農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/12/12
会議録
○委員長(加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、神取忍君及び小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として三浦一水君及び千葉景子君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○委員長(加治屋義人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官今城健晴君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加治屋義人君) 農林水産に関する調査のうち、日豪EPA等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小斉平敏文君 おはようございます。自民党の小斉平でございます。 早速質問に入らせていただきますけれども、去る十二月の五日の日に政府は関係閣僚会議を開かれまして、オーストラリアとの自由貿易協定の交渉に入るということを決定をされました。その際、松岡大臣におかれましては、重要品目は守り抜くと交渉に臨む強い決意を示されたわけでございます。心強い気がしたことも事実であります。 さて、この相手国であるオーストラリアでありますけれども、農産物輸出国十八か国のケアンズ・グループの中心国であると同時に、これまでも我が国に一貫して農産物の貿易自由化、これを迫ってきた国であることも事実であります。しかも、豪州はほかの国とのFTA交渉で関税撤廃の例外をほとんど認めていないと。しかも、唯一認めたのは、アメリカの大統領が直接交渉をやって砂糖だけを除外したという、非常に交渉にタフな国であることも事実であります。 我が国とオーストラリア、鉱工業製品の輸出入に当たっては、いわゆるもう既に関税が撤廃されておるもの、あるいは、あったにしてもいわゆる為替の変動範囲程度のものとなっておる現状でありまして、そういうことから、オーストラリアにとって我が国との交渉に入るそのねらいというのは、そのことからいっても我が国が講じておる農産物関税の撤廃以外にはないのではないかと私は非常に危惧いたしております。 翻って我が国は、じゃ、この交渉で何をかち取るのかと。鉱物資源、エネルギーの長期的確保だとかいろいろ言われておりますけれども、これはあくまでも企業間の取引で十分だと私は思うんでありますが、どこに結局農産物、我が国の農業の存亡を懸けて取引するだけの価値があるのかなと、どこにあるのかと、よく見えないのが率直な感じであります。 実は私、政務官をいたしておりました八月の一日から四日間、オーストラリアに参りました。このオーストラリアとのEPA、FTA、これについて行ってこいということでありましたので、先方の大臣以下多数の政府高官とお会いをいたしました。 我が国の立場というものを明確に説明をして、とにかく事前の共同研究で省くべき重要品目はちゃんと省いて、それから交渉に入るというのが我が国の態度だと、農水省としての態度だという説明をやったんですが、向こうは、大臣から下まで全部言うことは一字一句同じことを言います。それは何かというと、もう共同研究をやめて直ちに交渉に入ると、交渉に入るからにはすべての品目をテーブルにのせて、そしてその中から話合いでどんどん削っていけるものは、合意に達したものは削っていけばいいじゃないかと、正にそのことだけを言うんですね。 私はそのときに感じたことは、やはり全品目をテーブルにのせたまま交渉に入れば、オーストラリアの考え方というのは、それで交渉に入れば九九・九%我々の勝ちだと、オーストラリアの勝ちだと、このように思っておることは、もう私もそういう思いだなというのを感じたところでありまして、帰国して私は報告いたしましたのは、オーストラリアとのEPA、FTA、これは百害あって一利なしという報告をしたところでございます。 そういうことを前提にしながらるるお尋ねをしてまいりたいと、このように思う次第であります。 まず、これが最も肝心な点であろうと、このように思うんですけれども、我が国の最近の対応、特に農業分野での対応、国内の対応、いわゆる戦後最大と言われる農政改革、これも推し進めておるところでありますし、また今回のこのオーストラリアとのEPA、FTAの交渉、これらはあくまでもWTO、これだと思うんですね。だから、このWTOが昨年の暮れあるいは今年の暮れに妥結するという前提にこれらのことが私は進めてこられたと、このように理解をいたしております。しかし、WTOは凍結されたままでありますし、今後どうなるか全く不透明ということであります。そういう中で、オーストラリアとのFTA交渉、農産物の関税撤廃が進めば、これまでのWTOの交渉、日本が主張してきたこと、努力してきたこと、全く無意味になるんではないかと思います。 さらに、政府は、FTA、EPA、これは本来WTOを補完するものと、このように申されてきたわけでありますけれども、このWTOの交渉の結果を待たずに、いわゆる先走って農産物の輸出大国であるオーストラリアとEPA、FTA、これを結ぶのは大変危険だし、私は順序が逆ではないかと思うんですけれども、松岡大臣のお考えをお聞かせ賜りたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 今、小斉平先生からいろいろ御指摘がございました。その中で、順序が逆ではないかと、こういうような御指摘でございますが、確かにWTO交渉というのが、これは世界全体の貿易の枠組みを決め、ルールを決める、こういう役割を果たしているわけであります。これはもうガット以来そういうことでございますが、そういう中で、いわゆる経済連携協定、FTAという呼び方、EPAという呼び方がございますが、これは多角的な貿易体制でありますWTO、その補完的なものとして位置付けられていると、それはもう全くそのとおりでございまして、そういうような位置付けの中でいろんなところのEPA、FTAが実はなされておるわけでございます。 したがいまして、EPA、FTAにどう日本として臨むかということについては、世界全体の動きの中で、また地域的な全体の動きの中で日本としてもこれについては積極的に取り組んでいくと、そういう私は政府全体の方針はあるものと認識いたしております。 その中で、今一番問題になっておりますのはこのオーストラリア。これはもうとにかく、今、先生は百害あって一利なしという御指摘をされたわけでありますが、農業という面から見ますと、全く私どもは、これはやっぱりよその国とは違う。したがって、オーストラリアに対しましては攻めるところは攻めるということは一つの方向としてございますが、それ以上にやはり、より守るものをしっかりと守って守り抜くと、これが基本的な考え方でありますし、そして、いろんな議論がありまして、もうテーブルにのせたら全部これはオーストラリアに取られてしまうんじゃないかということを一番強い皆様方が発言されるということは、オーストラリアから見れば、ああ、もうそういう考えで、腹でいるのかと、私は逆に危惧の念を持つわけでありまして、いや、断固として我々はこのセンシティビティーなものは守り抜く、こういう決意で実は臨んでいるわけでありますので、したがって、テーブルの上に全部のせるというのは今までEPA、FTAやってきました、どこの国もそうなんです。 しかし、その中で、逆に私どもとしては、この昨日公表されました研究報告書にもございますが、この中にございますように、正に段階的削減、それから除外、それから再協議と、もう柔軟性のあらゆる選択肢を活用する、こういったことをしっかりと合意の中に、特に最終場面におきまして、外務省と一体となって、また官邸とも一体となってこのことにつきましては貫いたわけであります。貫いてしっかりと日本の枠組みを相手に認めさせたわけであります。したがって、どこの国とやってきたその例よりも、場合よりも強い私どもの立場というものを構築した。したがって、私どもはその立場に立って、足場に立って、しっかりとこれは断固として守り抜いていく。それは国会におかれましても是非ともこれは一体となって私ども政府の交渉を後押しをしていただきたい、そういうお願いでございますし、そういう思いでおりますし、是非そのような観点から、とにかくおっしゃるとおりであります。オーストラリアの品目というのは日本にとっては最重要品目、これは大変な影響がございますから、農業のみならず関連産業、地域全体、こういったそういう問題でございますので、小斉平先生の御指摘は、そういう問題だからこそしっかりやれと、間違ってもこれはそれを途中でおかしなことにならないように貫き通せと、こういうことだと思いますので、そういう私どもも方向に沿ってしっかりやってまいりたいと思います。
○小斉平敏文君 ただいま大臣から大変力強い決意のほどをお聞かせを賜りました。ほかの質問も全部もうやめてもいいぐらい多岐にわたるいろいろな大臣としてのお心構え、覚悟のほどをお聞かせを賜りました。大変に心強く思いますが、大臣が申されるとおりに、やっぱり守るべきは守るというのはWTOのときももう同じ、前中川大臣も、もう譲るところは譲る、攻めるところは攻める、守るところは絶対守るんだということでありました。今、大臣もそういうことで、守るところはちゃんと守るんだということでありますので、私どももとにかく後押しをしろと言えば一生懸命やりますので、大臣ひとつ、大変難しい交渉だとは思いますけれども、更なる御努力を心からお願いを、農家、農民を代表いたしましてお願いを申し上げたいと思います。 それで、大臣はさきの衆議院の委員会で、FTAはギブ・アンド・テークだと、そういう関係だと、このように述べられたと聞き及んでおるわけでありますけれども、本交渉を行うに当たって我が国が享受するメリット、このメリットについて農水省あるいは経産省、外務省、それぞれ国民が理解できるように具体的にお聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(佐藤正典君) お答え申し上げます。 日豪EPAにおきましても、農林水産分野におきましてギブ・アンド・テークの関係が成り立つ必要があると考えております。日本側のメリットと豪州側のメリットとのバランスが取れているということが重要であると思っております。この場合の我が国の農林水産分野におけるメリットといたしましては、豪州側の関税撤廃やあるいは動植物検疫面の改善による日本産農産物の輸出拡大を図ることなどが考えられるところでございます。 以上でございます。
○政府参考人(高田稔久君) 経済産業省といたしまして、豪州は資源、エネルギー等の安全供給の確保の面でありますとか、あるいは今後の東アジア地域における政治経済の面で我が国にとって非常に重要な戦略的なパートナーであると認識をしております。 それで、我が国が日豪EPAに取り組むメリットといたしましては、主に三点考えられると思っております。 第一に、資源、エネルギーの安定供給でございます。昨年、日本の鉄鉱石あるいは石炭の輸入に占める豪州のシェア、約六割に達しておりますが、EPAを締結することによりまして資源、エネルギーの安定供給確保を図ることができれば、これは大きな意義だと考えております。 それから次に、関税撤廃による貿易の拡大でございます。豪州への日本の主要輸出品、おおむね五%から一〇%の関税が掛かっております。しかし、豪州は既にEPAをアメリカあるいはタイと結んでおりまして、鉱工業品のほとんどの品目の関税が撤廃をされております。また、現在、豪州、中国あるいはASEANとEPAの交渉を行っておりますので、日本としてEPAを締結してそういった国との関係での価格競争力を向上させることができれば、これも意義あるものと考えております。 第三には、知的財産でございますとかあるいは投資に関する高いレベルのルールの策定ということがございます。日本と豪州という東アジアでの先進資本主義国同士のEPA、できますれば、この地域での経済統合のモデルとなることが期待されるところでございます。
○政府参考人(佐渡島志郎君) お答え申し上げます。 今、同僚の各お役所の仲間から答弁をいただきまして、個々のそういうメリット、並んでおります。私どもも外交というものを携わる観点から眺めてみますと、もちろんそういうメリット、特に私どもも資源確保の重要性というところには注目をいたしております。 それから、物の動き、関税のファクターが、要素があるというのはもちろんでございますけれども、やはり今見ますと、域内の市場における競争相手たる中国を始めとして、特に中国、石炭、鉄鉱石を始め、あるいは銅、モリブデンといった各種の鉱産資源に関連をして対豪投資を非常に積極的に進めております。私どもも、委員御指摘のように、実際の取引そのものというものはもちろん各企業の方々の御努力によるというところではございますけれども、私ども政府の役割といたしましては、それがなるべく日本の企業もきちんと投資ができる条件を整備をして、将来にきちんと備えていくということが肝要かと思っております。 それから、手前どもの外交の関係の観点から申し上げますと、豪州というのは、豪州側も特に域内を見渡したときに、同じ民主主義の仲間である日本との経済関係というのは特に強くしておきたい。彼らの目から見ましても、日本の各地、地方の観光地への投資とか、存外に効果が上がるということに目が向き始めております。そういうことも含めまして、私ども、全体の関係を密にしていくこと自体、域内を見渡したときの貴重な仲間である豪州との関係を強くしていくというところにはメリットがあると思います。 かたがた、松岡大臣の方からも御指摘ございましたけれども、逆に、じゃ、そのメリットに目を奪われて、角を矯めて牛を殺すということになっては私どもの責務が果たせないと思います。大臣からもしっかり叱咤激励いただいております。まだこの段階では実際に交渉入りということでは必ずしもございませんけれども、いざというときには私ども一丸となってしっかり頑張りたいと考えております。
○小斉平敏文君 ただいまの答弁の中で、経産省、言われましたけれども、資源、エネルギーの安定供給の確保という話がありました。実は私が行ったときに、先方といろいろやり取りやっておって先方が言うのが、結局、資源、エネルギーの分野は、結局、そんな交渉に早く入らないと中国にやりますよというような話をさんざんやるんですよ、はっきり言って。これはもう完全な脅しなんですよ。私は帰って商社の皆さんやらいろいろ話を聞けば、決してそんなことはないと言うんですよ。今まで積み上げてきた信頼関係とかいわゆる価格の面とかいろいろありますので、そんな心配はないと言うんですよ。ですから、やはりここの面は、これを結局、脅威だと感じて交渉をやられるというのは、私はこの農産物をいわゆる犠牲にしてまでやるべき話じゃないと、私はそのように思います。ですから、そのことは、まあ私が言うより、交渉のプロでありますから、そのことは十分念頭に置きながらやはり交渉をやっていただきたいと思います。 それでは次に、今度はこの交渉が我が国にもたらすデメリットについてお伺いをしたいと思います。 農水省は、オーストラリアからの農産物、この関税が撤廃された場合の影響として、いわゆる牛肉、小麦、砂糖、乳製品、この主要四品目、これが受ける直接的な影響、これを七千九百億と試算をされて発表をされました。また、北海道でも同じような試算を発表いたしておりまして、四品目の直接的影響あるいは関連産業を含めると一兆四千億と、この打撃を受けることによって離農やら失職する人たちが九万人に及ぶと、このように試算をされております。 私の地元宮崎県でも、農業産出額三千二百億ですよ。このうち最も影響が出るのが肉牛と乳用牛なんです。まあこれの直接的影響だけでも概算して試算させたら三百七十億損失が見込まれるというんですよ。そしてまた、この豪州との関税が撤廃されたときにアメリカとかカナダ、これを始め世界各国から同様に撤廃を求める動きが出てくることを考えると末恐ろしくなる。農林水産業全体に大変取り返しの付かないような深刻な影響が出てくると私は思います。大臣も大変な大型台風が来るぞと、このようにおっしゃっておられましたけれども、私も全く同感であります。 そして、更に申し上げますならば、WTO交渉で今まで我が国が貫いてきた方針との整合性、そしてあるいはG10、この各国への対応はどうなるのかということであります。さらに、構造改革を推し進めようとする新しい農政、これへの影響や自給率低下への影響等もあると思います。 そこで、農水省にお伺いいたしますけれども、関税が撤廃されたときに我が国の農業や地域経済に与える影響、これをどのように考えていらっしゃるか。またそれから、ただいま申し上げました主要四品目について試算が出ておりますけれども、これを見る限り、あたかも米が重要品目じゃないというような感じを受けるんですよ。これは、いろいろ事情が、もう金銭的に試算ができないとかいろいろ理由があると思いますが、これを見た限りじゃ米というのが重要品目として扱われていないなと、このようにだれでも感じるんです。 