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165回国会参議院2006/11/30

農林水産委員会 第3号

発言数
108
登壇者
17
会派数
4
開催日
2006/11/30

会議録

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君が選任されました。     ─────────────

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に主濱了君を指名いたします。     ─────────────

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房参事官梅田邦夫君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 おはようございます。  グローバルな社会の中で農林水産につきましても海外からいろいろと波を受けることは、これは避けられないことだと思いますけれども、しかし、日本の農林水産業が崩壊すれば、私は、日本という国家が、そのものの土台が崩壊すると。この一月の通常国会でも、さきの農林水産大臣、中川大臣に法案を成立させるについて最後に申し上げたのは、そのことをしっかり肝に銘じて担い手対策等々の農政改革に取り組んでいただきたいということを申し上げましたが、今日は、自民党の貿易調査会会長もなさって、一番よく分かっておられる大臣にお伺いするのも大変僣越な話でありますけれども、まあ自分が一番よく分かっているんだということだろうと思いますけれども、さりながら、私は、今行われようとしていること、特にオーストラリアとの経済連携協定、EPA、このことの処理を間違えますと本当に日本の農林水産業は壊滅してしまうんではないかと、そして日本という国家が土台から崩れてしまうんではないかという大きな危機感を抱いておりますので、まずこのことからお尋ねをさしていただきます。やや過ぎたる発言があるかもしれませんけれども、そういう気持ちでありますので、お許しをいただきたいと思います。  昨年四月に行われた小泉前総理とハワード首相との首脳会談におきましては、両首脳が両国のEPAについて、農業の取扱いには非常に難しい問題があるとの認識を共有したところであります。この共通認識の下で、EPAのメリット、デメリットを含め、両国の経済関係強化の在り方について研究する日豪政府間共同研究が昨年の十一月からこれまでに五回開催されたと承知しております。  現在までの共同研究の進捗状況について、まずお伺いいたします。

佐藤正典農林水産大臣官房総括審議官

○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。  豪州とのFTAに関する政府間共同研究につきましては、FTAのメリット、デメリットを含めまして、両国の経済関係を強化する様々な方策を検討するということで、委員御指摘のとおり、昨年十一月に開始されまして、本年九月まで五回開催されたところでございます。  農林水産省といたしましては、これまでの共同研究におきまして、関税撤廃により日本の農林水産業に悪影響が及ぶおそれがあること、あるいは従来のEPAにおけるセンシティブ品目の例外的な取扱いについて詳細に説明をしてきたところでございます。我が国にとってセンシティブな品目の取扱いに関しまして具体的な方向性が示される必要があるとの考え方に立った主張を行っているところでございます。  現在、共同研究の報告書の取りまとめに向けた調整を行っているところでございますが、これまでの当方の主張ができる限り反映されることになるように努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 オーストラリア側が、我が国農業の重要性やまた繊細さなど、我が国の農業が持っている繊細さなどに本当に、そういった繊細さなど本当に今お話がありました我が国のセンシティビティーを理解しているのかどうかということは大変気になるところであります。仮にこのような状況で交渉を開始したとしても、オーストラリア側が我が国のセンシティビティーを十分に理解していなければ、オーストラリア側から十分な譲歩を引き出すことはできないと考えるわけであります。  オーストラリアはこれまで我が国がEPA交渉を行ってきた国々と大きく異なります。農産物の大輸出国であります。また、WTOの農業交渉で真っ向から日本と対立したケアンズ・グループの代表国であります。WTOのルール交渉でオーストラリアは何をケアンズ・グループのリーダーとして主張したか、改めて認識、確認する必要があると思います。まず、すべての品目で九五%は関税を撤廃すること、二番目に貿易額ベースで上位五十品目は関税撤廃の例外にしない、三番目に輸入額の〇・二%は関税撤廃の例外としない、四番目に関税撤廃までの期間が十年を超えるものは関税撤廃の九五%には含まない、こういったことをケアンズ・グループの代表として主張してきた国がオーストラリアであります。  このことから見ても、オーストラリアとのEPA交渉を開始することは極めて危険極まりないことだと私は思います。慎重の上にも慎重でなければならないと思います。同国が今まで他の国、ニュージーランド、シンガポール、タイなどと結んだFTAを見ても、協議発効から一定期間後に関税撤廃を求めております。したがいまして、今回も日本に対して一定期間が過ぎれば関税撤廃を求めてくるということは火を見るよりも明らかなことであります。  そこでお尋ねをいたします。  共同研究の報告書に重要品目の例外を明記していない、まだそこまで至っていないと思います。共同研究の報告書に協議に入る前に重要品目の例外を明記しない限り交渉には入らないということが大切だと思いますが、このことについての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。  またもう一点、農林水産大臣はよく、譲るべきものは譲ると、それから得るものは得ると、またギブ・アンド・テークということをよくお使いになりますが、この場合、もしこれらのことを譲ると、ちまたで言われているところでは、我が国が譲る額は四千億円以上と言われております。また、我が国が得る、農林水産関係で得るテークは一億にも満たないと言われております。こういうことの中で、農林水産大臣、ギブ・アンド・テークのテークとは一体何がテークなんでありましょうか。ギブ・ギブではないんでしょうか。  以上二点、まずお伺いいたします。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) もう常田先生には日ごろから自由民主党の農林水産物貿易調査会の幹部のお一人として大変御指導もいただき、また御尽力もいただいているところでございます。  お尋ねの豪州とのEPA、FTAの件でございますが、おとといも衆議院の農林水産委員会で質疑がございました。これはもう与党、野党を問わず、この問題につきましては、今、常田先生が御指摘になったような御見解、それに基づいての御発言であった、このように思っております。  私もそこで申し上げたのは、もう皆様方のお話を総合すれば、いまだかつて見たこともない聞いたこともない、まして経験なんかしたこともないようなとてつもないこれは大型台風だと、まあ大型台風というのか、アメリカではまた違った呼び方でありますけれども、それらを全部足しても足りないぐらいの強さを持ったものだと、そういう御認識でおられると。我々もその御認識をしっかりと体して臨んでまいりたい、こう思っております。  そこで、きちんとした重要品目に対する取扱いの位置付けが明記されない限りこれは入るべきではない、こういう御指摘でございますが、そのようなことがきちっと位置付けられるよう、私どもも最大の努力を今払っておるところであります。昨日も、麻生外務大臣とも私も直接お会いをいたしまして、そういったことの認識を共有いたしまして、そして外務省が窓口でありますからしっかり臨んでいただくと、こういったことの確認もいたしたところでございます。  それから、ギブ・アンド・テーク、テークはないじゃないかと。私、ずっと申し上げておりますことは、正に日本は工業で利益を上げるから農業は譲ってくれと、そういう思い入れをおっしゃっておられるとしたら、それは駄目ですと。農業、農産物は農産物の分野で我々にとっても何のメリットがあるのか、その見合いで我々も受入れを考えると。これはずっと相手方にも申し上げてきたことでございます。  したがって、ここの意味を取っていただきたいんですが、メリットがなければそれに応じて受け入れられることは不可能である、こう言っておるというふうに理解をしていただきたいと、そういう方針で、そういう基本的な心構えで臨んでおると、こういうことでございますから。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 今朝の報道等も見ました。今、大臣からお話があったように、昨日、麻生外務大臣と大臣が会談をされたということも、今朝のテレビでも盛んに流しておりました。  そこで今、まずはその書き込まれるということが前提だと。しかし、書き込まれない場合は協議を始めて、分離して協議を始めて、他の協議が終わった後、この農業問題は別建てで協議に入るというようなことが流されております、その二つの案がですね。しかし、締結後に再交渉するというのは正にオーストラリアにとっては思うつぼにはまるということだと私は思うんです。  したがって、そういう考え方というのは私自身の選択肢には考えられない選択肢でありまして、あくまでもすべての交渉に入る前に、この農業問題についての先ほど申し上げたことについてきっちり明記をさせるということであろうと思いますけれども、そういう二つの選択肢を昨日外務大臣とお話しになられたんでしょうか。確認です。テレビがそういうようなことを流していますもんですから。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 外務大臣と確認をいたしたというか、お互いそういう方針で臨もうという考え方、それを共有という言葉で先ほど申し上げましたが、話をいたしましたのは、今までもEPAを交渉し、またEPAを結んだ国がございます。そういった交渉の前提というのがあるわけでありまして、これは当然オーストラリアの場合にもきちんとしたその扱いの位置付け、これをしっかりと、他の国と同様にきちっとそれを位置付けて臨んでいくと、こういうことでございます。  ただ、よく重要品目はすべてもう最初からこれは交渉対象としないということを確認をしてから入れと。そうなりますと、じゃ重要品目とは何なんだということの、今度は個別の品目を一々挙げること、それはもう交渉になってしまう、こういったこともございますし、世の中の、やっぱり世界の交渉の、何といいますか、一つの常道といいますか、スタイルといいますか、それがあるわけでありまして、私どもはそういった過去の例やいろんな事例等に基づきまして、そこは一番きちんとしたオーソドックスな形でこれがしっかりと日本の立場というものが担保される、こういった形で交渉というものへ臨んでいきたいと思っております。  したがって、個別のものを先に抜き出して、これとこれは駄目だからということに、そうなると交渉の前に交渉が終わってしまう、こういった形の交渉はあるのかどうか。これは今、私どもはこの農林水産の立場で、特に農産物の立場で言っておりますが、やっぱり安倍内閣にとりましても、豪州との関係はインドとも並んでこれは外交的にも、これからの貿易、経済全般にわたる戦略的な面でも非常に重要な位置付けをいたしておりますから、そういう全体との関係もありますし、しかしその中でも私どもは、農産物の世界は、先ほど言ったような基本方針を頑として堅持して臨んでいきたいと、こういうことでありますから。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 冒頭にも申し上げましたように、大臣はWTO交渉で非常に日本の農林水産業の抱えている厳しい状況を前面に出して、譲れないものは譲れないということで押し通していただいて、私もその調査会の一員としてずっとそばでそれを拝見さしていただき、御指導をいただいてまいったわけでありますが、くどいようでありますけれども、相手が私はちょっと違うと思うんです、オーストラリアは。先ほども申し上げたように、既にオーストラリアが今までFTAを結んだニュージーランドを始めとする国々とのやり方を見ても、極めてこうかつなやり方をやっているわけですね。だから、もう既にそういうやり方をやる国であるということが分かっているときにこの重要品目の例外ということを明記しないままに交渉に入るということは、これは極めて私はさっきも言った思うつぼにはまることだろうと思います。  併せて、もしオーストラリアとのEPAの締結ということになった場合、これはEPAの締結というのが分離して再協議ということであれ何であれ、現在推進しようとしている品目横断的経営安定対策等、今、日本の農家は来年からそれを行うことについて、いろいろありますよ。  特に中国地方とか四国地方なんかは極めて条件不利地域ですから、本当にそれに付いていってやっていけるのかと。おれたちを切り捨てるのかと、小規模農家は切り捨てるのかと、兼業農家は切り捨てるのかと言われますよ、ずっと私今、県内回っている中でですね。しかしながら、このままでは日本の農地も、それから担い手も高齢化する、そういうことの中で自給率も上げていかなきゃいけない。ここが改革の最後のチャンスだということで話をして、そうすると、ああそういうことだったら分かると、分かったと言っていただける方も多いんですが。  しかし、このことの、元に戻りますけれども、オーストラリアとのEPAのこの進め方を間違うと、一つ間違うと、大きな僕は信頼を失うと思いますよ。この構造改革とか新制度への取組に何とか付いていこうと、そしてもう一回そういうことに一緒になって挑戦してみようと思っている日本全国の農家の方々が大きな失望と不信を抱くことに私はなるというふうに思っております。  したがって、これは単に一国対一国との交渉ではなくて、日本の農政、そして今新しく進めようとしている農政の改革そのものを挫折させるかもしれない。信頼なくして事は進みませんよ。生産者も、特に生産者の信頼なくして事は進まない、私はそのように思っているわけであります。  このことについては後ほど岩永議員が更に質問をされますので、最後にちょっと私、私事になって恐縮ですが、私の父は五年前に亡くなりました、九十で。私の父は鳥取高農の卒業生で、大臣の先輩になります。今の鳥取大学農学部であります。そして、長く農学部の同窓会長を亡くなるまでさしていただきました。恐らく父は、今生きていれば松岡農林水産大臣の誕生をだれよりも喜んだ者の一人だというふうに思っております。  是非私は、そういったうちの父も含めて、松岡農林水産大臣の誕生を喜び、大臣に大きな期待を懸けている多くの人たちを、全国の多くの人たちの期待を裏切らないでいただきたい。大臣はそういうお気持ちだと思いますよ。裏切らないというお気持ちだと思いますけれども、何せこれは外務省とか経済産業省も絡んでくる問題でありますけれども、絶対に大臣の政治生命を懸けてもこれは守るんだと。  今日の新聞を見ましたら、前の農林水産大臣、中川自民党の政調会長は、国内農業を犠牲にするようなFTAならまとめる必要はない、体を張って食い止めるというふうに明確に述べておられます。大臣も同じ気持ちだろうと思います。重ねて、くどいですけれども、もう一回御決意を伺っておきたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 常田先生の今は亡くなられたお父様のこともお話をいただいての私に対する思いを今お聞きをいたしたところであります。そういった方々の思いもしっかりと体しまして臨んでまいりたい。  それで、今もう先生も大変な御懸念、御心配でおっしゃっておられますように、ああ、どうもオーストラリアはもう今までの相手とはまた相手が違う、こういうこともおっしゃっておられます。私ももとより、これは守るというよりももっと発展させたい、そういう思いでこの役を務めてまいりたいと、こう思っておりますので、当然のことながら、発展させるためには現状以上の形を目指すわけでありますから、当然現状はしっかりとこのことが確保されて、更に大きな発展の将来に向かう、そういうような心構えでこのEPA交渉にも臨んでまいりたい。皆様方とその問題認識は一緒に思いを持ちながら臨んでまいりたいと、このように思っております。  中川政調会長の御発言ありますが、気持ちは一緒であります。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 大変心強い御決意をいただきました。私は大臣を信頼しておりますので、信じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に移らせていただきます。鳥インフルエンザの問題であります。  この問題につきましては、大変今厳しい状況にあると私は認識しております。昨年、当時の大臣の代わりにASEANプラス3の農相会議にフィリピンに行かせていただきました。いろいろなテーマが掲げてありましたけれども、最終的にはASEAN十か国の関心事はすべてこの鳥インフルエンザであり、このことについて日本と中国と韓国がどういう支援をしてくれるのかということでありました。それくらい今ASEANを中心とするアジアの国々ではこの鳥インフルエンザの今後について大変大きな危機感を抱いているというのが実態であります。  その割に日本では非常にぬるい。茨城とか、その前に京都とか、その発生したときには幸い弱毒性で済んで、封じ込んで成功しましたけれども、今度、今起ころうとしているのは猛毒性の人から人に感染するんではないかと言われるものが今アジアの国でもぽつぽつと出だしているわけであります。もしそのようなものが日本に入ってくるということになれば、かつてスペイン風邪で世界で三千万人の人が亡くなりました。しかし、積算すると、もし猛毒性の人から人に感染する鳥インフルエンザが、そして新型の鳥インフルエンザが入ってくれば、世界で三億人が死亡すると言われています、推計で。それくらい厳しいものであります。  そして、何よりもその新型のインフルエンザの菌に対する治療薬がないんです、治療薬、残念ながら。これは、その菌がどういう形の変異した菌かということがはっきり確定されなければワクチンも作れませんし、現在非常に効果を上げていると言われているタミフルだって、今までの弱毒性のものとか、そういった今まで起こっているものについてはそれなりの効果があるということであって、今申し上げたようなものが入ってくれば、全く効果をなさないわけです。  そういうことで、改めて人に感染する新型のインフルエンザ、韓国でも今インフルエンザが大変な状況で大問題になっておりますけれども、これはいつ飛んでくるか分からないわけです、いつ飛んでくるか分からない。飛んできたときに、あっ、鳥が死んでいると。鳥から鳥の感染なら、先ほど申し上げたように、日本でも経験がありますから封じ込めればいいけれども、その鳥を見に行った人がその新型のインフルエンザに感染したと、その人が外に出たと。それが人から人に伝わっていくということになると、先ほど申し上げたように、三億人、世界で三億人の犠牲者が出るかもしれないというような推計までになっているわけであります。  したがって、まず農林水産省としては、後半の部分は厚生労働省になろうと思いますけれども、農林水産省としては鳥における高病原性鳥インフルエンザの発生と侵入防止の取組、これについてどのように今考え、やっておられるのか、その部分について、農林水産省の部分についてまずお伺いいたします。

