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165回国会参議院2006/11/27

教育基本法に関する特別委員会 第3号

発言数
398
登壇者
20
会派数
6
開催日
2006/11/27

会議録

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから教育基本法に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十四日、木庭健太郎君及び小林美恵子君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君及び井上哲士君が選任されました。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に風間昶君を指名いたします。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 おはようございます。自由民主党の岡田直樹でございます。  各大臣並びに民主党の提案者の先生方には、月曜日の早朝からお疲れさまでございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。  最初に、もう再三質問が続いておりますけれども、大変痛ましい青少年の自殺について、私はマスメディアとの関連で、自殺報道の在り方についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に、この今回の一連の青少年の自殺、その件数について、いじめに原因があると思われるもの、また原因がはっきりしないものも含めて、その件数というものを政府参考人の方に簡潔にお伺いをいたしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 都道府県の教育委員会を通じまして文部科学省になされました報告を踏まえて御説明を申し上げます。  平成十八年度におきまして、小学生、中学生、高校生の自殺のうち、いじめがあり自殺がいじめに起因した可能性があると、こう考えられておりますものは四件でございます。一つが愛媛県の今治市の事例でございます。二つが岐阜県瑞浪市の事例でございます。それから、三つ目が福岡県筑前町の事例でございます。四つ目が大阪府富田林市の事例でございます。  このほか、自殺をした子供にかかわっていじめがあった可能性があるとして現在調査中であるものが三件ございます。埼玉県本庄市、新潟県神林村、山形県高畠市の三件でございます。  以上、いじめが、自殺の原因としていじめがかかわっていると考えられる、ないしはいじめがあった可能性がある小学生、中学生、高校生の自殺の事案は都合七件程度であるというふうに私ども把握をいたしております。  なお、平成十七年の事案でございますけれども、北海道滝川市の小学生の自殺につきましてもいじめが主な原因となったものとして報告を受けております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 続発をしておるわけでありまして、まだ隠れたものがあるのではないか、その可能性についても少しさかのぼってもしっかりと把握をいただきたいと思っております。  ここに新書本がございまして、このタイトルは「群発自殺」というのであります。高橋祥友という精神科医、自殺研究の専門家の方でありますけれども、群発地震ではなくて「群発自殺」という大変ショッキングなタイトルでありますけれども、この本によりますと、日本の青少年の自殺はかつて一九六〇年代ぐらいまでは世界一、二を争う高率であったと。少し減ってきてはおるようでありますが、しかし時折ぽんとこう跳ね上がる年があるわけでございます。  委員の皆様のお手元にこのグラフ、もう届いておりますでしょうか。(資料提示)口頭で御説明をしたいと思うんですが、(発言する者あり)届いていない。もうすぐ届くと思います。  はっきり言いまして、横ばいの状態なんですけれども、年によって続発をする、急に跳ね上がる年がございます。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 岡田委員、今、資料、準備中だそうですので、どうしましょうか。  ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。    〔資料配付〕

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 その典型例が、今からちょうど二十年前、一九八六年、昭和六十一年でありますが、この年の四月に、当時大変人気のあったアイドル歌手の岡田有希子さんが、これはいじめとは思えませんが、ビルから飛び降り自殺をするという事件がありまして、二週間ほどの間に三十人以上の後追い自殺が起こったと。このことは皆様も御記憶のことと思います。その際に、生々しい血の跡であるとか、あるいは自殺現場にファンが次々とお参りに来て花束をささげる、大変センセーショナルな形で報道がされました。このことも一つの原因ではなかったかと思いますが、後追い自殺が相次いだわけであります。  そして、この同じ年の二月に、東京の中野の中学校二年生が盛岡まで行ってトイレで首つり自殺をした、こういう事件も御記憶のことと思います。教室で大変陰湿ないじめが続いていて、葬式ごっこということが行われた。これは、子供たちが、そのいじめられている子供が死んだものとして、花を手向けたり、お香をたいたり、また色紙に寄せ書きをいたしました。そこに何と書いてあったかといいますと、ばあか、いなくなってよかった、万歳、ざまあみろと、こういう大変ひどい寄せ書きをいたしまして、そこに担任を含む先生方もサインをしたという事件であります。結果、この中学二年生は、自殺をするに当たって遺書を残しました。「俺だって、まだ死にたくない。だけど、このままじゃ、「生きジゴク」になっちゃうよ。」、生き地獄という大変厳しい言葉を残して命を絶ったわけであります。  このケースは、葬式ごっことかあるいはひどい寄せ書きとか、あるいは生き地獄という言葉が非常に強いインパクトを持って、言わばメディアに乗りやすい事件でありました。繰り返し大々的に報道をされた結果、まあこれは直接つなげることは良くないかもしれませんが、青少年の自殺が相次いだわけであります。  こういう一つ、二つの非常に印象的な自殺が引き金になりまして、メディアスクラムというんでしょうか、集中豪雨的な報道が続いて自殺が相次ぐのではないかというのが仮説であります。この「群発自殺」の著者の考え方であります。連鎖自殺と言ってもいいかもしれません。今回の一連の自殺にも多少そうした傾向があるのではないか、メディアとの関連を否定することはできないのではないかと、私はこう思うわけでありますが、伊吹大臣、どのように見ておられますでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今先生が御指摘になりました群発自殺ですか、連鎖反応が起こるということは、心理学者の方々もそういう説をお持ちの方が非常に多い。私も、直接何人かの方とお話をして、その御注意はいただいております。  今回、今正に先生が御質問いただいたことに対して、私の判断を迫られたことが二つございます。これは御参考に申し上げたいと思いますが、一番目は自殺予告が来たときでございます。これを公表すれば群発自殺予告が起こるんではないかということを大変心配をいたしました。しかし、同時に、これが、その文面が、水曜日までに何も起こらなければ土曜日に自殺するという文面だったんですね。ですから、もし本当の文面であれば、これを私あてに来たものを私が群発自殺予告を恐れて手をこまねいていては、尊い命がもし失われることがあれば私はやはり責任があるなと思って、それは群発予告が来ることを覚悟して公開したんです。各教育委員会もマスコミの皆さんも、ある程度抑制を持って御協力をいただきました。その後、予想したごとく、十六、七通の自殺予告手紙が参りました。この中には本当じゃないものも多分入っていると思います。しかし、来た中で、文部科学省の職員が徹夜でいろいろ連絡をしてくれた結果、本人が特定できたのがやっぱり五件ほどあるんですね。これは、結果的に対応を学校、教育委員会、御家族等でお取りになって、今まで悲しい結果にはならずに終わっていると、そういう面もございます。ですから、これ、やはり愉快犯的にやってくる人のひとつのやっぱり自制心を私は是非お願いしたいと思っております。  それから、もう一つ同じように判断を迫られたのは、私がアピールを出すべきかどうかということです。衆議院の教育特別委員会でも、大臣なり総理なりがしかるべく呼び掛けをすべきだという御意見が非常に強うございました。しかし、先生がおっしゃったようなことを非常に私も心配して考えまして、マスコミの皆さんが大変なこれは協力をしてくれたと私感謝しているんですが、私のアピールを報道すると同時に、その後の自殺の扱いについて非常にやはり抑制的に報道をしていらっしゃると思いますし、私がテレビ各社、テレビが私のアピールを読み上げると同時に、児童の、苦しんでいる子供を結果的に苦しめるような偽の予告だとか手紙を是非やめてほしいというところもきちっと映像に出してくれておりますので、今のところ私は、少なくとも公のテレビあるいは日刊紙においては極めて抑制的に対応していただいているんじゃないかと思いますし、私もまた、今の御注意は拳々服膺してマスコミ等の対応に当たりたいと思っております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 伊吹大臣の元に届いた手紙、緊急性にかんがみて非常に難しい御判断をなされて、冷静な対応をいただいたと思っております。  また、メッセージ、アピールを出されることについても迷われたということでありますが、地元で支持者とお話をする中で、あのアピールというのは大変子供にも分かりやすい言葉でじゅんじゅんと諭すように、いじめに苦しんでいる子供、また、いじめている子供について語り掛けるようないいメッセージではなかったかと、こういうふうに評価をされておりました。  その支持者の一人が、この際、安倍総理にもメッセージをという、そういうことを言われる方がいたわけであります。まあ、前途のある子供たちが自ら一瞬にして御自分の可能性を断ってしまう、それは安倍総理が掲げる再チャレンジの精神と全く正反対のところに位置するものであると思います。この御判断も難しいかと思いますが、どうか各大臣には安倍総理にそうした御進言がいただけないでしょうか。  官房長官にまずお伺いを──大臣お願いします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) このことはどこまで申し上げていいか私も迷いますが、今総理のお名前が出ましたので率直にお話をしておきたいと思いますが、私がアピールをいたします際に、総理のお名前で出した方がいいのか、私たちの、安倍総理と私の連名で出した方がいいのか、私の名前で出した方がいいのか、安倍総理とも率直に御相談を申し上げました。  ただ、これは、今大切なこの教育基本法の法案を抱えておりまして、いろいろ来ている手紙を見ましても、いろんな意図があって書かれている手紙が実はあるんです。愉快犯であれば、アピールをしたりしたものは結果的にだまされたということになりますからね。一国の総理をだまされた対象にするわけにはいきません。私もいろいろ安倍総理と御判断して、そして安倍総理の御指示で、これは文科大臣の名前で出してくれないかということでございましたので、実は総理のお気持ちも込めて私の名前で出したということを是非御理解いただきたいと思います。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 率直にお話をいただいて、ありがとうございます。了解をいたしました。  私も元記者でありまして、事実を伝える報道の使命ということは心得ておるつもりでありますし、また表現の自由とか知る権利というものは保障されなくてはいけないと思うわけであります。  ただ、今日、マスメディア、特にテレビの青少年に与える影響というものはすさまじいものがありますので、この点、先ほど大臣おっしゃったように、今回は報道各社が極めて抑制的な自制の利いた対応をしてくださったということであります。お名前を挙げて恐縮ですが、筑紫哲也さんが、ニュースキャスターが御自分の番組の中で、この自殺の報道について自分は極力控え目にしたいということをはっきりおっしゃっていました。私どもは思想的には筑紫さんと相入れないところが多いわけでありますけれども、この点に関しては非常に立派な御見識というか、これは全く同感なわけであります。既にメディアの側でそうした動きがございますが、これは今後とも抑制を利かした報道というものが必要というふうに思っております。  それでは、憲法、教育基本法の関連について、教育基本法の本論に入ってお伺いをしたいと思います。  これは衆議院の方でもどちらが先、どちらが後という御議論あったようでございますけれども、いずれにせよ不可分一体のものであると思っております。今回の改正案の前文でも日本国憲法の精神にのっとりというこの条項は残されたわけでありまして、また安倍総理が総裁選で掲げた第一の政策は憲法の改正、また就任後もそのことをおっしゃっておられます。  新しい教育基本法は、やはり新しい憲法にものっとったものでなければならないと思います。理想を言えば、速やかに憲法を改正して、しかる後に教育基本法をということになると思いますけれども、しかしこれだけ厳しい教育の現状を見ると、それまで待っていることはできない、待ったなしでまず教育基本法を改正をすると、このことを一刻も早く成し遂げるべきであると、こういう理解でよろしいでしょうか。伊吹大臣にお伺いいたします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生の御理解のとおりだと思います。そして、憲法はやはり国の最高法規でございますので、私たちが与党案を踏まえて政府案を作成する段階で、現行憲法はもちろんのことでございますが、自民党が作っております憲法草案との整合性も一応チェックをして、そしてこの法案、教育基本法の法案を提出してございますが、万々一ですね、将来国会で御議決があって国民投票に付された新憲法と、現在提出しております教育基本法が御可決いただいたとした場合、その間にそごがあるということであれば、これは基本法を直さなければならないというのは法理論上当然のことでございますし、民主党さんもやはり同じように現行憲法とそれから民主党の草案とのチェックをして現在の対案をお出しになっているということは、衆議院でも表明しておられるとおりでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 民主党案の提出者の先生方にお伺いをしたいと思います。  ただいまも伊吹大臣からお話がありましたとおり、民主党の憲法提言、これは日本国教育基本法案にどのように反映をされておりますでしょうか、お願いをいたします。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 お答えを申し上げます。  私ども民主党も正に憲法調査会と教育基本問題調査会、これを正に同時並行的に議論をこの数年深めてまいっております。私ども民主党におきましては、二〇〇五年の十月三十一日に民主党憲法調査会の民主党憲法提言というものを党としてまとめさせていただいているわけでありますが、その中で一番最初に掲げている項目は、未来志向の憲法を構想するということでございます。  憲法というのは、先生も御承知のように、正に主権者が国家機構に公権力をゆだねると同時にコントロールをすると、こういう固有の役割があるわけでありますが、と同時に、私どもはやはり国の在り方というものをきちっと宣言をしていこうと。やっぱり、どういう国をつくるんだ、どういう社会をつくるんだということについて、日本国民の精神あるいは意思をうたうということ、これも重要ではないかと。すなわち、我々は、国際社会と共存し、平和国家としてのメッセージをやはりきちっと示していこうということを憲法提言の中でも言っております。  そうした提言に呼応いたしまして、私どもが提出をいたしました日本国教育基本法におきましてはその点を前文の中で相当意識をいたしておりまして、すなわち、我々はこの教育基本法を作る上で新たな文明の創造ということを希求するんだと、こういうことを強く打ち出させていただいているところでございます。  じゃ、新たな文明というのは何なのかということでございますけれども、今まで、今、現在は正にフランス市民革命あるいはアメリカ独立革命以来、いわゆるブルジョア革命の中で、どちらかというと物質文明偏重型の社会というものが構築されてきたと思います。環境問題にいたしましてもテロの問題にいたしましても、様々な問題というのがいわゆるそのモダンソサエティーの枠組みの中で相当なゆがみが来ていると、これは人類共通の課題だと思います。  そういう中で、ヨーロッパもそうでありますけれども、日本としても次の、いわゆるポストモダンといいますか、近代の次のその枠組み、これを人類全体として新しい時代を創造していくわけでありますが、今回は我々日本国民もその人類の大きな営みの中に率先してリーダーシップを発揮していきたいということを考えて、正に物質文明偏重主義を超えて、これからは情報でありますとか知恵でありますとか文化でありますとかコミュニケーション、いわゆる物の時代から情の時代と言ってもいいかと思いますが、そういう時代をつくっていきたい、そのための人材を育成していきたいということをこの中で強く意識し、盛り込まさせていただいているところでございます。  そして、私どもは五つの基本目標ということを憲法提言の中に掲げておりまして、その中に自立と共生ということ、これも極めて重要な課題だと思っておりますし、それからこの五十年の、六十年の日本のいろいろな憲法あるいは教育基本法をめぐる議論を見ていて思いますのは、国民主権なんですね。真の主権者になれば、そんなに、何というんでしょうか、我々が本当に常識的にそして正しいと思うことを堂々と議論をしていけばいいわけでありますから、もっともっと国民主権が徹底をされれば、何というんでしょうか、不毛な議論というか、もっと実質な議論ができるのではないかなということもございまして、私どもはこの一条の中で真の主権者を育成するということを盛り込み、そして十五条の政治教育の中でもそうした真の主権者をつくっていくんだということをうたっております。  それから、世界人権宣言や国際人権規約という普遍的な人権保障というものを確立していく、これも重要だと思っています。  例えば、これは先生御承知だと思いますが、日本は国際人権規約十三条の二項の(c)で、これは高等教育への漸進的無償化条項というのがございますが、残念ながら日本はマダガスカル、ルワンダとともに、この三つの国だけこの条項を留保しているわけでありまして、せっかく教育基本法を作り直すという議論の中で、やはりこうした人権についてはきちっとこれを機会に留保を撤回をして批准をしていくということもこれに呼応した、この我々の憲法提言に呼応した動きでございます。  それから、我々民主党は五つの基本目標の中で、日本の伝統と文化の尊重とその可能性を追求し、併せ個人、家族、コミュニティー、地方自治体、国家、国際社会の適切な関係の樹立、すなわち重層的な共同体的価値意識の形成を促進することということを言っておりまして、新しい文明の創造にもかかわりますけれども、やはり情報、文化、コミュニケーションということになりますとアイデンティティーというのは非常に重要であります。  そういう中で、日本のそうした、きちっと日本を愛する心を涵養する等々のことを盛り込みながら、同時に、コミュニティ・スクールあるいは地域立学校など、共同体意識ということも大事にしていくというようなことを盛り込んでいるところでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 ありがとうございます。大変意欲的に憲法についても教育基本法についてもお述べをいただきました。どうか民主党におかれても積極的に憲法改正の論議に進まれたいと、このように御期待を申し上げたいと思います。  今回の教育基本法改正案、政府案と私どもの自民党の新憲法草案、昨年これをまとめることができました。この委員会にも関係者の方多くいらっしゃいます。私も、中曽根元総理が小委員長で安倍総理が小委員長代理という、前文小委員会の事務局を担当するという大変得難い経験をさせていただいたわけであります。  皆様のお手元に新憲法草案の抜粋がございますが、この前文はいろんな思いを込めた、文体というものは多少変更になりましたけれども、私どもが議論した要素というものはほとんど漏れなく盛り込まれたものになっておりますし、今の憲法の前文には、教育という文字あるいは文化という文字がないのが少し寂しいなと思っていたところ、この自民党案には「教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。」と、こう盛り込むことができました。また、青く書いておりますけれども、「国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る」、こうした精神についても触れております。これは、今回の政府案の二条五項の「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」態度と、この文言に対応すると思っております。  愛することは支え守ることにもつながると、こういうふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 前文の作成に御努力なすった先生の御質問でございますので、私は、質問の要旨をいただいて、一つ一つ現在の教育基本法案、提出しております教育基本法案と突合してみました。  今回は、現行法、憲法の前文には確かに教育という文言は入っておりませんで、各条に落ちておりますが、前文に入れたというのは、それだけ教育の重要性を認識をした新しい時代の憲法にしたいということだと思いますし、同時に、国や社会を愛情と責任感と気概を持って自ら支える責務を共有しというくだりがございます。ここのところを教育基本法の二条で受けて、そして、教育のところについては、教育基本法でございますから、この教育基本法には法律としては異例ですが前文がございます。その前文の中で、「我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図る」ということを明記しております。  したがって、この条項にこの基本法は、現行憲法下においてはこれはもう当然のことですが、新しい自民党憲法草案が国民の御了承を得られても、十分堪え得る内容になっていると理解いたしております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 ありがとうございます。  また、自民党の草案には、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う、こう入れてございます。これは今回の政府案の、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う、これに対応すると思います。  一部の方々は、今回の改正案を外国へ行って戦争のできる国にするものであると、こういうふうにおっしゃる方もあるわけでありますけれども、私は決してそのようなものではないと確信をしておりますし、憲法改正において平和主義や国際協調を堅持する、そのことと同時に、新しい教育基本法にもこの平和主義や国際協調が一層深められた形で書き込まれておると、こう思いますが、伊吹大臣、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生の御指摘のとおりと理解してよろしいと思います。  特に、教育基本法第二条五号は、国際化が急速に今進展をして、日本もグローバルな社会の中の一員として責務を果たし、その中で生きていかねばならないわけですから、他国を尊重し、我が国のみならず世界が平和に発展していくことを願い、そのために自らも貢献していく態度を教育の中ではぐくみたいと、こういうことを規定しているわけです。  願わくば、尊重される他国も尊重されるように行動を国連憲章の中でしていただかないと、日本周辺に今起こっているような事態になりますから、このことは無条件に他国を尊重するわけではなく、規律を持って行動をし、国際社会の秩序を守っていただく他国を尊重するということと理解したいと思っております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 消極的ではない積極的な平和主義ということで理解をさせていただきたいと思います。  次に、信教の自由、政教分離に関してでありますが、自民党案の二十条三項には、国及び公共団体は、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他の宗教活動であって、宗教的意義を有し、特定の宗教に対する援助、助長若しくは促進又は圧迫若しくは干渉となるようなものを行ってはならない、こうございます。言わば目的効果基準、判例にございますけれども、そうしたものも織り込んでおります。  教育基本法の改正案にも、宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない、こうございますが、これは相通ずるものがあると思います。政教分離も余り厳格分離にいたしますと、いろんなナンセンスなことが起きてくると思うんであります。  よく挙げられる例として、学校の給食の際に、合掌をいたしましていただきますと言ってから食べる、これは宗教的でやめた方がいいんじゃないか、あるいは教室に、例えば小学校でクリスマスツリーを飾ることはどうであろうか、あるいは修学旅行で神社、仏閣、まあ教会でもいいんですが、そうしたところを参拝する、このことについて、これはいずれも習俗あるいは一般的な宗教の教養の範囲内のものと思います。私は、教育基本法にも反しないし、これらの行為というものは、これは節度を持ってでありますけれども、学校の中でも許されると、こういうふうに解しておりますが、そのことをひとつ確認をさせていただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生が御苦労になりました自由民主党の新憲法草案二十条は、国及び地方公共団体は、社会的礼儀又は習俗的行為の範囲を超える宗教行為と、範囲を超えるということを明記いたしております。これが、例えばここで福山先生とかですね、なんかと議論がありました不当な支配というのをどういうふうに解釈するかというのは、最終的には司法にゆだねないと仕方がないということを私申し上げたのと同じように、先ほどの社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えるというのを最高裁がどういう判例を示しているかというのは、これはもう御承知のように、五十二年の津の地鎮祭の判決があるわけですね。  ですから、その範囲を超えることについては国は立ち至ってはいけないということを言っているわけであって、我々の出しております十五条二項、現在の基本法もその精神にのっとってつくられているということでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 富山で実例があったそうでありますけれども、いただきますはいかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 手を合わせるということは、これは一つの、人間としての、御苦労なすった方、自然の恵みへの感謝の自然な気持ちの発揚ですから、そのときに何か特定宗教の何とかを唱えたとか、ここは私あえて何とかと申し上げておきますが、そういう場合にはこれは非常に判断が難しいことになりますが、いただきますと言って手を合わすということがとても私は宗教行為だとは思えません。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 明快なお答えをありがとうございました。  私事で恐縮でありますが、石川県の出身でありまして、真宗大谷派、御東さんの、お寺ではありません、門徒でございます。親鸞上人の正信偈とか蓮如上人の御文、御西の方では御文章と言うそうでありますけれども、そうしたものを聞き慣れて育ってきた者であります。  しかしながら、日蓮上人もこれは宗教的に偉大な方だと思うんであります。別に公明党さんにお世辞を使っているわけではないんですけれども。伊吹大臣よくおっしゃる、元寇のときに、それに先んじて国難迫るというふうに警鐘を乱打した日蓮という人は大変偉い人だなと、こう思ってまいりました。また、聖書も時々読む人間でありまして、その人間愛というものに打たれると一日クリスチャンのようになってしまう。そしてまた、もちろん靖国神社には春も秋も、そして八月十五日にもお参りをしている私であります。  自分のことを一般化して日本国民の宗教観を論ずるつもりはないわけでありますけれども、いい加減と言えばいい加減かもしれないけれども、柔軟というか寛容というか、こういう日本人の宗教的な感性というものは、これは宗教対立が非常に激しい、紛争や戦争を起こしておる今の世界にあってはかえって貴重なものではないかと思うんでありますが、伊吹大臣、何か御感想がありましたらよろしくお願いいたします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 宗教的国民であるかどうかということは、これは非常に難しいと思いますね。  結婚式は教会でやって、子供が生まれたら七五三のお参りに行って、お葬式はお寺にお願いするということですから、一つの宗教に対してこの信仰の気持ちをずっと持っているという他の国とはかなり日本は違います。違うだけに、宗教的対立による国家の秩序の維持だとか何かがそれほど困難じゃないという面があるということは確かです。  ですから、宗教的情操と言われる場合には、特定のやはり宗教の教義を心に強制するんではなくて、あらゆる宗教に共通しているものというのは、やはり人間というのは長い悠久の歴史の中でほんの短い期間しか生きていないものだと、自然の営みに比べれば、人間というのは非常にちっぽけなものであるという謙虚さというんでしょうか、恐れおののく気持ちというんでしょうか、そういうものを私は情操ととらえて多くの人が共有されるのは結構なことだと。しかし、特定の宗教の教義をそのことに対して心の中へ入れていくということについては慎重であるべきだと。これが日本国の憲法であり、同時に、教育基本法の基本的な考えであるということでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 大臣がおっしゃいました敬けんな気持ち、そして幅広い宗教的な教養というものをこの基本法の改正の中に盛り込んでいただいたことと思います。  最後に、憲法八十九条、これも以前から議論をされてきた部分でありますが、この今の八十九条をストレートに読みますと、まあ私立学校にお金を出すことは国としてはできないと、こういうことになりますが、現実には私学を助成振興する法律もありますし、また裁判所もこれを憲法違反ではないと解釈をされております。  その点で、今回の政府案は、第八条、私立学校という項目を新設して、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めねばならないと、こう明記をしております。私は、これに対応して、今の憲法八十九条も、公の支配という多少あいまいな表現を改めまして、自民党案にございますように、国若しくは公共団体の監督が及ばない慈善、教育には支出をしてはならないと、こういうふうに明文で改正をすべきではないかと、こんなふうに思いますが、大臣の御意見を伺いたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 現行日本国憲法では、公の支配に属しないという言葉でこれを表現しております。これは先生の御指摘のとおりです。そして、自由民主党がお出しになりました新憲法草案では、国若しくは公共団体の監督が及ばないと、ここをかなり明確に書いていただいていると思います。  そこで、この教育基本法八条の私立学校のところに書いてあるのは、これは基本法でございますので、あくまで理念というか基本哲学のようなことを書いておりまして、国、地方公共団体、国会の議決に基づく法律や予算等により私立学校の振興を図るべき旨を新たに規定しているわけですから、これによって私立学校助成が憲法上オーケーになったというのは法律関係のむしろ逆転で、憲法というのはまず第一にあると。そして、その憲法に書いてあることを受けてこの教育基本法のこの条項を起こしたと。そして、この条項を受けて、言うならば、私立学校関係の各法律を今後更に整備していくことによって国の監督を具体化、具現化していくことにより、憲法上の違反にならないように阻却をしていくと、こういう方向性になると思います。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 今大臣のおっしゃった方向性は十分分かりました。ただ、大本は憲法でありますから、それが改正の際には、この点についてもはっきりと誤解のないようにする必要があると思います。  憲法を終わりまして、歴史教育について少しお伺いをしたいと思います。  伝統と文化を尊重し、あるいは我が国と郷土を愛する態度を養うという改正案の趣旨を達するためにも、歴史教育というのは極めて重要であると思っております。  今世界史の未履修の問題で、何か時間数あるいはカリキュラムのことばかり、言わばちょっと技術論と言ってもいいと思うんですけれども、議論されておりますが、やはり歴史の何をどう教えるかということもこの際に議論をすべきではないかと、こう思うわけであります。  まず、政府参考人の方に、中学校で日本史を中心に教え、また高校に入って世界史を必修にしていると、その意味について簡単にお願いをいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 現行の学校での歴史学習は、小学校、中学校で日本史を学んで、高等学校では世界史を必修としております。小学校では、人物や文化遺産を中心に我が国の歴史を学習をすると。中学校では、我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界史を背景に学習をするということになっております。  こうして小学校、中学校で日本史をしっかりと教えた上で、その上で、高等学校におきまして、世界の歴史の大きな流れを学んで、我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわり合っているということを考えさせる観点から世界史を必修としているものでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 ただいまの御説明のとおりだと思います。  ただ、実際には、世界史がどうも敬遠をされている。生徒が選択を、あるいは履修を嫌がるというのは、その大きな流れというよりは、むしろその非常に膨大な年代であったり人名であったり地名であったり、そういう史実を記憶する必要がある、そういう暗記を求められるということが受験に不利になるといったことを思うのではないかと思うわけであります。  この大きな流れ、そこに果たす日本の役割、こうしたことを教えようと思うとどうしても歴史観とか歴史認識ということにもなってくるわけでありますが、学校では史実だけを教えるのか、あるいは歴史観あるいは歴史認識に一定程度踏み込んで教えることができるのでしょうか。大臣にお伺いをいたしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 歴史認識、歴史観というのは、これは歴史を見る立場によって随分違います。例えば、今次の第二次世界大戦を大東亜戦争と呼ぶか、第二次世界大戦と呼ぶか、太平洋戦争と呼ぶか、いろいろ立場によってみんな違いますね。同時に、同じこの一つの戦争も、日本から見る立場と他国から見る立場ではかなり私はやっぱり違うと思います。  したがって、子供がこの歴史的事実をどう解釈するかということについては、やはり強制をするということは慎重であるべきだと。これは両方の意味で慎重であるべきだと思います。何か日本がやったことがすべて正しいというような記述は不適当であるのと同時に、いわゆる自虐的史観というのもまた不適当であろうと思いますから、やはり客観的事実を曲げずに、あるいは特定の歴史観によって客観的事実を誇張したりせずにきちっとやはり教えると。そして、日本の置かれていた歴史の中でのそのときそのときの日本の立場を正確に教えることによって子供に判断を促すというのが現在のやはり指導要領の基本的な考え方でございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 今からお尋ねをしようと思っていたことを正にお答えをいただき、ありがとうございます。どちらにしても、偏った歴史観はいけないと思うのであります。  祖国をのろう青年をつくれと。祖国をのろう青年をつくれと、これは恐らくマルクスの言葉であったと思います。革命をするには、その国がいかに歴史上ひどい国であったか、あるいは悪行を重ねてきたか、それで自分たちの祖先は大変悪い人たちだったと、こういうふうに純真な子供に教えることが革命への近道である。革命に至るまではそうして祖国をのろい、そして革命が成就したら何が何でも愛国だと、こういうのがマルクス主義の教育基本法ではないかなと思うわけでありますが。サッチャーの以前のイギリスでも、やはりイギリスの歴史、大英帝国の歴史を一〇〇%否定をする、イギリス人を豚のようにかいた教科書がイギリスの教科書であったり、あるいはイギリスの地図を骸骨の絵に例えてかいてみたり、こういう極端な教育は絶対にいけないと思うわけであります。  どの国にも、どの国の歴史にも光の部分もあれば影の部分もあると。その双方についてバランスよく教える。日本も過去の歴史について謙虚であらねばなりません。しかし、日本の国が世界史の中で果たしてきた大きな役割というものもやはり誇りを持って教える必要があるのではないかと、こう思っております。  世界史と日本史と高校で二つあるわけでありますけれども、この縦割りはどうなんでしょうか。先ほどお答えがあったとおり、世界史の大きな流れの中で日本の国を、歴史を教えるということであれば、いっそのこと、その世界の中の日本史というふうに統合をすることはできないかと、これは自分のアイデアとして思うのであります。記憶、暗記をする量は多少減らしてでも、そうした世界史と日本史の関連が子供にも十分理解できる、そういう教え方ができないものかと思います。  伊吹大臣、何か御感想がありましたら、お願いします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これはやはり大変、先生の御提案ですが、難しい御提案だと思います。  というのは、日本地図を見ますと日本は真ん中に書かれておりますが、多くのヨーロッパやアメリカの地図では日本は右の一番端に書いてありますね。これはファーイーストという、正に極東、一番東の端の国だということであって、日本は鎖国でずっとやってまいりましたから、日本が世界史の表舞台に躍り出ている局面というのは歴史の流れの中ではほとんどないと言ってもいいと思います、残念ながら。  ところが、ヨーロッパ大陸は全く違うんですね。ヨーロッパ大陸は、正にローマ史を教えればヨーロッパの歴史をほとんど教える、自国の歴史を教えるという期間がかなりあります。ですから、世界の歴史の流れの中で日本がどういう役割を果たしたか、日本が、あるいは世界の歴史の中でどの部分でどういう立場にいたのかという時代時代の局面はあると思いますが、大きな世界史の中で日本史を重点的に教えるということになりますと、グローバライゼーションの中で世界の文化に触れる機会を非常にやはり制限してしまいますので、世界史と日本史はやっぱり別にしなければならない。  できれば、世界史も日本史も、やはり必修、選択にかかわらず、この国際社会で雄飛したいと思う方は日本のアイデンティティーをしっかりと身に付けて世界の文化を理解していないと活動できませんから、私はその点をよく考えて科目を是非取ってもらいたいと思っております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 伊吹大臣、先日から、近代以前の日本の歴史の中で二つの大きな危機があった、一つは元寇、一つは幕末の黒船と、こういうふうにおっしゃっております。元寇のときには、あの大モンゴル帝国、まあ中国、朝鮮からロシア、東欧までのみ込んだあのモンゴルに対して日本は侵略を許さなかった。それから、幕末、維新に当たっては、大変革を成し遂げて、西洋の諸国と対抗した。  前に学生さんとお話をしたときに、この幕末、維新のことをサッカーに例えてお話をしたことがあります。日本はアジア・チームのゴールキーパーではなかったかと。もう欧米チームに押しまくられて、ほとんどアジアの地域が植民地や半植民地になっていた、その中で日本が最後にゴールキーパーとして立ちはだかったと。これがなかったら今の歴史も随分違っていたと思うんです。世界地図も変わっていたと思うんです。まだまだ植民地や独立できない国が残っていたのではないか。これは、日本の世界史に果たした大きな役割であると思います。  その後で日本はアジアの仲間の国々をけ飛ばすような、そういうこともしたわけでありますが、その点は十分に反省をしながらも、こうした世界史に果たした役割というものもしっかりと子供たちに教えていただきたいと、このことを大臣にお願いをしたいと思います。  時間も限られてまいりましたので、最後に教員の待遇や資質の向上についてお伺いをいたします。  人材確保法というものがございますが、この一般の公務員より厚遇をしているその理由について、ごく簡潔に御説明願いたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 人材確保法は昭和四十九年にできた法律でございます。この法律は、学校教育が次代を担う青少年の人間形成の基本を成すものであることにかんがみまして、義務教育諸学校の教育職員の給与について特別の措置、すなわち優遇措置を講ずることによりまして、優れた人材を教職に確保をし、もって学校教育の水準の維持向上に資するということを目的にして制定されたものでございます。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 私は、優れた人材を学校に集めるためには、この人材確保法という法律、大事だと思いますし、厚遇をしても構わないと思います。ただ、残念ながら、教壇に立つことができない、適性を欠いた方もおられるわけで、その方が厚遇を受けるというのは、これは理屈に合わない話だと思いますし、ある意味でいうと、その入口のところでみっちりと研修をなさって、それで、本当にこれは人間、向き不向きはありますから、どうしても適性がないと判断をされたら、その入口のところでまた人生の方向転換をするという、このことの方が御本人のためにもなるのではないかと、こう思っているわけでありますが、例えば司法修習であるとか、あるいはお医者さんの研修であるとか、そのぐらい、何というか、みっちり、今、教生実習とか初任者研修もございますけれども、それ以上に時間を掛けて研修をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 国民の気持ちとしては、立派な先生に一般公務員より高いお給料を払うということは抵抗は私はないと思います。ですから、立派な先生であるかどうかということが大切なんですが、立派なという言葉もこれなかなか難しいんですね、率直に言うと。で、再三ここで申し上げておりますが、従来に比べて御家庭でやるべきこと、地域社会でやるべきこともみんな学校の先生に押し付けて学校の先生を非難するという流れは、私はやっぱりちょっと一呼吸置いてほしいなという気持ちがします。  しかし、その一方で先生がおっしゃったようなことがありますから、まあこれは中教審の答申でいえば十年ごとの免許の更新制というやり方もあります。それから、学校そのものの内部評価、外部評価というやり方もあります。もっと進んで、バウチャーみたいな、や学校選択制ということもあります。しかし、一番大切なのは、今先生がおっしゃったことだと思います。教員としてふさわしい人を、まあ教職大学院も含めて、指導力も含めて、どういうふうにつくっていくかと。それから入口で、今公務員の場合は六か月だったと思いますが、教員の場合は一年ですか、の試験任用期間のようなものがあります。しかし、これが一年でいいかどうかも含めて、少しやはり将来の検討課題になるんではないかなという気がいたしております。