私もちょうどオーストラリアに行ったときに、恐らく向こうの大臣のさしがねだったんだろうと思うんですけれども、サンライスという、大臣御承知だと思うんですけれども、オーストラリアで一番大きな、七割から八割の米を取り扱っておる業者がいるんですよ。そこの会長がわざわざ訪ねてきたんです。何と言ったかといったら、オーストラリアの米農家というのは非常にほかの農家よりもうかっておると言うんですよ。ところが、悲しいかな、みんなだから米を作らせてくれと言うけれども、水がないと。だから、もうこれ以上はできないんですよと。だから、日本に輸出をする能力はないんですよと、余力はないんですよと盛んに言うんですよ、盛んに。 これは何かといったら、私もそのとき考えたんですけれども、アポもなしに来たんですから、もう何で来たのかなと思って、結局思い至ったのが、そういうことを言うことによって、結局無関心を装うことによって、ああかなりな関心持っておるなと、私は実はそのように思ったんですよ。 この米というのは、我が国の農業の基幹でありますから、関税が撤廃をされたら、今七八〇%もらっています、ところがこれを関税が撤廃されたら恐らく今の価格の十分の一以下、これで我が国に流入をしてくる。そうなったときに我が国の米守れるかという、ただでさえ今年も米価が下がる、そうでしょう。そしてなおかつ、こういうことになってくると壊滅的打撃を受けはせぬかなと私は思います。 また、オーストラリア側も今短粒種、中粒種、長粒種というのを生産していますよ。短粒種は三分の一にも満たない。ところが、結局オーストラリアのスーパー見ても、いわゆる中東向けの米、いわゆるインディカというやつですよね、それとジャポニカ、これが並べて売ってあると価格が物すごく違うんですよ、価格が。そうなってくると、オーストラリアそのものの生産がいわゆるインディカからジャポニカにシフトを変えてくるおそれが必ずあるんですよ。それでも大変な影響が出てきますよ、はっきり言って、価格が違うんだから。そのおそれもある。そしてなおかつ、アメリカやら中国、こことも関税を撤廃せざるを得なくなる。そうなると日本の米はたまったもんじゃないということになるんです。それこそ、そうなったら、和牛のAの四とかAの五、あれと一緒で、日本の米、魚沼のコシヒカリとかああいうやつだけが生き残って、金持ちが食う米となりかねませんよ。 ですから、私は非常に心配をいたしておるところでありますから、この米についての御見解も、考え方もお聞かせを賜りたいし、あわせて、林業、これはもう木の方はほとんどがもう関税がありません。ところが、問題なのは合板なんですね。こういうものが入ってくれば、ほかの国とのいわゆる兼ね合いが出てくる、そうするとかなりな影響が出てくると危惧するんです。これに対する考え方。そして、水産、これはもうマグロが大体三分の一占めておりますけれども、これも関税というのは低い、三・五%ぐらいですよ。ところが、これもほかの国との兼ね合いが出てくるんですよ、ほかの国との。ですから、これらについて併せて御説明を賜りたいと思います。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 農業への影響ということでございますけれども、先ほど委員の方から、米が入ってはいないではないかということで、四品目の試算のお話がございました。小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四品目で直接的な影響として約七千九百億円の国内生産が減少するというような試算をしているところでございます。これは上位四品目という形で取っております。米につきまして重要品目であることは論をまたないというふうに認識しているところでございます。 それから、こうした直接の影響のほかに、関連産業に対します経営、雇用の問題、あるいは耕作放棄地の増加の問題、あるいは国土環境保全等といった多面的機能にも大きな影響があるように思います。また、食料自給率にも影響が生ずることが想定されるところでございます。 いずれにしましても、こうした我が国の農林水産業あるいは地域経済等々に悪影響を及ぼさないような、守るべきものは守る、しっかり守るとの方針で取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(岡島正明君) 米について更にちょっと補足して御説明させていただきます。 今、佐藤総括審議官から申し上げたとおり、今回の試算につきましては特に豪州からの輸入額の大きい四品目について関税が撤廃された場合の影響の試算を行ったものでございます。今、小斉平委員御指摘のとおり、米については豪州のみならず、豪州国内の事情もございますし、さらに他国との関係もありますので、なかなか現時点におきまして定量的な評価は困難であると考えております。 ただ一方で、極めて重要であるということについては論をまたないわけでございまして、我が国の水田農業は、国民生活上欠かすことのできない米の生産のみならず、洪水防止、国土保全などの多面的かつ重要な役割を果たしていることはもう論をまちません。このため、これまでのEPA、FTAの農業交渉においては、我が国の水田農業の存立基盤を確保することを基本方針として交渉に当たっているところでございます。日豪とのEPA交渉においても、WTO交渉や他国とのEPA、FTA交渉に与える影響を見通しつつ、重要な品目である米については、除外又は再協議の対象となるよう、政府一体となって全力を挙げて交渉を行っていきたいと考えております。
○政府参考人(川村秀三郎君) 林産物の関係でお答えを申し上げます。 豪州からの我が国の輸入額でございますが、八百三十億、林産物の全体の輸入額に占める割合は七%ということでございます。この内訳でございますけれども、既に無税となっておりますチップ、木くずが大部分を占めておりまして、無税品目の割合が約九七%ということでございます。したがいまして、豪州との間ではこの林産物の関税が撤廃された場合でも直接の影響は少ないと考えられるわけでございます。 ただ、豪州からの輸入の中には、少ないながらも、製材でありますとか繊維板、合板等の有税品目が含まれております。これらの品目は、委員も他国との関係で御指摘ございましたけれども、カナダ、米国から相当量が輸入をされているわけでございまして、今回もし仮にこういうことが合意なされますと、カナダ、米国とのFTAを想定した場合に、この品目の取扱いは大きな争点になるというふうに考えております。 したがいまして、林産物の関税の取扱いについても、御指摘のように他国とのFTA交渉に及ぼす可能性の影響等も見極めつつ、慎重に対応してまいりたい、こういうふうに思っております。
○政府参考人(白須敏朗君) 水産物につきましてのお尋ねでございます。 豪州からの水産物の輸入は二〇〇五年で約四百八十億円ということでございまして、主な品目といたしましては、委員からも御指摘ございましたように、マグロとかエビといったものでございまして、その関税率は業種によって異なりますが一〇%以下の水準になっているわけでございます。 しかしながら、これまでのEPA、FTA交渉に当たりましては、アジでございますとかサバでございますとか、そういった我が国の沿岸漁業者の主要漁獲品目でございますいわゆるこのIQ品目、あるいはお話ございましたマグロと、そういった国際的な資源管理上からの問題があります品目につきましては関税撤廃の対象から除外あるいは再交渉ということで、我が国の水産業への影響を極力抑えるといった考え方で臨んでいるわけでございます。 したがいまして、今後ともこの日豪のFTA交渉につきましては、お話ございましたように、WTO交渉への影響でございますとかあるいは他国とのEPA、FTA交渉に与えます影響、こういったことを十分考慮に入れまして、我が国水産業の健全な発展を図るという観点からしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○小斉平敏文君 それと、今構造改革を進めておる新たな農政進めておるわけでありますけれども、これを考えてみますと、いわゆる品目横断的経営安定対策、その中で認定農業者といわゆる集落営農、これに特化をしてやろうということで、その説明の中に、国際的にはいわゆる国際ルールが非常に厳しくなると、だからそれにちゃんと対応するんだと。それで、なおかつ、私はもうそのときにこの説明を聞いたときに、対策の説明聞いたときに、最終的にはいずれ農産品も完全な自由化に、いずれの時期、三十年後か五十年後か分かりませんけれども、そういう時代が来るであろうという想定をして、やはり国際競争力を持った農業、農村というものをつくろうというのが私は目的であろうと、このように思っております。 ところが、これはようやく始まったばっかしでありまして、もう私どもの地元で特に集落営農、力入れて、とにかく集落営農やらないと、小さな農家というのはそこに参加してくださいということで一生懸命やっておりますが、まだまだ始まったばっかしでありまして、私の住んでいる市の農地のカバー率というのも非常にまだ低いんですよ。そういう中でこういうものが出てきて、例えば米を直撃するとか畜産を、和牛を直撃するというような話になってくると、この改革すら私はなかなか進んでいかないと、前に進まないと。大変、その前に崩壊してしまうと思うんですよ。 ですから、この交渉が与える、いわゆる今の進めようとしておる政策、これに対する影響、そしてその大きな柱である食料自給率、四五%に上げようとしているわけですが、これに対する影響も教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 豪州との交渉で関税撤廃というようなことを行いますと、当然ながら農業それ自体、それが関連産業あるいは地域にも影響してまいります。さらには、ただいまお話ございました自給率の問題にも影響してまいろうかというふうに思います。 ただ、こうしたものへの試算につきましては、なかなか前提、置き方が大変難しいということもございますし、現在のところそうしたものを試算したものはございません。 以上でございます。
○小斉平敏文君 それでは次に、経済産業省もデメリットについてこの農林水産物だけでなくほかの品目も当然検討をされておると、このように思います。 今後の産業政策やらWTO交渉等に大きな影響があると思うんですけれども、関税が撤廃されたときのデメリット、これをお教え願いたい。外務省もどのようにお考えかをお聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(高田稔久君) お答え申し上げます。 経済産業省が所管をしております鉱工業品の中にも皮革あるいは履物と、極めてセンシティブな品目がございます。こういった品目につきましても、日豪の共同研究会の過程の中で時間を掛けて議論をいたしまして、豪州側の理解も深まってきておると考えております。日豪EPAの交渉入りをした場合には、こういった品目につきましても引き続き日本側のセンシティビティーについて豪州側の十分な理解とそれから柔軟性が得られるよう、政府一体として対応してまいりたいと考えております。
○政府参考人(佐渡島志郎君) お答え申し上げます。 私ども直接所掌をしております具体的な品目というのはございませんけれども、ただいま同僚のお役所の方からお答えございました。殊に豪州側との共同研究の過程におきましては、関税をゼロにするという仮定の下で、日本の農業を始めとするいろんなセンシティブ品目と呼ばれているもの各分野において非常に大きい影響が出ると、殊に農業がそうであるというような共同作業の結果もございまして、私どもとしても、一緒にやった作業の結果、そういう日本に対してのその深刻な影響というのは十分に先方にもアピールをしていると考えます。 それから、委員御指摘ございました、豪州との交渉というのは単に豪州だけということにはとどまりません。そのほかの将来の可能性を見据えること、それからWTO、これまでの正に私ども日本の主張との関係でそごが生じないように、そこのところにはきちんと意を用いていきたいと考えております。
○小斉平敏文君 今、メリット、デメリットについてそれぞれ各省からお話を賜りましたが、どうもいま一つまだよく理解できないところがあるわけであります。特に小泉総理が昨年四月にオーストラリアとのいわゆるその種の会談を行われて、EPA、FTAについて二年掛けて研究をするということを決められたと。で、研究が始まった、来年の四月までと。それが突然、結局前倒しをして交渉するということになってきたわけですね。これが私は理解できない。 特に今言われておるのは、世界的に食料危機がどんどんどんどん迫ってきておると言われておるんですね。人口は爆発的に増えておる、しかしその中で飢餓人口はどんどん増えておる。どんどん増えておるんですよ、飢餓人口は。そして、人口は増える、そして農地はですよ、農地は五百万から六百万ヘクタール毎年砂漠化している。日本の農地すべてが毎年なくなっているんですよ。そういう中で、大変な食料危機を迎えようと、それはもうだれもが分かっていることなんですよ。そういう中で、この我が国の食料の生産構造を破壊するような冒険を冒してまで交渉を急ぐ必要があるのかなと、これは私は単純にそのように思います。 ですから、なぜ半年も前倒しをして交渉しなければならなかったのか、外務省にお伺いしたい。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 私ども総理の御指示を得まして研究会を始めました。その当初に双方で合意したことは、二年以内に結論を出すと、こういうことでございました。二年以内に結論を出すということに加えて、日豪で行っております次官級の経済上の政策対話で別途の指示があればそれに従うということで始めたわけでございます。回数は全体で五回を重ね、その間にも各種のやり取りを行ってまいりまして、議論が煮詰まったというのが一言にして申し上げて、それでは両政府にどうするかというのを上げていこうという結論でございました。 同時に、私ども先ほどちょっと申し上げましたけれども、域内での日本のマーケットの拡大といいましょうか、東アジアの共同体への形成へ向けて先の長い道のりが待っております。そういう中で、私ども、この日豪交渉というのがもし始まるということになれば、報告書にも書いてございますけれども、おしりを切っておりません。お互いに相当タフな交渉になろうかと思われます。私どももこれまでの交渉で、過去、守るところ、一〇%の部分というのは必ず守ってきております。言わば、豪州も全勝であれば日本もこれまで全勝でございまして、全勝同士の対決ということになります。しからば、条件が出てきたところでは話を始めるということについては両政府に早いタイミングで提言をしてもよかろうということが話合いの結果であったと、こういうことでございます。 ただ、始めまして、それではもうどんどんその関税を撤廃していくのかと、そういう格好でないということは、先ほど来、冒頭来、松岡大臣からもしっかり御指示を賜っております。私ども、それを踏まえながら、きっちりと日本のメリットというのを追求をしてまいりたいと思っております。
○小斉平敏文君 まあよく分からぬけれども、もう時間がどんどん押し迫っておりますから次に入りますが、これは重複すると思うんですけれども、交渉の入口に当たって、いわゆる重要品目の除外あるいは再協議の対象とするモダリティー、これができることが私は最も重要な条件になると、このように思うんですけれども、外務省はいかがお考えでしょう。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 交渉が始まった後のことをこの時点で予測申し上げるのは大変難しゅうございますけれども、私どもは、当然ながら交渉でございますので、私どもとして一番ベストを、まずはビッドはもう高いところから通常であれば入っていくのが当然かと心得ております。
○小斉平敏文君 とにかくベストを尽くしてください。 オーストラリアは、大使館の皆さんともお会いしましたけれども、もう物すごく、我が国の政治から経済から農業界のことまで物すごく詳しいんですよ、本当に。ですから、かなりな情報を握っていますから、やはり心して交渉をやらないと相手に押し込まれる、絶対そのことだけは念頭に置いて交渉に当たっていただきたいと思いますし、また、これも交渉が始まっていない時点でお尋ねするのもいかがかと思いますが、そういうような、完全撤廃とか大幅削減というような事態に至ったときに交渉を中断する可能性があるのかどうか。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 先ほども申し上げましたけれども、角を矯めて牛を殺すということになっては何のための外交かと心得ております。しからば、どうしようもないといいましょうか、私どもとしてのめないというふうな話があるときには、当然そのこともあるという覚悟で交渉は、いかなる交渉であっても、とりわけこれだけタフなことが予想されます。そういう覚悟をきちんとして臨むというのは、私は当然ではないかと心得ております。
