国土交通委員会 第2号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2006/10/26
会議録
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府規制改革・民間開放推進室長田中孝文君、内閣府政策統括官増田優一君、内閣府国民生活局長西達男君、財務大臣官房審議官古谷一之君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君、国土交通大臣官房長竹歳誠君、国土交通大臣官房総合観光政策審議官柴田耕介君、国土交通大臣官房運輸安全政策審議官杉山篤史君、国土交通省総合政策局長宿利正史君、国土交通省国土計画局長渡邊東君、国土交通省都市・地域整備局長中島正弘君、国土交通省河川局長門松武君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省住宅局長榊正剛君、国土交通省鉄道局長平田憲一郎君、国土交通省自動車交通局長岩崎貞二君、国土交通省港湾局長中尾成邦君、国土交通省航空局長鈴木久泰君、国土交通省政策統括官平山芳昭君及び海上保安庁次長藤井章治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大江康弘君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 おはようございます。自由民主党の中島啓雄でございますが、本国土交通委員会には新参者でございますので、ひとつよろしくお願いをいたします。 冬柴大臣、各副大臣、政務官、御就任誠におめでとうございます。よろしくお願いいたします。冬柴大臣の鐵三というお名前は、伺うところによりますと、お父上が鉄道にお勤めで鐵という字を付けられたと、こういうふうに聞いておりますので、私も鉄道出身として大変親しみに、親しみというと大変失礼でございますけれども感じておりますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、まず公共投資、公共事業について少し伺いたいと思いますが、公共事業費の八割を占めるのが国土交通省でございますのでその代表選手として伺いたいと思いますが、総理の所信表明演説の中では、「公共事業については、これまでの改革努力を継続する中で、未来への投資となる真に必要な社会資本の整備を重点化や効率化を徹底しながら実施します。」と、こう述べておられますので、まあ積極的なんだろうと解しておりますけれども、一方、概算要求では、十九年度公共事業費については前年度予算額に百分の九十七を乗じた額に抑制をすると、三%減と、こういうことでございまして、さらに各省庁の要望については百分の百二十を乗じた額とか、まああと経済成長戦略推進とか多少の要求はプラスでございますけれども。 それで、国土交通省の概算要求では、経済成長戦略込みだと六兆六千億余の要求になっておりますが、昨年度の当初予算は五兆六千億余でございますから、そうするとでき上がりは五兆六千億より減ってしまうのかなと、こう心配もいたしておりますが、その辺の概算要求の見通しについて、事務方からで結構でございますから、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(竹歳誠君) お答えをいたします。 まず、公共関係事業費につきましては、ピーク時の平成十年度、補正後でございますが、十四・九兆円から平成十八年度当初予算七・二兆円まで大幅に削減されてきておるところでございます。平成十九年度以降における歳出歳入一体改革に向けた取組につきましては、二〇一一年度に国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指すということで、基本方針二〇〇六、閣議決定されまして、今後五年間で年間マイナス三%からマイナス一%の削減とする方針が決められているところでございます。 そこで、お尋ねの平成十九年度概算要求基準でございますが、この基本方針二〇〇六を踏まえまして、今後五年間の新たな改革に向けた出発点として、財政健全化に向けて責任ある第一歩を踏み出したことの象徴となるよう、従来の改革努力を継続する厳しい基準として設定されたものでございまして、今お話ございましたように、公共関係事業費は前年度比マイナス三%以下と抑制されているところでございます。 国土交通省の十九年度概算要求でございますが、この限られた予算で最大限の効果の発現を図る観点から、国際競争力の強化、地域の活性化、都市再生、国民の安全、安心の確保、柔軟で豊かな生活の実現などの当面する課題に対応するための必要な事業、施策を重点的に推進することとしておりまして、公共事業関係費は、経済成長戦略推進要望も含めて要求枠上限一杯の要求をしているところでございます。 今後は、必要な予算の実現に向けて精一杯努力してまいりたいと考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 精一杯努力をしていただきたいと思いますが、そもそも、公共事業費を取り上げて頭から三%というのはもうそろそろ打ち止めにしないとおかしいのではないかという気がしております。特に、十九年度の概算要求でほかの経費については、例えば義務的経費は前年並みと、それから若干の、科学技術とか国立大学とか防衛はマイナス一%、その他は三%ということになっておるので、そういうことからいっても見直すべきではないかと。 特に公共事業費は、今お話があったように、十四年度にマイナス一〇%というシーリングがあって、十五年度以降はマイナス三%が五年間続いているわけですね。平成十四年の中期展望の中では、景気対策のために大幅な追加が行われていた以前の水準を目安にその重点化、効率化を図ると、こういうことになっておりますので、平成二年の公共事業費予算は当初予算で七・三兆円、ところが平成十八年度は七・二兆円で、もう下回っていると。 それから、とかく外国との比較が出てくるわけですが、公的固定資本形成、IGのGDPに対する比率というのは、平成十六年度は三・七%までになったと、十八年度は三・三%になるだろうというような国交省の資料もございますので、これはもうほぼ欧米並みの水準になっていると。むしろ国土条件の違いを考えれば一%ぐらいプラスになるのはやむを得ないと、こういう話でありますから、アメリカとかフランスよりも下回ると、こういうことにもなってきているんじゃないかと。 三点目は、財政上の問題は赤字国債なんですね。建設国債というのは、将来に向かってその効果が確実ならばこれは将来の世代も裨益をするわけでありますから、国債という借金でもいいというのが財政法四条の建設国債の原則なんだろうと思います。現実の財政を見ると、平成十八年度は二十四・五兆円が赤字国債、八二%が赤字国債ということで、建設国債はわずか五・五兆円となっておると。 こんなことからいいましても、公共事業というのはどうやっていくべきか。人口減少時代を迎えて一層の重点化、効率化を図るべきだと、コスト削減も図りなさいと、これは当然の話だろうと思いますが、余りにも削り過ぎれば、これは経済成長を阻害して国民生活にも影響が出てくるのではないかと。 例えて言いますと、道路渋滞による時間損失が、国交省の試算では三八・一億人時間だと、年間ですね、で、経済損失が十二兆円だというような、十二兆円というのはちょっとオーバーエスティメートかなという気もいたしますけど、そういう統計も出ております。 それから、マスコミからすぐたたかれるのは整備新幹線でございますけれども、例えば九州新幹線、今、南の方の新八代—鹿児島中央間が開業いたして、東京から考えますと、何で南の方から先にできたのかなと、こんな話もあるわけですが、現実は、その新八代—鹿児島中央間、在来線では百三十分掛かっていたのがわずか四十分ということですね、三分の一以下になっている。お客さんも一日三千九百人から八千八百人というようなことで、二・三倍になっているというような大変な効果を上げているわけであります。 そのほか、申し上げれば切りがないんですが、港湾、空港の水準も世界から取り残されつつあるという状態でありますし、当然、防災とか安全、安心のための投資とか、それから今や社会資本の維持更新ということも非常に大きな課題になってきていると思います。 そんなことで、十八年の五月に北側前国土交通大臣は、その諮問会議で、「国際競争力の強化、安全・安心の確保など、戦略的・緊急課題への取組、維持管理・更新への対応を考えれば、これ以上の削減は将来に禍根。」を残すと、こういうことを述べられておられますんですが、そんなことも含めて、公共投資の在り方について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ありがとうございます。 私も同じような感じは持つんですが、内閣の一員といたしまして、二〇一一年にはプライマリーバランスを黒字にするという至上命題があります。それには厳しい聖域なき歳出削減ということが必須の要件でありまして、内閣の一員として私もこれは協力をしていかなければならない、これが原則でございます。 しかしながら、今、政府委員、官房長も説明しましたように、ピークでは、補正も入れてですが十四兆九千億という、そういうようなボリュームのあった公共事業投資、今年は七兆二千億でございます。半分以下でございます。この公共事業投資が非常に大切であることは、今先生からの御指摘のとおりでございます。 しかしながら、この厳しい財政事情の中で我々に課せられました、我々の子供や孫たちが自信と誇りを持つ美しい国日本をつくっていくということは、私ども国土交通省の至上命題でございます。これ、具体的にはどうするかということについても、今ちょっと触れられましたように、私は何としても安全で安心な国土を形成しなければならない、これはもう至上命題でございます。 日本は大変急峻な山があり、河川も急流があり、そしてまたその地勢的な意味から台風等、予想を超えるような最近の豪雨もあります。そういうことからの豪雨災害とか河川のはんらんとか山崩れとかいうことがあるわけでございますが、我々の使命としましては、そういうものに対する国民の安全、安心を確保するという国土を形成していくということは、もう当然の話でございます。 二つ目は、やはり少子高齢化時代を迎え、そしてもう現に人口減少が始まっております。こういう中で、やはり経済成長を図っていくためには、この近隣諸国、特に今発展の著しいアジア、東アジア、中国、韓国等、東南アジアも含めて、そういうところとの市場の一体化といいますか、生産の水平化というようなことを考えたときに、我が国は四面環海でございます。海に囲まれております。したがいまして、物資を輸送するにしても、我々の貿易量の九九・七%はいわゆる外航海運に頼っているわけでございます。したがいまして、国際的な港湾施設というものを整備をするということは、これからの日本の経済、少子、人口が減少していく中でも、日本が経済成長を続けていくためには、このような国際競争力を強化するために、国際港湾、いわゆるスーパー中枢港湾等の整備始め、その拠点から生産拠点あるいは消費拠点への道路のあるいは高速道路、高速鉄道等のネットワークも構築しなければならないことも急務でございます。 そして最後に、頑張る地方という、地方をこれやはりきっちりと整備していかなければなりません。今までのように、全総というものから、昨年成立いたしました国土形成計画法に基づく新しい視点に立った、地方を八つのブロックに分けて、そしてそれぞれがその持つ歴史や伝統そして自然、そういうものを基礎にした地方独自の発展計画というものを立てていただきまして、そういうものについて我々が公共投資等を重点的に配分していくということにしなければならないと思います。 それじゃ、それだけの山盛りの計画をわずかな予算でどうするんだという話になるわけでございますが、私は、これはいろんな工夫をしなければならないと思います。そういうものを工夫しながら、真に必要な社会資本の整備というものを重点化、効率化を徹底して進めながらそれを進めていくということ以外にないわけであります。 入札方法の合理化等もこれはやはり十分にやっていかなければならないと思っております。 ちょっと長くなりましたが、私の考えは以上でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 二〇一一年にプライマリーバランスを回復すると、これが政治的な大命題であるというのはもうよく分かっておりますが、裏側には、実質で二・二%、名目では三%以上の経済成長を目指そうと、こういう話もあるわけで、やっぱり経済成長に資するような投資も重点化ということで是非お願いをしたいと思います。 今、頑張る地方というお話も出てまいりましたんですが、地域の公共交通について若干伺いたいと思います。 地域の活力なくして国の活力はないわけでありまして、地域の経済活動の基盤の一つである地域における鉄道、バスなどの交通機関は、やっぱり自家用車を運転できないような高齢者あるいは児童生徒などの足としては非常に重要な役割を担っているわけでありますが、残念ながら、マイカーの発達とか少子高齢化ということで利用者が減少をして、地方中小私鉄のみならず、JR三島とか地方のバスとか非常に経営が厳しくなっておって、放置すれば路線廃止等がどんどん進んでしまうというような状況にあると思います。 一方、道路の方はやっぱり自動車の増加で交通渋滞とかCO2の増加というようなことがあるわけですが、そのCO2について言えば、京都議定書では全体計画は九〇年比でマイナス六%だと、こういうことになっておるんですが、現実は、自家用乗用車のCO2の排出量というのは九〇年比で実に五二・六%も増しておると、大変なことになっているんで、そういう意味からも、是非公共交通機関をもっともっと重視をしていただきたい。 頑張る地方応援プログラムというようなことも安倍政権で考えられておられますので、地域の公共交通の活性化、再生に向けて是非積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、御見解を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地域の公共交通機関というものは社会経済活動の基盤であります。そしてまた、適切なその維持確保、質的な向上による活性化、再生というものは、地域の自立、活性化、少子高齢化への対応、まちづくりの観点のほか、今先生がおっしゃいました環境という問題からも必要不可欠でありまして、その強化は急がれるわけでございます。 しかしながら、一方では不採算路線からの撤退とか、あるいは交通空白地帯の出現というようなことまで起こり、また公共交通サービスの水準が低下をするというような問題もあります。もうそういうことは、国土交通省としては見過ごすことのできない問題であると認識をいたしております。したがいまして、地域の公共交通機関の活性化、再生に取り組む頑張る地方を応援していく必要がある。 このような観点から、具体的には、平成十九年度の国土交通省の重点施策では、地方公共団体の公共交通事業者など関係者が一丸となって、ソフト、ハード両面から地域の活力を高める交通施策である都市・地域総合交通戦略の策定及び戦略に基づく事業の推進を図っていくことといたしております。 あわせて、現在、交通政策審議会に地域公共交通部会というものを設けまして、地域の公共交通の活性化、再生のための地域の総合的な取組と具体化に向けて今審議を進めていただいているところでありまして、成果を得次第、これを実現を図っていきたい、このように思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非、前向きに取り組んでいただきたいと思います。 それで、実は昨年から党内に地域公共交通小委員会という小委員会をつくりましていろいろ勉強をしておりまして、六月に提言をいたしたわけでございますが、その中で、公共交通機関相互の連携をもっと強化しようと、それから新しい交通システムを含めて各交通機関をもっと活性化しようとか、地域、まちづくりの連携を深めようとか、そんな提言をやっておりますが、新しい交通システムについて申し上げますと、LRT、ライトレールトランジットという路面電車の近代化版は富山で本格的にやり出して相当普及してきておりますし、それからDMVと称する、デュアルモードビークルと称する、これはJR北海道で、鉄道と道路を共用する、まあ簡単な鉄路道路共用自動車というような試みとか、この辺は進んでおります。 それに加えて、最近アメリカ辺りでBRT、バスラピッドトランジットというのが大分普及してまいりまして、これは快速バスシステムといいますか、専用レーンを使って、優先信号で、車両も快適なものにして、要するにマイカーよりも早く、時間も正確に目的地に到達できるというような、バスの革命と言ってもいいようなシステムが導入をされております。 そんなことで、公共交通を再生、活性化するためには、これはやっぱり地域が主体にならないとなかなかできないので、国の支援とともに、自治体、住民、NPO、事業者が一体となってやる気になることが必要でありますから、そういった総合的な計画を策定する仕組みづくりとか、こういった新しい輸送サービスの導入等について具体的にどうお考えになっているか、これは政府参考人で結構でございますので、簡単にお答えいただければと思います。
○政府参考人(宿利正史君) お答えいたします。 今、中島委員から御指摘がありました地域の公共交通の活性化、再生につきましては、御指摘のとおり、地方公共団体やその地域の公共交通事業者、また地域住民といった多様な主体が自らの地域の足の確保、公共交通の在り方についてよく検討していただくと、そういう総合的、計画的な取組が不可欠であるという認識を持っておりまして、どういう仕組みでそれを実現していくか検討しているところでございます。 また、中島委員からお話がありましたLRTやBRTといったシステム、さらには、従来の鉄道、バスと割り切れないようなDMVやあるいはトヨタグループが開発いたしました磁気誘導型の車両なども実用化段階になってきておりますけれども、こういうものの導入を円滑に進めていくための仕組みをどうするかということもきちっと検討して手当てをする必要があると思っております。 いずれにしましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、今、交通政策審議会でこの議論をしておりますが、年内には中間的な取りまとめをしていただいて、それに基づいて必要な措置を、可能であれば十九年度から導入していきたいと、このように考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをいたします。 次に、観光について若干お尋ねをいたしたいと思いますが、日本人の海外旅行客は大体千六百万人の規模でございますね。一方、訪日外国人旅行者というのはやっと六百万人を少し上回ったと、こんなレベルでありますから、三分の一とは言わないまでも二分の一以下、世界の中では三十数位、アジアの中でも七、八位と、こんなことで、国際的大交流の時代にどうも日本は乗り遅れているのではないかと。 小泉前総理の時代に観光立国懇談会というのをつくられて、二〇一〇年には外国人旅行者を一千万人にするという目標を立てられたわけでありまして、安倍総理も予算委員会等で、それを是非実現したいと、こういうことを言っておられるわけであります。 しかし、二〇〇六年は七百万人達するかもしれませんが、あと四年間で一千万人というのはこれはかなり高いハードルではないかと思いますんで、どこか重点化をしていかなきゃならぬと。そうすると、民間における友好、相互理解を深めるという意味でも、中国、韓国などとの交流を拡大することが非常に重要ではないかと考えておりますが、大臣の観光に対するお考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 現在、二〇一〇年の訪日の外国人旅行者数を一千万人とする目標、数値目標を立てまして、日本の観光魅力の発信、日本向け旅行ツアーの造成支援など、いわゆるビジット・ジャパン・キャンペーンというものを官民一体となって推進しているところでございます。 特に、先生も御指摘のように、距離的にも近く、そして経済、文化、これは密接な交流がありまして、また二千年を超える歴史的な交流もある一衣帯水の国、そういうところ、いわゆる韓国、中国ですね、こういうところからの交流をもっともっと拡大していかなければならないというふうに考えているところでございます。 このため、中国につきましては、本年を日中観光交流年と定め、中国各地で訪日のキャンペーンを実施しているほか、将来の訪日のリピーターとなることが期待できる青少年交流あるいは姉妹都市交流というものを推進をいたしております。 この結果、本年一月から八月までの中国からの訪日旅行者数は前年に比べて三割増えております。順調な増加だと思います。今後も、十月末から日中間の航空輸送力の二割増しや、あるいは来年が日中国交正常化三十五周年という佳節を刻むところから日中文化・スポーツ交流年とされています。更なる訪日中国人の増加を図ってまいりたいというふうに思っております。 ちなみに、訪中した日本人の数が二〇〇四年では三百三十四万人、二〇〇五年は三百三十九万人、微増でございますが、訪日の中国人はずっと少なくて六十二万人とか六十五万人というところですから、これを一生懸命増やしていこう、その努力によってこれは増えると思います。 それからまた、韓国についても、昨年八月から羽田—金浦間の国際チャーター便の一日八便化というものが実現をいたしました。それを背景に、一月から八月までの訪日旅行者数は前年に比べて二割増と順調であります。まあ、分母が大きいものですから、この二割は大きいと思います。 本年末には、訪日韓国人旅行者数が史上初の二百万人に達する見込みでありまして、二百万人達成記念キャンペーンの実施や、中国同様、青少年交流の拡大を通じて更なる訪日の韓国人の増加を図ってまいりたいというふうに思っております。 韓国について言いますと、韓国を訪れた日本人は二〇〇四年は二百四十四万人、二〇〇五年も全く同じ二百四十四万人でございましたが、韓国からは四年は百五十九万人、そして五年は百七十五万人という非常に増加をいたしておりますので、何とか頑張って、大変な目標ですが一千万人達成するためにあらゆる努力をしていきたいと、このように思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非、頑張っていただきたいと思います。 ところで、前の国会で観光立国基本法案というのが出されまして、継続審議になっております。これ議員立法でありますから、むしろ政府側に伺うよりは、各委員の御賛成を得て是非早く通していただきたいと、こういうことでありますけれども、我が党のプロジェクトチームの座長として法案を取りまとめられた藤野政務官にこの辺の御見解を伺いたいと思いますが。
○大臣政務官(藤野公孝君) 中島委員には答弁の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。 今委員もお話しのとおり、この観光立国推進基本法案は前国会から継続審議になっております。今お話にありましたように、私は自由民主党の観光基本法改正プロジェクトチームの座長といたしまして、多くの仲間の皆様の御協力を得てこの取りまとめに当たったわけでございます。 御承知のとおり、この法案につきまして、今与野党でいろいろまた今国会における取扱いについて鋭意調整をしていただいていると伺ってはおりますけれども、観光交流の増大、振興によりまして地域の活性化を推進し、また日本の魅力を海外に発信して、我が国が愛される国、尊敬される国になるために大変観光は重要な施策でございます。国の政策の柱となるべきものと思っております。 そういう意味で、この観光立国の推進のために、本法案ができ得れば幅広い理解を得まして今臨時国会内に成立させていただけますように強く御期待を申し上げております。
