、またどれぐらい受けていましたか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々が処分をしたのは株式会社コラボレートでございまして、その労働者派遣なり請負の事業の現場がどこであったか、どの企業の中にあったかということについては、私どもとしては、将来の行政の正しい運営というものを考える中から、細目にわたって御説明をするのは差し控えさせていただいておるところであります。
○市田忠義君 余りにも無責任だと思うんですね。私は、クリスタルグループが一体どれだけのメーカーに何人労働者を供給していたかを示す資料を入手しました。それによると、全国で千九十一の事業所におよそ四万三千人の労働者を供給している。決して例外的なことじゃなくて、日本の製造業全体を深くむしばんでいる実態が明らかになりました。クリスタルグループが労働者を供給している企業には、当然クリスタル以外の他の人材派遣会社からの供給もある。その数は十万二千七百三十七人にも及ぶということが入手した資料の中で記されている。一見華やかな日本の製造業の現場では、これだけの数の派遣や請負労働者がまるで女工哀史を思い起こさせるような前近代的な劣悪な労働条件で働いている。 私は、クリスタルグループから百人以上の労働者の供給を受けている事業所を抽出してみました。これがそのパネルですが、(資料提示)百一事業所もあるんです。その大半がしかも請負なんです。ちょっと小さい字なので分かりにくいと思いますが、その大半が請負であります。松下グループが二千七百一名、キヤノングループが三千三十三名、ソニーグループは千四百八十五人、東芝グループは八百五十五人であります。 今の製造現場の実態からして、メーカーの側の指揮監督なしで労働者を働かすということはできないわけですから、純粋な請負などは製造現場、ラインではないんですね。ほとんどが偽装請負というのは、これは明白なんです。派遣事業者はもちろん、その業者からも派遣や請負労働者を受けている製造業者も違法な働かせ方で不当な利益を得ているわけですから、だから、受け入れている製造業者に対しても厳正な指導が必要だと思いますが、いかがですか。 総理、これお答えください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、法に基づいて私どもは行政を展開し、また必要に応じて司法的な手続の発端を作っているということでございますので、そのように御理解をお願いしたいと思います。
○市田忠義君 偽装請負と認定されたということは、要するに実態は派遣だったという認定を受けたということなんですよね。だから、製造業者に一年以上派遣した場合には、受け入れたユーザーは、いわゆるメーカーの側に新しい責任が生じますね。どういう義務が生じますか。
○政府参考人(高橋満君) 一般論でお答えいたしますが、派遣を受け入れた事業所におきまして偽装請負と言われる派遣法違反が、もし事案が生じました場合には、派遣元への指導のみならず、派遣先への指導ということも私ども、先ほど大臣御答弁ありましたように、やっておるわけでございます。そういう指導の結果として、十分に派遣先の対応がなされない悪質な場合については、派遣法に基づきまして勧告というものができることになっております。
○市田忠義君 製造業者に一年以上派遣した場合にはメーカー側にどういう義務が生じるかと聞いたんです。
○政府参考人(高橋満君) いわゆる派遣労働者の雇用の安定を図るという意味で、一年を超えて派遣が行われる場合、派遣先の雇用、直接雇用ということに対する努力義務が生じてくるところになります。 また同時に、これ一年以上というのは努力義務でございますが、同時に、それぞれの業務について派遣期間が制限期間のある場合の業務につきまして最高三年まで認められておりますが、この三年を超えて派遣を受けたいという場合につきまして、これは同時に申入れをしなければならないという規定になってございます。
○市田忠義君 そういう義務が生じるんですよ。だから、偽装請負だったということは派遣だったわけですから、そういうことが分かったら、一年以上過ぎた場合には、正社員として働く意思がありますかという申し入れる義務が生じるんですよ。 私、総理は再チャレンジと度々言われます。働いている人にそういうハッパを掛ける前に、今ある法律を厳正に活用するだけでも数万、数十万という単位でワーキングプアと言われている劣悪な環境に置かれている若者を安定した生活に戻すことができるんです。 私、総理に言いたいんですが、メーカーに対して直接雇用への働き掛けをそれこそ厳格にやるべきだと。本会議での私の質問に、そういう場合は厳格に、厳正にやりますとおっしゃったわけですから、メーカーに対しても直接雇用への働き掛けを厳格にやるべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘のいわゆる偽装請負等につきましては、法令、労働基準法に反しているのであれば、やっぱり適切に厳格にこれは対応していかなければならないと思っております。
