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165回国会参議院2006/12/15

本会議 第20号

発言数
56
登壇者
13
会派数
4
開催日
2006/12/15

会議録

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  佐藤泰介君外十四名発議に係る文部科学大臣伊吹文明君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。水岡俊一君。     ─────────────    〔議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔水岡俊一君登壇、拍手〕

水岡俊一民主党・新緑風会

○水岡俊一君 私は、民主党の水岡俊一でございます。     文部科学大臣伊吹文明君問責決議案   本院は、文部科学大臣伊吹文明君を問責する。    右決議する。  私は、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合、国民新党を代表して、伊吹文部科学大臣に対する問責決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。  安倍内閣は教育基本法の改正を内閣の最重要課題に挙げ、伊吹文部科学大臣は政府の改正案の責任者として答弁に当たってきました。  確かに、現在の教育基本法が制定された六十年前と比べると、教育をめぐる環境は大きく変わっており、私たちは教育の在り方をより良いものとしたいという考え方には変わりはありません。だからこそ、前の国会から民主党提案の日本国教育基本法案と政府の改正案を熱心に審議してきたのです。  しかし、審議中に、高校の必修教科の未履修問題、連鎖的に起きた子供のいじめによる自殺、タウンミーティングでのやらせ問題といった教育の根幹に係る問題が次々と起こり、審議の事情は大きく変わってまいりました。  教育基本法が教育の憲法であるとすれば、改正される教育基本法は当然これらの問題に対応できるものでなければなりません。ところが、政府の改正案には、具体的な対応策はおろか、そのヒントさえ書かれていなかったのです。  また、やらせ問題に関する内閣のタウンミーティング調査委員会結果が公表されたのは一昨日であり、これから本格的に論議をし、十分な検証を行い、責任を明らかにすべきであります。  さて、今回の政府の改正案で最も重要な項目とされてきたのがいわゆる愛国心教育の問題です。  政府の改正案では、第二条に教育の目標として、我が国と郷土を愛する態度を養うと書かれていますが、この書き方には大きな疑問を持たざるを得ません。愛する心と書かずに態度と書いたのは、憲法の内心の自由の保障に対する配慮だと説明されていますが、態度はあくまでも外形的なものであり、態度だけできればよいというのではあしき教育の代表であります。しかも、これを教育の具体的な目標として掲げることは、点数を付けるとか、学校が何らかの評価をしなければならないことになります。果たして愛国心とは点数を付けるようなものなのでしょうか。  愛国心とは、この日本で生活し生きる中で自然にはぐくむものであり、政府案のように義務をもって強制するものではありません。子供たちが愛国心を持てるような日本をつくることが私たち政治家に今問われているのではありませんか。  改正案をめぐるもう一つの重要な論点は、教育の責任は最終的にどこが持つのかという問題でした。いじめによる自殺問題でも、高校教科の未履修問題でも、最大の問題となったのが今の中途半端な教育委員会制度でした。度重なる不手際にもかかわらず、教育委員会を自治体からも国からも直接コントロールできず、対応が後手後手に回ってきたというのが事実です。  今回の政府の改正案には、教育については国と自治体が適切な役割分担の下に責任を負うとしか書いていません。これは基本法としての欠陥と言わざるを得ません。しかも、伊吹文部科学大臣の答弁などを聞いていると、政府は教育委員会制度に対する国の関与を強める方向で検討しているようです。ほんの少し前まで、規制緩和の方針に従って教育委員会廃止の方向を模索していたという朝令暮改はともかく、教育においていたずらに国の統制を強めるのは、戦前への逆戻り、時代後れではありませんか。  これに対して、民主党の法案では、現在の教育委員会制度を廃止し、国は普通教育の最終的責任を有すると明記いたしました。普通教育についての全国一律の水準や制度の枠組みについて国が責任を持つとともに、その枠内での具体的な教育行政については自治体の首長に任せるというもので、それぞれの不手際の責任は、民主主義の原則である選挙によって問われるというわけです。  自治体の首長による恣意的な偏った教育が行われるおそれがあると与党側は言うかもしれませんが、そのような心配はありません。民主党としては、与党に先駆けて、基本法を具体化するための下位法として、恣意的な教育行政を監視するための第三者機関としての教育監査委員会や学校理事会を設置する地方教育行政適正運営確保法案など二つの法律案を参議院に提出し、審議していただいてきました。しかし、地方分権が進められている中での教育の在り方に対する審議もまだまだ深められておりません。  以上述べてきたように、政府提出の改正案は欠点だらけであり、教育格差の拡大を始め教育をめぐる新しい問題も次々と起きており、私たちは、教育基本法は教育の憲法であり、すべての教育法規の方向性を定めている重要な法律であります。  だからこそ私たちは、条文ごとの審議は欠かせないとして慎重審議を強く要求してきたにもかかわらず、政府は、まず衆議院で、単純にこれまでの審議時間が目安とされる百時間を超えたことを理由に採決を急ぎ、強引に審議を打ち切り、先月十六日の衆議院本会議で法案を単独で可決し、ここ参議院に法案を送ってきました。そして、参議院においては、民主党は改めて、日本国教育基本法案とともに、それを具体化する二つの法案を改めて参議院に提出し、一層の慎重審議を求めてきましたが、昨日、突然審議を打ち切り、採決を強行したわけです。法案提出の責任者としての伊吹文部科学大臣の責任は極めて重いと言わざるを得ません。  本来ならば、伊吹大臣自らが自身の責任を十分自覚した上、自らその職を辞すべきであるが、そのような真摯な姿勢はみじんもありません。良識ある議員の方々、この伊吹大臣の問責決議案に是非賛同賜りますよう訴えて、趣旨説明を終わります。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。北岡秀二君。    〔北岡秀二君登壇、拍手〕