○中島啓雄君 よろしくお願いをいたします。 それでは、最後に北朝鮮の核実験の関連で海上保安庁に若干お伺いをいたしたいと思います。 十月九日に核実験の報道がなされまして、十月十三日にはその追加制裁措置ということで素早い閣議決定が出されたわけですが、その内容は皆様御承知のとおり、北朝鮮船籍の全面的な入港禁止、それから輸入も全面的な禁止、それから北朝鮮国籍の方の原則入港禁止というようなことでありますが、海上保安庁に一番関係あるのは入港禁止という措置をどう具体的に実効あらしめるかと、こういうことだと思います。なかなか実効あらしめるというのは御苦労も多いことと思いますが、その具体的な考え方について、政府参考人の方からお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(藤井章治君) お答え申し上げます。 海上保安庁におきましては、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律に基づきまして通常は通報があるわけでございますが、このほか当庁の船艇、航空機などの情報もございます。こういった中で、入港しようとする北朝鮮船舶を認知した場合につきましては、無線等の通信手段を用いて警告を行うほか、現場に船艇、航空機等を派遣してまず警告を行うと、さらにまた、この警告に従わず、北朝鮮籍船が入港するといったようなことがございましたら、先ほど申し上げた法律の違反として船長を拿捕すると、そういう活動がなされるものと思っております。
○中島啓雄君 海上テロ対策とか海洋権益の確保等、海上保安庁の体制というのはこれまでにも増して強化を図る必要があります。 ところで、巡視船艇とか航空機とか、かなりもう老朽化して旧式なものになっているということも聞いておりますので、この辺の船艇なり航空機の計画的代替を進める必要があるんだろうと、代替増強を進める必要があるんだろうと、このように考えております。また、その要員についてもやっぱり精鋭をそろえなくちゃならぬと、こういうことだと思いますので、その辺についてもお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(藤井章治君) 当庁の船艇、航空機につきましては、委員御指摘のとおり、老朽化のあるいはまた旧式化の進展ということで諸活動につきまして支障が生ずる場面も多々あるわけでございまして、その解消が必要と考えております。 したがいまして、これから高性能化した巡視船艇、航空機の整備を急ぐ必要があるわけでございまして、こういった老朽、旧式化の進んだ船艇約百二十隻、さらにまた航空機につきましては三十機の代替整備をできるだけ早く計画的に実行したいというふうに考えているところでございまして、本年度予算あるいはまた十七年度予算につきましても所要の措置を講ずるほか、十九年度予算の概算要求においても的確な要求をさせていただいているというところでございます。 また、要員の面につきましても、先ほどのお話がございましたように、テロとか領海警備等で手薄になっている沿岸部の巡視警戒対応、特に二十四時間即応対応という面もございますので、巡視艇の複数クルー化といった面での定員措置を含めまして要員の確保に努めていきたいと、そのように考えております。
○中島啓雄君 是非予算要求でも頑張っていただきたいと思いますし、委員各位にも応援をお願いをしたいと思っています。 最後に、そういう意味で海上保安庁の業務、ますますいろいろ高度化し複雑になってきて重要になってきていると思いますが、その辺についての今後の在り方、大臣の御所見を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 四面を海に囲まれました我が国におきましては、常に海上における安全、安心を維持することが国として基本的な責務であるというふうに考えております。 これを一義的に担う海上保安庁の業務は、テロ対策のほか、海上警備、領海警備、不審船対策、不法入国対策、そして最近、鹿島沖で大型の船が三隻も座礁して、この救難のために昼夜を分かたず多くの保安要員が働いているわけでございますが、大変この救助、広範多岐にわたっております。大変重要な作業だと思います。さらに、加えまして、北朝鮮情勢、それからテロあるいは尖閣諸島ですね、始めとする海洋権益をめぐる情勢を踏まえますと、ますます海上保安庁の業務の重要性が増してきているのは必然であります。 これまで海上保安官の高い士気の下にこういうものについて精力的に取り組んできたわけでありますが、更に業務を確実に遂行するためには、先生御指摘のように、必要な巡視船艇や航空機等の緊急な整備が必要でありますし、それにも増して、今一万二千三百二十四名ですか、でやっておりますけれども、本当にこの尖閣諸島などに行きますと、泊まり込みで朝晩ずっと、昼夜を分かたずやっているわけでございまして、そういうことを考えましても、要員の確保、先生も御指摘のように、これは大変重要なものだと思いますので、私も頑張ってまいりたいと、このように思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございます。
○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。 国土交通委員会は私は初めてでございまして、今までずっと総務委員会の方だったんですが、二年ほど、会場が変わったりしますと、立ち位置が変わると何か随分雰囲気違うなという思いがございまして、ちょっとある意味、いい意味でちょっと緊張もしておるわけなんですが。 国土交通の分野というのは御承知のとおり大変広い分野でございまして、元々、建設、運輸、国土庁、北海道開発庁など、こういったところが一緒になっているという意味で、非常に広い分野だという意味で大変だなという思いもあるんですが、今の世の中、大分価値観が多様化したり、ライフスタイルも変化もしてきているし、社会構造がいろいろ複雑化している中で、昔だったら道路は道路、港湾は港湾ということで、割とその中である程度の議論ができたんだろうと思いますが、最近はもうその辺複雑化していますので、全部横のつながりが非常に強くなってきているので、私なんかもいろいろ施策とかレクをお願いしたりする場合も、恐らく道路の問題を道路局だけでお聞きしても解決が付かないような問題とか出てくるんじゃないかなというふうに思っておりまして、大臣におかれましては、この総合的にすべてをというのは大変、非常に幅広い分野で総合的な専門性を持つというのはなかなか大変なんだろうなというふうに思っておりますが、是非ともよろしく頑張っていただければというふうに思います。 それでまた、大臣におかれましては、国土交通大臣という名前の横に観光立国担当大臣という、きっと観光をこれから推進していこうという、そういう意思が感じられるネーミングになっているわけでございますので、今日も観光について重点的にお聞きしようというふうには思っておりますが、その前に、この前の大臣の発言ですね、いわゆる所信といいますか、それに対しまして、少し別の分野につきましても、私もまだ不勉強で分からない点が幾つかあるものですから、お聞きしたいというふうに思っております。 この前の、二十四日の大臣発言の中で、主に第二というところと第三、つまり第二というのは、国際競争力の強化という点での物流の面と観光、いわゆる人の流れといいますか交流、人流といいますか、その分野についての部分と、あとは、第三というのは都市再生、地域再生、これは非常に連関しているところだと思いますが、この部分について少し不明確な点とか、抽象的でちょっと私としては理解が、いろんな理解ができそうだなというようなところにつきまして、ちょっと確認も含めましてお聞きしたいと思いますが。 まず、この第二というところで、我が国の成長戦略の基本となる国際競争力の強化については、アジア地域の経済の一体化を踏まえ云々、で、アジア・ゲートウエーとなる港湾、空港、アクセス道路、鉄道網などという表現があったんですが、このアジア地域の経済の一体化を踏まえという、これが前提になっていると思いますが、このアジア地域の経済の一体化というのはどういうことをおっしゃっているのか、ちょっとそこの辺り、私なりの解釈はあるんですが、それと違ったらいけないと思いまして、まずちょっと前提でお聞きしたいと思います。お願いします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 近年、中国を始めとした東アジア地域は、生産拠点あるいは消費市場として急速な経済発展を遂げております。一方、我が国は少子高齢化というものが進んでおりまして、人口減少社会というものが始まっているわけでございます。こういうことが今後も、いろいろ改善努力はいたしますが、続いていくということを考えますと、消費というものも人口の減少に伴って縮小するわけですし、生産というものも縮小するわけでございます。 そういう意味で経済成長戦略大綱というものを閣議決定いたしましたが、その中に、いわゆるアジアとの一体ということが一つのキーワードになるわけでございます。日本の生産人口が縮小する、そういうものを水平分担するためにアジアの地域で生産をしていただく、そしてまた消費も、人口が減るわけでございますが、何といっても大陸には十二億、十三億という大きな人口を抱えた消費市場も存在するわけであります。したがいまして、そういうものを取り入れた、日本のこの小さな国土だけで考えるんではなしに、この広大な東アジアという地域を踏まえて生産も消費も一体化していけば、日本の人口減少という、あるいは高齢という事態を踏まえましても、なお今後持続的な経済成長を遂げていくことはできるという考え方に立っているわけであります。 そうしますと、四面環海、いつも言うんですけれども、海に囲まれた日本がアジアと一体となるためには、すべての、人も物も金も海を越えてこなければなりません。そういう意味で、アジア・ゲートウエーといいますか、ここをシームレスにつなぐというようなものも、全部海を渡ってくるわけでございまして、貿易の量から考えますと、九九・七%が外洋、外航船舶に頼っているわけです。そうしますと、それが接岸する港湾、国際港湾というものの整備が急がれますし、国際港湾から生産、日本国内の生産拠点とかあるいは消費拠点までの道路のネットワークというものも広げていかなければならない。こういうことを私は考えまして、ここに言うようなアジア経済の一体化を踏まえて、アジアのゲートウエーとなる港湾、空港、アクセス道路、鉄道網などソフト面云々ということを述べたわけでございます。 ちなみに、物流においても、全輸出額に占める東アジア地域の割合はこの二十年で一五・四%から二五・五%、急激に拡大しているわけでございます。また、我が国との関係におきまして、近年、東アジアからの急速な発展に併せまして、我が国最大の貿易相手国は米国を抜いて中国となりまして、また二〇〇五年の我が国の全貿易額に占める東アジアの貿易額の割合はもう四〇%になっております。そういうことを考えますと、先ほど私が述べましたこのアジアとの一体ということが御理解いただけると思うわけでございます。 そういう意味で、港湾とか空港の整備、そして道路網の整備が必要だということを申し上げているわけであります。
○藤本祐司君 ありがとうございます。 非常に分かりやすい部分だと思いますが、ただ一方で、言葉としてなんですが、まあ言葉じりをとらえるわけではないんですが、経済のソフト化、サービス化に並んで経済のグローバル化という言葉ももう二十年ぐらい前からずっと使われていまして、経済がグローバル化している。つまり、アジアというだけではなくて、もう世界じゅうとのつながりの中で経済が、活動が動いているわけでして、ただそうはいっても、やはり距離的な近接性であるとかそういうところを考えると、アジア経済というか、ブロック的に、アジアブロックといいますか、その中でまた一つのまとまりがあるというような意味合いからアジアが一つだというお話があると思うんですが、ただ、今大臣の御答弁の中で繰り返し言われていたのは、東アジアというお話があったわけなんですけれどもね。 だから、アジアというよりは、むしろその一つのブロック経済というのが、今の現状を考えると、むしろその中の東アジアが一つの経済が一体化しているものであって、アジア全体というところまでまだ至っていないというような感じも今の御答弁からだと解釈もできるのかなというふうには思っておりますが、その辺り、この東アジアというところでもう少しブロックを小さめに考えてもいいんでしょうか。どちらの方がよろしいんでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) アジアでございますが、私は頭の中には韓国、中国というのが物すごく観光立国と連動いたしまして、先ほど中島委員からも御指摘ありましたように、これから三百万人を超える来客を日本にお呼びするためには、やっぱり大口得意先は中国、韓国かなという感じがあるもんですから東アジアという表現になりましたが、そう矮小化することはなく、やはり東南アジア全体を含め、もっと広くはアメリカ、何といってもやっぱり中国に次いでアメリカが大口得意先でございます。 そういうことも考えなきゃいけませんけれども、今アジアとの一体化と言ったときには今申し上げたような趣旨を含んでおりまして、生産拠点を水平に、日本の製品をアジアで作っていただく、あるいは日本で作られた商品をアジアで消費していただくというようなことで日本の経済成長を図っていきたいと、こういうことでございます。
○藤本祐司君 多分、国土交通省の関連でいうと港湾とか空港とかというところがインフラの部分で非常にかかわってくると思うんですが、経済ということになれば、当然国土交通省だけの問題ではなくて、産業政策だとかそういったところとの連携ということが非常に重要になってくる、その中での国際競争力ということになってくるんだろうと思いますが。 ちょっと国際競争力の意味合いなんですが、アジアが一つと、一体になってますよと、アジアの中での生産あるいは消費というところも一つの一体化されているものなんですが、国際競争力に打ちかつというのは、アジアの中での競争になるものなのか、あるいはもうアジア対あるいはほかの地域、ブロックというような意味合いでのここの国際競争力の強化というのを使われているのか、どちらで解釈したらよろしいんでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) これは、やはり全世界を相手の競争が物すごくあるわけでありまして、アメリカを中心とする市場、あるいはEU、ヨーロッパを中心とする市場、そしてまたこのアジア、そういうところの中で激しい競争が行われているわけで、その中で勝ち抜いていくためには、今言ったような、日本は今までと違いまして少子高齢社会というものが物すごく進んでおります。そのままほっておけば、日本の狭い国土の中だけで考えておれば、これはやはり縮小していかざるを得ないことになると思うわけであります。 したがいまして、もちろん労働生産性を上げるとか、いろんな科学技術を振興するとかいうことももちろん一つ大事ではございますけれども、この近隣の諸国と、アジアと一体になって我が国の国際競争力を強める、強力にするということをねらっていかなければならないと思います。
○藤本祐司君 現状では、その物流構造、世界的な物流構造の中のアジアが占める位置付けというのと、もう一つアジアの中、アジアの中での日本の、港湾に限って言えば外貿港湾、外貿のコンテナの取扱貨物量だとか、そういうところから見た場合に、世界の中のアジア、アジアの中の日本の、その物流の中での構造上のポジショニングといいますか、それは今、現状どういうようになっているのか、あるいはそれをどういうふうに展開をしていくことによって国際競争力のある港湾機能といいますかね、そういうものにしていこうと思われているのか、教えてください。
○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。 アジアの諸国の各港のコンテナ取扱いというのは急激に増加しております。例えば上海港におけるコンテナ取扱量は、一九九四年、百十三万個でございました。それが、十年後の二〇〇四年には千五百万個というふうに約十三倍となっております。非常に目をみはるものがございます。 一方、我が国の港湾の取扱量でございますけれども、十年間で全国で一・五倍となって増大はしております。しかしながら、日本を除くアジア諸国で見ますと、この十年で約五倍というふうに我が国を上回る大きな伸びを示しております。 このような上昇におきまして、アジア域内における我が国港湾のコンテナ取扱いのシェアは減少しておりまして、我が国港湾の相対的地位は低下しております。
○藤本祐司君 恐らく物流量というのが膨大に増えて増加をしてきている中で、相対的にはやっぱりポジションとしては下がっているのかなというふうに思うんですが。 阪神・淡路の大震災があった直後、神戸、大阪の部分が釜山に移ったりとかそういう話があったかと思うんですが、それ以降、特に神戸、大阪、ここの取扱量といいますか、その辺は、今の現状、震災前と今とで比較するとどのぐらいまでカバーをしてきたというか、取り戻されてきているのか、それはシェアにするとどのくらいになっているのか、あるいは量についてどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中尾成邦君) お答えします。 神戸の例でございますけれども、神戸の例で、一九八〇年、これは震災前、大分前でございますけれども、そのときは百四十五万個扱っておりました。これは世界でいいますと四番目の地位でございました。それが、二〇〇五年でございますけれども、若干伸びておりまして、二百二十万個余りを取り扱っております。しかし、その地位といいますか、ランキングでいきますと三十二位というふうに非常に低下しておるということでございます。
○藤本祐司君 神戸の例をいただきましたが、先ほど、その前の質問で日本の物流における拠点性というのが随分全体としては低くなったというお話なんですが、その辺、何でそうなっているのかという原因というのはどのように分析されているんでしょうか。理由ですよね。
○政府参考人(中尾成邦君) 一つは、日本の港湾、物流コストと、あとサービスの面で若干劣っていたんじゃないかと思っております。 コストという面では、近隣の諸港、釜山とかあるいはカオシュン、高雄、台湾ですね、あそこの港と日本の東京港を比べますと、港湾コストでいきますと一・五倍ほど高いという状況でございました。 それともう一つ、サービスの面。一つの指標でございますけれども、港に滞留する貨物の時間です。時間で計ってみますと、日本の港湾の場合、三日ぐらい掛かっておったと。しかしながら、シンガポールとかアメリカの港を見てみますと一日で済んでおるということがございました。 そのため、いろいろなことをやりまして、できるだけそのような諸外国の港に負けない港を造ろうということで今やっております。
○藤本祐司君 いろんな施策を今の課題を克服するためにやられると思いますけれども、主にどういうところの施策を重点的に考えていらっしゃるのか。港湾機能のレベルアップということになるんだろうと思いますけれども、そこについて、全部とは言いませんが、重点的なものだけお願いします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) シームレスな物流ということを言ったと思うんですが、これは物を輸送する際にいろんな障害が存在いたします、通関とか検査とかいろんな書類の。そういう時間の間、先ほど局長が答弁しましたように港で荷物が滞留するわけですね。そういうものをなくしていこうということが一つです。それは、だから国際、国内の物流がスムーズにつながる、障害をできるだけ少なくしていくということが一つです。 それからもう一つは、陸海空といういろんな各輸送モードがスムーズに連携するということがあります。例えば、韓国の国内を、一つのシャーシと言いますが、その上にコンテナを載せていると。そのシャーシをそのまま船に載せる。そして、日本の港に着いたらそのまま、そのシャーシのまま引っ張って消費地まで持っていく。こういうことにすれば、一度荷物を積み替えるという二回の作業がこれ始末できるわけでございます。大変便利です。 そういう意味で、これはこういうことを進めようということを日韓の間でも今ずっと協議やっているわけで、技術的にできると思うんですが、そういうことが大事だし、それから日本の港へ着いてから消費地までどれぐらい、高速道路がもう渋滞したりするとそれだけでも時間が物すごい取ってしまうわけでございますから、そういう港から拠点までのネットワーク、それをどう合理的に短縮していくかという投資が必要になってくるわけであります。そういうことをシームレスというふうに呼んでいます。
○藤本祐司君 今の御説明で分かりましたが、何で今までそういうことをやってこなかったのかなという方が、逆に言うと、ちょっと逆に私としては不思議に思えてしようがない。ほかのところでやっているところに、それこそ海に囲まれた日本で港湾というのは物すごい重要なところだったのに、そういった基本的なところができてなかった理由というのも逆にお聞きしたいぐらいだなというふうに思いますが、ちょっと時間の関係もありますので、物流についてはこの程度にさせていただいて、その後、第二の地域経済の活性化、我が国のソフトパワー強化の観点から云々の観光立国というところについてお聞きしたいと思います。 国際競争力のある観光地というのを、ここのちょっとイメージがどうも多分共通イメージがわきにくいなというところがあるんですが、これは専らいわゆる国際観光、つまり特にインバウンドの訪日外客、外国人訪問客というんでしょうかね、を意識してのことなんだろうと思いますが、国際競争力のある観光というのはどういうことを言われているんでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) これはやはり日本の文化、伝統、自然、歴史というような魅力、これを世界に知っていただくということが大事だと思います。 日本にはもう二千年を超える歴史がありますし、アメリカが、一七七六年ですかね、独立宣言。そういうことを考えると、日本のドジョウ屋さんが一七七六年に開業しているんですね。それぐらい古い日本の国柄でございますから、そういう魅力は物すごくあると思うんです。それに伴ういろいろな町の催物、お祭りというようなものがあります。自然も、本当に海に囲まれ、そして国土の七割以上が森林に囲まれたところでありますし、そしてまた南北に長い日本の国土というものは四季折々が本当にきれいにその土地柄がありますし、温泉もあります。 そういうことを考えますと、それを、そういうものを、魅力を世界に発信するということ、これが非常に大事だと思います。これは世界に知っていただければ尊敬され、愛される国づくりというものは必ずできるし、それは魅力があると思います。 それからまた、観光地づくりということも知恵と工夫を絞らなければならないと思います。交流人口を増やすためには、魅力のある地方をつくっていかなければならないというふうに思います。地方にはすばらしい食材、あるいはそれに基づく食文化もありますし、そこでしか取れない産物もあるわけでございます。そういうものが魅力ある観光地、魅力あるそういうものをつくっていく、私はそのように思っておりまして、こういうことをよく知っていただく、そのために、例えば今まで昔はたくさんあったんだけれども今はこれが余り意識されないというものを、ルネサンス、もう一度再生するという作業もあると思います。また、そういうものについての取組についての国の支援ということを通じて魅力ある観光地というものをつくっていけると思います。 戦略的な日本ブランドの発信という意味ではいろんな視点がありまして、トップセールスを実施するとか、海外で開催される旅行博への出展をするとか、あるいは海外メディアの招請による我が国の観光魅力の広報宣伝活動を行うとか、海外の旅行会社の招請による訪日旅行商品の造成を支援するとかいうようないろいろな問題があるし、また青少年交流という意味で教育旅行の受入れの促進、あるいはもちろん国際会議、イベントというものを一・五倍やっていこうというような取組もやっているわけでございますし、そういうことを通じて先生御指摘のような魅力ある、観光について魅力というものを発信していけることができるんじゃないかというふうに思っています。
