厚生労働委員会 第4号
- 発言数
- 326 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/11/28
会議録
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長外口崇君外十名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国においては、国民の生命及び健康に影響を与えるおそれがある感染症の病原体等の管理が研究者、施設管理者等の自主性にゆだねられており、その適正な管理体制は必ずしも確立されていない状況にあります。また、感染症の予防に関する施策の国際的な動向にかんがみ、生物テロに使用されるおそれのある病原体等の管理の強化が重要な課題となっております。 このため、最近の海外における感染症の発生の状況、保健医療を取り巻く環境の変化等を踏まえ、生物テロによる感染症の発生及び蔓延を防止する対策を含め、総合的な感染症予防対策を推進することとし、本法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、病原体等について、その病原性及び国民の生命又は健康に対する影響に応じて一種病原体等から四種病原体等までに分類し、所持又は輸入の禁止、許可及び届出、基準の遵守等の規制を創設し、その適正な管理体制を確立することとしております。 第二に、最新の医学的知見等を踏まえ、南米出血熱を一類感染症に、結核を二類感染症に追加し、重症急性呼吸器症候群を一類感染症から二類感染症に改め、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス及びパラチフスを二類感染症から三類感染症に改めるとともに、検疫法による検疫の対象からコレラ及び黄熱を除外することとしております。 第三に、感染症の発生及び蔓延の防止を迅速かつ的確に行うため、慢性の感染症の患者及び疑似症患者の届出制度を創設するとともに、厚生労働大臣及び都道府県知事は、感染症に関する情報を積極的に公表することとしております。 第四に、患者等の人権の尊重の観点から、就業制限、入院勧告等の措置に関し、感染症の診査に関する協議会の意見聴取、患者の意見陳述及び苦情の申出等の手続を整備することとしております。 第五に、総合的な結核対策を推進するため、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に結核予防対策として必要な定期の健診、通院医療等に関する規定を、予防接種法に結核の定期の予防接種に関する規定をそれぞれ設け、これに伴い結核予防法を廃止することとしております。 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日としております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中原爽君 おはようございます。自由民主党の中原でございます。 ただいま大臣から御説明のございました今回のこの法律案の趣旨につきまして質疑をお願い申し上げます。 それと、先般、医師の不足につきまして、産婦人科あるいは小児科医が人数が少ないということで検討をされているわけでございますけれども、歯科医師については逆に過剰ということでございまして、それも今問題になっておりますので、お時間を後ほどいただきまして、歯科医師の過剰問題についてちょっと御審議をしていただきたいというふうに思います。 それで、この法律でありますけれども、去る十月の二十四日、本委員会の冒頭で柳澤大臣のごあいさつがございまして、そのレジュメの八ページには、最近の海外における感染症の発生の状況、保健医療を取り巻く環境の変化等を踏まえ、生物テロによる感染症の発生及び蔓延を防止する対策を含め、総合的な感染症対策の推進が必要であると、こういうふうにごあいさつをいただいているわけであります。 その後、十月の末、三十一日になりまして、別のところからこのテロ対策特別措置法に基づく対応措置に関する基本計画の変更ということがございまして、これ、私、中を見まして、テロの対策でありますからこの生物テロのことが書いてあるかと思いましたら、これは何と自衛隊の任務の延長をするというだけのことでございまして、何も生物化学テロのことは書いてございませんでした。 この生物テロに関係いたしますのは、平成の十三年の十一月八日に政府で決定をされました生物化学テロ対策政府基本方針というのがございまして、それからこの感染症の生物テロということについてずっと経緯があるわけでございます。この十三年の政府の基本方針による生物化学テロ、当時は生物化学という言葉が入っておりまして、化学の化学が入っております。生物化学テロということでございました。 十三年以降、この関係について、厚生労働省として各関係省庁との対処の経緯の概略を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今先生仰せのとおり、平成十三年十一月八日に、政府におきましては生物化学テロ対処政府基本方針というものを決定いたしております。この基本方針でございますけれども、この基本方針におきましては、まず第一にテロの発生時において事態をいかに迅速に認識するか、情報の行き交いの下で共通の認識を持つということが、各機関において共通の認識を持つということが非常に必要だということになっておりまして、そこでこの基本方針に基づきまして、テロ発生時におきましては、まず異常の早期把握と原因究明に関しまして都道府県等へ直ちに要請を行うということが第一でございます。 第二に、テロに使用された可能性の高い病原体による感染症につきまして、診断であるとか治療方法に関する知見、知識と情報というものを関係機関へ提供するということが第二でございます。そして、警察、消防それからまた保健医療機関等との緊密な連携、連絡を取るという、そういうことが必要でございまして、そのようなことを可能とする体制の構築を図ってきてまいっているわけでございます。 それからまた、テロの被害発生時にその治療を行うために感染症指定医療機関の整備や医薬品等の確保、備蓄を行う必要がございます。そうした医療提供体制の整備、充実を図ってきているということがございます。 それに加えまして、今回の私どものこの感染症法改正案におきまして、生物テロに使用される可能性の高い病原体等の管理体制をより的確に確立いたしたい、こういうことの目的からこの改正をお願いしたわけでございまして、是非御審議の上御賛同を賜りたいと、このようなことを考えております。 今後とも、関係省庁との連携を密にいたしまして、生物テロ等への対策の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。
○中原爽君 ありがとうございました。 それで、この今回の法案でございますが、いずれにしても、検疫関係のことも、検疫法も改正になるということで今御説明いただいているわけでありますけれども、SARSコロナウイルスを一類の感染症から二類に変更するとか、コレラと黄熱病は検疫法の検疫対象から外すというようなことが行われているわけでありますけれども、それはそれなりの変更、削除の理由があるわけでありますが、問題は、生物化学テロということになりますとどういう細菌、病原体をテロに使うかということになります。 テロを行う人たちも、自分たちが感染するということもあるわけでありますので、その病原体をどうばらまくかということについては検討しているんだろうと思いますけれども、この問題について政府の基本方針は、炭疽菌について、十三年当時でございますけれども、白い粉がアメリカ辺りで送り付けられたというようなことがございまして、炭疽病、炭疽菌に対するいろいろな対策をまず考えておられたようであります。特に不審の郵便物が届くというようなことで、白い粉が入っているというようなことでありまして、このことについて厚生科学審議会の感染症分科会でこの炭疽菌による生物テロを想定したということも検討されておりますので、この辺りはまだこの炭疽菌に対する問題というのが引き続いていると思うんですけれども、そのことと、それから、この炭疽菌以外に生物化学テロに使用される可能性のある病原体というものも想定されるのかどうかですね、その辺り、ごく簡単で結構でございますので、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(西山正徳君) 平成十三年、米国におけまして炭疽菌事件が発生しております。これを受けまして、厚生労働省としては、まず、先ほど大臣からお話ありましたように、警察庁、消防庁あるいは郵政省というところで関係省庁との連携あるいは初動体制の強化を図るというようなことがまず大事だと思っています。続きまして、医療機関の整備や保健所における対応を図ると。さらに、国立感染症研究所あるいは検疫所、あるいは地方の衛生研究所、こういったところで確定的な診断を迅速にしなきゃいけないというようなことでのチームをつくっております。こういったことを平成十三年十一月に都道府県に対しまして通知をいたしております。 また、政府全体としましては、緊急参集チームを招集することになりまして、関係省庁の連携の下で対応を行うということになっております。 肺炭疽でございますけれども、これは米国でも実際に起こったんですけれども、フルオロキノロン系抗菌薬を早期に大量投与することが有効でございますので、国内の流通の在庫量、これを定期的に把握するというようなことを行っております。 それから、二つ目の御指摘でございますけれども、今先生もおっしゃいましたように、生物テロに使用される可能性のある病原体につきましては、まず安いということと、それから開発コストが比較的安いということと、安全に持ち運びができるという、それから、散布された生物剤が環境中で安定して存在できるというようなことが一つのメルクマールになると考えていまして、私ども、炭疽菌以外に天然痘、ペスト、ボツリヌス毒素などが生物テロに使用される可能性があるというふうに考えて対応をしております。 以上でございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 それで、三問目を質問しようと思いましたけれども、先ほど柳澤大臣から提案理由で述べられております内容でございましたので、これは省略をさせていただきまして、次、インフルエンザ、鳥インフルエンザ関係で御質疑をお願いしたいと思います。 鳥インフルエンザは四類の感染症として、それから鳥インフルエンザを除く、まあ一般的というかほかのインフルエンザは五類の感染症に分類、区分したわけでありますけれども、この鳥のインフルエンザが新型インフルエンザ、新型ウイルスに変異をするというようなことでございまして、前に豚の絵だとかアヒルの絵だとかというカラーの絵で説明されたことがございまして、この関係、鳥インフルエンザと新型ウイルスとの関係、定義といいますか、それを概略だけ御説明いただいて、このワクチン製造の考え方も併せて御説明いただきまして、もう一つ、こういうインフルエンザが広範囲に起こるということになりますと、変異の株や何かに対するいろいろなワクチンを製造するということでありますけれども、今回、ベトナム株をインドネシア株に変更していろいろな対策を取るということでありますが、両方ともHの5のNの1型のウイルスの株でありますので、ベトナムからインドネシアに変更したというような理由を簡単で結構でございますので御説明いただいて、それと、新型インフルエンザの対策行動計画というのが平成十七年の十一月に厚労省の方で取りまとめていただいているんですが、これが、今回、十八年の五月に改定されているわけでございます。この改定版と前回の平成十七年のものとどういうふうに内容が違っているのかということを簡単で結構ですが、御説明いただきたい。
○政府参考人(外口崇君) 鳥インフルエンザとは、一般的に自然界においてカモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類に感染するインフルエンザのことをいいます。 通常、インフルエンザウイルスは、人同士あるいは鳥同士といった同じ種の間で感染するものでありますが、これまでに人に感染しなかった鳥インフルエンザウイルスが変異して人へ感染するようになってきております。今後、更に変異が進んで容易に人から人へ感染するようになった場合を新型インフルエンザウイルスといい、そのウイルスによって起こるインフルエンザを新型インフルエンザと称しております。 新型インフルエンザワクチンにつきましては、新型インフルエンザ対策行動計画に基づき、新型インフルエンザ発生の初期対応として、医療従事者や社会機能維持者等に対して速やかにワクチンを供給できるよう、プレパンデミックワクチン原液を製造して貯留することとしております。 具体的には、本年九月から、ベトナムで二〇〇四年に鳥―人感染を起こしたウイルス株、これをクレード1の株と呼んでおりますけれども、この株を用いてプレパンデミックワクチン原液の生産を開始しております。さらに、近年の鳥インフルエンザH5N1型の流行を踏まえ、ワクチン製造用株の見直しを行い、より流行に結び付きやすいという予測の下に、インドネシアで二〇〇五年に鳥―人感染を起こしたウイルス株、クレード2の株でございますけれども、これを用いたワクチン製造に切り替えることとしたものであります。 新型インフルエンザ対策行動計画につきましては、平成十八年五月に改定を行ったところでありますが、インフルエンザH5N1について、当該感染症の患者数の増加や当該ウイルスが人に感染しやすいものに変異してきているなどの報告がなされていたという状況の中で、事前予防型の措置として、WHOの分類するフェーズ3の段階において、平成十八年六月にインフルエンザH5N1を感染症法に基づく指定感染症に政令指定するとともに、検疫法の検疫感染症に指定するための政令改正を行うこととし、これに伴った行動計画の記述を変更したものでございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 プレパンデミックのワクチンに対するウイルス株を変更して行うということについて御説明いただきました。ありがとうございました。 それでは、一般にインフルエンザの治療薬として、ウイルスの表面たんぱく質を阻害する薬品でありますけれども、商品名で申し上げるとタミフルでありますが、この薬品はインフルエンザ発症後四十八時間以内に服用しないと効果が得られないと、こういうことになっているわけであります。 したがって、広域な、パンデミックな大規模流行が発生したという場合には、できるだけ早く、早期の入院施設に患者さんを移送するということと、それに伴って四十八時間以内の投与ということになるわけでありますけれども、これがいろいろ総務省からもこの状況について御指摘がございましたし、今後も大規模なインフルエンザの発生が起こるということは可能性は十分あるわけでございますので、このことについて、医療機関あるいは公的機関はどのような対策、今フェーズの基準等もお話がございましたけれども、フェーズ3ですと鳥から人と、4以降になると人から人ということになるわけですが、だんだんパンデミックな状況に陥るということでありますので、それと、鳥インフルエンザ感染の場合には、鳥インフルエンザウイルスが変異を起こしてこのフェーズ3から4以降に移行するわけでありますけれども、この時点で、変異の新型ウイルスということになると、鳥の方ともう関係なく一般的なウイルス感染として考えるのかどうか、こんなところをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) まず、タミフルについての御質問がありました。 通常のインフルエンザについては、ロシュ社において世界的なタミフルの製造能力の現在増強等が行われており、我が国に必要なタミフルは確保されていくのではないかと考えております。 新型インフルエンザ対策としての抗インフルエンザウイルス薬につきましては、国と都道府県において二千五百万人分の備蓄を進めるとともに、その使用については、新型インフルエンザ対策行動計画において、感染の状況において、すなわちフェーズ3から4、5、6と流行が拡大するに応じて対策等を規定しているところであります。具体的には、例えば抗インフルエンザ薬についてでございますけれども、人―人感染が生じた場合には、厚生労働省において抗インフルエンザウイルス薬の確保のため、新型インフルエンザの疑い患者以外のいわゆる通常のインフルエンザについては使用を控えるよう医療機関に指導をする、あるいは更に感染拡大が見られる場合には使用の優先順位を規定すると、そういったことも含めて対策を考えております。
○中原爽君 ありがとうございました。 先ほども申し上げましたが、今お答えの中にもございますけれども、総務省が今年七月二十五日に勧告をされまして、改善の必要性が認められると、特に検疫関係も含めてでありますけれども、新型インフルエンザ対策における患者の入院先病院の確保や病院への患者の移送対策が未整備だと、特に東京都だったでしょうか、そういうところは非常にこの移送対策が未整備だということが目立つということでありまして、これを改善しろという勧告が出されているわけであります。 そうしますと、今回この感染症予防法等の一部改正が行われまして、改正の法律になるわけでありますけれども、そういうふうになっても、今総務省から指摘をされている勧告の内容というのは変わりはないというふうに思うんですね。厚生省としてはまだ総務省にこの勧告に沿った回答はされていないと思いますので、そうすると、この改正の感染症予防法において引き続き対策を行っていくと、指摘事項についてですね、必要があると思いますので、この辺のところで厚労省の今後の対応の在り方を御説明いただきたい。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の新型インフルエンザの発生に備えた医療提供体制につきましては、昨年十二月に必要な対応が取られるよう各都道府県に対して要請するとともに、本年六月にはインフルエンザH5N1を指定感染症に政令で規定して、感染症指定医療機関への感染症法に基づく入院を可能としたところであります。 御指摘のその総務省の勧告でございますけれども、確かに入院先の病院の確保というのは大変大きな課題であると思います。したがいまして、この勧告が出された後、全国主管課長会議の場において改めて同様の要請を行うとともに、新型インフルエンザ発生時における医療提供体制、移送体制の確保等の対応策に関して、厚生労働省に設置している新型インフルエンザ専門家会議において現在検討を進めております。その結果も踏まえて必要な措置を更に講じていきたいと考えております。
○中原爽君 ありがとうございました。 申し上げております総務省からの勧告の要旨はこういうふうに書いてございます。 新型インフルエンザ患者の入院先病院の確保状況及び未確保の場合の原因を早急に調査し、その理由に応じて、具体的な確保方策を都道府県に対し助言することということでございますので、これをやっていただくということになると思いますし、新型インフルエンザ患者が多数同時に発生した場合に備え、関係機関が連携した移送体制の確立について、関係機関と協議して早急に検討をしろと、こういう勧告の要旨でございますので、私も、総務省関係になりますけれども、行政監視委員会に所属しておりますので、この点についてしっかり対応をしていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 それから次に、十九年度、今これから予算編成が始まるわけでございまして、厚労省としてはこの感染症関係の予算の概算要求をされているということだと思います。 感染症対策、それから新型インフルエンザの対策の推進、それから先ほど来の新型インフルエンザ対策行動計画、これに基づいて、タミフルだけではございませんけれども、インフルエンザのワクチン、こういった重要医薬品の供給確保の費用を概算要求をするということになると思いますので、その概略は昨年度よりも増額して要求されていると思います。 また、もう一つは今度税制の関係になるわけでありますけれども、今回は結核予防法を合併するというような形になってくるわけでありまして、また感染症の分類も分類に応じていろいろ考え方は出てくるわけでありますので、結核等を含めた感染症の分類と今後の税制上の所要の措置をどういうふうに考えるのかと。 税制の要求書の中には、所要の措置を行うということで、所得税、法人税、消費税、それから受給権の保護という項目がございまして、恐らく受給権の保護というのは、結核症の患者さん辺りで、何かの生活保護ではありませんけれども、そういった関係の受給をしていただいている権利をこの感染症に結核予防法が合併したということでこの受給権の保護がなくなってしまうということにはならないと思うんですけれども、そういう意味で、予算上の問題とそれから税制上の問題につきまして、重要なことでございますので御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 平成十九年度の概算要求におきましては、感染症対策として、迅速な情報の把握、海外からの侵入を防ぐための水際対策、患者発生の際の移送、医療、感染拡大防止対策などに重点を置き、感染症対策の強化を図っているところであります。また、新型インフルエンザの大流行に備え、必要な医薬品の備蓄を行うとともに新型インフルエンザの研究の推進を図るなど、新型インフルエンザ対策を推進しているところであります。これらの対策を推進するために、平成十九年度概算要求において感染症対策費は、対前年度比八五%増の百九十九億円を計上しているところであります。 このうち重要医薬品供給確保費として、抗インフルエンザウイルス薬の目標備蓄量を確保するための予算を平成十七年度から要求しているところですが、この目標備蓄量、全人口の二五%が新型インフルエンザに罹患すると想定した上で、CDCの推計モデルを使って二千五百万人が医療機関を受診する患者数と推計しておりますが、平成十九年度概算要求においては、備蓄目標量の残量、残りの量であるタミフルを三百万人分、リレンザを二十八・五万人分を確保するため、七十六億三千万円を計上したところであります。 次に、税制上の改正点についてのお尋ねでございますけれども、今回の感染症法の改正及び結核予防法の廃止に関連する税制措置につきましては、結核を含む感染症の予防及び蔓延措置が適切に実施されるよう支援する趣旨から要望をしております。 今回要望している事項、大きく分けて二つございまして、一つは感染症の分類の追加、見直し等に伴い、一類感染症及び二類感染症に関して、従前から認められている税制措置について改正後の一類感染症及び二類感染症に関する措置として継続すること。もう一つは、結核予防法の感染症法等への統合後も、結核対策の重要性にかんがみ、従前から認められている税制措置について引き続き同様の取扱いとすること。例えば、結核予防会が行っております定期健診等についての非課税措置を継続するとか、そういった内容でございますが、こういったことでございます。 今後とも、当該要望につきまして、税制当局と相談し、十分な措置が講じられるよう努めてまいりたいと考えております。
○中原爽君 ありがとうございました。 先般、衆議院の方での御審議の際に、ただいまお話しのございましたこういう医薬品の備蓄について、特に商品名タミフルなどは、委員の御発言、衆議院の御発言でございますけれども、賞味期限が切れるというようなことのお話がございました。賞味期限ということではなくて、薬品の有効期限ということだと思いますけれども、こういったことについてはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。二百万人とかそういう関係の備蓄をしていくということになると思いますので、どこかで破棄をするということになりますから、新しいものをリサイクルを、リサイクルじゃありませんけれども、サイクルをして、古いものを破棄して新しいものを追加するということになるかと思います。 その関係と、もう一つ、今は休眠状態のような感染症でありますけれども、これが再興というわけですかね、新興あるいは再興の形で再び感染症としてぶり返してくるというような状況があります。こういったことの研究という意味で考えておられる予算組みがあるとは思いますし、それから、この再興感染症対策ということで病原体を管理するという方法などについて予算化ということでありますし、それから、いろいろSARSや何かの感染予防のガイドラインや何かをお作りになっておられますので、この関係の予算組みも行っておられると思いますので、概略で結構でございますが、追加で御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) まず、タミフルでございますけれども、有効期限五年ということになっておりますんで、有効期限を過ぎたものについては基本的にはもう使えないということになると思います。 それから、新興・再興感染症の研究でございますけれども、新興・再興感染症研究費が、今、十八年度は二十三億二千六百万円のところ、十九年度二十九億三千三百万円の要求をしておるところでございまして、これも大変重要な分野でございますので、推進していきたいと考えております。 それから、ガイドラインにつきましても、これもできるだけ分かりやすいガイドラインということで、今、当面の課題は、新型インフルエンザが流行し始めたときに行動計画をより具体化したものとしてのガイドラインを作るということが最優先の課題でございますけれども、そういったことも含めて、ほかの感染症につきましても感染症研究所等々、専門家と相談しながらいろいろと対応を進めていきたいと考えております。
○中原爽君 御説明ありがとうございました。 御指摘のように、SARSや何かは現在休眠状態というか抑え込んだという状態になっているわけでありますけれども、またいずれ再興した感染症ということでまた出てくる可能性がありますので、そのことについては十分、もうSARSは終えんしたから予算はなくていいんだということにはならないと思いますので、感染症でありますので、その辺の予算確保をひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 それともう一つ税制の問題について、結核予防法の関係や何かで御説明はいただきましたけれども、今回、感染症の分類を行うということでありますから、感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正することについて、どうなんでしょうか、予算を要求するときに、大体、この感染症予防法が改正になったので、税制の問題についても何とかしてほしいという程度の予算といいますか、税制上の要求をするという程度に今回はとどまるのかもしれませんけれども、この辺のもう少し詳細に、例えば所得税、法人税、消費税、それから先ほどの受給権の保護、それから住民税、事業税と、これ全部税制に関係があるわけでありますけれども、この辺りは、今日の時点では詳しい税制上の措置の要求はできないということであればそれで結構でございますけれども、概略だけ御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 感染症類型の見直しに伴いまして、感染症対策に関して従前から認められておりました税制上の措置というと、例えば社会保険診療報酬の所得計算の特例、これは所得税の関係になります。それから、感染症患者に対する入院措置による医療にかかわる非課税措置、これは消費税とか事業税が絡みます。それから、貯蓄保険の課税標準の算定にかかわる優遇措置等、これは住民税等になります。こういったことについて従来どおりの取扱いを続けるということになると思います。 なお、減税見込額につきましては、これは前からの、従前の措置が続くわけでございますから、額的には、数字的には動かないと思います。
○中原爽君 詳しくありがとうございました。 それでは、結核関係でございますが、厚生労働省から結核の指標ですね、指標の数値の国際比較が二〇〇三年度分で出されております。それによりますと、新しく患者さんとして新登録患者数、それから人口十万人に対します罹患率、それから新規患者さんの喀たん塗抹検査の患者数、こういったことの比較が行われているわけでありますけれども、米国、英国、ドイツ、豪州というような区分になっておりますが、どうも日本がいずれの数値も、この諸外国に比べまして数倍以上悪い数値になっているわけでございます。 今回、現行の結核予防法を新しく感染症予防法に組み入れて、結核を二類の感染症ということに規定するということになると思うんですけれども、こういうふうに結核予防法を合併したということについて、今後、従来から日本の国民病と言われております結核について、この諸関係の指標が改善が図られる、図らなきゃいけないんですけれども、この辺りの見通しですから、見通しで答えろというのも非常に難しいと思うんですけれども、この辺り、どういうふうに考えたらいいのか。とにかく、結核を撲滅したいということが当初の一番重要な課題であります。 それから、現在、結核の治療薬剤の多剤耐性という結核菌がありまして、これがまた分類上違うんですよね。一般の結核菌と薬剤耐性の結核菌の分類が違うということになっておりますので、こういった現行の多剤耐性の結核菌に対して厚労省としてはどうお考えでしょうか、御説明いただきたい。
○政府参考人(外口崇君) 先日取りまとめました平成十七年度の結核発生動向調査の結果によりますと、人口十万人に対する新登録の結核患者数を示す罹患率が二二・二であるのに対し、他の国では、平成十六年の数値ですけれども、アメリカが四・九、ドイツが七・三、イギリスが一一・八となっております。このように、我が国においては結核患者は年々減少傾向にあるとはいえ、平成十七年においても二万八千人余の新規登録患者が発生するなど、引き続き我が国においては無視できない重要な感染症として十分な対策を講ずる必要があると考えております。 このため、改正感染症法においても入院勧告の規定など、結核についても感染症対策全般に共通する規定を適用し、人権を尊重した適正な手続を拡充をするとともに、従来の結核対策に加えて積極的疫学調査の実施など、より実効ある対策を講ずることとしたものであります。 法改正に伴いまして、結核対策にとって固有に必要となる定期健康診断や通院医療、直接服薬確認療法、DOTSでございますけれども、こういったものにつきましては感染症法においても引き続き関係規定を設けることとしております。また、今般の改正によりまして、疫学調査や動物の輸入に関する措置など、従来の結核予防法にない措置も新たに結核について行えるようになります。 また、多剤耐性結核につきましては、これは治療を中断してしまった場合に発生することが多いとされており、現在、推計では約千五百人の多剤耐性結核の患者さんがいるとされております。今後、直接服薬確認療法等の徹底によりまして、多剤耐性結核の発生が増加しないよう取り組んでまいりたいと考えております。
○中原爽君 ありがとうございました。 それでは、恐れ入りますけれども、資料の配付をお願いいたします。 〔資料配付〕