町田勝弘農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(町田勝弘君) 今、委員御指摘いただきましたとおり、高病原性鳥インフルエンザにつきましては、世界的に蔓延が続いておりまして、新型インフルエンザの発生も懸念されているところでございます。  このため、農林水産省におきましては、これまでも空港などにおけます靴底消毒など水際措置の実施、国内でのサーベイランスの実施、異常家禽の早期発見、早期通報の徹底、野鳥などの侵入を防止するためのウインドレス鶏舎や防鳥ネットの整備等に対する助成、こういった対策を講じてきたところでございます。  さらに、先週韓国でまた発生をしたということを踏まえまして、二十七日に松岡大臣を本部長といたします省内の高病原性鳥インフルエンザ対策本部を開催いたしまして、韓国からの旅客に対します靴底消毒や車両消毒の徹底、あるいは野鳥の鶏舎等への侵入防止、こういった対策を確実に実施するよう御指示をいただきまして、対応しているところでございます。  今後とも、引き続き我が国への高病原性鳥インフルエンザの侵入、蔓延防止のため万全を期してまいりたいというふうに考えております。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 しっかりお願いしたいと思いますが。  私が何かオオカミ少年みたいに言っていると思われてはなんですんで、今、一億という数字を申し上げたのはWHOが示している数字であります。WHOが一億人と言っておりますし、今、世界にもしかしたら蔓延するかもしれないと言われている新しい形のものは五〇%の致死率です。半分は死ぬんです、感染したら。そういうような厳しいものが今じわりじわりと日本に向かって押し寄せているという状況でありますので、しっかりまずはそういう、鳥が感染しないように対応していただきたいと思います。  また、時間がもう迫りましたんで、厚生労働省来ていただきましたが、厚生労働省は、そういったものが日本に入ってきて人から人に感染する場合に、やっぱり手だてとしては二つしかないんですよ。ワクチンとタミフルなんです、今あるもの。  ワクチンも、どういう形のものが入ってきたかということから始めますと、ワクチンができ上がるまでに半年から一年掛かるということで、その間にみんな死んじゃいますよ。しかし、さりながら、予測はできるわけですから、今海外でどういうものが起こっているかという。だから、そういうものを早く取り入れて、それを株にしてワクチンをしっかり整備していただきたい。一千万人分のワクチンを来年までに作るということを言っておりますけれども、きっちりその予算も付けているわけですから、そのことをやっていただきたいと思います。  はしょります。  最後に、水産問題でお尋ねいたします。  私の地元の境港、今大変苦しい状況にあります。ただでさえ燃油の高騰、クラゲの来襲、それから韓国漁船の不法操業ですね。暫定水域だけではなくてEZ内にも刺し網をして、もうやりたい放題やっている。そういう状況の中で、沿岸も沖合も業者も、みんなが本当に苦しい状況であります。その中で唯一明るい兆しは、カニの養殖で成功して徐々に増えてきたということで、カニ、特に今は松葉ガニ等ですけれども、それに限らず、通年的にカニ等の加工等を中心にしのいできているということであります。かつて日本で五本の指に入るような漁獲量を誇った境港でありますけれども、今、その面影はありません。イワシがもうほとんど取れませんし、たまにマグロが大量に揚がってきますんで、そのことでもしのいでいるということでありますが。  やはり、このたび北朝鮮に制裁を掛けた。私は、北朝鮮の核開発は許すべきことではない、許されないことだと思っています。したがって、厳しくこれを制裁するということは当然のことだと私は思っております。しかし、そのことによって、北朝鮮海域でカニを操業していた三隻の船等を引き揚げさしたわけです、すぐ引き揚げろということで。これは正当にやっていたわけです。北朝鮮に入漁料を払い、手数料を払ってやっていたわけですけれども、しかしすぐに引き揚げろということで引き揚げさした。  したがいまして、まず、こういった国策によって制裁を加えて、そのことによって受けた正当な損失については水産庁も随分大臣の御指示の下でやっていただいております。無利子融資の問題とか廃船した場合の問題とかやっていただいていますけれども、引き続きこれらのことについても、加工業者、流通業者も含めて、正当な損失に対しては国家でやっていただきたい。  併せてもう一点お願いしておきたいのは、やはりこれはもう恒常的な問題です。北朝鮮、韓国。したがって、鳥取県、島根県、兵庫県といったところはもう本当にもう大変な苦しみがずっと続いておる。やっぱりそうなると、沖合に大型の魚礁を国家の国策でつくって、やはりそういった育てる漁業というものを国が率先してやっていくと。その一つが山陰沖だろうと思いますし、全国に何か所か沖合にそういう大型魚礁をつくって育てる漁業をやっていくということだろうと思いますが。  今の二点について、長官、お願いします。

白須敏朗水産庁長官

○政府参考人(白須敏朗君) まず、北朝鮮の関係の御指摘あったわけでございます。  お話しのとおり、北朝鮮に対します経済制裁に伴いまして、今お話しの加工業者、水産加工業者の方々、あるいは漁業者の方々、大きな影響を受けておられるということは私どもとしても十分認識をしているところでございます。したがいまして、この経済制裁措置によりまして大きな影響を受けられた方々に対しましては、その影響を極力緩和するという観点から、実情に応じましてきめ細かく支援を図ろうというところでございます。  したがいまして、今もお話ございましたが、一つには、加工業者、水産加工流通業者の方々については既に金融面での支援措置、最大二%の利子助成ということで金利の大幅な軽減を行うことといたしておりますし、また、カニの関係で、北朝鮮水域に入漁しておりました三隻の漁船、入れなくなったということでございます。その結果、日本海のベニズワイガニ漁業全体の努力量が過大になっているわけでございますので、この点につきましては減船の措置を基本といたしまして対策を現在検討中でございます。これを具体的にどう進めていくかにつきましては、この三隻の方々、あるいはまた業界全体の漁業者の方々の考え方も十分お聞きをしながらきめ細やかに対応してまいりたいというふうに考えております。  また、今お話ございました沖合の魚礁の関係でございます。  お話しのとおり、我が国は大変に広い排他的経済水域を有しておりますので、山陰三県の沖合はもちろんでございますけれども、そういった我が国が持っております広大なこの排他的経済水域を十分活用しまして、お話しのような水産資源の維持回復を図ることが大変重要だろうというふうに考えているわけでございます。  そのためにも、おっしゃるとおり、沖合の二百海里の中におけます漁場の整備、特にそういった沖合の魚礁というものを国が事業主体となって整備するという事業を実は十九年度で予算の要求をいたしているわけでございます。その点につきましても、今の委員の御指摘も踏まえまして、しっかりと私どもも要求の実現のために努力してまいりたいというふうに考えております。

常田享詳自由民主党

○常田享詳君 一言だけ、済みません。一言で終わります。質問はしません。  大臣、境港は、申し上げましたように、非常に何重苦もの苦しみに今あえいでいます。日本の有数の港であります。それがもう海外の問題で苦しんでおりますので、安倍総理がおっしゃっている再チャレンジということであれば、しっかり境港が再び明るい展望が描けるように、大臣、よろしくお願いいたします。  以上、終わります。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。  松岡農林水産大臣は正に日本農政の推進の第一人者として今まで御努力をいただき、大変農政の推進のために日々汗を流していただいていることをよく存じ上げているだけに、今日私は松岡大臣に少々耳障りの悪いような御質問をさせていただく無礼をお許しをいただきたいと思いますが。  ただ、今まで松岡農林水産大臣と一緒に自由民主党の部会の中で、いろいろな御発言をいただく中で、大臣がおっしゃる発言にすべて大体今まで共鳴をしていました。しかし、大臣になられてからお立場が変わられたからか知らないけれども、私たちと趣がちょっと違うのかなという感じがしないでもない気がするんですね。特に、日豪のEPA、FTAの問題について、なぜ積極的にここまで話が進んでいくのか甚だ私は疑問に感じるものですから、そこを具体的にちょっとお尋ねしたいと私は思って質問をさせていただきました。  一昨昨日だったと思いますけれども、自民党の総合農政調査会の中で、日豪のEPA・FTAについてという資料を配られました。これは農林水産省から出された資料ですね。その中でいろいろな問題点を指摘をしてあります。  豪州からの農林水産輸入品と日豪農業構造の格差。我が国にとって豪州は米国、中国に次ぐ第三位の農林水産品の輸出国。輸入額の二割強が農林水産品であり、その過半が牛肉、小麦、乳製品、砂糖、我が国農業や地域経済にとって大変重要な品目である。豪州の農業は新大陸型で極めて規模が大きく、我が国農業の構造とは大きな格差があるということを指摘してある。  それから、豪州から、輸入品目の関税撤廃による影響については、重要品目の関税撤廃を行えば、農業生産や農村地域に深刻な影響が及び、農業の構造改革の推進に大きな支障を来すと。また、豪州に対し重要品目の関税撤廃を行えば、米国、カナダなどの反発を招き、同様の要求が示されるおそれがあるという懸念も一方でしていますね。  それから三番目に、豪州が締結したEPA、FTAにおける関税撤廃の例外として、豪州がこれまで他国とEPA、FTAはほとんど関税撤廃の例外を認めていないと。現状のまま除外を認めた例外は、これまでは米国に対する砂糖のみだと書いてあるね。それから、このほか豪州がこれまで認めたセンシティブ品目の取扱いは、関税割当ての拡大又は無税枠の新設や長期間の移行期間を経ての関税撤廃をしてきているということを示されています。  そして四番目に、日豪の政府間共同研究で、去年の四月の日豪首脳会談において、政府間の共同研究を開始することで合意。これは私も分かります。農業の取扱いには非常に難しい問題があるとの認識を共有をしている。この件に問題点があることは認識、私どもそれ、お分かりいただいて、しておられる。  しかし、私は、こういう問題点があるにもかかわらず、なぜ、今日先ほど常田議員の方からも御指摘があったように、来週の十三日に総理がお見えになるときに、日豪のEPA、FTAの件について前向きな一つの締結に向けた話合いの確認がなされたというようなことを聞くと、問題点がこれだけあるにもかかわらず、なぜそんなに急いでやらなければいけないのか。そこは農林水産省としてはどういうお考えで事の推移に至ったのか。  これだけの問題点があれば、もっと国内世論の意見の集約をすべきだと私は思うんですね。特に生産団体との意見というのは不可欠だと私は思うんですね、意見集約は。来年から新しいやっぱり担い手対策をやっていくというさなかに、一方においては非常にやっぱり農業国であるオーストラリアとの貿易交渉を始めていくということになれば、国内対策で掲げていることと裏腹なことを一方でやっていくということになると、国内対策がとんざしてしまうことになりはしないのかと、そういう懸念を私は抱くんですね。  しかし、皆さんが示された資料の疑問点をそれぞれアンダーラインを引いて全部我々に示してあるんですよ。そのアンダーラインを示したことに対する事の細かな説明が何回となくされてこういう問題点があって臨むというならいいけれども、その問題点出されたのは二、三日前ですよ、こういう資料を出されたのは。我々も、曲がりなりにもそういう問題点があるだろうなとは思っていても、当局がそういう問題意識を持ってやっているのに、何でこんなに交渉急ぐんですか。その経緯についてもう少し詳しく話をしてください。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) ちょっとはっきり明確にしておきたいと思うんでありますが、まずその前に、常田先生の先ほどの境港の件は、もうそれはその意を体して我々も全力で最大限の支援を行ってまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  岩永浩美先生の私が大臣になったら変わったという御指摘ですが、私も二か月ちょっと前に大臣になりましたが、このオーストラリアとのFTAの研究というのは二年前からやられている。そして、第五回が九月に終わっているんです。私がなる前なんです。したがいまして、私はなってから、これを急いでやれとか積極的にやれとか、おいおいどんどんやれと一言も言ったことはございません。まず、このことはちょっと、なってから変わったことは一つもありませんので、これはひとつ御理解をいただきたいと思います。  そして、もう先生の御指摘を聞いていると、四千三百億ぐらいの大変な影響があるというのを、もうそれをのみ込んで我々が進めているかのごとく何か御指摘になっているんですが、逆でありまして、我々としては、これは国全体、外交、貿易全体の観点からすれば、これは大変重要な戦略相手国として位置付けて取組がなされていることはそのとおりだと私は思います。その中にあって、私どもとしては、これはやっぱり皆様方にこれは御理解をいただいて、問題御認識をいただく必要があるという観点から、逆に、あえて、あえてそういったようなこともお示しをしたというのが実態でございまして、通常、今までいろんなEPAやってまいりましたが、またそうやって締結もされたんでありますが、そういう中にあって途中経過でここまで示したことは大体ない、これは交渉事ですから。オファーをしてからも、じゃ何をオファーしたかどうかというのは、これはやっぱり交渉の中身として、相手のあることだし、また交渉の結果どうなっていくか分からないものをその都度その都度示して明らかにしていく、公にしていくということは一切これはやらないというのが大体こういう外交なり交渉上のやり方であります。しかし、あえてそこにそういったものが示したというところに、逆になるほど農林水産省もそのような問題意識、危機認識を持ってこれは取り組もうとしておるのかというふうに御理解をいただきたい、そう思うわけであります。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 もちろん、大臣在職前にその研究会が発足をされて五回の協議がされたときに、大臣御自身がその中に参画をしておられたというようなことではございません。ただ、大臣就任後にそういうことの一つの継続性からそういう御発言が出てくることもこれは致し方ない部分だと私は思います。  ただ、そういう過去にあったことを踏まえて、現状と新たに総理がお見えになる過程の中で、今後の協議について、いろいろ進めていかれる向きを理解しないでもありませんが、ただ、私自身は、これだけの疑念があるにもかかわらず、具体的に国内世論の意見の集約は全然やっぱりなされてない。交渉に着くときには、どういう交渉をするかということは予断を持って交渉できないことは私も理解できます。  ただ、日本とオーストラリアとの間では、余りにもやっぱり農産品の輸入が非常に高いんですね。大体輸入総額の二二%が農林水産品ですよ。あとは石炭の三三%、鉄鉱石の一三%、天然ガスの一二%、これ、べらぼうに倍にも一遍に増えていくというようなことじゃないんですね。農林水産物ということは、イコール日本人の一つの食生活に直接やっぱりかかわりのある部分というのがほとんどなんですね。一方においては、食料の自給率を高めていかなければいけないと。  そういう問題を抱えているさなか、二二%の農林水産物を輸入している国とのやっぱり交渉になってくると、何と何が主要なものかというと、やっぱり牛肉があり、魚があり、大麦、小麦、米、日本の農業とバッティングするやつばっかりなんですよね、重要品目は。その重要品目がバッティングするなら、重要品目の例外扱いを明確にしていくということで、国内世論を形成した暁に、オーストラリアとのEPA、FTAの交渉に入らせてくれというなら私はまだ分かるんだけれども。先ほど大臣も言っておられた、工業製品の犠牲になっている農林水産物ではないんだと、農林水産物はあくまでも農林水産物のギブ・アンド・テークだというお話。先ほど大臣もお答えいただいたように、約六千億ぐらいの中における五、六十億が日本からの輸出で、輸入の方が約五千億ぐらいになってくる。そういう一方的な一つのやっぱり輸入大国なんですよ、日本は。そことの交渉が余りにも議論されないまま進んでいくということに対する不安や疑念というのを抱いている国民というのが大多数だと私は思うんですよ、特に農業に携わる生産団体の皆さん方というのは。恐らくその意見が、やっぱり与野党問わず、国会議員の皆さん方だって私はそうだと思うんです。  かつてウルグアイ・ラウンドの交渉の過程の中で、我々が所属する自由民主党は与党じゃなかった。与党じゃなかったときに、ある日突然、やっぱりウルグアイ・ラウンドのその交渉の妥結の中で、ミニマムアクセス米の輸入のことについて寝耳に水だったというようなことで、後対策で随分苦労した年月があったことは御案内のとおりです。それと同じように、今回の日豪の一つのやっぱり締結は、それほど大きな問題を抱えている交渉だとすれば、やっぱり交渉の前に世論の集約というものをしておかないと、本当に国民の理解というのは得られないんじゃないかという思いが強くするんですよ。だから、それを何でこんなに急がれるのかなと。今、大臣は、その経過について、大臣がその中に入って積極的にやって発言が変わったということではないことは私は分かります。今までの研究会を始めてからの五回の継続、五回の協議会が進んできた、その進め方の経緯はどういうことで進めてきたのか、それはつまびらかに国民に示すべきだと思うんです。それはどうですか。事務局でいいです。

