文教科学委員会 第4号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/11/09
会議録
○委員長(荒井正吾君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官荒木二郎君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒井正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(荒井正吾君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。 去る七日に行いましたいじめ問題及び高等学校の履修科目不足に関する実情調査のための視察につきまして、視察委員の報告を聴取いたします。佐藤泰介君。
○佐藤泰介君 委員長に指名をいただきましたので、視察の報告をさせていただきます。 去る七日、いじめ問題及び高等学校の履修科目不足に関する実情調査のため、北海道滝川市に視察を行いましたので、その概要について御報告いたします。 視察委員は、荒井委員長、北岡理事、大仁田理事、蓮舫理事、中川委員、水岡委員、鰐淵委員、井上委員と私、佐藤でございます。 今回の視察では、まず、自殺した女子児童宅に弔問にお伺いした後、近隣の公共施設において、御遺族から、女児が自殺に至ったいじめの実態や、当時の教員・学校側、教育委員会側の対応について説明を伺った後、意見交換を行いました。女児がいじめに苦しんでいるときの教員・学校側の対応、自殺後の原因究明や遺書の扱いなどについて、遺族御自身で努力された聞き取り調査などを踏まえて、隠ぺいの動きなど学校や教育委員会に対する強い不信感が訴えられました。 その後、滝川市教育委員会に移動し、当該小学校PTA及び校長等、市教育委員会、北海道教育委員会関係者からの説明聴取及び意見交換を順次行いました。 当該小学校のPTAからは、当初からいじめの認識は持っていたが、犯人捜しよりも、まずは、子どもの心のケアを優先し、二次的な被害が起こらないようにすることを学校側に要請してきたとのことでした。 続いて、当該小学校の校長、教頭、生徒指導部長、既に他校に異動している当時の担任教師と意見交換を行いました。この中で、今般の事件において、当初、学校・教員側の動揺や子どもの心のケアを優先していたことから、いじめによるものと認識できなかったこと、一か月以上たって、改めて遺書の内容を見てからいじめがあったことを意識して調査を行ったこと、いじめによる自殺を隠す意図はなかったこと、当該児童が自殺に至るほど深く悩んでいたことに教員、学校が気付くことができなかったこと等について説明がありましたが、校内の指導体制、児童に対するセーフティーネット、教師の子どもに対する観察力・指導力など、いずれもが欠如していると痛感いたしました。 次に、滝川市教育委員会からは、女児の自殺がいじめによるものとの可能性を念頭に調査を行ったものの、因果関係の確認に重きを置き過ぎ、結果としていじめによる自殺であるとの認定が遅くなったこと、また、事件後の教育委員会における協議の内容や具体的な対応については、月一回の定例会議で報告を受けていたものの、いじめによる自殺と認定するまでの間、対応が受け身になってしまったこと等の説明がありました。なお、現在停職中の前教育部長からは、提示された遺書について、「それは文書だ。見たくない。」といった報道につき、「文書であるとは言っていない。遺族の気持ちが高ぶっているときなので、また見せてもらいたい。」という趣旨であったとの釈明がありました。 続いて、北海道教育委員会からは、当初より原因にいじめがあることを視野に入れて調査するよう市教委を指導してきたこと、事実解明につき市教委から事実確認ができていないとの報告を受けていたが、道教委としては、より強い督促をするなどもう少し早く対応すべきであったこと、現在、最終報告書作成のため、市教委に人員を派遣し、協力しながら作業に当たっていること等の説明がありました。なお、担任教師の他校への異動時期が通常より早い理由については、後日、報告したいとのことでした。 最後に、当該小学校の校長等、滝川市教育委員会、北海道教育委員会の三者を交えて意見交換を行いました。今後の対応について、これまで、報告・連絡・相談など情報を共有する努力が不足していたこと、学校全体で取り組むべき課題を担任に任せ過ぎていた実態、子ども・保護者等への教育相談体制の不備などがあったため、現在、それら体制の改善に取り組んでいる旨の説明がなされました。 また、高等学校の必修科目未履修については、滝川市立の高等学校においては生じていないこと、未履修のあった北海道の公立、私立学校については、文部科学省の通知に基づき、各学校に対応方指導をしていること、今後は指導主事が各学校を回る際に、その実施内容について直接聞き取り調査をするなどして対応する旨の説明がありました。 以上で報告を終わりますが、今回の調査に当たり、関係の皆様方から御協力いただきましたことを、この場をおかりして厚く御礼申し上げ、視察報告とさせていただきます。
○委員長(荒井正吾君) 以上をもちまして視察委員の報告は終了いたしました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中川義雄君 自由民主党の中川でありますが、今日はまた午後園遊会がありますので、委員長始め大臣、その他多くの方々が招待されていると思いますので、限られた時間の中で簡潔にやりたいと思いますので、よろしく御協力いただきたいと思います。 まず最初に、私は今日、いじめ問題と高等学校における必修科目の未履修問題、この二点に絞って簡潔に聞きたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、今報告にありましたが、滝川市に行ってまいりました。痛ましい事件でありましたが、委員の皆さん方が熱心によく見て議論して、大変効果があったと思って帰ってきましたが、しかし、私もまだまだ納得できないことが数多くありますので、この問題はこの委員会としてもしばらく重大な関心を持っていかなければならない問題の一つだと、こう思っております。 そこで、この痛ましい事件は昨年の九月九日に発生しました。それからもう一年とちょっとたっておりますが、最近はこのいじめの問題が常に社会をにぎわわせておりますが、文部科学当局は、あの事件以来一年間強、どのような事件があったのか、その点についてここで報告していただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 滝川市の事件は昨年の九月に子供が自殺を図った事件でございますが、以後もいじめを理由とするいろいろな事件が起きているということを私ども承知をいたしております。最近でも、愛媛県の今治、あるいは福岡県の筑前町、あるいは岐阜県等でいじめが原因ではないかと思われる自殺の事件が発生をいたしております。 ただ、文部科学省の統計的な調査は年に一度実施をしておりますので、その件数等についてはこの一年間のものはまだ把握をいたしておりませんが、その調査自体についても、私ども、今までいろいろ御指摘もいただいている課題があると思っておりますので、その調査票の見直しを含めて、今後、統計的な意味での実態の把握にも取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○中川義雄君 先日の滝川市における調査におきましても、この種の調査というのは非常に微妙なものだなと、そんな雰囲気が伝わってまいりました。そして、そのとき感じたのは、家庭にも学校にも、また地域社会にも大きな責任がある、そんな感じがしたわけです。 我々がその際、PTAの代表と話し合いました。率直な話合いをしたかったんですが、このいじめ問題が発生したとき、この自殺問題が発生したとき、PTAの代表は、最初から最後まで主張したのは、犯人捜しはやめていただきたいという話に終始していたわけであります。何か調査すると犯人捜しだと、だから口を止めようというような雰囲気がこの社会全体にありまして、これがまた今回の、一年間もこの事実が隠されたという大きな体質になったのではなかろうか、そんな気がしてなりません。 そしてまた、一方ではいじめが不登校の原因になっているんではないかという意見もよく聞かされるわけでありますが、その点について文部科学省当局の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 小中学生、そして高校生で不登校になっている子供の数は多いわけでございます。私どももその児童生徒の不登校の原因について調査をしているわけでございますけれども、いじめが原因の不登校があると考えております。 文部省の調査では、不登校となった直接のきっかけということで調査をしているわけでございますけれども、この直接のきっかけとして友人関係をめぐる問題というものが不登校の原因ではないかというふうにされているものが約二割ございます。この友人関係をめぐる問題の中にはいじめを含むということにしているわけでございますので、やはりいじめが原因の不登校というものは私ども少なからずあると思っております。 また、不登校がその後も継続しているという理由の中に、学校生活上の影響というものの割合も七%ほどございます。つまり、学校にまた行きますといじめられるおそれがあるといったようなことがその中に入っているわけでございますので、いじめと不登校というのは非常に関連があると受け止めております。 ただ、私どもの調査、先ほども申し上げましたけれども、いろいろ見直し、考え直さなければいけない点ありますので、この点もっと明らかになるように更に工夫をしていきたいと思っております。
○中川義雄君 時間がありませんので、なるべく簡潔にお答えいただきたいと思います。 十一月七日に我々、現地に調査に入ったんですが、そのとき驚くニュースが二本入ってまいりました。一本目は、十一月六日に、伊吹大臣あてに予告文書といいますか、そういう便りが届いたという話であります。その内容等も聞かされてびっくりしましたが、我々が調査している最中にあの竜巻が北海道で起きたという大きな事件がありまして、竜巻とは直接関係ありませんが、何か不吉な感じをしたというのは否めない事実であります。 そこで、大臣あてのこの自殺予告、これはショッキングなニュースでありましたが、このことについて当局の、これまでどんなような対応をしたのか、事実だけ簡単にお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今週の月曜日、六日でございますが、いじめが原因で自殺する旨の手紙が同封されました文部科学大臣あての郵便が文部省に届きました。 その内容を見ますと、八日水曜日までにいじめを受けている状況が変わらなければ、十一日土曜日に学校で自殺をするという内容でございました。いじめが原因で自殺をする、生きていくのがつらい、教育委員会や学校、先生は何もしてくれなかったという趣旨のものでございました。 私ども、この手紙を受けまして、大臣の強い御指示ございまして、内容についてこれを公表して、本当に心当たりの学校、教育委員会でこの問題について対応していただきたいということで、深夜にわたりましたけれども会見をし、また火曜日には大臣の方から、命を大切にしてほしいと、みんなでこの問題に対応するからということを会見でお話をしていただいたところでございます。 なお、現在までのところ、各該当する「豊」という字のある郵便局関係の市町村等で学校まできちんと下ろしまして調査をいたしておりますけれども、手紙の内容に該当するような事案についてはまだ見付かっていないという状況でございます。
○中川義雄君 この手紙のといいますか、この文書の内容を私も手に入れることができましたが、これを見てびっくりしたのは、あの滝川市で起きた際のあの女の子のあの遺書に文章の似ていることにびっくりしたんです、きもい、私がそんなに汚いんですかとか、チクりというようなことをも。ですから、こういう話というのは非常に遠いところまで飛ぶんだな、あっという間に、それに影響を受けてこんなことになったのかどうかは知りませんが、子供の心というのはどっかで大きなつながりみたいのがあるのかなと、こう感じておるわけであります。 私は、伊吹大臣がこの問題や未履修問題について的確、本当に敏速に対応していただいていることを尊敬しているわけでありますが、まずこの問題、この手紙の問題に大臣はどう取り組むつもりなのか、十一日もうすぐ、明日、あさってでありますから、こんなことでまた命が失われないように祈るだけでございますが、大臣の気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 私のこの遺書を受け、遺書といいますか、この自殺予告の文書を受け取ったときの気持ちを率直に申し上げますと、先生が今いみじくもおっしゃいましたように、北海道の事案の言葉を大変使っておりますね。それから同時に、なぜ自分の、パンツと書いてあったですか、ズボンと書いてあって、を下げるんですかと、これも福岡の事案と非常によく似たことが書いてあります。で、教育委員会、校長、学校という言葉も使っておって、かなり教育行政の流れを知っているという印象を受けましたので、率直にいって、いろんな可能性があるんじゃないかということは私自身分かった上で、しかし万一このことが子供の悲痛な叫びであれば、これはもう命を最優先しなければならないということで先ほど参考人が申し上げたような措置をとらせました。 そして、水曜日までに何事も起こらねば、今日、今委員が御指摘になりましたように、明日、十一日にと、こう書いてございます。 テレビ、新聞報道等マスコミも私の気持ちを酌んでくれて、すぐに対応して報道してくれました。そして、東京都の教育長も呼び掛けを、昨日ですか、おとといですか、してくれましたので、水曜日までに何事もなければというその言葉に対して、移っていく現実の推移をこの書いた人が眺めてくれていれば、何事もないわけではなかったわけでございますので、そしてその後、各「豊」という字の付く教育委員会、特に「豊」の後がどうも専門家の鑑定では「島」じゃないかというのが多うございましたので、集配局で「島」の付くところは豊島区だけでしたから、ここは重点的に都教委と区教委にお願いをして、今に、だから、校長先生に話したのに、教育委員会に話したのに、担任の先生に話したのにと書いてありますのでね、教育委員会にそういう事実があったのか、校長先生にそういう事実があったのか、担任の教師には、校長からそういうことを相談を受けた教師がいたのかと、これを一つ一つ当たってもらったんですが、今のところそういう事例があったという報告には接しておりません。 今はこれだけのことをテレビ、新聞等も協力してくれてやりましたので、祈るような気持ちでおりますが、今までのところ該当するような事案は見付かっていないというのが正直なところでございます。
