政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/04/12
会議録
○委員長(山崎正昭君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本日の委員会に、委員外議員浮島とも子君の出席を求め、参議院政府開発援助調査について意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎正昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、平成十七年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から十分程度ずつ御意見を伺った後、一時間三十分程度で委員との意見交換を行いたいと存じます。 御意見を表明していただくのは、第一班のエジプト、タンザニアについて浮島とも子君、第二班のベトナム、カンボジアについて加藤敏幸君、第三班のインドについて田村耕太郎君です。 なお、意見を表明される際は着席のままで結構でございます。 それでは、まず、第一班の浮島とも子君からお願いをいたします。浮島君。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 公明党の浮島とも子でございます。 本日は、この政府開発援助等に関する特別委員会におきまして発言する機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。着席のまま発言をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は昨年十一月、ODA調査派遣団第一班に参加し、エジプト、タンザニア両国の我が国ODA案件を調査する貴重な体験を得ることができました。既に昨年十二月の決算委員会において、団長として調査団をリードしてくださいました伊達先生から御報告がなされております。また、同じく決算委員会において、第一班に参加されました、ODAの分野についていずれも優れた御見識をお持ちで調査の際にもするどい指摘をされておられました尾立先生、藤末先生の御発言がございます。さらに、去る二月には調査団として取りまとめました派遣報告書を提出させていただいております。 そこで、若干重なる部分があるかとは存じますが、調査に参加いたしまして気付きました点を中心に、若干の意見を交えまして発言をさせていただきたいと存じます。 まず、エジプトについてでございます。 エジプトでは、全人口七千万人の約四〇%に上る人々が一日二ドル以下で生活していると言われるように、国民生活の質の向上を始めとして援助を必要とする分野がまだまだあるのかなという印象を受けました。 他方、エジプトの人々は、古い歴史を背景に中東・アフリカ大国として誇り高くエネルギッシュに経済建設に取り組んでいるようにもうかがえました。また、私たちが視察させていただいたカイロ近郊の建設機械訓練センターやアレキサンドリアの地域環境監視センターでは多数の女性の担当者が私たちの説明や案内に当たられ、女性の社会進出が実現していると感じました。また、エジプトが自立的に発展していく上で雇用の創出、低所得者層の保護がキーポイントになると言われております。 そこで、我が国のエジプトに対するODAについては、エジプトの重要な産業である観光産業の重要な資源でもあります新しい考古学博物館を建設するための円借款の供与や、人材育成のための技術協力の一層の強化と並んで、上水道整備などの生活インフラに対する無償援助について、エジプト側の管理運営面における更なる改善を求めながら継続する必要があるのかなという感想を持ちました。 次いで、タンザニアについてでございます。 タンザニアは、キリマンジャロのふもとにあるJICAによる技術協力案件の農業施設者訓練センターや、ダルエスサラームの無償援助により建設された小学校などを視察し、また、農業技術を指導しているNGO関係者からお話を伺い、意見交換を行いました。 タンザニアは一九六一年に独立して以来、アフリカ諸国の独立に尽力し、近隣諸国から敬意の念を抱かれており、また、親日的なお国柄で、我が国の国連安保理常任理事国入りについて支持してくれております。他方、タンザニアは人口約三千七百万人の国民一人当たり国民所得が三百三十ドルという厳しい状況にある重債務貧困国であります。我が国は経済改革に取り組んでいるタンザニアの自助努力に対し、ODA重点国の一つとして位置付け、援助を実施しています。 タンザニアの日本大使館では、現金を援助相手国政府の一般会計に直接投入するという一般財政支援が貧困削減戦略としてアフリカに対する援助の主流を占めようとしており、我が国もタンザニアに対し、無償援助の枠組みにより、試験的ではございますけれども、一般財政支援に参加している旨の説明がございました。さらに、一般財政支援のような援助を進めていくには、相手国政府に対し、政策についてアドバイスできる人材を送り込む必要があり、日本という援助国の顔の見える援助とともに、声の聞こえる援助が大切であるとの指摘がありました。 以上を踏まえ、我が国のタンザニアに対するODAについては、タンザニアの政府、国民を挙げての自助努力に対し充実させていくべきものと思いました。 続いて、今回の調査を通じて気付きました点について申し上げます。 第一に、無償援助案件に対する評価についてより一層の充実を図るよう政府、援助実施機関を挙げての取組を促す必要があると思われます。 今回視察させていただいたエジプトの地域環境監視センターでは、残念ながら試験用の機材にほこりがかぶっていたり、常時使用されている形跡が余り見受けられないという印象を受けました。機材は日本からの無償援助でございますが、日本の試験用の機材を稼働させるためには、日本から継続して試験用の試薬を確保しなければなりません。地域環境監視センターの管理運営や運営経費の確保はエジプト側の責任と申せますが、無償援助案件や技術協力案件が往々にして困難な状況になってしまっては日本国民の血税が無駄になってしまいかねません。政府が無償援助案件に対する評価の充実に努力されていることは高く評価いたしますけれども、無償援助案件に対する事前、中間、そして事後の評価を更に取り組み、評価に基づいて適切な対応を図るべきものと思われます。 第二に、政府や援助実施機関における援助専門家の養成をより一層強化するとともに、青年海外協力隊やシニア海外ボランティアの皆さんの活動について、その更なる拡充強化を進めることが大切であると思います。 併せて、NGOを通じたきめ細やかな援助が相手国の人々の努力を促していることを踏まえ、NGOの自主性、自律性を尊重しつつ支援を拡充し、NGOを通じた援助、特にNGOとODAの連携について、より一層強化するよう努めていくべきであると考えます。 平成十六年度決算に対する本会議の質問でも取り上げさせていただきましたが、エジプト、タンザニアではいずれも女性の青年海外協力隊員の現場に密着した真摯な活動に感銘を受けました。任地にいる青年海外協力隊員に対するバックアップ体制、特に医療面でのバックアップ体制の強化、そして協力隊経験者のキャリア形成に対する支援の強化など施策の更なる充実が望まれます。さらに、これから人生の新たな舞台を迎えられる団塊の世代の方々の御奮発をお願いして、シニア海外ボランティアの活動がより一層拡充されるような施策の強化を希望いたします。 現在、我が国の厳しい財政状況の下では、かつてのようなODA予算の増大は国民の幅広い理解を得ることは困難であると思います。そのような中でODAの内容を充実させるには、青年海外協力隊やシニア海外ボランティアの拡充強化が一番適切ではないかと思います。さらに、NGOを通じた援助の拡充は、国民の参加を得た息の長い、国民に理解され、親しまれ、ひいては国民に愛されるようなODAとして、ODAの国民的なすそ野の拡大をもたらすことができるのではないかと思われます。今回の派遣においても、何より日本の顔が見える援助を実践していただいていると感じましたのは、技術協力派遣専門家や青年海外協力隊員など、皆さんの地道な活動の姿そのものでありましたことを御報告申し上げたいと存じます。 最後ですが、第三に、今回、ODA案件の調査という誠に得難い経験をさせていただきましたことは、ODAに対する国民の皆さんの関心と理解を深める上でも、国民の代表である国会、とりわけ参議院におけるODAに対する関与が深められるべきと思います。その意味において、毎年、政府が作成され公表されているODA白書について、その概要を参議院の本会議において報告され、これに対し各党が質疑をいたしまして、日本のODAの現状と課題について国民の皆さんの理解に資することができましたならば大変意義深いものがあると存じます。 以上、ODA調査に基づく所感を申し上げ、私の発言を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(山崎正昭君) どうもありがとうございました。 次に、第二班の加藤敏幸君にお願いをいたします。加藤君。
○加藤敏幸君 加藤敏幸でございます。 こういう機会を与えていただきまして大変有り難いのですけれども、ただ、派遣したときから、また決算委員会でも幾つかのやり取りをした後々も今のこの時点まで、このODAについて考えれば考えるほどなかなか問題の、難しいといいますか、あるいは非常に複雑な構造を持っているのではないかと、このように思いつつ、団の報告につきましては、この立派な報告書の中の六十一ページ以降、小泉顕雄団長を含めまして詳細な報告がございますので、そちらの方でお読みをいただきたいと思います。 本日は、私として、ややつたないんですけれども、感想を少し申し述べさしていただきまして、自後の討論の素材の一端にでもなればという思いで話を進めさしていただきます。 まず、三点から少しく考えてみまして、一つは、ODA、政府開発援助の戦略性とは何なのかと。こういうふうな視点で考えてみますと、まず第一は、我が国の国益あるいは国民益にかなうと同時に、政府が行っております外交の目的、目標に有機的な連動性を持っておるということではないかと思います。 ただ、これらの非常にレベルの高い議論と、現実、私どもが見ましたベトナム、カンボジアでの日々行われております援助活動とが一体具体的にどういうふうにリンクしているのか、その関連性をどう理解をしていくのかというのはなかなかに難しいことであったというふうに思います。 ただ、一つ言えますことは、極めて戦略性を高めてこのODAを執行するということになった場合、我が国の国益といえば、やはり国民お一人お一人、納税者の皆さん方の本件に対する理解をどのように形成していくのかという国内の大きな課題があるのではないかと。そういう点でいけば、このODAに対する国民の理解に分裂あるいは分散、そういうふうなものがあったときに、私はそこは国内世論としてしっかりとこの議論を煮詰めていくという、そういうことがなければ、単に予算の無駄遣い、大切な血税をどう使っているんだという批判に対応することはできないのではないかという、こういうふうな思いを一つ持ったということであります。 この戦略性についての二点目ですけれども、ベトナムにおいては四つのJがうまく機能していると。すなわち、日本大使館、JICA、JBIC、ジェトロと、この四者が、四つのJが非常に効果的なチーム制を、チームを組んで非常にいい仕事をしているんだと、こういうふうなお話をいただきまして、確かに、私たちも肌で感じたところを言えば、非常にチームワークの取れた活動をしているということであります。 しかしながら、国内から見たODAと現地から見たODA、そのことに対する評価というのにはいささか差があったというふうに思います。特に、JICA、JBIC、ジェトロの皆さん方が現地に足を踏み込んで、体の半分以上を現地に突っ込んで、そして一生懸命現地の人と仕事をしていくことの中からつくり出されるODA事業の効果性というものは、非常にシンパシー、現地に対する高いシンパシーを持った、そういう評価軸で発現されるわけですけれども、しかし国内から見ると、それで一体何になるのと。そういうある意味であなた方は熱い気持ち、熱い温度だけれども、国内から見ると、一体それが何の役に立つのかという、冷えた、さめた、そういう評価を行う、そういうところにやはりギャップがあるような気がいたします。 次に、効果性ということから少し考えてみますと、これは正に政策評価にかかわるということでありますけれども、受益側から申し上げますと、受益側の正に国益に最もかなったODAが評価が高いということになるわけであります。その受益側の評価が高いということは、ぐるっと回って我が国がやったODAの評価が高いということですから、これは我が国にとっての効果性も高いと、非常に強い相互連関性を持っておるということでございます。 ただ、これはベトナムとカンボジアという非常に特徴のある二つの国の比較において、ベトナムは中央集権、非常に強い政治基盤の上で共産党政府が極めて計画性の高い執行力のある政治を展開をしております。