佐藤正典農林水産大臣官房総括審議官

○政府参考人(佐藤正典君) 御説明申し上げます。  先ほど大臣からありましたように、この協議につきましては、二〇〇五年の四月、首脳間で、先ほど委員から御指摘がございましたように、農業には重要な非常に難しい問題があるとの共有認識の下で検討を始めるということで検討をやってまいりました。五回やっております。その間、我が国の抱えます生産物、重要品目につきましての仮に関税を撤廃した場合の問題点等々、あるいはその生産の国内の背景等につきまして、これは私ども国際部門だけではなく、生産部門からも専門家を導入いたしまして、相手方に詳細に説明をしております。また、農業団体からも参加を特別にいただきまして、農業団体から見た日本と豪州のEPAの問題点あるいは懸念、心配というようなことについても詳細に豪州側に説明をしていただいたところでございます。  その結果、豪州側につきましても、当初は日本の農業に全く影響はないんだというような説明を繰り返しておりましたけれども、そのセンシティビティーといいますか、そういう難しい問題があるということは認識するようになったというふうには言ってきているようになっているところでございます。  先生御指摘のありましたように、大変大きな国民的課題であると存じておりますので、いろいろな機会を通じまして、いろんな御説明あるいは先ほどの資料もその一環だというふうに思っておりますけれども、そうした努力をしながら、国民の共通する理解の中で事を進めていく必要があろうかというふうに思っているところでございます。  以上です。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 今、事務方からお答え申し上げましたが、私ども、この五回の研究の過程でも、またこの研究過程以外の国内における政府内のいろんなやり取りの中でも、またそれ以外のところでの豪州側の大使とやったり、いろんな向こうの大臣とたまたま会うような場合であったとしましても、すべてこのことはもう申し上げてまいっております。  我々としては、重要品目、ここで個別品目の名前は一々出しませんけれども、重要品目、こういったことについては到底受け入れ難いし、受け入れられないものである、こういったことは常に言ってきております。  そして、なぜ急ぐのかというお話でありますが、私どもの立場から急いでいることは一つもございません。これは、国全体の方針であったり外交又は貿易全体の戦略であったりいろんな観点から、急いでいるのか通常のスピードなのか、私はそこはよく分かりませんけれども、そういう中で、少なくとも私どもの方から急いでやろうよと、私どももまあそれはすべて答えが、もう日本は農産物大変だから、これはもう農産物は対象外でいいですよというんなら急ぎますよ。しかし、そうでない限り、急いでいることなんか一つもございません。あらゆる機会を、あらゆる場面を通じて、私どもは、受け入れられない、応じられない、こういったことを常にやってきておるわけであります。  ただ、今、この時点におきましても、私ども、生産者団体に対しましても、また国民の皆様に対しましても、やっぱり安定した消費、安心で安全な食料の提供という観点からも、これは重大な問題でありまして、したがって私どもとしては全力を尽くしてこの重要品目というものはしっかりと位置付けて、これは守り抜くと、そういう方針、これはもう明確に出しております。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 私、ちょっと懸念するのは、この重要品目に位置付けられている乳製品は、やっぱり豪州は、乳製品の四〇%豪州から輸入なんですね。それから、砂糖は三二%。タイが四九%、三二%、二番目。それから、小麦は豪州から二二%、それから牛肉は豪州から九〇%ですよ。これだけ輸入量がやっぱり偏っている、日本の農業とバッティングするところなんですね、一番。それで、安全で安心な安定したやっぱり供給をしていかなければいけないその一つのお立場は理解するんですけれども、ただ、余りにも日本の国内農業に影響をもろに与えるその一つの農産品を輸入している国と、やっぱり交渉を急いでやるということについての懸念と疑念を抱くわけですね。  特にWTOの中において、今まで大臣も、やっぱりケアンズ・グループの人たちは意見を異にしてやってきた、そのケアンズ・グループの代表的なその国と交渉をしていくということについては、もっとやっぱり国内世論というものを集約をしなければいけないのではないのかと。  だから私は、やっぱりルールどおりに来年の四月以降まで延ばして、今度十二月に来るから、十二月に合わせてそれについて前向きな発言をするということじゃなくてもいいだろうと、四月ぐらいまで延ばして、もっとやっぱり国内で議論を積み重ねて交渉を進めていくということが必要なんではないんですかねと。  私自身も、与党における農林水産部会というのはできるだけ欠席をしないように、出ていないと分からないからと思ってほとんど出ますが、このことを示されたのはやっぱり今週なんですよ。まあ我々は幹部ではないから、幹部の皆さん方にはお示しいただいていろいろな議論が水面下の中であったのかもしれない。しかし、お示しいただいたこの資料を見たときに、何でこんなに急いでやるのかなと、今までちょっとWTOの交渉の中で議論してきたことと、日豪のEPAとFTAを結んでいくための進捗の仕方というのが余りにも違い過ぎる、そういう危惧を本当に抱くんですよ。だから、私はやっぱりそこはもっと慎重にやるべきではないのかなと。  特に私は、小泉内閣が構造改革を進めてきて、いろいろやっぱり大きな改革をしてこられたことは多としたいし、高く評価もします。ただ、小泉内閣のときには郵政問題という国内対策だけでよかったかもしれないけれども、少なくとも今度の食料の問題を絡めたやっぱり国際的な輸出入の問題になってくると、ただ郵政の問題のときにやっていったような手法だけでやっていくということでは将来禍根を残すということを私は申し上げたいんですよ。  だからそれは、はっきりやっぱり慎重にやってやり過ぎることはない、そして国内世論を形成していくこと、それから新たな対策を講じようとしている十九年度からの農業政策に生産者の皆さん方が不安を抱くことのない施策を、やっぱり順調に推移できる形を取っていくということが必要なんではないんですかと。そのためにも、ルールどおりに四月以降まで延ばしたっていいだろうと、そう私は思うんですよ。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) もう岩永先生と私もお付き合いも長いですし、同じ九州でもありますし、また自民党ではいつも本当に、なるべく欠席されずにとおっしゃったが、ほぼ大体九九%ぐらいの出席率ですからね、もう毎回出ておられると、そういう中で分かっておられるので、私も申し上げますと、先ほど安心、安全と私が言ったのは、国内の生産がやっぱり安心、安全で、一番これは何といいますか高いと、したがって、向こうが入ってきてこっちが弱くてやられてしまえば、安心、安全なものも確保できなくなるという趣旨で私は申し上げた。そういう観点からも、今回のEPAは私は重大な問題と、だから消費者の皆さんが安心で安全な食品を、食べ物をしっかりと確保されていくための供給をしていく、そういう観点からも、国内の生産、自給率の向上の上からも守らなきゃならぬ、こういう基本で私は先ほど申し上げたわけであります。  そして、今ここに佐藤国際総括審議官が出ておりますけど、もうこの二週間か三週間程度の顔つき違います、本当に。おい、あんまり一人で背負うなというぐらいやっぱり真剣というか、深刻に取り組んできております。それは彼だけに限らず、本当に深刻に取り組んできております。急いでなんか私ども農林水産省の立場一つもない。  だから、岩永先生からしますと、国民世論を形成してと。じゃ、国民世論を形成したとき、果たしてこれどうなるのか。経済界の国民世論、外交界の国民世論、私も、いろんな例えば民間関係の方々が政府関係の機関に入っておられますね、それ以上申し上げませんけどね、その人たちと会いますと、もう悪者、パッシングですよ。農業でもってそれが、何といいますか、ネックになって進まないとかね。だから、そうじゃないんですと、こう申し上げているわけでありますが、そういう形であらゆるところでやられて、せめて農林水産委員会は農林水産省頑張れと、こう言っていただけるんじゃないかと私は思っておるんですが。  今我々はそういう問題点もちゃんとお示しをして、大変なんですと、今までにない大変さなんですということを逆にお示しをしている。そして、そういったことを御理解いただいて、御認識いただいて、私どもはその大変さを、大変だからその四千三百を受け入れようなんてことで急いで交渉しているんじゃないんですよ。こんなもの来たら大変だからこれは我々としては受け入れられない、そういう考え方でお示しもしているわけで、じゃ、そのとおり大変だから農林水産省しっかり頑張れ、私は岩永先生から日ごろのお付き合いからしてもそう言ってもらえるもんだと思って実はおるわけでありますが、以上であります。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 大変難しい問題に直面していることは私も認めます。ただ、やっぱり日本の農業とバッティングしない形で事を進めていかないといけないという観点、経済界の皆さん方は、農業問題だけで、やっぱり加工貿易を中心とした日本の経済界は農業だけで引っ張られることはナンセンスだという御指摘もあるでしょう。ただ、命にかかわる食料の自給率の問題を抱える農業問題の生産現場というのはやっぱりバッティングしない形ということでやらなきゃいけないことは、私は今農林水産委員会に所属しながら議論することは、農林水産業の振興をやっぱり第一義に考えなきゃいけないし、その中で交渉をされるとするならば、やっぱりバッティングする主要四品目ないし五品目のものについては例外扱いをするんだということを明確に言ってもらうなら、まだ私はそれはある程度理解できるんです。  しかし、それは交渉というのはやってみなきゃ分からぬし、例外品目のやつを予断を持って今ここで議論することはおかしなことになるよと、こう言われると、交渉する前から何と何をどうだというんじゃ交渉にならないじゃないかと、そんな話も出てくるでしょう。私はそういういろいろな、様々な意見が出てきたとしても、日本農業とバッティングするものについては、やっぱり少なくても生産団体、国民世論という、この生産団体や生産者の皆さん方が安心して農業にいそしむことのできるその一つの形を政治の場でつくっていくことが大切だろうと。  よく松岡大臣は、やっぱり価格は市場で、所得は政治でということをおっしゃる。正にやっぱり市場で価格は形成されるでしょう。しかし、農家の皆さん方は、一生懸命あの激しい雨の中でも厳しい寒さの中でもやっぱり一日の労働は八時間ではなく十二時間も十三時間も働いて、働いても働いても所得が補償されない農業に対する未来、それに対して大変な不安を抱いていることも事実。だから、それを所得は政治で守ってあげるんだという大臣の温かいお気持ちは私は高く、意を強くしているんです。だから、それを是非守っていただきたい。守っていただくためには、例外品目の取扱いについては明示して交渉に臨むということを言っていただければ、私はこんなにしつこく大臣に、長いお付き合いをさせていただいて、何か今度終わったらおまえって、こう怒られそうなんだけど、私はそういう思いでいるんですね。  だから、是非これは交渉をしていかれるのは交渉されるとするなら交渉されても、例外品目はちゃんとやっぱり堅持して、これとこれはちゃんと守るんだということを是非やっぱり言っていただきたい。それから、できるだけやっぱりルールどおりに四月以降まで集約をするのを、交渉を四月以降まで延ばしてください。  時間が来たので、大臣の最後の御答弁を願います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) この問題に対する思い、気持ちですね、考え、認識、私はぴったり一致していると思っているんですよ、全く一つも狂っていない。私どもは、政府全体の中の農林水産省という立場、こういう立場の中で今最大限の、皆様方の全く同じ認識に立って最大限の努力をいたしておる、全力で。私はもとよりでありますが、私も日本の農業の将来、夢が持てて希望が持てて、やっぱりよし農業やろうと展望が開けるような、それこそ目指そうと思ってやっているわけでありますから、その前提としてのこのオーストラリアとの問題は皆様方と同じような認識に立って取り組んでおると。そして、今おっしゃいましたように、例外なり除外なりこういったものがきちんと交渉に入る前提としてそういう役目を過去やってきた、EPA交渉やってきた他の国と同じようなきちんとした形でそれが位置付けることができるような、今それを全力でやっているわけです。恐らく、まあある一定の時間、相当掛かると思いますけれども、今全力でやっているわけでありますので、私は、ひとつ、そういうことで農林水産省はしっかりやれと、こういう形でひとつ皆様方の後押しを逆にいただきたいと、こう思っております。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 来年の四月まで……

