政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/10/25
会議録
○委員長(山崎正昭君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会させていただきます。 委員の異動について御報告いたします。 去る四日、岩井國臣君、柏村武昭君、田村耕太郎君、武見敬三君、福島啓史郎君、山内俊夫君及び山本一太君が委員を辞任され、その補欠として山下英利君、岩城光英君、岡田広君、神取忍君、中島眞人君、中村博彦君及び野上浩太郎君が選任されました。 また、昨二十四日、若林秀樹君が委員を辞任され、その補欠として小林正夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山崎正昭君) 次に、理事の選任を行います。 去る九月二十八日の本委員会におきまして、三名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事に阿部正俊君、小泉昭男君及び山下英利君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(山崎正昭君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題とさせていただきます。 この際、お諮りいたします。 本日の委員会に、委員外議員山内俊夫君の出席を求め、参議院政府開発援助調査について意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎正昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、平成十八年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、一時間二十分程度委員との意見交換を行いたいと存じます。 御意見を表明していただくのは、第一班のモンゴル、中国については小泉昭男君、第二班のタイ、インドネシア、シンガポールについては大門実紀史君、第三班のウズベキスタン、カザフスタンについては岸信夫君、第四班のケニア、セネガルについては山内俊夫君です。 なお、意見を表明される際は着席のままで結構でございます。 それでは、まず、第一班の小泉昭男君からお願いをいたします。小泉昭男君。
○小泉昭男君 それでは、ODA調査第一班から御報告を申し上げます。 ODA調査第一班は、去る八月六日から十一日までの六日間、モンゴル国及び中華人民共和国に派遣されました。 派遣議員は、田村耕太郎議員、中川雅治議員、足立信也議員、那谷屋正義議員、鰐淵洋子議員、そして私、団長を務めさせていただきました小泉昭男の六名でございます。 まず、モンゴルについてでございますが、モンゴルは一九九〇年に社会主義から民主化し、市場経済へと移行いたしました。それ以降、我が国はモンゴルに対して継続的な支援をいたしております。最大の援助供与国の地位にありますが、この多額のODAの効果と近年の大相撲でのモンゴル人力士の活躍なども相まって、モンゴルは非常に親日感情の強い国となっております。 今回の調査で意見交換をいたしました大蔵副大臣を始めモンゴル側の方々からは、モンゴルが民主化、市場経済化に伴う混乱を乗り越え成長に向かう中で、日本のODAが大きな貢献をしたと感謝の言葉が示されました。 本調査団が見た現在のモンゴルは、徐々に発展に向かいつつあるものの、首都ウランバートルに人口の約半数が集まり、急激に膨張した貧しい住民の生活環境は、住宅はもとより上下水道等の生活インフラも整備されておらず、衛生面でも多くの問題を抱えておりました。都心を一歩離れますと町の景色は一変し、沃野が広がりますが、市街地を取り囲むように山の頂に向かって限りなく広がるスラム街は、この国の矛盾を映し出しているようにも感じました。 このような状況にあるモンゴルで視察いたしましたODA案件について、我々が感じた点なども交えて主なものを申し上げたいと思います。 一つは、モンゴル日本センターについてでございます。 このセンターは、日本企業の経験なども生かし行う市場経済化に必要な人材の育成と、日本とモンゴルの相互理解促進を目的とした事業を行っておりますが、我が国がいわゆる要請主義を原則としてきた中で日本側から提案をして設置された施設でもありまして、モンゴルにおける我が国の理解を深めることはもとより、今後日本企業がモンゴルへ進出する際に日本的経営を分かる人材が育っていること、日本語を理解する人材がいることの意義は非常に大きなものであると思います。日本センターは既にアジアの八か国に設置されているとのことでございますが、戦略的なODAの在り方として今後も更に推進していくべきものであるとの印象を強く持ちました。 二つ目は、ウランバートル市第四火力発電所についてでございます。 この発電所は、旧ソ連製の旧式のシステムであるために熱効率が悪い、大気汚染物質の排出が多い、事故が多発するなどの問題があったことから、我が国の支援が行われてまいりました。現在この発電所にはシニア海外ボランティアが派遣されておりまして、メンテナンス、業務管理等の発電所運営にかかわる技術を伝えております。彼らの努力により職員の意識改革も進みまして、運営を効率的なものにしたと高く評価をされております。シニア海外ボランティアの方々が現地の人々と一緒に汗を流したことがこのプロジェクトの成功の大きな要素となっております。我が国のシニア世代の勤勉さと彼らが持つ技術を開発途上国に伝えていくことは、今後これまで以上に重視されてよいのではないかと感じました。 三つ目は、ウランバートル市廃棄物管理計画についてでございます。 ウランバートル市の人口急増と消費生活の進展に伴って排出量が増えてきたごみの処理及び管理についてマスタープランを作成するとともに、それを実践するためのパイロットプロジェクトを実施しております。我が国が経済成長を遂げる過程で直面したごみ問題への対処の経験をきめ細かく生かした支援でありまして、我が国の経験を生かしたこの種の支援は今後も推進していくべきであると強く感じました。 ただ、このプロジェクトに関しましては非常に残念に感じたこともございました。我々に説明をした民間コンサルタント会社の担当者が、ウランバートル市長などの同席する前で、モンゴルの人々は環境意識が低いと一見見下すような発言を交え、説明をしておりました。そのような態度というのは決して相手側に好印象を与えるものではないと思いますし、彼らも我が国の顔の一端を担っているという自覚を持って事業にかかわってほしいという、こういう感がいたしました。 以上のようなODA案件の視察と我々が実際に目にしたモンゴルの現状も踏まえて、本調査団が持つに至りました所見を申し上げます。 モンゴルに対しましては、引き続きODAを実施していく意義が十分にあると認められます。しかし一方で、モンゴルが中国や韓国との経済的結び付きを強める中で、ODAに頼った日本のプレゼンスは相対的に低下しているとの印象も持ちました。したがいまして、今後モンゴルに対しては、民間活動を含めた経済関係の深化に資するODAを実施していくこととし、資源エネルギー外交の観点からのODAなども含めて考えていくべきではないかと思います。 次に、中国について述べたいと思います。 中国は一昨年のODA調査でも対象とされておりますので、今回の調査はそれを引き継ぐ形で中国東北部の遼寧省の調査を行うことといたしました。 中国では、案件視察に先立ちまして遼寧省常務副省長と意見交換を行いました。副省長からは、これまでの円借款に対する深い感謝の意が示されるとともに、引き続きその供与を願いたいとの意見が述べられました。中国は感謝の気持ちが薄いなどとよく言われるところでございますが、感謝の度合いについては中央と地方で温度差があるのではないかとも感じました。 中国でODA案件といたしましては、まず草の根・人間の安全保障無償資金協力による撫順市社会福祉院児童施設を視察をいたしました。この施設では、約百名の孤児が暮らしておりまして、中国が著しい経済発展を遂げる中で生じた格差の結果として、多数の貧困生活を送る人々や恵まれない子供たちが存在するという現実を見る思いがいたしました。 中国の貧困問題につきましては、一昨年の調査において、もはや富の再配分という国内問題ではないかという感を否定できないとしていることと考えを異にするものではありません。一方で、我が国が草の根・人間の安全保障無償資金協力で手を差し伸べることは、支援金額の小ささの割には中国国民から大きな感謝を得られるものでありまして、国民レベルの対日理解に資するものではないかと痛感をいたしました。 このほかに、中国医科大学も視察をいたしました。この大学では、医療分野での人材育成に係る技術協力など、複数の案件を十年余にわたり継続して実施してきておりますが、人材育成に対するODAの意義を認めないものでもありませんが、継続的に行う場合などには効果的な実施がなされるよう、常に検証する必要があるのではないかという感想も抱きました。 以上が、中国での調査の主な内容でございますが、この調査の結果として本調査団が持ちました所見について申し述べたいと思います。 対中ODAにつきましては、一昨年の調査団が示しております引き続き推進することの必要性は見当たらなかったとの所見と意見を全く同じくいたします。円借款につきましては、二〇〇八年の北京オリンピック前までに新規供与を円満に終了することが既定方針とされておりますが、中国の過熱とも言えます経済発展の状況などを考えれば、この既定方針どおりに終了すべきものと思われます。 また、無償資金協力につきましても、二〇〇五年に中国の一人当たりGNI、国民総所得が一千七百四十ドルとなり、無償資金協力対象国の目安を超えましたので、原則として終了する方向で考えるべきと思われます。 ただし、無償資金協力については、日中両国の共通課題に関する分野や相互理解に資する分野では、我が国の国益の観点から考えて引き続き実施した方がよい部分もあるのではないかとも思われますので、その点については国民への丁寧な説明に努め、その理解を得た上で実施される必要があると感じました。 結論的に申し上げれば、今後の対中ODAは原則として縮小する方向で考え、技術協力や草の根支援を中心に我が国の国益に資する分野に限って戦略的、重点的に援助を行っていくべきではないかと考えます。 最後に、今回のモンゴルと中国での調査を通じまして、ODAの在り方全体についても感じた点がございましたので、一点ほど申し上げたいと思います。 国際機関経由の援助はその相当部分が日本からの資金であるにもかかわらず、被援助国側では全く理解されておりません。その援助も日本国民の税金が使われているものである以上、これについて日本側からもっとPRする必要があるのではないかと強く思われます。 以上をもちましてODA調査第一班の報告とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(山崎正昭君) どうもありがとうございました。 次に、第二班の大門実紀史君にお願いいたしたいと存じます。大門君。