一方、カンボジアは御存じのとおり大変不幸な歴史を背負ってきて、つい最近まで国内に紛争を抱えておったという国情の中で、政治基盤に大きな差がある。 そして、経済の計画性についてもベトナムは非常に高い戦略性を持って、各国から来るODA予算を正に自らの政策の中に強力に組み込んでいくという強いリーダーシップの中でやっていく。カンボジアはそういうところは非常に弱くて、言わばパッシブな受動的な対応であり、かつ依存的である。ベトナムは能動的であり、かつ主体的である。経済そのものでいけば、ベトナムは離陸期の経済であり、カンボジアは正に整備中、こういうふうな相手国の状況によって政策評価が相当変わってくるのではないかと。 そういうふうな意味で、私は、政策評価の一つとして、その国の国民の皆さんを含めた感謝度という仮に尺度をつくったとして、この感謝度をいかに向上させていくのかということをどういうふうに分析をし、考えていくのか、これがポイントになるだろうというふうに思います。 そこで申し上げたいのは、各国とも多くの国からのODAを供与されておるわけでありますけれども、それぞれの各国の行っているODAというものは、一生懸命やっているけれども、他国のODAとの、言わば商品でいえば差別化だとか相互の比較だとか、そういうことについては余り検討はされていないわけであります。私どもは、我が国のODAの執行の現場を見ますけれども、バスで通りすがりに、ああこれは中国のだよとか、これはドイツのだよと、こう見せられるだけですけれども、本格的に本当にどちらがいいのかは、これは比較対照してみるしか方法がない。 そういうような意味で、私は、ODAの供与国だけじゃなくて、例えば先進諸国が一体どういう戦略なり考え方なりあるいは国内の世論を背景にしてこのODAを執行しているのかという、そういうところもしっかりと調査する必要があるのではないか、このような思いも持ったということでございます。 三つ目に、ODAを執行される、私たちが対象国の中における背反構造といいましょうか、言わば国内にODAを受け入れるときにお互いにぶつかり合うような流れがある。その一つは環境破壊ということで、せっかくのODA予算について国内に世論が分裂している、そういうことも考えられるわけであります。正に少ない予算で選択と集中ということを展開するわけでありますけれども、特に都市部と地方部との正に格差の拡大だとか、そういうふうなことを惹起しているのではないか。 ベトナム・ホーチミン市において上下水道について大変すばらしい私たちはODAを実行しておるわけでありますけれども、ホーチミン市は上下水あるいは環境については向上しますけれども、その周辺の地域についてはその恩恵に浴することができない。つまり、ODAで良くなっていく都市部と取り残されていくという地方、このことがやっぱりつくられているし、これはある意味で仕方がないわけですけれども、そういうふうな部分についてどういうふうに我々は考えていけばいいのかと、このようなことも感じたわけであります。 最後に、カンボジアの遺跡修復について少し申し述べさしていただきます。 簡単に言えば、国際機関を通じたこれはODAでございますけれども、修復の方針について中国と日本とではやり方が違っておると。我が国の修復の方針というのは、できるだけ原状に近い形で、言わば学術的に価値のある修復を一生懸命やっておるし、その方法論を現地の皆さん方に伝授していると。ところが、中国の方は、コンクリートで固めて格好いい建物を修復する、つまりテーマパークに一番合致するような手っ取り早い方法をやっぱり選択しておるわけです。 どちらがいいといえば、私は日本のやり方がいいと即座に思いましたけれども、しかし、観光収入を得るだとか、そういう視点でいけば、テーマパーク的に、手っ取り早く、見た目も格好いいというものを造っている中国のやり方について現地においてはそれなりの理解もあるのではないかと。 そういったときに、世界遺産であるアンコールワットの原状復旧に軸足を置くというのか、周りの人たちの産業の経済発展に寄与する観光収入の増大というところに寄与すべきなのか、なかなか考え出すと夜も眠れないということでございますけれども、この辺にいたしまして、あとは皆さん方の御討議の方ということにいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(山崎正昭君) どうもありがとうございました。 次に、第三班の田村耕太郎君からお願いいたします。田村君。
○田村耕太郎君 ありがとうございます。 自由民主党の田村耕太郎です。本日は、このような機会を与えていただきましてありがとうございます。 私は、昨年十二月四日から十二日までの九日間、ODAの実情調査のためにインドに派遣されました。 既に、昨年十二月の決算委員会で団長の山下英利議員から報告が行われ、その席に、この委員会のメンバーでもいらっしゃる富岡議員や大門議員から活発な意見交換が行われたと伺っております。また、今年の二月には報告書も提出していますので、重なる部分もあろうかと思いますが、改めてインドでのODA調査に参加した一員として発言させていただきたいと思います。 まず、インドについては、もう御案内のとおり、国そのものが非常に長い歴史と伝統を持ち、ほかのアジアの国と違って日本に対する歴史的な負の遺産が少ないということから、非常に親日的であるという国民性を強く感じました。また、インドは、現在約十一億人の国民を抱える世界最大の民主主義国家であり、また近年の経済成長は六%から八%と非常に高く、経済の好調さが注目されている国でもあります。 ただ、現地へ行って改めて実感をしたことは、経済活動が非常に活発な反面、道路や電力などの社会的なインフラ、こういうものが非常に後れている、また経済成長が過熱する中で貧富の格差が一段と進んできている、開いてきていると、また徐々に環境が汚染され悪化しているということを感じました。 こうした中、私どもは、インフラの整備、貧困対策、環境・農村対策を中心に我が国のODA予算が有効に使われているかどうか、今後の我が国のODAの在り方をどう考えていくか、こういう視点から調査を行ってまいりました。 インドでは、デリーのほかコルカタ、チェンナイの三都市で調査を行いました。 デリーでは、政府首脳やODAの窓口となる大蔵省と意見交換をするほか、スラム地域の小学校、国立小児病院、地下鉄のデリーメトロ、こういうものを視察しました。 意見交換の中では、インド側から、インフラの整備は将来の経済成長につながるもので、日本からの資金を活用するほか、インド政府の予算も使い整備を進めていきたい。現在、日本、インド両国首脳の間で合意された貨物鉄道新線の建設計画が進みつつありますが、日本からインドへの直接投資をこの計画が更に呼び水となって増加させる大きな役割が期待されていますよ、こういう意見が述べられました。 視察先のスラム地域の学校では、学校校舎の建設、机、いすの購入に草の根の無償資金が使われ、子供たちに、初等教育を始めミシンを使った裁縫技術の習熟など、職業能力開発に大きな役目を果たしている状況も実際に現地へ行って見てまいりました。子供たちの目が非常に輝いていまして、また、数学の授業を見させていただいたんですが、うわさどおり十九掛ける十九までの掛け算を小学生が暗算でやっていました。本当にびっくりしました。 国立小児病院では、日本からの資金が病棟の拡充、エックス線装置の購入などに充てられ、乳幼児死亡率の改善に一定の効果を上げているということでした。ただし、人件費の不足から医師、看護師が定員割れの状況にある、こういう問題も指摘されました。 コルカタでも、州の政府首脳と意見交換を行うほか、国立コレラ・腸管感染症研究所、地下鉄、立体交差を中心とした都市インフラの視察を行いました。 意見交換では、橋梁建設などのインフラ整備の必要性とともに、経済成長が進み貧富の差が拡大する中で、貧困対策が一段と重要性を増している、こういう意見が強く述べられました。 また、国立コレラ・腸管感染症研究所では、我が国の技術協力によりコレラ等の下痢症診断の専門家の養成や、無償資金による研究センターの建設が行われています。日本人医師の協力によって、インド人の下痢症専門家の養成が進み、インドで死亡疾患第一位の下痢症による死亡率低下にもつながっているそうです。研究所の方からは、いずれ日本と連携して、南アジア地域の鳥インフルエンザ研究の拠点としても活用していきたいとの考えが示されました。 昨年調査に行ったときは、まだインドでは鳥インフルエンザによる被害は発生しておりませんでした。しかし、御案内のとおり、今年になってからインドでも鳥インフルエンザの被害が報道されています。インドでは鳥や豚が日常的に身近にいる生活を多くの人々が送っていますので、私としては、今後の鳥インフルエンザの広がりが大変気になっております。 コルカタの地下鉄建設は、初めは一九七二年に当時のソ連の支援を受けて進められましたが、その一部の建設が難航したために、我が国が八〇年代前半から円借款を供与して、ようやく九六年に完成したものです。現在、平日一日当たり平均で三十万人の乗客に利用され、市民の足として定着し、実際に視察した際にもかなり多くの人が地下鉄を利用していました。 また、円借款でコルカタ市内に四か所の立体交差が建設されています。それまで通行するのに二十五分掛かっていた道路の所要時間が三分間に短縮される、交通渋滞の改善に大幅に寄与しているというようなことでした。 チェンナイでは、植林事業、聴覚障害児の診断・早期教育センターを視察しました。 タミルナド州などでは、過度の森林伐採によって森林の劣化が進み、荒廃林の再生が最優先の課題となっています。円借款を利用して、地域住民がプロジェクトに直接参加する形で植林事業を行い、地域住民の生活の向上を図っています。樹木を植えて林産物で収入を得たり、土壌の改善を通じて農業生産の向上を図ったり、樹木を食い尽くすヤギに代えて乳牛を導入する、このための小口資金の貸付けなどの取組を行っているということでした。 また、インドで活動する日本人のNGOの関係者とも意見交換を行いました。NGO関係者からは、草の根無償資金協力を受けた場合、現行制度では人件費に充てることができない、そういった中で非常に厳しい部分があるというコメントがありました。 先日の本委員会で大門委員がこの関連の問題を取り上げて質疑を行ってらっしゃいましたが、人材やノウハウ、現場でのネットワークの構築といったソフトの部分こそNGOの長所というのは、私も同感です。ODAの調査というと日本の資金で建設された港や橋を見てくることも多いのですが、現場に行ってそこで活動している人の生の声を聞いてくることができたのは、改めてODAの意義を考えるいい機会となりました。 最後に、インドのODA調査を行った上での総括的な所見を申し上げさせていただきたいと思います。 第一に、インドは援助国を日本、アメリカ、イギリスなどG8の国に限定しております。そして、その中で、語学力などの問題から、欧米諸国に対しては技術協力などの人的援助を求める一方で、日本に対してはインフラ整備を中心とした円借款を求め、資金とともに我が国の先端技術の導入を図ろうとする傾向が強いとのことでした。 現在、インドに対するODAの九割以上が円借款となっております。しかし、顔の見える援助ということでは、インフラ整備等の物的な援助だけではなく、人的協力を含めたソフト面を重視した援助が欠かせないものと私は考えます。 少し飛躍しているかもしれませんが、インドの人々は非常に映画が好きと言われています。日本とインドの相互理解を更に深めるその一環として、ODAを何らかの形で活用して日本とインドの合作映画を作るというのはいかがでしょうか。経済的な波及効果もありますし、日本との文化交流にも大いに寄与するものと思います。 第二に、インド政府側は、拡大する貧富の格差の問題に対して、経済成長によって中間層の生活水準を引き上げることで対応しようとしています。しかし、広大な国土において、人口の七割が農村に住み、農村住民イコール貧困の構図、こういうものがつくられている現状では、こういったやり方で都市と農村の格差などインド全体の格差の問題に適切に対応できるかどうか、甚だ疑問を感じました。都市部のインフラへの援助だけではなくて、農村の貧困問題に対応するためにも、草の根無償資金協力は、金額こそ少ないものではありますが、顔の見える援助としてかなり有効なものであるとの認識を強くいたしました。 第三に、こうした草の根無償について実効性を高めていくためには、実施案件の評価をきちんと行って、その結果を予算執行に反映させることが不可欠です。今回のNGOとの意見交換の中で、NGOの実績、能力に応じた資金の使途拡大や実施期間の弾力化を求める声がかなり強いということが分かりました。 私は、在外公館で働いている草の根無償の担当者の会議を開いて、現場により近い立場で実際に携わっている方々の意見を聞かないと支援がうまく機能していかないと思いますので、是非そうした場所を設けて、その場で出た意見を積極的に具体化していってほしいと切に願います。 最後に、JICAのプロジェクトなど、計画段階ではインド政府の意見を聞いて計画どおりに実施されるわけですが、実施後のODAについて評価し、インド政府との間でフィードバックする、そういう現場がないということでありました。今後、ODAについて、受け手であるインド政府と供給側である在外公館、JICA、JBICとの間で協議の場を設けるなど、事前事後にわたり多面的にODAを評価することがその効率化には欠かせないと、そういう実感を持ちました。 以上、気付いた点を申し上げまして、私の所見とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(山崎正昭君) ありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 発言を希望される方は、お手元の氏名標をお立ていただければ、委員長から順次指名いたします。 発言が終わりましたら、氏名標をお戻しください。 なお、本委員会の委員には、派遣団に参加された方も多くおられますので、発言に対して回答をお求めになる場合には、意見表明者に対してだけではなく、派遣団に参加されたその他の委員に対してお求めいただいても結構です。 また、意見表明者だけでなく、派遣団に参加されたその他の委員がお答えいただいても結構です。 回答される場合は、挙手をお願いいたします。 なお、発言はすべて起立してお願いをいたします。 それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。犬塚直史君。