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) これは私が決定できるのならそういたしますが、これは我々としてもその希望を申し上げ、そのことのお願いはするといたしましても、ここで私が約束してそういたしますとかそうしますと言えるものじゃございませんので、それは努力をし、頑張ることは、入るならそのことをしっかりと位置付けて、先ほど扱いを位置付けて入ると、こういったことの最大限の努力をしておると。ただ、じゃ四月だ四月だと言っておって結果的にそうならなかったときに、じゃ扱いも位置付けられなかったんじゃ、それこそこれは、何といいますか、問題ですから、そういったことにならないように思っております。ただ、先生の、皆様方のお気持ちは体しながら対処していきたいと思っています。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。  今日は、農林水産委員会の場で質問の機会を与えていただきました。まず、同僚議員の皆様方に感謝を申し上げます。  今までFTAの話を聞いていまして、ちょっとこれは通告をしませんでしたけれども、松岡大臣にひとつ考え方をちょっとお聞きしたいと思うんですが。  価格は市場で、所得は政治でという考え方ありますが、日本が今いろんなWTOで非難を受けているのは、関税が高過ぎるんじゃないかということが、特定の品目についてですね、そこで非常に非難を、矛先向けられておるわけですね。一方で、EUとかアメリカは、正に価格は市場で決定しましょうと。その代わり、内外価格差がどかんと出てきますから、そこを融資とかあるいは輸出補助金まで付けて、それで農産物生産をして農家の所得を補償しているという、そういう仕組みになっておるわけです。  何が違うかということなんですが、日本の場合は、米に関して言えば関税、高関税を設定していますから、国内の米の価格が高くなる。高くなる分は、消費者が米を買うときに高い米価でそれを払っていると。一方で、もし仮にそれを関税でゼロにしてしまいますと、米の価格は国際価格に下がりますと。じゃ、所得は政治でやりますよということになると、消費者は安い価格で米を買って、しかし税金で今度は農家の所得を補償するという、そういう仕組みということも一応想定されるわけですね。  そこで、松岡大臣の言われる、価格は市場で、所得は政治でという意味は、そのまますんなり取っていきますと、実は頭の中に想定されているのは、まあ場合によったら関税の引下げは受け入れてもいいじゃないかと。その分、所得は政治でと言うんですから、要するに所得の支払を、直接支払なのか分かりませんが、そういう形でやっていくんだという、そういう道もあるんだということを示唆しているのかなとも取れたんですが、そこの考え方をちょっと冒頭お伺いしておきたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 平野先生は、私は初めてこうやってお会いするんですが、もう参議院の予算委員会のエースですからね、よくテレビで御拝見いたしておりますが、農業現場のことについては恐らく私よりもある意味じゃお詳しいかもしれないと思っていますが。  今の御指摘の点でありますけれども、これは一概にそうだということじゃないと思うんですね。  私は、農産物市場というのは、輸出補助金があり、アメリカの輸出信用があり、またオーストラリアなどの輸出国家貿易もあると。これは何を意味するかというと、工業製品の世界では認められないダンピングなんですね。それがまだまかり通っているというか認められていると。駄目だという方向に言われておりますが、まだ現実にあると。これが一つ。  だから、アメリカのもしカリフォルニア米なんかにしましても、これが日本に来て、日本米と競争する品種だと思うんですけれども、国内支持がなくなり輸出信用がなくなったら果たしてどの程度の競争力を持つのか。日本は、だから、それは関税という一種類だけで、向こうは輸出助成があり国内支持があり関税がありと、こういう三つの仕組みで守っているわけですが、日本は大体どっちかというとこの関税という、これが大体、それだけとは言いませんが、国内支持も多少ありますけれども、大体それで守っていると。だから、これが全部なくなって、お互い全部何もなしと、こうなったときは、それはあとは物の良さで値段が高くても、じゃ物がいいから値段が高くてもいいと言って買うとか、いろんな形で結果出てくるんですけど、今はそれが現実じゃありませんので。  私は、やはり関税というのは国際的にWTO上認められた制度ですから、これはもうしっかり必要なものは必要な関税措置を取りながら、そして、WTO農政というのは、お互い消費者の利益を考えながら、価格で押し付けることはやめましょうと。だから、価格は市場に任せてやっぱり消費者の利益も守りましょうと。その分は直接支払で、工業製品みたいな本当に純然たる市場の価値だけで値段が決まるということになっていないのが今、世界じゅう全体の農産物価格ですから。EUの農家なんかは百円市場でもらって、百円政府からもらって、二百円、例えば、これは所得を取ると、こういう仕組みですから。  そういう意味で私は、平野先生がおっしゃったことは一つの本質を指摘はされておられますが、まだその一つの本質で解決できるような方程式になっていないと、こう思っておりますので、なかなか答えが難しいんですけれども、WTO農政下にあっては価格は市場で、そして所得はこれは補償すると、これが大きな流れなものですから、その中で日本も最大限のそういう措置を取っていこうと、こういう意味で申し上げているわけです。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 いずれ、そこが本当に大きな焦点でありまして、そのどっち取るかというのは大変難しい判断だと思います。しかし、本当にいつまでもこの部分はあいまいにしておけないと思うんです。だから、そういう意味で、今日は本題はこちらの方じゃありませんので、しっかりとした対応をちょっとお願いしたいと思います。  そこで、ちょっと今日、本題に入りますが、今日は私は、今農村がこれから直面しなくちゃならない問題と併せて、この品目横断的経営安定対策、これはやっぱり私、農村を歩けば歩くほどこれはやっぱり問題が多いなということを深く認識、強く認識していまして、その観点から今日、改めてこの場に立たさせていただきました。  それで、私は、何が問題かといいますと、農村というのは、特に農山村はそうなんですが、今までにないような変貌に直面せざるを得ない。そのキーワードは何かというと、人口減少社会です。これは前のこの農林水産委員会でも言いましたけれども、日本はかつて五十年間で人口が五割増えました。八千万人から一億二千万人に増えました。今、厚生労働省の推計によりますと、出生率一・三一という前提ですね、だと、これから五十年間で二千万人から三千万人ぐらい減っていくと。それはあくまでも一・三一という出生率ですから、今の出生率よりはかなり高いですね。ある推計によると、これ過去五十年間で、過去五十年間で増えた人口がそっくり減っていくんじゃないかと、この五十年間。そういう見通しもあるわけです。  いずれにせよ、日本は過去にどの国も例のないぐらいの急速な人口減少社会に入っていく。しかも、その人口減少社会はあくまでも日本全国のレベルですよ。東北で見ますと、仙台は人口が増えているんです。私は岩手県というところの出身なんですが、岩手県の南に矢巾町という小さな町がありますが、そこは人口がどんどん増えている。私は北上市というところですけど、北上市も微増ですが増えている。何で増えているかというと、若い人たちが入ってきているからです。  繰り返しになりますけども、日本はこれから急激な勢いで人口減少社会に入っていくんです。おしなべて見ますと、それで、一方で増えていくところもある。どこかが、ただでさえ平均レベルで人口減少の波をかぶるところに、更に増幅してその人口減少の波をかぶらなくちゃならないところがある。それはどこかといったら農山村なんですよ。  私は今ずっと歩いていまして、この間もある町へ行ってきたら、三十戸の集落でした。平野さん、この集落はね、あと二十年したら消えますと言うわけですよ。それはもう高齢化ということもありますし、一番の理由なんですけれども、そういう中で、過疎化どころではない相当の激しい変貌を迎えざるを得ないということなんだろうと思うんです。  そういう中での品目横断的経営安定対策、個別については四ヘクタール、団体については二十ヘクタール以上という高いハードルを設定しましたね。これは選別政策だと思います。選別政策は、裏で見ますと、その要件に該当しない人は農業を自由に勝手にやってくださいと、場合によったらやめて、やる気のある人にどんどん農地を出してくださいという、そういう政策なんだろうと私は思います。  その一方で、先ほど言った農業の急激な人口の減少、そして今、基幹的農業従事者の六割は六十五歳以上ですね。そういう状況の中で、更に農地の流動化を加速させるような方策をなぜ取るのかというのが私にはさっぱり分からない。  そこでまず、そういう認識の下で以下話をさせていただきますが、松岡大臣は、今の農村の農地の流動化の状況を見て、耕作放棄地がどんどん増えていますが、どのように思われているか。私は、今、どんどん出したい、作業委託に出したいという人は出てきているんですけど、受け手が今の状態でさえないんじゃないかというふうに思っているんですが、少ないんじゃないかというふうに思っているんですが、大臣はどのように認識されているでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 今、平野先生が言われた中には、もう幾つも本質的な問題を指摘をされたと思います。  まず、人口が減っている、そしてこれが特に農山村で減っていると、全くそのとおりだと思いますし、十四万集落以前はあったんですよね。それがもう十三万五千ということで五千集落消えちゃったと。それは正に人口減少がもたらした結果だと私も思います。このうち、中山間の集落というのが約半分あると。  私は、全国総合開発計画を、もう今から何年前ですかね、作りましたとき、党の責任者しておったんですが、そのとき申し上げたのは、中山間というのは、条件が悪くて困っているから助けるというそういう性格じゃないんだと。ここがもしいろいろ荒れ果てたり駄目になったら、災害を防ぐ意味でも水を蓄える意味でも、もうこれは本当にそこは防波堤なんだと、下流に対する、都市地域を含む下流域全体に対するこれは防波堤なんだと。だからここを守る必要があるんだと。それは、だから、困っているから守るという以上に、下流域の安全や安心やいろんな水という問題のために守る必要があるんだと、こういう考え。だからこそ、集落の機能維持というのは非常に重要だと思っております。  そこで、今耕作放棄地の問題を先生言われたし、御指摘をされたわけであります。  耕作放棄地になっている。それは何だというと、やっぱりもう担い手がいない。その担い手がいない原因は何だ。年取った、後継ぎがいないと。もうこれは規模も小さいし、これ以上農業やっていっても駄目だと。まあこれ、いろんな原因があると思うんですが。  そこで、私は、今回のやつは切捨て政策ではないかと、これ、逆だと思っています。今のままだったらもう後継ぎもいない。じゃ、もうこれは自分がある程度年になったらやめてしまおうかと、こういうことになっていってしまう。だから、まず認定農家、この人たちに、あなた方はできるだけ自分たちで、いろんな人からも預かることも含めて、さあひとつ、それはそれでしっかり頑張ってくれと。法人経営は法人経営で、これまた農地を集約化して、借りることも含め集約化して、それは頑張ってくれ。  じゃ、そうじゃない人たちも、本当に三反歩とか二反歩とか五反歩の人たちも、その人たちはじゃどうするのかと。一人で駄目、二人で駄目、十人でも駄目なら、これは集落という単位でまとまってくれ、こういうことでありまして、だから私は、これこそ受皿であって、受け手であってと、こう思っています。  もう一つ、平野先生もよく御存じ、御認識されているんだと思いますが、私もこの昭和三十六年の農業基本、これは規模拡大を目指しました。なかなかうまくいかなかった。私も四十九年から五十年、五十一年、五十二年と官房企画室におりました。そのころは利用権の設定というやつをやった、五十年代にかけましてね。これも多少そのときはよかったんですが、やっぱり全体としてはそんなに広がらなかった。  だから、どうも我々、やっぱり日本民族も漢民族も農耕民族ですから、どうしても土地の権利を伴う移転とか貸し借りということはやらない。だから、私は今回、究極の策としてこれは作業でいいと、契約でいいといったところまで大きく幅を広げた、柔軟性を持った集落営農、これが究極の策かなと。そして、集落の活性化につながりますし、きずなを深めることにもつながりますし、そんなような意味で、私は、これは決して切捨てどころか、これによっていろんな人たちを救うんだと、いろんな人たちをこれの中に含んでいくんだと、こういう考え方なんで、そういうことで今実はやっているわけでありますので、御理解をいただきたいと思います。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 今、大臣が言われた、いわゆる担い手に農地流動化を進めるんだ、集落営農を組織するんだと、これは私全然反論しません。ただ、何で四ヘクタールなんだ、何で二十ヘクタールだっていう話なんですよ。  今、私は、今の状況を見ますと、黙ってたって、先ほど言っていましたように、基幹的農業従事者の六割六十五歳以上ですから、ただでさえ人口減少の波が入ってきている、私はもう農業をやっていけませんという人どんどん出てくるんです。そのときに、そばに農地を持っている人が二ヘクタールの人がいる。じゃ、私が受け取ってやりましょう。この二ヘクタールだって立派な認定の担い手ですよ、地域にとってみれば。一ヘクタールの人だってそうですよ。何で集落営農が二十ヘクタールでなくちゃならないのか。集落営農が本当に良かったら、五ヘクタールだって六ヘクタールだっていいですよ。  そういう中で、今出てくるのは、そういう急激な変貌の中で地域を守りましょうといったときに、どんな人でもいいから私は農地を出したい、作業委託に出したい、受け手を取ってくれたら、そしたらね、それはやってくださいと。それから、もう一つ更に言えば、自分が六十五歳以上です、六十歳以上でもいいですよ、体が続く限りは農業をやりたいと言ったら最後までやってくださいと。そういうふうにやらなかったら、今本当に農山村は大変なことになりますよ、これ。  そういう意識が農林省の中に私全くないんじゃないかというぐらい思っている。これ、本当に農村のことを、歩けば歩いたら、何で四ヘクタールですか、集落営農はいやいいですよと、何で二十ヘクタールですかと。場合によったら、集落営農だって、何でこんなに急がなくちゃならないんですかという農家もいますよ。私は、集落営農については、本当にやりたいんならもっともっとあっちこっち出てきていると思いますが、今の集落営農の状況は、これに乗らなかったら、来年から何か麦、大豆の交付金、お金入りませんよという半分脅しの状況にあるから、何か訳の分からない形で集落営農を進めなくちゃなんないという状況にあるというのも事実だというのは、多分松岡大臣も分かっておられると思います。だから、これはまずこっちへ置いておきます、その問題は別として。  だけど、今、私の考え方の問題として、農村はこういうふうに変わっていきますよということに対して、この四ヘクタール、二十ヘクタールということが私現場で説明できないですよ。農協の人とか農林省の人が、私もかつて農林省のあれですけど、いろんな説明会に出ているようですが、こんな分厚い資料を持ってきて、ゲタだナラシだとか、私は、かまやつひろしの歌じゃあるまいしと言って、「下駄を鳴らして奴が来る」という歌ありましたよね、そういうやゆしながらぱちゃぱちゃ、いろいろ現地、現場でちょっと批判めいた話していますが、分からないですよ、中身なんか。分からないんだけど、繰り返しますけれども、これやらなければお金もらえないから集落営農だということで、何かとにかくいろんな話合いしながらやっているのが現状。  話戻しますが、いずれにせよ、今のその農村の変貌ということと、この四ヘクタール、二十ヘクタールという高いハードルを設定したことの整合性をどのように取るのか、大臣、これを分かりやすく説明していただけますか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) それは、どれくらいの言ってみれば基準といいますか、要件にするかというのは、これは大いに議論のあるところだと思います。    〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕  そこで、我々は二十ヘクタール、四ヘクタールというそういう基準を作ったけど、我々自民党の中でもいろんな議論ありました。当時、私、委員長やっていましたから、これをまとめる。いろんな要求ありましたが、やはり他産業並みの所得を確保していくとか、そういったような観点からしますと、ある一定の経営規模、こういったことがベースになっていく、そういうような形の中で、それが一つ目安になると。  もう一つは、かといって、じゃそれをすべてそれだけで全部を律するんじゃなくて、条件に応じて、中山間はどうだとか、いろんなまた緩和措置も作っているわけですよ。そしてもう一つには、複合経営、こういったものには経営規模を基準にしてアプローチをする、そういう考え方も幾つか、ちゃんと柔軟、弾力的な対応も考えておりまして、いずれにいたしましても、皆さん苦労だけど、そこまではひとつ頑張って、努力してそれを乗り越えてくださいと。先ほど言ったように、ある一定規模というものが一つの大きな経営の規模としての単位になる。こういったことはどうしても、我々はやっぱり予算折衝しますから、やっぱり財政当局から、それはやっぱりある程度の予算措置をお願いする以上はそういったことは必要なんで、そういったこともあってこの基準というのは定めました。  だけど、私は、私も全くもう阿蘇の山の中ですから、もうその辺で見ましても、それは最初はみんなそれはもう顔を合わせるのも嫌だとかいろいろ感情的なこともあって、いろいろありました。しかし、やっぱり随分いろいろ最近は、これはやっぱりそっちに行けばいい方向になる、いや、進んできてますよ、それはもう相当進んできています。だから、大いにこれからなお進むことを期待しております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 大臣、だから私の質問に全然答えてないんですよ。私は、担い手に農地を流動化するのは大事だと言っているんです。集落営農もいいと言っているんです。何で四ヘクタール、二十ヘクタールということに対しての、いろんな基準の設定がどうのこうのっていう、さっきもごもご答えておられましたけれども、答えられてないですよ。大臣がそんな答えであるから現場なんか絶対答えられないですよ、これは。  そういう中で、先ほど言ったように、二ヘクタールやっている人だっていいじゃないですか、一ヘクタールやっている人だって、農地を受けてる人だっていいじゃないですか、そうでないとその集落の維持が大変ですよ、そういう声だってあるわけですよ。  私は、この新食料・農業・農村基本法を作ったときの制定当時に、私は農林省にいましたけれども、農村がこんな人口減少迎えるなんて頭は多分農林省の中でだれもいなかった、ほとんどなかったと思う。この特定の農家に農地を集積して、そして他産業並みの考え方というのは、他産業並みの所得を確保するという考え方は、旧農業基本法の時代からの延長ですよ。  しかも、旧農業基本法というのは昭和三十六年に制定されましたね。あの農業基本法は、もう皆さん方御承知のように、農業従事者って言葉ばっかし出てくる。だから、農業基本法は業としてどうするかを基本とした法律だったと思います。  しかし、ところが農村はどんどん変わってきた。消費者の視点も大事だ、だから食料というのが入った。農村も混住が進んできたし、残念ながらあの当時はこれだけの人口減少社会に入りつつあると頭はなかったと思いますが、混住化も進んできたという意味で、農村は生産の場であると同時に生活の場であるから農村という言葉が入って、新食料・農業・農村基本法となったわけですよ。  ところが、今回の品目横断的経営安定対策は、農村という本来最も注目しなくちゃならない要素がこの体系の中から完全に欠落して、農業基本法の考え方に先祖返りしているんじゃないかと私は思うんですよ。しかも、四ヘクタール、二十ヘクタールが、例えば農業基本法制定時代の状況、例えば農家人口は人口の四割という時代もありました。農家はまだ若かった。高度経済成長時代だから、農業をやっても他産業の従事機会があった。そういうところでさえ当時の農政は全員平等ですといって、それこそ本当にばらまきやったんですよ。  あのときに、例えば構造政策だといってある一定の基準設定して農地流動化を促進するとかという話だったらまだこれ分からないわけじゃない。ところが今、繰り返しになりますけれども、農業従事者はどんどん減っていきますよ。六十歳以上、六十五歳以上の人が農業やってて、農業やめろって何やるんですかと。その機会もない。  全く私は、この政策については、間違った機会に間違った考え方でというか、考え方としてはかつての高度経済成長時代だったら間違ってないと思いますけど、ちょっと時代錯誤というか時間のずれが大き過ぎるんじゃないかなという感じが強くしています。  一人で演説ばっかりしてしまいましたけれども、以前、松岡大臣、正に熊本の本当に地域の中で、今の政策が分かってる分かってると言いますけど、私は本当、それは分かっている人もあります、しかし圧倒的にやっぱりううんと頭痛めながらやってますよ。  そして、繰り返しますけれども、農村のこれからの維持というものを、どうやってその機能というのを維持していくか。農村の維持、機能の維持をしていくときの一番の基幹、柱はやっぱり農業ですよね。そして、農業の中でやっぱりその地域住民の人たちがこぞって参加するような仕組み、これはずっと取らにゃいかぬと思うんです。これを前提にしますと、私は四ヘクタール、二十ヘクタールというのは、ハードルの設定は、そういう基準の設定はやっぱり間違っているというふうに思いますが、もう一度この基準の設定について大臣の考え方を聞かせていただけますか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 担い手を、この集落営農も含めまして認定農家それから法人経営、また場合によっては株式会社が農地を借りたりして参入してくる、そういった方向付けについてはもう先生もそれは賛成だと、こうおっしゃっていただいた。方向なり政策の姿については御賛成いただいた。だとすると、あとは基準だというとき、これは本当に大いに議論が分かれると。    〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕  今日は岩永先生も皆さん、常田先生もおられますけど、それは島根と鳥取はどうだとか、それはいろいろありました。北海道はいいだろうけどうちは違うぞとか、ありました。そこで、私はやっぱり、これは相撲だってそうだと思うんですが、舞の海はじゃ本当ならこぶ作らなきゃ合格しなかったかもしれないけれどもやっぱりあれだけの力を発揮した、そうなるとやっぱりああいう例外もあるじゃないかということは、それは確かにあるかもしれません、事実として。  そこで、そういう場合には我々は経営規模なり、またその中山間とかそういった状況に応じて特例措置を作っているわけですよ。じゃ、四ヘクタールと二十ヘクタール、なぜだと。これは、先ほども言いましたように、他産業並みのやっぱり所得を確保していく、そういう観点からしたらある一定の経営規模というのが必要である。そういうことから、だからこれだけを目指すんですと、だからこれだけの助成をするんですと。今、四千百三十億円のこの担い手対策に要する経費を私どもは来年度概算要求で今要求いたしております。これは絶対に満額確保したいと思っていますが、そういう観点からの四ヘクタールであり二十ヘクタールでありまして、これは平野先生、御理解いただきたいと思うんですね。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 今、ちょっと別の角度でもう一点問題を指摘させていただきますけれども、今五ヘクタールの認定農業者がいるとします。麦、大豆を作っていたと。要件からいえば品目横断的経営安定対策にこれは十分移行できます。しかし、その人は今までの体系の農業を継続、同じような形で米作って大豆作って麦作っているとしますね。受け取るお金というのは新しい体制に移行したとしても変わらないんですよね、重点化といいながら。そうすると、その人は今回の政策に移行することによって、じゃもっと規模を拡大しようというインセンティブが出てくるんだろうかという別な問題も実はあります。  これはちょっと時間の関係で今日はここで切らしていただきますが、要は、私の問題意識は、片っ方でそういう受け手という側に対するインセンティブもはっきりしない、はっきりしないというか出てくるかどうかは分からないような体系になっている。それから、繰り返しになりますけれども、一方で黙っていても農地の出し手というのは出てきますよ。だから今、特定の農家に他産業並みの所得を確保するという考え方はそれは分からないわけでもないけれども、今大事なのは急速に減っていく農業従事者、変貌する農村、その中で黙ってたってただでさえ今農地面積はどんどん減っているんですよ。集落の維持だってどうしていくかってことでみんな頭悩ませている。そういう中でどういう政策が大事かといったら、まず農業をやっている人は最後までやってください、そして一ヘクタール、二ヘクタールと農業やっている人でも農地を受け取るなら受け取ってください、それに対する施策は厚めにやりましょうと。まずこの急激な変貌に対応するだけで大変ですよ。ところが、四ヘクタール、二十ヘクタールだ、繰り返しますけれども、それを加速するんですよ、出さすのを、その農地の流動化を。出せ出せ出せということに作用する考え方ですよ。その考え方が合わないということなんです。  これを、今これからだれがそういう状況に対してしっかりとした視点を注いで農村を考えていくかといったら、これはやっぱり農水省がまず一番先ですよ。ところが、その農水省が農業基本法の一番原点である、農業基本法の考え方の生産効率主義を今この段階でやろうとしている。この考え方が違うんじゃないかなということを私は繰り返し言っておきます。  私は、今本当に必要なのは、農業をやりたいという人は最後までやってくださいと。その上で、じゃ、受け手、農地を受け取っている方々については流動化をしっかり進めますと。集落営農をやりたい人も結構です、やってくださいと。そういう中で農業とそして農村を守るというその考え方だと私は思います。  と思いますということで、もう一度、ここで大臣のコメントをもう一回だけ求めておきたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 平野先生のお話をお伺いして、まあ平野先生の思いも私も理解できないわけじゃないんですよ。理解できないわけじゃないんですが、やっぱり基準をどう引くかとか、それはどうしてもある一定の規模って、さあ、もちろん、例えば私が、私も田んぼ持っているんですよ。ただ、米価委員長なんかやってきましたから、生産調整をやる側ですね、だから米は一粒も作っていません、もうこの十何年。  だから、そういう中で、じゃ、五反持っていると、私が。だからそれは、まあ今、農業直接やってませんが。じゃ、やりたいからってその人がずうっとやると。それはそれでいいと。しかし、それじゃ現状が固定のままでありましてね。だから、やっぱりそこは、ひとつある一定の、もう一つ上の段階、まあ二つ上かはともかく、それは目指してもらおうよと。そして、みんなでやっぱり大きな姿になってもらって、集落営農という形であり、また認定農家に集中して、また法人の経営に集中していく姿なり、そういった姿になってもらって、そしてやっぱり国民全体、社会全体から見たら、非常にやっぱり力強い強力な競争力のある農業が生まれた、できていくと、こういう姿を目指す、それはやっぱり国民全体にとっても、税金をいただいて、その中から農業のやっぱり姿をつくっていくということであれば、国民の皆さんにおこたえする意味でも、ある一定の水準目指して、それによってまた国民の皆さんにも利益が還元できると、生産性も上がりですね。  そういったことを目指すという意味でのこれは規模でありまして、だから、先生は二ヘクタールならいいとおっしゃるのかもしれませんけれども、我々はそれを四ヘクタールとしたんでありまして、十ヘクタールとしたんでありまして、問題は、方向はいいとおっしゃるんですから、あとは基準をどう取るかという点については、先生の御指摘の点は、今おっしゃいました、出し手はあるけど受け手になるのかと、インセンティブになるのかといったことの点については問題点として受け止めまして、是非基準の点については御理解をいただきたいなと思っております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 いずれ、今の状況を見ただけでも、農地の受け手、出し手という関係からいえば、圧倒的に供給過剰になっちゃっている。つまり、出し手はいるんだけど受け手は少ないと。ただでさえ、このままいったとしても出し手はどんどん出てくる。そういう中で、出し手がどっと出てくるような、考え方としてですよ、政策を導入するというのは、これは全く合わないということを再三ちょっと申し上げておきたいと思います。  更に言いますと、今農村は、例えば農協はどんどんどんどん支所廃止しています。市町村合併も進んで、機能は中心集落というところに、どんどんそちらに集中している。郵便局もこの間、特定郵便局長さんに話したら、まあ数だけは一応看板上は確保するけど、郵便機能は持たせる一方で、郵貯、簡保はやっぱり将来的にはなくなっていくんじゃないかというようなことを現場の感覚で言っていました。  以下の話は半分冗談で半分本気だと聞いてもらいたいんですけれども、今振り込め詐欺ってありますね。あれ、口座があるからできるんですよ。ところが、これからは、農村には本当にそうやって組合の支所もなくなっている。そのとき郵便局もなくなったら口座を持てなくなっちゃうんですね。そうすると、振り込め詐欺はなくなっていくかもしれない。だけど、そうやって口座がなくなったところの人はどうするかといったら、たんす預金になるだろうと。振り込め詐欺をやる人なんといったら犯罪者ですから、今度は白昼堂々と強盗に入っていくんじゃないかとか、そういうことをもう今まことしやかにささやかれ始めているぐらい、そういう状況です。  効率主義があんまり蔓延しちゃっている。本当に必要なシビルサービスというものをどうやって確保するかということも、これからの農村のことを考えるに当たって本当に大事だと思います。そういう、せっかく食料・農業・農村基本法になったんですから、農村という視点をしっかり持っていかなくちゃならないし、この視点が欠けたら本当に農業駄目になってしまいますよ。林業だって私は駄目になってしまうと思いますよ。  そのことを、今日は時間がありませんから、申し上げまして、また、今日はもっと別途いろんな例を引きながら議論をしたい気もありましたけれども、また別な機会にそれは譲りたいと思いますので、今日はこれで終わらしていただきます。  どうもありがとうございました。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 おはようございます。和田ひろ子でございます。  今、平野委員がおっしゃいましたように、担い手のところで品目横断というのを、私ちょっと県事務所でこの間、会津の支部で聞いてきました。麦に手を挙げている人は、広い会津の農家の中でお一人だけでした。いかにこの担い手法案が、もう過去の実績とかそんなことばっかり言っているから、農家の皆さんに本当にいい政策ではないということを私も付け加えて言わせていただきます。  私は、森林についてお伺いをいたします。  さきの通常国会で行政改革推進法というのが成立をして、林野庁の皆さんにも、例えば一部は独立法人に移管した上で特別会計を一般会計に統合するなんていうふうに言われております。これは平成二十二年度までだそうでありますけれども、こんなこと、まず外枠を決めて、中身はどうなんだというと中身はこれからだというふうにおっしゃっています。森林法の問題とか、例えば改革をする法律とか財政の法律とか、本当に詰めなければいけないことたくさんあると思うんですが、何で最初にこんなふうにぱっと決めてしまうのか、とっても理解できないので、まずお尋ねをしたいと思います。

