外交防衛委員会 第6号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/11/30
会議録
○委員長(柏村武昭君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、広田一君、福島みずほ君、尾辻秀久君、中川雅治君及び神取忍君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君、大田昌秀君、福島啓史郎君、浅野勝人君及び川口順子君がそれぞれ選任されました。 また、本日、喜納昌吉君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。 ─────────────
○委員長(柏村武昭君) 経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定第五条3及び5の規定に基づく市場アクセスの条件の改善に関する日本国とメキシコ合衆国との間の議定書の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定第五条3及び5の規定に基づく市場アクセスの条件の改善に関する日本国とメキシコ合衆国との間の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の規定に基づき、鶏肉、牛肉及びオレンジ生果の関税割当ての枠内税率等を定める議定書の締結交渉を行ってきた結果、平成十八年九月二十日にメキシコ市において、我が方成田駐メキシコ大使と先方ガルシア・デ・アルバ経済大臣との間でこの議定書の署名が行われた次第であります。 この議定書の締結が両国間の貿易の促進に資することが期待されます。 よって、ここに、この議定書について御承認を求める次第であります。 次に、経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。 平成十六年二月以来、両国間で協定の締結交渉を行ってきた結果、平成十八年九月九日、ヘルシンキにおいて、我が方小泉内閣総理大臣と先方アロヨ大統領との間でこの協定の署名が行われた次第であります。 この協定は、両国間において、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させ、ビジネス環境の整備を図り、知的財産の保護を確保し、幅広い分野での協力を促進するものであります。 この協定の締結により、幅広い分野において両国間の経済上の連携が強化されることを通じ、両国経済が一段と活性化され、また、両国関係全般がより一層緊密となることが期待されております。 よって、ここに、この協定について御承認を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(柏村武昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(柏村武昭君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣法制局第二部長横畠裕介君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柏村武昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(柏村武昭君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。 今日は一般質疑ということで、先日、自民党の特命委員会でも中間報告を取りまとめました外交力強化について、若干お伺いをいたしたいと思います。 最初に、先日行われたWHO、世界保健機関の事務局長選挙についてお伺いをしたいと思います。 日本は尾身さんを推して、外務省の方々は本当に頑張られて御苦労さまでありましたが、惜しくも及ばなかったということであります。中国が推した女性候補が当選をした。残念だった選挙の総括というのは非常に気が進まないものでありますけれども、この次またこういう機会があった場合には必ず勝っていただくために、あえてここで選挙の分析というか総括を伺いたいと思うわけであります。 最初に選挙の仕組みでありますけれども、本選挙に残った候補者というのは、日本、中国、メキシコ、スペイン、クウェートが推薦する五人の候補者でありまして、有権者は世界六地域から選ばれた理事国の三十四名、この三十四名が投票して過半数を取る候補者がいなければ、最下位候補を除外して選挙を繰り返す、こういうシステムであろうと思います。 そこで、ちょっと仄聞をした投票の経過なんでありますけれども、本選挙の一回目、中国は十票、メキシコ九票、日本六票、スペイン五票、クウェート四票であったと聞いておりますけれども、このとおりでありましょうか。また、クウェートがまず脱落をしまして、二回目は日本が中東の票をつかんで踏ん張ったけれども、スペインが抜けた三回目は、ヨーロッパの票が日本には入らずに中国に流れた結果、中国十五、メキシコ十、日本は九で、残念ながら最下位ということでこの時点で落選をしたと。 大体こんな票読みでよろしゅうございますか。秘密投票でありますから読み切れない部分というのは当然あると思いますけれども、多少推測を交えてこんなところであろうかと思いますが、ちょっと御確認をいただきたいと思います。
○政府参考人(鶴岡公二君) ただいまお問い合わせの選挙の本選以降の投票過程でございますが、WHOが定めております本件選挙に関する規則によりまして、その途中経過及び票数につきましては、私ども参加したる者は承知をしておりますけれども、対外的に明らかにしないようにくぎを刺されております。先生いろいろ御承知であるということは、今のお話を伺って私もよく理解いたしましたけれども、政府といたしましてWHOの方針に従って申し上げれば、対外的に票の経緯について確認することは困難であると申し上げたいと思います。
○岡田直樹君 まあ否定はなさらなかったということで、大体こんなところではなかろうかということで少しお話を進めさせていただきたいわけでありますが、アフリカが七票持っております。七か国から理事が出て投票するわけでありますが、これがかなり中国に流れたという感触はお持ちでありましょうか。あるいは日本にも少しは入ったという感じでしょうか。 これは、今ほどのなかなかお答えが難しいということでありますから、大臣から是非政治家として少し分析をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 残念ながら、今、岡田委員の分析があっておりましたけれども、事中国に関しましては、私どももおおむねそのように分析をいたしております。
○岡田直樹君 本当の敗因がどこにあったかというのは、なかなか正確な票が、あるいは投票動向が分からないと断定的には言えないわけでありますけれども、やはり中国の基礎票としてアフリカの票が相当あったのではないかというふうに憶測をするわけであります。まあ推測と言っていいかもしれません。 私個人の受け止め方としては、日本が惜しくも敗れたその一つの原因というのは、アフリカの票を取り込めずに中国にそれが流れてしまったということでありますが、麻生大臣、重ねてのお尋ねになりますけれども、そのような認識でそんなに違ってはいないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは岡田先生御存じのように、尾身という候補者は、いわゆる国際機関で働く日本人というのは、これはなかなか、ただ外務省の職員としてとかどこどこ省の職員として、外国でそこそこ横文字ができて通用するというのとは全然別の能力を要求される職種だと思っております。いわゆる国際機関に働くということは。その中にあって、この尾身という候補者は極めて優秀だと私どもは高く評価をしておりました。したがって、外務省としては、この尾身という候補者は、これは厚生省の方ですけれども、是非勝たせたいということで、かなりこれは外務省としては力の入った候補者だったと存じております。 相手がマーガレット・チャン、いわゆる中国の人なんですけれども、今言われましたように、この選挙に多くの国々、三十四か国というから多くの国々から、これは実質上日中の対決になるであろうと予想されておりました。その中にあって、私どもから見ましてというより、ほかの国から見て、特にアフリカ諸国から見て、やっぱり今のところ年率二けたの経済成長を続けている中国というものと、傍ら何となくODAの予算は年率このところ五年間大幅に減らしてきております日本というものは、対比されて見られるという状況にあったことは確かです。 例えば、アフリカ地域で投票権を有しておりますものは、アフリカ五十三か国のうち七か国が投票権を持っているんですけれども、この国において大使館は、中国大使館はすべての七か国に置いてございます。我が方は二か国しかございません。そういったことによって最初から各国への働き掛けを行う上でかなり差が付いていたということはもう否めない事実ですし、ODA等々もそれに重ねて申し上げておかねばならないと思っております。 また中国は、この七か国に限らずアフリカ五十三か国中四十八か国を招いて、いわゆる首脳を招いて中国・アフリカ協力フォーラムというのを開催するということを企画をして実行しておりますが、この会合はたまたまこのWHOの直前に合わせてというようなこともやっておりますんで、私どもとしては、そういったようなことも含めてやっぱり外交力、私ども、アフリカでいえば、五十三か国中二十四か国が今私どもの大使館のあるところ、中国はたしか四十五か国ぐらいあると思いますんで、そういった絶対量の差というのは、ふだんからのいろんな意味での付き合い上、かなり私どもとしては電話したり何かするに当たっても非常に煩雑な手間、煩瑣が掛かったというのはもう否めない事実であります。 そういったのは、確かにいろんな意味で総合力としては日本に不利に働いていたろうと存じます。
○岡田直樹君 事務局長という人を選ぶ選挙でありますから、日本の尾身さんが中国のチャンさんに勝るとも劣らない人材であったということは私も確信をするところであります。しかし、今おっしゃったような国と国との力関係や利害関係というものがこれ大きく作用したのであると思います。 中国のアフリカ支援については、今大臣もおっしゃったとおり、すさまじいものがあるようでありまして、去年アフリカを視察した参議院の同僚の議員に聞いてみますと、例えばあるアフリカの国へ行ってみると、その政府庁舎を、例えば財務省の庁舎を中国が丸抱えで建ててやると、資金も資材も、そして人までも、中国人の労働者がどっとやってきて、それで建てた後も何とその国に定住をしてチャイナタウンをつくっていると、ちょっとびっくりするような話を聞いたことがございます。 こういう情勢でありますと、本当に中国というのは大変なつわものというか、日本にとって強力なライバルであるなと、現状において、特にアフリカにおいては中国の方がはるかに上を行っているのではないかというふうに懸念をするわけであります。 今も、七か国のうち、中国はすべてに大使館を持っていると、日本は二か国しか持っていないと。こういうやっぱり外交ネットワークといいますかインフラといいますか、特に大使館というものの数の差というものが去年のあの安保理改革のときにもやはりここで大きく響いたと思うんであります。 ちょっと無駄話になりますけれども、私、地元の選挙区に事務所が一つしかありません。石川県という細長い県でありますから、北の方にも南の方にも事務所があったら、もっともっと地元の人と密着ができて、そして選挙の際にも有利であろうと思うわけでありますが、資金や人の面からそれができないでおりますけれども、やはりこういう外交の拠点、大使館というものをこれからどんどん増やしていきたい、それが日本の外交力の地盤になるであろうと、こう思うのであります。 麻生大臣から、この点の御決意というものを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) ありがとうございます。 外交体制の強化というのは、これは前の小泉内閣の時代からも言われていたことではありますけれども、基礎的な体力と言われるものはかなり重要であろうと思っております。 国連も加盟国百九十二か国になっておりますが、今、私どもとしては、私どもというか、外務省としては定員の増加やら大使館等の増設、在外公館の増設というのをお願いをいたしておるところであります。 日本としては、いろんな意味で、大使館というと、同じ百九十二か国でもかなり状況のいいところもあれば、ちょっと外を歩くときには飛んでくる弾、気を付けて歩かにゃいかぬとか、歩くときには、足場をよく見ないとなかなか歩くのも大変というようなところも、これは皆それぞれ国として存在をいたしております。同じ大使館員であってもその状況というのはかなり差があるというのは事実であろうと思っておりますんで、そういったところを考えますと、いろんな、同じ海外、在外公館に出るにしても、行く国によっては余りにも条件が、温度の差はもちろんのこと、治安の悪さ、またいろいろな意味での病気になったときの手当てのできるできない、子供の学校があるない等々、その差は極めて国によって差があることは確かだろうと思います。そういった中にあって、私どもとしては、職務には全うさせるように私どもとしては督励をさせねばならぬ立場にございます。 今、自民党のお話をいただきましたけれども、外交力の強化に関する特命委員会の中間報告というのが出されております。 この中で、新設の大使館について等々のお話が出たり、大使館にコンパクトなものできちんとうまくいく方法はないかというお話が出ておりましたり、いろいろな御指摘をいただいておりますんで、私どもこの御指摘を踏まえて、今後どういったものを考えられるかいろいろ考えておりますが、いずれにいたしましても、大使館の絶対数、またそれを補う館員の絶対量というものを見ました場合、中国、フランス、イギリス等々に比べてかなり、館員数の数また大使館数の数というのはかなりの差があるというのは否めない事実であろうと思いますんで、ここのところにつきましては、是非今後日本として、更に発言をする日本であってみたり主張する外交であったりしようと思えば、これはもう基本的ないわゆる基礎体力というか、そういったものは戦力として持たなければならぬと思って、今後いろいろお願いをさしていただきたいと思っております。
