P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
165回国会参議院2006/12/12

国土交通委員会 第6号

発言数
163
登壇者
19
会派数
7
開催日
2006/12/12

会議録

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る八日、柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として田名部匡省君が選任されました。     ─────────────

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建築士法等の一部を改正する法律案の審査のため、国土交通省総合政策局長宿利正史君、国土交通省道路局長宮田年耕君及び国土交通省住宅局長榊正剛君を、また、観光立国推進基本法案の審査のため、法務省入国管理局長稲見敏夫君、国土交通大臣官房総合観光政策審議官柴田耕介君及び国土交通省政策統括官平山芳昭君を政府参考人として本日の委員会に出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 建築士法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

加藤敏幸民主党・新緑風会

○加藤敏幸君 おはようございます。  民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。  前回に引き続きまして、建築士法の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。  免許の更新問題について少し議論をいただきたいというふうに思います。  建築士法の改正にかかわるこれまでの審議会での議論におきまして、建築士免許の更新問題が様々な議論が行われてきました。医療関係、弁護士など法曹関係、あるいは公認会計士などの経済関係の国家資格においても何度ともなくこの更新の問題が議論されてきましたけれども、御承知のとおり、実現するには至っておりません。恐らく、免許更新に伴う負担の大きさゆえにそれぞれの当事者の反対が強いと、これもまた理解のできる面もございます。加えて、講習にしろ試験にしろ、これに受かるということと本人の職業能力あるいは倫理、道徳観との間には関係性がないのではないかと、こういうふうな御意見があることも、それはそれなりに理解をしておるわけであります。  しかし、今回の建築士法の改正に当たって、日本建築家協会は、CPD、継続的職能研修制度と団体加入義務付け、これを前提とした建築士の登録の更新制を要求されております。免許の更新制度ではなく、あくまでも登録の更新制度でございますが、基本的に医師免許と同様に、命や安全にかかわるこれらの士業では業務独占が保障されていることもあり、時代の変化に伴う社会的な様々な要請、まあこれはいろいろ技術だとか技能、知識、知見の向上等、そういったことも含めまして、そういった時代情勢にこたえていくためには何らかの形で更新制度というふうなものも導入すべきではないんだろうかと、私としてはそのように考えている次第でございます。  話は少しそれますけれども、そもそも両者とも国家資格でございますけれども、その合格率は、医師資格につきましては近年ほぼ九〇%前後で推移していますけれども、一級建築士の方は、学科が一昨年二五・二%、昨年は二五%、そして本年が一〇%、四万九百五十名が受験して四千九十九名が合格と、一段と厳しくなっております。司法試験は合格率三%前後と超難関試験で、これ比較のしようがないといえばそういうことでございますけれども、それにしても、建築士も国家試験の中ではかなりの難関試験となっていると私は受け止めております。  しかし、難関試験に一度合格さえすれば、世の中がどのように変わろうと、また建築士自身の考え方や能力などがどのように変わろうとも、あとは資格さえあれば何でもできるということでは、建築士資格というものの権威なり周囲、国民の尊敬の度合い、そういったものにも問題が起こるのではないかと、このように考えている次第であります。  この免許更新制度につきましては、関係審議会でもかなり突っ込んだ議論がなされたと聞いております。この課題に対する検討経過や国土交通省としての御見解を伺いたいと思います。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 委員御指摘のように、社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会というところで議論をさせていただきました。免許の更新制をやってはどうかとか、新しく何年かごとに試験をやったらどうかと、こういう意見がございました。免許の更新制については、更新制は不要ですとか、定期的な更新の義務付けで対応すべきという御意見がある一方の中で、実務実績と継続的な講習を要件とする更新制とすべきだという御意見もございました。  私ども、実は、他の業務独占制度で免許の更新制を現に持っている制度というのを見てみますと、運転免許ですとか海技士免許とか狩猟免許といったようなのがございまして、実は視力、聴力に支障があるかないかといったような身体検査を含むような身体機能と密接な関係があるような試験に、資格に実は更新制が限定されているんだということでございます。そういったことから考えますと、弁護士などの他の資格と同様に、私どもの建築士の資格も体が衰えたから頭が衰えるいうわけでもございませんので、そういった意味で、身体機能の低下による能力低下というのは余り考えにくいんではないかというようなこともあって、免許の更新制の導入はちょっと困難な面があるのではないかと、こういうふうに考えた次第でございます。  その中で、審議会の最終答申では、所属建築士に対しまして一定期間ごとの講習の受講を義務付けることによって建築士の資質、能力の向上を図るべきだと、こういうような御意見を最終答申でいただいたということもございまして、この答申を踏まえまして建築士に定期講習の受講を義務付けることにいたしまして、これによって建築士の能力の維持向上が図られて実質的に免許の更新制と同様の効果があるものと考えております。  ただ、講習といっても聞けばいいというわけではございませんので、講習が終わった後に考査を実施していただいて、講習の成果が上がっているかどうかというのを確認した上で講習修了ということにさせていただきたいというふうには思っておるところでございます。

加藤敏幸民主党・新緑風会

○加藤敏幸君 おおむね国土交通省としてのお考えがお伺いし得たと、このように感じております。もう一回免許初めからというのも確かにプライドを傷付けるような側面もございますし、自分がその立場になったときに賛成できるのかと、これはいろいろ立場立場によって意見がございます。そこで、考査を行う受講と、こういうところに私は新しいアイデアを入れた、ああ、なるほどなと、こう思います。  医者に掛かりますと、お医者さん、よく学会があるからということで次期診療が日程が合わないということもあります。あれは税法上もいろいろ私は配慮されておりまして、お医者さん自身が自己研さんのためにエネルギーを使いなさいというようなことはある種社会的にも強い要請があるし、それにこたえてきた側面がこれまたあったというふうに思うわけであります。  そこで、単に受講すればいい、人の話を居眠りしながらでも出席さえすればいいということじゃなくて、この考査というところが、言わば理解度テストというふうに私たちはよく呼んでいるんですけれども、本当に気を入れて聞いておったの、正しく聞いたのということをしっかりとチェックすることによって、その受講が意味があったということによってその建築士さんの、アップ・ツー・デートという言葉がありますけれども、知識だとか知見をしっかりと高めていくと。  そういうような意味で、この考査の在り方についていかがされますかということについて更にここで明らかにするということは、準備の問題もあるでしょうし、それから講習団体の方の考え方をもう少し広めるということも、調整を図るということもあると思いますので、私としては世に開かれた、公平な、そしてしっかりと中身のある受講とその考査ということを要望しておきたいというふうに思いますけれども、局長として何か決意とかあれば、一言ください。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) これから、実は講習内容自体が今から定めるということもございます。どの程度の考査結果にするかということにつきましても、委員の御指摘を踏まえながら、きちっと検討してまいりたいと思います。

加藤敏幸民主党・新緑風会

○加藤敏幸君 ありがとうございます。  次に、建築士試験と若者の挑戦というふうにちょっとタイトルを付けさせていただきました。  今、フリーター、ニートの問題は社会的な問題となっておるし、安倍政権も再チャレンジという言葉を使っていろいろと対策をお立てになっているんだというふうに思います。私は、いろいろな立場で、社会的な若者を本当に社会参加をさせるという意味でも、職業能力を含めてその機会と場を与えるということは大変必要だというふうに思うわけであります。やはり失われた十年、若い方々に社会、企業あるいは行政も含めてどういう姿勢で対応しておったのかと、私も実業界といいますか、その現場で労働組合の活動を担った立場から言うと背に腹は代えられなかったという現実があったわけですけれども、やっぱり未来のある若者にやっぱり希望なりチャンスというふうなものを積極的に努力をすべき、そういうふうな反省もこれあるわけでありますけれども。  ここで、建築士試験に関しまして、今回の法改正に伴い建築士の受験資格を見直すと、このようにされております。建築士の資質や能力の向上を図る上で国家試験そのものをより厳格に、より適切にすることについてはこれは十分理解できるところでございます。  しかし、反面、留意していただきたいということがございます。それは、現在もう建設業にあって二級建築士や木造建築士の資格取得を目指して頑張っている若い人たち、青年がたくさんおられるということでございます。二級建築士と木造建築士の受験資格に関しましては、高等学校で建築・土木課程を修了した者は三年以上の実務経験が必要と、こうなりますけれども、普通科や中学卒業者は七年の実務経験が求められております。職業訓練校や専修学校、各種学校では修業年数によってこの実務経験年数が減らされておりますけれども、いずれにしても高校を出なくとも現場で七年間頑張れば、まじめにしっかり、親方というんでしょうか、先輩に付いてやっていけば受験資格が得られるということでございまして、これは若い人たちにとって自分を高めていく具体的な場があるということで大変有意義ではないかと、このようにも感じておるわけであります。  本年の二級建築士の学科試験合格者の三〇%はこの七年実務の受験者であると、このように聞いております。昔から建設業界においては建築士という資格を夢見て多くの若者が働きながら受験勉強に精を出してきたということでございますし、そういう努力が世の中のやっぱり良さを維持しているんではないかと、このように思っておるわけであります。この制度の良さというものは是非とも継続してもらいたいと、このように私は考えておりますし、そういう声も多々届いておるということでございますけれども、ここは冬柴大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) もう加藤委員の御指摘のとおり、私もそのように思います。建設業界にありまして、実務経験を積みながら若い人が建築士の取得、資格に挑戦するということはすばらしいことでして、これが日本の活力を生む源泉になるだろうというふうに思います。  したがいまして、我々は今回この資格取得についての学歴要件とか実務要件の見直しをいたしましたけれども、今挙げられましたように七年の実務経験、ただし、やはり設計図書に密接な仕事に携わるということが要件になりますけれども、そういう方々、七年があれば学歴要件なしに二級建築士を受験する資格を与えるということはもう変えることはありません。そしてまた、そのように合格した方が四年間やはり実務経験を積めば今度は一級建築士を取得することができます。  十一年というふうに長い時間ですけれども、そのような努力をされる方が一人でも多く出てきてくださることを願うものでありますし、その点については今回の改正におきましても変更いたしておりませんので、頑張っていただきたいと思います。

加藤敏幸民主党・新緑風会

○加藤敏幸君 ありがとうございました。  国会の場でございますけれども、そういう若い方々に一人でも多くやっぱり挑戦をしていただくし、またそのことが十分報われるし意味があると、こういうふうなことを私は、いろんな立場はありますけれども、精一杯声を出して伝えていくことも大事ではないかと、このように思っていますので、また国土交通省、機会があれば、また大臣も機会があれば激励をしてやっていただきたいと、偉そうに言うわけじゃないですけれども、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、建築士の報酬について少し御質問を申し上げたいというふうに思います。  これも、建築法の改正のときにも私、結構七、八分使って御質問申し上げたわけでございますけれども、建築士の地位の独立性や職能としての権威を保っていくためには、これ当然一定の報酬の保障がなければならない、論をまたないことだと思います。  建築士には求められる知識、経験、国家資格取得のための膨大な労力と学習費用が投入されております。しかし、残念ながらその報酬は、医師や弁護士など他の士業に比べればかなり低くなっているのではないか、このように感じております。さきの通常国会で建築基準法の改正で質問させていただきましたけれども、当時住宅局長の答弁では、驚くほど建築士の年報が低いこと、十七年度で年収五百四十万円という数字が紹介されました。今回の姉歯元建築士による構造計算偽装事件でも、そもそもは彼の生活に余裕がなかったと、このような発言もあったというふうに聞いております。  この建築士の報酬の在り方については衆議院でもかなり掘り下げた議論が行われてきました。基本的には、業界内の収益配分構造にかかわる問題、それから独占禁止法との関係もあって、デザインや構造計算という最も建築設計で重要な部分がコスト主義、価格競争主義の下に置かれているという問題もあります。建築士には、建物、デザインについて、環境問題や景観の問題、居住性とか、公共的建物であれば住民へのサービスの問題など、様々な社会的要請にこたえているという重要な任務を負っていると、これも事実でございます。このような建築士への評価が単純に金銭に換算できるものではなく、単に安く早くやればいいという、そういう世界でもないんではないかと、私どもそう感じるわけであります。言い換えれば、むしろ競争原理が、簡単にコストのたたき合いということが働いてはどうなのかなと、そういう世界とも少し違うのではないかと、このようにも感じているところでございます。  そこで、独占禁止法との関係で、設計コストについては、昭和五十四年以降、建築士法第二十五条の規定に基づき建設省告示第千二百六号というガイドラインが設けられました。しかし、これが厳密には機能しておらず、設計コストがより低く抑えられているという実態がございます。今後は独占禁止法との関連も含め、建築士の報酬を十分に保障していくシステムづくりを考えていかなければならないんじゃないかと、私はそのように思うわけであります。  衆議院の審議では住宅局長がこの告示第千二百六号の見直しを答弁されましたけれども、実態としてこういったガイドラインが実効性を持っていないことに問題があると、このように思います。建築士法第二十五条は、国土交通大臣が基準を定めてこれを勧告することができると規定されていますけれども、更に強制力を持たせるような条文修正もいずれ必要ではないかと、このように思うわけであります。  この点について国土交通省としての見解をお伺いをしたいと。特に、今回のように資格制度をより厳しくし、一方で十分な報酬が保障されないとなると、建築業界には優秀な人材が入ってこなくなると、こういう懸念もございます。そのようなことも含めまして御見解をいただきたいと思います。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 実は、報酬基準の告示でございますけれども、昭和五十三年までは業界の方の自主基準みたいな形で、工事費の何%といったような形で定められておりましたが、公正取引委員会の方からそれは不適切だという御指摘を受けまして、それじゃ何らかの目安が要るのではないかというようなことで、建設省告示千二百六号という形で出さしていただきました。昭和五十四年でございますので、実はもう二十七年もたっております。  当時出しました告示と申しますのは、言わば用途別の工事金額別に、人日というような形で出さしていただいております。したがいまして、言わば現在のように設計業務が例えばデザインですとか計画ですとか構造ですとか設備ですとかといったような形に分けられておらず、言わば用途別、金額別というような形の表になっておるわけでございます。そういった意味でいいますと、今回の改正のときにも申し上げましたけれども、現在の建築の設計というのが非常に複雑多岐にわたって専門化、分化しているということを申し上げましたが、実はその報酬基準がそういう専門分化を表したような形になっていないのではないかというふうに私どもも反省をいたしております。  したがいまして、今後実態調査をきちっと行った上で見直しを行いたいというふうに考えておりますが、その具体的な方向性という意味では、その標準的な業務量というような形で、人日というのはまあ公取の関係もあって外せないかなと。ただし、デザイン、計画、構造、設備といったような分野別にそれを示していきたいというふうに思っておりますし、金額別ではなくてむしろ床面積単位というような形で示した方がより分野別、規模別といったようなイメージが出るのではないかと思っております。それから、委員御指摘のような設計業務のCADですとか、周りの景観、環境といったような調査業務といったようなのも増えておりますので、そういったような業務量の見直しを行いたいというふうに考えております。  ただ、強制力を持たせたらどうかという御指摘がありましたが、そもそものこの告示をつくりましたゆえんが、不公正な取引方法に当たるんではないかというようなことの御指摘から始まった告示ということがございまして、なかなか難しい問題があるのではないかというふうに思っております。したがいまして、今回建築主の目安となるような標準的な業務量を、言わば人日というような現行枠組みを維持しながら、現在の設計業務、監理業務の実態に合ったような形で枠組みを見直していきたいというふうに思っております。所要の実態調査は実はまだ着手をしておりませんので、この法律が通りますれば、来年度直ちに取り掛かりまして、そういったような見直しを行っていきたいというふうに考えておるところでございます。

加藤敏幸民主党・新緑風会

○加藤敏幸君 流れにつきましては理解ができるというふうには思っております。  私は最低賃金について長らく携わっておりました。これは、働く人たちの再生産をやっぱり保障するという意味、まあ最低賃金というものは余り意味がないんではないかといっとき言われましたけれども、しかし大阪のハイヤー、タクシーの規制緩和による台数の激増により、実質最低賃金に及ばない給与実態というふうなことも社会問題化をされておるということでございますし。  そういうような視点で、やはり働く者というか、あるいはある専門職能に就く専門家の、まあプライドのある高い人たち皆さん方についても、やっぱり最低限の生活ということではなくても、やっぱりまあ世間相応というんですか、社会的に当然そうだねと、そういう報酬が現に、保障されるという言葉はちょっと問題がありますけれども、まあ努力すればそういうようなものが実現するということがあって、例えば建築士という矜持も守られるし、衣食足って礼節を知るという言葉が、ことわざがありますけれども、そういうふうなことにやっぱり深く国全体が思いを致すということは大切なことだと。  また、そういう裏付けなしに、やあ、おまえたちプライドだけで頑張りなさいと。私はそれでは回らないし、何が起こるか分からないし、そして建築士というのは、ユーザーからいうとある部分、その建物だとか住まいの品質、安全性を最後に確保してくれる、担保していただける専門家だと、こういう立場もあるわけでして、やっぱりそこのところをしっかり私は注目すべきだし、でき得ればそういう制度を支えるべきだというふうに思うわけです。  ちょっと長くなって申し訳ございませんけれども、最低賃金は、最低賃金というふうなものを規定してそれを保障するということと、もう一面、実は競争、公正な競争を維持するということがあるんです。つまり、労賃のダンピングを許すと、そのことがコスト競争の原資になってしまうと。つまり、働く人たちの賃金をたたけばたたくだけ安く応札できるということが、公序良俗にどうなんだという意見も含めて、最低賃金というのがずっと議論されてきたというもうこれは経過があるわけでございます。同じように、もう公正取引委員会がいろいろおっしゃることもそれは一つの事実ではあるけれども、しかし、だれも挑戦しない、魅力のない報酬体系の下、果たして本当にこの法律が目指す建築士法の、やっぱり人々の、皆さん方の倫理観だとか、その職業意識にやっぱり訴えていく、そして日々研さんをしていただくということが現実保障できるはずもないなというふうなことを感じ取る次第でございます。  そういうようなことを含めて、是非ともこのことに関して、今局長いろいろ御答弁していただきましたけれども、私は、国土交通省として、法律として建築士法が仮に実現したとしても、それを魂を入れる制度として、この建築士の報酬に関して、やっぱりスケジュールを含めて、やっぱりあるビジョンを提起していただきたい。それがこの国会で建築士の皆さん方に対する私たちのメッセージになるのではないかと、このように感じる次第でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) もうおっしゃるとおりでございます。ただ、独占禁止法の公正取引委員会の意見等もありまして、士業の報酬規定については厳しく見られているわけで、その一環としてこの問題が、非常に困難ではございますけれども、しかし我々としましては今おっしゃったような観点からしっかり検討をさせていただきたい。そして、それが作る以上は使っていただけるような、そういうようなものを作っていきたいというふうに思っております。

