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164回国会参議院2006/03/09

文教科学委員会 第1号

発言数
20
登壇者
7
会派数
2
開催日
2006/03/09

会議録

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会を開会をいたします。  議事に先立って、一言ごあいさつを申し上げます。  昨年十一月一日、本会議において文教科学委員長に選任されました中島啓雄でございます。  委員各位の御支援、御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)     ─────────────

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、輿石東君、亀井郁夫君、橋本聖子君、山本順三君及び小林美恵子君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君、中川義雄君、山崎正昭君、井上哲士君及び私、中島啓雄が選任されました。     ─────────────

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に大仁田厚君を指名いたします。     ─────────────

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。  まず、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。佐藤泰介君。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○佐藤泰介君 お手元にあると思いますので、読み上げさせていただきます。  去る一月十二日から十三日までの二日間、福岡県に委員派遣が行われましたので、その調査の概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、中島委員長、北岡理事、林委員、山下委員、井上委員、そして私、佐藤でございます。  一日目は、まず、福岡県庁を訪問し、県勢の概要及び県の教育に対する取組について説明を受けました。昨年三月に発生した福岡県西方沖地震による被害及び復旧状況については、被災した公立学校が四百三十六校あり、うち四百三十二校の復旧工事は既に完了しております。残る四校中二校についても今年度内に完了予定です。残り二校は、被害の大きかった玄界島の小中学校で、島全体の復旧に併せて実施予定とのことでありますが、一日も早い復旧が望まれます。  また、県では、子どもの安全確保、学力向上、キャリア教育等の施策や、県民参加による青少年育成活動「青少年アンビシャス運動」の推進や、日本の次世代リーダー養成塾事業の支援など、意欲的な取組がなされています。  次に、福岡市こども総合相談センター、福岡中央養護学校及び福岡市発達教育センターの隣接三施設を訪問いたしました。三施設では、隣接の利点を生かし、教育と福祉、それぞれの観点から、積極的な連携協力を行っています。  福岡市こども総合相談センターは、児童相談所、青少年相談センター、育児一一〇番及び教育相談部門を統合した施設で、窓口の一元化による利便性の向上と専門性の強化を図っています。二十四時間の電話相談により年間一万二千件の相談を受けており、うち四分の一が子ども本人からの相談です。  福岡市立福岡中央養護学校は、小学部、中学部、高等部の児童生徒二百三名が在籍しています。中学部の音楽の授業や高等部の作業学習を拝見しました。高等部では、民間の事業所の協力により現場実習も行っていますが、卒業後の就職については厳しい状況にあるとのことであり、障害者の就職に対する企業の理解と関心を高めていく必要性を痛感いたしました。  