○小斉平敏文君 ある議員さんが言われたんですけれども、交渉に入ったら、もうとにかく当事者はこの交渉を何が何でもまとめようまとめようということで現場サイドはやるんだと、だから交渉に入ることに大変危惧を抱いておるというような発言もあったんですよ。その人はもう実際、役人で交渉をやられたことがあるという話の前提の下にお話しされましたけれども。 ですから、ただし今、お話を聞きまして、ちゃんとやるということでありますので、是非ともそのようにやっていただきたいと思います。もう私としては交渉そのものに、入ることに反対でありますけれども、これはもう決定したことでありますので、ただいま申し上げましたように、除外とかあるいは再協議の対象にすると、あるいは交渉の中断も辞さないと、そういうようなやはり不退転の決意で、政府一丸となっての対応を心からお願いをしたいと思います。 最後に松岡大臣の決意を聞こうと思いましたけれども、冒頭の決意でもう大満足いたしておりますので、是非とも大臣、先頭に立ってよろしくお願い申し上げます。 終わります。
○主濱了君 早速質問に入らせていただきます。 日豪のEPAということで、間口が非常に狭いということで、質問かなり重複する可能性ありますが、できるだけ避けつつ質問をさせていただきます。 まず、EPAそのものについてお伺いをいたします。最終報告が十二月四日にまとめられたということなんですが、私の手元に届いたのは実は昨晩でありまして、読ませていただきました。この日豪の経済連携に関しての、日本としてといいますか、各省としての基本的な考え方をまずお伺いをいたしたいと思います。それで、各省それぞれのお立場があると思いますので、各省それぞれに御答弁をお願いをいたします。外務省、それから経済産業省、それから財務省、財務省さんいらっしゃっていますね、財務省と、それから松岡農林水産大臣ということで、それぞれのお立場からの基本的な考え方、お願いをいたします。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 御指名がございましたので、僣越ながら最初にお答えを申し上げさせていただきます。 私ども、先ほどのお答え申し上げましたところと若干重なりますけれども、政府全体といたしましては、特に私ども外務省の立場から申し上げますと、民主主義あるいは基本的な人権といった価値観を共有する域内、数少ない仲間の一人であります豪州との戦略的な関係と、これを強化していきたいということでございます。経済の関係をしっかりより緊密なものにしていくこと自体、日本の安全保障上も役に立つという考えでございます。このEPA、もし始まって、できましたら、でき上がりましたら、我々望む形でと、こういう前提がございますけれども、そういう戦略的な関係を強化し、特に資源、それからエネルギー、食料の安定供給に資するといったメリットがあるであろうと考えております。 同時に、先ほどもお答えを申し上げましたけれども、農業の問題というのは国の根本でございます。したがって、我が国にとって非常に重要でありまして、国内の農業関係者の皆様方の御懸念ということにも十分に注意を払いながら仕事をやっていく必要があると考えております。 大臣からも御答弁ございましたけれども、実際の交渉に当たりましては守るべきものは守ると、そして我が国にとっての最大限のメリットを獲得するということを目指しまして、政府一丸となって交渉していく必要があると考えております。その際、政府のみならず国が一丸となって交渉をするということがやはり私どものポジションを高めることにつながると思います。 立法府におかれましても、是非とも私どもの背中を後押しをしていただきたいと考えております。
○政府参考人(高田稔久君) 重複するかもしれませんが、経済産業省といたしまして、豪州、先ほど申しましたが、資源、エネルギー等の安定供給の確保でございますとか今後の東アジア地域における政治経済考えました上で、我が国にとって非常に重要な戦略的なパートナーであると考えております。こういう豪州との間でいいEPAができれば、それは非常に大きな意味があると思っております。 同時に、先ほど来議論が出ておりますけれども、日豪の貿易関係で、農業の問題でございますとか、それから経済産業省が所管をしております一部の鉱工業品について極めて難しいセンシティブな問題があるということ、事実でございます。したがいまして、EPAの交渉入りという場合には、このような日本側の重要品目、センシティブ品目について豪州の理解と柔軟性、十分に得られるように、これは政府一体として対応してまいりたいと。また、メリットと考えられる面につきましては、これは実質的かつできるだけ大きなメリットができるように、これも政府一体として頑張ってまいりたいと思っております。
○政府参考人(坂口勝一君) お答え申し上げます。 日豪EPAにつきましては、貿易自由化の側面に加え、資源及びエネルギーの安定供給確保等という点におきまして、我が国にとって大変重要であると考えております。一方で、農業等の分野におきましては難しい問題がある、存在するという認識でございます。 現在、この問題につきましては、日豪共同研究会の最終報告書の取りまとめを踏まえて総理にお諮りしているところと承知しております。
○国務大臣(松岡利勝君) それぞれ今、各役所からお答えがあったわけでありますが、主濱先生の御質問、御指摘に対しましてお答えを申し上げたいと存じます。 私はやっぱり、全体的には外交戦略があると思いますし、それからまた経済貿易戦略、こういったことが国全体、日本全体として大きな観点としてあると思います。これは安倍内閣において、安倍総理が何を重要視され、何をまた目指しておられるか、こういった観点からいたしますと、私はそこには大きな一つの判断があったんだろうと思います。 そういう中で、例えば中国との関係でありますけれども、今中国はいろんな外交戦略をとことんこれをやっているわけであります。ちょっと長くなって恐縮ですが、この前、WHOの事務局長選挙がございました。日本からも武見副大臣、浅野副大臣がジュネーブに乗り込んで、そこで本部つくってやって、私もちょうど行き会いましたが、いやまあ大丈夫だと、大体間違いないと。結論から言いますと、香港系中国の方ですかね、それに負けてしまったと、結論から言うと。 それは、やっぱりアフリカにおける日本の外交的な強さ、弱さ、言っていいのかどうか分かりませんけれども、そういったことも影響いたしまして、中国は全部に大使館を置いておると。我々がよく、あんた選挙のときだけ来たって駄目だぞと言われますね、それと同じでありまして、やっぱり日ごろの積み重ね、努力と、大使館を置いて。結局アフリカの差で負けた。無記名らしいから何が中身がそうだったか分かりませんが、そういったようなことを言われております。 そういったことから関しましても、中国はもうどんどんASEANとの関係を結んでおる。そして、今や日本が盟主だと言われておったのがそうじゃなくなりつつある。こういったことをやっぱり大きくとらえ考えますと、私は、外交戦略、経済貿易戦略という観点から、これは一つ大きな拠点として安倍総理は判断をされたんだろうと、これが一つあると思っております。 そういう中で、今各省それぞれ申し上げました。じゃ、そういう中で我が農業分野はどうかと、こういうことでございますが、これはもう何度も申し上げておりますように、私は、マクレーンさんという大使が今おられます、日本におられます、オーストラリア大使。二度ぐらいお会いしましたが、二度とも申し上げましたのは、あなた方は、日本は工業で利益を上げるから農業はひとつおれたちに利益をと思っておられるかもしれないが、それは駄目ですよと、それは。我々は、農業は農業の世界でギブ・アンド・テークが成り立つかどうかだ、そう申し上げますと、大臣は認識違っているんじゃないかと、あなたは、オーストラリアの間でテークはあるのかと、こう言われます。私は、メリットに応じて受入れを考えると、とも、そういう表現もいたしております。それは、裏を返せば、メリットがなければこれは受け入れられない、またテークがなければギブはあり得ない、こういったことを私自身は、実はそういう論理でありまして、そこを御理解いただければ、どういう方針でどういう姿勢で臨んでおるか、これはお分かりいただけると思います。 そこで、政府全体というのは先ほど言ったような観点があると思います。そういう観点の中で、今回のこの最終報告書に今、主濱先生のお手元にも昨日届いたんだろうと思いますが、そこにもございますように、この24のパラですね、ここにありますように、段階的削減それから除外、再協議、あらゆる柔軟性の選択肢すべて確保したと、これにつきましては、官邸も一体となりまして、そしてまた外務省も、外務大臣を先頭に我々と一体となっていただきました。そして強力な交渉をやりました結果、そこは位置付けられたわけでございます。 そしてまたもう一つ、攻めるところもないわけじゃない。検疫問題であります。オーストラリアという国は特別検疫をどこよりも厳しく、きつくいたしております。じゃ、それはあなた方は譲ってくれるのか、これはこちらから求める大きな点でもありますが。それから、WTOとの関係でいいますと、国家貿易体制というのがあります。これは、やっているのはカナダとオーストラリア、ニュージーランドは民間ですが、独占貿易ですが、これは、彼らは守りたい。じゃ、日本とEPAをやるときにはそれはやめるのかと、国家貿易は。彼らも、WTOとの整合性、戦略上、果たして踏ん切ってこれるのかどうか、こういった点も我々はしっかりと頭に置きながら。 それで、私は、もうあと一、二分いただきたいんですが、安倍内閣、安倍総理が所信表明でもしっかりと表明されました。農産物の輸出、それからバイオマスの加速化、そこに日本農業が大きな将来を求めていく方針に間違いは絶対ないと確信をいたしております。そのまたためにも、ここのオーストラリアとの関係においては、攻める前に、攻めてかち取る前に、簡単に言いますと、攻め落とされたんじゃこれはどうしようもない。 したがって、そんなことはないように、オーストラリアとの場合においては、先ほど言ったようにメリットに応じて、またテークに応じて、こういうことを基本に置きながら、この交渉に入る前提として作りましたこの枠組み、これをしっかりと、この土台、足場に立って、我々の方針、それを、先ほど小斉平先生にも申し上げましたが、断固貫いていくと。そういうような観点で、農業分野の私どもは責任者でありますから、そういう観点で断固貫いていくということであります。 先ほど外務省の審議官も申してくれましたが、場合によっては、交渉ですから、これはこちらの立場が通らなければ、それはいろいろな選択肢があり得ると、私の言葉からそれ以上の言葉は申し上げませんが、いろいろな選択肢があり得るということを腹に入れて、政府一体となってこのことは取り組んでいただけるということの確認も経済閣僚関係会議でいたしておりますので、そういうことで農林水産省としては臨みたいと思っております。
○主濱了君 ありがとうございました。 それでは、今お話にありました、そのEPAにおける関税撤廃の例外の関係ですね、この関係についてお伺いをいたしたいと思います。 先ほどもお話にありましたとおり、日豪EPA交渉が開始されるとすれば、交渉は、ありとあらゆる品目とそれから課題が取り上げられるものとして、また段階的削減のみならず除外及び再協議を含めてすべての柔軟性の選択肢が用いられるものとして開始されるべきであると、このように合意されているわけであります。さっき言ったように昨晩見させていただいたんですが。 しかしながら、このオーストラリアは、これまでアメリカ、それからタイ、ニュージーランド、シンガポールと締結しているわけですが、関税撤廃の例外を認めていない、唯一アメリカの砂糖のみであるということであります。それから、豪州がこれまで認めたセンシティブ品目の取扱いにつきましては、関割りの拡大あるいは無税の新設あるいは長期の、いろいろ期間は設けますけれども、結局は関税を撤廃してしまうと、こういったような手法を取ってきているわけであります。 こういうふうなことを考え併せまして、日本として、農林水産省自体はこのことを十分理解しているんですよ、こういうふうな国であるということを理解しているんですが、これを理解した上で、大臣は、農産品を重要品目として関税撤廃の例外とすることができるか、結局、今目標としているその例外とすることができるのかどうか、どうお考えになっているのか、これ端的にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 一言で最終的に、何といいますか、今、主濱先生の御指摘、御質問にお答えを申し上げますと、それはオーストラリアは過去、オーストラリアが結んだ国とは例外はほとんど認めていないと。しかし、これはオーストラリアに裁定権があってやる交渉じゃありませんから、お互いの合意がない限りできない交渉でありますから。それは裁判みたいに、オーストラリアの判事さんか何かがおって決めるというんならどうもこれは例外認められないぞということがあり得るかもしれませんが、正に対等の交渉でありますから、これは合意によって成り立つものであると。したがって、私どもは自らの重要品目はしっかり重要品目として位置付ける、このような方針であります。
○主濱了君 先ほど来、守るべきものは守ると、このような御発言あります。これはWTOのときにもありました。今回の、その守るべきところは守る、守るべきものは守る、この具体的な内容、何をどうやってどう守るのか、具体的には何をするんでしょうか。この守るべきものは守るのその内容についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) これは交渉ですから、例えばWTOの場合、重要品目というものがどう扱われるか、まだ決まっておりません。じゃ重要品目というものが決まった場合、それはタリフラインの何%が認められるのかとか、またそれはタリフラインの数なのか、それとも貿易品目全体なのか。いろいろ駆け引きがあると思っていますが、そういう中で何がこうだと言うと手のうちをさらしてしまう。そういった観点から、向こうはだれしも日本はとにかく米でしょうと、こういうことになっておりますから、それはそれで、ああそう思っていただいているんならそれはどうぞと。 そういうことで、だから、タリフラインの数がどうなり重要品目の数がどうなる、こういった中で我々は手のうちさらさずに最大のものをかち取っていくことが必要だと思っておりますが、オーストラリアとの場合はもうほぼ限られておりますから言ってもそう問題ないと思うんでありますが、米はもちろん、先ほど小斉平先生からも御指摘ございました、それからうちの佐藤国際担当総括審議官の方から四品目について言及がありました。まず、とにかくその今挙げました品目はこれはやっぱり我々としても最重要だと、最々重要だと、このように思っております。
○主濱了君 どうも、この守るべきものは守るの内容が私もまだしかとはっきりしない。確かに、交渉事でありますから、これをこのようにすると、こういうふうなことはまだ今の段階で断言できないというのはそのとおりだと思いますが、これは私、ずうっとその言葉によってここのところが実はあいまいにされてきている、そのままそこを議論しないで流れてきている、これを一番恐れているんですよ。この部分をきちっとしないままに結果として交渉に入って、結果として日本にとって不利な内容のものができる可能性があると。そこを、それを心配しているわけなんですよ。もしあれば。
○国務大臣(松岡利勝君) 今、もう既に先ほど佐藤審議官の方から質問にお答えいたしまして、一応影響試算をした、それは四品目だ、こういうことで申し上げたものですから、もう表に出ているという意味で私は申し上げなかったんですが、また小斉平先生からも米は違うのかと言われて、米は何で試算しなかったのか、それはもう言わずもがなでありますというような意味で、当然ですという意味でお答えをしたわけでありますが、小麦がございますし、それから、今四品目を申し上げた、その四品目が、我々としては砂糖も含めまして、もう乳製品、牛肉はもちろんでありますが、これが重要な試算をした四品。じゃそのほかにはないのか、こうなりますと、それは我々、いろいろまだ何が重要で何がどうかということについてはまだ交渉の中で更なる判断をしていかなきゃいけないと思っています。