○市田忠義君 企業側、受け入れたメーカー側、企業側にも厳正な指導をやるということを総理言われました。確認しておきたいと思います。 次に、こういう事態が日本じゅうに広がったのは企業の要求だけじゃないんです。政府の後押しがあった。特に、二〇〇三年の労働者派遣法の改定で、それまで禁じられていた製造業への労働者派遣が認められることになった。そのことが一気に製造現場での派遣、請負の拡大を加速した。 厚生労働省にお聞きしますが、製造業への労働者派遣を行う事業者は、〇四年三月時点では幾つ、〇五年三月、〇六年三月、それぞれ幾つかお答えください。
○政府参考人(高橋満君) お答えいたします。 製造業務に派遣を行う旨の届出を行っておる事業所の数でございますが、それぞれ三月時点で申し上げますと、二〇〇四年におきましては六百十三事業所、二〇〇五年におきましては四千三百三十七事業所、二〇〇六年におきましては八千十六事業所となっております。
○市田忠義君 二〇〇三年に労働者派遣法の改悪があって、製造業にも派遣労働者を雇い入れていいと。で、二〇〇四年から施行されたんです。そこから急激に増えている。実に十三倍ですよ、今の数でいきますと。この大本を正さない限り、幾ら総理が再チャレンジを叫んでも、今進んでいる異常な事態は決して改善されないと。 元々、一九八五年に労働者派遣法が作られたときも、その後の改正でも、〇三年までは製造業への派遣を認めていなかったと。その理由は何だったか。 当時、一九九九年四月二十八日、衆議院労働委員会の当時の渡邊職業安定局長のその部分の答弁、読み上げてください。
○政府参考人(高橋満君) 平成十一年四月二十八日の政府委員の答弁でございますが、製造業におきます派遣の適用につきましては、特に製造業の現場にこれを適用することについて、強い懸念が表明されたところであります。したがいまして、改正法案におきましても、こういった意見に留意をいたしまして、製造業の現場業務につきましては、当分の間、労働省令においてこれを適用しないこととするというふうにしておるところであります。これは、特に製造業において、今委員御指摘ありましたように、いわゆる偽装請負というふうなものがまだ存在するのではないか、こういった懸念があるために、今回もこういった措置になったというふうに理解しております。
○市田忠義君 政府自身が懸念していたとおりの結果が出たわけであります。製造業への解禁で偽装請負は減るどころか一層蔓延することになったと。やってみて心配していたとおりの誤りがはっきりしたんだから、元に戻すべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにいたしましても、法令に反した行為が行われているのであれば、それは断じて許すわけにはいかないわけでありますから、この法令に反した行為に対しては政府としてしっかりと対応してまいります。
○市田忠義君 製造業にも派遣を認めたと、その結果どういう事態が起こっているか。 去年、東京労働局の調査で、派遣会社の法令違反と業務請負会社の法令違反はどれだけありましたか。
○政府参考人(高橋満君) お答えいたします。 東京労働局が二〇〇五年度に行いました指導監督状況でございますが、労働者派遣事業にかかわります八百七十五事業所のうち七三・七%、また業務請負にかかわります百七十五事業所のうち八四・六%、合わせますと七五・五%の事業所で労働者派遣法等の違反が見られたことから、是正指導を実施をいたしたということでございます。
○市田忠義君 いわゆる法令違反が減るどころか、ほとんどの会社が法令違反だったということを今の答弁で認められたわけです。非人間的な働かせ方が横行しているのは自然現象ではない。その土台に労働法制の規制緩和があったということは事実が証明している。政府は全く政治の責任を感じていないし、この問題は非正規の人だけの問題じゃないんです。家族も深刻です。 じゃ、正規労働者が恵まれているかというと、もっと下の人がいるからあなたたちも我慢しなさいと、長時間労働、低賃金で、成果主義賃金を押し付けられて、心の病の人が大変増えている。しかも、社会保障の支え手を土台から崩すことにもなる。技術の継承もできない。これは物づくりにも否定的な影響を与えるし、日本社会と経済の発展にとってもゆゆしき私は事態だと。やっぱり人間らしい働き方のルールをきちんと確立する、そして今あるルールをきちんと守らせる、これこそ政治の責任だということを強く指摘して、質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で市田忠義君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 北朝鮮問題について、臨検についてお聞きします。 船舶検査活動ではなく臨検となれば、戦闘勃発の危険性があります。交戦権の行使や集団的自衛権の行使につながりかねません。憲法にのっとって冷静に対応する必要があると考えますが、いかがですか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま、国連の決議については厳しい措置を含む強制力のある決議を採択すべく今努力をしているわけでございまして、この決議に関係しまして、いわゆる臨検等の措置ということについて予断を持って答えることは差し控えさせていただきたいと思うわけでありますが、いずれにせよ、法令にのっとって対処してまいります。
