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165回国会参議院2006/11/29

教育基本法に関する特別委員会 第5号

発言数
200
登壇者
17
会派数
6
開催日
2006/11/29

会議録

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから教育基本法に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十八日、仁比聡平君、広中和歌子君及び水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として小林美恵子君、福山哲郎君及び白眞勲君が選任されました。  また、本日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として藤本祐司君が選任されました。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 自由民主党の岡田広です。  通告しました質問、すべての質問ができないかと思いますが、順次お尋ねをしたいと思っております。  今日は民主党の提案者である西岡先生もいらっしゃいますが、衆議院で人材という言葉を使われて、参議院で人間という、ここのところも聞きたいんですが、時間の関係で聞くことはできませんで申し訳なく思います。  まず、伊吹文科大臣に映画のことをお尋ねしたいと思います。「千と千尋の神隠し」という映画、ごらんになったでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 拝見いたしております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 よかったと思います。  あの映画、ちょうど上映されたのは二〇〇一年の七月ぐらいだったと思います。その年の四月末に小泉総理が新しく総理になられまして、それから聖域なき構造改革ということが始まって、結果は御承知のとおりでありますが、あの映画は、トンネルに入ったら不思議な迷路に入り込んで出口が見付からない、当時の日本経済を象徴しているような、そんな気もいたします。  しかし、宮崎監督はあの映画を通じて私たちに何を教えようとしているかというと、人間の世界でも神様の世界でもお化けの世界の中でも、生きる上にとって最も大事なものは愛ということを教えているんではないかと、私はそう思います。十歳の少女のひたむきな生き方が、カオナシ、お化けの心も変えていく、友愛。そして、最後にたくさんの豚が出て、自分の親がいないというのは、あれは親子愛があるから私は分かるんだろうと、そう思うわけであります。愛という漢字は受け止めるに心という字が組み合わさって言葉ができています。相手の心を受け止めるのが愛ということです。  日本語では、私は、はいという言葉だと、そう思っています。名前呼ばれたら、はい、何かを頼まれたら、はい、かしこまりました、それではこの問題はいついつまでにやりますって、次の言葉が続くんだろうと、そう思います。はいは二十一世紀の人と人との交流のキーワードの言葉であると、そうも思っています。  だんだん日本人は、はいを忘れている。幼稚園や保育園の卒園式に行くと、卒園する子供は自分の名前を呼ばれるのが、全身を耳にして聞いています。名前呼ばれたら、ヤマモトユタカ君と言ったら、ヤマと言われたら、大きな声ではいと返事をして起立をいたします。しかし、高校の入学式に行くと、呼名認証されますが、女性の返事は聞こえるけれども、男性の返事は来賓席になかなか、口ごもって、起立しているわけですから口ごもっているんだろうと思いますが、なかなか聞こえてきません。いつの間にか、小学校、中学校の教育を経ている過程の中で、はいという返事を忘れてきてしまっている、そういう気がして私はなりません。  はいという言葉を漢字にしますと、拝顔の拝とか拝読の拝、参拝の拝という漢字です。二つのものを一つにするという意味もあります。辞書を引きますと、私たちは日常の生活の中で何げなくこの拝を実践しています。おじぎをすること、相手を敬うこと、あるいは慎み拝むことという意味も書かれています。正にこの拝、これが私はとても教育の原点ではないんだろうかと、そう思っています。  人生の核心は合掌にあるとも言われています。インドでは、右の手は清浄の手、左の手は不浄の手とも言われています。左の不浄の手に、右の清浄な手に不浄の手を重ね合わせると、右の手も汚れます。清濁併せのむというのはここからきたのかもしれませんけれども、拝という言葉の重要性、これを是非私は、はいがこだまする家庭、はいという返事が元気に聞こえる学校、地域をつくる。正に、今いじめ問題いろいろありますけれども、やはり子どもの居場所づくりって、いろんな政策やっています。場所をつくればいいということだけではなくして、やっぱり相手を認めてやること、子供を認める、独りぽっちにさせないと、そういうことが大事なことなんだろうと、私はそう思うわけであります。  そういう意味におきまして、このあいさつ、あいさつって私は、「あ」は明るく、「い」はいつも、「さ」はさわやかに、「つ」は続ける、明るくいつもさわやかに続けると。あいさつがまず基本的にできていればいろんな問題が解決されてくるんではないだろうかと思いますが、教育再生に立って大変重要なことであると思っていますが、このはいというあいさつの心、愛の心について伊吹大臣の考えをお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 御質問、先生、誠にありがとうございますというあいさつをまず申し上げます。  はいという返事というのは、つまりコミュニケーションのスタートなんですね。コミュニケーションのスタートというのは、自分も相手に伝えるし、相手の存在を受け止めるということですから、これはもう人間社会の原点で、実は人間じゃない霊長類の社会でもあいさつということはあるようです。鼻をなめるとか毛繕いをするとか、いろいろなことがあります。しかし、言語でもってこれがやれるのは多分、人間でございましょう。ですから、先生のおっしゃっていることは、教育の原点として大切なことだと認識しております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、あいさつというのは教育の原点、教育よりも人間が生きるための原点だという、このことを是非再認識をしていただいて教育の再生に当たっていただきたいと思っています。  あいさつをするということは相手に気付くということだと思います。気付き文化という言葉がありますが、徳川家康から四代、将軍に仕えたと言われる林羅山という人は、気は性の入れ物なりという言葉を本に説いています。性というのは性格の性という漢字です。自分の気持ちの持ち方次第で周りの環境は変わる、また変えることができるということだと、私はそう思っています。  気という漢字、たくさんあります。気力、気概、気迫、気品、気性、気分。気が後ろに付いた漢字、元気の気もそうです。景気の気もそうです。士気の気も、生気をみなぎらせる、英気を養う、本気でやる、時々はのん気の気も大事な気です。特に女性にとって大事な気は何の気かというと、これは色気の気かなと思っています。ほんのりとしたすごくいい気です。しかし、この気という漢字が前に付くだけで気色何とかという言葉に変わります。何を意味するかというと、自分の気持ちの持ち方次第で周りの環境は変わる、また変えることができるという意味だと、私はそう理解をしています。  自分の気持ちを充実させて周りにいい気を広げる、だから日本には古くから気を回すとか気を配るとか気を付けるということがあるんだろうと、そう思っています。だから、たくさんいろんな話を聞いて、そして教育問題についても是非いい政策をこれから取ってもらいたい。安倍総理や伊吹大臣のように毎日、精進、努力している人に私は人気の気という気は付いてくるんだろうと、そう思っております。  今回の教育基本法の中に家庭教育という項目が入りました。大変私はうれしかったんです。しかし、今委員会の答弁聞いていますと、二十二年にこの教育基本法ができたときには家庭教育ということなんかは余り、当たり前のことだというお話もありました。その当たり前のことができていないから今回の教育基本法の中に家庭教育という項目が入ったということ、これはそういう考え方からすると私は少し残念な気がしてなりません。しかし、家庭教育、学校だけに任せるんじゃなくて、第一義的には家庭であることは当然のことです。  少し前に、日本に来た外国人が一番先に覚える日本語はおはよう、そして二番目こんにちは、三番目ありがとう、四番目さようなら、五番目は早く早くという言葉でした。私は、どうしてそんなに日本に来た外国人が早くという言葉を覚えるのか疑問に思って解説を読んでみました。日本の家庭の中から早くという言葉を覚える、早く学校へ行きなさい、早く御飯を食べなさい、早くおふろに入りなさい。経済社会のテンポは速く正確にということです。しかし、その経済社会のテンポが無意識のうちに日本の家庭の中に入り込んでいるという、そういうことなんだと私は思います。やっぱり、早く学校へ行きなさい、ゆっくり御飯を食べましょうとか、夜になったらゆっくりおふろに入りましょう。  食育基本法が制定をされて、初めての食育白書が出されました。欠食あるいは孤食、男性の三分の一が朝食事をしない、そして小学生の二割、中学生の四割は独りで朝食を食べていると、そんな時代になりました。家庭団らんの食事の回数も少なくなりました。これでいいんだろうか。  私は、今の日本の社会、コンビニや外食レストラン、二十四時間営業の店がたくさんできてきました。外国へ行きますと、そういうお店なかなかありません。そういう中で、私は、朝型の社会をつくる。朝の頭は金の頭、昼は銀、夜の頭は鉛の頭であるという言葉もありますけれども、やっぱり教育再生会議で幾ら学力向上の議論をしていても、文部科学省がやっている「早寝早起き朝ごはん」の方がよっぽど、朝御飯を食べさせる、その方が学力向上には私はつながるんだろうと、そう思っています。  家庭教育の大切さ、正に安倍総理が最も尊敬する吉田松陰という人、お母さん、あれだけ、あの当時、松陰の考え方は変人、気違いじみている、そう言われました。小泉前総理もそういう時代がありましたけれども。しかし、松陰のお母さん滝さんだけは、私の息子の言うことは正しいといつも言っていました。牢獄に松陰がつながれたときに、獄中にあてた滝が書いた手紙、「忘れるなよ。お前のために、故郷で泣きつつ祈る母あることを。」。そして、吉田松陰が育てた人は高杉晋作という人です。お互いに二十九歳で亡くなっています。高杉晋作が辞世の、亡くなるときに詠んだ歌、「おもしろきこともなき世をおもしろく住みなすものは心なりけり」、時間ありませんから復唱しません。  やっぱり心の持ち方次第で環境は変わるという、そういうことを考えると、家庭教育、これを原点だという、そういう考え方について大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、もう今御指摘のことは当然のことであって、家庭と地域社会と学校と、三つが一体になって人間をつくっていく。その中で、家庭が本来果たすべきことは、しつけ、規範意識、今の先生の言葉で言えば、人間として当然生きていく上のあいさつができるとか、はいという言葉を発せられるとか、これはもう本来家庭の役割でございますから、これをしっかりと教育のスタートとしてやっていくと。  今回、家庭教育というものを入れたのは、まあ、二十二年には当然のこととしてあったのが今なくなってきているから入れたという面もないことはないんですが、やはり教育の在り方というのはこの三つを合わせて成り立っていくものだということを基本法、理念法に書き込んだと。  その中で、やはり御家庭の教育というのは親子の間だけではありません。おじいさん、おばあさんに対して父と母がどういう姿勢で接しているか。それを見て、息子さんなり娘さんが、例えば父を敬うこと天のごとく母を敬うこと地のごとしと、我々は小さなときそういうふうに教えられましたが、そういう気持ちを独りでに体の中に持ってくると、これがやっぱり家庭教育の原点だろうと思います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 正に家庭教育の原点。昔はよく答弁の中に三世代同居というお話がありました。しかし、現代は、現実は核家族ということです。そういう中で、昔は家庭の代表はサザエさんの家庭でした。サザエさんが赤ちゃんを産んでも、出産後育児を相談できるお母さんが家庭にいる。あるいは、サザエさんが買物へ行くときは、ワカメやカツオがタラちゃんの面倒を見てくれる。ストレスがたまらない社会だったと思います。  しかし、現代の家庭の代表はクレヨンしんちゃん型と言われています。お父さんは、しんちゃんが寝ているころ仕事に行き、しんちゃんが寝たころ帰ってくる。しんちゃんの話し相手はお母さんだけです。お母さんだってしんちゃんといつも、しんちゃんだけ相手にしていたらストレスがたまってしまいます。あるときも、しんちゃんを家庭に置いて買物に行ってしまいます。お母さんにとっては買物がストレス解消の一つだと思います。しんちゃんはお母さんいないと寂しいですから、テレビがベビーシッター代わりです。テレビから変な行動をしたり、変な言葉を覚えたりするんです。悪いストレスがたまるということだと思います。  ストレスの話は長くなるからしませんけれども、しかし、しんちゃんの悪いストレスがいいストレスに変わってくるということは、妹ができる、ひまわりという妹ができたら僕が面倒を見てやろう、そういう保護者的な性格が私は芽生えてくるんだろうと思います。悪いストレスがいいストレスに変わってくるということです。  最近の、もちろん少子化社会の中で、一人っ子家庭も増えてきています。そういう中で、やっぱり大事な心、これは恕の心だと思います。女という字を書いて右に口と書いて、下に心って書きます。孔子が人間にとって最も大事なものは何ですかと言われたときに、それは一言で恕であると言ったそうです。思いやりの心、親切の心だと思います。  その心を育てるために、やっぱり保育園、幼稚園、十月から秋田県で第一号認定こども園がスタートしました。幼児教育も形が、選択肢が増えたという、たくさん形も変わってきますが、そういう中で幼児教育の役割というのは、三つ子の魂百までもというのがあります。私は人間が生きるための人生のキーワードの数字は、この三だと言っています。安倍晋三さんの三、三位一体の三、早起きは三文の徳とか。この三の話も長くなるからしませんけれども、正に大事な幼児教育、これについて、このこれからの教育の中でどう考えていく、どう幼児教育、今日は時間の関係で厚生省の方は呼んでいませんが、これは伊吹大臣からも、これもお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今回御提案申し上げております法案に、現行法案にはございません幼児教育という条項を新たに起こしたのは、先生がおっしゃっている趣旨に沿ったものと御理解をいただきたいと思います。  何を幼児期に教えるかというのは非常に興味深いことがありまして、実は私の、もう成人しておりますが、子供は英国で生まれました。英国社会で生活をしたときに最初に覚えた言葉がマインという言葉です、自分のものだと。その次はノーという言葉ですね。これはやっぱり権利の極めて確立した社会で最初に覚える言葉なんですね。日本人が覚えている言葉は大体うまうまかママですよね。人に依存するというか、人に頼る。  これはどちらがいいか分かりませんが、やはり幼児期の教育というのか、幼児期の暮らし方というのは、かなりその後の精神、その人間の精神的な生活に深くかかわってくる部分があります。まあ、うちの子供の場合は、帰ってきてみそ汁とたくあんを食べたら、まあ一か月でマインとノーは忘れちゃっていたんですが、それはそう大きくならない前に帰ってきたからだと思いますね。これはかなり大きくなってきてから帰ってきたら、マインとノーの人格はかなり形成されていたんじゃないかというふうに思います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、幼児教育の重要性、再認識していただければと思っております。  そしてさらに、この項目の中で、障害者に対する項目、あるいはボランティア活動、ボランティア教育、こういうことも大変重要であろうと、そう思っています。これはちょっと時間ありませんから質問しません。  次に、未履修問題について一つだけお尋ねをしたいと思っています。  これは補習時間数の提示などの基準が示されました。各学校においてこの補習等の取組が進んでいると思いますが、何日か前に佐賀県で、これについての処分がマスコミに出ていました。実際に現場で学習指導要領を逸脱した校長さんや、あるいは現場の管理職等を経験している教育委員会の幹部もいるはずであります。そして、地方公共団体の教育委員会に出向していた文部科学省の職員も二十数人いると伺っております。  そういう中で、やはり、これは地元の新聞ですが、この一面に教育についての記事が書かれています。この中で、文科省にも責任という言葉が、国民の声、寄せられています。  そういう中で、この文部科学省の責任を明確にする、もちろん、まず第一義的にはこういうことをもう起こさない、再発防止が最大でありますけれども、国民の信頼の回復のためには極めてこの責任体制というのも重要であると思いますが、この点についてもお伺いをしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 未履修の問題というのは、基本的に申せば、文部科学省が告示という形で通達をしている履修科目の原則を、カリキュラムの編成権を持っている各学校長がそのまま実施をしてくれなかったと、そして、実施をしてないにもかかわらず、卒業の認定権を持っている校長が卒業免状を過去においては出していたということが未履修問題の表面的な形の問題です。  これは、一義的に私はやはり校長先生に大きな責任があると思います。しかし、その背景としては、大学受験と必修科目との関係とか、いろいろなことがこの場でも論じられました。これは、そういう面があるということは私は否定いたしませんが、全国のやはり学校で、生徒数にすれば百三十万近くの高校生の九十数%がやはり我々の示した基準どおりの授業を受けておられるわけですね。学校でいえば、九〇%の学校の校長先生はきちっと授業をなすってたということは、やはりしっかりと受け止めなければならない。  その上で、先生がおっしゃったように、いろいろな立場でそれに気付く可能性があった者、これは教育委員会もそうでございましょうし、現場に出向していて帰ってきた文部省の出向職員もおりましょうし、あるいは大臣としての私もその責任の一端があると思いますが、みんなそれを見抜けなかったとか、あるいはよく気付かなかったとかという結果責任を他人に押し付けて、それで事成れりという態度を取っておりますと、教育というものはだれからも信頼されないものになりますから、その点は私たちも省内的にもよくわきまえながら仕事に当たらねばならないし、私も職員を監督していかねばならないと思っております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 今、気付かないというお話ありました。やはり、先ほどの気という、やっぱり気持ちを充実させる、そのためには、昨日も答弁にありましたように、感性の指導というお話が大臣からありました。日本の漢字の中で最も多い漢字はカンという漢字、この単語が最も私は多いと思っています。  勘を働かせる、勘を養う、これはいつまでも健康を保つ私は秘訣だと、そう思っています。  あるいは、関東の関、生涯学習なんかは関心を持つというところからスタートするんだと思います。関心を持つ、関東の関は物事の新しいスタートという意味だと思っています。  今文部科学大臣、伊吹大臣は、文部省の最高幹部の幹です。官と民と一体となって地域のために教育行政で汗を流す、汗という字もカンです。  そして、大事なのは健康。肝機能、冠動脈、病院は看護婦さんとか、患者さんがいないともっと経営が成り立ちません。これらは医療のカンということですが、時間の間も大事です。これから生涯学習の話もさせていただきますが、人生八十年時代、時間に換算すると七十万と八百時間ということです。この時間をいかに長く、いかに効率的に生きるか、これも生きる目的の一つだと思っています。元気の元にうかんむりを付けると完全という字に変わります。元気がないと完全はあり得ないという、そういう字の持つ意味だと、私はそう思っています。  そのほかにもたくさんあります。いい感性を高める、生活習慣病の慣とか、いい環境を、教育環境をつくる、感動し感激するとか、是非このカンという字の持つ意味、これはとても、私は人間が生きるためにカンという字は大事な字だということも再認識していただければいいと思っております。  来年の一月の中間報告取りまとめに向けて議論を進めている教育再生会議、本日、「いじめ問題への緊急提言」を公表したと聞いています。  この公表の前にも、文科大臣は、いじめた生徒を登校、いじめ、出席停止ということも活字に躍っておりましたが、これについてはいじめた生徒を登校させないわけにはいかないという、そういう言葉も発しておられますけれども、この緊急提言について、その位置付けがどのようなものだと、そしてこれはだれに向けた提言なのか、そして、この提言の内容をどのように実効性を高めていくのか、これが最も大事なんだろうと思います。  この実現に向けて、文部科学省とそして中央教育審議会あるいは教育再生会議の関係というのはどういうふうになるのか。ここで、再生会議で緊急提言したものは、全国都道府県教育委員会を通じて各学校に、あるいは市町村教育委員会にこの提言がなされるのか、あるいは文部科学省、中教審に対してはどうこれがなされるのか、これについて官房長官にお尋ねしたいと思っています。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今朝、第三回目の教育再生会議がございました。その場でいじめに関する緊急提言というのがございまして、「いじめ問題への緊急提言 教育関係者、国民に向けて」というもので、これは、発信は教育再生会議有識者委員一同ということになってございます。  これは、学校におけるいじめの未然防止あるいは毅然とした対応を取るべきこと、あるいは教員の子供とのコミュニケーションの促進であるとか、それからチームによるサポート、こういったことを教育再生会議の有識者委員一同が本日取りまとめて出したものでございますが、だれに対してかと、こういうお尋ねでございますけれども、これは学校、今申し上げたように、その副題というかサブタイトルに「教育関係者、国民に向けて」とこうありまして、学校や教育関係者に重点を置きながらも、しかし同時に、やはり家庭、それから地域の関係者も含めて、広範な関係者に向けた緊急提言になっているわけでございます。  で、この後の扱いでありますが、今文部科学省との関係、あるいは教育委員会との関係のお話がございましたけれども、今回の提言では、学校における毅然とした対応とか、先ほど申し上げた学校全体でいじめの解決に当たることなど、学校や教員に対する提言、そしてまたいじめにかかわった教員への厳しい対応など、教育委員会に対する提言も多く含まれておるわけでありますので、これは、今後の扱いについては、文部科学省とも十分連携をし、相談をしながら提言が実現されるようにしてまいりたいと、このように考えているところでございます。  いずれにしても、今回の提言では、いじめによって子供が命を絶つというような痛ましい事件を何としても食い止めるためには、社会総掛かりで早急に取り組む必要があるということで、民間のこうした識者の皆様方がお出しになったものを我々も受けて、文科省と相談をしながら国民に向けて発信をしていきたいと、このように考えております。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 若干補足をして申し上げたいと思いますが、教育再生会議というのは閣議決定をもって設置された組織でございまして、安倍総理大臣への言うならば提言をするというか、アドバイザリーなボードという位置付けだと思います。したがって、ここが本来提言をされるのは、安倍総理へ提言をされるんですね。ですから、今回のはわざわざ提言と書いてありますが、その下に、国民と教育関係者の皆様への提言だと断っているのはそういう意味だと思います。  それで、今回の提言だけではなくて、これから安倍総理への提言もいろいろ出てくると思います。その中で、それを総理が受け止められて、文部科学省の所管するものについては私と御相談があると思いますから当然それを御相談をして、そして法律なり予算なりの形にする必要があるものはして、そして国会へお願いをしながら実現していくと。今回は、だからそういうものを含まない、どちらかというとアピールという性格が非常に強い提言だと、一般の方々に対するですね、今回のいじめに対する再生会議の提言は。そういうふうに受け止めていただければ一番分かりやすいんじゃないかと思います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 分かりました。  いじめ問題に対する緊急提言ということですから、正に国民に向けてアピールということで、官房長官からも、地域、家庭、学校、連携をして解決をしていかなければならないという御答弁ありました。全くそのとおりだろうと思います。そのためには、この安倍内閣、美しい国日本をつくるという安倍内閣の下で設置された教育再生会議、大変教育の重要性というのを考えていらっしゃるということに対して私も賛同をしたいと思っています。そういう中で、この出された緊急提言、国民に対するアピールというのも広げていかなきゃならないというのが課題、使命だろうと、そう思っています。  そのためには、いろんな組織、広報、いろんなやり方があるんだろうと思います。まず話をしないと。安倍総理のモットー、対話と参加です。話をするから組織の輪が広がるんだと思います。これは三輪車の輪という漢字です。話をするから和やかになる、これは平和の和、聖徳太子の十七か条第一条、和をもって貴しとなすという言葉です。  和が大事なことは言うまでもないことです。食べ物にも和え物ってあります。ワカメやネギやウドや海の幸、山の幸がみそや酢や調味料によって自分の持ち味を主張しながら、混ぜ合わせることによってもっといい味を出すのが和え物。そういうことを考えると、和がいかに大事か。  私は、和の色は何色だって言われたら、紫と言うことにしています。交差点の信号機は赤と青と黄色です。この三つの色を混ぜ合わせると紫という色になります。紫という漢字は比較の比のような字を書いて、下は糸なんです。合わさると糸になるんです。だから、糸を結ぶという、そういう意味でも是非今回の国民の安全、安心のためにはこのアピールしっかりと全国に広げていきたいと、このことを要望をさせていただきたいと、そう思っています。  大変、家庭環境、これは変化の流れの中でこれからの教員の役割、大変重要になっています。もう学校にだけ全部任せていたら先生大変です。今カリキュラムだって大変な中で、教師もなかなか自分の研修をする、資質を磨く時間ありません。そういう中で、免許更新制とかあるいは教職大学院の制度とか、いろんな提言がなされています。やっぱり人間の資質を高めるというのは大事なことですが、それを教える先生の資質を高める。私は今、教育学部で四年間教職を取って教員試験を受けて先生になりますけれども、正に社会体験、あと二年増やして社会体験、企業に、現場に行く、要するに幅を広げるということが今教員に課せられた大きな使命だろうと、そう思っています。  どんな状況になるか分からない社会の中で、大事なのは資質を高めるということ。私は水戸ですから、水戸には弘道館というのがあります。弘道館で水戸学を学んだ最後の将軍慶喜公もそうです。この弘道館をつくった斉昭公が最も好んだ言葉は、芸に遊ぶという、これは生涯学習、そしてもう一つは備えあれば憂いなしという言葉だったそうです。どんな状況に遭遇しても柔軟な対応ができる、そういう資質、それを備えていくという。  宮本武蔵の五輪書の中に、幅一尺は広いか狭いかという考え方が本に説かれています。一尺というのは三十センチということです。川幅の狭いところ、そして川底の浅いところに橋を渡して渡るときには、一尺、三十センチあれば十分であるということだと思います。有用の用と言うそうです。しかし、谷底のような川幅の広いところに橋を架けて渡すときには、一尺、三十センチでは危なくて渡れないと思います。五メートル、十メートル、どんなに幅の広い橋を架けても両側に手すりを付ける。しかし、どんなに幅の広い橋を架けても人一人が渡れる幅は、一尺、三十センチあれば十分であるということだと、私はそう思っています。この三十センチ以外の幅をいかに広げていくか、これがやっぱり大事なんだろうと、私はそう思っています。  そのためには、いろんな現場で社会体験、職業体験、そういうこととても私は大事だと思います。学校の現場の先生方は子供だけ教えるのではなくして、今度は子供の両親の子育ての指導に助言もしなければならないという、そういう時代の中です。  そういうことで、教職員の勤務時間の表も出ていましたけれども、それはもう時間がありませんから申し上げませんが、今の人確法で一般公務員よりはもちろん高くなっています。しかし、待遇の問題もあります。そういう中で、教職員の資質を高めていく、こういうことで予算も確保していかなければならない。  文部科学大臣のこのことについてのお考えをお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これはもう先生のおっしゃっているとおりでございますから、人を教える立場に立つ者の資質をいかに向上させるかということは一番大切なことで、いろいろなやり方があるわけですから。  まず、教職大学院ということを先生おっしゃいましたが、そこでやはり教職員を教えられる教職員をつくるということ、これがまず第一に大切。それから、教職員になった方を、今議論になっているのは、十年ごとに免許の更新をさせるかどうか、十年が適当かどうかという議論もございます。それから、当然、初任者の研修期間というのが今一年ございます。この一年をもう少し長く試験任用期間として、その間に今おっしゃったようないろいろな意味での人生に触れ合う経験を積み重ねさせるということも大切だろうと思いますし、いろいろのことを予算上も措置をしながら、大切なお立場の方です、教師というのは。我々も万全を期していきたいと思っております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、教師の充実した教育の予算獲得もお願いをしたいと思っています。    〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕  そして、私、今回の教育基本法の中に生涯学習の項目が入りました、大変これうれしかったんです。法案第三条に生涯学習の理念が規定をされました。  生涯学習の環境整備のためには、地域住民にとって大変身近な施設である多種多様な活動を行っている公民館、今文科省からも資料をいただきましたけれども、中学校区から考えると公民館の数は充足されています。しかし、小学校区から考えると公民館の数はまだ足りません。二万三千ぐらいの小学校があって、公立の公民館一万七千か所です。こういう中でこれからこの生涯学習社会、六十の手習いという言葉がありますが、今は八十の手習いの時代です。  先ほど弘道館の話しましたけど、弘道館の入学年度は十五歳です。卒業年度はありません。これは生涯学習のはしりかなと、私はそうとらえていますけれども、ここで学んだ最後の将軍慶喜公は、将軍を辞めてから、謹慎が解かれて静岡に移ったその後の生活は、猟をやったり、カメラやったり、宝生流の謡曲をやったり、あるいは釣りをやったり、手裏剣も名人だったそうです。いろんな毎日毎日カリキュラムを作って、そして生涯学習をして、七十五歳まで、当時の年代からしたらすごい長生きだと思います。書道も達人だったそうです。今、日本の道路の起点は日本橋です。この日本橋が竹造りから現在の石造りに建て替えられたときの欄干の日本橋という揮毫は慶喜公の手によって行われたものです。  そういう中で、生涯学習が生きがい対策であり健康づくりであるという、そういう観点から、この生涯学習に取り組む考え方をお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 生涯学習という概念を御提案している法案に取り入れておりますのは、もちろん、先生がおっしゃった地域社会における公民館あるいは児童館、学校その他を利用して地域の教育力の中で生涯教育を行っていくということはもちろんでございますが、あらゆる人生の場面で、もう一度大学に入っていただいてもよろしいわけですし、生きがいといいますか、真理を探究できるという喜びを持って人生を送っていただきたいし、その中で人間としての自己成長を果たしていく権利はいつの年代にも、人生のいつの間にもあるんだと。それをみんなでやはり確認できるような社会状況に今なってきたということですね、昭和二十二年の現行法の制定時と比べますと。  だから、これからは特に長寿社会になりますから、大切な概念としてこの生涯教育を育てていきたいと思っております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、生涯学習、私はもう二十一世紀は生涯学習の時代だと思っていますので、これ是非文部科学省は、今、先ほど一小学校区公民館は全部できていないというお話ししましたが、私は水戸の市長時代に一小学校区一公民館ということで公民館行政進めていました。三十一ありますが、三十一番目できたときに生涯学習都市宣言をしましたけれども。  公民館というのは地域の皆さん、今、地域の人間関係が希薄になっている中で、ここに集まって、地域でいろんな問題があったら、犯罪があったらみんなで防犯パトロールの組織をつくろうとか自警団をつくろうとか、あるいは福祉の支援システムをつくろうとか、いろんな組織がここで生まれました。独り暮らしのお年寄りに女性会が電話一本置いて電話を掛けて安否の確認、激励をしようと。もちろん、これから公民館建て替え時期に入っている地域もたくさんあると思います。そういうときに要求が、ゲートボール造ったり、あるいは陶芸施設造ったり調理を造ったり、たくさん、要望は多種多様にわたっていると、私はそう思っています。しかし、地域の問題は地域で解決するというのが正に住民自治の在り方、そして、地域で解決できないことを地方公共団体に提言をしていくというのが私は本来の住民自治の在り方だと思います。そういう意味で、この公民館行政にしっかりと取り組んでいっていただきたいということを要望をさしていただきたいと、そう思っています。  そして、もう時間なくなりましたが、日本史の必修化、世界史、いろいろ今問題になっていますが、明日集中審議があるようですからこのことは余り触れませんけれども、日本史、私は自分の国の歴史を、やっぱり成り立ちを知るということはとても、これは他国を尊重することになるんだろうと、そう思っています。  日本青少年研究所というのが二十世紀最後のころ出した資料には、「日米高校生比較」、君が代流れてそして国旗が掲揚されたときに、アメリカの高校生は九割の人が、約九割の人が起立して歌を歌う。日本の高校生は君が代が流れたとき二五%。そして、他国の歌が流れ旗が掲げられたときには、アメリカの人は五八%の人たちが起立して注視をする。日本は一八%、七ポイントぐらい下がっていますが、大変残念だなという、そういう気がいたしました。大体、スポーツでやるときには、サッカーでもボクシングでも、ほかの国の国旗・国歌が流れるときには起立して注視をします。  ここに、だからアメリカと日本と違う、いろいろあると思いますが、ディズニーランドの造り方だって違います。日本にない、アメリカのアナハイムにあるディズニーランド、カリフォルニアアドベンチャーという、自分の国はすばらしいんだと、自分の地域はすばらしいんだというアトラクションが一画あります。そして、メーンストリートにアメリカの建国の歴史、南北戦争時代の歴史を国民に見せています。そして、第二部としてリンカーンの演説を聞かせている。そういうことがああいうアミューズメントのテーマパークの造り方にも入っているという。  そういうことを考えると、正にこの日本史というのが私は大事なんだろうと思いますが、中教審で諮るということになるのかどうか分かりませんが、文部科学大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 日本の学習指導要領上どういう位置付けになっているかというと、中学校で日本史を必修といたしております。高等学校で世界史を必修としているわけですが、これで十分かという御意見はいろいろなところにございます。先般も、全国の都道府県議長会の会長でお地元の山口さんが私のところへ来られまして、茨城県議会の総意として日本史を必修科目にしてほしいという御提言がございました。  ですから、どういう形で日本史を学ぶかということは、少し他の科目とのバランス、それから授業時間との関係がございますので、中教審にも諮らねばなりませんけれども、国際化が進めば進むほど、自分の国の歴史をまず理解して、自分のパスポートをしっかり持ちながら、他国の歴史を理解して他国の文化の中に入っていくという人間でなければならないということはもう申すまでもないことだと思います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、日本史の必修化については中教審で議論をしてもらいたいということをお願いをしておきたいと思っております。  先ほど申し上げました安倍総理の最も尊敬する人、吉田松陰先生ということでした。その吉田松陰先生の源は私は水戸にあると、そう思っています。  水戸学の指導者である会沢正志斎という人の「新論」という本を読んで感化されて、影響を受けて、茨城水戸に来て、一か月水戸に滞在をして会沢正志斎の教えを受けて、教育の重要性、時代を変える必要性を悟って、萩に帰って松下村塾という六畳二間ぐらいの塾を造りました。そこから高杉晋作、久坂玄瑞、品川弥二郎、伊藤博文、山県有朋、日本を代表する人たちを輩出をしたということです。  そして、薩摩の西郷隆盛、水戸学のもう一人の第一人者と言われる西郷隆盛の教えを受けて、やはり吉田松陰と同じ考えを持って郷里の薩摩に帰って、加治屋町という今も鹿児島駅のすぐ近くにあります小さな町です、ここで郷中教育という教育を始めました。十二歳や十三歳の年上の人が十歳、九歳の年下の人を教える子弟教育です。ここから、西郷隆盛が大久保利通、内務卿、外務卿にもなりました、これを教えて、そして日本銀行を創設した松方正義とか、私立学校をつくった村田新八、東郷平八郎、大山巌、日本画壇の三傑と言われた黒田清輝とか、たくさんの人材をこの郷中教育、小さな加治屋町という町から輩出をしました。  正にその源は、歴史は教育がつくるという考え方を持っています。私は、これは侍の心、志ということだと、そう思っています。正に民主党の教育基本法にも、日本の、教育が原点であるということを書かれています。教育ということが最もやはりいろんな問題を解決する原点になるんだと、私はそういうふうに思っているわけであります。  伊吹文科大臣には念願の念という心を贈りたいと思います。念願の念という漢字は、今という字に心という字が組み合わさって言葉ができています。初心忘れるべからずというのは、念願の念という字、是非、この志の心を持って日本の教育基本法を改正して、今後どう日本の教育に取り組んでいくのか、最後に御所見を伺って、終わりたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今、こうして与野党の国民を代表する先生方から御質問を受け、御自分の御意見を承っております、その今の心を忘れずに頑張らせていただきたいと思います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 ありがとうございました。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。  今回の改正では、現場第一、現場が最も重要であると考えております。ここで言う現場とは、学校、そして家庭、地域でございますけれども、本日は、この現場第一主義という観点から御質問させていただきたいと思います。  まず初めに、伝統文化そして芸術にとても御理解の深い大臣に、直接体験と生きる力という観点から、まず今学校で行われている文化芸術活動についてお伺いをさせていただきたいと思います。  人間、肌で感じる、そして命で感じるといった体験を通してしか学べないことも数多くあると思います。人間にとって最も大切な生きる力というのは、自発的な体験や人と人の触れ合いの中でこそつくられるというものも数多くあると考えております。  文化芸術振興基本法では、学校教育における文化活動の充実を第二十四条に規定しています。そこでは、「国は、学校教育における文化芸術活動の充実を図るため、文化芸術に関する体験学習等文化芸術に関する教育の充実、芸術家等及び文化芸術活動を行う団体による学校における文化芸術活動に対する協力への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。」と規定されております。  文部科学省、文化庁も本物の舞台芸術体験事業という取組に積極的に取り組んでいただいているところではございますけれども、また、この文化芸術振興基本法の前文には、このようにも述べられております。「文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。更に、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有するとともに、それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中にあって、自己認識の基点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てるものである。」と言われております。  そこで、今現在行われている学校における文化芸術活動についてお伺いをさせていただきたいと思います。