○犬塚直史君 委員の皆さん、大変お疲れさまでございました。 JICAの緒方理事長が、就任以来、現場主義ということをずっとおっしゃっておられて、しかも言葉だけではなくて、東京に使うお金ではなくて、事務所を増やすのであれば現場に事務所を増やす、そして、人を増やすのであれば現場に人を増やすということで就任以来やってこられたというふうに私は理解をしております。 そこで、委員の皆さんにお伺いしたいんですが、特に浮島委員が声の聞こえる援助というような表現をされて、青年海外協力隊及びシニア海外ボランティア、これは理事長もおっしゃっていたことなんですけれども、実際にJICAが現地に事務所をつくって本当に現場主義というのが、現場から見られて、進行しているというような実感をお持ちになったでしょうか。 加藤委員も感謝度というようなことをおっしゃっていましたけれども、やっぱり現地化しているかどうかという観点から、そこのところをお知らせいただきたい。 それから、田村委員もJICA、JBICとの協議の場がないと最後におっしゃいましたけれども、その辺、今のJICAの、日本の方針として今そういうことが、協議の場が持たれつつあるのか、現地化が進行しつつあるのかというようなところから更に御説明をお願いします。
○委員以外の議員(浮島とも子君) ありがとうございます。 私も、今おっしゃったように現場が一番、現場第一主義というのがすごく重要だと思いました。 今回、全体のこのODAの案件を見せていただいてまず感じたことは、例えば、おなかがすいている方にお魚を釣って食べなさいと上げるよりも、お魚の釣り方を教えてあげる、あるいは車を、これを差し上げます、ブルドーザーを上げますよというものではなくて、その車の運転の仕方を教える、あるいはブルドーザーの動かし方を教えるということが本当に大切ではないかということを今回のODA全体を見て感じたわけでございますけれども。 この現場の声、青年海外協力隊の方の現場の声ということで、ある女性は二年間村に住んでいたということがございます。いろんな方々は町、首都に住んで通うということもあるんですけれども、この方は、二年間村にずっと住んでいたという方がいらっしゃったんですけれども、JICAの方が現場に来られたのが二年間でたったの一度だったということで、とても残念がっておりました。私も、やっぱり現地の方が、毎週行けとは言いませんけれども、できたら一週間に一回あるいは月に二回ぐらいは現場に行って、その現場でどういうことが起こっているかというのをちゃんと見ていただきたいということを切に感じたんでございますけれども。あと、県のオフィサーが現場に来てくれないという声もございました。それはなぜかというと、現場に行っても交通費が出ないもので、なかなか行けないと。それはそのものだと思うんですけれども、そういうところのやっぱり体制もきちんとしていくべきではないかということを、今回JICA、青年海外協力隊の皆さんの生の声を聞かせていただいて感じました。
○加藤敏幸君 現場主義ということで、私のように民間で育った人間からいえば当然のことであって、現場で情報収集し、現場で判断をしていくということではないかと。そういうふうな意味では、ベトナムにおける四者のチームワークというのは、ベトナムにおける現地化という意味では非常に進んでいるというんでしょうか、成功している事例ではないかと、このように受け止めました。 ただ、一言言わせていただきますと、なぜベトナムはうまくいっているんだと、そのことの原因といいますか要因の中に、やはり生きた、それぞれの担当者が本当に相性も含めて、あるいは大使館なりのリーダーシップだとか、そういうふうな努力の中で初めて四者の言わばチームワークがうまくいくという、そういうことができているのではないかと。 だから、構造としてつくったからうまくいくということではなくて、そこに働いている人たちの、本当にチームワークとなるべき生きた人間の関係というふうなことをどうつくっていくのかというところを本当にやらないと、現地化現地化を推し進めてもそれだけの成果につながるとは限らないなと、こんなふうに思いました。 感謝度については、これは二つあります。本当にベトナムの一人一人の国民が日本はよくやってくれたと思っているのか、それよりもむしろベトナムの共産党の幹部が、ああ随分またいただいてありがとう、有効に使わせていただきますということの感謝度と、やっぱりこれは階層度があったとして、ただ、私は政府の要人から強い感謝を受けることが駄目だとは言いません。やはりその国の責任を持って統治をしている、政治を担当している皆さん方が日本のODAはいいんだと、そういう確信を持っていただくことが第一であり、かつ、その次に小学生までもが日の丸を見たときに、この日の丸が助けてくれたんだという実感をやっぱりつくっていくと、そういう意味では質と量二つ、感謝度というときにはやっぱり考慮すべきじゃないかなと、こんなふうに思いました。
○委員長(山崎正昭君) それでは、三班の田村耕太郎君。
○田村耕太郎君 短い期間でしたし、私のような者が団の意見を代表するというのは非常に適切ではないと思いますが、私の感じた範囲では、インドに対しては非常に外務省もJICAもJBICもNGOの人たちも非常に力が入っていたと。大国で将来性が豊かだということもありますし、去年、日印パートナーシップに合意をして、去年の十二月に行われたASEANプラス3を含めた東アジア・サミットにもインドを呼んだということもありまして、非常に力が入っていて、JICAやJBICの方も比較的現場をしっかり見てられたんじゃないかなと。さらに、我々も行ったんですけど、これから更にその現場をよく見にいって適切な援助をしていきたいということはおっしゃっていました。 ただ、初めに申し上げましたとおり、三つの分野を見てきたわけですね、経済成長と環境対策と貧困対策と。前者二つ、経済成長と環境対策というのはJICA、JBICが技術協力と円借款でやっているんですけど、最後の貧困対策、これ大門先生の方がお詳しいと思いますけど、やっぱり草の根無償に関しましてはもっと現場の声を聞いてもいいんじゃないかというのは、現場で頑張っていらっしゃるNGOの方々の切実な意見を聞いて思いましたんで、そういうことを是非よろしくお願いしますということは、皆さんにお伝えしておきました。更に良くなっていくんじゃないかなと思いますが、その部分に関しては実際見たときはまだまだだというのが実感でした。
○委員長(山崎正昭君) ありがとうございました。 高野博師君。
○高野博師君 加藤委員がおっしゃったODAの戦略的利用という点について若干、これはほかの国はどうしているのかということで、これは戦略性ですからほかの国が明らかにするわけはないんですが、これは客観的に見るとそういう使い方をしているんではないかなと思う例がありますんで、そこをちょっと述べさせてもらって御意見をお伺いしたいと思うんですが。 イギリスの場合は、御存じのとおり、コモンウェルスという五十三か国、これ人口を合わせると十八億人、地球上の三分の一近いんですが、このコモンウェルスという一つの仲間、ネットワークを持っている。フランスの場合は、フランコフォニーというフランス語圏の五十五か国、これを抱えていまして、スペインはイベロアメリカ、スペイン語圏で二十三か国。それぞれサミットを開いている。あるいは、イギリスの場合はこのコモンウェルスゲームというオリンピックに次ぐ大きな大きな大会、競技大会をやっている。それぞれの植民地、かつての植民地には言葉を残した、それから社会システムを残した。そういう意味で非常に感謝されて評価されている。そこをうまく使いながら緩やかな仲間クラブをつくっている。そして、それぞれの国が自分たちの外交のすそ野を広げていると。 その外交のすそ野の広げ方は、やっぱりODAを使っているんですね、援助してやっていると。全部が全部発展途上国ではありませんけれども、発展途上国に対してはそういうやり方をしている。例えば、去年のサミットでブレア、英国の首相がアフリカと気候変動というテーマを取った。このテーマで日本も何十億ドルをアフリカに援助しましょうと、こう言った。それから一番喜んだのはフランスとイギリス。自分たちのかつての植民地に日本のODAが行くという意味では、これはもう大歓迎であるんですが、日本は結果的に、それでは国連改革、あるいは安保常任理事国入りの中でアフリカの援助が得られたかというと、得られていないと。使い方としていかがなものかという見方があると思います。 中国はODAは関係ないですが、華僑というネットワークを持っている。インドは印僑というネットワークも、これも持っている。日本は、かつての大東亜共栄圏はほんのわずかしか評価されていないというか、そういうネットワークも何にも今ない。 したがって、やっぱりイギリス、フランス、スペイン、それぞれ国の国家戦略というのがあってODAの戦略的利用というのがあると思うんですね。僕は一貫して言っているのは、国に国家戦略がないのにどうしてODAの戦略的活用ができるんだと、こういうことをいつも主張しているんですが、しかし、よくいろいろ僕も考えているんですが、結局、日本のODAというのは、その国の貧困問題とか様々な経済社会開発に必要な部分について地道にやるしかないのかなと。そこの評価は物すごく高いというのは、これはもう間違いないんであります。 そこで、例えばある国は日本の協力したプロジェクトについてお札に、お金にしているとか、あるいは記念切手を発行しているとか、という意味での評価とか、感謝度というのは物すごく強いものがあるわけですが、感謝度、評価というのは、広報をどうやるかというにもよると思うんですが、そういう意味で僕は、その国にとって重点的にやると。例えばエジプトだったらば、オペラハウスを文化無償で造ったんですね。エジプトは一番感謝しているのは、あのオペラハウスで一番目立つところを日本がやった。 重点的にその国に対してやるのと、やっぱり日本の一番得意な分野、例えば環境分野、環境ODA、こういうものを重点的に、集中的にやるということなのかなということで、ちょっと結論が出ているわけではないんですが、その戦略的活用、ODAの、という部分について御意見があればお伺いしたいと思います。
○加藤敏幸君 何で難しいことばっかり聞かれるのかな。済みませんね。 高野先生の御見識といいましょうか、質問の都度私も実は後ろでお伺いをしていて、なるほどというふうに何回か思ったことがございます。 各国とも歴史なり伝統のやっぱり背景、基盤の中からしみ出るような形で非常に自然な形で戦略というのが出てきているし、逆に言うと、アフリカに対して最も責任を持たなきゃならない国、それがむしろ、過去の償いとは言いませんけれども、その上でODAというものを張り合わせて展開しているという、やはり各国とも相当真剣にODAと、それから過去の自分たちの歴史の背負ったものの発展ということでしょうか、そういうことを考えているというふうに思います。 私は、日本の場合はなかなかそういうことについて国民の皆さん方が大きく真剣に議論したことは余りないような気がして、非常に自分たちがこんなに負担が重くなっているのに何でよその国に、やるんやったらうちの橋直してくれとかいう非常に極端な議論だけが表に出てきていって、やっぱり歴史性だとかあるいは地域性だとか、あるいは我が国が一体どういう形で各国に理解をされていくのかとか、そういうパースペクティブなやっぱり気持ちを持って議論ができていない。そこのところを私は、国民レベルでの議論をやっぱりどうまとめていくのか、それは強権的じゃなくて自然体の中でどうまとめていけるのか、そのことによって出てくる中身をやっぱり自分たちのバックボーンとして個々のODAをやっていく必要があるんじゃないかと。 ただ、日々やっていることについてはもう本当に自信を持って、私たちはまじめだなあと、それで、一発屋ではなくて、十年後、二十年後のことも視野に置いた努力を現地、現場はやっていることは事実ですけれども、そのことが本当に日本国民からも評価されて、現地でも評価されると、そういうふうな議論が必要ではないかなという感想を持ちましたんで、ありがとうございました。