○中原爽君 よろしいでしょうか。 資料番号が右の上に数字で振ってございます。先ほどちょっとお願い申し上げました歯科医師の過剰問題につきまして、私なりの御意見も申し上げたいと思っております。 一番の資料でありますが、「確認書」となっておりまして、平成十八年八月の三十一日付け、文部科学大臣と厚生労働大臣の両方の方によります確認の内容であります。「歯科医師については、以下のとおり、養成数の削減等に一層取り組む。」ということでありまして、「(1)歯学部定員については、各大学に対して更に一層の定員減を要請する。」と、これは文科省関係であります。入口の方であります。それから、「(2)歯科医師国家試験の合格基準を引き上げる。」、これは出口の方でございます。そういう確認書が、これは厚生労働省の医政局の総務課から私がちょうだいした確認書でございます。 これについて御質疑をお願いしたいと思うんですが、現在、厚生労働省の医政局歯科保健課の方では、今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会を今開いておられまして、それの検討事項の中にこの歯科医師の過剰問題が出ております。 現在、平成十七年の歯学部の総募集人員、国公私立全部でありまして二千六百六十七名、これに対して今度の十八年の国家試験の合格者数でありますけれども、二千六百七十三名でありまして、出口と入口ほぼ同じ人数になっております。今後この状態が続くと大変な状況になるということでありまして、これを四五%減らせというわけなんですね。この四五%というと大体千二百人程度であります。入口が千二百、それから出口も千二百にしろと、こういうことになるわけであります。そうしないととんでもない状況になってくるということであります。 まず厚労省の方として、出口の方の問題でありますけれども、歯科医師の国家試験の合格基準を引き上げるということであります。資料の二をごらんいただきたいと思います。 これが直近の合格基準でありまして、九十九回、これは十八年、九十八回が十七年の基準であります。四角く囲っておりますところがその基準の点数になろうかと思います。随分違っているということでありまして、九十八回よりも九十九回の方が合格基準は高くなっているというふうに見取れるわけであります。 ところが、試験問題でありますので、一応不適切な問題が出るわけであります。どうもこれは採点上的確でない、そういうことで採点除外をするというものが出てまいります。九十八回の試験のところをごらんいただくと、B問題の二問目を削除、それからC問題の一問目と二問目を削除、それからD問題の六問目を削除するということになりまして、計四問を採点除外すると。出題総数が三百六十五問中でありますけれども、ところが、この四問というのは③の必修問題の中での採点除外でありまして、①の一般問題あるいは②の臨床実地問題、④とか、そういった問題については公表されていないわけであります。必修ということについて不適切な問題を公表したということになると思うんですが、実際には四問以上に不適切な問題があって、恐らく採点除外をされているんだろうというふうに思います。それから九十九回も同様でございまして、九十九回のときの必修問題の採点除外は六問ございました。 こういうことでありますと、基準を決めるわけですから、合格基準、歯科医師として具有すべき知識と技能についてこれを行うという歯科医師法になっているわけでありますので、その合格をさせるかさせないかという内容についても、これも医師法あるいは歯科医師法で決めてあるわけでありまして、例えば歯科医師国家試験は、臨床上必要な歯科医学及び口腔衛生に関し、歯科医師として具有すべき知識及び技能についてこれを行うと、こうなっているわけであります。この合格の決定については、やはりこの基準をどうするかということも検討課題になっているという条文があるわけであります。 そうしますと、合格基準が毎年毎年違ってくるということになると、これもおかしなことでありまして、去年よりも今年の方が合格基準難しい、それはそれだけの実力のある方が歯科医師になるということは大変結構でございますけれども、毎年大幅に点数除外の問題が出るというのも、これも大変困ったことであります。 大学の入試センターの試験がありまして、私も入試センターの試験委員を長らくやっておりましたけれども、大学入試センター試験で不適切な問題が出ますと大騒ぎになるんですね。マスコミはわっと騒ぎます。というのは、入学試験というのは一定の人数しか入学できませんので、ですから、そこで不適切なセンター試験の問題が出ちゃうと自分がどうなるかということで大騒ぎになるわけですね。ところが歯科医師の場合には、これは入学試験ではございませんので、ある一定の合格基準を満たせば何人であろうと合格するわけなんですね。 しかし、この不適切な問題をこれだけ出てくるということは、私は、合格基準が狂うということになるので、合格基準を高めるというのは大変結構でございますけれども、不適切な問題が出ないように、これ是非きちっと始末をしていただきたい、これをまずお願いしたいというふうに思います。これは厚労省についてのお願いでございます。 それから、次の三番の資料でありますけれども、これは文科省関係でございまして、大学設置基準というのがあります、十八条。 大学の収容定員というのは、学科又は課程を単位として学部ごとに学則で決めろと、こうなっているわけですね。ただ、学則で決めるといいましても、教員の組織であるとか校地とか校舎、入学定員、収容定員が入り切れないような狭い校舎じゃ困るわけでありますから、そういった基準が別にあります。それが別表のロというところで、医学又は歯学に関する学部に係るものということで、左側の方に歯学関係がございます。一番下の段が収容定員九百六十名の場合の基準でありまして、校舎の基準と附属病院の面積の基準が書かれてございます。 これで、さらに一番左側の縦書きの数字のところの一番下の段をごらんいただきますと、収容定員が九百六十人、これ学則上で九百六十人を決めるということですから、その六分の一が入学定員になりますので、百六十名が入学定員になっているということであります。以下、上の方で、八百四十名の収容定員で入学定員が百四十名ということになるわけですが、現在、私立の歯学大学関係ですとこの百六十名とか百四十名、あるいは百二十名の入学定員を更に二〇%自主的に削減しているわけであります。そうすると、入学定員百六十名の場合二〇%削減しますと百二十八名、それから百四十名の入学定員で二〇%削減すると百十二名と、こういうふうになっていくわけであります。でも、これでも今足りない。結局、こういうふうに自主的に二〇%、学則上の定員を更に二〇%削減して今募集しているわけなんですけれども、これはただ単純に自主的に削減しているだけの話でありまして、法的な根拠は何もないということになります。 次の四番の資料をごらんいただきたいと思いますが、カラーの資料でございます。これは文科省がお出しになっている資料でありまして、一番左側の方ですけれども、定員割れ大学に対する助成の見直しということで、一般補助となっています。定員割れ等が続いている大学等については、一定期間で改善が見られないということであれば私学助成を削減すると、こういうことでなっているわけですね。現実問題はもう十八歳人口が激減しておりますので、もう来年、再来年辺りで大学総数の入学定員と受験者数が同じになってくるという状況になります。 そうしますと、歯科大学の場合も、二〇%削減をしているのはいいんですけれども、自主的に削減していてもまた更に志願者が来ないという歯科大学、歯学部が出てきます。そうしますと、私学助成との関係はどうなるのか。学則上はまだ百六十名の入学定員、収容定員が九百六十名、しかし募集人員は百二十八名ということになって、そのところで受験生が来ないという状況になると私学助成をどういう形で受けるのかということでありまして、学則上の定員で受けるのか、あるいは二〇%削減したところで受けるのかと、こんな質問が私のところへ来るわけなんですね。私も返事のしようがない。 これを解決するのは、一つの方法として申し上げたいのは、やはり学則上の定員を二〇%削減するのではなくて、二〇%削減に見合った学則上の定員に直すということがまず先決問題だろうというふうに思います。その御提案をしたいというふうに思うんですね。 例えば、収容定員が九百六十名の学則上の定員であると、現在二〇%削減して入学定員が百二十八名で募集しているということである、こういう歯科大学、歯学部については、これ、どうでしょう、例えば収容定員を四百八十名まで下げまして、それで二〇%削減をしないということで正規の八十名で募集するか、あるいは収容定員を六百名まで学則を変えて、入学定員を百名で募集するとか、そういうふうにしないとこの私学助成との関係が明確でなくなるということと、今の自主的に二〇%削減するのでは明確でないということが一つという問題と、十八歳人口が激減しているというのはもう目の前の問題でありまして、受験生が来ないということにつながるわけであります。 そういう意味で、それと、更に四五%削減しろと言われているわけですから、それを現実問題、法的にきちっと整理をするのは、取りあえず九百六十名の現在の学則定員を収容定員七百二十に下げる、あるいは収容定員六百名に下げると、そういう形できちっと学則を整理されるということがまず当初の必要なことでないか。くどいようですけれども、十八歳人口が激減しているということと、それからこの私学助成の在り方、定員に満たない大学については私学助成を削減するという方向性がうたわれていると。この二つをつかまえまして、このところを何とか改善をしていきたいというふうに思うわけであります。 これは先ほどの一番の資料にございましたように、「歯学部定員については、各大学に対して更に一層の定員減を要請する。」と、これは文科省が要請されるわけでありますけれども、要請するのは簡単ですよ。文書一枚で四五%減を目指して削減をしてくれという文書が来ますよ。だけど、今申し上げたような状況で、現在も自主的に二〇%下げている、これを更に四〇%まで下げるということがあっても学則上の規定はそのままということでは、またちぐはぐした状態が続くということになります。この辺のところを文科省としてきちっと整理をしていただきたいというふうに思います。 そういうことで、お答えをしていただくことがございましたら、あとわずかな時間でございますので、お答えいただいて、五番の資料はまた次の機会でお願いをしたいというふうに思いますので、今回は五番の資料については質疑を取り下げさせていただきたいと思います。 ただいまの定員問題について概略お答えがございましたら、もうわずかな時間でございますので、お答えがなければそれで結構でございます。
○政府参考人(辰野裕一君) お答え申し上げます。 私立大学歯学部の入学定員につきましては、昭和五十七年の閣議決定や平成十年の当時の厚生省から示されました歯科医師数の考え方等を踏まえまして、現在まで学則上の収容定員数又は募集人員数について一定の削減が進められてきているところでございます。この場合、学則上の収容定員数を減らさずに募集人員数を減らした場合には、在籍学生数が収容定員数に満たないものといたしまして、現行の私学助成上は補助金額の一定の減額が行われるという仕組みになっているわけでございます。 収容定員数と募集人員数いずれかを削減するか、これは各大学の判断に最終的にはゆだねられているものでございますけれども、文部科学省といたしましては、各私立大学が今後の十八歳人口の減少やこのような私学助成との関係等も踏まえた適切な対応を取りつつ、歯科医師の養成数の一層の削減を図るよう、様々な機会を通じまして要請を行ってまいりたいと考えております。
○中原爽君 ありがとうございました。 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。 実はこの感染症の予防法の改正というのは、私が初当選したときに一番最初に質問させていただきました思い出深い法案でございまして、二週間ほど毎日厚生労働省の役人の方が私の部屋に来てくださってレクをしてくださいました。私の疑問に全部答えてくださいまして、いやもう質問することがなくなるなと、そういう思いを持ったのと、それから、やっぱり役人といろいろ議論して、闘って勝つということは相当大変なことだなとあのとき思いまして、それから本当に一生懸命勉強させていただきました。今日は、法案のその逐条審査といいますか、条文に沿って少し質問をさせていただきたいと思います。 この感染症の予防法はちょっと特異な法律だと思っているのは前文が置かれていることでして、今までの感染症の治療とかそれから患者さんに対しての対応というんでしょうか、そういったことに様々問題があったためにきちんとした前文が置かれて、それから条文が置かれているという、ちょっと特殊な形になってきているんだろうと思います。 今回、ここの中でテロ対策がこの法律の中に盛り込まれていくわけですが、そうした場合、前文の在り方等その辺のところは基本的に変わらなくていいんでしょうか。まずこの点について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 今回の改正法案につきましては、病原体等の管理に関する規定が新たに追加されておりますが、その目的は、生物テロを含む人為的な感染症の発生及び蔓延の防止を図るためであります。 前文及び目的規定が目指す本法の目的でございますが、それぞれ、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進であり、また感染症の発生の予防及びその蔓延の防止を図ることによる公衆衛生の向上及び増進の推進であります。 病原体等の管理につきましても、こうした規定の趣旨、内容を超えるものではないと考えておりまして、前文及び目的を変更しなかったところであります。
○櫻井充君 元々の法案の作り方は、人為的に蔓延するというようなことは想定していない中でこの法律を八年前に僕は改正したんじゃないのかなと、そう思いますが、まずその八年前に改定したときに、今申し上げました人為的に蔓延させるようなことを想定されていたのかどうか、その点について御答弁いただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 八年前の改正時は、確かに生物テロについての意識というものは今よりずっと低いものでありました。ただ、人為的な感染症、例えばテロ以外でもバイオセーフティーの概念と実験室感染とかそういったことはありますので、そういったことについては全くそういったことを想定していなかったということはなかったんじゃないかと思います。
○櫻井充君 そうしますと、この前文それから目的の中で、テロ対策と言われるような部分に関してはどこの部分をもってして読み込めるということになるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 実際には、どこが具体的にテロ対策かということになると、これはかなり抽象的に書いてございますんで、実際には「総合的な施策の推進」でありますとか、それから「公衆衛生の向上及び増進」とか、そういった抽象的な文言の中に含まれてしまうと思います。
○櫻井充君 この国の法律の作り方は、基本的に抽象的に書いておいて、あとは政省令に落としてくるということが極めて多くて、そのためにある意味、ある意味法律の改正を必要としないので、官僚の方々にとっては裁量権が物すごく働きやすく作られているんだろうと思います。 ところが、いろんな場面で見受けることは、官僚の方々が法律を拡大解釈するような形にしてしまって、その裁量権そのもの自体を、何というんでしょうか、ゆがめて使っているような場合が多々見られることがございます。例えばKSDの問題なんかも一つ取ってみてもそうなんですね、実際、過去の事例において。 そうすると、基本的にいうと、そういうあいまいな文言ではなくて、本来はその条文に書き込むべきことはきちんと書いておかないと、この法律そのもの自体が一体何のために立てられているのかということが分からなくなってくるんだろうと思うんです。 もう一つは、テロ対策というのは、これはもう様々なテロの形態を取っていて、これからお伺いしますが、どこが第一義的に責任を持ってやっていくのか、そういうことも全部明記しておかないと、想定外、想定外ということもまた起こってくるわけですね。その意味で、じゃ抽象的に書かれているとすれば、どこにそのようなことが読み込めるように書かれているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 先ほども申し上げましたように、例えば前文のところでは感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な推進ということが書いてございますし、総合的な施策の推進ですね、それから、目的のところでは、感染症の発生の予防及びその蔓延の防止を図ることによる公衆衛生の向上及び増進の推進ということが書いてございます。そういった中に入るのではないかと考えております。
○櫻井充君 繰り返しやってもしようがないので一言申し上げておきますが、今回の改正の大きな目玉であるとすれば、そこの部分が何らかの形ではっきり分かるようにしておかないと、僕は法律の作り方としておかしいと思うんですよ。 今日、通告しておりませんが、例えば、これは良く変わったんですよ、良く変わったんですが、私はあの八年前、ちょっと法律をもう一回読み直してみて思い出したことは、人権の保護にこれは元々配意しなければならないと八年前書いてありまして、これはおかしいと、これは尊重するというふうに書き換えるべきなんじゃないかということを何回もあの委員会で質問いたしました。今回、やっとこれ尊重という言葉に変わったんですね。これは本当に良く変わったんですが、なぜあのときは、あれだけ私が質問して、配意しつつでいいんだと、配意という言葉でいいんだと答弁しておきながら、今回はこうやって尊重というふうに変わってきたんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 感染症の患者さんの人権の件につきましては、最近の例ではハンセン病の患者さんの問題もございました。いろいろ行政として反省する点も多くありました。そういったことを踏まえて、今回、新たにその人権のところについてより強化して書くべきだということの考えに至ったものであります。
○櫻井充君 あのとき、この前文をきちんとした形で置かなきゃいけないというのは、患者さんの人権ということが極めて大事だったからね、その中で一つ前文を置かなきゃいけないという話になったはずなんですよ。前文の中は人権を尊重しつつと書いておきながら、国や地方公共団体の責務のところは人権の保護に配意しなければならないということで、合わないんじゃないかということをさんざん指摘したわけですよ。 つまり、そうなってくると、こういう法律そのもの自体にきちんと書き込んでおかなければならないような出来事がまた起こったというような理解でよろしいんでございましょうか。
○政府参考人(外口崇君) 今回の法律の前文のところでは、改めてその人権の尊重ということを、人権面については前よりも強化して取り入れたわけでございます。こういった考えに沿って、御指摘のような点、あと、その法律の運用面でいろいろ問題が起きないように十分注意してまいりたいと思います。
○櫻井充君 そういうことを聞いているわけではなくて、あれだけあのときにこれで十分だと言っておきながら、これ、いい方に変わったんですよ、何回も申し上げますが。しかし、その変えなきゃいけないような根拠がなければ、あの当時の答弁そのもの自体がおかしくなるわけですよ。 そうすると、患者さんの人権を尊重するという言葉を盛り込まなければいけなくなったような何らかの事例はあったからこういうふうに変わったんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 事例でございますけれども、例えばハンセン病の関係で申し上げれば、ハンセン病問題に関する検証会議の報告書というものがございました。そういった中で、人権の保障について特に行政の方に対して指摘があったわけでございます。さらに、例えば鳥インフルエンザが発生したときにも感染の疑いがあった者に対しまして解雇したような事例、それから、あとはウエストナイル熱の患者さんに対しまして個人情報漏えいとか、そういった事件もございました。そういったことを考えまして、私どもは、その人権の尊重ということは今まで以上に強化しなければいけないと考えたわけでございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。 いずれにしても、あの当時私が指摘したことの方が私は正しかったんだろうと。厚生労働省は相当抵抗、相当も何もないです、全然応じてくれませんでしたが。 やはり国会の場というのは、もう一つ申し上げたいのは、この委員会で修正されるということがほとんどないんですね。その国会の議論というのは一体何のためにあるんだろうかと。幾ら指摘しても、ただ単純に自分たちの正当性だけを主張し続けて、結局修正ができないような内容であったとすれば、委員会での質疑ということの意味合いというのは私はほとんどなくなるんじゃないだろうかと、そう思っているんです。ですから、すべてがその政府提案が正しいわけではありませんから、私は、委員会の場でもう少しイギリスみたいな形で自由に法案の内容が変えられるようなシステムをつくっていかないと議会制民主主義そのもの自体が崩壊していくんじゃないのかなと、そう感じておりますが、柳澤大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今の先生の冒頭からの御指摘、私も聞いておりまして、この尊重というものを前文にありながら実際の条文では配意等の言葉が使われておったと、こういうことで、当初から改正の要求をなさったということでございました。しかし、この話を聞いて外口局長の答弁も聞いておりますと、なるほど、その後のいろいろな事案を勘案して今回はこういう改正をしたんだということにもそれなりの理屈があるように思います。 じゃ、例えば、ここが櫻井委員の御指摘のように仮に尊重であったら、ハンセン病の問題は起きなかったか、あるいはその他、今外口さんが触れたような問題が起きなかったかというと、なかなかそうでもないようにも思うんですが、しかし、精神としてはやっぱり尊重の方がいいということで、今回こうした改正を行っているということだというふうに思います。 一般的に、委員会審議で改正についての議論がもうちょっとあっていいじゃないかということでございますが、これがなかなか難しいかなと思って私は聞いておりました。 それはどういうことかというと、役所には権限が設置法で付与されておりまして、所掌の事務の範囲というものが決まっております。そういうようなことで、じゃ委員会の審議で、これなかなか難しい話になってくると思うんですが、いろいろ改正、この尊重か配意かのことではないですよ、しかし、いろいろ御議論の中でそういった広範にわたるいろいろな御意見があった上で、では改正ということになりますと、これは一体所掌事務との関係で、あるいは権限との関係で本当に受け入れられる範囲にとどまっているかどうか、なかなか難しい問題が起こってくるんだろうと思います。 役所が抵抗する、あるいは政府側がなかなか改正要求に肯定的な議論をできない一つの背景にはそういった事情もあって、早く法案として、先ほど私もごあいさつに申し上げましたように、速やかなる御審議をお願いしてという話の中には、やっぱり事態の進展に応じて的確にタイミングよく施策を打ち出していかなきゃならないという、そういう要請もありますので、何がどうという結論を申し上げるわけではないんですけれども、そういった権限とか所掌事務との範囲の話が背景にあって、なかなかそうしたことがスムーズに行われないということがあるのではないか、この点について、練達な櫻井委員でございますので少し御理解を願えればと思って、以上申し上げました。
○櫻井充君 大臣は、今のお話をされると僕は相当問題があると思っていて、つまり大臣は、現状の制度上は仕方がないんだというような形でまた御答弁されるわけですね、それは今所掌事務の何とかだとか何が限界だとか。私が申し上げているのは、本来の国会での議論のことについて申し上げているんですね。つまり、こういうふうに本来はあるべきではないのかと。 つまり我々は、野党側からすると、意見を言えるのは、法案に対しての意見を言えるというのは実はこういう場でしかないわけですね。それは与党の方々は、実は委員会でこの法案に対しての質問なんてする必要性ないわけですよ。それは実際、もう法案作成の中にかかわってくるというのは、議会制民主主義の中の当然のことですから。そうすると、野党の側が質問をして、その法案に対してこうではないかという指摘ができるというのはこの場でしかないと。そうすると、野党というものは元々要らないんだと、今のお話ですと。今のお話ですとそういうことになるんですよ。だから、おかしいんじゃないかということを私は申し上げているんです。 ここは、あとは大臣、僕はちょっとがっかりしました。元々行政の中におられたから行政側の立場に立たれるのかもしれませんが、本来であるとすると、大臣というのは、大臣というのは行政側のトップであるかもしれないけれど、国民の代表者として行政をコントロールする側に行くんだという立場に立つと、今のような発言には私はならないんじゃないのかなと、個人的にはそう思います。いずれにしても、ちょっと時間がないので先に行かしていただきますね。 今回、テロのことについてこの法案の中に盛り込まれていくわけですが、例えば生物テロなら生物テロが起こった場合の最終的な責任者というんでしょうか、この法律の中に書き込まれている、ちょっと全部読み切っていないところがあるので教えていただきたいんですが、最終的な責任者は一体だれになるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 国になると思います。
○櫻井充君 その国の場合の責任者はだれになるんですか。
○政府参考人(外口崇君) 内閣になります。
○櫻井充君 内閣の中のどなたが指揮を執られるんですか。
○政府参考人(西山正徳君) 内閣に健康危機管理監というポストがございまして、その方が総責任者でございます。──あっ、ただの危機管理監でございます。健康危機管理は厚生労働省にありますけれども、内閣に危機管理監というポストがございまして、その方が責任者でございます。
○櫻井充君 いや、それで本当にいいんですか。 済みません。これちょっときちんと細かく通告していないので、木曜日にお答えいただいても結構です。それでもう一度、じゃ、ここの後から議論さしていただきますが。問題は、こういうテロが起こった際に、だれが責任者になって、そしてどの法文上どういう形で処理していくのかということは極めて大事なことなんだと思っているんです。 この間、自衛隊の方とお話をしてみると、自衛隊の役割というのが決まっていて、自衛隊員の方々がその役割以外のことをやると、実は法律違反だといって、法律というか命令違反で訴えられることがあるんだそうですね。例えば向こうに行った際に、ほかの国の軍人の方が負傷していたと、その方に対して治療したいと思っても、それが実は自衛隊の役割の中に入っていないとできないんだそうなんですよ。 ですから、この法律立てがこういうことが全部できるという法律立てになっているのか、木曜日までにもう一回ちょっと読んでまいりますが、それとも、あるものができないという形になっているかによって全然違ってきていると。 それからもう一つは、テロそのものに対して、ちょっと警察の方にお伺いすると、何かの事象が起こると、そのことに対して別々な形で、まあ何らかの形で対応しますみたいなシステムになっているんだそうなんですよ。ただ、本当にそれがいいかどうかですよね。つまり、テロというシステム、システムと言ったらおかしいですね、そこのところが何かを起こしてきた際に、本来であるとそのテロに対して対応するところがきちんとあって、そしてそこの人の下で、例えば生物テロであれば厚生労働大臣ということになるのかもしれませんが、そういう形の本来システムをつくるようなことにしておかないと、想定外のことが起こった際にこの国としては何にもできなくなっちゃうんじゃないだろうかと。 そういう意味で、今回の、生物テロなら生物テロがあったら、これが感染症の予防法の中に盛り込まれてくるというような考え方に立つと極めて危険なんじゃないか、その危機に対しての対応が僕は全くできなくなるんじゃないのかなと、そう思っております。このことについては、木曜日もう一度質問の機会がありますのでやらせていただきたいと思っておりますので、是非十分御検討いただきたい、政府として御検討いただいて御答弁いただきたいと思います。 それでは、あともうちょっと条文のことについてお伺いしたいと思いますが、今回の病気の分類があります。例えば、この六条の中に、一類感染症とは次に挙げる感染症の疾病をいうんだというふうに書いてありますが、なぜ定義を置かないで、定義を置かないで病名だけを並べるような手法を取っているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) まず、病名が挙がっていることについての考え方でございますけれども、感染症法におきましては、例えば一類感染症から三類感染症までについて、行政による言わば強権的な措置の対象となるために、過度な人権侵害とならないよう感染症の種類を病名という形で法律において規定しております。 それで、なぜ病名だけかということでございますけれども、例えば病気の定義を、症状とかそれから診断方法等、いろいろ更に細かく規定しますと、逆にそれが実効上、そういった医学の進歩やそれから病原菌の変異とか、そういったものに対応できなくなっていくこともありますので、ここの法律の条文のところでは、これは病名だけ、疾病名だけということになっているわけでございます。
○櫻井充君 そうではなくて、例えば今回結核が二類感染症の中に盛り込まれていくわけですね。そうすると、結核がなぜ二類感染症として適切なのかどうかの判断基準がないわけですよ。 つまり、私が申し上げたいのは、一類の判断基準とは一体何、二類の判断基準とは何なんだということをまずきちんと明示するべきであって、そしてその明示したものに対して当てはまるからこういう病原体になるんだと、疾病をいうんだということであれば話は分かるんですね。 ですから、まず、なぜこういう形で一類、二類、三類というふうに分類されてきたのか、その基準を法文上書かなかった理由をまず説明していただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この一類、二類、三類、四類と、こういうふうにありますが、それにはそれぞれの措置が裏付けになっております。ですから、そういう措置が、どういう措置が必要かという、逆ですね、そちらの方から実はこの感染症については一類に分類する、二類に分類するというようなことになっているということがございます。
○櫻井充君 ですから、その措置の基準そのものをまず明示するべきではないですか。だって、なぜここのところに、一類になっているのか分かりませんよ。 じゃ、逆にお伺いしますが、一種、二種の病原体でしたっけ、一種、二種病原体とはこういうことだと。医薬品等、例えば二種なら二種で、医薬品等であって人を発病させるおそれがほとんどないものとしてこれを除くとか、いろんなこと書かれているわけじゃないですか。 つまり、なぜここに分類されているのかということをまず定義立てしなきゃいけないんですね。その定義がないことが私はおかしいんじゃないかと。だから一類なんですよというふうになっていかないといけないんじゃないですか。つまり、そうでなければ、なぜ結核がその二類感染症に入りましたという説明が付きませんよ。 じゃ、観点変えてお伺いしますが、じゃ、なぜ結核が二類相当なんですか。
○政府参考人(外口崇君) 感染症の類型につきましては、それぞれの感染症の感染力や罹患した場合の重篤性等に基づいて、厚生科学審議会等の専門家の意見も踏まえて、総合的な観点からその危険性を勘案して、当該感染症に対して行える措置等により分類をしております。 結核につきましては、結核患者がせきやくしゃみ等をした場合に、結核菌が飛沫、空気感染により他者へ感染する可能性が高く、入院治療、隔離措置を行う必要がある一方で、治療が可能なことや致死率が高くないことや建物封鎖等までは必要ないと考えられることから、このたび二類感染症に分類されているものであります。
○櫻井充君 つまり、二類に分類される根拠立てはあるんですよ。なかったらおかしいんですね。 つまり、その分類されるべき根拠立てをまず法律の条文の中に書き込まないと、なぜこういったものがいきなり一類として出てくるのか全く説明付かないわけですよ。 法律を読んだ際に、法律というのは僕は分かりやすくちゃんと書くべきだと思っていまして、これだけのものがなぜこういうところにあるのかすら全く分かりません。 ですから、もう一度申し上げますが、今の類型別分類をするに当たっての審議会での御議論があってその根拠立てがありますから、その根拠立てを本来はこういった条文の中に書き込むべきではないんですか。
○政府参考人(外口崇君) 感染症の類型につきましては、その感染症の感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から危険性を判断する必要があることから、その基準を、これを一律に法令において規定するのは、これは少しなじみにくいんではないかと考えております。
○櫻井充君 何がなじみにくいんでしょうか。要するに、ここのところに病名をいきなり出てくることの方が私はなじみにくいですよ。 じゃ、今まで、お伺いしますが、こういう形でただ病名だけを何とか羅列するようなものというのは実際あるんでしょうか。普通は、物事は決めるときにちゃんと定義がありますよね。その定義を書くのが筋ではないんですか。
○政府参考人(外口崇君) 繰り返しになるかもしれませんけれども、患者さんに対する感染症の発生及び蔓延の防止のための措置が人権制約的なものも含みますから、そうした措置の対象となる感染症を明確にするために法律で感染症の名称を列記しているところでございまして、考え方としては、措置がありまして、その措置の対象となる感染症を明確にするために規定しているものでございます。
○櫻井充君 僕は役所の方と話をしたときに、ちゃんと一類の感染症ってこういう規定のものなんですということを説明を受けましたよ、幾らそういうことをおっしゃっても。どうしてこういうことなんですかと言ったら、その根拠立てがあって、こうこうこうこう、こういうふうなものですと決まっていましたよ。だから、それをどうして僕は条文に書かないんですかということをお伺いしているんですよ。
○政府参考人(外口崇君) 類型につきましては、その感染症の感染力それから罹患した場合の重篤性等に基づきまして、総合的な観点からその危険性を判断する必要があることから決めておるところでございますけれども、その基準を、これを一律に法令において規定するということは、先ほど申し上げましたようにこれは少しなじみにくいんではないかと考えて、今のような状況になっているということでございます。
○櫻井充君 なじまないってどういうことなんですか。もう少し、ちょっと具体的に教えていただけないですか。 私は、何回も申し上げますが、定義を置くべきだと言っているんです。定義を置くことがなじまないんだと言われたって、何でなじまないのか全然分かりませんよ。それは、そちら側が勝手になじまないと言っているだけの話であって、私はそういうことの方がなじむと思っているんであって、だから、どういう定義、どういう形でこういうものが決められたんですよというので説明受けましたよ、私。 一類感染症はどうしてこういうような一類というグループになったか、じゃ、それまず御説明いただけますか。一類の定義は、一類感染症のグループに関しての今の感染力であるとかなんとかでということに関してちゃんと僕は説明を受けましたけど、まずそこをきちんとして言っていただけますか。これがこういう、総合的な観点とかそんなあいまいではなくて、ちゃんと説明を私は受けましたけどね。
○政府参考人(外口崇君) 類型の考え方としましては、例えば一類は、感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から見た危険性が極めて高い感染症ということになりますし、二類感染症は、感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から見た危険性が高い感染症ということになります。(発言する者あり)
○櫻井充君 三類、四類も実は定義があるんですよ。それで、そういう定義をまず置くことの方が大事なんじゃないですか。いきなり病名が出てきても、何でこういうものが並んでくるのかが分からないんですよ、普通は。だから、こういうものをこういう形で分類しましたと。そして、なぜこういうものを分類した後に今度はこういう人、このグループに対してはこういう措置を取らなければいけないのかというのは、今のに書いてあるとおり極めて命を奪われる確率が高いからと、重篤になるからという理由があるからこそそういうふうになっていくわけであって、法律の作り方というのはそうするべきでは私はないのかなと思うんですが、ちょっと大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、今、櫻井委員がおっしゃるのは、例えばエボラ出血熱とは何々をいうとではないわけですね。一類感染症とはでしょうか、では。これは今の、何というか、私どもの考え方、感染力と重篤性でもってそれに対応する措置が決まってくる、したがってそういう措置が必要な感染症と、こういう関係でそれぞれこの一類、二類等が決められていくということですから、これは御説明で納得がいただけるんじゃないかと、このように考える次第です。
○櫻井充君 だって大臣、今、エボラ出血熱とはと書くんですかみたいな言い方されて、その質疑の意味分かっているんですか、大変申し訳ございませんが。本当に申し訳ないんですけど。 私が申し上げているのは、大臣、まあ何でもいいんです、例えば銀行法なら銀行法で言うと、銀行とは何とかって置いてあるでしょう、例えば信用金庫なら信用金庫は何とかと置いているでしょう。あれと同じような格好で、一類に分類されるべきものは一体どういう観点から一類に分類されていますと、そこの定義立てをまず条項として書くべきではないのかと。その観点からこういうものが並んでいるんだというふうに書かないと、なぜそうなるのかが分からないんじゃないですかと申し上げているんですよ。 そして、これは時代の進歩に伴っていろいろ変わっていくでしょう。例えば、原因として何かのものがちゃんと分かるとか、それからその治療ができるとかいうことになっていったら、それは後また類型が変わっていくことになりますから、それはそれで単純に、いつの間にかこれがどっかに行きましたといったって分かんないわけであって、なぜこういうふうなところに今位置しているのかということを明示するために定義を置いた方が分かりやすいんじゃないですかと私は申し上げているんですよ。御理解いただけますか、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 例えば、もし第六条に前文的な規定を置いて、この二項等は仮に号にするというような立法技術を使いまして、そしてその柱書きのところで、この法律において感染症を一類から四類までに、例えばその重篤性及び感染力の強度に応じて分類するとかというふうに書けと、こういうふうにおっしゃっている。柱書きを書けと、こういうことかと理解をいたしましたけれども、このことは、何と申しますか、今我々の説明でも十分、そんなに込み入った話ではない、それが法律論として何か訴訟とかその他で争われるようなことだとは私は考えないのであります。