○藤本祐司君 確かに、国の魅力をどう発信するかということが非常に重要なんだろうというふうに思いますが、先ほど中島委員の方からも御指摘ありましたように、インバウンドとアウトバウンドの差が非常に大きいと。日本人の外国へ旅行する人が一千六百万から一千七百万、それに対して、最近増えてきておりますが六百万から七百万人のインバウンドがあって、その差があるということで、その差は大分縮まってはきているものの、まだまだ大きいものであるという認識、現実なんだろうというふうに思いますが、どうしてこういうインバウンドとアウトバウンドの差があったのかと。そこの原因が分かっていないと、その原因を埋めていくというのが恐らく政策、戦略になってくるんだろうと思いますが。 インバウンドというのは、そもそも何を表して、何を表しているかというか、要するにインバウンドの多い国というのはどういう国なのか、あるいはもう一つは、逆にアウトバウンドが多い国というのはどういう国なのか。どういう国がアウトバウンドが多くて、どういう国がインバウンドが多いのか。逆にどういう国が少ないかということにもつながるんですが、その差の原因といいますかね、それぞれの理由というか、そこはどのように認識されているんでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) 二〇〇五年時点におきまして、いわゆるアウトバウンドでございますが、日本人の海外旅行者数は一千七百四十万人でございます。これに対しまして、訪日外国人旅行者数、インバウンドと申しておりますが、六百七十三万人ということで、この差は一千六十八万というふうになってございます。それで、一九八〇年代前半まではこの差が二百万人台ということでございました。その後二〇〇〇年までの間、バブルの時期も含めまして一千万人という台に拡大したということでございます。 それで、このインバウンドとアウトバウンドという関係でございますが、インバウンドが大変多い国を一つ見ますと、近隣諸国から大変たくさんの方々が来ておられるところが多うございます。例えば、スペインでございますとかフランスでございますとかイタリアでございますとか、そういう感じでございます。また、アウトバウンドが多いところは、やはりどちらかといいますと経済的に豊かなところという感じの印象を持っておりますし、実態的にもそういうふうになっているというふうに思います。 したがいまして、このインバウンドとアウトバウンドの関係というのは、近隣諸国の経済発展とかそういうものというものにかなりの程度影響されている部分がございます。また、円レートといいますか、為替レートの関係というのも影響してまいります。 そういう中で、現在、近隣諸国、中国でございますとか韓国でございますとか、アジア地域、こういったところで大きな発展が見えているところでございますので、そういう意味では、インバウンドを強化するという意味でも絶好のチャンスではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
○藤本祐司君 ちょっと質問するつもりなかったんですけれども、今のことでちょっとお聞きしたいんですが、イタリア、スペイン、フランスが多いなという話、まあ地続きだということもあるんだろうと思いますが、そうすると、はあ、なるほどなというふうに思うんですが、じゃドイツは何で逆になっているんでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) これはちょっと国民特性というふうに、私なんかはヨーロッパに住んでいたこともございましてありまして、ドイツの方は大変旅行が好きでございまして、ヨーロッパに行かれると、本当にトレーラーを引っ張ってヨーロッパじゅうを旅行しておられます。そういう方々がアジアにも来られているということで、若干そういう部分もあるのかなというふうには思っておりますが、それだけで分析が足りているかどうかについては、ちょっと私も自信がございません。申し訳ございません。
○藤本祐司君 じゃ、スペインは余り好きじゃないのかなという気もしますけれども、そういう意味でいきますと。 為替レートの話がありましたが、逆に、じゃ日本の円の問題ということを多分言われたいのかなというふうに思いますけれども、スイス、スイス・フランで非常に強かった。スイスは非常に物価が高い。だけども、非常にインバウンドのお客様が多いというのはどういう説明ができますでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) いわゆるマーケットの、何といいますか、状況だけではなくて、そこにいかにして魅力ある、まさしく国際競争力のある観光地づくりをするか、魅力ある観光地づくりをするかということが影響しておりまして、安いばかりがいいわけではないというふうに思います。いわゆる割安感といいますか、そのお金に、金額に見合った魅力をいかに提供できるかということも一つの大きな要素でございます。 そういう意味で、私ども、ビジット・ジャパン・キャンペーンと併せまして、観光立国推進という中で、国際競争力のある、魅力のある観光地を、もちろんこれは外国の方だけではなくて日本の方々が楽しんでいただけるという意味でも国際競争力のある観光地というのをつくっていかなくてはいけないと、こういうふうに考えておりまして、その面につきましても私どもとして鋭意努力をしている次第でございます。
○藤本祐司君 そのとおりだと思います。やはり魅力あるものをどうつくっていくのかということで、スイスなどはなかなかほかの周りにも体験できないような何かがあるということなんだろうと思いますので、そういう意味で日本も、国際競争力って、魅力魅力というふうに言われているんですが、恐らくほかの国、例えば中国をターゲットとしている、韓国をターゲットとするのであれば、韓国や中国と違ったものが日本にあるということがやはり一番重要なんだろうなというふうに思いますし、先ほど歴史は二千年というふうに言われましたが、木の文化と石の文化の違いはありますので、二千年前の建物が残っているという、町が残っているというのはなかなか日本の場合難しいわけなんですが、ただ、それ以外の文化とか伝統というのが非常に日本の場合は残してあるところもあるし、もうスクラップ・アンド・ビルドで全部ぶっ壊してしまったところもあるし、その辺りの差というのが魅力というところに影響してくるんだろうなというふうに思いますので、まず魅力のないところには、幾ら来てください来てくださいと言ったところで、人が来ないというふうに私は思っております。例えば、自分が家を新築したとしても、みんなに褒めてもらえるような家でなかったらば、来てくださいとはまず言わないし、行っても何だと思ってまた二度とは来てくれないという。 先ほどリピーターというお話がありましたので、正に観光地をどう魅力付けをしていくのかというのが最も重要なことだというふうに私は思っておりますが、ただ、このビジット・ジャパン・キャンペーンについて言えば、一千万人という数字の目標値だけをまず見てしまって、一千万人さえ来ればいいのかということにとらわれやすいちょっと表現ぶりになっている部分があるので、ちょっとそこのところは気を付けていかないといけないかなというふうには思っております。 この前の大臣の発言の中で、第二にというところの我が国のソフトパワー強化の観点から、観光立国を推進しという表現がありますが、このソフトパワーの強化ということと観光立国というのをどう読み替えればいいのかなと。要するに、ソフトパワーをどう観光と結び付けていいのかなと私なりに勝手に解釈をすると、地域の魅力向上という点から、地域の魅力向上の観点から観光立国を推進しと読み替えていいのかどうか、ちょっとそこ、いわゆるソフトパワー強化というところと観光立国との関連性というのを、ちょっと魅力ということと多分合わせて私は考えてしまったんですが、そこの解釈をちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) このソフトパワーという、ハードの部分とソフトの部分があるわけですが、ハードの部分につきましては、その地域がそのまちづくり、きれいなまちづくりをするために我々の方も、国としてもそれを支援していくとか、あるいは地方自治体ですね、公共団体がそういうものをやる場合にも、こういうものについていろいろな、我々の方からソフトの面でこういうふうにしたらいいんじゃないかということを助言をできるというような面があると思います。 それともう一つは、具体的には、国や地域によって差はもちろんありますけれども、団体旅行から個人の旅行へ移行する、旅行市場の変化というものが見られるわけです。成熟してきますと、最初は団体ですけれども、そのうちにもう一度あそこをもっともっと詳しく見たいとか、自分たち夫婦だけで例えば車で行ってみたいというような人たちが出てきつつあるわけです。例えば、台湾地域の人たちはそういうもうニーズに変わりつつあります。そういうものに的確に対応した事業展開をしていくというソフト。あるいはリピーターですね、もう一度行ってやろうという人を目的とした新たな観光魅力の発信をする。あるいは本年七月に開催をいたしました日中韓観光大臣会合というものが北海道で行われました。前大臣の北側さんのときでございますけれども、日中韓三国で共同の観光交流拡大をやろうではないかというような取組が合意をされました。 それから、国際会議、国際文化、スポーツイベント、そういうものを誘致する、それを通じてビジネス訪日旅行というものが促進されることになります。ですから、新たな訪日旅行需要というものを創出し、また拡大し、そしてこれの目標を立てて達成をしていくというソフトの面、それから、そこへ来ていただく魅力をつくるハードの面、両方が必要だと思っております。
○藤本祐司君 ここのところでビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化というお話があるわけなんですけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンそもそもの目的、まあ幾つか、三つほどあったかと思うんですが、このビジット・ジャパン・キャンペーンの目的というのは、ただ単に数を増やすということだけなのか、あるいは何かもっと奥深い目的があったのかというふうに私は思っているんですが、この目的についてお聞きできますでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) ビジット・ジャパン・キャンペーンを展開する前の段階で、観光立国懇談会というのを開催させていただきまして、その中でのキーワード、一言で申し上げますと、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」ということでございまして、このビジット・ジャパン・キャンペーンで外国から来ていただくということで、いわゆる広告宣伝的なものがございますが、それだけではなくて、日本の魅力をいかにつくり上げ、それを海外に発信するかということ、そして住んでいる我々日本人が、ここは大変いいところだと、是非外国の方にも来ていただきたい、周辺の地域の方、それから国内の方にも来ていただきたい、こういうことが基本でございまして、それを踏まえまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンというのは、対外的に活動している部分をビジット・ジャパン・キャンペーンというふうに呼んでございます。 したがいまして、トータルとしては観光立国の推進というのが考え方でございまして、その考え方の基本は「住んでよし、訪れてよしの国づくり」というふうに考えてございます。
○藤本祐司君 もうちょっと具体的に教えていただきたいんですが、日本をいいなと思ってもらうということでしょうか。ただそれだけですか。経済効果というのを当然ねらっているんだろうと思うんですが、ビジット・ジャパン・キャンペーン、もうちょっとかみ砕いた目的をお願いします。
○政府参考人(柴田耕介君) もちろん、経済効果ということ、そして人的交流の拡大を通じた地域の活性化と、こういうのを考えてございます。ただ、数値目標として設定いたしておりますのは海外からの訪日旅行者一千万人ということでございまして、それ以外については特に数値目標というのは今までは設定をしておりませんでした。 ただ、今回、国際会議、これの誘致件数を五年間で五割増にしようというような数値目標というのを立ててきておりまして、こういう形で具体的な数値目標を立てていろいろ取り組んでいくということも大変な重要なことではあろうかと。特に官民、そして国、地方が連携して事業を推進する上ではこういう数値目標を立てるということも重要だというふうに思ってございますが、今のところ数値目標として持っているのはそういうところ。それから、先ほど大臣から申し上げましたが、学校交流の関係で数値目標を設定しているというのがございます。
○藤本祐司君 一般的に言うと、国際観光の目的というのは、相互交流であったり相互理解であったり、あるいは経済効果であったり、あるいは外から人を呼んでくるという意味では、国際観光に限らず、観光というのは地域の活性化、地方の活性化という、この辺りが目標、目的になってくるんだろうというふうには私は理解しておったんですけれども、恐らく今の回答の中にはそういう意味を含めてと、取りあえず今の段階では理解をしておきますけれども。 経済効果ということもやはり重要なポイントなんでしょうね、これからの経済活動ということで考えると。観光産業というんですか、観光という、関連産業含めてなんですが、の中で国際観光というのは大体どのぐらいのパーセントというのか、金額でもいいんですけれども、を占めているものなんでしょう、現状で。
○政府参考人(柴田耕介君) 観光産業は、旅行業や宿泊業のほか、運輸業や土産品を含む物品販売業など、大変幅広い、すそ野の広い産業でございます。 この観光産業の規模につきましては、従来より旅行・観光消費動向調査に基づきまして旅行消費額を推定しておりまして、平成十六年度で二十四・五兆円というふうになっております。また、波及効果を含めましたGDPベースでの効果は二十九・七兆円ということでございまして、我が国のGDPの五・九%を占めてございます。 それで、国内の、先ほど申し上げました旅行消費額のうち訪日外国人旅行の関係でございますが、これは一・六兆円、トータルが先ほど申し上げました二十四・五兆円でございますが、訪日外国人の金額は一・六兆円ということでございます。
○藤本祐司君 二十四・五兆円のうちの一・六兆円というと、まだまだ規模としては非常に小さいものだと、シェアとして、割合としては非常に小さいものなのかなというふうに思いますが。 この観光というのは、御承知のとおり人手の産業ですので、多分雇用機会の創出というのが更にこれ含まれてくるというのかなというふうに思いますが、この二十五兆円というのは、ほかの産業で考えると、例えば自動車産業が何兆円でというか、どのぐらいに匹敵するものなんでしょうかね。
○政府参考人(柴田耕介君) 食料品産業というのがこの二十四・五兆円に大体匹敵するものでございまして、輸送用機械、自動車を含むものでございますが、これの若干、これよりは少ないという感じでございます。 具体的な数字をちょっと持っておりませんが、イメージとして申し上げますと、自動車産業を含む輸送用機械、これよりは小さくて、いわゆる食料品産業よりは大きいと、こういうふうに御理解いただければと思います。
○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございます。 恐らく経済効果だけを考えていけば、一千万人ということだけではなくて、やはりある程度消費をしてくださる方々に来ていただくということも必要なんだろうというふうに思いますが、ちょっと現場とかいろんなところに聞いてみますと、かなり数が来ても、来ても来てももうからないというような話もあるぐらいで、やはりコストの面も考えていかないといけないのかなというふうに思うんですが。要するに、インバウンドが増えたといっても、そのコストの関連で結構マイナスになっているところがあったりするというふうに思っておりますが、国交省としてその辺りの問題点というのはどうとらえていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) マーケットに応じまして、大変富裕層が旅行していただいている国もございますれば、まだ安いというか、安いツアーを利用している方。これ若干意外な感があるんでございますが、最近はアニメとか漫画とか、こういうものに対する関心を持っておられる欧米の方もおられまして、極端な例は、飛行機で来て降りて、成田から秋葉原に行って物を買って、そのまま帰ってしまう、泊まらないで帰ってしまうというようなツアーもあるように聞いております。 逆に、中国なんかはまだまだ消費額なんかも少ないんではないかというお話を一部で聞きますし、そういうのも実態としては多うございますが、大変たくさんの買物をされる。今、日本で一番お土産を買って帰られる金額の多いのは中国の方だという話もございまして、マーケットの発展状況とか、そういうことによっていろいろ変化はございます。ただ、例えば中国のマーケットについては、全般的な感じから見ますと、宿泊施設とかそういうものはどちらかというと安いものをお好みであると、そういうような状況があろうかというふうに考えてございます。
○藤本祐司君 この間、事前に少しレクをしてお聞きしたんですが、このビジット・ジャパン・キャンペーンの目的というか、これ観光全体の目的の一つなんだと思いますけれども、地方の活性化、地域活性化ということがあるんだろうと思いますし、またビジット・ジャパン・キャンペーン自体もそれが一つの目的になっているというふうに私は承知しておるんですけれども、実際にこれがどの程度地域の活性化、地方の活性化ですね。比較的、私どもが二十年前、三十年前のことを考えれば、今の中国、韓国、台湾が今の旅行のニーズというのはそれに近いものがあるのかなというふうに思うんですが、比較的有名どころといいますか、例えば日本でいえば東京とか京都とか奈良とか、割とそういうところとか、場所によっては台湾が北海道に行くとか東北に行くとか、あるいは韓国が九州でゴルフやるとか、いろいろのパターンはあるんだろうと思いますが。全般としてやはり東京の訪問が多いとか、京都とか、そういう有名なところが多いとなると、もっともっとせっかくいい資源があっても、なかなか売れない地方の都市とか地方の農村部とか、そういうところまで多分、まだ国際観光の面ではそこまでは多分いってないんじゃないかなというふうに思っているんですが。 これ本当に地方の活性化に役立っているのか、あるいは将来的には役立つということで今それを種をまいているという考え方を持っているのか、ちょっとその地方活性化という点でお聞きしたいと思うんですが。
○政府参考人(柴田耕介君) 先生からも具体的な地域の名前がございましたが、全般的な私どもの見方といたしまして、各都道府県、各市町村等々の首長さん等々とお会いしますと、この観光立国の推進ということで大変地域が活性化しているというお話を耳にする機会が大変多うございます。 そういう意味で、まだまだ十分にあらゆる地域というわけにはいきません。しかしながら、頑張っている地域についてはそれなりの成果を上げて地域活性化に大いに貢献しているものと、こういうふうに見ている次第でございます。
○藤本祐司君 分かりました。これからの話だろうというふうに思いますが。 冬柴大臣のこの発言の中で、ビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化という言葉があるんですよね。これ強化と、ちょっと別に揚げ足取るわけじゃないんですけれども、強化、高度化って何か使い分けをされているんですか。強化というのと高度化というのはどう違うものかなという、どちらでもいいのかなと思ったんですけれども、何か意図があるのであれば教えていただきたい。別に意図がなくて気分で書いたというんであれば、それはそれで構わないんですけれども。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 特段立て分ける意味はありませんが、感じを受け取っていただければ有り難いと思います。
○藤本祐司君 分かりました。 それで、ここのところで、先ほど来からも国際会議の誘致というのをしきりにおっしゃっていて、五割増しだという話があるんですが、これなぜ国際会議というのを、国際会議という定義が多分あるんだろうと思うんですが、もうちょっと広い意味での国際コンベンションだとか、そういうことではないという何かそこの理由があるのか、もしあれば教えていただきたいなと思うんですが。
○政府参考人(柴田耕介君) 私ども、ビジット・ジャパン・キャンペーンをやる中で、一般の旅行客以外にビジネス客を含めた外国人旅行者の誘致を図るというのが大変重要だなということで、今年の三月から検討会を設けまして、関係省庁それから関係団体を集めまして議論を進めてまいりました。この十月十三日に連絡協議会というのを設けて、これを強力に推進していこうというふうにしております。 その中には、国際会議だけではなくて、国際的にはMICEという言葉がございます。ミーティング、インセンティブツアー、そしてCがコンベンション、コングレス、そしてエキシビションと、展示会ですね、こういうものを含んだ概念でございますが、こういうものを強化していくべきだというふうに考えてございますが、数値目標で国際比較が簡単にできるのが大規模な国際会議ということでございまして、そういう意味でその代表的なものとして国際会議というのを言っているわけでございまして、私どもとしては、先ほど先生がおっしゃったようなことも含めまして幅広く取組を進めていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○藤本祐司君 分かりました。国際会議等ということになるんでしょうね、そういう意味ではね。多分、メッセとかインセンティブツアーとか、そういうものも含めたりという、スポーツイベントとか文化イベントとか、それなんかも全部入ってくるかなと思いますが、国際観光についてまだまだ聞きたいんですが、ひとつ最後にします。 都市再生、地域再生の方もいらっしゃっていただいて準備をされていると思いますので、最後にひとつお聞きしたいんですが、物事には光と影がありまして、外国人訪問客をただたくさん来ればいいという、必ずしもメリットだけではないと、デメリットというのも、必ずそこには課題、問題点というのが出てくるんだろうと思いますが。 最近ここ、四百万人ぐらいから、ここ数年間で五百、六百、七百万人に近くなって、まあ今年は恐らく、去年の愛知博があったんで去年がピークで、今年落ちなきゃいいなと思っていたんで、まあ比較的順調な伸びをされているようでして七百万を超え、このまま行けば七百万を超えるという状況なようですが、外国人訪問客が増加することでやはり新たな問題点というのも発生するんじゃないかと、あるいはもう既に発生しているんではないかなというふうに思うんですが、そこに関してどういう課題が発生して、それに対してどういう対応をお考えになっているのか、大臣の御所見いただきたいと思いますが。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 正にお説のとおりでございまして、地域の活性化に寄与するという面はもちろんあるわけですけれども、例えばごみの問題というようなものを一つとらえますと、そういう面でのマイナスがあることはもう確かでございます。しかし、そういうようなものを解消を図りながら観光振興を進めるということが重要だというふうな認識でいるわけであります。 例えば、世界遺産登録されている屋久島でございますが、そういうところの山岳地域利用の課題の一つとして、登山者というのか来訪者のし尿の処理ということが非常な重要な問題になっております。これについては、観光協会が中心となりまして、屋久島の山岳トイレにおいて、人力、背中に背負ってし尿を試験的に外へ排出して、自然を壊さないようにするという努力がされているわけでございます。 これは、人が来れば、当然の生理現象でございますから、そういうことにも取り組んでいかなきゃならない。こういう振興策を百取りまとめまして、そして全国の他の地域にも広めるために、インターネットで広くそういう内容、努力の内容とかその負の面をどう克服していったかというような、そういうものを公表しているところでございます。 和歌山県の田辺市では、世界遺産観光の負の部分を解消して熊野古道というものを美しくしようということで、地元のボランティアが熊野川流域に植栽をする、木を植えるとか、あるいは景観整備にいろんな面で努めるというようなこと、マイナス面を取り除くとともにプラスの面を付け加えて、歴史的、文化的遺産の保存や維持に向けて積極的に取り組んでいこうというものについてもこれは支援していかなきゃいけないというふうに思っています。 引き続き、観光が地域に与えるおそれのある環境への負荷、マイナス面ですね、適切に配慮しながら、観光ルネサンス、地域の再生ということの事業の一層の活用を図るとともに、市町村によるまちづくり交付金というのがあります、こういうものを利用、活用しながら、関係省庁とも連携しつつ、地域の活性化というものを目指して、官民一体となって、魅力のある観光づくり、そしてその負の部分の処理、こういうことを併せてやっていきたい、このように考えております。
