財政金融委員会 第8号
- 発言数
- 351 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/03/22
会議録
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、平田健二君及び前川清成君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君及び平野達男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に櫻井充君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査及び平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省理財局長牧野治郎君外二十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査及び平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君外五名の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 去る十六日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうちの金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行についての審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 委嘱された予算について順次政府から説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十八年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は七十九兆六千八百六十億円余となっております。 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は四十五兆八千七百八十億円、その他収入は三兆八千三百五十億円余、公債金は二十九兆九千七百三十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十兆四千二百二十一億円余となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は十八兆七千六百十五億円余、政府出資は二千二十三億円余、予備費は三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。 国債整理基金特別会計におきましては、歳入二百四十九兆七千三百九十八億円余、歳出二百二十四兆七千三百九十八億円余となっております。 このほか、財政融資資金等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては予算書等をごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 国民生活金融公庫におきましては、収入千七百七十八億円余、支出千三百六十六億円余となっております。 このほか、日本政策投資銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては予算書等をごらんいただきたいと存じます。 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(池口修次君) 与謝野内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 平成十八年度における内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。 金融庁の平成十八年度における歳出予算要求額は二百十億七千二百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費といたしまして百五十六億三千三百万円、金融行政情報化推進に必要な経費としまして二十一億五千四百万円、有価証券報告書等業務・システムの最適化実施に必要な経費としまして十七億二千三百万円を計上いたしております。 以上をもちまして、平成十八年度内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(池口修次君) 以上で説明の聴取は終わりました。 なお、財務省所管の予算の説明については、別途配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村耕太郎君 おはようございます。 まず、財務大臣にお伺いします。 先週の予算委員会での集中審議の国有財産関連の質問の続きなんですけど、あの後、財務省からもいろいろ説明を受けましたし、財務省さんからもデータが出てきましたね。あの十一兆数千億というデータが出てきたんですけど、私、財務省さんの取組に対して本当に真摯に取り組まれているなと、感謝と、本当に、何というんですかね、一緒に頑張らせていただきたいなという気持ちになっております。その後、講演とかテレビで中川政調会長が、一けた足りない、もう一けた多いオーダーで圧縮できるんだ、いや、十一兆じゃまだまだという発言をされているんですが、率直に財務大臣はどうこの中川政調会長の発言、評価されますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 三月十六日の諮問会議で、歳出歳入一体改革の関連で、国の資産のうち財政再建のための財源となる資産について売却収入の目安は約十一・五兆円であると、こういうことをお示ししたところでございます。 中川政調会長が百兆のオーダーで言及された、私も報道で承知をしているわけでございますが、その圧縮案が、要するに財政再建のための財源となり得るものということで示しておられるのか、それ以外の資産も含んで要するに圧縮という御趣旨なのか、その辺りのもう少し詳細を伺わしていただきませんとなかなかコメントがしづらいというのが率直なところでございます。 それで、いずれにせよ、政府としては国の資産規模の対名目GDP比率を半分にしていくなどという目標の下に進んでいくということになっておりますので、こういう長期的な目安を実現する観点から、財源となる資産はもちろん財政再建のために売却する等々措置を講ずるわけでございますが、財源とならない資産も含めてどういうふうにしていくかということは、これからきちっと議論をさせていただきたいと思っております。
○田村耕太郎君 この国有財産の有効活用の一連の議論、結構いろんなところに波及しているみたいでして、自治体の方でもいろんな動きが起きていまして、この前の予算委員会の集中審議の直後ですか、ある報道に、東京都も都が保有する資産管理推進部局を創設するというような報道がありました。 自治体の方でもこれ始まりつつあるかなと思うんですけれども、東京都もやられるわけですし、国の方でもこういう資産管理推進部局みたいなのを創設されたらいかがかと思うんですけれども、そのお考えは大臣いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、田村先生がおっしゃった東京都の取組がどういうものなのか、まだ私も詳細は承知していないんですが、都の場合は財務局、これは予算編成とか財産管理を担当する、私どもの役所でいえば主計局と理財局を一緒にしたようなところかなと思いますが、その財務局の中で、各部局が所管するいろんな庁舎、既存の庁舎等について、空きスペースの民間貸付けであるとか、あるいはほかの部局でもっと転用して有効利用ができないかという組織を四月に設けられるというふうに聞いているわけです。 国有財産の場合は、これは国全体として有効活用するよう、それぞれ所管大臣がおられるわけですが、財務大臣が各省横断的に総括権を行使してやっていくという仕組みになっておりまして、既存庁舎等の監査とか入替え調整、これから都がお取り組みになろうということは既に私どもとしても積極的に取り組んできたところでございます。 それで、こういう中で、こういう国有財産の一層の有効活用や売却促進を図るために今国会でも国有財産法の改正案をお願いしておりまして、これを通していただいて、私どももこれ積極的に取り組んでいきたいと思っているところでございます。 それから、国家公務員宿舎につきましても現在、有識者会議をやっていただきまして、民間の視点から、都心部からの移転に伴う売却促進とか、跡地の売却促進とか都市再生、土地の高度利用、民間の視点を入れてどういうことができるかということを現在研究している最中でございます。 それから、国有財産以外の資産、これは外為資金とか財投貸付金ということになりますが、これは財務省が管理しているものが大宗でございます。これは資産の性質に応じて現在取組を強めているところでございまして、新たな組織というものをつくるまでもなく、今の組織の中で取り組ませていただいているというふうに考えております。
○田村耕太郎君 次に、与謝野大臣にお伺いします。 大臣就任以来、証券市場改革に取り組まれているわけですが、ジェイコムとかライブドアの問題が起こっているその騒ぎの中で、東証も金融庁さんも一生懸命頑張られていますが、世界はその中で大きく変わりつつあります。ロンドンの方にはナスダックが買収を仕掛けたり、ニューヨークの方は上場問題というのが言われていますけれども、その上場の背景には、ニューヨークの本業を脅かしつつあった電子証券取引所ですか、アーキペラゴとかインスティネットとか、そういうのが台頭してきまして、アーキペラゴと統合するために上場するというのがニューヨークの背景なんですけれども、そういうふうに世界的な証券取引所の合従連衡というのが起こっているわけですけれども、次はアジアだというようなうわさを聞きます。ニューヨークも二十四時間取引、ちょうど真反対になるアジアで東証をねらっているんじゃないかといううわさもありますし、また東証は東証で上場するという問題が近々に浮上してくるわけです。 東証は主要株主規制というのがありまして、一社では買収できないわけですけれども、いろんな動きが起こってくると思うんですけれども、これだけの合従連衡が起こっている中で、アジア最大で世界第二の市場である東京証券取引所のこれからの在り方ということに関しまして、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 東証が直面する今の問題というのは、やはりシステム障害に象徴されるような、日々の業務をきちんとこなせるかどうかという、その問題であると私は思っております。 それからもう一つ、今東証として検討しなければならない、また金融庁としても考えていかなければならない問題は、これからの東証が扱うべき商品というのが今のままでいいのかどうかという問題があります。もう少し幅広い範囲の商品を扱うという取引所である必要があるのではないかと私は思っております。 そこで、委員御指摘の、ロンドンの証取を他の国の資本が買うというような御提案があったというふうに伺っております。 日本の場合どうなのかと申しますと、やはり東証というのは日本経済にとってかなめの存在であると同時に、アジアの大きな市場であり、また国際的な市場であるわけでございます。やはり東証に対しては、日本経済にかかわる重大なインフラであるというところから、やはり他の外国資本が全部それを支配するというのは決して好ましいことではないと思っております。 そこで、今回の出しております、出します金融証品取引法についてどういうふうに書いてあるかと申しますと、今国会に提出している証券取引法等の一部を改正する法律案においては、株式会社金融商品取引所の総株主の議決権の百分の二十以上の議決権を原則として取得、保有してはならないこととしております。これは、現行法の規定を明確化し、予測可能性を高めるための措置であると、そういうことでございます。 それから、東証を上場するとかしないとかの問題も当然ありますけれども、当面はやはり東証は日常業務がきちんとできるようシステムの再構築、またシステムを世界の最先端の取引技術に合わせていくと、そういうことに集中していただきたいなと私は思っております。
○田村耕太郎君 大臣がおっしゃられたように、当面はその課題に邁進していただきたいと思いますが、将来、私は、買われることを心配するばかりではなく、東証が上場資金で得たお金を使って香港やシンガポールを逆に傘下に入れてアジア全体の、野球でもアジアの盟主、世界の盟主になったわけですから、やはり証券市場でも自信を持ってアジア全体の資金調達を担うんだぐらいの覇気を持っていただきたいと思いますし、それを大臣にも何らかの形で頑張っていただきたいなという気持ちがしておりますので、それはコメントとして聞いていただければと思います。 最後に、谷垣大臣、これ通告が間に合ったか間に合わなかったか分からないんですけれども、もし間に合ってなかったら大変ちょっと申し訳ない質問なんですけれども、例の同族企業に対する損金算入制限の問題です。役員給与の問題ですね。 これ、財務省の中でもいろんなシミュレーションをされている、また税理士会の方でもシミュレーションされていて、数字が食い違っていると。またこれ予算関連の話で、推定の予算計上も四百億だか三百億だかされているということなんですが、これ結構、同族企業だけを定義に、ターゲットにされるわけですけれども、これ中小企業全般に対して非常に会計上、財務上、大きな問題になると思われるんですけれども、シミュレーションが違うということも含めまして、この改正が与えるインパクトですね、大臣は、私ちょっと結構深刻な問題もあるんじゃないかなと思うんですけれども、大臣はいかがお考えになられますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘の問題は、これは申し上げるまでもございませんが、一人会社、一人、実質上オーナー一人ですべて会社を支配しているというような会社を考えていただけばいいわけですけれども、それは、まず自らの役員給与を法人段階で損金算入できると。それから、自分が受け取った今度は個人段階で所得税額の給与所得控除を受けることができる。これを同じような個人企業から見れば、二重控除じゃないかという問題が今まで指摘されておりましたことに加えて、そうやって操作することによりまして、税の、言わば美しく言えば節税でございますけれども、操作の余地があり得るということも批判の対象でございまして、特に今度の商法改正で法人成りがしやすくなりますと、節税目的の法人をどうやって、法人成り、節税目的だけと言ってはいけませんが、そういう法人成りをどうやってコントロールしていくかという問題のために考えたものでございます。 それで、委員のおっしゃるように、中小企業全体に非常に大きな影響があるんではないかと御指摘でございましたけれども、これはあくまで実際上一人で支配をして、一人会社、こういうものを主として中心に置いておりまして、そのようなオーナー企業であっても、例えば従業員持ち株制度をつくっているとか、あるいは長い間働いた自分の片腕のような番頭さんを役員に加えているとか、そういうところは省いてございますし、それから八百万以下のところもこれは受けないようになっておりますので、随分いろんなところでおやりになった調査と私どもの調査と乖離があるような印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、私は、こういう限定がございますので、一部で言われているほどの大きな、何というか、ことにはなっていないというふうに思っております。 また、お時間があれば十分この辺りも議論させていただきたいと思っております。
○田村耕太郎君 終わります。 ありがとうございました。
○大久保勉君 おはようございます。民主党・新緑風会の大久保勉です。 まず、政府の貯蓄から投資の掛け声は平成十八年度予算にどのように反映されているか、このことに関して質問します。 私は、政府の掛け声とは別に、これまで証券行政に力を入れていなかったと指摘します。ライブドア問題、東証の取引停止、さらには西武鉄道、カネボウ粉飾決算がございました。これに対してちゃんとした行政を行っていなかったから、つまり金融庁の不作為の罪がこういった事態を引き起こしていたんじゃないかと思うわけです。 例えば、私は、一概に比較できませんが、平成十年、大蔵省証券局の陣容が八十七名でした。これと同様な業務を行っております金融庁の総務企画局市場課、企業開示課、さらには監督局証券課、合計で七十五名です。むしろ人は減っております。 貯蓄から投資の掛け声とは別に、証券業務がおろそかにされていたんじゃないかと指摘したいと思いますが、大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 十八年度予算におきましても、国の行政機関の定員を五年間で五%以上純減させるという総人件費改革の下にあって、市場行政体制の強化で四十人の増員を図るとともに、市場業務担当参事官、開示業務担当参事官を設置することとしております。また、証券取引等監視委員会事務局につきましても十九人の増員を図るとともに、近年の市場監視機能の多様化、高度化を踏まえまして、平成四年発足の当時からの二課体制を五課体制に再編することとしております。 金融庁としては、十八年度予算案に盛り込まれたこれらの体制整備を最大限に活用しつつ、市場の公正性や投資家の保護を図ってまいりたいと考えております。 そこで、先生は、平成十年六月の証券局の陣容が八十七人であったのに対し、それから増えていないという御認識でございますが、確かにそうではありますが、その当時の証券局は八十七名のうち二十四名が総務課ということで官房的な仕事をしていたということでございますので、明らかに直接業務に携わっている方々は若干ではございますが増えているというふうに我々認識しております。
○大久保勉君 もう少し具体的な問題としまして、証券取引等監視委員会、こちらを大臣の方は今後独立を強化若しくは組織を強化する必要があるかどうかを検討しないといけないと、是非早急にやってほしいと私は思っております。 特に監視委員会に関しましては、インサイダー取引を監視する若しくは、いろんな秘密情報がありますから、監視委員会から情報が漏れてインサイダー取引のもとになったら目も当てられませんから、本当に監視委員会にそれだけのシステム的なものがあるか、このことに関しても非常に興味があります。 また、予算措置がされているのか。具体的には、秘密情報を守るためにトレーディングルームが設置されているのか、若しくはチャイニーズ・ウオール等の情報隔離がちゃんとなされているのか、物理的に、そして組織的にどうなっているのか、この点に関して大臣に御所見を伺います。
○国務大臣(与謝野馨君) 金融庁でどのような情報管理を行っているかという御質問だと存じますが、まず情報管理につきましては、文書取扱規則等を通じまして適正な管理に努めているところでございます。 具体的には、金融機関等からの各種報告に係るFB等の厳格な管理、二つ目は庁内の情報施設の利用における適切なアクセス権の設定、三番目には庁内の情報管理体制に関する自主点検及び内部監査の実施等を実施してきているところでございます。 今後とも、研修等により各職員の周知徹底を通じ適切な情報管理に努めてまいりたいということでございますけれども、最近のいろいろな公的機関での情報漏えいを見てみますと、金融庁も相当緊張して情報管理ということを考えていかなければならないというのが率直な感想でございます。
○大久保勉君 答弁、ありがとうございます。 インサイダー取引といいますのは決して証券会社だけ若しくは企業だけの問題ではありませんで、役所も該当しますから、是非、大臣のリーダーシップで、情報漏えいをしない、またちゃんとした管理体制を構築してもらいたいと思います。 じゃ、続きまして、先週、三月十六日に財政金融委員会におきまして、同僚委員の質問におきまして財政融資特別会計の議論がなされました。非常に有用な議論であったと思いまして、このことを踏まえまして、幾つか疑問がありましたので質問したいと思います。 席上、谷垣大臣の説明によりますと、財政融資特別会計が約四割減ったということで、スリム化することによって剰余金が千分の七十から千分の五十三になったという答弁がございました。ちょっと算数というか数学的に分からないんですが、スリム化してもいわゆるパーセンテージは変わる必要はないのに、普通だったら変わらないのに、どうしてパーセンテージが変わるのか、このことが分かりませんでしたので、端的に御説明、お願いします。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。 今先生から御指摘があったようなやり取りは、ちょっと議事録で確認したんですが正確にぴったりしたところはございませんでしたが、恐らく千分の七十あるいは千分の五十三とか、財投のスリム化ということでございますから、その関係について御説明をさせていただきたいと思いますが。 財政融資資金特別会計の金利変動準備金につきましては、財務の健全性を維持する観点から、財政審財投分科会の御指摘を踏まえまして、利益が生じた場合には総資産の千分の百まで積み立てるということにしております。 平成十七年度末におきます準備率は千分の七十となる見込みでございました。これは千分の百までは達していないわけでございますが、これまでの財投改革の成果によりまして、財政融資特別会計において今後とも総資産のスリム化が見込まれるという事情がございますので、この金利変動準備金を他の用途に活用できるというように判断いたしまして、平成十八年度予算において十二兆円を国債整理基金特別会計に繰り入れることとしたということでございます。この十二兆円を国債整理基金特別会計に繰り入れた後には、平成十八年度末における準備率は千分の五十三となるということでございます。
○大久保勉君 実は、ここに議事録があります。谷垣大臣の答弁を読み上げますと、財投が最盛期の四割ぐらいまでの水準までスリム化をしてきたということで、金利変動準備金に余裕が出てきたということが背景に私はあると思います。十行ぐらい外しまして、この十二兆円を出すまでは千分の七十幾つまでためておりましたが、先ほど申し上げましたように全体の圧縮から見てここまで出せるだろうということで十二兆円出すと千分の五十三に今度なりまして、つまり、スリム化するんだったら千分の七十になる程度にスリム化すればよかったのに、どうしてそれ以上にパーセンテージが減るのか。つまり、財投の規模が縮小しましても金利リスクというのは同じなんですね。これでは証明できないと思いますが、もう一度答弁をお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大久保委員おっしゃるように、私もちょっと議事録を読み直してみまして、やや全体の流れがミスリーディングな発言だったかなというふうにも思っております。 要するに、背景として、財投を圧縮してきたということがある、四割ぐらいまで圧縮してきたと。それからもう一つは、今後も財投は圧縮していくという背景があるということを申し上げたかったわけでございますが、ちょっと、今委員のおっしゃったように、千分の七十から五十三ですか、そこのところ、すぐ結び付くようなふうに取られるとすれば私の発言が若干舌足らずであったと思います。
○大久保勉君 続きまして、もう一つ疑問に思ったものは、財政融資特別会計が、調達よりも運用が長い、貸付けの方が長いから金利変動リスクが大きくなるということをおっしゃっていました。これは財務省からレクがございまして、全く同じようなことを何度も聞いておりまして、つまり、この特会に関しては、貸出しが非常に長くて調達が長くないと、だから将来金利が上がったらロスになる可能性がある、だから金利変動準備金が必要であるということが正式な答弁だったと思います。 このことに関して、それで間違いないか、もう一度、財務省、答弁お願いします。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。 まず、財投改革以前から申し上げますと、運用の方は超長期でございまして、それに対して調達は郵貯等の七年間の預託に依存しておりましたので、超長期の運用に調達を合わせるということは、これは制度上不可能でございました。しかし、財投改革以降の財政融資資金の調達に際しましては、制度上財投債の発行が可能となりましたので、二十年債、三十年債といった超長期の調達も可能となっておりまして、実際に二十年債や三十年債による調達も行いまして、そのデュレーションは縮小をしてきているところでございます。 ただ、私ども、前から申し上げさせていただいておりますのは、そのようにデュレーションの縮小ということは確かに進んできていると。ただ、デュレーションが仮に一致したといたしましても、資産、負債の時価評価額の変動幅が一致するにすぎないと。ある一点における資産、負債の時価評価の変化幅が一致するにすぎないんで、デュレーションが一致しても、その時点での金利変動リスクがゼロとはならないんですということ。それから、貸付金の回収時期と公債の償還時期の相違に伴う回収と償還のずれ、いわゆるマチュリティーの不一致でございますが、これは残りますので、これに起因して借換え時には逆ざやとなりますので、その損失が生じる危険があるということを御説明させてきていただいたと思っております。
○大久保勉君 幾つか複雑な問題がありますが、一つ一つ再質問します。 つまり、調達よりも運用の期間が長いというのは間違いですね。少なくとも絶対に調達を長くすることはできませんということに関しては間違いですね。もう一度確認します。
○政府参考人(牧野治郎君) 今申し上げましたように、財投債が導入されて以降、二十年債、三十年債を活用しまして超長期の調達をしておりますから、それはもちろん、どこまでじゃ超長期ができるんだということになれば、それはその時々の、財投債といえども国債と一体で発行されるものでございますから、そのときの市場のニーズですとか、そういった要因を配慮しなければいけないと思いますが、財投改革前に比べてより超長期の債務を発行できるようになっているということは事実でございます。
○大久保勉君 再質問ですが、ということは、調達の方を長くすることができるということでしたら、金利が上昇したら利益が生じるようなポートフォリオをつくることはできますね。金融工学上、答弁してください。
○政府参考人(牧野治郎君) 金利が上昇したときに利益が出るようなポートフォリオをつくることは可能だと思いますが、ただ、金利変動に応じて最大限どういうリスクが発生するかということも我々は勘案しながら、債務、資産の管理を行っているということでございます。
○大久保勉君 余り、金融工学に関しては、御存じかもしれませんけれども、正しい答弁をされていませんですね。つまり、デュレーションを管理することによって金利が上がったら利益が生じるようにすることができます。これまでの財務省さんの説明は、この特会に関しては調達が長過ぎて、金利上昇、金利が上がった場合に損失が出るから準備金が必要だと。それも現在は千分の五十三、何と五・三%です。将来的には千分の百、一〇%も準備金が必要ですと。これはうそっぱちじゃないですか。つまり、長期の財投債、三十年とか二十年とか発行していった場合には金利リスクをほとんどゼロ、さらには、もっとデュレーションを延ばしましたら金利が上がったら利益が出るという構造になりますから、ちゃんと管理をすれば準備金は必要ないんじゃないかと私は思いますが、どうですか。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。 先生がおっしゃられるとおり、超長期の国債を発行することによりまして、財融特会のデュレーションギャップ、これを縮小させることは可能でございます。我々も、市場の動向をにらみながら適切な調達を行うことによりまして、近年、このデュレーションギャップは縮小させてきているわけでございます。 ただ、先ほども申し上げましたけれども、デュレーションが仮に一致したとしても、資産、負債の時価評価額の変動幅が一致するということにすぎませんで、その時点での金利変動リスクがゼロになるとは我々考えておりません。貸付金と回収、貸付金の回収時期と、それから公債の償還時期の相違に伴う回収額と償還額のそれぞれの年におけるずれ、これを我々は問題にしておりまして、このマチュリティーの不一致、これはデュレーションを一致させたとしても残るものでございますから、このずれに起因して借換え時に逆ざやが生じるという危険性がございます。これに対応して我々は、金利変動準備金という呼び方が先生余り適切ではないというお考えは伺っておりますが、そう呼ばせていただきますが、今我々はそういうことで金利変動準備金を用意しているわけでございます。
○大久保勉君 デュレーションが一致しましても、若干の金利リスクあります。 そこで、これは例えば金利リスクが、デュレーションが一致していなかった場合に、一万円単位で動くものが、今度はデュレーションをゼロにして残るリスクというのはせいぜい十円とか百円単位のものだと私は考えておりますが、これでいいですね。つまり、一万円単位で議論しているのに、いや、一円とか十円とか、微妙な誤差がありますということで、金利リスクありますと言っていますが、私の説明で問題があったら指摘してください。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをさせていただきます。 今申し上げましたマチュリティーのギャップでございますが、これは財投が、貸付けは主として均等償還型の貸付け、そういうキャッシュフローになっております。ところが、調達側は財投債でございますから、これは満期一括でございます。それから、これはさっきちょっと申し上げましたが、財投債の発行は、その他の国債と同様に、商品性なんかに応じて市場のニーズを踏まえたものとしなければならないという、そういう事情がございますし、したがって、財投債の発行計画策定後にこれを自由に変更するということはできません。 そういう意味で、私どもはマチュリティーギャップというものはやはり大きな借換え時における金利のリスクであるというように考えております。
○大久保勉君 答えられていませんですね。それが、デュレーションギャップが一万円単位の誤差としましたら、それが十円とか百円とか、その程度のリスクじゃないかという指摘に対して、それは正しいですか、正しくないですか、間違いでしたら理由を教えてください。
○政府参考人(牧野治郎君) ですから、我々マチュリティーのギャップによるリスクというのは残っていると考えておりまして、じゃこれをどのように検証するかということでございますが、これは我々は、まず財融資金の資産負債管理の将来の金利変動に伴って借換え時に逆ざやとなるリスクをどう把握するかということで過去に我々ストレステストをやっておりまして、過去に実際に生じました大幅な金利循環が今後起こった場合に、今申し上げましたようなその借換えリスクが発生するわけですから、それでも耐えられるかどうかということで準備金の率を算定しておるといいますか、していただいていると。 具体的には、平成十五年十二月、それから平成十七年十二月の財政審の財投分科会におきまして、今私が申し上げたような考え方に基づいてストレステストを行っていただき、その結果に基づいて将来にわたり財政融資資金の財務の健全性を維持するためには総資産の千分の百までの金利変動準備金、まあちょっと名前は先生お気に食わないかもしれないんでお許しいただきたいんですが、の繰入れが必要であるという結論を得たということでございます。
○大久保勉君 これは実は私の通告の二つ先の質問を答えていまして、本当に混乱されていることが予想されますが、もう少しじゃ先ほどの議論を展開しますと、デュレーションが合ってたらまあ金利変動リスクは最小限に抑えることができます。実は財務省さんはきっちりやられているんです。 そこで、配りました資料の一、マチュリティーラダー、平成十七年十一月末現在ということで作ってもらいました。当初はグラフだけで、このグラフを見てもほとんど分かりませんので、細かい数字を下さいということで出してもらいました。実はいろんな、難しい、難しいと言っていますけど、金融工学上、非常に精緻なリスク管理をされております。 まず一つ、先週までの答弁が間違っていることを指摘します。つまり、債務債の方が長期調達はできませんとおっしゃっていましたが、一番下の図を見てもらいましたら、これは二十六とか二十七とか二十八、二十九、三十というのは年数です。今から二十六年後はマイナス〇・一、一千億円負債の方が多いということです。さらに、〇・三マイナスになっていますが、これは二十七年後は三千億負債が多いと。まあ同じように、三千億、四千億、一千億になっております。で、十八というところを見てください、手書きで書いた。つまり、十八年後は一千億の債務が多いと。十九年後は七千億債務が多いと。プラスの、二十年は〇・一ですから一千億資産が多いと。二十一は七千億資産が多いと。 これを見る人が見ましたら、これは三十年債と二十年債しか発行できませんから、例えば十八というのは平成三十五年、平成十五年に二十年債を発行して債務サイドを増やしたと。平成十六年は七千億円以上二十年債を発行していると。また、二十六というところは一千億のマイナスですから、少なくとも平成十三年に三十年債を発行したと。同じように平成十四年、十五年、十六年と毎年三十年国債を発行して、いわゆるデュレーションをきっちり管理されているわけです。こういったことをしていることは金利リスクに対して十分に適応されております。ここは評価できることであります。 このことに関して、財務省、是非、このマチュリティーラダー、これは財務省が作ったということ、更に私の考え方が間違いでないということを是非答弁してください。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。 今いただきました資料は財務省が作ったものでございます。 マチュリティーラダーにつきまして一言言わせていただきますと、これは現在、財融資金が保有しております資産、債務につきまして、将来の貸付金の回収時期と公債、それから預託金等の償還時期のずれに伴う回収額と償還額のずれ、これがまあマチュリティーの不一致なわけでございますが、こうしたずれが存在する時期には借換え時に逆ざやが生じ損失が生じますので、我々はまあこういうマチュリティーラダーも一つの手段として使っております。 今先生におっしゃっていただいたように、財投改革後、二十年債それから三十年債についてある程度マチュリティーを合わせる努力はしてまいりました。それはただ市場の条件なんかがありますので完全にはいきませんが、そういう努力をしてきたということは事実でございます。
○大久保勉君 じゃ、続きまして、じゃ資料二を見ていただきたいと思います。 実は私の方で、金利リスクをヘッジするのは難しいということで、私なりに計算しました。一応このことに関しては、金融庁の方にも幾つか質問をして、この表が間違いでないかという質問をさせてもらっていると思います。 見方に関しましては、まずデュレーション分析で一番上、現在三百四十兆円の特会がありまして、資産サイドのデュレーションは三・七五、負債サイドは三・三一、この引き算したものがいわゆる金利リスクと言われますギャップです。〇・四四%であります。 まあ実は、二十年債、三十年債を発行しましたら、このギャップをゼロ若しくはマイナスにすることができます。マイナスというのは、金利が上がった場合に利益が生じると、ですから金利リスク準備金はゼロにすることも若しくはゼロ近くにすることは可能であるということなんです。まあ一例でいいますと、右手の箱の中で、もし十年債を十六兆三千億発行しましたらこのギャップはゼロになります。期間が長いものでしたら、もし三十年債を五・四兆発行しましたらデュレーションギャップはゼロになります。つまり、金利変動準備金はゼロにすることができます。全額国庫に返すことができると。 まあもちろんある批判があると思います。じゃ十年債十六兆発行できるのかと。実は右手は、現在の十年債の発行金額は二十兆ですから、そのうち十六・三兆、まあマーケットに影響を及ぼすんじゃないかと、こういう批判があるやに考えまして、その下の箱は、じゃ五年債、十年債、二十年債、三十年債をある程度一定にばらけましたらマーケットにインパクトを与えずに発行できるんじゃないかということで想像して作りました。例えば、五年債を七兆円、十年債を八兆円、二十年債を二兆円、そして三十年債を三千億。これでしたら、右手の現在の発行金額に比べて少ないですから、それほどマーケットに影響は与える可能性は少ないと思います。もちろん、一年間若しくは二年間で少しずつこういった債券を発行した場合には、ギャップをゼロにすることができると。 こういう状況は金利変動準備金が全く要らないという状況かと思いますが、この考え方に対して、財務省、正しいのか、若しくは金融庁の方でこの表に対して問題点がありましたら御指摘ください。 じゃ、まず金融庁の方からお願いします、この表に関して。
○政府参考人(佐藤隆文君) 私どもの方からは、財政融資資金特別会計の制度設計であるとかあるいは具体的な運用について何かを申し上げる立場にはないわけでございますけれども、一般論といたしまして、資産サイド、負債サイドのデュレーションを算出した上で資産のデュレーションの方が負債のデュレーションよりも長い状況にある場合には、期間の長い負債調達を増やすことによって両者の差を、ギャップを縮小させるということは、理論上、金利リスク縮減のための一つの標準的なアプローチであると思います。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。 先生の試算について、一定の前提を置いてされたということについては、今の金融庁と同じように、こういう計算、計算上はこういう分析が成り立つだろうということは、そのとおりだと思っております。 ただ、一言コメントさせていただきますと、これも先ほどから申し上げているんですが、先生はデュレーションギャップを完全に埋めるということに力を注いでおられるわけですが、我々はデュレーションギャップが解消してもマチュリティーのギャップが残っている以上、将来にわたる借換え時の金利効果による逆ざやの発生する可能性があるんですと。したがって、我々は貸付け、やっているのは貸付けですから、デュレーション分析というのはそもそも、本来金利感応的な債権なんかに使われる手法だと思っていますけれども、我々は貸付けでございますから、そういう意味では、そういうそれぞれ、その今後の損益の推移がどうなるかということの方がより重要なんだと考えております。 それから、国債をどの程度、じゃ十年債幾ら、二十年債幾ら発行できるかというのは、これはもう、最初にもちょっと申し上げましたけど、国債の発行は、普通国債と一体となって、マーケットのニーズに合わせながら、日々我々も緊張しながら、これでその二十年債がちゃんとマーケットがはけるかって入札のたびにそういう緊張感を持ちながら発行しているわけで、そういうニーズですとか市場動向を勘案しないで計算するということであれば、こういう計算は成り立つだろうというように思っております。
○大久保勉君 非常に答弁が大変だなということで、私も感じますけど、一つだけ理論的に言いますと、貸付けでありましても債権でありましても、金利リスクは一緒です。固定の貸付けだから金利ヘッジができませんというのは間違いです。 また、先ほど言いましたように、答弁の場合に、どの程度影響があるかということに関しては一切お答えされていません。つまり、デュレーションギャップがゼロにした場合に更に金利リスクがあります。それはありますが、どの程度かということを是非答弁しないと説得力がないです。つまり、うがった見方をしますと、金利変動準備金というお財布がありますと、つまり五・三%持っているから、今金利リスクがないと言ったら全額返さないといけないんだと、何とか残したいと、だからリスクがある、リスクがあるというふうに私には聞こえます。 じゃ続きまして、表の剰余金分析ということで、現在〇・四四%というギャップがありましたと、じゃ金利が将来上がった場合には損失が出ると、それはそうです。じゃ、どの程度金利が上がった場合に、例えば千分の五十五としましたら五・五%の剰余金がなくなってしまうかと、こういう分析をしました。 一番左の金利上昇で、もし二%上がった場合は、資産サイドで七・五%の損失が発生し、負債サイドで六・六二%の利益が発生しますから、最終損益としましては〇・八八、これを二%ごとに計算したのがこの表であります。で、ちなみに、今よりも一二・五%金利が上がった場合には、このとき初めて五・五〇%のマイナスです。つまり、五・三%の剰余金というのは足りなくなるという状況であります。 じゃ、今から一二・五%という金利は本当にどのような意味があるか。例えばの話ですが、郵便貯金、あの郵貯の国債等の資産がございます。もし一%の金利が上がりましたら五兆円の損失が出る。厳密に言いましたら、郵政公社からもらいましたが、〇・一%の金利が上がった場合、約五千億余の損失が出ますから、それから単純計算しましたら、一二・五%の金利上昇というのは六十三兆円、郵貯で国債保有の損失が発生します。こんなことあり得るんでしょうか。じゃ、もしその場合に六十三兆円の損失が出ましたら、郵政民営化は大失敗ですよ。約六十兆円の国庫負担が発生します。こういうことを想定しているのかということです。 ちなみに、いや一二・五%は行き過ぎだと、自分たちは二%から八%の金利の変動を考えているから、せいぜい八%しか考えてないと、これは財政審で議論された理論です。もし財政審が考えています八%金利上昇でありましたら、約四十兆円の損失が郵貯に発生します。こういった考え方に関して、財務省、どういうことを思われるか、できたら大臣の方に答弁をお願いしたいと思います。 つまり、こういういい加減な数値でもって、谷垣大臣がこの特会には金利リスクがあるんだと、こういうことを説明を受けていましたが、実際は違うんです。是非、このことを財務省のいわゆる社長、CEOとして十分にこういったことを説明を受けていたのか、若しくはそのリスクを承知していたのか、答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 金利変動、今の御質問は金利変動をどのぐらいのものとして考えていたのかと、それを例えば郵貯なんかに持っていったら大変な結果が生ずるじゃないかということをおっしゃっているわけですね。
