厚生労働委員会 第7号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/12/12
会議録
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として草川昭三君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に浮島とも子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長松谷有希雄君外二十二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。 まず、都道府県労働局における不正経理等につきまして、柳澤厚生労働大臣から報告を聴取いたします。柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 厚生労働委員会の御審議に先立ち、厚生労働省より資料を提出させていただきましたので、発言させていただきます。 平成十七年度決算検査報告において指摘されました都道府県労働局における不正経理等について御報告申し上げます。 厚生労働省としましては、平成十六年の広島労働局の不正経理事案を受け、全国の労働局に対して独自の調査を行うとともに、再発防止について指示を行ったところですが、当委員会からの御要請を受け、会計検査院において全労働局に対し調査が実施されることとなりました。厚生労働省としましては、会計検査院の検査に対して当省の調査結果を随時提出するなど全面的に協力し、事態の把握に努めてきたところであります。今般二年間にわたる検査の結果が取りまとめられましたが、大変遺憾ながら主に再発防止の指示を行う以前の平成十一年度、十二年度を中心とした不正経理事案等が指摘されたところであります。 会計検査院より指摘された総額は七十八億四千四百六十九万円となっており、このうち、不正経理が十二億二千四百六十五万円、不適正な会計処理が六十六億二千四万円となっております。その主な内容としては、不正経理が、旅費、謝金等の不正支払、超過勤務手当の不適正支給等であり、また、不適正な会計処理が、業者への預け金といった物品購入等に係る不適正な処理、求人情報自己検索システムの複数年度契約等となっております。 こうした指摘を受けたことは極めて遺憾であり、国民の信頼を損ねたことを深くおわび申し上げます。 不正経理等に関係した職員につきましては、人事院の定める懲戒処分の指針を参考にしつつ、国家公務員倫理審査会にも協議の上、私的着服を行った一名を懲戒免職、その他に、四十三名を減給、七十六名を戒告とするなど非違行為を行った者及び管理監督責任を有する者について合計一千四百三十二人を厳正に処分したところであります。 また、今般、会計検査院から指摘された不正経理のうち、昨年までに判明したものについては既に返還の措置を講じたところであり、今回新たに判明した不正金についても、国庫に損害を与えた二億九千三百二十万円を関係職員等から年内をめどに速やかに返還させることとしております。 今後は、新たに外部の専門家の参画による法令遵守体制の整備を図るとともに、内部監査について一層の強化を図ることにより、再発防止を徹底することとしております。これによって、不正経理及び不適正な会計処理の未然防止についてしっかり点検、確保してまいりたいと考えております。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で報告の聴取は終わりました。 引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、雇用、年金等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。 今大臣から不正経理の問題等が御報告がなされました。平成十七年度決算委員会でも、過般、総括の質疑をしたわけでありますが、問題点は、十七年度決算ですね、四十七都道府県全部の県に同じようなことが見られるということで、これは何か、大臣も今後はと言っておりますけれども、何か共通する一つのものがあったんではないかというような感じを実はいたしているわけであります。 そういう点で、厳正に処分をすると言ってみても、懲戒免職一名だけですから、これが果たしてこれだけの金額で千四百名で事足りているのかなと、そんな感じを思いながら、更に防止策に向かって、特徴的に見られるものは、例えば社会保険庁の場合の問題も地方採用の職員なんですね。そして、今回の労働局の問題も地方採用のいわゆる職員。ここにひとつ厚生労働省と地方の間に、まあ出向は厚生労働省から行っているでしょうけれども、そこに徹底した人事管理というものがなされていないのではないかと、こんな感じを持ちますんで、さらに、その辺は分析をして、二度とこういう問題が起こらないように配慮を強く要望をしておきたいと思います。 今日は年金の問題と雇用の問題ということでございますから、もう分かり切ったことを一つ一つ詰めていきたいと、こんなふうに思っております。公的年金は国民の老後の安心の基本であり、高齢者世帯の所得のうち公的年金が占める割合は約七割にも達しており、公的年金を高齢期の生活の中心と考えている人の割合も七割を超えております。こうした中で、将来にわたり国民皆年金を堅持し、少子高齢化が進む中にあっても、持続可能な制度として国民の信頼に足る制度とすることは政治の責任でございましょう。 そういう意味で、本日の年金に関する質疑の前提として、一昨年の制度改正の意義、評価について、まず大臣から御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 年金制度は、これから我が国が高齢化社会に移行する、あるいは突入するということの中で、国民の生活を安定させるためには極めて重要な制度であることは申すまでもないわけでございます。この年金制度を国民の信頼に足る持続可能な制度にするということを主眼にいたしまして、平成十六年度におきましてはかなり大幅な改革が行われたものと私どもは受け止めておるわけでございます。 具体的にこの制度改正におきましては、長期的な給付と負担の均衡を確保して、将来にわたってこれを安定化させるという眼目の下で幾つかの点について見直しが行われております。 第一には、上限を固定した上での保険料の引上げということでございました。第二は、保険料水準の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みを導入いたしました。第三点は、基礎年金国庫負担の三分の一から二分の一への引上げ、これを枠組みとして決定をいたしました。それで、第四に積立金の活用をして、言わば長期にわたる負担と給付の安定を図ったと、こういうことでございました。 で、年金制度にとりましては、長期にわたる給付と負担の均衡を確保することが何といっても制度の根幹を維持するための重要な要素でございまして、平成十六年の制度改正はこうした問題に真正面から取り組んだ正に抜本改革の名にふさわしいものであった、このように評価をしていただきたいと考えている次第でございます。
○中島眞人君 私も当時、この改革問題に厚生労働委員会のメンバーとしてかかわっておりましたから、私どももある面では部会や、ちょうど当時、私も党の年金委員長もやっておりましたので真剣に論議はしてきたつもりなんですけれども、しかし、国民の間にはこうした制度改正の意義もまだ十分浸透しておらない、もう年金はパンクしちゃうんだと、そういう風潮さえマスコミ等の中で報道されていると。その一つには、やっぱり国民の不信感を買った社会保険庁の不祥事が、これが大変な大きなやっぱりネックになっているんじゃなかろうかというふうに思うんです。こういう問題で、やっぱり年金問題というのは国民が信頼をしなければ幾ら厚生労働省が抜本改革だ抜本改革だと言ってみても、国民の側が信頼をしないならばこの関係というのは成り立たないわけであります。 そこで、この改正を、百年は大丈夫だと。私はその当時策定をした人口の出生率の問題、これは長い目で見れば、例えば〇・一ポイントくらいの差であれば、これは長いスパンの中でそれほど問題にすべきことではないと思うんですけれども、一番やっぱりこの問題の中で国民の不信感を買った問題としては社会保険庁の不祥事の問題があります。この社会保険庁の不祥事の問題等を含めて、今後政府としてどのように国民の年金制度に対する理解を深め、信頼を得ていこうとしているのか、大臣に御所見をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 中島先生には、この最初に御提起いただきました平成十六年度の年金の抜本改革のときに党の政策責任を担う立場から大変大きな御貢献をいただいたということは私としてもよく承知をいたしているところでございます。 で、そういうお立場から、制度そのものが信頼されるということと同時に、実施官庁がこれを適正に運用している、運営しているということがもうもとより必要だということで御指摘をいただきました。私どもも全くそのように考えているわけでございまして、その観点からまず第一に、制度の信頼、これを国民の皆さんからかち得させていただくために、まず第一に、制度の改正の内容につきまして、その意義、考え方、こういうようなことについて本当に十分理解をいただけるように分かりやすく意を尽くして説明していく必要があると、このように考えているわけでございます。 この点につきまして、まあ制度改正直後の大きな選挙の時期にこの説明に当たるというようなタイミングになったわけですけれども、どうもそのときにも十分な説明がなし得たかというと、そういうことに不足の嫌いがあったということは否定すべくもなかったと、このように思います。我々といたしましては、今後とも粘り強く、国民の皆さんから、年金制度の意義あるいは改正の考え方というようなことを更に一層理解を徹底していくために努力をしていかなければならないと、このように考えております。 その場合に、私は特に思うのでございますけれども、やはり年金の保険料の払い込みの実績、そしてそれに基づいて将来自分がどのくらいの年金の支給を受けるようになるかという、そういう内容をきちっと国民に、個々の国民に知らせていくということが非常に大きな働きをしてくれるのではないか、そのような意味で、今回、ねんきん定期便という名称にいたしましたけれども、この通知を早期実施して、若い方々の理解と信頼を得られる大きなきっかけにいたしたい、このように考えている次第でございます。 それに加えまして、実施官庁である社会保険庁につきましては、解体的な出直しをするということで現在私どもその関連の法案を提出させていただいておりますが、これにつきましてはかねて申し上げますとおり、もう前国会からこれを提出させていただいて御審議に供しているということでかなり長い時間が経過いたしました。そしてその時間の中でいろんな不測の出来事というか、ことがございまして、やはりこの改革、改正法案についてはいろんな御意見が与党等を中心として提起されております。 したがいまして、私どもとしては、今後更にいろんな御審議なりその他の場を通じてより徹底した出直し的な見直しというものが行われるということを期待をし、そしてまたそういうことを通じて国民の信頼をかち得ていかなきゃいけないと考えておりまして、この法案については更に大きな改善がされるんであれば政府側としてもこれに協力していきたいと、このように考えている次第であります。
○中島眞人君 ともかく私は年金という問題は、年金を納める側のいわゆる信頼感というものがまず第一だろうというふうに思います。そういう問題の中で、年々年金の、何といいますか掛金がいわゆる減少をしてきていると、そういう問題はどこに起因しているんだろうか、こういうふうな問題も検討していかなきゃならぬ。かつて市町村にこの事務をお渡しをして御協力をいただいておった当時に比べてみると、社会保険庁に移されてからというものとの間にはかなりのギャップが、納入率のギャップがあるんではないかと、そういうふうな問題も含めて、いかにして国民の皆さん方が年金の方を向いてもらえるかと言われるような形を取っていくことは、まず国民皆年金という一つの大きな金字塔を守っていく上で大切なことだというふうに思いますんで、これは後ほど御答弁をいただきたいと思いますが。 さて、私は、国民もさることながら、国会においても与党と野党の間に年金の問題が余りにも溝があり過ぎても国民の不信を私は買うものだと思うんです。私は、年金こそ与野党が一致点を見付けて、そして取り組んでいく問題だというふうに考えておるわけであります。 そういう点で、大臣だと差し支えのある発言があってはいけませんから政府委員にお聞きしますが、民主党が基礎年金の全額税方式というのを掲げていますね。その場合に、国民の側から見ると、基礎年金を全額いわゆる税方式でいくと。そうすると、一万三千六百円というものを納めなくて基礎年金がもらえるんだなと、非常にこう国民は関心を持つわけです。 その中で、私はちょっと当局側に、事務方にお聞きをしたいんだけれども、その場合、財源はどのような措置をしていくのか。そして、今まで納めてきた方、これはどういう取扱いをしていくのか。そして、現行の年金制度においても、平成二十一年までですか、税の五〇%導入、これは順調に進んでいるのか。その辺のところをまずお聞きをしたい。 そして、国民年金というものの所得の確定、二階部分の所得の確定という問題についてはどういう形でなしていくのか。国家公務員共済あるいは厚生年金の人たちというのはその所得というのはもうはっきり分かっているわけですけれども、国民年金の方々というのは自営者で申告制度ですね。だから、そういう中でどういうふうに所得の確定を把握していくのか。民主党さんが出した案ですから当然いわゆる政府側としても検討をしているだろうと思うので、そのいい点、あるいは問題がある点を政府側からもお聞きをしたいと思うんですけど、よろしくお願いします。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 公党の基本的な政策に関しまして政府参考人の立場で物を申し上げるというのは大変はばかられるところでございます。ただ、これまでいろいろな場面ですべての年金の一元化をという政策議論に関し、関連して政府として御答弁申し上げているような点に限って少し、十分なお答えになるかどうか分かりませんが、申し上げたいと思います。 自営業者や無職の人たちなどを含む全体の一元化ということにつきましては、今御指摘のように、いわゆる典型的なサラリーマンと生計費の稼得の活動というもののパターンが大きく異なるところもありまして、また、とりわけ典型的な自営業者とサラリーマンとの間ではそもそも必要経費をめぐりましても随分実態的な違いがございます。また、近年改善されているともよく言われますけれども、所得捕捉の在り方について、自営業を営んでおられる方々と典型的なサラリーマンとの間ではやはり違いが大きいのではないか、その自営業者の方々の所得捕捉を更に徹底するにはどうしたらいいだろうかという問題点が残っておるというふうにも考えております。 また、サラリーマンのような事業主が半分費用を負担する仕組みというものを自営業の方や無職の方に想定することがなかなかできないために、その部分、事業主負担という非常に大きな部分というものをサラリーマン同様のルールの下で年金化しようとすれば、個人個人に、自営業の方、無職の方にその分まで御負担をいただかなきゃいけないという点を実際、現実論として御納得を国民にいただける問題であるかどうかという点もあるわけでございます。また、専業主婦につきましても保険料負担をいただくと言っているのかどうなのかという点も気になるところなどございまして、などなど、実は克服しなければならない課題が山積しているのではないかという見方をしております。 また、財源につきましてもどのように今お考えいただいているのか、よくつまびらかにしないところでございますが、私ども、国庫負担二分の一というものを二十一年度までに実現すべく税制の改革を含め、また毎年度の予算の中で、限られた財源の中でそれに向かっての努力をさしていただいているわけでございますが、全体の一元化の中で、基礎的な部分というのか、最低保障的な部分と申しますか、そういうところに税財源を大量に投入するという場合にはどういう税目でどの程度のものを考えるのかということが見えなければなかなか分からないわけでございますが、保険料負担、年金給付は現行水準というようなことでありました場合、それから、そうではなく違うふうに考えるという場合によって財源の所要額というのは大きく変わってくるものと思うわけでございます。 ただ、いずれにせよ、今少子高齢化が激しく進行している中で、費用の負担のルールと給付のルールを現状固定していくということでは到底財源的に賄えるものではなくなるものでございますので、そういう点の議論を更に詰めていく必要があるのではないかという点も考えております。 加えて、よく御議論あります、高額の所得を持っておられる方には公的年金は社会保険として掛金払っていただいたとしてもこれを支給しないというような考え方と、いわゆる社会保険方式というものの接点というものを考えましたときに、かなり踏み込んだ議論の整理なくしては社会保険方式というもののメリットというものを逆に失いかねないという点も考えているところでございます。 以上、余り突っ込んだコメントなり案を特定しての発言というものは控えさしていただきますが、これまでの累積の中で答弁その他で触れさしていただいたようなものを中心にコメントさしていただきました。
○中島眞人君 私は、政府・与党案がいいのか、あるいは民主党を中心としたこの全額税方式の法案がいいのかという問題については、これは最終的に判断をするのは、いわゆる国民の皆さん方がどれを一番納得するかという問題だと思って、対決じゃなくて、それぞれの良さを集めてきて、そして持続可能な年金体系をつくっていくというのが私は理想な姿だろうというふうに思うんです。そういう点で、確かに全額基礎年金の場合、全額税方式を取り入れた場合は、それは国民の皆さん方は大変喜びますわな。だけれども、その財源というものは、例えば現行のいわゆる社会保険方式でいくと、基礎年金二分の一まで入れた額との間にはどのくらいの差が出てくるのか。そういうふうな問題を考えていくと、なかなか接点というのは、いわゆる合意は与野党でしていくというのはなかなか難しい問題があろうかなと、こんなふうに思うんです。 同時に、じゃ一方で、じゃ政府側、政府・与党側でいうような厚生年金並びに国共済、地共済、私学共済、これを、まず同じような仕組みだからこれを一本化していくという問題についても、なかなかそれぞれの年金には年金の持ち味や歴史があるわけですから、そういう問題が克服できるのかどうか、そして納得ができるのか、この辺についてもちょっとお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 後段の私ども今取り組んでおります共済年金と厚生年金の一元化に向けての検討状況に関連して、後段の御質問にお答えをさしていただきたいと思います。 民間サラリーマンか公務員かにかかわりなく、将来に向けて同一の報酬であれば同一の保険料を負担し同一の給付を受けるという公平性の確保などの観点から、政府としてはまず厚生年金と共済年金の一元化を速やかに実現してまいりたい、こういう姿勢で臨んでおります。この点、厚生労働省といたしましても、総理からの御指示もいただいておりますので、与党における議論を注視しながら関係省庁とも協力して、次期通常国会に関係法案を提出することができますように努めてまいりたい、こういう姿勢でございます。 先週までの間に、与党におかれまして、去る四月二十八日の閣議決定を踏まえ、なお残されていた課題の大部分につきまして基本的な方針と進め方というものを年金制度の政策御担当の方々で与党間でおまとめいただいておりますので、そういうものを踏まえながら、更に政府・与党としての合意を早急に形成してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それぞれ共済年金には過去の歴史もあり、また厚生年金は厚生年金の歴史もございますが、そういうものをすべてしんしゃくしながらも、将来に向けて、いわゆる破綻型の一元化ではなくて健全な財政同士が健全なうちに共通の公平公正なルールで一元化をしていくと、こういうことが大切であり、そのための新しいルールづくりを今していると、こういう現在進行形の状態でありますことを御報告申し上げます。
○中島眞人君 分かりました。 じゃ、厚生年金並みの一元化ということに対して、国家公務員共済並びに地方公務員共済あるいは私学共済、それぞれの各団体は賛成しているんですか、反対しているんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 最終的に政府・与党を、全体としての方針は、閣議決定でなお検討とされていた部分について、今後近々そういう手続を経てまいらなきゃいけないと考えておりますが、これまでのところ、与党における政策の御調整の結果、共済を担当しております財務省、総務省及び文部科学省とも関係団体とも話し合いながら、与党の御方針について御理解をいただいているというところに来ておると考えております。 例えば、与党の御方針の中には、被用者年金の大宗を占める厚生年金に公務員及び私学教職員も加入することとして二階部分の年金は厚生年金に統一する、そしてこれまでの共済組合や私学事業団というものを厚生年金の事務処理を分担する組織として活用していく、こういうような整理をいただいておるところでございますので、更に精査をいたしまして、政府・与党全体の合意に向けて努力したいと考えております。
○中島眞人君 今話を聞くと、政府側の要望に対してそれぞれの使用者団体がほぼ納得をしていると。しかし、掛金の問題とか、あるいは積立金のそれぞれが持っている、例えば国家公務員共済、地共済、私学共済が持っている積立金の額、お互いに結婚の場合はともかくとしても、合併をする場合はやっぱりうちの方が損だとかうちの方は得をしたとかということでないような公平な分担をするのには、ある一定の期間が必要になってくるんじゃないですか。 それともう一つ、この厚生年金並びに共済年金の中にある三階建ての部分。この掛け方、この一人一人が掛けていく掛け方にも相違があるんじゃないんですか。そういう相違の問題をどういうふうにクリアしていくのか。例えば国家公務員共済の場合は、一例を言えば、いわゆる税金が半分でいわゆる自己負担が、個人が半分と、そして厚生年金の場合は全額企業が持つと、じゃないですか。そういうふうな問題と、その三階部分においての何というか違いがある問題、それはそういう問題等をどのように克服していくのか。その辺についてお聞かせいただきたい。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 去る四月二十八日の閣議決定におきまして、今三階部分の御指摘ございました共済の公的年金としての職域部分、これは平成二十二年に廃止するということが既に閣議決定されております。その上で、新たに公務員制度としての仕組みを設けることといたしまして、様々な実態を人事院における調査を実施していただき、その結果を踏まえて今後制度設計を行う、こういう整理にさしていただいておるところでございます。 御指摘のように、一階、二階についての公的年金としての一元化あるいは制度的な統一、こういったところを進めているところでございますが、公的年金として賦課方式で後輩世代が支えるという形の職域部分というものについては、これは取りやめるという方針をはっきり決定しているところでございます。 その上での新しい仕組みにつきましては、今後の検討、制度設計を共済担当官庁において進めることとなりますが、御指摘のように企業における民間の三階部分と申しますか、企業年金というのは退職金の変形であるケースが非常に多く、事業主が全面的に負担しているというケースが非常に多いのも事実でございますが、中には御本人の負担部分も混じっているケースというのもございまして、そういう実態も踏まえた上で制度設計の議論がこれから具体化していくのではないかというふうに見ておるところでございます。その場合、公務員のその制度設計でございますので、先ほど申しましたように公務員制度としての仕組みということでございますから、関係の省庁において作業が進められるものと。また一定の時間を経てまた御報告もできるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○中島眞人君 ともかく、被用者年金の一元化という問題についても、それぞれの年金が持つ歴史とか財務内容とか、いわゆる従来言われておった官民格差の問題等々を解消していくという努力もこれはまた大変な仕事かと思いますので、これらについて国民に分かるような形で説明をしていかないと、国民が非常に誤解を受けたりあるいは不信感をそのまま持ってしまうという形になるので、十分丁寧な説明を国民に向かって発信するようにしていただきたいということを強く希望しております。 次に、私はこの年金制度が発達、特に国民年金の場合なんかですけれども、制定をされてきた経過の中で予想もしなかったような現状の実態があると思うんです。これはパート労働者が四分の一を占めるに至っているという実態があります。このパート労働者の方々というのは従来年金の加入の対象外だったんですけれども、しかしやはり老後の問題、あるいは国民年金の中で占める割合という点からいくと、パート労働者に対する対応というものもこれは十分考えていかなければならない。これは、昨年、各党派のいわゆる年金問題懇談会の中では反対のなかったことだというふうに私は認識しておりますので、このパート労働者に対する問題をどういうふうに今後位置付けていくのか、どういうふうに対応していくのかという問題についてお聞かせいただきたい。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 これまでのパート労働者に対する厚生年金、健康保険の適用につきましては、具体的な運用指針といたしまして、例えば一日及び週の労働時間が一般の職員と比べて四分の三以上である方というような基準をもって健康保険及び厚生年金の適用事務が行われてきたわけでございます。その意味で、現実に今も厚生年金や健康保険に加入しているパート労働者の方々も一定程度いらっしゃることは確かでございますが、平成十六年の年金制度改正におきましても、御承知のとおり、多くの御議論がございまして、平成二十一年度までの間に様々な角度からの検討を尽くしてこの適用拡大の具体案を結論を得て実施していくべきと、こういう趣旨の検討規定が附則に設けられたところでございますが、現内閣におきましては、いわゆる再チャレンジ支援という新しい大きな政策基軸の中で、こうしたパート労働者の社会保険適用の問題についても積極的にこれに取り組み、調整を進めるようという総理からの御指示を賜っているところでございます。 こうした厚生年金や社会保険の適用拡大の意義等について簡単に整理してお答えをすることで今の御質問にお答えしてまいりたいと思いますが、年来言われておりますことは、第一に、被用者、つまり勤め人としての年金保障という観点から見ますと、パート労働者も一般の労働者と同じ給与所得者であり、老後の生計基盤がない場合が多いために、定額保険料、定額給付の国民年金制度ではなく、被用者にふさわしい厚生年金制度の対象として年金保障を充実させることが必要ではないかという観点からの御議論がございます。大変強い御議論でございます。 また、事業者間の保険料負担の不均衡の是正ということで、労働者を厚生年金の適用にならないパート労働者とすることで事業主負担を負わない事業者と、正社員を中心に雇用している事業者との間で保険料負担の不均衡があるのではないかと、その是正は大きな課題ではないか、こういう御議論がございます。 また、個人の働き方や雇用形態の選択への中立性、すなわち働き方を変えることで年金の適用関係が変わってしまったり、逆に年金の適用関係を考慮して雇用形態や労働時間を決める就業調整が行われたりしないように、個人の働き方、雇用形態の選択に中立的な制度であることが必要ではないかと、こういうような指摘も随所で受けておるところでございます。 先ほど少し申し述べました再チャレンジ支援という見方からいたしましても、勝ち組、負け組の格差を固定させない仕組みの構築という観点から、いわゆる非正規労働者から正規労働者への転換を困難としている両者間の処遇の不均衡の是正ということが課題になっておりますが、年金制度との関係におきましても、厚生年金の適用されないパート労働者が正規労働者になろうとする際に新たな事業主負担が発生することが一つの障壁となっているという指摘もございます。 したがいまして、パート労働者と正規労働者の厚生年金制度上の取扱いを同じにすることで、その障壁を解消し、本人の意欲と能力に応じて多様な選択ができるようにするということが大切ではないかという物の見方かというふうに考えております。 ただし、この問題につきましては、雇用や企業経営に多大の影響があると同時に、仮に適用された場合にパート労働者の当面の手取りの収入がどうなるのかということと、将来の年金保障がどうなるのかというのは、なかなかすぐに決断の付かない問題も発生するケースもあろうかと思いますので、私どもといたしましては、与党の方からも御指示をいただいておりますが、関係の審議会において幅広く様々な御意見をヒアリングさせて整理をさせていただいて、そしてまた政府・与党のレベルでしっかり御方針を定めていただくよう努力したいというふうに考えております。
○中島眞人君 ともかく、年金問題というのは普通の問題とは違いまして、国民の側がこれで安心だということを思ってくれなければどんないい絵をかいてみてもこれは成り立たない。そういう現象が、一つには、国民年金の納付率が過去に比べて大きく低下しているんですね。これにはいろいろな要因があろうかと思うけれども、一つには、私が先ほどから指摘しているように、年金はぶっ壊れるぞという極論の中で年金の納付率が低下をしているということも一因あろうかと思うんです。 そういう点で、大臣にお聞きしますけれども、一昨年の制度改正においては、財政検証を行うと、最初の財政検証の時期を迎えるわけでありますけれども、その中で出生率の問題等々を含めて国民にどういうふうに伝えていくかというものも私は大きな一つの問題だろうというふうに思います。そういう点で、財政検証の時期を迎えるこの時期にどのような作業を進めるのか、大臣にお聞かせいただきたい。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 財政検証の時期といたしましては、これは平成二十一年度までの間にこれをしっかり行って、結果を公表するという大きな、またしっかりした枠組みの下で事を進めたいと思っております。 ただ、その前に、実は国勢調査に基づきまして新しい人口推計を発表するというタイミングが到来するわけでございます。まだ予断を決して許さない段階でございますけれども、昨今の出生率等の状況を見ますと、この新しい人口推計が前回の推計に比べてより楽観的なものになるというようなことはもう考えられないわけでございまして、方向性としてはより厳しいものになると、こういうことが想定されるわけでございます。そういたしますと、まあ何というか、すぐにこの人口推計から年金財政への影響、殊に年金の所得代替率というようなものの目標が達成されないのではないかというようなことが短絡的に議論されがちであろうというふうに思うわけでございます。 しかしながら、実は年金のよくお分かりの方々にはこれはもうつとに御承知のことでございますけれども、人口がなるほど大きな要素ではありますけれども、そのほかに経済の見通しあるいは長期的な趨勢といったようなものもこの年金財政には大きな影響を持つわけでございまして、私どもとしては、こういったものをよく見極めた上で、先ほど言った、大枠での財政検証につなげていきたいと、このように考えているということでございます。 したがいまして、私ども、実はこの新しい人口推計は、前回は一月に発表しておりますけれども、これをできるだけ前倒しして発表しようということを申し上げているわけですけれども、それがすぐに、先ほど懸念として申し上げたように短絡的な年金財政論議にならないように、年金財政論議としてはやはりもっと落ち着いた形で経済の動向等を総合的に勘案してこれを行うんだということを是非国民の皆さんに理解していただくように進めてまいりたいと、こういうように考えておるわけです。
○中島眞人君 財政検証を行っていく、その中の要因としては人口動態の問題もある、こういう御指摘そのとおりだろうと思いますけれども、納付率を上げていくという、これが余りに納付率を上げろ上げろと言ったことで、結局免責というような形で、いわゆる分母を少なくしていくというやり方に実は発展をしてしまって大変な不祥事になったわけでありますけれども、かつて市町村にお任せをしてお願いをしておったときに比べてみると、やっぱり納付率というのは下がってきている。下がってきている原因は一つだけの原因じゃないと思うんです。幾つかの原因が重なっていると思うんですけれども、この納付率を向上させていくという点についてどんな取組を厚生労働省としてはお考えになっているのか。
○政府参考人(青柳親房君) ただいま国民年金の納付率についてお尋ねをいただいたわけでございますが、御承知のように、国民年金保険料の収納の仕事につきましては、地方分権一括法によりまして、平成十四年の四月から市町村がそれまでやっておりました仕事を国に移管していただいたという経緯がございます。 ただいま中島委員から御指摘ございましたように、この十三年と十四年の間に非常に大きく国民年金の保険料の納付率が低下をいたしました。その原因につきましては、一つは、免除の制度を改正いたしまして全国一本の基準に統一したというようなことによりまして、全額免除者が大きく減少したということによるもの。それから、当時の厳しい経済情勢の下で収入の減少あるいは高い離職率、こういったことが主要な要因というふうに考えておりますが、併せて、御指摘がございましたように、市町村からの事務移管に伴いまして自治会等の地域の納付組織が活用できなくなったということも一因というふうに認識をしております。 ただ、もっと大きなトレンドといたしまして、平成七年度以降二十歳に到達いたしました方々にすべて職権で適用するというような仕事に私ども切替えしたわけでございますが、そのことによって、それまで未加入者という形でされていた方々が減少いたしまして、その分未納者が増大してきたという大きな流れもございます。 したがいまして、やや言い訳じみた言い方になるかもしれませんが、仮に市町村が引き続き保険料収納の仕事を担っていただいていたとしましても、納付率の低下傾向というのは免れなかった面があるのではなかろうかと現時点では私ども分析をしておるわけでございます。いずれにいたしましても、国民年金の仕事を進めていく上で市町村との協力連携は必要でございます。平成十六年の年金改正法によりまして、市町村から所得情報の提供を受けることができるようになりました。これを基に免除あるいは強制徴収、こういった面において、未納者の負担能力に応じたきめ細かな対応が可能になったというふうに考えております。 いずれにいたしましても、国民年金の保険料の納付率を引き上げるということのために、私どもこうした所得情報の活用も含めて、市町村との連携も一層強化をするという方向で取り組んでまいりたいと考えております。