○大門実紀史君 第二班の大門です。ほかに委員会のメンバーおりませんので、私の方から報告さしていただきます。参加メンバーはお手元の資料にあるとおりでございます。私は四回目のODA調査になりますけれども、今回の調査は大変ドラマチックといいますか、アクシデントの多い調査でございました。これはほかのメンバーも同じ意見ですので、その点に絞って報告をしたいと思います。 タイ、インドネシア、シンガポール全体の案件は時間の関係で報告書を見てもらいたいと思いますが、調査団全員が大変強烈な体験をしたインドネシアのコトパンジャン・ダムについて絞って、後々の教訓もありますので、報告をしたいと思います。 お手元に資料ございませんが、この分厚いやつの九十七ページから、具体的には九十八ページからかなりリアルに書いてありますので、見ながら聞いていただければというふうに思います。なぜこのダムについて報告するかというと、今後のこのODA調査の在り方そのものにも、外務省とのかかわり、関係機関とのかかわりも含めていろいろ引き出すべき教訓があると思いますので、絞って報告をさしていただきます。 インドネシアのコトパンジャン・ダムというのは三百十一億円の円借款事業でございます。この案件そのものは外務省がセットしたものではございませんで、参加メンバーが是非見に行きたいということの希望によってセットされたものでございます。なぜかといいますと、このODA案件については今、日本政府、JBIC、JICA等を相手に現地の住民の方々が訴訟を、裁判を起こしておられます。今、東京地裁で口頭弁論、証拠調べに入っている段階でございます。調査団の問題意識は、どちらがいいとか悪いとかじゃなくて、とにかくきちっと、そもそもなぜ住民に感謝されるはずのODAが喜ばれない結果になってしまったのかと、このことを賛成の方も反対の方も含めてきちっと把握をして、この委員会に報告をしようという立場で、あらかじめ賛成も反対とかいうことではございませんでした。 訴訟を起こされている理由は、ダムができて移転した後、住民の人たちが生活が補償されないと、約束が違うということが原因になって、日本政府あるいはインドネシアには補償ということで裁判を起こされているということでございます。ところが、そういう立場で調査に行ったんですけれども、現地の大使館、JBICの不手際、そしてなおかつ現地の住民あるいはNGOの方々の過剰反応ということがありまして、整然とした調査ができませんでした。 ちょっとドキュメンタリー風に申し上げますと、ジャカルタから四時間ほど掛けて相当の長い距離を現地に入ったわけですけれども、その車の途中で、現地で住民が千二百人ほど集まって抗議集会をしているという情報が入りまして、大使館の方はこれは危険だというふうなことを言われたわけです。それならば、まず村長さんに会いに行こうということで、ダムサイトではなく村長さんに会いに行ったんですけれども、それはダムに反対意見を持っている村長さんと思っていましたら、話を聞くと大賛成の村長さんでございました。しかも、それはそれとして、次に会う人は反対の人かなと思ったんですが、その村長さんのお宅を出たときにJBICの現地人コーディネーターが握手をしながらお金を渡すというところをたまたま私が目撃をいたしました。確かめたところ、テレホンカードを渡したんだと。私は確かに現金を見たんですけれども。それで、後でやはりあれはテレホンカードではなく現金でしたという報告がございました。十万ルピー、現地の十万ルピーというと一か月の給料の四分の一ぐらいでございます。二十万円の給料だったら五万円ぐらいの金額に値いたします。 メンバーも、これではJBICがセットしたところは信用できないということになりまして、ダムサイトへもう行こうと。住民が集まって、抗議集会であろうと行こうというふうに思ったところですけれども、大使館は、危険だからということになりました。しかし、団長含めてメンバーで、もうほかの人を置いて、車の中でこもって相談をいたしました、どう判断するかと。ここで帰ってしまったら参議院の調査団として何しに来たのかというメンツにもかかわるし、もう男が廃るということもありまして、行こうという判断をいたしました。 で、先遣隊で何人か現地見てもらったら、三百人ぐらいの集会があって、警官も出ていただいていると。ただ、この警官は大使館が手配したんじゃなくて、現地行ってから私たちが要求して手配された警官でございます。 とにかく現地に、ダムサイトに行ったわけです。そこで取り囲まれまして、三百人ぐらいの方々もうかなりエキサイトしておりました。取り囲まれたんですけれども、それを整理してもらって、ちゃんと話を聞く場に座ってもらって、それで各村の代表から訴えを聞きました。 これはなかなかの切実な中身で、報告書の百一ページから載っておりますけれども、なかなかのきちっとした切実な訴えで、それは聞けてよかったなというふうに思っております。 で、村そのものを見たいということを申し上げたんですが、警官が、警官隊がそうしたら案内するということで行ったんですけれども、別に見なくていいようなところに案内されましたので、そこではないと、私たちが見たいところはそこではないということをまた私たちが判断をして、アスベストを含んだ、おばあちゃんが独り住んでいる貧しいところの家を訪ねて、そこの調査をいたしました。 その後もう飛行機乗る時間が迫っておりましたので、慌てて車に乗ってサンドイッチ食べながら帰ってきたということで、ちゃんとした、反対派、賛成派、あるいはその村民の方々ともやり取りをしたかったわけですが、それがする時間もなく過ぎていって非常に不十分だというふうに思っております。 今後の教訓として、これは団の、メンバーの総意でございますけれども、ODA調査団の調査が、この参議院が特別委員会を設けてこうして調査団を派遣していることの意味、これをきちっと、外務省、JBIC、JICA、関係団体、きちっとまず認識すべきで、現地の大使館の責任は特に大きいと思いますが、その調査の安全を確保するというのは当然のことだと。そういう手配が非常に不手際であったということです。これは団長も現地の大使に大変抗議をされておりました。 そしてもう一つは、こういう調査のときに、たとえどんな理由があれ、現金を話を聞いた人に渡すというようなことがあると、もう調査の話を聞いた中身の信憑性にかかわると。こんなことあってはいけないということでございます。こういう点は今後の、外務省、JBIC、JICA、いろいろ関係してくるかも分かりませんけれども、今後の本当に教訓としてもらいたいし、厳しく、メンバー、調査団としては指摘をしておきたいというふうに思います。 コトパンジャン・ダムそのものについては、そういうことでもっと正確な情報を総合的に判断したかったわけですけれども、例えばなぜ住民がインドネシア政府よりも日本政府を相手に訴訟を起こしているのかと、そういうことも詳しく聞きたかったわけですが、さっき言った大混乱の調査になりましたので十分聞き取れなくて、まだまだ判断材料が少ないというふうに思います。 なおかつ、後で聞いた話ですが、その集会をやっていたNGOの方々が私たちが去った後警察に拘束をされたと。逮捕はされておりませんが、長時間の取調べを受けたと。こういうことになりますと、これは現地の大使館が警察に言って警察がやったのかどうか分かりませんけれども、日本が調査に来て、私たちはちゃんと住民の意見を聞いたわけですけれども、その後そういう警察に引っ張られるようなことがあるとまたまた日本の印象が悪くなると。こういうことはだれが対応しているのかと、これは改めてまた現地の大使館にも指摘をしていきたいというふうに思います。 全体の案件について触れる時間はもうありませんけれども、団の所見を御参照いただければというふうに思いますが、いずれにせよ、このインドネシアのコトパンジャン・ダムを通じて、もっと参議院が特別委員会を設けて調査団を派遣しているということを外務省がきちっと意義付けを、あるいはそれに対するフォローをきちっとやるべきだということを重ねて指摘して、取りあえず報告とさしていただきます。
○委員長(山崎正昭君) 誠に大変なところで、すばらしい報告をいただきまして、ありがとうございます。 今後、調査地の選定につきましても十分皆さんと協議をしながら考えていかなきゃならぬのではないかと、そのように思っております。どうもありがとうございました。 次に、第三班の岸信夫君にお願いいたします。
○岸信夫君 第三班の御報告をさせていただきます。 ODA第三班は、去る八月十六日から二十五日の十日間にウズベキスタン、カザフスタンの中央アジア二か国を訪問してまいりました。折しも小泉総理の両国訪問が設定されたために、当初の予定よりも若干早めに繰り上げての訪問となったわけです。 今回の二か国は、ソ連邦の崩壊に端を発しまして一九九一年に独立した中央アジア五か国の中で我が国からのODAの援助額が多い二か国であります。また、石油や天然ガス、希少金属、ウランなどの資源に恵まれた地域でありまして、我が国にとって両国の民主化の促進と資源開発における協力関係の構築には大変関心の高いところであります。 小泉総理の訪問も、こうした両国との協力関係の構築、関係強化を目指したものであったと思いますが、我々ODAの状況調査をこの時期に行ったということも大変時宜を得たものであったんではないかというふうにも思っております。 両国での視察先について、詳しいことは派遣報告書をごらんいただきたいと思いますが、それぞれ、政府の関係者あるいは農業高校、女性のための職業訓練センター、あるいは日本人材開発センターなどを訪問いたしました。また、青年海外協力隊員あるいは現地の企業駐在員など、現地で活動されている邦人の方々からも意見交換を行ってまいったわけであります。 この訪問先の二か国でありますけれども、同じ中央アジアでソ連崩壊により誕生した国であるという共通点はありますけれども、国柄としてはそれぞれ民族も異なっておりまして、また指導体制、経済の発展状況も違うので一くくりにしにくいところはございますが、それぞれについて意見を申し上げます。 ウズベキスタンにつきましては、DACの被援助国リストの中でも低所得国に位置付けられております。日本からの支援に対して大きな期待を寄せておりまして、歴史的にも非常に親日国であるというふうに言われております。体制について、九一年から続けてカリモフ大統領が統治をしております。ソ連時代の旧態依然とした官僚機構や党組織がそのまま残っておりまして、大統領に権力が集中している状況です。よって、市場経済への段階的移行を目指す漸進主義を取っておりますけれども、経済発展は大変後れていると言わざるを得ません。 我が国の援助により供与された機材については総じて活用されておると言えるわけです。例えば、現地の客車の修理工場などでは、特に自国の客車の修理のみならずほかの国から、周辺国からの注文にもこたえておりまして、現地の雇用また外貨の獲得にも貢献しています。 また、民族的、宗教的な理由から、女性の社会的地位が概して低い国と言われております。その女性の地位向上のための職業訓練センターへの草の根支援などでは、理容技術の習得した女性が多く就職の機会を得て自立の促進が図られているといった一定の効果を上げております。 しかし一方で、支援イコール機材供与といった受け止め方がされておるということが大変気になった点であります。旧ソ連時代から技術があるとの自負から、今自分たちに足りないのは機材であると、あるいは機材を買うための資金である、こういう意識が大変強いわけです。本来、技術移転のための機材納入であったり、あるいは専門家の派遣であったりということでありますけれども、その技術移転が十分行われていないといった問題が見られました。援助案件にかかわるノウハウ、あるいはシステムなどのソフト面も併せて供与していくこと、そして国全体にそのODAの効果を波及させるためのモデルとしての役割を担わせるべきである、こういうふうに考えます。 看護教育改善プログラムで派遣されている青年海外協力隊員とも意見交換を行いました。受入先の病院では、機材の導入には大変関心が高いわけですけれども、技術や業務の改善には大変消極的であるということで、現場での難しさに大変苦慮しておられました。 我が国の行う支援が人材育成や技術移転に主眼を置いているということを相手に十分理解させておくということが必要なんだと思います。当国での看護師の役割が日本と異なっていて、そのことも阻害要因にはなっているようですけれども、これは現場だけでは解決できない問題も抱えておると思います。 かつて、中央集権でモスクワからすべての指示が下りてくる体制が長く続いていたためですか、トップダウンの国であります。ですから、現場の下部の組織においては自ら責任を取って事を進めようとしない、失敗を恐れて現状を変えようとしない傾向が大変強いといった社会的背景もあるんだと思います。 日本人材開発センターにおいては、日本の文化に対する理解促進や意欲のある経営者に対する経営指導などが有効に行われておりました。しかしながら、当国の銀行システムやあるいは税務システムに問題がまだありまして、企業活動の障害になっております。せっかくそうしたセンターで育成した人材が十分に能力を発揮できない。結局、そういった優秀な人がその国のために働く機会を得ずに海外に流出してしまうといった問題も見られております。市場経済システムに対する支援の必要性というものを強く感じました。 