○櫻井充君 結局、ここに病名やたら並んでいますよね。その病名がなぜこういうふうに分類されたのかが分かんないじゃないですか、こういう形で分類されれば。病名ただそのまんま羅列してるでしょう。 ですから、どういうような形で、どういう基準で一応こういうふうに分類していきましたということが分かんないと理解できないじゃないですか。我々が、例えば四類なら、何でこれがその四類に分類されているのかもよく分かんないようなものもあるわけですよ。ここの中に狂犬病なんというのが入っていますね。これ、狂犬病はもしかするともう四類じゃないかもしれないですよ、国内で発症しましたからね。 ですから、そういうことを考えてくると、その基準となっている、分類しているんですから、物を。物を分類している基準をまずここのところに、この法律において一類感染症とはどういうものであって、次に掲げる感染性の疾病を書くんだというふうに、そこの中の定義を置いてくれと言って、分類する根拠を置いてくれと私は申し上げているんです。その方が法律からしてみたときに分かりやすくなるんじゃないですかということなんですよ。そう思われませんか。
○政府参考人(外口崇君) 立法技術上こういった形になっていると思いますけれども、もちろん、そのお考え方については、それは別の形で、それは広く解釈等は責任持って説明していく努力は続けていきたいと思っております。
○櫻井充君 まあいいや。ちょっと検討していただきたいと思うんですね。こういう書き方、本当にそのもの自体がいいのか、ちゃんと分類するんであればちゃんと分類するときの根拠立てがあった方が私はいいと思っていますが、その点について是非検討していただきたいなと、そう思います。 それで、結核が二類に分類されていくわけですが、結核の対応とあとほかの残りの二類の対応というのは全然異なるわけですよ。例えば、結核だけは健診があるとか様々な、あとは今までの措置が全部残っていくような形になっていくと。そうすると、二類感染症なら二類感染症の中での整合性が果たして取れるのかどうかということになっていくんだと思うんです。ですから、そういう意味でのその定義というものをきちんと置いていかなければいけないんじゃないのかなと思います。 もう一つ、今回、さらりと見た中で、自分自身は結核の患者さんの治療に当たっておりましたから、最近問題になってきている非定型抗酸菌症と言われる病気がありますが、それがこの感染症の分類の中には実は入ってないんですね。なぜこれが今回この分類の中に入ってこなかったのか、それの御説明をいただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 非定型抗酸菌症、非結核性抗酸菌症ともいいますけれども、これは、人から人へと感染して公衆衛生上重要な疾患でもあります結核とは異なり、自然界の水系、水ですね、や土壌中にも広く生息し、その毒力は弱く、一般的に人―人の感染は少ないとされていることから、この感染症の分類には含めなかったものであります。
○櫻井充君 しかし、そういう理由であったとすると、MRSAそのもの自体はこの中に入っていますよね。そうすると、なぜMRSAは入って、非定型抗酸菌症は入らなかったんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) MRSAについては、確かに日和見感染といいますか、オポチュニスティックインフェクションを起こすということで共通の部分もございますけれども、非結核性抗酸菌症の持つ例えば自然界の水系や土壌中にも広く生息しというようなそういった特徴を考えますと、MRSAとはちょっと位置付けが違うんではないかと思います。
○櫻井充君 今の水中にあるとか土壌にあるとか、それがこういう類型分類の中に影響するというのはどこに規定されているんですか。
○政府参考人(外口崇君) もう一つMRSAとの違いで申し上げますと、人への感染力というものがMRSAと非定型抗酸菌症では大分違うと思います。
○櫻井充君 私の質問はそんなことを聞いていませんよ。その前に。
○政府参考人(外口崇君) 同じことになりますけれども、自然界の水系、土壌中にも広く生息しということは、それは人への感染力が弱いということと同じ意味だと思います。
○櫻井充君 それは統計上そういうふうになっているんですか。 そしてもう一つ、もう一つは、この五類感染症の定義を教えていただけますか。つまり、五類感染症の定義が書いてないから今みたいな議論になっていくわけですね。五類感染症の定義を教えてください。
○政府参考人(外口崇君) 五類感染症の考え方でございますけれども、これは、国が感染症発生の動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を一般国民や医療関係者に提供、公開していくことによって発生、拡大を防止すべき感染症というのが考え方でございます。
○櫻井充君 今の非定型抗酸菌症はその中に当たらないという理由をもう一度教えていただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 非定型抗酸菌症につきましては、先ほども申し上げましたように、人―人の感染は少ないと、感染力が弱く毒力が弱いということで、感染症動向調査の対象となるような疾患には現在のところ考えていないということでございます。
○櫻井充君 現場では、例えばリファンピシンとかですね、あの手の結核の薬が効くやつは比較的簡単にと言ったらおかしな話ですけれども、治療方針は決まっているから楽は楽なんですね。 ところが、実はこの手のやつは、もちろん抗結核剤が効かないこともありますし、それからなかなかいい薬がないと。それから、免疫力の弱い方々がかかっているので難治性なんですね。そしてもう一つ、現場での苦労は、この手のところに対しての薬剤を投与すると保険点数上認められていないので、どう対応していくのかというのはすごく困っているんですよ。点数上もはねられていってね。 つまり、なぜそういうことが起こっているかというと、今のような認識でここから外されるから、いつまでたってもそこの治療というのは僕は進んでいかないんじゃないのかなと、そう考えているんですけれども。そういう観点から考えていった際に、こういうものに逆に言うとちゃんと載せていくことによって、今まで実は非定型抗酸菌症の僕はもうちょっと数があったと思うんですが、そこら辺の診断等がなかなか進んでいかない。そして、なかなか治癒しないようなその感染症が残り続けているということにつながっていくんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 非定型抗酸菌症につきましては、例えば、免疫不全状態にある方とか、それから昔結核をやった方の後空洞の中にできるとか、そういう局所的に免疫力が落ちているような状態のときに出てくるとか、それからあと、先生がおっしゃいましたように治療がなかなか難治性であると。 確かに、マイコバクテリウムのカンサシイの方は割と抗結核薬効くと思いますけれども、マイコバクテリウムのあのアビウムコンプレックスの方はなかなか効きにくくて、それでニューキノロン系の抗生剤とかいろいろ試みられているようでございますけれども、そういった中で、病気としての位置付けというのはそれはそれであると思うんですけれども、ただ、この感染症法としての位置付けの中ではそこはちょっと考え方が違うということになっているわけでございます。
○櫻井充君 何回も申し上げますが、感染症の中で、そうすると、どういうものがどういう形で取り上げられるのかということそのもの自体がはっきりしていないから何回もこういうことになるのであって、そこの部分を明記さえしていただければ、こういうことだから除外できるんだという話になるんだろうと思うんです。 今、その非定型抗酸菌症というのは実際のところは現場で増えているんですか。それともそういう統計というのは今のところ取られていないんでしょうか。もし今なければまたあさってお伺いしますが、この点についていかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 統計は取られておりません。
○櫻井充君 統計を取らなくてどうしてその中に組み込まれないというふうに、ここの中に組み込めないと言えるんでしょうか。つまり、統計があって初めて広く流布していない、流布というか、要するに感染者が少ないんだとかなんとかいう話になるはずですけれども、そういう統計も取らずになぜここの部分から外す、それから人から人への感染力が弱いとか、そういう話になるんでしょうか。 今、糖尿病であるとか免疫力の低下している患者さんたちが随分いらっしゃって、その人たちが結構感染しているというのが、僕、現場で見ているとそういう感覚ですが、結局その現場の感覚と役所の違いというのは、そういったその実態を知っているか知らないかということに懸かってくるんじゃないのかなと、そう思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 実際に感染症法の対象となる感染症はどういったものを列記すべきかということに関しましては、これは審議会、専門家が入っておりますけれども、そういった先生方の御意見を踏まえて決めたわけでございます。
○櫻井充君 都合が悪くなるとすべてその審議会に逃げるというのが役所の常道でございまして、審議会には最終決定権はあるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 最後に決めるのは私どもの方でございます。
○櫻井充君 私どもで決めることに対して、審議会でさも決定したような言い方をするのは私はずるいと思いますよ。これ昨日の教育特でも同じことを文科省の役人の方が言われますけれども、さもそこの審議会で全部やったから、だから大丈夫なんだみたいな言い方をされますよ。そして、自分たちには責任がないような言い方をしますが、法律上の根拠は違いますからね。法律上は審議会には決定権はありません。ですから、そういう言い逃れをされるのは私はおかしいと思いますけどね。 大臣、こういう役所の体質は改めさせなきゃいけないと思いますけど、いかがですか。審議会でやっていれば全部いいような言い方をして、こうやって逃れるでしょう。最後は、審議会から上がってきたものに関しては自分たちがちゃんと見て、そしてその上で決定しているはずなのに、こういう言い方をするということそのもの自体おかしいと思いませんか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の役所は、まあ我が省には医官もおりますけれども、基本的にまあジェネラリストということだというふうに言っていいと思うんですね。そうすると、ある特別な問題が起こったときに、これは専門的な知識を有している方々のお知恵を拝借するということは、私は今の体制ではまた当然のことだろうと、こう思うわけであります。 そういうことで、専門的な先生方の結論というものを尊重して立法が行われているということで、今のいろいろと御質疑の中で、当然そういうプロセス、立法のプロセスについて、これを御理解いただくための一つの事実として言及させていただくということ当然だと思います。 で、櫻井委員のような考え方も私はあると思っているんです。私は、今これだけ世の中が専門的、それからまたいろんな形で迅速に対応しなければならないというときに、一体、企画立案に当たる担当官の在り方というのはどういうものなんだろうかと。本当に責任のあるやり方をする場合に、今のような審議会の方式で従来のジェネラリストの人たちがいろいろ決定していく方法もあるし、もっと本当の専門家を集めてしまって、そして実際の決定を行っていくと。つまり、そういうまあ有期限の国家公務員を使って、この日本国が持っている人的資源をそこに投入していくと。 こういう直接的な方法もあって、私は、まあ余分なことのようですが、行政改革の基本法ではそういったことも可能なような、公務員制度に試行できるようないろんな条項も置いた、そういう経験もありますが、その後のいきさつでなかなかそうなっていないと。依然としてジェネラリストがやり、そしてそれには審議会のいろんな知恵をかりていく、こういう方式が取られているということであって、この方式の下では、私は今申し上げたようにそれなりの合理性を持っているということを申し上げる次第です。
○櫻井充君 私、ちょっと誤解されていると思うんですけど、私は別に審議会での審議が悪いと言っているわけではありません。そうではなくて、審議会の審議を受けて、あくまで決定権は役所にあるわけですから、何かのこういう答弁の際に、審議会で全部決定してもらってますからというような形で言い逃れ、今のは言い逃れだと思うんですよ、私から見ればね。つまり、であれば、その国会の答弁の中でいえば、最終責任者はやはりその法案の提案者になってくるわけですから、行政側になってくるわけですから、行政側としてどう判断したのかということになるんだろうと思うんですよ。 だから、審議会がこういうふうに言いましたということイコール、まあ今みたいな言い方になると、僕はですよ、僕の取り方は、だから責任を逃れるんじゃないですかという話なんですよ。それは、だって審議会で審議されているのは分かりますよ。だから、審議会で審議されたものそのもの自体に、そこになぜ正当性があったのかとか、それから審議会の議論そのもの自体が、そのもの自体が全部、じゃ厚生労働省がすべて受け入れているかというと、必ずしも受け入れていないものもありますよね。ここのところは大事なことなんですが。 そうすると、そこのところに自分たちが受け入れないものもあるって、これでいいんですよ、僕は、あっていい。もちろん当然なんですよ。最終な決定権は厚生労働省にあるわけですから、様々な議論をする上で、それからもちろん運用されていった最後のところでの責任を取らなきゃいけないんですから。 ですが、何回も今申し上げているのは、そういう議論の経過はよく分かりますが、決定は最後に厚生労働省がしたんですから、今みたいな形で、審議会の答申でこうこうこうですからというような言い逃れはやめた方がいいんじゃないですかということを申し上げているだけですよ。 そこは、そう思いませんか、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは立法の経緯を説明しているということでお受け止めいただけたらと思います。
○櫻井充君 分かりました。 それでは、審議会でそういうような答申を受けて、厚生労働省として判断した基準をもう一度だけ教えていただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のように、専門家の御意見も踏まえまして最終的に判断したのは、人から人への感染力、それから人への感染力、毒力、そういったものを総合的に判断して決めたものでございます。
○櫻井充君 実は、ある機会にその専門家の方とお話をさしていただいたときに、完全に抜け落ちていたと言われました。今後、この次のときにはこれは検討したいというようなお話もいただいているんですよ。ですから私は、ここのところを問題視しているだけの話です。 もう一点、本当に現場で困っているのは、いい治療法がない、そしてその保険点数上認めてもらっていないということなんですね。ですから、この点についての、これは厚生省にお願いになりますが、是非研究を進めていっていただきたいと思いますけれども、この点について、いかがでございましょう。
○政府参考人(外口崇君) 非定型抗酸菌症の治療法についての研究が必要であるということはしっかり承りました。私どもの方で、どういった研究をすべきかということも含めてよく検討させていただきます。
○櫻井充君 よろしくお願いします。これはもう現場でも、それから患者さんも本当に困っていることなので、御検討いただきたいと思います。 そして、もう一つ、いつも最終的にこういう議論をすると医者の定数の話になっていくわけですが、八年前に感染症のこの予防法を審議した際に、感染症のこういったものに対応できる医者の数がたしか四百人前後ぐらいだったような感じがしているんですが、今は一体どの程度まで確保できているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 感染症を診療できる医師という定義はちょっと難しいのでございますけれども、今やっている取組としては、例えば、一番難しい一類感染症等につきましては、一類感染症等の予防・診断・治療研究事業という研修でございますけれども、海外での実地研修等も行って、今専門医の育成に努めておるところでございます。
○櫻井充君 その専門医は今何人ぐらいいらっしゃるんですか。
○政府参考人(外口崇君) 専門医と申しますか、具体的にその研修を受けた人数でございますけれども、合計で今二十八名で、今後とも増やしていきたいと思っています。
○櫻井充君 二十八人ですが、これ八年間で二十八人という、お寒い限りではないんですか。要するに、これだけのことを、大改定をしてこういう形でやりますと。そして、あの当時、こういう形でやってきちんとした医療が提供できるんでしょうかという問題点を提起さしていただいたときに、最大限努力してやっていくというお話でございました。しかし、今のお話ですと、まだまだ対応できる人が二十八人しかいないと。 これは、じゃ、もう一つお伺いしたいのは、厚生省としての目標というのは一体どのぐらいのところを念頭に置いているんですか。
○政府参考人(外口崇君) 少なくとも、各地域の感染症の指定医療機関におきましては、しかるべき診断治療能力を持つ医師が必要だと考えておりまして、もちろん、その研修を受けてきた人がそれをまた持ち帰って、伝達の研修をするとかも含めて、こういった専門家を増やしていく努力は続けていきたいと思っております。
○櫻井充君 私が質問しているのは、目標は一体どこに置いているのかと。その目標を教えていただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 人数的なものは今具体的なものを持っておりませんけれども、全国の感染症の指定の医療機関の中には、少なくとも感染症の専門家と申しますか、そういったレベルの技術を持った人が必要だと考えております。
○櫻井充君 一類だけではなくて、この感染症の予防法の十条に予防計画というのを策定していますよね。この予防計画というのは、これは平成十年からこの計画のここの条項ありますよね。 そうすると、これに沿って予防計画というのはきちんともう立てられているんでしょうか。そして、それだけの施設、それからそれだけの人員というのはもう配置されているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 予防計画については全自治体で作成しておるところでございます。 ただ、その課題と申し上げますと、例えば、一種の感染症の指定医療機関についてはまだ全都道府県にあるという状況ではありませんので、こういった配置についての医療機関の施設等のばらつきにつきまして、これを解決していくことが急務だと考えております。
○櫻井充君 予防計画に定めていますね。ここのところに条項があって、感染症の発生予防、蔓延防止のための施策とか、それから医療提供体制とか、ここの中の、施設とそれから人員と、これは医者だけではないと思いまして、看護師さんも含めた人員がどの程度まで配置されているのか。これはあさって、この点について質問したいと思いますので、明日までに数字を私の方の事務所に教えていただけますでしょうか。そして、それをいただいた上で改めて質問をさせていただきたいと思います。 いずれにしても、例えば今回、僕は、狂犬病が発症して、やっぱり感染症そのもの自体もう一度改めてきちんと考えなきゃいけないんじゃないだろうか。感染症で今亡くなっている方、ちょっとどのぐらいいらっしゃるのかよく分かりませんが、その割には予算額がすごく少ないんじゃないだろうか。例えば、自然災害があって、そのための土木の関係の整備をやっていく予算と比較すると、極めて予算も少ないし、人員も十分配置されていない。そういう中で、こういう形で法律の議論というのはもうこれは極めて大事なことですが、そこの中の運用上のところもきちんとしていただくことが国民の皆さんの安全と安心につながっていくと思いますので、その点について是非努力をしていただきたいということを申し上げまして、今日は質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。 冒頭、十一月二日、本委員会で横浜などにおける無資格者による助産行為問題について質問いたしましたが、大臣からの御答弁が議事録で確認いたしましても理解できない部分がございましたので、済みません、少し確認させていただきたいと思います。 前回、私の方から、まず全国的にどのような状況にあるのか、実態の把握、調査が必要ではないでしょうかとお聞きいたしました。そして、そのことに関連して、厚生労働省が私に示された平成十四年の医療施設調査について、これによってどのように実態を把握なさるのかと。あくまでもそちらが私に示された資料です。しかし、大臣の御答弁は、ただいま先生が御提示いただいたこの資料は、ちょっとこれは私はもう、同じ年の医療施設調査報告、医療施設の調査、病院報告だということ、こっちは診療所とこっちが病院でございますか、なかなかこれは、分娩三十一件以上あるのが助産師が一人未満というのが十八か所と書いてあったり、同じく三十一件以上あるが助産師が一人未満の診療所が百十一か所とか、これは先生がコメントをしていただいたかもしれませんが、いや、これはややこの分析が必要なことだろうと、このように考えて見させていただいておりますと。さらに、重ねてお聞きしました際も、我々は、この資料を見ましても、ちょっと今まで聞いてまいりましたこととも状況が違うんで、まずこの資料そのものについて正確な把握をしたいというのが先ほど来の私の答弁でございますと。 正に私がそのように思ったからこそお聞きしたのであって、この件について担当部局の方々から大臣にはしっかり御説明いただいたのでしょうか。松谷局長、いかがでしょうか。
○委員長(鶴保庸介君) どっちですか。 柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私はちゃんと事務当局から御説明をいただいております。なんですけれども、まあ概括的に産科のお医者さんあるいは助産師さん、これについては、出生数、出生一人当たりの数ということになりますと別段減少しているわけではないというような話を聞いてまいりましたので、それとのかかわりで、このように具体的な診療所あるいは病院のマトリックスによる計表というものを見て直ちに私がここで御答弁できなかったということで、なおもう少ししっかりした分析をした上で答えたいというのが私の答弁の趣旨であったということでございます。 まあ何というか、これだけ細かい数表を国会の問答の中で私も見させていただいたので、もう少し詳しい分析をした上で我々の評価を申し上げたいということを申し上げたということで御理解いただければと思います。
○委員長(鶴保庸介君) 局長、よろしいですか。局長、御指名ですから。 松谷医政局長。
○政府参考人(松谷有希雄君) 今大臣から答弁ございましたけれども、今先生御指摘の点につきましては、前回の御答弁で当該資料が議員から提供されていたかのような答弁というふうに聞こえてしまったということに関しましては、私どもの事務方の説明が至らなかった面もあるんではないかと、こう思っております。
○島田智哉子君 調査結果というのは本当に大切でありますので、その調査結果のどこの何を把握するんでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 現在、前回お示しした表は平成十四年の統計の表でございますが、最新のものは平成十七年の医療施設調査がございます。今集計中でございますけれども、この調査によりまして、まず各都道府県ごと、前回のは全体でございますけれども、各都道府県ごと、それから病院、診療所別、それに、それごとに分娩件数と助産師さんの数のマトリックス、それから分娩件数と助産師さんと医師の数の合計とのマトリックスといったようなことを集計することによりまして、各都道府県ごとで分娩件数との見合いで極端に助産師さんの数が少ない施設の数を把握することが可能となるわけでございます。
○島田智哉子君 助産師の数が少ないというのは、前回も申し上げましたように、配置基準がない中で、何を根拠に多いとか少ないとかを判断するんでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 厚生労働省といたしましては、現在集計中の、今申し上げました平成十七年医療施設調査の結果をお示しすることによりまして、各都道府県が立入検査等の実施に際しましてこれを活用するなどの対応を進めていきたいと思っているところでございます。 なお、産科医療を行う病院における助産師の配置につきましては、現在医療法に基づきまして看護職員のうちの適当数を助産師とすることといたしてございますけれども、これにつきましては、産科医療を行う医療機関につきましては、分娩にかかわるリスクなどの妊産婦さんの状況あるいは産科医師の配置など、産科医療の提供体制の状況が医療機関ごとにそれぞれ様々であるということから、一律の標準数ということではなくて、各医療機関における医療提供体制の具体的な状況をそれぞれ勘案して適切な配置を行うことがふさわしいというふうに考えているからでございます。 申し上げましたように、先ほどの調査マトリックスを各都道府県、示しまして、具体的な指導あるいは立入検査といったようなことを支援して、必要な是正指導を行ってまいりたいと思っております。
○島田智哉子君 昨日、横浜の堀病院の院長らが書類送検されたようでありますけれども、前回も申しましたように、堀病院の事件後の横浜市の調査では、二十五の施設のうち四つもの施設において看護師などが内診をしていたという事実が明らかとなり、これから出産を控えているお母さん方は大変に不安を持っておられます。そうした不安を解消するためにも、また助産師不足問題を解決するためにも、まず現状の実態把握が必要であると思います。今の局長の説明の内容によって、実質上は実態を把握することになるように、厚生労働省として対応方針を示していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 重ねて申し上げることになるわけですけれども、平成十七年の医療施設調査を分析することによりまして、各都道府県ごとに実態を把握するということがまず基本だろうと思います。 その場合に、先般、我々の議論の対象になった十四年でございますか、あの調査というのは、やっぱりお医者さんと助産師さんの、合計したところでは必ずしも数が分からないということもありまして、それらを言わば追加の調査対象に加えた、より実態に近いそういう調査結果が今回は見られるだろうと、こういうことでございます。 いずれにしましても、この結果が出て、まず都道府県の関係の皆さんによく実態を把握していただく、ほかの県の状況なぞとも見比べて把握していただくということであるわけですけれども、それと同時に、我々としては、まず根本的に助産師の数を確保するということが必要だというふうに考えておりまして、それは、潜在助産師への研修を促進する、それからまた、現に産科診療所に勤務している看護師さんたちにできるだけ効率的に助産師資格を取っていただくような取組を進めると、そういうようなことで、早く国民の皆さん、特に産婦の皆さんの不安を解消したいと、このように考えておるわけです。
○島田智哉子君 是非よろしくお願い申し上げます。 それでは、法案について、私からはポリオウイルスを例に取りながら、先日の視察に参りました際の御説明の中にも、ポリオウイルスの扱いが非常に厄介なんですというお話がございました。この点も含めましてお聞きしてまいりたいと思います。 このポリオウイルスをテロという観点からいたしますと、これは我が国の現状においてテロに使うということは非現実的であるんだろうと思います。ただ、二〇〇〇年に、我が国を含むWHO西太平洋地域でポリオの根絶宣言がなされました。そして、現在は我が国においても野生株ポリオウイルスの封じ込めについての取組が行われているものと承知いたしております。 さらに、将来的に世界で野生株の根絶が実現し、その先にはワクチン接種の停止ということの論議もされているわけですけれども、そうなりますと免疫率が下がり、その場合は非常に危険なものになるんだと思います。当然、研究施設などに存在するポリオウイルスについては徹底的な管理が必要になると思います。つまりは、今回の改正案にある病原体の分類についても、それぞれの状況に応じた変更というものが必要になってくるんだと思います。 例えば、このポリオウイルスについて、今後の世界における根絶、あるいはその後に想定されるワクチンの接種の停止などの段階においてどのような分類に移行していくと想定されるのか、御説明ください。
○政府参考人(外口崇君) ポリオウイルスにつきましては、ワクチン接種が行われております現時点においては、生物テロに使用されるおそれは低いとの指摘があり、四種病原体としての分類が適当であると考えております。 しかしながら、御指摘のように、将来ポリオの根絶宣言がなされワクチン接種が行われなくなった段階では、予防接種が行われないことによる感染の危険性とポリオウイルスの危険性を総合的に勘案して、必要に応じて分類の見直しを行うものと考えております。
○島田智哉子君 一日も早く世界じゅうにおいて根絶宣言が出されることを願うということは言うまでもございません。しかし、全世界的に見ますと、その根絶にはなお相当な期間を要するものと言われている中で、我が国において野生株の封じ込めと、そしてポリオワクチン接種をどのように継続していくのか、その国内対策についても更なる対応策が求められるものと思います。 そこで、まず、野生株のポリオウイルスの封じ込めの国内対策についてお聞きいたします。 この封じ込めについて、当初計画されていましたのは、趣旨の徹底や保管している施設、機関リストの作成を二〇〇〇年の十月まで、そして二〇〇一年じゅうに保管状況の詳細確認、二〇〇二年から二〇〇三年までに処分と廃棄徹底、そして二〇〇四年じゅうに処分、廃棄の確認、その後二〇〇五年には完全廃棄という、このように予定されていたものとお聞きいたしております。 ただ、その後二〇〇四年にWHOの計画も改定されるなど、かなり状況も変わっていると思いますが、この封じ込めについて、今日までの状況の御説明をお聞かせください。
○政府参考人(外口崇君) 野生株ポリオウイルスの封じ込めについては、WHOの行動計画に基づき、平成十二年、二〇〇〇年より野生株ポリオウイルス又は野生株が含まれると思われる材料の保有状況及び管理状況について、全国の医療機関、地方衛生研究所、保健所、大学の研究室、民間の業者等を対象に調査を行ってきたところであります。調査対象機関が多岐にわたり、また多数に上ったため、調査の取りまとめに予定よりも時間を要しましたが、本年、その調査が一通り終了したところであります。その結果、全国で二十七の機関がポリオウイルスの野生株又は野生株が含まれると思われる材料を保有していることが確認されております。 二〇〇四年に改定されたWHOの行動計画に基づき、今後は、ポリオウイルスの野生株を保有している機関にその適切な管理を要請することが必要だと考えております。
○島田智哉子君 今回の改正案でいうところの三種であれば所持の届出が必要となるわけですけれども、そういった管理はしやすくなるんだろうと思います。しかし、その一方で、研究開発という点では、確かに四種である方がいいのかもしれません。 ただ、世界的にもポリオが根絶されていく中で、野生株ポリオウイルスが実験室から伝播することのないよう、あらゆる努力が必要だと思いますが、この点について、今後具体的にどのように対応していかれるのか、副大臣、お聞かせください。
○副大臣(石田祝稔君) 今局長からも御答弁がありましたけれども、我が国の状況を見ますと、野生株ポリオウイルスが伝播する可能性は低いと思われます。しかし、これを保有している機関が全国に二十七あるという今御答弁もさせていただきましたけれども、その管理の取扱いについては適切に行っていただくよう要請していく必要があると考えております。 また、今回の改正感染症法に基づいて、野生株を含むポリオウイルスを所持する施設の基準、保管等の基準が適切に遵守されることにより、現在ポリオウイルスの野生株等を保有している施設について適正な管理がなされるものと考えております。 こうした改正法の措置等を活用して、今後も野生株ポリオウイルスの封じ込めには全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○島田智哉子君 次に、ポリオワクチンについてお伺いいたします。 一九八八年にWHOにより世界ポリオ根絶計画が提唱されて以来、ポリオ患者数は激減をしました。しかし、西アフリカのナイジェリアでは二〇〇四年のポリオ確定症例は七百八十三例を数えたとも言われておりますし、二〇〇五年にかけては多くのナイジェリア周辺国、スーダン、エチオピア、サウジアラビアなどにおいてウイルス伝播、そしてポリオ患者が確認をされております。また、イエメン、インドネシアで大規模なポリオ流行が引き起こしているという状況がございます。 また、ブルガリアでは、二〇〇一年当時、現在の日本と同じように野生のポリオは根絶していたのが、二〇〇一年に突然野生株由来のポリオが流行いたしました。その原因としては、インドからの渡航者にポリオ患者がいて、この患者を核としてブルガリア国内でポリオが流行したということのようであったわけですけれども、ここでもう一つの大きな原因として、当時、ブルガリアではポリオが根絶したことでポリオワクチンの接種率が激減して、その結果、国全体がポリオの感受性が高まっていたということでありました。 こうした事実を見ましても、我が国が根絶したとしても、世界のどこかでいまだポリオが存在している限りワクチンによる免疫を維持することは不可欠なことであると、そのように理解しておりますが、我が国におけるポリオワクチン接種の必要性についてお考えをお聞かせください。
○副大臣(石田祝稔君) ポリオは我が国では昭和五十五年を最後に患者発生はなくなってきておりますけれども、今委員御指摘のとおり、世界的に見ますとまだまだ発生している国が多いわけであります。特に、インドやアフリカの一部地域ではまだ流行が続いていると、こういう状況の中で、いったん国内の発生がなくなったインドネシアでもやはり輸入例による集団感染が発生していると、こういう例もあるわけです。ですから、WHOの根絶計画が進行中でもありますし、世界じゅうから完全に根絶されるまで予防接種の必要があると、これは国際認識だろうというふうに思っております。 我が国におきましても、平成十七年三月に取りまとめられた中間報告におきましても、世界じゅうの根絶が達成されるまでは予防接種の継続は必要だと、こういう報告もいただいておりまして、厚生労働省としても、現時点におきましては予防接種法に定める対象疾病の一つとして位置付けているところでございます。