岡田直樹自由民主党

○岡田直樹君 研修の充実、そして学校の外へ出てしばらく民間で研修をする、働いてみる。しばらく前に「県庁の星」という本や映画がありました。県の職員がスーパーに働く、こういうことが先生にあってもいいのではないかと、多少はあるんでしょうけれども、またその充実をお願いを申し上げて、質問を終わります。  どうもありがとうございました。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。  先日、ちょっと三十分で、途中で切れてしまいましたので、続けて、いじめ問題を中心に今日は質疑をさせていただこうと思っております。  昨日の新聞記事で、いじめ問題について、補正予算を組んで緊急実態調査や相談員の拡充に取り組むということが報じられておりました。緊急策を早急に講ずべきだということは私も強調しておりましたので、こういう形で補正予算を組んでやるということは大変いいことだと思っております。  ただ、その中で言われております実態調査のやり方とか、それから相談員の配置の仕方については、これから恐らく検討して予算を組まれると思うんですけれども、そういうのを組むに当たって、本当に有効なものになる、実効性のあるものにならなければ、予算も無駄になってしまいますし、何よりもいじめ問題を解決していくということにつながらないという意味で、これまでの文科省の文部行政、文科行政がいじめ問題についてやってきたことの、特に、一九八〇年代の半ばごろと、それから九五年前後ですね、二度いじめ自殺のピークがありましたけれども、その都度、文科省は通知を発して、各都道府県教委や学校現場、地教委、現場へ指導をされてきたんですね、指導の徹底ということで。私いただいた分でこんなに分厚いものがあるんですが、出された分だけでですね。  しかし、事態は改善されなくて、やはり繰り返しているということがあると思います。文部行政だけに責任があるということを言いたいのではありません。こういうふうに指導通知を出して、そして各学校や教育委員会で様々な取組がされてきたはずである。それが、どこがうまくいってどこが足りなかったからまたこういうことが繰り返されているのかという、その総括といいますか反省といいますかはどのようにされてきたのか。  私は、反省すべき点はそれぞれの場で反省しなければいけない。そういう意味で、文部科学省として、これまで二度三度通知を出して、このピークに対して緊急対応なり学校での長期的な取組ということを促してこられたんですけれども、それでも繰り返しているということで、私は、責任の一端として、文部科学行政として、このいじめ問題の、やはり自殺を防げなかったということについての反省を是非お聞きしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、いろいろ、社会問題になった都度それなりの努力をしていたと思いますし、先生も学校現場で教諭をしておられたと思いますが、参議院の文部科学委員会でしたと思いますが、水岡先生が御質問になったときに、御自分のやはり教壇に立っていたときの御経験をおっしゃって、自分がこういうことがあったということのお話を私は大変感銘深く伺いました。  実は、自殺とかって数字に出てくるとマスコミは大報道して、そして、だれがけしからぬ、これがけしからぬという話になりますが、実は、学校現場の先生方も大変な御努力をなさっているから、表に出ていない、うまく収められたことが一杯あるということはまず御理解をしていただきたいと思うんですね。  文部科学行政もやっぱりその一部は果たしていたということを理解した上で、私が反省点として、後で、私が参りましたのはこの九月でございますから、私が批判をするということになると、後講釈では何でも言えるよと、結果だけ見てなら何でも言えるよという非難を私は受けると思いますが、あえて御質問ということでお答えをすれば、一つは、これは再三ここで議論になっているように、教育行政について文部科学省がどこまで学校現場に立ち入れるかということの裏にあるようなことですが、出していただいた数字をやはりそのまま足し算をして公表していたという事実。それからもう一つは、いじめが少ない学校がいいんだという指導にとかく偏りがちであったために、自分を良く見せたいという学校管理者あるいは教育委員会あるいは教師そのものが、どうしてもやはりそのことを表に出したくないという雰囲気を助長してしまった指導があったんではないかなと。しかし同時に、各教育委員会の担当者に再三来ていただいて、こういう形で収められたよと、こういう連絡があってこういうことをすればうまくいったという成功事例もたくさんお示ししているんですね。  ですから、学校現場の先生方も私、先ほど学校の先生方だけを責めることは一呼吸置いていただきたいということを申し上げたように、みんなが努力をしているんだということは確認をした上で他人を責めるということを始めた方が私は建設的じゃないかと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 私も冒頭言いましたように、文科省を責めるためではなくて、これからの取組が本当に実効あるものになるためにこそ、どこが足りなかったのか、どこが間違っていたのかということを含めて、反省をそれぞれがやらなきゃいけないという意味で今申し上げたんです。  それで、今大臣おっしゃったように、一つは数字でいじめを見てきたというところの問題点というのは非常に大きいと思います。これは、これから実態調査をやり直すというときに十分検討されると思いますが、是非私は今日は、もう私も学校現場を離れて十年ほどたっていますので、そうなると随分やっぱり学校も子供たちの生活背景も子供自身もいろんな意味で環境が変わっていますので、実態を十分に私自身が把握できていないところがあるのではないかと思って、この休会中の三か月間、全国の学校を回ったり、先生方のお話聞いたり、校長先生のお話聞いたりしてきました。今回のこの自殺が連鎖して起きているという事態で、直接今学校でやっている先生のお話も最近聞かせていただきました。今日はその辺を是非、ほんの一部だと思いますけれども、全国に共通する課題ももしかしたらあるかもしれないという意味で、御紹介しながら質問させていただきたいと思います。  その前に、十一月十六日付けに、南日本新聞ですかね、のコラムに、ああこういうことになっているんだという記事があったんで、ちょっと御紹介しますが、あるベテランの小学校の先生から聞いた話ということで紹介されていました。  皆さん、と呼び掛けても全く自分のことと思わぬ子供が増えてきている。○○君と個人名で呼ばないと反応しない。自分のことだけを見てほしいという子供が年々多くなっているのだという。家庭崩壊や生活苦。親子のゆったりしたコミュニケーションが失われ、子供たちは満たされぬ寂しさをかばんに詰めて学校に通っている。子供一人一人の暮らしの文脈が分からないと、教室の言動も理解できない。学校はそんな難しい時代になっている。地域社会の崩壊で、社会性を育ててきた子供集団も失われている。  学校がこんな難しい時代になっているということの認識を、行政に携わっている大臣も含めてですけれども、これまで文部科学行政に携わってこられている人たちがどれぐらい認識されているのかということをここでお聞きしてもいいでしょうか。というか、やっぱり現場で今やっている先生、私と同い年、あと二年残してもう現場を去ったという先生方も、小学校の先生ですけれども、なぜかというと、やっぱりこの学校で変化していく子供たちにこれ以上向き合っていると自分自身がつぶれていくということで現場を去っていく本当にもったいないベテランの先生が何人もいらっしゃるんですね。  ある中学校の先生から聞いた、これは地方都市の中学校の事例ですけれども、三百六十人ぐらいの学校で、その学校、この一か月ぐらいで五件ぐらいやっぱりケアが必要な子供さん、相談が来ているということで聞いたんですが、例えばその一人は中学二年生の女の子で、母親と再婚した義父、義理の父親と弟の四人家族で住んでいるけれども、義父の母親への暴力、DVにさらされていると。母親が殴られるのは自分が悪いからだ、例えば義理のお父さんは自分に対して、おふろの使い方が悪いだの、お皿の洗い方が悪いだの、服装はどうしたんだというふうに、もういろいろ、まあ父親なりの子供像があるんだろうけれども、そういうしつけをされようとする。それに対して、やっぱり自分は自分で反発もあるし、行き過ぎたときに母親がそれを止めようとすると母親に父親が殴り掛かるということで、母親は殴られて、それを見ている弟は恐ろしくなって家を飛び出していったり、自分も自分が悪いから母親がこんなになるということをずっと思い詰めながら学校に来ているわけですね。何となく表情も変だから先生がどうしたのというふうに声を掛けると、その場でわっと泣き出して、そして事情をぽつぽつと話し出すというような子供の例とか、それから、いきなり母親が父親の暴力によって鼻の骨を骨折するというようなことがあったり、それから父親が包丁を持ち出して母親に暴力を振るおうとするというような事例とか、それから両親がやはりこれも離婚して、母親は実家へ逃げ帰ってきている、父親に見付からないように毎日息を潜めて生活をしながら学校に通ってきている子供。また、両親の不仲で、母親が子供のために我慢しているのを見て子供は悩む。母親が子供のためにということで父親にいろいろ言われることを我慢して、そこで離婚しないでいるということに対して子供が悩んでいる。また、両親が再婚して、母親がいないときは義父が怖くて、まあ性的虐待も多分危険を感じているんだと思いますが、自分の部屋にいつもかぎを掛けて部屋に閉じこもっているしかないというような、だから家にいてもゆっくりくつろげないと。そういういろんな事情を抱えて学校に来ている子供が、この一か月で五件と言っていましたけれども、増えているということは容易に想像できるんではないかというふうに思います。  こういう学校の実態の中で、こういうことをどのように認識しているのか。そういうことがないとやっていることがずれてくるんではないかというふうに思うんですが、今のような子供たちの現状について大臣はどのように認識していらっしゃいますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、先生、二つあると思いますね。当面、そういうひどい状況になっているのであれば、それが、先生もお断りになっていたように、日本すべてがそれだということではないけれどもということをおっしゃっておりますから、そういうひどい状態に対してどう対応していくかということが一つありますが、なぜそういう現象が学校で起こっているか。  今、御父兄のことをずっとおっしゃいましたね、義父だとかどうだとか。これは一種の社会現象なんですよね。大きな社会の病理、その病理の中での一つの表れが学校という現場に現れているわけですよ。この病理をどう直していくか。一番最初に先生が今読み上げてくだすった新聞のコラムをもう一度読み上げていただくとよく分かると思うんですが、個人主義的なということがずっと言われましたよね。その新聞のコラムに書いてありますね。正にそこを直さなければいけないんですよ。  ですから、現行の教育基本法とか現行の憲法というのは決して悪いものじゃないです。非常にいいことが書いてあります。しかし、いいものも時代が変わってくると、いいものだけですべてが解決できない。ちょうど、日本が余り食べるものがないときには、お肉を食べろ、牛乳を飲め、バターが栄養にいいということを再三言ってましたが、今それを食べ過ぎたらメタボリック症候群になり、そしてコレステロールがたまるからというときは新たなスローフードがやっぱり出てくるんですね。そのやっぱり社会の状況に合わせて教育基本法や諸法令をやはり変えて、六、七十年掛けて今の病理が出てきたのはやっぱり六、七十年掛けて返して元へ、いい方向へ持っていくという長期的な仕事と、それから当面どうするかという仕事と、二つにやっぱり分けて考えねばなりませんから。  例えば、これは不十分かも分かりません、それは御批判する立場からいえば不十分かも分かりませんが、ケースワーカーだとか何かも充実をしながら少しでも対応していこうというのが現実的な手法としてあるということです。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 私はちょっと今大変ショックなんですが、新聞コラムで紹介した、皆さんと呼び掛けても反応しない、個人名で呼ばれないと。これは個人主義ではないですよ。そうではなくて、やっぱり子供たちが自分を大切にされているとか、自分に目を向けてほしい、されていると思いたいと。されていないと感じているから、だから学校に来ても、個人名で呼ばれたら安心できるし、以前に比べて先生にやっぱりだっこされたいとかスキンシップをしてもらいたいというような子供たちが増えているんで、これは個人主義とかではないんですよね。  という認識で、そういう子供たちが今様々な家庭や地域での生活の苦しみや悲しみを背負って学校に来ている。そういう状態に、学校は、これは家庭ですることだから家庭教育に任せるべきだとほうっておけないんですよね。そういうことを理解した上でないと授業が成り立たないという。学校は授業し教育するところですから、それを成立させるためにはその背負ってきているものにも対応しなければいけないという意味で、そのことを文部科学行政をするときに理解をしていただいているのかということを私は言いたいんです。  この前質問したときにも、先生方は様々な負担が増えて大変になっているというふうに大臣も理解していただいていたと思っていたんですけれども、理解していただいているその理解の中身がちょっと違うんじゃないかなというふうに今私は思いました。  もう一つ事例ですが、これは、いじめが起きて、そのいじめに対して、どんないじめかというと、ある子は過敏性大腸炎で一日に何度もトイレに行かなければいけないというふうな身体的な状況があって、学校でも。男の子です。で、トイレに行かなきゃいけない。しかも大便。男の子が大便所に行くということは、今中学校では非常に、何というか、その子にとっても大変なことだというふうに聞いていますけれども、それがおかしいとは思いますが、ある日その子が行ったら、ほかの子が後ろから、やっぱり授業中ですが、トイレと言って追い掛けていって、トイレの扉の上から水を掛けたらしいんですね。で、トイレでトラブル、つかみ合いになって、保健室に来て、保健室で事情を聞きながらそのケアをして、両方に対して指導しなければいけない。そして、そんなことはやってはいけないことだということを周りの生徒にも指導しなければいけない。しかし授業は進んでいる。授業をする人と、その場で対応しながらケアをする人と、そして周りの子への指導もどこかで時間を確保しなければいけないというような、これは一例ですけれども、そういったトラブルがあちこちで、あるいはいじめが発見されたときにそれに対応する時間と人がいないというような現状があるんですが、そういうことについてはどのようにお考えですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生、その前にちょっとお断りしたいと思いますが、先生が先ほどお読みになった南、その……

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 南日本新聞。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 南日本新聞のお読みになった最初のところ、皆さんと言っても返事がないと、何々君と呼ぶ。しかし、その後ずっとあって、この個人主義的っていう文章があるんじゃないんですか。だから私申し上げたと思うんですが。もしなければ、私の聞き違いでお許しをいただきたいと思いますが。  それで、今先生がおっしゃってるような個別の事案というのは、非常に私大切なことだと思います。それは何ら否定いたしません。しかし、それはやはりその現場で教師が対応していただかなければならない問題であって、ただ教師の力を超えるような、いろいろな制度的あるいは予算的制約があるというのであれば、それは都道府県教委やあるいは文科省がそれに対応しなければならないわけでして、個別の一つ一つの事案についてどう思うかということを国会でやり始めたら、これは、きめ細かくはやらなければいけませんけれども、やはり制度論、予算論、法律論を中心に、今先生がおっしゃってるような事案に対応していくやはりこの仕組みを考えていくというのが我々の役割なんじゃないかと私は思うんです。  ですから、温かい心を持ちながら、しかし冷静な判断を持って大局的に、そういう事案が起こっているからこういう人員が不足している、あるいはこういう予算がこうだからどうするんだということについて御質問があれば、私はそれにお答えしたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 私は正にそれが言いたいんで、こういうふうに、いろんな問題が起きたときに対応できる人がいないと。  お話聞いたところでは、例えば中学校であれば、各学年に一人こういう問題に対応できる、みんな今授業に、教科を持っていますので、がちがちなんですね。で、こういう問題に即対応できる人がいないので、各学年に一人ずつ生徒指導なり生活指導、何でもいいんですけれども、専任で対応できる人が今必要だということがあるんですけれども、それについてはいかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ですから、それは国民負担との間のバランスで決めていることですからね。それから、学校現場で忙しいというのは、総論としては私はよく理解しているんです。それは時代の流れからいけば、当然学校の先生は大変だろうなと思います。  しかし今、いろいろな世論調査を見たり、あるいは保護者のお話を伺ったりして、学校の先生にこうしていただきたい、こういうことをしていただきたいということに対して、必ずしも納税者が満足をしていないから、バウチャーだとか選択制だとか免許制だとかどうだとかいろいろな問題が出てくるわけですから、これはやはり実態をよくつかまえて、そして、先生がおっしゃってることも一つの御意見として私は尊重します。しかし、全体的な調査でなるほどそうだと納税者が理解をしてもらった上で必要な措置は講じていきたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 先生方が忙しいから、楽をしたいからではないんですよね。実際に目の前にいろんな寂しさや悲しみをかばんに詰めて学校に来ている、その子たちに対応しない、しないと授業ができない。そして、ほかの仕事に気を取られて子供たちに目が行かなくなって、その結果いじめを見逃してしまったというような、常に自分の仕事と子供たちのそういう生活背景との間でジレンマに陥っているので、本務なら本務で授業をきちんとできるように、そういういじめ問題などに、あるいは不登校で、本当に不登校の話も一杯あるんですけれども、これに対応できないそのジレンマの中で先生たちが今苦闘しているということを認識した上で、予算が足りないとかいろいろあると思います、無尽蔵に人が配置できるわけではない。  しかし、例えば、この前もちょっと紹介しましたが、東京大学の基礎学力開発センターが公立小中学校の先生方にアンケートを取ったら、今文部科学省がやっている教育改革、様々な教育施策は学校現場が今直面している課題にマッチしていないと、対応できていないというふうにはっきり答えている人が八割近くいるんですね。そういう総合的なことを考えて、現場の実態を見て行政をやっていただきたい、人も配置してほしい。先ほど言いましたように、現場ではとにかく人が欲しいというのが、これは私が言っているだけではなくて、多くの現場の校長先生たちがおっしゃっていることですけれども、それについてはいかがですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど来るる先生からお話がございますように、学校の現場では子供たちのそれぞれの家庭の問題ですとか、あるいは先生方の言わば指導体制の問題とか、いろいろな課題を抱えながら取り組んでおられることは私どもも承知をいたしております。  基本的に私どもといたしましては、学校というのは学習指導、生徒指導、こういうものが車の両輪として運営をされていくわけでございますので、基本的に学習指導に必要な教職員の確保及び生徒指導に必要な教職員の確保並びに協力体制の確立ということを実情を把握をしながら行政として取り組んでいかなければならないと思っております。  基本的には、生徒指導に関しましては、問題を抱える学校に対します加配教員の配置でございますとか、あるいは非常に問題が起きた場合には、教育委員会からの指導主事の派遣等による支援とか、いろいろな措置を講じているところでございます。また併せて、子供たちの悩みにこたえられるような教育相談の充実という観点から、養護教諭の配置改善あるいはスクールカウンセラーの充実といったようなことにも取り組んできているところでございます。  それぞれの学校によりましていろいろな事情があろうかと思います。現場を抱える教育委員会がそういうところを十分判断をして、国として講じておりますそういう教職員定数の中で適正に取り組んでいただけるということを私ども期待しているわけでございます。  なお、先ほど来のお話の中で、やはりこれまでのいじめの問題を含みます子供の問題について、私ども文部科学省のこれまでの対応について反省すべき点は何かということもございましたが、先ほど大臣の方からもお触れをいただきましたけれども、やはり各学校から上がってくる数字をそのまま集計をしていたという私どもの実態把握の甘さということは、私どもこれは十分に反省をしなきゃいけないと思っておりまして、実態把握につきましては、今後専門家の御意見もよく聞いて、その方法について改善を加えていきたいというふうに思っているところでございます。  また、学校における姿勢につきましても、いじめの問題が少ない方がいいということではなくて、いじめはどの学校でも起こり得ると、どの子供にも起こり得るということで、むしろそういう問題が起きたときにそれをいかに取り組んで解決に向けて努力をしたか、その方がいじめの件数の多寡よりも大事なことであるということは既に平成八年以前から私ども強調しているところでございますけれども、今回もまたそのことについては徹底を図っていきたいということで今指導を行っているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 ああいうことも、こういうことも、いろんなことをやって精一杯努力しておりますということは分かりますけれども、例えばスクールカウンセラー一人配置にしても、今、この前も聞きましたら、配置率は七五・何%、中学校ですね。そしたら、あと二五%、一〇〇%にすればいいのかというふうについ思いがちですが、実際に配置されているのは週に一回、何時間かなんですよね。これでこのカウンセラーが本当にその学校の、いろんな課題を抱えて相談に行きたいという子が相談に行けるのか、あるいは相談に行ったその子がその後どういう日々、生活をしているかということをカウンセラーが把握できるのかという実効性から見ると、本当に言葉で言っているだけでは駄目なんですよ。  もちろん、予算の限界分かります。しかし、金を子供たちにもっと掛けようというぐらいの決断をしないと、もうあれもこれもいろいろやっていますから、先生おっしゃること分かるけれども、限界があるんですということでは駄目なんじゃないかということを改めて申し上げて、時間がありませんので今日はこれで質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。  私、まだ現職の医者として診療を続けておりまして、不登校と引きこもりと拒食症の患者さんの診療に当たっております。そこの中で、家庭教育や、それから学校教育だけでなくて、地域の在り方、様々これ社会の問題だと思っていますが、そういう問題が随分僕はあるなと。その観点からと、それから今日は、基本的には法律にのっとって逐条審査をさせていただきたいと、そう思っております。  まず最初に、基本的なことをお伺いしたいんですが、この新しい教育基本法に定めている教育の定義を教えていただけますでしょうか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  教育に関しましては、学校教育のみならず家庭における教育、各地域において行われている社会教育を始めとする教育、これらをすべて含むものと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今おっしゃった内容は、この法律のどこの条文に書かれていることでしょうか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  教育基本法の中で教育というものに対する定義は行っておりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 教育基本法の中で教育の定義を行わなかった理由を教えていただけますか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 教育基本法に関しましては、教育一般についての基本を定める法律でございますので、特に教育に関しまして定義は設けておりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 教育一般の基本法で、基本になるものですから、教育とは何なのかということを明示していただかなければ基本法はでき上がらないんじゃないでしょうか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 教育につきましては、この中で、教育基本法の中で、学校教育、社会教育、そして家庭教育についても条項を設けまして規定をしておるところでございまして、トータルとして、こういうものに関しても教育基本法が包括しておるということは明らかになっておるものと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今答弁で、この条文の中にないって最初おっしゃったじゃないですか。自分で言っておきながらそうやって訂正するようないい加減な法案の内容を出してくるということ、そのもの自体私は問題だと思いますが、大臣いかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、教育基本法というのは教育の基本を定める法律ですから、この法律すべてが教育の在り方を表している。だから、今政府参考人が答弁をいたしましたように、義務教育、そして大学教育、私立の在り方、家庭教育、社会教育、この法律の各条文すべてが教育の正に定義そのものであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そこの定義の中で、これがすべてだというお話になるのかもしれませんが、なぜかというと、すべてが例えば教育の目的であるとか教育の目標であるとか、すべて教育はこういうものなんだ、教育は、例えば目標なら目標を達成しなきゃいけないと。そうすると、どういうものが教育であるのかということが明示されない限り、どういうことが行われていくのかということが、僕はこれ全く分からないんだろうと思うんですね。  ですから、改めてお伺いしたいのは、そうすると、ここの条文に書かれていることすべてが教育であって、逆に言えば、ここの条文に書かれていないことは、すべてが網羅されていてこの条文以外のところには当てはまるものはないというふうな作りになっているんですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ちょっと御質問の趣旨がよく分からないんですが……

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 もう一回、もう一度質問します。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 日本は御承知のように……

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いいです、じゃ、分かるようにもう一回質問します。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いやいや、ちょっと一応お答えします。  日本は、先生、法治国家ですからね、国権の最高機関である国会が決められたものが正にその定義そのものなんですよ。ですから、ここに書かれていることに漏れているということがあれば、具体的におっしゃっていただいて、ここへ書き込まなければいけませんね。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私は、まず私の考えではなくて提案者の意図をお伺いしたいわけです。そこのところは勘違いしないでいただきたいんですが、提案者として、今回、教育とはこういうものなんだということを法文上に全部盛り込まれたと、つまり相当御検討されたからこそこういう形で出てきたんだと思いますが、これで政府としてはすべて網羅されているというふうにお考えなんですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 提案者としてはそのように考えておりますし、同じことは民主党の案についてもいかがでしょうか。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ええ、分かりました。ありがとうございます。  そういうその中で、もう一つ分からないのが、なぜその教育基本法そのもの自体をこの時期に変えていかなきゃいけないのかということなんだろうと思います。  私も今の、現行の教育基本法で教育を受けた人間でして、伊吹大臣もそうですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) はい。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そういう意味で、私、まずちょっと、伊吹大臣と私が本当に親しくさしていただいている塩崎大臣に御意見、御所見をお伺いしたいんですが、我々は現行の教育基本法で教育を受けた人間ですが、我々って何か人格的に不適格であるとか、それから教養の面で足りないとか、何かそういうことってあるんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、簡単なことなんですよ。これは、例えば時代の変遷とともにやはり変わってくるわけです。私は小学校一年生でした。ですから、新しいこの教育基本法で教育を受けている人間なんですよ。あの時期はどういう時期かと考えれば、みんなやはり戦前の反省があって、そしてこの教育基本法ができ、憲法ができ、そして社会は動いていった。  ちょうど食べるものもほとんどありません。先生はまあもう少し恵まれた時期にお生まれになったかと思いますが、我々は芋のつるの入ったほとんどお米のない雑炊を食べながら育ってきましたよね。そのときには、健康を維持するためには牛乳を飲め、卵を食べろ、お医者さんだからお分かりになると思いますよ。そして、卵や牛乳は今でも大変栄養のあるものなんですよ。  だから、現行の教育基本法は別段悪いことはないんですよ。しかし、現行教育基本法に書いてあるとおりやってくると、卵を食べ過ぎて、そしてミルクを飲み過ぎるとメタボリック症候群だと、あるいはコレステロールはたまると。そういう事態になるときは付け加えなければならないものはたくさんあるんですよ。それはスローフードの、ファストフードからスローフードの時代になるんですよ。そして、卵も牛乳も栄養的にはいいものだけれども過剰摂取をしちゃいけないよという、過剰摂取できる時代になればそういうことも書き込まなければならないんですよ。  だから、国際社会にこれほど日本が大きな立場に立ったんだから、日本は日本のアイデンティティーも持ちましょう、国際社会の立場も考えましょうと。当時は大学に進学する人は非常に少なかったわけですよ、私学に入る人なんというのも本当に少なかったわけですよ。だから、私学の条項を書き込み、大学教育の条項を書き込んでいるわけですよ。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、伊吹大臣がおっしゃったとおり、昭和二十二年に作られた今の法律でありますから、特にどこかに欠陥があるということよりは、世の中随分変わってしまったと。発展途上国だったわけですね、日本は、その当時は。それが今お話しのとおりいろいろ変わってきて、私学の話もそうですけれども、今回家庭教育とか地域教育とかいろいろ入れる。当時は恐らく家庭教育だのいうようなことをわざわざ言わなくてもいい、家庭でのしつけとかいろんなものがあったんだろうと思うんですが、まあ今は入れないといけないという時代にもなっている。  そういうことを考えてみれば、時代にふさわしいものを絶えず見直していくということは大事な考え方だろうと思いますので、あらゆるものについて、法律、まだ実は随分古い法律があって、全く今の時代に合わないというものもないわけではないので、我々国会議員としては、与野党を問わずこれは見直しをやっぱりいつも図っていかなきゃいけないし、また民主党もこうやって新しい対案を出しているということは、今の法律では十分ではないと多分思っていらっしゃるから出してこられるんではないのかなというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  そうすると、現行の教育基本法は問題がないと、しかし足りない部分があるから追加するということでよろしいんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは是非、同じ党に属しておられるわけですから、民主党のお立場も提案者にはっきりと聞いていただきたいんですが、衆議院のときに今先生の御質問のことについていろいろやり取りがありました。そのときに、自公で提案、自公で審議をなさり政府へお渡しいただき、政府が今回提案するその自公での提案のときの責任者であった保利耕輔先生が次のようなことをおっしゃいました。まず、部分改正でやるのか、全く否定をして全面改正でやるのか。前の法案の精神を受け継ぎながら、新しい時代に合うように全面改正にする、つまり新しい法案じゃなくってですね。ところが、民主党さんは全面改正でしょう。全面改正というか全く新法でしょう。新法でしょう。  だから、前の精神と、民主党の、先生が属しておられる民主党はどういうお考えなのか。我々は、現行の教育基本法のいいところを引き継いでいき、そして時代に合ったように新しいところを入れていくために全文改正という法形式を、立法形式を取っているということです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 よく分かりました。  このことちょっと、ここを続けて聞きたいんですが、溝手大臣のちょっとお時間の都合がありまして、午前中で何とかと言われましたので、ちょっと済みませんが、このことについては午後からまた詳しくやらしていただくとして、もう一つ、非行の問題で極めて興味深いデータが出てまいりました。それは何かというと、これは警察庁生活安全局少年課で平成十六年の五月にまとめた研究書でして、これは何かというと、「青少年の意識・行動と携帯電話に関する調査研究」報告書でございます。  そこの中で、中学生の男子、中学生女子に限ってですが、携帯電話を持っている場合、持っている人の方が非行に走る確率が高いと。これは中学生の場合は、中学生の男子と女子に関しては明らかな有意差を持ってデータが出てまいりました。ところが、高校生とかになってくると、そこは全然関係ないというようなデータが出てきております。  ここのデータを考えた上で、携帯電話そのもの自体の所持について私は検討するべきではないのかなと、そう思いますが、溝手大臣、いかがでございましょうか。

溝手顕正自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(溝手顕正君) お答え申し上げます。  御指摘のように、中学生は三人に二人携帯電話を持っていると言われている現在では、携帯電話の問題について極めて大きな関心を持って対応することが必要だと考えております。  先ほどございました警察庁が平成十六年五月に取りまとめた調査研究では、携帯電話を持っている中学生は持っていない者に比べて、夜遊び、飲酒、喫煙の経験率が著しく高いということが示されております。  もっとも、携帯電話を所持したことが直ちにその原因になるかということについては必ずしも明らかではないわけですが、携帯電話には子供たちにとって有害な情報がはんらんしているということは事実だろうと思いますし、中学生などの子供が携帯電話を所持することで非行や犯罪に巻き込まれる危険性が極めて高いということは認められるんではないかと、このように思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや大臣、これ、大臣今明らかではないとおっしゃいましたが、これ統計学上、一応ピアソンのカイ自乗の、要するに両側検定上、相当高い有意差を持って認められると。これは、バックグラウンドもきちんと全部やられてこの統計を取られているからこういう結果が出ているんだろうと思いますが。  つまり、これだけの研究をやられて、私はこのデータそのもの自体がまず有意性を持っているので明らかだという判断を下すべきではないのかなと思います、研究者の一人として申し上げると。大臣、それはどうでございましょうか。

溝手顕正自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(溝手顕正君) 私は研究者というほどの見識は持ってないんですが、極めて大きな相関関係があることは間違いないと思いますし、私個人としては携帯電話が大きな影響を与えていると思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  もう一つ別な観点から携帯電話についてお伺いしたいんですが、携帯電話を使うと子供の方が例えば脳腫瘍に起こる確率が高いとか、そういうことが実はデータ上出てきているものもあります。ただ、この国では基本的にまだそういうデータを取ってきていないので、携帯電話そのもの自体の安全性ということを問われておりませんが、例えばイギリスなどは基本的に言うと使わない方がいいんじゃないかという勧告までなされております。  そういう体の面から考えて、柳澤大臣、携帯電話に関してどうお考えでございましょうか。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 携帯電話の健康への影響に関しましては、海外において、今先生お触れになられたように、いろいろな研究報告があることは承知をいたしておりますが、現時点で統一的な見解が確立されているというふうには理解をいたしておりません。  我が国におきましては、国立保健医療科学院におきまして、厚生労働省の科研補助金を活用しまして、平成十五年から十七年まで、携帯電話の発育段階の脳に対する暴露影響評価をラットを用いて行っておりますが、本研究では、現在の携帯電話で使用されている程度の電磁界強度では脳の機能に対する影響は見られなかったということでございます。  いずれにいたしましても、今後とも私ども、電磁界関係省庁担当者連絡会議がございますので、ここを通じまして、携帯電話を含む電磁界の健康影響については国際的な動向も含めまして情報収集等に努めてまいりたいと、このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 まあぼつぼつ出始めていって、最近出てきた話では、ちょっとこれ原本当たってないので、ちょっとこれは違っているかもしれませんけれども、脳血流が五分の一ぐらいになるというふうにおっしゃっている方もいらっしゃるんですね。  ちなみに、私は化学物質過敏症で、電磁波過敏症で、僕はカメラ付きの携帯が使えません。カメラ付きの携帯を使うと目まいがしてきて、体が動かなくなるような症状が出てきて、私は正直なところ使えません。最近、これが全部携帯電話だと申し上げる気はありませんが、原因不明の目まいを訴える人たちが増えてきておりまして、それがどうもそういったものに関係しているんではないんだろうかと。  それから、この間、参議院の財政金融委員会である証券会社に行ったところ、私だけではなくて、ほかの方、議員の方、あと二人ですが、全部合わせて三人ですが、目まいを訴えてその場にいれなくなった。それは何かというと、ディーラーさんたちがパソコンを六台抱えてやっていらっしゃる。そこの中に行くと私はもう目まいがしてきて、残念ながらずっといれないと。やっぱり聞いてみると、仕事の最中具合が悪くなるという人が随分いらっしゃるんですね。ですが、そういう検討が全然なされていないと。つまり、便利になってきているもんですから、それがないと仕事ができないから仕方がないから続けているけれど、本当にこれが安全なのかどうかということを早急に確認すべきなんだろうと思うんですね。  もう一つは、じゃ、警察庁がなぜ携帯電話についてこれだけ調査をしたかといえば、非行なりなんなりとの因果関係があるんじゃないかという前提があったからこういう調査をされたんだと思うんですね。今、いじめだ何だっていろんな問題が起こっているし、青少年の非行だという点も問題視されているようなことであるとすれば、いろんな観点から便利になった社会そのもの自体がいいのかどうかの検証も必要なんですよ。  例えば多重債務の問題一つにしても、皆さんは金利の問題だけ議論されていますが、それ以上に私が大きいと思っているのは、自動契約機の方が全く影響が大きくて、自動契約機の台数が増えたのと同時に債務者そのもの自体の数が増えてきていると。ですから、便利になることはいいことなのかもしれないけれど、しかしそのことそのもの自体がむしろ我々にとって大きな悪影響を及ぼしているような感じがしております。  まずその点で、塩崎さん、内閣として僕が是非取り組んでいただきたいのは、こういう問題含めて、子供が不必要に携帯を持つということをむしろ、やめろとは言いません、これは民間企業のこともありますからやめろとは言いませんが、国として何らかの方向性を打ち出すことは大事なことではないのかなと思いますけど、いかがでございましょう。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 通告がなかった御質問なので私の考え方だけ申し上げると、今おっしゃったように医学的にもいろいろな考え方があり得るということ。それで、まあこれは総務省でもいろいろとやっていただいて、研究をしていただいていますし、引き続きやっていかなきゃいけないだろう。今はその有意なデータ、証拠がまだないという段階のようでありますが、しかし一方でそういう研究も外国では行われているということで、引き続きこれは研究をしていくべきだろうと思っておりますが、一方で、子供の場合の、先ほど犯罪との関係、非行との関係がありました。  それについては注目をしていくべきだろうと思いますが、この相関関係というのはいろんなものの複雑な要素で決まってくるものであって、確かにそれも一つかも分からないけれども、実はそれと一緒に別の要因があってそういう結果が生まれてくるということもあるということはもう統計学の常識だと思います。  一方で、最近は子供さんに対する性犯罪とかそういう被害もあって、どこにいるのかということが分かるようにあえて携帯電話を持たして、どこにいるかを、徘回をしてしまう高齢者の場合もそうですが、持たせているということもあって、そういうことを併せ考えて、携帯電話の子供への、持たせるか持たせないか、どういうふうに持たせるのかということを考えていくべきなのかなというふうに総合的に考えていくべきじゃないかというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 あわせて、所管省庁である総務省としてどのようにお考えか。要するに、やはり便利ですから、それから民間の企業がやられていることですから、どこまで国が方向性を打ち出すかということはすごく難しいことではあると思うんですが、こういったものそのもの自体をやはりある方向性を国が僕は打ち出すことが極めて大事だと思っておりまして、所管省庁としていかがお考えでございましょうか。