○大久保勉君 また、実際にこういったこれまでの議論の経緯を十分に説明を受けていたのか、若しくはこういったことに関して認識があったのか、このことに関しての質問です。
○国務大臣(谷垣禎一君) 説明は受けておりました。こういうシミュレーションをしたその流れについては私も説明を受けておりましたけれども、率直に申し上げまして、今日、大久保委員から御質問の内容につきましては今朝早起きをして勉強をしたというところもございますので、率直に言って、今日委員のおっしゃったようなところを全部今まで明快に把握していたかどうかは自信がないところもございます。 ただ、私どものこの千分の百とかこういうふうに言っておりますシミュレーションは、資産・債務管理にやはり万全を期さなきゃならないわけですが、現状に照らして確率的に生じる可能性が高い金利シナリオというのはもちろん考えておかなきゃいけませんが、それだけじゃなくて過去に実際に生じたその大幅な金利変動というものも考えて、言わばストレステストをしたというふうに説明を受けております。 それで、御指摘の資産は、この点を踏まえまして、過去二十年程度を視野に入れて実際に生じた金利の上昇、大体二%から八%ぐらい、それから下落のペースで言うとまた八%から二%と、こういうことで金利循環が起こるというシナリオ、リスクシナリオを当てはめて検証を行ったものでございますが、こういう大幅な金利変動は、もちろん適切な財政金融政策を遂行して、こういうことが起こるのを防ぐように努力するというのは政策目標としては当然のことだろうと思いますが、他方で、こういう変動は実際に過去に生じているわけでございますから、長期的な財政融資資金の財務の健全性という観点からすると、こういう前提を持ってストレステストをするということは、必ずしも高過ぎるものとは考えておりません。 こういうストレステストはあくまでテストの前提、こういう前提はあくまでストレステストの前提でございますので、こういう金利変動の金利循環の蓋然性が直ちに極めて高いということを示しているものではもちろんないわけでございまして、先ほどの繰り返しでございますけれども、当然いろんな政策努力によって回避すべきシナリオだというふうに考えております。
○大久保勉君 金利上昇リスクに対して変動を政策努力によって回避するということでしたが、いわゆる財投特会のデュレーションギャップというのを限りなくゼロにする、若しくは金利変動をなるべく受けないような状況にするということ、こういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) もちろん全体の財政金融政策で、できる限りそういう努力はすべきものだろうと思います。
○大久保勉君 金利が八%になった場合の郵貯のポートフォリオに関しましては、次にたっぷり時間を取って御質問しますから、次に参りたいと思います。 昨年、平成十七年度に財政融資特会が期限前弁済を受け入れております。具体的には、住宅金融公庫及び都市再生機構への貸付金が一部期限前弁済をされました。本来でしたらそれに対するペナルティー金利が必要でありますが、これを免除したという説明を受けております。じゃ、具体的に幾ら免除したのか、このことを教えてください。また、その免除金額はどこから出たのか、私はこの金利変動準備金から出たんじゃないかと思いますが、そのことを確認したいということで質問します。
○国務大臣(谷垣禎一君) 財投へのこの繰上償還ですが、財投改革の議論の中で、財投の実施に当たっては市場メカニズムとの調和を一層促進することが必要と、こういうふうにされまして、これを踏まえて補償金を徴求、求めて受け入れるということとしているわけでございますが、補償金なしの繰上償還、それはその例外的な措置となるわけでございます。 そこで、平成十六年十二月二十三日の財政制度等審議会財政投融資分科会で御議論をいただいて、四つの条件を付けてやるということで議論をいただきました。それは、一つは業務からの撤退を含む抜本的な事業の見直しである、それから二つ目に撤退事業の経理の明確化である、それから三つ目に業務運営効率化等の自己努力を担保するための計画の策定であると、それから四つ目に財政融資資金に対する償還確実性を高めることができる等、最終的な国民負担を軽減するために財政融資資金の得べかりし利益の放棄が必要かつやむを得ないことと、この四条件を満たした上で、それは法律に基づいて行われることが必要であると、こういう議論をいただきました。 そこで、住宅金融公庫と都市再生機構については、こういう条件を満たした上で、透明性のある形で法律に基づいて行われる例外的な措置であるということで、十七年の、昨年の通常国会において所要の法律が整備されたわけでございます。 そこで、その住宅金融公庫からの繰上償還につきましては、金利動向等にもよりますけれども、総額で十兆円前後を見込みまして、それに伴う補償金の免除額は一兆円前後となるものと見込んでおります。それで、十七年度におきましては、このうち一・六兆円の繰上償還が実施されまして、そうしますと、その補償金免除額は約〇・四兆ということでございました。それから、都市再生機構からの繰上償還につきましては、全額である約三・二兆円が十七年度中に実施されたところでございまして、補償金免除額は約〇・九兆ということでございます。 それで、こういう措置の結果、財政融資資金が将来において金利変動準備金として積み立てられる可能性のある収入を失ったことは事実でございますが、本件は財政投融資計画に占めるこの二つの機関は極めてシェアが大きゅうございますので、その両機関の財務の健全性向上につながると、それから財融資金全体としての償還確実性の向上にも資する、こういう点も考慮して実施したものでございまして、財融特会における金利変動準備金の水準とか準備率の限度と関係付けて行ったものではないわけでございます。
○大久保勉君 整理しますと、住宅金融公庫に対して補償金免除額が将来にもわたりまして一兆円、都市再生機構に関しては九千億、合計で、つまり住宅金融公庫と都市再生機構の合計で一兆九千億の補償金免除がなされたと。これは、補償金免除を民間用語で何と言うか、民間金融機関用語で何と言うか、お分かりの方いらっしゃいますか。金融庁、是非。
○委員長(池口修次君) どなたか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 恐れ入ります。ちょっともう一度、御質問をお願いします。
○大久保勉君 つまり、補償金免除額一・九兆円、これを財務省は補償金免除額と。つまり、固定金利で貸し出していました。で、期限前弁済をした場合に、本来でしたらペナルティー金利を払うべきでありますが、それは要りませんと放棄したわけです。この場合、民間金融機関は何と言うかということを伺います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 恐らくそういった取引につきましては個別の契約で定められているというふうに思いますけれども、共通のそのネーミングがあるというふうには、私はちょっと知識がございません。
○大久保勉君 また、特異な個別事象に関してはお答えできませんと。これ、金融常識でしたら、金利減免若しくは債務放棄ですよ。つまり、債権放棄をしているわけです。まあ、いい言葉ですけれども、債権補償金免除金ということで、物の本質が見えなくなっていますが、これは債権放棄です。 私は、このことは必ずしも問題だとは言いません。つまり、ここで債権放棄しませんと、もっと損失が増えますから、適切になされたということであります。ところが、事の本質を見えない形で補償金免除金とか若しくは金利変動準備金という言葉にすり替えまして、だれが責任があるかという実態が見えなくしていることこそが、この国の問題なんです。この官僚機構の問題じゃないかと私は是非指摘したいです。 もし、合計で一・九兆円の損失が発生したと。一般予算だったらどうです。恐らく平成十八年度の予算は通らないでしょう。ところが、多くの国会議員が見えないで、若しくは国民が見えない形で一・九兆円の債務放棄がなされているんです。 じゃ、その場合に、私ども政治家としては、国民に、どうしてこういうことが発生したのか、だれに責任があるのか。もし民間企業でしたら、一・九兆円損失を出しましたら、旧経営陣はすべて退陣します。場合によっては刑務所に行きます。でも、この国では全く責任取っていないと、若しくは責任が見えない形になっていることこそが問題であります。 是非提案したいのは、このことが見えるようなシステムをつくるべきじゃないかと。このことに関して、谷垣大臣、どう思われますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) だからこそ、先ほど御答弁したことでございますけれども、四つの条件、それはもう繰り返しませんけれども、抜本的な事業の見直し、あるいは撤退も含む事業の見直し、それから経理の明確化等々、四つの条件を付しまして、一番透明性の高い公の場で議論をしていただくその法案と、法律ということで昨年の国会で御議論をいただいた。その際に、関係者の借り手の責任問題等々も含めて御議論をいただいたと私ども承知しておりまして、民主党の御賛成もいただいて法律は成立したわけでございます。 したがいまして、一番ある意味で透明な形で議論を進めさしていただいたと思っております。
○大久保勉君 まあそうですね、私どもが賛成した法律。 どこを賛成して、どこを反対したのか、是非教えてください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 法律の名前は、これはもう今、要するに公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律、それから独立行政法人住宅金融支援機構法と、この二本の法律でございました。
○大久保勉君 是非、今後政府の方にお願いしたいのは、極めて重要な問題に関しては、一つ一つ分かる法律案にしてやってほしいんです。五項目、十項目、いろんな項目が一緒になりまして、ある部分は賛成せざるを得ないと、ある部分は反対だけど反対できないと、こういう構造になっております。是非このような重大な問題に関しましては、一つの法律として、国民に分かる形、マスコミが取り上げやすい形で是非とも法律案を出してください。 続きまして、むしろ私が重要なのは今後の問題だと思います。今後、財投機関、具体的には独立行政法人、特殊法人若しくは地方公共団体が、将来はどうしても再建せざるを得ないと、このままだったらもっと損失が増えるというケースがあると思うんです。むしろ私は、そこは徹底的にうみを出して早く処理すべきだと思っております。だったら、それができるために制度をつくるべきじゃないかと思います。 先ほど、金利変動準備金が千分の五十三ありますと。将来は千分の百。もしこれを、この原資を使いまして財投機関の再建をするんでしたら是非やってもらいたいと思います。是非、金利変動準備金という訳の分かんない言葉ではなくて、例えば再建支援準備金とか、何か新しい名目で新しい制度をつくったらどうでしょう。金融用語ではこの部分は金利変動準備金ではなくて貸倒引当金と言いますが、なかなか、貸倒引当金という用語を使いましたら、財投機関が破綻する、破綻法制は必ずしも日本において十分じゃありませんので、まあ再建支援金でもいいです。新しい名目で新しい制度を是非つくって、これが谷垣ビジョンだと。つまり、民間金融機関の不良債権問題はある程度解決しましたから、是非、谷垣大臣が総理大臣になるために、残っていますのはやはり公的部門の債務処理です。 是非とも、大臣のリーダーシップをお願いしたいと思います。御所見を伺います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大久保委員が、金利変動リスクというよりも、何と言うんでしょうか、信用リスクといいましょうか、そういうようなところに重点を置いて制度をつくるべきだという御主張をお持ちのことはよく理解しておりまして、そういう御議論を真摯に進められておられることは敬意を表するわけでございますが、私どもは、財政融資の貸付け、これまで焦げ付きが発生したことはなくて、約定どおりに償還されているわけですが、もちろん、過去において国鉄とかあるいは国有林野などは一般会計で債務承継をいたしまして、結果的に財投は痛まなかったけれども、国民負担が生じた事業が存在したのは事実でございます。 こういう予期しない国民負担を招かないようにするためにはどうしたらいいかと。平成十七年の財投計画の編成に当たりましては、財政審財投分科会で、特殊法人等が行う財投事業の財務の健全性について、民間準拠の財務諸表も参考に総点検をしていただきました。また、平成十八年度におきましても、同じような視点に立ってこのフォローアップを行ったところでございまして、その際に、財投残高において大きなウエートを占める、先ほど御議論のあった住宅金融公庫、それから都市再生機構、財務に問題のある機関については処理方針をつくるといった取組も行ってきたわけでございまして、こういう取組を通じて財投事業の財務の健全性については確認がなされたわけでございます。こういうことを通じまして、近い将来、財投機関の再建や債務処理を行う必要があるというふうには考えてはいないわけでございます。 ただ、その財融資金におきましては、民間ではなし得ない超長期の資金供給ということを行っておりますので、これを将来にわたって独立採算で行っていく、一般会計から補てんなどを受けないようにするというためには超長期間を視野に入れて収支を安定的に推移させることが大事だと思っております。 金利変動準備金は、ある意味では民間、今、先ほどもっと形を変えたものにせよという御提言でございましたけれども、金利変動準備金はある意味では民間の資本の役割も果たしているところがございまして、これは引き続き保有することが必要でございますけれども、その在り方については、将来の借換え時の逆ざやリスクの存在、これだけじゃなくて、さらには、いろんな行革を進めてまいりますといろんな諸改革が進んでまいりますので、恐らく財融資金を取り巻く環境も大きく変化するだろうと思われますので、そういったことも踏まえまして、幅広く目を開きながら研究していかなければいけないと思っております。
○大久保勉君 一つ、答弁に対して大枠はもう私も大賛成でありますが、やはりまだ官僚答弁かなと思いまして。つまり、焦げ付きがないということに対してはおかしいと思います。補償金免除というのは、本来は払ってもらうべきものに対して払えなかったわけでしょう。これこそが焦げ付きなんです。で、どこが負担したか。財政融資特会の引当金から減っています。こういった状況を明らかにすべきだと思います。これは大臣しかできないと思います。官僚答弁じゃなくて、大臣の判断が必要だと思います。 将来、じゃ、財投機関で焦げ付きが発生しないのか、私はそう思いません。小泉内閣で進めています三位一体改革によって地方公共団体は多額の財政負担が発生します。また、第三セクター等におきましては、まだ隠れ借金、隠れ債務が相当あります。不良債権問題はまだ公的部門は残っております。ここにメスを入れない限りはこの国の再建はできないと思っています。これは、やはり谷垣大臣が最適だと思っていますから、大臣の力強いリーダーシップを私は期待しております。 具体的に、じゃ、どういうふうにしたらいいか。やはり、金利変動準備金と貸倒引当金の違い、責任が違います。金利変動準備金というのは、金利が上がってしまったから人間ではどうすることができなかった、官僚機構ではどうすることができなかったから責任を問えない可能性があります。ところが、貸した金が返ってこない、明らかに借り手の責任があります。場合によっては貸した人の責任もありますから、官僚の責任がはっきりします。そのことによってガバナンスが利きます。ですから、制度を変更する必要が是非ともあると私は考えております。(発言する者あり) そうですね。そこに対して、財政融資特会に対して、だれが貸出しに対して検査をするか、これも制度上の問題です。金融庁が検査をする必要もあるかもしれませんし、また借り手に対しまして債権放棄等が必要でしたらちゃんと再建計画を出させる必要があります。そのためには、財務省から人を出してその財投機関の内容をチェックする、人がいなかったら産業再生機構とか、こういったこれまでの経験を十分に活用しまして、即刻、公的不良債権問題を解決すべきだと私は考えますが、是非、大臣の御意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどから、財投機関あるいは地方、まだまだこれから問題が生ずるのではないかという御指摘がございまして、私どもとしてもそういう心配のないようにフォローアップとか総点検みたいなことはこれからも続けていかなければならないと思っております。 それで、ただ、例えば地方公共団体等々も非常に今財政が苦しいことは事実でございますけれども、地方公共団体向け貸付けにつきましては、これは財投の貸付けを含めて、地方債の元利償還、これは地財計画に公債費として計上すると。これを含めた地方の歳出全体に対して、地方交付税も含めて所要の財源を確保すると。それから、個別の団体については、公債費負担が一定限度を超えた団体に対しては起債制限であるとか、それから赤字が一定限度を超えた場合には財政再建制度が設けられておりますので、貸倒れが生ずるということは私ども今考えているわけではございませんけれども、今後、この地方公共団体をどうしていくかというようなことは今いろいろ議論が進んでいるわけでございます。 それから、先ほど申しましたように、行革等の議論もいろいろございますから、財融特会の周りの環境も変わってくると思いますので、今委員がおっしゃったようなことも十分念頭に置きながら私たちは検討していきたいと思っております。
○大久保勉君 ありがとうございます。是非、大臣のリーダーシップを期待しております。 最後になります。 財投機関に対して国が保証しております。このことに関して、制度改善の必要性があると私は考えております。国が保証するからには、ちゃんとリスクのモニタリング等が必要であると思いますし、また、リスクに応じて保証料も必要じゃないかと思います。そうしませんと、保証を受けるサイドのガバナンスが利かないと思います。ですから、財政融資特会が国の財投機関に対する保証をすべて一元的に管理しリスクをモニターする、もし焦げ付きの可能性、つまり保証を実行しないといけないというおそれが生じましたら、そこに対して適切に監視する、こういった制度が是非とも必要じゃないかと思います。 また、保証料を取る、保証料がゼロですから幾らでも保証を下さいと言うわけだと思います。もし財務内容が悪いところに対して保証するんだったらそれなりの保証料率、民間用語によりましたら、信用リスクに応じた保証料率を取ると、こういったシステム改革が必要だと私は考えておりますが、大臣の御所見を伺いまして、私の最後の質問といたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 政府保証をどう管理していくかということは財融資金の貸付けと同様に十分なモニタリングないし審査が必要だとおっしゃるのは私そのとおりだと思っております。 それで、その五年以上の長期にわたる政府保証については、その資源配分で大変重要でございますので、財投計画にも計上しているわけでございます。それで、その審査、モニタリングという点に関しては今までも力を入れてやっておりまして、財投機関に対する毎年度の政府保証不用額については、財投編成過程で一元的にその必要を審査、貸付けとともに一元的にその必要性を審査をした上で財投計画に計上すると。それから、財融資金の貸付けを受けている機関と同様、モニタリングも行っていると。具体的に申しますと、民間準拠による財務諸表に基づいた財務状況の点検を行っていると。それから、組織改編が予定される金庫を除けば、公認会計士による監査を受ける、あるいは受けることが予定されていると。それから、特殊法人等が行う財投事業には、政府保証による資金調達を行っている場合にも、財融資金の貸付けを行っている機関と同様、実地監査を導入する等々の取組を行ってまいりまして、今後ともこういうところは手を緩めずにやりたいと思っております。 それで、政府保証料を、場合によっては政府保証料も取る必要があるではないかという御意見で、確かに政府保証によって保証先機関のその資金調達が容易になるわけですから、その対価と言っていいのか分かりませんが、一定の保証料を求めるということもある意味での合理性があるということは私もそうだと思うんですが、他方、政府保証の主たる目的が、保証先に対して言わば財政援助にあるという点もございますので、財政援助たる政府保証しながら、一方政府保証を取るということをどう考えるかという問題があるように、政策としてその辺りをどう考えるかという問題もあるように思いますので、今後十分研究させていただきたいと思っております。
○大久保勉君 終わります。
○荒木清寛君 それでは、私はまず耐震診断及び改修についてお尋ねをいたします。 我が国におきましては、いつどこで地震が発生をしてもおかしくない、そういう状況でございますから、耐震住宅、建物の耐震を促進して国民の生命と財産を守ることが必要であります。そこで、今日は、耐震診断及び耐震改修における支援制度の概要につきまして、歳出歳入両面から概要をお尋ねをいたします。 まず、財務省に聞きますが、現行の耐震診断、改修に係るそれを支援をする税制はどうしたものがありますか。そして、それはどの程度効果を発揮をしてきたのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) このごろ地震が頻発しておりますので、自らの生活基盤を国民が守ると、地震などの災害に対する備えを強化していただくということは大変大事だと思っております。 こういう中で、今委員から御議論がありましたように、住宅等の耐震化を進めていく、大変緊急の課題だろうというふうに思っておりまして、そういう観点から、自発的な耐震改修を支援しようということで、平成十八年度の税制改正におきましては、既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除制度等、こういうものを新たに創設しようということとしております。 具体的に申しますと、平成十八年の四月一日から平成二十年末までに地方公共団体の作った一定の計画区域で昭和五十六年以前に建築された住宅について、その五十六年六月一日の法律でできました新しい耐震基準を満たすための耐震改修工事をした場合に、改修費用の一〇%相当額、最高は二十万円でございますが、相当額を所得税から控除するといった措置を講ずるという改正をしているわけでございます、お願いしているわけでございます。
○荒木清寛君 従来も中古住宅を購入した場合のローン減税はございましたが、非常に効果は限定的でありますので、今回の税額控除というのは非常に画期的でありまして、たくさんの方に利用してもらうように私も宣伝をしていきたいと思っております。 そこで、国土交通省にもお越しをいただきましたので、この耐震支援の補助金、交付金の今年の予算での概要について御説明願います。
○政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。 従来から住宅・建築物耐震改修等事業があったわけでございますが、ちなみに平成十七年度は二十億円でございました。これにつきまして、こういった耐震改修を促進するために、平成十七年度の補正予算におきまして三十億円を計上いただきました。加えて、平成十八年度の予算案におきましては、百三十億円の計上をお願いしているところでございます。
○荒木清寛君 国土交通省におきましては、今後十年間での耐震化の目標を出しておりまして、それを達成するには耐震改修のペースを今の二、三倍で行っていかなければ目標は達成できないということになっておりますが、今年のこの歳出面でのこうした取組で、そういう目標に向けて十分な効果は期待できますですか。
○政府参考人(和泉洋人君) 先生御指摘のとおり、現在四千七百万戸の住宅のうち千百五十万戸が耐震性の上で不安があると。これを今後十年以内に、現在耐震化率七五%を少なくとも九割に引き上げていくといった目標でございます。正に御指摘のとおり、従来は年間五万戸程度の耐震改修を、そういった目標を実現するためには十万戸以上ということでございますので、今も御説明しましたとおり、耐震改修事業の大幅な引上げを予算上お願いしているわけでございます。 加えまして、平成十七年度にできました地域住宅交付金、こういった交付金制度、先ほど先生も御指摘になりましたが、ございます。これにつきましても、平成十七年度からできた制度でございますが、平成十七年度予算案五百八十億円に対しまして平成十八年度は千五百二十億円と、こういった金額をお願いしてございます。これは公営住宅等の整備も含む金額でございますが、こういった耐震改修に特化した、先ほど御説明しました事業に加えまして、こういった交付金なども活用しましてこの目標に向かってしっかり取り組んでまいりたいと、こう考えております。
○荒木清寛君 ありがとうございました。 次に、金融庁に偽造・盗難カードの被害の救済問題についてお尋ねいたします。 本年二月十日に預金者保護法が施行になりまして、偽造、盗難による被害に遭った場合に、預金者に過失がない場合には金融機関が全額補償する、このことを基本原則としております。ただし、これはもちろん二月十日からの施行でございますので、問題は過去に起きた被害がどのようになるのかということでございます。この点につきましては、預金者保護法についてはもう明確には書いておりませんけれども、ただ、この法律の附則で、法施行前に発生したケースにつきましては、「法律の趣旨に照らし、最大限の配慮が行われるものとする。」と、こういう規定になっておりまして、金融機関においての積極的なこの法律の趣旨に沿った取組を求めているところでございます。 そこで、金融庁に、実際この法律が施行されまして、各金融機関は過去被害分、特にこの偽造キャッシュカード、偽造カードの過去被害分についてどういう対応をしておるのか、これは掌握をしておりますでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 金融庁は、法施行前の被害については法律の趣旨に照らしまして最大限の配慮が行われるものとした偽造・盗難キャッシュカード預貯金保護法附則第二条を踏まえ、文書によりまして又は金融関係団体との意見交換会等の機会をとらえまして法律の趣旨を周知するとともに、過去の被害の補償を含めた真摯な対応を要請してきたところでございます。 今まで、過去被害への対応例のお話がございました。まず、私ども知っておりますのは、みずほ銀行が平成十六年一月ごろ以降の被害を補償対象にするということを一月十九日に公表しております。三井住友銀行は、平成十五年十一月十四日以降の被害を補償対象にすると、これは一月二十六日以降、対外的に説明をされております。三菱東京UFJ銀行は、期間は特に定めず、個別事案に応じて検討する。りそな銀行は、平成十五年十一月十四日以降の被害を補償対象とするということでございます。これは多分、おおむねの目安として期間を定め、公表されたものというふうに我々は理解しております。
○荒木清寛君 今、大臣から大手四行、大手銀行につきましての対応を御説明いただきました。これは、被害弁護団から話を聞きますと、金融機関によりましては、この盗難カードの過去被害につきましては補償を明確に拒否をしている、そういう銀行、信用金庫、労働金庫、生命保険会社あるわけであります。また、今大臣からお話がありましたように、大手行につきましても、三菱東京UFJにつきましては、期限を定めずに過去被害について救済をするということですが、あとの言われた三行につきましては、おおむね二年ぐらいの期間を設けての救済という方針ですね。 私は、これはまず、偽造カードと盗難カードを区別をする合理的な理由はないと思います。偽造カードは補償するけれども盗難カードは補償しないという合理的な説明は付きませんし、また過去二年間に限るという、そういう合理的な理由もないわけですね。 そもそも昨年の八月にこの法律ができたわけでありますけれども、その背景の趣旨というのは、要するにこの偽造・盗難カードでの被害が増えているのに、金融機関は補償もしないし、ATMのそういう安全性向上についての取組もしなかったと、そういうことが被害を拡大させてきたという、いわゆるこの金融機関の社会的責任に着目して全額補償しなさいというスキームになったわけですね。そういうことからしますと、この附則で定めております法律の趣旨に照らして、過去被害についても最大限の配慮を行うべしというこの趣旨を現在のところ各金融機関は十分に理解をしてない、このように私は言わざるを得ないわけでありまして、さらに大臣におかれましては、この法律、附則の趣旨にのっとって、最大限、特にこの盗難カードの過去被害について救済をするようにもう一度各金融機関、そして生命保険会社にも私は対応していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 一番直近では三月二十日、各金融機関は引き続き被害の防止への取組を進めるとともに、法律の趣旨にのっとり云々ということを主要行との意見交換会では二十日の日にお願いしたばかりでございますが、あらゆる機会をとらえて、法の趣旨、法の目指すところ、こういうことは各金融機関に説明してまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。 去年の十月にこの委員会で、三井住友銀行が取引先の中小企業に対して、融資と引換えというふうな、優越的地位を利用して金利スワップなどの金融商品を押し付けている問題を取り上げまして、公正取引委員会の厳格な検査と金融庁の対応を求めたところでございますけれども、その後の動きについてまず公正取引委員会から御報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(松山隆英君) お答えいたします。 公正取引委員会は、昨年十二月二日、三井住友銀行に対しまして独占禁止法十九条の規定に違反するものとして勧告を行いまして、同社が勧告を応諾いたしましたことから、同月十二月二十六日に勧告審決を行っております。 その内容でございますが、三井住友銀行は、同行と融資取引関係にある事業者であって、その取引上の地位が同行に対して劣っているもの、いわゆる中小企業でございますが、そういったものに対しまして、融資に係る手続を進める過程において、金利スワップの購入を提案し、金利スワップを購入することが融資の条件である、あるいはその金利スワップを購入しなければ融資に関して不利な取扱いをする旨を明示又は示唆することによりまして金利スワップの購入を要請し、金利スワップの購入を余儀なくさせていたということでございます。このような行為は、独占禁止法が禁止しております優越的地位の濫用に該当するということを認定いたしました。 具体的に勧告審決におきまして公正取引委員会が命じた内容でございますが、まず違反行為の取りやめをするようにということ、それから違反行為を取りやめた旨を取引先の事業者に対しまして周知するあるいはその行員に対しても周知徹底をするように、それから金利スワップの取扱いに関しての内部規定を整備するように、それからこういうことが生じないような定期的な研修あるいは監査を実施するようにということを命じております。 これらその審決において命じられております事項のうち、公正取引委員会の承認を得て実施をすると、具体的には取引先の事業者に対しての周知方法ですとか内部規定の整備等々でございますが、こういったものにつきましては、公正取引委員会の承認を受けまして、現在、三井住友銀行において措置をとりつつあるところでございます。具体的には、本年三月二十日付けのところで、取引先の事業者に対しましての周知という形で、日本経済新聞ほかの全国紙四紙等に広告文が掲載をされているような状況でございます。 今後は、三井住友銀行におきましてすべての措置に対しましてとられますと、そうしたものを踏まえて、公正取引委員会に措置全体に係る報告がなされることになっているところでございます。
○大門実紀史君 御苦労さまでした。大手の都市銀行がこういう不正取引で法的措置を受けるのは半世紀ぶりということで、もう異例な事態になっているわけですけれども、金融庁は監督官庁として三井住友にどういうふうな対応をされていますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 昨年十二月十二日、三井住友銀行が公正取引委員会の排除勧告を応諾したことを踏まえ、同行に対して銀行法第二十四条に基づく報告徴求命令を出しているところでございます。
○大門実紀史君 三井住友の中で今社内調査が行われているというふうに聞きましたが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 三井住友銀行の中の話でございまして、個別の事案でございまして、なかなかお答えできないわけでございます。
○大門実紀史君 いや、私はレクのときに社内調査やっているということを聞きましたんで、そんなに個別の話じゃなくて、これだけの事態が起きたわけですからね、社内調査やっているということは金融庁からお聞きをしたわけでございます。 ただ、私たちは独自にこの三井住友問題、前回もそうですが、独自の調査と独自の資料で追い掛けてまいりましたけれども、この三井住友の社内調査そのものが、これは公取の勧告を受けてやっているわけですけれども、非常に不十分といいますか、こんな調査のままで金融庁に報告が出てきた場合、金融庁はそれをうのみにしていいのかということでございます。 ここに三井住友が調査している調査票がございますけれども、一つは、そういう押し付けで金融商品を買わしたという方々に対して調査やるわけですけれども、金利スワップを購入した人に対して出している調査票でございますけれども、これそのものが絞られて出されていると。つまり、この問題は、途中でそんなものやっぱり解約したいと言って解約された方がかなりおられるわけです。その場合は多額の違約金を取られてきたわけですね。この人たちも被害者そのものなわけですけれども、そういう途中解約をした人たちにはこの調査票が送られておりません。当然、そういう事例も含めてどういう事態だったのかということを調査すべきでございます。 もう一つは、この文章そのものも、今回の公取の勧告は解約とかあるいは損害賠償等を命じるものではございませんがと、わざわざそんなことを言って送っているということなんですね。これ、損害賠償の可能性ありますし、解約に応じなければならないと、押し付けられた場合はですね、明らかなのにもかかわらず、そんな文章で、ここにありますけれども、送っているわけでございます。 この社内調査に基づいて金融庁は報告をしろということですから、社内調査をしてその結果とか報告するんだろうと思いますが、こんな社内調査で報告を受けて金融庁は判断されると私は違う判断になると思いますが、そういう内容まできちっと、これだけの事態ですから、ただ報告を待っているんじゃなくて内容まできちっと指導すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 内容が参ります、報告があります、その報告をきちんと金融庁として精査した上で、次なる措置は何かということを考えざるを得ないと思っております。
○大門実紀史君 是非、厳格にこういう、反省が足りないですね、事態の重みを分かってない調査を、いい加減な調査やってますんで、厳しくしてもらいたいと思います。 この三井住友は、この前も与謝野大臣がサラ金と一緒に広告出しているということで、かつての一流銀行としては不愉快なというふうな思いを示された銀行でございますけれども、この公取の勧告は、現在の代表取締役の奥正之さんあてに出ていますけれども、実際は、この独占禁止法違反が行われた時期の責任者は、例の西川前頭取でございます。 現場の声も集めてみましたけれども、当時の、まあ合併した後の三井住友ですが、西川頭取の、何といいますか、このノルマ主義といいますか、非常に利益優先のノルマ主義、特に営業現場での大変重いノルマを与える、そういう経営姿勢の下で特に法人事業部、法人営業部がこういうことに走ったというふうな現場の声も出ているところでございます。 こういう人が、自分のときに、自分が頭取やっているときに起こした事件なわけですけれども、今は涼しい顔をして日本郵政の初代社長に収まっていると、私はこれこそ不愉快なことではないかというふうに思います。金融庁の処分が出た後、私は厳しく西川さんの責任が問われてくると思いますが、与謝野大臣の御感想はいかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) これから報告がやってまいります。で、事案の内容をよく精査した上でどういう措置をとるかと、またどういうところに責任があったのかということはその検討の過程で明らかになってくると思いますが、それをどう考えていくかということは多分あるんだろうと思います。
○大門実紀史君 当然、これは重い行政処分が出てくる内容だと思います。そのときに、郵政公社の初代社長が当時の責任者だったということが道義的にも問われなくて済むのかという問題になると思います。 いずれにせよ、金融庁の厳格な報告に基づく処分と、後の対応になりますから、必要があれば西川さんの参考人招致ということも十分あり得るということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。 私、政策金融改革と沖縄振興開発金融公庫の問題についてお伺いいたします。 沖縄振興開発金融公庫の問題につきましては、政策金融改革の方針を盛り込んだいわゆる行革推進法が三月十日に提出されました。昨年末のこの閣議決定では、沖縄振興開発金融公庫は、沖縄振興開発計画の最終年次である平成二十三年度までは公庫として残し、それ以降は沖縄振興策と一体となって、自己完結型機能を残しつつ新政策金融機関に統合されることになっていましたが、法案におきましては、沖縄区域を管轄する新政策金融機関の事務所が沖縄振興開発金融公庫の業務を自立的かつ主体的に遂行することを可能とする体制を整備するとされています。 この問題につきましては、昨年来、私、何度も取り上げてまいりました。谷垣財務大臣も、沖縄公庫の今まで果たしてきた役割について評価をいただきました。また、そういう役割を踏まえた改革を行うとおっしゃっていただきましたが、今回、この沖縄振興計画の終了までの公庫自体の存続とその後の存続の在り方、いわゆるその機能の在り方の骨格が示されたわけですが、これに対する財務大臣の評価、特に、計画が終了後にどのように現行の機能を維持していくか、それが担保されているとお考えか、まず大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 沖縄振興開発金融公庫については、今まで何度か糸数委員と議論をさせていただきました。私は、この公庫は、今お話しのように、沖縄振興策と一体になって金融面からその計画を、振興策を支えると、それで沖縄経済の振興とか社会開発のためにいろんな分野で、普通の一般の金融機関ではなかなか困難な資金供給を行うという役割を果たしてきたというふうに思っております。 それで、今後の政府金融機関改革の中で示された方向は、糸数委員が今お読み上げになったとおりでございまして、平成二十三年度までは現行のまま残すということですから、その中で今まで果たしてきた機能をしっかり果たしていただきたいというふうに考えております。 そこから先ですが、これは現在、行革担当大臣の下で具体的な制度設計に取り組んでおられますので、今の段階で私、こうですというふうに申し上げられることはないんでございますが、沖縄公庫についてはさっき申し上げたような機能、果たしてきた機能、これが発揮されるようにこの行革の基本方針の中でも書かれているというふうに思いますし、その方向に沿って制度設計がなされなければならないと、私もその方向で努力していきたいと、このように考えております。
