財政金融委員会 第8号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/12/07
会議録
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、平野達男君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君及び弘友和夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、参考人として日本銀行理事水野創君外一名の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○広田一君 おはようございます。民主党・新緑風会の広田一でございます。 それでは質問に入らさしていただきたいと思いますが、私は、今回の法案審議に当たりまして多重債務者の生の声を聞かさしてもらう機会がございました。偶然にもその中の一人に、山本大臣の選挙区、そして私の出身地でございます土佐清水の女性の方がいらっしゃいました。その方は妹さんの借金の保証人になってから多重債務者に陥ってしまったんですけれども、悲しいことに、残念なことにその妹さんは借金を苦に自殺をされました。そして、御本人も自殺も何度となく考えたということでございますけれども、自分の孫の顔を見たいということで今日まで何か頑張ってきたというふうなお話をされました。何とその妹さんのお葬式の日に、香典を目当てにしたのか分かりませんけれども、借金の取立てがあったと、そういうふうな話を聞いたときに、私自身も大変身につまされる思いがしたわけでございます。 大臣、そこで、これまでも衆議院の審議を通じまして、この多重債務問題解決に向けての決意というものは幾度となく大臣自身も述べられてきたわけでございますけれども、また改めまして、この参議院において、山本大臣の多重債務問題解決に対する決意をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 現在の多重債務問題が深刻かつ広範囲にわたっているという重かつ大なる社会問題であるということの認識は、広田委員御指摘のとおり、私も同様でございます。 特に、借り手の方の心理面を仄聞しますと、最初は返せるつもりという動機から、やがては深みにはまって、金利も二〇%をはるかに超えて、どのような生業に就こうが返せないという状況に陥るわけでありまして、お金、手元不如意という心理的な心細さ、それから、はるかにもう人生の選択の余地がないという絶望のふちに追いやられるという、そういうような個別の心理状況からしましても、その心理状況にある人の数がおよそ借入件数五件以上で二百三十万人というその数字。そしてまた、潜在的にも、一般的に利用している人がみんな多重債務に陥るわけではないにしろ、一千四百万人の方々が二〇%以上の高金利で借りていて、貸付残高が十四兆円以上あるというこの状況。そして、悲しいのは、二百三十万人の多重債務者が、ある程度の法的知識を持った人に相談できるその数が三十万人と。二百万人の方々にとっては追い込まれた心理状態から脱却すらできない。 こういう現象をどう我々政府が取り組み、解消していくかということにおける責任の重大さ以上に困難性というものもあるわけでございまして、これは与党、野党という政治的な対立構造を超えた、もはや国家的に一丸となって、政府一体となって取り組んでいくべきことでありまして、また、政府だけでもまたかなわないぐらい大きな問題であろうというように認識しております。
○広田一君 ありがとうございました。 大臣が冒頭御指摘をされましたように、まず、返せるんじゃないか、そういうふうなことから始まって、徐々に徐々に心理的な面から追い込まれていく、そういう様を私自身も多重債務者の方の生の声から実感をしたわけでございますけれども、この心理的な面も含めて、そして、政府だけではこの多重債務者問題は解決できないということで、この後、カウンセリングの問題、そしてまた地方自治体等の果たす役割、このことについては御質問をさしていただきたいというふうに思いますけれども。 ただ、今回の法改正によりまして、つまり、出資法の上限金利の引下げであるとか総量規制、またカウンセリング機能の強化など、これはかなりの面、多重債務問題の解決に大きく寄与するんだろうというふうに思いまして、高く評価するところでございます。しかしながら、金利問題などだけでこの多重債務問題が解決するというふうに考えるのは時期早計であり、このことについては先ほど山本大臣も、その責任と困難性があるというふうなことで表現をされているわけでございます。 こういう中で、やはり、この多重債務に陥る根本的な原因、これは経済的理由が挙げられているわけでございますけれども、産業構造審議会の資料にもありますように、多重債務に陥る原因が、生活苦、また収入減少、失業、倒産、こういったものが合わせて平成十六年度で七一・七%に達していると。現在のこの収入が少ない不安定な雇用状態の改善というものがまず必要ではないかなというふうに思うわけでございます。 特に、我がふるさと高知県の場合、県民一人当たりの所得というものは二百十七万円で全国平均の約八割にすぎません。また、有効求人倍率も〇・四四と全国平均の一・〇六、これも半分以下でございます。こういった地方、この原因は本当に、産業構造の問題、そして地理的ハンディ、また経済基盤が脆弱である、こういうふうなことが大きな原因でありますけれども、私はやっぱり国の三位一体の改革というものがこのような現状に追い打ちと拍車を掛けているんじゃないか、こういうふうに思うところでございます。 そういった中で、金融庁自身、貯蓄から投資へというふうなことを掲げられておりますけれども、平成十二年度において貯蓄のない世帯が一二・四%だったのが平成十八年には二二・九%に跳ね上がっているわけでございます。金融庁の政策である貯蓄から投資というふうな大前提でさえ、今四軒に一軒の方が貯蓄がないというこういった厳しい状況であり、地方においてはその割合が更に高いことが容易に予想できるわけでございます。 今、国も地方も財政状況が大変厳しい中、財政出動によって地域経済を活性化する、こういうことが大変難しい昨今でございまして、そういう面からも金融の果たす役割というものは私は大変大きいだろうと思いますし、そしてまた期待もあろうかというふうに思うんですけれども、地方の実情を熟知しております山本大臣の御所見と、また、地域活性化のために金融が果たす役割、具体策等がございましたらお示しをいただければと思います。
○国務大臣(山本有二君) 大変、言うはやすく行うは難い重大な問題であろうと思います。 現在の景気につきましての御指摘がありました。イザナギ景気を期間的には抜いたものの、いまだ地方におけるまだら模様というものは解消できてない、そのとおりでありまして、地方におきましても勝ち組、負け組の固定化が行われつつあります。また、それが、言葉は適当でないかもしれませんが、アフリカ化する、どうしようもない、つまり、健全な経済運営の外にその地域がなっていく。例えば、高知県もそうでありますし、北海道もそうでありますし、青森もそうでありますし、有効求人倍率が低いところはそのような絶望感に浸っているということも一つであろうと思います。 そんな意味で、全体として地方が上向き傾向になるならば、我が国の消費動向も変化が見られ、明るい兆しになってくるだろうと思いますが、やはり取り残されたことを解消するというのが何より政府としても頑張って重点的にやっていかなきゃならぬということは経済財政諮問会議でも指摘されておるところでございます。 さて、金融とそうした面との考え方としまして特に最近考えていることは、夕張という地域があります。炭坑から観光へというように変化を遂げて、良かれと思ってやった第三セクターでございます。しかし、その地方自治体の歳入規模からしましても、少し過大な投資があった。その投資は全部金融機関からの借入れでやっておる。 しかし、それを債務償還ができないということにおいて、それから以後の、私は地方公共団体の在り方として非常に疑問に思っていることがあります。一つは、借入れの返済ができないから更に借入れを起こしたいという要望が地方公共団体から来ているところでございます。つまり、財政状況が悪化すれば更に借入れするしかないという仕組みは、やはり金融機関のありようからすると絶対あり得ない話であります。つまり、債務超過であれば破綻が先でありまして、そのことからすれば、雪だるまになることが予測されるような地方自治体の今の経営の在り方ということにおいては移行する必要があろうと思っております。 そして、そうした中で六月のボーナスは、相変わらず職員ボーナスは増えているようでございまして、地方自治体として破綻するときに職員給与が上がるという、そういうようなこと自体も、金融機関のマインドからすると、やはりそこはおかしいと言わざるを得ません。特に御苦労が多い庶民の生活ぶりからすると、そのようなことが許されてなおあるということに対して、我々は地方公共団体のありようというのはやはり正常化してほしいというように思っております。 他方で、地域的にそういう経済的な困窮あるいは全体としての閉塞感がある中でのそういう私はビヘービアであるという点においても考えていく必要がありますし、お互いの郷土でございます、さらにその地域が活性化できるように、広田議員とともに頑張っていきたいというように思っております。
○広田一君 どうもありがとうございました。 先ほど山本大臣の方から夕張の例が挙げられたわけでございますけれども、実は私自身もお隣にいるツルネンさんと一緒に、先日、実際、夕張市の方に行ってまいりまして、市の関係者の方からお話を聞かさしてもらったわけでございます。いわゆる大臣が指摘されました箱物関係、これも実際見てきたわけでございますけれども、確かに御指摘のとおり、市の財政規模に対して過剰な投資をしてきた、それを貸し続けてきた金融機関の在り方ということも本当にそのとおりだというふうに思います。 一方で、職員のボーナスのお話がございましたし、これはまさしくそれ、そうであるとすれば、大変ゆゆしきことだと思います。ですが、一方で、聞くところによりますと、職員の数は半分にし、また本給の方は三割カットしていくというふうなことでございますし、これから夕張市も本当にこの冬の時代を迎えて、まさしく文字どおり厳しい行革に取り組むんだろうなというふうに思うところでございます。 ただ、地方自身は、さはさりながら、私の思いでは、国に先駆けて行革努力をしているところが大変多いと思います。地方に関する不祥事が今たくさん出ているかもしれませんけれども、やはり地方自治体の行革努力というものは見ていただきながら、その中でも、ただ自治体自身ではなかなかこれから財政出動等によって地域活性化がなされないという意味で、やはり地方銀行さん含め、いわゆる地元の金融機関がどのようにして地域経済の活性化していくのか、このことは大変重要な論点だというふうに思いますので、今後とも山本大臣のリーダーシップを期待をしていきたいというふうに思います。 そういうことで、次に質問で、再度確認をしたいことが何点かございますので、御質問さしてもらいたいと思います。 前回、私は日掛け金融に関しまして御質問をさしていただきました。その中で、金融庁の方からは、なぜこの日掛け金融の廃止というものが三年間の移行期間を経なければいけないのか、この私の質問に対して、その最大の根拠というものが貸し渋りが起こるからということだと御答弁をされたわけでございますけれども、そのとおりであるのか、再度確認をしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 前回お答えしたことの繰り返しになるかもしれませんが、日賦貸金業者につきましては、潜脱事例が報告されている点、それから今回の改正では、借り手の金利負担軽減を目的といたしまして、金利の引下げを多重債務問題解決の重要な柱としていると、こういった理由から、現在五四・七五%という上限金利の特例を廃止することとしているところでございます。 今回の改正、大変総合的、抜本的な改正と考えているわけでございますが、これは、現在の借り手に大きな影響を与える可能性があることを踏まえまして、急激な貸し渋りなどによります家計や企業へのダメージを防ぎ、現在の借り手が無理のないペースで返済できるようにするなどの観点から、日賦貸金業者に係ります金利を廃止するまで、公布後おおむね三年間の準備期間を設けることとしているところでございます。この点は、出資法の上限金利の引下げの実施までに公布後おおむね三年間の準備期間を設けることとしていることと同様でございます。
○広田一君 どうもありがとうございました。 私自身も今回の日掛け金融の廃止というものについては大変評価をしているわけでございます。しかしながら、なぜ三年の移行期間を設けなければならないのか。その答えが貸し渋りが起きるからであるということは甚だ疑問であり、これは改めてもらわなければならないというふうに思っております。 先日の山本大臣の答弁の中で熊本の事例を挙げられまして、日賦貸金業者について一般の貸金業者から借入れができなくなった資金需要者に貸し付ける現状があると、こういうふうな指摘がなされたわけでございます。 このように、日掛け金融を利用している方といいますのは、既に深刻な多重債務者である可能性が高く、中には破産されている方もいらっしゃるということであります。そのような方が、今後三年間、五四・九五%という暴利とも言ってもいい高利で借り続けて、また借換えというものを繰り返し繰り返し行って借金を雪だるま式に増やしていく、まさしく先ほど山本大臣が夕張の例で挙げられましたように返済できないからまた借金を繰り返していく、こういうふうなことを続けていくのが本当にいいのかどうか。 そうではなくて、やはりそういった方々に対しては、この後お聞きしますけれども、きちっと整理を含めたカウンセリング、こういうものを一日も早く行うことによって再チャレンジの道を開いていく、このことが私たちの責任ではないかな、こういった観点に立って、私は、この日掛け金融について三年間の移行期間を設けること、そしてその根拠は貸し渋りであるということは、実態を踏まえていない議論というふうに言わざるを得ないと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 日賦貸金業者に係ります不適切な事例につきましては、私どももとより適切に対応してまいりたいと考えておりますが、日賦貸金業者につきましては、潜脱事例の報告もある一方、またその中で適切に貸付けを受けている、そういった借り手も存在すると考えているところでございます。 金融庁といたしましては、御指摘のカウンセリング対策も含めまして、これから内閣官房に設置されます予定の多重債務対策者本部、こういったところで関係省庁とも十分に連携しながら、そういったカウンセリング対策の充実等にも一生懸命取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○広田一君 三國谷局長、確かにそのカウンセリングはもちろん大事であって、このことは私も認めるところでございます。 しかしながら、先ほどの冒頭申し上げた土佐清水の女性も実は日掛け金融から借りて、その後やみ金に手を出してしまった。こういうふうな現状を思うと、この日掛け金融を利用するということは、もうやみ金に行くまさしく一歩手前の現状なわけでございます。この方々が確かに何らかの手だてで、カウンセリングを受けることによって債務を整理して立ち直っていく、こういうふうなことになれば、私はそれはそれで大変いいことだと思いますけれども、しかし、これまで山本大臣が指摘されたように、多重債務者のうち三十万人ぐらいしかまだ現状がカウンセリング相談等ができていないことをかんがみたときに、私は今まさしくしなければならないことは、安易に今の状況を追認するということがより一層多重債務者を増やして、また冒頭言ったような悲劇というものを更に拡大再生産してしまうんじゃないか、そういうふうな思いがあるわけでございます。 よって、もちろん本当に都道府県の担当の方々もきっちり検査をしているということですし、また借りる側に一切問題がないというふうに私も言いません。日掛け三要件についても、貸付対象を偽ってでもやっぱり日掛け金融からお金を借りなければいけないというような現状も私自身分かっているつもりでございます。そういった厳しい現状があるからこそ、この三年間の移行期間というものを単純に出資法の二九・二と横並びで私は同列に考えるべきではないというふうに思うわけでございますけれども、山本大臣、こういった私の考え方に対してどのような御所見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 昨日も申し上げましたとおり、日掛け金融のありようというのは、これはなかなか地域性これあり、またお一人お一人のミクロで考えた場合の息遣い等については大変困難な状況にある人が多いわけでありまして、その意味で広田議員のお考えというのは一つの物の考え方として理解はできるわけでございます。今回、そうした意味も込めまして、日掛け金融を含めた抜本的改正というように考えるところでありまして、なお日掛け金融の皆さんに対しましては、しかるべきカウンセリング等に浴することができればなお幸いだというように思っております。
○広田一君 この問題に関する大臣と私のちょっと認識にずれがあるんじゃないかなというふうに思ってしまうわけでございます。本当にこの現状を何とか打破しなければいけない。 繰り返しになりますけれども、今回廃止になることについて、私も大変評価をしておりますけれども、そこに移行期間を設けることが今のこの現状を追認してしまう結果があるということでございますので、是非とも更に実情を、大臣自身これまでも把握をされているとは思いますけれども、更に現状を把握をされた上で、この見直し等について検討していただきたいということを強く要請をしたいというふうに思います。 そういう中で、この日掛け金融について、先日も私述べましたけれども、今回の廃止ということを受けて無理な回収というものが始まっているんじゃないか。むしろ今行政側がきちっと対応しなければいけないのは、不適切に行われている貸しはがしを防止することじゃないかなというふうに私自身思うわけでございます。中には過払い請求というものを見過ごして、廃業をした上で回収だけせっせとせっせと取り組んでいる、こういうふうな事例もあるわけでございますけれども、そのような実情について把握されているのか、そしてまた、こういった事柄についてどのように対応していくおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもも今回の改正と、あるいは現実のいろんな動きの中で、貸金業者の中にはそういった債権を他社に譲るといったような場合も想定しているわけでございまして、そういったことにつきましては、そういった債権譲渡等につきまして、その段階で債権譲渡の状況等を報告を受けながら、その辺を更に適正に監視、監督していくと、そういうようなことにつきましていろいろ対策も考えているところでございます。
○広田一君 先ほど最後の方にいろいろと対策を考えているということだったんですけれども、具体的にちょっと事例を挙げて御説明をいただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今申し上げましたように、近時、営業実績のあります中小企業者の廃業事例や廃業等に伴う債権譲渡に関する相談事例が見られるようになっているところでございます。こうした中で貸金業者の廃業後の債権回収方針や債権譲渡の実態把握を強化するため、今般、内閣府令を改正いたしまして、貸金業者の廃業に際して、残貸付債権の状況、残貸付債権の回収方針及び債権譲渡の状況などの項目について届け出ることを義務付けることとしたところでございます。 また、債権譲受人に対して監督権を有する都道府県等に債権譲渡や違法取立てに係ります苦情等の情報を集約するため、貸金業監督事務ガイドラインの改正も行うこととしたところでございます。
○広田一君 いずれにいたしましても、先日も繰り返し質問をさせてもらいましたけれども、この移行期間における行政の果たす役割、責任というものは大変重いものがあろうかと思いますので、先日三國谷局長も一生懸命取り組むというふうなお言葉もございましたので、そのことに期待して、本当に多重債務の悲劇が繰り返されないように取り組んでいただくように強く要請をしたいと思います。 それでは次に、カウンセリング機関について御質問をしたいと思います。 多重債務者の生の声を聞きましても、身につまされる一つとして、やはりどこに相談していいのか分からなかったというお話とか、そしてもっと早く相談やカウンセリングを受けていればこのようなことにならなかったのでないかということを改めて痛感し、特に予防的なカウンセリングの必要性というものを実感をしたわけでございます。 この事柄について、私自身、高知県ともお話をしたときに、残念ながら地方ではそれを現在担う機関というものが十分ではないと。現状でだれがどこが担うことができるのかというふうに問われれば、答えが出てこない状況でございます。 自民党さんの案では、債務整理とか家計管理指導といったものを組み合わせたカウンセリングを行っていくと、こういうふうな機能を兼ね備えた機関というものをこれからどうやって進めていくのか、現状の体制整備への評価も含めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 多重債務者対策といたしましてカウンセリング体制の充実は大変重要な課題であると考えております。望むらくは、家計管理あるいは債務整理、そういったものを両方兼ね備えた相談機関というのが望ましいわけでございますが、現状そういったところは限られておるというのも実態でございます。 したがいまして、私どもは、今後は既存のカウンセリング機関の拡充や関係機関の間のネットワークの構築、こういったことによりまして多重債務者に対するカウンセリング対策を整備していくことが必要と考えているところでございます。 また、そういった際には地方自治体との連携も重要と考えておりまして、こういったことにつきまして、今後内閣官房に設置されます予定の多重債務者対策本部におきまして関係省庁と連携しながら検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
○広田一君 どうもありがとうございます。 先ほど御答弁がございましたように、やはりネットワークの構築とか地方自治体との関係というふうなお話がございましたように、今のカウンセリングの機能を高めるためのキーワードの一つがやっぱり連携だろうというふうに思うところでございます。それは奄美市の例も挙げるまでもなく、現状でもこういったネットワークの構築、そして行政内の連携といったものを強化することによって多重債務から立ち直る実例というものが数多く報告されているわけでございます。これから、先日の前川委員とのやり取りの中でも、市町村に相談窓口というものをつくっていく、つくった上は、このことが、先ほども申し上げたように、奄美のように本当に機能して、またネットワーク化され、冒頭申し上げた予防的カウンセリングも本当に充実できるような体制整備というものを私自身もつくっていかなければいけないというふうに思うわけでございます。 そういった中で、仮に予防的カウンセリングというものが機能したとすれば、借金を始めた初期の段階に限って申し上げますと、先日、西田委員の方も取り上げられましたけれども、生活福祉資金貸付金制度であるとか、地方自治体が持っております低利の制度融資、また国民生活金融公庫の融資とか、様々な公的資金の融資というものが有効ではないか、必要ではないかという声があるわけでございますけれども、こういったセーフティーネットの貸付制度の必要性をどのように認識し、評価されているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 今回の改正は、出資法の上限金利を引き下げるとともに、返済能力を超える借入れを防ぐ総量規制の枠組みを導入するものでございます。借入れの際の審査が厳格となり、現在の借り手に影響を与える可能性があることは否定できないわけであります。 こうした改正法における観点から、現在、貸金業者を利用している方々が急に返済を迫られ、かえって生活に悪影響が出る等の事態を招かないようにするためにいろいろ工夫をしなけりゃならないということはもうそのとおりでありますし、また、広田委員のおっしゃるように、セーフティーネット貸付け、こういったことがカバーできるかどうかでございます。特に、給付ではなく返済という形になります。そのときにおける心得として、やはり無担保無保証にならざるを得ないというところ、しかも小口であるということ、そうすると、事務量が多い割に焦げ付きも多い。すなわち、破綻リスクの多いそういう宿命を帯びた貸付制度をまた公的に運営をしていくことがこの今の行革、スリム化の中でどこまでできるかというところが非常に我々としても悩ましいところでございます。 そうした意味におけますムハマド・ユヌスさんの試み、例えば女性主体、つまり社会的弱者を特定し、かつ四人一組で、しかも相互補助ができ得る仲間を厳選して、カウンセラーを付けた上でやっていくという、つまり、貸してから返済するまでどなたかが家計管理あるいは事業管理までやっていける、しかも専門性のある方がわきに付いているというようなことが非常に参考になるわけでございます。 各地域、岩手県、奄美及び御指摘のあったような地域地域で、いい材料もございますし、その意味で、我々にとりましては、今後そうした芽生えが民間であれ公的であれやっていけるように、多重債務問題対策本部で議論を重ねていきたいというように思っております。
○広田一君 最後になりましたけれども、大臣にやっぱり提案をさしていただきたいのは、先ほど多重債務対策本部の方で検討していくということでありましたので、是非とも大臣が言われる問題意識、私もよく分かります。本当にこの財政が厳しい中で更なる貸付制度、これをつくっていくことの問題点も十分分かるわけでございますので、ですから、だからこそ今の既存の制度を充実していくような要請、関係省庁とのやっぱり調整も必要だと思いますけれども、そういったことの要請もしてもらいたいですし、最後、御所見としてお伺いしたいのが、今回のその多重債務対策本部、これ、省庁だけではなくて、つまり行政だけじゃなくて、弁護士会とか司法書士会、また被害者団体とか関係団体の参加も求めて、総合性、実効性のある多重債務対策本部にしていただきたい、こういうふうに思いますので、併せてこれらの御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 省庁に限らず民間のパワーあるいはそれぞれ既存の機関の拡充という御指摘ございました。今後、弁護士会そして地方自治体の消費生活センター、また新貸金業協会、さらに法テラスあるいは日本クレジットカウンセリング協会、あるいはそのほか五百三十三ございます全国の自治体の消費生活センター、こういったところに御相談申し上げて、しっかりした体制を取っていきたいというように考えております。
○広田一君 どうもありがとうございました。
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉でございます。今日は一時間という時間で二十数問ございますので、端的にお願いいたします、回答の方は。 まず最初の質問といたしまして、山本内閣府特命担当大臣にお伺いいたします。 〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕 貸金業法改正に関して、経済産業省の管轄しますリース業務は対象外であること、さらには金融商品取引法に関しましては、農水省や経済産業省の管轄しています商品先物が対象外となっていまして、包括的な金融行政の観点では不徹底であると私は感じております。 今、国会で防衛庁の省昇格案が審議されております。そこで、提案なんです。金融庁も金融省に昇格させて、山本内閣府金融担当大臣も山本金融大臣として一生懸命リーダーシップを発揮してもらいたいと。特に消費者保護という観点から是非ともリーダーシップを発揮したいと思いますが、御意見を伺いたく思います。
○国務大臣(山本有二君) 大久保委員のお励ましの御指摘は大変有り難いと思いますが、金融担当大臣から金融大臣にさしていただける効果というものをまだ検証したことはありませんので何とも言えませんけれども、今後、我々としましては、日本における金融マーケットが健全化され、そして外国からも多くの富がこの日本で活用されることによって、我が国の経済活動が更に活発化し成長を遂げ、それによって多重債務問題あるいは貧困問題が解消されるという明るい見通しの上で、先生の御指摘は大変重要なことだろうというように思っております。 以上です。
○大久保勉君 是非頑張ってください。特に、今日、多くの傍聴人がいらっしゃいますが、やはり消費者保護という観点から非常に重要なことだと私は考えております。 続きまして、貸金業法四十三条は、利息制限法を超えても任意性に書面要件を満たしていれば有効な利息の債務の弁済とみなすことを認めております。しかし、最近の最高裁判決におきましては、任意性、書面要求要件を非常に厳格に解釈しました。そこで、書面要求、特に十八条書面要求に関しまして、一、金融行政としてどのような理由で貸金業の規制等に関する法律施行規則十五条を出していたのか。二番、また、それを最高裁判所により文理を離れて穏やかな解釈をすることは許されないと厳しく批判されたことに対する政府としての責任はどのように考えるか、質問いたします。
○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。 御指摘の貸金業規制法施行規則第十五条二項は、現行の貸金業規制法第十八条第一項に基づき制定されたものでございます。この法第十八条第一項は、債権者である貸金業者に対しまして、債務の弁済を受けた都度、直ちに一定の事項を記載した受取証書を弁済者に交付することを義務付けておりますが、その記載事項として、貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所、契約年月日、貸付けの金額、受取金額及びその利息、賠償額の予定に基づく賠償金又は元本への充当額、受領年月日を定めるほか、細則を施行規則に委任しているところでございます。 この委任規定に基づきまして、本年一月の最高裁判決を受けて、四月に改正する前の施行規則第十五条第二項、これは弁済に受けた債権に係ります貸付契約を契約番号等により明示することをもって、その事項のうち貸金業者の商号、名称、氏名、住所、契約年月日、貸付けの金額、これらの記載に代えることができる旨を規定していたところでございます。 これらの規定は、現行の貸金業規制法の制定当時から定められていたものでございますが、施行規則でこのように定めておりました理由は、省略される事項はいずれも弁済を受けた債権に係る貸付けの契約を特定するための事項でありますが、契約書面等に記載するなどして債務者等に示した契約番号等を受取証書に記載することによっても契約を特定することが可能であり、記載事項の省略によって債務者等の利益を損なうことはないと考えていたことによるものでございます。 御指摘の点でございますが、平成十八年一月十三日の最高裁判決、これは貸金業規制法施行規則第十五条第二項において、契約番号の記載をもって受取証書の法定記載事項である契約年月日等に代えることを認めているのは、法律の委任の範囲を超えた違法な規定であり無効であるとしているところでございます。当該判決は、貸金業規制法第四十三条のみなし弁済の要件となる書面の記載事項について厳格に判断されたものであると理解しております。 金融庁といたしましては、この最高裁の司法判断を重く受け止めまして、施行規則第十五条第二項のうち、当該判決において無効とされた部分につきまして速やかに削除する改正を行ったところでございます。
