厚生労働委員会 第2号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2006/10/25
会議録
○櫻田委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官梅田邦夫君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮島俊彦君、医政局長松谷有希雄君、健康局長外口崇君、医薬食品局食品安全部長藤崎清道君、労働基準局長青木豊君、職業安定局長高橋満君、雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君、社会・援護局長中村秀一君、社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君、政策統括官薄井康紀君、政策統括官金子順一君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁総務部長清水美智夫君、社会保険庁運営部長青柳親房君、農林水産省大臣官房審議官佐久間隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○櫻田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。
○大村委員 皆さん、おはようございます。衆議院議員の大村でございます。 柳澤大臣を初め、新しい体制になりまして初めての委員会質疑ということで、そのトップバッターで質問をさせていただきたいと存じます。ひとつまたよろしくお願い申し上げます。 また、柳澤大臣におかれましては、まさに自民党きっての税財政の専門家、大家ということでございまして、まさに今社会保障は、この日本の国の形、あり方を、この社会保障を決めていかないとこの国のあり方が規定できないというところまで来ていると思います。毎年の予算編成でも、社会保障の予算を決めないと国の予算が組めないということになっていると思います。 そういう意味で、昨年は、児童手当の話だとか障害福祉予算だとかいろいろな予算の関係の中で、また、たばこ税の増税だとかいろいろな話がありまして、柳澤大臣、自民党税調会長として大変御苦労をいただいたことを何かきのうのことのように思い出します。 そのまさに国家財政、税制に御精通をしておられる大臣のもとで、しっかりとこの社会保障政策が進んでいくようにまた御期待申し上げたいと思いますし、我々もしっかりと議論させていただきながら、建設的につくっていきたいというふうに思っております。まず、そのことを申し上げさせていただきたいと思います。 そして、きょうは、限られた時間の中で、二つの分野について御質問させていただきたいと思います。 まず一つは、最初、社会保険庁の改革について申し上げたいというふうに思っております。 この社保庁の改革につきましては、この問題につきましては、私もこの委員会でもたびたび取り上げさせていただきました。また、党の場でも、もう数年来ずっとこのあり方を議論させていただいてまいりました。武見副大臣は自民党の社会保険庁の改革ワーキンググループの座長として、大変過激なというとちょっと問題がありますけれども、強硬な御意見を、筋の通った御意見を言われてまいりまして、私も何か同じような路線でやってきたという気がいたします。 この社保庁については、ずっといろいろな御議論があって、さきの国会で法案を出して、そして議論を進めてまいりました。ただ、その過程の中で例の不祥事案がたくさん出たということで、さきの国会では終盤、特に最後に、六月十六日にこの社保庁問題についても集中審議をしたという経過がございます。私もそのときに申し上げました。 そのとき申し上げたのは、もう一回ポイントだけかいつまんで申し上げますと、法令遵守するのは、これは公務員として当たり前のことだ、このことをやってこなかったということは、国民の信頼を損ねたという意味で遺憾千万ということだろうと思います。では、そのよって立つ原因は何なのか。これは、そもそも社保庁の構造問題、三層構造と言われている、本省キャリア、それから社保庁の採用の皆さん、そして現場の地方事務官制度以来のそういった職員の体質、そういったことがあったというふうに言われております。また、ガバナンスが十分できていないということも言われております。 要は、これは、さきのこの不正事案のときでも、マスコミ報道等々で、現場の方のインタビューを聞くと、ノルマをかけるからいけないんだ、ノルマがきついからしようがないじゃないかというような発言が続出した。そういうような体質こそ今回改めていかなければいけない、やはり、こういう実務をやる上においては、現場がしっかりしないといけないんだということを申し上げさせていただきました。その現場をどういうふうに立て直していくかというのが今回の一番ポイントだというふうに私も申し上げさせていただきました。 その後、三十八万五千件を超える不正事案が発覚をいたしまして、千七百人を超える処分をされたわけでございます。これも、社保庁についても、この臨時国会でもたびたび本会議、また予算委員会等々で議論もされてまいりました。これについては、まさに解体的な出直しをやっていかなきゃいけない、解体してまさに出直しをしなきゃいけないときだというふうに思っております。 そこで、まず、今般の事態に至った一連の経過、一連の原因、これについてどう社会保険庁、厚生労働省として総括をしておられるのか、そして、こうした事態が二度と生じないようにどういうふうにされようとしておられるのか、まずしょっぱなの質問としてこの点についてお聞きしたいというふうに思います。時間も限られておりますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○村瀬政府参考人 委員の御質問にお答えを申し上げます。 事実関係からいいますと、八月三日に第三次報告書を公表させていただきました。これは、大臣政務官のもとの検証会議におきまして中を精査していただいた上での状況でございます。件数からいきますと、先ほどおっしゃいましたように、全国で二十二万件、その他事案を含めると三十八万件という不適正処理が判明いたしまして、国民の信頼を損なう事態ということで、国民の皆さんに深くおわび申し上げたいと思います。その関連で、八月二十八日に、千七百五十二名の処分、うち六名停職、二十五名を降任、降格という形で処分をさせていただきました。 その中で、原因は何なのかということで、先ほど委員からも御指摘ありましたように、法令遵守意識の欠如、これが最大のものと考えております。その構造的な背景ということからいきますと、一つは、地方事務官制度に由来する都道府県単位の閉鎖的な職員意識、これがやはりまだ残っていたということでございます。それから、独自の判断で事務処理を行う組織風土、これがあったということが一番大きな原因だろうと思っております。 一方、本庁側におきましても、それでは、業務の標準化とか統一化、これができていたかというと不十分であった。また、地方組織に対しまして、指示はしますがフォローを十分に行わなかったというガバナンスの問題がございます。やはりここをしっかり強化していかないと、再発防止にはつながっていかないんだろうというふうに思っております。 したがいまして、これを受けまして、何をしたかということからいいますと、一つは、法令遵守意識の徹底、それから業務の標準化、統一化の徹底、それから都道府県域を超える広域な人事異動、これらを現在再発防止策としてやらせていただきまして、さらに、国民の視点に立った業務改革の推進、職員のレベルアップ並びに意識改革の徹底、それから、指示を明確にしフォローをしっかり行うガバナンスがきいた組織の構築、この三点を徹底的に強化して、再発防止に万全を期したいというふうに考えております。 厳しい道のりではありますけれども、職員の意識改革を徹底し、強い決意と危機感を持ちまして、国民の皆さんから信頼回復がしていただけるよう、改革に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○大村委員 社保庁の改革につきましては、これまでも我々自民党の中で、また与党として責任を持って議論をし、進めてきたというふうに思っております。 しかしながら、今回の発覚した不正事案を踏まえまして、国民の目線に立った改革、さらなる改革をやはり進めていかなきゃならないというふうに我々は認識をいたしております。 そういう意味で、この社保庁改革を進めるに当たりまして、もう議論はこれまでもずっと出尽くしているというふうに思います。こうした議論を踏まえて、国民の目線に立った改革をどう進めていこうとしておられるのか、改めて柳澤大臣の基本的考え方をお聞きしたいというふうに思います。
○柳澤国務大臣 社保庁改革につきましては、もう一つの事業法、事業面の改革を行っております法案とともに、社保庁改革、二つの関連法案ということで、前国会に提出をさせて御審議をいただいたわけでございます。審議未了ということになりましたので、私ども、九月の二十六日の日に安倍内閣の組閣が行われたわけでございますが、その日の初閣議でもって、この社保庁改革関連二法案については、引き続き継続の御審議を国会にお願いするということで閣議決定をいたしたわけでございます。 そういうことでございますので、私どもといたしましては、先般の私の所信表明でも申させていただきましたように、この私どもの提出したところの法案を中心として、ぜひ社保庁改革について御論議をお願いしたい、これが私どもの立場でございます。 しかし、実質的に、今先生の御質疑にもありましたように、これまで御議論が与党を中心として進められてきたという経緯もございますし、その過程で新たな不適正な減免というか不適正な処理が行われたということ、しかもそれがかなり大規模な案件にわたって行われたということで、これではいかぬ、もう一度、そういったことを踏まえての改革論議が行われなきゃいけないということで、与党方面の声が非常に上がってきている、野党の御議論も同様かと思いますが、そういうことになっているというふうに私ども認識をいたしております。 したがいまして、そういうふうに国会提出後に発生しましたいろいろな問題、御論議、こういうものを全部踏まえまして、我々の提出した法案を中心にというか、そこを一応の俎上にのせていただいて、そして一番いい形の改革、まさにそれは国民の皆さんから一番信頼されなければならない年金の執行を受け持つ機関として、本当に信頼されるような、そういう姿に変えていただく、そういう改革をしていきたい、このように強く念願をいたしております。 我々としては、いわば俎上にのったこの案についていろいろ御論議をしていただくことを期待申し上げているということで、そういう御論議の上で、必ずこの社保庁改革を国民の期待される形、今、目線に合った形と言われましたけれども、そうしたことを踏まえたいい形のものにしていくということについて、強い決意を持っているということでございます。
○大村委員 きょうはさわりでございますので、この問題はこの程度にしておきたいと思いますが、今柳澤大臣が言われましたように、社会保険庁というのは、年金を中心として、医療も受け持つ大変重要な執行機関だというふうに思っております。この信頼が失墜をするということは、社会保障制度全体に対する信頼にもつながってくるわけでございます。先ほど来柳澤大臣、そしてまた村瀬長官が言われましたように、国民の信頼をどう回復していくのかということは、一にかかって、この社会保険庁という役所をもう一度ゼロベースから見直して、まさに解体をして、そしてこれをもう一回再構築していくということで初めて国民の信頼が回復できるというふうに思っております。 そういう意味で、これまでもこの議論は我々自民党、そして与党がリードをしてきました。引き続き我々自民党は、この社保庁改革について議論をリードしていくということを申し上げて、そうした議論の中で政府の方もこれに従っていただきたいということ、きょうはそのことを申し上げて、この質問はおきたいというふうに思っております。 いずれにしても、この問題は引き続きしっかりと議論をし、国民の目線に立って国民の信頼を回復する、その一点を目指してしっかりと進めていきたいというふうに思っております。 次に、医療について質問をしたいというふうに思っております。 これは、この六月に医療制度改革の法案が成立をいたしました。それまでに一年有余をかけて私ども自民党内で医療委員会や厚生労働部会を中心に議論をし、そしてことしの年明けに、療養病床を初めいろいろな論点を含めて、武見副大臣にも大いに参加をしていただきまして大議論をさせていただいたのがついこの間のように懐かしく思われますけれども、その上で成立をいたしました。 その医療制度改革とあわせて、ことしは、それに沿いまして、二年に一度の診療報酬改定が行われたわけでございます。この改定の方向、これは私、さきの通常国会でも質問させていただきましたが、いわゆる重点化をしていく、小児、周産期、麻酔、救急などのそういった重点分野に配分をしていくといった方向は、私は、これは今望まれている方向だというふうに理解するわけでございますけれども、そのほかいろいろな意味での改定をやりました。そういった意味で、いろいろ御意見、御要望も寄せられているのは事実でございます。 そういった点での実際の影響評価、そういったものをどういうふうに検証し、フォローされていこうとしておられるのか。これは、全体がマイナス三・一六%という大変な厳しい状況の改定でございました。また、技術料本体についてもマイナス一・五、医科、歯科、マイナス一・五、一・五、調剤はマイナス〇・六、そういう厳しい状況の中での改定でありますが、どうもそれ以上のマイナスの影響が出ているんじゃないかと懸念する声も現場から寄せられております。 これについてどういうふうにフォローしておられるのか。これはちょっと政府の見解をお聞きしたいと思います。簡潔にお願いいたします。
○水田政府参考人 平成十八年度の診療報酬改定の結果の検証についてのお尋ねでございますけれども、この件につきましては、現在、中医協の公益委員、それから専門委員で構成されました診療報酬改定結果検証部会におきまして、精力的に検証作業を進めているところでございます。 具体的には、特に国民の関心の高い事項を中心にしまして現在調査に着手をしておりまして、その結果を踏まえて、平成十九年度当初までに中間報告をまず取りまとめまして、そのうちできるだけ早い時期に最終報告として取りまとめることとしてございます。それに加えまして、診療報酬改定の数字、数値的なことにつきましても、全体の評価というものもこの部会においてしていきたい、このように考えてございます。 いずれにしましても、事態の推移というものを注意深く見守っていきたいと考えております。
○大村委員 そういうことで、この十月から結果検証部会で五項目を中心にやられるということは聞いておりますけれども、それは実際に現場の声をよく聞いて、しっかりフォローをしていただきたいと思います。 その中で、特に歯科についてお聞きしたいと思います。 これはマイナス一・五というのが本体の改定ということでありますが、それ以上の影響がある。実際に、四、五、六、七、七月ぐらいまでの数字は出ておるわけでございますが、だんだん少しずつ落ちついてきたという感じはしますけれども、その点についても、ちょっとそれ以上の影響があるのではないかという声もございます。 そして、あわせて、いろいろな指導管理料についての文書提供の負担が相当重い。これもいろいろな議論を経てのことということは理解いたしますが、現場の方ではそういう声がある。要は現場の医療行為がスムーズに、円滑にいくようにしていくのが我々の役目だと思っておりますので、そういった点についても今後改善をされていく、これまでも改善をしました、改善をされていくということもお聞きをいたしておりますけれども、その点について簡潔にお答えをいただきたいというふうに思います。
○水田政府参考人 歯科の今回の診療報酬改定におきまして、御指摘がありましたとおり、特に患者への情報提供を推進するという観点から、病状、治療計画を患者に説明する、それから、これらを文書により情報提供することを指導管理料の算定要件としたところでございます。 この点につきましては、できるだけ事務負担の軽減が図られるように、既にこれまでもカルテあるいはレセプトの起算につきまして運用面での簡素化を図ってきたところでございます。さらに、これに加えまして、現在、日本歯科医師会におきまして、私どもと協議をしながら、この提供文書のひな形というものを作成中でございます。このひな形ができますと、いわば過不足なく情報提供をするというスタンダードができるものでございまして、効率的な情報提供の推進ということが図られると私ども期待をしているところでございます。 ただ、あわせまして、先ほど申しました結果検証部会におきまして、この文書提供によります患者の満足度、それから文書作成に係る事務負担の観点から調査を開始する予定でございまして、この結果を受けまして必要な措置をとっていきたい、このように考えてございます。
○大村委員 ぜひ今の答弁の方向を進めていただきたいと思います。しっかり我々もフォローしていきたいというふうに思います。 次に、今回の診療報酬改定のポイントの一つとして、入院患者等に対しましてより手厚い医療サービスを提供していくという趣旨で、看護職員の実質配置、今まで十対一というのが一番高い水準で、一番点数も高かったわけでありますが、新たに七対一という基準をつくって点数をふやしております。このことは方向性としては理解をいたします、評価もするということでございますけれども、一方で、そのことによって、ただでさえ足元、看護師不足が相当深刻だというふうに言われている中で、さらにそれに拍車をかけているという声があるのは事実でございます。 私も日本全国いろいろなところを回りますけれども、特にそういう各地域の拠点となる大学病院がまずかき集めて、ブランドがありますからね、かき集める。例えば東大病院が来年の春に、今四百人看護師がいるところで三百人新規に募集するとか、この間私大阪に行きましたら、阪大病院が百八十人募集して、もう実際に内定は、聞いた話ですからあれですけれども、二百三十人出しているとか、そんな話があるんですね。そうなると、どこから引っ張ってくるかというと、民間病院から吸い上げていくということなのかなということだろうと思います。 要は、これは大学病院とか全国の官立病院、いわゆる県立病院、市民病院、そういったところが多くの看護師を集めている、そういう動きの中で民間病院のところから引き抜かれていく。運営上支障が出ているんじゃないかというような声もございます。 厚労省は、看護師確保対策を講じている、今、全体の五十万人を超える看護師の資格を持っている方が実際にその業務に携わっておられない、眠っている、だからそういった方々を引っ張り上げたいということを言われるんですけれども、そういったことを言われても、本当に出てくるのかというふうに言われております。 一方で、医療の高度化に対応いたしまして、看護師の教育期間を、薬剤師についても四年を六年にしたということも含めて、やはり看護師の教育期間も三年を四年にしたらどうかというような声もある。方向としてはそういったことにもこたえていかなきゃいけないと思いますが、そういったことをやっていくためにも、この看護師不足を今のままで放置していていいのか、どうするんだという声がやはり全国から上がっているのは事実でございます。 そもそも私が問いたいのは、世の中大体官から民へ、官から民へというのが流れなのに、どうも今回の診療報酬改定で、逆に大学病院とか官立病院とかがどんどん看護師を民間病院から引っ張ってということになると、この医療の世界だけが何か民から官へというような方向になってしまうのではないか、現状そうなっているんじゃないか、そういう声がございます。 私は、これは大変大きな問題だというふうに思っておりますけれども、その点について、これはやはり何らかの手を打っていかなきゃいけないと思います。これは厚労省の考えを問いたいというふうに思います。
○松谷政府参考人 看護職員の確保についてのお尋ねでございまして、先生既に御指摘のとおり、従来から養成力の確保、離職の防止、再就業等の総合的な支援を行ってきたところでございます。特に各都道府県のナースセンターにおきましては、未就業のいわゆる潜在看護職員への就業あっせんに加えまして、これらの看護職員に対し、再就業を後押しするための看護力再開発講習会等を実施しているところでございます。 また、本年十月六日には、今般の看護配置に関する診療報酬改定の運用に当たり、医療関係団体に対しまして、看護職員の確保に関し、都道府県ナースセンターの積極的な活用等について改めて周知したところでございます。 さらに、今年度から、看護職員の確保が困難な地域や医療機関のために、研修体制等が充実した病院の臨床現場において研修を行うモデル事業などに取り組んでおりまして、引き続き看護職員確保対策を推進してまいりたいと考えておる次第でございます。 今般の診療報酬改定に伴いまして、状況が非常に深刻化しているということは私どもも憂慮しておりまして、さらなる対策がないか、今さらに研究し、進めているところでございます。
○大村委員 いや、答弁はそれで、この点の答弁はそれで結構だと思いますよ。だけれども、実際に、現場で本当に大変だという声ばかりなんですよ。だから、その点については本当に実効の上がるものをどうやっていくか、これもしっかりとフォローしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 私、最近、ずっと問題意識を持っているのは、そもそも日本の医療においてこの官立病院、あえて官立病院と言いますよ、官立病院と民間病院とのあり方を医療政策の中で考えたことがあるのかということを言いたいのであります。 日本の医療は、やはり拠点は大学病院とか官立病院とかがそういったことを担ってきている部分もあると思いますが、多くはやはり民間病院の皆さんがやっているわけですね。そういったものをどういうふうに位置づけていくのか。今回、制度改革の中で社会医療法人というのをつくりました。これはぜひ、仏に魂を入れて、しっかりと医療政策上もこういった民間病院を位置づけていく必要があるというふうに思います。この点についても簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○松谷政府参考人 従来、公立、公的な医療機関が中心となって担ってきた分野につきまして、民間で担える医療は可能な限り民間にゆだねるという観点から、今先生御指摘の社会医療法人制度を創設するなどの措置を講じたところでございます。今後、地域で必要とされる医療の確保におきまして、社会医療法人を初めとする民間の医療機関がその機能を大いに発揮されることを期待しているところでございます。 もちろん、公立の医療機関はそれなりの意義を持って設立されておりますし、今般の改定の中でも、地域医療計画等で都道府県が定めた施策に協力すべき旨の規定を盛り込んだところでございまして、それらの働きは引き続きやっていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、これからは、公立が中心となってやってきた分野におきましても、民間で担える医療は可能な限り民間にゆだねるという方向で医療提供体制の構築をさらに促進していきたいと思っております。
○大村委員 この点についても、答弁は今の答弁で結構なんですよ。だから、実際にそういう方向でしっかりやっていただかなきゃいけない。これは、私、ずっと問題意識を持っているので、これから具体的にこれはフォローしていきたいというふうに思っております。 最後に、医療紛争の処理のあり方について、大臣にお聞きをしたいというふうに思います。 今般、奈良県において大変不幸な事件といいますか事案が起きました。お亡くなりになられた方には御冥福をお祈りしたいと思いますし、こういったことが二度と起きないように、やはり周産期の、産科のネットワークを、今二十六でしたか、これを全都道府県にできるだけ早くつくっていかなきゃいけないということを改めて思いました。 そこで、医療紛争処理、これは大変今大きな問題になっているのは御案内のとおりでございます。やはり人間の体というのは機械ではありませんから、いろいろな治療の方法がある。そして、その人の体調にもよる。医者は現場で一生懸命やった。しかし、その結果が思わしくないということも、それは絶対ないとは言い切れない。 そういうときに、もちろん、本来やるべきことをやっていなかった、こんなことをやるべきだったということがあれば責めを負うのは当然だと思います。しかし、一生懸命やってこうだったけれども、しかし、何か結果が思わしくなかったので、いきなりそれを司法が、警察が入ってきて逮捕だなんということになると、そういう難しい医療はもう嫌だ、さわらない方がいいという話になってしまうと思うんですね。 ですから、そういうことにならないように、やはり医療紛争が起きたときにどういうふうに解決していくのか、医療の現場においてもそうですし、やはり患者さんとか御家族、御遺族の方についてもどう補償していくのかということは、やはりこれは真剣に考えていかなきゃいけないと思います。 我々自民党は、医療紛争処理のあり方検討会というのをつくりまして、私が座長でやらせていただいておりますけれども、これを着実にやりまして、その方向性をしっかりつくっていきたい、枠組みをつくっていきたいと思います。 あわせて、産科の無過失補償制度もできるだけ早く結論を出していきたいというふうに思いますが、そういったことをもろもろ進めていくという上において、柳澤大臣のお考えをこの際お聞きしておきたいというふうに思います。
○柳澤国務大臣 医療事故が起こって医療紛争につながることが多くなっているということでございます。 医療というのは、私ども素人にはなかなかわからない、そういう分野であるということもございます。それから、恐らく、これを立件するあるいはそこを司法手続にのせていく最初の端緒の警察としても、こういう専門性は勉強して蓄積はされているでしょうけれども、新しい技術も進歩しているという中で、なかなか捜査の端緒を開くのは難しいというような面もあろうかと思います。 そういうようなことで、多分先生方のいろいろな御検討の中から出てきたのであろうと思うんですけれども、やはり、このような専門分野における事故、あるいは不幸にしてその中で死亡されるというような事案が起こった場合には、第三者が客観的にこの原因の究明に当たることが構想されているということ、これについては私も本当にそのとおりだなというふうに感じている次第でございます。 我々の行政の分野では、やはり航空機事故とかあるいは鉄道事故というようなものに、一緒になっちゃったのでこのごろは鉄道・航空機事故調査委員会というふうに呼ぶわけですけれども、そういうものがありまして、事故が起こればすぐ、だれよりも早くそこに飛んでいって事故の原因の究明に当たる、そしてまた、そういうことの中でおのずと責任の所在も明らかになる、さらに、その情報というものが共有されますから、したがって、それがそういうものを二度と繰り返さないための予防の効果も上げるというようなことで、非常にいい効果を持つ、そういう仕組みである、こういうことかと思うわけでございます。 したがいまして、それにいわば準ずる形で、今言ったような真因究明のための第三者機関というものを設立したらどうか、こういうような基本的な方向のもとで、現在私どもも、本年度中に厚生労働省としての試案を練り上げる、恐らくそれは先生方の御指導のもとと思いますけれども、そういうふうに考えておりまして、それを来年度、本格的な議論の俎上に上せていく、こういうことを考えているということでございまして、私も、そういったことにつきましてできるだけ迅速な、また非常にいいものをつくるようにいろいろ考えてまいりたい、このように思っております。 また、最後に産科の問題に触れまして、先ほど来の、奈良県で起こった不幸な事件でさらにその重要性が増しているんじゃないかということでございますけれども、この関係の無過失補償の仕組みというものが日医の方からも出ているし、また、産科の先生方、そうでなくても減っているようなことを何とか防がなきゃいけない、こういう流れの中で、できるだけこちらの方は早く整備をしたい、このように考えておりますことを申し上げておく次第です。
○大村委員 ありがとうございました。引き続き建設的な議論を進めていきたいというふうに思います。 以上、終わります。
○櫻田委員長 次に、石崎岳君。
○石崎委員 自由民主党の石崎岳でございます。 このたび、自民党の厚生労働部会長を拝命いたしました。大臣、両副大臣、よろしくお願いをしたいというふうに思います。 党としては、年末にかけまして、予算、税制等、議論を行っていく予定でありますが、先般の歳出歳入一体改革、骨太二〇〇六、その中でも社会保障分野、厚生労働省の分野について大変厳しい今後の改革方針が示されているというところであります。骨太二〇〇六でも、過去五年間の改革を踏まえて、今後五年間においても改革努力を継続するという表現になっております。具体的には、一兆一千億円、年間で毎年二千二百億円の削減を進めていく方向であるというふうに承知をしているところであります。 社会保障の分野の歳出を削減するということを行う場合の考え方、哲学、そういうことをちょっと御確認させていただきたいというふうに思います。 一つの目標、数値目標、これを設定するということは、私はある意味では必要のあることだというふうに思います。一つの目標というものがなければ、なかなか全体の歳出削減は達成できないというのはそのとおりだというふうに思いますが、この社会保障分野ということに関して、歳出削減のやり方についても大議論、この数年来大きな議論になってきた。財務省的な非常に厳しい考え方と、そして社会保障制度本来が持つ積み上げというか、実質的に包丁で切るような削減というのは難しいという実態、この両方の議論の中のつばぜり合いが続いてきたというふうに認識をしておりますが、大臣は、この一・一兆円、二千二百億円、こういう指標、目標というのを厳格に守るという考え方なのか、そうではなくて、これはあくまでも努力目標であって、それに向けて積み上げた中で社会保障の全体の歳出というのを考えていこうとされているのかどうか。 社会保障分野というのは非常に幅が広くて、社会保険のように負担と給付の厳密な数理の世界というものがある、それを調整する中で歳出を抑制していくというやり方ももちろんある。一方では、障害者福祉あるいは難病対策といったように、本来社会の中でハンディキャップを背負ってしまって、それを社会全体で支えていこうという福祉の世界というものも厳然としてあるわけであります。 最近、私のところにも、例えばパーキンソン病の患者さんの方々がいらっしゃって、今般お金がないから厳しいから、五段階のうちのヤール三という三段階の患者さんは支援の対象から外しましょうというような方針が打ち出されているというふうに伝えられているわけでありますけれども、これはもともと、だからといってその方たちが自立して生きていけるという保証は何もないわけでありまして、お金がないから、本当に病気になってしまった方々へのそういう支援を打ち切ってしまうという考え方を、この歳出削減の中で同列に持ち込むという考え方になってしまうのかどうか。 数理の世界の調整と本来的な弱者に対する福祉の歳出の考え方というものを一緒にしてしまうのかどうか、そのこと、先ほどもお聞きしたのは、一兆一千億ということの厳格なメルクマールというのを守っていくのかどうか、それからその哲学というものを大臣の口からちょっとお聞きしたいと思います。
○柳澤国務大臣 今石崎先生御指摘になられたとおり、骨太で今回歳出歳入一体改革をやるに当たって、この社会保障の分野につきましては、これから五年で一兆一千の節減を求められたということでございます。しかしその前提は、もちろん自然増というか当然増を前提にして、そこの見通しのところから一兆一千億さらに、さらにというか、そこから減らしてくれないか、こういう問題提起がなされている、こういうことであることは私もよく認識をしているところでございます。 問題は、ここで根本的な議論になるんですけれども、まず財政が非常に逼迫して先進国中最悪の状況にある、こういうことはもうだれも耳がたこになるほど聞いているわけですが、他方、世論調査をすると、国民は、やはり自分たちの安心のためには社会保障というものをきちっと維持してもらいたい、これはもう一番最優先の希望ということになっているわけでございます。 そういうことでございまして、私は、この社会保障にこたえていくためには、やはり負担というもの、これはもちろんいろんな形の負担がありますが、私が当時担当していた分野では、税の負担というものでもうちょっと裏打ちしてやらないと、社会保障が国民の期待にこたえて安定的なものにならないんじゃないか、こういう気持ちを非常に強く持っておりました。 そういうことなんですが、それでは、今からどんどんどんどんふえてしまう社会保障、これはふえるという見通しが容易に立つわけです、専門家によりますと。そのどんどんふえていってしまう社会保障を、全部それでは税でこれから賄いますよと言い切れるのかというと、これもまた大変な難しい問題をすぐ我々は予想することができるということでございます。そこに悩ましい問題がある。 私はどちらかというと、私が厚生労働大臣になったときにちょっと新聞で書かれちゃったんですが、どうも柳澤がなると社会保障の方をそのままにして、税の方でできるだけ裏打ちをしていこうという方向で、社会保障費の節減に余り熱心ではないのではないかというようなことも言われちゃって、おいおい、こんなことを、それがマーケットに反映して国債の値段がどうのこうのという、そういう専門の議論のされ方であったわけですが、そういうことでございます。 しかし、この私に対する評価というか、そういう見方というのはある意味で正しいし、ある意味ではちょっと私には不本意だな、こういうふうに思いました。 ではどうしていくんだということでございますが、私は、そうはいっても社会保障制度、社会保障の費用がピークアウトするところはどこかということがわかると、またこれはシナリオの書きようもあると思うんですけれども、そういうことも今のところはわからないということの中でやっていくには、やはり五年ぐらいずつ切って、これをできるだけさや寄せしていくしかない、こういうことです。 その場合に、今石崎先生言われたようにキャッピングという考え方でいいんだろうか。これは私は、キャッピングで何でかんでこれでやりなさいというのは、やはり余り合理的でないというふうに考えている人間です。キャッピングは一つのヒントというかめどであって、本当にそういうことでなければ財政とのつじつまが合わないというのだったら、そういうキャッピングを一応念頭に置いて、制度の積み上げ、改正の積み上げをやるということを言われているんだろう、私はそのように受けとめるべきだと思います。 だから、制度をいずれにしても組みかえていかなきゃならないときに何が一番優先順位が高くやらなきゃならないことか、無駄があればそれを一番早くやればいいわけですが、そういうようなことで仕組んでいくわけですが、キャッピングがもうすべてオールマイティーであって何でかんでそれで抑えろということではなくて、あくまで下からの、制度の改正による積み上げでもって、その念頭に置いたキャッピングの要請というものにどれだけこたえていけるかということの問題だろうと、私は非常に大枠のところでも似たように考えるんですが、具体の、いわば徐々に徐々に接近させていくときの考え方もそういうふうであるべきだというふうに私は考えているわけでございます。