福岡市発達教育センターは、障害のある子ども、保護者及び教職員に対する教育相談、訓練、教職員研修、調査研究等を行う教育機能と、養護学校等の計画及び指導を行う行政機能を併せ持つ機関です。障害のある子どもたちと学校をつなぐ場として、事業の充実に努めていきたいとのことでありました。  続いて、九州大学伊都キャンパスを視察いたしました。  同学では、国立大学法人化に伴い、教育研究面では社会貢献、国際貢献にも力点を置くとともに、財務面では、産学連携や寄附金募集等により外部資金の獲得に努めるほか、経費節減にも積極的に取り組んでおります。特に、中古の設備や装置を移管、転用する際の簡便な手続等について要望がありました。  九州大学は、現在、福岡市中心部に分散するキャンパスを、病院等一部を除き、十数年間にわたる長期計画で、この伊都キャンパスに統合移転する予定です。昨年十月から移転が行われていますが、予算的な制約から移転計画が長期化したため、多くの教員や学生が、伊都と他のキャンパスの移動で、長期にわたって大きな負担を強いられるという課題を伺いました。  同大学においては、ナノテクノロジーと情報を結び付けた分子情報科学という新しい研究領域を開拓し、世界的に高い評価を受けている新海教授の研究室と、将来のクリーンエネルギーである燃料電池自動車等の普及に向けた研究を行っている村上教授の研究室を拝見し、国際的に激しい競争の現状、将来展望、若手研究者や学生など次世代の人材育成の課題等を伺いました。  また、学生及び外国人留学生との懇談では、キャンパス移転の影響や大学法人化による変化、九州大学への留学を選んだ理由等について話を伺いました。  二日目は、まず須恵町立須恵西幼稚園を訪問いたしました。  福岡市近郊に位置する須恵町では、幼保の一元化を推進するため、教育行政と福祉行政の垣根を越えて教育委員会に子育て支援室を設け、須恵西幼稚園において先駆的に取組を進め、ノウハウを積み重ねています。  同園は、四、五歳児各一クラス、全幼児数七十名の幼稚園であり、平成十五年から、園舎の空き教室に、近隣の町立保育所分園の四、五歳児、合計三十五名を受け入れています。カリキュラムは一体化していないものの、遊びや一部の行事を合同で行うなど、徐々に幼保の接点の拡大に取り組んでおられます。園児のみならず、保護者同士の交流や、情報交換もできるようになったことは、就学前の不安の低減に役立っているのではないかとのことです。  次に、太宰府市において、国指定特別史跡である水城跡及び大宰府跡を視察し、同史跡の発掘調査の現況などについて説明を受けました。  最後に、昨年十月に開館した九州国立博物館を視察いたしました。  同館は、地元自治体や民間の協力によって設立され、管理運営についても、独立行政法人国立博物館と福岡県が連携協力して行っています。  このような経緯や、展示に関する工夫など、関係者の御努力もあり、昨年の開館以来、想定を大幅に超える大盛況となっております。展示室を拝見するとともに、収蔵庫において文化財の調査研究・修復作業を行う博物館科学について説明を受けました。引き続き分かりやすい展示を心掛けるなど、普及活動に関するノウハウを蓄積し、多くの方に来館していただくとともに、館独自の文化財の収集、研究活動の充実を図ることの重要性について意見交換をいたしました。  同博物館の「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」という基本コンセプトが、内外から訪れる観覧者の理解を得て、我が国と近隣諸国との相互理解の促進にも資することと期待しています。  以上で報告を終わりますが、今回の調査に当たり、関係の皆様方に大変お世話になりましたことに、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。  ありがとうございました。