○藤本祐司君 ありがとうございます。 そろそろ、今の世界遺産のお話もありましたし、今、望月副大臣もいらっしゃいますが、富士山、私も静岡県でございます、その富士山の問題も、ごみの問題とかし尿処理の問題とかもういろいろあろうかと思いまして、なかなか難しい問題が多いなというふうには思っておりますが、そろそろ、人をただ単にたくさん呼んでくるということだけではなくて、エコツーリズムなんかに代表されるように、ある程度これは規制を掛けていくという部分というのも、本来の質の高い観光地づくり、あるいは質の高い観光行動といいますか、そういうものをやるためには必要なんじゃないかなと、そういう時期がそろそろ来ているんではないかなというふうに思っています。 車の乗り入れ規制なんかも、あえてやってしまった方がかえって、こういう言い方してはいけないのかもしれない、人は減ったけれどもごみも減ってコストパフォーマンスは高くなったというような例もあるわけですので、そこは我慢してでもそういう規制をしていく、景観もやっぱり規制をしていく、そういうごみの問題もそう、落書きの問題もいろいろあろうかと思います。その辺りをトータルに規制をしていくというのが、国際観光に限らず、国内の観光についても必要な時期に来ているんではないかなというふうに私は思っております。 ちょっと時間が足りなくなってしまいましたが、先ほどまちづくり交付金のお話なんかもありますので、ちょっと地域再生とか都市再生の方に、これは非常に観光とも関連することですので移りたいなというふうに思いますが。 都市再生とか地域再生の中で、先ほど来から、安倍総理なんかも何度も言っていますが、頑張る地域を応援するんだという話がありますが、頑張る地域と頑張らない地域はどう分けるんでしょうか。どこで評価をして決めていくのか、その辺の評価基準を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 国土形成計画ということで、今までの全総というものに代えて、日本の国全体をどういうふうにしていくのかという考え方で、本州、四国、九州を八つのブロックに分けて、そのブロックごとに自主的に、その歴史や伝統、自然や人の考え方、あるいは地域の特性等を踏まえたそういうものをまずそちらで作ってもらおうと。そして、その中で頑張ってここを、ここを重点的にやりたいというものを出していただいて、そういうものについて我々が、国が一方的に評価をして、そして箇所付けをするというようなことではなしに、そういうものをまず出していただいたその中で、ここを、ここをこういうふうにしてやるんだと。我々もそれが評価できる部分について本当に力を入れて、そこの、それが観光地であったり、あるいは外国と直接連携をしてそこの発展に資していきたいというところもありましょう。そういうことの考え方で進めたいと思っております。
○藤本祐司君 そうですね。済みません、ちょっとあと二問ほどで終わりにしますが。 都市再生の推進ということで、都市再生といっても全国の都市全部を言っていますので三大都市圏だけではないというふうに解釈をして申し上げたいんですが、その説明をいただいたんですが、その中に、都市再生というのは二十世紀の負の遺産の解消であるということと、二十一世紀の新しい都市創造という説明がありました。ここについてちょっと最後お聞きして終わりにしたいと思いますが、二十世紀の負の遺産というのは何だったのかと、また負の遺産を作ってしまった原因というのは何だったのかということをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地震に危険な市街地が存在していることはもう周知のところでございますし、慢性的な交通渋滞が起こっているということも事実でございます。また、交通事故というものでたくさんの方が亡くなり傷付くということもあります。それからまた、都市生活に過重な負担を強いているという、そういうような、都市に住む人にですね、高い家賃とか子供が産みにくいとか、いろんなものがあります。そういうものを二十世紀の負の遺産というふうに考えた場合に、これは緊急に解消していかなきゃならないと、このように思うわけであります。 安心して暮らせる安全なまちづくりということが、これはもう総理がおっしゃる「美しい国、日本」を形成するために非常に大事でございますので、そのような二十世紀の残した負の遺産、これは、急激に経済が発展したと。あの六十年前に、さきの戦争で灰じんに帰したこの国を、我々の父や母の世代に本当にがむしゃらに働いて、世界第二位、いっときは個人、国民一人当たりGDPは米国を抜いて一位になった瞬間もありますが、それほど発展したということの裏に、この東京という都市に、狭い地域にあらゆる、人口もそうですけれども、政治も経済も金融も文化までも過度に集中したというようなことが、この首都圏における過密、そして地方の過疎というようなことを生んで、非常にそれがやはり大きな問題を生じているんではないかと思います。 私は、今御指摘の二十世紀の負の遺産ということになれば、そういうことが挙げられるんではないかと思います。そういうものを脱却して、もう一度日本をよみがえらせるというのが大切な政治の視点だろうと思っております。
○藤本祐司君 ありがとうございました。 今のその負の遺産というのも結構放置していた部分があって、だれがどういう責任があるのかなという部分を思いながらも、先ほど港湾の話も、もっと早く手を打てた部分もあったのかなというふうに思っておりますが、そうはいっても前へ進まないといけないということで、それは、必要なものは必要なように整備をしていく、機能アップしていくということが必要なんだろうと思います。 観光の点で今日はちょっと重点的にお聞きしましたけれども、観光も、住んでよし、訪れてよしと言いますが、まずはやっぱり住んでいる方々が、うちがいいところだぞと、ここに是非来てくださいと言えるような町をつくっていかないと、ただ単に来てくださいと言ってもやはり来てもらえないし、来ても一回こっきりでリピーターが付かないということになろうかと思いますので、まず基本は、今の過密な都市というお話もありましたし、里山とか農村とかいろんないいものがあるわけですので、そこに住んでいる人たちが誇りを持つ、そういう町をつくるというのがまず第一、重要であって、その結果としていろんな方に来ていただいて喜んでいただくという、そういうのが理想的な姿なんだろうというふうに思っております。 これは国土交通全般の行政に関する仕事、全般そうだと思っておりますので、そういうことでこれからもまた理解を深めるための議論をさせていただければというふうに思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(大江康弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤でございます。通常国会では九回質問させていただきました。久しぶりの質問でございますので、皆さん方の御支援、御協力もお願いしたいというふうに思います。 それでは、冬柴先生が国土交通大臣に就任をされましてお祝いを申し上げたいというふうに思います。しかし、国土交通政策、国土交通行政というのは大変幅も広いし、多くの課題を抱えているということも事実でございますので、是非とも御奮闘をお願いしつつ、私としては幾つか御質問をさせていただきたいと、このように思います。 まず初めに、先ほどの所信表明をお聞きしながら、国土交通行政、何が課題なのか、私は四つの課題を中心にいろいろとらえておるわけであります。 一つは、国土開発と環境保全、このバランスをどう取っていくのかという視点での問題があるというふうに思います。二つ目は、膨大な累積赤字を抱えている国家財政と。このことから我々非常に政策的にも苦しんでおるわけでございますけれども、その中でどのように公共事業を展開するか、見直していくか。これは午前中の中島委員の御質問ともやっぱり関連をしてくるということでございますけれども、そういう視点からあるというふうに思います。三点目は、これは藤本委員の方も質問されておりましたけれども、経済のグローバル化が更に進んでいくということの中で、国際競争力を高める、維持する。そういうふうな意味で産業インフラ等の整備という、この分野も大きな課題があるというふうに思います。 私はかねて、物づくり日本、日本の製造力こそがこの国の最も大事な産業ではないか。観光も含めまして多くの大切な産業はございますけれども、一億二千八百万人しっかり生活をしらすためにも、将来の子供たちのためにもこれは大切な産業だと。そういうような意味で、国際競争力を維持するという視点から国内の工業立地、製造業の立地を支えるということで、もうこれは港湾、空港、それから高速道路、JR含めまして大変大きなインフラ自身の競争力を保持する、こういうテーマがあると思います。 四点目は、正にこれは冒頭掲げるべきだとは思いますけれども、安全、特に大臣が所管されている範囲でいえば交通の安全、建物の安全、また災害からの安全、こういうふうな視点に立っていかに安心感を持って生活をしていくことができるのか。私が関心を持っている分野でいえばこの四つになります。 そこで、午前中にも質問がありましたのでやや質問の中身を絞り込みますと、特に公共事業の関連につきましては、今日の朝の議論も聞いておりまして、安倍内閣の経済運営の基本というのは私はやはり成長路線というところをとらえておられるというふうに思うし、それはそれで一つの見識であると、このように思うわけであります。しかしながら、一方で公共事業というものが冒頭お話にあったように三%でやっぱり少しずつ減らしていくということの中から、これはやはり成長路線と公共事業の関係ということについてもある程度整理をしておかないと、私は国民に対する説得力がなかなか成立しないんじゃないかという視点に立って、やはり一段の工夫をされると、こういうふうに言われていますけれども、そこはどういうふうな工夫なり、国土交通省としての政策の展開の余地があるのかというふうなことを中心に、概略的な質問になって申し訳ないんですけれども、取りあえず大臣としての大きな所信をひとつお願いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 日本の財政が本当に国、地方とも逼迫をして、このままいけば子や孫にそのツケを回さざるを得ないというような状況にありますから、何としてもここは我々の世代でそのようなことが少しでも軽減できるような、また子供や孫にツケを回さないようにするために頑張ってきているところでありまして、具体的に二〇一一年には国、地方合わせたプライマリーバランス、これをプラスにする。これは大変な仕事でございまして、そのときのこの差額は十六兆五千億と計算されております。 これだけを全部歳出でカットするということは幾ら頑張ってもこれは無理だろうと思いますが、一方、この五年間という間に今の経済成長というものを確実なものにし、持続してやっていけば、これはやはり歳出カットと税の増収というものを合わせれば何らかの処方は見いだし得るんではないかと思います。 その意味で、内閣の一員といたしまして、この歳出、聖域なき歳出カットということには協力をしなければならない。具体的に、公共事業ということになれば、前年度比三%のカットということが言われております。しかし、それをどういうふうに続けていくかということは、その年その年の経済情勢なり成長なりあるいは緊急の必要性なりを考えながら決めていかなければならないと思いますが、三%というものをこの発射台である来年はこれはもう入れざるを得ない。もう身を切るような痛みではありますけれども、私も内閣の一員としてこの大きな流れには沿わなければならないというふうに思っています。 一方、我々の子供や孫のことを考えれば、彼らが自信と誇りを持てる美しい国日本というものをつくっていくのもこの国土交通省の大きな使命でもございます。そういう意味で、非常に苦しい台所ではありますけれども、それを工夫をし、そして都市部とか地方とか区別することなく真に必要な社会資本の整備というものを重点化、効率化というものを徹底をしながら進めていかなければならない、このように思うわけであります。 工夫というところでは、例えば高速道路、今まで残っている部分を、有料高速道路でございますが、二十兆円を必要とするということがほぼ普通に認められていたものでありますけれども、道路公団改革等の作業を通じていろんな工夫がそこにされました。例えば、田舎でそんなに片道四車線を走らせる必要はないんじゃないかと。そういうところをそれを二車線にするとか、そういうことによって、トンネルのボリュームあるいは橋梁のボリュームというものを小さくするという工夫もされたわけでありまして、こういうことを通じて、現在は二十兆と言われたのを十兆五千億まで圧縮してもできるという計算ができているわけでございます。 そのほか、非常に恥ずかしい話ですが、入札に関しまして談合というようなことが行われ、これが本当にいろんな国の事務に対する国民の信頼を損ねました。こういうものは、談合は、本来、例えば見積額の八〇%でできるものが九五%で落札されているということになれば、一五%というものが余分に使われている、国民の税金がそのように使われているということを意味するわけでございますから、こういうものを厳しく、例えば一般入札というものを限りなく広い範囲で採用するとか、あるいは総合評価方式というようなものを取り入れて、安かろう悪かろうは駄目だと。しかしながら、極限までこういうものを、大切な財源というものを有効に使っていこうという、あるいはボンド制度の導入とか、要するに入札制度の合理化によって所要経費の圧縮をするとか、そういういろんな工夫をしながら大胆に進めていかなければならない、このように思うわけでございます。 公共事業を進める問題につきましては、先生も御指摘のように、私は、一つは安全、安心の国土を形成しなくちゃならない。それは、言われましたように、災害に強い国土をつくらなければならないという意味で、河川やがけ崩れ等に配慮したそういうようなものもやっていかなければならない。建物も、いろんな不祥事がありましたが、国民の信頼を回復するような法制度もつくって回復していかなければならない。また、交通関係については、陸海空を問わず、この安全ということが、社長、一番上のトップから末端に至るまで、これが運輸の生命線なんだと、いろんな利益を上げるとか、あるいは定時に発車するとかいうようなこともあるけれども、しかし何よりも安全であるということを徹底する、こういう国土をつくっていかなければいけない、これが一つです。 二つ目は、先生もおっしゃいましたけれども、今少子高齢社会を迎えながら、なお経済成長を続けていくためには、近隣のアジア諸国との一体的な成長、すなわち日本で製造するものを例えば安い人件費の海外で製造する。そしてそれが、でき上がった品物を日本の市場だけではなしに広い大きな市場で、海外の市場でこれを消費していただくことにより、日本の一つの経済発展の資にしていく。こういう観点からこのゲートウエー、すなわち国際港湾・空港、あるいはそこと拠点とを結ぶ道路や新幹線等のネットワークを整備する、こういうようなことが一つ。 もう一つは、頑張る地方ですね。これを、国土形成計画に従って、地方がこういうふうにしてもらいたい、我々の歴史や風土あるいは伝統、自然環境等々を踏まえて、こういう地域をつくっていきたいという部分について応援を、きちっとした支援をしていかなきゃならない。こんな感じであるわけでございますが、何しろ大変身を切るようなこの予算の圧縮でございますが、頑張っていきたいというふうな決意でおります。
○加藤敏幸君 ありがとうございました。 今日は最初ですから、正に今から始まるということで、各論についてはこの後のまた議論の機会があると、このように思います。 ただ、物づくり日本と、この考え方の中にはもちろん適地生産、最適地生産ということで、中国でおつくりになるのもいいでしょうと。しかし、私は電機産業に所属していますけれども、今行われていることは、マザー工場は日本に造るんだ、目の前で物つくって、そこで初めて分かることが一杯あるんです。だから、研究開発、設計は日本列島でやって、簡単な物づくりは中国、ベトナムという考え方は通用しないですよ。やっぱり一気通貫で、自分たちが全部つくってみることから初めて本当にすばらしい製品ができてくるんだということで、このマザー工場を日本列島の中にしっかり残していくということを、国土交通省におかれましても、是非大臣の頭の中に置いていただきたいというのが私の要望であります。 加えて、一段の工夫といったときに、これはもう簡単でないと思うんです。二律背反を大臣身をもって、予算が減るから身が切られるんじゃなくて、正に二つの違う方向のベクトルを、これを実現をしていく、制御していくということは相当に胆力も要るし、本当に私は力の要る仕事だというふうに思うんです。 その中で、特に私どもメーカーは、バリューアナリシスとかバリューエンジニアリングということで、これは簡単に言うと、会社の中で例えば放射線を使って非破壊検査とか膨大な設備が要るときに、これ放射線を遮へいするために厚さ一メーター以上のコンクリートの巨大な建造物が要る。何十億ものお金が掛かるときに、じゃ土塁を造ろうと。要するに盛土をするだけなんです。幅は三メーター。そうすることによって一メーターの厚さのコンクリートに代わる遮へい物ができると、水平方向については。ということで、まあ言うたら十何億金掛けなくてもいいというような形で予算執行については命懸けでやっているわけですね。 それは私は、公共事業だって国民のニーズはいろいろやっぱりあるわけですよ、これは。増えることはあっても減ることはないということの中で、本当に今言ったようなバリューエンジニアリングだとかいうことも私は考えられていって、本当にそういう努力をしなければなかなか、予算は減る、ニーズは増える、それから安心、安全を守るということのこの三つのベクトルをかなえることはできないんじゃないかと。 就任祝いに一言アイデアを申し上げさせていただきましたけれども、よろしくお願いしたいと思います。 次に、鉄道事故対策について、鉄道の安全確保という点でお伺いをしたいと思います。 通常国会では、運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部改正ということを行いまして、十月一日をもって施行されました。安全対策における経営トップの意識改革と各社における体制整備、ヒューマンエラーの防止という視点が強調されたわけでありますけれども、我ら参議院で附帯決議を付けまして、第四項、「ヒューマンエラー発生の背景と指摘されているヒューマンマシンシステムを含む労働条件・労働環境の改善、安全に関する技術継承や人材育成のための環境整備、必要な要員の確保などが図られるよう、運輸事業者に対して継続的に指導・監督・支援を行うこと。」と、こういうことを付けさせていただきました。 十月一日施行ということで、現時点で総括的な評価を下すのには少し時間的に早いかもしれませんけれども、これらの立法趣旨あるいは参議院での附帯決議の意図をどのように生かされているのか、お伺いをしたいということと、あわせて、改正鉄道事業法に基づき、十月十八日から、JR西日本の経営幹部に対し、運輸安全マネジメント評価のための聞き取り調査を開始されたとお伺いしましたので、この内容について御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 前半の部分について私から、後半は政府委員の方から答弁をさせていただきます。 参議院で誠に適切な附帯意見を付けていただきました。この御指摘を受けまして、国土交通省としては、三つの措置を現在とっております。 一つは、鉄道事業の乗務員の資質についてでありますが、運転士の技能、適性、知識の保持向上を図り、必要な訓練や教育指導を行う責任者として、乗務員指導管理者という制度を創設をいたしました。 二つ目は、運転者のヒューマンエラーによる事故防止を図るために、運転者の心身状態及び運行状況のモニタリング技術を開発するとともに、その技術の普及のためにガイドラインを作成してまいります。これは十八年、十九年で、今年度と来年度でこれはきちっとやります。このモニタリング技術ですけれども、例えば運転士がちょっと居眠りといいますか、そういうことをすればすぐにアラームがきちっとそれをとらえるという、そういう技術も開発をしております。そういうことが二つ目でございます。 第三には、安全統括管理者等の安全管理に係る要員を対象に、事業者の安全管理体制のリーダーとなるべき人材の育成を支援する研修等を実施してまいります。これは十九年度から始めることにいたしております。 今後とも、この御指摘の附帯決議の適切な対応も含めて、輸送の安全確保に向けて努力をしてまいるつもりでございます。 私からは以上でございます。
○政府参考人(杉山篤史君) それでは私の方から、先日行いましたJR西日本に対します安全マネジメント評価につきましての概要を御報告させていただきたいと思います。 先週の十八、十九の二日間にわたりまして、JR西日本の本社におきまして、同社の安全管理体制の構築状況等につきまして、社長、それから副社長、これは安全統括管理者兼務でございますが、それから安全関係の部長からヒアリングを実施したところでございます。 まず、概括的に申し上げますと、JR西日本は福知山線における脱線事故を踏まえまして、昨年の五月でございますが、安全性向上計画を定めたところでございまして、この計画に基づきまして教育制度あるいは情報伝達体制の見直し、さらには外部有識者から成る安全諮問会議の設置、安全研究所の設立等、各般の安全対策を進めてきているところでございまして、安全管理体制の構築に係る一連の取組は一定程度評価できるという具合に考えている次第でございます。 ただ、一方におきまして、安全風土を構築しまして定着させるためには、この安全管理体制の更なる改善に向けまして課題も見いだされたところでございますので、幾つかの点につきましてより一層の改善を求めるということで助言を行ったところでございます。 幾つか具体例を申し上げますと、一つはやはり経営トップの継続的なリーダーシップの発揮ということでございます。それから二点目は、企業の安全風土、安全文化の定着の程度を把握するための評価手法を利用する、そういうものを検討してもらいたいということ。それから、いわゆる事故には至りませんが、事故の芽の情報というのがございます。この事故の芽の情報の今収集体制を一生懸命JR西日本では構築しているところでございますが、この収集しました情報の今後の具体的な活用方策を確立してほしいということ。それからさらには、社内に関する更なる社内コミュニケーションの充実。こういった点を幾つか改善事項として指摘をさせていただいたところでございます。 JR西日本におきましては、今回の私どもの助言、指摘を踏まえまして、より一層の安全管理体制の充実改善に向けた努力を継続していただきたいと考えている次第でございます。