加茂川幸夫文化庁次長

○政府参考人(加茂川幸夫君) 子供の文化芸術体験活動についてのお尋ねでございます。  委員御指摘でございました本物の舞台芸術体験事業についてでございますが、この事業は、子供たちが教育課程の一環として、学校あるいは公立文化施設においてプロの実演家による、例えばオーケストラ、演劇、バレエ、邦楽、邦舞など、優れた舞台芸術に触れ、体験できるようにするため、平成十四年から実施しておるものでございます。  この事業が実施しました際には五百八十四公演でございましたものが、平成十八年の見込みで申しますと八百四十五公演に増えておりまして、約一・四倍に増えておるのが現実でございます。  また、学校外ではございますが、伝統文化こども教室といった事業も文化庁は行ってきておりまして、これは伝統文化に関する活動を学校外で計画的、継続的に体験、習得できるようにするための事業でございます。    〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕  この事業は十五年から実施してきておりますけれども、十五年から十八年の比較で見ますと、約二倍に増えておる現状にございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 今回の政府案の教育基本法案第二条に教育の目標が定められておりますが、第一項で規定されている豊かな情操、第二項で規定されている創造性、第五項で規定されている国際社会の平和と発展に寄与する態度などの目標は、正にこの文化芸術の力をもってはぐくまれるものではないかと私は考えております。  また、第三条には、国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生が送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られていかなければならないと言われております。  そこで、まずこの第二条の教育の目的と文化芸術の果たす役割についてお伺いをさせていただきたいと思います。

池坊保子公明党文部科学副大臣

○副大臣(池坊保子君) 教育基本法第二条の教育の目標は、教育の目的を実現するために重要と考える事柄を挙げております。  委員もバレリーナでいらっしゃいますので、文化芸術が果たす役割をお話しするのは釈迦に説法だと思いますが、文化芸術は、人間をより豊かにしていくだけでなく、真の科学技術の進展に役立ち、また経済の活性化にも大きな役割を果たしますし、一つのものに感動する心は、国や民族や性別を超えて世界平和の礎になっていくと思っております。このような観点から、教育基本法第二条第五項においては、伝統と文化を尊重するということが明確に規定されております。  今おっしゃいましたように、法案第二条に挙げる幅広い知識と教養、豊かな情操、創造性の涵養など、多くの理念を実現する上で文化芸術は大きな役割を果たしていくのだと思います。法案の前文においては「伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。」と書いてございまして、この文化は当然芸術も含まれていると考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  今もお話ありましたけれども、私がバレエをやっていたから、バレリーナだったからこの文化芸術がとても重要だとただ言っているわけでは今はございません。  私が阪神・淡路大震災を実はニューヨークの自宅で知りまして、何かさせていただきたい、何ができるだろうという思いで、約十三年半ぶり、十四年ぶりにこの日本に帰ってまいりました。そして、これこそ本当に自分の直接体験を通してでございますけれども、帰ってきてすぐに、本当に文化芸術の力というのは、人に勇気、そして希望、夢、生きる力を与えるものだということを体験をさせていただきました。  と申しますのは、ある六歳の少女との出会いがありました。彼女は、私が帰ってきたのが十一月でございましたけれども、彼女は震災で体を悪くして病院に入院をしておりました。十一月の十一日、十二日、きれいなルミナリエが飾られていた門で、このきれいなルミナリエの前でどうかバレエを踊らせていただきたい、そんな思いで、宝塚の方々にも御協力いただき、バレエを踊らせていただきました。  その六歳の少女は、病院からそのバレエを見に来てくれたんです。そして、病院に帰って、ママ、パパ、早く元気になってバレエやるよ、やらせてねと言い続けたそうです。  私は、その一か月後の十二月二十四日、このクリスマスイブ、子供たちの作品だけを作りたい、歌や踊り、ミュージカルの作品を作りたいと思って募集を掛けました。そのニュースをお父さん、お母さんが知って、もう一日だけ外出許可をお願いしたい、病院にお願いをされました。しかし、残念ながら、この彼女は体が衰弱し切っておりまして、十二月一杯の命と言われておりました。もう十二月の寒いときですが、劇場に連れていく、暖房がある暖かいところで見るならともかくですけれども、ルミナリエという寒い外で何十分も何時間も、幾ら子供が歌ったり踊ったり元気な姿を見ても、その場で亡くなってしまうかもしれない。病院からはもちろん許可が下りませんでした。  でも、お父さん、お母さんは考えて、ずっと悩んできた。六歳のこの命、もう最後のこのクリスマスイブ、何のクリスマスプレゼントを上げるべきなのか。縫いぐるみなのか、あるいはお花。お花だったら病室じゅうをお花で埋め尽くしてあげよう。あるいは、ケーキだったら、いろんな手作りのケーキを作って喜ばしてあげよう。さんざん悩んでこられたそうです。  でも、十一月のこのバレエを見て以来、彼女はいつになく元気になって、早く元気になる、元気になる。それまで自分で起き上がる努力もしなかった彼女が、一生懸命座る努力をし始めた。  お父さん、お母さんは、一生懸命悩んで考えてきたけど、物ではない、この六歳の命、六年一生懸命頑張ってきたこの命、最後のクリスマスプレゼント、贈るべきものは、同じ年齢の子供たちが歌って踊って元気に生きている姿、頑張っている姿、この姿を見せてあげることが最後の彼女へのクリスマスプレゼントだよといって、毛布にくるんで病院に内緒で連れてきてくださいました。私はそのとき司会をしていたのではっきり覚えているんですけれども、一番前のパイプいすに座って、お父様にだっこをされて、毛布にくるまれておりました。  私は病気だと知らなかったので、その女の子が、子供たちが歌うと、知っている歌は大きい声で歌います。そうすると、お父様が慌てて口を押さえます。そして、毛布から手を出して一緒に踊ります。そうすると、お父様が慌てて手を中にしまい込むんです。その状況を見ていて、あっ、寒いんだろうなと思って、最後に彼女に言葉を掛けました。最後まで見ていてくれてありがとう、寒かったね。声を掛けたら、とっても楽しかった、毎年クリスマスにはここに来るの、そして今度はみんなと一緒にお歌も歌う、踊りも踊るよ、ありがとうと言って、本当にきれいな笑顔で、こんなバレエの手をして、にこにこしながら帰っていかれました。  そして、十二月一杯と言われた命ですけれども、早く元気になる、元気になる、元気になってバレエやる、お歌も歌う、ベッドの上に自分の力で座れるまでに回復したそうです。約二か月以上命が延びたと。  そして、最後の日、お母さんがつらかったんで病院の窓から外を見ていたら、ママと呼んだんで、何、上からのぞいたら、ママね、バレエのお姉さんにありがとう言って、今度生まれてきたらバレリーナになる、お歌も歌うの、そしてみんなを幸せにするの、ありがとうと言ったのが最後の言葉だったそうです。  そのありがとうを、お母様、お父様が、私、そして今でもボランティアの方たくさんいますけれども、その心温まる、心からのありがとうを伝えに来てくださいました。その言葉を聞いたときに、ああ、文化芸術の力というのはこういうもんなんだな。例えば阪神・淡路大震災の後も、道や橋やビル、そういうのは目に見えて直ります。でも、心の復興、心を元気にといっても人には心は見えるものではありません。でも、文化芸術の果たす力というのは本当に計り知れない力があるんだということをそのとき実感をいたしました。  そして、その後に何ができるかと思って、また震災で御両親を亡くした子供たち、そして何かの都合で御両親と住めない養護施設の子供たち、また一般のお子様を加えて劇団を立ち上げましたけれども、その劇団の中でも、本当に小さな子供からそしておじいちゃん、おばあちゃん、見に来てくれたおじいちゃん、おばあちゃん、そしてリストラに遭い会社を辞めようとして本当に自分の命を絶とうとした五十代の男性、また中には、中学二年生の男の子は、本当に震災で、目の前で御両親を焼死させてしまいました。自分はある程度力があったのに助けられなかった。ずっと責めていた彼も、十年掛かりましたけれども、十年たったときに、先生、ごめんね、僕には両親の命は救えなかった。でも、一人でも多くの人の命を救う立派な医者になると言って、今お医者様に向けてすごく一生懸命勉強をしているところでございます。  この文化芸術の体験、そして人と人との触れ合い、これが本当に重要であるということをこの十年間、私が体験をもって、直接体験として感じさせていただいたところでございます。  今本当にIT化が進んでいく中で、子供たちに夏休みが終わった後に何して遊んでいたと聞くと、ゲームで遊んでいた、あるいはパソコンでいろんなことを調べて遊んでいたという声が非常に多くございますけれども、このバーチャル化がどんどん進んでいく中で、言葉にも温度があるということを子供たちに教えていかなければいけない、伝えていかなければいけない、これが私たち大人の責務だと私は考えております。  私がアメリカ、ニューヨークにいたときも、「ミス・サイゴン」というミュージカルを見に行ったときのことでございますけれども、これも直接体験、小学校三年生ぐらいの男の子が作品を見ていまして、休憩に、お父さん、お母さんにその年齢で感じたこと、戦争はしちゃいけないね、戦争をしたら大変なことになるんだ。するとお父さん、お母さんが最後まで見てみようと言って最後まで見る。最後に、見た後にお父さん、お母さんがどうだったと聞くと、ああいう国には学校はあるの、教科書はあるのかな、学校の先生はたくさんいるんだろうか、病気になったときに治してくれるお医者さんはいるんだろうか、困ったときに相談できる人はいるの、きれいなお水はあるの。その小学校三年生、四年生なりに自分の心で感じた、教科書や本当に本で学ぶことも大切ですけれども、心で感じたことをお父さん、お母さんに訴えて聞いております。お父さん、お母さんが、まだないかもしれない、なぜと聞くと、僕にはお父さん、お母さんもいる、そして学校もある、そして教科書もある、もっと教科書を大切に、そして一生懸命勉強して大人になったときには人の役に立つ仕事に就けるように頑張る。だから、明日からもっと勉強を頑張るよという姿を数々見てまいりました。  でも、日本に帰ってきて、実際、日本の子供たちがそういう状況の下にあるかといったら、なかなか厳しいのが今の日本の現状でございます。フランスの方では三人に一人が文化芸術を趣味にしている。そして、ニューヨークでは週末にはいろんな劇場に家族、そして恋人同士でいろんなものを見に行くのを習慣としていると言われておりますけれども、まだまだ日本にはそういう習慣は残念ながらございません。  私は、そんな観点から、この文化芸術が教育に果たす役割の大きさ、先ほど御答弁いただきましたけれども、学校で今約八百校ぐらいやられているということでございましたけれども、本当にいろいろ文化庁さんの方にも御努力をしていただいているところでございますけれども、まだまだ本当に量的には足りておりません。  例えば、小中学校が約三万四千校あると言われておりますけれども、今のペースで学校、私は最低年に一回は子供たちが本物の文化芸術に触れるようにということで、初当選して以来この二年四か月訴えさせていただいてまいりましたけれども、本当にこの最低子供たちが年に一回触れるためにしていくためには、このままのスピードですと約五十年以上掛かってしまうというのが現状でございます。そんな中から、今後何年、何十年のうちにだんだん増やしていくというのではなくて、ここで思い切った改革が必要であると私は考えております。  この体験活動にはお金が掛かるものでございます。必要だ、すばらしいと口で言っているだけではなくて、思い切った予算の確保、そして人も必要になってまいります。また、後で質問をさせていただきますけれども、学校では今でも事務処理などに追われて現場にある大切な子供と接する機会が少なくなってきている中、しっかりとした対策を取ってほしいと思いますけれども、学校教育におけるこの文化芸術の果たす役割についての御見解、そして、ここで思い切った予算確保への決意を大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 大変いいお話を伺いました。今日、ちょうどここへ出てまいります前に、体験教育をしていただいた中村吉右衛門丈がお見えになりまして、やはり子供の目が輝いているということをお話をくださいました。  御提案しております改正基本法の二条には豊かな情操を養うということがありますが、実は文化芸術だけではなくて、スポーツにおいても同じような生きる力が出てくるとか心の温かさが出てくるとかいろんなことがあると思いますし、大自然に触れるだけでもそうだと思います。私の思い出でも、小学校のときに授業外に先生と一緒に歌った歌というのは今でも覚えているとかですね。  だから、芸術文化やスポーツ、あるいは自然との触れ合い、そのようなものにはやっぱり人間の心を感動させ人間に力を与えるものがありますから、体験学習その他を含めて、できるだけそういう機会を確保していきたいと思いますし、予算は多ければ多い方がいいわけですが、これはもう当然、納税者が幾らでも増税に応じてくだされば無限の税源がありますが、これは現実にはそうはいきませんが、今申し上げたような感動を与えるものだということを大切に、ひとつ予算折衝、予算の編成にも当たっていきたいと思っております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  この教育に果たす力の大きさというのは本当に多大なものがあると思いますので、どうか是非しっかりとした予算確保実現のためによろしくお願いいたしたいと思います。我が党公明党も全力で力を注いで応援をさせていただきたいと思います。  このことに関連して、大学教育での文化芸術について、次にお伺いをさせていただきたいと思います。  一つの例がございます。ロシアのモスクワ大学ではほぼ毎月一回、ボリショイ劇場の芸術家を大学に招待して公演を開催しているとのことでございます。人間教育という観点から見て意義深いことであると私は考えております。  日本においてこのような取組はあるのか、また、大学のこのような取組を支援する仕組みはあるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 先生御指摘のように、我が国の大学には芸術、音楽等の学部はあるわけでございますが、そのほかの大学においても広く芸術文化に関する授業科目を開設している例がございます。  例えば、これはある大学の例でございますけれども、月に四回から五回ぐらいという割合で世界の著名なオーケストラ、バレエ、オペラ、伝統芸能、例えばここ最近の例で申し上げますと、ウィーン交響楽団でありますとか、レニングラード国立バレエ団でございますとか、あるいは能楽、文楽等の優れた実演家を招いて全学生に教養科目として履修させているというような例、あるいは、これは教養科目としてということではなくて正課外の活動として同様の機会を設けている大学の例、あるいは映画監督あるいは脚本家などの方々を招いた講義を行い、あるいはアートデザインの現場で活躍する建築家等の第一人者の講義と学生参加のプロジェクトで組み上げていくといったような例もあるわけでございます。  文部科学省としては、これら国公私大学を通じた特色ある大学の取組に関する支援を行ってきております。今申し上げた例のすべてに対してというわけではございませんが、支援を行わせていただいているところでありまして、正に教養教育、あるいは大学における人間性教育という委員御指摘の観点も十分踏まえながら、そういう各大学の自主的な取組を積極的に進められるよう支援してまいりたいと考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  人を育てるという観点から、大学においても学生に文化芸術に触れる機会を是非もっと増やしていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  この教育における文化芸術の役割を考える上で、社会全体の意識、これを浸透させていくことが大事であると私は考えております。この草の根的な広がり、これが必要であると考えております。子供の教育ももちろんですけれども、大人たちが感動する心を忘れてしまってはいけない、子供は大人の背中を見て育つとも言われております。  現在、音楽振興法に基づき、十月一日が国際音楽の日となっております。これは、国民の間に広く音楽についての関心と理解を深め、積極的に音楽学習を行う意欲を高揚するとともに、ユネスコ憲章の精神にのっとり音楽を通じた国際相互の理解の促進に資する行動を行うようにするために設けられたとされております。この普及と啓発のため、平成八年からは全国各地で国際音楽の日フェスティバルが開催されておりますが、しかし現在この国際音楽の日が国民に浸透しているかというと、なかなか厳しいのが現状であると思います。  また、これは海外の例になりますけれども、アメリカでは、この五十年続いていると言われる、公園で本物の文化芸術を一般の市民が見て聞いて触れるチャンスが毎年ある。これは、アメリカは寄附文化でありますので、いろんな企業様の寄附で成り立っている事業でございますけれども。また、ヨーロッパの方では、ベルリン・フィルハーモニーオーケストラが毎年夏に、これもやはり芝生の上で本物の音楽を聴いてもらうという観点から、これは無料で、国が支援をしながらやって続けていられることでございますけれども、私も一回見せていただいたときに、本当に子供たちが芝生を駆け回って、そして本物の音楽を聴いている。本当にすばらしいなということを感じたことでございますけれども、この日本においてもこのような日を設けることが必要なんではないか。子供だけではなく、大人も心を豊かにしていくために必要ではないかと考えているんですけれども。  ここで一つ提案でございますけれども、各地域でだれもが本物の文化芸術に触れる機会を広げる。例えば、仮称、文化の日とか芸術の日、文化芸術鑑賞の日のようなものを設けて、その日はチケット代は安くするとか、あるいは無料でみんなが鑑賞できるようにするという取組を進めていくのも一つの手ではないかと思っております。  先ほども申し上げさせていただいたように、子供たちが最低年に一回、バーチャルの世界だけではなくて、最低年に一回本物の文化芸術に触れる。この学校公演においても約このままですと五十年も掛かってしまうと言われている中で、大人と子供がともに楽しめる、地域で、社会で文化芸術に親しめるようサポートしていくことも一つの方法かと思います。  このような、仮称でございますけれども、文化の日とか芸術の日、文化の日は今ございますけれども、芸術の日、文化芸術鑑賞の日というのを設けることについての御見解をお伺いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) その日を文化、文化の日というのは今もあるわけですが、芸術の日あるいは音楽の日として法律上位置付けるということは、やはりかなり広範な議論が必要だと思いますが、その日を先生がおっしゃったような特別の日として認定をしているということはかなり多くあるわけですね、歯の日とかですね。ですから、それは可能だと思います。  ただ、その日、ですから、それをまた盛り立てていくようなエベントのようなものを各地域でおやりになる場合です。これを国民の税でもって助成していくということも、これはやりようによっては可能だと思いますが、そこへ行かれる方の費用負担を実質的に軽減するということは、これはやはり国民の税金を使う限りはかなり公平の見地から難しい問題をはらんでおると思いますが、できるだけ安く希望する方が行けるような、その基盤に対する助成というのは私は大いにあっても構わないんじゃないかと思っております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  様々な問題はあると思いますけれども、どうか国民の皆様一人一人が真の心の豊かさ、いろんなものに触れる機会を政府としてもどんどん考え推進をしていっていただきたいと思います。  安倍総理のおっしゃる美しい国日本、私はビルを直したり道を直したり建物をきれいにすることもその一つと思います。でも、本当に何が美しい国日本をつくっていくかといったら、美しい心の人を多く育てていく、美しい心の人がたくさん育てば育つほど本当に、本当の意味での美しい国日本になるのではないかと考えております。本当に、本や教科書、そのいろんなもので学ぶのも大切ですけれども、心で学んでいくという観点から、本当に心は目には見えません。本当に、五年、十年掛かってしまうことでございますけれども、どうか全力で力を入れていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。  次に、学校教育における伝統文化について、最後、文化の、芸術の質問をさせていただきたいと思います。  世界じゅうで御活躍されている池坊副大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、政府案第二条においてもこの日本の伝統と文化が教育の目標として掲げられております。  海外に参りますと、日本人よりも外国人の方が日本の伝統文化にとても興味があるということも私も感じておりました。と申しますのは、一つこれはちょっとおかしい笑い話になってしまうかもしれないんですけれども、ニューヨークにいたときも、ある日本人のサラリーマンの方がニューヨークに来られて、外国人の方に、一つ分からないことがあるから教えていただきたい、よく裏千家、表千家というんだけれども、その裏千家と表千家はどう違うんでしょうかということを外国人の方が日本人のそのサラリーマンの男性の方に聞かれました。そうしたら、その方はもちろん、それは分かりますとお答えになったんで、私、どういうふうに答えられるかなと思ってちょっと耳を傾けていたところ、それは簡単です、使うものが裏と表と、それが違うだけなんですとおっしゃいました。その外国人の方はまじめな顔をしてうんうんと聞いていたんですけれども、また別の外国人の方が、日本の伝統文化をよく御存じで、いや、それは違いますよと言って、その方が日本人の方に教えていたというのも、私、もう本当に昨日のことのように覚えておりますけれども。  最近の子供たちも、お琴や三味線を見たことがないという子供たちも本当に増えてきております。この平成十七年度から文部科学省では我が国の伝統文化を尊重する教育に関する実践モデル事業を進められていると伺っております。この成果を踏まえつつ、政府案第二条に盛り込まれている教育の目標を実現するため、学校における伝統文化を更にきちんと推進していただきたいと思いますけれども、現在の課題とそして今後の具体的な取組についてお伺いをさせていただきたいと思います。