加藤敏幸民主党・新緑風会

○加藤敏幸君 大臣の答弁を取りあえずは受け止めたいと思います。  それから、局長の方には、実態調査をされると、そのときにやっぱりその数字を率直に見ていただきたいと思うんです。特に平均値じゃなくて、地域地域のやっぱり個別分散したデータを私は見ていただいて、そして対話していただきたいと思います。平均値で出しちゃうと、何か五百四十万だったら、沖縄から島根まで全部五百四十万のように思えますけれども、現実はそうじゃないんです。やっぱり地域によって物すごく、今地方の格差と言われていますけれども、やっぱり相当な差があって、その上で地域で建築士、店出しているということの実態を私はやっぱり見詰めていただき、そのことからやっぱり方策というようなことも展開していただきたいということを御要望申し上げまして、時間になりましたので終わりたいと思います。  ありがとうございました。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。  冬柴大臣におきましては初めての質問でございますし、まず最初に改めて、大臣、御就任おめでとうございます。衆議院時代、特に議運の委員会だったと思いますが、御一緒したことなんかを思い出しながら、ちょっと質問しづらいところもございますけれども、この際勇気を持って、思い切ってさせていただきたいというふうに思ったりもいたしております。  去る十月二十四日だったと思いますが、冬柴大臣が国土交通大臣としてのそれこそ発言をなさいました。この冬柴大臣の所信に対しまして質問をする機会がありませんでしたので、今日の法案に入る前に二点だけ簡潔にちょっと御質問させていただきたいなというふうに思っておりますので、御容赦いただきたいというふうに思っています。  特に安倍内閣が掲げております「美しい国、日本」の実現のため、国民の視点に立ち、国土交通行政を推進してまいりますと、冬柴大臣もそのようにこの所信で述べられていらっしゃいます。私はふと、安倍総理大臣の「美しい国、日本」と、どんな国が「美しい国、日本」なのか、なかなか私は今日もまだ理解をしていないんです。  安倍内閣をじっと私なりに見てまいりますと、自民党の皆さん方で比較的保守色の強い方が閣僚になっていらっしゃるなと、自民党の中でですよ、冬柴大臣ではありませんよ。官邸のスタッフを見ましても、どちらかというと自民党の中でも保守色の強い方だなというふうに私は印象を持っています。  そういう中でも安倍内閣というのは、今一生懸命教育基本法を改正をしようと、一生懸命毎日のように委員会を開いて頑張っていらっしゃるようでございますが、うわさでは憲法改正の話も出てまいりますし、あるいはあの非核三原則の問題なんかについては外務大臣がちょっときな臭い発言をされたり、いろいろとあるわけでございます。そして、どちらかといいますと、財政厳しいということで、公明党も大きな政策の柱になっていると思いますが、福祉関係はじわじわと後退させていくんじゃないかと、こういう心配も見えてくるんです。  こういう国づくりが安倍総理の言っている美しい国づくりなのかな、「美しい国、日本」なのかなというふうに理解をせざるを得ないのかなというふうに思ったりしております。私は、それより、そういう国より現状の方が美しい国じゃないかというふうに思ったりするわけでございますが、冬柴大臣の、ここにもうたっております、先ほど申しました安倍内閣が掲げる「美しい国、日本」、その実現のためということでございますが、どのような国が美しい国なんでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 山下議員とは衆議院時代も一緒に戦った仲間として、大変格調の高い質問をいただきました。  私は、日本は北海道から沖縄まで南北に細長い国土であるがゆえに、四季折々の美しい自然というものを見ることができる本当に世界でもまれな私は国だと思います。四面環海ではありますから、水辺、海辺のすばらしさ、その景観のすばらしさは世界に誇るものだと思いますし、また国土の七割までが森林に覆われているということが、緑滴るといいますか、すばらしい国だと私は思います。  また、歴史におきましても、二千年を超える、三内丸山になりますとこれは六千五百年も前の史跡だと言われておりまして、そういう場所で高い文化が今でも目で見られるというすばらしい、地方地方にすばらしいものがあります。歴史も有史以来、二千年以来の歴史があって、奈良に行きますと本当に、明日香村へ行きますと、弥生の初め、古墳から弥生の初めにかけての日本の高度な文化が見られるわけであります。  そういうことで、私はこの恵まれた自然とかそして歴史、まあ外国のことを言ったらあれですけれども、アメリカの独立宣言は一七七六年といったら今から三百年足らずの近い話です。そういうことを比べますと、日本のその歴史、古事記や日本書紀、万葉集なんて物すごい古い歴史が誇ることができるわけで、そういうことを考えたときに、私は、そこに我々が住む、我々の子供たち、孫たちがそういう自信や誇りを持てるような、そのような国土を形成するのが我々のこの国土交通省の使命だと思います。それを言い換えれば、これは「美しい国、日本」というものをつくるのが我々国土交通省の使命であるというふうに考えるわけでございます。  ただ、それでは余り抽象的過ぎるんですけれども、その中でもやはりこの安全、安心ということ、これをやはり重視しなければ、その目的とはそぐわないだろうというふうに思います。そのために、日本にはやはりそういう国柄から地震というものが、非常に大きな地震があります。そういうときに、やはりそこに住む人たちが安全で安心感を持てるような国土づくりということで、あるいはそこの家屋にしてもそういう配慮が要ります。また、交通機関におきましても大きな事故が起こったわけですけれども、そういうものについて社長から末端の社員に至るまで本当に安全というものを常に意識していただけるような政策を取ることにより、やはり安心な国土ということがつくれるんではないかというふうに思います。  また、日本はもう少子高齢化がこの三十年で進み、日本は男女ともに世界最長寿国になりましたけれども、それがやはり大きなこの国の国づくりに影響を与えていると思います。例えば、明治期以来日本は本当に中央集権型の行政組織を取ってきました。これは近代化には、急速な近代化には役には立ったけれども、東京に政治も金融も経済も文化や教育まで密集してしまって、若い人がみんなそこへ吸い寄せられるという過密と、反面、地方の過疎ということが進んでしまいました。こういうことを改めて国土をつくらなければならないというふうに思います。競争力に勝ち抜くためにどうあるべきかというような国土づくりが必要だと思いますし、また頑張る地方というところが、若い人が集まってくれるような国づくりも必要だと思います。  私は、「美しい国、日本」というものは、恵まれたその国土や歴史という、自然というものを生かしながら、今言ったような方向でこの国をつくっていくのがこの「美しい国、日本」である、私はそのように思っております。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 冬柴国土交通大臣の美しい日本につきまして、本当に懇切丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございました。よく冬柴大臣の美しい日本については理解をさせていただきました。ただ、残念でありましたのは、安倍内閣が掲げる美しい日本についてはちょっとお触れられになれなかったなというふうに、そこは残念でございますが。それと同時に、一つお願いがございます。今日はちょっと後ほど盛りだくさんの質問を用意しておりますので、なるべく簡潔に御答弁いただければ有り難いなと。勝手なことを申しまして、恐縮に存ずる次第でございます。  もう一点だけ、この所信での質問をさせていただきたいと思います。  所信の中で「道路特定財源については、行革推進法等に基づき、一般財源化を図ることを前提とし、」、ちょっと気になるんですが、「一般財源化を図ることを前提とし、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめます。」と、このように所信で述べられました。そして、十二月の八日でございますか、与党といたしましても、まあ私から申し上げれば玉虫色の決着かなというような印象を持ちましたが、一応決着を見たということも理解をいたしております。  公明党の太田代表が、過日、ロシアの訪問中にこのような発言をなさっていらっしゃいます。道路特定財源の一般財源化について、税率を下げないならば、税の性格からいって道路関係や高速道路料金の引下げなどに使う方向を軸にして検討してもらいたいと、納税者の納得が得れることが大事だというようなことを述べられていらっしゃいます。それから、与党で決着が付くちょっと前の十二月の七日には、同じく太田代表が、納税者の理解を得るという我々の主張がどこまで表現されるかしっかり見守りたいと、このような発言をなさっていらっしゃるんです。そして、せんだって八日の日に最終的に決着をいたしたわけでございますが、大臣のこの所信の発言と今回の決着の付け方、これにつきまして十分御納得がいかれているでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 私としては、納得がいっているということを申し上げたいわけであります。  昨年末の政府・与党合意、そしてまた今年に入りましてからの骨太政策二〇〇六、そしてまた行政改革基本法等で共通して道路財源の問題について述べているくだりは、この道路特定財源は、その税率を維持しつつ、一般財源化を前提に、納税者に十分説明をし、その納得を得つつ、本年中に具体策を策定すると、こういうことが共通のフレーズだったと思います。  それで、税率を維持しつつということは、今まで道路特定財源として本則及び暫定税率から入ってきたお金は、毎年入ってきたお金そのものが道路整備に使われるということがうたわれている原則はこれは改正をすると、こういうことでございますが、しかしながら、そうするためには、これは平成十五年に五年間、三十八兆円という事業量を示して、それで道路整備を行うから暫定税率を上乗せすることを容認してほしいという説明をしているわけですね。したがって、これを違反するわけにはいかないというのが私の基本的な考え方でございます。  そうしますと、二十年以降も暫定税率を維持しながらそれを一般財源化するということは、その見合いとして負担を求めるわけですから、受益はどうなるのかということを明確にすべきだと、私はそれを強く主張してきました。その中で、今回合意されたのは、真に必要な道路整備は計画的に進めると、これだけでは抽象的過ぎるので、十九年中にこの中期道路整備計画を明確にして、どういう道路を造るかということをはっきり示しますということを申し上げているわけでございます。  そういうことで、私は受益と負担というものがこの合意の中には盛り込まれたということで、私は評価をしているわけでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 今回のこのまとめは私も一定の評価をしておりますので、本論ではございませんので、この辺で終わらせていただきたいと思います。  それでは、建築士法の一部を改正する法律案について伺いたいというふうに思います。  ちょうど昨年の今ごろは、元姉歯一級建築士が耐震偽造を行いまして、もう今ごろは大変なこの問題で大騒ぎの時期だったなというふうに思っております。これが昨年の十一月十一日に構造計算偽装問題は発表されたわけです。それこそ国民生活の拠点であります、本当にまた同時に一世一代の大事な大事な大変高い買物であります住の安全、安心を根底から大きく揺るがした大問題であったわけでございます。国土交通省は当時、一生懸命調査を進めまして、進めれば進めるほどこの偽装物件が拡大いたしまして、それこそ建築確認検査制度の、どちらかといいますと形骸化が逆にさらされることになったんじゃないかなというような気もいたしております。それから今、約一年経過したわけでございますが、この間の国土交通省のいろんな関係者の皆さん、正直言いまして、一生懸命取り組まれたと、いろいろな多大な苦労もあったろうなというふうに私も察しております。  そういう中で、前大臣の北側国土交通大臣から今回この重責をお引継ぎなさったわけでございますが、この一年間たちまして、冬柴国土交通大臣は、構造計算偽装事件のこの問題に対する今日の御認識はどのように思っていらっしゃるか、また今後どのような対応をなさろうとなさっているか、御披瀝いただければ有り難いというふうに思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 今回の、有資格者である一級建築士の姉歯という人がとんでもないことを行いました。そういうことからこの問題を考えたときに、三つの観点から総括をしなきゃならないというふうに思います。  一つは建築士側の問題でございます。一回資格を取れば、終生その資格はあり、その中には勉強等に余り励まない人が出てきたりして、その能力に疑問があるという点が一つあります。  もう一つは、非常に建物が大きくなり、構造も複雑になってまいりました。そういうことから、元請設計と言っていいんでしょうか、施主から設計を依頼を受けたその人が、例えば構造の部分とか設備の部分というようなものを下請に出してしまうということで、しかもそれが匿名でだれがそれをしたのか分からないというようなことが起こりまして、それが有資格者である建築士の職業倫理というものの低下を招いたのではないか、こういう点が第一点だと思います。  それから第二点は、建設行政側にも問題があったと率直に反省しなければならないと思います。それは、そのような構造設計が粉飾をされているという、そういう事実を見抜ける、見抜くことができなかったという点が非常に重大だと思うわけでございます。  三つ目は、やはり施工側でございます。施工側あるいはそれを販売をした業者、建物の販売業者というようなところに大きな問題があったと。この三点を大きく総括すれば問題があったと思います。  そういうことから、先国会以来、建築基準法の改正とか、あるいは建築士法の一部改正を行いましたし、今回もまた建築士法の抜本的な改革も行いました。そして、最後に残されているのは売主側の問題ですけれども、担保責任ですね、売主の担保責任というものが十年間あるわけですけれども、その十年の間に資力を失ってしまうとか、あるいはヒューザーのように全くそういう意味では誠意が認められないような業者に対して、その被害を受けた買主をどう救済していくのかという問題は来国会に提案をさしていただきたいというふうに考えております。  細かい問題は省きますけれども、私はその三点に絞って今回はそれなりの改正をそれぞれ行いまして、二度と再びこういう事件が起こらないような形は取ることができたというふうに思っております。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 次期国会に提出されるだろうと思われます瑕疵担保責任保険の問題等については今回は触れませんが、今私の質問がちょっと悪かったのかなというような、お尋ねの仕方が悪かったのかなというような気もいたしたわけでございますが、率直に申し上げまして、構造計算書偽装問題が公表を、昨年公表されたと。私は、国土交通省を始めとする政府の取組方というのは、正直なところ本当に極めて迅速かつ果敢な対応をなさったと思うんですよ。実に速かったんです。その反面、私が心配しているのは、今日、政府の対応はそのように極めて良かったんですけれども、極めて拙速かつ不適切な対応だったんじゃないかなと今日私は思っております。  なぜそのようなことを申し上げるかといいますと、昨年の十二月の六日の日に構造計算書偽装問題に関する関係閣僚による会合が持たれまして、そこで決定されましたのが、構造計算書偽装問題への当面の対応における耐震強度偽装分譲マンションの居住者に対する地域住宅交付金制度を活用した相談、移転、除去、建て替えまでの総合的な支援策が決められたんですね。  今日までで申し上げますと、個人の財産形成に公的支援は行われていなかったんですね。だから、そういう意味で申し上げているんです。大変対応が良かったと、ある面では。自然災害被災者の家屋本体の再建に対する公的支援は今まで行われませんし、今回のだから支援策はそういう意味では英断だったと言ってもいいと思っています。  だが、現実にそれから今日一年経過したわけでございますが、耐震強度偽装分譲マンションの建て替えはほとんど進んでいないんですね、現実は。何で建て替えられないんだろうと。その理由があるからだと思っているんです。  私のところにせんだって、グランドステージ稲城、ここで現状についていろいろと訴えられました。その中のポイントを申し上げますと、事件発覚から一年がたちましたが、何ら過失のない社会的弱者である我々被害者住民が、肉体的、精神的、経済的に過度な負担を負わされている状況は変わりませんと。ひとときの混乱から立ち直ってはおりますが、余りにも失ったものが多過ぎて言葉にしようがありませんと。グランドステージ稲城だけではなく、多くの被害住民は多額の住宅ローンを抱えており、再建事業に参加しなくてもローンの返済が残る。住居確保のための高額の家賃を自己負担しなきゃなりませんと。本当、これをお聞きするだけで胸が痛むような印象を私は持ちます。  そして、若干のささやかな要望も書かれているんですね。一つは何かといいますと、仮住宅の家賃補助を延長してほしいと、これは延長されるということも伺っておりますが、まあここは一つ前進でしょう。もう一つは、住宅ローン減税ですね。これにつきましても何とか控除を増やしてほしいとか、できればもっと何とかしてほしいと痛々しく訴えられているんです。  こういうことを考えますと、その制度の対応は良かったんですけれども、何にも進んでいないんですね。何が一番の理由だというふうに思われるでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) やはり、共同住宅で多くの人々が、それぞれに考え方も資力も違う人たちがその中で買って入っているわけでして、そしてそれが根本的に今払っている旧ローンですね、そういうものがもう建物が滅失するということになれば、そのローン、なくなった家に対してのローンというものをまだ払い続けなきゃならないという不安とか、今後また新しく建てた部分についてローンを組むわけですけれども、二重ローン、阪神・淡路大震災のときもそうでしたけれども、そういうものの不安というもの、そしてそのためにはどれだけ自分は負担できるのかという収入とそのローンの割合とか、それぞれに違うわけですね。  そういうことで、建て替え決議をするにしても、住民の中での調整というものが、我々行政が介入できない部分でいろんな御意見があったと思います。しかしながら、現在まで五棟において建て替え決議が行われておりまして、各物件において居住者と地方公共団体との間で建て替え等に向けた具体的な検討が進められているのが現状でございます。  そして、私どもとしましては、平成二十一年三月、平成二十一年三月までにはおおむねすべての物件において建て替えが完了するものと私どもは思っておりまして、家賃補助の年限がそれではもう延ばさざるを得ないんですね。二年というのが原則なんですが、二十一年三月以降になりますとそれを超えてしまいます。そういうことも配慮しながら、我々としては、現在建て替えが円滑に進められるように、引き続き地方公共団体と十分連携を図りながら取り組んでいるところでございまして、中に入っておられる方の不安というのはありましょうけれども、あとう限りの努力はさしていただこうということでございます。  以上でございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 特に、この構造設計、公的機関もこの偽装が見破れなかったというところから、公的には一定の責任を持つというのが前大臣の進め方だったろうというふうに私は理解しているんです。  そのことを考えますと、これは国土交通省を挙げて、例えば二重ローンの、とにかく価値のないところへ担保を付けましたね、銀行。銀行は担保価値があると思って担保物件としてそのマンションに抵当権を付けて、もし本人が支払えないときはそのマンションの住宅をもらいますよと。これが、もう大臣は法律の専門家ですから十分理解できると思うんですが、だと思うんです。そういうことを考えますと、これはやはりもうもっともっと銀行に責任を大きくしょってもらうということをやっぱり国土交通省として是非これからも惜しみなくこの問題については取り組んで、二重ローンを少しでも軽減していただくよう強く要望をしておきたいというふうに思います。  それでは、今回の建築士法の改正でございますけれども、私はどうも前回の建築基準法の改正、これにつきまして前回感じましたのは、結論を一言で申し上げますと、どちらかといいますと建築士の罰則を強化が中心だったなと、そのような内容だなと。今回もかなりいろいろと充実したような改正に一方では見えますけれども、ある意味では建築士の資格を、一定の資格を剥奪する法律案じゃないかなというような気がしてならないんです。それで、また来年の通常国会でございましょうが、住宅瑕疵担保責任保険制度の法律案も提出予定だと。  一つずつこう見ていきますと、まず一つは、何でこの三本をきちっとまとめて抜本的な改正案を提案しなかったのか、ちょこちょこちょこちょこ三回に分けてなぜ提案されるんだろうと。それでもう一つは、どうも今回もそうでございますけれども、特に一級建築士の資格を剥奪する、そのような印象を持っておりますが、住宅局長、いかがでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 三段階に分けて細々ということもございますが、見方によってはホップ・ステップ・ジャンプかという見方もあろうかと思います。  ただ、昨年の十一月に起きましたこの耐震偽装関係の事案につきまして、昨年の暮れから衆参ともに閉会中審査というようなこともずっと続きながら、どういったら再発防止ができるかということで法律改正をいろいろ考えてまいりました。  一つ私どもが非常にショックだった部分というは、行政の専門家が見抜けなかったという点が建築行政、国民に対する信頼を取り戻さにゃいかぬということで、まずそちらの方とメーンと、委員御指摘のように建築士に対する罰則が実は罰金だけで、ひどい設計をしながら、住んでおられる方の生命にも危険を及ぼすというようなことをやりながら、実は罰金だけだったというようなこともございまして、どちらかといいますと審査レベルを厳格化するという部分と建築士に対する処分の言わば厳格化というようなところで、さきの通常国会の改正をさせていただきました。  実は、今回の法は、建築士法の改正ということで建築計画を作る側、審査する前に計画がまずあるわけでございまして、その計画をきちっとせにゃいかぬと、こういうことで、そのきちっとした計画ができるようにということで今回の建築士法の改正をやろうということでございます。なおかつ、その建築士法の改正をそういった意味で改正をしますと、実はこの建築士法自体が昭和二十五年にできておりまして、その後抜本的な改正がなされなかったということもあるものですから、ある意味の抜本改正ということになるので、直ちの今年の通常国会には、そういった意味ではもう少し業界の方々の意見も聞かにゃいかぬということもございまして現在に至っていると、こういうことでございます。  それから、一級建築士の資格剥奪に近いというようなお話がございましたけれども、あくまでも私ども考えておりますのは、建築計画というレベルで法適合性を確保するということでございますので、現在の構造設計なり設備設計が複雑に専門化しているということでございますので、一定規模以上の構造設計を行う場合にこういったような制約が課されるということになるというふうに思っております。  ただ、この一級建築士自体が一通りの設計を終えた後でプロの構造設計の方にチェックを受ければ足りるということもございますので、そういった意味で一級建築士としての業務独占範囲に変更はないのではないかというふうに思っております。  また、既存の一級建築士につきまして、五年以上の実務経験と所定の講習ということで構造設計一級建築士になれるということでございますので、そういった意味でも既得権の侵害に当たらないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 仮に私が一級建築士の資格を持っていたとしますね。そうして、今ですと、超高層の構造の設計、できるかできないかは別ですよ、超高層の構造の設計をできる資格を持っているんですね、現行法では。設備も持っているんですね、現行。やれるやれないは別問題です、持っているんです。だけれども、この法律が施行されますと、今度は五年の実務経験を経て、また後ほど詳しく触れたいと思うんですが、そして、何だったですかね、五年の実務経験と研修、講習ですね、受けて一級の構造なら構造の資格を得ると、こうなっているんです。そうしますと、今度はそれ、二十メートル超はそういうことでやれますよと。だから、今日の一級建築士、それを持っていないと超高層はできなくなっちゃうんですね、簡単に言いますと。ですから、設備も一緒でございますけれども、ですから私はある意味では今の資格を剥奪しているんじゃないんですかということを申し上げたんです。  どちらかといいますと、こういう新しい新法ができますと既得権で大体今まで持っていた方は認めていらっしゃるんですね。それを認めないということでありますから、今の教育基本法で言えばいじめ問題と一緒で、一生懸命一級建築士さんをいじめているというふうにしか取れません。これはまた後ほど触れていきたいというふうに思っております。  それは、大臣が今回も法律の専門家だから大変有り難いんですね。例えば、ちょっと横道にそれますけれども、弁護士さんだって一緒だと思うんですね。民法とか刑法、別々の資格を取っているんじゃないんですよね。そして、生涯ずっともう死ぬまで資格あるんですよ。私は、正直言いまして、日本の国家試験で一番難しい資格試験の難しいのは私は司法試験じゃないかと勝手に理解しております。それぐらい難しいと思うんです。そういう難しいのでも、だんだんだんだん横道に入っちゃいますが、学生時代から試験を受けることは今まではできました。これから法科大学院で若干変わってきますけれども、今日までのシステムでいいますと、司法試験というのは学生時代、早い方、優秀な方は学生現役で合格なさっている方もいらっしゃったんですが、これからは法科大学制度、ちょっと変わってきますが。  だけれども、この建築士の一級の方は、大学を出て、二年間実務をやって、そして一級の合格をされて、それから今度五年間、設備なら設備の一生懸命実務を行った後受けるという。だから、設備の一級受かるまで新しい方は最低でも大学出て七年は最低でも掛かるんです。そういう大変またある意味じゃ厳しい制度なんですね。だけれども、その前の一級だって学生時代現役で受かることはできないんですよ。それぐらい厳しいんですね。そういうことを考えますと、そう簡単に安易にいじめをやっていいのかなと思ったりしております。  それで、今回の構造及び設備一級建築士創設の流れなんです。今日どういうふうに流れてきたんだろうと。ですから気になったんです、私は。これを見ていきますと、建築士改正法案、さきの通常国会に提出された建築基準法の改正が、比べますと、今言いましたように、制度改正に相当踏み込んでいるんです。内容もそういう意味では豊富だと思うんです。建築士制度見直しに当たり、私が度々提案しましたね。制度の剥奪じゃなくて、仮称ではございますが、本当なら前山本住宅局長の方が本当ならよかったんですけど、役所もなかなかしたたかでございまして、次の法案のときはもう局長もちゃんと替えて答弁者を替えてしまうというので、どうもある意味じゃやりにくい面もあるんですが。  私はさんざん、前回、そういう剥奪するようなやり方じゃなくて、仮称ではありますが、ハイパー構造建築士のようなステップアップの方法を考えたらいいじゃないかと、その方がいいんじゃないかなというふうにさんざんお訴えをさせていただいたんです。だが、結局は国土交通省は構造設計一級建築士と設備設計一級建築士の創設で決着をされたんですね。どうもだからこういう決着をさせた最大の戦犯は私は国土交通省の住宅局長じゃないかなと思うんだけど、本当は。まあそれは別にいたしまして、建築士制度の見直しをめぐる社会資本整備審議会建築分科会の第八回の基本制度部会以降の国土交通省の動きを改めて振り返ってみますと、全く不可解と言わざるを得ないんですね。  六月の二十六日の第八回基本制度部会に国土交通省から提示された「建築士制度の見直しの方向性について」、これ素案です。これは、一級建築士でなければ設計ができない建築物、先ほど申しました鉄筋コンクリート造り、高さ二十メートル超に引き上げた上で、新一級の資格の創設ですね、構造や設備の専門資格の創設をして、既存の資格者の新一級への移行に当たっては先ほど言いました講習受講と修了考査の義務付けなどで、見方によれば今回の改正案で創設するとしていた構造設計一級建築・設備設計一級建築士制度の原型を示されたと思うんです。  そして、だが、第八回の基本制度部会に提示されました素案は、既存の一級建築士のいろんな多くの意見が出まして、これはふるい落としじゃないか、あるいは格下げじゃないか、あるいはふるい分けと、いろんなものを内包したものですから、大方の資格者が反発をいたしたものですからまた変えちゃったと。  そして、七月二十日の第九回の基本制度部会に示された国土交通省の新案においては、設計一式、構造、設備などの業務区分に応じた建築士事務所登録の義務化、専門知識の持った建築士事務所への配慮などを盛り込まれました。