○加藤敏幸君 非常に、ごく最近のことでありますけれども、しっかりとした報告をいただきまして感謝いたします。 私は、明るく、優しく、しかししつこく、やっぱり安全の問題はしつこくしつこくやっていかないとこれは定着をしないということで、厳しくということも必要ですけれども、私は継続は力と、そして国会は常に関心を持っていると、忘れないと、このことをやっぱり事業者の皆さん方、そしてかかわる皆さん方にメッセージを送り続けることが大切ではないかと、このように思っておりますので、これからもまたやらさせていただきたいと、このように思います。 次に、先週、西日本鉄道で運転士の飲酒検査の不正が発覚をして、ショックなことがあったということであります。今、全国的に飲酒運転の撲滅ということでいろいろと議論がされておりますけれども、こういった公共交通機関での飲酒運転はこれは許されないことだと、当然のことであります。国土交通大臣として、鉄道、バス、航空機、船舶、そしてハイヤー、タクシー業界も含めて、公共交通機関における飲酒運転の防止について当然徹底した対策を講じるべきだと思います。 今後の方針について御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(望月義夫君) まずもって、実は加藤先生は自動車衝突防止センサーの開発に取り組んでこられたその道のプロであるということで、大変敬意を表したいと、このように思います。安全の分野でのプロでございますので、私が本当に適切に答えられるか心配でございますけれども、お答えさせていただきたいと思います。 交通分野におけるこれはもう安全確保は最も基本的な問題でございまして、正に飲酒運転、公共交通でこれはもう許されるべきものではないと。これはもう我々国土交通省としては最も最重点課題として、許されるべきものでないと、取り扱っていきたいと思っておりますが、この運転禁止については、鉄道、バス、タクシー、航空旅客機、それぞれのモードごとに、法律としては、鉄道営業法、道路交通法、道路運送法、航空法、船員法等の法令によって禁止されておりまして、自動車運送事業者に、実は九月十五日に、死亡重大事故の発生を受けて、交通対策本部がなされ、周知徹底が図られたところでございます。 実は、国民の公共交通に対する信頼の根本をなすものとして、国民の皆様に安心して利用いただけるサービスを日々に確実に提供できるように、飲酒運転の根絶に向けて監査、行政処分の更なる強化等によって交通事業者への指導を徹底してまいりたいと、このように思っております。
○加藤敏幸君 三十年前の話を言われると私もちょっと顔が赤くなりますけれども、これからもよろしくお願いしたいと思います。 そこで、お手元にこういう資料を用意させていただきましたけれども、これは私の事務所で、新聞報道等を中心に、四月から九月まで、不通時間が一時間を超える首都圏での鉄道事故ということで挙げさせていただきました。(資料提示)やっぱり多いなというのが率直な感想でございます。 個々御紹介は時間の関係でいたしませんけれども、安全という視点に立ってこれだけの事故も含めましてなっていると。安全運行、定時運行、サービスの向上、私はこれは運輸機関にとって当然一番大きな使命だというふうなことから、こういうふうな、人の命は幸いにして失われてはいませんけれども、ヒヤリ・ハット、ハインリッヒの法則等によればこういうふうなことが積み重なっていくというのが正に重大事故をやっぱり生み出している一つの土壌を、これはメルクマールなんだと、こういうふうにもとらえなきゃならないし、人命にかかわらなかったから、まあ助かった、良かったなという気持ちではなく、これはいつかはそれにやっぱり起こす土壌なんだと、そういう厳しい視点に立ってやっぱり現状を私は洞察をしていく努力、取組が必要ではないかと、このように考えておるわけでありまして、そういうようなことで、ここ最近のこういった状況に対して国土交通省としてどういう問題意識をお持ちになっているのか、この点に限ってお話を聞かせていただきたいと、このように思います。
○政府参考人(平田憲一郎君) お答え申し上げます。 最近発生いたしました事故に至らないインシデント、輸送障害につきましては、八月に発生いたしましたJR東海名松線の車両逸走のインシデント、さらには、九月に発生いたしましたJR東日本京葉線の東京駅構内の変電所火災によります長時間輸送障害など、鉄道の安全、安定輸送につきまして利用者に不安を与えるようなトラブルが発生しておりますのは、委員御指摘のとおりでございます。 これらのトラブルは重大な事故につながるおそれや社会的な影響が大きいと、こういうようなことから、私ども国土交通省といたしましても誠に遺憾であると考えておりまして、事業者に対しましては、徹底的な原因究明と再発防止を文書で警告するなど、トラブルが発生した都度、安全、安定輸送の確保を指導してきているところでございます。 ちょっと具体的に申し上げますと、輸送障害の発生件数の絶対数が多い事業者でありますとか、増加率の著しいこういった事業者に対しましては、徹底的な今申し上げました発生原因の分析でありますとか、総合的な輸送障害防止対策の策定について指導しておりまして、その報告を求めているところでございます。 いずれにいたしましても、私ども国土交通省といたしましては、今後もあらゆる機会をとらえまして、インシデントでございますとか輸送障害などの発生防止について徹底した指導を行ってまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 質問に対するお答えはそういうことだと思います。 しかし、例えば私ども工場の設備をずっとやっていまして、不良品が出てくるわ、短期間の停止が起こるわ、いろいろなったときにいろんな要素を分析をしていく中で、やはり十年で替えようと思っておったものを十五年使ったり、だましつつとかいう、その五年間にいろいろ発生することもある。つまり、設備投資の基本的な考え方だとかメンテナンスに掛けるやっぱり人、物、金の在り方だとかいうことを含めて、やっぱりそういう視点からもこれは押さえていかなきゃいけないし、働く人たちのモラルとモラールの問題も含めていろんな要素を、組織点検だとか、それをやらないと、通常、通り一遍のマニュアル的な点検だとか指導ということだけではやっぱりある日突然ばっと起こってしまう。 ここがやっぱり命懸けだよということで、私何回も安全については過去申し上げていましたのは、そこを、新しい大臣、副大臣、政務官の、そこにお座りの方々にはここが勝負だよと、だから、そういうふうに私はこの安全の問題は是非とらえていただきたいということをこの場では申し上げたいというふうに思います。 さて、次にちょっと話題を変えました。 私、衝突防止センサーの開発よりは労働組合の方を長くやっておりましたので、労働組合をやっておった関係で少し大臣にお伺いをしたいのは、行政改革だとか経営構造改革とか、今ずっと十年間、あるいはここ最近話題になってきた中で、労働組合って何なのと、改革に対する抵抗勢力じゃないのとか、労働組合があるからどうもうまく仕事がいかないんだとかいう、そういう方々もおられるかも分からない。また、道端でマイクを持ってそういうことを言われる方もおられるかも分からないということで、是非、私は本日、冬柴大臣について、労働組合にもいろいろあるということはいろいろあるということだと思いますけれども、しかしほとんどの多くの、私たち含めて、今まず労働組合の役割とか機能とかについて御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) これは経営者と労働者との民民の問題でありまして、その利害の調整は、憲法に基づく労働基本権三権を基にして労働者と経営者が心を一つにして、特に私は、運輸という事業を営む事業にありましては、経営者も労働者も、これは安全という点では一丸となって取り組んでいただけるものだと思います。労働条件の向上とかそういうものをめぐり労使が対立的関係にあることは、それはもうよく分かりますが、その解決はやはり民間と民間、経営者の経営の問題でありますから、我々がそこに容喙することは、これは差し控えるべきであろう、こういうふうに思います。 ただ、我々、この交通安全マネジメント制度、評価をするに当たりまして、とはいうものの、そういうところがぎすぎすした対決、対立というようなことがありますと、これはやはり、運輸というものは労働集約的な仕事であるだけにやはり無関心でいられない面もあります。そういう意味で我々は、そういう評価をする際に、ただに経営者とかそういう人たちだけではなしに、働く人たちの御意見も伺いながら双方向のコミュニケーションがうまくやられるかどうか、そしてその話題としては、共通の意識として乗客の安全を確保し、利便性を高めるという、その点でやはり一致した考えを持っていただきたいということを我々としては申し上げることは許されるだろう、このように思います。 労働組合の果たされている役割は憲法上ちゃんと保護されている権利でありますから、その関係で、民民同士で円満にやっていただきたいということを期待するだけでございます。
○加藤敏幸君 そこでもう一つ、一枚資料を少し用意をさせていただきました。(資料提示) これは理事の方から出典を明記せよと、こう言われたんですけれども、明記するのをある意味で忘れておりまして、これはJR連合さんの発行物でありますから、意図あって余りそういうことは書かない、宣伝はしたくないと。ただし、お酌み取りいただきたいのは、ここに書いてある項目だけは少しごらんになっていただきたい。 これは、ある労働組合が交通にかかわる自らの産業についての重点政策についてどこに関心があるかということを、それを知るためであって、これを要望するとかそういうふうな趣旨ではございません。 私が申し上げたいのは、一九七四年の第一次石油ショック以降、労働組合の基本的な方針というのは大きく変わってきたと思います。それは、やはりコストプッシュインフレ、大幅賃上げがあるとまた物価が上がるということのこの悪循環をどう断ち切るのかということを時の政府とともに一生懸命悩んで、組合員さんには悪いけれども我慢してほしいというのが経済整合性論理なんです。 この路線をめぐって労働界は後、相当大論争になって非常に苦しんだ時代もあったわけですけれども、結果は、狂乱物価は一年で、基本的には翌年は一四%に落ちたわけですから、私は、そういうふうな、やっぱり国全体の経済政策に対してもやっぱり責任を持って対応していくということが、一九七四年の石油ショック、金属労協を中心にそういう路線が確立をしたということの中で、以降、自分たちの産業をどうやって成長させていくのか、そして、お客様あるいは国民の皆様方ときちっとした調和を取ったんですね。産業政策を展開していくなんというところに路線が変わってきた。早く気が付いてやったところもあれば、つい最近まで少し乗り遅れたという差はあります。 そこで、こういうふうな交通運輸にかかわる労働組合としても、当然安全から始まって、書かれていることを見ていただければ、それなりに私は、当たり前の関心事項を持っておられるということでありますから、必ずしも自分たちの労働条件だとか既得権だけとか、そういうことだけを守るところが重大関心事ではもう既にないんだということと同時に、こういう姿勢、それから資料には用意しませんでしたけれども、こちら航空連合の方が産業政策ということで、航空にかかわる、私これ一冊読めばもうすべての問題が提起できる、空域調整についても結構詳しく書いているということで、私は、こういうふうな働く人たちの力を是非事業者が有効に活用するように私は激励してほしいんです。これ、ただですから、これ現場が勝手に自分たちのお金でやったことですよ、事業者はお金出さなくても。そして、自分たちが言い出したことは自分たちでやっぱりやらないかぬということです。 日本の鉄道は、安全、定時運行、そしてサービス向上、この三点で今必死になってやっていますけれども、世界でいって、コストは私は言いませんけれども、やっぱりすばらしい水準です。これを支えているのは、やっぱり一人一人の働く人たちが安全と定時運行には人生を懸けるぐらいな気持ちでやっているから、一分違わない新幹線の運行ができるわけです。世界でそれできる国はそうないんですよ、ほとんどないんですよということを含めて、私は、やっぱりこういう現場の力を大きく、国の安全と、そしてある意味で国の大きな改革に私は取り込んでいく、それをも含めて抱き抱えていくそういう度量が、政治家も含めて、当然事業者も含めて、経営者も含めて持っていただかなければ、どんな改革のすばらしいスローガンを掲げたってそれは実現しないというのが正にこの三十年間の我が国の歴史だったんじゃないかと。余り大演説をこいては申し訳ございませんけれども、ということを、是非、受けまして、何か御感想があれば。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私は、現場の方が一番その問題点とか解決策を知っていられる知恵者だと思うわけであります。 その意味で、労働組合とかどうとかいうことじゃなしに、そこで働く人々の意見があらゆる面で、もちろん経営者もそうですし、政治の上でもそういう人たちのきめの細やかな、その我々が机の上では到底気が付かない、そういう知恵がそこにあるわけでございますから、尊重していかなければならない。これは本当にすばらしい提言がここに盛られているというふうに高く評価をさせていただきたいと思います。
○加藤敏幸君 足りないところもございますので、またそれはお互いに切磋琢磨し合うということでいきたいというふうに思って、私がいきたいと言ってもしようがないんですけれども。 さて、次にテーマを変えまして、今度は環境問題という視点から、これも中島委員の方から少し触れられましたけれども、LRTの促進ということで質問をしてみたいと思います。 一人当たり年間エネルギー消費量を国際比較をいたしますと、アメリカ、カナダが石油換算で八トン、フランス、ロシア、韓国、ドイツ、日本と順番が続いて、我が国は四・一トンと非常に効率的な、ある部分では模範的な私はエネルギー消費に関する産業なり生活ができていると。ここはここで私は自慢していいと思っているんです。 ただ、例えば京都議定書とか見てみますとね、なかなかこれから先の進展は難しいなというところもあるわけですし、エネルギー消費量がなぜ四・一トンまであるのというと、鉄鋼とかですね、そういうエネルギー集約的な産業もこれは大切にしていかにゃいかぬと。そこの省エネというのはもう相当限界に達しつつあると。そういう視点で、今後は運輸や民生部門での努力が大切だなと。 そこで、国土交通省の所管としては鉄道貨物や船舶によるモーダルシフトということを再三言われておりますけれども、それに加えて、私は都市交通システムの改革も必要ではないのか。具体的には、都心部への車の乗り入れ規制、それから大きな駐車場を設けて、そこからLRT、ライトレールトランジット、次世代路面電車やバス、それからパーク・アンド・ライド方式の導入、それらがCO2削減に効果があるのではないかと、こういうようなことで、十七年度から政策の中にも加えておられるということでおります。 現状についてはもう申しませんけれども、是非ともこの政策の展開について新大臣として意気込み、これも含めてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) もうこの委員会でも、本当にすばらしい取組をしていられる富山市における富山ライトレールが予想を上回る利用者数があり、市民の好評を得ていられるということは周知のことでありまして、こういうことを通じましても、今先生がおっしゃいましたように、LRTの公共交通を活用したまちづくりとか、あるいはその際の都心部への車の乗り入れを規制するためのパーク・アンド・ライド駐車場の整備に対して我々がきちっとした助成をさせていただくとか、そういうことが非常に必要だと思います。 こういうものは地域、国がというよりはむしろ地域と国が、関係者が一体となって総合的な交通戦略を策定して、それに基づく事業に対して総合的な支援を国が行う、こういうことがいいのではないかと、このように思っております。 具体的にはちょっと、言いますか、あなたが。具体的な取組ですね、今、国土交通省がこういう新しい都市交通について取組も始めておりますので。いいですか。
○委員長(大江康弘君) 何か、答弁。
○加藤敏幸君 それじゃ、簡潔にお願いします。
○政府参考人(中島正弘君) もう既に御案内のとおりと思いますので簡潔に申し上げますが、十七年度ぐらいから、富山が最初でございましたけれども、まず関係者が寄って地域で合意をしていただくと、その上で私どもだけ、都市・地域整備局だけでなくて、鉄道事業者に対しては鉄道局から、道路ということは道路でと、そのほかは一般会計の事業としてと、あらゆる手段をもって支援するという体制をつくりつつあって、足らぬところは今後また工夫していきたいと思います。よろしくお願いします。
○加藤敏幸君 ありがとうございます。 三局にわたる、国土交通省の中では連合事業ですので、本当に足並みはそろえて、それから地域活性化ということ等、総合政策的な要素が非常に強いと思うんですね、これは。そういうふうなことで、是非とも大臣のほか副大臣も含めまして、マネジメントグループの皆さん方の意欲とやっぱり力が大切だということで、特にお話し申し上げたということであります。 次に、ちょっと走った関係で申し訳ございませんけれども、空港整備特別会計に関連いたしまして、関空問題について少しお聞きをしたいというふうに思います。 インフラコスト競争力ということから日本の空港をやっぱり効率化していくと、そういうふうなことで関空についてはいろいろ議論がされてきたわけであります。私は、空港についてここ二年間、国土交通省がいろんな形で政策を展開されたことは多としておるわけなんです。あの高かった空港利用料も中部空港並みに随分下げてこられたと。港湾についても努力目標を作られたと。 しかし、これ関西国際空港の経営については会計検査院より、ちょっと長くなりますけれども、「関西国際空港の経営において、長期有利子債務の確実な償還を図り、安定的な経営基盤を確立するため、経営改善に努めることが必要な事態について」の報告書が出されております。読みますと、書かれていることはそのとおりです。だけど、これは私、民間の経営者の立場でこれをもらったら、この長期有利子債務、一兆円を超えるこの膨大なものを背負った上で本当に関空の経営改善が、働く者含めて、管理者から、明るく未来を見て希望を持って行くぞという気になるのかと。もう本当に鉛のふろに入っているほど重たい有利子に囲まれたこの現状の中でどう考えていくのかということも、これは何回も議論されたんですけれども、大きい問題だと思います。 国際空港が持つ戦略性なり、やっぱり国益を担うという側面もこれあり、そういうふうな視点から、民間企業という立場だけでその経営責任を追い求めるということが本当に現実的なのかという議論について、やっぱりこれはどこかでしっかり私は方向を示すべき時期がもう来ているんではないかということを含めまして、大臣は尼崎ですから、伊丹にもあるし、また神戸にもできたということで、私もちょうどその辺に住んでいますけれども、関係ございませんけれども、是非、大臣の本件に関するお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 関西国際空港についてはいろいろなことを言われましたけれども、私は大丈夫だと。数値から見ても、今有利子債務、非常に重いものがありますけれども、本当に民間の経営者を入れてすごい努力をやられました。その結果、財務上も今年度は九十二億円の黒字を計上するに至っておりまして、いっときのように百六十七億円とか百五十億円という赤字を出していたことを考えれば、この経営改善というのは非常に大きいと思います。 私は、このいっとき、特にSARSで物すごく乗客が落ちました。そういう意味で、乗客とかの伸びが一どき落ちましたけれども、今年度の年末は過去最高の発着数、発着便とかですね、あるいは貨物ですね、国際貨物、カーゴですね、カーゴの伸び等、非常に明るい材料がありますので、私は大丈夫だというふうに確信をいたしております。
○加藤敏幸君 最後に、確かに大丈夫だと今言われましたけれども、実は九十億円の利子補給が現行前提となった上での九十二億円のプラスであるということ、それから確かに経営上はずっと右肩上がりで、まあ成績としてはいいんですけれども、ただ、これ発着便数というのは限界があるわけです。それから、SARSは終わりましたけど、第二、第三のSARSがこれはあれば直ちに売上げに影響を与えるという意味で、相当リスクのある航空事業なんですよね。 そういうようなことの中で、もう時間はございませんけれども、私は大丈夫だというその言葉はそれでよしと受け止めますけれども、しかし、それを本当に来年も再来年も同じくよしと言えるためには、再度強力な私は経営に対するやっぱりしっかりした見通しと点検と更なる工夫が必要ではないかということを御要望申し上げまして、私の、五十分ですよね、時間になりましたので終わりたいと思います。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 国土交通委員会で質問をいたしますのは初めてでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 私は議員になりまして二年三か月が過ぎております。私が議員になった年、平成十六年という年は大変災害の多い年でございました。私が議員になってまず現場に行った仕事というのが、忘れもしませんが、福井県での集中豪雨の災害がございました。それから、台風の十六号、十八号、二十一号、二十三号と、大型台風が、私の地元でもあります岡山、また隣県の兵庫豊岡を中心に大変大きな災害をもたらしたわけであります。もちろん、新潟の中越地震というものもございました。 現場に行きまして、土砂災害で家はもちろん、家族を失った被災者の方と直接お会いしたときに何とお声を掛けていいのか、本当に自分自身沈痛な面持ちになったわけでございます。非常につらかったという思いがございますが、災害の現場におきましては新人議員もベテラン議員ももうそういう差はないなと、これが私の議員になって率直の思いでございました。 本年に入りましても今年の七月に集中豪雨がございまして、九州南部、そして長野県、また島根県におきましても集中豪雨がございました。この最近の、特に風水害が若干過去の風水害と様相が変わってきていると、これはよく言われております。 年間の日本の降水量というのはここ百年、一世紀余り見てみますと若干わずかに減少傾向にあると。しかしながら、短時間にまた局所的に降る集中豪雨の回数が増えてきたと言われております。災害の多かった年の平成十六年、この年の時間雨量、五十ミリを超えた時間雨量、回数が四百七十回を超えたと。これは昭和五十一年に観測が始まったころに比べますと二倍以上に増えた数字であると聞いております。様々、地球温暖化などの様々な要因があると分析されておりますが、いずれにしましても、この最近の土砂災害というのは突発的に起きますので、避難することが難しくて人命を落とすという最悪の結果を招くケースがあると、これが最近の私は風水害の特徴だと認識をしております。 まず初めに、冬柴国土交通大臣に、所信の演説の中にも、まず安心、安全の国土をつくっていくと言われておりましたが、その大きな使命と責任がある国土交通大臣にこの新たな傾向を示している風水害に対してどのように取り組んでいくのか、大臣の決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御指摘のように、最近、過去の何年確率というような予測を超えるような集中豪雨が多く発生しているという、異常な気象が続いているということを考えますと、安全、安心を担当する我が国土交通省としては、特に河川のはんらん等についてそれを防止する、またそういうものが、もし、自然災害ですから防ぐことはできないとしても、そういうことに対して、あなたが今おっしゃったような悲しい結果が起こることがないような減災措置を講じなきゃならないというふうに思います。 一つは、減災の方から考えますと、気象庁あるいは河川管理者がこの集中豪雨の予想とかあるいは河川の水位、あるいは洪水の確率というようなものを、情報をファクスあるいは電話等で市町村長に伝えることになっております。もうこれはそのときそのときに伝えていきます。その市町村長は、村の有線放送とかあるいは電話等で住民にそのことを伝えて、そして早急に避難をするという、そういう方法を、これはソフトの面でございますけれども、徹底をさせているということであります。 それからまた、ハザードマップ、要するに、こういう洪水が起こった場合にはどの範囲にどのような水害が及ぶかということを、そしてそれによってどういう避難、どういうところへどういう避難路を造って逃げていただくかというようなこともやっているわけであります。 また、ハード面としましては、従来のような連続堤やダムの整備、これも非常に大事なことでございます。 過日も私の方へ中国地方の三次市の市長さんが要請に来られたわけでございますが、そのときうれしい話を聞いたのは、その近くにダムが最近完成するそうでございます。まだ完成していないんですけれども、過日の集中豪雨のときにそのダムが貯水をしていただいて、そして下の方に激流として流れてこなかった、それによって助かったと。非常にあのダムが役に立ったということを強調していられました。 そのようにダムの整備ということも、それからまた、はんらんした場合でも被害をできるだけ小さく抑えるために、はんらん域にある家屋を優先して守るための輪中堤を造る、あるいは家屋をかさ上げするなど、流域と一体となった対策を進めていかなければならないというふうに思っております。 先ほど言いましたような、ソフトあるいはハード両面から早急な、予測を超えるこのようなものに対しても対応をしていきたいというふうに思っています。