○石崎委員 柳澤大臣から非常に本質的なお話をいただきました。自民党の中では税財政の最高の権威であります大臣が厚生労働大臣に就任をされたということの意味合いも非常に大きいのではないかというふうに思っております。 その中で、厚生労働行政だけではなくて、政府全体としてはなるべく歳出を削って、歳出削減をした上で足らざる部分は税に期待するというような順序で改革をしていきましょうという基本認識だと思うのでありますけれども、この社会保障分野においては、なるべく削減をやってからということになりますと、先ほど申し上げたようないろいろな、本来ハンディキャップを背負っておられる方々に対する政策というものまで殺してしまってその上で歳出削減を達成するというような、順序がおかしくなってしまう。本来やるべきことまで放棄してしまう、そういうことがないような改革でなければならないと私は考えております。その点をぜひまたよろしくお願いしたいというふうに思います。 かわりまして、安倍政権において、再チャレンジ政策が大きな政策の看板として掲げられております。 私の周りにおります若い世代の方々にいろいろ聞きますと、若い働いている方々に聞きますと、給料が安いんだという話、あるいは給料が安いからなかなか結婚できないんだ、あるいは結婚しておられる方々も子供は一人でもう限界だというような話、そういう話をよく聞きます。 雇用形態も、正社員という形ももちろんありますけれども、契約社員ですとか派遣社員ですとかいろいろな雇用形態、正社員とは異なる形の雇用形態が実に多いということを私はいろいろな若い人たちの会話の中で聞く機会が多いです。同じように大学を卒業しても、就職するその後の形態が違う。身分差別といいますか、雇用形態が違う、給与も違う。あるいはボーナスがありません、あるいは社会保険もありません、そういう雇用形態もあるという実質的な不公正が非常に生じているということであります。 ここ十年、十五年、経済が非常に厳しかった。企業の側も、その雇用する場面においてなるべく安く人材を雇うという要請があった。そういう中で、そのやり方として、非常に柔軟性を持つ非正規雇用という形での雇用、そういうことが非常に幅広く広がってきた。そのことによって日本の経済というものが何とかこの十年、十五年生き延びてきたんだという実態はあろうかと思いますけれども、ようやく今景気動向が改善をしてきて、企業収益がよくなってきて、そういう中にあってさらにこの正規、非正規の格差というものがそのまま存続するということは、私は大変社会的な問題であろうと思いますし、安倍政権の再チャレンジという大きな政策の目標の中で、この問題は解消していかなければならないテーマであろうと私は思います。 これは、企業業績が非常によくなってきたということ、その恩恵というものが個々の従業員、社員の給与、待遇というものまでまだ及んでいない、そういう事情もあると私は思います。そして今、例えばことしの景気状況、売り手市場、来年の春大学を卒業するような若者たちのことしの就職活動というのは非常にいい状況だったんだと私は思いますが、五年前、十年前に大学を出た若者たちの就職状況は、氷河期と言われるような大変な厳しい状況であった。 そういうことを考えると、今、来年の春卒業する若者たちの就職状況がいいというだけでとどめるのではなくて、過去五年、十年前に学校を出て、今は非正規雇用あるいは正社員になれない、あるいはフリーターをやっている、そういう若者たちも今この景気回復局面の中で再チャレンジして、正社員への道、しっかりとした就業の道が確保されるチャンスがある、そういう労働政策というものをこの景気回復局面の中でぜひしっかりと導入をしていただきたい。そのことが、ひいてはしっかりとした家庭生活を送り、子供を育て、少子化にも貢献をする、そういう社会循環になっていくのではないか。 これは、やはり政府がしっかりと政策誘導する。企業に任せきりではなくて、政府として、内閣としてこういう政策を強力に推進するんだ、そのことを企業にもしっかりと指導していく、伝えていく。そのことで日本の社会というものの活力、若い人たちのチャンスというのを広げていく、そういう政策をぜひとっていただきたい。これは安倍政権の看板政策であるというふうに思いますが、大臣の見解をお聞きします。
○柳澤国務大臣 労働市場あるいは雇用というものに正規のものと非正規のものが生じております。これは、ある意味で従前からあった形でございましたけれども、それが今回の長い日本経済の低迷期の中で、非常に非正規のウエートが高まってきまして、雇用全体の三分の一だとか四分の一だとかというふうな、そのような高い比率で非正規雇用が活用されている、こういう事態が発生しております。 この原因は何かといえば、今、背景のあるいは時期の指摘の中で申し上げたように、明らかに景気の低迷といったことと関係があるわけで、これは石崎委員も御指摘になったことだと思うんですけれども、加えまして、どうも最近の青年たちの間に、自分の人生に対してモラトリアム的な心情がある。何となく自分の進路を明確に決めたくない、ちょっとここのところはしばらくの間、考えがまとまるまで少し自由な形でいたいというような、そういう気分というか、そういうものも片方にあったということ、これも否めないと思うわけです。 しかしながら、非正規の人たちの中にも、できれば正規になりたいという人たちも非常にいる。そういう人たちは、恐らく今言ったモラトリアム的な気分ではなくて、就職氷河期に自分の卒業期が当たってしまったという非常に不幸な、かわいそうな若者たち、こういうことになっている面も私は否定できない、このように考えております。 これに対して、我々、厚生労働省として、これを放置しておくなどということは全く考えておりません。これは将来の格差を固定化してしまう、あるいは、非正規ではなかなか社内に蓄積された技能的なノウハウをきちっと次の代に引き継いでいくこともできないというようなこともありまして、また、先生御指摘のように少子高齢化にも決していい影響はない、こういうように波及するところの影響というものを、我々は非常に深刻な受けとめ方をしております。 したがいまして、この正規、非正規の問題につきましては、まず、この非正規の雇用になっている若者たちをできるだけ正規の方に取り込んでもらう。これは総理がよく言うように、財界に対して頼んでいるんだということのほかにも、もう少し我々として何かこれはできないか、具体的な施策においてできないか、こういうことを目下検討して必ずやりたい、こういうように思っております。 それから同時に、非正規の雇用と正規の雇用との間に今のような処遇上の懸隔があっていいか、これも問題だ。ほとんど同じようなことをやっている、責任においても労働時間においてもというようなことが言われているわけですけれども、そういうような両者の差については、我々はこれをできるだけ均衡のとれたものにしていきたい、このように考えて、その面でも法的な整備などでこれに打ち出していきたい、このように考えているところでございます。
○石崎委員 ちょっと時間がなくなってきましたがその関連で、安倍総理大臣は本会議答弁で、正規、非正規均衡処遇の一環として、パート労働者への社会保険の適用拡大という方針を明言されております。自民党内でも大変大議論になったテーマ、三年前、年金改正の議論の際も大議論になりましたけれども、産業界からもいろいろ反対がある、当事者であるパート労働者からもいろいろな異論があるという問題ではありますが、安倍総理としては強い意思を示されている。 三年前、党内で議論したときは年金財政の安定化という視点からの議論ではなかったかと思うのでありますけれども、今回は再チャレンジ、均衡処遇の流れの中で総理は答弁をされているわけでありますが、これはやるということなのか、それからこの意味合い、つまり再チャレンジという流れの中の位置づけなのかどうか、その辺の考えを簡潔で結構ですので、お願いします。
○石田副大臣 御答弁申し上げます。 今御質問がありましたとおり、いろいろな議論がありましたが、パート労働者への厚生年金の適用拡大については、被用者の年金保障を充実させる、こういう観点からも基本的には望ましい方向である、こういうふうに思っております。 しかし、適用拡大は雇用者やまた事業主等にもいろいろな影響があるということもこれはひとつ考えていかなきゃいけない。しかし、先ほどお話がありました再チャレンジを支援し、また将来の格差を固定しない、こういう観点からも、これはそういう点も留意しながら総合的に検討していきたい、こう思っております。
○石崎委員 この問題は、総理が大きな方針を明言しているのであれば、関係者の調整、説得、納得を得るための努力というのをかなり一生懸命やらないと、これはなかなか解決しない問題であるというふうに思います。 ちょっと時間がなくなってまいりましたが、先般大きなニュースになりました代理出産のことについて質問をさせていただきます。 先般、長野県の病院で、おばあちゃんが娘の子供を出産するというケースがございました。大変複雑な構図になっている。しかし、子供が欲しいという娘の切実な願いをその母親がかなえてあげようというような事例であったということであります。大変大きな話題になりました。 厚生労働省の審議会の部会の報告書においては、この代理出産、代理懐胎を禁止するという結論が数年前に出ていると聞いております。それを見ますと、報告書を見ますと、人を専ら生殖の手段として扱ってはならない、生命に危険を及ぼす妊娠、出産による多大な危険性を第三者に負わせる代理懐胎は、安全性に十分配慮するという基本的考え方に照らして容認できない、生まれてくる子供の福祉を優先するという基本的な考え方に照らしても望ましいものではないと規定をされております。 また、日本産婦人科学会の会告、会の告示においても同様の考え方が盛り込まれているということがありますが、しかし、実際には賛否両論があり、その後法制化されるということはなかったわけであります。そのため、外国で代理出産を依頼するケースも多い、百例ぐらいあるというふうにも報道されております。 また、国内でも、先般の長野県の諏訪マタニティークリニックの例のように、その院長さんは、学会の会告はあくまで内規であり、目の前の患者を忘れていては何のための医者か、医療か、代理出産を法律で禁じて、産みたければ外国に行けというのでは余りにもひど過ぎるというお話をされていたということであります。つまり、現状は事実の方が先行しているという状況であります。 この実態、現実というものを政府としてはどう考えるのかということであります。政府として、審議会、部会の報告はあるんだけれどもどうするかという決定はしていない、対応をしていない、判断停止状態であるということでありますが、そういう状況の中で、代理出産は海外でどんどん行われ、国内でも行われているという実態にあるということであります。 現実は医者の自由裁量にもう任せられている、そういう実態でありますから、いろいろな問題点がある、しかし、実際は野放しになっているという現実を政府としてどう考えるのか、これに今後どう対応していく方針であるのかをお聞かせください。
○柳澤国務大臣 代理懐胎につきまして、最近、今石崎委員が御指摘になられたとおり二件ほど具体の事案が持ち上がりまして、大変国民世論の注目を浴びたところだ、このように認識をいたしております。 いきさつ的に言いますと、今御指摘になられたとおり、平成十五年に厚生労働省の審議会、それから日本産科婦人科学会の会告によっても、これに対して実施すべきでない、むしろそれを法制化すべきだ、罰則をもって法制化すべきだ、こういうような方向があったということ、我々もよく承知をいたしております。 したがいまして、今回二件の事案が持ち上がって国民世論の注目を浴びたんですけれども、やはり厚生労働省としては、この二つの重要な、今まであったステップというものを大事にして、それとの関連で問題をいろいろ整理していかなければならない、このように考えております。我々も、いたずらに放置をしておくというようなことが責任を全うするゆえんではない、このように考えているわけであります。 したがいまして、この問題については、その後何か平成十五年の両方の報告、会告を変更するような客観的な事態の変化というものがあったのかどうか、これは子細に検討してみる必要があるだろう、このように思うんです。 例えばどういうことかというと、医療技術の進歩というようなものはどうであったか、あるいは、国民世論の動向といったものもどういう方向に今推移しているのかというようなこと等々、専門的に言えばもっといろいろな問題があり得るわけですけれども、そういったことについて、十五年段階からどういう変化が起こっているのか、こういうことを検討していくということが大事じゃないか、このように考えているということでございます。
○石崎委員 時代背景としては、やはり生殖補助医療の飛躍的な進歩という変化というものが実際にあるんだというふうに思います。 ですから、国民の意見といいますか、国民が代理出産ということにどういう意識を持って、どういう考えなのかということ、実態を把握するということもまず大事だと思いますし、それを望む側あるいは問題点というものを両方から議論するということも必要でありますけれども、やはり生まれてくる子供の福祉といいますか、生まれてくる子供がそのことを成長してどう考えるかということの視点がちょっと欠けているんではないか、そういう議論がほとんど余り聞かれない。 親は子供を欲しいという希望はもちろんあるんだけれども、では生まれてくる子供は、おばあちゃんから生まれた子供なんだよということを成長過程の中でどう受けとめて、その子の成長、福祉にとってそのことがどう影響していくのかというところがなかなか難しい。 そこのところを、ぜひ全体としてしっかりと議論をしていただいて、野放しということではなくて、一つの何か基準、規制というものが必要だと私は思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 今回の場合は、五十代の母親、祖母が代理出産をしたということで話題になりました、五十代。ですから、出産というのはそれだけ大変な仕事である、生命の危険というものももちろんあることなんだ。そのことは、今回相前後して奈良県では、母親の出産ということに関して大変危険な状態になって、病院を十九カ所診療拒否された、その上で死亡したという大変悲しい悲惨な事件が発生をいたしました。 詳しい事実関係は結構ですので、医療が進歩した今この時代になぜこんなことが起きるのか、なぜ起きたのか、この再発防止のために政府としてどういう方針か。私ども自民党も現地調査する予定でありますけれども、再発防止のための決意をお聞かせください。
○櫻田委員長 では、柳澤労働大臣、手短にお願いいたします、時間が終了しておりますので。
○柳澤国務大臣 はい、承知しました。 奈良県大淀病院におきまして妊婦さんが死亡されるという大変痛ましい事件が起きまして、私ども、この場でも、亡くなられた妊婦の方に心から御冥福をお祈りしたい、このように思います。 問題は、そういったことが起こらないように、そういう配慮もありまして、私ども、今施策として周産期医療ネットワークというものを張りめぐらそう、こういうように心がけて整備を進めているわけでございますけれども、全く不幸なことに、この奈良県においてはまだこれが整備されていない、そういう段階でこのようなことが起こった、こういうことでございます。 したがいまして、私どもとしては、できるだけ早く未整備の都道府県に対して整備をするということを働きかけてまいりまして、その他のことも含めて万般遺漏のないようにいたしまして、再発されて不幸なことが起こらないようにしてまいりたい、このように考えております。
○石崎委員 ありがとうございました。終わります。
○櫻田委員長 次に、戸井田とおる君。
○戸井田委員 自由民主党の戸井田とおるであります。 このたび、三十分時間をいただいて質問させていただきます。 最初に、委員長、御就任おめでとうございます。また、柳澤大臣、両副大臣、御就任おめでとうございます。どうぞ期待する答えをいただきたいな、そんなふうに思っております。 今、石崎委員が最後に言っていましたけれども、奈良県大淀町の大淀病院に入院した五條市の高崎実香さんが、容体急変ということで搬送先探しに手間取って、そして大阪府内の転送先病院で男子を出産後、脳内出血のために亡くなられました。妊産婦という不特定多数の言い方だとさっと流れてしまうものも、高崎実香さんという個人の実名で頭に入れると、また別の思いが浮かんでくるわけであります。そして、テレビでも報道されたように、遺族の方々の思い、そんなことを考えると、本当に心から御冥福をお祈り申し上げ、そして御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げたいと思うわけであります。 そして、このことは産科医療のあり方に一つの大きな問題を投げかけた事件であると思うわけであります。ある程度結果を見て、そしてその結果をもとに批判をするということは、ある意味で簡単なことかもわかりません。しかし、なぜそんな状況になっていったのか、そんなことをやはり真剣に考えていかなければいけないんじゃないか。 また、現在、周産期医療を取り巻く環境を見ますと、さまざまな問題点が浮き彫りになっております。妊娠、出産に至る総合的なプロセス、あるいは産科医療を考えるに当たって、厚生労働省はだれを考えの中心に置いているのか、そんなことをお伺いしたいと思います。
○松谷政府参考人 産科医療、周産期医療の基本的な考え方ということでございます。 産科、周産期あるいはそれに続く新生児の医療というのは、人間の生きるプロセスの中で老人期と並んで極めていろいろな事件の起こる、あるいは危険な時期でございます。したがって、そこでの医療というのは非常に大切なものであると私ども考えております。 視点ということでございますが、当然これは赤ちゃんを産むお母さん、それから生まれてくる赤ちゃん、この二つの命をできるだけ安全にスムーズに産んでいただく、そして育てていただくという視点がまず第一であろうと思います。これを提供するに当たっては、その関係者、家族の方ももちろんいらっしゃいますけれども、専門の方、産科のお医者さん、そして小児科のお医者さん、そしてお産の場合には助産師さんもいらっしゃいます、あるいはその周辺の看護師さん、こういう方々がチームを組んで、今申し上げたお母さんの命、子供の命ということを第一に考えながら、その専門の知恵を発揮してやっていくということが大事である、そういう認識でおります。
○戸井田委員 いろいろ言うと、長くなると焦点がぼけるんですけれども、要は、やはり母子ということだろうと思うわけです。子供を産む女性が満足するお産の環境をつくることが大切なんだろうというふうに思うわけであります。そして満足するためには、まず安全であること、そしてもう一つが安心できることだというふうに思うわけであります。 安全という観点で見ると、近代医療が人類に果たした功績は多大なものがあります。だれもがわかるとおりに、ハイリスク及び病理のある出産に対して産科医療の果たす役割というのは大きい。さらに、昔なら到底生き長らえることができなかったような超未熟児が無事に成人をする、そういう例も多々見てきましたし、同時に、そのことがもうニュースにもならないというような状況になってきている。あるいはまた、前置胎盤等、昔だったら本当に救えなかったような子供、母の命を今は救うことができるわけであります。その陰には、やはり数え切れないような、志を持った医師であり、研究者であり、そしてまた医療従事者の不断の努力があったのは、だれもが認めることだというふうに思うわけであります。 しかし、安全ということを追求する余りに、逆に、お産に関しては、ローリスクである正常のお産までもが何でも病院でという傾向に拍車がかかってきて、対応し切れなくなっているんじゃないかな、そんなふうに感じるわけであります。 今、産科医師の不足が言われ、産科医療の集約化ということで、出産場所が生活圏の中で見つけられないお産難民というような言葉も言われております。集約化の基本的な考えを先ほど部分的に聞かせていただいたわけでありますけれども、そこらのところをもう一度、しっかりと、網羅的にちょっとお話しいただけませんでしょうか。
○松谷政府参考人 産科医療の集約化等のお話でございますけれども、産科が住民にとって身近な場所にあることによって、住民が安心してお産ができていたわけでございますけれども、少子化が進みまして、産科医師が減少する病院が生まれまして、産科医師が地域に広く薄く配置されているという状況は、それぞれのお医者さんの労働条件の観点あるいは医療安全の観点からは問題であるというふうに認識しているところでございます。 このため、産科医師を確保するために、地域の中に安全なお産ができる体制の整った産科の拠点病院の整備を進めていくこととしておりまして、これによりまして、地域全体で見ますれば、より安全な医療を二十四時間受けることができる体制が確保されるという方向になるのではないかというふうに考えております。 一方、地域によっては、拠点病院までの距離が遠くなるなどの利便性の減少が指摘されているところもございますので、産科医師の確保対策の検討に当たりましては、地域の住民の御理解をいただくことが重要だと考えています。 その方法として、一つには、拠点病院がない地域の病院の外来機能を残しまして、入院と外来の機能を分化させ、お産までのいろいろな健診等については近くのところでできるようにする、あるいは必要に応じて定期、不定期に産科、小児科のお医者さんを派遣するといったようなこと。 二つ目には、必要に応じて、要するにお産のときには遠くへ行かなくちゃならないような場合が出てまいります、そういった場合の分娩用の宿泊施設の提供をすること。 三つ目には、拠点病院がない場所でも安心して出産ができるよう、拠点病院と地域の診療所、助産所との連携体制を明確にすることなど、地域ごとに工夫をしていただくことによりまして、地域において安心、安全なお産ができる体制の整備を進めていく必要があるというふうに考えてございます。 地域の住民の御意見も十分伺いながら、実効性のある支援策というものをさらに考えていきたいと思っております。
○戸井田委員 集約化というのは、手持ちの体制でもって何とか対応できるようにしなければならない、その辺の苦労があるんだろうというふうに思うわけでありますけれども、しかし、先ほど出ました、最新の医療でもって不妊治療というものが進んできて、以前、それこそ我々の子供の時代に余り聞かなかった五つ子だとか六つ子だとか、そういうものが出てくる。当然普通の、通常のところで対応できない。そうするとそういう集約化された高度の医療を受けなきゃならないということで、今までなかった分野が出てきているということもやはりその一つの原因ではないかなという気がするんですね。 同時に、集約化されることで懸念されることが、ますます時間的な管理ということになってくるわけです。 今、お配りしているかと思うんですけれども、病院時間別の出生数というのがありますけれども、このグラフを見ていると、真ん中のちょうど十三時、十四時が一番出産件数が多い。逆に、夜の十時が一番少ないということであります。やはり通常の生活時間の活動時間帯の出産が多いというのが病院別でも出ております。実際に、診療所の時間別の出生数も病院と同じような傾向が出ているわけです。 三枚目の助産所の時間別出生数を見ると、全然違った形になっているわけですね。非常に自然な形での数がそこに出てきている。そこに何か、やはり管理されたものというものを感ぜざるを得ない部分がある。そして、それがいいのか悪いのか、我々には断言しようがないわけでありますけれども、しかし、妊産婦、胎児を中心に考えると、この管理されたお産を誘引する産科医療の集約化が本当に安心につながるものなのかということは疑問に思えてくるわけです。 管理されるお産の弊害として考えられるものというのは、一般の管理される側として、その管理される側の夫の立場で考えてみて、例えば言葉は悪いですけれども、ブロイラーのように無理やり産まされたという主体性のないお産に対する妊産婦の精神的な負担、トラウマ、そんなことを助産婦さんからも聞きます。そういったトラウマが残ってくる。お産に対する不満足感は、子育てに自信が持てなくなってくる。例えば動物でも、子羊が生まれてすぐ三十分ほど母親から引き離されただけで、母羊はその子供に関心を持たなくなった、そんなようなことになる。 人間と羊は一緒でないかもわからないけれども、同じ動物ということで考えてみると、まして最初の刷り込みの時期の対応というのは、子供自身はしゃべれるわけでもないけれども、そこに対する配慮があってもいいのかなというような思いがあるわけです。また、そういったことが、短絡的かもわかりませんけれども、子殺し、親殺しといった事件の遠因として、そのお産のありようというものが影響しているのではないかな、そんなことも推察できる。 また、最近テレビ等で大変視聴率の高い細木数子さんの、生まれた年月日でもってある程度その人の将来を推測していくということがある。まあ一〇〇%信用しないものの、我々一般人とすれば、そのことを聞いて、生まれた日時というものはそんなに影響があるのかということになると、何となく、それを無理やり時間に合わせて産まされるということになると、それがいいんだろうかなという、若干のそういった疑問点も出てくる。名前をつけるのに一生懸命考える、何なのか、どんな名前でもいいじゃないかと思いながらも、やはりいい名前をつけたい、そこに親の思いというものもあるんだろうというふうに思うわけであります。 また、イギリスでは、こうした産科医療の集約化と安全について問題があるという報告が、二〇〇三年にヨーロッパの周産期医療に関する作業グループが報告しています。つまり、集約化が安全の保障とは必ずしもならないということがわかっているということも、我々、インターネットを通じてそういうもので情報を集めてくれば、そこまでは情報としては入ってくる。 また、分娩誘発のための陣痛促進剤の使用によるリスク、そこからくる医師の精神的な負担。医師も精いっぱいの状況の中でもって何とか対応しなきゃならないという中で、今の選択肢が出てきているんだろうと思うんですね。先ほどの奈良の問題も陣痛促進剤が使われているということを、ニュースの中で言われておりました。 こういった管理されたお産の弊害について研究調査をしたことがあるのか。または、なければ早急に研究調査して、その弊害が認められればそれを公開するという思いがあるのか。その辺のことをちょっとお伺いしたいと思います。
○松谷政府参考人 お産を安全に行うためにいろいろな手だてが行われているわけでございますけれども、今先生御指摘のとおり、余り人工的な手だてが行われますと、お産そのものは言ってみれば自然な営みという側面が非常に大きいわけで、その後の子供の心にも影響するということは先生御指摘のとおりで、そういう学問的な検証もされているというふうに伺っております。 したがいまして、最近では、病院などにおきましても、例えば、生まれたらすぐにお母さんに接触させる、あるいは母児同室で育てる、お父さんにも参加していただくといったような、いろいろな手だてが行われるようになってきているというふうに伺っておりますけれども、正常産などの場合は、助産師さんが関与するというのも非常に大事なことじゃないかなと思っています。 いろいろなそういう手だてについての研究がなされているかということでございますが、例えば分娩誘発剤等についてどのようなことが安全なのか、どういうことがあるのかというような研究はなされているというふうに承知しておりますけれども、系統的に、ちょっと今手元の資料にございませんので一般的にしかお答えできませんけれども、一般的に言えば、いろいろな研究がなされていると思っております。
○戸井田委員 なかなか、余りそういう研究資料というのはないような感じなんですね。 同時に、もう一つの資料を見ていただいたらわかるように、このグラフで一目瞭然なわけであります。こういう生まれ方というものが本当にいいのかなという思いを常に頭に置いておかなければいけないんじゃないかな。また、世界の十八カ国で行われた出産に関する科学的な研究の結果では、出産の安全性は機械や薬を多用することではなく、助産師が妊婦と一対一の関係で妊娠初期から出産までかかわり、深い信頼関係を築くことで高まるということが言われております。 このようなことからも、正常出産は助産師の扱う出産を尊重すべきであると思いますし、その選択肢としてむしろ拡大していく方が望ましいのではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○松谷政府参考人 御指摘のとおり、助産師さんの活躍というのは非常に大事なことだと思っております。安心、安全なお産を確保するという上からも、産科医師のみならず、助産師さんとの連携ということが不可欠であると思います。 このため、中核的な病院の施設等を地域の病院、診療所、助産所が利用してお産を行ういわゆるオープンのシステムを構築するモデル事業を進めるとともに、正常経過の妊産婦さんに対しましては、医師ではなく助産師が健康診査などを行う助産師外来や、院内助産システムなどの病院等における取り組みなど、新たな助産師活用策の普及を目指しまして調査研究を進めているところでございます。 また、助産師さんそのものにつきましても研修をさらにしていただく必要もございますので、一たん業務を離れた助産師さんが産科診療所での就業を再開するための研修、あるいは産科診療所に勤務する看護師さんを助産師さんに養成していくための取り組み、新人の助産師さんに対する研修の強化など、総合的に取り組んでいるところでございまして、引き続き、産科医師、助産師、双方の協力のもとに、お産に対する安全な医療体制の確保に努めていきたいと思っております。
○戸井田委員 また、お産をする女性と妊娠時からきめ細やかにかかわり、正常分娩に導く生活指導をしていくという一つの助産師の仕事があるわけであります。 例えば、愛知県の吉村医院のお産の家というところでは、まき割り、掃除、かまでの御飯炊き、妊産婦に古典労働をさせることによって、正常分娩ができるような体づくりを指導する、そんなこともやられているわけですね。非常になるほどなと思える部分が一方であるわけです。また、分娩中も産婦から離れずに寄り添って励まし、支えていく、そして産後も子育てをサポートし、母になる女性を育てていく。昔なら家庭で、そして地域の中で伝わってきたものが核家族化の中で失われて、それを復活させる意味でも、母を育てるという観点、そういう観点で妊産婦と接する必要があるんだというふうに思うわけであります。 そういった意味で、お産を分娩のみでとらえるのではなく、全人的なケアができる助産師というものがもっともっと評価され、産科医、助産師、看護師との支え合いの中で連携していける環境を整えていくことが大切なのではないかなというふうに思うわけであります。また、助産所で出会う妊産婦同士が出産、育児の情報を共有する、またそれによって得られる安心感というものも大切なんじゃないかなと。そうした拠点になる助産所、バースセンターを国の施策として、今お答えいただきましたけれども、きちっと設けていくべきじゃないか、それを広げていくべきじゃないかな、私はそういうふうに思います。 また一方、多くの助産師が開業をためらっている理由の一つに、異常分娩になったとき、病院のバックアップ体制に不安があるということがあるわけであります。緊急時の搬送システム等、バックアップ体制を整え、妊産婦が安心してお産ができる体制を緊急に整えていただきたいと思います。また、それに対応されているんでしょうけれども、現実問題としては非常に厳しいのが実態ではないかな、そんなふうに思います。助産師、助産所への規制がその活動を妨げることになっていないか、そういうことのないようにきめ細やかな考慮をしていただきたいと思います。 それから、今、少子化が大きな問題となっています。対策としてさまざまな政策がなされていますけれども、少子化になった原因もさまざまなものが考えられると思いますが、私はこのたび、だれもがそれを通してこの世の中に生をなしたお産というものを深く考えていく過程の中で、今まで行政や我々、我々というのは夫であり父親という立場でありますけれども、いかに産む性というものを大事にしてこなかったかということに気づかされるわけであります。 男女共同参画ということをいいますけれども、真に女性をとうとぶということの根源、本質はここにあるんじゃないかなと思うわけであります。生まれさえすればということで合理性だけを追求して管理されてきたお産が、いかに産む性へのいたわりがなかったか。 本当の自然の営みのお産のプロセスの中に我々が忘れてきたはかり知れない自然の恩恵というものがあるように思えてならないわけであります。いつ生まれるかわからない、細心の注意の中でじっとその時期を待つわけであります。一見非合理のように見える行為の中に、本当は、実は安全と安心があるのではないかというふうに思うのであります。そして、それを支える産科医療に携わる人たちの信頼関係と連携が今最も求められているときなんだというふうに思っております。 母と子を本当の意味で大切にすることが、日本の少子化を食いとめ、満足のいくお産を経験した女性たちがしっかり子供を抱いて育て、この国を変えていくという気がしてならないわけであります。そのためにも助産師の活用というものをもう一度真剣に見直していただきたい、そんなふうに思うわけであります。 時間がもうなくなってきたんですけれども、助産師のみならずに、看護職員が医療施設の中で昼夜を問わず二十四時間働いている唯一の医療従事者であります。また、看護師は最も多い医療従事者でありますし、新人看護師の六割は、医療事故につながるヒヤリ・ハットレポートを書いたことで、仕事を続けていけないと悩んでいる現状にあるということも聞きました。 平成十四年の十一月二十六日に公表された「保健師助産師看護師行政処分の考え方」の中で、医道審議会保健師助産師看護師分科会看護理念部会は、行政処分に関する意見の決定に当たっては、看護師が有する知識や技術を適正に用いることということを言っております。平成十五年の「医療提供体制の改革のビジョン」では、看護基礎教育の内容を充実するとともに、大学教育の拡大など、看護教育の期間の延長や卒業後の臨床研修のあり方について制度化を含めた検討を行うことが明文化されております。 日進月歩の近代医療に携わる職種として、これまでの三年間という教育期間でいいんだろうか、それで対応できるんだろうか、抜本的な見直しが必要なのではないか、そういうふうに思うんですけれども、御意見をお伺いしたいと思います。