○中島眞人君 是非ひとつ、百年続く国民皆保険というものをひとつ持続できるような、その徴収業務も考えていただきたいと思うんです。 そこで、昨今、昨年の年金の懇談会のときにも出た意見もありますし、民主党さんの中にもそういう意見もありましたし、いわゆる与党の中にもそんな意見も実はある中で、納付率、納付をしてもらうものを、歳入庁というものをつくって、そこでその徴収をしていったらいかがかと、こういう意見があるんですけれども、私はこの問題については、軽々にこの問題が先行することは非常に危険だというふうに私は思うんです。 その歳入庁構想に対して、厚生労働省としてはどんな考えをお持ちになっていますか。
○政府参考人(清水美智夫君) 社会保険庁の徴収部門と国税庁の統合というお話でございますけれども、現状を見てみまして、国民年金と国税とは徴収の対象者が大きく異なるという点が一点あろうかと思います。また、国民年金の徴収と国税の徴収とでは業務の特性がやはり相当違うのかなと。国民年金の方は、未納額が最高でも三十万円という少額多数債権ということでございまして、国税の方は、どちらかといいますと、悪質・処理困難事案に対して力を注がれているといったようなことがございますので、収納率の向上ということや業務の効率化ということにそれがつながるものであろうかという点が留意するべきこととして一点あろうかと思っております。 また、国民年金、厚生年金の保険料徴収と年金の相談、給付、記録等の業務は、これは当然のことながら密接に結び付いておるわけでございます。これらの業務の一部を切り分けた場合、業務全体の円滑な実施に支障が生じかねないのではないかといった点に留意する必要があろうかと思います。このような留意する点があろうかと思います。 ただ、いずれにいたしましても、私ども、社会保険庁改革法案、国会に御提出申し上げ、継続審議いただいておるところでございますが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、その後のいろいろの時間の推移等によりまして、今与党内でも様々な御議論が行われているところでございます。私どもとしましては、このような与党内での御検討もいただいているところでございますので、様々な御議論を踏まえまして、国民の信頼を得られるような一番良い結論が得られて、新しい組織が早く実現できるということを期待しておる、またそのために努力していきたいというふうに思っているところでございます。
○中島眞人君 予定した時間がもうぼつぼつ近づいております。 おっしゃるとおり、歳入庁の問題というのを移し替えていくということは大変難しい問題、いろいろな、木に竹を接ぐような、そういう論理が私はあると思うんですよ。どうか柳澤大臣、たとえ幹事長であろうと政調会長であろうと、歳入庁構想などが出てきたときにはじっくりお勉強をさせてやっていただきたいと、そういうことを私は強く柳澤大臣に、柳澤大臣は一見雰囲気は柔らかいんですけれども、言い出したら聞かないという定評もある方ですから、こういうときに、社会保険庁の不祥事があったから即これは歳入庁へ持っていくんだ、つくって持っていくんだというのには余りにも危険があり過ぎると、問題があり過ぎるという点で、大臣ひとつ頑張っていただきたいということでエールを送っておきたいと思います。 そのほか、少子高齢化時代になりますと、雇用問題が私は大きな問題だろうと思うんです。高齢者雇用対策の問題、そして福祉の面から障害者福祉の問題、そして地域の格差がございまして、地域格差の問題という、雇用問題におきましても、大きく言うと高齢者の問題あるいは福祉との関係の中で障害者の問題、そして地域格差の問題というのがあるんですが、一つ一つこれを質問しますと時間がございませんので、それぞれに取り組んでいく姿勢をひとつ、もう既に何回か委員会でやっておりますけれども、その方針をお示しいただきたい。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 正に中島先生おっしゃられましたとおり、これから我が国が高齢化社会を迎えるということの中で、高齢者の雇用の問題、これはどちらかというと労働力の減少をむしろ補てんする、そういう一つの、何というか、人材確保策としても非常に社会的な要請が強いものだと、このように考えております。 これにつきましては、私ども、現在、厚生年金が六十五歳支給になる二〇一三年のその同じ年までに定年の引上げということで、まず高齢者の雇用を確保したい、こういうように考えておりますし、最近になりまして、これ安倍総理の所信表明等で明確にされた点でございますけれども、七十歳まで働ける企業というものを実現しようという旗が上がりましたので、その実現に向けて企業の先進事例のいろんな情報を収集するとか、あるいは相談の業務につきましてこれを支援するとかというようなことで、この実現に向けた施策を講じてまいりたい、こんなことを考えております。 次には、障害者でございますけれども、障害者につきましては、私ども、民間の企業の法定雇用率一・八%というものを掲げまして、この実現に向けて取り組んでいるわけですけれども、まだまだ未達の企業が多うございます。そういうようなことで、まず第一に企業に対してこの雇入れの計画の作成を命ずる等、これにつきましても更にその指導の基準を見直す形で雇用率達成のための指導を強化して、その実現に努めてまいりたいと、このように考えております。 また、地域における雇用の状況の格差、これは有効求人倍率などでもうかなり明確になっております。北海道と愛知県を比べてみろというような議論をしょっちゅうされるわけでございますけれども、これにつきましては、私ども、政府の中での経済的な問題を議論するいろんな場がございまして、そこでも大いに議論をして検討をしているところでございます。 まず第一には、何といっても産業政策として雇用の機会というものがそこに創出されるということが大前提でございますけれども、私ども雇用政策を預かる立場からも、できるだけ、地域において設備投資が行われる、そういうときには当然雇用がこれに伴うわけでございますから、そういったことについてもむしろ支援をしていく、雇用政策の面でも支援をしていく、こんなことも考えながら、何とか雇用の場の確保、それから、そこで現実に雇用が行われるという方向で努力をしまして、少しでも、現在大変な格差になりました地域の雇用の確保に向けて努めてまいりたいと、このように今考えている次第です。
○中島眞人君 雇用問題を一つ一つやっていったら大変な時間になるわけですが、時間がもうありませんので、実は、厚生労働省でしょうか、週四十時間の労働を一定の所得を持った人には適用除外をすると、幾ら超過勤務やってもいいんだと、極端な話を言えばね。その金額が約七百万円だというんですけれども、その七百万円という根拠は何ですか。 ちょっと案出したね、この間、厚生労働省。
○政府参考人(高橋満君) 今の委員御指摘の七百万という御議論でございますが、恐らく、現在様々検討していただいておりますいわゆるホワイトカラーエグゼンプションにかかわる話だというふうに理解をいたしておりますが、この中のいろんな議論の中で七百万という一つの議論があるやのことは仄聞をしておりますが、これは言わば、どこからこういう話が、七百万というのが出てきたか、必ずしもつまびらかにしておるわけでございませんが、一つの参考として、有料職業紹介事業を行う際に、原則的に求職者から手数料を取ってはいけないわけでございますが、ただ、極めて専門性の高い職業等々につきまして、一定の年収以上であれば手数料を取ってもいいという例外的な規定がございまして、これが現在七百万になっていると、それが一つのアナロジーとして出てきているのかなというふうには思っております。
○中島眞人君 まあこれ、私もまだ確かめて質問したんじゃなくて、昔だったらそんなことやったら労働組合が大変な騒ぎになるんだろうけれども、最近の労働組合はおとなしいなと、こんな感じを持ったわけです。 最後に一つユニークな発言をしておきます。 少子高齢化の時代になって、外国人労働者が日本へ来ることは必至です。その中で、例えば医師不足、看護師不足という問題、日本の国家試験を受けてもらわなきゃなりませんね。しかし、日本語で書いたいわゆる問題、出題がちょっとやそっとでは理解できないと思うんです。ですから、私は医師や看護師なんかは母国語でいわゆる受験をして、そして会話はいわゆるコミュニケーションですから、会話は会話という形で、これは国家試験でなくて習得をするような義務付けをしてやって、母国語で医師としてあるいは看護師として適性があるかどうかという国家試験に変えて、東南アジアやアフリカの中でも日本で医師として働いてもらえるような機会をつくったらどうかと、こういう提案をしたいと思いますけれども、一言。
○政府参考人(松谷有希雄君) 医療の提供は患者さんの生命、身体に直接影響を及ぼすというものでございます。また、医療現場では医師、看護師等がチームの一員として医療業務を行うことになるわけでございます。このため、医療に関する知識、技能だけではなく、医療の提供に当たりましては日本語によるコミュニケーション能力が不可欠でございまして、日本語能力を担保するという観点からも日本語での国家試験を実施しているところでございます。 先生の御提案、大変真摯に受け止めたいと思いますけれども、言語の問題は医師、看護師とかそういう資格の問題というよりももう少し大きな問題だと私ども考えておりまして、祖国は国語だという言葉もございますけれども、母国語、我々にとっての日本語というものをどういうふうにとらえるかというような大きな点も含めて考える必要があるんじゃないかなと思っております。先生の御提案は真摯に受け止めたいと思います。
○中島眞人君 時間が来ました。 今の問題は、私は新しい時代の中での医師や看護師が受けるという基礎的学力をいわゆる母国語で測ってやるというのは、これは適切、そして言語の問題は、これは国家試験とは離した形で習得義務という形でやっていくことによって新しい道が開けていくんではなかろうかと、こんなことを提言をしながら、私の時間参りましたから終わります。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。雇用、年金等に関して御質問をさせていただきたいと思います。 まず、先ほどの議論のことでちょっとお聞きしておきたいと思いますけれども、年金の財政検証のことですけれども、大臣の方から短絡的な財政論議にならないようにというお話でございました。それは理解をするところですが、ただ年内に人口推計を公表を早めるということはされるということで従来から来ているわけです。そうしますと、それは何らかの目的があって早めるんであって、早めたけど何もしないんだということはおかしな話でございます。そうすると、財政検証の時期は二十一年とおっしゃったし、そういうルールになっているし、義務ではないわけではございますけれども、五年ごとの財政計算はやらにゃいかぬことになるんでしょうが、そういった意味で、私は必要だと思っていますけれども、いずれにしても年内に公表するわけですから、それを受けて財政検証をやるという前提でのことなんでしょうね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど大臣から御答弁させていただいたとおりなんでございますけれども、年内に早めて将来推計人口の発表をさせていただくべく急いでいるという我が省の流れの中で、これまだ正式に一回も開かれていませんけれども、年内に社会保障審議会の年金部会というものを再立ち上げいたしまして、そういうところで今御指摘のような新しい人口推計の下でどういうふうにこれからの年金財政なり制度というものをとらえていくかという議論を早めに開始していくというような考え方を今持っておるところでございます。 その上で、実際、二十一年度までの間に将来のこの人口推計に基づく更なる労働人口の将来見通しというものをどう考えるのか、あるいは足下の経済から遠い中長期的な経済の姿、とりわけ大きな積立金を保有しておりますので、賃金、物価の上昇率に照らしてこうした資金の運用利回りというものを長期的にどう考えるかという議論を専門的にしっかり御議論を詰めていただきながら、そのプロセスを経て二十一年までに整理をし、二十一年に公表していくという段取りがやはり一番適切なのではないか、また法律の定めるところではないかというふうに考えております。
○辻泰弘君 ですから、お聞きしたいのは、その早める理由ですね。早めるのはいいんだけれども、それはやっぱり財政的にどうかということを五年を待たずしてやろうという一つの表れだったはずだと思うわけですよ。後で質問することにしていましたけれども、二〇〇七年度から新規裁定のマクロ経済スライドが始まるということをあのとき言っていたわけで、それはもう実際、空文化しているといいますか、全くそんなことはあり得ないわけですよね。だから、そういうことに向けての財政検証というのは、私は必要だと思っている。 そういった中で、年内に公表するということがあったと思うんですよ。だから、年内に先にしておきながら後は何もしないんだったら意味がないわけですね。だから、そこの部分はやはりしっかりと財政検証なのかそれに準ずるものか分からないけれども、そこはやっぱりしっかりすべきだということを申し上げておきたいと思いますけれども、その点について一言お願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、実は先ほども申し上げましたように、新しい人口推計は昨今の子供の出生数等を見ますと、前回推計よりもかなり厳しいものになると、こういうことが見込まれるわけです。 それは具体的にどうこうということは、我々まだだれも数字としてこの情報を持ち合わせている者はいないんですけれども、実はこれ、私どもとしては、平成十九年度の予算編成にもやはり少子化対策というものを充実した形でいろんな施策を盛り込みたいと、こういうこともございます。したがいまして、そういう予算の施策への言わば援護射撃というか、そういうことの機能も是非期待したいなと、こういうように思いまして、これは財務当局との折衝でもこうした事態を受けての要求なんだということで、より予算の確保に向けて努力をしていきたい、そういう考え方の下でそうしたことを考えているということでございます。 加えまして、これの影響の試算というものにつきましては、適切な年金財政への影響試算というものについては、適切なインターバルを置いて発表することになるであろう、このように申し上げたいと思います。
○辻泰弘君 年金のことはちょっと後でまた聞きたいと思いますが、当初の予定に沿って質問していきたいと思います。 それで、まず中国残留孤児の問題についてお聞きしておきたいと思います。 十二月一日に神戸地裁の判決が出ました。私自身兵庫県の出身なものですから原告団の方々にもお会いをいたしまして、中国では日本の鬼っ子と言われ、日本に帰ってきたら中国へ帰れという悲しい思いをしてきたと、残りの人生限られているけれども、やはり帰ってきて良かったという思いで、安らかな思いで人生を締めくくりたいと、このようなことをおっしゃっていたことが非常に心に残っているわけでございますけれども。 これについては昨日控訴されたということがあるわけでございますけれども、総理大臣もまた柳澤大臣も、細やかな対応をしていかなきゃならぬと、きめ細やかな対応が必要である、支援が必要であると、そういったことをおっしゃっているわけですけれども。これについて、やはり正に高齢になっていらっしゃるということ、現状を踏まえて、やはり控訴ということは同時並行として予算措置的なことはあり得ることだろうと思うし、是非そういったことで抜本的なお取り組みをお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 中国残留邦人の訴訟につきましては、仰せのとおり、神戸地裁の判決がございまして、これに対しては私どもとしては上級審の判断を仰ぐことに決定いたしました。と申しますのも、この訴訟につきましては、既に大阪地裁と東京地裁におきまして、いずれも国側が勝訴する判決が出ているということもございまして、どうしても私どもとしては、これは上級審の判断を仰がざるを得ないというふうにも考えたと、こういうことでございます。 他方、今、辻先生御指摘のように、安倍総理はこの判決が出た直後の談話といたしまして、帰国者の高齢化が進んでおって、その間大変な御苦労もあったということを受けて、よりきめの細かな配慮をしていかなければならない、こういうことを発言されたわけでございます。私どももこれを受けまして、従来よりも更に実情によく配慮したそうした支援策を実現していきたいということで、現在財政当局とも折衝しているということで、先生御指摘のとおりの努力をしているわけでございます。
○辻泰弘君 現行制度の下での対応ということに政府はスタンスを置いていらっしゃるのかもしれませんけれども、我々としては新たな枠組みの下での対応ということも是非御検討いただきたいと思います。 いずれにしても、予算での対応で一つの政府の方針をお出しになるんでございましょうから、それを拝見させていただいて、我々としてもそれを前提にして対応を考えていきたいと、このように思っておることを申し上げておきたい。是非、高齢期におられるということをしっかりと念頭に置いてお取り組みいただきますように申し上げておきたいと思います。 次の点ですけれども、これは前回私が十月二十六日に本委員会において御質問させていただいた障害者自立支援法のことについてでございますけれども、これも来年の予算編成に掛かってくるだろうと、そのことについてお取り組みいただきたいと、このように申し上げましたところ、大臣の方から委員が御指摘になった方向で対処していきたいというお話をいただいておりましたけれども、その後、与党の方の御方針もあって、千二百億、三年間というふうな流れもあるわけですけれども、この問題について政府としてどのように具体化していかれるのか、方針をお聞かせください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 障害者自立支援法につきましては、これまでの支援をより改善をするというか、そちらの方向に私どもとしては体系付けてまいりたい、こういうようなことで改革を行わせていただいたわけでございます。 この法の目指す方向性につきましては大方の賛同も得られているのではないかと、このように認識しているわけでございます。ただ、実際に利用者の負担あるいは事業者の経営状況への影響、さらには地域の生活支援事業、こういったようなものへの財政的な負担、こういったものを総合的に考えますと、経過措置としてやはりもう少しきめの細かい手当てをする必要があるというふうに判断するに、特に与党の側での御審議の結果至りまして、そうしたことを今御指摘のような補正予算及び来年度以降の予算でもって実現したいと、こういうことを決定したということでございます。これらについては、現在、財政当局との折衝を鋭意行っているところでございます。
○辻泰弘君 そもそも障害者自立支援法が出てきた経緯は、措置から支援費制度になって財政的な負担が増えたと。当初は、初年度は百何十億でしたか、流用で対応したということだったと思いますが、二年度が三百億近くを補正で組んだということだったんじゃないかと思いますけれども、結局、財政の論理が優先をしてそれに引っ張られてきて、結局今日に至り、いろいろ問題があるがゆえに三年間で千二百億、均等に割れば四百億ということになるわけで、財政でだけ見ればそもそもやらなけりゃよかったんじゃないか、やる必要なかったんじゃないかと、こういうことにもなるわけでございます。 私どもといたしましては、応益負担という考え方の導入そのこと自体根本的に問題だということで、一割負担の凍結なども議員立法としてさせていただく中でこの問題に取り組んできたところでございますけれども、現時点において実質方針を撤回されるといいますか、回復されるということ自体、今日的にはそれなりに評価すべきなのかもしれませんけれども、私どもといたしましては、根本的にその取組姿勢自体に問題があったというふうに指摘をし、政府の今の状況の中での予算措置ということにはそれなりに理解をいたしますので、そこについてはしっかりと取り組んでいただくように申し上げておきたい。また、三年後の見直しということのときにまた具体的になるかもしれませんが、そのことは強く申し上げておきたいと思います。 それから、労働局のことで冒頭大臣からの所信の表明がございました。これは、振り返りますと二年半ほど前になりますけれども、広島労働局から出発して、ちょうど年金の改革論議のさなかでもあったわけでございますけれども、私も筆頭理事をさせていただいて、そのことについて取り組ませていただいて、結果としてこの参議院の厚生労働委員会から会計検査院に要請をするということで、二年たってこのような形になったということで、私はそれなりに感慨深いものがございますけれども、会計検査院にもしっかりとやっていただいたし、事後的ではあるけれども、厚生労働省の方々もお取り組みをいただいたことには敬意を表しておきたいと思います。 同時に、私は、これは、この問題、予算委員会でも理事会協議にお願いをしたんですけど、そちらの方は不問に付されました。しかし、この厚生労働委員会においては、武見先生が筆頭理事をされていたときお受け止めいただいて、それが現実になったということでございました。私が提起させていただきましたけれども、武見先生が筆頭理事としてお受け止めいただけなかったら、これは前に進まなかったことだったと私は思っております。その点については武見先生にも感謝を申し上げておきたいと思いますし、やはりこういったことをしっかりと国会の機能としてやっぱりやっていくという必要があると思います。その点についてはこれからも共々に取り組ませていただきたいと、このように申し上げておきたいと思うわけでございます。 それで、一点だけお聞きしておきたいと思うんですけれども、この厚生労働省の方針の中で再発防止策というのがあって、法令等遵守に係る内部統制を確立する、外部の専門家の参画の下に体制を整備すると、こういうことに方針を定めておられるわけですけれども、これはいつの時点で立ち上げられ、どういった組織としていかれるのか、このことについて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(太田俊明君) 再発防止策のお尋ねでございますけれども、厚生労働省としましては、平成十六年度以降様々な形で防止策を講じてきたところでございますが、さらに、今般新たに、今お話のございました外部の専門家の参画の下に法令遵守体制を整備して、法令遵守に係る内部統制の確立を図ることとしております。 具体的には、地方支分部局における法令遵守の徹底を図るための組織としまして地方支分部局法令遵守委員会及び法令遵守室、まだ仮称ではございますけれども、それぞれ設けまして、その遵守委員会の方には外部の専門家の参画をいただくことを予定しております。 この地方支分部局法令遵守会におきましては、法令遵守室が行う不正経理対策等について検証し、必要な意見をいただくという方向で現在検討しているところでございまして、できれば年内にも立ち上げを図りたいと考えております。 こういった取組を通じまして、不正経理等が厳に行われていないことをしっかり点検、確保して、再発防止の強化徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○辻泰弘君 役所全部に通ずることではありますけれども、当然労働局も強制徴収から成る税並びに保険料から成り立たせている世界でございますから、その意味において、国民の血税といいますか、血保険料といいますか、そういったことで成り立っているわけですから、無駄というものがあってはならない。しっかりと公正な使い道でなければならないわけでございますので、そういった意味で、そういった体制も整備される中でしっかりとお取り組みをいただくようにお願いをしておきたいと思います。 それから次に、社会保険労務士法の改正に絡んで前回御質問させていただいたことについて、これまでの経緯をお聞きしておきたいと思います。 前回、十月二十六日の私の質問の際に、昨年四月に社会保険労務士法が改正されて二十三条の労働争議不介入の部分が削除されたということを指摘し、その結果として、一部ではあろうけれども、社労士の方々の中で適正な労使関係を損ねる、こういったことを労働側からすれば指摘するような事態があると、行為があると、こういった指摘を申し上げまして、それについては、やはり適正な労使慣行を損なうことがないようにということは附帯決議にもあったことでございますので、お取組を求め、周知徹底を図っていただくようにと御要請をしていたところでございまして、それについては武見副大臣の方から周知徹底に向けたお取組のお話もいただいているわけですが、その後どのようにお取り組みをいただき、今後どのように対処していくか、このことについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(武見敬三君) 前回、辻委員から御指摘がございました。こうした御指摘をも踏まえまして、厚生労働省といたしましては、苦情処理相談窓口に苦情の申出などがなされている場合につきましては、文書で回答するなど適切に対応します。 また、すべての社会保険労務士に適正な労使関係を損なうことがないよう改めて周知を行うよう全国社会労務士会連合会に対しまして指導をしたところでもございます。これは、当会の専務さんにお越しをいただきまして、担当の課長から直接指導させていただいております。 それから、全国社労士会連合会としても、厚生労働省からの指導を受けて、すべての社会保険労務士に適正な労使関係を損なうことがないよう改めて周知を行う予定であるというふうに聞いております。これ、一月に全国の社労士会の会長さん方がお集まりになるということでございまして、この理事会を通じてその指導を行うということでございます。またさらに、会報でその内容を掲載をして周知徹底を図ると、こういうふうになります。 今回の指導により、社会保険労務士の適正な業務処理が図られると考えておりますけれども、今後とも、必要に応じまして更なる厳正な措置を行うことも含め、適切に対処してまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 前回も申し上げたことでございますけれども、これは個別労働紛争等、急増している今の状況の中で、社会保険労務士の方々にも重責を担っていただこうということで、ADR、裁判外紛争解決手続の、その司法制度改革の一環として出てきたことでございますので、我々も賛成をしたことでございます。そういった意味で、その趣旨が十分生かされて、いい意味で機能していくように、そのことについてはしっかりと目くばせをしていただいて、これから取り組んでいただくように申し上げておきたいと思います。 それで、次に、タクシーの規制緩和関連についてお伺いしておきたいと思います。 これも、私は予算委員会あるいは厚生労働委員会等で何度もこのタクシーの規制緩和問題についてお伺いをしてきたところでございます。厚生労働省と国土交通省で連携したお取り組みもいただいて、合同の協議会といいますか、委員会もつくっていただいて、いろいろ対処方御検討をしてきていただいて、二月からの無通告の監査と、あるいは四月からの合同監査、監督の実施、相互通報制度の拡充ということにもつなげていただいたわけでございます。また七月には、これは国土交通省でございますけれども、ビジョン報告を出されて、その中では市場の失敗ということを書いておられて、そこにいささか反省の思いを見るように思いますけれども、その中でも、運転者の労働条件が悪化している、また労働条件の改善が不可欠であると、こういった指摘もなされているところでございます。 そこで、厚労省サイドからお聞きしておきたいんでございますけれども、この最低賃金さえ守れないような状況にさえあるというふうな今のタクシー事業のチェックに向けて、これまで国土交通省との合同監査、監督を実施され、相互通報制度拡充をされてきたわけですけど、その推進状況、そして事態に、改善していると考えておられるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 労働基準監督機関といたしましては、タクシー事業者に対する監督指導をより効果的に行うために、今委員もお触れになりましたように、今年の四月から地方運輸機関との合同による監督、監査を実施しております。九月末までの半年間で仮集計をいたしまして、七十四事業場に対して実施をいたしました。 今後とも、国土交通省との連携を図りながら、的確な監督指導の実施に努めてまいりたいというふうに思っております。監督、監査をいたした場合には、私どもとしては、法違反等の状況があれば完全に是正をしてもらうということで臨んでいるところでございます。是正指導、必要な措置を講じているところでございます。
○辻泰弘君 そのおっしゃったものは報告書的なものになっているんですか。もし、それだったらいただきたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) これは年度、一年間で集計をすることにしておりましたので、半年間のものは急遽、全国に聞いて集計をしたものでございますので、報告書という形にはなっておりません。
○辻泰弘君 急遽でもせっかく統計作られたんですから、是非我々にも見せていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 実施件数等については集計をいたしましたので、急遽仮集計をいたしましたので、御提出したいと思います。
○辻泰弘君 そのことを通じて状況の改善に寄与していると、こういうふうに思っていらっしゃいますか。
○政府参考人(青木豊君) 今申し上げましたように、仮集計でございますので法違反の状況までは把握をしていないところでございますが、私どもとしては、違反等がありました場合にはそれを是正するということで臨んでいるということでございますので、これは年度、たったところで集計をきちんとしたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 これは、二〇〇二年に規制緩和がなされて、本来規制緩和は事後チェックということを前提にして規制緩和ということがあったわけですが、事後チェックの体制が十分できてないまま緩和してしまったということで、タクシーが一番不況の中で、公共事業もないという中で雇用の受皿になって激増したと、こういったことが余計に状況を加速してしまった部分があるわけでございます。体制整備をしないままに規制緩和をしたという部分が大きく問われるわけでございます。 私は、この問題をずっと追及してまいりましたけれども、やはり最低賃金さえ守れないような産業の在り方というものはやはり根本的に問われるべきで、これは第一義的には国土交通省マターでございますけれども、やはり厚生労働省から、労働というサイドから、それは労働者本人もさることながら、それは結果として利用者の安全にもつながるわけでございますので、そういった立場からも今後、この合同監査、監督、相互通報制度、それをやっていただいたことは私は感謝し多としたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、それを今後ともしっかりとお進めいただくように、そしてその統計的なものが出たときには是非速やかにお示しいただくように申し上げておきたいと思います。 それで、次のテーマに移らせていただきます。 今度は年金の関係でございますけれども、まず、年金課税の強化ということがございました。これはまあ直接的には財務省マターになるわけでございますけれども、柳澤大臣はもちろん御専門の領域だと思いますけれども、平成十六年度の税制改正において、老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小ということがございました。それに伴って、当然所得税は増える、増税になる、それからまた、住民税も連動して別法で負担が増えると。それに伴って、国保の保険料と介護の保険料にも当然しわ寄せが来るといいますか、負担が及んでくるということが予見されたわけでございます。 そういった意味で、二年半前から私はここの本委員会においてこの点を質問をさせていただいてまいりまして、介護の保険料についても段階設定の中で配慮していこうということがございましたし、また国保の保険料においても公的年金等特別控除ということで、十三万とか七万とか、二年間に及ぶ措置というのを講じられたということがあったわけで、そのこと自体は一つの取組だったかとも思いますが、しかし、それを踏まえつつも、結果として今年六月に年金生活者の方々の負担が急増したということで、各市役所等に殺到されたという高齢者の方々が多かったわけでございます。 これについては、安倍総理が、本会議でございましたか、御趣旨を御理解願いますということで区切られているわけでございますけれども、私は、やはり厚生労働大臣は高齢者の年金生活者のそういった生活、暮らしをもトータルとしてやはり見るべき立場のお方だと私は思いますので、そういった中で、今日のその負担の状況というもの、六月に集中した、そのことをどう思っていらっしゃるのかということと、今後、そのことを踏まえてどう対処していかれるのか、そのことを簡単で結構ですのでお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、辻委員が御指摘になられましたとおり、年金課税の見直しなどが税制改正の一環として行われたわけでございます。それは要するに、年金の受給者であるからこれは負担能力がないというような考え方ではなくて、やっぱり所得に応じてそれぞれに御負担をいただく、つまり年齢ではなくて所得に応じて御負担をいただくという税制改正をしようということで、そうした税制改正が行われたわけでございます。 もちろん、それは所得税あるいは住民税の引上げそのものになったわけでございますが、それに加えまして、要するに国民健康保険とかあるいは介護保険とか、そういう保険の保険料あるいは自己負担といったような部分に実は影響が及ぶと、言わば副次的効果みたいな形で影響が及ぶということが生じたわけでございます。 こういうことはよく私も承知をしたわけでございますが、このような負担の変更の形を取ったそうした影響につきましては、急激な負担上昇というものを抑えるための激変緩和措置であるとか、あるいは所得の低い方に対する配慮であるとかというようなことを行ったわけでございまして、先ほど来申し上げているように、高齢者も含めた負担能力のある方には相応の御負担をいただくということについては、やはりこれは社会保険制度の持続可能な形での運営といった観点に照らしても、御理解をいただきたいところだというのが私の考え方でございます。