○島田智哉子君 今後も当面はワクチン接種により従来どおりの抗体保有率を維持していく必要があるということでございますけれども、そのことによる副反応を防ぐ努力を最大限に行うことが国を含めた関係者の責任であると思います。 この点から見ますと、現在、我が国のポリオワクチンについては経口生ワクチンが使われております。このワクチンについては、投与後そのワクチン株が腸管で増殖する過程で野生株に戻り、ワクチンを接種した人の四百四十万回接種に一例、また、例えば赤ちゃんが接種した後におむつ替えをしたときにお母さんやお父さんが接触したような場合など五百八十万回接種に一例の割合でいわゆる二次感染によってポリオ麻痺が発生すると言われております。 これまでの生ポリオワクチンによる副反応の状況について、二次感染も含めて御説明ください。
○政府参考人(外口崇君) 平成十二年度から十六年度の五年間の予防接種後副反応報告におきますと、ポリオ予防接種における副反応は平成十二年度に三十三件、平成十三年度に十四件、平成十四年度に十一件、平成十五年度に十一件の副反応報告例がなされているところであります。直近の平成十六年度には十九件の副反応報告例があり、そのうち入院が一例、後遺症が二例となっているところであります。 二次感染者については、平成十六年度から救済事業を行っておりますが、これまで、平成十六年度二名、十七年度三名で、後遺症に対しての年金の給付がなされているところであります。
○島田智哉子君 今から五年ほど前になりますけれども、今申し上げたケース、ワクチンを接種した赤ちゃんのおむつ替えをしたときに赤ちゃんの便を介して二次感染した方がいらっしゃいます。当時、社会への注意喚起ということから、匿名で新聞の取材に応じておられる記事がございます。 御紹介しますと、二〇〇一年十月十日、一歳だった長女がポリオの二回目の予防接種を受けた。十一月四日、おむつを替えた。九日に右太もも外側がちくちくと痛み出し、翌日には両足、両腕が経験したことのない激痛に見舞われた。痛みで仕事にならず、病院で診てもらったが、原因は不明。 十四日には両手、両足が動かなくなり、痛みは強烈で、七転八倒しながら救急車で大阪市内の病院に緊急入院をした。十二月には京都の病院に転院。そこで二次感染と分かった。 入院は今年五月まで約一年半に及んだ。予防接種は強制ではないが、ほぼ国民の義務だ。義務を果たした結果、二次感染したのに、国から何ら救済がないことを知ったときは愕然とした。入院費は自己負担で月十数万円から二十数万円。公務員とはいえ、四人家族を支えるのは大変苦しい。職場復帰に向け自宅待機中だが、将来への不安もある。二次感染の可能性について、行政は注意喚起が余りにも少ない。おむつを替えた後、十分に手を洗う必要があるなど、もっと接種現場で徹底的に言うべきだ。 私はポリオの接種をしていないので確率は高かったのかもしれないが、厚生労働省は五百八十万分の一しかないと言う。しかし、発症した本人にすれば一分の一だ。一億、二億積んでもらうよりも体を元に戻してほしい。私と同じような人が二度と出ないことを願うだけだと。 その後、二次感染者への救済制度を先ほどおっしゃったように平成十六年度に創設されました。しかし、記事にもありましたように、まあ一億、二億積んでもらうよりも元の体に戻りたい、元の体に戻してほしいと、そして自分と同じような人が二度と出ないでほしいということなんです。 つまり、ポリオワクチンの不活化ということですけれども、我が国のように経口生ワクチンを単独で使用しているのは、イギリス、中国、インド、インドネシア、ブラジル、その他多数の開発途上国であります。先進国ではイギリスと日本だけということですけれども、先進国の多くは不活化が導入されている中で、平成十五年度以降、これまで厚生労働省の検討会の中においても不活化の導入の必要性が度々指摘されてきました。具体的にどのような内容であったんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) ポリオワクチンについてのこれまでの検討状況でございますけれども、まず平成十二年八月の公衆衛生審議会感染症部会ポリオ予防接種検討小委員会報告書におきましては、世界的な根絶達成までの間は接種を継続していく必要があるが、接種方法については現行のポリオ生ワクチン単独による方式のみにこだわることなく検討を行うべきこととしております。 また、平成十五年三月のポリオ及び麻しんの予防接種に関する検討小委員会の提言においては、安全性、有効性が高い不活化ワクチンの早期導入と安定供給体制が取られるよう関係者は努力する必要があるとされ、また、今後、DPTワクチンと不活化ポリオワクチンの混合ワクチンの導入が望ましいとされております。 なお、平成十七年三月の予防接種に関する検討会中間報告書においても、ポリオ根絶計画の進捗状況にかんがみれば、我が国でも速やかに不活化ワクチンの導入が喫緊の課題であり、不活化ワクチンの早期導入に向け、関係者は最大限の努力を払うべきとしております。 このように、これまでの検討においては、不活化ワクチンの早期導入や不活化による混合ワクチンの可能性等について検討が進められてきたところであります。
○島田智哉子君 そして、その開発状況についてですが、一昨年四月十五日の本委員会での厚生労働省の御答弁では、不活化のポリオワクチンでございますけれども、日本ポリオ研究所から平成十三年の七月三十一日に承認申請がなされております。厚生労働省といたしましても、この不活化ポリオワクチンは大変医療上必要であるというふうに考えておりまして、迅速に審査を進めてきたところでございます。ただ、なお企業においてまだ有効性、安全性に関する追加データをまだ集めておりまして、いま少し時間が掛かると思いますが、今後とも企業に対しまして追加収集データへのアドバイスを行うとともに、資料が提出されれば迅速に承認審査を進めていくというふうに対応したいというふうに思っておりますということでありましたが、既にこの時点から二年半以上、承認申請からは五年以上の経過をしております。 現在の状況について御説明ください。
○政府参考人(高橋直人君) お尋ねの不活化ポリオワクチンにつきましては、今御紹介がございましたように、平成十三年七月に財団法人日本ポリオ研究所からその単味製剤に係る承認申請が行われまして、審査を進めてきたところでございますけれども、提出されたデータがその有効性、安全性の評価を行う上で不十分であったことから、申請者側におきまして追加データの収集や検討が行われていたところでございます。その後、昨年の秋になりまして、申請者よりこの単味の不活化ポリオワクチンに係ります承認申請の取下げの申出がなされたところでございます。 この不活化ポリオワクチンにつきましては、現在はこの不活化ポリオワクチンを含むその四種混合のワクチン、これはポリオと百日ぜきとジフテリアと破傷風のものでございますが、これにつきまして国内での開発が進められておりまして、既に臨床試験が開始をされております。
○島田智哉子君 その財団法人日本ポリオ研究所が申請を取り下げた理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) このワクチンのこれまでの経緯は今るる御説明申し上げたところでございますけれども、その取下げ理由につきましては、これは個別企業の個別の申請品目に関する情報でございますので、ポリオ研究所が申請を取り下げた理由についてのその説明はちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○島田智哉子君 私どもより、ポリオ研究所にお聞きをいたしました。その御回答によりますと、平成十三年七月に不活化ワクチンの製造承認申請を行ったものの、申請データに不備があり、再度データ取得を行う予定でありましたが、データの取得期間と、そして平成十五年のポリオ、麻しん検討小委員会の提言の中に、DPTワクチンと不活化ポリオワクチンの混合ワクチンの導入が望ましいと提言しているため、これらを勘案して製造承認を取り下げたと、このようなことでありました。 つまり、これまではポリオワクチン単独で使うものとして製造準備をしていたんだけれども、検討小委員会の中でいわゆる四種混合が望ましいとしたことから、単独のものはいったん取り下げて、そして四種混合の開発に改めて取り組むということであると思いますが、そこでお聞きしたいと思いますが、平成十五年のこの提言では、まず単味の不活化ワクチンの導入があって、そしてその後、四種混合が望ましいということであったと思いますが、政府の政策としてはもう単味という選択肢はなくなったんでしょうか。単味ではなく四種混合ワクチンの導入を決めたんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 十五年三月のポリオ及び麻しんの予防接種に関する検討小委員会における提言では、導入すべき具体的ワクチンとその接種時期についての提言が記載されてございますが、単味ポリオ不活化ワクチンが導入された場合には、複数のワクチンの同日接種を不活化ポリオワクチンとDPTにおいては積極的に推進をするということと、それから、接種率の向上を図る方策として、今後、DPTワクチンと不活化ポリオワクチンの混合ワクチンの導入が望ましいと、こういう提言がなされております。 厚生労働省としての考え方でございますけれども、定期の予防接種として採用するワクチンにつきましては、これは被接種者の利便性、すなわち受診回数の軽減、それから費用面、接種費用の軽減でございます。また、接種回数、これは幼児の負担とか事故等の軽減でございますけれども、そういった観点から考えますと、やはり混合ワクチンを採用することが望ましいと考えております。それが基本的な考え方であります。
○島田智哉子君 昨年の予防接種検討会の中間報告書の中では、この四種混合については触れられておりません。むしろ不活化について、先進国の多くの国で既にIPV、いわゆる不活化が導入されており、ポリオ根絶計画の進歩状況にかんがみれば、我が国でも極力早期のIPV導入が喫緊の課題となっている、IPVの早期導入に向け、関係者は最大限に努力を払うべきであるとしております。 この関係者には当然国も含まれていると思いますが、今日までどのような努力をされてきたんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の点は、平成十七年三月の予防接種に関する検討会中間報告書において、不活化ワクチンの早期導入に向け、関係者は最大限の努力を払うべきとの提言がなされているところであります。 厚生労働省としては、これらの提言を受けまして、不活化ワクチンを採用することが望ましいと考えているところであり、不活化ポリオワクチンにかかわる研究費等の予算措置を講じるとともに、不活化ポリオワクチンの開発が適切に進められるよう、医薬品医療機器総合機構による治験相談の制度を活用するなどの対応をしてきたところであります。 また、平成十五年三月のポリオ及び麻しんの予防接種に関する検討小委員会においては、DPTと不活化ポリオワクチンの四種混合ワクチン導入についての提言もなされているところであり、こういった点で不活化ワクチンの導入を進めていきたいと考えております。
○島田智哉子君 わずかな確率とはいえ大変重篤な健康被害の可能性がある中で、それを回避できる手段があるわけですから、正に関係者の最大限の努力が求められていると思います。 子供に注射を打つ回数を少なくするとか、それはそれでとても大切なことであると思います。しかし、まずは単独接種でスタートをして、そしてその後四種に切り替えていくこともできるわけです。一部報道によりますと、これでまた不活化の導入までに十年は掛かるのではないかとも一部言われておりますけれども、それは本当に残念でなりませんので。 その一方で、企業側から見ますと、近い将来四種に切り替えるかもしれない、それを受けてほかの企業が四種の開発を行っているとなれば、そんな中でだれが単味を開発する気になりますでしょうか。厚生労働省が単味か四種混合かあいまいにしていることで、企業は当然四種に走ると思いますけれども、厚生労働省として自らのワクチン政策のビジョンがどこにあるのか。結局、企業の動向に政策を合わせていくという、全く企業任せと言われても仕方がない部分もあると思いますが、国が単味なら単味、四種混合なら四種混合としっかりとビジョンを示して、四なら四に向けて各企業が開発していく状況に持っていくということで、より集中して短期間にいいものができる可能性が高まっていくと思います。 いずれにしましても、生ワクチンの副反応によって現実に重い障害を持ち、痛みに苦しみ、家族の将来に大きな不安をお持ちの方がいらっしゃいます。これ以上こうした苦しみを持つ人が現れないように、国としてポリオワクチンの不活化についてしっかりとしたビジョンを示していただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今ずっとこのポリオワクチンをめぐるこれまでのいろいろな動きについて島田委員の方から詳細にわたってフォローをする御質疑が行われ、役所の側からも答弁をいたしました。それを聞いておりますと、誠に何というか、方針が少し途中で揺らぐというか、そういうようなことがあって、いろいろとまた民間のワクチンの開発の事業者にとっても難しい状況が生まれているやに伺ったわけですが、もしそういうことであれば、それは私は望ましくないと、こういうふうに思います。 医療の状況というのは日進月歩であるということは分かるわけですけれども、しかしそれにしてもやっぱり民間をしっかり督励していくという立場の厚生行政としては、やはり明確な、先生今ビジョンとおっしゃいましたけれども、考え方があって、それに基づいて指導をしていくということがはるかに私は大事だというふうに思います。 この点については、よく今の先生の御意見も踏まえて、できるだけ早く不活化されたワクチン、これは単味であろうと四種混合であろうと早く実際の子供たちに提供できる、こういう体制をつくっていかなければならないと、このように思っておりますので、そういう考え方でこれから私としては臨んでまいりたいと、このように思います。
○島田智哉子君 是非よろしくお願い申し上げます。 それでは次に、肝炎対策についてお伺いいたします。 肝炎について、B型、C型を合わせた患者数はおよそ六十万人。無症候性キャリアの方々も含めると三百万人以上にも上ると推定されております。 先日の衆議院での我が党の山井議員の大臣との心と心の御議論は、お聞きしていて大変に胸が熱くなりました。大臣の御答弁も精一杯の御答弁をいただいたと思っております。 しかし、それで終わったのでは患者さんの命を救うことができません。大臣がおっしゃったその次の半歩なり一歩をどのように踏み出していかれるのか、先日の御議論も踏まえ、お聞かせいただきたいと思います。 先日の御議論の中で山井議員が、司法は司法として決着を付けることは大変重要なことであることは当然のことですが、しかし、それまで待っていたのでは、多くの患者さんの苦しみが続くだけでなくて、命をなくしてしまう方々がたくさんいらっしゃる。ですから、司法は司法として、同時にその救済策を政治の力で何とかしなくてはならないと。 具体的には、例えばC型肝炎について、インターフェロンとリバビリンを併用することで五〇%ぐらいの可能性でC型肝炎のウイルスが排除できると。しかし、その治療には相当高額な費用が掛かり、そのために経済的な理由でインターフェロンによる治療を断念されている方がいらっしゃいます。現在インターフェロン治療を行っているのは五万人。もしこの治療の自己負担をゼロにした場合の負担は、粗い試算で年間およそ二百億円で、数千億とも数兆円ともいう議論もある中で、二百億円という数字が示されました。 また、合理性、公平性という言葉を強調される大臣の御答弁に対しても、最大の違いは国の過失があったかもしれない、被害者であったかもしれない、そういう可能性があると山井議員からの訴えがございました。そして、大臣から、一歩でも半歩でも前進することができるか、私なりの努力をしていかなければならないと御答弁がございました。 先日の本会議でも申し上げましたが、この御答弁は、肝炎対策の前進を待ち望む多くの患者さんにとって大変重みのある答弁だと思います。もしかすれば国の過失であったかもしれない中で、救えるべき命を、個人の力だけではどうしようもないとするならば、それは社会として支え合い、救済することは当然のことであると私は思います。しかし、行政として様々な困難なことがあるのだとすれば、そこを乗り越えるのが政治の責任ではないでしょうか。 そこで、お聞きいたします。 これまでの我が国の肝炎対策として取り組まれてきた中に、昭和六十年に始まったB型肝炎母子感染防止事業という制度がございました。まず、事業内容はどういうのであったか、御説明をください。
○副大臣(武見敬三君) 御存じのように、B型肝炎ウイルスによって起こるこの肝疾患でございます。場合によっては肝硬変だとか肝がんになると。そこで、妊婦がB型肝炎ウイルスを保持している場合に、母子感染によってその子がウイルスを保持し、肝炎を発症することがございます。 そこで、厚生労働省では、母子感染を起こすおそれのある妊婦を発見し、その妊婦から出生した子の感染を防ぎ、ひいてはB型肝炎の撲滅を図ることを目的として、昭和六十年よりB型肝炎母子感染防止事業を実施してきております。 具体的には、当該事業において妊婦に対する抗原検査、抗原陽性の母から出生した児に対するワクチン等の投与、必要な保健指導といったことを実施しております。 なお、平成九年度までは当該事業に要する経費を国庫補助としておりましたが、平成十年度より地方交付税によって措置されております。
○島田智哉子君 副大臣もおっしゃいましたように、この事業の目的は、B型肝炎ウイルスに感染しているお母さんから生まれてきた赤ちゃんへの母子感染を防ぐ、そのことでその子供たちが成人になったときに慢性肝炎や肝硬変、そして肝がんになることを食い止めることにあったんだと思います。 その事業の成果についてお聞かせください。
○副大臣(武見敬三君) これは平成七年度の厚生科学研究によりますと、平成七年、本事業を開始した昭和六十年と比べまして、出生児に占めるB型肝炎ウイルス保持者の割合が十分の一以下に低下したというふうに報告されております。その効果がこうした形で評価されているというふうに存じております。
○島田智哉子君 ありがとうございます。 この事業によって大変大きな成果が上げられたということでございます。つまり、多くの子供たちが成人後命の危険にさらされることを未然に防ぐことができたんです。 そして、私がなぜこの事業の話を持ち出しているのかと申しますと、事業の成果もさることながら、この事業を事業化するまでの、昭和六十年以前の医療関係者と旧厚生省の皆さんの御努力に敬意の念を持つからなんです。実は、この事業の制度化に大変な御努力をされた鳥取大学名誉教授でいらっしゃり、また聖路加看護大学大学院教授でもいらっしゃる白木和夫さんが当時の経緯を次のようにお書きになられております。 HBウイルスの水平感染がほぼ制圧された我が国において、母子垂直感染を防止することが、当時成人病として重要視されたHBウイルスによる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの撲滅につながることは明らかであるので、一九八四年に著者は、厚生省児童家庭局母子衛生課の当時の小林秀資課長に、HBウイルスの母子感染防止処置が健康保険の適用にならないだろうかと相談した。しかし、当時、予防的医療は健康保険の対象にならないとされていたため、この案は実行されず、代案として、小林課長の英断により、厚生省の事業としてB型肝炎ウイルスの母子感染防止が行われることとなり、関係各部署との調整の結果、翌年になってB型肝炎母子感染防止事業がスタートしたと、このようにございます。 生まれてきた小さな命を将来肝硬変や肝がんから救うために保険適用にならないかということに対して、保険の対象にすることは難しいけれども、子供を肝がんから救うことを目的に、その手段を、あきらめることなく模索される中でその手段を見いだし、そして英断を下され、そのことによって多くの命を救い、その母の苦難を救われたんです。 今の状況も同じだと思います。出産のときに我が子の命を守るための治療によって愛する我が子が苦難な状況に追い込まれている。また、自分を産んでくれた愛する母が、自分を産んだことで命の危機にさらされている。母は子供の命のために自分の命は惜しくないんです。しかし、そのことで苦しむ子供を見ることはそれよりも苦しいんです。そんな状況こそ社会が支え合わないでいいんでしょうか。今こそ政治の力で、責任で救済しなければならないんではないでしょうか。 参議院の先輩議員であられて、そして自殺対策やがん対策に党派を超えてまとめ上げてこられた武見副大臣、副大臣が政府の一員でおられる今、是非政府の中で働き掛けをお願いしたいと思います。副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(武見敬三君) 大変今の御指摘は重いものというふうに受け止めます。そして、こうした肝炎にかかわる健康被害、これをでき得る限り撲滅していくための努力というものは、あらゆる立場からそれを実行していく必要性があるだろうと思います。 そのための努力というものについては、常に私自身もこの立場で一貫してそれを努力してみようというふうに思っておりますので、お気持ちは誠に重く受け止めておきたいと思います。
○島田智哉子君 先週も患者さんから涙ながらのお話を伺いました。 武見副大臣、済みません、私、フェアではない、ちょっと泣いてしまいましたけれども、申し訳ありません。でも、これは本当にドラマでも何でもない事実であるから、日本で起こっている現実のことであるから、私はやはり涙が出てしまいます。申し訳ありませんでした。 その患者さんが、すぐに疲れる体であっても、生活のために、治療費のため、どんなにつらくても働かなくてはならない、賠償金のために裁判をしているんではない、ただただ元の体に戻してほしい、体が元に戻れば腰が曲がってでも必死に働きますとおっしゃっておりました。大臣がおっしゃった、一歩でも半歩でも前進するように努力をしていくというお言葉が患者さんに与えた希望なんです。是非、治療費の助成に道を開いていただき、一人でも多くの患者さんの命を救うべく御努力を、特に武見副大臣にもお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。よろしくお願いします。 間もなく十二月一日になります。御承知のように、国連が提唱する世界エイズデーでございます。それに先立って、本日、厚労省とエイズ予防財団が、渋谷で夕方からレッドリボンライブ二〇〇六を開催されて、主に若者世代にHIV、エイズの予防啓発を呼び掛けられる、ちょっとお天気が悪いのが残念ですけれども、そういう行事が今日はございます。 今日は感染症予防法の質疑でございますけれども、時間の前半をこのHIV、エイズの問題について、後半は国立高度医療センターの問題について関連して御質問させていただきたいというふうに思います。 御承知のとおりに、欧米などにおきましてはHIVの感染者は横ばい状態でして、早期発見、早期治療の効果でエイズ患者数は減ってきております。しかしながら、先進国で我が国だけが増え続けておりまして、HIV感染者もエイズの患者さんもともに増えているのは日本だけという状態です。アジアで今大流行をしております。そんなことを考えますと、この日本の国における予防啓発やあるいは検査体制の充実を急がなければならないという問題意識を持っております。 大臣に冒頭お伺いをさせていただきたいと思いますけれども、行政の積極的な取組がかぎだというふうに思っております。ところが、厚労省が今年八月に、全国のHIV感染者、エイズ患者の六割を占めます東京都、神奈川県、千葉県、愛知県、大阪府の五つの都府県のエイズ対策関連予算を調べましたところ、今年度の合計は約四億二百万円、統計を取り始めました九五年度の合計十二億四千百万円に比べて約七割も減少をしております。 地方のエイズ対策費が大変に少なくなってきている。なぜ減ってきているのかということについて、その背景、どのようにとらまえておられるのか、まず大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 都道府県のエイズ対策予算の減少の背景についてお尋ねがございました。 やはりこの背景には、この十年間、厳しい財政が続く中で、普及啓発等の経費を中心に地方公共団体のエイズ対策予算が減少しているということだと考えております。 ただ、今この普及啓発の施策ということの予算ということになりますと、限られた財源の中でいろいろな創意工夫を凝らす余地があるのではないかと、このように考えるわけでありまして、そういう創意工夫を是非とも期待をしたいというふうに考えるわけでございます。 とにかく、今御指摘のように、先進国の中で我が国だけがエイズの感染者が増加しているということは、私どもも大変重く受け止めております。
○山本孝史君 今お触れになったように、地方財政が大変今苦しいので、国庫補助二分の一という状態の中でいきますと、地方としては普及啓発というようなすぐに効果の見えないような事業ですとかは余りやりたくないと、ほかの方にお金を回したいということで回っていってしまう。 で、この前も大臣にお話をしましたが、国庫補助があって、地方がその財政が付いてこれないものだから、国がいろんな補助事業を用意しても地方が手を挙げない、むしろ減らしてほしいという声がちらほら聞こえるんですね。特定疾患の事業なんかもそうですし、がんの診療連携拠点病院をつくるにも、国はこれだけのお金、予算用意しましたというと、同額を予算用意しなければいけない。大きくなればなるほど地方の方は実は苦しくて、手を挙げたくても挙げられないというような状況があって、やはり一つには地方財政がちゃんとしてこないと、地方自治体付いていくだけの余力がない。と同時に、私はやはり国の方の姿勢が後退をしてしまうと、地方の方もそれに応じてやっぱり後退していくのじゃないかなという気がしています。 もう一つの御質問として、今お配りをさせていただいております資料ごらんいただきますと分かるように、厚生労働省が今年同じ八月に、重点都道府県、政令指定都市というのが十六ございまして、これはHIV感染者あるいはエイズ患者の多いところ、自治体を指定しているわけですけれども、そこで国が思っておりますようなエイズ対策推進協議会が設置されていないというのが二つの県市。設置されていても開催されていない、あるいは一度だけ開催というのがほとんどの状況になっております。エイズ対策計画も、策定は四自治体にとどまっておる。都道府県中核拠点病院、後ほど御質問させていただきますが、この設置予定も明確ではない。 先ほどは、普及啓発事業に大変消極的になってきているということを申し上げたわけですけれども、こうした国がエイズ対策を進めていこうとしている各施策においても、各自治体は極めて消極的な姿勢を示しているわけであります。 今後、厚生労働省としてどのようにこの地方自治体に対応していこうとするのか。先ほどは、少ない、お金は上げないよ、でも創意工夫で何でもやってねと、こういうのが先ほどの大臣の御答弁でございましたけれども、そういうことで本当にうまくいくのかどうか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) エイズ対策につきましては、本年四月に改正されましたエイズ予防指針というものにおきまして、国と地方との、都道府県等との役割分担を明確化するということを行いました。そういうことで、我々としては都道府県の中心となった取組が強化されることを願っているわけでございます。こういう中で、例えば相談業務というか、あるいは検査事業というか、そういったものについては、利用者の利便性に配慮した体制の整備というようなことについては一定の成果が見られると我々は思っております。 しかし、今、山本委員が御指摘になられたエイズ対策推進協議会であるとか、あるいはエイズ対策計画というようなことにつきましては、これは非常に不十分ということも事実であろうと、このように見ているわけでございます。 我々といたしましては、こういう状況を踏まえまして、特に重点都道府県を始めとする各自治体において予防指針に沿ったエイズ対策が実現されますように、エイズ施策評価検討会というものを本年度において設置をいたしまして、この国の検討会を通じましてモニタリングを行い、都道府県等における取組についてしっかり監視をし、必要であればいろいろな勧奨を、勧奨というか勧めをいたしてまいりたいと、こういうようにモニタリングを通じた体制の整備というものを促進してまいりたいと、このように考えております。
○山本孝史君 特に質問通告していませんけれども、このエイズ対策計画は、厚生労働省としてはいつまでに各都道府県に策定をしてほしいということで通知をしておられるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 現状で確かにエイズ対策計画、ない県の方が圧倒的に多いわけでございまして、これらにつきましてもできるだけ早く作るようにということで要請してまいりたいと考えております。
○山本孝史君 済みません。せっかく先ほど大臣から施策評価委員会を作ってモニタリングをするんだと、こういう御答弁をいただいたわけですから、モニタリングをするということは、その前提として、こういう施策をいつまでにやっていきますという時期と、その数量的な目標値をセットして、それがなぜ動かないのか動いているのかということをモニタリングするから評価委員会が意味があるのであって、その前提、先ほど指針とかもお示しいただいたわけですけれども、このエイズ対策計画、済みません、そもそも国のエイズ対策計画というのはあるという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(外口崇君) 国のエイズ対策計画がエイズ予防指針ということになります。
○山本孝史君 私も今そういうふうに理解をしているんですが。そうすると、それが二月一日に改正されたと。ということであれば、その改正を受けて、それぞれのまだ作っていないところも、あるいは作っているところも含めて、新たなエイズ対策計画を少なくとも重点自治体においてはいつまでに作れということで指示が出ていると、こう理解をしたいのですが、質問通告をしないとこういう質問もお答えはすぐに返ってこないのでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 具体的にはまだ早期の策定ということしか決まっておりません。
○山本孝史君 そういう国の姿勢の後ろ向きというんですかね、積極的に取り組んでいこうという姿勢が見えてこない中で、地方自治体が何かをやれと言われても、予算は削られているわ、やれと言われているだけだ、国は何もやらないじゃないか、いつまでの話、でもよく分からないというようなことで、大臣、地方自治体は付いてくると思いますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 指針を作りまして、それぞれの分担というものを明確にいたしました。そうして新たなその指針の考え方というのは、まず疾病概念が変わってきましたと、不治の特別な病ということからコントロール可能な一般的な病ということであるという、そういうことで、これは恐らく一番このまず知識の普及、正確な知識の普及によって差別であるとかそういうことをなくしていくということかと思っております。それから、先ほど申した役割分担というものを明確化するということでございます。 さらには、施策の重点化、計画化というものをうたっておりまして、施策の対象者をまず重点化しようと。同性愛者であるとか青少年に重点を置いた普及啓発をしようと。それから都道府県レベルで中核拠点病院を指定しようと、こういうようなことを内容とする施策というものを定めようということでございますが、その施策をいかに展開するかということについて、先ほど言った重点指導の対象となる都道府県等を選定して、都道府県におけるエイズ対策計画の策定をして、今言ったような施策というものについて効果的な展開を図っていこうと、こういうフレームワークを定めておるということでございますが、今委員が御指摘のようなことは、これを踏まえまして我々としては積極的に取り組んでいきたいと、このように考えます。
○山本孝史君 先ほどおっしゃった施策の評価委員会というのはいつごろ立ち上がるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 施策の評価でございますけれども、これは十八年の九月に第一回を開催しまして、指針に基づく施策の短期的モニタリングの柱と手法を検討しております。 それで、今後の流れでございますけれども、十九年の九月には中間報告を、それから二十年の四月には評価基準に基づくモニタリングの開始をする、そして二十一年の三月にはモニタリング結果の報告と二か年の総括をすると、こういったタイムスケジュールで考えております。
○山本孝史君 随分スピードが遅いと思いますね。 まず、これから全国展開をしようということで指針を改定されて、指針の旧指針と新指針を見ると、全部地方自治体がやりなさい、いや、元々やるべきことでした、それを明確にしただけですと、こうおっしゃるんだけれども、地方自治体の受け止め方としては、全部地方に丸投げされているという感じですよね。国の方のその評価委員会ももう既に立ち上がりをしているようですけれども、二十一年の三月と、こういうような話までされると、もう少し早くここは動いていただかないと、せっかくやっている意味がない。なおかつ、重点的にやっているべき十六の先行自治体、重点自治体においてこの状態なんですから、全国展開をするとなるとそう簡単にいかないということはもうおのずと見えてくるわけで、その意味では、今やっているこの重点都道府県におけるエイズ対策の取組状況をよく評価をして、なぜこうなのかということを分析した上で次の計画を考えていくということがまず必要だと思うので、是非この分析を早くやっていただいてその次の取組を考えると、いやいや、その次の取組を展開するために、まずこの施策、自分たちがやってきたものを分析をするということが必要だと思いますので、そこをよく取組をしていただきたいというふうに思います。 大臣、まずそういう取組から始めていただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今申したように、モニタリングのスケジュールを考えているわけでございますが、確かにこのスキームはやや長きにわたっているというか、そういう、二年間でありますけれども、施策の展開ぶりについては、少なくとも中間的な評価というようなことを織り交ぜて、もっとこの関係の都道府県を督励するような、そういう手法をこの中で取ってまいりたいと、このように考えます。
○山本孝史君 時間がもったいないのであれですけれども、右へ見ていただいても分かるように、個別施策も取り組んでいない都道府県も多いわけで、個別施策に重点的に取り組んでいこうということも遅れているということを指摘申し上げて、是非、国が後退しているので地方が付いてこないというのが実態だと思っていることをもう一度指摘をしておきたいと思います。 エイズ患者の多くが、それまでにHIVの抗体検査を受けておらずに、病院に行って突然そのままエイズだということが分かる、あるいはHIV感染を知らないままに放置されていたというのが、かなりの方々がおられます。したがって、発症予防のための治療法は、HIVに感染をしても、それからエイズを発症するまでの間のこの治療法は格段に進歩していますので、HIVに感染してもエイズにはならないというのが今の基本的な考え方です。 したがって、早めに抗体検査を受けることがとっても大切なんですけれども、ところが主に保健所でやっているわけですが、保健所でやっているのが月に一回、二回とか、あるいは開いても三十分だとか予約制だとかということで大変に受けにくいわけですね。したがって、予防ということからいくと、保健所に限らず、いろんな病院も含めて夜間の検査、仕事が終わった後に受けられる、あるいは休日の検査、それから迅速検査と言ってその場で結果が分かるというような体制を整備すべきだというふうに思っています。 どのように取り組むお考えか、教えてください。