○松谷政府参考人 医療の高度化など近年の医療を取り巻く環境の変化に伴いまして、医療従事者の資質の向上が強く求められておりますのは先生の御指摘のとおりでございます。また、看護師、助産師などにつきましては、学校養成所修了時点の能力と現場で実際に求められている能力との間に乖離がございまして、必要な能力が必ずしも身についていないのではないかなどの指摘もあるところでございます。そういったことから、資質の向上ということについては、重要な課題として取り組んでいるところでございます。 国民のニーズに的確にこたえられるよう、基礎教育、卒業までの教育でございますが、それのさらなる充実を図ることを目的といたしまして、本年三月から、看護基礎教育の充実に関する検討会を開催して検討しているところでございます。今後、この検討会での検討結果も踏まえまして、医療安全を確保し良質な医療を提供するため、看護師や助産師の資質の向上に引き続き取り組んでいきたいと考えております。
○戸井田委員 ぜひしっかりとお願いしたいと思います。 最後に、診療における患者自己負担金の未収問題について質問をさせていただきます。 四病院団体協議会の治療費未払い問題検討委員会の報告書によりますと、年間累積未収金の総額は、一施設当たり七百万を超えるという数字が出ております。三年の累積で千六百万円以上ということになっておりますけれども、今、病院等医療施設において、経営状態はかなり厳しいものがあると聞き及んでおります。年間七百万といえば、看護師一人の給料、人件費に相当する金額じゃないかなと。 そして、健康保険法の七十四条の第二項に「保険者は、当該保険医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。」とあります。国民健康保険法の四十二条二項にも同じようなことがうたわれております。しかし、聞くところによると、この条項を適用されたことはかつて一度もないということであります。 この未収金問題を解決するということは、患者の拒否をできない医療機関にとって非常に大きなものがあるんじゃないかなというふうに思うんですね。同時にまた、この未収金が課税されるということを聞いております。その辺のところ、対応はどういうふうにされるのか。また、それがもし実行されるということであれば、この厳しい時期にあって、医療機関にとっては大変大きな福音になるんじゃないかなというふうに思うんですけれども。
○柳澤国務大臣 医療機関に診療をお願いして、帰り際に当然自己負担の部分をお支払いして帰るわけですが、それをしない患者さんがあらわれて医療機関の側の未収金になってしまう、こういうことが相当の規模で行われるようになったという御指摘がございました。 この点は本当に、個々の患者さんのいろいろな理由によるそういう行動ということになっているだろうと思うんですが、まず何といっても、私どもとしては、オーソドックスに過ぎると言われるかもしれませんが、医療保険制度の仕組み自体に対する御理解をお願いするということ、これにもっと我々は努めていかなければならない、このように思います。 それからまた、もう一つは、便宜の問題として、たまたま現金がないというようなことは最近のカード社会ではいっぱいあるわけですから、クレジットカードによる一部負担金の納付というようなものも、もうちょっと医療機関におきまして工夫をしていただくということも必要なのではないか、このように思います。 もう一つは、高額医療になった場合のことですけれども、従前は医療費を窓口で払って、そして限度額を超えた部分については後で還付が行われるという方式でございましたけれども、患者さんの便宜のことを考えれば、これはやはり初めから限度額で十分だというようなシステムにすべきではないかというようなことで、これについては来年の四月から改正をしよう、そういう考え方がございます。 それから、もう一つ、税の話がありまして、戸井田委員から聞きまして、なるほどなと私も思いました。通常の売掛金の未収金あるいは貸し倒れということであれば、これは最初のところの契約が、あなた、自分の自由意思に基づいたものでしょう、そのぐらいのリスクは当然考えて契約すべきですよ、こう言えるわけですが、お医者さんの場合にはそれが言えませんよということを御指摘になられたわけです。私は今は税の方におりませんので、すぐにここで受け合うというわけにまいりませんが、よくよく勉強させていただくきっかけにいたしたい、このように思います。
○櫻田委員長 戸井田とおる君、申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
○戸井田委員 ありがとうございました。 安全、安心ということを言われますけれども、確かに安全を求めることは非常に重要なことであるけれども、いつしか気がついてみたら安心がどこかに行ってしまったということのないように、安全は基準があるけれども安心には基準がないわけであります、まさに人と人との信頼の中に安心があるんだと思います。そういう行政をぜひやっていただきたいな、そう思います。 以上です。終わります。
○櫻田委員長 次に、松浪健太君。
○松浪(健太)委員 自由民主党大阪十区選出の松浪健太であります。 大阪九区、お隣の補欠選挙で疲れた体をいやす間もなくこうして質問に立たせていただきますこと、充実した政治生活に心よりありがたく思う次第であります。 さて、選挙戦では、安倍総理も演説の中で多くの時間を、国民が安心できる社会保障制度の確立、また社会保険庁の解体的な出直しということに充てておられました。まさにこの厚生労働委員会の役割は重大であります。 社会保険庁による年金不正免除問題などが発覚する中、総理がおっしゃるように、社会保険庁を解体的に改革しなければならないと思いますし、あらゆる場所で我々は襟を正していかなければならないと思うわけであります。国民の信頼を損なうこうした芽は少しでも早く摘まねばならない。 そこで、本日取り上げさせていただきますのは、東京屋外広告ディスプレイ健康保険組合についてであります。 財務内容は良好であり、被保険者は四万人、平成十八年度の予算も百六十二億円と良好であります。しかしながら、これまで十億円を超える業務上横領、またその後もさまざまな不祥事を重ねまして、健康保険法施行後八十年、大正十五年以来初めての改善命令を受けながら、多くの点で自浄作用欠如を露呈しているということがあります。 そこで、この横領事件、簡単に申し上げますと、強羅の保養所をめぐって行われたものでありますけれども、国土利用計画法に基づく上限を約五億円も上回って三十九億五千万円で売買契約を結んだ。そこで、話を進めた元常務理事が、組合の承認もなく、自称コンサルタントと言われる大阪の会社役員に、二千数百万円しか安くならなかったにもかかわらず、十億円以上を払ったというひどい内容であります。この後、民事裁判では、この常務理事に十億二千二百万円の支払いが命じられているところであります。 当然、横領された多額のお金は加入者の保険料でありますけれども、現在の回収状況をまずお教えいただきたいと思います。 〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕
○水田政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘の東京屋外広告ディスプレイ健康保険組合の保養所の件でございますけれども、この保養所の取得に関しまして横領されましたのは、十一億五千八百万円でございます。そのうち、民事訴訟の判決によりまして、元常務理事に対しまして十億二千二百万円の支払い命令が下されてございます。 これを受けまして、平成十七年六月一日に、元常務理事の自宅競売によりまして四百五十六万円を回収したところでございまして、不正支出金の債権現在高といたしましては十一億五千三百万円、このようになってございます。
○松浪(健太)委員 今のようにほとんど回収がされていない、まさに紛失金の未回収を放置しておいた責任は、健保組合にも、当然ながらこれを監視いたします厚生労働省にも、私は非常に大きな責任があると思うわけであります。 横領事件後も、理事会の承認なしに二億円もの有価証券の売買というか買いかえを行ったり、不正選挙を行ったりと不祥事が続いているわけでありますけれども、この経緯をごらんになりまして、大臣、まず感想だけでよろしいので、感想をお聞かせいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 健康保険組合とは何ぞや、こういうことを申しますと、私もこの立場に立って勉強させていただいたわけですが、政府管掌の健康保険というのが原則の形である。そういう中で、政府管掌のものから自分たちは独自に健康保険組合をつくって業務をしっかりやりますよ、こういう建前でもって、いわば政府管掌健康保険から独立をしたのがそれぞれの健康保険組合だ、こういうことでございます。ですから、親はあくまで政府管掌の健康保険、組合、子供である、こういうことです。 ですから、そういう親子の関係からして、健康保険組合がどういうようなことを守っていかなければならないか。これは一見、独立のエンティティーのような体裁をとっているんですけれども、その経緯、法律上の枠組みにおける立場、こういうものを考えますと、そんな一般の独立の法人だなどというようなことは完全な思い違いだというふうに思いまして、これはどういうお金をこういうようなところで流用して損を生んでしまったかは私つまびらかではないんですけれども、余裕金の運用等、これは恐らくきちっとした規律のもとに置かれているはずでございまして、こんなことはあってはならないことだ、言語道断だということを考えて、言わせていただきたいと思います。
○松浪(健太)委員 まことにそのとおりであると思うわけであります。 そして、この組合に対しての厚生労働省の指導というのも非常に苦労はされているというのは見ていて感じるわけであります。しかしながら、これほどの被害を加入者の皆様に負わせたわけでありますから、通常は何が問題であったかを解き明かさなければなりませんし、改善策を講じなければならないと思います。 しかしながら、現実は、こうした新聞ざたの横領事件が起きた後にも不祥事が頻発をしているわけであります。お配りをした資料の二枚目、三枚目は、厚生労働省がこの健保組合に出した指導書の一覧であります。残念ながら、平成十六年十月以前は確認が困難なものが多いということでありますけれども、それにしても多いわけであります。 こうした指導書、乱発というぐらい多く出ていると思うんですが、こうしたことについて、これはやはり異例のことなんでしょうか。政府参考人に、こうした指導書の多さについて、ちょっと伺いたいと思います。 〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕
○水田政府参考人 先生御指摘のとおり、この健保組合に対しましては、平成十六年十月以降でございましても、実地監査結果通知など関東信越厚生局長名の通知が十七回、それから軽微な指導等に係る事務連絡が二十一回、合計三十八回に上っているわけでございまして、これは大変異例のことでございます。 それから、冒頭御指摘ありましたとおり、この業務改善命令自体、これは初めてのことでございまして、私ども、この件に関しては厳正に対処するということで臨みたいと考えております。
○松浪(健太)委員 これ自体異例ということは、八十年で初めての改善命令を出すことに至ったわけでありますから当然でありますけれども、それにしても厚生労働省は辛抱強いなという感じがするわけであります。 そして、逆に行政の監督が甘過ぎると言われても仕方がない面が、やはり国民の目から見ればあるように思います。特に逮捕された元常務理事は社会保険庁からの天下りでありますし、これ以後も社会保険庁からの天下りはずっと続いているわけであります。現在でも常務理事、事務長ともに社会保険庁のOBであるという現状があるわけでありまして、こうした状況を見ますと、やはり国民の目からしますと、いいかげんなことをやっているな、行政が監督をして、その言うことを聞かない元締めが行政のOBかという目で見られることは必定であります。 そこで、行政の監督責任とこの天下りの問題について、厚生労働省はどのようにお考えか、お伺いをいたします。
○水田政府参考人 この当該健保組合に対します行政の監督責任ということでございますけれども、先ほど大臣からもお話がありましたとおり、健康保険組合それ自体は自主自律の運営を行っていただくということが基本なわけでございます。 しかしながら、この当該健康保険組合におきましては、御指摘のとおり、組合会あるいは理事会が十分に機能しない、この自主自律の運営が円滑に行われない状況となってきた、このような認識に私ども立っておりまして、平成十一年、当時の監督官庁でありました東京都、それから現在の監督官庁である関東信越厚生局を通じまして、健康保険法に基づく指導、監査、業務改善命令、こういった一連の措置を数次にわたって講じてきたところでございまして、その意味では、私どもとして必要な指導監督は行ってきたものと考えてございます。 その当該組合の役員に社会保険庁OBがなっていたということでございますけれども、この社会保険職員であった者がこうした事件に関与したということは大変残念なことでございますが、こういった職員がこの健保組合の役員となった点につきましては、これは職員の経験、能力というものが評価されて、本人の合意のもとに雇用関係があったわけでございまして、行政の監督責任とはかかわりがないと考えております。それにいたしましても、先ほど申しましたように、社会保険職員がこういった事件に関与したということは大変残念なことに思っております。
○松浪(健太)委員 経験、能力ということで、当然こちらに、事務長、常務理事につくのはわかるのでありますけれども、代々なっているわけでありますから、そこのところは私は、非常に深く厚生労働省も受けとめていただかなければならないと思うわけであります。 それでは次に、健康保険組合の監査についてでありますけれども、一般論としてどのようになっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○水田政府参考人 健保組合の監査についてのお尋ねでございますけれども、まず、健康保険法第二十一条第四項に基づきまして、組合会において、組合会議員の中から選挙によりまして監事二名を選出する。この選出された監事は、法第二十二条第四項に基づきまして、健康保険組合の業務の執行及び財産の状況について監査する、このようになってございます。 また、これに加えまして、監督官庁であります地方厚生局におきましても、法第二十七条第一項に基づきまして、健康保険事業及び財産の状況につきまして定期的に監査を実施している、このようになってございます。
○松浪(健太)委員 監査のあり方というものは、私も議事録等を見ますと、健康保険組合については、通常のこうした会社、企業等とは違って随分特殊であるという言葉が非常に多く使われておりまして、逆にそれが何らかの抜け穴になっているのではないかなという思いを私はいたしているわけであります。 そして、こうした中で、私も、これはつい最近のこの保険組合の理事会や組合会の議事録を手に入れて見てみますと、例えば不正支出金が、これを簿外で処理するのだとか簿内でやるのだとか、この十一億五千万円ものものが決算の中に入るか入らないかでもめたりとか、執行部は簿外だから決算書には載っていないというように、堂々と説明をされているわけであります。 このような処理があったことについては、どのようにお考えでしょうか。
○水田政府参考人 先生御指摘の、横領された十一億円の処理についてでございますけれども、御指摘のとおり、過去の決算では必ずしも適正な処理が行われていなかったということでございますが、関東信越厚生局からも指導を行いまして、平成十六年度決算におきまして、不正支出に係る損失処理を行ったところでございます。 具体的に申し上げますと、平成五年度当時におきましては、建物購入費として一億円のみの支出といたしております。 それから、二つ目に、平成九年度から十一年度にかけまして、支出の説明なく十一億円の積立金を取り崩していたという事実がございます。この点、これは不当な行為でございますので、平成十六年度決算におきまして、不正処理にかかわる経緯について注記をした上で減額処理をする、同時に、同額を不正支出金として債権管理する、こういった会計処理を行ったところでございます。
○松浪(健太)委員 その平成十六年の件についてを伺いたいわけでありますけれども、民事ではまだ時効以前でありまして、回収は可能でありますけれども、これは、逆に債権を抹消したというようなことにはならないわけでありますか。その点、ちょっと伺いたいと思います。
○水田政府参考人 この金額につきましては、まさに債権管理をする会計処理を行ったところでございまして、現在も関係者に対しまして損害賠償請求をしている、このように承知をしております。
○松浪(健太)委員 もう一度、平成十七年の件に戻りたいと思うわけでありますけれども、この十一億五千万円、決算には載っていない、こうした簿外管理台帳、この中ではそういう言葉が使われて、口の悪い人に言わせれば、裏帳簿だというようなことにもなるわけでありますけれども、こうしたことを厚生労働省としてはしっかりと把握をされていたということになりますか。お聞きしたいと思います。
○水田政府参考人 事実関係から申し上げますと、まず、この十一億円という横領された金額をどのように会計処理するかということ自体につきまして、実は明確なルールというものが必ずしも明文上はなかったわけでございますけれども、本件に関しまして、まさにこういった不正処理にかかわる経過について注記を決算書においていたしました上で減額処理をするという手順、それから、この額を不正支出金として債権管理する、そういう意味で、簿外、簿内という言葉がございましたけれども、こういった不正支出金として債権管理をするということは明確にされてございますし、その点につきましては、平成十七年五月及び六月に、組合員に対して周知をするようにということを指導を行いまして、それも実行されたと聞いております。
○松浪(健太)委員 では、この簿外管理の件はこの辺にさせていただきたいと思います。 次に、実は、今までの管理について、あずさ監査法人がかかわっているわけであります。業務委託契約を平成十七年二月に結んでいるわけでありますけれども、私、これを見て、ちょっといかがなものかという思いをいたしましたので、ちょっと指摘をさせていただきたいと思います。 といいますのも、このあずさ監査法人なんでありますけれども、四百二十万円という通常の監査並みの報酬を得ながら、健保組合が単独で責任を負うとか、この業務委託契約を見ますと、あずさ監査法人は、一般に公正妥当とされる監査基準に従って監査が実施されていれば検出されていたかもしれない誤謬、不正、また違法行為を報告する義務を負っていないなど、どんな状況になっても全く責任は負わないというような、私はこれは無責任だなと思うわけでありますけれども、何かこういう、経営コンサルタントというんですか、そんな感じの契約を結んでいるわけでありますけれども、その責任を負わない監査法人が、組合会、理事会等で長々と不正支出の処理のあり方を説明しているわけであります。つまり、全く責任はないんだ、どんなことがあっても責任を負いませんよと言っている方々がこうしたところで説明をする。または、執行部側があずさ監査法人という名前だけを利用していると言われても、私はこれは仕方がないのではないかというふうに思うわけであります。 先ほど、こうした不正支出の処理には明確なルールがないというふうにおっしゃったわけでありますけれども、これからのルールづけというか、今後はそういうものはお考えになる予定があるでしょうか。
○水田政府参考人 まさに今回の処理の仕方、それが今後のルールになるものと考えております。
○松浪(健太)委員 それであれば、やはり決算書に載せないで非常に不透明な形にするのではなくて、やはり多くの加入者の方がいらっしゃるわけでありますから、明確にこれをわかるようにしていただきたいと思うわけであります。 次の質問に移ります。 この改善命令が出た後も、実地監査が入ったりとかいうことで、お配りした資料の最後のページのように、実際、厚生労働省も立入検査をされているというところであると伺っておりますけれども、仄聞するところによると、この保養所だけではなくて保養所の中に、保養所の中にといいますか、組合が購入をした絵画等が紛失しているということを伺いました。その実態についてお聞かせをいただきたいと思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。 絵画の紛失状況についてということでお尋ねでございますけれども、私ども、現在何をしているかと申し上げますと、まずこの絵画の紛失状況、それからその損害金額を確定する必要があるわけでございまして、そのために、組合の固定資産台帳及び支払い決議書とその組合が保有する実物を照合する必要があるわけでございまして、この照合作業を今行っているところでございます。 具体的には、関東信越厚生局それから当該組合におきまして、この台帳及び購入実績の確認を行うわけでございますけれども、現在、絵画、固定資産台帳には百五十三点載っておりますけれども、うち十点につきまして所在が不明であるということでございます。したがいまして、この所在不明なものの追及を行っているところでございます。 また、さらに、御指摘の保養所におきまして購入経緯が不明確な絵画があったということでございますので、それにつきましても、その経緯について確認中ということでございます。 手順といたしましては、この確認作業の終了後は速やかに、損害金額等につきまして決算関係資料の整理を行うということが必要でございまして、私どもといたしましても、関東信越厚生局を通じてそういった指導を行っていきたい、このように考えております。
○松浪(健太)委員 損害金額はまだ確定していないということなんでありますけれども、その途中までの、今大体どれぐらいの、何十億もするものなのか、何千万円単位なのか、何十万円単位なのか、その程度のことをちょっとお教えいただければと思います。
○水田政府参考人 現時点で私ども把握しておりますのは、先ほど申しました総件数、絵画、何件台帳にあって、そのうち実物が何件確認されたかという数量的なもので、金額のところまではまだ至っておりません。
○松浪(健太)委員 またそれがわかれば、加入者の皆様にもそうした情報を逐一お教えいただけるような、そうしたことを行っていただきたいと思うわけでありますけれども、あくまでそれは健保がやることだとは思います。 続きまして、こうした被保険者に対するこれまでの報告とか今後の報告体制というのはどのように指導していくのかということをちょっと伺いたいと思います。
○水田政府参考人 損害を受けた財産等につきまして、組合員に対してどう周知してきたかということでございますけれども、まず、不正支出の状況につきましては、平成十七年五月それから六月に、関東信越厚生局から当該組合に対しまして、組合員に対して周知を行い理解を得るよう努める旨の指導を行っているところでございまして、これにつきましては、当該組合から被保険者に対しまして、機関誌を通じてこうした周知が行われたものというふうに承知をしてございます。 それからもう一つ、業務改善命令につきましてでございますけれども、この十七年十月の命令の内容につきましては、これについても組合員に対する周知が図られるように今後適切に指導していきたいと考えてございますけれども、既にこの命令の内容自体につきましてはインターネットで当該組合が公表している、このように承知をしてございます。
○松浪(健太)委員 ありがとうございました。 それでは、最後の質問になりますけれども、健康保険制度は医療を支える上で大事な制度であることは私も百も承知をしているわけでありますが、こうした実態は著しく国民の信頼を失うものでもあります。今回も、改善命令という異例の体制をしっかりと厚生労働省がとっていることは大きく評価をしたいと思いますけれども、しかしながら、これまでの経緯を見ていて、執行部の自浄作用であるとか、それから反省の念がなかなか見られないというふうに私は思うわけであります。 今回の改善命令の今後に対して、大臣からすっきりとしたお答えをいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 本件、まことに遺憾でございます。今、本年七月六日以降四回にわたり実地監査を、これは立ち入りでございますが、継続して実施しているところでございます。 今後は、監査終了後速やかに監査結果の取りまとめを行い、その結果をよく検証してまいります。その上で、健康保険法第二十九条第二項の規定に基づく役員の解任命令を発する必要性についても検討することとなりますが、いずれにいたしましても、適正な組合運営を確保するため、徹底した指導監督に努めてまいる所存でございます。
○松浪(健太)委員 まことにありがとうございました。本当に毅然とした態度で厚生労働省には対応していただきたいと思うわけであります。 今回の天下りとかこうした追及は、割と野党の皆様が得意とされるところではありますけれども、今回は、やはり与党としても厳しい目で取り組んでいかなければならないという思いで取り上げさせていただきました。 また、自民党では、社会保険庁につきましても、こうした「あきれた社会保険庁の実態」というような冊子もつくって、社会保険庁の解体断行を約束しているところであります。野党の皆様も、こうした社会保険行政、しっかりとこれから取り組もうということで、社会保険庁の労働組合の問題とか積極的に取り組まれてくると思いますけれども、また今後とも、我々、国民から信頼をされる、危機感を持ったこうした政治家と、そして厚生労働省との関係をしっかりと結んでいきたいと思うわけであります。 まことにありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。 このたび厚生労働大臣に就任されました柳澤大臣におかれましては、国民が最も期待を寄せ、また関心を寄せております社会保障を初め、重要な課題が山積する中、その重責を担われましたことにお祝いを申し上げますとともに、諸問題に果敢に取り組んでいかれることを心から期待をしているものでございます。 大臣は、税財政、金融行政のエキスパートでいらっしゃいます。このような手腕をお持ちになった大臣が今後この社会保障という分野でどのようにその手腕を振るわれるのか、全国民が大きな期待を寄せているところであります。安心な社会を築く基盤となる、また人生のリスクに対するセーフティーネットである社会保障制度を持続可能なものにしていくため、年金、介護、医療と一体的にとらえていく改革をしていくことが不可欠であります。 骨太の方針二〇〇六では、歳出削減の一環として、今後五年間で一兆一千億の社会保障費の削減目標というものがございます。私は、その伸びを抑制することだけを主眼に置くべきではないと考えております。一連の社会保障制度改革を行ってきた今日、社会保障費の削減は、その改革の成果を踏まえた上であるべきと思います。そして、今後は、社会保障について、どこまでの費用負担をすればどれだけの効果があるのか、とりわけ、医療や介護の費用や効果のバランスを分析し、国民にとって適正な負担はどれだけなのかということを明らかにすべきと考えております。 以上のことを踏まえて、大臣が国民が信頼できる社会保障制度の構築に向けて今後どのような展望で改革を遂行していかれるのか、御所見をお伺いいたします。
○柳澤国務大臣 日本の財政が非常に逼迫をしておる、特に長期債務残高の規模なぞは先進国の中で最悪の状況である、こういうことはみんなよく承知をいたしているわけでございます。 そういう中で、毎年毎年の予算というものがどういうふうになっておるかといいますと、いろいろな費目が予算にはあるわけですけれども、その中で最も伸びているのは実は社会保障であるということでございます。これは、高齢化が進むということの中で年金も増嵩をして、かさがふえることを増嵩と申し上げますので、私、ちょっとそういう言葉を使いがちなので申し上げておきますが、かさが伸びています。 それからまた、医療もまた、若者というか青壮年の人に比べて年をとると大体五倍ぐらい掛りが増してしまうというようなことで、医療費もまた同じように伸びていく。介護はもとより、現在のところは老人の介護でございますから、専ら高齢者がふえればこれもまた伸びるという方向にある。重立った柱である社会保障給付というものは、そういうふうにどんどんどんどん伸びる方向にあるわけです。 それを、大体その三分の一ぐらいは公費で負担をする。これは国と地方の税金で負担をするというのが基本的な構造でございますが、現在はどうなっているかといえば、そういう公費負担の部分はほとんど、金に糸目がついておりませんので、一対一で対応しているとは言いませんけれども、大ざっぱに言ってほとんどが国債でもって賄われている。これで安定しているかといえば、どう考えたって、借金で賄っているわけですから安定は著しく損なわれているということでございます。 ですから、安心できる社会保障、あるいはそのもとは持続可能になる社会保障、これは借金で支えられている社会保障が持続可能であるなどということは金輪際考えられないことでございますから、これを何とかしなければいけない、これが私どもに突きつけられている問題だということでございます。 これからそれをどうしていくかということでございますけれども、先ほど来申し上げますように、本当に最後のどん詰まりのところまで見通せる財政技術なりなんなりがあると、そこに向かって何をしたらいいかということを考えればいいんですけれども、しかし、それにはやはりその見積もりが難しいということと同時に、その間の経済社会の変動もまた見通すことが難しい。勢い、我々は、五年、十年の先を見て、これを少しでも改善の方向に向けていくという努力をしなければいけない。これが現在、二〇一一年度を節目とするプライマリーバランスの回復であるとか、あるいは二〇一五年にできるだけ長期国債残高を減らす方向になるような、そういう財政状況を出現させたい、こういうことでございます。 そういう中で、やはり、歳入の方はともかくとして、歳出の方をまず削減できないだろうかということで、そちらの話を先にしていくんだということになるわけでございますが、そうした中で、社会保障はそうした削減とは無縁だよ、我々は聖域にいるんだというわけにはいかないということで、何とか、社会保障制度にも無駄だとか重複だとかが起こっているところは、きついかもしれないけれども、少しずつでも軟着陸させながら合理化をしていくということは、これは避けられないことではないか、こういうことになっている。 先ほど私は、キャッピングというのはよくない、キャッピングというのは、技術的にいうと皆減皆増経費というんですが、公共事業費のようにキャッピングをすればすぐそれでお金が減るというものと、社会保障制度のように制度が裏打ちになっていて、幾らキャッピングをされたってそんなものとは関係なく伸びていく、こういう経費、二つあるわけでございまして、社会保障の場合にキャッピングなんというような手法は、とっても自己矛盾を来してしまう、こういうように私は考えているわけです。 そこで、先ほど無駄とか重複とかということにちょっと触れたわけでありますが、同時に、最近非常に重要視されているのは、先ほど言ったように、高齢になるとどうしても若いときに比べて病気がちだ、こういう医療費が五倍ぐらい多くかかってしまう、だけれども、そもそも病気を前提にするのじゃなくて、病気をしないような予防とか、そういうようなことを考えるべきじゃないかということが非常に先般の医療費改革等の中で大きく前に出てきたわけであります。 こういうことによって医療費の、今まで当然増だとされていたようなことについて少し抑制がかからないか、それぞれ健康診断なんかを義務化することによって予防をみんなでしていく、こういうことを真剣に考えようということになってまいりまして、ぜひ我々もそういう努力をすべきだ、このように考えております。