北岡秀二自由民主党

○北岡秀二君 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました伊吹文部科学大臣の問責決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。  教育基本法が制定されたのが昭和二十二年、それから六十年が経過し、教育をめぐる環境は大きく変わってきております。ITを始めとして科学技術の進歩には著しいものがあり、経済活動や文化の国際化が進展、また少子高齢化が急速に進んできました。時代の変化に合わせて、教育基本法も当然改正されるべきものであります。今回の改正はむしろ遅きに失したと言われても仕方がありません。  伊吹文部科学大臣は、教育問題に関しては造詣が深く、幅広い人生経験から教育問題の改革に教育行政の指導者として取り組まれてきました。今臨時国会における議論の場においては、与野党の質問者に対して懇切丁寧な答弁に努められ、新たな教育基本法を制定する必要について分かりやすく国民に説明されてきたのであります。  深刻化するいじめ問題については、いじめは絶対に許さないという断固とした決意と、いじめられた子供を守り通すという信念を一貫して示されてきました。特に、「文部科学大臣からのお願い」を発表し、いじめに対して社会全体で解決する機運を高め、大きな反響を呼びました。いじめ問題の解決には先頭に立って取り組まれているのであります。  また、未履修問題が顕在化したときには、直ちに全国調査を実施し、現状の正確な把握に努めるのみならず、過去にさかのぼった調査を実施し、全貌の解明と公表に尽力されてきたのであります。  このように、教育基本法の成立、そしていじめなどの教育上の諸問題に全精力を傾けて取り組まれている伊吹文部科学大臣に対して問責決議を出すのは良識のかけらもない暴挙であり、野党の諸君に猛省を促します。  新たな教育基本法の制定は国民の多くが望むものであり、それによって一刻も早く今日のいじめ、不登校、教育及び教員の質の悪化、学力の低下などといった問題を解決しなければなりません。  今後とも、政府・与党は協調して、広く国民の声を聞きながら、教育改革の実現に邁進する決意であります。伊吹文部科学大臣には引き続き、教育に関して高い識見と豊富な経験を生かしていただき、指導力を遺憾なく発揮して、諸問題の解決に取り組まれることを望みます。  本問責決議案に強く反対の意見を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 内藤正光君。    〔内藤正光君登壇、拍手〕