○政府参考人(外口崇君) 保健所に限らずの夜間検査、休日検査、迅速検査を受けられる体制についての御指摘でございますけれども、平成十六年度より、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、広島といった大都市においてそういった取組が始まっておりまして、利便性の高い検査を受けやすい体制を確保するために、保健所だけでなく、例えば東京都では南新宿検査・相談室を始めとして地域の医師会、NPO法人への委託実施という取組があります。それから、神奈川県でも同様に即日検査センターを、これは地域の診療所に委託して行っております。また、結核予防会に委託している取組もございます。 そういった形で、今、大都市においての夜間、休日、迅速など、受検者の利便性に配慮したこの無料の検査の取組が始まっているところでございますので、国としてもこういった取組の有用性を広めていきたいと考えております。
○山本孝史君 できるだけそういうところ、近いところ、身近なところで受けられるような体制がとっても大切で、今献血をその検査代わりに使うというふうなのが問題になって、いっときそれで一生懸命取組をしたわけですけれども、再びまた増えている傾向がある。すなわち、献血センターの方が、そのHIVの検査をする場所よりも駅に近かったら献血センターに行ってしまうというのが実態としてあるので、そういう意味では、同性愛者の皆さんが集まっておられるようなところですとか、あるいはみんなが通いやすいような場所ですとかに、先ほど例示でおっしゃった、そういうセンターですね、医師会の協力を得てとか、あるいは診療所ですとか、といったようなところに国がお金を出してあげて、検査は無料ということで受けてもらうというような体制を是非充実をしてほしいというふうに思います。 それで、そのときに、私、HIVの感染者の手記とかを少しだけですけれども読んでいますと、陰性だから良かったと思って、それでしばらくして、同じような生活行動をしていて、次受けると実は陽性になってしまっていたということでHIVに感染してしまうということが多いようなので、申し上げたいことは、その陽性と判定されたときに、当然しっかりカウンセリングをしてあげる、そしてその後のことについて説明をしてあげる、治療法についての説明をしてあげるということも必要ですけれども、陰性と判断されたからもう大丈夫なんですよということではなくて、きっちりとその後気を付けて生活をしてくださいという、この陰性の方も含めた、何といいましょうか、フォローといいましょうかサポート、あるいはそうしたカウンセリングが必要だと思うんですね。検査しました、陰性でした、はいお帰りくださいではなくて、ここでの、患者さんといいましょうか、そういう可能性のある方とのカウンセリングというのはとても大切だと思うんですけれども、こういったところの体制はどのように整えておられるのか、そして今後どのようにしていかれるのか、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 陰性者に対してのカウンセリング、大変重要だと思います。保健所等で実施するHIVの検査は、採血の前に個別カウンセリングを行うよう周知徹底を図っております。また、検査結果の告知を行う際にも、これは検査結果にかかわらず事後のカウンセリングによる指導を行うこととしているところでございます。 あとは実際に、指導はそういうように行っているんですけれども、それが実際にうまく機能しているかということでございます。こういった点については、現場の声を参考にしながら、より良い体制をつくっていきたいと思っております。
○山本孝史君 是非、現場で実際に取組をしておられる方たちの意見というのが一番重要だというふうに思いますので、そういった御意見を受け止めていただいて施策の展開をしていただきたいというふうに思います。 それで、予防、検査の件はそれにしまして、法律のことについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 法律の第十二条に、今回新たに四項に新設をされまして、「厚生労働省令で定める慢性の感染症の患者を治療する医師は、」云々という規定が出てまいります。この「慢性の感染症」というものはどういうものを想定してこの規定を置いておられるのか、お聞かせください。
○政府参考人(外口崇君) 慢性に経過する感染症につきましては、治療により病原体を体内から消失させることを短期間で行うことが難しいため、適正な医学的管理の下で医療を提供し、患者を治療するとともに、他者への二次感染を予防する必要があります。このため、急性の感染症とは別の対策として慢性の感染症に関する届出の規定を設けたものであります。 代表的な慢性の感染症というと、まず結核があるわけでございますけれども、結核についてはもう既に別の規定が整備されておるところでございます。 届出の対象となる慢性の感染症については、一類感染症から五類の感染症のうち、短期間で病原体を体内から消失することが難しく、初回報告後も継続的に情報を収集することが有益な疾患を想定しております。実際に慢性の経過をたどるということだけでいえば、例えばエイズもそうでありましょうし、肝炎もそうでありましょうし、クロイツフェルト・ヤコブもそうでありましょう。ただ、実際に初回報告後も継続的に情報を収集することが有益な疾患ということになりますとそれからもう少し検討が必要でありますので、実際にどの疾患を対象とするかにつきましては、これは専門家のみならず、患者団体の御意見等も参考にしながら検討を進めたいと考えております。
○山本孝史君 従来から、四か月に一度でしたでしょうか、感染症法に基づくエイズ患者・感染者情報ということで疾病対策課からお届けをいただきますけれども、このエイズの発生動向調査というものは、これは十二条の従来の規定に基づいて行われている事業であると、こういう理解でよろしゅうございますね。
○政府参考人(外口崇君) 感染症発生動向調査事業につきましては昭和五十六年の七月から開始されていたところでありますが、平成十一年四月に感染症法が施行された後は、同法第十二条から十六条までの規定に基づき実施しているものであります。十二条から十五条が情報収集に関する規定、十六条が情報の公表に関する規定でございます。
○山本孝史君 という御説明に基づいて、HIVの感染者あるいはエイズ患者さんの初めて治療に当たった、発生したときの報告としては今の法律でも出てくる、それは累積されているわけですね。 今度新たに設けられるこの十二条の四項は、慢性の感染症の患者に何を入れるかというので、代表としてはエイズ、肝炎、ヤコブと、こういうふうに例示をされましたけれども、そういったものの中で、毎年度、この法律によりますと、「その患者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。」と、こういう規定になっています。 この四項を新設されることによって、従来は発生時点だけ押さえてきたけれども、今後は毎年、その時期は何回とされるのか知りませんが、毎年度、どういう状況になっているのかということを把握すると、こういう理解になるわけですね。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のように、十二条の四項というのは、慢性の経過をたどる感染症の中で、初回報告後も継続的に情報を収集することが有益な疾患を想定しております。 ただ、その対象を何にするかということについては、これはまだまだ専門家だけでなく患者団体にもいろいろな御意見ございます。実際に、例えば専門家というか疫学の専門家にとっては、例えば情報はできるだけ多い方がいいという意見もありますけれども、他方、その情報を取られる方の立場の納得が得られるかどうかということもございますし、それは最終的にはその患者さんのためになるということがやっぱりコンセンサス取られなければいけませんので、そういったことを十分踏まえた上で、そこの、どの疾患でどのような情報を取るかということについては、これはよくよく検討を行ってから決めたいと思っております。
○山本孝史君 午前中の櫻井理事の人権尊重という御指摘もあって、そのとおりだと思いますが、これはがん登録と違って個人が特定されないわけですね。その患者の年齢、性別というところから始まりますので、当然氏名はないし、住所はないわけですね。 今度、都道府県だけでもせめて入れた方がいいんじゃないか。あるいは、発生時のことをおっしゃっているのか、あるいはこの動向調査を含めておっしゃっているのかもしれませんけれども、疫学調査をしっかりやらないと、身近で何が起こっているかということについて国民が知り得ない。特に、地方自治体が非常に消極的な姿勢になっているのは国の姿勢が後退しているからだということを申し上げましたけど、もう一つは、自分たちの身近な病気だというふうに思っていない。それは、十六の重点自治体のところにほとんどの患者さんがおられるので、自分たちのところには関係ないというふうに思ってしまっていると困るんですよね。 そういう意味において、都道府県のそれぞれ、その患者さんがどこに住んでおられるかというような状況ぐらいまでは踏まえつつ、やはり患者の現在の状況というものを人権に配慮をしながらしっかりフォローしていく。単に発生時だけを押さえるんじゃなくて、疫学調査として有益な疫学調査になるようにここはしっかりとしたものにしていただきたいし、患者さんへの人権の配慮ということもありますので、よく患者団体とも協議をしながら、もう御答弁はいただいていますけれども、やっていただきたいというふうに思います。 国民にとっては有益なもの、患者にとっても有益なもの、そして次の治療体制なりあるいは検査体制なりがしっかり充実できるもの、そういう体制がつくれるような疫学調査というものを是非、患者の声を踏まえつつしていただきたいということを、もう一度だけ、御確認で御答弁をお願いします。
○政府参考人(外口崇君) 国民にとって必要な情報であり、しかも患者さんにとっても有益であるという観点で、どういった内容で進めるべきかよく検討したいと思います。
○山本孝史君 それで、治療体制についてお伺いをしたいというふうに思います。 国は、平成六年にエイズ治療拠点病院整備事業を開始しまして、個室を設ける、あるいは相談指導室、エイズ専門外来診療室などの施設の整備や医療機器などの設備購入費を国庫負担をいたしました。その結果、全国で三百五十五病院がこのエイズ治療拠点病院に指定をされております。 ところが、国立病院機構の仙台医療センターの調査によりますと、東北ブロックにはこの拠点病院が四十ありますけれども、その四十の病院で、診療数なし、一人も患者さんを診ていないというのが十七施設、四二%、五人以下が十四施設、三四%、六人から十人が五施設、一三%、十一人から二十人が三施設、八%、二十一人以上が一施設、三%ということになっています。すなわち、四十の拠点病院のうちほぼ半分近くは診療していない。五人以下ということを含めますと、ほぼ八割の病院が余りエイズの患者さんを診ていないということになるわけですね。 すなわち、これは仙台のブロック拠点病院である仙台医療センターが調査した結果ですけれども、エイズ患者さんは、たくさん拠点病院はあるけれども特定の病院に集中しているわけです。それは、その病院で治療を受けないとちゃんとした治療が受けられないから、ほかの病院ではやっぱり拠点病院と指定されていてもさほどに治療体制が整っていないからだという気がします。 それで、厚生労働省が全国の各拠点病院での患者さんの数を把握しているのですかとお聞きしたら、いやそれは把握していませんというお答えだったんですけれども、そういう状態でしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 現在、エイズ治療拠点病院、三百六十九ございまして、ブロック拠点病院が十四か所ございます。 そういった拠点病院の数でございますけれども、この三百六十九についての把握をしておりませんけれども、地方ブロックの拠点病院、これについては数を押さえておりますけれども、この中でもかなり数のばらつきがございまして、やはり特定の施設に集中しているという実態がございます。
○山本孝史君 ブロック病院はつかんでいるけど、各拠点病院での患者さんの数はつかんでいないという御答弁だと思いますけれども、今後その二極化に対してどう対応していくのかということなんですね。 まず一つは、今、がん治療でもそうですけれども、拠点病院をつくろうとしているわけですね。それはある意味では限られた資源を集約化していこうということをしているわけで、そういう意味では三百五十五、拠点病院含めて三百六十九になるんでしょうか、そうした病院のまずその、どのぐらいのやっぱり患者さんが来ておられて、そこにどういう治療体制が持たれていて、何人のきちっと治療に当たられるお医者さんがおられるのかという実態把握をまずやって、それでその中で、もう薬害エイズでの和解事項になっている国立医療センターでの拠点ですね、あそこの病院にも大変たくさんの患者さんが集中していますので、そうしたまず実態把握をして、それをどういうふうに、患者さん自身にあっち行けと言ってもやっぱり治療体制がないと行かれませんので、治療体制をその中でどういうふうに組み立てて、しかし数だけ増やしてしまった拠点病院は少し整理しながら、各都道府県に今度一つずつ中核病院を置かれるということなので、そういう方向性で進んでいかないと、本来的には全国どこでもHIVの感染者あるいはエイズの患者さんの治療体制というのは整わないんじゃないかというふうに思います。 まず、実態調査やってみて実態を把握した中で、どういうふうにこれから中核拠点病院にどの程度の医療資源を集中したらいいのかということを考えるということが順番じゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 確かに、拠点病院の中で、その拠点病院をつくった当初は、どの地域でもエイズの患者さんの治療ができる場所をつくるという点ではそれなりに有意義だったと思いますけれども、確かにその後、大分患者さんの集中するところ、そうじゃないところ、差が出てきておりますので、そういった状況を把握しながら、今度中核拠点病院をつくるわけでございますけれども、そういった中核病院を選定する際にも、そういった実態を踏まえながら進めていきたいと思います。
○山本孝史君 それで、今御答弁いただきましたその各都道府県に一つずつつくる、中核拠点病院をつくると、こういう方針なんですが、そのねらいというのはどこにあるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) やはり、がん対策のときでもそうですけれども、医療機関多い中で、大分その治療方法についても最新の知見を入れた高度なところと、それからそうじゃないところと、やっぱり出てきていると思いますので、どこか中心になるところでやっぱり専門にエイズ治療をしっかりやる先生がしっかりしているところというのがやっぱり必要だと考えております。 そういった観点で、高度なエイズ診療がやっぱり新しい知見に基づいて行えるところを、それを都道府県ごとに原則一か所を指定してつくっていきたいと考えております。
○山本孝史君 設置をしようとしておられる趣旨は理解しました。 十八年度中に中核拠点病院の指定を終えるようにという指示が出ていると思いますけれども、これについての各都道府県での対応の状況はどのようになっているでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 本年四月に改正したエイズ予防指針に定められた中核拠点病院は、先ほど申し上げましたように、高度なエイズ診療を行うことができる病院として原則都道府県ごとに一か所を指定いたします。それで、各都道府県においては、エイズ対策推進協議会等において平成十八年度末までに中核拠点病院の選定に当たることとなっているところであります。 厚生労働省としては、このエイズ予防指針とそれから中核拠点病院とを一つの柱としまして、エイズ対策が進んでいくようにしていきたいと考えております。
○山本孝史君 済みません。私の質問は、十八年度末までに中核拠点病院、各都道府県一つずつを指定するということだったので、もうこの時期まで来ていますので、今どこまでできていますか。併せて聞けば、この先、十八年度末までに全都道府県で指定ができるというところまでいきますかというのが質問です。
○政府参考人(外口崇君) 最近問い合わせたところでは、今年度中に確実にできるところがまず二十八あります。それから、まだ時期までは言えないけれども、今年度中にできないと言ったところはまだございませんので、そういった意味で更に要請を強めてまいりたいと考えております。
○山本孝史君 局長、済みません。がん診療連携拠点病院の場合は、都道府県でそれぞれ考えて、これを指定してくださいということで都道府県が上げてきて厚生労働省が指定するという形を取っていますよね。今回の今議題にしているこのエイズの都道府県中核拠点病院というのは、各都道府県で決めればいいということですか。厚生労働省に上げてきて、厚生労働省がそれでいいですということで指定をするという仕組みではないわけですか。
○政府参考人(外口崇君) 県が指定する方式になります。
○山本孝史君 がんの場合とエイズの場合と、なぜ国の姿勢は違うんですか。
○政府参考人(外口崇君) エイズの場合は既にある程度拠点病院という存在がありますので、そこから選ぶという、そういう実績がありますので、そういうことがあると思います。 がんの場合は、もう先生すべて御存じだと思いますけれども、連携という概念とか、それからあと、今までがんを中心に診療していた医療機関という数がかなり多うございましたので、それは選び方がちょっと、プロセスが違っているわけでございます。
○山本孝史君 今までのお話をお伺いしていての私の思いですけれども、たくさんの数を指定したけれども、それぞれの病院にどのぐらい患者さんが来ているかということも把握はしていないと。今後、中核拠点病院を都道府県に一つ一つ指定していくのも、それは都道府県がそれぞれやってください、二十八ぐらいはできそうだというふうに聞いておりますというのは、都道府県任せになっているからそういう話をしているのであって、同様に、それぞれのエイズの治療拠点病院がどの程度の治療に関する機能を持っているのか、どのぐらいの役割をきちんと果たしているのかということも、先ほどの評価じゃありませんけれども、見ていかなければいけないわけですよね。 そういう意味では、国の方がしっかりとした、もちろん中核拠点病院としての指定基準のようなものを出しておられるわけだから、それに対して都道府県が自分たちで指定するとしても、ではそれは一体いつまでに指定が終わるのだと。十八年度となっているよということで言っているわけですから、予定をいつまでにやれるんだということをちゃんと報告をさせる。あるいは、それぞれの病院が果たしている機能、どのぐらいの患者さんが来ていて、どのぐらいのお医者さんがいてということをきっちりと把握をして、それをインターネット上でも公開をするというような仕組みが、取組が必要だというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 県が一つに決めて、それで決めっ放しということじゃございませんで、もちろん予算補助が伴いますので、内容についての協議というのはもちろん国の方にもあるわけでございます。 それからあと、情報公開についてでございますけれども、これも大変患者さんにとっては非常に重要な情報ですので、これもどういうことができるかよく検討したいと思います。
○山本孝史君 決めっ放しじゃないだろうと思いながら聞いたんで、そういうはずじゃないだろうと思います。 だから、そうやってやっていただいてどれだけの機能を果たしているか、それで、今後どうせ中核病院に集中的にお金を、補助金なりを投入して、より医療水準を上げてもらうという方向性で行くんでしょうから、そういう意味ではきっちり機能評価もしていただきたいというふうに思います。 それで、今日は文部科学省にも来ていただいております。 こういう都道府県の、あるいは国のエイズ対策に対する消極的な姿勢というものが、裏にやっぱりエイズに対する関心が薄くなった、薬害エイズのとき、あるいはその前後のパニックになったような状況からしますと、誤解と偏見が広まってしまったことも事実ですけれども、エイズそのものに対する関心も薄くなってきているのじゃないかというふうに思います。だれでも感染する可能性のある身近な性感染症だということを特に若い人たちに自覚をしてもらわないといけない。その場合に、学校での教育が大変に重要だと、こう思います。 性教育については激しい議論が国会の中でありましたけれども、横で聞いておりまして、個人的な感覚ですとか、あるいは御本人の個人的な心情を語っておられたり、いずれにしても正確なエビデンスに基づいた議論からはかなり懸け離れた議論、だったというふうに私は横で聞いておりまして受け止めております。 で、結果として、性感染症に関する予防啓発授業というものが学校教育現場においても随分と後退してしまったのではないか、何かをやって怒られるよりは、何もやらない方がましだというような姿勢に現場の方がなってしまっているのではないかなと、こう思います。 そんな中で、厚生省の研究班としてございます、一つの、木原雅子京都大学助教授が主任になっておられます厚生労働省のHIV感染症の動向と予防モデルの啓発・普及に関する社会疫学的研究というのがございまして、この中を読ましていただきますと、従来の性教育というもののイメージがかなり変えなければいけないというふうに私は受け止めました。 大変綿密に準備をされていまして、まず、性に対する生徒の理解度を事前に生徒全員にアンケート調査をして、そして面接をして、どの程度理解をしているかということを把握をして、その調査結果に応じて授業内容を柔軟に変化をさせておられます。 やはり、エイズを身近な病気だと感じていないことが最大の問題なので、作られておられますパンフレットなども地元の方言を使ったり、あるいは生徒が住んでいる地域の性感染症のデータなども説明をしているわけですね。すなわち、エイズということを言う前に、性感染症、エイズは性感染症の中の一つなんだと。性感染症という、十代の妊娠ですとか、あるいはクラミジアですとかいろんな性感染症が広がっているということをもっと身近に感じてもらう先に実はHIV、エイズというものがあるんですよということの方が教育もしやすいし、受け止めもしやすいのだろうと思います。そんなふうにも思いました。 もうあえて申し上げませんけど、あのときの本は私もまだ取ったままですけれども、その後、文部科学省としてどういうテキストをお作りになったんですかとお聞きをしましたら、「健康な生活を送るために」という高校生用と「かけがえのない自分、かけがえのない健康」という中学生用のこういう教材を作っておりますということでお話をいただきました。 どんなふうにこの教材を使っていかれて、どういうふうに性感染症なり、あるいはHIV、エイズに対する予防啓発を学校現場で展開していこうとしておられるのか、文部科学省の御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(西阪昇君) お答えいたします。 性感染症の予防啓発でございますが、教育こそワクチンであると言われておりますように、学校教育の果たす役割は、先生御指摘のように大変重要であるというふうに認識しております。 まず、学校におきましては、中学校、高等学校の保健分野でこの分野の学習を行うということになってございまして、国の教育内容の基準でございます学習指導要領、中学校の保健体育で、性感染症に関しましては、エイズ及び性感染症の増加傾向及びその低年齢化が社会問題になっていることから、その疾病概念、感染経路、予防方法を身に付ける必要があることを理解できるようにするというふうになってございます。 具体的には、中学校におきましては感染症一般の学習から入りまして、その後、エイズの現状、HIVの感染経路、エイズの予防、さらには性感染症につきまして、若者に広がる性感染症、性感染症の感染と対策などの項目にわたりまして学習をするということで進められているところでございます。 このような学校の取組をより充実した、また効果的なものになるよう、今先生御指摘いただきましたような中学生、高校生が自ら心と体を守ることができるよう新しく学習の教材を作りまして、中学校一年生、高等学校一年生全員に配付を昨年度からしているところでございます。その他、教員関係の講習会でございますとか、あるいは性教育の実践事例集も作成、配付をしていきたいというふうに考えております。 また、私ども文部科学省におきましても、世界エイズデーの関連の取組といたしまして、本日、都内で教育関係者を集めましてシンポジウムを行っておりますが、先生からお話のございました木原先生に御講演をお願いをして、いろんな形で学校現場で今後取組が進められるよう推進しているところでございます。
○山本孝史君 中学生用と高校生用とのテキストといいましょうか、お配りになったものを拝見しておりまして、私が持ったこの高校生用の方を見ておりますと、感染症の前に薬物乱用の問題があって、その前に飲酒あるいはたばこの問題が置いてあるんですね。そして、最後に感染症が来て、五番目のところにエイズが出てきます。エイズが実は前面に出ていて、その中に一ページ、性感染症が入っているんですね。エイズが前面に出ると、自分には余り身近な病気じゃないんだと若い人たちが思ってしまって、先ほど申し上げたように、性感染症の方がもっと身近なんですよということで教育をした方がエイズの感染予防にはうまくいくのじゃないかなと私は思っていて、この本のつくりが何か逆にエイズの患者さんに対する偏見を助長してしまうような感じが、逆に強調されているような感じがするんですね。これは私の個人的な感想ですから御答弁は要りませんけれども。 いずれにしましても、こうしたいろいろな教育なりいろんな取組をしておられた結果として、子供たちの行動がどの程度変わったのかということの、行動変容に結び付いたのかどうかということの正にエビデンスをしっかり積み上げてこないと、やっている内容を改善していくことも批判することもできないと思うのです。何か作って渡しておけばいいというのではなくて、その結果としてどう変わったのかということが実は非常に重要なので、そうした研究をすることにも研究班として是非取組をしてほしい。 これは厚生労働省としての木原研究班ですけれども、是非、文部科学省の研究費なり、あるいは厚生労働省の研究費として更にこの研究を進めていただいて、いろんな教材を開発しながら、その結果として子供たちの性行動がどう変わったのか、どの程度性感染症が抑えられたのかというような行動変容の結果も研究していくような研究を続けてほしいというふうに思いますので、厚生労働省と文部科学省とそれぞれの御担当から御答弁をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(西阪昇君) 文部科学省といたしましては、先ほどお答えいたしましたような学校の取組を進めていきたいと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、性教育の望ましい取組あるいは全国に参考となる取組についての実践事例集を作っていきたいというふうに思っております。 また、性感染症対策及び児童生徒の発達段階に応じた性に関する効果的な指導方法についての実践的な調査研究というのも取り組んでいきたいと考えておりまして、これらの取組におきましては、厚生労働省とも連携をして取り組んでいきたいというふうに考えております。
○政府参考人(外口崇君) 性感染症の問題も、これも若年層における大きな健康問題でありますので、社会全体として取り組むべき重要な課題であると思います。 それで、文部科学省の方から答弁ありましたけれども、厚生労働省としても、発育や発達の段階に応じた適切な対応という観点からといったことも考えつつ、関係省庁、関係機関と十分連携して性感染症予防対策を推進してまいりますとともに、また、その研究の推進ということについても取り組んでいきたいと思います。
○山本孝史君 先ほど来から御紹介申し上げております厚労省研究班の木原助教授によれば、性行動は、性描写のある漫画を読む、自分の住む地域の性感染症の流行情報に疎い、携帯電話を持っている、先生の生徒に接する姿勢が公平でないと思っている、家族との会話が少ない、人生の生きがい感が乏しい、こういう子供たちほど性行動が早く活発化しているというふうに分析をしております。 したがって、性感染症の予防教育というのが、コンドームの装着法ですとか、あるいはパートナーとの交渉技術、スキルといった技術に矮小化される話ではなくて、これは社会全体の問題として戦略的に取り組まないと、この問題なかなか解決しないんだと、私は木原さんの指摘を読みながらそう思いました。 すなわち、性情報が社会にはんらんしておりますので、こうしたものに対する大人も含めて社会的な節度を回復しないと子供たちの性行動をきちんとするものにすることはできない、あるいはエビデンスのない教育とか対策から脱却をしてほしい、先ほどから私が申し上げているとおりです。 そうしたプログラム、今開発中だとおっしゃいましたけれども、なかなか実践教育のデータを集めることが難しいということも聞いておりますけれども、そうしたいい例をたくさん積み上げて、早く積み上げてこないと、いろんなところからいろんな声がまた出てきますので、そういう意味ではマスコミの皆さんにも情報提供を強化をしてほしいと思います。日本ほどルーズな国はないのかなというふうに思いながらも言いましたけれどもね。 正直、繰り返し申し上げると、性描写のある漫画を読む、今子供たちが接している漫画というのはすごい描写になっていて、これはポルノのときのあの法案もそうでしたけれども、なかなか表現の自由の問題があって行き切れない問題ですけれども、やっぱり大人がこういう漫画から抜け出てこないと駄目だというふうに思いますし、自分の住む地域の性感染症の流行情報に疎い、だから、全国のデータで出てくるのではなくて、我が県ではこういうふうに実は十代の妊娠ですとか性感染症が広がっていますという個別情報として出てこないと自分の情報として受け止めない、自分のこととして思わない、携帯電話を持っているというのはもう御想像のとおりです。 先生の生徒に対する姿勢、あるいは親との会話が少ない、人生の生きがい感が乏しい、孤立してしまっている子供ほどこういった性行動に早くなるあるいは活発化するということですので、厚生省が文部省がというのではなくて、国全体でやっぱり取組をしていかなければいけない問題だというふうに思います。 何か一言御感想でもあれば、大臣お答えください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 性感染症、それから今やその一つにもうはっきりなったと言っていいんだろうHIVの感染の問題、こういう問題について、大変山本委員から広範な角度からのお話をいただきました。 冒頭委員がおっしゃられたように、今や先進国ではもう横ばい状態が実現していると、それに引き換え日本は何だと、こういうお話も併せて私どもよく聞かせていただきました。 本当に、一厚生労働省あるいは一文部科学省ということではなくて、本当に日本の社会全体がどうもそういった方面に対してルース、緩やか過ぎるということも御指摘になられました。 我々もそのことを拳々服膺して、厚生労働省としても、特に文科省とはよく緊密な連絡を取りながら、我々としてできることを的確にやっていかなければいけないという思いを強くいたしました。その過程で、またいろいろ先進国の事例等についても研究をして、こうした事態は早く改善をしていかなきゃいけないという思いを強くいたしております。
○山本孝史君 多分自殺もがんも同じことだと思っているんですけれども、このHIVの話も。マスコミ関係でいうと総務省になってきますし、恐らく警察の方もかかわっていただいている部分があると思いますし、実態をちゃんと把握しながら適切な対応を進めていくと、政府全体での取組を是非していただきたいと思います。 残された十五分の時間で冒頭申し上げた次の課題に触れたいと思います。国立高度医療センターの将来はどうなるのかということです。 今年六月に成立をした行政改革推進法によって、国立高度医療センターは平成二十二年度に非公務員型独立行政法人化することが決定をしております。どのように対応していくお考えなのかお聞かせください。
○政府参考人(松谷有希雄君) 国立高度医療センターは、我が国の医療政策として重要な六つの分野を推進する拠点として整備運営を行ってきているところでございます。例えば、がん対策強化の必要性、少子高齢化の進行等を踏まえまして、高度先駆的医療の研究開発など、その機能の更なる充実強化を図ることが重要であるというふうに考えているところでございます。 一方において、今後の活力ある政策医療を推進していくためには、大学や民間企業との積極的な人材交流等を可能とするための手法といたしまして、平成二十二年度に非公務員型独立行政法人化するということといたしているところでございます。 我が国の政策医療の牽引車として各センターの担う役割というのが十分発揮できるよう、一つにはあるべき法人の形態、二つ目には厚生労働大臣に対して政策提言を行うことができる仕組みの構築などの制度的な措置、三つ目には借入金に係る債務の処理や安定的な運営を維持するための必要な財政的な措置などにつきまして、現在検討を行っているところでございます。
○山本孝史君 現在検討中ということなんですけれども、政策医療を牽引して大臣に政策を提言するとおっしゃっているわけですが、今、六つあるわけですよね。六つの高度医療センターをそれぞれごとに独立行政法人化するのか、あるいは六つをまとめて一つの高度医療センター、独立行政法人高度医療センターという形にするのか、どういう方向でお考えなんでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) あるべき法人の形態につきましても、今申し上げたこれからの政策医療の牽引車としての六つのセンターの役割というものと勘案しながら検討していきたいと思っておりますけれども、センターごと、それぞれ目的、担っている機能というのがございますので、それぞれごとに政策提言が、大臣に対して政策提言ができるような仕組み、あるいはいろいろな関係の大学、民間企業との人材交流なども、がんの分野ならがんの分野、成育医療なら成育医療の分野、精神・神経なら精神・神経の分野、それぞれ違っているところもございますので、いろいろな点を総合的に勘案しながら検討してまいりたいと思っております。