○古屋(範)委員 大臣、御答弁ありがとうございました。 文字どおり、日本は世界で一番高齢者の割合の多い国でございます。欧米に比べて社会保障費の給付が少ないと言われておりますが、我が国としてどこまでの給付をしていくのかという観点につきましても、国民の視点に立った改革のリーダーシップをよろしくお願い申し上げます。 次に、社会保険庁改革についてお伺いをしてまいります。 社会保険庁の抜本的な見直しが必要であると考えます。不祥事続きで国民から信頼を失ったこの社会保険庁の立て直し、きょう、ここの委員会にもいらっしゃる坂口元大臣、大変御苦労されてきたお一人でもあると思いますが、今継続審議となっております社会保険庁改革の関連法案、この解体的出直しをすべきであると思います。それには、年金運営組織の職員の非公務員化をも視野に入れた抜本的な練り直しを図るべきではないかと考えております。今こそ国民の信頼を得ることができる新組織を早期に実現していかなければなりません。この点に関しての大臣の御所見をお伺いいたします。
○柳澤国務大臣 社会保険庁の改革につきましては、私ども政府は、先国会にこれに関連する二つの法案を出させていただいております。あえて言いますと、その前に、政府管掌の健康保険については別の協会という公法人を立てるということを、これは別の法律で手当てをさせていただいておりますので、社会保険庁の改革は一部そういう格好で先行スタートしているという状況でございます。その後の残りについて、先ほど申した二法案で改革を提案させていただいたわけでございます。一つは組織そのものについてですが、一つは業務運営についてでございまして、それで二法案という形になってございます。 今議論をいただいた点もこの組織面、事務組織の面のお話でございます。これにつきましては、私どもの立場、政府としての立場は、先ほど申し上げましたように、九月の二十六日、最初の閣議で、前国会で継続審議にされましたこの二法案をそのまま再度国会に提出をさせていただく、こういう閣議決定をいたしたわけでございます。 そういう立場からいたしますと、私どもとしては、まず、きょうのこの委員会を初めとして国会の皆様方にこの法案の御審議をお願いする、こういう形で、その後いろいろな問題も生じたわけでございまして、先生方、特に与党の先生を中心として目下も大変御議論もいただいているところでございますから、そういう御議論の結果をこの我々の提出している法案とどういうふうに収れんをさせていっていただくかということに勢いならざるを得ないだろうと思うわけでございます。 我々もその過程で、原案がどういうことを気をつけてこうなっているかというようなことについてはしっかりと説明をさせていただくという形で、よりよいものになるということが一番大事でございますから、そういう成案に向けて今後とも努力をしてまいりたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 いずれにいたしましても、国民にとって安心な年金制度に寄与する、新たな抜本的な改革を踏まえた上での組織づくりというものをよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、社会保障制度の中での介護保険について質問してまいります。 四月の改正介護保険法施行から約半年がたちまして、今さまざまな課題が見えてまいりました。今回の介護保険制度の見直しにおきましては、要支援、要介護一といった軽度の要介護者に対する従来のサービスについて、介護予防の観点から見直しを行い、新たな介護予防サービスが創設をされたわけであります。 しかし、今までの制度のもとにケアプランを考えていた人々から若干の戸惑いも出ているようであります。これまでは介護一でも車いす、また介護用ベッドなど福祉用具をレンタルすることができたが、このたびの改正に伴い、レンタルを制限されて困っているというような声を伺います。 この福祉用具につきまして、介護保険の施行後、要介護者の日常生活を支える道具として急速に普及、定着をしております。かなりの伸びを見せておりました。しかしながら、この四月の介護報酬改定に伴い、福祉用具の利用の適正化という理由で、軽度者に対しては原則この特殊ベッド等を給付しないということが盛り込まれました。 保険料負担を抑え、制度の持続性を確保する、あるいは利用者の自立支援、要らない方にまで車いすを支給するというのはよくないとは思いますけれども、こうした変更によって、医療ニーズを有する方など本当に必要としている方、例えばぜんそくなどを時折起こす、そういうときにはこういったベッドが必要である。心臓に疾患があり、苦しいときにだけ必要、通常は日常生活に差しさわりがないというような方々もいらっしゃるわけであります。こうした利用者の状況、置かれている環境に十分配慮したサービスが必要であると考えております。 この点を踏まえまして、見直し後、福祉用具貸与制度の問題点が、問題なく実施されているかどうか、その実施状況について調査を行い、適切な対応をお願いしたいというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。石田副大臣にお伺いします。
○石田副大臣 お答えを申し上げたいと思います。 今もう委員がほとんど質問でお述べいただいたと思いますけれども、福祉用具は障害者の自立を支援する、こういうことでそのサービスを取り入れてきたわけでありますけれども、急速に普及をし、余り必要ではないのではないか、こういう利用状態から想定しにくい利用がふえてきたことも、私はやはりこれは事実だろうというふうに思います。 それで、本年の四月の介護報酬の改定においては、原則としては、先ほどお話しになりました、軽度者に対しては特殊ベッドなどのものは給付をしない。しかし、これは原則ということで、これからもその原則は維持してまいりたいと思いますけれども、事実上起き上がることが困難であるとか、例えば、ことし、大都市の介護担当者からも要望がありましたけれども、ぜんそくの発作の人は頻回起きる場合にどうするのか、こういうことも指摘をされておるわけであります。 ですから、この原則は維持しつつも、では現実的にどうなのか、こういう例外措置についてもやはりいま一度必要性というものをこれは検討しなきゃならぬじゃないか、こういうことですので、自治体を対象とした調査を実施したい、こういうふうに思っております。
○古屋(範)委員 ありがとうございます。 その調査結果を踏まえて、迅速な対応をよろしくお願い申し上げます。 次に、私がこれまで取り組んでまいりました仕事と生活の調和、ワークライフバランスという点に関しましてお伺いしてまいります。 御承知のように、我が国の特殊合計出生率一・二五、大変低いわけであります。この少子社会への対応、待ったなし、喫緊の課題であります。公明党は昨年一月、少子社会対策本部を立ち上げまして、さまざまな識者、また経済界、労働界、マスコミ等々から意見を伺い、またタウンミーティングなども数多く行いまして、約一年半をかけまして少子社会トータルプランをまとめました。 その柱は二つございます。一つは、生活を犠牲にしない働き方への転換、そしてもう一つは、子育ての負担を過重にしない支え方、経済的な支援というようなことであります。この二つの柱を中心に今政策を進めております。 また、厚生労働省も一昨年、仕事と生活の調和に関する検討会報告書というものをまとめられ、私たち公明党も党内に検討ワーキングチームを立ち上げまして、働き方を見直し、また安心、納得できる環境を整備していこうと、私自身座長となりまして、識者からの意見を聴取したり、また視察など活発に活動を行ってまいりました。 その報告書から今約二年の年月が経過をいたします。この二年の間に、企業また国民の意識も変わってきているだろうというふうに思います。 先日、十月二十一日付の読売新聞にインターネットモニター調査が出ております。ここには、出産に関する全国意識調査ということで、現行の少子化対策が理想的な形で実現しても、子供を持つ気にはならない若者が一定割合いるということであります。その背景には、生活が多忙で自分らしさと子育てが両立しないという受けとめ方があるように思われます。 では、現行政策以外に何をすれば子供を持つ気になれるのか。一人いる人が経済的な理由で二人、三人は持てないというのであれば、それは経済的支援あるいは保育所の整備ということになりましょうが、まず家庭を持つことあるいは子供を持つことそのものに後ろ向きであるという空気。何をすれば子供を持つ気になれるのか、最も多かったのは、働く時間を短くするなど、夫婦の時間をふやすというものでありました。 また、内閣府が九月に発表いたしました少子化と男女共同参画に関する社会環境の国内分析でも、働く女性の割合が多い県ほど出生率が高いという結果が出ております。 これらの調査結果から、仕事と生活のバランス、少子化対策の観点からも喫緊の課題であると言うことができると思います。仕事もまた生活も、両方充実したいというのは、女性のみならず、男性の側からも切実な願いが出ていると思われます。 私は、このおくれている国民生活の根底にある働き方について、柳澤大臣、国、地方自治体、さらに企業も巻き込んで、ぜひリーダーシップをとって取り組んでいただきたいと思います。 この点につきまして、大臣の御所見を伺います。
○柳澤国務大臣 少子化対策として、ワークライフバランス、ワークとライフのバランスについて、もっと少子化、子供に対して重点を置いた、そういうバランスというものをこれからどう回復していくか、非常に大事な視点ではないか、こういうことでございます。 これは全く私も同じように考えておりまして、ちょっとだけエピソード的なことを申しますと、先般、アメリカのボストンとニューヨークに行ってきました、古い友人を訪ねたんですけれども。そのときに、ニューヨークで働くのがいいか、ボストンで働くのがいいかということが議論になりまして、ニューヨークで働くのがいいと言うのは大体仕事中毒的な人間で、これは短期的に働いて一生涯食べていかれるぐらいの所得を上げて、それで四十五ぐらいでリタイアしてしまおうという物すごい生活態度。もう一つ、ボストンは、そんなにはもうけない、まさに時間も、今先生がおっしゃったような、ファミリー、家庭に対してもしっかりしたことをやる、そういう時間を確保する。こういう生き方を、何といってもクオリティー・オブ・ライフがいいんだ、こういうふうに言っておりました。 まさに我々は、クオリティー・オブ・ライフ、生活の質というものを、仕事だけじゃなくて、仕事を含めて生活の質というものを考えていかなければいけないということになっているわけです。 それはそれでわかるわけですが、では具体の施策としてどうしていくか、これはなかなか難しくて、東京で生活している人たちは物すごく、馬車馬というか、もっとすごい勢いを持った仕事をする、大阪だとあるいは京都だとクオリティー・オブ・ライフをエンジョイできるというぐらいに、日本の都市なんかも個性を持って分かれていくともうちょっといいのかなと思いますが、日本は何でもかんでも今東京中心というようなことでございますから、勢い我々の施策が必要になってくる、こういうことです。 今やっていることは、三つほどカテゴリーを分けて申し上げますと、まず育児・介護休業法で、三歳までの子供を養育する労働者に対して短時間勤務を講じなさいということ、これは企業に義務づけております。それが義務づけ、一番強いもの。それからもう一つは、それを上回る育児のための短時間勤務やフレックスタイム制度を導入したところに対しては、企業に対して助成金を払って支援する、こういうやり方をして、さらにいいところをねらってくださいと。さらに、次世代法に基づいて、働き方の見直しなどを内容とした企業の行動計画をつくってもらって、それを実施する。 これは実は、一昨日ですか、私はファミリー・フレンドリー企業というものを表彰させていただきました。そういうようなことで、これは表彰するということですから、どれだけ実益があるのかちょっとよくわかりませんけれども、この表彰の対象になった企業の人たちはやはり育児休業の制度をとる人が非常に多いというようなところで、それを奨励していくというような企業がファミリー・フレンドリー企業として私たちの表彰の対象になる。 それで、何を差し上げるかというと、このぐらいのステッカーを一つ差し上げるわけで、ちょっとこれではどうかしらんという感じもなきにしもあらずでしたけれども、しかし、そういうものを張っていない会社はファミリー・フレンドリーでないというようなことの認知が広まっていけば、これはこれでインパクトを持つのかな、こんな思いで表彰させていただいた。 いろいろな施策をやっております。
○古屋(範)委員 この仕事と生活、ワークライフバランスを確立する上で、私が今特に取り組んでおりますのがテレワークの普及ということであります。 前内閣で総務大臣政務官をしておりましたときに、このテレワークを推進しようということで、総務省にことし五月テレワーク推進会議を設置いたしまして、積極的に進めてまいりました。この九月から本格実施をするということで決めていただきまして、省員の中で募集をいたしまして、約三十名ほどの方が手を挙げてくださったそうであります。特に、育児休業、短時間勤務は女性の側がとっており、その父親の側が、子育ての期間の父親が手を挙げているということを聞いております。 通勤時間がない、あるいは時間や場所にとらわれない在宅勤務、テレワークという働き方、これは障害者の方々も働ける形態でありますし、また母子家庭のお母さんなどにも非常に有効なものであり、またキャリアアップのための学習機会創出の観点からも非常に有効であると考えております。 政府のIT戦略会議では、テレワーカーを二〇一〇年までに就業者の二割にするということも設定をしております。また、安倍総理大臣も所信表明演説の中で、テレワーク人口を二倍にするという御決意を表明されています。 この件につきまして、大臣の御所見を伺います。
○柳澤国務大臣 今先生御指摘をいただきましたように、e—Japan戦略第二フェーズでは、就業人口に占めるテレワーカー、八時間以上テレワークを実施する人の比率を、二〇〇二年の六・一%から二〇一〇年までに二〇%にするという目標を掲げております。現状どうかといいますと、これは国土交通省の調査でございますけれども、テレワーク人口は、二〇〇二年では四百八万、六・一%、それが二〇〇五年、これは実績でございますけれども、六百七十四万人の一〇・四%ということになっておりまして、二〇%という目標はなかなか厳しいかもしれませんけれども、これは着々と実現に取り組まなければいけない、このように思うところでございます。 テレワークは、確かに家庭と仕事を両立させる非常に有力な武器で、むしろITの革命が起こったときはみんなこうなっていくんじゃないかぐらいの夢を持ったんですけれども、必ずしもそうではなくて、やはりフェース・ツー・フェースの接触というのが大事だということであるわけですが、今後ともこの面について注視をして取り組んでまいりたい、このように思います。
○古屋(範)委員 私もこの八月、熊本にありますNTTネオメイトという、NTTの子会社でありますけれども、ここのデジタル地図バーチャルファクトリーというところに行ってまいりました。ここは、関西エリア七県、そこで障害者の方々、また母子家庭のお母さん、そして一般の方々も含めてテレワークの就労支援をしている会社であります。 ここでは、航空写真をトレースして地図にするという仕事、それから、最近では漫画を、本を携帯で見られるようにレイアウトし直すわけなんですね。それを自宅でテレワークをしている。多くのオペレーターがいて、同じ画面を見ながらその指導をしているというような、障害者、当然母子家庭のお母さんたちもそれなりの収入があるということでありました。 労働を所管する官庁であります厚生労働省におきましては、このテレワークの取り組み状況なんですが、総務省を初めとしまして、人事院、経済産業省、国土交通省、財務省なども試行実施をしております。当の厚生労働省はまだ試行実施さえもしていないということで私も大変驚いたんですが、ぜひともテレワークにつきまして推進をしていただきたいというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 もう時間がなくなってまいりましたので、少し飛ばしまして、最後の質問に参りたいと思います。 仕事と生活のバランスをどう図っていくか、これは少子化対策、また子育て支援だけではないと考えております。ワークライフバランス、趣味や勉強、ボランティアなど生活を重視する、また、賃金や昇進よりも家族を大事にしたいなどなど、さまざまな生活スタイル、またその働き方というものをみずからの意思で選択できる社会をつくっていかなければいけないと思っております。自分の意思に反して、やむなくこういう生活を選ばなければいけないというのではいけないのではないかというふうに思っております。 そこで、公明党は、国全体の意識改革のためにも、個別のさまざまな法律、制度、施策を充実させるための基本法が必要であると考えております。公明党は、仕事と生活の調和推進基本法の制定を目指して現在その法案づくりに取り組んでおります。ぜひともこれを制定すべきであると考えますが、大臣の御所見を最後に伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 議員立法が非常に盛んになりまして、その意義はいろいろにあるわけでございますけれども、議員立法をすることによって、そこにそういう問題があるということを国会それから国民が非常に強く意識する。宣言的な法文が多いというようなことで批判的に言う向きもあるわけですけれども、その宣言こそが大事だ、有効な機能を果たしている、こういうことは非常に多くの議員立法の中にあると私は思います。 そういう意味もありまして、ぜひ先生方の御努力でその議員立法が実られ、また、その実った暁には、我々はその趣旨を重く受けとめて、今先生おっしゃったワークライフバランスを重視した働き方の推進のために力としていきたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 大変力強い御答弁をありがとうございました。 以上で終了いたします。ありがとうございました。
○櫻田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三井辨雄君。
○三井委員 民主党の三井辨雄でございます。 大臣、このたびの御就任、まことにおめでとうございます。 まず最初に、冒頭に、通告をしておりませんが、今回の北朝鮮の核実験について、まさに麻生大臣が核保有の議論をすべきだという、閣内不一致という御意見がございますけれども、まず大臣にお聞きしたいのは、核保有の議論をすべきなのかどうなのかというお考えをお聞きしたいと思います。
○柳澤国務大臣 私どもの国は、地球上あまたの国が今存在しておりますけれども、その中で唯一核兵器によって攻撃を受け被災をした、そういう被爆国でございます。そういう立場で、私どもの国は非核三原則というものを国是として打ち出しまして、これはなかなか一朝一夕にはまいりませんけれども、全世界の非核化ということを志していく、こういう基本的な立場にございます。 したがいまして、私、政治家として申し上げるわけですけれども、こういう立場からいたしまして、どうも議論だけするというような話は、そう軽々に、今の非核三原則あるいは唯一の被爆国としての立場と相入れないものではないか、このように考えています。
○三井委員 大変いい御答弁をいただきました。まさに私も、今大臣おっしゃられましたように、核の保有については議論をすべきでない、世界じゅうの核拡散については皆さん脅威を持っていらっしゃるわけですから、そのリーダーとして日本が立っている、そういう中でやはり今この議論をすべきでないというぐあいに思うところでございます。 それで、早速でございますけれども、大臣も大変御苦労されて今日まで築かれたということを私はマスコミ等の中で情報をいただいているわけでございます。私もこれまで、今日までさまざまな経験をしながら来たわけでございます。 そこで、よく言われることがございまして、まさに自分も苦労したから、あなた方も苦労しなさいという方と、それから、また逆に、私も苦労したけれども、あなた方はできるだけ苦労させたくないな、これまでの人生経験の中で、いろいろな見方があると思います、私は、そういう中でやはり大臣はどちらなのかということと、もう一点、私もウサギ小屋に住んでいるから、あなた方もウサギ小屋に住みなさいという方と、それから、私もいい家に住むということについて、あなた方もいい家に住みなさいと。これは全く通告しておりません。ですから、大臣のお考えの中で御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○柳澤国務大臣 三井委員から、個人の生い立ちといろいろな政治に対する考え方、これは非常に、何と申しますか、心の相当奥のところにさかのぼってお話を聞かれたということでして、私、政治家になって、今の委員から聞かれた初めての質問ということでございます。 私は若いころ、ちょうど就職したころでしょうか、アメリカの大統領でニクソンとケネディが対立候補になったことがございます。民主党と共和党ですけれども、共和党はどちらかというと自由放任で、どちらかというと経営者側に立つ、それに対して民主党は、労働組合、当時のAFL・CIOを背景にしていまして、どちらかというと労働組合の側、こういう政党だということになっていたわけですね。ニクソンは、非常に生い立ちが厳しい中で育ちまして、いわば苦学力行の士である。ケネディ大統領は、もとはといえばもともとアイルランド移民ですから、銀のさじをくわえて生まれたというわけではないんですけれども、お父さんの代から成功して、ケネディ大統領の生い立ちとしては、まあまあ恵まれたというふうに言われていた方です。 それが全く逆の立場で、苦労したニクソンは共和党、それから、かなり豊かに育ったケネディ大統領は民主党ということで立候補したことで、こういう生い立ちとそれぞれの長じての政治的な立場というのはどういう関係にあるだろうというようなことにかなり関心が向いた時代があります。世間もそうですし、私個人もそうでございました。 さて、きょうの御質問で、おまえはどちらだというふうに言われているわけですけれども、私は正直言って、そういう次元よりも、むしろ物をマクロ的につかまえるという立場の仕事をしてきたものですから、どっちかというとそういうことに非常に自分の心が傾斜しているということを自覚しています。 それに対して、今度、新しい仕事であるところの厚生労働というのは、マクロよりもむしろミクロのところに目をやらなければならない、そういう分野だというふうに私承知をいたしまして、私の長じてからのいろいろな経験ということからすると、かなり違った分野だと実は思っております。ただ、私自身がマクロの方にとかく物事をつかむつかみ方とかなんとかがいってしまう、そういう傾向を持っていると思いますので、この仕事をしっかりやるためには、かなり自分自身が自戒をしてミクロに心を向けるということをしなければならないなというふうに思っているということでございます。 これが深層心理的に私の生い立ちとかなんとかとどう関係があるかということは、今ここでにわかにお答えする用意がありません、恐縮ですが。今、私自身がちょっと自分自身に努めている心のうちを申させていただいて、大変恐縮ですが、御答弁にかえさせていただきたいと思います。
○三井委員 残念ながら御答弁いただけませんでしたけれども、私はなぜこういう質問をしたかといいますと、まさに今の自分が苦労した、だから苦労しろ、あるいはもう一点は、苦労してきたけれども、みんなになるべくなら苦労させたくない。私のおやじはそう言っていました、なるべく女の子には苦労させたくない、男は苦労してもいいだろうと。それと、家にも、やはりウサギ小屋に住んでいるから、みんなにウサギ小屋に住めというのはおかしいじゃないか、特に経営者の勉強会でもそんな似たようなお話がございました。 ですから、今の中で、私はどちらかといいますと、苦労したからその苦労をさせたくない、それから、みんながいい家に住むんだから、まさにみんなもいい家に住むように夢や希望を持とうじゃないかと。しかし、日本の今の状況を見ますと、まさに私が申し上げたことと逆をいっているんじゃないか、そういうような気がしてならないんですね。大臣の今御答弁ありましたマクロ的に見ることも当然、大臣は参議院でもそのようにおっしゃっています。しかし、ミクロ的なことも、マクロ的に見なければミクロ的にもやはり見られないだろうなというぐあいに私は思っております。 そういうことで、今後、今国会は八十一日間ということでございますから、世界一周、八十一日間で長うございますので、そういう中で具体的にまた御質問させていただきたいと思います。 そこで、まず、景気回復について、これは大臣は専門家でいらっしゃいますから。この十月に経済報告がございました。そこで、イザナギ景気と並んだ、十一月にはイザナギ景気を抜くだろう、こういうことが報告されております。しかし、私は、北海道だけ、私の地元は北海道でございますけれども、まさに格差の中にあるわけでございまして、実感として、まず、ないなというのが第一点です。 イザナギ景気のときはまさに一九六五年ですか、きょうの東京新聞に、池田勇人総理がまさにがんを患っていたというところでございますけれども。しかし、この地域経済報告の、日銀の支店長会議で、足元の景気はすべての地域で拡大または回復方向の動きとなっており、地域差はあるものの、全体として緩やかに拡大しているという総括判断を示しているわけですけれども、今申し上げましたように、本当にないんですね。 札幌のこと、北海道のことを申し上げますと、まず、町の様相が随分変わりました。そこにはサラ金の看板が雨後のタケノコのようにどんどんできています。それで、大変失礼かもしれませんけれども、百円ショップが向かい合ってあります。このように、まさに商業形態も変わりました。いまだにシャッター通りもたくさんあります。 そういうことを考えたときに、家計においても、まさにこれからどんどん景気がよくなる、あるいはイザナギ景気を超えるようなことになってくれるような傾向になってくれればまさに成長ということが言えると思うんですけれども、この辺の大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○柳澤国務大臣 今回の景気回復、多分二〇〇二年一月がボトムで、そこから回復期に入っていると記憶しておりますけれども、実はそういうことを言われ始めて丸二年くらいは景気が回復の状況にあるなどというのは、私自身は地元が静岡県で、愛知県ほどじゃないんですが、その隣接地でかなりいいはずなんですけれども、全く実感はありませんでした。ようやく丸二年たった一月ごろから、私は名古屋の友人から、これからインフレの時代になってくるかもしれないよという話を聞いて、おや、経済が実際肌身で変調を感ずるに至ったのかということを聞いたぐらいでございます。そのくらいから、つまり二〇〇二年はだめ、二〇〇三年もだめ、二〇〇四年くらいから実は少しよくなってきたのかなという実感でございます。 ですから、確かに景気の日付を追っかけていくときは、二〇〇二年一月がボトムである、それからずっと上がっているんだということにはなっているんですが、前の二年なんてほとんど実感はない、底をはっていたぐらいの状況だった。その後ずっと、少し実感が出てきたかということでございますので、全体としても今度の景気回復は、イザナギ景気を抜くとか抜かないとか、確かに期間ではそうなんですけれども、レベルにおいては非常に低水準の景気回復である、これはその期間を通じての平均の成長率でも計算すればすぐわかることですけれども、全然違うということがあろうかと思っております。 したがいまして、またさらに先生御議論を展開されるようですので、その都度、私も感じを申し述べたいと思いますけれども、ともかく、今回の景気の回復、回復から二年は全く我々実感がなかった、それ以後、確かに上がったけれども、全体を通じての平均の成長率などというのはイザナギ景気と比ぶべくもない低水準のものであったということは、数字の上でも明らかだと私は考えております。
○三井委員 大臣の御答弁にありますように、私はちょうどイザナギ景気のときは社会人になったか学生のころだったと思うんですね。だからその実感は全くございませんが、しかしながら、聞くところによると、やはりイザナギ景気のときは実質の平均の成長率が一一・五%あったと。また、地域間、企業のばらつきもありましたけれども、実際にそういうぐあいに成長があったわけですね。 そこで、大臣にお伺いしたいのは、今まさしく大臣の御地元であります静岡においても、大企業の多いところですよね、大変環境もよろしいところだと思うんです、そういう中でも、今大臣お話しされましたように、やはり景気はいま一つ、実感としてはない。そこで、格差の問題についてお伺いしたいんですが、まさに今、格差是正の問題が議論されております。また、安倍総理もこの格差を埋めようということもおっしゃっています。どうしてこのように、今までも格差はあったにしろ、ここまでの格差が出てきたのか。特に今、地域の格差あるいは教育の格差、所得の格差、医療の格差も介護の格差もいろいろあります。そういう中で、その要因というのを大臣にお伺いしたいと思うんです。
○柳澤国務大臣 格差ということは、非常に先覚者はともかくとして、私どもは割と最近に至ってこの現象についての論議に触れるというようなことが実態であったと思います。私はかなりこういったような論議については割と関心を払うようだと言わせていただいていいと思うんですけれども、確かにジニ係数というようなものが一つの論議になりまして、そして最近の格差は少し開きぎみであるという議論がまず起こったというふうに承知をしております。 しかし、これは長いトレンドが実はこのジニ係数の数字にはありまして、私の記憶で言わせていただいて恐縮ですが、大体一九六〇年代ぐらいからは非常にこれが縮小するようになった。多分日本の高度成長と言われる時期に相当している期間だと思いますけれども、非常に急速にこれが縮小するようになった。それが一九八〇年代くらいからずっと開く。もっと言うと、七〇年代ぐらいから少しジニ係数が拡大する傾向になったということがかなり、象徴的と言っていいと思うんですが、言われるようになりました。 そして第二に、最近のジニ係数につきまして論争があったように私は見受けておりました。一つは、ジニ係数そのものから、やはり格差が拡大しているというふうにとらえる方。 もう一方、しかしよくよく考えるとこの背景には高齢者の人口ウエートが多くなっている、高齢者というのは割と実は格差がある人たちで、完全にリタイアして何の所得もなくなった人と、自営業者みたいな方々は結構若い時代と同じように所得がある、そういう人たちの、格差が開いている人口のウエートが多くなると勢い全体の格差も開くように見える、これが一つでございます。 それからもう一つは、単身世帯が非常に多くなったということで、若者の単身なんかがどんどん多くなると、それはどちらかというと低い所得の人がどうしても多いわけですから、それが開く要因になっている。 こういうようなことであって、この二つの要素等を勘案すると全体のトレンドが示す、ジニ係数が示すところの格差の拡大ということはほぼ説明できてしまうので、客観的にそんなに格差の拡大が今現象として出ているというふうに見なくてよろしい。こう二つの説があったというふうに思います。 私も専門家でもありませんので、どうかということについて軍配をどちらに上げるという立場には多分ないんだろうと思いますが、少なくとも、今の政府は後者の丁寧な説明の方をむしろ受け入れて、御自身がやったのかもしれませんけれども、そういう見方をジニ係数についてとっているというふうに承知をいたしているわけでございます。 ただし、そうはいっても、もう一方の地方の格差というのは、これは全然ジニ係数とかそういうこととは関係なく、かなり景況、景気の状況にも開きがありまして、例えば愛知県の有効求人倍率が一・九四ぐらい、それに対して青森県は〇・五だとかという、これは昔だったらちょっと考えられないくらいの差が開いているということはありまして、そういう意味では、地域の格差というものはやはり否むべくもなくあるというふうに思われるということだと思います。 私どもは、そういう前者の所得の格差についてやや楽観的なことを言いましたが、決してこれは楽観できることではないと思っております。それは、やはり若者の非正規雇用者の存在というのが、これをそのままにしておくと極めて本物の格差になっていくであろうし、それからまた技術の伝承、これにもマイナスであろうし、さらに言えば、少子化を食いとめようという我々の今の努力に対しても完全にこれと背馳しているということにつながるというふうに思っておりまして、これには真剣に取り組んでいかなければいけない、このように考えているというところでございます。