○高野博師君 一言だけ。
○委員長(山崎正昭君) 高野君。
○高野博師君 今、加藤先生おっしゃったように、イギリスとかスペインとかフランスは過去の負の遺産を逆にうまく利用して、そしてその戦略に結び付けているというところがやっぱりすごいなということだと思うんですね。日本は、謝罪と何か歴史認識ばっかり突き付けられて、うまくいってないということじゃなくて、もっとうまくやれないのかなと。それはもう正に戦略だと思うんですね。 以上でございます。
○委員長(山崎正昭君) 武見君。
○武見敬三君 高野先生の難しい質問の代わりに、少しかみ砕いて私なりに質問をさせていただきたいと思います。 浮島先生の方のタンザニアでの御視察では、首都に近いところでの学校に対する無償資金協力というのをしておられます。これなどは、いわゆる箱物の建物に対する支援という形に限定されているために、実際にそこで行われる教育に対するソフト面の支援というものがなかなか自力で十分確保されないために、まだその効果が期待されているほど上がっていないというような報告書の説明も今読ませていただきました。 こういう場合に、我が国はとかくこうした無償資金も含めた箱物支援というものに重点が置かれがちなんですけれども、我が国の持っている、例えば先ほど田村先生の方からもありましたような草の根・人間の安全保障無償、これ皆さん、草の根、草の根とおっしゃるけれども、実は草の根・人間の安全保障無償という言葉になっておりまして、それは正に、そうした学校のようなものについて、コミュニティーの中の重要な拠点として多角的に我が国として支援体制を組んで、箱物に対する支援のみならず、教科書とか、更には教員に対する指導、支援といったようなものを組み合わせることによって、我が国の支援というものをより効果的なものにしようというのがこの人間の安全保障という考え方の基本であったと思います。 その点について、じゃ、御視察された結果として、どのようなそういう新しい政策決定の仕組みを再構築していけばそういう多角的な支援というものを我が国がより効果的に行うことができるのだろうかということを私は考えなきゃいけないんだろうと思います。 その一つのかぎは、実は、この報告書の一番最後の方に付録として出ておりますODA大綱の中で政策決定の現地機能の強化というものが入っておりまして、そこで実は、現地におけるニーズというものをより的確に把握をして、そしてそれに最も効果的に対処し得る我が国の援助のツールというものを多角的に組み合わせて、こうした草の根・人間の安全保障無償、それから無償資金協力そのもの、それから技術協力、更には円借といったような我が国が持っております様々な手法というものをその現地においてある程度案件を形成する段階から組み合わせて議論して策定するということが必要になってくるだろうと。 そのかぎはやっぱり、大使館を中心にして設置されていることになっておりますODAタスクフォース、これが本当にどの程度機能するのかという点に懸かってくるんじゃないかと思います。この点は加藤先生の方からの御説明の中で、ベトナムはうまくいっているケースだというお話があったのは私はそのとおりだと思います。 では、なぜベトナムがうまくいったかといえば、人を得ていたからだと。では、ただ単に偶然人を得て、こうしたODAについてよく理解をした者がたまたまその担当の講師としていて、そしてそこに多くのまた各省庁からの人材もうまく組み合わさったことによってこのベトナムの場合には非常にうまくいったと。じゃ、これをもっと制度化させて、そういう援助にかかわる専門的な知見を持った人たちをどのように各大使館の中に設置されるODAタスクフォースのかなめとして仕事ができるような新たな枠組みを私どもが確立するかどうかという点が一つの大きな焦点になってくるんじゃないかと思います。 こういった点について、実際に現地を視察されていろいろな所見をお持ちになったと思いますので、もしいろいろお考えがあるとすれば、是非伺わせていただきたいと思います。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 今おっしゃられたように、ソフトの援助というのが私もすごく重要だと感じました。小学校に行ったときも、本当に一クラス三十人ぐらいでしたか、三十人以上の生徒さんがいらっしゃったんですけれども、三人か四人に一人しか教科書を持っていないという感じで、みんな一生懸命授業をしていたんで、ソフトの面での支援はとても重要だと思ったんですけれども。 この小学校の件に関しては、藤末先生の方が今日はお答えをしたいということだったので、バトンタッチをさせていただきます。
○委員長(山崎正昭君) 藤末君。
○藤末健三君 済みません。 タンザニアの小学校、伺わさせていただきまして、教科書が、建物は立派なやつ造っているんですよ。ところが、教科書がなくて、もう三人でこうやって一生懸命一冊の教科書を見ている。私、教科書を日本から提供できないのかという話を申し上げましたら、現地の方が、JICAの無償の協力の枠組みじゃ個人に提供できないということをおっしゃるんですよ。帰って調べてみますと、実は学校に備付けの教科書だったんです、タンザニアの、子供たちは持って帰れないんですよ、学校に備付けの、図書館と一緒で。 調べてみますと、学校に対して教科書を提供するのであればODAでできるんですよね。ですから、もうちょっときちんと現地のニーズを調べて、まじめに調査すれば教科書も提供できたということが帰って分かったということもございまして、やはり先生がおっしゃるように、現地のニーズをきちんと吸い上げてやっぱり解決できるような仕組みはもう絶対必要だというように思っております。 そのためには、やはりタスクフォース、実際に話を聞いてみますと、余り機能していません。何かあったら外務省の本省に話をして、返ってくるのに一か月というような状況も生じているということを聞いておりまして、やはり現地でニーズを聞いて、フレキシブルに対応できるようにするというのが一つであると思います。 そして、もう一つ私が思いましたのは、加藤先生のお話で、外国との比較という話がございますけれども、やはり、高野先生もおっしゃいましたように、日本のODAはプロジェクト単位でばらばらじゃないのかというのが、すごい印象がありました。例えばタンザニアですと、貧困対策、教育、農業、いろいろあります。ところが、イギリスの話を聞いていますと、イギリスはエイズというのを一本柱ぼんと立てて、エイズ対策でイギリスはタンザニアに協力しますと、ポスターも作ってエイズに集中しているんですよ。やっぱりそういうきちんと相手の国にどう見せるかということも考えた上で、我々の日本の税金を使ったODAを組み立てていくという工夫が私は必要じゃないかと思いました。 以上でございます。
○委員長(山崎正昭君) 尾立君。
○尾立源幸君 関連で、私もタンザニアの方に行ってまいりましたので、現地タスクフォースの件で是非一つ、現地でも提言をしたんですが、今、藤末委員からもありましたように、現地で決定又は相談したことの了解を本省の方でということで非常に時間も掛かるというような話も聞きました。また、決定が覆されるということも、当然これはあるんだと思いますが、聞きました。そういった意味で、このODAの在り方ももっと分権といいますか、例えばアフリカブロックとか東南アジアブロックごとにもう少し分権をして、もう少し予算等々を決め、内容を決めた中で分権化ということも一つ、もう少し現地のニーズに合ったODAを施行していく上でも考えられるんじゃないかと、こんなふうに思ったことを付け加えさせていただきたいと思います。
○加藤敏幸君 武見先生の御質問に対しては、この報告書の七十三ページ、七十四ページに実は記載がありますけれども、石川プロジェクトというのが、ベトナムが共産主義からドイモイ政策によって市場経済体制に移行するときに、言わば石川教授を招いて、二十名ほどのチームで、今後ベトナムとしてはどういう発展計画を立てていったらいいのかということについてすばらしいアドバイスをしており、かつベトナム政府はそのことを取り入れて我が物にしたと。したがって、それはいきなりすごい半導体工場を造るということじゃなくて、今あるその当時におけるベトナムの資源を最大活用する。言わば農業国であるベトナムが更にいい農業国になっていくという、そういうように非常にステップ・バイ・ステップの開発計画をきちっと提起して、それをベトナム政府は我が物にしたと。 したがって、私は、ベトナムのチームがうまくいくということの一つの要因の中に、その相手となるベトナム政府自身が、日本のそういうすばらしい考え方を受け入れた上で、ベトナムとして主体的ないわゆる発展計画を持っているということが、つまり日本のチームに対してもいい影響を与えているんではないかということを実は少し感じたということです。
○武見敬三君 ちょっと一つ、いいですか。
○委員長(山崎正昭君) 武見君。
○武見敬三君 極めて貴重な御意見、いずれも先生方の御意見、私全く賛同することばかりであります。 その中で、やはり我が国が援助をするときの基本理念として、これはやはり現地国及び現地のそれぞれ社会におけるオーナーシップという、自助自立というものをまず尊重して、それをいかに支援するかという基本姿勢を我が国が持ちながらこうした案件に取り組むというのがやはり極めて重要であって、そのことが実はこうしたレシピエントとなる国々及び社会から最も我が国が評価される基本姿勢になるのではないかということを付け加えておきたいと思います。
○委員長(山崎正昭君) 亀井郁夫君。
○亀井郁夫君 どうも御苦労さまでした。私は簡単なことを聞きますからね。 今話が出ておりますように、ODAの関係については、四つのJの人や青年協力隊やボランティアの人がみんな一生懸命やっていると、よく分かるんですね。それを見てこられたわけですけれども、そうした皆さん方の努力がどう評価されているかというのが一番大きな問題ですけれども、そうした場合に、どういう形で評価していくかということで、さっき加藤さんがおっしゃったように、共産党の上だけありがとうじゃ困るわけで、やっぱり一般の国民の皆さん方にもできるだけ知ってほしいなというふうに思うわけですけれども、ずっと回っておられて、ああ、こういう形でやはりみんなに分かるようにしてくれているんだなと、この橋は例えば日本の援助でできたとか、この病院はそうだとか、そういう形のものが表示されているか、それは全然ないのか。 ソフトについて、これは難しいんですけれども、ソフトについては、広報関係で、どのような格好で広報活動がなされているかという辺りが一番大きな問題だと思うんですけれども、国によって随分違うと思うんですけれども、それぞれ行かれまして、ああ、こんなことをやってくれているんか、こうしているんかというようなことがあったら、そのことをちょっと教えていただきたいと思います。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 私も青年海外協力隊の方々といろんなお話をさせていただいたんですけれども、本当に地道にお米を作ったり、そして水をどうやったらきれいにできるかということを現場に入ってやってくださっている方がほとんどでございました。そして、日本に帰ってきて、いざその方々が本当に活動していることが国民の皆様の耳に届いているか、声になっているかといったら、なかなか届いてない。また、青年海外協力隊のある女性がおっしゃっていたのは、日本に帰ってくるとJICAって何やっているのと聞かれてしまうという彼女の生の声もあったんですけれども、私が、国民の皆さんに、これだけODAが批判が大きくなってきている中で一人でも多くの方に理解をしていただくためには、現場で頑張ってくださっている方々の生の声をやっぱり日本の国民の皆様に一人一人に分かっていただくことがすごく不可欠だと感じたんでございますけれども、それをするためには何をしたらいいのかなと自分の中でもすごく悩んでいるんですけれども。 JICAの方で報告書のような冊子は出されているそうです。JICAの方に皆さんの生の現場の声を吸い上げたものをいろんなところに発信をしてくださっているそうなんですけれども、私はそういうのではなくて、例えばJICAのインターネットでもって、現場の方々が今こういうことをしている、今こういうお米の作り方、またお米の作り方も、私も行って、日本と同じようなかんがいで水で作ったりとか、あるいはその土地によってかんがいをせずにただ種をまいて、本当に水をやらないでただ種をまいてお米を作るとか、そういういろんな国によってやり方があったんですけれども、そのようなことも国民の皆様にも知っていただくためにも、そういうJICAを通してのインターネットで生の、その方々がちゃんと自分たちの体験を通して報告できるような場が持てたらもっと日本の方々にも通じるんではないかというのが私の意見というか考えでございます。
