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165回国会参議院2006/11/24

教育基本法に関する特別委員会 第2号

発言数
209
登壇者
14
会派数
5
開催日
2006/11/24

会議録

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから教育基本法に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日までに、井上哲士君、松あきら君、那谷屋正義君及び松岡徹君が委員を辞任され、その補欠として小林美恵子君、鰐淵洋子君、広中和歌子君及び林久美子君が選任されました。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。  諸大臣におかれましては、御苦労さまでございます。特に伊吹大臣におかれましては、さきの衆議院の審議も非常に長い時間だったと承っておりますし、地元の先輩議員として、私、衆議院の実は議事録をほとんど拝読をさせていただきました。非常に丁寧で、御自身のお言葉で、誠意を持って答えておられることに感銘をいたしました。今日も是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。  まず冒頭でございますが、昨日、ニュースで、山形県で高二の女子生徒の方がやはり自殺をされたというニュースが飛び込んでまいりました。国会で教育基本法の審議をしている最中に、そのことのメッセージが届かなくてこうやって自殺をされる子供たちがいることを非常に悲しく思いますし、残念に思いますし、是非、御冥福をお祈りするとともに、全国の子供たちに、自殺はとにかくやめておけと、やめろと、いいこともあるからということをまず申し上げたいというふうに思います。  時間がないので、実はそもそもの話も私いろいろしたかったんですけれども、この委員会、長時間にわたってやると思いますし、また質問に立つと思いますので、そのときにしまして、まず重要な問題について。  改正法案の十六条、いわゆる不当な支配の問題について、前回、伊吹大臣が、非常に私的に言うと伊吹大臣らしからぬお言葉が幾つかございまして、ちょっと確認をしておかなければいけないなと。  まず、北岡委員に対する質問に対して、都道府県知事の政治的思想、イズムによって国民全体の判断とは違う教育が当該地域で行われるということは、この法律があることによって防止できると思うと。これ、都道府県知事の政治的思想、イズムによってというのは、これ非常に問題があるのではないかと。  知事というのは選挙で選ばれるわけでございます。それに対して、国がこの法律で本当に防止ができるような法律だったら実は大変な問題になるわけでございまして、これ、知事に対してこういう御発言をされたということに対してはまず私は撤回をしていただきたいと思っておりまして、大臣の御所見をいただければと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、自殺の問題について先生から言及がありまして、私もいじめをしている子、子供、そしていじめを受けている子供、それからその兆候を早く見付けていただかなければならない保護者、学校の先生等についてのアピールを出しております。今日、御党の羽田議員から本会議でもああいう御発言がありましたので、このことについてはまず党派を超えて、日本の将来のために可能性のある子供の命を守っていくために協力をいたしたいと思います。  それから、この改正法十六条の問題について御質問がありましたので、これは明確にしておかなければならないと思います。  現行法においても、日本の法律の仕組みは、もう今さら申し上げることもありませんが、憲法上、国民の民意を反映した国会によって議決をされます。これが国の意思であります。そして、この国の意思に従っていろいろなこの行政が行われるわけですが、この行政が行われた場合に、例えば特定のイズムあるいは特定の考えを持ってこの国の国会で決められた国民の意思と違うことを画策する、違うことを行うということは、これはこの法律に言うところの不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであって、国と地方自治体との適切な配分云々ということを書いているわけですから、今の先生の言で言えば、例えば国がお示しした学習指導要領によってそのとおりおやりになっているところと、そうじゃないことが現場に起こっているところがあるわけですね。あるから一部地域のところについて司法の判断を、法律に従って正しいか正しくないかということが争われているわけですよ。  だから、例えばこの学習指導要領によって、旭川の学力テストについての最高裁の判例をそのとおりここで読みますと、不当な支配はその主体のいかんを問うところではなく、その主体のいかんを問うところではなく、論理的には、教育行政機関が行う行政でも、国でもですよ、不当な支配に当たる場合があり得ると最高裁は判示しているが、同時に、憲法に適合する有効な他の法律の命ずるところをそのまま執行する教育行政機関の行為については不当な支配となり得ないことは明らかであると、こう述べているわけですよ。  ですから、同じその指導要領を出しても、都道府県によって違う現実が指導として起こり得る可能性があるわけですね。あるから、東京都についてはそのことについて、どうも私の考えでは法律に適応しないじゃないかと思われる方がおられたから、この前は日の丸・君が代のことについて司法の判断を仰がれたわけでしょう。そして、その司法の判断は、まあ下級審ですよ、これはね。しかし、最高裁の判断は今申し上げたような判断を示しているということです。  だから、国であろうと、例えば一部の政党を陥れようとか、一部の宗教的、その考えをもって国が教育行政を行うということになれば、それは不当な支配になる可能性があるということは言っているわけですよ。ましてや都道府県知事においてはですよ、それは当然のことじゃないですか。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 じゃ、なぜそのときに知事だけを特定したのかが僕はよく分からないんですが、ただ、改正案の第三項は、「地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。」ということで、この地方公共団体の責任者はもちろん知事なわけですね。ということは、この不法な支配に服することなくという言葉は、一項も二項も三項も四項も、これ全部掛かるということですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今おっしゃった地方の実情に合わせてやるということは、例えば財政が非常に潤沢な自治体においては三十人学級をやるとか、あるいは学習指導要領の運用においてこういう運用のやり方でやるとか、しかしそれはどうも法律でお願いしていることと違うということがあるわけでしょう。  だから、地方の実情に沿ってということは正にそういうことを言っているわけであって、国民の意思というのは国会で決めるわけですから、これは、これを否定したら日本国憲法の根底が崩れてしまうわけですから、だから国会で決められた法律に従ってやっていただくと。そして、国会で決める法律の有権解釈権は、これは当然のこととして内閣にあるわけですよ。しかし、内閣にある有権解釈権が常に正しいとは限らないんですよ。限らないから司法の判断を仰げるように日本はきちっと三権分立の建前上やっているわけですね。  ですから、地方と国とはお互いに役割分担をしながらやっていくわけです。そして、地方は地方の実情に合わせておやりになったらいいわけです。しかし、国で決めた法律については、国民の意思なんですから、これが全体の意思なんです。これと違うことを特定のイズムや特定の思想的背景をもって、あるいは宗教的背景をもってやるということを禁止しているというのがこの条項ですから、都道府県知事の自主性だとか選挙で選ばれたということとは何ら抵触しないと思いますよ。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 そうしたら、ちょっと聞き方を変えます。今、国ですらある種の拘束を受けるんだと大臣がおっしゃいましたので、もう一回確認だけさせてください、これは非常に肝なので。  この不当な支配の中には、行使、不当な支配を行使する可能性のある主体として、つまり不当な行使、例えば大臣の言葉で言えば、ある種の思想勢力であったり、全体、国民全体の意思とは違う勢力であるという言い方をされますが、その不当な支配を行使する可能性のある主体としては、今大臣の言われた種々の社会的な勢力ありますね、それに加えて、行政権力も政治権力も含まれるということで確認してよろしいですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは当然のことです。しかし、大切なことは、国民の意思というものは憲法上国会で決めるということが我が国の憲法でしょう。そのために選挙をしているわけでしょう。そして、国会で決めた意思、これが、まずこれに従って国は動くんですね。そして、その法律の有権解釈権は内閣にあるんですよ。しかし、内閣が常に正しいことをしているとは限らないと。あるいは、その人その人の価値観、その人の立場によって法律の解釈は違ってくるわけですよ。そこは最終的に司法に判断してもらうと。  だから、知事さんが教育をおやりになるとか、知事さんが地方の実情に合わせて教育権を行使される、教育権という言葉が適当かどうか分かりませんが、今教育委員会が持っているもろもろの権限をお使いになるということは何ら禁止をしているわけじゃないんですよ、そのことは。しかし、国においても、あるいは選挙で選ばれた、選挙で選ばれた国会議員から成り立っている内閣においてすら、ましてや地方自治体の長においてすら、もし個別の政治的なイズムあるいは宗教的背景によってだれか国会で決められた全体の法律に基づいて行われている国民の意思と違うことをしようとした場合は、それは当然なんですよ。  だから、一昨日ですか、ここで総理も出席してその答弁をされたときに、教育委員会は選挙によって選ばれませんね、今は、教育委員は。しかし、知事は選挙によって選ばれますね。これは、特定の政党が公認したりなんかすることはあります。だから、同じ学習指導要領でも、県によってその学習指導要領の今度は運用が違ってくるわけですよ。その運用が法律に合致しているか合致してないかは、これは日本の憲法下の仕組みでは、一応、第一次有権解釈権は内閣にあるんです。それがしかしおかしいと思う場合は司法で争って、国が間違っている場合は正していかなければ、これは行政権を持った者の独裁になるんですよ。だから、これは当然、国にはそういう救済制度があるんです。そのことを内閣においてもきちっと、地方においてもきちっと担保していただくのが本来は私は地方議会の役割だと思いますよ。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 これ、実は伊吹大臣のおっしゃられることは至極当たり前のことをおっしゃっておられることでして、あえてここに不当な支配に服することなくと入れられた、じゃ理由は何なんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは当たり前のことであるけれども、それじゃ、なぜ東京都と同じ訴訟が全国で起こらないんですか。ある県ではなるほどと思う考えの人もいる、しかし、そうじゃないと思う考えの人もいる。あるいは、そうだと思っておられる自治体の長もおられるし、そうじゃない自治体の長もおられると。しかし、その最後は、その法律というか、ここで我々が責任を持つんであって、そういう特定の思想、特定の宗教的背景を持っておやりになるということは駄目ですよという規範、規律を書いているということです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 私の申し上げたことには全く答えていただいていないんですが、僕は大臣のおっしゃることを決して否定しているわけではありません。しかし、昨日大臣は、例えば、むしろ問題は、学習指導要領に書かれていることと政治信条、思想等によって違うことは、これは日本全体の法律の枠の中でやっていただかないと困りますという発言があるんです。政治信条と思想によって違うことはという、政治信条や思想という言葉まで実は入っているんですね。  それから、もう一点申し上げると、大臣が言われる国会の多数、国民多数の意思だという、国会が決めることはとおっしゃること、僕もそれは当然だと思います。そのことは全く否定しません。しかし、大臣が引用を先ほどからずっとされている判決にはこういう言葉があるんです。  政党政治の下で多数決原理によってされる国政上の意思決定は、様々な政治的要因によって左右されるものであるから、本来人間の内面的価値に関する文化的な営みとしての党派的な政治的観念や利害によって支配されるべきではない教育にそのような政治的影響が深く入り込む危険があることを考えるときは、教育内容に対する右のごとき国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請されると書いてあるわけです。  ということは、この抑制的であるということに対しても大臣は、何というか、お認めになられるわけですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 福山先生、やっぱり判決文はすべてを読まないと、自分に都合のいいところだけ読むと困ります、それは。  私が申し上げますと、(発言する者あり)いいですか、まず、第十条が教育に対する権力的介入、特に行政権力によるそれを警戒し、これに対して抑制的態度を表明したものと解することは、それなりの合理性を有するけれども、このことから、教育内容に対する行政の権力的介入が一切排除されているとの結論を導き出すことは早計であり、憲法上、国は、適切な教育政策を樹立、実施する権能を有し、国会は、国の立法機関として、教育の内容及び方法についても、法律により、直接又は行政機関に授権した必要かつ合理的な規制を有する権限を有するものとしているというのが、これ判決文です。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、おっしゃるとおりでございます。だから僕は、伊吹大臣が昨日自ら、伊吹大臣が要は法律の範囲内でという話、この裁判を引っ張り出されてきたので、私はあえてこういう議論もあるよと申し上げたわけです。  だから、僕が確認したいのは、要はですね、簡単に言うと、国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが必要だということについては大臣は了解をされているのか、御認識があるのかないのかということをお答えいただければいいんです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、国家的介入というのは、例えば福山先生のお立場の国家的介入と我々の考える国家的介入と違いますよ。例えば、我々が自民党の時代に教えていただいた大先輩である西岡先生は、義務教育の教員はすべて国家公務員であるべしということを我々は最初に教えていただきましたよ。だから、それは人それぞれによって違うんです。ですから、お互いに、特に教育の分野というのは価値観が入ってはいけない、できるだけ価値観が入らないようにしていく、私はそれは常に心しております。だから、お互いにそれは謙虚にやっていくということは当然のことなんですよ、政党政治である限りは。  ところが、自分たちの価値観と違うことをやれば抑制的じゃないぞと言っちゃえば、これは非常に傲慢な態度になるということを申し上げているんです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、おっしゃるとおりでございます。だから、抑制的になるということに対しては、大臣は御認識をそのとおりお認めいただけるんですかと申し上げているんです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 福山先生のおっしゃっている抑制的という意味はよく分かりません。私、あなたの心の中や思想信条は分かりませんから。私は私の良心に従って、それは抑制的というのか、政党的な配慮はできるだけないように動かすということは、これは当たり前のことでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 抑制的な配慮があるようにですよね。今、抑制的な配慮がないようにとおっしゃったので。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) そういう、今私が申し上げたのは、政党政治でございますから、お互いの政治的イズムをできるだけ抑制しながら対応するということを申し上げているわけです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、私は全く大臣の言っていることを否定しているわけではありませんです。正に、大臣がさっきおっしゃられたこと、この判決はそうなんです。多数決原理によってされる国政上の意思決定は様々な政治的事情によって左右されるからお互いが抑制的に行動しなければいけないということですから、私は大臣の言っていることを全く否定してないので、じゃ、確認だけしておきます。  教育行政や政治権力も不法な支配をする主体としては含まれるということを大臣は認められたということですね。それが一つです、先ほどの答弁で。それと、もう一つは、お互いが国家的介入については抑制的であるべきだということも、その抑制の範囲はそれぞれがみんな違うとは言いながら、そこに対しては大臣もお認めをいただいたという、この二点についてはよろしいですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 何が不当な介入であるかということについては、日本の仕組みではこれは法律の一次的解釈権は内閣にあります。内閣が不法な支配だと思うことはやりません。これは当然やりません。しかし、内閣が不法な支配だと思わずにやったことで、福山先生が不法な支配だと思われること、不当な支配だと思われることは、これは見解の相違ですから、司法の場で争うというのが日本の仕組みです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、だから、先ほど認められたことを認めると言っていただければ結構です。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私の申し上げていることをよく理解したとおっしゃっていただければ、それで結構です。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、簡単です。だから、先ほど言われたように、第一次的な解釈権は内閣にあるというのは分かります。その後は司法へ行くということも私は理解した上で、大臣がさっき言った不当な支配を行使する可能性のある主体は、大臣の言われた種々の社会的な勢力、それはひょっとしたらいろんな政治的なイズムのあるところかもしれませんが、その中に行政権力や政治権力も含まれることを先ほど認められたので、それをもう一回確認をさせていただいただけでございます。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 何度も申し上げているように、日本国憲法の下においては、作られた法律は……

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、イエスかノーかで結構です。イエスかノーかで結構です。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 作られた法律の解釈権は内閣にあります。したがって、内閣の解釈として不当な介入に当たることはしないというのは当たり前のことです。  しかし、私にそれだけの御質問をなさる限りは、このことは選挙で選ばれた都道府県知事においても当てはまるということを認めていただかなければなりませんよ。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 今、全然分からないです、何を言っているのか。認めるかどうか。さっき、最初認めたことをもう一回認めていただければそれでいいんです。  要は、不当な支配を行使する可能性のある主体は、社会の諸勢力も含めて、その中には行政権力も政治権力も含まれるということをさっき認められたんだから、もう一回認めていただければそれでいいんです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) お互いに言葉を慎んでお話をしたいと思いますが……