菅義偉自由民主党総務大臣

○国務大臣(菅義偉君) まず、この犯罪の点でありますけれども、出会い系サイトなどの有害サイトから子供を守るということ、これは極めて大事な問題であるというふうに思っていますし、受信者側で情報を取捨選択可能とするフィルタリング、これが有効だというふうに思っています。  こうした問題を踏まえまして、私、去る今月の二十日の日に携帯電話事業者に対してフィルタリングサービス、この普及を行うように要請を行いました。今までですと、しますかという形だった。最初からフィルターに掛けて、今までと反対の、基本的にはフィルタリングをしていると、で、開きますかと、そういうふうに逆に聞かれるようなそういう仕組みを今要請をいたしております。  また、委員からお話ありました、この電波の人体への影響でありますけれども、これは総務省にしましても、平成九年より生体電磁環境研究による研究会というものを開いてきまして、その調査研究の結果では、この電波防護指針値以下の電波では健康に悪影響を及ぼす証拠はないということを確認はしておりますけれども、引き続きこれからも検討していきたい、こういうように思っています。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 是非きちんとした形で検討していただきたいと思います。  時間になりましたので、午前中の審議はこれで終わらせていただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時四分休憩      ─────・─────    午後一時開会

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから教育基本法に関する特別委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、坂本由紀子君が委員を辞任され、その補欠として二之湯智君が選任されました。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 休憩前に引き続き、教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 午前中に引き続いて質問させていただきたいと思います。  午前中の質疑の中で、伊吹大臣から民主党にもちゃんと聞けと、そう指摘がございましたので、提出者の西岡議員にお伺いしたいと思いますが、今回、民主党として現行の教育基本法に問題があると、そしてそのために全面改定しなければいけないということになるとすれば、どの辺のところに一体問題があるとお考えなのか、そこについて御答弁いただきたいと思います。

西岡武夫民主党・新緑風会

○西岡武夫君 お答えいたします。  民主党といたしましては、現行教育基本法には多くの問題点があるというのが基本的な認識でございます。したがって、これを改正ではなくて、新しい時代に対応した教育の基本を定めるために日本国教育基本法という新法という形で国会に提案をさせていただいたわけでございます。  その主な点を幾つか申し上げますと、既にさきの委員会におきましても御答弁申し上げましたけれども、我が国の教育行政の現状は少なくとも教育行政の責任の所在というものが明確でない、これをまず改めるべきであると。国が普通教育については、もちろん高等教育については大学の自治という問題がございますから、これについては教育環境の整備ということにとどめるべきでございますが、この振興について国が努力をしなければなりませんけれども、高等教育については別といたしまして、普通教育、すなわち高等学校以下の教育については国が最終責任を持つということが一つ。  もう一つは、現在の教育委員会制度というものが事実上形骸化していると。これはもうこれまでいろいろな問題が起こった中で十分御認識をいただいていることと思いますけれども、これを廃止をして、それぞれの設置者が存在する首長が責任を持つということを明確にすると。そして、地方における教育行政について、現在の教育委員会を改組いたしまして教育監査委員会というものを新たに設けて、これがチェック機関としての役割を果たすと。  同時に、今いじめやいろいろな問題が起こって、教育の現場は大変な苦労をしておられるわけでございますけれども、校長、そして学校の教職員あるいは事務職の皆様方とともに教育を現場においてどのようにしていくのかということを円滑に行うために、学校理事会というものを設けて、そこで地域の保護者の皆さん方の代表、あるいは教育の経験を十分持った方の代表、あるいは地方自治体からの代表者、そういう方々も交えて学校理事会というものを構成して、そこに責任を持ってもらうと。  同時に、今回私どもが提案をいたしております日本国教育基本法におきましては、国がやはり財政的な責任というものも明確にしていく必要があると。しかも、それは具体的な形でどれだけの国民の皆さん方の支出というものを教育に充てるかと、これは国民的な合意が必要でございますけれども、日本の将来を考えるときにそのことを明確に担保する必要があるということを考えて私どもは新たに日本国教育基本法というものを制定したわけでございます。  最後にもう一点付け加えますと、日本国教育基本法というものは、教育の基本的な考え方を定めると同時に、これからの教育についての方向性というものを、将来についての方向性、これを明確に定めていくということがその主な内容になっているというふうに御理解をいただきたいと思います。  以上です。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  要するに、一つはそのシステムとして一体どういうふうにしていくのかと。そして、そのシステムそのもの自体が現状に合っていないから変えていかなければいけないと。そうすると、思想信条、思想信条という言葉はちょっと適切ではないかもしれませんが、教育そのものに対しての考え方、理念というんでしょうか、そのもの、そのもの自体は基本的には大きく問題はあるんでしょうか、ないんでしょうか。  つまり、現行法の教育基本法の中で、済みません、通告してなくて大変恐縮ですが、これはまず政府からお尋ねしたいと思いますけど、システム上、確かに僕は今の、私が民主党だから言っているわけではなくて、問題点は多々あると思います。私は、後で医学教育についてちょっと論じたいところがございますが、そのシステムではなくて、もう一度確認させていただきたいのは、元々定められていた、いや、現行のですね、教育基本法の物の考え方については政府はいかがなのか、それから民主党はいかがなのか、その点について御答弁いただけるでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 政府が提案しております法律は、今の教育基本法の全文改正という立法政策上の立場を取っております。したがって、今の教育基本法の精神を基本的には引き継ぎながら、足らざるところを補い、そして行き過ぎたところを是正するという考えです。  したがって、分かりやすく言えば、今の教育基本法は人間にとって大切なことは書き込まれているという評価をしているわけです。ただ、これはロシアへ持っていっても、ヨーロッパへ持っていっても、アメリカへ持っていっても、中国へ持っていっても通用すると思います。しかし、日本には日本の伝統的な規範意識その他があります。  それから、先ほど申し上げたように、の例で申せば、卵も牛乳も牛肉も栄養があるということは何ら揺るぎのないことです。しかし、それを取り過ぎるということになると問題が出てくる場合は、やはりそれは適当に取り過ぎないように摂取すべきであるということを書かねばならないし、場合によっては、それについてはこういう別の食事も併せて取っていただかなければならないということを書くと、そういう構成で提出しているというわけです。

西岡武夫民主党・新緑風会

○西岡武夫君 お答えいたします。  私どもは現行の教育基本法の教育についての基本的な考え方がすべて誤っているとは考えておりません。いいところはもちろん引き継いで、現に日本国教育基本法の中におきましてもこれを生かしてございます。  しかし、この現行の教育基本法、特に第十条をめぐって大変な長い間の裁判等も通じましての論争がございまして、これが、非常に不幸なことでございますけれども、これまでの日本の教育行政というものを非常に発展させることを妨げていたという点を強く痛感をいたしておりまして、こうしたところは改めなければいけないというふうに考えて日本国教育基本法を制定した次第でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、考え方に立ってみると、実は政府の案も民主党の案も大きく異なっているわけではなくて、システム的な問題が極めて大きいというお話になるのかなと。  そこの中で、医学教育のことについてちょっとお話をさせていただくと、システムの問題だとすれば、私たちは、卒業するまでのカリキュラムは文部科学省が一応定めることになっております。そして、その後、卒業したすぐ後に試験がありまして、これは厚生労働大臣から医師免許を受け取ることになっております。その後の医学研修、医者としての今度の研修は、カリキュラムは今度は厚生労働省に引き継がれて、厚生労働省のプログラムに沿って我々は教育を受けていくことになります。  しかし、その研修医制度をずっと議論してくる中で何が問題だったのかというと、学生の時代の教育こそがまず原点であると、そういうことになってくると、果たして文部科学省が医学教育を担っていくことが適切なのかどうか。  もう一つ申し上げると、医師定数の問題があります。今現場では医者の数が足りないと、厚生労働省もやっとお認めいただきましたが、文部科学省がその定数の権限を握っております。もっと言うと、今歯医者さんは、歯科医師は供給過剰でございます。しかし、その供給過剰の分を文部科学省が全部握っているから調整が全くできてこないと。  それから、もう一点申し上げれば、たしか文部科学省には歯医者さんは一人もいらっしゃらないんじゃないかと思います。つまり、そういう方々がその教育課程を作っていく、そこに私は根本的なまず問題があると思っています。  それから、大学病院の在り方です。大学病院の在り方そのもの自体は、特定機能病院という役割を果たさなければいけないという、まずこういう実情がございます。そして、そこの部分の認可は厚生労働省にございます。ところが、教育機関であると、そうすると、一般の軽い、何というんでしょうか、一般的な患者さんもそこにいないと教育ができないと。ですが、今や一般の患者さんの治療は民間病院でできるわけであって、教育のためだけに今度はそういう人たちも残せとか、つまり大学病院そのものの機能が、もうありとあらゆることをやらされていることによって機能破綻を僕は起こしているんだと思うんですね。  そういう点でいうと、例えば国立病院そのもの自体の役割が一時的に終わりました。まだ国立病院として、独立行政法人になっていますが、国立病院を臨床の病院にしてデータをきちんと取るとか、治験をそこのところで実施するとか、医学部生の一般的な教育は、病気の教育はそちらでやるとか、そういうシステムで機能分類していくと、もっといい教育ができるんだと思うんですよ。  ですから、本来のシステム論からいうと、僕は、教育基本法そのもの自体の議論よりも、本来はこういう過程のことを最初にやってくるべきではないのかなと。今回、大学であるとか、それから私立学校であるとかいうことの条文は置かれております。そこの七条や八条を読んできたときに、このことそのもの自体がどこまでが文部科学省の権限で、むしろ今後、その専門性のあるところであればむしろ省庁を移管した方がはるかにいい教育ができるんではないのかなと、そう思いますが、文部大臣、それから厚生労働大臣に御所見をお伺いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 幾つかのお尋ねがありましたが、まず私が理解しているところでは、後ほど厚生労働大臣お答えになると思いますが、医師の数は、トータルとしては先生、足りないということはないんじゃないでしょうか。ただ、極めて偏在をしている、あるいは地域的に大きく違っている。それから、歯科医師は確かに過剰だということは理解しております。これについても、厚生労働省からのお話があり、文部科学省では歯科医師の方々の養成の定員をずっと今絞ってきておりますね。  このことも御理解をいただいた上で、先生の御質問にお答えをしたいと思いますが、やはり、これは先生のおっしゃっていることを私は全面的に否定するつもりはありません。右から見るか左から見るかということになってくると思うんです。つまり、まず大学教育の枠の中でやっておるわけですからね、どんなにメスさばきがお上手な先生であっても、やはり患者の心理、人間の心の機微だとかというものは、医学以外のいろいろなリベラルアーツ的な深みでもってやはり補われていくという部分がありますから、そこを全く否定して、医の技術だけで論ずるということは、教育を論ずるということは私は不適当だと思います。  ですから、大学教育の枠の中でやはり考えていると、そうすると、今度はその大学という枠に縛られて、先生が今おっしゃっているように、医療の立場からプログラム、教育課程その他を自由に組めないじゃないかということがございます。それは、その御指摘は私は受け止めなければいけないと思います。ですから、厚生労働省から今担当の課長が来ているわけですね、文部科学省に。そして、お互いに現実をこう踏まえて知恵を出し合いながら先生がおっしゃっていたような弊害ができるだけ少ない運用をしていると。  だから、これを全くじゃ厚生労働省へ移管して、今の医の技術という面だけであれば、学校の助成金その他を一体どういう形でここへ入れていくのか、基礎研究の部分はどう考えるのか。現場は確かにそうかも分かりませんが、その病理、病理というんでしょうか、を更にもっとさかのぼれば基礎的な医療、再生医療にかかわるような基礎的な科学知識、そういうものをどういうふうに入れていくかとかいういろんなことがありますから、これは病院でいえば、当該患者を内科で診させながら外科の協力を得て手術をしていくのか、外科にまず渡しながらその足らざるところを内科で補っていくのかという患者さんの受入れと先生これ同じことだと私は思いますよ。

柳澤伯夫自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま文科大臣がお話しになられたことと私も全く同様でございます。というのは、やはり物事に幾つかの面がありまして、それをこの一つの面で選択した場合には必ずまたほかの面の不足が起こる、これはもう避けられないと思います。  今、冒頭、文科大臣が指摘をされたように、やはり専門的能力とともに大学は高い教養ということで、リベラルアーツ的なそうした素養の涵養というものも重要な使命としているわけでございまして、私ども、その立場はそれで正しいというように思っているわけでございます。したがいまして、医学教育に関しては、一義的には大学教育全般について責任を持っている文科省がこれを所管するということで、これは何らの不思議はない、こういう認識でございます。  一方、先ほど来櫻井委員が専門的なお立場からお話しになられたとおり、医師免許の付与であるとか、その後の臨床研修といったようなもの、こういったことについては厚生労働省が所管をしておりまして、で、この両者の連携については、今文科大臣も言われたように、それぞれ担当の課長さんを交換しているということでございます。そういうようなことでございます上に、医師国家試験改善検討委員会というものが、部会というものが置かれているわけですが、それは文科省が参加して厚労省が主催すると。  それからまた、医学教育の改善充実に関する調査研究協力者会議というのは、文科省が主催してこれに厚生労働省の担当職員が出席するというように、連携を密にすることによって今先生が御指摘のような懸念というものに対してこたえていこうということでございまして、今後とも、文科省と厚労省との連携を深めることによってこの二つのことを持っているシステム、これについて我々遺憾のないように期してまいりたいと、このように考えておるということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 まあ正直言ってがっかりしましたが。  要するに、まず一つは、伊吹大臣、今まで厚生労働省の言い方は、全体としての数は足りていたけれども地域偏在だと言っておりました。これは取り消しました。これは、医者の数が絶対的に足りないと。ちなみに、皆さん知っていただきたいのは、OECDの平均は、十万人当たり三百人ぐらいです。我が国は二百人ちょっと超えるぐらいですから、根本的に医者の数は足りないんだと思います。  それから、歯科の方を鋭意努力して減らしてきたと御答弁ございましたが、国公立で四十五人です、入学の定数を。そして、私立ではわずか二人しか減らしておりません。これが本当に需要と供給の関係上ですね、需要と供給の関係上、影響を及ぼしている数なのかというと、必ずしもそうでないということをまず御理解いただきたいと思います。  その上でです、その上で、今の医者に対して、じゃ国民の皆さん方は何とおっしゃっているかというと、人間的にどうだとかいうことを言われるわけです。じゃ、今までの医学教育はだれが担ってきたのかというと、文部科学省が大学時代はずっと担ってきたわけですね。そこの部分のところに問題があるということはもう明らかになっているわけですよ、はっきり申し上げておけば。ですから、ですから、果たして本当に文部科学省にそこの部分をお預けしていいのかどうかということは、まずこれ一つあると思っています。  それから、今回の法律上、「大学」のところの条文を読むと、「学術の中心として、高い教養と」という部分があるので、教養部なら教養部のところまで僕は仮に半歩譲っても文部科学省でもいいと思いますよ。しかし、その後の「専門的能力を培うとともに」と、ずっとこう書いてある文章を見てくると、ある部分のところはもう教育と専門的な知識と切り分けてこないといけないだろうと。  そうすると、その専門的知識の教育の部分に関しての教育のカリキュラムそのもの自体は、むしろ将来どういう医者になってどういう知識を持つべきなのかということを全部考え合わせると、その部分の後半の部分はせめて厚生労働省が所管した方がはるかにいいんではないかと。研究費の問題もありましたが、別にそれは、予算が今大学なので文部科学省が持っているからその予算どうするんだとおっしゃいますが、その予算そのもの自体は別に厚生労働省にお渡しすれば何ら問題ないわけであって、そこら辺は現在のシステムをベースに考えられているからそうなっているんじゃないでしょうか。  もう一度考えていただきたいことは、本当にどういう医者をこの社会の中で輩出していったらいいのか、そういうことを考えていったときに、ここに書いてあるような高い専門性の能力を培うとかいろんなことを考えてくると、それから需要に応じた、現場でこういう医者を育ててほしいということに対して、文部科学省よりもむしろ厚生労働省がきちんと分かっているわけですから、そこら辺のところはもう厚生労働省がやった方が一元的に教育というものができて私はいいんじゃないのかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず先生、これ余り数字にこだわっちゃいけないんですが、歯科の定数は先生がおっしゃったような定数減をしておりますが、同時に、実入学定数を絞っているわけですよ、結果的には。このことはよく御理解いただきたいと思いますし、それから国際比較において医師が多い少ないは別としまして、厚生労働省が私の言ったことを否定しておられるんでしょうか、後で文科大臣に確認していただきたいと思います。(発言する者あり)厚生労働大臣に確認していただきたいと思います。  それから、確かに教育のカリキュラムは文部科学省が作っております。しかし、今医師が、私は立派なお医者さんたくさんいらっしゃると思いますよ、先生のようにリベラルアーツの底の深い先生もいらっしゃいますからね。だけど、今医師に対して言われていることが、カリキュラムが悪いからということになるんでしょうか。それだけで私はないと思いますよ。やはり大学の教育の在り方も含めて、あるいは学ぶ者の姿勢も含めて、いろんなことをやはり総合的に考えてやっていかないといけないと思います。  もちろん、専門医として足らざるところがあれば、いろいろ審議会の意見を聴きながらカリキュラムを組んでいるわけですから、それはまた厚労省ともお話ししながら補わせていただきたいと思っております。  いずれにしろ、これは先ほど厚労大臣が御答弁になりましたように、どちらに、先生のようなお立場を取っても、今度はまた大学教育の立場からすると御批判が出てくると思います。今のような立場を取っていれば先生のように御批判が出てくると思います。ですから、やっぱりこれは、そこに携わっている人間の運用の妙を得て間違いのないようにやっぱりやっていくというのが現実的な手法だと思いますから、今日の御提言も、やはり現在の医学教育に欠けているところを現場の医師としていろいろ感じておられる御意見として一つ承らせていただきたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  法律の中に国と地方公共団体の役割というのがありますが、それと同じように、今後、社会に出ていったときにどういう人を養成するのかというのは、これまた各々の省庁が所管しているところがあります、例えば農業であると農水省であるとか、工業技術に関してみると経済産業省であるとか。ですから、人を育てるという観点から見たときに、文部科学省そのもの自体が全部やることがこの国にとっていいのかどうかというのは常々考えていることなので、そこは御検討いただければ有り難いなと思います。  そこの大学の中に、もう一つ申し上げておきたいのは、自主性、自律性という言葉が入っております。これは極めて大事なことなんです。独立行政法人にだからなったんだろうと思いますが、独立行政法人になった大きなマイナスがございます。それは何かというと、あのときにも審議させていただきましたが、中期目標を書かされているということです。文書だけをやたら書かされておりまして、五年間の中での実績を評価されるということになってくると、本当に自主性、自律性というものが担保されるかどうか分かんないと思うんですね。  例えば、私もわずかの期間ではありましたが研究をやってきた中で言うと、自分たちが目標を立ててこういうプロトコールでやっていこうと思ってやっていったけれど、途中で全然違ってきてしまったと。そうすると違う方向に向かっていくわけであって、五年後に出てきた結果は、実は最初に目標としていたものと全然違うものが出てくるなんというのはこれ当然のことなんですね。  ですから、研究者の間からしてみると、ああいう目標などを書かされることそのもの自体がおかしいんだと。  それからもう一つは、短期的なことに関して言うと可能なものもあるかもしれないけれども、真理などを追求してくるもの、それから疫学的な中長期のものということになってくると、五年間の中期目標などというのを、もうとにかく文書ばっかり書かされて大変だと現場で言うんですよ、先生方が。  その点を考えてくると、この条文の中に自主性、自律性という言葉が言われていますが、実態、今の国立大学で行われていることは私は違うんじゃないかなと、そう感じておりますが、いかがでしょう。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) この点は半分ばかり私は先生と御意見を同じゅうするんですが、私は、大学の目標、最終的な目標を数値目標とか収支だとかって、損益計算書的なバランスで評価するというのは余り適当なことじゃないと思っております。  特にそれをとことん進めていきますと、残念だけれども、市場経済に乗りやすい部分、医学もそうでしょう、多くの部分はね、それから工学の部分、それから経営大学院とか法科大学院というのは隆盛を極めますが、その底にあるリベラルアーツというか大切な部分は、市場に乗らないけれども極めて人間にとっては大切な価値なんですね、そこのところがどうしてもやっぱり薄くなってくるということを私は常々感じております。ですから、法律の専門家で法科大学院を優秀な成績で出て弁護士になったけれども、源氏物語も永井荷風も読んでない人に離婚調停をされちゃ困っちゃうんですね、やっぱり。  ですから、そこのところをやっぱりきちっと厚くしていくというための配分を助成金で私が大臣をしている限りはしっかりやってくれということを事務当局に言っているということが一つ。  その前提で、今先生がおっしゃったようなことがなぜ起こってきているのかと。これはやはり大学に従事をしていた方々も反省をしていただかなければいけないところがやっぱりあるんですね。それは管理に服するということと学問の自由というのを履き違えておられて、大体年末にお金が余ってくると、研究がよくできているところもそうじゃないところも極めて同じように余った旅費だとか何かを配分しちゃうと。それを指摘すると学問の自由に介入したというようなことが結構あるんですよ。  ですから、私は本来は、先ほどの厚労省と文科省との医学教育の問題もそうなんですが、やっぱり運用する人が国民の税金の下で動いているんだって、私立だってですよ、自覚を持って、利潤原則じゃなくて、効率原則だけはしっかりと持ちながら大学の運営を本来は大学としてやっていただくのが一番私はいいと思っております。  したがって、自律云々というのは、これは助成金を与えたからどうしろとか、あるいは特定のイズムだとか何かで学問の独立を乱すということがないようにということを書いてあるわけでして、今先生のおっしゃったことはある面では正しい、しかしそれを理由に何をしてもいいということ、非効率なことをやるということに使われても困ると、両方だと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 よく分かりました。  ただ、大臣、ここは御理解いただきたいところもありますが、今、私、国会議員になって九年目になりますが、制度を審議していく中で、ある問題のある人がいると、だからその問題のある人を取り締まるというのは変な話ですが、そこのところをコントロールするために制度をつくりますと。ところが、そのためにまともにやっている人たちがめちゃくちゃな影響を受けるわけですよ。ですから、今私が性善説に立っているのかもしれませんが、私の知り合いの一生懸命やっている研究者からは、いやこれはたまらないと、そういうことが来ますし、多分それこそ両面で、大臣のところにはこんなひどいやつらがいるから何とかしろというお話にはなるのかなという感じで聞いておりましたが。  もう一点、今のところで、市場原理のお話が出ましたが、私もまさしく教育の場というのは、一番、医学も同じだと思いますが、市場原理が似つかわないというか、なじまないところなんだろうなと。そういう意味で、多分、この私立学校の第八条のところに「公の性質」と書いてありますが、それはそういうことも指しているんでしょうか。ここの八条に定める「公の性質」について御説明いただけますでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは私立学校、大学を含めての私立学校は、現実問題としては日本の教育の大きな部分を生徒数でも学校数でも担っておられるわけです。そして、未履修の問題でもいろいろ私立の扱いについての御意見がありましたように、やはり私立といえども学校教育法あるいは大学の法律の中には服していただかなければならないわけですね。そういう教育という大きな公的目的を担っていただいているという趣旨でこれは書いているわけでして、特区がございますから、現実問題としては必ずしも株式会社の参入を否定しているものでは特区はありませんけれども、特区といえどももうけるためにやっていただいては困るんで、これはあくまで潤沢な資金をお使いになって、公共の目的のために諸法律の下で動いていただくということだけは、もうこれは厳然たる事実でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私の質問を先取りされているような感じがいたしますが、もう一つお伺いしておきたいのは、この「公の性質」の中で、例えば今政治教育などがここの法律の中に入ってきています。例えば私立学校であったとした場合に、例えば大学そのものの経営者の方が議員になられる場合もありますよね、これは。現実はございます。そうすると、例えば、そういう方個人の政治信条などを大学で流布するような、そういうような行為を行ってもいいことになるんでしょうか。この公というのはそこの性質の、「公の性質」というのはこれはどう考えればいいんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 現実には私立学校では、例えば公立学校で禁止されているような宗教教育をすることは許されておりますよね。ですから、政治の問題についてはこれはやっぱり非常に私は微妙な問題であって、やはり大学という立場にある方が自分のイズムを押し付けるような教育をするということは私は適当じゃないと思います。  ただ、ただですね、これは衆議院の審議のときにも宗教教育についていろいろなやり取りがあったわけですが、その方がどういう意図を持ってそのことを話しておられるかというのは、これは先生の心の中だから分からないんですよね。ですから、やはり先ほど来お話ししているように、その任にある人が自制心を持ってやっていただかなければいけない一番の部分であるし、そのことが行き過ぎたときはやはり文部科学省としてはしかるべきお話をしなければならないことだと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それでは、私立学校そのもの自体が政治活動を行うような場合には、これは許されることでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、法制的にどの条項ということだとちょっと政府参考人にお聞きいただかなければ、間違ったことを言うといけませんが、政治活動を学校でするということは、私立学校といえども私は許されないことだと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  それから、先ほど株式会社の大学の問題が出てまいりました。特区で確かにある大学が認められたわけですが、ちょっと信じ難いことがございまして、それは認可の問題なんですね。  初年度、二つの大学が、株式会社大学が認可されましたが、十月の三十一日に実は認可申請が出まして、もう二月の十六日に認可が下りている、翌年のですね。わずか数か月で認可が下りて、実はこの大学そのものが同じ年の平成十六年の四月からもう開校しているんですよ。二月の十六日に認可が下りて四月から生徒が来るということは、もう事前に募集していたとしか思えないんですね。  それからもう一つ、この年だけはある二つの大学がこういう形で極めて早く認可が下りておりまして、言葉をちょっと慎まなきゃいけないところがありますので丁寧に申し上げますが、一つの大学はどうやらある政治家の関係者がここの何らかの役割を担っているらしいということまで分かりました。もう一つのところもいろいろあるところですが、一般の審査のスケジュールは、大学新設の場合には、大体四月の末に認可申請があって、十一月の末にならないと下りないんですね、一般的に言うと。ここの二つだけは何でこんなに特別早く認可が下りたんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ちょっと参考人から事実関係を。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 通常、御指摘の通常の大学の設置認可については、開設前年度の四月末までに申請を受け付け、七か月にわたる審査期間を経て認可の可否を決定しております。  平成十五年の当時のお尋ねでございますが、第三次特区提案で寄せられた意見、申請期限の延長等を踏まえ、特区制度の社会的な重要性にかんがみ、審査期間を、十月末までに申請を受理し、審査期間を通常四か月であるのを三か月余りに短縮する、時限的な措置として認めたものであり、これは特区制度の初年度であるということで申請側に配慮したものでありますけれども、審査期間を短縮したということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今、四か月を三か月と答弁されましたが、そうではありません。基本的には、私がお伺いしたところでは、七か月から八か月掛かるものがこのぐらいの短期間でなっているということですが、答弁違っていませんか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 今申し上げましたのは、大学のそれ自体の設置認可については七か月ということでございますが、学部等の設置の場合には四か月ということでございます。今、そういう意味で、大学等についての話でございますので訂正させていただきます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 意図的にやっているわけじゃないですか、意図的に。  要するに、都合の悪い部分を隠すためにはそういう答弁されるんですよ、しょっちゅう。だから、調べていないと、そんなふうな形でごまかそうとするんですね。だから文部科学省とか信用できなくなってくるわけですよ。  それじゃ、どうして、じゃ、この三か月間の短期間できちんと認可に値するところだというふうにされた根拠はどこにありますか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 基本的に設置計画について申請書を御提出いただいたわけでございますし、あの申請書を見させていただきながら、基本的に設置基準等に則しているかどうか、あるいはその観点、あるいは必要な教員等が備えているかどうか等々について審査を行い、そういう意味で、全体等の審査を踏まえた上で認可をした、認可という結論をいただいたということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、文部科学省はこの件についてきちんと調査をしたと、そういうことでよろしゅうございますね。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 基本的に設置基準等に照らし、申請の書類等に則しながら見さしていただいたということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 教員はきちんと備わっていたんでしょうか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 申請のものについて、不明なもの等についていろいろ御指摘もさせていただき、その後、補正等もいただいた上で、基本的には教員として必要な教員は備わっているという判定をいただいたところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 判定をいただいた。判定をいただいたってどういうことですか。自分たちが判定したんじゃないですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 失礼いたしました。  いわゆる専門的な見地から、私ども、大学の設置審査に関しましては大学設置・学校法人審議会というものの中で専門的な審査を御案内いただきまして、教員の適格性等についてはもちろんその専門的な判断をいただいているわけでございます。  したがいまして、そういう判定をいただきまして私どもとしても認めた、こういうことでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その審議会には責任はありますか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 審議会についての責任ということでございますが、もちろんそういう意味で審議会としての専門的な判断をいただいたということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 責任があるかないかだけを聞いております。  要するに、審議会そのものにそうやってすぐ逃げますが、審議会というのはあくまで答申するところであって、決定権は文部科学省じゃないですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 大学における教育研究の特性、あるいは今委員御指摘の自主性、自律性等の観点から、大学における例えばカリキュラムですとか、あるいは教員の適格性の問題ですとか、そういうものについては基本的に大学設置・学校法人審議会の御審議を仰ぐこととしており、その判断を尊重して私どもとしても行政的な判断を下す、こういうことでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 止まるよ、こんなことやっていると。  いいですか。そこの最終責任はだれにあるんですかって聞いているんですよ。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 行政行為としての設置認可それ自体につきましては、私ども文部科学省の責任でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 最初からそう答えてください。時間の無駄です。  それで、そういう大学が一体どういう状況にあるか御存じでしょうか。まず一つ。予備校生の方と大学生の方が一緒になって授業を受けていた実態がありますが、御存じですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 私ども、開設された以降、設置認可に即した、その申請に即した教育内容あるいは研究等が行われているか等についていわゆる実地調査を行っておるわけでございます。アフターケアというやつでございますが、十七年度の調査の状況でおきましては、例えば専門科目が資格試験予備校と事実上同一化しているというような問題があり、そのことについて基本的に是正を求めたところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それだけではありませんね。例えば、これはシラバスというものですね。これは、要するに、こういうもので計画が立っていますと、授業計画書ですね。授業の計画書の中で、ある女性の方、担当科の方がいらっしゃいますが、この方は数的処理の方ですが、科目は何と現代文初級を担当されていると。別な方は、もう様々な分野に対して、この方はちょっと御専門分かりませんが、ちょっと紹介させていただきますと、一般教養だけではなくて、あれ、どこだったかな、様々な、済みません、ごめんなさい、いろんな分野のことを全部やられているとかですね、この方、僕はある方からお伺いしたんですが、自分は社会政策が本当は自分のきちんとした研究なんだけれども労働法をやらされていたとか、いや、もっと一杯あるんです、実際のところは。  つまり、そのシラバスそのもの自体が実はまともでないと。こういうところがなぜ認可されなきゃいけないのか私は理解できないんですけれども、その点についていかがですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 御案内のように、大学の設置ということでございますと、具体的な例えばカリキュラムの計画でありますとか授業科目でありますとか、それに対応する教員の状況とかを申請をいただくわけでございます。  御指摘のように、ある特定の大学でございますけれども、正にその学生に向かって教育課程の状況を示すシラバスが必ずしも、言わばこれが予備校のものと同一であるのかないのかというような状況が実地調査の結果、判明したわけでございます。  そういう意味で、基本的にそこは非常に問題があるし、また、実際上の教員の授業科目の担当状況が私どもの伺ったものあるいは申請いただいたものと必ずしも同じではないと、そういうふうな状況が判明し、そのことにつきまして是正を求め、シラバスの問題についてはその後整理が行われつつあるというふうな状況であると承知しております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 まだあります。これで実は学生たちが物すごく被害を被るかもしれない事実も分かってきています。それは何かというと、履修科目の単位認定が不適切であると。この点についてどうするのかと言ったら、文部科学省は過去に認定した単位は取消しと、再認定試験を実施予定だと。要するに、まともなところでないところを認可するとこういうことになるんじゃないんですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 御指摘のような単位認定の不適切という問題も、私ども、アフターケアの結果判明し、そのための是正を求めたところでございます。ただ、ここのところについて御理解いただきたいわけでございますけれども、大学の設置委員会の審査は、正にこれから新しくつくろうという場合には、実際上の計画と、そして授業の計画とカリキュラム等も含めて、その授業科目の言わば担当教員、その他現実に運用する前の段階の計画の段階を見させていただくということにならざるを得ないわけでございます。  いずれにいたしましても、そのことを含めて、アフターケアの中で基本的な是正も求め、その改善を求めているというふうな状況でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いいですか。そのために学生は単位の取消しになっているんですよ。未履修の問題じゃないじゃないですか。これはだれが責任あるんですか。文部科学省でしょうが。あなた方のような人たちが本当に教育に携われるんですか、こんなことで。そうやって言い逃れをするようなことで本当にいいんですか。私は、これ随分前から問題視していますよ。  もう一つ申し上げておきますが、ここの大学は、先ほど伊吹大臣がふさわしくないと言った政治活動も行っています。ここの大学は、構造改革の更なる推進を応援しますと、ある特定の大臣を呼んでこういう形でやっていきますと、そういうこともやっている。  まだあります。ここの大学教員のルールがあって、これは内部文書です。内部でどういうことをやっているかというと、授業計画は自分が書いてないのでよく分からないとか、そういうことを言うなとか、それから、職員の皆さんもいろいろ文句があるんじゃないか、だけどそういうことを言っちゃいけないとか、それから、普通、大学の英語教育はこういうシラバスではないんだけどなとか言うなという文書まで回しているところですよ。しかも、授業はほとんどがビデオだという話です。  大臣ね、こういう株式会社大学が一番最初に認可されるから、その後の株式会社大学はすごく問題になると思っています。ましてや、強く、強く変更しなきゃいけないということで、文部科学省が幾つかの大学を挙げています。四つの大学かな、四つの大学のうちの二つ、しかもほとんどの項目がこの二つの大学なんですよ。こういうことをやっているところが本当に、何というんでしょうか、教育行政に当たる資格があると思いますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 我が国は議院内閣制で構成されておりますから、各省の大臣になった者あるいは副大臣、政務官になった者は、役人のペースに巻き込まれないようにできるだけ独立自尊、自分の知識を磨いて対応しなければならない、これはもう先生がおっしゃることの裏側にあることです。  今回、株式会社ではありませんでしたが、同じように認可を出してきた大学で不適切なものがあって、私は審議会にかけることをやめさせました。今回、どういう経緯でこういうことになったかについては、当時は、率直なところを申し上げれば、あの時期の雰囲気の中で、特区というものは随分いいものだというのが各党共通のやっぱり雰囲気だったんですよね。その中で、頑張ろうと、何とかこれを出そうという、まあ、私はやや間違い、行き過ぎ、(発言する者あり)いや、民主党の中でも大賛成の方もたくさんいらっしゃいましたよ、ここで名前を挙げるわけにはいきませんけれども。  しかし、そういう中で、今先生がおっしゃっているのと政府参考人のやり取りを聞いていて、やはりもう少しこのことの事の重大性、自分たちが認可をしたことによって大勢の人たちに迷惑を掛けたということの結果責任を重く受け止めてやっぱり私は行政に当たらねばならないと思っておりますから、一応これはそのときにもっと疑って掛かればよかったと、後追い的に私が言うのはいかがかと思いますけれども、是正命令等が完全に行われるかどうかということについては私が責任を持って目配りをしていきたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 まだあります。  認可のところはちゃんと全部調べたとおっしゃいました。じゃ、運動場が必要なんですね。運動場の申請されている場所がありますが、これ元々山林でした。今は、今はプール一つ分ぐらいのものがあって、これを運動場と呼ぶかどうかです。これは現場の写真もちゃんと撮ってまいりました。そして問題は、設置要件のところに何て書いてあるかというと、運動場は片道一時間以内でなければならないと書いてありますが、ここの校舎から片道一時間では行けないと、そういうふうに私が現地の方から報告をいただきました。  要するに、元々の設置だってあなた方が言っているようなものじゃないですよ。違いますか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 運動場についてのお尋ねでございますけれども、平成十四年まで、御指摘のように、校舎と運動用地が分かれている場合には、その距離は片道一時間以内というような基準を内規として設けておりました。ただ、現実の問題として、大学のカリキュラムの多様化、あるいは活用方法の多様化等を踏まえ、そういう意味で当該規則を廃止しております。そして、そういう、それによって別地としての運動場の実地審査は行ってきておりません。  そういう意味では、御指摘の大学の運動場については、基本的には設置認可申請書に記載されている面積、所在地、契約書をもって運動場が設置される計画であるということは確認したものでありますけれども、校舎と別地に設けられている運動場に対する実地調査は行っておりませんでした、その当時、ということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 先ほどと、答弁と違いますからね。先ほどちゃんと、そういう設置認可基準とかそういうことに関して照らし合わせたときに問題がないんだと、ちゃんと全部調査したと言ったじゃないですか。調査してないじゃないですか。言っておきますけど、そういう虚偽の答弁をされるような方に我々質問なんかできませんよ、言っておきますけど。ひど過ぎますよ。  もう一つ言っておくけどね、このために学生の何人が被害を受けていますか。何人この学校をやめています。ここは僕は大問題だと思いますよ。ましてや、株式会社立大学をこれから増やそうかという話をしている中で、しょっぱなに認可された大学はこんな実態なんです、一つは、少なくとも。こういうことをほっといていいんでしょうか、本当に。  大臣いかがですか。これが、これが文部科学省です。だから私は、医学教育の部分も、先ほど申し上げたとおり、厚生労働省の方がよほどいいんじゃないかと。ここは本当にそうなんですよ。私は文部科学省の解体論者ですけどね、教育基本法なんか改正するよりも、文科省そのもの自体をきちんとしないと駄目ですよ、大臣。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まあ、各省にはいろいろやっぱり失敗があるということは認めねばなりませんが、今先生が御指摘になっているようなことについては是正命令を出しているわけですから、これは誠実にその是正命令が実行されるかどうかをきちっと見極めて、そして、今の答弁も私聞いておりましたが、自分たちが最初に不十分なこと、失敗したことはやっぱり率直に認めた方が私はいいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 大臣、私、これは大分前から話合いをしているんです。そういう委員会でやる機会がなかったからここにまで延びただけの話でして、その後の対応が極めてずさんです。  もう一つ申し上げるとね、募集しなきゃいいんですよ。今年も募集させているんですから。中を変えろとかいう問題じゃなくて、間違いが分かった時点で募集を止めさせるのがこれは筋ですよ。何回も申し上げますが、そのために履修できない子たちがいて、そうやって大学に入ってきたけど、単位取れない子たちだっていて、卒業だって、卒業できないというか、それよりも何よりも、とにかくやめている人たちがいるわけですね。そこのところの責任は一体、じゃ、どういうことになるのかということです。  いい加減な認可をするから、いい加減な認可のシステムを使っているからこういうことになるのであって、しかも最初、これは審査会にお願いしていることであって、我々はさも関係ないような言い方しているじゃないですか。審査会に責任を全部おっ付けてるんでしょう。自分たちが本来責任を取らなきゃいけないようなことに対しても責任を取らずに、さも自分たちは書類審査をきちんとやりましたというようなことを言っておきながら、現地調査にも行ってないわけですよ。こういうところが本当に教育行政を預かる価値があるんでしょうか。  もう一つ。私は資料要求しておきたいと思いますが、一体、この学校で行われている実態をきちんと我々に報告していただきたいと思っています。つまり、何人の生徒さんたちがこういうことによって、こういうことによって被害を受けたのかどうかということについて、改めて調査をしていただいて、その資料を早急に、少なくともこの委員会が開催されている間に御報告いただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 後刻理事会で協議いたします。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それともう一つ、ここの大学の特徴は、専任講師がおりません。今はいるのかもしれませんが、最初は専任講師がおりませんでした。授業は、その専任講師の方がビデオの前で授業、授業というか行って、そのビデオをいろんな学校で、いろんなキャンパスが、キャンパスというか建物がありますから、そこで使い回しをするような、そういうシステムを取っているんですね。  教育というのは対面じゃないですか。例えば、本当にどうしても遠い方で、特別授業としてすごく見識の高い方の授業をやはり多くの人に知ってもらいたいというような場合、今のようなインターネットとかそういうシステムがあれば、それを通じて授業をやるということなら私はよく分かりますよ。しかし、例えば学生が疑問を感じて質問をしたくても、その先生がその場にいない、ましてや専任でもない人たちがそういうことをやっていると。これで教育ですか。これが大学ですか。私は絶対的におかしいと思いますけど、大臣、いかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今先生がおっしゃったことを含めて是正命令を出していると伺っておりますから、それがきちっとなされているかどうかを役人の論理で何となく処理しないように、そのために我々が文科省へ入っているわけですから、責任を持ってその処理の状況を私は見させていただきます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 先ほど申し上げたとおり、二月の何日に認可が下りて四月から授業できるということ、そのもの自体、まず基本的におかしいと思うんですよ。ですから、まずもう一つ調べていただきたいのは、学校を開設する前にそういう募集を行っていなかったのかどうかとか、実は埼玉の大学がそういうことを行っていて、ちょっと前ですけど、そこに問題があるという形で問われているわけですから、そういうことも含めてまずちゃんとやっていただきたい。  それからもう一つは、これだけ問題のある学校であったとすれば、当然ですね、当然、入学者をその時点で募集をやめさせるという僕は措置ができたと思うんですよ。なぜそのことをしなかったんでしょうか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 基本的に私ども、設置認可を受けるべき大学については、設置認可後でなければ募集行為は行わないようにということを指導し、またそういうことで対応をしてきているわけでございます。  御指摘の大学がその前に募集行為を行っていたかどうかということについては、私どもちょっと今承知していないところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ですから、その後に是正措置を出したときに、何でそのときに入学者の募集を止めさせるとかそういう措置しなかったんですか。だから学生さんたち被害被っているんじゃないですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 御指摘のあれは、大学が設置する前の時点と設置された後の時点とは区別する必要があると思っております。  設置する前のことについては、募集行為は行ってないと承知しておりますが、設置された後については、正にその設置されたものについて一定の、例えばカリキュラムでありますとか、専任教員の状況でありますとか、様々な問題点について是正を当然のことながら求めるわけですし、毎年毎年履行状況の調査をし、それがどのような形で担保されているかを今年も今させていただいているということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その後に開いてみたらひどかったということが分かったら、何でその時点で、例えば今年なら今年の入学者数、入学のところを、募集を止めさせなかったんですかということをお伺いしているんです。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 基本的に性善説に立っているということかもしれませんが、私どもは、基本的に設置されてそれが正に大学として運営をなされているものについて、当然のことながら大学として自主的、自律的にそういうものを改善していただくということを前提に改善を求めるわけでございますし、そこは私どもステップを踏んで、履行の状況等も踏まえながら、基本的に必要があれば改善の勧告等必要な措置を今後とっていくということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そんな答弁ないでしょう。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 まず、じゃ、こういうことで子供さんたちが被害を受けていることで申し訳ないという気持ちをお持ちなんですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 正に大学としてのありようが問われていることでございますので、基本的にこういうことでいわゆる学生等に被害が生じているということがあれば、私どもとしては申し訳ないというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 あればですね。いいですよ。ちゃんと言葉大事に答弁しておいてくださいよ。あればって今おっしゃいましたね。  ちゃんと調査したんですか、じゃ。調査したから是正措置がこうやって出してあるんでしょう。その中で、あなた方は、自分たちで私に対してこう書いているじゃないですか。要するに、単位は取消しになるかもしれないとまで書いているでしょう。そこはそういう措置なんだと。そういうひどいことを受けているということを知っておきながら、何であればとかそういう答弁になるんですか。無責任極まりないよ。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 私ども、先ほど若干触れさせていただきましたけれども、教育課程や教員組織、施設設備について履行状況調査を実施して、改善すべき点があれば留意事項として通知、公表させていただいているわけでございます。  そして、今年度も例えば実地調査に伺っているわけでありますけれども、そこで学生のインタビューも全キャンパスについて行わせていただいております。学生さんの御意見としてはいろんな意見もあるようでございます。  なお、全体として、先ほどちょっとお尋ねでお答えしそびれたわけでございますけれども、学生が中退されているのは大体今一割程度ではないかというふうなことを承知しておりますが、定かに今あれを持っているわけでございません。  そういう意味で、基本的に私どもは学生に迷惑を掛けるというようなことがないように、私どもとしても今後とも努めていかなければならないと思っておりますし、そこの中で遺憾な状況につきましては私どもとしても今後対応に心していかなければならないと、このように思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今後のことばっかりですね、いつも。今までのことに関してはどうなんですか。だから、こうやって学生さんたちが困ることがもう一年たてば分かっているんです。だって、おかしいんだから。だったら、その時点で、一回認可はしたけど、おかしいから認可の取消し、認可の取消しというか保留で、生徒の募集はちゃんと体制ができるまでできませんよということの指導すること自体が本来の監督省庁の役割なんじゃないんですか。違いますか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 御指摘のように、正に大学としての教育のありようが問題になっているわけでございますので、私どもとしては、正に大学教育の状況、あるいはそういう中で見て問題がある点については基本的にきちんと留意事項として意見を申し上げ、また、それで法令違反が判明した場合には正に法律に基づく勧告等を行うというつもりで考えておるところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 違うよ。聞いてない。過去のこと何でしなかったかと聞いているんだよ、過去のこと。過去のことだよ。過去のこと聞いているんですよ。もう一回。答弁になってない。過去のこと聞いているんだ。大体、人の質問のとき、そっち側向いてだれかとしゃべっているんだもん。失礼だよ、物すごい失礼。  過去のことを聞いているんです。要するに、今年度、今年度なぜそういう措置をとらなかったんですかということをお伺いしているんです。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 十七年度においてアフターケアの調査を行い、そして改善のためのいろんな意見を公表、通知、公表したところでございます。その中には、一定の是正措置がとられたものもございますし、とられてない、必ずしもとられたかとられてないか定かでないというものはございます。基本的には、大学としては、その意見に対して誠実に対応したいというふうな対応で私どもにはしてきております。  そういう中で、したがいまして私ども、言わば、例えば募集停止というようなことは、正に法令上に基づく措置としていわゆる勧告、是正命令、いわゆるその閉鎖命令に準ずるような話でございますので、私どもとしてはあくまで法令違反等についてその権限が認められているわけでございますので、私どもとしては全体として今も実地調査を行っているわけでございますけれども、そういう面も見た上で今後考えていきたいと、こういうことでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今後じゃないでしょって。何回言ったら分かるんですか。もうこれ、止めますよ、委員会。いいですか。  じゃ、もう一つ。今の点と、そこのところに関しては、じゃ厳しいから、厳し過ぎるのでやらなかったということでいいんですか。もう少し分かりやすく言ってくださいよ。  それから、これだけ問題が起こっているわけであって、しかも設置のところだってちゃんと調査もしないでやっているわけですから、このことの認可に関して問題点があったと思われますか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 結論からいえば、設置認可について、書類審査あるいは実地調査、いろいろございますけれども、そういう全体を含めてもう少し丁寧な形での審査というものは行われるべきであったかなというふうには考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 審査が丁寧に行われるべきであったかなということは、問題点があるということですか、ないということですか。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 例えて言えば、今委員御指摘の運動場についてでございますけど、実地調査は全体として平成十四年度末をもって行っていないという流れの中でやったというふうなことでございますし、例えばそういう点について、やはり今後の問題として考えれば、実地調査は、運動場について必ずしも定量的には言えないというにしても、行うべき課題かなというふうには認識しております。  全体として、設置認可申請について結果としてこういうふうな学生さんに迷惑を掛ける、あるいは掛けかねないような状況が生じているということについては申し訳なく思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 何が掛けかねないだ。掛けかねない、駄目だよ、もうこんな。駄目だよ、こんなの。駄目だよ、こんなんじゃ。しようがないよ、これひど過ぎだよ、本当に。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。  清水高等教育局長、しっかりと質問に答えてください。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 設置認可につきまして、全体として学校教育法上のいろんな手順もございます。そういう段階の中で私ども考えておりました。  しかしながら、今振り返ってみますと、設置認可の時点で反省すべき点が多々あるかというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 問題点はあったんですね。もう一度聞いておきます。私の言葉で答えてください。反省するしないの問題ではありません。問題はあったというふうにお考えですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、その時点で問題点があったら認可はできないはずです。ですから、行政のやり方として、結果的にこれだけの問題が出てきているわけですから、そのときに調査が不十分で、書面あるいは実地の調査が不十分であったり、いろいろな失敗があったということは認めなければならないですが、そのときに不具合があるんなら、認可をするということがそもそも法令違反ですから、私はそのときの行政のやり方が甘かったということをおわびすべきだと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ここだけ物すごく拙速に認可されているんですね。つまり、ほかのところは七か月も掛かって認可されている。しかもその認可の、最初の七か月のところも、答弁者は何と言ったかというと、四か月だと答えた。そして、しかもとぼけた。四か月だというのは、新しいその科を新設するときは四か月であって、新設の部分に関して言うと実は七か月ですと。最初っからの態度がこういう態度なんですよ。こういう人が教育行政を預かっているところに僕は絶対的な問題があると思っていますね。こういう方が辞めない限り良くなりませんよ、はっきり言っておきますけれども。現場でどんだけ汗をかこうが何しようが、今みたいに、何か問題があっても自分たちは知らぬ存ぜぬで責任も取らないような人たちの固まりだから良くならないんだと思いますよ。  私はこの問題で、まずきちんともう一回調査していただいて、その上で、学生さんたち、今一〇%かなあっていうそんなお答えですが、仮に一〇%であったってそれは大変なことですよ。学生たちが一〇%やめたんだったら文科省の人間も一〇%辞めさした方がいいよ、その担当者そのもの自体が。そのぐらい厳しい措置をやらないと、それこそきちんとやらないんじゃないですか。  大臣、いいですか、これは今、根幹にかかわる問題だと私は思っていますよ。大学教育とは何なのかと。まともな大学教育もできない中で、教育基本法を新しく設置したからって良くなりますか。私立大学という、私立学校という項目立てをやったから良くなりますか。実態はこういうことですよ。まずここの姿勢から是正しない限りは変わらないんじゃないですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは先生のおっしゃるような部分もあると思いますが、教育基本法を改正することによって、その下に付く三十何本の法律、あるいは政令、あるいは大臣告示、それを直し、予算そして法律の執行、それをきっちり見ることによって今のような問題が起こらないようにしていくということが必要なので、このような事態が起こったことと教育基本法は意味がないんだということは私は違うと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私は意味がないと言っているんじゃなくて、それだけじゃ不十分でしょうと言っているんです。  それで、もう一つ申し上げると、じゃ教育基本法が変われば文部官僚の行動様式も変わるんですか。それはどこの法律で担保されるんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、この法律が変わったから学校現場で教えている職員組合その他の態度が変わるかどうかということとは全く無関係です。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 僕は文科省と言っているんです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 文部科学省の役人が変わるかどうかということも無関係です。それは、すべての人間が規範意識を持って自分の職業に忠実にやらねばならないので、今のような失敗を起こすということは、もう私は不適当なことだと思ってさっきからのやり取りは聞いておりましたよ。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 大臣、僕は現場の人のことではなくて、今申し上げたのは、文科省の役人の方々の態度が変わるんですかと。そして、しかもここの教育基本法そのもの自体が変わることによって、変わることによって、どこの文言でそういうふうに変わるんでしょうか。むしろ変えなきゃいけないのは、文部科学省設置法そのもの自体をきちんとしないと、そこのところは変わらないんじゃないんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、教育基本法を変えようと変えまいと、先生がおっしゃるようなことは常に心してやらねばなりませんが、教育基本法を変えることによって、例えば大学という条項が新たに御提案している中に入っているということであれば、それを踏まえて、あるべき文部科学省の姿を法律その他で追求して、それに合う、現実に合うように直していかねばなりませんし、無責任なことを、いかにも自分はしっかりやったというようなことを仮に言ったとすれば、そういう職員についてはやはり大臣が責任を持って管理していくということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 後できちんとしたデータをもう一度、どういう問題点があって、ここのところで、その文科省でどういう調査をされて、どういう問題点があって、どこまでは是正されていて、実は是正されていない部分も一杯あります。どこまでが是正されていないのかということをきちんとした形で理事会に御報告をいただきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまの件も理事会で協議をいたします。後刻理事会で協議いたします。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません。鈴木委員に時間をちょっといただきましたので、もう少しだけ質問をさせていただきますが。  先ほど教育の、教育基本法の考え方は、大臣は変わっていないと、大きく変わっていないと。足すべきところは足した、それから変えるところは少し変えたと。私は、そこの中で一番大きく変わったと思うのは、第二条の教育の目標ということを置いたこと。旧法は教育の方針だったんですね。その教育の方針を教育の目標に変えた理由を御説明いただけますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは昭和二十二年に法律ができました後の、いろいろ作っております法律の中の文言が、今先生がおっしゃった新しい言葉を使っているのが慣用になっているという、立法政策上の用語の違いでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 用語の、立法、立法府の用語の違いが……