○三井委員 安倍総理が所信で、格差を感じている人に光を当てる、それが政治の役割だ、こう述べておられるわけでございますけれども、しかし、私たちとこの格差については感じる度合いに大分隔たりがあるという感じがするんですね。 そこで、私はやはり、国民への責任として、政府がセーフティーネットをしっかりと持つということが大事だ、こういうふうに思うんですね。今大臣おっしゃいましたように、例えば障害者自立支援法もそうです。地域格差のインフラ整備をしなきゃならぬと大臣は参議院で御答弁なさっているんですよ。ですから、やはりこの格差を何としても埋めていかなきゃならぬということを御努力していただくように私からもお願い申し上げたいと思うんです。 そこで、社会保障制度についてですけれども、グランドデザインというんでしょうか、大臣がどのようにお考えになっているか。そこで、大臣の所信の中で、今後とも、国民が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築という一貫した目標のもとで、制度全般にわたり不断の見直しを行い、給付と負担を一体的にとらえた改革努力を継続する、改革努力を継続する、こう述べられているわけですけれども、非常に集約されたような表現でありますし、ちょっと私たちにはわかりにくいというところがございます。もっと言いますと、この給付と負担を一体的にとらえた改革努力なのか、またそれは何を意味するのか、これをお聞きしたいと思います。 それと、大臣が就任の会見のときに、国民生活に密着した分野、国民の安全、安心、生活と命にかかわる分野の最高責任者としての重さを感じると言っておられます。また、これまで外側から見たときも自分なりの考えを持っていた、この自分なりの考えということもぜひお聞かせ願いたい。 以上、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○柳澤国務大臣 社会保障制度というのは、今たまたま話の続きで申させていただきますと、ジニ係数というのは三段階出るわけです。一つは出しっ放し。民間の所得なりなんなりが、民間会社から給料として払われたというようなものの出しっ放しの数字が、それでどのぐらい開きがあるか、これは所得の格差をはかるわけでございます。それがその後、まず税でどのぐらい修正されるか、それから、その次に社会保障でどのぐらい修正されるかということでございます。 現在のジニ係数の三段階における修正の状況を大ざっぱに言いますと、税で修正されるということはどちらかというと昔に比べて小さくなった、余り修正されなくなった。それに引きかえて、社会保障制度で修正される度合いは非常に拡大しているということがジニ係数の計表から見てとれる、私としてはそのように理解をしております。 そういう意味でも、格差ということ一つとっても、また今先生がおっしゃられたし、私もそういう観点でも見るわけですけれども、国民の安心、安全、こういうようなことからしても、社会保障制度の現在の経済社会に占める重要性というのは本当に大きなものがある、重要なものであるということはどちらから見ても言えると確信をしているわけです。私は、そのような意味合いにおいて、今回、自分がこういう立場に立たせていただいたということは、まさに社会保障というのが国民生活あるいは国民経済における安心、安全というものに直結しているという意味で、責任が非常に重いというふうに思っているということでございます。 それから、さはさりながら、社会保障制度については、これまでの趨勢だけでこれを放置しておく、何の改革もしないでいけるかというと、これは当然のことながら、いけないわけでございます。つまり、社会保障制度のうち、公費で賄う分について余りにも今それが赤字に頼っている、国債に頼っているということがございますので、これをそのまま放置していくことはできないということでございます。 そういうことで、いずれこれは改革をして、持続可能で、国民の皆さんから安心、安全を持ってもらうような姿に改革をしていかなきゃいけないわけですけれども、そのときに、負担と給付を一体として見ていきましょうということを、私、先般、所信表明で言わせていただきました。 これは、今我々の与えられている、我々が持っている社会保障制度の改革というときに、給付はそのままにしておいて、負担だけでこれを何とか賄えるようにしましょうよということもなかなかできないわけでございます。したがって、どうしても負担で調整しなければならない方が断然多いとは思いますけれども、その前提として、やはり給付についても相当の改革をしてこれに取り組まなければ、負担だけでこれを安定したものにしていくということはできない。その意味で、給付と負担、両方を見て改革に取り組まなければいけない、そういう、格別のことではなくて平凡な、だれでもわかっていただけることを申し上げた、こういうことでございます。 私が就任するときに、先ほど先生から質問された非常に深遠な、私自身にとっては深遠な御質問であったわけですけれども、どちらかというと、私はこの分野に余り接近しなかった人間なんです。ただし、財政問題ということからいって、遠くで財政問題としてこれに取り組んできたということでございます。ですから、財政問題として持っていたときにはそれなりの考え方を持っていたわけですけれども、これからは、むしろ中に突っ込んだ形で、自分自身がこの問題を総合的に考えなければならない立場に立ったということを言わせていただいたということで御理解を願えればありがたいと思います。
○三井委員 今大臣にお伺いしたわけでございますけれども、そこで、ちょっと時間もございませんので、あと五問ぐらい残しております、簡潔にお願い申し上げたいと思うんですが、消費税についてでございます。 大臣が自民党の税調会長のときに、御存じだと思いますけれども、三月ぐらいでしょうか、消費税率を一三%に引き上げ、社会保障費に充当すべきだと。そして、先ほどプライマリーバランスのことをおっしゃっていましたが、プライマリーバランスの赤字を解消し将来の社会保障の公費負担額を試算すると、ちょうど一三%に相当する、こうおっしゃっているわけですよ。そしてまた、目的税化することで社会保障費の膨張を抑制することも期待できると。 そこで、大臣が、これは朝日の十月三日の「新閣僚に聞く」というところで、「制度を合理化するだけでは社会保障費の伸びのすべては賄えない。税の裏打ちをしっかりしていくことが必要。」こう述べられているんですね。 大臣、ところが、ことしの四月ごろから大臣の言い方が変わっているんです。消費税の引き上げは来年度、二〇〇七年度の改正は見送って、二〇〇八年度にずれ込むかもということをお示しになっているんですね。 ところが、さらに七月になりますと、今度は、消費税引き上げは二〇〇九年度までに行うということで、かなりトーンダウンされているんです。これはマスコミ報道ですよ、大臣がそうおっしゃったと。加えて、実施年度はプラスマイナスで二年度ぐらいの幅で考えるとも言っておられるわけですよ。これはどういうことなのか。ずるずるずるずると先延ばしをしている。 そういうことは、大臣、やはり安倍総理も今回の所信で、消費税については逃げず逃げ込まずというかなり勇ましい宣言をなさっているわけですから、ぜひとも、私どもの鳩山幹事長が代表質問でこのスケジュールをお聞きしますと、来年の夏の参議院選挙が終わるまで議論さえ行わないという逃げの答弁をなさっているわけですよ。大臣がおっしゃっていますように、やはり税に裏打ちされるという真意もしっかりと、制度を合理化するにも限界があるとおっしゃっているわけですから、この辺について簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
○柳澤国務大臣 社会保障制度を、改革をしながらもかなりの国民の期待にこたえられる規模で維持するためには、いずれ税の投入ということは避けられない。そして、その税の中で、社会保障という非常に安定的に伸びていく、景気の変動なんかには余りかかわらず伸びていく、そういう経費に安定的な財源として考えられるのは、やはり消費税がかなり有力な税目になる。これはもうだれもが認めるところだと思います。 私がかつて一三%と言ったというのは、ちょっと先生がどこの新聞記事からスクラップをされたかわからないんですが、それはこういうことです。 昨年の十月に私は自民党の財革研の座長をしておりまして、財政改革の研究会というものを組織して中間取りまとめをして、そういうときに、そのリポートには計数的、定量的なことは全くうたいませんでした。 まさに定性的なことでうたったんですけれども、記者諸君が何としても数字を言わなければ納得しないというか、自分らは引っ込まないみたいなすごい迫力で、何か言えみたいなことで迫ってきましたので、それは中学生でもできる算数だといって、私は当時の言葉もよく覚えておりますけれども、実際に、これは政府の財政審でやられた計数で申し上げればという前提です。我々は、自民党の政調の一部会なんというのはコンピューターも何も持っていませんから、みずからでは全く計算できません。その意味で人様の計算した結果によるわけですけれども、そうすると、一三ではなくてむしろ一四%ぐらいのが答えとして出てくる。それは、大体一%当たり二・八兆ぐらいの税収だとして計算をするとそういうふうに出てきます。これは中学生でもできる単純な割り算ですよといって私が懇談をしたことがございます。 私は、むしろ自分自身が、そうは言い条、税の常識として次に引き上げられる一応ターゲットとできるのは今の水準の二倍くらいがやっとこさだというようなことを言った記憶もその後あるわけでございます。今どういう考え方かということとはもちろん違います。 今はどうなんだということについては、これは率直に言って、私どもそういった関係で仕事をしていた人間にとっては、平成十七年度の税収が一つのショックであったわけです。十七年度の税収というのは、実はプライマリーバランスベースでいいますと十六兆円ぐらいの赤字というのが当初の見込みであったわけです。十七年度のプライマリーバランス赤字は十六兆円だと。ところが、決算ベースで十一兆になってしまったんです。つまり五兆円も税収がふえてしまったということがございました。 そこで、私どもは、今の日本経済というのは物すごくダイナミックに少なくとも税収に反映するという意味では動いていますから、これがやや落ちつくというぎりぎりいっぱい見る必要があるだろう。我々が次にやらなきゃならないタイミングは、基礎年金の国庫負担三分の一を二分の一に上げるときにどうかというのがタイミングなので、そこまでぎりぎり税収の状況を見ていかないととんでもなく間違う可能性がありますよ、そういうことから、最近、消費税を含む税の改革を真剣に考えるタイミングが平成二十一年度の方にずっと近くなっているというのが現状でございまして、それ以外に別に他意はないわけでございます。
○三井委員 いずれにしましても、この財源の問題というのは大事な問題でございますし、今大臣から御答弁いただきましたように税収が〇五年で五兆円ふえている、そういうことでありますけれども、ぎりぎりまでと大臣おっしゃいましたが、しかし、そのぎりぎりまでというのはどこまでなのか、これは答弁いただかなくていいです。ただ、私は、危険なのは、単年度で見ないでいただきたい、単年度では。これだけ申し添えておきたいと思っております。 それから、時間もございませんので、社会保険庁の関連法案二法については、先ほどそれぞれ議員から御質問がございました。私どもとして言わせていただきますならば、大臣も先ほど御答弁されていましたけれども、閣議決定をされた、これはまさに審議をするのかしないのか。やはり閣法でありますから、既に前国会では十二時間審議してきているんですね、それで今回再提出をされた、九月二十六日付託になったという法案でありますから、やはり安倍官房長官、小泉総理のときに閣議決定して、そしてこれを一回却下して新たに出し直した法案でありますよ。ですから、これについてはやはり私は、これは審議されるのかされないのかということをもう一度簡潔に、するかしないかということでも結構ですから、あるいは廃案にするのか、それだけお答え願いたいと思います。
○柳澤国務大臣 私どもは、先国会で審議未了になりまして継続審議にしていただいております社会保険庁改革関連の二法案を、新たな閣議決定という意思決定をして国会に提出させていただいております。したがいまして、これの審議をぜひお願い申し上げたいということでございます。
○三井委員 ぜひこれは、提出された法案ですから、審議は私たちも望むところであります。 それで、時間もございませんので、今度は、被用者年金一元化の基本方針について大臣にお伺いしたいと思います。 既にこれについても閣議決定されているわけでございますから、これをいつから審議されるのか、法案としていつ提出されるのか、このことをお聞きしたいと思います。
○柳澤国務大臣 この被用者年金としての厚生年金と三つの共済年金の統合の問題、一元化の問題につきましては、四月の段階であらあらの基本的な方針というものを閣議で決定いたしております。しかし、なおそこには残された問題もあるわけでございまして、これらについて現在鋭意検討を進めているところでございます。 したがいまして、この検討の結論を待ちまして法案化をするということでございまして、法案の提出もできるだけ早期にいたそうということで、私ども鋭意検討を進めているということでございます。
○三井委員 時間もございませんので、駆け足で質問させていただきたいと思います。 次に、真の障害者の自立ということで私は一点お伺いしたいと思います。 実は、これは二〇〇一年だったと思いますけれども、障害者の欠格条項の見直しがございました。そのときに、耳が聞こえない、要するに聴覚障害なんですね、それを理由に、薬剤師の国家試験に合格していながら国家資格がない、そういう中で、その見直しがかかりまして、その方は薬剤師の資格を取ることができたわけです。このように、障害者になったこういう方にもどんどん門戸を開いていく。この方は、当時後藤久美さん、現在早瀬久美さん、結婚されているわけですけれども、製薬会社にお勤めになっている。御主人もボランティア活動をなさっている。その後、引き続き七名の聴覚障害の方が、やはり薬剤師の国家資格をお取りになっている。 そういう中で、障害者でありながら、いろいろな資格あるいは職について、大臣は、真の自立と、厚労省でもおっしゃっておりますけれども、真の自立とは何なんだということを大臣にお伺いしたいと思います。
○柳澤国務大臣 今例に挙げられた、聴覚障害のある方が薬剤師資格をお取りになったというようなこと、これは自立であることは申すまでもないわけでございます。 しかし、そのような、職業をしっかり持つ、所得の稼得の機会ともなる職業のある生活に入るということだけが自立かというと、厚労省の自立支援法等の自立はもっと広い意味で使っておられること、先生も御案内のとおりかと思うわけでございます。 私も、自分の郷里の天竜厚生会、こういった関係の施設では昔は割と全国的にも最右翼の施設でございますが、知り合いもたくさんおりますので、そこを訪ねてきたわけでございます。 そういう姿を見ますときに、自立というのは、身の回りのことをできるだけ人の手を借りないでやり遂げるということからスタートしているという姿を見てまいりまして、こういう格好で自立を進めていくんですよ、それで自立のレベルを上げていくんですよというようなことを見まして、自立というのは、本当に、まず身の回りのことを自分がやる、そして、その上に立って自分の意思でもっていろいろなことをやるようになっていく、そういうようなものがずっとスペクトルのように続いている話であるというふうに思いました。自立が、自分で所得を稼得するところまで完全にいくということしか自立じゃないというふうなことではない、一歩でも進むことを自立といって、それを支援していくことだというふうに、これは随分幅広く考えていった方が正しいのではないか。 私は、わずかな経験でございますけれども、今そのように考えているということでございます。
○櫻田委員長 三井辨雄君、申し合わせの時間が経過しておりますので、ぜひ御協力をお願いします。
○三井委員 大臣から大変御丁寧な御答弁をいただくものですから、時間がなくなりました。そこで、委員長、申しわけないんですが、最後。 私どもも障害者自立支援法の対案を出させていただきました。一割負担の凍結の問題、そしてまた障害者に対するサービスの問題、こういう中で障害者の皆さんが本当にお困りになっている、三年待てない、こういう悲鳴が聞こえるわけですよ。ですから、今回、私たちは、緊急措置として、この三年間の見直しを法案として出させていただきました。ぜひ、これも審議の俎上に上げていただきたいと思っている。 と同時に、あわせまして、大臣に釈迦に説法だと思いますが、高速道路と比較するわけにいきませんけれども、しかし、東京の周辺の自動車道、特に都心に近いところですと、建設費だけでもキロ当たり二百七十三億円。この事業費と障害者自立支援法の金額はほとんど変わらないんですね。そこで、どこに政策的な優先順位を置くのか、これを大臣にぜひお伺いしたいんです。 まさに財源ありきということで、先ほど私が冒頭に申し上げましたように、やはり、弱者の皆さんにとって、安心で安全な、そして命と生活にかかわるこういう問題に手を差し伸べるのが政治なんですね。 ですから、いま一度大臣にお伺いしたいのは、やはり財源ありきという問題の中で、さっき大臣は、歳出について削減すると。要するに、削ること、無駄なものを削減するのは当たり前だ、私もそう思います。歳入と歳出のバランスはとらなきゃなりません。しかしながら、さっき制度の合理化だけではいかないということをお話し申し上げました。と同時に、やはりここも、大臣、政策的な優先順位といいましょうか、ここをぜひお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○櫻田委員長 柳澤厚生労働大臣、答弁は簡潔にお願いします。
○柳澤国務大臣 失礼します。 今、見合いとして出された高速道路と、今度の障害者自立支援法でお願いする金額とを比較するということは、ちょっと私の貧弱な頭の中ではどうもなかなかつながりませんので、またおいおい考えていくことにいたします。 私は、今度の障害者自立支援法というのは、私も一生懸命、今、実情、現場の状況というものの情報収集に努めておったりいたしますけれども、先生が今お口にされたようなこととは何かちょっと違うように承っております。もちろん、私の個人的な情報収集の範囲が狭いということもあろうかと思いますけれども、我々は我々なりに情報を収集し、考えているということを申し述べさせていただきます。
○三井委員 どうもありがとうございました。 時間を超過したことをおわび申し上げます。
○櫻田委員長 次に、細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川律夫でございます。 先ほど三井委員の質問でも出ましたように、今の社会は格差社会、こういうことがよく言われております。格差社会あるいは二極化というような言葉がよく使われるわけでありますけれども、日本という国は、比較的平等だというふうに言われておりました国の秩序が崩れまして、さまざまな局面で格差が拡大をしている、こういうふうに言われております。 労働の分野も例外ではございません。パート、アルバイト、派遣というような正規雇用以外の非正規の雇用の労働者がふえておりまして、そこには所得の格差が拡大をいたしております。 おととし、平成十六年の三月に製造業への労働者派遣が解禁をされまして、ことしの七月現在では、一万社がこの派遣事業の事業所として届け出をしております。 この製造業への派遣が解禁されたときにいろいろさまざまな意見がございまして、当時の職業安定局長は、国会の委員会の答弁の中で、この解禁をしましたら請負は派遣に転換する、同じラインの有期労働が派遣に切りかわっていく、そして派遣労働者がふえるけれども、しかしそれは正規の常用雇用の方に移っていくので、一定のところでふえるのはおさまって、むしろ減っていくんだ、こういうような答弁をいたしたところでございます。 しかし、二年半たちまして、実際には請負は、違法な派遣であります偽装請負も含めまして今も残っておりますし、派遣労働というのはどんどんどんどんふえているわけでございます。 特にこの請負や派遣というのは、先ほど大臣の答弁の中にもありました若い世代、二十代、三十代で約七割を占めておりまして、当然ながら賃金は安い、雇用は不安定でありますから、非常に悲惨な就業実態などもまた報道されているところでございます。 そういっても、私自身は、企業のコスト意識の高まり、あるいは産業構造の転換という事情によって就業形態が多様化していくということ、これは承知もしておりますけれども、しかし、若年層で非正規雇用が増大するという状況は、これは一般的に言って、格差を増大させてキャリア形成ができない、こういうことになりまして、社会全体にとって大変マイナスになっていくのではないかという旨心配をしているところでございます。 したがって、大臣にお聞きしたいのは、この非正規雇用を取り巻く状況というのを今どのように大臣が考えているか、まずお答えいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 最近の非正規雇用の増加傾向につきましては、今先生もお触れになりましたように、二つの面がございます。 一つは、経営者側の経済産業構造の変化に対応しようという、そういう対応の一つとして出てきたという側面。それからもう一つは、若者の側に今価値観の多様化と申しましょうか、そういうようなことで、早くから自分の人生の行き先を決めてしまいたくないというような傾向。こういうものが相まちまして、こうした増加傾向が出てきているというふうに思っております。 ただ、私ども、若者についてのこういう非正規労働につきましては、やはり将来の格差の拡大の固定化というようなこと、それから、今お触れになられたような企業に蓄積された技能的なノウハウがしっかりした形で次世代に承継されていかないというようなこと、さらには、非正規労働者と正規の労働者では結婚の率も違う、まして子供を持つ率も違うというようなことで、やはり正規労働が多い方が少子化対策としても有効である。 こういうような幾つかの側面から、大変この問題は深刻な問題であるというふうに考えまして、注意をしているところでございます。したがいまして、これらについては、もう先生お話しのとおり、的確な施策を打っていきたい、このように考えているところでございます。
○細川委員 その非正規雇用の中でも特に状況が厳しいのは、請負事業で働く労働者でございます。特に製造業というのは、コスト削減のためにこの間請負事業者の活用をずっと増大させてきた、こういう経過がございます。 そこで伺いますけれども、厚労省の方では、この請負事業について我が国にどれくらいの数の会社があるのか、平均賃金は幾らなのか、あるいは保険に加入しているかどうか、あるいは労働災害の発生はどうなっているのか、こういうようなことについて具体的に調査をしているんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 まず、製造業務を請け負っている請負会社の数でございますが、これは具体的にどれくらいの会社があるかというのは把握はいたしておりません。 ただ、製造業におきまして請負で働く労働者の数につきましては、平成十六年に実施いたしました派遣労働者実態調査によりまして、約八十六万六千人という数字になっておることを承知しております。 それから、賃金あるいは労働・社会保険の加入状況でございますが、これは十七年度に労働力需給制度についてのアンケート調査というものを実施いたしたわけでございますが、それで把握をした状況でございますが、平均年収につきましては二百四十五万九千円という数字でございます。また、保険の加入状況でございますが、厚生年金で七九・七%、健康保険で八五・六%、それから雇用保険で九二・二%というような状況でございます。 さらに、労働災害の発生状況でございますが、これは労働安全衛生法に基づきます死傷病報告に基づきまして把握した数字でございますが、平成十七年の製造業におきます労働災害による死亡者の数でございますが、全体で二百五十六人、このうち請負労働者は四十三人というような実態でございます。
○細川委員 このアンケート調査あるいは実態調査という、今ございましたけれども、これがどれだけを対象にして行ったか、あるいは回収率が幾らだとかいうことは今出なかったんですけれども、余りいい回答率ではなかったのではないかというふうに思います。この実態調査というのは非常に大事だというふうに思いますので、ぜひ、しっかりした調査をもう一回やっていただきたいというふうに思っております。 その皆さん方がやった調査の中だけでも、先ほど労働者の賃金は年収二百四十万円台だとか、あるいは雇用期間は二カ月から六カ月とか、そういう短期の雇用でありまして、これは大臣、非常に低賃金で、かつ不安定な就労実態が浮き彫りになっております。 さらに、請負のところで働く人たちには、安全管理がやはり軽視をされているのではないかという問題がございます。先ほど死亡の話がございましたけれども、ちょっと古いあれでは、十五年の十一月に実施をされました大規模製造業に係る安全衛生管理体制及び活動等に係る自主点検という調査によりますと、元請の災害発生状況が千人当たり五・〇九で、その協力会社、請負会社ですね、これについては千人当たり十一・三二、実に二倍の差があるわけなんですよ。 これは、派遣であったならば派遣先がしっかりと安全衛生をやらなければいけないんですけれども、請負だったらそういうことがなおざりにされていいのかという問題があるわけですから、こういう点も僕はしっかりと調べて対処していただきたいというふうに思います。 そこでお聞きをいたしますけれども、大臣は、この請負事業の実態についてどういうふうに考えているのか。特に製造業は請負というのを非常に重宝して今まで使ってきたわけなんですけれども、これを一体どういうふうな方向にしたらいいのか、大臣のお考えをちょっとお聞きしたいと思いますが。
○柳澤国務大臣 私の地元でも、実は大変たくさんのメーカーが、製造業がございます。そういうところへ行きまして、特に選挙のときにお願いに行くわけですけれども、大きな会社の従業員は労働組合に入っておりまして、民主党を御支持なさっているものですから、私の演説会を聞いてくれるという気遣いはないわけでございます。 それでは、私が行って演説会ができるのはどういう方かというと、下請で、多分請負をしている人たちの従業員、これは社長、管理者と従業員が一緒に私の話を聞いてくれるというようなことで。それで、本社の方はどうなのかというと、これは管理職以上が小さな講堂に集まって私の話を聞いてくれる、これが大体私どもの身辺で起こっていることでございます。 私は、そういう意味で、請負というのはそういうものだ、つまり大企業の同じサイトの中で仕事はしているけれども、これは例えば製品のこん包であるとか、あるいは部品であるとかというようなところを請け負って、一つのユニットとしてきちっとした仕事をしている、そういう方々だとばかり実は思っておりました。 ところが、最近、何かモザイク模様のように当該の企業のラインの中に入り込んで、どこがどこか分界がわからないような形でそれを請負といっているというので、もしそういうことだとしたら、そういうのは請負というんだろうかというような気がして、私は今眺めているということでございます。 これは、いろいろな経済の状況に応じて、経営側も自分たちの生き残りのためにいろいろ工夫をしてきた、そういうことの結果としてこういうことが起こっているのかもしれない、それはわかりませんけれども、しかし、多分そういう側面がある。そうだとしたら、これは景況がよくなるに従って、もうちょっと正常化したらどうだろうかということを私としては基本に思っています。 それは、法的に言う、行政的に言えば何といっても偽装請負というようなことについては、これはもう断固排除をしていくということだろう。それで、それはとりもなおさず労働基準関係法令や労働者派遣法の遵守というところに結びつくのだろう、このように思っているわけでございます。 加えまして、保険の確実な加入であるとか、あるいは教育訓練や処遇の改善ということを請負元がしっかりと自分の従業員に対して行う、そういうもっともっと正常化するような形のものに転化していくということが期待されるし、我々の行政の目的だろう、このように考えています。
○細川委員 大臣には、これから私が順々に質問していこうと思った先の方を答えていただいたもので、ちょっと質問がしにくいのですが。 朝日新聞の朝刊に「メタボラ」という連載小説が掲載されておりますけれども、大臣は読まれたことはありますか。いや、知らなきゃ知らないで結構です。
○柳澤国務大臣 記憶しておりません。
○細川委員 実は、この小説は、請負の現場で単純作業にいそしむ若い男性のことが描かれておりまして、この小説がちょっと静かなブームにもなっているようなんです。まさにこの小説の主人公は、派遣会社に雇用されまして、実は派遣先が請負だったという典型的な偽装請負の例でございまして、こういう小説に載っているような実態が今世間にだあっと広がっている、これが実態だということでございます。 そこで、十月の三日、大阪の労働局から、先ほど大臣からもお話がありましたような偽装請負の法律違反をしたということで、この偽装請負を繰り返したコラボレート社という会社に対して事業停止命令が出された。請負事業というのは、本来、請負業者が当の労働者に対して指揮命令をする。にもかかわらず、この偽装請負というのは、請負の発注者、発注者の方が労働者を直接指揮命令している。これは労働者派遣法違反であり、安全衛生などの事業者責任があいまいになり、労働災害が増加するというようなさまざまな問題が表面化しているわけでございます。 そこでお尋ねいたしますが、この十月三日の業務停止命令に関しまして、偽装請負にかかわった発注メーカーの方には違法はなかったのか。これはもうきちっと企業名を公表して、メーカー側の姿勢を変えるような方策をとるべきではないかと思いますが、これは大臣、いかがお考えでしょうか。
○柳澤国務大臣 先ほども申し上げましたように、私どもとしては、法令の違反がないように厳格に対処していくということを旨としておるわけでございます。その場合に、発注者というかそういうものに対しては、是正のための指導や助言は当然しているわけでございます。そういうことを通じて改善を促している、こういうことでございます。
○細川委員 これは、労働派遣をやっているその事業者だけではなくて、むしろそういうことを必要とするというか要請をしている発注企業も知ってやっているわけですから、私は、非常に発注の企業にも責任があって、これはもう当然そういう企業に対しては、公表してそういう姿勢を正していくというのが大事だろうというふうに思います。 日本の代表的な企業ですよ、こういうことをやっていたのが。キヤノンとかニコンとか日立だとか、代表じゃないですか、日本を代表する。あるいは、トヨタとか松下とかコマツ、これの子会社、こういうところが発注者になって偽装請負をやっているんですよ。それは、大手メーカーにすれば、請負という形態は、人件費や福利厚生費も削減できて、安全衛生では責任を負わないという、まさにメリットがありますよ。 しかし、請負業者というのは技術も水準も低くて、労働者に指揮命令するような、そんな能力がない、だから偽装請負という形態になっていくんだ。そのことが、そういう実態の中でそこで働く人たちの福利とか安全が阻害されていくわけですから、これは私はしっかりやらないと大変なことだと。しかも、厚労省の労働局が国土交通省の地方整備局に偽装請負の疑いで調査に入ったというようなことも、こんなことまであるじゃないですか。大企業から官庁まで、やっちゃいけない偽装請負というのに汚染されているというこの実態は、本当に私はこれは大変なことだと。 そこで、もう一度大臣にお聞きしますが、こういう偽装請負を撲滅させるどういう努力をしているのか、そしてそういう成算があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○柳澤国務大臣 私どもは、法令に違背している企業に対しては厳格に対処していこうということは、たびたび今申してきたとおりでございます。したがいまして、先生が例として挙げられた事案に対しても、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、発注者に対しても是正の指導をしているというところでございます。 我々は、これを通じて当該の発注者が改善をしていくということを実現したい、こういうように考えているわけで、それでもなおそういうことに違背し続けるというようなことがあれば、これまた法令に基づいて必要な措置を講じていくということになろうと思います。
○細川委員 厚労省の方では、製造請負事業の適正化それから雇用管理改善のためのガイドライン、こういうことをつくるというようなことも聞いておりますけれども、この際、特に安全衛生管理体制や、あるいは労働時間などの労働条件の遵守ということについても重点を置いて、労働基準監督官の司法権限が十分行使できるような、そういう拘束力を持たせるべきだというふうに私は考えておりますけれども、どうでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のガイドライン、請負事業の適正化及び雇用管理改善のためのガイドラインでございますが、現在、具体的な内容につきまして、策定のための研究会を設置いたしまして検討をいただいているところでございます。労働基準関係法令、また労働者派遣法といったような法令の遵守、それから先ほど大臣からもお答えがございましたとおり、労働・社会保険への確実な加入といったことはもとよりでございますけれども、独立した請負事業者として取り組むべき労働者の教育訓練あるいは処遇改善等々も含めて幅広く御検討をいただいておるところでございます。 今御指摘の労働基準関係法令の遵守にかかわっての監督指導権限の行使ということでございますが、これは適正な請負あるいは偽装な請負にかかわらず、当然に必要な監督指導を行っておるところでございまして、この点は御理解をいただきたいというふうに思っています。