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 僕は全然普通に言っているじゃないですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いや、普通じゃないです。御発言は、どうぞ委員長の御指名でやってください、京都はお互いに心を大切にしてやっておりますから。  申し上げたいことは、有権解釈権は内閣にありますから、内閣が不当と認めるようなことはいたしませんと申し上げているわけです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 それは分からない。だって、分からないから大臣は、最終的にはそれは価値判断がいろいろあるから司法の場に持っていくこともあると大臣がおっしゃったんじゃないですか。その大臣が内閣は不当なことをしないと言ったら、全然先ほどの前提崩れるじゃないですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 何度も同じことを申し上げているわけですからお分かりいただいたらいいと思いますが、私が不当だと思うことはいたしませんと、だから、不当な介入になるようなことはいたしませんと申し上げているわけですから、有権解釈を持っている者が。そして、それについては、それについては、不当だと思われればどうぞ司法で判断していただきたいと。だから、少なくとも私が内閣の構成員である限りは先生がおっしゃっているようなことが起こり得ないということを私は言っているわけです。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 済みません。じゃ、もう一度丁寧にお伺いします。大臣が先ほどお答えをいただいたことをもう一度確認をさせていただきたいと思います。  この不法な支配を行使する可能性のある主体としては、大臣の言われた特定の政治イズムやある団体があるかもしれません。昨日はオウム真理教ということをおっしゃられました。そういうことも含めて行政権力や政治権力も含まれるということをお認めいただけますねとお伺いしています。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、先ほど来、旭川の最高裁の、司法の最高の場での判決をそのまま私お読みしてお答えしているわけですよ、それは。その主体のいかんを問うところではなくと言っているわけですから。だから、そのことを御質問になるのには、私は、その最高裁の判決は、その主体のいかんを問うところではなく、論理的には教育行政機関が行う行政でも不当な支配に当たり得る場合がある、あるということを先ほど答えたじゃないですか。  だけど、しかし、しかしですよ、しかし同時に、私は福山さんに申し上げたいのは、知事については、私の言ったことは問題だとおっしゃるけれども、これ、この判決を読む限りは、行政、国家行政についてこういうことがあるのと同時に、地方行政についても同じことがあるということを認めていただかないと困ります、それは。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 それは重々認められると思いますよ。  もっと具体的に申し上げれば、大臣の言われた学習指導要領を逸脱をしたことで不法な支配が行われる可能性があるみたいな話をされましたが、例えばでいえば、今回、僕言いたくないんですが、未履修の問題は学習指導要領を逸脱していますよね。これ、不法な支配なんでしょうか、不当な支配なんでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは全く私が答弁したことを昨日から聞いていただいてない御質問ですよ。私が申し上げているのは、特定の政治思想や宗教的背景を持って教育に介入するということを言っているわけですよ、不当な支配というのは。今度の場合は、何か特定の政治思想だとか宗教的背景を持って学習指導要領に介入しているんですか。むしろ入試に有利なために規範意識を失っている人たちの集合的な行為が、もちろんそれは大学の入試の内容がどうだとか高校の指導要領の内容がどうだということはありますよ。それは、やはりこれはテレビ中継もしていますから、もう少しやっぱり私の申し上げていることを理解してください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、実は、そこ難しくて、特定の政治勢力とか特定の政治思想とおっしゃいますが、自由民主党も民主党、我々民主党も特定の政治勢力なんですよ。例えば、先ほどの未履修の問題が、ひょっとすると大臣の言われた受験のために規範意識が薄くなって、もうこれは落としてもいいということだって、ある種の特定の思想だといえば特定の思想なわけですよ。これは難しい話なんですよ、判断は。だから、この問題は非常に難しい問題だということを申し上げているんです。  で、もう一つ申し上げます。じゃ、例えば、その特定の政治勢力や思想みたいなものを今のうちから特定をすることは国として適当なことかどうか、お教えいただけますでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 今、事態が起こっていないときに特定はできないでしょう。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、実は、国が指定をするのはよくないとおっしゃいまして、僕は大臣の……

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) よくないというか、できない。正確に言ってください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 よくないというか、できないとおっしゃいましたよね。ということは、政党ももちろんできませんよね、その特定はできないですよね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これがその不当な介入であるかどうかというのは、国会で議決をした法律、その他に反する教育の執行があるかどうかということによって判断していかなければいけないでしょう、それは。だから、今あらかじめどうだこうだということは言えないですよ。そして、反するかどうかというのは一義的には、先ほど来申し上げているように、法律の所管をしている内閣にあります。しかし、内閣も政党政治だから行き過ぎることあるんですよ、何度も申し上げているように。だから、日本では最高裁を含めて司法の場でそれに訴えて救済を得る道が開かれているということによって、これはもう大学でお習いになった憲法論や行政論のイロハに書いてあるように、三権分立の下での行政の独走を抑えるための仕組みが憲法に組み込まれているということなんですよ。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 そこは理解します。  僕はもう言葉じり余りとらえると先ほどみたいに怒られるのは嫌なので言いたくないですが、今大臣が内閣も行き過ぎたことがあるとおっしゃいました。その前には、内閣は不当な支配はしないと言い切られました。この矛盾はどう説明されるんですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは当然のことを私申し上げているわけですよ。内閣というものは、(発言する者あり)いや、内閣というものは、内閣の解釈としてですよ、逸脱したことはしないと、しかしこの内閣の解釈がおかしいということがあり得るということを言っているわけですよ。それが、おかしいことがあり得た場合は、それは内閣の解釈がおかしいよと、法律解釈がおかしいよということを司法の場で救済してもらう制度があるんで、我々は内閣の判断の中でそののりを越えるような政党の我は通さないということを言っているわけです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 行き過ぎたことをするかもしれないから司法の場があって、そうかといえば内閣は不当な支配はしないとおっしゃったりですね、答弁があちこち行っているんですが、前に進まないのでもう次行きます。  どういうことが不当な支配かということについては、実例が出てこないと判断できないと大臣はおっしゃいました。特定するのは国としてもできないとおっしゃいました、先ほどね。  実は、これ自民党のホームページなんですが、不当な支配に服することなくという規定が残ったのはなぜですかというところで、実は一部の教職員団体とか教師のみとかですね、一部の教職員団体によりとかですね、こう具体的にいろいろ出ているんですね。これは政党のホームページとして、先ほど大臣が言われたように、はっきりとした事実が分からないにもかかわらず、大臣が判断できないと言っているにもかかわらず、こういうホームページに、教育基本法のQアンドAで自民党が書かれていること自身は国民をミスリードすることにはなりませんか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) どうなんでしょう、過去に、今私が申し上げたような憲法の仕組みによって救済を申し出た、司法の場に救済を申し出たケースがあるわけですね。そして、私は、最高裁の判例を出す場合にも、最高裁の判事というのは、やはり自分の価値観がある程度ありますから、できるだけ謙虚に、客観的にやるべきだとは私は思いますよ。しかし、日本の、だから、私個人で言えば、裁判がこうなっているからといって、それを金科玉条のように私は振り回さないように私の人生歩んできたつもりなんですよ。  ただし、ただし、日本の仕組みとしては、ここにいるのは、公人として私は御答弁しているわけですから、日本の仕組みとしては最高裁の判例が最終決定であるという仕組みで日本は動いているわけですよ。  ですから、例えば、旭川のこの学力テストではこういう判断をしているわけですよ、今申し上げたような、るるやり取りをしたような。先ほど来申し上げた、憲法上、国は、適切な教育政策を樹立、実施する権能を有し、国会は、国の立法機関として教育の内容及び方法について、法律により、直接又は行政機関に授権して必要かつ合理的な規制を施す権限を有すると。  だから、この権限を、結果的に旭川の事案は、判決では、この権限に服してもらわなければいけないということを判決をされたと、そういうことを参考にして作ったんじゃないかと思いますが、私は、自民党がどういう意図でそれを作ったか、率直に言って存じません、私は今、行政の立場でお話ししていますから。だけど、私が文部科学大臣を拝命している限りは、あらかじめ予見を持って、どの団体がどうだとか、何が介入だとかいうことを事前に私はやるつもりはありません。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 大変明快な御答弁をいただいたと思います。私はそのとおりだと思います。是非、行政の人間、大臣であるとともに、自民党の大幹部でいらっしゃいます伊吹先生ですから、このQアンドAについては訂正をお願いをしたいと思います。(発言する者あり)訂正をしていただきたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 率直に申し上げて、私はその作成にもかかわっておりませんし、内容については今初めて伺ったというのが正直なところです。  しかし、文部科学行政を預かっている私としては、あらかじめ、どの団体がどうだとか、何が、こういう事案が不当な支配だとかということは事案を見なければ分からないから、あらかじめそんなことを決めたり云々したりする立場には私はありませんと申し上げている。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 ということは、大臣はそのことは認めていただいた上で、自民党のホームページを訂正するかどうかは自民党の良識の問題でございますから、私も他党に介入するつもりはございませんが、こういう表現があったということだけは報告をしておきます。  誤解を招くといけません。私は実は教職員組合とは全く関係のない人間でございますので、そのことだけは申し上げておきたいと思います。  次の質問に移らせていただきます。  実は、どっちに行こうかな、あっ、こちらですね、済みません。次ですが、民主党案、民主党案は、国が最終責任を有するという話、それから知事に権限を渡すという話が今の非常に不安定な文部行政の中で一定の役割を果たすという認識の下に民主党案は作られていると思いますが、そのことについて、民主党案の真意というか、思いをお述べをいただけますでしょうか。

西岡武夫民主党・新緑風会

○西岡武夫君 お答えいたします。  私ども民主党の日本国教育基本法案におきましては、国が最終的に普通教育についての責任を負うということを明記をいたしております。ここが実は、まあ伊吹大臣とは、今の御議論とかその他、若干違うところもありますけれども、おおむね、多分本音は同じお考えではないかなと私は思っているんですけれども、残念ながら、伊吹大臣は前の内閣の提出された政府の教育基本法案をひっ提げて、まあ心ならずもひっ提げて御答弁になっておられるんで、大変ある意味ではお気の毒だなと思っているんでございますけれども、そこが民主党の私どもの案と政府案と大きく異なるところでありまして、確かに言葉の上では国と地方とがそれぞれ役割分担をしてと、それは言葉としてはちょっと美しく聞こえます。しかし、いろいろな問題が起こったときにだれが最終責任を持つのかということになりますと、全く現行法においては、教育基本法はもとより、関連の教育関係法案においては全部不鮮明になっている。これを明確にするということが、私どもが今回、日本国教育基本法案の中で国が最終責任を負うということを明記した最大の理由でありまして、是非この点につきましては政府におかれてももう一度検討をし直していただきたいという最大の問題点でございます。  それと、立たせていただきましたついでに申し上げますけれども、先ほどの不当な支配ということにつきましても、先ほどの委員と大臣との議論をお聞きしておりましても、こういうある意味では幾ら議論してもなかなか通じ合わない不毛な議論のような感じを私は受けたわけでありまして、私ども民主党案におきまして不当の支配ということをあえて削除いたしましたのは、第一に、教育という大変日本の将来を決定する重要な問題、そして子供たちの未来を決定する基本的な問題について、不当な支配という言葉が教育基本法の中になじんだ言葉だろうかという、そういう感じもありまして、まずなくしました。  それともう一つは、不当な支配という場合の不当ということについての解釈ですけれども、どこから見たらどれが不当なのか、これがなかなか分からないわけですね。こういうことで教育現場が混乱するということが長いこと、昭和三十年代、四十年代、五十年代にかけて続いたわけであります。その経緯を私自身はずっと体験をしておりますので、ここは明快に国の責任と、そして日常の教育行政の責任と、そして学校現場における学校の理事会制度を創設して日常の学校の運営についての責任を明確にし、また、地方の教育行政については教育監査委員会というものを設けてという仕組みをつくることによって、不当な支配というような文言は不必要であって、最終的には選挙によって選ばれる国会議員また首長の皆様の責任が取られると、このように考えて日本国教育基本法案は構成されていると御理解をいただきたいと思います。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 第二点目の知事に権限が移るという云々の議論についてお答えを申し上げたいと思います。  伊吹大臣少し誤解をされているところもありますので、提案者の方から民主党案をきちっと御説明申し上げたいと思いますが、水曜日の御答弁でも申し上げましたように、今現在は、小学校、中学校におきまして、そこで教えておられる教員の人事権は県の、県の教育委員会に所属をいたしております。私どもの案では、小学校、中学校につきましては、これは市立あるいは区立、町立でございますから、それは知事にではなくて、市長さん、区長さん、町長さん、ここに移すということを言っておりますので、まずその点はきちっと明確にさせていただきたいというふうに思います。それで、県立高等学校につきましては、これは県立でございますから知事さんが行われると、こういうふうになるということはまず御理解をいただきたいというふうに思います。  それで、そもそも一九五六年の以前と、そして、すなわち一九五六年というのは地方教育行政法が作られて、要するに教育委員会法が廃止されたと、そういう年でございますが、それ以降で、元々の日本に教育委員会を導入した精神あるいはその精神を実現をするための制度、担保するための制度論というのはもう本質的に変わっているわけですね。  六十年ぶりにこの教育基本法をきちっと議論をし直して現場にきちっと対応し得る教育行政制度をつくるという観点に立ち返りますと、そもそも、ここに私ども、教育基本法ができたときのそのコンメンタール持ち合わせておりますが、住民を広く教育行政に参加させると、これが重要なんだということであります。それから、従来の官僚的な画一主義、形式主義の是正、あるいは公正な民意の尊重、教育の自主性の確保、教育行政の地方分権云々、これが教育刷新委員会でもきちっと大綱としてまとめられております。  このことをきちっと現状において実現をされるためには、正に教育現場そのものに学校理事会ということで、正に住民をレーマンコントロールの観点から参加をさせて、そして、まず自主性と民意の尊重ということを行っていくと。  今はもう事実上、完全な官僚による画一的な支配が行われているわけでありまして、ここをどういうふうに正していくのかという観点で申し上げると、正に今、現状においては、正に民意によって選出をされている、そして一番教育現場に近い基礎自治体の首長さんに人事権を付与して、そして現にいじめの問題などで保護者の皆さんがどこに行っていいか分からないと、門前払いを食らってしまう、たらい回しにされてしまうと、こうしたときに、きちっと市長、区長に直接事態の改善を求めるような制度にすることによってワークするだろうと。  そして、もちろん区長、市長が法律に基づいて適正なことを行うことは、これは当然でありますけれども、万が一この政党、党派的な介入があってはこれはいけませんから、教育委員会を教育監査委員会ということに発展的に改組をして、そしてこの教育監査委員会は私どもがこの参議院に提出をさせていただきました地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律、正に新地方教育行政法と言ってもいいと思いますが、ここの中で、選挙管理委員と同じように地域の議会でこの人選は行っていくということで、完全に民意を反映した民主的な組織、そもそもの教育委員会を導入したときの教育刷新委員会の大綱の正に基本に立ち返った制度設計をさせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、もう長いから。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) いやいや、ちょっと。  私の名前を今民主党の提案者がおっしゃいましたので、私は何ら誤解はいたしておりません。小中についての設置者である市町村長にその人事権を県から付与せられるというのはそれで結構でございます。  西岡先生が御答弁になりましたように、最終的な権限は国にあるわけですよ、民主党案も。(発言する者あり)責任は、失礼。そしたら、その責任を果たせない、例えば今回の未履修のような学校教育法に基づく学習要領が実行されなかった場合の国の担保をどのように取るのかということを明確に示していただいて、そこで初めて案になるんです。それから、民主党の、例えば京都の前原さんと私が衆議院でやり取りしたときは、理事会のその理事の選び方、これはよほどやはり注意をしないと、地方の、地域のボスだとか何かの人が人事権にまで関与できるという理事会の中へ入ってきた場合の学校教育の在り方をどう正していくのかとかね。  やはり、私は民主党案をすべて否定しているわけじゃないんですよ、西岡先生にそれこそ教育を受けた者ですから。ですから、ただ、今のところをきれいに総論だけ述べるんではなくて、各論で担保していくというようなお話をやはり現場で少し詰めていただくと国民のためにいいことになるんじゃないかと思っているわけです。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 今、民主党の案は非常に明快に理解をいたしましたし、伊吹大臣も本音でお語りをいただいたと思います。伊吹大臣も国会の議論の中でも、いろんな、るる、今の国のやり方について私たちが口出しできないということの部分は非常に残念というかもどかしいというような話とか、教育再生会議の中でも、教育委員会が無責任な取組を行った場合、国がどのように関与をするのかも含め、この会議で議論いただきたいとおっしゃっているわけですから、それは、先ほど西岡委員がおっしゃったように、自民党の教育基本法の改正案の中で非常に抜け落ちている部分を、我々ももう少し詳細を詰めなきゃいけないことは認めますが、そこについて伊吹大臣が評価をしていただいていることも分かっているつもりですので、そこは我々は国民のために建設的な議論を闘わせればいいと思いますし、子供たちのために闘わせればいいと思います。  じゃ、次に行きたいと思います。  報道によりますと、例のタウンミーティングでございますが、松山でもタウンミーティングがあったときに、四百三十一人のうちの約百人動員要請があったと。それも、文科省から県教委にタウンミーティング参加者の動員要請があって、それに対してこたえて百人が動員されたと。このことは事実かどうか、端的にお答えください。短く短く。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  タウンミーティングにおきます、あらかじめ質疑者を選んで、その方に質問項目を参考までにお渡しするということに関しましては既に御報告をいたしておるところでございますけれども、それ以上の中身につきましては、現在、文部科学省におきましても、大臣の御指示の下に、総括審議官の下で具体的な中身を調査しておるところでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 だって、こんなの報道が出ているんだから、調べて担当者に聞けば終わりじゃない、やったか、やらないか。どうですか、お答えください。調べているじゃなしに、こんなの聞けば分かる話じゃない、すぐに。電話一本で分かりますよ。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) ただいま総括審議官の下で詳しい調査をしておるところでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 だから、動員があったかどうかだけお答えください。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) ただいま調査をしておるところでございます。(発言する者あり)