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 立法政策。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 立法政策の用語の違いが、その方針と、今や方針という言葉ではなくて目標というふうに立法用語を変えるということになったんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、今先生がおっしゃった新しい法律に使って、今回御提言申し上げた用語を使っているのがほとんどの法律の現在のその用語の使い方であるということです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、これは教育の、じゃ方針という言葉は、今はもう使わなくなったんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは今も残っているものもあると思いますが、現在立法している法律では、今回御提案している用語を使っているのは多いということです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは、教育基本法だけではなくてほかの法律もということを指しておっしゃっているんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ほかの法律でもってそのような用語を使っていることが非常に多いのでということです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それでは大臣にお伺いしますが、方針と目標は同じですか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 若干事務的な御説明をさせていただきたいと思います。  現在、見ていただきますと分かるように、現在の教育基本法の目的の中には、「人格の完成をめざし、」ということと、「心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」、二つの目標が書かれておるわけでございますけれども、併せて「真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた」と、こういうその教育の目的を遂行していく上で、特に教育を進める上で強調すべき内容が目的の中に入っておるわけでございます。  それと併せて、二条では教育の方針という形で、これらが「あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。」、そして、「この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。」ということで、ここは、まあ方針ということになっておりますけれども、そういうその教育を進めるに当たっての留意事項と、それから教育の正にその目標に相当することが併せて書かれておるところでございますので、今回新たな法律を作りますに当たりましては、第一条にその目的を規定いたしまして、そして教育上強調すべき目標に当たりますものは第二条に掲げさせていただいたところでございまして、その中で現在の第二条に書いている教育の方針、そこで申し上げますと、「学問の自由を尊重し、」という、教育を進めていく上では学問の自由を尊重しなければならないんだという、この留意点も併せて教育の目標の中でまとめて書かせていただいたということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 全然分かりません。  要するに、方針というのは、こういう方向に向かってやりますということですね。私の国語力だとそうなんです。目標というのは、ちゃんと目標値があって、ここまでやらなきゃいけないというのが目標なんですよ。そういうことでしょう、違うんですか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) おっしゃられるように、教育のここに書いております方針は、ここにごらんになっていただきますように、そういう「学問の自由を尊重し、」という、その方針の正に部分と、それからその自発的精神を養うとか、自他の敬愛と協力を養うと、こういったことは正に教育の目標にも通ずることでございますので、今回の新しい教育基本法の制定に当たりましては、こういう目的と目標という区分で整理をさせていただいたところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 目的はちゃんと両方残ってるんですね。  だから、僕が聞いてるのはそういうことじゃないんですよ。まず、言葉の日本語としての理解を、私の理解が正しいかどうかを聞いているんです。  要するに、方針というのは、ある方向性を持ってこういう形でやりましょうということなんでしょう。目標というのは、ここまでちゃんとやらなきゃいけないですよという、そういうことをここまで頑張って何とかしなきゃいけないですねということなんでしょう、違いますか。例えば、ここのところは六十点頑張って目標にしましょうねとか、そういうことが目標であって、それと、方針というのは方向性ですから、それは違うんじゃないですかと。  その点についてだけ、端的にお答えいただけますか。そうじゃないと、これから政府参考人、もうやめますよ。先ほどの人もひど過ぎたけど、あなたもひどい。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 今回、教育基本法で目標として掲げさせていただいておりますのは、この何点までという目標とはちょっと違いまして、教育上、力点を置く、ここでいえば、一条で、「必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」、この内容に、これを、そういう国民を育てていくために大切なことを目標として書かせていただいておるところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 答弁になっておりません。  じゃ、もう一度お伺いしますが、一条は目的です、両方とも。何で二条は方針じゃなくて目標になったの。違うんでしょう。だって、先ほどのお話だと、元々いいところは変えないんだと、そして、違うところは変えるといって二条で項目立てを起こして方針から目標に変えたんだから、変えるべきちゃんと理由がなきゃおかしいじゃないですか。これが最後ですよ、これが最後。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生、今回の改正案のまず第一条に目的を掲げているわけですね。そして、目的を掲げて、第二条に、今御指摘のあった目標という言葉が使われています。この目標は、その第一条の目的を達成するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するように行われると。だから、一条を達成するために一、二、三、四、五という目標を掲げて、その方向へ進んでいくということを言っているわけですよ。  ですから、現在の法律であれば、一条に目的を掲げ、その目的を達成するための方針は次のようなことだと言っているわけですから、用語からいって、この目標と方針との間に大きな差はないんです。その目的を達成するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとすると。これがその次に掲げる目標、つまり、この第一条を達成するためにこの二条に掲げている目標でやっていきますよと。  ですから、この用語は、これはもう立法政策上というか、法制局的言葉の使い方なんですよ。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは違いますよ。だって、そんなこと言ったら、日本語だって、いろんな場所で目的と方針はおんなじだということになりますよ、社会の中で。  大臣、だから……

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 目標ですよ、目的じゃない。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、目標ですよ、目標。  だから、目標と方針そのもの自体が、じゃ、イコールですか。そこは、じゃ、まずそこだけ端的にお答えいただきたいんですが、目標と方針はイコールですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 目標と方針は違います、それは。だからね、それは言葉が違うんですから。  だけど、私が申し上げているのは、今御提案している法律も、それから現在の法律も、第一条には目的があると、そしてこの目的に向かって進んでいく具体的内容を二条に書いているということを申し上げているわけです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 だから、そこが変わったので、もう一つ、じゃ、ちょっと具体的に申し上げますと、第二条の一項には「幅広い知識と教養を身に付け、」と。これ、要するに、目標を達成するように行われるって書いてあるんですね、二条のところに。教育は、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとすると。そうすると、一つ何かというと、まず、幅広い知識を身に付けろと書いてあるわけですよ。これは、目標があって、その目標を達成する項目の中にあるんですよ。  私が危惧していることをこれから申し上げますが、なぜ目標という言葉にこだわるのかというと、例えば算数は、七五三と言われるように、理解者は小学校だと七割ぐらい、中学校で五割、高校で三割程度だというふうに今言われております。そうすると、ここにある幅広い知識というもの自体をどこのところに設定されるのか。目標と言うからには、目標を達成しろと。そうすると、そこに書いてある幅広い知識、このこと自体が、学習指導要綱というんですか、要領ですか──要領の中に定められてくることになるんでしょう。  ですが、私は、今、自分のうちの娘の、まだ、いまだに家庭教師もやっておりますけどね、こんなものやって社会で何の役に立つのかなと思いながら実は教えているところは一杯あります。つまり、我々も今社会に出たときに、訳の分かんないような何とかの定理とか一杯あるんですね。ですが、そういうことそのもの自体を全部目標としてやるような形になるのかどうかということを僕は心配しているわけですよ。つまり、目標を達成といってそこにもう明らかに書いてあって、目標の達成できない子は一体どうなるんだろうかと。そしてもう一つは、目標を達成させることができなかった教育者は一体どうなるんだろうか。そういう点から考えてくると、目標という言葉は私は不適切じゃないかなと、そう感じているんですよ。だから何回もこだわって質問しているんですが、いかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) おおよそ人間が生きていく上で、目標を持たずに行動はできるでしょうか。やはり基本的には目標というものがあるんです。その目標をどこまで強制するのか、その目標はどういうものなのか、これは先生がおっしゃるように、心しなければならないことですね。  ですから、それは、何度も申し上げているように、この法律というのは教育の基本を定める理念法ですから、この法律を受けて三十何本の法律が、教育関係の法律があり、その法律を具体化していくために政令があり、更には大臣告示があり、それで大臣告示は、これはまあ言うならばその一番法律の下にくっ付いてくるものですよ。ですから、その中にどういうふうなことを書き込むか、そしてその目標の到達度についてどういうふうに理解するのか。これは、この法律よりもむしろこの法律の下位に付いてくる法律あるいはその実施の中で決められるべきことであって、目標というものが、先生が今おっしゃった何とかの法律、法則ですか、おおよそ意味がないと先生は思っておられるかも分かりません。しかし、意味があると思っている人もいるかも分からないんですよ。自分の独断で物事は押し付けられないですからね。  だから、それを広くやっぱり議論するというのは、国民のすべてが参加をした、選挙に選ばれた国会なんですよ。だから、先生の御意見も国民の一つの御意見として私は受け止めさせていただきます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その私が申し上げた数学の定理そのもの自体を、申し訳ございませんが、ここにいる委員やそれから政府の参考人の方や全部の方々が何人知っているかということです。つまり、知らなくても今こうやって国会で代表者として議論しているわけですよ。  そういうことそのもの、そういうことそのもの、僕が申し上げておきたいのは、私は学校の勉強大嫌いでした。何でこんなことまでやり続けなきゃいけないのか分からなくて、量が多過ぎて。ある先生に言わせるとこれは大事だと、専門の分野の先生方はみんな大事だとおっしゃる。だけれども、じゃほかの科目はどうですかというと、決してみんな知っているわけじゃない。その分野の先生たちはこれが大事、あれが大事、何が大事、かにが大事と言われるから、子供たちは全部それをやらなきゃいけなくてパンクしているわけですよ。  そうすると、もう一度ちょっとこっちの、それはそれとして、ちょっと条文にもう一回戻りますが、大臣、条文に書いて、基本法であるということが一番大きいんです。そしてもう一つは、目標を達成するように行われると書いてある。目標を達成するように努めるだったらまだ分かるんですよ、やんわりとしているから。そうじゃなくて、これ、行われるということは、やらなきゃいけないということなんですよ。  そして、もう一点の問題を申し上げておきますが、学問の自由を尊重しつつなんですね。先ほどから政府参考人の方は、学問の自由を尊重しとばかりなんか言っていますが、これ違っていますよ。教育の方針、今ある、今ある教育基本法はちゃんと学問の自由を尊重しで切っているんです、文言を。つまり、私の日本語の理解ですと、学問の自由はこの今の教育基本法でやればちゃんと尊重されるんです。ところが、今回の教育基本法は、教育は学問の自由を尊重しつつ、しつつということは、それは尊重しなさいと言っています。ですが、最終的には何かというと、次に掲げる目標を達成するように行われるものとすると。もし本当にここのところが学問の自由を尊重するという文言になるのであれば、学問の自由を尊重しで切らなきゃいけないんです。切らなきゃいけないものに対してなぜ尊重しつつなのかと。私の日本語の理解であれば、どちらが最終的に主文、副文だという形になってくると、あくまで主文は教育の目標を達成するように行われること、そのときの附帯事項、注意事項として学問の自由を尊重しつつという、そういうふうに読めるんですね。  ですから、それは私の理解ですよ。ここのところは、それは大臣ね、それはお互いの文章の、文字の読み方の違いなのかもしれないけれども、私の理解はそういう理解なんです。ですから、こういう書き方だと問題があるんじゃないかと。  つまり、学問の自由というのは憲法で保障されている権利だと私は思っています。そうすると、それは尊重しつつなんていう中途半端な言葉になるべきものではなくて、これはちゃんと尊重しというふうに置き換わらないと私はおかしいんじゃないかなと思いますけど、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは日本語のやっぱり理解の仕方じゃないでしょうか。この第二条は、「その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、」というのはウイズ・ザ・コンディションという意味ですよね。これを条件としてということじゃないんですか。これはだから、これはいろいろ解釈の仕方があるでしょう。しかし、先生の解釈だから駄目だと言われてもこれは困るんであって、最終的には、最終的にはこの法案を国会で議決していただいて、もしも学問の自由が侵されるということがあれば、それはこの前から何度もここでやり取りしているように、そういう行為がこの教育基本法に反する、あるいは憲法に反するということであれば、それは司法の場で決着を付けるということであって、私はここに自由を尊重しつつってあることは、学問の自由を尊重しないというふうには私は読んでおりません。  それから……

