厚生労働委員会 第7号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/12/01
会議録
○櫻田委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 厚生労働関係の基本施策に関する件、特に障害者福祉について調査のため、来る六日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○櫻田委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長松谷有希雄君、健康局長外口崇君、医薬食品局長高橋直人君、労働基準局長青木豊君、職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君、職業能力開発局長奥田久美君、雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君、社会・援護局長中村秀一君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○櫻田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。筒井信隆君。
○筒井委員 民主党の筒井信隆でございます。 柳澤大臣にお聞きをしたいと思います。 先月の、十一月十日の経済財政諮問会議で柳澤大臣が年金について、少子化が進んでいるために現役収入の五〇%支給の約束、保障、この維持が困難になったというふうな発言をされたという報道がございました。この前の、二年前のあの年金改革は、百年もつと言って小泉首相がだんびらを切って改革したのに、二年で、もうそのときの主要な約束の一つが実行できなくなったというふうな報道なものですから驚いたわけでございますが、柳澤大臣、こういうふうな趣旨の発言をされたんでしょうか。
○柳澤国務大臣 結論を申しますと、いたしておりません。 これは、今筒井委員が御指摘になられた私の十一月十日の経済財政諮問会議における発言ということでございますけれども、私は、その際、年末までに新人口推計を策定予定ではあるけれども、推計結果は前回推計より厳しくなる可能性がある、こういうことで、人口推計についての御説明をさせていただいたということでございます。将来の年金水準がどうのこうのという、年金にまで立ち入った話は一切いたしておりません。ということです。
○筒井委員 その経済財政諮問会議の議事録自体はまだできていないんですが、私も要旨を取り寄せてみましたが、一切そういう発言はなかったし、柳澤大臣ほどの人がそういう発言をすることはまあないだろう、それは信ずるものでございますから、マスコミが相変わらずの推測記事を書いたんだろうと思うんです。 ただ、その点で確認しておきたいんですが、二年前の改革で、マクロ経済スライドという、自動調整方式といいますか、人口推計だとか賃金だとか物価だとか、そういうものを総合した調整方式を採用しましたが、その自動調整方式で、特に人口推計がずっと厳しくなって、その調整に任せていたら現役収入の五〇%支給ということが維持できなくなった場合、ではこの場合、五〇%支給の約束をやめるかというと、そうではありませんね。その自動調整措置自体を停止してでも五〇%の約束は実行する、これがこの前の改革の趣旨でございましたね。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 先般の改正の趣旨についてのお尋ねでございますが、マクロ経済スライドに関しては、経済と人口の全体の変動が反映されてくるわけでございますけれども、今お尋ねのように、人口構造が予想よりもさらに低下し、その傾向が続き、五年以内に、いわゆるモデルケースにおける所得代替率が五〇%を切るということが見込まれるような財政検証が行われるに至るという場合にはということで、法律条文上は、その場合には、マクロ経済スライドの「調整期間の終了その他の措置を講ずる」ということが書かれております。また、その際には、給付と負担のあり方全般について検討を行い、所要の措置をあわせ行うこととしております。 法律条文上、そうした措置を通じまして、平均的な賃金に対する比率が百分の五十を上回ることとなるような給付水準を将来にわたり確保するものとするというふうに規定されているところでございます。
○筒井委員 今の趣旨でほぼ私の質問の言ったことを認められたのだと思うんです。だけれども、いろいろな所要の措置を講ずるとかなんとか言わないでいいんですよ。その自動調整措置を停止してでも五〇%は必ず維持する、これが法律の趣旨ですね、この結論だけ。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げたとおりでございますが、法律の本則におきましては、この自動調整措置というものは恒久的なものとして設けられておるわけでございますが、附則におきまして、ただいま申し上げましたような法律規定が明記されており、マクロ経済スライドによる調整の終了その他の措置ということでございますので、その時点でさまざまな措置を考案しながらこの五〇%基準というものを守るよう努めていく、あわせて給付と負担の見直しをしていく、こういうことが約束されているものと考えております。
○筒井委員 守るよう努めるとかなんとか、そういう、私、柳澤大臣以外に政府参考人として了解しましたが、そのときの条件として、単刀直入に答えるということを条件として申し上げました。 いろいろな措置をとったとしても五〇%は必ず保障する、ただ、法律上も、調整機能の終了その他といって、もう終了すること自体が前提になっているようですが、そんなことはいいですよ。五〇%は、そのマクロ経済スライドの調整だけやっていたら下がってしまうという場合でも絶対に保障する、これが法律の趣旨ですね。その結論だけ言ってください。
○渡辺政府参考人 法律でございますので、そのとおり私ども遵守してまいりたいと考えております。
○筒井委員 いや、それは法律を遵守するのは当たり前の話です。そんなことを私聞いているんじゃなくて、その法律の趣旨は、その調整機能がどういう結論になろうが、調整措置がどういう結論になろうが、現役収入の五〇%は必ず維持します、こういう結論ですねという点だけですよ。その点答えてください。 どうも、質問取りのときもそうなんだけれども、そういう断定をすることをずっと嫌がっている、官僚の皆さんは。何か、将来下げたいんじゃないかと思う。だから、この公の場所ではっきり、五〇%は必ず保障する、こういう趣旨ですということを結論的に確認したいんです。
○渡辺政府参考人 法律附則第二条に、五〇%を上回る水準を将来とも維持すると書いてございますので、それに従って適切に対処してまいりたいと思います。
○筒井委員 今の点で、柳澤大臣、はっきりと言っていただきたいと思いますが、どうですか。
○柳澤国務大臣 今局長が説明をさせていただきましたような法律上の文言、これからそんたくされるところは、五〇%を維持したいというのが法律の中で非常に強い意向だということになっていると思います。その意向を実現するためのいろいろな考え方、措置というものが規定されているということでございます。その措置を法令に基づいて、そういった事態が生じた場合には整々としてやっていく、こういうことであろうと思います。 その結果がどうなるかということについては、私は、まだそんな事態も起こっておりませんので、その気持ちが強くあらわれた法律だということしかここでは言うべきではないと思いますが、いずれにしても、そういう思想でこの法律ができ上がっているということかと思います。
○筒井委員 柳澤大臣らしくないあいまいな答弁ですが、私が聞いているのは、思想だとかなんとかじゃないんですよ。それで、今そういう事態に陥っているかどうかも聞いているんじゃないんです。どういう事態に陥ろうが現役収入の五〇%支給は維持する、これが法律の趣旨でしょうということなんです。その結論だけ、柳澤大臣、もう一度。
○柳澤国務大臣 維持しようという意思を持って構成された制度であり、法律だというふうに私は読み取っております。
○筒井委員 維持しようという意味が、法律としては、維持するというふうに規定されているでしょう、その条文を読み上げてもいいですが。だけれども、そんな必要もないだろうから、維持しよう、何か目指すとか、そんなあいまいなものじゃないでしょう。はっきり、五〇%は上回るものとする、こういう規定でしょう。その点、はっきり、大臣、もう一度答弁お願いします。
○柳澤国務大臣 十六年改正法附則第二条におきましては、年金給付については、老齢基礎年金の額に二を乗じて得た額と平均的な男子の賃金を平均標準報酬額として計算した老齢厚生年金の額との合計額の男子被保険者の平均的な賃金に対する比率が百分の五十を上回ることとなるような給付水準を将来にわたり確保するものとする、このように書かれております。よろしいですか。
○筒井委員 今条文を読み上げられていましたが、そんな条文読み上げてもらっても。どうも厚生労働省、最近になってやはり五〇%維持困難だという判断で、その点の断定は言わないようにしようというあれですか、今。 ただ、今までははっきりと、厚生労働省も例えばこういうことを言っているでしょう。今の法律の規定により、「次の財政検証までに五〇%を下回ることが見込まれる場合には、給付水準調整を終了するものとされており、」もう今のようなマクロ経済スライドを終了してしまう、「これにより平成三十六(二〇二四)年度以降も当面、五〇%を上回る給付水準が確保されることとなる。」はっきり言っているんですよ、今度の改革、二年前の改革をされた直後においては。何で今はそういうふうにあいまいにされるようになったのか。「確保されることとなる。」こういうふうにはっきり厚生労働省が言っていること。 それからもう一つ、まだほかのところでも、「法律改正によりマクロ経済スライドを終了し、」断定しているんですよ、「終了し、」あいまいな措置とかなんとか言っているんじゃないんです、「給付水準を維持することとされている。」 こういうふうなこと、今私が読み上げた文章は、厚生労働省、つくったことは認められますね。
○渡辺政府参考人 二点、お答えしたいと思います。 現時点で五〇%の給付水準を下回るような状況の発生が予測されるかと申しますと、人口要因だけでなく経済要因もありますので、そのようなことが予測できるような状況にはないという点が一点でございます。 第二点でございます。ただいま委員御指摘のとおり、終了その他の措置を行うに当たっては、自動的に終了するという仕組みではございませんで、改めて立法府により法律の制定を要するという趣旨であることを従来から明らかにしております。これは行政府として、立法府がそのような立法をしていただけるかどうかということも含めて、丁寧に申し上げるために条文の構成をくだくだ申し上げているというようなことでございます。
○筒井委員 今も私の質問に答えていないんですが、今私が読み上げた文章は厚生労働省作成の文章ですが、ここで「五〇%を下回ることが見込まれる場合には、給付水準調整を終了するものとされ」、はっきり断定的に言っているんですよ。それをもう一つの文章でも読み上げた。これらの文章を厚生労働省が作成して出していることは間違いないですね。その質問なんですよ。
○渡辺政府参考人 御指摘のとおりでございます。終了するためには法律が必要でございます。
○筒井委員 ただ、五〇%を保障しているのは標準モデル世帯に限定されているわけでして、これももう当時恐らく厚生労働委員会で十分議論されたことだと思いますが、夫が四十年間フルタイムで勤務をした、そして平均月収が三十六万円だった、妻が四十年間専業主婦を続けた、この三つの要件にいずれも当てはまるもののみが標準モデル世帯で、それについてのみ現役収入の五〇%の支給を法的に、法律で約束しているわけです。 そして、この標準モデル世帯以外の世帯、厚生労働省は全部で六類型を当時出しておりましたし、今も出しておりますが、この六類型は、今の標準モデル世帯以外は全部五〇%未満、モデル世帯だけが五〇%を五〇・二%でちょっと超える。まず、そういう状況であることは間違いないですね、厚生労働省。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 従来からの長い年金制度の歴史の中で、その給付水準を比較する上で、今先生御指摘の夫の平均的な賃金、四十年就労、妻四十年専業主婦というモデル世帯を用いてその所得代替率をお示しし、比較できるようにしていることも事実でございます。そして、今おっしゃられたように、他の共働き、単身等の五類型につきましてもお示しさせていただいております。 ただ、ただいま先生おっしゃられたようなことから一点懸念されますので申し添えますと、これは夫が平均的な賃金であった場合ということで申し上げているとおり、この所得代替率は、平均賃金が少ない方の場合には五〇%を超えて高く上がっていくという所得再分配効果が出てくるのが公的年金制度の特徴でございますので、五〇%以上の所得代替率があるというケースは、いずれの類型においても発生し得るというものでございます。
○筒井委員 私が今聞いたのは、厚生労働省が試算をした六類型中、五〇%を超えるのはこの標準モデル世帯のみであって、それ以外は超えないものとして出されておりますねという質問なんです。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 同様に、平均的な所得の場合ということで、共働き世帯、結婚、出産後妻が離職の場合等々、それぞれ三〇%台、四〇%台という所得代替率を公表しているものでございます。
○筒井委員 だから、私は厳密に一つ一つ聞いているので、その答えを厳密に言ってくださいよ。 六類型の世帯を厚生労働省は試算として発表している、その六類型のうち、現役収入の五〇%以上を保障するのはこの標準モデル世帯だけであって、それ以外の世帯は全部五〇%未満ですねという質問なんです。そうかどうかだけ言ってください。
○渡辺政府参考人 公表しております試算例で申しますと、先生がおっしゃるとおりでございます。
○筒井委員 それを初めから言ってくれれば、時間的に全部節約されるんですよ。 そして、この標準モデル世帯だけについて保障をしているのに、当時、小泉総理大臣や何かは、さも全部の人に対して、全国民に対して五〇%保障なんだ、標準モデル世帯に限定されているんだということを一切言わないで、全部の国民に対して五〇%を保障しているんだという趣旨の発言を繰り返されていて、だから、国民はみんな五〇%保障されるものだというふうに誤解していたわけで、私も当時、予算委員会かどこかで小泉首相に、それは間違いだろう、誇大広告だろう、虚偽だろうというふうに質問したら、いや、その方がわかりやすいからいいんだ、そういう答弁でございました。 しかし、まさにそういうふうに限定されているんですが、では、その標準モデル世帯自体は実際上どの程度いるのかといったら、ほとんどいないでしょう。五〇%を六類型の中で唯一保障したこの標準モデル世帯というのは、ほとんど現実にはいないでしょう。だって、年金の強制加入が始まって二十年、任意加入部分を含めてようやく四十年たった時点ですから。 今現在の受給者で、標準モデル世帯と言える人が何名いるのか、あるいはどのぐらいのパーセントいるのか、あるいは二十五年後にどのぐらいの人数になって、どのぐらいの比率になるのか。これは厚生労働省も全然言わないんですが、今も言えませんね。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 夫が平均的な賃金で四十年間就労し、妻が四十年間専業主婦という条件に完全に一致する世帯というのが御指摘のとおりどれほどあるのかという御議論は随所でいただいております。その実数については私ども把握しておりません。 ただ、老齢年金受給者について、受給者の中でどうだというお尋ねが今ございましたので、老齢年金受給者についての調査によりますと、老齢年金を受給している夫婦世帯のうちの約七割は夫が正社員中心であった世帯であり、その半数以上は妻が本格的に厚生年金に加入していなかったと考えられる調査結果が出ております。 そういうことでございます。
○筒井委員 将来的にも、標準モデル世帯で五〇%以上を上回る、そういう限定づけをしているわけで、極めて重要な世帯なんですが、しかし、その重要な世帯がどのぐらいの人数、どのぐらいの数があって、どのぐらいの比率があるか。これは調べるつもりもないし、調べようがないということですか。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 現在の若い世代において共働きが非常に多いというのはだれしも認めるところであり、私どももそのように考えております。 今後、御夫婦が年月を経て年金受給世帯になられる将来において、その間の厚生年金加入年数というものがどうなるかという点については一概に予測ができません。この所得代替率は、年金給付の算式そのものは個々人の加入期間と賃金によって規定されておりますので、どのような形であれ、計算される給付額というものを平均的なもので割ってみた場合の比率を示しておるものでございます。 先ほど申し上げましたように、過去の改正経過との比較という意味では、私ども、こうしたモデル世帯を指標として見ていくということは、有効性をなお保っているものと考えております。
○筒井委員 極めて不満足な答弁なんだけれども、時間がありませんので、次の質問に移ります。 この前の続きの質問なんですが、国民年金の定額制、保険料の定額制の問題。これは前にちょっとだけ入りましたが、時間の関係で途中になりましたので、質問をしたいと思います。 平成二十九年に一万六千九百円に上がる予定で、今、毎年二百八十円ずつ上がっている。月約一万七千円の負担。これは、年収三百五十万の人にとってみれば非常に大きい。しかし、年収五百万とか年収一千万の人にとってみれば、その負担感や負担の程度は低い。こういう問題があるわけで、この定額制が垂直的な公平に反することは厚生労働省も認めざるを得ないですね。
○渡辺政府参考人 御指摘の定額給付、定額負担の国民年金制度というものが、発足時以来、その加入者が大変まちまちであるために、所得に応じた保険料の賦課と所得に応じた給付を設計するということが非常に困難な課題であり、今日に至っているということは申し上げたとおりでございます。 定額負担、定額給付ということの性質上、一般的にはただいま先生がおっしゃられましたような特性を持っておるということでございますが、制度発足以来、そうした困難を認めた上で、免除制度という諸外国にも例のない仕組みを設けてまいりました。そして、ことしからは、この免除制度がさらに多段階免除制度となり、所得の少ない方については月額三千四百七十円、その次の低い層については六千九百三十円というたぐいのものを設けることによって、実質的な負担の度合いというものを、御本人の御意思で全額をお支払いになるのはもちろん歓迎すべきことでございますが、こうした免除手続をとっていただくという道も開いているものでございます。
○筒井委員 それはこの前も言ったことですが、ごく低額所得者に関する減免制度がある。そうじゃない人については一律。高所得高負担、低所得低負担という形になっていない、だから、減免制度の対象外の人たちにとってみれば、垂直的な公平に反する、逆進性を持っている。これは事実でしょう。
○渡辺政府参考人 こうした制度の一般的な性質として、先生おっしゃられるような逆進性という問題が指摘されてきているのも事実でございますが、にもかかわらず、こうした対象の人たちに老後の所得保障を少しでも充実したものにするためのやむを得ざる工夫として、現在の制度があるというふうに考えております。
○筒井委員 それから、厚生年金とか共済年金は率ですから、たとえ同じ所得の間でも、差別というか、区別が出てくるんですよね。そういう意味では、水平的公平にも反することは事実でしょう。
○渡辺政府参考人 この点につきましても、社会保険制度の発達の歴史の中で、やはり事業所の労使の負担によってでき上がってくる健康保険や厚生年金というものが先行し、それらでカバーされない方々に生活保護ではなく年金制度というものを及ぼしていくためにつくり上げた制度が国民年金制度であるわけでございますので、仮に、所得税、地方住民税という観点で同一所得であるサラリーマンと自営業その他の国民年金加入の方とを比べた場合に、制度における負担と給付に差があるということは事実でございますし、やむを得ざるところではあるというふうに理解しております。
○筒井委員 やむを得ないかどうかは別なんですが、水平的公平に反するということは認められたので、いいんですが。 それから、基礎年金の方の納付率が二〇〇五年で六七%、これを二〇〇七年には八〇%を目標にしている。しかし、非常に目標達成が難しいと思うんですが、低所得者における、さっきの減免制度よりも上の層ですよ、だけれどもそんなに所得が多い人じゃない人にとってみれば、負担感が非常に強い。これも納付率を下げている一つの原因として考えておりませんか。
○渡辺政府参考人 納付がなかなか所期の目的どおりにいただけていないという事実がたくさんあり、現在、御指摘のように六七%台という納付率である。その原因の中にはさまざまな点があるとは思いますが、御指摘のように、中堅所得と申しますか、そういうような方々にとっても定額の一万四千円近くの負担が重いということがあるのではないかというのは、それをあえて否定申し上げるような根拠があるわけではございません。 ただし、私ども、今手元に詳細なデータはございませんが、多段階免除の制度の対象となられるであろう方、あるいは全額免除の対象となるであろう方の中で、半数近くの方が、やはり御自身の老後のためということで、免除を受けずに満額御納付いただいているということも考え合わせますと、この未納問題につきましては、所得の多寡による大きな影響というよりは、さまざまな御事情によって、こうした制度に参画しみずからの老後設計をしようというためのお考え、御意思が強いか強くないか、また、そういうことをもたらすような私どもの努力が足りているかどうかということが大きな影響を及ぼしているものであると考えております。
○筒井委員 今、減免所得層を除いたものを中堅所得層という表現をされたんですか、その中堅所得層の人たちの負担感の重さ、これは納付率が低いことの一つの原因になっていることは認められたんでしょうか。それとも、それは否定されたのか。何か、最初は認められたようで、後から否定されたようなんだけれども。それも納付率の低いことの一つの理由になっているんですか、いないんですか。
○渡辺政府参考人 一概に否定はできないという旨、申し上げたつもりでございます。
○筒井委員 官僚特有の上手なというか、変な答えですが、まあ、それでいいでしょう。 それともう一つ、今の定額制のままで保険料を引き上げるというのは非常に困難ですよ。だけれども、例えば高額所得者について保険料を引き上げる、こういうのは可能性が出てくると思うんですよ。だから、全部一律の方がかえって基礎年金の財源を厳しくするんじゃないでしょうか。その点、どうですか。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 その点もかねてからの悩ましい課題であるという点をまず率直に申し上げたいと思います。 その上で、実はこうした国民年金対象者を念頭に置きましたときに、高所得者の方に所得再分配の輪に参加せずに高い保険料と高い給付を保障する所得比例というものが望ましいと考えるのか、それとも、高い保険料をお願いし、低所得の方に所得移転をしていただきたいということでそれをお願いすることが望ましいと考えるのか、そこは大きく意見が分かれることと思います。 また、仮に高所得の方にそういう再分配に参加しなくてもいいという前提でお願いするとして、強制適用それから賦課方式で後世代の人がそれを支えるという前提の公的年金制度の中で、強制的に加入し、高い保険料と高い給付を約束するということが現在自営業を中心とした高い所得集団の方々にとって納得的なことであるのかどうかという点についても、かねてより大変疑問であるとされてきているのも事実でございますので、その点、少し付言させていただきます。
○筒井委員 私が今聞いているのは、その後どうするかということはまた別だし、それからこれは、今前提として基礎年金を全部税方式にした場合は全然別ですよ。保険料方式を維持している場合の問題点を指摘しているわけで、そして保険料方式を維持している場合に、やはり一律だというのが保険料引き上げを不可能あるいは困難にしているという事実は確かでしょう。その点を確かめたいんです。
○渡辺政府参考人 率直に申し上げまして、今般の改革における十六年度価格、一万六千九百円という上限の保険料額を設定させていただく、その企画のプロセスにおきましても、御指摘のように、こうした定額保険料をどの程度の高さまで御負担をお願いできるかというのは、この制度における非常に重要な、困難な判断のポイントであるというのはおっしゃるとおりでございます。 ただし、こうした制度をもってしても、私ども、国民皆年金で未加入者が二十七万人というところまで徹底してきておりますが、いわゆる所得にだけ着目をして加入を勧める例えばアメリカ合衆国のような場合、二千万人を超える未加入者というか、非適用者が発生するということもございまして、あくまでやはりすべての方々を包摂していく、こうした国民年金制度というものを大切にしていきたいと考えております。
○筒井委員 そうしますと、今の一律の定額制というのは、垂直的公平にも反して、水平的公平にも反して、それから保険料の納付率の低下にも悪影響を与えて、それから財源の充実の点でも非常にこの点は問題だ。 やはり私は、所得に応じた保険料の支払い、実際にそれにすべきだし、この前も申し上げましたが、きょうも出たように、低額所得者に関しては、四段階の所得に応じて保険料を支払う、所得に応じて保険料を支払う、これはもう始まっているわけで、厚生労働省もこれが公平じゃないという意見じゃないだろうと思うんですけれども。それは公平なんでしょう。だから、その低額所得者だけに限っている、所得に応じて保険料を払うというのを、もっと上の方、中堅所得層の方にも広げればいいじゃないですか。 そして、ではその場合に、保険料をそういうふうに所得に応じて支払った場合に、支給の方はどうするんだということをこの前も最後のときちょっと言われましたが、既に今減免されている場合に、低額所得者の場合には、支払った保険料に応じて基礎年金を支給しているでしょう。つまり、低額所得者に関しては、既に所得に応じて保険料を支払い、支払った保険料に応じて年金を支給する、こういう体制になっているわけでしょう、四段階に分けて。だから、それを全体に広げることができない理由というのは何かあるんですか。
○渡辺政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、現在の四段階の免除制度の活用ということは、原則として一万四千円弱の保険料を負担していただくという中で、個別の御意思により、これを所得に応じて低い保険料と低い給付ということの道を開いているものでございます。 なお、真ん中より上の方の所得の方についても何かそういう趣旨の工夫はできないかという御議論は常々あるところで、私どもいつも頭を悩ましておるのでございますが、一つだけ申し上げますと、現在も付加年金制度というものがございます。月額四百円を上乗せしてゆとりのある方に御負担いただくということをしておりますが、約七十六万人の方が入っておられます。 一方、国民年金基金制度、先生よく御承知の仕組みも任意加入ということでございまして、支払いの余力のある方は、足し算して払うことにより、定額給付に乗せた給付をみずから実現することができる、こういう工夫をするところが限界だというのがこれまでの結論でございます。
○筒井委員 だから、低額の保険料でいいですよ、四分の一とか二分の一の保険料でいいですよという人も、希望によってはもっと高い保険料を払っていいんですよ。それでもっと高い年金支給をもらっていいんですよ、任意の場合は。任意でそれは認めてやるべきだと思うんですよ。 だけれども、私が今言っているのは、そうじゃなくて、中堅以上の人について、所得に応じた保険料の支払いにして、支払った保険料に応じて年金を支給する、これはどういう障害が起こってくるんですかという質問なんです。問題ないでしょう。
○渡辺政府参考人 大変恐縮でございますが、これは前回も御議論させていただいたと思いますけれども、いわゆる自営業の方と国民年金適用の従業員の方々と、所得の範囲、すなわち必要経費の取り扱いの違い、あるいは所得の捕捉の問題、こういったところにおいて大きな違いが否めない。年金制度は給付が金額で明らかになりますので、それがわかっても、やっている国民健康保険制度というのは現物給付でございますからその点の矛盾がかなり解消されるわけでございますけれども、年々必要となる給付に必要な負担をお願いするという中で、そうした所得の扱いの違いというものはこの制度の中に内包しており、その矛盾を医療や介護のように解決することができないという制約の中で、どのような道をたどればいいのか、私ども大変悩ましく思っているところでございます。