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。     ─────────────

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 次に、文教科学行政の基本施策について、小坂文部科学大臣から所信を聴取いたします。小坂文部科学大臣。

小坂憲次自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(小坂憲次君) 昨年十月三十一日の小泉内閣第三次の組閣に当たりまして、文部科学大臣を拝命いたしました小坂憲次でございます。  中島啓雄委員長、そして理事、委員の皆様には、今日まで文部科学行政に大変御関心を賜りまして、御指導賜っておりますことに感謝を申し上げますとともに、引き続き御指導、御理解、そして御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。教育改革や科学技術・学術、スポーツ、文化芸術の振興のため、更に力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  第百六十四回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し述べます。  天然資源に恵まれない我が国においては、人材こそ国の宝であり、教育はこの国の将来を左右する国政上の重要課題であります。また、戦後の荒廃からいち早く立ち直り、今日の繁栄を築き上げることができたのは、科学技術の振興とそれを支える人材の養成があったからであります。  グローバル化の進展、少子高齢化の進行や人口減少など、国際環境や社会経済の急激な変化の中で持続的に発展を遂げていくためには、国家百年の計に立ち、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指した改革が不可欠であります。  まず、私といたしましては、どの子どもにも豊かな教育をとの考え方に立ち、国際社会で活躍できる心豊かでたくましい人づくりを目指した教育改革を更に推進する必要があると考えております。このため、今後重点的に取り組むべき具体的課題を教育改革のための重点行動計画として取りまとめ、先日、公表いたしました。  第一に、義務教育については、国の責任を確実に果たしつつ、学校や地方の創意工夫を生かした教育が実現できるよう、構造改革を力強く進めてまいります。  具体的には、国が明確な戦略に基づき目標を設定し、そのための確実な財源保障など基盤整備を行った上で、市町村や学校の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、教育の結果の検証については、国が責任を持って施策を推進し、義務教育の質を保証する仕組みに改革することとし、今後、必要な制度改正や事業の推進などを図ってまいります。  なお、義務教育費国庫負担制度の取扱いについては、昨年末の政府・与党合意により、制度を堅持した上で国の負担割合を三分の一とすることになりました。今国会では、この政府・与党合意などに基づき、公立義務教育諸学校等の教職員給与費及び施設整備費の負担等に関する制度改革を内容とする法律案を提出しております。  第二に、活力ある人材を育てるため、一、学習指導要領の見直しなどを通じて子どもたちの学ぶ意欲や好奇心を育成していくなど確かな学力の育成、二、いわゆるキレる言動など、近年大きな社会問題となっている子どもの情動面の問題に対応する方策の検討や、学校、家庭、関係機関の連携による不登校への対応など豊かな心の育成、三、子どもたちの体力の向上や食育の推進など健やかな体の育成、四、キャリア教育やニート等を対象とした学び直しの機会の提供など、自立し挑戦する若者の育成の四点に重点を置いて取り組んでまいります。  第三に、充実した教育を支える教育環境の整備について、一、安全、安心な学校・地域づくり、二、ICT利活用による教育、学習の推進、三、教育費負担の在り方の検討の三点に重点的に取り組んでまいります。  学校や通学路において大変痛ましい事件が続発していることを重く受け止め、ハード及びソフトの両面から組織的、継続的な対策に取り組む子ども安心プロジェクトを推進し、学校の安全、安心の確保に万全を期してまいります。学校安全ボランティアへの参加など、国民の皆様に積極的な御協力をいただきながら、政府一丸となって地域ぐるみの安全確保のための取組を強力に進めます。  