川村秀三郎林野庁長官

○政府参考人(川村秀三郎君) 国有林野事業の関係でのお尋ねでございます。  先生も御案内のとおり、国有林野事業、これまでも大変な行政改革の努力をしてきたわけでございます。ただ、一般的な全般的な行政改革の流れの中で、国有林野事業につきましても一部独立行政法人化、また特別会計につきましても、その改革の中で一般会計化ということの方向が出ておりまして、この行政改革推進法、これに基づきまして私どもとしてはしっかり取り組んでまいりたいと思っております。  ただ、この国有林が果たす基本的な役割、その重要性、そういう全体的な機能がしっかりと発揮できるようにということで臨んでまいりたいというふうに思っております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 国有林野事業、例えば民有林も同じなんですが、国有林野事業に携わられておられる皆さんが本当に日本の森林というものをきちんと守って今までいただいたということもあって、本当に何でこんな事業を分けるようなことしてしまうのかなと。本当に一体化してこそ林野行政だと私は思うんですけれども、何でこんなことに、まあ政府が行革の中でこういうふうに言ったとしたら、私たちはもう林野の皆さんはお守りする立場だからね。お守りっておかしいけど、一緒に林野を作っていかなければいけないという思いなんだから、何でそんな、もう本当に文句言いに私たちも行きますから、そんなことをやらないような方向で、自分たちの議論を一生懸命深めた上でそしてこんなことになるんならいいけど、こんなことをやすやすと、こういうふうに平成二十二年まで行いますなんということは言わないでほしいということを思いますので、もう一言お願いします。

川村秀三郎林野庁長官

○政府参考人(川村秀三郎君) 私ども、国有林が果たす役割の重要性というのは十分認識しておりまして、今回大きな枠組みが決まったわけでございます。  委員が御指摘のように、現場において戸惑いといいますか、そういう気持ちもあることは十分理解できますし、また我々としても、今回の見直しの趣旨等につきましては関係者へ十分な説明を行いつつ適切に対応してまいりたいと思いますし、また国有林野が有します多面的機能の発揮、維持増進、これを図られるような形でその大枠の中でしっかり努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 これ、後で大臣にもお尋ねをしますのでこのぐらいにしたいと思いますけれども、例えば今回頻発している災害の問題があります。大変な災害が起こって、今年だけでも大変で、北海道とか静岡、広島、佐賀なんかで二十三か所だったんですね。総額は十三億円余りの緊急治山事業というあれが出たというふうに思いますが、その治山対策の概要をまずお尋ねしたいことと、復旧事業が良くなっているのか、ずっと前から積み残しはないのかどうか。そして、このごろの災害というものが、例えば温暖化のこととかいろいろ言われています。その温暖化で災害が起こるのに相まって、実はこの地域はもう本当に現状維持をしてはまた同じ目に遭ってしまうんじゃないかなんといういろんな思いもあるというふうに思いますから、その今回起こった災害の概要、またその復旧事業の進捗、そしてこれが果たして本当に同じ原状回復でいいのかどうかなんかを含めてお願いをいたします。

川村秀三郎林野庁長官

○政府参考人(川村秀三郎君) 今、委員が御指摘ございましたとおり、近年非常に集中豪雨型といいますか、非常に激甚な災害が各地で発生をしてございます。大変な気象変動ということも背景にあろうかと思います。今年だけでも、数字的に申し上げますと、十一月十五日現在でございますが、民有林、国有林を合わせまして約三千か所、被害総額が八百十五億ということでございます。  これまでの被害箇所につきまして、大きくは林地の被害と施設の被害と二つあるわけでございますけれども、林地の荒廃につきましては、特に人家でありますとか公共施設に影響のあるところ、より緊急性の高いところを優先をいたしまして、災害関連の緊急治山でありますとか、治山堰堤の設置等によりまして早急な復旧、また二次災害の防止ということを図ってきております。また、施設災につきましては、現地の査定を実施をいたしまして、治山施設災害復旧事業等によりまして早期復旧に努めているということでございます。  また、こういうものは通常予算と、当初予算とまた補正でもこれまでの恒例からしますとしっかり対応してきているところでございます。また、経常な治山事業の中でも計画的に復旧を図っているということでございます。今後、そういう取組をしっかりやってまいりたいと思います。  また、今回新しい基本計画を作った中で、やはり効果的なものをやっていくということで、危険箇所の再度の調査でありますとか、また流域単位での災害対策と、こういうものをしっかり見直しをしまして、流域の防災対策というものも作っていきながら、より効率的に対応をしていきたいと、こういうことで思っております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 今日すごく時間が短いんで、今度大臣にお尋ねをしたいんですけれども、今お答えいろいろいただいたんですが、国有林野事業の組織の推移とか、職員の皆さんの、昭和五十三年には六万五千人いらっしゃった方が平成十七年度には七千百五十人、こんな推移でなっていますよね。また、今回は有識者会議という人たちが行政改革で定員の減量をされておられますね。  こういう状況を踏まえて、また例えば京都議定書で私たちは森林が三・九のCO2を削減しなければいけない。幾ら頑張っても、こんな予算では二・六が最大じゃないかなんというふうにみんな言われておりますよね。大体、議定書があってCO2を減らすんではなくて、日本の山を守った結果、山が三・九を削減するというのが、それは本当の発想であって、議定書があって、議長国になったから三・九ではなくて、私たちはそれは発想逆でしょうと思っているんですね。日本の山をもう本当に緑豊かに、国民の安全、安心のためにやった結果がCO2の削減になったんだねというのがベストだというふうに思います。  それで、林野事業の皆さんはいろいろもう本当に民有林をも含めてリーダーになってやっておられることを考えれば、日本の山はどういうふうに守っていかなければいけないとお思いでいらっしゃるか、大臣は林業に対して大変なあれだというふうにお聞きしておりますので、お聞かせをいただきたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 和田先生、森林に対しまして、それからまた国有林野の事業に対しまして大変思いを掛けていただきまして、また今その重要性、必要性についても十分御指摘をいただきまして、その点については本当に有り難く思う次第でございます。  そこで、まず国有林の今の、多いときは六万五千人、そして今はほぼ十分の一近くなってしまっていると、七千人ちょっとですから、そういう今御指摘がございました。それをどう思うか、こういうことでございますが、実は私も昭和五十三年から五十五年まで北海道は天塩の営林署長いたしておりました。本当にそのときは国有林経営が赤字でございまして、そういうことで、国民の皆様方の税金をもってそれを補う、こういうことになったわけでございます。それ以前に財投からの借入れということがあったわけでございますが、これがどんどんどんどん膨らみまして、利子が利子を生むという形の中で、何としてもこれは抜本改革をやらなきゃならぬ。そして、抜本改革をやって、利子が利子を生んでもう利子払いに追われるんじゃなくて、やっぱり経営の中でプライマリーバランスを図って、そしてやっぱり山の整備ができるようにしていこうと。こういうことを目的に、大変厳しい困難な努力であったわけでありますけれども、何とか二、三年前から赤字経営を脱却して黒字経営になってきた、こういうことでございまして、その点では、税金に御迷惑を掛けないような経営の姿ができたと。  その間、いろいろと今先生御指摘の、じゃそれで地域に対する対応や山を守るという観点で大丈夫だったのか、こういった御指摘だと思いますが、私ども極力一般会計化ということで一般会計からもお金を入れていただきまして、本当に必要なものは是非ともやっぱり実行していくと、こういう思いで努力をしてきたわけであります。足らざるところあれば、なおまたこれからも御支援いただきながら努力をしてまいりたいと思っております。  それから京都議定書との関係でございますが、これは全く同じ思いでございまして、私どもは、よく皆さん方が、林野庁が自分の予算が欲しいから、公共予算欲しいから言っているんだろうと。そうじゃないわけでありまして、これを達成しないことには日本の経済活動、国民生活がこれは大きな打撃を受けるわけであります。もし森林部門でそれが達成できないとなると、経済部門、生活部門でその分を今度はまた消化しなきゃならぬ。また新たな設備投資や国民生活の新たな言ってみれば制約、こういったことになってくるわけで、だから私どもとしては、もうずっとそのために必要な森林整備の予算、これはもうずっとお願いいたしておりまして、環境税ということを言いながらなかなかこれが実現できない。今年は是非とも、皆様方の御支援賜りながら、何とか森林整備の京都議定書達成のための、そのやっぱり予算も獲得ができるように、私ども、林野庁長官共々一生懸命努力をいたしておるところでございますので、是非ともまたこの点については与野党を超えて、ひとつ和田先生始め皆様方の御支援も賜りたいと思います。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 行革行革と、すごくいい言葉なんですけれども、例えばシーリングで減らしていくんじゃない、悪いことしているところ一杯あるからね、あんなところはもう断然減らしていいんだけれども、こんな山を守る人たちなんというのは絶対に減らしてはいけないという、そういう思いを是非体を張って言っていただきたいと思います。  BSEの問題もやりたかったんですが、今日は私は有機農業議連の会員の一人といたしまして、先ほど理事会において十二月の五日に有機農業推進法の委員会をもう一度設けていただきましたことを心から感謝を申し上げます。  それで、大臣に、超党派の国会議員で構成されているこの議連というのは、有識者をお招きをしたり、実践的に有機をされておられる方々のお声を聞いたり、またキューバに有機農業の視察に行ったり、もう本当にたくさんの努力をして、谷津先生が会長で、ツルネンさんが事務局長でやっておられます、紙さんもやっておられますが、本当にすばらしい、これはあくまでも理念法でありますけれども、このことを私たちは、何というか、石油をこの地面にまいてしまった私たちが、今度、子孫に残すとすればこういうことをきちんと守っていかなければいけないという思いがあります。  そういう思いで、委員会では委員長が御提案をされ、大臣が承諾をされるということで終わってしまいますので、是非今日は大臣に、有機農業について御意見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) まず、今、和田先生がお話しございました有機農業推進議員連盟、これ超党派の国会議員の先生方で構成されておられる。私もよく存じ上げておりまして、我が党の谷津総合農政調査会長が会長を務めさせていただいている。そしてまた、和田先生もツルネン先生も大変な有力メンバーで、このことを推進されてこられた。こういうことでございまして、そして、今おっしゃいましたように、キューバに行かれたり、有識者を招かれたり、いろんな幅広い活動を、二年間ですかね、十六年の十一月ごろからお取り組みになったということでございますので、ちょうど二年間、本当に大変な御苦労いただいて、御努力いただいてこれまでにこぎ着けていただいたと、こういうことでございますので、まず、これができると聞きましたときに、今国会で成立の見込みだと聞きましたときに、これは本当に有り難い、すばらしい法案を出していただくと、また法律にしていただくと、そういう思いで私ども農林水産省挙げてこれはもう歓迎をいたしておりますし、感謝をいたしております。  なかんずく、この有機農業は環境保全を重視した農業生産の一つの形態でございまして、また消費者の観点から見ましても、これは非常にやっぱり健康にとってもすばらしいものでございまして、そういう意味で正にちょうど時代にマッチしたというか、逆に時代を大きく先取りをしたような、こういうすばらしいものでございます。  いよいよ、今、先生のお話のように、十二月の五日、委員会、六日、本会議と、参議院発でこれをしていただくということでございます。そして、衆議院はまだはっきり聞いておりませんが、それに引き続いてすぐそれがまた衆議院の方でも委員会と本会議が開かれるんではないか、こういうふうに聞いておりますし、また期待をいたしております。  心から先生方の御努力に、そしてまたこの法案の中身に敬意を表しまして、お礼の言葉も込めまして一言、本当に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 質問を終わります。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 早速ですが、質問に入らせていただきます。  ちょっと質問通告と順番を変えまして、流れからいきまして品目横断的経営安定対策から質問をさせていただきたいと思います。  まずは、既に秋まき小麦等始まっているわけでありますよね。それで、制度導入時の担い手の状況についてお伺いをいたします。担い手の数がどうなのか、農地の集積状況がどうなのか、端的にお答えをいただきたいと思います。