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 しないとは言っていないですよ。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いやいや、それを軽く見ているというか、主文が行われるものとするだから、学問の自由は憲法上の権利だということをおっしゃいましたね。憲法上の権利がどこまで権利として認められているかというのは、先般の学習指導要領のやり取りの中にもあったように、おのずから公益の範囲の中で認めるというのは、これこそ憲法の規定なんですね。ですから、それは各法律でどういうふうに担保されていくかということによって動いてくるわけで、私は少なくともこの条文があるから学問の自由を尊重しないなどというような、あるいは学問の自由を軽く見るというような文部科学大臣であるつもりはございません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私は自分の考えが全部正しくてこうだと言っていることではありませんし、それから私は、その学問の自由を尊重しつつというのは、尊重していないからこうだということも申し上げておりません。ただ、少なくとも今の教育基本法よりは後退していることは事実だろうと私は思っております。  それは何かというと、学問の自由を尊重しとして、従来の教育基本法はきちんと明言しております。条件が何も付いておりません。そしてもう一つ、最終的にじゃ学問の自由と、僕が心配しているのはここなんです、学問の自由と教育の目標を達成しなければいけないような場面になったときにどちらが重要視されるのかということなんです。この文章から読む限りにおいては、尊重しつつですから、どちらが大事ですかと、一義的に大事ですかということになったら、目標を達成するように行われることとするということが大事になるんじゃないかと。だから、その文章は、この文章からは、普通の一般的な日本語の取り方からすればそう取れると思いますよ。違いますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは違うと思いますね、提案者が違うと申し上げているわけですから。そういう解釈は我々は取っておりませんよ。これは、学問の自由を尊重しつつというのは、学問の自由が条件になるということを言っているわけですから。そして、それが、学問の自由か目標を達成するため行われるものとするというところが先生がおっしゃっているように二律背反になるという解釈は、先生がそう思われる場合もあるだろうし、私がそう思わない場合もございます。ですから、これは最終的には、もしも先生がおっしゃっていることが憲法に違反するということであれば、司法の場で決着を付けていただくより仕方のないというのが日本の統治システムの憲法に書かれた原則なんですよ。  だから、私はこの学問の自由が尊重されないなどということは考えてもおりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これまでは考えていらっしゃらなかったかもしれないけど、こういう文章の書き方をするとそうかもしれませんということで、私はただ、私が法律を読んでみておかしいと思ったから申し上げているだけです。  それから、提案者にそういう意図がないと、だからそれは違うとおっしゃいましたが、じゃ例えばいじめの問題であったとしても、本人はからかっている軽い気持ちで言ったかもしれない。しかし、相手側はどう取るかというと、相手方は、それはからかわれているんじゃなくていじめられたんだというふうに取るということはあるものであります。ですから、提案者の方が、おれがこう言っているんだからね、ああ何言っているんだと言われると、そこは僕は全然違うんだと思います。ここは、それはお互いに、あとはこれは水掛け論ですから今日はもうやめますけれども、解釈の中でもう一度御検討いただきたいと思うのは、今のような並立の書き方をだったら僕はされない方がいいと思う。つまり、そうであったとすれば、教育はちゃんと学問の自由が尊重されるんだと。そしてその上で、その上で目標を達成すると書かれるんだったら僕は話は分かるんです。ところが、そうではなくて、主文はあくまで教育は目標を達成するように行われることというふうに書いてあるから、私はおかしいと思っております。  済みません。もう時間になりましたので答弁は結構でございまして、これはまた後日、後日やらせていただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いや、答弁いたします。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、ちょっとこれは、僕はもう本当に時間がないので。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生、提案者がこう言っているからおまえ何言っているんだなんて、私は一言も申し上げておりませんよ。提案した者が提案の意図はこうでありますと言っているんですからということを言っているんです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 じゃ、もうちょっと、水掛け論、だから、提案者がそういう意図を持ってして言っているとすれば、この文章は不適切じゃないですかと私は申し上げているんです。提案者の意図は分かりました。ですから、尊重しているんだったら、何も尊重しで止めればいいんですよ。それを止めないでこういうふうに書くからおかしくなる。  つまり、その原案を書かれたのも言っておきますが文部科学省なんですよ。だから、僕は問題だってさっきから何回も申し上げております。  そのことを指摘して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。  少し今の議論を引き取らせていただきたいと思いますが、大臣、こういうことなんですね。教育には今回から大学教育も入っているんですね。大学教育においては、学問の自由というのは、これは極めて重要だということはこれはもう疑いのないところで、先ほど大臣がおっしゃいましたが、憲法二十三条、これ学問の自由を規定していますけど、これは何の制限なく学問の自由を保障しているんです。これは、もう大臣御承知のとおり、憲法の基本的人権にはダブルスタンダードがありまして、表現の自由にかかわる話というものは、これはノーコンディションで認められなきゃいけないと、学問の自由というのは表現内容をつくると、創造するという上で根本的な人権でございますから、したがって学問の自由は何の留保もないというのがこれ憲法二十三条の解釈だというところは大臣も御了解をいただけると思うんです。  したがって、私どもの案では、「学問の自由と教育の目的の尊重の下に、」で、アンダー・ザ・コンディションなんですね。大臣がおっしゃったように、これはウイズ・ザ・コンディションなんですよ。ここはやはり違うんです、法制的に。それで、大臣が立法者として、提案者としてそういう意図がないという今御答弁、これは非常に貴重なというか重要な御答弁で、そのことは我々大切に受け止めさせていただいて、ある意味で胸をなで下ろしているところがありますし、大臣は非常に常識的な教育基本法を作ろうとしておられるという意思はよく分かりました。  要するに、これは私非常に、大臣就任以来、いろいろな委員会で御一緒させていただいております。これ、たらればということはないんですけれども、この教育基本法案を閣議決定されるときに大臣が、伊吹大臣が文部科学大臣でいらっしゃったらよかったのになと思うことが物すごくあるんですね。といいますのは、伊吹大臣はやっぱり相当立法についてもきちっと御理解していただいていて、正に今の立法者が言わんとすることと、それをどのようにするといろいろな法的な懸念なくきちっと伝わるかということについて、相当分かっておられるというか、極めて非常に正確な理解の下にいろいろ御答弁をいただいていて、すごくある意味でかみ合った議論になりつつあるのを大変うれしく思っているんですけど。  要は、こういう言い方ちょっと失礼になるんですけど、率直に申し上げますと、今回の政府案は、その中身がいい悪いの議論の前に、ちょっとやっぱり詰まっていないことが多いんです。といいますのは、教育って、ここではやっぱり大学教育も含めた定義をしているんです、新しい方が、明らかに。大学という項目が入っているわけですね。そうするとやっぱり、初中等教育も大事ですけど、やっぱり教育全般について、生涯教育も全般について、やっぱり第二条をきちっと見直すということが、これは法令審査のときになされるべきなんですけど、明らかに文部省の方々は初中等教育を念頭にこれ一号、二号、三号、四号、五号書いているんですよ、やっぱり。もちろん大学教育でもこういうことが達成されたらいいと思うんですけれども。  だから、やっぱり、今日これから申し上げたいのは、いろいろと、ちょっと不適切と言うとまた語弊がありますから、不十分な表現というか、要するにまあ役人の言葉で言えば詰まっていない表現が多いんですね。で、大臣がその提出時のとき言っていただいたら、ちゃんと詰めていただいて、で、もう一回内閣法制局に差し戻して、これどうなんだと、これで本当にいいのかという確認をしていただけたのに、とっても残念だなという気がしているんです。  それでちょっと、まあ昔の教員は良かったという話がありますが、昔の官僚はやっぱり良かったなと。大臣は何年の御入省でいらっしゃいますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私は、財務省にというか現在の、大蔵省へ入りましたのは昭和三十五年でございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 これやはり大臣、二十二年いらっしゃったということをホームページで拝見させていただきましたが、やっぱりもう昭和三十五年入省の先輩方というのは、本当にやっぱりもう国会を支えるんだという高い志と、それからそれを支えられる物すごいやっぱり御見識と使命感を担ったお仕事をされていらっしゃったなというふうに思います。  それで、これ正直に申し上げて、最近この文部科学省のみならず、やっぱり霞が関から出てきている法案のクオリティーが下がっている、これは間違いないと思います、これは、と思います。それは間違いない、本当に間違いないと思います。  それで例えば、文部科学省にお伺いしますけれども、中教審の平成十五年三月二十日で示された、これ教育基本法の骨子というのが出ているんですね。ほぼ法案要綱です、政府の考える。そこと、今回政府がお出しになった教育基本法で決定的に違う、まあ違うことをいかぬと言っているわけじゃないんですよ。もうちょっと言うと、中教審答申を書くときに、まあ文部省が忘れていたというか見落としていた項目があるんですよ。それはどういうところですか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  中教審の答申と政府案との相違点についてのお尋ねでございますけれども、主な相違点としては二点ございまして、一つは、答申においては、引き続き規定することが適当とされておりました九年の義務教育期間、この定めを、別に法律に定めるところによりということで、学校教育法に任せておるというのが一点でございます。  二つ目には、答申では、特に平成十五年三月の答申では特に提言されておられませんでした幼児期の教育の条文を新たに設けたところでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 これ、一点目のところは非常に重要な政策論争といいますか、要するに中身を詰めていく議論で、我々もそのように対応しておりますし、正にこの教育基本法を見直す上で政策論議として、していく点です。  しかし、二点目は、まあ端的に申し上げると、中教審のときは幼児教育というものが教育の重要な要素だという認識がなかったわけですね。で、中教審やりながらですよ、これ諮問を受けてから一年から二年掛かっているわけですよ。二年間の間、教育の中で、で、これだけ少子化で幼児教育が、就学前教育が重要で、イギリスでもスウェーデンでもフィンランドでもそこのあるいは無償化とか、年齢の引下げとか、そういう議論がありながら、二年間中教審で幼児教育とか就学前教育を入れるのを忘れていたというのがこれ実態なんですね。それは答弁は幾らでもできると思いますが、これは大臣に正確にその実態を御理解をいただきたいと、そういうことなんですけれども。  それで、私どもは、これはいかぬなと。別にこれは民主党とか自民党とかという話じゃなくて、やっぱり就学前教育あるいは幼児教育、あるいは一方でこども園法案とか、まあそういうことをやっている中で、やっぱりそれは就学前教育というのはこれは本当に大事なんですね。そこのところはもう恐らくもうすべての党が一致していると思いますが。で、我々は作業部会で就学前教育の重要性ということを入れました。そして、自民党と公明党さんの討議の中で、そこで出てきたペーパーの中に、まあやっとというか、幼児教育、就学前教育という項目が足されて、そして法案では入ったと。これはまあ一安心なわけですけれども、幼児教育のような重要なこともちょっと抜け落ちちゃうというのが今の残念ながら事務方の実態だということは御理解いただきたいと思います。  それから、政府案七条では大学という項目になっています。私これ見て、ああまた、これ別に政策的にわざと大学だけしたんじゃないと思うんですね。答弁の後付けで、何というか誤謬性を、後付けでもとにかくこれは守らないといけないのが立場ですから、いろいろな答弁ありますけれども、私どもの案では高等教育としているんですよ、趣旨は同じで。恐らく立法者の御意思は、高等教育機関、例えば高専とか、大学以外にも立派な、大変重要な任務を負っていただいて実績を果たしていただいている高等教育機関あります。恐らく大臣も、それも重要だと思っておられると思いますし、もちろん大学は大事だと思っておられます。これも恐らくここにいる委員の、すべての立法者の意思は、高専も含めて、あるいは専門学校の後期課程も含めて、是非日本の高等教育機関の一翼として頑張ってほしいという、多分総意だと思うんですよね、これはもう自民党さんから共産党さんまで。  そういう立法意思がありながら、ありながらですよ、法律というのは、これ反対解釈とかいろいろな解釈ありますですよね。書いていないことは要するに反対解釈として含まれない。高等教育という法律用語があって大学という法律用語があれば、それは大臣おっしゃったように違う用語ですから、その差異は何かということになります。この場合のその差異は明確に高専が入るわけです。あるいは、要するに学校教育法で高等教育はいろいろちゃんと条項があって決まっているわけでありますから、その中で大学だけ抜き書きしたということは、それ以外は排除するというのは、これは反対解釈ということも御理解いただけると思うんです。ここも後付けでいろいろ言いようあるかと思いますが、やっぱり忘れていたんだと思うんですよ、これは。  大臣に聞きます。大臣は、ちょっと、要するに責任論に落とし込むと話がどんどんどんどん何というか重箱の方に行って本筋からずれてしまうので、ずれてしまう。私はもう今日はストレートだけでいきますから、引っ掛けとか変化球とかなしで、それはもう本当にやっぱり教育現場を良くしたいと思っていますから私は、思っていますから、この後の処理はどうするかということは別として、やっぱり教育において高等教育重要で、その中で大学も高専も大事だと、決して高専を、反対解釈を、意図的に抜いたわけじゃありませんと、そういう立法意思を提案者として持っておられるか。いや、その後のことをぐちぐちは言いませんから、そこどうですか、政治家の気持ちとして。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、私にシビルサービスに入った年次をお聞きいただいたんですが、鈴木先生は通産省には何年にお入りになったんでしょうか。私よりかなり若い年次にお入りになっていると思いますが、先生の御質問をずっと聞いていて、近ごろの若い公務員の立法マインドが先生を通じてそんなに落ちていないということを私は理解して、非常にうれしく思っております。  その上で、まず先生もずっと公務員をしておられましたから審議会の役割というのは分かると思いますが、役人がいろいろ審議会を適当に隠れみのに使ったり動かしたりしているという事実もあります。しかし、審議会が答申をしたことを大臣がみんなそのとおり聞くかどうかは、これは大臣の判断です。そして、省の行政というのは大臣が最終責任を持っておりますから、私は、例えば英語教育というのは必修にするには小学校ではやや早いんじゃないかと、国際感覚を養うのはいいですよ。だが、中教審はそういう御答申になっても、私はそれを取るかどうかは私が判断すると。中教審が十年という研修期間をお示しになっても、十年がいいかどうかは私が判断するということを申し上げているわけです。  ですから、自民党、公明党で現在の政府提案の骨子になるものを作っていただいたのは中教審の答申ではないんですよ。自民党、公明党で長年練り上げたものなんですね。ですからそこで、その政治の場で、今先生がおっしゃったような幼児教育が抜けているということに気が付いたということであれば、これはやっぱり議院内閣制のいいところであったと前向きにとらえていただいたら私はいいんだろうと思いますね。  ですから、今の専門学校その他についても、これは、ここに書いていないとやはりウエートが落ちるということは分かりますよ。しかし、ここに書いてないからできないのかというと、そんなことは何もないんで、三十何本の法律の中でその重要性は十分認識をして、そして予算等でそれに肉付けをしていくと。だから、当然、大学教育ということだけを書いておりますが、専門学校その他について軽視をしたりですね、それを、ここへ入っているか落としたかという議論はちょっと御勘弁いただきたいんだけれども、それを軽視するということは私はいたしません。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 私もその役所の書いた……

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 何年ですか。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 私は昭和六十一年でございますが、私は霞が関の限界を感じまして脱藩をいたしまして、慶応大学の湘南藤沢キャンパスの助教授になり、役所で磨いた立法技術を活用いたしましていろいろな、その後学者として立法提案活動をさせていただいております。  それで、私はそのために政治があると思っています。だから、私は今政治家としてここに参加させていただいているわけでありますが、大臣おっしゃったとおりだと思うんです。それは、与党の御議論の中で、御審議の中でより良いものが追加された、これあるべき姿だと思って、そこは与党の御見識というものを評価したいと思います。  と同時に、これはやっぱり議院内閣制であると同時に議会制民主主義でございますから、やっぱり国会の議論の中で皆様の思っている立法意思、あるいはやっぱり人間に完璧はありませんから、だからいろいろな与党審査あるいは国会審査ということを経てより良いものを作っていくために審議をしている、正にこれが熟議の民主主義だというふうに思います。  私は、常々残念だなと思いますのは、日本ほど国会における修正というのが行われない国はないんですよね。ドイツでもイギリスでも、正にドラフトが出てきて、そしていろんな知恵を入れて、そしてちょっとでも、もう一%でも二%でもいいものを作っていこうということで法案ができている、これが本来の私は議会制民主主義だというふうに思っております。  それで、ここでちょっと法務省さんのことを褒めたいと思うんですけれども、私が議員になりまして五年半たちますけれども、法務省だけビヘービアが違うんです。要するに、おかしいなと思ったら、法務省というのは恐らく霞が関の省庁の中で最も引き続き立法能力の高い役所だと思います。まあ逆に、だから自信があるのかもしれませんけれども、その法務省さんが提出された法案、重要法案、どの役所も重要法案出していますけれども、国会の議論の中で、あっ、これはおかしいなと、みんながあっと顔を見合わせるような条文の、まあ何というか、漏れとまで言いませんけれども不十分なことが、要するにもっと良い案が議論がなされた場合は、物すごく柔軟に修正に応ぜられるんですね、法務省さんは。  したがって、与党の法務委員会の理事の先生方も、これは過去の事例見ていただいたら、明らかに法務省だけが議会に出てからの修正多いですよ。残りの役所は、これも私もよく分かりますけれども、役所の原理として、これはきっすいの霞が関の役人ですから。法務省さんの場合は、法務省民事局長というのは裁判官から来られるんですね。刑事局長は検察官から来られます。だから、ある意味では正に立法者としての良心というのが、こういう言い方は分かりません、分かりませんけれども、僕はとてもあるべき姿だといって、いいことですから評価させていただいているんですけど。正にやっぱりそういう姿というのはすごく尊重していいと思いますし、とりわけ教育基本法ですから、本当に英知を結集して、この国の教育現場を良くするための議論と、そしてそのことをより正確に伝わるような条文化、そしてそれを今度は現場にどうメッセージを伝えていくのかということに私はやっぱり与野党を挙げて全力を挙げたいな、私もそのお手伝い、一員でありたいなと、こういうことを思っているわけでございます。  私たちは、そういう意味で、本当に今までの長年の、何といいますか、この五十年、六十年、教育基本法、今の教育基本法の下でやっぱりいろいろ制度疲労とか時代に合わなくなってきたこととかがあると思っています。したがって、教育基本法をもう一回やっぱり全部見直して、そして日本国教育基本法ということで出させていただいているんです。  私たちは、実は平成十七年の四月十三日に「新しい教育基本法の制定に向けて」という報告書を出したんですけれども、そのときのポイントは、こういうことで教育基本法の議論をし直そうと。一つ目は、現場において発生している重要な課題を解決、改善するため。それから二つ目は、現場からの国民的な改革運動をより強力に推進するため。これ現場では実はいい動き一杯もう既に起こっております。これに対してどうやって我々が更にエンカレッジしていくかということ、とっても重要だと思います。それから、長年懸案となっている課題を政治主導により決着させるため。そして四としては、憲法、教育基本法の趣旨実現のために教育関連法制の改正、追加を行うため。そして五番目として、国際条約、国際宣言等で、その実現のための必要な国内法の整備を行うため。この五項目に照らして今の教育基本法がどうなのかということを一から検証し直して、そして作らさせていただきました。  例えば、今日も午前中に岡田委員等の御質問の中でいただきますの話がありました。これは富山県で起こったという事実が確認されているわけですね。こうしたこともやはりおかしなことだと私たちは思います。大臣が御答弁されたと全く同じことを私たちも思っています。それで、であるので、そういうことをきちっと、今一部に解釈の揺れがあって、一部にそういった事実が起こっているから、今後はそういうことがないような、法律の疑義がないように少しでも書き直せるところは書き直そうとか、あるいは、これは是非もう使ってくれるなということで徒競走の例を前回佐藤議員が申し上げましたが、しかし、あの例は実態なきことでもありますが、ただ、いわゆる形式的平等主義がいろいろなところではびこっているという認識は我々も持っています。  したがって、私たちはその形式的平等主義を排除するために、大臣、お手元に私どもの案もあると思いますけれども、例えば、今まで、ひとしく、その能力に応ずる教育というふうに書いてあるところを、その議論をしました。形式的平等主義をなくして、本当にその子供それぞれにとっていいことは何なのかを考えてそのための教育行政をしようと。そのために、せっかくのこの大改正あるいは抜本見直しの中でしようということで、例えばその発達段階及びそれぞれの状況に応じて適切かつ最善な教育機会及び環境を享受する権利を有すると、あるいはこの表現が随所に出てきます。そういうような一つ一ついろいろ検証させていただいて今回のを出させていただいているんです。  私は決して今の文部省の方々が能力が落ちたということを言うつもりはありません、我々の仲間もまだ一生懸命頑張ってやっていますが。しかし、パフォーマンス、出てきた結果はやはり私は落ちていると言わざるを得ない。その要因を今日ここで議論するつもりはありませんけれども、それはひとえに、やっぱりいろんな要因あると思うんですよ。  ただ、大臣おっしゃるように、政治主導なんだと。それ私大賛成です。だったら、もう一回政治家がこの政府案なり、あるいは私たちもきちっと一つ一つそういう議論を全部して、今起こっているいろんな非常にナンセンスな問題を解決するために、その疑義の源となる教育基本法の関連の分については少しでも改善をしようという努力をしてきましたから、それをこの良識の府の参議院で一つ一つ、一文一文皆さんと一緒にチェックして、ここはこういうふうにした方がいいよねとか、もちろん全部の案を我々のんでくれと言うつもりはありません。  それから、我々以上にいろいろな、逆に言うと、四月の政府案が出たときには気が付かなかったけれども、やっぱりいじめ問題とか見てみたらこういう案があるなというのは、恐らく自民党の委員の皆様方も公明党の委員でも共産党も、皆さんいろいろお知恵をお持ちだと思うので、そういう議論を私は是非していきたいと思いますし、そのことを受け止めていただける大臣にここにお座りいただいているということは、我々大変に幸せなことであります。  この幸運を生かさない限り、後世の皆様方に申し訳が立たないなと思うわけでありますが、いかがでございましょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生の先ほど来のお話をずっと伺っておりまして、大変私は感銘を受けました。政治家は本来そういう形で議論しなければならないと思いますね。ただ、私の立場からしますと、これはやはり一番いいものだとして出しているわけです。だから、そういう立場で私は答弁しなければなりません。  しかし、日本国憲法によれば、国民の総意を代表しているのは、タウンミーティングでもなければ、あるいはまた世論調査でもなくて、国民全員が参加をして投票した、もちろん棄権している方もおられますが、国会なんですよ。だから、国会議員が決めるんですよ、最後はね。ですから、立法府としてはどういう御判断になさるかは、これは私は立法府の中で御議論いただいて、困ることは私たちが行政府として申し上げますけれども、そこはお話合いがあったって構わないと思いますよ。  ただ、一つ、是非先生に申し上げておきたいのは、先生のようなお考えで、実は今国会じゃなくてその前の国会、先生の通商産業省の先輩である町村信孝先生が、衆議院で我が党の教育特の筆頭理事でありました。通産省出身だから同じようなお考えだったんだと思いますが、そのようなお話を少し申し上げたようですね。  それで、具体的にはどうぞ党の大幹部から聞いていただきたいと思いますが、いろいろな政治情勢があってそれを受け止められる形にはならなかったという事実だけはどうぞ党内でよく御調整をください。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 そのことは、私も、いろいろな背景があって、そして衆議院のいろいろな経過があるということで、そこを一々今反論は申し上げません。  しかし、ここ参議院で、正に二院制で、更に良識の府で、これはもう舛添先生も冒頭、今いらっしゃいませんが、おっしゃいました。正に我々参議院議員のこれは特に国民の皆さんから求められている責務だということで、その職務に忠実に我々は仕事をしたいという思いも持っているということも御理解をいただきたいし、あるいは、今大臣の、正に国会が決めるんだということは是非、すべての党の委員の皆様方と今ここで聞かしていただきました。感銘を持って聞かせていただいたということをお話を申し上げたいと思います。  そこで、今日御議論をさせていただきたいのは、やはり私は、いじめ問題等々起こりました。我々も、私、実は民主党の教育基本問題調査会の事務局長を五年間させていただいております。それで、いろいろ教育現場の皆さん方のお話を聞いたり、あるいは、私自身も慶応大学にいるときに本当に小学校、中学校に情報教育を普及させるということで回りましたし、私自身も高校の非常勤講師もさせていただきました。  結局、いろいろ問題があります。そして、教育というのは決して制度論だけでは片が付きません。しかし、制度論も重要な一つの要素であることも間違いないと思いますが。民主党は、あるいは、これは私の持論でありますけれども、民主党へ入る前からの、やっぱり地方教育行政法は少なくとも長年経て制度疲労に来ていると。さきの総選挙のマニフェストでも、地教行法はやっぱり見直すということをマニフェストで問題提起させていただきました。  ただ、地教行法というのは、これ大変に重い法律でありますし、それから、特に教育委員会法の時代から地教行法の時代で、これはもう本当にその当時の時代背景も含めて、冷戦構造も含めて、朝鮮動乱とか、もういろいろな要素の中であのような地教行法ができたということであります。  したがって、やっぱり地教行法を変えるということは、これは正に日本の教育基本法を頂点とする法体系のコア中のコアの議論だと。これをやっぱり変えるというのは、正に教育基本法を変えるというこういう時期でないとこれは議論できないだろうということで、その問題提起をずっとしてきたわけであります。  で、中教審も二年間掛けられました、あるいは与党協議も十分にされましたということなんでありますけれども、しかし、思い付いたときに、まあ善は急げですから、そのことをみんながそうだと納得したらそのための枠組みを作ってそのための検討を急げばいいわけなので、別に昔のこととか過去のことを、中教審が何やっていたんだということを言うつもりは私、毛頭ありません。正にこの議論、ここでの議論できちっとじゃ議論しようということになればいいんで。  そこで、私たちは少なくとも今回の参議院において日本国教育基本法と同時に新教育行政法を出させていただいたわけです。もちろん、これが我々ベストかどうか、私たちはベストだと思って出していますけれども、どうぞ御議論いただきたいと思っています。我々も家内制手工業で頑張っているんですね、徹夜に徹夜を重ねて本当に。これ大変なんですよ、やっぱり野党で法律出すというのは、もう。  しかし、これ政府が教育基本法改正案出したのはいつですか、閣議決定して国会へ提出されたのは。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 本年の四月二十八日、閣議決定で国会に提出させていただきました。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 これ大臣ね、七か月たっているんですよ、七か月。  文部省本省の職員、何人いらっしゃいますか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 文部科学省の定員といたしましては、二千二百人弱でございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 文部省がいろんな問題を抱えて大変なのは私どももよく承知をしております。しかし、我々は五名プラスアルファぐらいの陣容で、しかしやっぱり国会議員として、あるいは本当に日本の教育を何とかしたいという思いで新教育行政法を出させていただきました。  やっぱり七か月たった今日、政府が明らかに、大臣も、今の教育委員会でいいとは思わないということはこれ恐らく自民党から共産党までのコンセンサスだと思います。そこに、私は法案までとは言いません、明日にでも法案出していただきたいと思いますけれども、民主党が出すということはもう分かっていたわけですから、それにちゃんと対抗法案を出す準備してほしいわけですね。私たちがいたころはやっていましたよね、そんな野党に出される前に、本来。  だけど、まあそこは言いません。私は明日にでも出して議論すべきだと思いますね。これを突き合わせて本当にいい成案を得て、そのために、結局、地教行法だけで引っ掛かる部分があります、上位法として。概念的には上位法ですから、教育基本法。そうすると、今朝、憲法と教育基本法の整合性という議論がありました。教育基本法と地方教育行政法の整合も取らなければいけません。だから、地教行法と教育基本法は少なくとも連動させなきゃいけない。それは手続論の話を言っているんじゃないですよ、前とか後とか、もう今日はそういうことはもう全部置いておきます。そういう議論をする材料をやっぱり御提示いただきたいと思うんです。  で、法案はできていません。しかし、要綱はこうです、あるいはその基本的な考え方はこうです。で、もう審議会すっ飛ばしていいと思うんですよ。もう大臣が自ら筆を執っていただいたら非常に明快な教育基本法案できると思いますから。やっぱりその基本的な考え方だけでもお示しいただきたいと思うんですけど、それをいただかないと、というか、いただくことによって本当に議論が深まると思うんですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほどの、両方いいものがあれば、特に教育の問題であるから云々というお話があって、衆議院の現場のことを私は申し上げましたし、今先生がその細かなことはこちらへ置いておいてと。  私は、先生が民主党の党首になられたら、そういう話はすぐ進むと思うんですよ。ところが、衆議院でどういう議論があったかというと、内々検討したポンチ絵のようなものがあったんですよ。これは、あったというか、内々検討していると。これは私は立法者としては当然のことなんだと思うんですがね。しかし、衆議院でどういう議論があったかというと、まだ教育基本法が通ってないじゃないかと、その段階でこんなものをもう作っているじゃないかと、立法府を軽視するのも甚だしいじゃないかと。つまり、こっちへ置いておくことを、置いておかれない野党がおられるということなんですよ。ですからこの議論が深まらないんです。  ですから、私は、私との間のやり取りで、御党の松原先生、それから前原先生、藤村先生、三人と、この今、先生が多分思っておられる教育委員会の在り方だとか、その他、学校協議会その他についてずっと議論をしました。そのときに、御党の影の文部科学大臣である藤村先生が、お考えもよく分かったと、自分たちの法案も万全でないというところも、なるほどと思うところもあったと、今日の意見は非常に建設的であったとおっしゃっていただいたんですよ。私は非常にうれしかったです、そのときはね。これが国会なんだなと思いました。是非そういう議論をこれからもしたいと思っております。(発言する者あり)影のじゃないのか。何というんですか。明日の。ごめんなさい、明日の。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 その中身を是非お伺いしたいんですよ。これはもう、別に文部省とのすり合わせ、あるいはもちろん大きな方向性ですから、改めて大臣、やっぱり自分はこうこうこういうふうにした方がいいんじゃないかと、もちろん検討中のこともあろうかと思いますし、大体のお考えはまとまっていることあろうかと思いますが、そこをちょっと御披瀝いただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは衆議院で申し上げた程度のことで御勘弁いただきたいんです。失礼な表現ですが、私はやっぱり国会で指名を受けた与党の内閣の一員で、行政権は総理大臣ではなくて内閣にございますから、私は国務大臣として軽々なことを申し上げるということはやっぱり適当じゃないと思います。  私が衆議院で申し上げたのは、民主党の出しておられるこの人事権と措置権を合わせていくということ、これはその後ろにある財源の移譲、市町村間の財源の移譲その他、大きな問題がくっ付いておりますから、法律だけで解決できる問題ではありませんが、人事権と措置権はできるだけ一緒にした方がいいんじゃないかと。  それから、大変申し訳ないんですが、私は、都道府県知事あるいは市町村長に今教育委員会が持っている権限を譲るということは適当ではないと。これは、再三申し上げているように、国会は全国民に選ばれた議員から成っておりますから、国会で議決された法律、国会で指名された内閣はやはり全国民を代表して行動しております。もちろんそれでも、私たちは間違ったことは、絶対不当な介入はしないと思っても、そう思われる方がおられる可能性はありますが、それは法律で、それは司法の場で解決をしなくちゃいけない。しかし、地方の首長は全国民は代表していないんですよ。地方住民は代表していますから。  ですから、私はやはり特定の政党が推薦したり、だから東京都で、例えば学習指導要領を全国一律に出しておるわけですね。しかし、その学習指導要領を具体的に実施する権限というのは東京都教育委員会が持っているわけですよ。これのやり方に不本意だとおっしゃる方がいるから訴えがあったわけで、東京都以外では訴えは出ておりませんね。だから、やはり地方自治体の首長のイズム、やり方によってかなり違ってくる可能性があるわけですよ。教育委員会においてすらそうですから。ですから、私は、教育委員会はやはり残しておかないといけないのかなと。残しておくと、今言ったように、予算権、人事権、措置権、設置権、これはやっぱりきちっとした方がいいと。  それから、今度はこの未履修の問題その他も含めて、国と、それじゃ地方の教育委員会の関係をどうするかと。これは民主党案でも教育の最終責任は国にあるとおっしゃっておるわけです。西岡大先輩がお答えになったのも、学習指導要領は国がやはり基本的には発出するんだろうと。それをどう担保するかは附則において今後検討するということをおっしゃっているんで、そこは私たちと教育委員会、新たに改革された教育委員会と国の関係、あるいは民主党案で言えば、知事あるいは市町村長と国との関係は、この対象は違いますが、同じような実は考えでいるんじゃないかなと、こんなふうに思っているわけです。そんなイメージで少し法案ができれば、また国会へ、当然これは国会の御了解を得なければできないことですから、考えているということです。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 ありがとうございました。  それで、今二つのことをおっしゃったと思いますが、ちょっと後半の話から申し上げますと、大臣が、私どもが、やはり国が、最終的な責任でございますけれども、をというお考えに非常に、何といいますか、近いお考えを持っておられるということはよく分かりました。  それを前提に、これは今国会になるんですかね、通常国会になるのか分かりませんが、そうしたお考えを法案の形でお出しいただけるというふうに聞かせていただきましたけど、そのときに政府案の第五条で、要するに何を申し上げたいかというと、第五条の第三項、国及び地方公共団体とありまして、適切な役割分担及び相互の協力の下にその実施に責任を負うと書いてあるわけですね。これですと、我々はなぜ最終的責任という条項を置いたかというと、どちらか少し分からないあいまいな話というのはありますね、どんな制度論でも。そうすると、どちらか分からないときにこういうふうな制度設計と、バスケットクローズというか、要するに分からぬことはどっちかって決めておくという制度設計があって、我々は要するに白黒どっちのポテンヒット、守備範囲が不明なときはとにかく国が全部スイープすると、総ざらえすると、こういう制度設計が望ましいということでその最終的責任条項を置かせていただいたんですよ。  そうすると、大臣がそういうことでおっしゃるんであれば、ここのところはやっぱりそういうバスケットクローズというか、ポテンヒットになる分は全部国がスイープするというような制度設計であるということをちゃんと明記しておいた方がいいんではないかという思いで我々は入れているということですよ。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは立法技術上の問題だと思います、先生もお役人を長くしておられたから。これは基本法であり、理念法ですから、ここに書いてあることは分担してやると。そして、国は学習指導要領のような基本的なものを決めると同時に、財政、もう三分の一に減っちゃいましたけれども、国民からお預かりしている財政支援を行うと。地方自治体は残りの部分を負担をして、そしてこの学校を設置し、今の状態で言えば人事権を行使すると。それに従って学校現場の校長に権限が譲られて、学校が動いていくと。こういう仕組みになっているわけですね。  この仕組みの中で、国というか、が教育委員会に対してどういう責任を持ち、そして責任を果たすためには、先生もよく行政官の御経験から御理解になると思いますが、法律の措置命令権、こういうものをどういうふうに担保していくかと。これは実はあったわけですね、御承知のように、十一年まで、平成十一年まであったわけですよ。ところが、教育長、都道府県教育長と政令市教育長の任命承認権と措置命令権が外れて一般法へ行っちゃった部分があると。だから、この辺の書きぶりによって、そこをどう担保していくかという立法技術もあるわけです。  ですから、そこへ明記をしておいた方がはっきりするというお考えは私は別に否定はいたしません。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 先ほど大臣がおっしゃった前半の方の話なんですけど、不当な支配をめぐる論争を私も聞かしていただきました。それで、さっき大臣がおっしゃった答弁はそのとおりなんです、と私は思います。で、それは、まあ国にとってですね、まあ国にまず法案の解釈権があると。もちろんそれは、しかし通達は、最高裁判例で法的な、最終的な解釈権は司法だ、これはもうおっしゃるとおりでございます。  しかし、議論のポイントはそこじゃなくて、要するに国なのか県なのかという議論じゃなくて、県知事が今その任命権者ですと、ああ、ごめんなさい、県教委、県の教育委員会が任命権者ですと。これをその市長とか区長にゆだねるというのが我々の案ですよね。  まず、どこが同じでどこが違うかというところを明らかにしたいんですが、大臣おっしゃっていただきました、正にその措置権者と任命権者と、それから、我々は実は、地教行法の二十三条で教育委員会の業務がだあっと書いてあって、二十四条で、これは首長の職務権限が書いてありまして、その第五号で予算を執行することが首長なんですね。ですから、措置権と設置権者と任命権者と予算権者というものは一体であることの方が機動的で具体的な対応が取れるんじゃないか、特にいじめのような緊急事態においてという考え方なんです。恐らくその辺りまでは同じだと思うんですけど、その制度設計のイメージとして。  そこからは、これは確かに議論があります。我々も大議論をしました。で、方法論は二つしかないんですね。我々が出させていただいた案か、アメリカのように、徴税権も教育委員会が持って、要するに、今、地教行法二十四条の五号で書いてある予算執行権、ここにアメリカの場合は徴税権も付くわけですが、財産税ということで集めて、そして当然設置主体にもなるし任命権主体にもなると。だから、こちら側に行くのか、それとも民主党案かという、大きく言うとこの二つしかないと思います、その三位ばらばらを一体にするという話になった場合には。  そこで、我々は考えました。どう考えたかということだけこの場で、いろんな委員の方々、逆に先ほど、大臣は政府の一員だからそれは案は出せない、それはおっしゃるとおりだと思います、自民党を始め与党の皆さん方に是非期待をしたいわけであります。であれば、是非自民党案を追加で出していただきたいということを、これ私は提案させていただきます。そうすれば、正にこの国会で議論ができますので。  それで、それはおいておきますが、そうすると、いわゆる教育委員会に徴税権を、あるいは予算措置権をもくっ付けた形で、任命権をくっ付けた形で、措置権をくっ付けた形でと、こういうことにしますと、これ大臣お分かりだと思いますが、地方自治法の大きな例外を作ると、こういう話になりますよね。そうすると、要は、ある人、だれかが責任持ってきちっと機動的にきめ細かくリーダーシップ取ってやれるようにしたいわけですよね、皆さん。それは恐らく変わらないと思います。  そのときに、地方自治法にそれだけの大きな制度変更というか例外のある種の体系を持ち込むということの法律上の難しさと、それから、を考えて、で、憲法上のいろいろな話もあります。しかも、徴税権になりますと租税法定主義の話も出てくるわけで、そこの大議論をやることと、私は中期的にはこれやっていいと思ってるんです。だからこそ、我々のその考え方は、そこまで、ちゃんと教育基本問題調査会のようなものをつくって、アメリカ型徴税権を持った教育委員会制度、これは地方自治の大構造改革みたいな話ですから、これは一国会ではもう済みませんよね。という話を御提起したんですけれども、それは難しいということであれば、少なくとも、今、今回お示しをしている案しかないのかなというところでの今日に至っているというところは、これは是非御理解をいただきたいということなんですが、逆に、大臣がそこのところは、そこまでやる御予定というか、あるいは逆に言うと、総務大臣とかあるいは総理と、あるいは今、塩崎官房長官いらっしゃいますけれども、内閣でそういう議論提起をもされるということをも少し期待させていただいていいのかどうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、先生、二つしかないわけじゃないんで、民主党も菅さんやその他の方々がイギリスの労働党を考えて第三の道があるとおっしゃった、正にその第三の私は道があると思うんです。  ですから、その二つの極端な例に分けてしまいますと、どちらもやっぱり欠点があるんですよ。特に、まあ教育委員会に徴税権までということになりゃこれは大問題になりますよね。そして、地方の自主性によって、教育を重視する教育長が出てきた途端に租税負担率がぼんと上がるというようなことはやっぱり適当じゃない。じゃ、地方の首長に任せればいいかというと、再三私がここで御答弁申し上げているように、やはり政治的介入とかイズムという問題が出てくると。  だから、例えば、国と地方と合わせて一つの行政をやっているのは国家公安委員会方式というのがありますよね。いろんなやり方があると思うんです。だから、いろいろなやり方を考えなければいけないんですが、これは単に教育行政だけでは論じられないですよね、もう御承知のように。その裏にある三位一体で動かした税源をどうするかということをも含めて、それから、県と市町村間の税源配分の問題等あります。何よりも、今教育というのは地方自治事務になっておりますでしょう、義務教育上。だから、先生の民主党案は当然それをお直しになるという前提ですよね。  ですから、そういうもろもろのことを含めて、やはり一番大切なのは、立派なことをやることも大切なんですが、現実を混乱させずに着地させるということがもっと私はこういう行政の立場にいると大切なものですから、先生のおっしゃった二つのところまでは踏み込む勇気は率直に言ってないということです。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 正にその第三の道というか、アウフヘーベンするために自民党なり与党のお考えを出していただいて議論したいなという、改めてお願いなんですけれども、じゃ現実論に立ち返ったときに、やっぱり今これしかないのかなということを私は思いました。  それはなぜかというと、結局、私も福岡とか岐阜とか、あるいはいろいろな北海道とかの事例を聞かしていただきました。あるいは、今日も教育長と教育委員長がお辞めになったようでありますけれども、結局、大臣は政治家と役人と両方やっておられる、私もそうでありますが、私は学者もやりましたが。  私、教育長さんにお会いしました、県も市も町も。残念ながら、教育委員会あるいは教育委員長、これは非常勤ですし、ワークしていない。ここはもう恐らく大体のコンセンサスだろうと思います。  そのときに、教育長さんが事実上その責任者として今現在おやりになっているんですけれども、今日の国会の議論でも明らかなように、やっぱり国民の代表として選ばれておられる大臣と、それから法律の枠組みの中で、国家公務員法に基づいて法律により忠実に仕事をしなければいけない役人と、いや、これ悪いと言っているんじゃないんですよ、これは役人の仕事ですから。それは当然踏み込み方というか、ある制度があったときにぎりぎりまで運用、それは国会議員にとって、あるいは大臣にとって法律は絶対守らなければいけませんけれども、法律とか制度の運用を極限までその現場にとって望ましい運用ができるのは、これはやっぱり政治家だと思う。なぜならば、我々は国民あるいは市民、県民、町民のために最善を尽くすというのが我々のミッションですから。それぞれ皆さんミッションに忠実に頑張っておられると思うんですけれども、しかし教育長とかあるいは文部省の担当の方は、それは大臣も私も昔はそうあったと思うんです、公務員のころは。ただ、むしろ昔の方が逸脱していた人が多かったのかもしれませんけれども、それはおいときまして。  そうなると、結局やっぱり、今回本当によく分かったんですけれども、いろいろ責められる。本当は人間としては、これはまずかったなと、おわびしないかぬなと思っても、そこで非を認めてしまうと法律上の責任論とどうなるのかなということがちょっと頭によぎるもんですから、ここで発言がもごもごとなるわけですよね。鈍るわけですよ、結局は。そういうことなんですよね。  まだ国会での議論は、それはいろいろ国会ですからあれですけれども、これが同じことが教育現場で起こっているんですよ。教育現場は一秒、一分、一時間たりとも待てないんですよね。やっぱりまず事前に、その制度はそうであれ、あるいは予算があろうがなかろうが、やっぱり緊急的にある種制度を超越、まあ超越、どこまで超越というのは難しいんですが、そういうことを機動的にできるためには、やはり民選による政治家と行政官とのやっぱり適切な役割分担。そして私は、最終責任は民選による政治家が担うということがそういう対応にとっては望ましいなということをやっぱり改めて痛感したんです。  今回、やっぱり町長さん、町議会議長さん、それから町の教育長さん、あるいはいろんな方会いました。やっぱり選挙で選ばれている町長さんとか町議会の方は、それは別に与党も野党も含めて、やっぱり一番、その中ではですよ、その中ではその御遺族とか生徒さんとか保護者の立場を代弁しようという思い、あるいはそういうビヘービア見えるんですね。だけれども今の教育制度が阻んでいるんで、本当は口出ししたいけれども口出せないよなという話になってしまっているということの中で、やっぱりその首長さんというか政治家が、民選がちゃんと最終責任を持つという制度設計は必要だということで提案させていただいているということと、そして、我が党案のその懸念すべき政治的中立性ということについては、教育監査委員会というのを設けて、オンブズパーソンのように、政治的に中立を欠いた場合にはやっぱりここできちっとその後で叱正を受けるということで担保をしましょう、それからもちろん選挙によってチェックをされるわけでありますし。  それから、もう一つは、教育委員会を入れた理由は二つある。これはまあ大臣も御承知だと。一つは政治的中立性の問題、もう一つはやっぱりレーマンコントロールということだと思います。レーマンコントロールの部分は、正に学校理事会で、学校現場にレーマンが入るわけですから、その保護者とか地域住民とかいうことで、その教育委員会制度がそもそも目指していた問題はきちっと手当てをしながら盛り込んでいる案だということはやっぱり御理解をいただきたい。  もちろん、それ、第三の道というかアウフヘーベンする道あっていいと思いますが、まあ今日は、そういうことをこれからもこの委員会できちっと議論をさせていただきたいということを是非お願いをいたしまして、大臣のこれからのこの議論を是非深めていく上での御見解を伺いたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 大変今日は充実した議論をさせていただきましたし、是非、もう先生はお読みいただいていると思いますが、今の例えば監査委員会的なものの選ばれ方、学校理事会と言われるものが実際はどういう形になったときには大変だなあとか、これ衆議院で先ほどの松原先生、藤村先生、前原先生と議論しておりますんで、その議事録も多分ごらんいただいていると思いますが、一度目を通していただいてですね。  それと、何よりのお願いは、先ほどおっしゃった中で国が最終責任を持つということを具体的にどう担保するんだということですね、法制上。これは御承知のように、予算権、人事権、法律の措置権のないところに責任は持てませんから、それをきっちりお書きになった上で、党内でそれで通るのかどうなのかということを再確認した上で一度お話ししたいと思います。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 再度お願いを申し上げますけど、私どもの藤村議員、松原議員、前原議員から御議論いただいて、既にもう一か月たっているわけですよ。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いや、一か月たってないですよ。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 いや、もう、だって二十、今日は七日ですかね。で、その間にあの議論があったんであれば、少なくともその大綱的なことをやっぱりある程度落とし込んでいかないと議論が、その次の議論できないわけですよね。  ですから、今日の御議論はその藤村議論と進んでないんで、私ども案を出しました。もちろん、まだまだ議論する余地あると思います。是非、これ自民党さんでも結構ですし、政府でも結構ですけれども、政府が出せないんだったら自民党にお願いしますが、それ是非出してください。そして、それを突き合わせてより良い案を作ることを是非大臣からも働き掛けて、あるいは委員長からも働き掛けていただきますことをお願いを申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。  どうもありがとうございました。

