法務委員会 第17号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/05/16
会議録
○委員長(弘友和夫君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省入国管理局長三浦正晴君、外務省経済局長石川薫君及び外務省領事局長谷崎泰明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(弘友和夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(弘友和夫君) 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松岡徹君 おはようございます。民主党の松岡徹でございます。 先週に引き続きまして御質問をさせていただきたいと思います。先週質問を予定しておりましたものが積み残っておりまして、今日そこを中心に質問をしていきたいと思います。 まず最初に、前回もちょこっと触れましたが、いわゆる指紋等の生体情報の保有期間といいますか、その期間なんです。河野副大臣は大体七十年から八十年というふうにおっしゃっていましたけれども、改めてその根拠といいますか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
○副大臣(河野太郎君) 七十年から八十年というのは、理論的に最大それぐらいになる可能性があるということでございます。 複数のパスポートを使って複数の身分を偽って入国をしている外国人がいるわけでございます。そういう人間を発見をして、まあ中には正当に複数のパスポートを持っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、そうでない理由で複数のパスポートで出入りをする人間がいるわけでございまして、そういう人間を入管の水際で少なくとも判別するためには、その人が過去どの名義で入ってきたか、どういうパスポートで入ってきたかということを調べなければならないわけであります。 そのための手段として、一度入ってきた方の指紋を取っておいて、次に別なパスポートで入ってきたときにその指紋で名寄せをすると、同じパスポートで入ってくればこれは問題ございませんが、一つの指紋で名寄せをした結果、いろんなパスポートで出入りをしているということになれば、それはおかしいということになるんだろうと思います。そういうためには、一度入ってこられた方が出国してすぐ指紋を消してしまえば、次に別なパスポートで入ってきてもこれを判別する手段がございませんので、そういうことを考えると、一定の期間、指紋情報を保有していなければならないわけであります。 どれぐらい保有をするかというのは運用を始めてからいろいろと研究をして決めたいと思っておりますが、十六歳以上の方から指紋をいただくということを考え、また今の人間の平均寿命を考えると、最大で七、八十年以上持つ必要はないだろうと、そういうことでございます。
○松岡徹君 今副大臣答弁をしていただきましたように、その根拠というのが非常に脆弱といいますか、あいまいなんですね。 今日の新聞でも載っておりましたけれども、元入管局長が批判しているんですね。この批判の内容はどういうことかといいますと、要するに真のテロ対策にはなっていないと。水際でそれを未然防止すると言っているけれども、そういうふうにはなっていないと。それは、日本にはテロリストの指紋情報がほとんどない、どのように照合するのかと。 元々おっしゃっていましたように、テロ対策、そして不法入国を防止することに資するというふうにおっしゃっていましたけれども、テロ対策とすれば、テロの定義はあいまいで、しかもテロリストと言われている人の情報が非常に、どこまでなのかということも未然に、つかんでいない。それで果たして本当にテロ対策になるのかどうかという点がありました。 そして同時に、不法入国をどういうふうに防止するのかといったときに、犯罪者と言われている人たちの情報が、それ自身も非常に整っていないという状況で、年間七百万人を超える日本に訪れる外国人のすべての情報を取って照合するということが、果たして本当にそれが費用対効果から見ても適切な方法なのかということを考えると、私は大きな疑問がありますし、元入管局長の批判は正しいというふうに思っています。 そして、リピーターといいますか、再度入るといった場合、我々自身は少なくとも百歩譲って、テロの情報を入管局が保持していて、あるいは犯罪者とか過去の退去強制者の情報を保持していて、その対象者になるということについて入国のときにチェックをする。そして、そのチェックから外れて全くそれには該当しないという人たちについては、少なくとも出国の時点ですべて消すべきである、消去すべきであるというふうに思うんですね。しかし、それでも七十年から八十年、長くて、保有する必要があるといったときに、また再度それを偽造して来るかどうかという基礎データがない。そして保有された多くの、圧倒的に多くの海外の人たちは犯罪予備軍というように見てしまうというか見られてしまうというふうな意識を持つんじゃないんですか。河野副大臣、どう思われます。
○副大臣(河野太郎君) 全くそういうことはないと思います。 今、飛行機に乗ることを考えていただければ、前回も同じことを申し上げましたが、きちっとチェックをして、確かに手間は掛かるけれども、きちっとチェックをしてもらった方が飛行機には今乗りやすいという状況になっております。しっかりと水際で安全を確認する国というのは、そこへ旅行をしても、観光目的で旅行をしても安全であるということになるわけであります。私の事務所の人間もバリ島へ行くことになっていて、どうしようか出発直前までためらっておりましたが、危ないところにはやはり行きたくないというのが人間の感情として当然あると思います。 むしろ、入ってきている方の安全を日本はちゃんと守っているんだ、日本は不法の入国の人は入れてませんと、入ってきている外国の人はみんな正しく入ってこられた方です、そういう国になる方が外国人との共生社会につながると思いますし、安全確保という観点からも、日本はむしろ、世界じゅうの方がどこへ行こうかと、観光に行こうかと考えたときに、来やすい国になると思っております。
○松岡徹君 今先ほど副大臣おっしゃったように、例えば自分のところの事務所の人間が海外へ行くときに、危険なところには行きたくないというのがありますね。むしろそういうふうに取れば安心だというふうに、そういう心理が働くんではないかということは、まあそれは一般的な心理はそのとおりだと思うんです。 だから、今回の改正のときに、少なくとも、例えば自分たちが、採取された情報がどのように使われるかという利用目的とか、それがどのように保管されてどのように利用されるかということを、利用目的をちゃんと決めて、そしてその利用目的以外のことには使わないというようなことを本人に説明するからこそ安心して行くんですね。また、安心できる国だということになるんです。 だから、前回のときにも私は質問をさせていただきました。利用目的をしっかりと特定すべきだし、その利用目的を、あるいは管理目的をちゃんと本人に明示するということがなかったら、それがどういうふうに使われているのかということが非常に不安になりますね。そういう意味では、私は、この保有期間の問題もそうですが、さきに申し上げましたけれども、アメリカのUS―VISITが導入されるときに、日本政府はアメリカの意見交換の中で、アメリカに対して、日本人がアメリカに入国して出国する段階で日本人の指紋を消去してほしいという要望をしているんではないんですかというふうに言ったら、河野副大臣は全くそれはありませんとおっしゃいました。 しかし、私もその後いろいろ資料を手に入れましたら、二〇〇四年の六月八日付けの日米間の規制改革及び競争政策イニシアティブに関する日米両首脳への第三回報告書というのがあります。その中の四十一ページに入国地点における生体情報の取得というのがありまして、そのa、米国政府は新しい生体情報要件によって取得された日本国民の情報の保護に関する日本国政府の懸念を理解すると書いてある。要するに、指紋、生体情報の取得なんです。その後、個人情報は当該個人が米国を出国する時点で消去されるべきであるという日本国政府の立場も十分理解すると書いてある。 こういうアメリカからの報告書は、正式な文書ですよ、これ、日米両首脳への第三回報告書なんですよ。その中の文章としてそうなっている。こういう報告書があるということは、当然日本政府はそういう要請をしているからこそこういう報告書があるんでしょう。それを一切やってないという。私は、河野副大臣がやったんですかとか法務省がやったんですかとか聞いていない、日本国政府です。そういうふうに思うんです。これ、今日外務省来ていただいていますけれども、その真意は、ちょっと聞かしていただけます。
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきました日米規制改革イニシアティブにおきまして、日本側から対米要望におきまして、これまで、一つはUS―VISITプログラムによって取得された個人情報を厳格に管理すること、それから個人情報保護のために米国政府が講じている一連の措置を明らかにすること等を要望してきておりました。 他方、ただいま御指摘をいただきました出国時の生体情報の消去については、米国側に正式な要望を行ってはございません。ただ、御指摘いただきました記載によりますと、我が国の要望事項を踏まえた米国政府とのやり取りの中で、米国政府による生体情報管理の厳格化の具体策の一案として、日本側から出国時の情報の消去について言及があったのではないかと、かように思われる次第でございます。
○松岡徹君 私、昨日の質問取りのところで外務省の方も法務省も来られまして、私、このいろんな文書を入手して、自分なりに外務省のホームページも開いてやったんです。やっぱり私は、外務省なり、この外務省の平成十六年二月の、US―VISITプログラムに関する米国国土安全保障省暫定最終規則案に対する日本政府のコメントというのがあるんですね。その中に、いろいろ各論があるんですが、その各論の一つに、日本側として、採取される側に立てば、指紋採取を極めて侵犯的な行為と受け取る人間が少なからずいることを指摘するとともに、その点につき国土安全保障省として十分留意するよう努めるとか、いろいろ規則とかのところに意見を述べているんです。その中にあったかもしれない。 ところが、その結果としてこういう日米両首脳の第三回報告書にこういうふうに出ているとすれば、当然しっかり米国政府はその日本側の指摘を受け止めているということなんです。十分理解すると書いてあるんですよ。私はそのときのそれについてどうなんですかと言ったら、質問取りの担当者は、それ以上は答えられませんとか言うんです。私はあなたに答えてほしいということで事前に質問取りやったんちゃう、帰れと、議員の質問権を侵害する気かと、これ以上は答えられません、大臣でも答えられません、これ以上の答えは私はできません、ふざけるなと。こんなことを法務省はやらしているんですか、質問取りで、大臣。事前に私にこれ以上は答えられませんというようなことをやらしているんですか。大臣に聞かしていただきたい。
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。 昨日、手前どもの担当の者が御質問をいただきに上がりましたときに失礼があった段、実は担当者から私も報告をいただいております。そのような、もとより質問権等についての指示を出しているということはもちろんございませんけれども、しかし、指導不行き届きによってそのようなことが、会話が、やり取りが行われてしまったと、心からおわび申し上げたいと存じます。
○松岡徹君 そんなこと聞いているんじゃない。 大臣、どう思います。当然法務省の職員も来られて、一緒になって聞いておるし、そういう相づちを打っておるんです。そういうふうにせいという指示はされたんですか。
○国務大臣(杉浦正健君) もちろん、そんな指示はいたしておりません。
○松岡徹君 こんなことがあってはならぬと私は思うんですね。私は素直に、こういう文書がありますから、これはどういうふうに理解すればいいんかということなんです。
○国務大臣(杉浦正健君) その点につきましては、衆議院の委員会でも長時間にわたって御質問が集中をして何度もやり取りあったんですが、石川局長が申したような答弁が外務省の方からあったわけなんです。 で、これは外交交渉ですから、外務省中心になってやっておりますから。ただ、この報告書は、先生御指摘の、アメリカ側でまとめたものでございまして、日本が作ったものではございませんので、その真意を完全に把握、日本側として把握することはできない。外務省の交渉担当者がそういうことをおっしゃっているとすれば、そうであろうということだろうというふうには思います。
○松岡徹君 大臣、当然衆議院の議論も私も記録を見て知っていますし、しかしその中で、先ほど言ったようにこの日米両首脳への報告書もありますけども、その以前に外務省がUS―VISIT導入するに際しての日本側の意見という形で文章で出ているんですね。それがこの報告書以前の、報告書も含めてそうですけども、日本政府のコメントで平成十六年十一月一日付けとかあるいはその前の十六年二月四日付けとか、それぞれUS―VISITに関する日本政府のコメントという形で懸念を述べているんですね。その中で当然のように管理のことがずっと幾つかあるんです。 ところが、河野副大臣が前回の私の質問に対して、もう全くありませんとおっしゃいました。じゃ、全くないというのはこれは答弁はおかしいんではないですか、今外務省のことも含めてやると。どう思われますか。