高橋博農林水産省経営局長

○政府参考人(高橋博君) お答えをいたします。  まず最初に、担い手の状況でございますけれども、十七年三月に公表いたしました農業構造の展望におきまして、望ましい農業構造の姿として、平成二十七年にいわゆる効率的、安定的な農業経営、これにつきましては、家族農業経営を三十三万から三十七万程度、集落農業経営は二万から四万程度、法人経営を一万程度というふうに見込んでおりまして、これらの経営農地が約全農地の七割から八割というふうに見込んでいたところでございます。  これを受けまして、本年三月に、農業団体を始めといたしまして担い手育成の推進団体から構成されます全国担い手育成総合支援協議会が、今年度末までの当面の目標といたしまして、認定農業者を約二十二万五千、集落営農のうち農業経営の実体を有します特定農業団体及び特定農業法人については約四千にするとの目標を定めているところでございます。  現状でございますけれども、現在の認定農業者数、今年の九月末現在で二十一万三百二十七となっております。このうち、本年度四月以降の新規認定数は一万三千百六十九、それから特定農業団体及び特定農業法人数につきましては、同じく九月末現在で九百五十五となっております。また、農地の集積状況につきましては、これはちょっと三月末の数字でございますけれども、認定農業者あるいは特定農業団体などの一定の要件を満たします集落営農等が経営する農地面積は、全耕地面積に占める割合が約四割ということでございます。  以上でございます。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 私が聞いているのは、担い手が何人かと、こう聞いているんですよね。認定農業者が何人とか、そういうことを聞いているんではないんですよ。実際に今度の制度に乗る担い手が何人か。認定農業者が二十万人超えたというのは知っていますが、この認定農業者がすべて基準以上の者とは限らないわけですよね。そこのところ。

高橋博農林水産省経営局長

○政府参考人(高橋博君) 今回の品目横断対策の対象となります、今申し上げました認定農業者あるいは集落営農組織についてお答えいたします。  現在、九月から本日まで、十一月までの間に、来年度から実施されます品目横断対策の加入対象者のうち、秋まき麦の作付け者で、いわゆる収入減少影響緩和対策に加入する者の加入申請の状況につきましては、十一月の十五日現在の数字が今手元にございます。ここでは、認定農業者数では一万二千二百四十八、集落営農組織については一千百二十三、合計一万三千三百七十一でございます。また、これらの者が作付けを予定しております麦の作付け計画面積が十万九千三百九十六ヘクタールということで、十八年産の麦の作付面積に対しまして約四割を超える水準となっております。これはまだ十五日現在の数字でございまして、それ以降、本日までの間にも加入申請数が更に増加をしているというふうに聞いております。これにつきましては、なるべく早く取りまとめの上、公表させていただきたいと思っております。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 では、大臣にお伺いをいたします。  品目横断的経営安定対策は、まず対象を規模によって絞り込むと。それに乗らないと切り捨てられますよね。そして、品目によって、四品目あるわけですが、四品目があって、それに乗らないとやっぱり切り捨てられると。しかも、例えばこの四品目に乗ったとしても、今度は過去実績がなければ、これはまたそこで切り捨てられると。こういうふうに、私から見ますと、このたびの対策は切捨て切捨て切捨てと、こう言わざるを得ないというふうに思っております。  この品目横断で日本の農家が元気が出てくるかどうか、どういうふうにお考えなのか、大臣の御意見を伺いたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 今、先生からは、切捨て切捨て切捨てではないかと、三回ぐらい言われたと思うんですが、先ほど平野先生からも、大体本質的には、平野先生は三回も言われなかったと思うんですけれども、御指摘をいただきました。  これ、是非御理解を賜りたいんでありますが、私どもは切捨てではなくて、逆に集約化していく、集中化していく、そのための認定農家としての柱、ここにまたいろいろ、そこに集まってもらえる人は集まっていただくし、どうしても法人でも駄目な人は集落営農という形で大きな枠を作って、こちらの、今の現状のままではもうこれ以上の発展はない、展望はない。私よく川に例えて言うんですが、向こう岸に渡ってもらえれば、これは大きなやっぱり新たな未来がある、展望があると。そういうことで向こう岸に渡っていただきたいと。一人でもうどんどん泳いで、もうすばらしいスピードで泳いでいく力の人もありますし、いろんなそれは渡り方がある。橋を架けて渡る渡り方もあるし、また船を造って、いかだを作って、一人じゃ無理だから、お年寄りの方も一緒になってその船、いかだに乗って渡ってもらう渡り方もある、これは集落営農とかいろんな形のことを言っているんですが。  そして、それでもない不作付け地なんかどうするかというのは、もう来年度から、今まで企業の人が、おれ、やりたいというときに、よく株式会社参入という問題でいろいろ言われるんですけれども、株式会社の方々にも、今度は、今までは来た人にどうぞだったんですが、やってください、もうどんどん進めてください、こういう形でそっちの方を推進していくという。  こういうことも含めて、我々は切捨てではなくて、これはもう皆さんが、そのお気持ちがあればどなたでもその集落営農に参加していただく。逆に切捨てでなく囲い込みができるような、こういう制度、仕組みにしたつもりであります。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 誤解ないように私の立場を申し上げておきたいんですが、私も効果的な、効率的な農業を否定するものではありません。ただ、急激な構造改善は日本の農業を崩壊させるものだと、このように思っているんです、急ぎ過ぎるのが良くないと、こういうふうに思っております。  それで、まず規模要件について重ねてお伺いしたいんですが、日本の平均的な耕作面積は一・八ヘクタールであります。そして、今回の新しい食料・農業・農村基本計画ができたのが平成十七年の三月、しかも細目が決まったのは昨年の十月であります。準備の期間はたった一年しかないわけですね。一回の耕作分しかなかったと、こういうふうに言って差し支えないと思うんですよ。こんな短期間で、工業製品のラインを変えるような格好で生産システムを変えることができるか、農業でそういうことが可能なのかどうか、私はそこを問題にしたいわけであります。  先ほど、最初に来年度の担い手の数、これを聞いたわけですが、不十分だというふうに思っております。それで、端的に言いますけれども、担い手の規模を一時的に全面凍結することはできないか、あるいは一時的にではありますが、例えば平均耕作面積一・八ヘクタールにラインを引くことはできないか、こういったようなことについて質問をしたいと思います。  と言いますのは、今回の例えば四ヘクタールであるとか二十ヘクタールの決め方でありますが、これは目標とする規模はちゃんと別にあるんだそうです。あるんだけれどもその半分程度と、こういう決め方をしていると。私はこの決め方について極めて農家に対して非常に失礼な決め方であるというふうに思っておりまして、だったらば今の農業の実態に合わせてずうっとラインを、その基準を引き下げるべきではないか、こういう意味の提案であります。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 主濱先生、先ほどの、先生は効率的な農業を目指す、そういったことについては賛成だと、その上で切捨てにつながらないようにと、こういうような御指摘と思いまして、その御懸念の点は十分受け止めながら、そういったことにならないように、本来の我々が目指す方向に、皆さん方から御理解いただき御参加いただきますように、そこはしっかりやってまいりたいと思います。  その上で、今、先生から改めまして、我が国の平均経営耕地面積は一・八ヘクタールだと、そこに基準を引き下げられないか、こういう御指摘でございますが、平均が一・八ですから、四ヘクタールということになりますと二人とちょっとで、まあ平均的に言えばですよ、できるわけでありまして、やっぱり今のままだと今以上の生産性の向上なり発展性というのは生まれてこない。  したがって、私どもとしては、普通の都府県であれば四ヘクタールで、そして北海道は十ヘクタールでと、集落営農は二十ヘクタールでと、そしてまた条件、中山間とかいろんな条件によっては更にそれを緩和をしていく、そしてまた複合経営というそういったようなところは経営規模の一定の規模によっていく、こういうことで弾力、柔軟な対応をしておるつもりでございます。  あわせて、今、先生から御指摘がございました、一時凍結できないかと、こういったようなことにつきましても、まあもうここまで進んできて、進むところはかなり、皆さんがもう一〇〇%近く、じゃやろうといったようなところもかなり出てきております。  そして、今、局長が申し上げましたのは、四割というのは、これは秋まきのところを基本にしての話でございますので、また春まき、そういったようなこと、また今後の推移をすれば、最大の私ども努力をいたしまして、可能な限り目標に近づけたいと、こう思っておりますので、是非このまましっかりと進めさせていただければと、このように思っております。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 じゃ、話を先に進めまして、今度は二つ目の、私から言わせると切捨ての部分ですけれども、対象品目についてであります。  食料自給率の向上を目指すのであれば、今米が一番、そしてその次が畜産品が二番、国民のカロリーの二番で一五%を占めております。そして、今この畜産品の自給率は一七%であります。ここの飼料を一〇〇%自給すれば、これは六七%まで上がると、このように白書には示してあります。  こういったようなことで、まず、じゃその飼料作物である牧草であるとかデントコーンであるとか、そういったようなものを対象にできないのかどうか。今は四品目しか品目横断の対象になっておりません。この食料自給率を上げるためにこれらを対象にできないのかどうかという問題ですね。  それから、食用油、その原料となる菜種、アブラナ、これ同じものなんですけれども、これは対象になっておりません。食用油はたった自給率四%であります。この部分もやっぱり引き上げないと食料自給率が上がってこないというふうに思います。いかがでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 四品目しかない、ほかに例えば飼料用のもの、米は含まれないかと、こういう端的な御指摘でございますが、飼料用稲を含むこの飼料作物につきましては家畜のえさとして供給されるものですから、国民に対する熱量の供給という観点では牛乳なり、それから肉、そういった畜産物、酪農製品の形で行われるものでございますものですから、飼料作物自体は国民に対して直接熱量の供給になっていない。なっていないというか、そういった観点から本対策の対象とはしていない、こういうことでございます。で、四品目を今対象としているということでございますが。  あとそれから菜種、先生がおっしゃったのはそういった点だったわけでありますが、これもまだ地域的には非常に大きく生産されているところ、地域の中で生産されているところもあると思いますけれども、国全体といいますか、そういう観点からしますと、非常に限定的なものですから、まだ対象にしていないと、こういうことでございまして、理由はそういうことでございます。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 食料自給率との関係ではいかがでしょうか。  私は食料自給率の関係を、まず食料自給率を上げなければいけないという前提の下にお話をしているわけですが、はっきり、先ほど言った飼料作物については、その五〇%が食料を輸入しているがためにカウントされないと、こういう状況になっております。  それから、食用油は四%しか自給していないということ。オーストラリアとの関係でちょっと見させていただきますと、オーストラリアから菜種、結構輸入されているんですが、これ無税なんですね、無税。関税ゼロですね。こういうことで輸入されております。こういうことではやっぱり食料自給率上げることできないと思うんですよね。いかがでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 自給飼料をこの国内でもっともっと生産をしていくと、こういうことについては、我々もこれはそういう方向で、また別途それは取り組もうと思っております。  といいますのは、自給飼料自体について、これについて見ますと、輸入粗飼料の購入価格と自給飼料の生産コスト、これを比較した場合、平均的には自給飼料の方が割安だと、こういうひとつ結果になっておりまして、そういった点から、飼料作物自体について諸外国との生産条件格差は、これはもう発生をしていない、こういう現実があるものですから、そういう整理をしたということが一つ。  それから、さらに飼料用の稲につきましては、主食用としての生産コストと飼料用としての販売価格との価格差が財政的に、輸出することになれば到底これはまた国民の皆様の理解も得られないものですから、そういう整理をさせていただいた、こういうことでございます。  それから、今関税がゼロだからと、こういうことをおっしゃったんですが、菜種ですかね、これ、菜種ですかね、これにつきましては、恐らく国産の菜種というのは非常に品質がいい。だから、少量だけれども、そういうことで供給が、生産がなされていると、こういうことだと思います。  それで、全体的に見たときには、菜種に対してそういうすみ分けていますから、これを関税ゼロにしても国内にそれは影響ないと、こういうことで現実がそうなっているんだろうと、こう思いまして、これを更に関税を設けろと言うなら、関税を設けて国内の菜種を生産奨励しろということは、ちょっと現実のWTO体制下の下では、それはやっぱり大きな流れに逆行しまして、主濱先生のせっかくの御提言ですから、お気持ちは分かるんですが、そのようなことで方向としてはちょっと取り得ないんではないかなと思っております。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 もう一つの、私から言わせると切捨て部分についてお伺いをいたします。  過去実績についてであります、過去実績。  例えば、麦を作るに当たりまして、平成十六年から平成十八年までの過去の実績がないと将来部分、その部分については対象にならないと、こういうふうなことになっておりますけれども、例えばこの制度が五十年間存続するとします。五十年間存続して、その五十年後の農家が、何で平成十六年から平成十八年なんだと、こういうことを言うと思いませんですか。何でそこに引っ張られるんだと、非常に当時の政権というのは何と愚かな施策を講じたんだろうか、こう言うと思うんですよ。私はたった五年後でもそういうことを言うと思うんですよ。  この過去実績を考え直すこと、例えば現時点から見て三年後とか、現時点から見て五年後とか、それを過去と見れば、常にこれは過去というのはくっ付いてくるわけですから、そういう考え方というのはいかがでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 主濱先生の御指摘は私も思いとしては理解できる点は非常にあるんです。ただ、これはWTO協定がございまして、過去の生産実績に基づく支払、これはWTOの農業協定で実は定められておりまして、したがって削減対象とならない我々は緑の政策でこれを適用しよう、こういうことでやってまいりますと、定められた一定の基準期間に固定する必要が実はあるわけであります。そこで、十六年産から十八年産までの三年間の平均実績というものをWTO協定に基づいてやった。じゃ、WTO協定はこれをどんどんどんどんローリングしていっていいのかと。それは実は駄目だとなっているわけでありまして、ただ先生がおっしゃった五十年先もそうかということについては私も同じ思いですから、今WTOの協定はありますが、これは今後の課題としてとらえさせていただきたいと、そう思います。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 WTOのお話が出てきました。WTOといえば、黄色の政策に類するからこれはいけないんだと、多分こういう趣旨だというふうに思いますが、この黄色の政策、これ、今、日本に課せられているのは二割削減ですよね。しかしながら、現実に日本がやっているのは、八割削減をやっていると。私はここのところ、なぜ先走って、WTOの補助金削減を先走ってやっているのか。その部分、まだ実は余裕があったにもかかわらず、さっさと先走った政策を取っているというふうに思っているわけです。  そこのところを猶予を持って、先ほど申し上げましたように、急激に進めているから農家は対応できないんですよ。猶予を持って、まだまだ、二割削減して、あとの八割は有効活用できたはず、補助金としてですね、有効活用できたはずですよ。そういったような施策をどうして取れないかと、私はこういう意味で質問したんですが、もう一回御答弁をお願いいたします。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 約束水準、こういったものがございまして、我が国もその約束水準、ちょっと今数字はぱっと出てきませんが、我々は今大体一八%、だから八二%削減してきました。これはもう本当に他の国からしますと、EUが六四%削減いたしております。我が国は八二%、そんなわけで非常にこれは一番優等生と、こうなっています。しかし、それは主濱先生からするとやり過ぎで、やる必要なかったんじゃないかと、こういう御指摘でありますけれども、我々としては、やっぱりWTOというのは、その約束水準というのはそこまでやれよということなんですが、更にそれをなお推進していくことは大きな改革につながっていくと。また、我々としては、その輸出補助金の問題や国内支持の問題で相手に言うときのためにも、日本はここまでやった、だからそっちもこの問題でそこまでやるべきだ、こういったような観点もございまして、改革として進めてまいったということでございます。  そういう改革として進めてきた中で、今回はこの緑の政策の方でしっかり拡充していこうと、こういうことでございますので、緑として認められたものをそっちで拡充していこうと、こういうことでありますので、金銭的なバランスがぴったりイコールかどうかは別にいたしまして、そういうバランスは一方の方で取っていこうと、こういう考え方で進めてきたことでありますので、先生の御指摘は御指摘として承りまして、御理解をいただきたいと思います。