池坊保子公明党文部科学副大臣

○副大臣(池坊保子君) 私も日本の伝統文化の一つである生け花と日々向かい合ってまいりましたので、文化芸術が果たす役割は大であると思っておりますので、委員の意見と全く同感でございますが、日本人が国際社会の中で尊敬と愛情で見詰められていくためには、子供のときから日本人としての自覚と誇りを持ち、そして日本で培われてきた伝統や文化をしっかりと受け止め、それを海外に発信する能力を持つことが必要かと思っております。  例えば、和楽器ですと、中学三年間の中で一種類以上を必ず体験すること、ただ、学習指導要領にはそう書かれておりますけれども、時間数が書かれておりませんので、現実にはなかなかそういう機会がないと思いますけれども。ただ、それぞれの学校でお琴とか尺八がなくても、教育委員会が持っていて貸し出したらいいわけですし、また民間のそうした優れた教授者たちがいらっしゃいますから、そういう活用をしていったらいいと思っておりますし、また社会科においても、我が国や郷土の発展に尽くした人あるいは文化遺産を調べるというような科目もございます。それから、国語科において古典の音読とか暗唱、そして私は、音楽の時間で、今、「故郷」とか「赤とんぼ」とか、いわゆる昔でいいました唱歌というのがなくなったように思います。あれは、外国人に「赤とんぼ」を、日本にはこういう歌があるのよ、あるいは「故郷」、これは郷土への愛情よって歌ったらみんな感動すると思うんですね。  ですから、そういうものを一層、これから学習指導要領、また改める部分がございますので、どんどん取り入れるように、教育基本法も、これが成立いたしましたら、伝統と文化をしっかりと身に付ける子供たちを育てていくような教育を更に進めていきたいと思います。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  自国の文化を知るということは、大変、本当に重要であると思いますので、今後、伝統文化を子供たちにしっかりと伝えていくようにお願いをさせていただきたいと思います。  次に、教育現場の教員の負担についてお伺いをさせていただきたいと思います。  教育の目的は子供の幸福であり、子供の幸福とは学ぶ楽しさであると私は考えております。本来、学校は学ぶ喜び、そして生きる喜びの場でなくてはなりません。学校に行くのが楽しい、先生に会えるのが楽しい、正に現場が大切だと考えております。そんな観点から、まず、教員が子供たちとどれだけ向き合えるのか。教員が生徒と向き合う時間を確保することが今教育現場に起きている様々な問題の解決をする条件整備の一つになると私は考えております。    〔資料配付〕

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 今、そこに、皆様のお手元にOECDの資料配付がされていると思うんですけれども、それを見ていただくと分かるように、法定勤務時間、勤務しなければならない時間は日本が一番長くなっております。でも、この分子供たちに接する時間が長いのなら本当にうれしいことでございますけれども、もう一方の教員の年間授業時間数を見てみますと、何と日本が一番低い、これが現状であります。このように、日本の先生方は諸外国と比べて、比較をしまして、最も長い勤務時間でありながら生徒と触れ合う時間が最も少なくなっているというのが現状であると思います。  先生が子供たちと向き合う時間をどう確保するのか。現場の先生方は様々な業務に追われているとお伺いしております。採点や、指導計画を始めとする各書類、報告書の作成など、直接生徒と接することと関係がない仕事が数多くあり、本来必要とする生徒指導、生徒との対話や家庭訪問など、これは地道な行動でございますけれども、最も地道でありながら重要な現場になかなか時間が取れないと言われております。  本来、教育とは、人と人、そして教員と生徒、教授と学生、先輩後輩といった人間対人間の人格の打ち合いの中で行われるものであると考えております。その時間が書類作成などの事務作業に追われてなかなか取れないという状況があるのであれば、それは変えていくべきであるし、変えなくてはならないと思っております。  今年度、文部科学省では、学校教員がどのような作業に時間を費やしているのか、教員勤務実態調査を行われており、先日の中教審に暫定の報告がされたと伺っておりますが、その内容についてお伺いをいたします。  また、あわせて、今回の調査は、いわゆる持ち帰り残業とも言われているということで、持ち帰り残業についても調査をされているということですけれども、あわせて、その状況をお伺いさせていただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 御説明を申し上げます。  お尋ねの教員の勤務実態調査でございますけれども、これは、教員給与の在り方を検討するために教員の勤務の実態をよく調べようということで、今年の七月から十二月までの約六か月間の教員の勤務実態を調査したものでございます。去る十一月の二十四日の中央教育審議会のワーキンググループに報告をいたしました調査結果は、このうち、七月の夏休みまでの間、つまり一学期末の状況と、それから八月の夏休み中のそれぞれの勤務時間の状況を暫定的に集計したものでございます。  調査結果について申し上げますと、七月の一学期末の調査結果でございますけれども、教員の、教諭の勤務一日当たりの残業時間が、小学校で一時間四十八分、中学校で二時間二十五分ということでございます。教員の中でも、教頭、副校長が最も残業時間が長かったという結果でございます。  それから、個人別の残業時間は、七時間以上に及ぶ教員がいる一方で、ゼロ分という教員もいるなど、ばらつきもございました。それから、中学校では部活の顧問を担当している教諭の残業時間が長いという結果が出ております。  なお、その勤務の中身でございますけれども、いわゆる児童生徒の指導に直接かかわりが薄いと思われる業務、つまり事務処理あるいはデスクワーク、外部との対応といった業務が、小学校では一日一時間四十二分、中学校で一時間四十四分という結果でございました。  なお、八月、夏休み中の調査結果につきましては、教員の残業時間というのはほとんどなくて、小学校で十六分、中学校で二十七分ということでございますが、業務の内容といたしましては、やはり子供の指導に直接かかわらない業務、まあ夏休みでございますから、デスクワーク等が小学校で五時間六分、中学校で三時間五十分といった結果でございます。  それから、いわゆる持ち帰りの状況でございますけれども、持ち帰りというのは、例えばテストの採点とかそういうのを御自宅でやるといったようなことなどがあろうかと思いますけれども、七月につきましては、一日当たりの教諭が自宅等に持ち帰って仕事をしたというふうに報告されている時間は、勤務日では小中学校の平均は三十九分ということでございます。また、休みの日がむしろ自宅でそういういろいろ持ち帰りの作業をしているということが多くて、休日では二時間十四分という結果でございます。八月は当然のことながら自宅で仕事をしたとする時間は少なくなっております。  以上でございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 この学校での作業でございますけれども、現場の先生からお伺いしたところによりますと、非常に無駄が多いと。例えば、作成する書類はすべて手書きであったりとか、書き写したりする作業がとても多過ぎるとの現場の声をたくさんお伺いしております。例えば通知表の成績などは正にそのような事務の典型で、非常にこれに時間が掛かるということでございました。  中教審の作業部会の審議のまとめでも指摘されているところでございますけれども、このような問題を解決する方法の一つとして、学校の組織運営体制の改善とともに、学校運営のIT化が必要であると考えますが、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 文部科学省といたしましても、教員のいわゆるデスクワーク、校務負担を軽減をし、子供たちと向き合う時間を増やすということは大事なことだと思っております。  現在、事務処理体制の整備など、学校の組織運営体制の改善ということにつきまして調査研究を行い、それを促しているとともに、ITを活用した学校事務の効率化、これをまた進めていかなければならないと思っております。今年の一月にIT新改革戦略というものが策定をされたわけでございますけれども、この中でも校務の情報化を積極的に推進をしていくということを目標に掲げまして、その実現に努めているところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 そこでお伺いをさせていただきたいのですけれども、現在、公立の小中高校で先生用のコンピューターはどのくらい導入されているのか、お伺いさせていただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今年三月現在の調査によりますと、教員用のコンピューターの整備状況は、公立の小中学校で教員が約六十三万人に対しまして十七万台ということになっております。整備率は二七・三%という状況でございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  今現在、文部科学省の方に前回レクでお伺いしたところによりますと、現在約三人に一台という状況ということで伺ったんですけれども、学校によっては四、五人に一台という学校もあるのが現状だそうです。学校によってまだまだばらつきがあるのではないかと私は思いますけれども、また、生徒のための今コンピューターは整備がしつつあると思います。でも、それを教える教員のコンピューターがないというのはちょっと問題ではないかと考えてもおります。  そこで、文部科学省はICTの利活用を進めるとして先日キャンペーンを行われたと思いますけれども、現場の教員に一人一台の体制の整備がなされていない状況では、ICTといっても掛け声倒れになってしまうのではないかというふうに危惧をいたしているところであります。  この教員のコンピューター整備は市町村の役割であるかと思いますけれども、現在、教員用コンピューターについては地方交付税で措置がされておりません。教員用コンピューターの整備促進のため地方交付税での措置を進めるべきであると考えますけれども、この教員用コンピューターの地方交付税措置についてお伺いをさせていただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど申し上げましたように、教員用コンピューターの整備状況が二七・三%ということで、今年の一月に策定をいたしましたIT新改革戦略におきましては、教員一人一台のコンピューターの整備、これの達成に向けて取り進めていこうということを言っているわけでございます。このコンピューターの整備は、校務の効率化の面のみならず、言わば情報セキュリティーの確保の面からも重要なものであるというふうに認識をいたしております。  ただいまお話ございましたように、教員用コンピューターの整備に掛かる経費につきましては、これは市町村が措置するわけでございますので、現在、平成十九年度の地方財政措置を要望いたしているところでございまして、総務省とも連携を図りながら市町村における整備の促進に努めてまいりたいと思っております。