○副大臣(河野太郎君) 日本側の政府としての要望は、外務省から法務省にも照会がございますし、法務省はそれに対して合意をしておりますが、御指摘のような点については全く要望の中に入っておりません。これは法務省も確認していることでございます。
○松岡徹君 いや、じゃちょっと、そんならどういうふうにこれは理解したらよろしいですか。今言うたように、政府に、アメリカからの報告書の文章で、今も申し上げましたけども、個人情報は当該個人がアメリカを出国する時点で消去されるべきであるという日本側の、日本国政府の立場も十分理解すると答えているんです。それ以前にも日本政府は様々な形で要望を出しているし、外務省の先ほどの答弁であれば、事務的なことも含めてそういった議論がされたはずだと、されたんではないかということが推測されるということなんです。全くしてないということはどういうことですか。正式な要望をしたかどうかでは、別に、このアメリカ側の報告書はどういうふうに理解すればいいんですか。
○副大臣(河野太郎君) アメリカ側の報告書は日本政府の同意を得て書いているわけではございませんので、アメリカ側がどういう意図で書いたかという正確なところは知るすべもございませんが、日本政府がアメリカ政府に対して要求をしたのは、取得した個人情報を的確に管理をしてくれということでございます。指紋を出国時に消去せよといったような要求を日本政府として出したことはございません。
○松岡徹君 ちょっと、九月の総裁選挙に立候補されるという方が、ちょっと失望しましたけども、もうちょっと、河野副大臣はその時点でこんなのは余り知識としては知らなかったかもしれませんけれども、私たちもこういった情報は余り知らなかったものですから、河野大臣がそこまで断定的におっしゃるんですから、ああそうかなと思いましたけれども。しかし、こういうことが出てくると、確かに日本政府と合意の上で報告書なんか書きませんよ。少なくともアメリカ政府は、日本の意向を、これまでのやり取りの話を聞いた上で、その件については理解できるという、まで書いてあるんですよ。少なくともやり取りの中でそんなことが俎上に上ったというふうに私は憶測するんです。それが日米で合意したかどうかということを聞いていないんです。だから、少なくともそんなやり取りがあったというふうに思うんですけども、どうです。
○国務大臣(杉浦正健君) 法務省の立場は、外務省が交渉するのに対してこういうことを政府として提案したい、関連官庁として意見を求められたのに対して、異存はないとお答えしております。お答えした内容について、ここにアメリカが書いておるような内容はなかったと、厳格に管理してほしいという趣旨の政府提案をするについて法務省としては異存はないという回答を申し上げているわけで、あとはですから外務省が交渉する中でどういうやり取りがあったか、そこまでは私ども存じ上げる立場じゃございません。 先ほど石川局長がおっしゃったように、話合いの中で出た可能性があるようなことを衆議院の法務委員会でも答弁がございましたが、そのやり取りの一部をアメリカが記載したのではないかと、推測、推測です、する以外に確認のしようがないと、正直言って、そういうところでございます。
○松岡徹君 そうしたら、私はこう理解するんですよ。外務省が正しくそんな議論の事前のやり取りを法務省に伝えなかった、そしてあいまいな情報の下で法務省はこの法案を考えたということになるんじゃないですか。外務省はちゃんと伝えたんですか。
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。 この日米規制改革イニシアティブにおける要望に関しましては、様々な協議の場があったのではないかとただいま大臣からも御答弁ございましたが、この会合のほかに、通常業務の一環として、アメリカにございます我が方の大使館や東京にございますアメリカ大使館を通じました公式、非公式の意見交換等、様々なやり取りが行われております。大変恐縮でございますが、私どもといたしましては、そういう場において先ほどのような話が出たのではないかと、かように思われる次第でございます。 要望書につきましては、もとより各省に合い議を図らしていただいていると、こういう状況でございます。
○松岡徹君 そうしたら、外務省は、そういった要するに保有期間とかいうことも含めてどんな議論がされたのか。公式、非公式も含めてあったでしょう。そのことは私たちは否定するわけではありません。しかし、この今回の法案改正の大事な論点の一つである生体情報の管理、保有の問題のところでどんな議論がされたのか、当然我々もそれが大事な点だと思って質問をしているんです。七十年、八十年保管する、この根拠は何なのか。当然、そのやり取りの中でこんな議論があれば、日本はその時点で、やはり犯罪該当者に当たらなかった人たちについては出国の時点で消去すべきだという考え方に立ったと、あるいはそういった考え方もあったということです。そのやり取りがアメリカとのUS―VISITのシステム導入に関して日米両政府でいろんな公式、非公式の中でも議論の論点の一つに挙がっていると。そのことが正しく法務省に伝えてなかったと。その正しくない不十分な情報で法務省は法案作成に掛かったということですか。それなら、もとよりこの法案は非常にあいまいな、不十分な情報に基づく法案改正になっているということを証明することになるんじゃないですか。
○副大臣(河野太郎君) 政府の立場はあくまでも厳格に情報を管理せよということでありまして、そこからずれてはおりません。交渉の場でだれが何を言ったか知りませんが、政府の立場としては一遍も変わったことはございません。
○松岡徹君 そんな無責任な答弁がありますか。そんな無責任な答弁、それなら何のための日米両政府の、事前のそういう事務方の、あるいは政府の事務方の協議なんですか。何の調整なんですか。そこのやり取り、問題点をしっかりと日本政府は受け止めて、日本政府が言うべきことは言うて、そこでの結論とかどういう経過になったのかということを、初めてですよ、初めて日本政府としては受け止めるべきじゃないんですか。 そんな河野副大臣の答弁、それは無責任じゃないですか。改めておっしゃってください。
○副大臣(河野太郎君) 日本政府の取得した個人情報に関する立場は、あくまでもそれを厳格に管理をするようにアメリカ政府に求めたわけであります。我々が日本国内で同じようなことを行う場合には我々としても厳格に個人情報を管理する、この政府の立場は一遍も揺るいだことはございません。
○松岡徹君 私は、アメリカがUS―VISITを導入したときに、ブラジルで、アメリカ人がブラジルに入国したときに取られたと、それも極めて報復的にね。ブラジルの人がアメリカへ、要するにアメリカへ海外の人が行くときは取られるんです。そうしたらブラジルの政府は、逆に、そんなブラジル人を犯罪者のように扱うというか見られるというのが嫌で、どうかは知りませんよ、逆に今度はアメリカ人がブラジルに入るときアメリカ人の指紋を取ったということがあったと。 これ、やっぱり私は河野大臣、保管、管理を正しく適切にやるということは大事なことだと思う。センシティブな情報でありますからね。だからこそ保有期間も含めて、あるいは利用目的も含めてしっかりとしなくてはならない。 その論点の一つに、やはりなぜ犯罪対象者、対象外になった人はなぜ指紋消去しないのかという議論がまだこれできてないです。河野副大臣がリピーターとか、がありますけど、そういうふうに言ってしまうと、今現在入国の段階で、出国の段階で犯罪該当者に当たっていないとしても、七十年も八十年も保管すると、この人たちはこれから犯罪を犯す可能性があるというふうに見るんですね。すなわち、日本の国に入ってくる人たちはすべて犯罪予備群として日本政府は見てしまうことになってしまうんです。それが一つの心理的に危惧する点だということは事前に日本政府はUS―VISITのところでもアメリカ政府に意見として述べているし、あるいはパブリックコメントでもそういう声が上がってきているということは聞いています。その不安に対してどうこたえるのかということは、当然、この関係を整備するときには説明しなくてはならないし、明らかにしていかなくてはならないと思うんですね。 だから、利用目的をはっきりするべきだし、それ以外のことには使わないということを本人に明示していくとか説明するという方法を用いるべきではないですかということを前回ずっと質問してきたんですね。 ですから、この問題でずうっと時間を取るわけにいきませんが、私はそういう思いがありまして、七十年も八十年も保管するということについては非常におかしな点があるということを一つは指摘しておきたいというふうに思います。 同時に、日本政府とアメリカ政府との間でやり取りされたことは極めて健全な問題意識で議論されてきているというふうに私は思います。決して秘密で不正なことをやっているんではないかというようなことを言っているんじゃないんです。この事前のやり取りは非常に健全な問題意識で議論をやり取りされたはずですから、問題はそれの処理をどうしたのかということを私たちは聞きたいんです。それが残念ながら答えていただきませんでしたけれども、次に行きたいと思います。 この制度で問題になっておりましたアクセンチュアという会社が、これにかかわる業務の関係するところを入札をしています。そこで、平成十六年三月二十日の改定版の情報システムに係る政府調達制度の見直し、そして、同じく十一月十二日改定の業務・システム最適化計画策定指針、いわゆるガイドラインの中の留意事項の規定、そういうことからすると、実はアクセンチュアが取得した、これまでに入札したといいますか、事業のところで、平成十六年に五千八百八十万で随意契約によって出入国管理システム刷新に係る調査分析業務というのを請け負っておる。そして、十七年度に出入国管理業務及び外国人登録証明書調整業務の業務・システム最適化計画策定業務というのを九千四百三十二万円で随意契約によりアクセンチュアが入札しているんですね。 先ほど言いましたように、平成十六年三月二十日と十一月十二日、それぞれ改定版のガイドラインやあるいは見直しについてのその留意事項とか入札に関するところでいきますと、なぜ競争入札にしなかったのか、なぜ随意契約なのか、この辺についてはどうなっていますか。
○副大臣(河野太郎君) 平成十六年度の刷新可能性調査のことだと思いますが、これは三社で企画コンペをしてレガシーシステムをどのように改革をしていくかという企画コンペの上でアクセンチュアに発注をしたということであります。
○松岡徹君 それではちょっと不十分なんですね。要するに、情報システムに係る政府調達制度の見直しというのがありまして、そこにはライフサイクルコストベースによる価格評価というのがありまして、それに基づく一般競争入札を行うこととか、そういうふうに政府調達府省連絡会議了承の下での文書があるんです。それからすると、なぜ随意契約になったのか。
○副大臣(河野太郎君) 平成十六年の刷新可能性調査でございますが、これはレガシーシステムをどのように改革をしていくか。御指摘ありましたように、政府がこれまで調達してきたコンピューターシステムというのは、ある面、そのベンダーから離れられないようなシステムになってしまった。ソフトウエアが変更できないようなものであったことが多々ございましたので、法務省のシステムにおいてもこのレガシーシステムからいかに脱却するかということが課題であったわけでございます。 この平成十六年度に行いました刷新可能性調査というのは、いかにレガシーから新しいオープンシステムに移行するかという調査研究でございます。調査研究でございますので一般競争入札の縛りはございませんが、その中でも三社に企画を出していただいて、コンペの結果、アクセンチュアに発注することになったわけでございます。
○松岡徹君 レガシーシステムとか、そのことを言ってるんじゃないんですね。なぜアクセンチュアが随意契約でこの事業を契約になったのか、本来ならば一般競争入札にすべきではないですかということを言ってるんです。その根拠に、先ほど言いましたように、それぞれの改定版、平成十六年三月三十日の情報システムに係る政府調達制度の見直しについての事項でありますとか、そういったことからすると、随意契約ではなく入札という方法でやるべきではないですかということなんですが。
○副大臣(河野太郎君) 情報システムそのものの調達ということでありますと、おっしゃるとおり、一般競争入札にしなければいけないわけでございますが、この平成十六年に行いましたのは、どうやって今のレガシーシステムから新しいシステムに移行をするかという調査研究でございまして、機械を調達するというものではございません。その調査研究でございますから、これは一般競争入札の縛りはないわけでございますが、その中でも三社にどういう調査にするのかという企画を提出させて、そのコンペの結果、アクセンチュアが優れているということで発注をしたわけでございます。