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 ちょっと止めて、止めてください。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 じゃ、簡潔にお答えください。  松山でのタウンミーティングでは動員要請があったのか、なかったのか、分かっている範囲でできるだけお答えください。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今日、そういう報道があって、おまけに私の地元だということで非常に胸が痛いわけでありますが、そういった問題は実はほかのタウンミーティングでも指摘をされているようなところもこれあり、これを含めて、林副大臣の下に調査委員会をつくって、今タウンミーティングすべて百七十四について調べております。  したがって、それをどういうふうに出すかということは、御案内のように、今日、中間報告が出る出ないの話もまだございますし、それ、いつまでに最終報告を出すのかということもお問い合わせをいただいているわけでございますので、その辺は統一的にこの調査委員会で発表をしていきたいというふうに、調査をして、その上で出していきたいと、こういうふうに思っております。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 じゃ、再度お伺いさしていただきます。  松山で二〇〇四年五月十五日に開かれたタウンミーティングにおいては、新聞報道によりますと、百人ほどをめどに動員要請があったというふうに承っておりますが、事実として動員要請があったかどうかお答えください。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) タウンミーティングは内閣府が所管しておりますので、内閣府から調査をするように各省に指示が来ております。私が当時のラインに乗っていない者を責任者として調査を指示しておりますので、今分かっていることだけ私から申し上げます。  いろいろな過去の例から見ると、動員を掛けて会場を占拠されるケースがかなりあるんです、率直に言って。そのために、当時の、当時の、当時のこの担当者が人員を確保してくださいということを言った記憶があるということは、私にこの記事について報告がありました。それはお答えをしたいと思います。  しかし、そのときに、だれが責任、だれがそのことを了解して、そしてどの担当者が向こうのだれに頼んだかということは、これは将来のその人の処分にかかわってくることなんで、そのことについては、今まだ一人一人の裏を取らなければいけませんから、そこまでの調査はできてないんで、官房長官の方にはまだ御報告ができてないという状況です。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 じゃ、政府委員、もう一回お答えください。  動員要請はあって、今調査をしているから、それは近々その報告書と一緒に官房長官に報告が上がるということでいいんですね。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) ただいま大臣がお答えされましたように、私どもが関係者から聞いておりますところは、そういう、(発言する者あり)はい、そのタウンミーティングに関しまして、一定の人員を確保していただくように教育委員会にお願いをした記憶はあるということでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 それなぜ最初から言えないんですか、それが。なぜ最初から言えないんですか。  官房長官、お伺いします。官房長官、これね、やっぱりタウンミーティングの問題は、やはり教育基本法の審議の中で、やはり前の国会では、大臣が、前大臣ですよ、伊吹大臣と言うと誤解を与えますから、前大臣が、何回も何回もタウンミーティングをやった上で、国民の声を聞いてこの法律を出したと議論いただいているんですね。これもう何回も言われていますからもう嫌でしょうけど、やっぱり前提崩れているんですよ。国民の中でやっぱり不信感もあるんです。  これ、いつまでに報告書を出されて、この国会で報告書を基に議論できるようになるのか、官房長官、明確にお答えいただけませんか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) タウンミーティングの、何というか、趣旨に反するようなことが起きたということは、もう本当に残念なことで、二度と起きてはならないと思っていますし、二度と起きないようにするために今全数調査、百七十四タウンミーティングについてやっているわけでございます。  その調査がいつまでにできるのかと、こういう話でありますが、これは先ほど申し上げたように、林副大臣の下に調査委員会をつくって、外の識者を交えて──聞いていただいていますか。外の識者の手も煩わせて今職員挙げて全部これ調べているわけであります。したがって、それはもうできるだけ早く御報告ができるようにということで、今土日も返上してやっている、休みも返上してやっているわけでございますが、まだいつまでということは具体的には言える段階には至っておりません。  今日、中間的なまとめがまとまるということでありますけれども、これは林副大臣が申し述べたように、どの範囲まで、どういう形で公表するのかというのは林副大臣のところで今御検討のはずでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 実は僕は、官房長官、本当にいろいろな形で本当に尊敬をしておりまして、いつも歯切れのいい答弁で、私は結構あこがれている政治家なんですけれども、ちょっとやっぱり歯切れ悪いですよね、官房長官、珍しくね、珍しくね。林副大臣も私は大変信頼しているんですが、内閣府でやったことを内閣府の副大臣が調査するのはいかがなものかなと私は思っているんですね。  もう一個申し上げれば、これ、安倍内閣が最重要課題だと言われている教育基本法の審議をして、その中でやらせが見付かったんです。この教育関係の八回のうち五回やらせ質問があった。この八回分だけの調査でも早急に調査をして出すのが審議をするに当たっての最低限の私は条件だと思うんですが、官房長官、いかがですか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 教育の関係については、衆議院の教育特の方に八回分すべてについて御報告をもう既にいたしております。  ただ、その後の問題もあるし、それから、他のもうこの際タウンミーティング、これは安倍政権になってやったことではなく、安倍政権の前の政権のときに百七十四回やったタウンミーティングについてすべてこれを見直していこうと。その上で、新たに安倍政権としてタウンミーティングやるときにどういうやり方がいいのかというのは、今回の調査で出てくるであろう様々な問題点を克服する形で新しいやり方をつくり出してやりましょうと。こういうことになっておるわけでありまして、で、歯切れが悪いということで福山先生に失望されてしまうのは残念でありますが、別に歯切れが悪いわけではなくて、ばらばらばらばら出して何のことやら分かんないよりは、全部を調べて統一的に皆様方に御説明ができて、その上で、何が悪かったのか、どこに責任があったのかということを明らかにするということをした上で、新しいやり方をつくってスタートを新たにしましょうということを言っているわけでありますので、その点については御理解を賜りたいなというふうに思うわけでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 実は、先ほど私がお伺いした松山の話は教育に関するタウンミーティングの問題です。もう御案内のとおりでございます。  衆議院に先ほど出されたとおっしゃいますが、それでは全く足りないのでこうやって聞いているわけです。それは全体終わるまで待ってくれということでは余りにも不誠実だから、教育の問題に関しては今分かっている分だけでもいいから明らかにしてほしいと私はお願いをしています、本当に前提が崩れていますので。じゃないと、なかなか委員会の審議が進みません。  そこは非常に、我々としても、こんなタウンミーティングみたいな議論をしていることが教育基本法の本旨かと、趣旨かというと、違うと私は思っているんですね。だからこそ、早くこの八回分に関してはより詳細な報告書をそれこそ官房長官の責任で出すと、委員会に出すと、今日言っていただければそれでいいんですが、官房長官、どうですか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) いや、もうそれについては調査委員会で調べているとしか言いようがございません。で、後は、委員会のお話であれば、それは委員会で御議論を賜って、理事間で御討論をいただければと思います。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 速やかに教育関係、タウンミーティングの教育関係に関する資料を、早急に報告、資料を提出をいただきたいと思うんですが、いかがですか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。  教育改革タウンミーティング、八回につきまして私ども調査をいたしました。その調査報告書、それからそれに、それからこれまでいろいろ、種々公開してまいりました契約書、請求書、こういったものを添えて、直ちに御報告をする所存でございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 今のは、おとといの、一昨日の蓮舫委員の発言の領収書等も含むのと、それから今私が申し上げた動員関係の資料ももちろん含まれると考えてよろしいですね。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えします。  蓮舫委員からお話がございましたあの件につきましては、社内経費でございますので領収書はありません。  それから、二点目の動員関係でございますけれども、これについては現在私ども調査中、全数調査中でございますので、これは全部今洗っておるところでございますので、直ちにはお出しできません。(発言する者あり)

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記止めてください。    〔午後二時二十六分速記中止〕    〔午後二時四十二分速記開始〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 それでは、官房長官に要求をさせていただきたいと思います。  まず三点。一つは、今議論になりました松山の百人教員が動員をされた件について、詳細について早急に資料を提出を願いたいこと。二点目は、衆議院で今八回のタウンミーティングの分について資料が出てきましたが、それでは足らない分が、不足分がたくさんございますので、それについてのより詳細な資料を御提出をいただきたい。それから三点目は、一昨日の蓮舫委員の事前調整費に関するより詳細な請求書も含めての資料提出をお願いしたいと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御質問、御要望の中にも必ずしも具体性が十分なものではないものもございますので、是非、理事会で詰めていただいて、理事会で御協議をいただいた上で調査委員会と接触をしていただいて、そこで答えを出せるかどうかを御議論、お話をしていただきたいというふうに思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 では、委員長、理事会の方で今の三点の要求について真摯に御議論いただきますようによろしくお願い申し上げます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまの件は後刻理事会で協議をしたいと思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 では、質問を続けさせていただきます。  今の松山の動員のことについては、より詳細な資料をいただけるということで、それを待つことにしますが、一言だけ申し上げておきますと、そのころには文科省が県の教育委員会にタウンミーティングの参加者の取りまとめを依頼をして、呼び掛けて百人が応じたと。住所、氏名、電話番号などの個人情報を記載した応募リストを国に提出したというふうに報道にはあります。私は事実関係が分からないので、事実関係を知りたくてお伺いします。このことについても重ねて答えが、答弁ができるように早急に準備をいただきたいと思います。  では、次に行かせていただきます。問題のタウンミーティングでございますが、塩崎官房長官にお伺いをします。  官房長官がいつも最近答弁で言われています、司会者が、タウンミーティングを活性化するために最初の会議の中でまず御意見を壇上で言っていただくと、そういうことに謝礼金を使ったと、やらせだけに使ったのではないと、(発言する者あり)やらせは使っていないんですか。やらせには使っていないとおっしゃっておられますが、この壇上にお上がりいただいて、それで質問のスタートにしていただいた方の謝礼金はお幾らだったんでしょうか。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) もう一回申し上げますと、これは十六年度以前にあったというふうに聞いているわけでありますが、したがって、今年度、昨年度はないわけでありますけれども、この十六年度以前にあったのは、今お話があったように、司会者から例えばどこどこの観光協会の会長さんに是非地域おこしについてまず御発言をいただきたいと思いますと言って壇上ないしは自分の席で発言をしていただくと、こういう場合に五千円お支払をしたというふうに聞いているところでございまして、五千円というのが私たちが聞いている支払った額だというふうに思っております。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 実は、ここははっきりしておきたいんですが、その平成十六年度の仕様書、この仕様書は内閣府が作成をして、当該依頼をした広告代理店にこういう形でやりなさいといって出した仕様書で間違いないですね。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 委員御指摘のとおり、仕様書というものを入札の前に内閣府で作成をいたして、それに基づいて業者の方に入札をしていただく、こういうものでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 まず、おとといの、一昨日の蓮舫委員の質問に多少補足をさせていただきますと、この仕様書の中に実はエレベーター手動二名、エレベーターから控室までの誘導二名、それから会場出入口にお迎えとかですね、こういうものが全部実は仕様書に書いてあります。この間、政府委員は、それは単価はもちろん広告代理店が、業者が出したものだとおっしゃいましたが、それの指示を項目別にしているのは実は内閣府が出していますから、出された仕様書に沿って単価を入れるのは実は当たり前の話でございまして、まず内閣府がエレベーターのボタンを押す人を二人で、こういうことをちゃんと指導していたということだけははっきりしておきたいと思います。それで入札が落ちているということは、先ほどの人件費の金額も含めて、蓮舫委員が言われたみたいに非常に高額の人件費で、まあ簡単に言うと、エレベーターのボタンが一回四千円でしたっけ、五千円でしたっけ、四万円、まあとにかく、詳細はもう結構ですが、そういった仕様書に基づいて広告代理店は作ったということだけははっきり申し上げておきます。  その仕様書を見ると、官房長官、細かいこと言うようで恐縮なんですが、官房長官の言われた登壇をして依頼をして口火を切っていただく方とほかの協力者とは分かれているんです。仕様書、これ、お手元にお配りをしました仕様書でございます。  配ってください、資料。    〔資料配付〕

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 今、内閣府が作ったということは内閣府は今お認めになられました。その仕様書があって、仕様書を今、僕、抜粋をしています。それもやらせがあったと言われている平成十六年度の仕様書でございますが、これ見ていただきますと、仕様書の中にちゃんと書いてあるんです。一回当たり実施事務、①から⑤を民間人有識者等へ支払い。①民間人有識者謝礼金。これは講演をいただく方みたいです。それから、民間人有識者交通費。これは御講演いただくから移動があるんでしょう。これは問題ないです。その次、これが官房長官の言われている依頼登壇者謝礼金等、そして四番目、その他の協力者謝礼金等ってあるんです。  実は、先ほど官房長官の言われた五千円は④なんです。下見てください。実は仕様書に指定単価まで書いてあるんです。④のその他協力者謝礼金等が五千円。そして、③の官房長官の言われた依頼をして登壇者の謝礼金というのは③、二万円になっているんですよ。これ、官房長官、先ほどの答弁と違うんですよ。  これは一体どういうことなのか、官房長官、ちょっと御説明をいただくか、官房長官はひょっとしたら報告を受けておられないかもしれない。それだったら政府委員でも結構でございます。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。  今の福山委員御指摘のここの項目でございますが、①の有識者謝礼金、これは正に有識者としてパネルに入っていただく方。それから、③の依頼登壇者謝礼金、これは指定単価で二万円といたしておりますが、これにつきましては、タウンミーティングをスタートしましてからしばらくの間、地元の代表的な方に、閣僚や民間有識者とともに初めから、もうスタートから登壇をしていただいて議論に加わっていただく例がございまして、この方々に二万円の謝礼金をお支払をするという具合に整理をした項目でございます。  それから、④のその他協力者謝礼金等、これは単価五千円でございますが、この方々につきましては、会場の方を司会者があらかじめ指名をして御紹介をして口火を切っていただく、その方の中に指名をされた後登壇されて発言された例もございますと、こういうことでございまして、この二万円の例と五千円の例はそういう具合に明らかに異なっているので、御理解いただきたいと思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 官房長官、ずっと委員会の中で答弁されていますよね。問題については御意見を壇上で言っていただきますと。地元の方の有識者みたいな方に答弁をいただくとさっきもおっしゃいましたよね。これ、ずれているんですよ、答弁が。はい、官房長官、どうぞ。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、いや、その有識者という言葉がどこまで入るのかというのは問題ありますが、例えばPTA会長でもいいんです。それから、観光協会の、地元の道後温泉の旅館組合の組合長でもいいんですが、そういう方に席にいていただいて、それでお願いをしておいて、この話題になったときにまずしゃべってくださいと言って紹介をして、壇上ないしは、まあ自席の方が多いようですが、こういう五千円ケースはですね、自席が多いようですけど、そこで問題提起をしてもらうと、発言をしてもらって、それでその謝礼に五千円を昔払っていた、こういう話です。  今の二万円のケースは、初めから壇上にパネリストとして上がってもらって、国会議員や大臣や他の東京辺りから来たいわゆる有識者と並んでやっていただく方について二万円をお礼でお支払をしていたということで、決して変わっていないというふうに思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 実はそれが三万円なんですよ。そうなんですよ。それは民間人有識者三万円なんですよ。政府委員。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 今のお話でございますけれども、閣僚と有識者、ケースによって違いますけれども、例えば総合規制改革会議の会長とかそういった方が、中央からの有識者、三万円、いろいろな方がおられます。  それから、それに加えて、初めのタウンミーティングをスタートしたしばらくの間は、地元の有識者の方を初めから壇上に、そういう方と一緒に並んで、ネームプレートを付けて座っていただいて発言していただいております。この方が二万円でございます。  五千円というのは、会場におられる方をあらかじめ指名をして御紹介をして口火を切っていただくということでお願いをしていると、これが五千円という具合に整理がされております。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 もう一回二万円を御説明ください。もう一回二万円を御説明ください。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 済みません。  閣僚と有識者という方がおられます。それにプラスしてタウンミーティングを始めたしばらくの間は地元のそういった代表的な方、有識者の方を初めからその壇上に座っていただいて、閣僚と有識者の方と共々パネリストとして議論していただいた、最近はこれはございませんけれども、初めはそういうことがあって、それがこの二万円の方でございます。  以上です。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、昨日官房長官の答弁は、司会者が、どこどこのどういうお仕事で、どういう頑張り方をしている方に、どういう問題についてまず御意見を壇上で言っていただきますと、これ先ほど言われた地域の有識者ですよね。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 蓮舫議員の御質問のときに、壇上ないしは会場でというふうに私言ったと思います。で、改めて聞いてみますと、どちらかというと壇上でやるよりは自席で立ち上がって今のような紹介を受けて、今日はここのどこどこのだれだれさんにまず代表して問題提起をしてもらいますとか、そういう形で言っていた。それが五千円をお支払をしていた、かつて支払っていた相手だということで、さっき言ったように、同じ地元の人でも初めからパネラーと、パネリストとして座って議論をしていただく方に二万円を払っていたと。で、東京辺りから来ていただいたりとかいう、そういう方々にはたしか三万円をお支払をしていたというふうに私は聞いております。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 そしたら、各タウンミーティングの会場で何人の方に三万円を支払って、何人の方に二万円を支払って、何人の方に五千円を支払ったのか、教育関係の八回についてで結構でございますから、これはもちろん相手から領収書をもらっているはずですので、それを全部出してください。そしたら、人数符合すればそれが正しいかどうか分かるはずですから。で、その五千円の中に、官房長官、やらせの質問をお願いした人はいらっしゃらないと今はおっしゃっているんですね。確認だけさせてください。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、ちゃんと御紹介をして、そしてキックオフ的な問題提起をしていただくというような方々に五千円をお支払いしていたというふうに、かつて慣行としてやっていたということで、いわゆる質問を作ってこれしゃべってくださいと言ってやった人ではないというふうに私は聞いております。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 つまり、質問を作ってこれやってくださいという人にはお金を渡してないということですね。