○福島みずほ君 後方支援ということが言われ始めておりますが、これは集団的自衛権の行使、交戦権、臨検が交戦権の行使と紙一重になるかもしれない、この危険性がありますが、憲法にのっとって慎重にすべきだ、この点について改めてお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然のことでありますが、憲法に反することをすることはあり得ません。
○福島みずほ君 次に、教育基本法改正についてお聞きをします。 愛は強制できるものでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 愛は強制はできないと思います。
○福島みずほ君 国を愛する態度を評価することになるのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今ちょっとよく、もう少し詳しく質問していただかないとなかなかよく分からないんですが、どこでどう評価するということなんでしょうか。
○福島みずほ君 改正教育基本法案には、国を愛する態度とあります。これによって子供たちの国を愛する態度をA、B、Cと評価することになるのでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 非常に大切なところですから、御説明をさせていただきます。 日本の国を考える日本人の思いと、アメリカ人の思いと中国人の思いは違います。アメリカの国を考える日本人の思いと、アメリカ国民の思いと中国の国民の思いは違います。それは、私たちが日本という国に生まれて、日本という郷土の中ではぐくまれて、そして祖先の営みの中でいろいろな文化や伝統を祖先から受け継いできたから、それが違うわけです。そういう心根をどういうふうに持つかということをはぐくんでくれた郷土や祖先や伝統を愛する心を養うということであって、私の感じている国に対する心と福島先生の考えておられる国に対する心は、多分違うでしょう。それは人生観と、政党でいえば政党の理念によって違うわけです。ですから、そこを強制する、そこを教育基本法で教え込む、そこを教育基本法で評価をするなどということは毛頭書いてございません。そういう心根をつくっていく郷土や伝統や国をしっかりと愛してもらうように教えていき、あとはそのお一人お一人がどのような心をはぐくんでいかれるか、そこへ政治は干渉することはございません。
○福島みずほ君 かつて通知表で評価をした学校がたくさんありました。今もあります。だからお聞きをします。学校現場で、通知表でこれは評価をしないんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、たしか通常国会で小泉総理も答えていたと思いますが、言わばそういう評価ということはしないということではないかと思います。
○福島みずほ君 愛国心は人によって違うと思います。一国の総理が戦争を始めようとするとき、戦争をしないように止めることこそ愛国心だと私は思います。学校現場でどういう愛国心を教えるのか。違う、人によって違うと大臣も言いました、文部大臣も。違うことをどうやって教えるんですか。
○委員長(尾辻秀久君) 伊吹文部科学大臣。
○福島みずほ君 いや、済みません。総理、後でお願いします。
○国務大臣(伊吹文明君) いや、大事なことは総理がお答えいたします。大事なことは総理がお答えいたします。議事整理権を持っておられる委員長の御説明ですからお許しをいただきたいと思いますが。 愛国心と今先生がおっしゃっているものは人それぞれによって違うでしょう。それは先生もお認めになっているし、私もそういう答弁をしております。だから、いろいろな人たちが国に対してどういう心根を持つかということをはぐくんでいく条件になるもの、例えば歴史、郷土、あるいは祖先の営み、そういうことを教えていく。そういうことをどの程度マスターしていくか、これを通知表で評価をするということはあってもいいですが、愛国心というのは人それぞれによってみんな違うわけですから、それを通知表で評価するなどということはできません。
○福島みずほ君 総理、総理、総理。
○委員長(尾辻秀久君) 福島みずほ君、質問をしてください。