しかし、この新案についても、構造設計技術者が抱えていない意匠事務所の設計を総合的に受注できないということで、意匠関係のところの事務所から反論があって、結局は業務区分ごとの登録も撤回をされたというふうになっているんですね、流れは。  そして、その後すぐ後、七月三十一日の第十回基本制度部会においては、答申の素になる最終報告書案の、提示されました最終報告案は素案と新案のそれぞれ一部採用という形の内容となっていて、そして最終報告書は、その後パブリックコメントを得て、一部修正されて、八月三十一日の第十一回基本政策部会で最終報告として了承され、そして社会資本整備審議会から北側国土交通大臣に答申をされたと、こうなっていますね。  そして、今回の建築士法改正案はその答申の内容を実施すべく提出されたものでありますが、基本制度部会における素案、そして新案、そして最終案に至るこの一連の動きをずっと見ていますと、どんどんどんどん変わってきているんですね。まあ迷走と言った方がいいのかも分かりませんし。  同時に、そういう中で、結局は、私はまず大臣に申し上げたいのは、さきの通常国会でさんざん申し上げたんですが、先ほど申しましたように、一級の建築士の資格をどちらかというと弱めるんではなくて、その上に先ほど申しました仮称ハイパー構造建築士のようなステップアップ方式を提案したんですが、国土交通省は一顧だにしないで今のような法律を提案されたんですが、これ、大臣じゃなくていいです、局長でいいです、そのような議論をなさったんでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 社会資本整備審議会の中での議論もそうですが、我々の中でもいろいろ議論をいたしているところでございます。委員御指摘のところでいえば、既存の一級建築士さんが今まですべてできたではないかというところが実は私どもにとっても一番議論の大きなよりどころになっているところでございまして、現在の一級建築士さんは意匠も構造も設備も、大きなものも含めて小さいものまで全部できるんだということを前提にした上で、なおかつ大規模なものについてだんだんと専門、複雑化するので、そこの部分については何らかの手当てが要るよねというところがあります。  実は、先生のおっしゃるようなハイパー一級建築士にいたしますと、既存の一級建築士を持っている方が例えばみなしでハイパーになっていることになってしまいますと、実は三十万人の一級建築士がすべてが、過去ストック分も含めて、立派な一級建築士になってしまうという側面があります。それだと、現在の今我々が思っているような言わば専門、現在として専門分化しているような構造部分をもうどうチェックをして建築計画を作っていただくかというところに関して言えば、それは不適切ではないかということがありまして、したがいまして、一級建築士の中から構造設計のプロの方を見付け出していこう、それを、そういう方にプロとしてチェックをしていただこうと、まあこういうような法律構成を取った次第でございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 冬柴大臣が弁護士さんでございますので、弁護士さんでも民法に詳しい方、刑法に詳しい方、民法の中でも例えば今でいえばサラ金に詳しい方、あるいは自動車事故に詳しい方、いろいろと専門化だんだんとしてきているんですよ。あるいは医者だってそうだと思うんですね。医師の国家試験受かって、これは内科で受かったとか、外科で受かったとか、あるいは外科の中でも神経外科で受かったとかですね、いろいろとそういうふうに区分されて受かっているんじゃないんですよね。医者になれば、例えば外科が専門であっても内科の診療をしても医師法違反じゃないんですよ。弁護士さんが刑法やろうと民法やろうが何やったって違法じゃないんですよね。専門化しているんです、だんだんと世の中が複雑になっていますから。それは研修その他できちっと専門、専門やっていかれているんだと思うんですよね。  ですから、私が何でそういうことを申し上げるかというと、ハイパー建築士というのも、資格は、あの人はもう構造は物すごい優秀だよというふうに分かるようなシステムをつくればいいんであって、わざわざ、今まで二十メートル超できた一級建築士さんが二十メートル超やるときは法的な確認をもらわないと提出できないと、それはどう見てもやっぱり今までの資格を取り上げるということしか言えないんじゃないですかね。ですから、私は申し上げているのは、ハイパーというのは、国民が見れば、ああ、あの方は構造に物すごくたけている方だな、この方は設備にたけた方だなと、そういうシステムが分かるような制度をつくればいいと思うんですが、私の考えは間違っているでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 御趣旨は私どもと余り変わってないんじゃないかと実は私も思っているんですが、例えば構造設計の一級建築士になったら設備設計の一級建築士にはなれないということではなくて、広く一級建築士の中から、私は構造はちゃんとできるよと、それこそハイパーな、何でもできるスーパーな建築士の方がおられれば、この構造設計も取り設備設計も取りということであれば、それが一級建築士証の中に書かれて、なるほどこの人はすごい一級建築士なんだということが分かるのではないかというふうに思っております。  今回、こういうふうに分けさせていただきましたのは、そういった意味で、高さ二十メートル以上の建築物に関して、審査段階も厳格化しましたけれども、建築計画として間違いがあるものを造ってはいけないと。じゃ、間違いがあるものを造らないようにするにはどうすればいいかということでございまして、そういった観点から見ると、やはりプロの目が入って、プロの方が設計するか若しくはプロの方がチェックするという仕組みがいいと。ところが、そのプロというのは新たな資格ということではなくて、現在ある一級建築士の中からそういうプロを養成して、その方が見ていただくと。こういうのが言わば既得権の関係も考慮すれば、いい、適切な制度ではないかというふうに思った次第でございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 なぜ私がこういうことを申し上げるかと申し上げますと、現状、一級の建築士の資格を持っている方はいいと思うんです。これから建築の資格を取って、また一生懸命頑張ろうという学生がだんだんと少なくなっていくんじゃないかなと危惧をしているんです。  なぜかといいますと、先ほど申しましたように、大学を出て実務経験して二年たたないと最低限一級の資格の試験すら受けられない。まあ、そこでめでたく合格をいたしたといたします。もう二十二ですから二十四になっています。それから、今度は構造なら構造を五年間一生懸命実務経験をして、受かりました。そうすると、それで五年掛かっておりますから、もう二十九歳になります。それから、今度は設備もじゃ取ろうと、スーパー一級建築士になるために設備も取ろうと。またそれから一生懸命実務経験五年をして、そして受かりました。もう何歳になるんですか。  そんないつまでもいつまでも下積みして若い人が苦労する。もう少しシステムとして、そう頑張る人には早く取得できるような、そういうことも考えてあげないといけないんじゃないですか。あの難しい司法試験制度すら、今度は法科大学院制度をつくって、二年間ですかね、三年間ですか、長い方は三年間ですかね、それをやったらもう、法科大学で今までよりは司法試験の資格が取りやすい道を考え出してきたんですね。ですから、これ、大学を出てスーパー一級建築士になるためには、大学を出て十二年も最短で掛かるというんじゃ、本当に夢も希望もないじゃないですか。ですから申し上げているんです。  もうだんだんだんだん時間なくなりますから、もう答弁もこれは要りません。  そして次に、私がやっぱり委員会でも申し上げたんですが、私は、当時大変議論されていましたのは、意匠、構造、設備、相当議論されたんですね。それで、そのときに私は、特に超高層の世になっていけばなるほど基礎も大変重要じゃないかと、基礎。ですから、意匠、構造、設備だけではなくて、基礎の建築士も相当重く見て導入すべきじゃないかと、そういうことを議論させていただいたことを記憶をしております。  基礎の分野についてはどのような議論がなされたんでしょう。特に、幾ら構造立派であっても、基礎が軟弱だったらひっくり返るかも分かりませんしね、基礎が、何といったって建物の一番大事なのは土台だと思うんですよね。基礎の部分についてはなぜ一切触れられていないんでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 今回の法改正でございますけれども、高さ二十メートルを超える鉄筋コンクリートの建築物についての一定規模以上の構造設計ということに位置付いて構造設計、一定のものについて設備の設計と。委員の方は、基礎部分はどうかと、こういうお話でございます。  建築物の地上部分にそういう作用いたします荷重、外力に対して基礎が安全であるというのが当然のことでございますし、これらの荷重及び外力を地盤に安全に伝達するということが基礎の役割かと思っております。  ところが、その基礎でございますけれども、建築物の地上部分と合わせた形で安全性を確かめるということが肝要でございます。したがって、その基礎部分だけを切り離して安全性を確認するというのはちょっと難しいのかなと。  例えば、高さ六十メートルを超える超高層建築物という場合には、特別の、もう現実の地盤を前提にして地震力の設計を全部やりまして、それで大丈夫というので認定をして確認を下ろすと、こういうことになっておりますが、それにつきましても、地盤と建築物の地上部分というのをトータルで見た上でその力がどうやって基礎に伝わるかということをチェックしていると、それが実は構造設計そのものになっているというところでございます。  こういうふうに、この構造設計自体が、基礎部分でなく、基礎部分プラス上部部分といったようなトータルの安全性を検討するということになっておりますので、基礎専門の建築士を位置付けるということにはちょっと至らなかったと、こういうことでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 確かに建物、基礎から構造、全部一体であることは理解します。だけれども、基礎の部分は地中に入る部分もたくさんあるんですね。あのピアという名前、私、専門用語を知りませんけれども、例えば電柱のようなものをしっかり打ち込んで、その上へ構造で、例えばビルを建てるとか、下が岩盤が近ければもう岩盤の上に載せてやるとか、今は浮かして建てればいいとか、いろんな方法があると思うんですね。  それは、やはりその地中の中のことを設計の人が分かるとは私は理解できないんですよね。やっぱりそこは、土木工学になるか何になるか分かりませんけれども、やはり基礎の部分というのは相当また違った角度の専門知識が要るんではないか。構造というのは、その建物をこういう構造にすれば絶対倒れませんよ、つぶれませんよ、壊れませんよという、簡単に言えばそういうものだと思うんですよね。意匠はそうじゃないでしょう、デザインでしょう、どちらかというと。なるべく見た目、使いやすさか見た目かは別にしまして、そういうものだと思うんですよね。設備は、こういう電気とかそういうのをどこへ付けたらいいだろうということだと思うんですね。それぞれ違うんですから。  私は、それだけますます、先ほど住宅局長がおっしゃったように、高度化そして専門化、複雑化してればしているほど基礎の部分というのはますます重要になってくるというふうに理解いたしますので、また再度申し上げて、要望しておきますが、是非、いつの機会にまた、十年たったら基礎の一級ができたとならないように、是非今提起しておきますので、御検討はもうしなくてもいいです、提起しておきます。ということで進めたいというふうに思っています。  それから、今回の構造及び設備設計の一級建築士について、構造及び設備設計建築士というのは、私は新しい免許資格ではなくて構造及び設計設備一級建築士証の交付という形にしたのはどういう理由でしたのか、ちょっと分かりますか。構造も同じです。構造、したのが。  それからもう一つ、建築士免許の登録と建築士証の交付、これは法的にあるいはどう異なるのか、それも教えていただきたいと思います。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 実は、構造・設備設計一級建築士というのが登録事項ということになりますと、先ほど委員が御指摘のハイパー建築士じゃありませんが、そこでいったん切断されてしまいまして、別の新しい資格制度の創設ということに相なります。  今回はそうではなくて、一級建築士の中からプロの方を選び出す、その方にチェックをしていただくということなものですから、そういう登録制度ではなくて、あくまで登録としては一級建築士なんですと、その一級建築士の中に、この人はプロの資格あるよということなものですから、それは何とか証という形で、一級建築士証という形でお見せをするということの形になったわけでございます。  したがって、例えば処分ということになりますと、登録した人に対する処分でございますので、処分自体は一級建築士としての処分になりますと、こうなりますが、仕事している内容は一級建築士としての内容と構造設計としてやっておられる内容とがあると、こういうことに相なろうかと思います。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 それでは、ちょっと時間もなくなってきましたから、ちょっと先に進めさせていただきたいと思います。  それから、一つは、これも局長で答弁はいいと思うんですが、構造一級建築士等、原則五年以上の当該業務経験と講習を必要とされていますよね。だけど、それ以外に、国土交通大臣が同等以上の知識及び技能を有すると認める一級建築士についてはこれらのあれが不要ということになっていますね。大学で言えば推薦入学みたいな制度があるんですよ。こういう制度を設けた合理的理由は何なんでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 実は、これは外国のことをちょっと意識いたしておりまして、実は一級建築士と同じような制度が例えば欧米にもあって、相互に認証しようということになりますと、構造設計のプロですよと言いながら、向こうに仮にそういうような資格があるとすれば、それは相互認証せにゃいかぬと、こういうこともございまして、そういった場合に備えましてこういった条文を置かさせていただいておるところでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 その点につきましてはまあ理解できました。  それから、今回の同じく構造設計一級建築士、設備設計一級建築士については、三年から五年ごとの定期講習の受講が義務付けられていますね。ただ、定期講習には修了考査があるんですが、考査を通らない場合どのようなことになるのかと。それから、講習を受講しない場合はどうなるのか、それについても御説明ください。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) まず、修了考査の点でございますが、ちょっとまあ言い方は悪いかもしれませんが、通るまで講習を受けていただくということに相なろうかと思います。  それから、受講義務の違反者でございますけれども、まず一つは、一級建築士証なり構造設計一級建築士証というところに定期講習を受けたかどうかというのを記載することになっておりますので、まず消費者の方には定期講習を受けたかどうかということが、この何とか証を見れば、建築士証を見れば分かるようになっております。  それから、この受講義務違反に対しては、直ちに業務停止というわけにはまいりませんが、いわゆる行政指導をして、戒告をして、それでも従わなければ業務停止、免許の取消しといったような処分も考えざるを得ないというふうに思っておるところでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 そうしますと、実質的には更新制と変わらぬのじゃないですか。先ほどは、更新制じゃないって加藤委員のときには盛んにおっしゃっていましたが、免許の更新制とは違いますよとおっしゃっていた、それだと更新制じゃないですか、最終的には免許剥奪までいくんであれば。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 新しい建築技術なり新しい法制度を理解していただかないと、建築士が業としてやっていく建築士として使命を全うできないということに相なろうかと思います。そういったような場合に至るような場合には、そういった処分も検討せざるを得ないということでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 時間がなくなりましたから、先へ急ぎます。  せっかくですから、建築設備士制度との関係についてお尋ねしたいと思うんです。建築設備士との関係ですね、建築設備士制度との。  建築設備士の資格は、現在取得している方、また今後取得しようとされる方も同じなんですが、いわゆる一級建築士の資格を取得しないと設備設計の一級建築士になる道はないのか。また、現行の建築設備士の資格を持っている人は、この法律が成立した、施行されたら、現行の建築設備士の資格を持っている人、その人が設計した場合、法適合チェックの義務付けが必要になるのかということをちょっと簡潔にお答えください。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 今回の改正によりますれば、設備設計一級建築士という一級建築士の方でなければ法適合性をチェックできないといいますか、その方のチェックがなければ確認申請は受理されないということでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 そういたしますと、参考人質疑のときもあったんですが、大体建築設備士は機械だったですよね、機械が四割強、それから電気が四割弱、そして建築が二割というような方がなられているというような、参考人質疑のときにございました。  そういたしますと、建築設備士も、一級の設備士の資格を取得する場合は、その前にまず一級の建築士の資格に合格しないと、要するに建築設備士の一級の資格を得ることはできないんですか。それとも、例えば一級建築士のように五年間の実務経験と、逆に言えば講習を受ければ設備設計一級建築士の資格は得られるんですか。どちらでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 基本的に、一級建築士になっていただくためには必要な試験を合格していただかなきゃならないということでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 そういたしますと、将来、今これで見ますと三万五千六百七十八人、建築設備士、いらっしゃるんですね。なかなかこれも難しい試験ですよ。そして、現行の業務で言いますと、建築士に対し、高度化、複雑化した建築設備の設計、工事監理に関する適切なアドバイスを行える資格者なんですね。それからまた、建築士事務所の開設者、建築主から設計等の委託を受けた建築主に交付すべき書面に記載する事項として、業務に従事する建築設備士の氏名が規定されていますと。  こんなに難しい、こういう方が、結局そうしますと、三階以上、五千平米以上のものにはこの設備士さんはもう使えないということじゃないですか。そういうことになります。こういう方に改めて一級の建築士の資格を取得しなさいと言っても、ほとんど機械とか電気の人が八割いらっしゃるんですよね。そういう皆さんはまた建築科の勉強して一級受けないといけない。もうとてもじゃないですけど、もう年齢も上がってるということになれば、こういう方も結局は仕事がなくなる、そういう方向へ進んでいくんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 私ども、建築設備士に関連するような実は条文修正は今回一切行っていません。かつ、先ほども一級建築士について申し上げましたように、一級建築士の方がすべての設計をやってもいいんだと、だけど法適合チェックはこの人にやってくださいと、こういう改正でございますということを申し上げました。  したがいまして、建築設備士という性格が、建築設備の計画について助言を行って、建築設備の計画内容について不都合な点がないか、あるかないかということを指摘するスペシャリストという形で位置付けられておりますので、こういう方々がやる仕事が今現在なされるとすれば、それも今までどおりなされる。ただし、設備設計の確認申請を出す際には設備設計のプロがチェックをせにゃいかぬと、こういうことかなというふうに思っております。  若干、これをどんどんやっていくと建築設備士の方が仕事がどんどん減るんじゃないかというような御不安があるというような話もございましたので、今回の法律が成立いたしましたならば、そういうことがないような改正なんですよということを是非周知徹底方いたしたいと思っておるところでございます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 建築設備士は、空調、換気、給排水、衛生、電気と本当複雑なんですよね。高度化すればするほどそういうのは複雑化して、またすてきな電気などを使ったりすれば、照明器具なんか使ったりすればますます複雑化するんですね。エレベーターもそうでしょう。  それから、私もたまたまこの間参考人質疑のとき、建築設備技術者協会から出されたこの本と言った方がいいのか、これ見ましたら、びっくりするぐらいこの設備の仕事というのは、今、特に超高層になればなるほど、住宅は設備が一番大事じゃないかという印象すら持つぐらい難しいんですね。そういうくらい、ほとんど機械とか電気の仕事が多いんですよ。そういうことを考えますと、もう少しこの設備の問題というのは考えないといけないなと改めて思ったんです。  同時に、社会資本整備審議会の基本制度部会の中で、特に設備議会ですね、設備議会でいろいろと議論されているんですが、結局は、せんだっても参考人に見えました三栖さんですか、三栖さんは日本建築事務所協会連合会の会長です。専門建築士の創設には賛成だが、一級建築士を前提と考えるのはどうかと。要するに、設備の方ですよ、どうかと。現行の建築設備士から直接専門資格への道を考えてほしいと、こうおっしゃっているんですね。それから、建築家協会の会長は、建築学科を出て設備分野に進む人間は多くない、試験などで建築一般の素養を確認すれば一級建築士をベースにする必要はないと。  村上さんという基本制度部会長は、これは慶應の大学の教授です。部会には建築設備の関係者が入っていない、業務の実態を踏まえて混乱のないようにしていただきたい。それから、木原という日本建築構造技術者協会の副会長さんは、構造技術者は現在も一級建築士をベースにしているが、設備はもう少し検討の余地がある、特定設備建築士と建築設備士の能力に差があるかどうかも時間を掛けて検討すべき。これ古阪さんとおっしゃる方ですかね、京大の助教授です。専門資格や工事監理の不透明な部分が残る。それから岡本建築業協設計部会長さん、電気設備の専門技術者などでも資格が取れるような道筋が必要だと、こういうことをおっしゃっているんですね。  ですから、一級の建築士資格を持たなくても、あるいは、一級の建築士資格の方は五年間実務をやって講習受ければ一級の資格が取れるんですね、設備なら設備、構造なら構造、機械や電気を出ていなくても。一方はなれないというんじゃ余りにも不公平があると思いますので、ここは問題を提起しておきますので、しっかりと検討していただきたいというふうに思っております。  本当は最後に一点だけどうしても質問したいのがあったんですが、時間になりましたものですから発言だけして終わりたいと思いますが、やはり今日は、冬柴大臣も弁護士さんでございますので、弁護士さんとかあるいは行政書士さんとか司法書士さんとか、多くのそういう士、大体強制的に加入しているんですね。今度は強制でも何でもないんですね。是非私はこれも、日本建築事務所協会連合会辺りもやはり弁護士さんと同じように、言っているのは強制加入すべきじゃないかというような発言もあるわけでございますし、そういうことを考えていきますと、新しく、今既存のを四つに分けて法的に認めますというんじゃなくて、一つ建築士の会なら建築士の会をつくりまして、弁護士さんと倫理規定なりきちっとしまして、そしてそちらにすべてもう管理していただくという方が小さな政府になっていくと思いますので、それを是非前向きに考えていただきたいと思います。  いろいろたくさん問題点あるというのは承知しております。だが、長い、十年とか二十年とか大きな長いパターンで私は進めていけば必ず整理もできますし、今百万人いるとおっしゃっても、一級建築士は三十万人ですか、そうおっしゃっても、その中でもゼネコン勤めている方、役所へ勤めている方、いろんな者を引いていけば、実質やっている方は十万人ぐらいじゃないかなというふうに思ったりしますので、必ず実行できると思いますので、是非それは前向きに検討していただくようお願いしまして、質問を終わらせていただきます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 公明党の谷合です。先週に引き続きまして質問させていただきます。  建築士法の改正案の質問に入る前に、一点要望だけさせていただきたいと思います。それは、実は私の地元岡山でちょうど約一か月前、十一月十九日に起きましたJR津山線の脱線事故がありまして、事故車両の撤去作業が始まり、地元の住民からは早期の復旧に対して期待が高まっている状況でもありますので、ここで要望させていただきます。  事故の詳細は今、国土交通省の事故調査委員会の方、調査報告書を鋭意まとめられているというふうにお伺いしております。自然災害でありまして、重さ百トン余りの四メーター四方の大きな岩がレールに直撃して、そしてそのはずみで県道にぶつかって、県道に大きな穴が空いた。早朝の落石事故でありましたので、鉄道とその県道の情報共有体制がうまくいかなかっただとか、そういったこともありました。  私、この場で言いたいのは、まずは早期の原因の解明をしていただきたい、追及をしていただきたい。というのも、一年以上前にちょうど似たような箇所で落石事故がございました。そういったこともございます。  もう一つ、復旧に際しましては安全の確保をしっかりと取っていただきたいと。特に、中山間地域におきますローカル線のこの安全確保というのは非常に重要ではないかと。中国地方におきましても、JR路線、今現在で三路線、私が認識しているだけでも不通状態。これは落石事故だけじゃなくて、土砂崩れ等が原因でそうなっているわけでありますが、こういった安全確保をしていただきたい。  さらには、難しい課題だとは思いますが、土砂崩れが起きた斜面であるとか山、この土地の所有者が例えば私有地であるとか、そういった場合になかなか、落石防止さくであるとか、その後の復旧の費用をどうするのかとか、費用負担の問題がいろいろ課題としては起こっております。是非、JRだけの問題とかあるいは関係自治体だけの問題とか、そういうことじゃなくて、国も含めて関係各団体が協力して、用地境界の部分のその絡みにつきましては、今後、この安心、安全の公共交通機関の確保に努めていただきたいと。まずその点、冒頭に要望させていただきたいと思います。  それでは、建築士法の改正につきまして質問させていただきます。  まず、一級建築士の受験資格でございますが、これは原則、設計、工事監理業務の経験を評価していくということでございます。しかし、原則ということでありまして、この原則以外、例えば行政でありますとか、建築行政、大工、研究教育あるいは大学院といった、これまで認められていたような部分につきましてどの部分までその経験として評価され得るのかと。例えば行政におきましても、建築主事で全国で今千七百名余りの方が従事されているようでありますが、この方々は一級建築士でございまして、こういう受験資格の見直しにつきまして、今の設計、工事監理業務以外の経験をどのように評価するかの検討状況をお聞かせください。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 実務経験の内容でございますけれども、原則として設計図書の作成若しくはチェックに関与しているということと、工事と設計図書の照合に関与していると、こういったようなことがメルクマールといいますか、基本的にはその設計図書に密接にかかわっている業務であるということがメルクマールということになろうかと思います。  具体的には今後検討して省令で書くということなんですが、今のところ思っておりますのは、例えば住宅局で住宅行政をやっていても、今まではどうもオーケーだったようなんですが、これはちょっと問題かなと思っておりまして、営繕行政における設計、工事監理の業務補助とか、建築確認検査といったような特定行政庁なんかでやっておられるような確認検査の業務補助というのは間違いなく大丈夫だなと。  ただ、一般的な大学院で研究経験を積んでいるというだけでは、言わば設計図書と密接にかかわる業務かどうかという点に関して言えば、それは密接にかかわっていないのか、一般論で言えばそういうことが言えるのかなと思っておりまして、そういったような形で、設計図書に密接にかかわる業務であるかどうかということを基準にして判断していきたいというふうに思っております。