○谷合正明君 是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 ハードとソフトの一体となった取組ということでございますが、ハードの話の中に今、治水対策、連続堤、これまでの政策を転換して、これまでは完全治水を目指すことが前提になっていたと思いますけれども、そうではなくて減災だと。特に人的被害を最小限に食い止めるために、例えばそこの住宅地域だけを重点的に囲うような輪中堤だとか、お話もありましたが、あるいは生活道路をかさ上げして堤防の代わりにする二線堤を活用していく、こういう新しい治水対策というものが検討されていると、今大臣の方からもありましたし、私も聞いております。 ただし、この新しい制度も、報道で流れたときに様々議論があるということも知りました。例えば土地の利用制限にも絡んでくると。完全治水と完全治水にはしない地域がある、両方存在してくる、その公平性の問題はどうなのか。あるいは洪水が田畑に入ったときにその農作物の補償をどうするのか、そういった問題点も、論点も残されていると思っております。 様々な議論があるのは承知しておりますが、この新しい治水対策についてどういうふうに理念を、これを現時点で整理されているのか、またその仕組みについて詳しく説明を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。 これまでの治水対策でございますが、左右岸のバランスを取りながら下流から順次上流に向かって連続堤防を造り、ダムを造ってまいったわけでございまして、ただ、そういう中で財政状況も非常に厳しいということで、なかなかそのスピードが増しません。中上流部は下流部に比べて相対的に安全度が低い状態のまま放置されているのが一般的でございます。このために、豪雨によりまして被害が下流部に比べて上流部、中流部に多く発生しているのもこれは現状でございます。 このような状況に対処するために、新たにはんらんした場合にも被害ができるだけ小さくなるような対策を進めることが求められていると考えておりまして、既に一部で水防災事業と称しまして、先ほど大臣が申し上げましたとおり、輪中堤やらかさ上げ、宅地のかさ上げ等の事業を実施しているところでございます。 具体的には、他の土地利用に比べまして住宅等守るべき優先度の高いものについては個別に対応すると、先ほど言いました輪中堤とかさ上げでございますが、あるいは一部の地域ははんらんするけれども、そのはんらん流が他の地域に及ばないように既存の道路をかさ上げしてはんらん流をコントロールすると、そういったこと等を考えております。 求めるところは、はんらんした場合の被害最小化でございまして、具体的な政策をこの辺できちっと整備しようということで検討している最中でございまして、まだ成案ができてございませんが、必要なら法的な整備も含めて検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。 以上でございます。
○谷合正明君 具体的な検討というのはこれからだとは思いますが、総論賛成各論反対になりがちな話でもあると認識しておりますが、丁寧にこれから検討していただきたいと思いますし、また、先ほど農作物の話をしましたけれども、国交省だけでなく農林水産省との連携というのもしっかりとしていただきたいと思っております。 続きまして、ソフトの面の話でございますが、先ほど大臣の方からハザードマップについて話がございました。このハザードマップでございますが、問題点としてはこの作成率が伸び悩んでいると。その表現の仕方はどうであれ、まだ全国の市町村の中で六割が、正確に言うと洪水ハザードマップ、土砂ハザードマップともに作成していない市町村が六割に上るというのが現状でございまして、特に規模の小さい市町村でハザードマップの作成が遅れていると。その理由は、専門的知識、経験を持ち合わせるスタッフが不足しているというような面もございます。そういう観点に立ちまして、やはり人材面、技術面におきますハザードマップ作成のための支援が必要であると思っておりますが、まず先ほど言いました六割という低い数字をどうとらえていて、また向上させるためには今後どのように具体的に対策を講じていくのか、その点について伺いたいと思います。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。 洪水や土砂災害から国民の生命財産を守るには、堤防とか砂防堰堤とか治水・砂防施設の整備によるハード対策と、今先生が申されましたようなハザードマップの整備などソフト対策、この両輪でもって防災力を高めていくことが重要であるというふうに思っております。 洪水に特化してお話し申し上げますと、洪水ハザードマップの作成に当たりましては、まず河川管理者であります国とか都道府県が、洪水が起こったときにどの区域まで浸水するんだという浸水想定区域を管理者自らが作成いたします。これに基づきまして、関係する市町村が避難場所とか避難経路とかを記載した洪水ハザードマップを作成することになっております。このハザードマップを作成する必要のある市町村は、全国全体で約千五百市町村ございます。そのうち、平成六年から十八年の六月三十日まで、十二年間で約三割の四百八十一市町村でこのハザードマップが作成されております。御指摘のように、遅れぎみであるという認識でおります。なお、平成二十一年度までに千五百市町村で全部で作成できるように目指してまいりたいと思っております。土砂災害ハザードマップの作成の状況も同様な状況にございます。 こういう状況に対しまして、国土交通省でございますが、市町村を支援するために、このハザードマップを作成するために分かりやすく示した手引書を作成するとか、国土交通省の出先事務所に市町村が、担当者が来訪していただいて相談できる窓口を設置するとか、あるいはまた、ハザードマップに必要な調査の経費の一部を補助するというような援助、支援を行っているところでございまして、これからもそういった方向でその支援を充実さしてまいりたいと思っております。
○谷合正明君 ハザードマップにおきましては、早急に平成二十一年度の目標に向けて頑張っていただきたいと思っております。また、ハザードマップができ上がった後の課題というのもしっかりとしていただきたいと思っております。 それは、いかにハザードマップを周知させるのか、またいかに活用するのかということでございます。私も各地でいろいろな小さい単位の会合等に入りますけれども、そこで災害の話をしたときに、出席している高齢者の方に、皆さん御自身の家の地域の避難所御存じですかと聞きますと、ほとんどの方がお互い顔を見合わせるというような状況でもございます。まだまだソフト面の対策の遅れというものが我が国の課題でもあると思っておりますので、しっかりとやっていただきたいと思います。 そのソフト面の話の中で、やはり高齢者あるいは障害者といった要援護者の対策が課題ではないかと指摘をされておりますし、私もそう各地の現場を回って実感しております。特に各自治体の方の話を聞いたりすると、高齢者だとか障害者の情報が、福祉部局と防災部局の中の連携がうまく取られていないというようなことを聞きます。個人情報保護法という観点、まあ壁があると、現実の壁があるというふうに伺うわけでありますが、この辺り、この個人情報保護法の壁をどう乗り越えて要援護者対策を進めるのか、内閣府さんにお聞きしたいと思います。
○政府参考人(増田優一君) お答えいたします。 高齢者、障害者などのいわゆる災害時要援護者の避難支援対策につきましては、国におきましてそのためのガイドラインを策定いたしておりまして、内閣府とそれから消防庁、厚生労働省の連名で既に公共団体に通知をいたしておりまして、この中で、今議員からございましたように、主として福祉部局が有する要援護者情報を防災部局も共有した上で、お一人お一人の要援護者に対します避難支援プランを作成してほしいということをお願いをしているわけでございます。 御指摘の点につきましては、確かに地方公共団体の中でもいわゆる個人情報保護法あるいは保護条例との関係で戸惑いがございまして、このガイドラインの中におきましても、できるだけ私ども丁寧に、例えば福祉目的で入手した要援護者個人にかかわる情報を災害時に備えて防災部局や避難支援に直接かかわる消防団等に提供することは、これは明らかに本人の利益にかなうものでありますから、本人の同意が必ずしもなくとも目的外利用や第三者への提供はできますということも丁寧に今お伝えしているところでございます。 また、この条例の中には個人情報保護審議会に諮問するというような手続を決めたものもございますが、そういった手続につきましてもきめ細かな今マニュアルを作って御指導さしていただいているわけです。ただ、現状ではこの行政内部での情報共有ですら非常に極めて消極的な自治体も多うございますんで、これからも関係省庁と連絡をしながらこのガイドラインに沿った取組が是非できるように今後とも努めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 高齢者、障害者以外にも、最近新しく外国人観光客も災害時にどういうふうに避難をしていただくとか、そういうことも指摘をされております。本日、時間がなくなってまいりましたので質問いたしませんが、要望としては、まだ実態把握というものがされておらないと、いわゆる外国人観光客の方がどういう災害情報が欲しいとか、そういうニーズの把握がこれからだというふうに伺っておりますが、内閣府さんと国交省の方でもせっかくビジット・ジャパン・キャンペーンしているわけでありますから、外国人にも優しい、分かりやすい災害情報の伝達というものにも努めていただきたいと要望させていただきます。 続いて、観光立国について質問をさせていただきます。先ほど、午前中から観光立国について詳しい質疑がございまして、若干かぶる話もございますが、御容赦ください。 まず初めに、冬柴大臣にお伺いいたします。 日中韓の観光大臣会合というのが今年七月、北海道で行われました。これは前の北側大臣の提唱によって行われたものでございます。この中では、北海道宣言で、二〇〇五年の今、三か国の観光交流が約一千二百万人、これ二〇一〇年までに一千七百万人に拡大するという数値目標も挙げられました。 午前中の質疑の中にもありましたとおり、明年、日中国交正常化から三十五周年、あるいは韓国との間でも朝鮮通信使というものがございまして、これも四百周年という年を迎えるわけでございます。それで、日中韓の観光交流のこの意義ですね、観光による経済効果という数字に表れないこの意義というものもあると思っておりますが、その意義をどう考えていらっしゃるのか、そしてまたその数値目標に向かってどう取り組んでいかれるのか、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御指摘のように、日中韓の三国の大臣会合というものを北海道で持ちまして、お話がありましたように、二〇一〇年までにその域内の交流の観光客を一千七百万人にまで増やしていこうではないかという合意でございます。大変すばらしい目標を立てていただいたわけでございます。 現在、この宣言に基づきまして、日中観光交流年事業や、青少年交流、文化・スポーツ交流、姉妹友好都市交流などの取組を行っているところでありまして、今後も、中国との関係では、本年十月末から日中間の航空輸送力が二割増しになる、増便される、来年が日中国交正常化三十五周年、また日中文化・スポーツ交流年とされておりますので、こういうものを通じてこの千七百万人の実現のために三か国で力を合わして頑張っていきたいと、このように思っております。 また、韓国との関係におきましては、確かに朝鮮通信使四百年ということで、安倍総理の地元に釜山の方から上陸をしたようでございまして、安倍総理の地元では友達のことを韓国語と同じ発音の方言があるそうでございまして、朝鮮通信使というものが我々の日本の文化に果たしたものは非常に大きいと思いますし、各地でその足跡が残っております。 そういうことから、韓国との関係でもこの交流を深めていきたい。特に、今年は二百万人目のお客さんが来られるということが予想されております。したがいまして、これは今までは、二百万人というのを達成するという大変な話なんですが、予想されますので、その人が来られたときに訪日キャンペーン事業というものを展開してお祝いもしたいというふうに思っております。 先ほどももう申しましたから、細かい数のことは申しませんけれども、中国も韓国も日本へ来ていただく方が今までにも増して大きく増えているということははっきりいたしております。更なる関係強化に努めてまいりたいと、このように思っております。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。 ビジット・ジャパン・キャンペーンの話をしますと、やはり東京だけでなく、各地方で受皿を作っていくことが大事であると。私の岡山でも、これは外国人観光客を対象にしたわけではございませんが、高梁市というところは学生人口が約一割を占めるということで、学習と観光を結び付けた学習観光というのをテーマに掲げて町おこしをやっているわけでございます。 こういう地方自治体を是非応援していただきたいと思っているわけでありますが、その中で、やはりこの観光行政で課題となってくるものの一つが統計の整備だと思っております、統計。 というのは、例えばある自治体と一体一年間でどのくらいお客さんが来るんだといったときに、何十万人という大ざっぱな数字は出ます。ただ、その数字というのは、ある寺に訪問したお客さんとある資料館を訪問したお客さん、ダブルカウントをしたりトリプルカウントをしたり、これは大ざっぱな数字でしかなくて、各地域間の比較ができなかったり、あるいは外国人観光客におきましても、年間の日本に入ってくるお客さんの数は分かるんですけれども、どういうふうに各都道府県に宿泊しているのか、そういう正確な数字が分からないというわけでございまして、是非この観光統計を推進をしていただきたいと思いますが、現時点でのこの訪日外国人観光客に関する統計の整備に向けてどのように取り組んでいらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(柴田耕介君) お答え申し上げます。 観光立国の実現を図るためには、内外の旅行者等の現状を的確に把握いたしますとともに、観光政策の効果の検証を適切に行い、その結果を新たな観光政策の立案に適切に反映していくことが極めて重要というふうに考えております。 こういった観点から、国土交通省といたしましては、昨年五月、観光統計の整備に関する検討懇談会を設置いたしまして、緊急的整備事項といたしまして、我が国の観光統計の基礎となる宿泊旅行統計調査を早急に整備するという結論を得たところでございます。これを踏まえまして、平成十九年、明年の一月からの宿泊旅行統計の着実な実施に向けまして、本年二月に第一次の予備調査を、また本年九月より本格調査の試行となります第二次調査を実施し、年内の取りまとめを目途に現在集計作業を行っているところでございます。 以上でございます。
○谷合正明君 その観光統計でございますが、どういった項目で調べるのかと、こちらで国交省の方から話を聞いたわけでありますが、まずは宿泊施設にアンケート調査をするんだと。その調査項目というのは、月別の宿泊者数、外国人宿泊者数、県別の宿泊者数、国籍別の宿泊者数、宿泊目的、この項目をまずは調べていくんだという話でございましたが。 午前中の質疑の中にもリピーター、リピーターという言葉がたくさん出てまいりました。日中韓の観光交流を考える上でもこのリピーターというものがやはりキーワードであろうと。例えば、韓国人が日本に来る訪日回数というのは大体平均で十一回あるそうでございます。中国人のその統計数字というのは、大体訪日回数というのは平均で四・六回だそうでございます。この差がいわゆる先ほど日中韓の観光交流のこの数字の差に表れているんだと思います、私は。 ここで私が提案したいのは、このリピーター率というのが非常に重要な指標であると。例えば、民間ではございますが、東京ディズニーランドなんかは八割、九割のお客さんがリピーターで来ると。このリピーターを測るものを是非この観光統計の中に将来的に入れていただきたいと思いますので、その辺りどのように考えていらっしゃるか、お伺いいたします。
○政府参考人(柴田耕介君) 先生御指摘のとおり、リピーターがどれぐらいの割合でいるかということも大変重要なインフォメーションでございます、情報でございます。そういう意味で、現在では、独立行政法人でございますが、国際観光振興機構という組織が約一万人を対象といたしましてサンプル調査を実施しております。 こういうものはございますが、更にこういったものの充実を図るために、今後改善すべき点も含めまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 是非改善していただきたいと思いますし、都道府県レベルだけでなく、また今度市町村レベルにもこの観光統計というものが正確な数字が出てくるようなことを望みます。それがひいては各地方が取り組んでいる観光政策、まちづくり、これに寄与するものだと私は確信をしております。 時間が参りましたので、私の方からは災害対策と、また観光立国について、国交省の方にしっかりとしていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。 大臣は所信のときに、国土交通行政は国民生活に密着するものであり、国民の視点に立ち行政を推進すると述べられました。私は、その点にかかわりまして、特に今日は二つの柱で質問をいたします。一点目は、関空二期事業と神戸空港についてです。 まず、この空港のそれぞれの、空港島の埋立ても含めまして、総事業費及び、そのうち国費はそれぞれ幾らでしょうか。
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。 まず関空でございます。関空二期事業の事業費につきましては、用地造成八千四百億、それから施設整備六百三十六億、合計九千三十六億円、このうち国費が三千八百三十六億円となってございます。また、先ほど来御議論いただいております、平成十五年度から有利子負債の確実な償還を図るために毎年九十億円の補給金が出ておりまして、これは四年間で合計三百六十億円でございます。 次に神戸空港でございますが、神戸空港の整備事業につきましては、総事業費は五百三十億円、国費二百八十億円を予定してございます。予定と申しますのは、既に開港はしておるわけでございますが、用地取得費につきまして、平成十七年度から二十一年度までの五年間の分割払になってございまして、それを積み上げますと、予定ということで先ほどの額でございます。なお、十八年度予算までで申し上げますと、事業費三百十三億円、国費百六十八億円でございます。
○小林美恵子君 いずれにしましても、多額な国民の税金をつぎ込んできた二つの空港でございます。 来年八月供用開始を目指している関西新空港、現在の一本目の滑走路でも、この間、需要予測と実際とは乖離をして経営にも影響を与えていることは、もう御承知のことだと思うんです。 先ほどもお話がございましたけれども、先日会計検査院が一兆円を超える有利子債務のことを報告をされました。これ一兆円でございますけれども、完済予定でいきますと二〇三七年、利子が付きますから金額は二兆円になるというふうに言われています。さらにその有利子債務の減少額でございますけれども、二〇〇六年から二〇〇八年、国交省がその減少額を試算をしておりますけれども、一千二十四億円です。しかし会計検査院は、試算をしますと四百九十五億円にすぎないと、国交省の過大の試算について指摘をされました。そして、新たに供用開始後は空港のいわゆる施設負担が見込まれるだろうということで報告をしております。 同時に、私も大阪でございますけれども、その関空から肉眼で見える位置に神戸空港が今年二月開港となり、もう八か月余りとなるんでしょうか。その神戸空港の会計は、今年度三百十九万人の利用者見込みで黒字の前提として財政計画が立てられていますけれども、八月末までの利用実績は百四十七万人、搭乗率六三・七%になっておりますけれども、七月段階は五〇%台でした。で、今年八月二十三日の日刊工業新聞には、神戸市長が二十一世紀空港活用促進協議会で三百十九万には届かないと発言していることも報道しました。まあ先ほどの搭乗率を見ますと、一〇〇%行っても八月末で百四十七万人では、二〇〇六年一杯、三百十九万には数字的に言っても届かないものでございます。 そこで、私は大臣にこうした点を踏まえてお伺いしたいんですけれども、どちらもいずれにしても過大な予測で大変な破綻を招きかねないと。神戸空港は元々、計画当初、市民の三人に一人の方が建設反対ということで住民投票もされたところでございます。にもかかわらず、関西圏にこうした過大予測の空港建設をラッシュしてきた、このことが、大臣が所信でお述べになられました、国民の視点に立った国土交通行政、こういうことと相合致するものか、その点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 目に見えるところに空港がまたできたと今おっしゃいました。確かに大阪湾を取り巻いて三つの空港が至近の距離にあることは事実でございます。しかし、この後背人口というのは、もちろん大阪府だけではなしに兵庫県、そしてまた和歌山県、京都府というものまでも覆ってこの三空港が利用されているわけでありまして、二千万人近い人が利用しているんですよ。 これを、じゃ、そういうことを考えたときに、兵庫県だけでも五百五十万人の人口を擁しているわけでございまして、これは四国の総人口よりも多いんです、四県よりも。四国には四つの空港がございます。それで、もしこの四県のGDPをですよ、GDPを加算を、累積をしますと、これはG8に出ている国の下の方の国よりもずっと上に行きますよ。私はそういうことを考えたときに、ここに三つの空港があるのは過大で、国民にとって非常にお荷物であるというような考え方は私は取りません。 これはやはり、もうずっと今朝から言っているように、少子高齢社会が進むこの日本の中にあって、なお経済を発展させていく戦略を立てるならば、四面環海にあるこの国土の中で、やはり外国とのゲートというものをきちっと開いていかなきゃならない。そのためには関西国際空港は是非必要だと思います。これは、アジアにも近い、そして戦前からの交流も深い、そして東京へ行くよりも何十分間か早く着くわけでございます。 そういう意味で、この関西国際空港を十全に利用していくならば、私は、それは確かに有利子債務が多いことは事実でありますけれども、朝方申し上げましたように、九十二億円の利益を計上するまで経営は改善されているわけでございます。神戸は後背人口百五十万人を抱えた国内線として、そしてまた伊丹空港は、これは、伊丹といいますけれども、実際は大阪府池田市と豊中市に本店がある会社でございまして、大阪と京都の人がたくさん使っているんです。そういう意味で、この三空港がそれぞれの機能を十全に発揮すれば、関西経済あるいはひいては日本の活力にも役が立つと私は思っております。