○山本孝史君 今の御答弁は、六つをそれぞれ別々に独立行政法人化したいと、こういう御答弁だと理解をしましたけれども。 病院と研究所があるわけですね。病院と研究所を分けて、病院を今の国立病院機構の方に一緒に入ってもらう、研究所は研究所としてそれぞれ独立行政法人化するということも考えられるわけですね。分離をする。そのことについてはどんなふうにお考えですか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 個々の形態、やり方については、まだそこまで熟した段階にはございませんので、でございますけれども、今の点で申し上げますと、病院と研究所というのはナショナルセンターとして機能をしていく上では不即不離のものではないかと私どもは思っております。研究の成果が病院で検証される、あるいは病院でのいろいろな事例が研究に反映されると、これが同じ場所にあって初めて有機的なセンターとしての機能が発揮されていると、こういうことではないかなと思っていますけれども、そういうことも含めまして全体的な議論が必要であると思っております。
○山本孝史君 医政局長に重ねてのお尋ねで恐縮ですが、一つ一つのセンターを独立し、病院と研究所は一体のものだと、こう考えたとして、例えば築地にあります国立がんセンターの築地の病院、そこのそばに研究所がございます。そうすると、病院附属の研究所になるのか、研究所附属の病院になるのか。局長のお考えとしてはどういうイメージを持っておられるんでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 組織としては全体で考えていかなければならないと思います。 現在のセンターはそれぞれ病院、研究所は並立のものということで、互いに有機的に機能しているわけでございます。今後もそういうことになろうかとは思いますけれども、私個人の意見を求められましたので、私個人で申し上げれば、ナショナルセンターというのは単なる病院ではないと、やはり研究あっての病院ということで、そこは従来の国立病院・療養所とは違うものであろうと私は少なくとも思っておりまして、そういう意味で申し上げれば研究所附属病院という方が私の頭には合っておりますが、これは私の個人の意見でございますので、組織としては全体的にまた今後検討していくということになります。
○山本孝史君 個人的御見解として承っておきますけれども、二十二年に独法化ということですから、その前にもちろん法律が出てくる、いろんな議論をしていかなければいけないわけですよね。 いずれにしても、税金投入が正当化されるものでないと、その組織としては成り立ち得ないだろう。そういう意味で各医療センターの今年の予算、特別会計ですけど、予算額で見ますと、例えばがんセンターなんかですと診療報酬でほぼ病院は賄えているわけですね、運営はね。ところが、賄えない国立センターもあるわけです。 そういう中で研究所の部分は当然不採算ですから、研究をするという意味ではそこにお金を投入しないといけない。それから、その病院の経営という部分に税金を投入するということはなかなか認められないのだろう。社会保険病院、厚生年金病院がああいう形になっている中で、いかに附属研究所といってもそこは認めにくいのかなと。今無理にお考えをお聞きしてしまったのは、研究所附属病院ということなのであれば、それは特別の治療を、医療を行っているのだから、臨床をやっているのだからということで認められる余地はあり得るわけですね。 逆に言うと、その病院を訪問する患者さんにとって、この病院はどういう病院なんですということの性格が明確になってくるということが実は重要なのであって、一つの地域病院であるならばそれは違うわけですね。そういう必要性はないわけです。 そういう観点からお伺いすると、今、戸山町の国立国際医療センターが新しく病床を建て替えておられるわけですね。今回の独立行政法人化なりあるいは特別会計の廃止なりというような話の前に既に計画が定まっていたことかもしれませんけれども、新築をしてしまいますと、その借入金が当然、財投資金からの借入金が出てきて、それを返さなければいけない。で、それを返すのは税金が充てられないわけですね。それを、なぜ税金がそこに充てられるのかということの理屈を立てなければいけない、みんな診療報酬の中で民間はその病院の建て替えもやっているわけですから。 当然のごとく、そうなってくると、その借入金を救済するために全部が一緒になるというのではなくて、国立国際医療センターの建て替えに掛かる費用は今後とも国立国際医療センターの診療報酬の中で努力をして返していただくという考え方が正しいと思いますが、そういう考え方でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 国立国際医療センターの病棟の建て替えの件でございますけれども、国立国際医療センター、センターとしては平成五年十月に発足しておりますけれども、病棟につきましてはその前身でございます国立東京第一病院時代からのものでございまして、今建て替えているものは昭和四十四年に建築され、老朽化も進んできたということから、政策医療を実施するセンターにふさわしい環境とするために建て替え計画を進めてきたということでございまして、平成十五年度に基本設計を行い、十七年度に工事を契約して、現在建設を進めているということでございます。 もちろん、独立行政法人化することが決定されたわけでございまして、これは今申し上げましたように別途検討しなければなりませんけれども、国立国際医療センターに期待される国際感染症あるいはエイズ医療等にかかわる役割を的確に発揮できるよう、この建て替えの中でも建設を進めていきたいと思っております。 今議員御指摘のとおり、資金につきましては財政融資資金から借り入れてございまして、これは今後のセンターの運営の中で償還していくということといたしているものでございます。 例えば、がんセンター等も既に建て替えが終わっております。これも同じように財政融資資金から借り入れてございまして、これもやはり現在返済をしつつあるということで、同様のことを行うことになろうかと思います。
○山本孝史君 それで、政策医療をやるという意味において、がんとか成育ですとか、それから精神ですとか循環器病とかというのは理解しやすいんですよね。ところが、一番理解しにくいのがこの国際医療というので、来ている患者さんは地域の患者さんたちなんですよ。地域病院なんですね、実態は。それが今後ともに政策医療をやっていくということについて、何をやっていくのかということ。それから、大府にあります長寿医療センターですね。長寿医療センターというのも、それは大島さんに言われればチョージュウ医療センターかと言って笑いを取ろうとして全然だれも笑わなかったんですけれども。その長寿医療センターを造る、今度地域医療をそこにやらせると、こうおっしゃっているんですね。地域医療をやる研究所を造るなんて、私は全く意味がないと思っていて、地域医療などというのは地域の中でしか出てこないものを、それを研究所でやるという話はどうも話が合わないなと僕は思っているんです。 だから、もっとうまい説明というか、もっとうまいその使い方、やっぱりこれから増えてくる認知症についての先進的な治療を行うんだというようなことでないと、なかなか国民の理解が得にくいのではないかと私は思います。 そういう意味で、国際医療センターが何をやっていくのかということについて分からない。感染症センターになるのかもしれない。それはそれで一つの考え方だと思います。国際医療センターが何をしたいのかということを考えずに建物だけが建っていくので、これは順序があべこべになっていないかなと私は思うわけです。 それで、そう思いながら見てますと、省令を改正されて国立国際医療センターに国際臨床研究センターというものが開設されて、そこに三つの部が置かれる。国際保健医療研究部、何となくよく分かる。医療情報解析研究部、ゲノム医学などについての探索型情報検索を行うとおっしゃっていて、もう一つできる部が細胞組織再生医学研究部。再生医療、細胞医療、遺伝子治療等の先端医療の基盤技術開発と臨床現場に応用するための臨床研究開発を行うという研究部が新しくこの国際臨床研究センターにできるんですね。 国際医療センターは、じゃそういうものを目指していくのかという意味において、私は理解できないんです、こういうものがなぜここに急に出てくるのか。再生医療だとか遺伝子治療だとかというのはとっても重要な治療法で、それぞれみんなやっていますけれども、なぜこの国際医療センターのここに新たにそうっとだれの目にも付かないような省令改正をする中で、こういうものを造ってやっていこうとするのか、それが、私が指摘している国際医療センターの将来像とどうつながってくるのか、私が理解できるように御説明ください。
○政府参考人(松谷有希雄君) 国際医療センターに、今般、国際臨床研修センターというものが発足をいたしてございます。 ここでは、特定疾患、例えば感染症、国際医療協力を推進するために必要となります感染症、あるいは今後重要となります生活習慣病などがその対象ということでございまして、研究と臨床が一体となることによりまして研究成果を上げていく必要があるということでございます。 新設の所掌事務につきましては、再生医療、遺伝子治療、その他の先端的な医療技術の開発及び改良のための臨床研究を行うということでございまして、これらによって得られた研究成果を病院において臨床応用しながら効率的な研究開発を行うということで、医療の向上、国際医療協力への貢献にもつなげるということとしているものでございます。 今、先生御指摘の、国際医療センターの役割が分かりにくいということでございますが、国際医療センターは国際協力の拠点であり、その基盤として感染症に重点を置いておりますし、更にこれからは生活習慣病等にも重点を置くセンターとして今後機能を担っていくことになるというふうに考えておりまして、そのための組織改編ということであるということでございます。
○山本孝史君 ここの、臨床研究センターを置くとされ、特定疾患に関しと書いてあるんですよ。この特定疾患というのはそうすると生活習慣病とかも含んでいるんですか。
○政府参考人(松谷有希雄君) 特定疾患には感染症あるいは生活習慣病などを含んでおります。
○山本孝史君 だから、何でも国際でと付けて国際的なことをやればいいという話もおかしいと思うし、申し上げているように何をやりたいのか、それが国民がそこに税金を投入するに当たって妥当だと思うもの、それがちゃんとセンターの名称とやっていることと、それからその内容ですよね。だれにも分からないように自分たちだけで組織を増やしていって違う方向に持っていくというのは、それは与党の皆さんだって黙っていないだろうと思うし、こういうやり方やっちゃ駄目ですよ。だから、ちゃんと何をやるんだということを明確にして、今日は個人的御見解でしたけれども、是非、これから高度医療センターがどうなっていくのかということについてしっかりとした方向性を示していただきたいということを御指摘申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。 本日は結核問題を中心にお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、結核問題に入る前に、本改正案の総論的な部分についてお伺いをさせていただきたいと思います。 今回の感染症予防法の改正案は、病原体管理体制の確立、感染症の分類の見直し、結核予防法の統合が大きな柱になっていると伺っております。今回の改正の目的は生物テロ対策であると言われておりますが、五年前の米国同時多発テロとそれに続く炭疽菌テロによって各国がテロ対策を強化する中、我が国においても生物テロ対策の一環としてこの改正案が提出されたと理解をしているところでございます。本改正案には、こうした生物テロ対策のための病原体管理体制の確立のほか、感染症類型の見直し、結核予防法の統合なども含まれております。こうした部分を含めた法案提出に至るまでの背景と経緯について御説明をしていただければとお願いいたします。
○副大臣(石田祝稔君) 今ほとんど委員がおっしゃっていただいたような気もいたしますけれども、本法律案は生物テロの未然防止、こういうことの必要性が高まる中で、生物テロなど人為的な要因による感染、こういうものの蔓延、発生防止をするために、病原体等について所持等の禁止、届出等の規制を新たに導入をしていくと、こういうものでございます。また、あわせて、最新の科学的知見に基づく感染症の種類の見直し、人権の尊重の観点からの入院手続規定の整備、また結核に関する規定の整備等、近年の感染症を取り巻く状況にかんがみて実効ある総合的な感染症対策を講じると、こういう目的でございます。
○浮島とも子君 次に、今回の改正案において新たに規定されました病原体の管理体制についてお伺いをさせていただきたいと思います。 我が国では試験や研究のためたくさんの種類の病原体や毒素などが使用されておりますが、しかし、我が国はこれまで危険な病原体の管理体制は研究者一個人に一任されており、法律に規定されておりませんでした。今回、この改正によりテロに使用されるおそれのある病原体についてしっかりとした管理体制が整備されることは、国民の安心そして安全の確保の面から見ても前進であり、とても心強いことと思います。 ところで、この病原体の管理体制については諸外国ではどのような規制がなされているのか。米国などではテロ対策を重視する余り病原体管理についてはかなり厳しく規制がされ、大学や研究所などにおいて研究活動にも影響を及ぼしているとの話も伺っております。米国そして英国における病原体管理体制の現状と、これは分かる範囲で結構ですが、その運用の状況、例えば研究活動に阻害されるといった弊害などの事実が出ているのかどうかについてお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 米国におきましては、連邦規則において病原体等の所持、使用等に対して登録制を設けており、保健福祉省又は農務省の登録証明書を得なければならないこととされております。また、輸入に際しては、疾病管理予防センター、CDCの事前許可を必要としております。 英国におきましては、病原体等の所持、使用等に対して、国務大臣への事前通知及び衛生安全委員会での承認が必要とされております。 なお、両国における法律の運用状況、特に研究者への影響でございますけれども、詳細には把握しておりませんが、例えば米国の科学誌ネーチャーに出ていた記事によりますと、研究者が法律に抵触するトラブルを避けるため実験サンプルを廃棄していることがあると紹介されていることを承知しております。
○浮島とも子君 今回の病原体の管理体制が確立することにより、病原体を所持する施設に対して様々な義務が発生し、施設の構造なども指定されてまいります。その結果、従来行われていた研究活動が制約される機関が出てくることは懸念が生じておりますけれども、病原体の管理をきっちり行うことはとても重要です。でも、余りにも厳しくする管理体制の下では、感染症の試験研究活動が阻害されるという事実にもなりかねません。 国民の安全、安心、先ほども申しましたけれども、これが最も最優先であることはもちろんですけれども、感染症の研究が後退することのないよう、その辺りはしっかりとしたバランスを取りつつ施策を進める必要があるのではないかと考えていますけれども、いかがでしょうか。 バランスを取ると口で言われるのはとても簡単でございますけれども、政府におきましては、きちんと現場の状況、意見にもしっかりと配慮をしつつ、今回の仕組みの中で研究機関等の本来の業務に支障を及ばさない工夫としてどのようなことを考えられておられるのか、また今後政省令を定めていただきたいとも思っておりますけれども、この点について政府の御方針をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今般導入いたします病原体等の管理は、当然に企業、大学等に対してもこれは基本的に適用されるべきものだと考えております。その際、現在行われている研究等に支障が生じないかということで、今、浮島委員は海外の事例等についても御質疑をいただいたわけでございます。 私どもといたしましては、この改正法の施行に当たっては、今申した現に行われている研究に支障が生じないようにするために、この法施行時に既にある施設についてこの基準に一定の経過措置を設ける、あるいは施設の保管、使用等の基準につきましても、研究等の業務に著しく支障が出ることのないよう、遵守すべき基準の内容について必要な経過措置を設けることを考えておりまして、そのような研究機関等に対する十分な時間的余裕を与えるという配慮によりまして、感染症対策等の研究に後退が生じないよう対応してまいりたいと、このように考えております。
○浮島とも子君 テロ対策としてきっちりとした所持等の規制はとても重要だと思いますが、研究開発の場が決して打撃を受けないようにきっちりとした配慮をしていただきたいと思うところでございます。 今ちょっとお伺いさせていただきましたこの政省令を定めという件についてはいかがお考えか、もう一度、再度御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(外口崇君) 政省令の関係でございますけれども、ここでその一定の経過措置とか、それから研究等の業務に著しい支障が出ないよう遵守すべき基準の内容についての所要の経過措置等を決めていく予定でございます。
○浮島とも子君 是非ともしっかりとよろしくお願いいたします。 改正案では、最新の医学的知見に基づき、SARSが一類感染症から二類へ、コレラ、赤痢、チフスなどが二類から三類へ分類が見直されております。また、検疫感染症についても、コレラ、黄熱を対象から外すこととされております。 国民の目からしますと、こうした感染症の類型、検疫感染症の対象疾病を見直す場合は、本当に分類のレベルを下げて大丈夫なのだろうかという懸念が生じます。感染症発生時に万全の対処が十分にできるのかといった不安が出てくるかと思いますけれども、こうした不安に対してはきちんとした説明が必要であると思いますので、政府から感染症の分類及び検疫感染症の対象疾病を見直す背景とその理由について、きっちりとした御説明をお願いいたします。
○政府参考人(外口崇君) まず、SARSについてでございますけれども、平成十五年の感染症法改正において、当時の海外での発生状況等に照らして迅速に対応する必要があった中で、限られた医学的知見に基づき、発生、蔓延を確実に防止するため一類感染症に位置付けたところであります。 しかしながら、その後の発生状況につきましては、数十件の疑い例と可能性例が報告されましたが、すべて否定されており、平成十五年七月にWHOがSARSの終息を宣言して以後は実験室内等の限られた場所での感染しか発生しておらず、このため二類感染症に位置付けることとしたものであります。 コレラ、細菌性赤痢、腸チフス及びパラチフスにつきましては、近年では輸入感染例が多く、国内での二次感染例が少ないこと、感染症の蔓延を防止するために当該患者について入院措置をとるまでの必要性は乏しいが、特定の職業では感染拡大のおそれがあること等から、就業制限が行える三類感染症に位置付けることとしたところであります。 また、国際的流行状況や感染経路から見て、国内で常在化するおそれがないなど検疫感染症とする国内の特別な事情がないこと、国際保健規則が改正され、検疫感染症を固定化させず、国際的拡大の危険性等に応じて臨機に定めていく仕組みになること等から、検疫感染症から外すこととしたところであります。 今後におきましては、新たな感染症類型、検疫感染症に対する措置を的確に講ずることにより、感染症の発生の予防及び蔓延の防止を図ってまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 是非とも国民に心配を掛けないようしっかりとした説明をこれからもよろしくお願いしたいと思います。 次に、新型インフルエンザについてお伺いをさせていただきたいと思います。 新型インフルエンザの発生が危惧をされております。既に海外においては人から人への感染が確認されるほど新型インフルエンザの発生は秒読み段階に入っていると言っても過言ではございません。新型インフルエンザ対策行動計画を具体的に行動に移すことができるような体制整備、訓練が必要であると思いますけれども、いかがでしょうか。 今年の九月、政府では新型インフルエンザに対するための机上訓練を行ったと伺っております。そこで、この訓練の総括をお伺いするとともに、この机上訓練で明らかになった今後の課題についてどのように対処していくおつもりなのか。また、私は、このような机上訓練から更に進んで、これを都道府県や各保健所も参加して実施訓練が必要であると考えておりますけれども、そういった訓練を今後行う予定があるのかどうかについてお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 新型インフルエンザ対策におきましては、新型インフルエンザ対策行動計画を策定しているところでありますが、その行動計画を実際に行動に移せるよう、本年九月十二、十三日に内閣官房の主導によりまして新型インフルエンザ対応の机上訓練が実施されたところであります。 この机上訓練では、厚生労働省においては、内閣官房より送付された課題に対して省内関係各課における検討、また省内の連携及び連絡体制、意思決定過程の再確認とともに、関係省庁との連携強化を図ったところであります。 また、本訓練を通じての課題でございますけれども、これは新型インフルエンザ対策行動計画をより具現化、具体化した各種マニュアルやガイドラインの更なる充実が必要であると認識したところであります。このガイドライン等につきましては、今後さらに専門家会議等において検討を進めていく予定であります。 さらに、本訓練を通じて、省庁間の机上訓練のみならず、自治体等を関与させた同様のフェーズにおける訓練の必要性も確認されたところでありまして、このような訓練を引き続き実施し、実践的な対応ができるようにしておく必要があると認識しております。自治体等を関与させた訓練については今準備中でございます。
○浮島とも子君 今後も課題にしっかりと取り組みながら、是非とも万全な手だてを講じていただきたいとお願いを申し上げたいと思います。しっかりした訓練を行ってこそ、やはり国民に対しても、安全、安心の面からでもしっかりしていただきたいと切にお願いをまずさせていただきたいと思います。 そして次に、結核についてお伺いをさせていただきたいと思います。 日本は、結核の新規患者が年に三万人近く登録されるということなどから、結核の中程度の蔓延国と位置付けられてしまっております。我が国では、国内最大の感染症である結核に対して結核予防法によって個別の対策を進めてきたものの、欧米並みの患者数に減らすところまでは残念ながら至っておりません。 政府として、このような我が国における結核の現状をどう認識しておられるのか。また、結核患者がなかなか減らない理由をどう分析されておられるのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(外口崇君) 我が国では、昭和二十六年に制定された結核予防法を中心とした対策によりまして、戦後間もなくと比べて結核罹患率は飛躍的に改善されたところでありますが、依然として欧米先進国より罹患率が高い水準にあり、まだまだ十分な対策を講ずる必要があります。 我が国の結核の罹患率が高い理由としては、これは幾つかの分析が専門家によってもなされておりますけれども、第一には、現在、急速な高齢化の進展に伴い、結核の蔓延が著しかった当時に感染を受けたと考えられる高齢者が多く再発しているということが一つあります。また、欧米では、十九世紀前半ごろ、いわゆる産業革命の時期に大流行を迎えた後で、十九世紀後半から徐々に鎮静化しているのに対して、日本では流行が始まるのが遅く、戦後まで大流行が続いていたと。このため、昭和二十六年当時の日本と米国の結核死亡率には当時で約六倍の格差が見られる等、こうしたことが現在も欧米先進諸国と比べて罹患状況が悪いことの原因の一つであるという分析もございます。 いずれにいたしましても、このほかもまだ幾つか可能性としては、例えば最近の若年者に対する理解の問題でございますとか、それからあとは外国人の方とかホームレスの方の問題でございますとか、幾つか大事なポイントありますので、そういった点に十分留意しながら対策を進めていきたいと考えております。
○浮島とも子君 この結核予防法の、今回、感染症法への統合について次にはお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、結核予防法が廃止されることになって、結核予算、結核関連の予算が大幅に削減され、対策が後退してしまうのではないかという不安をお持ちの方がいらっしゃいます。 一九七〇年代のアメリカでは、結核患者数が減少したということに伴い、結核関係予算も大幅に削減をされました。しかし、その後の外国人、ホームレス、そして受刑者といったハイリスクグループ、このグループにおける罹患率が増加してしまい、一九八五年には患者数が増加に転じてしまったという経緯がございます。米国政府は、すぐにこの結核対策予算を増額し、罹患率を減少さしてまいりましたけれども、一度対策を怠った代償はとても大きく、患者数の回復に費やした費用は、削除した結核対策を継続していた場合にかかわる費用を大きく上回ってしまったと言われております。 こうした事例を見る限り、結核対策には長期的展望が必要であり、患者数の減少に応じた予算の削減は妥当ではありません。今後、結核対策を推進していくことに先立ち、まずは予算を従来どおりしっかりと確保することが重要になってくるかと思いますけれども、結核対策予算の確保に向けた大臣の御決意をまずお伺いをさしていただきたいと思います。 また、国民、特に若い人の間では、結核は既に過去の病気であって自分には関係ないと思われている方がたくさんいらっしゃることも事実でございます。結核対策の第一歩として、まず結核とはどういった病気かということを知っていただく、こうしたことが必要になるのではないかと私は考えております。 結核の知識の普及に向けた政府の取組、そして先ほどもお願いしましたこの結核予算の確保に向けた大臣の御決意をお伺いさしていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現行の結核予防法につきましては、これは国会決議でもそういうことを御指摘いただいたわけですけれども、特定の感染症の病名を冠した法律は差別、偏見の温床になりがちだということがございまして、今回、このような御指摘を踏まえて感染症予防法に統合しまして、人権の尊重の手続を拡充するなど、従来の対策に加えまして実効ある対策を講じようと、そういう考え方の下で改正法を御提案申し上げたところです。 今、浮島委員御心配の予算の確保についてでございますけれども、御指摘のようなアメリカの例にもかんがみまして、この対策を講じる上で必要な予算の確保にはしっかりと努めてまいりたいと、このように考えております。 また、御指摘の知識啓発普及でございますけれども、これについては全くお説のとおりでありまして、結核対策を推進するに当たりましては、国民一人一人が結核についての正しい知識を持つということが必要だと考えておりまして、今後とも引き続き、結核の発生動向に関する情報提供、あるいは地域における一般住民等に対する講習会やパンフレットの作成等を通じまして、結核に関する必要な普及啓発を怠りなく進めてまいりたいと、このように考えております。
○浮島とも子君 ありがとうございました。 今大臣がおっしゃっていただいた実効ある対策、そしてしっかりとした予算確保をお願いしたいと思います。また、知識の普及、これが本当に大切だと思いますので、これにもしっかりと取り組んでいただきたいとお願いを申し上げさしていただきたいと思います。 次に、医療機関におけるこの結核の院内感染についてお伺いをさしていただきたいと思います。 医療施設は、既に結核菌に感染している高齢の患者さんと、未感染者が多い医療従事者が接する機会が多い場となっているため、集団感染が生じやすい環境となっております。医師や看護師だけではありません。伺ったところによりますと検査技師の結核罹患率が非常に高く、その率は医師や看護師に比べて約三倍から五倍になるとも言われております。 結核罹患率が低下し、結核が昔に比べて一般的でなくなったということで、国民だけではなくて、医療従事者の結核に対する意識も低下してきてしまっているのかもしれません。こうしたことが患者の受診の遅れ、それに対して医師の診断の遅れにつながり、感染性の高い患者が放置される可能性を高める遠因となっているのではないでしょうか。 このような事態を対処するために、結核感染予防の徹底を病院全体で行う必要があると考えますけれども、医療機関における結核感染は、現状どのようになっているのでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 我が国におきましては、結核の罹患率の低下に伴いまして、医師を始めとした医療従事者が結核を診療する機会が少なくなっており、医療従事者における結核に関する意識の向上は、結核の早期発見や蔓延防止という観点からも大変重要な課題であります。 過去十年間の結核集団感染の件数を見ますと、病院等における集団感染も、これは少ないときは年間数件でありますが、多いときは年間十数件という報告がなされております。医療従事者の結核に関する意識の向上、そして十分な院内感染対策を講じることが求められております。 医療従事者に対しましては、国庫補助の下、財団法人結核予防会におきまして、医師を始め診療放射線技師、保健師、看護師、臨床検査技師等、医療従事者に対してこれまで様々な研修コースが実施されてきたところであります。厚生労働省としては、引き続きこれらの研修を支援するとともに、学会等の関係機関と連携を取りながら、今後とも結核の診療に携わる医療従事者の人材確保、人材育成に取り組み、結核の意識の向上に努めて、院内感染対策につきましても強化を図ってまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 国民に知識を普及することも本当に大切でございますけれども、まずそれに携わる医師、看護師、そして技術の方々の意識の普及、そしてしっかりとした対策をお願いいたしたいと思います。 次に、多剤耐性結核菌と呼ばれる結核菌が増えてきております。中には、すべての薬が効かない超多剤耐性結核菌といった菌も出現しているなど、深刻な状況になっております。結核患者のうち、多剤耐性結核菌に感染している方は、今現在どのくらいを示しているのでしょうか。また、それに対してどのような対策を取られているのか、お伺いをさしていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 多剤耐性結核についての御指摘でございますが、多剤耐性結核とは、少なくともINAHとリファンピシンの両剤に対しまして耐性を有している菌であり、こうした菌の出現は結核対策上重要な課題であると思います。 多剤耐性結核菌感染者については、二〇〇二年の結核発生動向調査成績を用いた推計によりますと千五百人程度であるとの報告があります。厚生労働省におきましては、引き続き適正医療の推進やDOTS等を通じた結核患者の治療完遂支援を通して多剤耐性結核菌の蔓延防止に努めてまいりたいと思います。
○浮島とも子君 こうした多剤耐性結核菌の出現は、結核の治療を中断する、服薬を途中でやめてしまうといったことが原因の一つとされていると思いますけれども、今お話がありましたDOTS、このWHOが打ち出したDOTSというのが、我が国においても日本版二十一世紀型DOTSとして総合的な対策が進められているとお伺いしております。前回の結核予防法改正で家庭訪問の指導などの規定が法律に盛り込まれたところでございます。 そこで、この日本版DOTSの進捗状況についてお伺いをさしていただきたいと思います。 このDOTSについては、法改正の前から先進的な取組をしている自治体もございましたけれども、法改正後どのくらいの自治体で地域DOTSの実施が行われるようになったのでしょうか。そして、このDOTSにより結核の罹患率の低下は見られているのでしょうか。法改正のこの成果についてお伺いをさしていただきたいと思います。 また、こうしたDOTSの推進に当たっては、地域の保健所、病院、薬局等の連携がとても重要だと思いますけれども、そういった地域連携の体制の構築はうまくいっているのか、お伺いをさしていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 地域DOTSの実施状況でございますけれども、平成十七年九月に行った調査では、約八〇%の保健所において実施していたとの結果があります。 厚生労働省においては、平成十二年度より結核対策特別促進事業において、大都市における結核の治療率向上、DOTS事業を開始したほか、平成十五年に服薬確認を軸とした患者支援のための具体的方策として日本版DOTSの推進体系を全国に示したところであります。また、平成十六年の結核予防法改正におきましても、DOTSに関する規定を法に盛り込むなど、積極的にその推進を図ってきており、その結果、地域における積極的な取組の効果もあり、結核の罹患率は平成十一年以降は低下をしております。 委員御指摘のとおり、DOTSは、保健所の保健師のみならず、医薬品の知識を有する薬剤師等、ほかの職種や、地域の医療機関、薬局等との連携の下に実施することが重要であります。そのための努力が各地で行われていると伺っております。 厚生労働省としても、緊密な地域連携の下、患者さんにとって最も良い方法でDOTSを実施できるよう、今後とも服薬確認を軸とした患者支援を趣旨とする様々な形態のDOTSの推進に努めてまいりたいと思います。