○細川委員 私の方は、特に偽装請負というような違法なあれがはびこってきたというようなこともありますので、そういうことに対してのガイドラインができるというならば、ぜひそのように特にお願いをしたい、こういうことでございます。 そこで、そもそも発注メーカーの工場、発注会社の工場の一角でこの請負作業をしているという構内請負というのがありますけれども、この場合、建設業とかあるいは造船業といった特定事業の元方事業者と同じ安全配慮義務をこういう構内請負の場合には課すべきではないかというふうに私は考えるわけでございます。製造業においては、さきの改正労働安全衛生法の三十条の二に基づいて、製造業の元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針がようやく策定されたところでございます。 これはまだ策定されて二カ月ぐらいでございますけれども、今後これをもっとさらに徹底をして、将来的にはほかの業種にも広げていく、あるいは法律に格上げすべきではないかとか、そういうように考えておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 今細川先生御指摘のように、同じ構内で元請と下請の労働者が混在して作業する、そういう元請の作業の仕方の場合に、相互の作業間の連絡調整が不十分であったことによって災害が発生するということが懸念をされるわけでございます。 そのため、御指摘のように、昨年、労働安全衛生法を改正いたしまして、そうしたことに対処して、十分な連絡調整をするということをいたしたわけでございます。 この対象の業種として建設業が今指定をされているわけですが、そのほかにこれを拡大していくべきではないか、こういう御質問でございます。 私どもといたしましては、これはやはりそういう現実の懸念というものがある業種に限ってこうした措置を講じていきたい、こういうように考えております。
○細川委員 なお御検討いただければと思います。 そこで、現在、派遣事業の適正化のために協力員制度というのがございます。現在の労働者派遣事業適正化協力員、この協力員は相談業務が専らでありまして、権限もないボランティアとなっております。この労働者派遣事業適正化協力員、これを活用して、例えば偽装請負になっているのではないかとか、そういうような情報が伝わるとか、あるいはそういうことの阻止ができるような労災防止指導員のような指導権限を与える、そういうことによってもっとその体制を強くしていく、こういうことに厚労省は取り組んでいかなきゃいけないと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 労働者派遣事業適正運営協力員でございますが、先生御案内のとおり、これは民間の専門的な知識経験を有します方にお願いをして、派遣労働者、あるいは派遣元事業主、あるいは派遣先等々の方々からの相談に応じて助言をしていこうということで、できるだけ労使ともに相談しやすい身近な協力員にお願いをしておるものでございます。 ただ、その際、先生の方から指導権限というものを与えたらどうか、こういうお話でございますが、例えば偽装請負といったような違法事案につきまして指導を行うということになりますと、事業所に立ち入って文書あるいは記録等を閲覧する、あるいは関係者から聴取をするといったことが不可欠でありまして、こうした業務を適切に行う上では、やはり強制力を伴います調査権限というものを有する国の職員、公務員が対応するのが適切ではないかというふうにも思っております。 いずれにしても、この協力員制度の趣旨というものが十分生かせるように、我々も周知徹底、また活用の促進について十分努めてまいりたいというふうに考えております。
○細川委員 せっかくこういう適正化協力員という制度をつくっておきながら、十分活用ができていないから偽装請負なんかが蔓延していくのじゃないかと私は考えます。 そこで、この労働者派遣事業適正化協力員、これについて、ことしは六千九百万円予算がついて、今これは執行中だと思うんですが、来年、十九年度の概算要求、これはたった二百五十万。ことしが六千九百万円ついている予算が、来年、概算要求で二百五十万、これはどういうことですか。
○高橋政府参考人 この協力員制度にかかわります経費でございますが、主に協力員に対しては、法律で報酬は受けられないということでございまして、かかる経費というのは、主に相談、助言にかかわって実費的な旅費を支給させていただく、あるいは協力員会議を開く際の経費ということで構成をされておるわけでございますが、御指摘のとおり、十八年度に比べまして、来年度の概算要求、かなり大きく減額の要求をしておるわけでございますが、これは実際の予算執行の状況、実績等も踏まえて見直しをさせていただいたということでございます。 いずれにしましても、この協力員の職務の遂行に必要な経費については、適切に確保、また執行してまいりたいと考えておるところでございます。
○細川委員 あなた、何を言っているんですか。ことしは六千九百万も予算計上して、その執行状況を見てそれで二百五十万来年は要求するんですか、概算要求で。何もやっていないのと同じじゃないですか、そうしたら。何のための協力員制度ですか。 これは大臣には僕は質問するつもりはなかった。これはちょっと僕はおかしいと思いますね。大臣、後でよく考えてください、これはもう時間がありませんから質問はしませんけれども。こんな、六千九百万ですよ。それが来年は二百五十万。やらないのと同じじゃないですか。これほど偽装請負が問題になっているのに協力員制度が活用できないなんというのは、どういうことを考えているんですか。これは僕はもう全くおかしいと思いますね。ぜひ再考して、この協力員制度をもっと活用してください、活用すると言っているんですから、あなた方は。ぜひお願いをしたいと思います。 それでは、ちょっとほかの質問に変わりますが、ちょっと古い話で、現在の問題なんですけれども、実は、太平洋戦争のごく末期、本当のごく末期に我が国に強制的に徴用されました中国人の労働者の問題についてお伺いをいたします。 その太平洋戦争末期、昭和十九年の初めごろ、国内の労働力不足を補うために、政府は閣議の決定によりまして、中国の民間人三万八千九百三十五人、これをだましたり、あるいは脅迫したり、あるいは強制的に、今でいう拉致などによって国内的に強制的に連行してまいりまして、三十五の企業、百三十五事業所でその労働者を使用いたしました。 この件で、現在国内の裁判所でも裁判が行われておりまして、民事上の除斥期間というような問題もあったりして、損害賠償などについては原告である中国人が裁判に負けているような例もありますけれども、しかし、裁判そのもの、あるいは判決では、この強制連行が存在して、外出もできない、あるいは逃亡もできない状況で、かつ劣悪な衛生状況のもとで、あるいは劣悪な食料事情のもとで労働を強制されたという事実が認められております。 当時の政府は、華人労務者賃金基準というのを定めまして、これらに基づいて、その労働者を使った各企業は賃金を支払うこととされておりましたけれども、まず、そのほとんどの中国人労務者は賃金その他の手当を全く受け取っていない、そういう事実がございます。 そこで、平成十五年八月に、同僚の議員からの質問主意書の答弁書で、政府は、この問題につきましては、「先の大戦に係る日中間の請求権の問題は、昭和四十七年の日中共同声明発出後、存在しておらず、このような認識は、中国側も同様であると承知している。」こういうように答えております。中国側も同様であると承知していると。 しかし、一方、中国政府の方は、大使館のこれまでのホームページの中で、「中国労働者を強制連行したなどの問題に関しては、中国政府は人民の正当な利益を擁護する立場から、日本側に真剣な対応と善処を要求しています。」こういうふうに言っております。 そこで、ちょっと外務省においでをいただきましたので質問をいたしますが、中国がこの問題について個人の請求権を放棄していないという立場を、先ほど申し上げましたようにそういう立場を中国はとっておりますけれども、日中共同声明あるいは日中平和友好条約の解釈として、政府の立場はどうなのか、中国の政府の主張していることをどういうふうに理解しているのか。少なくとも「中国側も同様であると承知している」、さっき言った「承知している」ということについては、ちょっと事実と違うので撤回をしていただきたいというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○松島大臣政務官 細川委員がただいま御説明されました、いわゆる中国人強制連行問題につきましては、当時多数の方々が不幸な状況に陥られたことについては否定できないと政府として考えております。戦争という異常な状況のもとだったとはいえ、中国の多くの方々に耐えがたい苦しみと悲しみを与えたことは極めて遺憾だったと考えております。 今おっしゃいました、御指摘ありました中国大使館のホームページの件でございます。中国側の認識ということでございますけれども、確かに中国大使館のこれまでのホームページに、この件に関してございました。ただ、御指摘のホームページの記述に、今御指摘になられました点の前に、このようなこれから申し上げるような事柄がございます。 ホームページに書かれていました。それは「中国政府は戦争賠償問題に関する立場が一貫して明確であり、それは即ち「中日共同声明」で表明した対日戦争賠償要求の放棄を堅持し、「中日平和友好条約」で承諾した国際条約上の義務を引き続き履行します。」というふうに御指摘の中国大使館のホームページに記載がございました。 つまり、これは、中国側の認識といたしまして、日中間の請求権の問題は存在していない、すなわち、日本政府の認識と同様であるということを当然の前提としているものと我々解釈しております。 その後に、今細川委員が御指摘されました「中国政府は人民の正当な利益を擁護する立場から、日本側に真剣な対応と善処を要求しています。」というような記述が続いているわけでございます。 この今御指摘になられました記述も、前段に申し上げました中国政府の基本的立場を否定しているものではないと我々政府としては考えている次第でございます。 日本政府といたしましては、このことを深く認識した上で、中国の方々に数多くの耐えがたい苦しみと悲しみを与えたことは遺憾であるということを認識した上で、今後とも、過去の歴史を直視し、平和国家としての歩みを続けていくとともに、中国との未来志向の信頼関係を一層強化するために引き続き努力してまいりたいと考えております。
○細川委員 今、松島政務官がお答えになりましたのは、それは国と国との間での賠償請求の問題であって、その中国国民の個人的な請求についても放棄をするということ、そういう前提には立っていない。だからこそ、この後に、しかし、これと同時にということで、化学兵器の問題とかあるいは強制的に女性を連行したとかということと、労働者の連行、今回の私が言っている中国労働者の強制連行というような問題を掲げておるわけであって、そこはまずは見解が違うというふうに私は理解しております。 これは、なお中国の方に、正式にどういうお考えなのかということも問いただしてみることもあるいは必要かと思いますので、ちょっと先に進みます。 そこで、太平洋戦争中にアメリカで日本人が強制的に収容をされました。この問題についても、日本とアメリカとの関係は、サンフランシスコ条約ですか、それに対してお互いに請求はしない、こういうこと。しかし、この邦人の強制収容の補償について、アメリカでは、一九八八年、一人当たり二万ドルの補償金が支払われて解決をいたしております。また、ドイツでも、強制連行されました民間人について、なかなか解決しなかったんですけれども、これも二〇〇〇年に、政府と企業がお互いに基金をつくってやっていく、賠償していくということで、これも解決をいたしております。 そういうアメリカとドイツの例も挙げたのですけれども、この中国人労働者の問題についてお聞きをしたり調べたりしますと、まことに気の毒でございます。今月の二十九日には、連行された元労働者とかあるいは遺族の方が百名くらい日本に来られるようなんですけれども、政府とか関係企業に対していろいろな要請をすることになっているようでございます。戦後六十年経過いたしましたので、元の労働者は老齢化しておりますので、やはりこの問題の早い解決を願っているということでございます。ぜひ、各省庁は真摯な対応をお願いしたいというふうに思います。 裁判の方も、現在幾つか高裁の方で判決が出たりしているようですけれども、まだまだ裁判が係属しているようでございまして、除斥期間の問題なんかがありまして、なかなか国内法の壁は厚いというふうに思います。 そこで、ちょっと御紹介したいのがあるんです。大臣もちょっとよくお聞きをいただきたいんですが、ことしの三月十日に長野地裁で判決の言い渡しがございました。これはもちろん中国側の労働者の方が負けた裁判なんですけれども、これについて判決の後でその裁判長がお話をした、法廷の中で話をした裁判長の見解というのがありますから、ちょっと読ませていただきます。 平成九年十二月提訴から八年かかったことを、まずはおわびをいたします。次に、和解について成立できなかったことを残念に思い、おわびいたします。自分は団塊の世代で全共闘世代に属するが、率直に言って私たちの上の世代の人たちは随分むごいことをした、そういう感想を持ちます。裁判官をしていると、訴状を見ただけでこの事案は救済したいと思う事案があります。この事件も、そういう事案です。一人の人間としては、この事件は救済しなければならない事案だと思います。心情的には勝たせたいと思っています。しかし、どうしても結論として勝たせることができない場合があります。このことは個人的葛藤があり、釈然としないことがあるのです。最高裁の判例がある場合には、従わざるを得ません。判例を覆すにはきちんとした理論が立てられないとやむを得ません。この事案だけに特に特別の理論をつくることは、法的安定性の見地からできません。この事件は事実判定をしなくても判決は書けますが、この事件で事実認定をしないことは忍びないので、事実認定をすることといたしました。本件のような戦争被害は、裁判以外の方法で解決できたらと思います。 これを、裁判官が原告の皆さんとか被告の皆さんみんながいる法廷で、判決の最後に述べているんです。これは私も、やはり何らかの形で解決をしてあげるべき事案だというふうに思っております。 そこで、百歩譲って法的な請求権の有無という議論は棚上げにして、この中国人労働者の問題は戦後処理の未解決問題として、政府と関係企業は政治的な解決を含めて真剣に取り組んでいくべきではないかというふうに私は考えますが、外務省、政務官、どうでしょうか。
○松島大臣政務官 委員からるるお話ございました。これにつきましては、確かに個人的には個々に気の毒なという思いはするかもしれませんが、政府といたしまして、外務省としては、戦後処理のありようは各国いろいろございます。 その中で、日中の関係について、日本の政府としては先ほど述べましたように昭和四十七年の日中共同声明を出し、この中で、国家間の請求権と同様に個人の請求権もこの中に含めて既に終わっているというふうに、個々の個人に対しては政府として補償を行わないということを含めていると日本側は認識しており、そして、その認識は同じ共同声明を出した中国も同様であると考えております。
○細川委員 前提の結論が違っておりますので、なかなか外務省としては前向きには答えられないと思いますけれども、しかし、この賃金の問題につきましては、本当に気の毒な歴史がございます。 戦時中の労賃も、それから終戦後に政府が決めた休業手当、戦争が終わった後の休業手当についても、中国人の労務者には渡っておりません。帰国するときに、連合国の指示によって、持ち帰りの限度のお金は当時のお金で千円というふうに決められまして、今でいうと百万円くらいなんですが、これを超える金額は海運局に保管をする、こういうことになって保管をしたわけです。その千円の持ち帰りのお金についても、中国人労働者は預かり証を交付されまして、それで正金銀行の天津支店で受け取ることになっておったんですけれども、その天津支店が閉鎖されていたんですよ。閉鎖されていたから、わずかその千円という制限されたお金も結局もらえないんですね。そういうことになっております。 ところが一方、企業の方は、労働者を使ったというようなことで、労賃とかあるいは休業手当などについて政府からたくさん補助金をもらっているんですよ。さらに昭和二十年の末には、五千六百七十二万円、現在でいうと六百億円くらいのお金を企業はもらっているんですよ、企業の方は。しかし、それは労働者やその人たちには全然渡っていないんですよ。そこが非常に問題だというふうに私は思います。 だから、渡っていないものだから、政府はその企業に対して、皆さんは供託しなさいなんと当時言っているんですよ。そのときにそれにこたえた企業、わずかなんですけれども、そのとき供託している企業もあるんです。それが二億円くらい、供託もしているんですよ。その供託はいまだに日本銀行に残っているんですね。保管されているんですよ。 そういう状況ですから、政府が閣議で決めて強制的に連れてきた、その数が三万八千九百三十五人。ところが、ちょうど一年半くらいの期間なんですけれども、その間に連れてきた人がどれぐらい死んでいるか。何と六千八百三十人死んでいるんですよ。一七・五%死んでいるんですよ。こういう人には政府の方はきちっと見舞金とかあるいは補償金も支払うということをちゃんと政府で決めているんだけれども、それも一切渡っていないという状況なんです。 どうですか。こういう労働者を強制的に集めてきて働かせて、そして働いた労賃が払われない。それで安全管理義務を果たさなくてたくさんの人が亡くなった。裁判の結果とかそういうことは別にして、人道的な責任というのが政府とか企業、両方にあるのではないかと私は思いますけれども、賃金とかあるいは労働安全衛生を所管する大臣はどのようにお考えか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 本当に、今のお話を一つ一つお聞きしますと、個人的な気持ちとしては非常にかわいそうなケースということ、これは労働賃金もそうだし、また、供託して自分の預金というか退職金みたいなものを預け入れてそのままになった等々、一々お気の毒なケースという気はいたします。 ただ、細川先生に申し上げますけれども、これは国際法規で条約が結ばれ、戦後処理が行われるということで、片や両方ともが請求権を放棄する、あるいは賠償請求権まで放棄されたわけですが、そういうような形で決着がついたということで、本当に忍びないんですけれども、やむを得ないことだというふうに言うほかない、このように思います。
○細川委員 今大臣から、消極的な回答で残念ではありますけれども、海を渡ってきて、仕事をして賃金がもらえなかったという事実、どこからも全く補償を受けていないという事実、一方で、働かせた企業は、その当時政府の方からたくさんの金をもらっている、そしてさらには、その労賃であるべき、あるいは補償金であるべきだったそういうお金が今も供託をされているという事実、こういうことを考えますと、やはりこの際、政府と企業が一緒になって何らかの政治的な解決を図っていただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。櫻田委員長、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 千葉県市川市にあります国立精神・神経センター国府台病院の移譲について質問をいたします。 平成十七年十一月八日に公募により移譲先選定を進めてきた国立精神・神経センター国府台病院の払い下げを、平成十八年六月に厚生労働省医政局から白紙に戻すとの通知が出ました。一たん公募された国有財産の払い下げが白紙撤回された理由は何か、お尋ねをいたします。
○松谷政府参考人 お答えをいたします。 平成十八年六月三十日に閣議決定をされました「国の行政機関の定員の純減について」におきまして、国立高度専門医療センターにつきましては非公務員型独立行政法人とすることが決定されたことを受けまして、移譲時期など計画全般につきまして、再検討する必要が生じたものでございます。 また、一方で、本年六月七日には、参議院決算委員会より内閣に対しまして、公共調達の随意契約割合の是正等、国民の不信を招くことのないよう厳正に対処しなければならない旨、警告決議がなされたところでございまして、このため、厚生労働省といたしましても、公共調達の入札方法についてはその見直しを行うことといたしているところでございます。 これらを受けまして、厚生労働省といたしまして、移譲先団体の決定を見送り、今後の移譲の方向性を再度検討することといたしたところでございます。
○内山委員 この払い下げの経緯には、当初から特定の学校法人への払い下げが前提と言われておりました。随意契約への批判をかわすため形だけの公募を行ったと野党から追及をされたため、国会開催中の決定を見送っていたという話がございます。また、譲渡先としての名前が挙がっていた学校法人が運営する大学には、ここでもかと思うように、厚生労働省から課長級以上だけで七名が天下っており、譲渡価格も不当に安く設定されていた疑いがあると言われています。もしこのことが事実であれば、明らかに不透明な売却が行われようとしていたと言わざるを得ません。 平成十八年六月三十日の閣議決定により、他の六つの病院も含めてこれによってどうなるのか、現在どのようになっておるのかを御報告いただきたいと思います。
○松谷政府参考人 国立高度専門医療センター、いわゆるナショナルセンター、全国に六つございますけれども、これにつきましては、先ほど述べましたように、平成二十二年度に非公務員型の独立行政法人への移行が決定されているところでございます。この非公務員型独立行政法人への移行につきましては、高度先駆的医療の研究開発といった、本来の機能をさらに充実強化するための有力な手法であると考えております。 したがいまして、独立行政法人化は、単に人を減らすために効率化を図るのではなくて、これまで担ってきた機能を充実発展させるため、今後、厚生労働大臣に対して政策提言を行うことができる仕組みの構築や、大学、研究機関等との幅広い人的交流を促進するためなどの制度的な措置並びに借入金に係る債務の処理や安定的な運営を維持するための必要な財政的な措置等について、現在検討を行っているところでございます。
○内山委員 済みません、もっとわかりやすく説明をしていただきたいんですが、非公務員型の独立行政法人がこれらの病院を運営するんですか。
○松谷政府参考人 今、ナショナルセンター、国立高度専門医療センターにつきましては国の直接の機関となっておるわけでございますけれども、先般の行革法及び閣議決定によりまして、平成二十二年度に、これらのセンターにつきまして非公務員型の独立行政法人への移行ということが決められたところでございます。 したがいまして、平成二十二年度には、もちろんその前には立法措置が必要だと思いますけれども、それを受けまして、その経営は独立行政法人が行うということになるわけでございます。
○内山委員 再度、もう一回聞きます。 通知には、譲渡時期等計画全般について再検討する必要が生じたと記載されておったわけでありますけれども、国府台病院は今後どのようになるのか、もう一度お尋ねをいたします。
○松谷政府参考人 国立精神・神経センターの国府台病院の今後のあり方につきましては、さらに透明性を確保した上での一般競争入札とするのか、あるいは独立行政法人化するのか、さまざまな観点から現在検討を行っているところでございます。
○内山委員 これは二十二年までということでよろしいんでしょうか。再度お願いします。
○松谷政府参考人 先ほど申し上げましたように、平成二十二年度に非公務員型独立行政法人へ移行することが決まってございますので、国府台病院の方向性につきましても、平成二十二年度の独法移行前までに方針を決定いたしたいと考えております。
○内山委員 わかりました。公的医療機関ではやはりかなりの赤字を毎月出していますので、早急に改善されることを望みます。 それでは、次の質問に参ります。介護の現状についてお尋ねをいたします。 超高齢化社会に突入した日本、それを支える介護の現場が深刻な人手不足に見舞われているとNHKの報道番組が伝えておりました。今後五年間で五十万人の介護職員の増員が必要な現状であると厚生労働省は試算をしているようでありますけれども、介護現場の人手不足をどうとらえているか、お尋ねをいたします。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 介護現場におきます労働状況、今先生から御指摘ございましたが、いわゆる賃金面におきまして、それほど水準としては高くないということに伴う賃金面の不満、それから、介護労働の特殊性といったこともありまして労働の過重性が非常に高い等々、さまざまな理由もございまして、定着率というものも大変低い実態にあるわけでございます。そういう意味で、介護労働におきます解決すべき課題が大変多いということは、私どもも深く認識をいたしているところでございます。 こうした状況の中で、やはり介護を担っていただく労働者の方々が誇りを持って生き生きとして働いていただける環境を整備していく、これは大変重要な課題でございまして、そういう意味で、事業主にこの問題についてやはり雇用管理の改善に取り組んでいただくということが、ますます重要であるというふうに考えているところでございます。 私ども政府におきましては、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律というものがございますが、これに基づきまして、事業主の自主的な取り組みに対して相談、援助等々の対応を図ってきておるところでございます。 今年度につきましては、やはり介護事業者の中には大変小さな事業所も多い、そういう意味で、雇用管理制度そのものが必ずしも十分な整備がなされていないという実態もございまして、私ども、標準的な雇用管理モデルというものを示せないかということで、現在、学識経験者でありますとか実務家等によりまして研究会を設置して、種々検討をいただいておるところでございまして、そうした検討結果も十分活用しながら、今後とも、雇用管理改善あるいは介護職員の資質の向上に向けまして、より実効のある対応についてさらに努力をしてまいりたいと考えております。
○内山委員 いや、五十万人にどうやって対応するかのその増員は、雇用管理制度だけでいいんですか。介護の現場の方はお見えになっていますか。介護のサイドからどうお考えになりますか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 今委員御指摘のございました、今後、介護需要の増大等々に伴いまして介護労働者に対する需要というものも五十万人程度ふえるのではないか、こういう御指摘がございました。確かにそういった見通しというものが十分予想されるわけでございます。 他方、ではそれを担う労働者の供給というものがどういう形で可能なのか。私ども、一つの見込みとして、試算として、例えば今後とも一定の学卒者に新たにこうした分野に入っていただく。それから、現在介護福祉士にしてもあるいはホームヘルパーとしての資格にしても、資格を持っておられる方で現に働いておられない方が相当な数でおられるわけでございまして、こうした方々の就労というものを促進していく。さらには、先ほど申し上げました雇用管理改善を通じて、できるだけ定着を図っていただく。 そうしたことを通じて、一つの見方として、大体毎年七万人程度の供給増、つまり十年ぐらいで申しますと、七十万人ぐらいまでの供給は十分可能ではないかというふうにも見通しておるところでございます。
○内山委員 介護に従事する男性職員のケースとして、現金給与の額の推移で男性労働者全体の給与額と福祉施設介護職員の平均の額の差を見てみますと、二十七歳で六万円、四十歳で十三万円の差があります。やはり賃金が低いんですよ。ですから、やはり労働局サイドの方とすれば、できれば何らかの助成金等をつけていただいて、賃金の事業主負担軽減を図るようなものをしていただかなければならないんだろうと思います。 介護職員の話です。このまま介護職員で働き続けることになると、この先結婚して家庭を持ってという人生設計が難しいと悲痛な声が上がっています。他方、施設経営者は、今の介護報酬体系でスタッフに支払う給与は、一家の生活を一人で担う金額は経営努力しても払えない、何とか若者の意欲に報いたいと思っても人件費がひねり出せない、その現状の厳しさの声があります。 大臣、こういう現状があるんですけれども、介護の現場のこと、どうお考えでしょうか。
○柳澤国務大臣 介護の需要が介護保険の導入後、急増していまして、そのペースというのがやはり我々の予想を上回るものであったという事実が一つあろうかと思います。 現在盛んに、介護従事者というものについていろいろな研修が民間でも行われていますし、あるいは、場合によっては公的なところでも行われていると承知いたしておりますけれども、先ほど言ったように、定着率がかなり低いということの中で、なかなかそれがうまく回っていっていないという実情かと思います。 これから総合的に検討していくということの中で、私どもとしては、やはり国内の労働力の供給ということを基本に置いて考えていきたい、このように思います。
○内山委員 大臣が今おっしゃいました中で、やはり二〇〇三年をピークに介護職の求職者が減少をしております。離職率も一年で二割以上と、非常に高い水準であります。 国家資格である介護福祉士の資格を持つ若者が一生の仕事として継続できない、こういう現状があるわけでありまして、ここを何とかしてやはり改善をしなければならないわけでありますので、しっかりとその辺はやっていただきたいと思います。 在日フィリピン人のヘルパー養成などがあるようでありますけれども、今どのような形で行われているのか、お尋ねをいたします。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 在日のフィリピンの女性が中心だろうと思いますが、この方々のヘルパー養成の問題でございますが、在日のフィリピン人の場合、どういう在留資格を持っておられるか、さまざまかと思います。 一般に、身分に基づいて日本に在留されています場合にはどのような活動も認められておるわけでございますが、そうした方々がホームヘルパーとしての資格を取得するためには、一定の講習というものを受講して初めて資格というものが付与されるわけでございまして、さまざまな養成施設あるいは講座実施機関等に受講される中で資格を取られておるというふうに理解をいたしております。
○内山委員 今の介護制度は、現場で働く職員の低賃金と奉仕の精神で成り立っていると言っても過言ではありません。今の介護制度は構造的な問題をやはり抱えております。介護が必要な人が百人いれば百通りの介護方法が必要だと再認識をし、介護サービスを提供する側もされる側も安心できる制度の確立がさらに必要と思います。 大臣、もう一度その辺を認識していただきたいと思います。御所見をいただきたいと思います。働く者の低賃金と奉仕の精神で現在成り立っているんです。いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 私どもとしては、現在の介護報酬ということで、それなりの手当てをしているという認識が基本にあります。これが現実にヘルパーの派遣会社や何かの雇用という形をとるときに、どういったことになっているのかというようなことについても、これは総合的にやはり検討しないといけないというふうに思っております。
○内山委員 次に、質問を変えまして、食の安全につきましてお尋ねをいたします。 中国産マツタケ、基準超す除草剤、厚生労働省が検査命令、先月九月三十日の新聞報道にございました。食の安全について、五月二十九日、残留農薬基準のポジティブリスト制度が導入されまして、制度が施行されて半年たちました。現在、チェック機能はどのようになっていますか。どこでどんなようになっているのか、お尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
○藤崎政府参考人 厚生労働省におきましては、輸入食品の安全性を確保するという観点から、全国三十一カ所の海空港の検疫所に三百十四名の食品衛生監視員を配置し、食品衛生法に基づき、輸入届け出の審査並びに食品の検査及び輸入者に対する指導を行っているところでございます。 食品衛生法に基づきます輸入時の検査におきましては、まず食品群ごとに違反率及び輸入量を勘案して、年間計画に基づき、検疫所において実施するモニタリング検査及びこのモニタリング検査等の結果により、違反の蓋然性が高いと判断された食品について、厚生労働大臣の命令により輸入者が全ロットの食品について実施する検査命令により、重点的、効果的な検査の実施に努めているところでございます。 先生御指摘の本年五月に施行いたしました残留農薬のポジティブリストの施行についても、同様の対応をいたしておるところでございます。 なお、本制度の施行に対応いたしまして、本年度、食品衛生監視員の十四名の増員、残留農薬等の高度な分析を集中的に行う輸入食品検査センターにおきます検査機器の増設等、検査体制の充実強化を図ったところでございます。 さて、実績でございますけれども、ポジティブリスト制度の施行以降、十月十五日までに、約半年経過いたしましたが、モニタリング検査一万八千二百五十件、百四万百七十六トン、検査命令一万九千二十九件、十四万八千二百二十八トンを実施した結果、二百三十一件、四千四百四十七トンの違反を発見したところであります。当該食品につきましては、廃棄、積み戻しを指示するとともに、その後輸入される食品に対する検査強化、輸出国への農薬使用に係る改善要請等の必要な措置を講じているところであります。 今後とも、引き続きポジティブリスト制度の適切な運用を図り、輸入食品の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○内山委員 ポジティブリスト制度によって中国からの輸入が減少したという報道がありますけれども、その戻した中にも大分中国産があるんでしょうか。いかがですか。
○藤崎政府参考人 まず、中国産の問題でございますが、最近の情報といたしまして、中国産のネギについてでございますけれども、中国産のネギにつきましても、他の輸入食品と同様にやはりモニタリングの検査を実施しておりましたが、本年のポジティブリスト制度の施行以降、十月二十三日までに四百九十件につきましてモニタリング検査を実施してございます。 今月に入りまして、殺虫剤であるテブフェノジドが残留基準値を超えて検出した事例が二件確認されましたので、今月二十日から中国産ネギの全ロットに対して輸入者に検査を命じており、残留基準を超えるテブフェノジドが検出された中国産ネギが輸入されないよう対策を講じております。 つまり、これまでに検査でひっかかったものについては戻す、そして、これから新たに輸入されるものにつきましては、全品につきまして事前に検査を行って、問題があるものは入れない、こういうシステムになってございます。