○福島みずほ君 はい。愛国心と国家が結び付くとき、危険です。ナチス・ドイツ下でミュンヘン大学で戦争反対とビラを配った学生たちは国家反逆罪で処刑をされました。そのときの国の政策に一致する者だけが評価され、あとは迫害されてきた、これが歴史が教えています。愛国心を強要することは戦争反対と言う自由を奪うことではないか。国家が国を愛する態度を教えることの危険性についてどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、福島委員が挙げたことは、私どもの教育基本法に書いてあることとは全くかかわりのない観点から非難をされていると、こう思っております。 私どもが言っている国を愛する態度というのは、先ほど大臣がお答えをいたしましたように、我が国のこの長い歴史や文化、伝統がはぐくんできた帰属意識、また、あるいはまた自分が生まれ育った地域に対する自然な気持ち、その地域を良くしていきたいと思う気持ち、そして共同体であるこの国、今、歴史とか文化や伝統、自然も含む総体的なものに対する気持ちを、愛する気持ちをはぐくんでいこうということでございまして、今現在の国の、統治機構としての国が行うことに対してそれを支持する、愛せよということでは当然ないわけでありまして、今、私の内閣を例えば愛せよということは全く私は言っていないわけでございまして、当然、これは福島先生が総理になることもあり得るわけでありますが、その福島総理がやられることを私たちが全面的に肯定して愛するということはあり得ないわけでございます。
○福島みずほ君 人によってそれぞれで、そして評価もできない、分からない、それぞれだというのであれば、なぜそれをわざわざ法律に書くんですか。個人の内心のことについて法律に書くことはふさわしくない、そう思います。日の丸・君が代の強制に関して内心の自由に対する侵害で違憲、違法だと東京地裁は言いました。現に今起きているからこそ、この質問をするのです。教育基本法は改悪されてはなりません。 次に、共謀罪についてお聞きをします。 国連の条約を批准するために共謀罪は必要ないということが明らかになってきました。共謀罪は撤回されたらいかがですか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、国際社会がテロは許さない、テロとの戦いを今続けているわけであります。これは、一国がテロと相対峙すれば済むということではなくて、国際的な広がりを持つこうした行為に対して、やはり国際社会が連携してそれを封じ込めていくことが大切であり、この法令は必要である、この法案は必要であると考えております。
○福島みずほ君 総理の答弁は問題です。共謀罪はテロ対策が立法目的ですか。
○委員長(尾辻秀久君) 安倍内閣総理大臣。
○国務大臣(長勢甚遠君) 委員長。
○福島みずほ君 違う。総理、総理、総理。
○委員長(尾辻秀久君) 指名を変えます。長勢法務大臣。
○国務大臣(長勢甚遠君) 御案内のとおり、国会で御承認をいただいておる国際組織犯罪防止条約を批准するための法案でございます。その法案においては、テロを含んだ組織犯罪に対して国際連帯の中で防止をしようという趣旨のものでございます。
○福島みずほ君 総理は間違っています。テロ対策でこの法律が作られたのではありません。組織犯罪です。立法目的が違うじゃないですか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) テロを含む国際組織犯罪であります。
○福島みずほ君 さっき、そう言いませんでした。 日本が作ろうとしていた六百十九もの共謀罪を新たに作った国がありますか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 各国によって持っておる法制度が違います。しかし、批准しておる国はすべて、この条約の義務を守れるという国内法制に基づいて批准していると思って理解しております。
○福島みずほ君 質問に答えてください。 アメリカは留保をしました。そして、日本が作ろうとした六百十九もの共謀罪を新たに作った国があるかという質問です。
○国務大臣(長勢甚遠君) アメリカは留保をいたしておりますが、アメリカは連邦法と州法との関係におきまして、極めて地域限定的な場合において問題を生ずるおそれがあるという趣旨で留保したものであり、この条約に義務を果たせないということはほとんどあり得ないというふうな答弁をアメリカとしてしておりますので、問題はないと思っております。
○福島みずほ君 後半の質問に答えてください。
○国務大臣(長勢甚遠君) 後半はちょっと。
○福島みずほ君 共謀罪を新たに作った国があるか。
○国務大臣(長勢甚遠君) ちょっと今、政府委員から答弁させますが、いずれにしても、この条約に基づく義務はできるという前提で批准しておると思っております。
○政府参考人(小松一郎君) お答え申し上げます。 条約の義務をどのように国内的に実施をするかということは、それぞれの国の当然、法制によるわけでございまして、そのそれぞれの国の法体系によってどういう手当てが必要かということは国によって違うわけでございますけれども、我が国におきましては、今委員がおっしゃいましたような共謀罪というのは必要であるというふうに考えております。
○福島みずほ君 質問に答えてください。
○政府参考人(小松一郎君) 罪数につきましては、何を一罪とするかということもございますし、今どの国がどれだけの罪数をもって定めているかということについてはつまびらかにしておりません。