○辻泰弘君 一言で言えば、これまでの政府の対応に問題はないし、ある意味で当然のことだと、こういったことだというふうに受け止めますけど、そういう理解でいいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ですから、それに対してはそのものずばりがいいということではなくて、工夫をしながら、負担調整をしながらこうした制度の導入を図ったということで、全体として御理解をいただきたいということを申し上げている次第です。
○辻泰弘君 今後、定率減税の廃止というのは来年以降もまた引き続くわけでございます。それから、厚生労働省マターとしては平成二十年四月から前期高齢者の一割負担から二割負担への引上げということもあるわけです。そういった意味で、高齢者の方々、年金生活者の方々に負担が今後もまだまだ続くということになるわけですが、そのことはある意味で当然だということ、当然というかやむを得ないというのが大臣のお立場というか、そういうことだったろうと思うわけです。 ただ私は、そうはいえども余りにも急激に伸びているというふうに思いますので、税の方はここではできないわけですが、少なくとも保険料の部分の、私も申し上げて、国保の保険料の算出の過程で公的年金等特別控除十三万円というのを初年度をもって、二年度は七万円でしたか、そういったことをやったわけですが、そういったことをもう少し継続するとか、何かそういったことは私はあってしかるべきじゃないかと。そういったことをお取り組みいただきたいと思うんですが、そのことの御検討はされるお考えはないですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもとしては、先般の税の改正に伴う跳ね返りあるいはこの保険料、利用者負担そのものの改定といったことについては、先ほど来申しているように激変緩和措置等を入れての導入でございますので、これはこれとして是非御理解を賜りたい、このように考えておるところでございます。 なお、今先生お触れになりました定率減税の廃止という問題については、これはよく検証はしてみますが、現在段階では別段、先ほどの年金課税のような形での跳ね返りはないというふうに理解をいたしております。また、来年度以降の高齢者にかかわる医療費の窓口負担等の引上げにつきましては、これはもう当初から御理解をいただいて予定をさせていただいているところですので、是非そのようにお受け止めをいただきたいと、このように思います。 なお、税がいろいろと変更になった際に、これから高齢者のいろんな負担への跳ね返りというものについてもっとよく見て、厚労省としての立場からいろいろ主張をしていくべきではないかと、こういったお話がございましたけれども、これまでも十分よく見てきたということでございますが、なお一層これからこの面については留意をしてまいりたいと、このように考えます。
○辻泰弘君 見るだけじゃなくて、やっぱり行動しなきゃ駄目なんですけれども。 それで、定率減税はそれは関係ないとおっしゃったけど、定率減税自体、最後の税額をカットするということですから、そういった意味での保険料への跳ね返りはないわけですけれども、しかしトータルとしての負担増であるという部分において申し上げているわけでございます。 それで、私はやはりこの問題ももっと議論したいところですけれども、結果として、政府として、柳澤厚労大臣として、このことについてはある意味でこれまでのことは正当であって、全く何もすることはないんだと、こういう結論だと思います。私どもとしては、そのことについては法改正を伴わないところでもいろんな対応、それこそ細やかな対応というのがあってしかるべきだと、このことを申し上げておきたいと思っております。 それで、次の問題に移らせていただきます。 年金のことでさっき財政検証の話をしましたけれども、ちょっと事実関係を押さえておきたいと思います。過去の物価スライド、賃金スライドが一・七%分凍結されたということがあったわけですが、このことの取り戻しはまだないと、ゼロだということですね。そのことだけ簡単に。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 平成十二年から十四年度の当時の社会経済情勢にかんがみまして、累積一・七%分のマイナススライドを特例的に実施しない法律措置が講ぜられました。この特例措置分につきましては、十六年年金法改正に基づきまして賃金、物価が上昇した場合に実際の年金額を据え置くという形で順次解消するという仕組みになっております。 十六年以降の物価の動向を見ますと、十六年は〇・〇で再計算より少し高めでございましたが、十七年はマイナス〇・三%ということで再計算より低め、そして十八年につきましてはまだ十月分までしか出ておりませんが、平均して〇・二%ぐらいということでございますので、なおこの一・七%が解消されるという状態には到達していないというふうに理解しております。
○辻泰弘君 私が聞いているのは一・七取り戻しているかで、要は〇・一も解消していないですねということの確認です。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 十六年、十七年の経過の中では御指摘のとおりでございます。
○辻泰弘君 そこで、かねがね私申し上げていて答えがいただけていないことではあるんですけれども、十六年度の年金改革のときにマクロ経済スライドを導入されたと。そして、新規裁定、さっきも言いましたけど、二〇〇七年度から新規裁定、既裁定は二〇〇八年度から始まるんだと、こういうことを見通しをおっしゃっていたわけですけれども、現実に二〇〇七年度とは来年の四月からでもう目前に迫っているわけです。 それで、現実に今も御説明あったけれども、この十一月、十二月の消費者物価上昇率が示されて、それの結果として一・七%取り戻して、かつ〇・九%のマクロ経済スライドの引く分を超える物価上昇があるということは考えられない。だから、私は、十一月、十二月に何%上昇したら、これのマクロ経済スライドが言っていたように二〇〇七年度当初から出発するのか、その数理的な計算をしてくれというふうに申し上げたんだけど、それはしてくれなかったんですよ。是非していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御要請ありました点については、よく理解しております。 ただ、物価上昇率というものにつきまして、仮定の数理計算で十一月は幾ら上がったらどうなるか、十二月は幾ら上がったらどうなるかというような独り歩きするようなことはできるだけ避けたいということから少し差し控えさせていただいたものでございますが、単純に私のベースで機械的に考えますと、年平均一・七%を超えるということは大変今の流れとは段差がございまして、単純に言えば平均九%程度の上昇率が年末に掛けてあるという事態でなければそれは届かないということを含めて、織り込んで、先ほど少し無理であるということを申し上げたところでございます。
○辻泰弘君 九%というのは新しいことを言っていただいたんで、最初から言っていただきたかったぐらいですけれども。しかし、それだけあり得ないことが前提となって初めて二〇〇七年度のマクロ経済スライド開始ということになるわけで、これをずっとマクロ経済スライドという、難しいことだから一般の方は余り御関心がないかもしれないけど、しかしやはり年金額を下げていくということが来年の四月からあるよということを政府は宣言してきているわけですから、私がかねがね申し上げたとおり、それはやはりそのことが見通されないわけですから現実に、前国会のときからそうでしたけれども、ここに至ってもう間違いないわけですから、ですから二年前に、あのときにマクロ経済スライドは二〇〇七年度から新規裁定始まるんだと言っていたこと自体はこれはないよということを、私は今の時点でも宣言というか、はっきり御答弁いただきたいと思うんですけれども、そこはどうですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 法律制度上、マクロ経済スライドの発動といいますのは物価及び賃金等の実績に基づいて翌年度から適用されるという規定になっておりますので、かねても御答弁させていただいておりますが、実際の発動があるかないかというのは、例えばこの十二月までの物価、あるいは前々年度までの賃金の実績というものを踏まえて年明けに決定されていくものというものでございますので、現時点、まだ予算も編成しておりません現時点で確定的なことを答弁をすべきかというと、差し控えるべきであるというふうに考えております。
○辻泰弘君 だけど、ただ現実に九%という物価上昇が前提になるわけですから、それはなかなか発動ということにつながらないだろうという想定はあり得るんですけど、そこはどうですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) あえて九%と申しましたけれども、十二か月の年間平均でございますので、各月の物価上昇率が少しずつ上がるような年であればまた全然違うわけでございます。 したがいまして、九%というのもある意味では誤解を招きやすいことではございますが、単純に割り算してみればということで申し上げた次第でございます。
○辻泰弘君 要は、私が申し上げているのは、マクロ経済スライドという国民生活にとって極めて重要な部分について見通しを出していて、それが、もうそれはないよということが明らかである状況にもかかわらず、そのことをつまびらかにしない。今九%とかおっしゃったのはよかったんだけど、それをまた後退させるというその姿勢を私は問うているんですよ。 やはり年金というのは非常に重要なことですから、率直なところ、マクロ経済スライドを追っ掛けているのはそんなにいない、私ぐらいかもしれませんけれどもね。しかし、やっぱり大事な政策なんだから、そのことは、二〇〇七年度から発動しないということが間違いないわけですよ、はっきり言って。そうであれば、そのことは、ある程度はそれ、にじむことぐらいはあってしかるべきだというのが私の申し上げたいことなんです。 それで、そうすると、CPIが、今年のCPIが確定した段階においてはそのことについて言及するということになりますね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど来申し上げておりますとおり、制度の定めるところによって次年度にマクロ経済スライドが発動されるかどうかというのを公式に明らかにすることになると思います。
○辻泰弘君 これももっと議論したいところですけれども、最後の十分ぐらいでございますが、雇用のことについて、雇用労働問題についてお聞きしたいと思っています。 私は最近の社会風潮を大変懸念をしております。政府の、厚生労働省の資料を見ましても、個別労働紛争が急増している、また賃金不払残業が増加している。このこと二つを見ても、労働条件の低下、悪化というものを端的に示していると。また、経営側の使い捨ての雇用を安く使いたいというこの露骨な風潮というのが非常に私は、将来の社会の在り方といいますか、そのことに大きな禍根を残すんじゃないかと、このように思うわけでございます。 そういった中で安倍総理が、労働市場の改革が内閣の大きな課題であるというふうにおっしゃっている。労働市場の改革とおっしゃる。一つの用語ではもちろんあるんですが、労働市場というと、何かやはり人を物として売り買いするのかというふうにもつながるわけですけれども、そういった中で八代さんのような規制緩和万能の方を経済財政諮問会議のトップに据えてということになりますと、私は大変大きな懸念を抱かざるを得ないわけでございますし、経済財政諮問会議で、議論も私は見ておりますけれども、正にそのことが現実になっていて、柳澤大臣が頑張っておられることについては敬意を表しておりますけれども。 そこで、一つ根本的なこととして、労働分野における規制緩和ということをどのように考えられるか。私は、かねてからこの委員会で申し上げておりますけれども、労働だとか安全とか衛生とか環境とか生命とか医療とか、こういった人間の存在の基本にかかわる部分の社会的規制というものは、単純に規制緩和をして人間が幸せになるものではない。その点についてはしっかりと踏まえて、とりわけ厚生労働省、まあ我々の委員会もそうですが、その点からしっかりと取り組まにゃいかぬということを申し上げてきたところでございますけれども、そしてまた、尾辻前々大臣、元大臣は、規制緩和は弱肉強食的な側面を持つと、このようなことをおっしゃっていたんです。 その点を含めて、規制緩和と労働、労働分野における規制緩和、このことについての基本的なお考えを大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そもそも労働行政あるいは労働法制というものがどこから出てきたかといえば、これはもう、この自由社会の中で経営と労働側が一対一で自由な契約を結ぶということでは、やはり労働者の側が基本的に弱い立場にあって、公正な契約というものが期待しがたいというところで労働法制が出てき、その労働法制に基づいて労働行政が行われていると、基本的にはそういうことだろうと思っております。その労働法制というのは大体においては労働規制の形を取っているということが実態であります。 そこで、さて、それでは、グローバリゼーションであるとかあるいは国際競争力ということの中で、一体この労働法制、労働規制というものがどの程度であるべきか、これが一つのポイントだろうと思います。同時にまた、最近の労働者というか働き方というか、そういうものについては随分多様化しているというか、その志あるいは意欲、さらには希望といったようなものが随分多様化しているということがありまして、そういうものを、従前の鋳型にはめたような、定型的な型にはめていくのがいいかどうかという問題も提起されていると、このように考えるわけでございます。 そうした中で、私どもとしてどのような態度を取るべきかと、労働法規の規制緩和に対してどのような態度を取るべきかということは、なかなかこれは一概には言えないと。絶対これはまかりならぬというようなことで取り組むということが正しいかといえば、それはやっぱり適切でない面があろうと思います。しかし、同時に、じゃ、もう元々労働法規なんていうのはないのが望ましいと言わんばかりの立場からする規制緩和論というのも世の中にないわけではないわけですが、そういったことでいいかといったら、それは断固そういうことではないと、こういうことだろうと思うんです。 いずれにしても、私どもとして、これはもう委員を始めとする国会の先生方にも是非いろんな御意見を出していただきたいわけでございますが、そういう意見を踏まえてバランスの良い判断をしていくべき分野であろうと、このように考えている次第です。
○辻泰弘君 大臣はインタビューで、労働法制を規制緩和したからニートやフリーターが生まれたと言われると改革推進側としてたじろぐ気分も正直なかったわけではありませんと、このように率直におっしゃっていて好感を持っておりますけれども、しかし、やはりたじろぎながらやっていただきたいと、そのことを申し上げておきたいと思うわけでございます。 それから、八代さんの発言などを見ますと、正規、非正規の格差解消というのを、私らからすれば正規の方に合わせていくんだというふうに思うんですが、彼らの論理はむしろ非正規の方に落としていくというこういう、ああ、そういう考えもあるのかとある意味ではびっくりしましたけれども、そういう考えがあるように思うんです。そこはやっぱりしっかりと、大臣としてはやはり正規の方に近付けていくんだと、こういうスタンスで臨んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう、要するに均衡処遇というのは明らかにそうした方向での均衡処遇でありまして、私ども労働側がこの条件を悪化させるというようなことを推し進めるというような立場には本来ないと思っております。
○辻泰弘君 経済財政諮問会議のあの議事録を拝見しますと、はっきり言って八代さんというのはよく分かってないんじゃないかというふうな、大臣の反論もそこにあるようでありますが、長期雇用については規制があるというふうな、そういったことがあって、それに対して大臣が、長期雇用については規制しているわけじゃないと、こういうことで反論されていて、まあ当然のことなんですけれども。 あと、大臣が大事なことをおっしゃっていて、労使自治で労使が対等の交渉ができるかというと、実際の力関係からいってできないと、そういった考え方で労働法制ができているんだと。非常に私は大事なことを言っていただいていると思います。全く平等でフリーマーケットでやれるなら民法でやればいいと。何のために労働法制が制定されたかと。最低限の労働者保護規定を設けることは労働法制の一番の基本なので、そこはしっかり考えていただければ大変有り難いと、まあ最後はちょっと弱気になっていらっしゃいますけれども。 しかし、ここは強く言っていただいて、やはり、ほかのところは何かこういう規制緩和万能でそれがいいように思われているけれども、しかし、混合診療のときも実は八代さんとテレビで私がちょっとやったことになっている部分がありましたけれども、しかし、規制緩和万能で安心の社会がつくれるものではない、この点についてはしっかりと発言をしていただいて、経済財政諮問会議でも、経済産業大臣も安直な緩和はすべからずという御主張をされてたように思いますけれども、その部分は厚生労働大臣が一番その矢面に立たれることだろうと思いますけれども、これは私は長い日本の将来の社会の在り方につながることだと思いますし、人間の幸せというものの基本にかかわってくる重要なことになると思いますので、人間の幸せを追求するのが政治の使命だと思いますが、その人間の幸せを考えるときに、やはり労働という部分が極めて大きなウエートを占めていると。だから、その労働の部分の幸せづくりというものをやっていくことが私は政治の使命でもあり、また厚生労働行政の使命だと思っていますけれども、どうかそのことに沿ってお取り組みいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 最後になりますけれども、このところで労働法制をどうやって決めていくか、改変を決めていくか、すなわち、諮問会議で議論されたことと、議論された労働法制の改革というものをどうやってこの厚生労働委員会あるいは厚生労働省、こういったところとの関係で進めていくのか。要は、経済財政諮問会議だけで進められてはたまらないといいますか、めちゃくちゃになるわけでございますから、そこはしっかり歯止めを掛けていただきたい。大臣にも発言していただくと同時に、やはり法律化する過程を、プロセスをしっかりと大事にしていただきたいと思っているわけですが、そのことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 経済財政諮問会議というのは、もうこれは、何と申しますか、総理が任命するということでございまして、その中に労働側が入っていないというようなことの労働者の声も聞いておりますけれども、今のメンバーでもって進んでいくんだろうと思うわけでございます。 私がそこで申し上げているのは、労働法規、実定法としての労働法規、これについては、私どもは労政審でしっかり三者構成の中でこれはもう進めていくというのがベストの形だと。それは何となれば、労働法規というのは日々の、あるいは企業あるいは工場、こういったようなことの言わば働き方を具体的に規定するものでございますから、これが経営あるいは労働側の理解もなく仮に実定法が制定されたところで、それはもう円滑に実施されるということは期待し難いと私は思うのでございます。 いずれにしても、三者協議の中で、お互い不承不承ではありましょう、やむを得ないなと思う、そういうことでありましょうけれども、まあ仕方がない、これで納得するか、これで双方合意した下で進んでいこうというような最低限の合意というものがない限り、私は円滑な労使関係を現場において実現するということは、私は期待すべくもないと思っております。 そういう意味で、経済財政諮問会議にも私はこの点は強く主張しまして、実定法の改廃といったことについては、あくまでもこれまでどおりの労政審での審議を経た上で行うということはもうしっかり確認したいと、こういうことを言いまして、総理のその後の取りまとめやあるいは大田担当大臣の発言等でも、そのことは理解されたというふうに私としては受け止めているわけでございます。
○辻泰弘君 小泉さんもそうでしたけれども、安倍さんも残念ながら、庶民の生活、暮らし、雇用、労働、こういったものにしっかり目を向けるという、そういった感覚が十分でないというふうに私は思います。 そういった中で、正に人を物としか扱わないようなこういった雇用労働環境が例えて言えばあるかと思うんですが、どうかそれを加速するようなことにならないように、そういった意味での厚生労働大臣の御奮闘を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に厚生労働省雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、雇用、年金等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。よろしくお願いします。 今日は、先回、五日の日に質問の冒頭で触れさせていただいた雇用についてじっくり柳澤大臣のまたお考えをお伺いしたいと思っておりますが、今日は、その前に一点、難病対策について質問をさせていただきたいと思います。 大変失礼な聞き方になるかもしれませんが、私も初めて知ったのですが、大臣、FOPという病気を御存じでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 全く知りませんでした。 しかし、その患者さん御自身が最近厚生労働省においでになられたということで事務方から報告を受けました。現在は治療法が確立しておらず、研究の推進を望んでいる等の実情をお聞かせいただいたとの報告を受けております。
○柳澤光美君 ありがとうございます。 実は、私も聞いて分かったんですが、FOPというのは進行性化骨筋炎といいまして、発症数は二百万人に一人と言われております。いまだに有効な治療法が確立されていない難病で、国内の患者数も十数名が確認されているだけで、医師や看護師にも認知度が低いためにすべての把握ができている状況にはありません。 この進行性化骨筋炎が発病すると、筋肉が骨に変化し、その骨が体の関節を固め、あらゆる部分の動きの自由を奪ってしまう。体の変化に伴って呼吸器官や内臓への影響も出てくる。進行するスピードも非常に速く、限度のない病状の悪化に患者や御家族は大変な不安を抱えながら生活をせざるを得ない状況にあります。 このFOPという難病と闘っている佐賀県内の患者さんと御家族が中心となって、特定疾患への指定、いわゆる難病指定を求めて今署名活動を行っています。指定されれば、特定疾患治療研究事業として、国、都道府県から研究費が出されます。病気の解明、治療法の発見につながり、また、医療費補助が受けられます。難病指定は最初の一歩で、それがまだ踏み出されていない状況にあります。 そこでお伺いしたいのですが、難病指定の基準について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) いわゆる難病を対象といたしました特定疾患治療研究事業及び難治性疾患克服研究事業は、希少難治性疾患の克服を主な目的として実施されております。 その対象疾患は、原因不明、効果的な治療法が未確立、患者数が少ない、生活面で長期にわたる支障を来すという四要件をすべて満たし、全国規模で研究を行わなければ原因の究明や治療法の開発等が進まない疾患から、医学、医療の専門家による特定疾患対策懇談会において選定されているところでございます。
○柳澤光美君 私も調べさせてもらったのですが、今おっしゃられたとおり、難病指定の基準には、まず原因が不明であること、治療法が未確立であること、希少性、そして生活面で長期にわたって支障を来すという四つの条件を満たし、全国規模で研究を行わなければ原因の究明や治療法の開発が進まない疾患を対象とするといいます。そういう意味からしますと、このFOPについては十分に難病指定の要件を満たしているというふうに私は考えております。 患者さんは単に医療費補助を要望しているわけではありません。一刻も早く難病指定され、病気を克服する新薬と治療法が発見されることを強く望んでいらっしゃいます。病気との闘いというのは本当に時間との闘いであります。日本においては、先進国では一般的に使用されている新薬にアクセスできないというドラッグラグの問題もあります。 折しも、新薬については、厚生労働省内でも新たな治験活性化五か年計画の策定が進められており、日本の治験空洞化対策やアクセス向上に向けて動き出しているということは評価をさせていただきたいと。しかし、患者数が少なく治療薬が存在していない難病の患者さんは、まだその段階にすら至っていない状況にある。 私は、前から、行政の取組はすべてにおいて対応のスピードが遅いということを指摘させていただいてきましたが、少なくとも人の命にかかわる問題だけはスピードアップしていただきたいと。特に、難病対策はもっともっと柔軟性とスピード感が持てないものかというふうに考えております。 そこでお伺いしますが、難病については、ここ三年間新規指定がされていないとお聞きしています。厚生労働省にはFOPのほかにも難病指定の要望書が届いているというふうに思いますが、この難病指定に対し今後どのように取り組むおつもりか。私は是非積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っておりますが、お考えを御説明いただければと思います。
○政府参考人(外口崇君) FOPの患者さんにつきましては、私も、先日、直接お会いをし、それから研究者の方にもお話を伺いました。 それで、難病のどういう疾患を加えるかということは、医学、医療の専門家から成る特定疾患対策懇談会において選定することになっておりますけれども、昨日開催された特定疾患対策懇談会におきましても、新規に特定疾患治療研究事業及び難治性疾患克服研究事業の対象とする疾患について検討すべきであるとの意見があったことを踏まえ、今年度中に特定疾患対策懇談会において疾患の選定について議論を行うこととするという取りまとめがなされたところであります。 新たな対象疾患の選定につきましては、この特定疾患対策懇談会において、先ほどの四つの要件を踏まえまして検討が進められていくことになると考えております。
○柳澤光美君 ありがとうございます。 やっと積極的に前向きに動いていただけるという御答弁をいただいて本当にうれしく思っておりますが、是非、スピードを上げて取り組んでいただきたいと。 実は、私、十二月の四日に決算委員会で質問に立たせていただいて、安倍総理に、この深刻な財政状況の中で本当に無駄遣いをやめて借金返済に回さなければならないと、特に増収分は補正予算の編成あるいは来年度の予算に関してもできるだけ借金に回してほしいということは強く訴えさせてもらいました。ただ、私はその中で、人の命にかかわる問題に関しては、これはけちらないでほしいと、きちんと配分してほしいというお願いも強く併せてさせていただきました。 この後、柳澤大臣の方も、この予算等の増額の考えを、財務省とのやり取りがあるというふうに思うんですが、是非、この部分はきちんと予算獲得をしていただきたいというふうに思っておりますが、御決意をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 難病対策予算につきましては、当然のことながら、十八年度予算に比較して、十九年度におきましてはその増額を要求しているところでございます。なかなか財政当局の姿勢も硬くて、果たしてこれが十分な成果を上げ得るかどうかということは、現在段階では内容もはっきりしていないわけでございますけれども、この予算の所要額の確保については、これから残された折衝の中で一生懸命努めてまいりたいと、このように考えております。
○柳澤光美君 ありがとうございます。是非、厚生労働省挙げてバックアップ体制をしいていただいて、この難病対策に取り組んでいただきたいということをお願いをしておきたいと。そして、このFOPが一日も早く特定疾患治療研究事業の対象患者に指定されることを願いたいなと。全国で署名活動が今、患者さん、家族の皆さんを中心に動いておりまして、私の方もこれからも精一杯バックアップをしていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 それでは、本題の雇用問題に入らせていただきたいと思います。 先回、冒頭で、柳澤大臣の方にいろいろお考えを少し聞かせていただいたその続きに入りたいと思いますが、その中で、特に雇用の問題と、それから私の場合には労働時間のところに絞って少しお伺いをしたいというふうに思います。 私、当選してから本会議とかいろんなところでちょっと主張させていただいてきた考え方がございまして、それはグローバル化、グローバル化ということで、グローバルスタンダードに変えなければいけないということで大きなうねりになったんですが、実はそれは基本的にはアメリカンスタンダードが中心で、非常にアメリカ型に変わっていく、日本の場合にもその動きが非常にきつく動いたというふうに私は感じています。 私は、アメリカに学ぶことはたくさんあるというふうに思っています。すばらしい国ですし。しかし、日本をアメリカにする必要はないだろうと。ですから、本会議のときも、改革にも変えていいことと変えては悪いことがあるという主張を少しさせていただきました。アメリカという国はもう、こんなことを、生意気なことを言ってはいけませんが、大変歴史の浅い国だというふうに私は思っています。イギリスから独立して二百三十年、でも実際は、あの一八五〇年の南北戦争でリンカーンが奴隷解放して、南北アメリカが統一をして今の合衆国ができた。そういう意味でいくと百五十年ちょっとです。しかも、世界の移民の人が集まった国ですから、人種も宗教も肌の色も言葉もイデオロギーも違う国、そういう国を短い期間にあれだけの大きな国にしようとすると、アメリカンスタンダードの一番根幹にあるのが私はダーウィニズムだというふうに聞いています。強い者しか生き残れないというダーウィンの進化論がすべての基本で働いていると。ですから、勝ち組、負け組ができるということも併せてそこから出てきているんだろうと。 それからもう一つは、アングロサクソンの皆さんが中心ですから、狩猟民族の発想ですから、獲物を捕った、銃がうまくて獲物を捕った人が一番偉い。だから、その人が一番おいしいところを取って、あとはみんなに分けてあげる。ですから、企業で言えば、利益が出れば社長が何十億も賃金もらう、これは当たり前のことだと。あるいは、働く皆さんも、それにはできるだけ猟銃がうまくなって獲物を捕りたい、実力を付けたい。それから、今いる森に獲物がいなくなれば獲物がいる森に移っていく、転職も当たり前という価値観の中であの国ができてきている。ですから、市場経済原理主義と言われる発想があの国に強く根付いたんだろうと。 ただ一方、私は、日本という国はいろいろありますが、二千年以上の歴史と伝統と文化を刻んできました。大きな宗教だとか人種だとかというような問題も、そう世界に比べてありませんし、私、一番根幹は日本人は農耕民族だというふうに思っています。私も長野の農家の生まれですが、生まれたところでみんなで一緒に田植をして、そして一緒に稲刈りをする。だれかが田植が少し速いからというんじゃなくて、労働の単位はやっぱり家族が中心になります。ですから、田植のときには両親はもちろんのこと、おじいちゃんもおばあちゃんも子供も孫も総出で田植をする。で、それが困ったら地域で助け合うという血縁、地縁というネットワークの中で私は日本の国が成り立ってきたというふうに思っています。 その中に、いわゆる日本の雇用と言われる労使関係もあると。ですから、一つの企業に勤めると、そこを先輩とか後輩と一緒に企業を最後まで勤め上げる。もっと言えば、OBになっても人間関係をつなげていくという流れの中で日本の歴史と伝統と文化が刻まれてきたと。ここを急激にグローバルスタンダードと言いながらアメリカンスタンダードが日本に入ってくる中で、日本の血縁ですとか地縁あるいは職場の縁というネットワークが壊れてきていることが、今いろんなところで起きている社会問題にもすべて影響するんではないかというふうに、私は、生意気かもしれませんが、ちょっと感じています。それが家庭崩壊につながったり、今、教育特でやっていますけれども、学校崩壊につながったり、地域崩壊、今日質問させていただく職場の中にも、本当に職場崩壊が広がってきているということを私は一番懸念をしておりまして、そのことをもう一回、日本の良さというのを取り戻さないと、本当にこの先の日本、大変になってしまうというのが、実は先回大臣にもお伺いして、これだけ社員が使い捨てになっていくと、その人たちが十年後、二十年後に日本の中核になったときに大丈夫でしょうかというような問題提起をさせていただいた経緯につながっています。 そんな中で、今日はちょっと雇用についてお伺いをしたいというふうに思うんですが、先回ちょっとこのことを触れたんで、もう一度大臣のお考えも少し聞きたいと思うんですが、非常にアメリカのコーポレートガバナンスというのは、株主中心になって、株価を上げてその株主にこたえる。もちろん日本の企業とは、ちょっと株主に配慮が弱かったという意味では変えなければいけないんですが、先回こういうお話をさせてもらいました。日本の企業のこのいわゆるステークホルダーには、顧客、いわゆるお客様、それから従業員もある、自分の会社だけではなくて取引先ともうまくやる、もっと言えば、地域社会との付き合いも大事にする、そしてもっと言えば、日本の国のためにもあるという社会的責任を強く負って生きてきたと。そこがここのところ急激に崩れているというふうに私は感じているんですが、大臣はどのようにお感じですか。もうこれは、通告とか何かじゃなくて、率直な御感想をいただければと思いますが。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 企業及び企業の中で働いている従業員、労働者、こういうような方々について日本的な色彩がどうしてはぐくまれてきたか、またそれが現在の経済の潮流の中でどういう変容を遂げていると評価するかといったことを問題提起いただいたのではないかと、このように理解いたしております。 今先生が御指摘のように、日本の企業の場合には、やっぱり共同体、農村共同体あるいは農業共同体と言っていいかと思うんですが、稲作を営んだ共同体の影響を企業全体が非常に強く受けて、それの言わば類似体として会社を組織するというような傾向が非常に強かったというように思います。これは、いろんな企業の経営者が、やっぱり自分たちの従業員のことを家族のように思って、自分はその親だと、こういう位置付けで企業経営に当たってこられて、そして一定の成果もそれで上がったという実態があったというふうに思います。 そういうことでございますが、ここに来まして、柳澤委員はちょっとお嫌いなような雰囲気でおっしゃいましたけれども、やっぱり資本主義内での企業間の競争が激しくなる。しかもそれが国境を越えて激しくなるということの中で、現実に企業が、しかもかなり大きいエスタブリッシュされた企業が現実に倒産をしてしまうというようなことも起きました。 そういう中で、これを再組織して強化していくということの中で、労働の慣行というようなものがこれでよろしいのか。あるいは、倒産をしてしまうと、株主の株券の価値というものが全くゼロになってしまうと、まず真っ先にリスクを取らせられますからゼロになってしまうというようなことが現実に起きたわけです。 そういうことの中で、それじゃ、そういうリスクを負ったものに出資をするという株主はどのように処遇されるべきかということになりますと、やっぱり今までのように倒産をほぼしないという、そういうところでの経済主体を支える株主ということよりもやっぱり現実のリスクを負った株主ということになりますから、これに対しては、利益があれば一定の報いをしていかなければ、これはもうリスクと見合いませんからだれも出資の仕手がなくなってしまうと、極論して言うとそういう関係があからさまになってきたということが一つあると思います。 そういうことの中で、株主についても、従前、会社の倒産というようなものはほぼない、メーンバンクが相当経営がおかしくなってもちゃんと守ってくれるというような時代に比べると、やっぱりきちっとしたリスクを取ってくれる株主にはしっかりしたそれ相当の報いをしていかなきゃならないということも入ってきていると、こういうように思います。 それからまた、従業員、労働者につきましても、一体どうしてこれからそういう競争に耐えていくかということの中でいろんな知恵を使わなければならなかった、こういう経営側の事情も非常に明確に浮上してきたというふうに思います。 片や、労働者、従業員の側も、特に若い人たちを中心に、まあ言わば年功序列でゆっくりした昇進を待って一生安定ということよりも、やっぱり早めにいろんな自分の実力相応の報いを得て、報酬を得て、そしてまた次の段階に進んでいくというような、そういう風潮も出てきたというように考えておりまして、全体として非常に状況が、共同体のアナロジーで生まれてきた企業の経営の姿よりもかなりいろんな意味で流動化してきたということが現在の姿ではないかというふうに思う次第でございます。