○中川義雄君 文書の数まで七通ということですから、全くそっくりだなというような気がしてなりませんが、ですから、これが単なる嫌がらせみたいな話、また文部行政に対する一つの批判みたいな話で終わってくれれば大臣も前向きな行動が取れると思いまして、十一日が無事終わっていただきたいと、私も祈るような気持ちであります。 ここで、高等学校の必修科目の未履修問題について質問させていただきます。 この問題、随分長い間こういうことが行われていたように聞いておりますが、これが今日まで明らかにならなかったその理由としては、ちょっとしたら高等学校や、特に都道府県、また都道府県当局、私学は都道府県当局が担当していますから、そういったところがこれを隠していたという隠ぺい体質にあったのではなかろうかと。 そしてまた、昨日、昨夕テレビを見ていましたら、センター試験の結果で文部当局もこの実態を知っていたんではなかろうかというようなニュースといいますか、話を聞きまして、じゃ文部当局もこれを隠ぺいしていたのかということも、私は地方の教育行政にタッチしている人たちの責任が重いなと思っていたんですけれども、これを知っていて文部当局も隠していたとしたら、これも大きな問題だと思いますので、その点について明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 高等学校の必修科目の未履修の問題に対して、本日の報道等によりまして、文部科学省もその研究者グループの報告を知っていたのではないかという報道がございました。 この報告書は、大学生の学習意欲についての調査研究の報告書のようでございますけれども、学部の選択基準とか専門分野への適応度とか職業観など多岐にわたった調査のようでございまして、その中で高校での履修に関しての質問も入っていたということのようでございます。 担当部局におきまして、これは高等教育局になりますけれども、当時の事情を確認をしたところ、報告書に必修科目の未履修に関するデータが含まれていることに問題意識が至らず、これを見逃して高等学校の担当でございます私どもの初等中等教育局への連絡が行われていなかったということが判明をいたしておりまして、省内できちんと連絡体制が取れていなかったということについて私ども反省をしているところでございます。ただ、私どもとしてはそのことは承知をしていなかったということでございます。 それからもう一つ、高等学校の未履修問題につきましては、過去に四県で未履修の事実が明らかになってございます。熊本県、長崎県、広島県、兵庫県でございました、平成十一年から十三年にかけてのことでございましたけれども。これにつきましては、それぞれの県におきまして、県の教育委員会として対応して問題を是正をしているということでございます。 文部科学省に報告ございましたので、私どもとしては、それぞれの県の問題、その県特有の問題だという認識ではあったわけでございますけれども、全国の指導主事が集まる会議におきまして、その県でこういう事例があったということを紹介をして各県に注意を促し、指導してきたという経緯がございます。それは何回かその全国の指導主事会では実施をいたしております。 ただ、そのときに実態調査の全国的なものを私ども掛けなかったというのも、これも事実でございまして、その意味で私ども感度が少し、余り良くなかったということも事実でございますし、それから、今回全国の実態調査をしましたところ、やはり学習指導要領に定められました必履修科目を履修をしていないという実態がこのように明らかになったわけでございますので、私どももその結果については責任を感じているところでございます。 ただ、これは今後更に調査分析をしていかなければなりませんけれども、高等学校から例えば教育委員会等に教育課程の届出があるわけでございますけれども、そこはほとんどの場合が必履修科目を履修しているというような届出になっているということもだんだん分かってまいりました。 ですから、その都道府県の中におきまして、そういう教育委員会、あるいは私学の場合は知事部局になりますけれども、そこと高等学校の間のコミュニケーションといいましょうか、そこがどうであったかということを更に私ども分析をしていかなきゃいけないと、こう思っているところでございます。
○中川義雄君 昨日、総理の諮問機関であります教育再生会議におきまして、この二つの事件を中心にしまして、教育の再生にどうすべきかという中で、特に教育委員会の在り方について多くの議論がなされたという報道に接しておりますが、私は、教育委員会にも大きな問題がありますが、教育行政全般についても、特に現行の教育基本法における第十条の教育行政の中身を見たら、こんなことが起きるのかなと、こう思ったりしているわけです。 そこで、今ちょうど教育基本法の大議論が衆議院でなされると、近くは我が院にも、本院にも来ると思いますので、教育基本法の中身の十条について少しここで大臣と議論さしていただきたいと思います。 実は今日の報道でも、山谷補佐官が九州の現地に視察に行った際、福岡県筑前町に入った際、教育委員会や学校関係者から話は聞いたが、現場の中学校で直接調査することはできなかったと、そして帰ってきたと、こういう話なんです。 で、ここは非常に大きな問題でありまして、北海道でもいろんな教育問題がありまして、道教委の指導主事辺りが学校へ訪問して学校の実態を調査しようとするときに、ほとんどどこの学校でも入校を拒否されております。 入校を拒否されている最大の理由というのは、教育基本法十条の教育行政の項でありまして、その前項では、教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接に責任を負って行われるべきものであるという非常に抽象的な書き方でありまして、だれがどのような不当なあれを掛けるのか、その辺が明らかにされておりません。しかし、第二項を読むと何か明らかになってくるんです。第二項では、教育行政は、前項の、この自覚の下に、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければなりませんと、こういうわけです。 ですから、よく北海道で聞かされたのは、学校で子供たちに、幼い子供たちに先生が、教育は不当な支配を受けてはいけないんだと。教育は皆さんと教育者なる私のこの高い次元での教育が一番大事で、だれからの支配も受けたら駄目だ、教育委員会というのは、あそこに窓ガラスが割れている、あれを入れるのが教育委員会の役割で、そういう話をされている先生が多かった。 ですから、おまえは不当な支配をするために学校へ入るんだろうから入校を拒否、したら駄目だと。その流れをくんで、山谷補佐官、御承知のように我々の仲間の国会議員であります、国会議員ですから、当然国政調査権に基づいていろんなことをできる立場にありますし、何といったって総理の特別補佐官でもありますから、教育の現場へ行って実態を調べたいと言ったけど拒否されたということは私は重大なことだと思うんです。この教育基本法がこうある限り、あの山谷先生でさえ入校できなくて済んできた。ですから、この問題は教育基本法までさかのぼっていろいろ考えなければならない問題だと、こう思っております。 そしてまた、教育委員会というのは非常に民主的な行政委員会と、こう称されていますが、これは全く中途半端な組織ではなかろうかと。教育の現場の学校に対しては条件整備だと、だから学校を建てたり、汚れたり破損した場合は教育委員会がやるべきだと、教育の中身は、我々先生と子供たちで共同で教育の中身はやっていきたいと。そしてまた、その教育委員会はまた独立の行政委員会といっても財政に対する権限は全然ない。予算は首長が、首長の権限に基づいて議会が決定するという形を取っておりますから、予算をつくる権限もなく、教育の中身についてしっかり精査して、指導主事などという制度があってもそれが機能できないというのであれば、私は教育委員会というのは本当に中途半端な存在であると。 ですから、教育委員会、この教育基本法の見直しと同時にこの条項もしっかり見直さなければならないと思っていますが、と同時に、教育行政の在り方についても我々しっかり議論しなければ、こういう不幸な事件が次から次に出ると。そして、大臣も、重ねて言いますが、国の責任というのも隔靴掻痒、なかなかこういう法体系の下では大変困難な問題もあると。私もそのとおりだと思いますんで、再度大臣の、この点について、教育行政の在り方がこれでいいのか、そして、都道府県、また市町村の教育委員会がこのままでいいのかということも含めて、再生会議でも議論されているようですから、大臣の見解をお伺いして私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 大変広範なお尋ねがありましたが、今回の未履修の問題あるいはいじめの問題等で現れてきた大きな視点は二つあると思いますが、一つは、例えば高等学校の本来の教育の目的と大学入試の関係、つまりこれは指導要領その他のことになると思います。ここは一つ大きな問題でございますが、同時に、文部科学省で基本的な方針をお示しした場合に、それを県の、道の教育委員会あるいは市町村の教育委員会、そして学校というこの一連の流れの中でどのように伝えていって、そして一番大切なことはお互いの権限の問題ではなくて預かっている子供を立派に教育するということなんですから、そこの流れがうまくできているのかというのが先生の御指摘だと思います。 現行の教育基本法の不当な支配に服することなくということは、これは当時の田中耕太郎先生などの解説文を読んでみますと、特定の政治勢力の介入その他を排除するということをどうも念頭に置いてこれをお作りになっていたようでございます。ですから、少なくとも国会は国権の最高機関でございますので、ここで議決をされた法律に基づいた政令、告示によって県の、道の教育委員会が市町村の教育委員会に指導、指示をする、あるいは市町村の教育委員会が当該学校にいろいろな指導、指示をするということは、やはり私は不当な支配には入らないだろうと。国会で決めた流れの中でやっていただけないんならば、国権の最高機関としての国会のかなえの軽重が問われる、あるいは我が国の民主主義の仕組み、システムそのものを否定することになります。 このことについては、司法の場で幾つかの事案について争われていることは先生御承知のとおりで、北海道の旭川の事案については御承知のような判決が出ていると。今回の教育基本法の改正法案では、その点だけはやはり国会の権威のために、我が国の民主主義のために法治国家としての原則だけを書いたと、政府案はですね、という構成になっております。 そして、それを実際動かしていく行政は、やはりこれは予算権と人事権と、それから指示命令権と、この三つが組み合わされて実は政策というものは担保されていくわけです。ということからしますと、まず国との関係でいいますと、特に平成十一年の地方分権法、一括法で、教育長の指示権を国から取りましたね。それと同時に、国がこうと法律で決めていることがない、やってもらえなかった場合の改善措置命令権を教育委員会の法律から外して一般の地方自治法の中へ移してしまった、一般法の中へ移してしまったという二つのことがありますので、国は現在のところは指導をし、そして助言をしという権限。あえて指示権があるとすれば、都道府県教育委員会が市町村教育委員会に指導する、あるいは助言する内容について指示することができるということが書いてあります。今度は、それを受けた都道府県の教育委員会は、これは市町村予算の編成権はありません。しかし、市町村の教諭の人事権は持っておるという形になっております。 実際、それじゃ下りていった、例えば旭川なら旭川の市の教育委員会はどういう権限を持っているかというと、自分たちの小さな範囲の予算編成権、しかしそれも道と国からの、例えば国でいえば、義務教育国庫負担金の三分の一をお渡しするというものの中での予算編成権しか持っておりませんし、人事権はございません。 そういう状況でやっておるわけでございますので、いろいろな方法の、方向の改革案があると思います。民主党さんは民主党さんのお考えでひとつ改革案を出しておられますし、政治的中立等を考えると、それはどうも政府案としては余り賛成できないという形の我々の改革案を基本法の中に書いておりますし、この辺りは教育基本法の議論と併せて、最終的にはこの教育委員会にかかわる法律を国会で御審議をいただく場合に是非重点的に考えていただきたい分野だと思いますし。 先生がもう一つ御指摘になっているような私学については、これはもう全く都道府県知事に任されているわけですが、都道府県知事の中で指導主事を置いて今回のカリキュラム編成まできちっと見ている県が一体幾つあるだろうかと。私学助成のお金のことばかりでどうもやっておるような気も私いたしますから、これはもう与野党を含めて、子供のためにやっぱり少し真剣にこの教育の行政の流れは考えて私はいただきたいと思っております。
○中川義雄君 終わりましたが、全くそのとおりでございまして、特に都道府県が私学助成にやっていること、私も長年道議会議員として北海道の実態を見させていただきましたが、子供たちの中身の話は全然、ただ、どれだけの助成金をもらうかもらわないかだけの話合いだけでほとんど議論されている。教育という立場からほとんど行われていないというのが実態でありまして、これも我々この議会で真剣に議論をしなければならないと思いながら、筆頭理事の指令で四十分そこそこで終われという話なものですから、終わらせていただきます。
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。 私は、現地視察に行ったそこで感じた思い等を含めて、大臣にいじめに関して集中的に御質問をさせていただきたいと考えております。 先ほど中川委員も御質問されましたが、改めて大臣にお伺いをしたいのは、大臣あてに届いた手紙、いじめを苦にしている、自殺を十一日に行う、八日までに変わらなければ。現段階でこの差出人に該当する、どこまで進んでいるのか教えていただけますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 事実関係でございますので、私の方から御説明をさせていただきます。 名前に「豊」という文字のある集配郵便局がある三十九の市区町村の教育委員会とその市区町村内の公立の小中高等学校において、手紙に書いてあるような内容について親から校長先生や教育委員会に相談があったかどうかということを全部調べていただきましたが、該当するような事例はまだ把握をしていないというのが現在の状況でございます。 それと、それ以外の全国の市区町村教委や公立の小中高等学校においてもまだ報告を、集計していないのがごく一部ございますけれども、そういうところにもやっぱりこの手紙にあるような教育委員会や学校へこのいじめのことで相談しているような事例があるかということを、これも併せて調査をいたしておりますけれども、現時点では同様の相談事例は把握していないという報告を受けているところでございます。
○蓮舫君 福岡や北海道や岐阜でのいじめ自殺を見ますと、教育委員会行政、教育行政が機能していなくて、文科省はそうした事実を実は把握できていなかったということもございますので、今大変御尽力を注いで実態を把握しようとされているんでしょうけれども、果たしてどこまで心の救いに行き当たるのかなという思いも正直あるところなんですが、大臣、こうして大臣に直接手紙を届ける事態になるということは、これは学校、市区町村の教育委員会、都道府県の教育委員会ではもう救ってもらえないから大臣に直接届けるしかなかったんだという子供の声だとお考えですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど中川委員が、私が一番最初に考えたことを鋭く御指摘になったのは、北海道の事案、福岡の事案がみんなこの手紙の中に入っているんです。そして、教育行政についてかなり流れを知っておられますし、漢字だとか何かは非常に難しい漢字も使っておられます。いろいろな可能性があると先生ももう当然それはお気付きの上で御質問になっていると思いますが、しかし子供の悲痛な声であるとするならば、これはまあ北海道や福岡や岐阜の例を見ても、いろいろな場面の方々にお願いをしたんだけれどもどうもなかなか対応がうまくいかない、これはもう先生が今おっしゃったとおりだと思います。 ですから、私が実は最高責任者ということになると、最高責任者はそれなりの、先ほど申し上げた予算権、人事権、命令権がなければ最高責任者としての役割を果たせないんですが、まあ学習指導要領その他を所管している大臣としては、私に手紙を出すより仕方がないだろうと、先生がおっしゃったように、いろいろなところへ連絡をしたけれども、という気持ちで出してきたと、私はそういうふうに受け止めたわけです。だからあれだけのことを、実はマスコミの方も今回は本当によく協力してくれたと思いますが、行ったということです。
