農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2006/05/25
会議録
○委員長(岩城光英君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案、砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。中川農林水産大臣。
○国務大臣(中川昭一君) 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年の我が国農業をめぐる情勢を見ますと、農業従事者の減少、高齢化による農業の生産構造の脆弱化が進む中、その構造改革を加速化するとともに、WTOにおける国際規律の強化にも対応し得る施策への転換を図ることが喫緊の課題となっております。 政府といたしましては、このような課題に対処し、国民に対する食料の安定供給の確保に資するよう、これまですべての農業者を対象に品目ごとに講じてきた施策を見直し、認定農業者等の担い手の経営全体に着目してその安定を図るために必要な交付金を交付する措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、交付金の交付対象となる農産物及び農業者の範囲であります。 対象農産物として、米穀、麦、大豆、てん菜、でん粉の製造の用に供するバレイショのように、国民に対する熱量の供給を図る上で特に重要であって、相互の組合せによる生産が広く行われている農産物を定めるとともに、対象農業者として、認定農業者又は特定農業団体その他の一定の要件を満たす農作業受託組織、すなわち一定の要件を満たすいわゆる集落営農であって、その耕作の業務の規模が一定の基準に適合する等の要件を満たすものを定めることとしております。 第二に、我が国の農業における生産条件に関する不利を補正するための交付金であります。 我が国の地理的条件が悪いこと等に起因する諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正するため、対象農産物のうち、その生産費が販売価格を上回るものについて、両者の差額に応じた交付金を交付することとしております。 第三に、収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和するための交付金であります。 豊凶変動等による対象農産物に係る収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和するため、自ら一定の積立てを行っていることを要件として、収入減の一部を補てんする交付金を交付することとしております。 第四に、交付金の交付業務の適正な執行の確保についてであります。 交付金の交付業務の適正な執行を確保するため、不正の手段で交付金の交付を受けた者に対し交付金の返還を命ずるとともに、必要な場合にはその徴収ができることとしております。 なお、これらの措置を講ずることに伴い、大豆交付金暫定措置法を廃止することとしております。 続きまして、砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 砂糖及びでん粉は、各種食品の原材料として、国民生活上必要不可欠な物資でありますが、これらの原料作物である甘味資源作物及びでん粉原料用芋の生産につきましては、我が国の農業の生産条件が諸外国に比して不利となっており、これを補正していくことが重要な政策上の課題となっております。 現在、砂糖及びでん粉につきましては、政府が定める最低生産者価格又は原料基準価格以上の価格で取引された甘味資源作物又はでん粉原料用芋から製造された砂糖又はでん粉を対象に支援する措置が講じられており、これらを通じて甘味資源作物及びでん粉原料用芋の生産者の所得の確保が図られております。 しかしながら、このような仕組みにおきましては、砂糖又はでん粉の市況が生産段階に的確に伝達されないことから、需要に即した生産を今後より一層推進し、国内産糖及び国内産芋でん粉の安定供給を図っていくため、その支援手法を見直すとともに、でん粉の価格調整制度を創設することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、砂糖の価格調整制度における政策支援の手法を見直すこととし、最低生産者価格を廃止して、甘味資源作物の生産者及び国内産糖製造事業者に対し、それぞれ交付金を交付する仕組みに転換いたします。 第二に、でん粉について、新たに価格調整の仕組みを創設することとし、輸入に係るでん粉等について独立行政法人農畜産業振興機構への売渡し及び買戻しの義務を課すとともに、でん粉原料用芋の生産者及び国内産芋でん粉製造事業者に対し、それぞれ交付金を交付する等の措置を講ずることとしております。また、これに伴い、砂糖の価格調整に関する法律の題名を砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に改めることとしております。 第三に、独立行政法人農畜産業振興機構について、新たにでん粉の価格調整の業務を行わせる等の措置を講ずることとしております。 なお、これらの措置を講ずることに伴い、甘味資源特別措置法及び農産物価格安定法を廃止することとしております。 続きまして、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 麦は、米と並んで主食としての役割を果たすとともに、我が国農業において、水田営農にあっては転作作物や裏作作物として、また、畑作営農にあっては輪作作物として重要な地位を占めております。 一方、麦をめぐる現下の情勢を見ますと、国内産麦につきましては、需要動向に応じた計画的な生産が求められている中で、品質、生産性の向上に遅れが見られ、また、製粉業等の麦の加工産業につきましては、安価な小麦粉調製品等の輸入が増加する中で、コストダウン等を通じた一層の国際競争力の強化に向けた取組が必要となっております。 他方、我が国農業全体を見れば、構造改革を加速化するとともに、WTOにおける国際規律の強化にも対応し得るよう、これまですべての農業者を対象に品目ごとに講じてきた施策を見直し、担い手の経営全体に着目してその安定を図る新たな施策に転換することが喫緊の課題となっております。 こうした農政全体の課題に対応するとともに、需要に応じた良品質な麦の生産をより一層推進する観点から、民間流通を基本とした麦の需給及び価格の安定を図る新たな麦政策を構築することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、担い手の経営全体に着目した新たな経営安定対策を導入することとしていることに伴い、また、既に平成十七年産麦の全量が民間流通していることも踏まえ、国内産麦についての政府による無制限買入れ制度を廃止することとしております。 第二に、麦の需給及び価格の安定を図るため、新たに麦の需給見通しを策定することとし、これに基づき、麦の備蓄の円滑な運営を図るとともに、麦の適切な輸入及び売渡しを行うこととしております。 第三に、農林水産大臣が定める標準売渡価格を廃止し、政府が保有する外国産麦につきましては、輸入価格の変動を反映した価格で売り渡すこととしております。 第四に、国家貿易の枠内で製粉企業等の多様な需要に柔軟に対応できるよう、米穀について既に制度化されている特別な方式、いわゆるSBS方式による輸入を麦についても導入することとしております。 以上がこれらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(岩城光英君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。 三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十五分散会