○岡田直樹君 今、大臣がおっしゃったとおり、日本は世界に百十七か国に大使館を置いていると。しかし、それは主要国の中では極めて低い水準にございます。これを何とかイギリス、フランス、そして中国並みの百五十台にまで増設をしたいと、これが、外務省でも当然そう希望しておられましょうし、自由民主党の中間報告にも百五十大使館体制に向けて在外公館を増強すると、こういう提言になっております。我々も、それをスピーディーに、できるだけ短期間に実現できるように応援をしてまいりたいと思います。 ただ、一方では、当然財政厳しい折から公務員定数の削減ということもございますし、どんどん数を増やすときには、その一館当たりの要員の数というものを絞った、先ほど大臣がおっしゃいましたコンパクトな大使館というものも検討せざるを得ないのではないかと、この点についてちょっとお伺いをしたいのであります。 外務省のこの外交力の強化に向けてという資料を拝見しますと、大使館が有効に機能するためには最低十五人が必要と、こう書かれてあるわけであります。それは多いにこしたことはありませんけれども、これは本当に掛け値なしにこの十五人が必要かどうか。例えば、ちょっと参考にお伺いをしたいんでありますけれども、この十九年度に大使館を八つ、総領事館を二つ増やすよう求めておられるわけでありますが、そのうち、アフリカのマリあるいは旧ソ連のタジキスタンといった国々にどのぐらいの在留邦人がおられるか、これをお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問のありましたアフリカのマリに、今在留邦人確認されているところ十七人であります。それからタジキスタン、これは中央アジアにあるところでありますが、ここに七人ということが現状になっております。 今御質問の数字だけ申し上げれば、その二点になります。
○岡田直樹君 マリに十七人、タジキスタンに七人ということであります。 しかし、先ほど大臣おっしゃったように、こういう国々は非常に生活環境が厳しくて、また治安も劣悪なところが多くて、一概にその邦人が少ないから大使館員が少なくていいというものではないと思うんです。やはり、例えば病気も多いから医務官も必要であろう、あるいは治安が悪いから警備の責任者もしっかりした日本人の人が必要であろうと、そういうことを考えると一概には言えないわけでありますけれども、しかし、例えばタジキスタンですと、七人のところに最低十五人は必要と言っても、これはなかなか財政当局は納得をしないんじゃなかろうかとちょっと取り越し苦労をしてしまうわけでありますけれども、国民に対する説明というものもやや難しいかなと思うわけであります。現在ある大使館の中にも十人未満のところはかなりあるようでありまして、例えば、いただいた資料ですと、スロベニアという国には大使館がありますが、そこには大使館員五人でやっておられると。 私の意見としてでありますが、最初から十五人確保できればいいんでしょうけれども、まあ最初はもう少しコンパクトな、少人数ででも取りあえず大使館つくって日の丸を立てると、そのことがその国における日本の存在感というものをぐっと増すゆえんではないかなと思うわけであります。そして、つくっておいた後でおいおいと増強するという、こういう選択肢もあるんではないかと思いますが、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 誠におっしゃるところごもっともだと思っております。 ただ、今実際に全大使館の、日本のあります約百十四でしたか、大使館ありますうちの六〇%が、約七十弱のところがいずれも十五人以下の大使館というのが現状でありまして、ここが一番問題なところでして、交代要員が全然置けないものですから、マラリアの注射をずっと打ちっ放しにしているという状況はかなりきついものがありますので、まあ私も二年ぐらい住んでいたことがありますので、かなり体はきつくなることは確かであります。そういったところもありますので、人的な手当てというのはある程度、交代がある程度利くような形にしておいてやらぬとなかなかいかぬというのが一点であります。 ちなみに、アフリカに駐在をいたしております他の主要国でイギリスとかフランス、中国というのを見ますと、大体平均で約二十人ぐらいというのが現状であります。 いずれにしても、コンパクトな大使館という考え方は基本的に私どもとして考えねばならぬ大事なところだと思っておりますので、現地の人をうまく使う方法とか、そこにいい人がいればそれで対応できるところが決してないわけではないと思いますので、私どもとしては引き続き検討していきたいと思っております。
○岡田直樹君 今、マラリアのお話も出ましたが、タジキスタンの水道の水はもう泥水のようなひどい水が出てくるというようなことも聞いたことがありますし、そんな中で少人数で苦労をさせたくないなという気持ちは本当に重々あるわけでありますけれども、やはりできるだけ絞り込んだコンパクトな大使館というものを御検討いただくことが結果的には速やかに外交ネットワークを広げていく上で大事なことであろうと思いますので、どうかお願いをしたいと思います。 今、そこにどういう人を充てるかということもございました。こういう新しい大使館あるいは小規模の大使館には、思い切って若手の外務省の方を大使にすることはできないかということをいつも思うわけでありますが、ちなみに、今現在の、外交官試験を通った方、Ⅰ種のキャリアの方で一番若手の大使は何年入省の何歳の方かとお伺いをしましたら、五十四歳、七六年入省というお返事がありました。もうちょっと若いかなと思ったんですけれども、やっぱり五十四歳、七六年入省ということは、三十年の経験を積まないと大使になれないということでありますが、もう少し、四十代でも、こういうかなり環境の厳しい国でありますから、体力盛んなうちから五人か六人の大使館員を率いて孤軍奮闘するという、そういう大使が誕生してもいいんではないかと思うわけでありますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この五十四歳は小菅だと思いますが、これは今、アフガニスタンの今大使をしていると記憶をいたします。多分、今の大使館の中で最も厳しい条件のところの一つだと存じます。 今おっしゃいましたように、私も若いときに在外公館でいわゆる大使という、いわゆる長というものをやってから本省に戻るというのは、私も、非常にいい経験をするでしょうし、いろんな意味で、領事館でも大きな、在留邦人の多いロサンゼルスとか大きな領事館幾つもございますんで、そういったところで経験をしてまた本省へ戻ってくるというのは一つのいい経験になろうと思います。 また、条件のかなり厳しいところというのは、若いからもつというところもあります。私もアフリカに住んでいるときは三十代でしたからもったんで、ちょっと今もう一回あのところに行けと言われたらちょっと考えるかなという思いがいたしますんで、そういった意味では、やっぱり今おっしゃったように、若い人というのを、いい意味では経験も含めまして、私ども、そういったものは一つの発想として考えなきゃいかぬかなと、正直なところです。
○岡田直樹君 是非、麻生大臣、大胆に御検討いただきたいと思います。 また、正規の外務省の職員のほかにも、やはり民間の方、あるいは例えば元商社マンであった人とかあるいはジャーナリストであった人とか、そういう地域に精通したような方をまた任期制で雇用するというような手もあるんじゃないかと思うわけでありますし、また、海外青年協力隊から帰ってこられた方、なかなか日本へ帰って仕事がないという声もよく聞くわけでありまして、こういう方をどんどん現地の大使館員として起用をできないかと、こういうことも考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一つは、岡田先生、これは給与というのも結構大きい要素だと存じます。過日、我が外務省の方で、三菱商事の元現地の支店長をやられた、経験された方を外務省のいわゆる領事として、公使として採用しておりますが、大体給与は約半分以下になっておりますが、これが現実であります。また、ワシントンDCで見ますと、OECDの加盟国約二十三か国あそこに大使館を置いていると思いますが、日本の給与は上から数えて十七番目ぐらいですから、それはかなり低いところになることを覚悟してもらうというのが一点。 また、そういったキャリアパスとして、大使とかそういったものを経験をしたのを一つのステップとして次の職業になっていくために今は給料安くてもいいという考え方というのは、これは外国じゃよくある話ですけれども、なかなか日本じゃ転職というのはそうそう、随分昔に比べては増えたとは存じます、しかしなかなかまだそれほど定着しているわけでもありませんので、一回辞めて、日本で外務省の大使やっておいてまた別の職業に移っていくという、これは大使やった経験があるというのは何となくちょっと格好いいかなと思っていただければ、それはそれなりの一つの希望としてはあろうかと思いますが、ただ、その方は保秘義務をずっと負っていただくことになりますので、そういったようなところやら何やら、一つの考え方として、今後検討に値するところかなと思いました。
○岡田直樹君 いろんな難しいことがあるかもしれませんが、是非スカウトをして活用をしていただきたいと思います。 もう時間もございません。久間大臣にもお越しをいただきましたので、最後に一言だけ。 麻生大臣には、情報収集、分析に強い職員を教育養成するということがこれからいろんな外交力の強化の上で必要であろうかと思います。どんなふうに養成をしていかれるか、現状の研修だけでは必ずしも十分ではないのではないかと思うわけでありますが、この辺りについてお伺いをしたいことと、お二方の大臣に、情報機関について、まずは人材を育てることが大事だと思うんですが、これから各役所で持っておる情報を共有して一元化をしていくという、そういう情報機関というものの必要性について両大臣にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 情報収集、解析、分析というのは、これは私どもの日本のような国にとりましては最も重要なツールというか道具の一つだと存じます。 何となくこの国は情報というのは余り上品な仕事じゃなくて、大体忍者とか乱波とか草とか余り昔から、情報というのは余り地位が高く与えられていなかった歴史があろうと存じます。イギリス行ったらMI5といったら大体サーが付きますから、みんな何々卿と言われるような人たちがやる仕事ということになっておりますが、インテリジェンスというものは余り評価の高くないものであって、たしか防衛庁でも十年ぐらい前までは将官にはしないぐらいなところだったと思いますが。 私ども、こういったものは今後、これは間違いなく、開かれている情報を集めて収集し解析するだけでも大変な仕事でもありますので、こういったようなことはきちんと育てていかなければならぬと、私どもは率直にそう思います。加えて、その情報の秘密保持をしていただくというのがこれなかなか、秘密保護法やら機密保護法やらなかなかそういったものも含めて、情報の交換、その交換したものは必ず守秘するというようなところも含めて大事な要素として幾つもこれまであんまり大事にしてこなかったところではないかと思いますが、是非これは今後の課題として非常に重要な要素だと、私はそう思っております。
○委員長(柏村武昭君) 質疑時間は終了しておりますので、久間防衛庁長官、簡潔にお願いします。
○国務大臣(久間章生君) やっと情報本部というのを、防衛庁直轄の本部というのをスタートさせました。だから、これからその本部を通じてどういう教育を行っていくのか、これは情報の取り方と同時に、入ってきた情報をどう評価していくか、この二つの面から取り組んでいかなければならないと思っておりますので、そういう観点からきちっと今度は教育の面でもやっていこうと思っております。
○岡田直樹君 ありがとうございました。
○委員長(柏村武昭君) 次の質問者の方。緒方靖夫君。
○緒方靖夫君 ミサイル防衛について質問いたします。 沖縄ではちょうど今日から嘉手納基地に配備された米陸軍のPAC3部隊が本格運用されると聞いております。現在、兵員配備が進んでいるとのことですけれども、配備が完了するのはいつなのか、家族も含め何名規模になるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(久間章生君) 今日たしか隊旗授与式があるんじゃないかなと思いますが、いわゆる一個大隊がそれに伴うと思いますので、一個大隊といいますと我が国の一個高射群と同じぐらいの規模だと思いますが、何分米軍の運用に関することですからその数字は控えさせていただきますが、今言いますように、一個高射群ぐらいの人数が一個大隊だと思っていただければいいと思います。