○大久保勉君 グレーゾーン金利というのがありますが、金融庁のこの規則、府令によって、政省令によって発生したと言っても過言がないと思います。重大な問題なんです。 特に、商号、貸付金額を省略するということは、貸金業者から通知が来て幾ら幾ら借りていますと、家族が見たらぎょっとする、そこで実態が分かっているのに、そういった実態が明らかにならないと。こういうことで、いわゆる業者を保護する、こういったことを批判する人もいます。いわゆるグレーゾーン金利を助長さしたんじゃないかと。 さらには、貸金業者に当時大蔵省から天下り先として多くの人が天下っています。ですから、天下り先として貸金業者に対していろんな保護をしましたと、これがこの法案じゃないかという批判に対してどう反論しますか。
○国務大臣(山本有二君) 現行貸金業規制法の制定当時、昭和五十八年十一月施行でありますが、御指摘の規定を置いた理由は、あくまでも債務者に交付する受取証書に契約番号が記載されていれば、債務者にとっても契約の特定が十分可能であり、貸金業規制法が定める記載事項の省略によって債務者の利益を損なうことはないと単純に考えたことであろうという認識をしております。 その当時、天下り先確保という、そういう傾向やあるいは動きがあったことについては、今検証しましてもなかなか出てまいりません。そういうことからすると、あくまで、天下り先という観点よりも契約の特定ということに重きが置かれておったというように解釈しております。
○大久保勉君 これは重大なんですよ。私ども立法府を冒涜しているんです。つまり、貸金業法というのを国会で作りました。でも、実際の実行に関しては行政の方が適当に変えて骨抜きにしていますと、こういう実態なんです。こういう実態が看過できないということで最高裁判所が指摘したんです。この事実を重大に受け止めてほしいです。 続きまして、いわゆる過払い請求権の総額について、消費者金融業者等の貸出残高や平均貸出金利からどのような推計が可能か、ラフでもよいですから、是非教えてください。 例えば、アナリストの推計によりましたら、消費者向け貸出残高が約二十兆円、平均貸出金利が二三%、利息制限法上限金利が一八%で計算しましたら、約年間に一兆円です。時効を仮に十年としましたら、十兆円の過払い請求権があるという推測もあります。この理解で正しいでしょうか。金融庁に聞きます。 〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
○政府参考人(佐藤隆文君) いわゆる過払い金返還請求の可否でございますが、これは個々の貸金業者と債務者との間における民事上の問題でございますので、最終的には司法判断を待たなければ確定しないということで、当局といたしましては、一定の推計値を申し上げるということについては困難なことであるということについて御理解を賜りたいと思います。 今御指摘いただきました試算の方法でございますが、そのような方法で仮にラフな試算をいたしてみますと、貸付残高と平均貸付金利というものを使っての試算でございますが、例えば消費者向け無担保貸金業者が一年間に受け取る利息制限法の上限金利を超える利払いの額と、これを試算することが可能でございます。 まず残高でございますけれども、消費者向け無担保貸金業者の消費者向け貸付残高は、平成十七年三月末で約十一兆円でございます。これに対しまして、平均の貸付金利が約二四%でございますので、仮に利息制限法の上限金利を平均で一八%というふうにいたしますと、一八と二四の差の六%分を先ほどの十一兆円という残高に掛け合わせまして約六千六百億円という数字が出てまいります。これは平成十六年度一年間に業者が受け取った利息制限法上限金利を超える利息分ということでございます。 過払い金返還請求の総額というか上限というものにつきましては、例えば御指摘のような消滅時効の期間を勘案して複数年分を見積もるといった方法も考えられようとは思いますが、いずれにいたしましても、この総額について確たる推計を示すことは困難であることについて御理解賜りたいと思います。
○大久保勉君 年間六千六百億という計算だとお聞きしました。もし十年でしたら六兆六千億、実際の貸出しに関してはリボルビングというのもありますから、時効が十年を超えますから、七兆円、八兆円あってもおかしくないと。もちろんこれは最大ですから、すべて請求されるわけじゃないという整理なんです。でも、仮に六兆六千億でも大変な数字なんですよ。 ここに、全国銀行、すべての銀行の貸倒引当金残高はという表があります。これが八兆五千億です。ですから、ほとんど貸倒引当金の残高と同じような金額が新たにもしかしたら銀行に不良債権として発生する可能性もありますし、貸金業者の方では不良債権として発生します。こういった原因をつくったのが先ほどの十五条二項という考え方もあります。極めて大きい問題です。 そこで、別の観点から申し上げますと、貸金業者大手四社だけでも平成十九年三月の中間決算で約一兆円の過払い金に対する利息返還損失引当金を積み増し、四社すべてで赤字決算になりました。このような状況が続くとしましたら株式市場への影響、また銀行の第二の不良債権問題への波及のおそれがあります。 今後の景気の影響を含めて、金融庁の御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(渡辺喜美君) 大久保委員は元プロでございますから、私が答えるのも釈迦に説法ということだと思いますが、御指摘のように、株価については貸金業法改正の議論あるいは利息返還損失引当金の計上などが影響しているとの見方があるのは承知をしております。 今回の改正では上限金利の引下げから総量規制までおおむね三年の準備期間を設けることといたしております。したがって、この間に貸金業者にあっては利息制限法以下の金利で新たなビジネスモデルを構築をしてもらう、より精緻なスコアリングモデルを開発してもらってやっていくことになるんだろうと思います。一方、総量規制を導入をいたしますと貸倒れコストは相当圧縮されると考えます。こうしたことから、株価の変動につきましては、御指摘のような問題から市場への悪影響が生じるとは考えておりません。 次に、銀行、金融機関等からの借入れでございますが、およそ五兆円と推定されます。これを全国銀行の総貸出し四百三十兆円、平成十八年三月期でございますが、これと比較をすれば、およそ総貸出しの一%程度にすぎない金額でございます。したがって、銀行の消費者金融業者への貸出しの問題が金融システムに大きな影響を及ぼすとは考えておりません。
○大久保勉君 じゃ、続きまして、内閣府令の十五条二項が規定されたために多額の過払い請求権が発生しまして、結果、貸金業者の赤字決算が強いられています。もし貸金業者若しくは株主の方がこの理由は金融庁にあるということで行政訴訟に訴えた場合に耐えることはできますでしょうか。金融庁に伺います。
○国務大臣(山本有二君) 国を被告とする訴訟が仮に提起された場合にどのような結果が下されるかというのは私の口からなかなか申し上げることはできませんが、内閣府令で御指摘の規定が定めた理由は、先ほど申し上げましたように、受取証書の契約番号等が記載されていれば契約の特定が可能であると、そして貸金業規制法が定める記載事項を省略したとしても債務者利益を損なうものではないというようにあくまで考えたことであります。 しかし、御指摘のような十八年一月十三日の最高裁判決で当該規定の一部が法律の委任の範囲を逸脱した違法な規定であり無効とされたことにつきましては、金融庁としましても重く受け止め、当該判決で無効とされた部分について速やかに削除する改正を行ったことはもう御承知のとおりでございます。このことによって赤字決算が強いられることになったという、そういう展開もさることながら、現在改正をしている作業の大本は市場の健全化、そして不健全による収益性が高いことによって今まで底上げされておった企業評価や株価というものが逆に正常化されるという考え方も他方ではあるのではないかというように思っております。
○大久保勉君 分かりました。もうこの法案を早急に成立させるということが必要条件であることが分かりました。 続きまして、四社の引当金の一兆円が最終的には消費者金融の個人債務者に返済されることになり多重債務の救済になるとすれば私は社会的に意義は大きいと思います。そこで、このことに対する再チャレンジ担当大臣でもございます山本大臣の御所見を伺いたいです。今度はもう前向きに、こうしますということで、是非リーダーシップを発揮してください。
○国務大臣(山本有二君) さきの会計基準の改正によりまして引き当てが多く積まれたということにつきましては、私は時宜を得た措置であっただろうというように思います。 さて、この引き当てがそのまま再チャレンジ施策に全部使えるようなことになるスキームというのをまだ見いだしておりません。大久保委員からまた何らかのいい御指摘をいただきながら、これを人の、まあ言わば他人の会社の内部にある資金ですので、そういうような意味では私が何ともでき難いところでありますが、しかし、こうしたものが多重債務者のためにうまく使われる考え方というものに対しましては、私は是非そうあってほしいという願望はございます。 以上でございます。
○大久保勉君 続きまして、次の質問は法務省副大臣にお尋ねします。 過払い金の返還金は直接債務者の口座に払われることなく弁護士、代理人の口座に入金されていると聞いております。実際の返還金額を債務者に書面で知らせることをしませんで、債務者が知らないうちに成功報酬、手数料として過払い金の一部をピンはねしている可能性もあると聞いております。 政府は真偽を含めて実態調査をしているのか、しないとしたらどうしてしないのか、また過払い請求に関して弁護士手数料は返済金の何割ぐらいあるのか、このことに関して法務省副大臣にお尋ねします。
○副大臣(水野賢一君) 法務省において弁護士又は弁護士会に対して御指摘のような事例についての調査を行ったということはございません。この理由としては、弁護士法の規定により、弁護士に対する指導監督等は専ら日本弁護士連合会及び弁護士会が行うとされ、いわゆる弁護士自治というのが認められておりますことから、法務省には弁護士又は弁護士会に対してこうした調査をする権限が認められていないということによるものでございます。 ただ、弁護士報酬とか手数料というものは個々の弁護士と依頼人の間の契約により定まることでございますけれども、委員御指摘のとおり、依頼人に対して弁護士報酬等の情報が十分に提供されるべきだということは、これは当然でありますし、そのために日弁連においては自主規定として弁護士の報酬に関する規定というのを制定をしてございます。そして、弁護士が不相当に高額な報酬を受領するような場合には、弁護士の品位を害するものとして当該弁護士は弁護士会による懲戒の対象ともなり得るわけでしょうし、本当にピンはねということがあれば横領とかそういうようなことにもなり得る場合があるというふうに考えております。 また、御質問の過払い金返還請求に関して弁護士手数料は返還された金額の何割ぐらいになるのかというのは、まあ、これは一般論として言えば、弁護士報酬や手数料の具体的な定めについては個々の弁護士と依頼人の間の契約により定まるものでありまして、法務省がこれを網羅的に把握をしているということはございませんけれども、例として挙げれば、例えば東京の三つの弁護士会が共同して行っております弁護士会法律相談センター、こうしたものにおいては交渉によって貸金業者から過払い金の返還を受けたときにはその二〇%相当額を弁護士報酬の基準とするものがあるというふうに承知をしております。
○大久保勉君 二〇%もですか。つまり、一兆円の過払い請求があったら、一兆円掛ける二〇%、二千億円も仲介手数料で入るんですか。すごいですね。 いや、二千億だったら是非、これは金融担当大臣にお尋ねしたいんですけど、じゃ二千億を、それを是非返しましょうよ。そうしたら再チャレンジできますよ。やはり多重債務者の生活をより良くするためには少しでも返すことが重要だと思います。 では、そのためには、やはり多重債務者がどのくらいの過払い請求金額をもらったかということをまず知らしめる、場合によっては直接口座に払うと、こういった制度を金融庁が率先してやるべきじゃないですか。御質問します。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘は、原則債務者の口座に過払い金の返済をすべきでないか、又はそれが技術的にできない場合は過払い金額と代理人手数料の明細を示し、その内容を十分に理解したという承諾書を債務者より取るような制度を早急につくるべきではないかという御指摘になろうかと思いますが、まず、弁護士等が委任契約に当たりまして依頼者に対し報酬に関する事項を説明することは大変重要でございまして、このことは債務整理を受任する弁護士等についても同様でありまして、むしろ貧困と思われるような方からの依頼でございますので、この点は十分注意してやっていただきたいと思っております。 ただし、こうした説明に加えて、貸金業者から債務者の口座に直接過払い金を支払うことや、過払い金額と代理人手数料の明細を債務者に確認させることを何らかの形で義務付けることにつきましては、弁護士等の代理権を逆に制約しまして、委任事務の円滑な遂行を妨げるおそれがあるのではないか、債務者本人の意思に合致しない結果にもなりかねないというようなことも考えられます。 そう考えていきますと、慎重な検討が必要でございますが、この多重債務に関しまして、弁護士会がボランティアで全部やってくださればなお結構なことでございます。ただ、この弁護士報酬を全部口座に振り込んで、かえって弁護士報酬を得られない弁護士がまた生活苦になるというようなこともありますので、さらに本人訴訟という点もあるわけでありまして、そう考えていくと、弁護士さんがいたから回収できたということからすると、その弁護士さんの役務に対する評価が二〇%が高いのか安いのか、そこらのことでありまして、多重債務者としては弁護士さんを使う使わないの選択肢もあるもんですから、一概に言えないということでございます。
○大久保勉君 いや、ちょっとショックですね。先ほど金融大臣と言いましたが、ちょっと取り消したいですね。 といいますのは、この問題はそもそも何か。それは優越的地位の濫用があるんです。貸金業者と消費者、力の差が歴然としてますから、それを是正することが本質なんですよ。その本質を分かってないじゃないですか。つまり、本当に借金苦で苦しんでいる人は、弁護士の優越的地位の濫用の可能性もあるんですよね。だから、そこに対してちゃんと規制しない限りは膨大な手数料になってしまう可能性もありますから、そこはやはり再チャレンジ相としてきっちりもう一度検討してほしいと思います。宿題ということで是非御検討をお願いします。 最後の質問ですが、過払い請求に関しまして、一つの弁護士事務所で年間数千件あるいはそれ以上の件数をこなしているという話も聞きました。本当かどうか分かりません。果たして所属する数名の弁護士でこれだけの件数がこなせるんでしょうか。弁護士事務所事務員の非弁行為の是非に関して、法務省は把握していますか。また、業界団体、つまり弁護士会に任せて放置する問題ではないと思いますが、そのことに関して法務副大臣にお尋ねします。
○副大臣(水野賢一君) 法務省におきましては、弁護士又は弁護士会に対して御指摘のような事例についての調査は行っておりません。これは先ほどの例と同じなんですけれども、弁護士法の規定によりまして、法務省には弁護士又は弁護士会に対する指導監督権限が認められていないということによるものでございます。 委員の御指摘の問題につきましては、弁護士ではない者が債務整理を始めとする他人の法律事務を独自に行うということは、確かに弁護士法の第七十二条に違反し、刑罰の対象となる重大な違法行為でございまして、弁護士が弁護士でない事務員に対して、依頼者の多重債務の処理について、債権者との交渉等の一切の法律事務を処理する権限を包括的に与え、弁護士自らが監督することなく事務員に行わせるような行為はこのような弁護士法の規定に違反するおそれがございます。 弁護士に対する監督権限を有する日本弁護士連合会及び弁護士会においても、この問題の重要性を踏まえ、適切に取り組んでおられるところと承知をしておりますけれども、今後とも日弁連等において、弁護士法の趣旨を踏まえ、弁護士に対する監督が適切に行われることが適当であると考えており、委員の御指摘の点については日本弁護士連合会にお伝えをしたいというふうに思っております。
○大久保勉君 じゃ、きっちりお願いします。 じゃ、続きまして、日本銀行に質問いたします。 日本銀行から貸金業上場七社に何名が天下っているのか、会社名、役職名、氏名、日銀の最終職も伺いたいと思います。
○参考人(水野創君) お答えいたします。 過去五年分の有価証券報告書により確認した結果、貸金業上場大手七社のうち、過去に日本銀行の役職員であった者が再就職している先は四社、五名でございます。 具体的に申し上げます。 まず、アコム株式会社、専務取締役兼専務執行役員ということで嶋田一弘氏、日本銀行における最終職責でございますけれども、有価証券報告書への記載はございませんで、役職には就いておりませんでした。それから二番目に、アイフル株式会社、常務取締役高石良伸氏、日本銀行においては考査局参事役でございました。三番目に、プロミス株式会社、非常勤監査役の長澤和夫氏、それから常勤監査役の神作守男氏、いずれも日本銀行においては考査局考査役でございました。四社目でございますけれども、三洋信販株式会社の取締役佃亮二氏、日本銀行においては理事でございました。 以上でございます。
○大久保勉君 五人も天下っているんですか、それも役員ということで。もちろんこれは、最低五人ですよね。といいますのは、上場した会社ですから、役員以外の人は公表されておりませんから、最低でも五人ということです。どうしてこんな天下りが可能なんでしょう。私は非常に疑問なんですが。 そこで質問します。 恐らくは何らかのメリットがあるんでしょうね。じゃ、日本銀行はこれらの上場七社の株式を保有しておりますか。特に金融機関保有株式買入れ等で取得した株式保有はございますか。
○参考人(山本謙三君) お答えいたします。 日本銀行の株式買入れは、格付や流動性などあらかじめ公表した基準を満たす株式につきまして、銀行からの申込みに応じて受け身で買い入れる枠組みとなっております。したがいまして、買入れ銘柄の選定につきましては、日本銀行の裁量が働く余地は全くないということをまず御理解いただきたいと思います。 お尋ねの個別の株式保有状況につきましては、株価に不測の影響を及ぼすことのないよう、これを明らかにすることはすべて差し控えさしていただいております。この点、何とぞ御理解いただきたいと思います。
○大久保勉君 そうですか、そういう重要事実を言いたくないんですね。分かりました。 格付を基準に買入れをしているということは、実は貸金業者というのは非常に格付がいいんですよね。で、銀行としても大量に持っておりましたから、恐らく相当入っている可能性があります。もし、その株を持っていますよといったら、重要な株主ですから、もしかしたら貸金業者は天下りを受け入れるという可能性があります。もちろん、そういったものは守秘義務で守られておりますが、前回の委員会で質問しましたように、果たして日本銀行の守秘義務がきっちりしているか、私は疑問です。 では、もう一つ。 私が気になりましたのは、日本銀行の考査局経験者が多く天下っているということです。日銀考査というのはどういうところかといいましたら、地方銀行とか銀行に対して検査するんです。だから、地方銀行にとっては非常に怖い存在です。 ですから、貸金業者に日銀考査局出身者がいましたら、中央銀行からお金を借りたいと言ったら非常に有利なんですね。日本銀行としては、日銀考査で貸金業に大量に貸出しをしていましたら何らかの指導をする可能性があります、いわゆる信用リスクの問題とか。でも、考査局の人がいましたら、後輩に対して勘弁してくれと、こういうことがありましたら、貸金業者としては非常に欲しい天下りですよね。こういったことに関して、日銀のコメントをいただきます。
○参考人(水野創君) お答えいたします。 日本銀行の役職員は日本銀行法の規定に基づき定められている服務に関する準則により、公正な職務の遂行に努めることが求められております。このため、旧考査局や現在の金融機構局を含め、私どもが役職員の再就職先企業のために不当な便宜を図るといったことは一切なく、御指摘の懸念は当たらないというふうに思っております。 以上です。
○大久保勉君 そうですかね。 じゃ、この間質問しました守秘義務契約違反の可能性ということで、産経新聞の七月四日朝刊で、日銀首脳は三日夜、七月以降の重大な局面になると述べ、次回以降の政策決定会合にゼロ金利解除が提案される可能性を示した。大半の政策委員が賛成する見通しだ、こういう記事に対して、日銀首脳を意味する福井総裁も武藤副総裁もこういったコメントをした覚えがないということでした。いわゆる観測記事、すなわち事実無根の記事であるということで説明されました。このことは間違いないですか。 また、もしそうでしたら産経新聞、また、同じようなコメントを出しました、記事を出した読売新聞にクレームを付けましたか。質問します。
○参考人(水野創君) お答えいたします。 私どもといたしましては、御指摘の記事は、記者が日ごろの取材活動から得た情報を踏まえ、自らの判断、推測を交えながら書いたものと考えております。したがって、日本銀行としてこの記事に対して特に抗議すべきものとは考えておりません。 以上です。
○大久保勉君 日銀としては、そう考えたというよりも、できなかったんじゃないでしょうか。私も産経新聞と読売新聞に照会しました。産経新聞は、綿密な取材をしましたということがございました。このことを言っておきます。 また、読売新聞に関しましては、委員会質問したその週に福井総裁独占記者会見というのがありました。つまり、読売新聞、まあ独占記者会見をさせるからもう勘弁してよと、そういったことが私は想像されますが、私の推測かもしれませんが、こういったことも考え得るようなことがあるということなんですよ。ですから、先ほど公正に何々をしていますということは、私は非常に疑問なんです。 じゃ、同じようなことに関しまして、例えば十二月二日の委員会で山口理事とのやり取りで、航空券不正請求に関して譴責は職務規程上厳しい処分ということを聞きました。後で日銀に聞きましたら、職務規制上の処分で重い順に言います、免職、諭旨免職、休職、口頭、減給、で譴責です。上から六番目なんですね、だから全然厳しくないじゃないですか。 もう一度聞きます。譴責というのは厳しいんですか。
○参考人(水野創君) この問題についてまず最初に申し上げなくてはいけませんのは、航空機を利用した国内出張について過払いが発生してしまったということについて、私どもとして非常に重く受け止めているということでございます。その上で、今回問題となりました航空運賃の過払いは、主として内部規程の不備や周知徹底の不足に起因するものでございまして、意図的に不正な取扱いが行われたわけではございませんでした。こうした事情は、会計検査院の検査においても御確認をいただいているところでございます。 旅費関係の内部規程は文書局が所管しているものでございますが、私自身は五年前に文書局の局長であったということから、当時の監督責任者としてこうした内部規程の周知不足に対して譴責処分を受けたということでございます。私として、こうした今回の問題に対し非常に重い処分というふうに受け止めているということでございます。
○大久保勉君 重い処分だったらどうしてここにいるんですか。私は理事以上の方を要請したんですよ。そうしたら、できたら副総裁に来てもらいたかったんですが、今日は忙しいということで水野理事に来てもらったんです。理事というのは極めて重要な職務です。そういう人がここにいること自身が私はおかしいなと思うんですが。 また、この件に関しましては一千三百三十名が不正受給しているんですよ、七千三百万ですよ、非常に大きいことだと思います。これ以外にないですかと言ったら、後で調べましたら、国内出張に関連して日銀は、国内宿泊に対して局長、支店長級で一日一万一千円、担当者が九千五百円等、役職に応じて一律に支払っております。ただ、いろいろ聞きましたら、国内出張で、じゃ自宅に戻るとか若しくは親戚、知人宅に泊まって受給を受けるというケースもあるんじゃないですかということに対して、いや、ありませんと。じゃ、領収書があるのかと言ったら、ないということなんですよ。ですから、本当に知人宅若しくは自宅に戻ってこの一万一千円をもらった人がいないんですか。証明できますか。
○参考人(水野創君) 今回の国内航空運賃の過払いにつきましては、内部規程の不備などが主な原因であるということから規制の改正を実施いたしました。その際に、併せて国内出張については費用の発生を裏付ける資料を徴求することを原則とするという取扱いに変更したものでございます。この結果、宿泊料に関しても領収書などの提出を求めることになったものでございます。 御指摘の、出張先での自宅等に宿泊する場合等の扱いにつきましては、その改正される前の内部規程でも支給しないことが明確に定められておりました。この間、それ以外の出張料につきましては、出張地等に応じた定額を支給して領収書等の事後的に徴求する仕組みではございませんでしたが、こうした取扱いは効率的な事務遂行という観点から行われてきたものでございまして、国家公務員の場合も同様というふうに認識しております。 いずれにしても、私どもといたしましては、本件に関して内部規程に反した過払いが生じていたとは考えておりませんで、不正な取扱いを黙認していたということはございません。
○大久保勉君 いや、委員の皆さん、若しくは傍聴人の皆さん、是非聞いてくださいよ。こういったことを言っているんですよ。 これまで、自分たちは公正だから貸金業者に天下っていないとか、いろんな説明がありました。私は非常に問題だと思うんですね。特に、譴責処分者の水野理事がコンプライアンスの担当理事でありまして、コンプライアンス委員会の重要メンバーでもあります。また、同理事は総裁に諮る人事処分案を作る総務人事局担当理事であります。つまり、自分のところでだれを処罰するか決めるんですね。(発言する者あり)そうなんです。自分で自分の処分を決めていますから、どうしても甘くなるのかなという気はするんですよね。 これは日銀に聞いても仕方ありませんから、じゃこれは監督省庁として財務省の意見を是非とも聞きたいと思います。富田財務副大臣、お願いします。
○副大臣(富田茂之君) 先生御指摘のように、日銀におきましては、会計検査院の指摘により旅費の過払いの件につき調査を行い、その結果を踏まえ、当時文書局長であった現在のコンプライアンス担当理事に対し先般譴責処分を行ったことは財務省としても承知しております。 こうした事態が生じたことは誠に遺憾であり、日銀におきましては今回の問題を重く受け止め、再発防止に全力を挙げるとともに、コンプライアンス体制全般についてその強化を図ることを財務省としては期待しております。
○大久保勉君 是非よろしくお願いします。 じゃ、もう一つ質問をさせてもらいます。いわゆる日本銀行の独立性に関する質問です。 政策決定の独立性は私は十分に保障されるべきだと考えています。これは絶対的に保障されるべきです。しかし、予算の認可及び決算の承認その他ガバナンスの在り方に関しては、政策決定以外の面に関しましては引き続き政府に従属しているという理解でいいのでしょうか、財務省に聞きたいと思います。
○副大臣(富田茂之君) もう先生は御存じのように、日銀法上、日銀の金融政策における自主性は尊重されなければならないとされる一方、金融政策以外の日銀の業務運営に関しましても、日銀は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない、また日銀の業務運営における自主性は十分に配慮されなければならないというふうに規定をされております。こうした日銀法の趣旨にかんがみまして、日銀のガバナンスにつきましては、一義的には、先生も御指摘のように、政策委員会を中心として日銀自らがその向上に努めるべきこととなっております。 政府といたしましては、このような基本的枠組みの下で、今先生からも御指摘ありましたように、経費予算の認可や財務諸表の承認等のチェックを行っているところであり、今後とも、日銀の適正かつ効率的な業務運営に資するよう努めてまいりたいと考えております。
○大久保勉君 ここは通告してないんですが、じゃ日銀法改正前と改正後では、もしかしたら日銀内部では独立性を広く考えまして、本来は独立性がないようなガバナンスの問題とか若しくは予算の執行、この辺りが独立性という名の下で甘くなったおそれがあるんですよね。このことに関して、もし富田財務副大臣の御所見がございましたらお願いします。なかったら結構です。
○副大臣(富田茂之君) 先ほども申し上げましたとおり、日銀法上、日銀の業務運営における自主性は十分に配慮されなければならない旨日銀法には明記されておりますので、そのとおり執行されているというふうに財務省としては考えております。
○大久保勉君 じゃ、最後に、日本銀行に聞きます。 こういった議論は、是非とも立派なガバナンスをつくってほしいという要望なんです。このことが最終的な日銀の独立性を強化すると私は考えているんです。ですから、決意表明も込めまして、じゃ今後、ブラックアウトルール等の不徹底に関してどうするかとか、若しくは今後のガバナンスに関してどう改善するか、御自身の御進退も含めまして、御質問いたします。
○参考人(水野創君) 今、大変厳しいお言葉をちょうだいいたしました。 私自身、文書局長でございました五年前に、規程整備等の監督面で不十分なことがあったということは、当時の自分に対する反省事項としてしっかりと受け止めております。もっとも、私自身についての航空運賃の過払いを受けたというわけではなく、また文書局長を務めさせていただいた後システム情報局長、業務局長としての職責を果たしてまいりました。 したがいまして、私としては、こうした経験等も生かしながら、また今先生から御批判をいただいたことも真摯に受け止めて、コンプライアンスや総務人事局を担当する理事として、現在の職責に誠心誠意果たしていきたいというふうに考えているところでございます。 ありがとうございます。
○大久保勉君 立派に今の職責を全うすることも重要なことですから、是非頑張ってください。 じゃ続きまして、金融庁の検査に関して御質問します。 臨店検査に入る情報とか若しくは検査の内容及び行政処分というのは機密情報であると私は理解しておりますが、このことはどうなんでしょうか。金融庁に御質問します。
○政府参考人(西原政雄君) そのとおりでございます。
○大久保勉君 続きまして、じゃ金融庁の情報管理体制をお尋ねしたいと思います。 また、機密情報でしたら国家公務員の守秘義務というのは課されますから、もし違反した場合はこの法律違反ですね。確認します。