塩崎恭久自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりであります。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 分かりました。  じゃ、先ほど申し上げた八回の会場で何人分、どの金額で何人渡したか、それは符合すぐできると思いますので、お示しください。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 八回の教育改革タウンミーティングにつきましては、このいわゆる五千円の支払をしたことはございません。ありませんでした。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 その次、実は問題になっている平成十六年、十七年は同じ広告代理店がずっと入札をしています。で、これ入札状況を見ているんですが、全部実は、私のところに実は入札状況調書が出てきました。資料あるんですよ。出そうと思えば出せるんですよ。これはやっぱり出せるものは出していただいた方がいいと思うんですが、これ実は三回の入札、十六年、十七年、十八年、入札全部同じ会社が入札をしているんですけれども、これの入札予定価格、平成十六年、平成十七年、平成十八年、それぞれの入札予定価格をお示しいただけますか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。  お渡ししております入札状況調書というもので、各社が幾ら入れて、どこが一番安くて、どこが取ったという資料の中で、今、福山委員御指摘のように、予定価格というものを我々セットをしてこの入札をするわけでございますけれども、この予定価格を公表すべしという御質問でございますけれども、他の契約の予定価格を類推させるおそれがないと認められるものに限り公表することとしているわけでございまして、このタウンミーティングにつきましては、同じようなものを年二十回とか二十五回とかやるものを毎年やっているということでございますんで、本契約のように、同様あるいは類似の事業が繰り返されるものにつきましては、この予定価格を事後的であっても公表することは適当でないという具合に考えておるところでございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 ごめんなさい。今、これ大問題になっているんですよ。で、代理店、三回、三年間同じ業者が落としているんですよ。それで、類似のタウンミーティングがあるかもしれないし、類似の何かがあるかもしれないとおっしゃるけど、先ほどのいろんな大臣の誘導の話やエレベーターのボタンを押すのが何千円という話も含めて、やり方自身が今問われているんですよ。類似のがあるから出せないというのは全く理由にならないじゃないですか。だってこれ、この議論をしているんだから。それじゃ全然明確な理由にならないと思うんですが、もう一回お答えください。  平成十六年、平成十七年、平成十八年の入札の基準価格、予定価格について御答弁ください。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) タウンミーティングをより簡素に、もっと厳しく節約していくということできっちりとやっていきたい。それも調査委員会で種々調査をしていただくということになっておりますが、今の委員の御指摘自体につきましては、「国の契約に係る予定価格の事後公表について」ということで、これ財務省の方から示されております一般的なルールでございますので、これについては御理解を賜りたいと思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 ごめんなさい、一般的なルール、じゃ説明してください。さっきは類似のがあるから駄目だという、違うじゃないの、御答弁が。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) お答えします。  一般的なルールの中に、他の契約の予定価格を類推させるおそれがないと認められるものについては公表すべしという具合に書かれておりまして、この我々の場合は、この類推させるおそれがあるという具合に判断しておるものでございます。(発言する者あり)失礼しました。その財務省から示されておりますものは、平成十年三月三十一日付けの大蔵省主計局長から各省庁会計課長あての通知でございます。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 いや、それならそうと、昨日、事前通告のときに言ってくれないと。そうしたら僕、財務省呼びましたよ、今日。そのこと言わないから、今日、財務省呼べないじゃない。でしょう。それ、おかしいでしょう。  類推すると言うけど、今これもう完全に問われているんですよ、お金の使い方も含めて。これと同じように、また同じようなものをやるおつもりなんですか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) タウンミーティングの経費の在り方についてもしっかりと厳しく見直していきたい、いかなければいけないとは私ども考えております。  しかし、今の予定価格の公表につきましては、今申し上げましたとおり、一般ルールの中で我々としては処理せざるを得ませんので、御理解いただきたいと思います。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 見直すつもりがあると今おっしゃったじゃない。見直すということは関係ないじゃないですか、今までの過去の類推の話とは。これは国民の税金ですよ。これからはこういう形でやらない前提で今やっているんでしょう。これ、類推できるわけないじゃないですか。これを類推してものをつくるわけないじゃないですか。(発言する者あり)  予定価格、これ、何で出ないんですか。ちょっと、もう一回。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、予定価格につきましては他の契約の予定、類推させるおそれがあるということで、ルールとして出せません。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 ちょっと止めてください。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 済みません。なかなか予定価格出していただけないみたいなんですが、これ類推が、なぜ類推されるのかがちょっと説明が不十分だと思うんですが、これ例えばタウンミーティングをやり続けるにしたって、この仕様書はもう一回全面的に見直すんですよね、当然、当たり前のように。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) 節約もしないといけませんし、厳しく見直しをしていきたいという具合に思っておりますし、委員会でも、調査委員会でもそのような調査がなされるものという具合に考えております。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 つまり、仕様書を出して、それに対して見積りを取って入札をするわけですよ。その仕様書を今もう一回前提全部変えると言っているんだから、類推なんかできないじゃないですか。そうしたら、その先ほどの一般の、何でしたっけ、入札の公表の制限というのは当てはまらないんだから、予定価格出してもいいんじゃないですか。

山本信一郎内閣府大臣官房長

○政府参考人(山本信一郎君) そういう具合に見直していく必要があるという具合に考えておりますが、これはこれからの作業でございます。したがいまして、現時点でやっぱり類推されるということで出すのは適当でないと、このように考えております。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 私は、全く理解ができないし、納得もできないんですが、もう切りがないので、理事会で委員長、協議をもう一度いただけませんでしょうか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまの件は後刻理事会で協議をいたします。