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 私は、民主党・新緑風会を代表して、伊吹文科大臣への問責決議案に対して賛成の立場で討論を行います。  教育基本法が生まれてから六十年、日本社会も大きく変化し、これに対応するための教育基本法の改正は必要であると我々は考えますが、問題はその中身、内容にあります。  私にも不思議に思えるのですが、今回、教育基本法の審議が佳境に入るに至って、次々に看過し得ない大きな教育に関する問題が起こってきました。タウンミーティングでのやらせ問題、いじめによる自殺の連鎖、高校の必修教科未履修問題と、いわゆる教育問題三点セットです。いずれも、今日、教育が陥っている問題点に深く根差したものとなっております。  まず、タウンミーティングでのやらせ問題は、小泉政権及びそれを受け継いだ安倍政権に、教育基本法の改正を目指す資格が本当にあるのかという疑問を引き起こしました。  小泉総理のときに、国民の声を聞きたいと始めたのがタウンミーティングでした。しかし、百七十四回のうち実に百五回ものタウンミーティングで主催者側から事前の発言依頼があったことが明らかになりました。  さらに、そのうちの二十五回では発言者に謝礼まで手渡され、とりわけ教育問題をテーマに行った八回のうち五回においては、あらかじめ選んだ質問者に案文を渡し、これに沿って質問をしてほしいと依頼したことが明らかになりました。それだけではありません。何と御丁寧にも、棒読みにならないようにとか自分の意見を述べるようになど、テレビの演出まがいのことまで行っていたんです。やらせとは決して美しい言葉ではありませんが、これをやらせと言わずして何をやらせと言うんでしょうか。  安倍総理は、愛国心教育など高邁な教育改革を掲げ、口を開けば、高い学力と規範意識を子供に身に付けさせたいと述べていますが、このようなことをやらせた文部科学省のどこに規範意識があるのでしょうか。法案を提出した文部科学省の責任者として、隗より始めよという言葉を是非かみしめていただきたいと思います。  それだけではありません。例えば平成十六年五月十五日、松山市で開かれたタウンミーティングでは、参加者四百三十一名のうち実に百人もの方が文部科学省の依頼で県教委が動員した教育関係者であったことを始め、しばしばたくさんの動員がなされたことが明らかになっております。さらに、静岡県で行われたタウンミーティングでは、ハイヤーをわざわざ東京から呼ぶなど無駄遣いも甚だしい、そういった事実が次から次へと明らかになっております。  また、国会の会期切れ直前にようやく調査結果を発表するというやり方そのものがこそくであり、その調査内容も、また、給与を返上して済ましますという責任の取り方も、決して国民の納得できるものではありません。法案を出し直すというのが正しい責任の取り方であると考えます。  次に、高校の必修科目の履修漏れ問題も教育上の大きな問題を投げ掛けました。文部科学省のまとめでは、何と全国の六百六十三校で世界史を始め必修科目の履修漏れが見付かり、新たに補習が必要な三年生は十万四千二百二名にも上りました。  政府は、未履修が七十時間以内であれば五十時間、七十時間を超えていても七十時間の履修で済ませることができるよう救済策を実行に移していますが、これは安易なびほう策にすぎません。  というのも、これまで学校の指導に従って学習してきたにもかかわらず、受験を控えて忙しいこの時期に新たに補習を受けざるを得なくなった受験生はもちろんですが、正直に指導要領に沿った授業を受けてきた受験生たちも不公平感を抱かざるを得ない状況になっているからでございます。結果的にすべての受験生に迷惑を掛けた形に終わっているわけです。しかも、今の二年生以下に対しては今後どのように改善していくのか、文部科学省からは何一つ方針は示されてはおりません。  そもそも文部科学省は、各地の教育委員会に出向などの形で常に人事交流をしており、こうした未履修の問題を知っていながら黙認してきた可能性が非常に高いと思われます。それでありながら、単に指導に従えという文部科学省の態度は到底理解できるものではありません。  もう一つ深刻な教育問題は、いじめとそれに基づく自殺の問題です。非常に悲しいことですが、今年後半、いじめが原因と見られる子供の自殺が少なくとも五件相次いでおります。  もちろん、どうすればいじめをなくすことができるかということは非常に難しい問題であり、私たちも簡単に有効な対策を打つことができるとは思ってはいません。しかし、明らかなことは、現在、そこまで子供たちが追い込まれているということであり、いやしくも教育に携わる人たちは全力でそれに立ち向かっていかなければなりません。しかし、その場合の指針を示すべき政府の教育基本法の改正案の一体どこに、どのように、こうした問題への対処が書かれているんでしょうか。基本法にはそのような細かいところまで書く必要がないとでも言うんでしょうか。  いじめ自殺問題で明らかになったのは、それに真摯に立ち向かおうとしない教育委員会の無責任ぶりでした。この教育委員会の無責任ぶりは教科の未履修問題でも明らかになりましたが、現在の教育制度を考えるならば、実は無理からぬ事情もあります。現在の教育制度は、教育委員会と自治体、それに国の関係があいまいで、どこが責任を取るか分からないような制度になっているからです。これは現在の教育基本法の欠陥ですが、実は政府の改正案でもあいまいなままとなっているんです。これでどうやっていじめによる自殺の問題に対処していこうというんでしょうか。  これに対して、私たち民主党は、いじめによる自殺の連鎖を予期していたわけではありませんが、現在の教育委員会制度の問題点を早くから理解し、今回の民主党の日本国教育基本法案及びそれを具体化する二つの法律によって、教育委員会制度を廃止するとともに、国と地方の新しい役割分担をきちんと書き込んでいるんです。  しかし、政府は、これを一顧だにせず、現場の教育関係者からの声にもあえて耳をふさぎ、欠陥法案としての政府の改正案の成立に邁進してきたわけでございます。  以上の理由によって、伊吹文科大臣の責任は重大であると考え、ただいま議題となっている伊吹大臣の問責決議案に賛成することを強く表明し、私の討論を終わります。(拍手)