津曲俊英総務大臣官房審議官

○政府参考人(津曲俊英君) 教育の情報化対策につきましては、教育用コンピューターの整備に必要な経費を中心に、整備に支障がないよう所要額をこれまで地方財政措置をしてきているところでございます。  さらに、教員用コンピューターにつきましては、IT戦略本部の重点計画二〇〇六におきまして、公立学校のすべての教員に対する配備を進めることが明記されたところでございます。これを受けまして、文部科学省から地方財政措置について要望を受けているところでございまして、地域における整備実態等を考慮しつつ、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 整備は市町村で、しかし使用するのは都道府県の職員、そして管轄は文科省と、エアポケットになっているのが現状だと思いますので、是非現場をサポートしていくよう、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  今、子供の気持ちが分からないと考えている教師は約八割に近いと伺っております。しかし、先生が気持ちを分かってくれないと感じている中高生も七割から八割を超え、教師と子供の間に理解のずれがうかがえるということも今の現状でございます。これも現場で子供たちと触れ合う時間が少ないためと私は考えているところでございます。  小学校、中学校では文字を書くことも大切であり、先生の手書きのコメントやメッセージも、その先生の人格、そして人の温かさなど感じることで、とてもすばらしいことだと思いますけれども、私もこの約十年間、子供たち一人一人とずっと交換日記を続けておりますけれども、その子供たちの字によって、書き方によってその子供の気持ちが分かる場合もございます。しかし、学校におきましても、先生がコメントやメッセージを書く、それも重要でございますが、効率化できることはしっかりと効率化をして、本来の業務、現場第一主義に集中できるようしていくべきではないかと私は考えております。  文部科学省は、各都道府県教育委員会に対して助言をするという役割を担っております。正にそのような面で文部科学省が支援をしていくべきではないかと考えているところでございます。現場の実態を踏まえ、モデル事業等でITを活用した事務の標準化、そして効率化の調査研究などを行って、場合によっては、ソフトウエアを開発し無料で全国の小中学校に配布するなど、取組を進めていくべきではないかと考えております。  この学校におけるITを活用した事務の標準化、効率化について御見解をお伺いいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) お話ございましたように、ITを活用いたしました学校の事務作業の標準化、効率化ということをやはり進めていく必要があると思っております。  このため、文部科学省におきましては、現在、公立学校における校務処理に関する実態調査、それから先進的な事例の収集などを行う調査研究事業を今実施をいたしております。この事業を通じまして、校務の情報化の効果とか、そういうものについて検証をし、またいい事例も御紹介をしていきたいというふうに思っております。  さらに、この調査研究事業の成果を踏まえまして、来年度からでございますけれども、実践的にそういういい先進事例等を取り入れたり、あるいは自ら開発をしたりする調査研究事業をモデル的に実施をする事業を開始をしたいと思っておりまして、そのための所要の予算要求も行っているところでございます。  こういうことを通じまして、ITを活用いたしまして、学校事務作業の標準化、効率化、こういうことを図っていきたいというふうに思っているところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  是非、文科省として今できる、すべき改革をしっかりと進めていっていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。  次に、現場で子供たちの方を向き、家に仕事を持ち帰り、先ほどもお話ございましたけれども、休日も出勤して一生懸命働いている先生方も数多くいらっしゃいます。現在、教育現場で起きている様々な問題の解決のためには、まず現場が変わらなくてはならない、現場を変えなくてはならない、現場を変える原動力は教員の先生方以外にはございません。現在、教員の様々な不祥事が報道されたり、世間の教員に対するイメージは必ずしも良いものばかりとは言えないかもしれません。しかし、その一方、現場で日々奮闘して、一生懸命子供たちのために闘っておられる先生方は現にいらっしゃるし、意欲ある教員もたくさんいらっしゃると私は思っております。  教育再生は現場の教員、学校、家庭、地域そして教育委員会、そして文部科学省が一体となって進めていかなくてはならないと思っております。その最前線を担う教育現場の教員に対して伊吹文部科学大臣の教育再生への情熱あふれるメッセージをお伺いさせていただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 余り私が情熱を込めて話して現場の先生がプレッシャーを感じてもいけませんし、みんなが各々の立場で将来の子供のことを考えて最善を尽くすという気持ちを持ち続けたいものだと思っております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  是非、現場の先生方にいつも、少しずつで結構ですのでメッセージを送っていただければと思います。  本日は、文化芸術を中心に、直接体験ということで質問をさせていただきましたけれども、本当に、文化芸術のみならず、スポーツそして自然体験そして職業体験、様々な体験活動が必要になってくると思います。また、昨日、我が党の鰐淵委員からもございました食育、これも大切であり、学校で育ててそして自分たちで食べるということは、本当に今まで嫌いだったお野菜も好きになるとかそういう観点もたくさんあると思いますので、是非この体験授業というのもしっかりと進めていっていただきたいと思います。  私が一つ最後にお願いをさせていただきたいのは、まず現場が本当に大切であって、現場を改善していかなければならない、そんな観点から、前回の国会でも私は文教科学委員会に所属させていただいておりましたので、質問をさせていただいた動物飼育の問題もございました。  と申しますのは、現状、いろんな学校でもそうでございましたけれども、例えばある学校では犬を飼っておりました。この動物飼育、学校における動物飼育というのは、生命の大切さを子供たちに教えるために飼われている動物飼育だと思うんですけれども、ある学校で犬を飼っていた。でも、三日間の休み、例えば金曜日からお休みで金、土、日、祭日が続いてしまう。そんなときにはどうするのかといったら、三日分のお水を置いて帰る、三日分のえさを置いて帰る、そしてつないで帰る、お散歩にも連れていかない。近所の方から伺ったんですけれども、犬ですから歩きます、鎖をつないでいるんですけれども、ぐるぐるぐるぐる回ってどんどん首輪が首を絞めてしまう、そんな現状もある。  そんなことが報道されて、私が文部科学省に、これは命の大切さをはぐくむための動物飼育であるので、これは是非とも改善をさせていただきたいということで質問をさせていただいたところ、文部科学省が改善を表明したということで新聞の方にも報道がされたところでございますけれども、表明をしたということではなくて、表明をするのも大切ですけれども、どうか今後現場にも光を当て、そして目をしっかり向けて、本当にそれができているかという体制も逐次チェックをしていっていただきたいと、切にお訴えをさせていただきたいと思います。  本当に、冒頭にも申し上げさせていただきましたけれども、子供たちのサインに気付くよう、現場第一主義、教員へのサポートもしっかりとした取組をお願いさせていただき、私の質問を終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。  伊吹文科大臣、そして塩崎官房長官、高市少子化担当大臣、さらには我が党の案の発議者の皆さんには、本当に連日長時間にわたって、しかも様々な角度からの質問に対して懇切丁寧な御回答、答弁をいただいているということに、まず敬意を払っておきたいというふうに思っているところであります。  今日の教育特が念願の初質問ということで妙に燃えておりますが、空回りをしないようにやっていきたいと。気合が入り過ぎたためか、質問通告の項目を見ていただいてもお分かりのように盛りだくさんになってしまって、とても与えられた時間の中で終えられるかどうかということについてはあらかじめ御了承いただけたらというふうに思っております。  また、とりわけ文科大臣のお話を伺っておりますと、本当に私生活あるいは本を読まれた中身等々、正に学校の朝のホームルームあるいは帰りのホームルーム、いや、もう少し言うと、校長先生であれば毎週ですね、月曜日に大体朝会というのを、全校朝会というのをやりますけれども、そこで、今日は校長先生がどんなお話をされるのかなというのをある意味楽しみに聞ける校長先生と、また何かつまらない話しているなという校長先生と、いろいろいらっしゃるんですけれども、正に伊吹文科大臣のお話は大変興味深く聞かさせていただいていたところではあります。まあ、興味深くというところはいろいろな意味もありますので、よろしくお願いいたしたい。  そういう中で、丁寧な答弁は大変有り難いんですが、盛りだくさんということもありますので、できるだけ結論のみを簡潔に答弁いただけたらというふうに思っておりますので、御協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  それでは最初に、まず一昨日の本委員会で、現行教基法について文科大臣が、足らざるところを補い、行き過ぎたところを是正するというような答弁をされたというふうに記憶しております。この足らざるとはということ、あるいは、そして行き過ぎたというのは具体的にはどんなものを指しているのか、改めてお聞きをしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず先生、通告していただいた質問を皆していただく必要もありませんし、通告外の御質問があれば、どうぞ御自由にしていただいて結構でございます。それから、できるだけ簡潔にはお答えしたいと思いますが、お答えが足らないというおしかりを受けてもいけませんので、その点はひとつお許しをいただきたいと思います。  まず、現行法は私は非常によくできた法律だと思っております。普遍的な理念は書かれております。特に、これは日本国においても、何度も申し上げますように、ヨーロッパにおいても、あるいはインドにおいてもロシアにおいても通用することはみんな書かれていると思います。  ただ、日本国の教育基本法として、少しやっぱり足りないところはあるんじゃないかなと。それから、時代の変遷とともに書き加えた方がいいじゃないかなと思うところがあると。それは具体的に申しますと、個人の尊厳とか人格の完成などは、これはもう引き続き、大切なものですから、規定しておりますが、道徳心とか公共の精神、伝統と文化を尊重する態度、国際社会の平和と発展に寄与する態度、こういうものは、日本がこれほどグローバル化して大きな国になった場合には日本人としてのアイデンティティーも必要だし、国際社会に対する貢献も必要だと。こういう環境の変化に応じて規定をしているものです。  その実現のために、教育の具体的な手法として、生涯学習の理念、大学、私立学校、家庭教育、幼児期の教育、学校、家庭及び地域住民の相互の連帯教育、こういうものを足らざるものとして補っていると。  それから同時に、もう一つ、行き過ぎたものという、これもここで、当時は栄養分としては非常に良かったけれども、余り取り過ぎるとメタボリック症候群になるものがあるという例で申し上げたように、個人の尊厳というのは、これはもう何よりも大切な権利でございます。しかし、それを担保する義務があり、そして公共の福祉に反しない限りで個人の権利というものは保障されるというのは、これは現行憲法においても明記をされていることでございますので、公共の精神の大切さなどというものを新たにこの現行法に明記をしているということでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今お話しいただいたように、これまでの教育基本法、憲法の附属法として、第一号として登場したこの教育基本法でありますけれども、憲法は、御案内のように、国民の権利を時の権者からしっかりと守るためのそういう法体系になっているわけでありますけれども、それを具現化するための教育基本法ということであるとするならば、今回の見直しというものは全くそういう意味では枠組みが大きく変わっているような気がしますし、ボタンの掛け違いというふうに私はあえて言わさせていただきたいというふうに思うところであります。こうした中では、様々な教育問題の中で傷付いていたり、そうした子供たちの心に到底、なかなか届いていかないんじゃないかなと。  この委員会で与野党を超えて教育についてもう本当にずっと議論がされていたということはとっても大切なことだろうというふうに思いますし、もう今日のほんの一、二時間の中で既に書き留めておきたい言葉、質疑のやり取りの中で書き留めておきたい言葉も幾つも出てきているところでありますし、本当にいいなと。そういう意味では、真の教育改革に向けての課題について少しずつ光が見え始めてきたかなという、そんなふうに感じているところであります。  しかし、教育基本法改正の議論も含めて、そういう意味では決してゴールを焦るということではなくて、一からもう一回、せっかくそういう光が見えてきているというふうな感じの中で、一からの仕切り直しが求められているんではないかというふうに考えているところでありますが、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは内閣でいえば、小渕内閣のときから既に教育再生という問題意識を持って、広く有識者に集まっていただきながら議論をしている。もっとさかのぼれば、中曽根内閣のときにやはり岡本道雄先生を会長として同じような試みがなされて、そして議論が積み重ねて私は今日に至っていると思います。  一からもう一度という先生の御指摘はどういうことを具体的におっしゃっているのかはつまびらかじゃございませんが、この場で、この教育特の場で、あるいは国会の場でどうするかということは、これはもう私が口を出すことじゃなくて、与野党の協議で、現場のお話にゆだねられていることでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 確かに、今お話ありましたように、小渕内閣、もっと古くは中曽根内閣のときからというようなお話がありましたが、しかし、私が質問の中で申し上げましたように、与野党を超えてこうした国会の場で教育論議がされるということについては、私はかつてそんなになかったんじゃないかなというふうに、その今言われた内閣以来、なかなかなかったんではないかなと。非常に貴重なことでありますし、ましてや、今教育課題が世の中の中心課題になりつつある、そういう中で、やはりこの部分については決してゴールを先につくってから話をするという話ではなくて、しっかりともう一度本当に教育というものはどういうふうにしていったら今の改革をすることができるんだというようなことに向けて、もう教育についていろいろ話を聞いていると、皆さん本当に心が優しい雰囲気になってくるのが分かるんですけれども、その心でやっぱりきちっともう一回、丁寧に話し合う必要があるというふうにも思っています。  また、今回の教育基本法について言うならば、見直しについて言うならば、なぜ改正なのか、改正してどんな教育改革を実現するかについてがまだまだ不十分なままであるというふうに私は認識しています。今の教育基本法のどこがどう不具合なのかということ、今文科大臣が足らざるところとそれから過ぎたところをおっしゃいましたけれども、そうしたことも皆さんはどういうふうに考えているのかという、そういう論議が非常に大事ではないかというふうに思います。  国民の願いは、昨日の日経新聞の世論調査からも明らかなように、基本法を見直す、しないというものを超えたところで、危機的と言われる教育の現状を何とかしてほしいという、そういう一点に国民の願いは尽きるんだろうというふうに思います。しかし、実態はそうなっていない。与党がこだわったのは今国会での成立でありまして、そのための衆議院特別委員会での強行的な単独採決であり、参議院での採決から逆算して審議を進めてきたねらいというのはもうはっきりしているわけであります。国会にこうしたこと、こうした形でこのことが決まっていくということは、国会に禍根を残すことは明らかではないかというふうに考えます。  教育は国家百年の大計であります。その根本法はこの国の将来像も映し出す。軸足を国家、社会に置く見直し案に多くの疑義が表明されていることに、どうしてそうやって、そうまでして耳をふさごうとするのかというところが疑問であります。全国の小学校、中学校の校長に対する調査では、全体の六六%が見直しに疑問を呈している、こういうデータもございます。少しでも法案に疑問があり、なおかつ審議が足りないとの声があるのであれば、徹底的に論議をする姿勢に徹することが本院の良識ではないかというふうに思うところであります。  昨年の今ごろ、構造計算にかかわる偽装マンション問題が国民を不安に駆り立てました。今また、あした集中審議が行われるというふうに聞いておりますけれども、やらせタウンミーティングなど、なりふり構わぬ手段を駆使して国民の要請という名をかたる、偽装世論形成に狂奔する醜悪さではないかと思います。発言者等への謝礼問題も発覚し、やらせの上に、税金で買われた世論づくりそのものだということを指摘せざるを得ない状況であります。  子供たちや保護者そっちのけで教育を正に政争の具にしてきた政治のありようというものは、子供たちの絶望感を深めかねません。子供たちの心の声、願いに背を向けた見直し案では百害あって一利なしの結果しか生まれないのではないか。子供たちの未来のためにも、文科大臣としても、衆議院の轍を踏まない徹底審議を心掛けるべきだというふうに思っています。大臣は、今回の改正の結果というものはインスタントラーメンを作るようなわけにはいかず、長い時間を要するものというふうにも答弁をされています。ならば、少しでもこの改革に向けた動きがより良い結果が得られるような、真の教育改革に向けた審議をお約束いただきたい。  そういう意味で、確たる答弁をお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、失礼でございますが、各院における審議について行政の者が発言をするということは、これは憲法に規定した三権分立の建前からはやはり控えるべきだと思いますし、これは各院において御協議をいただくことだと思います。  世論の把握の仕方というのはいろいろございます。先生がおっしゃった世論調査、その他ありますが、多くの世論調査は、この教育基本法は改正すべきだということについてはやはり多数を占めておるんですね。これはどの、今国会でやるかどうかについては、やはり御指摘のように意見は分かれております。しかし、前回の一番大きな民意の把握というのは、これは私たちがその下に生きている憲法の規定によらねばならないんですね。憲法の規定というのは、やはり国政選挙によって選ばれた国民から成る国会が国権の最高機関であると位置付けているわけです。で、公明党さんも含めて自民党も、今回は教育基本法の改正をやるんだということをマニフェストにはっきりと明記をして、そしてその内容についてもかなりのことを書きながら選挙の結果をいただいたということもまた御理解をいただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 国会でしっかり審議をするということが大事だというお話を受ける中で、教育基本法の話も教育改革の一環だということであれば、それはそれとして、今正に教育行政が行わなければいけない緊急の課題というものについて幾つか触れさしていただきたいというふうに思います。  まず、官房長官の方にお尋ねをしたいと思いますが、学校教育とは、人が人を育て、人が人をつくる究極の労働集約現場でもあるというふうに思います。機械的に総人件費改革を当てはめて恥じない安倍内閣に美しい国づくりというものを語る資格があるのかな、こんなふうに疑問に思うところでありますが、見解をお願いしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 教育においては人が大事だということはおっしゃるとおりでございます。正に人間と人間の触れ合いの中で教育というのは行われるわけでありますから、先生、あるいは地域、家庭はもちろんでありますけれども、大変大事で、学校現場の先生が大事だということはもう私どもよく分かっているわけであります。  今、機械的に総人件費改革を当てはめて恥じない安倍内閣と、こういうお言葉をちょうだいいたしました。これは安倍内閣が作った法律ではございませんで、小泉内閣のときにできたいわゆる行革推進法でありますが、それが法律としてあることは事実でありますけれども、先生も御案内のように、政府というのも企業と同じように運営をしていかなきゃいけない。税を集めて、そしてそれを何に当てはめていくのかという中でやっていけるものが国だと思います。  そういう中で、何が重要で何が重要じゃないかということを考えた中で、ぎりぎりの配分をしていくというのが予算だろうと思います。既にこういう中で国、地方の借金というのが七百兆円にもなっている中で、どうやって効率のいい、そして質の高いパブリックサービスを提供する政府をつくっていくのかというのが共通の課題であり、これは国会挙げて、与野党挙げて取り組まなきゃいけないという中でこの行革というのは累次にわたって行われ、そしてまた小泉内閣の最後にプログラム法的に行革推進法ができ上がったと、こういうことでございます。  ということで、質の低下は避けなければいけない。正に質の高い教育を質の高い先生によって学校現場で子供たちに提供していただいて、子供たちが将来の日本を担ってもらうためには非常に重要であることはもう御案内のとおりでありまして、そのためにはいろいろな仕組みを今教育再生会議でも考えており、例えば習熟度別少人数指導といった定数の確保、それから優秀な教職員の確保を図りつつ、能力、実績に見合っためり張りを付けた教員給与体系の検討、これ評価の問題につながってくることだろうと思いますが。それから、義務教育費国庫負担制度、いろいろ議論ありましたけれども、給与費総額の確保といったことで、効率が悪く無駄が多く、そして質が余り十分高くないということでは美しい国とは言えないわけでありますので、その両方をやはり追求していかなければいけないということで、今改めて教育の問題については、教育再生会議を含めて最優先課題の一つとして今取り組んでいるところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 効率のいい、質の高いパブリックサービスを求めるということは、これはもう私も大賛成ではあります。しかし、やはり総人件費改革の中で、まず人件費削減ありきというような形でうたっている部分がありますけれども、この今回の政府案の第九条に、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならないとし、その後で、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、その待遇の適正が期せられるとともにと教員について規定をしているわけであります。  しかし、一方で、五月二十六日に成立いたしました行政改革推進法では、人材確保法の廃止を含めた見直しに言及をされているわけでありまして、明らかに今回の改正案とそういう部分では矛盾するんではないかというふうに思うわけでありますが、その点はいかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先生御指摘の第九条第二項でございますけれども、教員が安心をして教育活動に専念をして職責を遂行するためには、その職責に応じた待遇というものが図られることが必要であるということは間違いないわけで、御指摘のとおりであって、これが第九条第二項に、まあ、現行法の第六条第二項に引き続いて処遇の適正というものを規定しているところでございます。  一方で、先ほどの効率的で質の高いパブリックサービスを提供する政府というものをどうつくっていくのかということで、行革推進法というのができているわけでございますが、今の御指摘の人材確保法の廃止を含めたというくだりは第五十六条にたしかあったかと思いますけれども、政府としてはその必要な行政改革を進める、これはどうしてもやっていかなければ、これは国民の税金に跳ねてくることであるわけでありますので、それ自体はやはり進めていかなければいけないと。  一方で、教育水準の維持向上と優れた先生の確保というのはこれまた大事であるがゆえに、この職責に応じ、教員の処遇の適正を期すべく、教員給与の在り方というものをどうあるべきなのかということを検討をしているところであるわけでございます。  したがって、先生おっしゃるように、この人材確保法というのは、たまたま私のおやじが深くかかわって作った法律でありまして、それは正に質の高い教育を提供するためには質の高い先生に来ていただきたいと、そのためにということでできた法律だったと思います。当時はそういうことでやったわけでありますが、その後のこの行政サービスの在り方全体の中で、今こういうような形で、効率的でなおかつ質の高いパブリックサービスを提供する政府を提供するための法律ということで、今のような結論に至っているということでありますので、我々は原点を忘れることなく、教育の質というものを確保しながら、というのは、いい先生にいていただくということであろうと思いますが、なおかつ税負担が不当に高くならないように、効率的ないい政府をつくっていくということを両方一遍にやっていかなきゃいけないんではないかと、こういうことだろうと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 現在の教職員というか、教員の給与も不当に高いというふうにも私は思っておりませんし、やっぱり一定のそうした身分保障をしなければ人材の確保というものもなかなか難しいわけでありますから、やはりどこを最初に持ってくるか。まあ昨日、鶏と卵なんという話もありましたけれども、どこに基点を置くのかということから考えたときに、やはりこの教育の問題は全部まとめてほかのものと一緒にという形にはなかなかならないんじゃないかなというふうに私は考えているところであります。  文科大臣にもうなずいていただいておりますので、大変心強く質問をさせていただいているところでありますが、そこで文科大臣にちょっとお尋ねをしたいんですが、この今の九条のところで教員についてというふうに出ています。しかし、現在の学校というのは、子供たちや保護者、地域などの要請にこたえる学校運営が求められているわけでありまして、そのために自主性、自律性が発揮できる学校運営が必要であると。  教育は授業が中心になるわけでありますけれども、学校の施設設備、教材、教具や図書の整備、安全・環境対策、給食など様々な条件整備が整ってこそ効果が上げられるというふうに思うわけで、したがって学校は、教員とともに様々な職種の方たちがいらっしゃるわけですけれども、そうした方々がそれぞれの職責をしっかりと果たし、協働していくことによって教育が成り立っていくんだろうというふうに思うわけであります。  そういう意味では、教員だけを取り上げているわけでありますけれども、そうではなくて、やはりこれは教職員全体の使命や職責の重要性についても規定することが望まれているんではないかというふうに思うわけでありますが、見解をお願いします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 教育現場の在り方としては、先生がおっしゃるとおりだと思います。  教育で、一番やはり受ける者の人格の完成を目指して知識の涵養その他に直面して指導するのはまあ教員ということだろうと思いますので、今回九条を設けて、今先生が御指摘になったようなことを書いております。  しかし同時に、六条の二項に、学校において、体系的な教育が組織的に行われねばならないということをお示しした法案には書いております。したがって、これを受けて、今後その他の法律の整備をすることによって先生の御指摘のような、例えば栄養職員だとか事務職員だとか、いろいろな方が体系的に働けるようにやっていく、これが私の責任だと思いますが、同時に、先生が属しておられる民主党がお出しになった対案にもやはり教員という条しかないんですよ。同じ御質問をひとつ、是非、民主党の提案者にもしていただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党案についての御指摘もいただいたところですが、まあ質問するかしないかは私の方が決めさせていただくということで、それは追ってまた聞いていきたいというふうに思いますが。  いずれにしても、学校というのは、様々な職種の方々が協力、協業によってやはり教育というものが行われているんだということ、これがもう大前提に今なっているということを是非いつも心に留め置いていただきたいというふうに思います。  そして、今度は、政府案の第十六条二項でありますけれども、国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならないとしているわけであります。だとすると、文科省も、それから多くの国民も望んでいる、例えば少人数教育を更に進めるべく、第八次教職員定数改善計画を直ちに実施するべきだというふうに思うわけであります。それができないとなると、やはり文科省の存在価値を自ら否定するのと同じではないかなというふうに思うわけであります。地方公務員の人件費については四・六%を超える純減、とりわけ教職員総数については、児童や生徒の減少に見合う数をより上回る数を純減させるというような、言ってみれば子供たちとお金とをはかりに掛けて、そして金目の方に軍配を上げる浅はかな上乗せ措置さえ講じられている、そんなふうに思うわけでありますが、こうしたことに文科省は、ただただああそうですかと受け入れることなどあり得ないと信じているところでありますが。  教育の仕事というのは専門的であり、国民の基本的権利にこたえるという使命を担っており、自律的で利他的、公益的な倫理が最も重視される職業であると。営利的、商業的なサービスの職業とは基本的に異なっており、教育サービスという言葉で教育の本質を誤解させてはいけないというふうに思います。子供たちや保護者は、営利としての物やサービスの消費者ではありません。つまり、教育とは、子供たちとの信頼関係に基づいた一対一の人間関係の中で長期にわたって培われるべきものであり、その成果を経済の論理による効率論で推し測ることにはしょせん無理があるのではないか。財政の帳じり合わせとは最も無縁なところに置かれてよいというふうに私は思っているところであります。  文科省が今発揮すべき見識とは、総人件費改革の返上にこそあるのではないかというふうに思うわけでありますが、決意をよろしくお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 教育に私は競争原理を持ち込むということは、ある意味では必要だと思っておりますし、また効率化原則は、国民の税金を使っている限りは、これはすべての者が最小限の税負担で仕事をするという意識はやっぱり持つべきだと。ただ、もうけ仕事の市場原理だけは持ち込ませたくないというふうに私は思っておるんです。  ですから、総人件費というのは結局、国民の税によって担保されるものですから、先ほど官房長官がお答えを申し上げましたように、行政改革の推進ということはやはり避けては通れない。その中で、この教職員の純減に見合う人件費をどう考えるかということは一つあります。しかし、それより、さらに今後の問題として、先生がおっしゃったような価値観を持って教育にもう少し国民の税負担を投入していくということが私は必要だろうと思っておりますので、今朝も教育再生会議ではいろいろそういう御議論は出ました。