○柳澤光美君 この議論をすると二時間か三時間ぐらい、来年また労働契約法とか労働法制も出てきますし、この後、津田議員も質問をされると思いますんで、今日はこれ以上やると無制限になってしまうんで、聞きたいことはたくさんあったんです。 ただ、私は少し行き過ぎたんではないかなというふうに思っています。先回も申し上げましたように、日本の場合にはやはり人が財産だと。その人が、人口も減ってくる中で今残っている人たちの資質をどう高めるかということを大事にしないと、私は今企業もここへ来て少し反省されているところも多いというふうに思うんですが、この議論は来年にまた改めてということで、ちょっとその中で労働時間について質問させていただきたいと。 いろんな意味で今働く者に大きなしわ寄せが来ているんですが、その中でも私は日本の労働者の一番大きな問題というのは労働時間が長いことだというふうに思っています。 私も、欧米にも調査団で何回も足を運ばせていただいて見てきているんですが、ヨーロッパはもういわゆるワーク・ライフ・バランスがきちんと取れている、特に北欧のスウェーデンのすばらしさというのは皆さんも御承知だと思うんですが。アメリカは、非常にそういう競争の中で働き過ぎだというふうに思われていますが、家族との時間というのはきちんと取られているんですね。バカンスもきちんと取ります。ですから、プロ野球の選手が日本へ来て、最後の優勝が決まるときだといっているのに、奥さんが出産だというと、そこをストップして帰られるぐらい家庭ということもきちんとされているんですね。 ところが、日本というのは、これが私は今度は逆に言うと日本のその歴史と伝統と文化の弱点でもあるというふうに思うんですが、賃金が少なければ文句は言うんですが、休日とか労働時間に関しては非常に甘いというか、本来指示を受けなくても自分で出てきてしまったり働いてしまったりする。それから、労使の関係というのも非常に、上司、部下の関係もチームワークで動くというところで見えなくなる。 そういう意味では、私は、世界の中でも欧米に比べても、日本は労働時間という意味では休日も含めて非常に後れているというふうに思いますが、大臣、率直にどういうふうに感じられていらっしゃいますか。大臣も世界を知られてあれだと思いますけど。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の労働者、従業員の方々の労働時間というのはやっぱり総体的に長いのではないかと、こういうように思っております。 特にまた、失業率というかそういうものが非常に上がってきたときに、ワークシェアリングというか、そういうようなことで雇用をお互いに確保し合おうと、こんなことがありまして、それで、フランスですが、三十五時間労働というようなものを導入されました。そういうようなことで、私も本当そのときには驚いたんですけれども、そういうことを、あれは社会党政権のときでしたけれども、堂々とやっていくというような実態を見まして、ヨーロッパのこの労働時間の考え方については、ある意味で印象深く受け止めたことがあります。 全体として、非常にやっぱり日本は長いのではないかという印象を持っております。
○柳澤光美君 大臣もお感じのように、特に日本の場合には、目に見える労働時間、いわゆる所定内で決まっても実際にやっている労働時間が非常に長いというのが私は実態だろうと。 あと、お手元にちょっと資料を出させていただいて、総実労働時間が減ってきましたというこのグラフが厚生労働省の方からよく使われます。御承知のように、ここ急激に非正規社員の方が増えていますから、その方々というのは、派遣にしてもパート労働にしても、元々短時間勤務あるいは時間がきちんと決まっているという中でありますが。済みません、このグラフは全部非正規の方も入れて出てきたグラフですよね。政府参考人の方でいいです。
○政府参考人(桑島靖夫君) このグラフにつきましては、事業所規模三十人以上の常用労働者ということでございますので、正規、非正規ということは特に問うてはおりません。
○柳澤光美君 それが、そういうふうに雇用形態も多様化して変わってきたと。急激に、三人に一人が非正規に、一千六百六十三万人にも増えている。その人たちを全部入れてやれば、このように労働時間が短くなったように見えるんですね。なぜもう少し、これだけ働く人たちが多様化してきたというんであれば、データを正規社員とあるいは非正規というふうに区分して出さないのか。 次のページにあるんですが、これは総務省の方から出たデータなんですが、これを見ていただければ、本当に労働時間が二極化しているということがよく分かっていただけるだろうと思います。 三十五時間未満のところ、上の段ですね、そこが急激に広がる。その一方で、週六十時間以上が急激に増える。その下を見ていただきたいんですが、実は三十代の男性の週労働時間が六十時間以上の者というのが急激に増えているんですね。実は非正規の皆さんが増えてくると、その人たちは時間どおり働いて帰りますから、残されたいわゆる正規職員のところにしわ寄せが全部行きます。特に三十代の若い人のところにその労働時間が、負担が掛かる。ましてや、今はサービス業が非常に増えていますから、先回も言いましたように三百六十五日二十四時間開けているようになる。レストランだったら、本当にパートさんが来られないところは社員が全部守るというような形になる。 このことが少子化にも出ていまして、長時間勤務になるとやはり出生率が低い、子供が生まれてこないということにつながっているというふうに思うんです。 私は、大臣、お願いしたいんですが、こうなったらもう少しデータをきちんと、マクロでやるんではなくて、きちんと分析を掛けて出していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(桑島靖夫君) 数字のことでございますので、事務方からお答えさせていただきます。 厚生労働省といたしましては、毎月勤労統計調査におきまして労働者の労働時間の動きを把握しております。調査対象の常用労働者を一般労働者とパートタイム労働者に分けて集計、公表しているところでございます。 平成十七年度の常用労働者の年間総実労働時間、事業所規模三十人以上で見ますと、全体として平均としては千八百三十四時間となっておりますけれども、その内訳である一般労働者とパート労働者分けてみますと、それぞれ、二千十二時間、一千百七十六時間というふうになっております。
○柳澤光美君 ですから、おっしゃられるように、この表を見ると日本の労働時間は、これ総実労働時間で千八百三十四時間になりましたよと。でも、実際は、正規社員の常用型だと二千時間は切っておりませんと。むしろ、パートタイム労働者等の非正規のところが千時間ちょっとになっているので、合わせると、見掛け上千八百時間台になったように見えますよということですよね。その説明がなしに、こういうデータに基づいていかにも日本のいわゆる労働時間が短くなったように考えるのは、私は大きな間違いだと思っているんです。 ですから、実は昭和六十三年、竹下内閣のときに、日本も年間総労働時間を千八百時間を目指そうということで大きな方針が出て、閣議決定をされて、ずっと小渕内閣までつながってきたんです。これは小泉構造改革の中で消えてしまいました。一方で、平成四年には時短促進法というのを作って、時短に取り組みました。ですから、結果として所定内の労働時間というのは着実に減ってきたというのは言えますし、それなりの成果があったと。ところが、ここへ来て小泉構造改革から、いかにももうある程度行ったからいいというような形で、労働時間に対する考え方が非常に緩んできた。それが、そのしわ寄せが正社員の方にも行っている。 私は、大臣、もう一回この時期に、本当にワーク・ライフ・バランスということであれば、きちんと個人が一日二十四時間、八時間は睡眠で八時間は仕事だと、これが労基法の基準で、そしてもう残りの八時間が個人の趣味であったり自己啓発であったり家族と暮らす時間なんだということも含めて、もう一回その辺の目標みたいなのをむしろ出さなきゃいけないときではないのかと。労働ビッグバンで、労働者が入らない、労働側が入らない経済諮問会議辺りでああいう議論がされているのって非常に大臣もお腹立ちだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働時間につきましては、今、小泉内閣で千八百時間の目標というものの旗を下ろしたというお話がございましたけれども、これは総実労働時間では一応ほぼ目標を達したということで、その実態が今委員が御指摘のとおり二極分化をしているということになりましたので、そういうことで、それよりもその二極分化をした実態的な労働のありよう、こういうものを前提とした上で、しからばこれからはどういうふうに取り組むかという新しい問題の局面になったということだろうと思います。 そういう中で、今我々はワーク・ライフ・バランスというものを追求しなければならないということで施策を展開しようとしているわけですけれども、その中では労働時間法制ということで、一方では所定外の労働に対しての割増し賃金の率はどうあるべきか、あるいは他方では、今度はホワイトカラーエグゼンプションというふうな形で、労働者、従業員の言わば自主選択というものに任せる範囲とか地位とか職分というのはどうあるべきかということで、今度はそういう追求をしているというのが実情です。
○柳澤光美君 この件は本当に真剣にまた大臣と議論をさしてもらいたいと思いますが、実は、済みません、このデータには賃金不払残業は入っていませんよね。入っているわけない。入っていませんよね。いかがですか。
○政府参考人(桑島靖夫君) 公式の統計ということでございまして、これは事業所、企業に対して調査しているというものでございます。そういう意味で、企業が公式に把握している数字ということでございます。
○柳澤光美君 いいですか、これだけいわゆるばらつきがあって、しかもここに入っていないいわゆるサービス残業、僕はサービス残業という言い方は本当嫌いなんですが、経営者の皆さん、間違ってサービスで残業してもらえるというふうに思っていますから、賃金不払残業ですよ。 実はこれ、労働基準局で二〇〇五年度、いわゆる全部調査をして百万以上の未払残業代を支払った企業が過去最高の千五百二十四社、未払総額は二百三十二億九千五百万もあったというふうに聞いていますが、済みません、これは氷山の一角だと思うんですが、基準局ですべての会社を調べたわけではないですよね。
○政府参考人(青木豊君) これは私ども、工場、事業場に立ち入りまして、そして実際に検分をして、検査をして監督するということをやっておりまして、事業場数四百万以上あると思いますが、定期監督等として実施している私どもの監督は年間十二万二千七百件ということでございます。 今委員がお触れになりました賃金不払残業の数字でございますが、それはその十二万件立ち入りました中で三十七条違反が認められましたのが二万企業ございまして、割増し賃金を支払っていなかったということで支払わせたという金額が御紹介ありました約二百三十三億円ということでございます。
○柳澤光美君 時間がなくなってしまって、これはまた通常国会で本格的な議論をさしていただきたいと思うんですが、ですけど、基準局もこの辺は非常にやっぱり、いろんな今声が寄せられていると、それに基づいて調査もされて、これだけ出てくると。 大臣、これは氷山の一角なんですよ、お聞きのとおり。これは犯罪、犯罪というよりは悪いことですよね、賃金払っていないんですからね、本来。罰則規定を設けなければいけない。ところが、その分だけ払えばいいだろうというんでは困るなというふうに私は率直に感じていまして、基準局の方でも、ここのところ賃金不払残業解消キャンペーンというふうにいろいろ打ってくださっています。ただ、これも本当に形だけになってしまう。 そんな中で、特に私気になっているのは、無料相談ダイヤルで相談件数が全国で千三百八十件上がってきたと。ところが、特にその中に家族からの相談というのが三百三十六件あるんですね。本人の働き方を見ていると、本人はまだ納得の上でやったとしても、家族から見たときに、親が子供、本当にこのままで大丈夫なんだろうかと、夜遅くまで休みも取らないでやっている。あるいは、奥さんが自分の御主人がどうなんだろうという心配で私は電話を掛けてきているのが実態だと思うんです。 私はスウェーデンに行ったときに、ある家庭に行って主婦の方に言われた言葉がいまだに印象に残っていまして、日本の皆さんは生きるために働いているんですか、働くために生きているんですかという質問を受けました。この辺が私は労働ビッグバンの中で、大臣、厚生労働省しか働く者の立場をきちんと確保できないという思いがありまして、是非その辺のところを、この後、経済諮問会議等でもいろんな議論があると思いますが、頑張っていただきたいなということをお願いをして、時間になりましたので、今日はこれで終わります。 ありがとうございました。
○津田弥太郎君 津田弥太郎です。 前回、介護、障害者福祉の一般質疑の際に最後で大臣とやり取りをさせていただきましたが、どうも納得ができません。通常国会で労働法制の問題あるいは年金一元化の問題等々につながる話でありますので、もう一度、柳澤大臣の姿勢についてお伺いをしたいというふうに思います。 私の質問はこういう質問をしたんです。じっくり聞いてくださいね。財政が厳しいから社会保障を削るのではなく、社会保障をトッププライオリティーと言うなら、必要な社会保障を確保するためには、閣内において他の省の大臣に働き掛けて、他の分野の無駄を削って、削った分を社会保障に持ってくる、これが厚生労働大臣の仕事ではないですかと、私はこのように尋ねているんです。財政が厳しいということ、これはもうだれもが分かっていることで、私も否定しません。先ほど同僚の柳澤議員も指摘をしたとおりであります。 先週も私が強く、難病対策あるいは障害者福祉を始めとして、命そのものに直結する、あるいは人間の尊厳と密接にかかわる分野においては、景気や財政による公費の伸び縮みがあってはならない。国民の社会保障制度に対する信頼が失われつつあることが事実であるとするなら、それは景気や財政でそうした分野への公費投入を伸び縮みさせていること、そのことで国民は本当に政府は私たちが窮地に陥ったときに救いの手を差し伸べてくれるであろうか、そうした不安感が背景となっているんではないかと私は考える。そう思いませんか。 この公費投入の額を削るということは、大臣がお考えのように制度の持続可能性は高まるかもしれない。しかし、その陰では、弱者の自己負担が増加することで人間の尊厳が失われ、あるいは尊い命が失われることになってしまうわけです。人の命を犠牲にして制度の持続性が図られるなどということはあってはならないわけです。そういう制度は結局は国民の信頼を失うということも、柳澤厚生労働大臣、お分かりだと思うんです。 歴代の厚生労働大臣と柳澤現大臣を比べた場合、前任の川崎大臣の場合は政治家になる前は松下労働組合の組合員、間違いなく労働問題に関する理解では現柳澤大臣を上回っているわけです。同様に、厚生労働大臣に就任する前から厚生委員会で活躍されておりました尾辻大臣あるいは坂口大臣につきましても厚生分野の専門性で現大臣を上回っているはずです。 いいですか。私はだから柳澤大臣は駄目だと言うんじゃないんですよ。柳澤大臣の場合は、自民党で一、二を争う財政通であるわけで、そこをこの厚生労働大臣としての良い面に活用してほしいというふうに私は思う。他省庁の支出についても財政全体を見渡して客観的に優先順位を付けることができる、そうした役割を柳澤大臣に期待をしているわけであります。社会保障に金が掛かったら国の財政がもたないなんという発言をこれ以上続けているようでは厚生労働大臣としては失格、私は断ぜざるを得ないわけでありまして、まあここまで、大臣、言われたらちょっとこのやろうという話になるんじゃないかと思うんですが、是非気概を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変厳しいお言葉をいただきまして、自分の不敏、不徳を大変感じざるを得ないわけでございます。 しかし、そういうことでございますが、先生のお話の中で、やはり景気の伸縮に応じて社会保障の給付が伸縮するということはまかりならないと、このお話は私もそのとおりだと思うわけでございます。 ただし、私どもが今直面している問題というのは、景気の一時的な循環に応じた社会保障費の在り方の問題ではなくて、ある意味で、これは将来展望を含めて、将来を視野に入れての話ですけれども、やっぱり構造的にこの体制で持続可能であろうかということでございます。したがいまして、景気がまたいずれ良くなるのに今ちょっと悪いから社会保障を縮めちゃおうというようなことを全く考えてはおりませんで、将来のことも視野に入れたところで構造的にこういう今の制度が持続可能なんだろうか、もしそういうところで心配があるならば持続可能にしておかないといたずらに負担の方だけを将来世代に先送りしていくと、こういうことになるのではないかということが私が直面している問題なのではないかという認識でございます。
○津田弥太郎君 もう一つ答えていないんですよ。ほかの省庁から分捕ってこいって私、言ったんです。そのことについて、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 行政各分野はそれぞれに、現在のこういうシーリング、厳しい財政の引き締め基調の中で目一杯冗費の節減等に努めているわけでございまして、ほかの省庁はゆるゆるだから厚生労働省の社会保障経費のためにそれをはがして持ってこいということになりますと、なかなか私の力に余ることだと言わざるを得ないというところでございます。
○津田弥太郎君 そうじゃないって言っているんじゃないですか。財政通の大臣だからこそできる仕事だって私申し上げて、一生懸命持ち上げているんですから、最後は。 本日の議題のお尋ねをさせていただきたいと思います。 働き方の多様化という問題でございます。 この言葉が頻繁に用いられて、先ほどもおっしゃっておりました。大詰めを迎えております労働政策審議会の労働条件分科会におきまして、経営側は働き方の多様性に対応するための労働時間法制の見直しということを主張されておるわけでございます。大臣自身も十一月十日の本会議において、我が党の若林議員の質問に対して答弁を行っております。大臣の答弁の内容です。最近の非正規雇用の増加については、経済・産業構造の変化や労働者自身が多様な働き方を求めるようになってきたことが背景にあるものと認識しておりますという大臣答弁であったわけであります。これ許せない。これは、この発言は完全に経営側の論理に立っている。私から言わせると、経営側のプロパガンダと言っても差し支えないような内容だというふうに思うんです。 この非正規雇用の増加の理由として、経済・産業構造の変化と、それから労働者自身が多様な働き方を求めるようになった、並列に挙げているんですね。この前者の経済・産業構造の変化とは何でしょうか。これは結局、企業が使い勝手の良さを求め、経費削減を最優先に行うようになってきた。経営者の矜持が失われ、手段を選ばず、金さえもうければよいという風潮が蔓延したということです。 労働者自身が果たしてこの非正規雇用を積極的に求めているのかという点に関しても、厚生労働省が就業形態の多様化に関する総合実態調査という調査をした結果に如実に表れているんです。この調査で、もう一回言いますよ、就業形態の多様化に関する総合実態調査。正規労働者でありながら非正規労働を希望する労働者、本当にいるのかよ、ちょっといるんですね、ちょっといる、考えられない。逆に、非正規労働者でありながら正規労働を希望する労働者、これどのぐらい違うかというと、この調査の結果で見ると約二十二倍。まあ中には変わった人がいるんですけれども、逆に非正規から正規になりたいという人が二十二倍なんですよ。 この労働者本人の満足度が正規と非正規では二十二倍も違うという現実に目をつむって、非正規が増加しているのは労働者本人の意向である、これおかしいんですよ、こんな大臣答弁をするのは。極めて大きな問題であります。 つまり、現下の我が国の情勢は、多様な働き方ではなくて多様な働かせ方。これ随分違うんですよ、この「き」か「かせ」で随分違うんです。あくまで企業にとっての多様な選択肢の拡充ということが実態なんです。産業法制の改革の際に経済産業委員会で経産大臣がこういう発言をするならともかく、厚生労働大臣がこういう発言をするというのは絶対許せぬ。この話は全く厚生労働大臣の発言としては失言以外の何物でもないというふうに私は思うわけであります。 さっきは厚生大臣として聞きましたが、今度は労働問題ですから、今度は労働大臣の側として、こういう姿勢を大きく転換した大臣の姿勢を聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、労働あるいは雇用の形態が非常に多様化しているという、この事実はもう事実としてあると思います。 そして、それぞれの形態で働く労働者の意識はどうかといいますと、私ども、常用雇用、長期雇用であるのが望ましい。だけど、やむを得ず今こういう非正規の労働形態の労働をしているんだという人たちも多いわけですけれども、同時に、そういう多様な形態を、いろいろ自分の専門が生かせるとか、あるいは自由時間が取れるとかというような労働者の側の事情で選択しているという方々もいらっしゃると。 こういうことは事実としてやっぱり認めないと非常に、何というか、これからの取り組む労働行政についてもいろいろそごが生じてくるおそれが私はあると思っておりまして、事実は事実としてしっかり見定めてこれからの取組を展開したいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 そうじゃないんです、違うんです。 ただ、この話は通常国会でこの続きをやることになるだろうと思いますから、そこはお互いに、厚生労働省の行った調査を含めて、どんな調査をするかによっても違ってきますけれども、進めていきたいというふうに思っております。 さて、派遣労働の問題に移らせていただきたいというふうに思います。 私の出身組織の地方組織がホワイトカラーエグゼンプションについて反対署名を厚生労働省の担当者に届けさせていただきました。悲痛な叫びなんですよ。厚生労働省というのは自分たちの味方だと思っていたんだけど、先ほど柳澤、民主党の議員も言いましたけれども、ホワイトカラーエグゼンプションの導入について厚生労働省が積極的な旗振り役をやるというのはとても信じられない、こういう発言でありました。是非、そういう声に耳を傾けていただきたいというふうに思うんです。 製造業に派遣労働が解禁をされて、現場で非常に増加しているんです。技能承継が極めて困難になったり就業形態の異なる労働者間の意思疎通が十分でないことから、重大労災事故も発生をしております。私は、前回、安全衛生の問題でも指摘をさせていただきました。企業の論理で無原則に派遣労働が拡大をしているということは行き過ぎではないかということは、前回の通常国会において川崎前厚生労働大臣に私が聞いたところ、大臣も半分ぐらいは私、津田弥太郎と同じ意見であるというふうに答えたわけであります。 さあ、柳澤厚生労働大臣はどのように答えていただけるでしょうか。どうぞ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 製造現場への労働者派遣の解禁というのは、産業構造の転換や国際化が進展する中で、日々変動する業務量に応じて労働力の需要に弾力的に対処したいというニーズにこたえるものだというふうに考えております。 改正法の施行後、製造現場における労働者派遣が広がりを見せておりますけれども、その背景にはこうした考え方がありまして、それによって人件費の削減ということが可能になるという側面もあるんだろうと私は申し上げたいと思います。
○津田弥太郎君 川崎前大臣があそこまで、さっきも言いましたように、あそこまで答えているわけですから、そんな役人の作った答弁読んでもしようがないんですよ。自分の言葉でしゃべってくださいよ。 先日、私は、厚生労働省に対して派遣先企業への監督指導の実態についてお尋ねをいたしました。いただいた答えは、平成十七年度、製造業務を含む全体で派遣先に対して八百五十件、日本全国でですよ、八百五十件の監督を行い、そのうち四百二十件について文書による指導を実施したと。この数字は製造業務を含む全体ということなんです。製造業務に限定した場合は更に監督件数は減るということであります。 現在の製造業への派遣の急速な拡大、その中で悪質な法違反の事例が見付かっていることなどを踏まえた場合、厚労省の監督件数というのは、これ本当何百という話なんですね。これは余りにも少ないわけです。だから、法律の遵守がなされているか否かについて厚労省として重点的な監督を行わなきゃいかぬのです。マンパワーの問題があるんだったら、連合の部隊へお手伝いをさせますよ、幾らでも。労働基準監督署の下請やりますから。ですから、是非、多くの製造現場で監督指導を徹底してもらいたいんです。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働者派遣事業にかかわる指導監督の実施の状況でございますけれども、これは平成十七年度で、労働者派遣請負の合計でございますが、六千六十八件ということになっておりまして、これらは時系列的に見ると大変最近において増加の傾向にあるということでございます。
○津田弥太郎君 ちょっと違う資料じゃないんですか、それ。いいですよ、これも、時間がないんで、また通常国会でやりますから。 もう一つあるんだ。派遣の次は請負ですよね、当然。製造業の請負現場で働く労働者に関して、請負って一口で言うけれども、三つ類型があるんですね、請負現場で働く労働者の種類。一番、請負業者に直接雇用されている正規労働者。二番、請負業者に直接雇用されている非正規労働者。三番、請負業者に派遣会社から派遣されている労働者。三つに分類されるわけであります。それぞれの実数と比率はどうなっているか、さらに日本人と外国人に分けてお答えくださいという質問をしたいんですが、数字を持ち合わせていないようですから、そこは飛ばして。 答えられるの、数字、数字だよ。答えられないのに手挙げたってしようがないでしょう。どうぞ。
○政府参考人(高橋満君) 今委員言われたそのすべての実態を表す数字というものはございませんが、全体の数として、製造分野におきまして請負で働く労働者の数が約八十六万六千人、また、正規、非正規というとらえ方ではございませんが、雇用期間の定めがあるかないかという観点で見ました数字といたしまして、雇用期間の定めがあるものが六〇・六%、定めのない、つまりいわゆる常用雇用と言われる方が三六・九%と、こういうような実態を私どもは把握しております。
○津田弥太郎君 質問と全然違う回答してもしようがないんですね。私はさっき三つの類型、この類型がおかしいんならおかしいって言えばいいんですね。この実態把握をしっかりしないと、これからの派遣請負等々についての施策がこれしっかりできていかないんですよ。今おっしゃるような、総枠で八十何万人だなんて話じゃないんです。この中身を細かく見ていかないと、どういう施策を打っていったらいいのかという議論ができないんです。施策も出てきません。 そういう意味で、大臣、私が申し上げたような、同じ派遣とか請負といっても中身は随分違ってきている、分化してきている、そのことについてしっかり調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) こういう観点からの調査がかねてから行われておればこれは簡単に出せますし、集計の問題にしかすぎません。しかし、もしそうでないとしますと、なかなか時間が掛かる。 と申しますのは、請負の労働者のうち正規、非正規ということは、これはもう当然のことながらすぐ出なければならないカテゴリーだと思うんですけれども、請負の中で派遣会社から派遣された、派遣会社が請負会社になっているという意味でしょうか。請負会社に派遣会社から人を出してきているということですと、恐らく請負にならないんじゃないかというふうに(発言する者あり)え、請負あり得る。(発言する者あり)これちょっと私の頭の整理がちょっとできませんので、いずれにしてもかなり変則ですから、そういうカテゴリーで調査が行われていないと、少し時間をいただかないとできないということでございます。
○津田弥太郎君 大臣まだよく分かっていらっしゃらないんですよ。 実はもうすごい、感染症のときに病原菌がどんどん分化して新しい変化をしていくように、この働き方の問題、派遣とか請負も、いったん解禁をすると言ってみりゃ本当に核分裂していくんですよ、すさまじく、いろんな様々な形で。そのことをきちっと認識をした上でどう労働政策をしていくかということをやらないと、その事実をきちっとつかんで、そしてどうしていくべきかと。確かに、経営側の論理もそれは確かにあります。私とは違いますけれども、それはそれであることは分かりますよ。しかし、そのことを、実態をしっかり把握して施策を打たないと間違ってしまうということを指摘をしておきたいというふうに思います。 それから、済みません、時間がなくなったんで、もう一度私は、前回、労働安全衛生法の改正の際に申し上げました統括安全衛生責任者の選任義務付けの問題について、もう一度大臣に御検討をお願いを申し上げたいということで発言をさせていただきたいというふうに思うんです。 私の出身組織で三人死にました。今、造船業、建設業、これが中心なんです。これではもう今製造業全体に解禁をされたがために、派遣労働が、その製造業の現場で意思疎通が十分に取れないで労災事故が多発をしている。そのことに対して、私は、せめてこの統括安全衛生責任者の位置付けをもっと拡大をしてほしい、造船業、建設業だけではなくて拡大をしてほしいということを前回も申し上げました。今回はどんな答弁が返ってくるか楽しみであります。大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、委員が御指摘になられたとおり、製造業におきましては、建設業と事情が違うということから統括安全衛生責任者の選任等は一律に義務付けられておりません。その代わりということで、作業間の連絡調整等を的確に実施するため統括管理する者を選任するということで、労働災害防止上の対策ということにしているところでございます。この製造業の元方指針を今後策定しまして、これらの措置を現在指導しているところでございます。この措置につきましてより周知徹底をして、製造業における混在作業に伴う労働災害の防止対策の徹底を図っていきたいということでございます。