○松岡徹君 その後に、アクセンチュアが平成十七年の九月に十万円でこれまた事業を入札しています。そのときの、政府が、十万円は適切かどうかという問題があります。この問題では、それぞれいろいろな、公取も含めて過去に、特にこの情報にかかわる事業について低価格競争という、低価格で落とすところが結構あるんですね。要するに、情報技術の独占というのがありまして、特に情報システムに関しては国内大手の四社がITゼネコンと言われて、それぞれ公取からもいろいろ注意をされている。不正な低価格競争という、低価格で入札することが公正取引委員会から指摘を受けているということがあるんです。 そういう意味でいうと、アクセンチュアが十万円という低価格で落札したこの事業は適正かどうかということは、当然、衆議院の法務委員会でも議論ありました。そのときに、法務省の方は、今回の公正であるという理由に、その契約業者、アクセンチュアですね、十万円で本当にこれは仕事ができるのかというのを点検して、履行の可否を決めるときに、この契約業者は、①、海外機関での生体情報認証技術を利用したシステムの設計、開発、プロジェクト管理を行った際の成果及びノウハウを活用し、そして必要な最小限のカスタマイズで作業を履行することが可能なことと書いてあるんですね。すなわち、アクセンチュアは、日本がやるべき事業についてはもうノウハウをみんな知っている、それは海外の機関でそういう情報の仕事をやっているんだと、だから、もうノウハウ持っているから、改めてゼロからではないですから十分行けるという理由なんです。 その海外の機関というのはどこかといえばアメリカだと。それはアメリカしかやってないからですね。いうところのUS―VISITなんです。これを実は、アクセンチュアは十年間で一兆円という額でこの仕事を請け負っている。このアクセンチュアが、実はこの日本の仕事を十万円で落札している。そして、その十万円は適正かというたら、日本政府は海外機関でのそういうノウハウをもう既に持っている会社だから十万円で行けるだろうと言っています。 これはまだ本体事業ではありません、調査段階の仕事ばかりでありますからね、そうなんです。今までの随意契約、そして十万円の落札、これが本当に正しいのかどうかというふうに思うんです。これ正しいと思われます。
○副大臣(河野太郎君) アクセンチュアの入札は確かに低価格入札でございますので、法務省といたしましてもそれが適正なのかどうかという調査を行っております。その結果、調達制度の見直しの趣旨にのっとり定めたガイドラインに基づいて、低入札価格調査制度の活用、その調査結果等の公表等を行っておりますが、適正であるというふうに判断をしてございます。 ちなみに、アクセンチュアが落札した価格は十万円でございますが、その次に低い入札価格が三十九万八千円ということでございます。これは次世代出入国に関するプロトタイプシステムに関することでございますので、これについては、日本のこういうことを請け負っているよということが対外的にいろいろ営業活動をする際にも役に立つ、そういう判断をされた企業が、一千万円という低価格にもかかわらず、かなり安い価格でこれを取りたいという姿勢で入札に臨んでいることは事実だと思います。
○松岡徹君 この辺の危険性を言うておきますけれども、過去にも、例えば電子納税申告システムについてNTTデータがこれは入札したんです。そのとき、当初の初年度の予算、実験事業は、予算は五億五千万です。それをNTTデータは一万円で落札している。一万円で。それ以後はずっと上がって、その後にはこの開発が基で六十一億を落札する、四回目のリースで二億七千万。このようなことがほかにもあるんですよ。アクセンチュアもそういうような傾向になっているんじゃないですかと、そういう危険性はないですかという思いで質問をしているんです。まあ、もう時間もありませんので、その辺の疑問を指摘をしておきたいというふうに思います。 同時に、アクセンチュアというのはアメリカのUS―VISITを請け負っている会社であります。私たちの、国内の、日本の国民の生命、安全を守るセンシティブな情報でありますから、そのためのシステムでありますから、その情報を海外の企業にゆだねていいのか。まだ本体事業はアクセンチュアへ行っているわけじゃないですよ、ゆだねてしまうということがいいのかどうかということが私は大変心配なんですね。 それは当然アメリカでも、アクセンチュアがその契約を受けるときにアメリカの連邦議会でも議論になっています。なぜなら、アクセンチュアはバミューダというところに本社を置いているんですね。要するに、脱税ではないけれども、法人税掛からないところですから、支店だけをアメリカに置いている。それが十年間で一兆円の金をやっている。しかも、やる仕事というのはそれぞれの、アメリカの国民の生体情報とか、海外のセンシティブ情報を扱うところなんです。 これ、もしデータが流出するとか、万々万が一にも流出すればどうなるのかということを考えると、そういった海外企業にこのような大事な仕事というか内容を本当に落札していいのかどうかということが議論になっているんです。日本も私はそういう心配が当然あると思います。アクセンチュアは、今でもバミューダに本社を置く会社ですよ。海外企業に私たちの国民の大事なセンシティブな情報、生体情報を預けて管理させて本当にいいのかどうか、それで責任ある日本の法務省としての態度と言えるのかどうか。ただ、今アクセンチュアが本体を請けたわけではないですから、そこまでは言えないと思います。思いますけれども、その辺の状況はありますから、心配だから、この十万円という低価格の入札はどうも、どうなんですかという気がするということを指摘だけしておきたい。 そして、最後にだけちょっと答えていただきたいんですが、この間の参考人の意見でもありましたけれども、日本はこういったやり方をする場合、センシティブ情報が流出した場合、安全のために管理をきちっとすると言っていますけれども、しかし、きちっとすると言っても、情報技術というのはこれからますますどういうふうに発展していくか分かりません。そういう意味では、流出した場合のリスク評価、あるいは影響評価というのはされているのかどうか、する気があるのかどうかということを聞かせていただきたいのと、同時に、この情報を海外にも提供する、あるいは外国にも提供するということがあります。私は、その提供する場合の範囲とか、あるいはその情報が、提供する場合に、少なくともこういうふうに使ってはならないとか、あるいはここまでだとかいうような国内の提出する際の法整備といいますか、そういう制度整備というものをしようとされているのか、考えておられるのか、それを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃるとおり、外国人入国者からちょうだいする個人識別情報は大変重要な個人情報でございますから、当然のことながら、その悪用ですとか外部漏えいを防止するために万全の措置をとらなきゃいけないということは当然でございます。 具体的には、民間セクターで導入されている情報管理システムを参考にしながら、電子データの暗号化ですとかアクセス権限の限定といった情報セキュリティー方策を徹底いたします。また、制度の導入に先立ちまして、参考人質疑の中でも触れられておりましたプライバシー影響評価などの監査手法を取り入れることも検討いたしまして、詳細なリスク分析や評価、影響分析を行うこととしたいというふうに考えております。 外国へ提供する場合ですけれども、これは行政機関の個人情報保護法第八条、具体的には第八条第一項ですが、の規定によりまして、法令に基づく場合として行うこととなります。例えば、入管法第六十一条の九の規定に基づきまして、個人識別情報を外国入管当局に対し提供することは可能でございます。例えば、特定の外国人がテロリストであることが明らかになったような場合に、その者から上陸審査時に提供された指紋情報をテロ対策における国際協力の観点から外国入国管理当局に提供することはあり得ると思います。 しかし、法務省が保有する個人識別情報の外国への提供につきましては、今申しましたとおり、行政機関個人情報保護法に基づいて適正に行われることとなりますので、そのための特に法整備が必要であるとは考えておりません。
○松岡徹君 終わります。
○千葉景子君 今、松岡同僚の議員からも質問がございました。先般、成田に視察もさせていただきまして、今話題になりましたアクセンチュア、今試験的に運用している機器のところにすべてアクセンチュアという名前がしっかり記載がされておりまして、おお、なるほどと感じたところでもございます。これからその問題についてはまた適正な、本当に導入がされるのかどうか、そういうことを検証していかなければいけないというふうに思っているところでもございますので、それはまたやらせていただきたいと思います。 さて、私は先般、退去強制手続を中心にして質問をさせていただきました。特に、法務大臣の認定による退去強制というのが、非常に要件もあいまい、漠然としていると同時に、それに対する言わば適正手続というのでしょうか、告知、聴聞の機会あるいは異議を申し出るような、そういう機会がきちっと本当に備えられているのか、その辺に大変疑問を感じた次第でもございます。是非、そこは退去強制手続の中でということではありますけれども、きちっとした告知、聴聞、適正手続が十分に担保されるように実際の運用をしていただきたいというふうには思っております。 そこで、ちょっと関連して、残っていた問題がございますので、お聞きをしたいというふうに思うんですけれども、いわゆる退去強制をさせられた場合でも、退去強制事由などによりまして、再上陸拒否期間というのが何段階かで決められております。出国命令により出国させられると一年、過去一回だけ退去強制されたことがある場合には五年、過去二回以上退去強制をされたことがあると十年ということで、これ入管法に規定がされているわけですけれども、この再上陸拒否期間が経過をいたしますと、それは全く言わば一般の外国人、普通にまた入国をしてくる外国人と同じ立場になると言ってよろしいんだというふうに私は思います。 そういうことを考えますと、この再上陸拒否期間がもう過ぎたと、そういう外国人については、言わば照合すべきブラックリストというんでしょうか、そういうものから外すというか、もう一般の外国人扱いということにすべきではないかというふうに思いますけれども、その点についてはどういう扱いがされるのでしょうか。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、上陸拒否の期間につきましては様々な種類がございますけれども、上陸の審査の際に審査すべき事項といたしましては、上陸拒否事由に該当いたしますれば、これは当然上陸を拒否するわけでございますが、そのほかに、入管法の七条の規定によりまして申請する在留資格について、我が国に入ってどんな活動をするかというその申請をいただくわけですが、その申請、活動内容に虚偽があるかどうかということについても、これは審査の対象でございます。例えば、本当は不法就労の目的であるのに、これを隠して旅行に来ましたというようなケースもあるわけでございます。こういうケースにつきましては、当然、その目的に疑義があるということで上陸を認めないということもあり得るわけでございます。 今御指摘のとおり、上陸拒否期間を経過した者でありましても、過去に退去強制の前歴があるということになりますと、今回の来日においても同じようなことをまたするのではないかという観点から、慎重な調査、上陸審査をする必要があるわけでございますので、そういう場合に備えまして、上陸拒否期間を経過した者の情報についても照合できるような形にしてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 確かに、入国の目的ですね、そういうものを審査をするということは私も分かりますけれども、ただ、そうなりますと、この上陸拒否期間が過ぎて言わば問題が解消されたと。そのためにこの上陸拒否期間というのをつくって、それ以上はもう無罪、無罪放免よというのはおかしいですけれども、そういう扱いをしようということですから、それにもかかわらず、ずっとその情報がブラックリストのような形で延々と継続をしていくというのは、私はちょっとやっぱり問題があるのではないかなというふうに思います。ちょっとその点については、そういう扱いなんだということを今日はお聞かせをいただきまして、今後、取扱いについてもう一度よくよく私も御要請を申し上げていきたいというふうに思っております。 次に、難民認定との関係でございます。 法的に、理屈から言いますと、難民認定を既に受けているという場合でも更にテロリストという形で法務大臣の認定を受けるという可能性というのは、理屈の上ではあるということになるのでしょうか。その点についてはどう考えたらよろしいのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答えいたします。 難民認定を受けている者でございましても、テロリストの要件に該当するということがある者についてはテロリストとしての認定がなされることになるわけでございまして、この認定がなされますと退去強制事由に該当いたしますので、退去強制の対象になるということは理論上はあり得るわけでございます。
○千葉景子君 ただ、理論上は確かにそうなんですけれども、難民認定をする際に、既に問題がない、そしてむしろ庇護を受けるべき立場にある外国人だということをもって難民認定がされるわけですよね。だとすれば、よっぽど、その後真新しい事実が本当に判明したとかそういう場合以外は、まず難民認定を受けた後また今度は新たにテロの認定を受けるということは、現実に私は考えにくいのではないかというふうに思います。 理屈としてはあり得るのでしょうけれども、やっぱりそこは十分に、難民認定を受けたその立場、それを認定をした日本政府ということになるわけですので、それを十分にしんしゃくをしたやっぱり扱い、理屈の上では分かりますよ、でも、そういうことを十分に、難民認定の趣旨、難民の置かれている立場、そういうものを十分に考えた取扱いをすべきだというふうに思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(三浦正晴君) 委員御指摘のとおり、難民につきましては、これを庇護すべき責任が当然あるというふうに私ども考えております。 極めて例外的に、これは難民条約にも規定がございますが、事後的に特別の問題を起こしたような人については、これは難民としての保護の対象から外れるという規定もございますし、現行の入管法におきましても、難民認定を受けていながら、難民条約の第一条の第F項というのがございます、これに当たるような事情があった場合には難民認定を取り消すという規定もございますので、こういったようなケースに該当する場合を除けば、通常は、難民として認定された方でございますので、テロリストというような形になることは少ないのではなかろうかというふうに思っています。 私どもも、難民の制度の趣旨を十分わきまえまして運用してまいりたいと考えております。