福山哲郎民主党・新緑風会

○福山哲郎君 実は私、本当はいじめのこととか学校内暴力のこととか、教育基本法にかかわることをたくさんやりたかったんですけど、なかなか明快な御答弁いただけなかったので、次回に移したいと思いますが、とにかくこのタウンミーティングは、これ例えば教育基本法がどんな形であれ、やっぱり国民に信頼され得るものでなければいけないと私は思っているんです。こんな前提で、こんなに資料も出てこなくて、不信の中で教育基本法がやっぱり議論されること自身子供たちにとって不幸だと思いますし、とにかく真摯な資料提出と真摯な審議を与党側に、政府側に求めまして、私の質問取りあえず終わりたいと思います。  どうもお騒がせしました。ありがとうございました。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。  伊吹大臣とは初めてやり取りさせていただきますけれども、私はいじめ問題について中心にやらしていただこうと思っております。  実は、昨日も夜、山形で高校生の女子生徒の方が恐らくいじめであろうと言われる理由で自殺をされたという報道に接しました。もうこの間、本当に次々と失われてはいけない子供の命があんな形で失われていくということで、私も、恐らく皆さんもそうだと思いますが、朝起きて新聞を見たりテレビを見るのが何だか怖いようなここ本当に数か月間が続いていると思います。  表面化しただけでも、今年になって表面化した北海道、それから八月以降には愛媛、福岡、岐阜、埼玉、大阪、正にこれはもう、そして昨日の山形と、異常事態と言えるんではないかと思います。  しかもこれは、予測していなかったんですけれども、お昼ごろのニュースで、昨日のその山形の自殺の件が県の教育委員会に当該高校から報告が上がったんですが、そこの高校担当の教育次長や高校教育課長らは対応するために県教委に残られたんでしょうけれども、その日、実は予定されていた教育委員と教育長の歓送迎会があったんだそうです。それに、その教育委員と教育長には子供さんの死は伝えられたけれども、それが自殺であるということは伝えられずに、課長以上の職員ら二十一人でレストランで予定どおり歓送迎会をされたということがお昼報じられたんですが。まあ、こういうことは予定されておりますので、それぞれの都合で実施されることにとやかく言うことではないんですけれども、こういうことが報じられますと、やっぱり子供たちは見ているんですよね。で、あなたたちの命を守れなくてごめんなさい、もう何とかしますよというメッセージを幾ら一生懸命送ろうとしても、一方でその県の教育委員会でなぜこういうふうなことに、教育長さんに言っていれば、教育長さんこれは取りやめにされたかもしれないし、何でこういうことになるのかなと。  私、やっぱり今、誠実さというか大人の真摯な態度が求められているんではないかと思うんですけれども、この状況について、大臣どのようにとらえていらっしゃいますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私を含め、今先生のお尋ねに対してこういうところで答弁をして、人、仕組みを非難する前に、やはり大人の一人として、教育行政に携わる者の一人として、一人一人が今先生のおっしゃったような誠実さと、それからもう一つ言えば、私は、やはりその任に当たるいろいろな人の感性を磨いてもらわないといけないと思うんですね。  今回、今先生が御質問の中でお挙げになった山形の件については、二、三日前にお母さんというか御家族にはいじめられているということをどうもおっしゃったようですね。それが学校にいつ伝わったんだろうか、伝わってなかったんだろうかということを考えると、やっぱり若干残念だなという気持ちもします。  それから、校長先生は、テレビの画面で私が拝見すると、至らないことで、命をなくしてしまって本当に申し訳ないということを頭を下げておられましたが、これは、一時限目に生徒は授業に出ているんですね。二時限以降はいなくなっちゃったわけですが、そこでしかるべき対応をしていなかったことについておわびをされているんです。  ですから、御家族にこの悩みを打ち明けたときに、やっぱり御家族も、プライドもあるでしょうけれども、やはり学校に話していただく。学校もやはりできるだけの注意を払っていく。そして、それをやはり教育委員会が、学校現場はやはりいろいろなことがあって大変ですから、その現場の状況をよく教育委員会も把握して、上に立つ者として、やはりつらいときは率先垂範しなければいけませんから、先生のおっしゃっていることについては私は全くそのとおりだと思いますし、私自身も文部行政の責任者として、今の先生がおっしゃっていることは拳々服膺して事に当たりたいと思っております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 大臣もしっかりこの異常事態ということを受け止めていらっしゃるというふうに私は今拝聴しましたので。  私自身も、私、福岡の出身ですので、岐阜と福岡で起きたときに、民主党のいじめ問題調査団の一員として行ってまいりました。そのときは、県教委、町教委、岐阜は市教委ですね、お会いして、それから遺族のおうちにも行って弔問もさせてもらったんですけれども、やっぱりその遺族の方たちというのは、もうやり場がないんですね。我が子を失った悲しみと、もう一つは何で守ってやれなかったというその無念の思いで、本当にもう、三週間たったときに私たちは行ったんですけれども、それでもいたたまれない、そばでお話聞かしてもらいながらいたたまれない思いをしたんですけれども、やっぱり一番おっしゃりたかったのは真実を知りたいと。なぜこんなことになったのかということと、それは二度と帰ってこないけれども、同じような犠牲を出さないために、これから繰り返さないためにとおっしゃって、それは私たち政治に携わる者としてしっかり受け止めてこれからやりますからと言ったにもかかわらず、その後続いていることについて、私も元教員でもありますし、その一人としては非常に今でも本当にじくじたる思いがしております。  新聞報道等でも学校の隠ぺい体質とか、相談を受けたのに、先ほど大臣がおっしゃったように、御家族、家庭でも聞いていたのに、それが自殺を止めることにならなかったというような事態がやっぱり相変わらず続いているということについてどうしたらいいんだろうかということで、まずは、いじめであろうと何であろうと、自殺に、子供たちの自殺の連鎖に歯止めを掛ける。特に、いじめによる自殺というのが学校教育にかかわって起きていることですので、これについて緊急対応として、メッセージは一応大臣お出しになりましたけれども、緊急に、これという特効薬はないにしても、何かできることはないのかというふうに考えるんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 実は最初、自殺予告の手紙が私あてに来ましたときも、これを公表すべきかどうか、私は随分考えたんです。というのは、一つは、連鎖を呼ぶ可能性があるということですね。それから、文面が本当にこれは正しく児童が書いたのかどうなのかということについて、いろいろな見方が当時もございました。しかし、あのときは、水曜日までに何のアクションも取られなければ土曜日には自殺をするという文面になっておりましたので、テレビ、新聞等も含めて協力をしていただいてああいう公表に踏み切ったわけです。  その後、先生が今おっしゃったようにいろいろ残念な事態が起こりましたので、メッセージをいじめられている子といじめている子と、それからその兆候をつかんでいただかなければならない保護者、学校の先生、三人にわたって私が出しました。これは各教育委員会を通じて全児童に必ず配っていただくようにお願いしてあります。  これは、やはり自殺をする子供、いじめられている子供にもプライドがあるんですね。話したくないというプライドがあるんですよ。しかし、それを乗り越えて話をしているケースもあるんです。しかし、御両親も家族としてのプライドがあり、学校もそれを表に出したくない、教育委員会もこれを表に出したくない。ですから、全国の担当者、教育委員会の担当者に来ていただいたときには、再三、全国のいじめが生じた場合の成功事例を各々共有してもらうように努めております。それから、自殺が少ないということがいいんではなくて、いじめがあったけれどもそれをこういう形で食い止めたということを高く評価するようにということを申しております。  そして、総理からも衆参で御答弁を申し上げたと思います。特に、総括質疑で御答弁を申し上げたように、子供が直接、プライドがあるから話しにくいけれども、まあチャイルドラインとかいのちの電話とかいろいろなものがございますので、これが特に、あれはどなたの御質問でしたでしょうか、この場で御質問があって、お昼にやはり電話が掛かっちゃうと、そうでしたね。水岡先生がそのことを御指摘になりました。総理もいろいろそのことについて今各省と連絡を取って、夜掛かってきた電話も必ずどこかへ転送されるようにというようなシステムを確立したらどうだということを内閣官房を中心に今、塩崎さんのところで考えてくれていると思いますし、しかし何より一番大切なことは、できるだけ周りにいる者が早く兆候を見付けて、そして、昔であればやはりそれは御家庭で対応していただくのが昔だったんですね。だけれども、再三申し上げておるように、核家族になりそして共働きになっておりますから、実質的に子供の話を聞く人たちの数が非常に減っております。その中で学校の先生に負担が非常に増えているということを私は再三ここで申し上げております。  ですから、それをカバーしていくように地域との交流とか何かもやっていかなければなりませんし、これ問題がここへ出ておりますから当該学校、教育委員会が非難されておるんですが、表に出ていない何十倍と未然に防いでくれている学校があるということもやはり理解をしてやってもらいたいなと私は思っております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 私も学校におりましたので、今大臣おっしゃったような、まあ大分理解していただいているのかなというふうには思いますけれども、今本当に先生たち、もちろん親御さんたちもそうだと思いますが、あしたもしかしたらうちのクラスで思い詰めて学校に来れなくなる子がいるんじゃないかとか、親御さんは、この前、蓮舫さんもおっしゃっていましたけれども、今日無事に帰ってくるだろうかと、そういうやっぱり非常に不安に包まれている中で緊急にやらなきゃいけないことの一つは、この前の水岡議員の提案受けて今真剣に取り組もうとしていらっしゃるというのを大変いいことだなと思うんですが。  もう一つ、私は、やっぱり今プライドがあるとおっしゃいましたが、十年ほど前に私教員をやっていたころ、いじめに関する国際会議、ちょうど十年前は大河内君の自殺からずっと引き続いて、九四年、五年、六年ごろですかね、やっぱり今のように自殺が相次いだ時期がありました。  そのときに、イギリスも非常に、今もいじめに苦しんでいるというふうに聞いていますが、割と先進的な子供参加の取組などをしていたので、そのNGOの方やノルウェーのジャーナリストの方やアメリカの方々、国際会議をやったんですね。そのときに、日本に来て六年ぐらいになるけれども、学校に行ってみると日本の学校というのは非常に、恥の文化とそれから我慢の文化と非常に強いヒエラルキーがあると、学校の中にですね。そういうものがやっぱり学校文化として子供たちにも伝わって、何か失敗することは恥ずかしいことで人には言えないとか、いじめられていることは人には言うのは恥ずかしいとか、やっぱり自分が悪いんだから我慢しなきゃいけないとか、それから管理職と一般の教員とそれから子供の間には非常に強い上下関係があるというふうに、これはアメリカの方が日本の学校に六年ほどいたときに感じたものだというお話が非常に私は印象に残っていたんですけれども。  今、逃げ場、逃げなさいと、私も教員だからそんなこと言いたくないんですけど、学校で守りたいと言いたいんですけれども、もうこの期に及んで今この状況の中では、とにかくつらかったら逃げていいんだよと。それは逃げる場所は、例えば学校には何とか来たけど教室に入れないから保健室とか、司書の先生が優しいから図書室とか、いろんな逃げ場がある、学校の中にも外でもあると思うんですけれども、その逃げ場をあるいは子供の居場所を確保するという点について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 恥の文化とか今先生がおっしゃったもろもろのことは、すべて私は否定すべき、ネガティブに考えるべきことじゃないと思います。日本には日本の伝統的ないい文化があるわけですから。例えば未履修のような恥ずかしいことはしないんだという恥の文化をしっかり持っていただかないといけないわけですね。  ただ、子供が苦しんでいることについて外へ出したくないということが、まあ管理職と一般職員との間のヒエラルキーが強いからということとは私は結び付かないと思いますね。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 違うんです。そういう意味じゃない。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) ですから、いろいろな逃げ場というのは当然私はあってもいいと思いますし、ケースワーカーなんかですね、特に臨床心理士なんかの配置などは少しそういう意味ではやらなければいけないと思いますが、それ以上に大切なことは、やっぱり御家庭で子供さんの苦しみを、共働き、核家族ではあるけれども、多くの場合ですね、お母さんやお父さんがそれを把握したと、子供の兆候を。学校へ言って教育委員会へ言ったんだけどその対応が非常にまずいというケースが新聞によく出ますが、多くのケースは御両親には何の相談もなかった、あるいは知らなかったというケースもあるんですよ。  だから、これは学校現場の問題もありますが、同時に御家庭、いろいろなところに逃げ場をつくって、これはまあ大きく言えば、やはり豊穣の中の精神の貧困のような先進国に特有の現象が日本にも病理として今広まっているという中でひとつ考えなければいけない部分もあるんだと思うんです。ですから、学校固有の問題として、教師がけしからぬ、親がけしからぬ、教育委員会がけしからぬと言っても、困るのは子供だけですからね。みんながやっぱり、一番最初先生がおっしゃったように、子供を守っていくんだという使命感とそれから誠実さと感性を持って事に当たる以外の私は方法はないと思います。だから、水岡先生がおっしゃったことについて安倍総理がすぐにそういう検討を始めろということを指示したというのも、これは一種の感性であり、やっぱり彼の誠実さ、総理の誠実さだと理解してあげていただきたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 その電話相談で何とかこう、そこで自分の命がつながっていくということはすごく大事だと思うんですね。  もう一つ、やっぱりその逃げ場所として、例えば、私は、今朝だったかな、新聞で見て、フリースクールのネットワークの人たちが、やっぱりそういう子供たちの、フリースクールは、不登校で学校に行けない子供さんが代わりにそこに行っていろんな自分の生きる道を見付けていくというような取組されているんですが、そこにいつでもおいでよというようなことがちょっと新聞に出ていたんですね。そういうところと、文科省が音頭を取るのか各都道府県で音頭を取るのか、各県にあると思うんで是非連携をして、子供たちの一時避難所としてもいいですし、何というかな、今追い詰められて連鎖でつい自分も楽になりたいって思う子がいたとしたら、そういうところに逃げていけるんだよということを是非アピールとして出し、アピールというか、子供たちにメッセージしていただきたいなというふうに思います。  今日は本当は六十分の予定で、今のは緊急対応でちょっと是非要請したいんですが、いじめというのは完全になくなるということではなくて、いじめはいつでもどこでもだれにでも起こり得るという認識、これは文科省も十年前のときから示していらっしゃいますのでそれはいいと思うんですが、じゃ、いつでもだれでもどこにでも起こり得るこのいじめというものを、起きたときにそれをどう解決していくのか、あるいはより起きにくくするのかというような取組というのがやっぱりなされないと、それが本来の学校であろうというふうに思いますので、そういう観点から、ちょっと文科省のこれまでの取組についてお伺いをしたいと思います。  文科省は毎年、「生徒指導上の諸問題の現状について」というのを出していらっしゃいます。これは一九八五年度から調査をされているんですけれども、この中には、暴力行為やいじめ、高等学校における不登校、高校中退、児童生徒の自殺者、教育相談機関設置状況というように、主にそれについての実態が現状としてまとめられているんですけれども、これを調査している目的ですね、目的は何なのか。私、毎年はちょっと読んでいなかったんですけれども、大体手に入ったら見ていたんですが、これをどう分析して施策に反映させられているのか、ちょっとその点について御説明をお願いします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、文部科学省では、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題について全部で八項目にわたる調査を毎年行っております。この調査の目的は、こういう子供の生徒指導上の諸課題について全国の状況を各学校から教育委員会を通じて集めることによりまして、各学校、教育委員会における取組の充実を促進をするというところにございます。  例えば、問題行動の状況を前年度と比較をすることによりまして、なぜ例えばいじめあるいは不登校あるいは暴力行為、こういったことが増えたのか、減ったのか、その問題につきまして効果のあった取組にはどういうものがあるのか、あるいは今後指導を行う上での課題は何かといったようなことについて分析を行い、他の都道府県での指導の参考や文部科学省のこれからの施策の検討に活用しているということでございます。また、毎年、全国の生徒指導の担当者を集めた会議におきましてこの調査結果を報告をし、情報交換を行い、全国の生徒指導担当の方々の間で情報の共有も図っているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 調査はそれによって効果のある取組や課題があるところを見付けるというふうに言われましたが、じゃ、具体的にそういういじめやあるいは校内暴力等がすごく、なかなか前年度比として減っていかないというようなところに対しては、何かそれに対する支援措置、学校や地域的にこういう支援が欲しいというような現場からの声がボトムアップしていくようなシステムはあるんでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) いじめの問題に限定をして申し上げますと、やはり私ども、いじめにつきまして、これを早く兆候を把握をして迅速に対応するということが一つ大事だと思っております。そのための各都道府県での、例えば子供にアンケートを実施をしてその中から問題を見いだして対応していく事例ですとか、そういうものを広く紹介をしたり、あるいは問題を隠さずに学校、家庭、地域社会連携して対処する必要があるわけでございますので、そういった取組の事例というものを、これも広く共有化できるような、そういうことをこれまで取り組んできたところでございます。  それから、特に教育相談ということが大変大事でございますので、相談機関の整備、更には各学校にスクールカウンセラー、こういう方を置くような措置も、こういった調査結果を踏まえて平成七年度から実施をしてきたところでございます。  加えまして、私どもとしては、本当にその問題対応のために、教職員の配置ということにつきましても数次にわたる教職員の定数改善計画で、こういった問題を抱える学校、あるいはこういう問題に対応できるための教職員の配置ということについても努めてまいったところでございます。  いずれにいたしましても、私どもが実施をしておりますこの調査結果を踏まえつつ、施策につきまして私どももこれまで努力をしてきたところでございますし、今後も一層取組をしていきたいというふうに思っているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 調査結果を踏まえつつ対応してきたというふうにおっしゃいますけど、例えば学校がいじめをどのように知ったかということも、いじめ発見のきっかけということで調査が毎年恐らくなされていると思うんですね。これを見てみますと、今日ちょっと資料をお配りしていないんで委員の皆さんにお分かりづらいかと思いますが、一番多いのが、いじめられた児童生徒からの訴えというのが約三二%で一番多いんですが、その次が担任教師の発見、二〇%、その前、二番目は保護者からの訴えが約二六%、担任の教師の発見が二〇%というふうになっているんですけれども、ちょっとこの発見のきっかけを見て不思議だったのは、スクールカウンセラー等からの情報というのが一%なんですね。外から想像するに、スクールカウンセラーの方が配置されているところでは、まあ子供たちいつでもそこに相談に行ける状態になっているのではないかと思うんですが、そのスクールカウンセラーの方が教職員と情報を共有するようなシステムになっているのかなっていないのか、それから配置状況にもよると思うんですね。  ちょっと時間がないんで質問が一緒くたになりますが、スクールカウンセラーが今どのくらい配置されていて、そのスクールカウンセラーはいじめの発見やあるいは子供の心のケアについて学校内でどういう働きをしているのかということについてお聞かせいただきたいんです。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) まず、スクールカウンセラーの配置の状況でございますけれども、平成十八年度では、中学校では七千六百十三校に配置をいたしております。ただ、スクールカウンセラーは非常勤の職員でございますので、学校によりまして相談時間の長短がございます。  私ども、一つの課題は、スクールカウンセラーをすべての中学校に配置をするということと相談時間の確保ということが今後大きな課題だというふうに思っております。  それから、スクールカウンセラーを派遣をした学校現場からは幾つかの意見が寄せられているわけでございますけれども、やはり何といっても、保護者、それから学校、スクールカウンセラーが一体となった対応ということが非常にできるようになってきたという声が多く寄せられております。  それから、問題をスクールカウンセラーが発見をするということは確かに今の調査結果、先生お話しになりました結果からでも少ないわけでございますけれども、むしろ、問題が見いだされた後、例えばいじめということが見いだされたり、あるいは暴力行為というようなことが出てきた後でございますけれども、カウンセリングを通じて人間関係の改善を図っていくということがスクールカウンセラーが学校にいることによって随分できるようになってきたという報告がなされております。  なお、スクールカウンセラーを派遣している学校と派遣していない学校での不登校やいじめ、暴力行為の発生件数などをかつて経年で比較をしたことがございましたけれども、その際には、スクールカウンセラーの派遣校の方の状態が改善をされているという結果は出ているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 確かに東大の、何ですかね、研究所が調査したのでも、校長先生たちのアンケートによると、スクールカウンセラー、非常に効果的だと、もっと充実してほしいという声が強いんで、それを是非、今この機ですから、政府として、もう文科予算は減らされ減らされて、特に定数なんかもう減らされてばっかりですけれども、子供の命を守るという意味で、せめて一番今この問題が凝縮している中学校だけでもスクールカウンセラーを全校配置するというぐらいのやっぱり英断をして、子供たちに、あなたたちを守りたいんだよということを是非そういう行動でもって子供へのメッセージにしてほしいというのと、それから、非常勤という限定もありますし、なかなか、配置されたところでは効果があると言われているけれども、本当に十全にその機能を発揮できているかということでは、今の御説明ではちょっと十分に聞き取れなかったんですが、またそれは次回、またの機会にすることにしまして、一つ非常に気になっているのが、このいじめ調査の中でいじめの発生件数という項がございます。  これは新聞等でも問題じゃないかと、それからいじめによる自殺の統計が、文科省はゼロで警察庁の統計と全然合わないじゃないかとかいうことも出ていますので、今文科省としても見直しに当たられているというふうに思います。このいじめの発生件数というのは、こういう調べ方ではなくて、いじめを解決できた学校というふうにしたらどうかなと私は思っているんです。  というのは、中教審が二〇〇三年に教育基本法政府案にも盛り込まれた教育振興基本計画を答申の中で書いたときに、その最後のところに政策目標の例として、いじめ、校内暴力を五年間で半減するとか不登校をなくすとか、そういう政策目標としていじめの数値を減らすというようなことが挙げられたんですね。私は、これを中教審答申として見たときに、申し訳ないけど、ちょうど社保庁のあの分母を減らすという、そしてノルマを達成したようにするというあれが出たときに、この教育振興基本計画を思い出してしまったんですね。  こういうふうに、いじめというような問題について数値目標を掲げてやることが果たしていいのか。逆に、先ほど冒頭言いましたように、隠ぺいとかごまかしとか、もう見て見ぬふり、なかったことにするというそういう心理、どうしても働きますから、そういうふうになってしまうんではないかというふうに思うんですけれども。  それから、学校評価というのが今ガイドラインが出されて行われておりますけれども、これについても、いじめのない学校とか、いじめの発生を何%に減らすとかいうようなことで評価がされると非常に私はますます危険になるんではないかと思いますが、それについて、ちょっと私の持ち時間なくなりましたので、大臣、最後にお願いしてよろしいですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 冒頭、私申し上げましたように、実は学校現場では多くのいじめ、あるいはいじめによる自殺というのが未然に防がれているケースはたくさんあるんですよ。それは表に、記事には何らなりません。そして、残念なことがあれば記事になります。ですから、私申し上げたように、いじめがあったけれども、いじめを減らしたということをやっぱり学校の評価の中に入れるべきだと申し上げたのはそういうことです。  ただ大切なことは、いじめというのは本当に把握が難しくて、自分はいじめていると思っていなくても、いじめられている方から見るといじめられているというケースがあるわけですよ。それから、実は本当は相手はいじめているつもりなんだけど、けんかをしていたというケースもあるわけです。ですから、文部科学省の基準が不適当であるというおしかりも受けておりますが、どこかで基準はやはり決めなければ統計も取れませんし、決めた後、実態に合わせてそれを動かしていく人たちの、やはり先生がおっしゃった誠実さと感性に最後は尽きるんですね。  ですから、私もそのことはよく考えながら、今先生がおっしゃったような形で対応をできるだけしてもらうように話をしていきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 神本美恵子君、時間です。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 時間が来ていますけれども、一言だけ。  大臣、いじめているつもりはなくてもいじめられていると感じるというそこは、ちょっと、いじめられている方がいじめられていると感じたらそれはいじめであるというふうにしないといけないと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それはそうです。統計、通達も今先生がおっしゃったようなことにのっとって行われています。ですから、教育委員会が、あるいは学校がいじめと認めなくても、児童から申出があったものはいじめとして統計数字に入れるようにという通知はいたしております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 終わります。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  私は、経済格差と教育を受ける権利について質問をいたします。  現行教育基本法第三条は、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであつて、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によつて、教育上差別されない。」とあります。この条文は、教育の機会均等をうたい、国民の教育権を保障する重要な条文だと私は思いますけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは当然そういうことだと思います。  ですから、この現行法の三条は憲法二十六条の規定を受けている規定ですから、先生がおっしゃっていることに何ら異議はございません。したがって、我々が提示しております四条においても同じ趣旨が述べられております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 大変重要だということでございます。  そのいわゆる教育を受ける権利、教育の機会が今現状ではどうなっているのかと、親御さんや子供の実態はどうかということで進めていきたいというふうに思います。  この五年間で年収三百万円以下の給与所得者が百八十五万人増えています。当然その中には子供を持つ御家庭もございます。第一線の研究者は就業構造基本調査を基に、子供のいる世帯、奥さんが三十歳から四十四歳で、実に二七%程度が生活保護以下の収入しかないワーキングプアの状態だと調べています。  それで、そういう方々の暮らしの実態がどうかということでございますけれども、大阪教職員組合の教育の現場における貧困と格差の実態アンケートでは次のようなことが書かれています。  親の職業がアルバイト、子供を連れて夜働きに出ていく、親が仕事に出るため子供が幼い弟や妹の面倒を見て学校への登校が不定期になる。さらに、母子家庭のお母さんは、時間単位がいいからと生活のためにやむを得ず夜にバイトの掛け持ちをし、いつも夜の十一時から十二時いったん帰ってきて子供たちに夕食、夕食というのかその夜中に食事をさせて、また深夜一時から明け方六時まで働いて、子供が学校に行くときには寝ている。子供はだから遅刻をしたり、学校に行ってもうとうとしてしまうと。  親御さんは生活のために本当に精一杯頑張っているわけでございますけれども、正にこうした状態といいますのは、経済的な困難が子供の教育を受ける権利を脅かしていると私は思います。この点、大臣はこういう実態についてどう思われるでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 特に今おっしゃったことは、義務教育においてはあってはならないことでしょうから。  