○緒方靖夫君 一個大隊規模の配備、これは非常に大きい規模だと思います。何名かおっしゃらなかったけれども、兵員だけで六百名とも言われております、家族含めたら九百名とかですね。ですから、私は、米軍再編で、沖縄で始まったのは結局は負担増なんだということをまず申し上げたいと思います。 すると、ではなぜ米軍が嘉手納基地に配備することになったのか。単に防衛が必要というなら、ほかの地域も施設も区域もあるわけですね。真っ先に嘉手納、なぜですか。
○国務大臣(久間章生君) 平たく言えば、我が国のこれから先計画している我が国をミサイル防衛する、そういうので沖縄がやっぱり手薄だと感じたんじゃないでしょうかね。それはもう米軍の運用ですから、一概に言えませんけれども。
○緒方靖夫君 嘉手納が真っ先というのは、やはりそこにたたかれては困る重要な施設が集中していると、そう解釈できるのではないかと私は思います。違いますか。
○国務大臣(久間章生君) そういう見方もありますけれども、逆に言えば、米軍がもしどこから手を付けるかとなると、自分の身内が一番たくさんおるところを一応守ろうとするでしょうね、それは。やっぱり、一番少ないところよりも多いところに置くわけであります。ところが、逆に言えば、我が国の方ではそちらの方が非常に手薄だということも言えるわけですね。
○緒方靖夫君 最重要の部隊が集中しているところを守るということは自然の理だと思います。 じゃ、そうすると、嘉手納のPAC3部隊はどういう範囲で展開することになるんですか。
○国務大臣(久間章生君) 取りあえず嘉手納に置いておいて、嘉手納の周辺で何かあったときには防ぐという、そういうスタイルだと思います。
○緒方靖夫君 私のお伺いしている意味は、当然そうでしょうけれども、防衛上の必要から本土の米軍基地に展開することもあり得るのかということを改めてお聞きしたい。
○国務大臣(久間章生君) まあ常識的には考えられませんね。大きい輸送機で運んだりなんかすれば運べないこともないですけれども、そういうようなことはちょっと考えられないと言った方が常識論としては言えるんじゃないでしょうか。
○緒方靖夫君 PAC3の配備については国会でもほとんど議論がされていない。私たちもなかなかそのことを聞く機会がない。したがって、幾つか基本的なことについて大臣にお伺いしたいと思います。 久間長官は、先日の衆議院安全保障委員会での答弁で、首都圏の米軍施設や三沢などでも配備してもらいたいとの希望を表明されました。しかし、例えば首都圏では、自衛隊の計画は、入間、習志野、武山、霞ケ浦の四つの自衛隊部隊にPAC3を配置するということでした。自衛隊の整備計画を持ちながら、さらに米軍のPAC3配備も希望される、これはどういうわけですか。
○国務大臣(久間章生君) あの発言も、希望したというふうに取られておりますけれども、別に要請したわけじゃなくて、とにかく我が国のミサイル防衛も予算が制限されておりますからそう十分じゃないので、アメリカも沖縄だけでなくてもっとほかにもやってくれたら有り難いなというぐらいの軽い気持ちで言ったわけでありまして、そういうふうな受取方をしていただきたいと思います。
○緒方靖夫君 実際、長官が言われたのは、首都圏の方にも米軍の施設にそういうものを配備してもらいたいと明確に答弁されているわけですから、軽い気持ちで言われたかどうかは別として、やはりそういうことなんですよね。 自衛隊PAC3はいずれ配備される計画です。イージス艦だけでなく、日本本土のPAC3による迎撃も日米の両部隊で連携してやるという、そういうことがあるんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) これからどこまで連携するか、その辺はやっぱりお互い日米は共同対処でいろんなことに対してやっていくわけでありますから、ダブらないようにしなければなりませんので、そういう点ではお互いにいろんな連携を密にしていくだろうと思います。 ただ、正直言いまして、こちらはさっき言ったそういう希望を持っていますけれども、アメリカはなかなかそれにこたえるだけの、まあアメリカ自身も余裕はなかなかないようですね。
○緒方靖夫君 希望を持っておると改めておっしゃられました。 例えば、PAC3の日米の運用について、防空エリアあるいは展開エリアをすみ分けする、そういう分担ということはあるんですか。
○国務大臣(久間章生君) アメリカがPAC3を日本にどんどん持ってきてくれるならば、日本のPAC3は四高射群ですから、今計画しているのはですね、その手薄なところに米軍がやってくれれば有り難いですけれども、さっきから言っていますように、そう向こうも簡単には余裕はないという感じもしますので、やっぱり日本は我が国のミサイル防衛システムで一応全島をカバーできるようなそういう配置をしたいと思って、二十三年度、あるいはまた二十二年度までには前倒ししてでもしたいものだと思っております。
○緒方靖夫君 在日米軍は十月三十日の声明で、また引用しますけれども、米国は日本防衛の約束を守るため、最善の形でどうミサイル防衛部隊を展開し、どう活用するかを決定すべく、引き続き日本政府と緊密に協議していくつもりだと、そういうことを述べております。米軍はこれから協議して一緒に決めていきましょうという立場ですね。もう協議はやられているかもしれませんけれども、首都圏などへの追加配備も協議次第ではあり得るんですか。
○国務大臣(久間章生君) 今のところはなかなか難しいんじゃないでしょうか。 それから、PAC3はアメリカも世界各地で非常にその配備の要請があるだけに、私がさっき言ったように、米軍基地なんか米軍でやってくれればいいなという思いは持っていますけれども、そう簡単にはいかないような雰囲気を感じております。
○緒方靖夫君 しかし、これから協議を進める。実際、協議、もう始めているんですか。
○国務大臣(久間章生君) まだ具体的にはそういう協議は始めておりません。
○緒方靖夫君 しかし、協議の中で、今のお話でもそういう配備、これについては否定されなかった、否定されなかったですね、首都圏への、ないんですか。
○国務大臣(久間章生君) まだこちらからそういう正式な要請をするというような、そういう状況には至っておりませんから。今、要請してもノーという返事が返ってくるんじゃないでしょうか。
○緒方靖夫君 長官が米軍のPAC3の追加配備を希望するのは、日本の整備が終わるまで必要ということで、それ以降は米軍PAC3は必要ないという、そういうお考えですか。それとも、それとも併存するという、そういうことはあり得るんですか。
○国務大臣(久間章生君) それは多ければ多いほどいいわけですから、やっぱり精一杯、限られた予算の中で精一杯、これなら一応やれるなということでこっちは計画を立てているわけですけれども、やっぱり多いにこしたことないわけですから、向こうは、うちはこれでもっと増やすよというようなことでやってくれれば、それにこしたことはないわけでありまして、なかなかその辺がどういうふうになりますか、米軍の状況等も今よりもずっと好転して、こちらに対する、日本なら日本の自分の基地に対する配備ができるようだといいですけれども、そう簡単にはいかないんじゃないかなという雰囲気ですね。
○緒方靖夫君 それでは、嘉手納についてお伺いしますけれども、配備が始まったわけです。この嘉手納のPAC3はどうなるのか。これは全国の自衛隊のPAC3配備が整ったら撤収するということが前提なんですか、それとも併存するんですか。
○国務大臣(久間章生君) いや、それは今のところ撤収するようなことはなくて、やっぱりその地域の安全のために必要だと思えば、米軍の判断にもよりますけれども、米軍は多分残すんじゃないでしょうか。ともかく沖縄については、我が国の配備計画がやっぱり後回しになっておりますからね。
○緒方靖夫君 今の長官の答弁というのはやはり、前回、私、額賀長官に質問したことがあります。そのときの答弁というのは、結局、日本のミサイル防衛整備が完了するまでの間、すき間ができるから、米軍のPAC3の展開が役立つ、そういう答弁だったんですよね。しかし、今長官は別のことを答えられたと思います。これはやっぱり非常に大きな問題だと思います。 つまり、これまで国会で説明していた防衛庁長官の説明と、今、久間長官が述べられたことは違うんですよ。これはどう説明されるんですか。
○国務大臣(久間章生君) もう日本の配備計画、それでもって日本全土が十分だと、沖縄についても十分だと、もう米軍は自分のところはこれで安心だということで引き揚げるよという、そういう判断を下すようになれば、場合によってはもっと緊急性があるほかに持っていくかもしれませんけれども、なかなかそうはならないと思うんですよ。こういうのは、日本国内でもそうですけれども、危険性が増してくれば増してくるほど、うちにも置いてくれうちにも置いてくれという、そっちの方が増えるわけですから。 だから、私は、そういうのはそのときの状況になってみないと分かりませんけれども、やはりこの状況は続いていくというふうに、続けざるを得ないというふうな感じがしますね。
○緒方靖夫君 やはり今の長官の御答弁は非常に重大な問題だと思います。これまで額賀長官がこの国会で、この場で答弁していたことと違うことを述べられている。つまり、日本のミサイル防衛の整備が完了するまで時間が掛かるので、それまでの間に米軍のPAC3も展開してもらえたら役に立つという、そういう立場ですよ。ですから、私は、この問題というのは非常に重大だということを改めて指摘しておきたいと思います。 この問題が自治体で大きな懸念になっているということも改めて申し上げたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) ちょっと委員長。
○緒方靖夫君 発言中です。
○国務大臣(久間章生君) 失礼、ちょっとごめんなさい。
○委員長(柏村武昭君) じゃ、久間防衛庁長官、どうぞ。
○国務大臣(久間章生君) これは五月でしたから私は見ていなかったんですけれども、今先生がおっしゃったので、そのときの議事録を見せてもらいました。そうしますと、額賀先生は、額賀前の長官はそう言っているんじゃなくて、その意味で、我が国に展開可能な米軍のPAC3が存在すれば我が国の防衛にも役立つものと思っておりますということで、これは、米軍の一個高射群、我が国は確かに本年度末に最初の一個高射隊が配備されることになっておりますが、当面のBMDシステムの整備計画ではその完成はうちの方が二十二年度末になるという形になっているから、その意味で沖縄に置かれるのが役立つということで言っているんであって、それをカバーするためにこっちから頼んでやってもらっているというわけじゃないということですね。
○緒方靖夫君 違いますよ。つまり、日本のミサイル防衛整備完了に時間が掛かるので、その間、米軍にPAC3を展開してほしいと言っているんです。別に沖縄とかそういう特定はないんですよ。ですから、その点ははっきり述べておきたいと思います。 先ほどのお話で、自治体のことに移ります。 改めて伺いますけれども、その自治体の中では、やはり結局、米軍のPAC3の国内配備というのは中間報告には全くない。最終報告の中で初めて出てきた。したがって、どの自治体の説明にもそれはなかったわけですよ。そういう中で、しかし長官は、首都圏への配備にも言及された。 今年一月三十日付けで、PAC3などミサイル部隊を追加することはあるとは承知していないと、防衛施設庁も横田基地の周辺住民や自治体にそう説明しているわけです。しかし、長官のさっきの希望の発言があった、それが報道される、そうしたことが、やはり周辺自治体の長や住民に、情報が全くないとか、あるいは国に情報を全部出させて判断しなければ不安でしようがないという、そういう声を生んでいるんですよね。 ですから、この問題で私は改めて伺いたいわけですけれども、首都圏と言われますけれども、横田には配備はないと断定できるんですか。
○国務大臣(久間章生君) それは米軍の運用ですから、ないとは言えないと思いますし、また配備してくれたら有り難いなと思いますけれども、こちらの希望どおりにはなかなかやってくれないんじゃないでしょうか。
○緒方靖夫君 最後です。
○委員長(柏村武昭君) 緒方委員の質疑時間は終了しております。
○緒方靖夫君 最後です、はい。 配備してもらったら有り難い、これは重大な発言ですよ。
○国務大臣(久間章生君) 何でですか。
○緒方靖夫君 だって、多くの人たちが配備を懸念しているんですよ、自治体の長も住民も。したがって、私はこういう、配備してもらったら有り難い、そういう発言というのは極めて不謹慎だということを述べ、そしてその発言に抗議したいと思います。
○国務大臣(久間章生君) ミサイル防衛システムがあるかないかで、ある方がその地域にとって安全なんですから、哲学が基本的に違うんだと思いますね、先生と私とでは、非常に。
○緒方靖夫君 一言。
○委員長(柏村武昭君) 緒方先生、質疑時間はもう終了しております。
○緒方靖夫君 一言です。はい、一言です。
○委員長(柏村武昭君) はい、どうぞ。
○緒方靖夫君 そういう発言は私は極めて不謹慎だと思います。 つまり、何を心配しているかというと、そういうものが置かれることによって標的にされる、危険が増すということを心配しているんです。ですから、そのことをきちっと踏まえていただきたいと思います。