○蓮舫君 大臣に手紙を出すしかないだろうという率直な思いなんですが、それでしか今子供の心のサインを救えないという教育行政はやっぱり変えなければいけないという部分は同じ思いだと思います。 ちょっと別の視点でお伺いをしたいんですが、連鎖するように起きた一連のこのいじめ自殺なんですけれども、子供たちにどのように映っているのか考えるんですね。命は大切だからいじめはやめようとすべての子供に思っていただきたいし、すべての御家庭で命は大事なんだという家庭教育が行われていてほしいと思うんですが、一方で、今回の一連のいじめ自殺報道で子供たちがもしかしたら思ってしまったのかもしれないのは、学校も教育委員会もいじめ自殺があっても責任を取らないんだ、大人は責任を取らないでもいいんだ、もっと言えばいじめてた生徒にはおとがめがないんだと。もし子供がこういうふうに思ってしまった場合、もちろん実際に事件があった学校ではその事件について衝撃を受けた子供たち、あるいはいじめてたと自覚してなかった子供たちには精神的ケア、配慮も大切なんですが、そう思えない子供たちがいた場合に、いじめられている子に対応策が取られないんだと、あきらめ感みたいなものがもしかしたら今回の手紙に伝わってきたのかなと私は感じるときがあるんですが、大臣、それはいかがにお思いでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) いじめは別に学校に限ったことではございません。政界の中にもありますし、テレビ局の中にもございます。しかし、子供はやはり精神的、肉体的に発達途上にありますので、これは特にやっぱり慎重に対応しなければならない。 そして、ただ、衆議院で昨日同じような集中審議があって、大臣はいじめをしたことがありますか、いじめられたことはありますかと聞かれまして、どうも、意地悪をしたりけんかをしたり、意地悪をされたようなことは多々あったんだけど、後で考えてみると、あれがいじめだったのかなということもあるんですね。 ですから、これは当事者同士で、いじめているか、いじめられているかというのは極めて主観的な部分がありますから、多くの学校では実はそのことを、いじめ、いじめじゃなくて、意地悪をしちゃいけないよとか、けんかをしちゃいけないよとか、駄目だよとかいって立派に指導している先生もたくさんいると思うんです。いるからそれが表に出てこない。しかし、表に出てくるケースがやっぱり多くなってきているということなんですね。先生だけじゃなくて、御家庭でも、含めてですね。 ですから、この問題は、温かい温かい心を持ちながら、やっぱり行政を預かっている者としては、情緒に流されずに対応していくということが私は必要な分野だと思っております。
○蓮舫君 政界にいじめがあるかどうか私まだ分からないんですけれども、大臣の時代あるいは私の時代、ちょっと差があると思うんですけれども、の子供時代と今の子供たちのいじめというのは明らかに違うと思うんですね。例えば、交換日記がある日を境に急にこれは言葉の暴力で埋め尽くされることになるとか、あるいは携帯メール、今まで仲良かった友達でも、朝起きたらいきなり三十通、四十通のメールが来て、臭いとかきもいとかうざいとか、こういう直接的な会話じゃないいじめが電子的に行われるんだとか。だから、決して昔はこうじゃなかったという理論は私は通用しなくて、今の時代に合った対応策を、是非指導力を持って対応を取っていただきたいと思うんですが。 いじめられた子の対応といじめてしまった子の対応というのも、これ分けて考えるべきなんですが、いじめてしまった子にも私は二種類あると思います。前回の質問のときにも伺いましたが、意識しないで、あるいはここで自分も加担しないと自分がいじめられるから、悪いと思いながらいじめていた子もいるし、そうじゃなくて、そういう子がいるとは思いませんけれども、でも意図的にいじめている子がいた場合、これはいじめの意識の違いがあるんですね。 でも、文科省さんでは、いじめる子への指導としては、出席停止等の措置も含め、毅然とした指導が必要であると。だけど、質が違うと思うんですよ。そんなつもりじゃなかったと思って結果的にいじめていたことを自覚した子供には精神的ケアだと思います。そうじゃなくて、率先して主導して、意図していじめていた子がもしいるんだったら、その子には毅然とした対応だと思うんですね。 一連のこのいじめ自殺に関しても、この毅然とした対応を取った学校はどこもないんですが、これが結果として、ほかの学校でいじめられている子供にとって、ああ、どこも救ってもらえないんだという思いにつながってはいけないんだと思うんですが、このいじめてしまった子への対応策、毅然とした対応だけではなくて、今の時代に合った、個々の児童に合った細やかな対応を取るべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) おっしゃるとおりでしょうね。 しかし、いじめというのは誠に多種多様であって、先生がおっしゃったように大きく時代が変わってきております。私の時代は、やはり家庭というものがもう少し存在していたというか、御両親のうち奥さんがうちにいる時代でしたから、母親がね。そして、であるからこそ地域社会も井戸端会議という形で成立をしておりましたから、割に子供の予兆が見付けやすかったです。今それがほとんど学校の先生に押し付けられているわけですから、これは学校の先生のお立場も、やはり一方的に非難するんじゃなくて、こういう時代の変化ということを前提に考えてあげなければいけませんね。 それから、携帯のことをおっしゃいましたが、これは随分変わりました。しかし、先ほど申し上げたように、社会全体の中にいじめというのはあるんで、小学校や中学校や高等学校に特有なものじゃないんですよ、これは。だから、今これが小学校、中学校、高等学校へ出てきているこの問題というのは、やはり端的に言ってしまえば豊穣の中の精神の貧困みたいな社会現象の表れの一部なんですね。ですから、きめ細かくやらなければならないことはおっしゃるとおりです。 しかし、であるからこそ、きめ細かなことを一つ一つ書いたら書けないし、こんなに書いたって多分書き切れませんよ。そこはやっぱり学校で、今それを学校の先生に一方的に押し付けてというんじゃ気の毒だということを私申しましたが、学校の教師のやっぱり指導力、子供を見抜く力、そして同時に、何もいじめた子だけをというんじゃなくて、いじめられた子にも学校を替わる、いじめられた方も学校を替わって環境が変わったから立ち直ったという子供もたくさんいるんですよ。それも可能であるという指導をしているわけです。
○蓮舫君 学校を替わる自由な選択が示されているのは大都市なんですね。やはり地方においては、過疎化して子供も減ってますから学校の数も減っていて、しかも小学校から中学校、ほとんど持ち上がりで、保護者の関係も友人関係も変わらない。一学年に一クラスで、友達関係も変わらない。本当にがんじがらめにそこの環境に残るしかない子供たちの救済策としては、それは有効ではないと思うんです。 文科省はよくスクールカウンセラーを導入していると言いますが、スクールカウンセラーといっても、今、中学校には七割の比率で派遣されているんですが、小学校では七・九%の割合で圧倒的に少ないんですね。しかも、一人のスクールカウンセラーの掛け持ちが約一・八校、相当な負担があるんですよ。じゃ、これが有効にいじめという子供の心のサインを発見する、機能しているのかというと、いじめの発見のきっかけでスクールカウンセラーによるものは、小学校で十六件、〇・三%、中学校で一・三%、導入しても効果が上がっていない。 先ほど大臣おっしゃったように、学校がもう今いろんな家庭の代わり、あるいは地域が教えてくれたものの代わりを負わなければいけない御負担というのは分かるんですが、ならば今ある既存のシステム、新たに導入しようとしている制度をもっと拡充して多くの人が、学校の教師以外の専門性を持った人がきっちりと子供のサインに気付くんだという、それは予算措置をしていただきたいし、御提案をいただきたい。 例えば児童相談所という、これは厚生労働省のマターですが、子供の心の専門家がいる施設、組織がある。でも、これ指針を見ると、児童相談所運営指針を見ると、子供の問題行動、非行、あるいは親御さんの育児への不安への問題は対応するけれども、いじめへの対応というのは言葉になっていなくて、その他なんですね。だから、ここにやっぱりいじめというのをきっちり書き込んで、厚労省さんと連携をして、予算措置もきっちりして、今あるものを生かしつつ導入しようとしたものをもっと充足していく、是非それはお願いをしたいと思います。 いかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、スクールカウンセラーについてお話がございました。 現在、小学校については、お話しのように七・九%の学校への派遣ということでございますんで、この小学校へのスクールカウンセラーの派遣の充実ということは、私ども課題だと思っております。それから、スクールカウンセラーがいじめを発見する率が非常に少ないということも、これも私どもの調査でそういうふうになっているわけでございます。 今のスクールカウンセラーは、もちろんいじめの発見ということもございますけれども、どちらかというと、学校の先生とか保護者の方からいじめがあったとか、あるいは子供自身からの訴えの相談にあずかるということでございますので、私ども、今スクールカウンセラーは一校の毎週の勤務時間がやはりまだ短いんでございますんで、これを、できるだけその勤務時間を延ばしていきたいということで対応していきたいと思っております。 それから、児童相談所を始めいろいろな教育相談、あるいは子供の悩み相談の機関がありますので、そことの連携を図っていくということは、もう先生御指摘のとおりでございまして、そのための関係機関間の連携協力ということには心掛けてまいりたいと思っております。
○蓮舫君 是非、大臣のこれは強い指導力をお願いをいたします。 〔委員長退席、理事佐藤泰介君着席〕 多くの人が子供を見守る、多くの人が子供のサインに気付く、そういう環境を整えていただきたいんですが、ただ、今の教育行政の問題でいうと、かかわっている方たち、大人の感度といいますか、子供のサインをきっちり見付けるんだという意識が極めて私は欠けているような実感を視察を行って感じているんですね。 例えば、筑前町、福岡です。いじめを苦に子供が自殺をした。で、学校に御遺族が子供の遺品を取りに行った。そのときに子供の机の引き出しを開けるとき、自分の息子の机に花が飾ってなかったと。確かに法律では書いてないと思います、事故、事件で亡くなったお子様の机に花を飾らなきゃいけないなんて。これは情なんですよ。学校の人たちのこの子供への御供養とか、友達へ命を失ったその尊さとか、お花一本でそれを教えるんだというものがある。でも、これを行っていない。町の教育委員会、学校に確認をすると、いや、飾りました、亡くなってから三日後です。三日後というのは土曜日です。学校休んでいます。一体何のための花なのかと。私はここに情というものが非常に薄いと思った。 あるいは、岐阜、瑞浪市。この市の教育長は亡くなった女の子の部屋から見付かった遺書をメモと言いました。何でメモなんですか、遺書じゃないですか、そう伺うと、遺書と書いてないからメモと言ったまでですと。これも意識なんです。女の子が残したものです。それをそういう言い方をされる。 あるいは、北海道滝川市。七通もの遺書を残して学校の教室で亡くなった女の子。市の教育長、遺書ではなく文書だと言われたと。これは教育長は、当時は御遺族が興奮されていたので御勘違いだという釈明をしておりますけれども、遺族がそう受け止めてしまう心の痛み、重みというのを余りにもおもんぱかっていない。 私は、この一連の今話したことを含めて、教育行政関係者の方たちは、いかに自分たちの責任ではなくて亡くなった子供に非があるんだと、だから、そういう自分たちの責任を認めるような単語や言葉遣いをしないんだというような姿勢が現れていると思ってなりません。いかがでしょうか、大臣。大臣、大臣です。事務的なことじゃないんです。大臣。
○理事(佐藤泰介君) まだ指名していませんが。 じゃ、政府委員銭谷局長、そして大臣と。
○政府参考人(銭谷眞美君) 私の方から、まず今先生がお話しのございました事実関係について確認をさせていただきたいと思います。 筑前町の事件では、先生お話しのように、生徒の死亡の三日後に遺族が学校に来られた際に教室の机に花が飾られていなかったという事実がございました。 それから、瑞浪市の事案についても、そういった教育長の対応ということが、発言があったということでございます。 滝川市の事件につきましては、校長が事件当日に学校あての遺書の内容を十分把握できなかったというのも事実でございます。 やはりこういうことを聞きますと、関係者が責任感を持って事に当たるということの必要性を感ずるわけでございます。 なお、文部科学省といたしましては、いじめというのはどこの学校でも起こり得るんだと、ですから、件数はもちろん、起きないのがいいわけでありますけれども、起きたからその教育委員会がいけないんだとか、学校が悪いんだとかじゃなくて、そういういじめというものをきちんと早期に発見をして、そしてそのことに迅速に、隠し立てすることなく対応していくということこそが大事だということは、先般の緊急課長会議でも申し上げましたように、私どもの基本的な考え方として教育委員会、学校にお伝えをしているところでございます。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生がおっしゃったお言葉をそのとおりかりれば、感性がなかったといえばそのとおりだと私は思いますね。 しかし、再三申し上げているように、いじめというのは非常に多様な問題であるし、できるだけ隠し立てをせずに、この問題が、こういう問題が起こらないようにやっていくためには隠さないということが一番なんですよ。だから、何度も申し上げているように、温かい温かい言葉を、温かい温かい言葉を持ちながら、情緒的にならずに、感情的にならずに対応をしないと、一方的にだれかを非難し、つるし上げるようなことをしますと、また隠されちゃ、こちら、子供が一番困るわけですから。 先生と同じ気持ちを私は持っておりますが、私の立場でそれを余り口に出したら、やはり教育行政に携わっている人間は萎縮するんじゃないかという自制も持って私は対処しているつもりです。
○蓮舫君 温かい言葉がなかったから北海道で、岐阜で、福岡でいじめ自殺があるんですよ、大臣。 岐阜の事件では、市の教育長にお話を聞くと、いじめと自殺の関係を早期に把握できなかったのは何ですかと伺うと、みんなが日ごろからこの子の学校生活をする上で頑張り屋だと知っていた、バスケ部でも一流を目指してきたが、運動神経の関係で、そこで一流になれないからと言われたと。つまり、この子は勉強ができる、学校としては問題がない、この子は、自殺した原因は自分の運動神経にあったと、だからこれはいじめが自殺の原因ではなかったんだと、こう言われたんですよ。救済サインを最初に気付くべき学校が先入観があった、言ってはいけないことです。 あるいは、福岡県筑前町。男の子の残した遺書、いじめられてもう生きていけない。でも、亡くなられてから一か月たった今でも、学校も教育行政関係者も、いじめは数回あったという事実を把握しただけです。いじめが自殺の原因だと、まだ調査している。御遺族の気持ちをどうやって酌むのか、再発予防をどうやってするのか。 大臣、私、これは事件が起こる前に温かい言葉を持つべき感度が余りにも薄いし、事件を未然に防ぐんだという意識が、先ほど局長が言いました、いじめはどの学校でも起こり得る。だけど、どの学校でも起こり得るけど、起こらないように隠ぺいしよう隠ぺいしよう、問題があったときには学校の責任じゃないように何とか原因を探し出そう、そういう姿勢にしか見えないんです。 大臣は、私が言うと教育関係者が萎縮をするといけないからと。萎縮をさせないような言葉は何かお持ちでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) いろいろな場面で私は私なりに先生の今おっしゃっているのと同じことをお伝えいたしております。同じことをお伝えするにも、言葉の強さ弱さ、感情を出すか抑制して話すかによって受け止める人はみんな違ってくると思います。