○千葉景子君 是非そうしていただきたいというふうに思います。 特に、やはり難民として日本に来る場合に、その出国してきた国の政府との対立関係等がやっぱり大変厳しいというときもあるわけですので、難民として認定したと、そしたらその後またその出国してきた政府からあれはおかしなやつだというような情報が来たというようなことで、安易に難民認定を取り消したりあるいはテロリストとしての認定などを行うようなことがないよう、慎重な取扱いを是非しっかり肝に銘じておいていただきたいというふうに思います。 それでは、ちょっと自動化ゲートについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。 その理由とか効果ということにつきましては先般の質疑でもありましたので重ねてはお聞きをいたしません。ただ、この自動化ゲート、利便性ということで選択をするということになりますけれども、やっぱりこれ、自動化ゲートを利用しないという人も当然いるわけですね。じゃ、利用しない人は不便でいいんだということはいかがかと思うわけです。 そういう意味では、自動化ゲートを利用しない場合でも、やっぱり今非常に待ち時間も長いようなこともあります。そういうことを解消するためのやっぱり利便性を上げていく努力が一方では必要だというふうに思うのですけれども、現在どのぐらいの出入国ゲートでの通過時間、おおよそ掛かっているのでしょうか。今後どういうやっぱり努力あるいは対処をして、これをより一層利便性を高めていくと、自動化ゲートを使わなくてもやっぱり安心して利便を得ることができるというふうにしていこうとされているんでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(三浦正晴君) 私ども入管の立場といたしましては、問題のある外国人が上陸しないということで、きちっとチェックをすると同時に、ごく普通の方、外国人の方にはたくさん日本に気分良く来ていただきたいということでありまして、そのためには玄関先であります入国審査のところで不快感を覚えていただくようなことがあってはいけませんので、それにはまず待ち時間を短くするということがこれは大事なことだと思っております。 現在、この短縮に努めておりまして、どんなに時間が掛かっても一つの飛行機で来られた方の一番最後に並んだ方でも二十分以内には審査が終わるようにということで努力をしておるところでございまして、主な空港につきましては、ほぼこの時間を今満たしている状況にあるわけでございまして、引き続き努力をしたいと思っております。 これにつきましては、いろんな方法を講じておるわけでございますけれども、一つには、並んで審査を受けていただく場合に、何かちょっと問題があるような方についてはその場で審査をするのではなくて、別室に行っていただいてそこで別の係官が事情をいろいろ聞いて、その後に並んだ方については審査官が順次スムーズに審査をするという、これは二次的審査と呼んでおりますが、こういった制度も導入をしておるところでございます。今後とも努力を重ねてまいりたいと思います。 それで、今、委員御指摘ございましたが、自動化ゲートの導入によりまして、中には自分はこの制度を利用したくないという方も当然おられると思います。これは、あくまで利便性のみを考えて、簡便な手続で出国入国ができるということで取り入れる制度でございますので、御本人が希望しなければ当然これは利用されないわけでございます。ただ、そういう方に対して、利用者に比べて負担が余計掛かると、時間的にということではこれはうまくないわけでございますので、いろんな制度を組み合わせていきたいというふうに思っております。 現在、韓国、台湾との間で、プレクリアランス、事前審査の制度というものを行っております。これは我が国の入管の職員を韓国や台湾に派遣いたしまして、日本向けの航空機の外国人のお客さんについてあらかじめ事前の、審査ではございませんが、その確認を行います。そうしますと、日本に到着した際にごく簡単な手続で上陸手続が終わるということでございまして、これで円滑な、かつ厳格な審査の実現を図っておるわけでございます。 こういうものが広がっていきますと、自動化ゲートを利用されない方についてもかなりスムーズな入国手続が可能になりますし、一方で、自動化ゲートを利用される方が増えれば増えるほど、その分の余力の入国審査官につきましてゲートを利用されないところのブースの審査に充てることができますので、これもまた合理化ができ、利便性の向上が期待できるものというふうに考えておるところでございます。
○千葉景子君 この自動化ゲートなんですけれども、確かに利便性が高まるということは分かります。 ただ、これまでの質疑でも分かりますように、これ利便性の方はいいのですけれども、これによって得られる個人識別情報などがやはり犯罪捜査等にも提供されていくということは当然予測されているところなんですね。そうなりますと、やっぱりこれ便利だというところを強調することもそれは大事ですけれども、やっぱり、これを登録することによって犯罪捜査等に個人情報が利用される、こういうことはきちっと明確にしておくべきなのではないかというふうに思うんですね。便利だから自動化ゲートの方を使いなさい、登録をしなさいと言うだけでは、私は本当の意味で自己情報のコントロール権というようなことが十分に周知をされないというか徹底されないということになるのではないかというふうに思いますが。 大臣、どうですか、この自動化ゲート、メリットも多いんですけれども、こういう情報の利用があり得るんだぞということをきちっと何らかの形で明記をする、明示をするということが必要だと思いますが、その辺はどう取扱いをなさいますでしょうか。
○国務大臣(杉浦正健君) もう委員御指摘のとおり、自動化ゲート利用者から提供を受けた個人識別情報も、行政機関個人情報保護法に基づきまして例外的に他の行政機関に提供することがあり得る旨の、その旨を利用者に説明しなきゃいけないと思います。自動化ゲートの制度の趣旨についても国民に正確に広報することが必要だと思っております。改正案が成立した暁には、こうした説明や広報を、公布から施行まで一年半を予定しておりますので、以内、十分行ってまいりたいというふうに思っております。
○千葉景子君 これは自動化ゲートを利用するということになりますと、カード式というか、どういう形になるか分かりませんが、やっぱりそこに、その情報の利用ということがあるということを、そこにやっぱりきちっと明示するなりしておくことが必要だというふうに思います。それでなければ、やっぱりなかなか一般に自己情報がどういうところに流れていくのかというのは分からないわけですので、そこは徹底してきちっとしていただきたいというふうに思っております。 この個人情報なんですけれども、一体これもどのくらい保有といいますか、されていくのだろうか。それから、いったんこれは提供を、登録をするけれども、やっぱり、いや、もう結構だと、私はもう自分の情報は自分でまた取り戻したいというようなことが当然あるだろうというふうに思います。この取消しといいますか撤回のようなことをどういう形で行えるのか。それから、それを抹消した、もうその情報は抹消しましたよというようなことはどうやって確認をすることができるのだろうかと。やっぱりこれが一番自己情報のコントロールにとって大事なところですので、その辺のちょっと手続といいますか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答えいたします。 自動化ゲートはあくまで利用される方の利便のための制度でございますので、これを利用するためには申込みのときに個人識別情報を登録していただくことになるわけでございますが、その登録をしたときから御本人が利用をもうやめるというふうに意思を表明したときまでの期間の保有ということになるわけでございます。つまり、保有期間は、自動化ゲートの利用によって利便性を受ける立場にある利用者、利用希望者の意思に懸かっているということでございます。 では、実際にもう利用しないという意思を表明された場合にどういう手続を行うかということでございますが、具体的な手続につきましては今後詰めて検討を行う予定でございますが、登録者から利用をやめたいという申出があった場合には、その時点で既に利用目的がなくなっているわけでございますので、これを行政機関が保有することは許されないわけでありますので、当然、この識別情報は抹消いたします。 また、御本人から連絡がないようなケースも想定されます。例えば、旅券が五年とか十年の有効期間がございますが、御本人の旅券の有効期間というのは我々も分かりますので、これが有効期間が切れても全然御本人から連絡もない、どうも新しい旅券も取得した様子もないということになりますと、これいつまでも指紋等の情報を我々が保有しておくのは非常に問題でございますので、そういうケースにつきましては申出がなくても情報を抹消するというような制度も考えてまいりたいというふうに思っております。 それから、抹消したことについて本人にどのように連絡をするかという御質問でございますけれども、今申し上げましたような抹消がなされた場合につきましては、御本人にその旨を文書で通知するということなどを今検討しているところでございます。
○千葉景子君 そこはきちっと分かるようにしていただきたいと思います。 ちょっと時間がもうだんだんなくなってまいりました。本来であれば、これ質疑をさせていただけばいただくほどいろんなまた新たな疑問とか問題点とか、それから調達にかかわる少し、大変懸念されるような背景とか、そういうものも見え隠れしてまいりまして、これで質疑終わって本当にいいんだろうかということはありますけれども、時間でもございますので、ちょっと最後に総論的なことをお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 実は、先ほどもありましたように、元の入管局長が本当にこういう法律が必要なんだろうかという大変厳しい御指摘をされています。その中でも、我が国が一体これから目指すのはどういう社会なのか。やっぱり、私も思いますけれども、外国の皆さんとの共生できる社会、こういうことだというふうに思っております。しかも、やっぱり社会経済的にもそういう社会をつくることが日本の新たな活性化といいますか活力にも逆になっていくんだろうと、こういうことが言えるだろうというふうに思いますし、それから、この間からこれも話がございますように、観光立国行動計画ということで、できるだけやっぱり日本の良いところを多くの皆さんに楽しんでいただこうと、こういうことも進めていると、こういう状況でございます。なかなかこれは、どうも掛け声は掛けれども余り進捗が芳しくないようでもございますけれども、やっぱりそういう開かれた社会をつくっていこうということだと思います。 確かにテロの防止とか安全な社会ということも、これはだれも否定するものではございません。ただ、そこをやっぱり余りにも狭めて、あるいは外国人と見るとテロリストか、外国人と見るとしっかり管理監督をしなければという、そういう発想の方がどんどん強まっていきますと、やっぱり本来目指すべき社会、あるいは観光立国というようなところに大きな弊害、あるいは阻害要因に私はなっていくのではないかというふうに思います。 そういう意味で、確かにこの法律、一応審議はほとんどこれで終わるような形になりますけれども、是非、指紋の採取とか個人情報の取得、こういうことも、この法律が仮にできたとしても、もう一度十分に検討したり、あるいはあるべき姿を考えていくという姿勢が私は必要だというふうに思っているところでございます。不法滞在者というのも先進国とか近隣諸国に比べれば決して多いわけではありませんし、それが犯罪の温床になっているというわけでも決してありません。日本がここまでが入国の基準としているから、それ以外の人は不法滞在ということになるだけであって、何ら犯罪ともかかわりないわけですから、そういうことも踏まえて、大臣として、今後どういう姿勢でこの法律にも、それから観光立国日本の、社会のあるべき姿、そういうものに向かって、どう大臣として対処をされていくおつもりかお聞かせをいただいて、終わりたいというふうに思います。
○委員長(弘友和夫君) 簡潔に御答弁願います。
○国務大臣(杉浦正健君) 先生御指摘のように、外国との共存、共生は我が国の進むべき道だと思います。まあ外国人観光客、そのほかビジネスマンもそうですが、日本に来てほしい、そういう人が大部分だと思いますが、そういう方々についてはより積極的で円滑な受入れを図って、窓口も応対を丁寧にしてスピーディーに受入れをして喜んでいただけるという努力は積み重ねなきゃいけないと思います。 一方、国際的なテロリストの日本攻撃が考えられない事態ではございませんし、また外国人犯罪も減る傾向にはございません。つい数日前、何か新聞に出ていましたが、韓国から壁を破って窃盗する集団がまた日本に入り始めたと。そういう逮捕された連中がどうも日本はやりやすいと、ああいう組織的プロの犯罪集団にとって、そんなことを言っているというようなお話も新聞に出ておりましたですが、そういう面も数としてはわずかな数、全体とすればですね、だと思いますけれども、しかし日本の社会に与えている影響もばかにできないわけでありまして、それはきちっと排除していかなきゃならないということだと思います。 今回の入管法改正は、テロの未然防止策、それから不法滞在の防止、外国人犯罪に対して資するというような目的でやるわけでありますが、一面これをきちっとやらせていただくということは、もう大部分、大多数、ほとんどの日本に来られる方々はまともな方々だと思うんですが、そういう方々にとっても、日本はきっちりとやっているんだということを御理解いただくことでむしろ日本に安心して来られるよすがともなるんじゃないかとも思うわけでございます。 本制度のこうした意義につきましては、先ほども申し上げましたが、積極的な広報、説明を行ってまいりたいと思っております。アジアを始め各国で、やっぱりアメリカ、日本、まあEUも検討しておるようですけれども、やはり世界じゅうの国がやっぱり出入国をきちっと管理をして、そして国際的あるいはテロの犯罪を防止していくという姿勢が必要なんじゃないかというふうにも思っておる次第であります。 いずれにいたしましても、我が国が進むべき道との関係で入国管理行政が適切に行われまして、外国人の方々がより積極的に日本に来ていただけるようにしてまいりたい、そういう気持ちに変わりはございません。