主濱了民主党・新緑風会

○主濱了君 引き続き議論をお願いしたいと思います。  ありがとうございました。

福本潤一公明党

○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。  今日は、農政厳しき折、松岡大臣という農政の権威者のような方が着任されて最初に質問をさせていただきますが、全般的には災害対策、また環境に配慮する農業、さらにはBSEについて触れたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  気象災害の対応ということで最初にお伺いさせていただきますけど、昨日も災害対策特別委員会、参議院で行われました。大規模な竜巻が襲うなど人命にまでかかわる案件、多く発生しておりますけれど、この中で特に農業は自然と対応、自然を相手とするものでございますので、農林水産業における対応、対策、今年の災害に対してどういうふうにされたか、これを最初にお伺いしたいと思います。

国井正幸自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(国井正幸君) 今年の災害が一つは豪雪がありました。さらに、梅雨前線の活発化による水害等があり、さらに台風十号及び十三号という台風の災害があって、さらに十月の初めには低気圧等の災害がありました。  これらにつきまして、特に梅雨前線の関係の集中豪雨及び台風十三号に対しましては激甚災害に指定をさせていただきまして、補助率のかさ上げ等を行うとともに早期に共済金の支払等を実施するなど、そういう対応をさせていただきました。  それから、低気圧に伴う被害でございますが、特にこれは北海道とそれから東北地方を中心に行われたわけでありますが、私自身、東北には現地調査に行かせていただきましたが、これらについても実態の把握をほぼ終わっておりますが、一刻も早く実態の調査をということでさせていただき、あわせて、やれるものはできるだけ早くやると、こういうふうなことで今させていただいておる次第でございます。特に漁業等については、資金の貸付け等もできるだけ円滑に行われるようにということで現在取り組んでいるところでございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 災害が起こりますと、日ごろの農業共済補償制度によっての救済等々もあるわけでございますが、産業なかなか大変な中、農家の方々、五年間掛けたけど現実には災害が起こらなかったということでやめたら災害が起こったというようなことも起こりがちな実態があるようでございますので、対応策、万全を期していただければと思います。  災害に絡むことで、先ほどから新たな経営安定対策ということで規模の問題、いろいろ議論、本質的な議論がございました。この品目横断的経営安定対策に関しても、災害との関係でお伺いしておきたいと思いますが、農業共済における補償とこの品目横断的経営安定対策、どういうふうに整理されたか。特に、過去の生産実績の算定において災害が発生した場合、どういう配慮がされているか、これについてお伺いしたいと思います。

高橋博農林水産省経営局長

○政府参考人(高橋博君) 品目横断的経営安定対策と農業共済との関係でございますけれども、経営安定対策の中でいわゆる収入減少影響緩和対策につきましては、対象農産物の価格下落あるいは収量減少若しくはこの両者によります収入減少があった場合に、減少分の一定割合を補てんすることとなっているわけでございます。農業災害補償制度は自然災害によります一定以上の収量減収分を補てんするということで、災害発生の際にはこの両制度の発動が当然考えられるわけでございます。  その際、両制度間におけます補てんの重複ということの調整につきましては、具体的には農業災害補償制度が発動されます場合には、こちらの経営安定対策においては、農災制度に加入していた場合に補てんされることとなります共済金相当額につきましては、これを収入減少緩和補てん金から控除する仕組みという形で整理をさせていただいたところでございます。  それからもう一つお尋ねの、災害があった場合の過去実績にします特例でございますけれども、過去実績の支払に関しましては、市町村別の面積当たり単価に先ほども御指摘ございました十六年から十八年までについて生産実績の三か年の平均値に基づきまして算定をいたしました個人ごとの面積を乗じて交付金を交付するということでございますけれども、この十六年から十八年までの期間の中に災害等によりまして収穫がなくなった年がある場合には、その被災年を除いて残りの年で算定をするという形で配慮させていただいているところでございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 と同時に、農業技術、こういうことで災害に強い作物品種、さらには農業技術の開発、こういうことが各地の研究所また現実の独法化した研究所も、筑波でもいろいろ行われておるようでございます。こういう中で、こういう研究開発に対する支援も含めて必要だと思います。  特に農業は自然と相手と同時に、できて上がったものが生ものでございますし、栽培の前のプレハーベスト、またポストハーベストに対する研究開発、こういうことで支援策を、支援技術をまたつくっていかなければいけないと思いますので、現状どうかということをお伺いしたいと思います。

高橋賢二農林水産技術会議事務局長

○政府参考人(高橋賢二君) 日本の場合、自然災害が大変多いので、その自然災害に対応するための試験研究というのも様々な取組を行っております。  例として申しますと、台風等強風による災害につきましては、品種開発としまして、例えば水稲では、北陸、関東以西に適しました、最近ですと「いただき」、あるいは暖地向けの「にこまる」、小麦では「ふくさやか」、そういったものを品種の開発を進めております。  また、施設の関係ですと、五十メートルの強風にも耐えられるような園芸施設、そういった補強技術。さらには、こういった耐風性に加えまして耐雪性が高い施設の開発、ハウスの開発、そういったことを進めております。  また、冷害というのも北の方でございますが、これにつきましては、最近の品種開発では、「駒の舞」、「おぼろづき」、こういったものを育成しておりますし、さらに、冷害情報が迅速に農家に伝わるような水稲冷害警戒システムの構築といったことも進めております。  こういった様々な取組を行っておりますが、今後とも試験研究の面でもしっかりとやっていきたいと思っております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 特に最近、強風が頻発したり異常な降雨が続いておるようでございますので、そういった面でも、昔のビニールハウスと違ってもうガラス温室で、人間が中でも生活できるような温室等々も対応する必要が出てくるかと思いますので、支援策についても検討をよろしくお願いします。  西川局長、それに対してもお伺いできますか。

西川孝一農林水産省生産局長

○政府参考人(西川孝一君) 災害に強い農業生産のための支援というお話だと思いますけれども、試験研究の話にもあったわけでございますけれども、先ほど例にもありました、相当な強風にも耐えるような低コストハウス、これについては私ども補助対象といたしまして、実際現場に導入を進めているというところでございます。  このほかにも災害にはいろいろなタイプがあるわけでございますけれども、霜害のため、霜の害ですね、を防ぐための施設、あるいは強風を防ぐための防風ネットといったものについての助成もしておりますし、各種の栽培技術に関する指導、助言なども行っております。  私どもといたしましても、こうした取組を通じまして、少しでも災害に強い農業づくりということに努めてまいりたいと考えております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 もう一つの、環境に配慮した農業についてお伺いいたします。  先ほど和田委員からもありましたけれど、いよいよ有機農業の推進に関する法律が具体化していく形になったようでございます。ツルネンマルテイさんを始め、様々な議連の中での検討、敬意を払っておるところでございますが、今現在の有機農業の現状、これがどういう状態にあるのかと。  認定JASというのが具体的にあるということもございますけれど、と同時に、この有機農業を推進しておる方々からいうと、まあ若干口が悪いからそう言うのかも分かりませんけど、都市農業は捨て子に出されておる、有機農業はどちらかというと里子に出されておるというような言い方を支援の面で言っている人がございましたけれど、現状をお伺いしたいと思います。

西川孝一農林水産省生産局長

○政府参考人(西川孝一君) 我が国の有機農業への取組という御指摘でございますけれども、その前に、私ども農林水産省といたしましては、基本計画に基づきまして、農業生産全体の在り方を環境保全に貢献する営みに転換するということを基本として、現在環境保全型農業を推進しているということでございます。  その際の有機農業でございますけれども、これは有機JASによる格付数量で申し上げますと、平成十三年度三万四千トンでございますが、これが平成十六年度では四万七千トン、有機農業を行っている認定農家数ということになりますが、平成十四年では三千七百戸、これが最新の数字で平成十八年三月末では四千六百戸ということで、増加はしておりますけれども、取組としてはいまだまだ少ないというのが現実でございます。  これは、委員御案内のとおりでございますけれども、我が国が高温多湿であるという、そういった環境制約ということで、虫も多いです、雑草もすぐ生えます、そういったことでなかなか取組は進んでいないというのが現状であるというふうに考えているところでございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 先ほどの経営安定対策で、一定規模ということがございましたけど、特に有機農業というのは割と比較的小規模な農家が進めていかれていたと、なおかつJASの認定農家になるにはなかなか時間と金額と大変掛かるということでございましたので、今後、この推進法ができ上がりますと、支援の手が届いていくことを期待しながら対応を見守っていきたいと思いますけれど、是非とも、どういう対応策を有機農家に考えておられるか、これもお伺いしておきたいと思います。

西川孝一農林水産省生産局長

○政府参考人(西川孝一君) 有機農業につきましては、先ほども大臣の方から、消費者ニーズに即した対応であるということで、農林水産省としてもこれを推進しているというふうにお話しいただいたところでございますけれども、具体的に申し上げますと、まずは技術開発という面で、病害虫に強い品種の育成、あるいは天敵であるとかフェロモン剤の利用技術の開発普及といったことに取り組んだり、あるいは先ほど申し上げましたJAS法に基づく有機JAS制度、これはございます、これの普及にも努めているところでございます。あるいは、持続農業法というのを私ども作っておりますけれども、これに基づきまして、土づくり、化学肥料、農薬の低減に取り組む農業者に対する金融、税制上の支援措置ということで、トータルとして有機農業を営む方々についてもその一つとして支援をしているところでございます。  また、平成十九年度からは農地・水・環境保全向上対策、導入することにしておりますけれども、この中におきましても、有機農業を含めまして、地域で相当程度のまとまりを持って化学肥料、農薬を大幅に低減する先進的な取組に対する支援、これを行っていきたいというふうに考えているところでございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 これからますます環境対応の農業、現実に農薬の被害を受けている方々もたくさんおられますので、推進方、努力、支援していただければと思います。  さらに、温暖化対策という観点から、今年の夏の参議院の派遣もカナダ、アメリカ等へ行ったときにも、現実にバイオマス、バイオエタノールという現場の工場に行きました。私も各地、ブラジルのE25という推進しているバイオマス先進国も含めいろいろなところを視察も、研究所の対応の、国の支援策も見てまいりました。今、だんだん国内でも、経済産業省も農水省もバイオエタノールに対して熱心に取り組んでこられておるようでございますし、石油高騰の折、その対策にもなっているということを今回アメリカへ行ったときにも聞きました。  国も支援していかないといけないと思いますし、私も予算委員会、行政監視委員会でいろいろ質問をしてまいりましたけど、具体的に日本での進展具合、特にこれ政治的にもかなり推進していくと思いますけど、技術的な面で木質系のバイオマス、日本は国土の七割が森林でございますし、そこにおける産業振興も含めて対応できるんじゃないかと思っておりまして、私もいろいろ様々な文献で木質系バイオマスの研究を見ていますと、農水省、元林野庁ですか、監督官庁をやった森林総合研究所が大変レベルの高い研究しているということを見付け出しました。  この森林総研における研究開発、木質バイオマスについてどういう現状で、実用化はどういうふうになっているかというのをお伺いしたいと思います。

川村秀三郎林野庁長官

○政府参考人(川村秀三郎君) 木質バイオマスの関係でございますけれども、これは委員が御指摘のように、非常にボリューム的にも多いですし、これを有効に活用いたしますと、林産業のみならず地域の活性化等、また地球温暖化とか循環型の社会に資する極めて重要な課題というふうに思っておるところでございます。  今御指摘ございましたように、私ども所管をいたしております独法の森林総合研究所におきまして、この木質バイオマス資源の有効利用に各面で取り組んでおります。特に、バイオエタノールの関係では幾つかの手法でやっておりまして、一つは亜臨界水、これは高温高圧状態の水でございますけれども、これを利用して一気に木質バイオマスからのバイオエタノールを精製する技術、それからまた、酵素を利用いたしまして木質バイオマスからバイオエタノールを精製する技術等をやっております。  ただ、木質の場合、委員も御承知のとおり、リグニンとセルロースが結合をしておりますので、他の農産物と比べますと、このリグニンの除去でありますとかセルロースを更にでん粉とか糖に変換していかなくちゃいけないと、そういうより多くの段階が必要でございまして、今そういう実験室段階での技術としては確立しつつあるんですけれども、やはり何といいましてもコストの問題が一番のネックになっておりまして、やはり今のコストを少なくとも半分以下にはしないとなかなか実用化への道が開けないということでございまして、今そういったコスト低減、効率化、そういった観点での研究をそういう視点でやっておりまして、できるだけ早く成果を出していきたいと、こういうことでやっております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 これ、特に様々な植物からのバイオエタノールという、サトウキビ等々の進展はかなり進んでいるようでございますけれども、木質からのバイオマス、先ほど言われたリグニンを除去するのが大変難しいというのに対して、この森林総研のこの研究進んでおるようでございますし、これをアメリカのNASAで開発したヌルラッセンシステムと結合さすことによって、もう常時、恒常的にバイオエタノール作りというのもできるようでございますので、是非とも実用化に向けて支援していただければと思います。  と同時に、先ほどの有機農業、農薬を使わない農業とか、こういう農業とか、バイオマスの問題、農林水産省がやはり一番中心になってやっていくべきだろうと思います。ですので、所信にも、所信的あいさつですか、にも松岡大臣が言っておられましたけれども、是非とも環境に配慮した農業、この二点のことを特に含めて決意をお伺いしたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 福本先生、このバイオ燃料のことにつきましていろいろと御見識を承りまして、また、いろいろ私どもに対する激励も含めまして御指摘いただき、ありがとうございます。  総理の所信表明にも、二十一世紀の農業は戦略産業として大きく発展する可能性を持っておると、このように言われておりますし、私も所信的な最初のごあいさつの中で申し上げました中に、この二十一世紀において農林水産業を戦略産業として大きく発展させていく、その大きな柱の一つとしてこのバイオマス燃料の生産ということを実は掲げておるわけでございます。  もとよりでございますけれども、地球温暖化という問題がございまして、これに対処するためにも、是非ともこれはしっかりと進めていく必要があると思っております。また、エネルギー対策としても。それから、何よりも地域の活性化策として、農村地方全体における雇用の場、所得の場の確保、こういった観点からもこれは大きく進めていこうということで今取り組んでおるところでございまして、私ども関係各省と総理の指示をいただきながら、六百万キロリットルという大きな目標を掲げて、関係各省との今連携を図りながら、局長級の会合等も既に開かせていただきまして、この積極的な推進に向けて取り組んでいるところでございます。  まだまだ解決すべき課題は多くありますけれども、是非とも一日も早いこの実用化と実現に向けまして取り組んでまいりたいと思っております。  また、森林吸収源対策としての森林の整備、それからまた、先ほどございました温室効果ガスの排出抑制の観点からも、有機農業の更なる推進、特段の推進、先ほど和田先生からも御質問の中でございましたように、法律も立法化していただくわけでありますので、積極的に進めてまいりたいと思っておりますので、更なる御指導と御鞭撻をお願いする次第であります。

福本潤一公明党

○福本潤一君 やはり質問の中に出たんですが、短くなっています、簡潔に質問いたします。  BSEの質問にちょっと移らさせていただきますけれども、今回、再々開ということになって、現実に運用、輸入開始されたわけでございますが、それ以後の経過、経緯、また対応策、聞いておりませんので、この現状認識、現状対応、聞いておきたいと思います。

町田勝弘農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(町田勝弘君) 七月二十七日に輸入の再々開を行いまして、それまで一つ一つステップを踏みながら現地調査等、国民の皆様の意見を伺いながら実施しているところでございます。  この再開後六か月間、これは対日輸出プログラムの実施状況の検証期間というふうに位置付けているところでございます。私ども日本側では、輸入時の全箱確認等の措置、こういったことを通じて対日輸出プログラムの遵守状況の検証を行っているということでございます。  こうした中、十月三十日に輸入業者の方から、特定危険部位ではございませんが、一箱、米国農務省の衛生証明書に記載されていない胸腺が入っていたという報告がありまして、私ども動物検疫所でもそれを確認したところでございます。  現在、アメリカ側に対しまして詳細な調査と再発防止の実施を求めているということでございます。この調査結果に対する米国政府からの報告書を受けまして、グリーリー工場への現地調査等を実施していきたいというふうに考えております。  以上です。