○筒井委員 時間が来たので最後の質問なんですが、今の所得捕捉の点は、低額所得者に関しては捕捉しているんでしょう。今の捕捉は公平じゃない捕捉なんですか。一応、何とか捕捉して減免制度を決めているんでしょう、所得に応じて。それを上の方でできない理由は何かあるんですかということです。 そして、必要経費とかなんとか言いましたが、この低額所得者に関しても、収入から必要経費を引いて所得を出しているんでしょう、今現在は。同じ方式でやればいいじゃないですか。どうして低額所得者についてだけできて中堅以上はできない、何か特別の理由があるんですか。
○櫻田委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○渡辺政府参考人 個別の御判断による減免を申請される方々の所得証明による保険料の軽減という問題と、制度そのものの中から義務的に所得を捕捉して、それに伴う賦課をするということとでは大きな差があるものですから、私ども、その道をとり得ていないというものでございます。
○筒井委員 終わります。
○櫻田委員長 次に、加藤勝信君。
○加藤(勝)委員 おはようございます。自由民主党の加藤勝信でございます。 まず最初に、新薬の承認に関して、二、三御質問させていただきたいと思います。 これまでもいろいろ指摘されておりますように、外国では使えるけれども日本国内で使える薬の数が少ないではないか、もっとそれを、治験も含めてでありますけれども早く処理をして、国内でも使えるようにしてほしい、こういう声がいろいろ出てきているわけであります。中には、本当に多くの患者さんに対処するような薬ももちろんあるわけであります。そういう場合には、またいろいろな意味で声が上がってくる。しかし他方で、国内で何人かしかいない、こういう疾病、病気にかかっている方がおられるわけでありまして、こういう問題もしっかりと光を当てていかなければならないのではないか。 たまたま私の地元でありますけれども、ムコ多糖症という一つの難病でありますけれども、それにかかっておられる秋山裕斗君という男の子がおります。本来、名前を出して云々というのはありますけれども、お父様がこういうことはしっかり社会に知っていただきたいということで、地元の新聞にも何度も名前が出てきているわけでありますし、こうした「ゆうと応援基金」というものも今でき上がって、地元の方々が応援をしている、こういうことになるわけであります。 このムコ多糖症というのは、体内の細胞をつなぎ合わせるムコ多糖というのがあるのだそうでありますが、異常に蓄積をする難病であります。さらに、その中にも六つのパターンがあるということでありますが、ムコ多糖をいわば消化するために必要な十種類の酵素が遺伝子上に欠乏しまして、ムコ多糖が分解できずに体内に余分な糖がたまって、骨の変形、心臓疾患など、種々の臓器や組織が次第に損なわれていく、しかも進行していく、こういう病気であります。 先ほど申し上げた総社の子供さんは六型ということでありますが、日本国内には四人しかいない、こういう病気なわけであります。現在、根本的な治療法というのは世界各国まだ発見されていないわけでありますけれども、アメリカで開発された酵素製剤というものによって、この進行をゆっくりする、抑止する、とめるということが期待をされております。しかし、国内では製剤の承認が行われていない。 そういう中では、個人輸入をしてそれを使用しようとすると、月々四百万ぐらいかかるというふうに聞いております。そういうことで、先ほど申し上げました、応援をしていこうということで応援基金が立ち上がって、地元では、幼稚園、中学生、それぞれの方々が募金を募る運動を展開されているわけであります。 先ほど申し上げました、当初、私もいろいろ御相談をいただく中で、やっと個人輸入をしてというところまで踏み切ったわけでありますけれども、この間も、残念ながら進行は進んできている。こういう中で、またこれから、一体いつの時点で承認申請されて、そうした負担というものが解消されるかということが大きな問題になるわけであります。 厚労省では、今あるいはこれまでにわたって、未承認薬の使用、また今申し上げたように非常に対象が少ないこうした薬に対して、承認申請における治験についていろいろ御工夫なり御検討もいただいているというふうにお聞きしておりますけれども、仮に輸入する製薬会社があらわれて、そこが外国の開発した会社と交渉して輸入代理店みたいなものでしょうか、受けて国内で申請をするということになりますと、それから承認されるまで、大体どのぐらい時間がかかって、その間、個人の費用負担ということはどういう経緯をたどるのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま御紹介のございましたムコ多糖症六型あるいはこういった難病の方々、こういう方について、外国で既に医薬品が承認されている、日本ではまだだ、そういったものにつきましては、昨年の一月に未承認薬使用問題検討会議という会議を設置いたしまして、欧米諸国で承認された医薬品や学会、患者団体からの要望があった医薬品について検討を行っているところでございます。 この会議はこれまで十回にわたりまして開催いたしまして、その検討の結果、医療上の必要性が高いという結論をいただいた三十三の医薬品につきまして、関係企業に早期の治験開始などの要請を行ってきたところでございます。 この三十三品目につきまして、お尋ねは、企業が内部で承認申請を決定してから実際その承認の申請をするまでの時間、これはちょっと企業の内部の問題がございますので、私ども把握してございませんが、これまでに承認された品目及び現在審査中の品目につきまして、検討会議での決定から承認申請までの時間、これにつきましては大体八カ月かかっております、平均で八カ月。それから、承認された品目につきまして見ますと、実際の承認の申請が出てから承認されるまでの、その承認にかかった期間の平均、これは約一年ということでございます。 それから、治療費の負担でございますけれども、治験が開始されてから承認されるまでの治療費につきましては、治験薬にかかる費用は、これは治験でございますので、まだ保険の適用はございませんが、一般的には治験の依頼企業がその費用を全額負担するということでございます。また、治験実施に伴う、そのとき入院か何かされていますと、そのときには混合診療ということで、一定割合の自己負担額はございますけれども、保険給付の対象となるということでございます。
○加藤(勝)委員 いずれにしましても、一年、二年という期間が申請されてからでもかかるということになるわけでありますし、その間の負担も相当なものであるし、また、今こうしていろいろな地元の方を中心とした、それぞれの方々の気持ちの中で運営されているわけでありますから、申請が出れば、できる限り早くに対応していただきたいというふうに思うわけであります。 ただ、この議論というか、話を聞かせていただく中で、今、本件に関しては、輸入をしようという会社があらわれているというお話を聞いているわけでありますから、次の申請という段階に進んでいくんだろう。ただ、経済的な感覚でいえば、患者さんがほとんどいないようなこういう薬について、外国ではあるよ、しかし日本にわざわざ輸入してまでそれを販売して、果たして採算というんでしょうか、経営的なものとしてどうだろうかという判断が常にあるんじゃないか。したがって、こういうような、特に患者さんの少ないような薬について、結果的にだれも申請しない、申請されなければ何も動かない、こういうことも出てくるのではないかなと思うわけでありますけれども、こういう問題に対して厚労省はどういうふうにお考えになっておられるのか。
○松谷政府参考人 お答え申し上げます。 今ほど医薬食品局長から答弁申し上げました、未承認薬使用問題検討会議における議論あるいは資料につきましては、厚生労働省がウエブサイトなどを通じて公表いたしまして、治験や承認申請を行う企業に呼びかけておるところでございます。 また、症例数が少ない疾患等に対する治療薬を研究開発する企業に対しましては、税制上の優遇措置、開発助成金の交付を行う制度などによりまして、企業が治験等に着手しやすいような施策を講じているところでございます。 しかし、このような手だてをとっても、さらに、企業にとってメリットがないというようなことでなかなか着手されないというような場合も、御指摘のとおりあるかと思います。 これは、現場で実際に患者さんを診ているのはお医者さんでございまして、お医者さんはその必要性を十分認識されて、何とかしたいというふうに思っていらっしゃるというようなことがございますので、平成十五年からは、このような採算が見込めないなどの理由によって企業が開発を進めにくい疾患の医薬品につきまして、医師主導治験という制度を導入いたしまして、企業が開発に着手しない場合であっても、医師が承認申請に必要な臨床データを収集するための治験を実施することができるようにしているところでございます。 省といたしましては、この医師主導治験を推進するために厚生労働科学研究費補助金による補助を行ってきたところでございまして、こうした取り組みによりまして、治療薬を患者さんに一日も早く届けられるように努力していきたいと思っております。
○加藤(勝)委員 そしてさらに、今の、先ほど申しましたアメリカ開発である酵素製剤、進行をとめるけれども治療というところまでにはなかなかいかない。そういう意味では、さらに遺伝子治療の研究開発ということをお父さん、お母さん、皆さん期待をしているわけであります。 今国会の大臣のごあいさつの中でも、医薬品等にかけるイノベーションを促進していく、積極的に取り組んでいくということが述べられているわけでありますけれども、そういう思いと、そして今までの議論を聞いていただいて、大臣の御感想、御決意をお話しいただければと思います。
○柳澤国務大臣 今、加藤委員御指摘のように、私は、安倍総理の所信表明演説を受けまして、イノベーションのトップバッターに医薬というものが掲げられたことを非常に重要に受けとめているわけでございます。そうした意味で、医薬の分野におけるイノベーションを、役所のいろいろな手だてを使って、しかも強力に進めたい、こういうように考えているわけでございます。 今、加藤委員からは治療法がない疾病についてのお話がるるございまして、その上で、この医薬品の研究開発について今の医薬のイノベーションとの絡みでどういうふうに進めるつもりか、こういうお尋ねかと思うんですけれども、厚生省におきましては、幾つかと申しますか、そういう枠組みが実はございます。 一つは、治療法のない疾患の病態の解明や、治療法の開発に資する研究事業というのがありまして、これは特定疾患治療研究事業というわけでございますけれども、その研究事業を進める、そういうスキームが一つある。 それからまた、独立行政法人医薬基盤研究所におきましても、医薬品の開発に係る基礎研究を推進するとともに、希少疾病用の医薬品、いわゆるオーファンドラッグでございますが、その研究開発を推進しているところでございます。 そういう意味合いにおきまして、治療法のない疾病に係る医薬品の研究開発についても、こうしたスキームの中で強化をし、国民の保健医療水準の向上を図っていきたい、このように考えております。
○加藤(勝)委員 特に、再三申し上げておりますけれども、大変対象の患者さんが少ないという、どちらかというと経済メカニズムに乗るようなものはある意味では自然に任せてでも進んでいくのだろうというふうに思うわけでありますけれども、そういったものに関しては、単に経済論理といいますか、それだけでは進まないわけでありますので、特にそういうことには十分目をかけて配慮していただいて、積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。 続きまして、国民健康保険の関係でちょっと申し上げたいと思います。 国民年金保険料の未納問題、大変社会問題化して、さらには社会保険庁問題等々出てきているわけでありますけれども、この国民保険料あるいは国民保険税でありますね、特に市町村の。たまたま地元の岡山県で、二〇〇五年度、滞納額が五十億を超え、収納率が九割だというような報道がございましたけれども、これは日本全体でも多分そういう流れになっているのではないかなというふうに理解をしております。その状況と、この間、昔は多分九五とか、もっと行っていたように記憶しておりますけれども、下がってきた、この背景にどういうことがあるのか、どう分析されているのか、お聞きしたいと思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。 市町村国保の保険料の収納率についてでございますけれども、近年、御指摘のとおり、低下する傾向にございます。十年前の平成七年度には約九三%でございましたけれども、平成十六年度には約九〇%、このようになっているところでございます。 こうした保険料収納率の低下傾向の原因、要因についてでございますけれども、これにつきましては、被保険者を取り巻く厳しい経済状況、あるいは、特に都市部の若年層の納付意識の低下、こういったことが原因であろうと認識をしております。
○加藤(勝)委員 未納者の中には、払えないという方と、ある意味では払わないという方がいると思います。払えないという方に関しては、さまざまな措置も、制度もあるわけでありますから、そういうものをきちっと運用していただく。他方で、払わないという方をそのまま放置しておくということは、制度の公平な運営からも大変問題であるというふうに思います。 そういう中で、その徴収の任に当たる市長さん、町長さんから、納付義務が健康保険料の場合は世帯主に限定されていることが一つ指摘をされているわけであります。 国民健康保険料あるいは国民健康保険税は、世帯課税主義というのをとっておりまして、保険料そのものは国民健康保険に入る被保険者の所得全体などを見て算出をされるわけでありますが、納付義務は世帯主のみに限定されているわけであります。 そして、世帯主については、主として世帯の生計を維持する者であって、国民健康保険税の納税義務者として社会通念上妥当と認められる者、こういうふうにされているわけでありますけれども、実際には、個々の世帯ごとにいろいろ勘案し、あるいは決められているわけであります。 例えば、父親と長男が同一世帯を形成している、父親の所得が長男の所得より少なくても、父親が世帯主とされている、こういう場合も想定されるわけであります。滞納が発生した場合には、市役所が当然父親に請求をする。納付がなければ、何回か何かやりとりがあれば、当然、差し押さえということは法律的にはできるようになっておりますけれども、それはあくまでも父親に係る財産に限定されるわけでありまして、長男がどれだけなものを持っていたとしても、そこには差し押さえができないということになっております。 さらに、後期高齢者の医療制度がスタートするということになりますと、お父さんがいわゆる後期高齢者であればそちらに行ってしまうわけですから、被保険者でない世帯主たる高齢者が納付義務ということもあるのではないか。 しかし他方、ほかの制度を見ますと、介護保険制度や今度新たにつくられます後期高齢者医療制度においては、納付義務は被保険者であり、加えて世帯主や配偶者にも連帯納付義務が課せられる、こういう仕組みになっておるわけであります。 その辺のバランスを考えると、国民健康保険料の納税義務を世帯主に限定しているというのは、いかがなものかな。むしろ、世帯主以外にも、少なくとも保険に入っている方には拡大をすべきではないかというふうに考えておりますけれども、その辺、何か内部で御検討等含めてあれば、お教えいただきたいというふうに思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。 国民健康保険におきましては、これは先生御存じのとおり、自営業あるいは農林水産業、それから無職など、世帯収入を個人ごとに区別することが難しい世帯が多いわけでございます。それから、もう少し申しますと、乳幼児も被保険者として位置づけられているということがございまして、届け出の義務、あるいは給付等の権利行使、保険料の納付、こういったものにつきまして世帯主義を採用しているところでございます。 したがいまして、御指摘のようなケースにおきましては、現行法制上、世帯主以外の被保険者を連帯納付義務者とすることは現行制度では難しいものでございますので、これにつきましては、やはり今後の検討課題と言わざるを得ないのかなと思っております。 当面の間は、世帯内の他の資力のある被保険者に対しまして納付に協力するよう促すなど、世帯の状況に応じたきめ細かな納付相談を行うよう指導していきたい、このように考えております。
○加藤(勝)委員 大臣、今のお話を聞かれて、制度的な整理を非常にいろいろされていると思うわけでありますけれども、そういう観点から見て、御所見があればお伺いしたいと思うんです。
○柳澤国務大臣 いろいろな制度の、特に保険料徴収というのはなかなか難しい問題を抱えているということの中で、これまでそれぞれの制度がつくられるに当たってどういう徴収の仕組みをつくったらいいか、こういうことで苦労をされてきたと思います。 今、加藤委員が、最近スタートした保険制度はいろいろさらにまた別の工夫をしている、そういうバランスから見て国民健康保険の場合も再考してみる価値があるのではないか、こういう御提案をいただいたわけでございますが、これは将来の検討課題として委員の御指摘を参考にさせていただきたいというふうに考えております。
○加藤(勝)委員 どうか、直接徴収の任に当たっております市長さん、町長さん、そういう方の御意見も聞いていただきまして、前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。 続いて、いわゆる医療費の抑制の関係でいろいろな方策がとられているわけでありまして、予防を一生懸命やろうとか、いろいろな議論があります。その中で、いわゆるジェネリック、後発医薬品の普及促進ということも上げられているわけであります。 先発品と後発品という言い方をしますと、先発品に比べて、後発品が製造を認められるようになったときに価格がかなり違う。物によっていろいろ違いましょうけれども、中には何分の一というようなものもあるわけでありまして、そちらの後発品で済めば医療費全体も抑制できるわけでありますし、もちろん本人負担もその分だけ軽くなるという大変メリットがあるわけであります。ほかの国では、あえて商品名ではなくて、製品名といいますか中身で、例えば薬剤師さんの方に指定されて、薬剤師さんがその患者さんと相談しながら決めていくというような事例もあるというふうに聞いております。 そういう中の一歩として、この四月から処方せんに後発医薬品への変更可という欄を設けて、そこにお医者さんが署名をすれば、患者さんが薬局に行って、先発品、後発品、こういうのがありますけれどもどうしましょうかということを薬剤師さんと相談しながら決められるようになったということであります。 それから六カ月ぐらいたっているわけでありますけれども、実際どんな状況なのか、また、これによってどの程度の効果を期待しているのか、教えていただきたいと思います。
○水田政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、平成十八年度の診療報酬改定におきまして、処方せんの様式を変更いたしまして、後発医薬品への変更可の処方医の署名欄を設ける、こういうことをいたしまして、後発医薬品の使用促進のための環境整備を図ったところでございます。 後発医薬品の使用促進によりましてどの程度の効果、影響があったのか、あるいは薬剤費の削減効果があったのかというお尋ねでございますけれども、これは中身が、医薬品の種類によりまして先発品と後発品の薬価差が異なる、あるいは同じ種類の医薬品においても後発医薬品の薬価が複数あるということがございますので、直ちには、試算することがなかなか難しいわけでございます。 ただ、現在、中医協の診療報酬改定結果検証部会におきまして、こうした処方せん様式の変更によります後発医薬品への変更状況等をまさに今調査中でございます。この調査の結果によりまして、こういった後発医薬品への切りかえによります変更の状況ということにつきまして、薬剤費も含めまして一定程度の推計、推測が可能になると考えてございます。 お答えといたしましては、現在その効果について調査をしているということでございます。
○加藤(勝)委員 薬剤関係の方とお話をしますと、どうもまだ後発品というのは信頼性がいま一つないというようなことをお聞きするわけでありまして、それはこれまでのいろいろな体験等によるもの、あるいはいろいろな話を聞いてきたものによるもの、どういう根拠によるのかというのはいろいろあろうかと思いますけれども、一般的に情報も少ないのではないか。 あるいは、メーカーとの関係も、先発品に比べて、先発メーカーさんの積極的な展開に比べると、どうもその辺の違いがあるのではないか。あるいは、薬のロットも先発品は割と小さい単位のロットが多い、それに対して後発品はどかんと来る。さらには、それで多数なものをそろえると、結果的に期限が切れて在庫ロスを抱えて、安かったか高かったかというふうなことも指摘をされているわけであります。 私は、やはり後発医薬品というものを合理的な範囲で積極的に推進していくべきではないか、こういうふうに考えているわけでありますけれども、こうした、特に今申し上げた薬剤師さんあるいは薬局の現場におけるいろいろな声も踏まえて、厚労省としてどう取り組んでいかれるのか。
○松谷政府参考人 委員御指摘のとおり、後発医薬品を普及させるということは、患者さんの負担の軽減、あるいは医療保険財政の改善に資するということから、政府としても積極的に推進する考えであるわけでございます。 このため、厚生労働省におきましては、先ほどの処方せんの仕組みのほかに、後発医薬品の使用促進のための取り組みということで、後発医薬品の、一つには安定供給の確保、それから情報提供の充実並びに医療上必要な規格の収載について徹底するように、後発医薬品業界に対する指導を行ったところでございます。 委員御指摘のとおり、供給がある時期で急に途絶えてしまうとか、その供給がいろいろな規格でそろっていないと現場の薬局なりで非常に不便である、あるいはその有用性、安全性等についての情報提供ということが十分になされないと安心して使えないということでございましたので、これらについて指導を行っているところでございます。 こうした取り組みを通じまして、後発医薬品の普及を促進してまいりたいと思っております。
○加藤(勝)委員 何でもかんでも後発品ということを言うつもりはありませんけれども、現状、他の国と比べると、もっともっと利用があってもいいのではないか。やはりそういう姿勢をしっかり示していくことが、後発品メーカーにおけるさまざまな展開にもつながっていくのではないかというふうに思います。 最後に、医療の質に関して、先般ちょっと新聞にも出ておりました専門医制度のことをちょっと教えていただきたいと思います。 当委員会でも、医師不足の問題はいろいろ議論をされております。先般、四省ですか合議で、改善といいますか対応を少し変えられたようでありますけれども、そうした総数の問題、さらには地域間あるいは診療科目間の偏在、逆に言えば、それをどうバランスをとっていくか、量の問題も当然あろうかと思います。 それから、他方で質の問題。特に、今いろいろな新聞、雑誌を見ると、これが名医だとかいうことが本当にはんらんをしているぐらいな状況にあるわけでありまして、実際、そういう病気にかかった方、あるいはそういう病気にかかった方を家族に抱える者からすれば、特にがんとか、そういうふうな生き死ににかかわるような場合には、少しでもいいお医者さんにかかりたいというのは当然のニーズだと思うわけであります。そういうニーズにこたえる、いわば情報という意味で、やはり専門医というのは一つの情報ではないかなというふうに思うわけであります。 ただ、どうも現状を見ると、必ずしもうまくいっているのかどうか。この間見ました新聞によると、専門医の数が、その診療科目をやっているお医者さんの七割も八割もおられたり、中には一割以下であったりということもあるわけであります。特に、外科系を考えれば、一定の手術件数というのを常に維持していくということが、やはり技術力アップにもつながるし、またいろいろな意味での信頼にもつながっていく。 そういう意味で、やはりこの専門医制度というものを、今はそれぞれの学会で多分おやりになっているんだろうと思います。スタートはそういうところからスタートして、だんだんだんだんバージョンアップをしていく中で、そろそろ次の段階も考えていいのではないかな。そのことが、やはり医療に対する期待、質の高い医療を受けたい、そういう患者さんあるいは家族の思いに合致していくことにつながっていくのではないか。 もちろん、量的な確保も大事であります。また、質を高めていくということと、専門医、そしてそれ以外のお医者さんとの役割分担というものをどうしていくのか、そしてそれをどういう形で育て上げていくのか。やはりその辺の形ができてくる中で、逆に言うと、地域間の問題とか診療間のバランスということも当然かかっていくのではないかというふうに思うのであります。 話が拡散いたしましたが、この専門医制度について、どういうような取り組みを今後考えておられるのか、厚労省の御見解を示していただきたいと思います。
○松谷政府参考人 専門医につきましては、現在、医学、医術に関係する各学会が、それぞれの分野の医療を担当する医師の育成を目的として認定を行っているところでございます。各医療機関、学会が一定の条件を課して、最終的には筆記試験や口頭試験、実技試験等を課している学会もございますが、そのような形でその養成を行っているという状況にございます。 ただし、専門医の関与する医療事故等が発生するなど、一部の分野においては、質の確保といった点でまだまだ課題があるというふうに私ども認識してございまして、このため、心臓血管外科領域など一部の学会におきましては、専門医の認定に当たって必要となる症例数をふやすなど、質の向上に向けた取り組みもなされているところでございます。 厚生労働省では、医療法において、研修や試験についての一定の基準に適合した専門医に限りまして広告できる事項としてございまして、一定の位置づけをしているところではございますけれども、さらに踏み込みまして、こうした学会における取り組み等を踏まえながら、現在行っている医療施設体系のあり方に関する検討会におきまして、専門医の育成のあり方についてさらに議論をしていきたいと思っております。
○加藤(勝)委員 終わります。ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、林潤君。
○林(潤)委員 自由民主党の林潤であります。本日は、厚生労働関係の基本施策について質問をさせていただきます。 これまで私は、昨年の初当選から一年三カ月間、当委員会に所属をさせていただいておりまして、年金や介護や医療、こうした社会保障分野の充実を中心に取り組んでまいりました。本日は、十月に施行されました医療制度改革関連法、そして医療を初め社会保障を取り巻く全般について質問をさせていただきます。 医療制度改革関連法は、さきの通常国会で成立をいたしました。会期中、当委員会でも公聴会を開催し、私も同僚委員とともに福島県に赴きました。同県で行われた公聴会では、県内の医療関係者からヒアリングを行い、医療従事者の労働環境、またその実態などについてつぶさにかいま見ることができました。また、ヒアリングを通じて、県内病院で起きた帝王切開手術中の死亡事故を医療ミスとして医師が逮捕された、こうした案件を初めまして、過疎地特有の深刻な医師不足など、近年の医療全般を考える上でも非常に象徴的な出来事が浮き彫りになったわけであります。 このたびは、こうした案件を踏まえて質問いたしますが、まずは、県立病院の産科医逮捕の件であります。 この件は、一昨年の十二月、帝王切開手術で当時二十九歳の母親が死亡した事故に関し、執刀医が、胎盤癒着の無理な剥離やあるいは輸血対応のおくれ、こうしたことに問われまして、業務上過失致死と医師法違反容疑で逮捕され、ことし三月に起訴されたものであります。 一人の医師の逮捕は、僻地医療やリスクの高い専門分野の担い手が減ることへの懸念を初めといたしまして、医師と被害者、司法機関という関係の中で、医療事故調査のあるべき構図や、不幸にして医療事故が起きた場合にどのような機関がいかに解決するかなど、医療業界全体に大きな問題を投げかけました。 中でも、医師法二十一条は、異状死について病院が二十四時間以内に警察へ届け出ることを義務づけておりますが、今回の件は、この届け出義務に違反したことが医師法違反に当たるとして、執刀医が県警に逮捕されています。病院側は、医療過誤があったと考えなかったといたしまして警察に届けなかった、こう説明をしておりますが、異状死に関する法解釈をめぐりまして、法医学学会あるいは外科医学学会、それぞれ見解が分かれているのも混乱の原因の一つであります。 異状死に関する定義を含めた法整備、これが不十分のままならば、医師の不安が増大し、結果として、診療の手控え、ひいては患者の不利益を引き起こしかねません。 そこで、異状死の定義について国の明確な基準を定めるべきかと考えますが、厚生労働省の見解をお伺いしたく存じます。
