財政金融委員会 第3号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2006/02/21
会議録
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、尾立源幸君、神本美恵子君、小林正夫君及び林久美子君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君、松岡徹君、松下新平君及び蓮舫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁武藤敏郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について、日本銀行から説明を聴取いたします。武藤日本銀行副総裁。
○参考人(武藤敏郎君) 日本銀行は、昨年十二月、平成十七年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出いたしました。本日、日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼を申し上げます。 最初に、最近の経済・金融情勢について御説明申し上げます。 我が国の景気は、一昨年後半から昨年夏ごろにかけて一時的に成長が鈍化していましたが、その後、この踊り場を脱却して着実に回復を続けています。 この点をやや詳しく御説明しますと、輸出や生産は増加を続けています。また、企業収益は高水準で推移しており、こうした下で設備投資も引き続き増加しています。家計部門では、雇用者数の増加が続き、賃金も増加に転じていることから、雇用者所得は緩やかに増加しています。雇用・所得環境が着実に改善している下で、個人消費は底堅く推移しています。 先行きについて見ますと、海外経済の拡大を背景に輸出は増加を続けていくと見られます。また、企業の過剰債務などの構造的な調整圧力がおおむね払拭された下で、高水準の企業収益や雇用者所得の緩やかな増加を受けて国内民間需要も引き続き増加していく可能性が高いと考えられます。このように、外需と内需、そして企業部門と家計部門がともに回復し、前向きの循環メカニズムが働く環境が整っていることから、緩やかながら息の長い景気回復が続いていくと見ています。もとより、高騰を続ける原油価格やその下での海外経済の動向など、景気に対するリスク要因については引き続き十分注意を払っていく必要があると考えています。 物価面では、物価をめぐる環境は好転を続けています。すなわち、潜在成長率を上回る成長が続く中、需給ギャップは引き続き緩やかに改善しています。ユニット・レーバー・コストは生産性上昇による押し下げが続いていますが、賃金が上昇に転じている下で、ひところに比べ、低下幅が縮小してきています。この間、各種アンケート調査などで見た企業や家計の物価見通しも、徐々に上方修正されてきています。 物価指数に即して見ますと、国内企業物価の前年比は国際商品市況高や昨年後半における円安などを背景に、九〇年三月以来の高い上昇幅となっており、先行きも上昇を続けると見られます。消費者物価(全国、除く生鮮食品)は緩やかな下落が続いていましたが、昨年十一月、十二月と二か月連続で小幅の前年比プラスとなりました。一月以降の前年比は、電話料金引下げの影響が剥落していくこともあって、比較的はっきりとしたプラスになると見込まれます。その後も需給ギャップが緩やかな改善を続け、ユニット・レーバー・コストからの下押し圧力が減じていく中、プラス基調が定着していくと見ています。 金融面では、企業金融をめぐる環境は、総じて緩和の方向にあります。CP、社債の発行環境は良好な状況にあるほか、民間銀行の貸出し姿勢は積極化してきています。また、民間の資金需要は下げ止まりつつあります。こうした下で、CP、社債の発行残高は前年を上回る水準で推移しており、民間銀行貸出しも、貸出し債権の流動化や償却を調整したベースで見ますと、昨年八月に前年比プラスに転じた後、プラス幅が拡大してきています。 この間、地価は全体としては、なお下落傾向が続いていますが、このところは下落幅を縮小しており、都心部など一部の地域では上昇に転じてきています。 次に、最近の金融政策運営について申し述べさせていただきます。 日本銀行は、量的緩和政策の下で潤沢な資金供給を続けております。今月八日、九日に開催された金融政策決定会合におきましても、三十から三十五兆円程度という当座預金残高目標を維持することを決定いたしました。 量的緩和政策の枠組みは、日本銀行が、金融機関が準備預金制度等により預け入れを求められている額を大幅に上回る日本銀行当座預金を供給することと、そうした潤沢な資金供給を消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで続けることを約束することの二つの柱から成り立っています。 こうした政策の効果は、経済・物価情勢や金融システムの状況に応じて変化してきています。金融システムに対する不安感が強かった時期においては、潤沢な資金供給は、金融機関の流動性需要にこたえることによって、金融市場の安定や緩和的な金融環境を維持し、経済活動の収縮を回避することに大きな効果を発揮しました。 現在は、不良債権問題がおおむね克服されたことなどから金融システムは安定を取り戻しており、金融機関の予備的な流動性需要は大きく減少しています。また、既に述べましたように、消費者物価の前年比は足下若干のプラスに転じており、やや長めの金利形成における約束の果たす役割はかなり縮小しています。そうした下で、量的緩和政策の経済・物価に対する刺激効果は、短期金利がゼロであることに伴う効果が中心になってきています。 景気・物価情勢が好転する中で、低金利が維持されていることにより金融緩和の効果は強まってきています。こうした下で、量的緩和政策の枠組みの変更については、今後の経済・物価情勢を十分点検した上で、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)に基づく約束に沿って、適切に判断していきたいと考えています。 以上申し述べましたとおり、日本経済は着実に回復を続けています。内閣府の景気基準日付によると、今回の景気拡大は二〇〇二年一月に始まってから四年を経過しており、景気の拡大期間としては既に戦後三番目の長さになります。先行きにつきましても、緩やかながら息の長い景気回復を続けていくと見られますが、この点については今後とも丹念に見てまいります。地域経済の状況についても、支店における調査などを通じて、引き続きしっかりと点検していきたいと考えております。 日本銀行は、物価の安定を通じて、日本経済が持続的な成長を実現していくことを目指し、金融政策を運営しています。今後とも、先行きの経済・物価情勢の変化をしっかり見極めながら、緩和的な金融環境を維持することにより、物価安定の下での持続的成長の実現に向けて金融面からしっかりとサポートしていく所存であります。 ありがとうございました。
○委員長(池口修次君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十時九分散会