○木庭健太郎君 様々な議論がなされている本法案でございます。最後の質疑ではございますが、少し細かい点も含めて確認の意味でお尋ねしておきたいと思います。 第一点は、私たちも視察させていただいた自動化ゲートの件について幾つか伺っておきたいと思います。 自動化ゲート、これ利用を希望する場合どうなるのかという問題なんですけれども、在留外国人がその自動化ゲートの利用を登録するためにはどのような要件を満たす必要があるのか、まず当局に伺っておきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) 御質問の点につきましては、改正案の九条の七項に規定が設けられておるわけでございますが、外国人が自動化ゲート利用の登録をするためには要件として三つを掲げてございます。 第一は、再入国許可を受けていること又は難民旅行証明書を所持していることという要件でございます。二つ目の要件といたしましては、事前に個人識別情報を提供して登録をするということ、それから第三として上陸拒否事由に該当していないこと、この三つの要件をクリアした外国人について登録が可能ということになっております。
○木庭健太郎君 これ日本人も当然利用可能なわけですが、法務省令で自動化ゲートの導入ということなんですけれども、この日本人の場合は登録するためには何か要件を規定することになるのかどうか、伺っておきます。
○政府参考人(三浦正晴君) 日本人につきましては、法務省令におきまして、一つ目の要件として有効な旅券を所持していること、それから二つ目の要件といたしまして事前に個人識別情報を提供して登録をすると、この二点を要件として規定する予定でございます。
○木庭健太郎君 そうなると、これ在留外国人の場合と日本人の場合に差が出るわけですね。日本人だったら有効な旅券さえ所持していれば一応原則いいわけでございますが、こういう差別というようなことになりはしないのか。これちょっと、差別する合理的な理由、説明をいただいておきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) 日本人の場合は、出国、帰国の際の現在の審査におきましても、有効な旅券を所持しており、なおかつその旅券の名義人とここにいる本人が同一人であるということが確認できれば手続が済むわけでございますが、これに対しまして外国の方の場合は、仮に日本に正規に在留していて再入国許可を取っていた方であっても、再び帰ってきて上陸の審査の際には上陸拒否事由の審査がございます。ここで上陸拒否事由がございますと上陸拒否の手続に入ってしまいますので、これは自動化ゲートを利用するには非常に困る事態になりますので、こういう外国人につきましては上陸拒否事由に該当しないということの要件を設けているわけでございます。
○木庭健太郎君 それから次は、本国送還の問題でございますが、今回、本国送還の原則の緩和を行うことになっておりますが、その理由について河野副大臣から御答弁をいただいておきたいと思います。
○副大臣(河野太郎君) 現在の入管法におきましては、退去強制を受ける者は、その者が国籍を持っている、あるいは市民権を持っている、要するに本国に送還するのが原則というふうに法でなっております。そのために、本人が本国以外へ送還されたい、そしてその国も受け入れることが可能だということがあっても、現状ではそれを行うことができません。 結局、そういうことから、その本人がなかなか収容場から出て送還されないということになっておりますので、今回はそこを緩和いたしまして、本人が第三国への出国を希望し、なおかつその国が受入れを認めている場合には、その国への自費においての送還を認めることとしたいと思っております。
○木庭健太郎君 今ほぼ御説明がありましたが、自費出国が許可される場合のみ本国送還の原則を緩和するということの、もう一回、理由について局長から伺っておきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) つまるところ、言わば行政経済の観点からということになろうかと思いますけれども、本人が自主的に出国をする意思を有しない、なおかつ日本の国費で送還をするというような人に対して、第三国に送還することを認めることが適当かどうかというような問題もあろうかと思いますし、現実にそういう方については第三国への出国を希望するというケースはまずございませんので、要請もないということ、そういった理由から今回は自費出国、自らの意思で自分のお金で日本から出ていくという方に限定した制度にしたわけでございます。
○木庭健太郎君 次は、難民の件なんですけれども、先ほどもちょっと議論があっておりましたが、具体的にちょっとお聞きするならば、例えば本国においてはテロリストとされているという人がいたとします。この人が我が国で難民申請をした場合、こういう場合はどういう対応になるのかということを伺っておきたいんです。 その者について、例えば自主的に審理されることなくテロリストとして退去強制の対象とされてしまうのであれば、これ人権上の問題でどうなのかという問題も発生するような気もするわけですが、こういった場合どういう対応になるのか、伺っておきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) 難民の認定の申請があった場合につきましては、今委員御指摘のとおり、本国の方でテロリストであるというような情報があった者であっても、申請があった以上、これは難民認定手続に従って審査を行うことになります。もちろん、その中でテロリストであるというような情報があるとすれば、それはテロとして認定すべき人物かどうかということも一つ検討の対象にはなると思いますけれども、そのことのゆえをもって難民該当性の判断を省略するというのか、しないということにはならないわけでございます。
○木庭健太郎君 その辺は是非丁寧に、ある意味ではこういったケースが具体的に起きる可能性はあると思うんですよね。やはり、その国にとってみれば、そういうテロリストと認定するような人たちはある意味では難民になる可能性は極めて高いんであって、その辺の関係というのは是非きちんとした形でやっていただきたいと、このように思う次第でございます。 それと、今度は情報提供の問題についてでございますが、我が国の国内法制上、これは国内の他の行政機関に対する情報提供については提供の制限の包括的枠組みがございます。これはこれでいいんですけれども、じゃ、これ外国政府に対する情報提供についてはどういうふうに考えていくことになるのか、この点についても当局の見解を伺っておきたいと思うんです。
○政府参考人(三浦正晴君) 行政機関が保有しております個人情報の利用につきましては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律が存在するわけでございまして、これによって包括的に規制がなされているわけでございます。 したがいまして、当然入管が保有することになる個人情報につきましてもこの法律に規定されております利用及び提供の制限、これは具体的には八条になるわけでございますが、この適用を受けるわけでございますので、その制限の範囲内においてのみ外国政府に対しても提供ができるということになるわけでございます。
○木庭健太郎君 そうなると、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律が提供制限の枠組みを規定しているということになりますと、この個人識別情報の外国政府への提供については具体的にどのような制限があるんでしょうか。
○政府参考人(三浦正晴君) 一つは、八条の第一項で、法令の規定に基づいて利用する場合には利用目的以外でも利用できるという規定がございます。入管法には既に昨年の法改正で措置していただきましたが、外国の入管当局に対して入管行政に資する情報の提供をすることができるという規定が作られております。これが八条一項に言う法令の規定に該当するんだろうと思いますので、この入管法の情報提供可能規定の趣旨の範囲内であれば外国に情報の提供ができるだろうと思います。 もちろん、これは外国の行政に資するというわけでございますので、我々が保有することとなる指紋情報等を一括、一律に外国に提供するなんということはおよそあり得ないことでございまして、例えば今まで知られていなかったテロリストを発見して指紋を取得したということになりますと、これは国際的な関係で、やはりテロリストについては情報提供するのがいいだろうという判断になれば、その一つに限り提供するというようなことは考えられると思います。
○木庭健太郎君 これ、参考人からも御意見をお聞きしたときに様々な意見がございました。特に、この個人識別情報の管理体制については厳しい指摘もございましたし、特に指紋のように個人のプライバシーにかかわる情報は、一度これ漏えいしてしまうと本当に取り返しが付かないものだと思いますし、最近は特にウィニーの問題で例えば捜査情報が漏れた問題がございました。もうこんな問題は一度漏れてしまったら本当に取り返しの付かない状況を現在生んでいるのは事実でございまして、そういう意味では、こういうこれから新しく指紋を取っていくわけですね。この管理とか保管については本当にどう万全の準備をしていくのかという問題があると思います。 その点について、管理、保管をどのように行っていくのか、副大臣に伺っておきたいし、もう私もどちらかというと、この保管期間の問題についてはずっと同じことを繰り返し申し上げてきたわけでございますが、ある意味では、やはりこういう個人にとってもうある意味で取り返しの付かないような、それを生体情報として保管する、これはどう考えればいいのかという問題については常に問題意識も持っておりますし、これからこれを運用した中で、この期間というのをどう考えるかという問題については検討もしていかなければならないという副大臣のお答えがございました。 そういったことも含めた上で、この管理、保管をどのようにきちんと行っていくのかということについて副大臣から伺っておきたいと思います。
○副大臣(河野太郎君) 指紋の保有期間につきましては、七、八十年といいますのは、これは論理的な最長期間でございます。七、八十年保有するということではないということをもう一度繰り返し強調させていただきたいと思っております。 御指摘がありましたように、保有期間につきましては、しっかり検討をして、必要のない期間は持たないということに、そこは明確にしたいというふうに思っております。 指紋を取りましてどのように保管をするかということでございますが、御指摘のように、法務省は一度ウィニーで失敗もしております、そこは肝に銘じてしっかりやりたいと思っておりますが、このシステムに関する端末の接続に関しましてはすべて専用回線を利用することといたしまして、このシステム以外のものにはつながらない、もちろんインターネットにも接続することがない、そこはきちっと閉ざされたシステムにしたいというふうに思っております。 また、閉ざされたシステムではありますが、しっかりとウイルスソフトを入れて、万が一にもウイルスの感染がないということにしたいと思っておりますし、このシステムに必要なソフトウエア以外のソフトウエアがそのシステムにロードされることができないような仕組みにしていこうというふうに考えております。 また、このシステムにアクセスをすることができる人間には明確にそのアクセス権限を与えまして、そのアクセスについても、だれがどういう時間帯にどうアクセスをしたかということが後からきちっと解析ができる、そういうシステムをつくり上げてまいりたいというふうに思っております。
○木庭健太郎君 最後に大臣に。 先ほども長い答弁もありましたが、ともかくこの法律はこれからだと思うんです。どう本当にきちんとした運用ができていくかということで、正に人権という問題、テロ対策という問題、この兼ね合いの中で、どう本当にこれがきちんと運用されるかがポイントになると思っております。そういった意味も含めて、この法律通れば、当然テロ対策、治安対策上で使われるわけであり、その一方で指紋を取られるという問題がこれから人権上の問題でどうなのかということも問われることになっていくと思います。 是非、その辺も含めて、この法の運用上についての大臣の決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(杉浦正健君) 私からも随時御答弁申しましたし、今、河野副大臣からもございましたが、この法律で、結果いただく個人識別情報、非常に重要なものですから、それが万々が一にも外部に漏えいするだとか悪用されるということのないように万全の措置はとってまいります。 また、運用についても、運用開始後、もちろん適宜改善を加えまして、法の趣旨にのっとって適正な措置がとれるように努力をしてまいる所存でございます。