山下栄一公明党

○山下栄一君 繰り返し議論いただいておりますいじめ問題と、今やり取りございました地方教育行政の在り方にかかわっていくと思いますけれども、質問させていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕  私、あれは金曜日でしたか、質問させていただきましたように、この未履修、高校の未履修問題は高等学校の在り方を深いところから問い掛けた大きな問題であったという観点、少し申し上げました。  それで、このいじめ問題は、教育行政の在り方を本当に機能しているのか、どこまで機能してないのかということを問い掛けた問題だと。このいじめ問題は、最近の現象じゃなくて、ずっと繰り返し起こってきている問題でございます。教育基本法の改正案にかかわっていく問題だと思いますので、取り上げさせていただきたいというふうに思います。  塩崎官房長官にもちょっと御質問したいんですが、記者会見、できるだけ早いこと帰ってきていただけたら有り難いなと思っておりますけれども、四時半をめどにということですので、私の質問時間が四時四十分ぐらいまでですので少し時間が残るようですので、そのときに官房長官には質問させていただきたいと思います。  それで、児童生徒の問題行動調査でしたか、ちょっと正確には、教えてください。毎年報告されている生徒指導上の問題を報告していただいておるわけですけど、そこでいじめにかかわる問題、いじめによって自殺した人はずっとゼロだったというのはこの報告から来ているというふうに思うんですけれども、今日ちょっと皆さんに資料をお配りはしておりませんが、何度かもう取り上げられていると思いますので、「児童生徒の自殺の状況」というのがございます。この十年間、平成八年から昨年平成十七年の十年間で、小学生、中学生の自殺は四百五十七人、高校まで入れると千四百名を超えていると。  これが、分析によりますと、家庭の事情によるものとか学校問題によるもの、病気による、その他と書いてあるわけですけど、その他も大変多くなっておりますが、この学校問題の中に、学業不振によるもの、進路指導によるもの、教師の叱責によるもの、友人との不和によるもの、いじめによるもの、その他と、こういうふうにしてこれカウントされているんですけど、このカウントは一体だれが認定してやったのかなということをちょっとお聞きしたいと思うんですけど、これは初中局長ですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 文部科学省の調査によります自殺の原因別の状況のカウントの仕方でございますけれども、これは小学生、中学生、高校生が亡くなったときに、自殺ということが分かった場合に、その自殺の主たる理由を一つ、これは学校が選択をして記入をして私どもの方へ教育委員会を通じて報告をしていただいているというものでございます。その報告時点での主たる理由を一つ選択を学校がしているというものでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 その学校からの報告というところ辺がちょっとまあ見直す必要があるとは思うんですけどね。  特に小学校、中学校に限定します。最近、小学生、中学生のいじめによる自殺のことが大きく問われておりますので、小学校、中学校に限定して、この学校の管理運営責任ですね、公立の話ですよ、公立。管理運営責任は法令上どこにあるかということをまず確認させてください。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) まず、公立の小学校、中学校について御説明を申し上げますと、学校の設置管理につきましては、地教行法の二十三条の第一号によりまして教育委員会が責任を負うということになっております。一方、学校教育法によりましても、学校については設置者がその管理に責任を負うという規定がございます。ですから、基本的には学校の設置管理は教育委員会が責任を負うと。  ただし、各学校につきましては、校長は、学校教育法の二十八条によりまして、校務をつかさどり、所属職員を監督をすると、こうされておりまして、日々の学校運営につきましては当然校長が校務として責任を負っているということでございます。  ですから、縮めて申し上げますと、日々の学校の管理運営は校長が行うわけでございますけれども、最終的な設置管理の責任は設置者である市町村の教育委員会が負うということになるわけでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 先ほどの大臣と鈴木委員との議論にかかわっていくんですけど、地教行法の在り方、ちょっと責任というところが何となくあいまいに来たことが、こういう事件が起きるとまず、特に小中の場合は校長先生が出てきて、あと教育長が出てくるのが多いんですけどね。  設置者というのは教育委員会じゃないように思うんですけれども、小学校、中学校、公立の小中は設置者は、今設置者ということと市町村教育委員会、両方おっしゃったので説明はっきりせえへんやけど、市町村長なのか。だから、各学校の管理運営の最終責任者ですわ、だれが責任取るのかと、どこに責任があるのかと。管理運営責任は市町村長なのか、教育委員長なのか、教育長なのか、学校長なのかと。それもう一回確認します。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) まず、学校の設置者は教育委員会でございます。ですから、教育委員会が最終的な責任を負っているわけでございます。そういうことでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私は、校長は責任は取れないと、そういう法律の仕組みになっていると。市町村教育委員会の一番現場の行政機関という角度も学校にあると思う。学校は独立した法人じゃないので、市町村教育委員会の一番現場の一行政機関が学校だと。その責任者が学校長だと。学校長は責任取れないと。各学校における様々な事件、例えば自殺のような重大事件が起きた最終責任はどこにあるのかということは、市町村教育委員会、これでよろしいのですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 学校の設置管理者ということになりますと市町村の教育委員会でございますので、市町村の教育委員会が最終的な責任を負っているということになります。

山下栄一公明党

○山下栄一君 その法令の根拠も付け加えておっしゃっていただきたい。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の二十三条の第一号ということになります。

山下栄一公明党

○山下栄一君 そのときに、市町村教育委員会が責任があるといっても、実際保護者の前に出てこられたり、マスコミで、そのときは校長がしゃべる場合もあるんですけど、教育長が多いと思うんですね。教育委員会はもう合議機関なんでしょうけども、それ代表するのは教育委員長だと思うんですけれども、非常勤だからといって何か責任が何となくあいまいになっている。だけど、教育長に、じゃ本当に法令上責任があるかといったら、そうじゃないと思うんですよね。ただ、教育委員会はどなたが代表するんでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 教育委員会は合議制の執行機関でございまして、通常五人の委員で構成をされているわけでございますけれども、その合議制の執行機関である教育委員会の代表者は教育委員長でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ただ形式、まあ形式上かも分かりませんけど、法令上の責任者と実際上の責任者が異なっているところに、実際は教育長だという、先ほど大臣もそういう意味のことをおっしゃっておりましたけど、その辺がもうあいまいになってきていると。地教行法の在り方を、教育基本法を受けて、まあ学校教育法もそうだと思いますけど、これは見直す、昭和三十一年の地教行法の在り方自身が問われていると、先ほどのやり取りの同じ認識なんですけどね、そこが一つの問題というふうに思います。教育委員長の在り方をきちっと責任取れるようにすべきだと。私たちは、教育委員会、独立行政委員会というのは、教育の政治的中立性を担保する意味で大事な制度だというふうに思っておる観点から申し上げております。  校長の任免権は、小中学校は現場では校長先生が指揮をされるわけですけど、その校長の任免権は市町村教育委員会にはないように思うんですけどね、ないですよね、これ。県の教育委員会が各小中学校の校長の任免権を持っているという形になっていますね。それでいいですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 現在、市町村立の小学校、中学校の校長先生の人事につきましては、都道府県の教育委員会が人事権を有しております。なお、市町村のうち政令市につきましては、政令市の教育委員会が人事権を有しているということになります。  なお、市町村の教育委員会は、校長等の人事につきまして、都道府県教育委員会にいわゆる内申ということを行うということになっております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 先ほども議論がございましたですけど、やっぱり人事権、小中学校のですね、学校の管理運営権の責任者が市町村教育委員会にあるなら、市町村教育委員会の私は教育委員長にあるようにすべきだと思いますし、人事権も、先ほども話ありましたけど、やはり市町村教育委員会が、県じゃなくて、同意ぐらいはまあ県がやることはあったとしても、人事権は、任免権、これは市町村教育委員会が持たないと責任取れないと、最終責任は市町村教委と言われたかてですね。そんなことを、このいじめ問題でやり取りテレビでもって見ながら、そんなことを感じているんですけど。  この市町村教育委員会の最終責任あるという法令上のことがちゃんと担保できるように、校長の人事権は市町村教育委員会に、そして市町村教育委員会の責任はやはり教育委員長にあるんだということが法令でそうなっているんだけれども、そのようになるような、例えば教育委員長を常勤にするとか、それは教育経験者とか教育に素人な正にレーマンの形でということも一つの考え方だというふうに思うんですけど、大臣、どうでしょう。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど民主党の鈴木先生との御議論も、今先生が正に御指摘になったようなところの問題意識であったと思います。  今回、未履修の問題、それからいじめの問題を私が経験をしてみまして、つくづく権限と実際の責任の取る人との間の、今御指摘があったように、不均衡というかアンバランスをつくづく感じております。ですから、教育委員会改革というのはそこのところを直していくのが一つだと思うんですが、問題は、これは教育の責任を取るためにはどういう体制がいいかという議論だけでは収まらないんですね。つまり、県が持っている財源を市町村にどれぐらい譲るかとか、この予算の裏付けがありませんと人事権の行使はできませんから、だから、そこのところはこれ都道府県知事や市町村長会を巻き込んだ大議論になりますので、御提案の筋道は私よく理解しておるんですが、にわかに旗を振るほどの元気がすぐにはわいてこないということなんです。