福本潤一公明党

○福本潤一君 これ、私ども、参議院の農水の調査のときに現場へ行ってみましたけど、なかなか輸出したいところ、うまくスムーズにいってないところで、日本に対する輸出と若干アメリカの対応違っておりましたので、我々も、緊急に調査に行っても、日本が行っても、またアメリカ国内でやられても、きちっと突発調査もできるように対応してくれという話を農務省に、アメリカ農務省に言っておきましたけれど、是非とも大臣、まだこのBSE、米国牛、消費が上がっておるわけではございませんし、若干でしかありませんしね、今後、対日輸出プログラムを遵守させるということも含めて消費者の信頼を高めないといけないということがあると思いますので、大臣の見解をお伺いしておきたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) もう全く福本先生御指摘のとおりでございまして、やっぱり消費者の要望が高まらないことにはこれはもう進まないわけでございます。したがいまして、そのためには何といっても消費者の信頼、安心、安全という、この観点が一番大事だと思っております。  したがって、アメリカにももう少ししっかりちゃんとやってもらいたい、そうしないことにはこれは進まないと、こういう観点から私どもは、輸出施設の調査にいたしましても、もう既に実は、抜き打ち検査等の観点もありますから、ここでその日付とか場所とかをお示しするのは避けますが、既にもう派遣をいたしております。そういう中でしっかり対処してまいりたいと思っています。何より国民の食の安全という観点に立って、そしてアメリカにもしっかりした対応を求めながら進めてまいりたいと思っております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 終わります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  FTA問題ですとか、品目横断的経営安定対策の問題ですとか、いろいろあるんですけど、今日は自給率、食料自給率の問題を中心にいろいろお聞きしたいと思っています。  それで、現在、日本の食料自給率はカロリーベースで四〇%という状況が続いているわけですね。このカロリーベースの食料自給率が四〇%であるということがどういうことなのかというとらえ方ですね、ここでまず大臣の御認識をお聞きしたいと思います。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) カロリーベース自給率四〇%、どういう認識を持っているかと、こういうことでございますが、我が国のカロリーベースの食料自給率は、昭和三十五年の七九%から現在の四〇%へと低下傾向で推移してきたわけでありまして、先進国の中では、主要先進国の中では最低の水準だというような認識を持っております。  また、世論調査によりますと、このような自給率に対しまして国民の約八割が我が国の将来の食料供給に大変不安を抱いている、こういう結果が出ております。これも大変重大、重要なことでございまして、そういう認識を持っております。  このような状況の中で、国民への食料を安定的に供給する、そういう観点から食料自給率の向上を図るということは、これは食料安全保障上、また、私ども農政を進めていく上で極めて重要な問題だと、このような認識を持っております。将来的には国民に供給される熱量のせめて半分、五割以上は国内生産で賄う、こういったことを是非とも目指したいし、実現をしたい、そういう考え方で取り組んでいきたいと思っております。それを前提にいたしまして、政府といたしまして実現可能性を考慮して、平成二十七年度における食料自給率目標を四五%と、今の四〇%から五%引き上げたい、このように設定をいたしまして取り組んでおるものでございます。消費者、生産者、食品産業事業者などの関係者と一体となった食料自給率の向上を図ることが必要だと思っております。  また一面、分母と分子ですから、生産されたものが消費に回っていく、そういった意味では輸出、これを大きく推進していくことも食料自給率の向上につながる、この分野も大きく取り組んでまいりたいと、こう思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 いろいろ今非常に、先進国の中でも後れて、非常に重大な認識だということではあったと思うんです。  要するに、この日本の食料輸入が何らかの理由で止まってしまうということが起こったときには、結局、国民のカロリー摂取量ですね、これが今の四〇%に落ちるということだと思うんですけれども、農水省として、二〇〇二年に不測時の食料安全保障マニュアルというのを作っていますよね。その中で、不測時の一番レベルの高いレベル2というのがありますけど、この2のところを見ますと、国民の一人一日当たりの供給カロリーが二千カロリーを下回るというふうに予測しているわけですね。FAOが飢餓人口を算定する摂取カロリーが二千二百カロリーというふうに、それ以下というふうに言っているわけですから、もし何らかの理由でストップしたときには、日本というのは正にこの飢餓人口と算定される状況になるということだと思うんです。なかなかぴんとこないというのもあるんですけれども、状況からすると、戦後直後の日本と同じ状況だということで、例えば私なんかの場合も一日二千数百カロリーぐらい取っているのかなと思うんですけど、四〇%となりますと、一千カロリー取れるか取れないかというか、そうするとやっぱりもう常に空腹の状態というのが続くということになるんだと思うんですね。  やっぱり、そういう悲惨な状況を回避をしなきゃいけないということで、やっぱり食料自給率を引き上げる努力というのは本当にこれ真剣にやっていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) それはもう紙先生御指摘のとおりでありまして、私ども、やっぱり何といっても食というのはこれは命のもとでございますし、活動のもとでございますから、これが御指摘のように二千カロリーを割るとか、もっとそれ以下になるということになれば、これはもう国民の食生活の状態というのは大変なものでありますので、私ども、全力を尽くして今の現状から目標に向かって達成ができますようにしっかりと取組をしてまいりたい、そのような決意でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 このようなやっぱり食料輸入が途絶という事態、そういう可能性が指摘されているのが、一つは戦争ということがあるでしょうし、もう一つは大規模な港湾ストですとか、それから大規模な災害ですとか、それから意図的な輸出抑制とか、それに加えて、今視野に入れなきゃいけないというのは、先ほどもお話ありましたけれども、地球温暖化の問題。先日のナイロビでの京都議定書の締約国の会議で国連環境計画が提出した報告書の中では、この地球温暖化がこのまま進むと、二〇四〇年ころには、異常気象による被害額ということで二〇〇五年の十倍に当たる一兆ドルというふうに言っているんですね、百十八兆円ですか、これだけの超えるような可能性があるんだということも指摘をされているわけです。  昨日も実は災害特で私も質問をしたんですけれども、議論もされたんですけれども、当然、農作物の被害が生じることにもなると思うんです。災害による農作物の被害だけじゃなくて、この温暖化による農業に与える被害というのも様々な研究で明らかにされているわけですね。ですから、戦争が今なってないから大丈夫だというふうには言えないというか、当分大丈夫だと言っていられないような事態を今迎えようとしていると。しかも、この温暖化というのはブレーキを掛けられるわけじゃないということで、どんどん進行していくわけですから。現に、今年、オーストラリアでは大干ばつが起こって、小麦の生産ですとか牛肉の生産に深刻な被害を及ぼすと。日本だけじゃなくて、世界的な穀物需要にも影響を与えているという事態だと思うんです。  大臣、この食料自給率の引上げというのは、そういった意味ではやっぱり一刻の猶予もならないと、非常に緊急の課題だというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 温暖化というのは、これはこれから食料だけでなくいろんな分野にとって大きな大問題をもたらしてくると思っております。  私もそんなに詳しいわけじゃありませんが、いろいろ知識、これの中で考えてみますと、例えばシベリアが砂漠だった時代があると。今よりどれくらいじゃ温度が高かったのかと、六度だと。六度ということになると、六度高くなればシベリアは砂漠になると。そして、じゃその可能性は、こうなりますと、実は国立、もう国立じゃなくなったんですけど、日本の環境研究所ですかね、ここでは、去年の正月の読売の一面に出ていましたが、四・八度C、最高四・八度C上がる可能性がある。また、世界の気候変動パネルの研究結果では五・八度Cぐらい上がる可能性がある、これは最高ですけど。  そうすると、日本では四・八、世界の気候変動パネルでは五・八、いずれにしても五度から六度上がると。まさしくシベリアが砂漠になるような状況になってしまう、こんな状況でありますし、九州は今、この四年連続不作でございます。台風ということもございましたが、これが何に由来するのか、温暖化に伴う構造的なものなのかどうなのか一概に断定できませんが、そういうやっぱり危険性も持って対処しなきゃならぬ、こう思っておりますし、そういう状況の中で、先生御指摘の、生育期に気温が一度C上がりますと穀物というのは一割生産量が減収するんだというのは、もう最近の作物生態学の研究成果でそれが言われておるわけであります。  したがって、温暖化に対処することがいかに重要で大事で必要であるか。あわせまして、その下でこの食料の確保ということをどう本当に考えて取り進めていくか、こういったことにつきましてはまさしく先生の御指摘のとおりでございまして、我々、危機意識を持ちながら、そして、やっぱりしっかりした食料自給率向上、生産力の増大のために全力を尽くして取り組んでいかなければならない、これはもう正に国民的、国家的課題であると、このように認識をいたしております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今言われたことまでは多分認識は一緒だと思うんですけれども。ところが、この間、大臣が御発言していることや農水省の動きを見ていますと、緊急であると、大事だと言っている食料自給率の引上げの課題よりも、農産物の輸出、いわゆる攻めの農政というお話をこの間ずっとされていると思うんですけど、ウエートが置かれているのかなというふうに思うわけです。  それで、政策的にこの優先度というのは、自給率引上げというところを大事にするのか、それとも、そうじゃなくて、攻めということになるのか、輸出なのかというところではどのようにお考えなんでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 機軸は一緒なんですよね。いずれにいたしましても、国内で生産されたものが国内外であれどっちであれ消費をされる。これが生産という分母に対して消費という、国内生産のものがですよ、消費という分子になると。分子が大きくならないことには、これ自給率上がらないわけであります。  したがって、国内で生産されたものが輸出に回っていくということは、国内の生産力を、例えば農家の方々も意欲を持って、そんなに輸出もできてそれだけの大きな価値があるんなら、よし、生産しようと、こうなるわけでありまして、まさしく生産に対するインセンティブを与え、そして自給率を高めていく、これが私は輸出政策でありまして、正に国内自給率を高めていくことと輸出を進めていくことというのは、これはもう軌は一つであると、こういうふうに思っております。  したがって、全く自給率の観点からも、生産力を大きくしていく観点からも、そしてまた農家の経営を良くしていく観点からも、輸出政策と自給率政策というのはぴったりと軌を一つにしていると、このような認識でおります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 でも、農産物の輸出でもって食料自給率が上がるかというと、そう単純じゃないと思うんですね。野菜にしても果物にしても、幾ら輸出しても、これはカロリーベースの食料自給率は上がらないわけです。それから、食肉にしても、その飼料が輸入飼料に依存している以上、幾ら輸出しても、これは食料自給率は上がらないと思うんです。穀物の輸出というのは直接割と効果があるわけですけれども、食料自給率一ポイント上げるために、例えば米でいいますと、三十万トン輸出しなきゃいけないと。仮に米を三十万トン輸出して食料自給率一ポイント上げたとすると、そういう場合でもカロリーベース四〇%の事態というのは変わらないわけですよね。もし、輸入がそういう事態の中で止まってしまったということがあれば、あっという間に飢餓的な状況に追い込まれるというふうに思うわけです。幾ら米を輸出して数字上食料自給率を上げたとしても、事態は変わらないというふうに思うんですけれども、この辺はどうでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) なかなか特効薬がないといえばそれまでなんですけれども、しかしそうは言っておられない、こういう観点で今四五%目指してあらゆる取組をしようと思ってやっているわけでありますけれども、いずれにしても、米が三十万トンで一%とおっしゃいました。百万トン行けばこれ三ポイントになるわけであります。そういったことも含めまして、輸出も含めてあらゆる方策を追求しながら、自給率の向上、そしてまたその生産物の所得の価値を高めていく、農家経営の発展を図っていく、そういう観点から私は自給率政策と輸出政策は全く根は一緒である、このように思っております。  こういったことを少しずつ大きく取り進めていくと。そして、その結果として自給率の向上につながっていくと。あらゆる努力を積み重ねていくということに尽きると思いますので、そういう御理解をお願いしたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 米百万トン輸出という話もありますけど……

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 仮にですね。

紙智子日本共産党

○紙智子君 仮にですか。それにしても、例えば、じゃその分国内で、今減反してきているわけだけど、じゃ作る計画あるのかといったら、そういうわけじゃないんですよね。  それから、私一番言いたいことは、食料自給率を上げるためには、本当にこれ簡単じゃないと思うんですけど、上げるにはやっぱり本筋で上げなきゃいけないんだと思うんです。自給率引上げということで言わせていただくならば、やっぱり農水省の姿勢は私は非常に問題だというふうに思っていまして、それは食料自給率を上げるためには、これまでもずっと議論になっているんだけれども、飼料ですね、飼料自給率の引上げというのは不可欠です。ところが、その切り札の一つというふうにも言われてきた、さっきも話に出ていましたけれども、水田における飼料作物の生産の振興予算ということで今回のその概算要求見ても、むしろ六十二億から五十四億に八億円減らされているということになっているわけですね。これでいいのかと思うわけです。  飼料ということでいうと、水田で作る飼料、稲ですね、さっきも話あったけれども、これ自給率を上げる上では決定的な切り札だと。単収当たり六百キロですか、大体十俵ぐらい取れるという。だから、そういう意味で、本当上がっていくということではあると思うんですけれども、減反した後の水田でいかに作っていくかというのが非常に大事なわけです。  それから、畑地使うということでは、デントコーンなんかもあるわけですけれども、作付けを増やしていく予算というのが本当に大事だと思うわけですけど、これを減らしていたんじゃ、やっぱり自給率向上にはならないんじゃないでしょうか。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 先ほどの品目横断の対象作物というのは、もう既に申し上げましたような考え方で今四品目選んでいると。それから、その飼料作につきましても、自給飼料のこれを拡大していくということについては、私どもはこれをやめたわけでもありませんし、後ろ向きになったわけでもありません。それはそれとして、これが自給飼料が増えるような、これはこれとして畜産、酪農の政策の一環としても、これは積極的に取り組んでいるところでございますので、先生の御指摘の中でどこがどう具体的に変わったら、農林省は先生にそれはいいと言っていただけるのか、どこがどう変わればいいのか、ちょっとその辺の点がまだ、御指摘があれば我々も十分検討してみたいと思いますけれども。

紙智子日本共産党

○紙智子君 だから、本筋でやるべきだということであって、飼料作物の問題もそうだし、それから小麦、大豆、これもやっぱり非常に大事ですよね。この生産拡大が食料自給率に直結するわけだけれども、しかし、現に今行われていることは、強引に進められている品目横断的経営安定対策の下で、これ作付面積はどんどん減っているというのが実態だと思うんです。  大規模消費地に近い埼玉ですとか群馬に行きますと、やっぱり地産地消ということでもって一応頑張ってやっていて、学校給食に是非県内産のものをというんで、随分頑張って生産しているわけですよね。そういうところで、取り組んでいるところでお聞きしても、これらの県でも品目横断経営安定対策の下で農家も減っているし、作付けの目減りもこれ必至だと。だから、学校給食に全部県内のものをとやっているんだけれども、足りなくなるんじゃないかというような不安の声が出されている事態なわけです。これではやっぱり食料自給率引上げの緊急性に対応できないと思いますし、逆に食料自給率が下がりかねないと。やっぱりそこのところをちゃんと位置付けて人も予算も付けるべきだと思いますけれども、いかがでしょう。

松岡利勝自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(松岡利勝君) 私ども、自給率を少しでも、ちょっとでも上げていく、目標に向かってその実現を図っていく、そういう観点から可能なというか必要なその政策は今進め、また予算化もしているところでございますし、それはまた今回の品目横断担い手経営安定対策、こういうような新たなスタートに当たりましても十分そういったことも考えて、そして四千百三十億というこれに必要な予算も今まで以上に充実をした形で実は今概算要求として年末の本予算編成に向けて精一杯、最大限の折衝を今いたしているところでございますので、紙先生の御指摘は御指摘としていただきながら、我々としても自給率向上の観点で全力を挙げておるということをまず御理解いただきたいと存じます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 時間にもうなったので終わりますけれども、やっぱり食料自給率の問題というのはお題目ではいけないんだと思うんです。本気になってやらないと、本当に大変なことになるというふうに思いますし、そういった意味では、基本計画にもう明記されているわけで、本当に最優先の課題として位置付けて取り組まなきゃいけないんだと思います。  そういう意味では、人も予算もと、それから品目横断というのは私いろいろ問題感じていまして、今のまま進めると、本当に逆行して作付けが減っていく事態になりかねないと思いますので、またそれについてはこの後いろいろ御議論させていただくということで、そのことを最後に申し上げまして、質問を終わります。

加治屋義人自由民主党

○委員長(加治屋義人君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会

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