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  足立信也君外九十名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十票     白色票           九十八票     青色票          百三十二票    よって、本決議案は否決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 日程第一 北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。沖縄及び北方問題に関する特別委員長黒岩宇洋君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔黒岩宇洋君登壇、拍手〕

黒岩宇洋民主党・新緑風会

○黒岩宇洋君 ただいま議題となりました北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員長の提出に係るものでありまして、北方地域旧漁業権者等の範囲を拡大し、これらの者の営む漁業その他の事業又はその生活に必要な資金を貸し付けることができることとするものであります。  委員会におきましては、提出者から趣旨説明を聴取した後、改正案提出の経緯とその改正目的、第三十一吉進丸の銃撃・拿捕事件に関する我が国の対応等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成           二百二十九     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 日程第二 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(第百六十四回国会内閣提出、第百六十五回国会衆議院送付)  日程第三 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長柏村武昭君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔柏村武昭君登壇、拍手〕

柏村武昭自由民主党

○柏村武昭君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つという任務の重要性にかんがみ、防衛庁を防衛省とするため所要の規定を整備するほか、国際平和協力業務、周辺事態における後方地域支援等を自衛隊の本来任務として位置付けるとともに、安全保障会議の諮問事項を追加することを内容とするものであります。  委員会におきましては、防衛庁の省移行の必要性とその意義、省移行後におけるシビリアンコントロールの徹底、省移行に対する近隣諸国の反応、国際平和協力活動等の本来任務化に伴う自衛隊の役割の変化、本来任務化に伴う予算、組織、装備等への影響、自衛隊の活動に係る地理的範囲、安全保障会議の諮問事項を追加する理由等について質疑を行うとともに、参考人より意見聴取を行いましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の緒方委員、社会民主党・護憲連合の大田委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し八項目から成る附帯決議を行いました。  次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員の例に準じて、防衛庁職員の俸給の特別調整額の上限を改めるとともに、広域異動手当を新設すること等を内容とするものであります。  委員会におきましては、俸給の特別調整額の定額化及び広域異動手当の新設による予算上の効果、自衛官の給与水準と手当の在り方等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  まず、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十五     賛成             二百十     反対              十五    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十九     賛成           二百二十九     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 日程第四 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長大江康弘君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔大江康弘君登壇、拍手〕

大江康弘民主党・新緑風会

○大江康弘君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本承認案件は、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定により閣議決定された「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶の入港禁止措置に関する閣議決定の変更について」に基づく入港禁止の実施につき、同法第五条第一項の規定に基づいて国会の承認を求めようとするものであります。  委員会におきましては、我が国の対北朝鮮制裁措置と国連安保理決議の関係、臨検、船舶検査と国際法上の原則、六者会合再開に臨む我が国の方針等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百三十     賛成            二百三十     反対               〇    よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 日程第五 独立行政法人平和祈念事業特別基金等に関する法律の廃止等に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山内俊夫君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔山内俊夫君登壇、拍手〕

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、第百六十三回国会に衆議院に提出され継続審査となっておりましたが、今国会に入り、施行期日を一部修正議決し、本院に提出されたものであり、その内容は、行政の効率的実施の観点から独立行政法人平和祈念事業特別基金等に関する法律を廃止するとともに、関係者に対し慰藉の念を示す事業に必要な費用に充てるため独立行政法人平和祈念事業特別基金の資本金の一部を取り崩すことができるようにするものであります。  委員会におきましては、いずれも谷博之君外十一名発議の戦後強制抑留者に対する特別給付金の支給に関する法律案及び独立行政法人平和祈念事業特別基金等に関する法律を廃止する法律案の両案と一括して議題とし、参考人から意見を聴取するとともに、本法律案提出に至るまでの経緯、関係者に対する新たな慰藉事業の具体的内容、戦後強制抑留者に対する特別給付金支給法案の趣旨、高齢者に支給する慰労品への配慮の必要性、基金運営の非効率性と改善に向けた努力、戦後処理問題における国の責任の在り方等について質疑が行われました。  本法律案について質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して那谷屋正義理事より反対、自由民主党及び公明党を代表して二之湯智理事より賛成、日本共産党を代表して吉川春子委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百三十     賛成            百三十二     反対             九十八    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 日程第六 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長荒井正吾君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔荒井正吾君登壇、拍手〕