○委員長(柏村武昭君) 以上で緒方君の質疑時間、終了しました。 大田昌秀君。
○大田昌秀君 外務大臣にお願いいたします。 今年の五月十六日の本委員会で、米軍再編の最終報告の共同発表文の最後の部分に、日米安保条約及び関連取決めを遵守しつつ、この計画を速やかに、かつ徹底して実施していくとあることについて私が御質問しましたら、外務大臣は、英文ではタイムリー・アンド・ソロー・インプリメンテーションとなっていて、翻訳が間違っているわけではないが、抑止力の維持と地元負担の軽減という二つを同時に実行するということを意図してソローという言葉を使ったと理解してほしいとお答えになりました。 しかし、その後、普天間飛行場の代替施設建設に向けた米軍キャンプ・シュワブの兵舎移転に関連して九月十四日に行われた名護市教育委員会による埋蔵文化財の調査のとき、反対する住民を排除するため機動隊が導入され、初めて逮捕者を出す事態になりました。 私は、その点から考えて、計画を徹底して実施するというのは、正にこのように機動隊を導入してでも、あえて決めたことは実行するというふうに受け取るわけなんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、ソロー・インプリメンテーション・オブ・ザ・プランという表現の意味について前回御質問があって、五月の一日でございましたですかね、あれは、たしか2プラス2の共同発表においての話の御質問があったときに御答弁申し上げたと存じます。 これは、政府としては、再編にかかわる措置を着実に実施ということをするために、抑止力を維持しつつ地元の負担を軽減というために不可欠という大前提がここにありますんで、そういう認識の下に、個々の再編にかかわります措置に、迅速にやらにゃいかぬというんで、すべて迅速に実施するという意味を表したものだと思っておりますし、今もそう思っております。 また、在日米軍の再編の実施に取り組むに当たりましては、これも地元との話ですから、これは真摯に取り組まねばならぬのは当然のことでして、地方公共団体の声に耳を傾けていくのもこれまた当然のことだと思っております。 逮捕者が出たという話では、私どももその後伺っておりますけれども、今後ともそういった騒ぎというか、いわゆる抵抗というか、ごたごたとかいろんな表現があるんだと思いますけれども、その地元においてなるべく理解を得られるような努力というのは今後とも丁寧にやっていく、引き続き丁寧に努力をしていかねばならぬものだと思っております。
○大田昌秀君 それでは、いま一度確認させてください。 地元の意向を尊重するとおっしゃっておりますので、機動隊を導入して強力な形でその計画を進めるということはなさらないおつもりですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、仮の御質問ですが、仮定の質問に対してはなかなかお答えしにくいところであろうとは思いますけれども、そこに地元の方以外の方々、別の方が入ってみられたり、いろいろなところにおいていろいろなことが起きるのはもう御存じのとおりでもございますんで、こういったものがそういったような形にならないように最善の努力はさせていかねばならぬものと思っております。
○大田昌秀君 防衛庁長官にお願いいたします。 去る十一月二十四日の衆議院安全保障委員会で、さきの沖縄県知事選挙で野党候補の糸数慶子さんが当選していたら、公有水面の使用権限を知事から国に移す特措法を検討するつもりだったが、仲井真弘多氏が当選してほっとしたという趣旨のことを述べておられますが、このような特措法を作るお考えがあったというのは事実でしょうか。
○国務大臣(久間章生君) まあ特措法を作るかどうかは別としまして、反対反対というふうに言われますと何もできないので、そうしますと沖縄の負担の軽減が進まない。 ちょうど十年前にキャンプ・シュワブに移設を決めたのにもかかわらず、その後もうとにかく進まないで、現状維持の状態がずっと十年間続いてしまって普天間が返ってこなかったという残念な思いが今でもありますから、今度はそういうことは絶対にできないという、そういう気持ちが非常に私は強うございます。だから、それをやるためにはどうしたらいいかという、そういう思いの中から、特措法も場合によっては一つの選択肢だと、そういうようなことは確かに考えないわけではありませんでした。
○大田昌秀君 そうしますと、その特措法というのは沖縄だけに適用されるものですか。それとも日本の関係自治体にもすべて適用される意味での特措法をお作りになるおつもりだったわけですか。
○国務大臣(久間章生君) それは日本全国に、国が必要と認めて国会で御承認をしていただいてやる事業等については、やっぱり国全体で使えるような法律にしたいという思いがありました。
○大田昌秀君 普天間基地の移設に向けて政府と沖縄県と関係市町村で作っている普天間移設協議会の第二回会合が来月、十二月中にでも開催される予定であると報じられていますが、県や地元自治体はキャンプ・シュワブに暫定ヘリポートを建設すべきだという主張をしております。 新しく知事に当選された仲井真氏は、選挙期間中にV字形滑走路には反対すると訴えて、その暫定ヘリポートの建設というものを推進するように政府にお願いするという趣旨の発言をしておりますが、これをどのように調整なさるおつもりですか。
○国務大臣(久間章生君) このキャンプ・シュワブの問題だけではないですけど、米軍再編の問題が難しいのは、地元と政府だけで話が決まるならいいんですけれども、米軍と地元と政府と、この三者の間で話を決めていかなければならないという、こういう難しさがありますので、そこのところは非常にやりにくいわけであります。 だから、協議会の意見も聞きながら、また協議会にも米軍の意向も伝えながら、その辺で落としどころといいますか、両方が、双方が歩み寄ってもらわないと、二者だけでも歩み寄るというのはなかなか大変なときに、三者が歩み寄らぬといかぬわけですから、そこのところをやっぱり御理解いただきたいと思いますし、また、地元の意向も私たちもまた聞きながら、それを米軍に伝えながら、その辺で調整していこうと思っているわけであります。
○大田昌秀君 いま一つ防衛庁長官にお願いいたします。 例のV字形の滑走路二本は双方向から進入、着陸するよう求めていると、米側の方がですね。これは、前の額賀長官の場合に、進入路とそれから離陸路というのを分けるためにV字形にしたんだという趣旨のことを言っておられたわけですが、米軍はそうじゃなくて、どこからでもやれるようにしたいという趣旨のことで、それで、長官は衆議院の外務委員会でそれを容認するという発言をなさったんじゃないでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) それは違うんで、地元の、むしろこの件については、地元といっても県ではなくて、地元の名護市の皆さんと額賀さんとが話してV字形となった。そのときには、そういう家の上は飛ばないということで、ただ、米軍が緊急時の場合はそれは非常時の場合はもう風向きとか関係なく飛ばざるを得ないというようなことを言っているんで、それについてはやむを得ないんじゃないかということを私は言ったんで、原則論はもうV字形で家の上は飛ばないという、そういうことであります。
○大田昌秀君 長官は先月十一月二十八日の記者会見で、沖縄県知事選の仲井真弘多氏の選挙公約だった普天間飛行場の三年以内の閉鎖の可能性については、事実上現在使っているからそれはできないという趣旨の発言をしておられますが、たしか長官は仲井真氏を選挙で支持されたと思いますけれども、その支持して当選した新しい知事の公約と違反する発言になりませんか。
○国務大臣(久間章生君) 廃止というそれだけを単独には言っておられませんで、機能を縮減とか低下させるとか、そういう趣旨と併せて言っておられるわけでございますから、廃止と言ってしまったら恐らく米軍はオーケーとは言わないと思いますね、それは、三年で廃止するなんというのはですね。そうしたら、もうストップになってしまうわけですから。そうしたら、また十年同じような状態が続くわけですから。 そうじゃないけれども、仲井真さんが選挙で言われた、やっぱり普天間の危険性を早く除去したいと、三年でそのめどを付けたいとか、あるいは何らかの形で、目に見える形でそういう機能を縮減させたいという気持ちは私もよく分かりますので、それについてはこれから先も努力しますけど、三年で廃止なんて言われますと、そうしたらそれはもう米軍が絶対乗ってこないということを言っているわけであります。
○大田昌秀君 確認させてください。機能を移すということであって、廃止にはならないという趣旨の御答弁ですが、それじゃ普天間施設が機能を移された後、依然として海兵隊は普天間に残るということですか。
○国務大臣(久間章生君) いや、移設されればもう移りますと言っているわけですから、移設される前に三年間で普天間を使わないという、そういうような選択肢はないということであります。 だから、移設については時間が掛かるわけですから、その間にしかし普天間の利用の度合いをもう少し変える方法はあるんじゃないかと言われますと、それについては知恵を出してみたいということを言っているわけであります。
○大田昌秀君 その間の安全保障というのはどういうふうに、市民の安全というのはどういうふうに保障するおつもりですか。
○国務大臣(久間章生君) それは今以上に安全でなければ、まずそういう選択肢は得られないわけですから、やっぱり。現在使われているわけですからね。それよりももっと安全度を高めるために努力をするわけですから。
○大田昌秀君 安全を常に守ると言いながら、沖縄国際大学にヘリが落ちたわけですね。ですから、それを心配して二度とそういう事件を起こさないがために一日も早く閉鎖してほしい、返してほしいということを要求しているわけなんですね。 ですから、政府はどういう形で、これから何年か掛かるというふうにお考えでしょうが、そうすると、その間の安全面というのはどういうふうに保障されるおつもりですか。今まで何度も米軍との間で二度と同じ事件を起こさないということを言いながら、現実には事件が起こったわけですよ、何回も。ですから、それをどういうふうに保障なさるおつもりですか。
○国務大臣(久間章生君) だから、普天間の飛行場を返還してもらって、代わりの施設をつくって返還してもらえば一番いいわけですね。しかし、それまでの間にどうするかということについてはまた知恵を出さなきゃならないだろうと言っているわけです。 それで、だから、保障、保障と言われますけれども、現在使われているわけですから、それについて、それよりも低めるようなことをやっていくことについて、それも駄目だと言われたらそれはどうしようもないですよ。現在よりも危険度を下げるように、やっぱり一歩前進するように私たちとしてみればできるだけ努力したいわけでありますので、それはひとつ前向きにこちらの誠意も見ていただきたいと思うんです。 今までみたいに十年間全然変わってないわけですからね。この現状がいかに駄目だったかということについて私は非常に言いたいわけであります。
○大田昌秀君 九月十五日付けの地元新聞によりますと、在沖米海兵隊のグアム移転計画を担当する米太平洋軍のリーフ副司令官が九月十一日にグアムを訪問した際、米海兵隊のヘリや航空機をグアムへ移転させることは可能だと述べた上に、グアムのアンダーセン空軍基地に海兵隊部隊と最大八十五機の航空機を配備する見通しを示したと報じています。 最大八十五機というと今普天間飛行場のものだと私は考えるわけなんですが、前の額賀長官にも、今回、再編問題で八千人をグアムに移すことが決まっているわけですが、普天間にいる三千人足らずのヘリ部隊を司令部と共々にグアムに移してしまえば、私は安全面は完全に確保できるというふうに見るわけなんです。ですから、今、太平洋軍の副司令官でさえもそれは可能だということを言っているわけですから、なぜ政府はもっと積極的にその旨を主張されないんですか。
○国務大臣(久間章生君) その辺になりますと、先生とちょっと哲学が違うのかもしれませんが。米軍の抑止力を残しながらその痛みを縮小するという、そこでアメリカとは合意しているわけですから、米軍の海兵隊が全部移ってしまうということは考えられないわけであります。やっぱりアメリカの海兵隊が沖縄のあそこの位置にあるというのが日本の平和と安全上非常に重要であると、その抑止力は残すという、それは日本政府もアメリカ軍も大前提として持っているわけなんですよ。 沖縄の皆さんから見た場合には、それはもう全部行ってくれという気持ちは分からぬでもないですけれども、しかし長い目で見たときには、アジア太平洋地域で平和な状態が続いているという、そこを担保するのに米軍のプレゼンス、抑止力というのが機能しているという現実面もまた理解していただきたいわけであります。
○委員長(柏村武昭君) 残り時間、もうありません。大田昌秀君。
○大田昌秀君 それでは、最後のあと一問、ほかの先生方、おいでいただいて質問できないでおわびしますけれども、最後にあと一問だけお伺いします。 在沖米海兵隊の一万人規模のグアム移転の可能性については去る九月十五日付けの米太平洋軍の機関紙スターズ・アンド・ストライプスが報じておりますが、それによりますと、米軍の陸海空、海兵隊の四軍をグアムに統合するという、グアム統合軍事開発計画の中でも明らかにされておりますけれども、そういった意味からいっても、私は全部移せと言っているわけじゃなくて、非常に危険性のある普天間飛行場の三千人足らずの海兵隊員を、グアムに移す予定の八千人の中に含めてしまえば沖縄県民も安心するしということで申し上げているわけですが、それは不可能ですか。