非常災害時に地域住民の応急避難場所となる学校施設の耐震化を促進するため、国土交通省と連携し、本年内を目途に公立小中学校の耐震診断の完了を要請するとともに、喫緊の課題である学校施設等のアスベスト対策を推進し、保護者や地域の方々から信頼される安全、安心な学校づくりを進めます。  ICT、情報通信技術、インフォメーション・アンド・コミュニケーションズ・テクノロジーの利活用による教育、学習の推進については、世界最高水準のICT国家を支える人づくりという観点から、教員の指導力の向上を図るとともに、学校におけるICT環境の整備を加速させるため、私も先頭に立って、総務省等と連携しつつ、地方公共団体に働き掛けるほか、この三月を教育の情報化強化月間としてICT利活用促進キャンペーン等を実施しており、引き続き教育、学習の情報化を推進してまいります。  教育費負担の在り方の検討については、少子化など、社会経済全体の状況も踏まえつつ、就学前から社会人になるまでの各段階における教育費負担の実態を把握し、課題を明らかにした上で、その対策について検討を進めてまいります。  第四に、子どもたちの基本的生活習慣の育成を支援するため、PTA等民間団体と連携して、「早寝早起き朝ごはん」運動を全国展開するとともに、地域における子どもの居場所づくりを更に推進するなど、家庭、地域の教育力の向上を図ります。  また、これらの具体的な取組と併せて、新しい時代にふさわしい教育の基本理念を明確にするため、中央教育審議会の答申や与党における議論を踏まえ、国民的な議論を深めつつ、教育基本法の速やかな改正を目指してしっかりと取り組んでまいります。  私は、これらの施策を中心に、国民の皆様の幅広い御理解と御協力を得ながら、教育改革の着実な推進に引き続き努力してまいる決意であります。  私は、初等中等教育段階では、幼児期から子どもたちの好奇心を伸ばす教育環境をつくり、子どもたちが学ぶ楽しさを感じながら、一人一人がそれぞれの得意な分野を伸ばし、社会で自立していく力を身に付けることが極めて大切であると考えます。  学力の問題については、国際的な調査結果等により明らかとなった読解力の低下や、学習意欲や学習習慣が十分身に付いていないことなどの課題を深刻に受け止め、今後、基礎、基本をしっかりと身に付けさせるとともに、学ぶ意欲や自ら考え主体的に判断する力などの確かな学力をはぐくむため、学習指導要領全体の見直しや、習熟度別少人数指導の一層の推進、全国的な学力調査の実施、国語力の育成、理数教育、総合的な学習の時間の推進など、総合的な学力向上策に取り組みます。  子どもたちに、命を大切にする心、善悪の判断などの規範意識や倫理観、公共心や他人を思いやる心などの豊かな人間性や社会性をはぐくむため、学校と家庭、地域社会が一体となって、道徳教育の充実、学校の内外を通じた奉仕・体験活動や読書活動の推進を図ります。また、青少年の有害環境対策に取り組みます。  子どもたちの健やかな体をはぐくむため、体育の一層の充実や運動部活動の振興を図るとともに、食育基本法を踏まえ、家庭、地域と連携しつつ、栄養教諭制度の円滑な実施や学校給食における地場産物の活用の推進などにより、学校における食育を一層進めてまいります。また、児童生徒の薬物乱用防止教育など、学校保健の充実に取り組みます。  学校の内外を通じて不登校や問題行動への適切な対応を図るほか、LD、ADHD等の発達障害を含む障害のある子どもたち一人一人の教育的ニーズに応じ、特別支援教育を一層推進するため、必要な制度の見直しを内容とする法律案を提出しております。外国人児童生徒教育においては、日本語指導を始めとして、充実を図ります。また、就学前の幼児の教育、保育を一体として提供する仕組みを制度化するための法律案を提出しており、幼児教育の振興に取り組んでまいります。  学校運営協議会制度によるコミュニティ・スクールの設置促進など、保護者や地域住民の参画による信頼される学校づくりを進めるとともに、適切な学校評価システムを構築します。また、教員評価の徹底や十年経験者研修制度の推進など、教育専門職としての教師の資質向上を図るとともに、教職課程の質的水準の向上、教職大学院制度の創設や教員免許更新制の導入を含む教員養成、免許制度の改革について検討を進めるなど、教育の質の保証、向上を図ってまいります。教育委員会については、地域の課題に主体的に取り組めるよう、制度の見直しを検討してまいります。  知識基盤社会の時代と言われる二十一世紀において、我が国では若年人口が急速に減少し、平成十九年には、大学、短大の志願者と入学者が一致する、いわゆる全入時代を迎えます。