経済改革のペースが大変遅い国で、貧困もまだはびこっておるということから、我が国の支援の継続も必要なんでありますけれども、一方で、地方都市のアンディジャンにおける住民に対する発砲事件などで人権に対する問題が懸念されておるところです。 欧米の各国との関係も悪化しているということですが、逆にロシアや中国などが資源を目当てにまた関係を強めてきている、こういうような状況もありまして、我が国としてもこのウズベキスタンにどういったものを求めていくかということも含めて考えていく必要があるんだと思います。 カザフスタンについては、同じく九一年の独立以来、ナザルバエフ大統領が強力な指導力を発揮して民主化、市場経済化を推進しております。石油資源開発による資金が経済効果をもたらして、首都のアスタナあるいは最大の都市であるアルマトイでは活気が感じられました。GDP一人当たり三千ドルを超えておりまして、もはや無償資金の対象ではなくなっております。石油資金の回っている都市部では急速にビル開発などが行われております。首都のアスタナなどは本当に見た目は近代都市を思わせるような状況でありますけれども、一歩裏に入りますとまだまだ貧困が続いておる。そして、地方においては地域の格差、あるいは所得の格差が拡大しているというような状況であります。 小児病院や救急医療センターを視察してまいりました。そういったところは確かに機材においてはそれなりの改善が見られます。しかしながら、小児医療のシステムあるいは救急支援体制というものがシステムとしてうまく機能しているかというと、そうでもなさそうである。地域的な格差もかなり残っております。こういったところを改善する余地はまだまだあるんだろうというふうに思います。国としてのシステムづくりに明確なビジョンを持たせる、その上で、しっかり理解をさせた上で機材を供与していくべきであると思います。 セミパラチンスクの核汚染問題など環境汚染も大きな問題となっております。原因をつくったロシアが積極的に取り組むべき問題ではありますけれども、現実にはロシアはかなり引き揚げて、面倒を見ていないというようなところもあるんだと思います。非常にその都市におりますと財政的なゆとりというものも感じるわけですけれども、一方で全くお金の行き届いていないところもあって、同国の歳出構造の在り方に対する疑問が強く生じました。 カザフスタンの人材開発センターは、現地の大学がカウンターパートとなって事務所を提供しているわけでございますけれども、ウズベキスタンに比べますとプレゼンスがまだまだ低いようにも感じました。予算の問題もあるかもしれませんが、日本語の講座や相互交流を促進するための事業が、このODAとして実施するのが適切なのかどうか、あるいはもっと国と国との関係あるいは文化政策としての位置付けで、別の形での予算付けを計上するなど、在り方を検討する必要があるんではないかということを感じました。 我が国とカザフスタンの関係は、もはや援助国と被援助国の関係というよりも相互に協力し合う関係ということに高めていく、関係を高めていく必要があると思います。同国の持つエネルギー資源に対する我が国のアプローチにつながるような関係を築いていく、構築していく必要があるというふうに考えております。この地域、大変そういうことで、我が国が援助を続けるにしてもどういう目的でやっていくのか、我が国の立場をはっきりした上でやっていく必要があるというふうに感じました。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) どうもありがとうございました。 次に、第四班の山内俊夫君にお願いいたします。山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 第四班の報告をさしていただきます山内俊夫であります。 我が班は、実は今日、田村公平先生が当初報告されるという予定であったんですけれども、突然の予定が入りまして、私が代わりに報告をさしていただきます。 私たちは、田村団長以下、私と新進気鋭の民主党の松下新平先生、三名でお邪魔をいたしまして、大変少人数の団でありまして、非常にコミュニケーションをしっかりと取りながらODA調査に行ってまいりました。七月の十八日から二十八日まで、ケニアそしてセネガルと二か国であります。ちょうどたまたま、イギリス経由で入ったわけでございますけれども、イギリスが近年まれに見る熱波が到来しておりまして、大変暑いイギリス、ロンドンでありまして、帰りもやはりロンドン経由だったんですけれども、まだ熱波が引いてないという状況の中で、大変アフリカの方が涼しかったという印象がまずあります。 その中で、こういう団の特徴というのは、常に私は思いますが、団長のポリシーが中心になろうと思います。特に、御承知のとおり、田村公平団長は非常に個性豊かな団長でありまして、我々が出発する前に、まず三つの確認をしようということで出発をいたしました。 その中では、このODAというのは大変国民の税金使っているんだからしっかりと調査をしようよと、これが大きな柱。そして、現地視察を丁寧にやろうよと、現場主義でいこうと、これが二つ目であります。そして、大使館の、ここはちょっと難しかったんですけれども、便宜供与をできるだけ受けないようにしようと。でも、なければ十分な視察できないじゃないかという意見もありますが、彼のポリシーは、まあ大使館で飲み食いはやめようと。ただし、JICAのメンバー、そして大使館のそれぞれの我々に便宜を図っていただいている皆さん方とはやっぱりコミュニケーションを取らなければ情報が入らないということで、我々の費用を持ち出してホテルで招待をしてやろうということで約十一日間行ってまいりました。大変有意義であったと思います。 細かい報告については、二百一ページから二百五十六ページ、大変すばらしい報告ができ上がっておりますので、細かいところはそこをごらんになっていただけたらと思います。 今日は、口頭では、ケニアでの視察、特にナイロビ、この一か所と、そしてキスム、少しナイロビから三百キロばかり西へ行ったビクトリア湖の近くのキスム地区でございますが、その中で、もう皆さん御承知のとおり、鈴木宗男さんで大変有名になりましたソンドゥ・ミリウというその水力発電所、先ほど大門先生がコタパンジャンの報告もありましたけれども、少し毛色の違うところを少し今日は御報告させていただけたらと思っております。 そして、セネガルについては水が大変不足しております。特に、近年、アフリカ全土で大変水が不足している。それは降雨量が少なくなっているというわけじゃなくて、やはり近代文明社会には水が大変多く使用するということでありますから、当然その水の確保ということを、その中でタイバンジャイ村というところで日本が行っておりますODAのその日本版のシステム、これを私、今日二つばかり紹介をさせていただけたらと思います。 まず、ケニアでのナイロビで行いました我々の基本的なところは、林業研究所とか中等理数科教育強化プロジェクト、この辺りをしっかりと見てこようと、どこまで根付いてるかな、これが第一回目の我々の一番大きな見方でありました。 特に、林業研究所は、半乾燥地帯で社会林業強化ということでございますが、乾燥地帯をどう緑化をしていくかということであります。まあ二〇〇九年までの計画でありました。今ちょうど半ばでございます。第一フレーズが終わりまして、第二フレーズ、近隣の国の人たちの指導者養成も今行っております。確かに、目に見えた形じゃないんですが、研究所もそれなりにかなりバイオの高レベルな研究もやっておられまして、その地域に合った苗の育苗をどうするかということまで研究をいたしております。大変我々も参考になったし、彼らが本当に真剣にこの問題、乾燥の問題について取り組んでいるということが分かりました。 そして、キスム地区でありますが、これは非常に、皆さん御承知のとおり、九州の一・四倍ぐらいあります湖に流れ込んでおりますソンドゥ川の水をせき止めて水力発電を起こす。これは、我々行く前に、これ団長も松下先生も私も同じなんですが、大体の概略情報をいただいておりました。そして、我々が感じておりました、例えば黒四ダムのように大きなダムを造ってそこから水力発電をするんだという概念だったんですが、全く違いましたね。どう違ったかといいますと、ソンドゥ川の上流域に七メートルぐらいの小さな堰を造ります。その堰からトンネルを掘って、ちょうどキスムの町の外れでありますが、二百メートルぐらいの落差のある急斜面のところにその導水管を出してくる、そこから水圧管を真下へ落としていくと、そこで約六十メガワットの発電をするということなんです。 じゃ、その水をどうするかといいますと、そのまままたソンドゥ川の下流域に戻すという。ちょうど今我々が行ったときには、発電所の建屋の建設とその排水、合流さす排水の工事をやっておりました。そこもまたもったいないので、そこからまた少し五十メーターか六十メートルぐらいの落差を利用して、最後の川に落とす寸前にまた二十メガワットの発電をしようと。我々も非常に感心したのは、正に日本人の知恵が入っているプロジェクトだなと思いました。 現地の責任者の方にいろいろ約二、三時間お話を聞いて、現場にも入ってまいりました。そうしますと、このダムが約実は四年間止まりましたという話なんですね。なぜ止まったか。ちょうどそのころ日本のムネオハウスで随分有名になったものですから、マスコミが随分取り上げた。その取り上げたマスコミは、確かに現地にもやってきたと、私たちも丁寧に説明したんですが、ほとんど現場見ず、そのまますっと帰ってしまった。で、それから何日か何か月かすると、日本で随分マスコミで騒いでいると。少しおどおどしい話になってしまったということで、大変、我々は一生懸命やっているし、現地の人たちともいろんな話をしながら、小学校、中学校も新しくしながら、そして地域の人の仕事を確保しながら、いい品質のものを造り上げていこうと。技術的には大変自信を持っておいでになったようでございますけれども、その四年間のブランクが非常に残念だったと。それで、コストも結果高くなってしまったということもあります。その辺りは是非御理解をいただきたいというようなことも現場の人は申しておりました。 そういうところで、また後ほど御質問があればお承りしようと思います。 そして、セネガルへその後行ってまいりましたけれども、そのセネガル、アフリカというのは西から東、横に行くのが大変な時間が掛かります。一度また、それこそロンドンかフランスへ戻ってから行った方がいいのかなというぐらいの状況でございますが、そのままマリという国のトランジットで、そのままダカールへ入りました。 そのダカールというのは、もう皆さん御承知のとおり、パリ・ダカで有名なところでありますけれども、まだまだ乾燥地帯でありました。まだ半乾燥地帯で、大変乾燥状態が厳しいところで、水も不足もしておりました。そこへ行ってまいりまして、先ほど申し上げましたように、タイバンジャイ村というところへ我々行きました。大変な歓迎でありました。ええっ、何とこんなに準備をしてくれていたのかなというぐらいびっくり仰天をしたわけであります。 ただ、私は、このタイバンジャイ村のその水の管理の在り方、これは正に日本人の知恵なんですね。私も昨年ザンジバルにも行ってまいりました。ザンジバルでその水のODA、無償供与か有償になるか分かりませんけれども、その計画をしているんだけれども、なかなか村人がお金を払う、自分たちが受ける給水の料金を払うという習慣がないものですから、なかなかスタートができない。日本サイドは、ちゃんと管理運営をしてくださいね、するんだったらODAを付けますよというスタイルで進んでいるんです。ところが、なかなかそれがうまくいかない。 ただ、ここは、タイバンジャイ村も最初もそうであったんですけれども、今、日本の給水塔ができ上がっておりまして、やはり電気代掛かります。そして、最初、配水をしたときにみんなじゃんじゃん使うわけですね、喜んで。メーターを見て、あと請求が来て、皆びっくりしたと。それでかなりもめたらしいんですけれども、その後、ちゃんと村の人たちとその委員会をつくりまして、管理の仕方を一緒にやりましょうということで、現地の人たちを中心にその水の管理のやり方をやった。これが非常に功を奏しまして、周辺の村でも結構あるんですけれども、そこのタイバンジャイ村が一番うまくいっている。