○浮島とも子君 これからも更にしっかりとした地域連携を進めていっていただきたいと思います。 次に、この多剤耐性菌は結核菌だけには限りません。強力な薬剤耐性菌であるMRSAなどもございます。こうした多剤耐性菌をめぐる状況は、薬剤耐性菌に対する新しい抗生物質を開発したとしてもすぐに細菌が耐性を身に付けてしまうといったモグラたたき状態になっていることも事実でございます。次から次へと強力な耐性菌が出現してしまって、こうした多剤耐性菌をこれ以上生み出さないようにするためにはどのようにしたらいいのか、そして抗生物質の使用は慎重に行うことが必要と言われております。一方で、既に存在する耐性菌については、これに効く新薬の開発が求められているところでございます。 こうした多剤耐性結核菌を始めとした多剤耐性菌に対する新薬の開発に向けた研究等への支援策について、御見解、そしていろんなことをやっているのか、お伺いをさしていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 近年、多くの薬剤に耐性を有する結核は世界的に大きな問題となっておりまして、治療をめぐって新しい課題も発生しており、多剤耐性結核菌に関する新薬開発の要請は大変高いものと考えております。地域で見れば、例えばアフリカでございますとか、それから東欧でございますとか、そういったところでは、やはりこの結核又は多剤耐性結核ということが大変深刻な問題となっております。 多剤耐性菌への新薬の開発については耐性発現のメカニズムを含む基礎的、応用的研究を推進することが重要であり、こうした視点から厚生労働省としては厚生労働科学研究費補助金研究事業において多剤耐性菌の研究を進めてきているところでありますが、今後とも、結核をめぐる動向を注意深く見守りつつ、新薬開発に資する研究の推進等を図ってまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 最近の結核の動向を見てみますと、高齢者、ホームレス、外国人労働者など、結核に関してハイリスクである集団がある程度特定ができるところでございます。 その中で、次は高齢者の結核対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。 日本の新規登録結核患者数の六割は六十歳以上の高齢者と言われております。高齢者は結核が蔓延していたころに結核菌に感染した方が多いため、年齢を重ね、体力そして免疫力が落ちてきたころに結核を発症するといった方が多くなってきております。既に結核菌に感染しているけれどもまだ発症をしていないといった潜伏感染をしている状態の高齢者を早く発見し、その潜伏している結核菌を管理そして治療をしていくことができれば結核患者数も減っていくのではないかと考えております。 こうした潜伏感染をしている高齢者に対しては、現在どのような管理そして治療が行われているかについてお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 現在、我が国におきましては、高齢者の結核患者の割合が非常に高く、社会への結核感染源ともなり得ることから、その予防対策が重要であります。 高齢者の結核対策としては、従来より結核予防法に基づき六十五歳以上の高齢者を対象とした定期の健診が行われており、今般、感染症法と結核予防法統合後もこの定期健診の条文は改めて規定することとしております。今後とも、こうした定期健診を通じ早期発見に努め、発症後の早期の治療に結び付けることにより高齢者の結核に関する治療、管理に努めてまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 この潜伏に関してはしっかりと、増やさないためにも管理、治療を今後しっかりとしていただきたいと思います。 またもう一つ、ハイリスクグループである外国人の結核対策について次はお伺いをさせていただきたいと思います。 外国人労働者の増加に伴って結核の新規登録に占める外国人の割合は全国的に年々増加をしているところでございます。外国人の結核患者は、言葉の壁によって意思疎通が困難であったり、文化、習慣が違っていたり、医療保険未加入であったりするなどのことから健康診断や治療へのアクセスがとてもしにくく、また治療や服薬を途中でやめてしまうといった傾向が多くあります。 不法滞在して労働をしている外国人も中にはおります。こういった不法滞在外国人がわざわざ自ら医療機関や保健所に足を運ぶということはとても思えません。このような状況下では結核を発症している外国人労働者の発見が遅れ、排菌している結核患者が町を歩くことにもなりかねないと思います。さらに、結核治療において治療、服薬を中断するということは多剤耐性結核菌を出現させてしまうことにもつながるために、何としてもこうした事例は絶たなければならないと考えております。 結核を我が国に持ち込ませない。そうするためには入国の段階で結核保持者を排除するといったことが大切な一つの対策として考えられるかと思いますけれども、移民が多いアメリカでは、移民申請者に対して胸部エックス線検査が課せられて、結核の疑いのある方に関してはツベルクリン反応検査を受けるように義務付けて入国の制限をしていると伺っております。 そこで、我が国における外国人の入国に対しての検疫体制についてお伺いをしたいと思います。現在、外国人が入国する際に、特に就労ビザを持って入国される場合、検疫においては結核についてどういった扱いになっているのかお伺いをさせてください。
○政府参考人(外口崇君) 結核につきましては、現在、検疫法においては検疫感染症とはなっておりません。このため、検疫においては海外から国内に入ってくる方に対しては結核の罹患の有無に関する検査は特別行っておりません。 なお、感染症法におきましては、当該者の国籍にかかわらず法の規定を運用することができます。御指摘の就労ビザを持って入国してきた者についても適用されますので、健康診断の実施など国内において感染症法に基づく措置というのは可能であります。 なお、自治体の取組の中に、日本語学校を対象として健診を行う取組、あるいは外国人向けのパンフレットを作成して普及啓発する取組などが行われているところでありますので、こういった実情も見ながら対応してまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 この件に関してはとても重要なことだと思いますので、今後ともしっかりとした対策を考えてやっていっていただきたいと切に強くお願いを申し上げさせていただきたいと思います。 そして、最後になりますけれども、高齢者、外国人労働者に絞って今までちょっとお伺いをさせていただきましたけれども、結核対策というのは一律横並びではなくて、こうしたハイリスクを持った集団ごとに特性に応じたきめ細やかな対応が必要だと考えております。現在、高齢者等に対する結核予防総合事業、大都市における結核の治療率向上事業といった形で結核対策事業が進められているところでございますが、いずれも、高齢者という結核ハイリスク集団、大都市という結核ハイリスク環境に特化した事業でございます。最近の結核の動向を踏まえますと、こうした従来の事業に加えて、外国人労働者に特化したあるいは対策が必要ではないか、またホームレスについても大都市で一くくりにするのではなくてピンポイントでホームレス対策事業を立ち上げるのが必要ではないかと考えております。 これからの結核対策はハイリスク集団ごとの特性に応じて進めていくべきと考えておりますけれども、御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○副大臣(石田祝稔君) 高齢者は結核の罹患率が高くて、また所得の少ない外国人やホームレスの方など、経済的弱者は結核の治療を開始した場合それを中断をすると、こういうリスクが高いと考えられております。ですから、こうした罹患、発症のリスクの高い人に対して個別にしっかりと対応していくことが私は必要であると思っております。 その対策としては、保健所等において服薬状況を確認しながら指導していくと、いわゆるDOTS、直接服薬確認療法、こういうことが大変効果的であるというふうに考えられております。DOTSについては、これをより強力に推進するために平成十六年に結核予防法を改正して所要の規定を整備したところでございますが、今回の改正につきましても感染症法の中で引き続き行うことといたしております。具体的には、患者の状況に応じて入院中は院内でDOTS、退院後は患者のリスクや生活形態、また地域の実情等に応じて外来、訪問、また連絡確認DOTS等を行ってまいりまして、終了後は治療成績の評価を行うと、こういうことも推進をしてまいりたいと思います。 今後とも、先生の御心配なことにならないように、しっかりと必要な予算を確保しながらきめ細やかな結核対策を推進をしてまいりたいと考えております。
○浮島とも子君 ありがとうございました。 結核対策は本当にきめ細やかなことが必要だと、対策が必要だと思いますので、是非政府としても一生懸命一丸となってこの対策に取り組んでいただきたいと思います。 私の質問を終わります。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 この法案に我が党は賛成の立場ですので、その立場で問題点や疑問点をただしていきたいと思います。 最初に、感染症に対する行政の基本姿勢にかかわる問題で、これは国民の生命、健康を守るということと同時に、患者の人権の尊重ということが極めて重要であると思います。その原点とも言えるのがハンセン病に対する厚生行政への深い反省だと思います。それについて一問、最近起きたことにかかわってお聞きしたい。 十一月の七日に群馬県の栗生楽泉園で慰霊祭が行われました。これは強制堕胎が行われてその後胎児標本として放置されてきたハンセン病元患者さんの死児の慰霊祭であります。 しかし、この慰霊祭は療養所自治会の意向に反して、慰霊祭の名称に堕胎という文字を使わずに胎児という名前にさせられました。強制堕胎という事実を隠そうとし、あるいは話合いといいながら自治会の皆さんにそれを押し付ける厚生労働省のやり方に元患者さんの皆さんが怒っていらっしゃいます。慰霊祭というのは、私は何よりも当事者の意向というのが大切にされなければいけないというふうに思いますし、今回のようなことがあってはならないと思うんですね。 大臣は、公務でこれ出席されなかったというふうにお聞きをしておりますが、現地の皆さんは大臣の出席を心待ちにしていたともお聞きをしています。この場で、元患者の皆さんに対する大臣の思い、とりわけ強制堕胎という事実に対して政府の責任をどうお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 栗生楽泉園の慰霊祭につきましては、私も就任直後にハンセン病元患者の代表団とお会いしたときに、今後こういう予定があるというようなことで、これのみならず、ほかの慰霊祭あるいは行事についてもお聞きをいたしました。そして、そのときには大変理解のある御発言をいただいたわけですけれども、どれとは言わないけれどももうとにかく一度は必ず来てくださいというようなことで、私も公務の都合が付く限り参りたいというような気持ちを固めておりました。しかし、残念ながら、十一月七日におきましてはそういうことがかなわなかったということでございます。 私もこの元ハンセン病の皆さん方に対して、この療養所におきますいろんなことにつきましては、大変、そのときにも申したことですけれども、人権にかんがみて許されないことが数々行われたということでございまして、私もそのことで今日まで、個人的な立場ですけれども、心を痛めてきた人間の一人だということを申し上げました。また、大臣に就任したということで、その思いを改めて皆さんに表明申し上げますということをその代表団との会合でも申し上げまして、今日もその考え方に変わりはありません。
○小池晃君 一般論ではなく、強制堕胎という事実に対してどうお考えかということを一言是非いただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この点については先ほど私としては、数々の人権を損なうようなことが行われたということで申し上げたつもりでございますけれども、当然その中には強制的な堕胎というようなことも私は含んでいるつもりであります。
○小池晃君 やはりきちっとこうした過去の行政に対する反省というのを原点に据えた感染症の行政でなければいけないということを冒頭申し上げたいと思います。 その上で、今回の改正によって、結核予防法の廃止で結核対策が後退するのではないかという、その問題について幾つかお聞きをしていきたいと思います。 日本は結核については中蔓延国というふうに指摘される深刻な状態で、スウェーデンの七倍から八倍、アメリカの六倍、イギリス、フランスの二・五倍という高い感染率であります。患者数全体少しずつ減っているものの、高齢者の感染は非常に多いということが先ほどからも議論になっている。さらに、二十代、三十代の若い世代でもう罹患率が余り下がっていないんですね。横ばいないし一部微増というところもあります。 高齢者の感染者の再燃については、罹患率の減少という一定の成果が出ていると思うんですが、若い世代で感染率が下がらない、この原因についてどうお考えですか。
○政府参考人(外口崇君) 平成十七年における人口十万対罹患率を見ますと、二十歳代で一五・四、三十歳代で一四・九と、その前の年に比べてそれぞれ〇・一ポイントずつ増加をしております。新規登録患者数ですと、二十歳代で二千十八人、三十歳代で二千百七十九人と、それはその前の年より減ってはおりますけれども、これは全体の分母が減っているというか、その世代の人口が減っているということもあります。それから、働き盛りである当該年齢層におきましては、ほかの年齢層に比して受診の遅れがあるという指摘があります。また、外国籍の患者さんの占める割合が高いということも指摘されております。 こういったことから、この特に若い世代、御指摘のように罹患率がなかなか減っておりませんので、啓発活動等いろいろな工夫が必要ではないかと考えております。
○小池晃君 もう一点、私、気になるのは、新規登録患者は減っているんですけれども、塗抹陽性患者の減り方がそれに比べると小さいんですね。まあ言ってみれば、より公衆衛生上は対処を要する患者の比率が高まってきている。この原因はどうお考えですか。
○政府参考人(外口崇君) 平成十七年における人口十万対の塗抹陽性結核罹患率は八・九と前年比で〇・一ポイント下がってはおりますけども、その減少率はその前の年より減速しております。その理由として、御指摘のような二十代とか三十代で塗抹陽性結核罹患率が上昇をしているという影響があります。これは、やはり一つは、受診の遅れということが一つ考えられますので、塗抹陽性ということは受診の遅れということでもありますので、やはり先ほど申し上げましたような若年者に対する取組というものが重要であると思います。
○小池晃君 私は、このやっぱり実態というのは結構深刻に受け止めなきゃいけないと思うんですね。 大臣、やはり若い世代の感染が一定程度存在し、しかも、今も受診の遅れというような背景も説明があったわけです。やはり新たな感染源が、よく言われる高齢者の再燃だけではなくて存在しているということになるわけで、やっぱり引き続きこれは予断を許さないという状況だと思うんです。若者の感染率が余り下がってない、この点だけ見ても、やはり結核というのは一般化できない、感染症の中でもやっぱり特別の位置付けを与えられ続けなければならないものではないだろうかというふうに思っておりまして、今回その結核の名を冠した法律はなくなるわけですが、一層その重要性は増していると思うんですね。 大臣、結核対策の重要性についての認識、改めて。今後やはり決してこれは後退させてはならない、むしろ今、非常にある意味では危険なサインも出てきているんだということについての御認識をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現行の結核予防法については、先ほど来申し上げておりますとおり、国会の附帯決議における御指摘等もありまして、今回、感染症予防法に統合することにいたしました。その際、従来の結核予防法が持っている数々の施策等については、これをすべて取り込むということと同時に、人権尊重の規定等については新たにそれを拡充するというようなことで、法制面において、従来に比して我々として何ら後退したところはない、むしろ拡充の方向の改正であるということを申し上げたいと思うのでございます。 そうした中で、新しい法制の下でこれから結核対策を進めてまいるわけでございますけれども、今後とも、薬剤耐性結核菌への対処や都市部におきます対策、あるいは今、小池委員の御指摘になりますように、若者の罹患に対する対策等、結核対策は一層充実してまいらなければならないと、このように考えております。
○小池晃君 法制面で今までのものを引き継いだということ自体は、これは私はいいことだと思っているんですが、しかし実態はどうなのかということをちょっと続けてみたい。 結核予算の推移を見ると、やはり重視しているとおっしゃるんですけれども、実態はどうなのかと思うんです。これ、予算全体で見ますと、二〇〇一年をピークに、百二十九億円から今年度七十四億円まで大幅にこれ減っております。 局長にお伺いしたいんですが、結核対策が重要であるというふうに言いながら予算削減が毎年のように行われてきている。これはなぜなのか。正にこれは対策の後退が具体的には起こっているのではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 近年の結核対策の予算の減少でございますけれども、例えば二〇〇一年度の百七億円が二〇〇六年度七十四億円と減少しています。この減少部分の一番大きいのはいわゆる結核の医療費でございまして、それは結核の患者さんの数が減れば減る数字でございます。ただ、それに加えて、昨今の財政状況等もございまして、結核対策の特別促進事業の減額、あるいは三位一体改革による税源移譲というのも加わっていることはこれは事実でございます。 結核は依然として主要な感染症であり、高齢者の結核患者が増加しているという現状もありますので、改正感染症法施行後におきましても、引き続き結核対策を推進するための所要の予算の確保につきましては尽力してまいりたいと考えております。
○小池晃君 ちょっと具体的に中身を見たいんですが、まず研究予算なんですけれども、衆議院での審議で局長は、厚生科学研究費は増えているんだという答弁をされています。 しかし、一方で、結核予防研究所に対する補助金は大幅削減になっているわけですね。結核予防研究所というのは、我が国唯一の結核の専門研究機関であります。結核対策や人材育成に大きな役割を果たしてきた。これ、事前にお聞きをしたらば、削減になったけれども、人件費から減らしてなるべく研究費は減らさないようにしているというふうに説明聞きましたけれども、実際この結果何が起こっているかというと、結研では、研究チームを減らすとか、あるいは常勤だった人を派遣やパートに替えるということが行われていて、結果として研究に支障が出ているということをお聞きしています。研究費も減少しているので、結局、厚生科学研究費にも頼らざるを得ない。しかし、厚生科学研究費と結核研究所の予算をこれ合計して推移見ますと、合計では下がってきているわけですね。 この点で、研究予算が減少しているということは、これは深刻な事態じゃないですか。いかがでしょう。
○政府参考人(外口崇君) 結核研究所の運営経費についてでございますけれども、これは国庫補助が入っておりますが、平成九年に閣議決定された「財政構造改革の推進について」によりまして、民間及びその他の補助金についての事業の見直し、削減、合理化が求められる中で、結核研究所補助金につきましても組織の再編や事業の合理化が図られているところでございます。 結核の研究費については、先ほど議員御指摘のような、研究の集約化とかも進めて、できる限り必要な経費を確保しているところでございますけれども、私どもといたしましても、厚生労働省の科学研究費等も含めまして、結核対策のための研究を推進していきたいと思っております。
○小池晃君 いや、その一律カットだからということだけで済まされない問題やっぱりあるはずで、何とかやっぱり予算を増やしていくという手だてを考えるべきだと私は思うんです。重視しているというんだったら、それは実態をやっぱり伴うことが必要だと。 それから、予算の中で私、見て重要だと思うのは、先ほどもお話ありましたけれども、結核対策特別促進事業費、これは日本版DOTSの立ち上げなどにも使われてきたし、研修・啓発事業にも使われていると。これが大幅に減っていますね。二〇〇一年度八・五億円が、二〇〇六年度は三億円と。これ、地方からの国庫補助要求額は五億七千万円あるわけです。ですから、採択率半分以下で、これでは地方自治体の要望にもこたえられないと思うんですね。 実態聞くと、このDOTSだけじゃなくて、例えばある自治体ですが、結核の分子疫学研究調査という、これは集団感染対策の有効な研究事業があったんですけれども、これ、ある自治体では、この結核対策特別促進事業費補助金が打ち切られたんでやめてしまうということが起こっております。 私は、結核対策で頑張っている現場自治体を応援するようなこういう補助金をこれだけもう半分以下に削ってしまうということは許されないと思うし、これでどうして対策が進むというのか、ちょっと御説明願いたい。
○政府参考人(外口崇君) 結核対策特別促進事業でございますけれども、これは地域特性に配慮したきめ細やかな結核対策を推進するための事業でございまして、この事業は自治体にとっては大変言わば使いやすい事業でございます。そういった点で、私どももこの事業は大事にしていきたいと考えておるところでございます。本事業につきましては、これは昨今の財政状況、それから三位一体改革による税源移譲等の影響もありまして減少しているところでありますが、この予算についてもできるだけ確保していきたいと考えております。
○小池晃君 いや、大事だ大事だと言いながら実態減っているんですよ。できるだけ確保したいと言うけれども、実態はそうなっていないじゃないですか。だから、やっぱりここは本気でやらなければ、本当に空文句になると思いますよ。是非来年度の中で検討をしていただきたいと思います。 それから、これでDOTSでどういう影響出ているかということでいうと、予算額全体が減っているということもあって、しかもその先進的事業に限っているということで、DOTSの事業予算が認められにくくなっているというふうに聞いております。認められても三年程度で打切りということで、打ち切られた自治体は非常にどうやって続けようかと困っているという声も寄せられています。 しかも、患者数が少なくなってきているところでは本当に大変で、百人切ったようなところではどうやってその予算を確保するか、財政当局を説得するのが大変だという話もある。結核の感染者が少なくなって十分に予算も人員も割けなくなったところが穴になって、またそこから広がるということになったら、これはゆゆしき事態なわけですね。 私は、患者数が減ったらそのまま補助金が減る、予算が減るというんじゃ、これは非常に深刻な事態になるわけで、やっぱり比較的患者数少ないような地域に対して体制を、最低限の体制を維持するような工夫があってしかるべきではないかと思うんですが、その点どうですか。
○政府参考人(外口崇君) これからの結核対策でございますけれども、やはり地域によっての差が大分出てきておりますので、地域の実情に応じて進めることが重要であると思います。確かに患者数が少ないと結核に対する意識が低くなって対策がおろそかになるおそれもあると思います。そういったこともありますし、それから、我が国においてはいまだ年間約三万人の結核患者が発生し、諸外国と比較しても大変高い状況にあるということであります。 今後、こうしたことにかんがみまして、地域における結核対策をどうやって維持していくか、意識を下がらないようにしていくかということについては十分留意して、注意喚起の方法などいろいろと必要な対応に努めてまいりたいと思います。
○小池晃君 注意喚起だけじゃなくてしっかりお金も付けていただきたいと思いますが、一方で、その感染率、罹患率高い自治体をどうするのかという問題もあります。東京、大阪など高齢者、独居、ホームレス、外国人、ハイリスクグループを多く抱えているのが特徴です。 私聞いたのでは、東京の台東区、ここは山谷があるわけですが、ここは百二十七名の患者がDOTSを受けている。ホームレスも多いですから、ホームレス対象の結核健診も行われています。なかなか健診率上がらないということなんです。治療中断が頻繁で、数年前には三名のホームレスが多剤耐性結核で亡くなっております。 自治体としても力を入れてやろうというふうにしているんですが、一方で、台東区の実態を言うと、保健所はリストラされていて、浅草保健所がなくなって、台東区内二か所の保健所が一か所になっている。結果的に保健所の体制は、保健師が三名、看護師が一名。この体制で母子保健も含めて通常業務をこなしながら地域の結核対策やらなきゃいけない。大変厳しいと聞いているんですね。 やはりその結核を本当に制圧していくということに本気で取り組むのであれば、こういう困難な地域にやはりしっかり体制をつくる。特にそのハイリスクグループ一人一人丁寧に対応するためには、やっぱり保健所に対する特別の加配なども含めて、これハイリスクの方が多い地域についてのこれまた特別の手だてが、きめ細かな手だてが必要ではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 議員御指摘のように、我が国の最近の結核の動向の中では、やはり大都市の問題が大きな課題となっております。例えば、人口十万人単位の新規登録結核患者数では、大阪市の結核罹患率五八・八は、最も低い長野県、一〇・七の五・五倍となっております。また、東京や兵庫といった大都市でも罹患率が高い状況にあります。 この原因としては、結核に感染するリスクの高いグループが特に大都市部に多く存在することや、過去において大都市を中心に蔓延していたことの影響が残っていることなどがあるものと考えられております。このため、罹患率の高い地区においては特にDOTS事業を集中的に行うなど、地域の実情に応じた取組が必要であります。 こうした対策が推進できるよう、私どもも取り組んでいきたいと考えております。
○小池晃君 大臣にお伺いしたいんですが、今までの議論を踏まえて、先ほども指摘ありましたけど、アメリカで八〇年代に結核が増えた理由というのは、これ、関心が低下したことと、患者数が減ったことで予算を削減した、その結果患者が増えたという歴史的事実があるわけですね。専門家の間でも、この轍を踏むなという声が上がっています。法律変えて、結核予防法は廃止されるけれども重要性は変わらないという、先ほどのそういう答弁ありましたけれども、やっぱり法律が廃止されることによって地方自治体当局者の関心も薄れるということも予想されるわけで、そういったことは絶対あっちゃいけないというふうに思うんですね。 私は、結核対策は引き続き重要だと、法律では一歩も後退させないというのであれば、やはり予算を、これ、兆の単位の話じゃなくてまあ億の単位の話だと思いますが、これは政府の姿勢を示す上でも、やはり増額することを含めてしっかり対応すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 結核がアメリカで一九八〇年代に非常に減少したと。そうして、予算が削減されたら、今度はあたかもそれに対する反発のように反転上昇してしまうと、こういうことが指摘をする向きが確かにございます。 予算の削減だけだったかといえば、まあ移民の増加なぞの背景もあったというふうに伺っているわけでございますが、我が国においてもずうっと戦後、一九九八年ぐらいまでは下がってきたものが、それで少し我々も過去の感染症かというような気持ちになった途端というか、そういう時点からまた反転上昇の傾向がある。最近はちょっとそれがまた収まってきているという動きなんですけれども、何か、確かに結核があたかも、まあこれは言い過ぎかもしれないんですが、予算の動向を反映する感染症であるかのごとく、これを反映するというか、そういう動向が反映するということは非常にまあ皮肉なことだというふうに思います。 したがいまして、私ども、そういうことのないように、先ほど来御意見が予算の充実のことについて各方面から政府の見解をただすという形で督励をいただいているわけですけれども、私どももその辺りの事情をよく踏まえて、これから予算あるいは人員等の確保について努めてまいりたいと、このように思っております。
○小池晃君 引き続き、結核病床の問題についてお聞きをしたいんですが、これは病床数は入院期間の短縮と並行して全国的に減少傾向にあります。民間は相当撤退して、国公立、公的病院に集約されてきております。一方で、やはり感染防止のための入院治療というのは必要不可欠であるし、移動中の感染リスクということを考えれば、そんなに遠くにあっちゃ困ると。やっぱり一定地域ごとになきゃいけない。 その点でいうと、やはり今は、自治体にこのくらいはお願いしますみたいな、そういう基準しかないんですが、やはり二次医療圏ごとに最低病床数などの基準も設けて整備に努めていく必要はあるんじゃないかと思うんですが、この点、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 平成十六年における結核病床の利用率は、病床数一万三千二百九十三床に対して四八・六%となっております。 このことから、現時点で目標値を示す必要性は少ないものと考えておりますが、一方で、結核については、高齢者等の患者数が増加するなど、依然として厳しい状況にあります。 こうした動向を踏まえると、この結核病床の扱いについては慎重に判断していく必要があると認識しております。
○小池晃君 満杯になっていちゃ困るわけですよ、これ性格からいって。やはり行って空いていなければいけない病床なわけですから、私は利用率だけでこれは増やす必要はないという結論を出すものではないと思います。まあ慎重に対応するということだったと思います。 なぜその結核病床が減少してきたかということの最大の原因は、やっぱり不採算問題にある。私は、ある都内の結核病棟を持つ民間病院に昨年の収支聞きました。ここは結核病棟だけで、まあほかにも病棟あるんですが、結核病棟だけで九十一床。この結核病棟に限って収支を見ると、収入が昨年五億四百万円に対して支出が五億四千四百万円、差引き赤字が四千万円だというふうに聞いています。来年度はこれは病棟定数六十まで減らすんだけれども、引き続き同程度の赤字が見込まれるということでした。ここは利用率七六%という全国トップクラスの施設なんですが、それでもこれだけ赤字なんですね。 このように、ほとんどもう病院側の持ち出しによって結核病棟は支えられているという、これが実態だと思います。しかし、不採算だからということで削減するわけにいかないということで、頑張って維持している。しかし、このままいくと、今後患者が減少していくと、採算面から一県一施設さえ維持できないのではないかということも考えられる。 結核病学会は二〇〇三年に、結核撲滅前に結核病床の壊滅的崩壊が予想されると、こうしまして、診療報酬の抜本的増額を要望しています。診療報酬引上げはもちろんなんですが、診療報酬だけでは、これ稼働率の低下の問題もあるわけで、不採算要因も大きいわけですから、私は直接の財政的支援なども含めて結核病棟に対する支援という枠組みを考える必要があるのではないかというふうに思うんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 結核病床に対する診療報酬上の取扱いについては、現在、看護配置、看護師比率、平均在院日数その他の事項につき結核病棟入院基本料として評価するなど、結核医療の特性に応じ様々な評価が実施されているところであります。 空き病床に対する財政措置については現在特段の措置を講じておりませんが、空床の問題につきましては、病床区分の見直しに対する御要望や感染の動向など様々な観点から、総合的に検討していく必要があると考えております。
○小池晃君 何か、言っているんだか言っていないんだか、よく分からないような御答弁でしたが。こういったことは本当に真剣に考えないと、いざというときに大変な事態になるわけですから、前向きに受け止めていただきたいと思います。 それから、BCG接種の問題についてお聞きをしたいんですが、私、これ昨年質問主意書も出しまして、結核予防法の改正法が施行されたときに、それまで生後四年まで認められていたBCGが生後六か月までになった。今回の改正でこれ、このままになっています。結核予防法から予防接種法に移ったんですけれども、中身はこのままです。 これ生後六か月を超えて接種ができなかった場合に、これ病気にかかった場合などの医学的な理由も含めて、これは公費負担にならないんですね。私、質問主意書を出して、これはおかしいんじゃないかというふうに言って、それで、まあ自治体で支援してくださいみたいな話に今なっています。 しかし、私は、これではその地域格差が生まれるわけで、まあ何もやらないよりはましですが、やはり基本的には、せめて生後一年程度は定期接種にすべきだという意見もある中で、少なくとも医学的な理由で接種できなかったような場合、まあやむを得ない場合ですが、こういう場合は六か月過ぎても法定接種にするという対応にやはりしていくべきではないだろうか。そうしないと副作用被害の救済などの対象になってこないわけですから、ここはやはりもう一歩進めていただきたいと思うんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) BCGの予防接種については、WHOの勧告や諸外国における状況等を踏まえ、生後できる限り早期にBCG接種を行うことにより乳児の結核の重症化を予防する観点から、その接種期間を生後六月に達するまでの期間とすることを原則としております。 医学的な理由でやむを得ず生後六月以内に接種できない場合については、これは結核予防法には基づかないものの、保護者の方の御希望を踏まえ、BCG接種機会を確保する観点から、各市町村の御判断により費用負担について十分配慮するようという助言をしているところでございます。
○小池晃君 いや、それは分かっているわけで、それは質問主意書も出して、そういうふうになったことはそれは良かったと思うんです。しかし、やっぱり一歩進めて、これは別に何か親の都合で行けなかったとかそういうことじゃなくて、病気になって六か月の間に受けられなかったような、そういう人についてはこれはやっぱり法定接種という扱いにすべきじゃないのかということなんですよ。是非検討していただきたいと思います。 それから、入院の公費負担の問題、最後に幾つかお聞きしたいんですが、非定型抗酸菌症、非定型の抗酸菌症の場合、今までは検査によって結核ではなくて非定型抗酸菌症だというふうに分かればこれは公費負担にならないということだったんですが、今回そこが変わるわけですね。その点で、どうなるのかということをお聞きしたいんですけれども、入院勧告が行われると、入院勧告が行われて入院したと、それで入院勧告が行われた後で非定型抗酸菌症だと判明した場合に、判定されるまでの入院費用というのはこれは公費で負担されるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 入院勧告の後に結果的に結核ではないことが判明した場合であっても、判明するまでの間の入院医療費については、これは公費負担の対象とするという方向で考えております。
○小池晃君 それは是非そうすべきだというふうに思います。 同時に、入院の必要があるというふうに医師が判断して、そしてその医療機関がそう判断した場合に、必ずしも保健所が業務時間じゃないということがありますよね。年末年始であるとか、そういうちょっと長い期間もあるかもしれない。行政機関の側の都合で入院勧告がされずに公費負担できないというふうになったら、これは患者さんにも迷惑が掛かるし、入院費用を理由にして患者さんが入院しないということになれば、公衆衛生上もこれは問題があるわけで、こういうケースについてはどう対処されるんですか。
○政府参考人(外口崇君) 御指摘の、例えば休日等における入院勧告の場合等あると思いますけれども、例えば休日、夜間等に入院が必要な感染症に関する届出があった場合でも、各保健所において必要な対応が取れるようにしておくことというのが、これがまず原則でございます。 万が一保健所の職員と連絡が取れない等により入院勧告が遅れる場合には、公費負担による入院の始まる時期を明らかに入院が必要と認められる時点にさかのぼって設定することができることとした旨、都道府県知事等に対して通知しているところであります。