○木庭健太郎君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず大臣にお尋ねをしたいと思います。 前回の私の質問の最後に、永住許可を受けた方を含めて、定住外国人が家族で国外に旅行して再入国をするという例をちょっと挙げまして、誤認の可能性はありませんかとお尋ねをいたしました。私、その大臣の答弁の中で、法務省入管局の文書にも出てくるe―パスポート連携実証実験においての照合率、これは照合率が約九割、つまり一割程度はこれは誤認があるということを御存じないという趣旨の答弁をされたことについて大変びっくりしたわけです。この対象のシステムを導入しようというときに、照合が正確に行われるのか、これは重大な問題であって、これは各方面からも、マスメディアも含めて厳しく指摘をされているところだと思うんですね。 ここについての大臣の認識が一体どういう御認識で今いらっしゃるのか、それを前提に大臣は、再入国の場合については、ほぼ間違いなくヒットされないんじゃないでしょうか、そういう方はと御答弁されました。こんなことはあり得ないと思います。入国であろうが、あるいは再入国であろうが、これはシステム上これはねられるということはあるんじゃないですか。大臣、お答えいただきたい。
○国務大臣(杉浦正健君) 入管局長の答弁を聞いてびっくりいたしまして、一割も違っているとは何事であるかと聞いたわけなんですね。その後、それは自動化ゲートを念頭に置いた実証実験、いろいろやったその結果についての数字であって、実験を繰り返した結果、もう一〇〇%きちっとやれるようになっておりますというふうに言っておりました。具体的に入管局長、答弁してください。
○政府参考人(三浦正晴君) 先般の御質問の際に九割という数字の御指摘ございましたけれども、これにつきましては、自動化ゲートを実施することを念頭に置きまして、昨年の春に成田空港で実証実験を行いました。その結果そういう数字が出ておるわけでございますが、これはあくまでその時点における実証実験でございまして、いろんな問題が出得るであろうということを前提に行った実験でございますので、例えば指紋の登録の精度の問題等々もありましてこういう数字になってきたわけでございますけれども、その後、そういった問題につきまして種々技術的に試作を重ねまして、先般、先週、成田空港の方に御視察をいただいたわけでございますが、その際の自動化ゲートの試作版につきましては大幅な改良が加えられているところでございまして、利用の登録をしっかりされた方が本人認証を拒否されるというような例は発生していない状況にございます。 また、委員御懸念の要注意人物と誤認されるおそれがあるのではないかと、こういうことでございますけれども、仮にある外国人の入国者の方が指紋情報を提供した場合に類似の指紋というのが幾つか出る可能性はございます、非常に似た指紋の人がいる可能性がございますので。こういう場合でありましても、それのみをもって、指紋がヒットしたからということのみをもって上陸拒否に即するというわけではございませんで、そのほかに顔画像による照合というものもありますし、入国審査官のインタビュー等で本人に事情を聴くとか、もしそれではっきりしない場合には、特別審理官という者による口頭審理という手続もございます。 そういうものを総合いたしまして、善良な外国人の方なのか、そうではない、上陸拒否事由には該当する人なのかということを判断するわけでございますので、単なる指紋がちょっとヒットしたからということで国外に退去させるというようなことはおよそ考えられないわけでございます。
○仁比聡平君 確認をしますけれども、システムの上で、誤認というふうに私申し上げていますけれども、本人の生体情報とは違うものと対照されてしまってはねられるというその可能性は残るわけでしょう。あり得ないということですか。
○政府参考人(三浦正晴君) 先ほども御説明いたしましたように、例えば空港で人さし指を……
○仁比聡平君 だから、システムの上ではあるんでしょう。
○政府参考人(三浦正晴君) システムの上では類似指紋が幾つか複数出るということはあり得ます。
○仁比聡平君 ですから、間違いなくヒットされないということではないということなんですよ。ヒットしたときにどういうふうにその適正さを保証するのかと、判断の適正さを保証するのかということが問題になるわけですよ。 私も、ブースで、入国ができなくてセカンダリールームに行く、あるいは口頭審理が行われるということはこれはあり得ることだと思います、これは現在の入管手続だってそうなわけですから。だけれども、一律に特別永住者を除くすべての外国人の指紋の提供を求めて、その生体情報でまずチェックをするんだと。そうなると、従来の入管手続とは違った複雑な対応がその入国審査の時点で行われるということになるのではないか。そのときの入国許可を受けることができずに審査の手続にあるという、そういう外国人ですね、入国しようとする、再入国しようとする外国人のその法的な地位は一体どうなるのかということをちょっとお尋ねをしたいと思うんです。 このときに通訳を求める方があれば、これは二十四時間体制で電話では最低通訳をすることができる体制を確保しておられるというのはこの間成田でもお伺いをしたところですが、御本人が自分はそのチェックをされた対象者とは同一でないと、弁護士を呼んでほしいというふうにアピールをした場合、このときにはこの対象者、入国しようとする外国人には弁護士を選任する権利というのは、これはあるんでしょうか。
○政府参考人(三浦正晴君) いわゆる刑事手続とは若干異なる行政手続でございますので、弁護人の選任という言い方が妥当かどうかはあれですが、先ほど御説明いたしましたが、上陸審査の延長線上に口頭審理という手続がございまして、これは特別審理官に対しまして自らが上陸をできる立場にあるんだということのアピールを本人からしてもらうということになるわけですが、その規定の中に代理人を選任することができるということになってございます。もちろん、この代理人は弁護士さんでもいいわけでございますので、御本人が弁護士さんを代理人として手続を進めてほしいというお申出があれば、当然弁護士さんに連絡を取るということになるわけでございます。
○仁比聡平君 法律上は代理人を選任することができるという規定ぶりでは僕はないと思うんですけれども、現行入管法の十条三項ですね、「当該外国人又はその者の出頭させる代理人は、口頭審理に当つて、証拠を提出し、及び証人を尋問することができる。」、この規定のことをおっしゃっているんでしょう。局長、うなずいていらっしゃいます。 そうすると、この規定によって代理人選任権、それから証拠の提出権、証人の尋問権があるということですね。
○政府参考人(三浦正晴君) そういうことでございます。
○仁比聡平君 ところが、この入国許可がまだ出ていないその外国人について本当にそうなっているんだろうかというのを、ちょっとよく分からないんですけれども、せんだって成田に視察にお邪魔をしたときに上陸防止施設の担当の方からお伺いをし、また昨日もちょっと勉強させてもらったんですけれども、弁護士を呼んでほしいというアピールがあったときに、そのすべてについて弁護士ないしは弁護士会に連絡を取るということにはなっていなくて、協議を行って、現場で、やらないこともあり得るという趣旨の勉強だったと、説明だったと思うわけです。あるいは、友人がゲートに迎えにきているから、この彼と連絡を取らせてほしいという要求があったときには、これは原則としてさせておりませんと。ただ、領事、その方の国の領事館にこれ連絡してほしいというときは、これ領事条約があるのでこれは連絡をしておりますと、こういう御説明だったと思うんですよ。 権利が、つまり弁護士を選任するという権利があるんだということであれば、これは認めなきゃいけない。これ制約しちゃいけないんじゃないですか。
○政府参考人(三浦正晴君) 例えば、外国の方ですので、具体的に何という弁護士さんを頼みたいというようなことが分からない場合というのはなかなか連絡の方法は難しいのかもしれませんので、そういう場合には弁護士会にでも依頼することになるんだと思います。刑事手続の場合はいわゆる当番弁護士制度というのがあるわけでございますが、入管にはそういう制度がございませんので、そこら辺が一つは問題なのかなと思います。 それと、入管といたしましては、その上陸の手続上特に支障がない場合には、本人の希望する人との面会もこれは認めております。また、電話連絡につきましても、御本人が電話をしたいと、例えば携帯電話を持っている人がいれば、その携帯電話を使って電話を掛けることは全く自由でございますので、それを使っていただくことにしております。 ただ、委員先ほど、上陸手続の際のその上陸防止施設ですか、この中には公衆電話設置、実はしてないものですから、御本人が電話掛けたいと言ってもその場では掛けられないということがございます。それで、入管の電話を私人に使わせるということになりますと若干これも問題あろうかと思いますので、保安上の支障がない状況を見計らって、本人を公衆電話があるところまで担当者が連れていってそこで電話をしてもらうというような扱いはしておるというふうに承知しておるわけでございます。 したがいまして、基本的に、保安上の支障があるかないかということを判断した上で本人の申出に対応しているのが現状でございます。
○仁比聡平君 今局長おっしゃったように、保安上の支障があるかないかという、そういう考え方がその外部通信の制約の根拠として現実には機能しているわけです。入管法を見ても、それに対する入国しようとする外国人のこの権利というのは法律事項にはっきりされているとは必ずしも言えないと私は思うわけですね。 ところが、今度の一律指紋提供というのは、前回の議論にも御紹介をしましたけれども、例えば我が国の国内に八十三万人登録をしていらっしゃる、外国人登録法上の登録をしていらっしゃるその外国人の方々も含めて、特別永住者以外はみんな対象になるわけです。ですから、再入国の許可を得て海外に出て帰宅しようとするというときに、誤認ないしいろんな事情で引っ掛かるということがあり得るわけですね。その方々に対して、今お話しのようなあいまいなことで私はいいのかという問題意識を強く持っています。 入管としても、その問題意識が、これまで法改正提案について、つまり従来とはちょっと変わるんじゃないのかと、そこの問題意識があるのかどうか極めて疑問に思いますけれども、問題点として指摘をしておきたい。 別の角度で、強制退去の手続についてお伺いをしたいと思います。 この強制退去、新たに導入しようという強制退去事由のテロリストのいわゆるおそれと言っておきますけれども、このおそれについて、前回局長から、おそれとは、望ましくない事実が生ずる可能性という意味であり、相当の理由があるというのは、社会通念上、客観的に見て合理的なふさわしい理由があるという意味であるという御答弁があったんですけれども、これは、可能性あるいは社会通念上客観的に見て合理的なふさわしい理由、これ、当たり前のことを繰り返しているだけであって、何の限定にもなっていないのではないでしょうか。 少しお尋ねしたいんですけれども、現行法の強制退去手続の理由、いわゆる退去事由と呼ばれているものが、現行二十四条に限定列挙されていると思います。この現行法で列挙されている事由の中で、行為に及んでいないにもかかわらず、おそれがあるという認定で強制退去が命ぜられると、そういう事由がありますか。
○政府参考人(三浦正晴君) 委員の御指摘のような規定ぶりはございません。
○仁比聡平君 例えばオーバーステイでいいますと、在留期間を徒過しているかどうかというのは、これは客観的に明らかでございます。争われることがあります不法就労の問題についても、そのような活動を、資格外活動を専ら行っていると明らかに認められるという認定というか規定要件になっているわけで、そのような客観的な行為に出ずにおそれで認定するというのは、これは現行の強制退去手続にはないわけですね。そういう意味では、今回の政府案というのは、私は現行入管法の強制退去手続とは異質なものをここに持ち込むということになるのではないかと思います。それならば、局長の言う望ましくない事実が生ずる可能性という可能性でどんな限定がなされているのか。 元々、テロ規制法の犯罪というものの中には、予備とかあるいは容易にする行為というのが入っているわけですね。ここに及ばないけれども、それをやるおそれがあるという者を対象にしようというわけでしょう。すると、行為も要らないけれども、例えば謀議も要らないと、そういうことですか。
○政府参考人(三浦正晴君) 謀議については、これは要件とは言えないと思いますけれども、行為という表現でお尋ねがあったわけであります。 これ非常に微妙だと思いますけれども、ある人物をテロリストに当たるかどうかという判断をする際には、その人物の当然行動というものをある程度把握できていないと認定はできないだろうと思っております。その場合の行動というのが、犯罪行為の実行行為に当たる行為が必要かどうかという意味においては、それは実行行為に当たる行為までは必要ないと。しかしながら、実行行為につながるような、テロリストとしての、テロ行為への関連の行動を取ったということは、やはりこれは見ていくことになるんだろうというふうに思います。