ですから、今の方針はこれとして決まっておりますが、今後の国民世論が大きな流れを決めていくことだと思っております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今、国民に、教育にもっと税負担を掛けるべきだということ、そうした決意ということを言ってお聞かせいただけたのかなというふうに思うわけでありまして、もう今は本当にこうした教育の問題がどんどんどんどん出てくる中で、教育予算を増やすということ、そのことについてはもうほとんどの国民が賛成するのではないか、賛成していただけるんではないかと。  毎年、私も前は教員でありましたから、毎年この予算編成の時期になると教育予算の拡充に向けていろいろと署名を行うんですけれども、その署名がやはり毎年大量の、たくさんの方に協力をしていただき、それを市議会ですとか、あるいは県議会の方に持っていく。そうすると、これだけの署名にはやはりかなわぬということで、やっぱりどんなに苦しい財政の中でも一定、教育の予算をはたいてくれるというふうな状況になるわけでありますから、そういう意味では、是非この部分については堂々と胸を張って頑張っていただかなければいけないというふうに思うわけであります。  一つ、夕張市の問題、財政再建団体になった夕張市の再建計画が実施されると、七校ある小学校が一校に、そして四校の中学校がまた一校にということで減らされるわけであります。こうしたことは、この部分について、教職員の給与というのはまたちょっと別な話だと思いますけれども、そういう意味で、再建団体になったことによって学校が統合される、しかも七校が一校にというような状況は、やはり大人社会の不始末のしわ寄せを子供が背負わされているんではないかというふうに思うわけでありまして、これは非常に容認し難い状況であります。  そういう意味では、この教訓からしても、自治体間の財政力格差が教育の格差につながらないようにするべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 夕張市の現状については、私もいろいろお聞きをしてみますと、平成二十二年までに先生がおっしゃったような状況になるようでございます。本当に私はこれはひどい話だと思いますね。  やはり地方分権、地方自治と言う限りは、適切な理事者を選んでもらわなければならない。それと同時に、それをチェックする市議会の立派な議員さんを選んでもらって、それをチェックをするという機能が欠けているとこういうことになるということなんですね。  ですから、私たちがやれることは、できるだけ地方自治体の格差が生じないようにということは、もう人件費のことは先生別だとおっしゃったからここでは触れませんが、例えば文部科学省が持っておる予算だと、学校が一つになっちゃったらやっぱり通うのは大変ですからね、スクールバスの補助をするとかね、そういうことは私たちはやりたいと思いますが、多くの納税者の立場から言うと、不始末をした自治体のためになぜそこに集中的にお金が入るんだと、こういうことになっちゃうんですよ。だから、しかし、先生がおっしゃったように、児童には何の、投票権がないんですから、そこは私どもの予算の範囲の中ですが、私はできるだけのことをしたいと思っております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非、そうした御努力をお願いしたいというふうに思います。  そうした教育予算のことについて、ここで民主党の財源確保法というのが、ここでそういう案が出されているわけでありますけれども、この部分については正に、今いろいろと官房長官を始め答弁されましたけれども、やはりここで一つの勇気と決断が必要ではないかというふうに思うわけでありますけれども、そのことが時代の要請ではないかというふうに思うわけでありますが、では民主党の方について明快な答弁をよろしくお願いします。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 お答えを申し上げます。  財源確保法というアイデアを更に進化をさせまして、私ども教育振興法、学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律という法律をこの参議院に提出を既にさせていただいているところでございます。  私どもは、これは日本国教育基本法の十九条あるいは二十条で教育の振興そしてそのための予算の確保ということを明記をいたしておりまして、それを受けて、日本国教育基本法とともにこの教育振興法でもって財源の確保そして環境の整備の充実ということを図っていきたいというふうに考えているわけでございますが。  今、正に夕張のお話が出ました。こうした事態には、やはり学習権というのはもう一人一人の子供たちに完全に保障されなければいけない、そのために国家というものがあるんだということで、日本国教育基本法の七条の三項では正に国の最終責任ということを規定させていただいているわけでございます。  今御紹介申し上げました教育振興法の第三条の第四号というのがございまして、そこは「安全かつ容易な通学のための諸条件を整備すること。」という条項を入れております。これは、例えばフィンランドなどでもそうでありますが、一定の時間の中に、通学時間の中に学校がなければいけないと、こういうことを規定しておりまして、それができない場合はスクールバス、さらには個別の輸送機関による補助等々も規定している例なども参考にして、きちっと容易に通学ができる条件を整備することということを国が定めます学校教育の環境整備のための基本方針に盛り込んで、このことが実現されるように計画を作り、そして予算が確保されると、こういうふうなことになっております。  先ほど来、総人件費改革と教育振興の問題が議論がなされておりますが、この正に教育基本法の特別委員会でこの議論をさせていただいていること、これ極めて重要な政策論争であります。その中身をよく国民の皆様方に御理解をいただく今このプロセスが行われていまして、非常にいいことだと思いますが、確かに北欧などの場合は、これは税金も大変に高い。要するに、高負担そして高満足といいますか、高福祉の国づくりが行われているわけであります。  もちろん、アメリカ型の国づくりを目指すのか北欧型の国づくりを目指すか、ここのもちろん議論はありますが、アメリカ型を仮に選択をするにしても、教育費についてはアメリカ・レベルにも達していないということは、まずこれは国民の総意として是正をすべきではないかと。すなわち、二〇〇三年の日本のGDPに占める公財政支出というのは三・五%でございます。米国は五・四%で、二%の開きがGDP比率においてあるわけですね。アメリカはじゃ高負担の国かというと、決してそうではないというふうに思っておりまして、まずはそこまでは、これ大体OECDの平均にも沿うわけでございまして、そこまでは引き上げていくというのが妥当ではないかというのが、これは我々の党の考え方でございます。  もちろん、違う考え方もあることは承知をいたしておりますが、ここは正に国民の皆様方に御議論をいただければというふうに思いますが、今教育現場で起こっているいじめの問題、じゃこれに対してどういう対応をするのかということの有効な解決策の一つに、例えばスクールカウンセラーを増強するということがあります。  これは今非常勤ですし、そして十分に配置されている学校がまだまだ少ないという事態があります。スクールカウンセラーを増やしていくという上でも教育の予算、人件費というものは掛かってまいりますし、それから関東のある県では、今民間の景気が若干良くなる中で教員の採用内定者が辞退をするという事態が今多く発生をしております。そのようなこととか、あるいはキャリアカウンセラーとかITのサポートとか、あるいは学校経営に十分な能力を持った人材を登用するとかいろいろな、教員の質を上げていくということと教育現場における人材の層を厚くしていくということのためには、やはりアメリカ並みの教育費は税金を投入をすべきではないかというのが我々の考え方だということでございます。  以上でございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今のお話の中で、先ほど来官房長官を始め答弁いただきました効率のいい、質の高いパブリックサービスというものに付け加えて、この教育という部分においては厚い層も大事だというお話が今あったのではないかというふうに思うところであります。やはり、この教育の分野において勇気ある決断が今求められているんではないかというふうに思いますので、是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。  次に、これも予算に伴う話でありますけれども、実は学校の耐震化問題も、これも大変重要な問題ではないかと。公立学校施設、小中学校の四五%強が耐震補強未実施という、そういう状況があるわけであります。  東海地域を中心としたところでは、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律に基づいて、小中学校の校舎の地震補強工事に対する国庫補助率のかさ上げと事業費補正が行われている。さらに、今年度から東南海そして南海地震防災対策推進地域、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域にも事業費補正が行われていると。しかし、こうしたものは日本全土から考えたときにはまだ一部の地域にすぎないわけでありまして、子供や住民の命には地域差がないわけであります。財政再建を優先する余り、子供たちに犠牲を強いることは決して許されることではないというふうに考えるわけであります。  このことから、例えば全国一律に東海地域並みの措置とすべきことは教基法の見直しよりも国政の重要課題として位置付けられることは当然ではないかなというふうに考えるわけですが、これに対する決意を文科大臣、よろしくお願いいたします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、先生、教育に対する財政上の措置は先生のお気持ちを私も共有して努力をいたしたいと思いますが、同時に、教育は特別だといって効率化意識を失わないように当事者もまた努力をしていくと、そこに国民合意が私は得られると思いますし、特に民主党案も教育費については同じようなお考えに立っておられると私は思いますが、同時に、税負担を増やさないんならどこを減らすかという議論が出てくるんで、減らす相手に必ず同意を求めて初めてこれは現実的な提案となるということは、よく政治に携わる者として自覚をしたいと思います。  今の先生の耐震の問題については、御指摘のとおりの数字が出ております。ですから、できるだけ早く、これもやはり財源に限りがありますが、努力をしたいと思いまして、今回も補正予算の中にできるだけスピードを上げてやるように、これを組み込むように現在財務省と私が折衝いたしておりますので、先生のお気持ちを体して一生懸命やらせていただきます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 私、これに関する質問は二〇〇四年に参議院に初めて議員にならせていただいてからもう既に四回目の質問ということで、なかなかこのことが進行していかないというところも非常に問題でありますので、できるだけ早いことが必要であり、いつどこで何が起こるか分からないというのがこの国の、特に最近自然がもう本当にどういうことになっているのかなというようなことがあちこちで起こるわけですので、是非お願いをしたいというふうに思います。  もう一つ、消防庁の報告によりますと、防災拠点となる公共施設の大半が公立学校施設になっていると。しかし、今申し上げましたように、その学校施設は他の公共施設と比べて耐震化が大変遅れている。耐震補強が行われていないのに防災拠点にされている公立学校の未耐震問題というのは、このままこれを放置するというわけにはやはりいかないのではないかというふうに思うわけでありまして、たとえ財政再建下にあったとしても、耐震化を始め、社会の最善のものが完備される公立学校の耐震化を早期に完了することが国民経済の観点からも、防災の観点からしてもベストではないかというふうに思うわけでありますが、確たる答弁をお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、最後はやっぱり予算にかかわってくることでございますので、当初予算を待っていてはとても先生がおっしゃるようにスピードが遅くなります。参議院の文部科学委員会でしたか、佐藤先生から予算獲得について格段の期待をしているぞとハッパも掛けられておりますから、この補正予算で私はできるだけの努力をさせていただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 大変明るいといいますか、期待できる答弁、ありがとうございます。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 応援してくれなきゃ駄目よ。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 もちろん、その部分について応援はさせていただきたいと思いますけれども。  今の二つの質問に対して、官房長官も内閣のかなめということで、決意をお願いしたいと思うんですけれども、この未耐震化問題について。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどお話ございましたように、子供たちが学校に行っている間、大半、この校舎にいるわけですし、また防災拠点ということで、地域住民にとっても大きな災害があったときには学校に駆け込むということであります。したがって、この率については、先ほど来御指摘のとおり、診断については十八年度中にすべての公立小中学校完了するように今自治体に依頼中でございますけれども、実施率でいくと、今十八年度で五四%ちょぼちょぼと、こういうことでありますから、できる限りこれはちゃんとやっていかなきゃいけないと思っていますし、補助事業、耐震診断や耐震化に係る補助事業等をやっているところでございます。引き続き、これは今言ったような二つの重要な観点からも進めていきたいと思いますが。  さきの閣議、閣僚懇談会でも、今年の補正予算、そしてまた来年度の予算に対する安倍総理の指示というのがございましたが、その中でこの補正予算につきましては、災害等の国民の安心、安全に係るもの以外については極力避けるということであります。裏返してみれば、子供たちや地域住民にとって大変重要なこの耐震化については昨年も補正予算で対応しておりますけれども、今文科大臣がお話をされたように、この補正予算で入れられるものは入れていきたいなというふうに考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非、官房長官のバックアップといいますか、是非応援をよろしくお願いしたいというふうに思います。  これにかかわって、民主党の方では、公立学校施設にかかわる耐震補強等促進特措法というものを提出をしているところだというふうに思いますけれども、ちょっとこれについてもお聞きしようと思ったんですが、時間の関係で、申し訳ありませんが省略させていただきたいというふうに思いますが、この特措法の案では、向こう五年間ですべての小中学校の未耐震の校舎を耐震化しようというふうな形になっていまして。この耐震診断結果の公表方式にかかわって、分かりやすい場所に掲示をする義務をもその中で課すという、そういう法案になっています。そういう意味では、是非こうした取組を一刻も早くやっていただきたいと、そういうふうに思っているところでございます。  次に、伊吹文科大臣が文科大臣に就任されて初めての記者会見のときのお話というのを私ラジオでお聞きしていたんですけれども、大変感銘を受けるところもあったし、おやっと思うところもあったし、様々複雑だったんですが、特にこの現行教育基本法の評価の中で、現在の、今御答弁されたように、現行の教育基本法は世界のどこの国に持っていっても恥ずかしくないすばらしい文言でできていると。しかし、今言われたように、日本らしさというふうな点からいくとまだ不足していると、こういうふうなお話をされた後で、もう一つは、外国人から見た日本の良さについて述べられていたんではないかなというふうに思います。  そして、そうしたものが、特に例えば日本はいわゆる決まった宗教の下でみんな国民が動いているということではなく、国民がすべて決まった宗教の中にいるということではなくて、ほとんどの方が無宗教の方が多いというふうな中で、よくこれだけ秩序ある国になっているんだという外国の方の感想などを述べられたというふうに思うんですけれども、そうしたものが、そういう日本の良さが現行の教育基本法の中には薄いというふうな形で言われていた。  しかし、今言われた、先ほども述べられたこの現行教育基本法に足らざるところの部分でありますけれども、実は、もうこれも御案内だというふうには思いますが、学校教育法、現在の学校教育法の第十八条第二号に、「郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと。」というふうにありまして、いわゆる大臣の法的な部分で不足しているというその部分がここではしっかりと担保されているというふうに考えるわけであります。  また、よく日本人としての規範意識の低下についても指摘をされているところでありますけれども、これについても今の十八条、そして十八条の二にうたわれているというふうに私は思っているんですが、その辺について見解をお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 就任のときの会見は私はもう忘れておったんですが、いや、よく聞いていただいてフォローしていただいた。あのとき、先生のお話を伺って思い出したのは、私の思いとしては、やはり武士道、商人道、こういうものが日本人に今少しでもあれば、ライブドアや大銀行の優越的地位の濫用のような恥ずかしいことはするまいという思いが若干あったんでああいう発言になりました。  それで、御承知のように、教育基本法はもう根本的な理念を定めた理念法であり、教育の基本法でございます。したがって、ここには生涯教育とか幼児教育とか家庭教育とかいろいろな項目を今度盛り込んでおります。ですから、学校基本法に書かれているのは先生おっしゃるとおりでございますが、今回この重要な事柄をやっぱり包括的に示すことによって、教育基本法に包含されているすべての教育主体がそのような形で努力をするという意味で書き込んでいるわけでございます。書き込んでいるというか、私は申し上げたわけでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 私は、例えば現行の教育基本法というものを見たときに、先ほど大臣もお認めになられましたけれども、やっぱりすばらしい文言で、すばらしい組立てでできているというふうにも思っていますし、そこに足らざる部分というふうに、まあ一見、私からあえて言わせていただけば、一見足らざる部分というものがその下位法の中でそれぞれ補われて、そしてそれが具体的な実践の場でしっかりと行われるということがある意味、法体系の意味からも実践の意味からも大事なんだろうと思うんですけれども。今は残念ながら、そこら辺の歯車がしっかりかみ合っていないという状況の中で大きな問題があちこちで起こっているということで、その歯車のかみ合っていないのがどこなのかということ、そういったことをやはりもう少し時間を掛けて話し合っていく必要はあるんじゃないかなというふうに思うところでございます。  ちょっと幾つかありましたけれども、そこで、時間の方がもう余りありませんので、次に質問をさせていただくのは、勇気を持って質問をさせていただきたいと思いますけれども、いわゆる教育の理念法と解釈されるものの中で、まず、いわゆる愛国心、まあいわゆる国を愛する心を育てる、態度、あるいは国を愛する心でもいいんですけれども、そうしたものを規定している国というのが今あるのかどうか、あるいはどこにそういうふうにあるのかということをお聞きしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) じゃ、事実関係ですから、参考人から。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  諸外国について網羅的な調査を行っておるところではございませんけれども、教育の理念を定める法律を有する国として韓国、中国、タイ、フランス、ロシアなどがあるわけでございますけれども、このうちいわゆる国を愛する心について規定しているのは、ロシア、中国、タイで定められておるところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今言われた形の中で、多いのか少ないのかというのはそれぞれあるというふうに思いますけれども、いずれにしましても、我が国の現在の教育基本法が制定された理由はどこに見いだされるというふうにお考えになっているかお尋ねをしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは制定時にさかのぼらねばならないことなんですが、昭和二十一年の六月に、帝国議会における日本国憲法の審議に際しまして、当時の田中文部大臣、後の最高裁の長官でございますが、が教育の根本法というべきものの制定を考えているということを明言されまして、それを受けて教育基本法の立法の準備が始まったと理解しております。  そして、二十二年の三月の帝国議会での教育基本法案の提案理由説明として、当時の高橋さんという文部大臣でございますが、この方が述べておられる提案理由説明は、真に民主的で文化的な国家の建設を完成するという目的達成のため、教育の根本的刷新を断行し、その普及徹底を期することが肝要でありということを述べておられます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 そのもう少し後を聞きたかったかなというふうにも思うところでありますが、時間の関係で協力していただけるのかもしれませんが、私は、日本国憲法の精神、理念を具現化する意味でこの教育基本法、まあどっちが先に出たかという理論はあるんですけれども、教育基本法がこの間ずっとそのように扱われてきたんではないかと。  その中で、やはり個人の尊厳という言葉、これはもうあるわけですけれども、個人の尊厳が存在しない社会制度の下で行われたいわゆる太平洋戦争の反省に立って生まれたのが現在の平和憲法であり、その理念、精神を具現化するために制定されたのが教育基本法だというふうに思うわけでありまして、個人の尊厳に基づく人格の形成こそが教育の使命であり、教育基本法の生命線になっているんだろうと。個人の尊厳には、相互に人間であることの尊厳を認め、権利を尊重し合うという意味が含まれていると。この間いろいろ誤解があったようなやり取りもありましたけれども、今のところ集約すると、やはり個人の尊厳にはそうした意味も含まれていると。それは、民主主義社会の正に公共の精神、公共道徳の根幹に位置する理念になっているというふうに思うわけであります。  見直し論を主張する者の中に、この意義を理解しない前時代性は厳しく批判されるべきではないかというふうに思うわけでありますが、個人の尊厳の背景には、かつて愛国心の美名の下に生命が国家の政策遂行の手段になり、結果として公共自体が破壊されて個人が悲惨な状況に置かれたことへの反省があったと。この歴史の教訓に目をつぶることは許されないのではないかなというふうに思うところでありますが、大臣の御見解をお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生の御主張のお立場は、私はそれはそれだということは認めます。  しかし、先生の御質問の一番最初にお答えしたこととこのことはかかわってくるわけですが、愛国心の美名の下に個人の尊厳が損なわれた戦前の反省があって現行憲法はできたと、現行の教育基本法はできたと。だからそれを変えるのは、戦前に返るということではやっぱりないんじゃないでしょうか。  私が再三ここで申し上げて、一番最初の御質問にお答えしたように、個人の尊厳というのは、もう人間として有する人格はやっぱり不可侵のものであるということは今回の基本法においても認めているわけですね。しかし、改正法ではそのことを認めた上で、教育における個人の尊厳を重んじることは既に前文に書いておりますが、同時に現行憲法等においても、この個人の尊厳の具体的表れである個人のもろもろの権利は公共の福祉に反しない限り尊重されるわけですから、ですから、公共の精神など今日重要と考えられる理念をそれに付け加えているということでありまして、戦前の、この愛国心という言葉の下で個人の尊厳が破壊されていた戦前に戻るなどということは、我々は毛頭考えておりません。  それから、今の個人の尊厳が破壊されていたということに戦前すべてがそうなるのかどうかというところにも、やはり歴史家によっていろいろ見方があるということは付け加えておきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 まあここのところは論議の分かれるところではあるなというふうに思いますけれども。  そこで、文科大臣と、官房長官はいなくなっちゃったかな、(発言する者あり)ああそうですか。  では、文科大臣に改めてお尋ねをしますが、自分の国を愛するという感情は、良い政治が行われて国民一人一人の安全や安心が保障されていれば、それは心の中に自然と芽生えてくるたぐいのものではないかというふうに思うわけであります。子供たちが肉親や身近な郷土、風土など共同体としての国に愛着を感じることは最も尊重すべき志操の一つであることは当然のことだというふうに私も考えているところであります。ただし、国家がこの愛する対象に犠牲をもし強いるならば、敢然とノーと言える人格、理性をはぐくむことこそが教育の本分、目的のはずだというふうに思うわけであります。  少し歴史をひもといてみましても、真の愛国者とは、時の権力者の暴虐、不条理などに一身を顧みず立ち向かった方々であったことは常識ではないかなというふうに思うわけであります。いつの世でも、権力者が願う国を愛する心というのは、その対象は国民にではなく自らが掌握する権力構造に対する忠誠にあることは歴史が証明するところであります。大臣は今違うというふうにおっしゃっていただいたというふうに思いますけれども。  だからこそ、諸外国においても、教育分野で愛国心の明記というものが、私はさっき三つの国しかないというふうにあえて言わせていただきたいと思いますけれども、自制されてきたのではないかというふうに思うんですが、見解をお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど政府参考人が答弁いたしましたのは、日本のように基本的な理念法を持っている国が極めて限られていると。その中で明記しているのは、社会主義国家が二つあったというのは私は驚いて聞いておったんですが、いわゆる今回の条文を作るに際しても、今先生が御指摘になったことについて、かなりやはりみんながよく考えてこの御提案している二条の五項というのは作ったんじゃないかと思います。  国家というものは、やはり領土とそこに住んでいる国民と、そしてその国民がその領土の中で多年掛けて営んできた営み、その営みの中から出てきている現実、こういうものによって成り立っていると、こう考えてよろしいと思います。  ですから、五項は、その営みの中ででき上がってきた伝統と文化を尊重しとわざわざ書いておるわけです。ここに先生のおっしゃった権力を持っている者が形成した政府という概念は入っておりません。ですから、伝統と文化を尊重し、そしてそれらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うと、こういうことを書いているわけですから、提案をいたしました立法者の立法意思としては、先生が今お示しになったようなことを意図しているものではないということは御理解いただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 だとすると、政府案の中には、我が国を愛する態度を養うという文言が、教育の目標にこのことが定められているわけであります。そうすると、教育の課程というものを考えたときに、当然、目標があったらば、それを指導し、更に評価がされなければいけないというプロセスがあるわけですけれども、この我が国を愛する態度を養う指導というのは、またその評価というのは例えば具体的に言うとどのようになってくるのかということについてお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これも再三ここでお答えをいたしましたが、率直に言えば、日本は、日本の主権を奪われ掛けたことは、全体、国全体としてですよ、奪われ掛けたことは、元寇の乱のときと、それから正に黒船が来たときと、そして事実戦争に負けたときと、この三度だったと思いますね。  前の二度はどうしてそれを切り抜けたのかというような史実はやはり正確に教えねばならないし、日本が国際社会の中で評価されてきた例えば新渡戸稲造さんだとか野口英世さんというのは、どういう観点でこの人が世界的にも評価され、日本の国名を高めてくれたのかと、そういうことをやはり教えることによって、ああ自分はこういう歴史的な時間帯の中にいた先輩たちのおかげで今ここにいるんだという気持ちを持ってもらうと。そしてまた、そういう方々がつくり出してきた日本のもろもろの伝統や文化に理解をしてもらうと。  そういうものの習熟度だとかそういうものを学ぶ態度だとかということは、もうこれは非常に私は大切なことだと思いますが、さらに先生が御懸念になっている、再三その御質問があるんですが、その結果、この国を愛しているか愛していないかなんということは評価をしようがないわけですよね。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 評価しようがないというのは私も全く同感だというふうに思いますが、しかし、目標にそういうふうに書かれてしまっているということの中で、やっぱりちょっとそこのところは矛盾するんじゃないかなと。そういう、要するに国を愛する心だとか態度というこの文言をこうした教育基本法のような一定の根本法の中に盛り込むべきでないというような意見も相変わらず根強くあるわけでありまして、そういう意味では、民主党案の方はそこが前文の方に出ているようでありますけれども、そういう意味では、この目標の中に置かれているとなったときに、現場の先生方はどういうふうにこれを評価しているんだろう。例えば、今お話しいただいた黒船、元寇、こうしたものについては、歴史の中で一応我々というか先生方も指導しています。そのときに、その日本の国を思う心、態度まで踏み入ったかどうかというのは分かりませんけれども、しかしそういったものが歴史というものの中できちっと教えられています。  むしろ、例えば修学旅行で、例えば横浜なんかだと日光に行くんですね。日光に行くと、東照宮とかいろいろ見るわけですけれども、ある宗教を信じている、ある宗教の信者といいますか、そういうところのお子さんは、その神社に入らなかったりとか、あるいは鳥居をくぐらないとか、そういうふうな状況もあるわけで、それは思想信条の自由ということで我々もそれは保障する必要はあると思うんですが、しかしそれを評価となったときになかなか難しい部分もまた出てくるんではないかなというふうに思うわけでありまして、やはりそういう意味では、先ほど申しましたこのこうした文言をこういう基本法の中に入れるということはおかしいのではないかという、そういう声になかなかこたえられていないんではないかなというふうに私の方は思っております。  ちょっと時間が来てしまいましたので、予定していた質問の半分ぐらい、半分も行かなかったんでございますけれども、大変実りの多い質疑をさしていただきました。是非ともこうした論議を、ゴールを先に決めることなく、何としてもじっくりと話し合っていくことが今私は求められているんではないか。そして、緊急の施策は緊急の施策として急ぐ、正にそういうところに緩急、力の、そういうところが、やはりめり張りを持った教育の在り方というのが今求められているということを申し上げさしていただきまして、私の質問を終わらしていただきます。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。     ─────────────