ただ、御承知のように、この義務教育の教育実施の権限は地方自治法上、御承知のように地方の自治事務になっております。ですから、私たちは、あらゆる今おっしゃったようなケースに対応できるように地方自治体にお話をしておりますし、国としても義務教育国庫負担金の、まあ三分の一に減ってしまいましたけれども、もちろん財源を付けて地方に残りの財源のお金は移譲されているわけですが、そしてまた就学援助等についても地方自治体がこれに対応していただけるように、まあ文科省としては限られた予算の中でできるだけのことをしていると。  しかし、就学援助の実施主体は地方自治体であるということは、これは法律上明記されている事実でございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 私は、改めて大臣にこの間の、今申し上げたような生活の実態がございますけれども、経済的困難の広がりがいかに教育の困難をもたらしているかもお聞きいただきたいと思うんです。  小学校三年生の子供は、通常約千円するリコーダーを百円ショップで買ってくるわけですね。リコーダーは音が狂い授業にならないと。四年生の子供は、円の勉強でコンパスが要るのに、お母さんがお金に困っていることを知っていて、言えずに自分の小遣いから百円ショップで買った。でも、学校で円がうまくかけなかったと。中学校では、アルトリコーダーやアクリル絵の具などの教材を各自が買いそろえるわけでございますけれども、合わせると約五千円も掛かります。買えない御家庭もあって、授業のときには五、六人も持っていなくて授業も成り立たないと。  大臣、私、こうした子供たちがどんな思いで授業を受けているか、大臣はお考えになったことがあるでしょうか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 考えているから日々の行政をやっているわけでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 では改めてお伺いしますけど、こうしたことについてどのように対処されていくおつもりですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど申し上げましたように、就学援助、特に今おっしゃった用具の購入等は、これは日本の仕組み、法律からいうと地方自治体の業務なんですよ。ですから、国としては交付税の措置あるいは義務教育の国庫負担金の負担その他を投じて対応しているわけです。  ただ、自治体の予算がどのように組まれているかについては、私どもは直接口を出せば、またこれは地方自治の侵害という御批判を逆に受けますから、できるだけ今おっしゃっているようなこのつらい思いを子供たちにさせないように、地方教育委員会の担当者の会議その他において文部科学省としては今おっしゃっているようなことに対応してもらうようにはお願いしてございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今大臣は、子供たちにつらい思いをさせないようにというふうに文部科学省としても対応しているんだというお話でございました。  しかし、おっしゃっておられる就学援助でございますけれども、政府はこれまで何をしてきたのでしょうかと私は問いたいんですね。例えば、教材費は既に一般財源化されました。さらに、二〇〇五年度から就学援助の準要保護の補助費も一般財源化にされました。その結果どうなっているかと。  文科省は、二〇〇六年六月に出された調査結果があると思いますけれども、改めてここで簡潔に御説明いただけるでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど大臣からもお話がございましたように、就学援助につきましては、いわゆる要保護者の就学援助につきましては、国は二分の一の負担をしているわけでございますが、準要保護者の就学援助につきましては平成十七年度からいわゆる一般財源化をするということになりまして、地方に税源移譲いたしまして、準要保護者の就学援助は市町村の事務ということになっているわけでございます。  そこで、文部科学省として、その後、就学援助について各市町村、どういう状況であるかということにつきまして調査をいたしまして、今年の六月に調査結果を公表いたしました。  そのまず一つについて申し上げますと、これは就学援助の受給者の変化の要因、背景ということについて調査をいたしました。これは全国から百二十五の市区町村の教育委員会を抽出をいたしまして、就学援助受給者数の変化の要因等に関するアンケート調査をやったわけでございます。  結果を申し上げますと、就学援助率の増加の要因、つまりこれは準要保護者が中心でございますが、援助率増加の要因として考えられることは何かということをお聞きをしたわけでございますが、一つは、企業の倒産やリストラなどの経済状況の変化によるものが九十五市町村から回答がございました。二つ目には、離婚等によります母子・父子家庭の増加ということが七十五の市町村から回答がございました。このほか、就学援助の率が増加をした理由として、就学援助制度がよく知られるようになってきたといったような回答をした市町村とか、就学援助を受けることについて保護者の方の意識が大分変わってきたと、変化をしてきたといったような回答も得ているところでございます。  私どもとしては、各市町村におきまして適切な就学援助が行われるということが重要だと考えておりまして、今後ともそういう方向で市町村に実施をしていただきたいと考えているところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 済みません。二〇〇五年度のいわゆる準要保護の補助を一般財源化しましたよね。その結果どうなったかということを改めて教えていただけますか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 失礼いたしました。  私ども、もう一つ、いわゆる平成十七年度からの準要保護者に対する就学援助が廃止、税源移譲したことに伴いまして、平成十七年度の準要保護者に係る就学援助の状況がどうかという調査も実施をしたところでございます。これも今年六月に取りまとめたわけでございますが、これは全市区町村の教育委員会等に対しまして、平成十七年度において準要保護児童生徒の認定基準の変更の有無等について調査を行ったものでございます。  御案内のように、準要保護者に対する就学援助は、それぞれの認定基準は各市町村において定めるということになっているわけでございますので、実際、一般財源化された後、各市町村がどういう認定基準を持っているのかということを調査をしたわけでございます。  調査を行いました二千九十五の市区町村のうち、平成十七年度に認定基準の変更を行った市町村は百二十三市町村でございまして、全市区町村の五・八七%でございます。それ以外の市町村は従来の基準を使っているということでございます。  この百二十三市区町村につきまして、どういう変更を行ったかということも調べたわけでございますが、準要保護の児童生徒の認定基準のいわゆる引下げ等を行った市町村が百五市町村でございます。引上げ等を行った市町村は十六市町村と、その他が二市町村ということでございます。  また、変更した市町村のその変更理由でございますけれども、これは近隣の他の市町村との比較をいたしましてその状況に合わせたという理由が最も多いわけでございますが、二つ目には市区町村の財政上の理由と、それから三つ目は市町村合併によりまして新しい市町村の基準というものを作ったということでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 一般財源化したことによって基準を引き下げたところが百五あるというお答えでございました。  それで、私は大阪の実例をお示ししたいと思いまして、このパネルを用意をいたしました。(資料提示)これは、大阪府内の就学援助の、いわゆる大阪府内の就学援助認定所得額の前年度比を示したものでございます。大阪市就学援助制度をよくする会の資料から作成したものでございますけれども、自治体の資料でもございます。  それで、この資料でいきますと、大阪市でいきますと前年度比四・三%減です。高槻市でいいますと一二%、貝塚市では一八・六%となっています。  私、市教委等々にお聞きしますと、高槻市では、今まで小中学校の就学援助費として修学旅行費を実費分援助でした。でも、今年四月から、限度額を小学校二万六百円、中学校五万五千九百円と設けて、それ以上の費用は自己負担です。その最高額が小学校で約六千、中学校で約一万円になっています。さらに、予算が三千九百万円も削減して、認定されない児童生徒が前年度比で七百四十九人も増えると市教委のお話でした。貝塚市では、申請者が増えたにもかかわらず、国が一般財源化したことで市の財政状況が苦しくなり切り下げたんだというお話でした。ここには載っておりませんけれども、泉南の市教委にお聞きしますと、二〇〇四年度比で五%減にされています。今年はそれと同じでございますけれども、額が下がっています。修学旅行費と給食費が今まで実費だったのが、昨年から一割の自己負担、今年は二割の自己負担になっています。  つまり、私は大臣にお聞きしたいんですけど、こうして就学援助費の認定基準を引き下げたり援助額を削減するということは、教育の機会均等の保障を行政が果たしていると大臣は言えると思いますか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) これは、個別の自治体ごとに自治体財政の内容をよく洗い直してみないと一概にはお答えできないと思います。つまり、文部科学省が持っていた予算を地方へ譲る代わりに国が持っていた税収そのものを地方へ譲っているわけですから、これは国と地方という関係でいえば、トータルでみんな地方へきちっとやっていただくようにお金は行っているはずなんです。地方自治体の予算の組み方として、財源は来ているけれども、例えば他の都市と比べてここのところまでお金を入れるのはどうだという御判断をしておられるところもあるでしょうし、先生がおっしゃっているように、税源の移譲があるけれども、当該市町村の税収は移譲されたほどは伸びないと、どこかがたくさんもらっちゃっているということですが、そのために切り詰めておられるところもあると思いますね、それは。ですから、これは各々まちまちです。  私は、ある面では先生が今御質問になっていることとやや同じ考えを共有しておりますのは、三位一体という、地方でできることは地方でということの中で、教育の分野でどこまで地方に税源を付けて補助金を渡したのがよかったかどうかということ。これは、単に財政の問題だけではなくて、先生にとってはお嫌なことかも分かりませんが、国がどこまで義務教育の権限を保有するかということと裏腹のことなんですよ。ですから、ここのところのバランスを取って、もう一度やっぱりよく考えていかなければいけない部分があるんじゃないかという気は私いたしております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 私は、やっぱりこうした問題は、国が一般財源化したことに大きな問題があると思うんですね。  それで、認定基準が引き下げられて適用除外となった子供たちの御家庭には、修学旅行費、給食費、学用品など、八万円近くの自己負担になるわけですよ。修学旅行は子供たちが本当に楽しみにしているもので、自己負担が増えたから修学旅行に行かせられないと親御さんが子供に言った事例もあるんですね。私、大臣、その子供の気持ちが分かるかなと思うんですよね。修学旅行に行けなくなるような削減が本当に許されてはならないというふうに思うんですね。  そもそも、教育の機会均等を確保する上で、現行教育基本法の三条の二項で「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によつて修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」と、国と地方自治体の責任を明確にしています。また、十条の二項でも「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」と、教育行政の責任を明らかにしています。  こうした規定から見ますと、就学援助の基準の切下げ、額の削減というのは教育行政の後退ではないかと思いますけど、大臣はいかがですか。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは先ほど申し上げているように、地方に税源を譲り、同時に文部科学省が持っていた補助金の交付権限を譲ったということについて生じている問題については、これから国の義務教育に対する責任がどこまであるのかということ、正にそれは教育基本法の大きな争点の一つだろうと思いますので、そういう中で検討しなければならないと思いますが、同時に、気の毒でかわいそうだということは私は何ら否定いたしません。  しかし、この問題は情緒だけで議論してはいけないんで、各自治体の実態、そして、従来教育補助をしていたものが全国平均と見て、全国平均からするとなるほどと、全国平均よりかなり上の部分にあったのが減らされてきたのか、平均以下であったのが更に減らされているのか、このことも地方自治体に少し調査をしてみた上でお答えすべきことだと思います。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 大臣、今、国の責任がどこにあるか、これから検討が必要だというふうにおっしゃいました。  そこで、私、最後に申し上げたいと思います。  政府案は、教育行政について、現行基本法十条にございます、教育は国民全体に対し責任を負うこと、教育行政は必要な諸条件整備確立を目標に行うこと、この規定を削除して、国と地方公共団体の適切な役割分担及び相互協力の下、公正かつ適正に行われなければならない、国及び地方公共団体は、教育が円滑に継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならないとあります。  しかし、国が就学援助補助を一般財源化したことにより、地方自治体も基準額を下げて適用除外者をつくってきたのは事実です。これでは、政府案で教育機会均等が確保される保証は私はどこにもないと思います。逆に、国と地方自治体がもたれ合って、教育の機会均等が更に崩されるもの、今やっぱり変えなくてはならないのは、現行教育基本法ではなくて、基本法を踏みにじってきた政府の姿勢であるということを指摘をして、私の質問を終わりたいと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  私は、先日に引き続きまして、教育行政のことについて質問をさせていただきたいと思います。  先日は、時間も短かったこともありましたし、大臣との議論がうまくかみ合わなかったと、議事録を見まして改めてそう思いました。これはもう一度しっかり冷静にやっぱり議論をしなければならないなと、こういうふうに思っておりましたら、今日は、先ほど大臣と福山議員との間で激論がございまして、そこで、かなり私自身が改めて聞こうとしていたことがそれなりに整理されつつあるなと、そういう思いをいたしました。  先ほど大変激論をされましたんで、また大臣の手を煩わせてもう一度やりますと、疲労もまた加速させることになろうかというふうに思いますんで、私は、多少整理の意味も込めまして、政府委員から少しここのところを整理をしていただければいいんではないかなと、こういうふうに思って、もう一度、現行十条と改正案の十六条の関係について、最初にお聞かせをいただきたいというふうに思っております。  改正案の十六条が、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、」云々と、このことが、前回もそうでありましたし、今日も大変な議論になりました。そこで、最初の質問でございますが、学テ最高裁判決、旭川の事件でございますけれども、この旭川の事件では、最高裁は、法令に基づく教育行政も教育基本法十条一項の不当な支配の主体たり得ると、こういうふうに言っているわけでございます。  問題は、この学テ最高裁判決のこの趣旨が改正案の十六条でも変わりはないのかと、改正案十六条でも法令に基づく教育行政は不当な支配の主体たり得るのかどうか、この点を冒頭再確認をさせていただきたいと思います。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えをさせていただきます。  現在、不当な支配に関しましては、現行十条で「不当な支配に服することなく、」とは、正にその教育が国民全体の意思とは言えない一部の勢力の不当な介入を排除して、教育の中立性、不偏不党性を求める趣旨でございます。そして、御指摘のように、これに関しましては、最高裁の判決によりまして、不当な支配は、その主体のいかんを問うことなく、論理的には、教育行政機関が行う行政であっても、不当な支配に当たる場合があり得るとされておるところでございます。  ただ、この条文に関しましては、この「不当な支配に服することなく、」という意味に関しまして、この正に旭川の学テ訴訟でも争われたことでございますけれども、この規定をもって国が教育の内容や方法に関与することができないという主張がなされたわけでございます。  この件に関しましては、同じく最高裁の判決におきまして、国は、適切な教育政策を樹立、実施する権能を有し、国会は、国の立法機関として、教育の内容及び方法についても、法律により、直接に又は行政機関に授権して必要かつ合理的な規制を施す権限を有するというふうに判決を出しておるわけでございまして、これらを踏まえまして、今回の改正に当たりましては、「不当な支配に服することなく、」は引き続き規定をしておるところでございますけれども、その後に「この法律」、正に教育基本法でございますが、「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」であることを明確に規定さしていただいたところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 よく分かりませんけれども、何か、十六条においても教育行政は不当な支配の主体たり得るんですか、一般論としては。明確に言ってください。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 最高裁の判決で出ております内容については、変わりございません。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 はい、分かりました。  現行法の十条でございますが、今日もいろいろ議論がございました。これは戦前の教育体制の反省から生まれたと、これは公知の事実でございます。国家権力の教育支配からの決別と、これを定めた、こういう規定でございまして、十条がその歯止めの役割をずっと果たしてきた、しかも十条は裁判規範でございまして、そういう機能も果たしてきたと。不当な支配を行おうとする教育行政だとか、あるいは国家行為を違法と断じて退けてきたと、そういう経緯がございます。  近くは、日の丸・君が代の強制を無効とした今年九月の東京地方裁判所の判決がございます。この判決文を読みますと、正に論理は最高裁、学テの最高裁判決そのもの、この論理を使って教員に日の丸・君が代を強要した、これは行き過ぎである、無効だと、こういう明快な判決を出したわけでございます。  この十条の教育行政が不当な支配をすることを許さない、この機能が改正案の十六条の中に引き継がれているのかどうか、これにもう本当にたくさんの人たちが関心を持って、今回の改正案の正に是非について、この観点からたくさんの人たちが議論をしているわけでございます。  そこで、私は、この立場に立って、この間、大臣にお尋ねをいたしました。教育行政も不当な支配の主体たり得る、こういうことを前提に、教育への介入は可能な限り抑制的であるべきだ、これが最高裁の立場であって、法が一義的に命じている場合を除いて、合理的かつ相当の範囲を超えて教育に介入してはならない、こういうふうに言っています。ここが大事なことでありますが、そういうことは憲法の要請だと、こういうふうに言っているわけであります。  憲法の要請であるということになりますと、これは現行の十条だけではなくて、この趣旨を、精神を引き継ぐまず教育行政についての規定でありますので、改正案十六条でもこれはやっぱり引き継いで生きていると、こういうふうに見るのが私は常識ではないかというふうに思っておりまして、お聞きしたいのは、改正案十六条で学テ最高裁判決の論理、教育行政による不当な支配、教育への行き過ぎた介入が起こらないように、これに歯止めを掛ける規定、文言は改正案の十六条のどこに盛り込まれているんでしょうかと、こういうふうにお聞きをしたわけでございます。これについては答弁がなかった。だから改めて、その十六条、改正案の十六条のどこに盛り込まれているのか、改正案十六条のどこに、どこでその趣旨を読み取ることができるのか、これは大臣からお答えいただきたいというふうに思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 福山先生とは激論したわけじゃないんですよ、お互いの見解の相違を厳しく調整し合ったということですから。それで、先生御自身も、かなりこの前聞きたいことが、やり取りの中から理解したとおっしゃっていただいたんで、そういうことだと思います。  今、東京地裁の日の丸・君が代の判決については、これは日本のこの憲法上の仕組みとして、当然、東京都は控訴をして最高裁の判断を仰がなければならないということになると思います。最高裁の判断が学習指導要領等について既に出ているのは、今おっしゃった旭川の問題ですね。旭川については、判決文は、十条が教育に対する権力的介入、特に行政権力によるそれを警戒し、これに対して抑制的態度を表明したものと解することはそれなりの合理性があるけれどもと、先生おっしゃったとおり、それなりの合理性を有するけれども、そのことから教育内容に対する行政の権力的介入が一切排除されているとの結論を導き出すことは早計であり、憲法上、国は適切な教育政策を樹立、実施する権能を有し、国会は国の立法機関として、教育の内容及び方法についても、法律により直接又は行政機関に授権した必要かつ合理的な規制を実施する権限を有するものとしているという判決を下しているわけですね。  ですから、今御提案している十六条で「不当な支配に服することなく、」という文言を入れておりますから、これは旭川の最高裁の判決を援用すれば、当然行政は行き過ぎがあるという前提で司法は判決をしているわけです。しかし、何が行き過ぎであり、何が不当な介入でありということについては、先ほど来も福山先生の問いにお答えしたように、法律の一次的な有権解釈権は、これはもう法律の常識論として、常識論というか通説として、これは法律を所管している内閣にあるんです。ところが、内閣もその解釈を間違える場合があるんですね、確かに。ですから、それが間違えた場合には、司法の判断を仰いで、しかも憲法に違反したような間違い方をしたのか、法律の解釈の間違い、解釈の仕方として間違ったのかということを最終的に司法に判断させるというのが日本の三権分立の仕組みの基本なんですよ。  ですから、先生がおっしゃった、それがどこにあるかということになれば、それは「不当な支配に服することなく、」という文章に表れているということです。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 政府委員にもお尋ねをいたしますが、教育行政の行き過ぎを是正する、行き過ぎた介入を是正すると、これに歯止めを掛ける規定、文言は「不当な支配に服することなく、」、この文言だと、こういう理解で政府委員の方でもよろしいんでしょうか。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  今大臣のお答えしたとおりでございます。それと同時に、今の条文の中にこの法律及びその他の法律ということが書かれておるわけでございますので、当然行政がいろんな施策を打ち出すときにはこの法律に基づいて、国会でお認めいただいた法律に基づいてやる必要があると考えております。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 私が正に補足しようと思いましたことを、今政府委員が申し上げました。つまり、この法律あるいはこの法律の下位法である各法律に逸脱したことをやった場合は、これはもう当然そこでまず歯止めが掛かってくるということですから、何より大切なことは、国民の選挙によって選ばれた国権の最高機関である国会の議決によって国民の意思が動いているということです。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 歯止めの規定は何ですかということについて、それは不当な支配ですということ、これを今大臣も政府委員もおっしゃいました。ところが、衆議院ではそういう説明ではなかったんではないですか。衆議院では、公正かつ適正、これを根拠に行き過ぎについて歯止めを掛けると、こういう説明をしていたんではないですか。  もう一回整理をして、改めて、歯止めの規定は何なのか、歯止めの文言は何なのか、どこから読み込むのか、お答えください。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) お答えを申し上げます。  まず、不当な支配に服しちゃならないということが一番初めに書かれておりますし、その次に、この法律及びその他の法律の定めるところにより行われなければならないと書かれておるところでございます。さらに、具体的な施策を推進するに当たっては、教育行政は公正かつ適正に行われなければならないということも規定しておるところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 そうしますと、与党の皆さんの中では、今回は、今度はもう改正法の十六条で、十条はすっかり変わったんだと、法に基づきさえすれば国は教育内容にどんどん介入できるんだと、こういう趣旨の発言が相次いでいるんですが、今ほど来の大臣あるいは政府委員の答弁によりますと、必ずしもそうでないと、教育行政であっても、国会の法に基づいた場合であっても、その中身を厳格に吟味をして、そしてやっぱり行き過ぎがあった場合には、私たちは、国民は不当な支配あるいは公正かつ適正、この二つの文言を使って裁判所で争うことができると、こういうふうに理解してよろしいわけですね。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先ほど来、福山先生とのやり取りでも申しておりましたけれども、何が行き過ぎであり、何が不当であるかというのは多分人それぞれによって違います。違うから裁判というものがあるわけです。ですから、当然そのような訴えを提起されるということは、法制上は私は可能だと思います。ただ、裁判所の判断としてどういう判断を下されるかは、今度の改正法十六条も参考にして裁判官は判断を下されると思います。  自民党の中でだれが今先生の言ったようなことを言っておるか私はよく存じませんが、私が少なくとも文部科学大臣をやっている限りは、できるだけ法の精神に従って、何をやってもいいなどということは私はやるつもりはありません。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 私は勝手に言っているわけではなくて、そういう内容は、文言はあちこちで見ることもありますし、現に衆議院の論議の中で何人かの自民党の議員の皆さんが質問の中で前触れで言っていますよ。これはもう議事録見ていただければ分かります。しかも、それが一つと。  もう一つは、大臣もこの間の私とのやり取りの中で、法律によって行われる行政は不当な支配には当たらないと、こういうことをおっしゃっている。しかし、今のやり取りの中で明らかになったことは、現行法の場合でもそうですし、改正法十六条の場合でも、教育行政が不当な支配に当たり得ることがあると、こういうことをおっしゃっているし、その場合には不当な支配だとか、あるいは公正かつ適正という文言を使って裁判で争う道が開かれているんだと、こうおっしゃっている。これは、この間おっしゃっていることと随分違うじゃないですか、これは。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは全く先生違いません。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 違う。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 違います。それは先生が違うと思っておられるだけです。  それは、私が申し上げているのは、だから、何が不当であり、何が介入であるかというのは、人それぞれによって、その立場立場によってみんな判断の基準が違うんですよ。違うから司法によって最後に行政の行い、行政行為が合法かどうかを争われるわけで、政府の立場からすれば、当然法律に基づいて行われていることは適法であるとお答えをするべきであるし、またそれがおかしいと思われたら当然司法の場でお訴えになって争っていただいたら結構なんです。私どもが元々法律に基づいてやっている行政が不当な支配であるなら、その行政はそもそも成り立たないんですから。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 それは言葉からいけばそうかもしれませんけれども、私たちは今、今改正案の中身をめぐって、これは憲法が定めたやってはならないところを逸脱して人の心の中に入り込んでいるんではないか、人に義務なきことを、国民の憲法上の権利を侵害しているんではないか、教育行政として行き過ぎだと、抑制的であれという憲法の趣旨を逸脱しているんではないかと、こういうふうに言っているんですけれども、皆さんはそうではないというふうにおっしゃっていて、しかも聞きようによっては、もう教育行政については裁判所で是非を問う、そのこと自身ができなくなる、そういうふうな解釈をおっしゃる方もおられるんで、そうではなくて、それは道はありますと、根拠は、条文上の根拠は十六条の不当な支配ですと、そして公正かつ適正、この文言が正にそうですと、こういうことはやっぱり明確に言うべきです。  私たちはそういうでたらめはやっていないと思うけれども、しかし、そう思われる方は是非この不当な支配とかを使って裁判を起こす道が開かれているんだと、そして教育行政をチェックする道が制度として開かれているんだということをはっきり言うべきです。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) それは、先生の今御質問になっているお立場でも、今おっしゃったように、私はそうは思わないけれどもと理解していただいているわけですから。もう法律に、この法律その他の法律に定めて行われることが不当な支配に属したり、公正かつ適正に行われていないということならば、そもそも立法府の指摘に、立法府の立法に従わない行政なんということはあり得ないわけですから。ただ、そのことがおかしいと思われた場合には、司法に当然お訴えになってチェックをできる道は開かれているということを私は何ら否定はいたしておりません。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 終わります。