谷合正明公明党

○谷合正明君 前回の参考人質疑の中で、慶應大学の村上先生、建築分科会の会長でございますが、の発言で、まずこの法律改正が承認されるとして実施の段階に、具体的な制度設計の段階で一番大事なのは人材養成の問題でありますということをおっしゃられて、それが非常に印象的だったわけでございますが、先ほど受験資格の話も今、回答でございましたが、そもそも人材養成を図っていかなければならないんだと。  特に、構造ですとか設備の方の人材養成。今回新たに設置されます構造設計一級建築士、設備設計一級建築士、それぞれ法施行になった場合に三千人ずつ想定して、そのぐらいの数がいれば回るんではないかというような答弁も先週ございましたが、それ以外にも、先ほど話もありました建築設備士と、そういった資格を持っていらっしゃる方がいらっしゃいます。  質問としましては、構造、設備の専門家をどう養成していくのかということでございます。例えば、若い人たちが希望を持って建築士を目指すと、あるいは設備の方も何か誇りを持った進路先として進んでいくと、そういったことが大事であるわけであります。しかしながら、一方で、大学の方で、これはある電気設備学科が、これは芝浦工大ですかね、九五年に設備の専門家を養成するためのコースがスタートしたと。しかしながら、学生がなかなか入ってこないということで二〇〇四年には募集停止になっておりまして、なかなか現実としては、専門家を養成しなきゃいけないというのは口では言いやすいですけれども、具体的にどう進めるかが大事だと思いますが、この点につきまして国土交通省の見解を伺いたいと思います。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 今回の関係で申しますれば、学歴要件を科目主義に改めるということで、どういう学科ではなくてどういう科目を修了しているかということで判断をいたしたいというふうに思っております。すなわち、建築士となるに必要な知識を修得可能な科目を履修しているかどうかということで判断をしてまいりたいと思っています。そういった意味でいえば、電気学科と機械学科の方が設備関係の科目を取った上で建築関係の科目を併せて履修されるということであれば、建築学科を卒業していなくても受験資格を得ることが可能なようにはなるのではないかというふうに思っています。  実は、ここ数年来、建築関係の学部、学科のあれも相当名前も変わりまして、土木という名前の学部自体が全国ほとんどないような実態にもなっておりますので、今回に合わせまして、どういう学部でどういう学科でどういう科目を履修しているかというのをつぶさに見させていただいて適正な科目主義にしたいというふうに思っておるところでございます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 次に、消費者の立場に立ってみますと、消費者が今一番知りたい情報というのが、先日、日経アーキテクチュアの中でアンケート調査があったわけでありますが、それは、建築士や建築士事務所の専門分野や設計実績、そして第三者による設計内容のチェック状況、こういったものについては非常に情報として提供していただきたい、そういうような回答結果がございました。  これは、前回の通常国会での改正の部分に強く反映されているんだと思いますが、今回、この制度改革でどれだけその情報開示というのは具体的に進むんでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) その前に、さきの通常国会で建築士法を改正をいたしましたときに、建築士事務所に所属するすべての建築士の氏名、業務実績について閲覧対象へ追加するということと、処分を受けた建築士については公表するといったようなことを措置いたしたところでございます。  これに加えまして、今回、建築士名簿の記載内容を更に充実をいたしまして、実は建築士名簿を閲覧に供していなかったというのが実態でございまして、これを閲覧させるということにいたしました。定期講習の受講歴ですとか、構造設計一級建築士であるか否かですとか、建築士の処分歴といったようなものを消費者に対して開示するということを考えております。  それから、免許証でございますけれども、これも携帯用の免許証に変更しようということで、その免許証には定期講習の受講歴ですとか構造設計一級建築士であるか否かですとか、そういったようなことを免許証にきちっと書いていきたいというふうに思っております。それから、免許証でございますけれども、設計、工事監理契約締結前の重要事項を説明をするといった場合にはその提示を義務付けることといたしておりますので、消費者の方にとってみれば、その免許証を見れば、先ほど申し上げたような受講歴ですとか構造設計一級建築士かどうかということが分かるという形になっております。  それから、指定確認検査機関についての情報開示につきましても、さきの通常国会の中で、その事業所の中に事業報告書とか財務諸表ですとか、確認検査員の氏名、略歴を記載した書類と、それから確認検査に関しまして損害を生じた場合の賠償請求に対応するための保険契約の内容といったようなことを閲覧、求めがあれば閲覧させるということを義務付けたところでございます。  以上のようなところでございます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 以上るる説明がございまして、我が党としましても、今年の春に対策本部で緊急提言、要望したときに、情報開示でありますとか、その一環として住宅性能表示制度の強化、普及について、これについても要望をさせていただきました。  住宅性能表示制度、これは本法律とはちょっと離れた問題ではありますが、しかしながら、情報開示という点におきましては関係がございます。私がここで質問をさせていただきたいのは、この住宅性能表示制度、これをしっかり活用するべく普及を図っていただきたいと。  現在、まだ平成十七年度でこの住宅性能表示制度を利用している着工戸数というのは大体一五%ぐらいでございます。しかし、偽装事件以降、急激に住宅性能表示制度の受付というものが広まっております。ただ、詳しく見ていくと、設計住宅性能評価と建設住宅性能評価というのが二つあるわけでございますが、設計住宅性能評価というのは非常に大きく受付の伸び、交付の伸びがあるわけでありますが、建設住宅性能評価というのは伸びが悪いと。一説によると、住宅のディベロッパーが販売促進のため安易な設計評価を取得しているという指摘もございます。つまり、住宅性能表示制度があるマンションというのは価格も高く設定でき得るということでございます。  一方で、住宅の住み手である購入者が本当に必要な情報をこれから得ることが大事でございますので、この住宅性能表示制度の普及、強化につきまして、課題と、またその充実を強化していくための誘導政策についての見解を聞かせていただければと思います。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 委員御指摘のように、平成十七年度の実施率というのは一六%になっておりますが、実は分譲マンションだけに限ってみますと四七%というような形でございまして、実は平成十四年度、制度創設時十万戸を切ると、九万数千戸といったような状態から見れば着実に制度が普及してきているのではないかというふうに思っておりますし、委員の御指摘のように、構造計算書偽装事件を受けまして本制度への期待が一層高まっているというふうに考えております。本年成立いたしました住生活基本法に基づきます住生活基本計画におきましても、この制度の目標を平成二十二年度までに全体一六%から五〇%までということで、相当大幅アップを私どもとしてもねらっておるところでございます。  したがいまして、こういった制度の活用を促進するために、講習会の開催ですとか、住宅フェア、新聞等を通じた広報の実施でございますとか、地震保険料につきましてもそれぞれ性能表示におきまして最高三割まで引けると、割引ができるといったような優遇もしておりますし、住宅金融公庫の証券化支援業務におきましても金利の引下げ対象にしているというような形で、本制度の誘導をいたしているところでございます。  さらに、住宅性能に関する消費者ニーズに対応して、実は今年の四月には防犯性能の追加ですとか免震住宅表示の追加とか、それからこういったようなこと、失礼しました、本年四月そういうことをやりまして、来年はその免震住宅表示の追加ですとか共用配管の更新の容易性、間取りの変えやすさみたいなものを追加したいというふうに思っておりまして、そういった制度の充実とそれから普及促進の施策と相まって更なる普及率の向上に向けまして積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。  次に、報酬基準の見直しについて質問を用意させていただいたんですけれども、先ほども出ましたので要望に変えさせていただきますが。  私も構造設計に従事されている方からお話を聞きまして、構造設計の大切さというのが本当に分かっていただけていないというような話がございました。その中でも、報酬基準の見直しということで、現在のところ設備そして構造そして意匠と別々になっておりませんで、それが一因となって構造の方にしわ寄せが行っているということはよく指摘されていることでございます。  その方は、構造設計報酬基準のようなものを独自に別途作っていただきたいような話もあったわけでありますが、そういう別途作るということではなしに、報酬基準の中に、分野ごとに、先ほどの答弁でいいますと、分野ごとにしっかり基準を設けていくんだということでありますので、しっかりとその実情に合わせて設計をしていただきたいと思っております。  最後に、もう時間がございませんが、大臣に今回の建築士法の改正に当たりまして一言お言葉いただきたいんですが、先ほど構造と言いましたけれども、構造の建築士の方にとってみるとどうして構造だけこんなやり玉になって、まじめにやっている方ですよ、まじめにやっている構造建築士の方はどうしておれたちだけが、私たちだけがやり玉に上がるのか、まじめにやっている建築士の方はどうして建築士、私、まじめにやっている建築士がこの影響を受けるような、影響というのはその罰則強化なるんだというような思いもあるわけでありまして、先ほど大臣が言いました、いわゆる設計とそれから施工側とそして行政と、この三者がしっかり一体となってこの制度設計、今後の将来の制度設計を働かせていかなきゃいけないと思うわけであります。一度耐震偽装事件と離れてゆっくり、まあゆっくりと、じっくり議論をしていただきたいと思いますが、大臣のいわゆる将来へのビジョンというものを最後に聞かせていただければと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) この事件によって建築物に対する信頼、また建築士という人たちに対する信頼、また建築行政に対する信頼、あるいは施工業者、あるいは売主に対する信頼というものは大きく揺らいだと思うんですね。私どもとしては、この信頼を取り戻すためにどういうことをしなきゃならないかという考えの下に、今回、建築士法の改正、あるいは建築基準法の改正、あるいは来国会になりますけれども、売主の瑕疵担保責任の確実な履行ということを通じて、二度と再びこのような事件は起こさないし、万々が一起こったとしても、その人たちに対しては瑕疵担保責任というものが十分に保証されるという制度を作ることにより信頼を回復したい、一日も早く回復したいというふうに思っております。  今回の今お願いをいたしております建築士法の改正もその一環でありまして、また前国会で成立していただきましたこの建築基準法の改正も、ペアチェックを通じて、有資格者、相当高度な有資格者の二重のチェックでこういうものを防いでいこうという思想であります。したがって、国民の皆様方にその思いを理解をしていただき、そして信頼を回復していきたいと、このように考えております。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時開会