○主濱了君 ありがとうございます。 じゃ、続けさしていただきますが、私、今回のこの日豪の交渉入り、これはまだ決定していないというふうに理解をしております。まず、これいかがかということについて第一点、お伺いします。 それから、続きまして第二点ですが、実は農林水産省としては、今回要するに重要品目として例外とすることが難しい、もう既にそう思っているんではないだろうか、こういうふうに思っているんですよ。 といいますのは、もう既に示されております例の八千億あるいは四千三百億のこの試算、毎年毎年の試算、これはもう既に例外とすることが難しいという前提の下に当然試算されているものと私は思っているわけです。本当に関係する農業業界がもう壊滅的な状況を受けるということを理解した上で進めているのではないかというふうに思っておりますが、この点については、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) 第一の点でありますが、まだ交渉開始決定いたしておりません。 じゃ、今後はそれは見通しどうなのかという御質問だと思いますが、これ、総理が我々経済関係閣僚会議の合意といいますか、それを受けまして総理と相談をすると、官房長官が。そういう引取り方で今の現在に至っておりますし、首脳会談があって、そこで一つの整理がされるんだろうと思っております。その点については今外交当局で調整中だろうと思いますし、またその上で総理が最終判断をされるんだろうと思っております。したがって、今の時点ではそういう状況にあるということしか私としてはお答えができませんのですが、お許しをいただきたいと存じます。 そこで、もう例外はできないと思っているんじゃないか、それはもう全く違います。これは余りにも大変だということを皆さんに御理解いただくために、農林水産省としては警鐘を鳴らすといいますか、乱打するといいますか、そういう意味で、これはこんな大変な中身になりますという意味で御認識をいただくためにお示しをした、こういうことでございまして、逆の考えでありますので、それは是非先生、そのように御理解いただきたいと存じます。
○主濱了君 ありがとうございました。 この試算、もう一歩進めてみてはいかがかなというふうに思うわけです。実はやっぱり関係農家への救済策を、要するに打撃が、被害額が出てくるわけですから、救済策というのがやっぱり考えられなければいけないということだというふうに私は思うわけです。この場合、救済の範囲であるとかさらには財源であるとか、こういったようなものについても考えていかなければいけないというふうに私は思うんです。行き過ぎた質問かもしれませんが、もしお考えがあれば御答弁をいただきたいし、特にお考えがない場合は、交渉には拙速に決して入らないようお願いをするものであります。
○国務大臣(松岡利勝君) これは主濱先生、大変御指摘をいただいたことに対しまして、何といいますか、それはちょっと先に進み過ぎた、大変失礼な言い方ですけど、御質問でありまして、なかなかちょっと、今から交渉に入る、まだ入っていない段階でありますので。私どもはあくまでも先ほど申し上げましたような方針で我が国のセンシティビティー、これは必ず守り抜くと、そのことを貫いてまいりたい。そして、もし我々が納得できないような事態に至れば、それは先ほど外務省も申し上げましたが、中断とかいろんな選択肢も含めて我々は決断をしなきゃならぬと、こういう今腹構えでおりますので、もし守り切れなかった場合とか、そういったことは今のところ全く考えていません。守り抜いてそれを貫いていくと、こういう方針でありますので、どうか、せっかくの主濱先生の御指摘でありますけれども、その点については今申し上げましたようなことで御理解をいただきたいと存じます。
○主濱了君 いずれ、守るといいますか、具体的に、何といいますか、日本の農業、壊滅的な打撃を受けないような方法でこれは何とか、交渉に入るか入らないかは別としまして、私どもはできればそういうふうな拙速な決断は避けていただきたいという改めてのお願いをいたして、この項目、終わりたいと思います。 次は、先ほど小斉平先生からもお話がありましたやっぱり米の取扱いについてお伺いをいたしたいと思います。 今後、FTAやEPAの交渉に拍車が掛かって、農業への影響が心配されるわけです。今も本当に現実のものとなっていると私は思っております。この中で、どうしても日本の主食である米、この扱いを避けては通れないと思っております。 私、昨年は松岡大臣に御一緒させていただきまして、香港のWTOの会議に出席をさせていただいたわけですけれども、このWTO、FTA、EPA、すべて通じて、この対応の検討に当たってやはり米をどうするのか、米をどう取り扱うのか、まずこの点についてお伺いをいたしたいと思います。 ただ、これは余りにも大ざっぱなので、ちょっと三つぐらいに分けてお伺いしたいんですが、WTOでは重要品目の考え方が示されたわけであります。EPAでは重要品目としてどう取り扱おうとするのか。重要品目として扱うと決めた場合、結果としてどう取り扱われるんですか。本来、無税なはずであります。それを重要品目とした場合にこの米はどう取り扱われるのかというのが第一点目であります。 それから、第二点目。米を重要品目に位置付けるか否かというのが第二点目。かつて米を重要品目にしないという議論がなされておったというふうに私は記憶しておりますが、今でもこういったような議論があるのかということ、これが二つ目であります。 それから三つ目。やっぱり世界の大きな貿易の潮流からいきますと、貿易の自由化、米も含めた関税が、関税ゼロというか関税なしと、こういう方向に実はあると思います。そうしますと、今進められております品目横断的な経営安定対策、この中の諸外国との生産条件の格差是正対策の部分、あそこのところに、今は四品目しかないんですが、米が将来的に位置付けられるのではないかと、位置付けなければならないのではないかと、これは将来的な問題ですが、そういうふうに思うわけであります。 しかしながら、これは皆さんすべて御指摘されていますように、構造改革自体が遅々として進んでいないと。今のまま行っちゃいますと、そして突然、品目横断的な経営安定対策の対象品目として米が加えられたときに、大半の農家がこれは対象外になってしまう可能性がある。すなわち、これ関税が引き下がった段階で日本の稲作農家というのは壊滅的な打撃を受けてしまうことになります。 こういったようなことから、関税を引き下げる、そして安い米が日本に入ってくる。そのときに、大半の農家が、何といいますか、経営安定対策の対象外になるわけでありまして、このような状況についての適否、これでいいのか、あるいは今のうちからちゃんとそういうふうな小さな農家も経営安定対策の中に組み込んでおくべきなのか、こういったようなところのお考えをお伺いしたい。 この三点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) どういう位置付けかと、米についてでございますが、これは私も国会議員になって十七年目になっていますが、平成四年の段階でジュネーブでウルグアイ・ラウンド交渉がございました。そのときも私どもはこの国会の前に座り込みまして、自由化反対をやったものであります。そのときに、いろんな国に説明してまいりました。 日本の米というのは食糧としての一面だけじゃないんだと、水田というものがある。日本は国土が狭くて地形が急で、そしてそういう状況の中で水を蓄え、災害を防ぐ。それはもうダムと同じ働きで、どれほど水田が大きな役割を果たしているか、正に多面的機能でありますが、そういったことを資料を整え、説明文を英語に直して、ずうっとやってまいりました。それ以来、私は、水田の働きというものは正にこの日本の国土というものにとって、日本の国民生活というものにとって私は何より最重要な役割を果たしておると、それは今後とももう大変大事なものであると、このように認識をいたしております。したがいまして、そういった観点からも、米というのは水田そのものであると、水であると、災害を防ぐものであると、こういうふうな思いでありますので、そういう価値観に立って私は今後とも米の扱いというものは決めていきたい。 そこで、じゃ、WTOの世界、EPAの世界で米は重要品目として扱うのか扱わないのかという問題でありますが、これにつきましては、もう私は一番最重要なものであるということについては認識は皆さん一致しておられると、このように思っております。 ただ、何が、どの品目が該当し該当しないということについては国内的にもいろいろあると思います。米のない地帯もあるんです。例えば、北海道の東部とかそういったところに行きますと、これは酪農地帯でありますし、また畑作地帯でありますし、そういったところにおいては自分のところの品目が一番大事なわけでありますから、なかなか国内的にもいろいろありますし、また国際的には、対外的には、交渉的には何がどうなのか。先発ピッチャーはだれかと明かすようなものでありまして、やっぱりそういったことも含めて、これはいろいろ微妙な点がありますから、お互いの腹の中にあるということも含めて、この重要品目の扱いというのは、慎重といいますか、微妙なものがあるというのは御理解いただきたいと思います。あわせて、EPAにおきましても、もう大体分かっておりますけれども、ここはお互いに交渉の中で私はそれをしっかりと求めて、そしてかち取っていきたいと思っています。 それから、最後の品目横断との関連での御質問でございますが、これにつきましては、じゃEPA交渉でオーストラリアとやって、言ってみれば米が例外扱いにならなかったと先ほどの小斉平先生の御指摘にもありましたが、その心配のとおりになったということが、そうなると主濱先生御指摘の場合になってくるわけでありますけれども、今はそういうことは考えておりませんので、仮定の御質問ですからなかなか答えにくいんですが、もうせっかくの主濱先生の御指摘ですから一般論で申し上げますと、一般論としては、米ということに限らず、そういう内外の生産条件の格差が大きくなってはっきりとしてしまった場合それはあり得ると、先生が御指摘のような対象とすることはあり得ると、こう思っています。 それと、なお、最後ですが、私どもはこれは切捨てじゃないと。先生は一・八ヘクタールという数字はこの前もお聞きいたしました、それが平均じゃないかと。だから、そこまで下げるべきだと、こうおっしゃったわけでありますが、私は、よりやっぱり大きな体質の強い、体力の強い形に持っていく。そのためには一人で駄目なら二人、二人で駄目なら三人、そういうことで一定の要件をクリアしていただいて、全体として大きくまとまって大きな力になっていただく。必ずその方向が正しいと、こう思って今いろいろ御苦労いただいて、皆さんへの御理解を深めていただいておるところでもございますので、是非、そのような方向を進めていくことは決して切捨てではないと、逆に切上げで、一人や二人ではできないものをみんなでなることによって、逆にこれが切上げでそういった人たちも担い手になり得ると、こういう観点でとらえていただければと、そのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○主濱了君 最後のところなんですけれども、私やっぱり規模要件というのがきちっと示されている以上、それ以下の人は基本的には対象外なんですよ。その部分が非常に数が多いということだというふうに理解をしております。そこの部分が、もし米の価格がどんと下がって経営が立ち行かなくなった場合、これが原因が外国との生産条件の格差が原因で価格が追い付かない場合、これをどうするのかという問題ですね。現実問題として、対象にならない人が一杯出るじゃないですか。ここをどうするのかということについて実は伺いたかったわけなんですが、もし御意見があれば。
○国務大臣(松岡利勝君) 私の申し上げましたことも主濱先生は御理解いただいた上で、しかし、なおこういう問題点をどうするんだと、こういう御指摘だと思います。 この点につきましては、十分な御説明をし、御理解をいただいて政策の方向に沿っていただく、そのことによって、私は、大きくそういった人たちも一緒になってこの政策の中で位置付けていくことができると、このように思っておりますので、先生、具体的には、例えば地域的な事例と個別的な事例とがあって、こういう問題があるから、この問題を解決しなきゃそれは進まないよという点がございましたら、私どもまた御指摘をいただいて、その問題をクリアがどうしたらできるかというような取組も含めて、今申し上げました目指しております方向に沿って、そして皆さんがそれに参加していただけるような、そういう結果になるような努力をしてまいりたいと。それはそういうことでお願いをしたいと思いますし、ただ、主濱先生の御指摘の点は何か問題点があるようでしたら、そういった点も含めて我々は検討していきたいと思っています。
○主濱了君 終わります。 ありがとうございました。
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。短い時間ですが、何点か御質問をしたいと思っています。 まず、日豪FTA交渉の関係ですが、その前提条件ということでJA全農が政府にいろんな要請もしておりますし、その中で特に重要品目の関税撤廃の対象から例外措置をとってほしいと、こういう強い要請があることはもう御承知のとおりですが、ちょっと問題点は、今の質問、二人の先生方からの質問も含めて整理したいと思うんですが、この例外的な措置というのは、私は大きく二つあると思っているんですよね。その一つというのは、重要品目を除外するということと、それから再協議の対象にすると。 再協議というのは、デフェラル・フォー・レイター・ネゴシエーションズ、直訳すれば協議の先送りの対象とすると、こういう二通りのやり方があると。この除外をするときにも、交渉の前に除外をすること、交渉の途中で除外をするというやり方と、それから再協議の場合も、取りあえずは現状のまま関税対象としつつ後日撤廃の対象とするかどうかを協議する、こういう意味と、いったんは関税撤廃の対象としてリストに載せるが、後日その猶予措置等について協議する、こういう大きく四つの手法があるのではないかというふうに私は思っています。 まず最初にお聞きしたいのは、こういういろんな選択肢というものを、こういうカードを全部持っておられるのかどうか、まずそこからお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 谷先生、非常に分かりやすいというか、類型化して今お示しいただきました四つの方法といいますか、道といいますか。 そこで、まず一の、交渉入り前から除外を決めると、これはちょっとあり得ない。といいますのは、いろんな交渉がいろんなところであっていると思いますが、私もこれはちょっと、分かりやすく言うという意味で申し上げますんでちょっとお許しをいただきたいんですが、失礼な言い方になるかもしれませんけれども。選挙も、選挙の前から当選が決まっているというのはこれはないわけでありまして、したがって、実態上決まっているかもしれないけれども形の上では決まっていないと、こういうことあると思いますので、交渉入り前から除外を決めてやるというのは、これはちょっと交渉としてはあり得ない。 そこで、結論から申し上げますと、あと四番が、いったんは関税撤廃の対象としてリストに載せるが、後日その猶予措置等について協議すると。これもなかなかあり得ない、取り得ない方法でございまして、そういたしますと、先生が分かりやすく類型化していただきました四つのうちから、じゃ、あり得る方法というか、そうしますと二番と三番、こういうことになりまして、交渉の最中で、やっぱり交渉の中で除外を決めていく、それから取りあえず現状のままの関税対象としつつ、後日撤廃とするかどうか協議していく、こういったこの二つの方法が対象たり得る方法になると、このように思います。
○谷博之君 大変分かりやすい御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 この間、ちょっと経過をいろいろ報道で見ておりますと、十二月の六日にJA全中の会長が安倍総理に会って、重要品目の除外をということで非常に強い要請方をしておりますね。 この要請というのは、交渉入り前の除外を政府に私は求めているのではないかと、こういうふうに考えているんですが、ここのところは、それに対して安倍総理は、この要請内容についてはよく分かっていると、しっかり受け止めて交渉に臨むという、こういうふうな、一般的な形かもしれませんが、答弁、お答えしていますが、その申入れというか、要請の内容と今の大臣の答弁というのは整合性があるのかどうかですね。 言っていること分かりますか。要するに、JA全中が三項目の要請文を出して、特にその中で重要品目の、要するに交渉前の除外を、もう交渉に入る前から除外をしてくれと、こういう要請が多分出ているんだと思うんですが、それはもう現実に、もう一度お答えいただきたいんですが。
○国務大臣(松岡利勝君) それは、団体の皆様方の御要請といたしましても、また我々、私ども自民党の中の党の議論といたしましても、そういったことがあったのは事実だと思います。 しかし、交渉の在り方として、今までのいろんな交渉がありましたが、その場合のいろいろの場合の例といたしましても、その前に除外が決まっているとか結果が決まっているということはそれはちょっとあり得ないということでございまして、安倍総理も、ただ要請の趣旨は、あなた方がそういう思いで要請されているということはよく分かっておりますと、したがってあとは交渉でしっかりやりますと、こういう御趣旨だったと思います。私もそこに同席しておりませんから分かりませんが、今私が言ったこととは整合性はぴったり取れていると思っております。