○福島みずほ君 ノルウェー、そしてニュージーランドが一部作っただけで、日本のようにこんなにたくさんの共謀罪を提案しているところはありません。しかもこれらは国内法がほとんどで、テロ対策とも組織犯罪とも無関係です。共謀罪は撤回されるべきだということを強く申し上げます。 次に、格差社会についてお聞きをします。(資料提示) 非正規雇用労働者の増大、二〇〇三年から二〇〇六年まで三百万人増えました。この間、労働基準法が改正をされ、労働者派遣事業法が改正をされています。この間、労働法制の規制緩和の制度の結果誘導されたと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の国がバブル崩壊後の不況に突入したころから実はこの労働形態の多様化というものが進んでおります。したがいまして、今先生が御指摘するような労働法規の規制緩和、これが一〇〇%こういったことの原因であるというふうには私どもは認識しておりません。一定のトレンドを取った動きであったというふうに、その以前から、それ以前からのトレンドを延長した動きであったというふうに認識しています。
○福島みずほ君 一〇〇%この制度のせいではないとおっしゃいました。どれぐらい責任がありますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、製造業について緩和をしたということから、製造業についてそうしたことが、労働者派遣が許されるようになったという限りではそういう影響もそこに加算されているだろうとは思っています。
○福島みずほ君 ワーキングプアは政府の政策によって生まれました。この点について、偽装請負の実態があるから労働者派遣事業法は製造業についても解禁すべきだ、そうやりました。しかし、偽装請負にメスを入れない、製造について派遣を解禁した、そのためにどんどん増えたわけです。ひどい労働実態を政府が追認してきた、この問題です。政府、いかがですか。総理。
○国務大臣(柳澤伯夫君) その点については、福島委員ですね、先ほど総理も明確に御答弁をされておったとおり、私どもは法令に照らして非違なことがあったらこれは絶対許さない、何人に対しても許さない、こういう厳格な態度でこれからも臨んでまいりたいと、このように考えています。
○福島みずほ君 明確に、労働法制の規制緩和やった結果、三百万、四百万増えているじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにしても、これは規制緩和は確かにしました。しかし、法令に反しているんであれば厳格に対応して、そしてそれは絶対に許さないという態度で臨んでまいります。
○福島みずほ君 そうではなく、労働法制の規制緩和をやった結果、非正規雇用が増えたんですよ。製造業にまで拡大したから増えた。歴然ではないですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この非正規雇用者については、平成三年からの資料を見ても、八百九十七万人からこれは、だんだんこれは増加傾向にずっとある中において、十五年後に千六百万まで増えているという現実がございます。
○福島みずほ君 これをどう改善されますか。 いや、総理。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは本当に安倍内閣の中心的な課題だということで私ども労働市場の正常化ということをこれから取り組んでいかなきゃいけない、このように考えているわけです。 したがって、第一にハローワークにおいてできるだけ非正規の雇用を正規の雇用にきめ細かく誘導していく、こういうことを考えております。それから、言うまでもないことですけれども、フリーターの二十五万人正規雇用を実現するためにジョブカフェ等を設置しましてこういったことに取り組んでいく、そうした具体的な施策によって第一に正規労働の雇用の増大を図っていきたいと、このように考えています。 今、私ども、雇用の状況というものをかなり詳しくその傾向を見ておりますけれども、最近においては正規雇用も増えている、しかし非正規雇用も増えているんです。これを、どうして非正規雇用が増えなくて正規雇用のみが増えていくというような状況を現出させていくか、これが我々の課題なんです。 このまず一番基本的な恐らくモメンタムをどこから得るかといえば、それはやっぱり経済の景況の回復です、成長です。そういうようなことで、成長戦略というものを高く掲げて、この問題の根源的な原因にチャレンジしていきたいと、こういうことを今考えているということであります。
○福島みずほ君 景気が若干回復されたと言われても、非正規雇用が増えているじゃないですか。
○国務大臣(甘利明君) 厚労大臣から正規もそして非正規も両方増えたと。これは、景気の拡大に従って雇用が全体的に拡大をされているわけでありますが、企業の態度といたしまして、完全に自分に自信が持てれば正規を拡大していくのであります。これから先も業績が間違いないということであれば正規を拡大する。しかし、その間にちゃんと見通しが立つまでの間の対応としてどうしても非正規に頼っていくと。 経済産業省としても、できるだけ非正規から正規に移るようにそういう要請はいたしておりますし、あるいは職務限定社員、転配のない社員であるとか短時間正社員、いろいろ、非正規の中には女性もいらっしゃいますから、その働き方に従ってより正規に近いような雇用形態を取っていくように要請もいたしております。