○小林美恵子君 大臣はそのようにおっしゃいますけれども、開港前の一月七日の読売新聞には、関西に三空港が必要かとの質問に、兵庫、大阪北部の六十八市町で、全く思わない、余り思わないを含めますと三十八市町が回答されています。その理由が、利用者を奪い合い共倒れになると、こういう指摘もあるということを踏まえていただきたいということを申し上げたいと思います。 実は私、今日この空港の問題をまず取り上げさしていただきましたのは、一方でそういうところには税金をつぎ込むけれども、住民の皆さんの住宅が危うい状態になっている、そのことを申し上げたいから取り上げたんです。 その問題は、昨年十一月二十九日に民間に売却しました空港周辺整備機構住宅問題でございます。売却価格は約二十三億円です。この住宅売却するまで、四団地六棟二百九十三戸を独立行政法人空港周辺整備機構が所有、管理していたものでございます。大臣の地元でございます尼崎にもあると思います。 騒音対策として建設されたこの住宅の住民は、そもそも、一九六九年に空港騒音訴訟が起きるほど、とにかく静かな生活が脅かされて、甚大な騒音被害者だと私は思います。機構住宅への移転といいますのは、そもそも、静かに暮らしていた皆さんが空港の騒音によってそれが脅かされると、それで住宅を建設して移り住んでいただいたわけでございますけれども、言わば国の事業に私は協力した人たちだというふうに思うんです。この点、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのとおりだと考えております。
○小林美恵子君 そのとおりだという御答弁をいただきました。 では、その住民の皆さんが入居しているにもかかわらず、機構は全棟一括処分として、昨年十一月二十九日、住友信託銀行の仲介の下でアーク不動産と民間の不動産会社と売買契約しました。十二月二十二日に引取りが完了されました。そして、三月ごろから住民の皆さんへのいわゆる退去、立ち退き要求が始まったわけです。私はこの話を六月にお受けしましたけれども、七月、現地大阪の豊中市の利倉西の方に調査に行ってまいりました。そこで、住民の皆さんとのお話もお伺いしましたけれども、こういうお話でした。 住民の皆さんは、空港機構から事前の何の説明もなく民間業者に全棟一括の売却が終わった後になってから知らされたと。空港機構のやり方はとんでもないと。しかも、買受けした民間のアーク不動産の社員が空き室に居座って夜中に扉を騒々しく開閉をすると。一戸一戸戸別に訪問されて、立ち退いてくださいというふうに回ってくる。家賃の滞納もしていない入居者の方の保証人にまで電話をして、あの人を立ち退いてもらうようにしてもらえないですかというふうに言う。とにかく住民の皆さんはそういう行為に対して恐れおののいてしまって、泣く泣く立ち退きに応じざるを得ない状況に追い込まれていったわけでございます。 そこで、大臣にお伺いしたいと思うんですね。こうした要求を迫られて、しかも事前の説明もなしに退去をせざるを得なかった、そういう住民の思いというのは、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御協力をいただいて、そして私の選挙区にも共同住宅というものを造りまして、そこへ騒音被害の厳しい地域にお住まいの方々にこの借家を提供をしたわけでございます。 ところで、その後内閣におきまして、このような共同住宅については、特殊法人が所有しているわけですが、等整理合理化計画というものが平成十三年十二月十九日に閣議決定をされまして、既存の共同住宅についてできる限り早期に処分するという旨が盛り込まれたわけですね。それに基づきまして、この適切な売却先が見付かったということから売却をしたわけでございます。 ただその際、これは借家契約でございますから、中に入っていられる方は、借家法あるいは借家法とも言いますが、一条の二というところで、これは新しい買主、先ほどアーク不動産と言われましたが、その人に対して賃借権を十分主張する、そういう権利が確保されているわけでございます。したがいまして、そこを出てほしいとおっしゃいましても、それは民間同士の話合いによって補償をする、あるいは立ち退き期間を置く、あるいは代替の家屋を提供する等、合意が成立しなければ、出る法律上の義務は全くないわけでございます。 そういうふうに保護されているわけでございまして、国家としてこのようなものを処分をするという、そういう方針が決められ、そしてこういう人が入った状態でも結構だから買いたいということで、値段も評価すれば、それはそれで堪えられるということから、我々の方も相談を受けて、そして処分をしたということでございます。 それから、それに対する、その利倉というところでございますが、三棟あったんですね、一、二、三棟。それで一棟を残して、それで二棟と三棟について空けていただきたいということで、ほとんどの方が一棟に入っていらっしゃるわけです。それで残り十一戸の人だけがそちらへ移っていただければ二棟と三棟は空くわけです、隣同士ですから。そういう交渉も併せ、そしてまたそれに対する立ち退きの猶予期間とか補償金の提示とかいろんなことをして交渉をしていられると私は聞いているところでございますから、民民で本当に十分話合いの上で解決していただきたいなというふうに思っております。
○小林美恵子君 大臣は今、民民というふうにおっしゃいましたけれども、まず機構がその民間の不動産に売却するに当たっての話でございますけれども、その売却するに当たりまして、先ほど閣議決定というお話がございました。同時に、機構が中期計画を立てて、それを大臣に届出をして認めて公表しなければならないという独法の通則法がございます。この中期計画、そしてまた年度計画につきましては、この空港周辺整備機構住宅に関しましては、いわゆるその計画に全棟一括処分という文言はどこにも書いてありません。これを、私はいつ、どのように大臣がお認めになって公表されたかということをまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鈴木久泰君) 私どもの方から事実関係を御説明させていただきます。 平成十三年に閣議決定がございまして、この共同住宅の処分が決まったわけでありますが、それに基づきまして国土交通大臣が定めた中期目標で処分に着手するというようなことがうたわれました。中期計画の中では処分するということは書いてございませんが、機構の方から私どもの方に相談がありまして、その中期計画の上位計画であります閣議決定なり中期目標に沿って処分をするということでありましたので、私どももそれは処分は適切であると考えたものでございます。
○小林美恵子君 今局長は計画には書いていなかったとおっしゃいました。なかったことを実施をされたわけでございます。通則法でいくと、変更はあくまで変更で、変更の部分は文書でもってしっかりとやっぱり届けなくちゃならないというふうに、それは総務省サイドの判断を私はお聞きをしました。 その点でいっても今の御答弁というのは本当に、何といいますか、ルールに従っていないと言わざるを得ないと私は思うんですけれども、この点大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、そういうふうなことがまかり通りますと、せっかく届けて公表することが一体何のためなのかということを、軽いものになってくるんじゃないかと思うんです。それをちゃんと変更するんだったら、変更届も出して、そのことをしっかり公表する、これがやっぱり当たり前のルールじゃないかと思うんですけれども、大臣その点、申し訳ないですけれども、簡潔にお答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 閣議決定の執行でございますから、処分をするということを閣議決定している以上、その処分価格等が折れ合うならば、それは処分をされてもそれはその範囲であると思います。
○小林美恵子君 いや、それでは私は入居している住民の皆さんのお立場がどこにも浮かばれないというふうに言わざるを得ないなというふうに思うんです。 それで、機構が民間不動産に売却をされました。その売却の際に、住民の皆さんとか自治体に機構自らが事前の説明は一回もなされていません。私は、機構の方に直接お話をお伺いしました。そうしますと、機構は、商慣行に従い事前説明しないで契約をしたと。つまり事前説明すると契約が成り立たなくなるからだというふうに説明をしたわけでございます。 こういうふうにして、民間でない住宅ですよね、機構住宅といいますのは。しかも、入居者の方がいらっしゃる。そういう住宅を住民の皆さんに事前の説明もなくに民間の不動産に売却するということが、私は信義則に照らしてみて合致するものかというふうに思うんですが、この点、大臣いかがですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) その処分した日に皆さんには通報をいたしております。また、処分に当たりましては覚書を締結をしておりまして、いわゆるアーク不動産は、居住者の生活の安定に資するため、甲、すなわち独立法人、独法が定めていた家賃、敷金等の賃貸条件の維持に努めるものとする。二つ目、アーク不動産は、住宅の建て替え等のため、居住者に移転を求める場合においては、転居の猶予期間の設定、希望に応じた移転先の提供等、居住者の意向に十分に配慮するものとする。三つ目は、アーク不動産は、独法に対する過去の家賃滞納をもって直ちに当該居住者に対する契約解除事由とはしないように配慮するものとする。 この一番と二番につきましては、先ほど言った借家法一条の二で保護されているところであります、法律上。三番は、もし家賃の滞納をすれば、これは契約解除ということができるわけですけれども、そういうことについても配慮してもらいたいという、そういう引継ぎをきちっとして、双方が署名、押印をして、それで取引しているわけでございます。 したがいまして、私は、その説明をしなかった、あるいはそれを突然売却したのは信義則に反するという御主張については、私はそうではないというふうに思います。
○小林美恵子君 先ほど大臣は、国民の視点に立った国土交通行政ということを所信のときにもお述べになりました。その立場ですると、今の御答弁というのは、私は合致をしないというふうに指摘せざるを得ません。 一方で、関西空港二期事業、神戸空港等には、先ほど御説明いただいたように、多額なお金をつぎ込む。この住宅は売却価格が二十三億円です。その二十三億円を得るために住んでおるお方を出ていってもらって、それを、出ていってもらうような結果になるようないわゆる民間不動産に売ってしまうというのは、私はやっぱり許し難いなと言わざるを得ません。 最後に申し上げますけれども、そもそも通常国会で住生活基本法というのが成立しました。そこには、国民の住生活の安定確保ということが随分強調されていました。そういうことを本当に尊重されるのでありましたら、この問題に対しまして、機構やまた民間不動産に対して、国としても住民の立場に立った対応が求められるということを再度強調しまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。 まず、質問に入ります前に、先ほど同僚議員からも御批判をいただきましたが、冬柴大臣を始めとして公共交通にかかわる者に対して、大変、飲酒運転にかかわって、御心労、御心配を掛けたことについて、会社として十分反省をして、従業員一同、今再発防止のために努力している最中でございますので、どうかひとつよろしく御理解をいただければとこのように思って、今後ともひとつ御指導をよろしくまずはお願いを申し上げておきたいと思います。 まず初めに、内閣府に対してお尋ねをいたしますが、安倍総理は所信表明演説において、国民の安全を確保するのは政府の責務であると明言をしております。事故リスク情報の公開や安全規制の強化など、再発防止に向けて取り組んでいくと強調をされております。これを受けて内閣府では、国民の安全、安心を確保する取組を始められているようですが、具体的にはどのような取組を始めようとしているのか、お知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(西達男君) 総理の所信表明演説でも述べられておられますように、最近エレベーターの事故やガス瞬間湯沸器等による死亡、重篤事故が相次ぎまして、消費者の安全に対する関心が急速に高まってきております。これを受けまして内閣府では、去る九月末に以下の三点を柱とする「消費者の安全・安心に向けた取組みについて」を公表したところでございます。 一つ目は、全国消費生活情報ネットワークシステムを通じて、国民生活センターが入手した死亡、重篤事故情報を関係省庁へ迅速かつ積極的に提供する。二つ目は、関係省庁間の広範な情報共有のため、消費者政策会議、これは内閣総理大臣を会長とする閣僚レベルの会議でございますけれども、その下に設置されております消費者政策担当課長会議を定期的に開催する。三つ目は、死亡、重篤事故のみならず、広く苦情相談情報の効果的な活用方策に関する検討会を立ち上げ、情報収集、提供の在り方を検討するというものでございます。 また、去る十月二十日に開催されました国民生活審議会総会において、身近な場における安全、安心の確保策について、官と民との新たな役割分担の在り方を含めて検討に着手するということが決定されたところでございます。 内閣府としては、こうした取組を通じて、消費者の身近な安全、安心の確保に向けた政策の推進に努めていくこととしております。 以上でございます。
○渕上貞雄君 ただいまの答弁にもございましたが、いわゆるこの取組では、暮らしの事故、消費者が関係する事故の情報収集、それから原因の分析や再発防止策を検討するということでございますけれども、ただ単に消費者用製品に限定するのではなくて、国民生活全般にかかわる安全、安心を確保するということが最も大事なことではないかと思うんですが、その安全、安心にかかわるあるべき規制について総合的に判断をすべきではないかと思うんですが、その見解はいかがでございましょうか。
○政府参考人(田中孝文君) お答えいたします。 規制改革につきましては、個々の産業の参入者や設備の数量、価格等を直接的に規制するいわゆる経済的規制に関しましては原則自由に、国民の安全の確保、環境保全等を目的とするいわゆる社会的規制につきましては必要最小限にということを基本的な考え方として推進してきておりますが、国民の安全の確保等の観点から、規制という手段によることが真に必要な場合には所要の規制の整備、見直しを行い、規制の実効性を確保するための不断の改革をすることが適当であると考えてございます。 今後とも、経済社会の実態や国民のニーズを踏まえ規制改革を推進していく所存であり、制度所管庁における対応の状況をも見守りつつ、内閣府としても必要な検討を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○渕上貞雄君 内閣府の方々、御苦労さまでございます。ありがとうございました。あと質問ありませんので、どうぞお引き取ってください。ありがとうございました。 では、冬柴大臣にお尋ねをいたしますが、自民党と公明党の連立政権合意における重点政策課題について、都市と地方の格差を是正するという文言がございます。都市と地方の格差についてどのようにまずは認識されておるのか。また、中小企業対策の強化では、中小零細企業への支援強化を充実強化することとありますが、国土交通省所管でいうならば、私は地方の中小私鉄、バスが該当するものと思われますし、公共交通を担う地方中小私鉄、バスに対する支援策の充実強化のための具体的な措置について、何かありましたらお伺いいたします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 連立合意の中に、新しい地方分権推進法を策定しようではないかという合意をしました。平成七年に地方分権推進に関する法律案を実は私が代表になって提案をしたいきさつもあります。そういうことで、地方分権推進法、そして四百七十五本にも及ぶ分権一括法、そして三位一体改革ということで、一応地方分権は進んでいますけれども、私はまだ道半ばだという認識から、この新しい、もう一度地方分権を推進を図る法整備をしてほしいということを合意の中に入れ込んだわけでございます。 その認識はどういうことかといいますと、日本の国というのは明治期以来本当に極端な中央集権型行政システムを取ってまいりました。これは、短期間の間に日本が近代化をし、そして列強と伍するような軍事力を持ち、敗戦をし、その後経済大国にまたのしてきたわけですけれども、そういう短期間の間に大きく発展したということについて、中央集権型の行政システムというのは一定の役割を果たしたとは思いますけれども、その結果として、先ほども二十世紀の負の遺産と言われましたけれども、東京に対し、政治も経済も財政も金融も文化や人間も、狭い中に本当に過度に集中をしてしまいました。そのことによって地方は過疎ということになり、非常に大きな過密過疎という問題とか、非常に大きな社会問題を惹起しているわけでありまして、これを二十一世紀型、もう一度地方を再生し、そして過度に集中した東京の権限なり、そういうものを地方に分散をしていかなければならない。 これは、災害が起こったときに、もし東京に首都圏直下型地震等が起こった場合に、この中枢機能が麻痺したときには日本一国だけの影響では済みません。世界じゅうが影響を受けるわけであります。そういう認識の下に、私は、この国と地方というものの国づくり、二十一世紀型の美しい国日本というものを建設する上において、この都市と地方というものについての国土づくりというのは非常に重要な視点だというふうに考えているところでございます。
○渕上貞雄君 もう一つある、もう一つ、もう一つ。
○委員長(大江康弘君) 答弁漏れですか。 宿利総合政策局長。
○政府参考人(宿利正史君) お答えを申し上げます。 地方の中小の鉄道あるいはバス事業者に対する支援策の拡充、充実についてのお尋ねでございましたが、私ども、先ほども質疑の中で申し上げましたように、地域の公共交通の再生、活性化を図るということはこれからの社会において極めて重要だと考えております。 従来から、地方鉄道の維持のための近代化補助、あるいは地方のバス路線の維持のための地方バス補助といった財政支援をやっておりましたが、平成十七年度、十八年度とそれぞれ近代化補助、地方バス補助について制度の拡充を図ってきたところであります。 今後ともそういった検討を進め、また、先ほど申し上げました交通政策審議会地域公共交通部会での議論なども踏まえまして、先生の御指摘の問題点について精一杯取り組んでいきたいと考えております。
○渕上貞雄君 やはり地方の格差という問題が社会的な問題になっているときですから、これをひとつどうか政策の中に生かしていただくように御要望を申し上げておきたいと思います。 次に、大臣も発言をされておられますように、国民の安全、安心のための取組が喫緊の課題であり、国民の安全、安心の確保は国土交通行政の基本であると思いますと、こういうふうに述べられております。 昨今、発生をしております建設、交通、運輸における事件、事故は、国民の生命財産を脅かし、安全、安心に対する信頼を大きく失墜させるものでした。これらの事件、事故は、やはり安倍総理が言われるように、単に規律の緩みというだけで発生している問題ではないと思うんでありますが、大臣はこれらの事件、事故の発生について信頼回復のためにどのように認識されておるのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私の地元であります尼崎市であのJR西日本による福知山列車事故というものが起こってしまいました。百七名の人命を失い、五百五十五名にも上る負傷者を出しました。 誠に遺憾なことでございますが、これを契機といたしまして、この安全というもの、こういうものを、上は社長から下の職員、もう運転士の方はもちろんのことですけれども、事務職員に至るまで、一人一人が安全というものを、そういうものを不断に認識をしていただく。そのためには、質問された先生からお話がありましたように、毎日毎日しつこいほどそういう安全というものを徹底して、そして骨の髄まで染み込ませるというような、そういうことが必要であるということから、交通安全マネジメント評価という制度を発足させていただいたわけでございまして、これに基づきまして、十月一日以降、それぞれの運輸事業者に対してこの評価を行い、そしていろいろな助言をし、これは一回限りの話ではありませんで、これから未来永劫この作業は続けていかなければならない、このように認識をいたしております。
○渕上貞雄君 では、具体的にお伺いをいたしますが、最初に構造計算書偽装にかかわる問題についてでございますが、再発を防止し、建築物の安全性を確保するための取組が当然のことでございますが、被害に遭われたマンションの住民の方々の救済についてもやはり取組を進める必要があると思います。中でも、生活再建のための既存の住宅ローンや追加負担問題等について救済措置を望む声が大変大きく出ておるわけでございますが、その点はいかがでございましょうか。
○政府参考人(榊正剛君) 保有水平耐力比〇・五未満の危険な分譲マンションということで、ヒューザーという会社が売主でありました物件につきまして、被害者の救済措置ということでございます。 これらにつきまして、昨年の十二月の六日に、地域住宅交付金を活用した相談、移転から取壊し、建て替えに至ります総合的な支援策をまとめたところでございます。その内容につきましては、居住者の移転費、仮住居の家賃軽減費用、マンションの除却費、建て替えの際の共同施設整備費、建て替えにつきまして新たな住宅ローンの利子相当分の軽減費用などに対する支援を行うということにいたしたものでございます。 既往の住宅ローンにつきましても、住宅金融公庫におきまして返済据置期間の設定を行うと同時に、全銀協にもお願いいたしまして、同様の措置を講じることを申合せさせていただきました。さらに、税制でも固定資産税、都市計画税の減免等の措置が取られておるところでございます。 こうした支援の結果、現在までに、十一棟のうち一棟は建て替えではなくて耐震改修をするということになりました。建て替えをいたしますというのは約十棟になりまして、この十棟につきまして建て替え推進決議がなされました。それから、法的拘束力を有します区分所有法に基づきます建て替え決議、これは既に三棟決議がされております。建て替え決議を年内に予定している建物が約あと三棟ということになっております。さらに、建て替え決議を行いました三棟のうち、マンション建替え円滑化法に基づく認可を受けましたものが二棟ございます。このうち一棟と、保有水平耐力比が〇・一五と非常に低いグランドステージ藤沢、これにつきましては既に除却工事に着手をしておるというような状況でございます。