○加藤敏幸君 ベトナム、カンボジアでは、その国の普通の皆さん方がどう我が国の援助を評価されているかということに関しましては、団としては、ちゃんとそのことが表示がされているかという、プレートとか銘板がきちっと表示されているかということはこれは一つ一つ点検をさせていただきましたけれども、大きいのもあれば小さなものもある、陰に隠れてすぐには見付からないものも、それはもう様々でした。ただ、一言で言って、じゃこれが広くベトナムの皆さん方、カンボジアの皆さん方の心を打つような形で伝わっていくのかということについては、そんなに高い評価をすることはできないな、言われたように、記念切手とかお札とかという方がはるかに効果性があるのではないかということが一つ感じました。 それから、海外青年協力隊の皆さん方で私がお話しできるのは、二十年以上前は電機産業の企業から海外青年協力隊に派遣、出ていくときには辞めると、早い話が、会社を辞めていかざるを得なかったんですけれども、私たちの組合としては、それを協約上、休職期間という取扱いの中で、できるだけ不利益にならないということを、これは交渉の中で全体で進めていって、今では相当前進をしたと。 私は、海外青年協力隊の皆さん方に対する評価というのは、お帰りなって元の職場、いろいろあると思うんですけれども、その職場の皆さん方が、おまえ二年間行っとったけども、随分日焼けしただけじゃなくて何か人間ができたとか、随分いい仕事したんだねとか、結構この前新聞に載っとったとかいう、そういう職場、周りの人たちがしっかりと評価をするということが本人に対する私はすばらしいリワードになっていくし、そういうことをやっぱり地道にやる必要があるんじゃないかなと感じております。
○委員長(山崎正昭君) 今後、御質疑がある場合に、派遣団の先生方からお答えいただいても結構でございますから、どうぞひとつお願いしたいと。
○田村耕太郎君 この問題について非常に熱心に発言されていました大門委員と富岡委員に、ちょっとお話を移したいと思います。
○委員長(山崎正昭君) 大門君。
○大門実紀史君 わざわざ御指名いただきまして。 私が熱心だったのは違う部分なんですけど、感じた一つのテーマで、どういうふうに現地の人たちに日本のODAが理解されているかというか、分かられているかという点では、JBICとかJICAという看板はあるんですけども、ジャパンというのが分かりにくいと。JICA、JBIC、何だろうなと、中を見たらジャパンと書いてあるんですけども。地下鉄なんかも、JBICがやってくれましたとすごい標識があるんですけども、よく見るとジャパンだなと分かるんですけどね。 だから、日の丸を付けろとは言いませんけど、何かこう、もう少しはっきりと日本というのが分かるものがあった方がいいかなというのは、インドの場合では感じたところでございます。
○委員長(山崎正昭君) それでは、白君。
○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。 本当に、お三方のいい御意見を聞きまして、なるほどなというところが結構あったわけなんですけども。先ほど犬塚委員からも、JICAのいわゆる援助に対する考え方というものが、ちょうど昨日の朝日新聞にも出ていたんですけども、いわゆる、そこにも書いてあるんですけど、単に箱物とか何かをぽこって置くんではなくて、顔の見える援助というものがやはり必要なんではないんだろうかということがここにも書いてあるわけなんですね。 「実際に顔を見せないで、顔が見えるわけがないと私は思っている。被援助国では日の丸の付いた車も走っている。日本だけではない。英国国旗であるユニオンジャックの付いた粉袋なども見かける。だが、顔を見せるとは、国旗のついたモノを出すだけでなく、日本人が援助の現場に行くことだ。」というふうに書いてあって、おお、そうだね、なるほどねと私はこれを見て思ったわけでございまして。 そういう中では、確かに現場ではNGOの皆さんがもう本当に、今も浮島委員のお話もありましたように、もう一生懸命やっていると。ところが、やはり顔の見えるという中で、その評価が、それが日本に帰ってきたときにどの程度評価されているのかというのが一つのポイントではないんだろうかなという部分においては、私たちもこれは、この委員会でもそれを工夫して何かの提言をしていかなければ継続性がなくなるんではないのかなというのが一つあるんですね。 それともう一つは、大使館の人たちは一体何しているのというのがよく見えてこないんですね。大使館の人たちもちょくちょく顔を出して、その援助の現場にも行っているのかどうかというのについて、ちょっと一点お聞きしたいのが一つ。 それともう一つは、このプレート、今もJICAだとかJBICというプレートがあるということなんですけども、これは現地の言葉で書かれているのかどうかですね。それから、ODAマーク、それは現地の言葉で書かれているのかどうかというのもちょっとお聞きしたいのがあります。 それと、私のこれ個人的な経験なんですけども、韓国、以前ODAがありました。その中で、当時、当時私も韓国人だったせいもあるんですけども、日本は謝罪も何もしてねえじゃねえかと、こう韓国の人から言われたときに、私は、実はソウル大学の子供病院が日本のODAによって建てられているんですね。それを言ったところ、やはり韓国の人も、うっと黙るわけです、知らない。だれも知らないんですよ。この前、韓国の国会議員にも話したら、知らないんですよ。へえと言っておしまいなんですよね。やっぱり何かそういうものって、以前のそういったものが実際に今も役立てられているんだよということを継続してやはり向こうの人たちに知ってもらうというのも、やはり外交という観点からすると大きなインパクトがある部分ではないんだろうかというふうに思っているんですね。 そのときにはやりましたと、そのときに私はよく聞くのは、韓国の外務省の方か役人の方と日本の役人の方が、いや、この件は日本から援助を受けたということを言わないでおきたいんでそういうふうに黙っておいてくれませんかみたいなことを言われたから黙っていたみたいなことも言うときもありまして、それも外交かもしれませんけれども、やはりそういうことではない。今後のやはり援助外交というかな、そういうODAというものを見た場合に、その辺についてお三方が実際に見て、回ってみてどうなのかなというのをどうお考えなのかもちょっとお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 今おっしゃっていた日本人が現場に行くという顔の見える援助というのがございましたけれども、実は、青年海外協力隊の方にお伺いしたところ、中国人によく間違えられるとおっしゃっておりました。それで、あなたは中国のどこから来たのということでよく言われて、いや違うんだ、日本人だと言っても、ジャッキー・チェンは元気とか何か、逆に日本人の方が聞くよりも、その人は中国人なんだよと言っても、ジャッキー・チェンはとか、そういう方、すごく言われるとおっしゃっていたんですけれども、顔が見える援助という部分では、先ほどもちょっとお話しさせていただいたように、JICAの方々がもっとどんどんどんどん現地に入るということも私はすごく必要なことと思っております。 また、今プレートのことに関しては、私が覚えている限りでは、ジャパンと書いた日本の日の丸があったりとか、現地の言葉で書いてなかったと思います。英語だけで書いてあったと記憶をしております。 また、大使館については、尾立先生の方からまたお話をさせていただきたい。
○加藤敏幸君 この点につきましては津田先生の方がお詳しゅうございます。
○委員長(山崎正昭君) 津田君。
○津田弥太郎君 質問しようと思っていたのに答弁側にいきなり回らされてしまいまして戸惑っております。 私は、加藤委員と一緒にベトナム、カンボジアに行ってまいりました。一番感じたことというのは、つまりODAというのは基本的には我が国のためにやっているんですね。なんですよ。今日は静かにしゃべっておりますけれども、そこが、その国の様々な事情がある、我が国とは経済水準も違う、教育水準も違う、様々な違いがあるわけですよね。それを外務省あるいは財務省を含めて我が国の安全保障を始めとした様々な利益のために行っているというふうに理解をしないと、とてもじゃないけれどもやってられないのかなと。 実は、その現場に行けば本当に、また後ほど質問して答えていただきたいと思っているんですけれども、本当にまじめに取り組んでいらっしゃるJICAの皆さん、それから青年海外協力隊、そしてシニア協力隊も本当に頑張っておりましたよね。シニア協力隊の皆さんも頑張っておりました。ベトナム、カンボジアでは、本当に五十代後半、六十代の方々が本当にもしかしたらこの国でおれは骨をうずめるかもしれない、そんな思いをしながら頑張っていらっしゃる方がたくさん企業を退職してやっていらっしゃるという方がいらっしゃったわけであります。彼らのその頑張っていらっしゃる人たちのことを考えると、どうして我が国の中でこんなにこのODAについての理解が低いんだろうというギャップを恐らくお三人の方々も含めてお感じになっているだろうし、私も大変そのことを強く感じた、そんなところですか。
○委員長(山崎正昭君) はい、どうぞ。富岡君。
○富岡由紀夫君 田村委員と一緒に行った富岡と申します。 今の顔の見える日本のODAという在り方なんですけれども、私どもの行きましたインドについて申し上げますと、英語で書いてあったと思います。インドの場合は英語が公用語になっているものですから、現地の人にも多分十分理解していただけていたんじゃないかなというふうに思っております。ジャパンのあれもいろいろとあったというふうに思っております。 そういった意味で、インドについては日本のそういった貢献というのはある程度国民の皆さんにも理解していただいているんだと思っておりますけれども、今いろんな議論の中で、ODAの在り方というものが日本のためにあるんだというような、まあ回り巡っては確かにそうかもしれませんけれども、それだけでやっていくのもどうなのかなというのは、私は思いもあります。さっき言ったように、顔が見えなくたって、世界の中で貧困で、飢餓で、若しくは病気で、いろんなウイルスで死んだり、そうした人がたくさんいるところを、顔の見えない援助というのも私はあってもいいんじゃないかなと思っております。 ただ、それだけじゃ、国民の大事な税金を使った援助ですから、それもおかしいというところがあるんで、やはり分かってもらいたいというのが本音ではあるんですけれども、ただ、人間の気持ちとしてはそういう本当に食事で飢えたり病気で苦しんでいる人を助けたいというところ、本当にそういう純粋な気持ちで、日本はそういう、経済的にそういう立場に世界の中ではありますから、日本の立場としてそういうことをやるということ自体もう非常に私は意義があるんじゃないかなと思っております。顔が、見せることだけがもう最大の目標にするというわけでなくてもまあいいんじゃないかなと。顔が見えなくても何人かの人が救えればいいんじゃないかという考え方も私は捨てるべきではないというふうに思っております。 そういった意味で、さっき田村委員からお話ありましたけれども、インドの場合は七億人、その貧困層がいるんですね、農村人口七億人。先ほどお話ありましたエジプト、タンザニア、これ資料を見ますと、エジプトが約七千万人の人口、タンザニアが四千万人、ベトナムが八千万人、カンボジアが一千万人ということでございます。四つ合わせても大体二億人ぐらいなんですけれども、その何倍もの規模の人口が、インド一国で七千万人も貧困層がいると。EU全体を合わせても五億人ぐらいしかいないんですね。インドは一国で十億人以上いるという。それでそのうち七億人が貧困というのは、これはやっぱりそういう地球規模で見たときに、貧困層がどこに集まっているか、そういった観点も私は必要じゃないか。国別に落として、確かに国連では一票持っていますから、そういう意味では大切かもしれませんけれども、地球規模で見たときに、人類として、人間として本当に人権を一番、一番ベースであるその貧困とかそういったものを考えた上で、地球ベースでどういったところに重点的に本当に人を助ける意味でやっていくかという観点も私は必要ではないかなというふうに思っております。なかなかそういう一個一個の国別に見ていっちゃうとそういった考え方が取り入れられないんですけれども、全人類的に見たそういったODAの在り方というのも考えてみてもいいんじゃないかなと私は思っております。 あと、ちょっと話長くなりますけれども、インドの場合は国で核兵器を開発したり、あと防衛予算も非常に今増えているんですね。だから、そういった国の中で日本がお金を上げて、お金には色がないですから、どういう使われ方されるか分からないというところが非常にやや心配なんですね。さっき、タンザニアで一般会計に援助するという話ありましたけれども、まさしくもっと難しい問題だと思うんですけれども、そういったときに、本当にそのお金の使われ方が、やっぱりよく見ないと、せっかくの税金を有効に使っていただきたいという思いがあるものですから、そこはやっぱり現地の、やっぱりさっきの現場主義とかそういった意見を取り入れて、本当に有効に、特に私が思っているのは、いろんなインフラ整備も必要ですけれども、やっぱり一番必要なのは、貧困とか飢餓とかそういった病気とか、そういった本当に苦しむ人たちを助けるように使えるのがかなり一番効果のあるような使われ方じゃないのかなというふうに私は感想として持ちました。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) 白君。