○政府参考人(西原政雄君) 御指摘のとおり、金融検査等に係る事項、これは厳格な情報管理が必要だという具合に認識をいたしております。 そこで、どのような情報管理体制かというお尋ねでございますが、この点につきましては、庁内においては文書取扱規則等で定められておりますが、それに加えまして、検査局においては、検査関連情報の適正な管理に関する独自のルールも設けてございます。具体的には、昨年七月に金融検査に関する基本指針、これを定めましたが、この中で、検査官等の情報管理上の留意点、これを定めるとともに、主任検査官、これは検査に行く班の全体を取りまとめる立場にある者ですが、これらの者が定期的に情報管理状況の実態把握等を行うというようなことも決めてございます。さらに、情報管理に関する事務連絡なども発出いたしまして、その中では、検査内容等が記録されたフロッピーディスク等、これらについての厳格な管理、あるいは検査関係資料等の検査会場外への持ち出しの禁止といった措置なども講じておるところでございます。これらのルールを厳正に運用して厳格な情報管理に努めてまいりたいと考えております。 そこで、御質問の国家公務員法上の守秘義務の関係でございます。国家公務員法上の秘密を守る義務、これは百条の第一項にありますが、この規定に違反して機密を漏らした者、これにつきましては罰則がございまして、百九条によりまして、一年以下の懲役又は三万円以下の罰則に処すると、こういうことになっております。
○大久保勉君 是非、情報管理はよろしくお願いします。西原さんに対しましては、非常にリーダーシップがある方ということで、私も評価しておりまして、是非頑張ってもらいたいと思います。 ただ、全員、部下を管理することは非常に難しいと思いまして、二ついわゆる守秘義務違反の事例があったので持ってまいりました。いや、もうこれはいずれも大手新聞の一面なんですよ。 まずは四月十四日の日本経済新聞の一面、これは資料としてお配りしております。「アイフル全店業務停止」というもので、読み上げますと、金融庁は十三日、これは十四日の朝刊ですから、金融庁は十三日、消費者金融大手アイフルに対し、強引な取立てが相次いだことを理由に、国内約千七百のすべての営業店を対象に三から二十五日の業務停止命令を出す方針を固めた。飛ばしまして、行政処分は十四日にも発表すると。十四日の午後にホームページか何かで発表されたんじゃないかと思います。いわゆるこれはインサイダー情報なんです。恐らくこういった情報が出ましたら株がどんと下がります。ですから、格好のインサイダーの材料ですからこれは厳に慎むべきことだと思うんです。具体的にアイフルの業務停止の概要ということで書いてあります。 もう一つ、こちらは朝日新聞の八月二十三日朝刊です。「アコム異例の再検査」、読み上げますと、消費者金融大手アコムが貸金業規制法に違反した疑いがあるとして、金融庁は二十二日、週内にも同社へ立入検査に入る方針を固めたと。二十三日の朝刊なんです。 ですから、こういった事実がありますから、まだまだ守秘義務違反というのがあります。特に検査をする立場ですから、やはり自分たちの身を清くして、是非とも厳正な検査そして公正な検査をお願いしたいんですが、是非金融庁の決意を伺いたく思います。
○政府参考人(西原政雄君) 御指摘のとおり、こういった行政処分あるいは金融検査に関する情報というものの管理が適切に行われていく必要があると思っております。そういう適切性を欠くことになりますと、そもそも検査・監督の実効性、これを損なうことにもなりかねませんし、また信頼を失うことにもなりかねないということと思いますし、また相手方の権利あるいは競争上の地位その他の正当な利益を害するということにもつながりかねないというふうに考えております。 したがいまして、今の御指摘のとおり、情報管理に関しましては、細心の注意を払って万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○大久保勉君 じゃ、続きまして、じゃこの二件に関しまして金融庁はどのような調査と処罰をしましたか。質問します。
○政府参考人(西原政雄君) 今回の記事、この二つの記事、今御提示いただきましたが、これらにつきまして申し上げます。 まず、四月十四日の日経新聞の朝刊一面のアイフルの行政処分の関係ですが、一般に、業務停止処分等を行う場合には行政手続法の手続に従います。したがいまして、その処分の名あて人に対して処分の原因となる事実あるいは処分内容等を事前に通知をすると、弁明の機会を付するということが義務付けられております。当該報道にある行政処分におきましても、金融庁は厳正な情報管理の下でこうした手続に従って行政処分の決定を行ったというところでございます。 他方、八月二十三日の朝日新聞の朝刊の一面、アコムへの立入検査の件でございますが、これにつきましては、通常、立入検査をする場合には、資産査定を中心に行うものは予告をしてやるんですが、いわゆる法令等遵守体制をしっかり見てくるというようなものについては無予告でやります。今回の場合は無予告で実施する検査だったということで、そういった検査に関する報道であることですので、この検査関係情報の管理に問題があった可能性があるというふうに私どもも認識をいたしまして、これにつきましては、金融庁及び関東財務局におきまして、情報を知り得る立場にあった者等に対しまして網羅的な調査ヒアリングを実施いたしております。 その際には、検査着手日程あるいは立入り先支店等の検査情報を知ったとすればいつ知ったのかと、それからそういう情報を知ったとすればその情報についてどういう管理をしていたか、それから第三番目としてはマスコミ各社との接触状況はどうだったのか、これらについて網羅的にヒアリング調査を実施したところでございます。しかしながら、当該調査の結果におきましては、報道機関に検査情報を提供した事実、そういったものは把握できませんでございました。したがいまして、今回、これらに基づく処分等には至っていないということでございます。
○大久保勉君 分かりました。もう一度再検査をするなりしまして、信頼回復を是非お願いします。 といいますのは、やはり金融庁は金融機関に対して非常に厳しいと、でも身内に甘いということでしたら、やはり示しが付かないと思うんですよ。これまで金融庁自身非常に自己改革ができていまして、私も非常に評価しているんですが、もっと評価を上げるために是非お願いしたいと思います。 最後は、新しい提案なんですが、金融検査において検査官にむらがあり、検査官として十分な知識や経験がなく、必要以上の混乱や負担を金融機関に強いていると指摘があります。幾つかの金融機関からこういったことがございました。 このため、金融庁が金融機関を評価するだけではなく、フィードバックの一環として、金融機関が全員の担当検査官を五段階で、かつ相対評価して検査官の質の向上を図るということを是非提案したいと思うんです。つまり、検査する立場の人に対して検査される側が相対評価ということで、この検査官は非常に的確なことを指摘してくれたと、この検査官はちょっとまだとんちんかんなことを聞いているとか、そういうフィードバックをすることによりまして、それをどういう形で使っていくかはそれはもう金融庁自身で考えてもらいたいんですが、相互のチェック体制若しくは相互の意見交換というのがやはり健全な市場をつくっていくと思うんですね。是非このことを御提案して、私の最後の質問としたいと思います。
○政府参考人(西原政雄君) ただいま御提案をいただきました。私どもも同じような意識は持っておりまして、実は私ども検査部門におきましては、金融検査の適正な運営確保の観点から、検査局、財務局の幹部がその検査を受けている金融機関から直接意見を聞くというような検査モニター制度というのを創設してございます。 その類型としては、検査中に実際にその検査の現場まで行って相手方から意見を聞くというやり方。それともう一つのやり方としては、検査が終わった後に意見を聞くと、いわゆるオフサイト検査モニターという方式でございますが、その中にはアンケート方式というものも昨年の七月から導入させていただきました。このアンケート方式には三十の設問がございますが、それを四段階の評価をしていただくという形を取っておりまして、その質問項目の中に検査官の態度あるいは検査官の知識の程度と、こういった項目も入ってございます。そういった中で、あるいは記述式のアンケートというものもございまして、そういった中ではかなり率直な御意見もいただいているところでございます。 検査官のスキルの向上、能力アップ、このためにはそういった意見を十分に酌み取って、いろいろと参考にさせていただいているというのが現状でございます。このアンケートにおいて、今御指摘の評定制度の機能の幾分かは加味されているとは思いますけれども、御指摘の点も踏まえまして、更に運用上何か工夫の余地がないのか、更に検討してまいりたいというふうに考えております。
○大久保勉君 ありがとうございました。 終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。前回に引き続きまして、若干御質問させていただきたいと思います。 今日は、まず初めに、この貸金業法が改正された、法案が成立した後の体制準備期間ということにつきましてお聞きしたいと思っております。 いろいろ資料をいただいておりますけれども、その中には、現在貸金業者を利用している方々が急に返済を迫られる、貸し渋りとかいわゆる貸しはがしという問題でございます。そうしたことが迫られて生活や事業に悪影響が出るような事態を招かないようにすると。これがおおむね三年をめどに、上限金利引下げ、新たな過剰貸付規制の仕組みを実施するまでのこの三年間、こうした事態を招かないようにすると、こういうふうにされているわけでございます。 金融庁といたしましては、この三年間、おおむね三年後までの金利引下げまでの間に、こうした貸し渋り、貸しはがしということによって今現在借りておられる方々に悪影響が出ないようにどういう、この三年間の行動計画というのかですね、今年はこういうことをやると、来年はこういうことをするというような、今現時点で決まっている範囲で結構でございますけれども、お考え、また指導監督体制についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正は、上限金利を引き下げますとともに、返済能力を超える借入れを防ぐ総量規制の仕組みを導入するなど、一定の借り手の方々に影響が出ることは否定できないと考えておりますが、そういったことにも考慮いたしまして、公布からおおむね三年間の準備期間を設けることとしているところでございます。基本的な考え方といたしまして、その間に貸金業者によります不適切な取立て行為等があれば、厳正に指導監督してまいりたいと考えております。 なお、既存の借り手の方々に対しましては、カウンセリング体制の充実が重要な課題であると考えておりまして、これにつきましては、内閣官房に設置されます予定の多重債務者対策本部、ここにおきまして基本的議論を行いまして、関係省庁と連携いたしまして具体的な方策を検討、実施してまいりたいと考えているところでございます。
○西田実仁君 当局としての御認識をお聞きしたいと思いますけれども、この三年ぐらいの間に、おそれ、懸念として持たれている貸しはがしあるいは貸し渋り、こういうことが起きることは否定できないという多分お話だったと思いますけれども、それによって影響を受ける可能性がある借りている人はどのぐらいいるんではないかというふうに見ておられるんでしょうか。そうした見通しに基づいた監督指導体制ということも当然必要になってくると思いますので、念のためにお聞きしておきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 具体的に借り手がどの程度の影響を受けるかにつきましては、これから業者の実際の審査でございますとか、個々の貸手と借り手の事情によるところもございますため、現段階で定量的にお示しすることはなかなか困難でございます。 しかしながら、御指摘のとおり、現在、二〇%以上の貸付けが消費者金融の大宗を占めてございまして、今回の改正では、この金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げるとともに、過剰貸付規制等も行うわけでございます。したがいまして、借入れの際の審査が現状より厳しくなりまして、これまで貸金業者からの借入れが可能だった方の一部が借りられなくなるといった可能性は、これは否定できないと考えているところでございます。 しかしながら、直ちに上限金利を引き下げることにつきましては、こういった貸し渋り等を発生させる懸念もありますことから、こういった急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにする、このための時間が必要と考えておりまして、おおむね三年の準備期間を置くこととしているところでございます。 現段階で定量的な形でお示しすることが困難であることにつきましては御理解賜りたいと存じます。
○西田実仁君 衆議院の方の参考人の質疑でも、大手の消費者金融会社の方が、既存利用者の八割ぐらいが影響を受けるんじゃないかというような御指摘もありました。また、このグレーゾーン金利による貸付けが全体の消費者金融の、いろんな統計がございますけれども、大体七割ぐらいを占めているというような統計もあるようでございまして、マクロではこういうことが言えると思いますが、今後どういうビジネスモデルをつくってくるのかによっても随分影響度は変わると思います。 実際に、貸しはがしあるいは貸し渋りというような具体的な兆候みたいなものは、今既に当局として何らかの情報はお持ちなんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 全般的な調査をいたしておるわけでございませんので、確たることはちょっとまだ申し上げられない状況でございます。 ただ、取り急ぎ幾つかの大手の貸金業者からヒアリングをしてみました。その結果、与信基準を変更していないにもかかわらず新規契約申込みの成約率が低下する動きが見られるという回答がございました。 この原因というのもまだ確たる分析できていないわけでございますが、例えば、中小業者から締め出された利用者が困難を承知で申し込んでいるといったケースもあるんじゃないかと、こんなことを指摘する業者もございました。
○西田実仁君 今既に利用している方々の御理解というのは、法律そのものについても十分にまだ知られていない面もあるんじゃないかというふうに思いますし、今、具体的な兆候で成約率の低下というようなことも若干御指摘がございまして、これがどういう背景、どういう原因なのかということはいろいろともっと調べなきゃいけないんだろうというふうには思いますけれども。 いずれにしても、おおむね三年後には大きく抜本的な今回の改革が、すべてが実施されるということでございまして、三年間準備期間を設けたわけですから、この三年間の準備期間できちっと、今借りている方も含めて、貸しはがし、貸し渋り等で悪影響が出ないように、ここはかなり綿密に緻密にスケジュールを立てて、当局としてもソフトランディングをしていくということが是非とも必要ではないかというふうに私自身は思っております。 その中で、今、多重債務に陥っている人の中で、当座の資金手当てをじゃどうするのかという問題も出てくる。また、債務を整理するにしても、その費用をどう捻出していくのかということも出てくるでしょう。こうしたきめ細かい対応ということについて当局としてどういう御認識なのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正の影響というようなことも、いろいろな観点を踏まえまして三年間の準備期間ということを一つ置いているところでございますが、やはりこれからは、多重債務に陥っている方々のカウンセリング体制あるいはやみ金対策、こういったことにつきましても真剣に取り組んでいく必要があると考えているところでございます。 カウンセリング体制につきまして、これは多重債務者対策本部、ここにおきまして、やはり関係省庁などと連携しながら対策を講じていく必要があろうと考えております。 また、公的セーフティーネットの充実の問題もございますけれども、こういった政策につきましても、多重債務者、多重債務問題の解消のためどのようにしたら効果的な施策ができるか、これは関係省庁等が連携して検討すべきものと考えておりまして、今後この本部においてこういったことを総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
○西田実仁君 この質疑の中で何度となく出てくるこの多重債務対策本部なるものですね。ただ、まだ本部長だれになるかも決まっていないというふうに聞いております。 今、大変に、法律を作っていく途上でも多重債務によって金融被害を受けている方もいらっしゃるし、ある意味で、よく理解なさらない中でいきなり貸しはがしに遭ってしまうかもしれないというような進行している問題でございまして、この多重債務対策本部で検討されるということは、それはそれでよいわけですけれども、これは早く、この対策本部長も、どういう体制を組んでいくのか、どういう計画でいくのかということをやはりずっと並行してきちっとやらないと、これは法律を通ってあと対策本部という、それがいつごろ立ち上がるのかもよくまだ見えないということもございまして、私自身大変に不安にも思っておりますので、是非ともこれは政府一丸となって早急な体制を組んでいただきたいと思います。 あわせて、中小零細企業の現場に金融が十分に行き渡っているのかを検証していかなければならない。もし問題が発生しているならば具体的な対策を是非とも取っていただきたいと思いますが、大臣、この点いかがでございましょうか。
○国務大臣(山本有二君) 中小企業に対する融資につきましては、全国の財務局、財務事務所職員が商工会議所等を定期的に訪問しておりまして、借り手の皆様の声をお伺いするなど、実態把握に努めているところでございます。 中小企業に対する金融の円滑化はなお重要な課題であると認識しておりまして、具体的な施策といたしましては、取引先企業に対する経営相談、支援機能の強化、事業再生に向けました積極的取組、担保・保証に過度に依存しない融資の推進等を掲げる地域密着型金融の機能強化の推進、中小企業の実態に即したきめ細かな金融検査の確保、金融機関に対する資金供与の円滑化の要請、これらに取り組んでおります。 なお、今回の改正では、貸金業者の上限金利を現在の実勢金利を下回る水準まで引き下げることとしていることから、急激な貸し渋り等により現在の借り手に大きな影響を与える可能性は、御指摘のとおり否定できないものでございまして、このため、急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間を確保しなければならないと考えております。 また、御指摘の多重債務対策本部につきましては、今週、官房長官としっかり協議をさせていただきたいと思っております。
○西田実仁君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。 最後に、ちょっと細かい話で恐縮ですけれども、よく、今回の問題で、消費者金融の利用者に、業者が正規の業者なのかどうかということが、意外と、非常にいかにも本物の、本物というか正規の業者のように振る舞って、あるいはそうしたチラシを作って被害に遭ってしまう、やみ金の被害に遭ってしまうというようなケースも随分あるということも、私自身もお聞きしてまいりました。 今回の改正案の中でも、四十一条でしょうか、加入貸金業者の公衆縦覧ということがうたわれておりますけれども、見ようと思えば見れるというのではなくて、利用者がもっと手軽に本当の正規の業者なのかということを確認するすべというものも、これは整備していかなきゃいけないんではないかと私自身は思っておりますが、これをお聞きして、私、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、現行の法律におきましても、当局、これは国と都道府県知事と二つございますけれども、登録貸金業者が一覧できる登録簿、これを一般の閲覧に供することとされているところでございます。 それから、貸金業協会にも、登録貸金業者の協会員の名簿を公衆の縦覧に供することを義務付けております。それから、貸金業者が貸付条件について広告を行うときは、この貸金業者の登録番号を表示することが義務付けられていることでございます。 こういった措置によって、制度的に担保されているわけでございますが、一層今後利用者が個々の業者につきまして正規の業者かどうか確認できるように、改正後においても適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 大門でございます。 今日で十一回目の質問になります。今日は時間が短いんで、端的にお聞きしますんで端的にお答えください。特に、三國谷さん、よろしくお願いしたいと思います。 過剰貸付けの抑制、総量規制の導入という点で、年収の三分の一を超えてはいけないとありますが、内閣府令で売却可能な資産がある場合は除くというふうになっておりますけれども、この部分が大変心配でございます。これは担保を取るという意味ではないというふうに金融庁から聞いておりますが、そのとおりでよろしいでしょうか。
○政府参考人(三國谷勝範君) 年収の三分の一基準につきまして、その具体的な内容につきましては、まず今後どういった場合に借り手の返済能力が定型的に認められ、健全な資金ニーズと認められるか、これはまず借入れの実態等を十分に踏まえながら、多重債務の発生防止の趣旨を没却しないようこれは慎重に検討していく、これが一般的な考え方でございます。 御指摘のいわゆるおまとめローンのように、借り手の給与等の範囲内では返済できず、担保とした住居の売却により返済させることを目的としているような貸付けにつきましては、年収等の三分の一基準の例外とすることは想定しておりません。
○大門実紀史君 私、まだおまとめローンまで聞いてないんですけれども、要するに担保ということは考えてないということでよろしいわけですね。 私、そもそもこの規定、おかしいなと思いますけれども、何なんですかね、これね。世の中の取引で、お金を貸すときは無担保か担保を取るかあるいは保証人でございます。担保にもしない、何ですか、これは。そうすると、売却の可能な資産があるということを態度で示すわけですか、そうしたら貸していいということですか。こんな取引、この世の中にありますか、ないですよね。だから、そういうことはあり得ないんです。 実際に何が起こるかといいますと、一つは実際に担保を取ると、車が売れますと、宝石売れますと、あるいは家も売れますと、そういう担保を取るか、そうでなければ紙切れ一枚ですね、サラ金が、私これいざとなら売る用意がありますと紙切れに書かせると、意思を書かせると。これおととい取り上げた武富士の過剰融資の年収をごまかしたのと同じ仕組みですよね。本人がそういうこと書けばどんどん貸せると、こういうことになってしまうわけですね。そのどちらかしかないんですよ。 だから、こんな規定はもう取られた方がいいと。内閣府令に書くと言いますけれども、書きようがないんじゃないですか、これ。書きようがないと思いますよ、実際。書けるものなら書いてもらいたいですけれども、これもう大変な問題になると思いますし、大体この法案の変なところこの概要の説明の中に米印で小さく申し訳なさそうに書いてあるわけですよ、内閣府令で除く予定と。だれがこんなこと考えたんですか。だれがこんなものを入れろと言ったんですか。大臣、これはもうはっきりと、こんな取引はあり得ませんから、この世の中に、これはもう除いた方がいいですよ、これ。この薄い字で書いてあるところ、取っちゃえばいいと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(山本有二君) これを一概に全部除くことという大門委員の御指摘は、一つの再び更に自宅等についての売却を強制することにもつながるというような新たな被害の分類の一場面を想定して、それを未然に防げということも、私も十分おっしゃる意味は理解しております。 ただ、逆に、さらに自立するときに、自宅についてもう一段銀行が理解を示して、それではといって低金利で自立支援の、例えばNPOの金融機関からお金を借りて、そのときにはもうほとんどゼロ金利に近い形で、その代わりこうした担保を差し入れるということで言わば与信余力を示すというような健全な借入れということを考えたときに、全部返さないということであれば別ですけれども、ある程度元本は返すという、あるいは相応の金利は返すという考え方の下に、健全な自立を図る意味というように考えたときには、私はなお機能する場面があるのではないかというように考えておるんです。
○大門実紀史君 大臣、もう法案を勘違いしないでくださいよ。大臣おっしゃったのは、多重債務者の最後の整理の話ですね。これはそうじゃないんですよ。これから貸し付けるときの総量規制なんですよ。だから、多重債務者の話じゃないんです。これから貸すときに、貸すときに売却資産あればいいですよみたいなことをやったら、私が申し上げた二つのケースしかあり得ないんですよ、この世の中の経済取引契約にはね。そうなってしまいますよということを申し上げているわけです。だから、よく法案を理解してもらいたいと思います。 その上で申し上げますけれども、少なくとも、少なくとも、どうしても、これ、だれがこんなばかな、どの議員が言ったか知りませんけど、こんなもの入れて、情けない。欠陥ですよ、これ。取った方がいいですよ、身のためですよ、本当に。 どうしても入れるとしたら、仮にもこの法案の趣旨は、私取り上げましたけれども、CFJとアイフルの不動産担保ローンのキャッチボール取り上げましたね。今、金融庁でそれ当たってもらっているということで、それは評価していますけれども、そういう不動産担保ローン、すなわち居住用財産を略奪的に取り上げると、アメリカでは禁止されておりますけれども、それには決してこれはつながらないと、遮断をするということだけは、どうしても内閣府令で書くならば、それだけは入れてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、三分の一規制とこの例外の関係でございますけれども、三分の一は一律の規制でございますので、それぞれの買手の事情によりまして、返済能力があれば、そういったものが類型的に認められるのであれば、その実情に応じた対策を講じるということでございます。具体的には、有価証券を持っている場合とか、あるいは担保に供しているか否かにかかわらず既に売却を予定している資産等があれば、こういったものの類型化の中に入り得るということで想定しているものでございます。 ただ、この実際の運用に当たりましては、そういった潜脱にならないように十分意を用いてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 もう三國谷さん、いいです。 大臣、ちょっと判断してもらいたいんですけれども、居住用財産を除くと、これは最低限、最低限内閣府令に私は入れるべきだと思います。なぜならば、居住用財産というのは、税法の用い方も日本の法律の用い方も生活のための拠点ですね、売却を予定していない、住み続けることが前提で税法でもいろんな法律でも居住用財産ということが定義付けられております。その用語からいって、居住用財産を除くと。 ただし、もし私が内閣府令でどうしても書けと言われたら、居住用財産はまず除くと、ただし、今言われたような、僕はあり得ないと思いますけれども、そんなケースないと思いますが、もう既に譲渡契約を結んで、おっしゃられたのはつなぎのときに必要になるんじゃないかと、そういうケースもあるんじゃないかということでしたら、そういうケースだけを限定的に、逆に言えば居住用財産を除くと、そういうつなぎのようなケースだけこれには該当しないというふうに明確にしないと、私が申し上げている指摘は起こりますよ、実際に。せっかくこうやって、もう三國谷さんいいから、大臣の判断を聞きたい。
○国務大臣(山本有二君) 居住用財産を除く、その居住形態もあるかもしれません。おっしゃる意味は、こうした三分の一を潜脱的かつまた居住用財産について強制的に処分させて、いわゆる略奪的な貸付けというものが起こるだろうというような予測を、これを完全に排除しろということは理解するんですけれども、先ほどの三國谷局長の言われたつなぎ、あるいは年齢に応じたライフステージごとの居住の多様性によって、小さいところへ住むだとかというような特別な事情、そういったこともあながち否定できない今日にありましては、やはりそこは、これからの書き方にもよりますけれども、できるだけ精緻な内閣府令の書きぶりにして、そうした新たな被害を起こさないという覚悟で取り組んでいくということが大事だろうというように思っております。
○大門実紀史君 時間になりましたので今日は終わりますが、次回、この問題更に大事な問題なんで詰めたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(家西悟君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、弘友和夫君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、参考人として、まず日本弁護士連合会上限金利引き下げ実現本部事務局長新里宏二君、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会副会長吉田洋一君及び日興シティグループ証券株式会社株式調査部ディレクター津田武寛君、以上の三名の方々の御出席をいただいております。 この際、参考人の方々にごあいさつ申し上げます。 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。 参考人の方々から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと存じております。よろしくお願い申し上げます。 本日の議事の進め方でございますが、まず新里参考人、吉田参考人、津田参考人の順序で、お一人ずつ十分程度でそれぞれ御意見を述べていただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず新里参考人からお願い申し上げます。新里参考人。