山下栄一公明党

○山下栄一君 予算の権限をやっぱり一致させないと責任取れない、それは私もそのように感じております。  それで、この調査なんですけどね、いじめによる特に自殺ということになってくるとこれは大変な事件で、大きな話で、これは学校の中に責任があったのかないのかというのは大変大きな話で、実際は小学生、中学生がこの十年間で四百六十人近く自殺していると。原因がまあいじめによるかというのは報告ではゼロになっておるという話なんですけど、これは調査が内部調査ではこれは保護者に説明できないというふうに感じております。今調査中とか、先ほども七件、最近の事件で、四件は一応学校にあるということになったけれども、あと三件は調査中だと。調査、だれがどんなふうにして、調査の組織はどんなふうにしてつくってやっているんですかと。  きちっと全校の保護者に、生徒に明確な説明をしようと思えば、中途半端な調査ではこれはもたないと。それは亡くなった方、親御さんは納得できないというふうに思いましたときの調査の在り方が非常に、それが今物すごく中途半端で、つつかれたり言われるとだんだんだんだんぽろぽろ出てくるような、やっぱり学校に責任ありましたみたいなことになっていくという、内部調査だから限界があるというふうに思うんです。先ほどのやり取りにもございましたように、公務員の世界ですから、一つの官僚機構の中の最末端が学校なわけで、全部公務員ですからね。それはやはり一つ学校の不祥事になるわけで、特に亡くなったとなってくると。だから、内部調査は当然やるべきだと思いますが、それでは責任果たせないのではないかと。命に及ぶようなことがなったときに、本当にそういう、どういうふうになるのかという調査は、第三者的にやらないとこれは保護者、住民には、また国民には説明し切れないのではないかと、このように思っております。  文科省も政務官派遣、これ全部じゃないと思いますけれども、一部派遣されております。ただ、教育再生会議のメンバーも行かれているわけですけど、それはだけど、責任果たすために本当に行っておられるのかなと。責任なんて果たせないと思うんですよ。そんな物すごい数の学校を、国の責任というもの言い出したらこれは。  だから、最終責任は市町村教育委員会にあるんだったら、私は、それは第三者機関に調査していただいて自分たちの調査には限界がございますと、内部調査には。だから、内部調査した上で、第三者機関を明確にしてそこのお力をかりて、責任を、最終責任を市町村教育委員が取るという形にしないと、これ保護者、住民、国民に納得する形の教育行政にはならないと、そんなふうに感じているんですけど、大臣いかがでしょう。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) いじめの問題につきましては、いじめの問題が発生したときにそのことを隠すことなく学校、さらには教育委員会、家庭、地域が協力をして対応するということが大事なわけでございますが、本当に残念ながらいじめによりまして子供が自らの命を絶つといった場合には、本当にそのことは大変、御両親と御家族はもちろんでございますけれども、学校関係者にとりましても非常に衝撃の大きい話であるわけでございます。  これまでこういう痛ましい自殺が起きた場合には、通常まずは学校が残された御遺族の方からお話を伺ったり、あるいは生徒からもう一度アンケート調査を行ったり、あるいは保護者の方、さらにはもちろん教員からもいろいろ話を聞きまして、その亡くなられた背景について調査をするというのがまず基本ではないかと思っております。その上で、その調査に当たりまして、設置者である教育委員会が学校に対しまして自ら調査に出向いたり、あるいは報告書を求めたりして学校における状況について整理をしていくというやり方が通常ではないかと、こういうふうに思うわけでございます。  ただ、そういうことで事態の背景等が分かる場合は、これはむしろ、必ずしもそうでない方がむしろ多いというのもまたこれも事実でございまして、例えば最近の事例でも、町の教育委員会として、市町村の教育委員会として第三者から成る調査委員会というものを設けて、そこの客観的な調査結果を待つといったようなこともあると承知をいたしております。なかなか自殺という大変人の命にかかわる問題の背景というのは、これは一つの理由だけでない場合も多いわけでございますので、調査にはもちろん慎重さが要求されるわけでございますが、まずは設置者である教育委員会、そして運営をしております学校が責任を持って調査をするとともに、必要に応じて第三者、客観的な方々の力もかりて調査を行うということが考えられるのかなというふうに思うところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私は、第三者機関の力をかりる制度、制度というかそれを制度化すべきだと思います。内部調査で責任を果たせるはずがないと。常に不信感が付きまとうというふうに思います。これは役所による内部調査と同じで、役所というか公務員、官僚機構なわけですから。そういう意味で、先ほど教育委員会の一番下の組織が学校だと、市町村教育委員会の一番下に組織が学校があって一行政機関であるわけですから、そこの調査を教育委員会と学校がやってもお互いに不祥事についてとことんそんなの調べることは不可能だというふうに思うんです。  これちょっと官房長官に後からお聞きしたいと思いますけれども、だから文科省、教育委員会、学校というラインの外にこれは調査機関を置いて、そこの力をかりて最終責任者である市町村教育委員会がちゃんと説明しないとそれは説明し切れないというふうに思います。  改正案の第十六条に、教育行政は、途中省きますけれども、公正かつ適正に行われなきゃならないと。そういう内部調査だけで保護者から預かっている子供が亡くなったということについての責任は果たせないと、公正かつ適正にというふうにならないと。公正性、適正性を担保するためには内部調査で済むはずがないと、このように思いますが、大臣、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 官房長官が帰ってまいりましたら先生の御質問に政府としてお答えするのが適当だと思いますが、やり方は先生いろいろあると思うんですね。ですから、常設の第三者機関をつくるということはやっぱりちょっとなかなか難しいことですから、これは当該教育委員会が自分たちの内部調査では限界があるということを理解して、外部の方々に委嘱をしながら当該事件がどうであったかということを進めるぐらいの感性を私は持ってもらいたいなと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私は常設の第三者機関というところまで言っていないんですけれどもね。  人権擁護法というのは、そういう子供の人権を守るという観点から、そういう人権擁護法案が全然進んでおりませんけれども、そういう意味もある法案だなというふうに思っているんですけれども、子供の人権、要するに命の大切さを教えにゃいかぬのに、そういうことが学校で起こったのにうやむやにする、する気持ちはないかも分からぬけれども、うやむやにしたくなるような気持ちに襲われるわけやから、これは当然公務員の世界なわけですから。それはやはり、公正かつ適正に行われなきゃならないという法案を出すんだったら、それをちゃんと説明、公正性はこのように担保されております、内部調査で信用できないと私は亡くなった方の保護者はそう思うと思うんですね。そういうことで私は申し上げているわけですけれども、そこは後から官房長官に聞きたいと思います。  次に、保護者への説明責任。生徒、保護者、これは学校の事件の場合は、また亡くなったという場合は全校生徒に、保護者に説明する、預かっているわけで責任があると思うんですけれども。私はこれは、市町村教育委員会は設置者です。預かっている子供についての、万が一そういう重大事件が起こった場合はきちっと保護者に説明するということは教育委員会の職務として明記すべきだと。そうでないと、教師は、学校、校長先生は保護者、生徒に目を向けない、目を向けないことない、目を向けるよりも上を向いて、教育委員会の方を向いたりして仕事をせざるを得なくなってしまうと思うんです。  大事なことは、預かっている生徒、そして保護者にきちっと説明できる、安心できる学校なんだということを常に説明する責任があると、市町村教育委員会の職務としてあるんだということを二十三条に明記すべきだと、教育委員会の職務権限として。保護者とか生徒を大事にするその視点を常に忘れていませんよということを確認するためにも、市町村教育委員会が最終管理、運営の最終責任があるというんだったら、それは常に保護者、児童生徒に対して説明責任をちゃんと持つと、これが民意の反映の一つの方法だというふうに思いますので。  この点は、ちょっとこれは大臣にお聞きしたいなと思うんですけど。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは法律でそういうことを強制しなくても当然私はなさるべきことだと思いますが、教育委員長がやるのか校長がやるのかということは、これは会社でもよくあると思うんです。例えば、支店で事件が起こったときに、支店長が出てきてお話をするのか本社から社長が出てきてお話をするのかというのはあると思います。  それで、それはその事柄の重大性ですね、特に命にかかわるようなことはやっぱり教育委員長がしかるべき対応をされるというのも筋だと私は思いますね。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私は、だから市町村教育委員会が学校の管理運営の最終責任者であると、今の法令上ですね。そういうことであるならば、その職務権限の中に、職務の内容の中に保護者そして生徒に対してちゃんと説明をする責任があるということを明記すべきだということを申し上げたわけで、一々そういうことを言わぬでもやるやろという、できてないから一生懸命私言っているわけでございましてですね。  それはやはり、その辺があいまいになっているところに日本の教育行政が本当に生徒のために学校が動いておるのかということが、それが今様々な形で批判されていることではないかな、隠そうとしているのではないかというようなことを不信感が高まっておるわけで、重大事件があってもきちっとした説明もないというのではやはりそれは果たせないわけで、最終責任を果たすためには保護者そして生徒を大事にする、その視点が教育委員会の責任者たる、最終責任を持っている教育委員会の職務内容なんですよということが今はっきりしておりません。それはだから明記すべきではないかということを御提案申し上げておるわけでございます。  是非、これはきちっと検討いただきたい。再度御答弁をお願いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生が今御提案になられましたお気持ちと精神を大切にして指導をさせていただきたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 政府提出の法案の改正案、繰り返します。教育行政は、「公正かつ適正に行われなければならない。」と、これ明記したわけですから、それがきちっと担保されるような最終責任の仕組みをつくるべきだと。公正かつ適正に行われているかどうかはきちっと、まあ第三者機関もそうですけど、ちゃんと説明をする責任があるんだと、明記しないと果たせないと思いますので、申し上げました。    〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕  次のテーマに移らさせていただきたいと思いますが、もう一回、言いっ放しで行きますけど、要するに子供の命を大事にせいと。子供の命を大事にされていないということを繰り返し言われている。命を粗末にするなよと大臣も呼び掛けられました。各都道府県では知事がやり、大阪でも教育委員長がやり、教育長が同じメッセージを送っております。だけど、そういうことを言うんだったら、今申し上げたようなことをやれ。やらないと、命を大事にしているということで、命を落とされているわけだから、学校内のそういうことで。学校内のことで自殺ということまで行っているわけですから、教育行政はどこの場面でも子供の命を大事にしていますよということを明らかにするような体制をつくらないと私は子供に説得力がないと。それを隠したり、そんなことが横行している。何なんだと、これはと。それで一方でメッセージ言っている。そんなちぐはぐな教育行政でどうして公正性が、公正かつ適正に行われていると言えるんだと、これが子供の声ではないかなというふうに思うわけでございまして、子供の人権、命を死守する教育行政になるために私は先ほど提案させていただいたわけでございます。  今は極めてその責任があいまいになっているという。そのために今、地教行法は見直しする必要があると。公正かつ適正に行われるような。で、モラルも、教育行政のメンバーの一人一人がみんなモラル持っていますよということを言えるような体制にするための御提案を私はさせていただいたつもりでございますので。いじめはどこの学校でも起こり得るんだったら、もうちょっとちゃんと説明体制をつくっておけよと、そんなの起きたときだけやるなよというふうなこと。突然そんな全国にもう一遍調べろなんというようなことを、しようもないことをやるから不信が起こるわけで、何でゼロばっかり出てくるんですかいうふうなことになってくるわけですよ。そんなんまともな報告来るはずがないじゃないですか、自分たちに降り掛かってくるわけやから。学校内の不祥事をどうして校長先生が、教育委員会が、その上の人たちが責任取れるかと。これ、こういうことを指摘させていただきたいと。  また、この話は、民主党を交えた次のこの地教行法の、民主党だけじゃございませんけれども、きちっとした行政の在り方を問われる話ですので、我が公明党もきちっと参加させていただきまして、意見をちゃんと申し上げたいというふうに思っております。  教員の資質向上の話でございますが、今日も神本先生その他、それから何遍もこの話は出ておりますけれども、今日、現場の先生方の実態を踏まえた今仕組みになっておるかということが言われております。それで、私は、今人件費の問題がございまして、公務員削減、人件費削減ということが言われておりまして、義務教育国庫負担の問題もそうですけど、今基本的に学校現場の仕事は増える一方だけれども、人の配置が不足しているという。  それで、事前の私はこれ一つの御提案したいんですけれども、今の団塊の世代がどっとこれ辞めていきますと、校内の指導体制が、先輩の先生が後輩の先生方にきちっと教えていったり知恵を授けていくというふうなことがだんだんだんだん弱くなっていくというふうに思います。そういう意味で、人件費にカウントされないようなやり方で地元の教員OBを、例えば団塊の世代で、団塊の方々辞めていかれる、そういう人を活用したらどうかなと思っております。  地域にある学校の教職員を、そこに住んでいるとは限りませんので、リタイアした方々でその地域に住んでいる、勤務先は別だったと、しかし学校現場はどこにもあるわけでございますので、そこに居住されている教員OBが、地域の、自分たちの住んでいる地域にある学校、小学校、中学校に応援に行くということを私はやったらどうかなというふうに思っております、それはもちろん人選しながらですけどね。  生徒一人一人に光を当てる教育が求められておりますので、正教員をどんどん採用するという状況にはございません、加配もなかなか思うようにいかない、特別支援教育もこれからますます大事になってくる。そういう中で、一つの案として、そこそこ授業に専念できるような、学力低下も言われております、専念できるように、例えば生徒指導、進路指導の仕事も含めて、キャリアアドバイザーの仕事も含めて、地域に住んでおられる教員OBを活用すると。それは正教員ではない形でやるというようなことが必然的に始まっていくと思うんですけど、それを国としても交付税措置じゃない形で、モデル的でも結構ですけれども、何か応援するということをやって、ちゃんと国は承知していますよと、なかなか思うようにいかない人件費削減の中で、だけれども学校現場は大事だということを示すために、文科省として様々な人材、特に教員OBを活用していく。先輩の教員層がどんどん薄くなる中で、教材研究に正教員が専念できる仕組み、体制づくりを、負担を軽くするためにも、相談に乗るアドバイザー、ティームティーチングのメンバーの要員とか、そういうことも含めて地域居住の教員OBの活用が大事ではないかというふうに思いますけど、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 二つの面で非常に先生の御提案は大切なことだと思います。一つは、やはり経験を積んでいる人たちを活用するということ、それから団塊の世代がいよいよ第一線から引退されますので、この方々にもやはり生きがいを持ってこれからの人生を送っていただくということが必要です。  ですから、私は余り横文字でいろいろいろんなものの名称をつくるのは賛成じゃないんですが、文部科学省としては、教育サポーター制度というのをつくって、来年は五千万ですか、取りあえず調査等を始めたいと思っておりますので、いい結果が出ますれば、全面的にやっぱりできれば補助事業として拡充していきたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 我が党も繰り返しこの提案をさせていただいておるわけですけど、教員をサポートする、いわゆる評価する、教員評価も私はするなとは言いませんけれども、そういう管理的手法じゃなくてもっと本当に一生懸命頑張っている先生方が希望出てくるように、サポートするという考え方をもっともっと打ち出すべきだという意見でございます。  そのためにも、もう一つ提案があるのは、これも本会議で申し上げましたけれども、福祉と教育の連携でございます。  教員、教師、学校の教職員体制の外に、子供の生活ですね、子供の生活が学校現場に持ち込まれる、家における子供の状況、地域における子供の状況が学校に持ち込まれて不登校になったりする場合もあると。学校に原因がある場合もありますけど、家庭の事情なんかが直接に生徒の状況に影響を与える場合もあると。  そういうふうに考えましたときに、これ地域と家庭と学校との連携の一つなんですけれども、特に福祉の人材を活用する。例えば社会福祉士、病院におけるソーシャルワーカーもそうですけど、社会福祉施設におけるソーシャルワーカーもそうですけれども、学校もこういう社会福祉士等、これは福祉の人材で教員免許持っておりませんけれども、こういう方々は地域の資源をよく御存じでございます。教員は、そこに住んでいない教員も勤務しているわけでございますので、地域の資源のことをよく分かっていない場合もあると。ハローワークもその一つかも分かりませんけど、私は、福祉の人材も、これはスクールソーシャルワーカーということでアメリカでは相当普及し、日本でも今徐々に普及し始めておりますけれども、福祉と教育の連携というのも小中高、小中、特に小中ですけれども、大事な時代を迎えているなということを感じておりまして、これについても、今一部支援はしている、されているとお聞きしておりますが、明確にこれは教員サポーターの一つの一環として位置付けていただいて、福祉と教育現場との連携の仕組みを強化する、スクールソーシャルワーカー制度の例えば活用、これも大事な時代を迎えているのではないかというふうに思っておりまして、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 既に、先生のお地元の大阪府とか香川県などで試行的にその試みが行われていることはよく承知しております。  したがって、単に教育職だけではなくて、今のこの福祉の専門家、介護の専門家等に学校で子供の相談に乗っていただく授業ということで来年の概算要求にも文部科学省としてはしかるべき要求を行っておりますので、先生の御提案の方向に従って行政は動いていくと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 教員評価の在り方ですけれども、先ほど少し触れましたけれども、私は、教師の資質向上のためには、教員同士の刺激、そしてまた保護者に監視していただく、見ていただくということがより重要ではないかと。書類による審査、また管理職による審査も否定はいたしませんけれども、本当の研修は、例えば授業公開、授業研究、学校の全先生方に見ていただく、場合によっては地域の、同じ社会科でしたら社会科、理科でしたら理科の教員、学校間の連携でお互いにチェックといいますか、授業を見合うといいますか、そういうことが一番刺激になって教師というのは資質も必然的に磨かれていくのではないかと。これは私自身の経験でもあるわけですけど。特に小学校、中学、まあ中学になってくると生徒の方が大分自分の意見を持ち始めますので、厳しい生徒からの淘汰というか、一年間堪えられるような授業をしようと思いますともう大変な、力がない又は授業力を磨かないと生徒は寝てしまったり、おまえの授業は聞かないぞということは露骨に表すような態度になっていくわけで、もちろん生徒の評価も私は大事だと思います。確かに小学校になると、教師と生徒というのはいろんなことで、まあ権力関係といっても従たる地位にありますのでごまかしが利くというか、保護者に思いっ切り開く、そして教員に開く、先輩の教員に見ていただく。学校間のそういう刺激し合いといいますか、そういうことが実は教員の資質向上に一番痛烈に効果があるということを体験上感じるわけでございます。  もちろん、それと併せてペーパーによる評価を無記名でやっていただくとか、また自己評価、そして上司による評価もあってもいいかも分かりませんけど、一番日常的に大事なのは、生徒、保護者に授業を公開すること、公開してちゃんと見ていただけるような、もう小学校三年ぐらいまでは学校に来られるけど、五年、六年以降になってくると学校に来られない、なっていく面があると思うんですけど、それをやっぱりきちっと授業研究と位置付けて制度化してやっていくとか、そういう試みを文科省としても支援するとか、学校間の連携によって授業の力を磨いていくという、そういう現場における授業の公開、研究、これが最も効果的な研修ではないかと。  このことをよく分かった上での支援策が、また研修の、また評価の在り方が議論されるべきではないかと、このように感じますけど、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生おっしゃるとおりだと思います。そして、お互いの成功事例を共有していくということは子供のためにもいいことでございますから、初任者の研修あるいは十年経験者の研修等において、学校内の授業の相互の公開あるいはモデル校の授業を見てもらうとか、こういうことを通じて一層教員の質を高めていくという御提案は大変時宜を得たものだと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 こういう試みをやっている地域、市町村等に支援ということも考えられるのではないかということで申し上げました。  次、教員の養成のことでございます。これも何回か議論ございましたですけど、教職の課程認定の在り方を見直すと、場合によっては各大学に勧告したりするというふうなことが中教審答申でも出ております。  教員免許更新制の前に、養成段階で、教員免許を与える段階の体制はちゃんと充実しておるのかというようなことを検証する必要があるというふうに思っておりまして、この教員養成課程認定の制度がちゃんと機能しているのかなということをちょっと疑問に思っております。  各大学で、教育大学じゃない、旧師範大学ではないところでの教職の課程認定というのは、これはよっぽど整えないと機能しないのではないかと。各それぞれの専門教科の訓練等は各大学でもできるか分かりませんけど、トータルな教員養成というのは、一般の教育大ではないところでの、理科の教員免許もそうですし数学の教員免許もそうですが、そこは理学部でもできるわけで、工学部でもできる場合があると。そこでだけど教職免許を取れる体制になっていっておるわけで、教職の課程認定が、特に生徒指導の観点とかコミュニケーション能力を高めるというふうなことについては場合によっては不得手な大学の先生が、これちょっと失礼な言い方をしておりますけど、免許を与えていると。与える側の方はちゃんと本当に教育力があるのかなという、そういうことで大学で免許を与えているとしたら、これはちょっと違うのではないかと。  今はもう子供が少子化社会でございますので、各大学の教職の課程認定というのは非常に大事だと。大量に教員養成をする時代じゃありませんので、そういう意味で、この教育の課程認定の見直しについてどのような検討をされておるのかということを確認したいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 一般大学を出られても、先生も京都大学の御卒業ですが、立派な教師として教えておられたと思いますから、一概に大学の出身によってどうこうということは言えませんけれども、やはり教職の専門大学において、今おっしゃったような教え方、あるいは学校の教職員の管理の仕方、あるいは学校の運営の仕方、こういうものをしっかりとやっぱり教えていくということは大切なことだと思います。  特に、教職の大学院ですね、これについてはいろいろな御提言を踏まえまして、二十年度からは募集ができるようにひとつ政令その他の改正等の準備を進めたいと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 今大臣、二つおっしゃっていただいたんですけど、課程認定の見直しは、これはちょっともう時間がございませんので、きちっと機能するような形で御検討をお願い、改善勧告を場合によってはするとかチェックする体制も検討されているようですけど、これ言うはやすくなかなか難しい面もあるのではないかというふうに思っておりまして、機能するような制度改正を是非お願いしたいというふうに思っております。  教職大学院の話もちょっと質問したかったんですけれども、時間の都合がございまして、官房長官戻ってきていただきましたので、ちょっと議論聞いていただけなかったんですが、この十年間で小学校、中学校の自殺者が四百五十人を超えていると、十年間ですよ、小中学生、これは報告されておるわけですけど。この原因にいじめがゼロだったというふうなことが大きな問題になっていると。  ということは、命に及ぶような重大事件が学校が原因で起きているにもかかわらず、それが本当に学校に原因があるのかということの検証の調査も内部調査で終わっていると。自ら責任を問われるような内部調査を校長先生、教職員はできるのかと、それを管理する教育委員会もできるのかと。自らの責任が問われるような、学校の管理運営は市町村の教育委員会に小学校、中学校の公立はあるわけですけど、その調査の効果ですね、これは内部調査では限界があると。  そういう意味で、第三者による、第三者の力をかりてきちっと調査をすると。なぜこんなことが起こったのか、実はいじめではなかったという結論になるかも分かりません。それが、だけども、全校の保護者や生徒に納得のいくようなそんな調査をしていただいて、原因はこうだったのかということをきちっと説明できるような、市町村教育委員会の責任を果たせるような体制つくるためには、私は、教育委員会、学校による内部調査だけでは果たせないと。教育行政の公正性、適正性をきちっとせよという改正案を出されておるわけですけど、そのためには、特に校内における重大事件についてはきちっとした第三者機関の、恒常的につくるかどうかは別として、先ほど伊吹大臣も基本的に御賛成いただいたんですけども、これはちょっと文科省と教育委員会のラインでは責任私は果たしたと評価してくれないと。それ内部調査じゃないかと、こういうふうになってしまうので、特に学校における事件が起きた場合の説明責任を果たすためにも、第三者による、教育行政ラインではない、そういう力をかりて初めて保護者や生徒に説明責任が果たせるのではないかというふうに思っておりまして、これはちょっと文科大臣に聞くわけにいかぬので、これは是非、子供の人権にかかわることですので、子供をいかに守るかという、人権擁護法案にかかわることでもあるんですけど、官房長官の積極的な御答弁を期待したいと思います。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) この教育特で繰り返しこのいじめ、そしてまたいじめによる自殺の問題については御議論を重ねていただいているわけでありますけれども、今、第三者機関を設置して個別事案についても検証すべきではないのかというお尋ねでございましたが、まず第一に、その当事者たる学校とか教育委員会とか、これが自ら何が原因だったんだろうかということを調べることは当然これは徹底してもらわなきゃいけないと思いますが、それで十分かという今、山下先生の御指摘でありました。  もう既に、実際に筑前町などでもこの第三者的な調査委員会というのができておりますし、それから未然に防ぐ相談窓口という意味でも第三者的なものをつくっているということがあって、今の山下先生の御指摘は、この第三者的なものをつくるという考え方自体は私も賛同するところでございます。  ただ、それをどういうふうにやるのか。そもそも、さっき御指摘のように、自殺そのものが学校が原因なのかどうなのかということも、必ずしも一義的に結び付いていないケースもたくさん多分あるんだろうと思いますから、私は内閣の方でこの自殺対策の協議体をつくって私が代表を務めておるわけでありますが、そういうようなもう複合的なやっぱり原因があってこの自殺というのは起きるんだろうということを考えてみると、単に学校あるいは教育委員会だけで調査することだけでこの今の深刻な状況というものを、原因を取り去るということにはなかなかならないのかも分からない。  そういうことになると、少しやっぱりそういったラインではない目が入った分析というものがなければ、ややその起きるたびに感情的な反応というものがどうしても出てきますから、冷静にこの第三者的な目というようなものを入れるというのも一つの大事なアイデアではないのかなというふうに考えます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 まあアイデアというか、当然のこれは保護者にとっては、保護者が求める仕組みではないかなというふうに思いましてね。だから教育委員会のラインではない、これはもうどうしても首長部局に置くしかないかなとは思いますけれども。  そこで、いろんな国交省関連の、飛行機にしろ、ちょっと例えが悪いかも分かりませんけれども、事故調査委員会というのが非常に権限を持ってきちっと調べるわけで、第三者的に。校内の命にかかわる事件が起きて、確かに学校で原因じゃなかったかも分からないけれども、それを客観的にきちっと公正性を担保するための調査結果ですよと言えるためには、校内内部調査でだれが納得するかと、私は、当事者は思うわけでございましてね。  今日もテレビで放送されておりましたけれども、福岡の方の御両親もそういうことを訴えておられるわけで、そういうことをいつまでもやっているのはおかしいなと。教育行政の在り方を今議論しておりますので、公正かつ適正に教育行政は行われなければならないということをきちっとやっぱり担保するための制度を、こんな重大事件が校内に起きておって、調査が内部調査だけで済まされているような仕組みになってしまっていると。これはどこを向いて本当に学校は教育を行っているんですかと、安心して子供を学校に行かせられるような仕組みをつくってくれよと。  そのためには、教育委員会、教育行政当事者そのものが第三者的に調べましたよとこれはということの、その力をかりて保護者に説明して初めて納得。学校の中で調べてこういう結果ですというのは、それはとてもじゃないですけれども納得させられないと、こういうふうに思いまして、単なるアイデアでじゃなくて、これはもう保護者、生徒が痛烈に、その通っている学校の生徒、保護者が願っていることであるというふうに私は思いましたもので、これは内閣官房長官の今もおっしゃっていただきましたけれども、積極的にこれは議題につくっていただいて御検討していただかないと、この話は。  何遍も繰り返しているという話ですから、そのときだけ調査するのかと、こういうふうに。二万件超えていますから、これいじめの発生事件って。これ文科省の報告ですから、小中だけで二万件近くあるんですよ。自殺も千四百件もあるのにやね、これ二万件というのは毎年の話ですからね。十年間で、自殺は学校が報告されているのでは小学校、中学生で四百五十件もあるのに、いじめは一件もないと。原因はなんというようなことを、それは信用されにくい。  こういうことが繰り返されているので、あえてそういう第三者機関の話をさせていただいたわけでございますので。ちょっとアイデアで終わるとちょっと困るので、もうちょっときちっとした議題に据えて検討していただいて報告をしていただくことがこの教育基本法改正の議論を、教育行政の在り方を議論する一つの方向性として、国民の皆さんもそれならば納得できるねと、こう言っていただく一つの材料かなと思いまして、再度、官房長官に御答弁をお願いしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今の山下先生のお考え、よく分かりましたので、何ができるのか、どういう形があり得るのかということを検討してみたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 もう時間ございませんけれども、教職大学院の一点だけ。  これ今検討中なんですけれども、教職大学院は再来年、平成二十年から始まろうとしておりまして、いよいよ準備が各地域。それで、今ある、これは具体的に言ってあるのかどうか分かりませんが、大学院生は現場で実際授業をやったり、そういう実習をすることが単位として必修単位になっているわけですね。そのためには、各大学は地元の小学校、中学校の協力を得ないと、これは単位認定されないわけです。そうすると、ある県では、今議論されているんですけれども、うちの県に就職しますねと、そうだったら受け入れますよという条件付でしか、協力校が絶対必要な制度設計になっているのに、そのお世話になる学校がある県に就職することを条件、認めないと協力校として受けませんよと、そういうことを言っている県がございまして、これが広まってしまったらこれは物すごくゆがんだ教職大学院制度になってしまうと。  確かに受け入れる学校は大変だと思います、力があるかどうか分からない人を受け入れるわけですから。年間の授業計画にも影響を与えるとは思いますけれども、だけれども、これは教職大学院の協力校を受け入れる県は地元に就職しないとそれは駄目だというふうなことにならないような省令ないし通知みたいな形でお示しをしていただかないと、これは各大学が困ってしまうと。地元の協力を仰げないというふうにならないような配慮を文科省として是非御検討いただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 十九年度に申請を受け付けて、二十年度からスタートできるように準備を今進めておりますので、先生がおっしゃったこともその際ひとつ検討させていただきたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 どうもありがとうございました。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  政府の改定案の二条と、憲法十九条の思想、良心、内心の自由の関連についてお聞きをいたします。  第二条では、教育の目標として様々な徳目を掲げております。その中の一つに国を愛する態度があります。政府は、これは態度であって、内心の自由は侵さないと言われます。その一方で、態度と心は一体なんだということも繰り返し答弁をされております。そうなりますと、態度を指導するということは、結局心を指導し、内心の自由を侵すことになるんです。  そこで、具体的に日の丸・君が代に関連してお聞きをいたします。  先日、当委員会で自民党の委員からも、国旗・国歌法が制定した当時の野中官房長官の答弁に関連しての質問がありました。私も当時の総理や野中さんの答弁についてまず確認をしたいと思います。  まず、官房長官にお聞きいたしますが、国旗・国歌法が制定をされた際に野中官房長官は参議院での特別委員会で、日の丸・君が代が生まれ出てきた我が国の長い千年を超える歴史を十分に踏まえながらとしつつ、戦時中のあの時期、誤った戦争への手段の一つに使われた反省があると、こういうことも述べられました。  官房長官もこの認識には変わりないわけですね。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 野中官房長官が、例えば、このさきの大戦の間、戦争遂行に利用されたことは認めざるを得ない、こう述べたというのが、答弁があります。これは平成十一年の七月三十日の今の答弁で、国旗・国歌法に関する特別委員会で答弁をされたわけでありますけれども、これは戦前の一時期の教科書において日の丸や君が代が戦争と関連付けて記述されていた事実を認めたものだというふうに理解をしているところでありまして、日の丸とか君が代というのは、法案審議当時の小渕総理の答弁にもございましたけれども、戦中、戦前の出来事に対する認識や評価とは区別をして考えていくべきものだろうというふうに考えております。  日の丸とか君が代というのは、幾多の歴史の節目を超えて、さきの大戦後も変更することなく国旗・国歌として国民の間に定着をしている長い間の存在ではなかろうかというふうに考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 そういう使われ方をしたという歴史的事実があったことについてはお認めになりました。  東京都の学校で日の丸・君が代の指導にかかわる裁判があり、九月の東京地裁の判決はこう述べております。我が国において、日の丸・君が代は、明治時代以降、第二次世界大戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがあることは否定し難い歴史的事実だと述べております。これは、事実認識においては当時の野中官房長官の答弁と同じだと思うんですね。  それを踏まえまして、当時、小渕総理も本会議で、日の丸・君が代の抵抗感についてのお尋ねがありました、国民の一部に日の丸・君が代に対して御指摘のような意見のあることは承知をしておりますと、こう述べておりますが、この見地も当然現内閣として変わりないということでよろしいでしょうか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 小渕総理がおっしゃった、国民の中にそういう見方があるということはそのとおりだと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 国民の中にそういう抵抗感があるということがそのとおりだということもお認めになりました。少なくない国民の中にそういう日の丸・君が代への抵抗感があるということは、先ほど述べましたようなこの日の丸・君が代の過去の歴史に根拠があります。先ほど引用した東京地裁の判決では、国旗・国歌法が制定された今日でも、国民の間で日の丸・君が代が宗教的、政治的に見て価値中立的なものと認められるには至っていない状況にあると、こういうことも述べております。  そこで、こういう下で、日の丸・君が代を批判をする世界観、主義主張を持つ者の思想や良心の自由というものも当然憲法上保護されなければならないと考えますが、この点いかがでしょうか。官房長官、お願いします。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) それは、思想信条は自由でございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 その思想、良心の自由というのは当然児童生徒にも認められるべきだと思いますけれども、この点も確認しておきたいと思います。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 思想信条は自由であります。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 これ、思想信条の自由というのは正に憲法十九条に掲げられた極めて重要な権利であるということは今もお認めになったわけですね。そうしますと、この日の丸・君が代への態度というのは、この独特の歴史からいって、憲法十九条が保障している思想、良心の自由にかかわる問題だということであります。  そこで、伊吹大臣にお聞きしますが、そういう自らの考えとして日の丸・君が代、君が代を歌いたくないという子供に無理やり歌わせるということは、これは思想、良心、内心の自由を侵すことになると思いますけれども、この点いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 官房長官が答弁をいたしましたように、思想信条は自由であります。しかし同時に、君が代・日の丸というのは、国民の総意を憲法上代表している国会で議決された法案によって国旗・国歌と決められております。そして、それを教えることについては国会で議決をされた法律に基づく学習指導要領で告示をいたしております。その告示を受けて、東京都の教育委員会の告示の範囲の中でのやり方についてどうも納得がいかないからというので、下級審でございますが、訴えがあって結論が出たということであって、これは学習指導要領に従って教師というものはそれを教えていただかなければなりません。  それを受けて児童生徒がどう対応するかということは、これはその児童生徒の信条の自由はあるでしょう。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私、学校の指導のことを今お聞きしたんじゃないんですね。その結果として、子供が自らの意思で自分は歌いたくないと、いろんな例えば歴史的な経緯を自分も学習する中で、そういう考えを持った子供にこれを歌うことを強制することは内心の自由を侵すことになるのではないですかと、そのことをお聞きしているんです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 学習指導要領にのっとってきちっと教師としての、まあ国の統治システムですね、これは日本共産党が一番大切にしておられる憲法で決められていることですから、この憲法の規定によって行われている法律、法律の一部である学習指導要領、それを教師がきちっと実行しておられる限りは、その結果として児童がどう対応されるかは、これは仕方のないことです。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 確認しますけれども、仕方ないと言われましたけれども、そうであれば、その結果としてその児童生徒が自分は歌いたくないと、こういう考えを持った子供を無理やり歌わせると、歌うことを強いるということについては、これは内心の自由を侵すことになると認められますね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは教師が指導しているわけですから、教師が指導していることに生徒は基本的には従うわけですね。しかし、その際に、愛国心とか先生が今いろいろおっしゃったその内容に、心の内容に立ち至って強制をするということはできないということを言っているわけです。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 これはかなり当時も議論をされた問題でありますが、これは例えば公明党の議員に対する当時の政府委員の答弁ですが、いろいろな指導を受けた後、しかし、やはり自分としては歌いたくないというような児童がいる場合に、無理強いしてこれを斉唱させることになりました場合には、やはりこの内心に立ち入らないということにかかわってくると、こういう答弁もございます。  そして、当時の野中官房長官は、式典等において起立する自由もあれば起立しない自由もあろうかと思うわけでございますし、斉唱する自由もあれば斉唱しない自由もあろうかと思うわけでございまして、この法制化はそれを画一的にしようというわけではございませんと、こう当時の官房長官が答弁されておりますが、これも当然維持をされると、こういうことでよろしいですね、官房長官。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりだと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 当時の官房長官の答弁でありますから、そのとおりだとお認めになりました。ですから、生徒が自らの考えで起立しない、斉唱しないというのは、憲法十九条によって保護されているこれは基本的人権、大変強いものだということがはっきりしたと思うんですね。  ところが、実際にどういうことが起きているのか。これは再三東京の例を挙げるわけでありますが、これは二〇〇五年の三月に起きた東京の町田の例がございます。市の教育委員会が卒業式や入学式について、君が代を校歌等と同じ声量で歌えるようにと、こういう事前に指導をすることを求める通知を市立の小中学校長に出しました。その下で何が起きたかというのを当時朝日新聞も報道しているわけですが、小学校六年生の女子生徒のAさんというのがいます。父親は日本人、母親は在日韓国人三世と。おじいさんは日本に強制連行された方だそうなんですね。この子は、日本が戦前、朝鮮半島で何をしたのかという歴史を母親から聞いて、それから本を読んだりした。その中で、自分は君が代を歌いたくないと考えていたわけですね。ところが、通知では、同じような大きな声で歌いなさいということが来ましたから事情が一変をして、音楽の授業のたびにこの君が代の練習があると。卒業式の前の一週間は毎日君が代の予行練習が行われて、音楽の先生が、もっと大きな声とか、指が縦に三本入るまで口を開けなさいとか、こういうようなことが執拗に繰り返された。非常に卒業式までの苦痛は続いたということが報道もされましたし、私たちも直接確認をいたしました。  私は、こんな苦痛を子供に学校の場で味わわせるのは異常だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、文部科学省がどういう指導要領を出しているかというのは先生御承知のとおりですね。ですから、先般来ここでも議論になっているように、都道府県知事あるいはその知事の傘下にある行政組織に教育委員会の教育権をゆだねるということについてどうだということと密接に関連がありますね。我々は、それは反対だということを言っているわけです。それはなぜかというと、逆のケースもたくさんあるんですよ。  ですから、学習指導要領の枠の中でどういう指導をしているかというのは各教育委員会の問題なんですよ。それは今、司法で争われているわけです。当然、東京都はこれは上告すると思います。事実関係も私は伝聞でしか聞いておりません。ですから、司法の場で争われている問題について、ここでコメントをすることは差し控えさせていただきます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私が挙げたのは、これは町田の例でありまして、司法でやっているのは東京都のいわゆる一〇・二三通達の話なんですね。  当時、これも有馬文部科学大臣の答弁でありますが、長時間にわたって指導を繰り返すなど、児童生徒に精神的な苦痛を伴うような指導を行う、それからまた口をこじ開けてまで歌わす、これは全く許されないことであると、こういうふうに答えていらっしゃるんです。それに近いことが起きているじゃないかと、これが異常と思われないかということを私はお聞きしているんです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 大変申し訳ありませんが、先生がお調べになったことを今お述べになっておりますが、事実関係を確認しない限りは、これは類似のことが今司法の場で争われておりますから、御答弁をするのは適当じゃないと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 今紹介した当時の文部科学大臣の答弁、口をこじ開けてまで歌わす、これは許されないことであると、これについてはお認めになりますね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 口をこじ開けたのか、学習指導要領に従って是非やってくれということで歌わなければいけないという指導をしたのか、それはそのときそのときのケース・バイ・ケースです。こじ開けたという事案は、どういうシチュエーションを言っておられるのか分かりませんが、私の耳には入っておりません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 先ほど来から強制することは駄目なんだということはありましたので、それは確認をしておきたいと思うんです。  そういう下で、今、私が重大だと思いますのは、学習指導要領の改訂作業が行われています。この中で、この君が代の扱いが変えられようとしている問題です。  文部科学省は、二〇〇五年のいわゆる義務教育の構造改革によって、義務教育の到達目標を明確化するということを打ち出しております。義務教育の目標を明確にするため、学習指導要領において各教科の到達目標を明確にするということを二〇〇五年に打ち出して、それ以来、学習指導要領の見直し作業が行われております。  皆さんのお手元に現行の学習指導要領における日の丸・君が代の取扱い、そして今見直し作業が進められているものをお配りをしております。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 二枚、こっち。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 そうです。二枚物ですね。  二枚目は、これは九月二十九日の中教審の初等中等教育分科会の教育課程部会で配付をされたものですね。  現行学習指導要領を見ていただきますと、音楽の欄では、「国歌「君が代」は、いずれの学年においても指導すること。」、これしか書いてありません。ところが、今検討されているこの到達目標を見ますと、小学校の義務教育終了段階において子供たちの到達目標として何が検討されているのか。そこにありますように、「国歌「君が代」についての理解と歌唱の技能を生かす力。」とした上で、「日本の伝統的な旋法による「君が代」の美しさや自国を尊重するこころをもつなど。」、こうなっているんですね。これ、初めてこの君が代とこの児童生徒の心というものを結び付けたのが今検討されているこの目標なんです。  要するに、すべての子供に君が代を歌わすことによって、それを美しいと感じなさいと、そして自国を尊重する心も持ちなさいということを目標として求めるわけですね。それができない児童というのは、言わば義務教育終了段階の目標に達しない、評価が低いぞということになるんです。これは子供の思想、良心の、内心の自由を侵害するものになるんじゃないですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ちょっと事実関係を。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今配られた資料でございますけれども、この資料は、教育課程の改訂を議論をいたしております教育課程部会での審議の過程における参考資料でございます。この審議は現在も継続をされているわけでございます。  内容としては、児童生徒に身に付けさせる力を分類、整理するための試み、試作の資料でございまして、こういう力を子供たちに身に付けさせたいなというのを、いろいろ出た意見を整理をしているものでございます。このことが即その学習成果の評価に用いるということを目的として作成をした資料ではないわけでございます。  なお、現在でも小学校の例えば音楽におきましては、高学年では、国歌の大切さを理解するとともに、歌詞や旋律を正しく歌えるようにすることが大切であるということで、そういう観点からの指導を行っているところでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 現行の学習指導要領を見ますと、例えば中学校の社会科の欄ですね。小学校も中学校もそうですが、国旗・国歌の意義、それらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させる、それを尊重する態度と、こうなっているんです。国旗とか国歌というのはどういうものかということを理解をし、それを尊重する態度なんですね。  しかし、これは明らかに違うんですよ。この君が代が美しいと思うということ、そして国旗・国歌そのものじゃなくて国を尊重する心を持てと言っているんですから、私は明らかに踏み込んだ表現がこれされていると思うんですね。これを歌を歌うことによって目標として求めるということは、私はやっぱり思想、良心、内心の自由を侵すことにつながっていくと思いますけれども、改めて大臣、いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、今政府参考人が答弁いたしましたように、審議の途中の資料でしょう。これでいくのかどうなのか、まだ何も決まってないんじゃないんですか。最終的には学習指導要領というのは文部科学大臣が告示をするんです。そのときに私が判断さしていただきます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 判断したからこれでいきますと、それではもう遅いんです。現に、今検討されているから、これでいいのかということを私は申し上げておりますし、大臣の判断と言われるんであれば、これは私は変えるべきだと思うんですね。  例えば、先ほど紹介をいたしました、自分の考えとして君が代はおかしいと、歌いたくないと思っている小学生の子供を紹介をいたしました。ほかにも、例えば、君が代は歴史的経過から抵抗感あるけれども、二度と戦争をしないということを誓った憲法を持つこの国を尊重する心はだれにも負けないという子供もいるわけです。しかし、こうした子、君が代には抵抗感ある、そういう子供が、美しいと感じなさい、自国を尊重する心を持てと、こう指導されるわけですね。  それでなければ、これは義務教育で到達すべき目標だということで、繰り返し、君が代が美しいと、国を尊重しろと、するという心を持つまで繰り返し指導されるということになれば、これは私は強制以外の何物でもないと思いますよ。いかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まだ先生、審議の過程なんでしょう。結論を出してないものについて文部科学大臣がどう考えているかということを申し上げたら、審議をお願いしている意味がないじゃないですか。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 決まった後に押し付けられるのは子供たちなんです。現にこれがやられるときにどう思うかということ当然じゃないですか、聞くのは。  目標にはやっぱり評価が伴うんです。美しいとか国を尊重するという心を持っているかどうかというのを、音楽の授業でどうやって評価するんですか。結局、美しいと思うようになるまで、大きな声で歌いなさいとか、何度も何度も繰り返して行いなさいとか、こういうことになるわけですね。そうすると、結局、先ほど紹介したようなああいう自らの考えでこれは歌いたくないと思っている子には大変な苦痛を強いることになると。そういう苦痛を強いるような指導はやっちゃいけないということはあのときの答弁でも言っているわけですから、それが起きるようなことが現に検討されることについて、私は当然、これでいいのかということを審議するのは国会として当然のことだと思いますけれども、いかがでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 再度事実関係を申し上げたいと思いますけれども、今先生がお配りになっておりました資料は、これは教育課程部会の中でいろいろ出された意見を整理をしてお示しをしている、その議論の途中段階の資料でございます。  ここにいろいろ書いてございますように、義務教育段階で子供たちに身に付けさせたい能力としていろいろな意見が出ているわけでございます。例えば、日本の伝統的な音階による君が代の美しさを感じる感性や自国を尊重する心を持つということが考えられるんではないかといったような意見も出ているわけでございますんで記しているわけでございまして、それ以外にも、日本の和楽器の取扱いをもっと充実したらどうかとか、あるいは文部省唱歌など我が国で長く歌い継がれている歌や郷土の音楽を教材として取り上げて、それがしっかりと歌い継がれるようにしたらどうかとか、いろいろな意見が出ているわけでございまして、そのことを記したものでございます。  なお、この資料は音楽だけではございませんで、各教科について、今どういう力を子供たちに身に付けさせたらいいのかということを教育課程部会で議論している途中段階の資料でございます。  なお、先ほど申し上げましたけれども、国旗・国歌については、これを尊重する態度を育てると、同時に他国のものについても尊重する態度を育てるということは、これは現在の小学校、中学校の学習指導要領、社会科、音楽、特別活動におきまして、先生お示しの資料のとおり、これはしっかり指導しているものでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本の国旗・国歌、他国の国旗・国歌、それを尊重するということをこれまで教えてきたというんですよ。そのこととこの心に踏み込むというのは全然違うんですね。要するに、国旗・国歌を尊重するのはマナーなんだと、国際的マナーなんだと、この場でも随分議論がありました。そのマナーを教えるということと、心に踏み込んで教えるということ、しかも音楽を通してこういう心を持ちなさいというのは、これは明らかに違うんですよ。  例えば、衆議院でもいろんな答弁ありました。小坂当時の文部大臣は、ワールドカップで選手たちがみんな歌っている、自分も一緒に歌いたいと思ったときに、歌詞も覚えていない、それではやっぱり困るだろう、一緒に歌えるように歌詞だけは覚えておこうね、こんな指導もしたらいいですねと、こう言われています。こういうのと違う水準なんです。マナーとか歌詞を覚えるじゃなくて、歌を歌うことによって心を目標にしなさいというようなことは、これは適当でないと。幾ら議論の途中であったといっても、そもそもそういう問題は適当でないということは是非私は大臣、明言するべきだと思いますが、いかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、何度も申し上げているように、中教審の委員だって日本共産党が大切にしておられる日本国憲法の表現の自由、自分の意見を述べる自由は持っておられるんですよ。いろんな自由、いろんな意見を述べられたものを整理しているものだということを申し上げているでしょう。最終的な判断は告示を出すときにしなくちゃいけません。その判断をするときに、国民の代表として国会に来ておられる先生の御意見も当然私は参考にさしていただきます。しかし、自分の意見と違う意見は駄目なんだということになったら、言論の府としての参議院は成り立ちませんよ。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 何もそんなこと言ってないじゃないですか。憲法十九条に定められた思想、良心、内心の自由に、日の丸・君が代を歌いたくない人は歌わないということは、それはそういう権利なんだということは先ほど確認をいたしました。それを侵すような、それと矛盾をするような、歌を歌うことによって特定の心を持ちなさいということが学校教育の目標になっていいのかどうなのかと、このことを私言っているんですよ。もう一度答弁お願いします。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 中教審にはいろいろな国民の代表が来ておられますから、いろいろな御意見があるということは当然でございます。国会でもちろんそのことも議論していただいたら結構です。先生の御意見も一つの意見として私は今日十分伺っております。いろいろな意見を伺いながら、最終的に政府が、今の、あるいは改正された教育基本法に基づいて、その違法性を阻却したような当然学習指導要領を出します、我々は。しかし、それが阻却してないと御判断になったときは、東京都の事案のように司法の場で争われるというのが日本の仕組みなんですよ。だから、今はいろんな意見が出ているわけで、先生の御意見もその一つとして私は受け止めております。どうするかはこれからですから。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 違法なようなものは決めないんだというふうに言われました。私は、憲法に違反するような、歌を通して心を教え込むというようなことは絶対あってはならないと思います。  衆議院の中央公聴会で、上から徳目をとにかくこれしかないんだよと教え込むということは、これは教育でなく調教だと、こういう御意見を言われた方がいらっしゃいます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 井上君、時間が参りました。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私は、戦前の学校で、君が代を歌って教育勅語を何度も何度も暗唱させて、とにかく国に忠誠心を教え込むと、こういうことが本当に重なってくると思うんですね。憲法が保障している思想、良心の自由を侵すようなこういうやり方は間違いだと、それを定めた今回の改定案も廃案にするしかないと申し上げまして、質問を終わります。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。お疲れのところ大変恐縮でございますが、もう少しお付き合いをいただきたいと思います。  教育改革のタウンミーティングで、いわゆる公務員の動員が行われてたんではないかと、こういう議論が何度かありました。青森八戸のケースだとか、あるいは先日は愛媛松山のケースなどがございましたけれども、内閣府において、内閣府が都道府県あるいは都道府県の教育委員会等を通じていわゆる動員を掛けた、こういう調査もいろいろ進められているというふうに思っておりますが、今現在どういう結論になっていたのか。八か所あったわけでございますが、どことどこの会場でどういうふうな形でこれが行われていたのか、明らかにしていただきたいと思います。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。  八か所の教育改革タウンミーティングにつきまして調査をいたしました。現時点での状況でございます。八回中六回のタウンミーティングにおきまして、参加者募集の途中段階におきまして応募者が少ない場合を懸念し、地方自治体に参加希望者の取りまとめを依頼をいたしました。その状況は、岐阜県、山形県、愛媛県、和歌山県、大分県それから青森県、この六県で取りまとめをお願いをし、取りまとめていただいたところでございます。なお、島根県、静岡県におきましては、そのような行為は確認がされなかったと。現状では以上のような状況でございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 教育委員会、教育改革タウンミーティング八か所のうち六か所でいわゆる動員が行われていたということでございまして、県名も明らかになりましたが、それぞれ何人ぐらいの人たちを動員をしたのか、数字を明らかにしていただきたいと思います。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 岐阜県百三十三名、山形県、これはちょっと待ってください──失礼しました。山形県百八十名、愛媛県百三十五名、和歌山県六十五名、大分県は確認ができておりません。それから、青森県八戸市が二百七十九名、それから、静岡県につきましては、先ほども申し上げましたとおり、国の方から依頼はしておりませんけれども、県等の方で自発的にまとめられたものが七十四名と、以上のような状況でございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 改めて大変な動員が行われていたなという思いひとしおでございます。  内閣府あるいは文科省から、県あるいは県教委、こういうところに要請があって、それに従って地方公務員あるいは教育関係者がいわゆる動員をされたわけでございますが、今ほどの数字を参加者総数の中の総数で割り返してみますと、岐阜県につきましては二八%が動員組、山形県では四六・二%が動員組、そして愛媛県松山市では三一%が動員組、和歌山市では一八%が動員組、そして八戸、青森県八戸では実に六九%が動員組、あとの三つについてはそれぞれ数字がまだ明らかでありませんので、この割合がはっきり出ませんけれども、いずれにいたしましても、私は二〇%前後の動員があったんではないかというふうに思っています。  大変な数字でございますが、官房長官、改めてこの数字といいましょうか割合、正に国民の声を聞くという、そういう触れ込みで行われていたタウンミーティングでこういう高割合のいわゆる動員が行われていたということについて、今どういうふうにお考えでしょうか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) タウンミーティングの趣旨からして決して好ましいことではないというふうに私も思っております。  ただ、今、どういう方々がどういうような声掛けを受けて、どういうふうにして、どれだけ参加したかという結果についてはまだ調査中でございまして、声掛けはしたもののさっぱり来なかったというのもあるのかも分かりませんし、その辺については引き続き調査委員会で徹底的に今調べているところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 文科大臣、同じく、どういう印象を今お持ちでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私は、再三申し上げているように、間接民主主義を補う一つの手段としてのタウンミーティングがこういう形で行われたことは適当じゃないと再三申し上げております。そして、当時、そのことを知らなかったとはいえ、これで民意を把握したというような言動があったということは不適切だと。  ただ、そう申し上げた前提で、やはり民意というのはどういう形で集約するかといえば、全国民が参加している選挙における結果、つまり国会が最終的な民意であるという自信だけは持って行動したいと思っております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 それはこの場で、国民の選挙で選ばれたこの国会の議論が正にポイントであるというふうに思います。そういう意味では、タウンミーティングはこれを補完するもの、そうだというふうに思いますが、衆議院では、繰り返し、それこそ十回近く当時の大臣はこのタウンミーティングを言わば改正法の、改正法案の正当性の大きなこれ柱立てにしてきた。これはやっぱり議事録にちゃんと残っているわけですよ。ですから、先ほど官房長官は決して好ましいことではないなんておっしゃったけれども、決してなんていう話じゃなくて、正に大変けしからぬ話だというふうに思っています。  そこでお尋ねをいたしますが、衆議院でもいろいろ議論がありました。これだけ動員が行われる。青森では実に六九%、七割近くの人が動員だと。こういうことになりますと、当然私は一般の参加希望者、この人たちが排除をされていたんではないか。これは事前の申込みもあれば、あるいは当日参加の形もあれば、いろいろあると思いますが、かなりの人たちが排除をされたんではないか。動員の人たちが会場を占拠して、そして一般希望者が排除をされたと、こういうことについてはきっちりやっぱり調査をすべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。官房長官。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 今の教育改革タウンミーティングについて申し上げますと、この八回のうち、例えば大分の場合は抽せんをしております。もちろん、県がまとめた、取りまとめた人も一般の公募された方もまとめまして抽せんをした例がございますが、残りの七回につきましては、電話、ファクス、メールで申し込まれた方、それから県の教育委員会等がまとめられた方、一応全員が会場に入場しておられます。もちろん、全申込者数から、当日の参加者数というのは大体七掛け前後の率でございますが、七回については全員が参加していただけたということでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 いろいろ私どものところに来る情報によりますと、とりわけ当日参加を希望された人が排除をされたと、入れなかったと、こういう話がありますんで、これは引き続き、今日は中間でありますので引き続き詳細な調査をされると思いますので、この排除の事実の有無、程度等については調査を継続していただきたい。これ要望を申し上げておきたいと思います。  そして、これは教育改革タウンミーティングではないんだけれども、青森の場合は教育委員会が四千円の旅費を出したという、出張旅費を出したという、こういう報道がなされておるんですが、この動員に手当とか出張旅費等を支払ったという事実はあるんでしょうか。これについてはどの程度の調査が今現在行われておるんでしょうか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 今の近藤委員御指摘のようなものにつきましても、現在、調査委員会におきまして調査をしておるところでございます。  今御指摘の青森県の例でございますけれども、これについては私ども必ずしも事実を把握しているわけではございません。ただ、今おっしゃいました出張旅費というんでしょうか、研修関係というんでしょうか、これは県、市町村の方で御判断されて、そういった支出をもしされていればそういうことだということでございますので、これは自治体の方の基本的には御判断の問題だという具合に承知しております。  しかし、いずれにしましても、それも含めて調査委員会で調査をしていただくということになっております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 それは調査は是非やっていただきたいんですが、もう調査を始めてかなりの日数がたっておりますが、今現在、多少なりとも結構でございますが、出張手当だとか何かその対価が、ここに参加することに対してお金が、公の金が払われた、そういう事実は多少なりともありますか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 国の方から、内閣府の方から例えば口火を切って紹介をさせていただいて御発言いただくというような方には謝礼金として五千円お支払いしているということは、これは内閣府の方でそういうことを行っておるところでございます。  今、近藤委員がおっしゃいました、その地方自治体におきますような事例につきましては、現時点では私どもとしてはまだ調査中という、調査委員会で調査中という状況でございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 調査中である。ないというふうには断言されないんですか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) そのような事実を承知はしておりませんけれども、これは四十七都道府県、それから開催地の百七十四の市町村、多様にわたりますので、これはしっかりとした調査をしないと確定的なことは申し上げられないと思います。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) さっき官房長から申し上げたように、国が何か出張手当を払ったとかそういうことはないですよと言っているので、そこから先がどういう判断をしてどういうことをしたかということは、国とは関係ありませんけれども、よく分からないと。それで、それについては参考までに調べてみましょうということを今やっているところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 そこは是非徹底的に調べていただきたい。今現在で都道府県からの手当の支払がないというのがはっきりおっしゃらないのが何とも私としては不可思議な話であるということを申し上げておきたいというふうに思っています。  実は、私は今日、「教育改革タウンミーティングの参加者・当日スタッフ及び経費」というものの一覧表を参考資料として配付させていただきました。その中で大分のケースにつきましては、これは衆議院の教育特に出された資料等をいろいろ見まして運営業務経費、内訳をいろいろ調べまして、いわゆる当日スタッフがどの程度、どのぐらいの費用をもらってどのぐらい参加しているのかということを調べまして、各会場ごとにこれをみんな割り当ててみました。そうしましたら、大変高い割合で当日スタッフがこの会場周辺にいるということが分かりました。これ自身大変なお金の無駄遣いだなと。このことについてはいろいろこの間議論がございましたのでお金の点はいいんですが、私が申し上げたいのは、参加者がせいぜい三、四百人なのに、当日のスタッフの数が百人前後。これは本当にひどい数字ではないかというふうに思っております。  そして、申し上げたいのは、この当日スタッフのうちの私はかなりの数の人たちがきっと会場の中にいたんではないか、あるいは会場のあちこちにいたんではないか、こういうふうに思えてならないんです。そういたしますと、先ほどのその言わば動員組がひどいところではそれこそ七割近くいる。二割とか三割いる。そこに当日スタッフの人たちが入るということになりますと、会場の内外は正に動員された人、あるいはこれと同調される人たちが半分ぐらいみんないたんではないか。私は、八戸の会場に行った人たちから話を聞くんですけれども、会場は非常にやっぱり教育改革の基本法を推進する人たちの雰囲気がやっぱり圧倒的に多数を占めていたという、こういう話を聞くんですが、こういう具体的な数字を見ますと、会場は正に、言わば動員組あるいはこれに準じた当日のスタッフで正に埋められていたんではないか。こんなものが本当に国民の声を聞く、そういうタウンミーティングなのかと、この実態は何だと、こういう思いがしてならないわけでございますが、この数字を見られて、官房長官、改めて感想を伺いたいというふうに思います。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) スタッフが多いというのは反省をしなきゃいけないんじゃないかなと思います。もうちょっと効率的に運営はできると思います。  一方で、じゃ、先ほどもいろんな先生方がおっしゃるんですけれども、このタウンミーティングでの声をベースにどうすべきだ、この基本法をというふうに言ってきたのが前提が崩れているというお話がありますけれども、これ実は、衆議院で松本大輔議員、民主党ですが、が出されたこの教育基本法の賛否の発言者数というのを見てみると、例えばこれ岐阜だと賛成は自発的にしゃべった人が一人いて、反対が二人、山形は反対だけ四人いて賛成はゼロ、それから私の地元松山で動員を何かやったということになっていますけれども、賛成が一人いて、反対が四人ですよね。ですから、こういうふうにもう反対の人の方が圧倒的に多い。そういうことを聞きながらも、しかしタウンミーティングでの御意見をということを言っていたということだろうと思うんです。  ですから、皆さん何か賛成者で埋め尽くされたというようなことでありますけれども、発言者は結構反対の人が、この松本大輔議員の作ってくださったあれでも圧倒的に反対の人たちの発言が多いということを松本さんは示していただいております。  いずれにしても、このスタッフが多いということについては、それから単価が高い、今御指摘のとおりであって、これはもう累次にわたって、これは総理も含めて節約をせにゃいかぬなということを言っているわけで、今それを含めて調査をし、何しろどんぶりで入札をさせてやっているという、一番安いところに落とさせているという、まあごく当たり前のことをやっていますが、その詳細を見ると、かなり常識で考えてもまだ高いなという御指摘のとおりのことがありますので、そういうことを含めて新しいやり方をどういうふうにやるのかということをやるために、我々としては、安倍政権の前に、これ行われたタウンミーティング百七十四全部を見直して新しいやり方を編み出そうということで今頑張っているところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 私はもう正にでたらめであり、非常識極まりない、こういう中身だというふうに思っています。  こういう動員者だとか、あるいは当日のスタッフ、この人たちがいろんな形で拍手をしたり、いろんな雰囲気を正に醸成をする、そういう雰囲気の中で私はこのタウンミーティングが行われてきたということは、やっぱり国民の皆さんどういうふうに見られるか、これは本当に問題だと思うんですよ。  それで、今日お聞きしたいのは、今日内閣法制局の方は来ておられますか。  実は、この動員された公務員、県の職員であったり教育関係者だったりいろいろおられますけれども、この人たちは正に一般の人を装ってこういう会場に来ているわけでございますが、そして来て、いわゆる中にはやらせの質問を担った、実行した、あるいはサクラ的にここに入ってきたということでございますが、正に国民を欺くようなそういう役割を客観的に果たしているんですけれども、こういうそのやらせ発言、公務員あるいは教員がこういうところに出てきて、動員で出てきてやらせ発言を担う。これは法的にどういうふうに評価できるんでしょうか、見解を承りたいと思います。