○渕上貞雄君 生活再建のための望む声が大変多うございますので、そこら辺りひとつどうか国土交通省としても十分耳を傾けてやっていただきたいと思います。 タクシーの規制緩和が行われまして四年九か月が経過をいたしました。この間、マスコミでも取り上げられましたように、タクシー運転手の労働環境の悪化、賃金が大きく減少し、輸送の安全確保にとっても放置できない問題となっておることは御承知のとおりだと思います。 本委員会でもこの問題については度々取り上げられておりますが、北側前大臣からも大変前向きな答弁がなされておりまして、種々の対策について着手をされました。このことにつきましては、やっぱり一定の前進だと私は評価をしたいと、このように思っております。 そこで、冬柴大臣、規制緩和後のタクシーにかかわる認識、とりわけ、規制緩和したけれどもこういう実態があるということを認識された上で、今後できればどのようにやろうと考えられておるのか、大臣の認識をお伺いいたします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今までの規制を一部緩和したために大変事業者が増えて過当な競争になり、また、その輸送需要も景気が悪かったために、最近は若干変わっているかも分かりませんけれども、大変落ち込みました。そういうものが、しわ寄せがタクシーの場合運転者に多く寄せられているという、そういう認識はいたしております。 私どもは、厚生労働省とも連携をしながら、業法違反とかいうものにつきましては厳しく監査をやっております。道路運送法に基づく監査をやりました。それからまた、なお悪質な人に対しては、行政処分として事業の停止あるいは車両運行の一定期間の停止処分等を行っております。 自由競争、規制緩和をしますと競争が激しくなるわけですが、だからといって法を犯していいということではありません。したがいまして、それは事後規制、事後チェックというものを厳しくすることにより、同じ土俵の上で健全な競争をしていただくということをやっていかなければならないのではないかということから、我々に与えられた権限で事後チェックを、事後規制を厳しくしていこうということであります。
○渕上貞雄君 最後の質問になりますけれども、運賃問題についてお伺いをいたします。 各地でタクシー運賃改定の動きが報じられておりますけれども、申請理由の中には賃金、それから労働条件の改善が強調されております。国土交通省はこの審査に当たって、賃金、労働条件の改善を重視して臨まれることは私は当然のことだと思いますね。これはやはり運賃の中に含まれる構成から考えてみてそのとおりだと思います。 そこで、認可に当たって、申請理由とされたその労働条件の改善、これきちんとやはり履行されるように国土交通省として指導してもらいたいんでありますが、その点いかがでございましょうか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、タクシーについては一部の地域、長野とか大分で運賃改定の申請が出されております。この申請の背景には、運賃収入が低迷する中で労働条件の改善を図る、あるいは近年の燃料費の高騰等でコストが増大しているといったことだと認識をしております。 私ども、これから申請の内容につきまして、これも先生御案内のとおり、道路運送法で運賃は認可になっておりますので、適正原価、適正利潤を超えないものとか、いろんな基準がございますので、それに沿って的確に審査をしていきたいと、こう思っております。 お話ございました労働条件、賃金の話でございますけれども、これはやはり基本的に労使の問題と思っておりますので、労使間で十分に議論いただく問題と考えております。
○渕上貞雄君 労使問題で逃げてしまうと社会問題になるわけですよ。だから、社会問題にならぬでいいようにきちっとやってもらいたいというのがこちらの願いですから、要望を申し上げておきます。 なお、時間でございますし、大臣に決意表明を聞く質問をしておりましたけれども、時間でございますので、お許しをいただきたいと思います。 終わります。
○後藤博子君 国民新党の後藤博子でございます。本日最後の質問になりますので、よろしくお願いいたします。国民新党に入党いたしまして、私にとりましては初めての記念すべき質問になりますので、よろしくお願いいたします。 では、大臣や財務省に税制は国民に簡素で分かりやすいものである必要があるかどうかとかお尋ねをいたしますと、もうお答えいただくでもなく、やはり税制は簡素でやはり分かりやすい、国民にとって分かりやすいものだというお答えは返ってくると思っております。 今日は道路特定財源のことについてのお尋ねですけれども、私もこの国土交通委員になりましてまだ浅いので、どこまで分かっているか分かりませんが、道路特定財源をお尋ねしようと思っていろいろ見ておりますと非常に分かりにくく、何でっていうようなクエスチョンが出てきまして、どうしてこんなたくさん払わなきゃいけないんだろうというような、率直な国民の意識に立っての質問ですので、勉強不足はお許し願いたいと思っております。 道路財源については、揮発油税などは本則の税率に更に暫定税率が課せられて、倍になっています。倍になった税金に更に消費税が上乗せされて、二重に税金が徴収される複雑なものになっています。揮発油税だけで約三兆円になるんですが、その五%といえば一千五百億円もの巨額な消費税となっておりますし、毎年自動車ユーザーは支払い続けていると思っております。少なくともこの二重課税について納税者の理解が得られていないのではないかと、各いろんなものを見ますとそういうことが挙げられております。自動車ユーザーの由来のこの消費税について、逆に道路財源として還元すべきではないかと思うんですが、もし仮に還元できなかった場合に、このような複雑な二重課税の税制度は廃止、中止をするべきではないかと率直に思うんですけれども、そのお考えをお聞かせください。 よろしくお願いいたします。
○政府参考人(古谷一之君) 最初に財務省の方から税制の仕組みについて御説明をさせていただきます。 議員が御指摘ございましたけれども、消費税は、商品ですとかサービスにつきましてその消費支出の大きさ、すなわち消費者の購入価格に対して負担を求める税でございます。 一方で、揮発油税などの個別間接税は、業者の製造ですとか出荷の段階で課されておりますけれども、この結果、小売価格の中に間接的に、言わばコストという形で個別間接税相当分がございますと、それにも消費税が掛かることになります。 この仕組み自体は国際的に確立をしております消費税のルールでございまして、消費税が採用されておりますヨーロッパ諸国でも同様な取扱いになっております。その点の御理解をちょうだいできればと思います。 以上でございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 そうですね、それぞれにいろんな意味があって税金を付けられているということは理解できるんですけれども、国民にとっては税は同じなんですね。税金は税金なんですね。 例えば、今回の質問に対して国交省管轄ではないということで、自動車取得税は総務省の管轄で地方税なんですよということも教えていただきましたけれども、それはやはり特定財源の中に入っているわけでございます。ですから、ユーザーにとりましても一般の国民にとりましても本当に分かりにくいということですね。それは、取得の段階でも保有の段階でも使用の各段階においても九種類もの自動車関係の税金がありました。 ユーザーにとって分かりにくく、納得のいく簡素化であったり合理化であったり公平化の実現を私は望みたいと思っております。また、消費税との関連を踏まえた議論ももっともっとしていっていただきたいと思っております。時間ありませんので、要望ということでさせていただきます。 また、道路特定財源の一般財源化に関することなんですけれども、政府は道路特定財源について、現行の税率を維持しつつ、一般財源化を前提に見直しを行い、納税者の理解を得ながら年内に具体案を取りまとめる方針のようでございます。特に、納税者の理解を得ながらという部分についてのお伺いでございます。 納税者の意見として、社団法人日本自動車連盟が行ったアンケートでは、道路一般財源化に反対する声が八割を超えておりまして、約八百二十七万人の自動車ユーザーから一般財源化反対と、道路整備以外に使うなら暫定税率を廃止すべきだという署名が集まったとしております。 この納税者の声を挙げれば、現行の税率維持しつつ一般財源化を前提に見直すというのは非常に困難であると思いますけれども、今後どのようにして納税者の理解を得ていくのでしょうか。また、その見通しはどうなのでしょうか。また、理解を得られたと仮にいたしましたときに、その得られたという判断の基準とか判断は、何を根拠にその判断を、得られたという判断をされるのでしょうか。一般財源化がもうありきということでの方向の議論がどうもなされているような気がしてなりません。もっともっと議論するべきところを、もっともっとその財源を使って道路の整備ということを非常に地方では言われておりますので、その辺踏まえまして今の、対してのお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。 道路特定財源の一般財源化、こういう見直しにつきましては、行革推進法で既に一般財源化を前提に見直しを図るということがこれは決められております。 これからどうしていくのかという話でございますが、いろんな要望でありますとか、委員御指摘のいろんな決議でありますとか、それは我々の方に届いておりますんで、そういうその様々な場を通じまして納税者である道路利用者、そういう関係の方々の幅広い意見を今までも伺ってまいりました。 今後も引き続きまして、様々な機会をとらえて関係者の方々の御意見を伺い、これらの御意見を総合的に考慮しながら、先ほど申し上げました行革推進法でありますとか、骨太方針二〇〇六、こういうものに沿いまして、一般財源化を図ることを前提として、納税者に対して十分な説明を行い、その理解を得つつ、関係各方面と連携して年内に具体案を取りまとめてまいる所存でございます。 よろしくお願いいたします。
○後藤博子君 ありがとうございます。 いろいろと中身のもっともっと詳しいこと、つかないといけないと思うんですが、まだ、時間もありませんから、暫定税率のこともありますし、もっともっと議論をしながら、本当にユーザーの皆さん、ユーザーのみならず家族の方々や女性の方々にとってのどうなのかということを周知徹底していただき、理解をもっともっと得られるための努力をしていただければと思っております。 私は大分県出身でございますから、大分県のことでちょっとお尋ねをいたしますけれども、大分県は今月十六日に、今後十年以内に実施すべき県内の道路整備工事を示しまして、必要な財源を求める道路整備に関する緊急アピールを発表いたしました。地元新聞の合同新聞に載りまして、こういうふうに知事が写りまして、十年間で七千億円必要だというようなことで緊急アピールをしております。 これは、大分県では非常に今企業誘致も進んでおりまして、キヤノンやダイハツの企業誘致も進んでおりますので、やっぱり道路を造ることは非常に大事なことであります。また、経済活性だけではなくて生活道に密着した道路、ここはちょっと今日は詳しいマップを持ってこれなかったんです。(資料提示)これ、我が、私のふるさと大分県でございまして、非常に中山間地域のある緑多いところでありますけれども、まだまだ山の中、奥の方は道路整備がされておりません。 そういう点では、例えば東九州、これもう言わなくても国交省の方は分かっておられると思う、東九州の自動車道であったり、高規格の中九州、特に中九州は、宮田局長御存じのように、道を考える女性の会が立ち上がりまして、非常に女性たちが活発に動いておりますし、現地を理解してくださっている宮田局長が何度も足を運んでいただきまして、本当に有り難いと思っております。それだけ現場のことを分かっていらっしゃいます局長なんです。ですので、私は安心しておりますが、やはり道路財源を一般化していくことに関して、どうしてもこの整備が遅れるんじゃないか。今でも遅れておりますし、まだまだ完全ではございません。そういうことに関して、県道の整備とか促進も強く要請されていることでございます。 女性が、代弁しますと、女性は命をつなぐ道だということを言っています。やはり、女性にとっては子供を産み育てることの必要性を、道路がなければ、今児童の病院もなかなか行けない、産婦人科にも行けないという状況がありますから、国道もさることながら、県道や生活道に密着した道路の必要性は女性ならではのことで訴えております。 こういった、大分県だけではなくて、道路整備に対するニーズは九州だけではなくて全国的に極めて高くて、今後とも道路特定財源は道路の整備に充てて、その整備を促進すべきと考えております。道路特定財源の見直しが進められておりますけれども、大分県の場合の見通しも含めまして、今後の道路特定財源をどう確保していくのか、またその取扱いをどうするのか、現場が分かっていらっしゃる宮田局長にお答えをいただきたいと思います。 ありがとうございます。
○政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。 大分県に限りませんが、全国各地からの強い道路整備の要望をいただいております。 今先生がお触れになりました中九州横断道路の今の整備状況あるいは調査状況について御説明を申し上げたいと思います。 中九州横断道路でございますが、大分から熊本まで百二十キロという道路、地域高規格道路でございますが、大分県内六十キロでございます。そのうち二十五キロを国土交通省が事業をやってございます。事業中区間でありますその一つの犬飼千歳道路四・三キロにつきましては今年度末に供用を予定しております。それから、千歳大野道路八・七キロについては平成十九年度、来年度を供用ということで事業を推進しております。(「何車線かな」と呼ぶ者あり)二車線でございます。残りの事業中区間であります大野竹田道路十二・三キロにつきましては、測量にこの間着手をしたところでございます。 いずれの路線におきましても、事業中の区間につきましては早期供用を目指したいと考えておりますし、調査を実施している区間については大分県と協力をしながら事業着手を目指して調査を進めてまいりたいと思います。それに掛かる費用、多額でございます。大野竹田道路については三百五十億、暫定二車線、三百五十億でございます。そういう財源のために、先ほど申し上げましたが、行革推進法に沿いまして納税者に対して十分な説明を行い、その理解を得つつ、関係各方面と連携して年内に具体案を取りまとめてまいりたいと、こう思います。
○後藤博子君 ありがとうございました。 後ほど大臣にまとめてコメントいただきますので、大変失礼でございますけれども、よろしくお願いいたします。 持ち時間二十分というのは本当に短くて、もっと突っ込んだ話がしたいんですが、要は生活に密着した東九州自動車道、西は結構今開通しているんですけれども、なかなか東九州が行けませんし、中九州もすべてにおいて、今地図を見ていただきましたように、なかなか道路の整備がまだまだ遅れております。是非、道路特定財源を確保しつつ、大幅に遅れております、今、宮田局長おっしゃってくださった道路の早期完成を是非お願いを申し上げたいと思います。 ありがとうございました。 では、道路が終わりまして、次は大臣の所信表明の中に子供や高齢者などがのびのびと暮らせる柔軟で豊かな生活環境の創造に取り組んでというところの項目の中に子供や高齢者などがというので、そこの中に、私は、あれ、障害者が入っていないなと思ったんですね。その高齢者などの中にもしかして含まれているのかもしれませんが、もしかしたらその障害者の記述がなかったので、ちょっと障害者の方々にとりましては、もっと明確に言っていただければ、大臣の所信の中に障害者に対することもしっかりやるぞということをおっしゃっていただければ安心されるのではないかと思いましたので、これの関連して質問をさせていただきます。 近年、障害者は増加しております。身体障害者は平成八年に三百十八万人であったものが平成十三年には三百五十二万人となりますなど、身体障害者、知的障害者、精神障害者はいずれも増加傾向にあります。そのうち、在宅が九割、施設ないし病院が一割でございます。障害者自立支援法が施行されまして、障害者の自立や地域の居住支援の要請が強まっております。 社会保障審議会障害者部会は平成十六年十月に、地域の居住者支援サービスの充実と併せて、公営住宅等の一層の活用に向けた枠組みについて、厚生労働省と国土交通省の間で検討し早急に結論を得るとされております。 この居住支援に関する厚生労働省の取組についてお伺いいたします。時間がありませんので短くお願いいたします。
○政府参考人(中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。手短に申し上げます。 現在、障害者自立支援法によりまして、やはり住み慣れた地域で住んでいただくために、住居の確保、非常に重要でございます。そのために、グループで住まわれる方にはグループホームを整備していく、これは計画的に五年間で三倍にすると。それから、一般住宅に住まわれる方のためには、やはり円滑に住まわれるようにあっせんサポートをすると、こういうような住居サポート事業、これを開始したところでございます。 そこで、国土交通省との連携でございますけれども、具体的に二つ申し上げます。 一つは、やはり社会福祉法人などがグループホームとして公営住宅を使わせていただく、あるいは障害者の方が独居で公営住宅をお住まいいただく、このような取組、これについて協力をしていただいているところでございます。また、現在は国土交通省が設置されておりますあんしん賃貸支援事業推進協議会、これに厚生労働省も参加をしておりますなど、新たな取組にも一緒に作業をさせていただいております。 このように、あらゆる場面を通じまして、国土交通省と連携を強化して障害者の住居の確保、努力をしてまいります。
○後藤博子君 ありがとうございます。 障害者の皆様にとりましては、やはり家というものが一番大事でございます。家の中のバリアフリーだとかベッドがそのまま移動できることとか、車いすだけに限らず、そのまま、寝たきりのまんま移動しなきゃならないとか、そういう公営住宅の中身も、また賃貸の住宅の中身も、もっともっと中身についてのこともやっていかなければならないと思っております。貸す方も貸される方も出てくる。また、貸す方にとっても、そういう制度を利用して貸していくこともありますが、中身の充実を、更なる充実をお願いいたします。 また、そういう障害者家賃債務保証制度とかいうのもございまして、いろんな制度ができているということは承知しておりますが、その制度の利用についての周知徹底も併せてよろしくお願いいたします。 それで、最後になりますが、冬柴国土交通大臣に、今申し上げたように家族とともに住むことが大事であるということ、それから家族のコミュニケーションを取るためには家は大切な心安らぐ場所でございます。そのような温かい視点に立った今後の取組を大臣の決意とともにお聞かせ願えればと思っております。大臣としての、障害者施策をどのように取り組んでいかれるのか、先ほどの道路の件も併せまして御答弁いただければ有り難いと思います。 よろしくお願いいたします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御指摘されましたように、総合的なバリアフリー化の推進など、子供や高齢者などが伸び伸びとと。障害者というのが入ってないではないかというおしかりをいただきました。もう言い訳とかはなしに、この子供と高齢者というのは私は障害者も含む、健常者と障害者を含む趣旨であるとお取りいただきたいわけでございまして、決して障害者を私は差別はしているわけではありません。 現に国土交通省は、平成十三年、交通バリアフリー法というものを作って、今五年目でございますけれども、一日の乗降客が五千人を超える、そして段差が五メートル以上ある、そのような駅舎につきましてはほとんどと言ってもいいほどエレベーターかエスカレーター、この短期間の間に付けたわけでございまして、国土交通省、そういう意味で障害者の方もまた高齢の方も、あるいは妊婦の方も、あるいは小さなお子様をバギーに乗せたお母さんも、公共交通機関であるそのような駅舎を安心して安全に使える駅舎にしようという努力をしてきたわけでございます。 また、もう委員御存じのとおりでございます。バリアフリー新法というもので、単に駅舎だけではなく、これを面的にも広げて、そしてやっていこうということになっております。 また、住宅の中におけるバリアフリー化という、それにはお金が要ります。そういうことで大変難しいと思うんですけれども、公営住宅ではなしに自分の家にそういうバリアフリーの施設を造ると、いわゆる改修をする、その促進をするための税制も創設をしたい。大変困難でありますが、そういうことも実現することにより、障害者の方も御高齢の方も家族と一緒に自分の家で住めるような環境をつくっていきたいということで国土交通省は取り組んでおりますので、ちょっと舌足らずのところがありましたが、お許しをいただきたいと思います。 よろしくお願いします。
○後藤博子君 ありがとうございます。(「時間です」と呼ぶ者あり)ええ、時間ですね、はい。 これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(大江康弘君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(大江康弘君) 次に、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施に関し承認を求めるの件を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。冬柴大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施に関し承認を求めるの件につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。 平成十八年七月五日、北朝鮮は一連の弾道ミサイル発射を強行しました。我が国を含む関係各国による事前の警告にもかかわらず北朝鮮が発射を強行したことは、我が国の安全保障や国際社会の平和と安定、さらには大量破壊兵器の不拡散という観点から重大な問題であり、船舶、航空機の航行の安全に関する国際法上問題であると同時に、日朝平壌宣言にあるミサイル発射モラトリアムにも違反するものであります。また、本件事案は六者会合の共同声明とも相入れません。 このため、政府としては、本件事案を始めとする我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認め、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第一項の規定に基づき、万景峰92号の本邦の港への入港を禁止することとしましたが、この入港禁止の実施につき、同法第五条第一項の規定により国会の承認を求めるものです。 以上が本件を提案する理由であります。 次に、本件の内容について、その概要を御説明いたします。 本件は、同法第五条第一項の規定に基づき、七月五日より六か月間にわたる万景峰92号の本邦の港への入港禁止の実施について、国会の承認を求めることを内容とするものであります。 以上が本件の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十六分散会