○福島みずほ君 労働分配率は下がっています。労働を自由市場に任せれば、ひどい非正規雇用が増えることなど明らかです。 制度的に法律によって非正規雇用をつくったのにハローワークで個別に対応する、これでは根本的な解決にならないと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 経済がグローバル化しました、ボーダーレスになりました。そういう中で、日本の企業も国際的な厳しい競争にさらされています。そういうことの中で、日本が、この日本の企業を中心としたそういう力でもって経済の成長を図っていかなければならない、こういうことがありまして、一つそういう経済構造の変化というものもやはりこの問題の背景にはあった、私どもはそのように考えています。 それからまた同時に、働く労働者の側にも、それでは自分らの生き方として一つの企業にもう一生涯コミットするというような、我々世代のようなそういうメンタリティー、考え方だけかといえば、それはそうじゃない。そういうような、働く側にとっても働き方の多様化を求めるという、そういうモメンタムもあった。両方が相まちまして今日のような状況が現出していると私どもは思っているわけでございます。 しかし、正規雇用を望んでいる、そういう人たちの力になろう、こういうようなことで、今言った経済の構造変化に対応しながら個々にこうした方々の面倒を見ていこうと、これが構造政策が遂行される場合の通常の姿です。それを根っこから構造政策、構造変化に対応しないような政策が基本的に取られるということになったら、経済全体がこれは低迷をしてしまう、沈下してしまう、こういうことになるということです。 ですから、その間の兼ね合いを、今言ったような、その基本のラインは構造改革を進める、しかし気の毒な人たちに対しては個別的な政策で光を当てていく、こういう政策が私は選択されるべきだと、このように確信をしています。
○福島みずほ君 総理、個別的な政策で十分なんですか。勝ち組、負け組を固定化させない、これでは駄目だと思います。勝ち組、負け組を極力スタートラインでつくらない、このような政策こそ必要だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全く最初からつくらないということは、これはなかなか難しいわけであります。そもそも、今厚労大臣が答弁いたしましたように、グローバルな経済の中で日本の企業も競争に打ち勝ってまずいかなければならない。これはなかなか大変なことでありますが、しかし打ち勝っていかなければ雇用も確保できないという厳然たる事実があるわけでありまして、雇用を確保するためには、例えばコスト競争をしているわけでありますが、海外になるべく出ていくという選択肢よりも日本の国内で製造業も雇用を確保してもらいたいという中で、それぞれがいろいろと知恵を出し合っている中での、今我々何とか製造業も競争力を回復をしているということではないかと、このように思います。 派遣が頭からこれはいけないというのは私はおかしいわけであって、それぞれ働き方もこれ多様化している中において、そういう多様性、柔軟性も私は大切ではないか。ただ、その中で非正規の方々が正規雇用者との間において大きな、これは待遇の均衡が、大きな差があるということであれば、我々としては均衡待遇を目指してこの法改正も含めて努力をしていきたいと、こう思っております。 要は、やはりそういう非正規雇用の方々の中で正規雇用を目指したいという方々に対して道をしっかりと開いていく、だれしもが仕事にやりがいと夢を持てるような、そういう社会にしてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 非正規雇用が増えるような社会、人をけ落とすような社会をつくっておいて、個別に救済するということでは何が再チャレンジなのか、そう思います。 均衡処遇の推進と総理は言いますが、具体的な中身を話してください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、均衡処遇を実現するような法整備をこれから考えていきたいと、こういうことです。したがいまして、全くほとんど同じような労働をしているというようなことについては、これはまあ、もちろん経営者側からいたしますとその労働者の、私メンタリティーという言葉を使わせていただいたんですが、そういうようなものもどれだけ自分たちの企業という一つのグループの中に参入する、あるいは一緒に責任を持っていこうというような、そういうことがあるかということも違いが出てくるわけですけれども、そういうようなことを勘案して、なおやっぱり同じような労働であればできる限り同じような処遇になるような、そういう法制を何とか工夫して出していきたい、こういう方向で今検討をしているということです。
○福島みずほ君 厚労省は何年も何年も均衡処遇の推進と言いながら、労働法制の規制緩和をしてきました。大臣、ちゃんとやるんですね、決意を言ってください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 微力ですけれども、全力を挙げてやらしていただきます。