ちゃんとその給水塔のメンテナンス費用までその中で組んである。我々が行きますと、メモ帳みたいな収支決算書も見せていただきまして、コピーがありませんから、もう原本を見せていただいて、このとおり一生懸命やっていますと、皆村人も喜んでくれていますということ、村の村おさがそういうふうな報告がありました。 このシステムをもう少しアフリカ全土に私は広げていく必要があるのかなという気がいたしまして、まず御紹介をさせていただいた次第であります。 ところで、このアフリカ全体で青年海外協力隊の在り方、またNGOの団体の在り方、それとJICAの在り方というのを我々はいろんな各所で交換会をやりました。 その中で、一概にして彼らが言うには、まず、青年海外協力隊の場合は非常に夢と希望を持って一生懸命やっているんだが、いざもうそろそろ帰国かなと思うときに、再就職はどうなんだろうというのが大変どなたも心配されております。学校の先生の職を一時離れて、帰ればまたもう一度教育現場へ戻れる方は何人かいるようですけれども、どうしてもまだ帰って就職口を探さなきゃいけない。幸い、例えば京都とかある一部の地区は海外青年協力隊で頑張ってこられた人たちというのは、その教育現場にすごくいい効果を現すんだということで、最優先で採用してくれている県もあるようであります。何か京都府はそのようなシステムを取っております。ですから、これをもう少し各県に広げていって、学校の先生になりたい人、また地域の会社を経営している人たちにも、単なる大学出た人たちよりも青年海外協力隊でそれこそ水も電気もないところで頑張ってこられた人たちの方がより効果的じゃないですかというようなアドバイスもしていかなきゃいけないなと思っております。 最後になりましたが、このODAの関係について、我々は、三人は常に大使と懇談会をやります。そして、いろんなこのODAの在り方について議論もしてまいりました。特に印象に残っておりますのが、イギリス、ロンドンでの大使との話の中で、ヨーロッパの人たちは、アフリカはもう供与なんだと、彼らにはもう与えるしかないんだと、こういう概念なんですね。で、日本はそうじゃないですよと。日本は自立支援がベストなんです。そのために今アフリカよりも東南アジアはそれなりに自立しているでしょう。その結果は是非、大使、ヨーロッパ、フランス、イギリス、そういう人たちにしっかりと日本のアピールしてください、この日本式のやり方というのはこれはアフリカにも持ち込めるはずだと、その日本式というものを非常に我々はもっと自信を持ってやる必要があるんではないかなというような意見交換もしてまいりました。 いろいろ雑駁な話になりましたけど、以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(山崎正昭君) どうもありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 発言を希望される方は、お手元の氏名標をお立てください。委員長から順次指名いたします。 発言が終わりましたら、氏名標をお戻しください。 なお、本委員会の委員には、派遣団に参加された方がおられますので、発言に対して回答をお求めになる場合には、意見表明者に対してだけではなく、派遣団に参加されたその他の委員に対してもお求めいただいても結構でございます。 また、意見発表者だけでなく、派遣団に派遣されたその他の委員がお答えいただいても結構です。 回答される場合には、挙手をお願いいたします。 なお、発言はすべて起立してお願いをいたします。 それでは、発言を希望される方の氏名標をお立てください。 ツルネンマルテイ君。
○ツルネンマルテイ君 私の方から、どの報告というよりも、ある意味で四つの報告にははっきり発言というか報告はなかったことについて、発言がなかったことについて。 というのは、NGOとの意見交換がそれぞれのところにあったかと思います。しかし、私も実は、自分の党の方で、あるいは一つのNGOのグループと一緒には、三つの国にはやはりODAの調査に行ったことがあります。そのときもやはり大使館にも世話になったし、あるいはJICAと一緒にいろんなところを回りました。場合によってはNGOと一緒に意見交換もありました。 しかし、何か所かのところでNGOだけの意見交換があったんですね。そのときはっきり見えてきたのは、やはり彼らの方では大使館に対してあるいはJICAに対しても言いたいことが、不満もたくさんあります。しかし、同じ席には大使館の人がいる、あるいはJICAの人がいるとなかなかその不満を言えないというところがあるんですね。 どういう不満かというと、例えば予算に対して、彼らから見ればこれには無駄遣いが大いにあるということとか、あるいは現地の人たちの意見を十分聞いてないプロジェクトもありますから。だから、どの程度、例えばケニアの方ではNGOとの交換を本当にNGOだけと一緒にできたか、やっぱりそのときは大使館とかJICAも同じところにいたかということ、このNGOとの関係をちょっともしお願いできたらと思います。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 今ツルネン先生の方から、大使館との絡みの中で、現地で根付いているNGOの人たちの不満、これは我々も十分聞いてまいりました。それはなぜかといいますと、中身は、大概にして今まで大使館筋は、そのODAの一つのシステム、枠組みというものを概念にスタートしますから、なかなか現実に合わないことは、彼らのシステムに合わないところはうまく機能してくれない。そういうふうな不満はもうどこでもあります。我々をもっと活用してほしいという御意見もあります。 今回、行った中でシニアボランティアの方も何人かお会いいたしました。そのシニアボランティアの方々も、同じように、我々それこそ日本再チャレンジといって、我々も社会で一生懸命働いてきたけれども、今はリタイアしたけれども、今はボランティアとしてこういう形で来ている。そのシニアボランティアの人たちを、もっと人を使うシステムに変えてほしいという、こういう意見が大変多かったようです。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) 発言はすべて起立してお願いを申し上げます。 ツルネンさん、ほかの、いいんですね。
○ツルネンマルテイ君 いいです。
○委員長(山崎正昭君) いいですね。そうですか。 じゃ、松あきらさん。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。 本日は、四人の意見表明をされた先生方、大変に御苦労さまでございました。 私は個々の御質問ではありません。今緩やかな回復ということで、イザナギ景気を超える回復と言われておりますけれども、なかなか国民の皆様はそうした景気の回復の実感はまだまだ足りないというのが現状であろうと思います。そうした中で、このODAがとかくやり玉に上げられるわけでございます。 これまでの日本のODAの戦略は、いわゆる戦略性に欠けると言われ続けてまいりました。そしてまた、利権絡みの援助、ばらまき援助、こういう批判もあったわけでございます。しかし、昨今の緊縮予算の中でODAの予算ももちろん削減をされまして、事前あるいは事後評価も進んでまいりまして、大分私は姿が変わってきたというふうには思っております。 しかし、先ほどのインドネシアのコタパンジャン・ダムのような状況がまだ起こっているとすれば、これは本当にゆゆしき問題で、大事な国民の血税を使うこのODAに対しましてはしっかりとした私はことをやっていかなければいけない。 実は、私は、行政監視委員会ができる前から、それをつくるかどうかという委員会から属させていただいていたわけでございまして、その行政監視委員会ができて、このODAというものはしっかりと議論をされたんです。今は決算委員会でもしっかりと議論をされております。 そして、このODAというのは実は悪玉ではないんだよと、これをしっかりとやることによって国際社会の中の日本のあるべき姿、あるいは国際社会、言うなれば途上国が新たに直面する諸課題、この解決にODAが非常に有効なんだと、それがひいては国益にも資するものなんだということをきちんと国民の皆様に分かっていただかなければいけない。そのためにはODA基本法も必要なんではないかと、こういうことで、実は平成十一年の十月に、渡辺秀央先生それから田名部先生を始めとした超党派で議連も、ODAの議連もつくっております、現在もまだこれありますけれども。 そうした中で、私もしばらくちょっといろんなことで離れておりまして、昨年からこのODA特別委員会ができたというのは、こうした参議院の長年にわたる取組があって初めて私は参議院にODA特別委員会ができたというふうに認識をいたしておりまして、これは非常に重いことであると。これはいわゆる与党だから進めるとか野党だから反対するんではなくて、正に超党派でしっかりと議論をしながら、より良いODAのあるべき姿というものを追求していくための、確立していくための私は委員会であるというふうに思っているんですね。 ですから、事細かに言いますといろいろありますけれども、私はちょっと一つ残念だったのは、これは委員外委員の発言も認められているわけで、本日は実は私ども公明党の委員外委員の発言をお願いしたところ、これが却下をされたという事実がございまして、是非私は、そういう意味で、やはりこれは与党とか野党とかあるいは大会派とかではなくて、広くやはり各党のいろんな意見を聞く場にしていただきたい。それでなければ、私はより良い委員会運営はできないというふうに思っておりまして、(発言する者あり)ありがとうございます。是非これは委員長にお願いを申し上げたいということで、私の意見表明を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(山崎正昭君) 今、松あきら様から全員の方々に、戦略的なものを含めてどういう在り方がいいのかというようなお話でございますので、それぞれの皆さん、感想がありましたら一人一人お答えください。 小泉君。
○小泉昭男君 立って。
○委員長(山崎正昭君) はい、立って。
○松あきら君 お座りになったままでいいですよ、どうぞ。
○委員長(山崎正昭君) 一応は……。
○小泉昭男君 はい、そうですか。 松先生の御指摘、大変貴重な御指摘だと思うんです。(発言する者あり)座って、座るんですか、いいですか。ODAの持つ意味というのはかなり大きなものがあると思うんですね。イラクに派遣された自衛隊も、大きな事故もなく戻ってこられたというのは、やはりその陰にはODAの役割がかなりあったんじゃないかな、こういうふうに思います。 私は景気については、これは今イザナギ景気を超えるというような話がありましたけれども、実際まだ国民の方々実感していないような気がいたしますが、私がODAで調査に行ったモンゴルを一つ例に取りますと、モンゴルはかなりODAの効果大きいと思うんですね。ただ、石炭だとか石油だとかが見付かったということですけれども、それもどうも中国領を通らないと日本に入ってこれない。ここで中国とのODAの在り方についても絡んでくるんじゃないかな、こんな気がいたしまして、より良いODAの確立に向けてという松先生の御指摘、私どもこれから勉強してまいりたいと、こういうふうに思っておりますので、御指導お願いいたします。 以上でございます。