○仁比聡平君 そうはおっしゃるけれども、法律上の必要な要件ではないわけでしょう。ですから、謀議あるいは具体的な人間の行動として表れていなくても、おそれがあるという認定がされ得るということなんですね。 これは、例えば国連が作っているというブラックリストに挙げられている人物と同一かどうかの問題とはこれ別の問題だと思うんです。当該その人物がそういう行為をするおそれがあるかどうかということを法務大臣が認定して強制退去の手続をしようというわけですから。だから、リストとの照合の問題とはこれ別の問題なんですね。 そういったときにこういう濫用の可能性があるという規定ぶりに私は警鐘を鳴らしたいと思うんです。およそ民主主義の社会で、人間の人身の自由を奪って収容をする、まして国外退去をさせるという重大な人権制約を加えるには、それを不可欠ならしめる理由、そしてその適正な判断が求められると思います。その典型は刑事手続における令状主義だと思うんですね。 今回、皆さん三審制だからと、強制退去手続の行政強制が、これが三審制だからとしきりにおっしゃるんですけれども、元々、大臣が外務省や警察庁やその他と協議をした上でこの人物はテロリストのおそれがあると認定して収容令書を作って収容するわけですから、三審制だと言うけれども、口頭審理だとか裁決だとかで、その認定がひっくり返るなんて考えられないじゃないですか、じゃありませんか。なのにもかかわらず、司法手続にはよらずに、憲法上、あるいは国際人権規約上の権利を奪うに足る、その行政強制としての適正手続というのを一体どういうふうに考えているのか。 これ処遇規則、収容者の処遇規則等の中では弁護人との面会権は一応規定をされていると思います。だけれども、これもまた収容場の保安上の理由によって制約されることがあり得るような規定ぶりになっているんじゃないかと思うんですね。少なくとも、このような場面において弁護人の選任権、これをきっちり保障するというのは、これは絶対にやらなきゃいけないことじゃありませんか。 その答弁だけはちゃんといただいて、時間参りましてこれ以上質問ができないのが本当に残念ですけれども、問題点多々含んでいる、審議極めて不十分だということを申し上げて、質問に答えてください。
○委員長(弘友和夫君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(三浦正晴君) 弁護人の選任権という権利として考えるかどうかは別といたしましても、委員の御指摘の点は十分踏まえまして運用をしてまいりたいと考えております。
○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますが、先日は成田の方、見学させてもらいまして、ありがとうございました。大変な苦労をなさっていることもよく分かったわけでございますけれども、二、三お尋ねしたいと思います。 今朝ほどの質問で、松岡委員からの質問で、特にUS―VISITの問題に触れられたんで、これは想定質問には書いておりませんでしたけれども、お尋ねしたいのは、当然この法案を作るについては、アメリカにおける状況等についてはよくよく調べた上でこれは作っておられるものだと思うんでございますけれども。 現在、出国時に、出国しますと、生体、証拠である指紋を消すんだということを言ってきたということですけれども、現在、US―VISITでは、出国者については、入国では取るけれども、出国者については消去するんだということになっているのかどうなのかということが一つ。 それからもう一つは、ブラジルがアメリカに対して対抗的措置として指紋を取りましたよね。今でも引き続いてブラジルは取っているのか、アメリカに対してだけで。その辺の状況について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) まず、第一点目の御質問でございます。 米国のUS―VISITにおいて、外国人が出国をした時点でその者の指紋情報をどう扱っているかということでございますが、これにつきましては米国からも明確な説明をいただけない状況でございますので、この場所でこういうふうになっているということはちょっと私どもから申し上げることができないことを御容赦いただきたいと思います。 それから、ブラジルにつきましても、これ委員御指摘のとおり報復措置なのかどうですか、アメリカ、米国の方についてブラジルに入国する際には指紋を採取するということ、これは今でも実施されているというふうに承知しております。
○亀井郁夫君 今のお話で、アメリカから正確な情報が取れないというお話でございますけれども、外務省の方に、おられますよね、外務省の方はアメリカと交渉しているんだから、それについて分かっているんじゃないかと思いますけれども、こういう大事なことについて分かっていないんですか、今どうしているかということ。
○政府参考人(谷崎泰明君) お答えいたします。 US―VISITの件につきましては私直接の担当でございませんので把握しておりませんが、今法務省の方から御答弁さしていただいたとおり、現状では政府としては把握していないというふうに考えます。 他方、必要な情報につきましては、法務省ともよく協議した上で、更に情報が必要ならば相手方にしかるべき申入れ等をしたいというふうに考えております。
○亀井郁夫君 この委員会でも度々議論された大事な問題ですから、これについては、是非ともアメリカで現在どうしているのかと、そういうことは当然参考にされながらこの法案が作られたものだと思うわけですし、それだけの責任は法務省にも私はあると思うんですね。アメリカしか今やっていないんですから、アメリカはどうかということは非常に参考になるわけでありますから、そういう意味で、今聞いたんでは分からぬということですが、是非ともこれは調べていただきたいと思います。
○副大臣(河野太郎君) 指紋の保有期間につきましては、我が国も、その保有期間を決定しても対外的に公表することはいたしません。これは、公表することがテロリスト等の利益になってしまうということからでございます。アメリカ政府も、今US―VISITで採取した指紋をどれぐらい保有するか対外的には一切公表をしておりません。これは、アメリカ側は安全保障上の理由からという説明でございます。
○亀井郁夫君 今の副大臣の回答はそうだろうということなんであって、私言いたいのは、そういう理由でアメリカもやらないんだということを外務省はちゃんと聞いているのかということを聞いているんで、だから、多分そうだろうということで副大臣が今カバーされましたけれども、私はそのことじゃないんで、アメリカの考え方を、日本と同じでしょうということを推測しているんであって、同じようにそうなんですよと言ったんならそれでもいいですけれども、言った事実はないんだろうと思うんですね。今の副大臣の答弁はちょっと違うんじゃないかと私は思いますけれども。いずれにいたしましても、非常に大事な問題ですから、外務省と法務省でこの問題については検討していただきたいと思います。 次の問題ですけれども、APISの問題も、これについても現地を見していただきまして、非常に苦労しながらやっておられるわけでございますけれども、聞きましたら、航空会社の中で現在二十社しか協力していないという状況ですよね。そういう意味ではなかなか問題もあるんだろうと思うんだけれども、現在、既に韓国や台湾では、去年の一月からやっているプレクリアランスの制度を拡大するとか、あるいはリエゾンオフィサーの派遣の拡大等については考えておられるのか。また、この制度の具合はどんな具合か、御説明願いたいと。特にこの問題は、日本の法律の改正によって航空会社が負担を負うわけでございますから、航空会社にとっては抵抗があるんじゃないかと思いますけれども、そういったことはないのかどうなのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お尋ねの上陸審査手続の合理化の一環といたしまして、プレクリアランスというものを実施しているわけでございます。事前の確認制度でございますが、昨年度、韓国と台湾に我が国の入管当局の専門家をそれぞれ派遣いたしまして、当地で日本向けの航空機についてプレクリアランスを行いました。これによりまして、到着した日本の空港における上陸審査に必要な時間が相当縮減されまして、通常の半分程度にまで短縮することができたわけでございますので、本年度も引き続きこれを実施してまいりたいというふうに考えております。 また、これとは別に、リエゾンオフィサーと呼んでおりますが、偽造文書等の鑑識の専門家を外国の空港に派遣いたしまして、当該空港の支援をするという形で、昨年度は職員一名をバンコクの国際空港に派遣いたしまして、そこで偽変造文書の行使をしようとした百六名の者につきまして、これを見破って搭乗を阻止したという成果を上げているところでございます。本年度も引き続き、派遣期間を二倍にいたしまして、六か月程度派遣したいと考えておるところでございます。 なお、二点目のいわゆるAPISの義務化の関係でございますが、現在、確かに委員御指摘のとおり、約二十社の航空会社が任意に協力していただいておるわけでございますが、これが法律が改正になりますと、すべての航空会社に対して義務が掛かるということになるわけでございます。 ただ、中には、機器の整備等の関係で電磁情報では送れないということもあるやに聞いておりますので、手続規定を定める場合にはファクシミリによる紙の名簿などでも対応可能なような形で法務省令を定めるつもりでございますし、また、報告事項につきましても、余り細かく多岐にわたりますとこれまた大きな負担になりますので、これをなるべく必要最小限度のものにとどめるという方向で今検討しておるところでございます。航空会社等の御負担をなるべく軽くして御理解を得たいというふうに考えております。
○亀井郁夫君 次にお尋ねしたいのは、不法滞在者の問題でございますけれども、今回の改正がテロリストの問題が中心になることはもちろんでございますが、これに絡んで、退去強制の増加だとか、あるいは施設の拡大、あるいは円滑な送還ということが問題になりますけれども、最近五年間の不法滞在者の推移やら、あるいは半減計画の進捗状況、三つ目が不法滞在者の摘発数、収容人員、収容率ということ、さらには、一遍にいろいろ聞きますけれども、時間がないんで、四つ目は、今回の特区関係で三年を五年に延ばしましたけれども、そうした滞在基準についてもいろいろ無理があるから不法滞在者が増えているということもあるんだろうと思いますので、そういう意味では、不法滞在者を減少するために、滞在基準をこのように三年を五年に延ばすのはこれだけなのか、ほかにもいろいろあるんじゃないかと思うんですけれども、延ばしてもいいようなやつがあるんだろうと思うんですけれども、そのような検討はされているのかどうか、それについてのお考えをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) まず、不法滞在者対策についてのお尋ねでございますが、不法滞在者の最近、過去五年間の人数の推移でございます。 不法滞在者と申します場合には、いわゆるオーバーステイになっている不法残留の人間と、それ以外のやみ夜に紛れて船で日本に不法上陸するという、こういうのを密入国者と言っていますが、これを合わせた数なんでございますが、まずは、不法残留者だけの数の推移についてちょっと御紹介いたしますと、平成十四年、いずれも一月当初の数字でございますが、平成十四年には不法残留者は二十二万四千人、約でございますが、二十二万四千人でございます。これが翌十五年は約二十二万人、平成十六年が二十一万九千人、平成十七年が二十万七千人、本年、平成十八年が十九万三千人ということになっておりまして、五年前と現時点と比較いたしますと約三万人、パーセントにすると一三・五%が減少をしております。これに不法入国者ですね、密入国、これは把握は完璧にはできませんので過去のいろいろな取扱いから推計値を出しておるわけでございますが、これを含めますと、平成十六年の一月時点ではトータルで二十五万人程度いるということになっていたわけでございますが、これが減ってきていると、こういう状況にございます。今後とも摘発体制の強化等に努めてまいりたいというふうに考えます。 それで、私どもといたしましては、摘発を効率あらしめるために、警察等の関係機関との連携でございますとか、それから入管に摘発方面隊という部隊を設置いたしまして摘発を専門にするような仕事をして積極的に推進しているというような対策を講じておりまして、先ほど申し上げたような成果が出てきているところでございます。今後とも努力をしてまいりたいと思います。 不法滞在者の摘発数や収容人員がどの程度かというお尋ねがございましたけれども、平成十七年の統計で申しますと、平成十七年は不法滞在者として摘発した対象者は約一万二千人でございました。平成十五年は七千人余り、平成十六年が九千人でございますので、十七年は相当増えております。それから、収容者、収容場に収容した人員につきましては、平成十七年は約八万人という実績がございます。 この収容率という御質問もございました。これは、収容場に定員がございますが、その定員に対してどの程度の割合で常時外国人を収容しているかということでございます。これは日々変動するものですから細かい数字ちょっと申し上げられませんけれども、特に東京入国管理局につきましては常時九割以上の収容率という状況にございまして、ほぼ満杯に近いというような状況でございます。今後とも摘発については合理的な形で進めてまいりたいというふうに思います。 それから、在留期間の伸長の関係で御質問がございました。我が国が必要といたします高度な知識ですとか技術を有する外国人の方については積極的に日本に来ていただいて仕事をしていただくということ、これは我が国の経済社会の発展にも資するものでありまして、非常に重要なことであるわけであります。その前提として在留期間を延ばすという考え方があるわけでございますが、これは、それのみではなくて、在留期間を長くしても不法就労等の問題は発生させないというような仕組みを確立することも一方で必要であろうということでございますので、すべての在留資格について三年を五年に一律に延ばすということはなかなか現実問題としては難しいというか、検討すべき事柄であろうとは思いますが、ただ、中に、今回も特区の実績を踏まえて、特定の、教授でございますとかIT関係の情報の分野の方については延ばしていただくということになっておるわけでありますが、今後ともそういう形で同じようなものがあるかどうかということについては検討を続けていかなければならないと思っております。