○福島みずほ君 リハビリの打切りについてお聞きをします。 リハビリは今まで無制限に受けられていました。しかし、最長で百八十日、百八十日でリハビリが一律で打切り、そうなりました。リハビリ難民ができています。このことについて現場から声が上がっています。いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回、診療報酬改定で、リハビリについて、急性期及び回復期は医療保険でこれを手当てする、それから維持期は介護保険で手当てをすると、こういうような分担の制度を取ることにいたしました。医療保険では、発症後早期に集中的にリハビリが行えるようにその報酬を引き上げると。しかし、一方、リハビリテーション医学会などと調整の上、疾患別に算定日数の上限を設けました。さらに、介護保険の方でも同じように、移行期については集中的にリハビリをするというような考え方で報酬の加算制度を創設をいたしております。 今、先生は非常に、手つきから言っても一刀両断で、全く画一的に百八十日で介護の保険の方に回してしまうというような、こういう御主張をなさったわけですが、よく実際をごらんになっていただければ分かりますように、患者の状態に応じて、医師の判断により、継続をして医師の下でのリハビリの方がより効果が上がる、機能の回復が早まるというような状況が認識される場合には、まだその医療保険の下でのリハビリというものを続けていただくということになっております。決して一刀両断、画一的な処理をしようというような法制度にはなっておりません。 また、今回の改定の結果、検証のために今調査に着手いたしておりまして、来年二月には、このような改定の状況がどのような推移をたどったと我々が認識しているかということの調査の結果を公表する予定です。
○福島みずほ君 百八十日で打ち切られる。それ以外はもちろん、例外の規定、例外の通知、症例があることは承知しています。でも、現場では皆さん、百八十日で打切りです、あなたのリハビリ打切りです、あとは自己負担でやってください、そう言われているんですよ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も、私が尊敬する多田富雄先生が先頭になってこの問題についていろんな御意見を書かれているということをよく知っています。よく知っていますので、多田先生等の、御自身がああいう立派な免疫学者でありながら、それからまた、同時に余技として能の専門家であられると、こういう非常に多くのタレントをお持ちの先生、こういうような立派な先生の御意見等も十分耳を傾けて我々間違いのない対応をいたしたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 四十四万の署名が出ています。 多田さんに私もお会いしました。メールをもらいました。リハビリを打ち切られたら機能が落ちて寝たきりになる人がいます。リハビリ上限の設定は明らかに再チャレンジに逆行した施策です。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的にはこの仕組みについては、リハビリの効果が上がらないというそういう指摘もあり、そういう患者さんたちに対しては百八十日で打ち切ると、あとは言わば介護ということであります。 しかし、それは相当、これは正に一刀両断ではなくて、あるいはまた、例えば脳卒中のような方についても、これは医学的にリハビリを続けていけば効果が出るという方についてはそれを延長することになっていますし、また重度の方々、脳の障害も高次の脳の障害のある方々や、あるいはまた難病性の神経病にかかった方々等々も含め、こういう重度の方々は百八十日ということではなくて、それを超えて当然リハビリの対象になっているというふうに私は承知をしております。
○福島みずほ君 介護保険の適用がない人もたくさんいます。若ければ受けられない。この制度そのもの、百八十日で個別の状況を見ずに打切りというこの診療報酬そのものに欠陥があります。 障害者自立支援法でも、現場では、障害のある人、これはもう死ねということかと声が上がっています。リハビリを受けている人、障害のある人、そして高齢者の人たちは、自分たちは死ねということかと、皆物すごく怒っていますよ。総理、どうですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者自立支援法につきましても、我々の努力も不足だったかもしれませんけれども、やや誤解に基づく短絡的な理解がありまして、私どもがこの制度によって本当に障害者の状況の改善に役立とうとしていることも十分に理解されない、そういううらみを私も感じております。 是非、先生のような方には、質問時間が短いので勢い一刀両断のワンフレーズ質問が多いからかもしれませんけれども、余り短絡的に世の中に誤解を与える、更に誤解を強めるようなことのないようにお努めをいただければ我々としては大変有り難いと、このように思っております。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十五分散会