各大学が、それぞれの個性、特色を一層明確化し、教育、研究とこれらを通じた社会貢献という三つの役割を十分に果たすよう、国公私立大学を通じた競争的な環境を整備し、大学改革への取組を支援してまいります。具体的には、世界的な研究教育拠点の形成、高度専門職業人の養成、地域への貢献、産学連携等を通じた人材養成等、各大学の多様な取組の支援に努めます。また、国際的に魅力ある大学院の構築のために、関係施策を体系的かつ集中的に推進します。  国立大学法人については、各大学が自主性、自律性を十分に発揮し、教育研究の一層の活性化を図り、個性豊かな大学づくりを進めることができるよう、国として必要な支援に努めるとともに、施設整備についても、新たな緊急整備五か年計画を策定し、引き続き着実に支援してまいります。  加えて、大学の設置認可制度の的確な運用と第三者評価制度の円滑な実施を進め、大学の教育研究の質保証の充実を図ってまいります。  私立学校については、建学の精神に基づく個性豊かな教育研究活動を積極的に展開できるよう、一層の振興に努めてまいります。また、教育を受ける意欲と能力のある者の修学の機会を確保するため、奨学金の充実など学生への支援にも精力的に取り組んでまいります。  科学技術・学術は、国民の生活や経済活動を持続的に発展させ、環境問題など地球規模の問題の解決に大きく貢献するなど、我が国の、そして人類の希望ある未来を切り開くかぎとなるものであります。  平成十八年度は、第三期科学技術基本計画の初年度に当たります。政府における科学技術振興の中核を担う文部科学省としては、科学技術創造立国の実現を目指した諸施策を積極的に展開してまいります。  まず、若手研究者や女性研究者、外国人研究者など、多様な人材が能力を発揮できるような環境整備や、科学技術、理数教育の推進など、学校段階から研究者、技術者に至るまで、科学技術を支える人材の質的、量的な充実に向けた取組を総合的に推進してまいります。  また、大学や大学共同利用機関等におけるニュートリノ研究、アルマ計画、大強度陽子加速器計画等を始めとした独創的、先端的基礎研究に取り組むとともに、研究者による高い倫理観の下で着実に推進してまいります。また、イノベーションの創出に向け、知的財産戦略の強化及び産学官連携の推進、知的クラスター創成など、地域科学技術の振興を図ってまいります。  加えて、科学研究費補助金の拡充など競争的資金の充実により、競争的な研究環境の整備を図るとともに、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野における一層の重点化や、原子力、宇宙・航空、海洋、地震・防災、新興・融合分野の研究開発を効果的に推進してまいります。さらに、新しい感染症やテロの防止等、国民の不安を解消し、安全で安心な社会を実現する科学技術を推進するとともに、科学技術活動の基盤となる施設設備等を整備し、世界一流の人材を引き付けられるような研究環境を実現してまいります。  中でも、先般、初めて一か月に三機連続のHⅡAロケット等の打ち上げ及び衛星の軌道投入に成功した宇宙輸送システム、地球深部探査船「ちきゅう」が就航した海洋探査システム、「もんじゅ」を始めとする高速増殖炉サイクル技術、統合地球観測・監視システム等の国家の総合的な安全保障に密接にかかわる技術や、次世代スーパーコンピューター、エックス線自由電子レーザー等の我が国の発展を強力に牽引する世界最高性能の研究設備を実現する技術については、我が国が持続的に発展し、世界をリードしていくための基幹的な技術であり、これらについて戦略的に研究開発を推進してまいります。次世代スーパーコンピューター等の先端大型研究施設については、幅広い研究者に共用される仕組みの構築に取り組んでまいります。国際協力で核融合エネルギーの研究開発を行うITER計画の着実な推進や、近年発展が著しいアジア諸国との連携強化など、国際活動を戦略的に展開します。また、各省庁が連携し、地域の大学等の活性化、活用による地域再生を目指す地域の知の拠点再生プログラムを推進してまいります。  人々が生涯にわたり自己実現を図ることができるよう、生涯学習の環境整備や大学、専修学校における社会人のキャリアアップのための教育を推進するとともに、新しい時代に即した社会教育の活性化を図りつつ、男女共同参画社会の形成を推進する教育、環境教育や人権教育などの充実に努めてまいります。  