○津田弥太郎君 結局、死人が増えないと対策が打てない。これ、それで本当にいいんだろうか。しかばねをたくさんたくさん越えていかなければ施策が生まれてこない。そういうしかばねが生まれることが十分もう現実に起きているし、これからも増えていくだろう。そういうことが予測されているのにそんな言い方をおっしゃっているというのは極めて問題であります。せっかくいい答弁をしていただけそうかなというときになって、最後にそういう答弁になったのは極めて残念であります。 あと時間がもう少しになってしまいました。今日は、雇用と年金ということで、年金について一つだけお聞きをしたいというふうに思うんです。 民間の様々な商品があります。中には、国民年金なんかは払いが多くてリターンが少ないから民間の商品に入った方がいい、国民年金なんかに入ったって意味がない、そんな宣伝もされているわけでありますけれども、そこまで言われて政府は黙っていていいのか。 本当に国民年金を、これは健康保険も同じですけれども、政府はもっと国民の皆様にこれだけすばらしい、これは商品とは言わないとは思いますけれども、制度はないんだ、どんなに民間が頑張っても、この国がやっている国民年金制度というのはすばらしいんだ。そのことをしっかり国民の皆さんに発信をしていないというところにも、つまり社会保険庁で不祥事を一杯起こしていることばっかりが出ている、確かにそのとおりです、社会保険庁問題だ。しかし一方で、この制度は本当にすばらしいんだということを、その発信が余りにも少な過ぎると思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私もかねがねそのように思っております。本当に日本の皆年金、また健康保険についての皆保険というのは、正に誇るべき制度であるというふうに思っております。にもかかわらず、何か年金について非常に脆弱である、将来展望も明るくないというような、むしろマイナスイメージだけを喚起するような言説が多いということを私どもは大変遺憾に思っているわけでございます。現に、公的年金につきましてはこの基礎年金給付、あるいは事務費に対しては国庫負担が行われておりますし、またこの公的年金の保険料掛金につきましては、これは課税所得からの全額控除が行われております。 そういう点におきましても、明らかに民間の個人年金等に比べますと公的年金の方がはるかに有利な仕組みになっておりまして、我々としては、是非こういったことについて国民の啓発に努め、そして国民の皆さん方からもっと年金、保険に対する支持をいただかないといけないと、このように考えております。
○津田弥太郎君 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。 先ほど、同僚の柳澤議員からもFOPの難病支援についてのお願いがあったかと思いますが、実は私のところの宮城県にも十歳になる小学生の子供さんがいらっしゃいます。署名はもう十万を超える署名が集まって、厚生労働省の方に難病指定の認定をお願いするということで多分署名を持っていかれていると思うんですね。そこの中で、もう一つ今日はちょっと取組を御紹介させていただきたいんですが。 地元の河南高校という高校がありまして、そこの高校生がこの子供さんのために何かできないだろうかということで、文化祭で実はそのFOPというものを知ってもらいたいということで展示も行ったと。それから、それだけではなくて署名活動を行って、この文化祭で四百三十二人の方の署名が集まり、四万八千九百五十二円の募金が集まっていると。地元の高校生の子供たちも何とかこの子供さんを助けたいという思いでこういう活動をしております。是非、こういう高校生の声を真摯に受けて、早期の難病指定をしていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま本当にFOPを病むお子さんのために高校生まで立ち上がったという御報告をいただきまして、私も大変印象深く伺った次第です。 このFOPにつきましては、新たな対象疾患の選定ということで、その他のものも含めて多くの要望が寄せられております。昨日開催されました特定疾患対策懇談会においては、今年度中に特定疾患対策懇談会におきまして疾患の選定について議論を行うという取りまとめが行われておりまして、これから四要件を踏まえてこれらの要望された疾病につきまして検討を進めていきたいと考えております。
○櫻井充君 是非、積極的にというよりも、必ずとお願いしておきたいんですが、指定していただきたいと思います。 それで、今日は雇用の問題ですので、そのことについてお話をさせていただきたいと思います。 先ほど津田議員からるるお話がございましたが、そこの中で私なりのちょっと考えを今日はお話しさせていただきたい。つまり、他の省庁から、まあ津田先生の言葉をかりれば分捕ってこいというお話でしたので、どうやったら他の省庁から分捕るのではなくて、企業が社会的責任を果たしてそこの負担をしてくれることによって、きちんとした負担をすることによって税収を確保する。そして、そのことを社会保障費に回せるようなまず提案をさせていただきたいと思います。 そして、その上で前提となるのは、もう一つは津田議員が指摘されていた雇用形態というのは僕はすごく大事なことなんだろうと思っているんです。それは何かというと、正規雇用の方はこれは社会保障に入りますよね。非正規雇用の方の中の、まあ派遣労働者の方々は今派遣会社の方で社会保障に多分加入されているんだろうと思いますが、そうでない方々はどこに加入されることになるかというと、国民年金であるとか、それから国民保険に加入するような形になってくるんだろうと、そう思います。 ですから、その雇用の形態そのもの自体を今のような形で分類してくるということは、その社会保障政策上の財源措置からも私は極めて重要なことだと思うんですけれども、大臣としていかがお考えでございましょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 年金一つ取ってみましても、当初、国民年金というのは自営業者のための制度ということで、主として自営業者を念頭に仕組まれたものだということでございます。ところが最近の実情はどうかといいますと、自営業者はもうずっとシェアダウンしまして、それに引き換えて、今先生が御指摘になられたような非正規労働者がかなりのウエートを占めるに至っている、こういう変化があるわけでございます。 そういうことでございますので、これが年金等の国庫負担という経路を通じて、当然国の財政にもその雇用形態というのは影響を与える要素になっているということだろうと思います。
○櫻井充君 厚生労働大臣としてもう一つお伺いしておきたいことがありますが、どのような雇用形態がベストだというふうにお考えなんでしょうか。 つまり、雇用形態の多様化といえば聞こえはいいんですが、その非正規労働者が増えてくるということは僕は決していいことではないと思っています。それは後でもう一度改めて質問いたしますが、お配りさせていただいた資料の二枚目のところに、仕事、職業生活に関する強い不安、悩み、ストレス、この統計資料をお配りさせていただいております。その二枚目の就業形態というところで、一般社員の方のストレスがどの程度かというと六四・四%、契約社員の方が六一・二%で、ストレスの有無はほとんど変わりませんが、右の方のページに行きまして、雇用の安定性の問題に関してはどうかというと、一般社員の方がストレスを感じているのは一六・四%に対して、契約社員の人は三九・二%もあると。一方で、会社の将来性の問題に関してはどうなのかというと、一般社員の方は三一・八%会社の将来に対して不安を感じていると、それから契約社員の方はどうかというと一一・三%でしかないと。 何を申し上げたいのかというと、まず個人のストレスが全然違ってきている。個人の問題なのか、それとも企業の問題に当たるのかということです。要するに、正規雇用の方は会社を極めて大事に思っているという傾向が僕はこれから強いことが読み取れるんだろうと思うんですね。会社の社長さんたちとお話をすると、企業の力は社員の力であると、その社員の力を十分に発揮させられることができるかどうかは社長の理念に懸かっているんだというお話をされていましたが。そういう点から考えてくると、今後、日本の企業が伸びていく上において、やはり人材の育成が極めて大事で、私はなるべく多く正規雇用をするべきではないのかなと、私はそう考えていますが、厚生労働大臣としてはいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 数からいいますと、正社員志向の方々が現在は非正規労働に従事しておりましても、そうした希望を持っている方が多いということは、これは詳しいデータに当たるまでもなく、一般的にあり得ることだと思うんです。私も、そういうことで、できるだけ正社員化というか常用雇用化というものを志向してまいりたい。そういう意味で、フリーター二十五万人計画その他、今実施をしているということでございます。 しかし、他方また、じゃそういうことしか、画一的にないそういう雇用制度であっていいかというと、それは必ずしもそうではない。これはもう労働者の選択によってはほかの働き方も保障される、こういう労働市場の形と言っていいか、言葉は熟しませんけれども、そういうものだろうと私は思っております。
○櫻井充君 それはおっしゃるとおりだと思います。ただ、問題は、傾向としてどんどんどんどんその非正規雇用が進んでいく中で、このままでいいのかどうかということだと思います。聞こえは、労働者がいろんな働き方を選べるというような言い方になっていますが、実際本当にそうなのかどうかというと必ずしもそうではなくて、やはりその雇用者側の論理によってそういうような雇用形態を強いられているのが現状ではないのかなと、私はそういうふうに思っています。 その上で、私は、ですからその雇用形態そのもの自体が正規雇用に向かうために一つの提案をさせていただきたいんですが、今企業そのもの自体が、本来は社会的責任を負っていればその社会保障負担というものをきちんとしなきゃいけないわけですが、その社会保障負担をしたくないがゆえに、結果的にはその非正規雇用という形態を取っている人たちも随分いるわけです。 そこで、そういうことが続いていった場合には一体どういうことが起こるかというと、その方々は国民年金や国民保険の方に入るようになっていきますから、これは財務省からしてみても、国庫からの支出が増えていくので、私はふさわしくない方向に行くんじゃないのかなというふうに思いますが、財務省の立場としていかがでございましょうか。
○政府参考人(古谷一之君) 大変恐縮でございます。事前にお話をいただいておりませんでしたので、私どもの方からコメントは差し控えさしていただきます。
○櫻井充君 通告してます。 止めてもらっていいですか。
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
○櫻井充君 通告要旨の中にはこれちゃんと、国家財政が圧迫されるんではないですかということでちゃんと通告しておりますし、この案件は、私はある日突然言っているわけではなくて、前々から厚生労働省とそれから財務省の方に私の提案を投げております。 これは、昨日も質問のレクの際に省庁から言われたのは、どこの省庁が答弁すればいいんですかということで、そちら側が私に尋ねてこられるんですね。私は、皆さんの部局が、どこに何があって、何の省庁にどういう質問をしていいかなど全く分かりません。私は対政府の質疑をしているのであって、それはあと各省庁で割り振っていただければいいだけの話なんであって、それをこちら側に求めてくるそのもの自体が極めておかしな話だと思います。 一般論から言えば、国庫支出が増えていくような方向に行けば財政的に圧迫されるんだから財務省として大変なんじゃないかというのは、私は至極当然のことだと思いますが、それすら答えられないという方がこういう役職に就かれていることが私はふさわしいとは全く思いませんね。 財務省として、国庫支出が増えていくことそのもの自体全く問題ないんですか、じゃ。それも答えられないんでしょうか。
○委員長(鶴保庸介君) 財務省、いかがですか。
○政府参考人(古谷一之君) 大変恐縮でございますが、私は主税局担当の審議官でございまして、正確なお答えは難しいかもしれませんが、年金制度につきましては、非正規雇用者につきまして、その者の就業実態あるいは配偶者の有無等に応じまして、厚生年金の被保険者となるか国民年金の第一号被保険者又は第三号被保険者となるか、いずれの場合でも年金の国庫負担割合は同じでございます。正規雇用者が減少しまして非正規雇用者が増加をいたしましたとしても、年金の国庫負担が増加し直接それが国家財政を圧迫するということにはならないと考えております。
○櫻井充君 そうなんですか。年金だけじゃなくて、私は医療のことも聞いていますよ。 そうすると、医療は、国民健康保険に入るのと、それから厚生年金であるとか政管健保であった場合には、これは保険料の国庫負担が全然違ってるんじゃないですか。
○政府参考人(古谷一之君) 失礼いたしました。 医療保険についてもコメントをさせていただきます。 医療保険の給付費に対します国庫負担は保険制度ごとに異なっております。健保組合は国庫負担がございません。政府管掌健康保険については一三%、市町村国保については四三%ということでございます。このため、非正規雇用ということで国民健康保険の加入者が増加いたしますとその分国庫負担が増加するというのは御指摘のとおりでございます。
○櫻井充君 年金も決してそうではないと思いますけどね。国庫負担が変わらないんですか、本当に。国民年金とそれから厚生年金と。 まあそれはそれで、とにかくはっきりしているのは、医療費の方はもうそうやって全然違うわけですね。そうしてくると、その分、じゃどこが、変な話ですが、その負担を免れるのかというと、私は企業だと思うんですね。本来は企業がそれなりの負担をするということで制度設計されていることになります。 そこで、私の提案は、正規雇用と非正規雇用の割合、これは数字は幾らでもいいんですが、線は幾らでも引いても構わないと思いますが、要するに、非正規雇用が多いような場合には法人税率を引き上げるとか、例えば大企業の場合は法人税率を引き上げるとか、それから中小企業の場合に引き上げるということになるとかなり大変ですから、むしろきちんとした形で正規雇用されている場合には法人税率を減免するとか、そういう形の税のところでの調整を行うことによって正規雇用化を進めていくというのは一つの僕は手だてじゃないのかなと思いますが、こういうことに関して柳澤大臣いかがお考えでしょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことは、まず法人税の基本ではそういうことは不可能だろうと思います。恐らく委員が御指摘、提起をされている仕組みというのは政策的な特別措置でそういうことを計らえないかということになるんだろうと思いますけれども、他の制度でカバーすべきことをそうした租税上の特別措置でやるということの妥当性というものを見付け得るかどうか、なかなか困難なことであろうと私は思います。
○櫻井充君 そうでしょうか。例えば株なら株は一体どうでしょうか。株式市場を活性化するために、キャピタルゲイン課税そのもの自体を今減額していますよね。あれとて、実を言うと、長くなりますが、極めて不公平だと思うんですよ。株式投資をしている人たちというのは相当お金持ちでして、しかも二六%が今やもう外国人ですからね。何もその人たちを優遇して、今度は一方で障害者の人たちから一割負担なんか強いるような政策やめた方がいいと思いますよ。 今申し上げたように、キャピタルゲイン課税というのは、株式投資を増やしてくださいという形で政策誘導していくわけですよね。ですから、政策誘導のために税制を利用するということはあるわけですよ。私はもう一度申し上げると、正規雇用に向かわせるべきだと考えていますから、そういう点で税制上そういう措置をすることによって正規雇用に向かわしていくという方策が私はあると思いますけど、改めて大臣いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう全く政策の割当ての問題ではないかと思います。 本来、雇用の問題はできるだけ雇用政策の中で行いたい、それぞれの分野でできるだけ、恐らく政策を総動員をして、そうして対処すべきものだろうと、このように思うわけでございまして、租税で何もかも取り仕切るということは、租税特別措置というのは公平性を害するということからいって、何もかもそこに持ち込んでいくということが正しい政策割当てかどうかという問題だろうと思います。
○櫻井充君 雇用という点ではおっしゃるとおりかもしれません。 では、年金の財源という点ではいかがでしょうか。つまり、医療費の財源そのもの自体がどういう割り振りになっているのかというと、恐らく負担割合は国が負担する分、それから企業が負担する分、それから個人の保険料、窓口負担というふうに大きく四つに分かれると思うんですね。そうすると、その負担割合そのもの自体が国庫の方に、今の制度設計上でいえばどんどんどんどんシフトしていく可能性があるわけであって、そうすると、国庫の財源そのもの自体を何らかの形で求めていかなければいけないことになる。 もう一つ申し上げておくと、その国庫の財源を確保しないと医療制度そのもの自体が崩壊することになるわけですね。そういう立場からしてみると、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう財政資金というものをどこから求めるかということですけれども、これはできるだけ公平な税制をしいたところの税収に求めるべきであって、不公平をあえてやってそこから求めるということは、やっぱり財政資金の調達方法としては、そういうものを当てにするというのはやや正当でないということだろうと思います。
○櫻井充君 大臣のその御発言は、そうすると企業は自分たちの社会保障負担を逃れるために、例えば非正規雇用にしている人たちもいるわけですよね。そのもの自体はそれに対しては肯定されるということですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 結果としてそういうことになっているということであろうというふうに思います。 私どもとしては、まともに正規雇用を増やすべく雇用政策の中で努力をしていきたいということでございます。これはもう非正規雇用が多いと、どんなに多くなってもそれをがえんずるつもりかといえば、そういうことではないということでございます。
○櫻井充君 それでは、厚生労働省として今のような大臣の答弁を裏付けるような資料はお持ちでしょうか。 私は、いろんなところで話を聞くと、社会保障負担が大変だから、だから雇用形態を変えざるを得ないんだとか、もっと言うと、企業負担そのもの自体を一対一の割合から申し訳ないけれども一対二の形にしてくれと、要するに労働者にそれを払ってくれと、払ってもらったけれども基本的には企業が負担したような形にしてくれとか、そういうことを労働者の方々に強いているところもあるわけですよ。 つまり、そういう実態調査というものをまず厚生労働省でやっていらっしゃるのかどうか、やった上で今のような大臣の御答弁なのかどうか、その点についてお答えいただけますか。
○政府参考人(金子順一君) 今直ちに調査票の数字のようなものをお示しすることはできないわけでありますけれども、会社の、企業のサイドが非正規の方を雇う理由というのはいろいろございます。そういった中で、例えば派遣でございますと即戦力を直ちに雇うことができるというような要素もございます。それから、短期間の雇用に対応するためにパートタイマーあるいは有期雇用をやるというケースもございます。 そういったことで、企業が非正規の方を雇うという動機については様々であろうかと思っております。社会保障負担を回避するためにというようなことにつきましては、これをダイレクトに調べたものというのは、事の性質が性質だけになかなか調査も難しいかと思っておりますし、(発言する者あり)その点につきましては承知をしておりません。
○櫻井充君 今、津田議員からも不規則発言がございましたが、まさしくそのとおりだと思いまして、やはりそういったことをちゃんと調べていただいた上で、実態がどうなのかを把握した上で政策を考えていかないと、結局のところは、まじめに払っている人たちだけがまた負担を強いられるような形になってくるんだろうと私は思っています。ですから、今どうこうということは申し上げませんが、きちんとそこら辺は調べていただきたいと思いますし、それから調べる気があるかないかだけ後で御報告をいただきたいと思います。 時間がないので、もう一つ全然違う観点で、職場におけるストレスについて若干質問させていただきたいと思いますが、極めていい調査をしております。この労働者健康状況調査報告、五年に一回やっております。ここの中から今日は抜粋してまいりましたが、こういう調査をしてみて、五年前と今とストレスの度合いというのは全く変わっていないんですが、何らかの手だてを取られているんでしょうか。つまり、こういう調査をされているんですが、これはどういう形で生かされているんでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 厚生労働省といたしましては、このストレスに関しまして、今年四月の労働安全衛生法の改正におきまして、一定時間以上の時間外労働を行った労働者に対して医師による面接指導を義務付けるというようなこともいたしました。またその際に、メンタルヘルス面のチェックを行うこととしたところでございます。 それから、この法改正と併せまして、事業場における労働者の心の健康づくりのための指針の見直しを行いまして、労働安全衛生法に基づく指針としまして、その普及啓発を図っております。 それから、事業場に設けます衛生委員会の審議事項といたしましてメンタルヘルス対策を追加するということによりまして、労使による自主的なメンタルヘルス対策を促進するなどの対策を講じてきております。 また、支援措置につきましても、事業場への支援に加えまして、労働者の家族を含めましてそういった相談を受けると、相談体制の整備をする、あるいは産業医と精神科医のネットワークの形成を図るなどいたしまして、事業場におけるメンタルヘルス対策を支援して、こういったストレスによります労働者の健康への波及というものを、そういうものにできるだけ対応していこうということでやっているところでございます。
○櫻井充君 何かが起こったことに対しての対症療法としては、それはそれでやっていらっしゃるんだろうと思います。 ただ一方で、これは三枚目になるんでしょうか、三枚目のところの項目の中に、相談相手というのがあるんですが、その相談相手の中で、例えば今御答弁ございました産業医でどうかというと、四七・六%でしかないと、それからカウンセラーが四四・六%、相談したことがあるという人たちが六八・二%いる中で見ると決して多い数字ではありません。 こういうところに相談して、もう一つ大事な点は、今後調査していただけるんであれば、来年これ調査になりますね、こういうところに調査した結果、良かったのか、良くなかったのかということをもう一度調査していただかないと、こういったことそのもの自体が政策的に良かったのかどうかということが分かりませんから、是非、是非そのことについて調査を加えていただきたいと思います。つまり、政策そのもの自体が適正なのかどうかということそのもの自体を評価していただかないと、結局は同じ過ちを繰り返し繰り返し行うことになってしまうからです。 それから、先ほど、何時間以上働いた方々に対して精神的なチェックをしますと言っておりますが、もうそういうことをする必要性がないんだろうと思うぐらいこの調査はきちんとでき上がっています。例えば、二ページ目のところ、二枚目のところに実労働時間というのがありますが、実労働時間が六時間未満の方のストレスが、全体が六一・五%から見ると約半分の三八・四%でしかないと。ところが、実労働時間十時間以上になると七七%の人がストレスを感じていると。もっと言うと、所定外労働時間そのもの自体なかった人が四八・七%、五時間以上の人はちょっと減るんですが、一番ピークが三時間以上五時間未満で七五・九%ということで、もうこの人たちは長時間労働すればするほどストレスを感じているということは実態調査で明らかになってきています。 ここは厚生労働省の管轄外ですが、通勤時間も実は二時間以上掛かってくると七九・七%の人がストレスを感じていると。東京に一極集中していることが僕はこれ極めて大きな問題で、東京の一極集中を是正しない限り最後のところは何ともならないし、次のページのところに睡眠時間というのもありますが、睡眠時間が五時間未満の人だとストレスが七六%になって、八時間以上の人だと三二・五%、これは通勤時間と多分仕事時間ともちろん相関しているはずですから、そういう点でいうと、ライフスタイルそのもの自体をちゃんと検討していただかないといけないのかなと、そう思います。 そういう点において、今の労働者の厳しい労働環境がこれだけのストレス社会を招いてきていて、実はこの中で家庭の中にも悩みがあるという人が、これは三枚目になりますが、八五・二%もいらっしゃると。そうすると、子育て上、会社の悩みやストレスを家の中にまた持ち込んでくると決して子供にいい影響が出ない。今の子供たちがいじめであるとか不登校であるとかいうのは、親が愚痴をこぼしているうちというのは結構多いものですから、そういう人たちがなりやすいことを考えてくると、やはりもう少し労働環境をきちんと整備するということをやっていただかなければいけないんじゃないかと思います。 この点について、改めてこういう分野から見た観点で、柳澤大臣、いかがお考えでしょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういう労働の、ある種物理的な形によってストレスがあるないという、あるいは程度が異なるというようなことも一つの側面だと思うんですが、同時に私は、職場での人間関係というようなことも相当大きな側面になっているのではないかと、こういうように考えます。ですから、その場合には管理者の手腕というようなものも問われることになろうと、こういうように考えるわけです。 いずれにしましても、職場環境を良くするということは非常に大きな問題だと思いますけれども、それを労働行政だけですべて処理するということにはなかなかならないと、こういうように考えます。労働行政が受け持つ範囲で環境の改善に努めていかなければならないというふうに思いますが、すべてをこの労働行政だけでその問題を解消するということではないんじゃないかと。こういうように、今大変広範な問題にお触れいただいたので、あえて蛇足ですけれども付け加えさせていただきました。
○櫻井充君 それはおっしゃるとおりだと思います。ただ、過度な競争社会であるとかそれから今の賃金制度であるとか、そういったもの自体がかなり大きく影響していることも確かであって、是非ここは大臣に分析していただきたいのは、じゃどこまでが労働行政であって、どこまでがそうではないのかということをきちんと区分けした上できちんとした対応をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○下田敦子君 委員の下田敦子でございます。よろしくお願い申し上げます。 かねてより看護師不足が非常に問題になっておりましたが、地方各県内において更に就職率が低下している現象が今起きております。例えば、青森県立保健大学看護学科を二〇〇六年春に卒業して看護師として県内に就職したのはわずか三五・四%と低迷しております。もちろん、この現象の陰には、県内の病院の看護師採用試験とか合格発表が遅いということもありますし、また給与の水準が格差があるという要因もあるかと思いますが、昨今、東京大学医学部附属病院、三百人の募集を掲げております。北海道大学大学病院ですが二百十名、東京医科歯科大学医学部附属病院百九十人、これは本年度追加募集を含めての人数だそうでございます。それから、その他いろいろ全国各地から看護師の大量募集が続いておりまして、院長自らが募集に養成施設に来ていると。 かつての大学病院は公が経営する時代、いわゆる官業時代ですから、国立大学の定員増というのは非常に難しく、看護師の配置は私立大学よりも手薄だったと思います。しかし、国立大学法人化で経営の裁量が拡大したのも一因だと思いますが、そこで、時間がなくなりましたので、一つ問題をはしょって一緒にお尋ねをしたいと思いますが、このたびの健康保険法の改定による療養に要する費用の額の算定方法、要するに医療機関の診療報酬、入院基本料でありますが、値上げされまして、増員のコストを賄える、いわゆる看護師増による増収を考えての一つの現象だと言われております。看護職員一人が受け持つ入院患者で決まる入院基本料、いわゆる従来の患者さん十五人に一人、そして十三人、十人の区分に七人を新設して、基準を満たした病院が割増しに報酬をもらえるようになりました。このねらいはどこにありますか。お尋ねいたします。
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。 ただいま御指摘のありました七対一の入院基本料についてでございますけれども、経緯から申し上げますと、昨年十二月一日に政府・与党医療改革協議会が取りまとめました医療制度改革大綱におきまして、急性期医療の実態に即した看護配置を適切に評価した改定を行うということが定められたわけでございまして、その後、中医協の議論を経て、従来最も手厚い評価でございました十対一を上回る七対一に相当する看護職員配置を評価したものでございます。
○下田敦子君 例えば、東北でまた見てみたいと思いますが、東北医療の中心であります東北大学病院、大変苦戦を強いられているそうであります。例年、百九十人程度の採用をしていらっしゃるようですが、本年は全くめどが立たないと、これは看護部長のお話であります。ちなみに、例年ですと宮城県の看護師の充足率は一〇六・四%でございますので、大変潤っているという感じを持ちますが、この宮城県ですら、都会の大病院ですら学生が流れて太刀打ちできないという病院が出てきている。 例えば、青森県内の中小病院関係なんですが、県内の現役看護師が大病院に引き抜かれていく看護師不足、例えばCCU、冠動脈疾患集中治療室の稼働を見送りました。そして、本来看護師がやるべき仕事を、どうしてもニーズがあるときには研修医が行うという状況が出てきております。民間開業医に至りましては、この全国的に看護師獲得競争が激化していることを背景に、医療費削減のための中小病院つぶしだという思いを吐露していらっしゃる理事長、経営者もおると聞いております。 こういう現象が起きてきているこの今回の改正について、ただいまの御答弁を伺いますと、在院日数を短縮して、急性期入院患者さんの集中的な治療で、医療費を抑制するというねらいがここにあるのではないですか。それから、私は入院は特にチーム医療の必要性が高いのではないかと思います。医師に限らず、また看護師に限らず、コメディカルスタッフの増強をしなくてはますます偏重していくことと思いますが、御意見を伺いたいと思います。 また、この現象を放置しておくということは、地域医療の質が悪化してしまいます。今ですら地域間格差を盛んに医療の場面で問われていることですけれども、このことについて放置しておかれますか。それとも何か緊急に皆さんでお話をされて、取りあえず何かの手を打たれるのか。言葉がちょっと悪くて大変失礼なんですが、これをどのように変えていかれるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) まず、今回の診療報酬改定、看護に係る改定のねらいでございますけれども、先ほど申し上げたとおりでございまして、全体がマイナス改定の中でめり張りの付いた改定を行うということで、その重点的に評価すべき分野と効率化すべき分野というものを分けまして、この急性期医療の実態に即した看護配置というのはこれはもう重点的に評価すべきものであろうという判断の下に行ったものでございます。 一方で、その言われております看護師不足問題についてどう対処するかということでございますけれども、私どもといたしましても、看護職員の採用活動を積極的に、今大学病院の事例のお話ございましたけれども、そういう医療機関がある一方で、地域の中小病院におきまして看護職員の確保が困難になっていると、こういう指摘があることは承知をしているところでございます。 この問題につきましては、十一月、先月の二十九日に中医協において御議論をお願いしたところでございまして、この日の中医協におきましては、十月一日現在の届出状況、これらも大変増えているということもございますので、それを踏まえた議論が行われまして、七対一のこの入院基本料と十対一の入院基本料との点数の差の在り方、あるいは現在の病院単位ではなく病棟別に届けを認めること、あるいは看護の必要度に応じて届出を行わせると、こういったことにつきまして意見が出されまして、次回以降も引き続き議論を行うこととされてございます。 一方で、その事態を見守りながら、私ども厚生労働省としてもこの議論を踏まえて対処していきたいと考えております。
○下田敦子君 日本は欧米おろか東南アジア諸国に比べて患者さん一人当たりの医師や看護師数が不足しています。このたびのこの診療報酬改定で現場が改善されていくと考えられますか。 今の中医協のお話、十月一日付けということでありますけれども、例えば、調べてみますと、東京大学医学部附属病院では、来春の七人の達成を目標に挙げまして、病院挙げての重要課題、最重要課題と位置付けていらっしゃるそうです。七人の基準が達成いたしますと、年間九億七千八百万円の増収が見込まれて、人件費などを差し引いても七千五百万円の利益増を計画しているそうでございます。 厚生省はこのお話を聞いて、今のお話ですと中医協に諮ったということでありますが、早急に、病棟別ということもありますけれども、科を限定するとか、例えば産科とか、こういう場合はどうしてもやはり必要な状況はあると思うんですけれども、早急にこれを今改めるお考えはないのですか。地方はこういうことで格差がどんどん広がるはおろか、中小の病院が閉院していこうという声さえ聞かれます。医師不足の上に更に看護師不足があって、県に届け出ても、許可になるならないよりも現実がそう許されないものですから。せんだっても、私がちょっと帰りましたときに、たらい回しという現象よりも、地元のかかりつけ医から、それからその地区の広域病院に行き、更にまた戻ってきて、そういうふうにしている間に亡くなりました。 ですから、いろんな条件が重なって、更にこのたびのこの政策が私は地方にとっては残酷物語だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま申し上げましたように、十一月二十九日の中医協で議論があったわけでございますけれども、ここにおきましても、今後も議論を深めることが重要であると、こういうことが確認されたわけでございまして、今回の調査、この届出状況に関する調査を受けまして直ちに診療報酬改定等の措置を見直しを行うという方針を固めたわけではございません。やはりもう少し事態の推移を見守り、かつ議論が深まることを踏まえて対処していきたいと、このように考えております。