○委員長(柏村武昭君) 久間防衛庁長官、簡潔にどうぞ。
○国務大臣(久間章生君) キャンプ・シュワブに移設が決まってから、そしてそれができ上がってから移しますと言っていますから。だから、そこのところをアメリカも今度は信用していないわけですよ。施設ができなかったら移りませんということですから、裏を返せば。移しますという、先に移ってしまってこっちできなかったら困りますので、そこのところを私たちはこのキャンプ・シュワブに今度はきちっとした代わりの代替施設ができなけりゃ向こうは移らないという、そういう覚書になっておりますから、そこのところをお約束を実行しないといかぬというふうに追い込まれているといいますか、約束を迫られているという状況を御理解いただきたいと思います。
○委員長(柏村武昭君) 以上で大田君の質疑時間は終了しました。 藤末健三君。
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。 本日は、防衛庁の省への移行、まあ私は昇格だと思っているんですが、移行についてお話をさせていただきたいと思います。 今まで、過去におきまして、PKO法案、テロ特別措置法案など防衛・安全保障関係の議論においては、政府の答弁の中で中長期的に見て国民的な議論を行うべきということが繰り返し議論されているわけでございますけれども、衆議院では防衛庁の省への移行、まあ昇格法案、議論が終わったところでございますが、私個人としてはまだまだ、特にシビリアンコントロールを始めとしまして、いろんな問題点があるんではないかと思っております。 そしてもう一つございますのは、私はやはり衆議院の議論を見ていましても、長期的な防衛、安全保障のこの海図、どこに進むかということが明確でないまま北朝鮮の問題というこの風が吹きまして、その風に流され、大分この船の向きが変わってしまった、どこに行くのか迷い始めたんではないかなという気がしております。 特に私が配慮していますのは、資料で配付しておりますけれど、専守防衛のGDP比一%枠、防衛費のGDP一%枠、あと非核三原則、武器輸出三原則といった今まで憲法の枠組みの中でいろいろ議論されたもの、そういう大きな枠組みさえも変わるんじゃないかということが心配でございます。 まず一番初めに、シビリアンコントロールについてお話をさせていただきたいと思っております。 今回法律が改正されまして、防衛庁が総理大臣の下から外れまして、内閣府から外れ、防衛省となることでございますが、そのときに、今まで総理大臣の指揮権の下にあったものの大きな部分が新しくできます防衛大臣の下に移ることになります。 シビリアンコントロールにつきましては、大きく二つあると思います。まず一つが、国会による防衛予算の承認や、また法律の策定という国会によるコントロール。そして、もう一つありますのは、民主主義に基づいて議院内閣制として国会議員から総理大臣を指名するという、防衛庁のトップ、指揮権を持った人間を国会が国会議員から選び指名するという二つの統制力がある。これがシビリアンコントロール、文民統制ということでございますが、まずちょっとここは、まず初めに確認したいのは、これは法制局に確認したいんですけれど、文民統制の文民という定義を教えていただきたいと思います、特に憲法上の文民の定義を。お願いします。
○政府参考人(横畠裕介君) お答えいたします。 憲法第六十六条第二項の文民の解釈につきましては、これまで、一つとして旧陸海軍の職業軍人の経歴を有する者であって軍国主義思想に深く染まっていると考えられるもの、二つ目として自衛官の職にある者、この二つの者以外の者をいうと解釈しております。
○藤末健三君 確認したいんですけど、元自衛官の人は含まれないわけですね。
○政府参考人(横畠裕介君) 元自衛官、すなわち過去に自衛官であったとしても、現に自衛官の職にない方は文民と解しております。
○藤末健三君 ですから、元自衛官であっても自衛隊を辞めたら文民になると、その時点で。その時点ですぐに防衛省の大臣になることは可能でしょうか。法制局、お願いします。
○政府参考人(横畠裕介君) 憲法上の問題といたしましては、文民である以上、支障はないものと考えます。
○藤末健三君 ここで法律の議論するのはなんですけれど、今回の法案においてですよ、法制局さん、今回の法案において自衛隊、今自衛隊にいる方が辞めて、そしてすぐそのまま防衛省の防衛大臣なることは可能でしょうか。お願いします。
○政府参考人(横畠裕介君) 自衛官をもう退職したということであれば、憲法上は文民であるというふうに解釈いたします。
○藤末健三君 これは周りの委員の方にも聞いていただきたいんですけど、二つあります、ポイントは。一つは、国会議員でない、選挙の洗礼を受けてない方が防衛大臣になる可能性があるというのが一です。二は何かと申しますと、自衛隊におられた方がそのまますぐ防衛大臣になる可能性を残しているということです。二つあります。 シビリアンコントロール、文民統制というのは国会がきちんとそういう自衛力、軍備力をコントロールするというものでございまして、民主主義下におきましては議会のコントロールというのは大事でございますが、今の答弁によりますと、自衛隊の方が辞めてすぐ文民になり、そしてそのまま防衛大臣になることは可能であると、法的には、という状況です。 それと、これちょっと登録してないんですが、もし政府の方で御存じの方がおられたら伺いたいんですけど、アメリカとイギリスの国防長官、アメリカの国防長官そしてイギリスの国防大臣はどうなっているか御存じですか、文民規制は。御存じの方がいたら教えてください。おられませんか、防衛庁の方。
○政府参考人(大古和雄君) お答えいたします。 まず、アメリカにつきましては、国防長官については議員としての要件はないと、必ずしも国会議員である必要はないというふうに承知しております。
○藤末健三君 まず、アメリカにつきましては、一九四九年の国家安全保障法第二百二条において、過去十年以内に常備軍の将校として現役にあった者は国防長官に任命することはできないとあります。過去十年間、軍隊にいた制服であった方は就任できません。そしてまた、イギリスの方、これはちょっと報告書から探してきたんですが、財団法人平和・安全保障研究所の報告書によりますと、イギリスにおいては、国防省の国防大臣、文民であり選挙によって選出された議員のうちから任命されるとなっているわけですね、ということになっているんですよ。 今回のこの法律、改正されると何が起きるかと。我が国においては、自衛隊の方、選挙の洗礼を受けずそのまま国防大臣になれます。イギリスは、文民でありそして選挙によって選出された者じゃないと国防大臣にはなれない。一方、アメリカを見ますとどうなっているかと申しますと、過去十年以内に常備軍の将校として現役にあった者は国防長官になれないということでございまして、私はその自衛隊の方が国防大臣になるのを否定するわけじゃない。しかし、我々のこのシビリアンコントロールということを考えた場合に、イギリス、アメリカと比較しまして大幅に後退するものになるんじゃないかと。 今まで、我々の、防衛庁だった場合には、選挙で選ばれ、国会で指名された総理大臣がすべて統制権を持っていました。それが今回の法律改正になりますと、今まで総理大臣が持っていた権限は、幾つか、相当の大きな部分、これは後で申し上げますけれども、大きな部分が防衛大臣に移る。その防衛大臣がどうなるかと申しますと、選挙で選ばれた人でもなく、そしてまた自衛隊にいた方が辞めてすぐなれるようになってしまうという状況にあるということで、この認識でよろしいでしょうか。 長官、いかがでしょうか、この認識について。
○国務大臣(久間章生君) それはそのとおりで、日本の場合はそういう法制になっております。 ただ、ちょっとだけアメリカと違うのは、アメリカは大統領が直接選挙で選ばれております。だから、議会とは別ですから、そういう意味で、大統領が勝手にもう軍人を辞めた人を選んだ場合に、日本だったらいわゆるシビリアンコントロールで不信任案が出せるわけですね、すぐ。そこのところがちょっと違うので、アメリカと日本との違いはあるんじゃないかと思います。
○藤末健三君 ただ、久間大臣にちょっと考えていただきたいのは、同じ議院内閣制であるイギリス、そこがどうなっているかなんですよ。文民でありそして選挙によって選ばれた人間じゃないといけない。これはやはり私は、同じような議院内閣制、同じような民主国家である我々はやっぱり考えなきゃいけないと思うんですけれども、いかがですか、大臣。これは真剣にお答えください。
○国務大臣(久間章生君) 結局、それは決め方だと思うんですね。日本においてもそういう決め方を、国会議員でなければならないというふうに決め方をしてしまえばそれはそれでいいし、国会議員よりもむしろ優れたやつがおったら、内閣が決めて、内閣総理大臣が決めていいというふうに、そういう余地を残しておいて、ただ、国会が最終的にはコントロールができる、いわゆる不信任案でそれは駄目だと言ったら辞めさせられることができるというふうな、そういう形ですから、そこはやっぱり決め方の問題ですから、そういう法律を作られれば、私はそれに結局内閣が縛られて、作られるんじゃないかと思います。 だから、それは憲法の話とか法制局の話じゃなくて、その政策の決定の仕方だと思いますね。
○藤末健三君 シビリアンコントロールの基本は何かといいますと、国家公務員の背広の人たちが制服組の方々をコントロールするんじゃないんですよ。議会にいる我々がコントロールできなきゃいけない。ですから、法律に基づき規制ができてなければ、それは行政府若しくは自衛隊の方々が自由ですよということではならないと思うんですよ。やはりこれはきちんと法律で縛るべき話じゃないかと思います。
○国務大臣(久間章生君) それは、現在でも防衛庁長官というのは選挙で選ばれた人でなくてもなれる形に制度としてはなっているわけですから、現在でもですね。だから、それがいいのか悪いのか、そういう形で選挙で選ばれた国会議員を充てるというようなことをやっぱりするかしないかの国会としての決定の問題だと思いますよ。
○藤末健三君 ここはもう議論はやめさせていただきたいんですが、一つだけ申し上げます。 今の防衛庁の場合には、内閣総理大臣が一番てっぺんですべての権限をコントロールできるようになっている、それは事実でございます。今回の法改正でいきますと、防衛大臣は多くの権限、それが移されます。 私が次に御質問したいのは、自衛隊法改正法案の八条において、「防衛大臣は、この法律の定めるところに従い、自衛隊の隊務を統括する。」とございますが、これは第六章、あと七章に定められた任務のみに基づく統括と考えていいかどうか、お答えいただけませんでしょうか。
○政府参考人(西川徹矢君) お答え申し上げます。 御指摘の改正後の自衛隊法第八条につきましては、防衛大臣は、この法律の定めるところに従い隊務を統括すると、このようにしているところでございますが、これは同法第七条に規定されております、前の条文に規定されております内閣総理大臣の最高の指揮監督権とこれに服すべき防衛大臣との関係を明確にするという形で規定しておるものでございますし、また、省移行後の防衛大臣の隊務の統括の権限と申しますのは、改正前の自衛隊法において、防衛庁長官及び防衛の主任の大臣でございます内閣府の長たる内閣総理大臣の権限でありまして、これは自衛隊法の第六章及び第七章に規定するものには必ずしも限られないで、自衛隊法に規定するもの全般が対象になると、このように解しております。
○藤末健三君 これは大臣にお聞きしたいんですけど、これは二十八日に衆議院で内山委員の質疑にお答えいただいたやつの確認なんですが、防衛省及び自衛隊の人事権は防衛大臣に属すると、これでよろしいでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 私は、人事権についてはそうなると思います。
○藤末健三君 人事権というのはもうすごく大きいもんだと思うんですよ。例えば、自衛隊の方が、いや君、防衛大臣にならないかねと言われたと。じゃ辞めましたと、翌日に防衛大臣になられると。その後、その方は人事権を振るえるわけですよ、組織のすべてに。これは非常に大きな権限だと思います。恐らくこういうことがないように、イギリスは国防大臣は文民であり選挙で選ばれた者じゃなきゃいけない、あとアメリカは、まあ向こうは大統領制ですから比較はできませんけれど、向こうも制服組の方は十年より前に辞めた方じゃないといけないと、私はそうしたんではないかと思います。 私が思いますのは、やはり、私は自衛隊の方々の否定をするわけじゃないんですけど、これ一つだけちょっと本当に申し上げたいのは、これは長官も、大臣もおっしゃっていますけれど、戦前は陸軍大臣があり、そして海軍大臣があると。その大臣は、いわゆる制服、軍人じゃないといけないという規定があったと。そういう反省の下に文民統制というのは生まれたということは、これは大臣もおっしゃっているじゃないですか。 その観点から、いかがでございますか、この点は。
○国務大臣(久間章生君) 戦前の陸軍大臣あるいは海軍大臣というのは、制服のままなっているわけですね。今の場合は文民でなければならないとなっているわけですから、退職しなければならないわけですから、もうそこで軍からは一応おさらばするわけですね。だから、そこが違うわけでありまして、それと同時に、先ほど先生が心配されました人事につきましても、内閣総理大臣がいわゆる防衛庁長官を今でも任命するわけですから、その防衛庁長官が人事を行うわけですから、そのスタイル自体は変わらないわけなんですね。 ただ、防衛庁長官が今度防衛大臣になった場合に、その人事権は一義的には防衛大臣がするということになるわけで、そこのところが違うといえば違います。