○参考人(新里宏二君) それでは、着席をして話させていただきます。 日弁連の上限金利引き下げ実現本部の事務局長をしております新里宏二でございます。本委員会に参考人としてお招きいただきまして、本当にありがとうございます。 私は、今回の貸金業制度改正についてのまず総括的な評価の問題を初めに述べさせていただきたいと思っております。 皆さんも御承知のとおり、現在、サラ金の利用者は一千四百万人と言われております。そのうちの延滞者はもう二百六十七万人にも及んでおります。自己破産者が十八万人を超え、さらに生活苦、経済苦の自殺者が八千人に迫るという、そのような深刻な多重債務の状況を踏まえまして、本改正案は抜本的な貸金制度の見直しを図るべく金利規制、行為規制、過剰与信規制、参入規制の強化を図ったものでございまして、私どもとして高く評価するものでございます。 とりわけ、金利規制につきまして、出資法の上限金利を年二〇%へ引き下げ、貸金業規制法四十三条、いわゆるグレーゾーンの原因となったみなし弁済規定ですけれども、この廃止、日賦貸金業者などの特例廃止、保証料への規制を加えたことは、その施行が公布後おおむね三年後であるといたしましても、大きく評価できるものと考えております。加えまして、経過措置として、政府が多重債務問題の重要性にかんがみ、その解決のための施策を総合的、効果的に進めるよう努めなければならないと定め、政府の責務を明確にしたことも大きな前進と考えております。 ここに至るまで、昨年三月から、金融庁の貸金業制度等に関する懇談会の有識者の皆様、事務当局、多重債務被害を解決しようとする与野党議員の皆様の御努力に感謝するものでございます。是非とも、今臨時国会において成立させていただきたいと考えております。 次に、この法案の課題、問題点について二点お話しさせていただきたいと思います。 一つは、施行後二年半以内の見直し規定が付されている点でございます。 出資法及び利息制限法に基づく上限金利規制の在り方について、施行から二年半以内に検討を加え、出資法の規定を円滑に実施するために必要があると認めるときは所要の見直しを行うという見直し規定が定められておりますが、見直し対象に金利の引下げや四十三条の廃止などは含まれていないことは審議の中で十分確認されております。さらに、この規定によって、当初の自民党案から撤回されました特例高金利、利息制限法の金額刻みの引上げを許してはならないと私どもは考えております。 次に、不動産担保ローン、おまとめローンについてでございます。 おまとめローンといいますのは、不動産担保ローンによりまして利息制限法に違反した高金利が隠ぺいされる、横に動く、まとまっていくということでございますけれども、本人、親族等の居住用資産を失う結果を招来するなどの深刻な被害が多発しております。その規制が今求められているところでございますけれども、改正案では、返済能力を超えた貸付けを禁止するとの過剰与信規制の例外として内閣府令で売却可能な資産がある場合を除くとされております。内閣府令で居住用資産の保護が十分図られなければならないと考えます。 次に、多重債務者対策本部について述べさせていただきます。 金利規制や過剰与信規制はこれから多重債務者を出さない施策でございます。現在、多重債務に陥っている方のためにはこの多重債務者対策本部で検討される施策の実効性の確保が極めて重要と考えております。 政府の施策としては、第一点として、資金需要者などが借入れ又は返済に関する相談又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備というふうに定められております。少し私の資料を見ていただきながらお聞きいただきたいと思います。「多重債務相談体制の充実を」という、このようなペーパーでございますけれども、ちょっと見てお話を聞いていただければと思います。(資料提示) まずは、弁護士会、司法書士会、日本支援センターなどの相談窓口情報の提供と相談窓口の充実強化が図られる必要がございます。自治体での相談窓口の設置とその自治体の窓口と弁護士会などの専門機関との連携強化が図られていく必要がございます。さらに、自治体窓口相互間で、例えば福祉や納税の窓口から市民相談窓口へと導く体制の強化が重要でございます。現在、鹿児島の奄美市、滋賀の野洲市等で先験的な取組がなされており、それが参考になるのではないかと考えられております。さらに、長野県で実施されているような都道府県レベルでの民間、被害者の会など、多重債務問題に取り組む団体を入れての多重債務対策協議会の設置等でございます。この地方の拠点が地方の多重債務問題を解決する大きな力になると考えているところでございます。次に、改正法では新設される全く新たな貸金業協会内でのカウンセリングについてでございます。そのうち、債務整理については、やはり地元の弁護士会に紹介などをすることにして、協会が独自に債務整理を行うことがないようにきちっと決めていただきたいというふうに思っております。 次に、資金需要者への資金の融通を図るための仕組みの充実についてでございます。これについても、多重債務者を出さないセーフティーネットとしての貸付制度という資料を見ながらお聞きいただきたいと思います。 現在、自治体提携の社会福祉貸付制度や生活福祉資金貸付制度がございますけれども、その充実強化が図られていく必要があると思います。特に、生活福祉資金貸付制度の中の二〇〇三年から始まった緊急小口の貸付制度、これは五万円で利息三%、保証人なしです。ここの制度の充実強化ということも重要になってくるのではないかというふうに考えております。それから、中小事業者向けセーフティーネット貸付けの充実や物的・人的担保に頼らない融資システムの構築、これは政府の再チャレンジの考え方の中でも充実させていただけるものと考えているところでございます。それから、格差が拡大している中で、生活保護、この適正な運用がなされていくことが重要ではないかというふうに思っております。 次に、違法な貸金業者を営む者に対する取締り強化の点でございます。 改正では、無登録営業、年利一〇九・五%を超える超高金利の貸付けに対する罰則強化がなされております。第一線の捜査官への十分な研修を踏まえて、きちっとした取締まりの強化が図られる必要がございます。さらに、改正されました組織犯罪対策法で、検察官の下で違法な収益を会に、被害者に配当する手続が盛り込まれております。まさしく、厳罰と利益の吐き出しということがやみ金対策に肝要ではないかというふうに考えております。 その他でございますけれども、この法案でも、金利規制は三年間掛けて金利が下がっていくということになっています。その間の対策が肝要だろうというふうに考えています。何とか利息制限法の制限金利以下での営業を促す施策の導入が検討されるべきだと考えております。例えば、利息制限を超える貸金業者の広告の規制、払う必要のない金利があるとの政府広報又は自治体での広報、貸金業者の広告に相談機関の明示等々が考えられるところでございます。 さらに、残された課題でございますけれども、商工ローンに対する規制強化につきましては、公正証書の問題について規制強化が図られましたけれども、利息制限法違反の貸付けについて手形取得の禁止等の施策は盛り込まれておりません。日々、違法な金利を取られて手形を回されるという被害が出ております。第三者保証人の制限の問題もまだ手付かずでございます。過剰与信規制については、クレジットも射程に入れた規制が必要ではないかと考えております。それから、さらには、今、平均的な貸出し金利が年一・六%でございますので、利息制限法の制限金利自体が高いのではないかというふうに考えられております。その引下げということも検討課題だろうというふうに思っております。 私は、二十四年間、弁護士としてこの多重債務問題に取り組んできまして、借金で自殺をするような社会をなくしていこうということで取り組んでまいりました。衆議院の財務金融委員会の渡辺喜美金融担当副大臣も同じことを述べていただきました。本当にここまで来たんだなという思いでございます。国を挙げて多重債務対策を取り組んでいただきたいと思います。そのためにも、是非、今国会で法案を成立させていただきたいと思います。 これで私の意見陳述を終わります。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。 次に、吉田参考人にお願い申し上げます。吉田参考人。
○参考人(吉田洋一君) ありがとうございます。 私は、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の副会長をしております吉田でございます。本日は、財政金融委員会の議事の場に参考人としてお招きいただいたことを心より感謝申し上げます。 今回の貸金業の規制等に関する法律の改正案で、今まで私たちが念願してまいりました金利の引下げが上程され、あわせて、参入規制、行為規制、過剰貸付けの規制強化が衆議院で全会一致で可決されました。このことを私たちは本当に、今まで運動してきた者として、心より感謝申し上げておるわけであります。そして、多重債務対策に総合的な施策が決定されたことをやっぱり大きな喜びとして、私は賛意を表したいと考えております。 さて、私は先般、全国被連協の副会長と自己紹介いたしましたけれども、実は私、その前に、熊本クレジット・サラ金・日掛被害をなくす会の相談員を約十年間、一九九七年から行ってまいりました。この十年間、約一万人を超える人の相談を受けてきた形になります。本当に多くの人たちの苦しみ、悩み、悲しみを今まで見聞きしてまいりました。過酷な取立てを受けて精神的な障害を起こし、離婚、一家離散、失業、犯罪、それから自殺に至る数々の悲劇に私たちは遭遇してまいりました。そして、その中でいつも犠牲になるのが子供たちだったんです。今、児童の問題をいろんな新聞記事で見たり、私たちは事件として見聞しておりますけれども、このような状況も決して多重債務問題と切り離して考えられないこともしばしばございました。私は、日常的にこのような多重債務問題を正面から向き合ってきた人間として、今回の貸金業に関する規制法の改正により、実効的なものをより実効的なものとしていただくために、時間の関係もございますので、四つの点で陳述をさせていただきたいと思います。 一つは、九州を中心として、主に西日本一帯にある日掛け金融の問題です。全国的な問題ではありませんので、皆様方余り御理解ができない点がこの日掛け業の形態にはあるかとは思います。しかし、今度の改正案で、現在の特例金利の五四・七五%を廃止することが明記されました。このことは、長年、日掛け金融被害の生々しい実態と対決し、この問題と向き合って、その特例の廃止することを訴えてきた者として感無量になっております。ただ、この特例廃止に、施行から二年半以内、それからおおむね三年経過措置がとられていることに私は疑問を感じざるを得ません。 日掛け金融の問題の点は、日掛けの三要件違反、それから保証料の取得です。皆様のお手元に日掛けアンケートの調査の結果を出しております。これを御参照ください。ほとんどの業者が三要件の違反をしています。五四・七五%という超金利の取得と同時に、五%ないし一五%の保証料を取られることです。百日未満の借換えごとに収奪される債務者の支払う利息は出資法の金利をはるかに超え、正にやみ金的利息が常態化しているということであります。そして、この保証料による潜脱は今、月掛け業者に広がり、現在、各地で急増し始めた小口短期の貸金業者によってその被害は拡大され始めてきております。日掛け被害そして保証料の被害は日常化しています。正に急を要するものです。三年の経過措置など速やかに廃止されることを切望します。是非とも附帯条項として経過措置の廃止を決議していただくことを切にお願い申し上げます。 次に、やみ金の問題です。平成十六年一月、やみ金融対策法が施行され、警察による取締りが強化され、一時は若干その被害の減少傾向が見られました。しかし、昨年ぐらいから再びやみ金の被害が増加しております。やみ金の被害は、当事者もさることながら、職場、居住地域、自治体にまで多大な被害を与えるのが特徴です。このようなやみ金は犯罪であるということを改めて社会全体で確認することが必要であります。 と同時に、犯罪を取り締まる警察は、いかなる理由があろうとも、やみ金行為の犯罪であり、その撲滅のために全力を尽くしていただきたい。すべての警察官が犯罪行為であるとの認識の上に立つならば、借りた金は返さねばならないとか、民事に介入はできないというような言葉は出ないはずです。 そこで、全国の地方自治体に司法関係、被害者の会を含めたやみ金対策会議を早急に設置されるようにお願い申し上げます。 三番目に、セーフティーネットに関する問題です。 私は、このセーフティーネットの問題は金利問題と並んで最も重要なことだと考えています。毎日の相談の中で、借金の原因に生活費の不足が全体の三五%という数字が国民生活センター、日弁連の資料からも、また私たちの年間の相談の中からも見ることができます。今、資料としてお配りいたしました熊本の会に相談に訪れたある一定時期の統計として、世帯の生活収入が生活保護水準の収入しかない世帯が約三〇%あったという実態調査です。多重債務問題が低所得と表裏の関係にあるということです。 必要火急な需要を満たすため、政府系金融機関、行政によるセーフティーネットを確立していただきたい、また、生活保護、社会福祉制度の充実、拡大を図っていただきたいと念願いたします。低所得者対策は国の施策として今や最重点課題と私は考えます。 四番目はカウンセリングに関してです。 私は、継続した相談活動の中でカウンセリングの大切さを痛感しております。適切な相談をすることができず、大変な悲劇を生む結果を多く見てまいりました。 私が今日上京してくる二日前に、大変、十一月十五日、だれにも相談できず六十五歳の生涯を自分で幕を閉じた方の家族の方の相談がありました。残された七十歳の脳梗塞で認知症の夫、進行性の糖尿病の息子、生活に疲れ正常な思考をなくし、多分、発作的に自殺を図ったことだと思います。借金は夫婦で三百万円。山村とはいえ、相談する機関があるならばこんな結果は生じなかっただろうと考えると、私は無念でなりません。 多重債務になり、長年心が病み、疲れて相談に来る人、人前でたとえ笑っていたとしても心は傷だらけという人がほとんどです。貸手側の加わるカウンセリングは、決してこのような悲しい心を持った人たちの有効なカウンセリングは期待できません。 今回、内閣府の多重債務の対策本部が設置され、本格的にネットワークが構築されるとのことですが、すべての省庁はもとより、すべての自治体にこの対策に取り組んでいただきたい。弁護士会、司法書士会の司法関係団体は当然として、現在、各地で先進的に多重債務対策を活動している被害者の会の参加は不可欠なことだと考えます。また、民間のあらゆる力を導入することがより実効性のある組織の発展につながると考えます。 今回の貸金業の規制に関する法案は、歴史的に見ても画期的なものであると私は評価します。ただ、最後にもう一度申し上げさせていただくならば、金利の引下げ、猶予する時間はありません。その間に高利の犠牲者が発生していることです。是非とも、よろしく先生方の御討議の上に、このような施策をなさっていただくことをお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。 次に、津田参考人にお願い申し上げます。
○参考人(津田武寛君) 日興シティグループ証券の津田でございます。平素は貸金業の分析を行っている証券アナリストです。 私は、今回の貸金業法改正におきまして、主な改正点の一つである上限金利の引下げはクレジットクランチを引き起こすと同時に、貧しい人たちがお金を借りることのできない状況に陥るばかりか、多重債務問題の根本的な解決にはならないと考えております。その理由は、多重債務発生の原因は高金利ではなく、第一に消費の誘惑にかてない無計画性の存在、どう見ても返済不能と思われるまで膨らんだ借入残高や借入件数、そして第二に貸金業界や社会が多重債務に歯止めを掛けなかったということです。 個人においても国家においても、過剰債務問題というのは同じであります。ゼロ金利に近い状態で政府は国債を発行できるのですが、財政は依然として悪化しています。その原因は、調達金利とは関係なく、歳出を削減できないために起きたことは今や一般常識です。地方公共団体においても、調達金利が原因で財政が悪化しているのではありません。個人におきましても家庭においても、地方公共団体においても国家においても、およそ経済主体の過剰債務は調達金利とは関係なく、支出を抑えられないから発生するというのが経済学的なアプローチからくる論理的な仮説です。 しかし、個人の過剰債務だけは調達金利、すなわち貸金業者の貸付金利が高いのが原因であるというムードが支配しています。個人の過剰債務が高金利を原因としているという学術論文は何一つ存在しません。反対に、個人の過剰債務が金利以外の要素で起きていることを実証した学術論文は多数存在しています。 金融庁の貸金業制度等に関する懇談会に日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の弁護士の先生たちが提出した資料の中に、「「まわし」現象に見る負債額シミュレーション」というグラフがありますので、本日、当委員会に提出いたします。(資料提示) このグラフですが、このグラフは多重債務は高金利が原因と主張する人たちがよく活用していますので、内容を吟味してみたいと思います。図表一がそのグラフです。注が付いておりまして、ちょっと読みますと、百万円又は二百万円の借金の利息を毎月カードでキャッシングをしたり、サラ金から借り入れて支払うことを繰り返した場合、年利二九・二%として計算してあるのですが、要するに、元本を一切返済せず毎月の金利を他の貸金業者から借りて支払に充当する、他社からの借入れは債務者にとって新しい元本になりますので、翌月更に別の貸金業者から借り入れて金利を支払うというパターンを繰り返すと、借金の総額は幾らまで増加するかというシミュレーションです。グラフにありますとおり、八年間で百万円の借金は一千万円以上になり、二百万円の借金は二千万円にまで膨れ上がることを示しており、確かに多重債務に陥ります。しかし、図表一のグラフは、社会科学的な観点から見ますと、高金利によって多重債務が発生することを表したグラフではなく、返済しなければ借金が雪だるま式に増加することを示していると見れば、そのようにも見えるのです。 そこで、分かりやすくするために裏に図表二というのを持ってまいりました。これをごらんください。金利を五%とし、同じように毎月の金利を他社から借りていったケースをグラフにして、二九・二%の金利で借りたグラフと二つ併せて添付してみました。結局、期間は違いますが、全く同じ模様をしていることが分かります。 したがいまして、社会科学的な方法論では、二つのグラフに共通している普遍的妥当性は、返済をしなければ金利とは関係なく借金はいずれ雪だるま式に増加するという結論になります。「「まわし」現象に見る負債額シミュレーション」といった作為的なグラフによって、高金利が多重債務の原因であるということが喧伝されています。しかし、これは虚構の論理であり、こうした虚構の論理を基に法律改正を行っても何ら国民の経済的公正を高めることにならないばかりか、かえって、多くの経済学者が指摘しますように、年収の低い人たちが貸金市場から排除され、暮らしのやりくりに重大な支障を来す可能性が大きいのです。中には非合法なやみ金融に資金を求める人も出てくるため、やみ金融市場の需要増加を助長する可能性が高いと思われます。二〇〇〇年の上限金利引下げでは一兆円程度の資金がやみ金融に流れたと推測されています。今回の法改正では、その数倍規模の資金がやみ金融組織に流出すると推定できます。こうしたやみ金融組織は資金洗浄を行うことが想定できますので、マネーロンダリングに対する監視体制の強化も必要となります。 さらに、今回の貸金業法改正はマクロ経済面にもマイナスに作用する可能性が高いと思います。 上限金利が引き下がりますと、リスクの高い人に信用供与できないのですから、当然クレジットクランチが起きる可能性が高まります。また、総額規制によって健全に貸金市場を利用している人も貸しはがしや貸し渋りに遭うことが予想され、個人消費に悪い影響が出てきます。 東京情報大学の推定によりますと、今回の上限金利引下げと総額規制によって、消費者金融業界だけで八兆円の信用収縮が起きる見通しです。また、信販・クレジット業界のカードキャッシングでも同様の動きが予想できるので、信用収縮額は更に増加する可能性があります。これが消費やGDPに与えるマイナス面での影響は大きく、せっかくデフレ経済から立ち直った日本経済を再びデフレ状態にしてしまう懸念すらあります。 このように、今回の貸金業改正案はマイナスの副作用が大きいばかりか、肝心の多重債務解決を実効あるものにできないのではないかと思います。その理由は、多重債務が高金利によって起きているのではなく、別の原因で起きているからと考えます。 それでは、過剰債務の原因はどこにあるのかということですが、関西学院大学の甲斐良隆教授が貸金業者から提供された一万九百二十一人のデータを分析した結果では、三種類の破綻プロセスが存在しています。 第一の種類は、年収二百万円前後の低中所得の中高年、しかも労務者や女性といった社会的弱者のグループです。教育や医療への出費、失業、転職による収入減少によってやむを得ず債務が発生し破綻していくケースです。この人たちは上限金利の低下によって真っ先に貸しはがしに遭う可能性がありますので、セーフティーネットの強化が必要と思います。 第二の種類は、交際費やギャンブルといった継続的で嗜好性の強い消費のために借入れを増加して破綻するケースで、男性の高所得者に際立って多いという特徴があります。このケースでは、個人破産をしても借金癖が直らず、友人や家族から借金を続けるという事例が多いようです。こうした多重債務にはカウンセリングが必要であり、上限金利を引き下げますとますます借金を増加する可能性すらあります。多重債務者をマスコミは被害者と報道しますが、このケースの多重債務者を被害者扱いし擁護しますと、自分の行動責任を社会的に認識することを妨げるおそれすらあります。 第三が二十代を中心とする若者のグループで、旅行や自動車の購入を目的に無計画に借入れし、挙げ句の果てに破綻するケースです。こちらも自己破産しても直らない人たちで、カウンセリングが必要です。 以上をまとめてみますと、年収二百万前後の低中所得者や女性といった社会的弱者のグループ以外は、消費の誘惑にかてない無計画性の存在が多重債務の主な原因と考えられますので、カウンセリングによる解決が最善の方法と思います。 一方、貸金業者の方にもこうした無計画性を放置した責任があると思います。さらに、返済させるのではなく、逆に返済をさせないようなシステム、促さないようなシステムが商品性に組み込まれていると思います。 具体的に言いますと、リボルビングという金融商品の商品性の問題です。リボルビングはクレジットライン、いわゆる借入限度額を債務者に与えるのですが、返済を行った分だけ借入限度額が増加するシステムでありまして、債務者にとって、借入残高を自覚するよりも、あと幾ら借りれるかといった借金可能額をアピールする商品になっています。貸金業者は信用できる顧客のクレジットラインをすぐに引き上げるのですが、リボ商品におけるクレジットラインの引上げは債務者にとっては信用力の向上という錯覚を引き起こさせ、中には借金可能枠を預金残高と勘違いする人もいるそうです。住宅ローンのように返済の償還表も配られません。 リボルビング商品は自己管理できる人にとっては確かに便利でありますが、便利さは借金の誘惑と裏腹でありますので、リボに対する見直しが効果的であろうと思います。例えば、リボの上限を五十万円に設定し、それ以上の金額はすべて均等返済のみで、すなわちリファイナンスしない商品にするといったように、借入元本が確実に減少し、借金返済に喜びを感じさせるような商品に作り替えてあげれば多重債務問題を好転するのではないかと思います。 最後に、今回の改正案における総額規制は貸金市場を健全に利用している顧客にも多重債務者にも一律に適用されるのであり、かなりのハードランディングが予想されます。したがって、セーフティーネットの強化はもちろんですが、そのコストとして税金を使うのが問題がありますので、そこで政府系金融機関によって上限金利ぎりぎりで小口融資をし、リスクの高い人たちがお金を借りることができるような仕組みを政策として考えるべきであるというふうに思います。 これで私の意見陳述を終わります。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山下英利君 着席のままでよろしゅうございますか。
○委員長(家西悟君) はい、結構です。
○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。 本日は、三名の参考人の皆さん、大変お忙しい中、ありがとうございます。貴重な御意見をちょうだいしまして、ただいま審議中の貸金業法の改正につきまして私からも何点か質問をさせていただき、審議の参考にさせていただきたい、そのように思っているところでございます。 多重債務者の問題、社会問題化している中で、本当に複雑な要素が絡んでいると、そのように私も認識をいたしております。そして、やはりこの多重債務者をもうこれ以上増やさない、そして増やさない形に制度を改めながら、もう多重債務に陥った方に対してしっかりとしたケアをしていくと、そういう方向性を見いだせる形が取れなければいけないと、そのように思っているところでございます。 そこで、新里参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 やはり、カウンセリングが大変大事であるというお話でございます。私も同感でありますが、カウンセリングの在り方の中においては、債務処理のカウンセリング、いわゆる事後的なカウンセリングと、それから多重債務に陥らない、あるいはまだ破綻に至っていない、そういった段階の予防のカウンセリングと、そういった形での区分けができるのではないかなと思います。 その中で、先ほどのセーフティーネットという役割を考えたときに、だれがどういう役割をしていったら一番このカウンセリングというのは効果的なのか、その点についてお話を伺いたいんですが、行政がどこまで入って、そして例えば、いわゆる専門家、あるいは今度は専門家、専門家というか、例えば弁護士さん、税理士さん、司法書士さん、そういったいわゆる法律の専門家、そしてもう一方では、いわゆる貸金をやっている金融の立場の方、そういった形での区分けをした場合にどういうふうなカウンセリングの形態というのが一番望ましいとお考えになられますか。
○参考人(新里宏二君) カウンセリングという中でも、今政府の中でも考えられているのは、債務整理と家計相談ということを一つのカウンセリングというふうに考えられているのではないかなと思っております。そのほかに、生活の再建をどうするのかという問題もある。いわゆる、例えば失業者の方に家計相談をしても意味がございません。その意味では、きちっと仕事ができる又は生活できるような支援をしなければなりません。その意味では、そういう生活の支援の部分は非常に行政に適した分野ではないかなというふうに思っております。 それから、債務整理という法的整理につきましては、弁護士及び司法書士、そういう法的なプロの世界ではないのかなというふうに思っております。 それから、家計相談という形では、今実際カウンセリングという形で、日本カウンセリング協会ってございまして、全国三か所の中で行われておりますけれども、そこで家計相談と債務整理が一緒に行われているということです。ただ、その件数自体は一千四百件ぐらいとして非常に少のうございます。 まずは私ども考えているのは、やはり行政のところにどうしても身近な相談という形で相談が行くものですから、ただ、今相談に積極的に行くような体制にあるのかというと、必ずしもそうではございません。例えば、滞納しているから、どうして払わないんですかと聞いたら、実は借金に追われて、いわゆる払うどころじゃないんです、税金を。そういう人をいわゆるちょっと税金を猶予してあげて、プロのところに回して債務整理をすることによって、例えば過払い金が返ってくる案件についてはそれを回収して税金の回収もできるという意味では、そういう地方の自治体での相談窓口を強化をして、弁護士、司法書士とつないでいくというのが一つあろうかなと思っております。 それから、やっぱり生活がうまく管理できない人については家計管理のところが必要になってきます。それについては、今あるのはカウンセリング協会ということで、日弁連も評議員を出すなど、あっせん委員を出すなどして協力をしております。 そういういろんな、場合によって必要な機関というのは違ってくるのではないかな、そこらを今度できます多重債務対策本部でうまいすみ分けをして、ネットワーク化をしていくことが大きな課題になってくるのではないかなというふうに思います。
○山下英利君 ありがとうございます。今の御説明をいただき、私もそのとおりだと思っているんですけれども、いかんせん延滞者が二百六十七万人、そして経済苦で自殺を図る方がもう八千人とか、そういった物すごい数字が出てきている中で、このカウンセリングの体制をしっかりと一日も早く立ち上げていくというのは、これはもう大変な作業だともちろん思いますし、またこれはやっていかなければいけないということは私も非常に問題意識として持っているところなんですが。 そこで、もう一度、新里参考人にお伺いをしたいんですけれども、セーフティーネットの在り方なんですけれども、要すれば、多重債務のケースの場合に、先ほど津田参考人からのお話もいただきましたけれども、やはり年収が低い、こういう多重債務に陥る原因として、例えば失業の増加であるとか、あるいは所得が減少してしまった、そのためにもうしようがなくて借金をしなきゃいけないという、そういうケースと、そうでなくて今度は貸手が無理な融資を押し込んだとか、あるいは借入れの側からすれば物品の購入等に無計画な借入れをしてしまって、それが雪だるま式に積もってしまうと、そういったケースが散見されると思うんですが、新里参考人がお考えになっていらっしゃるセーフティーネットというのは、こういった多重債務者の中でどの層に対するセーフティーネット、例えばどういう形でのセーフティーネットが一番理想的だと思いますか。 例えば、先ほど言ったように、計画性のない方の多重債務というものを、もちろんこれはしっかりと教育という問題も含めたカウンセリングをしながら、もう二度と多重債務者にならないという方向付けをしながら、そのセーフティーネットをどういうふうに活用させてあげるかというところについての御判断、ちょっとお考えをお聞かせください。
○参考人(新里宏二君) 私は基本的に……
○委員長(家西悟君) 委員長の許可を得てください。
○参考人(新里宏二君) あっ、どうも済みませんでした。 じゃ、お答えさせていただきます。 今二百万人という多重債務者という中で、まさしく、国民生活センターの報告によりますと、九割の方が利息制限法の存在を知らないということでした。まさしく、自分がそういう、借りているんですけれども、払う金利、払わない金利というのが分からないという状況でございます。まず、きちっとした法的な債務整理をしてあげるということが一番重要になってくるのではないかなというふうに思います。本当に取立てに追われているというような状況がございます。その中で、まず、私はよく言うんですけれども、借金の問題は必ず解決できますということを言います。そして、法的整理をしてあげるということが大事だと思います。 今破産が十八万件ということですけれども、プロ、専門家のところで救済を図っているのが大体年間四十万から五十万件ではないのかなというふうに思っています。それを、法テラスというところが今年の十月からできておりますので、そこでコールセンター等があります、そこに広告、広報をすることによって、まず集める。やっぱり、きちっと法的整理をしてあげるということが大事だと思います。そして、更に言えば、その方が結局、低所得者の人であれば、やっぱりその人の生活をどう面倒を見ていくかということが次に出てきます。滞納税金もあります、国民健康保険税も払い切れません、そこを面倒を見るのはやはり市町村の役割なのではないんでしょうか。それで、やはりその上で、一定の収入があるんだけれども自分の管理ができない、そういうところを家計管理の部分が面倒を見ていくということになるのかなと。 まずは法的な整理をして、まずは生活の平穏をかち取ってあげるということが一番大事ではないのかなというふうに思う。それを基本にした上で、家計管理それから生活支援の仕組みをどうつくっていくかということだと思います。