○委員長(山崎正昭君) ほかに。 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 私もちょっと一部総括的なところで御報告もしたかったなと思った件でございますので、大変有り難かったと思います。 正に松先生のおっしゃるとおりな、ODAの感覚というのが、我々選挙区帰りましても、いや、我々もうこうやって大変厳しいビジネスの世界にいるんだけれども、日本政府は何でそんなに一兆円近いお金を海外に出しているんだという意見が随分言われるんです。我々いつもそれで苦慮して、まあ答えは、いや、我々もこのODAというのが、私も最初、冒頭に申し上げましたように、外交上の武器でもありますよ、日本は本当に、やり鉄砲で相手を脅すわけじゃありません、しっかりとODAを、その国その国に有効なODAの在り方を高めていければ必ず日本という国が理解されてくる、そのいちずで我々はやっておりますということを申し上げております。 その中で、特にこのアフリカというのは、私が行ったところでございますが、全体で減らされておりますけれども、二〇〇三年から見ますと大体一五・五%、二〇〇六年度には大体二〇・八%、アフリカ大変伸びているんですね。五十三か国、ほとんど名前の分からない国も半分ぐらいありますけれども、一つ一つの国が大変今頑張っていっている。そこに資源があるかないか、ちょっとある国を私批判するわけじゃございません。資源のあるところへはどんとお金を持ってくる国もあります。けれども、日本はそれだけじゃなくて、資源があろうがなかろうが一生懸命その国の国民の生活向上というものを目指していくんだという、私はそういう理念をしっかり持って、特にこの参議院、ODAをしっかりとやっていこうという考え方ありますから、私も大いに賛成して、今後参議院が頑張っていけたら、そう思っております。 ありがとうございました。
○委員長(山崎正昭君) 岸信夫君。
○岸信夫君 ODAの戦略性については私も大変同感であります。 ODA全体の金額だけを見ますと、確かに大変大きな金額で、そのこと自体が批判にさらされるケースというのは多いわけですけれども、それぞれの援助の現場に行ってみますと、もっとお金があればこんなことができるのにというような意見も大変多く聞かれるわけです。そうしたことで、しっかりそういう現地の声を日本の社会にも説明をしていくということがこれまで以上に大切なことではないかなというふうに思います。 私の見てまいりましたウズベキスタンあるいはカザフスタンという国ですけれども、今回視察に参りました全員が初めて訪問した国でありまして、日本にとっても余り親しみのある国とは言えなかったわけですが、現地に行ってまいりますと、確かにウズベキスタンなどは大変親日国である。それも、やはり我が国からの援助を通じてという部分も確かにあると思います。 また、先ほどもちょっと申しましたけれども、こういう国に援助を、我々が援助するのはどういう目的を持ってやるのか。すなわち、この地域、確かにテロを抱えた国々に隣接をしておって、この地域が安定をするということは大変重要なことであります。また一方で、先ほど述べましたけれども、資源、エネルギー資源というものは大変重要であります。そこにほかの資源を必要とした、例えば中国がアプローチを掛けている、我が国はどうしたらいいのか、そういった観点からもこのODAを一つの我々の戦略的な武器として活用を、もっと活用していくべきであるというふうに思いました。
○委員長(山崎正昭君) ほかにありませんか。 それでは、松あきらさんから御発言のありました委員外委員のこの派遣、意見の聴取も十分取り入れてほしいと、こういうお話がございました。委員長といたしましては、この委員会、割合公正にやっておるつもりでございますし、本日も浮島理事の方から委員長への要請もございました。また、公明党の方へも、阿部、犬塚両筆頭の方からもないかというようなお話もあったやに私は伺っておりまして……
○松あきら君 ないです、ないです。
○委員長(山崎正昭君) 伺って今おるわけでございますが、十分今後、今の意見を参考にさせていただきまして、できるだけ中立公正に皆さんの意見が交換できるようにさせていただきたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。 それでは、亀井郁夫君。
○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますけれども、大門先生と山内先生にちょっとお尋ねしたいんですが、大門先生に聞きたいのは、コタパンジャンか、ダムの件ですけど、たくさんの金を、税金を使って造りながら訴訟を起こされてしまうという考え方ですけれども、インドネシアの国に対する訴訟をせずに日本を訴えているということが非常に理解に苦しむわけですけれども、その辺はどのように考えておられるのかということ。 それから、山内先生には、イギリスで大使と相談したら、アフリカの人たちは供与を求めているという話で、自立支援じゃないんだという話で、日本は自立支援でやるんだということですが、果たしてアフリカの人たちはどちらの方を喜んで、まあ、もらうんだからそれは喜ぶんでしょうけれども、しかしどちらの方の考え方なのかということについてお聞きしたいと思います。
○委員長(山崎正昭君) 大門君。
○大門実紀史君 そういうことをちゃんと聞きたかったんですけれども、帰国した後も含めていろいろ聞いて、あるいはいろんな文献読みますと、なぜ日本政府が相手の訴訟なのかと。 ただ、日本政府に求めているのは、ああいう案件をどうして住民のフォローもなく円借款でプロジェクトを進めたのかと、その責任もあるんじゃないかという姿勢ですよね。補償そのものはインドネシア政府がやるべきことだという、当事者国ですからそうなっているわけですけれども、そういう中で、補償された、補償と言っていたのが足りない部分についてはインドネシア政府に住民の方々が訴訟は起こしておられます。その本体事業については、なかなかこれはインドネシア国内の事情がまだまだあるみたいでございまして、そういう補償について足りないというような訴訟はできても、ダムそのもの、つまり国策について訴訟を起こす、文句を言うというのはなかなかインドネシアでは難しい。まだまだ民主主義がちゃんと定着しておりませんから、そういうものもあるんではないかということは聞いたことあります。 だから、余り国のやることに文句言うと、おまえは共産党かと言われるようなまだ政治状況があると。そういうところでどうやるかというところでやっておられるんではないかなというふうに思いますけど、その辺も本当は聞きたかったんですけれども、私が知っている部分ではそういうことですね。
○委員長(山崎正昭君) 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 今、亀井先生から、その供与と自立支援のための援助という、その分け方についてのちょっと一部お話がありました。 私が当初申し上げたのは、イギリス、ヨーロッパの人たちは、これは私、まあいろんな宗教上の問題であろうと思いますし、以前、五、六年前に、ミレニアム改革のときにちょうど最貧国の国に対する債権放棄をやろうというのが提案されまして、そのときに日本は比率からいえば七割借款なんですね。で、三割ぐらいが供与。ヨーロッパ各国は大体、アメリカもそうですが、もう六割、七割がもう供与で行っている。ですから、借款そのものは少なかったんですよね。それ一気に放棄されたということで、少し、参議院のODA関係もたくさんの先生を呼んでいろんな話をしたこと、記憶あります。 現地の人たちも、ヨーロッパの人たちには今までいろんな資源を持っていかれたと、それこそ奴隷的な扱いをされてきた、そういう思いがあるんですね。だからもらって当然だという、そういう民族的な感覚もあるようです。 そこの違いが、でも私は、イギリスの大使とも話をしたときには、しっかりと日本のシステムの良さというのは自信を持って進めてくださいと、少々ヨーロッパの人たちと意見が違っていてもしっかり主張してほしいねという話はしてまいりました。
○委員長(山崎正昭君) ほかにありませんか。 それでは、藤末健三君。
○藤末健三君 視察団の皆様、本当に御苦労さまでございました。そしてまた、今日御説明いただいた皆様方も、本当に臨場感ある、聞いていて楽しくなるようなお話を伺いまして、ありがとうございました。 私自身、申し上げたいことは二つございます。 私は昨年末にアフリカの方に伺いまして、いろいろODAの施設を拝見したんですけれど、一番印象に残っていますのは、やはり使われてない施設が非常に多かったんですよ。行って伺うと、もうほこりが積もっているんですね。 何でこんなことが起こるんだろうと思って私なりに帰って調べまして、また現地の方にお話をお聞きしましたら、やはり実際にプロジェクトがどう動いているかということをチェックに来てないと、外務省の方も、JICAの方もという話をお聞きしました。例えばダムの話も、私、実は調べたんですけど、JICA内に技術的な専門家がいないんで、もう一回任せたら後はほとんどほったらかしと、チェックも何か外部の人に任せて終わりだということをお聞きしていまして、そのような点、皆様方、体制的な問題などをどういうふうに感じられたかということを、御意見ある方にまず一つ伺いたいと思います。 そしてもう一つは、私も実はイギリスに行きまして、イギリスのODAの話なんかも聞いてきたんですが、私も山内先生のように日本の独特の持ち味というのはあるんだなと思ったんですけど、一方で、制度的には向こうの方がうまいなというところもあるんですよ。例えば、日本のODAは全部請負契約となっていまして、細かい領収書が必要なんですね、積算領収書が。ごめんなさい、委託ですね、失礼しました。委託でございまして、細かい領収書が必要で、恐らく大門先生が見られた電話賃、あれは恐らく領収書がないから支払ないと思うんですよ、恐らく。それはなぜかというと、受託契約でございますから、委託契約でございますから。 一方、海外を聞くと、請負契約といって、このプロジェクトをやってくださいねと、で、全部で幾らですよと、領収書要りませんよというふうになっているとか、そういうことがございますんで、一つ私の提案でございますけれど、海外の現地調査も必要でございますけれども、もう一つ、例えばアメリカのODA、イギリスのODAといった他国のODAはどういう仕組みでやっているかということを、また別途調査団を派遣するといいんじゃないかなということを私自身思いました。 その点について、御意見ある方は是非お知恵を拝借したいと思います。お願いいたします。
○委員長(山崎正昭君) どなたでも。 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 藤末先生から的確な御指摘ありました。私もそういう観点、常に見ております。 これは私、別に、昨年ですが、AU議連でマダガスカル入りまして、日本の農機具提供されているんだけれども、大統領が見てくれということで見ましたら、全くほこりかぶっておりましてね。それで、動かすと壊れると。当然ですね、機械は。壊れた後の部品が手に入らないんだという問題点があります。ですから、その辺りはもう、日本のODAのある一時期はもう済んだよと。もうそろそろフォローアップしたりメンテの分も考えたODAをやらなきゃいけない、第二段階に進んできたんじゃないかなと、そのような気がいたしました。 全くおっしゃるとおりであります。
○委員長(山崎正昭君) 岸君。
○岸信夫君 今回訪問した先で医療の、小児病院とかそういったところに訪問する機会もあったんですけれども、そういったところは、やはり日本からの医療器具、それこそ最新鋭のものが入っておりまして、現地のお話聞くと、いろいろやっぱり使う機会もあると、こういうふうには言うんですけれども、実際に動かしていたところというのは見ておりません。 そういった医療施設は、本来、お医者さんも含めて派遣をして、その技術、医療の技術自体を現地に移転をしていくと。ですから、現地のお医者さんを育てていくというのが本来の目的だと思います。それで、現地のお医者さんがその医療機器を使いこなしていく、こういうことだと思うんですが、実際には現地のそういうお医者さんが育っていない。で、日本から派遣した方はある程度の期間がたつともう帰ってしまう。帰ってしまったら機械だけが残る。こういうようなことがかなり起こっているんではないかというふうにも思っております。
○委員長(山崎正昭君) 小泉君。