○松谷政府参考人 委員御指摘の医師法第二十一条では、「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」とされているわけでございます。ここで言う異状とは、法医学的な異状とされておりますけれども、具体的にどのような死が異状死に該当するかにつきましては、個々の状況に応じて判断される必要がございますため、現在、死体を検案した医師が個別に判断をしているというところでございます。 異状死の内容をさらに明確にするという努力をすべきだということでございますけれども、異状死はさまざまな状況のもとで発生するために、すべての場合に当てはまる一律の基準をお示しするということがなかなか困難な状況にあるということでございます。仮に一定の考え方で届け出対象となる異状死の範囲を限定するということといたした場合、今度はその範囲に含まれるか否かの判断を行うという必要がございますけれども、その公正さを担保する仕組みが現時点では存在をしないといった問題点があって、現場の問題としてはなかなか難しい状況にあるということでございます。 ただし、今委員御指摘のとおり、この問題については、死因の究明その他、全体としてさらに解決をしていかなければならない問題の中の一つということでございまして、現在、医療紛争処理の関連として、医療事故に係る死因究明のあり方につきまして検討しているところでございまして、本年度内をめどに厚生労働省から試案を提示し、来年度には有識者による検討会を開催いたしまして、その議論を踏まえて必要な措置を講じたいと考えております。今後、医師法二十一条の取り扱いについても、この中で検討していきたいと考えております。
○林(潤)委員 さらなる明確な努力をしていただきたいと思います。 また、今回の起訴や逮捕に関しまして、医療界からは、医師が一生懸命に手術や治療を施しても結果が悪ければ逮捕されるのでは、危険を伴う治療はできなくなる、こうした反発も上がっておりまして、医療事故を医師ひとりの責任にさせてしまうことに違和感と危機感を募らせております。 一方、不幸にして被害者となった側からすれば、医師に対する不信感がないとは言えません。その根拠といたしまして、医療訴訟を専門とする弁護士によりますと、損害賠償を求める民事の医療過誤訴訟は昨年まで過去五年間で約千件ありますが、そのうち刑事事件として起訴されたのは約八十件だけだということであります。立証も難しく、裁判の過程で悪質な過誤やカルテの改ざんも発覚をしています。 また、事故が起きた際の原因や責任を追及する制度が整っていない現状では、刑事司法の介入が必要だという指摘がある反面、事故の真相解明には病院側の情報提供など協力も必要であることも事実でありまして、医療という専門的な分野で適切な判断をしなければならない、司法の介入にも限界があります。 そこで、医療過誤の被害者の真相究明や再発防止という要望にこたえるために、捜査機関が摘発するのではなく、第三者機関が独自に原因を調査する必要があると考えますが、厚生労働省の見解をお伺いいたします。 〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕
○松谷政府参考人 医事紛争は近年増加の状況にございますけれども、医事紛争は、患者さんと医療従事者との間の意思疎通が不十分であったり、あるいは、医療の中身が患者さん、家族にとって見えずに不信感が募るといったようなことから起こることが多いのではないかというふうに言われているわけでございます。このため、例えば医療事故の死因究明を第三者が客観的に行うなど、医療の透明性を増す取り組みを行うということは、患者さんにとって納得のいく医療を確保できるとともに、医療従事者にとりましても事故の発生予防、再発防止といった観点や紛争の早期解決にもつながると指摘されているわけでございます。 医療事故に係る死因究明のあり方につきましては、現在モデル事業も行っているところでございますけれども、先ほどの答弁の中でも若干申し上げましたが、本年度内をめどに厚生労働省としても試案を提示して、来年度には有識者による検討会を開催して、その議論を踏まえて必要な措置を講じるよう努めていきたいと思っております。
○林(潤)委員 ぜひとも双方にとって不幸でない措置を講ずるようお願いいたします。 この公聴会では、産科、小児科の医師偏在や農村部で医師確保が困難な地域など、医師の確保のあり方に関する問題も指摘をされました。 平成十六年の調査によりますと、人口十万人当たりの医師数は、全国平均で二百二十人、面積が広大な東北では百八十八人であります。こうした医師数をとってみても都市と地方に見られる医療格差や医師の偏在をかんがみて、医師不足が深刻な地方の大学医学部、あるいは僻地医療を担う自治医科大の定員を一時的にふやすなどにより、全国で医師数を増加させるということを聞いておりますが、医師数がふえたといたしましても、地域の偏在は解消されにくいのが現状であります。 厚労省として、こうした現状をどのように認識し、安心して医療を受けられるような体制をつくるためどのように取り組んでいくべきものなのか、御見解をお願いいたします。
○松谷政府参考人 お答え申し上げます。 地域的な医師の偏在につきましては、全国的に見てみますと西高東低という状況にございまして、九州地方が多く東北地方は少ないという状況にございます。これは、医科大学の設置の多寡といったことが歴史的に反映しているのではないかと思います。また、各都道府県内におきましても、県庁所在地など人口当たりの医師数が多い地域と、郡部など少ない地域があるということを承知しております。また、診療科別におきましても、産科医療あるいは小児救急医療など、特定の診療科での医師の不足感があるということもかねてから指摘されているところでございます。 こうした課題に対する取り組みといたしまして、本年八月に新医師確保総合対策を策定したところでございまして、拠点病院づくりなどの地域の実情に応じた医療機関の機能分担と連携を図ること、そして、休日、夜間の医療ニーズに対する開業医さんの積極的な貢献などが必要であるというふうに考えております。この中で、長期的にも、大学医学部の定員の調整等も今議員御指摘のとおり行ったわけでございますけれども、医師が不足している地域で必要な医療を確保するということに当たりましては、都道府県が積極的にそのイニシアチブをとることが重要と考えておりまして、都道府県の医療対策協議会を中心に、地域の医療資源の活用方策等について検討していくべきだと考えております。 さらに、国といたしましても、都道府県が実施いたします医師確保対策の積極的な取り組みに対する予算面での支援、さらに、国に地域医療支援中央会議を設置いたしまして、医師確保等に関する助言指導等を行うということを検討しているところでございまして、今後とも、国民が安心して良質な医療を受けられるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○林(潤)委員 引き続き、国民のニーズにこたえられるような体制づくりをお願いいたします。 さらに、医療に従事する助産師や看護師も不足していると指摘をされております。厚生労働省の看護職員需給検討会によりますと、ことしの供給数は需要数を四万千六百人下回っております。私の地元神奈川県でも、看護職員の供給率が九一・八%と、全国でも不足が顕著であります。 国といたしまして、新人看護職員の離職防止や、約五十五万人いるとされます潜在看護職員の就業促進を図る施策はある程度評価できるものの、その対策だけで十分かどうかは検討の余地があるかと考えます。さらに、大病院だと比較的看護師を採用しやすいが、中小は厳しいといった実態も報告されておりますが、厚労省といたしまして、小さな医療機関も含めて、その確保対策をさらに充実させるためにどのように取り組んでいるか、お聞かせ願います。
○松谷政府参考人 看護師及び助産師を含みます看護職員の確保対策につきましては、従来から、養成力の確保、離職の防止、再就業等の総合的支援を行ってきたところでございます。 特に、各都道府県のナースセンターにおきまして、未就業のいわゆる潜在看護職員への就業あっせんに加えまして、これらの看護職員に対して、再就業を後押しするための看護力再開発講習会などを実施しているところでございます。また、今般の看護配置に関する診療報酬改定の運用に当たりまして、都道府県ナースセンターを積極的に活用する旨、去る十月六日には医療関係団体に対しまして、また十一月二十一日には都道府県の担当者会議の場におきまして、改めて周知をしたところでございます。 さらに、今年度から、看護職員の確保が困難な地域あるいは医療機関のために、研修体制等が充実した病院の臨床現場において研修を行うモデル事業等に取り組んでいるところでございます。 また、助産師につきましては、特に産科の診療所における助産師確保を進めるという観点から、一たん業務を離れた助産師さんが産科診療所での就業を再開するための研修、また、産科診療所に勤務する看護師さんを助産師に養成していくための取り組みなどに取り組んでいるところでございます。 いずれにいたしましても、看護師及び助産師を含む看護職員の確保対策につきましては、今後とも総合的にきめ細かく取り組んでいきたいと考えております。
○林(潤)委員 また、関連して、助産師のことについてさらに掘り下げてお伺いしたいですが、ことしの夏に、横浜市内にあります、年間出産数三千人という、出産数全国規模の産科、婦人科、小児科病院、堀病院におきまして、助産師資格のない看護師らが妊婦に内診と呼ばれる助産行為をしていたことが摘発をされました。 こうしたことは記憶に新しいと思いますが、看護師らによります違法な助産行為の背景には、助産師の雇用をめぐる問題も上げられます。つまり、国内で就業する助産師は約二万六千人ですが、実際には公的病院に集中し、個人経営の産院は不足している現状があります。分娩される総数のうち病院でほぼ半数を占めているのに対し、病院勤務の助産師は六八%にも上っております。 厚労省が都道府県に通知をいたしました、看護師による内診は違法ということは、安全面から考えますと妥当であるといたしましても、現実的解決に向けた取り組みが大切なわけであります。私、個人的にも、来年の春には一児の父となる予定であります。若い世代がしっかりと子供を生み育てられ、少子化に貢献をできるように、国としても適切かつ効果的な出産しやすい環境をつくることも責務だと考えます。 関係者によりますと、こうした助産師不足を理由といたしましてより給与の低い看護師に助産行為をさせているケースは、全国でも数多くあるとの指摘もあります。さらに、先ほどと重複いたしますけれども、助産師に関する確保と産科病院や産院での安全対策の取り組みについてお聞かせ願います。
○松谷政府参考人 助産師さんにつきましては、正常産を取り扱う専門職ということで、その養成確保を進めているところでございます。 先ほど申し上げましたが、特に病院に偏在しているというようなこともございますので、産科診療所における確保という観点から、診療所での就業を再開するための研修、また産科診療所に勤務する看護師さんを助産師さんに養成をしていくといったようなための取り組みなどをいたしているところでございます。 お産につきましては、健やかな赤ちゃんを得るということでございまして、その安全には格段の注意を払わなければなりません。そのためには、医療機関内におきまして、産科のお医者さんと助産師さんとが連携をしてその診療に当たるということが極めて大切だというふうに考えておりまして、そのために、正常のお産について助産師さんがこれを取り扱う、あるいは妊婦さんの外来の一部を助産師さんが担うといったようなことによって、より重症な、より困難な分娩等については産科医が集中してできるような、そういった取り組みにつきましても進めているところでございます。 これらの取り組みを総合的に進めて、安全なお産に向けた産科の医療体制の確保に努めていきたいと考えております。 〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕
○林(潤)委員 さらにこうした安全に格段の注意を払ってもらいたいと思います。 続いて、今年度の診療報酬改定や医療制度改革関連法の施行によりまして、特に診療科目によっては影響が顕著な場合もありましたので、こうした診療科目ごとに質問させていただきます。 まず、歯科を取り巻く状況ですが、歯科診療における患者への文書提供については、患者と医師のよりよい信頼関係を構築するという観点からするとある程度やむを得ない面もあると考えますが、様式が都道府県ごとに異なっており、必要以上に煩雑になっているとも聞いております。歯科医療の現場では、事務作業に費やす労力も大変な負担でありまして、治療行為にも影響が出ているとの深刻な声も出ております。事務負担を軽減するためにはより合理的な方法を取り入れるべきなのは当然であり、全国統一様式を示すべきではないかと考えますが、厚生労働省の見解をお聞かせ願いたい。
○水田政府参考人 お答えいたします。 今回の歯科診療報酬改定におきましては、患者への情報提供を推進するという観点から、病状、治療計画、指導内容等につきまして患者に説明を行うとともに、これを文書によって患者に情報提供することを指導管理料の算定要件としたところでございます。 お尋ねの情報提供の文書の様式についてでございますけれども、特段の定めはございませんで、お話ありましたとおり必要以上に煩瑣なものもある、こういった指摘もあると聞いてございます。これを受けまして、今般、私どもも協力いたしまして、日本歯科医師会におきまして提供文書のひな形を全国に示されたところでございます。このひな形を活用することによりまして、今後は過不足なく、また効率的に情報提供が行われるもの、こういった期待を私ども持っているところでございます。
○林(潤)委員 一刻も早くこうしたひな形を活用して、現場の負担を軽くしていただきたいと思います。 さらに、口腔と全身の状態の関連も指摘されるなど、歯と健康は関係深いと考えます。八十歳で二十本の歯を残す八〇二〇運動達成者が七十五歳から七十九歳で二七・一%にも達しておりまして、内科系はメタボリックシンドロームで生活習慣病が心配されている、こうした反面、歯の健康は確実に向上をしております。また、七〇二〇達成者でいいますと、医科医療費が非達成者より低いというデータも報告されており、医療費の抑制につながるのではないかと期待もされております。 そこで、後期高齢者の医療制度における診療報酬のあり方に関する検討会などにおいて、歯科の診療報酬についても検討すべきだと考えますが、見解をお願いいたします。
○水田政府参考人 お話がございました後期高齢者医療制度の創設に当たりましては、こうした後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できるような新たな診療報酬体系を構築するということとされてございます。このために、社会保障審議会に後期高齢者医療のあり方について審議する専門の部会を設置して、現在検討を進めているところでございます。 この部会におきましては、後期高齢者の心身の特性や在宅医療の現状等についてヒアリングを実施してきているところでございますけれども、歯科につきましても、歯科医療の専門家から歯科医療と口腔管理の重要性について直接話を聞くという機会も設けてございます。また、在宅医療の専門家からも口腔保健の重要性ということにつきまして御指摘をいただいているところでございます。 今後は、こうした部会での議論を踏まえまして、基本的な考え方を示し、かつ、国民的な議論に供した上で策定していく、こういうスケジュールを持ってございます。御指摘の歯科診療報酬につきましても、この一環として検討を行っていきたい、このように考えております。
○林(潤)委員 こうした専門部会でさらに研究を深めて、診療報酬改定に反映していただきたいと存じます。 また、四月の診療報酬改定でリハビリテーションの点数体系が変わりまして、算定日数上限が設けられたことで、医療現場でも当初はリハビリ患者を切り捨てるのではないかとした批判も上がりました。しかし、医師が改善できると判断した場合には、制限の対象外となる病気を幅広く認め、リハビリが継続できるように配慮をしたり、また発病直後に従来の一・五倍の時間をかけて集中的にリハビリをできるようにするなど、評価できる点も上げられます。 ただし、この中で、算定日数上限において、特に運動器疾患の適用除外対象疾患が少ないと聞いております。例えば、頭部外傷または多部位外傷、関節リウマチ患者など上げられるということですが、引き続きリハビリテーションが必要な患者が打ち切られているようなことがないのか、御説明をお願いしたいと思います。
○水田政府参考人 今回の診療報酬改定におきまして、このリハビリテーションの報酬体系を疾患別に再編成するということを決めたわけでございます。 そこで、御指摘ありましたとおり、発症後早期のリハビリテーションを重点的に評価する、その一方で、長期間にわたって効果が明らかでないリハビリテーションが行われている、こういった指摘がありましたことから、疾患の特性に応じた標準的な治療期間を踏まえて、疾患ごとに算定日数の上限を設けたところでございます。 この算定日数の上限の適用に当たりましては、専門家や関係学会の意見を聞きました上で、例えば神経障害による麻痺及び後遺症など、適用除外疾患あるいはその状態というものを幅広く取り上げまして、リハビリテーションを継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合にはこれを認めることとしてございます。これによりまして、必要かつ適切なリハビリテーションが保険診療により確保できる体系としていると考えてございます。 ただ、このリハビリテーションの算定日数上限等につきましては、さまざまな御意見をいただいているところでございます。これを踏まえまして、診療報酬改定結果検証部会におきまして、改定後の状況等につきまして調査、検証するということとしてございまして、その結果を踏まえまして次回改定に向けて検討することとしてございます。
○林(潤)委員 体を悪化させないためのリハビリもあるということを認識いたしまして、引き続き検証してもらいたいと思います。 最後に、骨太改革と厚労省予算について質問いたします。 厚労分野でも予算削減が求められておりまして、その一つで生活保護の見直しが掲げられております。 生活保護は国民の最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットでありますが、現状の受給世帯は百万世帯を突破し、費用も二兆五千億に達しまして、増加傾向にあります。 一方で、不正受給の問題も根深く存在をしております。福祉事務所によりますと、平成十六年で一万件余、六十二億円以上の不正受給が発覚し、過去四年間で不正総額が倍近くにも及んでおります。世帯の状況について虚偽の申請をして保護費を受給している世帯もいると言われております。 生活保護費については、まず不正受給対策の強化を図るべきだと考えますが、適正な運営を図る上でも、厚生労働省の取り組みを御説明願います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 生活保護費の不正受給に関しましては、従来から、生活保護の実施機関でございます地方団体に対しまして、国や都道府県が定期的に事務執行について指導監査を実施し、適正実施の確保に努めているところでございます。 また、本年三月末には、生活保護行政の適正運営の観点から、地方自治体からの御要望を参考にいたしまして、資産調査等に関する関係機関との連携強化をしやすくするような方策、不正受給に関する刑事告訴等の手続の強化等の運営改善策を盛り込みました生活保護行政を適正に運営するための手引を取りまとめ、地方自治体にお示ししたところでございます。 厚生労働省といたしましては、地方自治体において、収入、資産調査などが的確に行われ、保護の適用や保護費の支給が適正になされるよう、さらに指導を徹底してまいりたいと考えております。
○林(潤)委員 引き続き、きちんとした適正な取り組みをお願いいたします。 また、生活保護を担当するケースワーカーの間で生活保護の適正化や運営にばらつきが大きいという指摘もあります。不正受給を黙認あるいは見破ることができないケースがある反面、本来生活保護の申請が必要とされるケースにおいても、窓口で相談扱いにいたしましてほかの方法を勧められる、こうした例も報告をされております。 こうしたことから、ケースワーカーの質の向上など、ばらつきが改善されるような施策を講じるべきではないかと考えますが、御見解をお願いいたします。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、保護行政が的確に実施されるためには、ケースワーカーの質の向上など、地方自治体における保護の実施体制の整備が重要であると考えております。 国、都道府県におきまして、ケースワーカーの方々に対します査察指導、あるいはケースワーカーを査察する指導員に対します研修も実施しているところでございます。年に千人以上の方に対しまして研修を実施させていただいております。 また、十七年度からは、それぞれの自治体におきまして、自立支援に関して、ケースワーカーの個人的経験に依存することなく自治体が組織的に対応できるような、自立支援の具体的内容や手順をあらかじめ定型的に定めて対応する自立支援プログラムの導入を促すなど、保護の実施機関において適正かつ効率的な運用ができるよう、施策を充実しているところでございます。
○林(潤)委員 ぜひ国民に納得を得られる形での適正化に努めてもらいたいと思います。 せっかく大臣がいらっしゃっておりますので、さきの医療制度改革を通じまして、国民皆保険の堅持など、方針があらわれておりますけれども、諸外国の医療制度には、イギリス、フランス、アメリカ、さまざまなタイプがあります。混合診療を無制限に拡大するのかといった問題もありますが、今後の我が国におけます医療保険のあり方について、国はどのような方向性を持っているのか、大臣の御見解をお願いいたします。
○柳澤国務大臣 急速な高齢化の進展に伴いまして、どうしても若者に比べて高齢者の医療費はかさみますので、医療費全体としてもこれが増加をしてしまう、こういう状況にあります。 この状況の中で、医療制度を将来にわたって国民皆保険というものを中心として持続可能なものにしていく観点から、さきの国会においては、かなり、議員の皆さんの御理解、御協力を得まして、大きな改革をさせていただきました。医療費適正化対策の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設、さらには都道府県単位を軸にした保険者の再編統合、こういった三つを柱といたします健康保険法の改正をお願いしたわけでございます。 なお、混合診療につきましては、平成十六年十二月、厚生労働大臣と規制改革担当大臣との合意によりまして、必要かつ適切な医療は保険診療により確保するという原則が示されており、これにのっとりまして、将来にわたりましてこれまた国民皆保険制度を堅持していく、そういう方向で、これからさらに先端医療について活用をこの保険制度の中で図っていく、そういうスキームを構築してまいりたい、このように考えております。
○林(潤)委員 終わります。ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。本日は、周産期医療の充実について質問してまいりたいと思っております。 先般、奈良県におきまして、分娩中に意識不明になった女性が十九病院に受け入れを断られ、ついに死亡した、大変痛ましい事件がございました。この問題につきましては、先日の当委員会におきましても何度か取り上げられたテーマでございます。 私は、この妊婦死亡事件は、周産期医療体制の整備のおくれ、またその背景にある産科医、看護師などの不足がもたらす影響が大変に大きいのではないかと考えております。 この問題では、町立病院の対処が適切だったかどうか、これがまず検証されなければならないのは当然でありますが、それとともに大事なことは、なぜこの奈良県で周産期医療ネットワークの構築がおくれているのか、また、厚生労働省は、これまでも整備のおくれの目立つ各県に対し、助言指導を行って補助金の支給などをされているということも承知をいたしておりますが、それでも、周産期医療ネットワークの構築は第一義的には確かに都道府県の責任であるとして、地方にそれが任せきりになっているのではないかと改めてこの事件を契機に問う必要があると考えます。 今回の問題は、子供を産み育てる環境の整備がおくれていることへの重大な警告と受けとめ、強い危機感を持って取り組んでいただきたいと思っております。 厚生労働省としても、各県への助言指導を含め、さらに一層の積極的な取り組みが必要ではないかと思いますが、これについての御所見をお伺いいたします。
○武見副大臣 古屋委員の御指摘のとおり、この大淀病院の件、これはまことに悲惨で、あってはならないことである、こういうふうに考えます。そしてまた、このことをやはり教訓として、実際にこれからいかにこうした周産期医療ネットワークというものを充実させていくのかという、まずその基本姿勢が極めて重要というふうに考えます。 そこで、厚生労働省といたしましては、一般の産科病院等とそして高次の医療機関との連携体制を確保する周産期医療ネットワークの整備というものをこれからさらに一層進める努力をしなければならない。そのために、未整備の県、ここに早急にその整備を図るよう促する、そしてまた、整備されるまでの間の、現行体制での迅速かつ適切な医療の提供というものの確保、そして既整備の県、ここにおきましても現行体制の点検とかその充実を図る取り組みというものを実際に促するということを今厚生労働省としても積極的に取り組んでやっているところでございます。しかし、なお一層の努力を必要とするというふうに考えます。 また、先般の医療法の改正で、すべての医療機関に対しましては、安全に関する職員の研修の実施など、医療安全の確保を義務づけることとしております。そして、さらに、こうした医療事故の死因の究明が客観的に行われるということのために、事故の発生の防止、再発防止などの観点から客観的な取り組みが必要でございまして、本年度内を目途に厚生労働省から試案を御提示申し上げて、そして来年度に有識者による検討会を開催いたしまして、その議論を踏まえて必要な措置を講じることとしております。
○古屋(範)委員 今副大臣から、基本姿勢、そして今後の取り組みについてお話をいただきました。 こうした悲惨な事件があって初めて取り組むというのは非常に遅いということもありますけれども、これを機に総合周産期母子センターの設置等、各都道府県が責任を持って整備をしていけるよう、取り組みを国としてもお願いしたいというふうに考えております。 今回の奈良県の事件の報道の中で、十九もの病院がなぜ断ったのか、その理由について新聞報道等でも掲載をされております。まず、新生児集中治療室、NICUが満床であった、また、高リスク分娩が進行中であった、麻酔医の不在、帝王切開の手術中などなど、さまざまな理由が報道されておりますけれども、その大半が、満床であるあるいは処置中であるというような理由でありました。 そこで、なぜ十九もの病院が受け入れを拒否し続けたのか、ぜひ厚生労働省としても調査を行い、原因究明に全力を挙げていただきたいというふうに思いますけれども、この原因についてはどのような分析、検討をされているのか、お伺いいたします。
○大谷政府参考人 お答えを申し上げます。 今回のケースの原因の分析また検証は、こうした死亡事例の再発防止のために大変重要というふうに考えております。 厚生労働省におきまして、奈良県から事実関係について聞き取りを行いましたところ、奈良県内の二つの病院の搬送を受け入れることができなかった主な理由は、今御指摘のありましたように、新生児集中治療管理室、いわゆるNICU、また母体・胎児集中治療管理室、MFICUが満床であったためというふうに聞いておるところでございます。 それから、ちょっと補足申し上げますと、奈良県の方もその後努力を続けておりまして、平成十九年度の整備に向けて、この十二月議会に基本・実施設計の補正予算を上程するということで、MFICUの増床を現在準備しておるということも把握しておるところでございます。
○古屋(範)委員 そのような、NICUが満床であったという原因は明らかになっているわけでありますけれども、奈良県としても今後の取り組みを開始したということであります。 緊急な、高度な産科医療を担うはずの拠点病院が、新生児集中治療室などのベッドが満床であったという理由でこの受け入れを断ったということに、私は非常に強い危機感を覚えております。危険な状態の妊婦の受け入れを要請されながら、地域の中核病院が、新生児集中治療室の満床、また人手不足のために受け入れを断らざるを得なかった。現場にいた方は、心情的には何としても受け入れたいというふうにその場では思ったかもしれませんが、現実的にはそれができなかった。このケースは奈良周辺だけの問題ではないというふうに思います。 例えば、これは熊本市民病院ですが、昨年一年間で地域の医療機関からの要請件数の四割強の受け入れができていない。そして、県外の病院まで搬送された妊婦もいると聞いております。また、福岡都市圏でも、昨年主要三病院が三割から五割は搬送を断っているということ、この周産期医療を取り巻く現状は大変厳しいものがございます。 この実情をかんがみて、周産期医療を取り巻く厳しい状況の改善へ、ぜひ全国的な調査を行うべきと考えておりますが、この点はいかがでしょうか。