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、建築士法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  耐震偽装事件を発端にしまして建築士法の改正案が出されたということでございますけれども、建築士の方々の使命について私はまず大臣にお伺いしたいと思います。  せんだっての本委員会でも参考人の皆さんが、いい国民資産を造るものなんだと、そしてまた、国民の生命、財産を守るというのが使命なんだと、そのために資質とか能力の向上があるんだというお話がございましたけれども、こうした点について大臣の御認識をまずお聞きしたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) もとより、今、小林委員から御指摘のような、それと同じ認識を持っております。  先国会におきましては、建築士法の一部を改正して、第二条の二というものを追加いたしました。その中では、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行う、こういう職責ということで追加されましたけれども、この言葉からも使命というものについてのことが推定されると思います。  私は、業務を独占することを許される建築士が、建築物の設計、工事監理等を行う専門技術者としての自覚に立ち、その社会的使命と責任を果たし、何世代にもわたって活用される、その国民の資産ともなる建築物の安全性と質の向上に寄与する、そういう使命を持っていられると思います。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 大臣が御説明をいただきました、そういう使命を果たすべき建築士が偽装を構造設計で行ったと、なかなか表には見えない部分で行ったと、これが大変重大な問題でございましたけれども、擁護をされるものでは全くないというふうに思います。ただ、一人の建築士の責任にはとどまらないと。事件の背景には、私どもはかねてから申し上げてきましたけれども、建築分野の規制緩和があると、そしてまた安全軽視のコスト削減競争があるというふうに指摘もしてきました。  多くの建築士の皆さんは、この間、随分この士法の改正案で議論になっておりますけれども、低い報酬基準、そしてまた労働条件の下で、安全、安心の品質を守るぎりぎりの奮闘をされているんだと私は思います。その中で、使命を果たす上で、建築士の資質とか能力を向上させるということはもちろんですけれども、やはり建築士の独立性の確保という点も重要かというふうに思うんです。  それで、独立性の確保の点でということでいきますと、今回の改正案というのはどのように措置がされているのでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 建築物が非常に高層化し、そして複雑、それでボリュームも大きくなってまいりました。そういうところから、建築設計を元請した人が、いろんな構造計算とか、あるいは設備とか、そういうものについて下請に出すということが常態化していました。その人たちがだれが関与したのか、そういうものが明らかにされなかったがゆえに、非常に無責任、そしてそういうことが原因になって建築士の職業倫理観というものが低下したのではないかという、そういうふうにも感じられるわけでございます。  そういうことから、今回の改正で責任を明確化して、そして独立性を確保するということが非常に重要であるという観点から、確認申請書の様式の設計者欄というものを設けまして、設計等に関与したすべての建築士の氏名を記入するということを必要とするように改正をしました。また、構造設計一級建築士制度というものを創設をいたしまして、これらの人が関与した場合にはその設計図書等に記名、押印をするということで、だれがこの設計図書を作ったのかということが明らかにされる。それから、設計等の受託契約、請負契約でございましょうけれども、その締結をするときに、その締結、調印をする前に管理設計士という人が、施主さん、発注者に対して重要事項の説明の実施と、そしてその書面、そのことを書いた書面を交付するということを強制することにいたしました。その書面の中には、だれが、どういう設計士がこれに関与したかということが告知しなきゃならないし、書面にもそういう義務付けることになっております。  そういうことを通じまして、独立性確保に資する観点からこのような改正をしたわけですが、今適正な報酬ということもおっしゃいました。そういうものを確保するため、報酬基準についても所要の今実態調査を行った上で見直しをしようというふうに思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 衆議院の審議で参考人としてお越しになられました仙田さん、そして本多さんは、今回の改正案では独立性は不十分だというふうに意見をされているかと思います。特に、設計、施工の分離が必要だと。この点につきましては先ほどの大臣の御説明の中にはないかと思いますけれども、この点について大臣はどのように受け止められますか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 設計、施工を一貫して行うということは、設計の意図を十分に理解した施工がなされると、また施工方法を含めて検討された適切な設計が可能となるなどのメリットもあるわけでございます。必ずしも設計、施工、工事監理というものの分離が適切な工事につながるとは考えにくいと私は思っております。重要なことは、適切に設計が行われ、そして設計図書どおりに施工が行われているかどうか、そしてまた、それをしっかりと工事監理がされることが重要なわけでございます。現在までにこういうふうに一貫したから事故が起こったとかいうことはないわけでありまして、非常に高名な設計士が作ったものでも、施工した結果、所要の目的が達しない、雨漏りがするというふうなこともちらほら聞くことがありまして、そういうことから見て、必ずしも一貫してするのが必要だと、まあ理想かどうかは別として、必要だという考えには立ちません。  したがって、今回の見直しでは、設計の適正化を図るためには、構造設計一級建築士等による構造設計の適正化、相当高度な能力を有する人がそういうものについては関与すると、それから、設計契約締結前に先ほど申しましたように重要事項説明と書面の交付を義務付けたと、あるいは、マンションなど一定の施主さんと最終のユーザーが違うという場合には一括再委託の禁止というようなことも講じまして、適正に設計がされ、そしてその設計図書どおりに施工される、また監理されるということの担保をしたつもりでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 衆議院の審議でお越しになった参考人の方は、設計、施工の分離について歴史的なこともお述べになっておられました。戦前の日本建築士会は、これは現在の建築士会とは別ですけれども、おっしゃりながら、帝国議会にも何度もその法案がかかっておりますとおっしゃっておられまして、様々な反対があったり、特にそれは設計施工一貫でやっている部分から反対があって成立しなかったと。また、戦争が盛んで審議ができなかったような経過もあるというふうにありますけれども、この問題というのは、戦前からずうっと一貫して投げ掛けられてきている問題だという御指摘だというふうに思うんです。  私は、大臣は、一貫性でメリットがあるというお話もございましたけれども、しかし歴史的にこういう問題が投げ掛けられてきているという点については現在も変わらないと思いますので、せっかく建築士法改正というふうになされるのでありましたら、この問題も正面から議論をして挑んでいただきたかったというふうに御指摘だけ申し上げておきたいと思います。今後そのことも含めた、視野に入れた検討も是非考えていただきたいというふうに思うんです。  そして、次に私、工事監理についてお伺いします。  工事監理も建築の質を確保する上で大変重要かというふうに思いますけれども、今年の六月、社会資本整備審議会答申、そこには、施工会社の現場監督が工事監理を行っていても十分なチェック機能が果たせてない場合や、設計者が工事監理者であっても工事現場でのチェックをほとんどやっていないなどの問題が指摘されています。こうした点についてはどういう改善が行われているのでしょうか。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 工事監理契約締結前に管理建築士が建築主に対して監理業務の内容、実施方法について重要事項説明をいたします。その内容を書面で交付するということを義務付けております。それから、ちょっとこれは法律改正事項ではなくて省令で措置をいたしたいと思っておりますが、工事着工届をいたします、その際に、工事監理業務の契約書を添付させたいと思っております。  そういったことを通じましてきちっとした体制を取りたいということと、工事監理業務についてガイドラインを作成したいと思っておりまして、このガイドラインを作りますと同時に、中間検査とか完了申請時に報告されます工事監理の内容ですとか実施方法といったような記載内容とか、建築主に提出されます工事監理報告書の記載内容、こういったようなものも充実をさせたいということを思っておりまして、そういったことを併せまして工事監理の実効性を高めていきたいというふうに考えておるところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 大阪府では、現在、いわゆる工事監理者の氏名を明らかにさせるようなことは、いわゆる着工届のときではございませんでして、建築確認の際にもう既に明らかにさせるようにしていると、指導しているというお話でございました。これは私は積極的な面だというふうに思います。  そうした中で、同一人物の建築士が書類上年間百件も二百件も工事監理者として届出がされている例があると。考えてみますと、三百六十五日間あって、同じ工事監理者が二百件もできるわけがないと思うんですね。それで、例えばですけれども、建築士業務の責任の明確化とか透明化をするために、一人当たりの工事監理建築物の件数の一定の制限も必要かなと私は思いますけど、こういうことも含めまして、もうどう見ても無理だというものについてやっぱり是正をしなくてはならないと思いますけど、この点、大臣の御見解をお聞きします。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 処理能力を超えて多数の物件を抱え込むというようなことはもう望ましくないことは言うまでもございません。工事監理が適切に行われるように指導しなければならないと思います。ただ、他の建築士に名義貸ししているというようなことが分かれば、これは処分の対象にいたします。  先ほども局長が答弁しましたように、今回の改正で工事監理契約締結前に管理建築士等が建築主に対して建築監理を担当する建築士の氏名、それから工事監理に当たってどういった検査を何回行うのか、それから工事監理の実施状況をどのように報告するか、あるいは工事監理業務の内容、実施方法について重要事項として説明するということを義務付けております。そういうことから、今後、建築士が処理能力を超えて多数の工事監理を受託するような事態は防止できる、回避できるのではないかと思います。  しかしながら、現実問題として今御指摘のようなことが起これば、我々はこれ、本当に全部届出さしてますので、そのとおりできないものについては、届出したとおりにやっていないことについては処分の対象になるということを申し上げたいと思います。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 是非よろしくお願いします。  もう時間が参りましたので質問にはしませんけれども、特定行政庁の体制強化についてせんだっての委員会でも議論がございました。元々通常国会のときに私も特定行政庁の体制強化をということで求めましたら、当時の北側大臣が、国としても関係省庁と連携を取り、建築行政の役割は大きくなっている中で、その人員について確保できるように連携を取ると答弁されました。  それで、せんだっての委員会でも国交省側からの答弁で、いわゆる交付税の算定の問題で総務省にも要望するというお話でございましたけれども、そこは本当に大事なことでございますので、私も改めてそのことを強調さしていただいて、今日の質問を終わります。  ありがとうございました。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 渕上先生……

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 後藤先生に先やってもらえる。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) そうしたら、後藤先生に順序を変えて御質問をいただきたいと思いますので。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 どうも済みません。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) お願いします。後藤博子君。

後藤博子国民新党・新党日本の会

○後藤博子君 じゃ、最後から二番目の国民新党の後藤博子です。よろしくお願いいたします。  今日は、建築士法の一部を改正する法律案、いよいよ今日は採決でございます。もう今までいろんな議論がなされてきましたけれども、この法が作られたということは、これは終わりではなく、これからスタートですね、大臣。これをしっかりとこれからやっていかなきゃならないという覚悟を込めて質問をさせていただきますし、私も委員の一人として、これからいろんな、様々な現場の中でもちゃんと法が守られているかどうか、私自身も庶民の目線でチェックしていきたいと思っております。  今日は、工事監理の適正化と重要事項説明ということでお尋ねいたしますが、建築士の独占業務として設計とともに工事監理が位置付けられていますね。非常にこれは大事なことです。設計業務を適正化するとともに、工事監理をきちんと行い、設計図書とおりに工事が施工されているかどうかを確認することが、これは最も重要です。また、建築士による工事監理のみならず、建築工事の施工の適正化を図ることが重要です。  そこでお尋ねいたしますが、工事監理の適正化について、何を措置するのでしょうか。あわせまして、もう一問、重要事項説明では工事監理の適正化といった観点から何を説明することになるのか、また、その他の事項としては何を説明することになるのでしょうか。お尋ねをいたします。

榊正剛国土交通省住宅局長

○政府参考人(榊正剛君) 委員御指摘のように、設計書どおりに工事が施工されているかどうかというのを確認するということが大変重要でございまして、それが正に工事監理業務ということでございます。今回の見直しでは業務内容を明確化いたしまして、建築主側でも契約内容を理解した上で契約を締結するということを通じまして、工事監理業務の適正化を図ることとしたいというふうに考えております。  先ほどにも御答弁を申し上げましたけれども、締結前に管理建築士等が工事監理業務の内容、実施方法について重要事項という形で説明すると同時に、その内容を書面で交付することを義務付けるということと、基準法におけます工事着工届の際にこの工事監理業務の契約書を添付させるといったようなことで実効を上げたいというふうに思っております。  また、このほか、監理業務についてガイドラインを作成をいたします。このガイドラインを通じまして、実は中間検査とか完了検査申請時に報告されます工事監理内容の実施方法についての記載内容と、それから建築主に提出されます工事監理報告書の記載内容、それぞれ充実させるといったような形で工事監理の実効性を高めていきたいというふうに考えております。  それから、重要事項説明の実施と書面の交付の義務の内容でございますけれども、ここでは工事監理をする場合の建築士の氏名、それから一級、二級といったような建築士の別ですとか構造設計一級建築士か否かどうかといったようなことについての説明が義務付けられるということと、それから、工事設計図書との照合方法、それぞれの工程におきまして写真で照合する方法とか、やっぱり現場出ないといけないよとか、どういった検査を何回行うのかと、こういった内容を重要事項の義務付けになるのかなと思っております。  それから、工事監理の実施状況に関する報告方法というのでは、例えばどのタイミングで報告をするのか、書面によって報告するのか口頭で報告するのかといったような事項をきちっと説明して、それを書面化するということに相なろうかと思っております。

後藤博子国民新党・新党日本の会

○後藤博子君 ありがとうございます。  そうなんですね、やっぱり契約書とかその添付するものとか書面というのは非常に大事なんですが、ともすればそれに追われてしまうことが多いんですね、現場の中で。そういうことのないように、添付するにしろ契約にしろ、契約はきちんとしなきゃ、取り交わさなきゃいけませんけれども、書面自体はできるだけ簡素化して、明確な内容としていただくと現場の者は非常に有り難いと思いますので、よろしくお願いいたします。  先ほど小林委員もおっしゃいましたけれども、建築物の安全性確保のためのというこの答申の中でも、やはりその建築主が、設計者にその名義を工事監理者欄に記入させてとか云々かんぬんありますよね、これが非常に大臣、大きな問題になりましたので、よろしくお願いいたします。  では、次に行かせていただきますが、建築工事の施工の適正化の、建築の、これは行政法の改正なんですけれども、建築士法とともに、建設工事の施工の適正化を図る観点から、建設業法についても幾つかの点を改正をされました。建設業法では、現在、一括下請負を原則禁止、一方で発注者による書面の承諾があれば一括下請負を容認するということになっておりますが、政府案では、たとえ発注者による承諾があったとしても、分譲マンションなど発注者とエンドユーザーが一致しない一定の工事については一括下請負を全面的に禁止ということになりました。  新たに分譲マンションなどについてのこの一括下請負を全面的に禁止しようとすることのねらいと意義についてお尋ねをいたします。

宿利正史国土交通省総合政策局長

○政府参考人(宿利正史君) 今、後藤委員から御指摘ありましたように、現在の建設業法の第二十二条では、これは発注者保護の観点からでありますけれども、発注者の信頼を裏切る一括下請負を原則として禁止しております。これは、保護される対象である発注者自身が一括下請負を承諾している場合には、これはこれを禁じるまでもありませんから、発注者の書面の承諾があれば一括下請負は違法ではないと、こういうことにしているわけであります。  一方で、分譲マンションのように、その工事を発注する不動産業者とそれから元請業者のブランドを信用してマンションを購入するいわゆるマンション取得者、これは一致をしておりません。したがいまして、このような発注者とエンドユーザーが異なる場合に発注者の承諾のみで一括下請負を認めるということになりますと、エンドユーザーが元請業者に対して持っております信頼を損なうということになるわけであります。  そういう観点から、今般、建設業法の第二十二条を改正をいたしまして、「多数の者が利用する施設又は工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるもの」につきまして、仮に発注者の書面の承諾がありましても一括下請負を禁止をするということにいたします。具体的には、共同住宅の新築工事を対象にしたいと考えております。  このことによりまして、元請業者に対するマンション取得者などの信頼が保護されると同時に、元請がしっかり工事に関与いたしますから、建設工事の品質の確保も十分図られるものだと考えております。