○内山委員 やはりと言っていいかもしれません。非常に中国産のネギが気になっておりまして、以前に日本向けの野菜を栽培している中国生産者の映像を見ました。その方たちはこの野菜は食べないと言うんですね。そういうものが日本に入ってくるというのは、日本人の食の安全は一体どうなっちゃうんだろうかと。ですから、特に、やはりこれからおなべの季節ですから、ネギ等を非常に使いますので、きちっと管理をしていただきたいな、こう思っております。 さらに、今度、BSEの件でお尋ねをしたいと思っております。 大手牛どんチェーン店で徐々に米国産牛肉を使用したメニューが出回り始めております。資料で新聞の記事を配付しております。お手にとってお読みいただきたいと思います。 その記事でショッキングな記事がございました。「日本人は欧米人よりBSEに感染しやすい」と出ておりました。英国で、人のBSEと言われる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者の遺伝子を調べたら、BSEに感染しやすい遺伝子と感染しにくい遺伝子があるとのことがわかったと記載されております。 人の遺伝子百二十九番目、メチオニン・メチオニン型で、このM・M型の遺伝子を持っている人しか変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に感染しないという可能性が非常に高くなっているとありますが、厚生労働省はどのようにこの事実を把握しておりますでしょうか。 〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
○外口政府参考人 人の神経細胞等にはプリオンたんぱく質が存在します。そのプリオンたんぱく質は正常なたんぱく質なのですが、このプリオンたんぱく質にBSEの牛の脳などに含まれます感染性のプリオンが結合してプリオンの複製が進みますと、プリオン病が発症すると考えられています。 御指摘のプリオンたんぱく質遺伝子でございますけれども、このプリオンたんぱく質を構成するアミノ酸の百二十九番目に対応する遺伝子の中の三つずつの塩基の組み合わせ、これをコドン一二九といいますけれども、このコドン一二九の型の違いについての専門家の報告がございます。 食品安全委員会が十六年九月にまとめました「日本におけるBSE対策について 中間とりまとめ」という報告書の中でも、先生御指摘のように、英国で報告されているvCJD患者は、一例を除き、コドン一二九がメチオニン・メチオニン型であること、英国を含むヨーロッパの白人の約四〇%がメチオニン・メチオニン型であること、他方、日本では、メチオニン・メチオニン型は九一・六%という報告のあることが記載されております。 この遺伝子の型によるvCJDのかかりやすさにつきましては、まだ研究途上でありますが、コドン一二九がメチオニン・メチオニン型の場合は、BSEのプリオンを摂取した場合に感受性が高いとか潜伏期間が短いとか、そういう可能性は否定できないという指摘があることを承知しております。
○内山委員 このM・M型の遺伝子を持っている人はヨーロッパの白人で約四〇%、日本人は何と九二%あるという数字が出ています。ヨーロッパの白人は異常プリオンが含まれた牛肉を幾ら食べても四〇%の人しか感染しないが、日本人は九〇%以上の人が感染しやすい遺伝子を持っていますので、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に感染するリスクが非常に高いと思います。 二〇〇五年の二月四日、日本人で初めて犠牲者が出ましたが、この方はM・M型の遺伝子だと聞いておりますけれども、正しいでしょうか。
○外口政府参考人 M・M型、すなわちメチオニン・メチオニン型でございます。
○内山委員 米国人が米国産牛を食べるのと、日本人が米国産牛を食べるのとでは、リスクに大きな違いがあることは今お聞きになったとおりだと思います。そのリスクを同じにするには、国産牛と同等に米国産牛のBSE検査の実施が必要であろうと思います。飼料規制や危険部位の除去など、日本より米国のBSE対策が非常におくれている現状を考えますと、米国産牛のBSE全頭検査が必要でないとする厚生労働省の考え方を改める必要があるのではなかろうかと思いますが、担当者の見識を、また大臣の見識もお願いしたいと思います。
○藤崎政府参考人 まず、BSE発生国産牛肉の輸入再開に当たっての考え方でありますけれども、今先生御指摘のような知見も考慮しながら評価した国内産牛肉のリスクと、一定条件で我が国に輸出される当該国産牛肉のリスクを比較して判断するものというふうに認識をいたしております。 そういう意味で、今般の輸入再開に当たりまして、食品安全委員会に御検討いただいた結論の中で、関係部分でございますけれども、このように言われております。リスク管理機関から提出された輸出プログラム、つまり、私どもから提示いたしましたアメリカが輸入再開に当たってとるべき輸出のプログラムの対応ということでございますが、それの中で、全頭からのSRM除去、つまり特定の危険部位の除去、それから、二十カ月齢以下の牛に限るということが遵守されるものと仮定した上で、米国、カナダの牛に由来する牛肉等と、我が国の全年齢の牛に由来する牛肉等のリスクレベルについて、そのリスクの差は非常に小さいと考えられる、このようにいただいております。 これを受けまして、私ども、この輸入再開に当たりまして、安全性についての問題は少ないということで判断をしておるところでございます。 なお、国内の屠畜場におけるBSE検査の対象月齢の基準でございますが、これは昨年八月一日より二十一カ月齢以上とされておりまして、つまり二十一カ月齢以上について全頭検査を行うということが科学的に提起されておりますが、一方、米国産牛肉につきましては、我が国でBSE検査の対象とならない二十カ月齢以下の牛肉に限定をいたしております。先ほどの輸出プログラムでございます。そういう意味で、日米間同様の基準で考えておるということでございます。 本年七月二十七日の輸入手続再開以降の米国産牛肉等につきましては、問題はこれまで確認されておらず、私どもといたしましては、今後とも農林水産省と連携して、米国による対日輸出条件の遵守を厳しく求めるとともに、輸入時検査の強化のほか、対日輸出認定施設の査察等必要な対応に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○内山委員 今の御答弁の中に、リスクの差は小さいと。月齢二十カ月以下でも実はBSEにかかる可能性はあるわけでありまして、やはり仮定をした上での話であります。米国人が食べるのと、日本人が食べる、この遺伝子百二十九、このリスクを考えますと、小さいということではやはり安全性は保たれないと思うんです。ですから、二十カ月以下のものでもやはり全頭検査すべきだと私は思います。 それは日本人の安全を守るためだと思いますよ。米国の基準がグローバルスタンダードではありませんからね。私たち日本人は特異なM・M型の遺伝子を持っているということを聞きますと、とてもそれは納得できる回答ではないな、こう思っております。ぜひとも、これはやはり大臣の所見もお尋ねをしたいと思います。
○柳澤国務大臣 米国産牛肉の輸入再開に当たりましては、日本でも食品安全委員会の先生方でけんけんがくがく科学的な所見の応酬がありまして、二十カ月齢以下の牛で危険部位を除いたものであれば十分安全だということを結論づけまして、それをもって輸入再開の基準にしているということでして、我々としては、この結論に従うのが適当だというふうに考えております。
○内山委員 それでは守れないということなんですよ。そこはやはり、こういう形で肉が入ってきて、今後日本人にまたそういう変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が発症したら、責任を厚生労働省はとれるんですか。外国に一度も行かない人が日本でそういう形でなったら、その責任はとれるんですか。それはやはり、大変後に問題を残すのじゃなかろうかと危惧をしております。 問題を変えます。 柳澤大臣、先ほどから、社会保険庁の解体の件で今後どうするのかということを何人かの方がお尋ねをしております。私は簡単にお聞きしたいと思うんですが、今の法案を廃止にするのかしないのか、さらには、同じものをもう一度提出するのかどうか、それを簡潔にお答えいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 今の法律案というお言葉で、現在この国会に提出させていただいている法案ということであれば、これについて御審議をお願いしたいということが私どもの立場でございます。
○内山委員 ということは、このまま、継続審議のまま出すということですね。(柳澤国務大臣「出している」と呼ぶ)出している、そのままそれを修正も何もせずに審議をするということですね。 もう一度お願いします。
○柳澤国務大臣 これは、政府としては基本的にこれを御審議いただきたいということに尽きます。御修正しない、これはまさに国会審議の結果でございますので、私どもとしては、これをぜひ御審議いただきたいとして御提出申し上げているものであります。
○内山委員 これは非常に問題がありまして、健康保険を都道府県単位の全国健康保険協会、年金をねんきん事業機構、八つから九つのブロックに分ける、そして職員を二〇%自然減、七年かけてやるなんて、こんな甘っちょろいものを再度やろうとするんでしょうか。 さらには、来年から団塊の世代という人たちが年金受給開始年齢に入りまして、毎年二百万を超える人たちが社会保険事務所になだれ込むわけですね。これは二〇〇八年の十月からというような法案の期日が書いてありましたけれども、まさしく団塊の世代の大量な人たちが押し寄せる真っただ中に、社会保険事務所が年金事務所とか、仕組みそのものがわけのわからないことになりますと大変混乱を生じると思うんです。私は、その実務現場面からも非常にこの法案は危惧をしております。 本当にいいんですか、これで。もう一度、しつこいようですけれども、確認をします。
○清水政府参考人 社会保険庁におきましては、昨年の十二月に、今年度から七年間の人員の削減の計画を策定してございます。 この計画の中身でございますけれども、事務の入力等の定型的な業務、こういうものを外部委託しよう、あるいは市場化テストあるいはモデル事業も活用して外部委託を拡大していこう、さらには、コンピューターシステムの刷新による人手業務の削減を行っていこう、業務の広域的な集約化によってそれも行っていこうということで、合理化、効率化を徹底的にやっていきたいという考え方でございます。 また、その一部を活用いたしまして、一方において、年金保険料の徴収体制の充実あるいは今御指摘がございました団塊世代の大量退職に伴う相談業務の増等がございますので、そういう強化すべき業務に人員のシフトを図りたいというふうに考えてございます。 そういうことで、人員体制全体としてはスリム化を図りつつ、業務としてはこれを円滑に実施することができるというふうに考えておるところでございます。
○内山委員 この続きは、多分後のバッターが次回やると思いますので、次の問題に移らせていただきます。 救急輪番制の是非ということについてお尋ねをしたいと思います。 各病院が二次医療圏ごとに救急輪番制をとり救急車の受け入れを行う制度だと認識をしておりますが、この制度について簡単に御説明をいただけますでしょうか。
○松谷政府参考人 救急医療の提供体制につきましては、初期、二次、三次の役割分担に基づいて体系的な整備をしているところでございますけれども、今御指摘の輪番制は、このうち二次の救急につきまして休日、夜間の救急体制等をとっているところでございます。医療圏単位ごとに地域内の病院群が共同連帯して、輪番制の方式によりまして、休日、夜間における入院医療を必要とする救急患者を受け入れるというものでございます。
○内山委員 この救急輪番制の当番になっている病院でも、救急患者を断ることが多くて重症患者をたらい回しして生命を危険にさらしているケースがよくあると聞きます。救急患者の受け入れを絶対拒否してはならないという鉄則のもとに、救急輪番制度を運用しなければならないと考えますけれども、いかがでしょうか。
○松谷政府参考人 救急を担う医療機関はそれなりの社会的使命を持っているものと私どもも考えておりまして、今御指摘のような、受け入れられる体制があるのに受け入れないというようなことがあるとすれば、それは重大な問題だと思いますので、指導いたしたいと思います。
○内山委員 ぜひしっかりと指導していただきたいと思います。 また、この救急輪番制には補助金が出ていると思います。この補助金、救急輪番制で急患の受け入れ拒否をするようなところは補助金の返還をさせるような仕組み、そういうことも考えていくでしょうか、どうですか。考えていきますか。
○松谷政府参考人 救急の輪番制の運営費の補助をしておったところでございますけれども、平成十七年度から、実は、三位一体の関係がございまして、一般財源化してございます。 しかし、今先生御指摘のとおり、本来の機能を果たしているかどうかということにつきましては、今は、三次救急を担っております救命救急センター等につきましては、補助金のランクづけをしてございますが、二次等についても、今御指摘のようなこともまた研究してまいりたいと思っております。
○櫻田委員長 内山晃君、申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力をお願い申し上げます。
○内山委員 以上にて質問を終わります。ありがとうございました。
○櫻田委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 きょうは、十月から本格施行された障害者自立支援法について伺いたいと思います。 昨年、多くの障害者団体の反対を押し切って可決、成立した自立支援法、私たちはこの間、三度にわたって自立支援法の改善を求める緊急要求を発表するとともに、各障害者団体との懇談やシンポジウムなどに取り組んでまいりました。とてもきょうの持ち時間では話し切れないほどのたくさんの要望や意見が寄せられております。 自立支援といいながら、小規模作業所や授産施設など、せっかく社会にかかわり始めた障害者が家に閉じこもらざるを得なくなるのではないか。食べることや排せつすることなど、生きるために必要な福祉に対して利用料を払えと言われた障害者はどうなるのか。懸念をしていたことが今現実に起こっていると言えるのではないでしょうか。 まず大臣に伺います。 大臣のところにも声はさまざま届いていると思います。自立支援法が現状うまくいっているとお考えですか。あるいは何が問題点だと認識されているでしょうか。伺います。
○柳澤国務大臣 障害者自立支援法が制定されました。この目的とするところは、これまで非常に、特に在宅のケアを中心として地域的に格差のあった、そういうサービスを全国一律のものに近づけて、どこに住んでいる障害者もそのケアに均てんをできる、こういうようにしようということでございます。 それから第二番目は、質的に精神障害の方も一緒にして、それにつきまして介護の必要度について区分をして、それにふさわしいケアサービス、介護サービスを対応させていく、こういうことでございます。 それからまた、障害者というものが、特に入所の障害者の皆さん、一カ所でとどまっていて、居住というか寝ることも、それから日中の活動も同じ場所でやっていらっしゃるというような方々、これをできるだけ日中活動と居宅の部分を分かちまして、一般の社会にたくさん触れるような機会を与える等々、いろいろな施策をこれで講ずることにいたしました。 そして、原則として利用料についてそれの一割を負担していただく、こういうことになったということを言ったわけですけれども、いろいろな形の頭打ちというかそういう措置、それから減免の措置を講じまして、実際上は支払い能力に応じるというような配慮のもとで利用料の分担をお願いするということにいたしている次第でございます。 いろいろな声が聞こえますし、また私自身も、さしずめまず、当面という意味ですが、当面自分の郷里にあるいろいろな施設を訪問して現場の状況を見させていただいておりますが、今のところ、徐々に理解が進んでいるというふうに考えているところでございます。
○高橋委員 今の大臣の御認識、実際上支払い能力に応じていると。これはちょっと驚くようなお答えではなかったのかなと思っております。応益負担が問題だということがずっと言われてきて、きっと、そのことに対して、実際は一割負担というけれどもさまざまな手だてをしているよということが言いたいのかなと思うんですけれども、現実はどうなのかということをやはり見ていただきたいと思うんです。 きょう皆さんにお配りした資料の一枚目をごらんになってください。これは、済みません、県を書いておりませんが、宮城県の調査であります。十月二十日に委員会に報告をされておりまして、県内百二十七施設中百二十一施設から回答があった。総勢四千五百二十人の実態を見たところでありますけれども、下の方に書いてあります、「負担増を理由として退所」した方が二十二名。これは、ですから、負担増を理由というのを明らかにしてこういう数字が出ているわけです。もう一つは、一番下、「負担増を理由として利用抑制」が三十名、こういうことが現実に起こっております。 実際、その負担増というのはどのくらいなんだろうということで、二枚目をめくっていただきたいんですけれども、「利用者負担額の状況」という表がございます。 入所施設ですけれども、生活保護世帯、その下が低所得一。低所得一といいますのは、非課税の方なんですね。非課税だけれども年収八十万以下という方に対してもしっかり利用料を取るということで、六月のところで見ていただきますと、利用者負担額が四万七千百九十九円、うち定率負担額のところは確かに一割になっていなくて、七千五百六十四円です。しかし、実費負担がございます、三万九千六百三十五円。これは、トータルしますと、三月から比べて一万六千八百四十九円も負担増になっている、一月で。ということは、年収八十万に満たない方が一年間合わせると二十万もふえるんです。こんなことがあり得るんですか。これで本当に能力に応じてと言えますか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 障害者自立支援法の利用者の御負担の件でございますが、障害者自立支援法を昨年御審議賜りましたけれども、いまだサービスを利用していない障害者の方が多数おられる状況を踏まえまして、障害の種別にかかわらず、より多くの方がサービスを受けられるよう、障害福祉サービスについて、市町村中心に一元的に提供する仕組みとするとともに、国の費用負担の義務化も行っております。そういった中で利用者負担の見直しも行っていただいたところでございまして、この法律では、障害者を地域社会でともに生活する一員と考えて、費用の一部について御負担をお願いすることといたしております。 今大臣からも御答弁申し上げましたように、原則一割と申し上げておりますけれども、さまざまな配慮をして御負担をお願いしているということで、私どもが百一の市町村、定点市町村で御負担を確認いたしましたところ、例えば、入所されている方については九四・三%の方が、一般の上限ではなくて軽減された上限に当たっております。グループホームでは九二・三%、在宅でも四七・八%でございます。このほか、負担上限額、さらに個別減免ということで御説明申し上げておりましたけれども、入所の方、グループホームの方は三人に二人はこういう個別減免の対象になっておりますし、在宅の方についても、約四人にお一人を社会福祉法人減免にしている、こういうことでございます。 今、高橋委員から御指摘のございました入所の方の御負担でございますが、入所の方、施設の中で、もちろん外に通われるということをお願いしているわけでございますが、施設でさまざまなサービスを受け、食事、入浴等のサービスも受けた後、いろいろな減免を講じて、どんな方の場合にもお手元に一定額残る、こういう範囲で御負担をお願いしておりますので、そういった意味では、負担軽減措置が確実に適用されているものと考えております。
○高橋委員 本当にそういう認識でよろしいんでしょうか。今紹介したのは、確かに入所施設です。でも、その下には通所施設もございます。同じく、低所得一で一万円、一月で負担増になっています。八十万以下の収入の方が、一年間で十二万以上の負担増です。これは増加の分だけですよ。それで全部じゃないんです。暮らしていけるはずがないでしょう。 応能負担だと言って、応能負担に近いと先ほどは大臣おっしゃいましたけれども、九十何%の方が低所得になっているから、きめ細かくなっているからと言っているけれども、払っているのはこんなに払っているんだ、そこをわかっているんですかと聞いているんです。
○中村政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、在宅での方の御負担の点でございますが、負担の上限が軽減されている方が約半分、四七・八%おられます。そのほか、社会福祉法人の軽減等の施策を講じておりまして、負担の限度額も、低所得の方であれば、月額、通所される場合には七千五百円というような御負担としていると。こういった軽減措置が四人にお一人に適用されておりますので、そういった意味で、軽減措置が機能しているというふうに考えております。
○高橋委員 厚労省の調査も読みました。確かにそういうことが書いてあります。しかし、その認識は非常に問題だと言わなければなりません。例えば、調査の中に、きょうされんの調査を参考資料として書いております。それで、同様の傾向があると。これは、同じ調査をしたきょうされんの皆さんがどんなに腹立たしいか、一緒にするなと思います。 これは、きょうされんの調査を見ますと、一月から三月までに退所者が百二十四人、四月から七月までが百八人、合計半年で二百三十二人も退所している。利用断念を検討している方が百五十七人。合わせると三百八十九人。半年の間に、退所をしている方あるいは断念を検討している方が三百八十九人に上っている、この事実をしっかり見てほしいと訴えているではありませんか。 また、仮に施設の利用を続けているとしても、非常に深刻な実態がございます。給食費の滞納がふえているんですね。六月分で二百九十六人。一施設当たり〇・八六人、二・六二%に当たります。これは、四月分は百六十一人でしたので、一・八倍以上になっているんです。三カ月以上滞納すると施設との契約は解除になる、こういう深刻な実態もございます。ですから、今はとりあえず頑張っているけれども、もう頑張り切れないというところまで来ているんだということを見なければならないんです。 もう一つ、障全協が十月六日に発表した調査がございます。ここは、全国二十一都道府県、二千二百九十六人にみずからが調査をしたものでありますが、利用を減らしているのが、ガイドヘルプが三二・二%、在宅の方ですね。次がショートステイ、二四・八%。つまり、障害の特性からいってどうしても減らせないものがある、だから我慢できるところから減らしていくというのがにじんでくるということなんです。 そして、今おっしゃった各種軽減策、障全協の調査では、利用は三八・四%にとどまっています。なぜかというと、よくわからない、四八・六%、迷っている、申請したが受けられなかった、こういうことが実際にあるんです。ですから、幾ら制度があっても、それがわからないでいたら使えません。そういう実態もあるんだということを認めていただきたい。 改めて伺いますが、そもそも、税金さえ免除されている方にまで利用料を求める、これ自体を見直すべきではありませんか。
○中村政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど委員の方から、私どものまとめさせていただいた調査の点についてお話がございました。きょう委員から御提出いただきました宮城県の調査の結果、これは私どもの調査のまとめたものよりも時点が後で公表されているものでございますので、私どもの調査には入っておりませんが、この調査でも、中止なり利用の中断などの動向については、例えば率などにつきましては、私どもが各都道府県からまとめて御報告したのと同じ動向を示しているのではないか、こういうふうに考えております。まずその点を申し上げさせていただきたいと思います。 それから、課税されていない方については御負担を無料にすべきではないかという御指摘でございますけれども、ただいま申し上げましたように、私ども、非課税世帯につきましても、低所得区分一、二、こういうふうにきめ細かく区分をいたしましてそれぞれ負担の上限措置を講じているほか、その区分に応じまして、個別減免なり社会福祉法人減免などについても配慮をさせていただいておりますので、一律に無料にするという点については、前の国会でもこの点を御審議いただいた上で法律を制定していただいたと考えておりますので、私ども、きめ細かな軽減措置、減免措置等によって対処していくべきではないかと考えて、現在の仕組みを御提案し、実施させていただいているところでございまして、御理解を賜りたいと思います。
○高橋委員 もちろん御理解はできません。 今、宮城が全国の数字とほぼ同じだというお話をされました。確かに、割合でいえばそうかもしれません。だけれども、割合で済まない話なんです、人間なんですから。一人でも二人でも退所者が出ている、現実に検討している方がいるということがどういう意味を持っているのか、生身の人間の話なんだということで受けとめていただきたいと思うんですね。いいでしょうか。ここをまず指摘しておきたいと思うんです。 それで、ではもう少し具体的に続けていきたいと思うんですが、四枚目の資料の二をごらんになってください。これは青森県の児童相談所につくっていただいた資料であります。十月から本格施行になるので、平均的な数字を出しておりますけれども、やはりここでも指摘をされていますのは、市町村民税非課税で、かつ年収八十万以下という方が、これまではゼロ円だったのが一万六千円の負担になると。しかも、その他の生活費というのがあるんです。これは、大体平均してかかっているのが、三万四千円もかかっているという数字が出ています。 これは、障害児の施設というのは母子家庭などもございます。ですから、何を見ても、それ以外に、八十万以外に全く収入がないんです。それで、パートやアルバイトを幾つも重ねている、そういうところからも年で六十万の負担を取っていくということなんですよ。軽減措置をやったって、それは経過措置ですから、いずれこうなるんですよ。本当にそういうことが許されるのかということなんです。 もう一度指摘をしたいと思うんですが、せめてここだけでも見直しするつもりはありませんか。
○中村政府参考人 お答えを申し上げます。 障害児の方の施設につきましては、委員からお話しございましたように、十月から新しい負担の仕組みが見直されたということで、その負担の仕組みがこの表に書かれているというふうに承知いたしております。十八歳未満の負担金のところで、例えば一万六千円とか一万九千六百円、こういうふうになっておりますが、これは障害児を養育される世帯につきましては、若い御世帯が多いことに配慮し、通所施設については、就学前の障害児に関して、一般の子育て世帯との均衡から、保育所の保育料と同程度の負担水準になるように配慮をしたところでございます。 それから、入所施設につきましても、負担の増加幅が大きくなると懸念されております市町村民税課税世帯のうち、より所得の低い世帯、これは市町村民税所得割が二万円未満の御世帯を考えておりまして、おおむね年間収入三百万から四百万程度の世帯の区分につきましては、この表にも出ておりますように、さらなる負担軽減措置を講ずることとして、月額一万九千六百円の御負担としているところでございます。 その他の生活費の部分につきましては、お手元に残る金額として表示させていただいております。一般の入所のところでは、二万五千円の金額が手元に残るというような軽減措置になってございますが、十八歳未満の方につきましては、そのほかにさまざまなニーズがあるということで、九千円加算された三万四千円がお手元に残るというふうな設計がされているところでございます。 なかなか、こういったことについて周知されていない、あるいはわかりにくいというお話がございます。負担軽減措置が確実に適用されますように制度の周知定着を図ってまいりたいと考えております。
○高橋委員 やはり聞かれたことにきちんと答えていただきたいと思うんですね。制度の説明をるるされて、時間が非常にもったいない思いがしております。 ただ、今少し説明をされました、例えば、一般世帯の所得割二万円未満の世帯をちょっと細分して一万九千六百円にしたとか、こういう見直しは実は最初からあったわけじゃないんですね。関係者の皆さんの要望が非常にあって、それを受けて見直しをしていってここまで来たということ、それ自体をしっかり認めていただきたい。制度が発足したときはまだまだそういうところに思いが至っていなかったんだということをまず指摘しておきたいと思うんです。 乳幼児を障害児の通園施設に通わせているお母さんの手記があるんですけれども、少しだけ紹介をさせていただきたいと思います。 私たちは、通園施設で日に日に変わっていく子どもたちを目の当たりにしています。どうか障害児の成長の芽をもぎ取るようなことはしないで下さい。 「十月からの開始は、国が決定したこと。なんとかしたいが、どうにもならない。」と言われると、私たち保護者は、「障害児を産んだための罰則」のような、非常に悲しい気持ちになります。障害が発覚したばかりの、いろんな可能性をもった、発達期にある子どもの療育をすでに障害が確立している「大人の福祉サービス」に組み込むのは、乳幼児の健全な発達を阻害しているとしか思えません。「本当の療育って何ですか?」と問いたい気持ちでいっぱいです。 この罰則ではないかと思っているお母さんたちは実はいっぱいいらっしゃるんですね。ここを皆さんは本当にどう思っていらっしゃるのか。 子供は日々発達する、だから改善する見込みもある、逆に言うと放置をすれば悪化もする。ですから、そういう立場に立って育成医療などもあると思うんですが、その立場に立って国はしっかり担保するつもりがあるのか。もしこの利用料が払えないがために必要なサービスを受けないようになったらどうなるのか。今までは措置制度だったわけですから、これが契約になって、わかっているけれども受けられないという状況があってはならないと思うんです。ここにしっかり手当てをするつもりがあるのかをまず伺います。 それから、時間がないので続けて伺います。せめて、入所児童については特別児童扶養手当が出ないのはおかしいと思います。これも強い要望がありますが、この際、改善するつもりはありませんか。
○中村政府参考人 障害児の方々に対する施策も含め、障害者施策全般につきまして、まさにこのような法律をつくっていただき、こういう障害者自立支援法を施行しているというのは、障害対象も広げましたし、何よりもまだ障害福祉サービスが全国に均てんしていない、こういう状況の中で、サービス量をふやすという前提に立ちまして行っているわけでございます。 そういった意味で、十月から市町村の方で三カ年計画の障害福祉計画をつくり、二期目の終わりが平成二十三年度でございますので、その平成二十三年度までのサービス量の増大計画など、国としても指針を示しておりますので、そういった意味で、障害者対策を充実する、こういうことを基本として施策を進めているところでございます。 あわせてということで、二点目の特別児童扶養手当の件でございますが、特別児童扶養手当は、障害を持った御家庭のさまざまなニーズに対応するために、在宅の障害児の方々を対象として手当が設計されているところでございます。 入所施設についてどういうふうに考えるかということでございますが、入所施設の場合、御利用料を御負担はしていただいておりますが、施設に入っているということは、全体的なサービスをお受けになっている。費用の点を申し上げると恐縮でございますが、例えば、知的障害の方の施設の場合、場所と規模によって違いますが、月額十五万円から二十万円のいわば施設サービス費をお受けになっている、こういうことでございますので、そういう全般的なサービスがない在宅の方との均衡を考えますと、在宅に特別児童扶養手当が出されているというのは一つの整理ではないかと私どもは考えております。 〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕
○高橋委員 時間がないのでここは指摘にとどめます。引き続いて検討していただきたい。今おっしゃった施設サービスを受けているという問題では、実費を負担させられている状況になったんですから、もう前提が崩れています。見直しをするべきではないか。これは引き続いて検討していただきたいということを指摘いたします。 私は、本当はこの先の三十代、四十代の話をしたかったんですが、時間になってしまいまして、今、子供が成人をしても、三十代、四十代になっても親の庇護のもとにあるというのが現状であります。子供さんは、親が死んだら自分はどうしたらいいのかといって、夜も眠られないと訴えています。親御さんは、子供より一日でも長く生きるしかないとあきらめています。こういう親子を本当は社会の中でかかわれるようにするのが本来の自立支援法ではなかったか。全く違う状態になっているのではないか。 私は、何にもないところから、こういう親御さんたちが、苦労して作業所をつくり、認可を得て、そして今施設をつくって、今のような政策をつくってきた。ですから、みずからの力で、障害者が、当事者たちが今の政策をやってきたということを絶対忘れてはならないと思うんです。 大臣、一言だけ、問題があれば見直すということを約束していただけるでしょうか。
○宮澤委員長代理 もう申し合わせの時間が過ぎておりますので、先ほどの質問で。
○高橋委員 はい、これで終わりです。これで終わりです。