荒井正吾自由民主党

○荒井正吾君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、IPマルチキャスト放送による放送の同時再送信について、著作権法上、有線放送と同様の取扱いとすること、視覚障害者に対する録音図書のインターネット送信等をより円滑に行えるようにするための措置を講ずること、著作権等を侵害して作成された物の輸出行為を著作権等の侵害行為とみなすことなどを内容とするものであります。  委員会におきましては、通信・放送技術の進歩及び通信と放送の融合に合わせた著作権法の在り方、著作権保護の実効性の確保策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して井上委員より反対の意見が述べられ、続いて採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百二十八     賛成            二百十二     反対              十六    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 日程第七 教育基本法案(第百六十四回国会内閣提出、第百六十五回国会衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。教育基本法に関する特別委員長中曽根弘文君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔中曽根弘文君登壇、拍手〕

中曽根弘文自由民主党

○中曽根弘文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、教育基本法に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、時代の要請にこたえる我が国の教育の基本を確立するため、教育基本法の全部を改正し、教育の目的及び理念並びに教育の実施に関する基本的な事項と教育振興基本計画の策定等について定めるものであります。  本法律案は、衆議院において前国会より継続審査されており、去る十一月十六日に本院に送付され、翌十七日の本会議において趣旨説明の聴取が行われました。  委員会におきましては、本法律案と輿石東君外六名の発議による日本国教育基本法案等三法律案を一括して議題とし、安倍内閣総理大臣、伊吹文部科学大臣ほか関係大臣、三法律案の発議者等に対して質疑を行うとともに、三度にわたる参考人からの意見聴取、新潟県、長野県、兵庫県、徳島県、山梨県及び静岡県の各県に委員を派遣しての地方公聴会、さらに中央公聴会を開会し、慎重に審査を重ねました。  委員会における主な質疑の内容は、現行教育基本法に対する評価、個人と公の関係の在り方と公共の精神を前文に定めた理由、家庭教育の振興策、学問の自由の重要性と本法律案における位置付け、国を愛する心と態度の関係と学校で評価することの問題点、生涯学習の理念と方向性、宗教的情操を涵養する教育の在り方、幼児教育及び高等教育の無償化に対する認識、本法律案における不当な支配の主体と内容、教育委員会の現状と首長が教育行政を行うことの是非、教育行政における国と地方の役割分担の在り方、教育振興基本計画と財政措置の関係、学校でのいじめ及び必修科目の未履修問題における教育行政の責任、政府主催のタウンミーティングの問題点等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。  昨日、質疑を終局し、討論を省略して、直ちに採決に入ることの動議が提出され、本動議は多数をもって可決されました。  続いて、本法律案を採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。林久美子君。    〔林久美子君登壇、拍手〕