後藤博子国民新党・新党日本の会

○後藤博子君 ありがとうございました。  一括下請負と言うとあれですけれども、要は丸投げ、丸投げという言葉を使われますよね。そういうことがないようにきちっとしていっていただければと思います。  時間がありませんので、どんどん行きます。  前回もいろいろと質問させていただきまして、私が電気工事屋の女房だという話をしたんですけれども、何かイメージが変わったという藤野先生の御指摘がありました。私たちは本当に下請、孫請で工事を請け負っております。ですから、立場的には非常に弱い立場でやっていますが、これからは発注者や施工者やあるいは設計者ということは、もうお互いのパートナーシップということで、パートナーを組みながらそれぞれの現場をきちんとした建物を造っていくということでは同じだと思うんですよね。下請でも孫請でも同じです。  そこで、幾つかの質問なんですが、建設生産システムの現状として、投資の減少、価格競争の激化等による建設産業の疲弊、労働条件の悪化が挙げられています。とりわけ、建設生産の特徴というべき重層下請構造とも相まって、これまで下請、孫請の業者は片務的な契約関係を強いられてきたことも否定できません。  そこで、お尋ねいたしますが、建設業における重層下請構造に起因するもろもろの問題に対して、これまで行政はどのような取組をしてきたのでしょうか。また、下請、元請関係の適正化の実現に向けて、今後行政としてどのように対策を講じていくつもりでしょうか。その種々の問題に対して、この問題の中身が私はちょっとお聞きしてみたいと思っておりますが、問題の認識がどの程度にあるのかということも併せましてお聞きしたいと思います。よろしくどうぞ。

宿利正史国土交通省総合政策局長

○政府参考人(宿利正史君) 後藤委員が正によく御承知のところでありますが、建設業は単品受注生産でありまして、工事量が発注者の動向とか経済状況などによって大きく左右されるという性格を持っております。また、昨今、工事の技術、種類が専門分化をしておりますから、一連の工事を仕上げるためにいろいろな工事分野の施工業者が必要になると。こういうことで、下請が重層化するネットワーク型の産業構造になっているということであります。このようないわゆる重層下請構造の中で下請業者への一方的なしわ寄せなどが行われるという問題が存在しているということで、私どもは十分認識をしております。  そこで、国土交通省としては従来から、例えば契約の締結を必ず書面によるというようなこと、あるいは明確な経費内訳によって見積りを出してもらうというようなことなどの徹底について、毎夏と冬に関係の団体を通じまして指導を行っております。同時に、毎年度、元請、下請の双方に対しまして実態調査をかなり大規模に行っておりまして、それで元請、下請の状況を把握をし、また必要に応じて私どもの職員が立入検査をして実態の把握をしております。その結果、問題がありますような場合には、建設業法に基づいて勧告、監督処分などの措置を講ずるということにしております。  特に、最近、いわゆる公共工事におきまして極端な低価格受注、いわゆるダンピング受注の問題が生じておりますが、これについては工事の品質の確保に支障を及ぼしかねないと、あるいは下請事業者へのしわ寄せの問題又は労働条件の悪化といった問題があり、これは建設業の健全な発展を阻害するおそれがあるとして私どもとしては心配をしているところであります。  こういう観点から、ダンピング防止対策の一環として、最近でありますけれども、一定の大規模工事を対象にいたしまして、元請、下請のそれぞれの事業者に立入調査を行って、契約の締結状況が適切であるのかどうか、あるいは下請代金の支払がきちっと行われているかどうかなどの確認を行っておりますし、改善が必要なケースについては建設業法に基づいて厳正に対応しているというようなことを講じております。  いずれにしましても、これらの対応をきちっとやる中で健全な建設業の発展を図ってまいりたいと、そのように考えております。

後藤博子国民新党・新党日本の会

○後藤博子君 宿利局長、ありがとうございます。  そこら辺を徹底していただければ、私たち下請、元請の業者にとっても安心して仕事をすることができます。特に、最後に言われましたように、売掛金、売り掛け債権の流動化といいますか、いわゆる下請は仕事を私たちに発注するだけですよね。私たちは仕事を請けたときに、もう材料等が、もう先払いしていくわけですよね。そして、なかなかその売り掛け、掛けになっていきますから、その先へ先へと支払わなければならないと。ようやくもらったかと思うと、今度手形でいただくわけですよね。手形になると、手形の期日を待っていられないうちに私たちは支払をしなければならないという、もうそういう非常に苦しい状況が続きます。そういうときに、じゃ、手形を渡したんだから割引すればいいじゃないかということで銀行持っていきますよね。満額下りませんね。手形割引、取られるわけです。だから、非常に下請、孫請は苦しい状況になります。  特に、先ほどきちっとその現場に行って調べていただくということになりましたので、特にその経費的な問題、お金の流れの問題、そこをしっかりと押さえていただいて、孫請、下請が潤滑に仕事ができるように、夢と希望を持った生活ができるように、そういうものとしてしっかり現場を押さえていただきたいと。だからといって、元請が全部いいとこ取りしているというわけではないんですけれども、やっぱり私たちにしてみれば、どうしても苦しいことは私たちに全部しわ寄せが来ると、労働の問題も過酷な労働条件も全部そうですね。そういうことが現場ではありますので、現場に行かれたときにはその辺も押さえていただければと思います。  これでもう時間来ましたが、今日大臣にちょっと質問できませんでしたので、今日採決しますので、そういうことを含めて大臣の最後の決意をお聞かせ願えますでしょうか。それで終わります。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 私も今の下請の話、大変重要だと思っております。下請が泣かされることによって、品質確保という面からもこれはいけませんし、また日本の活力は中小企業です。そういう意味で、今おっしゃったことはきちっと守らせていただきたいと思っております。

後藤博子国民新党・新党日本の会

○後藤博子君 ありがとうございました。これで終わります。  ありがとうございました。終わります。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 渕上貞雄君から質疑を取りやめたい旨申出がございましたので、そのように取り計らいます。  他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  建築士法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 私は、ただいま可決されました建築士法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     建築士法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、構造計算書偽装問題等により国民の間に建築物の安全性に対する不安と建築界への不信が広まっていることにかんがみ、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、建築士試験の受験資格の見直しについては、学科主義から科目主義への変更に伴う受験資格の認定が円滑に行われるよう配意するとともに、建築実務経験に関しては、建築士資格受有者の設計・工事監理業務分野以外での活動・活躍の実態を踏まえ、意欲ある有能な人材に門戸を閉ざすことがないよう配慮すること。  二、建築士が自己研鑽を図るとともに、建築士事務所が適正な業務の実施を行い、専門資格者としての社会的使命と責任を果たすため、関係団体による独自の研修・資格制度等の実施による加入率向上の取組を通じて団体の自律的な監督体制が確立されるよう、関係団体等に対して所要の指導助言を行うこと。  三、一定規模の建築物に係る構造設計一級建築士又は設備設計一級建築士による法適合性の確認については、厳正な実施を確保するとともに、構造設計一級建築士又は設備設計一級建築士の偏在によって適合性確認業務の円滑な実施が妨げられることがないよう配慮すること。  四、建築設備設計・工事監理業務において重要な資格として運用されている「建築設備士」について、建築設備の高度化・複雑化が進展している現下の状況にかんがみ、設備設計一級建築士制度の下においても、より一層の活動・活躍ができるようその有効活用が図られるとともに、関係規定の適切な運用がなされるよう、特定行政庁、建築士関係団体等への周知徹底を図ること。    また、設備設計一級建築士制度の運用の状況について検討を加え、必要に応じ、速やかに適切な措置を講じること。  五、建築物の品質を確保するためには、工事監理業務の適正化を図ることが重要であることにかんがみ、建築主に提出される工事監理報告書の記載内容を充実するとともに、工事監理のガイドラインを提示・普及すること等により、その実効性確保に努めること。  六、建築士の業務報酬基準については、建築士の業務の実態を踏まえ、適宜適切に見直しを行うとともに、その基準が遵守されるよう周知徹底を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。冬柴国土交通大臣。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 建築士法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  大変にありがとうございました。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 速記を起こしてください。     ─────────────

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 次に、観光立国推進基本法案を議題といたします。  提出者衆議院議員国土交通委員長塩谷立君から趣旨説明を聴取いたします。塩谷立君。

塩谷立自由民主党

○衆議院議員(塩谷立君) ただいま議題となりました観光立国推進基本法案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  現行の観光基本法は、昭和三十八年六月に制定されて以来、実質的な改正が行われることなく四十年余りが経過しております。この間に、我が国の観光を取り巻く状況は大きく変化しており、今日、我が国において世界に例を見ない水準の少子高齢社会の到来と本格的な国際交流の進展が見込まれている中で、観光は、地域経済の活性化、雇用の機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたりその発展に寄与するとともに、健康の増進、潤いのある豊かな生活環境の創造等を通じて国民生活の安定向上に貢献するものであることに加え、国際相互理解を増進するものとなっております。  本案は、二十一世紀の我が国経済社会の発展のために観光立国を実現することが極めて重要であることにかんがみ、観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、観光立国の実現に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、観光立国の実現に関する施策の基本となる事項を定めるもので、以下その主な内容について説明申し上げます。  第一に、観光立国の実現に関する施策は、地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外から観光旅行を促進することが、将来にわたる豊かな国民生活の実現のため特に重要であるという認識の下に講ぜられなければならないこと等を基本理念としております。  第二に、政府は、観光立国の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、観光立国推進基本計画を定めなければならないこと。  第三に、国は、基本的施策として、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成、国際観光の振興並びに観光旅行の促進のための環境整備に必要な施策を講ずること。  以上が、本提案の趣旨及び主な内容であります。  何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。  観光立国推進基本法案につきまして何点か御質問をさせていただきたいと思います。  今、塩谷委員長の方から観光立国推進基本法の趣旨説明をいただいたわけなんですが、その中にも恐らく、恐らくというか、大分入っているかと思いますけれども、今回この改正をするに至りました背景というか、いろんな観光を取り巻く環境の変化とか、そういう話はございましたけれども、具体的にポイントとして改正のその理由、もう少し分かりやすく、かみ砕いて御説明いただければと思います。

愛知和男自由民主党

○衆議院議員(愛知和男君) 藤本委員にお答えさせていただきます。  四十年以上前の現行法の制定時におきましては、そのときの時代背景を反映いたしまして、外国人観光客の増加による外貨の獲得、あるいは観光旅行による国民の生活の緊張緩和、勤労意欲の増進などが観光の主な意義と考えられておりました。しかし今日では、観光は潤いのある豊かな生活環境の創造を通じて国民生活の安定向上に貢献し、内外の旅行者に向けた観光地づくりの取組により地域を活性化するとともに、日本の魅力を世界に向けて発信し、諸外国との観光交流を拡大することにより国際的な相互理解の増進に貢献すること、さらにその延長線では世界の平和に貢献するということにつながると思いますが、意義がそういうことで、四十数年前よりも観光というものの意義が大きく拡大したと、それを踏まえてのこの改正ということでございます。  そしてもう一つは、従来の法律ですとただ理念をうたった法律でございましたけれども、今回のこの観光立国推進基本法では、特に第十条におきまして観光立国推進基本計画を閣議決定するという定めになっておりまして、政府が観光政策をきちっと閣議決定して国民にこれを公約をするという形で観光政策を推進していくと、こういう仕組みに変えたところがポイントだと理解しております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 確かに、最近の観光を取り巻く環境というのは大きく様変わりしてきているということがあるんですけれども、今、愛知先生からもお話があったその中で、今地方の活性化という、その地域を活性化するための一つの方法論というか、重要な方法論だというようなお話があったわけなんですが、先ほど趣旨説明の中にもいわゆる少子高齢化という言葉があって、その少子高齢化ということを背景とした改正ということが一つのポイントなのかなというふうに思うんですけれども、確かに少子化、特に少子化ということでは人口が減少局面に入ってきていると。人口が減少局面に入ってくると、どうしても地方の元気というのがどんどんどんどん衰退をしてしまうと。  そこの中の一つの考え方として、いわゆる交流人口の増加ということが見込まれてきたんだろうというふうに思いますが、この点につきまして、国土交通省の方でも観光振興を積極的に進めていこうということがあろうかと思いますが、この交流人口をどう活用していこうかというふうに考えていらっしゃるのか、国土交通省の方からお答えいただけますでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 観光立国は、潤いのある豊かな生活環境の創造を通じて国民生活の向上に貢献するとともに、頑張る地域が知恵と工夫を生かして内外の旅行者に向けた観光地づくりに取り組むことを通じまして、地域の交流人口を拡大し、魅力ある地方をつくることにつながるものと考えております。  また、日本の伝統や文化、自然、歴史などの魅力を世界に向けて発信することにより、世界に尊重され愛される国づくりを目指すものでありまして、その意味で、観光立国という政策は正に国の重要な政策の柱である、このような意義付けを考えているわけでございます。  観光立国推進基本法案は、こうした意義を踏まえまして、観光立国の推進に関する政策を総合的かつ計画的に推進しようとするものでありまして、政府としてもその趣旨を十分に踏まえ、観光ルネサンス事業等によりまして、地域の自主性、自律的な魅力ある観光地づくりの取組を支援するとともに、ビジット・ジャパン・キャンペーンの強化に取り組むことによりまして、国、地域を挙げて観光立国の推進をしてまいりたいというふうに考えております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 今、冬柴大臣からも交流人口、私も交流人口を活用するというお話をさせてもらっているんですが、そこで素朴な実は疑問がございまして、今回の観光立国推進基本法を提出されたという意義は非常に私も高いなと、いいことだなというふうに思うんですが、逆に言うと、交流人口を活用するというのは国土庁の時代から、もう十年以上も前からずっと言ってきて、言われてきていることなんですね。  ところが、観光基本法に関しては、特に今まで改正をしようという動きが政府の方からはなかったということを考えると、逆に言うと、今までどうして放置してあったのかなということが逆に言うと不思議でならないんですけれども、その辺りについて国土交通省の御見解として、交流人口は十年以上も前から多分話はいろんなところで公に文書としても出てきているはずだと思いますけれども、そこをむしろ今遅過ぎたんじゃないかなというふうな感じさえ持っておるんですけれども、その点については国土交通大臣としていかがでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) もう随分前になりますが、この観光基本法も議員立法で行われたものでございますし、また今回も議員立法ということでございますが、いろんな基本法の中でも現在十七本ほどが議員立法で行われています。その意味で、この議員の先導によるこのような議会活動というものはすばらしいものだと私は思います。  それじゃ、政府は何もしてなかったかというと、そうではなしに、いろいろとこういうものを検討はしてきたんですけれども、今回このような総合的な政策の指針をこれで示していただきましたので、なお一層拍車を掛けて頑張っていかなきゃならない国の基本的な政策だというふうに考えております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 それでは、次のちょっと具体的なところに入っていきたいと思いますが、皆さんのところに、お手元にお配りをしているこの「現代の温泉地評価」という、「主要六十六温泉地」、これは全国すべての温泉地を出していないので、全体の総体的な評価にはなりにくいのかもしれませんが、これは日本経済新聞社のところから持ってきたものでございますが、プロ百人、まあ百人ですからサンプル数としてはそんなに多くないという御批判もあろうかと思いますが、プロということで、旅行会社であるとか、観光学を専門にされている先生方とか、あるいは旅行評論家などの結果でございまして、左の方に高い評価があるところが一位から十位、トップテンぐらいがありまして、右の方に評価が低かったところのトップテンというのがございまして、これについて塩谷委員長、せっかくいらっしゃっておりますので、ちょっとお聞きしたいんですが、これがすべてだというふうに私は思っておりませんし、これがすべての評価だというふうに判断すること自体が間違っている部分もあろうかと思います。  一つの客観的な評価として、私も同じ静岡ですので何とも言えないところがあるんですが、一番下に舘山寺温泉というのがございまして、これは別に舘山寺温泉をいじめるわけでも批判するわけでも全くないんですが、逆に言うと、今度右側に書いてある割と評価が低いというところは、意外と有名な、昔から著名な大規模な温泉観光地でありまして、左側の高い評価のところは比較的小規模な温泉観光地ということになっていまして、ここのところがなかなか面白いところかなと思いまして、御提示させていただいたんですが。  逆に、この低評価になってくると、いわゆる魅力が衰退してきているということにならざるを得ないのかな、そう評価をせざるを得ないかなというふうに思うんですが、塩谷委員長、この点につきましてどういう点が、御地元でございますので、どういう点がやはり評価されないと思われているか、ちょっとその魅力が落ちてきているその原因といいますか、理由がもしお分かりであれば教えてください。

塩谷立自由民主党

○衆議院議員(塩谷立君) 藤本委員も同じ浜松出身で、お互いにこの評価はちょっと残念なことでございますが、やはり、まずは一般論として、この右側がかつて有名だった温泉地がたくさんあるんですが、団体旅行が主流であった時代、それから時代が変化して、最近では小グループとか、あるいは自然体験とか、人々と交流するとか、やはり旅行の内容が変わってきました。人々のニーズが変わってきたのに、なかなか対応し切れなかった点が一つあると思うんですね。  ですから、今はどちらかというと、ほかの地域との差別化とかブランド化とか、そういった特色を持ったところが非常にもてはやされている時代になってきていると思いますが、そういう点では我が地元がちょっと後れているかなと思っておりますが。  しかしながら、近年若い経営者等、あるいは観光関係以外の農業とかその地域の産業に携わっている若手が一緒になって新しく立ち上げて、実は浜名湖エンタメというグループをつくって、国土交通省からも指定を受けて十年計画で浜松地域観光振興計画というのを作って昨年から取り組んでいるわけでして、そういう中で、やはり地元の特産物、これ今、遠州天然トラフグというものを売り出して、この結果、四万人ぐらいの新しい観光客が来ている。  さらには、一昨年、浜名湖花博というものをやりまして、このフラワーツーリズムというものを盛んに今行っているんですが、そういう関係でも今、大分観光客が増えているということで、やはり何らかの地域を生かした特色を出すということがこれからのやはり観光産業に大きなポイントだと思っておりますので、そういう点でも、この基本法をしっかり成立させて、地域の特色を生かして振興することが大事だと思っております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 ありがとうございました。  そういう部分が非常に大きいかなと思いますけれども、もう一つ、実はこの高評価と低評価で比べてみますと、低評価のところは実を言うと、これ新幹線の駅を持っているところが半分ぐらいあるんですね。  これ、よく言われるのは、観光振興のために交通網を整備しなければならないというふうによく言われて、交通網を整備することによって観光地がすべて丸く収まって発展するというふうに思われがちではあるんですが、逆にこれだけを見てしまいますと、交通網を整備することがイコール観光地の振興、観光の振興になるものではないという判断もできるんだろうというふうに思うんですが、この点につきましては国土交通省としてはどういうお考えをお持ちになっていらっしゃいますでしょう。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 観光地ごとによりまして、その魅力の状況にもよりまして、例えばひなびたところにバスで入っていきますとか、歩いて入っていきますとか、そういう魅力のところもございます。また、ある程度利便が良くないとよろしくないところということもございますので、地域の特性に応じまして様々なアクセスの仕方を考える必要があるのではないかと、こういうふうに考えております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 正に今の地域の魅力というお話がありましたが、その地域の魅力というのは、多分交通網というのは魅力の一つかもしれませんけれども、それがすべてではないということでね。  実は、交通網が整備されると、よくあるのは、高速道路が通ったとか新幹線が通ったということだけで安心をしてしまいまして、自分たちの地域の魅力向上というか、その辺に工夫を逆に言うとしなくなってしまうというおそれがありまして、そういう意味では地域の魅力の一つの材料ではあるかもしれないけれども、それがすべてではないということを、多分、地域の魅力向上というところはそれぞれの地域が考えていかないといけないことなのかなというふうに思っております。  それでは、ちょっとこの条文につきまして少しずつお聞きしたいというふうに思いますが、その地域の魅力ということについてもちょっと幾つかお聞きしたいんですが、せっかくですから、塩谷委員長がいらっしゃっておりますのでお聞きしたいと思うんですが、例えば御自宅にお客様をお招きすると、塩谷委員長の豪邸にお客さんをお招きすると、そういう場合に、観光というのは外から人を呼び込むというか、来ていただくということと行為としては大体似ている部分があるんですが、そういう場合、どういう対応をされようとするか。例えば、庭の掃除をしましょうとか、部屋の掃除しましょうとか、いろんなことがあると思うんですけれども、そういうときに、やはり気にされて何らかの対応をされるんだろうと思いますけれども、事細かにお答えくださいとは申し上げませんが、大体こんな方向でやるよということを教えていただければと思います。