○蓮舫君 福岡の筑前町の事件では、これ文科省でも把握をされておられますけれども、亡くなった男の子の元担任、問題の言動があったと。文科省にお伺いしますが、どんな問題言動があったと把握されていますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 筑前町の事件にかかわる元担任の言動についてでございますけれども、その亡くなられた生徒にかかわることとして私ども把握しておりますのは、当該生徒が友達の落とした消しゴムを拾った際に、おまえは偽善者にもなれない偽善者だと言ったということがありました。それから、当該生徒の保護者から相談のあった家庭での行動を学級の複数の生徒の前で話をしたということがありました。それから、一年から二年生の担任となる教員への事務引継のときに当該生徒のことを、この子はうそをつく子だと伝えたということがあったと承知をいたしております。
○蓮舫君 相当な問題だと思うんですよ。報道では、もうこの先生がいじめを誘発したんだ、こんな報道がされている。 福岡県の教育委員長に聞きました。県費職員です。任命権者です。事件の実態解明を率先して行わなければいけない立場の方です。この担任、生徒がいじめを誘発したのか、きっかけになったのか、元々あったいじめを助長したのか、まだ分かりませんと言われた。じゃ、この元担任に聞き取り調査を行ったんですかと伺ったら、行っていません、入院中ですからと。ならば、医師の立会いの下でも、事態の重大さ深刻さをかんがみて聞き取り調査を行うべきではないかと私どもの提案に対して県の教育長が言ったのは、私もそう思いますです。人ごとですよ。だれが行うんですか、県の教育長ですよ。私もそう思います。じゃ、いつ行うんですか、いや、早いうちに。まだ行われていません。 この姿勢一つ取っても、余りにも消極的で、大臣の言っている言葉が現場に届いていない。迅速に分析、いじめを未然に防ぐ、何があったときにはほかの児童生徒の精神的ケアをする、大臣が言っている言葉は、私どもと全く同じ思いです。でもそれが現場に届いていない、事件が発生した現場で。 筑前町の先生の件もそうなんですけれども、私ども北海道に取材、視察させていただいたときの、この小学生の女の子、六年生ですよ、十三歳。この子が一年前に亡くなった。そのときの担任の先生にお話を伺うことができました。驚愕しました。 一クラス、一学年に一クラスしかなくて、三十数人しかいなくて、目が行き届くだろう。しかも、修学旅行で最後までこの子はチームに入れなくて、女子チームから外されて男子チームに入らざるを得なかった。通常の感度を持っていたら女子と何か問題があったのかな。でもこの先生がおっしゃったのは、部屋割りでもめたのは事実、でも男子生徒が女子生徒を誘ったというので大きな問題ではなかったと受け止めた、修学旅行も迫っていたので早く部屋割りを決めなきゃいけないと焦っていた、結果として指導力不足を感じると言われたんですよ。問題が終わったから学年にも学校にも報告をしなかった。 いじめのサインを明らかに見逃している。これはどうしてですか。文科省の指導力不足なんでしょうか、それとも現場の感度の悪さなんでしょうか、ちょっと教えていただけますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 滝川市の件につきましては、今先生お話しのように、亡くなられた子供をめぐってはいろいろな事案があったということが報告をされております。私ども、やはりこれは、例えば修学旅行の部屋割りの際に、その女子児童だけがどの部屋に入るかなかなか決まらず、三回の話合いの末ようやく決まったとか、お昼のグループ行動も男子のグループと一緒になってしまったとか、こういったようなことは分かっていたわけでありますから、これはやはり教員として感度が、感性が十分だったかと言われると、私はやっぱりおかしいと思います。 〔理事佐藤泰介君退席、理事北岡秀二君着席〕 特に、この間、私どもの池坊副大臣も滝川市の現地調査に行ったんですけれども、そのとき聞いた話として、修学旅行の宿泊先で、夜、その子が一人で、これは担任じゃないんですけれども、別の教員の部屋に来て、窓の外の星を見せてくれと言ったと。こういうのを聞くと、本当にかわいそうだという気がいたします。
○蓮舫君 感度が悪いで事件が起きてはいけないと思うんですね。 大臣にお伺いします。 極めて迅速な御対応、御指示を出されていて、福岡で事件が起きたときに小渕優子政務官を派遣をされて、そして学校と町の教育委員会と御遺族に議事録を取られている。この議事録は大臣にとってどういうものなんでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 今の議事録とおっしゃったのはどういう性格のものか分かりませんが、私は、小渕政務官が帰ってまいりまして、小渕政務官からの出張報告、彼女の筆になった出張報告を拝見しております。
○蓮舫君 それを現場では議事録と呼んでいたそうなんですが、御遺族から聞いてびっくりしたんですよ。学校が、小渕政務官から聞き取り調査を行っているときに、町の教育委員会の方が御遺族に対して、文部科学省の指示で御遺族の議事録、聞き取り調査は取らないでいいと言われたと、御了解いただけますかと。御遺族、当然御了解しませんよ。大臣に報告を伝えたい、自分たちの思いを聞いていただきたいわけですから。 文部科学省の方が小渕政務官に同行されていますから確認を取ったと。町の教育委員会からこう言われました、文科省はそんな指示出したんですか。文科省の方は驚きます。そんな指示出すわけないじゃないですか、出していないと言った。後に私、電話で確認しました、町の教育委員会に。文科省も御遺族もこう言っている。そうしたら、町の教育委員会何と言ったか。私たちそんなこと言っていません。 大臣ね、隠してはいけないんだ、再三言っている大臣の言葉がどうして浸透しないのか、どうして違う形で現れるのか。このこと御存じだったかどうか分かりませんけれども、この一件、どう思われますか。
○国務大臣(伊吹文明君) この一件というのは、具体的にどういうことでしょうか。
○蓮舫君 文科省の指示でと町の教育委員会が言われた。でも文科省は言っていない。遺族も確認している、言っていない。議事録、まあ聞き取り調査、大臣への御報告の記録を残してくださいという件です。
○国務大臣(伊吹文明君) そして、先ほど文部科学省で付いている人間もそういうことは言っていないと先生おっしゃいましたね。文部科学省の付いていっている人間もメモを取っちゃいけないなどということを文部科学省は教育委員会に言っていないという趣旨のことをおっしゃいましたね。
○蓮舫君 はい。
○国務大臣(伊吹文明君) それにもかかわらず、教育委員会はそういうことを保護者に言ったと。そして、後で先生がお電話を掛けられたら、そんなことは言っていないと。 そんなことというのはどういうことですか。
○蓮舫君 文科省の指示があって、聞き取り調査の記録を残さないようにということです。
○国務大臣(伊吹文明君) つまり、小渕さんが行ったときにこの保護者に言ったことと、先生が確認されたときと、全く違うことを教育委員会が言ったということですね。それは誠にけしからぬことなんじゃないですか。 それで、先ほど福岡の教育長にお会いになったとおっしゃいましたね。そのときに、人事権もある人ですよとおっしゃいましたね。そのとおりなんですよ。だから、なぜ私たちの思いだとか、先生と同じように共有している思いが末端の教育委員会に届かないのか。 先ほど中川委員のおっしゃったことに私がお答えしたように、行政を効率的に末端まで浸透させてやっていくためには予算権と人事権と法律に基づいた指示命令権がなければできないということなんですよ。ですから、その中でいろいろこの基本的な基準だとか何かをお伝えして、協力、まあ調査をしたり、要請をしたり、指導しているわけだけれども、それに従わない、今先生が正に御指摘になったような全く困った教員がいるならば、その教員はやはり人事権を持っている人がきちっと評定をして、更迭してもらわなければならないと。 ところが、人事権を持っている、町の教育委員会はありませんけれども、人事権を持っている人が今度は先生に申し上げた言葉が、誠に我々の理解に沿わないということですね。 だから、知事にそういう権限をすべてゆだねたらよくいくのか、国がその権限を持っていたらよくいくのか。私は、お隣にいらっしゃる西岡大先輩が自民党におられたときに、義務教育の教員は国家公務員であるのがふさわしいということをおっしゃったことを覚えていますよ。そういうことからすると、これはやはり特に私学においては、先ほど御指摘があったように、学校教育法の枠の中にいるんだけれども、今言った権限は全くありませんよ。 だから、そのことも含めて、お互いに、中川先生の御質問のときに、民主党も含めて国民のために考えなくちゃいけないことだと、是非みんなで考えていきたいと申し上げたのはそういう意味です。
○蓮舫君 私が御指摘させていただいたことに対して、大臣も全くそのとおりだと思うと。そのこと自体が私はやっぱり教育行政、大臣がそれを言われるというのは、教育行政の限界というのを、やはり改めて改革しなければいけない。それはまた別の場所で御審議をさせていただきますが。 最後に、大臣、一つだけ、これは御相談とお願いをさせていただきたいんですが、福岡も北海道も相当なメディアの取材が過熱しています。元々私はメディアにいた立場だから分かるんですけれども、ちょっと逸脱し過ぎている。名簿を売ってくれ、子供にメモを渡してそのメモを読み上げてくれ、あるいは子供の自宅に押し掛けていって、あたかもその子供がいじめた子であるとお母さんに子供の前で言うとか、あってはならないことが本当に起きている。福岡筑前町の三輪中では授業中にパニック障害を起こして、メディアの取材が怖くて、保健室が一杯だそうですよ。これはやっぱりどうしてもこうなってしまうんですね。 なぜこうなるかというと、いろんな、メディアの報道の自由はあるんですが、一つ大きな原因というのは、教育行政側からの積極的な情報公開がなされてないんです。例えば、福岡県の教育委員会は今まで一回も会見していません。これ、岐阜でも定期的な会見は行っていない。北海道では、もう事件から一年二か月たっていますけど、市の教育委員会の会見はわずか五回です。五回のうちの二回というのは、二日後おきに、いじめがなかったとする報告の後、二日後に、いや、いじめはやっぱり自殺の原因だとする会見ですから、実質的な報告は三回なんですよ、一年二か月で。 これだけ情報発信が少ないと、メディアはどこにマイクを向けるか。子供です。保護者です。地域の人です。それが逆にどういう状態を引き起こすかというと、疑心暗鬼なんですよ。自分たちの子供を守りたい、報道から守りたい。何でこんな状態になったのか。だれが原因なのか。犯人捜しじゃないですけれども、この事件を起こした子が悪いんじゃないか。あってはならない悪循環になっているんです。 〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕 これは報道の自由に対して大臣が何かできることではないと思いますが、子供をメディアからも守りつつ健全な教育をお伝えするために、やっぱり積極的な情報公開は是非呼び掛けていただきたい。いかがでしょう。
○国務大臣(伊吹文明君) 蓮舫先生のおられたテレビ局と蓮舫先生が持っておられた番組は極めて自制心を持って今回の問題にも対応しておられると信じたいと存じますが、これはいろいろ難しい問題がありますね。あちらを立てればこちらで批判を受け、こちらを守ろうとするとまた批判を、別の面で批判を受けるということがありますから、文部科学省としては、少なくとも今回の自殺予告その他についても、あるいは未履修の問題についても、従来の大臣とは違う大臣が来て困ったと役人は思っているかも分かりませんが、私は先生のおっしゃっているような形で処理をさせているつもりです。 ただ、教育委員会についてどうするかということについては、先ほど来私が申し上げていたことで、その私の気持ちは御判断いただきたいと思います。
○蓮舫君 中川委員からも先ほどの質問で、この問題は関心を持って今後もいきたいと言っていました。私も大臣も同じ思いだと思います。やはり、常に関心を持って、何が悪いのか、どうやったら予防できるのか、再発を防止できるのか、そう考えると今日の三時間だけの集中審議って余りにも短いんですね。 これは委員長に御要請を申し上げますが、再度続けて審議を行わせていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(荒井正吾君) 後刻理事会に諮って協議したいと思います。
○蓮舫君 ありがとうございました。 終わります。
○水岡俊一君 民主党の水岡俊一でございます。 大臣のお隣の県、兵庫県選出の者でございますので、ひとつよろしくお願いを申し上げます。 先ほどから各委員からいろんな御指摘がありました。視察の報告あるいは大臣の御発言の中にも、教員の子供に対する観察力や指導力が乏しくなっているのではないか、こういう指摘がございます。 私、実は教員をしておりました。中学校の教員でありましたが、かつて子供たちと接した中で本当につらい思い出がたくさんございます。あるとき、いじめあるいは家庭の問題がたくさんありまして、一人の女の子が不登校になりました。そして、その不登校の子供といろいろと格闘をしたんでありますが、残念なことにその子供は転校をしてしまいました。転校という形でその何らかの解決を図ろうとしたその子供を私は救えなかった。 そういう意味で、私も含めて教員に、子供に対する観察力あるいは指導力あるいは包容力、そういったものが乏しくなっているんではないかという指摘もございます。昨今の様々な問題の多くの原因がこういった教員の指導力の低下にあるのではないか、あるいはそうではなくてもっと学校あるいはこの社会、そういったところに大きな問題があるのではないか、様々な御意見がありますが、大臣としてはその件に関してはどのようにお考えであるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) まず最初に、今先生が教員時代の御経験をお話しになりましたけれども、大変謙虚な、そして自分を抑えたお話を私なさったと思います。先生のようなお気持ちで、他人を一方的に批判するんではなく、自分がまず反省をする、自分がしっかりと自分を見詰めるという教師ばかりであれば、私は、教育の現場はもっと良くなってくるんじゃないかと期待していることを最初に申し上げたいと思います。 そして、いろいろな事情があると思います。これは、教師の能力が落ちたのか、状況が変わってしまってとても追い付かなくなっているのか、両方だと思いますね。つまり、これだけ、先ほど蓮舫先生もおっしゃいましたけど、携帯などがお互いの意思疎通の手段として使われて、そしてテレビその他が子供の周りに押し寄せてくるという状況、そして親も、核家族が進み共働きで両親ともうちになかなか戻れない中で、子供は孤立感を持っているということでしょうね。 このいろいろな状況の中で教師の人たちもやや、私どもの感じからいうと、昔は率直に言えば補習などは無条件にやってくれました。お礼だとかそういうこともありませんでしたよ。土曜日も出てこいとか、日曜日もやろうとかという、そういう方もおられました。しかし、やはり社会がずっと豊かな社会、悪く言うと豊穣の中の精神の貧困のようなこと、日本人みんなあるいは近代国家がみんながそういう流れに入っているわけですから、その中で教師や医師だけは別だというのは、これはなかなか難しいですよね。そういう面もあるでしょう。 しかし、同時に、いろいろな重荷が教師に一方的に掛かってきているという面もありますよね。だからといって、仕方がないんだと言っていちゃこれは解決方法になりませんから、私たちも私たちでやれる分野の努力をする、教師の方も、教員の方も自分たちの使命を自覚してやってくださる、そこに子供が救われるということじゃないでしょうか。