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 民主党・新緑風会の佐藤泰介でございます。  この委員会、二度目質問をさせていただくわけでございますけれども、官房長官はお見えになりませんけれども、伊吹大臣、高市大臣、そして民主党の発議者の皆さん、本当に連日御苦労さんでございます。私自身もやや疲れを感じておりますけれども、重要な法案ですので、しっかりと気合を入れて質問をしたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  今日、不当な支配を中心に聞きたいと思っておりましたけれども、再度整理をして聞きたいと思っておりましたけれども、通告ない質問で結構だということも大臣、伊吹大臣言ってみえますので、通告はしてありませんけれども。  大学ですね、どうも伊吹大臣は、独立行政法人○○大学という、こういう認識のような答弁をずっとこれまでされておみえになりました。しかし、これは法律上の正式な名称は国立大学法人○○大学でございますので、そこのところはやはり正式な名称の方を使っていただきたいと思いますし、また中身についても違うわけでございますので、独立行政法人と国立大学法人、有馬元文部大臣あるいは遠山大臣のときに法人化され、法人化されたのは遠山大臣のときだったと思いますけれども、我々相当議論して、独立行政法人と国立大学法人を明確に区別して論議をしてまいりました。  大臣、恐縮ですが、事務的なことですけれども、独立行政法人と国立大学法人の違い、御存じですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ついつい私が独立行政法人という言葉を使ったときに、佐藤先生から再三不規則発言をもって訂正いただいておることを感謝申し上げます。  一番大きな違いは、先生、これは労働三権の扱いじゃないでしょうか。それから同時に、大学法人については国民の税によってその活動を補てんするということがあると、これはもう一番大きな違いだと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 それはちょっと違いますね。  中期目標、目標等々を定めていく場合に、大学側の意見を聴いて、いわゆる学問の自由を守るために、大学側の意見を聴いて目標なり計画を立てていって、あくまでも大学の立場からそういうものを作っていくというのが国立大学法人です。  独立行政法人は、目標は上から押し付けられます。下から上げるんではなくて上から押し付けられます。押し付けられた目標について計画を立てるのが独立行政法人でありますけれども、目標その他、あるいは理事等々の任命についても、相当、独立行政法人と国立大学法人の場合のその自由度といいますか、学問の尊重というところで、そういうところが私一番違うと思っているんですけれども、財政的な裏付けというのは両方財政的な裏付けは出ているわけで、これは何らかの形で。全部独立採算でやれているところは、あったとしても、よく分かりませんけれども、ほとんどないというふうに認識をしておりますので、いわゆるシステムそのものの組立て方が違うんですよ。  不規則発言でというお話がありましたが、したがって、私は絶対ここは区別していただかないと、独立行政法人と国立大学法人とでは全く違うと。でないと、しかしながら、残念なことに、大臣にお力を入れていただきたいのは、もはや現実は独立法人何々大学になりつつあるわけですよ、実態は。だから、伊吹大臣は実態に即して言ってみえるんなら正しいんですよ。これは正しいんですよ。そういうところへ今や行っちゃったんですよ。  本来、我々が議論したのは、独立行政法人と国立大学法人とは違うんだと、そういう提案も受けましたし、それでも我々心配だったんで、二十三項目の附帯決議を付けたんですよ。こうやって学問の自由、財産はこうやって守れ、こうやってやってほしいと、授業料はそんなに簡単に値上げするなと、そういう部分の附帯決議を二十三項目ですよ、付けさせていただいて国立大学法人になったわけでございますので、是非そのところは、実態がそうなってしまっていることは伊吹大臣も御認識があると思いますけれども、もう一度原点に返っていただいて、しっかりと大学側を尊重し、大学の自治、自由、学問の尊重というところをしっかり押さえていただきたいと思いますが、どうですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私が申し上げたのは、労働三権その他の法制的なことを申し上げたわけですが、今度のお示ししているこの教育基本法の改正法案にも大学という項を設けて、そして学問の自由ということを申し上げていますから、先生がおっしゃるのはよく理解できます。  その前提で、我々も当初のこの考えを大切にしていきたいと思いますし、大学の経営者もまた同じような気持ちで計画の作成等をやっていただきたいと思っております。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 その点は是非言葉の上でも使い分けていただいて、国立大学法人が結局独立行政法人に、同じように、政府の方々は大体同じだと見ていますよ、これ。そうなっちゃったんです、残念ながら。もう一度原点に返っていただいて、国立大学法人、これはあくまで、大学内の意見を参考にする、あるいは聴く、意見を下から上げてくるというスタイルになっているはずですので、是非その点はよろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、大臣は、伊吹大臣として答弁をされてみえる部分は非常にいいんですね。しかし、立法者の意思はとなると急にトーンダウンするんですよ。うまくここのところを使い分けて答弁をされてみえるなと私は見ているわけです。立法者の意思というのは、立法は我々じゃないですか、我々の意思がというふうに言われるんですか。立法者というのは、提案者の意思なら分かりますよ。そこのところうまくこう使い分けて、最初質問すると、非常に伊吹大臣としてはいいこと言われる、ああなるほどなるほどと思っていると、再度質問したり終わりの方へ行くと、立法者の意思としてはこうこうこうだと言ってこの現行法を評価されるような形になっているというふうに思うんです。  多分これは、伊吹大臣は、申し上げて失礼ですけれども、おれのときじゃないと、こんな原案作る、こんな悪い原案作ったのは一体だれじゃと、こんな悪い原案を作ったのは一体だれだと、おれが作るときにおったらもっといいもの作ってやったぞと、そういうふうに私には聞こえるんですけれども、どうですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私は先生ほど言葉をうまく使えませんので、失礼があれば許していただきたいと思いますが、立法者というのは、この法案を作成、立法に携わった者の意図ということを申し上げているわけで、最終的には、だから、私はこの法律の提案者ですが、もちろん提案をするということはこの法律を私のものとして提案をしているわけですから、立法を作った者の中に私はもう当然入らなければならない今の立場上あるということです。  そして、法律を最終的に決めてくださるのは、これは当然国会でございます。しかし、いろいろ御質問になりますから、御質問になっていることについて、法案を立法して、法案をですよ、法案を立法して、そして御提案している者の意思はこうであるということだけは明確にしなければならないということです。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 よく分かりました、その点は。だから(発言する者あり)作成、法案は作成なんだとか、そういう話が出ておりますが、立法ということになると、法律をやっぱり作る場ですからこの場になると私も思っておりますので。  その言葉はともかくとして、うまく使い分けている部分については何ら触れられませんでしたけれども、私はそういう気がしてならぬわけですよ。ずっと聞いておると、本当に、ああ、今度の伊吹大臣はすごいなと思っておると、そのときは伊吹大臣で話をしてみえて、がくんとトーンダウンすると今度は立法者の意思としてと言われるので。  結局、今の那谷屋委員の質問も、日本が支配をされる、危ういのが先回は二度と言われましたが、今回は三度と言われましたですね。前回は二度と、元寇のときと黒船のときだと、それで三度目のときは完全に支配されていたんだというふうに言われましたが、今回はまた三度目という、三つあるんだというふうに言われているように、どうもうまく答弁を使い分けてみえるように思いますので。是非、私も気合を入れて質問しておりますので、是非思いを伝わるように、このことがむしろ、立法者だとか作成者だというよりも、思いが、提案者、作成者の思いが、意図がどう伝わるかということの方が私は大事だというふうに思っておりますので、是非この法案、要するに、おれの時代になったらもっといいぞ、こうしてやるぞというところまで踏み込まれても結構でございますので、是非そういう答弁をお願いをしておきたいというふうに思います。  それから、まず、これはこれまででも触れられたんですけれども、七条の大学というところでございますけれども、私は、家庭教育とか幼児期の教育、この辺は、幼児期の教育なんかは民主党案にも入っておりますけれども、評価をしたいと思っておりますし、家庭教育の面については、昨日だったか、伊吹大臣が、言わずもがなだけれども書かなきゃならぬ時代になったんだという点は、私はそう思っておりますので、私自身も。それはそういう、地域、学校あるいは家庭と言いつつも、なかなかうまくその連携が取れてないところを考えると、やはりここに家庭教育と言わなきゃならぬ時代だなと、実態は、そう思っておりますので評価をいたしますが、大学の部分で、これは櫻井委員の質問のときだったかと思いますが、これで全部言い切れているんでしょうか、抜けているものはないのかということなんです。  教育というのは、あのときの櫻井委員の質問では、この原案が教育であると、したがって全部網羅されていると、欠けているものがあったら言ってほしいというようなことがありましたけれども、例えば出されたのが、独立行政法人国立高等専門学校、どうもこれは抜け落ちているんではないかと私は思いますし、大学院等はこの大学の中に入るんだとは思いますけれども、それは大学院等も入るのか。あるいは、ロースクール等々言われているそういった学校もこれ含んでいるのか。あるいは、専門学校、各種学校等々はどう、どこで読み込むのか、これは教育でないとは言えないと思うんですね、教育だろうと思うんですよ。  そうしたところはどこで読み取るのかということについて、これは政府委員でも結構です、お答えいただけませんか、まず。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  第七条の「大学」には、大学院は含んでおります。  今御指摘のございました高等専門学校、それから専修学校、各種学校等は、この教育基本法の適用はございますけれども、その学校制度を教育基本法上は明記はしておらないところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 それじゃおかしいじゃないですか。教育は、櫻井委員はあのとき教育の定義は何ぞやというところから始まって、最終的には教育に当たるものは全部この教育基本法案に盛り込まれていると、抜けているものは指摘をしていただきたいと、こういうふうに私は記憶をいたしておりますが、今の発言からすると、当然それは教育基本法の縛りは受けるけれども抜けておるんですというのは、これはつじつまが合わないじゃないですか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  教育基本法では、学校教育、それから家庭教育、社会教育全般にわたる法律でございまして、第六条に「学校教育」の規定を設けておるところでございますので、学校教育はここに入っておるところでございます。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 櫻井理事からお話がありましたように、今日のところで、もう一回目言ったのと二回目違うんですよ。最初は抜けておりますと、国立高等専門学校や専門学校、各種大学は抜けておりますと言った。大学院は大学の中に含まれていますと、そういう答弁だったですよ。じゃ、どうなんだと聞いたら、それはこの学校教育の中で、だったら学校教育で幅広く全部受けりゃいいじゃないですか。なぜ後で大学とか、それだけなぜ取り上げたの。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生、抜けているのは、先生が御指摘の学校、具体的な学校名で言えば、高等学校がまず抜けてますよ、率直に言えば。それは、民主党案で高等教育とお書きになっている部分はどの部分をカバーしておられるのか。もし高等教育が大学であれば、同じように抜けているんです。そして、その職業教育ということは書いておられますよ。しかし、各種学校ということは何も書いておられないんですよ、民主党案でも。  今政府委員が申しましたように、第六条は「法律に定める学校は、」と書いてあるわけです。ですから、各種学校、職業訓練学校、高等学校も含めて、「法律に定める学校は、」というのが六条にあるという趣旨のことを申し上げているわけです。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 じゃ、それは、今問題になったのは、いわゆる政府委員の答弁でころころころころと変わっていくことについて私は言っているわけですよ。ちょっといい加減にしといてほしいという感じですね。あえて政府委員に指名したのは、多分今日もそうなるだろうと、そう思って私はやってみたらそのとおりになりました。だから、とはいいながら、文科省の統括するのは伊吹大臣のはずでございますので、これはよく省内で、そういう訳の分からぬ答弁は国会の場で許されるはずがないんですよ。これはいつでも、高等教育のときもそうでしたよ、清水局長、顔横向けて後ろでも話して、とんちんかんな答弁して、あそこでも何遍もやりましたし。これはもう少し誠実に、それは確かに毎日の委員会ですから苦しいかもしれません。苦しいのは私でも一緒ですし、答弁者の皆さんも一緒ですよ。結局、連日ですから、質問する前に考えなきゃ、質問する前日ぐらいしか自分の質問が、構想が立ちませんね、毎日やっていくと。それは大変なんですよ、こっちも。  そうした思いで、したがって私どもは常任委員会でやれと、まあ前へ戻るようなことを言ってはいけませんけれども、だからそう言ったんですよね、ゆっくりと。それなのに特別委員会が設置されて今日に至っているんでもうそのことは言いませんが、それだけのお互いに苦労しているわけですから、政府委員ももう少し誠実に、質問者に対して誠実に答弁をされるように、是非省内で御指導いただけますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生、先ほど私、独立行政法人と大学のことを間違って先生に御指摘をいただきましたが、今は政府委員というのはおりませんので政府参考人でございますが、十分先生の意思を体して、注意をいたしまして、国会に対して失礼のないように対応させていただきますので、ひとつお許しをいただきたいと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 それじゃ、次の質問に移りますけれども、第二条に関して聞かせていただきたいと思います。  これも過日、昨日も浅尾委員が指摘した点でございますけれども、「学問の自由を尊重しつつ、」と。現行法が「し、」と。「しつつ、」というのは意味が変わったのか変わってないのかと、現行法と同じ意味なのか違うのかと、その点をお聞かせ願いたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 法案作成者の意思としてはという言葉を使うと、またおしかりをいただくかも分かりませんが、何らこの現行法の学問の自由と今回の学問の自由の記述についての変更はございません。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 ということは、「尊重しつつ、」と「し、」というのが同じ意味と。そうだとするならば、あえて現行法をいじる必要はないと、この部分について。「つつ、」を入れる必要はないんではないかと私は思います、同じ意味なら。修正していただけますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ですから、作成者、提出者の意思としてはということを申し上げているわけですから、私たちは同じことをこれで表していると思ってここへ提出しているわけで、それを修正する、国会の意思として御修正になることは我々は何ら別にそれに介入できる立場にはございません。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 なるほど、今の答弁された内容は分かりました。  しかし、一般的には、「しつつ、」と「し、」では一般常識論からいって、国民の皆さんが判断していただけるんだろうと思いますけれども、「しつつ、」というのは横目に見てというような感じですよ。「し、」というのは、主体的に「し、」ですよ。これは私は日本語としてそうではないかというふうに思っていますが、作成者の意図としては同じ意味に使ったんだと。同じ意味に使ったんなら、あえて「し、」を「しつつ、」に変える必要はない。国語的な理解からすれば、「しつつ、」というのはちょっと横目に見てという意味ですよ。「し、」というのは正面から見てという意味だと私は思います、一般的に。  よく、政府が一般論としてという答弁がよくありますけれども、私もいわゆる一般論としては、「しつつ、」は横目で見て、「し、」は正面から見ると、そういうふうに私は理解をしているつもりなんですけれども、これは何ら変わりがないと、それで修正されるのはこちら側のサイドの国会の仕事だということも答弁されましたが、もう一度聞きますが、じゃ、なぜ同じ意味の文言を変えられたのか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは法案作成の過程で作成者は同じ意図としてこの言葉を使っているわけですから、先生の御理解は先生の御理解として、私は、法文の御理解として違うんだということは、先生の御理解に私は立ち入るつもりはありませんが、提案者としては同じ意味に使っているということです。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 これ以上やっても同じことですのでやめますけれども、これは傍聴している皆さんも一遍考えていただきたいと思います。「しつつ、」と「し、」というのは相当私は意味が違うと、こう思っていますので、「しつつ、」というのは横目で見てですよ。「し、」というのは正面に見て、何ですかね、「学問の自由を尊重」を正面から見るのか横目から見るかの違いはよく傍聴者の皆さんも聞いていただいて、それが私は一般的な理解だと思っている。私自身だけがそのように理解しているとは私は思っておりませんので、当然ながら、普通日本語でいえば「しつつ、」というと横目ですよ、ちょっと。それが私だけの理解だと言われるんなら、もうしようがないですね、これ以上この問題をやっても。  それから、次に並ぶ五つの目標でございますが、これは教育の目的を達成するために、「次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。」と、目標が置かれているわけですね。そして、五つの目標のうち、一を除くと、二からは全部最後の結びが「態度を養うこと。」、「態度を養うこと。」、「態度を養うこと。」、「態度を養うこと。」となっているわけですよ。一は、これは道徳心を培うとともに、健康や健やかな体を、これは態度を養いようがないんですね、これは体を養うと言わなければ。あとはこれ全部「態度を養う」ということになっているわけですよ。  先ほど那谷屋委員の方からも質問がありましたけれども、私は態度は評価できると思っていますよ。心は評価できませんよ。態度は、私、評価できると思っています。  あえて、また私だけだと言われるといけませんので、衆議院の教育基本に関する特別委員会名古屋公聴会、私ちょっと参加しましたので、そのときの記録を取り寄せて、その場でも感じたんですけれども、取り寄せたところ、与党の推薦した陳述人の方がこういうことを言ってみえるんですよ。  猪口委員の質問に対して、その意味で、心を書いてあるか書いていないかは大きな違いがあると思います。私は、心は書くべきではないと思っております。態度は教育の目標でたくさん使われており、同時に、多分猪口さんもやったことがあると思うんですけれども、ソーシャリゼーションの問題として、態度は常に実証研究の対象になっています。したがって、かなり社会学的な実証的な概念として使われております。そういう意味で操作可能な概念でありますと、こう言っているんですよ。学者さんですよ、これは。私よりは多分知識の豊富な方です。態度は実証されると。ということは評価されると、そういうことを言ってみえるんです。これは与党の参考人のお一人ですよ。私だけが言っているわけじゃないです。  態度は私も評価できると。心は評価できませんよ、何を思っているか分からぬですからね。しかし、態度を養うということは、これは心と一体でというわけにはいかぬですよ。態度を養うということは評価するということですよ。そういう教育委員会がまた出てきますよ、東京のような、国旗・国歌のような。学校教育において、態度を養うということは評価するということですよ。心は評価できません。どうですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ちょっと先生の御質問の趣旨がもう一つ私はよく理解できないんですが、今のこの我々が提案をしております二条の二、三、四、五項についての御質問と、態度を養うと。これは、そういう態度を養うということが評価の対象になるということをおっしゃっているわけですか。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 そうです。評価できると。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、評価ができるというふうにその学者の方はおっしゃっているけれども、これを具体的な学習指導要領に書き込んで、どういう評定をするかということによってそれは具体的に決まってくるんじゃないでしょうか。だから、心の中に入っていくようなものについては私たちは評価の対象にするという気持ちはありません。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 態度というのは私はやっぱり評価できると、こう思っていますよ、そういう態度を取ったか取らぬかと。簡単に言えば、国旗・国歌だって、国旗の方に向いて歌ったか歌わぬかというのは、これははっきりしますから。そういう態度を養うというのはそういうのが身に付いたかどうかということですから、それは指導要領に何でも書き込まれていきますよ。それが徐々に学校現場へ行けば評価につながっていくと思っておりますので、是非、それは評価の対象になるものではないと、この目標は、そのことは伊吹大臣が文科大臣を終えられても、省内じゅう、これはあくまで評価の対象ではないんだと。大臣が替わられるとこうも変わるということは何度も経験していますので。  中山元大臣のときにスクールミーティングというのをやりましたね、今はどうか知りませんけれども。そのときに、母校の宮崎県のどこかの小学校を視察をされて、これは現場の先生困っておると、少人数学級にしないかぬという本音を漏らされたんですね。それで、私はやっと米百俵がこれ実現するときかと思いましたけれども、委員会等になると、てれんくれんてれんくれんした答弁で、結局その本音を隠しておられました。  したがって、今、伊吹大臣は評価の対象に絶対ならぬのだと、こう言われましたが、私はこれまでの文科行政を振り返ってみると、そういう危険性を大変感じているということも御理解をいただきたいというふうに思いますので、必ずこれは評価しないんだと。  学習指導要領を改訂して、これに基づいて学習指導要領作られるのはいつですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、先生がお示しになっているこの我々が提案しております二条は、これはあくまで目標でございますから、この目標を、(発言する者あり)目標を達成することというのが目標なんです。  ですから、その態度を、ですからそれを具体化していくということについては、今先生の御質問のように、各法律あるいはその法律の指導要領によって書かれるわけですから、この目標に書かれている二条の各条項が直ちに評価の対象になるなどということは私は考えておりませんということを申し上げているわけです。  で、先生が今非常に大切なことをおっしゃいましたが、私、提案者としてあるいは法案の作成者としてということを再三ここで申し上げながら、私も責任を持って答弁をしておりますのは、これがいずれ法律になったときに、ここに提案した者の意図はこうだったということを、議事録に残るから、私は答弁を、作成者として、提案者としてと申し上げているわけです。  だから、先生がそれを一々確認をしながら御質問なすっているということは、これは法律が通るときの質疑としては非常に大切なやり取りをしているんだということをお互いに再認識してやりたいと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 それはよく……(発言する者あり)ちょっと、自分も不規則発言しているんで人の止めれませんが。  したがって、重要だということは、本当に重要ですよ。しっかりとその記録どおりに文科行政を進めていっていただきたいと思うと同時に、何か目標を達成するのが目標だと、何か分かったような分からぬようなことを今言われましたが、この目標を達成する、させるんでしょう、目標というのは。ここに目標があって、その目標に到達するんでしょう。じゃ、この目標に到達しない子供や、到達できなかった先生たちはどうなるんですかね。  教育というものに、こういう方向に行くんだという現行法の方針は定まるんですね。目標というのはより近いんですね。アスリートたちでも、金メダルを取りたいと言うのはその可能性がありますよね。目標というのはそういうものじゃないんですか。方針というのはもっともっと力を付けたいというか、もうその手前のすぐクリアしそうなものが目標だと私は思うんですよ。方針というのは、こういう方向で教育をしていくんだというのが方針だと思うんですよ。  目標を達成させるというのが目標だと言われましたが、そうすると目標に達成させなければいかぬわけですよ、現場では。あらゆる段階の学校の現場において目標に達せにゃいかぬわけです。そうすると、達した子と達していない子、あるいは達せた、達せることを指導できた教師と指導できなかった教師、こういうことになりますね、現場は。それで、そのことは評価をしないというんですから、評価では区別が付かないけれども。  目標というのは、私は本来的に言って教育になじむのかと、こう思うんですよ。五十メートル走を何秒で走りたいというのは目標です。これ練習すりゃいいわけです。全人格を育てる教育の目的を達成するために、また目標があって、そこをクリアしたら今度どうなるんですか、逆に。目標に達してしまったら新たな目標を作って、またこの教育基本法を変えるんですか。五十年、六十年、百年先の根本法だと言われたでしょう。今回も六十年ぶりに変えるんだと。それでこの目標を達成するのが目標だと。ということになれば、目標に、じゃ、あと五年で達しちゃったと、逆に言えば。そしたらまたこの目標変えるんですか。目標というのはより近いんですよ、感覚として。いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これはちょっと先生、良き教師であった先生とも思えない私への御質問だと思いますが、目標というのはやはり常に何かを目指して努力をするわけですから、そして一番教育現場でも大切なことは何かを目指して努力をしている具体的な項目について評価してやることであって、そこへ金メダルを取ったということが偉いということを目標として決めてしまえば、それはもう一等賞、二等賞、三等賞を取った人が偉いというのと同じことになっちゃうわけで、これを目指して具体的にどういう努力項目を掲げながらやっていくかということを学習指導要領に書いていく。そしてその目標に向かって教師の皆さんも努力をしていただく。で、一年生のときに到達できるものはうんと低いでしょうし、大学のときは高くなりますから、そして人間は次々次々年を経て、一歳ずつ年を取って変わっていき、新しい子供が生まれてくるんだから、五年で到達したら変えちゃうのかなんというようなことには人間社会というのはならないんじゃないでしょうか。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 それは方針なんですよ、やっぱり。それは、今大臣が答えられたのは方針なんですよ。目標というのは学校だけじゃなくて家庭でもあるわけですよ。近い目標もあれば遠い目標もあるんですよ。今日、一日三時間勉強しようと思うのも目標ですよ。目標というのはより近いと私は思うんですよ。方針というのは、その方針に基づいて目標を一つずつクリアしていくのが私は方針だと思いますよ。  そうすると、この目標というのは時間で言えば、(発言する者あり)それは中長期だとかなんとか言ってみえますけれども、目標というのは日本語の概念としてより近い、クリアしたいと。だから、今大臣が言われたのはこれは方針ですよ、やっぱり。方針ですよ。  またこの水掛け論やると何にもなりませんのでこの程度にしますけれども、私は絶対に、私の意見言えばやっぱり教育というのは一つの目標に到達させようというのは余りよくないなと、こういう認識を持っておることだけ伝えておきたいと思います。やっぱり今言われたことは、あくまで現行法にある方針のことを言われてみえるんだと私は理解をします。それはもうあなたが理解するならそれで結構だということでしょうから、私はそういう理解で……(発言する者あり)