○柳澤国務大臣 制度をつくった場合に、万人にそれが適用されるわけですけれども、そういうことの中では、いろいろ問題が起こるということもあり得るというふうに思います。今、我々としては、大局をつかんで、まあまあいけるかなということで進んでいるわけですけれども、なおこれから先、いろいろなケースを情報として、またいろいろな調査もさせていただいておりますので、そういったような情報を勘案して、これから先、直すべきときには直す、そういうことを我々として避ける意思はありませんから、それを申し上げておきます。
○高橋委員 ありがとうございました。
○宮澤委員長代理 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 新たに安倍総理のもとに内閣が発足して、その中でも、わけても私にとりましてのサプライズ人事は柳澤厚生労働大臣でありました。なぜなら、私がまだ一期目の当選のころ、財務金融委員会というものに初めて所属させていただき、私は本当に長く医療現場におりましたから、税制の問題や金融の問題というのは、いろいろそこから勉強を始めねばならなかったときに、柳澤大臣は、非常に見識もおありですし、また私のような新人の指導にも鋭意心を砕いてくださった、大変尊敬すべき先輩の議員のお一方でいらっしゃいます。その大臣が、今度は厚生労働分野、さて、どんなもくろみというか、どんな目的があろうかと。 恐らく、大臣も少しおっしゃられましたが、税制の問題と社会保障体系全体を、今までちぐはぐなままに、もしかして、医療にしても介護にしても、はっきり言ってその場しのぎの患者負担を重ねてきたのではないかと私は思っています。それが本当に持続可能な形になるために、ここは仕切り直して、しっかりと骨太のことをやってくださるためだろうと強く期待しています。 さて、大臣が、先ほど来、何人かの委員の方の御質疑の中で、これまで経験してこられた分野とこの厚生労働という分野、何が違うかというところで、マクロとミクロというお話をなさいました。 私にとっては、ミクロというのは、簡単に言えば一人一人の人間であります。例えば、私の目の前の小さな赤ちゃんが本当に健やかに育ってくれるように、これがミクロの世界であります。 となると、まず、大臣には冒頭お願いがございます。私は、大臣の所信表明演説を読ませていただいて、先ほどの期待の一方で、もしかして残念かなと思うことが二、三ございます。 実は、この間にも、いわゆる原爆症の認定問題や、あるいはトンネルのじん肺訴訟、あるいはB型、C型肝炎など、厚生労働行政をめぐって数多くの訴訟が起きております。各地裁で患者さん側の勝訴判決、厚生労働省が控訴を繰り返すという形で、実は、本来、裁判というぎりぎりのところで解決する問題以上の、厚生労働行政のあり方が、もっと血が通い、もっと一人一人の生きざま、そしてその方が本当に人らしく生きていくことを保障できれば、逆に私は、数多い訴訟もそれ以外の枠組みでの解決もあると思って、そう信じてやみません。 そこで、大臣には、冒頭お願いがございます。これから、大臣になられて、例えば原爆症で新たな認定基準、今のままでどうしてもおかしいんじゃないか、広島に原爆が落ちた後、入市被爆といって、その後入ったけれども認定されない方、あるいはトンネルじん肺の方はきちんとした基準をつくれということをおっしゃっているのであります。単に裁判だけの問題ではない。B型、C型肝炎も治療ができるような体制を整えてくれというのが当たり前の願いです。であれば、やはり大臣がじかにそういう方々の訴えを聞く、聞いてこたえられる部分から現実の生身が生きていけるようにしてくださること、会ってくださることを強く望むものです。 例えば坂口厚生労働大臣は、在外被爆者問題で、私は、非常に現実のいいお取り組みをなさった。あるいは尾辻大臣は、アスベスト問題で、その被害の方にお会いになり、いろいろな制約はある中でも少しでも進めてくださったと思います。 柳澤大臣にも、ぜひこれから、いろいろな要請には、積極的に会って訴えを聞いて、血の通った行政をするんだという決意のほど、残念ながらここには余り見えませんので、これは大臣のごあいさつの文章ですが。まず冒頭、その一点を御答弁お願いいたします。
○柳澤国務大臣 阿部委員には、今冒頭、先生御自身からお話しになられたように、ほかの委員会で随分厳しい、鋭い質問を浴びまして、私もたびたび答弁に窮するようなことがありましたけれども、にもかかわらず、大変お優しいお言葉をいただきましたことを心から感謝申し上げる次第です。 さて、御質疑の件ですけれども、それぞれ歴代の厚生大臣、立派なお仕事をされているということは、私も傍らから見ておりまして、本当にたびたび感銘を受けた次第でございます。私もそのひそみに倣ってぜひ頑張りたい、このように思っておりますが、個々の問題については、またその時々に私自身勉強させていただいて対応を考えてまいりたい、このように思っております。
○阿部(知)委員 では、よろしくお願い申し上げます。 さて、既に予告してある質問に入らせていただきますが、一点目は、偽装請負問題でございます。 先ほど来、他の委員も御質疑でございましたので、私としては確認的に大臣にお伺いいたしたいのですが、いわゆる請負企業であるコラボレートという企業が業務停止という形で、この偽装請負問題では厚生労働省としての一定の厳しい取り締まりの方向を出されました。しかしながら、この偽装請負を受け入れているいわば派遣先の企業については、先ほどの大臣の御答弁では、手順を踏んでおると、簡単に言えば。 実は、指導して、勧告して、その後に企業名の公表がございます。しかしながら、私が思いますに、なぜ今に至っても一例も企業名の公表がないのか、これは一方で不思議でなりません。新聞等々メディアでは、松下だ、トヨタだ、キヤノンだ、もう国民はみんな知っておるわけです。これは取材の方が訪ね歩いて明らかにした部分もあります。しかし、私は、こうしたこともまた厚生労働行政の中で、問題が積み重なっておればきちんと企業名を公表される、これが原則であろうかと思いますが、なぜ一例もないのでしょうか、大臣。
○柳澤国務大臣 また後で事務方から補足の説明をしてもらいたい、このように思いますけれども、こういう制度の運営の場合は、法律の枠組みをつくるときから、ある程度事態の展開というものをパターン化して予測をしまして、そして、こういうときにはこういう措置に出るのが一番ベストである、こういうようなことでそれぞれの手順が書かれている、規定されているということでございます。 今、阿部委員お触れになりましたように、派遣先の問題については、まず第一に必要な指導助言を行うということがありまして、その指導助言に基づいて事態の改善を待つ、こういう仕組みなのでございます。そして、その指導助言がなかなかうまく効果を発揮しない場合に、次の行政手続として勧告というものが行われ、さらに、勧告に従わなかったときには公表と、今先生御指摘になられたような、そういう枠組みでこの制度ができ上がっている。 そして、こういう枠組みでこの手続を進行させていくことが最も事態の解決に適切である、こういう判断でこういう仕組みができ上がっておりますので、私ども法律を執行する立場といたしましては、この国会で御議決いただいたこの枠組みに従って手続を進行させている、こういうことでございます。 過去のことについては、もしあれでしたら補足をさせていただきます。
○阿部(知)委員 時間の関係で、事務方の方には申しわけありませんが。 大臣は障害者の雇用の促進法というのを御存じだと思います。障害者の法定雇用率を達成しない企業名は、既にこれまで十社公表されております。 もちろん、この障害者の雇用の促進法は昭和三十五年にできまして、年月があるとは思いますが、障害者雇用の未達成企業について公表されるようになったのはこの数年、極めて、私は、それは厚生労働行政としての取り組みの姿勢なんだと思います。 今おっしゃった手順、指導して勧告して公表、申しわけないけれども、指導した相手が今度は偽装の出向をさせるというようなことが続いている中で、一社も公表名がないというのは、やはりこの偽装問題に取り組む厚生労働行政の根本的な考え方のところに、私は覚悟が残念ながら見えない。本当にやっていただきたい。余りに不公正です。 もちろん、派遣した請負会社は問題です。しかし、それを受けているのが名立たる大企業の子会社だったりして、まして、子会社は公表されても、親方、大もと、親分は全く公表されません。本当に根絶を図るのであれば、コンプライアンス、ガバナンス、柳澤さん、いろいろな言葉でおっしゃいました。本当に私は、まずせめて公表という段階にしてほしい。 そして、では、これまで指導を受けたのが何社で、勧告を受けたのがどれくらいで、そこからもうすぐ公表になりそうなのがどれくらいあるかということを、実務サイド、教えてくださいますか。もしこの場で答えられなかったら、私の部屋に下さい。障害者の雇用促進法の場合はそれはいただきましたので。どうでしょう。
○高橋政府参考人 労働者派遣法に基づきまして、私ども、派遣事業の許可を受けた事業者のみならず、それを受け入れている派遣先、さらに、請負事業という形で事業を実施し、またそれを受け入れている事業所、それぞれに派遣法に基づく適正な受け入れということを前提にさまざま指導させていただいておるところでございます。 ちょっと今手持ちがなくて大変恐縮でございますが、請負にかかわりましても、立ち入りを行いました場合、行った結果として、いわゆる文書指導、つまり法違反が認められて是正を求める文書指導の件数が相当な数に上っておることは事実でございます。 私ども、こうした指導を実施する中で、先ほど大臣からも御答弁ございましたとおり、法律に基づきますその次のプロセスとしての勧告並びに公表といったようなプロセスが用意されているわけでございますが、そのうち、指導をした件数でもうすぐ勧告なり公表なりというところまで来ている件数がどれくらいかというのは、ちょっとこの場ではお答えはしかねるところでございます。
○阿部(知)委員 私がいただきました限りは指導まででとまっているんですね。勧告についてはいただいていない。やはり取り組みが甘いんですよ、緩いんですよ。覚悟が問われているんだと思います。 大臣、一体幾つが指導を受けて、勧告になり次の公表になっているのか、私はきょうこれは予告していませんので、ぜひこの次、私の要請にこたえていただきたいと思います。 そしてあわせて、私は、もっともこれは大臣の方がもっともっと御存じですが、会社法という法律では、この間、いわゆる親会社の責任ということを明確にすべきである、これは親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保する体制の整備という法律の枠をとってございます。先ほど申しました、子会社が何か起こし、その親会社たるものがもっと隠れていて、本当の業界全体の是正がなされないとすれば日本にとって不幸でございますので、この点も一言御答弁をいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 今阿部委員がおっしゃったように、我々の社会に生きていく会社、あるいはいろいろな形態での法人、これらはすべてコンプライアンス、ガバナンスが目下一番大事だということで、いろいろな立法も行われておりますし、また事実、そうしたことに企業、法人等も心がけているというふうに考えております。
○阿部(知)委員 私は、その企業の行動形態ということについてもう一つ。 現在は、グローバル化した経済と、企業は国境を越えて多国籍企業になっております。そして、日本の代表的な自動車の王者であるトヨタという会社が、フィリピンでフィリピン・トヨタという子会社といいますか別会社を運営しておりますが、そこで労働争議がございました。細かい経緯は時間との関係で割愛させていただきますが、九八年に現地で労働組合を結成されて、フィリピンの方のいわゆる最高裁では、それを労働組合と認めてフィリピン・トヨタに交渉しなさいということをおっしゃいましたが、進捗しておらず、フィリピンから来られた労働者の方がこちらでも組合に加入されるという形式をとって、何とか雇用労働条件を適正にしてほしいということで、現在中労委にもかかっている案件でございます。 私は、先ほど大臣がおっしゃられたガバナンス、コンプライアンス、すなわち突き詰めれば企業の社会的責任ということがありますし、特に我が国を代表するような大きな企業が、外国でいろいろな争議のもとになり、それは直接の法関係はなくても、企業が担うべき、日本というブランドをしょって生きていただかねばならない企業の社会的責任のあり方として、やはり余りにも放置され過ぎているのではないかと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
○柳澤国務大臣 今御指摘になられた企業、日本の代表的な企業でございますが、これが海外に出ていった現地法人の次元で労働争議が起こっているということで、それがいろいろな道筋をたどって我が国の労働争議の一つの形として今手続が進行中ということは、今御指摘いただきまして、私も承知をいたしたところでございます。 これについての考え方はどうか、こういうふうに言われましたら、私は別段会社を区別するつもりはありませんけれども、ああいうような立派な会社であれば、論拠がないままに争議の中に入っていくということは、私はないと思うわけでありまして、何らかの彼らにも主張すべき事由があって、そうした形で今争いが行われているということだろうと思います。したがいまして、私が今ここで阿部委員に向かって、その手続を差しおいて何らかコメントをするということはやはり差し控えるべきであろう、このように考えます。
○阿部(知)委員 法的な問題等々を考えればそうでありましょう。私が伺いたかったのは、これから日本が国際的な分野で活動、活躍していくときに、やはり本当に企業のあり方というのが問われているという意味で、大臣の御見識を伺いたかったものであります。 そして、予告してございます次の質問の、いわゆる企業における社会保険料負担につきましては、先ほど大臣が、社会保険庁関連の法案は、大臣自身はこの国会での御審議のおつもりであるということでしたので、次回に送らせていただきまして、次に、産科医療の現状についてお伺いしたいと思います。 この間、奈良で起きました、妊娠中のお母様が、出産を前にして、けいれんから頭蓋内出血という転帰をとり、搬送先をいろいろ求めたけれども、結果的に救命できなかったという事案がございます。大臣は、まず、この事案、何が問題とお考えでしょうか。
○柳澤国務大臣 もとより、その出産を控えた妊婦の方が入院されていた病院が、非常に緊急の事態が発生したということで他の適切と思われる病院に連絡をとって、そこに搬送したいということが起こったわけですから、一番いいのは、そのベストとして選択された搬送先が、何が何でもとりあえずこれを受け入れるというようなことができれば一番よかったかな、このように思います。
○阿部(知)委員 この亡くなられたお母様、また残されたお連れ合いとお子さんには本当にお気の毒な限りと思いますが、もともと、この周産期をめぐる体制は、いまだに、ネットワーク化ということが言われながら、現実には非常に機能がおぼつかない状態にございます。 全国四十七都道府県のうち、お母さんやあるいは赤ちゃんを送るべき母子周産期センターというところがまだ未整備なところが八カ所ございまして、その詳細について、きのう部屋で御質疑をいたしましたが、まだちょっと整わないということで、これも先送りさせていただきますけれども、私が本日伺いたいのは、そうしたセンター機能の問題以前に、今、お産難民という言葉が言われますが、地域のいわゆるお産にかかわりがあるいろいろな施設が果たしてどのような実態になっておるか。まずそのインフラ整備がなければ、集約化もできないわけであります。 この間、さきの審議でも、集約化、集約化という言葉がひとり歩きし、そこが進んでおり、それもまた、現状ではこのような形であるということになっておりますが、私は、まず下から積み上げないと砂上の楼閣になると思いますので、厚生労働省にお尋ねしたいのは、一体今どの程度のインフラ整備があるのか。私の受けました報告によりますれば、この二年間で、百二十カ所の分娩にかかわる施設がお産を取りやめ、約二万人の方がお産の場所を移さざるを得ない状況だと聞いております。 大臣には、私が伺いました厚生労働省のお手持ちの資料は、平成十四年度における分娩を取り扱う施設の数を掌握しておられました。しかし、この近二年というのは、雪崩現象のようにどんどん施設が閉鎖しております。もっとスピードアップして、現状、どこにどんな施設があるかということの実際の調査をなさるべきと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
○宮澤委員長代理 まず、松谷医政局長。
○阿部(知)委員 ごめんなさい。時間の関係で、心意気だけで結構です。
○松谷政府参考人 お産をすることのできる施設につきましては、平成十四年の医療施設調査によりますと、十四年九月に分娩を取り扱った施設数で、病院が千五百三カ所、診療所が千八百三カ所、合計で三千三百六カ所ございます。また、助産所につきましては、衛生行政報告例による助産所開設者数が平成十六年で七百二十二カ所となっているところでございます。 この医療施設調査は、三年ごとに静態調査が行われまして、これで把握をしているわけでございまして、直近の調査が平成十七年でございますので、本年中の公表に向け、現在、鋭意作業中ということでございます。 ただ、これとは別に、今の課題がございますので、産科に関する地域における拠点づくり等のために、各都道府県に対しまして、産科関連施設数のみならず時間外の治療の対応状況など実態把握を行うよう依頼しているところでございまして、今年度内を目途にこの結果を厚生労働省に報告していただくということにしておりまして、これらの結果を通じまして、産科医療の実態の把握に努めていきたいと思っております。
○阿部(知)委員 とにかくアクションが遅いのです。そうやっているうちに、草ぼうぼうと言うと変ですが、みんなきつくてつぶれていってしまう。 でも、私はきょうこの場で特にお願いしたいのは、実は自民党の戸井田委員が大変にいい質問を午前中してくださいました。どこの国でもお産を集約化する一方、集約化の問題点も出てきている、地域の身近にやはり分娩ができる場所がないと本当の下支えがない、そこで助産師さんの活用をもっと積極的にすべきだというのが、突き詰めれば戸井田さんの御質疑であったと思います。 そして、やはり助産師さんというのは、大臣も御存じかと思いますが、お産が過度に医療に取り込まれない、もちろん安全性は別途確保した上で、十分助産師さんというのは能力もお持ちだし、満足度も高いということがございます。でも、今ネットワーク体制を考えるにも、助産師さんが開業なさるときにどなたか個別にお医者様を、産婦人科医をつかまえて自分とタイアップしてくれることをあらかじめ用意しないと、助産院が開業できなくなりました。これが非常に高いハードルになって、助産院はむしろ現状でもっとふえてほしいのに、足りない状況が生まれています。 大臣に一言お願い申し上げたいのは、この周産期をめぐるネットワークの中にきちんと助産院も位置づける、そしてネットワークで支えて、助産所の皆さんが仕事を本当に、正常産とそれから緊急搬送なりを区分けできるような、実のある、中身のある、充実したネットワーク体制にしていただきたいが、いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 私は、ここで一々言うわけにはいきませんけれども、正直言って、部内での検討では、今阿部先生がおっしゃられたこととほぼ同様のことをあるべきではないかということを問題提起などさせていただいているんです。 今私が回答としてもらっているのは、確かにセンター的なところ、拠点に集約はするけれども、しかし、日常、妊娠してからすぐお産が始まるわけじゃありませんから、その間十カ月ぐらいは普通の診断を受けていく、経過を診ていただくというのは、今までどおり間近なところに助産師さんなんかの拠点があって、そうして診てもらうというのは通常行うんですと。そして、お産がいよいよ近くなった、あるいは場合によって、絶対正常だというのは助産師さんに任せてもいいのかもしれませんけれども、やや問題があるというような場合には、非常にお産が近づいたときにはこの拠点のところへ来て、そして複数の医師とか複数の助産師さんに診ていただく、こういうような体制でございますと。こういう説明を受けて、それならまあいいだろうと。 ずっと一カ月に一回か何か、私ももう家内が妊娠してからしばらくたちましたので忘れてしまったんですけれども、何カ月に一回か何か診察を受けに行くときまでそんな遠いところへ行くというのはおかしいよというようなことは私も申し上げているということで、今の先生の御指摘も踏まえて、多分うまいネットワークを構築してくれるものだ、私もそれをしっかり見守っていきたい、このように考えています。 〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部(知)委員 助産師さんの数が現状、実働二万五千人とか六千人と言われておりますが、医師会の皆さんが推計されても五万人くらいはいないと、いいお産介助もできないし、ネットワークもつくれない、これは医師会からいただいたデータです。 そうなってきますと、育成も、あるいは現状で仕事についていない方も、それから新たに開業したいという方も、十分にそれをネットワークの中に組み込み、バックアップしてくださることを強く大臣にお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○櫻田委員長 次に、糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 早速質問に入らせていただきたいんですが、大臣の所信のあいさつにおきまして、今後とも、国民が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築、こういうことが一貫した目標のもとで、制度全般にわたり不断の見直しを行う、こういう御発言がございました。 社会保障制度のあり方につきましては、これまでもさまざまな議論があったわけでございますが、国民が安心して暮らすことができる、すなわち必要が生じたときには必要な給付を受け取ることができる、こういう安心感を示すことが最も重要ではないのかなというふうに感じておるわけでございます。 一昨年からことしまでの年金、介護、医療の各社会保険制度の見直しによりまして、社会保障の需要の抑制に向けた介護予防や疾病予防への重点化等が図られまして、持続可能で安定的な制度となった、こういう評価もあるわけでございます。 ただ、国民からは依然として、社会保障、年金制度に対する不信ですとか将来への不安というものを抱く、こういう声が聞こえておるわけでございます。将来に向けて安心できる社会保障制度の構築を目指して制度の改革を推し進めていく、こういうことのために最も必要なことは大臣のリーダーシップである、こういうふうに感じております。 これまでの、不信ですとか不安をぬぐえない、小泉内閣においてこういう不安をつくってしまったわけなんですが、社会保障制度改革、これをそのまま踏襲されるおつもりなのか。そして、国民が安心して暮らすことができる制度改革に方向転換をされるのか。社会保障制度の役割や財源のあり方などについて、大臣のビジョンをお伺いしたいというふうに思います。
○柳澤国務大臣 社会保障制度が、総理の言葉を使って言わせていただきますと、人生におけるリスクに対するセーフティーネット、こういうことで国民の大きな期待を差し向けられているということは、お互いよく承知をしているところでございます。 ところが、その社会保障制度が今何が不安かといえば、結局借金で支えられているというところがやはり基本的な不安の材料だろうと思うわけですね。そうすると、しっかりした財源で支えられていないわけですから、いつかまた何か社会保障制度を改革されて、今度は自分が受益者になるときに十分な受益ができないんじゃないか、こういう思いが常にあるんだろうと思います。ですから、早く社会保障制度に対して安定的な財源で裏打ちをするという時代を招来していくということが一番大事だろうと思います。 ただ、その場合に、現状のままで負担だけを国民にまた新たに求めていくということになると、これは非常に問題がある。問題があるというので、今、ここ三年ばかり、非常に集中的な改革が行われてきた。 しかも、今先生の御指摘のように、医療の予防とかあるいは介護の予防というようなことにとどまらず、今まではどちらかというと、年金、医療、介護というのが分立して、相互不可侵みたいになっておりました。これは、役所の組織がそれぞれ、年金局、老健局、それからまた保険局というふうに分かれていて、相互に不可侵だから、人のところからの攻め込みには絶対抵抗するぞみたいな縦割りの行政の組織が裏打ちになっているんじゃないか等々が言われてきたわけですが、ようやくここに来まして、私は、この三カ年にわたる改革の中で、やはりその三つの基本と社会保障制度がいわば一体的にとらえられて、無駄な重複なぞはないようにしようというようなことで心がけられた、そういう改革が行われてきた、このように思います。 したがいまして、これからどうするかということになりますと、今ここまで来ましたので、さらに何かまだ我々が見落とししているところはないか、それからまた、今のその統合をかなり入れ込んだところで、かえってまた不都合になったところはないか、そういうようなことで、もう一度、かなり入り組んで一体的な改革が行われたところで、さらに長所、短所を見て、我々が改革すべきところは改革していくということが一方になければいけない。そういうふうなことが国民の納得が得られる形で行われた後に、裏打ちとしての財源の手当てをしていくというようなことで改革が進んでいくということが大事ではないか、このように思っております。
○糸川委員 ありがとうございます。 我が国では、社会保障制度の最後のとりでというような形で生活保護という制度もあるわけでございます。健康で文化的な最低限の生活を保障するということでございます。生活保護に頼ることのないように年金制度があるわけですね。しかし、現行の国民年金制度において、単身世帯では生活保護を下回るわけでございます。生活保護を受給する高齢者の単身世帯が現在は増加していっている、こういう状況にあるわけでございます。 長生きしたら生活保護以下の水準しか給付されない年金制度では、私たち若い世代から、参加する意欲がわかない、こういう意見が出されることも理解はできるのかなというふうに思います。長年苦労して保険料を払い続けるのであれば、老後には人間らしい生活を送る、こういうことが保障されていくべきであると考えておるわけですが、この点につきまして、厚生労働大臣としてのお考えをお伺いしたいんですが。
○柳澤国務大臣 今糸川先生から生活保障費と国民年金の金額の比較のお話をいただいたわけでございますが、生活保障費というのは、本当に生活保護の対象者に一律に渡されるものではありません。これはもう先生つとに御承知のとおりでございます。したがって、そちらの方は、生活保護世帯というのは一律にこういうものが与えられるんだというような前提での議論は、やはりここは適当でないと我々は考えております。 他方、国民年金なんですけれども、国民年金の当初の構想というのは、やはり自営業者、つまり雇い主のない人たち、これが基本の考え方でありまして、この方々を対象にするというものであります。したがって、そういう雇い主のない、親方の自営業者というのは、事業をやっている限り、自営と称するぐらいですから、やはりそれなりに元手というか資本の部分も当然持っているという前提で考えられているわけです。 ところが、今、国民年金の実際の加入者を見ると、そうした当初考えた自営業者の比率は非常に少なくなって、雇われていながら、つまり被雇用者でありながら実は国民年金にしか入れないというような方、あるいは無業者の方もいる。そういうような方に対して、今言った自営業者を前提とした国民年金はどうかというお話なんですが、我々としては、ここに、雇われていながら実は国民年金にしか入れないという状況、この状況が本当に是正されなくていいものなのかというような問題の立て方をして、今この問題についてどう取り組むかということを苦心しているということで御理解をいただきたいと思います。
○糸川委員 実際、国民年金というのは自営業者を対象としているものだ、自営業者は元手があるんだ、でも、実際には元手がだんだんなくなってきている人たちの方が多くて。 そこで、ちょっと大臣に、これは通告していないんですが、参考までにお聞かせいただきたいんですけれども、国民が人間らしい生活を送るために必要な一カ月にかかる費用、これはどの程度だというふうにお考えなのか、お答えいただけますか。大臣の感覚でいいですから。
○柳澤国務大臣 昔は、所得税の課税最低限あるいは基礎控除というものの金額を決めるときに、マーケットに行きまして、かごを持ちまして、これはかなりフィクションですけれども、一カ月あるいは一年に必要な品物を買った。そして、それを積算して幾々ら最低生活費がかかるから、したがってここには税金をかけてはいけないということで、マーケットバスケット方式で基礎控除というものを出しました。 今、生活保護の人たちについても同じようなマーケットバスケット方式なぞがやられているかというと、やられていないんです。それは、戦後、昭和二十年代でそういうことが行われまして、後は経済の伸びに応じてこれを伸ばしていくという手法をとりましたので、そういうマーケットバスケット方式による最低生活費の世界からかなり離れているということでございます。 ですから、糸川先生に申し上げますけれども、最低生活費が幾らかというようなことはどちらを指しておっしゃっているんだということが、私のにわかに答えられない理由であります。
○糸川委員 大臣の感覚で大体、例えば十五万とか十七万ぐらい必要なんじゃないかなというところを伺いたかったわけで、別にシステム自体がどうだとかこうだとかということではなくて、できれば感覚的に、私はもともとファイナンシャルプランナーでして、大体一世帯二十万ぐらい用意をされた方がいい、そのときに、年金で受け取ると、年金の受給が国民年金しかない場合、大体一カ月七万円ぐらい自分で持ち出していかなきゃいけない、そのためには一千六百万ぐらいの貯蓄がないと苦しいよというアドバイスをしてきたわけです。だから、そういうところでの感覚がどうかなとちょっと思ったわけでございまして、大変失礼いたしました。 将来の社会保障制度のあり方、こういうものは将来の社会の姿と関連してくるわけでございます。我が国では、少子高齢化の進展によって既に減少社会に突入しておるわけでございます。政府においても少子化社会においてさまざまな対応策が提案されておるわけでございます。その取り組みは理解するところでございますけれども、実際、どのような社会を目指して少子化対策に取り組むのか、はっきりとわからない。 前厚生労働大臣は、年金制度の持続性を念頭に置いて、合計特殊出生率の目標というものを一・三九だ、こういうふうに掲げられたわけでございます。実際、これで老後は安心できる年金制度を持続していくことができるのか、その辺についてお伺いしたい。 その一方で、出生率が一・三九を下回ることが見込まれているのではないか。そういう中で、将来あるべき姿を考えて少子化対策を進めていくならば、具体的な出生率の目標値を定めることも重要でありますし、前大臣が提案した数値というのが将来推計人口における出生率の見通しである、実際単なる予測値でありますが、政府として、理念を持った明確な出生率ですとか人口構成、この目標を掲げて、あるべき社会の姿というものを示すべきではないのかなというふうに考えておりますが、この点につきまして大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○柳澤国務大臣 出生率について、御承知のとおり、今の年金を維持できるのは二〇五〇年の出生率が一・三九、こういうかなり遠い将来のことですけれども、一応そういうものを掲げた計算が行われているということです。前の川崎二郎厚生大臣はそのあたりをめどにして、目標という言葉を使われたかどうかは存じませんけれども、そういうところを目標にして、いわば環境整備をしていったらどうかということを提唱されたのではないかと思います。 出生率を目標とするというふうな物の言い方をしますと、とかく、極端な場合、夫婦の中にまで入っていろいろなことを言い出すとか、あるいは家庭の中にまで入って干渉めかしいことを言うとかということが正直言って懸念されるわけです。やはり、我々の社会は自由な社会ですから、それぞれの人間がそれぞれ自分の選択に従って自由な意思でもっていろいろな行動をとるということが前提でございます。したがって、出生率のような微妙な問題について目標ということを言うのが正しいのかどうかというちゅうちょがあるわけであります。 しかし、これは、やはり環境整備、いろいろなことを今少子化対策でもやっていますけれども、それはすべて、環境を整備する。例えば、経済成長をすると結婚が多くなって、結婚が多くなれば子供が多くなるよということで、やはり子供がたくさん生まれるためには経済成長が必要なんだとか、そういったようなことなんです。そういうことで、環境を整備していくというときに念頭にある出生率は幾らかという程度の、何というか、目標というか、適当な言葉は今思い浮かびませんけれども、そういうことを考えてやるということは必要だし、今の年金の計算の基礎になっている数字も多分そんなところがいわば念頭にあって行われているんじゃないか、このように考えます。
○糸川委員 ありがとうございました。ぜひしっかりとした数値を出していただいて、国民が不安に思わないような社会を築いていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○櫻田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会