○谷博之君 その点について国井副大臣にもちょっとお伺いしたいと思っているんですが、その申入れの前の日ですかね、日本農業新聞でちょっと報道されていますが、そういう要請を受けた後、国井副大臣は、重要品目を除外しなければ交渉に乗れないということで、農山村を守る立場を果たすというようなことで、こういうふうに報道がされているわけですけれども、これは同じような考え方というふうに受け止めていいんでしょうか。
○副大臣(国井正幸君) やはり、私どもはこの研究会の最終報告をどういうふうにまとめるかという時点があったわけですよね、オーストラリアの事務当局と我が国の事務当局で共同研究会をやってきたと。その考え方を最終的にどういうふうにまとめるかと。 そういうときに、私どもは、私としてでも結構でありますが、やはりオーストラリア、今まで議論になってきたように、オーストラリアという国は、対外的にはアメリカとの砂糖だけを例外にしてきたという経過は私どもも承知していますし、あるいは我が国もこれまでのFTAで重要品目についてはそれぞれの国と除外をしてきた、こういう経過があるわけですから、そういう意味で、安全性を考えれば、我が国から見て、我が国の主張をよりしっかり通していくということを考えれば、この研究会報告の中でしっかりとそういう例外措置を認めるということでうたうべきだと、安易に交渉に乗っていって、そこで押し切られるようなことをなるべく避けるべきだと、こういうふうな考え方で私は思っていまして、その時点はやはり例外措置というのを事前にしっかり定めるべきだと、こう考えておりますし、あわせて、農林水産省は、それはやっぱりいろいろある中で、省庁設置法にあるように、農山漁村の振興と、あるいは農林水産業の振興というものをしっかりと我々がやっていくと、こういうことでありますので、しっかり今後ともそういう意味で、交渉に入ったにしてもですよ、まだ入ると決まっているわけではありませんが、これはやっぱりこれまでも議論をずっとしてきていますように、私どもは例外措置をしっかり今後とも求めて交渉に当たっていくと、こういうことだというふうに思っています。
○谷博之君 結論を確認させていただきますと、そうすると、大臣、副大臣とも見解は同じということで認識していいんでしょうか。今の大臣の最初の答弁と国井副大臣の今の答弁は②、③と同じだということで認識、受け止めていいんでしょうか。
○副大臣(国井正幸君) そういう思いで私どもはやってきたわけでありますから、大臣と同じだと、このように私は思っています。
○谷博之君 この点については、私ども民主党も農林水産部会の中でいろいろ議論をしていますが、自民党の皆さん方と同じ考えでありまして、決してこの日豪FTA交渉を急いじゃ駄目だと、様々なそういうふうな状況の中で豪州と拙速なFTA交渉に入るべきではないというふうに我々も考えております。 そういう状況の中で、じゃ、しかしもう既に片足どころか両足もう突っ込んできているわけですよね。そういう交渉がもう始まろうとしている中で、どういう手法でやるのか、どういうふうなスタンスでもってやっていくのかということがやっぱり定まっていないと、私は、ただ単に頑張るぞ、頑張るぞでは話はおかしくなるんじゃないですかと。こういうふうなことで、実はその辺の一致というか、考え方を確認をさせていただいたということだと御理解いただきたいと思っているんです。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 それから、ちょっと別なことで一点だけお伺いしておきたいんですが、つい先日、有機農業推進法が成立をいたしました。これは大変私は大きな意味を持つ法律の制定であったとも、成立であったと思いますが、これ、まず施行期日はいつになりますか。
○政府参考人(西川孝一君) 施行日はいつかということでございますけれども、この法律につきましては本日の閣議において公布が決定されたということでございます。この法律は公布の日から施行することを定めているということでございますので、十二月十五日に公布、施行される予定であるというふうに承知しております。
○谷博之君 この法律で、実はこの法律に基づく農法で生産をした農産物というのは、いわゆる例えばその有機農業推進法に基づく農法で生産された農産物というふうに表示していいんでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) JAS法におきましては、消費者の選択に支障が生じないようにということで、有機JAS規格に適合いたします有機農産物であって有機JASマークが付されたものでなければ、有機又はこれと紛らわしいオーガニック等、こういった表示をしてはならないということになっております。したがいまして、有機JASマークのない農産物に御指摘の有機農業推進法に基づく農法により生産された品という表示が行われた場合は、JAS法の規制対象となるということを考えているところでございます。
○谷博之君 そこら辺の問題は分かっているつもりですが。 いわゆるJAS法の、そういう意味では改正をしなければいけないということまで話は行くわけですけれども、JAS法には法律上、有機農産物という文言、字句は出てこないというふうに思っています。法改正をせずとも、政省令を改正するだけでこの有機農産物の表示規制というものを緩和することができるように考えているんですが、この辺はどうでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) 有機農産物のJAS規格でございますが、この制定の経緯でございますが、国際的な基準でございます有機食品に関しますコーデックスガイドライン、これに準拠いたしまして、JAS調査会の審議、またパブリックコメント、WTO通報、こういった手続を経て制定しているところでございます。 この有機食品、国際的に流通しているものでございまして、御指摘のように、我が国独自の規格、こういったものを制定するということになりますと、国内外の消費者の日本の有機農産物に対します信頼性の低下ですとか、有機農産物市場の混乱、こういった問題を生ずる懸念があるということで、私ども適当ではないのではないかというふうに考えているところでございます。
○谷博之君 これは実際、現実の問題として私たちは感ずるんですけれども、この有機農業推進法という法律が十二月十五日から施行になって、二つの大きな条件、JAS法に基づくいわゆる有機という定義の六つの条件のうちの二つが盛り込まれた、そういう一つの農法でスタートすると。 そういう、特に有機農業にかかわろうとしている農家というのは比較的、家族的な規模の小さい、そういう農家も、全部じゃなくて部分的にも参加するという人が非常に増えてくると思うんですね。そうしたときに、分からないでその有機という言葉を使った、そういうふうな農産物を例えば出したときに、これはどういうふうになりますか。
○政府参考人(町田勝弘君) 御指摘のような有機農業を実践する生産者、こういった方が有機JAS規格を認定を取得しないで一般に流通する農産物に有機と表示をするということになりますと、先ほどのような規制の対象になるということでございますので、私ども、生産者など関係者に対しまして、この有機JAS制度の周知徹底、こういったことに努めてまいりたいというふうに考えております。
○谷博之君 これは平成十二年でしょうかね、いわゆる改正JAS法のときにもこういう問題が若干あったような話も聞いているんですが、これは罰金刑があるんですよね。それは非常に私は、そこのところは現場の人たちに対して、有機農業推進法という一つの法律ができて、そこのところ趣旨を徹底するということですけれども、これはやっぱりいろんな意味で認識なり誤解を招くことになるんじゃないかなというふうに思うんですね。 それで、今年度中ですか、基本方針を作るということになっていますが、そのときにこの表示ということについては何かそこに、方針の中に盛り込まれるでしょうか。
○政府参考人(西川孝一君) 基本方針の策定についてのお尋ねでございますけれども、この法律につきましては、その策定に当たっては、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴いて定めると。また、同法第十五条におきまして、有機農業の推進に関する施策の策定に当たっては、有機農業者その他の関係者及び消費者の意見を反映させることとされております。 その趣旨を踏まえれば、基本方針を策定するに当たっても、パブリックコメントの手続などを実施することが適当であるというふうに考えているわけでございますが、今お尋ねのその基本方針の中の表示ということになりましては、これはどういうふうにするのかというのはこれからの検討になるわけでございますけれども、先ほど来議論になっておりますように、その内容につきましては、有機JAS表示に関し消費者や農業者に誤解や混乱が生じないように十分配慮をしながら検討するという必要があるんではないかというふうに考えているところでございます。
○谷博之君 この問題はまた次の機会に、有機JAS法の問題も含めて議論をしたいと思っていますが、最後に、大臣にちょっと一点、帰ったばっかりで申し訳ないんですが、いわゆる有機JASの登録認定機関というのが今相当できておりますが、これは海外にもできていますね。そして、こういう現象が今起きています。いわゆる、日本の国内で生産されているその登録認定機関によって認定されている全部の農産物というのは、全体の有機の農産物の中の一三・五%です。あとは外国から全部入ってきています。これは、外国のその国で認定機関のあるところもあれば、日本の商社と外国の企業とが一緒になって農産物を作って、有機という名称を使って日本に入ってくる場合もあるわけですね。そういう状況の中で、非常に中国からの有機野菜とか、そういうものが相当入ってくる、入ってきている現状があるわけですね。 そういうことを考えたらば、この国内の有機農産物というもののもっともっと生産を拡大し、シェアを拡大していくために、やっぱり私は農水省としてももっともっと力を入れなきゃいけないんじゃないかという気がしているんですよね。そこら辺の基本的な考え方をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 今、谷先生の問題御認識といいますか御指摘、ごもっともだと思います。 今回、議員立法によりまして、特にまた参議院発によりまして、この有機農業の法律ができましたということは非常に私はすばらしいことだし、また時代を先取りといいますか、ある意味では一番フィットした、こういった法律ができたと思っております。ここにおられる先生方が大変御尽力されたわけでございますけれども。 そういったことからいたしましても、この法律を受けまして、今、先生が言われましたようなことをしっかりと認識をしながら、念頭に置きながら、あらゆる対策を講じて有機農業の進展に努めてまいりたいと、このように思っております。いろいろ技術的な点も含め、そしてまたこれを推進していく上での課題も含め、いろいろと整理をいたしまして万全を期してまいりたいと思っております。
○谷博之君 時間が来ましたから最後に一点だけ要望させていただきたいんですが、この有機JASの認定は、特に家族経営の農家、そういう規模の小さい農家にとっては大変ハードルの高い、技術的にも難しいというか、そういう大変な取組をしている、しかも手間もコストも非常に掛かっている、こういうふうな意見が前からあるわけですが、今回の有機農業推進法の成立を機会にして、更にいわゆるその様々な認定の手続とか、あるいは細かく言えばいろんな書類の作成とか、そういうものについてもできるだけこう簡素化して農家の負担ができるだけ掛からないようにやっぱりしていくべきじゃないかなと。そういういろんなハードルが結構あるものですから、やろうという意欲はあってもなかなかそこに踏み込めないというふうな人たちも随分いるというふうに聞いておりますので、ここら辺は是非御検討をいただければ有り難いなということで、時間が来ましたので私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○松下新平君 民主党・新緑風会の松下新平です。早速質問に移らさせていただきます。 本日のこの委員会のテーマであります日豪EPA、この件につきましてまず私の意見を申し述べさせていただきます。重複する部分もありますけれども、私は、三点について現段階での交渉に入るべきではないということを申し上げたいと思います。 まず第一に、先日発表されました日豪政府の共同研究報告書には日本が交渉で小麦、牛肉など重要品目の関税撤廃の例外化を主張できると盛り込まれています。しかし、豪州はこれまで他国とのFTA締結において関税撤廃の例外化を認めたのは米国の砂糖のみという極めて限定的な例しかございません。大変危惧をしております。FTA交渉の過程で本当に関税撤廃の例外化が実現できるのか、もし交渉が難航すれば本当に再協議できるのか不確実な部分が余りに多い現状であります。 第二に、豪州との間では既にほとんどの鉱物資源の関税はゼロになっており、工業製品の関税も低率であります。 第三に、政府が豪州とのFTAの締結を急げば二〇〇七年度から導入予定である品目横断的経営安定対策そのものが無意味になりかねません。たとえ一部農産物で例外化が認められたとしても多くの農産物の関税がゼロにされることで我が国農業は危機に陥り、関連産業、雇用へも甚大な影響を受け、地域の存立も危ぶまれます。 以上三点の理由で拙速な交渉に反対であります。 〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕 もちろん、私はWTOを補完するFTA自体の推進を否定するものではありません。今年の夏、若手議員交流プログラムのメンバーとして私もオーストラリアを訪問いたしました。日本とオーストラリアは、麻生外務大臣が述べられているように、東経百三十五度の線でつながる民主主義の盟友の名のとおり、基本的な価値観と戦略的な関心を共有するパートナーであることも肌で感じました。日豪両国は共にアメリカの同盟国であり、貿易立国としてアジア太平洋地域の安定と繁栄、そして自由で開放的な国際経済システムの維持には絶対的な利害を共有しております。また、日本の国連常任理事国入りでは強力に応援をしてもらえたのが豪州でありました。インドと並んで重要なパートナーとしてこれからますます期待が高まっていると認識しております。 そうでありますけれども、今回の件は同一には論じられません。安全保障上の日本の食料政策の問題、食料自給率の向上の問題が本当にできるかどうか、緊急かつ重要な課題が未解決のままで、もう数字も出ておりますけれども、大きなダメージが確実に受ける日本の農業は破壊するんじゃないかという状況なのに、なぜ今豪州とのFTAを急がなければならないかを含めて、現在の日本政府のFTA締結の動きには何ら戦略性が見えないと言わざるを得ません。 先ほど来この委員会でもこの件について触れられております。小斉平当時の政務官が実際オーストラリアでの交渉の生々しい状況も先ほど述べられました。私は当時、責任ある立場でオーストラリアに出向いてこのまま交渉に入ってはいけないと率直に思われて、それを政府に見解としてお持ちだった、それを今回の交渉に入ったということはこの政府の見解を覆すと、覆したと言われても仕方ないんではないかと思っております。大臣は先ほどから勇ましい答弁をされていらっしゃいますけれども、私たちこの委員会のメンバーはそのことをにわかにそうですかというわけにはまいりません。大型台風という表現もされていらっしゃいますけれども、私たちは細心の注意を持って、備えあれば憂いなし、みんなが目を光らしてこのことを注視していきたいと思っております。むしろもっと、内閣不一致と言われることを恐れているんじゃなくて、大臣の強力なメッセージもっともっと発していただきたいということをお願いしたいと思っております。答弁は結構であります。 続きまして、最近のWTO関連についてお伺いいたします。 松岡大臣におかれましては、先月、十一月七日のスイス・ジュネーブでWTOのラミー事務局長とドーハ・ラウンドについて会談をされました。そこでの会談の雰囲気、概要、WTOの今後の見通し、その会談の成果について説明をお願いいたします。 また、農業交渉のファルコナー議長とも会談されましたけれども、その概要についても併せて御説明をお願いします。さらに、その後の十一月三十日から十二月三日の会合及び会談についても併せて御説明をお願いいたします。