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) あの、よろしいでしょうか、ちょっと不規則発言ございますが。  これは先生、やはり私の理解ではこの目標を立てて、そしてその目標に向かってこの学習指導要領等でどういう目標への到達をやっていくかというのが方針なんですね。ですから、私が言ったことは方針だというのは少しやっぱり違うんで、これはこれでやっぱり目標じゃないかと私は思っております。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 まあやめますけれども、いわゆるこの二条の一、二、三、四、五は、これは目標じゃないかと私は言うわけですよ。この目標を掲げながら本来的に言えば、現行法の方針がここに来なきゃいかぬわけですよ。これが何も私、理念法だと思えませんのでね、この五つが。理念でなくて具体的な目標でしょう、ここに書いてあるのは。理念じゃないですよ、と思います。もうやめます。  次へ、また本題に入る前に相当時間を費やしてしまいましたが、不当な支配ということについてお尋ねをしたいと思いますけれども、お互いに共通の土俵上で話をしていただければと。私も土俵を踏み外した場合があるかもしれませんが、同じ土俵内でやらないと議論がかみ合いませんので。  まず、お尋ねをしたいと思いますけれども、現行法の不当な支配と改正案の不当支配、この相違、意味の違い、十六条だったと思いますが、お聞きしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私は、この不当な支配という言葉そのものは、現行法でも改正法でもそう違いはないと思います。つまり、国民すべての意思によって行われている教育に対して、それと違う意図を持って介入をすることと理解しておりますので、現行法、改正法とも不当な支配という言葉そのものについては特に私は違いはないと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 それじゃ、二十二日だったと思いますけれども、北岡理事に対する答弁で、私はこれ記録から取りましたので、不当な支配の主体について、私はだれがだれに対して行うのが不当な支配かという質問をさせていただきましたが、北岡理事への答弁で、記録を見ますと、不当な支配の主体について大臣は、知事のイズムの話と学習指導要領の話について分けて私は答弁されてみえるように思いました。それで、二十四日には我が党の福山委員との議論の中である程度私は理解が進み、明らかになってきたと思いますが、改めて私はだれがだれに対して何をしたときに不当な支配となるかきちっと整理していきたいと、こう思っております。  まず、大臣は私への答弁で、国会で決められた法律その他に従って作成されている政令、大臣告示は国民の意思によって決められている、国民全体の意思として決められたものでない力によって教育が行われる場合を不当な支配と言っておりますと、このようにお述べになっておみえですね。これは、法律とそれに基づく政省令、告示、学習指導要領の範囲内であれば、逆に言えば教育基本法第十六条に言う不当な支配には当たらないという意味なんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これはその後の御質問でも私はお答えしたと思いますが、国会の御指名を受けて行政権を預かっている我々としては、国会で決めていただいた法律、そして法律に基づいて行われる政令、告示が不当な支配に当たるということがあってはならないわけですから、不当な支配であるということは、それは絶対に言ってはいけないことです、政府の立場としては。  しかし、しかしですよ、それが不当な支配に当たるという御判断をなさる方があっても、それは我々は何らそのことを止めるわけにはいきません。ですから、その方がどうも議院内閣制の下で特定政党が特定の支配を行うために国会で決めていただいた法律その他を超えていろいろなことをやっているなということがあれば、それは我々はないと言わざるを得ない立場ですから、あればあるということをおっしゃっていただいて、司法の場でしっかりそれを結論を出していくというのが日本の統治のシステムでして、旭川の事案についてもそういうことですし、東京の国旗・国歌の事案については、これは政府を訴えているわけじゃなくて、政府の学習指導要領に基づいた東京都の教育委員会の指導の内容が不当な支配だという訴えをしておられるわけですから、そういうことは当然、法治国家としては許されていなければ、日本の憲法の存在を否定することになるわけです。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 したがって、私は、教育にかかわる法律、さらにはそれにかかわっての政省令、あるいは大臣告示、あるいは学習指導要領等々、その範囲の中で教育が行われれば、これは不当な支配ということには当たらないと、今そういうふうに理解していいですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 法律を作っていただくのは国会でございますから、これが不当な支配に当たるということになれば、これはもう国権の最高機関である、民意の反映である国会を否定することになりますから、その後行われる政令それから告示というのは、これは言うなら行政に預けられている部分ですね。行政を預かっている者としては、国会の意思に反するようなことは、国会に指名をされているわけですから、やるわけがないというのが、これはもう建前としてはそうなければいけないわけです。  しかし、それがどうも、現行のこの法律に照らして不当な支配に当たると考えられる方がおられるということは、この国においては当然あり得ることです。ですから、それはお互いに見解が違うわけですから、司法の場に持っていって、最高裁の判例をもって最終的な結論とするというのが憲法に定められた日本の統治システムの在り方だということを申し上げているわけです。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 したがって、十六条の後半がこうなっているわけですよ。この法律及び他の法律の定めるところによって行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公平かつ適正に行わなければならないと。  したがって、私は、この法律及び他の法律、告示あるいは政省令も含めて、その教育が行われれば不当な支配ではないんですねと聞いているんです。不当な支配でそこがゆがめられてはいかぬという意味ですねと、この不当な支配は。下の言葉はそういうふうに受けているので、ここに、このような法律を作ることに不当な支配が働いたら、そのときはまあ、共産党政権になったり民主党政権になったらどうのこうのというくだりも前、大臣されたわけですけれども、それもおかしいと私は思っていますけれども、今日はそこには入りませんけれども。  不当な支配というのは、この法律を作ったり、こういう法律内の政省令や告示について教育が行われている限りこの不当な支配にはない、当たらぬのですねと、このことを聞いておるわけです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは先生、先生も立法府の一員ですから、国会が不当な支配に当たる法律を作っちゃったら、これは国会の存在価値がなくなるんじゃないですか。  国会というのは憲法に定められた、主権は国民にあると憲法に書いてありますね。そして、その主権者がすべて参加する投票によって選ばれて構成されているからこそ議会が国権の最高機関なんですよ。ですから、ここで決められた法律は、不当な支配ではそれは本来あり得ないんです。しかし、あり得ると考えられる人がいても、それは否定できないことですから、それは立法の判断が間違っているのなら司法の場で最終的に結論を出していくということですが、一番むしろ懸念、まあ先生も当然御懸念を持っておられるでしょうし、私も議会人としてその懸念があるのは、立法府としては法律は作ったと。しかし、あと、政省令、告示というのは行政によって発出される可能性が極めて高いわけですね。  ですから、そこは、事教育のことについては我々はできるだけこの不当な支配ということを念頭に置いて謙虚に謙虚に対応すべきだと。しかし、それだけ謙虚に対応しても、なおイズムの違いや何かがあっておかしいぞという人があれば、それは司法の場で決着をするということです。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 その部分は私も今十分理解をさせていただきました。ということは、この不当な支配に屈することなくというのは現行法とかなり変わっているんですよ、そうなると。僕はそう思うんです。現行法の不当な支配、ちょっとその質問に入る前に政府委員に聞きますが、現行法の教育基本法が成立したときに、他の教育関係の法律はどうなっていましたか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 大臣に聞きますけれども、この現行法ができたときは、当然ながらないですよね、まだ学教法もあれも、下位の法律はないですよね。その下位の法律を作るときに不当な支配があってはならぬと、こういう意味にも取れますよね。最初にできたんでしょう、この現行の教育法が。学教法や地教行法というのはその後に作られているんですね。しかし、一体的に論議をしようという努力はされておるわけですよ。これだけが先走ってはいかぬと、一体的に議論しようということで、この現行法ができ上がると同時に学教法もかけられているわけですよ。地教行法も追い掛けておるわけですよ。そんなに年数掛かってないんですよ。  とすると、これだけやって、これを変えることによって学教法がどうなるのか、地教行法がどうなるんだか、これ全然分からぬですよ、今では。だから国民の皆さんは不安に思うんですよ。これを変えた後に教育がどうなっていくかということが分からぬわけですよ。当然このときは、直ちに学教法や地教行法も同時に審議を、同時に近く形で審議されているわけです。そのことが間違っておるかどうかを政府参考人に聞きたかったわけですけれども、私は要求していないので大臣にお尋ねしますが。  したがって、私は民主党の発議者の一人でもありますけれども、したがって、むしろ政府が学教法や地教行法を一体にこれを出していただかないと、これだけ変えて、理念だけ変えまして、あとは次の国会ですよ、いつだか分かりませんよと言われても、国民はどういう姿に教育がなるんだということが分からぬわけです。  したがって、世論調査でいっても、変えなければいかぬというのはみんな思っているわけですけれども、その姿が分からないのにこれだけ通すこと、現教育法だけ、改正案だけ通すことは、もっと時間を掛けてくれと、その姿が見えるようになるまで時間を掛けてくれと、こう言っているんですよ。したがって、支持率、この法案に対する、変えることは賛成だけれども、この国会でやってほしいというのは一割ぐらいしかいないんですよ。(発言する者あり)  そんなことないという不規則発言が続いておりますので、私、数字をもって挙げますけれども、私もそんな調査する能力ないんで、そうすると、NHKや新聞社の記者が、マスコミ調査がいい加減だということになると、こう思いますが。  NHKの調査、十一月のNHKの世論調査では、教育基本法の改正に賛成との答えは四割。内訳を見ると、今国会で成立を求める声が三三%、今の国会にこだわらずに時間を掛けて議論すべきだという声が六六%。いわゆる四割のうちの六割ですから、その程度なんですよ。これは十月の時点でも変わっていない。(発言する者あり)だから、四割掛ける三割ね。  二十八日の朝刊ですよ、これ日経の。今国会で教育改正を図るべきというのは一九%、自民党支持層も二五%止まりと、こうなっておるんですよ。その傍らに、教育基本法案八日成立確認と書いてあるんですよ。だれがこんな八日成立を確認したのか知りませんけれども、国民は分からぬと。どういう姿に今の教育が変わるか分からないと、こう言っているときにもかかわらず八日に成立確認と。これは、やっぱりこの委員会の審議を見て決めるべきで、ただただ時間さえどんどんどんどん押し込んで何時間やったらええというものでないですよ、これは、全くに。  国民の皆さんが本当に望んでいるのは、現行法がこういうふうに、今の提案のように変わったら学校教育はどうなるのだ。直ちにいじめや未履修やそういう問題が解決しないということは分かりますよ、私も。とは言いながら、大体のイメージ像が出てこないと、国民の皆さんはもう少し、だからその辺を議論してほしいと、こう言っているがゆえに、変えることには賛成する方が多いです。  ちょっと聞いておっていただけますか。いいですか。  と思うんですよ、私は、各種の調査が。変えるか変えぬかといえば変える方が多いんです、これは確かに。あるいはちょっと下がって五割前後、四割の調査もあります。しかし、その中でも、今国会で変えなければいかぬというのは一割から二割のところですよ、せいぜい。あと八割の方は、反対する人もおれば変えるのに賛成する方もいるけれども、姿が見えないから大変不安に思ってみえるんですよね。  したがって、私は、先ほど言ったように、学習指導要領はいつ、学校教育法はいつ、地教行法はいつ出されるんですか。本来的なら一体に議論すべきだと。したがって、我々は、民主党は一体に出したんですよ、三本。(発言する者あり)二本ね、二本、これに基づいて二本。もう中心のところだけは出したわけですよ。本来的には、それは政府がやらないかぬことなんですよ、民主党がやることでなくて。本当に教育をこう変えていこうというなら、変えていく先のイメージまで描けるような形で審議をしなければ、もしこうだったら、もしああだったらという議論では駄目なんですよ。教育行政について言えば、大臣も今は機能を果たしていないと言ってみえますよね。十分教育委員会制度も考えないかぬということは言ってみえますよね。  そうすると、どういうふうに教育委員会制度を考えないかぬのか、その辺がつまびらかになってこないと分からないわけですよ。ただ変えなければいかぬと。私は民主党案に聞きませんので、当然、私もいじめの問題で江部乙小学校だったですか、北海道の滝川へ行きましたよ。教育委員さんは二人お見えになったですよ。その二人に聞きましたよ、この一年で教育委員会は開かれましたかと、この問題で開かれましたかと。いや、この問題では開いていませんと。一か月一回の定例の委員会だけ開いたと。やや我々も受け身過ぎたかなというのが教育委員さんの意見ですよ。  したがって、教育行政も教育委員会が完全に独立しているということないんですよ。教育長も知事が指名するんですよ。議会で同意を得るんですよ。そうすると、知事が指名した教育長がその知事のイズムを反映しないことはないんです。反映するんです、当然。  だから、知事部局へ持っていったら、知事のイズムが出るなんてことはないんですよ。同じなんですよ、こんなものは。知事が教育長を指名して、その教育長が教育委員の一人として議会で同意を得るわけですから。しかし、指名は知事がして、もっと言えば来年の教育長はだれだって決まっておるんですよ、大体どの県でも。あるいは文科省から行くということが決まっておるわけですよ。もう教育長なんか決まっておるんですよ、もう、議会の同意を得る前に。それは当然、文科省の方がその地位に就かれることもあるんですよ。それが、知事に教育権を移したら知事のイズムでどうのこうのなんということは今でも起き得るんですよ、それならば。知事の意向を反映するんですよ、予算権ないわけですから。教育長は知事の意向を十分に反映しますよ。その力を知事部局に持っていったって一緒ですよ、これは。何にも変わらない。  知事部局の方が民意をより反映するからイズム以上にその地域の声を代表するんじゃないかというのが私どものあくまで考え方なんですよ。ここにワンクッション置いたことがかえって機能不全を起こしているんじゃないかと、ストレートに流れるようにした方がいいというのが我々民主党の案なんですよ。そこを伊吹大臣も、教育委員会制度そのものを考え直さないかぬと言ってみえるわけですよ。そうしたら、その姿を当然、教育行政にかかわって、この基本法改正案と同時に出していただかないと理解できないんですよ。  したがって、今はこの国会でこれを出して、何とか時間掛けて早く早く早くでこれを通して、その後にあとのものは出してくるよと。それは、出してくるよと言ったって、大臣も言われたように、政省令や告示は我々責任持てませんよ、法律までしか。それが、例えば文科省の中でだって不当な支配を受けるのかもしれませんよ。それで、法律とは、踏み越えたところで政省令、告示が出るわけですよ。場合もある、出るとは言いません、場合、可能性もある。  今回の未履修の問題だって、これは教育行政が不当なことをやったと、不当な支配とは言いませんが、不当なことをやったということの可能性を示したものですよ、一つの。あくまで可能性ですけれどもね。  それらのことを考えていくと、やはり将来的にも教育がこういう姿になるんだということを同時に示していただかないと、国民は不安ですし、我々も分かりにくい。だから、そこを明らかにしていくためにも十分に時間を掛けて議論をしなければならぬと、こういうふうに思っているわけですが、今までの発言について、御所見をお願いします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今までの御発言は随分網羅的でございましたので、すべてにお答えできるかどうかは分かりませんが、抜けていたらまた追加質問していただいたら結構ですが。  まず、その後の教育関係の諸法がどうなるか分からない限りはこの基本法は不安だから通せないというのは、私は少しやっぱり違うんじゃないかと思います、それは。それは、民主党さんの案も、教育行政の流れについては具体的な案をお出しになっております。しかし、学校教育法そのものについては、これを改正するということを附則で書いておられるだけで、中身は何も書いておられないんじゃないんですか。そして、先生の論理を更に進めていけば、憲法改正をするときは、その憲法によって変えられるすべての諸法を示さない限りは憲法改正に応じないということになりますよ。そんなことはあり得ないんで、すべての法律は、変える場合は必ず、日本の憲法の仕組みからいえば、先生を含めて立法府にお出しをするわけですから、そこでこの法律の理念に合っているかどうかを自信を持って御審査いただくというのが立法府のやっぱり責務であると私は思っております。それがまず第一点。  それから、確かにこの附則に書いておられるような、これは改正するとかどうだとかというものをお示しするというのは一つの私は審議のための方法だと思います。しかし同時に、衆議院で言われたことは、事実、この法律は変えようと。まあ先生が御提案者になっている民主党の法案に書いてあるように、これは変えるよということは書いてあるわけですね。変える内容は書いてないんですよ。それと同じように、この法律は変えていこう、この法律はこういうスケジュールでやっていこうということは、当然部内では我々は議論しているわけです。それをお示しをするという考え方が一つあります。  しかし、残念ながら、衆議院で、それをやっているのは法律を通さない前にけしからぬじゃないかというおしかりを受けているんですよ、残念ながら。ですから我々は慎重にやっているということ、これは二番目に申し上げたい。  それから三番目は、今ですね、今我々が学習指導要領をお示ししていますが、なぜ東京都だけ、先生、日の丸・君が代について、東京都の教育委員会とそれから、これは何ですか、その補償があるから、予算措置を伴うから東京都知事、これは補償が伴うということを含めて東京都知事を被告にして訴えを起こしておられるわけですよ。そして、今教育委員会の持っている権限を知事に譲るということにしたら、東京都で訴えられていることと、なぜ同じ通達の下でやっている他の県の知事をお訴えにならないんですか。他の教育長をお訴えにならないんですか。それは東京都の教育委員会が、まああえて言えば、ある考えを持ってやったのがけしからぬという認識を持っている人がいるから訴えられたわけですよ。だから、教育委員会の持っている権限を知事にゆだねるということはやっぱり私は不適当だということを申し上げている。  それから、世論調査においていろいろ数字が出てくることもやっぱり謙虚に私たちは見極めて、特にタウンミーティングにああいう形で民意を把握したなどということを言うということは私は不適当だということは再三御答弁申し上げております。  ただ、我々は、先ほどの憲法を審議するときはすべて諸法を出さなきゃ審議しないよということと共通することなんだけれども、立法府というのはもっとやっぱり自信を持つと、そして我々は国民から選ばれたと、だから民意の最大の集約はやっぱり国会なんですよ。で、自由民主党は、あるいは公明党は前回の選挙も、その前の選挙のときもマニフェストを掲げて、教育基本法を変えるんだと、具体的にはこう変えるんだと言って、国民の審判をいただいてこれだけの議席をいただいているわけなんですよ。そこをやっぱり大切に考えないと、日本の憲法の仕組みは私は揺らいでくると思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 まあ長いこと答弁されましたが、あくまで作成者じゃなくて伊吹大臣の考え方だというふうに理解いたしますけれども。  長い答弁で時間がなくなりましたが、意見だけ言っておきますと、現行の教育基本法と学校教育法はともに昭和二十二年三月三十一日に公布されているんですよ。帝国議会の議論でも教育基本法に引き続き実施されているんですよ。教育委員会法は二十三年の六月ですから、半年後にはもう教育委員会法が出ているわけですよ。そして、二十二年四月から六三制が発足しておるわけですよ。  このように、教育基本法に連なる法案はかなり近い時期に同時にやっているわけですよ。教育基本法は附属法ですけれども、憲法というのは教育以外全部含みますから、そんなことは言いませんよ。教育の柱はやはり学教法とか地教行法が柱ですよ。その柱になる法案ぐらいは、あるいは財政確保の法案ぐらいは一緒に検討される、それは当たり前ですよ。それを出してくださいと言っておるわけですよ。そんなことけしからぬと私は一度も言っていません、私は。衆議院でそういう意見があったとしても。  以上で終わります。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  今日は、教育の根幹を成す教員の現状が基本法の改定でどうなるのか、こういったことについて質問をいたします。  我が党は、教員は労働者であるだけでなく、子供たちの成長を助ける責務を負っている教育の専門家と考えています。それゆえに、その力量の発揮を重視をしています。  しかし、今日、教員がその責務を果たす上で重大な問題が起きています。その一つが、教員の多忙化、過重労働です。この間のいじめ問題でも、先生が忙し過ぎていじめに対応しづらくなっているという声も聞かれます。読売新聞でも、先生はなぜ忙しいかと連載を始めました。教員の過重労働の解決は正に国民から見ても急を要する問題となっていると思います。  そこで、まず質問ですけれども、先ほども出ておりましたけれども、文科省は今年、四十年ぶりの大規模な教員勤務実態調査を行われておりますけれども、その中で、夏季休業を除く通常時の七月の勤務日そして休日、それぞれの教員のいわゆる超過勤務、残業時間ですね、及び持ち帰りの仕事の時間、その合計時間は何時間でしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 文部省が行いました教員勤務実態調査、これは六か月の勤務実態を調査するものでございますので、まだ暫定的な途中集計でございますが、このうちの七月分についてのお尋ねの件について御説明を申し上げます。    〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕  これは、七月分でございますけれども、一日当たりの教諭の残業時間と持ち帰り、持ち帰って仕事をしたという時間、これ、小中学校の平均でございますけれども、勤務日については、残業時間が二時間八分、持ち帰り時間が三十九分、合計で二時間四十七分ということでございます。それから、休日でございますけれども、休みの日に学校で行った業務の時間というのは、平均で一時間十八分、自宅で行った業務の時間というのが二時間十四分、合わせまして三時間三十二分ということでございます。  これは、すべて教員の自己申告によっております。持ち帰りの時間というのが、その内容がどうであるのかということは、これはもちろん十分な検討が必要だと思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今局長、御答弁いただきましたけれども、この七月の暫定集計の五ページ目を見ますと若干数字が違うんですけれども、残業時間、勤務日で小中学校平均二時間八分、持ち帰り時間が三十五分、合計二時間四十三分。休日が、残業時間一時間十二分、持ち帰り時間二時間一分、三時間十三分となっています。まあ暫定ですから少々の違いはあるのかもしれませんけれども。  それで、今御報告いただいた時間とか今私が申し上げましたこの調査に出ています時間、また夏休みの期間中の超過勤務と持ち帰り時間を勘案しまして、七月全体で、小学校、中学校を平均しまして一か月六十六時間三十七分の残業となります。この数字は、国の過労ライン四十五時間をはるかに超えています。極めて重大なものだと私は思います。過労死ラインの八十時間を超えているという別の調査もございますけれども、今在職死される先生も後を絶ちません。財団法人労働科学研究所の調査によりますと、健康状態の不調を訴える教職員は四五・六%、日本人の標準値一五・七%の三倍近いものです。  この実態について、大臣、異常だというふうに思いませんか。いかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 数字的なものはもう少し参考人に確かめていただきたいんですが、時間外勤務というのは、やっぱり個人差あるいはその時期ですね、冬休み、春休みを含めて、やっぱり繁閑の差が非常に大きいと思います。だから、まあ私は一概に異常に長いとは言い切れないと思いますが、しかし、できるだけやっぱり勤務時間は短い方がだれしもいいことですから、行事や会議の見直しとか公務を効率化していくだとか、いろいろなことをやっぱり考えて、あるいは共同化によって仕事をしていくとかいろいろなことを考えて御負担を減らしていくように努力はしたいと思います。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 異常であるということは御認識されるということでよろしいですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは先ほど申し上げたように個人差や時期の問題等がいろいろありましょうから、私は一概にそういう認識はいたしておりません。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 時期の問題と言いましたけれども、群馬県の教育委員会も調査を行っています。それは二〇〇六年二月でございましたけれども、小学校五十七時間、中学校六十六・三時間の残業だという報告が出ております。いずれにしましても、私は国の過労ライン四十五時間を超えている大変異常な状態だと言わざるを得ないと思うんです。  さらに、こうした先生の過重労働は子供の教育に悪影響を及ぼしているということも申し上げたいと思います。とりわけ、過重労働の中身が子供と向き合えぬようなものとなっていることが全国どこでも共通している悩みとなっています。  文科省の国立教育政策研究所小松郁夫部長が研究代表者である「小学校における学級の機能変容と再生過程に関する総合的研究」というのがございます。その中間報告書の八十四ページには教員の悩みがまとめられておりますけれども、該当する箇所を、恐れ入りますけれども、数行読み上げていただけるでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 八十四ページでございますか。ちょっと長いんでございますんで、教員の多忙さに関連をしている部分と思われるところをちょっと読み上げさせていただきます。    〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕  「「教員は多忙である」ということはわりあいよく知られていると言ってよいだろう。実際、今回の調査でも「多忙」を挙げた教員は多い。しかし、この調査で注目すべき点は、「忙しくて子どもとふれ合う時間がない」「学習の遅れている子どもを個別指導する時間がない」「忙しくて教材研究をする時間がない」というように、教員らが、忙しさとひきかえに何を犠牲にしていると思っているかを読み取れたことにある。それは、教員として本来すべき仕事をしたいと思っているのに、雑務のために忙しくてできないというもどかしさの表現である。」云々ということでございます。  それで、これはちょっと申し上げておきますけれども、国立教育政策研究所のこの部分は、調査票に自由記述してもらった欄に回答があったものから研究者が抽出をした意見でございます。多忙さには個人差も大きいことから、先ほどの文部省の調査でもそうでございますけれども、必ずしもすべての教員の意見ではないと考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 局長はそう言いますけれども、これは六千六百人の教員の声を丹念にまとめた中間報告書でございます。  過重労働で働いているのに、教材研究や子供と触れ合う時間がない。大阪の青年教員からは、一か月以上、土日もなく出勤をしている。土日も平日の帰宅後も必ず仕事をしている。何とかしなくては病気になる。もう少し心にも時間にもゆとりが持ちたい。ゆとりがないので子供にきつくしてしまうことがある。子供の話もじっくり聞いてあげられる時間も取れない。そういう切実なお話を聞いてまいりました。  先ほども紹介しましたけれども、群馬県教育委員会の調査報告書も、県下の四割の教諭の実態調査を基に、資料や報告書の作成・提出、校内会議・研修、校外会議・研修、集金などの負担が多く、教材研究に必要な時間が確保できないと述べています。  大臣、改めて聞きますけれども、こうした教員の実態といいますのは、子供にじかに向き合うための時間が取れないという点でもやっぱり問題があるのではないでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今の政府参考人が申し上げました十八年度調査の七月分を、これは学期の中、休みじゃないときですが、小学校においては児童生徒の指導に直接かかわる業務というのは六時間二十分、それから中学校では六時間三十四分、児童生徒の指導に間接的にかかわる時間が二時間十五分と二時間三十一分、そして今先生がおっしゃっている学校運営にかかわる業務、その他の業務が一時間四十二分と一時間四十四分、それから外部対応ですね、これは平均して十八分と二十八。だから、子供と向き合っている時間は、私はかなりあるんだと思うんですよ。  むしろ問題は、先生が御指摘になっていることは、子供と向き合う時間が取れないというよりも、管理的な仕事をするために全体の時間が長くなっているじゃないかということだと思いますから、この時間を短くするようにうまくやっている学校の成功例だとか行事や会議をどういうふうに見直していけば校務が効率的にやれるんだとか、教育行政の関係者において、今各教育委員会単位で努力をしながら事務の軽減に取り組んでいるということでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 私は、改めて大臣に現場の実情をお聞きいただきたいというふうに思うんです。  これは、我が党の市議団から入手したものなんですけれども、中学三年生が学校に相談したにもかかわらず、結果として対応が遅れ、相談の六日後に命を絶つという痛ましい事件が起きた中学校の日程表でございます。  子供が学校の相談室に相談したのが十一月六日の月曜日、その日のうちに教員側に連絡、ところが本人に事情を聞いたのはその二日後の十一月八日、間に当たる十一月七日は市教育委員会、県教育事務所の学校訪問の日だった。年に一回の大仕事で、この日のために先生たちは教育委員会の方針に沿った教育委員会の主事らに見せるための授業を準備し、こういう冊子まで用意をされています。翌日の十一月九日、いじめたとされる生徒に事情を聞こうとしたが、その日は生徒が欠席、その次の日、十日の金曜日、学級担任も学年主任も出張で不在、結局その生徒との相談は翌週の月曜となった。しかし、その前の日に生徒は命を絶った。新聞報道によれば、教員たちが出張していた金曜日にいじめが目撃されている。出張は毎日のようにあり、いつも何人かは学校にいない。  私は、忙しさを理由にいじめの対応が後手に回ることは正しくないと思います。また、出張のせいでいじめ自殺が起きたと言うつもりもありません。しかし、ちまたに先生が忙しくて声も掛けづらいという声がある背景には、こうした日常があるということを大臣にもよく知っていただきたいということを強く申し上げておきます。  改めて質問に移りますけれども、この教員の定数といいますのは、一時間の授業に一時間の準備時間が確保できるようにと配置されているというのが文科省の基準だと国会でも答弁をされてまいりました。しかし、実際はできていません。文科省の調査でも、先生は一日平均三時間三十二分の授業をしていますけれども、授業準備は五十分と、四分の一しかできていません。一時間の授業に一時間の授業準備を当てはめると、小学校で週に約三十二時間、授業及び授業準備になります。残りの時間、給食指導、子供の個別的な指導、子供のために必要な時間があります。そうなりますと、先ほど大臣もおっしゃいました管理的な業務、本当に子供に必要とは言えないもの、大胆に少なくしていく、これをやるしかないというふうに思いますけれども、改めて大臣、いかがですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど大臣からもお答えをいただきましたけれども、この七月の調査によると、やはり児童生徒に直接的にかかわる業務あるいは間接的にかかわる業務は、合わせますと八時間になっているわけで、それぞれ八時間を超えているわけでございまして、先生方やっぱり児童とは向き合っているというのは間違いないことだと思います。ただ、それ以外の学校運営にかかわる業務、その他の校務がやはり一時間四十分とか、多いわけでございますので、そこの合理化をどういうふうにしていくのかということが私どもやはり課題だと思っております。  今、いじめの問題につきまして有識者会議開いていても、やはり先生方についてその辺の改善を図っていかなけりゃいけないと、例えば調査物を整理するとか、そういったようなことが今議論になっているところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 子供と向き合っている時間は確保されているとおっしゃいますけど、先生はもっと子供と向き合いたいというのが本当の気持ちなんですよ。これをやっぱり私は、大臣も文科省の方もしっかりと受け止めていただきたいと思うんです。  そこで、改めて聞きます。  こうして私は異常な働き方をされているというふうに思いますけれども、そうしながらなかなか子供と向き合う時間が取れない、そういう教員の現状というのはこの教育基本法の改定で果たして解消されるのでしょうか。大臣、いかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 教育基本法は、何度もここで議論しておりますように、教育の理念法であり基本法ですから、この法律が改正されれば、今先生がおっしゃったようなことがすぐに達成できるという方向性ではありません。  しかし、今日も教育再生会議でもいろいろな御意見が出ておりましたけれども、教育の大切さを再認識してもらうことによって、先ほど那谷屋先生の御質問にも私はお答えしたと思うんですが、これから教育予算をどういうふうに処理していくのかというような機運をつくり上げながら、少しでもそういう方向に向かっていけるように私は努力をしたいと思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今大臣は、基本法の政府案はいわゆる理念でありますから、それが、政府案、いわゆる今の基本法を改定したとしても解消するものではないと、具体的にはいろいろ検討していくというお話でございましたけれども、その政府の基本法改定、政府案十七条ですね、教育振興基本計画がございます。  