○大谷政府参考人 御指摘のように、人工呼吸による長期の管理が必要なお子さんなど、NICUに長期入院している患者さんが多い、都道府県によりましては、NICUの後方支援施設も含めましてその稼働率が低下しているという指摘がなされているところでございます。 こうしたことから、周産期医療ネットワークが未整備である奈良県で起きた今回のケースも踏まえまして、各都道府県において、NICUが実態としてどの程度不足しているのか、また周産期医療体制が十分に確保できているのか、こういった問題について、全国的な状況の把握について早急に対応したいと考えております。
○古屋(範)委員 ただいまの答弁のとおり、NICUが実質どのくらいあり、そしてそれが実際に機能しているのかどうか、その現実をぜひしっかりと調査していただきたいというふうに思います。 今も少し触れられていましたけれども、後方支援ということであります。 現在、我が国の乳児死亡率は世界で最も低いということで、新生児医療は大変進んでいるということが言えるかと思いますが、この少子高齢社会にあって、今後も新生児を守る周産期医療の質を向上させる必要があると考えております。 やはり、これから子供を産む方々におきましても、出産に対する不安、あるいはこういう事件がありますと、さらに恐怖というものも感じてしまうかもしれない、さらに、子供を産むことへの気持ちが後ろ向きになっていくかもしれない、そのようなことも考えるわけでありますけれども、現状のNICUは常に満床に近い状態が続いている。本来機能である急性期の患者をここに入れて救命し、治療する、そのベッドが足りないということが現場から聞こえてまいります。 その一因として考えられますのが、ここに長期入院する慢性肺疾患、また自宅や通常の障害児施設では管理できない高度の呼吸管理を必要とする超重症長期入院児の存在であります。 平成十一年度の厚生科学研究、周産期医療体制に関する研究でも、全国のNICU三百七十二施設におきまして六十日以上入院している長期入院患者数が千百五十九名に達し、そのうち自宅に退院見込みがある者が約六五%、退院の見通しの立っていない者が約二〇%であるということであります。また、日本産婦人科医会が行った調査の結果でも、一年以上NICUに入院を余儀なくされている慢性病児は日本のNICU施設の約五〇%に達しているという報告もなされております。私も、新生児集中治療室で長年入院をし、入学も迎えたというような事例も伺っております。 この日本産婦人科医会や日本医師会等から、昨年、NICUの後方支援施設の充実についての要望が出されていると伺っております。しかし、なかなか進んでいないのが現状ではないかと思います。 急性期の未熟児、新生児の治療、延命、救命というNICU本来の役割を十分果たすために、呼吸管理等も可能である慢性的な集中治療を必要とする患者のための専用施設、いわゆるNICUの後方支援施設の早急な充実に努めなければならないと考えますが、この点、大臣の御所見を伺います。
○柳澤国務大臣 まずNICUの確保が大事、そしてまたそれを取り巻くところの周産期医療のネットワークの構築が大事ということなんですが、今古屋委員の御指摘のように、NICUに長期に入院をする、そういうような患者さん、新生児の方が非常に多くて、NICUが占拠状態になっている、こういう事情がございます。 そこで、今、学会等からも御要望をいただいておりますNICUの後方支援が大事だということになるわけですけれども、私どもといたしましては、NICUの後方支援施設の運営にも資する入院医療管理料の引き上げなどの診療報酬面での措置などを進めているところでございます。 いずれにいたしましても、NICUの確保を初め総合的な周産期医療体制を整備するため、安心して子供を産み育てるためにはこの整備が非常に大事であると思っておりまして、実態把握を含め、その整備に鋭意取り組んでまいりたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 平成十七年度成育医療研究委託事業の中で、NICUの後方医療に関する研究というもの、この研究報告書が本年三月に提出をされております。 その中では、ステップダウンユニットというものが提案をされております。急性期の救命医療とともに、みとりの医療、在宅医療も含めて、総合医療が行われる小児集中治療の普及が我が国は極めて限られている、そうした中で、集中的に慢性呼吸不全を取り扱う病棟、ステップダウンユニットとこの中では言っているんですが、その有効性がこの中では訴えられております。こうした病棟では、在宅医療に向けての出口を持った病棟、またレスパイト入院などの入り口もある病棟、慢性呼吸管理、在宅移行への前向きな意識を共有するような、本来とは性格の違うこうした慢性呼吸管理病棟の設立というものもこの中では求められております。 こうした周産期医療の健全なる発展のために、後方支援施設の拡充を強力に進めていただきたいと考えております。 先日、我が公明党厚生労働部会で、周産期医療に大変熱心に取り組んでいらっしゃる鹿児島市立病院周産期医療センター部長の茨先生をお招きし、この現状と課題をお伺いいたしました。 この病院は公立病院の中でも日本でも有数の陣容を誇っている病院でありまして、その契機といいますのが、昭和五十一年、山下家に五つ子ちゃんが生まれた、御記憶にある方もいるかもしれませんが、そのときを契機に周産期医療の充実に努めてこられた病院であります。 この茨先生は、近年の周産期医療の進歩により、これまで救命不可能だった低出生体重児や、また重症新生児の救命が可能になってきている、日本の乳幼児死亡率は世界で最も低いレベルに位置されているとまず強調されたその一方で、新生児集中治療室、NICUから退院できない重症心身障害児等の長期入院が多いためにNICUのベッドが不足をしている、急性期の未熟児、新生児の治療、救命に支障を来しているという御指摘をいただきました。重症心身障害児施設でも積極的に超重症児を受け入れる体制の構築をというふうに教授は訴えられておりました。 現在、人工呼吸などを必要とする重症心身障害児に対する診療報酬加算は、超重症児加算として一日三千円、月九万円しかない。重症心身障害児施設でも、積極的にこれらの超重症児を受け入れる体制は構築をされておりません。そこで、先ほども少し大臣触れていらっしゃいましたけれども、この超重症児加算の大幅な増額、もしくは超重症児を診ている施設への運営補助金体制の新設が望まれるところではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。 平成十八年度の診療報酬改定におきましては、政府・与党の医療制度改革大綱に沿いまして、小児医療について重点的な評価を行うということでございます。 その一つの効果といたしまして、大臣からも述べましたように、NICUの後方支援のための病床における重症児の療養にも資する小児入院管理料の引き上げ等を行ったところでございます。 このため、まずはこの引き上げ措置の効果について見守るとともに、今後実施する結果の検証を踏まえまして、その後の議論につなげていく、このようにしたいと考えております。
○古屋(範)委員 次に、先ほども言われました高度な病院とそして産院との連携ネットワークという観点についてであります。 周産期施設で働く医師たちからは、NICUの整備がおくれた地域では、常に満床状態の悪循環が続いているために、施設を集約してスタッフを充実することで効率的な治療をするしかないという意見がございます。私も同感でございます。しかし、施設を集約するのであれば、当然必要なのは搬送体制の整備ということになるかと思います。 鹿児島市立病院では、新生児専用のドクターカーを使っておりまして、こうのとり号という名前をつけているそうなんですが、一人でも搬送中に状態の悪くなる不運な赤ちゃんを減らしていこう、赤ちゃんの障害なき生存を目指す目的で、二十四時間体制、医師一名、看護師一名が同乗してドクターカーを運用されているということであります。 この新生児専用のドクターカーは、搬送中に集中治療に必要な設備、大人とはサイズが違うということは当然でありますけれども、保育器による体温の維持、また人工呼吸、ブドウ糖点滴などの集中治療で脳への障害を少しでも防ごう、また、新生児の脳は非常にやわらかいと聞いておりますけれども、ブレーキをかけても圧力が変化をしないような、脳の血流、血液が逆流しないような工夫をされたベッドを設置しているということであります。二〇〇一年から六年まで、この出動件数は約七百回、年間百四十回出動をしているということであります。 このような新生児専用ドクターカーでの搬送システム、これが各地域で導入されることが必要かと思います。これだけのNICUが整っている鹿児島でも、心疾患の新生児を扱うことができないということで、福岡まで搬送するしかないということでございました。こうした新生児専用のドクターカーについてはさらに手厚い加算をすべきではないかというふうに考えますが、これもいかがでございましょうか。
○水田政府参考人 お答えいたします。 これまで新生児を救急用の自動車を用いて搬送いたしまして、医師が同乗して診療を行った場合につきましては、救急搬送診療料とその乳幼児加算、こういう形で評価を行ってきたところでございます。 御指摘のような、新生児の搬送中の診療に特別に着目した評価は現在は行っていないわけでございますけれども、先ほども申しましたように、今回、小児医療全般につきまして重点的な評価を行ったところでございますので、まずはその効果について見守らせていただきたいと考えております。
○古屋(範)委員 その検証の上で、次の改正に向けまして前向きな御検討をお願いしたいと思います。 次に、周産期医療をめぐって、病床数の不足とともに、先ほどもございましたけれども、医師不足の問題も深刻であります。 周産期医療の充実、こうした新生児集中医療の病床の拡充、これは当然といたしまして、現状を見ますと、やはり何といっても小児科医、産科医、看護師の不足、これが常態化をしており、拡充といってもすぐにというのは非常に難しい状況であろうというふうに思います。 今回の問題で、奈良県でも平成二十年一月に県立医大病院に総合周産期母子医療センターを開設することを決めたというふうに聞いております。ここでは、これまでなかった新生児集中治療管理室用の後方病床三十床も新設するという報道もございました。後方支援に大変期待をされているところでありますけれども、こうした施設整備が進みましても、やはり人材不足というのは非常に深刻であります。 さきに指摘をいたしましたように、このネットワーク整備がおくれている最大の理由というものがやはり人員の確保の問題であります。この背景に産科医また看護師の不足があることは見逃せません。 この春、日本産科婦人科学会総会で、減少し続ける産科医の実態が報告をされました。一九九四年から十年間に産科医が八・六%減少している。そのうち半数に当たる四・三%はこの直近の二年間で減っているというのが現状であります。現在の日本の周産期、新生児医療は、医療従事者の一人一人の使命感あるいは情熱によって成り立っていると言っても過言ではないと思います。医師も看護師も当直が多く、過酷な労働条件を強いられている。こうした中で、医師の養成には即効薬がないわけでありますけれども、特に産科医の養成確保についてはどのようにお考えか、本当に病院間での争奪戦が展開されているということでありますけれども、この対応について具体策をお伺いいたします。
○松谷政府参考人 産科医の総数は、小児科医と異なりまして、近年減少傾向にございます。ただし、出生数も減っておりますので、出生数当たりの産科医数はおおむね横ばいで推移しているところでございます。 しかしながら、先生御指摘のとおり、地域の偏在がございまして、特定の地域におきまして産科医の不足感、大変強くなっているということで、その養成確保というのは重要な課題であると思っております。 産科医の養成につきましては、医師国家試験におきまして産科に関する基本的な知識、技能を問うとともに、平成十六年から開始しております臨床研修制度におきましても、産婦人科を必修科目とすることによりまして、周産期医療についてもきちんと研修をするということなどの取り組みを行っているところでございます。 平成十八年三月に臨床研修を修了する研修医に対して調査を行ったところでございますけれども、それによりますと、産婦人科を希望すると答えた医師は四・九%いらっしゃいまして、今の若い二十代のお医者さんで産婦人科をやっていらっしゃる方は四・二%ぐらいでございますので、これを考慮しますと、これまで並みあるいは若干希望者が多くなっているというふうな状況でございます。若いドクターが産科の研修を、必修でございますので必ずやって、そこで嫌になるということではなくて、そこへ進む方もそれなりに出てきているということは私どもは大変うれしいことだと思っておる次第でございます。 産科医確保を含みます医師確保につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、本年八月に新医師確保総合対策を策定したところでございまして、産科につきましては、特に拠点病院づくりなど地域の実情に応じた医療機関の機能分担と連携を図るということが必要であると考えております。国といたしましても、医師確保対策の積極的な取り組みに対する都道府県への予算面での支援、さらに地域医療支援中央会議などを国に設置いたしまして、医師確保に関する助言指導等を行うということを検討しているところでございまして、今後とも努力していきたいと思っております。
○古屋(範)委員 最後の質問になります。 産科医不足の理由といたしまして、医療事故発生により訴訟を起こされるというのが一因であるというふうな指摘がございます。こうした出産をめぐって刑事責任が問われる事件が相次いでおりまして、萎縮した医師が難しい出産を避け、より高度な医療機関に任せる傾向が強まってきております。こうした産科医療におきまして、脳性麻痺など分娩にかかわる医療事故の発生により多くの訴訟が提訴されていること、これが産科医になりたくない、産科医不足の理由の一つになっていると考えられます。 私たち公明党も、福島豊議員を中心にいたしまして、本年、有識者による、海外の制度を学ぶなど検討を重ねてまいりましたのが無過失補償制度の整備でございます。この無過失補償制度の一刻も早い創設について、大臣の御見解を伺いたいと思います。 また、この産科医療にとどまらず、将来においては、医療事故の報告制度、裁判外紛争処理制度、無過失補償制度を一体的な制度として創設すべきと考えますが、この点について御見解をお伺いいたします。
○柳澤国務大臣 古屋先生御指摘のとおり、産科のお医者様の萎縮ということがあってはならないわけでございまして、そのためには、一定の確率で生じてしまう脳性麻痺の新生児などの問題に関しまして、無過失補償制度の御要望がかねてあったところでございます。 この制度を仕組むことによって安心できる産科医療を確保できるという観点から、先日、今お触れになりましたように、御党からは福島豊先生、それから我が党の方は大村秀章筆頭理事などが中心になったと伺っておりますが、そういう与党の協議会の方から枠組みが示されたところでございます。厚生省といたしましても、これを尊重して、関係省庁間の連携を図りながら早期の具体化に向けて取り組んでまいりたい、このように思います。 なお、先生から、それに加えまして、医療事故に関する死因の究明や裁判外紛争処理のあり方についてどうかというお尋ねもございましたが、これにつきましては、本年度内をめどにまず厚生省案を提示いたしまして、その後において、来年度に有識者による検討会を開催し、そうした議論を踏まえまして必要な措置を講じてまいりたい、このような方針で進んでいるところでございます。
○古屋(範)委員 さらなる周産期医療の充実を求めまして、質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。 障害者自立支援法の施行に伴いまして、障害者福祉政策は障害者の就労へと根本的に大きく大転換をしているところでございます。しかし、授産施設におきまして知的障害者に対し労働基準法の適用除外をしている、昭和二十六年十月二十五日、基収第三八二一号の通知を早急に見直すべき、こう考えておりますので、質問させていただきたいと思います。 まず、なぜ適用除外としているのか、その理由を教えていただきたいと思います。
○青木政府参考人 昭和二十六年の労働基準局長通達についての御質問でございますけれども、これは、当時、都道府県労働基準局長に対し、旧厚生省の社会局長からの授産事業所に対する基準法の適用の有無についての照会に対する回答、これを了知の上、基準法等の適用を行うということを指示したものでございます。これらについては、五つの要件を示して、これをすべて満たす授産施設に限り労働基準法の適用はないといたしているわけでございます。 この通達は、授産施設における労働基準法の適用範囲を明らかにしたものでございまして、これで適用除外をつくったというものではございませんが、そういう意味で適用するものとしないものをきちんと分けるということで示したものでございます。
○内山委員 それでは、適用除外とするための要件をお尋ねしたいと思います。
○青木政府参考人 今、五つの要件ということを言っておりますけれども、一つは授産施設の作業員の資格、それから作業員に関する主な要件としては、作業員の出欠、作業時間、作業量などが作業員の自由であり、施設側が指導監督をしない、それから、同一品目の工賃は、作業員の技能により差別を設けず同額である、それから、作業収入はその全額を作業員に支払うというものでございます。
○内山委員 今、四つまでじゃありませんか。
○青木政府参考人 失礼しました。 それから五つ目が、授産施設の運転資金等については授産施設の負担においてなされるものという、合わせて五つです。
○内山委員 ただいまお話しいただきました要件の二番に、「授産施設においては、その作業員の出欠、作業時間、作業量等が作業員の自由であり施設において指揮監督をすることがないものであること。」とあります。 具体的にお尋ねをしたいと思うんですが、一つの授産施設では、知的障害者である作業員に対し、勤務時間を設定しタイムカードで出勤を管理、作業収入を月額の訓練生手当として支給し、遅刻、早退、欠勤控除によって減額を行っています。この件は要件の二としていかが判断をしますか。
○青木政府参考人 ちょっと今お話にありましただけではにわかには判定しがたいと思います。 一般的に言えば、今申し上げたその条件と合わないということだろうと思いますが、例えば、タイムカードの打刻についても、その作業員の、作業になれる、そして働くことにつなげるためのいわば訓練の一環として行われているという場合もあります。そういった場合には、ここで要件として上げています作業時間の監督と言えない場合もあるということでありますし、工賃の減額につきましても、例えば、工賃が一定額で決まっていて、休めば作業量が当然減りますが、そういった成果物が少なくなったということで自動的に額が少なくなるということもあります。 一概には言えませんけれども、そういうことではなくて、遅刻、欠席によって直ちに制裁的に減給をするというようなことであれば、やはりこういったものに抵触をしてくるということになるだろうと思います。
○内山委員 続きまして、要件の四に「作業収入は、その全額を作業員に支払うものである」とあります。ここの授産施設では作業賞与というものを年三回支給しておりまして、計算方法は、四カ月ごとの作業収入の半額をまず施設側が受け取ってしまいまして、その残りを訓練生の全員の出席日数と個人の稼働日数で計算をして支払っている、こういうケースはいかが判断しますか。
○青木政府参考人 それも、ちょっと今聞いただけでは直ちに、そのほかの条件、要件、事情があるのかどうかというのを調べてみないと何とも言えませんけれども、作業収入は、その全額を作業員に支払うものであることというのを一つの要件にいたしておりますので、こういった要件に当てはめをしまして、授産施設が労働基準法の適用事業になったりならなかったり、あるいは、なった上で労働者性があるかということで個別具体的に判断をして労働基準法上の保護を受けるということになるというふうに思っております。
○内山委員 それでは、作業環境面でお尋ねをしたいと思うんですが、この授産施設に行っているところが、洗濯作業を行っている作業所が、室温が四十五度ある、健常者でも非常に過酷な労働で倒れてしまう環境下において、知的障害者にはとても無理な仕事をさせているという実態があるわけでありますけれども、こういう状況の作業環境下はどのように判断をしますでしょうか。
○青木政府参考人 これも、ちょっと事情を具体的に承知をしておりませんので何とも言えませんけれども、今のお話のように、四十五度ですか、大変なところで、暑熱作業でなおかつ一定の冷房設備だとか休養だとかそういったことがないというようなことがあれば、快適な職場とは言えないのではないかというふうに思います。 ただし、私の方は、先ほど申し上げましたように、基準法、安全衛生法上の適用に当たりましては、まずもってその労働者性の判断、事業主性の判断、そういったものが必要だというふうに思っております。
○内山委員 適用事業所とするか、適用除外とするか、これは現場で、現場に行ってその都度判断をする形になるんでしょうか。
○青木政府参考人 労働関係法規はおよそそうであると思いますが、労働関係、日々さまざまなところで生じているわけでございますので、個別具体的に判断をするということをいたしております。 ただ、そうは言いましても、基本的な考え方でありますとか代表的なものについては、できる限りその具体的な例を示したり、考え方を示したりいたしまして、斉一的な取り扱いをするように努力をいたしているところでございます。
○内山委員 授産施設であれば一概にすべて適用除外というふうにしているのでしょうか。それとも、個々に適用除外を申請するんでしょうか。
○青木政府参考人 適用するかしないかということは個々に判断をしていくことでございますので、とりたてて適用除外申請というようなことをするということではございません。個々具体的ないわば作業所、事業所について、実態的な判断をしていくということでございます。
○内山委員 そうしますと、この五つの要件に合致していないと思われるところは、どのように判断をするんでしょうか。申告があってから現地調査に出向くということでしょうか。
○青木政府参考人 委員が今おっしゃいましたように、申告という制度も、労働基準法上労働者の権利として保障されております。それで、そういうことによって申告を受けてそれぞれの事業所に赴くということももちろんございます。多くは、事前通告なしに労働基準監督署から事業所に適宜監督に立ち入るということをいたしております。
○内山委員 現地に行かれまして、個別具体的なところを御説明いたしますので、調査をぜひしていただきたいな、こう思っております。 この労働基準法の適用除外が、結果的に劣悪な作業環境を容認、助長する形になっています。障害者自立支援法が目指す就労促進、やはりきちっとした法整備をしなければ、福祉の美名のもとに、障害者は日本国憲法の第十八条が禁じる奴隷労働を強いられている現状だと私は認識しておりまして、労働基準法の第一条というのは、労働者が人たるに値する生活を営むための最低の基準なんですね、その最低の基準ですら適用できない環境下に今あるわけであります。早急にこの通知を撤回して、各それぞれの授産施設をやはり私は調査すべきだ、こう思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 非常に難しい問題状況を御提起いただいていると思います。 障害者の自立支援のための就業ということで、福祉の面は当然あるわけですけれども、同時に、就業ということで、労働者としての基準法の遵守の問題、あるいは労働条件の確保の問題もある、こういうことでございますが、仮に労働基準法にぴたり当てはまらない場合でも、障害者をいわば過酷に使役させるということはあってはならないことだと私は思うのでございます。 これは、労基法そのものが適用されるという以前に、やはり労基法の精神で、労働者としての側面も保護されるというような考え方でそこが何か整理できないのかということで、これから勉強させていただきたいということを申し上げたいと思います。
○内山委員 ぜひ大臣、自立支援法が施行されていますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 それでは、テーマをかえまして、通告している順番とはちょっとかえてお話をしたいと思います。離婚時年金分割についてお尋ねをしたいと思います。 十九年の四月から、十六年年金改正法によりまして、離婚時の年金分割が行われるようになりました。この離婚時年金分割の中で、夫から妻へ厚生年金の保険料納付記録、そして妻自身の厚生年金の保険料納付記録といいますか、被保険者期間の合計の月数が二百四十月以上になりますと、六十五歳時点で、夫の加給年金が支給対象となっている妻が六十五歳になりますと、加給年金が形を変えて振りかえ加算という形で現在受給できるわけでありますけれども、この離婚時分割の法改正によりまして、十九年度、六十五歳以上になる方の振りかえ加算、これが、二百四十月以上になると支給を停止されてしまう、非常にやはり今までと違ったところの仕組みになってしまう。 振りかえ加算というのは生年月日によって金額が違いますけれども、年額約十三万円から十六万円の金額があるわけでありますけれども、なぜこの振りかえ加算まで、離婚時分割によりまして、ケース・バイ・ケースで二百四十月以上になる方の支給を停止する、そういう仕組みにしたのか、その理由をお尋ねしたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のとおり、来年度実施されます離婚分割につきましては、保険料納付記録の分割という方法をとり、御主人といいますか、配偶者が亡くなったら年金が分割したのがなくなるというようなことがないように、記録をベースにして実施するということになっておるわけでございます。 その際ということでございましたけれども、一方、この離婚分割制度の有無にかかわらず、老齢基礎年金を導入いたしました際に、被用者の配偶者も強制加入となったわけでございますが、一定年齢以上の場合には加入期間が短いということから基礎年金も低額とならざるを得ないではないか、それでは、配偶者に係る加給年金額を配偶者本人の老齢基礎年金に振りかえて加算しようということで、経過的な仕組みとして導入されておるものではございますが、この加給年金と振りかえ加算というのはある種一体的な性質を持っておるものでございます。 配偶者自身が二十年以上の加入期間を持ち、厚生年金もみずから受給するというようなときには、今般の離婚分割があるなしにかかわらず、加給年金とかこの振りかえ加算というものは扶養的な意味を持っておりますので、これを支給しないというルールが基本にございました。そうした中で、今般のこの離婚分割というものがまた重なって出てきた、こういう御指摘だと思います。 大変悩ましいところなんでございますけれども、この振りかえ加算といいますのも、その淵源が、年金受給を始めたときに生計維持されていたという、養われていたということをベースにしておるものでございますから、離婚をしてしまった後にも出るようにというのはなかなか困難であるというのが考え方であると思っております。
○内山委員 今の御説明ではちょっと違うところを私は指摘しておきたいんですけれども、現在の法律では、六十五歳以上で振りかえ加算をもらった妻は、夫が死別しても、離婚しても、その後、振りかえ加算は支給停止にならないんですよね。そうなんです。でも、十九年の四月以降の離婚でありますと、六十五歳以降でもう現に振りかえ加算をもらっている皆さん、その方が、夫から納付記録をもらい、御自身の納付記録と合わせて二百四十月以上に達する人は、振りかえ加算が年額十三万から十六万円、支給がなくなってしまう、これは非常に大きなことであります。 女性の年金を守るためにこういう年金分割というのはされているはずなんですね。この離婚時分割は女性に朗報だと、いろいろマスコミ等にも書いてありますけれども、しかし、十三万から十六万という金額というのは、一般的サラリーマンと婚姻をしていた期間に直しますと約八年ぐらいの金額になろうかと思うんです。その分がなくなってしまう。 しかも、今現在、この仕組みになるということは周知されていないんですね。ごくごく一部の専門家しか、こういう問題点があるんじゃないかと非常にやはり危惧をしておりまして、この周知不足、ここが非常に、やはり一つ問題があるな、こう思っております。私の知り得るところでは、社会保険事務所のネットワークLAN、クローズのLANの中には現場の社会保険事務所と本省とのやりとりが、既にこの問題が上がってきているはずですけれども、このような問題をなぜいち早く周知しないのか、これをぜひお尋ねしたいと思うんです。