○藤末健三君 まず一つ確認したいことがありまして、これは法制局にお願いしたいんですけど、お答えを。 現在の防衛庁の人事権は内閣総理大臣に属すんでしょうか、それとも防衛庁長官でしょうか、お答えください。法制局にお聞きしています。
○政府参考人(横畠裕介君) やはり防衛庁の主任の大臣は内閣総理大臣、内閣府の長としての内閣総理大臣でございます。その委任に基づいて人事権の一部について防衛庁長官に下りているものもあるのではないかと思います。
○藤末健三君 お聞きいただきましたように、法に基づき総理大臣が握っているわけですよ、今。それを防衛庁長官に委任しているという状況でございますんで、基本的に総理大臣に属しています。 そしてもう一つございますのは、先ほど長官がおっしゃいました現役じゃなければいいという話、私はそれだけじゃないと思うんですよ。現役でなければいいと。自衛隊におられた方、僕は自衛隊の方を否定するわけじゃありません、あくまでも。ただ、自衛隊におられた方が辞めた翌日からなれるわけですよ、これは法的に、辞めた翌日から。 いや、自衛隊に、現役じゃないからいいだろうという議論、どうでしょうか、それは、皆さん。これは我々国会議員が考えていくべき話だと思うんですよ。辞めた翌日に防衛大臣になっちゃう。いや、現役じゃないからいいですよと、そういう話じゃないんじゃないんですかね。それも人事権持っています。いや、ほかにもありますよ。いろんな権利があります。日米の協力の役務提供も決められる。この法律読んでください、法案を。多くの権限が防衛大臣に渡される、これをどう考えるか。 シビリアンコントロールというのは、もう一度申し上げますと、やはり国会、議会がコントロールする、そこが肝でございます。根本です。その観点から見て本当にいいことかどうかというのは、我々がこの外務委員会でやっぱり議論していかなければ、参議院で議論していかなければいけないことではないかと思いますが、いかがですか、本当に皆さん。これはもう純粋に日本のために提言します、私は。
○国務大臣(久間章生君) 今でもそういうふうになっているわけですね。先生が心配されるのは、今と違って防衛庁長官の権限が内閣府の長である内閣総理大臣から離れて直接来るから、そこがやっぱりこれから先はそれでいいのかと、制服を辞めてその翌日に即なれるような制度でいいのかと言われますけど、現在でもなれることになっているわけです。 それで、結局、しかしなれたからといって何でもやれるわけじゃないんで、最終的には議会が不信任案も持っていますし、コントロールできることになっていますし、やっぱり法律をどう作るかというのは国会のマターでありますから、その国会が今ある法律を駄目だというならその法律を変えればいいわけでありますから、だから、そこのところを、シビリアンコントロールが現在も利いていない、これから先この法律を通ったら利かないって、そう一方的におっしゃるのはどうかなと思いますので。
○藤末健三君 いや、これは先ほど、本当に久間大臣がおっしゃるとおりだと思うんですよ。この場でやっぱり直す議論を私はしなきゃいけないと思います、これは明確に。 大臣は今と変わらないとおっしゃいますけど、これ見てください。法案まだ来ていませんけど、法案読んでいただければ、今はすべて、内閣府の長である総理大臣の下にすべての権限が集まっています。その権限のうち、例えば私は一番大きいと思うのは人事権だと思うんですよ。人事権、ほかにもいろんな権限あります。その権限が防衛大臣、移ってしまう。その防衛大臣は、今と同じかもしれませんけれども、自衛隊辞めた方がすぐ翌日に来れるようになっていると、人事権まで振るえますということです。 そして、大事なことは何かと申しますと、同じ議院内閣制を持っているイギリスが文民でなければいけないという規定とともに議員じゃなきゃいけないということを定義している。そのことをどうかということをやはりこの外務委員会で議論をすべきじゃないかと私は思います。 この問題提起を取りあえずやらさしてここで終わらさしていただきますが、人事権だけじゃありません。例えば、私が防衛大臣の権限としてこれは非常に大き過ぎるんじゃないかと思いますのは、日米物品役務協定、ACSAの業務ございますよね。これが防衛大臣の権限ということになります。この日米物品役務協定というのは、私の解釈ではやはり武器を運ぶ役務を提供できるというのが一番大きいところだと思うんですけど、この改定が容易にできる。これは衆議院の方でも少し議論がありましたけれども、行政協定の交換文書でできると。また、国内的には変更は政令ベースでできるということでございますが、これについてはいかがでございますか。
○国務大臣(久間章生君) このACSAは、法律が議論されてその法律が通ったときに、それによって改定をされるわけですから、法律が国会で通らなかったらできないわけでありますんで、だから、法に基づく内容ですから、法律を作るときにACSAについてはどうなるのかというのをむしろ議論すべきであって、今の制度でそういうふうに何でもできるみたいに言われますと大変実は心外なわけでありまして、それはやっぱり現在の法律に基づいてやっている。 それが今度は法律を改正した後、そこで書き直したときに一々条約としてやらなくて付表で済むということですから、やっぱり法律上、そこは手当てしないといかぬわけですね。
○藤末健三君 済みません、法制局の方がおられるんでちょっと確認したいんですけど、ACSAの部分改定とかを行った場合、法に触れないときは文書交換とあとは政令でできるというふうに私は見ているんですけど、いかがですか、私の解釈は。
○政府参考人(横畠裕介君) ACSAに基づきます合衆国軍隊に対する物品役務の提供の根拠でございますけれども、我が国の自衛隊がそのような物品役務の提供を行うというその権限そのものは法律に具体の根拠がございまして、ACSA協定そのものがそのような行為、その物品役務の提供を行うことの根拠になっているわけではございません。
○藤末健三君 ですから、改定はどうなるわけですか。さっき私がお聞きしたように。
○政府参考人(横畠裕介君) ですから、その法律の手当てをなしに、仮に、まあそんなことはあり得ませんけれども、ACSAの協定を改定したとしても、それは何も起こらないというか、それに基づいて自衛隊としては何もすることができないということになります。
○藤末健三君 そこはシビリアンコントロールが利いているということでございます。 それで、私が、これは久間大臣にちょっと是非議論させていただきたいのは、今の自衛隊の任務を定めています自衛隊法の三条、ございます。その二項において別に法律で定めるということが書いてございまして、これは自衛隊の任務はこの法律で定めたこと以外はできないですよということは、これは衆議院の方でもすごい確認しております。 私は一つお願いと申しますか、この議事録に残したいと思っていますのは、自衛隊法というのは過去にこのインデックス法、インデックスというのは目次という意味でございますけれど、改定されてもいろんな法律、関係する法律を取り込んで、自衛隊法を見ればまあどういう法律が関係しているかと分かるようになっております。で、今後も、自衛隊法に関係するようなもの、例えば別の法律で書いていますよということで終わるんではなく、常に別の法律が改定された場合は自衛隊法のそのインデックス法、もうすべての目次、何が関係しているかと目次として示せるような法律の機能を維持していただきたいと思うんですが、そこについていかがでございましょうか。
○国務大臣(久間章生君) 私もそのとおりだと思います。それはやっぱり特に海外に出ていくような業務について、まあ法律がなければ出ていけないわけですから、法律を作ったらその法律をそこに書くべきであると。まあ今度も附則で書いておりますけれども、それは時限立法で消えてしまうような法律が永久に残っても困るのでそれは附則に残しているということですから、原則として、法律に基づく行動ですから、その法律はそこに出てくると、そうすべきだと私自身も思っています。
○藤末健三君 是非よろしくお願いしたいと思います。やはり自衛隊法を見ればきちんととじて、どういう業務があるかと分かるということは引き続き維持していただきたいと思います。 続きまして、この防衛庁の省への移行、まあ昇格について根本的なことをお聞きしたいんですけど、私が一つ懸念していますのは、その防衛庁のシビリアンコントロールもありますが、防衛庁がこの省に昇格することによって、自民党の新憲法草案に書かれています自衛隊の自衛軍へのこの昇格ということに議論がつながる懸念があるんではないかなということをちょっと少し懸念をしております。 衆議院の十一月二十八日の議事録を拝見しますと、これは、拝見しますと、久間大臣が防衛庁・自衛隊、これから防衛省・自衛隊になっていくと、あるいは将来的に自衛軍になるかもしれないということをおっしゃっているんですよ。それを見まして、まあ将来的にそういう概念があられるんだろうなということは分かるんですけれど、この議論が将来の憲法の改正の議論につながることをすごく懸念しているんですが、大臣、いかがでございましょうか、この点につきまして。
○国務大臣(久間章生君) 私はそういう言い方はしたと思いませんけれども、議事録はそのとおりですかね。私は、自衛軍というのを確かに党の憲法草案では書いているけれども、これは自民党の憲法草案として言っているんであって、これは三分の二の賛成で発議せぬといかぬわけですから、そのとき国会がそういうのを認められるかどうか、まあそれも含めて今後の議題でありますということを言っているわけで、私は、党としては出していますけれども、それをむしろそんなに強くは後押ししているというあれがないだけに、気持ちが余りないだけに、そんなふうにきちんと言ったようなことはないと思いますけれども、ちょっとどういう言い方か、後で私も議事録見てみます。
○藤末健三君 これは、十一月二十八日の衆議院の安全保障委員会の速記録でございまして、石破委員の質問に対してお答えいただいたのを先ほどそのまま読み上げたものでございます。ですから、それは確認いただければと思いますが。 やはり、この防衛庁が省に昇格するという話が、防衛庁が省に昇格したから、じゃ今度は自衛隊を自衛軍に昇格しましょうねという話につながるというのは多分ちょっと乱暴な議論じゃないかなと、ちょっと読まさせていただいて思いましたので、まあここはちょっと確認させていただいただけでございます。 私、ちょっと次にお話ししたいのは、手元に委員の皆さんに資料を作ってきましてお配りしております。これは何かと申しますと、私の事務所でまとめました防衛政策の主な内容ということで、どういう枠組みがあるかということを私なりにまとめたものでございます。 この資料にございますように、一番上に日本国憲法ということで九条一項、二項とございまして、戦争をしない、武力行使はやりませんということ、そして陸海空軍その他の戦力は保持しないということを書いていると。その下に、基本原則として我が国の自衛権の行使は我が国を防衛するために必要最小限の範囲にとどまるべきであると解しているという話があります。そして、憲法解釈として、海外派兵の禁止、集団的自衛権の行使の禁止、攻撃的兵器の保有の禁止というのがございます。それぞれ、どのような政府答弁等で生まれてきたかというのが書いてございます。 その下に防衛政策の基本ということでございます。これは今まで、衆議院の方でも非常に議論されてございますけれど、専守防衛に徹する、軍事大国にならない、そして、非核三原則ということで、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという原則、これは今までちょっといろいろな議論が出ておりますけれど、非核三原則というのがございます。 次のページ、移らさせていただきまして、文民統制、先ほど申し上げましたシビリアンコントロールという概念がございます。これは、やはり民主主義な政治統制を目指すということでございます。民主主義な政治統制は何かと。それは議会による統制でございます。あと、日米安保体制について、そして最後に、節度ある防衛力の整備ということでございまして、防衛力の整備の実施に当たっては、当面、各年度の防衛関係経費の総額が当該年度の国民総生産の百分の一に相当する額を超えないことをめどとしてこれを行うものとするということで、これは一般的には防衛費のGNP一%枠と言われております。 そして、最後、次のにございますのが武器輸出三原則ということで、武器の輸出、また武器の製造に関係するものは輸出しませんというようなことが決まっていると。 このような今まで防衛の枠組みが決まっていたわけでございますが、これは大臣に確認でございますけれど、このような防衛、安全保障の枠組み、これが今回のその防衛庁から防衛省への昇格、移行に当たって変わる懸念があるかどうかということについて、明確に否定していただければと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(久間章生君) 私は、これらはいずれも、これから先、防衛庁が省になっても守っていくべきものだと思います。 ただ、この中で武器輸出三原則については、私自身若干異論がございます。というのは、日米が共同でいろんなことについての装備品を今運用をしております。そのときに日本の製品の方が非常に優れている場合がございます。そういうのを、日本国内で整備したやつがアメリカに行かないということは、日本の経済にとってもそれはマイナスじゃないかという、そういう思いがしまして、特に電気製品なんかについては、民生用のやつが使われて、それが非常にいい場合がございますが、それが武器に組み込まれたときには、今の場合はそれすらできないことになっておりますから、そういういわゆる武器の概念を攻撃的なものという、そういうことに限定して、要するに、これは言ったらば武器商人にならないという趣旨から出ているわけですから、そこまでも縛ってしまっている、それはいかがなものか。 例えば、湾岸戦争のとき、新聞記者たちが行くときにガスマスクを用意した、ところがそれを持っていったら武器輸出になるから駄目だといって、あのとき、持って帰ることを前提にして持っていかせたわけですね。非常にいったん決めてしまいますとかたくなになってしまっていますから、こういうことについてはもう少し柔軟な姿勢も、やっぱり議会等でも議論しながらやってもらうべきだと私は思います。