○白眞勲君 白でございます。 本当に貴重な御意見、ありがとうございます。 でも、せめてやっぱりプレートだけは現地の人が読めるプレートにすべきだなというふうに思いますので、是非そういったものがおまとめになるときには、何かこういった委員会でおまとめになるときがありましたらお願いしたいなというふうに思います。
○委員長(山崎正昭君) 尾立さん。
○尾立源幸君 浮島委員から御指名いただきましたので、若干大使館の機能について私の感じたところを申し上げたいと思います。 実際、各大使館においては、先ほど武見委員からもお話がございましたように、現地のタスクフォースということで大使館も加わってこのODAについてはいろいろとやっておられるんですが、いかんせん、人数的な面からだと思うんですが、直接の担当は多分経済班の方かと思うんですが、プランニング等々が主でございまして、現地にまで行ってということは私は少ないんじゃないかなと、そのような実感を持ちました。実行部隊としてはやっぱりJICAの方や青年協力隊の方やシニアボランティアの方が主に担っていらっしゃると、こんなふうな感想を持ちました。 ただ、一点、その大使館の役割で、ああこういうところにボランティアの方々や協力隊の皆さんの意識との壁があるんだなと思った事例が一つありますので御紹介させていただきますと、実は各大使館でそれなりに夕食をごちそうになったわけなんですけれども、みんな、我々を含めてそこに招かれました。そのときに、応接があるわけでございますが、ボランティアの方や青年協力隊の方がずっと立ったままで緊張しておられるんですね。だから、私はこう申し上げました。この大使館、ここは皆さんの税金なんです、そして御苦労されているんですから堂々とソファーにあなたたちが座っていただければいいんですよと、こういうふうにして促した経験がございます。 そういった意味で、大使館が本当にその方々に対してサポート役に徹しているのかと思うと、ちょっと違うのかなというふうな感想も持ちましたので、意識の面でまだ壁があって、どうも大使館って敷居の高いところで、自分たちをサポートするところではないというような気持ちも持っていらっしゃるんじゃないかなと、こんなふうに思った経験をちょっと付け加えさせていただきます。
○委員長(山崎正昭君) はい、ありがとうございます。
○藤末健三君 よろしいですか。
○委員長(山崎正昭君) 関連ですか。
○藤末健三君 関連です。
○委員長(山崎正昭君) はい、どうぞ。
○藤末健三君 付け足しで申し上げますと、現地の大使館の方もそうなんですけれども、私戻ってきて外務省本省の方とこのODAの話いろいろ伺うんですよ。そこでお話したのは、ODA担当者の方が海外の現地見ましたかというと、一年に一回見るかどうかというぐらい、ほとんど日本にいてデスクワークをずっと続けているらしいんですよ。そういう問題もちょっとあるんではないかと、根底には、ということを感じさせていただいています。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) 荒木清寛君。
○荒木清寛君 せっかくの機会ですから、お三方に簡単に一問ずつお尋ねします。 まず、浮島委員に対しては、先ほど青年海外協力隊員と懇談をされた折に、医療支援、またキャリア形成支援を強化してもらいたいというお話があったということですので、具体的にどういう要請があったのか、また、それに対してどうこたえたらいいとお考えなのか、お聞かせください。 加藤委員には、先ほどカンボジアの遺跡修復について日本のやり方が中国に比べて優れていると思ったというお話は大変興味深く聞きました。そこで、カンボジア、ベトナム両国に行かれまして、他の国の援助のやり方と比べて日本の援助の特徴を何かお感じになったのか。また、あわせて、この援助の分野も含めて、この中国の存在感というのが今どうなっているのか、何かお分かりでしたら教えてください。 田村委員には、顔の見える援助をするためにソフト面の援助にも力を入れるべしだと、正に私もそう思います。一方で、円借款で行っておる、おっしゃったような貨物鉄道や地下鉄や立体交差、こういう事業も非常に有効であることは間違いないわけですね。そういうハードの援助をする中で顔を見せていくためには、先ほどプレートのお話もありましたけれども、更に何かそういう工夫ができるとお考えなのか、教えてください。 以上です。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 医療的なバックアップ体制についてでございますけれども、私もエジプトとタンザニアに行く前に、痛いすごく嫌な注射を三本されました。本当に現地にいていろんな方とお話して、一番不安になるのがやっぱり病気だと思うんですけれども、ある女性はへき地に住んでいまして、マラリアにかかってしまったというお話もございました。そのときに、JICAの首都にある事務所に電話を掛けたところ、自力で首都まで上がってきなさいというお答えだったそうなんですけれども、へき地に行けば行くほどそんなに車もないし、交通の機関というのはないと思います。 その彼女は、マラリアというのは何かすごく熱がわっと上がるときと下がるときとあるそうで、下がったときに移動をする、そしてまた上がると休む、その上がってしまったところで休むそうなんですけれども、まず首都までタクシーで出て、そこからバスに乗られて、二日掛かって、途中で具合が悪くなってまたバスを降りて、二日掛かって首都まで、病院までたどり着けたそうなんですけれども。 本当に、病気になる、命にかかわるような病気だと思うんですけれども、本当にへき地に行けば行くほど、やはりJICAの皆様の責任上、医療体制のバックアップというのは絶対に必要で、またしていただかなければ困るなということを痛感いたしました。 また、キャリアの支援についてでございますけれども、皆さんやはり、私は現場第一主義で、本当に向こうに行かれていろんな経験をされて、いろんな体験を持って帰ってこられた方が一番強いと考えているんですけれども、帰ってきたときにやはり就職口がない、働く場所がないという声が非常に多くございます。そんな中で皆さんが一番望むのは、教師になりたい、あるいはJICAに入ってまたいろんな支援を続けていきたいっておっしゃる声が多いんですけれども、JICAは難しくてなかなか入ることができないというのも現実だという声も伺いました。そんな中、JICAから単発的に、小学校などで自分が経験してきたことを講演してくださいというお話もあるそうです。 でも、私は、単発的ではなくて、逆にこういう体験を持った人が子供たちに、ODAというのはただ教科書とかいろんな話から聞いてこうなんだというんで学ぶんではなくて、現地に行ったその人たちの口から体験をもってこういうことをしてきたんだよということを、単発ではなくて、やはり総合的な学習の時間とかもございますし、そんな中でその方々が活躍できる場を設けられたらなということを思いました。
○加藤敏幸君 二か国ということで、申し上げるほど日本のODAの特徴を一般化したことは言いにくいんですけれども、ただ、本当に誠実に地道にということと口数は少なくと、こんなふうなのが日本のODA現地部隊の特徴だったというのが感想です。 それから、中国の影響ですけれども、主要な援助国のランキングにはなかなか入ってこないけれども、特にベトナム、それから言わば中国が国境を接している南の各国に対しては、中国は特段のある種の意図を持って非常に接しているんではないかと。これは、別のときに中国に行ったときの中国の人たちの説明も含めて、やはり安全保障だとか経済発展における国境の言わば管理だとか、そういう視点で非常に大きな意図を持っているように感じました。
○田村耕太郎君 円借款で顔の見える援助という方策なんですけど、もう是非教えていただきたいぐらいなんですけど、インドは御案内のとおり最大の日本のODAの供与先で、そのうちの九七%以上が円借款ということになっているんですね。 それは私も、これ、大門先生や富岡先生の御意見もお聞きしたいと思うんですけど、私がインドの議員と交流する機会がありまして、そこでやっぱり借款使って顔の見える援助をするためには、さっきも言いましたけど、インド映画を合作で作ったらどうかというのをやりまして非常に今盛り上がっていまして、やるかどうかは別としまして、一つとしては、インドはもう非常にハリウッド映画以上の、何というんですかね、自分のインド映画に、産業としても経済力がありますし、誇りも持っていますから、それを使って日本とインドの間の文化交流を進める意味でも、経済発展に寄与する意味でも、日本のお金を使って合作映画なんか作ったらどうかと。 議員の間でもやっぱり韓流ブームというのは非常に研究していまして、今度は印流を日本で起こしたいと。「冬のソナタ」みたいなやつを今度はインド人が、男優でも女優でもいいんですけど、片方がインド人、片方が日本人ということで切ないラブストーリーを作ったらどうかというような話をしていまして、ちょっとインド人、顔が濃過ぎるから難しいかもしれないという話もしたんですけど。 そういうことも考えますけど、なかなか円借款で顔が見えるというのは、さっき言いました表示を現地語でするとか日の丸を付けるとかいうこともありますけど、なかなか今のような話しか思い浮かばないんですけど、大門先生、富岡先生、ちょっと助けてください。
○委員長(山崎正昭君) 柏村武昭君。
○柏村武昭君 自民党の柏村でございます。 僕も映画の話は大賛成ですね。インド映画は昔はひどかったんですが、今はもうレベルが随分高くなりまして、もうカラーも、それから撮影もテンポも音楽もすばらしいですね。暇さえあれば踊るのがちょっと難でございますが。 そういう民間交流からODAをもっともっと広げていくというのは大賛成でありますが、何ですね、さっきも津田先生がおっしゃったんですが、やっぱり外務省なんかに聞くと、ODAというのは何のためにやっているかというと、やっぱりあれですね、やってて意味があるのはなぜかというと、国連において発言力のある国々に言ってみればそういうものを出しておくといざというときに役に立つであろうと、これが本音だと思うんですね。 確かに、藤末先生なんかおっしゃったように、格好良く言えばですよ、貧しい人々を何とか幸せにしようとか、我々の先進国の義務であるとか、そういう言い方あるでしょうが。ただ、四、五年前でしたかね、北朝鮮に対する人道非難、あれがあったんですよ。あのとき覚えていらっしゃいますか、皆さん。反対した十か国は全部日本のODAの国です。特に私はショックだったのは、日本と理想的な関係であったベトナムですね、ベトナムも反対したんです。次の日にベトナムの大使と私、朝食会で会ったものだから、私が非難しました、もう、あなたの国は何という国だと言って。これを見せたわけです、こういう、これを反対したんだと。そうしたら、びっくりしたような顔して一生懸命見ていましたよ。で、私は知らなかったと。それで、これをもしこのままだと日本は絶対にODAを出さなくなりますよと言ったら、次の日に公式ステートメントで日本の立場を支持するとやったんですが、遅いって言うんですよ。 外務省は何をやっているのかと聞いたら、外務省は一応この案文を英文で書いて配っただけだというんですね。これを説得にも行っていないし、あらかじめ根回しもしていない。こういうことをやったら、それはだれだってほとんど、国を非難することは私の国は反対ですなんて言って、じゃ何のためにお金を出しているのか分かんなくなっちゃうんですね。 日本の今、我々は地方で国政報告やって、ほとんどの皆さんがよその国に金出すんだったら日本を何とかしろと言うんですよ。そのためにどういう説得力を僕らはやるかといったら、あそこの国に金出していれば将来いいことがあるんだからと言いながら、タイにODAを出して電車はシーメンスですからね、こんな感じになっちゃうんです。 だから、もう惰性になっているんじゃないかと思うんですね。金はあちこちの国へばらまくのが惰性みたいになっていて、外務省だってJICAに対してもう下請ですよ、JICAは。だれか一人行って、はい適当にやっておけって、それじゃもう全く意味がないです。もう全部やめちゃった方がいいんです。だけど、もうちょっとやっぱり国々に対して、この国を何とかしよう。浮島さんがおっしゃったように、魚を上げるんじゃなくて釣り方を考えてやろうというんであれば、もうちょっとコントロールタワーをきちんとつくって、ODAタワーをつくって、そこで各省を全部掌握して、ここに幾ら、ここに幾ら、この国にはもうこれだけ出しているんだから今度はこういうふうにしましょうというふうなことを考えなきゃ駄目なんじゃないかと思うんですが。 お三人に聞きたいんですが、どうですか、上の方の感覚としては、例えばインドなんかは何とか制度ってあって、ほとんどの人がもう貧乏でしょう。その人たちの役に立つのかどうかね。カースト制度なんですが、それはもう墓掘り人夫の子供は一生墓掘り人夫とか、そうなっちゃうんですよ。そういうことまで考えた上での援助をしているのかどうかね。全く上の人だけがありがとうございますと言ってもらって、はい、日本に対してこれから何かありますよ。だけど、現に日本はもう安保でも失敗したじゃないですか、この間ね。 だから、それでやっぱり我々はもう一回ODAを真剣に考え直さなきゃいけないときが来ていると思うんですが、皆さん方はわずかな日にちで行ったんですから、私はまた二十二日から一週間インドに行きますけれども、一生懸命映画を作ろうと思います。女優さんがべっぴんですから、最高ですよ。 そういうふうなことで、皆さん方のODAに対するとらえ方はどうでした、向こうの人々は。特に、あなた方が会った方だけで結構でございますが、どうですか。