○青柳政府参考人 制度運用の周知の問題でございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。 先生のただいま御指摘いただきました問題以外にも、十九年の四月に、十六年改正に伴いまして、新しく法改正が行われます事項が幾つかございます。 私どもといたしましては、これらの事項について、それぞれ、具体的な仕組みが完全には詰まり切っていない部分も残念ながらあるものですから、これが整理できたところで、十九年四月からいろいろな仕組みが変わっていくということを少し体系的にお伝えする方法を現在工夫している最中でございますので、これまでそこが不十分であったという点についてはおわびを申し上げますけれども、今後、十九年の四月の施行に向けて、私どもとしても、周知の仕方をいろいろ工夫してまいりたいというふうに考えております。
○内山委員 今現在の年金相談なんかで指導されている内容では、女性は六十五歳以降の離婚がお得だと。それは、振りかえ加算をもらってから離婚した方がいい、死亡しても離婚しても、もらった振りかえ加算は御自身の老齢基礎年金と一緒に将来受給できる。しかし、今、その考えの延長線上で、十九年四月以降も、振りかえ加算をもらった後、さらに夫から離婚時分割によって年金をもらおう、そうもくろんでいる人たちは確かに多いんじゃなかろうか、こう思っておりまして、ですから、いち早くその辺は周知すべきだと私は思っております。 正しい周知の徹底と、それからもう一つ、社保庁の隠ぺい体質ということを指摘しておきたいと思うんですけれども、ネットワークLANでこの問題を取り上げているはずなんですよ。十月二十三日にネットワークLANに出ていると思います。そういうことがわかった段階で、やはりもっと早く情報を出さなければならないと私は思っています。ぜひともそこは、きちっと国民にわかるように、早目に周知をしていただきたい、こう思っております。 それでは、テーマを変えていきたいと思います。 同じく、十月一日から社会保険業務処理マニュアルというのを社会保険庁の方でおつくりになっていると思います。今まで全国統一をされていなかった用紙とか、それから添付書類とか、窓口の対応とか、こういうばらばらだったものを、全国統一で、どこでも同じ用紙で、どこでも同じサービスが受けられる、こういうものが十月一日からできているわけであります。そもそも、つくったその一つの大きな理由には、国民年金の不正免除、こういったところもやはりあるんだと冒頭書かれているわけであります。 やはり現場の、本当に細かいことのお尋ねなんですけれども、健康保険証が窓口で即日交付されない、マニュアルには、後日郵送で送るというようなことを書いてあります。私は、保険証ぐらい何で窓口で簡単に交付できないんだろうか、後日送るとなれば当然送料もかかるだろうし、そういう思いがするんですけれども、まず、なぜ保険証を窓口で交付しないのか、その理由をお尋ねしたいと思います。
○青柳政府参考人 お答えを申し上げます。 社会保険庁におきましては、事務処理の効率化を図りたいという意図のもとに、社会保険事務局、これは県単位にあるわけでございますが、この事務局単位で事務センターというのを設置いたしまして、個々の社会保険事務所で行っておりましたさまざまな仕事を事務センターに集約する、入力を外注化するということで効率化を図る、そのことによりまして人員をシフトし、例えば国民年金の収納対策の強化といったところに振り向けるというような取り組みをさせていただいております。 このような一連の流れに従いまして、ただいまお話のございました健康保険の被保険者証の交付につきましても、原則、事務所の窓口での即日交付ということではなく、事務センターへ集約をして郵送でお送りするというふうに、今御紹介のございました社会保険業務処理マニュアルに定めさせていただいたところでございます。 ただ、これについても、例えば、いろいろな事情があってどうしても即日でないと支障が生じるというようなことを個別に被保険者の方から御案内等があった場合には、可能な限りこれに対応するように現場を指導させていただいておりますので、なるべく被保険者の方には御迷惑をおかけしないように、しかし、あわせて業務処理の効率化を図っていくということで進めさせていただいているということに御理解を賜りたいと存じます。
○内山委員 このマニュアルは、全国統一、どこでも同じ基準でというふうに冒頭書いてあるわけでありますけれども、しかし、東京都の社会保険事務局の場合には窓口で即日交付しているんですね。埼玉や神奈川や千葉ではできないんですよ。この相違点は何でしょうか。
○青柳政府参考人 これは、同じく、業務処理マニュアルを実施したときの通知にも書かせていただいておりますが、実は、事務センターで業務を集約すると申しましても、物理的な意味からこれが一遍に全国の事務局において集約ができない場合もございます。特に今お話のございました東京都でございますけれども、これは、はっきり申し上げまして、相当量の事務を集約するということになりますので、入力業務の集約のための事務処理のスペースの確保が大変困難であるという事情がございます。 したがいまして、東京都におきましては、一部の入力業務を除きまして各社会保険事務所の事務室内において、しかし入力業務そのものは民間の派遣職員の方が行うというやり方で被保険者証の交付をしている。社会保険事務所の窓口で行っているがために即日の交付が可能になっている部分があるということで御理解を賜りたいと存じます。
○内山委員 社保庁といいますと、やはり今まで委員会でいろいろな審議をしてきておりまして、どうも真正直に聞けないところがございます。 入力業者の選定、どのような形で、基準で選んでいるんでしょうか。
○青柳政府参考人 社会保険庁の調達契約につきましては、過去に大変不透明な点をこの委員会においても御指摘いただいたところでございます。 現在、私ども、物品等の調達に当たりましては、競争性の向上それから透明性の確保という観点から、原則、競争入札あるいは企画競争に付すということでやらせていただいております。 健康保険あるいは厚生年金、国民年金の届け出書等の入力業務、これを、先ほど申し上げましたように、派遣という形でやらせていただいておるわけでございますが、この契約につきましても、各社会保険事務局におきまして、一般競争入札により業者を決定しておるところでございます。
○内山委員 入力業務を業者委託する、それで浮いた人員を他の部署の要員に回す、こういうことだろうと思うんですが、費用対効果は一体どうなのか、非常に疑問に思うんですが、何か実績で示していただけませんでしょうか。
○青柳政府参考人 費用対効果を示す示し方は、なかなか技術的には難しい点もございます。 まず、そもそも集約をすることによってどういう形で得失があるかというところから御説明を申し上げますと、集約化をいたしました入力業務について、特に外注化に要しました経費につきましては、届け出書等の入力業者への委託経費や、事務所と事務センターの間の届け出書の搬送経費、先ほど御指摘もございました、こういった経費がかかるわけでございます。 どこの場所でもよろしいかとは思ったんですが、一例として、埼玉県というのがちょっとお話で出たようでございますので、私ども調べさせていただいております。平成十七年度におきます厚生年金や健康保険の経費、ただいま申し上げたような経費は、約千二百万円かかっておるようでございます。これは、先ほど申し上げましたように、一般競争入札により可能な限りこの経費を抑制するということでございますが、その一方、効果といたしましては、集約化に伴いまして、事務の効率化により生じた要員効果というのが一番大きいというふうに考えております。 具体的には、今申し上げました埼玉の社会保険事務局におきましては、要員シフトということで、職員約二十三名分が国民年金保険料の徴収業務にシフトしておりますので、単純に比較をいたしますとすれば、千二百万円と職員二十三人分の人件費というのが一つの目安になろうかと考えております。
○内山委員 これから、全国でそういう形で、費用対効果で、さらに税金の無駄遣いを改めていっていただきたいと思います。 時間が途中になりましたので、また後日、引き続きこの件はお聞きしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○櫻田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。郡和子君。
○郡委員 民主党の郡和子でございます。午後の審議もどうぞよろしくお願いをいたします。 午前中、自民党の加藤委員からも御地元の難病のお子さんのことを例に引いて御質問がございましたけれども、私も難病対策について御質問させていただきたいと思います。 私の地元の宮城県にも、FOP、進行性化骨筋炎を患っている十歳の男の子がおります。地元でも大きな運動が繰り広げられまして、過日、十三万人を超える署名を厚労省に届けたというふうに伺っております。早くこのFOPを特定疾患に認めてほしい、そういう要望が届いているということだと思いますけれども、平成十六年の七月、特定疾患対策懇談会で、特定疾患を決定するより明確な基準を設定すべきだとの意見が出されまして、平成十七年度から、治療に当たっている医師や研究者などの協力で基準づくりのデータ収集が行われていると聞いております。FOPにつきましてもデータが集められていることを確認させていただきました。 ところで、この難治性疾患克服研究事業の対象疾患の見直し、新規の特定疾患の選定というのはいつごろになるのでしょうか。まずお尋ねいたします。
○石田副大臣 お答え申し上げます。 特定疾患治療研究事業は、希少難治性疾患の克服を主な目的として実施されております。対象疾患は、もう先生御存じのとおり、一つは原因不明、二つが効果的な治療法が未確立、患者数が少ない、これは希少性です、四番目に生活面で長期にわたる支障を来す、四つの要件をすべて満たして、全国規模で研究を行わなければ原因の究明や治療法の開発が進まない、こういう疾患でございまして、医学、医療の専門家から成る特定疾患対策懇談会において選定をされております。 現在、その懇談会では、患者数が少ないという要件を満たさなくなった疾患についての見直しの議論が行われておりまして、その議論の中で、見直しを行った後に新規疾患の追加を行う必要がある、こういう意見もございました。この懇談会におきまして現在の議論がまとまれば、その後早い時期に新たな疾患の選定についても検討が行われるものと考えておりますし、今先生がおっしゃいましたFOPにつきましても、認定をしてほしい、こういう要望が出されております。
○郡委員 この新しい認定、指定につきましては懇談会の検討の結果を見てからということになるんだろうと思いますけれども、それでは、その懇談会の検討についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 ことしの八月九日、厚労省健康局の特定疾患対策懇談会、これは、パーキンソン病と潰瘍性大腸炎について希少性の要件に該当するよう対象者の範囲の見直しを行う、重症度の範囲を検討するということでありました。これはすなわち、重症度分類による適用範囲の縮小の方向を打ち出したものでございます。 これは、平成十四年八月、厚生科学審議会疾病対策部会の難病対策委員会で中間報告が出されておりますけれども、その中で、特定疾患の患者数が五万人を上回った疾患を引き続き特定疾患として取り扱うことが適当かどうか定期的に評価を行うことについて検討する必要があるという、この指摘を受けてのものだと思います。 そもそも、検討を行っている特定疾患対策懇談会というのは、専門的なお立場で医師らが疾患の選定について討議、懇談をする場所であります。今回のように、ある特定疾患に対する事業の適用範囲の問題ですとか、この事業の根幹にかかわる位置づけですとかあり方についての話し合いというのは、難病対策全般にかかわることでありますので、この懇談会において行われるというのが妥当であるかどうか。実は、昨日も参議院の委員会におきましてこのような指摘がなされました。大臣は問題がないという趣旨の御答弁をされておりますけれども、本来は、患者代表も委員となっております厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会において審議がなされるべきものだというふうに思っています。 中間報告を受けて討議された懇談会の意見、結論というのはこの審議会に戻して、しっかりと、当事者の生活実態も踏まえたような形で、総合的な視点からもう一度議論されるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 今回の特定疾患の対象者の見直しの動きと申しますのは、平成十四年八月の厚生科学審議会疾病対策部会の難病対策委員会中間報告において、対象となった後で患者数が五万人を上回るような疾患については引き続き特定疾患として取り扱うかどうかという問題提起を受けて、これについて検討されていることを受けて議論されている、こういうことでございます。 そういう大枠の中で、具体的に個別の疾患が今言ったような見直しの対象になるかどうかという問題については、従来、昭和四十七年に設立されました特定疾患対策懇談会でもって、医学、医療における専門家によって専門的に検討をされる、こういう仕組みになっております。四十七年から、もう相当古い話ですけれども、この疾患の選定等について当たってまいりまして、非常に権威のある懇談会であると私は思っているわけでございます。そういうことでございますので、今回はと申しますか、この見直しの作業はそうした一連の手続の中で整々と進められるべきである、このように考えております。 今回の対象者の見直しに当たって、今郡委員の御指摘になるような患者団体の方々の御意見というものは、この特定疾患対策懇談会の場においてヒアリングなどを行うことによって実情を踏まえた討議が行われておる、このように承知をいたしております。 さらに、この懇談会は平成十八年度から議事を公開開催しておりまして、議論の透明性の向上も図られておるところでございまして、このように、特定疾患対策懇談会においての議論というものが適切であると考えておるということでございます。
○郡委員 今、大臣、長く御答弁いただきましたけれども、短目に御答弁をお願いしたいと思います。 懇談会の運営方針というのが手元にございますけれども、特定疾患治療研究の対象疾患の選定などを懇談するというふうなことがこの会の目的でございまして、今私が申し上げましたように、難病対策の全体にかかわる話は、こういう一諮問機関で、しかも、この病気がいいのかどうかということを選定することを検討する委員会が決めていいのかどうかということを重ねて申し上げたいと思います。 厚生労働省の健康局疾病対策課によりますと、特定疾患治療研究費補助事業の対象疾患というのは、先ほど御説明もございましたとおりに、難治性疾患克服研究事業の対象疾患の中から、特定疾患対策懇談会の意見を聞いて選定しているということでございます。そして、その対象疾患というのは、先ほど上げられた四つの要件から選定しているという説明でございました。 そして、その希少性についてですが、これは「患者数が有病率から見て概ね五万人未満の疾患とする。」というのが平成九年三月十九日に出されているわけなんですけれども、これは五万人未満というのはそもそも二つの事柄からであろうというふうに言及しています。 その一つというのが、平成九年の報告当時の特定疾患、百十八疾患でございましたけれども、その百十八疾患の現状がおおむね五万人未満だったということです。これは、その前の前の年、七年度末の受給者証をもとに、その交付件数が最も多かったところがこの数でございました。 そして、もう一つの説明に使われることが、いわゆる希少疾病用医薬品等の指定制度、いわゆるオーファンドラッグにおける対象疾患、これが五万人未満であるということのようであります。 しかし、アメリカのこのオーファンドラッグの基準というのは二十万人未満とされておりまして、人口十万人当たりにしますと六十七人です。ちなみに、EUでは五十人です。日本は、これに換算しますと三十九人です。アメリカの二十万人規模ということにしますと、日本においては八万五千人程度になるというふうになります。 午前中の審議でも加藤委員とのやりとりの中でございました、このオーファンドラッグという制度、患者数が少なくて原因の究明も進んでいない疾病の場合に、開発リスクが高くなって、市場が非常に小さいために発売しても利益が見込めないなどの理由で、営利を目的とする製薬会社によって生産が見込めないだろう、こういうような医薬品であります。こういったものに対して、研究が進むように、国が研究開発への助成や税制優遇措置、また優先的な承認審査などの支援措置をとっていくという制度であります。 確かに市場原理にゆだねていたのでは、難病など希少性の疾患に対しての治療というのが進みませんから、それを政策目標に掲げていて、それに製薬会社を誘導するための制度であろうと思いますけれども、この五万人という数、これは懇談会の委員からも理論的な正当性はないというふうに一言に付されているわけです。オーファンドラッグの制度の趣旨と、それからまた特定疾患治療研究事業の趣旨とは、これは別次元のお話でございまして、その基準、線引きというのをそのまま持ち込んでくるというのは妥当性に欠けるのではないかと思われますけれども、いかがでございましょうか。
○外口政府参考人 特定疾患治療研究事業の希少性についての考え方でございますが、患者数が少ないために研究体制の構築が困難な難治性疾患に重点化した特定疾患対策が疾患の原因究明や治療法開発に貢献してきたことは評価に値するということは難病対策委員会の報告書にも書いてありますけれども、それと同じ考えでございまして、それで、類似の制度として、確かに患者数の少ない、いわゆる希少疾患に対して研究者の目を向けさせ研究体制を構築するという観点で希少疾病用医薬品の指定制度というのがオーファンドラッグの制度として対象疾患五万人というのであるわけでございます。 それで、考え方が類似しているものでございますから、平成九年三月の特定疾患対策懇談会におきましては、これを一つの目安として、対象を患者数がおおむね五万人未満の疾患と考えたところでございます。 実際、いまだ事業の対象となっていないほかの希少な疾患について研究の推進をどう求めるかという意見もございまして、そういった観点の中で今議論が進んでいるところでございます。
○郡委員 ですから、それらの制度の基準値とされる五万人をそのままこれに持ってくるのは妥当性がないのではないですかということを申し上げました。 そもそも、昭和四十七年当時、難病対策要綱では、難病の範囲というのを二つ制定しております。それは、原因が不明で、治療法が未確立、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病であるということ、そして二つ目は、経過が慢性にわたって、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病、この二つに定義されたわけであります。特定疾患の選定ですとか総合的な難病対策のあり方について審議会等で検討する場合には、この二つの定義に立ち返って議論を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。 それから、お薬の承認がおくれているという議論が午前中もございましたけれども、私も、パーキンソン病と、それから潰瘍性大腸炎についてのお薬についてもお尋ねしたいと思います。 パーキンソン病の新薬、これの承認も大変おくれているというふうに指摘されています。特効薬とされておりますLドーパの効果を長引かせたり、それからまた脳の必要な場所に効果的に届けたりできる薬でスタレボとメネシットCRというのがあるそうでございます。この薬の服用で日常生活の改善ですとか、それから副作用が軽減されるということもあって、これを早く使いたいという患者の方々からの御要望も多いと聞いております。既に欧米では五年ぐらいの実績がありまして、患者さんたち、大変心待ちにしております。メネシットCRについては日本神経学会が医師主導治験に要望を出しているようでございますけれども、これが治験に行く、そしてまた承認を得るまでにはまだ数年かかる見通しだということです。 それから、潰瘍性大腸炎につきましても、懇談会においてIBDの方からございましたブデソナイド、それからアサコールという薬があるそうで、これは欧米では十年以上も前から大変効果がある薬として使われているということです。 これらの薬、我が国ではいまだ使うことができなかったり、ようやく治験の段階に上がろうというところだそうで、こういった海外でしっかりとした効果が確認されている薬については一日も早く承認できる制度、あるいはその体制整備をしていく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 海外で承認されているものの、国内で承認がなされていない、あるいは申請も出ていない、そういった医薬品の中で早期に使用の機会を患者さんに提供することが必要だというふうなものはどういったものがあるかということにつきまして、専門家にお集まりいただいて、現在、未承認薬使用問題検討会議というものを設置いたしております。 そこで、そういった医薬品について、我が国において早期に患者さんに使用機会を提供する必要がある、こう判断されたものについては、開発企業に対して治験の開始の要請を行う、あるいは治験や何かに入ってくる企業も国としても探す、あるいは申請があった場合には優先審査を行う、こういったやり方を今とっております。これは、これまでに三十三の医薬品につきましてゴーサインを出しまして、それにつきまして、今現在もう既に承認をとったもの、あるいは現在治験中のもの、それから開発要請しているもの、そういったものが現在ございます。
○郡委員 何か全然お答えいただいたような気がいたしませんでした。 日本では、これまでも何度か機会があるごとにお話をしておりますけれども、海外で非常に効果が上げられている、いわゆる世界標準治療薬というふうに呼ばれているものの承認がなかなかできないでいる、治験にもなかなか上がってこないという状況。一方で、薬害というものが後を絶たないというのが、この国の薬事行政のあり方、抜本的に見直す必要があろうかと思います。これもまた後々お尋ねしたいと思います。 今、お話戻りまして、難病の薬ですけれども、これも一日も早く、患者さんたちが待ち望んでおられる、お医者さんたちも使いたいと言っておられる、こういうものについては早急な対応をしていただくように御要望申し上げます。 それと、今般、大変患者の皆さんたちが心配されているのが、軽症者と呼ばれる方々を除外していこうという動きでございます。これに対しての弊害を上げさせていただきたいと思います。 厚生省の職業安定局の難病の雇用管理のための調査・研究会による難病患者の雇用管理・就労支援に関する実態調査、これは平成十七年の一月から三月まで全国で行われた調査のようでして、ことし三月に発表になっているものですが、これによりますと、潰瘍性大腸炎の患者さんの五〇・九%が症状がよくなったり悪くなったりを繰り返す状態であって、進行性の難病であるパーキンソン病の患者さんは、三〇・七%がやはり同じように悪くなったりよくなったりを繰り返して、五八・四%は悪くなる傾向にあるということでありました。 第一回懇談会に出されていた参考資料、「潰瘍性大腸炎 重症度分類による患者数の変化」、これではおよそ六六%の方が軽症だとみなされておりました。このことに関して、第二回の懇談会で、六六%が軽症者だというふうにされているけれども、この中には副作用の強い薬剤を使ってどうにかこうにか状態を保っている人たちも含まれているんだ、こういう人たちを軽症扱いにしていいものなのかという疑問が投げかけられております。そしてまた、高いお薬を使って、副作用もあるんですけれども、何とか症状を和らげているのに、こういうふうな患者さんたちに対して、軽症だという認定で切り捨てられてしまったということになると、これは非常に大きな問題だと、この懇談会の中でも委員の方々がお話しになっております。 病状が不安定な軽症者の方々、これを除外するというのは大変不適切だと思いますけれども、これについてはどういうお考えでしょうか。
○外口政府参考人 特定疾患対策懇談会におきましては、検討の過程において、患者団体の方からのヒアリングを行い、また厚生労働省としても、患者団体との意見交換の場を設けるなど、患者さんからいろいろ御意見をお聞きしております。私も、こういった場と別に、パーキンソンの患者さんたちのお話も聞きました。また、あわせて、今四十五の医療費助成を受ける疾患以外の百二十一にも入らないような、先生、先ほどおっしゃったFOPの患者さんにもお会いしてお話を伺いました。 こういった中でいろいろ議論を進めているわけでございますけれども、確かに、軽症者の方をどうするかという議論はございます。ただ、一方で、制度の目的はやはり、受診の促進というよりは、希少な疾患の研究の促進、治療法の開発ではないかという意見もございます。そして、その際にやはり、既存の制度を受けておられる患者さんの軽症者の方と、それから制度の枠の中にも入れない、もっと希少な疾患とどう整合性をとるか、今そういうような議論をしているところでございます。 いずれにいたしましても、特定疾患対策懇談会における御議論の結果も踏まえて、よくよく考えてまいりたいと思います。
○郡委員 局長、もう一つ指摘をさせていただければ、やはり軽症者を外していくということになりますと、難病、その病気の全体像という調査研究が目的である事業でもあるわけですから、これが崩れていってしまうということにもなるわけです。軽症者の方々を安易に外す方向では困るということを重ねて申し上げたいと思います。 そもそも、この懇談会の委員の皆さんたちの発言を見ておりますと、やはり予算の制約を議論の出発点にしておられる。対象範囲の限定、それからパーキンソン病と潰瘍性大腸炎の事業の適用患者数五万人未満への抑制というこの発想です、最初から。これまでの治療研究事業では、患者の医療費負担の軽減を含めた総合的な、福祉的な側面があるわけですから、その福祉的施策を展開するのはもう既に限界に来ているというふうに私ども思います。 事業対象からの疾病の除外かあるいは範囲の見直しかといった二つの選択肢しか議論されていない状況は、大変、この国の行政の貧しさといいましょうか、考え方の貧しさというのを露呈させていて、患者の皆さんたち、本当に苦しんでおられます。懇談会の委員の方々からも、その点をしっかりとわきまえていらっしゃる方々がおりまして、より広い医療福祉的なものが必要ではないか、また、総合的な難病対策が必要ではないか、全体として納得のできるビジョンのもとに総合的な対策が必要ではないか、こういった意見も出されているところです。 これらに対して、厚労省、どういうふうにお答えになって、この難病対策にどう正面から向き合おうとされているのか、その姿勢を伺わせていただきます。
○柳澤国務大臣 難病対策につきましては、つとに難病対策要綱という総合的な施策の構えができておりまして、それによりますと、第一は調査研究の推進、第二は医療施設等の整備、第三は医療費の自己負担の軽減、第四は地域における保健、医療、福祉の充実、連携、第五にクオリティー・オブ・ライフの向上を目指した福祉施策の推進、このようなことを総合的に推進するということで行われているところでございます。 具体的には、特定疾患の治療研究と医療費の自己負担の軽減を一体的に実施しているだけではなくて、例えば難病相談・支援センターを各都道府県へ設置するとか、あるいはホームヘルパーの派遣等、居宅生活の支援等を実施いたしております。 難病患者の就労支援につきましても、重要な課題だと認識しておりまして、平成十九年度におきましては、難病患者に対する就労支援に関する事業を新規に予算要求しております。 これらの施策を通じて難病患者への支援を総合的に推進していく、そういう体制になっております。
○郡委員 今大臣もおっしゃられましたように、この就業の問題も大変重要でして、患者の皆さんたちは難病とともに生きているわけです。そして、生きていかなければならないわけです。就労については、パーキンソン病患者の潜在的失業率というのは五四%だそうです。これは四十疾患の中で最高なんだそうですね。この数字は、重症度分類のヤール三の患者の就労実態を反映していると推定されるわけですけれども、このヤール三の方々でさえこれだという状況です。 ぜひとも、この就労そしてまた福祉、介護といった全体的な福祉施策を検討していただきたい。そのためには、私は新たな法整備が必要ではないかというふうに考えているところです。難病対策委員会中間報告にある難病対策の法制化についてというところでは、賛否両論があって引き続き検討するとなっていますけれども、対象疾患の施策の固定化を危惧する御意見もあるようですが、目的を明確化して見直し規定を置くなどすれば、これらの問題はクリアされることだろうと思います。法制化を一日も早くすべきだと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○柳澤国務大臣 今、郡委員の方から既に御指摘をいただきましたように、先ほど来の、厚生科学審議会の難病対策委員会の方であったと思いますが、法制化については二つの意見が分かれたということでございます。 厚生労働省といたしましては、難病対策を着実に推進するとともに、法制化については、さまざまな御意見があることから、今後とも、患者団体を含めた関係者の御意見も伺いつつ、さらに検討してまいりたい、このように考えております。