○糸数慶子君 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 次に、普天間飛行場の辺野古沖への移設に関するボーリング地質調査等の工事についてお伺いいたします。 これは、報道によりますと、去る十六日に、那覇防衛施設局は、ボーリング地質調査のこの移設工事に関して、業者側との業務委託契約を解除したとされていますが、そこでお伺いいたします。この契約解除は事実でしょうか。事実であれば、その解除理由を明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 防衛施設庁としましては、市街地に所在します普天間飛行場の移設、返還を一日も早く実現するために、平成十一年の閣議決定などに基づきまして代替施設の建設にこれまで取り組んでまいったところであり、これまで環境影響評価法に基づきます環境影響評価や護岸構造の検討に必要な地質調査などを実施してきたところでございます。 他方、在日米軍の兵力態勢再編協議におきまして、在日米軍の運用上の能力を維持しつつ、普天間飛行場の返還を加速することができるような多くの選択肢を検討し、住民の生活環境や自然環境に対する影響などを考慮した結果として、昨年十月二十九日、2プラス2の共同文書におきまして代替施設の建設先の具体案が示され、現在、今月末の最終的な取りまとめに向けまして政府全体として取り組んでいるところでございます。 また、昨年十一月一日に一時停止しておりました各種調査業務等の履行期限は本年三月末となっております。これら先ほど申し述べた事情等を総合的に判断しまして、去る三月十六日に那覇防衛施設局は、昨年十一月に一時停止しておりました現地技術調査、環境影響評価及び基本検討業務に係ります二十件十三社の契約を解除したところでございます。
○糸数慶子君 そこでお伺いいたしますけれども、このボーリング地質調査に関して、契約解除の件数と業者数、それに正式な業務委託契約の金額と、そのうち既に業者側に支払われた金額をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 去る三月十六日、那覇防衛施設局におきまして契約を解除しました業務は、先ほど申しましたとおり二十件十三社でございまして、その契約額は約二十六億七千万円でございまして、その内容は、普天間飛行場代替施設に係ります現地技術調査、環境影響評価、基本検討でございます。このうち現地技術調査につきましては、地質調査として四件、海象調査として一件の計五件、契約額は約八億四千万円の業務委託契約を行っていたところでございまして、具体的な業務の内容といたしましては、地質調査がボーリング調査六十三地点、弾性波探査十二キロメートル、それから海象調査が波浪、流況及び潮位調査、計十九か所でございます。 なお、これらにつきまして支払済みの金額でございますが、まず全体といたしまして二十件十三社、契約額約二十六億七千万円につきまして申し上げますと、これらの業務につきましては、七件五社につきましては前払金として約五億四千万円を支払済みでございます。また、地質調査等五件四社、契約額は約八億四千万円でございますが、これらにつきましては、前払金として約二億五千万円を支払済みでございます。
○糸数慶子君 今お答えいただきましたが、この八億四千万円の業務委託契約が、実際にそのボーリング地質調査を始めましたら何と二十八億円にも上るとされているわけですが、お聞きしたいのはこの二十八億円というその金額についてであります。この額は多分業者側からの請求額だと思いますが、正確なその業者側からの請求額をお示しいただきたいと思います。そして、その請求に至った業者側の言い分もお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 去る三月十六日に契約を解除したことに伴いまして、現在、受託者、すなわち会社との間で正式に既履行部分の委託料、すなわち会社が既に業務を完了した部分に相応する業務委託料につきまして協議を開始した段階でございますので、現時点におきまして具体的な内容等についてお答えできる段階にないことについて御理解を賜りたいと思います。
○糸数慶子君 私は、実は昨年の第百六十二通常国会のこの委員会におきまして、那覇防衛施設局の強行な工事着手、さらに夜間のその作業についてはその危険性と無駄遣いについて指摘をしてまいりました。このとき政府参考人として答弁いただきました河野孝義前防衛施設庁技術審議官は、現在官製談合のその容疑で取調べを受けている方でありますが、その反対派の阻止行動を挙げながらもボーリング調査の必要性を説きました。その実施に向けて防衛施設庁が指示を出して、那覇防衛施設局が判断して工事を進める旨答弁をされていました。この結果が約二十八億円なのです。 当初より、これ二十億円も無駄遣いになったわけですが、そこでお伺いいたしますが、この予算の裏付けもない作業をどなたが指示されたのか、このような結果についてだれが責任を負うのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 まず最初に、先ほども御答弁申し上げさせていただきましたとおり、契約を解除したことに伴いまして、現在会社との間で具体的な委託料の額について協議を行っている段階でございます。 なお、具体的な業務の指示につきましては、当時の建設部長がお話ししましたとおり、それぞれのボーリング調査等の工事を円滑かつ安全に実施するため、様々に本庁とも協議しながら実際に現場で対応してきたというふうに承知しておるところでございます。
○糸数慶子君 この問題も大変重要な問題でありまして、政府は辺野古案に対する判断を誤り、いたずらにその工事を強行しようとして多額の無駄遣いを生じさせました。報道等によりますと、その責任を那覇防衛施設局の職員だけに押し付けようとしています。その上、その業者側から支払を求められ、その訴訟が起こりかねない状況に現在ございます。 そこでお伺いしますが、防衛施設庁としてこの問題をどう認識してどう対処されようとしているのか、方向性だけでもお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 何回も、何度も繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、私ども防衛施設庁といたしましては、去る三月十六日に契約を解除したことに伴いまして、これから会社との間で委託料について協議を行うこととしております。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、この協議の場におきましては契約の内容等を踏まえ適切に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○糸数慶子君 このボーリング地質調査のその業務委託契約を解除したということは、つまり一九九九年の十二月に閣議決定されました辺野古沖へのこの移設方針、要するに従来案を正式に断念し、その政府方針に明記された軍民共用空港、そして十五年使用期限も白紙に戻るという、その理解をせざるを得ないという状況でございますが、政府はこの米軍再編協議においても現在のこの辺野古沖案を引きずり、大きな判断のミスを犯し、多額の無駄遣いを生んだその結果が現在のこの状況になっていると私は理解いたします。 このことは、契約に基づいて作業を発注し、そしてその費用を支払うという国家公務員の基本を揺るがすゆゆしき問題であるというのが今回の結果であるということを指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。 以上です。
○委員長(池口修次君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する等の法律案及び国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。 私は税制、財政につきましては専門家ではございません。素人衆でございますんで、分かりやすい御答弁を是非ともお願いをいたしまして、以下、御質問をさせていただきたいと思います。 まず、所得税の定率減税の全廃の質問に入ります前に、自民党がさきの総選挙でマニフェストに掲げましたいわゆるサラリーマン増税についてお尋ねをいたしたいと思います。 谷垣大臣は、このサラリーマン増税はしないと、これはどういう、何ぞやという野党からの度重なる質問に対しまして、その心は、サラリーマンをねらい撃ちにした増税をしないんだと、そういった趣旨の御答弁はされておりますけれども、この真意、意味するところについて、いま一度御説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 自民党がサラリーマン増税はしないという、マニフェストの中に書き込んだそれはどういう意味かと。これは、平成十八年度で給与所得控除などの見直しによって、いわゆるこのサラリーマンに対してねらい撃ち的な増税、負担増を求める考えはないと、こういうことを言ったんだろうというふうに私は理解しているわけでございます。 昨年の政府税調、それからの基礎小委の報告があったわけでありますが、そこでも個人所得課税についていろいろな論点整理を行っていただきまして、その中で給与所得控除等の見直しに触れておられるのは確かでございますが、その見直しの内容とか税負担の水準については具体的な言及はされておりませんで、あくまで今後の論点整理だというふうにされておりました。その項目のすべてを増税に結び付けるような世上あるいはマスコミ等で言われているサラリーマン増税というとらえ方、これは税調の基礎小委の中間報告の必ずしも的確な理解ではないというふうに私は思っておりますけれども、そんなふうな取られ方があったということだろうと思います。 そこで、自民党の政権公約もこの論点整理に対する誤ったイメージを払拭するものという、そういう角度からなされたというふうに私は思っておりまして、いずれにせよ、個人所得課税というのは家族の働き方とか、それからその家族の働き方、家族の在り方ですね、それから人々の働き方、こういった人の生き方、価値観に密接に結び付くものでございますから、今後、消費税を含む税体系全体を議論する中で、時代に合った所得課税というのは何なのかということは引き続き議論をして、改めるべき点は改めていかなければならないと考えております。
○広田一君 今日はまさしくお隣に当時、マニフェスト作りの最高責任者でございました与謝野大臣も御出席をしてもらっているわけでございますけれども、今の谷垣大臣の御答弁を受けまして、与謝野大臣にはこのマニフェストにこのサラリーマン増税をしないというふうに載せた経緯も含めて、この意味するところについて御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 昨年、東京都議会議員選挙がございまして、その投票日の三日前に政府税調が論点整理を出されたわけです。これはよく読めばただの論点整理なんですけれども、いわゆる一般にはサラリーマンを中心に増税をしていく方針だというふうに理解をされてしまったということがございます。東京都議会議員の選挙においては、自民党は二議席か三議席減らしまして、私は都連の関係者に捕まってもうさんざんしかられて、何ということをしてくれたんだと、民主党が圧倒的に有利になったんではないかといって、都連の選挙の関係者は私のことをさんざんしかったわけでございます。 九月の選挙公約は、「その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」と、政府税調の言っていることは言うことを聞きませんということを公約をさせていただいて、その論点整理で出てきている物の考え方というのは、自民党としては受け入れ難いということを鮮明にしたつもりでございます。
○広田一君 それでは、谷垣大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、先ほども給与所得控除のことについてちょっとお触れになったんですけれども、逆に言いますと、教えてほしいんですが、サラリーマンだけをねらい撃ちにできる所得税の増税策というものは一体具体的にはどういうものが考えられるのか、お示し願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) なかなか、御答弁するのは難しいわけでございますが、なかなか、そのどこだけをとらえてというのは、率直に言うと難しいことは、ほかに今何かあるかって言われても、なかなかちょっとお答えしづろうございます。
○広田一君 所得税に関連して申し上げれば、サラリーマンだけをねらい撃ちにできる増税策といえば、主なものとして、給与所得控除の見直し、そして退職金の課税強化、こういったものが考えられるんではないかと思いますけれども、そういった理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ねらい撃ちをするのはそれかと言われると、ちょっとお答えがし難いんですね。ほかの全体の所得税構造の中でいろんなものがあって、それを見直していく中でどう見直していくかということはあり得ると思いますが、そこだけをとらえて課税強化をしていこうということになると、委員がおっしゃったようなニュアンスも出てくるかもしれません。 あくまで、だけど、税というのは、その全体の家族の在り方とか働き方の在り方を見て、いろんな控除全体をどう見ていくかという議論を我々はしなければいけないと思っております。
○広田一君 まさしく税制の改正とは全体を見なければいけませんし、そして来年度、いよいよそういったことを行うということは承知をした上で、ただ谷垣大臣のこれまでの国会の御答弁が、よくよくこれ私自身も分からなかったのが、サラリーマンをねらい撃ちにした増税はしないということがキーワードなわけなんです。じゃ、そういうことは、やっぱり逆に言えばというふうな言い方で御質問をさせてもらったんですけれども、少なくとも谷垣大臣の目の黒いうちは給与所得控除の見直し、また退職金の課税強化、こういったものには手を付けないということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そこはいろんな人的控除とか、それから配偶者控除等も含めて人的控除とかいろんな議論がありますので、その水準をどうしていくか。少子化対策の中で、その税額控除制度を入れたらどうかとか、いろんな議論がありますので、そういう中の見合いの議論でございますから、そこだけを取り上げた議論と限定をされますと、なかなかそれはしづらいことじゃないかと思います。
○広田一君 確かに限定をした議論はしづらいかもしれませんけれども、ただ、我々としては限定をして、まさしくマニフェストに掲げたことを踏まえて谷垣大臣がこれまで国会で答弁をされておりました。サラリーマンをねらい撃ちにした増税はしないということでございますので、その具体的なことについては私は国民の皆さんに説明する責任があるのじゃないかというふうに思いまして、じゃ実際は、そのためにはじゃ具体的にサラリーマンだけをねらい撃ちにできる増税は何かということをまず整理しなければいけないんじゃないかというふうな思いから質問をさしてもらっているわけでございますんで、もちろん、再度のお尋ね、恐縮ですけれども、税制改正というものは全体を見なければいけませんし、特に、私自身も二歳半の子供がおりまして子育て世代でございますんで、そういった世代に対してどういうふうに税制上支援ができるのかということについては、もちろん問題意識を持っていかなければなりません。ただ、このサラリーマン増税について、せっかくの機会でございますんで、まさしく具体的に焦点を絞って、谷垣大臣の明快な御答弁を再度求めたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今後の税制改正に当たっては、給与所得に対する課税がどうあるべきかということがもちろんテーマでございますけれども、事業所得といった給与所得以外の所得の課税、それから人的控除の在り方、税率構造の在り方、そういったような広範な私は検討課題があるんだろうと思います。 それで、だからサラリーマンに限らず、サラリーマンだけをとらえてどうしようという議論は、これは税の議論としてはし難い議論だろうというふうに私は思っておりまして、税負担全体の在り方について幅広く議論していくという姿勢で臨まなければいけないと思っております。
○広田一君 そうなりますと、サラリーマン増税をしないという公約は、増税をしないというところに今力点が置かれているんじゃなくて、むしろ、私の理解になりますと、給与所得控除なんかは除くかもしれませんけれども、全体としては所得税の増税は行っていくんだと、むしろ増税に力点を置かれたお考えなのかなというふうに理解せざるを得なくなるわけでございますけれども、つまり、おっしゃったように、サラリーマンだけではなくて、すべての所得者、納税者に対象として増税を今後行っていくんだというふうな理解で逆に言えばよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 増税という言葉、広田さん、盛んにお使いになりますが、今申し上げたことともつながってまいりますけれども、課税ベースをどう広げていくかとか、こういう議論、単なる増税といいますか、課税ベースをどう広げていくかというような議論もあろうかと思いますし、それから、これもあくまで他の税との見合いでございますけれども、所得税にはほかの税にはない累進性と申しますか、所得再分配機能というものがございますから、そういうものをどの程度発揮させていけばいいのかという議論がやっぱり私はあるんだろうと思います。ただ、これはほかの税制との見合いでやっぱり議論していくべきことだろうと思います。
○広田一君 国民の多くの皆さんは、このサラリーマンの構成比から見ましても、所得税などの増税イコールサラリーマン増税というふうな御認識をされていると思います。よって、サラリーマン増税はしないという意味は、所得税などの増税は次の選挙までは行わないと理解しているのが、と考えるのが自然じゃないかと思います。 まあ、選挙対策上必要だったかもしれませんし、与謝野大臣の御答弁ですと、都会議員選挙の絡みでいろんな突き上げがあったということも私自身も理解するところではございますけれども、国民生活にとりまして最も身近で重要な税について、何か国民に正反対の大きな誤解を与えているんじゃないかということを強く指摘をいたしまして、次の質問に移らさしていただきたいと思います。 それでは、定率減税の全廃についてお伺いしたいと思うんですけれども、確かに、政府が言われますように、各種指標は我が国の景気回復を裏付けております。九九年当時なんですけれども、有効求人倍率、完全失業率などの雇用情勢は大変厳しゅうございました。消費も低迷しまして、大手金融機関の破綻などの金融不安もございました。そうした当時の状況と今とを比較しますと、それぞれが改善をしているというふうに言えると思います。 そして、いよいよ、この好調な企業収益の波及効果といったものが家計にも及んでいるというふうに言われるわけでございますけれども、そういった状況を踏まえて今回定率減税を全廃しようとしているわけですが、廃止に当たりまして、政府税調のお言葉をかりますと、この定率減税といいますのは緊急避難的に講じられた景気対策であると、そういうふうな表現をされておりますが、この恒久的な定率減税が果たしてきた役割と効果についてどう総括をされているのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、この定率減税を入れた当時の状況を振り返ってみますと、デフレスパイラルに陥るんではないかとか、本当に日本の金融は全くもう機能不全に陥っているんではないかと。私は当時これを導入された宮澤大蔵大臣の下で政務次官を務めましたけれども、私は、日本経済の底が抜けてしまうんじゃないか、何とかそれを防がなきゃいけないと、こんな思いで大蔵省に初めて登庁したことを覚えております。 そこで、定率減税は、こういう当時のもう大変調子の悪かった経済に何とか税の面から喝が入れられないか、何とかそれをサポートできないかと、それで所得税の負担軽減をとにかく早急に実現しようというために講じられた緊急避難的な暫定的な措置だというのは、私は全くそういう当時の意識はそうであったというふうに思います。それで、これは、他の施策とも相まって消費者のマインド等を高めて、景気回復に何とか働いてもらいたいと、こういう期待があっただろうと思います。 その後、定率減税だけを取り出した効果というのはなかなか申し上げにくいと思いますが、やはり個人消費を下支えする中で、産業再生とかあるいは不良債権処理といった構造改革の効果もあったと思いますが、バブル崩壊後、日本企業が抱えていたいわゆる三つの過剰、過剰雇用、過剰債務、過剰設備、こういったものがほぼ解消して、企業の収益構造は大幅に改善したと思います。 それで、企業収益の改善がしばらく、ここしばらく企業収益は改善してきたなと、何がやっぱり心配かと、それがまだ家計や消費には及んでいかないなということでございましたけれども、最近、見ておりますと、雇用等を通じて家計部門にもあるいは消費部門にも波及してきていると。定率減税の導入当時からは大きな改善が見られたと思っておりまして、今後ともそういう流れは続いていくのじゃないかというふうに思っております。 定率減税だけの効果を言うのは難しゅうございますが、今、以上述べたような流れの中で私は大きな効果を発揮したというふうに考えております。
○広田一君 谷垣大臣がおっしゃるように、世界第二の経済大国の景気が底割れしそうだというところに対する景気対策について、定率減税一つ行ったからどうこうなるというものではないということは私も認識をしているわけでございますが、ただ、やはりこれだけの大きな減税をして、これを廃止をするというふうなことになれば、この効果がどうであったかということはやはり少し詳細に分析もしなければいけないんじゃないかなというふうなところから御質問をさしてもらっているわけなんですが。 それでは確認なんですけれども、特にこの家計について言えば、この定率減税の果たしてきた役割というのは、可処分所得の増加に伴う個人消費の刺激効果、こういうものを導入時期には期待されたというふうな理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そういうことだろうと思います。事実、私も、私の周辺にいる方々あるいは選挙区の方々から、年末、随分減税があったなというようなことで、政府も頑張っているなということを言っていただいた記憶がございます。
○広田一君 そうしますと、確かに、今景気が回復したというふうなお話がございましたけれども、家計の懐具合について言えば、過去と比較すると必ずしもそうとは言い切れないんじゃないかなというふうに思います。 例えば、この二〇〇五年と、先ほど来谷垣大臣がよく言われております、景気の底が抜けると言われました九八年、またデフレスパイラルに陥るんじゃないかと言われました〇一年とを比べましても、可処分所得、現金給与総額、いずれもマイナスでございます。具体的に申し上げますと、九八年と比較して、現金給与総額は額にしてマイナスの三万一千五百七十一円、率にしてマイナスの八・六%です。可処分所得は額にしてマイナス五万六千二百十五円で、率にしてマイナスの一一・三%であります。 政府は景気回復をしているとおっしゃっているんですけれども、庶民がこれは余り実感がないというふうに感じるのは、景気回復の恩恵が可処分所得など家計にまだ十分に波及してからじゃないでしょうか。そういうふうなことを考えたときに、定率減税の導入の効果、特に家計に与える効果についてはクエスチョンマークが付いてしまうというふうに考えざるを得ないんですけれども、谷垣大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、可処分所得等々のお話がございました。これ考えます場合、いろんな要素をやっぱり入れて考えなきゃいけないと思うんですが、当時に比べてやはりデフレ等々が進行してきているというようなこともあると思います。 それで、家計最終消費支出の推移ですが、名目でいいますと、一九九八年一―三月期が二百五十七・七兆、二〇〇五年が二百八十五兆でございますが、実質でいいますと、一九九八年一―三月期が二百七十一・五兆、それから二〇〇五年の十―十二月期が三百・八兆ということになっております。 いろんな数字を申し上げるのは差し控えますが、そういう中で今まで景気回復が続いてきて、来年度を展望をいたしましても、これは実質については一・九、名目については二・〇という程度と見込まれておりまして、堅実に回復が進んでいく趨勢はまだ続くんだろうというふうに思っておりますので、私は広田議員の先ほどのような見解とは若干見方を異にしているわけでございます。
○広田一君 大臣が先ほど私の質問で、定率減税導入の目的の一つが可処分所得の増加というふうなこともおっしゃいましたので、可処分所得に基づいて質問をさせていただきました。ほかの指標等を出されるのは、それはそれで議論としてはあるわけでございますけれども、論点を絞る意味で可処分所得についていえば、私は、必ずしも定率減税の効果、もちろんこれだけで測るわけにはまいりませんけれども、疑問が出てくるということでございます。 そういった中で、私の方から言わせれば、所得などの裏付けがまだまだ十分にないまま所得税等の増税がもたらされる心理的な影響も含めて大臣自身懸念されることはないのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大きな意味で申しますと、私は、先ほど申し上げましたような経済の趨勢でございますし、これが経済に与える影響等々もいろいろシミュレーションをしていただきましたけれども、私は大きな流れの中で心配はないと考えております。
○広田一君 余り影響はないということでございますけれども、特に家計についていいますと、定率減税を実施しましても、それ以上に可処分所得なんかが実態としては減少をし続けてしまったというふうなことを考えますと、定率減税の効果というものは結果として企業のリストラと相殺することになってしまったんじゃないかなということで、よって非常に大きな効果があったというふうに谷垣大臣自身はおっしゃっているんですけれども、そうではなくて、家計への冷え込みをある程度食い止めたと、こういった理解をした方が自然じゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そこらもなかなか定率減税だけを取り出して議論をするのは私、難しいと思うんです。 今結局、企業のリストラに吸収されてしまったという御議論でございましたけれども、これもコインの両面でございまして、もう一方から見れば、やはり企業がいわゆる三つの過剰というものを解消していく過程であったと。そこからくるダメージをある程度ここが吸収する、定率減税が吸収する役割を持ったこともそれは事実だと思います。 だけれども、他方、それがなければ、また逆に言えば、いろんな構造改革も進まなかったと。企業等も体制をもう一回立て直すということが難しかったかもしれません。したがいまして、何が原因であり何が結果であるかというのはなかなか理解できませんが、なかなか説明は難しゅうございますが、総体として、やはりそういう危機を乗り越えて、いろいろな体質改善をしながら進んでくるという役割を私は果たしたんではないかと思っております。
○広田一君 今大臣の方から体質改善に寄与したというふうなお話もあったんですけれども、どうして私はちょっとしつこくこのようにお聞きするかといいますと、定率減税といいますのは、九九年から累計してもまさしく十数兆円にも及ぶ巨額の景気対策だったわけでございます。しかも、減税に、これから後で議論しますけれども、しかも減税に見合う財源というものは、行革努力というものはほとんどされずに、安易に大部分を国債で賄っているというふうに聞いております。そのことによっても我が国の財政赤字が拡大したことも事実であります。 よって、こういうことを考えたときには、景気が良くなったから定率減税をやめるんだ、税制の抜本改革をやったんだからやめるんだというふうな御議論と同時に、この減税策が果たしてきた役割というものはやはりできれば定量的に総括をすべきじゃないかと。今もし持ち合わせでそういったことが検証できないのであれば、是非とも今後この全廃を受けて定率減税が果たしてきた役割というものを総括することが今後またいつかの将来に減税をやるときにも一つの大事な教訓というものを残すんじゃないかと、そういう視点で質問をさせてもらっておりますので、是非とも具体的な検証を行っていただくように要請をしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げておりますように、定率減税だけに絞ってどういう効果があったというのはうまく出せるのかどうか分かりません。 ただ、日本があのバブル崩壊後のああいう危機をどうやって乗り越えて、そのときにどういう手を打って、それがどういう効果を持ったのかというのは、これは日本の今後の財政運営や経済運営にとっても大きな意味があると思いますし、国際的に見ても私はそういうものが必要なんだろうと思いますので、私どもとしてできる限りの努力はしたいと思っております。
○広田一君 こういった状況で定率減税の廃止をするわけでございますけれども、この廃止に当たりまして、私は谷垣大臣の心中はいかばかりかと察するところもございます。 いつの時代も国民の皆さんに増税をお願いするというのは困難が多く、勇気が要ることだと思いますし、私たちのように増税はけしからぬというふうな追及も受けるわけでございますけれども、これはただ単に、減税というものが耳障りが良くて人気を取れる政策であると、そして増税はその逆であるというだけの話ではないと思います。増税を決断するというのは、政治的にいえば不況のときにはできません。また、景気が回復してもいろんな政治プロセスがございますし、そういった期間とか、あと増税をいつ実施するのかということを考えたときには景気循環を考慮すると大変難しい御判断が必要だというふうに思います。 ですから、景気が良くなったので定率減税を廃止をするというのは、これは元々の導入のときの条件でございましたのでそういう話もあろうかと思いますけれども、しかしながら、実際廃止を実行したときに世の中の景気がどうなっているのかという話は別であります。この点についての認識は先ほど少し財務大臣の方からございましたけれども、朝日新聞の社説にも書いてあったんですが、定率減税が全廃される〇七年の経済状況を見通すことは私は大変難しいことだと思うんですけれども、特に、先ほど申し上げたように可処分所得といったものが期待した以上に増えない中で増税をするわけですから、最低限の説明責任として、この〇七年の景気動向、とりわけ家計の状況がどうなっているのか示すべきだと思いますが、これにつきましては、与謝野大臣の〇七年の経済見通しをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、定率減税がどう経済に影響を与えるかということですが、十八年度だけ取りますと、国で一兆一千億、地方で七千億ということでございまして、確実な試算ではありませんけれども、大ざっぱな計算をしますと、これが景気に対する影響はGDPに対してマイナス〇・二%ぐらいはあるんではないかという試算もございます。 そこで、今の経済をどういうふうに考えているのかということでございますが、やはり個人消費も伸びている、設備投資もしっかりしている、輸出もしっかりしているということで、この三つの要素がバランスの取れた状態になっていると、しかも政府が財政出動しないで景気が回復しているということで、我々はこの景気は本物だというふうに考えているわけでございます。 先ほど谷垣大臣から御説明がありましたように、今年は実質で一・九、それからプラス〇・一のインフレ率を加えますと名目で二・〇というところまで行くだろうというのが我々の全体の経済見通し、また、この経済見通しをつくった十二月、一月から今までの状況を見ますと、統計はそのような我々の前提を少しずつ証明してくださっているんではないかと思っております。
○広田一君 今の現状の御判断と見通しについては理解するところでございますけれども、ちょっと私の質問が、〇七年、つまり定率減税を全廃をした年の経済情勢をどのように見通されているのか、特に影響を受けるというふうに予想される家計の状況についてどういったお考えなのかという質問の意味だったんですけれども、ちょっともう少し、改めて御答弁をお願いできればと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 今年定率減税の残り半分をやめるということに仮にしますと、平成十九年の一―三月には影響が出てくるわけです。これは大体二千億影響が多分出てくるはずです。ですから、平成十九年度ということになりますと、定率減税全部の分が影響が出てくるということでございますから、それはGDPに対しては〇・何%かの当然影響は出てくるはずでございますが、それをまだ確実に計算した例はありませんが、先ほど、今年定率減税をやめた場合のGDPに対する影響を〇・二としたわけですから、その倍までは行かないまでも、〇・二よりは確実に多いのではないかということが容易に推定できます。
○広田一君 それにプラスしまして、〇五年と〇七年の家計の負担増は、大臣がおっしゃった定率減税全廃とプラスして社会保険料の負担も重なってきまして、〇五年度と〇七年を比較した場合には約五兆円負担増が増えるんじゃないかというふうに試算をされております。それを受けて、経済同友会の北城代表幹事なんかも個人消費に影響が出てくるんじゃないかというふうにお話をされておりますし、与謝野大臣も少なからず出てくるだろうというふうなことなんですが。 ここで重要なポイントは、そういうふうな負担が出てきても、結果として今のこの好調な企業収益が家計に波及して十分吸収されるかどうかということになろうかと思いますけれども、そういった家計の負担増を更に吸収できるよう、上回るような企業収益の好調に伴う家計の所得増というものが見通されているのかどうか、この点について御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 家計だけ見るのか、あるいは国の財政も併せて考えて物事を判断していくかということで道筋は随分違ってくるんだろうと私は思っております。 定率減税をやったときは本当に経済も異例な状況で、それが元に戻るということであって、増税をするという話とは少しニュアンスが違うのではないかというふうに私は思っております。これは国の財政を考えた場合、また定率減税を導入したときの趣旨に照らせば、これやはり国民に定率減税全体を廃止するということをお願いしなければならない状況にもう既に来ているというふうに私どもは判断して今回お願いしているわけでございます。 当然、昨年、一昨年の暮れも、定率減税の議論をしますと、やはり景気に対する影響が大き過ぎるという議論は自民党の中にも非常に強かったということもありまして、先生の御主張なさることも私は理解しながら質問を伺っているつもりでございます。
○広田一君 確かに与謝野大臣がおっしゃいますように、まさしく経済全体を見てその中で家計等の議論もしなければいけないと思います。家計だけ取り上げてこれが負担増える、影響が出るんじゃないかというふうなところで終始することも私はないだろうというふうに思いますし、もちろん自民党さんの中でのこの定率減税廃止に伴う懸念議論ということも、すべてでないですけれども私も十分承知しているわけでございますけれども。 私がずっとこれまで述べてきたことは、そういったことを踏まえながらも、確かに景気が良くなってきたので廃止をしますと、そういうふうなところに、認識の差はありますけれども、そういうふうな政府がお立場を取られていると。と同時に、〇七年、これを完全撤廃、全廃したときのまさしく経済の見通し、それと具体的には家計の見通しというものをしっかり見通した上でこの問題については議論をしなければいけないんじゃないかというふうな問題意識から質問させていただいているんであって、今のこの景気情勢がまだまだ不景気じゃないか、まあちょっと後でちょっと地方経済のことに絡めて聞きたいとは思うんですけれども、全体的にはそういうふうに余り認識の差はないと思うんですけれども、要は、全廃したときの〇七年の経済情勢と、特に家計に与える影響をどう見通されているのかということをやはりしっかりと説得力を持って述べなければ、私は経済界の皆さんが懸念されているような個人消費のマインドも含めて与える影響があるんじゃないかというふうな視点で今質問させてもらっているわけですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) マクロ経済の姿は別に、これは一月十八日に計算したものでございますが、これは当然定率減税の影響を入れたものですが、二〇〇七年度の試算結果、これ申し上げますと、実質成長率で一・八、名目成長率で二・五、このときの消費者物価の上昇率が一・一と考えておりますが、部門別の収支では、やはり一般政府が四%の歳出減ということになっております。そういうことで、現時点の経済の展望というのは、必ずしも定率減税によって日本経済が破壊的な損害を受けるというわけではなくて、むしろ順調に吸収していくだろうということを前提に考えているわけでございます。
○広田一君 是非そういったような見通しになることを期待もしたいというわけでございますけれども、ちょうど午前中の質疑時間があとわずかとなりましたんで、一点、お聞きをしたいと思います。 先ほど少し触れましたけれども、これまでの定率減税に伴う見合いの財源についてどのように確保されてきたのかということについてお伺いしたいと思いますが、政府税調は、この減税は見合いの財源なしに将来世代の税負担により毎年継続をされているとして、あたかも全額赤字国債で賄っているような書きぶりでございますけれども、これは正確な認識なのか、実際はどのように措置をされてきたのか、定量的にお示しをいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 定率減税の減収分について財源は何となっているのかというのを定量的、厳密にお示しするのはなかなか難しいんですが、平成十一年度からのその六年間について見ますと、当然この歳出歳入の収支差があって特例公債が発行されているわけでございますので、定率減税の導入による減収がこの収支差の発生の一要因となっていることは、これは事実で否定できないと思います。 ちなみに、どのぐらいかを申しますと、十一年度が三・〇兆、十二年度が二・六兆、十三年度が二・五兆、十四年度が二・六兆、十五年度が二・五兆、十六年度が二・五兆で、合計十五・七兆でございます。しかし、この間の特例公債発行額は百四十八・一兆ということでございますので、その中の一部分ではあろうかと思います。
○広田一君 実は、こういったちょっと御質問をさしてもらっておりますのは、私の尊敬いたしておりました故小渕恵三元総理大臣が、平成十年の八月七日の本会議で、減税の財源としては、徹底した経費の縮減、国有財産の処分、こういったものを進めながらも、当面は赤字国債を充てるというふうに述べております。つまり、国債だけではないというふうに明言をされているわけでございますんで、確認ですが、定率減税に見合う財源というものは、確かにおっしゃっているように赤字国債というものを中心に確保したわけでございますが、実際どういうふうに対応、処置されたかは正確な数字は分からないというふうな理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、あのとき私も大蔵省で政務次官をやっておりまして、小渕総理から国有財産の処分等々をしっかりやれという御指示が出たことは記憶しておりまして、そういうものももちろん何とかこの差を埋めるための努力であったことは事実でございますが、何分、発行している額が特例公債巨額でございますので、何が何だというのは実は正確にはなかなか申し上げにくいということでございます。