横畠裕介内閣法制局第二部長

○政府参考人(横畠裕介君) お答えいたします。  一般人を装って、あるいはサクラ、あるいは国民を欺く、相当強烈な評価の下でのお尋ねだと思いますけれども、その辺りの事実関係については、私どもまだ承知しておらないところでございます。  タウンミーティングに参加いたしました地方公務員についての地方公務員法上の評価についてのお尋ねだと思いますけれども、そもそも地方公務員法の解釈につきましては、同法を所管いたします総務省においてお答えするのが適当であろうかと思います。  また、地方公務員の具体的な行為が懲戒その他の処分に関して地方公務員法上どのように評価されるかについては、個別具体の事実関係を踏まえまして当該地方公務員の任命権者等において適切に判断すべき事柄であり、内閣法制局としてお答えすることは、大変恐縮でございますけれども、差し控えさせていただきたいと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 ひどい逃げの答弁じゃないですか、これは。私はそれはもちろん総務省の方が所轄であるということはそれなりに承知しながら、この種の、正に問題になっているんで、より客観的に公平に法的評価を問いたいということであえて内閣法制局来てもらったんですよ。  これですね、青森県の教育委員会、このやらせ質問をやった六人を訓告処分にしていますよ。これまあ具体的な事例でありますけれども。こういう一般国民を装って、自分の意見でないのに人の意見をあたかも自分の意見のように装って、そして公の場で、こういう場で発言をする。これは地公法上問題にならないんですか。信用失墜とかいろんな問題あるでしょう。私はこの種の問題、もう二度とさせないためにもやっぱり評価をきちっとすべきだと。そんな逃げないで堂々と答えられたらどうですか。地公法上の信用失墜、二十九条だとかあるいは三十一、二条ありますよね。こういうケースに該当しないんですか。青森県ではやっていますよ。どうですか。もう一回答えてください。

横畠裕介内閣法制局第二部長

○政府参考人(横畠裕介君) 今重ねてのお尋ねでございますけれども、事実関係の詳細を承知しておりませんので、なかなかお答えしづらいところでございますけれども、あくまでも一般論として地方公務員法の規定について御説明申し上げますと、地方公務員法における懲戒処分につきましては、同法の第二十九条第一項におきまして、地方公務員法等の法令に違反した場合、職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合の三つの場合が懲戒の対象として定められております。  また、同法におきましては、地方公務員の服務に関して、法令及び上司の職務上の命令に従う義務三十二条、信用失墜行為の禁止三十三条等々の規定が定められております。  したがいまして、お尋ねの地方公務員の行為がこれらの規定に当たる場合には、当該地方公務員の任命権者等において個別具体の事実関係を踏まえて適切に判断されることになるものと考えております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 私はあえて懲戒処分に当たるんではないかということまで言っているわけではない。青森県のケース、青森県の県教委のケースは訓告処分ですよ。だから法的な意味での懲戒処分ではない。それははっきりしているんですが、いずれにしましても、青森県ではやらせ質問を担ったこの人たちについては、これは公務員としてあるまじき行為、こういう認定はしているわけですよ。私はサクラはいいと。やらせについて、やらせ質問について、これを担ったという者については、私は一般論であったとしても法制局として当然意見は言ってしかるべきだと、言える。どうですか、もう一回。

横畠裕介内閣法制局第二部長

○政府参考人(横畠裕介君) 重ねてのお尋ねでございますけれども、その点につきましてはやはり具体の事実関係を踏まえまして当該地方公務員の任命権者等において適切に判断されるべきことと考えます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 事実、繰り返しそれは言っているわけですよ。  いずれにしましても、やらせを、その質問を担った人、私は、まあ青森県の県教委では六人を訓告処分にしているわけでありまして、そういう意味ではやっぱり非違行為、これは職務外の私的な行為であっても、この信用失墜というのはこれは当たるわけでありまして、ここで六人に訓告処分にしているということは、私はこれをやらせた側、これは県教委の幹部もそうでありますし、あるいはこれを事実上、私にとって言わせればその地位を利用してやらせた内閣府あるいは文科省、ここの人たちにも当然私は法的な責任、評価が問われてしかるべきだと、こういうふうに思いますが、この点について、官房長官、どんなふうに思われますか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) これについては何度も御答弁申し上げておりますけれども、このタウンミーティングの本来の趣旨に反するようなことが起きているということはもう事実認めているわけでございます。それをつぶさに、どういうことが起きたのかということを徹底的に調べようということで、林副大臣をヘッドに調査委員会をつくって今百七十四のタウンミーティング全部調べておりまして、いわゆるやらせ、まあやらせというのもいろんな定義があろうかと思いますが、いわゆるやらせ等を含めてすべてを洗いざらいうみを出して、そしてけじめを付けようと。  それは、やはり全部の調査をしてから考えようということを私は申し上げてきているわけでありまして、中間報告が今日多分出ている、もう既に出たんだろうと思いますが、これを踏まえて、本来の最終報告に向けて更にまた調査を加速してこの実態解明に努めて、そして何よりも大事なことは、これまでのふさわしくないことを反省しながら新しいやり方を編み出していくことが大事だと思いますので、もちろん今御指摘のけじめについてはどうするかは調査を見てから判断をしようと、こういうことでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 末端の質問を担ったまあかわいそうな公務員の皆さんが訓告処分を受けているわけでありますので、私は是非、これは罪の軽重からいけばやっぱりやらせた方がはるかにそれは重いわけでありまして、けしからぬという話だけではなくて、法的な責任もやっぱり明確にしていただきたいと、それは強く申し上げておきたいというふうに思っています。  そして、いろいろこれ見てみますと、本当に内閣府だとか文科省、政府の力というのは物すごいやっぱり強大だなというふうに改めて思いましたよ。皆さんはやっぱり県教委あるいは県庁に指示をして一挙に人を集めるわけ、そして質問もさせるわけ。物すごいやっぱり権限を持っていると。この皆さんがこの教育基本法の改正で私は更に大きな力、これを持つんだなと、これはやっぱり大変なことだなと思いました。  この問題については、今本当に国論が二分しています。そういう中で、公務員、まあ上から言われればあらがえない公務員を動員して、そしてやらせ質問もさせて、正にこれは、これこそが教育に対する不当な支配、介入じゃないですか、これ。これが介入じゃなくて何ですか。不当な支配というのは正にこういうことを言うんじゃないですか。文科大臣、どうぞ、答弁してください。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、先生、教育に対する不当な介入というのは、先生はそうお考えでしょうが、私はそうは思いません。やはり教育基本法に書いている教育、不当な介入というのは、教育の実施、教育の現場におけることを書いているわけですから、私はその考えは取りませんし、先ほど来申し上げているように、私はこのやり方いいと思っていませんよ。そして、これをあたかも何か民意を聞いたように答弁をしたということは、私は決していいことじゃないと思います。  ただ、先ほど来申し上げているように、十七年の衆議院選挙も十六年の参議院選挙も、自由民主党も公明党もみんなこの教育基本法の改正、かなり中身に踏み込んだ、それこそ民主党さんが得意としておられるマニフェストにきちっと書いているんですよ。それによって民意の集約の選挙が行われたという事実はやっぱりよく理解して、自信を持って国会議員は行動しなければいけないと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 正に民意の偽造だというふうに思っています。  私、最後にお聞きしたいんですけれども、今日、競争入札、業者に競争入札でもってこの八回のイベントをやりましたけれども、この落札率を公にしてくださいよ。もうこれだけ私は問題が出てくると、落札率をとにかく知りたいと。官房長官、どうですか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 山本大臣官房長。手短にお願いします。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えします。  近藤委員、今御質問の落札率を公表いたしますと、当然でございますが、予定価格が割り返せられるわけでございます。この予定価格の公表につきましては、これを公表いたしますと他の契約の予定価格を類推させるおそれがあるということになります。したがいまして、一般的なルールといたしまして、そういうケースの場合には公表を差し控えさせていただくということでございますので、御理解いただきたいと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 やましい点がないのなら、是非出してくださいよ。  いずれにしましても、これは、こういう入札のやり方は抜本的に改めるということでありますし、今回は本当に全部見直すということでありますので、この数回行われた、全部で六回行われた入札については落札率を全部明らかにして、何があったのかということを是非明らかにしていただきたいと。私は談合も行われていたんではないかという思いさえしているんですよ。これ是非オープンにしていただきたい。強く要望いたしまして、時間でありますので、質問を終わります。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 最後になりましたので、またひとつ、お疲れでしょうけど、よろしくお願いいたしたいと思います。  私は、大きな問題で、国を愛する心という問題について是非大臣のお言葉をいただきたいと思うわけでございます。  この国を愛する心が国を愛する態度に変わってしまっているということが非常に残念であります。私は自民党におりましたとき、ちょうど十五年の三月に中教審から答申が出るまではいろいろとこの問題議論しましたが、そのときにはいずれも、国を愛する心でいけばいいんだとほとんどの人が言っておられたわけでございますから、自民党の皆さん方を信用しておるわけでございますが、だけど、今回はどういうわけか態度に変容しちゃったと。  あれから、十五年の春から、いつも言いますように、公明党と協議をずっとされている。どういう協議があったかは、配付された資料まで回収されるということで、極秘で、非常に分からなかったということでございますけれども、なぜ変容したのか、これについてその経緯を御説明願いたいと思います。ちょっと声が悪くて申し訳ないです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生はこの教育基本法に自由民主党におられたとき大変熱心に取り組んでおられましたし、そして党内の協議にも参加しておられたと思います。私は率直に申し上げて先生ほどこの分野の専門家じゃございませんので、当時どのような議論が行われたかということはつまびらかには存じませんし、公明党との間の与党内協議については、これはもう政府の一員である私が申し上げるべき立場にはないと思います。  ただ、私の理解としましては、やはり我が国の歴史と伝統をはぐくんできた郷土と国土ですか、国を愛する態度を養うということは、これはいろいろ表現があると思いますよ。心にもないことを言うという表現もあれば、いや、すぐ気持ちが、心が顔に出るという表現もありますからね。やっぱりそれは一体として考えて、将来は考えていくというのがまあ常識的な考えじゃないでしょうか。余りそこを、心だからどう、態度だからどうということを詰めずに、先生のおっしゃっているお気持ちも大切にしながらやっぱり理解していくということがよろしいんじゃないですか。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 態度でも心でもいいじゃないかということなんですけれども……

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いやいや、いいじゃないかとは言っていません。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 まあそのように聞こえたんですけどね。だけど、大変難しい問題で、態度の方が心よりはいいんだというふうに選択されて決められているわけですけれども、これはまあ大臣になられる前に作られたことだから何とも言えないと思いますけれども。これはむしろ文科省の人に聞いた方がいいんでしょうけれども、なぜ心という言葉が態度になったのか、その辺ちょっと教えてください。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  第二条第五号に関しましては、先生御指摘のように「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」こと、これと後段の「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する」、この二つのこと、この二つのことを同時に育成する、二つとも大切なことだということで、愛するとともに発展に寄与するということで態度ということで結ばせていただいておるところでございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 どうもよく分からぬのですけれども、なぜ態度という言葉を選んだのか、そうじゃなくて心でもよかったんじゃないですか、今の話なら。もう一度ちょっと答えてもらえませんか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) ただいま申し上げましたように、最後のところが「国際社会の平和と発展に寄与する」と、こうなっておりますので、最後は態度ということで結ばせていただいたところでございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 そういうことから態度を選んだということが公になっているわけですか、公に。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 私どもといたしましては、ここを態度といたしました理由に関しましては、ただいま申し上げましたような御説明をさせていただいておるところでございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 どうもよく分からないんだけれども、いつまでもこれやっててもしようがないんですが、態度には心が伴う場合と心が伴わない場合といろいろあるわけでございますけれども、心は伴わなくても態度だけすればいいということですか、大臣。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、一体になって、心と態度は一体になる気持ちを、姿勢を涵養しようということです。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 心と態度が一緒になるんだと言われますけれども、私なんかも心が付いてこぬことがあるわけですよね。好きな格好をするけれども好きじゃないということがあるわけで、そういう意味では、態度と言われると、そういう格好だけすればいいんじゃないかということになるわけでね。そういう意味では、国旗や国歌を愛するとか国を愛するとかいろいろ言っても、どうも態度だけで心が付いてこない、そういう場合もあるんじゃないかと思うんですけれども、それはどうなんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、心が付いてこないというような心ないことをおっしゃらないでいただいて、やはり、何というんでしょうか、心がすぐ態度に出るという気持ちで御理解いただきたいと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 大臣の苦しい答弁を聞きましたけれども、まあ難しいと思うんですよ。心が付いてくるかというと、必ずしも付いてくるわけじゃない。そういうような言葉を、あえて態度という言葉を選んだということについてはいかがなものかと思いますけれども、これについては文科省はどう思ってこれ。原案は文科省だ。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 私どもといたしましても、伝統と文化を理解し、そういうものを継承する知識をまず覚え、そしてその上でこういうものを尊重し、そういうものをはぐくんできた国や郷土に対して愛する心情を持ち、そしてそれらの発展に寄与しようとする態度を養っていこうということで、心と態度は一体として養っていくことが大事だと考えておるところでございます。(発言する者あり)

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 いや、やらせじゃないですよ。やらせじゃないんですが、心がもう、今言われたように、態度と心が一緒だと言われるけれども、なかなか国民には分かりにくいと思うんで、そこはよく考えてほしいものだと思います。それで、特に心の教育が重要だと言われるけれども、心を伴わないで態度だけやればいいんだということになっては教育はむちゃくちゃでございますから、十分考えてやっていかないといけない問題だと思います。  特に、国旗・国歌について、これを大事にしなきゃならないということですが、これについては否定する方もおられるわけで、裁判でも争われたのが事実ですね。それで東京では負けたんですけれども、国歌を流しさえすればいいということでは非常に困るわけですけれども、そういう場合はどう考えたらいいんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは先般来御議論になっているように、国民の意思というのはやはり国会へ現れてくるわけですから、国会で議決をした法律というものは、これはやはり民意と理解していただかなければならないわけですね。それにのっとってこの学習指導要領等が作られているわけですから、これでやっぱり担保をしていくより仕方がないと。しかし、この担保をしたやり方が、我々は少なくとも国会で議決をされ国会で選ばれた内閣ですから間違ったことはやるつもりはないんですが、間違っていると考えられる方が出てくることは、これは否定できませんから、それは司法で決着を付けていくと。  ですから、先生、是非分かりやすいように、沖縄の知事選挙なども、きちっとしたそういう政党とは別のやっぱり対応を取って、ひとつしっかりと筋を通してやっていきたいと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 もう今大臣がおっしゃったように、分かりやすくということは非常に意味があるわけで、そういう意味で私は分からぬものだから聞いているんで、もうちょっと分かりやすい法律であればもっと良かったと思うんです。  そういう意味では、これからもいろいろと考えてもらわなきゃいけないと私は思うし、訴訟にしても控訴されているんだけれども、心と態度はどうなのかという辺りをどう説明していくおつもりなのか。それについて何か、裁判になっているから答えにくいかもしれませんけれども、よければちょっと大臣から。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、これは日本の仕組みとしまして、最高裁の判決というのも、やはり法律とその事実関係を併せながら最高裁の判事が合議によって決定していただく一種の裁量行為なんですね。しかし、これを最終的な日本の国家意思として受け入れるということがあるわけですから、これが出てこなければいけないわけで、国旗・国歌の問題については一審というか最下級審の判決が出ております。  しかし、同じように学習指導要領に基づいてやっているものについては、旭川の学力テストのように、これは不当な介入に当たらないということを最高裁は示しておるわけですから、しばらく司法の判断を待つということだと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 それでは、今度、民主党の西岡先生にお聞きしたいんですけれども、民主党の方の日本国教育基本法には、国を愛する心となっていて、ここは態度じゃないわけですね。そういう意味では、どういう考え方から態度という表現については考えなかった、そういうことは全然考えなかったのかどうかということ、それと御意見を承りたいと思います。

西岡武夫民主党・新緑風会

○西岡武夫君 お答えいたします。  今の御質問は、私どもが日本国教育基本法案を作成するに当たって、党内の議論として態度という言葉を使うかどうかという議論はあったかどうかという御質問だと思いますが、態度ということを議論したことは全く一切ございませんでした。日本を愛する心を涵養するということで、当初からこのことを中心に議論をいたしました。  以上です。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 よく分かりました。民主党では、態度なんていう言葉は全然最初から考えてもみなかった、相手にもしなかったということですからね。それでもう心になったわけですから、それはいいんですけれども。  民主党から見た場合に、この態度という言葉を使った自民党案をどう思われますか。

西岡武夫民主党・新緑風会

○西岡武夫君 お答えいたします。  政府が責任を持ってお出しになった教育基本法案でございますけれども、残念ながらこの点についてはいささかおかしいのではないかと、このように考えております。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 ありがとうございました。  それから、中央教育審議会の答申でも、国を愛する心という形で心になっているわけですね。中教審でそこまで出したものをあえて態度に変えなきゃいけない、やはり連立内閣だから仕方ないかもしれないけれども、自民党はもっと自信持ってやったらいいんじゃないかと私は思うんだけれども、どうでしょうか、大臣。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 一つの御意見、激励として受け止めさしていただきます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 それじゃ、愛国心の問題、いつまでもやってもなんですから、次にまた同じような問題ですけれども。  宗教的情操教育が問題でございまして、これについてもいろいろ議論してきた問題ですけれども、我々は子供のときから、すべてのものに神様が存在するというふうに教えてこられたわけでございまして、日本の伝統でもあります。もちろん、特定の宗派に固定しないで、我々は、子供が生まれればそれで近くの神社へ参るとか、結婚式にはキリスト教やら神前でお世話になると。さっきも話が出ましたが、死亡したときには、宗派はいろいろあるけれども仏教でというのが一般的なんですね。そうなっても、なかなかお経一つも読めない人が多いわけでございますけれどもね。しかし、それでもやはりそういうふうなことになっているわけです。  私たちは、山には山の神様がおり、川には川の神様がおり、水には水の神様がおると、すべてのものに神がおると教えられたわけで、家にも山の神というか、もう怖い神がおりますけれどもね。そういうことで、大変ですけれども、このことが政府案から姿が消えてしまったわけでございますから、そういう意味では、大臣には直接関係ないかもしれない。これ、何か聞いておられたら、どうしてこういうことになったのか、お尋ねしたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 当初どうであって、これがなぜ消えたかということは、私は、申し訳ありませんが、つまびらかにはいたしておりません。ただ、考えられますのは、例えばドイツなどではもう宗教の名前を冠した政党があるんですね。先生がおっしゃったように、日本の場合は非常にやはり宗教的バインドというものが、まあ緩やかというのか、宗教心がないというのか、いろいろな考えが混在としてあります。  したがって、しかし、あらゆる宗教に共通のものは、やはり長い歴史の中で、今生きている自分というのは本当に短い期間しか生きてない、大きな自然の営みから見ると人間というのは本当にちっぽけなものだという謙虚さというんでしょうか、自分に対するやはり謙虚さだと思うんです。こういう一般的な情操は私は教えても構わないんじゃないかと思っておるんです。  ただ、多くの場合、宗教的情操といいますと、日本のように非常に宗教的バインドが緩い社会においては、特定の宗教の情操的な教育をされますと困るわけですね。ですから、そこのところをむしろ抑えたということで御理解をいただきたいと思います。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 この宗教的情操教育の問題が大きな問題ですし、今おっしゃったように、なかなか問題が、特定の宗教に絡むと問題があるけれども、子供のときから御飯食べるときには手を合わして拝むということにも慣れているわけでして、深いもんじゃないんでお経も覚えてない人が多いんですけど。  だけど、そういうことでございますから、この問題についても触れなきゃいけないんで、特に創価学会を除いてほかの宗教団体はみんなそういう特定の宗教に掛からない宗教的情操教育を是非書き込んでほしいという声も強いわけでございますけれども、これについてはどうお考えですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、書き込んでほしいという団体と、必ずしもそうじゃないとおっしゃってきている団体、今先生は特定の宗教団体のお名前を挙げられましたが、逆にその宗教団体が例えば政権の中で大変強い地位を占めた場合は、これはかえって逆の効果もあるわけですね。ですから、一般の宗教団体は書き込めというふうにおっしゃっているという御意見ですが、必ずしもそれは書き込むべきじゃないという宗教団体からの御提案も私のところに来ております。これは先生がお名前をお挙げになった宗教団体ではございません。  だから、その辺はやはり人間の心に入る問題、特に特定宗派のその論理を布教の目的を持って教育の中へ入ってくるということだけは避けないといけないんで、私がさっき申し上げたような一般的な情操ですね、宗教にすべてに共通する、そして手を合わせて、これ何かむにゃむにゃと。むにゃむにゃとあえて言いますが、これ唱えさせると問題になりますが、手を合わせて、ありがとうございましたと、これで自然界の命をいただきますという自然に食事の前に手を合わせるなどということは、私は何ら構わないことだと思っております。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 宗教的情操教育を入れないでほしいという教育団体がほかにもあったのなら、是非私は明らかにしてほしいと思うんですね。創価学会の場合はそうですけれども、その他のところではほとんど全部、全部と言っちゃなんですけれども、少なくともほとんどと思えるぐらい団体がみんな入れてほしいと言ってきているんですけれどもね。  どこか、この場で差し支えありますか、大臣。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いろいろなお立場があるでしょうから、ここでお名前を挙げることは控えさしていただきます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 今度また民主党の方にお尋ねしますけれども、民主党の方では、これははっきり宗教的感性の涵養というふうに使っておられるわけでございますけれども、この点についてはどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。

西岡武夫民主党・新緑風会

○西岡武夫君 お答えいたします。  私どもは、その前に、宗教の問題の十六条の中で、生と死について、生の意義と死の意味というものを考察して、これを子供たちにきちっと教えていかなきゃいけないと、これ非常に難しい問題でございますけれども、このことを特に取り上げているわけでございます。昨今の特に注目されております痛ましいいじめによる自殺等の出来事を見ましても、こうした私どもの日本国教育基本法案の中にこの項目を取り入れているということにつきまして是非御評価をいただきたいと、このように考えております。  そして、宗教の問題につきましては、私は、これからの世界全体を見渡したときに、宗教と宗教との対立というものが私ども日本人が考えている以上に極めて深刻なんだなということを痛感をしているわけでございまして、こうしたことを考えるときに、余りにも宗教についての基礎的な知識が子供たちにない、そして大人になってしまう、これは極めて危険なことではないだろうかという気持ちを込めて宗教的感性というものを涵養しなきゃいけないということを述べたわけでございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 ありがとうございました。  次に、「不当な支配に服することなく、」という文言についてお尋ねしたいと思います。  この文句はいろいろ使われてきたわけでして、これまで、これで日教組が、名前出してなんですが、教育委員会のいろいろな指導に対しても不当な支配だということで拒否したり訴訟を起こしたりと、いろいろなことをやってきたんでいろいろな経緯があるわけでございますけれども、これを残したということは従来のような考え方が踏襲されたものと判断されてよろしいんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今先生は日教組がこの条文を盾に教育行政が不当な支配だということをおっしゃいましたが、私どもの一般的な理解は、これはやはり国会で決めていただいた法律、またその法律に従って行われるいろいろな指導要領ですね、これはやはり国民の民意、これは憲法上の日本の統治システムでございますから、それがいろいろなイズムあるいは特定の思想をもってゆがめられることに対する歯止めの条項だと思っております。  ですから、ここで民主党の方々とやり取りをしたときも、我々はそういうことはするつもりはありませんけれども、そうだという判断、価値観を持っておられる方がある場合もありますから、それは政府がやったことについて当然司法の場で争われるということは、これはあるんですよ。  しかし同時に、例えば地方の知事が今の教育委員会が持っている権限をもって、東京では教育委員会が訴訟の対象になっておりますね、同じ指導要領で。だけど、そうじゃない県もたくさんあるわけですよ、同じ指導要領を出している。ですから、そういうときにはやはり知事の意向によって、もし知事に教育委員会の権限を渡した場合ですよ、知事の意向によっていろいろ行われるということについては不当な支配になり得る場合があるという、知事だけじゃなくて地方の自治体の市町村長も含めてね。(発言する者あり)そういう、だから、それは当然先ほど来申し上げております。不規則発言に答えて恐縮ですが、それは当然先ほど来も申し上げているわけです。ですから、何も日教組、日教組ということを先生おっしゃらなくてもいいんじゃないかと私は理解しております。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 どうも済みません。広島の日教組はひどいものだから、それで随分日教組はこんなものかと思っていたら違っているということが分かりましたけれどもね。そういう意味じゃ、ごめんなさい、訂正いたします。広島の日教組だと思って。  各県からこの問題についてはいろいろな意見が出ていると思いますけれども、ほかの教育委員会からは特に意見はなかったですか。教育委員会の意見を聞いてないですか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 中教審で御議論をなされるときに都道府県教育長協議会等からも御意見を聞いたところでございますけれども、そういうものを踏まえまして、中教審におきましては、この「不当な支配に服することなく、」の文言は引き続き残すべきであるという御答申をいただいておるところでございます。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 この文言で、トップに「教育は、」と書いてあるわけですけれども、教育行政はということで限定していないわけですね。すると、教育は、この法律ができたころは余り問題なかったんだけれども、今では家庭教育、社会教育、学校教育ということで、教育というと広くて全部入るんですね。これは、家庭教育になったら家庭教育が不当な支配に服することなくなんていうことになるわけですけどね。やはり共産党の人の家庭もあれば、それから自民党の家もあれば、いろいろあるわけですからね。だから、これはやはり教育行政がと直された方がいいんじゃないですか、どうでしょう。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは先生逆なんじゃないでしょうか。つまり、各御家庭においては、まあレーニンの言葉をかりれば、国家を憎め、国家をつぶせということを言っていますね。これは革命思想です。しかし、それが正しいと思っている人がいれば、それはその人の心の問題なんですよ。先生も私もそんなことはとても駄目だなと思っておられるし、私も思っております。  あるいは、私の家庭においてはこういう教育を子供にしたいと、先生の御家庭においてはそういう教育をしたいと。だから、この不当な支配に属することなくというのは、心の中に入っていかないということは、すべてのやっぱり教育に掛かっているわけでして、私のうちが、もし共産党政権ができて、あるいは民主党政権ができて、そのお考えで私の中へ入ってこられたら困りますから、それはやっぱりこの条項を置いておかないと困るんです。

亀井郁夫国民新党・新党日本の会

○亀井郁夫君 いろいろ今お話ありましたけれども、私は、家庭にそういう問題が取り込まれることがおかしいと思うんで、やはり教育問題は教育行政とそれは別にして、しかも法律がどうのこうの書いてありますからね、だから考えてほしいと思いますので、今日はこれでストップします。  どうもありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時十七分散会

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