○郡委員 余り歯切れのいい御答弁はいただけないので大変に残念でありますけれども、私はそもそも、予算でこっちを外してこっちを入れるという議論はすべきでないということを言っております。総合的な難病対策のあるべき姿としては、残る、要請のある七十六疾患を治療研究の対象にできる限り加えていくべきでありますし、また、そのほかの難病も指定疾患に新たに加えていくことも必要であろうと思います。そういう意味での総合的なこの国での難病対策の形をやはり示すべきだということを重ねて申し上げたいと思います。 民主党では、既に法制化に向けて検討を進めております。どうぞ、政府・与党の皆さんたちも法制化の方向で御検討いただきたいと思います。 質問を終わります。
○櫻田委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 民主党の柚木道義でございます。 本日、通告に従いまして、きょうはレジュメにも一枚目におつけをしておりますが、今大変に大きな議論になっております臓器移植の問題について、とりわけ、このところ大変な議論を呼んでいる腎移植、そして、まさに裁判も含めて、肝炎対策、そういった部分でも今大変議論が必要になっている肝移植について、主に腎臓、肝臓の移植をテーマに、これからの我が国の進むべき臓器移植の方向性について、質疑の中で少しでも前向きな方向性を見出せたら、そんな気持ちで質疑をさせていただきたいと思います。 まず、レジュメに沿って御質問申し上げますが、腎移植の問題でございます。 私は、一連の、いわゆる瀬戸内グループと申しますか万波移植と申しますか、これまでには余り考えられないそういった移植について、これが賛成とか反対とかそういう立場でもありませんし、また一方で、厚生労働省、さらには日本臓器移植ネットワークがきっちりとガイドラインを整備して、そして一つ一つの手続についても検証していく、そういう立場ももちろん必要ですが、それですべて今の腎移植の問題が解決するのかというと、そういう認識でもございません。あえて申し上げれば、私は、どちらかの立場というわけではなくて、あくまでも患者の立場、患者の視点、そういった立場から幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、死体腎移植、つまり献腎移植のことでございます。 本来であれば、当然、ドナー登録、そして移植要件の見直し、さまざまな努力を通じて献腎移植をふやしていくことが本筋であるという御認識を、厚生労働省としても考えていらっしゃるのは承知をしております。 そんな中、この臨時国会の中で議論に入るというような報道も出ておりましたが、臓器移植法改正の問題がございます。つまり、移植要件の見直しで、本人意思が確認できない場合どうするのか、そしてそれが臓器移植にかかわる脳死判定を伴う場合にどうするのか。私も議事録をずっと見てまいりましたが、大変長年の、ある意味では議論を幾らし尽くしても、すぱっと割り切ることのできない部分もあろうかと思いますが、そういった問題について今後議論が再び行われるというふうに承知をしております。 そこで、資料にも、ちょっと飛んで申しわけありませんが、七ページ目には、産経新聞の社説で、「ドナー不足解決へ審議を」といったものが十一月の二十七日の社説にも出ております。これはまさに、本人意思の確認が、「ドナー本人が生前に拒否していなければ、ドナーの遺族の同意で臓器の摘出ができるように改めるべきだ。」これは一番下のパラグラフを今ちょっと読んでいますが、「ドナー本人の同意を厳しく求めるのは日本だけで、世界保健機関基準も遺族の同意で臓器提供を可能にしている。」臓器売買もいろいろな問題もドナー不足に起因するというふうなことも書かれています。 そして、ページ数でいえば十三ページ目には、日本と海外の臓器移植法制の違い、これは厚労省の資料としていただいております。やはり一番端的な違いは、この網かけの部分ですね。本人承諾が不明の場合に、日本の場合では現行では臓器摘出不可。しかし、欧米諸国ではこの場合は、もちろん遺族の承諾によってですが、摘出が可能とされている。こんな違いがある。 そこでお伺いをいたします。 まさに新聞報道の部分でもあり、また欧米の事例でもあるわけですが、本人意思が確認できない場合に、本人が否定をしていなければ、遺族が同意をすればというこの一番、あるいは二についても、同様に、その要件に合致すれば脳死判定を行った上で移植が仮に行われるという、これはA案。あるいは、そうではなくてB案、十四ページにもおつけしておりますが。 このA案、B案がそれぞれ、仮に、これは大臣、仮にで結構です、この改正が成立した場合に一体どの程度、どの程度なんです、感覚的なことで結構なんです、どの程度移植希望の待機者、ちょっと今腎臓の場合でいいますが、一万四千人とも言われております。そして、年間千例弱ですよね、生体と死体腎合わせても。しかも、実は毎年一万人ずつ透析患者の方がふえているわけですね。そういう状況にあるわけですが、では、今大体千例弱、これが一体どの程度ふえるのか。逆に言えば、一万四千人の待機患者が一体毎年どれだけ減っていくのかというような予測を持たれているのかいないのか。正確な数字でなくても結構ですから、お答えいただけますでしょうか。
○柳澤国務大臣 今提案されている法案が仮に成立をした場合に、特にA案が成立した場合にどのぐらい腎移植、死体腎の移植がふえるかということについては、我が省として予測の数字を持っているという状況にありません。
○柚木委員 確かに、こういう性質のものでありますから、予測であったり、ある意味では目標数値みたいなものも設定することが果たして適当なのかどうなのかということも議論があろうと思います。ですから、正確な予測は、これは別に私としても求めているというわけではないんです。 むしろ、伺いたいのは、ある程度もちろんふえるという前提ですよね、改正するわけですから。しかし、ふえるとは思うが正確な予測はできない。別な言い方をすれば、ふえるかもしれないが、依然として今、毎年、生体と献腎を合わせても千例弱、年間一万人ずつふえていく、ある意味九千人ずつふえていく、そして既に一万四千人の移植希望待機者がいらっしゃる。 そういう中で、本当にこの改正だけで、ある意味では献腎移植をふやそうという方向だけで、今現実にある課題が解決をされていくのかどうなのか。そこが私は、今回の万波移植のさまざまな議論、これを整理することももちろん大事ですが、それと同時に、では、どうやったら一体これを改善していくことができるのか、そういった視点で、次の生体腎移植、これについて少し大臣とやりとりをさせていただきたいと思います。 まず、私の地元の新聞も含めて、社説なり、二ページ目から六ページ目までずっと、一連のこの病気腎移植が行われた経緯なり論点なりを報道したものを、資料をおつけしました。そして、きょうの最も新しい資料を、ちょっと間に合いませんで一番最後におつけしました。これがある意味では最も現状を象徴しているように思いますので、資料の二、三、四、五、六を見ていただきながら、しかし一番最後のこの二十ページ目、これをちょっとごらんいただきたいと思うんですね。 これは、けさの毎日新聞です。「臓器売買事件 初公判を前に」というタイトルで、実際に市立宇和島病院で九四年から二〇〇〇年まで移植コーディネーターを務めた方が、赤裸々にその実情あるいは真情を吐露しています。「ドナー二十年待ち、と言われた」「「死体腎」実現 八十分の一」、そういう記事があるわけです。このコーディネーターの方は、実際に御本人が二十二歳のときに母から腎移植を受けたが、しかしそれもうまくいかなくて、今度は父から移植も受けた。そして、そういう中で、なかなか死体腎というのは出てこないんだよねということを万波医師がおっしゃった、つぶやいていたということを書かれています。 そして、最も真情をここに吐露されているのは、臓器移植ネットワークに登録していたが、臓器が見つかるのは宝くじに当たるのより難しい、七年間で連絡は一件だけ、しかもそれも第二候補で、結局実現しなかったと。 そして、今回のいわゆる瀬戸内グループの中で摘出、そして移植を受けられた方々、実際にこの資料の二ページに、中国地方、いろいろな病院から、岡山県下、私の出身の岡山県でも四つの病院で摘出をされ、呉の共済病院でも六つの事例があって、それぞれ、宇和島の市立宇和島病院あるいは徳洲会病院でこういった移植が行われているわけですが、そのほとんどすべての患者さんが、この二十ページの、これから少し申し上げますこういう思いを持たれているんですね。「「一年だって長く生きたい。これを逃したら、もうチャンスがないですけんね」と手術に同意。病気の腎臓に対する恐怖はなかった。翌二月に手術を受け、今は県南部の海辺のまちで散歩を楽しむ日々を送っている。」 もちろん、そういうドナーの方あるいはレシピエントの方がすべて一〇〇%納得しているということでもないと思います。しかし、大方そういうふうな声が、それぞれの、今回病気腎を移植されたその医師の方々を支援する会というようなものも立ち上がっていると聞いています。 私は、改めて申し上げますが、今回のやり方が正しいとは思いません。やはり、必要な手続というものは一つ一つ押さえていかなければならないと思います。しかし、必要なことは、ではどうやって腎臓の移植をふやしていくのか、このことがやはり常に考えられない議論は不毛だと思うんです。 そこで、伺います。実際に今、先ほど大臣は、献腎移植、改正してもどの程度ふえるか、これはまだ未知数という御認識をおっしゃられました。そんな中で、実際に法改正を行ってもなかなか現実に追いつかないとなったときに、今問題となっている生体腎、とりわけ病気腎の移植に関して、いろいろな諸外国でうまくいっている事例もある。そして、アメリカなんかでは、実は、年間一万三千弱の臓器移植の事例のうち、生体と献腎はほぼ半々なんですね。そんな事例もある。 これはぜひお伺いしたいんですが、そういう諸外国の事例を実際に調査する、そして、その調査をした上で、仮にその移植のあり方、例えばアメリカのような生体移植も行っているのがうまく機能している、あるいはそのガイドラインが正しく運用されているとしたらば、そうじゃないなんということじゃないです、そうであったらばということを前提で伺いますが、例えば、我が国としてもこの非親族間におけるいわゆる病気腎移植、こういったことを今後検討する余地があるのか。いやいや、とんでもない、そういったことは一切あり得ない、一〇〇%だめなんだ、そういうお立場なのか。これを、お答えいただける範囲で結構ですので、ぜひお答えをお願いします。
○石田副大臣 今委員はアメリカの例も出されましたけれども、海外における生体移植の状況というのは国によってさまざまであると思いますので、今後、これにつきましては、まず必要な調査を行ってまいりたい、このように考えております。
○柚木委員 もう一回だけ伺います。 調査をやっていただいて、その結果によっては、うまくいっているじゃないかとか、ちゃんとルールも守られている、臓器売買みたいなことになっていないとか、きっちりとした、厚労省の方からも、他の国の例では、例えばフランスなんかではちゃんと裁判所で署名をしてからでないとだめとか、いろいろな事例があるわけですね。そういう事例を調べて、運用もうまくいっている。そして実際に、臓器の移植、例えば日本は十五年待ち、しかしアメリカは二、三年でできる、オランダも五、六年でできる、そんな現状があるわけです。 どうやってふやしていくのかという中で、条件が整えば、調査の上、うまくいっているということがもし把握できた場合に、今後、今問題になっているような形、これは手続を経ていかなきゃいけませんが、その病気腎移植、非親族間におけるそういう腎移植がアメリカでは半々ということを今申し上げました。そういったことを今後進めていく、検討していく余地があるのか、全くないのか。それについて、少しでもいいのでその見通しをお示しいただけますか。
○石田副大臣 まずしっかりとした調査を行うということが私は大前提だろうというふうに思います。これは、アメリカ、ヨーロッパと日本と、当然死生観も違いますし、そこで外形的にうまくいっているということをそのまま日本に当てはめられるのかどうか、私はこれはあろうかと思います。 ですから、これは、白紙で調査をする、予断を持たずに調査をして、その結果で検討していく、こういうことではないかと思います。
○柚木委員 まさに、白紙で予断を持たずにというところが私は一つポイントかなと思います。 今後も、今回、厚労省としても、調査班を設置してこの万波移植の事例については来年度をめどに一つのガイドラインを目指したいというふうなことも伺っておりますが、その中で並行してこういう諸外国の事例を、ある意味予断を持たず白紙で、患者の視点に立って臓器移植を進めていくということを実際に調査していただく、そのことは私は必要なことではないかなということをお願い申し上げ、次の質問に入りたいと思います。 次は、肝移植についてお伺いをしたいと思います。 肝移植ですから、今問題になっている肝炎対策についても当然かかわってくるわけでありますが、まずお伺いをしたいのは、今、生体肝移植の現場で、保険適用の問題が大変に実は医療現場あるいは実際に移植を受けられたレシピエントやドナーの方々の間でも問題になっているわけであります。 これは、資料の十六ページをごらんになっていただければ、今の我が国の生体肝移植についての点数の基準というものが示されております。 これを少し見ていただくと、いろいろ細かに規定をしてあるわけです。実は、この中に書いてあることにも触れますが、この生体肝移植、私の地元である岡山県の岡大の医学部附属病院で実際に受けた方からも、保険がきくと実際にその移植を受ける前に病院で説明を受けていたのに、いざ手術を受けて、そして病院に対して支払いもして、そして借り入れもして、そういうことが終わった後に、保険者から請求が来たら保険が適用できない、そんな事例も実際に起こっている。 あるいは、昨日、私は実際にそのドナーの方とレシピエントの方とお会いをしました。大阪で、昨年六月三十日に大阪大学附属病院で生体肝移植を受けられた方々です。きょう、あちらの傍聴席に実は御家族でお越しになられています。 このドナーの方は、レシピエントであるお母さん、移植を必要としているお母さん、お母さんを助けるためなら、そして大変な金額、予算が実は医療には必要とされています、かかるんですが、しかし、病院のお医者さんと相談をしたら、実際に保険適用でできる、そういうことも伺って、随分御家族の中でもいろいろな話し合いをされた。 そして、レシピエントであるお母さんはやはり、これは御了解をいただいて、あえて実名で申し上げます。森上悦子さん、この方が、お母さん、レシピエントの方です。あちらの傍聴席にいらっしゃるんです。そして、その息子さん、実さん、ドナーの方なんです。お母さんの悦子さんは、息子さんに悪い、息子さんの肝臓をもらって、そんなことはできない、そう思っておりましたが、その息子さんから、自分の孫の顔を見てほしい、元気で見てほしいんだ、そんな励ましを受け、そしてお医者さんから、保険もきくんだ、そういう説明も受けて、大きな決断をされたわけです。 ちなみに、そのお母さん、レシピエントである森上悦子さんは、去る六月二十一日に大阪地裁が、国、製薬会社に二億五千六百万円の賠償を命じる判決を下したC型薬害肝炎訴訟の原告のお一人でもございます。 そんな本当に切実な状況で移植を受けた。この移植手術、実際には二千万円かかる。しかし、保険適用だから、そういうところもあって、何とかみんなでお金も工面してやろうと受けられたにもかかわらず、全額自己負担というようなことに結果として今なっていて、その適正性について、保険者といろいろなやりとりを、そして病院の方々もやりとりをされているんです。 大臣、これは、今申し上げているだけの事例じゃないんです。今、全国の生体肝移植が行われているさまざまな医療現場でこういったことが起こっています。 そこで、これを見ていただきたいんです。この十六ページの「生体部分肝移植について」、特に一のところを見ていただきたいんです。あとは手続的なことですから、一のところを見ていただきたいんです。「対象疾患は、」ずっといろいろな症例を書いています、云々、劇症肝炎、「を含む。)である。」それで「なお、」のところを見ていただきたいんですね。一の下から三行目、「肝硬変に肝細胞癌を合併している場合には、遠隔転移と血管侵襲を認めないもので、肝内に径五センチ以下一個、又は径三センチ以下三個以内が存在する場合に限る。」これをミラノ基準という言い方をするみたいですが、これであれば保険適用であるということであるんです。あとは手続的な点数計算等の問題ですから、この一番を、ちょっと大臣、御答弁いただけるのであれば、副大臣でも、どちらの方でもまず読んでみていただきたいんです。 私が伺いたいのは、この今読んだ日本語の中に、再発肝がんについては保険適用ができませんというふうに日本語が書いてあるかどうか、それについてまずお答えいただけますか。 〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕
○石田副大臣 今委員がお示しをいただきました生体部分肝移植の基準、ここのところ、下から三行を読めということでありますから、そのままお読みいたしますと、「遠隔転移と血管侵襲を認めないもので、肝内に径五センチメートル以下一個、又は径三センチメートル以下三個以内が存在する場合に限る。」このように書かれております。
○柚木委員 そうなんですよね。私が読んでもそうなんです。そして、実際に現場で執刀に当たられている専門医の方が見ても、やはりそうなんですね。 ところが、今回の森上さんの事例、実際に、病院の執刀医の方、さらには外科部長さんまでが、厚労省の医療課だったと思いますが、やりとりをして、なぜこれが保険適用でないのか、いや、再発がんに対しては保険適用できないんだという回答だと。どこにそんなことが書いてあるんですかというやりとりがいまだに続いているわけですよ。 書いてないことを、それを理由に保険適用できない。さらに、これは、ミラノ基準、今申し上げました三行を満たした事例なんです。ミラノ基準を満たしたにもかかわらず、そして書いてないことで保険適用できない。これは一体どういうことなのか。 私は、きのうも質問通告のときに伺いました。これはやはり大変問題である。患者さんも困る、医療現場も振り回される。それによってどういうことが起こっているかといえば、病院側も、これではまさに、患者さんに無理も言えない、だけれども手術はしなきゃいけないということで、未収問題にも発展していく。患者さんにしてみれば、こんなことでは保険が適用されるかどうかわからないから、手術を受けるのをやはりやめようと。そして、これはまだ阪大病院だからいいんです。私立のいろいろな大学病院、もう怖くて、保険適用できるかどうかわからないから、もうやめる、生体肝移植は受けない。そんなことに今なってきているんですよ。 そこで、これはぜひはっきりとここでお示しをいただきたいんです。今回、ミラノ基準を満たしたこの事例は、再発肝がん治療、この森上さんの移植への保険適用が可能となるように、はっきりと明示をしていただく、書いてないんですから。もしそうでないのだったら、再発肝がんではだめですとしっかりと書いてもらう。書いてないんですから、今回の事例に対してはやはり保険適用が可能であると私は理解をしますが、それについてどうなのかを一つ。そして、今後、このことをきっちりと明示してもらえるのかどうなのか。この二つについてお答えください。
○石田副大臣 今委員は、御質問の中で個人の名前を出されましたけれども、私は、あくまで一般的な問題としてお答えをさせていただきますと、まず前提として、生体部分肝移植というのは、健康なドナーの肝臓の一部をいただく、そしてそれを病気の方に移植する。これは、倫理的な面からも保険適用の拡大には慎重であるべきである、これが基本的な考え方だろうというふうに私は思っております。 そして、現在の生体部分肝移植の保険適用基準については、いわゆるその効果に基づいて、エビデンスに基づき、平成十六年一月に肝がん患者にも適用を拡大した。これが一つの事実でございますが、これは、再発が少なく生存率が高い、こういうものが見込まれるものに限定して保険適用の拡大をしたわけであります。 今委員の、どこに書いてあるんだ、こういうことで、私も今読ませていただきましたけれども、御指摘をいただきました生体部分肝移植の保険適用の基準は、治療開始前の状態により判断することを大前提として示したものでございまして、既治療例や再発例を除外することについては改めて明記をしておりません。 今回の記載に限らず、個別の疾患にはさまざまな状況があり、告示や通知において、それらをすべて対応するようにあらゆる状況を明記することは、これは難しいというふうに私は考えております。 それで、今回、基準を明記すべきではないか、こういう御質問もございましたけれども、保険適用の基準については、個別の疾患にはさまざまな状況がありまして、それらすべてに条件を付すことは、明記することは難しい、このように考えておりますので、個々の疑義については、照会にこたえる形で対応してきたところでありますので、今後ともそのように適切に対応してまいりたいと考えております。
○柚木委員 時間がありませんから、次を最後の質問にしたいんですが、これについてはやはりもう少しちゃんと議論していただきたいんですよ。ミラノ基準の妥当性、ミラノ基準が正しくないとは言いませんが、それ以外の数値でも成功率が高いというようなデータもありますし、さらには、実際に日本の肝移植、いきなり生体肝移植ということはないんですよ。いろいろな治療をやって、最後の最後にもうこれしかない、たどり着いたのがこの移植なんですから、やはりそこは、初回から移植手術じゃなくてもちゃんと保険適用になる、あるいは、学会からいろいろな要望があったら中医協の中でも議論をしっかりするということをお願いして、最後の質問をしたいと思います。 きょうは、ちょっと実はここにパネルを持ってきました。そして、今肝炎の裁判が行われている中で、先日も山井議員が、まさにその裁判とは別に、国としてどういう治療費の補助、これは国の責任とは別にやっていく必要があるんじゃないのか、政治判断が必要なんじゃないのか、与野党を超えた判断が必要なんじゃないのか。そこで大臣が御答弁をされたのは、どういうことが努力をできるか本気で考えたい、知恵を出さなきゃいけない、そういう意味合いのことをおっしゃったと思います。 その知恵の出し方、私、一つ提案をしたいと思います。 これは、平成十六年十一月二十五日の参議院厚労委員会での当時の尾辻厚生労働大臣と我が党の家西議員とのやりとりなんです。そして、これは、実は先天性の血液凝固因子障害等治療研究事業の実施についてのやりとりなんです。少し、ざっとだけ読ませてください。 まず、平成八年、HIV訴訟、これは和解しています、そのときに、この研究事業など、一層の恒久対策として、感染患者、非感染患者を問わず、すべての血友病患者に医療費の全額公費を行うことが決められました、これでよろしいでしょうか。いいとお答えになっているんです。時間がないから、また資料をつけていますから、お読みください。そしてさらに、それは血友病だけではなく、血友病類縁疾患及び二次感染、三次感染というものも含まれるんですね、水平感染、垂直感染と言われるんですけれども、それは含まれるというふうに厚労の方からもお伺いしていますけれども、間違いありませんか、もう一度確認させてください。そのとおりでございます。 こういったやりとりを当時されているんですね。 今回の肝炎の裁判の中で問題になっているいろいろなやりとり、これはこの薬害エイズのときと、ある意味では大変似通ったスキームで行われています。そんな中で、実際にこういった形で何らかの知恵を使って、例えばこれと同じようなスキームでやるとすれば、この治療研究事業を、感染しているとか感染していないとか、B型とかC型とか、輸血とか、連続注射とか、製剤を使っているとか云々ではなくて、そういうものを関係なく、例えばこういう言い方で、B型C型肝炎等治療研究事業みたいな形で。ある意味では、来年一月の東京の判決もあります。裁判ですから勝訴もあれば敗訴もある、いろいろな形があるでしょう。しかし、そういったものも見据えながら、いつまでも最高裁までやっていくのかどうなのかという問題もあります。どこかで政治的な判断が必要かもしれない。 そんな、和解ということがもしあるかもしれないというような、いろいろな幾つかの条件をぜひ想像いただく中で、どの段階かももちろんあります。しかし、こういった施策が薬害エイズのときには行われている。そして、同じように第二の国民病と言われる、そしていっときを争うような形で今全国で苦しんでいらっしゃるB型、C型肝炎の皆さんに対しての治療費補助のあり方、これが実際に、柳澤大臣、最後ですから伺います、こういうことを、今しろというんじゃないんですよ、今後考えられるのか、あるいは考えられないのか。 今しろということではなくて、今後いろいろな条件が進んでいく中で、考え得るのか、られないのか。このときには尾辻大臣は、国民、患者の皆さんの立場に立ってこういうことをされています。大臣がかわっても厚生労働行政はやはり国民、患者の立場に立つということは、私は変わらないものと信じております。こういったことを施策として、今後どのタイミングか、いろいろなことを勘案しながら、考えられるのか、られないのか、これをぜひとも最後に大臣から御答弁をいただいて、私の質疑を終わりたいと思います。
○吉野委員長代理 質疑時間が終了していますので、簡潔に御答弁願います。
○柳澤国務大臣 これまで、この問題について、政府の考え方はもう既に何回もここで申し上げたので、ここでは繰り返しません。 それからまた、現に医療費の自己負担部分について、政府がいろいろな形、保険を使い、あるいは公費を使って助成しているものには一つの原則があるようにも思いまして、今柚木議員がおっしゃられた感染性というか感染力というか、そういうものがあるということは、御指摘のとおりかと思います。
○柚木委員 ありがとうございます。ぜひいろいろな知恵を出し合って、これからも患者の立場でよろしくお願いいたします。 どうもありがとうございました。
○吉野委員長代理 次に、山井和則君。
○山井委員 今、柚木議員から肝炎対策についての質問がありましたが、それにつなげまして、私も質問させていただきたいと思います。 十一月八日に、一時間弱、柳澤大臣に質問をさせていただきまして、半歩でも一歩でも前進できるように努力をしたいという答弁をいただきました。また先日は、参議院の厚生労働委員会におきまして、島田智哉子議員が、治療費に対する助成を初めとする肝炎対策を一日も早くやってほしい、そういう心のこもった訴えをされまして、それに対して武見副大臣も、重く受けとめますという非常に心のこもった御答弁をいただきました。 本日も傍聴席に患者の方々がお越しになっておられます。最初に申し上げたいんですが、傍聴席に患者の方々も来られていますが、これはまさに、全国三百九十万人と言われる、キャリアの方も含めて、そういう感染者の方々の代表として、一日も早く総合的な対策、特に医療費の助成などをやってほしいという切なる思いを、まだ発症されていない方、そして発症された方も、持っておられます。その方々の切なる思いを込めて傍聴に来てくださっているんだと理解をしております。 それでは質問をさせていただきます。 まず最初に、こういう肝炎対策というのは、政党単位で進めるとか、議員単位で進めるというのではなくて、まさに党派を超えて超党派で、また厚生労働省も、厚生大臣、厚生副大臣にもお力をおかりして、みんなでやっていかねばならないと思っております。 そういう意味で、きょうも何人かの与党の議員から、なかなかこういう訴訟が絡んでいることは与党の立場では質問しにくい面もあるから、山井君、頑張れというような、そんな言葉もいただいて、質問をさせていただいているわけであります。 ぜひとも、何党がどうとかそういう次元ではなくて、全国会議員にも課せられている宿題として、今日まで先送りになってきた宿題として、この問題、取り組んでいかねばならないと思います。 幸いにも、大臣のみならず、きょうは武見副大臣も、また、この問題に元厚生労働大臣として非常に尽力くださった坂口先生も来てくださっておりますわけで、私はそういう意味では諸先輩方から比べるとまだまだ勉強不足かもしれませんが、質問をさせていただきます。 まず最初にお伺いしたいと思います。 先日の質問の中で、福田衣里子さん、現在二十六歳で、クリスマシン、この血液製剤を、お母さんが出産されて止血のために使った、これによってC型肝炎に感染してしまった、その福田衣里子さんのお話をさせていただきました。きょうも傍聴にお越しいただいております。その際に、失礼ながら、大変お忙しい大臣に本をプレゼントさせていただいたんですが、最初、少しだけお伺いしたいのは、この本、お忙しいと思いますので、きっちり読んでいただく時間はなかったかもしれませんが、読んでいただいて、その御感想をお聞かせ願えればと思います。 〔吉野委員長代理退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