○小池晃君 それから、公費負担の原則と人権の問題との関係なんですけれども、例えばこういうことがないのか。公衆衛生上の必要があって入院が求められても、患者さんが自主的に入院すれば入院勧告が行われずに公費負担の対象にならない、こんなことになると非常に大変な問題だと思うんですね。私は結核を始めとして一類、二類感染症の場合は、一定の要件を満たした場合は自主的に入院したか否かを問わずに、これは入院勧告をしたものとして公費治療の対象とするという扱いにすべきだと思うんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 感染症法におきましては、勧告あるいは措置後の入院を公費負担の対象として、勧告前の入院についてはその疾病が入院対象の疾病であったとしても公費負担の対象とはしておりません。 この考え方ですけれども、これは公衆衛生上の必要性から勧告がなされるものであり、当該勧告に基づく入院により感染症の蔓延防止という公益が確保されることから公費負担の対象としているという考え方であります。
○小池晃君 私は、一定の要件を満たしている場合はそうみなして公費負担の対象とすべきじゃないかということを申し上げたんですけれども。 やはり、今回の仕組みを見ますと、結局強制措置を伴うことに対して公費負担をするという仕組みになっているわけですね。そうなってくるとどうなるかというと、何というか、要するに予算措置と強制措置というのはイコールにしちゃうと、強制措置から少しはみ出すような部分に対しても私は予算措置を行う仕組みというのが必要なんではないか。つまり、必ずしも強制措置を必要としないけれども公衆衛生上は入院が必要というようなケースはあると思うんですよ。そういうケースに対して、強制措置がなければ予算措置がないという仕組みだと救われない。 私、これ今後の課題で、将来的な課題にはなるかと思うんですが、やはり公衆衛生上入院が必要であるけれども強制措置必要としないようなケースについても公費負担していくような仕組みをちょっと考えていく課題があるのではないかと思うんですが、その点についてはどうお考えですか。これを最後にお聞きします。
○政府参考人(外口崇君) 基本的な考え方というのは、やっぱり公衆衛生上の必要性から勧告がなされるものであり、当該勧告に基づく入院により感染症の蔓延防止という公益が確保されることから公費負担の対象としているというのが、これが基本的な考え方であります。 御指摘のその周辺部分がどういうことになるかということでございますけれども、これはちょっとまだ実例がよく分かりませんので、そういった実例を見た上でいろいろ考えていきたいとは思いますけれども、やはり公費負担には公費負担の考えというものがありますので、やっぱりそこを崩してしまうのはなかなか難しいという点もあることは御理解いただきたいと思います。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 感染症法に入る前に二点お聞きをいたします。 まず初めに、リハビリの打切りの問題です。 この点は何度か質問してきました。十一月二日、私の質問に対して水田政府参考人は、リハビリの打切りの、百八十日などの打切りの制度を導入した理由について、次のようにおっしゃっています。高齢者リハビリテーション研究会専門家会合におきまして、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございますと答弁をされています。 本日に至るまで、この指摘の資料が出てきておりません。どういうことでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の診療報酬改定、リハビリテーションの見直しを行ったわけでございます。その中で算定日数上限が導入されたわけでございますけれども、その直接の契機と申しますか、これは今委員が引用されました高齢者リハビリテーション研究会の報告書で、長期にわたって効果が明らかでないリハビリテーションが行われていると、こういう指摘があったわけでございます。ただ、より基本的に今回のリハビリテーションの診療報酬改定の基本にありますものは、最もその重点的に行われるべき急性期のリハビリテーション医療が十分に行われていないと、こういう指摘があったことを受けたものでございます。 それで、それは全体関連しているものでございます。リハビリといいましても、やはり専門医あるいは理学療法士といった医療資源、限られているわけであります。そういった制約条件の中で、急性期に集中してリハビリテーションを実施するようにするために、一日当たりの算定単位数の上限を引き上げる一方で、この算定日数上限を設けまして、より計画的なリハビリに取り組んでいただけるような仕組みに今改めたところでございます。この早期リハビリの必要性につきましては、これは委員もお認めになると思いますけれども、教科書にも出ていることがございますし、研究報告も多数あるわけであります。 したがいまして、それにつきましては委員にも提出させていただいたところでございます。
○福島みずほ君 はっきり言いますが、研究会の中の議事録を全部点検いたしました。急性期こそ集中的なリハビリ訓練が必要という指摘は石神委員という方がされています。それはそうだろうと。急性期こそ集中的なリハビリ訓練が必要だという指摘はそのとおりだと思います。 しかし、水田参考人、あなたはずっと高齢者リハビリテーション研究会専門家会合において長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると指摘があったと言っています。しかし、どんなに議事録を点検しても出てきません。厚生労働省に今日まで何回も何回もこの指摘があったという資料を提出せよと言っていますが、今日に至るまで出てきておりません。これはどういうことですか。指摘がなかったにもかかわらず、勝手にそういう報告をしてリハビリの百八十日などの打切りを決めたのは問題ではないですか。
○政府参考人(水田邦雄君) その点につきまして精査をいたしましたところ、会議の場におきましては、この長期にわたる効果がないリハビリテーションに関して特段の意見は出されてございませんが、報告書の取りまとめ時におきまして委員の意見調整をする段階で記述が加えられ、特に各委員から異論が出されることなく合意に至ったものと、このように認識しております。 さらに、診療報酬改定に当たりましては、これは中医協にも報告され、その点については説明をした上で今回の改定は定まったものでございます。
○福島みずほ君 いい加減にしてください。 水田参考人ははっきりと、私の、答弁に対して繰り返し、しかも、これは十一月二日、この厚生労働委員会の答弁です。「今回のリハビリの見直しにおきまして算定日数上限を設けましたのは、これは高齢者リハビリテーション研究会専門家会合におきまして、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございます。」、議事録に一切出てこないんですよ、こういうことは。集中的なリハビリ訓練が必要だという指摘は出てきます。しかしこれは、この委員会のすべての方が急性期にこそ集中的なリハビリ訓練が必要だということに合意をされると思います。どんなに、ないんですよ、そういう指摘は。 長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているという指摘、これはあったのか。今まで出てきていません。じゃ具体的にこういう資料があるのかと何回も今まで、本日まで、これは怪しいと思ったので聞き続けてきましたが、今まで資料も出てこないんですよ。 つまり、私は何を言いたいかというと、根拠がないんですよ。議事録にも出てこないんですよ。だれも指摘していないんですよ。それを、なぜこの答弁の中で、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったことが出発点だということをなぜ言えるのか。
○政府参考人(水田邦雄君) リハビリテーション研究会の会合でと申し上げたのは、その意見調整も含めたものであったとこの際は言わざるを得ないわけでございますけれども、私どもは、報告書で最終的に委員の合意が得られて提出されたものが、それが私ども意見の集約だと思っておりますので、正にそういった指摘があり、その指摘がリハビリテーション研究会の会合だけではなくて中医協というもう一つ別の場でも開陳され、それにつきましては議論として成立をしたわけでございますので、これにつきまして私どもが牽強付会であったというものではないと考えております。
○福島みずほ君 自民党も、自民議員がリハビリ制限検証連盟を発足させたというふうな記事が出ております。 問題じゃないですか。その研究会の中でだれも長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているなんということを言った人いないんですよ。みんなこのリハビリの打切りで、みんなというかいろんな人がこのリハビリの打切りで苦しんでいます。 水田局長ははっきり言っているわけじゃないですか。長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があった、指摘などないんですよ。やらせじゃないですか。つまり、ないんですよ。 ないにもかかわらず勝手に報告書に書いて、そしてここで、なぜか、なぜかと聞いたらそういう御指摘があったと言うけれど、じゃどういう指摘があるのか。だれが、具体的にどこに長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているという実証研究があったのか。アンケート、例えば実態調査をしたらそういうのが出てきたのか。そういう資料は一切出てこないんですよ。どうですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 繰り返しになりますけれども、意見として示された、私どもは報告書そのものが専門家の意見であると考えておりますので、はっきりここに書いてある、長期にわたる効果がないリハビリテーション云々ということは言われているわけであります。これは委員の間で合意された事項でありますので、私どもが何か作ったというものではございません。
○福島みずほ君 私は、リハビリがあって、そのリハビリに基本的に原則として制限日数を付けるということはやっぱり物すごい変更だと思います。この極めて重要なことがその専門家会合においてだれも、だれもというか、長期にわたって効果が明らかでないリハビリがあるからということを言っていないわけですよ。それが報告書になぜか書かれていて、そして、私は、じゃ、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、そこに、どこにどういう実態があり、だれがどう指摘をし、どうしたのかって聞いても出てこない。議事録を全部見ましたが、出てこないんですよ。おかしいじゃないですか。 要するに、私は、法律を作るには立法趣旨が必要である、制度の変更をするためには変更の理由が必要である。しかし、この委員会の中で、効果が明らかでないリハビリが行われている、でも私たちはその立証を示されていないんですよ。おかしいじゃないですか。
○政府参考人(水田邦雄君) その点につきましては、正に委員の共通認識であったがゆえにそういった報告書の文言がまとめられたものだと承知をしております。 それから、今回はリハビリテーションに関しまして診療報酬改定が行われたわけでありますけれども、これは、全体マイナス改定の中でこれについては特に削減はしていないわけであります。その中で、一方で早期のリハビリを充実しなきゃいかぬと、この要請があったわけでありますんで、そのためにはやはり算定日数上限という考え方を導入して計画的にリハビリに取り組んでいただく、緊張感を持ってやっていただくというところで全体の整合性を保つ必要が診療報酬改定の場面においてはあったわけでございます。
○福島みずほ君 繰り返しますが、急性期にこそ集中的なリハビリ訓練が必要である、早期のリハビリが重要である、これはだれも納得することです。しかし、その問題と、百日あるいは百八十日という期間制限を原則として設けるということは別のこと、段差があることじゃないですか。 私がなぜこう言うかというと、水田局長はここの委員会で、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございます、しかし、繰り返しますが、専門家会合においてだれもそういう指摘をしていないんです。そして、私たちは国会議員ですから、国民に対して、国会議員に対して説明責任を有していると思うんですよ。どこに長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているという、どこにそういうのがあるのかと聞いても、あるいはだれがそういうふうなことを指摘、会合でしたのかと聞いても出てこないんですよ。資料がないものを私たちはどうやって信用ができるんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 高齢者リハビリテーション研究会の委員のメンバー、これ自体は公表してございます。この委員の方々が合意をして報告書をまとめられたわけでありますから、その発言者ははっきりをしていると思います。私どもは、こういった現場の経験を積まれた方々の御意見は御意見として尊重するということでございます。 ただ、データ云々に関しましては、むしろ私ども、早期リハビリを実現するために全体として効率化をする要素もなきゃならないということでこの算定日数上限を導入しようとしたわけでありますが、その日数の設定に当たりましては、平成十六年度のリハビリテーション・消炎鎮痛等処置に関する調査データを参考にいたしまして、関係学会等にも意見を聞いた上で定めたものでございます。
○福島みずほ君 委員会は議事録が公開されていますし、だれがどういう発言したか全部分かります。私が言っているのは、その中で長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているなんていう指摘はされていないんですよ。どこにも存在しない。この会議の中で一回も出てきていないし、証拠も出てきていないし、そういう発言をした人もいないんですよ。議事録には出ていない。それは厚生労働省も、そんなのはないと、出せない、ない、存在しないということを認めていますよ。あるのは、集中的なリハビリ訓練が必要だということだけです。でも、集中的なリハビリ訓練が必要だということと、それから長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているというのは全然別問題じゃないですか。 厚生労働省は行政を担当するものです。ですから、審議会で出てこなかった意見を報告書にまとめるに当たっては、本当にそういう実態があるのかどうか、そしてそれに基づいて百日、百八十日という期間制限を設けることが妥当かどうかという政策判断をなさるはずですよね、なさるべきですよね。だって、そのことによって何十万、何百万、何千万という人が影響を受けるわけですから。 今日に至るまでそういう言い方もデータも出てきていないんです。いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) もう繰り返しになるわけでありますけれども、私ども、委員の意見は報告書に尽くされていると思っております。それは、会合というのは意見調整の場面であったかもしれません。そこはつまびらかにいたしませんけれども、そういったものが出ているわけでありますんで、それはそれとして受け止めていただきたいと思います。 その上で、そういった専門家の経験に踏まえた意見を踏まえて、私ども政策判断として、一体の整合性ある早期のリハの重点化を図るということと併せまして、それを実現するために一体的な政策としてこの算定日数上限を入れたわけでございます。 日数につきましては、先ほども言いましたように、データもございますし、関係学会とも調整の上定めたものでございます。
○福島みずほ君 データはないんですよ。長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われている。 じゃ、このデータ、出してくださいよ。
○政府参考人(水田邦雄君) それは、繰り返し申し上げていますように、現場に精通した専門家の経験に基づく判断として申されたことだというふうに私何回も申し上げております。
○福島みずほ君 いや、不思議ですよ。会合で一切そういう議論も、記載も、一切そういう討論も、そういう発言もないんですよ。全くないんですよ、そういう発言が。そして、じゃそういうことを出せと言ったって出てこないんですよ。 何でこういうことが盛られているのか。
○政府参考人(水田邦雄君) 議事録には載っておりませんけれども、一般論として申し上げまして、委員が共通認識として持っていることであれば、それは最終報告書の段階で意見集約、調整の段階でそれが報告書に盛り込まれるということはそれはあり得ることであろうし、今回正にこういった委員会の報告書としてまとめられたのが、その中にこういった記述があるということでございます。
○福島みずほ君 どうしてこのことをずっと聞いているかといいますと、このリハビリの打切りについてはいろんな人から声が上がっていると、先ほども言いましたが、自民党の中でもこの見直しの議連が発足しているわけです。 なぜこういうことが導入されたかという、十分その実態の検証と影響の把握を厚生労働省はやったのかというそもそも論なんです。データを出せと言っても出てこない。会議、会合において指摘があった。でも、じゃ、専門家会合において指摘があった、だれがどういう指摘したんですか。どういうデータに基づいてどうなったんですか。会議で一切出てこなかった、議事録で出なかったことが突然出てくると、百八十日で打ち切るというのはどこでどういう判断をされたんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 繰り返しになりますけど、報告書はこのリハビリテーション研究会の委員がまとめられてございますので、私どもは報告書がすべてであると思っております。 それから、百八十日という算定日数上限につきましては、これは専門家、関係学会にも意見を聴いた上で中医協にお諮りをして決めたものでございます。で、その基には平成十六年度のリハビリテーション・消炎鎮痛等処置に係る調査のデータを用いたものでございます。
○福島みずほ君 全く納得がいきません。初めに結論がありきか、どこかでとても無理をしたと、厚労省がどこかで見切り発車をしたんじゃないですか。全然そういう議論、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているなんていうことがないのに、私は、やはりこういう御指摘があったということが出発点だと、この委員会で趣旨を説明しているけれど、こんなことないんですよ、データも出てこなければ、だれも会議で指摘をしていない。この点については納得を本当にしません。 大臣、私はこの点について予算委員会から始めずっと大臣に質問していますが、どうですか。これは見直す必要があるんじゃないですか。データすら出てきてないんですよ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、水田局長との間の御議論、聞いておりまして、水田局長の言っているこの取りまとめの文書が、それが研究会の文書であるということは、これは御理解願いたいと思います。 その上で申し上げますと、お医者さんがなおリハビリに効果があるとされる場合は、これは継続してリハビリをやっていただいて結構ですと、こういうことも同時に私ども申し上げておりますので、そういう個別判断にかからしめているということには一つの合理性があると我々は思っているということでございます。
○福島みずほ君 納得しません。 百八十日、百日ということを導入することが、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているということが出発点だと言っているわけです。その出発点に関して、納得いくデータも、こういうことがありますとかいうことは一切ないんですよ。ですから、理由の説明が、それを裏付ける資料が一切出てこない、そしてそのことと百日、百八十日に打ち切ったということにも飛躍があるというふうに考えております。 これはずっと質問していますが、やはり納得いく質問がないし、今日に至るまで厚労省からはこういう客観的な指摘があったものは存在しませんというふうに、要するに報告書以外にですね、言われていて、それは余りにずさんな見切り発車であると言わざるを得ません。このリハビリの打切りについては見直しが早急にされるべきだということを強く主張します。 次に、児童扶養手当の削減、母子家庭問題について一言お聞きをいたします。 母子家庭の現在の状況についてどのように把握していますか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 母子家庭の世帯構成、それから就労、それから所得等の状況につきましては、おおむね五年に一度の全国母子世帯等調査により実態を把握することとしておりまして、前回は平成十五年の十一月の調査でございました。 これにつきましては、母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法によりまして、平成十九年度までに集中的に母子家庭の母の就業を支援する必要があること、またもう一つの理由として、平成二十年四月より児童扶養手当の一部支給停止措置が施行されること、こういった理由から更にその母子家庭の就労や養育費等の状況を喫緊に把握する必要がありまして、全国母子世帯等調査を二年前倒しして、本年十一月一日現在の状況調査を現在実施しておるところでございます。
○福島みずほ君 母子家庭の就労支援について、実施率はどうなっているでしょうか。 それから、今の格差拡大と言われる社会で一番影響を受けているのは実は母子家庭などではないかというふうに思っておりますが、どうですか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 母子家庭の母に対する就業支援策といたしましては、平成十五年度より、一つは都道府県、指定都市、中核市に設置されます母子家庭等就業・自立支援センター事業というのがあり、また都道府県、市等において実施する職業能力開発などのためのこれは三種類の母子家庭自立支援給付金の事業、また、本年度からは都道府県、市等におきまして個々の児童扶養手当受給者についての自立支援プログラムを策定して、ハローワーク等労働部局と連携して自立支援を行います母子自立支援プログラム策定事業、これらを実施しておるところでございます。 その実施率でありますが、母子家庭等就業・自立支援センター事業については、平成十八年度におきましては八十九か所ということで実施率が八九・九%。また、母子家庭自立支援給付金事業のうちの自立支援教育訓練給付金制度につきましては、平成十八年度におきましては六百二十三か所で実施されておりまして、実施率は七二・七%となっております。いずれも年々その実施自治体は増加しておりまして、それらの事業を利用した母子家庭の母の就業者数も年々増加しておるところでございます。 このように取組が進んできているところでありますが、先ほど申しました特別措置法の期限が来年度までとなっておりますことから、これらの事業を実施する自治体を更に拡大することが重要と考えておりまして、現在すべての都道府県に赴き、自治体に対して直接こうした事業の実施と充実を働き掛けておるところでございます。
○福島みずほ君 そもそも四割支給、二十万円限度の自立教育訓練給付金制度や最後の三分の一期間に十万三千円給付する高等技能訓練促進費で母子の就労状況が良くなると言えるのかと、現場ではやっぱりすごく使いづらいという声を聞きます。 各県の母子就業・自立支援センターで紹介する仕事はパートや非常勤が多いので大変不安定です。元々就労率が高い母子家庭ですから、就労支援によって賃金が高くなった、あるいは安定性の高い常用雇用の就労が増えたことにならなければ、就労支援の実が上がったとは言えないのではないでしょうか。このようなデータはあるのでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 今の御指摘にずばりそのもののデータではないかもしれませんが、その実績を若干申し上げますと、都道府県、指定都市や中核市で設置されております母子家庭等就業・自立支援センターの支援を受けて就職された方が平成十六年度で六千三百人であるとか、あるいは都道府県、市等で実施する職業能力開発などのための給付金事業について見ますと、自立支援教育訓練給付金事業の受給者の四六・二%が就職できた、あるいは高等技能訓練促進費事業の受給者の四八・〇%が国家資格を取得できたというような事実もございます。あと、まだ数はそう多くはございませんけれども、母子自立支援プログラムで昨年モデル実施した経過について見ますと、九か月で三五・七%が就職できたと。 それなりの成果は上がってきておるんではないかと考えております。
○福島みずほ君 もちろん、頑張ってくださいというか、頑張っていただいているとは思うのですが、問題は、全体の中での格差拡大の中で、パートや非常勤職が多いので、実質は母子家庭の平均年収などが極端にやっぱり低いという問題です。ですから、みんな頑張って働いているんですよ。しかし、やはりパートや非常勤だったりするので、そこで就労支援の実が上がっているとか非常に追い風になっているとかいうことにはならないんじゃないか。 ですから、児童扶養手当の削減について、二〇〇八年から児童扶養手当五年間支給を経過した人の手当の減額が決まっておりますが、このある種の二極分化の中で、母子家庭の年収が全く上がらない、女性の二人に一人がパート、派遣という現状の中でこの施策が妥当かどうかということについてはいかがでしょうか。
○副大臣(武見敬三君) ただいまの御指摘でありますが、まず、平成十五年に母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法の制定によって、こうした母子家庭の就業支援、自立支援、これを更に充実させていくというのがまず大きな柱として確立し、充実させていくということであろうと思います。 その上でこの一部支給停止の具体的内容についてでありますけれども、この児童扶養手当法について、障害を有する方や三歳未満の児童の養育者に対して配慮するよう定められております。平成十四年改正時の附帯決議においても、今後、子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策等の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえて決めることとされているところであることから、今後全国母子世帯等調査の結果などを十分踏まえつつ検討を進めたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 削減は決まっているのですが、よく言われるように、児童扶養手当が母子家庭の命綱ということが言われております。母子家庭の年収が全く上がっていない、非正規雇用が拡大をしている、女性の貧困の問題、母子家庭のいわゆる貧困の問題などを踏まえて、これについては是非見直し、あるいは内容について検討していただきたいと強く申し上げます。 結核予防法が感染症法に統合されるに当たって、三十日ごとの診査会で入院日数が決められますが、一律的な対応ではなく、患者さんのそれぞれの事情を考慮した対応が必要ではないか。例えば、雪深い地域で冬の時期に入院されたいわゆる独居老人やホームレスの人が退院してその後の治療の継続をチェックできるのかなどの問題があります。この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 今回の改正後における結核にかかわる入院につきましては、人権を尊重しつつ、客観的な検査結果等により入院日数が決められるものと考えております。 また、独居老人やホームレスの方など社会的弱者の方々については、結核の罹患率が高く、また、その治療を開始した場合、それを中断するリスクが高いことも考えられております。このため、保健所等において服薬状況を確認しながら指導をする直接服薬確認療法、いわゆるDOTSを推進することがその対策として重要であります。 退院後における治療の継続に関しては、患者さんのリスクや生活形態、地域の実情等に応じて様々な形態のDOTSを実施することとしており、地域の医療機関とも連携しつつ、こうした退院後の地域DOTSを着実に進めてまいることによって対応したいと考えております。
○福島みずほ君 結核の診療報酬が極めて低い中で、結核病床の稼働率が低いことが病院運営にとっては非常に厳しい現状にあります。しかし、結核病棟を都道府県ごとに確保しておく中で、負担は病棟を持つ病院の負担となっております。こうした問題をどのように改善できるのか。 また、複数疾患を持っている患者さんが非常に増えている中で、結核であれば結核病棟を保有する病院にしか入院できないとなっております。しかし、一般病院でも陰圧管理が可能な病室での受入れができるように国として取り組む必要があるのではないでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 平成十六年における結核病床の利用率は四八・六%となっており、結核病床の空き病床について様々な御要望があることも承知しております。 しかしながら、一方で、結核については高齢者等の患者数が増加するなど依然として厳しい状況にありますので、こうした動向を踏まえると、地域における結核対策を確保する観点から、結核病床の扱いについては慎重に判断をする必要があると認識しております。 現在、空き病床に対する財政措置については特段の措置を講じておりませんが、空床問題については、病床区分の見直しに対する御要望や感染の動向など、総合的な観点から検討していく必要があると考えております。 また、議員御指摘の複数疾患を持つ結核患者の入院についてでございますが、これは結核患者収容モデル事業というのをやっておりまして、その実施要領に基づきまして、合併症を有する結核患者等に対して、一定の条件の下で、一般病床又は精神病床において収容治療をするためのより適切な基準を策定するべくモデル事業を行っております。 今後、当該モデル事業による実施状況を踏まえ、中長期的な観点から一般病床又は精神病床において結核の患者さんを収容治療するためのより適切な基準の策定に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今回の法改正の趣旨ですが、衆議院の委員会の中で、アメリカとかイギリスはバイオテロ、ドイツやEUの一般的な考え方はバイオセーフティーという考え方で両方入っているというふうに政府参考人は答えています。しかし、私がこの法案を見るところ、バイオテロに対する考え方はあるとしても、バイオセーフティーの考え方はないと思いますが、どこにそれが出ているんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) 病原体等の管理につきましては、諸外国において管理体制の適正化を図っているところでありますが、我が国においては、病原体等の管理は、現状では研究者、施設管理者等の自主性にゆだねられ、これを規制する法的な枠組みが存在しておりません。 で、このような中で、病原体等の適正な管理について、入院や消毒等の措置を定める感染症法において、これらの措置と一体的、総合的に取り扱うわけでございますけれども、これは生物テロ対策だけでありませんで、バイオセーフティー対策という観点からも、その施設ごとの基準やその届出、それから取扱責任者等が定められるわけでございますので、そういった点でバイオセーフティー対策というものも強化されるものと考えております。
○福島みずほ君 しかし、衆議院の川本参考人は、バイオセーフティーの観点が弱いんではないかと言っておりますし、例えば、東京都新宿区の国立感染症研究所、この実験をめぐり、周辺の住民たちが実験差止めを求めた裁判の高裁判決で、この判決文の中で、適正、円滑に安全管理業務を遂行するためには、その実情を地域住民を始めとする国民一般に広く情報公開等して、その理解と協力を得ることが最も重要であると考えられると確定判決で示されています。 つまり、地域住民に対する情報公開という、住民に対しての公開が重要だというのがバイオセーフティーの一つの考え方、避難をするとか、何が問題かということを住民が知るということがバイオセーフティーだとすれば、その観点がこの法案の中に具体的には実は入っていないんですね。 住民に対するそのような観点というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(外口崇君) バイオセーフティーに関する考え方につきましては、国際的にはWHOの総会におきまして、二〇〇五年五月でありますけれども、実験室におけるバイオセーフティー強化に関する決議というものがなされております。その中で、加盟国は実験者と地域を病原体等から守るために実験室における有効な対策を実施する旨の内容が盛り込まれており、厚生労働省としてもこの内容を踏まえて病原体等の適切な取扱いを確保していきたいと考えております。そして、そのWHO決議を踏まえた地域のリスク管理の視点の重要性等から、今後公開できる情報とできない情報を精査しつつ、御指摘の国立感染症研究所におきましても、施設見学の機会を設定するなどの地域住民の理解が得られるような取組について努めていきたいと考えております。
○福島みずほ君 私が指摘をしているのは、バイオテロの考え方とバイオセーフティーの考え方がある。おっしゃったとおり、国連の決議がある。だとしたら、バイオセーフティーの考え方をこの法案の中にきちっと反映すべきであるという指摘です。それがないということです。 次に質問をいたします。 五十六条の三十一なのですが、立入検査を厚生労働省、警察職員などができるとしています。で、三項に「第一項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」とありますが、私は矛盾していると思うんですね。警察や海上保安庁の職員に立入検査を認めるということは、これはどうしてもバイオテロの考え方、犯罪捜査のために認められるものだと。警察が犯罪捜査以外の点で立入検査をするということはあり得ないというふうに思うんですが、いかがですか。
○委員長(鶴保庸介君) 局長、時間ですので手短に答弁いただきますように。外口局長。
○政府参考人(外口崇君) 今回の法改正におきましては、生物テロを含めた感染症の発生及びその蔓延を防止するため、病原体等に関する必要な規制を設けることとしており、不当な人権の制約を課すものではないと考えております。 また、本規制により、警察庁や海上保安庁などによる施設への立入り等が認められておりますが、これら立入検査等については、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされているほか、施行に必要な限度で行う旨、法律に規定しているところであります。このため、これらの規定が適切に行われているかどうかについては、法で規定されているように、警察庁長官又は海上保安庁長官との連携等を通じて御指摘のような懸念が生じないよう対応してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 終わります。
○委員長(鶴保庸介君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二分散会