○山下英利君 低所得者のところはそういう形でというふうにお話を伺ったんですが、そうでない理由、いわゆる無計画性でもって多重債務になってしまったという方たちに対してはセーフティーネットというのはどういう在り方をするべきでしょうか。
○参考人(新里宏二君) やはり、今被害者の会というのもございます。それから、出たクレジットカウンセリング協会、ここでの家計相談、そこらをどう有機的に組み合わせていくのかなということが重要だと思います。やっぱり、自分の生活がきちっと管理ができない、それを、被害者の会等では、みんなが自分の恥です、ですから自分がどうしてこんなことになったんだということをディスカッションしながら、そしてもう二度とこういうことにならないようにしていこうという取組、自助団体が全国で七十を超えると言われています。そこがひとつ見直される必要があります。 それから、件数的には少ないんですけれども、クレジットカウンセリング協会でのカウンセリングというのが一つ有効なのかもしれません。 そこらが、今既存があるという意味では、被害者の会というのも大きな役割を担えるのではないかなというふうに思っております。
○山下英利君 次に、津田参考人にお話を伺いたいと思います。 津田参考人のお話の中で、今回、金利の引下げというのは多重債務の解決策にはならないというふうなお話ございました。 そこで、私がお聞きしたいのは、いわゆる信用収縮という問題に対してのお考えなんですが、これは、言ってみれば、従来、銀行で借りられない人が貸金業に行って、それで借りていったと。そして、今度はその信用力がますます落ちてきて、要するに受け付けてもらえないと。一方では、今度、貸金業者は、その調達面から考えれば、銀行から借りた、いわゆる大手の貸金業からまた中小にお金が流れていると。そういったような、その調達のコスト、これも上がってきてしまうというようなことがあるんではないかなと思います。 従来、いろんなお話を伺っていると、例えば二〇%で今の市場金利が一・五、市場金利というか銀行からの借入金利が一・五%から六%、十何%もあるじゃないですかと。それでもまだもうからないんですかというようなお話というのはよく聞かれることでございまして、そういったいわゆる信用収縮の連鎖ということに対して津田参考人はどのようにお考えになっていらっしゃるか、御意見、聞かせてください。
○参考人(津田武寛君) 私も、例えば大手の消費者金融業者の収益構造を見てみますと、確かにマージンは、武富士を例にしますと、前期二一・五%ほどあります。ただし、貸倒れ費用が八%ぐらい掛かりますし、貸倒れ費用を除く例えば人件費とか電算機費それから広告宣伝費その他もろもろの事務手数料、これをその融資残高で割ったパーセンテージも八%ですので、結局、販管費の残高に対する比率は一六%になってきまして、結局、二一%ぐらいのマージンは五%あるいは六%ぐらいのマージンしか取れない、そういった収益構造になっているんですね。ここで上限金利を一挙に、今回の改正案では利息制限法の段階ですので恐らく一八%、あるいは百万円以上は一五%になりますと、これは経常利益はまず赤字になっていくことは必定であります。 そうしますと、いわゆる業者から見ますと、なるべく貸し倒れない人、なるべく貸し倒れないということは年収が大きい人といったような、彼らのリスク分析においてリスクの少ない人のみに融資をして、リスクの大きい方には融資をしないという形を取ってまいりますので、まずは回収に入ってくるのではないかというふうに予想いたします。 現在、大手の消費者金融、武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販にGEキャピタルとシティバンクの子会社を加えました大手七社のベースで考えてみますと、実際の契約金利で一八%以下で契約できているお客様の全体に占める割合はほぼ三・五%でしかありません。残りの九六%は一八%以上の金利になっています。二九・二のいわゆる出資法の上限金利の分野で貸している口座数というのが四百三十四万口座ございまして、これは大手七社の口座数の三六%に当たっております。この辺りはすべて貸しはがし、すなわち残高がゼロになるまで回収しに掛かるだろうと思いますし、それ以外の口座数でありますけれども、いわゆる七百十一万口座、大手七社の口座数の約五九%は現在の融資残高を減少させるためにいわゆる回収に入ってくる。 具体的な回収の方法は、毎月いわゆるミニマムペイメントがありますので、そのミニマムペイメントでお客様が返済いたしますとたちまちクレジットラインがとんと下がっていって、もう借りれないという状態になるわけです。こういった状態で信用は収縮してくるだろうと思います。 さて、お客様にとって借りているお金を返すというのは、自分の生活費を切り詰めることにはなかなか限界がありますので、だれかから借りてくるということになるんですが、それをどこかから調達して返済しようとすることが困難な場合は、やっぱり破綻してくるといった形で信用収縮が起こります。この信用収縮ということは、結局、その貸金市場におけるこの元本、今現在十一兆円ございますけれども、これが三・六兆円ぐらいにまで縮小いたしますと消費マインドが低下する、いわゆるこの元本の、貸金市場における元本額と消費の量との間には強い相関関係がございますので、そこで消費がダウンしてきて、そして景気が少し悪くなって、消費マインドも低下してGDPに悪い影響を与えると、こういう論理でございます。
○山下英利君 津田参考人、ありがとうございます。 今、大手の貸金業の状況を基本としてお話を伺いました。中小の貸金業者の、例えば資金繰りになると大手よりも更に悪化するという話になりますか。そういう形であれば、もちろん調達コストは大手よりも高いでしょうし、マージン率というものは薄いというふうな理解でよろしいんでしょうか。
○参考人(津田武寛君) 中小になりますと、今先生がおっしゃられたように、更に大手よりも調達コストが高くなってきまして、この利益の利益率ですね、残高に対する利益率の比率がもっと低くなりますので、上限金利を引き下げられた後では非常な経営難に陥ります。そして、もう既にそれを見越しまして中小零細の貸金業者は回収に入り始めておりまして、それが少しずつ、部分的にではありますけれども、債務者の方々にとって苦しい状態になっています。 北海道の上場企業でアースという会社があるんですけれども、この上場企業においてアースという消費者金融会社は消費者金融部門をもうクローズすることを証券市場にいわゆるディスクローズしておりまして、このように今後は上場している中堅企業も消費者金融事業を廃業していくという動きになってくると思います。
○山下英利君 ありがとうございました。以上で終わります。
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉でございます。 本日は、三人の参考人の皆様にいらしてもらいまして、本当にありがとうございます。 まず、新里日弁連の事務局長に質問させてもらいます。 今回の法案で、指定信用情報機関への情報提供やその信用情報管理、利用に関して個人情報保護法違反のおそれがあると、こういった指摘もございます。また、これは東洋経済の中で、例えば消費者金融会社の従業員が退職金代わりに顧客情報を持ち出し、それが名簿屋を通してやみ金に流れるという危険性があると、こういった御指摘がございまして、この辺り、是非とも教えてもらいたいと思います。今、附帯決議等も含めましていろいろ検討しておりまして、是非、実務的な観点から御指導をお願いします。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えさせていただきます。 東洋経済の私の書いたコメントが載っておりましたのを御指摘いただいたのだろうなと思っております。実際、やみ金被害の関係でも、やっぱり消費者金融の取引の情報が漏えいをされていくということで新聞記事にもなっておりますけれども、退職する従業員の方が信用情報を持ち出して、それが一件が三百円で売られてしまうということで、例えば一万件を持ち出してしまうと三百万、ひとつの退職金代わりと言ったらおかしいですけれども、そのようなことがあって、それがもう名簿屋に売られてしまう、そしてそれが名簿屋のところで加工されて、そしてタックシール付きで売られてしまっていると、やみ金にですね、そしてやみ金被害を起こしてしまう。 やみ金被害というのは、よく借りられなくなったからやみ金に行くんだろうと言われていますけれども、日弁連が二〇〇二年に一一〇番をしたそのまとめでも、ほとんどが、四分の三が勧誘被害でございます。いわゆるダイレクトメールが来る、ファクスが来る、それから電話が来るという不招請勧誘という部類だろうと思いますけれども、その材料になっているのがまさしく顧客情報ということでございます。 それが、今回、信用情報がいわゆる広がっていきます。クレジット会社が持っている貸付けの情報も管理をされていくと、オープンになっていくという問題がありますので、そこに対して、やっぱり情報が増えてくる中でどうそれを規制していくか。きっと消費者団体の方も信用情報を統合することに必要性は認めていると思うんですけれども、そのいわゆる今のような持ち出してしまうという危険性を非常に危惧しております。そこをこの今回の法案等の中できちっと今後していかなければ、やっぱり信用をかち得ないのではないかなと。ただ、必要性は認めますので、是非、乱用されないような仕組みをきちっとつくっていただきたい。そして、最終的にはクレジットや銀行も含めた消費者ローン全体としての一元管理というまで進めていただきたいと。その第一歩でございますので、そこについて非常に危惧の念はございますので、きちっとやっていただきたいということでございます。
○大久保勉君 分かりました。非常に重要な指摘ということで承りました。 特に、金融商品取引法等に関しまして、不招請勧誘の禁止に関していわゆる貸金は当たるか当たらないかという議論もしたことがございまして、現状はそういった規制の範疇外ということで、是非とも情報管理が必要だなという認識を受けました。 実は、今日、私は法務省の方に質問したんですが、答えてもらえないということで、あえて教えてもらいたいんです。といいますのは、過払い金というのを計算してもらいましたら、金融庁自身は年間に六千六百億、仮に十年としたら六兆円程度ございまして、一番にどの程度、過払い請求に関しまして手数料が弁護士に、業界に落ちているのかと。また、いわゆる非弁行為とか若しくは多重債務者への優越的地位の濫用ということで、いわゆる幾ら過払い金が払われたかということを通知しないと、そのことによって債務者が知らないところで手数料をもらっていると、こういう実態を指摘されるケースもあるんですね。日弁連としてこういった調査をなされているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○参考人(新里宏二君) 六兆円という話が今委員の方から出ましたけれども、実際、まだまだ過払い金返還請求というのはそこまで行っていないのが現状でございます。例えば、きっと武富士が一番返しているのかもしれませんけど、二百億前後ではないでしょうか、年間。ですから、それを、一番ですから、足したところでまだ一千億の規模すら行っていないのではないかなということです。 では、何でそのレベルなのかということからすると、やはりみなし弁済規定の問題がございまして、それを最高裁、その意味では三つの大きな最高裁の判決、いわゆる平成十五年の七月の十八日、日栄との事件の判決、それから翌年の二月二十日の商工ファンドとの判決、それから最終的には、今年の一月の十三、十九日とシティズの判決の中でみなし弁済を認めないという大きな流れが出てきました。 そういう数次にわたる最高裁闘争というんですかね、私も実は、今日は日弁連の立場ですけれども、商工ローンの弁護団もやっておりまして、私たちの弁護団が本当に頑張って、やっとあの一月の判決を取ったと。そういうことの努力の中で、過払い金返還請求をきちっとして被害救済に充てようという流れになっています。ですから、まだその六兆円というようなことは、全くそこまでも行っておりませんし、例えば引当金として二千億を積んだと言っていますけれども、実際返ってきているのはその一割に満たないという状況でございます。 じゃ、弁護士の報酬はいかほどなのかということにつきましては、一応、独禁法との関係もあったということで、日弁連が具体的な報酬基準を廃止しております。その上で、各弁護士が妥当な金額を決めるんだということになっております。午前中の委員会審議でもございましたけれども、東京の三会の多重債務相談窓口での報酬基準については二割だというようなことが答弁の中でも出ているところでございます。ただ、一般の弁護士については、依頼者ときちっと相談をして契約書を作ると、説明をするんだということが前提になっております。 じゃ、過払い金について依頼者にちゃんと説明をしていないのではないかということがございますけれども、やはり皆さん、これだけ過払い金があるのではないかということが社会的にも認知されてきております。 それから、私ども事務所でも、具体的に依頼者が関与しないと過払い金返還は具体的にはできませんと。何かというと、業者からは取引利益を出していただきますけれども、業者は全部出さないケースがほとんどでございます。そうすると、どこにあるのと、いわゆる最初の借入れはどこですかということはまず確認をしなければなりません。それをその都度依頼者と確認をしながら、ああ、これより先にありますねということであれば更に請求をして、確認をして、じゃここでいいですねということを前提に、じゃ過払い金が幾らになるのかということを計算をして、それを依頼者が分かるような仕組みになっています。基本的には、依頼者とともに過払い金返還を請求をするという仕組みになっております。 もう一つ出たことからすると、非弁提携の問題でございます。これは非常に日弁連としても大きな問題で考えております。実は、広告解禁がなった時点で非弁提携の問題がやみに潜るのではないかということで、実は私は日弁連の臨時総会の中でも、この問題をきちっとやらなかったら弁護士は信頼を失うよということで、附帯決議の中で最終的にはワーキンググループをつくり、委員会をつくっていると。非弁案件について非弁のきちっと懲戒事例集を出したりして、この問題についてはきちっとやらなきゃならないというつもりで頑張っております。
○大久保勉君 ありがとうございます。 やはり、多重債務者の再生をどうやってやっていくかというのは非常に重要だと思うんですね。国会の方でも再チャレンジとかいろんなことを考えておりまして、是非コンタクトを密にしながら、実質的に多重債務者をどうやって解決するかという点で頑張れたらと思います。 続きまして、吉田副会長の方に質問したいと思います。 セーフティーネットという観点で、生活費不足が三五%、いわゆる多重債務の原因であるということをコメントがございました。また、いただいた資料におきましては、インタビュー記事によりますと、いわゆる勝ち組、負け組の分化が進んでいるという問いに対しまして、確実に進んでいると。 こういったものは非常に政治的な問題だと思うんです。この五年、よく格差の問題とか議論されておりますが、この数年間でこういった現状が厳しくなっているのかいないのか。もし厳しくなっているとしましたら、どういうふうな総合的な手当てが必要であるかと。この辺りに関して、もう少し具体的に教えてもらえたら助かります。 また、具体的にどうやって救済するかということで、カウンセリングが非常に重要であるということで、地方自治体のカウンセリングの窓口を増やしていくということで、私どもそう考えておりますが、もう少し具体的に、じゃ今の自治体のカウンセリングというのはこういった面は使い勝手が良くないと、どういうふうにしたらいいかと、こういった提言をいただけましたら非常に助かります。
○参考人(吉田洋一君) 吉田でございます。 今の第一点の多重債務になっていらっしゃる人たちの生活の状況についてだと思います。これ、この数年、やっぱり急激に、この一、二年で急激に増えたということじゃなくて、やはりだんだんだんだんその増加の傾向が強くなってきたということが一つの傾向だと思います。 つまり、私たちもずっと統計を取っておりますけれども、生活費の原因で要するに多重債務になったというような方が、大体七、八年前は大体二五、六%でした。それが漸次増えてまいりまして、去年辺りになりますと、生活費というのは非常に抽象的な概念で、それに病気、疾病だとか子供の学費の問題だとかということになりますと七〇%ぐらいにはなっていくわけですけれども、単純に生活費の不足ということでひっくるめております。それが大体三五%ぐらいというふうな形で出ております。 ただ、今年、私は初めて熊本の日弁連のシンポジウムで依頼を受けまして、ある一定期間、今年の夏と去年の秋口を対象にして調査を、ランダムでサンプリングして調査した結果がここに、皆様方のお手元にある統計資料だと思います。 その統計を取りましたところ、つまり生活保護基準、生活保護世帯じゃないんですけれども、生活保護基準以下の世帯が大体二八・六%、その以下が二八・六%という数字。全然収入がなかったり、もう全く収入も、〇・五ぐらい、半減以下という方の数字でいえば三三・八%。もう非常に、この数字を見て、私たちも実はショッキングな数字だったんです。やはり、そういうふうな形で生活費の不足というのが出てきているということが言えると思います。 そうすると、二番目の、社会的なネットワークをどういうふうにしたらいいか、自治体でということが今御質問にありました。 私は、熊本の例で申し上げますと、熊本に、今各自治体がこういうふうな問題に取り組もうじゃないかという形で立ち上げを急ぎ始めております。議会でも議論をされ始めました。私のところにも三つか四つぐらいの市町村からこういうふうな質問をして、こういうふうな立ち上げを、ネットワークをつくりたいんだということで、議会関係者の方だとか自治体の方から質問が来ております。 これの中で、やはり今から全く手始めで、どういうところが使い勝手がいいとか悪いとかというんじゃなくて、やはり熊本市の場合を申し上げますと、今、市の行政でやっておるのは消費生活センターというところがあります。その消費生活センターが中心になって、いろんな苦情だとかそれから多重債務の問題を相談を受けているわけですけれども、消費生活センターと私たちと、それから熊本市に常設されておりますサラ金問題の、何というんですか、相談室というのがあるわけですね。ただ、自治体が直接に、例えば司法的な解決をしなければいけないときに紹介をするということはできませんので、私どもだとかというところ、それから司法書士会、それから弁護士会にそれを紹介をしていくというような形でやっているわけです。熊本の場合は多重債務対策協議会というのをつくり上げて、そこで協議をしながら多重債務の問題を解決をしていくというふうな形を取らせていただいております。 だから、行政じゃなかなか、まだ非常に答えとしてもできませんけれども、まだ未完成な部分があると思います。
○大久保勉君 私、今回の問題、いわゆるウオームハート・クールヘッドといいますか、温かい心でやるのは当然ですが、それだけではどうしてもうまくいかないケースもあるということで、いわゆる経済原理を見ながら冷静に見る目も必要かな、両方とも重要だと思っております。 そこで、いわゆるノンバンクのアナリスト部門でナンバーワン、ナンバーツーの津田さんの方に、経済的な観点から、いわゆる諸外国の例を含めながら、金利を下げることによってどういった問題が発生したのか。よくあるのは、イギリスで金利を強制的に下げまして、やみ金が増えて、そのことによって更に規制が柔軟化したと、こういったことがよく言われております。 しかし私は、日本の場合は二九・二%、非常に金利が高いという状況で二〇%にしましても、それでも非常に高いですから、イギリスの例とはもしかしたら違うのかなという論点もありますから、こういったことを含めまして最後に質問します。
○参考人(津田武寛君) 諸外国の金利の状況ですが、まず、アメリカでは各州法によって上限金利が違っております。二〇%ぐらいの利息制限法を取っている州もあるんですが、そういうところでは貸金業者はほとんどいなくて、やみ金が結構多いというような実証データがあります。おおむね三六%とか、その程度の金利を上限にしているようです。 イギリスにおきましては、上限金利を設定いたしますとやみ金がはびこるのではないかということで、イギリスの消費者団体が上限金利を撤廃してくれるように政府にお願いしておりまして、上限金利というのはないようでございます。 これに対しまして、ドイツとフランスは元々貸金業者に対するイメージというのは非常に悪いんですね。元々貸金業者というのは良くない仕事だと。特にドイツはそうでありまして、こういうところでは上限金利というのは二〇%とか、フランスではもっときつい状態になっておりますけれども、やっぱりやみ金が多いというのがこのイギリスなんかの資料に出ています。 一番やっぱりやみ金がはやるかはやらないかということで見ますと、アメリカ合衆国が州法でそれぞれ上限金利が違っておりまして、二〇%ぐらいのところではやみ金が非常にはやっているというデータがありますので、その辺で上限金利を引き下げることとやみがはやるということの相互の連関性はあるんじゃないかというふうに思います。
○大久保勉君 ありがとうございました。終わります。
○西田実仁君 公明党の西田でございます。 今日は、本当に三参考人の皆様、大変にお忙しいところありがとうございます。 まず初めに、津田参考人にお伺いしたいと思います。 よく言われるように、日本の金利体系そのものが非常に低いところに大きな山があって、そして高いところに山があって、真ん中がないということはよくもう指摘されるところであろうと思うんですね。実際に今回、上限金利を引き下げることによって自動的にミドルリスクの金利のところが増える、自動的にというか、そういうところのマーケットができる環境が整うんじゃないかという説明をこれまでの質疑の中でも政府の方からもございました。 しかしながら、それは自動的にということではもちろんないと思うんですね。実際に大手の消費者金融なんかでも、いわゆるミドルリスクのところでいろいろ商品を作っても、なかなか正直言って商品として成り立ってないと、簡単に言えばそんなにうまくいってないという話も一方で聞くわけなんです。 ここはやはり、健全なそうしたニーズに基づくマーケットをどう育てていくのかということも大事なことになってくると思う中で、このミドルリスクの金利をどういうふうに日本のマーケットの中に根付かせていくのかという観点から御質問をしたいんですけれども、そのことと、先ほどのお話の中で、上限金利ぎりぎりで政府系金融を付けて小口で貸し出せばいいんじゃないかというようなお話もありました。しかし、上限金利ぎりぎりでやるとなると、じゃ民間と政府とどういう関係になるのかと。民間も上限金利ぎりぎりで多分貸してくるでしょうから、そうすると競合、そういう形でしていって本当に健全なのかというような感じもしますし、ちょっと私の問題意識は、ミドルリスクの金利をどうマーケットとしてつくって、日本においてできるのか、つくり上げられるのかということなんですけれども、それと併せて、今参考人がおっしゃった政府系金融の位置付けですね、その辺、もうちょっと詳しくお教えいただければ幸いですが。
○参考人(津田武寛君) ミドルリスク・ミドルリターンのマーケットというのはなかなか、概念上は存在するんですが、実際にあるのかないのかというのは長い間のテーマでありました。と申しますのは、安い金利で貸せる方というのは大変リスクの少ない方で、これらの方々はそもそも預貯金をたくさんお持ちで、貸金なんか要らないという方々が多いんですね。今度は、ハイリスクな方々に資金のニーズがあります。ですので、ミドルリスク・ミドルリターンのマーケットそのものというのは、業者がここにあるんではないかというふうに考えていただけで、実際にやってみますと、例えば銀行と例えば消費者金融がジョイントベンチャーでつくっている消費者金融会社がありまして、実際に一五%あるいは一八%、いわゆる利息制限法の範囲で貸すことを試みているんですが、なかなか彼らが願うお客様というのは来ないものですから、いわゆる申込みに対する契約率というのは三〇%というふうに非常に低い状態であります。 ですので、そのミドルリスク・ミドルリターンマーケット用のジョイントベンチャーがはねた、いわゆる審査を通過しなかった方々には、やっぱりハイリスクというふうに考えて、高い金利で貸さないといけないというのが現在の状況ではないかというふうに思います。 結局のところ、そもそもいわゆる金利が、多重債務、高金利はいけないということではなくて、返済をきちんとさえすれば金利が高くても十分経済的な効果があるというふうに思います。 例えば、先日、バングラデシュのグラミンバンクというのがノーベル平和賞をもらったわけですが、グラミンバンクの貸付金利をホームページで見ますと、無担保ローンで二〇%という金利なんですね。そして債務者は、法的な執行力はないんですが、債務者は五人のグループになっておりまして、返済が滞りますとその同じ組合のようなメンバーがその債務者に返済を促すように精神的に支援をするというシステムになっております。 さらに、債務者が亡くなりますと、いわゆる生命保険におけるプログラムが作動する、ライフ・インシュアランス・プログラムと書いてありましたけれども、今世の中で大変批判を浴びております消費者信用団体生命保険のプログラムが作動するようになっているんです。ですので、二〇%が高いか安いかということというよりも、どういう方に、どういうニーズに貸していくかということだろうと思うんですね。 私自身は、日本においてミドルリスク・ミドルリターンというのは自然な形で、いわゆる競争によって市場メカニズムの中で金利がどんどん下がってきて、やがてそういったマーケット及びそれをプロバイディングする提供者が現れるというふうに考えて、そっちの方に市場メカニズムによって持っていくべきであって、法律によって強制的に下げていきますと、いろんなひずみが出てくるんではないかということで、あのような陳述をいたしました。 〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕 それから、もう一つの御質問をちょうだいいたしましたけれども、結局、政府系の金融機関で上限金利ぎりぎりに貸すということは、民間でやらせますと、やっぱりそのリスクの少ない人をねらって貸し付けていって、なるべくリスクの高そうな人は貸さないようにしようというこの行動、これは、民間企業はやっぱり利益を上げなければなりませんので、そういうようなインセンティブが働きます。 問題は、リスクの高い人に安く貸すというこの相矛盾したテーマでございまして、これは市場メカニズムで解決するというのはもうほぼ不可能でございますので、政府による一方的な援助という形で貸し付けていただければと思うんですが、先ほどのグラミンバンクの例にもありますように、結局のところあの総裁がおっしゃったように、結局、借金の返済はいわゆる金利ではなくて本人が返済しようとする意欲であるということでございますので、決して利息制限法のぎりぎりの高い、利息制限法の金利で借りれない方に貸したとしましても問題ではないというふうに思います。 むしろ、そこで倒れていかれる方々に対し、もしも払えない方々はどうせもう債権を放棄せざるを得ないので、他のそこで返済できる方々から上がる利益によって償却させていった方がロングランのいわゆるシステムとして成り立つんではないかと、このように思いまして、そのようにお答えいたしました。
○西田実仁君 ありがとうございました。 そういう意味では、あのグラミン銀行から学べれば、今おっしゃったような政府系金融機関による貸付けも何らかのカウンセリング付きのような形でとかということも考えられるのかなと、今ちょっと感想を述べさせていただきました。 続きまして、吉田副会長、参考人にお聞きしたいと思いますけれども、ずっといろいろな形でかかわってこられまして、相談とかカウンセリング等もやってこられたんだと思うんですけれども、そうした中で、実際に非常に困っておられること、また、今後政府の中にもあるいはそれぞれの都道府県にもその対策本部なり対策協議会というものが必要になってくるという御主張だったかと思いますけれども、そうしたところで今お困りになっていることが何らかの形で少しでも助けられるとすればどういうことを求めていかれるのか、そこをもしありましたら教えてください。
○参考人(吉田洋一君) ありがとうございます。吉田でございます。 何を一番困っているのかという御質問、本当に有り難かったんです。というのは、やはり私たちは多重債務者と本当に毎日向き合って一番困っているのは、多重債務者が、このごろの多重債務の相談が、もう本当にあしたからどうやって生活するの、借金がなくなっても生活できないんじゃないかという思いが私たちの中に出てくるんです。 本当に多重債務になっている人たちが、私たちが、例えば親子三人で十万そこそこの収入しかない、今までは借金をどうにかしてきたんだけれども、借金をしてきてどうにか生活したんだけれども、じゃ、ここで借金の整理をしてどうしたんだろう、どうしてあしたから生きていくんだろう、生活をしていくんだろうということが出てきたときに、もう本当につらいんです。 この人たちの収入を増やしてあげれるならば、この人たちを本当に救うことができる、根本的に今後も借金のない生活をさせることができるんだけれども、じゃどこからそのお金を持ってこようと考えたときに、やはり私たちが求めるのは、社会的な社会福祉政策ということがそこに出てくるわけです。 私たちは、生活保護課とも連携を取りながらこの問題に携わっています。なかなか生活保護課の方も、これは予算の関係もあるでしょうから、なかなか受けようとはしません。しかし、それをほっとくならば本当にあしたからの生活が駄目になるという思いがあって、もう本当にそこが一番困っています。 ですから、先ほど申しましたように、やはり低所得者対策というのを、本当に国が今根本的にこの低所得者の対策を講じていただきたいというふうな思いを持っているわけです。
○西田実仁君 ありがとうございました。 そういう意味でいきますと、やっぱりこの、今度、多重債務対策本部というのが政府にもできますけれども、この後、新里参考人にお聞きしたいんですけれども、この対策本部は省庁横断的と言っているわけですから、今の社会福祉政策としての多重債務問題の解決、それからまた金融のマーケットとか、ほかいろいろたくさんありますけれども、金融だけの問題じゃないということだと思うんですね、今御指摘いただいたのは、もう低所得者対策ということでありますので。 やっぱりそういう意味からいきますと、今後、まだその形が見えていませんけれども、この多重債務対策本部なるものが、これは金融ももちろん大事ですけれども、こうした福祉の問題、社会政策の問題、そうしたことの方がより大きな問題として浮かび上がってきているんじゃないかと思いまして、新里参考人にお聞きしたいのは、今後できるであろうこの対策本部の在り方についてどういう形がその多重債務者をなくしていくという政策目標に合わせて必要なのか、その在り方について御意見があればお聞かせ願えますか。 〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