○藤末健三君 武器輸出三原則については、本当に理解させていただきました。 私、申し上げたいのは、この防衛庁のこのパンフレットございますよね、「防衛庁を省に」というやつ。それのちょうど四番目の項目に、「わが国の軍事大国化につながりませんか」ということで、「シビリアン・コントロール」「専守防衛」「節度ある防衛力の整備」「海外派兵の禁止」「非核三原則」「軍事大国とならない」と書いています。これを明確に守っていただきたいんですよ。 それは、やはり私もいろいろなところでもう回って話をさせていただきますと、本当に私がお会いする方々の懸念は大きいです。ですから、これをきちんと払拭するということを久間大臣にお願いしたいと思いますし、また、やはり今までの憲法の中、六十一年間の議論の中でできてきた大きな枠組みは是非きちんと議論させていただきたいし、と思います。そしてまた、この防衛庁の省の昇格とはまた別の議論として明確に区分けをお願いしたいと思います。 私が今回のこのパンフレットを読まさせていただきまして感じましたのは、正直申し上げて、私個人の意見でございますけれど、本当にこの庁を省にする緊急的な理由があるのかなということは感じています。そこまでの緊急的な必要性があるのか。私はもう、これは私個人の意見でございますが、本当に、北朝鮮の問題が起きて、突風が吹いて、ぐっともう何か方向が変わっちゃったなと。新しい、これから進むべき海図がないまま、突風が吹いて船の方向が変わっちゃったような気がしてならないんですよ、実は私は。
○国務大臣(久間章生君) 委員長。
○藤末健三君 いや、それ、ちょっと続けさせてください。 それで私が思いますのは、このパンフレットの中に書かれていることもそうでございますけれど、衆議院のいろいろな議論を見ますと、これはまた大臣がおっしゃったことを繰り返させていただきますと、例えばこれは衆議院で、安全保障委員会で津村委員との議論がございます。十一月二十八日です。そのときにおっしゃったのは、本来業務に、例えば国際平和協力業務などを付随任務であったものを本来任務に上げなきゃいけないと。これを上げなきゃ何か不都合が生じるのかという質問に対して、不都合が生じているかと言われると、正直言って不都合は生じていないと言わざるを得ないんですということをおっしゃっているんですよ、まず一つ。 そしてもう一つございますのは、これは、内山委員、同じく衆議院の安全保障委員会の内山委員の質問で、海上警備行動について、今回、防衛庁が防衛省に昇格することに伴い、その対応が早くなるのかということを質問しましたら、これ、西川防衛庁長官官房長がお答えいただいたのは、具体的には分からないと、こう答えていただいているんですよ。ですから、それをちょっと読まさせていただきますと、どこまでその必要性があるのかなということは、正直、私自身は明確じゃないなと思っております。例えば、西川官房長がおっしゃっていたのは、どれだけ早いかというと、そこら辺りはなかなか難しい話でございますということで、いろんなことがございます、分かりませんという感じのことになっているんですよね、お答えが。 ですから、そういう状況において、防衛庁から防衛省に昇格することによって迅速な対応ができますとかいろんなことが書かれておりますけれど、何となく自分自身としては何か腹に落ちるようなものを感じないんですが、その点について長官お願いいたします。
○国務大臣(久間章生君) 今までのままで本当に実務的に何か支障があるかと言われますと、それはないからこそ今日まで続いてきたわけですね。そういう意味ではないわけであります。 しかしながら、国務大臣である私は、国務大臣としては閣議を開いてくださいということは言えるんですけれども、防衛庁の長官としての立場で開いてくださいということは言えないんですよ。内閣府の長である、内閣府に行って、こういうことだから内閣総理大臣にやってもらうということで稟議書を回して、そこで初めていくわけですね。だから、そういうような違いもございます。 だから、現実的にはかなり専決で下りている部分もありますから、出張命令なんかでもあるいは予算の支出でも防衛庁長官決裁で出せますけれども、形式的にいえば、全部内閣府に行って決裁印をもらわないと支出できないという、そういう形式的なあれはありますね。だから、そういうのがやっぱり非常に煩わしい点もあるわけであります。
○藤末健三君 煩わしさは理解いたします、私も役人やっていましたので。ただ、実質的には権限がある程度落ちているんですね。閣議を開くときに、今の防衛庁長官たる国務大臣ができないかというとできるわけですよ。防衛庁設置法上、防衛庁長官は国務大臣じゃなきゃいけないと書いていますから、国務大臣としての権限があります、これは。 私が申し上げたいのは、良くなるのは分かります、それは確かに。ただ、そのために大きなもの、シビリアンコントロールを僕は失うと思うんです、正直申し上げて、これ。バランスはどうなのかということを私は思います、正直言って。いや、これはもう水掛け論争になるかもしれませんので、私は、これはもう皆様の御判断だと思うんですよ。このパンフレットを読んで、そして今大臣のお答えを聞いていただき、そして私が申し上げたシビリアンコントロールの問題、その比較だと思います、その比較でどうかと。我々立法府の人間、そして特に我々参議院でございます、良識の府です、再考の府なんですよ。その我々がどう考えるか、この次来る法律を。これは皆様に問題提起させていただきたいと思います。これは、本当にこのまま僕は通すことは非常に危険だと思いますよ。我々の責任は大きいと私は思います。これは意見として述べさせていただきます。 そして、私、これは長官に御提案申し上げたいんですが、衆議院の安全保障委員会でいろいろ議論がありまして、例えば戦略の分析、あと政策立案、防衛政策の立案とかいうことを、いろんなことを付加するべきじゃないかということで、基本的に防衛に関することは読めるということをお答えいただいています。私はそれはそれでいいと思います。ただ、私も個人的には防衛の戦略や情報収集というところをやっぱり僕は防衛庁にお願いしたいと思うんですよ、これは我が国を守るために。 と同時に、もう一つありますのは、防衛庁が自分の国の防衛力を強化するというのは正に役割として必要だと思うんですよ。それと同時に、関係する国々の軍備を削減していく。古くはロンドン軍縮条約とかいろいろあるじゃないですか、ワシントン条約とか。お互いに減らしていきましょうよということも僕はできると思うんですよ。軍縮的な発想による防衛力の強化、そういうものを私は、例えば新しい組織にするんであれば付加するというような議論も僕はあり得るんじゃないかと。今からもう法律が修正できるかというとクエスチョンでございますが、そういう発想もあるんじゃないかと。 これは将来的な課題としても議論していただきたいし、また大臣は長崎の出身でございます、ありますので、やはり被爆地である、我々は被爆国、長崎は被爆地でございます。私は、やはりいろんな、例えば外国の方とお話しして一回言われたのが、NPTの議論が少し止まっていると、核兵器が拡散するという話で、IAEAとかNPTの全体会合があったりすると。今議論がどんどん止まっていて、北朝鮮、イラン、いろんなところで問題が起きていますと。私が言われましたのは、やはり唯一の被爆国である日本がここで活躍するときじゃないかと言われることがあるんですよ、外国の方と、特にプレスの方とお話ししていると。 そういう中で、今我々が防衛庁を防衛省にするという議論をする中で、やはり私は新しい機能の展開として、お互いにこの軍縮の議論を進める戦略、これは戦略だと思うんですよ。軍縮をどう進めるかという、国防のために軍縮をどう進めるか。あと、国防のために、例えば核兵器をどうやって廃絶していくか、なくしていくかとかいうような議論を、私は新しい組織をつくるのであれば是非付加していただきたいと思いますが、いかがですか、大臣、この考えは。
○国務大臣(久間章生君) 正直言いまして、各省設置法という法律がそれぞれありまして、軍縮とかそういう政策マター、特に外国との交渉の政策マターは外務省マターになっておりますから、こういうのを防衛省の仕事として書こうとするとなかなか難しいと思いますね。だから、私たちは今言っているのは、各国にそこまでは言わないで、透明性を高めましょうよと、そういうことは言って、手の内を明かすようにしましょうよと、そういうことを盛んに言っているわけですね。そこまででありまして、軍縮交渉となりますと、これはやっぱり外交政策になりますから外務省マターになりますので、防衛省にそれを取り込もうとするとちょっと難しいんじゃないでしょうか。
○藤末健三君 いや、おっしゃるとおり、設置法上の問題は私もそう思うんですよ。 ただ、一つだけございますのは、先ほどの情報の開示がありますよね。例えば中国の問題。私も実際中国に伺いまして、中国の軍事の専門家の方と議論してきた。その中で、やはり透明性の問題は本当におっしゃっていました。それも私はやっぱり防衛庁から呼び掛けることはできると思います、私は。 それともう一つありますのは、軍縮と申しますか、お互いに兵器の削減を始めましょうねというような戦略とか問い掛けは、僕は、外務省よりも、やはり防衛省になられるわけですから、省に。ですから、外務省と対等ですよね、もし省になられたら。それはやはり防衛省に、私は反対なんですけれども、もし省になった場合は──反対ではございません、まあいろいろ考えるところはありますので言い方変えます、これちょっと変えます。反対とは言いません、いろいろ考えております。 でございますが、やはりそこは私は、これはまじめな議論です、まじめな議論として、防衛政策、そして安全保障の原点、現場を持ったという観点から私は進めていくべきだと思うんですよ。
○国務大臣(久間章生君) 私は、このパンフレットその他、この法律が既に前防衛庁長官時代に国会にも出されておりますから、今までのこういうあれですけれども、余りこれには政策官庁になる時期に来ているんだという意見が強調されていないんですよ。 今までの防衛庁というのは、自衛隊を管理する、必要な装備を調達してそれを用意する、そういうことから防衛庁だったわけですね、エージェンシーだったわけですね。ところが、今や国際平和の中で日本は平和と安全をどう守っていくかというのは、一つはやっぱり政策判断が非常に伴ってきている。そして、それは国内だけではなくて外国との関係も含めて出てきているわけですね。先ほど先生言われました軍縮なんかについてもそういうやつの流れの一環でございますから、そういう政策官庁として脱皮する時期に来たんじゃないかという、そういう思いがあって、そこでのやっぱり防衛省への転換をしたいというあれがあるんです。そのときに、各省設置法の問題はたくさんにありまして、そうなってくると、今のと変わりませんと言っていますけれども、さっきの人事じゃないですけれども、違った意味で微妙な違いがあります。 例えば、私が防衛庁長官十年前になったときに、沖縄で米軍が爆弾を落としました。そして、それをうちの掃海艇がああもう漁民その他危ないからということで早く行こうとしたんですけれども、そのときに梶山さんがおまえのところの仕事かと言われたんですよ。それは防衛庁の自衛隊の仕事じゃなくて、米軍の施設内の話なら施設庁の仕事だけれども、米軍が空を飛んでいて落としたのは米軍の運用マターでありますから、それは本来なら米軍がやることだと。米軍がやれないなら日本の外務省に言ってきて、外務省から防衛庁に依頼があって初めて出ていく話じゃないかと言われたんで、私もなるほどと思って、その依頼の来るのを待っておりましたら夜中の二時になりました。 だから、こういうのは、今度もう防衛省になった場合は、やっぱり国の平和と安全の仕事の一環としては、それはもちろん積極的に防衛庁が防衛省として出ていってもいいんじゃないかなというような、そういう思いもありまして、そういうところの微妙な点はこれから先議論をしていく必要が出てくるかもしれません。
○藤末健三君 そうですね、私は申し上げたいのは一点ございまして、やはり防衛省になりましたと、やっぱりイメージするのは何か拡大だけするんじゃないのというイメージが出てくると思うんですよ。やはり違いますと、削ることもやるんですよと、お互いに話し合って。というところを僕は出してほしいですよ、お互いに。本当に国防、安全保障という意味でやるならば、そこまで踏み込んでいただいて書いていただければ、僕はなるほどと思います、本当に。それをやっぱり軍縮等は外務省の仕事ですよと、設置法上云々というんじゃなくて。いや、本当ですよ、これ。明確に、もう室でもいいからつくってくださいよ、これ。大臣、いかがですか。