○水岡俊一君 ありがとうございます。 教員がいかにその子供たちと向き合っていくのか、日々その中で力を蓄えていって子供たちをはぐくむという視点で頑張っていきたいと、多くの全国の仲間がそういうふうに思っているというふうに信じております。 今回、私も滝川市に参りまして、いろんな事情を聞かせていただきました。そういった中で、女の子が自殺をせねばならなかった、あるいは自殺に行き着いてしまったという事件の中で、事故の中で、何とかしてその子を救うセーフティーネットがなかったのか、どこかでこの子を救うその網がなかったのかということを、派遣をされた委員全員がそのことを感じたのではないかというふうに思いますが。 そういった観点からすると、学校において今重要な点というのはどんな点であるのか、あるいは文科省として指導、助言をする際においてはどういうことを一番重要視されるのか、その点について大臣のお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) この前も、北海道それから福岡の事案がありまして、役人の諸君が最初調査に行ったわけですね。どうも、先ほどやはり蓮舫先生がおっしゃっていたような私もその報告を受けて感じを持ちました。それで小渕さんと池坊さんが改めて行かれたわけです。 一番大切なことは、やはり兆候を早く見付けてあげるということなんですね。子供にも、ちょうど私、日曜日でしたか、民放に呼ばれて行きましたときに、学校の先生とそれからいじめを受けた作家の方ともおられて、いろいろお話をしてなるほどと思ったのは、やはりいじめを受けている子供にもプライドがあると言うんですよ。言いたくないというわけですよ、言いたくないと。だけど、いろいろな何となくサインを送るんだと、例えばリストを切るとかですね、そういうサインを送ると。これを昔は御家庭とか地域社会とか、もちろん学校もそうですが、いろいろなウオッチをする場所があったわけですね。 ですから、これを見付け出すかどうかは、蓮舫先生の言葉をかりれば感度ということになるんだと思うんですが、この感度をやはりみんなが磨くと、これしかもう方法はないわけですね。 それからもう一つは、そのとき同じことをおっしゃったのは、学校にもプライドがあると言うんですよ。ですから、自分の学校あるいは自分のクラスからいじめがあったということを外へ出したくないと。だけど、ですから、私は文科省の職員にも言っているのは、もう少しその、教育委員会やなんかに人事権はないけれども、いじめだとかあるいは困ったとかと言っていることを積極的に報告した人を評価、学校や教諭を評価してあげなさいと、それが少ない学校を評価するとみんな隠すよということを実は言っておるわけです。 だから、隠さないことと早く見付けることと、この二つはもう私は一番大切なことだと思っております。
○水岡俊一君 隠さないこと、そして早く見付けること、そのとおりだというふうに私思います。 そういった中で、私、また振り返ってみると、子供たちがサインを出している。そのサインを見付けることができるのかできないのか、ここがポイントだというのは、正にそのとおりだと思うんですね。 実は、子供たちと毎日学校で朝、多くの学校がショートのホームルームを持つと思います。朝、十分あるいは十五分の間で子供たちをずっと眺めます。その中で、やはり必ずサインを出している子がいるんですね。しかし、プライドがありますから表立っては出しません。ぐっと唇をかみしめて下を向いている子、いつになくそわそわしている子、そういった子がいるんです。その子がおかしい、何か様子が変だ、これ気付くんですよ。それでも、私は中学校でしたから、気付いたその後もう二、三分もしないうちに次の授業が始まるんです。教科担任制です。ほかの先生が自分のクラスの子たちを教えてくれるわけですね。そして、その次の時間もまた次の先生が教える。この子がどうも様子が変だと気付いても、その方策を取る手だてがなくなるんですね。そういったことがずっと重なっていくと、その子が一体何が言いたかったのか、何に悩んでいるのか、あるいはどう解決の糸口があるのか、そういったことを見失ってしまうということが私は往々にしてあるんだろうというふうに思いますが、こういったことについては、大臣は何かお感じになっていることはありますか。
○国務大臣(伊吹文明君) それは先生、ちょっとどうでしょうか。最初、ホームルームですか、のときに見付けたと、次々替わると。で、授業が終わったら、君、少し話をしようと、これがやっぱり感度なんじゃないでしょうか。
○水岡俊一君 私は、数々そういう経験をする中で感じていたのは、恐らくそういう子供と話をすることができるのは昼休みだろうというふうに思います、朝見付けても。そうすると、もう子供から、子供が発しようとしていたサインの何十%かはもう欠落してしまうんです。そして、そのことが多くのほかの子供たちが関与をしていることであれば、子供たちはそこから、その場から逃げてしまうんですね。 私は、多くの失敗の中から学んだというか自分でこうしようと決めたのは、もうそのときにそのことから逃げないと。つまりは、一時間目の授業、数学の授業かもしれない、二時間目の授業、体育かもしれない、もう先生に頼むんですよ、頼むから授業を僕にくれないかと、ホームルームをするから。そう言って何度となく私は、午前中四時間、あるいは一日六時間を使ったことがあります。 しかし、今の世の中はそういったことをきちっと受け止めてくれる学校や地域や社会ではないんですね。今や、数学がほかの学校よりこの学校は何時間後れている、この学校は平均点が何点低い、そういったことが塾からの情報でもって大きく語られたり、私が、担任がしようと思ったそのクラスの中での取組をきちっと評価をされないということというのは往々にしてあるんですね。 そういった中で、今の学校の教員は悩んでいるんではないかなというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) そういう部分で悩んでおられるということは事実かも分かりません。そして、しかし、それは先生、学校に特有の問題ではないんですね。どの社会でもいろいろな制約の下で自分が最大限の努力をして、そして何とかこう成果を上げようと思って多くの人は汗をかき、悩んでいるわけですよ。 ですから、学校はこうだから、一般の、認めてくれないから、ついつい数学の授業に走っちゃうんだということではやっぱりなくて、どこでも自分の思うとおりにはならないわけですよ、人間社会というのは。一定の制約があるわけです。その制約の中でどうすれば目的が達成できるかということを最大限みんなが努力をして、工夫をしながら生きている、これが現実の社会の姿なんですね。 だから、しかし、教育とか命とか、こういうものはやっぱり少し一般のものとは違いますから、それはある程度の私は配慮をしなければならないと思いますが、それを、今度はそういう配慮を一般論として認めますと、一般論の中でいろいろ違ったことが行われているというのが今までの例なんですよ。 ですから、これはお互いに、先ほど蓮舫先生のお話にあったマスコミのことで言えば、情報公開が少ないことも福岡や何かの私は原因があると思いますけれど、しかしマスコミもまた、子供の心情を思ってどの程度の自制心を発揮できるかということによってブライトなマスコミというものがあるんですね。 ここのやっぱりバランスの上に社会が成り立っている、このことだけは、特に子供の教育にかかわっている私たち、当該委員会の先生方も含めて、やはりその現実だけは大切に考えておきたいと思います。
○水岡俊一君 社会には数々の制約がある、あるいはバランスというものがあるというのはごもっともだというふうに思いますが、今、学校の中で最も大切にしなきゃいけないのは命であるということを全国の人が今感じているわけですね。そういった意味からして、数々の制約があるけれども、まずは子供の命を大切に、現場で指導力を発揮しながら、あるいは仲間と一緒に連携をしながら取り組んでいくように、大臣からも文科省からも全国の学校関係者に是非適切な助言を与えていただきたい、こういうふうにお願いをしたいというふうに思います。 時間がございませんので、次の問題に移りたいというふうに思います。 既に中川委員からもお話がありました、文科省が既に大学教授らによる研究会に調査を依頼をされていたという報道に関してであります。私も今日、今朝ほど知ったので通告をしておりませんでしたけれども、このことについてまず最初にお伺いをしたいというふうに思っております。 事実関係についてはもう既に明らかになっておりますので、改めて私がお聞きをしたいのは、文科省に二〇〇二年の六月にちゃんと報告が三十部も届いているという事実がここで報告をされております。そういったことの中で、局長は連絡不足だったというふうにおっしゃいましたが、これは文科省として連絡不足だったというふうに片付けられる問題ではないように私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(清水潔君) 先生のお尋ねの調査に関します、実質的に担当する部局でございますので御答弁させていただきます。 この調査、殊に先ほどからの御指摘との兼ね合いでいえば、高等局として、必修科目の未履修に関するデータが含まれているということに問題意識が至らなかった、ある意味では感度が薄かったということに、一言で言えばそういうことであろうかというふうに思っております。 私ども、当時の担当者等いろいろ聞きましたわけでありますけれども、これは言い訳がましくなりますけれども、この調査自体は、大学生の学習意欲、大学の大学生の学習意欲に関する調査ということでございまして、例えば、先ほど若干申し上げましたけれども、いろんな資質、学生が高校段階であるいは大学後に、どんな資質が大学における学習と関連するのか、あるいはそのスキルというものはどうなのか、そしてそれは学部等の選択基準、専門分野の適応度との関係でどういう授業行動となって現れてくるかというふうな、全体としてはそういう極めて、大学生の学習活動というものの実態をある部分でデータ的に裏付けると、こういうふうなものでございました。 そういう意味で、実際上、そこの中では高校での履修というものと、それが専門を学ぶ上で必要度、あるいは学生が認識している得意度との関連で、得意さの具合ですね、それとの関連で聞く質問も含まれて、その中にデータもあったということでございます。 一言で申し上げれば、これはある意味で、言い訳になりませんが、ひとえに感度が低かった、問題意識が薄かったということでございまして、私どもとしては本当に申し訳ないというふうに思っております。
○水岡俊一君 実はこの未履修問題については、一九九九年にも三校で発覚をして、その後、二〇〇一年、二〇〇二年、私の出身の兵庫県においてもそういった問題があるということが報道されたところであります。 そういったことの中で、今文科省としては認識を深くしていなかった、感度が鈍かったというお言葉ではありましたけれども、大臣、これは、大臣はつい最近大臣に御就任をされたわけですけれども、かつての話でありますから大臣に直接責任はないように私は思いますが、文科省としてこれはやっぱりゆゆしき問題であるという認識をお持ちでしょうか。それについてお伺いします。
○国務大臣(伊吹文明君) 結論的に言えば、今先生の御指摘のとおりだと思います。 これは、先ほど来、政府参考人の初等中等局長がお答えをしておりましたが、今御指摘のように、兵庫県とか広島県とか、いろいろ未履修の問題が過去にあったんですよ。あったけれども、これは一県の中の問題としてそのときそのときに現れてきた。ですから、文科省としては、そのことを県の教育委員会に指導して直させると同時に、全国の教育委員会の担当課長なんでしょうか、指導主事を集めて、そういうことがあってはならないということを初等中等局で指示をしておるわけですね。 ところが、高等教育局は大学教育を所管しておるわけですよ。ここでやった調査というのは、大学生の学習意欲の調査をしておるわけです。その中で、高等学校のときに何を履修したかということを聞いたところ、先生が御指摘のようなそのレポートが出てきているわけですね。だから、局は違いますが、本来同じ省であるんだから、そんなことは連絡して当たり前のことなんですよ、かつてそういう事案があればですね。 ですから、私は、着任したときに職員の皆さんにあいさつで申し上げたのは、報告と連絡と相談と、そして、それをだれだれに言っておきましたじゃ仕事にならないぞと、言ったことをやってくれましたかという確認と、報告、連絡、相談、確認、この四つを必ず守ってくださいと、この四つさえ守れば、あとは君らが失敗しても私が辞表を出せばそれで済むことだから、思い切って仕事をしろということを言ったわけです。 当時、その連絡ができていなかったということで、特に縦割りというか、局同士の連絡が誠に不十分であったですから、それは今から、これだけ大きな、特に、私がみんな調べろと言っちゃったからまずかったのかも分からないけれど、これだけ大きな問題になっちゃっていること、現時点から考えれば、それは何だったという御批判は当然あると思います。
○水岡俊一君 かつてからそういった兆候がいろんなセクションで感知をされていた、にもかかわらず連絡が行き届かなかったということを、大臣も責任を、文科省としての責任をお感じになっているということはよく分かりました。 しかしながら、私が思うのは、そういった状況にある中で引き続き未履修問題が起きていたというのは、この未履修問題の本質が何であるかということをよく表しているんではないかなというふうに思うんですが、それはつまりは、子供たちが履修をしやすい教科を選んだとか、しかしそれは何を基にその履修科目を選んだのかとかいういろんな問題がある中で、多くの、今の大学入試制度、それらに通ずる問題をはらんでいるというふうに思いますが、大臣はこの件についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) おっしゃるとおりだと思いますね。 この問題は、教育行政的に言えば、文部科学省が法律に基づいて基準を示している学習指導要領を高等学校は守らなかったということ、それを守らせられなかった先ほど来御質問のある教育行政の権限と権限のあるところに生ずる責任との関係が非常に不明確であったということ。その問題の裏にあるのは、先生がおっしゃった受験に有利なことをするためにルールを守らなくていいという学校が、高等学校が全国平均の一〇%あったということです。 ただ、次の御質問があるのかも分かりませんが、高等学校はやはり私は予備校になっちゃいけないと思いますね。ですから、学習指導要領を試験の現状に合わせて変えろということは私は大臣をしておる限りは取りません。ただし、今の学習指導要領が今の世の中の要請に合わないんであれば、そこは変えればいいと思いますが、大学受験のために迎合、迎合というか、後追い的にこの学習指導要領を変えるということは私はいたさないつもりです。
○水岡俊一君 実際は、公立高校の中では、教育委員会からかどうかは分かりませんが、数値目標をやはり求められている、あるいは、国公立あるいは有名私大の合格者数によってその学校の評価が決まる、そういった中でこういった問題も起きているということは、これはもう明らかな事実ではないかなというふうに思っております。 そんな中で、今、大学入試を目的とした教育課程の、あるいは指導要領の変更というのは、それはおかしいんじゃないかというお話はよく分かりましたけれども、そういった中で改めて高校で一体何を学ぶのかということをきっちりと考え直すいい機会ではないかなというふうに私は思っています。 実際には、大学は今、二〇〇六年、今年の三月の大学等への進学率は四九・三%、専修学校専門課程への進学率は一八・二%、合わせて六七・五%の卒業生が進学をしているという、大学全入時代に非常に近づいているという中にあります。 そういった中で高校が一体何を求めるのか、このことについて考えていかなきゃいけないというふうに思いますが、そういった中では、高校教育の目標を学校教育法四十二条に書いています。「社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努める」という、言わば、言い換えると、主権者としての市民、市民の育成を目指しているんではないかなと、私は学校教育法四十二条をそういうふうに見ます。 そういった中にあって、今受験ということに非常に特化をしていく学力というのは、これは生きる力ではない、これははがれ落ちる学力ではないか。やっぱり豊かな学力であったり、確かな学力というのを求めていくというその高校教育の原点を今見詰め直すべきだということについては、大臣、お考えございますでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) まず、先生と私は若干イズムが違うと思いますから、先生が善き市民とおっしゃいましたが、私はそうは思いません。立派な国民と私は理解しております。 その上で申し上げれば、高等学校教育の目的というのはやはり、高等学校で卒業する人もいるわけですからね、社会に出る。国際化がこれだけ進んでいるわけですから、日本国民として、あるいは日本に住んでいる人、納税者という言葉に置き換えてもいいかも分かりません、在日の方もいらっしゃいますから。だから、そういう中でやはり高等学校を卒業したレベルにふさわしい基礎学力を身に付けて、そして日本の納税者あるいは国民として最低限必要な規範意識を身に付けさせて大学へ進んでもらえるという条件をつくるということで、大学自身も今回未履修の問題ではしなくもそれが表に出ちゃったわけですが、高等学校を卒業しているということを大学入学の要件にしているわけですから、もちろん検定は別にありますけれども、だからそのことをやはり関係者はよく考えて、どこどこに何人入ったとかということではないと私は思いますがね。