○参考人(新里宏二君) 今月中にも法案が成立するのであれば、できるのではないかというふうにお聞きをしております。やはり、一番重要なのは、現場が分かる、現場の声を聞くような仕組みがないといけないんだと思いますね。今、隣にいる吉田さんが現場の話をしてくれました。それが政府の対策に生かされるような仕組みでない限りはやっぱり魂が入らないのではないのかなというふうに思っておりますので、まさしく現場でこの問題を取り組んできた人を是非、本部の中に何らかの形で位置付けていただいて、その声を反映をして対策を取っていただきたいというふうに思っております。 具体的な対策ということでは、やっぱり相談の体制のところ、繰り返しになるかもしれませんけれども、それと今ある相談体制をどうネットワーク化していくかと。一つは、市町村の相談体制を位置付けようということなんですけれども、今、全国の市町村が千八百以上あると言われていますけれども、その中で市民相談、消費者相談の窓口のないところすらございます。ですから、そこを位置付けようとしても相談員がいない、そこをどう相談員を確保して、そこの研修をすると。だれが研修をするのかと。そしてさらに、そこで周りの町内のネットワークと、あとはプロとのネットワークをつくっていかなきゃならない。その意味では、市町村がメーンだよといいながら、その予算対策をどうするのかということも次の課題になってくるのではないかと思います。 それから、貸付制度についても、私の少しペーパーで出ましたけれども、今ある仕組みをどう活用していくのか。自治体提携の年収が百五十万以上の方についての、例えば自治体が一億労金さんに預託をして、それで二億まで貸付けをする低利の制度があるんですけれども、必ずしも十分機能しておりません。それをどうリメークしていくかというのが課題になってきますし、さらに、その下のところの社会福祉協議会での貸付制度、これは国が三分の二、自治体が、都道府県が三分の一を拠出をして貸付けをするという制度ですけれども、ここは一千億ぐらいの残があるわけですが、三百億は使われないままで、国債等で運用しているんですね。ここをどう使いやすくするのかどうかというのも課題になってきます。 それから、やみ金対策。これは皆さんが非常に懸念をしているところですので、やみ金は、やみ金対策法ができて以降いろんな数次の改正の中で、やみ金を封じ込めるような仕組みを少しずつ広めていっているんです。その今ある最大のものを使ってどう封じ込めていくのか。実は、二〇〇三年にやみ金対策法ができたときに、各県警本部にやみ金対策本部をつくったんです。ただ、今、名前はあるのかもしれませんけれども、機能していないと思います。そこをどうリメークする。法律ができることによって、さあもう一回頑張ろうよと、つくってやりなさいと、先ほど言ったように研修も踏まえてやるということを、号令が掛かっていくと、重罰化になりましたので警察の意欲も出てきます。そういう仕組みができるのではないかなと。 それから、繰り返しになるかもしれませんけれども、やっぱりまだ金利が下がりません。いわゆる三年間下がらないわけですよね。メッセージとすると出資法の上限金利を利息制限法まで下げようと言っているわけですけれども、実際、貸出金利はどうなっていくのか。私は、理想なのは、三年後に金利が下がるときに、自主的に貸金業者が金利を下げていく、利息制限法に下がっていると、そして、さあ法律ができましたというようなことを誘導するような仕組みというのを今つくっていかなきゃならない。 私、先ほど言いましたけれども、やっぱりテレビCMなんかが、いわゆる利息制限法を超えた貸付けについてはできないようなことをする。実は、これは民放連の基準を変えることによってできるんだと思います。今、出資法違反の貸金業者についてはテレビCMができないような仕組みになっていますが、これを利息制限法に変えるような仕組みができればコマーシャルができません。コマーシャルができないということであれば、やっぱり自助努力の中で下げていくよう努力はする。 それから、やっぱり皆さんに知らせる、払わなくてもいい金利があるということをどう知らせていくか。これは政府の大きな広報、相談体制のところの広報と、払わなくてもいい金利があるということをどう広報していくかというのは、政府の大きな、自治体も含めての責任になるのではないかと、そのような対策を是非この本部の中でやっていただきたいというふうに思っています。 日弁連としても、最大限の協力はしたいというふうに考えております。
○西田実仁君 終わります。
○大門実紀史君 本日は御苦労さまでございます。 最初に新里参考人にお伺いします。 今回、日弁連含めて被害者の会の全国の方々、司法書士の会含めて、皆さんの大変な御奮闘でこういう法改正になったというふうに思います。本当に御苦労さまでございました。 また、先ほど弁護士さんの報酬という話がございましたけど、この運動でかかわってこられた弁護士さんも司法書士さんも、もうほとんど報酬どころか手弁当で本当に頑張ってこられたというのを、本当に心から敬意を、もう新里先生もどうやって生活されているのかなと思ったこともありますから、本当に頑張ってこられたというふうに思います。 今回の法改正の議論の過程で、私の認識で余り十分議論されてこなかった、抜けてたんではないかと思っているのが、不動産担保ローンの問題、そして日掛けの問題、そして商工ローンの問題というふうに思っておりまして、商工ローンは来週国会でも質問したいと思っているところでございますけれども、その商工ローンのことを最初に新里参考人にお聞きしたいんですけれども。 いろいろ調べてみると、何といいますか、通常の、通常のと言ったら変ですけど、サラ金問題、高金利問題だけではなくて、公正証書を悪用するという、もう詐欺じゃないかというか、刑法のマターじゃないかと思うようなことにぶつかります。その辺で、新里参考人の御認識とか、いろいろ触れられて取り組んでこられたことで、参考になる御意見あれば教えてもらいたいと思います。
○参考人(新里宏二君) 何とかかすみではなくて生きておりますけれども、日弁連、その意味では本当にこの問題、一部には、金利を下げたらいわゆる過払い金市場、グレーゾーン金利で過払い金を取って、日弁連、弁護士が困るんじゃないかというやゆされながら、やっぱり社会正義のために変なグレーゾーン金利はなくそうということで、日弁連一体となって戦ってまいりました。 今商工ローンのことでございますけれども、本当に商工ローン問題については、一九九九年に社会問題化して、一九九九年の十二月に上限金利が二九・二に下がったり、保証人制度について一定の改善が図られました。しかし、いろいろ規制をしていくとどんどんどんどん逃げていってしまう。 それで、今一番厄介なのが二点あります。一つは公正証書の問題、一つは手形の問題でございます。 公正証書については、いわゆる裁判外の手続で唯一、人の財産に強制執行が掛けられる。そういう公正証書が、非常に手続的に不明朗なままに作られてしまう。そして、払わない又は弁護士に相談した途端に強制執行、しかも給料の差押えをされる。非常に、給料の差押えをする、しかも、それが事業者ではなくて保証人の方でございます。いわゆる、そうすると非常に会社との関係で本当にこの時期、首になりかねない、そういう被害が続々出ました。更に言えば、公正証書ですから法律の範囲内でしか作れないという中で、いわゆる利息制限法で計算しますともう払い過ぎになっているのに、払い過ぎだよと言うと、その公正証書で差押えが来てしまうと。 そういう被害が出て、商工ローンの弁護団、弁護士会としても、この問題をきちっとやっていただきたいということで、日弁連としても公証人法改正の意見書も採択させて要請をさせていただいております。そのような取組が今回実って、貸金の契約の中で公正証書の委任状を取ってはいけないということ、それから利息制限法違反の契約自体では公正証書を作ってはいけないというような改正がなされましたが、これは大きな改正で、ほとんどの部分、公証人法改正のところに匹敵する、非常にいい改正を私はしていただいたというふうに大変評価しております。 ただ、もう一つ残っているのは手形の問題でございます。いわゆる、今でも利息制限法違反の手形で、貸付けについて手形が取られております。過払いであっても、その手形が振出しに、手形交換所に回ってしまいますと不渡りになってしまいます。それについての規制が今回盛り込まれなかったということは非常に残念で、何とかその部分で御検討していただきたいということ。 それから、商工ローン被害というのは保証人被害だとよく言われました。元金は、利息は主債務者から、元金は保証人からと言われるように、保証人を取って、分からない保証人、いわゆる事業にかかわっていない第三者の保証人というのは、どういう状況になるのか分からない、それなのに根保証という仕組みで取られている。この保証人制度についても、昨年の民法の改正の中で保証制度が改善されましたけれども、この商工ローンに目指したような保証制度の改善になっておりません。ですから、第三者保証人を取らないような仕組みとかが本当は望まれたのですけれども、この中では生かされていなかった。その辺りが残された課題又は進んだものということだろうと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 新里参考人にもう一点伺いたいんですけれども、今日私、午前中も質問したんですけれども、過剰貸付けの規制、総量規制なんですけれども、年収の三分の一以内と、ただし売却可能資産がある場合はというふうなことを内閣府令で決めるということなんですが、これが変に使われると大変なことになると、担保取ればどんどん貸せるということになりますから。ただ、金融庁は、担保を取るという考えはここにはないということは明言しているわけですけれども、それならばそういう内閣府令にすべきじゃないかという議論を午前中していたんですけれども。 この辺について、例の不動産担保ローンまでいくかどうかというのがありますが、どういうふうな内閣府令としてきちっとすべきか、御意見があれば伺いたいと思います。
○参考人(新里宏二君) 本当に、新聞、テレビでもこのおまとめローンという不動産担保ローンの問題が非常に、社会的にも非常に不明朗な形で行われている。ただ、これが業者からするとうまみにつながっているんですね。やっぱり百万、二百万を貸せるということですから、これに対する規制がきちっとなきゃならない。 やっぱり内閣府令の中でも、やっぱり居住用資産については除外である、いわゆる除外の除外ですかね、という格好できちっとしていただかなきゃなりませんし、本当は不動産担保ローンのところを、担保付きの居住不動産をおまとめローンという形でまとめていくことについての何らかの禁止的なものが本当は望まれていると。そうしないと、今非常に被害が出ているところに十分な手が当たらないということになるというふうに理解しております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 次は、吉田参考人に伺います。 吉田参考人は、先ほどもございましたが、熊本のクレ・サラの会の相談もされていて、日掛け金融の問題、大変詳しいわけですけれども、これは我が党の仁比聡平議員、そして前回と今日は民主党の広田議員がかなり詳しく取り上げてこられました。 私もいろいろ調査も行ったんですけれども、感じたのは、これは本来、〇三年のやみ金対策法のときにもっと議論をして、あのときにもう禁じると、やめるという判断をすべきような仕組み、制度ではないかと思います。そういう点では、あのとき私もやみ金対策の議論をしましたけど、この問題に余り気が付かなかったということに私自身も反省をしているところです。 そういう点では、これからまだ三年ということではなくて、おっしゃったとおり、速やかにこれはもう早急に、五四・七五なんて異常な話ですから、早急になくすべきだという、私もそういう考えを持っておりますし、今日も広田議員がそういう主張をされているところでございます。 そういうことも努力していきますが、具体的に、仮にもしもこの法案が通って経過措置、三年間の経過措置があると。私はそれは、じゃ三年間何もやらないという問題ではないと思っておりまして、もう中身見ますと、もうほとんど違法行為で貸し付けていると、三要件満たしていないとかですね。もう一つは、一昨日も武富士の問題取り上げましたけれども、要するにこれも、日掛け借りる人というのはもうその前に多重債務者が多いと。つまり、過剰貸付けに当たると。十三条二項違反にも当たるケースが多いんではないかと。 こういう現行法使って徹底的に行政処分と、具体的にやらせないということをやっていきたいなと思っているわけです。そういう、もちろん法律としてすぐ廃止してくれればいいわけですが、具体的にこれをやらせないために、行政の対応、警察の対応、いろいろあると思いますが、どういうことを中心にやっていけばいいか、御意見あれば伺いたいと思います。
○参考人(吉田洋一君) お答えいたします。 日掛け問題に関して前々回のこの貸金業法の改正の議論のとき、一〇九・五%の金利が許されておりました。そのときも私たちは、熊本発ということなんですけれども、その当時の大蔵委員会の中に、かなりの被害が、こんな実態なんだということで詳細な資料も提出して、そのときはこういうふうな場も持つことができませんでしたので、皆様方によく御納得いくような説明もできなかったと思います。しかし、そのときは被害の実態を文書にしたりしまして、一〇九・五%はとにかくひどいというようなことで訴えてまいりました。 そのときに一応五四・七五%という形で平成十三年の一月一日から決まったわけですけれども、しかし五四・七五%そのものもやはり現在の経済の仕組みから考えてこれはおかしいということなんですね。 今、大門先生から三要件の違反ということをおっしゃいました。私たちも、三要件の違反の中で特に、特にひどいのは、大体、中小零細企業、まあ五人以下の小売業、販売業というふうな形になっておりますけれども、そういうふうな業者以外に、サラリーマンであるとか年金生活者であるとか主婦であるとか、はたまたは、もう全然仕事もできないような方たちを保証人に取ったりして貸付けをやっているのが日掛け業者なわけです。今でもそれがずっと継続してやられている。それを今度は県辺りの行政当局に告発いたしますと、もうすぐ廃業をしてしまう、そしてまたいずれかの形で名前を付けて出てくるというような、もう本当に脱法、潜脱行為が日常茶飯事に行われてきているのがあの日掛け業者です。 そして、先ほども申しましたように、五四・七五%に加えて保証料を保証会社と称する会社と結託をして潜脱をしていく。これが五%だとか一五%だとかって書いておりますけれども、私が今まで一番高い保証料を見たのは二五%でした。十万円で七万五千円しかそのときに渡していないというような事例もあります。そういうふうなことが日常茶飯事に行われて、毎日の問題なんですね。 日掛けというのは、例えば三十万借りたならば、毎日三千円ずつ返していくわけです。三千円ずつ返していく人たちが大体二十日間払ったとして六万円です。それが五十万になれば十万なんです。これが本当に零細企業者であったとしても、これが営業をしていくような形で取られていったならば営業は成り立たない。そしてまた、それが仮に個人であったならばなおさらな話ですね。 先生方は経済的にある程度恵まれている方が多いと思いますので余りぴんとこられないかもしれませんけれども、毎日五十万借りて五千円ずつ払う。ちょっと財布を軽くして考えますと、こんなことはあり得ないわけです。これがまだ続いていく。そして、三年間続くということになれば、これはもう本当に、せっかくこういうふうな立派な法改正ができていて、形ができて魂が入らない仏様がそこにあるのと一緒だと思います。 是非ともこれは、附帯決議でも何でもよろしいですから、一日も早くこの日掛けの問題を解決していただきたい。私は切望いたします。
○大門実紀史君 努力したいというふうに思います。 津田参考人に最後伺いますが、いろいろ大変刺激的な御意見をいただきましたけれども、私も社会科学的といいますか、マクロ経済的に分析してきたつもりですが、残念ながらほとんど正反対の見解かも分かりませんが、今日は論争をする場ではありませんので一致する点でお聞きしたいと思いますが、津田参考人が言われている貸金業界の、歴史的な問題も含めて、いろいろ問題があると、あったと。この点でどういうふうな問題点があったのか、あるいはこれから貸金業界はどうすべきなのかと、その体質も含めて指摘されておりますが、その点について伺いたいと思います。
○参考人(津田武寛君) 証券アナリストという職業柄の立場からちょっと申しますと、例えば一時期、アメリカではいわゆる株主の利益のために企業があるんだという考え方が強くて、やがてエンロン事件を引き起こしまして、それからアメリカですら今は、株主と従業員とそして顧客の利益を全体的に調和して高める企業の方が企業価値が高いという考えが主流になっています。現に、株価の方もそちらの方が上がっていっているわけですね。 結局のところ、振り返って貸金業者というビジネスを考えてみますと、いわゆる債務者というのは彼らにとってはお客様でありますので、そのお客様の価値を上げるということ、そして株主というのは会社の利益、そして従業員のお給料ということを考えますと、やはりもう少し顧客の価値を上げる、顧客にとってプラスになるような活動をしていた方が株価も上がったんだろうなというのがいわゆる証券アナリスト的な発想での考えです。 どういうことになるかといいますと、例えばお客様になるべく返済を促すようなことをいたしますと残高が低下して大変だということから、返済はさせないような、先ほども申し上げましたようなリボルビングという商品の問題性があるんですけれども、これによって、結局、お客様自身がなかなか返済の意欲がわかないようにしてしまったというのが大きな問題点ではなかったかというふうには思います。 したがいまして、やっぱり顧客にとって便利であると同時に、顧客にとってもプラスであるという商品開発を結局、プロバイディングしていくという貸金業者に変貌していけば、ビジネス自体もゴーイングコンサーンになっていけるんではないか、それこそがいわゆる証券市場なんかの株主が願っている姿ではないかというふうに思っています。もうこれは証券アナリスト的な立場からいって、そのようになっております。
○大門実紀史君 終わります。
○委員長(家西悟君) 以上で三名の参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の方々には、長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(家西悟君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 引き続きまして、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人として、社団法人全国貸金業協会連合会会長石井恒男君、アコム株式会社代表取締役社長木下盛好君及び全国銀行協会企画委員長平野信行君、以上の三名の方々の御出席をいただいております。 この際、参考人の方々にごあいさつ申し上げます。 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。 参考人の方々から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと存じております。よろしくお願い申し上げます。 本日の議事の進め方でございますが、まず石井参考人、木下参考人、平野参考人の順序で、お一人ずつ十分程度でそれぞれ御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきいただきたいと存じます。 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず石井参考人からお願い申し上げます。石井参考人。
○参考人(石井恒男君) ただいま御紹介にあずかりました社団法人全国貸金業協会会長の石井でございます。 貴重な時間をいただき意見を言う機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 このたび、貸金業業界におきまして、多重債務者問題等の問題、まあ言わば業界の病理と申しますか、それを解決するために、貸金業規制法が貸金業法ということで改正される運びとなりましたが、この中に盛り込まれました参入規制、つまり悪質業者の排除のための参入規制、それから資金需要者の人権を守るための行為規制、それからそういうもろもろの環境を実現するために言わば業界のインフラ、つまり自主規制団体であります貸金業協会の改革とそれから個人信用情報センターの整備、それからクレジットをうまく使えない方々のためのカウンセリング機構の充実ということで、社会的なインフラがこれからつくられようとしている。これについては、私どももむしろ業界として提案してきたことでありまして、これが取り入れられたということについては、まず間違いなく多重債務者等の問題の解決に非常に役に立つと、こういうふうに思っておるわけであります。 ところが一方、同時に今回、三年後に導入しようとしております、言わば普通の商行為でいいますところの価格規制、つまり金利規制、それから融資の総量規制と、この二つの問題につきましてはどうしても私どもは異論を申し上げなければいけない。 このたびのこの金利規制は、百万以上は一五%、これは行政罰、これを超しますと行政罰が用意されているわけであります。それから、十万円以上は一八%、それから十万円未満の貸付けについては二〇%を超すと非常に重い刑事罰、つまり罰則が、普通の、今現存する消費者金融でいえば、二千万人の利用者がいる、それ以外の事業者、日賦も含めて、四、五十万社が扱っていると、事業者が、この分野がすべて罰則の対象になるということでございます。これは、はっきり言って、現下の貸金業者においては九〇%以上、いや、あえて言えば九九%の業者がこの価格規制の下ではビジネスモデルをつくり得ません。 もう既に、この法律ができる前に、現在、この法案がもう骨格をあらわにした段階で、相当の業者が撤退ないしは融資を停止しております。著名なところでいいますと、もう既に公表しておりますから、新聞等が、あえて言いますけれども、丸井の子会社でありますゼロファーストというのがもう撤退を決めました。それから、上場会社でいえば、北海道に上場していますアースという会社がもうこれを停止しました。それから、そのほかにもございます。そういうふうに、上場会社といえどもこのビジネスモデルの中で商売できないと。一体どういうことがこれから起きるんでしょうか。極めて私どもは心配しております。 利限法以上の金利で、消費者金融でいえば二千万人が使っている。多重債務者と言われる方、つまりこのうまく使えない方はそのうちの恐らく五%ぐらいであろうと。九五%の方々は、今こうして金利が高いと多くの方が言って、なおかつマスコミがそろって、大新聞がそろって貸金業者を高金利ゆえに攻撃しているという状況の中であっても、その利用はやめることがないんです。日々それを使っているという状況の中で、どうしてこれを犯罪の領域に、罰則の領域に普通の商行為をするのか、私は全く理解ができません。 価格規制というのは、歴史をさかのぼれば失敗の連続であります。しかし、これほどの規制は私は歴史に例を見ない。あえて言えば、百年さかのぼって、アメリカの禁酒法です、禁酒法。これは一八五一年だと思いますが、メイン州ですね、一部の、メイン州という州がありますけれども、そこの州で、つまり酒を飲んで暴れる亭主、酒乱の亭主、非常に困った。これに対する対策で、婦人活動家の活動の成果で禁酒法が成立する。ところが、この活動がどんどん全国的に広がって、ついに一九二〇年、全国的な規模で禁酒法が成立すると。 ところが、一体どうなったか。これは皆さん、昔、有名なアンタッチャブルという、FBIの、あの映画でよく御存じだと思うんですが、飲酒をするというごく普通の行為を禁止されて、でもこれはみんな、この法律をばかにするんです。皆守らない。飲む。しかし、供給者は、まじめな供給者はこのマーケットから退場させられてしまう。つまり、供給者は密造酒、あるいは密輸入者、つまりマフィアです。結果的にアル・カポネを代表とするマフィアの世界に膨大な富とその勢力を付けただけなんです。で、結局、大衆はこの法律を守らない。それでもこの法律が改正されるのは一九三三年、十三年掛かるんです。 恐らく、私は非常に心配しているのは、この法律できた後に物すごい弊害が、もうこれは供給者がいなくなりますから。銀行以外はいなくなります。そのときどうですか、皆さん。百万円を必要とする、一月。一万二千五百円以上取ったら罰則の対象になるんです。ところが、一月二万円払っても三万円払ってもそういう需要は全国津々浦々幾らでもあると思うんです。私はこの法律の実効性について極めて疑問を持っておりますし、お酒を飲むと同じような行為、つまり二%、三%払ってもお金を借りると、資金調達をしたいという普通の人の自由な選択を全部奪ってしまうと。極めて、何と申しますか、私どもの今置かれた世界的なマーケットメカニズムの中からは極めて遠い法律であると。 最後に申し上げますが、アメリカ、英国においては、アメリカや英国においては、イギリスですね、においては上限金利規制はございません。これは過去に上限金利規制をした結果、大変な弊害が出た。その結果、上限金利規制はない。それから、カナダは六五%か六〇%かその程度であります。オーストラリアでも四〇%以上であります。お隣の韓国でも六〇%台であります。それから、ドイツ、フランスにおいても、手数料等を含めれば、場合によっては三〇%、五〇%という金利が規制であります。 そういうことをもちまして、もうそろそろ私のあいさつを終えますけれども、金利規制については慎重にこれから見守って、結果、この法律ができた後が私は大変だと思います。 よろしくお願いいたします。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。 次に、木下参考人にお願いいたします。木下参考人。
○参考人(木下盛好君) ただいま委員長から御指名いただきましたアコム株式会社の木下でございます。 本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の御審議に際しまして、私どもの意見を述べさしていただく機会をいただき、感謝申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 意見を述べさせていただく前に、まず、消費者金融会社である弊社について説明さしていただきます。 弊社の創業は昭和十一年に呉服商を開始したことから始まり、対物信用である質屋業を経て、人を信用し、人から信頼される対人信用で融資を行う消費者金融事業を昭和三十五年から開始し、今年創業七十年を迎えました。営業開始以降、米国の消費者金融会社への視察や研究、試行錯誤を重ね、今日の消費者金融事業の形を構築してまいりました。 弊社は消費者金融事業の開始以降、五十年弱で八百万人を超える方に御利用いただいており、本年九月末現在で融資残高は約一兆五千七百億円、会員数で約二百八十万人のお客様に御利用いただいております。 私どもの事業は、お客様から申告いただいた情報に基づきお客様の信用を測り、信用力に応じて無担保無保証でタイムリーに資金を提供するものであり、現在、年間の信用供与額は約十兆円と言われる消費者金融マーケットは、こういった事業形態が多くの方々に支持されてきた結果であると思っております。 それでは、今回の法案につきまして四点ほど私の意見を述べさせていただきます。 今回の法案に関しましては、多重債務問題という社会問題の解決と、消費者金融市場をより健全なものとするために、貸金業者の業務の適正化から信用情報センターやカウンセリング機関の充実といったところまで、貸金業制度を幅広く見据えた実効性のある内容だと認識しております。 一点目は、このカウンセリング機関についてですが、カウンセリング機関の充実は多重債務問題に大変有効だと考えております。 この問題に対しましては、私が会長を務めさせていただいております消費者金融業界の任意団体であります日本消費者金融協会、JCFAにおきましても、返済困難になった債務者の無料相談窓口として、平成九年に東京と大阪で金銭管理カウンセリングサービスを開始しております。この金銭管理カウンセリングサービスは、債務整理を行うのではなく、金銭管理、家計管理のアドバイスを行うことに加え、心理的なアプローチから原因を探り、根本的な生活改善を図ることを重視して相談者のサポートを行うものであります。業界といたしましても、以前よりこの問題の重要性を認識し、微力ではございますが、取り組んでおります。 カウンセリング機関の充実につきましては、今後、内閣府に設置する多重債務者対策本部において御検討されるということであります。カウンセリングには、多重債務に陥らない予防的なもの、これは金銭教育と深くかかわる問題でありますが、これと事後の再発防止に向けたカウンセリングがございます。この両面での充実に期待するところであり、微力ではございますが、弊社及びJCFAともに協力することが必要だと認識しております。 二点目といたしましては、やみ金への取締り強化、参入規制の強化につきましても大変重要な対応だと認識しております。 現在、日本において借金返済が困難になった場合、個人版民事再生や自己破産など、救済方法は確立されており、消費者は各人に適した方法で債務整理が可能となっております。しかしながら、こういった制度を御存じでない方の平穏な生活がやみ金によって害されることが多重債務の問題を大きなものにしていると考えております。また、まじめに貸金業を営む気のない者が簡単に登録業者となり、違法な行為を行っている事例もあると言われております。これは、消費者にこの業界を正しく理解していただく障害ともなっており、消費者が貸金業者とやみ金との区別が付かなくなり、やみ金の被害に遭うという悪循環にもつながっております。したがいまして、違法行為への取締り強化や参入規制の強化は、健全な市場を維持するためには必要な措置だと考えております。 三点目は、みなし弁済規定の廃止についてであります。 昭和五十八年に成立した貸金業規制法において、小口金融を健全に育成することを目的とし、利息制限法を上回る利息についても一定の要件を満たすことで出資法で定める利息まで法的に認められることが定められました。これがみなし弁済規定でありますが、近時の最高裁判決においてこの法規定に極めて厳格な解釈がされ、みなし弁済を主張することが困難な状況に陥っております。特に、本件の影響といたしましては、最近では利息返還金、いわゆる過払い金の返還請求が急増しております。また、こういった状況に伴い、公認会計士協会による利息返還金に対する引当金の算定方法も変更され、将来発生が予測される返還金に対して一括で引き当てを行うこととなりました。これに伴い、弊社の今期の純損失は二千五百八十七億円の赤字を予測しており、経営に与えるインパクトは大変大きなものとなりましたが、法の安定化を図る意味で、当該みなし弁済規定を廃止するという判断をされたことは重要なことであると考えております。 四点目でありますが、規制金利の引下げの水準、貸出し総額の規制の在り方につきまして、これらの水準によっては多くの消費者のクレジット利用枠、つまり信用供与額を大幅に引き下げることになり、状況によっては日本経済へも影響するものだと考えております。 このようなクレジット利用枠の減少、つまり信用収縮がどのように発生するかでありますが、まず、今回の改正によって経営状況が著しく困難な貸金業者が多数廃業になり、供給サイドが減少いたします。また、金利引下げに見合った貸倒れコストの抑制策として融資対象者の限定や融資額の引下げが行われ、信用収縮が発生します。そして、こういった資金供給を閉ざされた消費者の一部がやみ金に流れる懸念もあります。 弊社といたしましては、急激な与信引締めにより市場を混乱させることのないように、慎重な対応を行っていく必要があると認識しておりますが、法案に盛り込まれているこれらの規定の施行までの期間において、公的支援制度等のセーフティーネットの拡充などの対応をお取りいただくことをお願い申し上げます。 また、今回の規制金利水準は、いわゆるゼロ金利下の議論であり、将来的には市中金利の上昇局面を迎えることなどから、今後は経済状況を勘案の上、柔軟に見直していただくことが市場の安定化につながるものと考えております。 最後ではございますが、弊社といたしましては、本法案における貸金業の適正化、過剰貸付けの防止などの改正の趣旨を十分認識し、コンプライアンスのより一層の強化と常に利用者の立場に立った業務を遂行することで消費者金融業界の健全な発展に努める必要があると認識しております。 諸先生方におかれましては、様々な見地での御研究を踏まえ御議論いただいていることは、消費者金融に携わる者として大変感謝しております。厚くお礼申し上げます。 以上をもちまして、私の意見陳述を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。 次に、平野参考人、お願いいたします。平野参考人。