山下栄一公明党

○山下栄一君 教育特別委員会で初めて質問をさせていただきます。大分時間遅くなっておりますけれども、できるだけ効率的な質問をしたいなと思っております。    〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕  私の質問は今日は一つだけでございまして、高校における未履修の問題でございます。これが、高等学校における学習指導要領の在り方、また高等学校における普通教育の在り方、また高校教育の在り方、そういうところに非常にかかわる、つながっていく問題であると、このように思うからでございます。  高校進学がもう五〇%にも満たない時代と違いまして、今はもう、十五歳になりまして義務教育終わった方々が大半がその上の学校制度でございます高等学校の段階に、中期高等教育に行くという時代になりました。  高等学校そのものも、私、この前本会議でも質問させていただきましたけれども、非常に多様化していると。各県において、中退者、不登校、またなかなか学力が付いてこれない生徒、一方では進学率が非常に高い学校。もう非常にほとんどの、要するにある年に生まれた子供がほとんど高校に行くわけですから多様化せざるを得ないと思うわけです。それが今の現状の高校と高校教育行政がマッチしているのかということが問われた問題が未履修問題じゃないかなと、このように思っております。  それで、この未履修の子供たちをどう手当てするかというようなこともいろいろ議論されて、今、卒業式を延ばして勉強する時間を確保したりしているような学校も出ておりますし、苦しみ抜いて板挟みに遭って自殺してしまった校長先生もおると。何でこんなことになるのかなと。制度そのものがちゃんと機能しておるのか。今の時代に、全入、ほとんどの子供が高校に行く段階にマッチしているのかということを突き付けた問題であったのではないかと。  まず最初に、履修ということなんですけれども、履修というのは一体どういうふうな意味なのかということをちょっと確認したいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 履修というのは、通常、教科・科目の目標に到達すべく授業に参加をして授業を受けるということを意味をいたしております。したがいまして、未履修という場合には、当該教科・科目について授業を受けていないということになるわけでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 時代の変化に伴って、授業に参加する、授業を受けるということ自身がもう大分変わってきているんではないかなと。とにかく体を運んで学校のその授業の席に座って聞くいうことやと思うんです、まあ寝ていようが何しようが履修になるんでしょうけど。  じゃ、通信制の学校における履修というのは、どのように考えたらいいんでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 高等学校の教科・科目の履修は、基本的に各科目ごとに何単位という時間が決まっているわけでございます。一単位というのは、年間三十五単位時間の学習、履修、これが一単位ということになるわけでございます。通常の全日制あるいは定時制の課程では、三十五時間の五単位時間の授業に参加をして学習をするということになるわけでございますけれども、通信制の課程におきましては、いわゆる通常は自学といいましょうか、テキストに基づいて学習をし、一定の割合でスクーリングと、これが全日制、定時制の場合の授業の受け方と相通ずるわけでございますけれども、三十五単位時間なら三十五単位時間の中でスクーリングというものが何回かございまして、そのスクーリングと、それから自宅での教材に基づく学習、そしてそれに基づくレポートの提出による指導ということが合わさって、言わば高等学校の履修の仕方として一つの特別のやり方ということになっているわけでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 時代の変化によって授業に参加するということじゃないわけですよね、この通信制における履修というのは。添削指導は、これ、今おっしゃった話は基本的に自己責任で自分で勉強するわけですからね、通信制なわけやから。それだけでは担保できないから、単位時間当たり添削指導何回、それから面接指導何回というふうに極めて限定された形で授業参加と言えるのか、それはと、こうなってしまうわけで、それはやっぱりそういうふうな時代の変化によってそうなっているわけで、履修の在り方そのものが一般、我々の理解では、教室に行って授業に参加して聞くということだったけれども、それが履修というんだったというけれども、そのこと自身がもう変わってきていると、履修の形がね。  例えばインターネット学習まで認めるような時代になってきているわけでしょう、今。まして、その高校卒業程度認定試験なんて認めて、高校卒業なんだという。それは試験でやるわけですから、別に授業なんか全く参加しなくても。そういうことでも、それは高卒じゃないけれども、高校卒業程度という形で認めるような時代を迎えているわけですよ。未履修って一体何なんですかということ自身が、ちょっとやっぱり時代の変化とともに変わってきていると思う。中学はまあ履修という話でしたけれども、別に単位認定なんてないと。  で、単位を修得したというのは、どういう状態を単位を修得したと言うんですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) いわゆる単位の修得でございますけれども、履修をいたしました教科・科目につきまして、その成果が教科・科目の目標に照らして満足できると認められた場合、単位の修得ということが認められるわけでございます。    〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕  私どもが参考までに示しております高等学校の指導要録というのがございますけれども、これによりますと、高等学校では通常五段階で評価をいたしまして、五段階評価の評定が二以上について単位の修得を認定をするというのが一般的かと存じます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 だから、原則としては履修をして、履修というのは別にどれだけ分かっているかというよりも、とにかく聞いていると。聞いているというか参加しているというか、形だけ参加していても、それは寝ててもそれは履修になるわけやからね。それが要するに通信制ではそれ自身も危ういということだと思うんですよ。  で、修得というのは、試験とかレポート提出で評価することによってある一定の水準があるということを認定すると。で、大事なところは、単位の修得とか卒業の認定というのは一体だれがやるんだと。それは文科省じゃないと思うんですね。どこですか、これは。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) いわゆる単位の修得、卒業等の認定は校長の権限でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私はちょっとやっぱり今回の未履修問題は、もちろん進学校においてちゃんとした報告もしないで、履修すべき教科・科目を初めから教科書も買わせなかったというふうなところはちょっとこれは罪が深いとは思いますけれども、未履修問題といって大騒ぎするということなのかなと。最終はそんなの学校現場にいないと分かんないわけで、場合によっては校長先生も、生徒と授業計画立ててやるわけじゃない、授業計画を書類でチェックしたかて、そんなことは、本当にその授業をやってるのかどうかなんて分からないわけで、教科書を買えば、一応渡っているかもしれないけど、それ本当にめくってやっているのかというようなこと、もう教師と生徒の信頼関係の中でやるわけで。  僕はやっぱり学校現場で、まあ出席日数もそうかも分かりませんけど、修得にしろ認定にしろ学校の方で校長の権限でやるという今仕組みになっていますし、それをもう三百万人近い高校生を全部そんなこと国がチェックできるはずもないし、そんなこと議論して何の意味があるのかなと。これ全部そしたら授業計画出さして全部文科省チェックするんですかと、本当に授業やっているのかどうかみたいなことを。そんなことナンセンスやと思うんですね。  だから、やっぱり教育というのはそういう法律でこう拘束するということもそれは最低限なかったらいかぬと思いますけど、やっぱり教育という営みは教師の人格によって生徒との交流の中で育って命をはぐくんでいくという、そういうことなわけで、どこまでそれを、いわゆる行政というレベルでこのピラミッド型の指揮命令系統の中で行えるのかなということを、よく限界を自覚した上で教育行政をやるべきだという私は考え方でこういうことを申し上げているわけですけれども。  だから、その履修、未履修というようなことも、余り騒ぎ立てられたから仕方がないから調べざるを得ない状況になってしまったという、針をつつくような話なんですね。何かおかしなふうに行っているなと。  それで、お手元にこれありますかね。「高等学校における必履修教科・科目について」というペーパーをお配り──行ってませんですか。行ってますね。  それで、私はこの高校における必履修教科・科目というのを久しぶりに見さしていただいて、えらい複雑になっているなというのが正直な感想でございます。今、現行のこれは、この「高等学校における」という意味は、もうありとあらゆる、全日制であろうが定時制であろうが通信制であろうが、普通科であろうが専門科であろうが総合学科であろうが、これはもうこの前、本会議で申し上げましたけれども、そういう物すごい多様化しているすべての高等学校、高校生に勉強せないかぬ科目だと。  例えばこの、今もう社会科なんてなくなって地理歴史科と公民科になっていますけれども、これもその世界史はどっちか必修だと。日本史A・B、地理A・Bの中から一つということになっています。公民もややこしくて、現代社会二単位だけれども、現代社会二単位又は倫理、政経の四単位がどちらかが必修だと。数学も、数学基礎と数学Ⅰに分けてどっちか必修。理科も、理科基礎か理科の総合のA、Bどっちかが必修と横に小さい字で書いてありますけど。  それで、難しい進学校じゃない方の高校の話ですけど、いろんな言い方がございます、学力困難校等とかございますが、そこでは例えば数学基礎というのがあると。数学基礎というのは何をやるんですかと。これは指導要領を読んでも、理科基礎もそうなんですけど、これはもう中学の内容ということだというふうに私は理解したんですけどね。  これはどういうことかというと、要するに、中学というのは別に単位制じゃありませんから、九年終わったら出ていかないかぬわけですね、どれだけマスターしたか問われないままに。特に、数学とか理科はもう五年生ぐらいからちょっとずつ分からぬと分からなくなってきて、中学三年になったらもう全然分からないと。そんな状態で、だけど高校には行くと、今高校にほとんど行くわけですから。そういう人たちが学ぶ数学というとどんな数学なんですかと。数学基礎という教科書が、読み物みたいなのがありますけど、そんな教科書やるよりも、もう一回中学の数学をしっかりやった方がそういう学力困難校にとっては身に付いた数学ができると。これは現場の先生の意見です、数学の先生の。数学基礎みたいなの無理やり作ってやるものだから、余計やりにくくてしゃあないと。そこに書いてあることなんていうのは本当にもう、場合によったら学習指導要領の中学の内容の方が難しい、言葉的に難しいことが書いてあると。数学基礎に書いてある高校の数学基礎よりも、学習指導要領の言葉は中学の学習指導要領の数学の方が難しいことが書いてあるわけですよ。そんなふうにしてこれ多様化する中で必修を決めているわけですね。  そうすると、僕はそのすべての高校生に、それが必履修科目やと思いますけど、これは非常に丁寧に議論しないと、もうほとんどの子供が高校に行くわけですから、物すごい多様化する中で、じゃ必履修科目って一体、その中身と科目、教科の設定はどうあるべきなのかという議論はこれはやっぱり丁寧にやらないと、集まって議論する人たちは本当に現場のこと分かって、それは御本人の感覚は三十年ほど前の高等学校の実態を思い描きながら議論しているんじゃないのかなということを感じ、襲われるぐらいでございます。中教審の教育課程分科会の中のその議論ですけど、今そういう議論されているとは思うんですけれども。  僕は、だから高等学校、全入がほとんどの、九七・何%の子供たちが全部高校に行く中で、必履修科目の在り方というようなことは丁寧に慎重でないと物すごい複雑なことになってしまっている。これ、多様化そのものを表現しているわけですよ。一体必履修ってどういうことなんだということはやっぱり問われるし、高校教育って一体何なんですかと。  そこで、もう二点大臣に質問したいんですけどね。この一覧表にある、これ数学ⅠというのはⅡ、ⅢがあってⅠなんで、数学基礎というのはもうこれ勉強したらもうつながらない、これで終わりということやと思いますけど。そういうことも含めて、必履修科目というのは、これはすべての高校生が学ぶべき教育内容って一体何かということを現場の実態もよく踏まえた丁寧な議論をしないと、今、世界史だけじゃ駄目だと、日本史も必修にせいという意見があるそうですけど、そうしたら地理はもういいんですねという、増やす話やから余計これはね、それはいろいろ背景はあるとは思いますけど、これはちょっと丁寧な議論をする必要があると思います。これが一点です。  もう一点は、高等学校においては普通教育と専門教育行うことになっていると思うんですけど、高等学校における普通教育というのは、これは憲法の二十六条とも、また教育基本法にも、その普通教育というのはこれはすべての国民が義務化されている内容ですのでね、高等学校における普通教育の在り方、この二点をちょっと御質問したいなと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) なかなか難しい御質問なんですが、やはり先生は中学校の、高等学校との関連で中学校のことについても言及をされましたが、中学校についてはもうこれは御承知のように義務教育になっておりますし、初中合わせて約、国、地方合わせて十兆円の国民負担を投入して行われております。したがって、高等学校、普通教育である高等学校も含めて、これはやはりその学校の、卒業すればここまでの基準は満たしておいてもらいたいということを文部科学省として国民のためにお願いをしている基準、これを示しているわけですが、それがどこまで到達度があるか、習熟度があるかということの認定権は校長にゆだねられているわけですね。  ですから、二つやり方があると思うんですが、御党の松あきら先生でしたか、御質問になったように、英国のように、かなり自由にやらせるけれども、その代わり、国として必修、今言われている必修科目についての、何を勉強していても、どういう形で、先生がおっしゃったように、対面教授方式じゃ、受講方式じゃなくても構わないけれども、必ず卒業資格を与えるための到達度というのを統一的に調べるというやり方と、日本のように、教えることを決めておいて、個々の到達度の認定は学校長にゆだねているというやり方と、どちらかだと思うんですよ。どちらもしなくていいということは、これはちょっと国民の税金を使っている立場からは、はい、そうですかというのはちょっと申し上げにくいと思います。  ですから、高等学校の普通教育の在り方も、極端なことを言えば、必修科目と言われているものに大学入試センター試験を適用して、大学入試センターですべての習熟度をチェックしてもらうと。あとは大学の入試は、言うならば、それを参考にしながら大学独自の入学試験はなくするというような考えだってあるわけですよ。  だから、いろいろな考え方がありますので、これは今のやり方がある程度国民間に定着しておりますから、少し国民の意見も伺って、先生のような斬新な御提案がどうかということもちょっと検討させていただきたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 今、学習指導要領の見直しが始まっていますので、それにちょっとかかわっていく話なので、問題提起させていただきました。  高校における普通教育の方の話にもうちょっと。  今、普通科、専門科、総合学科。八割は普通科なんですね。これは僕はもう全然時代に合っていない。普通科が八割ということは、ほとんどの高校生が普通科行くと。普通科というのは基本的に上の学校に行くことを前提として、形式的にはそうなんですけど、実態は全然そうじゃないという。大半の子供たちが、就職自身もはっきり、ほとんど体験学習もしないままに、普通科は何となく進学というイメージなんだけれども、実態はもうとてもじゃないけどそんな学力まで身に付かないと。御本人も期待していないと。名前は普通科だというふうなことになってしまっているわけです。ほとんどの高校は普通科だと。  僕はもっと専門科。専門科って、ここに書いてございますように、農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉。理数というのもあります。体育、音楽、美術。体育高校というのも、体育科の学校もありますけど、美術の学校、これ美術高校じゃないのに美術という。音楽、美術、英語と。これをもっと多様化していって、義務教育を補うようなそういう、名前を高校と名付けても構わないけれども、それは普通科じゃないでしょうというふうな、普通科でない部分をもっと多様化していって、普通科はもう半分ぐらいというふうな、もっと分かりやすくて元気が出るようなそういうセットの仕方というのもあるのではないかなというふうに。総合学科というのはもうこれまた難しい面がございますけど。  いずれにしても、高校の普通科というのはもう時代に全く合わないままで、ほとんど職業教育もされないままに何となく出るものだからフリーター、ニートにつながっていく、そういうことを感じまして、これは、高校における職業教育の在り方はちょっと時間の都合でできませんけれども、この普通科ということを抜本的に見直すことを、文部省というよりもこれはもう県だと思いますけど、もう県でもいろんな、苦しみながら、不登校対応とか中退対応で単位制とかいろんなこと考えていますけど、考えざるを得ない、追い込まれているわけで、それはもう高校教育とは一体何なんですかということをもう一遍元へ戻って、ほとんどの子供たちが行く高校のあるべき姿みたいなものを継ぎはぎで、今までの高校の延長上で今日があるという考え方ではもたないほど今は多様化し、抜本的なセットの仕方を求められている。これはもう国でも提案すべきだと思います。私は、もっと県が悩めと、設置者なんだからというように思います。  それで、もう時間の都合で最後、一点だけ。学習指導要領ですけれども、私は、学習指導要領は大臣告示になっているんですけど、大臣告示は法令で、法律の一番最末端のルールですから、守らなかったら何かこう、もろ責任問われるわけですね。だけど、私は、文部科学省は、初中局は責任本当に担えるのかと、全国のそんな三百何万の高校の。担えないと私は思います。そういう意味で先ほど申し上げたんですけどね。  単位の修得、卒業の認定はもう高等、個々の校長の先生に任されているんだから、一挙に、私は、学習指導要領というのは、法的拘束性が今はあるけれども、それを参照基準、メニューにして、それは現場でもう決めて結構ですというふうにしてあげたら、それを中途半端な状態に置いておくから苦しみ、両方から責められて、責任持って決断もできない、上ばっかり見ていると。本来は生徒と保護者の方に向かって教育すべき校長先生が上ばっかり見ながらやらぬもんだから、そういうピラミッド型の官僚、教育行政のそういう縛りがあって、だから思い切って、私は、もうちょっと近いところで権限を与えてしまって、どうせ責任を文部省取れないと、今日はもう、ちょっといろいろ今回の文部省の対応も、今までも対応すべきところをやってこなかった面もあるわけですから分かるはずがないと思うんです、そんなもの、実態まで。  だから、やっぱりそういうことを真剣に考える時期に来ていると。大学は全くフリーだと。小中は、それは義務教育、責任があるから、国の責任もあると。高校というのはその段階でどうあるべきかと。同じように、小中と同じように法的拘束力というのを突き付けるのかと。突き付けたら活性化しないと、学校は。生き生きとした創意工夫なんて出てこないというように私は、(発言する者あり)私は、いや、民主党と違うんですけど。いや、それは今日はちょっと時間の都合で言えませんけれども、高等学校の学習指導の在り方は見直さないと、この未履修問題というのは本当に解決したことにならぬと。それと必履修科目の在り方を検討すべき、そんなことをこの問題を通して感じている次第でございまして、最後、一言、大臣にお話聞いて、今日は私、五時までに終われいうことですので、質問を終わりたいと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 高等学校における普通教育、それから専門教育、それからいわゆる専門学校ですね、職業学校、これをどういうふうに組み合わせていくかというのは大切な御提言だと思いますが、一番大切なのは、地方が悩んだり文科省がどうするかということじゃないんですよ。これはやっぱり国民が大学進学を希望して、そしていい就職先を希望したいと、それのために大学が一番いいという感覚をむしろ払拭していただかないと、先生がおっしゃっているところへ行くのはなかなかやっぱり難しい部分がある。  だけど、専門学校に行っている子供の方が本当は生き生きしているという御指摘もたくさんありますから、今おっしゃったことと、それから特に高等学校の学習指導要領の在り方等も、先ほど申し上げたように、どこかでしかし到達度、習熟度は判断をしてもらわねばなりませんので、そのことと併せて今の先生の御意見は一つのお説だと受け止めさせていただきたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 どうもありがとうございました。