林久美子民主党・新緑風会

○林久美子君 民主党の林久美子でございます。  民主党・新緑風会を代表いたしまして、政府提出の教育基本法の改正案につきまして、反対の立場から討論を行います。  まず冒頭、昨日の与党による強行採決に怒りを込めて抗議をいたします。  国の根幹の在り方を定める非常に重要な教育基本法案について、議論する際には十分な審議が必要であり、結論を得る際にも少しでも多くの国民の皆さんに理解が得られるよう、最大限の努力を惜しむべきではありません。議論そのものを拒否する与党の姿勢は、政府案を丸のみし、立法府に身を置く自らの責任を放棄したと言わざるを得ず、言論の府の存在意義をないがしろにしたものであることにほかなりません。  さらに、私たち民主党の提出した日本国教育基本法案などについて採決すらせず、一方的に審議を打ち切ったことは、余りにも不誠実で、許されざる行為であることをここに強くお訴えを申し上げます。  そもそも、今回の教育基本法改正の必要性について、安倍総理は、改正は国民の声だと繰り返してこられました。その根拠として挙げてこられたタウンミーティングがやらせであった以上、改正は国民の声だ、ではなくて、改正は政府の声だ、にほかなりません。前提はもろくも崩れ去りました。さらに、政府のタウンミーティング調査委員会が最終報告書を公表したのは会期末直前の今月十三日で、十分な精査はなされておらず、その質疑すら十分に行われてはおりません。前提そのものが失われた以上、教育基本法の改正に根拠はありません。この状況においての拙速な採決には断固反対を申し上げます。  以下、反対の理由を申し上げます。  まず第一に、教育の憲法である教育基本法が変わることによって子供たちを取り巻く環境がどのように変わるのかが何ら示されていないということです。いじめ自殺、未履修問題、児童虐待など、子供たちを取り巻く環境が悪化している現状の中で、この法律が成立したとしても、すぐに現場の課題が解決されるわけではないということを伊吹文部科学大臣も御答弁をされております。今第一に行うべきことは、教育基本法の改正ではなくて、これらの現場の問題を解決することではないでしょうか。  私たち民主党は、こうした現場の課題に正面から向き合い、解決していく決意でございます。そのため、日本国教育基本法案を提出するに当たり、制定後の我が国の教育の姿を国民の皆さんにお示しすべく、教育財政と教育行政の改革の具体策を法律案として提出をいたしました。減少を続ける教育予算をしっかりと確保するための学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案を提出したほか、文部科学省と都道府県、市町村に決定権が分散されている責任の所在を明らかにし、できるだけ運営の主体を現場に持っていくことなどを盛り込んだ地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案を、それぞれ参議院に提出いたしました。  一方、政府はこうした具体的な提案を何ら示さず、教育基本法を改正することによって教育財政は確保されるのか、教育行政は変わるのか、全く明らかにされておりません。法律の改正によって何が変わるのかを明らかにすることなく、成立だけを目指すというのであれば、一体だれのための改正なのでしょうか。政府の独り善がりの思いだけで改正されるのであれば、子供たちのため、国民のためであるとは到底言うことができません。  反対の理由の第二として、冒頭で申し上げましたが、政府が教育基本法の改正について国民の皆さんとともに議論を重ねてきたとする大前提が崩れたことです。  政府が改正について国民の皆さんから理解を得ているとする根拠の一つとしてタウンミーティングがございます。しかし、政府のタウンミーティング調査委員会の最終報告書によりますと、タウンミーティングにおいて、十五回のやらせ質問や、国家的詐欺行為と言っても過言ではない不正経理が次々と明らかになりました。  特に、政府案によって子供たちに公共の精神や自主自律の精神を求めておきながら、教育行政をつかさどる文部科学省によってこうした不正が行われていたということは完全なる規範意識の欠如であり、教育基本法の改正案を提出する権利などないと言わざるを得ません。  政府提出の教育基本法の改正案を理解する民意が作為的につくられたものであり、まやかしのものであるということが明らかになった以上、もう一度国民の皆さんの生の声に丁寧に耳を傾けるべきではないでしょうか。しっかりとした土台なくして、教育の未来を高く積み重ねていくことはできません。  そして第三に、教育の目標が政府案の第二条に掲げられているということです。  委員会の審議などにおいて、政府は教育基本法は理念法であると繰り返してこられました。その理念法の中になぜ目標を掲げるのか、理解することができません。目標を掲げれば、国民がそれを達成しなくてはならないという義務が生じてまいります。しかし、学校において、家庭において、その目標を達成することのできなかった子供や保護者や教師は一体どうなるのでしょうか。理念法に目標を掲げることに違和感を禁じ得ません。  さらに、第四に、学習権の保障が法律に明記されていないということです。私たち民主党の日本国教育基本法案第二条には、学ぶ権利の保障として学習権をうたっております。学ぶ主体は国民一人一人であり、日本に暮らすすべての人々が充実した人生を全うするための学びを保障すべきであるという考え方に立っています。しかしながら、政府案では、教育は与えるものであるという書きぶりがなされており、主体である国民に権利としての学習権が与えられているとは思えません。教育は一人一人にしっかりと保障されるべきものであり、学習権の保障を法律に明記すべきであると考えますが、この点においても、政府案は不十分であると言わざるを得ません。  このほかにも、不当な支配や宗教教育の在り方など、数多くの問題点がございますが、こうした状況の中で、なぜ採決を急ぐのでしょうか。各種の世論調査でも明らかであるように、国民の多くは、この国会での拙速な教育基本法の改正を求めてはおりません。国民の皆さんの声に対する極めて不誠実な態度を早急に悔い改めるべきでございます。  日本の未来を担っていく子供、未来に向かって真っすぐに伸びていく子供たちを支えていく国の大方針を議論する際には、真摯で丁寧な、そして十分な審議を積み重ねていくべきではないでしょうか。政治は、未来の子供たちに対して責任を果たすべきです。このような形で国家百年の計についての議論を打ち切るようでは、私たちの子供や孫、そしてそれ以降も続いていく未来の子供たちからのそしりを免れることはできません。母親の一人として、そして、この国会で教育基本法について審議した議員の一人として、ざんきに堪えぬ思いであります。  拙速さの中で審議された、やらせと不正と思い込みの上に立った政府の教育基本法の改正案では、子供たちを取り巻く環境を改善することはできない、未来ある子供たちへの責任を果たすことはできないんだということを強くお訴えを申し上げまして、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 中島啓雄君。    〔中島啓雄君登壇、拍手〕