○広田一君 正確に分からないということを確認いたしまして、午前中の質問をこれで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(池口修次君) 広田君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時十分まで休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する等の法律案及び国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田一君 どうも、民主党・新緑風会の広田一です。 午前中に引き続きまして午後も質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 定率減税の廃止に関連しまして、あと一問だけお伺いをしたいと思います。 それは、定率減税廃止に伴い生じました財源の使い道についてお伺いをしたいと思います。基本的には、この財源といいますのは一般財源でございますので何に使うのか御自由なわけでございますけれども、与党合意もございますのでお伺いをさせていただきたいと思います。 政府のお考えでは、平成十七年度は一千百億円、平成十八年度はその倍の約二千二百億円を基礎年金国庫負担割合の引上げの一部に使うとのことであります。さらに、平成十七年度のあの与謝野大臣が締結されました与党合意によりますと、交付税率相当分は地方交付税としてと、また特別障害者給付金、医療観察法による必要となる額に相当する額に充てるとされております。それで、十八年度以降は予算編成過程において検討するとありますが、検討した結果、具体的にどのようになったのか、また全廃が完全実施します平成十九年度以降はどのような方針をお持ちなのか、財務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 定率減税の縮減、廃止に伴う税収分についてどうするかということでございますが、今もお話にありましたように、まず地方交付税法の規定に基づきまして、所得税収の三二%は地方交付税に充てられることになっておりますから、増収税分についても当然そうなるわけで、この結果、平成十八年度の増収分、約一・五兆でございますが、約四千八百億円が地方交付税に充てられるということであります。 それから、いわゆる目的税のように法律で税収の使途を特定しているわけではありませんが、この定率減税の縮減、廃止と関連付けられた歳出項目としては、十六年の年金改正法附則第十五条の規定に基づいた基礎年金国庫負担割合の引上げがございます。これは、平成十七年度は定率減税の縮減を踏まえまして、今の国庫負担割合、三分の一プラス一千分の十一ということでございますが、十七年度限りの措置として千百一億円を加算したということでありますが、平成十八年度におきましては、現行の国庫負担割合、三分の一プラス千分の十一に約二千二百億円加算して、そしてこれは三分の一プラス千分の二十五、ということは大体三五・八%になりますが、そこを引き上げることとしたわけでございまして、平成十八年度以降についてはこの割合で入れていくということであります。 それから、平成十六年末の与党政調会長合意で、平成十七年度税制改正における定率減税の見直しによる増収分については、特別障害者給付金支給法それから医療観察法により必要となる額に相当する額はこれに充てることとするとされたところでございまして、平成十七年度の予算額は百五十七億円、特別障害給付金が百一億円、医療観察法が五十六億円と、こういうふうになっております。 それで、今後どうしていくかということでございますが、これは正に特定財源のように結び付いて、特定の歳出と結び付いているわけではございませんので、どういう使途に使われるかを厳密に申し上げることはこれはちょっとできないわけでございますが、一般論で申しますと、基礎年金の国庫負担割合の引上げ財源をどうするかといった問題を当然考慮に入れる必要はあるんですが、今の極めて厳しい財政状況にかんがみますと、歳入が増えてきたからといって歳出削減努力を緩められる状況にはないと。何かこれだけ入ってくるからこっちに使おうというような状況では必ずしもないわけでございまして、極力財政健全化に活用するというのが私に課せられた使い方ではないかと思っております。
○広田一君 大臣、それでは確認なんですけれども、確かに年金とか福祉に使うというふうに言われれば異論は挟みにくいですし、国民の理解も得やすいだろうというふうに思います。基本的には、定率減税廃止によって生じた財源は地方交付税の法定分を除けば一般歳出の方に使用されてしまうのか。それとも、そうじゃなくて、先ほど大臣がおっしゃったように、財政再建に直接寄与するようなやり方も考えられているのか。そういった大まかな基本方針で構いませんので、考え方を示していただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 何かに充てるということを特定して考えているわけではありません。交付税はもちろん別でございます。 それから、今申し上げたように、年金に入れていくのは増やさなきゃなりませんから、それはここで、この色付いたお金と必ずしも特定しているわけではありませんけれども、やっぱり年金には入れなきゃいかぬということだろうと思います。 それを超えて申し上げますと、正に委員のおっしゃったとおりでございまして、できる限り、できる限りやはり無駄な歳出はカットしてやっていくということ。逆に言えば、財政再建に使うといいましても、そのまま国債の消却に使えるという、すぐこれを国債の消却に使えるというわけではありませんので、一般歳出に入るわけでありますけれども、その一般歳出をできるだけ合理化していくということを通じて財政再建に役立てるということではないかと思います。
○広田一君 それでは、次の質問に移りたいと思いますけれども、午前中の質疑から、先ほど来、全体を見てというふうなお話がよく出てまいりますので、税収見込みの全体についてお伺いをしたいと思います。 税収の見込みにつきましては、所得税、法人税、消費税などのそれぞれに納付されました額が国税庁から国税収入報告という形で上がってまいります。それをベースにいたしまして年度後半の伸びをヒアリングして、その数字に政府経済見通しを加味して財務省が決められているというふうに聞いています。 大変な労力を費やしていると敬意を表するところでありますけれども、ただ、過去十年間の統計を見てみますと、予算額が、税収見込額が決算額を下回ったのは何と五回もございまして、これもう天気予報より当たる確率が悪いのではないかなというふうに思っております。しかも外れが多いだけではなくて、例えば九七年は約四兆円、翌九八年に至っては何と九兆円も決算額が税収見込額より低くなっております。九八年は率にして当初見込みの八四・五%しか税収が確保できておりません。それに対しては幾ら何でも補正できちんと精査しているだろうというふうに思いましたが、そのうち四回が補正額が決算額を下回っていると、こういった現状でございます。 私たちは政府の税収見通しを信頼し、議論をしているわけでございますが、実態は残念な結果となっています。谷垣大臣はよく、入りを量りて出るを制すというふうなことをおっしゃっておりますけれども、この政府の税収見通しの甘さについてどのような認識をお持ちなのか、具体的にどう改善すべきなのか、お考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。 私ども、税収見積りにつきましては、従来から、予算編成時点で判明している課税実績あるいは政府の経済見通し等を基礎として適切な見積りを行うように努めているところでございますが、今正に先生御指摘のようなずれが、ギャップが出てきたのは事実でございまして、できるだけ適切な見積りを行うよう、近年におきましても、例えば法人企業に対する聞き取り調査につきまして、対象企業を大幅に拡充することとしております。また、民間の調査機関からの経済情勢等のヒアリングにつきましても、対象機関を二倍以上に増加するなど、見積り精度の向上にできるだけ努めてきたところではございます。 ただ、いずれにいたしましても、この税収見積りにつきましては、見積りの後、予見し難い経済状況の変化などが生ずることによりまして当初の経済見通しと異なる場合など、見積りの精度には一定の限界がございます。ということでギャップが出てきているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、引き続き税収見積りの精度向上に向けて一層の努力を続けてまいりたいと考えております。
○広田一君 一層の努力を続けるということでございますけれども、本当にいろんな経済情勢等で不確定要素があろうかと思いますが、ただ、補正を行った後についてはより一層精度が高まるように取り組んでいただければなというふうに思いますし、谷垣大臣におかれましても、この税収の見積りについては、更に改善をすべきところがあればリーダーシップを発揮して取り組んでいただくように御要望を申し上げたいと思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 与謝野大臣、つかぬことをお伺いいたしますけれども、今日のお昼は何を召し上がってまいったでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 普通のランチでございます。
○広田一君 私はちなみに、午後からも頑張らなくちゃいけないということで、先ほど平野委員からお話がありましたように、ウナ重を食べてまいりましたが、与謝野大臣にウナ重発言につきましてお伺いをしたいと思います。 報道によりますと、与謝野大臣が三月七日の経済財政諮問会議後の記者会見で、地方交付税に関しまして、今の状態では仕送り先の自治体ではウナ重だと言う方もいると、などと地方の財政運営を批判したということでございます。 四国出身の私は、この記事を見たときには、一体何をまた言っているんだろうかというふうに思いましたけれども、後日、記者会見の要旨を見てみますと、必ずしもすべての地方がウナ重を食べているという意味でおっしゃっていないと思いますが、さすればどこの自治体が具体的にウナ重を食べているのか、関西のどこか某市なのか、そういったことも含めて、このウナ重発言の真意についてお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、国会議員は、国の財政を審議しているわけですけれども、国の財政を審議すると同時に地方の財政のことも考えていく責任があるわけでございます。 国の財政の困難さというのはもう委員御承知のとおりでございますが、実は地方の財政はプライマリーバランス黒字になっているということで、これからは地方団体が持っている債務を返済するいよいよ時期が来るということで、改善の度合いというのは国よりはるかに先行しているという現実があります。 これは一体どういうことなのかという問題がありまして、一つは国が仕送りをし過ぎてきたという説をなす方、それから歳出削減については地方団体の方が一生懸命やってきたからだという説、いろんな説がありますが、やはり国の財政がひどい状況、地方の財政がもうプライマリーバランスを到達したということであれば、いましばらく国が地方を追い付くまで少し立ち止まって待っていただけないだろうかという気持ちがあります。 これはなぜかと申しますと、今、国から地方に移転しているお金というのは地方交付税だけではありません。これは、補助金、交付金等々を全部合わせまして、年間三十四兆のお金が国の予算を通じて地方に移転しているという現実があります。したがいまして、これから政府もまた国会も財政再建に取り組まなければならないと、その際にやはり歳出削減というのはどうしても避けて通れないことでございまして、そういう意味では、やはり非常に大きな支出項目である地方財政に切り込むと、そのためのシグナルを送ったと、こういうふうに御理解をいただければと思います。
○広田一君 シグナルを送ったということでございますけれども、プライマリーバランス等を含めた大きな議論はこれから活発にしていかなければならないというふうに思いますけれども、ただ一点、私の方から申し上げたいのは、地方の歳出削減努力、これは十分やっているところもあるということは、あの記者会見でも与謝野大臣の方は認識をされていらっしゃるわけでございますが、もちろん民間企業と比べたらまだまだ甘いんじゃないかとか、住民の皆さんからは、まだまだ削れる、努力不足だと、そういうふうな指摘があるのは私自身も地元に帰ったときには聞きます。 そういうことは真摯に受け止めながらも、一方で、地方全体が無駄遣いをしているんじゃないかとか、そういうところとか、また地方交付税はモラルハザードを起こしているんじゃないかとか、そういうことについては私は納得できないものもございまして、といいますのも、例えば財政力指数〇・三未満の自治体なんですが、一般的にはこういった自治体というのは財政力が弱くて国に依存している自治体であるというふうに言われております。 今回住民税の税源移譲がされても、なかなかそういった自治体については歳入増加というものは大幅に見込むことはできません。よって、十八年度予算についても、財政調整的な基金を各自治体取り崩しながら綱渡りで予算編成をやっているわけです。予算規模だけを見ましても、例えば二〇〇〇年と二〇〇五年度を比較した場合、国は大体マイナスの三・三%減でございます。それに対して、地方四十七都道府県全体はその倍のマイナスの六・五%なんです。そのうち財政力指数が〇・三未満の自治体は、これ大体十五県あるんですけれども、このことは、高知県の二三・六%を筆頭といたしまして平均マイナスが一四・六%であります。 そういった意味で、歳出削減努力というものは財政力が厳しい自治体、国に依存しているというふうに言われている自治体ほど取り組んでいるんだと、こういった現状をもうよく御承知だとは思いますけれども、今後の地方への税源移譲とか地方交付税改革を進める上でも、財政力の弱い地方のこういった現状や思い、努力といったものを踏まえていただきたいと。 一方で、与謝野大臣が言った、国が真っ赤っかなんで、それに対して地方は黒なんで、追い付くまで我慢してほしいというお気持ちは分からないでもないんですけれども、先ほど言った地方の努力の現状を見た上で、税源移譲、これからの税源移譲等も含めた基本的な考えを与謝野大臣と谷垣大臣のお二人にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 何も地方の財源力に相違があるということをそのままほったらかすという思想は全くありません。財源力を調整するという機能はやはり国が持たなきゃいけないことは当然でございますけれども、今の地方財政計画というのは本当に綿密に積み上げられたものかといえば、そんなことはないというふうに私は思っておりまして、そういう意味では、地方財政計画自体をやっぱり点検しなければならない。 それから、基準財政需要の計算の仕方なんかも、余りにも複雑になって、余りにもテクニカルであって、我々説明聞いてもほとんど分からないという世界に突入しています。そういう意味では、多分財務大臣の方がそれについてはもっと私より厳しい御意見をお持ちでないかと思いますが、やはり国の財政を歳出削減によって相当まで立て直すということであれば、やはり地方財政というのは聖域ではない、避けて通れない分野であるということを常に考えながら進めていく必要がある、そのことを是非理解をしていただければと思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、与謝野大臣から御答弁がございましたんで、大体私と同じ思いでおっしゃったと思います。 それで、税源移譲、今後どうしていくのかということでありますが、三位一体ということで補助金、それから交付税、税源と三つ取り組んできて、今年の税制改正ではその具体的な姿を通していただくようにお願いしているわけですが、今後は、昨年十一月の政府・与党合意というのがございまして、今後も今までの成果を踏まえながら検討していくということになっているわけですね。これ、相当検討しなきゃならないことがあるんです。いろんなことがありまして、与謝野大臣がおっしゃったことも一つでございます。 それから、今、広田委員がおっしゃった、やはり高知等で見ておられると、私の選挙区もそういうところがあるんでございますが、税源移譲は受けたけれども、実はそれでもうちっとも住民税なんて増えないよというところがございまして、かえって苦しくなっちゃったというところもあるわけですね。 そうすると、要するに税源移譲を進めていった先に何が起こってくるのかというようなことも考えて、それは交付税改革でもあり、地財計画の改革でも恐らくあるんだろうと思うんですが、かなりそういうところを議論していかないと、なかなか次のステップへ進みにくいところが率直に言ってあるんじゃないかと。やはり、それを地方の真の独立と、自立と責任という観点から議論をしなきゃいけないと私は思っております。
○広田一君 この後、少し地方への税源移譲について具体的にお伺いしたいと思いますけれども、谷垣大臣も与謝野大臣も大変お忙しいとは思いますけれども、是非とも歳出削減に努力しております私の高知県の四万十川のおいしいウナ重を食べに来ていただければというふうに思います。 それで、税源移譲に絡んでは三位一体の改革関連でお伺いをしたいと思います。 財務省は、これまで地方の提案でございました施設費の税源移譲については、財政論の立場から、建設国債の対象経費を税源移譲の対象にするのは不適切であるとかたくなに拒否をしてまいりましたけれども、その意味することについて御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、広田委員からのお問い掛けでございますが、今まで主張してきたことがそのまま通りますと国会での説明も大変易しいんでございますが、今まで主張していたことと国会へお示ししているのが結果が異なっておりますと、なかなか御説明に苦しむところがあるのも事実でございます。 従来、私どもが申し上げてきたのは、財政論の立場から、公共投資というのは引き続き国、地方を通じたスリム化が必要だろうということが一つ。それから、財源が建設国債でありますので、廃止しても財源が、それに伴う移譲すべき財源がないということがもう一つでございます。 それから、建設国債というものが認められている根拠は、長期にわたって便益が続く、将来世代も含めた費用負担をすることが妥当であるということでやってきたわけですが、そういうことであれば地方も起債により財源調達、今でもそういうことがありますけれども、していたので、むしろそうすべきではないかという観点から、建設国債対象経費を税源移譲の対象とすることは不適切であるというふうに、かたくなとおっしゃいましたけど、そう申し上げてきたわけです。 だけど、昨年十一月の政府・与党合意の中で、これはある程度お認めすることにしようと私どもも譲歩をしたわけでございますが、それは、今の国の財政における税収比率がおおむね五割でございますので、移譲割合が五割であるならば、公債依存度という点から見ると悪化するわけではなくて、税財政の悪化に極力つながらない形を一応つくることができると。 それから、三位一体の趣旨の一つとして地方の自主性の発揮というものがあるけれども、施設費と関連する経常的な経費を併せて移譲するということで地方が施設関連の事業を一体として行うことができる、地方の実情に応じた裁量ができるという面はやはり評価すべきこともあるだろうということ。 そういったことも踏まえまして、三位一体の改革を実現しようという観点から、私どもとしてもぎりぎりの判断として受け入れたわけでございます。
○広田一君 桜井政務官、済みません、今日はお忙しいときに誠にありがとうございます。 今さっきの谷垣財務大臣の御答弁を受けて、どのように思われるのか。特に、前段の、これまで反対してきた理由について総務省としてどうお考えなのかということと、併せて、今回の五〇%の税源移譲という結果をどのように評価されているのか、併せてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(桜井郁三君) 施設費のことでよろしゅうございますか。
○広田一君 はい。
○大臣政務官(桜井郁三君) 施設費は、今、谷垣大臣もお話ありましたように、地方の裁量では自主性を拡大するものとして地方から税源移譲の対象とするよう強い要請があったものでありまして、最終的には施設費が税源移譲の対象となったことは先ほど大臣がおっしゃったようなことであります。また、そのことに対して地方団体からも高い評価をいただいているものであります。
○広田一君 次に、少しちょっと具体的に谷垣大臣にお伺いしたいんですけれども、先ほど御説明がございましたように、今回施設費の税源移譲をお認めになった理由として、現在の国の財政における税収比率がおおむね五割であることにかんがみて、移譲割合が五割であれば公債依存度は悪化せず、財政の悪化にも極力つながらないと御説明をされたわけでございますが、この御説明の意味するところを考えますと、税収比率と税源移譲割合を比較したときに、税収比率の方が高ければ国の歳出削減となりまして、国債の発行額が減少し、国の財政健全化に貢献するということになると思います。 平成十八年度予算案を見た場合に、この税収比率は五七・六%です。財務省はこれをおおむね五割というふうに言っているわけですけれども、私に言わせればおおむね六割ということなんですが、いずれにしても、これに対して税源移譲割合は五割でございますので、税収比率の方が高くなるわけでございます。 そうしますと、今回の施設費の地方への税源移譲というものは、金額的には確かに大したことはないかもしれませんが、ぎりぎりの判断として受け入れたどころか、むしろ国の財政健全化に寄与したと理解した方が私は正しいのではないかと思いますけれども、谷垣大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) そこはいろいろ議論がございまして、今のような、広田委員のような御議論もあり得るのかもしれませんが、ほかで税源移譲をしているところは必ずしも税収割合と見合って税源移譲させていただいているわけではありませんから、全部税収比率でやれば結局変わらないということになるわけでございますが、税収比率ということを申し上げているのは、ここのところだけでございます。 もちろん、そういうこともありまして、税源移譲に結び付く補助金改革という場合にもできるだけスリム化をお願いするということは言ってまいりまして、財政再建に結び付くような形に持っていきたいという気持ちは私どもとしては当然あるわけでございますが、今のここだけをとらえて得しているじゃないかというのは、全体から見ればちょっと当たらないんではないかというのが私どもの考え方でございます。
○広田一君 また全体というお言葉が出たわけでございますけれども、私の率直な感想としては、意見違うんですけれども、財務省さんがこれまで税源移譲に反対されてきたあの理屈はよく分かるわけです、一定ですね。しかしながら、今回持ち出した、税源移譲と税収比率のお話を持ち出しますと、結果として財政論的には財政健全化に寄与してしまうと。ですから、ぎりぎりの判断というふうには当たらないんじゃないかと。まさしくこの問題に焦点を当てた議論をすれば、そうなってしまうんじゃないかなというふうに思って質問をさせていただいたわけでございます。 それでは、ちょっと次に移らさしていただきたいと思いますが、一点、国の予算執行と法定受託事務に関連しまして、高知県に対する委託費の返還請求訴訟についてお伺いをしたいと思います。 これは国が県を訴えるという極めて特異なケースでありまして、概要を申し上げますと、高知県は平成五年四月に統計主管課の統計情報課と同課の電算情報班というものを移行してできた情報システム課に分課するという組織改編を行いました。 国は、県に統計に係る成果品を作成することを委託する際は、統計調査事務地方公共団体委託費を交付いたします。この委託費は、総務省が都道府県の統計主管課職員及び総務大臣の認定を受けた兼務職員の給与などを都道府県知事に交付するという仕組みになっております。よって、本来でしたら、分課した情報システム課の職員が委託された統計調査に従事して人件費などを受け取る場合は総務大臣の兼務認定を受けなければなりません。しかし、高知県は、平成五年から十二年の間、この兼務認定を受けることなく情報システム課の職員を統計主管課に配置していると報告して、これらの職員に係る委託費約二億三千百万円を不当に受領したことについて、高知県が返還に応じないことから、時効で消滅した分を除く当該委託費の返還などを求める訴訟を起こしたというふうに理解をいたしております。 平成五年にこのことが始まったわけなんですけれども、今から十三年前でございます。この時期になぜ訴訟という形になってしまったのか。この一報を聞いた多くの県民の皆さんは、県と国が裁判ざたになるまでに何とかならなかったのかという思いを強く持っておると思います。国は平成十三年にこの事実を把握されたというふうに聞いておりますけれども、これまでの経緯や高知県との協議内容について御説明をいただくとともに、統計委託費の返還について他の類似事例があればお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(久布白寛君) お答え申し上げます。 総務省では、地方における統計機構の整備のため、都道府県の統計主管課所属職員及び総務大臣の認定を受けた兼務職員の給与費等を統計調査事務地方公共団体委託費として交付しております。 先生おっしゃいますように、高知県では、平成五年の四月に機構改革を行い、統計主管課から職員を少しはがしまして、情報システム課の方に移したということでございますが、平成五年度から十二年度までの間、この職員も含めて、当然、総務大臣の兼務認定も受けることなくその人数で請求をして委託費を受領していたわけでございます。 総務省でその事実を知りましたのは、平成十三年の十二月に高知県の方から第一報が入りまして、それで初めて事実を把握し、その後、事実関係の確認をするとともに、当然、高知県の方に対しては、不当に受領されましたその委託費の返還を求めたわけでございますが、なかなか返還していただけるという見通しが立たないために、平成十六年三月十二日に、先生おっしゃいましたような、消滅時効が成立していない平成八年度から十二年度までの間の分につきまして延滞金を付して返還するよう返還命令を出したわけでございます。 しかしながら、高知県の方はこの返還命令に応じず、その後の文書及び電話による度々の督促につきましても返還する意向を示さないため、法務省とも相談の上、やむを得ず、高知地方法務局に対し訴訟遂行を依頼したわけでございます。今般、訴訟提起の準備が整ったことから、三月十日付けで、国から高知県に対し平成十六年三月に返還を命じたと同趣旨の請求を行う訴訟を高知地方裁判所に提起したところでございます。 それから、後半の方の御質問でございますが、不適正な事例がこれまでにあったかなかったかということでございます。統計調査事務地方公共団体委託費は、その大半は人件費でございますが、一部物件費が付いてございまして、この物件費の方につきましては不適正な執行を行った例が若干ございます。しかし、これらにつきましては、県に対し延滞金を付しての返還を命じまして返還がされているところでございます。 今回の高知県の事例につきましては、委託費の大宗を占める人件費についての不適切な事例であり、過去このような事例は承知しておりません。 また、過去に返還命令を発した事例につきましては、いずれも命令に従ってそれぞれ延滞金を付して返還されておりまして、高知県のように、返還命令に応じないため訴訟まで至った例というのはございません。
○広田一君 御説明のとおり、国が県を訴えるのも極めてまれなケースであれば、委託費の返還問題自体も非常にまれな出来事でございます。 いずれにいたしましても、国と県が裁判をするというのは、国民でもある県民の利益にもならなければ県民が望んでいることでもございません。裁判が行われるのはまだ先の話ではございますけれども、双方の立場、言い分を主張された後は、仮に裁判所から和解勧告等があれば前向きに検討、対応していただきますように強く要望をしたいと思います。 この後、日銀の、今日は白川理事に来ていただいて、国債の買い切りオペ等についても質問したいというふうに思っておりましたけれども、ちょうど私の不手際で時間がなくなりましたので、次回に回させていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野達男でございます。 今までの広田委員の国と地方とのいろんな議論を聞かせていただきまして、是非私からも一言ちょっと申し上げたいことがあります。 国と地方とのことを考えた場合に、地方を総体として考えるということは、非常に私は、これは危険というか実態を見誤るおそれがあると思っています。地方というのは、総体としては地方という総体はないんですね。地方というのはあくまでも、いろんな財政力を持ったいろんな自治体が集まって、それを地方と言っているわけです。 国と地方のことを考える場合に、地方地方といいますと、どうしても平均値の数字で議論をしてしまうということでありまして、地方自治体によって本当に千差万別でありまして、私なんかは岩手県の出身ですから、どうしても財政力の弱い自治体を念頭に置いて話をしちゃうんですが、どうも国は全国平均で話をしてしまうし、まあ人によっては大阪府の話を出してきたり、全然議論がかみ合わないということなので、これは私の方も気を付けて話をしなくちゃならないんですが。 やっぱり今の、最近のいろんな財政再建のあおりを受けているのは財政力の弱い自治体であるということなんで、その財政力の自治体がどういう状況にあるかということをよく考えながら、いろいろ考えて答弁なんかもやっていただきたいということをこの場をおかりしてちょっとお願い申し上げておきたいと思います。 ちなみに、あのうな重発言に関して言えば、岩手県なんかでは、私、この間、総務委員会でも言ったんですけれども、宮沢賢治の言葉をかりるわけじゃないんですけれども、一日に玄米四合とみそと少しの野菜を食べつつあるような自治体も出てきているということなんで、そういうところに是非配慮をしていただきたいということを併せてちょっと要望しておきたいと思います。 そこで、以下、今日の本題に入っていきますが、今日は、日銀総裁にも大変お忙しい中来ていただきまして、ありがとうございます。 今日は国債の管理ということに主にテーマを絞って以下いろいろ質問させていただきますが、その前に、総裁に来ていただきましたので、これは通告申し上げておりませんでしたけれども、量的緩和の解除がされて二週間が大体たちました。二週間近くたったんじゃないかと思います。その後のいろんな市場の動きを見ますと、長期金利が少し上がっているとか、これはちょっと心配だなとかというふうな見方をする人もいますし、いやいや、結構きちっと受け入れて予定どおりの市場の反応だというような方もおられるようですが、総裁から見て、量的緩和を解除した後のこの何日間の動き、市場の動きというのはどのように見ておられるでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) マーケットの個々の動きに対しまして私の立場から具体的にコメントを申し上げるわけにはいきませんけれども、市場全体の感じは、株式市場、それから債券市場、為替市場、相互に反応し合いながら、また海外のマーケットとも相互に反応し合いながら、総じて、私の感じておりますところは、量的緩和政策にピリオドを打ったということに対してマーケットは極めて素直に理解して動いているというふうな感じだと思っています。
○平野達男君 それでは、国債の話に入っていきますけれども、国債の長期金利というのはここ二、三年は一・五%ぐらいで推移していますが、その前の傾向を見ますとずっと下がり続けてきた。底値で〇・四三%というときも一時ありまして、そのときは国債のバブルなんということで随分騒がれもしました。その一方で、国債の発行残高は随分増え続けてきた。国債がこのまま増え続けますと、やっぱり長期金利が上がるんじゃないかなというふうなことを心配もしたんですけれども、実態はむしろ下がり続けてきて、最近は一・五%でほぼ推移しているという、そういう状況です。 そこで、財務大臣と与謝野大臣にお聞きしますけれども、国債の長期金利が上がらない、むしろ下がる傾向にあって、最近のこの足下では、繰り返しになりますが、大体一・五%前後で推移しているわけですが、この上がらないということがどういう理由によるものなのか、その見解をちょっとお聞かせ願えるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今ちょっとiモードで見てみましたら、今日、今のところは一・七四ということでございますが。 この国債金利が上がらないのはなぜかというのはなかなかお答えしにくいことでございまして、私は、国債金利がどうなっていくかという予想等もできるだけ立場上申し上げないようにしているわけであります。もちろん、長期金利というのは十年先ぐらいの国の財政状況というのを織り込んだ判断だということだろうと思いますけれども、要するにマーケットの需給関係だけで決まるわけではありませんで、流通マーケットの状況であるとか、景気、物価の動向であるとか、あるいは財政金融政策の在り方、みんな関連してまいりますので、そういったものに基づいて市場で決定されると私の立場からは申し上げるしかないんだろうと思っております。 あと、私どもの立場としてできることは、リスクプレミアムをできるだけ抑えていくということでありますから、財政に対する取組を緩めてマーケットの信認を失うことがあってはならないと思っておりますし、あと、国債管理政策等も万全を期して、市場と十分対話しながらやらなければいけないと考えております。
○国務大臣(与謝野馨君) 私、経済学者じゃないんで、俗なお答えしかできないのは申し訳ないと思うんですけれども。 一つは、やはり日本の経済、日本の国内経済の中で期待収益率の高い分野がどんどん少なくなってきていると、そのやはり事実を考えなきゃいけないと思っております。国債金利というのは国債金利として単独で存在しているわけではなくて、長期金利と並行して動いていると思います。そういう意味では、日本の企業社会の中で収益率の高い有望な分野がない、そこが結局資金需要を生んでいないということが長期金利が低めに抑えられたゆえんだろうと思います。 今のところ企業は資金の出し手になっていますけれども、これで本格的な景気回復が進みますと、資金の出し手というよりは従来のように資金の取り手になってくる、そのときどうなっていくかという問題が一つあると思います。 それからもう一つは、長期金利、国債金利が抑えられてきたのは、やはり日本銀行が月に一兆二千億の買い切りオペをやっているということで、これは年間累計で十五兆になんなんとするオペレーションでございまして、それがやはり長期金利、国債金利に大きな影響を与えている。 それからもう一つは、やはり国会や政府が財政再建には真剣に取り組むだろうという推定が市場でなされているということが長期金利、国債金利を暴圧させない一つの重要な抑止力になっているというふうに私は考えております。
○平野達男君 今の与謝野大臣の御説明を踏まえて考えますと、これからもし期待収益率の高い産業がどんどん伸びてくる、それからあるいは、これ後でちょっといろいろ日銀総裁にお聞きしようと思っていますが、国債の一・二兆円の買い切りオペですね、これを変更した場合、例えばこれ下げた場合、あるいはなくした場合、これはもう間違いなく金利が上がる要素になるという、そういうことになるだろうと思いますね。それを抑えるためには三番目の財政再建をしっかりしていくと、国が真剣に取り組んでいくということでそれを抑えていくというのが今後の筋道だという、そういう流れになるんでしょうか。ちょっとコメントがございますれば。
○国務大臣(与謝野馨君) やはり市場が多分、日本国政府は、国会は財政規律というものを重んじて物事を運営していく、その私は信認が現在のところは存続しているからだろうと思っております。 したがいまして、そういう期待にこたえていくためには、やはり政府も国会も各党も財政再建にはきちんと取り組んでいく、その姿勢、また姿勢とともに実績を上げていくということが国内の市場、また海外からの評価を維持するゆえんであろうというふうに私は思っております。
○平野達男君 先ほど谷垣大臣の答弁の中でリスクプレミアムという言葉が出ました。これは与謝野大臣も、先般のうちの浅尾委員との議論の中で、名目金利というのは何でしょうかと言ったときに、最後に、実質金利プラス期待インフレ率ということで、最後にリスクプレミアムでございますと付け加えられたんですが、このリスクプレミアムが暴れ出すといいますか、大きく振れ出すというのは、基本的に国債発行残高の額ともやっぱり私は関係があるんじゃないかなと思います。 そこで、財政再建、これ確かに重要なんですが、財政再建やったとしても、今、国債、新規国債が発行が三十兆ですから、これを例えば二十兆に下げたとしても、六十年償還ですから、これは一千二百兆の方に向かって増え続けます。仮に十五兆まで下げたとしても、六十年償還ですから、単純にいくと九百兆まで増え続けるんです。 こういった発行残高の増加と財政再建が、片一方に、仮にやったとしても、その発行残高が増えていくということでいつかどこかの時点でそのリスクプレミアムが大きく振れ出すんじゃないかという、そういう懸念を私は漠然として持っているんですが、この辺りについては、これはどちらの方に、財務大臣にちょっとお聞きした方がいいと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもは、これだけ国債を持っておりますから、今おっしゃったリスクプレミアムということももちろんでありますが、金利変動に対してかなり弱い体質を我が財政は持っているということだろうと思っております。 それで、そのために、先ほど申し上げたような、与謝野大臣からも御答弁がありましたような財政に対する信認、少しでも財政の状況が改善をしている、政治はその努力をしているということが何よりも大事ではないかと思っているんですが、今委員の、平野委員のお話のようにどこまでがということになりますと、これはなかなかお答えがしにくうございますし、また私の立場からここまでは大丈夫なんというようなこともとても申し上げられるものではないと思っております。 ただ、いろんな中で少しでも数字が、いろんな数字が良い方向に向かっているというのを不断に示さなきゃいけないなと思っておりまして、そのための努力は続けたいと思っております。
○平野達男君 今の議論は、プライマリーバランスが仮に均衡されて名目成長率と名目金利が同じであれば、これは多少国債発行残高があったとしても、それはGDP比率の中で一定率になるから大丈夫なんだという例のドーマーの定理に関係する話だと思うんです。 ただ、これについては、これは後で、今日はもうこれを議論する時間もないと思いますし予定もなかったんですが、あれなんですが、このドーマーの定理の中には国債発行残高という額がどうなるという考え方がすっぽり抜け落ちているんですね。これをやっぱり何かしっかり議論しておかないと、単純に、プライマリーバランスが均衡して名目成長率と名目金利が同じであれば債務残高がGDP比の中で一定率になるから大丈夫というわけになかなかいかないんじゃないかという、まあそういう感じ持っていまして、これはまた別途ちょっと時間を取って、機会があれば是非これは与謝野大臣といろいろちょっとお聞きしたいと思います。 そこで、通告申し上げていた質問に入りますけれども、今市場の関心は、これは総裁にお聞きしますけれども、ゼロ金利をいつまで続けるんであろうかということにどうも関心が随分集まっていると思います。これは安倍官房長官なんかは、デフレ脱却まではゼロ金利続けてもらいたいみたいな発言をされています。 日銀としては、このゼロ金利をいつまで続けるということについての目安は持っておるんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 量的緩和政策の枠組みを終えんして、これから正常な金利政策として適切な政策運営をしたいと、そういう段階にようやく入ったばかりでございます。今後の具体的な金利操作につきまして、予断を持って臨んでいないということでございます。