○小泉昭男君 これはODAにも関係することでございますけれども、モンゴルに行って現地の方のお話聞いたところなんですけれども、日本人は大体二百人ぐらい入っているというんですね。それで、韓国はもう一万人以上入っているというんですね。そういう、もう入り方次第が、まあこれは経済的なお付き合いの中で。それで、韓国に比べて日本は、決裁、まあ判断が何年も掛かるというんですね。韓国は物によってはもう数日の間に結論を出してくる。日本は三年も掛かるという、まあこれはオーバーな話でしょうけれども、そういうふうに、迅速性というものについて大分御指摘いただいた部分もありました。 それと、これからモンゴルという国がどうなっていくか先の見えない部分があるんですけれども、先ほどの御報告にも申し上げたとおり、まだ民主化が始まったばかりでありまして、七百平方メートル、どこを囲っても自分の土地になるというんですね。それで、山の上までずうっと、行かれた方はごらんになったと思うんですが、囲った囲いがずうっとつながっていって、それで、もちろん水も電気もありませんけれども、もっと最悪なのは登記が間に合わないというんですね。それだけウランバートルに集中しちゃっているんですね。そういう部分についても何か、日本として何かいろんな援助ができるものがあるんじゃないかなと。これはお金の部分だけじゃなくて、ノウハウ的なものも含めて何かあるんじゃないかなと。まあ、生まれたての子供が、赤ちゃんが、蒙古斑といっておしりに、これはモンゴルと日本がほとんど同じぐらいだと聞いていますから、システムなんかについても理解が早い部分があるんじゃないかなと、こんな気がいたしました。
○委員長(山崎正昭君) 大門君。
○大門実紀史君 使われていない施設というのは特にございませんでしたけれども、使われない施設を提供しちゃったというのはございました。コトパンジャン・ダムで井戸を作ってあげたんですね、JBICが。これはもう一年以内に使えなくなっちゃったと。とんでもない提供をしちゃったわけですね。それで、それはもうすぐやり直すということになっておりますけれども、そういうずさんな案件も個々の案件ではあったということですね。 あと先ほどの、JBICの現地コーディネーター、JBICと現地コーディネーターの関係は委託ですけれども、村長さんは委託していません。村長さんは関係ありません。その村長さんに現金を渡したということが問題になっているわけですね。で、それは後で外務省からわざわざ私の部屋に報告がございまして、向こうの電話代は一分幾らだとか非常に細かい計算で、いかに十万ルピーになるかというようなことを言っておりましたけれども、そんなつまらない話を聞きたいわけじゃないんだと言って、領収書を、そんな話したらもう領収書出せってなりますよね。 そういうことじゃなくって、申し上げたいのは、とにかく、参議院がですよ、国会がですよ、調査に行ったときに、しかも握手して隠して渡すんですよ。電話代ならちゃんと渡せばいいじゃないですかね。後で渡せばいいじゃないですかね。握手して隠して渡すと、こういうことが問題だということを指摘しているわけですよね。ですから、まあそういうことですよ。委託じゃなくて、そういうお金だったということですね。
○委員長(山崎正昭君) 江田五月君。
○江田五月君 各委員の皆さん、大変御苦労さんでございました。本当に有益な報告をいただいて、特に大門委員の御報告はこれからのこの委員会の視察の在り方、どこへ目を付けるかという大変貴重な報告だったと思っております。 私は、本院が参議院改革ということで、参議院の独自性を発揮する、決算重視、その中でも特にODAということでこれまでやってきていることは大変大切なことだと思っておりますが、同時に今、そろそろ、そろそろといいますか、ODAというのは一体我々何のためにやっているんだということをもう一度考え直すときがあるいは来ているのかなと。 ODAというのが非常に大切な外交のツールであると、これはもう言うまでもないんで、日本がこれほど経済が発展した、これはもう世界を相手に、世界の皆さんのお世話になってこれだけ発展して、しかしまだまだ世界には途上国があると。栄養の状態、教育の水準、住居の在り方、そんなものに物すごい格差があって世界が平和になることはないんで、みんなが一緒に発展をしていこうということでODAに取り組んでいるんだと思いますが、もっと更に進んで、人と人とのつながりを世界でつくっていく、その重要なツールとしてODAというのはあるんだろうと。しかし、ODAという枠組みではなかなか動きの取れないところがそろそろ出てきているという感じです。 実は、具体的な例を一つ挙げますと、私はこの秋、九月に角田副議長の団でブルガリアへ議会間交流で行ってまいりまして、それで、その団全員の総意で帰ってきてから内閣に申入れをしたことが一つございます。 それは、ブルガリアは御存じのとおりEUに加盟をするわけです。EUに加盟をするとリストから外れてODAの対象国じゃなくなるんですね。ところが、どういうことをやっているかというと、ブルガリアで日本語の教師を青年海外協力隊で派遣しているわけです。いろんな学校で、大学もあり、あるいはそのもっと下の若いレベルの学校もあり、日本語の教師が行って日本語を教えているわけです。その日本語の教師が一人いることで、その地域社会に日本というものが知れ渡るわけです。日本というものの有り難さが、この大切さがみんなに認識されているわけです。 ところが、これがEUに加盟するということで打ち切られるというんで、もう新しい派遣要員の採用はストップされているわけですね。ところが、実際にEUに入ったから急に何かみんなの生活水準が上がるとかという話じゃないわけです。現実にはずっと日々続いていくわけですよ。そういうときに、この人間関係というものを世界、国境を越えてつくっていくツールがここで途切れてしまうというのは大変残念なことなので、これはODAという枠をもう少し広げるのか、あるいはODAとは別に何かそうした新しいツールをつくっていくのか、そんなことを考えなきゃいけない。 藤末さんが今、世界各国のODAの在り方はどうだろうという、これを見るということも一つ必要だという話ありましたが、例えばアメリカでは平和部隊というのが、これは途上国にということではなくて大きな展開をしているわけです。イギリスはブリティッシュカウンシルというのが、これはもう世界じゅうにネットワークを張って活動しているわけですね。 〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕 何かそうしたことをお感じになったことがあるかどうか、これを各委員の皆さん、もし御意見あれば伺いたいと思います。
○理事(阿部正俊君) それじゃ、特に限定されてないようですので、御意見の、今のお答えできる方、何人でも結構ですが、簡潔にお願いしたいと思います。どうぞ。 じゃ、山内議員お願いします。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 今、江田先生の方から御指摘のありました件に直接関係するかどうか分かりません。 私は、このODAの今後の在り方という中で、国連との絡みというのは最近特に感じるんです。その一つの例を挙げますと、例えばアンゴラであの内戦の状態で、人的な地雷ですね、足の一本飛ばすだけの地雷、これが何十万個も埋まっていると。その除去のために日本が数十億のお金を出しています。それを受けているのはイギリスの下部団体なんですね、国連の下部団体。それで彼らは何をしているかというと、そのうち三〇%は天引きしているんですね。現地で自分たちの国の何か訳の分からない粗末な機械を使ってやっている。ところが、日本は山梨のある企業はすばらしい地雷除去の機械を開発している。だからそれを使ってくれと言っても、それはノーだと、それはまだまだ研修していないし、それをうまく使いこなす人がいないんだということで門前払いを食らうんですね。でもそれはおかしいじゃない、日本のお金ですよと言ってもそれは通用しない。 だから、この辺り、私は、今後国連の中の日本のやはり発言権、これはしっかり持っていかないと、結局は、これはうがった見方かも分かりませんけれども、じゃ日本に銭出させておけ、我々がその銭を使ってやるよというものになってはいないのかなと、そこらの反省があろうかと思います。 今後の参考にと思いまして。
○理事(阿部正俊君) はい、分かりました。 ほかに御発言ある方、どうぞお願いします。おられますか。どうぞ。 じゃ、大門先生お願いします。
○大門実紀史君 シンガポールも行ったんですけれども、シンガポールは既に日本からのODAを卒業しておりまして、シンガポール自身が対外援助を始めているんですね。それに対して、日本も行ってまだ協力していると。 私、江田先生がおっしゃった意味でいいますと、そういうアジアの中で、中国も恐らく援助をする方に、今でもちょっとやっていたりしておりますけれども、そういうアジアの中で全体みんなで連携して、ODAといいますか、途上国の援助をするというふうなスキームがこれから考えていくべきではないかというふうに思います。 その点では、藤末先生言われたように、外国は今どうやっているのか、本当にこの委員会でも一遍それだけ集中的に議論もしていった方がいいのではないかというふうに思っております。
○理事(阿部正俊君) どうですか。なけりゃいいですけれども。じゃ江田さんいいですか。 それじゃ次は、順序からすると、じゃ山下先生かな、じゃ山下英利君。
○山下英利君 このたびの派遣、本当にお疲れさまでございました。 私も、この委員会初めて出させていただきまして、そういう中で、昨年十二月はインドへODAの派遣に参加させていただいて、大門委員、富岡委員と御一緒させていただきまして、その当時、報告は決算委員会という形での報告をさせていただいたわけなんですけれども。 先ほどからお話を伺っていまして、このODAが戦略的な武器としての非常に有効というか、我が国にとっては外交上もう本当にこれが唯一のものではないかなというくらい大事な武器なんでありますけれども、その使い方においては大変難しいというのはもう非常によく分かる話なんですが、例えばせっかく恩を売ってやっているのに、それがあだになっちゃうというふうなケースが起きるというふうなことは本当に心外というか、今回のインドネシアの話を伺っても、やはり、それはそもそもインドネシアの内政の問題であると言いながら、やはりそれが結局インドネシアの国民にとっては日本がやっていることに対してちっとも感謝されていないという事実自体は非常に心外なところなんですね。 ですから、やっぱりこの戦略的な環境アセスメントをこれからどうやってやっていくのかということというのは大変大事だと思いますし、またその国によっていわゆる民主化の度合いも違うし、それから政治状況違う中で、そういった戦略的な環境アセスメントの中でどういう基準をつくってやっていくのかというようなところは、やはり個別対応でやっていって本当に可能なのかどうなのか、そういったところをちょっと今回行かれた方皆さんにお聞きをしたいなというふうに思いますし、また顔の見えるODAということであれば、むしろ有償の供与よりもいわゆる草の根の無償の方が、例えばインドなんかの場合ですと、本当にスラム街の中まで私先生方と行きましたけれども、やっぱりその金額よりもむしろそういった国民との距離の近いところにODAが実施されるというところの方が効果はあるだろうと。しかし、今度反対に、それをきちっと管理をして、例えば草の根無償であれば三年で終わってしまってそれっきりだというような流れの中で、いかに継続的にやってほしいという声にこたえていくか、そういった問題もまたあるわけでありまして、今回行かれた皆様においてはその草の根無償の在り方ですね、それぞれの国においてのどういう効果を発揮しているのか、そしてそれをしっかりと管理する、いわゆる在外公館なりの体制が取られているのかどうか、その辺のところをちょっとお聞かせをいただきたいなと。 だから二点ありますので、よろしくお願いいたします。
○理事(阿部正俊君) はい、分かりました。 それじゃ、一番典型的な大門先生、是非。よく御無事でお帰りになったなという感じすらするんですけれども。