○水岡俊一君 市民という言葉をとらえての話が少しありましたが、私はどこどこ市民という意味で申し上げたんではなくて、シチズンという考え方で、広く国民というふうに言っても差し支えない意味でございますので誤解のないようにお願いをしたいというふうに思います。 大臣のお考えで、高校教育をやはりきちっともう一回とらえ直すということは、お考えをいただくということはよく分かりましたんですが、そういった中で、これからこの未履修問題をどういうふうに解決をしていくのかということを考える中で一つ私は大きな問題としてあるのはやっぱり大学入試センター試験、これじゃないかなというふうに思っております。 まあ、センター試験というのは非常にこれまでいろいろな変遷がございました。いっときには教科数が増えたときもあるし、あるいは緩やかになったこともございます。しかし、この大学入試センター試験というものが持つ意味というのをこの機にやはり見直して、根本的に大学をどういう形で受けていくのかということを考え直すいいチャンスではないかなというふうに思っております。 例えば、ヨーロッパでは大学入学資格試験というのがございますし、アメリカでもSAT、共通試験というのがございます。要するに、大学に入学できる基礎的な力があるかどうかを調べる試験、共通資格試験とでもいいましょうか、そういったものを設定する中で大学全入時代を迎える今の教育制度を変えていくと、センター試験を変えていくということを考えるべきではないかな、そういういいチャンスではないかなというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 一つの御提言だと思います。 つまり、今回未履修の問題のときにも明らかになったように、卒業資格の認定権というのは個別の学校長にあるわけですね。ですから、それがいいかどうかというのは先生がおっしゃっていることだと思うんですが、結局、したがって実質的な学力という場の認定権が大学の入学試験に移っちゃっているということだと思います、実質的にはね。 ですから、必修科目をすべて取らなけりゃならないわけですから、その必修科目すべてについて一応のレベルにあるかどうかというところを学校長の認定に任せるということがいいかどうかということも含めまして、これはちょっと幾ら何でも私だけで決めたり御答弁するには荷が重いことですから、まあ中教審だとか関係者の意見も聞いてみないといけませんが。 先生がおっしゃったような共通一次だとかどうだとかということは、今まで度々繰り返されてきたわけですよ。そのときに繰り返しては駄目だとかどうだとかいうことになって今の制度に行き着いているわけですから、その間に当事者である大学受験生は翻弄されちゃいますからね。 やはり制度の安定ということも考えなければいけませんから、センター試験を改革していくのか、先生がおっしゃったようなことでいくのか、あるいはもう少し別の工夫をするのか、いろいろなやり方がありますから、今のままでいいかどうかという問題意識を持ってみんなで考えさしていただきたいと思います。
○水岡俊一君 問題意識を持ってということで、私もそういうふうに思います。 今、大学進学率の問題が高校の評価ということに結び付きやすいというお話を申し上げましたが、そのことは中学の卒業生にとっても重要な問題なんですね。ですから、中学校の教員あるいは小学校の教員にとっても、大学進学というのが非常に大きな課題になっているわけですね。そういったことが今の教育制度の中、教育現場の中で非常に苦しみを生んでいることは事実であります。 ですから、全国の多くの教員がこの大学入試制度を何とか変えてくれないかというふうに思っているんではないかというふうに思います。どのように変えていくかはまたそれぞれだとは思いますが、少なからず問題があるんだという中で、これから検討をやはり絶え間なく続けていくということを切にお願いをしたいというふうに思いますし、文部科学委員会でこれからもそういった論議ができるようにお願いをしたいというふうに思います。 最後に、蓮舫委員からもありましたが、この問題、非常に重要な問題であります、いじめの問題にしても未履修の問題にしても。是非ともこれからの文科委員会の中でも引き続き質疑をしていく、そういった時間を確保していただきたいということを委員長にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(荒井正吾君) 水岡俊一君の意見に対しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○水岡俊一君 ありがとうございます。
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。 私の方からは、いじめに関する具体的な取組も含めまして質問させていただきたいと思います。 まず、今、様々いじめの問題ございまして、そういったいじめの問題を通しまして改めて感じていることがございまして、やはりどのような理由があったとしてももう絶対にいじめは許してはいけない、そういった認識を、個人個人もそうですし、また学校、また教育委員会、それぞれがそういった認識に立って、また地域もそうですけれども、そういった認識をしっかりと持つことがまず重要ではないかと思っております。 いろいろ私自身も現場の皆さんの御意見を伺っていく中で、絶対にいじめを許してはいけないという、そういった認識が薄かったのではないか、そういうことも感じた一つでもございました。また、これ、決してこの問題のあった地域だけの課題ではなくて、今、日本全体の社会の在り方ということで先ほどから、ちょっと繰り返しになりますけれども、絶対にいじめを許してはいけない、こういった風土といいますか、そういった、そこからもう一度つくり直していく必要があるのではないかと思っております。 やはり、子供たちもそうですし、一人一人幸せになる権利もあるわけですし、それを奪うような行為は絶対に許されないと思っております。そういった意味でも、許せない、そういった認識を一人一人持つ、社会全体でそういう認識を持つ、それが大事であると思います。やはり、そこをしっかりとしていなければ、いろんないじめに対する対策を講じたとしても、またいつかどこかでそういったいじめの問題は繰り返されるかと思います。 そういった意味で、私、何度もちょっと繰り返しになりますけれども、絶対にいじめは駄目だ、許せないことであるということを一人一人が認識すること、またそういった社会をつくっていくこと、それがまず重要であると思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 総論としては、もう全くそのとおりだと思います。 先ほど来、いろいろ各委員からのお話がございましたように、いじめというのは一体何だと。これは学校だけじゃないんですね。社会のあらゆるところであります。いじめているつもりでいじめている人もいるかも分からないけれども、自分がいじめているというのを分からない人も、分からないままいじめている人もいるわけですね。いじめられている方も、何か意地悪をされたというふうに受け止める人もいるけれども、深刻ないじめと受け止める人もいるわけです。 ですから、あってはならないことです、先生おっしゃったようにね。ですから、早く見付けて、そして隠し立てせずに見付けて、関係者が。そして早く見付ける、そして早く対応すると。特に、精神的に未発達の子供については早く対応すると。 文部科学省としても、そういう成功事例が各教育委員会にあるんですよ。そして、北海道や福岡の調査に行った後、全国の担当課長を集めまして、そして成功事例をずっと各教育委員会から述べてもらいました。なるほどと思って帰ってくれた人もたくさんいると思います。それを必ず教育委員会と学校現場に生かす教育委員会の感性が必要なんですね。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 大臣がおっしゃったように、いじめは学校だけでのことでもございませんし、先ほども申し上げましたが、やはり皆幸せになる権利があって、それをやはり奪うような、脅かすようなことは絶対に許されないという意味でちょっと私の意見として申し上げさせていただきましたが、そういう意味で、絶対にいじめは許されない、そういうことを大前提に是非様々な対策を講じていきたいと思っておりますけれども。 今申し上げたように、学校だけの問題ではないということで、やはりこれは社会全体の問題でもありますし、社会全体で対応していかなければいけないと思っております。 ちょっと具体的な話になりますが、前回のこの委員会の中でも、法務省のいじめ相談の窓口のそのいじめに対する相談の件数、また警視庁の件数、またそれに対して文部科学省の掌握している数が少なかったりとか、そういったそれぞれの省庁の掌握している状況もまちまちでございました。そういったこともありまして、やはりそれぞれの、そういった相談機関だったり、いじめの掌握に関しましてそういった情報交換なりそういうことがしっかりできていれば、例えば文部科学省として報告がまだ上がっていないけれども、でもほかのところのいじめの相談窓口はかなり来ている。こういった変化に気付けば、また何か対応ができるようなこともあるかと思います。 また、これも話がちょっとがらっと変わりますが、最近、朝御飯を取らない、そういった小学生、中学生、また若い方が増えているとも言われておりまして、この朝食を取らないということは、午前中、早い時間で、早いタイミングで集中力が切れたり、またいらいらする、そういったこともあると専門家の方からも伺っておりまして、やはり健全な生活、それがまた心身ともに健康な生き方ができる。そういったことも含めますと、このいじめもそうなんですけれども、本当に社会全体の取組として、文部科学省だけではなくて、本当にこの社会の一つの大きな課題として、あらゆる角度から対策も講じながら取り組んでいくことが重要であるかと思っております。 そこで、政府の方にも、教育再生会議等もございますが、やはり国として、政府としてしっかりとこのいじめ問題、健やかな子供を育てていく、こういった課題に対してしっかり政府として取り組んでいく必要もあるかと思っておりますが、まず政府の御見解をお伺いしたいと思います、内閣府の。
○政府参考人(荒木二郎君) お答えを申し上げます。 弱い者をいじめるという行為は、人間として最もひきょうかつ恥ずべき行為であると認識をしておりまして、教育関係者はもとより、関係機関、家庭、地域、社会が一体となって取り組むべき課題であるというふうに考えております。 文部科学省におけます各種の取組以外にも、ただいま委員御指摘いただきましたように、法務省におきましていじめについての相談活動を強化し、警察では少年相談活動の中におきましていじめの早期発見、早期対応のためのいろんな方策が取られているところと承知をいたしております。また、教育再生会議におきましても、いじめの問題が取り上げられ、議論されるというふうに承っております。 毎年十一月は全国青少年健全育成強調月間というふうになっておりまして、今年は月間のサブタイトルを「地域でまもる。地域ではぐくむ。」というふうにいたしました。地域を挙げての取組を強調をいたしております。また、とりわけいじめの防止と早期対応ということを月間の重点事項の一つとして位置付けをいたしまして、各省庁、地方公共団体、あるいは少年関係の諸団体に対しまして、この月間中に集中的な取組を実施するよう働き掛けを行っているところであります。 なかなか大きい問題でありまして、社会全体でどう解決していくかということで一朝一夕に答えは出ないと思いますけれども、今後ともより一層、関係機関、緊密な連携を取ってまいりたいと、かように考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 もし大臣の方からも、今申し上げた各省庁の連携取りながらの対応、また、現場におきましては家庭、学校、地域、こういった連携を取りながらの対応、これについて何か御意見ございましたらお願いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) 閣議の後で閣僚が自由に話す閣僚懇談会というのが十分ぐらい時間がいつもあるんです。先般もこの問題について話題になりまして、今内閣府が参考意見を述べましたように、お互いに、警察、法務省、それから厚生労働省、我々、関係あるものは、それこそ先ほどの報告、連絡、相談、お互いにそれを確認し合って仕事をやろうねというのを、総理もおられた場でみんなで確認をした次第です。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 是非、また文科省を中心に、また社会全体、政府全体としての取組として今おっしゃったような、内閣府からも御報告がございましたが、そういった取組を更に推進していただきたいとも思います。 また、文部科学省におきまして、子どもを守り育てる体制づくり推進本部ということで、そういったものが設置されたと伺っております。これが今後どのように取り組み、どの方向に進んでいくのか、それをお伺いしたいと思います。