また、フリーター、ニートの増加等を踏まえ、しっかりとした勤労観、職業観をはぐくみ、若者が明確な目的意識を持って職に就くことができるよう、地域や企業の協力の下、中学校を中心とした五日間以上の職場体験など、各学校段階に応じ、体系的なキャリア教育を推進するとともに、ニート等を対象とした学び直しの機会の提供等に取り組んでまいります。  トリノ冬季オリンピック競技大会が閉幕しましたが、スポーツの振興は活力に満ちた社会を形成する上で不可欠であります。世界的な大会における日本選手の活躍は、国のアイデンティティーを確立するとともに、国民全体の活力の源泉となるものであり、夏季、冬季を通じた競技力の強化、向上のためのトレーニング拠点施設の充実が急務であります。このため、ナショナルトレーニングセンター中核拠点施設の整備を推進するなど、世界のひのき舞台で活躍できるトップレベルの競技者の育成等に取り組むとともに、総合型地域スポーツクラブの育成などにより、また、スポーツ振興くじも活用し、国民のだれもが身近にスポーツに親しめる地域のスポーツ環境の整備に努めます。  子どもの目標やあこがれの地となるような全国的なスポーツ大会の拠点づくりを推進するとともに、親子で一緒に体を動かす機会の提供などにより、子どもの体力の向上に努めます。  スポーツの振興を更に効果的に推進するため、平成十三年度から十年計画として実施しているスポーツ振興基本計画については、本年は見直しを行い、生涯スポーツの普及振興、国際競技力の向上、そして子どもの体力向上を図るという視点から、豊かなスポーツ環境づくり推進のための施策を充実させてまいります。  文化芸術は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人生を送る上での大きな力となるものであります。活力ある社会の実現のためには、文化力の向上を図ることが経済力と並ぶ車の両輪として極めて重要であり、文化芸術立国の実現に向けた取組を総合的に推進してまいります。我が国が誇る優れた文化財や伝統文化はもとより、映画、音楽、アニメ、ファッションなどの日本文化は、ジャパン・クールとして世界の人々を魅了しております。我が国の顔となる魅力ある文化芸術を創造し、積極的に世界に発信していくため、文化芸術創造プランや「日本文化の魅力」発見・発信プランを推進し、特に、次代を担う子どもたちの豊かな人間性と多様な個性をはぐくむため、感性豊かな文化の担い手育成プランを推進します。正しい国語の継承、発展のため、文化審議会国語分科会を通じて検討を進めてまいります。また、地域文化の振興、文化財の保存、活用、文化財分野における国際協力に積極的に取り組みます。通信と放送の融合等への適切な対応を含め、新しい時代に対応した著作権等の在り方の検討に取り組んでまいります。  さらに、平成十四年に閣議決定された文化芸術の振興に関する基本的な方針について、諸情勢の変化等を踏まえ、本年に適切な見直しを行います。  我が国が、国際社会において積極的な役割と責任を果たし、世界から信頼される国となることは極めて重要な課題であり、日本の知識や経験を生かせる国際協力、交流に力を尽くします。官民の連携により奨学金制度の充実を図るなど、留学生受入れ体制の整備充実や、日本人の海外留学、外国人青少年との交流促進などの支援にも取り組んでまいります。グローバル化の進展やインターネット社会に対応した英語教育の充実について、初等教育段階における具体的方策の検討を進めるなど、英語によるコミュニケーション能力の育成に努めます。また、二十一世紀のアジアの発展と我が国の持続的な繁栄のためには、中国、韓国などアジア近隣諸国との幅広い分野における協力、交流を強化し、相互理解と信頼に基づく関係を構築することが重要であります。アジア近隣諸国等とのコミュニケーションを促すという観点から、英語以外の外国語教育の在り方を検討してまいります。  以上のほか、規制改革や構造改革特区、地域再生については、今後とも引き続き、地方公共団体や民間の創意工夫を生かし、教育研究の活性化や地域の活力の再生という観点から、できるだけ柔軟に取り組んでまいりたいと考えております。また、公益法人改革、公務員の総人件費改革、独立行政法人の組織、業務の見直し、被用者年金の一元化等の重要な課題に積極的に対応してまいります。  私といたしましては、国民の皆様の強い期待を真摯に受け止め、文部科学行政全般にわたり、様々な取組を力強く進めてまいりたいと考えております。引き続き、関係各位の御理解と御協力を心からお願いを申し上げて、所信といたします。よろしくお願いします。