○参考人(平野信行君) ただいま委員長から御指名をちょうだいいたしました、全国銀行協会企画委員長の平野でございます。 本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の御審議に際しまして私どもの意見を申し述べる機会をいただき、心より感謝申し上げます。 さて、今回の法案は、多重債務問題という社会問題の解決の重要性及び貸金業の社会的役割を勘案し、大きく三つのポイント、すなわち貸金業の適正化、過剰貸付けの抑制、金利体系の適正化といった課題に幅広く対応する内容であると認識しております。全体として、消費者信用市場及び業界をより健全、適正なものにする大きな改革であると認識しております。当委員会の諸先生方は本法案の内容をよく御存じでいらっしゃいますので、繰り返しになって大変恐縮ではございますが、私ども銀行界として十分理解をし対応しなければいけないポイントを中心に以下述べさせていただきます。 まず、貸金業の適正化に関する規定では、参入要件の厳格化、行為規制の強化、監督の強化などが盛り込まれており、いずれも重要な内容であると思います。このうち、参入要件の厳格化では、純資産を最終的には五千万円まで引き上げることや、法令遵守の助言指導を行う貸金業務取扱主任者に資格試験を導入し営業店ごとに配置することを求めております。また、勧誘に関する規制や取立て規制など、行為規制を強化することで利用者により安心して御利用いただける手当ても講じられております。さらに、貸金業協会の自主規制機能を強化し、広告や過剰貸付け防止等の自主ルールを当局が認可することとしております。 このように、業者及び業界サイドの自己規律を強化すると同時に、金融行政の事後チェック機能を強化する枠組みも用意されております。これまで、貸金業者に対しては、登録取消しや業務停止というある意味で最終的な措置のみが用意されておりましたが、今回の改正により、銀行に対してと同様、業務改善命令が創設され、貸金業者の業務運営を機動的に改善、適正化することが可能になるものと考えます。 次に、過剰貸付けの抑制では、総量規制が導入されるとともに、借入総量の把握を可能とするための制度整備として指定信用情報機関制度が創設されます。このうち総量規制では、貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務付ける、総借入残高が年収三分の一を超える貸付けなど、返済能力を超えた貸付けを原則禁止するといった内容が盛り込まれております。 融資実行に際して、借り手の返済能力を調査し、返済能力を超える貸付けを抑制するということは、貸手にとって基本的な行動であります。しかし、特に個人のお客様の場合には、法人とは異なり、そのバランスシートなどを容易には把握できないというのが実態でございます。今回、指定信用情報機関による残高情報等の交流が義務付けられたことは適正な与信判断に大いに資するものであり、多重債務問題の解決に向けた一つの有力な措置ではないかと思います。 第三に、金利体系の適正化についてでございますが、これまで、出資法と利息制限法という異なる金利規制の間にいわゆるグレーゾーン金利が存在しておりました。このことは、利用者にとっても業者にとっても、分かりにくさやあるいは法的不安定さなどの面で課題があったと認識しております。今回の法改正は、これまで五十年以上にわたって存在してきた二つの上限金利体系を一本化し、いわゆるグレーゾーン金利を撤廃するという大改革でございます。上限金利の引下げが、貸金業の適正化や過剰貸付けの抑制と相まって、多重債務問題を中心とした消費者信用市場をめぐる問題の解決に向けた重要な対応であると認識しております。 なお、本法案の最後の部分には、「政府の責務」として、関係省庁相互間の連携強化により、資金需要者が借入れや返済に関する相談、助言、支援を受けることができる体制の整備等に努めるという規定が置かれております。多重債務問題の解決には、貸手に対する抑制と合わせて、借り手自らが自分自身の返済能力を十分に把握、勘案した上で借入れを受けることが必要であり、その意味で本条文も重要な内容であると思います。 さて、銀行は従来、個人のお客様とは預金取引が中心、融資業務は法人のお客様との取引が主体でありました。しかし、我が国のマネーフローが大きく変化する中で、個人のお客様の資金ニーズは拡大しており、それにしっかりとおこたえしていくことが銀行の社会的責務であると考えております。 本法案は貸金業界に対する法律ではありますが、個人のお客様の資金ニーズにしっかりこたえていく上で、銀行業界としてもこの法律の趣旨を徹底的に理解し、認識を共有し、コンプライアンスの遵守は当然のことながら、より健全、適正な消費者信用市場の育成に役立てるよう努めていくことが重要であると考えております。そのため、本法案が成立いたしましたら、全国銀行協会として、今回の法律の趣旨を会員銀行に周知徹底してまいります。 さらに、より健全、適正な消費者信用市場を育成する上でますます重要になると思われます消費者相談機能についても、全銀協の取組を強化したいと考えております。全銀協では、従来から銀行とお取引のある方との相談窓口を設定しております。しかし、今日の多重債務者問題、より健全、適正な消費者信用市場の育成に貢献するとの観点から、その機能強化が必須であり、検討に着手したところであります。 最後に、繰り返しにはなりますが、消費者信用市場の適正な発展に向けて本法案は誠に重要なものであると認識しております。本法案を御審議いただいております諸先生方にお礼を申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。 本日は、三名の参考人の皆さん、お忙しいところ、ありがとうございます。ただいま審議を行っております貸金業の改正の法律案の審議の参考にさせていただきたいというふうに思っております。 ただいまから質疑に入らせていただきますが、まず石井参考人にお話を伺いたいと思います。 先ほどのお話の中で価格規制という問題がまず出ましたので、今回の金利の引下げという問題についてまずお聞きをしたいと思います。 罰則云々の問題はともかくといたしまして、これでは九九%の業者のビジネスモデルが成り立たないというお話でございました。言ってみれば、ビジネスモデルが成り立たないというのは、供給サイドの収益環境の問題もあるかと思います。そういった中で、貸金業者における収益、そういったものが今回、金利が二〇%というところまで下がったときに、まだ市場金利は、銀行からの借入金利は大体一・五%から二%と、もう一七、八%の利ざやがまだあるというふうに見て、それでやっていけないはずがないじゃないかという声もお聞きをするわけでございます。そういった面からおきまして、貸金業界におけるビジネスモデルが成り立たないという点につき、もうちょっと詳しく教えていただきたいと思います。
○参考人(石井恒男君) お答えします。 二〇%と申しますのは、金額は十万円未満でございます。資金需要者は恐らく、今までのデータで大手であっても一人頭六十万とか五十万ぐらいでございますから、もうこのレベルで一八%であります。したがって、一八%の中で、現在、貸倒れ、少なくともかなり与信を厳しくしても三%ぐらいは出ると、それから人件費もあると。もろもろの、それから調達金利が現在は二、三%であっても、恐らく、ゼロ金利時代ですから通常であれば五%とか六%と。合わせて貸倒れも入れますと、これは最低三%ぐらい出ますので、現状ではたしか六、七%出ております。これはもう取立てとかそういうのが物すごく制約されていますから、そういう中でお支払いいただけないような方の貸金についてはもう償却していくという。つまり、困窮されている方には迷惑掛けないという前提でございますから、貸倒れというのは。 そうしますと、そういう資金も入れまして、先ほど申し上げましたように一〇%ぐらい、それから人件費とか諸経費入れますと、もう既にそこで足が出るということで、大手でさえビジネスモデルを今描きあぐねているんではないかと。もちろん、中小業者はもう既に、私ども五百億円未満の業者のことを中小業者と申しておりますけれども、金利が、上限金利がですね、二%、かなり努力しても三%下がった段階で利益が出ないという状況をお示ししております。既にあちこちに十年ぐらいの経営分析のデータを出しておりますので、これはもうそういうものだというふうに、銀行ではございませんので、そういうものだということで御認識いただきたいと。
○山下英利君 同じような質問を木下参考人にもお願いをしたいんですが、大手でありますから、まだ体力的にはどうかという観点と、今の現状を考えて、これから将来、大手の貸金業者としてどういうビジネスモデルを考えていくのかと、その点についてお聞かせください。
○参考人(木下盛好君) 我々、JCFAの方で経営実態調査というのを行っております。JCFAは大体八十社ぐらい、消費者金融業専業で入っている団体でございますけれども、それを昨年分析しましたところ、全体で、営業費用に対して貸付残高で割りますと、大体二二・二%の経費率になります。主なものとしましては、やはり貸倒れコスト、それから人件費、それからあと事務所費等々が掛かってくるということで、もう二〇%を超えている状況であります。そういったことで、先ほど石井会長が申し上げましたとおり、非常に経営が困難になってくるということです。 一方、そこでの調査で五千億円以上の業者の部分を分析いたしますと、経費率といたしまして一七・六%、昨年の実績が一七・六%でございます。完全に利息制限法で行いますと、大体大手の場合、平均利回りが一六%台になるということが予測されます。そういったことで、非常に、今の段階でこのまま行きますと逆ざやになるという状況でございます。 そういった観点から、当社の場合でございますけれども、今年の十一月の八日、中間決算発表させていただいたわけですけれども、そのときに、いかに、今後生き残っていくためにどうしていったらいいかということで、経営改革を発表させていただいたわけですけれども、まず抜本的なコスト削減、これが必要であろうということで、店舗の削減、また有人店舗を無人化する形態変更、それからあとバックヤードの集約化、それに伴いまして、やはりどうしても希望退職を募らないかぬということで、七百名の希望退職を募るというような状況で、何とかコスト削減をまず行って、そういった経費率を引き下げていこうという動き、まずそれが一点目として挙げられるんじゃないか。 それとあと、やはりいろいろな意味でビジネスモデルを今後、営業の方でビジネスモデルをどう展開していくかということも今後更に検討していく必要があるというふうに思っております。 ありがとうございました。
○山下英利君 どうもありがとうございます。 そうすると、今の現状では、ほとんどビジネスモデルが成り立たなくなると最終的な受皿は銀行だというようなお話を承ったんですけれども、元々貸金業というのは、銀行が応じ切れない需要に対して貸金業というものがそれを支えてきたと、そういったところもお聞きをしているわけなんですけれども、平野参考人にお伺いをしたいんですが、先ほどのお話の中で、じゃこれから個人の取引の中でもっと広げていきましょうというお話の背景には、リスクをもっと取りましょうという考え方がおありになるのかどうか、従来、消費者金融が扱ってきたお客様を銀行で扱っていこうとされているのか、その辺のところをお考え聞かせてください。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。 マクロ的に見ますと、我が国には約三十五兆円のいわゆる無担保消費者ローンマーケットが存在しております。こういったお客様が持っておられる多様な資金ニーズに安心し、かつ信頼していただける方法でこたえていくということが、先ほども申し上げたとおり、金融機関の社会的責務だというのが基本的な認識でございます。 そういった中で、これ私ども、個別の三菱東京UFJ銀行のみならず、各行におきましては、この分野における本格的なノウハウあるいは経験が十分でなくて業務展開ができていなかったという面がございます。 それともう一点、これはよく話題になることでございますけれども、日本の金利体系を見ておりますと、二、三%程度のところと、それから今御説明のございました二三%あるいは二四%といったところに二つこぶがあって、その間の市場あるいはニーズに対して十分な対応ができていないというところがございますので、そういった分野も含めて、今後、これは個別行の立場ではございますけれども、私どもとしては取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。 ただ、取組の方針は各行によって当然異なるものと思われますので、今後、市場に対する取組ということで、私ども全銀協の傘下の金融機関もそれぞれが検討をしていくことになるんではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○山下英利君 時間も限られておりますので次の問題に行きたいと思うんですが、今回の貸金業法の改正は、要するに多重債務者をもうこれ以上出さない、あるいは悪質な業者を排除して健全な貸金、金融のマーケットをつくっていくということが大きな骨格にあるんで、その点におきまして、カウンセリングというのが非常に重要な役割を果たしてくるわけであります。 先ほど来、いろいろなカウンセリングのことについてもお聞きをいたしておりますけれども、貸金業のいわゆる供給サイドから見て、お客様に対してこれ以上の借入れはしてはいけないと言って断るのもカウンセリングの一つではないかなということも言われているわけですが、この点につきまして、今後、貸金業のカウンセリングの中でそういったお客様に対して多重債務に陥らないように抑制をしていくというやり方については、石井参考人、木下参考人、どうお考えになっていらっしゃるか、どういう方向へ持っていかれるのか、御意見をお聞かせください。
○参考人(石井恒男君) お答えいたします。 元々融資を断るというのは、回収できる、つまり貸倒れになる可能性のあるお客様に対しては融資を断らなければいけない。カウンセリングで断るんじゃなくて、断らなければ会社が危なくなるということですから、そういう、自然発生的にそういうことになるんです。そのために個人信用情報センターを業界はつくり上げてきたわけですね。ですから、多重債務の発生については、それほどと言っては申し訳ないんですけれども、自然に抑制されるんです、メカニズムとして。 しかし、この多重債務問題を非常に深刻にしているのは悪質業者、つまり一〇〇〇%とか二〇〇〇%とか、二九%をはるかに超えるような金利で貸す。つまり、その中ではもう貸倒れなんていうものは全部吸収できて、膨大な利益が、昨年一年間で発表されたものでありますと八千億、これがもっと多くなるでしょう。これから二倍三倍になると思います。これほどの収益がやみに渡っている。その存在があるからこそ多重債務者問題を深刻にしているんです。 これから情報センターが整備され、それから取立て等の規制が、ますますこういう規制が厳しくなれば、貸金業者は貸さないようにするんじゃなくて、貸せなくなるんです。そういうシステムづくりがまず大切だと。これはもう我が国だけではなくて、世界、市場経済を取っているところは全部そうでありますから。そういうことにさせていただきたいと思います。
○参考人(木下盛好君) まず、石井会長が申されたとおり、無担保無保証で行っておりますので、リスクはすべて我々業者側にあるということでございます。そういったことで、本当に返済困難、返済ができないお客様に対しては御融資はお断りしております。それがまず一点、十分御認識いただきたいと思います。 それとあと、大手五社の取組といたしまして、他社借入れ件数を原則三件までとしておりまして、それ以上、情報センターを問い合わせしまして、ある場合はお断りをしているという状況でございます。それも認識していただきたいと思います。 それとあと、我々としましては、新規を受けた後三か月間、毎月、情報センターに問い合わせをしまして、そのお客さんがどういった状況になっているかということも調べております。それから、三か月ごとにも調べております。そういったことで、お客様が、そういった借入れが増えているか増えていないかという状況というものは常に把握をして管理をしているということでございます。 それと、一方、やはり借入れをする前に、我々としましても、そういったお客様に気付いていただこうということも大事だという考え方を持っております。そういった意味で、消費者金融会社大手七社におきまして、利用者や一般消費者が消費行動や金銭感覚を自ら確認し、消費行動・意識に潜むリスクファクターへの気付き、そういったものができるようなものとしまして、システム的に専用サイトを設けております。そういった専用サイトを見ていただくということでそういった気付きをしてもらうとともに、新規で来られた方に啓発リーフレット等を差し上げまして、そういったところで気付いていただこうという行動も行っております。 以上でございます。
○山下英利君 ありがとうございます。 木下参考人、もう一度お聞きをしたいと思います。 消費者金融なんかの貸倒れ引き当て率、先ほど、貸倒れ率ですね、お聞きしたら、やはり銀行に比べてはるかに高い貸倒れ率をおっしゃっていただきました。要すれば、そこのところというのは、審査の基準である程度、貸倒れ率も高くてもこのお客様だったらお貸ししようという業務判断だと、そういうふうに思うんですけれども、実際、銀行にない、要するに消費者金融のノウハウというものというのはどういった点がお感じになっていらっしゃいますか。
○参考人(木下盛好君) 銀行にないノウハウといいますか、先ほど若干申し上げましたように、与信管理面、今現状は貸倒れ率、増加しておりまして、当社の場合でも六%ぐらいになっております。しかしながら、銀行とその部分のノウハウといいますか、その違いというものは、先ほど申し上げましたように、お客様個々につきまして、日常からそのお客様がどういう状況になっているのかということを把握しているということだと思います。 私も余りよく分からないんですけれども、銀行の場合はやはり大口で融資するということで、小口での管理というのが非常に難しいんじゃないか。我々としましては、きめ細かにそういった点を見ながら、多重債務に極力ならないように、そして貸倒れリスクをいかに抑えていくかということが違うんじゃないかというふうに思っております。
○山下英利君 どうもありがとうございました。
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。 三参考人の方にはいろいろ貴重な意見をいただきまして、ありがとうございます。早速、短時間ですので、質問をさせていただきたいと思います。 今、山下委員の質問等々も聞いていて、ちょっとどう理解したらいいのか今悩んでいるんですけれども、石井参考人と木下参考人が今おっしゃったんですけれども、貸倒れのある可能性の人には貸さないんだと、融資を断るんだと、それが当然だということでお話しいただいておりまして、そのとおりだと思いますね。焦げ付きになるような融資というのは、それは当然やらないだろうというお話だと思います。 その一方で、最初の陳述のときに石井参考人等々から、今回、出資法の金利が引き下げられると信用収縮が起きると言っておりました。要は、融資をできる人が減ってしまうと、若しくは融資のできる金額が減ってしまうというお話いただいていたんですけれども、その話だとすると、逆に出資法が下がらなければそういう人たちには融資ができるということだと思うんですけれども、要は、もし金利が下がれば、返済能力が非常に心配だから、貸倒れの可能性があるから融資の対象から外そうという人が出てくるというお話なんですけれども、金利が高ければそういう人たちに対して高い金利で融資を行えるというふうに説明からすると理解できるんですけれども、これはどうも納得いかない、私としては理解できないんですけれども。 要は、金利が下がれば与信ができなくなるような対象の人に対して、金利の高い今では融資ができると、返済能力の低い人に対して高い金利で融資ができるというのが、それが非常に理屈に合わないというか、どう理解したらいいのか分からないんですけれども、その辺について木下参考人、教えていただければと思います。
○参考人(木下盛好君) 庶民金融といたしまして、やはりリスク・ベースド・プライシングということだと思います。やはり、金利に合わせて、例えば、おっしゃるとおり、リスクの高い方、貸倒れ率が高い方に対して融資をお断りした方がいいということだと思いますけれども、そういった、庶民金融といたしましては、やはりリスクのある程度ある方に対しても、お金が必要な場合は融資をしていくということが必要ではないかなと、こういうふうに思っております。
○富岡由紀夫君 まあ、よく分からないんですけれども。というか、全くよく分からないんですけれども。 石井参考人、何か今の件でお話ありますか。
○参考人(石井恒男君) 貸倒れというのは、貸す段階では貸倒れになると思って貸す人はいないんです。将来起きるんです、貸倒れは、それは。貸倒れになると思えば貸さないんです。でも、それは起きる。ある意味では、貸倒れになるということは、これは返さなくていいという、一種の救済ですね、それは。御認識が違うかもしれませんけれども。 ただ、例えばリスクの高い方、私ども中小業者は貸倒れ率が六・五%。百人借りると、まあ数字ベースでいきます、これは金額ベースの話ですけれども、簡単に借入人ベースでいいますと、百人借りると六・五人は返さないということに、裏を返せば、九十三・五人はきちっと返すと、こういうことです。 じゃ、この人たちに貸さなければいいじゃないかというお話になりますと、九十三・五人は資金調達の道がなくなると。その人たちに商人として金銭的な提供をすることが悪いのかどうか。これ、やっぱり融資するのが、商人としてはお客様の需要にこたえるという意味では、これ立派なことだと思います。貸倒れは初めから予測できるものではないと。
○富岡由紀夫君 まあ、今ので納得しろといってもなかなかちょっとよく理解できない、私はできないんです。──ちょっと、いいです、いいです。要は、信用収縮の対象になるような人に対して現状では高金利で、高金利である現状では貸せますよという、そういう話ですから、要は、信用収縮なるような返済能力の乏しい人に対して高い金利で現状は貸していると、なおさら貸倒れの可能性高くなるんだと、私はそういうふうに今、今日の説明聞いてそういうふうに理解したんですけれども、まあ、もう今日は議論する場じゃないんで、これは後の、来週の委員会の中でまた議論したいと思っておりますけれども、そういうふうに思います。 あと、ちょっと平野参考人にお伺いしたいんですが、この法案は大変重要だということで御認識されて、法案の趣旨もよく理解して、全銀協傘下の銀行にも周知徹底するというような意見発表がありました。この法案の趣旨がよく分かっていると、施行期間も三年近くあるということなんですけれども、法案の趣旨からすると、この三年の経過期間というのはこの信用情報機関の整備のためというところがあるわけでございまして、何というんですか、法案の趣旨からいうと、出資法の金利をすぐにでも下げるべきだというふうに理解するのが普通だと思うんですけれども、いろんな、今日いらっしゃる木下さんのアコムさんもそうかもしれませんけれども、この経過期間の間は利息制限法を上回る金利でもまだ融資をし続けるというような衆議院の参考人質問なんかでも、意見陳述なんかでもあったというふうに理解しているんですけれども、この点について平野参考人はどういうふうにお考えいらっしゃいますか。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。 これは、全国銀行協会の立場といたしましては、経過期間中の各貸金業者の対応については、各業者が個別に判断されていくのではないかという以上のことは申し上げられませんが、個別行といたしまして、三菱東京UFJグループとしてはどうかということでございますれば、経過期間が最終的に設定された場合には、私どものグループとしては、グループ各社の判断はもちろん優先いたしますが、その判断に至った事由等を見極めて、グループ各社とも協議の上で対応してまいりたいというふうに考えておりまして、例えばグループの中にダイヤモンドクレジットカードというのがございますけれども、ここではキャッシング金利を二〇〇六年、今年の八月十六日以降、新規分から利息制限法の範囲内に既に引き上げております。それから、UFJニコスというカード会社もございますが、これも今般の法改正に伴う上限金利引下げが固まったところで、経過期間を待たないで新規分からの金利引下げを検討している等の対応を行っているところでございます。 以上でございます。
○富岡由紀夫君 たまたまなんですけれども、今日、一番三菱UFJ銀行さんに近いと言われるアコムさんがお見えなんですけれども、あるいは事前の資料では、アコムさんには役員も、代表取締役副会長等々、あと取締役の方等がいらっしゃったり、出資も一二・九九%されていたり、あと融資、バックファイナンスというか、ファイナンスも取引もあるということで、三菱さんにとっては非常に親密な関係にあると思うんですけれども、アコムさんに対してはどういった指導というか、この法の趣旨を踏まえて、施行前でも利息制限法を超える金利ではやらないように指導するのか、そういうサジェスチョンをするのか、最終的には自主判断というお話だったですけれども、非常にこういう関係が深いということをかんがみて、どのようにお考えでいらっしゃるのか、参考までに意見あればお伺いしたいと思います。
○参考人(平野信行君) お答えいたします。 この問題につきましても個別行として御回答を申し上げます。 アコムさんと私ども三菱東京UFJ銀行との関係につきましては、先ほども御説明申し上げたとおりで、銀行には消費者金融の市場に関するノウハウがないということで、業務展開をするに当たって、与信のノウハウを豊富に持っておられるアコムさんと提携することで、より健全な消費者金融業務を展開して社会的なニーズにこたえていこうと、こういうことを元々始めた経緯がございます。 ただ、アコムさんは、今先生も御指摘のとおりで、上場会社でございまして、かつ私どもの出資率も全部合わせますと約一五%になるんですけれども、限られておりますので、基本的にはアコムさんの御判断を尊重するというのが私どもの方針でございます。 ただ、例えば、平成十三年八月にアコムとの合弁事業といたしましてスタートをいたしております現在のDCキャッシュワン、これにつきましては、今既にお客様に対しては利息制限法の範囲内で無担保ローン商品を提供しております。というようなことで、各事業に応じた判断があってしかるべしというふうに考えております。 以上でございます。
○富岡由紀夫君 議論する場じゃないんであれなんですけれども、一五%が高いのか低いのか、低いという御判断であればそうかもしれませんけれども。 ちょっと、あともう一点、融資の返済能力についてお話があったんで平野参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、過剰貸付けを抑制するために総量規制が導入されたということで、大変評価するという、三つの評価の中の一つでお話あったんですけれども、返済能力を評価するときに残高、年収をベースにして比較するときに残高って関係あるんですかね。私は余り意味ないんじゃないかと思うんですよね。 要は、年収と比較するんであれば、年間の返済金額、元利含めて、それが年収に対してどのぐらいなのかという比較で融資の与信を判断するんなら当然分かるんですけれども、残高が多い少ないでその人が返済できるかできないかという判断は、少なくとも私が銀行にいたころはそんな指導、教育は受けたことないんですけれども、急に変わったんでしょうかね。 あと、この法案はいろいろ議論なされているんですけれども、住宅ローンの残高が無視されていると。ということは、当然のことながら住宅ローンの年間返済額も無視されているということで、それで本当に融資判断、与信判断が適正なものとしてできるのかどうか。甚だ私は疑問なんですけれども、私がいたころと銀行の与信判断が変わったんであればまた別ですけど、その辺いかがでしょうか。
○参考人(平野信行君) それでは、お答えをいたします。 今二つお尋ねをいただいたと思いますが、まず、前者の問題についてでございます。残高だけで与信判断ができるのかと。誠に適切な御指摘だと思います。本来、返済能力と申しますのは、年収、個人の場合であれば年収その他、収入から支出を差し引いて残った余裕の中から借入れの返済をすると、こういうことでございますので、基本的にはキャッシュフローがあるかどうか。かつ、そのキャッシュフローが当該年度、あるいは借入れの期間に見合ったキャッシュフローになっているかどうか。今年、例えば三十万円返さなければいけないのであれば、三十万円資金の余剰が生じるかどうかというところで判断するのが正しい見方でございます。 現に、まあこれも個別行でございますけれども、私どもの個人のお客様に対する住宅ローンの貸出し等のお申込書を見ていただくと、今どういうお借入れがあってという残高と、どういう御返済のスケジュールに今なっているのかということも併せて教えていただくようになっております。ただ、この今回の法律改正に当たっては、やれるところから手を付けていく、それから、これは信用情報の機関の整備の問題もございますけれども、集められる情報から集めていく、残高だけでなくて、返済予定金額までもちろん全部集められればそれが最も望ましいんでしょうけれども、そこまでやるのは難しいというところでまず残高から入っていくというのは、最初の一歩としては一つの考え方、現実的なアプローチではないかというふうに理解をいたしております。 それから、二つ目でございますが、済みません、二つ目につきましてもう一度、恐縮でございます。