○平野達男君 量的緩和政策というのは時間軸を、一つの時間軸を設定して、いつ、ここまでは量的緩和を続けますよという期限を一応設定しました。今回、ゼロ金利については、そういう時間軸みたいなものは今のところ、時間軸は設定しないし、少なくともここまでは継続するとかという、そういうことは考えてないと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 量的緩和政策の枠組みの下での金融政策につきまして、今委員のおっしゃいましたような時間軸効果、もっと平たく言えば、日銀が自らの手足を縛った金融政策運営をするというのは、これは異例な金融政策であるがゆえに、終わりの期限というものを国民の皆様とともに明確な、何といいますか、終着点とめどを持って運営しなければならないと、それだけコストの高い政策であったがゆえでございます。 通常の金利政策になりました場合には、やっぱり経済の実態に合わせてフレキシブルに運営するというのが政策の効果が最も発揮されやすいし、余計なコストを生まない政策でございます。したがいまして、時間軸効果は不要になったということでございます。
○平野達男君 与謝野大臣にお聞きしますけれども、与謝野大臣として、日銀のゼロ金利についていつまで継続してもらいたいという、そういう考えというか希望というか、そういうのはお持ちなんでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) まだ量的緩和解除をやったばっかりでございまして、ゼロ金利を論ずるのは少しまだ早いんじゃないかと思っておりまして、まだまだそれを議論するシーズンではないと思っております。
○平野達男君 だけど、その一方で官房長官はああいうことを言っていますからね。このことについてはまた、官房長官、ここにおりませんので、場所を改めてちょっといろいろお聞きしたいと思います。 そこで、先ほど広田委員の質問の中にもちょっと最後の方に一つ出てきましたけれども、国債の日銀による買入れでございます。 日銀は、量的緩和を解除した後も長期国債については今までどおり買い続けるという、そういう方針を出しています。今までどおりということについては、これは月一・二兆円でありますから、まあ一年間で十四・四兆円ということになるんでしょうか、その一・二兆円をしばらくの間買い続けるということでありますけれども、これはどういう目的でこの長期国債を買い続けるんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 日本銀行が長期の国債を買い入れております目的は、専ら金融調節上の必要と、これに尽きるわけでございます。 当面の金融調節は、量的緩和政策の枠組みを終えて、目先は市場に存在いたします過大な流動性を吸収していく過程でございます。吸収上の、吸収のための調節は、私ども手元の状況を見ますと、短期の資金オペレーションによる吸収ということが最も円滑な方法であり、かつそれでもって全うできると、こういうふうに思っております。 したがいまして、当面、長期国債の買入れについて目先の調節の必要上、これを修正する必要がないということでございます。
○平野達男君 いや、何のために買い続けるんでしょうかということなんです。変更する必要がないというのは分かったんですけれども、要するに、一・二兆円買うというのはそれなりの政策の目的があるはずです。それがどういう目的なんでしょうかということだと思うんですけど、今の御説明ではちょっとよく理解できなかったんですが。
○参考人(福井俊彦君) 今に始まったことではございませんで、ずっと以前から、長期の国債を買い入れる目的は市場に長期に滞留資金、滞留する資金と、それに見合う日本銀行の資金供給は長めの、期間の長い金融資産を対象にして行うということで不整合はないと、そういう趣旨でやっております。 そういう意味では、一貫して金融調節上の必要、これに尽きるわけでございます。
○平野達男君 今までの長期国債は、買上げというのは、この資料によりますと、四千億円が、二〇〇一年の七月までに四千億円でずっと毎月買ってきて、それを漸次こう上げてきているんですね。この上げる段階というのと、いわゆる目標、当座預金の目標残高、これも段階的に上げているんですが、必ずしも一対一の対応にはなってないんですが、その当座預金残高目標を上げたのとこの日銀の国債の買入れというのは、これはやっぱり相関関係あるんじゃないかと思うんですが、ここはどうなんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 今申し上げましたとおり、長期国債のオペレーションというのはずっと昔からやっておりますが、基本的にはマーケットに滞留する長めの資金供給に、何といいますか、と整合的な資金供給ということでございます。で、量的緩和政策が始まりまして以降、当初の段階では、市中に流動性を増やしていく段階で量的金融調節と、量的緩和ということにマーケット自身が慣れていなかったと、したがって短期のオペレーションだけでは、まあ札割れと言うとおかしいんですけれども、オペレーションに対して十分需給が円滑にいかなかったがゆえに長期国債の額も増やして量的緩和政策の目的を果たした、こういうふうに理解しております。これは当初の段階でございます。 その後は、マーケットの方も量的緩和に慣れて、つい最近まで札割れという現象が起こりませんでした。したがいまして、専ら短期のオペレーションでやってまいりました。一定のところまでは国債買入れ額は増えましたけれども、以後ずっと増えないで来ているということも御承知だと思います。
○平野達男君 問題をもう少し限定してちょっとお聞きしますけれども、日銀が長期国債を買うということについては、これはもう資金の供給ということ、これはよく分かります。 問題は、一・二兆円という枠を設定し続けるのはなぜかというのをお聞きしているわけです。つまり、一・二兆円です。一方で量的緩和が解除されましたから、当座預金の、日銀当座預金残高の目標値というのはこれは外されました。それ外されましたら、少なくとも一・二兆円という枠はもう意味なくなるんじゃないかなという感じが私はするわけです。ですから、この一・二兆円という目標というのが何を意味するのかという、それをお聞きしたいわけです。
○参考人(福井俊彦君) 引き続き市場調節を円滑にやっていく上で、これは不整合なオペレーションではないということでございます。 委員も御承知のとおり、銀行券の発行残高、今非常に高い水準で推移しています。そして、日本銀行のバランスシートの資産のサイドをごらんいただきましても、日本銀行が弾力的に金融調節を行っていく上に硬直的なポートフォリオとはなっていないということでございます。したがいまして、ずっと将来また銀行券の発行状況とか、あるいは日本銀行のバランスシートの状況を見ながら必要な調整というのはあり得ると思いますけれども、これが一番の課題というふうに私どもの方にはなっておりません。
○平野達男君 そこで、先ほどの与謝野大臣の、なぜ長期金利が上がらないんですかという質問の中に、二番手に出てきました日銀がやっぱり月一・二兆円を買っているからですという、そういう答弁が、図らずもというかありました。 これは、日銀がその一・二兆円を買い続けている限りにおいては、確かにそれはもう買う側、買手がその新発債三十兆の中で年に十四・四兆円、もちろん、別に今度は借換債もありますから、総体としては百三十兆から百四十兆だと思いますが、少なくとも新発債三十兆との兼ね合いから見れば、日銀の年間で十四・四兆円の買上げというのはすごい大きいわけですね。これは政府としては絶対やってもらいたいんだろうと思います、特に財務大臣とすれば、国債の安定的消化というためにですね。それとこの日銀の今回の措置というのは全く関係ないと言えるのかどうかということなんですね。 だから、もうダイレクトにお聞きしますけども、これは一・二兆円の買い切りの継続というのは、これは、財務省としてはこれは要求したんじゃないんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今度の量的緩和政策の解除の際に、今委員がおっしゃったように、長期国債の買入れ額は当面現状を維持すると、日銀からそういう決定をされたわけでありますが、これは私どもから見ますと、日銀自らが長期金利にも目配りして金融政策を行うという姿勢を示されたのかなと受け止めているわけです。 それで、要求したのかという話でございますが、当日の金融政策決定会合はここにおられる赤羽副大臣が出席をされたんで、赤羽さんから答弁していただいた方がいいのかもしれませんが、我々としては、金融政策はもちろん日銀の御所管でありますけれども、財務省としては、長期金利を含む市場の安定を確保するためには金融政策の透明性ということが一つは必要だろう。それを高めると同時に、金利全般に目配りした金融政策を行っていただくことを期待しているわけでございまして、こういう観点から、赤羽副大臣、先日のその決定会合に当たりましては、適切な金融調整、透明性の確保、それから長期国債の買入れ額の現状維持等々によって市場の安定を確保していただきたいと、私どもの期待を申し上げたわけであります。
○平野達男君 ですから、今の答弁の中でも、日銀は長期金利に配慮してという、そういうことだろうという財務大臣の話がございましたけれども、先ほどの日銀総裁の答弁の中には、一・二兆円の買い切りについての、そういう答弁というのは何も入ってないんですよね、総裁の答弁の中には。ですから、財務大臣の言われたことと日銀総裁の言われている説明の中には、やっぱりどうもずれがあるような感じがします。 いまだに私は、まだ一・二兆円というその枠を設定したという意味がよく分からないんです、これは。単純に考えますと、分からないんです、日銀総裁の説明の仕方では。一番分かるのは、国債管理政策上重要だからやりましたと言ったらすとんと落ちます、これは。分かります。ただ、それは、今度は日銀の役割からしてちょっと違うんじゃないかという議論は出てくるんですが。だから、こういう質問を繰り返し繰り返しやっているんです。 これをこのまま放置しておきますと、実は国債管理政策の中に国債の買い切りという、日銀の買いオペというのがどうも組み込まれていくんじゃないかという、そういう懸念も生じてくるわけです。ですから、この一・二兆円というこの目標を設定して毎月買うんだということについては、ちょっと私だけが分からないのか、皆さん分かっているならもう私はこの質問やめますけれども、もうちょっと丁寧な説明があっていいんじゃないだろうか。 つまり、今までの一・二兆円という枠を設定して上げてきたのは一体何のためだったんだと。今度は量的緩和を解除したことによって一・二兆を継続するというのは何なんだと。その性格の中に連続性があればいいですよ。しかし、私の理解では、日銀当座預金の目標残高を上げて、それを確保するために、毎月の長期国債の買いオペをやってきたし、その目標、上限も上げてきたというふうに、そういうふうに理解していました。だから、その流れの、私のこの理解がもし正しいとすれば、量的緩和が解除されたんであれば、当然これ見直しがあってしかるべきだと。例えば一・二兆円を漸次下げていきますよという手段もあるかもしれないし。 だから、繰り返しになってしまいますけれども、一・二兆円というのを、これを堅持したままやるということの日銀政策上の意味というのをもうちょっと分かりやすく説明していただけると有り難いと思いますが。
○参考人(福井俊彦君) 私は、長期国債を日銀が買う意味は何かと、こういう御質問に対して端的に、それは金融調節上の必要だと、政府に配慮してとか国債管理政策上の目的に資するためということではないということを裏から正確にお答えしたつもりでございます。 しかし、日本銀行が何か新しいアクションを起こしますときに、短期、長期の金融市場、それから株式市場、あるいは外国為替市場、海外の市場、市場に対するインパクトというものを十分頭に置きながら、市場との関係で不規則な反応を呼び起こさないということを念頭に置いて政策を行うという、これは当然のことでございます。当然のことはあえて申し上げなかっただけのことでございます。 何も市場配慮という点で長期国債だけが我々の頭の中にあるわけではございませんので、例えば補完貸付制度につきましても、旧来どおり〇・一%と極めて低い金利で、そして無条件にこれは金融機関の申出に応じてお貸し申し上げますというふうな措置も併せて講じておりますし、新しい金融政策運営上の枠組みと物価安定についての理解というふうに、全体の枠組みで市場に対するインパクトをスムーズに運営できるようにと、これは深甚なる配慮をして行っております。国債だけを特別に配慮するということではなくて、市場全体のインパクトでございます。
○平野達男君 その市場に与えるインパクトを緩和するというのは分かります。であれば、私は一・二兆継続というんじゃなくて、これは漸次下げますという選択肢もあるんじゃないかなというふうにやっぱり思いますね、そこは。だから、そこは、これは私の考え方ですから、これは日銀としてそういうふうに判断されたということであれば、それ以上私としてどうのこうのと言う立場にありません。 ただ、一連の量的緩和の解除という政策とこの日銀の長期国債の買入れというのは、私は、繰り返しになりますけども、やっぱり連動しているんだろうと思います。それで、この一・二兆円の買入れの継続ということについては、まあこれ以上言ってもしようがありませんけども、やっぱり相当政府に配慮したのかなと。だとすれば、これはまたこれで非常にいろんな意味で、これからのいろんな国債管理政策上、今まで言ってきた、日銀の説明してきたことと違った事態が出てくる可能性もあるなということをちょっと懸念しているから、今こういう質問をさしていただいたということであります。 そこで、ちょっとくどいようですが、それは当面の間ということなんですが、例えば、これは先のことは総裁は、日銀としてはできるだけフリーハンドというか、もっと言って弾力的に対応というのが方針みたいですから、余り先のことを聞くというのはちょっと失礼かもしれませんが、日銀当座預金残高が所要準備金まで下がったとしても、この一・二兆の買い切りというのは、これは続けるというようなことはあり得るんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 今おっしゃいました非常に多額の日銀当座預金残高、これが吸収し終える過程というのはせいぜい数か月の話でございます。数か月たてば国債の買入れオペレーションの額を即減らさなければならないかと、私どもはそういうふうには考えておりません。まだまだ余裕のある話でございます。
○平野達男君 分かりました。分かったような分からないような話ですけど。そもそも余裕という意味がちょっと私にはよく分かりません。またちょっと勉強させていただいて、別の機会で質問をさせていただくかもしれません。 それと、ちょっと今度はテーマが変わりますけども、やっぱり量的緩和が解除されまして、これからオーバーナイト物の金利をターゲットとした公開市場操作をやっていくわけですが、いずれどこかで景気が良くなっていけばゼロ金利解除もされて金利も上がっていくだろうという、そういうことはやっぱり当然考えられるわけです。 その中でいわゆる金利をターゲットとした金融調節を行う場合に、少なくともここ七、八年前の市場の状況とこれからの市場の状況を考えた場合に大きく違うものがやっぱりあるような気がします。それについて、ちょっと抽象的な質問で申し訳ないんですけど、財務大臣、ここ七、八年で大きく変わった状況というのは何、どんなものがあるかということをちょっとお聞きしたいんですが。クイズめいた質問で恐縮ですが、ちょっとお答え願えないでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ここ七、八年。前のところがちょっとよく理解できなかったんですが。
○平野達男君 質問が不明確なんで、私が勝手に答えてしまいます。 それは、何といったって国の借金がどかんと増えてしまったことです。そして、谷垣財務大臣も先ほど言いましたように、金利の変動リスクが物すごく高くなってきている。そういう中で今回日銀が量的緩和を解除して、当面はゼロ金利でいくわけですけども、これから景気の動向を見ながら金利を、まあ徐々に上げていくのか下げていくのか分かりません、金融を調節していく。 その中で、今まではどちらかというと市場の動向だけを見ればよかったんですが、もう一つ見なくちゃならないのが財政に与える影響だと思うんです。この財政に与える影響というものを財務省としては、これから日銀がいろいろ金融政策、金利調整をやっていく段階で、日銀として、どういうスタンスで臨むのか。これはあくまでも日銀の独立性を尊重して日銀にお任せするのか、あるいは積極的に要望しながらやっていくのか、この辺のスタンスについて財務大臣のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本的にこれは、日銀法に書いてございますように、日銀が独立に金融政策上の判断を下されるべきものだろうと私どもは思っております。 ただ、我々としては、長期金利を含む市場全体をやっぱりよく見ていただきたいということは、そしてその安定を配慮したいということは思っておりまして、当然日銀もそういうことはお考えになっているだろうというふうに思っておりますが、基本は日銀の独立性ということにあるのではないかと思います。
○平野達男君 総裁にお聞きしますけれども、これからの金利調整に当たっての財政への影響に対する与える配慮というのは、これはあるんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 今の委員のお尋ねに即して答えれば、過去、七、八年とおっしゃいましたでしょうか、それぐらいの期間、あるいはもう少し長い期間にわたっての市場条件の大きな変化は、私はもう一つあります。グローバルな、経済のグローバル化の中で、マーケットというものが国際的に連関性を非常に強めているということが一つです。長期の債券市場についても同様でございます。もう一つが、特に日本の場合に政府の債務残高が増えていると。この二つだと思います。 その前者の、市場が国際的に連関性を持って、強い連関性を持って動くようになったという意味では、各国の中央銀行、いずれの中央銀行、特に主要国の中央銀行にとりましては、やっぱり金融政策が機動的に行われて、市場の中で非常にボラタイルな期待を持たせないような安定した市場条件をつくっていく必要が強まっているということが一つでございます。 もう一つは、やはり財政規律が十分でないというふうに市場が感じたときに、やはり市場が非常にボラタイルになるリスク、これが強まっていると。で、この部分については、日本銀行と申しますか、どこの国でも中央銀行の方から具体的に手を差し伸べられる手段はございません。政府自身でしっかり財政規律を強めていただくと。それを前提として中央銀行としては、国債発行残高が大きくても、市場の期待が将来の経済あるいは物価の見通しに沿った形で安定した形で期待形成が行われていくように、非常にきめ細かい金融政策をやっていくと、こういうポリシーミックスしかないんであろうというふうに考えています。
○平野達男君 いずれ、金利が一%上がったときの財政負担というのが財務省の試算によると一・六兆ということでして、本当に非常に大きなインパクトがあります。で、それがそういう状況にあるものですから、これからの日銀のその金利調整方針というのが国の財政にもダイレクトに影響してくるという意味において、双方の中での意見のいろんな調整というのがこれから頻繁に行われるんだろうと思うんですが、意見の食い違いとか対立の構図がやっぱりないような仕組みというのは、できるだけやっぱり構築していく必要があるんじゃないかなと思います。それをどうすればいいかというのは私にはよく分かりませんが、いずれ、これからの金利調整というのは、今総裁が言われた二つの要素、新たな二つの要素が加わったと思うんですが、それらを踏まえながらいろんなことを考えていかなくちゃならないと。 その中で、私は繰り返しますけれども、今日、国の予算の話ですから、財政との連携というのが、そごが生じないようにということがやっぱり必要だと思います。ただその一方で、話は変わりますけれども、櫻井委員なんかは、そうは言ったって、低金利続けたら今度は年金の運用に困りますよという、こういう見方もやっぱりありまして、様々な見方がありますから非常に難しいとは思うんですが、是非その辺り、しっかりとした連携を取りながらやっていただきたいというふうに思います。 それと、次のテーマに入っていきますけれども、改めて、量的緩和政策の効果ということについて改めてお聞きをしたいと思います。 で、その前に、今回の量的緩和解除というのは、これはどこでしたか、経済同友会でもないな、どこかで金融引締めではないということを日銀総裁は発言されていたというふうに、これインターネットで何か出ていたと思うんですが、これは事実でしょうか。金融引締めではないというふうに言われたということは。
○参考人(福井俊彦君) 私が記者会見その他で御説明、国会でももしかしたら御説明申し上げたと思いますけれども、量的緩和政策の解除、その時点において金融緩和の実効性という点でにわかに大きな屈折は生じないと。言わば、連続線上での変化でございますと、こういうふうに申し上げました。 と申しますのは、量的緩和政策の枠組みというのは、根っこはゼロ金利政策であり、その上に量と、それからCPIが安定的にゼロ%以上まで続けますというコミットメントと、量とコミットメントという二つの要素を上乗せしたものですと。で、量の意味は、信用不安の解消等によって実質的に意味が失ったということは市場関係者すべて御認識済みのことであり、コミットメントも、現実にCPIがプラスの世界に移ってくれば、当然コミットメントの実効も終わったということも市場関係者すべて御承知のこと。 と申しますことは、量的緩和政策の枠組みは、根っこのゼロ金利というところに改めて収れんしてきたと。したがって、枠組みを解除してもゼロ金利で再スタートするということは連続線上に乗っておりますと。そういう意味では、ここで引締めという印象、この強い言葉で語るほどの屈折というのはございませんと、厳密に言えばそういうことでございます。
○平野達男君 改めてお伺いしますけれども、それでは金融引締めということの定義というのは何なんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 特に定義はないんじゃございませんでしょうか。もう物すごく強い引締めということになれば、インフレリスク来て経済にブレーキを掛けると、経済にブレーキを掛けるというふうな政策を取れば、それは典型的な引締めでございますけれども、それ以外のところは、超緩和がほんの少し修正されたら方向として引締めじゃないかと、これはもう定義論争であって、ほとんど意味がないというふうに私は思います。
○平野達男君 ちょっと今私、またよく、というのは、金融引締めに定義がないというのも、またちょっと予想しない答弁だったですね。そうなんですか。 与謝野大臣、金融引締めにやっぱり定義がないというふうにお思いになりますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 多分、昔ですと、公定歩合を上げるというのは金融引締めというふうに呼ばれましたし、また、売りオペをやるということも引締めというふうに理解されていたと思います。 これは昔の知識のレベルですから、日銀の総裁のおっしゃっていることが正しいと思います。
○平野達男君 はい、まず取りあえず分かりました。 そして、前にもこれお聞きしたんですけれども、日銀当座預金残高の目標値を漸次上げてきたわけですけれども、改めてお聞きしますけれども、この残高というその数値そのものにどういう意味があったのか、これは前に総裁にお聞きして、これは御答弁いただいたんですけれども、もう一度ちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 金利水準が何%というような場合の数字的意味というものは、量的緩和の場合の量にはなかったんだろうというふうに思います。 まず第一に、国際比較というのができません、日本だけしかやっておりませんし。それから、その直前の量と、例えば量というその目標値を上げた場合の新しい量との比較に何か意味があるかって、数字的な差というものを説明することは難しいと思います。しかし、実態的にはもう説明し切れないどころか十分説明できると。 それは要するに、毎日の金融市場で日々資金繰りが回転する中で、資金不足の手当てをしなきゃいけない金融機関が手当てができるかどうかということは、もう刻々と我々はウオッチしていまして、そこで一瞬たりとも手当てのできない金融機関が出れば、即信用不安が全国に走ると。これを打ち消すために、日本銀行としてはタイムリーに資金を供給すると。供給した結果が、日本銀行に資金が環流しないで多くの金融機関の当座預金残高として滞留し続けると、結果として残高が増えます。そういうことを認めることが信用不安を防ぐ最大の武器になっていたと。 したがいまして、結果として出てきた大きな数字というのは、そのときの上り詰めた段階での金融不安の深刻さ度合いそのものを表しているという意味では非常に重要な数字でございますけれども、金利比較のような、緩和の度合いをこれで何か機械的に測れるかと、なかなか難しい概念だったというふうに思います。
○平野達男君 今のお話の中で、その量の多さというのが、その当時の、その時折の金融状況の深刻さを表すんだという、そういう御説明だったと思います。 しからば、三十―三十五兆に上げた時点というのは、これはかなり深刻な状況だったということなんだろうと思います。それをこの手持ちの資料でいいますと、約二年ちょっとぐらい続けるわけですね。 今回、量的緩和解除に伴ってこれは無意味になったというお話なんですが、そのお話をそのまま聞きますと、非常に段差みたいなもの、そこに大きな断層みたいなものを感じるわけですね。しかし、実際には、これは市場のことですから、市場の方ではそういう段差というのはなくて、どこかの時点で緩やかに三十なり三十五兆というのは無意味になってきているんだろうと思うんです。それはどこの段階で無意味になってきたのかと、これは判断できないものなんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 厳密には判断できないと思いますけれども、少なくとも二〇〇四年のある時期以降は信用不安が次第に薄らいできた、そして踊り場というふうな状況に経済が入ったとはいえ、経済回復の基調的な動きというものに次第に多くの人が確信を持てるようになってきたということがありますので、それはもうおっしゃるとおり、連続線上、あるときをピークにして量の意味合いというのは急に落ちたんではなくて次第次第に落ちてきたんだというふうに思います。 それが証拠に、昨年の四月、ペイオフ全面解禁になりまして以降、日本銀行の政策委員会の中でも、一部の方は、枠組みは修正しないけれども、量というものは段階的に減らしていいんではないかと、こういう議論が出てまいりましたことは御承知だと思います。それに典型的に象徴されているというふうに思います。
○平野達男君 ちょうど今、そのお話御紹介いただきましたんで、それに関連して質問しますけれども、正に、実は私、日銀政策決定会合の議事録というのは最近まで読んでなくて、ある人に言われて、読んでみろと言われて、ずうっとたどってみました。 そしたら、二〇〇五年の四月に初めて、今まで全会一致で、量的緩和解除について全会一致だったんですが、最初は一人、お一方、少し下げたらどうかという意見を出して、その次からお二方はずうっと下げることを主張されてきたようですね。私も、やっぱり同じ疑問を持ちまして、結局最後は多数決で否決されたという、そういう議事録になっているわけですね。 そして、じゃ何でそれが、下げることをしなかったんだろうかということについては、議事録、それをアナウンスしてしまうと政策変更というふうに取られるから駄目なんだというような、そういうことで何か、目標残高を下げることに反対することを言っておられる委員の議事録が載っていますけれども。 本当にそれできなかったのかどうか。つまり、この量的緩和というのを段階的に下げるということがなぜできなかったのかということについては、これは量的緩和の解除に伴って、もう少し丁寧にやっぱり日銀としても説明する必要があるんじゃないかなと思うんですが、ここはどうなんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 枠組みの修正といいますか、解除に先立って量を技術的に下げたらどうかということの立論については議事要旨の中に明確にその委員から述べられておられます。そしてまた、それが多数決にならなかった理由というのも、毎回の議事録をお読みになるとよくお分かりだというふうに思います。 なかなか難しい判断を一年間繰り返してまいりました。やはり、枠組みの修正と技術的な量の削減ということの違いということが本当にマーケットの隅々あるいは国民の皆様方すべての方々に正しく理解していただけるかどうか、ここに議論の分かれ目がございました。 専門技術的には、少数意見のおっしゃるとおり、量の削減から始めるということは十分あり得たことだと思いますけれども、やはり国民の皆様方の受け止め方、先ほど委員からも引締めかどうかと、こういう厳しいお尋ねありました。引締めという定義にこだわられる方は、引き締め始めたと、こうおっしゃいます。これですと、そういう技術的修正は非常にやりにくいというふうに思われます。そういう難しさがあったというのは率直に申し上げます。
○平野達男君 分かりました。 その議事録を読みますと、一番最初は何か、まだ踊り場だからここの政策変更は駄目なんだというような、そういったことを発言される方もおられました。 だけど、踊り場はいつまでも続いているわけじゃなくて、この三十、どこかで踊り場は終わって、景気回復の、全国平均値で見ますと良くなる方向に来たと。にもかかわらず、三十―三十五兆円程度続いてきたというのは、少なくとも踊り場云々というのは当たらないんだろうということで、もう一度私、議事録を見るんじゃなくて、私、議事録見た段階では、引き下げるべきだということについてはきちっと整理されていますけれども、なぜあれが否決されたかということについては、何人かの意見は、反対意見はありますけれども、いわゆる引き下げるべきだということに対する否定的な意見は議事録として載っていますが、もう一度やっぱりきちっとこれは整理しておいた方が私はいいんじゃないかなというふうに思います。これは──ああ、どうぞ。
○参考人(福井俊彦君) ロジックの整理は毎回の政策決定会合の議事要旨で出ていると私は思います。ロジックを離れたところは非常に整理しにくいわけでして、金融政策の変更というのは、マーケットがどういうふうに受け止める、国民の皆様方が心の底で本当にどういうふうに受け止めてくださるかという点では、常にリスクなんです。一〇〇%完全に私どものロジックのとおり受け取ってくださるというふうには期待できない。どういう形で不規則な動きが出るかということは常に我々はリスクです。 だから、どの局面でリスクを取るかというのがもう一つの政策判断であって、一〇〇%完璧なことというのは私どもは不可能なことでございます。これは、金融政策運営当局者の宿命みたいなものでございます。 したがって、量の技術的な削減から始めることについても、それは強い引締めではないんだと、もう既に日銀が引締め始めたんだということではないんだというふうに、理解されないリスク、そこを冒してやるか。あるいは逆に、ついこの間の三月の、先々週のタイミングまで、技術的な修正は、なお書きはやりましたけれども、それ以外のところは施さないできて、枠組み修正のときに一挙に量の削減というステップを踏むことのリスク、これはこれで、マーケットが不慣れであるとか、そのとき強いインパクトを与えないかというリスク。いずれにしてもリスクを取らないと政策決定はできません。今回は量的緩和枠組みの解除という点で一点集中リスクを取ろうと、こういう決断になったわけでございます。 リスクの取り方いかんということですので、結果をごらんいただかないと分からないという部分があります。
○平野達男君 それじゃ、ちょっと次の質問に、今度は日銀の量的緩和解除からちょっと離れまして、先般うちの峰崎委員が与謝野大臣に、日本の経済構造ということで、済みません、これは通告申し上げてませんのでちょっと恐縮ですけれども、プラザ合意以来の日本の経済構造の変革ということについての質問をされました。あれは、外需主導という、外需に依存した経済体質が変わったのかという峰崎委員の質問だったと思うんです。それに対して与謝野大臣は、最近の経済回復はバランスよく、今日の午前中の議論にもバランスよく回復しているというふうにお話がございました。景気回復が確かにバランスよくやっているという話と、構造が変わったかという話というのはちょっと別だと思うんです。峰崎委員の疑問というのは、実は私も前に本会議で同様の質問をしていて、必ずしも納得した回答を得られてないんです。 日本の経済の体質というのは外需依存型から本当に変わっているのか、体質的に変わっているのかということについて、もう一度ちょっと、通告申し上げなくて恐縮なんですけれども、与謝野大臣の御見解をちょっと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、バブルがはじけてしばらくたってからの日本経済というのは、バブルの後遺症でそれぞれの企業が非常に過大な設備を持っていました。それから、過大な借入れもしていましたし、また抱え切れないほどの人員も持っていた。そういうものが解消したんだろうと思います。 それから、実は、意外なことがその間起きましたのは、言わば重厚長大の産業はもう駄目だと言われていたのが、例えば典型的には鉄鋼で見られるように、まさかと思ったあの回復が中国の需要によって起きたという意味では、昔の構造そのものが生き残った部分もあります。しかし、全体の流れとしては、付加価値の高い分野にどんどん日本経済全体は行っているということのほかに、国際分業がはるかに進んだと。一体、この原産地はどこだということが分からないくらい分業が進んだというのが最近の日本の経済の特徴ではないかと思っております。 ただ、プラザ合意以降ということになりますと、様々な分析が必要ですけれども、やはりその中で一つの分野だけ社会的な生産性が高まらないで、まだまだ改善の余地があるというのはサービスの分野。これは日本経済の中での一つの足を引きずって歩かざるを得ない分野でございまして、逆に言いますと、その分野で生産性を高める余地はあると、そういう側面からも言えるわけですけれども、経済全体としては、やはりサービス分野がまだまだ後れているということは認識しながら経済政策を考えていかなければならない、そのように思っております。
○平野達男君 分かりました。 ちょっと時間がなくなってきましたので、最後の質問に入らせていただきたいと思います。 総務省の審議官は見えていますね。 今回の税制改正の中で、いわゆる税源移譲に関連しての所得税と住民税との税率の割合の見直しがあります。その中で、あわせて、税源移譲、ごめんなさい、税率の見直しとはちょっと直接関係ありません。今回の税源移譲で三兆円の税源移譲をやりました。それは、所得税がその部分だけ割合が減るということになります。 その中で、今の地方交付税というのは、法定五税がありまして、所得税の三二%が地方交付税交付金に回っているという仕組みになっています。三兆が税源移譲されますと、自動的に地方交付税交付金は一兆円減るという、そういう仕組みになるわけですね。 この問題について、私、何回か取り上げてきましたけれども、改めてお聞きしますけれども、地方交付税交付金というのは地方の固有の財源だというふうに言われています。今までの法定五税というのは、今回の税源移譲をする前の状態での税制、税体系、これを前提として組んでいるはずなんです。その中に法定五税、三二%、あるいは酒税が何%、あるいはたばこ税が何%と、そういう割合で決まっていると思うんですね。 今回、仕組みが大きく、やっぱり三兆円という税源移譲をされたことによってその前提が変わってきたんだろうと思うんです。そうしますと、この法定の五税の税率というものをやっぱり見直しても良かったんではないかと。むしろ、地方交付税交付金というのが、これは繰り返しになりますけれども、地方の独立した、固有の財源ですから、今回の税源移譲とか三位一体改革とは独立して動く話だと思うんです。三兆円の税源移譲をしたからといって地方交付税が一兆円減るということではなくて、これは独立してなくちゃならないというのが私の意見なんですが、その中で財務省と総務省の中でどういう議論があったのか、まずこれは総務省の方に意見を聞きたいと思います。
○政府参考人(清水治君) 先生御指摘のとおり、所得税から住民税への三兆円の税源移譲によりまして、所得税の減収分、三十の三二%、これ約九千六百億円になりますが、の地方交付税が減少することになります。この点につきましては、地方財政対策の中で議論の一つとなりました。交付税の法定率分の減少影響を緩和することが必要との認識で、その議論の中で一致したところでございます。したがいまして、その対応といたしましては、本格的な税源移譲が実施される平成十九年度から三年間、交付税総額に総額六千億円を加算することとしたところでございます。 今後の地方財政についてですが、歳出歳入一体改革との整合を図りつつ、中期地方財政ビジョンの策定に取り組み、できるだけ早期に健全な財政運営が可能となるよう努めていきたいと考えているところでございます。 仮に、財源不足が生じる場合には、地方財政対策を通じて、地方財政の運営に支障が生じないよう適切に対処してまいりたいと考えております。 今回の措置は、景気回復によります法定率分の増加もある中で、国においても多額の赤字国債を発行せざるを得ない厳しい財政状況にあることから、ぎりぎりの判断をしたものでございます。
○平野達男君 時間になりましたから財務省にはお聞きしませんが、いずれにせよ、今回の措置というのは、六千億ということが答弁がございましたけれども、対症療法的にまずやるということなんですね。私の質問は、やっぱり法定五税というものがそもそも何で、どういう枠組みの中で決まってきたか、その原点にさかのぼってやっぱり議論してもらいたかったということです。これについてはまた、時間があればまたどこかでやるかもしれません。今日は時間がなくなりましたので、次に譲りたいと思います。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。 今日は、先週の十五日に予算委員会で質問さしていただきました続きを含めて質問をさしていただきたいと思います。 お手元に今、せんだって予算委員会で使わしていただきました資料を今度は紙ベースでお配りをさしていただいております。財務大臣、それから与謝野大臣におかれましては、お手元に資料参りましたらちょっとこのグラフの方をごらんいただきたいんですが、小泉総理にはどれだけ御理解いただけたかどうか、私はちょっと自信がないんですが、私が申し上げたかったのは、せんだっては証券・金融の集中審議でございましたので、とりわけライブドア事件を契機にした集中審議でございましたので、そういった金融・証券不祥事がどういう背景で起きるのかという、そのことを総理と真摯に議論をしたかったわけでございます。 私が申し上げたかったポイントは、一つ目はやはり企業経営者や国民の意識の問題ですね。その意識の問題としてコンプライアンスということを申し上げたんですが、分かりにくい言葉は使うなというお話で、政府としても検討するということでしたので、間もなく金融庁と総務省からコンプライアンス室というのがなくなると思うんですけれども、名前が変わるんじゃないかと思っておりますが。 それが一点と、それから、やはり橋本改革以降金融ビッグバンで行為規制を緩くすると、なるべく自由に効率的なマーケットをつくる、これ自体は私も反対ではないんですが、しからば、行動が自由ならば、何らかの形でマーケットや国民に被害を与えるような行為をした場合の罰則というものもかなり厳しいものでなければ行為の自由とのバランスが取れないと、それが二点目でございました。 それから三点目は、そもそもやはり相当先行き資産価格が、株を含めた資産価格が上がるであろうということを、事業者というよりも、まあ仮に何か悪いことをする事業者がいるとすれば、その事業者が相手とする顧客がそれを前提とした投資行動を取り始めると事件が起こりがちであると、そういうことを申し上げたかったんです。 与謝野大臣は三時ぐらいまでというふうに伺っておりますので、先に今申し上げました三点のうちの二点目について補足の質問をさしていただきたいんですが、せんだっては、罰金の金額のバランスが、例えばアメリカの企業改革法なんかと比べると必ずしも整合的ではなくて、日本は緩過ぎるんではないかということをお伺いしたんですが、今日はもう一点、一昨日のレクのときにはちょっと申し上げておいたんですが、時効ですね、虚偽記載の時効。例えば、個人に対する詐欺罪の刑の時効に比べると不特定多数の投資家に対する詐欺というのは私はより罪が重いと思うんですが、そのことに対する時効の方がずっと短いんですね、実は。この辺についてどういう所感をお持ちであって、今後金融庁としてどう対応されるのか、もし御方針があれば聞かしていただきたいんですが。