○柳澤国務大臣 率直に言って、今山井議員がおっしゃられたように、私、全部を熱心に読むというだけの時間はありませんでしたけれども、文字どおり目を通させていただきました。大変恵まれた御家庭に育ち、また青春期、思春期に恵まれた学生生活を送られた方だったな、それだけに肝炎の診断というものが大変大きな落差を生んで、非常にショックを受けられたという様子が非常によくわかって、心の痛む思いで読ませていただきました。
○山井委員 この肝炎の大変さというのは、本当に患者さんにしかわからない大変さであります。そういうものを私たち議員もかみしめながら取り組んでいかねばならないと思っております。 それでは、引き続きまして、最高裁で国が敗訴をしましたB型肝炎訴訟について質問したいと思います。 御存じのように、前回もお見せしましたが、これは集団予防接種で感染をした、それ以外には考えられないということで国が敗訴をしたわけであります。これですね、集団予防接種、皆さんも覚えておられると思いますが、これの注射針の使い回し、これもそうであります。そして、最近では筒も針も一人ずつかえるということになっているわけですね。このことによって感染したわけです。 それで、このことに関して前回私が質問をしましたのは、五人が今回原告であった、でも、集団予防接種というのは恐らくみんな受けていると思いますので、五人だけではなくて、五人以外の方もこれによって肝炎に感染した可能性はあるのではないかということを質問しましたら、柳澤大臣は、その可能性は排除できないという答弁をされました。 もう一つ突っ込んでお聞きしたいと思いますが、ということは、この五人以外にももしかしたら国の過失があった、それで集団予防接種で感染したという方が五人以外にいらっしゃる可能性についても排除できないということでよろしいですか。
○柳澤国務大臣 これは、裁判というのは、もう山井委員もよく御案内のように、法と証拠に基づいて行われるわけです。だから、推測、想定はできても、やはり、その証拠、そういうようなことでこういう過失が認定されるというようなことが必要になるということだろうと思います。
○山井委員 私が聞いているのは、その五人以外にも国の過失があったケースが三百九十万人の中にある可能性というのは排除できないのではないですかということを聞いているんですが、そのことについて。
○柳澤国務大臣 そのとおりです。
○山井委員 今の御答弁、非常に重要だと思うんですね。といいますのは、裁判をされている原告の方々は、自分が賠償金を欲しいという思いでやっておられるのではないんですね。たまたまカルテが残っていたとか、例えばきょうお見えになっている森上悦子さんは、十年以上、フィブリノゲンのカルテを探し続けられたんですよ。そういう、ラッキーにも母子手帳やいろいろなものが残っていた方が訴訟をされているわけであって、五人だけが国の過失があったのではなくて、可能性としたらそれ以上だったかもしれないということは何人も否定できないと思います。 ここの二ページ目、三ページ目、新聞記事に、きょうもお越しいただいておりますB型肝炎訴訟の原告のお一人の木村伸一さんの記事が出ております。「闘い十七年「感無量」」と。ここに書いてあります。わずか五人に対する判決だが、患者全員の救済に道を開く画期的なもの、判決が終わりではなく、国に救済策を実行させるのが最終目的、これで大人になるまで感染を知らなかった多くの人が救われるというふうに喜んでおられると。このコメントでわかりますように、御自分が賠償金をもらってうれしい、そういう次元じゃないんですね。多くの人が多分集団予防接種で感染されている、その方々の対策が進むためにということで闘ってこられたわけです。 そこで、大臣に改めてお伺いしたいと思います。 こういう肝炎患者の方に面会をお願いすると、訴訟中だからということでお断りをされるケースが多かったわけですが、木村伸一さんの場合は六月十六日に一応こういう最高裁の判決が出たわけでありまして、大臣に一度お目にかかっていただいて、肝炎の対策について要望を言わせていただきたい、あるいは要望を聞いていただいたらいいのではないか、もう裁判も終わったわけですから、と思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 今、ちょっと私、同じようなケースの訴訟が行われているというようなことを含めて、法廷の場で、一応争いという形式を、争訟という形をとるわけですが、そういうようなことをやっている当事者同士が法廷外でお会いをするということには、とかくいろいろな問題も起きがちなので、そういうようなことで私はそれは避けるべきだというふうに思っております。 個人としては、木村さんの場合にはもう訴訟が済んだのでいいじゃないかという先生の御主張もわからないわけではないですが、私、ちょっと今チェックをしていませんけれども、同じようなことが争点になっていることがまた同時に進行しているとすると、また同じような判断というものがなされ得る、そういう可能性は否定できないと思います。 いずれにしましても、お考えをお聞きするということは、役所という組織がありますので、担当者を初めそれぞれの部署の人間にまたお目にかかって、そういうことを通じてお気持ちをお伝えいただく、あるいは状況をお伝えいただくということで、私はその事態の掌握、把握について消極的ではありませんので、そういうことも同時にお考えいただいたらいかがかと思います。
○山井委員 全く納得はできません。今まで訴訟だからといって会わないでおいて、訴訟が終わってもまたほかの理由をつけて会わない。やはり私は、一つのけじめとして会っていただいて、本当にこういう切実な声を聞いていただくべきだと思います。 この問題はこれ以上は言いませんが、改めて要望をしておきます。 そして、先ほどの答弁があったように、国の過失があったのは五人にとどまらないかもしれないという大臣の答弁もあったわけですから、五人の救済だけではなくて、この最高裁判決を機に、B型、C型、全面的な肝炎対策というものに力を入れていただきたいというふうに思います。 それで、その次に、きょうお越しいただいております森上さん親子のお話に移らせていただきます。 先ほど、柚木議員からお話がございました。森上さん親子につきましては、こちらの私の記事に、毎日新聞の記事に出ております。昨年の六月、生体肝移植をされたということであります。それで、これに関しては、もう十五年前に発症して、フィブリノゲンによって感染をした。ここにございますこのフィブリノゲンが、アメリカの囚人の方々とかそういう売血によってつくられて、この中にC型肝炎ウイルスが混入していた。大臣、これですね、このフィブリノゲンであります。これによって感染して、十五年もかかって、病院と交渉して原因を突きとめたというわけであります。しかし、十五年の間に、肝硬変になり、肝炎になり、肝がんになられました。そして、お医者さんからは、もう肝移植しかないということになりました。 きょうも、マスクをされているのがお母さんでありまして、お隣にドナーとなられた実さんがお越しになっておりますが、お母さんはそこまでして生きたくないとおっしゃったわけですが、息子さんが、孫の顔を見るまで長生きしてくれ、親孝行させてくれということで、必死に説得してされたわけであります。しかし、保険がきくという話でやったら、半年後に厚生労働省から言われたのは、いや、やはりききません、全額自己負担で二千万円という話になったわけですね。それで、肉体的にも苦しみ、精神的にも苦しみ、そして、そのことになってから、お母さんは何で殺してくれへんかったんと言って泣かれたというんですよ。 それで、きょうは、本当は、C型肝炎で糖尿病を併発されて、目の手術の日だったそうであります、お母さん。でも、国会でこの審議が行われるということで、手術の日をずらして大阪から来てくださいました。それで、本当だったら、ぜひ大臣に直接お目にかかって、直接話をしたいとおっしゃっておりましたが、なかなかそれはかなわないわけで、また、お手紙を書かれましたので、少しだけ読み上げさせていただきます。 柳澤厚生労働大臣殿 月日は流れ流れて、私の長い病院生活 肝臓移植をしないと短命とのこと やさしい夫の姿、かわいい子供の姿がちらつき、こえが耳にこびりついて…… 目の前はまっ暗やみに…… 家族にめいわくばかりかけてどうしたらよいのかと夜も眠れずこのまま天国にと…… 流れる涙はとめどなく…… 母さんしんぱいしないで、実の肝臓を使って長生してくださいと、私は実の気持だけでありがとう、あとは言葉が出なくなって只々感謝の気持で……ほんとうにありがとう…… 私は一日一日今日は元気でよかった明日はどうなる事かと毎日不安で、自分にバクダンを付けている如く、ふあんな毎日、入退院のくりかえし、手術は成功してほんとうによかったと感謝しています…… 手術も入退院のくりかえし、月六回の通院……主人もつかれが出たと思います、入院しなくてはダメなのに体にむち打ちながらの仕事…… 生活はどんどんくるしく……インターフェロンのちゅうしゃ、いつまでつづくかとしんぱいで、病院であったC型肝炎の人たちもふあんがっております、どうか、安心して治療ができるようにしてください 大臣様よろしくお願します 森上悦子 そして、ドナーとなられました、肝臓を一部提供されました実さんからも一枚手紙を預かっております。 柳澤厚生労働大臣殿 私はこの二十年間何不自由なく平和で幸福な生活を送ってきました。母がC型肝炎と知り家族全員で母を看病してきました。 去年医師より「肝臓が限界で治療が出来ない。助かるのは移植しかない」と聞かされました。その時に自分がドナーになろうと思いました。正直不安でしたが家族に心配させない為に黙ってました。移植は何とか無事に終わり母も私も生きる事が出来ています。しかし肉体的には一難去りましたが、移植手術代の保険適用は出来ないと言われ精神的にショックでした。母より「なんで殺してくれへんかったんや」と聞かされた時はドナーとして又子として物凄くショックでした。今後同じ様な人が出ないように早急にC型肝炎患者に対するインターフェロン治療の経済的軽減、C型肝炎患者の肝臓移植の保険適用の見直しをして下さい。 どうぞ宜しくお願い申し上げます。 森上実 こういうお便りでございます。 私からつけ加えさせていただきたいのは、やはり早いうちにもっと医療が受けやすい体制というのができていたら、この生体肝移植までいかなかったかもしれないんですよ。二千万円というのはただならぬ額であって、本人にとっても、また保険適用するとすると、ある意味では社会にとっても大変な高額でありまして、後ほども触れますが、やはり早いうちにできるだけ治療を受けやすい体制をつくっていくことが重要だと思います。 このような現状に対しまして、柳澤大臣、こういう、結果的には悪化して生体肝移植しかもう道が残されていない、こういう方が、これからこのまま国が十分な肝炎対策を講じなかったら、どんどんどんどんふえていこうとしているわけなんですよ。今のお便りも含めまして、柳澤大臣の御感想をお聞かせ願えればと思います。
○柳澤国務大臣 森上さん、お母様は大変お気の毒な目にお遭いになられたということで、心から御同情申し上げますと同時に、息子さんとの間でそういう手術を受けられて、とにかくその後もこうしたところにまでお出ましいただくまでに御回復になっていらっしゃるということについては、これはもう本当にお母さんとお子さんとの心のきずなというものの強さを私も感銘を持ってお聞きしましたし、また心からの敬意を表したい、このように思う次第です。
○山井委員 私は、ある意味で、この実さんというのは本当に日本一親孝行な息子さんだと思います。まさにこういう方を応援するのが行政なのに、保険適用できるという話で二千万円の手術を受けた。半年たって、先ほどの柚木議員の質問にあったように、基準にも書いてないことで、やはりできませんよと。実さんの奥さんも、それは余りにもひどいん違うのと。だれが聞いても、これはひど過ぎると思いますよね、この話は。ぜひこういうことがないように善処をお願いしたいと思います。 そこで私は、時間にも限りがありますので、きょう具体的な提案を一つしたいと思っております。それは、お配りしたA3一枚の紙であります。 最近、年々インターフェロン治療が進化をしてまいりました。ここにも持ってまいりましたが、インターフェロンとリバビリンの併用療法によりまして五〇%から七〇%、それも半年から一年で、早期にやればウイルスを排除できる、また完全に排除できなくても、がんの進行をおくらせたり、そういう効果があるということがわかっているわけであります。表紙のページにあります資料にも、これは、この権威の飯野四郎先生の「最強のC型肝炎治療法」という本から抜粋したものでありますけれども、ここにもありますように、全体としては今まで三〇%ぐらいしか完治しなかったものが、もう七〇%に上がっているというんですね。 しかし、前回の質疑でもわかりましたように、現在はまだ年約五万人ぐらいしかこのインターフェロン治療をしていないという答弁を厚生労働省からいただきました。副作用が多いとか、仕事を休まないとだめだ、そうしたら生活が成り立たないとか、さまざまな理由があります。あるいは、もうお年になり過ぎた、そういう理由もあるでしょう。しかし、やはり最も大きな理由の一つが経済的な苦しさなんですね。 そこで、前回の答弁で、年間二百億円、自己負担があるとお聞きしましたが、それに比べて、今回私が提案しますのは、それを法改正ではなく、政省令を、施行令を変えて、上限一万円の特定疾病に指定することは大臣の判断でできるのではないかということであります。 ここにもありますが、三百九十万人もおられるわけですね。そして、ほかの病気との公平性の議論をされますが、実際、B型肝炎の、最高裁で負け、大阪地裁で負け、福岡地裁でも敗訴になって、やはりここで国の過失があるケースもかなりあるんじゃないかということが今言われているわけです。資料に書きましたように、やはりここは政治の出番ではないか、司法のみに任せてはおけない、だからこそ訴訟とは別に政治が対応していく必要があるのではないか。 本当でしたら、因果関係と言い出したら、全員が訴訟しないとだめなことになってしまうんですが、そんなことは事実上不可能なんですね。感染者は高齢化し、そして全員が司法判断を待つことなんてできない。救済前に悪化したり、インターフェロン治療の時期を逸したり、死に至ることすらあるわけなんです。国の過失は断定できないとしても、国を信じて予防接種をやったり血液製剤を利用したり輸血をしたりした人々が、感染症の方々の中に相当数存在する可能性自体は否定できないと思うんですね。 大臣、これで私は計算をしてみたんですが、現時点では、五万人のインターフェロン治療の方の自己負担、二百億円です。これを特定疾病にして上限一万円にすれば、一万円で十二カ月で一人当たり十二万円、それが五万人ですから六十億円。つまり、今よりも百四十億円、保険財政が苦しくなるわけです。 しかし、資料にもありますように、この分野の最高権威でありまして、厚生省のC型肝炎、B型肝炎の研究班の班長であります熊田先生の推計によると、前回の質問でも申し上げましたように、全く何にもしなかったら八兆円、百万人の方々に対して医療費がかかる。しかし、早期にインターフェロン治療をすれば五兆円で済むんだということが言われている。つまり、これを保険適用しても、中長期的には逆に保険財政にとってはプラスになる、そういう推測さえあるわけなんです。 そして、これはまさに、法改正ではなく、お配りした資料の八ページにその手順は書いてございます、法改正を行わずに肝炎治療の医療費自己負担を軽減する方策と。これは大臣が判断をすればできるわけです。行政の積み上げではできないことですけれども、ぜひとも大臣告示によって施行令に、ここに書きましたようにインターフェロン治療が入るように書きかえて、特定疾病に指定して上限一万円、私はこれでも十分な対応であるとは全く思いませんが、やはり医療費助成の第一歩としてこういうことをやる時期にもはや来ているのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 いろいろ山井議員の勉強を踏まえた、具体的な制度にまで踏み込んだ御質疑に対して心から敬意を表しますが、今お触れになられた、特定疾病というんですか、我々の方で言う高額療養費制度における長期高額疾病の特例というものは、実は疾患の要件がありまして、一つは費用が著しく高額な治療ということ、それからまた、かつ、その治療を著しく長期間、ほぼ一生涯にわたり継続しなければならないということがこれまでの仕切りの要件になっております。例えば、血友病であるとか、あるいはHIVであるとか、あるいは人工透析であるとかというようなものでございまして、非常に対象範囲は限定的なものになっているということでございます。 こういうものとの比較の中で、やはりちょっと難しいなというのが、先般もお答えした、私が山井議員のまさに声涙下る御質疑に対して、今、現状できるというふうには思わないがというくだりは、そういうことを踏まえて申し上げたつもりでございました。
○山井委員 柳澤大臣、だからこそ、ここに書いてありますように、六項のところを改正して、施行令を変えて、その疾病の発病に国の過失の有無にかかわらず輸血などの公的医療保険を用いた治療もしくは国の責任で行われた予防接種が関与している可能性が否定できないと厚生労働大臣が認定したものというふうに、ここを、この三、四行を書きかえればそれでいいことなんですよ。これはだれも本当に痛まない話なんですね。保険財政にとっても、中長期的にもマイナスにならない。 大臣、改めてお伺いしますが、ここを書きかえることは大臣の権限でできるんですよ、これは。そうすれば多くの方が救われるんです。何とか検討願えませんでしょうか。
○柳澤国務大臣 もちろん、検討と申しますか勉強はさせていただいているわけですけれども、これは政令でございまして、私の一存だけで、今、山井委員がそういう考え方の前提のようにお聞きしましたけれども、そういうことにはなっておりません。
○山井委員 最後に一つ、もう時間が来ましたので、武見副大臣にお伺いをしたいと思います。 先日、島田参議院議員の質問に対しても、この医療費助成、肝炎対策について重く受けとめたいという御答弁もいただきました。 私、きょう本当に申し上げたいのは、多くの原告の方が今裁判をされている、これはまさに自分のためではなくて代表としてやっていられるんですね。森上さんが先ほどおっしゃっていたのが、もっと早く医療費の助成があったらこんな移植までせぬでも済んだのかもしれない、それで、お母さんがもう死にたいと言ったら、お母さん、死んだらあかん、自分たちが生き証人になって、こんなに手おくれにならぬようにということを、同じ苦しみをしている人たちのためにも、生きて肝炎対策のために頑張らなあかんと言って、息子さんもおっしゃっているんですよ。 やはり救える命を救うのが政治の責任だと思いますが、このような肝炎対策、今こそ、これは本当に党派を超えて、また厚生労働省も国会議員も力を合わせて進める時期にそろそろ来ている。来年二月、三月もう一回判決が出て、もしか敗訴して、負けたからどうしよう、そういうふうな議論というのはよくないと思うんですよ。 武見副大臣に最後にそのことの御決意をお伺いしたいと思います。
○武見副大臣 山井委員の御指摘ということについては、これは参議院の厚生労働委員会でも島田委員から同じ趣旨の御意見もちょうだいをいたしました。 いずれにせよ、この問題というものが、いかにそれぞれ患者の皆さん、そしてまた御家族の皆さんの人生を大きく変えてしまう、そして極めて残念なことであるかということは、政治家の一人として極めて重く受けとめて、そしてまた、現在の私の職責に基づいて、できる限りの努力はしなければならないというふうに考えております。この点についての重みというものはしっかりと受けとめておきたいと思います。
○山井委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○伊藤(信)委員長代理 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 初めに、きょうの午前、兵庫県などの中国残留孤児六十五人が、日本への早期帰国実現や帰国後の自立支援を怠ったとして国を訴えていた訴訟で、神戸地裁は原告六十一人について請求を認め、四億六千八百六十万を支払うよう命じました。全国十五の地裁で争われている同訴訟で、初めての勝利判決が出たことは大きな希望であります。 私は、その判決要旨の冒頭を紹介したいと思います。 旧満州に一般の邦人を無防備な状態に置いた戦前の政府の政策は、自国民の生命身体を著しく軽視する無慈悲な政策だったと言うほかなく、憲法の理念を国政のよりどころとする戦後の政府としては、可能な限り、その無慈悲な政策で発生した残留孤児を救済すべき高度の政治的責任を負う。 きょうは指摘にとどめます。この判決をしっかりと受けとめて、政府は控訴をしないで一日も早い救済策を講じるよう求めたいと思います。 きょうは、初めに、労基法三条違反、いわゆる思想差別をめぐっての事案について伺います。 日本を代表する重工業大手の石川島播磨重工業が、長年にわたって、日本共産党員や組合活動家らを人事や待遇面で差別をし、社内行事からも排除しているとして、二〇〇〇年三月に八名が提訴した裁判は、二〇〇四年三月、会社側が約一億八千万円の和解金を支払い、原告側の勝利、和解をかち取りました。 この審理の過程で、会社側がZC計画管理名簿、皆さん、おわかりでしょうか、ゼロ・コミュニスト計画といいます、この書類を作成して、日本共産党員はA、活動家はBランクとしてリストアップしていたことも明らかにされました。和解に当たっては、原告側と会社側が覚書を取り交わし、今後やってはならない差別の事例を明らかにして、再発防止を約束しました。 その後も、OBや遺族を含む百六十八名が、全国五労働局、七労働基準監督署に差別是正の申告をしておりますが、これは事実として確認してよろしいでしょうか。
○青木政府参考人 今委員がお触れになりました点でございますが、そのような要請が各地の労働局五局七署に対してなされているということは承知をいたしております。
○高橋委員 ちなみに、石川島播磨重工業の企業理念は、技術をもって社会の発展に貢献する、人材こそが最大かつ唯一の財産である、大変立派な理念でありますが、日本共産党員はもう最初から排除をされている。ただ、党員だとは限らないわけで、もしくは会社側が判断した労働者、それだけで屈辱的な差別を受けてきました。 ことし新たに判明した資料では、平成七年二月十三日付、○○の人事考課・昇進管理方針というもので、この○○のところには名前が入ります。例えば、今三十代後半の労働者が二十一年先まで昇級が決められている、四十三歳以降は一切変わらない、そういうランクが既に決められているということがわかりました。二十年以上も差別されてきたという六十五歳の女性は、会社に訴えたときに、あなたはZC名簿には名前がありませんと言われました。ところが、新資料に名前があって、やはりと思いました。これらのことは明確な憲法違反であり、労働基準法三条違反であると思います。 ところが、この方たちが訴えてから既に一年七カ月が経過しているにもかかわらず、いまだ具体的な動きが見えません。どうなっているのか伺います。
○青木政府参考人 個別の具体的な事案の中身については、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。 一般的には、労働基準法違反ということであれば、労働基準監督機関としましては、従来から、申告あるいはそういう事実をつかんだ場合には、具体的な資料をもって必要な調査を行って、法違反が認められれば是正に向けて必要な指導を行っております。基準法三条に違反する、それに該当するような場合には、賃金、昇格、処遇などの労働条件上の差別的取り扱いが、国籍、信条あるいは社会的身分を決定的な理由として行われているということでありますので、その判断については慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○高橋委員 決定的な理由だということで資料を出して訴えておりますので、一日も早い指導を強く求めたいと思います。 〇四年三月二十二日に弁護団や原告団らが出した声明によると、「石播は、原告らからの申し入れに応じ、誠実に協議すること、および原告ら以外の者から差別の訴えがあった場合においても、本和解の精神を踏まえて協議をすることに同意しました。」とあります。これは原告八名が救済されたというだけではなく、後に続く人たちにも道を開いた和解だった、そのように受けとめております。いまだにこうした実態が続いていることは重大であります。そのたびに裁判に訴えなければならない、こういうことは避けなければなりません。重ねて指摘をし、一日も早い厳正な指導を求めて、次の議題に進みたいと思います。 次に、改正高齢者雇用安定法について伺います。 本年四月の本格施行前に、三月の本委員会で一度質問させていただきました。このときに、高齢法の趣旨を十分徹底していきたい、また、具体的な相談がハローワークにあれば、その都度対応したいという答えだったと思います。半年過ぎて、何が起きているでしょうか。まず、この間、ハローワークに対して、高齢法に関する申告やそれに基づく指導がどのくらいやられているか伺います。
○岡崎政府参考人 改正高齢法につきましては、御指摘のようにこの四月から法が施行されています。その以前から、各企業に対しましては、この履行を確保するということのために指導を行ってきているところでございます。個々のハローワークへのいろいろな御相談、件数として把握しているわけではありませんけれども、私どもとしては、来ている相談につきましては、それぞれ適切に対応しているというふうに考えております。 なお、文書での指導ということでありますと、これは本年十一月二十四日現在で、百三件の文書の指導を行っているという状況でございます。
○高橋委員 十一月二十四日現在で百三件の文書指導ということは、非常にまだ施行されて間もない中で、随分あるのかなと思っております。そのことは、やはり労働者の側からも申告があり、実態はこうなんだという訴えが反映しているのではないかと思っております。私自身、実際に再雇用された方のお話を伺ったり、具体的な要請も厚労省に対して行ってまいりました。そして、実態は、当初私たちが指摘した懸念が現実のものになっているという印象を持っております。 まず、資料の一を見ていただきたいと思います。株式会社大泉製作所の再雇用制度の提案の資料でございます。この会社はもともと再雇用制度は持っておりました。ところが、ことし一月、改正法に合わせて表のような提案をいたしました。現行制度では退職時基本給の六割だったのに対し、時給で、四三・五%にまで抑えられるなど、大きく現行制度を後退させるものとなっております。しかも、たった今労基法三条の話をしたばかりですけれども、最後のところに、「非組合員とする」という条件がついております。これは非常に驚きました。明確な労基法違反あるいは不当労働行為に当たるのではないか。このような基準はあってはならないと思いますが、確認をいたします。 〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○岡崎政府参考人 御指摘の大泉製作所につきましても、所轄のハローワークの方にもお話が来ているというふうには承知しております。個別の個々の指導につきましてここでお答えするのは適切ではないというふうに考えておりますが、ただ、一般論として申しますれば、当然のことながら、労働組合法におきまして、組合員に対する不利益取り扱いは禁止されている、そういったことに当たるような形での高齢者確保措置ということであれば、これはその法律とのかかわりにおきまして適当ではない、こういうふうに考えているところでございます。
○高橋委員 一般論としか言いようがない事情もよく察しておりますが、今のお答えどおり、労働組合法に当たるだろう、不当労働行為に当たるだろうということを受けとめさせていただきたいと思います。 今、所轄にお話が来ているということがありましたけれども、当該事業所は、全日本金属情報機器労組、JMIUが三月三十一日に所沢労基署に訴えました。そのときには、労組の訴えを受けて、一度は受理をしませんでした、明らかに不都合があるということですからね。ところが、労基署は、八月二十四日には同じものを受理しております。 この間、繰り返し厚労省が述べてきたのは、あくまで労使協議が前提である、経過措置の三年間で会社側が協議なしに就業規則をつくれるのは、その条件が整わなかったときのみだということを言われてきたのではないかと思うんです。会社側は現行制度を一方的に破棄し、既に、制度が不備なために再雇用希望者が退職に追い込まれたという実害が出ていることをどう考えますか。また、協議が調わない現時点では現行制度が有効となると思いますが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 監督署におきましては、就業規則、意見書が整って出てきたものは受理しているかと思いますが、安定所の方にそういう状況につきましても連携のもとで情報をもらっておりまして、高齢者確保措置の担当は安定所の方でございますので、基本的には安定所の方で指導していく、こういうことになるわけでございます。 いずれにしましても、どういう形での高齢者雇用確保措置にしていくかということにつきましては、労使間での十分な話し合いのもとでやっていただくというのが基本でございますので、私どもとしては、そういう中で労使間で話し合いがつくように、適切な指導を行っていきたい、こういうふうに考えております。