塩谷立自由民主党

○衆議院議員(塩谷立君) 大変、拙宅に招くということはできないぐらい私は貧しい家に住んでおりますので、なかなか人を招くということないんですが。  一般的に、やはり人をお招きするとなったら、きれいにお掃除したり、例えば食事の場合は何が好みかなとか、やっぱり相手によってどうしようかなと。あの人はこういうところがうるさいからこういうところを気を付けようとか、やっぱりそういうことを気にする。  つまり、人のニーズをいかに受け止めていくかということが観光につながると思うんですが、やはりその中で一番大事なのは、もてなす心といいますかね、気持ちよく迎える心が大事かなと思っておりまして、我が浜松も、もてなしのまちなんというのをやり始めたんですが、いかにもてなしがなかったかということだと思うんですが、やはりそういう気持ちが一番我々どこかへ行ったときにも有り難いなと、気持ちいいなということだと思いますので、ただ単にハード的なものだけじゃなくて、やっぱりそのおもてなしの心というか、気持ちというか、それが大事じゃないかなと思っております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 多分、そういう場合に、御自宅にお招きするような場合、多分奥様とかが結構注意をして気を付けてやられるんだろうというふうに思うんですが。  ここに、第八条、御提案いただいている第八条に、これは年次報告のことが書いてありますが、そこで「交通政策審議会の意見を聴いて、」というふうに入っておるんですが、これはちょっと国土交通省の方にお聞きしたいんですが、実際に観光を検討している交通政策審議会の観光部局になると思いますし、国土交通省のまたちょっと組織編成がされた観光セクションですね、これどういう体制で、どういう例えば属性といいますか、になっているか、ざっとで結構ですので教えていただきたいと思います。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 交通政策審議会観光分科会の状況と、私ども国土交通省観光部門の状況について御説明をいたします。  交通政策審議会観光分科会につきましては、現在十四名の委員の方々がおられまして、学識経験者、民間の観光に関する有識者、経団連などの経済団体や観光関係団体の代表者などの方々で構成されております。これらの委員の方々の男女の内訳でございますが、男性が九名、女性が五名というふうになってございます。  また、国土交通省観光部門におきましては、これまで幹部職員も含めまして他省庁等との人事交流を活発に行ってきたところでございますが、本年七月に四課体制から六課体制に拡充したことを機に、更に人事交流を進めたところでございます。具体的には、省内の関係部局はもとより、文部科学省、経済産業省、厚生労働省、農林水産省などより、関係省庁との人事交流を行っているところでございます。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 国土交通部門のその男女比というのはどうなっていますか。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) ちょっと正確なところは分かりませんが、六、一か七、一ぐらいで女性が一の方だと思います、はい。済みません。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 なぜそんなことをお聞きするかといいますと、先ほどおもてなしの話をしましたが、実際に旅行の選択、場所どこに行こうかとか何をしようかというのは、圧倒的に女性がイニシアチブを取っていまして、ヘゲモニーを握っているのが女性だという、これも調査の結果としてあるんですね。ですから、むしろ計画を考えるとかそういうことに関して言うと、やっぱり女性の視点を入れないと、先ほど塩谷委員長がニーズを把握してと、ニーズは男性だけじゃ把握できないものですから、ここのところが観光を考えていく上である意味一つのポイントになってくるんではないかなというふうに思います。  交通政策審議会の方は九対五ということですが、大本の国土交通省さんが六対一とか七対一というと、ちょっとそこのところのバランスがやはり欠けてくるという部分があろうかと思いますので、客観的に意見を取り入れるなりいろんな方法があろうかと思いますので、是非そこは、男性女性の比率というのは考えていただければなというふうに思っております。  ちょっと時間も大分なくなりましたので、三十分しか私の持ち時間がありませんので、一条から順番に本当はやりたいんですが、時間掛かりますので飛ばし飛ばしでやらしていただきます。  第二条、「施策の基本理念」。この第二条の構成を見ますと、非常に私は、これすばらしくうまく構成されているなというふうに思っておるんですが、最初に「地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、」という、この点非常に、頭に出てきているというところが評価できるかと思いますが、法案の意図として、ここの第二条全体として、法案、どういう意図でこの理念を定められたのか、お答えいただきたいと思います。

三日月大造民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(三日月大造君) ありがとうございます。謹んで元気良く御答弁申し上げたいと思うんですが。  今、藤本議員が言われたところが、正にこの法案、最もこだわったところであります。各地千差万別で、それぞれに美しいところやいいところがたくさんあります。そして、日本の各地域においては、来てもらおう、見てもらおうということで、観光のための町づくりが自治体、民間団体、事業者一体となって今行われております。  こうした取組の中で、これまで成功した地域の事例を見てみますと、各地域の持っている美しい自然だとか景観だとか、地場産業、文化、伝統、それぞれの持っている固有の良さを生かした町づくりをしようと。また、これまで埋もれていた観光資源に目を向けて、それに創意工夫しながら主体的な取組を行うということが成功の大きな要因になっております。何より、自分たちの住んでいる地域に愛着と誇りを持って他の国や地域の人たちに自信を持って紹介できるということがやはり観光の大切な原動力になるでしょうし、持続性の高い観光地の実現に結び付くものだという思いから、この第二条の基本理念の中に、地域における創意工夫というものを強調しております。  既に、先ほど大臣の方からありました観光ルネサンス事業というもので地域の創意工夫の、特にソフト面での応援が行われているところなんですけれども、今後この法案の理念に基づいて、観光立国実現のために地域主体の町づくりを積極的に応援をしてまいりたいというふうに思っています。  以上です。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 北海道から九州、沖縄まで、様々いろんな特性があると。そこの特性を一律に国で計画したり国が主体的にやるということは、もう、もはやそういう時代ではなくなってきているということを考えれば、地域が正に自分たちで、責任と自分たちの裁量の中でやっていくということが観光にとっては非常に重要なことなのかなというふうには思っております。  そこで、過去のいろんなリゾート法だとかそういう、余りうまくいっていなかったところもあろうかと思いますし、うまくいっているところもあるんですが、その中で懸念されているのは、本当に自然を破壊するような行為が起きるとか、あるいは観光事業者が箱物を造って、そうしたらその観光事業者が倒産をしてしまうとか、ちょっと最近で言うと夕張の例なんかも一つあろうかと思うんですが、その辺りもやはり配慮をしていかないといけないと。  観光事業者が、法律の範囲内だからといって何でもこれやってしまってもいいものなのかどうかというところは、やはり住民の方々の意向であるとか、その方々の気持ちというか、持続性といいますかね、観光の、観光の持続性というところが非常に重要なことになろうかなというふうには思っているんですが、その点については、今回の基本法の中でどの辺りで担保されていると解釈すればよろしいんでしょうか。

三日月大造民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(三日月大造君) 大切な視点だと思います。  第六条、「住民の福祉に配慮する」という文言があるんですけど、正に平成十五年ですか、観光立国懇談会の中で、住んでよし、訪れてよしの観光地づくり、観光立国だということが指摘されています。その住んでよしという部分を規定していくためにこの六条、住民の福祉に配慮するという文言を入れて、そこには三つの思いが込められております。  一つ目は、やはり小規模の観光地に大規模の資本が投入されたり大量の観光客を送り込むことによって、交通渋滞を起こしたり、ごみを散乱さしたり、騒音立てたりと、そういったことで住民の生活環境に悪影響を及ぼすようなことであってはならないし、二つ目は、やはり箱物整備に固執をしたり、また、ハードの整備に依存をし過ぎることによって、地域が持っている自然ですとか、景観ですとか、町並みですとか、そういう大切な持続的な発展のために不可欠な観光資源、資源を壊してしまうようなことではあってはならないと。また、最後に三つ目といたしましては、地域における雇用の確保に是非積極的に協力をしてほしいと、こういうところをこの六条の中に思いとして込めております。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 ありがとうございます。  観光の形態というのはいろんな形態が増えてきておりまして、昔のように名所旧跡を回る物見遊山的なというか、そういう観光だけではなくて、あるいは一泊宴会快楽何とか型みたいなそういうものから、大分そこの地域地域のテーマといいますか、それを見ながらの観光というのが非常に人気が出てきているということを考えると、その地域の方々がやはり正に愛着を持つ、誇りに思うようなそういう観光地づくりをしなければいけないということになろうかと思いますが、それが多分地域の魅力付けということになろうと思うんですが。  ただ、地域の魅力付けをするということで考えると、いわゆる、例えば北海道のある町と沖縄のあるところと地域の魅力があるといったときに、あるパイを食い合うだけになっちゃうんですよ。要するに、それぞれが地域の魅力を付けましたよといっても、今の需要からいくと、国内需要というのもそれほど伸びていないというか、むしろ低く、下がっている傾向の中で、需要が伸びないとパイの食い合いになる。地域に魅力付けをするとそれぞれがやっても、結局地域間競争が激しくなって淘汰されるところが出てきてしまう。そこをこの観光振興ではもっとその需要を増やしていくという、そういうことを考えていかなければいけないわけなんですが、そのためには何をすればいいかというと、所得を増やすことと、要するに移動するといいますか、休日を取るとか、その辺りに何か配慮をしていかないといけないことになると思うんですが、ここの中で十九条に「観光旅行の容易化及び円滑化」というところで「休暇に関する制度の改善」という、ここの項目を一項目入れてあるんですけど、ここの休暇に関する制度の改善というのは具体的にどういうようなコンセプトでこの条文が入ったんでしょうか。

赤澤亮正自由民主党

○衆議院議員(赤澤亮正君) ありがとうございます。  現在、我が国の旅行需要、盆、正月、ゴールデンウイークなど特定の時期に集中をしております。交通渋滞の発生でありますとか、旅行商品が高くなるといった弊害で国民が旅行しづらい環境になっております。また、受入れ側の宿泊施設においても、需要が特定の時期に集中しますので繁閑の格差が非常に大きなものとなって経営を圧迫するような状況すら認められるところでございます。  そこで、休暇取得の分散化でありますとか、年次有給休暇の取得促進などによりまして、特定の時期への集中を緩和し、国民が柔軟に休暇を取得して旅行しやすい環境を増大させることが非常に重要であるというふうに考えて、このような規定を置かせていただいたところでございます。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 やはり総需要が増えなかったらば結局観光の振興にはならないということになろうかと思いますけれども、今の御発言の中で渋滞の緩和とか、そういうこともやはり見据えていかないといけない、いわゆる休日の分散化というところが非常に重要なところだというふうに思います。  盆、暮れ、正月だとかゴールデンウイークに全部集中するという中で、平日はがらがらだということになるんですが、私の伊豆、静岡県の伊豆も特定の休日のときばかりもう行っても一時間掛かるのが三時間、四時間掛かってしまう。普通だったら一時間のところが四時間も五時間も掛かる。そうすると地元の方から交通渋滞が激しいので道路を造ってくれみたいな話になる。ところが、平日はがらがらだという。そういうことを考えると、実はこれを分散化して平準化することによって新たな道路を造る必要もなくなって、それが平日に回ってくるということを考えると、非常にいわゆる企業側からすれば所得を落として休暇をたくさん出すということではなくて、そこのところは一定の水準に保ちながらも休日を分散化することによって、働く側としても非常に平準化した労働時間を保つことができるという点では、この休日については相当の効果が現れるんではないかなというふうに思います。  また、旅館とかホテルなんかも忙しいときに大量にいわゆる非正規雇用をするわけです。まあこの宿泊業が多分非正規雇用の数としては、割合としては圧倒的に高いんだろうというふうに思うんですけれども、そこのところも改善できる、その平準化することによって、お客様がいつも平準化することによって改善できるし、観光客側もいつも三万円、四万円払わなくても一万円でも泊まりにできると、いわゆる旅行機会を増やすということになろうかと思いますので、この休暇というのは非常に重要なことなのかなというふうに思います。  時間がございませんので、最後に一問だけお聞きしたいんですが、第二十六条、これは国及び地方公共団体が協力といったところを、これわざわざといいますか、国と地方公共団体が協力というところを入れ込んでいるその辺の法案の意図についてお聞きしたいと思います。

伊藤渉公明党

○衆議院議員(伊藤渉君) 御質問ですが、観光立国の実現には戦略的な日本のブランドの海外への発信や諸制度の改善など国が取り組むべき課題と、地域の特性を生かした観光地づくりなど地域が取り組むべき課題があり、これらを連携して進める必要がございます。このため、国と地方公共団体が適切な役割分担の下で相互に協力することにより、観光立国の実現に関する施策を策定をし、実現すべきことを定めたものであります。  このことは、本法案中の各規定に共通して当てはまるものでございまして、法案の第二十六条においてまとめて規定をさせていただいたものでございます。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) いいですか。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 はい。終わります。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  政府は、観光に関しまして今ビジット・ジャパン・キャンペーンということで、とにかく訪日客の観光を重視をされていますよね。そこでちょっと国交省にお聞きしますけれども、国内の観光消費の中で訪日客の観光が占める割合はどんなものでしょうか。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 平成十七年度の数字でございますが、国内の旅行消費額は二十四・四兆円、うち訪日外国人による観光消費額は一・六兆円でございまして、国内の旅行消費額に占める割合は六・七%でございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 それは、今お示しいただいた数字といいますのは、いわゆる観光目的か、それとも例えばビジネスで来る場合もありますよね、ビジネスで来る場合も含まれているんですよね。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 訪日外国人による観光消費額の中にはビジネスのものも含まれております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 JNTOの訪日客アンケートでいきますと、観光目的が三五・二%、韓国、中国、台湾からは観光目的は六%というふうになっておりますので、恐らく先ほど示していただきました訪日客の観光消費の額はもっと下がるだろうと、観光目的でいくと、思うんですね。  それで、訪日客をとにかく一千万人にしようというのが政府の目標でございますけれども、そうした観光目的を勘案しつつ、同時にJNTOの訪日外人客消費動向調査の宿泊費等で試算をしますと、観光消費額の増額は千八百億円程度だと私は試算をしました。実際、全国の旅館衛生生活同業組合連合会の方のお話を聞きますと、観光立国について、外国人客の誘致とともにやはり国内の方の旅客拡大に努めてほしいというのが切実なお話でした。それは私はもっともだと思います。  ここでちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、観光立国というならばやはり日本の国民の国内観光需要拡大をやっぱり重視すべきだと思いますけど、大臣、いかがですか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) お説のとおりでございます。売上げを見ても先ほど審議官が答えたとおりでございまして、国内の旅行というものが大事であることは間違いありません。美しい国づくりのためには国際観光の振興とともに国民の国内旅行も含めた国民の観光旅行の振興が重要な課題であります。国民の国内旅行需要を拡大するためには、地域資源を活用した魅力ある観光地づくりの取組を促進することが必要であると認識をいたしております。  そのために、国土交通省では地域資源を活用した観光振興に成功している百の事例、地域いきいき観光まちづくり一〇〇というものをつくりまして、それぞれに中心となった人のコメントなど、何がこういう成功したかということが紹介をしているところでございます。この観光ルネサンス事業によりまして地域主体の観光振興取組に対する積極的な支援も行っておりまして、これは民間主体の活動に対する支援でございます。  例えば、三重県の鳥羽市では体験型ツアーやバリアフリーツアーの造成などの取組が行われておりまして、更に観光ルネサンス事業によりまして海女さんですね、ここで特色がある文化ですけれども、海女の文化を紹介する資料館や海女小屋の整備などの観光振興にも取組をいたしておりまして、大変人気を呼んでいるところでございます。さらに、健康に配慮したヘルスツーリズムなど、地域密着型の新たな形態の旅行商品の創出を促進する取組も予定しておりまして、引き続きこうした取組を通じて国内の観光関係者、そういう人たちの幅広い協力によってその振興を促進していきたいというふうに思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今、大臣は地域支援を活用して魅力ある観光地をつくるというお話でございました。同時に私は、国内観光需要拡大を重視をするとおっしゃるならば、もっと大事なことがあるのではないかというふうに思います。それは、国民の皆さんの観光に行こうかという、つまり所得と時間にゆとりがなければならないと思うんですね。  現実ではどうかということでお手元に資料をお配りさせていただきました。これでいきますと、ごらんいただきますと、総務省の家計調査でございますけれども、勤労世帯の可処分所得の月額ですけれども、月額は二〇〇〇年で四十二万九千三百三十八円、それから二〇〇五年でいきますと三十九万八千八百五十六円と、確実に減少していることがお分かりかと思います。一方、旅行関連支出といいますのは、これは年間の金額を出しておりますので御了承いただきたいと思いますけれども、それでいきますと、二〇〇〇年十三万四千七百一円、二〇〇五年十一万八千八百五十円と、これもいずれも年間ですけど減少しています。つまり、国民の皆さんの所得の減少は旅行関連支出の減少と比例しているというのが私が示したグラフで申し上げたかったことなんですね。  働いても働いても、先日もテレビでパートツーのワーキングプアの話がありました、生活保護以下の収入という方々がこれでは旅行にはなりませんね。さらに、労働時間が長くて休暇もままならないと、休暇があってもずっと労働時間が長くて、くたくたで旅行に行こうという気にはなかなかなれないと思います。  そこで、私は大臣に改めてお聞きしたいと思いますけど、観光立国と言うならば、先ほど御説明いただいた視点とはまた別に、国民の所得、そして時間のゆとりができるように、長時間労働の是正でありますとか休暇を保障する、そして国民の家計の懐を暖めると、これが極めて重要な施策だと思うんですけど、この点をどういうふうに御認識されてどういうふうに検討を図られているか、お聞きしたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 正に、根本的にはそのことだろうと思うんですけれども、我々といたしましては、そういう、例えば所得が下がっても下がらないような工夫としていろんなことがあると思うんです。例えば、安く旅行をしていただけるとか、気軽にしていただくとか、そういうようなことに資する施策というものをやらなければならないのではないかというふうに思います。  平成十七年三月及び十八年三月に、観光関係者、地方公共団体、一般の国民の方などが参加する長期家族旅行の推進に関するフォーラムというようなものを開催をいたしまして、休暇の取得とか割引料金の普及に関する世論の喚起を図ってきたところであります。  私どもの地元ですが、関西では、スルッとKANSAIと。スリーデーチケットなど交通施設における弾力的な料金体系、これは三日間乗り放題、どこへでもというもので、足を確保しよう、安く確保しようと。あるいは、もう有馬温泉では、ここへ載っていないのがちょっと残念、城崎は載っていますけれども、泊食分離、旅館に泊まると豪華なもうお食事付きで何万円となっちゃうわけですけれども、泊まるだけと、それから、お風呂に入って泊まるだけ、御飯は外で食べていただいて結構というようなことを導入した宿泊プランの作成は旅行に関する費用の低廉化といった点で非常に有効だということであります。  こうした取組を一層進めるための施設について広く有識者の意見を聞く場を設けて広く議論を行うとともに、今後とも各省庁とも連携をし、観光立国の実現のための施策を推進していきたいというふうに思います。所得を上げるという努力の方が大事でございますけれども、上がらない場合でも出ていただけるということも考えておりますので、よろしくお願いします。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 所得を上げるということが大事であるという御答弁をされました。ならば、やっぱりそちらの方にもっと力点を置いていただきたいということを私は強調しておきたいと思います。  今紹介しました国民生活とは逆に、この間の政府の観光施策はどうだったのだろうかと私お聞きしたいと思うんですけど、一九八七年のリゾート法の制定時からのこの間の観光施策の実施に要した経費ですね、これ申し訳ございません、簡潔に金額だけお答えいただけるでしょうか。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 過去十年で申し上げます。国土交通省の観光部門の予算ということにつきましては四百四十億円でございます。  過去の観光白書におきまして、次の年度の観光施策全体ということで道路とか下水道、空港、鉄道整備、こういった広く観光振興に資する費用を含んだものといたしましては、一九八八年から二〇〇三年までの十六年間で八十五兆という数字が観光白書の末尾には掲げられておりますが、合計したものでございます。  以上でございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今御説明いただきました金額でございましたけれども、リゾート法推進の当時の経済界の宣伝を見ますと、観光産業は新たな経済発展の核となり、新しい雇用を創出するとありました。ところが、観光消費の停滞、過大投資で結局は破綻をしてきたと言わざるを得ないと思うんです。この点、まず大臣はどのように御認識されているでしょうか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 近年、旅行市場の構造といいますか動向が、一昔前のように団体旅行、バスツアーとか多人数による団体旅行というものから個人の、小グループへの旅行へと変化をしていることが顕著でございます。そういう旅行者のニーズの変化に対応し切れないところは観光客が減少し、苦戦しているということが現実であるというふうに思います。  したがいまして、政策もそういう動向に合わせて適時適切に手を打っていかなければならない、そのように思います。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 二〇〇四年の二月に政府がお出しになりました総合保養地域整備法の規定に関する基本方針、これを拝見しますと、企業の開発意欲が減退してきたとか、国民の滞在型余暇活動に対する潜在的需要が顕在化していないとかいうのがあるんですけども、方針の一つにこうした基本構想の廃止を含めた抜本的見直しを掲げていると、ここは私、大変大事だというふうに思うんですね。  それをちょっと強調しておいて、最後の質問になるかと思いますけど、今回の出されました法案には国際競争力の高い魅力ある観光地形成と、しかも観光産業の国際競争力強化がうたわれています。法案十四条には、観光地への空港、港湾、鉄道、道路、駐車場、旅客船など、観光の基盤整備も盛り込まれています。国際競争力に目を向けてと、そういうふうになりますと、かつてのリゾート法のように大型な開発になりまして観光地を結局は疲弊させていくと、こういう二の舞にならない保証はあるのかと、この点、大臣にお伺いしたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 地域が、国土形成法等で広域地域の計画というものが作られるわけですけれども、そういうところが、この広域の地方は何を売りにするのか、そして、日本は少子高齢化が非常に進み、また人口減少社会にまで入っているわけです。そうなりますと、日本の活力を維持し、また持続的な成長を続けていくためには、やはり近隣諸国からの来客というものを目指さざるを得ないと私は思います。  二〇一〇年に一千万人といいましても五割増しのことをやるというわけですから、それはやはり人口十三億人を抱える中国というところからどうしてこちらへ来ていただくかということを考えざるを得ません。それを考えたときに、日本は周りが全部海でございます。その海を越えて来られるわけですから、そこには国際的な空港、あるいは港湾というものを造らなければそういう人たちに来てもらうわけにいかないわけでございます。  したがって、それを、そこへ来ていただいた方を自分たちの歴史や風土や自然環境という、あるいはお祭りもありましょう、あるいは魅力ある食材、そういうものもあると思いますけれども、そういうところへどうその人たちを誘導していくかという、道路のネットワークというものもつくっていかなければならないと思います。  決してこれが無駄にならないように、その地方で自主的、自律的に考えていただいたものを、上から押し付けるんではなしに、我々国が支援をさしていただく、そういう精神で取り組んでいきたいと考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 先ほど大臣は、訪日客、観光、近隣諸国の方から来てもらわないといけない、やっぱり一千万人目指さなくちゃいけないというふうにおっしゃいましたけれども、冒頭、国内の観光消費でいきますと、やっぱり日本の国民の皆さんが観光されることが重要だというふうにおっしゃいました。その点からいくと、軸をどこに置いているのかなと、ちょっと今の御説明を聞いてもまだ矛盾する点があるかなというふうに私は思うんでございますけれども。  いずれにしましても、国際競争力というふうに看板を掲げたことで地域の振興とか地域の観光が疲弊しない、そのことをしっかりと担保されることを私は改めて強調をさしていただきまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  九・一一以降、国内外においてテロ対策が強化をされていますが、旅行者や観光者、利用者がより安全に移動できるようにすることがやはり観光振興にとっては大変重要なことだと思います。そのために、各交通機関における安全対策が急がれるところですが、これまでの各交通機関に対する取組がどのようになされてきたのか、今後どのように取り組もうとしているのか、お伺いをいたします。