○国務大臣(与謝野馨君) 現行の証券取引法上、虚偽記載のある有価証券報告書等の提出に係る罰則は五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又は併科とされておりまして、刑事訴訟法上この罰則の水準に対応する時効は五年とされております。一方、今国会に提出している証券取引法等の一部を改正する法律案においては、規制の実効性を担保する観点から、虚偽記載のある有価証券報告書等の提出に係る罰則について、十年以下の懲役若しくは一千万以下の罰金又は併科に引き上げることとしており、刑事訴訟法上、この罰則の水準に対応する時効は七年となります。 これは、御参考までに申し上げておきますと、死刑に当たる罪については二十五年、無期懲役は十五年、長期十五年以上は十年、長期十五年未満の懲役は七年、長期十年未満の懲役は五年ということで、さして短い時効ではないと思っております。
○大塚耕平君 まあ、今回の改正で少し厳しくなるということも理解はしておりますので、やはりその罰金、それから懲役、更には時効ですね、これが相当厳しいものでないと、例えば最近の事業家、企業家の皆さんはもう何百億、何千億という単位の資金でビジネスをやっておられるわけですから、その罰則がそうした方々にとって非常に抑止力の低いものであれば、まあ有効性は余りないわけですので、金融庁におかれてはその辺のバランスに配慮した御対応をしていただきたいなということを申し上げたいと思います。 その上で、今日はコンプライアンス、意識の問題、そしてその規律の問題ですね、その法律上の規律です、今申し上げました。そして、環境の問題、この後はその環境の問題を、特例公債の発行規模とも関係が出てくる話ですから議論をさせていただきたいんですが、与謝野大臣、もしお時間が許す範囲で聞いていていただければ、金融庁にも、あるいは経済財政諮問会議にも関係のある話ですから、しばらく、ぎりぎりまでおいでいただければと思います。 そこで、日銀総裁にもおいでいただいておりますので、お伺いをしたいわけでございますが、今、平野委員がるるお伺いをしていた話とも関係がございますけれども、量的緩和政策の解除に対するマーケットの反応ということで、明確なお答えはなかったわけでありますが、まあマーケットは総じて冷静に受け止めているわけであります。そのことと、先ほど平野委員が金融引締めの定義は何ですかとお聞きになられたときに、定義は特にないというふうに総裁お答えになられたんですが、私なりの理解で申し上げれば、金融引締めは金融引締め的な効果が出ている場合においてその政策は金融引締めというと。何か小泉総理のトートロジーのような定義でありますが、金融緩和は金融緩和的な効果が出ている政策であればそれは金融緩和政策であると。 このことと、前半で申し上げた量的緩和解除ということを市場が冷静に受け止めているということと併せて少し御説明、私なりの御説明を申し上げると、まあこれは総裁も市場関係者も大臣もお分かりのことかもしれませんが、せんだっての量的緩和政策解除の一連の日銀の発表の中で市場はどの部分を評価したかというと、それは量的緩和政策を解除したことではなくて、ゼロ金利政策を当面続けますと言った部分に市場は大変大きく反応したわけでありまして、つまり、ゼロ金利政策を当面続けますということが、これはまだ金融緩和的な政策が続くというふうにマーケットが受け止めているので、せんだっての日銀の発表はまだ金融緩和政策の延長線上だと、定義上ですね、定義上。 そうなりますと、予算委員会でお配り申し上げましたこのグラフをちょっともう一回ごらんいただきたいんですが、この右の方に日銀が九九年のゼロ金利政策以降取ってきた幾つかの政策、明確に定義されているものもあれば私の理解で書いている言葉もございますけれども、その延長線上に本来であればこの一番右側にゼロ金利政策解除というこの言葉が来るわけなんですけれども、ただ、それは金融引締めではなくてですね、ああ、ごめんなさい、量的緩和政策解除という言葉が来るわけですが、それは金融引締めでも何でもなくて、繰り返しになりますが、それと同時に発表されたゼロ金利政策はまだ続けますよというその緩和的なメッセージの方に関係者はみんな反応していますので、あるいはそれを評価していますので。 このゼロ金利政策、九九年に導入されたグラフのそれ以降の右っ側ですね。その右っ側、ずっと金融緩和政策、もちろんそれ以前からも続いてますけれども、がまだ継続しているというそのこと、そのことに対して市場は、そうかと、まだ緩和なんだということで、株価も堅調ですし、マーケットにも混乱が起きていない。私は別にその判断が間違っているとか、そういうことを申し上げるつもりはなくて、それはそれでいいと思うんです。 そこで、ゼロ金利政策、じゃこのゼロ金利政策が一体、まだ継続されるということですが、いつまで続くかということはさっき平野さんもお伺いになられて、総裁は時間軸は想定していないというふうにおっしゃいましたので、これはせんだって予算委員会のときに武藤副総裁がいらっしゃって、私に答弁していただいた内容と非常に整合的なんですね。 私は、ゼロから二%の新たに発表された物価の目安というものが、これがゼロ金利政策運営上の何かのベンチマークになりますかとお伺いしたところ、それとは別問題だとおっしゃったわけですから、今の総裁の御発言と整合的なわけです。つまり、二%をCPIが超えない間はゼロ金利を解除しないということかというふうに、そういう表現でも質問を組み立て直せるわけですが、それに対して、そうではないと武藤さんがおっしゃったということですから、今日、福井総裁がゼロ金利政策には時間軸は想定していないとおっしゃったこととは極めて整合的であります。 そこで、福井総裁に改めてお伺いをしたいんですが、いわゆるその物価の目安ということ、物価安定の目安ということで今回発表されたこの数字の持つ意義あるいはその留意点ということは、改めてやはり市場関係者の皆さんに繰り返し繰り返し周知をいたしませんと、ややもすると、やはりこれが基準ではないかと。二%を超えるまでは今の政策を変えないということではないかというふうに曲解をする方々が、これは市場関係者は少ないかもしれませんが、市場関係者ですらそういう人はいるかもしれませんし、いわんや多くの国民の皆様には非常に分かりにくいと思いますので、改めて物価安定の目安の意義と留意点についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 物価安定についての理解にお答えする前に一言だけお許しいただきたいんですけれども、私どもの印象では、量的緩和政策枠組み修正後といいますか、解除後、市場の受取方として、しばらくゼロ金利ということを正しく受け取っていただいたと思っていますのと同時に、私どもの出しました、いずれ、何といいますか、経済・物価情勢に見合った状況に金利水準を調整していきますということ。しかし、ゼロ金利が終わっても極めて低い金利で緩和的な金融環境を提供し続けていける可能性が当面は強いと。これらも併せて市場は受け取ってくださっているというふうに思います。したがいまして、じゃゼロ金利はいつまでなのかという質問が、この今の早い段階から来るということも、一応このトータルな今後の流れを理解していただいた上なのかなというふうに思っております。 その上で、物価安定についての、今委員目安とおっしゃいましたけれども、今後私どもは理解と、理解という言葉で、もうどなたがおっしゃろうと我々は理解という言葉で統一さしていただく。この間、海外に参りまして、海外ではアンダースタンディングという言い方で通しますと、大変申し訳ないんですがそういうことをしておりまして、その意味は、物価安定についての理解というのは、その物価安定、物価のその目標ではないと、目標じゃないと。したがって、ある期間内にある数値を実現するというふうな硬直性を帯びた金融政策の運営をするということではありませんと。私どもは、透明性と金融政策運営の柔軟性と両方が両立するようなバランスをねらい、かつ日本の実情に即したやり方というのを懸命に模索した結果、この結論に達しましたと。これに尽きるわけでございます。 したがいまして、理解と申しますのは、日本銀行は物価の安定、中長期的な物価安定の実現を通じて望ましい経済の姿に結び付けていくと。この場合の物価安定というのは、政策委員のメンバーの一人一人が勝手に理解しているというんではなくて、国民の皆様方一人一人がきっと体の中にしみ込んだ形で持っておられる物価観というものと平仄の合うものを共有しながら、我々はそれを念頭に置いて情勢を判断し、政策形成に当たり、政策の実行にも当たりたいと、こういうことでございます。 したがいまして、実際の経済情勢の点検と我々の政策評価ということは、あくまで我々がこれから中長期的な経済見通しを出し、それが物価安定の下での持続的な経済成長のパスに沿ったものかどうかという評価を自ら加えて皆様方にお示しし、また、それに対して様々な御意見をいただきながら、市場金利が、そういう会話を通じて結果として正しい市場金利が形成されていくと、こういう立体的でダイナミックな構図ということを想定したものだというふうに御説明しているわけでございます。 これから実際の運営を通じてそのことをより分かりやすく御理解いただけるようにしたいと、こういうふうに思っています。
○大塚耕平君 物価安定の理解ということで、多くの国民の皆さんがそうであろうと思っていることを、審議委員の皆さんもそれぞれ、それを受け止めてそういう数字をお出しになったという、今おおむねそういう御説明があったと思うんですが、そのことに関して、前回おいでいただいたときに総裁に終盤で申し上げたこととも絡めて、改めて私なりの留意点を一つ申し上げさしていただきたいんですが。 審議委員の皆さんは、一番若い水野さんで私と同い年、私より一個下だと思いますけれども、あとは大体私より十歳か十五歳ぐらい上の先輩方の世代ですね。その世代の皆さんの物価の受け止め方と、今の例えば四十歳より若い世代の物価の受け止め方というのは随分違いまして、例えば私の子供は今高校一年生と中学二年生ですけども、ニュースや新聞見て、物心が付いてニュースや新聞を見て中身が理解できるようになった数年前に、お父さん、物価というのは下がるもんなんでしょうと言うんですよ。それはそうです、ずうっとNHKのニュース見ていても物価を下がるニュースしか見ていませんから。私なんかは、オイルショックのころのインフレとか、あるいは日銀に就職して以降もしばらくは物価高かったですから、そういう先入観を持っていますけども、そういう世代ごとの先入観の違いを考えると、果たして、審議委員の皆さんがゼロから二%が物価安定の基準だとおっしゃった、あるいは理解だとおっしゃったその認識というのは、本当に日本経済にとって正しいのかどうかということはよく検証する必要があると思うんですね。 それは前回も申し上げましたが、構造改革というのは本来、日本は物価が高過ぎて住みにくい国だと、いろんな規制があってそれが経済や産業のコスト高につながっていて、だから日本の潜在力を伸ばせないんだというところから始まったのが構造改革ですから。小泉さんがおっしゃるように構造改革がちゃんと進んでいるならば、これはそういった従来、言ってみれば諸外国に比べて理不尽に高かった部分の物価は下がるはずであって、ひょっとすると今の審議委員の中心世代の皆様の常識からすると、ゼロから二というのは昔に比べればずうっと物価安定の理解と言われる水準かもしれませんが、今の四十歳以下あるいは三十歳以下の人たち、その国民の層からすると、構造改革も進んでいるんだし、その分の物価下落効果も入れると、通常私たちが考えるところの物価安定の理解とはひょっとするとレンジが少し違って、マイナス一%とかマイナス二%ぐらいの、これをデフレというとデフレですけども、デフレではなくてディスインフレとか言い方はいろいろありますけれども、そういう水準がひょっとしたら適切なのかもしれないなと、こういう思いもいたしておりまして、これは私も結論ないんです。ただ、そう考えないと、これまでの日本のこの経済構造論争との整合性からいって整合的ではないんじゃないかと思う部分があるわけであります。 そこで、総裁にお伺いしたいのは、一体この物価安定の理解というものは、審議委員の皆様方はどういう根拠でそれぞれそういう数字をお示しになっているのかということについては、我々はどのように理解したらよろしいでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) まず議論の前提として、現実に日本の消費者物価指数の前年比上昇率というのが過去二十年ぐらいの期間平均してみるとどうだろうかと。日本の場合、〇・六%でございました。諸外国もずうっと比べまして、アメリカは三%台、ユーロ圏は二・四%ぐらいでしたか。世界で一番物価が安定していると言われているスイスとかドイツに比べて、日本は一%ポイントぐらい低いという数字。しかし、これは最近七年間ぐらいの日本のデフレを含んでいるというんで、じゃデフレ、日本がデフレであった期間を除いてみたらどうかと。そうすると、日本の数字は、確かに〇・六でなくて一・二になります。しかし、それじゃ諸外国とうんと差が縮まるかといえば、スイス、ドイツに比べて、最近七年間取りましても、やっぱり向こうの方が一%方高いわけでございます。 この開きというものは、最近七年間のデフレを除こうと除くまいと結局同じだったということで、これを大きく頭に置けば、少なくとも海外よりは低い物価上昇率というものが日本の国民の皆様方の行動の前提になっているかもしれないというのがまず一つの共通認識でございます。 もう一つは、物価安定については、私どももう既に、委員御承知だと思いますが、二〇〇〇年十月に物価安定の概念を文章として表しています。これは、企業とか家計、つまり経済主体が経済行動をするときに、インフレとかデフレとか物価の変動に煩わされることなく物事を決めることができ、行動でき、成果も得られることができる、そういう物価の状況と、こういうふうに考えました。 そうなりますと、赤ん坊とか学生は一応除かしていただくと。要するに、社会に出て経済活動をする人ということの共通の物価観ということになってまいりますが、幸いにも、私ども政策委員会のメンバー見ますと、やっぱり一番若い人は四十代ということで、二十年間さかのぼりますと学校を出てちょうどと。つまり、社会に出てからその人の人生カバーしています。私が一番年長ですから、まあ七十ですから、二十年取りますとそれ以前は入っていないということなんで、少なくとも過去二十年間含まれていると。政策委員全体を含めますと、学生時代を終えて社会人に出て以降今日まで全体が入っていると。それで持ち合わしてみて、そんなに大きく差があればこれは随分、四十歳から七十歳までであっても物価観が違うなということになるんですけども、輪郭を合わしてみると一つの輪郭が浮かび上がったというところは、やはりその間であれば世代の違いをおおむね乗り越えて共通の物価観があるなと取りあえず推察ができるような状況でございました。 しかし、委員のおっしゃるとおり、物価観というのは経済構造の変化に伴って変わる可能性があると思います。今までも変わってきたんだろうというふうに思います。したがいまして、中長期的な物価安定の理解でございますから、本当は一回認識すればそんなに変わるものじゃないんですが、念のため、私どもは今後一年ごとにこれを点検し直すと、こういうふうなことにしておりまして、常に構造変化を追い、国民の皆様方の体にしみ込んでおられる物価観というものとのすり合わせは今後とも繰り返しやらしていただきたいというところでございます。
○大塚耕平君 是非、新日銀法の下で従来の政策委員が審議委員という形で随分メンバーも入れ替わって仕事のスタイルも変わったわけですから、非常に、例えばこのグラフをごらんいただいても、金融政策が従来の感覚から言えば常識的ではない状況が長期間続いていて、そういった中で日銀の政策運営は国民生活にも影響は大きいですし、これからこの後、後半で財務省の議論をさしていただきますが、財務省の国債管理政策上への影響も非常に大きいということを考えると、審議委員の皆さんは、ゼロから二%について、それぞれがどういう理論的根拠に基づいてその数字が物価安定の理解であって国民の経済厚生を高めるのかということについて、ちゃんとお一人お一人が私は説明をする責任があるのではないかなと、そう思っております。 とりわけ、私、この委員会に所属さしていただいて最初に質問さしていただいたのが日銀法の半期報告で、そのときちょうど前の山口副総裁がある講演をした直後でございまして、山口副総裁の講演の中で、中央銀行というのは、政治からの中立性ということは、要は物価をプラスにもしないマイナスにもしない、つまりインフレでもないデフレでもない、そういう状態をつくることが中立的であるということをおっしゃっていて、そのとおりだと言ってここで申し上げた記憶があるんです。 何となれば、インフレであれデフレであれ所得の再分配を起こしますので、そうであるとすると、ゼロから二%のレンジで、かつ大体の中心が一%であるということをおっしゃっている今の日銀の政策委員会の個々のメンバーの皆様方が、やはり、じゃゼロではなくて一%という数字を実現することが国民の経済厚生上、かくかくしかじかであるがゆえにプラスであるということを今後いろんな機会できっちり御説明をしていただかないと、仮に今後日本の経済が今我々が思い描いている楽観的な方向に行かなかった場合に、行かなかった場合にまた非常に大きな禍根を残すことになりますので、是非総裁には誤りなき運営をしていただきたいということをお願い申し上げまして、そのことについて一言御感想をお伺いしまして、総裁、もしお忙しければ、委員長のお許しがあればお帰りいただいて結構でございます。
○参考人(福井俊彦君) 現在の政策委員会のメンバーが、今お話しの線に即して申し上げれば、一番大事なポイントを取りあえず押さえているつもりでございます。それは、今後日本経済にとって一番大事なことは、人口が減るという厳しい逆風の中でもきちんと企業が長期の投資をしていただく、イノベーションを生かして長期の投資をして日本の経済の実力、潜在成長能力を上げていくと。なおかつ、その実力をフルに実質経済成長率として実現させ、かつこれを大きな景気変動を伴うことなく安定的に実現していくと。これは、物価の安定なくしてできないことでございます。 したがって、我々は中長期的に物価の安定をして、経済の実力を上げ、かつ実力が上がりつつある経済をそのまま素直に波のない姿として実現していく、これは共通の認識でございます。そのために、あえてターゲットは設けないと。ある一定の期間に物価にだけ実現すれば、あとはすべてよしということにならないと。不必要な引締めをして、景気にかえって波を打たせるというふうなことをしないという認識に立っているわけです。 企業が安定的な長期的な投資をしていただくための最大の条件というのは、やっぱり企業自身が物価が変化するんだということを余り心配しないで、長期的に望ましい投資というのは実現していただけるということが今の道に通ずる。 家計についても、やっぱり将来を心配し過ぎて貯蓄ばかりして消費をしないということはないと。やっぱり夢の実現のために安定的に消費はすると。もちろん貯蓄はするけれども、きちんと消費もすると。これはやっぱり将来の物価安定ということが前提になっていなきゃできないわけでございます。 そうすると、人々の持っておられる物価観と政策委員一人一人が頭の中に置く物価観とにずれがあると、政策がずれるということになると思います。そこをできる限り合わさせていただきながら、しかし短期の縛りということでなくて、我々は十分フレキシブルに金融の政策の運営をしていきたいと。目標は最終的になだらかな経済の発展と、こういう大きな構図を描いております。 あとは政策委員それぞれに、なぜこの人はゼロから二であるか、この人は〇・五から一・五であるか、それぞれやっぱり違うところあると思いますけれども、全体の姿をスナップ写真を撮れば、オーバーラップするところはゼロから二、真ん中辺が大体一と、こんなことでございました。
○大塚耕平君 私の希望を言わしていただければ、日本経済のあるべき姿は、やっぱりまだまだ世界の各都市に比べると東京も物価が高いと言われているわけですから、CPIでいうとマイナス〇・五からマイナス一ぐらい。実質成長率が非常に高くて、名目に引き直しても、実質が高いから名目で四、五%は維持されていると。その上、財政赤字も着実に減っていると。こういう姿が運営できれば、実現できれば、これは大変すばらしいことだと思いますし、次期総理候補の谷垣大臣におかれてはそういう状況を実現していただきたいなと思いますが。 総裁がいらっしゃるうちに少し財務省にもお伺いをし、お願いもしたいんですが、財政赤字の対GDP比の目標などを決めるべきではないかということで以前、百年ぐらい前からのグラフなどもごらんに入れて主張申し上げていたところですね。今の一四〇%、一五〇%という比率を半減させるんだとか、そういう話もだんだん出てくるようになりましたが、金融政策に数値目標を設けろという政府側の主張、これもある一つの理屈として分からないではないんですが、まあやはりそういう主張をされるなら、政府の専管事項である財政についてもきちっと数値目標を設けるべきだというふうに私は思いますが、今、財政赤字の対GDP比をどのぐらいにするのかというのは、明示的にいつまでにどのくらいだという何か目標はございますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 対GDP比で財政赤字をどのぐらいにするかというのは、今まだ明示的な目標はございません。 私たちが今議論しておりますのは、当委員会でも大変御議論をいただきました二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支のバランスを取っていくと。今、経済財政諮問会議で議論をしておりますのは、その先のやはり目標が必要ではなかろうかということでありまして、それは今委員がおっしゃいましたように、GDP比で長期国債というものをこれから減らしていく目標辺りが妥当なのではなかろうかと、議論はようやくそこまで行ったところでございまして、具体的に数値でお示しできるような形にはまだ整理されておりません。
○大塚耕平君 これはある財務省の幹部まで御経験されたOBの方が私にあるとき一杯飲みながら教えてくれたんですけれども、プライマリーバランスの議論というのは、元々ストックベースの財政赤字から少し関心をずらすために出てきた話なんだよと。まあそういう、それが本当かどうか分かりません、その方がそうおっしゃってるわけですから。 いや、確かにそういう面はあってプライマリーバランスが二〇一〇年代の初頭に均衡するって言われると、ああそうかと、フローの財政についてはそのころ均衡するんだからということで、取りあえずストックベースのことには関心が行かなくなっちゃう効果はあると思うんですね。 したがって、プライマリーバランスについて目標を設けるのはいいですけれども、その先のストックベースの財政赤字の対GDP比というものについても、やはり私は明確に目標を設けるべきだと思っておりますので、今ないのは分かりましたが、例えばこの六月にまた発表されるであろう、何かありますよね、歳入一体改革の、骨太の方針の第何弾か知りませんけれども、そこで何かそういうストックベースの目標を設ける御予定はございますか。あるいは大臣としてそういう主張をされたり指示をされる御予定はございますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 与謝野大臣に聞いていただくのが一番いいんですが、私としてはまだ数値はどのくらいか私自身もはっきりしたイメージは持っておりませんけれども、対GDP比で長期国債を減らしていくという目標を何らかの形で織り込むべきではないかと思っておりまして、要するにプライマリーバランスを取るというだけではなくて、幾らかのプライマリーバランスの黒字をつくっていって、それをそういう状況ができてきたときにはできるだけ長期国債を減少させていくということに使いながら今のような目標を果たしていくべきではないかと、そういうことを是非とも御提示できればと思っておりますが、まだ結論は出ておりません。
○大塚耕平君 まあ与党のことで、余計なお世話だといって怒られるかもしれませんが、私は今、ポスト小泉総理として名前の出てきていらっしゃる四人の中では谷垣さんが最適だと個人的には思っておりますので、是非、次の総理はこのグラフの、この財政赤字の国と地方の長期債務のグラフがぐっと右下がりになってくる傾向を生み出せる人でなければ、まあだれがやっても一緒と。それができる方でなければ、我々としても、野党であってもやはり同じ国会の一員として、表面上はいろいろ耳障りなことを言いますけれども、内心シンパシーを感じるかどうかというのは非常に大きな問題でありますので、是非そういう方になっていただきたいと思いますが。 そこで、今日この後、農水省、文科省の話をさせていただく前に、数字を確認させていただきたいんですが、今ずっと取り上げました財政赤字の対GDP比、一九九〇年度末の実績と今年度末の実績並びに大幅に、かつて日本が経済は三流といって少しそういう見方をしていたイタリアが、かつてピーク時どのぐらいで、今日どこまで下がってきたかという数字について確認をさせてください。
○委員長(池口修次君) 日銀総裁、もう総裁、もう結構ですから。
○国務大臣(谷垣禎一君) 日本の国と地方の長期債務残高ですが、一九九〇年、平成二年、年度末でございますが、二百六十六兆円、対GDP比が五九%。それから、平成十八年度、二〇〇六年度末見込み、これが七百七十五兆円、対GDP比一五一%でございます。 それで、イタリアの財政状況、一九九〇年、私の手元にございますのは財政収支の対GDP比一一・八%、マイナス一一・八%。それから、二〇〇六年はマイナス、黒三角三・八%と、こういう数字が手元にございます。
○大塚耕平君 イタリアは、今おっしゃった数字は単年度の財政収支のあれですから。イタリアは……
○国務大臣(谷垣禎一君) 済みません、間違えました。
○大塚耕平君 ええ、ストックベースではちょっと違うと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) ストックの方は、一九九〇年、手元に数字がございませんでしたので、単年度のだけ申しました。 二〇〇六年度末の債務残高対GDP比は一〇七・四%となっております。
○大塚耕平君 イタリアはストックベースのピークは多分一二〇%ぐらい行っていたと思いますが、大分減り始めて、日本があっという間に追い抜いてしまって、まあ野球も世界一になりましたけれども財政赤字も断トツの世界一でありまして、さてこれをどうやって解消していくか。それは歳入歳出の一体改革で、歳入側にある程度負担が掛かるのもやむを得ない面もあるかもしれません。今日は午前中から広田委員が定率減税の廃止についていろいろ議論をしていただきましたが、私は、歳出の方について、歳入で国民の皆さんに御協力をお願いすることも必要ながら、それ以上の努力を歳出の方でしなくてはならないのではないかという立場からちょっと二、三確認をさせていただきたいと思います。 農水省においでいただいていると思いますが、去年の四月十九日のこの委員会、ちょうど一年前でありますが、農道について私は質問をさせていただきました。諫早湾の干拓に絡んで、潮止め堤防の上を通る道路、それがさらに国道二百五十一号線につながる農道のことで御質問をさせていただきました。 大臣、ちなみに大臣はもういろんな質問を受けられる立場なので覚えていらっしゃらないと思いますが、そのときの質疑の内容、何となくは覚えていただいていますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 申し訳ありません、ちょっと雲が掛かったような気がしております。
○大塚耕平君 いやいや、結構です。もう一回説明させてください。 今、お手元にこういう年総効果額の効果項目というのと経済効果算定式という、こういう紙を持ってきました。実は、一年前はこの話はしていないんですね。その前段階として、こういうことを申し上げました。農道には、一番規模の大きい広域農道から四種類ありまして、最後がふるさと農道という県単事業なんですけれども、この農道事業を採択するかしないかについて、どういう数値基準でその事業を審査しているかということをお伺いしたところ、農道を造ることによる受益面積、それから道路の延長距離、幅員、事業費、この四つに基準があるというふうに農水省おっしゃったんですね。 ところが、いろいろお伺いしてみると、受益面積も、例えば一番大きい広域農道ですと千ヘクタール以上、道路延長距離が十キロ以上、幅員が五メートル以上でしたか、十メートル以上でしたか、つまり全部以上、以上、以上となっていると、つまり受益面積が千ヘクタール以上になるまで道路の長さ延ばせばいいだけですから、どんな事業でもできちゃいますよということを、お隣に農水省の部長にお座りいただいて、谷垣大臣にそういう基準のところを見直すという御指導をしていただかないと、結局、予算編成の過程で幾ら主計官の方が頑張ってみたところで、いやこれは基準に合致していますというふうに歳出官庁の方から主張されれば、結局、予算は通っていくことになるので、要求は認められることになるので、基準の見直しについて指示をしてくださいということをお伺いをし、検討をしますというようなことをおっしゃって、農水省も似たようなことをおっしゃって、一年たったわけでありますが、そのことについて、その後、農水省はどのように見直しをしたかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(齋藤晴美君) 昨年四月の当委員会で、委員より農道整備事業の採択基準について御指摘いただいておりまして、特に農道の延長に関する要件について、例えば広域農道の採択基準である延長十キロメートル以上を以下にすべきではないかとの御指摘をいただいたところでございます。 国庫補助事業の採択基準は、比較的規模の小さい事業につきましては、地方で独自に実施していただくとの観点から、国が補助すべき事業の最低基準を示したものでありまして、農道整備事業については受益面積、延長等を採択基準として設定しているところでございます。 また、国庫補助事業の採択に当たりましては、費用対効果分析による投資の妥当性等に関する事前評価を義務付けているところであり、個別事業ごとに事業の必要性や投資の妥当性等について事前に審査し、事業の達成目標、内容、それから実施体制等の該当項目につきまして確認します。いわゆるチェックリスト方式と言っていますが、そういったことを行って、適正と認められるものについてのみ採択しているということでございます。 なお、チェックリストによる事前評価手法につきましては、平成十八年度から、先ほど申し上げました指標等の充足の度合いをA、B、Cで評価する多段階評価手法に試行的に移行することとしておりまして、こうした評価手法の見直しも踏まえまして、事業の適正な執行に努めてまいりたいと、このように考えております。
○大塚耕平君 要するに、一年前の審議の結果を受けて見直した部分があるかないかって聞いているんです。
○政府参考人(齋藤晴美君) 先ほど申し上げましたように、採択基準を以下にするということにつきましては、小さい事業を対象とするということになります。比較的小さい規模の事業につきましては、基本的に採択要件を満たさないものにつきましては、基本的に地方自治体等で独自にやっていただくという考え方でございます。
○大塚耕平君 大臣、谷垣大臣、今お手元に経済効果算定式という紙をお配りしましたが、今御回答いただいたその受益面積、道路建設距離、そして幅員、事業費とは別に、経済効果を算定してというふうに今部長もおっしゃいましたけれども、例えば、私もその四月十九日の後、農水省に何度かお伺いしましたら、いや、経済効果のある道路しか造らないんですというふうに一生懸命御説明くださるんで、じゃ、どういうふうに経済効果算定しているんですかというふうに勉強さしていただいたところ、いろんな政省令まで行き渡りましたけれども、一番古いものは昭和二十年代のものまで行き渡りましたけれども、今例えば農道建設事業が、これは農道だけじゃなくて、そのほかの公共事業もそうかもしれませんが、経済効果があるかどうかということを、ごらんの第一式と第二式、第一式は①と②がありますが、こういうようなものを用いて、用いてちゃんと計算していますという、こういう説明なんですよ。 これ、実は一式の②にある還元率とか建設利息率とか、あるいは第二式のこの〇・四、これは日本の家計の貯蓄性向を基準にした数字だと言っておりますが、これ、一個一個についても議論さしていただいたら、一個の項目について二時間か三時間十分議論するだけの価値のある指標なんですが、今日は取りあえず、その①と②の式の意味、この含意はどういうことかというと、その右上に書かしていただきました。つまり、ちゃんと投資効率のいい事業しかやっていませんというのが農水省の説明なんですよ。一式と二式の意味は、早い話が、この四角の中にありますように、総事業費分の経済効果が一より大きい、つまり四百億の農道を造るんでしたら四百億以上の経済的効果があるものを造りますという非常にもっともな説明で、そうであれば、そうであれば私も全然、まあ環境問題に対する配慮はありますが、基本的にこの投資効果という意味からいうと、投資効率という意味からいうと異論はないわけでありますが。 じゃ、しからば、この分子に足し上げられる経済効果というのは何かというと、その裏っ側をごらんください。年総効果額の効果項目、これも政省令に出てきます、構造改善局の通達に。例えば、部長に、農水省の部長にお伺いしますが、この景観保全効果って何ですか、これは。これ分子に足し上げられる項目ですが。
○政府参考人(齋藤晴美君) 景観保全効果でございますけれども、景観とか親水性とか環境等に配慮した設計構造とすることによりまして、地域の景観が保全、創造されるような効果を一般的にそのように申しております。
○大塚耕平君 それをどうやって数字に置き換えるんですか、景色が良くなる経済効果を。
○政府参考人(齋藤晴美君) 例えば、一つの例で申し上げますと……
○大塚耕平君 例じゃないです。どうやって量るのか。
○政府参考人(齋藤晴美君) はい。例えばCVMとかTC、トラベルコスト法とか、住民にアンケートを行いまして、そういったことをやることによってどのぐらい支払う意思があるかどうか、そういったような手法を採用している例がございます。
○大塚耕平君 片仮名とかアルファベット使わない方がいいですよ、総理に怒られますから。日本語で分かりやすく表現していただかないと。 その一個一個おっしゃったことについてもここで議論してもいいですけど、大臣、よろしいですか、数字に置き換えられないものを数字に置き換えて分子に足しているんですよ。 もう一個聞きましょうか。この六番の地域資源保全・向上効果って何ですか、部長。
○政府参考人(齋藤晴美君) 事業によりまして地下水とか地域用水の利用が増加する地域で利用とか継承し得る資源、資産が保全される効果でございます。例えば、地下水涵養とか地域用水が確保されるとか河川の流況が安定されると、そういった効果でございます。
○大塚耕平君 そういうふうに国会で答弁されると何となくみんなその気になっちゃうんですけど、早い話が、農道を造るときに掘り返したらそこから遺跡が出てきた場合なんかは、その遺跡を保存する経済効果とか言っているわけですよ。 たまたま、先週、十八日の読売新聞に、ああ実際にあるんだなと思いましたのが、神奈川県の小田原市で農道建設予定地から江戸城の築城のときの石切り場が出てきて云々って書いてあるんですね。ああ、なるほどと。こういうことを確認するために一帯を、農道建設予定地の一帯を三十センチから二メートル掘り下げてこれが出てきた。恐らくこれも、この石切り場が出てきたことによって、この分子にこの石切り場の経済的価値みたいなものが足し上げられて、経済投資効率というのが算定されるんですよ。 私が申し上げたいのは、農道が悪い、全部悪いなんて言っているつもりはないですよ。明らかに無から有を生むような事業計画の立案とその数字的根拠の積み上げが行われていると。つまり、この経済効果算定式の投資効率が一以上になるように分子を足し続けていけばいいわけですから。部長個人がいいとか悪いとか申し上げているんじゃないんですよ、そこを勘違いしないでください。その事業の在り方として、本当にこのままで日本はこの財政赤字の折れ線グラフが右下がりになるような事態を迎えられるのかどうかということを議論をしているわけで、そのサンプルとして農水省にお伺いをしているんですが。 部長に率直にお伺いをしたいんですが、これまでの、まあ恐らく二十数年間御勤務されておられると思いますが、農水省の農道事業においてやはりやや恣意的な事業の企画立案が行われていた面があると思いますか、ないと思いますか、率直な感触を伺いたいと思います。
○政府参考人(齋藤晴美君) その土地改良事業の効果算定につきましては、有識者から成ります審議会等で土地改良のその効果算定基準を基にはじいております。で、いろいろと事業についても委員御指摘の非効率のものがあるのではないかとか、そういうことはおっしゃったわけですけれども、例えば当初計画の時点でそれがベストの計画と思っておりましても、社会経済情勢の変化だとか、農業情勢が変わると、そういった面でその当初の目標を達成しないと、そういう例はあるかもしれません。 しかし、一般的に言いまして、例えば国営事業をやっているところで、例えば農業生産を行う、畑地かんがいを行う、そういったところで農産物の輸送とか、地域全体の経済に資している例、そういったのが多々あると、もちろんそういった十分効果は上げていると思います。 以上でございます。
○大塚耕平君 いやもうそろそろ、いや部長もそんなことをおっしゃっていると、いや皆さん方の世代の年金だって分かりませんよ、この先、財政状況を考えると。 それぞれの役所それぞれの役所で、もちろん必要な事業は一杯あると思います。全部が無駄だとかそんなばかげたことを言うつもりはありません。しかし、こういう事業を立案するメカニズムの中に盛り込まれた無から有を生むようなシステムそのものを変えていかないと、いや、結局先輩たちの世代からずっとやっているからしようがないんですと、私の代では変えられません、国権の最高機関であるはずの国会でちゃんと議論をして審議録に残っていても、どうせまあ質問されたらそれで終わりだろうと思って、全然改善しようとしないわけですよ。だから、いつも申し上げているように、こんだけ大勢大の大人が集まって議論するのは全く大変な無駄遣いで、こんなんだったら我々、それこそみんな民間経済分野で働いた方がよっぽどいいですよ。大久保さんなんか物すごい収益上げるんですから。 大臣、もう一回表のページ戻っていただきますと、景観保全効果もそうですし、地域資源保全、まあ、これ、こうやって聞くともっともらしいですけども、遺跡が出てくるとか、保健休養機能向上効果とか、それから減少効果も、これよく読むと、よく分かんない文章なんですね。「ただし、減少効果に対する補償費が総事業費に計上されている場合には算定しないものとする。」と。例えば上のプラスの一から九を足したら百億の経済効果がある事業に対して、何らかの減少効果があってマイナス二十だとすると、そのマイナス二十を補うためにじゃその地域に二十億の追加投資をする、トータル百二十億の事業になっていればこの減少効果はチャラだというふうにも読めるわけですよ。これをどういうふうにこの文言を理解して、財務省に要求をするときの、予算要求するときのその計算をしているかということは主計局は理解していますか、これは。農水省担当。
○政府参考人(松元崇君) 主計局におきまして、私、現在担当ではございませんが、かつて農林係の主計官、主査を担当いたしたことがございますが、それぞれこういったことを農水省かねてから行っておりまして、この算定の仕方につきましては、かつてとは若干違ってきているところがございますが、その内容については係におきまして十分理解いたしてこの査定をこなしていただいております。
○大塚耕平君 いや、お立場上そうお答えにならざるを得ないのは分かりますけど、十分理解していないと思いますよ、私は。だから、もしそうおっしゃるなら、また嫌がられるかもしれませんけど、主計局行きますから、私、説明してください、一個一個の査定どういうふうにやっていたか。 これ、大臣にお願いしたいのは、歳入歳出の一体改革で、先ほど申し上げましたようなマクロベースの財政赤字の対GDP比幾らにするとか、こういう目標を決めるのもやっていただきたいんですが、各省の中にあるこういう仕組み、予算編成過程の、そこにメスを入れていかないと、主計局だって人員に制約があるわけですし、全部見れるわけじゃないですから、これはとても財政再建なんかはできないと思います。 そういうことが行われている一方で、文科省に今日おいでいただいているんですが、例えば義務教育の教科書、基本的に無償でこれやっているわけでありますが、この義務教育の教科書予算というのは年々少なくなっているんですが、今年度の予算は幾ら要求して財務省から幾ら内示がありましたでしょうか。