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 私は、ただいま議題となりました教育基本法案につきまして、自由民主党を代表して、賛成の立場から討論を行うものであります。  まず、教育基本法に関する特別委員会における教育基本法案の審議時間は八十六時間に達し、与野党とも十分納得する質と量の議論ができたことを申し述べておきます。  さて、現在の教育基本法が制定されたのが昭和二十二年、戦後間もなくのことであり、それから六十年が経過し、世の中は大きく変化を遂げてきました。ITを始めとする科学技術の進歩には著しいものがあり、経済活動や文化の国際化が進展、また少子高齢化が特に近年急速に進んできました。  今回、時代の変化に即して、人格の完成、個人の尊厳、個人の価値の尊重に加えて、公共の精神の尊重、豊かな情操と道徳心、伝統と文化の尊重、我が国と郷土を愛するといった理念が定められましたことは、誠に時宜を得た措置であると考えます。  法案に賛成する最大の理由は、安倍内閣の大きな方針である「美しい国、日本」の創造に教育基本法の改正が大きく貢献することになるからであります。  近年、教育現場においては、児童生徒の基礎学力や体力が低下し、しっかり指導できる教員が減少し、同時に、家庭や地域社会においてのしつけや教育力が低下してきていると言われております。このように、環境の問題と子供の規範意識や学習意欲が減退する悪循環が生じています。いじめや自殺が頻繁に発生しているのも今日の教育の抱える深刻な問題です。教育の根本に立ち入った改革が何より望まれるところであります。  これに対して、今回の教育基本法案の目標の中に、知徳体の健全な育成とともに、能力を伸ばし、創造性を培う、生命を尊ぶことなどが規定されたのは、こうした今日の深刻な問題の解決にこたえようとするものであります。  また、今回の法改正では、老若男女、だれもがどこででも学習に参加し、生涯を通じて自己研さんができる社会の実現に向けての規定が整備されていることも高く評価したいと思います。  日本は人材立国でありましたし、これからも世界に冠たる人材立国であらねばなりません。国際社会において自分なりの考え方を述べ、我が国に関する理解を促進することができなくてはなりません。そのためにも、若いときだけでなく、自分の時間と意欲に応じて学習できる生涯学習の理念が盛り込まれたことは、極めて意義深いものと考えます。  また、今回新たに幼児教育、家庭教育、そして大学教育が規定されたことは、幅広い教育の場を提供するとともに、専門的な学問の追求を確保することにつながるでしょう。家庭教育に関しては、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」と明記されたことにより、しっかりした家庭教育につながり、幼い時期からの人格の形成に貢献するものと期待されます。  学校における宗教教育の在り方は重要であります。一般的に言って、身近な人間が生まれ、生き、死んでいく局面を体験することが人間の存在や生き方を深く洞察する機会となり、宗教的な情操が養われます。今回の新たな規定では、宗教に関する一般的な教養は教育上尊重されなければならないとされましたが、これにより、学校現場において宗教の大切さがしっかりと教えられ、情操豊かな人格の形成が促進されると期待されます。  教育は、不当な支配に服することなく、法律の定めにより行われるべきものとされておりますが、議院内閣制の下における法治国家として当然のことであり、行政が教育を不当に支配するおそれといった批判は当たらないものと承知しております。  最後になりましたが、二十一世紀は、我々の価値観の中で、物質的な豊かさ以上に精神的な豊かさが重きを持ってくるものと思います。新たな教育基本法は、日本の文化、伝統をしっかりと身に付け、教養と品格を備えた日本人をはぐくむことになるでしょう。こうして、国民のだれもがこれまで以上に豊かな精神生活を享受できることを祈念して、私の賛成討論といたします。(拍手)