○副大臣(池坊保子君) 環境の変化に伴って子供たちが抱えている問題も複雑になって目に見えなくなってきたと思います。私、滝川に行って遺族の方とお目に掛かってお話しした折に、自殺なさる前夜、そして当日、どんな御様子でしたかって伺ったら、普通と変わりませんでしたと。つまり、深刻な問題を抱えていればいるほどそれは外に出せないんだと思います。 そういう問題を私たちがどういうふうに察知して、そして解決していくか。それは、現場の先生だとか、子供と触れ合う方々のお力が一番大きいんだとは思いますけれども、総合的に様々な研究とか検討を行っていくことが必要なのではないかというふうに思いました。 その中にあって私が一点思いましたのは、まあ、普通の人が考えれば当たり前と思われることが学校現場や教育委員会には通じていなかったのかな、そしてそれが更なる遺族に対する悲しみを大きくしていたんだなという思いを持ちましたので、これからもっともっと風通しを良くしていかなければいけない。そういうことも総合的にすべて、いろんな方の意見を伺いながら、決めたこととかあるいは話し合ったことはすぐ文部科学省のホームページなどで具体的に教育委員会や学校に発信していけたらなというふうに思っております。四回開きまして、その間は、現地の調査と報告、そしてその時々に応じた対応でしたけれども、これからは長期的に考えること、それから短期に解決できること、それからすぐに皆様方にアピールすること、そういうことなどを判断しながら、様々な具体的な施策を伝えていけたらと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 今副大臣がおっしゃったように、長期的に取り組むこと、また今すぐ取り組まなければいけないこと、またそういった様々課題があるかと思いますが、文部科学省の下に設置された推進本部でもございますので、是非、この長期的な課題の中で、もう教育の在り方、そこからしっかりと、子供たちの幸福のための教育であるということとか、そういった、ちょっと大きな話にもなりますが、そういった根本的なことをしっかりと議論した上で、具体的ないじめの対応なり、そういうことをしっかりとまた検討を、対応をしていただきまして、先ほどおっしゃっていただいたように、是非この情報発信を学校側にも、また国民というか生徒にも是非していただきたいと思います。要望さしていただきたいと思っております。 続きまして、具体的ないじめに対する対応といたしまして、学校での取組について質問をさせていただきたいと思いますが、十月十九日の、文部科学省から「いじめの問題への取組の徹底について」という通知が出されております。その中で「いじめを許さない学校づくり」という項目がございまして、その具体的な取組として、いろいろ私も勉強さしていただく中で、科学研究費補助金で調査研究されておりますピアサポート、こういったものがございました。それは一体どのような実践というか取組をされているのか、またそれによってどのような効果があったのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) ピアサポートについてのお尋ねでございますけれども、ピアサポートについてはいろいろな言い方があるわけでございますけれども、一般的には年齢等が似通った仲間、ピアが相手に対して手を差し伸べて、話に耳を傾けることを通じまして、一人の、個人の問題としてではなくて仲間みんなの問題として、例えばいじめならいじめをとらえて、そして行動に移すといったような取組であると承知をいたしております。 少し具体的に申し上げますと、例えば紙上相談ピアサポートというのがございます。これは、学校の中にいろんな相談箱というのを作っておきまして、その相談箱に寄せられた相談を個人情報が分からないように先生が書き直しまして、子供と一緒にその問題についての対処の仕方を考えると。で、その相談と回答を載せた配付物なら配付物を全校の子供たちに配って、子供たちはそれを家庭にも持ち帰って、そしてその相談内容に対して寄せられた意見、アドバイス、こういうものをまた子供たちで編集をしてみんなに配ったり、あるいはその問題を更にみんなで考えていこうとするといったようなことで、言わばいじめを始めとした諸課題について仲間同士で問題意識を共有をして、解決に向けて取り組むことを学んでいくといったような取組であると承知をいたしております。 こういうことを、外国ではこういう手法が結構用いられているようでございまして、日本の学校の中でもこういうことに取り組んでいる学校が最近あるというふうに承知をいたしております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 そのような取組をされている学校から、こういう効果があったとか、こういうふうになったとか、そういう報告といいますか、効果は分かりますでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) ピアサポートを実際にやっている学校からの成果の報告も私どもいただいておりますけれども、まだその点については十分整理をしていない状況がございます。 ただ、いじめの問題につきましては、どの学校にもどの子にも起こり得る問題だということを十分認識をして、そうして子供たち自身がいじめを許さない学校づくりというのを進めていくということのために、こういうピアサポートのような、子供たち同士でこの問題を検討し合って、そしてみんなで考えていくという取組は非常に意義のある取組だと思っております。 今後、先般の緊急の課長会議でもいろんな事例を文部科学省としても御紹介を申し上げたわけでございますけれども、いじめ等のこういう問題に対する効果的な取組につきましては、今後とも有効事例をいろいろ集めまして広く紹介するということをやっていきたいと思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 今御報告いただいたようなこのピアサポート、こういった実践は、やはり子供たち自身がいじめの問題に対しましては、いじめ等の問題に対して傍観者になるのではなくて、自分たちの問題としてその問題の解決に取り組むことができるということで、とても私もすばらしいというか、いい取組ではないかと思っております。 先ほどからお話出ておりますが、やっぱりいじめている側からしてみると、自分はいじめている自覚がないという方も、自分ではからかっているというか冗談で接している方もいらっしゃるかもしれませんし、でも、相手によってはそれがとてもつらかったり傷付いたり、そういったこともございますので、そういった、みんなでこういうことがあったらこういうふうに感じた、こういったことをお互いが感じる中で、先ほども申し上げましたが、その問題に対して傍観者ではなくて、自分たちの問題としてクラスというか学校を挙げて取り組んでいける、そういった意味でもすばらしい取組かと思いますので、今のを是非全国に紹介というか、お話もございましたので、是非今おっしゃったように効果的な取組ということで推進を図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、いじめの対応ということで、やはり早期発見、早期対応が重要でありますけれども、先ほども言いましたけれども、やはりいじめといいますのはなかなか判断が難しい部分もあるかもしれません。からかいから始まったり、いろんなケースがあるかと思います。しかし、いずれにしましても、子供たちの顔の表情だったり、成績、また体調、そういったちょっとしたこの変化にしっかりと気付いていけるかどうか、その小さな変化に、サインに気付いていけるかどうか、これは学校の先生もそうですし、御両親もそうですし、地域もそうだと思いますが、そういったことが言うまでもなく重要かと思っております。その中で、やはり長い時間学校で先生方とかかわる時間もありますので、そういった意味でも先生方のこのかかわり、先生方がそのサインを見逃さない、そういったことも大事になってくるかと思います。 これは先ほどから議論出ておりますけれども、先生御自身の指導力とかそういった課題、問題もあるかもしれませんが、その反面で、やはり先生方の仕事の面で、やはり本当に今忙しくて時間の余裕がないとか、忙しいために心の余裕も持てない、そういった御意見があるのも事実でございます。そういった意味で、様々な角度から先生方の、こういったいじめのそういった様々なサインを見逃さない、こういった取組として、先生方御自身の成長もそうですし、また周りのサポート体制も重要になってくるかと思っております。 そこで、具体的に二つちょっと提案をさせていただきたいと思いますが、教員の方のこのサポートづくりということで、今後、団塊の世代のOBの、教員の方での団塊の世代の方が退職をされるということで、この教職員の、教員のOBの方が今後、すばらしいそういった経験をお持ちだと思いますので、そういったものを生かしながら、進路指導とか生徒指導、また教員の相談に乗ってくれるようなそういった役割を果たしていく、そういったOB職員を活用した教員のサポート体制、こういったことも図っていけるのではないかと思っております。 また、同じくこれは教員のサポート体制といたしまして、教員を目指す学生さんが小中学校に派遣をされて、そこで授業をして教師をサポートするこういった制度とか、またそのほかに滋賀県とか神戸市では、教育学、心理学を専攻している学生が不登校の学生さんのおうちに行って、生徒さんのおうちに行ってそういった子供の対応をする、そういったような事業をしているような地域もございます。これ、教員のサポートという面もございますし、また子供たちも、不登校やいじめで悩んでいる子供たちの相談相手というか、そういったことにもつながるかと思いますけれども。 こういったあらゆる形で、今具体的に二つ提案させていただきましたが、この教員のサポート体制、本当に心の部分でもゆとりを持って一人一人の子供に向き合っていくようなこの体制づくりということでちょっと提案させていただきましたけれども、この件につきまして御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今、二点御提案をいただきました。 一つが、教員の支援のために退職された教員OBの方を活用していくといったようなことは重要ではないかというお話でございました。私も、そういう言わば地域にいる教員OBの方を活用するということは、大変一つの方法として意義のあることだと思っております。それまでの経験を生かしていただくということは大事なことだと思います。 これにちょっと近いこととして、今小学校に子どもと親の相談員というものを配置をいたしております。まだ全国で九百八十四人でございますけれども、子供が悩みを気軽に相談したり親が相談できるような方として、こういう子どもと親の相談員という制度を文部科学省で推進をいたしております。また、生徒指導推進協力員ということで、二百三十六人でございますけれども、やはり小学校に配置をしたりいたしております。いずれも非常勤でございますが、こういった形で退職校長などの地域人材の活用ということは促進をしてきておりますし、これからも促進をしていきたいというふうに思っております。 それからもう一つ、教員を目指す学生あるいは心理学等を勉強しておられる学生を教員サポーターといったような形で学校に派遣をするということを導入したらどうかという御提案もいただきました。 今、大体、教育実習というのは大学の三年生、四年生、特に四年生が多いわけでございますけれども、教員養成系の大学では教育実習の一環、あるいはそれの前段階のものとして一年、二年の早期の段階から学校に学生が行きまして、授業を始め教員の職務をサポートするといったような経験、体験をするという活動も近時見られるようになってきております。こういった教員を目指す学生が学校に行きまして、学生自身にとってもいい実践経験になりますし、また子供とのいろんな触れ合いもできるという、こういう活動を今後よく文部科学省としても推進の方向で研究をしていきたいというふうに思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 先ほども申し上げましたが、やはりこの教員の皆さんが一人一人の子供さんと、生徒と向き合っていけるような体制づくりということで是非積極的に推進をしていただきたいとも思います。 次、続きまして、具体的なまた取組として質問させていただきたいと思いますが、やはり先ほどから申し上げておりますが、やっぱりいじめが発見されにくい理由の一つとして、いじめられている本人が親や先生に相談しない、できないということがまあ一つ理由で挙げられるかと思います。なぜ、じゃ、いじめの相談をしないのかということに関しましては様々理由があるかと思いますが、自分がいじめられていることを知られたくない、それ自体が恥ずかしいとか知られたくないということとか、また特に親に対しては心配を掛けたくない、こういった気持ちが働くとも言われております。 で、いじめに遭ったときに、だれか一人でも相談できるのであれば、相談できる人がいれば、そこから解決の道がまた開けてくるのかと思いますが、今申し上げたように、なかなかこの身近なところで相談できる人がいない。そういった状況の中で、だけれども、やはりだれかに声を掛けて一緒に解決していくような対応をしていく必要があるかと思っております。 そういった意味で、学校とか親とか、そこから離れた第三者機関の相談窓口が、この充実が重要になるかと思います。法務省等、そういった窓口もございますが、是非地域に、自分たちのこの地域の身近なところで相談できるような、第三者が相談に乗ってくれるような、そういった相談窓口が重要になるかと思います。 これ、前回の委員会で山本議員からも兵庫県の川西市の取組ということで少しございましたが、これ御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、兵庫県の川西市では、子供の人権を守るために条例を作りまして、そこで市長から任命された三人の相談員、その方とこの調査相談専門員、そういった方々が子供を守るための活動ということで相談に乗られたり、また相談で解決できないときは調査、調整を通して関係者に勧告をしたり、意見表明をしたり、そういった権限を持つことができております。ここで、専門性があり、また子供たち自身が自分たちで解決できるような、そういった心掛けもされているということで、本当にこれもすばらしい取組かと思っております。 こういった地域に根差した取組ということで、例えば、小学校の皆さんが市役所に見学に来て、ここにこういう人たちがいるよというようなそういった紹介をしたり、電話番号を一人一人にカードとしてお渡ししたりとか、そういった周知徹底もされているということで、是非とも、先ほどからお話出ておりますが、こういったすばらしい取組の周知徹底、またこれも前回、山本議員からもありましたが、やはりこの予算の面でも支援をしていくような、そういったことを要望といいますか、お願いをさせていただきたいと思いますが、まず文部科学省の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生から兵庫県川西市の取組の事例の御紹介がございました。 この取組は、子供の心理や人権の問題につきまして、専門性を持った方がオンブズパーソンとして任命をされているという事例でございます。このようないわゆる外部性を持った方が第三者機関として児童生徒の相談にあずかる体制を設けるということは、一つの意義ある試みだと考えております。 こういった外部性を有する専門性を持った相談機関を設置をして、いじめの問題にいろいろ取り組んでいるということにつきましては、他の先進的ないろんな指導方法と併せまして、私ども今後、指導主事の連絡会議あるいは教員研修の中でとか、指導資料などを通じまして、十分他の教育委員会や学校に情報提供、周知を図っていきたいなというふうに思っております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。 先ほども申し上げましたが、やはりこういった相談体制もそうなんですが、各省庁の連携も重要であると思います。また、地元におきましても、そういった学校、家庭、地域の連携も大事になってくると思います。 そういった意味で、是非、先ほど内閣府の方にも質問をさせていただきましたが、政府としましても、そういった先進的な取組、文部科学省としてもしっかり周知徹底するということでしたので、是非そちらの方でもそういったすばらしい取組事例を周知徹底を図っていただきたいと思いますが、取組をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(荒木二郎君) お答えいたします。 子供や保護者の方が抱えられますいろんな問題や悩みにつきまして、国、地方、それぞれの機関が相互に連携しつつ、事案に応じて相談し、また対応しているところでございますけれども、相談する側にとりましては、やはりいろんなそういう多様な相談機関が存在するということがより一層相談しやすくなるということで、大変意義深いことであるというふうに考えております。 内閣府では、各機関の青少年の相談活動を充実させるために、全国の市町村や都道府県あるいは国、学校、警察等の青少年相談機関の担当者や、あるいはボランティアの方が入っている場合もございますけれども、こうした方を対象にいたしましてブロック別で連絡会議を開催をしておりまして、この中で具体的な相談事例を基といたしまして、効果的な相談方策や支援方策につきまして情報やノウハウの交換や共有を図っているところでございます。 今後もこうした場を通じまして、それぞれの地域の、委員御指摘の第三者相談機関等における取組で効果的な取組事例等につきまして、紹介、周知してまいることといたしたいというふうに考えております。