○大門実紀史君 戦略的なODAということでいきますと、私の私的な考えですけれども、そうはいっても地域別に組み立てなければいけないんではないかというふうな気がしております。予算の使い方的に言えば基本原則あると思いますけれども、戦略的にODAを考えると、やっぱり地域別に考えていく必要があるのではないかと思います。 例えば東南アジアでしたら、まだまだ全体合意されているわけではないかも分かりませんが、東アジアのこの共同をどうつくっていくかと、そういう中でODAも位置付けるというようなことが必要でしょうし、アフリカならアフリカ政策の中でどう考えるかというふうになると思いますので、もうちょっと踏み込んで言えば、地域別の戦略的なODAの在り方ということになるんではないかというふうに思っております。 草の根無償は、山下先生と一緒に行ったインドでも同じ問題意識を持って、箱物と機械といいますか、そういう形のものですね、じゃないところにというふうな要望が結構あって、草の根といっても形のあるものばっかりでしたから、それがどうなっておるかなと思いましたけれども、まだまだソフトの部分になかなか使われていないと。この委員会でも、外務副大臣が大変いい答弁をしてもらって使えるんだということを言ってもらって使えるようになってきているわけですけれども、まだまだその機械とか物とか建物とかそういうものになっているところで、やっぱり要望が出ているのはもっとソフト面で支援をしてほしいというのが若干今回、そうたくさん来ていたわけではありませんけれども、同じ意見が出ておりましたので、それが改善方向が引き続き求められているのじゃないかなというふうに思います。
○理事(阿部正俊君) じゃ、あと小泉先生、中国なんかは無償と有償、全部積み上げるようですけど、どうでしょうか。
○小泉昭男君 中国はもう御案内のとおり、もう三兆五千億からのODAの供与あるんですけれども、中国の一部分を見ますと、今大門先生がおっしゃった部分と同じようなんですが、その中国の一部分を見ると物すごい経済発展をしているように見えるんですよね。しかし、北京の空港を降りれば光化学スモッグがすごい国でありますから、中国の中でも地域的にこう考えながら効果的なODAの対応が必要じゃないかなと、こんなふうに感じました。 〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕 それと、あと草の根の部分でありますけれども、モンゴルに行って日本センターがすごく機能していることを目の当たりに拝見いたしまして、これは将来的に日本の企業が進出したりそういう場合にその日本センターで日本に対する勉強をされた方々が即戦力になるという、こういうふうに私は感じまして、こういう部分では草の根の部分で人的な支援、こういう部分がこれかなり効果を期待できる方向になるんじゃないかなと、こういうふうに思いました。 この二点でございます。
○委員長(山崎正昭君) 山下英利君。もういいの、終わったの。 じゃ、浮島とも子君。
○浮島とも子君 四班の皆様方には大変貴重な御報告をありがとうございました。また、大変にお疲れさまでございました。 私の方から二点お伺いしたかったんですけれども、今一点の方、山下委員の方からと同じ顔の見えるODAということで、草の根ということで今御回答いただきましたので、一点だけお伺いをさせていただきたいと思います。 私も実は昨年、藤末委員とともにアフリカの方に行かせていただきました。そのときに帰ってきて委員外議員ということで御報告もさせていただいたんですけれども、そのときに一つ申し上げさせていただいたことが、やはり外務省がセットされたところだけを見るんではなくて、参加するメンバーがここに行きたいというところもやっぱり視察をするべきではないかという御提言をさせていただいたところでございましたけれども、今日、インドネシアのコタパンジャン、参加されるメンバーが行かれたということで御報告を、本当に大変な御報告をいただいたところでございますけれども、ほかの班で参加されるメンバーの方が御自分たちでここに参加したいということで行ったところがもしあれば教えていただきたいのと、もし行かれたのであれば、そのことについてちょっとお話をいただきたいと思います。
○委員長(山崎正昭君) 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 草の根の件も少しお話を申し上げたらと思うんですが、私たちもNGOの人たちといろいろ話してきました。そして、非常に草の根無償は有効に機能しています。ただ、この案件の数に制限があるとか、申請の仕方、これが余りにも複雑で、申請を了解を取るのにそちらにエネルギーを取られる、それを何とかしてほしいというような御意見がありました。それをまず報告をさせていただいておきます。 そして、今先生がおっしゃられた、我々がじゃオーダーを掛ける、どこにどうするんだと。これは、ちょっと私、今回は田村団長が事前にかなり綿密な打合せをしておりましたもんですから、その辺りちょっと聞いておりませんので。ただ、先ほど私が冒頭に申し上げました田村イズムというのがありましてね、大半がほとんど団長の意向で動いていたんじゃないかな、国の指定まで多分していたんじゃないかなと思っております。 以上ですが、答えになったかどうか分かりません。
○委員長(山崎正昭君) それじゃ、富岡由紀夫君。
○富岡由紀夫君 今日は四人の方に報告いただきまして、ありがとうございます。 二班の大門委員にちょっと質問させていただきたいと思いますけれども、このコタパンジャン・ダムのお話が報告いただきましたけれども、この工事を施工、請け負ったところはどこの企業なのかとか、あと、いろいろとこのちょうど行った日に、その住民たちの苦しみという、何というんですか、要求書が出ておりますけれども、この中で、日本政府はインドネシア政府に二度と円借款、外国債務を与えるなというような要望まで厳しい要求が出ているわけでございますけれども、これを受けてどのように我々は対処したらいいのか、もしそういった動きを受けて、これをこれからのODAの日本の在り方にどう反映したらいいのか、大門議員の直接その要望を聞かれたお立場からお伺いしたいと思っております。 それとあと、先ほど今、浮島委員からお話ありましたけれども、私も同じでございまして、このODA委員会までつくって日本のODAが本当に効果的に使われているか、これからのODAをどうやっていくかということを議論しているわけでございますから、視察に行かれるときはやはりそのありのままの姿が見れるような視察でないと私は効果がないと思っております。 ODAの行く場所を、私も去年、先ほど山下委員お話ありましたけれども、一緒にインド行かしていただきましたけれども、大体外務省の方が行く場所を指定していただいて、それに従って行くというような形になります。ODAの結果がいいか悪いか、効果的に使われているかどうかということは、これはもうひとえに外務省が自分たちの成績が、成果がちゃんと上げられているかどうかということになっておりますから、いいところだけを見せようとするのは、それは当然当たり前なんですね。 ですから、そういったところだけを見て結果オーライだということで報告を聞くんじゃなくて、やはりこれは、ちょっと参議院独自のこのODA委員会、そしてこのODA視察ということをやっているわけですから、委員部の方とか大変ちょっといろいろとお力をかりるような形になると思いますけれども、独自で、外務省から指定されたところじゃなくて、独自の調査場所を選定して、そこをしっかりと我々の目で、独自の目で見てくると。それをまた結果をフィードバックしていただいて、本当にこれがふさわしいODA、日本のODAの成果としてふさわしいかどうか、それを議論する場に私はすべきだというふうに思っております。 そういった意味で、これは私の意見というか要望なんですけれども、これからのこのODA委員会を更に活性化して中身のあるものにするために、この視察を更に有効に機能させていきたいなというふうに思っております。 そういった点でちょっと意見も交えてお話しさせていただきましたけれども、御意見を伺えればと思っております。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) 大門君。
○大門実紀史君 コトパンジャン・ダムは、企業としてはここに名前出ていますが、コンサルタントとして東電設計という会社ですね、これは多分電力ダムですので、東京電力の関係の設計コンサルだと思います。受注したゼネコンは、もし後で間違っていたら議事録訂正しなきゃいけないんですが、間組だったというふうに聞いております。この現地の方々の要望ありますけれども、やっぱり正確に、冷静に判断する必要があると思います。 それで、団としての所見というのは百三十二ページから百三十三ページに書いてありますけれども、要するに二度とこういうことがないように、喜ばれないようなODAは、幾ら電力供給がされたといっても全然好ましいODAではないということになりますので、二度とこういうことがないようにという点で、まあただ、ああいう形のダム建設は今もうほとんど新しい案件としてはほぼなくなっておりますんで、ああいうことはまたないと思いますが、ああいう、住民との関係でいくとこれからも起きる可能性があると。その点では、いろいろ書いていますけれども、百三十二ページ、百三十三ページ書いていますが、要するに第三者的なチェックをどう入れるかと。 それと事後のチェックも、第三者的な、公的なといいますか、公証人というふうな言い方書いてありますが、一定の第三者的な公正な機関で住民とのフォローあるいは最初の検証、あとは相手国政府に対してきちっと文書で確認するというようなことが今回のコトパンの教訓だと思います。 裁判に今なっておりますんで、私たちも、そこまでいくと団の中でもいろんな意見がありますので何とも申し上げられないところでございますけれども、いずれにせよ、国会の立場としてはこういうODAが二度と起きてはいけないということで、どういうシステムをつくるかということは問われているというふうに思いますんで、まあ後で読んでいただければと思います。
○委員長(山崎正昭君) ほかにありませんか。 それでは、阿部正俊君。
○阿部正俊君 それじゃ、私からも二つほど聞かしていただきたいと思います。 最初に、まあ第三班と一班に共通する話かもしれませんのでお二人からお答えいただければと思いますが、要するに、先ほど江田先生も言われていましたけれども、ODAというのがそれだけで終わるということではないのかなという気がするわけですよ。よくODAの対象から卒業したとかという表現使われますけれども、私は、それで終わりということじゃODAというのは、まあ変な話だけれども、それはそれで人道的な意味での意味があるのかもしれませんけれども、継続的な外交政策としては少しどうかなという感じ、正直いたします。 いずれはやはり民間事業としての連携、投資も通じた、工場を持っていくとか生産するとか、物の交流、人の交流という結び付きが非常に強くなるというのが最終的な在り方ではないかなという感じがするわけですけど、そういう意味でいうと、私は、これは私もカザフスタンで経験したことですけれども、例えば租税条約を早く結んでくれって話がありましたけれども、まだまだ一般的従来の外務省のその取組方からすると、まだ投資がたくさんしているわけじゃありませんのでほとんど順番後だよということになるのかもしれませんけれども、私は、予測的に、先にそういったふうな投資を進めるための民間協力が進むための環境づくりというふうな発想で取組を早めていくということが大事なんじゃなかろうかと。 カザフスタンは、確かに無償協力はもう既に終わりという時代になりつつあると思うんですけれども、そういうことも終わったからそれで終わりじゃなくて、大使館も現にあり、そこで外交関係これからどう取り結ぶかあるわけですから、そういう意味でのその先を見通した政策転換というのは必要なんじゃないのかねということを思います。そういう意味で、もっと最終的には民間交流が行われ、人の交流という、物の交流というのはより大きくなっていくというのが最終的な目標かなという感じがいたします。 それは、日本がもうかる云々ということに結び付けちゃ、私、狭過ぎる感覚なんじゃないかなという気がしますけど、その辺についてのお考え方を聞かせていただきたいし、あと、二班に共通しているのは、いわゆる開発センターといいましょうか日本センターといいましょうか、というものがありますよね。これ、あくまでもODAとしてやるからその国のためにという発想でやっているものですから、どうもある程度来ると向こうははやらなくなっちゃって、国によってはもう何かシャビーな形になってしまうみたいのあるわけなんで、私は、むしろより広い意味での、いわゆる日本センターといいましょうか、あるいは文化交流センターでも結構ですけど、そういう日本のプレゼンスを大使館ベースじゃなくて民間ベースなりなんなり、あるいはJICAなりなんなりがやるような協力関係をつくるための一つの拠点というふうなことで位置付けて考えていくという方がより素直なのかなというのが実感でございましたんで、この辺についてのその考え方をちょっとお聞きしたいなと思います。 それからもう一つは大門先生なんですが、私、先ほどちょっと余計なことを申し上げましたけど、本当に大変な御苦労をされたように思います。ただ、率直に言いまして、私は、ODAという開発援助の性格からして、あるいはその受ける国が必ずしも日本的な意味からすると常識ではないことが行われている場合が多いわけでございますので、そこのところからすると、確かに上げぜん据えぜんは食っちゃいかぬと思いますけれども、ただし、食卓があり食器がないところにはなかなかうまい食事はできないねということも事実なんじゃないのかなと思いますので、その辺の兼ね合いをこれからどう付けるのかなということをいい教訓として残しておかなきゃいかぬし、我々も、これからの調査の在り方として大いに振り返らなきゃいかぬ事例なのかなというふうに思いますんですけど、それについての感想をもう一度ちょっと簡単にお聞かせいただければと思います。 以上二点、よろしくお願いします。