平山芳昭国土交通省政策統括官

○政府参考人(平山芳昭君) お答えいたします。  今先生御指摘のとおり、公共交通機関の安全、非常に重要な観点ということで、最重要課題の一つとして取り組んでおります。  具体的には、いわゆる国際交通セキュリティー大臣会合を日本で主催いたしまして、各国との連携を図る、その中でやはり交通機関のテロ対策は非常に重要だということを強調させていただいております。  また、各事業者ごとには総点検を実施しておるわけでございますが、具体的に、航空におきましては、例えば旅客や手荷物等に対する保安検査の厳格な実施をさせていただいておりますし、鉄道におきましては、監視カメラ等を増設しまして、日ごろから見える警備という形で強化をさせていただいております。また、国際航海船舶あるいは国際港湾施設という部分につきましても、保安強化ということを具体的な措置として講じさせていただいております。  また、今般の北朝鮮の核実験事案を受けまして、十月に追加の制裁措置というのを閣議決定させていただきました。その際にも、国民の皆様の不安を除くという観点から、同日に所管の公共交通事業者に対しまして、テロ等安全対策に対する注意喚起ということの徹底を指示させていただきました。また、こういう安全対策というのは日ごろから継続的に行うことが重要だと思っておりますので、年末年始の安全総点検に合わせまして、更に再度いわゆるテロ対策を徹底を図るように指示をさせていただいたところでございます。  いずれにいたしましても、この関係、我が省だけでできるという問題でございません。警察等関係省庁とも十分連携をしまして安全の確保に努めてまいりたいと考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 法務省にお伺いいたしますが、空港での入国審査は安全対策上大変重要なことだと思いますが、慎重になればなるほど審査時間や待ち時間が長くなるという問題が発生をしておりまして、法務省ではその対策としてセカンダリー審査やプレクリアランス審査といった制度を導入されておりますけれども、その具体的な効果についてお伺いをいたします。

稲見敏夫法務省入国管理局長

○政府参考人(稲見敏夫君) お答えいたします。  法務省では、観光立国の推進に資するため、審査待ち時間を全空港におきまして二十分以下にすることを目標に取り組んでおるところでございます。  具体的な取組について御説明いたします。  委員御指摘のございましたセカンダリー審査でございますが、これは成田、関空、中部の国際空港での取組でございます。具体的には、私どもの入国審査官が入国目的に疑義があるなど慎重な審査が必要だと判断いたしました場合には、早い時点で通常の審査ブースから別の場所に御案内して審査をさせていただく。そうすることによりまして、その外国人の方の後ろでお待ちになっております大多数の問題のない外国人の方の待ち時間の長時間化を回避しようというやり方でございます。  その結果でございますが、成田空港ではここ一か月、毎日毎日の最長の待ち時間、実は凸凹がございますが、おおむね二十分台の半ばで推移しておるところでございます。冒頭も申し上げました目標からまだ大分差がございますが、若干の短縮が図られているというところでございます。  それからもう一つ、プレクリアランスでございますが、これは地方空港への対応でございます。  御案内のように、日本全国の地方空港にチャーター便で大勢の外国人の方がお見えになっておりますが、このチャーター便の出発地を調べてみますと、韓国と台湾の二つの空港に集約されております。そこで、この台湾と韓国の二つの空港に私どもの入国審査官を派遣いたしまして、その空港でのチェックインから搭乗までの時間、この空き時間を活用させていただきまして所要の事項をチェックさせていただく。そうすることによりまして、日本に到着してからの待ち時間を短縮すると、こういうものでございます。この結果でございますが、このプレクリアランスを実施した便の外国人の方の日本での待ち時間、これは実施しなかった便の二分の一以下、おおむね二十分以下に収まっているところでございます。  法務省といたしましては、今後とも、審査待ち時間の短縮に全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 入国審査については、今報告ありましたように主要な空港では臨機応変な対応がなされ改善をされていると思いますが、一種以外の地方空港においては十分な改善が取られていないと思います。不定期便、チャーター便への臨機応変な処置というものは大変重要だと思いますが、これもまた一定の限界があることだと思います。  したがいまして、地方主要空港では、国際定期便が定刻より早く到着する場合は機内待機となることがあります。国際定期便が離発着するような地方主要空港については、適切な審査官の配置、それから臨機応変な審査対応を実施する必要があると思いますが、その点、いかがでございましょうか。

稲見敏夫法務省入国管理局長

○政府参考人(稲見敏夫君) お答えいたします。  御質問の成田、関西空港、中部空港以外の地方空港についてでございますが、これまでも各空港を管轄しております私どもの個々の出張所の審査要員を確保すると、必要な体制整備に努めてきたところでございますが、これに加えまして、本年度は、個々の出張所の審査要員だけでは円滑な審査がどうもできない、事前に実は私ども情報を入手しておりますので事前に分かるんですが、そういう場合に対応して、審査の支援、応援、そういうのを専属的に行う入国審査官を新千歳空港と羽田空港の出張所に十六名増員の上、配置しております。それで臨機応変な対応ができるよう、体制を整えているところでございます。  法務省といたしましては、今後とも、地方空港における出入国審査手続の円滑化、迅速化のため所要の体制整備に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 法務省関係についてはこれで質問を終わりますから、退席して結構でございます。  続きまして、外国人の国内観光旅行への支援促進のための環境整備を図ることは大変重要なことであります。特に、駅、ターミナル等の交通結節点の整備、モード間の乗り継ぎの利便性を高めるためのアクセス整備は重要と思います。また、旅行者利便の施策として、案内標識の統一、整備、主要駅におけるカートの設置、新幹線車内における大型荷物置場の設置など、利用しやすい公共交通機関の確立が必要と思いますが、これまで取り組んでこられた支援内容と今後の取組方についてお伺いをいたします。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 渕上先生御指摘のとおりでございまして、観光立国実現のためには、外国人観光客を含め旅行者が旅行しやすい環境を整えることが非常に重要だと思います。とりわけ、外国人旅行者にとりましては、その母国語、外国語による案内表示の不足ということは決定的になると思います。  そのために、昨年、外客来訪促進法というものを改正をいたしまして、公共交通事業者等に対して、外国人旅行者の利用が多く見込まれる区間を指定し、外国語等での案内表示の実施を義務付け、これを促進しております。例えば、鉄道では関西空港から難波間を始め百八十五の区間を指定しておりまして、今年度末までに計画の提出を行わせることといたしております。  さらに、日本人の気が付かない点にきめ細かく対応するために、観光関係事業者の方々にも同席していただきまして、日本在住の外国人の方々から直接御意見を伺う機会を設けました。  また、海外からの留学生等の協力によりまして、成田国際空港やあるいは関西国際空港周辺で外国人によるひとり歩き点検隊ということを実施いたしまして、空港での情報提供の内容や方法について幅広くアドバイスをいただきました。さらに、今後、福岡空港周辺等三か所でも同様の点検を行うことといたしております。  以上のような取組を強化してまいりたい、言葉の問題としてはそういうふうにしていきたいと思っております。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) ただいま新幹線等の特急列車内でのトランクスペース等の確保についての御指摘もございました。  一般的に優等列車の車内設備につきましては、空港アクセス、ビジネス、観光等といったその列車の役割や利用状態、走行距離、乗車時間などを総合的に勘案して決定されております。JR東日本の成田エクスプレス、国際空港アクセス鉄道の特急列車につきましては、トランクを持ち運ぶ利用者が大変多いことを踏まえまして、車内にトランクスペースが確保されております。また、沿線にスキー場が多い長野新幹線では、スキー板の収納にも配慮した大型の荷物置き場が車内に設置されております。  しかしながら、新幹線におきましては、できるだけ多くの座席数を確保するために、原則としてトランクスペースは設置されておらず、車両最後部座席の背面と壁の間のスペースの活用を御案内するなどにより、臨機応変な対応が行われているというふうに承知しております。  今後、大型トランクを持つ旅客の状況等を踏まえ、必要に応じましてトランクスペースの増設が検討されていくというふうに考えてございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 とりわけ新幹線におけるそういう大型荷物を設置するところ、利用者を多く座らせたいという気持ちは分かりますが、そういう施設も必要だと考えますので、適切な御指導をよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、観光需要を創出するには、やはり観光客を引き付ける魅力ある観光地づくりが重要だと思います。地域における各事業者が独創的でかつ持続可能な地域開発や体験学習を始めとした交流拡大や地域振興など積極的に取り組めるように、観光ルネサンス、まちづくり交付金、それから外客来訪促進計画、元気な地域づくり交付金など、各種取組の連携強化というものが必要ではないかと考えますが、その点はいかがでございましょうか。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 先生御指摘のとおりでございまして、国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを効果的に進めていく上からも、地域の観光地づくりの取組を総合的に、いわゆるハード、ソフト、こういったものが一体となって進められていくということが大事でございます。  このため、例えば岡山県の倉敷市におきましては、平成十七年度からまちづくり交付金の活用による伝統的な建造物が並ぶ倉敷川河畔周辺における電線類等の地中化や商店街の景観整備等と併せて、民間組織による地域の創意工夫を生かした地域観光振興の取組を支援する観光ルネサンス事業によりまして、伝統的な日本家屋で茶道や着物の着付けなどを体験する外国人向けの倉敷文化体験コースの実施、また多言語案内標記の整備などの取組を積極的に支援しているところでございます。  今後とも、関係省庁も大変多うございましていろんな取組が行われております。こういうものも観光関係省庁連絡会議、そういった場での連携も図りながら、連携を取りながら物事を進めていきたいというふうに考えてございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 観光需要の創出に当たっては、持続可能な観光開発の観点からも既存のインフラの活用が大変私は重要であると思います。既存のインフラを最大限活用した中で新たな観光資源として魅力が引き出されるものと思いますし、既存のインフラの活用についてどのように考えておられるか、質問いたします。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) お答え申し上げます。  既存のインフラ、こういうものの有効活用というのも大変重要でございまして、大変新しい試みとしては、近代化遺産とか産業観光というようなことで、従来からあるような建物を若干リノベーションするような形、そして京都なんかでは町屋の活用、これは町屋の活用というのは全国各地でも行われております、こういうものは日本の原風景といいますか、生活で文化などが染み込んだ要素でもございます。  こういうのも十分活用しながら取組を進めていきたいと思いますし、そういう取組に対する支援措置も充実さしてまいりたいというふうに思っております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 最後の質問になりますけれども、この基本法をつくることによって何を変えようとし、何が変わろうとしているのか、そして経済効果はどの程度を考えられておるのかお伺いして、質問を終わります。

柴田耕介国土交通大臣官房総合観光政策審議官

○政府参考人(柴田耕介君) 基本法に盛り込まれました各種の施策、そして考え方を踏まえまして、また観光立国推進基本計画というのを閣議決定で定めることになってございます。こういうものを踏まえまして、総合的かつ効果的に事業を実施していきたいというふうに考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 終わります。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  観光立国推進基本法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。

藤本祐司民主党・新緑風会

○藤本祐司君 私は、ただいま可決されました観光立国推進基本法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     観光立国推進基本法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、本法に基づく観光立国推進基本計画の策定に当たっては、観光行政強化の観点から関係各省庁が密接な連携の下に施策を講ずることを旨とするとともに、その作成過程で幅広い関係者の声を反映するよう努めること。  二、地方公共団体の自主性及び主体性を尊重しつつ、やる気のある地域による知恵と工夫にあふれた観光振興の取組みを支援することにより、交流人口の拡大と魅力ある地域づくりの推進に努めること。  三、日本の伝統と文化を体現し、もてなしの心により観光立国を支える旅館業をはじめとした観光に関わる中小企業について、その経営基盤を確立するための施策の充実に努めること。  四、景観法に基づく良好な景観の形成を推進するとともに、心ない観光客による落書きやごみの放置などの行為から美しい自然や文物、景観を保護するため、観光客のモラルの向上を図るための施策に努めること。  五、より柔軟に休暇を取得しやすくすることにより、国民が旅行しやすい環境を整え、観光需要を創出するため、産業界と連携して国民的な運動の推進に努めるとともに、家族旅行等に係る児童生徒の休暇制度その他の制度面における検討を行うこと。  六、国際会議、国際文化・スポーツイベント、国際展示会・見本市などを通じた観光交流の拡大に努めること。  七、高齢者・障害者等移動制約者の円滑な移動の確保に資する施策を一層促進するとともに、交通機関・高速道路などの交通施設における弾力的な料金体系の導入等により、旅行に関する費用の低廉化の促進に努めること。  八、観光立国の実現に関する施策の遂行に当たっては、各省庁の横断的な英知を結集しながら、総合的、効果的かつ効率的に行い、行政改革の趣旨を踏まえて、観光庁等の設置の実現に努力すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。冬柴国土交通大臣。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいまの本法案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重させていただき、関係省庁との連携を図りつつ、観光立国の推進に努力してまいる所存であります。  ありがとうございました。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 次に、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件につきまして、提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認め、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定により閣議決定された「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶の入港禁止措置に関する閣議決定の変更について」に基づく入港禁止を実施しました。これについて、同法第五条第一項の規定に基づいて国会の承認を求めるものであります。  以上が本件を提案する理由であります。  次に、本件の内容について、その概要を御説明いたします。  本件は、同法第三条第三項の規定による平成十八年十月十三日の閣議決定に基づき、同年七月五日より六か月間にわたる万景峰92号の本邦の港への入港禁止の実施を決定した同年七月五日の閣議決定を変更し、同年十月十四日より平成十九年四月十三日までの六か月間にわたり、すべての北朝鮮船籍の船舶の本邦の港への入港禁止を実施することについて、同法第五条第一項の規定に基づいて国会の承認を求めることを内容とするものであります。  以上が、本件の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

大江康弘民主党・新緑風会

○委員長(大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