○国務大臣(松岡利勝君) 松下先生も我々と同じ南九州といいますか、熊本、私は選挙区は隣り合わせでありまして、大体似たようなところだと思っていますが、そういった意味で大体農業に対する先生の御認識と我々の認識も一致していると思っております。 そこで、勇ましいとさっきおっしゃいましたが、決して勇ましいんじゃなくて、必死と決死だと私は思っているんです。必死、決死の思いでこれはやろうと。先ほども、もう繰り返しませんが、国全体、日本全体としては、これやっぱり外交戦略もありますし、先ほどWTO事務局長の選挙の例も挙げましたけれども、これはやっぱりASEANプラス3、ASEANプラス6、いろんな枠組みの中でお互いが主導権をどう取ろうか、こういうことで競い合っている、そういう中での私は安倍総理のオーストラリア、豪州、まあインドも含めてでありますが、判断だし、そういうまた決断だろうと、このように思いますし、その一員として我々もしっかりやりながらも、しかしまた一方で、この農業分野につきましては豪州との場合は余りにもセンシティビティーな面でこれは問題が大きい、そういうことをしっかりととらえて決死、必死の思いで我々としてもしっかり取り組んでいこうということでございますので、勇ましいというよりは非常にそれと逆な意味で私どもはしっかりやらなきゃならぬということでありますので、是非皆様方の御支援をお願いしたいと思います。 それから、ラミー事務局長とファルコナー農業交渉議長との会談でありますが、一言で言いますと、今停滞しているこの事態をどう打開するか、これが最大の関心事であります。したがって、ラミー事務局長はラミー事務局長で、そのお立場でいろんな努力をされておられる。まあアメリカとの会談、それからEUとの会談、そのほかいろんな各国、各グループがございます。そういったところの会談を通じてどうやってこの中断を再開に持っていくか。また、特にその中で農業分野が一番またこれ最大の課題。 結局は、農業分野の対立が、対立というか、まあアメリカがその原因だったわけでありますが、そこが一番の原因で、問題で今中断をいたしておるわけでありますから、全体の再開というのは農業分野の動きにかかわってくると、こういうことで、ラミー事務局長とファルコナー農業交渉議長、非常に重要な役割になっているわけであります。 そこで一致しましたことは、とにかくアメリカがまず先に動くべきであると、この中断の原因をつくったアメリカが先に何らかの動きの具体的な形を示すべきであると、その点ではもう一致しているんですよ。ただ、同時に、ラミー事務局長は、あわせて、他の主要各国という言葉を使っておりますが、日本やEUやインドもしっかりまた同時に動いてもらいたい、こういう言い方でありました。前段では一致したんですけれども、後段はちょっとお互い認識が違うなと、こういう点であります。 ただ、ファルコナー議長は、どう進めるかということについて、技術的な点も含めて、農業交渉分野の中でそれぞれグループがございます。日本で言うとG10でありますが、そういった各グループ間で技術的な検討も含めて進めるための作業を詰めてくれ、こういうような観点でありました。 そこで、また今度、その後の十二月の一日に参りましたIPUのWTO議員会議でございますが、これはカンクンのときから正式に閣僚会合とセットで開かれるようになりまして、言ってみれば、政府だけに任せておくんじゃなくて、やっぱり国民の代表である国会議員がその立場、その責任においてしっかりとこのWTO交渉にも関与していこうと、こういうことを、IPUの中の特に欧州議会、EU議会が提起をいたしまして、それでそういう動きになってきたということでありまして、IPUの中に正式なWTO議員会議というのを、もう規則も作ってできております。日本からは、私もずっと理事ということで、参議院からは若林先生が理事ということで出ておられましたけれども、そういう動きの中で、今回が、WTO議員会議の年次会合があったわけであります。 私の方にも招待が来たものですから、G6の中の主要な国に対して招待が来たものですから、やっぱりその招待があって、そこにやっぱり行くことが大事でありまして、日本の立場というものをしっかりと表明をしてきたということで、これは、従来からの多様な農業の共存、こういったことを基本にいたしまして、主張をし、訴え、理解を求めてきた、こういうことでございます。 それから、今後の見通しでございますけれども、アメリカの状況が、今、先生も御案内のような状況になっておりまして、一月、クリスマスが過ぎて一月が終わって、そしてその時点でどういう議会の動きになっていくのかなというのが一つの注目点だろうと思います。一方で、ジョハンズ農務長官は、一月から二月にかけては新農業法、これを提出をすると言っておりますし、ファストトラックと言っておりますが、交渉権限、議会が政府に交渉権限を与える、このファストトラックのTPAといいますが、これがどういうような扱いになっていくのか、こういったことが年明けと同時にアメリカで動きが始まってくると思います。したがって、そういったことの見極めと同時に、他の国の動きも含めてどういうふうに推移していくのか。 ただ、ここではっきりしてきたことは、ダボス会議というのが毎年スイスで、ダボスで開かれておりますが、そのダボス会議で、ここを一つの大きな場にしようじゃないかということから、正式に招待状が昨日参りましたけれども、ダボス会議でWTOの非公式会合を開くと。これは六か月ぶりに、中断しておったやつを非公式ながらそこで会合を開くと、こういったような、実はそのことが決まりまして、正式に招待状が参りました。だから、これは一つ大きな節目であり場面になると思っております。 日本もG10の代表的な立場でもありますし、G6という、このWTOを動かしていく機関車の役でありますG6、G6といいますのはアメリカ、EU、それからブラジル、インド、オーストラリア、日本であります。特に日本は全世界の輸入国の代表と言ってもいい立場でありますが、そういう立場で招待があり参加を求められたということについては重く受け止める必要がある、このように思っております。
○松下新平君 大幅に時間がなくなりましたけれども。熱意は分かりました。 次の質問に参ります。 中間選挙がありまして、このWTOに及ぼす影響というのを心配されるんですけれども、お話にありましたように、ダボス会議、一月二十七日ですかね、決定されたということで、ここにやっぱり大きな関心が寄せられております。特に民主党が、米国民主党ですけれども、自由貿易よりも国内保護を重視する傾向が強いと言われておりますので、交渉再開への道筋が開かれるかどうか注目されておりますので、是非御検討をよろしくお願いしたいと思います。 次に、農地・水・環境保全向上対策についてお伺いいたします。 これについては、基礎支援である農地、水など、農業資源保全向上に対する支援が行われていることを条件として上乗せして行われるということになっております。なぜ化学肥料や農薬の使用を大幅に減らす取組単独で支援できないのか。それぞれの活動を併存して支援し、重なる部分については更により支援することとすればよいのではないでしょうか。特に、先日、谷津先生、ツルネンマルテイ先生ほか皆さんの御尽力により、有機農業の推進に関する法律案が成立しました。この法律は有機農業の発展を図ることを目的としており、国及び地方公共団体は有機農業の推進に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有するとしております。 品目横断的経営対策の環境保全対策の面からも応援すべきと考えますけれども、松岡大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) なぜ営農活動だけに支援ができないのかと、こういう御質問だと思いますが、これはもう論理的に言いましても、やっぱり一階があって二階があると、こういうことでありますから、一階を飛ばして二階だけやるというわけにはいかない。これがやっぱり建物を建てる上での論理であります。だから、政策的にもその論理がございまして、これは、中山間の所得補償というのは条件が不利な、そういった中山間の地域に限って、これはいわゆるヨーロッパでいうデカップリング、そういったことでやったわけでありますが、今回のやつはそういう中山間だけではなくて平場も含めて、いわゆる環境面からの直接支払をやろうと、こういうことであります。 これは世界的なWTO農政の流れもございますし、またいろんな各国の先進例等も踏まえまして私どもはこれをつくったわけですが、やっぱり直接支払ですから、これは国民皆さんに共有できる、こういった観点に立って直接支払が成り立つものですから、まず農地、水、環境がある、そしてさらにその上に二階部分として営農がある、こういう組立てでないと、そこだけを取り出して支援というのはなかなか論理的に難しいと、こういうことでございます。
○松下新平君 あと二問続けて質問いたします。 財政面、都道府県は大変この財政措置に苦慮されております。北海道でも要望の三分の一しかできないんじゃないかとか、岩手県では従来の草刈りなどの保全活動は対象としないとか、それぞれ農業新聞に出ただけでもたくさんございます。この問題を指摘しておきます。 もう一点、中山間地対策、この併給についても都道府県まちまちでございます。これも現場では大変混乱しておりますので、この点について答弁をお願いいたします。
○国務大臣(松岡利勝君) 御指摘の点は、私どももそういった問題点、承知をいたしております。 これは、都道府県によって、特に財政的な面から制約的な意味でそういったようなことが行われるといいますか、なされるといいますか、したがって、その点につきましては私どもそういったことがないように働き掛けをし、そして財政は地財措置として交付金でしっかりと担保されるようなお願いをしてまいりたいと思っております。
○松下新平君 最後に、先ほどの谷委員の大臣の答弁、そして副大臣の答弁、私聞いておりまして、一致するという副大臣の答弁でしたけれども、微妙なずれを感じましたけれども、大臣、もう一度お願いいたします。
○国務大臣(松岡利勝君) 国井副大臣はまだいろいろと、何といいますかね、最終的な報告の整理がなされるまでの間に自分の個人的な思いも込めて言われたと思っております。そういう意味で、思いとして言われたと思っておりますし、その後の整理がなされて最終報告が出たこの現実の段階におきまして、もし交渉を、開始はまだ決まっておりませんが、そうなって入っていくとすれば、私が申し上げたことと、これは大臣、副大臣とそこにそごはないと、このように思っております。
○松下新平君 終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 早速、本日のテーマでございます日豪EPA等に関して質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、平成十八年、本年の十二月五日に政府は関係閣僚会議を開きまして、日豪経済連携、EPAと自由貿易協定、FTAの交渉入りについて話合いを持たれたということでありますけれども、どのような内容であったのか、この点につきまして内閣官房より御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。 十二月五日、経済連携協定、いわゆるEPAにつきまして、官房長官及び松岡農林水産大臣を始めとする関係主要閣僚の打合せが行われたところでございます。この打合せにおきまして、日豪に限らず、大筋合意に達しているチリ、インドネシアとのEPAについては署名に向けて残る作業を迅速に進めることなどのほか、オーストラリアとのEPA交渉の開始につきましては、閣僚打合せにおける議論、そこの議論を踏まえまして東アジア首脳会議に向けて総理と御相談をすること。また、これに関して、農業のセンシティビティーにつきましては自民党の農林水産物貿易調査会の決議を踏まえ十分配慮するということ。さらに、一方で攻めの農林水産業ということについても確認がされたということでございます。
○渡辺孝男君 この閣僚会議での方針決定を踏まえまして、松岡農林水産大臣の今後の日豪EPA・FTA交渉入りに向けての決意、今までも様々な委員からお話がございました。私としては、やはり日本の農業をしっかり守るために、今一生懸命農業者も品目横断の対策等で頑張っておられるわけでありまして、そういうものが無にならないようにしっかり対応していただきたいと思うんですが、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) WTO交渉でもその他のEPA、FTAでもそうだと思いますが、どちらかというと、というよりも平たく言いまして、農業は守りの世界、工業製品を始めとするところは攻めの世界、だから我々が農業分野で攻められている、今度は逆に他の分野では日本がしっかり攻めていると、そういう位置関係にあるんだろうと思います。 そういう中で、今回もその構図は変わっていないと思いますが、先ほどから申し上げておりますように、そういう中で、私どもとしては、もし豪州とのEPA交渉が開始された場合は、既に最終報告でしっかりと位置付けられました足場、この足場に立って日本のセンシティビティー品目を守り抜く、こういう決意で臨んでいきたいと思っておりますし、また、これはただいま今城参事官からも御報告がございましたように、経済関係主要閣僚会議におきましても確認をされたところであります。センシティビティーなものはしっかり政府一体としてこれは共有した認識に立って、対して臨んでいくということと併せて、攻めの観点も持ちながら臨んでいくと、こういうことでございますので、そういう決意でやってまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 昨日ですかね、日豪政府間共同研究報告書が公表されたということであります。この内容について、重要なポイントについて確認をさせていただきたいんですが、農林水産省、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 日豪政府間共同研究の報告書における農林水産分野に関する重要な点といたしましては、まず、「物品の貿易」の部分におきまして、日本側が、特に農林水産分野に関するセンシティビティー、さらに関税撤廃の潜在的な影響への懸念、及びこれまでのEPAにおけるセンシティブ品目の取扱いについて詳細に説明したこと。豪州側が、日本のセンシティビティー及びこれまでの日本のEPAにおけるセンシティブ品目の取扱いについて、一層理解を深めたと表明したこと。研究会は、段階的削減のみならず、除外及び再協議を含むすべての柔軟性の選択肢が交渉において使い得るべきであることに合意をしたこと。研究会は、交渉が成功するためには、WTO整合性を維持しつつ大きな柔軟性を発揮することが求められることにつき合意したこと等について記述されているところでございます。 また、「分析及び結論」の部分におきまして、研究会は、双方のセンシティビティーに配慮してEPA、FTAを交渉することが可能との結論に達したこと。日豪EPA・FTA交渉が開始される場合には、交渉は、あらゆる品目と課題が取り上げられ、また、段階的削減のみならず、除外及び再協議を含むすべての柔軟性の選択肢が用いられるものとして開始されること等について記述がされているところでございます。
○渡辺孝男君 自民党も除外及び再協議を含むすべての柔軟性の選択肢を確保するということで主張をしておりましたけれども、公明党も同じ考えでございます。これをどのようにそのとおり実現をしていくのか、重要品目を除外をしっかり確保していくのかというのが大変重要だと私どもも考えております。 そういう最終報告書が出ましたので、今後の日豪の交渉入りの予定、あるいはこの最終報告書を踏まえまして、松岡農林水産大臣、これからどのような対応、日程等も含めまして対応されていくのか、その点について大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 今後の協議の予定並びにどうやって対応していくかと、こういう御質問でございますけれども、今、佐藤総括審議官の方からも御報告申し上げましたように、一応報告書の中では、先ほど報告いたしました内容がしっかりと盛り込まれ、位置付けられておるわけであります。したがって、あらゆる、すべての柔軟な選択肢、柔軟性のある選択肢、これがしっかりと確保されたと、こう思っておりますので、そういう足場に立って、先ほど申し上げましたように、とにかくその重要品目の直接の生産のみならず、関連産業やひいては地域全体に影響が及ばないようなそういう結果を目指して努力をしていきたいと思っていますし、頑張り抜いていきたいと思っております。 今後の予定でございますけれども、これはまだ今協議調整中だというふうに伺っております。そういう中で、最終的には総理の御判断、御決断を待って交渉開始というのは決まっていくのだろうと、今の時点ではまだそれ以上申し上げる段階ではございません。