○高橋委員 ここは一般論ですよ。会社側の提案については、労使間ではまだ協議がついておりません。ですから、現行制度が有効だと考えるのが普通だと思いますが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 具体的な状況をそこまで承知していないところもございますけれども、私どもとしては、具体的な状況を見ながら、適切な指導を所轄のハローワークでしていくようにしていきたい、こういうふうに考えております。
○高橋委員 まず最初に私が指摘した非組合員については、当然、労働組合法にも違反であるということがはっきりしておりますし、指導を受けているということもはっきりいたしました。そういう中で、まさかこれが生きるということはないだろうと私は思っております。 ただ、先ほど指摘をしましたように、これが長引くことによって実害が出ているということがあってはならない、そのことをしっかり指摘をしたい。しかも、これは本来ならば、組合から申告をされなくても労基署としてきちんと対応すべき案件ではなかったかということを強く指摘して、一刻も早い改善を求めておきたいと思います。 それで、資料の二枚目を見ていただきたいと思います。これは、日本高周波株式会社というところの再雇用者の基準に関する協定書の案でございます。この間も、協定を結ぶ際には、客観性、具体性などということが言われてきたんですけれども、現場ではどんなことが提案されているんだろうかというので、非常に驚く内容になっています。マル・バツをつけてみてください、皆さん。大臣にもぜひ感想を聞きたいと思いますので、見ていただきたいと思うんです。 全部は読めませんので一部紹介しますが、「勤務態度に対する基準」、「過去において、」つまり入社以来ですよ、「遅刻・早退・欠勤がないこと」「指定の作業衣・靴・帽子等を日頃から正しく着用していたこと」、これをだれが見ているのかなと思うんですが。「健康面に関する基準」、「コレステロールが正常であること」「痛風のないこと」「花粉症が無いこと」「老眼・近視等の視力異常が少ないこと、色弱でないこと」「喫煙の習慣がないこと」、これらすべてをクリアしなければならないと書いているんです。その上で会社が判断した者。ですから、これをすべてクリアしていたら相当医療費が楽だなと思いますけれども、ちょっと現実的ではない。再雇用する気はないと言っているに等しいと思います。 大臣、ちょっと率直に感想を伺いたいです。
○柳澤国務大臣 少子高齢化が進む中で、私ども、労働力人口の減少を大変懸念しているところでございます。したがいまして、これを補わなければならないということで、女性の方あるいは高齢者の方、こういうような方、特に高齢者の方が長年にわたって培った知識や経験を生かして職場の現場で働いていただけるということは、大変重要なことであるというふうに考えております。 本年四月に改正高齢法というものが施行されて、段階的に六十五歳まで定年を引き上げていくというようなことでお願いをいたしたいし、さらに安倍総理は、七十歳まで働ける企業ということで、高齢者の方々に頑張ってもらいたい、こういうことを表明しているわけでございます。 さて、そういう中で、定年後の再雇用について、ある会社のデータ、大変参考になりました。勉強させていただいたんですが、ただ、私、一般論を申しますと、法律的な意味で「次の要件を全て満たすと会社が判断した者とする。」というような言い方になりますと、ちょっと角張ったことになるかなと率直に言って思いますけれども、書いてあることというのは、メタボリックシンドロームは注意しなさい、こういうことでありますと、現在、厚生労働省がやっていることと同じようなことではないか、こういうようなことになるわけでございます。 ちょっと肩ひじ張った物の言い方になっているのは余り賛成しませんけれども、会社名、会社のことは念頭にありませんよ、私、余り知らないので念頭にないんですけれども、高橋委員も、そうここで目を三角にしてこれを非難されるというようなことはなくてもいいんじゃないか、もうちょっとお人柄のごとく丸く読んでいただいてもいいんじゃないか、こう思うわけでございます。
○高橋委員 人柄に対してはありがとうございますと言いますけれども、これは角張ったなどという話じゃないんです。すべてをクリアしなければいけない、私は眼鏡をかけているだけでもうだめなのかと。メタボリックを予防することと全然違いますよ、これは。 皆さん、ここにいらっしゃる政府参考人の皆さん、ここにいらっしゃる方ですべてマルがつく人はいますか、いないと思うんですよ。だから、これを努力することと、最初からそれを基準にすることとは別なんです。このことによってはじかれてしまうということなんですから。これは、初めから使用者側が恣意的に選別をするのではないかという指摘に当たるのだと私は言わなければならないと思うんです。 さらにめくってください。これを奇跡的にオールクリアしたとして、定年後再雇用契約通知書を結びます。しかし、勤務日時は午前九時から午後三時四十分までの週三日出勤とする。それ以上働いてはだめです。基本賃金は時給七百九十七円、産別の最賃ぎりぎりの額であります。大体六万弱くらいになるのかなと。そうすると、これだけの基準を頑張って満たしても、ちょっとこれでは暮らしていけないという現実があるわけですね。これでは、会社側はあれこれと基準を設けて会社にとって都合のいいように、不当な退職強要を合法的にできるようになるのではないか、そう指摘せざるを得ません。重ねて適切な指導を求めます。 このようなことは、一般論でいいですけれども、基準が余りにも不合理で退職強要につながるようなことがあってはならないと思いますが、その点、確認をいたします。
○岡崎政府参考人 高齢者雇用確保措置の対象をどういう方にするか、これは労使の間で真摯に話し合って決めていただくというのが基本だろうというふうに考えているところでございます。 そうした中で、実質的に、高齢者雇用確保措置の対象になる方がいないような基準でございますとか、あるいは恣意的に使用者が対象者を決めるような基準というのは適当ではない、こういうふうに考えているところでございます。 そういう考え方にのっとりまして周知、指導をしていきたい、こういうふうに考えております。
○高橋委員 恣意的な選別にならないように、しっかりと指導していただきたいと思います。 資料の四枚目を見てください。これはNTT東日本の資料であります。平成十四年の社長達ということで、これは「第二 対象者」と書いているところを見ていただければわかるんですが、「四十九歳以下の社員であって、」云々というくだりがございます。つまり、この時点で既にNTTは、五十歳になれば退職または別会社に配転というふうな制度をつくっておりました。実質五十歳定年に近いものではないかと思っております。賃金は三割カットになるそうです。 これがもう少しわかりやすい表現になっているのが、次の五ページの人事部長の通達、これは平成十七年です。「(三)四十九歳以下の社員」、下線を引かせていただきました。「平成十七年度四十九歳以下の社員であって、特に、雇用形態・処遇体系の選択を希望する者については、任命責任者に対し、退職・再雇用申出書を提出しなければならない。」というふうになっています。これは、やはり実質定年五十歳と言える制度ではないか。 高齢法は、六十五歳まで定年を延長したい、だけれども、それを義務づけるのは難しいといういろいろな議論の中で、それに近づけるための雇用確保措置をとるというのが本来の趣旨ではなかったかと思うんです。それが逆に、再雇用制度があるから定年は実質五十歳よ、このような制度は趣旨にそぐわないと思うんですね。法律の抜け穴を使って定年を実質引き下げ、安上がりな労働力に切りかえることはやめるべきだと思います。 そして、このことを許すことによって、平成六年に、八条に定年六十歳を義務づけました。いろいろな議論の末に義務づけました。その八条が空文になると思いますが、いかがですか。
○岡崎政府参考人 これまた一般論で恐縮でございますが、六十歳定年制そのものをなくすということではなくて、六十歳定年かあるいは五十歳の段階で別の勤務体系に入りながら六十五歳まで継続雇用するか、それを御本人の選択にゆだねるということであれば、六十歳定年そのものが直ちに否定されているということにはならないのではないかというふうに考えております。
○高橋委員 本人の選択という一言で、実質九割以上、ほとんどの方が退職になっているわけです。会社側も、定年とは五十歳だと述べている。それが当たり前になっていることはやはり制度の趣旨にはそぐわないと思いますが、違いますか。
○岡崎政府参考人 会社が五十歳定年と言っているというようなことはちょっと聞いたことがないので、コメントしかねる面もありますが、基本的に、一般論として言えばそこは本人の選択で、六十歳定年の道があるということになっているかどうかが基本的なポイントではないかというふうに考えております。
○高橋委員 この問題については、きょうの質疑の前にも随分やりとりをいたしました。やはり、だれしもが知っている大きな企業がやっていることを法に合っていると厚労省が言ってしまえば、どんどん波及していくんです。 先ほど、前に答えたように、恣意的なことがあってはならない、きちっとやっていくというふうにおっしゃいました。そのことから見ても、実質恣意的になっているんだったら、これはいかがなものか。六十歳過ぎても働けるということが本来の目的だったのに、五十歳で人生の選択を迫られる、それどころか、それより下げられる可能性も出てきます。こうしたことが絶対にあってはなりません。 最初に言った趣旨に立ち戻って厳しい指導をしていただくことを重ねて指摘して、残念ですが、時間が来ましたので、これで終わります。
○櫻田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 本日の午前午後にわたる質疑、大臣、委員長初め各委員の皆さんも、大変に多様な質問が次々と皆さんから寄せられておりますので、いろいろな意味でお考えになることも多かったかなと思います。 しかしながら、私は、正直言って、きょう大臣の御答弁を聞いておりまして、いつもの大臣らしくないなというか、何となく、大臣はいつも御自分の言葉で、そして柔軟にお答えでありましたが、きょうは、冒頭から年金問題であったせいか多少ガードもかたく、なかなか大臣としてのリーダーシップを発揮していただくにはいろいろな制約があるのかなとちょっと思いながら拝聴しておりました。 しかしながら、私の質問は、本当に現在の我が国の社会が直面している極めて重要な、そしてここにおられる皆さんがどんなお考えをお持ちであっても、必ずや解決していかねばならない私どもの未来の子供たちの問題でありますので、ぜひ、大臣も頭をしっかりとやわらかにして、先ほど高橋さんに角張らずとおっしゃっていましたが、今度は私の方から大臣にそのようにお願いして、冒頭の質問をさせていただきます。 まず一問目は、赤ちゃんが生まれる場、出産の場がどんどんどんどん少なくなって、消えていっているというデータが、また昨日も新聞発表されておりました。新聞に発表されておりますものを引きますと、お産の場はこの三年間で大体一割少なくなったという見出しであります。 三年で一割と言われると、何となくこの実感というものがぴたっとこないかもしれませんが、ちなみに、この十年をとってみますと、平成八年、病院や診療所、大体今、病院か診療所、あと、ごく少数助産院でございますが、そこで分娩のできる場所というのは、平成八年が三千九百九十一カ所、約四千カ所であります。ところが、昨日発表された平成十七年度の病院や診療所の数では二千九百三十三。すなわち、ラフに言って、ざっと言って十年前は四千カ所あったものが、たかだか十年で三千カ所に減ってしまった。本当に深刻な、私は、よく言われるお産難民という、どこでお産していいのかわからないというような状態が世上たくさん言われますが、そのことを本当に数値であらわしたようなデータであると思いました。 まず冒頭、大臣に、このデータ、お気づきになりましたかどうか、あと、どのようにこれから、出産の場が少なくなっている、十年間で四分の三になった、四千カ所が三千カ所になったということをどのようにお受けとめであるかを、冒頭、一問お願いいたします。
○柳澤国務大臣 まさに、四千カ所が三千カ所になったという報道で私もその実感を持ったわけですけれども、同時に、阿部委員に唆されてわき道にそれるわけじゃありませんけれども、私は、自分の孫が三歳の七五三になったときに、家内が一生懸命デパートに電話をして、それも直前になって電話して、安くなっているから買おうという魂胆なんですが、着物の注文を一生懸命やっていました。それを聞いて、こういう母親なり祖母が二百万人は昔いたんだ。ところが、今は百十万とかそこらになってしまった。これではデパートの売り上げも下がるなと思って、私は、本当にもろに人口の減少というものが経済の活力にも影響があるんじゃないかという思いで、そのとき、そんな感想を持ちました。 本論に戻りますと、四千カ所が三千カ所になったということですが、二百万人ぐらい生まれていた新生児が百万ちょっとになったということで、実は、産科医の数がかなり減って、あるいはお産ができる施設の数が、今先生御指摘のようにかなり減っているんですけれども、出生、一人当たりの状況がどうなのかということもまた考えないといけない。そうなったときに、一人一人のお母さん、妊婦さんが、少なくならざるを得ないお産のできる施設に一体どうアクセスすればいいかということは、本当にこれは問題だというふうな感想を私は持っていまして、感想だけじゃなくて、これを何とかしなきゃいけないということを医政局その他に今申し上げている、こういう段階です。
○阿部(知)委員 お産のできる場所の数の減少は、ことしの初めの医療制度改革論議のときにも、厚生労働省としては、お医者さんの数も少なくなっておりますし、あわせてお産は生まれた後の赤ちゃんのケアで小児科医も必要ですから、そういうことで出産と小児科ケアができるところを集約化、集めていこうということで、一部減っているというふうにも考えられなくはありません。 しかし、また、その集約化の中で、今大臣が御指摘になったように、遠くまで行かなきゃ産めない、安心して産めない、安全に産めないなどの問題が発生し、きょうも各委員がお取り上げでございました。 そして、数の減少が、集約化でそこが充実するならばまだしもです。実は、神奈川県を例にとりますと、二〇〇二年度で、大体お産をできる場所の数とそこで何人生まれることができるか、定員があるわけです。これが七万人といたしますと、二〇一五年度には六万人という調査が出ております。現状の施設がこの十年続くとしても、さまざまな制約で出産を取り上げられる数が減っていく、場所も減っていく、数も減っていく。一方で、国は、やはり子供が本当に私どもの未来であるということで政策を重ねられているはずなのに、ちっとも対策になっていません。 ちなみに、私の藤沢市、このデータでもそうですが、出産ができる場所がどんどん減っているのはむしろ都市部である。深刻なのは、十五歳から四十九歳の女性の年齢層をとって、十万人に対して幾つ出産の場所があるかととると、最も低いのが東京で六・二、神奈川が六・八、大阪が八・幾つと、都市部ほど減少が著しくてお産難民が生じやすいという例ですが、私の藤沢をとりましても、大体二〇〇五年度現在で三千三十六の受け皿があるところが、二〇一五年度は、このままでは恐らく二千百四十三になってしまう、十年たってまた三分の二になってしまうというような、これは産婦人科医会が調査された結果でございます。 私は、さきの厚生労働大臣の川崎さんにもお願いいたしましたが、やはり医学教育、看護師の教育、医師の教育、本当に今文部科学省と厚生労働省がきっちり手を携えて、もちろん、すぐあすにふやすことはできないかもしれない、でも、きっちりとした数と質を確保していく、もうこれは腹をくくらないとどうにもならないところまで来ていると思います。 大臣には、きょうこのことをまず一点お願い申し上げまして、具体的にどうすればいいのかは、またきっと大臣はお考えくださると思いますから、その一点をお願いしたいと思います。 あと、現場にお願いしたいことがございます。このようにどんどんどんどん出産できる場が減っている。これは特に病院と診療所の数でございますが、減っていて、私は先日来、やはり自然なお産、産むという行為がもっと社会の中で本当に定着して、私たちの命を紡ぐところになるために、助産師さんの活用をとお願いいたしました。 皆さんのお手元の資料の後半二枚をあけていただきますと、ここには、ああ、こんなグラフ見たことあるなと思われる方も多いと思いますが、これは実は最新のグラフで、ほかほか、でき上がりなんですが、厚生労働省の資料を用いまして、一体、病院や診療所で赤ちゃんは何曜日に多く生まれているかということをグラフ化したものでございます。 ちなみに、一九八〇年や二〇〇二年にも同様のグラフがありますが、実は、相変わらず、なぜか火曜日に赤ちゃんは多く生まれます。土日は生まれません。赤ちゃんも、きょうはいい日かな、生まれていい日かなと思って出てくるのかもしれませんが、しかし、やはりこういうグラフから見ますと、かなり病院側の体制によってお産が決められている。そういうことがされざるを得ないという、土日は人手が薄いですし、週の後半に、場合によっては陣痛促進剤やあるいは帝王切開などでまだお産をせざるを得ない状況をグラフ化したものであります。 ちなみに、その次の、最後のページでございますが、これも同じように、二〇〇五年までもデータに加えたものですが、これは以前に自民党の戸井田先生もこのようなグラフをお示しいただいて、大変理解ある男性の議員がいてうれしいなと思いましたけれども、助産所での出産の、これは時間別の出生でございます。朝方、これは潮の満ち干と関係しますかもしれませんが、四時から六時ごろ多くなって、午後には少し下がっていく、これはずっと年来のカーブでございます。 ところが、ほとんどが病院と診療所でなされている出産を例にとったのが下でございます。明らかにここには、なぜか午後の二時にピークがございます。このこともまた、火曜の午後二時というのは極めて人工的に設定された赤ちゃんのこの世への出現時間であります。 こういうこと一つとっても、やはり本来安心で安全なお産が、ナチュラルなものとして、本当に生まれ出てくる赤ちゃんの波に乗って実現されていくために、私は助産院の活用ということをお願い申し上げたのですが、そして大臣には、実は数回の御答弁の中で、助産院も周産期のネットワークの中にしっかりと位置づけてやっていきますよという本当に前向きな御答弁をいただいたのですが、しかし、現状はそれと反対の方向に進んでおります。 ここに、私がいただきましたのは、都内のある超有名な病院の近郊の助産院が、今まではそこに連携施設をお願いしておりましたところ、この前の医療制度改正によって、平成の二十年度から新たなシステムが発足しますので、その間、あなたの助産院とはもう連携ができませんというお断りの手紙が寄せられたという内容でございます。 やや長くなりますが、山井さんのように感涙にむせびませんので、ちょっと読ませていただきます。 冷静に、「さて、本日お手紙申し上げたのは、貴院からご紹介で事前登録をなさる妊婦さんの件についてでございます。」これは病院側が出しているものです。「現在、当院では、近隣の診療所、病院との登録医制度(セミオープンシステム)を設けております。これは、近医である登録医で妊婦健診をしていただき、救急時は当院を受診、また分娩のハイリスク状態にも当院が対応し、妊婦さんの快適性の向上と安全性を確保することを目的に行っているものです。」ここまでは全くいいのです、セミオープンシステムもやってほしい。 そして、「今後は、この制度を助産院にも広げるために、提携の内容、運営の方法等を検討しつつあるところですが、いまだ体制は整備されておりません。 そのため、当院といたしましては、今後、貴院からの」相手は助産院です、「貴院からの事前登録をお引き受けできないことをご了承いただきたくお願い申し上げる次第です。」 ここに言われていることは、今まで連携していたんですね、でも、今度の医療法改正で、平成二十年度から始まるときに、セミオープンシステムを助産院にも開放したいから、今ある連携はちょっとやめにしてほしいと。 しかし、これから二年間、全く赤ちゃんは生まれないかというと、そうではありません。二年間ゼロ出生であれば、年金の見通しもとうに狂ってしまって、けさの大臣の御答弁どころではいかなくなります。現場の部局として、現実にこのようなお断りが大変にふえているという声が助産師さんから上げられていますが、実態について御存じかということと、実態を調査していただきたい。 法律は、改正した後どうなったかというところで、極めて問題な場合もあるわけです。障害者の自立支援法も、与党の皆さんの御好意で、来週参考人のお話になりましたが、お産の方も本当に喫緊です。いい医療改正をしたつもりが、現実にはお断りばかりで、助産師さんからの赤ちゃんが宙に浮いてしまう。安心と安全が担保されないという現実ですから、これは医政局にお願いする御答弁かと思いますが、まず御存じか、そして御存じでないなら調査をしていただきたい。いかがでしょう。
○大谷政府参考人 周産期の医療体制の整備は、御指摘のとおり大変重要な課題でありまして、助産所やそれから一般の産科医療機関を含めました周産期医療ネットワークの整備を現在計画的に進めているところであります。 先ほどお話ありました助産所でありますが、お産に果たす重要な役割にかんがみまして、ネットワークにおける助産所の位置づけというものも明確にするということで、この十月にそういった通達を発出したところでございます。 しかしながら、今御指摘がありましたように、助産所からのネットワークというか、搬送を断る病院があるという御指摘につきましては、残念ながら、そうした状況を把握しておりませんでした。単に助産所であるからというだけの理由で、そういう搬送を断るということがあるのかという気はいたします。また、そういう理由だけでは、あってはならないという気がいたします。 いずれにせよ、地域で、医療機関相互の日常の連携とか、それから信頼関係が大切でありまして、こういった部分でネットワークが機能しないということは非常にあってはならないことと考えておりますので、その現状につきましても、周産期医療ネットワークが今どうワークしているか、これは調べなければならないと考えております。
○阿部(知)委員 これは、たったお一人の助産師さんではないのですね。何件も何件も寄せられております。 私も病院サイドにおりましたので、よそから来る、途中で転送してくるわけですから、何がしかのリスクを抱えていると思えば、やはり受け取る側も正直言って不安ではございます。しかしながら、私どものところで受け取るしか、現実には、妊産婦さんにとって、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても手だてがないわけでございますから、病院側が何に不安を抱くか、あるいは助産師さんたちがどのように現状困っておられるか、ぜひ実態をお聞き取りいただきたいと思います。 引き続いて、次の質問に移らせていただきます。 きょうは社会保険庁の村瀬長官に御足労をお願いいたしましたが、この間、社会保険庁における年金の不正免除問題は、いまだ当委員会としてもきちんとした集中的な審議は、最終結果を受けて行われておりませんし、この件につきましては、ぜひ委員長に、理事会をもちまして、非常に重大な年金問題ですので、不正免除の全貌が明らかになったと長官がおっしゃる時点で、委員会としてきっちりとした審議を持つことを理事会にお諮りいただきたいですが、いかがでしょうか。
○櫻田委員長 協議します。
○阿部(知)委員 ぜひよろしくお願いいたします。 私がきょう取り上げますのは、この年金の不正の問題ではございませんで、もう一つ、社会保険庁が行っておられる重要な業務として、いわゆる医療保険のレセプトといいまして、医療にかかりましたときは、例えば、患者さんが三割の負担、病院側が収入としていただきます十割のうち、保険者から七割、患者さんから三割。通常の診療は、病院でまず窓口で患者さんが三割お支払いになって、病院側にやってくる残りの七割は、その後、その診療がきちんとした保険の審査を経まして、しかるべく病院には収入になるわけです。 ところが、この審査をいたしましたときに、いや、ちょっとこれは取り過ぎ、払い過ぎだよということがわかりますと、患者さんにとっては過払い、払い過ぎてしまったということが生じます。保険で査定がされて、この額はちょっと高いよと言われたときには、病院にはその減額されたものが入ってきますが、でも、最初に窓口で払ってしまった患者さんは、知らぬが仏ならぬ、知らないままで、ずっと払い過ぎたままで放置されることがございます。 このたび新聞報道でも明らかになりましたが、いわゆる社会保険庁が直接に管轄しておられる政府管掌保険において、こうした、患者さんが払い過ぎて、払い過ぎたことを知らされないでという事案が、少なくともこの三年で一万八千件に上るのではないかという報道がなされました。 まず村瀬長官に伺いますが、なぜかかる事態が発生したのか。この前までは年金問題だった。今度は、過払い、払い戻すべきものが払い戻されていない件数が膨大に出てきた。となると、社会保険庁の業務とは一体どのように運営されているのか、国民は非常に不安を抱くものでありますので、まず村瀬長官にこの事態についてのお考えを伺いたいと思います。
○村瀬政府参考人 今先生御指摘のように、社会保険庁といたしましては、政管健保の保険者といたしまして、高額査定の通知についてお知らせするというのは、これは基本的には義務でございます。サービスの一環としてやらせていただいているわけですけれども、この部分の中で、一部の事務局で実施をしていなかったところが散見できたということでございまして、まことに遺憾だというふうに思っております。 したがいまして、この部分につきましては、早急に通知をいたしまして、対象者の方々についてはしっかりお送りするようにすること、それから、当然、送られていなかったところの中で虚偽の報告をしているところもございまして、その虚偽報告の中身についてもしっかり精査をしたい、このように考えております。
○阿部(知)委員 非常に構造は、申しわけないけれども、年金の不正免除とよく似ているわけです。 きょう皆さんのお手元に私が配らせていただきましたのは、各社会保険事務局別の年度別通知件数。これは、県単位で一つ一つの局になっております。 ここで見ていただきますと、例えば埼玉県、ああ、年金の不正がありましたね、ここでは、十五年度ゼロ、十六年度ゼロ、十七年度ゼロ。患者さんからは過払いというか、本来は返されるべき通知を患者さんに対して全く行っていない。ゼロ、ゼロ、ゼロ。残念ながら私の神奈川もそうですね、ゼロ、ゼロ、ゼロ。実は、ないわけはないのです。レセプトというのを点検すれば、中にはやはり、これはちょっといかがなものかというものは必ず出てまいりますから、ゼロ、ゼロ、ゼロはうそだということであります。 果たして、このような虚偽、うそが、少なくとも、これは三年前までしかさかのぼれないので三年のデータが出ておりますが、なぜこれまで見過ごされてきたのか。やはり何らかの業務の形態、逆に、ゼロも、ゼロとしてここに上げられていますが、他の数値も本当なんだろうかということが浮かんでまいります。 きょう、時間の制約で、申しわけございませんが、村瀬長官には、こうしたゼロ報告、今回初めてまた指摘され、驚愕しておられるのか、またどうしてこういうことが起きたのか、どうすればいいのか、これは全部もしかしてうそかもしれないのか、どのようにお考えでしょう。
○村瀬政府参考人 今先生がお示しいただいております県別の数字は、通知をしている件数でございます。 一方、高額査定でチェックをした数字というのもとらえてございます。その中で、明らかに、ゼロという部分については、あるにもかかわらず通知をしていない。ただ、社会保険庁に対する報告では、通知をしていたというふうに来ておりますので、根本的に、なぜそういううそまでついたのかということについては、先ほど申し上げましたように、しっかり調査をしたい。それと同時に、その中身によっては対処策を講じなきゃいかぬ、このように考えております。
○阿部(知)委員 長官にも大臣にもお願いですが、まず、査定といってひっかかってきた、これの総数とこの通知の数と、また違うかもしれないわけです。本当のことを、そして、国民はやはり、自分が受けた医療が高過ぎたら返してもらう権利を持っているんです。私は、こういう一連の事件、年金の不正免除もそうですが、だれが主人公なのかが忘れられている医療保険行政にもなると思います。このほかの、例えば組合健保や国保でももしかして同じ構造があるやもしれません。 きょうは時間の関係で社会保険庁にしかお伺いできませんでしたが、社保庁がきっちりとした調査をしてくださることによってまた全貌が明らかになりますので、引き続いて長官にはやっていただきたいと思います。 以上で終わります。
○櫻田委員長 次回は、来る六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会