○田村耕太郎君 じゃまた、大門先生よろしくお願いします。
○委員長(山崎正昭君) それでは、大門さん。
○大門実紀史君 私も、ずっとその貧富の格差が広がっている国で、日本がODAを貧困解消のためにただやるのはどうなのかという問題意識でずっと中国もインドもアフリカでも見てきましたけれども、インドでいえば、カースト制度そのものよりも、アンタッチャブルといいますか、カースト制度の外側にいる人たちのことが今大変問題になっております。で、カースト制度の中そのものはそれほど、何度か聞きましたけれども、それがあるからODAの貧困、日本から出しているものがどこかで固まってしまうということはないということを答弁されておりました。 問題は、貧困の格差でいきますと、所得の再分配がちゃんとその国の姿勢としてやられているかどうかだということを思って、インドでも例えば税の問題あるいは社会保障の問題を特に聞きましたけれども、インドでは医療と教育が無料にしているというところでかなり再分配は行われているということと、幾つかの州政府では正に貧困解決の努力を非常に頑張ってやっているということがあったんで、むしろ私自身でいえば、中国よりもインドの方が安心をしたというところはございました。
○加藤敏幸君 最初に御報告申し上げました中で戦略性という言葉を使って申し上げたんですけれども、我が国益に沿って、また外交の目的、目標に沿った形でODAはまず執行されるべきだというのは抽象的にあると思います。ただ、言われるとおり、国民の皆さん方がこのODAを個々どのように評価されているのか。ここに私は、いわゆる分裂とは言いませんけれども、評価が非常に分散した状況の中で、なかなか一つ一つODAを議論するときに難しいなという思いがあると思うんです。 先ほど来議論になっておりました、一つは高い戦略性を持ったODA執行ということと、もう一つは人道的執行ということで、このことが我が国のためでなくても、現に苦しんでおる人がいるんだから、少しは薬も持っていったらどうですか、食べ物を持っていったらどうですかと。そこに別に日の丸を張らなくったって、それで助かる人がおったら、そのことをもって博愛主義的なそういう気持ちからやはり援助すべきではないかというこれは視点もあって、そこには私は大きなギャップはある。しかし、どちらこちらに完全に寄せ切ってしまうこともなかなか難しい。双方二つのやはり要素というのはODAの中にはあるのではないかと。 それから三つ目は、これはベトナムとカンボジアにとって、いわゆるベトナムという国を日本が評価をして、いい国だから、立派な国だからODAをたくさん上げようとか、あんな何か絶対君主のような某北朝鮮のような国にはやらないとか、あんまり言っちゃいけないんですけれども、そういうふうな相手の政治体制だとか社会体制を我が国の価値基準で判断することによってODAの執行に評価軸をつくっていくということについて、私はそのことについての議論もできていないというふうに思います。 言ってみると、ベトナムは共産主義の国家であり、言わば一つ、共産党に政治主権が集中している。私の価値観からいくと相入れない国の体制ではあるけれども、しかしベトナム自身が、ある自分たちのプログラムで経済的に離陸をし、地域の安定のためにも国民の生活を向上させると。その意図等で行われている範囲においては、その国の政治体制の評価とは超えたところでそのODAをやっぱり支持をしていくという要素はある。 しかし、それが行われているプロセスで、都市部についてはすばらしく発展を尽くしていく、金持ちも出てくる、しかし周辺部においては大変な貧困がまだ取り残されていると。そういう周辺部の地域の貧困をほったらかしにしてホーチミンだけが豊かになっていくということについて、一体何なんだと。私自身もそれは不公平じゃないかと、格差を拡大しておるんではないかという思いはあるけれども、しかし、じゃ方法論として、やっぱり集中をしていくならば、選択と集中ということならば、都会部にまずきちっとした発展の意思を置き、その波及効果で地域を言わば豊かにしていくというのも、ベトナム政府の考える方法論も理解できなくはないというようなことで、冒頭申し上げました、考え出すと夜寝られないという、この状況にその辺はやっぱり入っていくような気がしますけれども、はい。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 建設訓練センターとか地域の環境監視センターなどでは、上の方々はすごくこのODAに対して感謝をしていたりしたことは身にしみて感じたんですけれども、やっぱり地元の方々がどれだけODAに感謝しているかというのは若干、若干というかかなり疑問があったのは事実でございます。また、ちょっと聞いたんですけど、タンザニアのムワンザにある魚市場を、これも建物を建てたらしいんですけれども、ここにはほとんど人が行ってないという状況もあるということでお伺いしました。 だから、現地の方々というのは余りやっぱり認識をしてないんではないかなというのが私の率直な感じたところでございますけれども、藤末委員の方がちょっとお答えしたいということで、よろしくお願いいたします。
○委員長(山崎正昭君) じゃ、簡単に。もう時間がありませんので。
○藤末健三君 私も柏村先生がおっしゃっているように、ODA何のためにするのかという話はやっぱり根本的に議論しなきゃいけないのかなというのは現地を見て思いました。 何が欠けているかというと、高野委員からもお話がありましたけど、この国の外交戦略がないからODA戦略もないんじゃないかなというのが答えじゃないかと私は今思っています。 タンザニアへ行きますと、もう中国人と間違われるんですよ。夜中に尾立委員と二人で居酒屋に行って現地のおじさんたちと話したら、おまえチャイニーズかとことごとく言われる。なぜかというと、中国はぼんぼん来ているんですよね、中国人の方が。 で、中国のODAの話を聞いていると、もうほとんどが資源獲得のためにやっているという、資源を持っている国にどんどんどんどんODAで人をつぎ込みますよという話をされているという状況で、やっぱりそういう意味では中国の戦略があるのかなという気がしています。 ついでに言うと、中国はFTA、フリー・トレード・アグリーメントという条約も今どんどんと結んでいまして、資源を持っている国、食料資源と鉱物資源と石油資源を持っている国と重点的に結んでいるんですよ。ですから、先進国とはFTA、途上国とはODAで資源獲得を目指している国が中国だとすると、我が国も何か考えなきゃいけないんじゃないかなということを強く思っております。 以上でございます。
○委員長(山崎正昭君) 残り五名の方から氏名標を立てていただいておりますので、若干時間の制約もございますが、指名された方、時間の範囲内でお願いを申し上げたいと思います。 それでは、大門君。
○大門実紀史君 じゃ、やっと質問をさせていただきます。 改めて、御報告ありがとうございました。浮島先生、わざわざ今日はありがとうございます。できれば浮島先生とエジプトへ行きたかったなと、田村先生も同じ考えだと思いますけれども、思ったぐらいきちっとした報告をありがとうございました。 簡潔に、この派遣団の、ODA調査団の在り方について、そのものについてちょっと思うところあるんで、それぞれ御意見を聞かせてもらえればと思いますが。 どういう案件を選定して調べるかと。これについて、ずっと回ってきて、少し疑問があって、事務方が外務省に案件の選定を依頼するんでしょうけれども、結構成功した例とうまくいっている例をどうも見させられたといいますか、見てきたんではないかと。そうすると、実際にはODAの中で失敗した例も幾つもあるはずですし、今もうとんでもない事態になっているのもあるはずですし、そういうものもきちっと含めて今年からは調査を、案件に入れるべきではないかと思っておりまして、そういう点では、せっかく参議院でこういう委員会も、調査団も派遣することになったんで、議員が主導的に案件の選定もやっていくということが特に今年から必要になっているんじゃないかと思いますが、回って、一班と二班の皆さんで結構ですから、そういうことをお感じにならなかったのかどうかだけお聞きしたいと思います。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 私も実はピンチヒッターで急遽行かしていただきまして、行く二週間前にお声掛けいただいて、注射をしてすぐ出たという状況だったんでございますけれども、本当に今おっしゃったように、行って、成功した例、あるいはとてもすばらしいんですよというところばかりを何か見たような実感をいたしました。 私といたしましては、本当はもっと現地の、現場の方とお話をする機会を与えていただけたらなというのが、そのときもそうでしたし、今帰ってきてからも更にもっと現場の人たちと、現地の人たちとお話をさせていただけたらなと。次回からは、先生がおっしゃったように、行く私たち自身がこういうところでこういう案件を見たいというのをやはり提示できるようになったらいいと私は思います。
○加藤敏幸君 賛成です。ただ、それを実行するためには相当準備が、それから工夫もやはり必要ではないかと思いますけれども、賛成であります。 もう一つは、やはり私たちが現地に行って、社長の工場見学みたいに、きれいにしていいところだけ見るということではありますけれども、それでもやっぱり迎え入れてくれた皆さん方は大変喜んでいただく、非常にモラールが上がるという側面はやっぱりありますので、そのことを大切にしつつ、御指摘の点については私は賛成だと思います。
○委員長(山崎正昭君) それでは、津田弥太郎君。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。 先ほど、ODAは何のためにあるのかという話で、この資料の方にも、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資するというふうに書いてあるわけですね。先ほど柏村委員からもお話がありましたように、実際に私も含めて視察に行った者として感じることは、本当にこの目的に沿って常に緊張感を持って行われているんだろうかということであります。つまり、金額ベースでいえば圧倒的に、いわゆる無償、有償の資金協力が圧倒的なウエートを占めているわけですね。九割以上を占めている。マンパワーによる支援というのは恐らく一割もいかない。どの国もそうだったと思うんです。ところが、実はこのマンパワーによる支援というものが大変重要な意味を持っているということをこの一時間四十五分ぐらいの間に皆さんそれぞれ大変強調をされたというふうに思うんです。私も実は、ベトナム、カンボジアへ行ってそう思いました。 しからば、これからのODAを考えるときに、本当に先ほどのODAの本来の目的とも併せて考えると、有償、無償の資金協力とそれからマンパワーによる支援という、こういうふうに分けた場合、今の実態からどういうふうにしていけばいいのか、どのぐらいの比率に変えていったらいいのか。それぞれ視察をされた国の事情によって多分その比率は違ってくるだろうと思うんですが、その辺の、皆さんまだ私と同じ一期生で、政治の世界にまだ余り汚されていない方々の新鮮な気持ちで率直な見解を述べていただければ有り難いと思います。
○委員以外の議員(浮島とも子君) それでは、尾立先生の汚されてない御見識でよろしくお願いいたします。