○政府参考人(山中伸一君) 義務教育の教科書でございますけれども、先生御指摘のとおり、義務教育無償の精神、これを広く実現するものとして、我が国の将来を担う子供たち、子供を国民全体の負担によって育てると、こういう観点から無償給付しているところでございます。 平成十八年度予算案におきましては、要求では四百五億円でございましたけれども、予算の今の額は三百九十五億円でございます。査定十億円の減でございますけれども、教科書の質の向上を図りながらもコストを下げる努力をすると、そういう観点から、紙の質でございますとか、あるいは輸送コストなどの供給コストの見直し、それなどによりましてこういう額になっているところでございます。
○大塚耕平君 文部省にお願いしておきますけれども、憲法改正論争、これからいろいろ行われると思いますけれども、憲法に義務教育は無償だと書いてあるんですから、もっと自信持って主張するべきところは主張しないと駄目ですよ。義務教育の、子供のための、子供が大事だ、教育が大事だと、進軍ラッパだけ吹きながら、子供たちの義務教育の教科書費を十億、五億削るということを年々年々繰り返している一方で、こういう事業の無から有を生むようなメカニズムを放置し、けたの違う予算を認めているようでは、これはこの国は良くならないですよ。 大臣のじゃ御決意をちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、農道整備事業ですが、費用対効果分析等々を入れて、できるだけ経済効果の上がる方向に投資していこうという努力そのものは私は否定すべきではないと思っております。 その上で、先ほど御指摘になった景観保全効果であるとか地域資源保全でしたか、あの遺跡は、なかなか数量化し難いものであることも、私はそれはおっしゃるとおりだと思います。私、京都選出でございますけれども、どこを掘っても昔の遺跡が出てまいりますし、やはり古都としての景観保存というのも大事だと思いますから、そういうものもどこか評価する仕組みがなくていいとは思いませんが、できるだけ委員から無から有を生ずるという御批判を受けないようなきちっとした仕組み、説明できるものというのを考えていく必要は私はあると思いますので、努力をしなきゃいけないと思います。 ただ、なかなか、じゃ数値化と言われても、ううんとうなるところがあるのは事実でございます。したがいまして、こういうところの仕組みということもありましても、なかなかきれいに数値で示しにくいということも一方でございますので、私どもが特に近年やっておりますのは、むしろ全体の国費事業量自体を抑制していくという方向にも力を入れておりまして、今年度は農道事業でいいますと、昨年、対前年度比で三一・二%縮減しております。もっとも、道の整備交付金というのがありまして、そこで農道整備が可能でございますから、それを含むと、この三一・二%というようなドラスチックな切り方にはなっていないのが事実でございますが、それでも、それを入れましても一三・一%ということで、やはり量の面の圧縮と、それから今申し上げたような、じゃ基準というものももう少し合理化できる余地はないかという両面が必要なのではないかなと思っているわけでございます。 それから、教科書についてちまちまと、一方で農道なんか無駄にやっているけれども、ちまちまと削るなというお話でございました。私も、憲法二十六条のそのままの教科書無償化が適用されるかどうかは別といたしまして、教育の機会均等というものを図るためには、義務教育で使用する教科書、無償で配付するという今の制度は極めて大事なものだと思っておりますが、他方、聖域なくいろんなものを見直していくという私どもの方針もございまして、これは教育に支障のない範囲で低コスト化を図る必要があろうかと思っております。 ということを申しますのは、一九八〇年以降、児童生徒数は約三割減少しているわけでございますけれども、教科書予算はほぼ横ばいで推移しているということがございまして、物価上昇率を超えて引き上げられている面があるのではないかと、したがって製造コスト、輸送コスト等もっと合理化できるところはないかと、そういう努力を私どもとしては求めているわけでございまして、そういう点は御理解をいただきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 次の櫻井さんにちょっとお許しいただいたので、最後にもう一点だけ申し上げて終わりにさしていただきますが、選択と集中と皆さんがおっしゃっているわけですから、教科書予算なんというのはまさしくここは重点だから、子供たちの教育のために政府として選択をしそこに集中投下していくんだということであれば、別にその他の歳出と同じように切る必要は全然ないわけであります、もちろんそこに無駄があってはいけませんけれども。そういう意味では、大臣におかれては、そういう答弁のめり張りについては是非本当に御自身のお考えで、一律ではなくて、ここは選択して集中的に投下するべきところだとか、そういう是非お気持ちを込めていただきたいなと思います。 そして、最後に、今日このグラフの裏側に、この間も予算委員会でごらんに入れた、日本の輪廻と、この絵をごらんに入れましたけれども、結局、今日前半で申し上げた日銀の量的緩和政策解除の絡みでいうと、マーケットは量的緩和政策の解除に反応してないんですよ、ゼロ金利政策の維持というところに反応していますから。だから、今金融市場はこの左上の矢印のところですね。企業、国民の皆さん、これ錯覚がもう始まっていますけれども、まあ前回と同じようにならないことを祈りますが、そこにあります。そして、農道事業なんかはこの右下の矢印です。この過去十年間のやむを得ぬ景気対策の局面で、例えばふるさと農道なんかもやりました、ふるさと農道。しかし、これが無駄だということが分かっている県知事が一人だけいて、やっていませんよ、第四期から、鳥取県の片山知事。ゼロですよ、予算額、ふるさと農道。 いずれにしても、この景気対策に便乗した無駄遣い、この右側に矢印はまだあるというふうに考えますと、この輪廻からとても日本経済はまだ抜け出しているとは私には思えませんので、また前回のリクルート事件のようなマーケット全体、経済全体が経済不信に陥る大きな金融・証券不祥事が起きないように是非経済運営をしていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一つ訂正させていただきます。 先ほど農道整備事業、前年度比、交付金を入れたら一三・一%マイナスだと申しましたけれども、一五の間違いでございました。訂正させていただきます。
○大塚耕平君 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 先日の予算委員会でも質問させていただきましたが、まず最初に、同族法人の役員報酬の損金不算入の件について改めて質問をさせていただきたいと思います。 先日、いろいろな説明がございましたが、私のまず考え方として今日、谷垣大臣にお伺いしたいのは、要するに税制そのもの自体が法人と個人との在り方が区別されるのかされないのかという、まずこの一点、これが僕は一番大事なことだと思っています。 つまり、今回は役員報酬をまず給料として支払った後で、決算の時期になってみてトータルとして見ると、これは、例えば八百万円なら八百万円を超えるようになってくるから、であったら、これは損金の不算入という形で法人の方にもう一度戻し直して、その損金不算入という形を決めてくると。つまり、個人の所得とそれから法人の利益とを一体化させて、それを、なぜか分からないけれど、法人の方で課税するというシステムをこれつくり上げてきています。 こういうシステムで本当にいいのかどうか。つまりは、もう一度申し上げますが、法人と個人とを本来は切り分けるべきです。切り分けるべきものをなぜ一体化させる、そういう税制の組み方にしたんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、櫻井委員おっしゃるように、あくまで原則は、法人というのは税制の上でも個人とは違った別の人格というのが原則でございますから、本来は切り分ける、法人税の世界と所得税の世界は切り分けられた世界であるというのはそのとおりだろうと思います。 ただ、先般来、るる御説明申し上げているのは、実質上一人会社、オーナーだけが運用しているような会社、一人会社を典型的に見ていただきますと、その片っ方で実質が全く同じの個人の場合と、二重控除の問題が生ずるのではないかということに加えまして、要するにそれを配当に持っていくか、あるいは所得課税で持っていくかというようなことで操作が行われやすいと。しかも、これはまた法改正でございますけれども、会社法改正によって法人成りというものが自由にできるようになると、その弊害が強調されてくる面があると。その弊害を何とか是正したい、こういうことでございますので、原則はあくまで法人の世界と個人の世界は別であるということであろうと思います。
○櫻井充君 原則そうであったとして、そうであったとすれば、なおかつ本来の在り方に直して考えていくべきではないか。つまり、もし個人の所得なら所得に関して課税していくということなら、私は分かるわけです。つまり、そういう、まあ一人で、この間は私は分かりやすく竹中大臣のことについて実例を、実例というか個別例を申し上げましたが、本来であれば個人所得になるべき方が、ある会社をつくってしまって、そこのところでまあいろんな優遇税制を受けられると、これを何とかしたいんだということ。 この点については、それはそれで理解はいたしますが、であったとすれば、もう一度申し上げますが、一度報酬として支払った後に、それを今度また法人に戻してくるというやり方、税制の組み方をやるのではなくて、むしろそのときには、じゃ、個人の所得税のところに賦課をするとか、まずそういうやり方をするべきではないのかなと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったことは、個人所得課税の段階で今言ったような弊害を是正する措置の方が合理的ではないかという御主張ですよね。 それで、これに対しましては、一つのねらいが、要するに節税対策といいますか、まあ税逃れと言うとちょっと言葉はきついかもしれませんが、そのための法人成りというものを是正しようということが、ひとつ法人の世界でこの対策を考えようということに背景にございます。 それから、もう一つの問題は、配当と個人所得というものの間で操作がしやすいと、その両方にまたがる世界があるわけでございます。それで、それはじゃ、どっちでやるかという議論があるわけですが、今申し上げたように、節税目的のための法人成りというものをできるだけ抑えていこうということで法人で対処したということが一つ。 それからもう一つは、結局、個人の世界でやりますと、個人所得税の世界で、これは要するに、実質上オーナーだから、会社のオーナーだからというような形ではここのところの処理が大変技術的に難しゅうございます。やはり、会社の属性に着目しないとなかなかそこはさばきにくい、こういうことがあると考えております。
○櫻井充君 おっしゃることはおっしゃることで分かりますが、前回も予算委員会で申し上げましたが、要するに、そういうことをやられて、そういうことをしている方々がいらっしゃって、その方に網を掛けたい、網を掛けなきゃいけないというのは、私もこれは谷垣大臣と全く同じ気持ちでございます。 しかし、問題は、そのことをやられることによって、元々、本当に企業を起こして会社をつくってやっていらっしゃった方も合わせてその網に掛かってしまうというところが私は問題なんだと思うんですね。つまりは、悪意を持ってやられている方と善意を持ってやられる方がいらっしゃって、その善意を持ってやっていらっしゃる方までこういう形で税、まあ何というんでしょうか、言わば僕は増税だと思いますが、増税になってしまうというところに問題があると思いますが、その点についていかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 要するに、税を逃れることを目的としてやったような人たちばかりではないではないかということだろうと思いますが、ですから、今度の私どもの考え方も、できるだけ制限するような仕組みにしておりまして、実質上、要するに一人会社、オーナー会社ですけれども、実質上一人会社というものを中心にして、それに近いものを選別したということでございます。 それで、例えば、これも申し上げているところでございますが、従業員の持ち株制度であるとかあるいはオーナーの片腕を役員に加えているというようなオープンな、全く事業体が一人で支配されているというような状況でないところはそれから除いているということと、八百万円以下はこれから外しているということで私は絞りが掛けられているのではないかというふうに考えております。
○櫻井充君 収入が、ある個人の力で収入を得ている人たちと、企業として収入を得ている人と、僕はここは違うんだと思うんですね。もし切り分けるとすると、そういう形で切り分けることの方が現実的ではないんでしょうか。つまり、企業としての収益が、ある個人の講演料であるとかある個人の原稿料であるとか、そういったものだけで成り立っている、主な収入源がそういう形で成り立っている。それから、今度は会社の形として、企業として経営した結果、企業の収益として上がってくるところというのは、これは全く違うんじゃないだろうかと、私はそう思いますので、むしろ今のお話でいえば、収入源という形に着目して切り分けられた方が私ははっきりするかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(谷垣禎一君) 収入源というとちょっと、どういうふうにお答えしていいのかよく分かりませんが、要するに、近所のお店を考えてみますと、個人でそのお店を経営しておられる方と全く実態が同じで、しかもそれは実際上、その一人のオーナーが個人商店を法人成りしただけという実態は、そこはほとんど同じなんではないかというふうに私は思うわけでございます。
○櫻井充君 企業活動をきちんとして営んでいる方と、本来は個人所得として受け取るべきものを法人をつくって税逃れをしている人と、そこが根本的に違うわけですよね。そこに問題意識を持たれているわけでしょう。ということは、本来、個人の力で個人の所得とするべき人たちを対象としてくるのであれば、要するに、例えば、何というんでしょうか、八百万だとかなんとかいう金額ではなくて、金額ではなくて、むしろどういう形でその企業として収入を得ているかということに着目するべきではないんですかというのが私の提案です。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもは、確かに先ほど櫻井さんが最初に言われたように、法人と個人は別であるというのが原則です。 ただ、実態に着目した場合に、この法人と個人は限りなく一緒であるというものをつかまえて、いうものをとらえて、そこで、そこの税の操作というものをできるだけ排除しようというんで今度こういう仕組みをつくりまして、その実態をどう判断するかという中で、先ほど申し上げたような、オープンにされているかどうかとか、そういうようなものを目安に選んだわけでございますので、これは問題の立て方として合理的な背景があるのではないかと考えているわけです。
○櫻井充君 問題は、そこのところで、財務省とそれから中小企業の皆さんや税理士さんたちと見解が違っている点があります。つまりは、網に掛かってくる、網を掛けようとしました。そうすると、その悪意を持っている人たちだけがそこの網の中に掛かってくるんであれば私は全く問題ないんだと思うんですね。 ですが、現実、まじめにやっている方々の、これは私がいろんな方々からいただいた資料を見ても、どこの地域でやっても大体三〇%弱ぐらいの方々がこれによって増税になると、そういうふうに言われております。これは財務省の資料と全く違っていて、これは明らかに作為的にやられているんではないのかな。つまり、影響力はほとんどないんだということを言いたいがために言われているような気がしますが、改めてこのデータの根拠、そしてそれの信頼性についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、いろんな調査は、民間でやられている調査は三割ぐらいが掛かるとおっしゃいましたが、私どもは、今回の措置の対象法人数というのは全体では五、六万程度と、これは全法人の約二%強であるというふうに推計しております。これは、今度の措置の適用要件によってどの程度の割合の法人が適用対象となるかというのを中小企業庁、これ、平成十四年十一月に行った経営戦略に関する実態調査、それから国税庁が会社標本調査等々で行っております統計ですね、私どもはこれは精度の高いものだと思っておりますが、そういうものを用いて推計を行った結果でございます。 それで、今委員は全法人の約三割が対象になるという主張があるとおっしゃっておりまして、私どももそういう見解があるのは承知しておりますが、これは無作為抽出の統計に基づくものではなくて、欠損法人割合が約七割という高い欠損法人を抱えている我が国の同族会社の特徴を必ずしも適切に反映していないんではないかと、これはアンケート先が必ずしもそういう状況を反映していないところに調査をされているのではないかと考えておりまして、その結果、同族会社で課税所得のある会社がそもそも七十四万社、これは法人全体の約三割にすぎないわけでありますが、そのほとんど、あるいはこれを超える数の同族会社が今般の措置の適用を受けるというのは、私どもからしますと、どう見ても、何というのか、正確な根拠があるとは思いにくいわけでございます。
○櫻井充君 まあ、これはちょっと水掛け論になりそうなので、済みませんが、そのサンプルの取り方というんでしょうか、それを後でもう一度資料をいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 その上で、なぜ今私はその法人と個人を分けるべきなんだということを申し上げたのかというと、この国の制度の、僕は最も悪いのは連帯保証人の制度だと思っています。 例えば、この委員会の中でも竹中大臣が、要するにこれからは企業に融資する際に企業だけを見ないで、その社長の財産とかそういうものを見ろと。社長の財産というのはあくまでもまた担保主義であって、連帯保証人を取れと言っているだけの話であって、何も変わらないんだろうと。そして、今のこういう御時世の中で、自殺される方々がお気の毒なことにどんどん増えていて、しかも経済苦のために自殺されている方が随分いらっしゃるわけです。 これはかなり個人に対して、法人と個人を切り分けることなく、例えば私なら私の企業の保証をしてくださいとお金を借りにいった際に、例えば谷垣大臣がどこかの社長さんだったとすると、もし仮に有限会社を経営されたとすると、本当は企業とすれば有限責任であるにもかかわらず、もし個人保証をされると無限責任になってしまうんですね。ですから、それは本来であると、僕は個人が保証するべきではないんじゃないか。後でちょっと提案させていただきますが、しかしその前提となるのは、個人と法人というのは全く別物なんであるということを前提に議論していかないと僕はいけないんじゃないかと、そう思っています。 まずそのところで、まず前提となるちょっとデータを教えていただきたいんですが、まず、最近の自殺者の中で経済苦を理由に自殺されている方々が増えていらっしゃるのかどうか。それともう一つ、分かれば、この中で連帯保証人になっている方がどのぐらいいらっしゃるのか、数字があれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(竹花豊君) お答え申し上げます。 平成十六年中における自殺者数は三万二千三百二十五人でありますけれども、このうち負債、倒産、生活苦等の経済生活問題を理由とした自殺者の数は七千九百四十七人となっております。ちなみに、平成十五年は八千八百九十七人、平成十四年は七千九百四十人などとなっているところでございます。 また、連帯保証人になったことが理由となった自殺者に関する統計はございません。
○櫻井充君 ありがとうございました。 まあいずれにしても高い水準を維持しているんだろうと、そう思います。 私は連帯保証人の制度をやめた方がいいと思っていますが、両大臣はいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 連帯保証人の制度をやめてしまえというふうには私は思っておりません。 仮に個人と企業ですね、会社、切り分けてやるにしましても、仮に会社に全く資産も信用もない場合はなかなか資金調達の道が少ないというのは現実にはあると思います。しかし、それはだから連帯保証人をやめろということで解決するのではなくって、もう少しほかの制度的な枠組み、ノンリコースローンをどうするのかとか、あるいは場合によっては政策金融みたいのの活用の余地もあると思います。現に政投銀、国民金融公庫でもそういうものを考えてきたわけでございますが、そういう中で対応すべきものなのではないか。 連帯保証の弊害もよく承知はしておりますが、今法務省等々でどういう対応を考えておられるか私よく存じませんが、なくしてしまったときにはまた、なくしてしまった問題点もあろうかと思っております。
○国務大臣(与謝野馨君) 私の選挙区でも、親友から言われて連帯保証人になって、判こを押して、結果は大変な目に遭っているっていうケースが、まあ幾つか私は知っております。 本来、銀行、金融機関の金融仲介というのは、担保を何持っているか、あるいは連帯保証人がだれがなってくれるかということよりは、やはりその会社がどういう事業をやっていて、将来性があるかどうか、そういうやはり会社の実態を審査するということが本来の金融仲介の私は使命だと思っておりますが、日本の金融機関はやっぱり担保主義とか保証人主義とかって、そういうやり方でやってきた。そういう意味では言わば審査能力がないというか、あるいはそういう経営姿勢が足りなかったというか、そういう弊害というものは、バブルがはじけた後、我々、実際見てきたわけでございます。 しかしながら、今、谷垣大臣がお答えになりましたように、それじゃ一律、連帯保証という言わば制度をなくすということになったらどういうことが起きるのかと。これは資金調達も困難を窮めるでしょうし、我々としてはやはり、金融庁としてはそういうことは金融機関に求めるわけには直接にはまいりませんけれども、やはり過度な担保、保証依存の融資態度というのはやはり直さなければならないということを金融機関には気持ちとしては持っていただきたいと思いますし、また、連帯保証人をつくりましたときには、連帯保証をされる方に十分な説明、これもする必要がありますし、また書面等を交付して連帯保証人の責任を明らかにした上でのやはり連帯保証契約でなければならないと私は思っております。
○櫻井充君 両大臣とも、要するに融資が受けられなくなるんじゃないか、受けにくくなるんじゃないかという御答弁ですが、なぜ連帯保証人じゃなきゃいけないんですか。なぜ保証人では駄目なんですか。与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 連帯保証人は、これは弁護士である谷垣大臣に聞かれた方がいいと思うんですが、連帯保証人の方がはるかにいろいろな制限が付いているわけでございまして、そういう意味では取立て側に有利な法律構成になっていると、こういうことで金融機関は連帯保証を求めているんだろうと思います。
○櫻井充君 済みませんが、連帯保証人と保証人の違いが分からずに、なぜそのような答弁をされるんでしょうか。なぜその連帯保証人じゃなければ駄目だというお話をされるんでしょうか。 今日はちょっと時間がないので御説明させていただきますが、催告の抗弁権と検索の抗弁権と分別の利益と、大きく言えばこの三つがないというのが連帯保証人と保証人の大きな違いなんだろうと、そう思います。 実はそういう制度があって、例えば分別の利益が一番分かりやすいんですけれども、三千万円の連帯保証人になりましたと、三人でなりましたと。もうその瞬間に、銀行、まあ銀行とは言いませんが、お金を貸した側はだれかにもう金を返してくれということを言いに行けるわけですね。そうすると、その一番お金の持っていそうな人が三千万円立て替えなければいけないというのが実は連帯保証人の制度でして、分別の利益があれば、自分は一千万まで、一千万円の支払と、保証だけすればいいことになるとかですね、それから、例えばもうやみくもにその金を払えと言われたときに、例えば、まあ私の連帯保証人なっていただいたとすると、櫻井にだって少ないながらも財産もあるはずだとか、それからあそこに土地があるんだから、あそこから、まあ本当にあるかどうかちゃんと調べてこいとか、あそこから最初に金を取ってから我々の、保証人のところに来いと保証人はきちんと言えるわけですよ。まず、そういった制度があるんですから、連帯保証人をやめるということそのもの自体、私は極めて簡単なことなんじゃないのかなと、そう思っています。 私がこの間コピーの機械を事務所で借りるときにどうなったかというと、連帯保証人になったんですね。これは恐らくここにいらっしゃる皆さんが自分の事務所にリースで何かを借りられているときには全員連帯保証人になられていると思いますよ。この国で保証人と言ったときには、保証人じゃありません、みんな連帯保証人なんですよ。だから、私はまずその制度そのもの自体を変えることは可能なんじゃないか、保証人という形にまず一つは変えることは可能なんじゃないかと、そう思います。 今日は法務省からも来ていただいていますので、その辺のことについていかがお考えか、法務省の見解を求めたいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) 当初、委員が御指摘のとおり、保証人が、個人保証をした保証人が企業の保証をする、連帯保証をすると。で、企業が破綻した場合には経営者が個人の生活まで破綻してしまって、お気の毒なケースでは自殺まで至るというような問題があることは承知しております。 そこで、この問題について平成十六年に民法を改正いたしまして、保証人が、個人の保証人が予想を超える過大な責任を負うことがないようにするために、融資に関する根保証契約であって保証人が個人であるもの、これ民法上は貸金等根保証契約と命名しましたが、この貸金等根保証契約につきましては、極度額の定めのない根保証契約は無効とするというルールを設けましたし、根保証契約における保証期間を制限する趣旨で、契約締結日から五年後の日よりも後の元本確定期日、つまり保証期間が五年より長いものは無効であると、その保証期間の定めがですね。で、定めがない場合や無効な場合には三年後の日を元本確定期日とする、つまり保証の最大の期間を三年としてしまうというようなことにいたしました。さらに、主たる債務者や保証人、連帯保証人も含みますが、について債務者が、その財産の差押えをしてきた場合や破産になっちゃったような場合には、これ以上保証責任が膨らまないという元本の確定事由を設けるというような民法改正を行ったところでございます。 それで、この保証人というのは、この民法上の立て付けでは、保証の中に連帯の特約があるものをまあ連帯保証人といっています。保証と連帯保証と別々の制度としてあるんではなくて、保証人のずらっと規定のある中で一連の連帯の特約がある場合には更にこういうルールが加わりますと、こういう規定があって連帯保証人と言われるものになっていて、その内容は先ほど委員御指摘のとおりでございますが、したがって、今のこの民法改正もすべて連帯保証にも適用されるということでございますので、取りあえずはまず個人の連帯保証人が過度な責任、特に企業の保証をした場合に過度な責任を負うことがないような手当てをして、昨年の四月一日から施行して、まあようやく一年たったというところでございます。
○櫻井充君 まあ、いずれにしても、連帯保証人と保証人は全然違うんですね。ですから、その部分に関して、まず保証という点だけでいえば何も連帯保証人でなくてもいいはずなんです。ですから、改めて与謝野大臣にお伺いしますが、もし、先ほどの御答弁のとおり金融機関が貸出しがというお話ですけど、しかしこれは別に連帯保証人じゃなくて保証人でも構わないんじゃないですか。
○国務大臣(与謝野馨君) これは貸手の判断であろうと思います。貸手はより確実に元本等を回収しようとしますから、当然のこととして、連帯保証人と保証人とどちらが有利かといえば、先生が先ほど詳しく御説明くださったように連帯保証人を相手に物事をやった方がはるかに有利ということで、恐らく貸手の方は連帯保証人というものをそういう観点から選択をしていると思っております。
○櫻井充君 貸手と借り手が対等の立場にあるんだったら、それは今大臣のお話しされていることもそれは納得できるところなんですね。 ところが、これは数年前に内閣府の方でやられた調査で、いかに企業とその貸手側と立場に優位性があるか、独占禁止法上抵触するんじゃないかというぐらいのデータを取られているはずなんです。それに対して、何か是正されたことはあるんでしょうかということを前にお伺いしたら、何と言われたかというと、これはアンケートをするためのアンケートだと。要するに、その後是正をするために、何かをするためにやったんじゃなくて、現状を調査するための調査だったというお話でございました。 いずれにしても、そういう実態の中で企業とそれから銀行との関係があるということを考えてくると、私は、私はですね、行政側から少なくともまず保証人にするべきなんだという意見を出すべきではないのかと、そう考えています。 しかし、もっと、更にもう一歩進めると、保証人という制度ではなくて、保証企業という制度に私は変えていくべきではないのかなと。つまりは、Aという企業があって、その企業に対して、Bという企業を経営している経営者に対して大体は連帯保証人になれと、若しくは保証人になれと言ってきます。しかし、そうすると、先ほど申し上げたとおり有限会社であっても無限責任を負わされることになってきてしまうので、むしろBという企業が保証会社になりますという。その会社同士のやり取りなんだから会社同士での保証という形にしてくると、その個人は、私はですが、個人に対して例えば個人の財産をすべて奪われるとか、そういうことではなくなってくるんじゃないのかなと、私はそう考えているんですね。むしろその方が企業活動としてもやりやすいんじゃないか、私はそう考えますが、与謝野大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(与謝野馨君) それは、資金調達という面から申し上げれば難しさが増すということだろうと私は思っております。
○櫻井充君 資金調達を難しくすると。だから、今個人がかなりの被害を受けているにもかかわらず、それでいいんだということには私はならないと思います。 今日はちょっと時間がないので、もう一点。谷垣大臣が先ほど公的金融機関をというお話をされました。しかし、こういう状況の中で、中小企業に対しての融資がまだ減っている中で、公的金融機関が整理されようとしてきています。貸出残高だってGDPの半分にしなきゃいけないと。実態がどうなっているかも考えずにいきなり半減だと、そういう形になってくる今の政府の方針に対して、大臣いかがお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今までの議論も、今まで果たしてきた機能は生かしていくという議論になっておりますので、その中でやはり適切に対応しなければならないと思います。
○櫻井充君 そこの中で、中小企業庁にまずお伺いしたいと思いますが、現状、民間の金融機関が十分貸し出せているとお考えでしょうか。そして、もう一つは、公的金融機関が果たしてきた役割というのは私は極めて大きいと思っていますが、その今回の改正においてきちんとした役割を担えるとお思いでしょうか。 もう一点申し上げると、商工中金は、今回は要するに郵政民営化の流れの中で入口と出口の整理だと言っていますが、商工中金は実は財投機関ではありませんから全く関係ないんですね。この全く関係ない機関が完全民営化か民営化かという言葉では揺れていますけれども、言っていること、言っている、まあやられていることが実は、あくまで小泉総理からして見れば形上改革をするようなことになっているけれど、実体経済にとって僕は何のプラスにもならないんじゃないのかなと、私はそう考えています。 中小企業の立場から見て、今回の公的金融機関の整理、統廃合についてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(西村雅夫君) お答え申し上げます。 昨年末に閣議決定されました行政改革の重要方針におきましては、中小零細企業、個人の資金調達支援につきましては、統合後の政策金融機関の重要分野の一つとされておりまして、中小公庫及び国民公庫の中小企業向けの政策金融機能につきましては改革後もきっちり残すこととされているところでございます。 また、商工中金につきましては、所属団体中小企業向けフルバンキング機能を行う金融機関として完全民営化するとなっておるところでございますが、商工中金につきましては、中小企業向け金融機能を維持するために、しっかりとした措置を講ずることが重要と考えております。 こういたしましたように、政策金融改革につきましては、中小企業の方々が不安感を抱くことのないようにしっかりと努力してまいることが重要と考えているところでございます。
○櫻井充君 改めて行革担当の方にお伺いしますが、これは大企業は、大企業は政府系の金融機関の役割が終わったと、ここは僕はまあ納得はしてるんですね。ところが、中小企業に関して言ったらどうかというと、まだまだ間接金融に頼らなきゃいけない実態がある。それからもう一つ、今後日銀のゼロ金利政策が解除されたときに一番影響を受けるのは、間接金融を主体としているこれ紛れもなく中小企業であると。そういうことを考えてくると、今のこの時期にこういう公的金融機関の整理統廃合しなきゃいけないことなんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正徳君) お答え申し上げます。 ただいま西村次長の方から答弁させていただきましたけれども、今回の政策金融改革におきましては、中小零細企業、個人の資金調達を支援する機能、これを政策金融として残すということで位置付けたところでございます。 今回の場合、中小企業金融公庫の融資業務のうち、一般貸付けということからは撤退いたしますけれども、この中小企業施策の中に明確に位置付けられました政策誘導を行います貸付けは新政策金融機関にしっかりと承継させるということでございます。また、商工中金につきましても、所属団体中小企業向けフルバンキング機能を行う機関として完全民営化するということで、その機能の根幹を維持しつつ完全民営化をするということでございます。 ただいま私ども具体的な制度設計を行っておりますけれども、借り手側の視点にも立ちまして、また、これまで政府系金融機関が担ってまいりました中小零細企業の資金調達支援機能を新政策金融機関にしっかりと残すということで制度設計を進めてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 そこの会議の中で、中小企業の代表者の方々はみんなこれをきちんと残してくれと言っているにもかかわらず、そういったことがまず報告すらされていなかったという事実があるようでございます。そういうことで、本当にまず機能そのもの自体がきちんと残せるのかどうか。 もう一点。民間でやれないところを官で補完するということになれば、まず、民間の金融機関が一体どういう状況になっているのかということをまず把握すること、そして把握した上で、その上で、例えばこの部分はきちんと融資をしなきゃいけないから何兆円規模の融資残高になりますねという議論をするんなら私は分かりますよ。しかし逆じゃないですか。官の公的金融機関の融資残高を、じゃ今回の目標は何兆円に定めますというやり方そのものは、今の答弁とは全く違う方向で、形先にありきじゃないですか。これで本当に機能が維持できるとお考えですか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 私ども、今回の制度設計に当たりましては、中小企業団体の方々、またそれから民間金融機関の方々からもいろいろと意見を承っているところでございます。中小企業団体の方々からはしっかりと機能を残してほしいというところでございまして、私ども、そういう意見を踏まえて今制度設計を行っているところでございます。 それから、先生御指摘のございました、今民間金融機関の実態どうなっているかということでございますけれども、私ども統計的に見ますと、二〇〇〇年の末には中小企業向け融資規模、二百九十兆円ほどございました。先生御案内のとおり、二〇〇四年末には二百二十六兆円、また二〇〇五年末には二百二十五兆ということで、かなり減ってまいりましたけれども、だんだんと底を打ってきているかということでございます。 昨年の経済財政諮問会議におきまして全国銀行協会からヒアリングは行ったところでございます。その際、全国銀行協会の方からは、不良債権集中処理期間が終了し、民間金融機関の機能が回復しつつありますと、民間金融機関としても中小企業向け融資ができる体制は既に整備しているという旨の説明があったところでございます。私ども、民間金融機関が、このヒアリングにおいて述べられましたとおり、中小企業向け融資に積極的に取り組まれることを期待しているところでございます。 また、このような民間金融機関の活動を支援といいますか、するために、中小企業金融公庫の業務のうち証券化支援業務、また信用保険事業、これも新政策金融機関にしっかりと引き継ぐということでございまして、このような制度設計を進めてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 今の御答弁で本当に中小企業の実態を理解されているのかどうか、私には分からない点が多々あります。 中小企業を僕は守ってくれと言う気は更々ございません。要するに、経済が活性化していくためには大きな企業を育てていかなきゃいけないわけであって、元々最初から大企業ができるわけじゃありません。小企業があって、中堅企業になって、大企業になっていくということ、その企業を育てるという点でいうと、今の政策で本当にいいのかどうか私はもう疑問でならないわけです。例えば、先ほどの同族法人の課税の問題にしても、それから連帯保証人の制度にしても、公的金融機関の制度にしても、全くみんな同じです。 もう一点、今度は年金についてお伺いしたいと思いますが、ゼロ金利政策によって、私は、ゼロ金利政策によって年金の運用利回りが悪かったと、そのことが、要するに少子高齢化社会の中で、少子高齢化社会だから年金の保険料の引上げが必要だという話になってます。これはまず確かに一つ原因はあります。ですが、もう一点問題は何かというと、年金の積立金の運用利回りが低かったことが年金の保険料の引上げにつながっていったんではないのかと、そういうふうに考えております。 その点について、日銀はいかにお考えでございましょうか。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。 生命保険会社や年金といった機関投資家が超低金利が継続している状況の下で厳しい運用環境に直面したことについては私ども十分認識しております。ただ、低金利政策の評価は、これは利子所得という面だけではなくて、借入金利の低下を通じまして企業の投資活動に与える好影響などを含めまして、経済活動全般に与える効果を総合的に判断する必要があるというふうに考えております。 年金の運用資産は、これは預貯金だけではなくて、株式等様々な資産に運用されているわけでございますけれども、金融資産の収益の源泉はこれは言うまでもなく経済活動から生まれる収益でございます。したがいまして、経済活動が全体として活発化することは、株式を含めた金融資産の収益性、ひいては機関投資家の投資意欲を高めることにつながってくるというふうに考えられます。 そうした意味におきまして、日本銀行の行う金融政策という面では、経済・物価情勢に応じまして適切な金融政策を行い、物価安定の下で持続的な経済成長に貢献していくということが最も重要であると思ってまして、そのような考え方の下、金融政策を運営しているということでございます。