○下田敦子君 大変いつもいつも考えます。私、厚生労働省がまだ木造の時代から夜汽車に乗って上野に降りまして、そして木造の厚生労働省に参りました。着けば朝七時ぐらいであります。大臣がお出ましになる時間まで廊下で立って待っておりました。そうしたら、いすを用意してあげなさいというお触れが出たという時代の話からでありますが、いつも思いますが、もう少し現場を見てください。非常にお忙しいでしょうけれども、どういう現状で、このたった七人に対一人のこの問題が繰り広げられているその状況、波及していっている状況、これをごらんください。もう中小の病院が一番大変だと思います。 ですから、中医協のもう少し様子を見るなどということではないと私は思いますが、大臣の御答弁をお伺いしたい。よろしくお願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 限られた資源をどうして国民の医療を確保するために重点化していくかということの中で今回とられた措置でございます。 しかし、これが現実の医療界にとっていろいろな混乱を招いているのではないかと、こういう御指摘でございますけれども、私どももよく実情の把握に努めまして、改善すべきところがあれば改善をしていかなければならない、このように思いますけれども、基本的にそういう考え方でありますけれども、同時に、やはり医療のような専門分野につきましては有識者、専門家の御協議にまたなければならないというふうにも考えるところでございます。
○下田敦子君 有識者というのは大事な学問をされたことかもしれません。それはそれとして大事な御意見だと思いますが、私は、物を決めるのには、まずその立派な方々の学識経験とともに、現状がどうあっているかということを見極めて、プラスして、ミックスして、それを決めていくのは為政者だと思います。 どうぞ大臣、このことはきちっと、私は全国区でありますけれども、私は地方の状況というのは大変な状況にあると思いますから、よろしくお願いいたします。 それから、時間がなくなりました。介護力のことをお尋ねしたいと思いましたが、ひとつこの問題は次回に譲らせていただきます。 一つこれは要望を申し上げて次の問題に入りたいと思います。 FTA、EPAの問題なんですが、これを所管されているお役所がいろいろあると思うんですけれども、日本でのその在留資格の見直しや労働市場テスト、あるいは求められる職種、技能の要件、受入れ人数、期間を明確にすべきだと思いますが、そしてまた、受入れ体制に秩序あるシステムが実現されるべきだと考えます。 ノルウェーに参りましたら、こうおっしゃいました。ノルウェーはノルウェー人だけのものではない。私は大変哲学を感じて帰りました。こういう日本人の偏狭な狭い国際意識が表しているんだと思いますけれども、この取扱いをしている社団法人国際厚生事業団、JICWELSという、俗称ジャパン・インターナショナル・コーポレーション・オブ・ウエルフェア・サービスというこの団体で、開発途上国に対する云々ということを書いているんです。この意識を私は改めるべきだと思います。 例えば、フィリピン、なかなか希望者が出ないということを先回申し上げましたけれども、フィリピンからいらっしゃる、あるいはほかの東南アジア諸国もそうだと思いますが、事医療者に関しては、あるいはケアワーカー等に関しましては単純労働者ではありません。この仕分の仕方が私は大変問題があると思います。 ですから、JICWELSのみならずJITCOという組織がございますけれども、この皆さん方にこの考え方をやはり私は早急に改めていただくことをお願い申し上げたいと思います。 三つ目のお伺いです。これは大臣にお伺いいたします。 介護保険財政と経済効果、それに伴う雇用開発についてお伺いいたします。 この問題を先般、経済・雇用調査会で質問いたしましたところ、厚生省からお出ましの方が介護保険担当でないので答えられないとの答弁でございました。 改めて質問さしていただきます。 例えば一中学校学区、介護保険財政に伴う、例えばです、例えば、ちょっと古いデータで恐縮ですが、新ゴールドプランベースで介護サービス、例えば在宅サービスは一億一千万、それから特別養護老人ホーム一億一千万、それから老人保健施設一億一千万、療養型病床群一億、計四億三千万の経済波及を、一次波及効果、これは六億五千万、二次波及効果が三億九千万、三次波及が一億二千万、計十一億六千万円という数字が出ております。これは、公共事業の経済波及効果を対比した場合に、介護保険財政と大差がありません。これはどこから出てきた数字かというと、やおら十何年前になりますが、京都大学大学院に現在いらっしゃいます西村先生中心に勉強会をずうっと何年間か繰り広げていただいてまいりました。このことの勉強が少し、地方の知事始め市長、為政者が不足であると私は常がね大変失礼ながら申し上げているわけなんですが。 今、経済構造を変えていかなければならない時期、大変低迷している公共事業、比較するということはおかしいのですけれども、現実として、例えば百人入所者がいれば確実にお世話するスタッフその他関係者が百人要ります。この人たちは、それぞれまた老健、あるいは、なくなると言われている療養型病床群、特養、デイサービス、それぞれに働いて給料を得て、自分の家を持ち、地域で消費生活をし、住まいをしていく。また、特養なら特養に出入りをするクリーニング屋さん、お魚屋さん、肉屋さん、米屋さん、ベッド屋さん、あるいは薬屋さん、それぞれにすべてが地域に波及していく。 これらのことを考えたときには、一つの、もちろんちゃんとした哲学がないと駄目です。医療と福祉で金もうけをするなどというふうなことではいけません。ですが、こういう一つの医療福祉経済があるということに目覚めないといけないということを考えて、いかなる経営も赤字は、これは責任があることでありまして、恥ずかしいことであります。ですから、そういうことをきちっととらえながら地域でこういう仕事を進めていくという体制にあるわけでありますが、ここからがお尋ねです。 今、介護保険財政、新サービスの普及、例えば介護予防、地方においてはちっとも進んでおりません。それから、小規模多機能型の居宅介護、あるいは夜間緊急時に介護員が自宅に駆け付ける夜間対応訪問介護、これの参入は東京でごく一部に見られるだけであります。雇用拡大の意味からも試行錯誤が続いていると聞きますけれども、この理由はどこにあるとお考えでございますか、お尋ねいたします。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) まず、お尋ねの介護保険サービスの経済効果ということでございますけれども、御指摘ありましたように、私どもも、一般的な話でございますけれども、公共事業よりは雇用創出効果も高いんではないかと思っておりますし、また地域経済に対する影響という意味でも大きいものがあるのではないかというふうに思っております。 それから、お尋ねの、最近の小規模多機能の居宅介護の問題、あるいは夜間対応型の訪問介護、あるいは予防サービスの普及の問題、お尋ねございましたけれども、ちょっと数字で申し上げますと、本年の十一月末の現在でございますけれども、小規模多機能の居宅介護事業者は、現在、全国の四十四の都道府県で合計三百十一事業所ということになっております。最近のペースで見ますと、大体一月に五十か所ぐらい新たに増えているというペースでございまして、それなりの滑り出しではないかというふうに認識をいたしております。 それから、夜間対応型でございますけれども、これは現在でいいますと十五の都、県でございまして、四十二事業所指定ということでございます。これは、夜間の対応の方は主に都市部で想定しておりますので、今のところこういうことではないかというふうに思っております。 それから、予防サービスにつきましては、介護保険の改正前に、要支援あるいは要介護の方々に介護サービスを提供していた事業所がそのまま介護予防サービスを提供するように事業所指定を受けるというところが多うございますので、そういう意味ではサービスは全国的に展開されているのではないかという認識に立っております。
○下田敦子君 厚生省は一年掛けてこの利用状況を調査して、次の制度改正に対応するという検討の方針も以前伺いました。どのような改正を想定しているかはちょっと今の御答弁では伺うことができませんでしたが、実は大臣、地方の市役所、役場をちょっとのぞいていただく機会があったら是非、生活福祉課というところにお訪ね願いたいんですが。市役所に、例えば青森県内ですと、介護施設関係の申請書類は受け付けませんという看板、張り紙を出しております。事ほどさように、財政が悪化しているということではありますけれども、こういう状況を見ますと、必要にもかかわらず体制整備が遅れて、結果として高齢者対策の後退が感じられますし、働く場所が広がっていかないと。若い人がどんどん中央に流出していく、ますます格差が広がる、こういう状況があるんであります。ですから、是非このことを大臣にも強くお願いを申し上げたいと思います。 最後に、一つお尋ねします。 これは厚労省が発表していらっしゃいませんことなのできちっと申し上げたいと思いますが、有床の診療所、この療養病床がその廃止に伴って、今どうしたらいいか、大揺れに揺れています。老健施設への転換はもちろん無理です。もう何億も掛かる仕事を一気にできるわけもありません。土地も一千坪以上です。ですから、この転換はしょせん無理、十九床の経営をしていた方には無理ということも言えると思います。それから、グループホームの造り替えは構造上無理であります。ですから、事実上、有床の診療所に関してのその療養病床はやめなさいという物言わぬ方向付けなんだろうと解釈している医師が多くいます。医療施設として、有床診療所の機能の在り方、そしてそれに雇用されている医療従事者の今後の生活設計、これが今回雇用のテーマでございますので、一番、六年掛けてこれをどう処理していくか、どう考えるかが、今、開業医の、十九床の診療所を持っている医師会の皆にしては悩んでいる問題だと思います。 ですから、こういうことを厚生省は発表されませんけれども、数としては大変十九床の有床の診療所は多いんでございますが、どういうふうに解釈されていかれますか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 療養病床の転換のお話でございますけれども、私どもも、有床診療所の療養病床をどう転換していくかというのは、つきましては、強い問題意識を持っております。 それで、有床診療所といいますのは、地域に根差した住民に身近な小規模な医療機関であり、かつベッドも持っていらっしゃるという特性があるわけでございますので、今お話ございましたけれども、グループホームでありますとか、老人保健施設でありますとか、あるいは小規模多機能型の居宅介護事業所だとか、そういうものを、それぞれ構造設備とか人員基準ございますけれども、私どもとしてはもう少し転換のしやすいような仕組みを考えたいと思っておりまして、そういう意味で、いわゆる無床診療所の機能、あるいはさらに、必要とされている在宅サービスなどの機能を併設する形で地域からの信頼を更に引き続き維持し、運営していただくということが可能ではないかというふうに思っております。 ただ、この点につきましては、どういうふうな形で転換を進めていくかにつきましては、今鋭意研究を進めておるところでございますので、また地域におけるそれぞれのニーズを踏まえて総合的に判断をいただければいいんではないかというふうに考えております。
○下田敦子君 いつごろまでそういう、お話を、お答えをいただけるんでしょうか。 それから、時間がないので、大臣にお尋ねいたします。 今朝、テレビをごらんになりましたでしょうか。社民党の福島みずほ議員がお出になられました。そのお話の中で大変私はなるほど、いいことをおっしゃっていただいたなと思うのは、厚生省はやりたいこともやらなきゃいけないこともたくさんあるんだと、厚労省は。ところが、財務省から毎年毎年二千二百億円の減をしなさいと、そういうことを言われて大変大臣は困っているんだと。 こういう中で結局申し上げなきゃならないことは、地方はもっとお金がありません。働けばもう自然に細くなっています。雇用がどんどんどんどん狭くなっています。有効求人倍率は最下位です。これを大臣はいかがなさいますか。お尋ねして、終わりたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変いつも視野の広い、しかも専門的な見地からの御質疑をされる下田委員のお話には常に耳を傾けております。本日も大変広範囲な御質問をいただいたものと承知をいたしております。 先ほど老健局長の答弁の中にございましたように、私どもも有床の療養病床の転換先については強い関心を持って、もう少し老健施設等の基準を緩和することによってそれへの転換が図れないかということで検討をしたいというふうに考えているところです。 ただ、今、下田先生からいつまでにと、また畳み込まれまして、いささかちょっとまた答えに窮したわけでございますが、とにかくそういう問題意識を持って、できるだけ早めに対応できるように努めていきたいというふうに考えております。 また、地方の問題については、これは地方分権が進む中で、私どもむしろ地方の創意工夫を生かした財政運営が行われるということを眼目にして財源の移転等を図っているわけでございますが、そういう中で、なかなか基礎的自治体である市町村と都道府県辺りの関係についてもう少し、これは私の越権的な発言になってしまうわけですけれども、考えなければならない側面があるのかなと思って、今見ているところでございます。
○下田敦子君 よろしくお願いします。 以上です。ありがとうございました。
○草川昭三君 公明の草川でございます。 今日は、政府参考人の方々の中には、ちょうど予算編成の真っただ中で、重要なポジションの方がお見えになりますんで、私は最初に年金の各組合の積立て運用状況の質問をしますので、それがもう終わったらどうぞ御退席をしていただきたいと、こういうように思います。 まず最初に、二〇〇六年三月における国民年金、厚生年金、国家公務員共済組合、地方公務員共済、そして私立学校教職員共済等々があるわけでございますが、これを一々お伺いしておりますと時間がたちますので、私が、一応間違いないと思いますけれども、私が読んでみます。 国民年金の被保険者数は六千九百七十五万人、そして積立金は九・七兆円、時価ベースでも九・七兆円、同じ。厚生年金保険の方は三千二百四十九万人、簿価ベースで積立金は百三十七・七兆円、時価ベースで、少し増えまして、百三十八・二兆円。国家公務員共済組合は百九万人の加盟で、簿価ベース八・七兆円、時価ベースでは八・九兆円。地方公務員共済組合は三百十一万人の加盟で、簿価ベース三十八・一兆円、時価ベースでは三十八・八兆円。私立学校教職員共済組合の方は四十四万人でございまして、簿価ベース三・二兆円、時価ベース三・三兆円、こういう内容になっております。 そこで、取りあえずひとつこの厚生年金の積立金の運用についてお伺いをしますが、積立金額や運用の利回りなど最近の運用実績を具体的に説明をしていただきたいわけであります。 特に、この四月に設立をされました年金積立金管理運用独立行政法人の平成十八年度第一・四半期の運用状況は、国内外の株価の下落の影響から、収益額はマイナス二兆三十二億円、収益率はマイナスの、二・七三%の赤字と聞いていますけれども、今年度のその後の状況を示していただきたいというように思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど十六年度の数字を挙げていただきました。そのとおりでございますが、厚生年金の積立金は厚生労働大臣から年金積立金管理運用独立行政法人へ寄託して運用する分と、財政融資資金への預託によるという方法の二つの方法で運用されております。当該独立行政法人に寄託されたものは主として市場で運用されているところでございます。 二つの方法で運用されている金額を合わせた厚生年金の積立金額、先ほど十六年度の御数字をいただきましたけれども、十七年度末時点の時価評価で約百四十兆円でございます。十七年度の時価評価による収益額は約九・二兆円、運用利回りは約六・八%でございました。 御指摘のように、この独立行政法人、この四月からスタートいたしましたが、今年度第一・四半期の市場運用の結果が総合収益額でマイナス二兆三十二億円、運用利回りマイナス二・七三%というスタートでございました。しかし、その後、外国債券、外国株式等の市況が回復したこともあり、第二・四半期は総合収益額はプラスの二兆三千六百九億円、運用利回り三・二二%と大幅に改善をいたしました。その結果、十八年度上半期、四月から九月末まで全体では収益額がプラスの三千五百七十七億円というふうな数字になっているところでございます。
○草川昭三君 その他の組合の方はまた後で一体の、次の質問と一緒にお答え願いたいと思うんですが、続いての質問は、各制度の年金の積立金は総計約二百兆円に達しているわけでありまして、この二百兆というのは郵便貯金の二百三十兆に次ぐ巨額なこれは資金になるわけであります。手堅く運用をするならば、受給者にとりましては年金給付というものが非常に確実に行われるという安心感が増すわけでありますし、また年金制度に対する国民の信頼にもつながると思いますけれども、厚生年金においてはどのように今後これは運用をされていくのか、お答えを願いたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 先ほど触れました管理運用独立行政法人におきまして、経済、金融の専門家から成る運用委員会というものが設置されております。その意見を聞きながら、一方で、厚生労働大臣から示された中期目標を踏まえ、長期的に維持すべき資産構成割合、基本ポートフォリオを含めた具体的な運用方針を独立行政法人として自ら定め、積立金の管理運用を実施しているところでございます。また、職員の研修に努め、民間の運用経験者を中途採用する等の専門性強化策を行っているところでございます。 運用手法といたしましては、安定した収益を確保するため、収益率の動きが異なる幾つかの資産を適切に組み合わせる分散投資という考え方に基づき、国債を中心に国内外の債券及び株式に投資しているところでございます。さらに、御指摘のとおり、この年金積立金は巨額であり、市場への影響に配慮する必要もありますことから、市場の平均的な収益率を確保するパッシブ運用と言われる手法を中心として運用しているところであります。 それから、同法人におきましては、積立金運用の趣旨や仕組み、各年度、各四半期の運用実績の状況をホームページ等で迅速に情報公開しているところでございます。景気回復の効果もありまして、独立行政法人の運用収益は堅調に推移しておると思います。 その前身の年金資金運用基金の時代も含めまして、過去五年間の累積運用収益は約十一兆円に達しております。年金財政に一定の寄与をしているところでございます。今年度も約二兆円弱を年金特別会計への国庫納付を行っていると、こういうことで年金財政を側面から支えている役割を果たしております。
○草川昭三君 運用実績が約十一兆円に及ぶ、十兆六千億から上がってきておると思うんですけれども、それなりの実績があるということでございまして、これは我々としても評価をしなければいけませんし、また株が下がる場合も当然今後予想されるわけでありますから、分散投資という基本的な考え方、あるいは収益率を確保するためのパッシブ運用というんですか、そういう運用というのは、これはファンドマネジャーというんですか、それなりの専門家の御意見も十分聞きながらこの膨大な資産運用を図っていくことが必要だ、こういうように思います。 そこで、同じようなことでございますが、この積立金の運用について、積立金額や運用利回りなど、最近の運用実績というものを具体的に説明をしていただきたいと思うんです。これは国共済、地共済、私学共済等々についても同様にひとつお伺いをしたいと思います。 特に、今答弁がありました新しくできました年金積立金管理運用独立行政法人の平成十八年度第一・四半期の運用状況というのは、国内外の株価の下落の影響から、当初はマイナス二兆三十二億円、先ほども触れましたが、収益率はマイナスの二・七%の赤字になったわけでありますから、それがどのようにして十一兆の利益を確保するまでになったのか、その内容を少し、厚生年金側からの説明をしていただいて、その他の組合の運用も併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほどの御答弁と少し重なるところがあると思いますが、御指摘のように、本年度第一・四半期は株価の下落ということもございまして総合収益額が二兆円に達する赤字となったわけでございますが、その後、外国債券、外国株式というのも分散投資の中で組み入れておりますので、そういうところの市況の回復も手伝って、第二・四半期は逆に二兆三千億強の黒字となったと、こういう波を打っております。 過去五年間の厚生年金を中心とした基金の運用収益を見てまいりましても、御承知のように平成十三年度、十四年度は運用収益が大きなマイナスを記録した年でございましたが、十五年度、四兆四千億、十六年度、二兆二千億、十七年度、八兆六千億という形で運用収益が積み上がって、五年通期で約十一兆円という黒字を計上しておるわけでございます。 本年は、取りあえずは上半期までしか明らかになっておりませんが、今後下半期につきましてもどういう状況になるか見守っていかなければいけないと思いますが、先ほど申し上げましたように、国債を中心とした国内債券、それから国内の株式、外国債券、外国株式というものをバランス良く分散投資しながら、その時々の市場の動きというものを反映せざるを得ないとはいえ、安定した運用による収益を確保してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(鈴木正規君) 国共済につきましても、年金の運用に当たりましては、法令で定められております積立金等の運用の基本方針というものがございますので、それを遵守いたしまして、長期的な観点に立ちつつ、安全かつ効率的に運用するということで行っております。 具体的には、外部の学識経験者で構成されております資産運用委員会を設置いたしまして、運用の基本方針や基本ポートフォリオなどにつきまして、それぞれの重要事項を決定する際に御意見等をいただいて運用を決めているところでございます。 こうした結果でございますけれども、平成十七年度末時点での時価評価は約九・二兆円でございまして、平成十七年度の時価評価によります収益額は約〇・五兆円、運用利回りは約五・四%ということになっております。
○政府参考人(上田紘士君) 地方公務員共済組合関係についてお答え申し上げます。 まず、数値でございますけれども、積立金額でございますが、直近の平成十七年度末時点における時価評価は四十一・五兆円でございます。それから、十七年度の時価評価による収益額、これは約三・五兆円、運用利回りにしますと九・〇%となっております。 その運用に当たりましては、ただいま財務省から国共済についてお話ありましたのと同様でございますけれども、長期的安定かつ有利に運用するということが原則でございまして、我々の地方公務員共済関係におきましても、外部の専門家による研究会を設けまして、最も最適な資産構成になるように研究しながら運用に努めているところでございます。
○政府参考人(磯田文雄君) 私どもも他の共済と同様の運用をさせていただいておりますが、私学共済制度を所管する日本私立学校振興・共済事業団におきまして、年金資金運用の明確な運用目標を設定し、適切な事後評価を行うために運用基本方針を定めて資産運用管理に当たっております。 十七年度末での時価評価額での積立金額は約三・五兆円でございます。また、十七年度の時価評価による収益額は約〇・二兆円、運用利回りは約五・八%となっておりまして、十六年度の三・三五%よりも上昇しているという状況でございます。
○草川昭三君 今、それぞれの各組合の運用状況の答弁がございました。大変、それぞれ外部の関係者の方々を集めたり知恵を絞って運用されておみえになると思うんですが、今の中身にもありますように、例えば地方公務員共済は九・〇一%の運用をしていますよという、大変成績のいい運用という報告がございました。あるいは、その他のところでは大体五・四とか五・八とかという、そういう運用だと思うんですが、私はこの運用を是非キープしていただきたいわけでありますし、さらにまた、運用のしやすいような金額というのがあるから、私は地方公務員共済なんというのは非常にうまく運用されたと思うんです。余りずうたいが大きいあるいは資産がでか過ぎると、かえって小回りの利かない運用になっておるのではないだろうかということを、素人ですけれどもそんな感じがしておるわけであります。 そこで、今これ進行中の話になると思うんですけれども、今後の在り方をどうするのかということに質問がなるわけですが、厚生年金、国共済、地共済、私学共済は今お話がありましたように別々に運用を行ってきておりますけれども、今後はこの一元化というんですか、基本的な方向というのはどういうことになるのか、あるいは次期国会に一つの提案をされるのかどうか、この際、方向付けを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま御指摘のとおり、これまで各制度は歴史的な沿革からそれぞれ別々に積立金の運用を行ってきた経緯がございます。しかしながら、政府・与党の検討協議の結果、本年四月二十八日に被用者年金一元化の閣議決定がなされました。そこにおきましては、各共済年金の一、二階部分と厚生年金保険の積立金は、被用者年金制度の共通財源として一元的に管理運用することを基本とし、運用利回り、基本的な資産構成割合、評価方法等の運用ルールは統一することとされたところでございます。 さらに、まだ現在進行形でございますが、与党の方で年金制度改革協議会という場をつくり、また関係各部会等々での御審議を賜っている途中でございますけれども、現時点までに被用者年金一元化の基本的な方針と進め方についてという方針が取りまとめられたという経緯がございます。 今後、政府と与党との間で統一的な方針に仕上げていく必要があると思いますが、その中では無駄な投資を避け、効率的な事務処理を行う観点から共済組合や私学事業団の事務組織が積立金の管理運用も含めて一貫した厚生年金の事務処理を分担するという位置付けにすること、それから厚生労働大臣が関係大臣の協力を得て運用の基本的な方針等を定め、運用状況等の評価、開示を行い、その下で運用管理主体は具体の運用ルールを定めることなどとされているところでございます。 こうした点を含めまして、与党としての方針の御提示もいただけるものと考えておりますが、それを踏まえて政府部内で検討を進め、今後、法律案の形で取りまとめて次期通常国会への提出を目指してまいりたいと考えております。
○草川昭三君 我々も与党の一員ですから、若干外れた意見になるんですが、被用者年金の一元化に関する閣議決定の趣旨は先ほども答弁されたわけですが、主な内容として、一、二階部分の保険料率についても段階的に厚生年金に統一をしていくというような大きな方向があると思うんですね。だから、それに基づいて今後進んでいくと思うんですけれども、どちらかというと、我々の感想は国家公務員の方々の例の恩給部分を引きずっている点がございまして、職域加算という問題があり、それが厚生年金のいわゆる三階建てになるのではないか、それを早く解消すべきではないかということが何かこう強く印象付けになりまして、一元化一元化ということになっておるんではなかろうかと私はそう思うんです。間違っておるならお答え願いたいと思うんですが。 それで、それはその一つの方向として理解ができますが、この運用について、私は一元化するということが果たして将来の結果論としてうまく運営できるのかどうか。今はどちらかというと各年金間の競争というのがあって、あそこに負けまいと、よし我が方の年金はこういううまい方法があるじゃないかと、あるいはいろんな情報を持っており、結果としてはプラスだったというような競い合いというのが私は案外無視できないのではないかと思うので、余りあえて運用についてまで一元化一元化ということで進むことがいいのかどうかという、私は初歩的な疑問があるんですが、ここら辺りはどのような答弁になりますかね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘のような御意見が確かに私どもの中にもまた外部でもいろいろ言われてきたところでございます。 他方、被用者年金の一階と二階の適用、それから保険料の徴収から積立金の管理、そして給付に至るまで、それぞれ同一の給料、報酬であれば同一の水準の保険料、そして同一の給付というふうに結び付いていくという、この公平性及び被用者全体が一つのグループになることによる財政の安定性、こういう点は大変大事なことであると考えております。 御指摘のありましたような積立金の運用体制をめぐる御議論につきましては、私どもも同意見なんでございますが、先ほど少し読み上げさせていただいたような与党のこれまでのおまとめにもありますように、共済組合や私学事業団の事務組織が保険料の徴収から積立金の管理、運用、給付まで含めて一貫して厚生年金の事務処理を分担する責任主体として位置付けられ、その下で運用の具体的な有り様を決めて運用していただく。ただ、基本的な、例えば将来の収益率、年金の財政計算に基づいて例えば厚生年金の場合は三・二%ほどお願いしたいというようなところなど基本的な部分を関係大臣と厚生労働大臣で定めて、それ以下のいわゆるポートフォリオの設定等についてはそれぞれが今までの経緯も持った積立金の中でその運用方針として定めて、ある意味で競争的な関係でこれからも運用に努めていただくということは望ましいのではないかということで、そういうような整理をいただいているのではないかと理解しておりますので、先生御指摘のような、従来の良かった面というものも生かしながら、他方、全体としての共通ルールというものも生かしながらの体制というものが望まれているのではないかというふうに理解をしております。
○草川昭三君 おっしゃることはよく分かるんです。それで、私どもも公務員の方々の三階部分と言われるような遺族年金の給付をずっとこう引きずっている、こういう点についての考え方というのは、やはり戦前からの恩給制度というものが根底にあると。だから、厚生年金とは全然違う手厚い家族の方々に給付が残っておると思うんですが。それを認めるとするならば、もうこれ全部御破算になるわけなんで、それはひとつ公務員の方々には了解をしていただいて、それは漸次こうならしていくというようなことになると思うんです。 ただ、私は先ほど来ちょっと申し上げておりますように、資金の運用というノウハウ、このノウハウというのはなかなか公開されていなかったわけですよ、各組合ごとに。で、これは厚生年金でもつい最近ようやく情報公開という意味で明らかになってきておるわけでございますので、これはなかなか今申し上げたように、二百兆に近い膨大な資金を一つの方法で果たして運用できるかどうかということについては大変心配なものがあるわけなので、よほどこの運用については、何というんですか、お互いに知恵を出し合いながら貴い資金でありますから運用方、より高利な運用方をされるよう、私はお願いをしたいと思いますし、またそういう趣旨が生かされるようなひとつ来年の通常国会に向けての整理をしていただきたいということを要望しておきたいというように思います。 以上でございますので、各担当の方々はこれで結構でございますので、御退席をお願いをしたいと思います。
○委員長(鶴保庸介君) 関係の政府参考人の方々、御退席いただいて結構でございます。
○草川昭三君 それで、その次に、もうこれは前回からも非常に問題になっておりますところのパート労働者に対する厚生年金の適用拡大について、現在どのような状況になっているのか、あるいはまた、つい最近関連する業界の方々からも少し待っていただきたいというような要望もあったように新聞報道では伺うわけでございますが、その点について御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) パート労働者への厚生年金の適用拡大の問題でございますけれども、パート労働者といえども被用者としての年金保障を充実させるという観点からは基本的にこれを進めるべきだと、こういうふうに考えているわけであります。 しかしまた、他方、今先生お触れになられたように、適用拡大の問題は事業主にとっては負担になると、それからまた場合によって短時間労働者にとっても負担になるということもありまして、企業や雇用への影響なども十分に考慮が必要であると、こういうことでございます。 これにつきましては、総理の所信表明演説で既にお触れになっておりまして、我々としては、この総理の意向というものも踏まえまして、十二月下旬に設置予定の社会保障審議会年金部会において関係者から意見聴取等を行っていきたいと、こういうことでございます。 問題点としてはどうかということでございますが、事業主に負担を求める厚生年金適用対象者の範囲というものをどう考えるか、また企業への影響に配慮する観点から、企業規模についてどういう考え方を取るかといったようなことがあろうかと思います。これらの様々な論点につきまして、できるだけ早期に具体的な成案を得て、被用者年金一元化に合わせて次期通常国会に法案が提出できるように努めてまいりたいと、このように考えております。