○国務大臣(久間章生君) 今言いましたように、これから先、防衛省になりましたらそういうようなことをいろいろ整理しながらどこまでがやれるのか、そういう点では少し取り組まなきゃいかぬのじゃないかなと思いますけれども、今直ちにそれが防衛省となったからやれるかというと、ちょっと整理がまだできないんじゃないかと思います。
○藤末健三君 私は、ちょっと長官に簡単にお話ししていただきたいのは、今回、先ほど私が申し上げましたように、やっぱり防衛庁を省に昇格する、移行するという話のときに、やはり一つ見えないのは、長期的な防衛とか安全保障の在り方というのがやっぱり見えていないんですよ。衆議院の僕は答弁を読ませていただいても、それはちょっと感じませんでした。これから議論するんでしょうということなんですけれども、そこについての何か、簡単に一言お願いします。
○国務大臣(久間章生君) 今度の十九年度の概算要求で長期戦略を考える戦略企画室というのをつくろうとしておりますから、それは正に防衛省になることを前提にして、長期戦略についてのそういう企画を担当する室をつくろうとしております。
○藤末健三君 その長期戦略室の業務の中の一つに、是非、互いに情報を透明にしていくという話、そしてもう一つあるのは、踏み込んで削減していくと、お互いに、ということを入れてください。いかがですか。
○国務大臣(久間章生君) ここで入れると言い切るにはちょっと自信がありませんので、しかし、先生の言われた趣旨は私も分からぬでもありませんし、また、昨日、中国の参謀副総長になる人が来られました、章さんという方が。そのときに、やっぱり中国と名指しはしませんでしたけれども、お互いがやっぱり手のうちを明かしながらオープンにしていって、お互いに疑心暗鬼にならぬようにしながら、ここまででいいじゃないかというようなふうに持っていく努力はしなけりゃなりませんねと言ったら、向こうもそうですねと言っていましたから、まあそういう形で、いろんな会合を通じながら、やっぱり無理な軍拡をしないで済むような方向には行かなきゃならないと思っておりますので、それをどういう形で進めていくか、またこれはいろんな問題がございますので、頭の中には入れておきますけれども。
○藤末健三君 是非考えていただきたいと思うんですよ。なぜかと申しますと、今政府は東アジア共同体ということをおっしゃっているじゃないですか。大事なことは、やっぱり経済がどんどんどんどんくっ付いていくという中において、政治の世界、また国防の世界、やはり同様に情報の流通とかやっぱり接近をやっていただかなければ、東アジア共同体、私賛成でございます、多分絵にかいたもちだと思うんですよ、経済だけくっ付ければいいとも思いませんけれども、その点いかがですか、長官。
○国務大臣(久間章生君) 本当にお互いが信頼できるような間柄で、単に経済的なくっ付きだけではなくて、お互いに信頼できるような雰囲気ができ上がるということが大事なので、経済だけで共同体というのはできるものじゃないと思っております。
○藤末健三君 是非お願いします。 結局、EUなんかの動きを見ても、経済をベースにして結局国防のところまで来ているじゃないですか。そこまでをスコープに入れてやらないと僕はいけないと思います。実際に、このEUなんかの方々、なぜEUをつくってきたかと。もう三十年、四十年、五十年掛けてつくられたわけなんですよ。そして今EU軍みたいな議論をされていると。彼らの話を聞いてみますと、やはりもう二度と戦争をしないためにということをおっしゃるんですよね。ユーロという統一通貨をつくる苦しみ、そして今や自分たちの軍隊を、EU軍、まだ議論いろいろありますけれども、EUとしての軍隊をつくろうという議論まで進めているということでございますので、そこは、もう本当にしつこいですけれども、僕がお願いは、その戦略をつくっていただかなきゃいけない、それが軍拡的な戦略だけじゃなくて、本当にもっと包括的に防衛、安全保障というものを見たものにしていただきたいんですよ。それを外務省さんの所管ですよというふうには言っていただきたくないんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(久間章生君) EUでもあそこまで来るにはやっぱりドイツに対する警戒感が結構あったわけですけれども、それが今日やっとああいうふうにお互い、一つはNATOという中に入ってしまったのでそれができたという点もあるんですけれども。 日本の場合、遅浩田国防部長が、私のときに、前回、来てもらいました。そして、遅浩田部長が、日本の自衛隊をずっと見せて案内したときに、いや確かに戦前の日本の軍隊と違うというのはよく分かったと、専守防衛に徹しているというのは私自身はよく分かったと、しかしながら、日本軍と戦った仲間はたくさんおる、みんなに分かれと言っても無理でしょうねと、もう少し時間が掛からないと駄目でしょうねと言われたのを聞きまして、なるほど、やった国とやられた国との違いというのを乗り越えるのには結構時間が掛かるんだなということを感じました。
○藤末健三君 私の経験でございますけれども、例えば私、今、中国の大学の先生をやっているんですよ、清華大学という大学の。割といい大学なんですけれども、そこの教授もほとんどが日本が専守防衛であり攻撃型兵器を持たないということは知らないんですよ。表面的なデータは知っている、イージス艦持っているよねとかいろいろなこと言うんですよ。ですから、もっとやっぱりトータルにとらえた見方をしていただきたいと思います、東アジア全体を見てどうかということ。これはお願いです。 それともう一つちょっと、法制局さんにちょっと質問でございますが、先ほどの人事権の話、防衛庁の人事権はどうなるかという話を、ちょっと修正があると思いますので、簡単に言ってください。
○政府参考人(横畠裕介君) 先ほどちょっと原則論のみ申し上げた次第でございますけれども、自衛隊法三十一条という規定がございまして、隊員の人事権の大宗は防衛庁長官に下りて、下りているというか与えられているという点を補足させていただきたいと思います。
○藤末健三君 次に、国際的な活動についてお話ししたいと思うんですが、私自身、今、自衛隊の海外における活動は基本的に国連を中心とした平和活動として行うべきだと思うんですけど、その点、長官はいかがですか、お考えは。
○国務大臣(久間章生君) 私もそのとおりだと思いますけれども、国連と必ずしも言わないでも、国際緊急援助隊みたいなのはもう直ちに出ていっているわけですから、それ以外のものもあるということもございます。
○藤末健三君 自衛隊法の改正案のその三条の二項の二、この自衛隊の任務のところにおきまして「その他の国際協力の推進」というのがございます。この「その他の国際協力の推進」というものは、これは何を指すわけでしょうか。
○政府参考人(大古和雄君) 御質問の点は、その前のところには条文で国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与ということが書いてございますけれども、このような国際連合が例えば統括いたしますPKO活動とかそれから国連決議に基づく活動を除いたものを指しているものでございます。 具体的には、現在行っている活動ですと国際緊急援助活動、それからテロ特に基づく活動を念頭に置いているところでございます。
○藤末健三君 これ例えば国連決議によらない有志連合の軍事行動への協力も国際協力の対象とし得るかどうかというのは、これはまず法制局さんからお聞きします。
○政府参考人(横畠裕介君) 改正後の自衛隊法第三条二項二号に規定します活動については、同項の柱書きの部分に規定しておりますとおり、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされているものであることが前提でございます。 したがいまして、具体的な自衛隊の活動内容を定める別の法律の根拠がないのにかかわらず、お尋ねのような国連決議によらない有志連合の軍事行動への国際協力のようなものがこの改正後の自衛隊法の規定によって自衛隊の任務となることはないと考えております。
○藤末健三君 法制局さんに追加的にちょっと確認したいんですけど、そうしますと、法律に基づかないものはできないと。したがいまして、憲法で集団的自衛権行使できないという話になっておりますから、集団的自衛権の行使に当たるものはできないと解釈してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(横畠裕介君) もちろん、憲法に反するような、その趣旨に反するような法律がこの国会で成立するということはないものと考えております。 加えまして、改正後の自衛隊法第三条第二項におきましては、憲法の趣旨を踏まえまして、その活動が武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲内において行われるものであるということを規定しております。
○藤末健三君 もう一回お聞きします。憲法に規定されている文言は了解しました。憲法の解釈として、集団的自衛権は保有するが行使しないという解釈になっていますね。その解釈に基づき、この三条の二項の二における「その他の国際協力の推進」には集団的自衛権の行使は含まれないかどうか、イエスかノーかでお答えください、明確に。
○政府参考人(横畠裕介君) 含まれないということでございます。
○藤末健三君 ありがとうございます。もう明確にしていただいて本当にありがとうございます。 続きまして、そろそろ時間がないのでもう最後の方に移らさせていただきたいんですが、最後に、民主党議員として、イラクの問題についてお話ししたいと思います。 イラクの問題につきましては、大量破壊兵器が発見できなかったこと、そしてまたアメリカの中間選挙でも大きな問題となり民主党が勝ったということでございまして、アメリカの大統領、そしてイギリスの首相もこのイラクの政策については誤りであったというような趣旨の発言をされている。また、イタリアも先日イラクからの撤退を決めたという状況でございますが、私は日本政府も率直にこのイラクに関与したことを誤りと認めるべきだと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(久間章生君) 日本はイラクの戦争に、アメリカが行ったイラクの戦争には関与していないわけでありまして、その後国連から要請を受けてイラクの復興のために自衛隊が出ていった。テロ特の場合は、アメリカの戦争に関与してそれをバックアップしたという、そういう点がありますからそれは言えますけれども、イラクについては、イラクの戦争には支持したとか支持しないとかその話とは別に、少なくとも日本国政府は関与はしておりませんし、自衛隊は行っていないわけですから、そこは国民に誤解を与えないようにしていただきたいと思います。
○藤末健三君 いや、私はイラクの戦争に関与したという話じゃなくて、イラクの問題に関与したと言っているんですよ。で、支持をされたわけじゃないですか、支持を。それについてはいかがですか。
○国務大臣(久間章生君) あのとき私は政府の一員でございませんでしたし、支持することについては、どちらかというとそういう表現は使うべきでないというようなことをマスコミ等で言った覚えがございます。
○藤末健三君 本当に、議論が前向きにいろいろとできて有り難かったと思います。 私が本当に申し上げたいのは、二つポイントがございます。 一つは、久間長官にもお願いしましたけど、本当に我が国の国防、そして安全保障の長期的な姿をやっぱりつくっていただきたいと思うんですよ。何となく北朝鮮の問題が起きて、防衛庁が省になりますと。じゃ、次は自衛隊が自衛軍かという、この懸念を払拭していただきたいし、また、やはりお互いに軍縮を進めることによって国防の安全を高めていくような努力をする。そして、それと同時に、やっぱり経済的な交流も含めた、やはり防衛力だけの安全というのは難しいと思うんですよ。経済相互依存によってつくれる安全もありますから。そういうもっと広い目でやっていただきたいというのがまず一つございます。長期的に広い目で見ていただきたいのが一つ。 そしてもう一つは、これは委員の方々に提言なんですけれど、シビリアンコントロール、文民統制の議論はこれ大きな穴です、はっきり言って。はっきり言って大きな穴。自衛隊の方が辞めた翌日に防衛大臣になることができる、人事権も執行できるという話になっている。その中で、やはりイギリス、同様に議院内閣制を取っているイギリスにおいては、国防大臣は文民であり、選挙によって選出された議員のうちから任命されるとなっていますし、また同様にアメリカ、大統領制でございますが、アメリカは一九四九年の国家安全保障法第二百二条において、過去十年以内に常備軍の将校として現役にあった者、それは国防長官に任命することはできないという規制を掛けている。我々はもう本当に規制がなくなるわけですよ。本当にこのシビリアンコントロール、文民統制というものをきちんとやるためにどうすべきかということを、この参議院、良識の府であり再考の府、再考、再び考える府でありますので、このことを提言しまして、私の質問を終わらさせていただきます。 本当にありがとうございました。
○委員長(柏村武昭君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時八分散会