○委員長(山崎正昭君) 小泉君。
○小泉昭男君 大変こうポイントをお示しいただきまして、私も先ほど申し上げた部分で少し反省しなくちゃいけない部分もあるのかなとも思いました。 これは、どうしてもやはりODAの援助をするということは、将来日本とのつながりをより強くしていく、これは経済的な問題だけでなく、人的な交流そしてまた世界平和を維持していくための一つの流れをつくるということでは日本センターの役割は大きなものがあると思います。そういう意味で、今、阿部先生がお話しになりました部分、これはもうODAの中でももう少し議論を皆さんの意見としてしていただいたらどうかなと、こういうふうに思いました。 それとあと、ODAを通じて租税条約を結んでもらいたいという国もあるという、こういうお話もございましたけれども、まあODA環境を含めて、日本としてのやはりできる限りの法の解釈ができる部分、そういう部分の法整備も含めたこれからの展開が必要じゃないかな、こんな感じもいたしました。 以上でございます。
○委員長(山崎正昭君) 岸君。
○岸信夫君 第三班は阿部団長に率いられてまいりましたので阿部団長がすべて御存じだとは思いますけれども、私の意見を述べさしていただきますと、確かにODA、先ほどもお話ございましたけれども、ODAが何を目指すか。 まず、日本のODAの場合は現地の自立を支援していく、これはもちろんそうなんですけれども、それじゃ、一つ一つの案件が完了しました、ODAもう卒業しましたと、日本どうもありがとう、あとは自分でやるから結構ですと。これでは何にも次がつながっていかないわけです。民間協力という形につなげていくということは本当に大切なことだというふうに思っています。 ただやはり、今回訪問しましたウズベキスタンはまだまだODAが必要な国ではありますけれども、更に言えば、民間が出ていくには、例えば銀行のシステムがなっていない、あるいは法律がきっちり整っていない、そういったところには民間だけの力で入っていくわけにはいかないわけでありまして、そういった面も、ハードだけではなくて、そういうシステムの支援あるいは法整備の支援ということもこれは大変重要なんだろうというふうに思います。 日本センターにつきましては、これ、国によって相当そのプレゼンスが違ったということも感じました。先ほども報告の中で少し述べましたけれども、やはりこの日本センターというものが本当に日本の文化交流とかあるいは日本のプロモーションという位置付けも大変大きいんだろうというふうに思っています。そういった意味からすれば、これはもうODAという枠にとらわれていてはいけないのかな、こういうふうにも感じております。 いずれにしましても、ODAが一件一件についてうまくいっているのか、うまくいってないのか、いずれにしてもその検証というものは大変重要でありますし、そのことが次にどういう形で民間の交流につなげていくか。あるいは、逆に言いますと、将来そういう民間の形に変えていくための遠いターゲットを見据えてODAを付けていく、このことも大変重要なんだろうというふうに思いました。
○委員長(山崎正昭君) 大門君。
○大門実紀史君 まあ大変な思いをした調査でございましたけど、一番苦労されたのはやっぱり鶴保団長だったと思います。いろいろ判断を求められると。つまり、スケジュールに乗っかって回っているだけでないことが多かったもんですから、一個一個自分たちで判断したという点では団長が一番大変な思いをされたんだというふうに思います。 外務省とインドネシア大使館の不手際が多かったというのはもう指摘したとおりでございますけれども、考えてみればいい経験をさせていただいたし、一生忘れない思い出にみんななったと思いますから、そういう点ではインドネシア大使館にも感謝をしたいなというふうには思いますけれども。 ただ、危険な思いとか、いろんなことがありましたんで、そこはもう二度とあってはならないという点を教訓にしたいと思いますが、こういうことでだんだんだんだん私たちもODAの調査を自分の頭で考えるようになっていくんだなというふうな点ではいい経験にはなったというふうに思っております。
○委員長(山崎正昭君) 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 阿部先生の御指摘の点でありますけれども、私は、先ほどから申し上げておりますように、日本のODAはもう第二段階へ入ったなという実感なんですね。確かに、NGOには草の根辺りを一生懸命やってもらう、これで民間の力を発揮していただくということだろうと思うんですが、ただ、JICAの専門家とか、それぞれのジャンルにおいてはかなり専門性が必要な部分があるんですね。 その部分をどうするかということで私もちょっと調べておりましたら、公務員が長期滞在、短期滞在、短期というのは大体二、三か月なんです、長期は二、三年なんです。ただ、二、三か月じゃ何もできないんですね、調査もできない。それをもう少し延ばさなきゃいけない部分がありますけれども、公務員が二〇〇五年度段階ではたかだか七十二名なんですよ、専門性を出しているという。民間はほぼ二百二十人から出している。私、これもう少し公務員、地方公務員もODAに少し理解を持っていただく、地方公務員も理解を持っていただくためには公務員比率と民間比率、ということはもう少し公務員比率を上げましょうねというところにそろそろ来たのかなと、そのような気がいたしております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。
○委員長(山崎正昭君) 亀井郁夫先生。
○亀井郁夫君 再度発言させてもらいますけれども、四人の皆さん方、御苦労さんでした。 この質問は、むしろ委員長にお願いですけれども、このODAの委員を見ますと、二十人視察に行って六人しか残っていないんですよね。みんなどっかへ行っちゃっているんですよね。これじゃODA委員会もせっかくやったのに蓄積がなくなってしまいますから、各党にもいろいろ事情はあるんでしょうけれども、委員長からそういうことを強く言ってもらいたいということが一点。 それからもう一つ、コタパンジャン・ダムですか、いろいろ今日話に出ておりましたけれども、今ここで分からぬ点が多いけれども、関係者を呼ぶなりして、この参議院のODA委員会で、何であんなことになったのか、金出して訴えられるなんというのは考えられませんから、一回そういうことをやられたらどうかと思いますけれども、委員長、よろしくお願いします。
○委員長(山崎正昭君) それでは、私に対しての御質疑でございますが、確かに仰せのとおりと委員長思っております。ただ、これ委員構成は会派それぞれがいろいろの御事情があってやられる場合が非常に多うございますし、特別委員会はその議会、議会で終わってまいりますからそういう形になると思うんです。 それと、派遣についても、できたらODAのこの委員会でやらせていただければ誠にありがたいんですが、どうしてもいろいろな関係で会派で調整をする場合があるものですから、本来の姿ではないと思います。亀井先生の仰せのとおりだと思いますが、そういう意見も十分これから取り入れさせていただいて、各会派のトップの人にもできればODA委員会の方からひとつお願いし、また継続してODA委員会の方へ入っていただくように、そういうことも委員長として努めさせていただきたいと、こう思いますので、よろしく御理解をお願い申し上げたいと思います。
○亀井郁夫君 了解。
○委員長(山崎正昭君) それでは、お時間も来ましたので、最後に犬塚委員から御質疑をお願いします。
○犬塚直史君 今、先ほど山内先生の方から帰国後の再就職という、私、大変大事な話だと思うんですけど、御提起があったんですが、私もアフリカに行った際に、全部で五十二ですか、国のうち大使館が半分、二十一ぐらいしか日本大使館はないというふうな状況の中で、しかもその大使館におられる方は大体三年か四年ぐらいで場所を変わる。で、三年、四年ですから、働いている間はやっぱり帰国を前提にしてやりますので、いつも東京の方を見ていると。海外で、例えば現地雇用の方と会うと、非常にその国、その地域が好きで、しかも専門性を持ちたいという意欲のある方が多いんですが、いかんせん非常に雇用期間が短い。 先日、実は東京でグローバルフェスタというNGOの集まりがありまして、行ってきましたら、海外で会った現地雇用の人とばったり会いまして、就職どうしたのかと思ったら、結局は外務省ではなくて違うNGOに行ってしまった。何か非常にもったいないという気がいたしまして、やっぱり地域性を持って専門職を育てて顔の見えるということだと、やっぱりここを何とかせぬといかぬのかなという思いを強く持っているんですが、委員の皆さん、何か似たような御経験があったら是非教えていただきたいと思うんですが。
○委員長(山崎正昭君) それでは、どなたでも結構ですから、今ほどの御質疑、経験のお持ちの方、御意見のお持ちの方は御発言をいただきたいと思います。 山内君。
○委員以外の議員(山内俊夫君) 犬塚先生からの御指摘いただきました件でありますけれども、私も今回の視察のポイント、現地でNGOの皆さん、そして青年海外協力隊の皆さんとの話合いのポイントはそこに置いておりました。 中には、例えば私が一昨年行ったマダガスカルで農業指導をしている若者がいました。もう私は大好きでここ二回目へ入っているんですと。確かに、苗の植え方そのものが全然知らない、それを教えるだけで二五%ぐらいの収入が上がったと。そういう話も聞きますと、非常にその国を愛している男なんですね。我々は、その後、農林大臣と会食をともにしたときに、おい、あのNGOのあの男をおまえのとこの専門の顧問で雇えと言って申込みをした覚えもあります。 そういうふうなこともあって、彼らのやはり夢を持って一生懸命海外で、それこそ日本人という日の丸を背負っているかどうか分かりませんけれども、一生懸命やられている姿を見ますと、これは教育現場でも彼らの体験を話してほしいし、また社会でも生かしてほしいし、またその開発途上国でしっかりと根を下ろしていただくということもサポートすべきかなという気がいたしました。 これは私の感想でございますが。
○委員長(山崎正昭君) それでは、予定の時間が参りましたので、ほかに御発言がなければ、これをもちまして意見交換を終了させていただきます。 本日は、限られた時間でございましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただき、また初めてお聞きするような大変意義深い御発言もございました。本委員会といたしまして、大変こうした有意義な意見交換をこれからもどんどん行ってまいりたいと、このように思っております。 委員の皆様方の御協力に心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。 それでは、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十八分散会