○草川昭三君 ちなみに、平成十七年の労働力調査によりますと、雇用者に占めるパート労働者の割合は農林業を除く全産業では二四%であると言われております。そして、飲食店あるいは宿泊業、まあサービス産業ですが、四八%、卸売・小売業では三一・五%と言われております。 パート労働者への依存度が高い業界は当然のことながら非常に強い関心を持っておるわけでありますが、先ほど答弁がありましたように、総理からのこれは指示を踏まえて今後進められていくものと私は思います。思いますが、この点についての関係者の方々の了解を得るように、これはもう相当積極的なPRというんですか、厚生労働省としての訴えをされることを強く要望しておきたいというように思います。 それからもう一つ、フリーターに対して職業能力というのをどのように向上をさせるように厚生労働省、特に旧労働省ですが、職業訓練等を含めて対策を立てられているのか。これはもう相当並行的に急がなければいけない私は仕事だと思うんですが、どのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(奥田久美君) お答えいたします。 いわゆるフリーターと言われる若者たちの職業訓練につきましては、そういった若者たちに職業能力が蓄積をされないといったことが共通の大きな課題になっているというふうに認識をしているわけでございます。そういう若者たちの就職の促進のためには、できるだけ早い短い期間に即戦力となる能力を身に付けさせるということが非常に必要であるというふうに考えますので、厚生労働省といたしましては、平成十六年度から、ドイツのデュアルシステムを参考にいたしまして、日本版デュアルシステムというものを構築をして、現在実施に移しているところでございます。 これは、教育訓練の中に企業の現場における実習というものを取り込んで、就職したときにその訓練がすぐ生かされるようにということで、そういった実習訓練も取り混ぜた訓練を実施をしてきているということでございます。昨年の例で申し上げますと、十七年度一年間で約二万六千五百人がこのシステムで訓練を受講して、このうち七二%の人が就職をしているというような実績を上げているところでございます。 また、現在、来年度の実施に向けまして、新たな支援策といたしまして、いわゆる年長フリーターと言われる二十五から三十四歳層を主に考えておりますけれども、そういったいわゆる就職氷河期に就職ができないでアルバイトを転々としていると、こういったような層がかなりまだあるわけでございますが、こういった人たちの就職のために、まず最初に企業での実習を実行していただきまして、その実習の結果を見て、その人の職業能力にどんなことを付加したらより即戦力となれるのかといったことを一人一人見極めまして、一人一人の能力開発プログラムを作成をして、その訓練をその実習の後に実施をしていただくというこういう、企業実習先行型訓練システムというふうに呼んでおりますけれども、これを来年度から実施をしたいということで今準備を進めておりますし、このほか、フリーターの方を採用したいという意欲の強い業界もございます。 例えばスーパーマーケットの業界でありますとか、そういったような業界ではフリーターを戦力として、社員として使いたいという意向があるわけでございますが、こういった業界に対しましては、各業界の協力をいただきまして、その業界ごとに必要となる能力にどんなものがあるのか、また資格としてどういったものが必要なのかといったことを整理をいたしまして、そういった能力を身に付けるための職業訓練というものを体系的に整理をして、それを実施をするためのプログラムを策定をし、また来年度これを試行もしていきたいということで、これまでいろんな施策を進めてまいりましたけれども、よりフリーターの人が常用雇用ができますような対策を充実をしてきたいというふうに考えているところでございます。
○草川昭三君 その今答弁されました、私どもは、旧労働省的な職業訓練あるいは職業訓練校というのは各地にあるわけですが、なかなかそれは今答弁されたようなその業界の方々にマッチするかどうか、ミスマッチは相変わらず多いと思うんですね。それと、そのような今答弁があったような企業をだれが発掘というんですか、取り出してくるか。これは、地域の経営者協会だとか商工会だとか、もういろんなものがあると思うんですが、あらゆるラインで、こういうシステムがあるからちょっと使ってくれぬかねと、その間はこちらの方で面倒を見ますよというようなPRというんですかね、そういう制度というのがもう少し定着しないのかなと、歯がゆいなというような気が私どもはするんですね、実際的には。だから、もう一歩、先ほど来からもお話がありますように、なるべく現場、産業界の第一線のところへ出ていただいて、そういうニーズを掘り出していただきたいというようなことを要望しておきたいと思います。 それから、この問題についての次の問題でありますけれども、フィリピンの、先ほども看護師、介護福祉士の受入れの問題が出ておりましたけれども、実は私、今年の一月の参議院の本会議で、大変結構な協定ができましたと、ところがなかなかこれが定着するには大変ですよと。日本語というものを習得する壁が一つあるし、あるいは地方の受入れ体制を考えれば、のどから手が出るほどこのような看護師だとか介護福祉士、これは欲しがるんだけれども、じゃ結婚をした場合どうするのか、あるいは子供が育っていった場合に日本語を習得する場合の学校は準備されているのか、それは結局地方自治体の負担になってしまうわけなので、トータルな意味での受入れ体制、フォローアップを考えてほしいということを特に私は外務省に申し上げたことがあるんです。 外務省の方は、協定をつくるフィリピン側なり東南アジア、その他の国々でも幾らでも喜ばれることはあると思うんだけれども、外務省が本当にフォローアップはできるんですかと、いや我々も考えておりますと、こうおっしゃっているんですが、それを、極端な言い方をすると、じゃ町の市長さん、町長さんが了解しているんですかということになると、ある日突然どこかの病院にフィリピンの方々がお見えになりました、それなりの資格を持っております、それで結構ですが、実際日常生活をすればいろんなトラブルというものが出てくる。それを面倒を見ていただけるような、そのような組織が必要ですよということを非常に強く私は主張していたわけでございますが、どういうような体制に今なってきておるのか、お答え願いたいと思うんです。
○政府参考人(岡崎淳一君) 外国人の労働者の方が入ってきた場合に、その子弟等を含めた生活の問題が重要であるというのは御指摘のとおりだろうと思います。 現在、大きく問題になっておりますのはむしろ日系人の方々でございますが、日系人が集まっている地域の市長さん方等からいろんな問題提起もございます。そういった問題につきましては、これは一省庁の問題ではございませんので、内閣官房の方で、生活者としての外国人の受入れについての検討チーム設けまして、種々の生活の問題、教育の問題を含めて検討しているというのが現状でございます。 今回のEPA協定によります部分につきましては、これは看護師あるいは介護福祉士としての資格を取っていただいて、その資格の下に働いていただくということでありますし、そして、そういう中で日本人の看護師さんあるいは介護福祉士さんと同等の賃金、報酬を得ていただくというような形の中で受け入れるということでございますので、そういった問題が日系ブラジル人と同様な形で起きるということではないような気もいたしますけれども、しかしながらやはり生活という面は非常に重要だということでありますので、その点についても十分留意しながら受入れを進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○草川昭三君 ちょっとさかのぼって申し訳ございませんが、私が今質問をしたというのは本会議の質問ですが、一月の二十六日の本会議なんです。 それで、先ほど来質問をしたようなことの中に、答弁を総理がしているわけですが、労働市場の開放を含む合意になりましたと、そこで重要になるのが日本での生活適応支援だと、就労が長期化した場合は日本社会への定着を図る措置が必要となりますよという趣旨のことを申し上げ、総理の方からは、受入れに際しては、御指摘の健康保険や年金への加入、子供の教育や住宅の問題を含む待遇面での課題が想定をされますが、こうした課題への対応について関係機関が連携を図り、安心して働ける環境づくりに努めてまいりますというのが総理の答弁なんです。 全くそのとおりで異論はないわけですが、これは簡単に私言いましたけれども、本当にこれそういう対応を立てられておりますかねということになると、これは甚だお寒いものがあるわけですよ。現に日本で今外国人の労働者の方々、ワーキングビザを持っている外国人の労働者の方々は数十万になると思うんですよ。そういう方々もいろいろと各地域に散在をし、かなり今日では、IT関係の仕事に就いておみえになったり、あるいは自動車産業なんかにはもう欠かすことができない労働力になり、定着をしておるわけですね。 そういう方々が本当にうまくいっているかというと、これは年金の問題を含め社会保障の問題等々では山ほど問題点が山積をしておるわけで、まあどちらかといえば見て見ぬふりをした労働者というものが定着しておるわけですよ。 これは、実は日本の将来にとりましても大変なことになるわけで、私も、これたしか衆議院をやらさせていただいている時代に一番最初に外国人労働の問題について、法務省に、入国管理が厳し過ぎるからもう少し緩やかにしたらどうだという問題提起をしたのが三十年近く前の話なんです。そのときに法務省の入管の課長がお見えになって、草川さん、あんた簡単にそういうことを言うが、もし外国人労働を緩やかにしたら大変なことになりますよと、そういうことをあなた分かっていてそういう発言するんですかと。将来、もうヨーロッパのように、難民というんですか、難民ではありませんけれども、ヨーロッパのように国境を越えてどんどん外国人労働者が入って、ヨーロッパはどれだけ困っておるかということをあなたはよくもっと勉強してもらいたいという率直な御意見を聞いたことがあるんです。これはもう三十年近くも前になるんですがね。 だから、これはいよいよそういう時期が来たなということを私は今改めて振り返っておるわけですが、日本の産業構造の中における外国人労働の位置付けという問題は、これはもう本当にゆっくり考えなければいけませんし、これはもう単なる厚生労働省の問題だけではないと思うんですね。だから、これは内閣府の問題になるか分かりませんけれども、将来展望を含めて是非このことはしっかりと対応を立てていただきたいという、これは要望ですが、要望を申し上げておきたいというように思います。 それで、その次には、先ほども出ておりましたが、例の労働政策審議会の労働条件分科会における自由度の高い働き方にふさわしい制度の創設という問題が今具体的に俎上に上がってきておるわけですが、私は、この問題について是非もう少し、簡単に現状がこうだからこういうことになりましたという言い方ではなくて、これまた日本の雇用制度の在り方、基本的に、この問題を反省をしながら取り上げていかないと失敗をすると思うんです、小手先だけになると。 私の言いたいのは、日本の雇用というのは原則的には生涯雇用ですよ。そして、裏打ちをされているのは生涯賃金ですよ、言葉を換えて言えば年功型賃金なんです。年をとれば賃金が上がる。そして、労働者は雇用がずっと永遠に、永遠にというと言葉は正確ではありませんけれども、簡単に労働市場の中で移動しないという前提が労使関係の信頼につながり、そして日本型のいい雇用というものが生まれてきたのではないだろうか、こう思うんですよね。 そういうものに、突如としてというと言い方が悪いんですが、フリーの、もう少し、管理職寸前の方々には従来の労働基準法の適用外の待遇をするということが出てきたとするならば、私は少し問題があるのではないか、こんなように思うんでございますが、この点については、労働基準局の方からその必要性等について見解があればお答え願いたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 今お尋ねのありました自由度の高い働き方に対応する制度の創設でございますが、これにつきましては、ホワイトカラー労働者が大変増加してまいりまして、また就業形態が非常に多様化すると、そういう中で企業においては高付加価値かつ創造的な仕事の比重が高まってきております。ホワイトカラー労働者を中心に能力を発揮して主体的に働くことで高い成果を期待すると、そういう動きもあるところでございます。 そういうことで今私ども検討しているわけでございますが、具体的には、こういった人たちについては相当程度の権限、地位、年収、そういったものがあるホワイトカラー労働者について、週休二日に相当する年百四日の休日を必ず確保すると、そしてまた、労働者の健康確保措置も強化した上で、労働時間に関する規定の適用を除外して労働者自らの判断による自由度の高い働き方を可能とする、そういうことで考えているわけでございます。 こういったことによって、これは一方で休日を確保するということでありますので、結果的に長時間労働を抑制し、仕事と生活のバランスが取れた新しい働き方を実現しようというふうに考えているものでございます。
○草川昭三君 今の答弁にあります新制度導入後のイメージなんですが、新しい働き方の提案として考えられておられるのは、百四日の休日、あるいは医師による面接、指導、それから、先ほどちょっと触れられましたが年収要件という話がありましたが、提案されている中には年収要件は外されているんですよね。この年収要件というのはどうも出ていないようですが。 私は、このお話をちらっと最初に聞いたときには、営業従業員というんですか、営業に任務をする営業の方々も対象になるのかなと思ったら、必ずしもそれは対象とは考えていないというようなことを言っておみえになるようですが、企画業務型裁量労働制というんですか、企画業務型というのは物すごく幅が広いですよね。それで、人事だとか財務だとかという方々になるのか、あるいは対象にならない業種の中では、例えばワープロだとかパソコンだとか生産工程での業務をする管理者は外されるのかどうかですね。ちょっとこれは立ち入った質問になってまだ早過ぎるかも分かりませんが、一応のイメージの中に定着をさせておきたいのでお伺いをしたいと思うんです。
○政府参考人(青木豊君) ただいま審議会で検討していってもらっているところでありますので、確かにまだ確定しているわけではありませんが、イメージということでございましたのでちょっと申し上げたいと思います。 私どもが審議会の方におまとめをしていただくためのたたき台といいますか報告案として今提案している内容についてでありますけれども、これは年収要件はないというお話でございましたけれども、年収幾らというところまではまだ示すことができておりませんけれども、年収要件を付けると、年収は相当程度高い者とするということで一応提示をいたしているところであります。 この制度の対象でございますが、ちょっと具体的なお話も出ましたので、まず考え方でありますけれども、これは自由度の高い働き方がふさわしい労働者に対象を限定するということでございますので、その要件としまして、一つには労働時間では成果を適切に評価できない業務、そういうものに従事している者であるということ、それから二つ目が業務上の重要な権限、責任を有する地位にある者であること、三つ目には業務遂行の手段とかあるいは時間配分の決定に関して使用者が具体的な指示をしないこと、そういう者であること、あるいは、四つ目には年収が相当程度高い者である、などを要件とすることについて今検討しているところでございます。 それで、具体的には管理監督者一歩手前の地位にある人ということを考えております。管理監督者は、現行の労働時間法制の中でも労働時間規制あるいは休日規制はありません。そういった管理監督者一歩手前の地位にある労働者で、社内のプロジェクトチームの運営など企業の中枢を占める重要業務を自らの権限や責任に基づく判断で処理をしている者を対象労働者として考えているということでございます。企画業務というお話もございましたが、お触れになりましたように、人事とか財務とか、そういう人たちが典型的にはイメージされるだろうと思います。 現在、そのほか、恐らくこの対象とはならない業務としては、ホワイトカラーでありますから、生産工程で直接携わっている人でありますとか、あるいは極めて定型的単純作業の業務のような人たちは除かれるものというふうに思っております。 そのほかに、先ほど申し上げましたように、健康確保の措置、休日確保の措置、そういうことをいたしまして、こういった人たちが、この制度が実現したならば、その中で働くときはきっちりと働いて、休むときはきっちり休むということで、働き方も効率的、能率的になることを期待しておりますし、また休日労働をしないということで、総体として長時間労働の圧縮にもつながるというふうに思っているものでございます。
○草川昭三君 今後の審議会の議論にまたなければいけないと思うんですが、かなりこの審議会の中では、いわゆる労働者側委員の方々あるいは弁護士会の方々から相当強い反論があるやに聞いております。 いずれにいたしましても、先ほど答弁がありましたように、この要件の中身が相当これは多岐にわたっておりますが、抽象的であるだけに、従来の労働基準法という法律が形骸化されてしまうのではないだろうかという心配が私は相当労働側には強いと思うんです。そこら辺のことを十分踏まえて審議をされるよう要望しておきたいと思います。 あとわずかですから一問でございますけれども、実は本来この委員会にはなじまないことですけれども、労働審判法というのがこの四月から実施をされることになりました。いわゆる労使関係の個別の紛争の問題です。 労使関係の個別の紛争が私は最近非常に増えてきておるということが推察をされます、個別案件について。それで、一般論として、労使関係というのは非常に安定をしてきておるということになっておりますから、従来の地方労働委員会だとかあるいは中央労働委員会で私鉄のストライキがあったときの調停を求めるとかというような事案はほとんど今は見受けられません。それよりは逆に、職場の中における差別の問題だとか、女性なるがゆえの不当な差別等々の個別案件が多くて、解雇されたとか、やれ配置転換があったとかというような事柄が非常に多いと思うので、私は、この労働審判法というのはせっかくスタートしたので、これを定着させたいというのが私の立場なんです。 それで、その定着をさせるためには、今これは最高裁判所に言わなければいけないことなんですが、スタートしたのはやっぱり労使関係の安定というところから、あるいは個別の紛争事件を少なくするというところからスタートしたわけですから、あえて問題提起をしたいわけですが、この審判員が約一千名お見えになるそうですね。一千名近い方々がお見えになるんですが、その中の女性の割合というのがわずか四分の一ぐらいですか、四分の一もいってなくて五分の一のような感じがするんですが、私は、今申し上げた個別労使紛争の多くは女性の案件が多いと思うんですよ。だから、女性の案件が多いだけに、労働審判の委員になられる労働者側の代表にもっと女性を加えるべきではないだろうかというのが私の意見なんです。 それは直接最高裁判所に私どもが申し上げることができませんので、このスタート時点で行われましたところの厚生労働省の方から、そういう意見反映ができるように是非私は努めていただきたいと思います。 それからもう一つは、労働側の代表は、当然のことながら、一番大きな組織の連合なら連合の推薦を求めて委員になられる方が多いと思うんですが、個別の労使紛争を持ち出す方々はほとんどが既存のそういう大きな組織には加盟しておみえにならない。何とか連盟だとか何とか会だとかというボランティアが少し大きくなったような方々がバックアップをしておるというようなことでもありますので、労働審判の委員になられる方々は従来の私は組織代表に必ずしもこだわるべきではないと。最もそういうことについて精通した方々を審判員として選ぶように最高裁判所の方に意見反映をしていただきたいという、これは要望になりますけれども、要望をしておいて、終わりたいと思います。 以上です。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 今日は、日本の職場から偽装請負などの違法、脱法をなくして、安定した人間らしい雇用をどうやって増やしていくかという観点で質問したいと思います。後半は、今ちょっと話題になりましたホワイトカラーエグゼンプションの問題も取り上げたいと思います。 先日、この委員会で、徳島県の日亜化学工業、偽装請負を解消して、千六百人の請負労働者の正社員化の道を開きました。ビッグニュースになった事案ですが、大臣、法律違反の偽装請負、これは根絶するんだというふうに大臣は先日の委員会ではおっしゃった。これ偽装請負が明確になった場合、やっぱり一定年限を超えた全労働者を対象として正規雇用につながっていくような、そういう解決方法がやっぱり一番望ましいものでないかと私は思うんですが、大臣はいかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) いわゆる偽装請負につきましては、もうこれは労働者派遣法に違反する違法行為でございます。したがいまして、この違法行為が明らかになった場合には是正のための指導を行うということでございます。 違法状態の解消に当たっては、具体的には派遣先又は発注先による雇入れ、それから適正な請負又は労働者派遣による事業の継続、あるいは他の派遣先における派遣又は他の発注者における請負による就業機会の提供ということで雇用を失わせしめない、こういう方法。それからまた、資本あるいは取引等の関係のある事業者への雇用のあっせん等々、いろんな方法が考えられるということでございます。
○小池晃君 いろんな方法はあるわけなんですけど、その中でもやはり安定した雇用という点でいけば、発注元にしっかり正規雇用していくと、正社員の道を開くということはやっぱり労働者は一番望んでいるわけですから。 その点で、業務請負最大手のクリスタルグループのコラボレートという会社の場合どうか。ここは構内請負業から撤退してグッドウィルグループに身売りするという、そういう中で大量解雇が心配されています。私、十二月の初めに、厚労省に対してコラボレート八十四の全営業所を調査すべきだというふうに申し上げて、これやっていただいていると思うんですが、その結果を御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(高橋満君) 御指摘の事案の株式会社コラボレートにかかわる問題でございますが、十月三日に大阪労働局から改善命令を受けたわけでございまして、その後の改善報告書に基づきます状況でございますが、十二月四日に提出いただいた報告書によりますと、同社が請負事業から撤退する前におきます請負労働者の数、これが約一万七千三百五十名。このうち、撤退の際に発注者に直接雇用された労働者の数が約一千五十名。それから、他の請負事業主へ転籍をいたしました労働者の数が約七千三百名となってございます。 他方、これらの直接雇用あるいは転籍者を含めての離職者でございますが、これは雇用保険被保険者資格の喪失届で把握をいたしておりますが、都道府県労働局を通じまして把握いたしましたところによりますと、十八年十一月三十日現在で約九千百五十名となっておるところでございますが、このうちハローワークの方に求職申込みをいただいた数が約六百名となってございます。
○小池晃君 発注元への直接雇用は、一万七千三百五十名の請負労働者のうちわずか千五十名なわけです。離職者九千百五十名、非常に大規模なものです。これは、偽装請負を是正する過程で起こったわけで、別に業務内容が変わったとかいうことではないわけですから、やはりあってはならない解雇であるというふうに思います。私は、引き続き行政として、発注元に対する直接採用、多くは大企業ですが、これを求めていくということを求めたいというふうに思います。 様々、こういう派遣労働者の問題で、法律的には直接雇用申込義務があるというような話もあるんですが、実態を幾つかちょっと取り上げたい。資料をお配りしております。 これは、松下プラズマディスプレイという、偽装請負が新聞でも取り上げられた企業です。ここは、直接雇用に踏み切ったとされるんですが、しかし請負から直接雇用になった労働者は初回三か月の有期雇用なんですね。この入社説明会の資料見ていただくと、下から二番目に「契約更新について」という項がございます。そこにはっきり書いてあるんですが、雇用契約の条件は、「入社日から二年三ヶ月を超えることはありません。」と、要するに、三か月取りあえず有期雇用、その後最長二年間の延長はするけれどもそれ以降はもう雇いませんとはっきり明文化しているわけであります。将来不安から離職する労働者も増えているというふうに聞いています。 職安局長にお聞きしますが、せっかく直接雇用になっても有期雇用だと、しかも明確に二年三か月以上は駄目だと、正社員への道を閉ざしている、こういうやり方が許されるんでしょうか。
○政府参考人(高橋満君) いわゆる偽装請負に絡んでこの法違反を正していく、この過程の中でいわゆる雇用の安定の措置を講じていただくということにつきまして、先ほど大臣からも御答弁あったとおりであるわけでございますが、その結果といたしまして、発注者が請負事業主の労働者を直接雇用するに至るという場合につきまして、その労働条件等、もちろんこの雇用契約の期間も含めての労働条件でございますが、それをどう定めるかということは、言うまでもございませんが、当事者間で決定をされるべきものであるというふうに考えておるところでございます。
○小池晃君 そういうことでは、幾ら直接雇用になっても労働者が報われないんですよ。非常に腰引けてると思いますよ、私、こういう態度は。 ここだけじゃないんですね。ほかにも取り上げると、例えばいすゞ自動車の藤沢と栃木の工場の問題です。 ここは、昨年十月に請負労働者千五百人を製造業派遣に切り替えたんです。一年たちましたから、この十月から直接雇用になる。しかし、ここでもやはり有期雇用なんですよ。しかも、全員が三か月の期間工だというわけです。その先の説明は一切なされていません。労働者の中には、自分たちは来年一体どこに行くのかという不安が広がっている。有志が会社に対して正規雇用にせよと要求してますが、いすゞ自動車の側は応じていません。 これは、十月までいすゞに労働者派遣していたのが、製造業派遣や請負の大手の日研総業、高木工業、こういったところです。ところが、話聞いて驚いたんですが、直接雇用となった現在も、派遣のときと同じ寮に住んで、同じバスで送迎されて、派遣会社の監督員が出勤チェックしているというんですね。しかも、栃木工場で何が起こったかというと、いすゞ自動車からの雇用契約書、これは直接雇用になったわけですから労働者に対して雇用契約、しっかり手渡して結ぶというのはこれ当然の責任なんですが、これ転籍時に渡されないと。労働者が問いただしたらば、派遣会社である日研総業のニュースに、詰所に置いておくから取りに来るようにというふうに書いてあったというんです。契約時に契約書渡さないというのは、これは明らかに私は労基法違反ではないだろうかというふうに思います。 しかも、その派遣会社の監督員が今何やっているかというと、いすゞの期間工に対して、労働者の職場を回って、もし行く先がないのであれば次の派遣先紹介してもいいですよと、そういう話をしている。労働者は、また派遣に戻るのかと非常に不安が広がっているというふうにも聞いています。 政府参考人にお聞きしたいんですが、このいすゞ自動車の現在の職場の実態について、私は労基法違反も含めて調査、是正すべきだというふうに考えるんですが、この点いかがですか。
○政府参考人(青木豊君) 個別のお話でありますので、具体的には御答弁差し控えたいと思いますけれども、一般的には、申し上げれば、労働者派遣から直接雇用に切り替える場合には、新たに労働者を雇い入れるということになりますので、直接雇用することになる事業主は、労働基準法第十五条に基づいて文書により労働条件を明示しなければならないということになっております。 労働条件明示が適法になされないなど、労働基準関係法令上の問題が認められた場合には、必要な監督指導を行ってまいりたいというふうに思っております。
○小池晃君 これは、既に訴えも出ていると思うんです、当該の労基署には。これ、きちっと厳正な調査をしていただきたいと。 こうしたことが堂々とまかり通っていくのであれば、たとえ直接雇用にされたとしても短期間でほうり出されると。で、また同じ働き方に戻っていく、あるいは別の会社で派遣というふうになっていく。こういうことでいいのかということだと思うんですね。 そもそも労働者派遣法というのは、派遣労働についてはこれはあくまで一時的、臨時的な働き方だと、常用代替にならないというふうに何度も政府は答弁をしてまいりました。これは前回の労働者派遣法の改定時の鴨下副大臣の答弁でも、申込義務というのは期間制限違反を未然に防止し、派遣労働者との雇用関係を明確にすることで当該派遣労働者の雇用の安定を図ると、これが目的だとはっきり言っています。 直接雇用であれば、これはどういう雇用形態になるかはそれは企業が決めること、労働者との間で決めることということじゃこの法の趣旨はないと思うんですよ。三か月や五か月で切られてしまう、あるいは二年三か月以上は雇用しませんと、これは私はこの派遣法の精神に反する事態であるというふうに思うんです。 こういう松下、いすゞのやり方というのは、私は派遣法の趣旨から照らせばこれは反するものであるし、やはり法の趣旨が生かされるような行政としての是正指導、これが求められているんじゃないですか。局長、いかがですか。
○政府参考人(高橋満君) いわゆる派遣法におきます雇入れ申込み義務にかかわる趣旨ということになろうかと思いますが、特にいわゆる期間制限のある業務にかかわる雇入れ申込み義務については、これは先生も御案内のとおり、この期間制限違反ということを未然に防止するための一つの担保措置ということと同時に派遣労働者の雇用の安定ということも併せ図っていくという趣旨であるわけでございます。 ただ、この申込み義務を履行する中で、派遣先が直接雇用をするという場合に、どのような形で労働条件を決めていくか。これは先ほど来、御答弁申し上げているとおりでございまして、繰り返しになりますが、やはり当事者間でよく話し合って決めていただくべきものというふうに考えているところでございます。
○小池晃君 雇用の安定のための仕組みだと言いながら、どういう雇用になるかはあとは当事者任せというのは、これは法の趣旨に反するんですよ。無責任過ぎるんですよ、それでは。厚生労働省として、私は労働者に対する責任を果たしていることにならないというふうに申し上げます。 今、財界は更にこの派遣期間の見直し、撤廃ですね、あるいは雇用申込み義務の撤廃、こんなことまで言い出している。これは正に格差を拡大し、いわゆるワーキングプア、こういったものを拡大していく。本当に日本の労働者の展望を失わせるようなものですから、これは絶対認められないということも重ねて申し上げたいと思います。 続いて、現在、労政審で審議されている労働時間法制の問題です。先ほども議論になっていましたが、自由度の高い働き方という考え方で一定の要件を満たすホワイトカラー労働者というわけですが、まず最初に基本的なことですが、ホワイトカラー労働者と言われる人は一体どういう人で、現在何人いるか、雇用者全体に占める比率はどうか、お答えください。
○政府参考人(青木豊君) ホワイトカラー労働者については、一般的には総務省の調査であります労働力調査における雇用者分類のうち、専門的・技術的職業従事者、あるいは管理的職業従事者、事務従事者、それと販売従事者を指すものと認識されております。これによれば、平成十七年におけるホワイトカラー労働者は約二千九百六十四万人でございます。全労働者の約五五%を占めております。
○小池晃君 この労政審の審議の過程で、自律的働き方とかいろんな言い方変えてきていますが、出発点はアメリカ型ホワイトカラーエグゼンプションということです。この制度は労働者側からこれ入れてくれという声は一切上がっていません。事実として私はお伺いしたいんですが、一体どういうところから、どういう団体なり、どういう国なり要請があったのか、この事実を紹介していただきたい。
○政府参考人(青木豊君) ホワイトカラー労働者に対します労働時間制度の在り方については、平成十四年十二月の労働条件分科会報告にも記載されているところでございますが、使用者側からの意見も踏まえまして、平成十七年四月に今後の労働時間制度に関する研究会を立ち上げるなどいたしまして、厚生労働省として検討を行ってきたところでございます。 こういった検討をしている中で、今お話のありましたいろんなところで要望がございますが、例えば日米投資イニシアチブ、今年でございます。あるいは日本経団連の提言、これは昨年でございますし、つい先ごろ在日米国商工会議所などからも要望はなされておるところでございます。
○小池晃君 結局、そういったところからなんですよ。郵政民営化のときの話を思い出すんですが、財界あるいはアメリカといったところから要望が次々出されて議論が進んでいる。 具体的に、じゃ中身に入るとどういう労働者対象にするのか、要件は、労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事する者、業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者、業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者、こういう労働者がいるんだろうかって全く私イメージわかない。唯一分かるのは、年収が相当程度高い者、これだけです。昨年六月の経団連の要求では、この年収について四百万円以上の労働者というような提案もされている。これ実態、四百万人以上の労働者数というのは国税庁の調査で二〇〇五年では二千三十一万人います。一体どういう人々かというのを、ちょっと私調べてみたんですね。 これでいいかどうかだけ確認したいんですが、厚労省の賃金構造基本調査でいいますと、年収四百万円超えるのは大卒で二十代後半、入社三・六年目、二十七・六歳、これで平均年収が四百三十一万円です。あるいは高卒入社では三十代前半、入社八・五年目、三十二・五歳、これで平均年収四百五十二万円です。四百万円超える、大体こういうイメージということで、これは事実としてよろしいですね。
○政府参考人(青木豊君) 年収が相当程度高い者というふうに言っておりますので、今の御質問のところがそこをぴたっと当てはまっているかどうかというのは大変疑問だと思いますが、お尋ねの賃金構造基本統計調査によれば、おっしゃるとおり、大学、大学院卒の二十五—二十九歳の男性の平均年収は四百三十一・三万円でありますし、それぞれ高専、短大卒の三十—三十四歳であれば、平均年収は四百五十二・六万円、高卒の三十—三十四歳の男性の平均年収は四百三十八・三万円でございます。 なお、日本経団連の報告書、先ほどちょっと申し上げましたが、昨年の報告書で提言をしているこのエグゼンプションについては、年収四百万円と年収七百万円が提言されていたと思いますけれども、四百万円については全労働者の平均給与所得だという説明だったというふうに思っております。