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 風間昶君。    〔風間昶君登壇、拍手〕

風間昶公明党

○風間昶君 私は、公明党を代表して、教育基本法案につきまして賛成の立場から討論をいたします。  戦後、我が国の学校教育は、日本国憲法、教育基本法の下、戦前の国家主義、中央集権の教育行政を否定する形で出発しました。国民に新しい民主国家、平和国家を形成するという希望と責任を与えるという高い理念を掲げるものであり、それが現在の学校教育の振興や経済発展の基礎となってまいりました。しかし、六十年を経た今日、子供をはぐくむ家庭や地域社会そのものの変化が原因となって深刻ないじめや校内暴力、子供の規範意識や学ぶ意欲の低下などの課題が生じております。  こうしたことから、特定政党の憲法草案にのっとったものでなく、日本国憲法の精神にのっとった現行法の理念を大切にしながら、社会の変化に対応するという観点から、足らざる部分を補うという考え方に立った改正が重要と確信しております。  以下、賛成の理由を具体的に申し述べます。  まず第一は、生涯学習の理念を明示したことであります。現行法は、どちらかというと学校教育にウエートを置いた規定になっておりますが、教える側よりも学ぶ側を重視した学習の理念とともに、激しく変化する社会において、あらゆる機会にあらゆる場所で学習できる社会の実現を明示した意義は大きいと言わなければなりません。  第二は、現行法制定後の動きである世界人権宣言、国際人権規約、児童の権利条約などを踏まえた改正案になっていることであります。  一つ目に、国際社会、国際平和に更に貢献できる人間の育成、あるいは多文化共生の社会を目指しているということであります。伝統と文化を尊重するという姿勢も、我が国のみならず、他国の伝統と文化も同様に尊重しなければならないという意味を内包しております。第二条「教育の目標」に「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」としているのもそうした考え方に立つものであります。戦前のようなへんぱな愛国心は、むしろ否定する考え方に立っていることをあえて指摘したいと思います。  二つ目に、家庭教育の条文に、児童の権利条約に明記されている父母及び保護者の第一義的責任を明示し、家庭教育本来の自主性の担保についても明らかにされているところであり、行政が家庭教育の内容にまで介入するのではないかという懸念は杞憂にすぎないと言わざるを得ないのであります。  第三は、第二条の教育の目標達成の大前提として学問の自由の尊重を掲げたことです。個別の教育目標において、教育の自主性を前提とした学問の自由が学校教育を始めあらゆる教育活動において尊重すべき基本理念であることを明らかにしたことであります。  第四は、教育の目標の中に男女平等を明記したことであります。男女共学につきましては、その普及状況からして削除いたしましたが、より基本となる男女平等を教育の目的及び理念の章に記述して、真の男女平等社会の実現を目指しているということであります。  第五は、教育行政についてであります。改正案では、教育は、不当な支配に服することなく、法律の定めるところにより行われるべきものであると明記し、教育行政機関が法令ではなく法律に従って公正かつ適正に行うとの責務を明確化したことであります。本規定により、政省令や告示を作成する行政機関が不当な支配の主体になり得ることを明らかにしたものであり、不当な支配の主体の範囲を狭くすることに意図があるわけではないことは答弁からも明らかであります。  さらに、教育振興基本計画の規定を設け、教育の振興に関する施策について総合的、計画的な推進を図ることとされており、これにより、教育内容への公権力の介入を必要最小限に抑制しつつ、国、地方を通じた教育条件の着実な整備が図られたことが期待できます。  本委員会においては、連日の政府質疑に加え、三度にわたる参考人質疑、六都市における地方公聴会、そして中央公聴会と、国民の皆様の多様な意見を聞きながら丁寧で濃密な審議が行われました。  新しい教育基本法の下、学校教育法や地教行法の抜本的見直しを始め、子供の幸福のためにという根本原則に立って必要な諸条件を構築することが私たち大人の役割であることを申し添えまして、賛成の討論といたします。(拍手)

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数          二百三十     賛成            百三十一     反対             九十九    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 厚生労働委員長外三委員長から報告書が提出されました日程第八ないし第二〇の請願を一括して議題といたします。     ─────────────     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) これより採決をいたします。  まず、日程第一九 原子力発電等に関する請願は、委員長の報告を省略して、委員会決定のとおり採択することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 過半数と認めます。  よって、本請願は委員会決定のとおり採択することに決しました。  次に、その他の請願は、委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

扇千景各派に属しない議員議長

○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。  よって、これらの請願は各委員会決定のとおり採択することに決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十三分散会

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