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。 今日はいじめにつきまして質問させていただきましたが、やはり事件があったから、問題があったからではなくて、やはりこれからの重要な一つの課題でもありますし、社会としての抱える大きな課題でもあるかと思いますので、そういった意味で、しっかりとこれからも、私自身も今後の対応、今いろいろ提案したり質問させていただきましたが、それも含めて、それがまた進んでいくように私自身も全力で取り組ませていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 私も、北海道滝川市のいじめ自殺問題の調査に参加をいたしました。小六の女の子、私も小六の女の子を持っておりますので、私が死んだら読んでほしいという遺書を残して自ら命を絶った、その女の子の笑顔の遺影を見て、そして御遺族の方からその悲しみ、そして憤りにも直接触れまして、私自身も新たな憤りを感じてまいりました。学校や市の教育委員会がこの事実を隠ぺいをしてきたと。何という無責任な対応なんだろうか、本当に憤りを持ちましたし、また今国民全体、とりわけお子さんをお持ちの父母の皆さんが同じような不安と憤りを持っていらっしゃいます。 この問題では、やはり当該の学校、市の教育委員会の対応というところに最大の問題があるわけでありますが、同時に、このいじめ問題全体ということを考えたときに、私は文部科学省にもその対応にこれまで問題があったと思うんですね。その象徴は、このいじめ自殺の件数が七年間でゼロというこの文科省の報告が全く事実と違っていたということに象徴的に表れていると思います。大臣も、このいじめ自殺ゼロというのは余りにも実態と離れているということを答弁でもお認めになったわけですが、では、そのいじめの全体の数についてはどういう認識をされているんだろうかということなんです。 文部科学白書を見ますと、小中高の全体のいじめ発生件数は、平成七年度が六万九十六件、平成十六年度には二万一千六百七十一件と、三分の一になっているわけですね。小学校だけを取りますと、平成七年度が二万六千六百十四件、平成十六年度は五千五百五十一件と、こういうことになっております。小学校の数が大体二万四千前後だと思いますので、五千といいますと、五つの小学校のうち一つしかいじめが起きていないと、こういう数なわけですね。私は、これは実態を反映をしていないんではないかと思うわけですが、その点での大臣の御認識をまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 文部科学省といたしましては、毎年いじめの発生件数を調査をしているわけでございますけれども、近年の発生件数は減少の傾向にあるというのは、今先生お話しのとおりでございます。 私どもは、いじめにつきまして定義をした上で、児童生徒の立場に立って報告をしてほしいということを平成六年から強調してやっているわけでございますけれども、実態を見ますと十分に反映されているとは必ずしも言えないと今思っております。 実は、平成十五年に少しいじめが増えた時期がございました。そのときに、私ども、その背景を調べましたら、いろんな事情ありましたけれども、やっぱりいじめというのを隠さないで、ゼロがいいということではなくて、本当にいじめがあったらそれをきちんと対応するというふうにした結果、いじめが増えたというような事例の報告もいただいておりまして、私ども、いじめの発生の件数の多寡ではなくて、きちんとそのいじめの状況について、早期に発見をして早期に対応するという観点から今後とも報告がなされるようにこの調査票につきましては検討を加えていきたいというふうに思っているところでございます。
○井上哲士君 確かに平成十五年度に若干の数は増えているわけですね。しかし、この程度のことなんだろうかと私は思うんですね。 十一月の四日にNHKの教育テレビでいじめの特集番組をやっておりました。小学校五年生から中学校三年生までの三千人の子供がメールなどを使って声を番組で集めていますけれども、それによりますと、七〇%の子供がいじめられる可能性があるないしは少しあると答えております。そして、注目すべきは、今いじめられていると答えた子が実に六%おりました。つまり、今現在、子供千人当たり六十件のいじめがあるというのがこの寄せられたものではあるわけですね。 ところが、先ほどの文科省の数字でいいますと、一年間で子供千人当たり一・六件ということになるわけですから、子供一件当たりの件数でいいますと四十倍の開きがこのNHKの番組と報告の数ではあるわけです。私は、相当なやっぱり開きがあるという認識を持って対応するべきだと思うんですが、改めて大臣の認識をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) どうも実態を表していないんじゃないかというのは、先生の御指摘のとおりでしょう。 そして、いじめは何かというのは、先ほど来、私はかなり注意深く御答弁しているつもりなんですが、意地悪をされた、意地悪をした、けんかをした、殴った、殴られた、どれをいじめと取るかというのは、これはいじめている方の意識もありますし、いじめられている方のとらえ方もあります。ですから、そこのところがやっぱり非常にこれ難しいということが一つですね。 それからもう一つは、やはり子供にもプライドがあると同時に、学校にもプライドがあって、教師にもプライドがあって、自分のクラス、自分の学校からいじめというものを出したくないと、いじめがあるんだという事実を認めたくないという体質があるわけなんですよね。これはこの前民放テレビに一緒に出た学校の先生、あるいは自殺を経験された、いじめで自殺を経験された作家の方がおっしゃっていて、なるほどなと私は改めて思ったんです。 そして、それからもう一つは、今政府参考人が何で私の言ったとおりきちっと答弁しないんだと私は思っておりましたのは、先生の御質問に釣られて、文部科学省の調査では減少傾向にございますと、こう言っていますよね。文部科学省の調査なんだけれども、それは教育委員会からもらった数字の伝達行為しかやっていないということなんですよ、現実は。 ですから、いじめの定義、定義というか調査票をもう少しやっぱり直して、まあ先生がおっしゃっていたところまで出てくるかどうかはこれまた私は若干疑問に思っているんですよ。というのは、テレビ番組で答えを取る、それに答えようという子供はかなり当事者なんですね。だから、世論調査とかテレビのいろいろなそのときの反応というのはよほど慎重に検討しなければならないとは思いますが、実態の数字は、文部科学省が地方教育委員会に頼んで、地方教育委員会が各学校に頼んで集計をした数字とはかなり私はやっぱり開きがあるというのは先生と同じ認識を持っております。
○井上哲士君 正に今定義の問題を言われたわけですが、おっしゃるように、テレビ番組というところにネットで積極的に、などで返事をしたというのは特定の人たちなんですね。しかし、私はそんな大きな違いはないんじゃないかということを実は今朝の新聞を見て思ったわけです。 今朝、一斉に松本市が独自にこのいじめ問題の調査をしたというのが報道をされました。 松本市は独自に市立の小中学校全四十八校を対象にして調査をしたと。そうすると、いじめに該当する事案が四十七件あったと。しかし、この四十七件を文部科学省のいじめ基準を厳格に当てはめたらいじめとなる事案は二件だったと、こういう報告なんですね。例えば、男子から消えろなどと言われて不登校になった中学校一年の女子生徒の事例、あるいはクラス全員から無視された小学校五年男児の例があったが、文部科学省の基準ではいじめに該当しないというのが報道でありました。文科省の基準は、自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な苦痛を持続的に加える、そして相手が深刻な苦痛を感じるという、この三つの要件を言っているわけですが、これに当てはまらない。そして、報道では、一部の学校の中には、暴力行為が継続的ではない、やり取りが一方的ではないと文科省基準を逆手に取っていじめを認めない事例があることも指摘をされていると、こういうことも言われているわけですね。 定義の問題は当委員会でも議論になりまして、当時大臣も、この定義だけであればいじめとして報告しないというものが出てくるんじゃないかというような答弁もされました。そうであれば、私は具体的にこの定義そのものを見直す必要があると思うんですね。 文科省基準でいうと二件が、独自の基準で調べると四十七件。その独自の基準というのは、要するにいじめられていると感じているかどうかということを基準にしているわけですね。そうしますと、四十七件ですから、まあ約二十五倍ということになります。先ほどのNHK番組では四十倍だったわけですけれども、私は、そういう点でいいますと、そう大きな違いはないんじゃないか。 確かに、本人たちはいじめているつもりはなくても、当人がいじめられているということがあるわけですね。これが、だから難しいという話じゃなくて、結局、いじめているつもりはないのにいじめているということが大変大きな問題を起こしていることは多々あるわけでありますから、やっぱりこの松本市がやったような方向で私はこの基準そのものを見直すべきだと思いますけれども、その点、大臣いかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今先生からお話がございましたように、文部科学省の調査における基準というのは三つの条件に当てはまるものを出していただいているわけでございます。これを各学校がこの基準に照らして、できるだけ児童生徒の立場に立って報告をしてくださいということをお願いしているわけでございますけれども、各学校からの報告、それを教育委員会を通じて積み上げた数が先ほど来のお話のような数字になっているというのが現状でございます。 お話しの新聞記事、私も見ましたけれども、私ども、やはり今こういうふうに積み上げて、学校、教育委員会の報告を積み上げたこの数が本当にいじめの状況というものを把握をしているのかというのは課題だと思っておりまして、より実態の把握が的確にできるように、今後、その定義も含めまして、専門家や外部の方々の御意見、御協力を得ながら検討して正していきたいというふうに思っております。
○井上哲士君 やっぱり、いじめは先生に分からないように行われるわけですね。多くの子供が、先生に言ったらもっとひどくなるとか、それから親に心配掛けられないと、大人に言わずに苦しんでいるわけでありまして、文科省に上がっているのはそういう言わばベールにかぶった数が積み重なってきているわけですね。 そして、一方、この前に、今朝の新聞の記事でも報告しにくい雰囲気があるという学校現場の声が出ていますし、私どもも、例えば東京である公立学校の校長先生に伺いますと、下手に報告したら、その後どうなったか教育委員会に報告し続けなくちゃいけないと、そういうことで結局、親が教育委員会に訴え出ているなど、逃げ隠れできない件数を報告するのが普通だと、こんなお話も聞きました。 やっぱり、教育委員会の報告を集計しているだけだとおっしゃいましたが、その基になっている基準はやっぱり文科省が示したわけでありますから、やっぱりきちっと実態に即したものになるように正していただきたいということを改めて申し上げたいと思います。 これ、ちょっと大臣に追加でお聞きをするんですが、先ほど紹介したテレビ番組の中で、少なくない子供が、いじめられる側にも問題があると、こういうふうに答えるんですね。これについて、大臣、どんなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) それは、先生、これはもうケース・バイ・ケースだと思います。いじめられる子は弱い子だけじゃないんですよ。結構、クラスで一番頭が良くて威張っていてどうしようもないような子供もいじめの対象になることあるんですね。ですから、一概に先生の今の御質問にお答えするのは難しいと思います。
○井上哲士君 つまり、いじめられる側に問題がある場合もあるという御認識ということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 完全無欠な子供であれば、いじめる方に問題があるでしょう。しかし、私どもの周りでいじめの事件が起こったときに聞いたりする場合は、結構子供自身に責任がなくて、親が大変な、その地域で何かいろいろなことをしたと、その親の理由を取っていじめているというようなケースは別にして、あの子は一番良くできるけれども何か自分たちの仲間に入ってこないというようなケースが結構あるんですよ。ですから、これはどちらに責任が、いじめられる方にも責任があるとお思いですかということにうかつに答えることは、ちょっと保留しておきます。
○井上哲士君 私は明確に答えていただきたかったんですね。と申しますのは、十年前に文部科学省は調査研究会議でいじめ問題での報告を受けておられます。それに基づいて様々な通知、指導も行われていると思うんですが、その中で明確に、いじめられる子供にも原因があるという考え方は一掃しなければならないと、十年前にこういうことを言っているんですね。これはうかつに答えるどうのでなくて、これは一掃しなくちゃいけない言葉なんです、考え方なんですね。それがいじめ対策の基本だということをそのとき言っていながら、私はちょっと大臣の答弁、今、残念でありますけど、いかがですか。
○国務大臣(伊吹文明君) いや、これは、それはもちろんいじめられる側に原因があるということは一掃しなければならないことは当然なんですよ。しかし、いじめられる側にも、やはりみんなの中へ入っていかないというようなケースがあった場合には、これは一端の責任があるんです、やっぱり。だから、ケース・バイ・ケースだと申し上げているわけで、例えば、パーセントで表示するのはいけないかも分かりませんが、九五%はいじめる方に問題があるでしょう。だけれども、残りの、なぜいじめがそこの子供へ来たのかというときに、その子供の性格だとか何かに起因は全くないということは言えないということを言っているわけです。
○井上哲士君 私は、そういう認識であると正にこの問題の解決の流れというのが分からなくなってくると思うんですね。結局、どっちもどっちという話になっていく。それでは解決しないから一掃しなければならないと。九五%、五%じゃないんです。一掃というのはゼロにしなくちゃいけないんです、そういう考え方を。これ文科省自身が打ち出して、これで指導してきたはずなのに、こういう認識がやはり今の私は問題残していると思うんですね。 この十年前の報告書というのは、当時、愛知の中学校二年生だった大河内君が自殺をしたという、これ、いじめを苦にしたものですが、そのときに出されたものですね。今回の文科省の十月十九日の通達というのも、通知というのもほぼこれを踏襲をして出されているわけですね。 例えば、十年前の報告書は、いじめは児童生徒の成長に必要な場合があると考える教師が二割とか、基本的にはいじめは子供の世界にゆだねるべきと考える教師が一割いるということを問題にしているわけでありますけれども、この十年前に指摘されたことが現に今起きているわけでありまして、これをしっかり徹底をしてこなかったこと、私は、大臣の認識も含めて、そこにやはり今の取組の大きな問題があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) ですから、先生がおっしゃったように、どっちもどっちということになってはいけないから、行政の指導としては、行政の指導としてはいじめられた方に原因があるということは払拭してやってくださいということを言っているわけです。しかし、現場の教師だとか、あるいはその問題を扱ったケースワーカーの立場からすると、これはよく私が言ったようなことも考えながら慎重に対応してもらわないと困りますよという趣旨のことを私は申し上げているわけです。
○井上哲士君 時間ですから終わりますけれども、やはり私は今の答弁を聞いておりまして、今日のこういう事態が起きたことに、十年前にこういう指摘をしながら現場にも徹底していなかったし、文部省内にも果たして徹底されていたんだろうかという大変大きな疑念を持ちましたし、このことに今大きな問題があるということを最後指摘しまして、質問を終わります。
○委員長(荒井正吾君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会