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 次に、平成十八年度文部科学省関係予算について、河本文部科学副大臣から説明を聴取いたします。河本文部科学副大臣。

河本三郎自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(河本三郎君) 河本三郎であります。  小坂大臣を支え、馳副大臣、吉野、有村両政務官とともに、文部科学行政推進に向けて精進を重ねてまいりますので、中島委員長始め委員各位の御指導を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、私の方から、平成十八年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  平成十八年度予算の編成に当たっては、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指し、それぞれの分野において、施策を総合的に展開するため、文部科学予算の確保に努めてきたところであります。  文部科学省所管の一般会計予算額は五兆一千三百二十四億円、電源開発促進対策特別会計予算額は一千四百九十二億円となっております。  以下、平成十八年度予算における主な事項について御説明申し上げます。  第一に、義務教育費国庫負担金については、昨年末の三位一体の改革に関する政府・与党合意に基づいて、義務教育費国庫負担制度を堅持した上で、国庫負担割合を二分の一から三分の一とすることとし、一兆六千七百六十三億円を計上しております。  また、確かな学力向上を図るため、全国的な学力調査の実施に二十九億円を計上するとともに、学校評価システムの構築を目指すなど、関連施策を総合的に進めることとしております。  さらに、学校施設の耐震化等を推進するとともに、地方の裁量を高め、効率的な執行に資するため、安全・安心な学校づくり交付金を創設することにしております。  第二に、学校の安全を確保する取組を一層推進することとして子ども安心プロジェクトに二十六億円を計上するとともに、子どもの望ましい基本的生活習慣を育成する観点から、生活リズムを向上させるための取組や学校における食育の推進を図ることとしております。  第三に、フリーター、ニート問題等への対応について、キャリア教育、職業教育等の充実に百十六億円を計上するとともに、社会的自立を目指した学び直しの機会の提供を行うこととしております。  第四に、大学改革を推進するため、国公私立大学を通じた大学教育改革の支援に五百六十二億円を計上するとともに、奨学金事業については、貸与人員で五万七千人を増員することとしております。  第五に、私学助成について、私立大学や高等学校等に対する経常費補助として総額四千三百五十一億円を計上するなど、引き続きその充実を図ることとしております。  第六に、国際教育交流、協力を推進することとして、留学生交流の推進に四百六十五億円を計上するとともに、中国、韓国との教職員交流の拡充やアフリカを含む途上国に対する教育支援を進めてまいります。  第七に、スポーツの振興について、生涯スポーツ社会の実現及び国際競技力の向上に百四億円を計上するなど、豊かなスポーツ環境づくりを推進することとしております。  第八に、国内外の人々を魅了する文化力の向上について、文化芸術創造プランの推進に百九十一億円を計上するとともに、「日本文化の魅力」発見・発信プランや文化財の次世代への継承と国際協力を推進してまいります。  第九に、科学技術関係人材の養成確保に向け、優れた研究者を確保するため六百六十八億円を計上するとともに、社会のニーズに対応した人材の養成や科学技術、理数教育の推進など、小学生から第一線の研究者、技術者に至るまでの取組を総合的に推進してまいります。  第十に、基礎研究の充実とイノベーションの創出を図ることとして、科学研究費補助金を始めとした競争的資金について三千五百八十四億円を計上するとともに、知的財産戦略の強化や産学官連携の一層の推進、地域科学技術の振興などについて積極的に取り組んでまいります。  第十一に、我が国が持続的に発展し、世界をリードしていくための基幹的な技術として、宇宙輸送システムの整備等に四百九十二億円、次世代スーパーコンピューターの開発等に三十五億円、エックス線自由電子レーザー装置の整備等に二十三億円を計上するなど、戦略的に研究開発を推進してまいります。  第十二であります。科学技術の国際活動を戦略的に推進することとして百六十七億円を計上しております。  以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。  ありがとうございました。

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。  この際、馳文部科学副大臣、吉野文部科学大臣政務官及び有村文部科学大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。馳文部科学副大臣。

馳浩自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(馳浩君) 副大臣を拝命しております馳です。  大臣を支えて、一生懸命頑張ります。委員の皆様方の御指導よろしくお願いいたします。(拍手)

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 吉野文部科学大臣政務官。

吉野正芳自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(吉野正芳君) 文部科学大臣政務官を拝命しました吉野正芳でございます。  国の基は人づくりであります。有村治子政務官と一緒に大臣、副大臣を補佐して、努めてまいります。委員長始め委員の皆様方の御指導よろしくお願い申し上げます。(拍手)

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 有村文部科学大臣政務官。

有村治子自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(有村治子君) 文部科学大臣政務官を拝命しております有村治子でございます。主に教育とスポーツ分野を担当いたします。  従来どおり、引き続きこの参議院文教委員会に委員として所属いたしますけれども、政務官在任中は、大臣、副大臣を補佐し、吉野政務官共々文部科学行政に意を尽くしてまいりたいと存じます。どうか中島啓雄委員長、それから与野党の筆頭理事の先生方、皆様、引き続き御指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

中島啓雄自由民主党

○委員長(中島啓雄君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会

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