○小池晃君 経団連の言い訳までしないでよろしい。 年収の水準については、これ七百万円とか一千万円とかという数字も出ています。しかし、これは相当程度の年収という形になれば、一度導入されれば、これは使い勝手が悪いとか実情に合わないということで、最初は小さく産んで大きく育てるというのは今まで皆さん全部、労働者派遣法だって最初は限定でやってどんどん広げるってやってきたわけですから、私は何の歯止めにもならないというふうに思うんですね。 そもそもこの年収の水準というのをこの対象の労働者の中に持ち込んでくるということについてお聞きしたいんです。その自由な働き方ができるかどうかということと年収ということについては一体どういう関係あるのか。関係があるんであれば、その根拠を示していただきたい。
○政府参考人(青木豊君) 新しい制度及び検討中の制度につきましては、自由度の高い働き方がふさわしい労働者を対象とすると、そういうことに限定をするために対象労働者の要件として、労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事している、あるいは業務上の重要な権限、責任を有する地位にある者であるということ、あるいは業務を遂行していくその手段、あるいは自分でその業務を行う時間配分、その決定に関して使用者が具体的な指示をしないというものを要件とすることを検討しております。 そういう意味で、また新制度では、対象労働者本人の同意も必要とすることとしてはどうかということでありますし、業務量を適正なものとするため、業務内容とか業務の進め方について使用者と対象労働者との間で話し合うこととすることを検討しておりまして、対象労働者は使用者と十分に話し合うことができるだけの交渉力を有する労働者であるということが必要であるというふうに考えております。 さらに、この制度では割増し賃金が支払われないということになりますので、対象労働者は割増し賃金が支払われなくても保護に欠けない程度の処遇を受けている労働者であることが必要であります。このため、この制度においては年収が相当程度高い者であることを要件とすることを検討しておりまして、こういうことによって自由度の高い働き方にふさわしい労働者に対象が限定されるというふうに考えております。
○小池晃君 三つの要件と年収の関係を聞いているんじゃなくて、自由な働き方ができるということと年収の関係を聞いているんですよ。一定の収入があれば自由な働き方ができるという、そこに何か関係があるんですかと私は単純に聞いているんですよ。その間にどういう関係があるんですかと。
○政府参考人(青木豊君) 今申し上げましたように、業務内容、業務の進め方等について使用者と言わば対で話し合うことができて、そういう意味で使用者と十分に交渉力を有する労働者であるということが必要だということで年収要件を一つの要件としておりますし、また、これは労働時間の適用除外ということでありますので、割増し賃金の支払ということはなくなるわけでありますので、割増し賃金を支払わなくても保護に欠けない程度の処遇を受けている必要があると、そういう労働者だということで年収要件を定めているということであります。
○小池晃君 IBMの労働者との関係で、あなた方は、年収一千万円を超えるような労働者でも業務の裁量制がないという組合の訴えを認めているんですよ。その対象から除外させているんです。しかも、この年収との関係でいうと、同友会は、ホワイトカラーエグゼンプションについて年収を基準にするのはおかしいと、もっといろんな要素があるはずだと言っているんですよ。 だから、私聞いていることにちゃんと答えていただきたい。自由な働き方とこれだけの年収、この年収何万円以上であれば自由な働き方になると、ここに何か直接の関係ってあるんですか。まあ迂遠していろいろとおっしゃるけれども、直接この二つを結び付ける関係はないでしょう。どうなんですか。
○政府参考人(青木豊君) 自由度の高い働き方ということを言っているのは年収だけではありませんで、先ほども申し上げましたように、業務でありますとか、権限、責任、地位でありますとか、そういったことで要件を規定していくということでありますし、それから同友会のお話もちょっと出ましたけれども、同友会の本を私も読みました。読みましたが、どうもおっしゃっていることは、現在労働時間規制がない管理監督者、適用除外されている管理監督者の範囲を広げるということが基本的な考え方の根底にあるというふうに私は理解しておりまして、今お話しになっている、ここで議論になっているこの自由度の高い働き方とはおよそ違うもの。したがって、これではなくて、管理監督者の拡大でやってもらいたいと、こういう提言だというふうに私は理解しております。
○小池晃君 何でもかんでも自分に都合のいいように解釈しないようにしてください。これ、自由な働き方、自由度と年収との関係に直接の関係はないんですよ。説明できないんですよ。 さらにお聞きしたいんですが、この制度の対象となった労働者というのは労基法の適用除外になる。労働時間管理しない。つまり、労基法三十二条の対象から外すということになる。これ、確認の意味で聞きますが、そうなると、三十七条の時間外、休日及び深夜の割増し賃金の適用もこれは外れることになるんですね。
○政府参考人(青木豊君) この労働基準法上の労働時間規制というのは、週四十時間、八時間、そして労使協定を結べば、その結んだ範囲で時間外労働をしていい、そしてその場合には、今おっしゃったような割増し賃金をきちんと払えと、こういう規制になっているわけであります。したがって、この一連の労働時間規制というものを外すということでありますから、おっしゃったような御質問の割増し賃金三十七条の規定は適用されないということになります。
○小池晃君 つまり、幾ら働いても残業代は出ないということになるわけで、だから残業代がなくなるということで、今サラリーマンから怒りの声が上がっているわけです。 しかも、今回の素案の中見ますとほかにもいろいろある。企画業務型裁量労働制の適用を広げる。管理監督者となり得るスタッフ職を明確にする、つまり管理監督者の枠の拡大ですね。それから、事業場外みなし制度の見直し、こういったものも入っている。こういった項目も結局、労基法内ではありますけれども、しかし、その残業代を支払う義務のない人を増やす提案だということになると思うんですが、そういうことですね。
○政府参考人(青木豊君) 今幾つかお触れになりましたけれども、新しい制度というのは、先ほど来申し上げていますように、労働者が権限、責任を付与されまして、労働時間の配分について使用者から具体的指示を受けずに働く制度として考えているわけであります。したがって、使用者からの時間外労働命令によって労働をするものでない以上、その割増し賃金は支払われないんだという考え方に立っているわけであります。 また、お話にありました管理監督者でございますが、管理監督者となり得るスタッフ職の範囲を明確化することについて検討しておりますが、これは管理監督者の範囲についての現行の考え方を維持した上で具体的な判断基準を明確化しようというものであります。管理監督者の範囲を変えるものではありません。 それから、企画型裁量労働制、事業場外みなし制度の見直しについても検討しておりますが、それらの人について今回の見直しにおいても割増し賃金の支払を不要とするというような内容の見直しは考えておりません。
○小池晃君 大臣にお聞きしたいんです。サービス残業は摘発件数が増えております。過労死、過労自殺の認定も増えています。さらに、残業代をカットするということに怒りが広がっています。 民間のシンクタンクである労働総研の試算では、このホワイトカラーエグゼンプションが導入されると、カットされる残業代の平均は百十四万円になるという試算もございます。サービス残業を加えると、カットは十一兆六千億円だという試算もあります。 大臣にお伺いしたいんですが、ミニ経済白書も出されまして、ここではやっぱり景気の問題について、実質雇用者所得の伸びが鈍いと、消費が減っているというふうに指摘をしている。非正規雇用の増加によって労働分配率は今後も低下するだろうというふうに言っているんですね。この上、残業代をカットするような制度まで導入すれば、私は、ますますこうした傾向に拍車を掛けることになる。労働者の健康、過労死を増やすという点でも非常に危惧されるし、同時に、今労働者の所得を減らすような、そういう雇用政策を打ち出すということは、私は日本経済にとっても絶対にプラスにならないというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今のホワイトカラーエグゼンプションが時間外手当をなくすためであると、したがって、それは労働者の賃金を更に低下させる制度であるというような御議論かと思いますけれども、それは私はそう思わないんです。それは思いません。 それで、やはり私どもが考えるのは、やはり企画立案というような労働内容ですと、これは時間で測るということがほとんど余り意味を成さないわけですね。むしろ、成果でもって報酬を与えられるべきだと、こういうのが基本だろうと思います。そういう意味合いで、今までは管理職というところに着目してそうしたカテゴリーの労働者を創成したわけですけれども、今度はそういった労働の実際内容に即してそうした一つの労働者の型を作って自由に働いてもらうということが非常に日本経済のためにもよろしいんではないか、こういう基本的な考え方に立っています。 労働分配率の問題ですけれども、労働分配率が低下をするということについては、私ども労働行政を担当しておる者としては常に注意を怠ってはならないと、このように思っておりますけれども、これは少し長いスパンで考えてみますと、必ずしも今が非常に労働分配率が際立って低下している時期というわけでもないと、こういうように考えまして、今後、少し最近これが上昇する傾向も見せておりますので、これらを助長する方向で労働行政を展開していくべきだと、このように考えております。
○小池晃君 厚生労働省が労働者の立場に立たずに日本経団連の立場に立ったら駄目なんですよ。やっぱりこの問題については、ホワイトカラーエグゼンプション、これは提案自体撤回することを私は求めます。 質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 私も、今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方についてまず御質問をいたします。 日本版エグゼンプションについてまずお聞きをいたします。 今日はこの点について意見が出されました。この点について、年収制限について例えばどのような、もし仮に法案が出てくるとすればどのような書きぶりになるのでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 大変難しい御質問でちょっとお答えにくいのですが、年収については、十二月八日に労働政策審議会にお出ししました議論の素材となるたたき台でも具体的な額は示されておりません。相当程度高いということまでで今議論は行き着いているということだというふうに思っております。 先ほど来申し上げていますように、管理職一歩手前の人たちをイメージして、様々な要件の一つとして年収要件も考えるということでありますので、それ相応の水準の額ということになってくるだろうというふうに思っております。
○福島みずほ君 具体的に条文として出てくる場合、厚生労働省考えていて、年収要件は法案に書くのか、それとも、抽象的な書きぶりにして政省令で決めるのか、いかがですか。
○政府参考人(青木豊君) 今正にこの年末のまとめに向けて議論していただいているところでありますので、そういった審議会での議論を踏まえて来年法案を作成して、御審議をしていただきたいというふうに思っております。 年収要件は付けるということで議論をしていただいて、成案を得たいというふうに思っております。
○福島みずほ君 先ほどからもありますが、日経連は昨年六月に示した提言で、年収四百万円以上、さっき七百万も出ましたが、四百万円以上を適用対象とすることを提言をしております。これはホワイトカラーの八割に及びます。現在、日本版エグゼンプションの先取りをするような裁判が日本でも幾つも起きています。 ファーストフード店のマクドナルド、これは店長さんたちに対して割増し賃金は支払われておりませんでした。店長さんたちが提訴をしております。会社側の言い分は、自律的労働である、入社、退社の自由がある、年収が例えば五百万ぐらいある、それから人事権があるという理由です。しかし、原告たちは、入社、退社の自由など実はほとんどない。もう忙しくてそんなのはない。時間の自由はない。それから、人事権といって、もちろんアルバイトを雇うことはできるけれども、そんな広範な人事権があるわけではない。年収もそんなに高くはない。なぜ自分たちが管理職だということで割増し賃金が払えないのかと。現に日本版エグゼンプションを先取りするような裁判が日本の中で争われております。だからこそ私は、日本版エグゼンプション、日本に導入すべきではないというふうに考えております。 そうしますと、年収要件、仮に法案に入ったとしても、将来それが法律改正で変わることもあるわけですし、現に、ほとんど自由度がないにもかかわらず、時間の規制がなくなって割増し賃金がなくなるわけです。いかがですか。
○政府参考人(青木豊君) ちょっと個別具体的な問題点については差し控えさせていただきたいと思いますが、結果としてそういった自由度の少ない、実は業務を事細かに指示されて、本来、こういった今検討しております制度の対象とならないような人が入るような制度をつくるということになってはいけないというふうに思っております。そのための要件をきちんと十分精査をするということになるだろうと思います。 現行制度におきましては、現行法、この新しい制度を導入しなくても、現行の制度におきましても、労働基準法上管理監督者ということで適用除外に、労働時間規制、労働時間管理の適用除外になっている人たちがいるわけで、そういった人たちの今争いのお話だと思いますが、私は、こういった管理職一歩手前の人たちをきちんと整理をして、そういったことによって、一方で、一歩手前でありますから、管理職の人たちとの線というものもきちんとなり得るものというふうに思っております。
○福島みずほ君 現行法の下で、裁量労働制を始めたくさん労働時間制の例外規定が、おっしゃるとおり規定があります。 労働者にとって日本版エグゼンプションと認定されて何かメリットがあるんですか。
○政府参考人(青木豊君) これは、労働時間規制が外れる、言わば裏からいえば使用者の労働時間管理がないということになります。したがって、休日確保の観点からいえば、休日を特定しなければいけませんから出勤日という概念は出てくるでしょうが、労働時間が自由でありますので、育児あるいは介護、そういったところで一日のうち一定の時間を使うということも可能でありますし、また、仕事の段取りも自分で決定をしていくというのが基本でありますので、今日はかなり仕事をするけれども、明日はそれをオフにするというようなことも可能な人たちであるわけであります。そういう意味では生活との調和というものも図られるということになるだろうというふうに思っております。
○福島みずほ君 夢のようなことをおっしゃっていて、どこの国の話かというふうに思っております。 現在、雇用の現場は悲惨で、雇用の劣化が起きています。有休の取得率は低く、人手が足りない、リストラもありますから。人は自由に有休取ることすらままならない、正当な権利行使もままならない、そんな状況です。ワーク・ライフ・バランスに関しては、むしろ育児時間や育児休業で保障されているわけですし、局長おっしゃったとおり、管理職であれば裁量労働制などの適用があるわけですから、日本版エグゼンプションなどを導入する必要はありません。これは労働者の側から一切出てきてない要求であり、これをやりますと、要するに、残業代不払法案、過労死促進法案だと私たちはネーミングをしております。 百二十年前、八時間労働制を訴えて労働者がメーデーを始めました。人間らしさの回復がテーマでした。なぜ百二十年たってこの日本で労働時間制を撤廃しなければならないのかというふうに思います。断固として、このような夢物語のような法案が出てこないように、心からお願いをいたします。 次に、今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について続けてお聞きをいたします。 就業規則の変更で労働条件を変更するということがありますが、これは現在、合理性があるかどうかでチェックが利いております。こういうことになりますと、個人で就業規則の不利益変更を争うことが困難になり、問題ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(青木豊君) 労働契約法の検討の方で就業規則についても検討されております。 労働契約、本来は、契約でありますので、労働者と使用者の個別の契約によって規律をするということだろうと思いますが、しかし、一般の労働においては、画一的処理をするため、使用者が就業規則を作って、それに一定の手続は必要でありますけれども、それによって画一的に処理をするということが、それは七割方そういうことだろうと思います。 そういった場合に、労働条件の変更をするというときに、また大原則に戻って個々の労働者個々人と契約を結ぶ、変更契約を結ぶということでは、実際の労働現場を律するには不十分だというふうに考えております。 そういう意味で、合理的な就業規則の変更でそれを労働者に周知させているというような場合で、そのほか、変更の必要性でありますとか、あるいは変更後の内容あるいは手続において労働組合との合意、あるいは労働者との調整の状況、そういったものを総合的に勘案して合理的なものである場合には労働条件の変更を認めようと、そういうことを今検討しているところでありまして、そういった様々な言わば合理性の担保というものをした上でこれを認めていこうということでありますので、ひとつこういうことで実現を是非していきたいなというふうに思っております。
○福島みずほ君 就業規則は一方的に作られるものですから、就業規則の変更でそれが不利益取扱いでかつ合理性がないと考えれば、今までの判例であれば労働者は裁判を、御存じ、提訴をできます。それを阻まれるのではないかというふうに思っております。また、解雇の金銭的解決の仕組みなども大変問題があり、今後の労働契約法制及び労働時間法制については非常に問題があるということを申し上げます。 次に、経済財政諮問会議が、労働市場改革、労働ビッグバン構想を提起をいたしました。今必要なことは労働法制の規制であり、労働ビッグバンではないというふうに思っております。 厚生労働大臣、この労働ビッグバンについての感想をお聞きいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 十一月三十日の経済財政諮問会議におきまして、労働市場改革について議論が行われました。その際、民間議員から労働ビッグバン等に関するペーパーが提出をされました。私としては、この民間議員の方々による労働ビッグバンという言葉を使っての問題提起であると、このように受け止めております。
○福島みずほ君 ということは、独自に厚生労働省の労働者の権利を守るという観点からもこれはまた意見を言っていくということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま申し上げたとおり、これは民間議員からのペーパーに書かれた言葉であります。それ以上のものでもそれ以下のものでもない。私どもは私どもの考え方をこの会議でも主張してまいりたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 去年十月にも内閣府の方にお聞きしましたが、例えば規制改革・民間開放推進会議も経済財政諮問会議も労働者の代表が入っておりません。これはなぜですか。
○政府参考人(田中孝文君) 規制改革・民間開放推進会議のみについてお答えいたします。 規制改革・民間開放推進会議の委員に関しましては、規制改革・民間開放推進会議令という政令の中で、第二条で「委員は、優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。」とのみ規定されております。 したがいまして、規制改革、民間開放の識見を有する者と総理がお認めになった方、今定員が十三名になっておりますから十三名を選ばれておりまして、その結果、現在は学者が六名、経済界の方が七名となってございます。
○福島みずほ君 労働者あるいは労働者の代表は識見がないんでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) 労働者の方があるないということではなくて、識見のある、規制改革、民間開放という観点から識見のある方を総理が御任命された結果が今言った内訳になっているということでございます。
○福島みずほ君 おかしいですよ。いろんな立場の人が議論するのに賛成の人しか、これこそやらせ、やらせ規制改革とは言いませんが、一方の考え方の人だけ集めて労働者の権利を破壊していって、しかも、労働ビッグバンなんということを提案する、それは経済財政諮問会議の方ですが、規制改革・民間開放推進会議も労働法制について様々な提案をしています。これは極めて一方的で、識見に対する理解もおかしいということを今日改めて申し上げます。 済みません、これ、繰り返し国会で質問していますが、是非持ち帰って検討し直していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(田中孝文君) 今、御意見は御意見として賜っておきますが、どういうメカニズムで、済みません、仕組みで任命するかということに関しましては政令で定めてまいることになると思います。
○福島みずほ君 厚生労働省はもう少しバランスを考えているというふうに思いますが、厚生労働大臣、一方の考え方、働く人たちが入っていない経済財政諮問会議、民間開放推進会議で労働法制についてばんばん提案されるという、このことについていかがお考えですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、経済財政諮問会議でも申し上げました。御意見をばんばんというんでしょうか、活発に闘わせることは、それはそれで別段、我々の方が何か申し上げてもそれはもう委員の方の御自由と、こういうことだろうと思います。 私はそこで申し上げたのは、労働法規の実定法については労政審のプロセスがきっちり法律で定められておりますので、そちらの方で今後ともやらせていただきますということをはっきりと申しているわけでございます。 なお、労働ビッグバンについて、さっき、この言葉について少し余分なことを言ったかもしれませんが、要は、これは民間議員ペーパーに書かれた言葉ということで、現在の段階はそういうことになっているということでございます。
○福島みずほ君 規制改革・民間開放推進会議が、派遣労働者をめぐる規制の抜本見直しで、企業が派遣労働者に直接雇用を申し込む義務を撤廃するよう提案をしています。このような答申によって雇用並びに労働者の生活が破壊されると考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 失礼しました。ちょっとほかのことを考えておりまして十分留意をしておりませんでしたが、労働者派遣法の改正につきましては、これはいろいろな経済の構造改革や労働者側の多様な働き方を求めるということから制定をされたものでございます。 現在の派遣対象業務や派遣期間制限に関する現行制度は適当なものでありまして、私どもとしてこの枠組みが変更されるというようなことを考えてはおりません。むしろ、この義務が遵守されるよう必要な指導を行っていきたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 労働者保護の観点から、しっかりよろしくお願いいたします。 偽装請負問題について、九月四日、各都道府県の労働局に指導強化の通達を出していらっしゃいます。偽装請負の件についてどの程度摘発や指導をされたか、教えてください。
○政府参考人(高橋満君) いわゆる偽装請負の防止、解消に向けて、昨年の九月に、各都道府県労働局に対しまして監督指導の徹底ということについて指示する通達を発出したところでございます。 内容については既に御案内のとおりかと思いますが、この通達発出以降の指導件数、あるいは摘発した件数ということのお尋ねでございますが、ちょっと現時点では具体的な数字をお示しするような用意はございません。
○福島みずほ君 偽装請負をしっかりお願いします。 スポット派遣問題が非常に議論をされておりますが、労働者派遣法の規制を元に戻すべきではないか、規制強化を検討すべきではないか。これについてはいかがですか。
○政府参考人(高橋満君) 労働者派遣法の現在の法律的枠組みにつきましては、累次の見直し等々の中で、特に平成十一年におきましていわゆるネガティブリスト化をいたしまして、その際に派遣期間の制限等を設けたわけでございます。その後の、この期間制限につきましても一年から最長三年まで可能にするとか、対象業務につきまして、平成十五年におきましての改正でございますけれども、製造業務におきましてその対象にしていくと、等々の見直しを行ってきたわけでございますが、現行の制度におきましては、先ほど大臣から御答弁がありましたように、適当な内容であるというふうに思っておるところでございます。
○福島みずほ君 スポット派遣などが起きていることから、もっと規制を強化すべきだということを申し上げます。 大工職人が建設現場に派遣されるなど、建設業への労働者の派遣が実際に行われる事実を把握していますか。今後とも指導を強化してください。いかがですか。
○政府参考人(高橋満君) いわゆる建設業務の派遣法上の取扱いでございますが、これは御案内のとおり、派遣事業を行ってはならない適用除外業務になっておるわけでございます。したがいまして、建設業務についての労働者派遣は認められておらないわけでございますが、これら適用除外業務におきます労働者派遣に関しまして、平成十七年度において各労働局におきまして実施をいたしました指導結果の内容によりますと、全国で派遣元事業主並びに請負事業主、これは請負という形でやっているケースもあるかと思いますが、それら両者を合わせまして十四件の是正指導を行ったところでございます。 いずれにしましても、建設業務は適用除外業務になっておるわけでございますので、建設業務への派遣という事実が確認されました場合には厳正に指導してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 大臣が、微力ながら全力を尽くすと言ってくださっているパート法ですが、今現在、労働政策審議会雇用均等分科会で議論中です。十二月二十六日に建議が出される予定ですが、今回の法改正につきまして、今後のパートタイム労働対策について報告案というのがあります。正社員的パートについての差別的取扱いは禁止されるというふうになりそうですが、この正社員的パートは現状においてどのくらいの人たちが適用となるというふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 御指摘の正社員的パートでございますが、十二月の八日の労働政策審議会雇用均等分科会において提出されました報告案においては、その定義は次のようになっておるわけであります。通常の労働者と……
○福島みずほ君 済みません。時間がないので、結論だけで結構です。
○政府参考人(大谷泰夫君) はい、分かりました。 既存の統計資料においては、現在、把握することはまだできていないところでございます。
○福島みずほ君 いや、これ正社員的パート、通常の労働者と職務、職業生活を通じた人材活用の仕組み、運用等及び雇用契約期間等の就業の実態が同じであるパートタイム労働者なんですね。これについて差別的取扱いを禁止するということであれば、非常に限られた人しかならない。つまり、ある人の試算では五%、ある人の試算では四%ぐらいというふうに言われています。これは、パートタイマーの均等待遇の立法ではなく、パートタイマー非均等待遇のための立法になってしまうのではないかというふうに思っております。 厚生労働省が、こういう案がある中で、どの程度の人たちが適用となるか考えていないというのは理解できないんですが、いかがですか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 御指摘いただいた案でございますけれども、現在、公益委員の方々が取りまとめてこれは示された案でございます。これに基づきまして、今労使を含めて御議論をいただいておりまして、その状況を踏まえながらこれからの案を固めていきたいと考えておりますので、ちょっとそこについては現時点でなかなか申し上げるのは難しいところでございます。
○福島みずほ君 正社員的パートという概念をつくり、その人たちだけ均等待遇にするということは問題です。また、有期契約の人たちがパートの人は八割いらっしゃるわけですから、その点についてもきちっとしたパート法を作ってくれるよう、というか、国会でも作れるようきちっと意見を言っていきたいと思います。審議会での議論、是非よろしくお願いします。 次に、難病についてお聞きをいたします。 今朝の新聞でも報道されておりましたが、潰瘍性大腸炎六六%、パーキンソン病は五一%の患者が補助対象から外されるということで、極めて問題です。 この予算、一体外すことでどれぐらい予算がカットできるのかということなんですが、こちらで頼んで計算してもらったところ、推定四十三億円、読売新聞記事では四十億円となっています。厚生労働省の試算では幾らでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) まず、基礎となる数字でございますけれども、平成十七年度の医療費の公費負担額では、国と都道府県の負担額の合計で、潰瘍性大腸炎は七十四億円、パーキンソン病は百四十二億円、合わせると二百十六億円となります。これはすべての重症度の患者を含むものであります。 潰瘍性大腸炎の患者の軽症の割合が六六%、パーキンソン病の患者のうちヤール三度の割合は五一%でありまして、それは先生御指摘のとおりでございます。これを例えば掛けた数がそれぞれの重症度を仮にその対象から外すとしたときの数になりますし、それに、国と都道府県の負担額の割合がありますので、その比率が加わることになります。
○福島みずほ君 先ほどの金額で大体よろしいということですか。
○政府参考人(外口崇君) 具体的な数字は、例えば軽症の場合には重症の場合よりも医療費は少し少のうございますので精査するのはなかなか難しいんですけれども、金額の大きさ的にはある程度の推計値、先ほど申し上げたような数値、もちろん国と都道府県の割合を半分半分にするのか、今の数値を使うのかということはありますけれども、そういったことになると思います。
○福島みずほ君 なかなか数字を言っていただけないんですが、四十億円ぐらいということで、四十三億円ぐらいだと試算をしております。 タウンミーティングに掛かったお金、二十億円なんですね。二十億円掛けているんです。この潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の患者さんたちは、例えばパーキンソン病全体では七万人ぐらいいらして、とてもみんな不安で、これが自己負担になるととても生きていけない、大変だと心配をしています。これ、私はやっぱり、これでカットできるお金が約、カットと言うと変ですが、四十億円。でも、無駄遣い山ほどしているじゃないですか。だから、四十億円をここでカットするぐらいだったら他の無駄を削るべきだと。何万人という人たちの生活と人生を破壊するということと、無駄遣いのタウンミーティング、まあタウンミーティング、やり方はあれですが、無駄遣いの山を考えれば、厚生労働省はこういうところのお金を削るべきではないということを強く申し上げたいと思います。 最後に、被爆者二世について質問だけ、簡単に質問します。 これは実態調査を十年に一回やっていられて、被爆二世の数の把握なんですが、二世の人数を書くような項目は実態調査にはなく、同居家族の構成を聞く項目があるだけです。被爆二世についてきちっとした実態調査をすべきではないか。あるいは是非がん検診について、是非無料のがん検診をしてほしい。あるいは、健康に不安を持つ三世への健康診断についても国の負担による費用で実施してほしい。これについてはいかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 被爆者を親に持つ方々、いわゆる被爆二世については、これは被爆者援護法の対象となっていないので手帳の発行等の対象とはなっておりません。それで、その総数を把握するためには、これはすべての被爆者や被爆世帯を特定し、婚姻状況等も含めて調査を行うことが必要となりますが、調査対象が膨大となることや、プライバシーの問題等もあり、なかなか難しい問題があります。 それで、その被爆二世の方々についてのこの健康影響等についてでございますけれども、これは、現在までの科学的知見によれば、原爆放射線によるがんを始めとする疾病等への遺伝子的影響は認められていないことから、がんも含め特定の疾患に着目した検診は実施しておりません。 ただ、被爆二世の平均年齢が四十歳を超えてきていることなどを踏まえまして、放射線影響研究所において現在、被爆二世健康影響調査を実施しているところであります。御指摘のそのがん検診の問題等につきましては、まずはこの調査の結果についてよく研究し、その後検討してまいりたいと思います。 それから、被爆三世の方についての御質問でございますけれども、先ほど述べましたとおり、いわゆる被爆二世の方々に対する原爆放射線による遺伝子的影響は認められていない現状を踏まえると、被爆三世の方に対する健康診断を実施するということはこれは難しいのではないかと思います。
○福島みずほ君 時間ですので終わります。
○委員長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会