○渡辺孝男君 次に、十二月一日に公表されておりますけれども、農林水産省による豪州農産物の関税が撤廃された場合の影響について、そういう文書がありましたけれども、それに関して質問をさせていただきたいんですが、その中で、小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四重要品目の直接的な影響、撤廃の場合ですね、直接的な影響の見積りの試算の概要について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 農林水産省といたしまして、仮にEPAにより豪州産の農産物の関税が撤廃された場合の影響につきまして、一定の前提の下に、小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四品目につきまして試算したものを公表したところでございます。 この中では、四品目につきまして関税撤廃が行われた場合の直接的な影響として、合計約七千九百億円の国内生産が減少するとの試算がなされているところでございます。 このような農業への直接的な影響に加えまして、他の輪作作物の生産、あるいは製粉業、精製糖業、乳業等の関連産業の経営、雇用にも甚大な影響があると見込んでおります。 また、耕作放棄地等の増加によりまして、国土・環境保全との多面的な機能にも大きな影響があるものと見込んでいるところでございます。
○渡辺孝男君 その四重要品目以外にも米、先ほども他の委員から質問がございました米とか大麦等への影響についてはどのように農林水産省は考えておられるのか、この点を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(岡島正明君) 先ほども申し上げましたとおり、米につきましてはなかなか定量的な評価というのは難しい面があるということでございますけれども、一方で定性的に申し上げますと、米につきましては、先ほども申し上げたとおり、国民生活上欠かすことのできない主要な食糧でありますし、また、米を生産する水田は、洪水防止、国土保全などの多面的かつ重要な役割を果たしております。また、大麦につきましても、水田営農における裏作であるとか転作作物として大切な役割を果たしております。 このため、これまでのEPA、FTAの農業交渉においては、我が国の水田農業の存立基盤などを確保することを基本方針として交渉に当たっているところでございますし、日豪とのEPA交渉においても、WTO交渉や他国とのEPA・FTA交渉に与える影響を見通しつつ、政府一体となって全力を挙げて交渉を行っていきたいと考えております。
○渡辺孝男君 米は、まだ貿易量そのものは少ないわけでありますけれども、大変重要なものでございますので、この点にも十分配慮しながら対応していただきたいと、そのように思うわけであります。 さて、重要四品目の、先ほど述べました重要四品目の関税が撤廃されるとなると、北海道とか沖縄県あるいは鹿児島の南西諸島等は特に経済的な影響が大きいというふうに推測されているわけでありますけれども、このような危険性をはらむ交渉となるわけでありますけれども、農林水産省としてこれらの関係道県の声をどのように反映をして共同研究報告書の取りまとめになったのか、あるいは今後これらの地域のことをどのように考え、その声を反映して交渉に臨むのか、前と重複する答えになるかもしれませんが、再度確認をしたいと思います。国井副大臣、よろしくお願いいたします。
○副大臣(国井正幸君) 今、渡辺先生の御質問でございますが、これまで両国で、東京あるいはキャンベラで交渉、数度にわたって行われてきたわけでありますが、特に今年の三月の二十八日から三十日まで開かれた第三回の共同研究会の会合で、生産者団体の代表にも御出席をいただきましてしっかりとその旨の主張をさせてもらったと。 その結果、このいわゆる共同研究の最終報告書でございますが、その二十三項目めのところにあるわけでありますが、日本の農林水産品へのいかなる悪影響をも回避するよう交渉者が意を用いるべきであると指摘したと。日本側は、さらに、数多くのセンシティブな農林水産品に関し、国内生産や需給を取り巻く状況及びこれらの品目の関税撤廃による地域経済への深刻な影響について説明をした。豪州側は、日本のセンシティビティー及びこれまでの日本のEPAにおけるセンシティブ品目の取扱いについて、一層理解を深めたと表明したと。こういうふうなことでございまして、あらゆる機会を通じて、大変な甚大な影響を及ぼすと、このように認識しておりますので、更なる努力を続けていきたいと、このように思っている次第でございます。
○渡辺孝男君 先ほどの農林水産省の報告の中で、やはり四重要品目の直接的な影響以外にも、例えば国内農業を守るために要する、もし撤廃された場合の話ですけれども、内外価格差是正のための追加的な支援策の費用負担が生じてくるだろうと、あるいは関連産業への悪影響も当然起こってくる、あるいは食料自給率への影響も起こってくる、多面的機能発揮に関しても影響が大きいというようなことが想定されておりますけれども、それらを抑制するためにどのような対応が考えられるのか、この点に関しまして農林水産省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 豪州から輸入される農産物の多くは、我が国農業にとりまして重要な品目でございまして、日豪EPAによりましてこれらの品目の関税撤廃が行われれば、我が国農業に大きな悪影響が及ぶおそれがあると考えております。 こうした影響を抑制するため、国産の生産コストと市場価格の格差拡大分を埋める追加的な支援策等によりまして農家の手取りを確保するためには、小麦、砂糖、乳製品、牛肉、四品目に限りましても、一定の前提を置いた試算例では約四千三百億円の新たな財政負担が必要となるということでございます。 こうした農業への直接的な影響に加えまして、他の輪作作物の生産、あるいは関連産業の経営、雇用にも重大な影響があるものと見込んでおります。また、耕作放棄地の増加あるいは国土・環境保全等の多面的機能にも大きな影響があるものと見通しております。さらには、我が国農業にそのような悪影響が生じた場合には、食料自給率への影響が生ずることも想定されるところでございます。 したがいまして、今後、豪州との間でEPA交渉が開始された場合には、交渉の結果が我が国農業や地域経済、さらには食料自給率への悪影響を及ぼさないように、農業のセンシティビティーについて十分配慮いたしまして、守るべきものはしっかりと守るとの方針で取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 食料の自給率への影響というものも考えられるということでありまして、パラグラフの10で、これは最終報告書の中ですけれども、パラグラフの10の方で、日本の食料自給率を引き上げることは日本の重要な政策の目標であるというような記述もありますので、こういうことにならないように是非とも重要品目の除外に頑張っていただきたいと。先ほども大臣の方から強い決意がございましたので、本当に期待をしているところでありますので、よろしくお願いをしたいと思います。 それから、少し質問の方を飛ばさせていただきますけれども、政府の方では食料・農業・農村政策推進本部というものがございまして、本部長が内閣総理大臣でありますけれども、この本部の役割、それから今後の運営方針についてお伺いをしたい。やっぱり安倍総理にもこの農業問題、しっかり対応していただきたいという思いでございまして、どういうこの本部が役割を果たし運営をしていくのか、この点を内閣官房の方にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。 食料・農業・農村政策推進本部、これは総理を本部長といたします、副本部長に官房長官と農林水産大臣という構成で、食料・農業・農村の重要政策ということについて決めておるところでございます。 特に、ここにおきまして、例えば平成十七年三月に食料・農業・農村基本計画の改定というものも議論されておりますし、さらにその際、二十一世紀新農政の推進についてという本部決定をしまして、そこで明確に、「供給熱量ベースで四〇%と依然として先進国中最低レベルで低迷しているが、将来にわたり国民への食料の安定供給を確保するためには、その向上を図っていくことが極めて重要である。」というようなことが明示的に決定されております。 また本部長であります総理、今国会におかれましても、参議院本会議におきまして、食料の安定供給に関しまして、食料自給率の向上を図ることは農政上重要な問題と認識されていると、さらに将来的には国民に供給される熱量の五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当と、これを前提に政府としては実現可能性を考慮して平成二十七年度における食料自給率目標を四五%と設定した、このようなことを明らかにしておられるわけでございまして、このような総理の方針も受けまして、この本部におきましては、日本型食生活の推進なり食育、更には経営感覚に優れた担い手の育成というようなことに取り組むというような方針は当然推進されていくということになりましょうし、仮に日豪EPA交渉が開始されるというようなことになれば、当然農業のセンシティビティーにも十分配慮するということを踏まえたいろいろな対応をしていくということになろうかと考えております。 以上です。
○渡辺孝男君 この日豪のEPA、FTAの交渉の結果次第では、やはり自給率等への影響というのは大変大きくなってくるんじゃないかと。場合によっては食料・農業・農村基本計画も見直しを迫られるような状況にもなってしまうんじゃないかというふうに懸念を持っておりますので、是非とも大臣に頑張っていただきたいと思います。 ちょっと、次の質問は関連でさせていただきますけれども、安倍総理は九月二十九日の所信表明で、農林水産物、食品の輸出額を平成二十五年までに一兆円に増やすと、そういう数値目標を表明しておるわけでございますが、そこで林業に関連した質問をさせていただきたいと思います。 まず、国産材輸出の現状と今後の取組について農林水産省にお伺いをしたいと思います。簡潔にお願いします。
○政府参考人(川村秀三郎君) 輸出につきましては、非常に今後の森林・林業の活性化のために大変重要なことだと思っておりまして、既に中国、韓国等への動きが出ております。今後の拡大に向けまして、現地情報あるいは輸出手続の収集、提供、効果的なPR手法の検討等を行って、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 それとちょっと関連した事項で、国内の松枯れの直接的な原因とされるマツノザイセンチュウの植物防疫のために様々な日本から輸出品の輸出をする場合に、こん包用のパレットに国産松材を使えないような状況があったというようなお話も聞いておりますが、これは現在どのようになっておられますか。町田消費・安全局長、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(町田勝弘君) 輸出用パレットなどの木材こん包材でございますが、これは大変国際貿易が増大したということで世界各国で広く利用されております。そういった中で、十分な加工処理をしてない材料で作られているのが多いということで、御指摘のマツノザイセンチュウなどの害虫の侵入、蔓延防止が懸念されたと、こういったことから、二〇〇二年三月に検疫措置に関する国際基準ができております。 我が国としても、この国際基準に沿いまして、二〇〇三年十月から熱処理等によります輸出用木材こん包材の消毒処理に関する基準を定めまして、この基準に合格したこん包材の証明制度を設けているところでございます。 今後とも、この木材こん包材の利用に伴います害虫の蔓延防止、こういったことを図って円滑な国際物流の確保、こういったことに努めてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 そういう意味では、国内で松枯れが増えているからどうこうという話はないということでありますね。 次に、安倍総理も美しい日本を目指すということでございますので、松は日本の美しい景観に欠かせない重要な樹木というふうに考えておりますけれども、国内における松枯れの現状と対策について簡潔に林野庁の方から御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 松くいの被害状況でございますが、五十四年度がピークでございまして、近年はピーク時の三割程度で推移をしております。 ただ、昨今は東北地方等寒冷地において新たな被害が発生しているといったような状況もございますし、また高温少雨の影響で再び被害を受けるといった状況もございます。 私どもとしては、この公益的機能の高いところは重点を置きまして、特別防除、伐倒駆除等、あるいはその他におきましては樹種転換等を行っておりまして、今後とも都府県と御協力しながら、より効果的な松くい虫の被害対策を実施してまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 最後の質問になりますけれども、先日、秋田の方に参りまして、秋田でも松枯れが大変ひどいということでありまして、社団法人秋田経済同友会が音頭を取りまして松枯れ再生募金というものをつくりまして、松の植樹活動なども行っています。その際にお話を伺ったんですが、林業種苗法がありまして、松枯れの抵抗性の松があっても、地域によってはそれを移動できないというような、そういう制限があるということなんで、これの柔軟な対応をお願いしたいということでありますけれども、川村林野庁長官にその点、柔軟な対応をよろしくお願いしたいと思いますが、答弁をお願いいたします。
○政府参考人(川村秀三郎君) 植物でございますので、やはり自然条件の適したところに適切な品種を持っていくというのが一番山造りにはいいわけでございます。ただ、このマツノザイセンチュウ、これはもう全国的な問題でございますので、特例を設けておりまして、そこで承認が得られれば使用ができるという形にしております。実績もございますので、処理期間も標準的には二十日間で承認を出すようにという努力をしておりますので、これを活用していただきたいと思います。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。私は、前回の委員会で食料自給率の問題を取り上げて、やっぱり自給率向上ということが国民的な緊急な課題だというふうに明らかにいたしました。 そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、安倍内閣はこのEPAそしてFTA推進ということと、この自給率の向上ということと、どちらを優先してやろうとされているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) それは二者択一ということではなくて、やっぱり双方が成り立つようにというのが基本であります。
○紙智子君 安倍内閣の諮問機関ということでいろんなところで大きな影響を持っています経済財政諮問会議というのがありますけれども、この経済財政諮問会議のこの経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六と。この中に様々な分野のこと書かれていますけれども、ずっと読んでいくわけですけれども、この中に食料自給率の向上ということは全く書いてないんですね。食料自給率という言葉すらも全くどこにも出てこないということなんです、一つも触れられてないと。やっぱりここに、日本農業を含めて食料自給率をないがしろにしてもEPAを推進するという根本的な背景があるんじゃないのかというふうにも思えるんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) それは見方、とらえ方はいろいろあると思うんですけれども、しかし私どもは政府の一大方針として、これは法律に基づいて基本計画を立て、そこにおいて食料自給率というのは明確に位置付けているわけでありますし、過去の国会答弁等におきましても、あるいは歴代総理におきましても、この食料自給率というものは、定めましたものをしっかりと達成に向かって努力をしていく、このような方針で臨んでおるわけでありますし、安倍内閣においてもそれは間違いなく同様でございます。