○委員長(山崎正昭君) じゃ、尾立君。
○尾立源幸君 大変難しい質問ですが、私が見た国というのはエジプト、タンザニアというところで非常に経済力も違うということで、特にタンザニアなどは本当に三百三十ドルという一人当たりの国民所得、そんなところでございますので、やはり財政的にも非常に弱いですし、お金というものはなくてはならないものだなと思います。 ただ、その比率、また出し方については、先進各国それぞれ大変、今新しい方法を生み出しておりますので、もっともっと、これまでの在り方じゃなくていろんな方法論があると思います。実際タンザニアの大使館の中で働いている方も、その方は、何というんですか、調査員というんですかね、契約で雇用されている方なんですが、すばらしいノウハウ、技術持っていらっしゃるんで、そういう新しいやり方というのは私はあると思いますので、それは是非、今日御提案しようと思ったんですけれども、もっともっとODAのお金の出し方、これからの時代にふさわしいのをやっていくべきだと思っております。
○委員長(山崎正昭君) それでは、第三班の富岡君から、今のに関して。
○富岡由紀夫君 お金の出し方とか、若しくは技術供与とか人的ないろんな援助の仕方、いろいろあろうかと思うんですけれども、ちょっとさっきのODAの在り方というかを考えたときに、さっき言った、国連でただ同調してくれるとか票を入れてくれるというんだったら、多分お金だけ出して何も言わなければ一番いいんじゃないかと思うんですけれども、ただそれが、先進国の間で違う意見の議論をしたときに、Aという国と日本がどっちがお金を大きく出したか、出した方に投票するというような、何というんですか、そういうことばっかり考えていっちゃうと、お金の出す量によって、国連の中で支持してくれる票をお金で買うみたいな、まあ利権のあれじゃないですけれども、そういう観点、そういう方向に、余りそこまで考えると、日本のODAの在り方を、日本の、何というんですか、世界各国から理解してもらうためにやるんだというふうにばっかり考えると、ややもするとそういう可能性も、私は行き過ぎてしまうところがあるんじゃないかと思っております。 だから私は、そうじゃなく、そういうのももちろん確かに必要ですけれども、基本的には、その国の貧困とか飢餓とか病気とかそういったものをなくす人道的な、その国の人権を守る、一番の人権、生きるというその人権を守るために日本がちゃんとお金を出して、技術を出して貢献してもらって、結果として日本を評価してもらえれば私はいいんじゃないかなと思っています。ただ、さっき言ったように、日本の国民の税金を使っているわけですから、それなりのちゃんと評価をしてもらえるような努力はすべきだと私は思っております。 インドについて申し上げますと、さっき言いましたけれども、七億人も貧困層がいるんですね。日本のわずか、ODA予算といっても七億人を全部救えるわけないんです。私も最初行く前は、貧困層を救うために病院を造ったり、若しくはスラムの人たちに学校を造ったり、そういったことをやるためにお金を一杯使えばいいんじゃないかというふうに思って行ったんですけれども、確かにそれやっているんですけれども、インド全体から見ると本当にごくわずかなんですね。本当に砂漠の中にスポイトで水を一滴ちょっと落とすような感じで、それがどれだけインドの国民全体を救えるかというと、非常に効果が、私は余り期待できないと思っているんです。 じゃ、どういうことがインドの国民にとっていいのかということは、インドの政府もよく考えております。インドのそれぞれ大臣、主要な首脳者とも会いましたけれども、もちろん考えております。この貧困を救うためにそれぞれの、大統領府もそうだし、それぞれの州ごとに分かれておりますけれども、その州の要人もみんな考えております。 そのときに私が印象に残ったのは、この国の国民、七億人の国民をその貧困、特に貧困から救うためには、個別のそういった病院を造ったり学校を造ったりそういうのも必要だけれども、やっぱり国全体の経済力を上げなくちゃいけないんだというふうにお話をいただいたんですね。それが私、非常に印象に残っております。 要するに、何だかんだ言って、そういう個別にいろんな技術供与やったり、学校でお金を落とすのも必要だけれども、やはり底上げ、国全体の経済力を上げて生活水準を上げることが国全体の貧困を救う一番の近道なんだということでお話いただいたときに、私は、これだけの、十億人のやっぱり民を考えるためにはそういう観点でやっていかないと指導できないのかなと私は思いました。それこそさっき言いましたように、EUの二倍ぐらいの人口いる国を、国の政府が引っ張っていくというのは、これは並々なことじゃできないと私は思いました。 そういった意味で、日本は、さっき言ったフライオーバーといって、立体交差とかメトロ、地下鉄のお金もつくっております、お金を無償でいろいろ出していますけれども、そういったことが結果としてその国の経済を底上げして、国全体の経済力を上げて国民の生活レベルを上げることに私はつながるんじゃないかなと、そういうことで私は一応納得いたしました。 だから、すべて本当はそういった貧困層に直接お金を与えられればいいんですけれども、そうじゃない、国全体の経済力を上げるというインド政府の考え方も私は一理あるんじゃないかなというふうに感じました。その国の事情によっていろいろ違うんで、それぞれ個別の現場、それぞれの国に応じてODAのお金の使い方を日本はやっていくべきだというふうに感じました。 以上です。
○委員長(山崎正昭君) 谷合正明君。
○谷合正明君 谷合です。 まず、まずというか、もう端的に質問をさせていただきますけれども、援助のコストパフォーマンスについてそれぞれ行かれた方はどう思われたのかなと思いまして、つまり、今ODA予算がなかなか伸ばすのが難しいという中で、同じ予算でもしっかりコストパフォーマンスを上げればもっとより良い援助が、質の高い援助ができる。あるいは、一億円、同じ一億円でも小学校をもっと倍増して建設できるぐらいの方法もあるかもしれない。いろいろ考えがあるんじゃないかなと思います。 不必要なところにお金が行っていたり、あるいは必要なところに、品目に行っていないとか、いろいろコストパフォーマンスを考えるときにあると思うんですが、その辺り、実際に行かれてきてどのように率直に、いろいろなプロジェクトをごらんになられております、草の根タイプであるとか円借款とか、あるいはJICAの技術協力とか、いろんなタイプをごらんになられておりますので、率直にどういうふうに感じられたのか。また、地元の人だとか、あるいは日本人で実際に働いている人にそういう声が特にあれば、また伺いたいなと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(山崎正昭君) 藤末君。
○藤末健三君 タンザニアに行ってびっくりしたことありまして、無償で、名前言っちゃいけないですね、日本の建築会社が学校を造っているんですよ。値段を聞くと、一つ三百万で造りましたという話だったんですけど、現地の人に、三百万でこの学校を造ったそうですけど、どうですか、高いですかと言ったら、いや、これは倍だと言われたんです、実は。値段が倍だと、現地価格の。それで、実際帰ってきてODAの無償資金協力のプロジェクトを調べてみますと、予定価格と応札、入札価格の比率を見ると、六割が九九%なんですよ、六割が。防衛施設庁の談合とか言っていますけど、それ以上です、これ、はっきり言って。 こういう状況をやっぱり直さなきゃいかぬなということを強く思っておりまして、まさしく、武見先生なんかも御存じだと思うんですけど、ODAの入札率、予定価格の大体九九%で応札、落としているんですよ、ほとんど。というのをやっぱりちょっとこの委員会で議論できればということを思っております。 以上でございます。
○加藤敏幸君 大変難しい御質問だと受け止めています。 パフォーマンスそのものも、これはやはり評価軸をどうつくっていくかということであり、評価軸については、我が国の戦略というものに非常に連動した評価軸、それは各国に対して我が国が何を求めていくかによっても相当違ってきますし、また受け手の国の、例えばベトナムとカンボジアでは非常に大きな差がある。そのときに評価としてどうつくっていくのかということで、評価軸そのものが非常に高く重層的につくり上げられている中でどうそれを解きほどいて答えを見付けるのかという意味で難しいということと、コストも、言わばコストとはどういうものであるのかといったときに、これもちょっと議論が出てくるような気がいたします。 そういうような意味で、余りに潔癖症的な、厳密主義にコストパフォーマンスをとらえていくと、それを追求するだけでこれ大変なコストが掛かって、議論のための議論で一年じゅう議論になってしまうという側面もあって、やや手離れのいい判断も場面によってはやらなきゃならないと思います。 そういうような意味では、ベトナムに対しては、私はやっぱり資金援助を中心にした方が結果として大きな仕事になると。カンボジアは、お金を与えても使い道が、自ら造ることはできないという意味ではマンパワーに力を置いた提供がより効果的ではないかと、こういう感想を持っております。
○田村耕太郎君 その件につきましては報告させていただきましたけれども、やっぱりフィードバックする場所がないと。事前、事後の評価をしっかり、JICA、JBIC、そして現地の政府ですね。まあインドに関してはやっていない、やる場がないということでしたんで、先ほども言わせていただきましたけど、そういう場をつくることを提言、ここでしましたし、現地でも提言させていただきましたんで、これからはプロジェクト評価という意味でも事前、事後の評価をしっかり関係者でやるということを改めて提言させていただきたいと思います。
○委員長(山崎正昭君) ちょっと時間は若干過ぎますけれども、最後に阿部君。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 じゃ、まあ最後って、まとめでもないんですけれども、今日は、何か理事とかいう立場ではなくて、感想めいたことをちょっと申し上げたと思うんですが、いろいろお尋ねしたいことあったんですが、一つだけにします。 いろいろな意味で、最後に田村さんが評価の場がないというふうな話もありましたけれども、よくよく考えると、ODAという非常に戦略的であるべきものが果たして国会という形でどうかかわってきたのかなというようなところもあるのかなという気もするわけです。 よく、顔の見えるODAとおっしゃいますが、もちろん現地でも見えるということなんですけれども、逆に言うと、柏村さんがおっしゃったように、国民にも見えているのかねというふうなところをやはり考えると、やはり、まあ私らがすべてを代表するわけじゃございませんが、国会という場でODAという塊で、決算は決算、予算は予算とありますが、それは別にODAという戦略的なものとしてどう構築していくのかねということ、様々な見方があると思うんですね。 決まったものはなかなか出てこないし、先ほど高野さんが国家戦略なくしてODA戦略なしと、こうおっしゃったことも確かだろうと思いますが、かといいながら、ほうっておくわけにいかぬということで、ODAについての、何かの形で、例えば先ほど浮島さんが白書を国会に報告して審議するような場があればというふうな言い方されましたけれども、そんなふうなことも念頭に置きながらこの委員会を進めていくのかなと、一つの方向性としてそんなふうなことも考えてみたいなと思いますが、一言ずつお三方に御意見でも、賛成、反対じゃないんだけど、本当に一言ずつ最後にお願いしたいと思います。
○委員長(山崎正昭君) じゃ、簡単に一言だけ。
○委員以外の議員(浮島とも子君) 私も、本当に国民の理解を幅広く得るために、やはり参議院の本会議の場でODA白書について各党が質疑をする場を設けて、やはり国民の皆様に幅広く理解していただくことが必要ではないかと考えております。
○加藤敏幸君 同様でございます。 国民のODAに対する評価に分裂、分散がある、そのことをきちっと統合していくのは国会における議論であり、かつ国会が高い関心を持つことが我が国のODA執行に非常に大きな道筋を開くのではないかと。そういうような意味で、更なる国会での議論を期待をしたいと思います。
○田村耕太郎君 賛成です。
○委員長(山崎正昭君) それでは、予定の時間が参りました。 本日は、お三人の体験談を踏まえた活発な御意見、御審議を賜りまして、誠にありがとうございます。今後の委員会審査の中で十分生かしてまいりたいと思いますし、いずれ調査団派遣ということにもなろうかと思いますが、そういったしっかりした目的とそういうものを持って調査団を派遣することもこれから協議をいただいてまいりたいと、このように思っております。 本日は、本当に活発な御審議、わずか二時間の時間でございますけれども、大変有意義な時間でございました。ありがとうございました。 これをもちまして委員会を散会いたします。 午後三時二分散会