○富岡由紀夫君 いえ、もういいです。 まあ第一歩として残高で押さえようということですか。分かりました。もう本当にどうか、これは今度の議論でやります。 それと、さっきアコムさんとの関係を議論させていただきましたけれども、三菱さん以外の住友さんグループなんかもそれぞれノンバンク、貸金、いろいろこういう業界に、消費者金融の業界に資本提携なりいろいろされて進出されておりますけれども、今回、いろんな今回の出資法の見直しの問題も、この法案もそうですけれども、先ほどお話ありました社会問題がきっかけになったという認識をお示しされたんですけれども、非常に、一杯挙げれば、もう皆さん御存じだと思うんですけれども、多重債務者の問題、自殺者の問題とか、保険を掛けている問題とか、いろいろ大変重大な社会問題がきっかけになったわけでございますけれども、この社会問題のきっかけになっている業界に対して都市銀行が、今言ったように、業務提携なり、出資なり、バックファイナンスを付けるなり、そういったことをされているということは、都市銀行の今までやってきた信用第一の経営方針というか、そういったことに対してどういう説明の仕方ができるのか、これからまたどういう説明をしていくのか、教えていただきたいというふうに思っております。
○参考人(平野信行君) それでは、お答えをいたします。 今二つのお尋ねがございまして、一つは提携、もう一つが貸出しということであろうかと思います。 提携につきましては、先ほどの御質問でもお答えをいたしましたけれども、例えば個別行である私どもを取ってみれば、本来であれば育成すべき健全な消費者金融市場、ここに金融機関の一つの業態としてやはり貢献をしていきたいと。一方で、ノウハウが余りにも不足している、かつて何度か試みたことはありますけれども、必ずしもうまくいっていない中で、先ほど木下参考人からも御指摘があったような様々な取上げ、それから途上与信管理、それから回収等のノウハウの蓄積を持っておられるアコムさんと提携をするという形でこの分野に参入をしていくという考え方でやっているわけでございます。 それから、二点目の融資の問題でございますけれども、融資につきましては、これは各金融機関においてそれぞれのクレジットポリシー、貸出しの方針に応じた貸出しが行われているというふうに考えております。各お借入人の経営方針あるいは信用状態、将来の成長性等を総合的に勘案いたしまして、その融資を実行するのかどうか、価格設定をどうするのかといった個別の審査の下に各金融機関がお取り上げになっているのであろうというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○富岡由紀夫君 もう次の質問に行きますけれども、木下参考人にお伺いしたいんですが、この前の参考人の質疑の中で、日弁連の新里参考人からお話あったんですけれども、払う必要のない金利があるのに払わすということはやっぱりやめた方がいいんじゃないかと。要は、利息制限法を受ける、施行前までの、利息制限法を超える金利での融資が法律上はあと三年近くはできるわけでございますけれども、ただそれは本人の、契約者との契約の合意があっての話なんですけれども、いろいろと裁判になれば、さっきお話ありました、返還しないといけないとかいろんな可能性のあるところなんですけれども、そういう払う必要のない金利があるのにあと二、三年は払わすという行為について、それこそ業界を代表する、コンプライアンスを重視するという、さっきのお話の中で表明されたわけでございますけれども、木下参考人としては社長としてどうお考えになるか、教えていただきたいと思います。
○参考人(木下盛好君) 当然、三年後に利息制限に引き下がるということでございますので、その間、やはりお客様が継続してお取引していただいている、それは当社との契約によるものでございますので、当然今の契約のお利息でお支払いをしていただくということが適切かと思っております。 それと、ただ、我々といたしまして金利をいつ引き下げていくかということでございますけれども、やはり情勢その他、また先ほど申し上げました経営改革の進捗状況、そういったものを見ながら、いつの時期がいいのか、またどういった方法がいいのか、そういったものは検討していきたいとは考えております。 以上でお答えといたします。
○富岡由紀夫君 質問終わります。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 本日は、参考人の皆様には貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。順次お伺いしたいと思います。 まず、石井参考人にお伺いいたします。 この多重債務者問題というのが一種の病理現象であると、これをそうとらえた上で、様々な業界の規制あるいは対応策が本法案に盛り込まれている、これが多重債務者問題には少なからず解決に寄与するであろうと、こういう御認識だろうと思います。 石井参考人が会長を務める団体の加入業者の方々がこれらに一定の時間があれば対応していけるというふうに今お考えでありましょうか。 〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
○参考人(石井恒男君) お答えいたします。 当初、私どもはこの病理現象、マーケットが生んだ病理現象、つまり五%近くの方がうまく使えないということについて深刻に考えまして、その解決方法については提案しております。今回、ほぼすべてその提案が盛り込まれたわけでございます。ただ、それはこの業界が崩壊するほどの価格規制、これがされないことの前提でありまして、私ども、この価格規制を厳しくしなくともこれらの、私どもが、今回の法案で盛り込まれました諸制度がきちっと整備された暁にはこの病理現象はなくなると、こういうふうに思っております。 あえて付け加えれば、これ病理といって、人間の病気に例えますと、病気でございます、病気を治すのは当たり前ですけれども、今回、この金利規制、業界が食べていけなくなるほどの収入の減となりますので、業界自体が死んでしまいます。つまり、あえて言えば、病気はなくなるけれども、病気の主体である人間がなくなっちゃうと、こういうふうにあえて例えさせていただきます。
○山口那津男君 今、その業界の対応力というか生き残れるかどうかというお話がありましたけれども、傘下の業界といっても業務の形態というのは多様だろうと思います。それから、お客さんの層というのも多種多様だろうと思います。それらがおしなべてこの生き残りは不可能だと、困難であると、こういうふうにお考えになっているのか。それとも、その業種あるいは客層によってこういう分野はある程度生き残れる、そしてこっちの分野は壊滅的である、そういう違いというものがあると、こう御認識でしょうか。
○参考人(石井恒男君) お答えいたします。 私は、断言させていただきますけれども、すべて崩壊すると思います。例外的に申し上げれば、銀行若しくは銀行系のところがあえて現在の業界の様相とは違った形で残るのではないかと。 ただ、私どもの業界は、歴史をさかのぼれば、昭和三十年代、池田内閣が所得倍増政策を取りました。そこで猛烈に消費需要があった。つまり、高度消費、大衆消費時代を迎えた。で、資金需要が猛烈に出てきた。そのとき銀行はこたえられなかったんです。自然発生的に私どもの業界がそれにこたえた。ただそれだけの話でありまして、それが二千万人の利用者を今生んできていると。これはもう自然にできたマーケットでありますから、ただそこに五%の病理が生まれたということをもってしてこれ全部飛ばしてしまうと、これが私は現実の姿で、この法案のもたらす現実の姿だと、こういうふうに認識しておりまして、間違っていないと思っております。
○山口那津男君 その皆さんの業界が自然発生的に銀行に担えない分野を担ってきたと、こういう歴史的な認識もお示しいただいたわけでありますが、今回の法改正によりまして、法律によりまして皆さんの業界が壊滅的な打撃を受けるとした場合に、その借りている利用者の皆さんが、銀行がそういう新たな供給力を付けてそういうニーズにこたえるようになるのか、それともまた何か別な形態というのが現れ得るのか、全く期待できないのか、その辺の見通しについてはいかが御認識でしょうか。
○参考人(石井恒男君) 銀行の融資の歴史を見れば、御存じのように、いつも融資にこたえてきたかと、これはノーであります。できなかったと。特にこの十五年間、ほとんどつぶれない銀行はないほどつぶれました。都市銀行は十二ありましたけれども、今三つしかございません。それが今後も皆様の資金需要に本当にこたえていけるのかと、私はノーだと思います。 それと、じゃ我が業界がなくなったとき、どういう現象が生まれるのだろうかと。もちろん、中には、山本金融大臣がこの間申し上げていましたように、親戚で借りなさいと、友達から借りなさいと。これは深刻な話なんです。今業者は六%、三%貸倒れを計上しています。つまり、返せなかったら業者から借りれば返さなくていいんです。これで終わりなんです。ところが、親類、友達から借りて返さなかったらどうなるか。これは友情を失います。親類縁者はこれは義絶です。つまり、法的には解決できないそういう悲劇をこれから全国津々浦々に発生させていきます。もちろん、やみ金融もやみの市場も生まれるでしょう、これは。 それから、お金がどうしても必要な方はどうしますか。一番身近な財物、時計でも何でも宝石でも売らざるを得ない。これは一月一、二%の話じゃないんです。半分以下、十分の一以下、これで処分しなきゃいけない。ですから、貸金業者が果たしてきた役割をきちっと認識してこの議論をしていただきたい。 私は、今回、いわれなき誹謗の中で感情的にこの法律は決まったと。命が担保などという、これはあり得ない話なんです。命は担保になりません。これを、命を担保にしたら牢屋へ行かなくちゃいけない。だれがしたのか、そんなことを。命を担保に貸した人がいますか。いないにもかかわらず、あるかのごとき報道を大マスコミが連日のごとくすると。こういう中では冷静な立派な制度づくりはできないと。そういう環境の中で今法律ができつつあるということを非常に私は憂えています。
○山口那津男君 一方で、多重債務者問題を引き起こした要因として、やみ金あるいは悪徳業者の存在ということを指摘されました。この悪徳業者あるいはやみ金の取締りの実態、あるいはこれらの取締りに対するこれからの期待、こういうことについてどうお考えでしょうか。
○参考人(石井恒男君) このやみ金の問題の深刻さというのはちょっと想像を絶しているんです。要するに、お金を借りれなくなった人はどうしてもそこへ行ってしまう。そこしか借りれないものですから。 例えば、これ何遍も言っておりますけれども、これは事実でございますから申し上げますけれども、神田に行きますと今年の五月時点で百八十五社の登録業者があるんです。そのうち、本店ベースで私どもの協会に入っているのは五社しかない、六社、ごめんなさい、なかったんです。百七十九は登録しながら違法金融をやっているんです。 それはすさまじいことに、駅前の一等地のビルに例えば三階から七階ぐらいまでざっと入っている。一月八十万ぐらいの家賃が取っている。なぜ捕まらないのか、なぜ摘発できないのか。そこに行って借りて有り難いと思っている人がいるんです。つまり、被害者届を出してない、被害者届出ない。そこしかないからそこに行くと、それが百八十近くあるんです。 その中で、我々を批判している大新聞の子会社のスポーツ紙に堂々と広告を出しているのが八割近くあるんです。スポーツ紙の金融広告のうち八割近くが彼らの広告です。これは何遍言っても新聞社はやめない。こういう現実がある限り、やみ金の問題は警察の問題だと、君らの言うことじゃないと、これは的外れで、恐らくこの業界がなくなりますと、こういう手に負えない現象がますます広がる。あるいは私人間の貸付け、これは一〇九%までできますから、私人間の契約に形を変えた形で全国にそういった違法な金融が広がるとか、ありとあらゆる弊害がこれから出ることは間違いない。 〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕 それほど大きなマーケットが無理やり、爆発的なマーケットが無理やり押し込められる。この現実は、ですからこの法律ができた後が大変なんです。この法律ができた後が本当は大変なんです。間もなくその様相が三年たたず出てまいりますので、ようく皆さんウオッチしていかなきゃいけないと、こういうふうに思います。
○山口那津男君 次に、木下参考人に伺いたいと思います。 この法律のできた後に対応するために、七百人近くの希望退職を募るということでありましたけれども、同様に大手の同業者の方々は同じような対応を迫られるというふうにお考えでありましょうか。
○参考人(木下盛好君) それにつきましては、個々の会社の事情というものがございますので、それについては私、お答えできないと思います。
○山口那津男君 売上げが減っていくということは容易に予想されるわけでありますから、金利も低いわけでありますから、これは多かれ少なかれそういう対応は迫られるだろうと思います。 続いて、石井参考人にまた戻りますけれども、壊滅的な打撃を受けると、中小の業者さんが多いだろうと思うんですね。しかし、そこには少なからず従業員の方々もいらっしゃるし、それが打撃を受けた場合には、そこで働いていた方々の行く末、対応、これはやっぱり事業主としても大変頭を抱える問題だろうと思うんですね。 法律ができ上がれば、いや応なく何らかの対応をしていかなければならない、なかなかつらいところがおありだろうと思いますが、その点、今業界の会長のお立場でどういうふうに取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
○参考人(石井恒男君) これは試算したんでございますが、融資残高五百億円未満の会社の従業者、これまあほとんどでございますけれども、一万六千人は失業します。それから、中堅、大手三万三千人おりますけれども、この三割から四割リストラしますので、合計合わせまして、木下社長は五社の、ほかの会社のことを申し上げるのをはばかったんですが、私ども申し上げますと、業界で三万人近くが間もなく失業すると思います。
○山口那津男君 平野参考人に伺いたいと思いますが、一つは、その貸金業のところの供給が壊滅的になるといった場合に、銀行がその供給先として今まで期待にこたえることはなかったと、こういうふうに石井参考人は言われたわけでありますが、銀行としてこれからそういう供給源として対応できるかできないのか、あるいはそういうところに努力していくおつもりなのか、その辺はどう御認識されていますか。
○参考人(平野信行君) それでは、お答えいたします。 消費者金融市場への取組につきましては、各銀行ごとに様々でございますので、協会として一般的なお答えをするのは難しいテーマでございます。 したがいまして、個別行として申し上げますと、先ほどもう既にお話をいたしましたけれども、今回の法改正論議が行われる前から、私どもでは、個人のお客様のファイナンスニーズが高まってきたということで、こういった分野への取組というのを責務の一つというふうに考えてやってきたわけでございます。その中で、アコム社との提携というのもあったわけですけれども、この提携によってノウハウを活用する形で銀行自身の新商品、例えば生体認証機能の付いたキャッシュカード、クレジットカード一体型の商品を開発、発行するなど、既に銀行本体でも利息制限法の範囲内で消費者金融業務を開始しているところでございます。 今後も引き続きまして、本体を含めてグループ全体として、より健全な消費者信用市場の発展に貢献できるように検討していきたいというふうに考えております。 ただ、先ほどから話題になっておりますような、今回の金利規制に伴って信用供与が難しくなるような部分が出てきた場合には、その一部はセーフティーネットの問題となるということも併せて私ども理解しているところでございます。 以上でございます。
○山口那津男君 現状では、その個人信用分野については経験も人材も乏しいんだろうと思いますけれども、しかしこれからその健全な育成を銀行として目指していくというのであれば、既に木下参考人の所属する業界あるいは石井参考人の所属する業界、これらで経験のある人たちを言わば銀行が雇用の受皿としてこれを抱えながら銀行の力を付けていく、育成に寄与すると、そういう考えはございますか、全くありませんか。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。 業務の展開の仕方につきましては様々な形が考えられると思います。銀行の本体でノウハウを持った方を直接雇用するといったやり方もございましょうし、現在、私どもが進めているようなジョイントベンチャーを通じて、あるいは商品開発を通じて協力をして、そこでノウハウを導入していくというやり方もある、様々な対応があろうかと考えております。 以上でございます。
○山口那津男君 大手銀行は、その貸金業の資金の供給元としてこれまで存在していた面があったかと思いますが、そうした面で信用収縮あるいは貸出し量の減というものが起きてくるかもしれません。その辺をどう認識されているか、そしてその場合に、新たな運用の在り方といいますか、投資の在り方といいますか、それに変化が出てくるのかどうか、この辺をどう見ていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。 ただいまの御質問の御趣旨は、私ども金融機関がこれまで貸金業者に対する資金の供給者であったという中で、今後そういった貸出しをどうしていくのかといった御質問かと存じます。 この点につきましては、先ほども御説明を申し上げましたように、各銀行はそれぞれの与信方針を持っておりまして、それに従って個別に与信判断をしていくということでございます。 今回の法改正の影響につきまして、一般論として申し上げれば、お取引先、この場合は貸金業者のお客様の収益力あるいは将来の成長性に変化が生じるということになるのであれば、それを踏まえた取引方針を策定していくということになると思います。ただし、短期的に収益面へのマイナスの影響が生じるという話が先ほどからございますけれども、それを挽回する様々な施策、例えばビジネスモデルの変革であるとかあるいはコストの削減、そういった施策を講じていかれるわけでございましょうから、そういった取組も勘案した上で総合的な判断をしていくことになるであろうというふうに見ております。 以上でございます。
○山口那津男君 終わります。
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。御苦労さまでございます。 石井参考人とは一度お会いしたかったと思っております。私、全金連の問題あるいは与党と全政連の問題、テレビで放映された質問も含めて度々取り上げてまいりましたし、うちの赤旗の新聞でも取り上げてまいりました。石井さんがやっておられる東京の貸金業協会の会報では、我が党の役割について名指しで大変評価をしていただいているところでございます。 そういう点で、もう議論をするつもりはございませんが、私は、貸金業者の皆さん、特に中小の皆さんが大変になるというのは事実だというふうに思います。ただ、つぶれるつぶれるというふうなことではなくて、やはり健全な消費者金融の市場になるために頑張っていってほしいということを思うところでございます。そういう、まあ市場原理でございますから、そういうモデル、ビジネスモデルを、もうないというふうなことじゃなくて、是非努力して模索をしていってほしいと。健全な市場ということでしたら、政治がそれを言って応援すべきだというふうに私も思っておりますので、そういう努力をお願いしたいというふうに思います。 具体的なことを一つだけ石井参考人にお聞かせいただきたいんですけれども、協会としても、取引履歴の開示については債務者から要望があれば開示すべきだというふうな姿勢だというふうに思いますが、それは間違いございませんか。
○参考人(石井恒男君) はい、間違いございません。
○大門実紀史君 それで、たまたま昨日、具体的に相談が来ておりますので申し上げますと、鹿児島の消費者金融会社に取引履歴の開示を求められたわけですが、そうすると、その消費者金融、サラ金が、全国貸金業協会連合会から開示をしないようにというふうに言われているというふうに回答をされたそうです。それでびっくりされて、御本人が貸金業協会、事務局に蓮見さんという方いらっしゃいますかね、確認しましたけどいらっしゃるようですが、そしたら、そうですということを答えられて、私も言葉だけではなんですので、聞きましたら、ちょうど録音をされているということですのでそれもいただきましたけど。 そういう対応があって、多分私は、間違いで蓮見さんが言われたんじゃないかと。貸金業協会として開示すべきじゃないというふうなことは、されているということはどこにも私、知っておりませんので、たまたまの間違いかと思いますが、まだまだこういうレベルで貸金業協会として対応されているんじゃないかという心配もございます。 やっぱり今、過払い金の問題、取引履歴の開示、重要なことになっていますんで、石井さんの方からもこういう間違いのないように徹底してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(石井恒男君) お答えします。 分かりました。蓮見が答えたのはちょっと間違いだと思います。そういうことはない、断言いたします。
○大門実紀史君 じゃ、よろしくお願いいたします。 木下参考人にお伺いいたします。 私、この委員会、財政金融委員会で団体信用生命について度々取り上げて、資料も金融庁に調べていただいて出させました。大手五社の中身も、具体的な数字も私の方で全部解明をいたしました。 結局、団体信用生命保険をおやめになるということが発表されておりますが、おやめになるということでもうその手続に入られているか、今の状況をちょっと教えてもらえますか。
○参考人(木下盛好君) はい、もう手続に入っております。
○大門実紀史君 なぜおやめになるようになったんでしょう。
○参考人(木下盛好君) 本来、生命保険、まあ団信につきましては、お客様がお亡くなりになられたときにその残された御家族に相続をさせない、もう相続させないという意味でお客様を、その残されたお客様を保護するという目的で行っていたわけでございますけれども、こういった消費者金融を取り巻く環境、またお客様の価値観の多様化等々によりまして、その生命団体保険の継続の可否についていろいろ検討しておりましたけれども、やはりその検討の結果、中止するに至ったわけでございます。
○大門実紀史君 マスコミも取り上げてくれましたけれども、私も相当この問題で、命を担保にというんで問題ではないかと、自殺した場合でもそこから借金を取ると。社会的批判が高まったから何か一斉に、ちょっと時間差ありましたけれども、皆さんおやめになるということですが。 そもそも生命保険会社との関係、なぜ、与謝野大臣が私が質問したときおっしゃったんです。そもそも疑問なんだと、この小口の、小口の消費者金融でどうして生命保険に入れなきゃいけないんだろうと。そもそもそういうことがあると思うんですけれども。あの住宅ローンだとかほかのものには私も必要性は認めますけれども、何で消費者金融は小口なはずなのにこんなものに入れたのかと。 そのそもそものところの反省というか、違ったんじゃないかということはございませんか。そのニーズが変わったとかは急に出てきた話じゃないでしょう。
○参考人(木下盛好君) 先ほど言いましたように、残された御家族に対して、相続される御家族に対してそういった部分を保護するという意味合いでやっております。 それと、もう一点が、やはり御家族が亡くなられたときに、やはり非常に困惑されている状況、いろいろしている状況の中で、我々はそういった相続されているものは、債権債務の問題をお話しするということは非常に難しいということ、そういったことで、やはりそういった問題を回避する意味からも、団体生命保険加入して、そしてそこでそういった問題を避けるということ、そういったことも考えて団体生命保険に加入したということでございます、契約をしたということでございます。
○大門実紀史君 いや、だったらやめないで続ければいいじゃないですか。でしょう。だから、まあいいんですけれども、要するに社会的批判も高まってまずいということだと思います。 ちょっと詳しく聞きたいんですが、今までもう既に入っておられる方ですね、これから新しく入る方をやめるのか、それはやめるんだと思いますが、今までずっと昔からアコムに借りてもう既に入っている方、これはどうされるんですか。
○参考人(木下盛好君) 入っておられる方もそういったものをやめる予定でございます。
○大門実紀史君 じゃ、もう一つ、次の問題でお聞きをいたします。 おととい、私、武富士の年収報告書が事実上本人と事実の違うことを書かせているという問題を取り上げました。アコムの場合どうなっているのかお聞きしたいんですけれども、本人の査定といいますか貸付条件、いろいろ聞くときに、本人が源泉徴収票とか年収を証明するものが、それを出してもらうというのが基本になっていると思いますが、アコムでも武富士でいう年収算定書、これはもう聞き取りで書いちゃうというやつですけれども、こういうものを使われてますか、アコムは。
○参考人(木下盛好君) 年収証明書じゃなく、そういった聞き取りといいますか、お客様の申告でまず聞いております。 それと、もう一点は、過去からのお客様の個々の収入書類等を確認して蓄積いたしました実年収を業種また職種、勤続年数等の分類におきましてデータベース化いたしまして、賃金センサス、これは厚生労働省の統計情報部から出ている部分でありますし、また人事院勧告及び国家公務員給与等実態調査等の公的資料による年収データ、そういったものを加味した上で推定年収を算出するシステムを持っております。そういった部分で算定したものとお客様の申告された年収、それの低い方を見て、年収といいますか支払余力というものを算定しております。
○大門実紀史君 確認ですけど、御本人が源泉徴収票なり税金の申告の控えなり、それはない場合でも今おっしゃったアコム独自の算定書で代用するということはあるんですか。
○参考人(木下盛好君) そういったことで、お客様が申告された金額がございますね、それと、あとお客様の状況、どこにお勤めなのか、どういった勤続年数なのか、どういった職種にお勤めなのか、そういったことがお客様からの申告で分かりますので、そういったものを基にしまして、先ほど言いました年収検索システムでお客様の年収がどれぐらいあるかというのを算定しております。
○大門実紀史君 そうすると、アコムの場合も、公的な源泉徴収票なり税金の申告控えがない場合でも、聞き取りとアコム独自の年収算定何とか、いろんなデータ使って、それでもう貸してる事実があるということですね。それだけちょっと。
○参考人(木下盛好君) 年収証明等を持ってこられない方に対しましては、そういった年収検索システムでそのお客様の年収というものを計算しているということでございます。
○大門実紀史君 その場合、アコムの支店の中には、あるいはもう本人の年収だと五十万の枠を百万にしようという、それぞれの商品の基準があるとしますよね、本人の年収だと枠を広げられないと、何かそれはもうあるのに取らないで独自のいい加減な計算をしたり、そういうことで過剰貸付けをしてしまうという例も出てきておりますので、アコムの中でもそういうことのないように徹底をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○参考人(木下盛好君) この五十万超に関しましては、本社の審査部で審査をした結果行っております。そういったことで、あくまでも年収検索等々におきましても、本社における審査において行っているということでございます。
○大門実紀史君 もう一つ、私、大手サラ金で疑問なのは、各社が申込書をそれぞれ借りるとき作ってるんですけれども、すべて家族を聞き取ってるんですね。アコムの場合もそうですけれども、この本人が短期、小口の消費者金融を借りる場合にどうして家族を全部聞き取らなければいけないのか。これは何のために使われるんでしょうか。
○参考人(木下盛好君) やはり、お客様の支払余力等々を計算するにおきましても、やはりその方がどういった家族構成なのか、そういったものも必要でございます。そういった意味で、そういったものを書いていただいております。
○大門実紀史君 これは、アコムの場合はいろいろきちっとされているかも分かりませんけれども、本人が返せないというような事態になったときに、家族の連絡先が全部書くようになっておりますけれども、そういうことに使うということではないということでよろしいですか。
○参考人(木下盛好君) はい、そういうことでございます。
○大門実紀史君 それでは、最後の時間を合わせたいというふうに思いますので、平野参考人に伺います。 アコムと東京三菱UFJが提携をしているというのはもうお話ありました。私は三月に質問いたしましたら、当時の与謝野大臣が、近ごろ不愉快なことはと、一流の大銀行と思ったところがサラ金と一緒にやっているというふうに発言をされましたけど、そういう発言についていかが思われますか。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。 先ほど来御説明を申し上げておりますように、私ども三菱東京UFJ銀行におきましては、従来、取組が十分でなかった健全な消費者金融分野をアコムさんのノウハウを活用し、力を合わせることによって開拓していこうというふうに考えております。 そういう意味で、私どもといたしましては、むしろ今後もこういった法案が可決され、新たなお客様のニーズが発生してくるということであれば、それにおこたえするような形で取組をしてまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 私、そのときも少し質問を与謝野大臣にしたんですけど、心配のあることが一つございます。 東京三菱UFJの顧客情報とアコムの顧客情報が共有される、あるいは東京三菱UFJの情報がアコムに行くと、こういうこと、提携の中で十分起こり得ることだと思いますし、東京三菱UFJに口座を持っている人、借りている人、私も住宅ローンをおたくから借りているわけですけれども、その情報が知らない間にサラ金の方に流れるということになると、大変東京三菱さんの方のお客さんたちは不愉快だと思うんですけれども、情報が遮断されていますか、共有していくんですか、顧客情報を。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。 情報は遮断をされております。私ども、個人情報保護法の成立を受けまして、お客様の大変大切な情報である個人情報につきましては極めて厳格な管理をいたしておりまして、提携において安易に情報を共有するということはございません。
○大門実紀史君 終わります。
○委員長(家西悟君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の方々には、長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会