これを全国に広げようということでございますけれども、その内容は、中教審答申でいきますと、一斉学力テスト、教員評価システムなどなど、文科省が今まで進めてこられた教育改革がたくさんございます。正に教員の多忙化、過重労働解消などはここには一行もございません。しかも、文科省が進めてこられた教育改革そのものが教員の過重労働を強い、教材研究などの時間を奪っていると私は言わざるを得ません。  文科省の学習指導要領による関心、意欲、態度の評価の方法に従って各地の子供の成績付けも激変をしました。私の手元にありますのは、これは東京都内の中学校の学校現場で実際使われています、関心、意欲、態度の評価の方針に従って先生が行っている成績表のための補助簿です。この場合は、関心、意欲、態度、科学的な思考、技能、表現とか知識、理解とかいろいろあるんですけれども、とにかく関心、意欲、態度などこうした項目について十二項目ほどありまして、三十九人五クラス、百九十五人も評価するんです。毎日付けるようにと言う指導主事がいるそうです。毎日ですよ。現場の教員は、これを付けてもその子供の本当の評価にはならないことはよく分かると、しかしそれでも付けることが命じられている、そのために本来やりたい授業の工夫や以前やっていた実験の工夫などができなくなってしまったとおっしゃっておられます。  私は、評価のために時間を費やし過ぎて、本来子供に授業を分かるまで教える時間や余裕が奪われている、これはおかしいと思いますけれども、大臣、これはいかがでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 現行の学習指導要領の下では、これまでの一定の集団内の相対的な位置によって評価をする相対評価とは異なりまして、いわゆる学習指導要領に示す目標がどの程度実現したかを評価する絶対評価という考え方で子供たち一人一人の学力をきめ細かく評価するということにしているところでございます。  ただ、意欲、関心、態度等につきましてきめ細かな観察が必要となるために、実際の評価に当たって、評価のために時間が取られて大変であるという指摘も受けているところでございます、率直に申し上げまして。評価のための評価とならないように、効率的な評価の実施について私どもも工夫が必要であると思っているところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今局長は指摘を受けているというふうにお認めになりました。  要するに、関心、意欲、態度の評価が全国で今問題になっていますのが現場の実態です。東大の全国調査でも、七九・八%の校長先生が、学校が直面する問題に教育改革は対応しないと答えています。さらに、国立教育政策研究所の部長が代表者になった報告書にも、次々に上から下りてくる教育改革は、ただでさえ忙しい現場を混乱させている。教育の根幹を成す教員が、上からの改革などで授業の準備もままならない状況に置かれているわけです。  ところが、私は、政府案はこの改善にも触れず、上から改革を押し付け、教員をがんじがらめにしようとしている。しかも、政府は行革で教員を一万人も削減しようとしています。こんなことでは先生も子供も救われない、そのことを強く申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  毎回質問をさせてもらっておりますが、質問をすればするほどこの政府法案、賛成するわけにはいかないなという思いが強まってくるわけでございます。  その中でも私は、私も質問をさしていただきましたし、先ほども議論がありましたけれども、不当な支配、これについては本当にまだまだ論議をしていかなければならない、本当に根本的なところが書かれていないなと、こういう思いがいたしますし、もう一つが、私これから質問をいたしますけれども、法律の中に教育目的、それも人の内面にかかわる事柄を書き込む。しかも、改正案についてはまあそれがたくさんあるわけですね、二十ぐらいある。教育勅語よりももっとあると。こういうものを盛り込むことがそもそもいいんだろうかと。このことについては、やっぱり本当に考えれば考えるほど、これはおかしいんではないかなと、こういう思いがしてなりません。  そこで、今日は改正案の第二条にポイントを絞って大臣にお聞きをしたいというふうに思っております。  国家の教育内容あるいは方法への関与は最大限抑制的であるべきだと、それが憲法の要請だと、このことは学テ最高裁判決が言っておりますし、私もこの間、何度か大臣に申し上げてきております。そういう憲法の立場。そしてもう一つ、そもそも近代国家というのは価値に対しては中立的であるべきだと、こういう大原則があるわけでございます。  そういうこの二つの立場からいたしまして、人の内面にかかわる徳目を法律に教育目標として書き込んで、それで子供たちを指導、評価する、そういうことはそもそも問題があるんではないかと、こういうふうに私は思っているんですが、しかも、今ほど言いましたように、改正案ではそれがたくさんあると。教育勅語のときよりもたくさんあると。これは余りにもやっぱり行き過ぎて、憲法が言うところの、関与はできるだけ抑えろよというその大原則にもとるんではないかと。  今どきこんなにたくさん徳目を法律の中に盛り込んでいるのは全体主義の国しかないんではないかと。それはそうですよ。韓国においても、愛国心という規定は数年前撤去をしたと。ところが、この国は再び思想統制をしようとしているのかと、統制国家になろうとしているのか、そういうふうに思えてならない。  こんなにたくさんの、人の内面にかかわる徳目を教育目標として掲げること自身、基本的におかしいんではないかと思えてならないわけでございますが、大臣の所見をお尋ねいたします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 人の内面にかかわることというか、先ほど佐藤先生の御質問にもありましたが、愛国心ということを書き入れている国は多くは社会主義国家でございますね。ですから……(発言する者あり)いやいや、ロシアもそうですし、中国もそうでございます。そして、これもう、先生のおっしゃっていることは先ほどの佐藤先生とのやり取りの繰り返しになりますが、要するに二条というものが教育の目標を定めているわけであって、それ自体を評価の対象としていないというのが提案者の提案意図なんですよ。ですから、その目標に向かって具体的にどういうステップを踏んで努力をしていくのかということを学習指導要領に掲げながら、それを、大切に教育を行っていくということであって、人の内面に立ち至るというようなことはどこにも書いてないと思いますよ。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 立ち入るか立ち入らないかは、それはもう判断なんですけれども、私どもは、極めて微妙な、際どい、境界線が不明確な、そういう評価項目をたくさん入れ過ぎていると。  これについては、先ほども大臣、田中耕太郎元最高裁長官の話、この教基法を作ったときの文部大臣ですよ。この方は国家と教育の関係についてたくさん文章も書いておられまして、とにかく戦前は国家が様々な価値を、特定の価値を教育現場に持ち込んでめちゃくちゃにしたんで、国家は教育の中にやっぱり入っちゃ駄目だと、特定の価値を教育目的などと称して入れるのは最小限度のものにしなきゃならぬと。たまたま日本の場合は戦前余りにもひどかったからある程度現行の教育基本法で特定の価値は入れたけれども、これは最低限度であると、これ以上増やしてはならないということをちゃんとした論文の中でちゃんと言っていますよ。そういう角度から見ますと、全く今回はめちゃくちゃに言わば徳目を増やしているわけですよ。これでは正に思想の統制ではないか。  総理は、自分のところの地元の詩人の金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい。」という話出して、これがあるべき姿だと言っているんだけれども、正にみんな違って、みんなこれでいいという、そういうことと実態全然違うでしょう、こんなふうにがんじがらめに縛ってやるやり方というのは。  私はそういうふうに思うんですけれども、改めて、こういう徳目をたくさん法律の中に入れて、それも教育目標として入れるということについて、内部で全くこれ議論なかったんですか。この国は、民主主義、自由主義の国ですよ。今どきこんなことをやっているのは全体主義。また戦前に戻るのか、思想統制の方向に戻るのか、私はそういうふうに思えてならない。どうでしょう。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) そのように自分の意見を決め付けるというのは全体主義的考えじゃないでしょうか。  私たちは、教育の目的を実現するために、今日的に非常に重要であると考える事柄を教育の目標として掲げているわけでありまして、これは例えば、国民にこの目標に向かって、だから教育の目標として我々はそういう形でやっていくと、しかし、心の内面に立ち至ることは私は提案者として考えていないということを再三申し上げているわけですから、そこのところは先生、何か思想統制だとか全体主義だという決め付けは、ちょっと何か自分の意見をいかにも押し付けられるというのは全体主義なんじゃないですか。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 さらに、この第二条で教育の目標、これはまあ指導と評価ということでございますけれども、これを進めるに当たって、学問の自由が一体どうなるんだろうかと、現行法に比べてどうなんだろうかと。「学問の自由を尊重し、」というものから、「学問の自由を尊重しつつ、」、まあ正面から見るか横から見るかという話がありましたけれども、この問題は先ほどありましたけれども、さらにそれ以外にも現行法の二条で定めている自発的な精神だとか自他の敬愛と協力、こういう言葉が見事にそぎ落とされているんですよ。つまり、これは教師の教育の自由だとか、あるいは教室が自由な教育空間であってほしいと、こういう思いを込めた言葉、概念なんですが、こういう言葉は削られ、かつ教育の自由ということについても私はやっぱり現行法に比べれば非常に制約されつつあるんではないかなと、こういうふうに思うんですね。  これでは正に教師は単なる教育マシンになるんではないか、させられるんではないか、私は条文を見ますとそういう思いがしてならないわけでございますが、今ほどの私の指摘、言い過ぎなんでしょうか、どうなんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 極めて、私の意見を聞いていただくという民主主義的御質問だと思います。  現行法二条の、先生、自発的精神というのは、今度、今お示ししている法案の二条二号において、自主及び自律の精神と規定しているわけですよ。それから、先生がおっしゃった自他の敬愛と協力、それについては法案第二条の第三号に引き続きそのことは書かれております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 それでは話を更に進めまして、今日もまた議論になりました国を愛する態度のことについてお尋ねをいたします。  これについて一番議論が集中しているわけでございますが、小泉前総理は態度と心は一体であると、こういうふうに言っておられました。大臣も昨日、教える場合は態度と心は一体であると、こういうふうな趣旨のことを言っておられますが、国を愛する態度を養うということは国を愛する心を養うことと同じことであって、やっぱり態度の統制を通じて、態度のコントロールを通じて結局は内心、心を統制することになるんではないか。  大臣は、態度と心は違うよと、心の、内面になんか入らないよと、こういうふうにおっしゃったけれども、例の日の丸・君が代の今年九月の東京地裁判決は、切り離して考えるということは困難かつ不自然だと、もう明確に言い切っているんですよね。人の内心領域の精神的活動は外部的行為と密接な関係を有するのであり、これを切り離して考えるということは困難かつ不自然だと。もう常識的に考えればこの東京地裁の判決は至極もっともだと。それを無理に、我々は内面には入らないんだと、外側の態度だけを見ているんだなどという、こんなこと、世間では私は常識的に通用しないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 東京地裁の判決は、旭川のときの判決と同じように、法律的拘束力を学習指導要領は持つんだという前提は認めておられるわけですよ。そして、これは全国にだから発出しておるわけですね。ところが、東京都の教育委員会が、更にそれを実行するために事細やかにいろいろなことを規定しているということですから、その事柄について争われているわけですね。  ですから、私は、この二条にずっと書かれていることについては目標であって、この目標を具体化していくという手法として学習指導要領というものを、この法律がお認めいただければ、それに従って全国に当然発出していく。そして、その発出していったときにそれをどういうふうに実行していくかという、今でいえば各教育委員会のその通知の内容が、先生がおっしゃったようにこちらを向いていなくちゃいかぬ、あちらをどうだとか、頭を下げにゃいかぬとか、そういうことは問題だということを言っているわけで、学習指導要領そのものを否定は東京地裁もしておられないですよ。  そして、さらに、東京都はさらに、このことについて当然上級審の判断を仰がれるわけですから、上級審の判断が今出ているのは旭川だけなんですよ。そのことも是非御理解いただきたいと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 私の質問に全然答えておられない。  私は、東京地裁が判決の中で言っている、人の内心、内面の領域の精神的活動は外部的行為と密接な関係を有するんであって、これを切り離して考えることは困難かつ不自然だと。至極当たり前のことを言っていると、この言い分ですね。皆さんは切り離しが可能だと言っているけれども、東京地裁はそんな切り離しなんか不可能だよと、これセットで考えないとおかしいよと。このことについて大臣はどう思いますかと聞いているわけですよ。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ですから、それは先ほど来御答弁を申し上げているように、具体的に東京都の教育委員会がどういう形を強制していることについての判決かによって違ってくるということを御答弁しているわけです。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 まあ、時間がありませんので。  国を愛する態度が教育の場で一律にもう求められると。国を愛する態度が教育の場で一律に求められる、その態度の良しあしが評価されるということは、結局のところ人の内面の自由を損なうのではないか、私はそういうふうに思えてなりません。  教育目標に適応する態度が公に定められて、これがその態度のあるべき姿だと、こういうものが定められて、それをちゃんとやっているかやってないか、それがチェックされる、そのことによって目標の到達度の評価が行われると、正に皆さんがやろうとしているのはそういうことです。そういう評価に基づいて新たな統制がいろんな形で行われる、こういう正に国が態度を通じて一定の統制を行う、こういう方向を目指している、それが今回の改正案の中身であると、これはもう私は明らかだと思うんです。  こういう内面の自由を定めた憲法の規定に反するような、憲法はしちゃならぬことを明確に定めているわけ、そういうところに踏み込むような、そういう教育基本法の改正は私はやっぱりおかしいと、こういうふうに思わざるを得ないんですが、再度どうぞ。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど佐藤先生からも同様の御質問がございまして、その際もお答えを申し上げましたように、この教育の目標そのものの到達度を評価をするなどということは我々は考えておりません。これは一条の目的を達成するために大切な目標を掲げているわけですから、これに具体的に、この二条を具体化していくいろいろな学習指導要領の項目があるわけです。その項目の中に内心に立ち至るような項目を作るということは私はいたしませんということを申し上げているわけです。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 私は、そういう区別なんてできないと、内面に立ち入らざるを得ないと。そういう非常に境界が確定できないような紛らわしい、そういう評価などはやっぱり私はやるべきではないと、こういうふうに思っております。  いずれにいたしましても、第二条、改正案の第二条は、単に学校だけにとどまってはいないと。これは改正法案全体に適用になるわけでありまして、学校だけ、教育のみならず、生涯学習だとか家庭教育だとか幼児教育だとか、あるいは社会教育にも及びますし、更にその改正案の十三条というものを通じて地域住民にも広く適用になる、これはお認めになられますね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 二条は「教育は、」とありますから、まずすべての教育にかかわってくるということは、それは当然のことでございます。そして、地域住民にも及ぶということを今先生がおっしゃったわけですが、私は再三申し上げているように、それは心の中に踏み込むということはやらないんだと言っているわけですから、それは、学校教育はもちろんのことですけれども、家庭教育、社会教育、生涯教育においても、当然幼児教育においても、それは当然の、心の中に踏み込まないということは、それは当然のことだと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 私は、単に学校の中のことだけではないと、これはやっぱり相当問題を含んだ法案だというふうに思っています。  現に大臣は昨日、地域社会、学校の先生、そして御家庭、そういうものがみんなこの法律によって、この法律というのはつまり改正法案です、改正案でありますが、この法律によって、二条の目標に従って各法律が整備されながら変わっていく、変えたいと思って基本法を提案していると、こういうふうに答えておられます。  私は、憲法の立憲主義、国家はある領域には立ち入っちゃならない、人の内面、そういうところには立ち入っちゃならない、価値からは自由であると、そういう仕分けをきちっとして、そういう国家が立ち入らないところから人間が形成されていって、そしてまた国家を形成していくと、そういう関係がおかしくなる危険性がある、こういうふうに思っておりまして、教師、学校の先生や家庭あるいは地域社会をどういうふうに変えようと大臣は思っておられるのか。  まさか、形にはまった国民、学校の先生、これでどんどんつくろうという、そんなふうなことを考えておられるとは思わないんだけれども、どういうふうにこの第二条を使って、地域や子供や学校の先生を変えようとされているのか、真意を最後にお尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほどおっしゃった十三条というのは、これは学校、家庭及び地域住民の相互の連帯協力という項目でございますからね、このことはお互いに協力してやらねばならないという記述をしているわけであって、この記述があるから地域住民にすべて及ぶんだということは私はないと思います。  それから、今先生がおっしゃったところの問題は、これは例えば人間の尊厳というか、その裏付けになっている人権、人格というものと公益というもののバランスをどういうふうに考えるかという、この長い長い立法政策上の基本的なところをお話しされているわけですよ。だから、国民の多くの人たちが納得をした方向に向かってやはり国の教育は行われていくと。そういう方向に私は国の教育を変えたいということを申し上げているわけです。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 いずれにしても……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 近藤君、時間です。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 はい、分かりました、済みません。  第二条は大変たくさんの問題をやっぱり含んでいると、これは更に徹底して論議をしていかなければならないなと改めて痛感をしたということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますが、今日また大臣、お世話になります。もう少しですからよろしくお願いしたいと思います。  今日は何点かお尋ねしますけれども、一つは、いろいろこれまで問題になったタウンミーティングの問題でございますけれども、これについては、お尋ねしたいのは、政府の方では内閣府も文科省も全く聞いていなかったと、そう考えてよろしいんでしょうか。金を配った事務屋ということですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私は寡聞にして報告を受けておりませんし、私が参りましてからここで議論がございましたので、そういうことがあったのかということを、私の直属でおりますのは官房長ですが、官房長に尋ねたら、そういう報告は来ておりませんでしたという答えでした。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 まあ大臣は御存じなかったということですが、そうすると、下の方も知らなかったという、今の話では下の部下も知らなかったということですね。だからあくまで地方だけの問題だということなんですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは非常に微妙なお尋ねでございますので、私は今先生がおっしゃったことを確認していないということを申し上げたわけですが、これがやはり将来、もしそういうことを知っている人間がおりましたら、その人間の、その職員のやはり立場にはある程度変化が出てこざるを得ない問題でございますので、今文部科学省においても、従来のラインに乗っていない者を中心にその間の事実関係をずっと調査させております。  調査ができましたら、これはタウンミーティングすべてを内閣官房の塩崎さんのところで取りまとめることになっておりますので、そこへ詳しく報告をして、そして全体としての方針を教えてもらった中で私が判断していかなければいけませんので、ちょっと各々の職員の立場にかかわることですから、知ってたとか知ってないとかということはちょっと軽々には私は申し上げることはお許しいただきたいと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 このタウンミーティングは非常に大きな問題で国民の不信を買っているわけですから、内閣としても調査委員会を設けて今調べておられますけれども、しかし早急に国民が納得するような形でけりを付けてほしいと思います。まだけりが付いておりませんからね。だから、今いろいろ調べるとおっしゃいましたけれども、早急にこの問題についてはやっていただかないといけないと私は思いますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生がおっしゃるとおりだと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 次に、昨日問題にした無免許授業の問題でございますけれども、これについては所定の手続を踏まないでそういうことが随分行われているという情報が入るんですけれども、この問題についてはどのようにお考えでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 昨日、先生が御指摘になりました免許がない者については、御承知のように、過疎地域とか少数生徒の学校において例外的に認められている免許外教授の許可がない限りは、それは違法行為と認識いたしております。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 今おっしゃったように、許可を受けていなければ違法なんですけれども、私の方には昨日もまたいろいろと、広島県では三年前にやったもので、そのときもそういうことが分かったものだから、文書訓告などの処分を二十四校受けて、一応解決したという形にはなっておりますけれども、よその県ではまだまだそういうのが残っておるという話が昨日来ましたので、調べるように今しておりますけれども、是非、文科省では真剣にこの問題について取り組んでいただきたいと思うわけであります。  それから、昨日、大臣に聞いたとき聞いたことで、例の、今問題になりましたが、態度の問題だとか宗教的情操教育の問題でございますけれども、それについていろいろな団体があると言いましたね、創価学会以外にも陳情が来ているというようなことを言われたんですけれども、私もここにたくさん、約二十個ばかりの団体から要求してきている文書を持ってきておりますけれども、何か、どういう団体からほかに来ていますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 昨日、私は創価学会ということもここでは言葉は使っておりません。どのような団体が御陳情になっているかということについては、やはりその団体のお立場がありますから公の場では申し上げない方がいいと思いますが、先生が昨日おっしゃったのは、ある団体のお名前をお挙げになったのかも分かりませんが、それ以外の宗教団体はみんな情操教育を希望しているとおっしゃったので、いや、そうではないお話が私のところへ来ているということを申し上げたわけです。それ以外にも、情操教育を希望しておられる宗教団体の中に属しておられるこの宗教従事者の方でも、個人的には私は反対だとおっしゃっている方もいらっしゃいますよ。これは、やはりそれを責めるとかどうだとかという問題じゃなくて、先ほど来お話があるように、やはりそういうお立場があるということは、それは受け止めなければいけないということを昨日申し上げたわけです。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 大臣としては公の場では言えないというお話でございますから、私的の場で結構でございますから、是非、私的であればいいわけですから、私に報告をして知らしてほしいと思いまして、どういう団体か、これ非常に参考になりますので、よろしくお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、こういう場でよろしくとおっしゃられて私は黙っているわけにはいきませんので、それはいろいろお立場がございましょうから、信教の自由とかどういう宗教をその人が信仰しておられるとか、それはいろいろなことがありますから、それは先生御勘弁いただきたいと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 いろいろ考えていって、断る理由を考えておられるわけでございますけれども。よく分かりましたけれども、その理由は。理由は分かりましたが。  それから、いろいろと議論しているんですけれども、再度大臣にお聞きしたいんですけれども、今のように、言いたいことは聞いておくけれどもと、非常によく聞いておられますよね、大臣。大変だと思うんですよね。聞けばいいんだということじゃ困るんですよね。だから、それで、せっかくこれだけ真剣に議論している私たち、本当にむなしい感じがするんですね。ここに立ちながら非常にむなしい感じがする。幾ら言ってみても、しょせんは聞いてもらえないんだということでは本当に意味がないんで、いい法律を作るということであれば、やはりおたくの方で出された法案は法案だけれども、やはり自民党と各野党一緒になって、こういう重要な法案ですから、与野党一緒になって考えていくという場面をつくっていいんじゃないかと私は思うんですよ。そうして、野党も賛成するような教育基本法であってほしいと思うんですが、大臣、どうですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 言いっ放し、聞きっ放しではいけないと思いますし、やはり衆議院、参議院を含めて国会の良識というものがございます。ですから、私は、それは提案者でございますから、今の法律が一番いいという立場は公式には崩すわけにはまいりません。しかし、議会で各政党がお話合いになっていいものをお作りになるということについては、私はそれに従わねばなりませんね、これは憲法上、国権の最高機関でございますから。  あえて申し上げますと、私が伺っている範囲では、衆議院においてもそういうお話があったやに伺っております。特に、前の国会の末期に。しかし、いろいろ政党の選挙その他の御事情があって、結局それは実現できなかったと。パワーゲームのためにむしろ実現できなかったということもありますし。  それから、私がそういうことを申し上げるのはいかがかと思いますが、先生の御提言をなるほどと思ってここで話し合って、聞いて、他の野党の皆さんが先生のお考えに同調されるとは私はどうも、先ほど来各党とやり取りをしていて、必ずしもそうは思えないんで。  国会で直すということはどういうことなんだろうと。全会一致で直すということだと、これはなかなかやっぱり、この基本法には、元々直すのには反対だという政党もこの中にいらっしゃるわけですし、だから、直すのに賛成だという方々の中だけで話していただくというのは、それはあるのかも分かりません。しかし、今の先生のお言葉からすれば、直す、元々法案に反対だと言っておられるお方は先生と同じように非常にむなしい気持ちをお持ちになるということもあるわけですね。だから、これは議会にお任せしないと仕方のないことだと私は思っております。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 全野党含めて云々もいろいろあるかもしれませんけれども、基本法ですからそういう点は、提案された大臣としては、当然、今言われたように、いいことだ、いいことだと言われるんでしょうけども、心はどうか知りませんけども、心まで入りませんけども、態度、態度。自民党の先生方もよく考えてほしいと私は思うんで、それだけに大事な法案ですから、与党の先生も心を広くしてやっぱり考えていく必要があるんではないかと私は思うわけで、強行が起きるようなことはやらない方がいいと思うわけです。  あとちょっと時間ありますんで、ごめんなさいね、一点だけお尋ねしたいのは、教育水準局の問題ですけども、あのイギリスではサッチャーさんが教育改革に成功したわけですね。これは、教育水準局というのをつくって、四千名ぐらいの非常勤の人を入れて、それで四百名ぐらいの常勤でやり終えたわけですね。そして、各学校を全部見ていって、そして教育困難校を千二百校ぐらい決めて、さらにまた一年たって解散校を決めていったというようなことで非常に大きな問題になったわけでございますけども、このことも御存じと思いますけども、そういう意味では、日本の場合も大臣のときにやはりいろいろやっていただく必要があると思うんですね。  日本の場合にも学校の中身を見るのに視学官という制度が昔からありますけども、何人ぐらいいるんでしょうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 私ども初等中等教育局の視学官は、現在実員十名でございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 わずか十名ですね。それで学校の数は大変な数ですね。  その視学官の十名がやっている仕事をちょっと教えてください。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 視学官は、文部科学省の組織規則におきまして、初等中等教育に係る専門的、技術的な指導及び助言に当たるという職務が規定をされております。  具体的には、小学校や中学校、高等学校、幼稚園あるいは特別支援学校などの各学校種別に、あるいは国語、数学などの教科等別に、さらには教育課程とか生徒指導などの教育課題別に、それぞれ各視学官が分担をした事項につきまして教育委員会等に対して専門的、技術的な指導、助言、あるいは初中局各課の業務にかかわって専門的な助言、援助などを行っているところでございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 今お答えのように、わずか十名でやっている仕事はいろいろ必要だということですけども、これで四十七の都道府県カバーできるんでしょうか。本当に形だけのことであって、実態は何もしてないことに近いんだと私は申し上げたいわけであります。  そういう意味では、この辺をもっと強化してほしいと思いますけども、大臣、どうお考えですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今申し上げました視学官以外に、国が委嘱をしている外部の専門家を入れて第三者評価を先生御承知のように全国で百二十四校、今試行的にやっております。これはあくまでテストなんですね。この結果を見まして、それからもう一つ大切なことは、教育行政のこれからの在り方、多分先生がその問題意識を持っておられる在り方をどうするかということによって今のこの教育水準局的評価を国がやるのかどうなのかが決まってきますから、そのことをかなり見極めてやりませんと、今の状態で国がこの教育水準局的評価だけを先行させるというのは私はちょっと難しい問題をやってくるなと。  さらに、いろいろ教育行政の問題になってくると、国と県と市町村間の財源の配分の問題等にもかかわってきますから、取りあえずは今テストでやっている百二十四校がどんな結果が出てきたのかをまず見て、それから少しその教育行政の流れを考えた中で今の御意見も参考にさせていただきたいと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 ひとつよろしくお願いしたいと思いますが、各県では指導主事がおって、指導主事が学校をぐるぐる回って見るんですけれども、なかなか見れないことが多いので、広島県の場合は数年前まではゼロでした。全然学校が受け入れてくれないということで、県庁にだけいるというふうな指導主事でしたが、今は指導主事はどの程度おって、全国的に何割ぐらい受け入れているか分かっていますか、文部省は。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 指導主事は、地教行法に基づきまして教育委員会に置かれる専門的な職員でございます。今、都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会に配置をされておりますけれども、数は約一万弱でございます。  それで、通常、指導主事は教育委員会事務局に勤務をして、そして、学校につきましては、いわゆる計画訪問ということで、年度初めに計画を立てて学校を訪問して教科や生徒指導にかかわる指導を行ったり、もう一つは要請訪問ということで、各学校から是非指導主事に指導に来てくれということで訪問をするといったような、それぞれの教育委員会、地域によって事情がいろいろございますので、そういったやり方で指導を行っていると承知をいたしております。  ただ、小さな市町村は、特に町村はまだ指導主事が配置をされていない教育委員会があるというのも実情でございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 今は県が中心にやっていますけど、指導主事の活用というのは非常に大事でございますから、文科省も十分指導主事の活用について御検討願いたいと思います。  そして、大臣が言われたように、文部省が指導監督することができるじゃなしに、指導監督するという形で、もっと権限持って全国のそういった学校教育をしっかり監督するようにやってほしいと思いますけれども、大臣どうでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは広い御意見を伺いながら決めなければならないことでございますので、先生の御意見も立法府の一つの御意見として受け止めさせていただきます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。  これで終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  次回の委員会は明三十日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会

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