○亀井郁夫君 今ちょっと触れられた構造改革特区法による在留資格の特別措置の問題ですけれども、これについてちょっとお尋ねしたいのは、こういうふうな形で今回特区だけ特別措置を講ずることになりましたけれども、その経過と、それから同時に経緯ですね。さらにはまた、今の三年を五年にできないかということについては、やってもいいんだけれどもということですけれども、これ以外にもいろいろあるんだろうと思うんですね。だから、それがあるために不法滞在になってしまうということも多いと思うんで、よく検討していただきたいと思いますけれども、そういうことについてどう考えられるかと。 それから、外国人の教育活動については特別に今度一つ加えたわけですね。これについてはどういうことなのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) 今回、改正をお願いしております特定情報処理活動等に従事する人の在留期間の伸長の関係でございますが、これ元々、在留活動の範囲を拡大してほしいという要望が以前ございました。といいますのは、研究という在留資格がございます。この研究というのは、あくまで日本に来まして研究機関で研究をするということであります。研究の成果として、実務的にかなり商売になるというような研究成果が出ても、御本人は研究の在留資格でいるものですから、いわゆる投資、経営という仕事ができないということがありまして、これ何とか両方できるようにならないのかという要望が従来ございました。で、この両方ができるような形を可能にするということで、一つ特区法の中に盛り込まれたという経緯がございます。それから、そういう人たち又は特定情報処理活動をしている人たちにつきましては、三年の在留期間では短いので五年にしてほしいという要望が全国でかなりございました。これも併せて特区法に盛り込んだわけでございまして、これを地方公共団体によって適正な担保措置を講ずることを前提に五年に伸長する形で運用してまいったわけでございます。その結果として、これは非常に効果があるということで、これを全国展開すべしということになりまして今回の法改正をお願いしているという状況でございます。 委員御指摘のように、ほかにも同じような状況のものがあれば、今後検討をしていきたいというふうに考えております。
○亀井郁夫君 もう時間もなくなりましたので、最後に一つだけ。 今回の改正によって自動ゲートが導入されるということで、みんな入国者は指紋を取られることになるわけでございますけれども、法務大臣は外国の入国管理局に対して職務の遂行に必要と認める場合には情報を提供できるということになりますから、日本の入管で取った情報が世界を駆け巡るということになる可能性もあるわけでございますけれども、そういう意味では管理、監視の社会が出現するというふうな見方もあるわけでございますけれども、こういうことに対して法務大臣の御所見を最後にお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(杉浦正健君) そのようなおそれが抱かれることのないような運用をきちっとやってまいりたいと思っております。 外国の入管当局に対して職務の遂行に資すると認める情報提供もできることになるわけなんですが、入管局長が何回か答弁しておりますけれども、テロリストと国際的に手配されている男の指紋が手に入ったというような場合にその指紋を外国の当局に提供するといったような場合に、限定的に適用していくというふうに努めてまいりたいというふうに思っております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
○委員長(弘友和夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(弘友和夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、江田五月君、青木幹雄君及び沓掛哲男君が委員を辞任され、その補欠として家西悟君、松村祥史君及び西島英利君が選任されました。 ─────────────
○委員長(弘友和夫君) 本案の修正について松岡徹君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松岡徹君。
○松岡徹君 ただいま議題となっております出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 今回の政府案の提案理由とされております国民の生命と安全を守るためにテロの発生を未然に防ぐこと、利便性を高めるために出入国手続の簡素化、迅速化を図ること等につきましては、民主党としても異論はありません。しかし、その具体的方策として盛り込まれた内容については、個人の自由な生活や民主主義社会の維持発展、外国人との友好、共生という観点に照らして重大な問題を含んでいると言わざるを得ません。 まず、上陸審査時に特別永住者等を除くすべての外国人に指紋等の生体情報の提出を義務付けるということについては、人権、プライバシー権や自己情報をコントロールする権利の保障という観点から慎重に検討することが必要であると考えます。特に二〇〇〇年に廃止された外国人登録法の指紋押捺制度の歴史的経過を十分に踏まえるべきです。少なくとも、現在のところ同様の措置を講じているのは世界的にも米国のみであり、国際社会が合意に達しているとは必ずしも言えない状況であることに照らし、熟慮期間を設けるべきであります。 また、政府案では、上陸審査時や自動化ゲート利用のために採取した指紋等の生体情報保存期間や入管業務目的以外での利用範囲、外国入管当局への提供範囲などが極めてあいまいと考えます。特に行政機関等への情報提供について、指紋などの生体情報が捜査機関など、その利用範囲が無原則に拡大されるおそれが極めて高いと考えます。行政機関からの個人情報等の流出事件が相次いでいることを踏まえると、プライバシー流出のリスク、影響評価や生体情報を外国へ提供する場合のガイドラインや法整備がなされておらず、個人の生体情報を余りに軽く扱うものと言わざるを得ません。 さらに、テロリストと認定された外国人の退去強制事由の整備についても、政府案ではテロリストの定義は極めてあいまいであり、恣意的な認定がなされるおそれや誤認が多発するおそれが多分にあると言わざるを得ません。また、退去強制手続において認定の具体的な証拠となる資料の開示も明確でなく、告知、聴聞の機会、不服申立て、異議の申出の手続においても極めて不十分です。 本修正案は、こうした問題点について必要最小限の修正を行うことにより、本来の目的であるテロの未然防止策などを円滑かつ的確に進めようとするものです。 以下、その内容を御説明いたします。 第一に、上陸審査時に提供を義務付ける個人識別情報の種類について、法務省令への委任規定を削除し、法律で明記するものに限定することとした上で、当分の間、指紋利用を凍結することとしております。 第二に、上陸審査時に取得した個人識別情報は、提供者がテロリストと認定されるなど上陸拒否事由に該当する場合を除き、提供者が出国後若しくは永住者となった時点で直ちに削除することとしております。また、自動化ゲート利用者から取得する個人識別情報については、登録が効力を失った時点で直ちに削除することとしております。 第三に、削除されるまでの間の個人識別情報については、出入国管理のための業務以外への利用を原則として禁止することとしております。 第四に、新たに追加される退去強制事由について、法務大臣の裁量を狭めることとしております。 以上が本修正案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ各委員の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(弘友和夫君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、出入国管理法案に関する政府原案に反対、民主党提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。 テロは国際社会で絶対に許されない犯罪であり、未然防止対策は必要であることは言うまでもありません。 しかし、第一に、特別永住者を除く外国人に一律に指紋等の生体情報の提供を義務付ける政府案は、プライバシー権を著しく侵害し、憲法及び国際人権規約に抵触するものであり、また国際交流への影響からも、テロ対策との規制目的に対し余りにも過剰な人権制約にほかなりません。審議の中でも、US―VISITさえ我が国の永住者にほぼ当たる移民は適用対象外であることが明らかになりました。世界一厳しい制度を導入しようとするのが政府案にほかなりません。 第二に、入国審査時の入国拒否者や強制退去命令の恣意的な認定の可能性、そこにおける適正手続の不十分さが審議の中で更に明らかになりました。 第三に、インテリジェンスシステムの構築や目的外利用のおそれなど、生体情報を始めとして、あらゆる個人情報を一元的に保管、管理し、外国人すべて、また日本人を含めて監視、管理の体制構築の強いおそれがあることもこの審議を通じて浮き彫りになりました。 民主党の修正案は、指紋提供の義務付けを凍結することや永住外国人を対象外にすることなど、人権侵害の政府案に比べ重要な問題点を緩和するものであり、賛成いたします。 政府案がテロの未然防止を理由に十分な審議もないまま人権を著しく侵害することは断じて許されず、廃案にするべきであると、このことを強く申し上げて、反対討論といたします。
○委員長(弘友和夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、松岡君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(弘友和夫君) 少数と認めます。よって、松岡君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(弘友和夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、簗瀬進君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 私は、ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国民新党・新党日本の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 個人識別情報として外国人に求める指紋情報の提供については、指紋の利用に係る国際的動向を勘案するなど、その実施時期を慎重に定めること。 二 提供された個人識別情報については、その保護に万全を図るとともに、保有期間は、本法の施行後の運用状況及びプライバシー保護の必要性を勘案しつつ、出入国の公正な管理に真に必要かつ合理的な期間とし、期間経過後は直ちに適切な方法で消去すること。また、自動化ゲートの利用のために提供された個人識別情報については、その措置に係る登録が効力を失ったときは、直ちに当該個人識別情報を消去すること。 三 提供された個人識別情報の出入国管理の目的以外の利用については、慎重に判断し、必要最小限なものとすること。 四 個人識別情報のうち指紋情報については、科学技術の進展、国際的動向等を勘案して、その提供義務化の要否、提供を義務付けられる外国人の範囲などを必要に応じ再検討すること。 五 新たに退去強制の対象とする「テロリスト」の認定に当たっては、恣意的にならないよう厳格に行うとともに、退去強制手続きを行うに当たっては、適正手続きの保障の理念に照らし、「テロリスト」と認定するに至った事実関係等を明確かつ具体的に示し、退去強制を受けようとする者が十分に反論を行う機会を与えること。 六 自動化ゲートの導入後においても、同ゲートを利用しない者に不便を来さないよう、出入国手続きの一層の迅速化に努めること。 七 個人識別情報提供の義務化については、特に近隣諸国等に対する十分な説明と広報を行うなど、観光立国行動計画の推進を阻害することのないように努めること。 八 国民の安全・安心を図るため、テロの根源的解決に向けた諸施策も積極的に推し進めていくこと。また、テロ対策を進めるに当たっては、難民条約や拷問等禁止条約の趣旨に反することのないように留意すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(弘友和夫君) ただいま簗瀬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(弘友和夫君) 全会一致と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、杉浦法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。杉浦法務大臣。
○国務大臣(杉浦正健君) ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(弘友和夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(弘友和夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十一分散会