○紙智子君 この中にはEPAの推進というのははっきり書いてあるわけですけれども、そのやっぱり肝心な閣議でも決定された食料自給率という問題は書いてないわけですよね。やっぱり、本来こういうところに出られる機会もあると思うわけで、きちっとやっぱり提起もして入れさせるということも当然本来やらなきゃいけないことだというふうに思うんです。 この委員会の中でもいろいろとこの間も議論されてきているように、日本農業に、日豪のFTAですね、致命的な打撃を与えると。農水省の関税撤廃された場合の影響試算が発表されているわけですけれども、国内生産額の減少額で約七千九百億円、それから関連産業の経営や雇用への影響、それから耕作放棄地の増加、影響抑制のための新たな財政負担ということで約四千三百億円、更に食料自給率への影響も指摘されているわけですけれども、結局、この影響の総額ですね、幾らの影響が出てくるというふうに想定しているのか、様々なことを含めて、ということと、それから、食料自給率についてはどの程度低下するという見通しなのか、これについてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 豪州から輸入される農産物の多くは、我が国にとりまして大変重要な品目でございます。仮に日豪EPAにおきましてこれらの品目の関税が撤廃されるとすれば、我が国の農業に大きな影響が生ずるものと考えております。 農業への影響につきましては、仮にということでございますが、EPAによりまして豪州産農産物の関税が撤廃された場合の影響ということで、委員御指摘の試算ということで、小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四品目につきまして、直接的な影響として約七千九百億円の国内生産が減少すると試算をいたしまして公表したところでございます。 御指摘のように、このほかにつきましても、関連産業の経営、雇用での甚大な影響あるいは自給率への影響が生ずることが想定される面ございます。 しかしながら、こうした関連産業も含めました地域経済への総合的な影響あるいは食料自給率への影響につきましては、試算の前提となる条件など、なかなか困難な点が多いことから、現時点では具体的に試算したものはございません。 いずれにしましても、悪影響が生じないようにしっかりと守るべきものは守るとの方針で交渉に入りました場合には交渉してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 食料自給率三〇%まで下がるというような新聞報道なんかもあるんですけれども、この辺はどうですか。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 先ほど御説明いたしましたように、私どもとしては、食料自給率への影響はあるというふうに思っておりますけれども、具体的な数字については、大変困難な点があることから、試算はしていないところでございます。
○紙智子君 一番影響があると言われています北海道で、北海道庁は試算を出しているわけですよね。それで、この影響額でいうと一兆三千七百十六億円、雇用への影響ということでいいますと四万七千人、完全失業率で三・二ポイント上昇すると。これすごい大きいことですよね。かつて拓銀がつぶれたときに匹敵するかそれを超えるかというぐらい言われているわけですけれども。自治体への影響も危惧をされていて、夕張市のような財政の破綻を招くような自治体がこの後出てくるんじゃないかというふうに言われているわけです。 北海道以外で見ても、例えば砂糖の関税撤廃ということでいいますと鹿児島の南西諸島、それから沖縄の農業地域の経済に、これサトウキビですね、深刻な影響が予想されると。それから牛肉の関税撤廃ということになると、九州の畜産県ですね、深刻な影響が予想されていると。 だから、本当にこの日本農業とそれと密接につながっている地域経済に本当に立ち直ることができないような重大な打撃を与えることになるわけですけれども、大臣、この点いかがですか。
○国務大臣(松岡利勝君) 紙先生御指摘のとおり、日豪のEPAによって、まだ交渉は開始はされておりませんけれども、そして心配されておられるような、今日も与野党を通じていろいろ御指摘がございましたが、そのような重要品目についてもし関税撤廃ということになれば、これはもう、その品目の生産はもとよりでございますけれども、関連産業や地域経済全体にとって大変な悪影響を及ぼすということは、農林水産省の試算、それから今先生御指摘の北海道庁の試算、そういったことで示されておりますように、大変なものがあると、このように認識をいたしております。先般も、北海道の高橋知事、また道議会の皆様方、それから私ども自民党の関係の議員の先生方から、特に自民党の農林水産物貿易調査会におきましても、これはもう議論のあったところでございます。そして、御指摘のようなことについては、もうこれは幾重にもそのようなことを私ども承っておりまして、重々認識をいたしております。 したがいまして、間違ってもそういったことにならないように、私どもは、これはもし交渉が始まるとすれば、その交渉におきまして我々の目指すところをしっかりと貫いて守り抜いていきたいと、影響のないように結果を出していきたい、このように思っておるところでございます。
○紙智子君 この間の議論の中でも大臣は、段階的な削減のみならず除外及び再協議を含めすべての柔軟性の選択肢が用いられるものとして開始されるべきである旨の合意が入ったということで、問題ないというふうに言われるわけですけれども、それで安心している人というのはいないんですよね。 それで、お聞きするんですけれども、小麦、砂糖、それから乳製品、牛肉以外の農林水産物で、これオーストラリアが日本に輸出している品目で関税が掛かっている品目というのは何々あるのか、それの輸入額というのは幾らですか。
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。 小麦、砂糖、乳製品、牛肉以外で豪州が日本に輸出している品目のうち有税となっている主なものにつきましては、牛の臓器あるいは舌、それから大麦、カツオ・マグロ類、エビ、オレンジ、マンゴー等の生鮮果実及びマカダミアナッツ等の乾燥果実などがございます。 これらの輸入額につきましては、二〇〇五年の数字でございますけれども、牛の臓器、舌で三百二億円、大麦が約百八十億円、カツオ・マグロ類が約百四十億円、エビが百三十億円、生鮮・乾燥果実が約五十億円となっているところでございます。
○紙智子君 今ざっと言われましたけれども、そういうナシの問題ですとかココアですとかアスパラガスですか、それからマカダミアナッツと言いましたよね、オレンジなど、大麦などなどを今挙げられましたけれども、それら今ざっと出したものを計算しても大体八百億ぐらいですかね、金額にして。だから、金額的にはそんなに大きいものではないというふうに思うんですけれども、これらの品目の関税を撤廃して果たしてオーストラリアが納得するというふうに思われるのかどうか。 やっぱりオーストラリアが求めているのは主要品目ですよね。主要品目の関税撤廃ないし削減が彼らの目的であるということは明らかだというふうに思うんです。オーストラリアがこれまで締結したFTAの内容を見ればそのことはもう明らかだと思うんですが、日本は、このオーストラリアの資源確保というのがやっぱりその目的の非常に主要な点というか、大事にしていることだと思うんですけれども、その目的を達成するためにはやっぱりオーストラリアの合意を得なきゃいけないということですよね。 そうすると、選択としては、むしろオーストラリアから日本に投げ掛けられているというか、ボールは投げられているというふうに考えられるんじゃないかと思うんです。オーストラリアの資源確保が必要なのか、それとも日本農業なのかと、そういう選択になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松岡利勝君) これ先ほども申し上げましたように、日本全体にとってはいろんな観点からの外交戦略、また経済貿易戦略、そしてまた地域におけるいろいろな枠組みの主導権をどう取っていくか、そういういろんな観点があると思っております。そういう全体の総合的な判断に立って、これは日本としても大きなメリットがあるという判断でオーストラリアとの関係を求めていこうと、安倍内閣として安倍総理はそのように私は考えてこのことを進めようと、こう思っておられると思っております。 そういう中で、じゃ全体の利益のために農業がその分の犠牲を受けるのではないか、受けさせられるのではないか、これはもう端的な御指摘だと思います。 そういう中にあって、私は何度も申し上げておりますように、全体的な観点から進めるとしても、その中にあって農業が、他の、工業を中心とする他の分野の利益、その分農業は利益をオーストラリアに与える、これはあり得ないし駄目だと、こう申し上げているわけであります。農業の分野にあって、その中で、こちらにメリットがあれば、メリットに応じて、それに見合って受入れを考える。何度も基本的な取組の方針を述べておりますけれども、そういう観点に立ってやってまいりたい、そしてまたそれを貫いてまいりたい。オーストラリアの目的はそうかもしれませんが、我々の目的はこの重要品目を譲らなくて守り抜くということが目的でありますので、目的と目的がぶつかった場合、これはもう正に、場合によってこちらの目的が通らなければ、先ほど外務省からも言っておりましたように、いろんな選択肢がある、中断も含めていろんな選択肢がある、そういう腹構えをもって臨んでいこうということであります。 さっき先生御指摘の段階的削減、除外、それから再協議といった枠組みができたから安心だと。決してそれは安心というんじゃなくて、そういう土台ができた、その上に立ってしっかりと、皆様方の御懸念が現実にならないような、間違ってもそういうことにならないような交渉を進めてまいりたい。大変な交渉になると思いますけれども、私どもは粘り強く自分たちの目標、目的を達成するまでやり抜くと、こういう決意でございます。
○紙智子君 総合的に見てメリットがあるかどうかという話をされたのと、実際の交渉の段階においては中断もあり得るというようなことをおっしゃったわけですけど、私は本来、日本農業に対して存廃にかかわるような本当に大きな打撃を受けざるを得ない、そういうFTA交渉は入るべきではないと思います。それが農業者の強い要求だというふうにも思います。 日本政府も、昨年の四月の段階では、この国内農業の影響を懸念して日豪のFTAについては締結を見送ったわけですし、さらに昨年の八月段階においても、当時の岩永農水大臣が日本の農業を守る責任があるというふうにおっしゃったんですね。そして、物のFTAにはこだわらずと、物のFTAにはこだわらず経済関係強化の方策を幅広く検討することが重要だと。だから、FTAでなきゃいけないのかどうか、もっと違う形もあるんじゃないかということも含まっているのかなと思うんですけど、こういう御発言をされていまして、日本はFTA締結する意思がないというふうに明言をされたわけですよね。去年の八月の段階ですよ。 それを、今締結の交渉に入るということは、これはやっぱり重大な問題であるというふうに思います。このことだけでも、やっぱり与える影響といいますか、農業者の希望を奪うことになってしまっていると。もうこの先こういうことでもし交渉に入っていけば、結局は譲歩せざるを得なくなるんじゃないのかというようなことから、もうやっていてもしようもないというふうになってしまいかねない事態があるわけですし、その責任をどのようにこの後取るおつもりなのか。その大臣の見解について明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) まず、昨年四月の段階で農業への影響を懸念して日豪EPAを見送ることとしたというのは、そういう事実はまずないと思っております。ハワード首相と小泉総理との会談にあって、首脳会談の中でひとつ研究を進めましょうということの合意があって、その合意の中で農業というものは非常にセンシティビティーなものがあるということについて認識は共有された、これが正確な事実だと思います。 そこで、八月の時点で当時の岩永農林水産大臣が物のFTAにこだわらなくてもいいんじゃないかということを言ったと。これはまた、その当時の時点における相手方との会談の中で、日本側への思いといいますか、一つの考えとしてそういったことを示されたんだろうと、こう思っております。FTAですから正に物ですよね。EPAというのはもっと幅広い、物だけじゃない、人も含めた経済全般にわたっての交流ですから、今はEPAをやろうと、こういうことになっておるわけでありまして、その八月以降は、新たに中川農林水産大臣になり、そして今日に至っているわけでございますけれども、その後共同研究が進んで、そしてお互いに最終的な整理が付いた、今こういう段階に来ていると。 その段階の中でもなおかつ、私どもは先ほどから何度も申し上げておりますように、しっかりとこの合意ができた足場に立って、私ども日本としては、この農産物の分野におきましては交渉をしっかりと進めて、我々の守るべきセンシティビティー品目を必ず守り抜いていく、そのような交渉をやっていく、こういうことでございます。
○紙智子君 私は、今度のその交渉というのはやっぱり世界が注目しているんだと思うんですよ。そういう中で、もし日本がこの交渉に入ると、中断もあるという話なんですけど、そういう中で、そもそも交渉自身はまとめるつもりがあって交渉に入るということがあるんだと思うんですけれども、決裂するという事態になったとしたときに、これは日本のせいで、ボールは日本に投げられてきたと、オーストラリアからすれば、日本のせいでこれが決裂したということになると、国際的に見て日本はもう自分のことだけ考えてというみたいな、そういうダメージというふうになる状況も出てくるんじゃないのかと。そうすると、貿易自由化の最先端を行っている安倍内閣自身が打撃を受けると。それは避けなきゃならないということで一定の譲歩をせざるを得ないということに追い込まれるんじゃないかという、そういうことも懸念するわけです。 やはりいずれにしても、FTA、EPAということで、いろんな考え方というのはあるんだと思うんですよ。実際に臨んでいる方向で、投資協定だとか、そのほかいろんなやり方があるんだと思うんだけど、そういう選択肢も含めて、本来日本の農業にダメージが出ないような形でのそういうものもあるというふうに思いますし、そういう点では私は、このFTA交渉ということでは非常にそこに懸念される中で入っていくということ自体反対であるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(加治屋義人君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 常田享詳君から発言を求められておりますので、これを許します。常田享詳君。
○常田享詳君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による日豪EPAの交渉開始に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 日豪EPAの交渉開始に関する決議(案) 我が国と豪州は、経済関係のみならず、米国などと並ぶ我が国の友邦として深い関係がある。 日豪EPAについては、この関係を強化し、さらに広く、かつ深化したものとすることを目標とし、なかんずく、資源の安定供給がこのEPAによって確保されることが大きな課題である。 一方、日豪間の貿易関係の多くを占める農林水産品については、日豪間で大きな生産格差が存在することから、日豪間のEPAによって、国内の農林水産業を中心に大きな悪影響が及び、我が国農林水産業・農山漁村の有する多面的機能が損なわれるおそれがあるとともに、現在進めている我が国農林水産業の構造改革の取組に支障が生じるとの強い懸念がある。 日豪EPAが、真に日豪両国の友好関係の増進に貢献するためには、このような懸念を払拭し、真に両国の経済関係の深化につながるものとすることが必要不可欠である。 よって、政府は、日豪EPAの交渉入りをする場合には、次の事項の実現を図ることを強く求めるものである。 一、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの農林水産物の重要品目が、除外又は再協議の対象となるよう、政府一体となって全力を挙げて交渉すること。 二、現在進行中のWTO交渉や、米国、カナダ等との間の農林水産物貿易に与える影響について十分留意すること。 三、交渉に当たっては、交渉期限を定めず、粘り強く交渉すること。万一、我が国の重要品目の柔軟な取扱いについて十分な配慮が得られないときは、政府は交渉の継続について中断も含め厳しい判断をもって臨むこと。 四、交渉を進める中においても、国内農林水産業の構造改革の努力を加速し、国際競争力の強化につながるよう全力を挙げるとともに、交渉の帰趨いかんでは、国内農林水産業、関連産業及び地域経済に及ぼす影響が甚大であることを十分に踏まえて、政府を挙げて対応すること。 右決議する。 以上、御提案を申し上げます。 何とぞ委員各位の御賛同を心からお願い申し上げます。
○委員長(加治屋義人君) ただいまの常田君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加治屋義人君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し、松岡農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。松岡農林水産大臣。
○国務大臣(松岡利勝君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力を尽くしてまいる所存でございます。
○委員長(加治屋義人君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十一分散会