○櫻井充君 おっしゃっていることはもっともでして、そのバランスの問題として果たしてどうなのかということでございます。 先ほど、午前中の広田委員の質問に対して与謝野大臣が、全体のことを考えなきゃいけないんだというお話がございました。そこの中で、全体のことで僕は与謝野大臣にちょっとお伺いしておきたいんですが、民間の企業は、確かにゼロ金利政策によって金利負担というもの、そのことについては負担を軽減されました。ただし、ただしですね、借り換えたりなんかをした場合には条件変更債権という形で不良債権になってしまうので、なかなかその金融庁の、これは竹中さんが決めたルールですが、その条件変更ができ難かった。そのために、金利そのもの自体が本来であればもっと引き下げられるはずだったのに、その恩典はなかなか受けられなかった、これがまず一つ実態でございます。 その上で、ゼロ金利政策のおかげで、今度は年金の保険料が引上げが決まりました。年金の保険料の引上げが決まって、例えば毎年一兆円ずつ増えていくわけです、今後毎年ですね。例えば、今百六十兆円、もうちょっとあるかもしれません、その積立金の運用利回りが仮に四%を上回っていたとすれば、年間六兆円ずつプラスになるわけです。そうすると、一年間、今の制度設計上でいえば、一年目が一兆円、二年目二兆円、三年目三兆円と徐々に上がっていくわけですが、少なくとも三年間はこういう改正をしなくて済んでいるはずなんです。これは、一年間見ただけでそういう数字。つまりは、もっと長いスパンで見れば、年金の保険料そのものの引上げというものをしなくても済んでいたのかもしれないということです。 企業にとってみれば、ゼロ金利政策で確かに金利の面で恩典を受けていることはあります。これは認めます。しかし、一方で、今度は副作用である年金の運用利回りの低下によって今度は社会保障負担という今度はもっともっと重い負担がこれからずうっと先強いられることになっていくわけですよ、いいでしょうか。企業の場合においては、利益が出れば法人税ということで法人税を払うということになります。しかし、しかしですね、社会保障負担は利益が出ようが出まいが、これはずうっと重くのし掛かってくることになるわけです。 そういう意味において、この全体のところを見てきたときに、ゼロ金利政策の是非、特に社会保障を中心とした、もう一つ中小企業を中心として見たときに、この政策の是非について大臣はいかがお考えでございましょう。
○国務大臣(与謝野馨君) 多分、量的緩和政策もゼロ金利政策も余りよその国では見られない私は政策であって、そういう意味では異常な事態におけるやむを得ない選択であったと思っております。これは、金融政策自体は日本経済の再生とともに徐々に正常な道に戻らなければならないと私は思っております。 そういう意味では、例えば一般の国民の方々が普通の銀行に定期預金をしたときにほとんど取り分はゼロというのは、これは異常なことだろうと私は思っておりまして、そういう意味では、定期預金の金利、預金者の金利を含めて、言わば資金を提供している側に社会的な何がしかの配分がある社会の方が私は正しい社会だろうと思っております。
○櫻井充君 よく分からなかったんですが、改めてもう一度お伺いしますけれども、では、要するに、このままいくと社会保障負担、租税負担に対して、これは家計部門もそれから企業部門も耐えられる、耐え得るんでしょうか。 つまり、社会保障給付費でいうと、二〇二五年には今の倍ぐらいに引き上がってきます。だから医療費の削減だと、そういう理由も分からないわけではありませんが、しかし、いずれにしても社会保障負担が倍になる、まあ給与所得がどの程度まで上がるのかはよく分かりませんが、少なくとも今の水準よりははるかに多くなるでしょう。そして、まあどの程度の増税になっていくのか分かりませんが、租税負担よりも社会保障負担の方が重くなっていくんじゃないだろうかと、今のままの伸びであれば間違いなくそうなります。昭和四十五年当時と比較すると、租税負担が一・二倍、社会保障負担は二・五倍を超えるぐらいの勢いで伸びているということを考えれば、もうこれは当然のことなんじゃないのかなと、そう思います。 ただ、いずれにしても、そういう負担を強いられて、果たして企業なり、それから家庭なり、そういうものが運営できていくのかどうか、まずそのことについて大臣はいかがお考えでございましょう。
○国務大臣(与謝野馨君) 多分、先生の御主張は、百六十兆もお金がたまっているんだから、それが仮に四%ぐらいの金利で回れば随分お金を生み出すじゃないかと。これは実は、金利というのはそう人工的に生み出せるものではなくて、やはり日本人がつくり出す付加価値をみんなで分けているということですから、分ける付加価値が少なければ最終的な金利の配分というのは少なくなってしまうということで、これはむしろ人工的な政策でどうにもなるものではなくて、やはり日本の経済がどういうことなのかということで金利水準というのは決まってくる。 また、百六十兆ものお金をちゃんと回せといっても、それだけの商品がなければ回らないと、これはそうだろうと私は思っております。
○櫻井充君 大臣、だってゼロ金利政策というのは人工的にやったものですよ。これはだれも、市場が決めたわけでも何でもなくて、これは日銀が決定したことじゃないですか。そして、そこの部分の調整をすることが可能だからこそ、インフレであるとか、それからデフレであるとか、それを抑えることができ得ると。できるかどうかはまあなかなか難しいわけで、できる可能性があって、そういう政策を取られているんじゃないですか。まあいいです。 それで、済みません、年金についてもう一点、厚生労働省に質問したいと思いますが、今の年金の運用のポートフォリオがある種固定されてきてしまっているので、そのために運用利回りが上がってこないという点、僕は大きな問題なんだろうと、そう思います。 すべてを株式投資に回せとは言いませんが、ある程度有利な部分で運用しないと、いたずらにその保険料を引き上げていくということだけにつながってしまうんじゃないかと思いますが、厚生労働省、いかがでございましょう。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 今、最後に委員、保険料の引上げという点についてお触れになりましたので、先ほど来の議論でございますが、いわゆるゼロ金利政策が今般の保険料引上げというものの主たる原因になったのではないかというふうには私どもは全く考えておりません。少子高齢化の対応のために必要な財政安定化措置であると考えております。 ゼロ金利政策が働いている間じゅうも今御質問ございましたような、年金にとって大変大事なことは、長期にわたる給付と負担のバランスの中で持っている積立金の実質的な運用利回り、すなわち賃金連動型の賦課方式を旨としております公的年金ですので、名目賃金上昇率を少し上回る実質運用利回りをどう確保するかということがポイントでございます。その意味では、平成十年以来、実質的な運用利回りは二%以上をキープしておりますし、近年ではもっと高いところをやっております。 そういうような結果が出ておりますのも、今御質問にございましたような、長期にわたる運用の基本として基本的な資産構成割合というものを定めて、それを頻繁に短期的に変更するという動作を取らないということが五年、十年、二十年という長いタームで一定の所期の目的の運用利回りを実現するものであるというふうに考えているからでございまして、この間の経済変動の中でも大変厳しい運用環境の時期もございましたけれども、こうしたポートフォリオを中心とした運用体制というものによって現在良好な運用利回りを得て、持続可能性のある年金制度としての仕組みに一助となっているというふうに理解をしております。
○櫻井充君 この点は厚生労働省が認めるわけがないんですね。それは自分たちの政策を否定することになるからです。 じゃ、済みませんが、資料要求しておきますが、あのバブルのころに民間の資金の運用利回りは何%だったのかと、そして年金の運用利回りは何%だったのか、まず出していただけますか。 そしてもう一つ、その当時の運用利回りとなぜ今の運用利回りとでもう一つ差があるのかどうか。実は、これはまだ私、きちんと調査しておりませんから定かでないので、ただ、一応ある方から話をお伺いしたのは、少なくとも年金の運用利回りは民間の運用利回りよりもはるかに低かったと、バブルの当時ですね。バブルの当時などはもっと本当は増やせたはずなのに、そのことについてきちんと運用されていなかったと、そういうお話もございました。 今の答弁が、今そのような形で答弁されるのであれば、この問題はとことん闘わせていただきますので、よろしくお願いしたいと、そう思います。 もう一つ、本当は大きな問題をお伺いしたかったんですが、それは何かというと、いわゆるノンバンクのグレーゾーンについてどうしていくのかということなんです。 ただ、これはちょっと時間が掛かるので後日にしまして、谷垣大臣に、今後、僕は必要なら増税はしなきゃいけないと、そうは思っています。しかし、今のままいけば年金の負担などこれはもう自動的に毎年毎年引き上がっていくと。そういう状況を考えてくると、国民負担率というのは一体どこまでが可能なのかということを考えていただかないと、なかなか増税増税というのは難しいんじゃないかと、私はそう思っています。 そしてなおかつ、平成九年に財政再建をやりましょうといったときに、消費税を三%から五%に引き上げた、それから特別減税を打ち切った、医療費の窓口負担、サラリーマンの方々の負担を一割から二割に引き上げた。国としては九兆円ぐらいのプラスになっているはずなんです。ところが、赤字国債の発行額はわずか三兆円減らせただけでして、つまりは、本来であれば制度設計上九兆円国としては増えるはずなのに、わずか三兆円減らせただけですから、三兆円のプラスにしかなっていないということなんだろうと思っているんですね。 これは平成十三年以降も同じでして、小泉改革の後に税収は二年間でたしか九兆円ほど落ち込んでいるはずなんです。このときも、実は医療費の窓口負担が二割から三割に引き上げられるとか、それから政管健保の保険料が引き上げられるとか、様々な負担を強いた結果どうなっているかというと、この国の財政そのもの自体は悪くなっているということを二回経験しているんですね、この十年間の間で。 そこの中でどういう形で増税していく、どういう形で国民負担を求めていくのか、どの時期に求めていくのかということをきちんとしていただかないと更に財政は悪化していくんだろうと、私はそう思っているんですね。 その意味で、先ほど大塚委員が僕はもう一つすごくいい指摘をされたと思いますが、ああいう無駄な事業費を削減していただいて、社会保障負担の方にある程度の税金をもう少し回していただくようなシステムをつくらないと、社会保障負担も増えます、租税負担も増えます、そういう形になってしまうんじゃないのかなと、私はそう思っています。 その意味で、谷垣財務大臣としてはどのような御見解をお持ちなのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の点こそ与謝野大臣の下で議論をしております歳出歳入一体改革の最も大きな眼目なんだろうというふうに思っております。 過去の経緯についてもいろいろお述べになりまして、九兆円本当は余裕ができたはずなのに、実際は三兆ぐらいにすぎなかったということを御指摘になりました。ただ、九兆といいましても、国と地方、両方含めて九兆でございましたから、それと同時に、あのとき起こりました金融危機、まあ不良債権があったということが大きな前提でございますけれども、やっぱり景気対策等に相当使わざるを得なかったということがあろうかと思っております。 今後どうしていくかということでありますが、私は、今、ほかの無駄な経費を削って社会保障にというお話でございました。無駄な経費はやはり徹底的に削らなければならないと思っておりますが、じゃ無駄な経費を削ったらすぐそれを社会保障に融通できるような状況かというと、必ずしもそうではないと思っております。 と申しますのは、この近年の歳出項目を見ていただければこれはよくお分かりいただけるように、社会保障は毎年毎年一兆円ぐらいの自然増が続いておりまして、ほかのところは軒並み経費はカットしてきているということでございますから、なかなか、ほかのところもまだ無駄はあると思っておりますが、そろそろ、そう、じゃこれでどれだけ生み出せるかというところも苦しくなってきているのは事実でございます。したがいまして、なかなか、じゃほかを削ったらすぐ社会保障に振り向けるというようなゆとりも少なくなっているというふうに思います。 そういう中で、私どもは、歳出面はもちろんでございますが、歳入面についてもどういう手だてを講じてお願いしなければならないか、これから選択肢も示して議論に供さしていただきたいと思っておりますが、大きな方向として、今まで私どもが議論を積み重ねてまいりましたのは、国民負担率、潜在的なものも含めてやはり五〇%が限界であろうと。それにならないようないろんな手だてを講じていかなきゃならないということでございまして、これ、言い出せば切りがないほど議論がございますので、この程度で、ちょっと概括的でございますが、答弁に代えさしていただきます。
○櫻井充君 ありがとうございます。 うちのかみさんも、この間の私の質問を聞いていて、谷垣さんってやっぱりあんたの言うとおりまじめでいい人でという、そういう話をしておりましたんで、是非よろしくお願いしたいと、そう思います。 今、五〇%というお話がございました。もう時間がないので最後ちょっと言い切りになりますけれども、例えばイギリスは、今、租税負担、社会保障負担で五〇%ぐらい、それからドイツ、フランスが六〇%前後ぐらい、スウェーデンに至っては七〇%を超えています。しかし、これらの国々が日本と決定的に違う点があるんですね。これは二つです。一つは住宅ローンと、それから教育費の問題です。 つまり、ヨーロッパの国々はすべてが国営であって、寮なども完備されているので親の負担がないと。例えば、私にしても、それから谷垣大臣にしても、例えば京都の人にしても仙台の人間にしても、例えば東大に受かったと、これは多分親は一瞬喜ぶだけでして、その後の月々の仕送りを考えると、四年間で多分一千万ぐらい掛かるんだろうと。そういう教育費の負担がある。それから、住宅ローンに関して言ってみても、日本の場合にはアメリカと違って金融資産にならないので、買った瞬間に八掛けになって十五年で減価償却してしまうと。 そういうような住宅の問題や教育の問題を解決しないで五〇%の負担を強いるということになってしまうと、恐らくです、恐らく私の感覚で言うと、家庭はパンクしてしまうんじゃないのかなと。ですから、そういう収入、国の歳入歳出だけ、という問題だけではなくて、是非、家計そのもの自体、全体を見た上での企業の負担やそれから個人の負担などのことについても検討していただきたいと、そういうことを申し述べさしていただきまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。 今日は質問の順番を替えていただいてありがとうございます。あしたの特別委員会の関係で順番を替えていただいてありがとうございます。 最初に、同族会社の役員報酬について質問をいたしますけども、先ほども櫻井さんからございましたし、この前は自民党の中川さんからも的確な議論がございました。そういうやり取りを聞いていても、何といいますか、すっきりしない、分からないのがこの同族会社の役員報酬でございます。 まず、非常に唐突な出し方ではなかったかということがあるわけですけども、現場の人たちは驚いておりますし、不安ばっかり広がっているというのが今の状況でございますが、これは、谷垣大臣自身はいつごろ当局から説明受けて、出すということをお聞きになったんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も当局のつもりでございますが、いつごろこの議論を聞いたのか、ちょっと今はっきり記憶はございません。ただ、私は今の仕事に就きましてから毎年の政府税調等の議論は注意して見ているつもりでございますけれども、この議論に関しては政府税調等でも長い議論の蓄積があったと思います。 それで、今、唐突ではないかというふうにおっしゃいましたけれども、成案を得る過程では中小企業庁、あるいは中小企業団体など実際に課税を受ける方々の、特に党税調で議論をされましたときはそういうことをかなり行われたというふうに承知しております。
○大門実紀史君 議論がいろいろあったのは私も承知していますが、こういう案になると、具体的にこういう案だというのは、谷垣大臣自身も去年の夏から聞いていたわけではないというふうに──聞いておられました。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、今ちょっと首ひねって考えていたんですけど、いつごろ聞いたのかちょっと、なかなか頭の中にない、よく分からないものですから。済みません。
○大門実紀史君 とにかく現場では大変唐突な提案でなっているわけですけども、そもそも論なんですけど、幾つかもう、そもそも論、そもそもそれが分からないというところがございますんでお聞きしたいと思いますが、まずこれ、経費の二重控除をなくすんだという話でございますけども、何が、二重控除しなきゃいけない、二重になっているんでしょうか。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。 やや技術的になって恐縮でございますけれども、まず役員給与でございますが、これは普通であれば、法人の役員給与でございますので、法人から支出される段階で基本的には正に経費になるということでございます。その経費の中を見ますと、一つには、当然のことながら給与として支給されるわけですけれども、その中に、今度は個人に参りますと、個人の段階で、つまりもらわれた方の中で、これは給与所得控除というのが出てまいります。そうすると、給与所得控除というものを見ますと、これは所得税の課税ベースにもならない、法人税の課税ベースにもならないということで、ここのところでは損金として両方とも落ちてくると。したがって、それが俗に言われる二重に控除されている、つまり課税ベースになっていないという理解でございます。
○大門実紀史君 そこのところは一番よく分からないんですけど、オーナーの役員報酬というのは法人としての経費ですよね。その法人としての経費とオーナーの給与所得控除、つまりオーナー自身の経費とが、それが二重に控除されていると、こういうことですか。
○政府参考人(福田進君) 経済活動によって一定の成果が出てまいります。その出てきた成果の中から個人に、つまりオーナーに給与が支払われます。法人段階で見ますと、その部分については課税にされておりません。今度は、個人の中で、もらった個人の中で、その給与収入としてもらった中でどの部分に対して課税されるかというと、基本的には給与所得控除分は課税されないわけです。控除されるわけです。そうしますと、一つの控除を見てみました場合に、一つの金の流れを見ました場合に、二重でその課税の対象になっていないというのが出てくるということでございます。
○大門実紀史君 幾らこうやったってよく分からないんですけども、いや、要するに二重に控除しているというのはこういうことではないんですか。法人において、法人としてもう払われた経費ですよね、役員報酬ですね。それで、法人としての経費だと。で、この図を見て、財務省の図を見ていると、どうもそんな気がするんで、要するに給与所得控除の部分が二重に控除されていると。 つまり、給与所得控除というのは、オーナー社長の個人としての、まあサラリーマンで言えば経費ですよね。それがダブっているということならば、これ私はおかしいんじゃないかなと、そもそもおかしいんじゃないかなと。なぜならば、法人の、まあいろいろ誤解している人もいるようですけど、会社の法人税上、個人の社長といえど個人の経費は引いちゃいけないと厳格に厳しくなっているわけですね。一定のことが設けられているわけですね。だから、そもそも二重控除になってないんじゃないかって素朴な疑問がわくんですが、いかがですか。
○政府参考人(福田進君) 大門先生がおっしゃいましたように、二重控除という言葉、適切じゃなかったと思います。逆に言うと、課税の対象になっていないものが二つあるというふうに御理解いただいた方がいいと思います。 それからもう一つ、私、ちょっとさっき舌足らずになりましたけれども、個人で事業をやっておられて個人の事業所得として申告していただく場合と、個人が法人形態を取り、そしてその個人として給与を受け取られ、全体として見た場合に、両者の間で、つまり個人形態と法人形態を取ることによって実質は同じ形式は違うというところで余り格差が出てくるというのは適切ではないと。かつ、五月以降は会社法、先ほど大臣から御説明がございましたように、そういった形態で法人形態を利用した、言わば租税回避的な行為が起こりがちであるので、一定の歯止めを掛けたいというのが今回の御提案させていただいているものでございます。
○大門実紀史君 いや、皆さんの説明に二重控除ってはっきり書いてあるから。それでこの図を見ると、どう見たって給与所得控除部分はダブって引くことになると。ダブってませんよと私言いたいわけですね。経費という考え方でいくとね。だから、おかしいんじゃないかという指摘をしているわけでございます。これも何かちょっとまた違う言い方されたけど、私が言っている方が合ってるんじゃないですか。 それで、私は、だからそういう考え方がどうして出てくるのかが分からないんですよね。それはもう前提として、オーナー社長なんかは自分の個人的な経費も会社でどんどん落としていると、で、また給与所得控除で経費引くのはけしからぬと、一般的にはそんなふうに思われているようなところを何か不公平を直さなきゃといって言い出し始めて、唐突に、余りこんなことを言い始めたら、今までの法人の役員報酬は一体どうなるのかと思うわけでございますが。 もう一つ、そもそも論ですけども、それじゃ同族会社の役員給与と同族以外の会社の役員給与、これは法人税上経費性として何か違いがあるんでしょうか。
○政府参考人(福田進君) 経費性という意味から言うと、経費になるという意味では私は違いはないと思います。 ただ、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、今般の措置は言わば所有と経営が事実上一体化しております実質的な一人会社におきまして、その法人が支給いたします役員給与につき、これを配当として支払うのか、あるいは役員給与として支払うかについて裁量の余地が極めて大きい。しかも、両者の線引きがなかなか困難であるということを踏まえまして、法人の経費としてそれがいいのかどうかと、この観点から適正化を図ろうとしているものでございます。 で、措置の適用除外となる法人の所得水準の計算に当たりまして、法人の所得、内部留保あるいは配当と、そういったものも考えて役員給与をどういうものを対象にするかというのを今回検討さしていただいたということでございまして、法人の形態あるいは個人形態の税負担の格差など、法人税と個人所得課税の双方を視野に入れながら課税の公平を確保する、つまり個人形態と法人形態の実質的には同じと言っても過言でないような状態、それは形式的に違うと。そのことによって課税の公平が損なわれることのないように両者の公平を確保する、そういうことが不可欠だというふうに認識して提案さしていただいているものでございます。
○大門実紀史君 いや、もうその提案の理由を何度も言わなくていいんですよ。そもそも論を聞いているわけです。 同族会社と同族以外の会社の役員給与は法人税法上の経費性としては何の違いもないということは明らかですよね。どうしてここだけ問題にするのかと。そうすると、政策的に何か今度会社法で一人税金逃れが一杯出てくるみたいだとか、私はそれはそれで問題があるとしたら、やはりもっときちっと、きちっとほかのところで手を打たないとこういう所得税、法人税の概念とかもう今までの議論を全部めちゃくちゃにしちゃって、取りあえずやりやすいような、しかもパッチワークみたいなやり方でやることそのものが、いろんな方も指摘されているように、おかしいんではないかというふうに思います。 もう一つ、現場の感覚からいたしますと、今回、先ほども櫻井さんからありましたけども、そういう人たちだけにこの措置がとられるんだろうかというのがあります。まだいろんな団体がいろんな試算を出していますけども、確かに混乱もあって、計算間違いがあって、掛からないのに掛かると思っているような計算をしてたり、いろいろ混乱はありますけども、私もいろいろ試算しましたが、具体的にそういう一人会社だけではなくて、今まで父ちゃん母ちゃんで頑張ってきたようなところまでこの適用除外にもならないで掛かってしまうというところが実際にケースとしてあります。それは今回の目的ではなかったと思うわけですね。しかし、その辺はどう考えられるんでしょうか。
○政府参考人(福田進君) 今回の措置の趣旨につきましては御説明さしていただきましたので省略さしていただきますけれども、先ほど申し上げました趣旨にかんがみまして、今般の措置におきましては、その法人形態と個人形態の税負担格差が所得水準においてどのように生じるのか、さっき申し上げたことを頭に入れまして、まず対象といたしまして、同族の法人であるというのは当然でございますけれども、その同族の法人の中でもオーナー、つまり業務を主宰する役員、これは一人でございます、及びその同族関係者等がその同族会社の発行済株式等の九〇%以上を保有していると、それをまず着目しております。さらに、オーナーそれからその同族関係者等が常務に従事する役員の過半数を占めているかどうかと。で、実質的な一人会社と言えるかどうかと。そういうのをまず判定いたしまして、さらに過去三事業年度の所得水準が年八百万以下の法人については、これは措置の適用を除外すると。さらに、八百万を超える所得水準の法人でございましても、所得水準が三千万円に達するまでは、オーナー役員への役員給与の支給割合が低い場合、具体的には半分以下ということでございますけれども、その場合には除外するということで、基本的に、個人事業者と比較して、いわゆる節税メリットを享受していると認められる法人を……
○委員長(池口修次君) 簡潔に説明してください。
○政府参考人(福田進君) 措置の対象とすることとしておりまして、このような所得水準に応じた適用除外措置は、これによりまして、同族会社の約九割が適用除外になると私どもは推計しております。 そういったことで、中小零細企業への配慮としても十分な規模となっているんじゃないかというふうに考えております。
○大門実紀史君 今日はまだ時間あるからいいけども、聞いてないことを長々と答えないでもらえますかね。 大臣にそれじゃお聞きいたしますが、今回の目的とは違う人たちに掛かってしまうと。今局長言われたのを承知の上で計算をしてみると、八百万を超えて三千万の範囲で二分の一を超えると。しかし、そんなに、こういう税逃れを目的でやっているわけじゃなくって、まあもちろん法人になるというのは、節税というのはみんな意識してますからそういう部分はあったかも分かりませんが、父ちゃん母ちゃんでやっているクリーニング屋さんとかそういう場合でも、今回の措置でびっくりするわけですね、今までやってきたのに何でこんな急に掛けられなきゃならないんだと。そういう人たちが実際にいますよと、計算すれば、資料ありますけどね。 そういう人たちに対してどういうふうに財務省として答えられるのかを聞いているだけでございます。大臣の方からちょっとお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) まあこれはまじめに、今のお話の中でも、まじめに行っている者がばかを見るようなことはやるなと、簡単に言えばこういう御趣旨だったと思います。 私どもとして、やはり先ほどからの御議論はずっと伺っておりまして、何というんでしょうか、法人と個人というのは本来税制の上では別なものでありますけれども、社会的実態として別でない部分もあるわけですね。社会的実態として、実際上は一体であると。そういうものに絞ろうということで絞ったわけでございまして、先ほどの、まあ二重控除という言い方が不適当かどうかは別としまして、現実に、じゃ、同じような仕事をしておられる方の租税に格差があるというのは、私は実態だろうと思います。 それで、その上に、これは私どもからの今度の五月以降の懸念でございますが、そういうことを目的とした法人成りもやはり防いでいかなきゃいかぬと、こういうようなことから、対象を絞らしていただいてこういう形にしたということになるわけでございます。
○大門実紀史君 私、この適用除外の、先ほど言われたのを、ややこしいですけど、具体的によく考えていくとこういうことですか。そうすると、その父ちゃん母ちゃんで、今回の措置にこの適用除外にならなくて当てはまる人たちがいるとしますね。います、実際にはね。その人たちも、この適用除外というのは、これ、やりようなんですよね。はっきり言ってやりようなんです。役員の持ち株数あるいは常務役員の数を調整する、あるいは所得だって想定できますからね、母ちゃんや息子さん等の給料を調整すればこれ抜けられる、後々抜ける方法は実際にはあるわけですよ、はっきり申し上げて。 で、そんなことを想定されてこの適用除外で大丈夫だ大丈夫だと繰り返されているわけでしょうか。
○委員長(池口修次君) 福田局長。簡潔に答弁してください。
○政府参考人(福田進君) 今回の措置の対象となるのは、今、大門先生おっしゃったとおりでございます。裏返しますと、その条件に合致しなければ適用対象にならないということでございます。
○大門実紀史君 微妙なことを言われましたけれども。 そしたら、もう最初は、まあ前三年、決まってから前三年ですけど、やりようによって、そういう父ちゃん母ちゃんで一生懸命やっているところはいろいろな調整して適用除外になるように努力してくれと、そういうことですか。
○政府参考人(福田進君) 私どもは、先ほどから長いと御指摘がございましたけれども、趣旨は、法人課税と個人課税の間のバランスを取るというのでやらせていただいておりまして、ねらいはそういうことでございます。両者の間のバランスを図るということ。かつ、先生がおっしゃいましたように、今までにやっておられるところで、わざわざそこまで過度に拡張して適用するというところでやっていることではございませんので。 いずれにしてもこれは、法律が施行後、この条件に合致すれば適用になると。それを頭に置いているということでございます。
○大門実紀史君 とにかく、何だかいい加減な話ばっかりでございます。 そもそも、どれぐらいのところが影響を受けるかという話で、大臣は一生懸命、東京税理士会の数字とかは根拠がないと言われますけれども、じゃ財務省が出した数字がそんな根拠があるのかと私言いたいわけでございます。 五、六万社が適用を受けるというふうにおっしゃっていますけれども、この数字の根拠、簡単にもう一遍教えてくれますか。
○政府参考人(福田進君) 簡潔に御説明申し上げます。 今般の措置の適用により税負担が増加する法人の数につきましては、中小の法人全部、二百四十一万社というのを頭に置いておりまして、それに二割を掛け、一割を掛けて五、六万社というのが、これがその簡潔な答えでございます。 それぞれでございますが、同族会社の数が二百四十一万社、実質的な一人会社の同族会社に占める割合が約二割と申し上げましたが、二一・九%でございます。これは、十四年十一月の、中小企業庁が出しております経営戦略に関する実態調査に基づいて出しております。それから、一割というのを、約一割と申し上げましたが、これは同族会社のうちで、先ほど申し上げました所得水準等により適用除外とならない会社の占める割合、これが約一割ということで、今申し上げました三つの数字から五、六万社というのを推計しているところでございます。 なお、それぞれのデータ、特に、それぞれのデータはいわゆる承認統計ということで、有意な数、かつ無作為抽出でやるということで私どもは信頼を置いております。
○大門実紀史君 私は、急いでやられたからこういう取りあえずの、信頼できるとか言われますけれども、ある数字で出されているとしか考えられないんですね。 じゃ、その適用除外になるのを除いて、適用されるのは一割だという、一割という根拠は何なんですか。
○政府参考人(福田進君) 御説明申し上げます。 同族会社のうち、先ほど申し上げました八百万あるいは三千万という数字で適用除外となるかどうかということになるわけでございますので、十五年分の税務統計から見ました民間給与の実態、これをベースに、これ等をベースにいたしまして、今般の適用除外措置においてメルクマールとされます法人の所得又は欠損の金額に損金算入されるオーナー役員の役員給与の額を加算する、あるいは損金算入されるオーナー役員の役員給与の額を推計いたしまして、これにオーナー役員の給与の額を加味いたしまして、それぞれ八割、一割ということを出して、差引きして残りの一割と、こういうふうに推計しているところでございます。
○大門実紀史君 例えば、何と何を割って、何と何を足したら〇・一という数字になるか、示してください。その数字で示してください。
○政府参考人(福田進君) まず、損金算入されますオーナー役員の給与総額の額を平成十五年分の資本金一億円未満の法人の一人当たり役員給与の額、これ加重平均でございまして、六百六十七万として推計をしております。所得水準が、統計によりまして八百万円以下で適用除外となる同族会社の割合、これが出てまいります。八割でございます。所得水準が八百万から三千万以下で適用除外となる同族会社の割合、これを推計して一割ということで、八割と一割、これはさっき申し上げましたように適用にならないわけでございますから、逆に言うと、適用になるのは残りの一割ということで一割の数字を出しているということでございます。
○大門実紀史君 一個一個言いませんけれども、かなり腰だめの数字だと思います。その同族会社の比率だとか何かとか、結局分からないわけですよ、今の段階では、やってみないと。うなずいておられますけれども、やってみなきゃ分からないということですか。──いいです、いいです、もう。 もう一つは、経営戦略に関する実態調査というこの調査そのものが、私の方で中身を見てみましたけれども、実はこの対象になっている会社そのものが通常の、例えば総務省の事業所・企業統計調査等に比べますと、大きめの企業が集まっております。これは、例えばこの調査では、一万三千五百社のうち従業員五十人未満が四千六百九十四ですけれども、これは全体の三五%になります。ほかの統計だと六〇%ぐらいですね。ですから、何といいますか、大きめの会社をターゲットにした調査に基づいてやっているから、先ほど言われました実質一人会社が二一・九%だったというのも、私はもっと多いんじゃないかと。倍とは言いませんが、三割、四割あるんではないかというふうに思います。 いずれにせよ、そういうレベルの数字で影響は少ないとはっきり断言されるのはいかがなものかと思いますし、いずれにせよ、こんな拙速な提案で、よく吟味もせず、何を焦ってこういう小手先のことをやられるのかということを、何かもう本当に貧すれば鈍するといいますか、出てくるものがもっと、税とは何かとか、本来あるべき税の姿は何かとか、そういうものを抜きに小手先で出てくるのが本当にとんでもないことだというふうに思います。それだけは指摘しておきたいと思います。 こういうことではこそくに中小企業から税金取ろうという一方で、資料をお配りいたしましたけれども、片やどうなっているのかというのがこの研究開発減税の問題ですけれども。これは制度が説明は難しいので抜いて、結論だけ大臣にお聞きしてみたいと思いますけれども。 この研究開発減税は、当初から私どもは大企業に有利になるという指摘をしておりましたけれども、当時の塩川大臣は、そんなことないと、みんなのためにあるんだとおっしゃっていましたけれども、根拠も示さないで塩川大臣はおっしゃっていましたけれども、実際やってみて、やっぱり大企業向けの減税ではなかったかというふうに思います。 これはお手元の資料には配っていませんが、結論だけ言いますと、財務省の資料を基に計算をしてみました。結論だけ言いますと、この研究開発減税でございますけれども、十億円以上の企業が九一%活用していると。百億円以上の企業で何と七五%活用しているということになります。これはもうどう見てもほとんど恩恵を受けたのは一部の大企業と、これはもう財務省の数字でそう出てきますけれども、そういうふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに今委員おっしゃったように、大企業と中小企業を比べますと、資金力や納税額等に大きな差がありまして、民間における研究開発活動を大企業がリードしているということは事実でございます。 しかし、中小企業分も平成十七年度租特の減少額は二百億ほどございまして、中小企業における研究開発活動を支援するということも私は大事なことだと思いますので、これは研究開発税制では中小企業に対する控除率を一律で一二%引き上げているというようなこともあることは御理解いただきたいと存じます。
○大門実紀史君 私は、こういう研究開発を促進することは何も反対ではございません。税が苦しい中で、税収が苦しい中でどこから取るかという観点でいくと、中小企業だとかさっきの話だとか定率減税の廃止だとか、そういうことをやりながら、ここだけどうしてこうなのかなという疑問を感じているからでございますが。 今回の見直しでございますけれども、谷垣大臣は、今回の見直しについても答弁されておりますけれども、企業関係の政策減税を大幅に整理することとしており大企業優遇には当たらないというふうに答弁されておりますが、お手元に資料を配付いたしましたけれども、今回見直しが行われます、上乗せ二%のところですね。 普通なら、減税を見直すわけですから、増税になるという話が広がっているわけですけれども、実際にいろいろ計算してみますと、いわゆる超大企業といいますか、トップクラスのところは今回見直されてもほとんど増税になりません。何の痛みにもなりません。 お手元の資料は、研究開発減税の多い上位二十五社について私どもで計算をしてみましたけれども、十社だけですかね、若干増税になりますけれども、残り十五社は変わりません。全体では百億円増の千九百億円弱の減税になってくると。二十五社ですね。このトップが経団連の会長のトヨタだというのもどうもしっくりこないところがありますけれども。 なぜこうなるかといいますと、制度を説明するのを抜きましたんで、簡単に言いますと、研究開発減税というのは法人税の二割が上限となっていると、したがってもう目一杯やっているところは今回の見直しがあっても変わらないということで、こういう超大企業のところはほとんど何も痛みを受けないということでございます。 これ、研究開発減税というのは余り光は当たりませんけれども、言ってみれば、法人税の二割を定率でカットする大企業向けの定率減税でございますけれども、法人税を、ですから三〇%の法人税を二割カットするわけですから、二四%にしてあげるというふうな、法人税の事実上、一部の企業にとっては、減税措置になってきているわけです。法人税率全体を見直すのはいろいろ批判もあるところですけれども、実際には一部の企業にはこういうことがやられているというふうに思いますね。 ですから、谷垣大臣が言われた大企業の、今回の措置が大企業優遇といった批判は当たらないというのは当たらないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、今いろいろ御批判がありましたけれども、民間の試験研究費、インセンティブを与えてどんどんやってもらいたいと思っておりまして、中小企業にもこれはうんと利用していただきたいと思っているんです。 それで、今上乗せ措置のことをおっしゃいましたけれども、三年間の時限措置として実施されておりました総額型の控除率の上乗せは期限をもって廃止すると。他方で、今申し上げたように、民間の試験研究費、やっぱりインセンティブが必要だという観点から、今の研究開発税制における増額、増加型と総額型を統合して試験研究を増加させた場合には、当該増加額に対して控除率の上乗せ、五%ですが、行うというわけございまして、今回の改正の結果、総額型の控除率上乗せ措置の廃止によって千二百四十億の増収、新たな増加額に対する控除率の上乗せ措置によって二百億の減収ということを見込んでおりまして、全体として大幅な整理を行っているつもりでございます。その中で、民間の試験研究費を増加させるインセンティブ、配慮していこうということであります。
○大門実紀史君 申し上げたいのは、私の兄も大企業の研究開発に携わっておりますけれども、高度成長のときと違って、このグローバル化の中でこういう、何といいますか、政策的なものはなくてももう生き残るためにみんなやっているわけで、これは後追いで減税してあげているようなところがありまして、高度成長の昔とは違うわけですね。 その辺もよく判断されて、やっぱり格差が広がっているという中でどこから取るかという問題でシビアな話になってきていますから、こういうものはもっと更に見直すべきだということを申し上げて、ちょっと早いですけれども、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(池口修次君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十九分散会