岩城光英自由民主党

○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。  大分遅くなってまいりましたし、最後の質問になりましたので、そのことを十分に踏まえて御質問をいたします。  平成二年の十月ですから、今から十六年前のことになります。私は、福島県いわき市の市長に就任いたしました。四十歳のときでした。その二か月後の十二月に、私は市長として極めて重大な決断を迫られる場面を迎えました。実は、その五年前の昭和六十年九月にいわき市内の中学三年生の男子が自殺をしているんです。そして、そのことはいじめによる自殺だと、いじめが原因だということで、学校管理者であります市が損害賠償を求められて提訴されておりました。十二月にその判決が出たんです。  そのときの新聞の見出しがこのようになっております。「いじめ自殺 学校にも責任」「地裁いわき支部 全国初の認定」と。以下このように書いてあります、続いております。いじめと自殺の因果関係、学校責任を問う裁判で、学校側の過失を認定したのは全国で初めて、いじめがあれば学校はそれを解消すべきである、いじめが重大であれば自殺の予見の必要がなくても責任は逃れない、いじめにおざなりな対応をする教師へ深刻な反省を迫るもの、と同時に家庭の責任も指摘とあります。  この判決を受けまして、市として対応を協議いたしました。当時の市の行政としては、判決に不満な部分も幾つかございました。例えば、自殺に対する予見可能性はないと認定していながら、悪質ないじめの認識の可能性があれば結果への予見可能性がなくても因果関係を認めた点、また過失について明確な判断基準が示されていない点等です。そうしたことから控訴すべしという意見も大分あったんですけれども、私は最終的に、御遺族の皆様方の感情、それから地域の皆様方の感情、そういったものを考慮いたしまして提訴をしないことに決断いたしました。  今回、改めてそのときの判決文を読んでみました。その生徒がお金を何度も持ってくるように強要されていたこと、また殴る、けるの暴力も受けていたこと、他の生徒や教師の前でマジックで顔にいたずら書きをされていたこと、それだけでなくて苛性ソーダ、これを背中に流し込まれて背中一面やけどを負ったこと、また雑草を食べさせられたりしていたこと、というような執拗ないじめが繰り返されていましたことに、憤りを感じますとともに、誠に痛ましい思いです。その少年と、それから、これまでいじめによって命を落とすことになってしまった子供たちに心から改めて冥福をお祈りしたいと思います。  二度とこんなことが起こってほしくはない、そういう思いで控訴を断念したわけでしたけれども、十六年たった現在でも全国各地でいじめの自殺、これが相次いでいること、本当に残念でなりません。  このいわきでの事例に代表されますように、我が国では昭和五十九年、六十年にかけて、いじめを苦にした生徒の自殺事件が続発し、いじめ問題が教育的、社会的な問題になりました。識者によりますと、それ以来、ここ二十年ほどの間にいじめの形が変化していると、このように聞いております。昭和六十年前後のいじめは、継続的な暴力や、それから恐喝を中心とした周囲から見えやすい派手ないじめ、これを便宜上、第一次のいじめと、このように呼んでおります。その後の、平成の半ば以降のいわゆる第二次のいじめと言われるものもあるわけでありますが、ここでは、当時の文部科学省として、昭和六十年前後におけるいじめのその実態の調査と対応についてはどのようになされたのか、お伺いいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からるるお話ございましたけれども、昭和六十年ごろは、年間を通じましていじめを苦にした自殺事件が相次ぎまして、いじめの問題が極めて深刻な状況になった時期でございました。当時、文部省は、そのような状況を改善をするために、六十年の四月でございますけれども、有識者による検討会議というものを発足をさせまして検討を行いまして、いじめの問題の解決のための緊急提言というものを出していただきました。それに基づいて、各学校や教育委員会が取り組むべき具体的なポイントをお示しをして、指導の徹底を図ったところでございます。  当時も今もでございますけれども、基本的には、いじめはどの子にも、どの学校にも起こり得るという考え方の下で指導をしたというふうに考えております。

岩城光英自由民主党

○岩城光英君 今お話ありました実態調査等を受けていろんな対応を取ってこられたとは思うんですけれども、それでも今なおいじめが続いているということであります。  そこで、当時と違いまして、第二次のいじめと呼ばれるものは、これは近年の学級崩壊に代表されますように、荒れた学校、その存在が自殺にまで至る重大ないじめの背景にあると言われております。そして、これは従来型の暴行、それから恐喝、そういったもの中心型のいじめもあることはあるんですが、むしろそれよりもいわゆるシカトですね、無視、これに代表されるような心理的ないじめを中心にするもので、行為一つ一つを取ってみればいたずらやあるいはトラブルとしか思えないような、例えば転校生いじめ、女生徒に対する性的ないじめなど、その手段、方法の多様化が実施をされている。すなわち、教師の目からは見えにくいいじめが今続いていると。これが現在のいじめの実態だと思うんであります。  そこで、私としましては、以前のいじめと今のいじめの形態が違っている、これがどうしてかということをしっかりと押さえることもいじめ解決の一つの手段になるのじゃないかと、こんなふうに考えておりますんで、そこで、最初のころの、昭和六十年前後のいじめと現在、第二次と言われるいじめの形態の変化については、時代背景等もおありでしょうけれども、どのような認識を持っているのか、お伺いをいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 昭和六十年前後のいじめの問題が非常に関心を集めた時期でございますけれども、その背景の一つとして、実は昭和五十六、七年ごろから中学校における校内暴力問題ということがございました。当時、少年非行の第三のピークと呼ばれていた時期でございましたけれども、中学校において校内暴力ということが大変大きな話題になって、文部省も対応に追われていた時期がございました。  今度、そういうことから、大変当時生徒指導ということに各中学校が力を入れまして、暴力行為についてはかなり減少を見せ始めていたわけでございますけれども、そういう表に分かりやすいといいましょうか、すぐ現れる暴力行為に代わりまして、ちょうど昭和六十年ごろからいじめという問題が非常にクローズアップされてきたという経緯があったと思います。また、そのいじめなどに起因する不登校という問題も当時非常に課題になってきたわけでございます。  したがいまして、いじめの問題につきましては、昭和六十年当時からやはり冷やかし、からかい、あるいは仲間外れ、言葉での脅しといったようなことが多かったわけでございますけれども、その後、いじめの問題が大変また話題になりました平成七年ごろは、こういったいじめの態様の中でも特に冷やかし、からかいというものが非常に増えてきた時期でございました。むしろ、暴力というのが全体からすると少し減ってきたというような状況があったかと思います。  最近は、ますますその冷やかし、からかいですね、あるいは言葉での脅しといいましょうか、言葉での言わば冷やかし、からかいといったようなことがやはり非常に多いように調査では出てきております。もちろん、これは調査でございますので表に現れたいじめでございますけれども、言わば本当に、暴力的なものはもちろんあるわけでございますけれども、そういう言葉とかそういうことでのいじめというものが最近はやはり非常に多いというふうに受け止めております。  また、まだデータは十分ないんでございますけれども、いわゆる携帯とかネットを使ったいじめというものも最近はあるということで、私ども、その辺の問題についてもきちんと対応していかなきゃ、あるいは対応できるのか、よく検討をしなきゃいけないというふうに思っております。

岩城光英自由民主党

○岩城光英君 大臣にお伺いいたします。  今朝の新聞を見ておりましたら、このようなことが載っておりました。なれ合い型のクラスで、学級でいじめが生まれやすいということですね。つまり、クラス、学級にはなれ合い型と管理型があって、なれ合い型は教師が教え子に友達感覚で接すると、管理型は教師が厳しく指導するクラスだということです。なれ合い型では、当初は教師と子供が友好な関係を保つかに見えますが、最低限のルールを示さないために学級は、クラスはまとまりを欠き、子供同士の関係は不安定でけんかやいじめが生じやすいと。このような指摘がありましたけれども、このことについてどのようにお考えになるか。  それから、今説明をいただきましたけれども、以前のいじめと現在のいじめと形態が変わってきていると、そういったことも踏まえまして、これからはどういうふうないじめ対策を総合的に取っていくか、その御決意をいただければと思います。

伊吹文明自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(伊吹文明君) まず、先生が御指摘になりました最初のケースは、これは福岡で起こった事案が正にそれに当たると思います。この先生はなかなか人気のあった先生のようでございますけれども、生徒と一緒に一人の生徒を結果的にいじめるようなことになっちゃったと。  これは、この先生がすべての先生を代表しているわけではありませんけれども、やはり生徒に対する指導力、把握力ですね。ですから、このことはもっとさかのぼって言えば、教員の採用をどうするのか、教員の教育をどうするのか、ある程度の試験任用期間みたいなものを置くのか、実は研修よりそのことの方が私は大切じゃないかと思うんですね。それで、不適格だと思われる教師はやはり入口で排除してやりませんと子供に大変気の毒なことになりますから。で、教職員を指導できるような教職員をつくるために今教職大学院構想というのもございますし、こういうことを併せてやはり考えていかなければならないと思います。  後の方の御指摘の問題はやはり、まあ昔のことを言うと、もう常に昔の、昔は良かったということを言いながら人間というのは来ているわけですね。ですから、時代が変わったということをやっぱり率直に認識をしないといけないと思います。  先生が御苦労なすったころに比べますと、やはりかなり今はルール違反ということを平然とやるようになって、プロセスを無視して、プロセスというのは法律を無視するということですね。それだけではなくて、法律には反しないけれども、法律では禁止されていないけれどもやっちゃいけないということもたくさんあるんですよ。法律でやれと義務付けられていないけれども進んでやるべきということはあるんですね。これをやっぱりきちっと教え込まないと、権利ということは大切なことでございますけれども、権利にはやはり守るべき義務があって権利が担保されると。大切な自由というものには規律があるということを子供のころから教えていく。そして、その方々が先生になっていただき、親になっていただき、またその先生が教えてくれた子供が先生になっていただく、そしておじいさん、おばあさんになって孫ができてくるという日本社会をつくろうじゃないかというのが、実は今回の教育基本法をお願いした一つの大きな眼目であるということです。

岩城光英自由民主党

○岩城光英君 終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時十五分散会

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