財政金融委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/06/23
会議録
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、片山虎之助君及び大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として関口昌一君及び加藤敏幸君が選任されました。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁福井俊彦君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(池口修次君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行に関する件を議題といたします。 この際、福井日本銀行総裁から発言を求められておりますので、これを許します。福井日本銀行総裁。
○参考人(福井俊彦君) おはようございます。日本銀行の福井でございます。 本日の質疑に先立ち、まず、私の村上ファンドに対する資金拠出に関しまして世の中をかくもお騒がせしておりますこと、さらに、村上ファンドの収益状況や持分の金額などの資料を整えるのに大変時間が掛かりまして、国会を始め各方面に御迷惑をお掛けいたしましたことを改めて深くおわびを申し上げます。 村上ファンドへの資金の拠出をめぐりましては、日本銀行の総裁に就任いたします際にどうして取りやめなかったのかという御批判を数多くちょうだいしております。既に申し上げたとおり、問題のある取扱いではないと、拠出を続けたこと自体は日本銀行のコンプライアンスルールとの関係で問題のある取扱いではないと、しかしながら、結果として世の中をお騒がせすることになってしまったことは大変残念かつ申し訳なく思っております。 今振り返ってみますと、内部ルールとは別に、就任の際に中央銀行総裁としてこの拠出を続けることについてより慎重に判断していれば異なる結論に至ったかもしれないと。巨額の利殖行為を結果としてしたのではないか、中央銀行総裁の行為としていかがなものかと厳しいおしかりをちょうだいしています。これらの点、私の不徳の致すところでございまして、真摯にかつ深く反省をいたしております。 この資金につきましては、既に解約を申し入れておりまして、間もなく資金化されるということでございます。私といたしましては、資金拠出に関する最終処理として、そのすべて、すなわち元金一千万円も含めたすべての資金について私の利益のためには使わない、慈善団体への寄附など、どなたからごらんいただいても御納得のいただける道に振り向けたいと、こういうふうに考えております。 また、保有株式につきましては総裁就任後一切売買しておりませんが、これを仕組みの上でも担保するため、何らかの工夫を早急に施したいと考えております。 今回は、日本銀行のコンプライアンスルールについても様々な角度から御批判をちょうだいしております。この点も重く受け止めなくてはならないと考えております。現在のルールでは内部情報を使った金融資産の取引を防ぐということに主眼が置かれています。しかし、今回問われていますことは、職務の公正性の確保といった観点から、どういう金融資産をどのような形で保有することが許されるのかと、その際の明確な仕組みや情報開示の在り方をどう構築していくべきかといった点でございます。こうした点を含め、役員の金融取引等に関する内部ルール等の見直しを検討いたしますため、一昨々日、六月二十日、行内に特別の検討会議を設置いたしまして、早速第一回目の会合を開催いたしました。外部の有識者の意見や、国内、国外における関連の服務規程等も十分参考にして、精力的に議論を重ね、できるだけ早く答えを出していく必要があると考えております。 冒頭申し上げましたとおり、今回の資金拠出をめぐる私の一連の行動が世の中を大変お騒がせし、また国民の皆様方の強い、厳しい御批判をちょうだいしているということは、誠に私といたしまして遺憾でございます。この点、真摯に反省をいたしております。 こうした気持ちを込めて、最後に、私自身の俸給について、月額の三〇%を今後六か月間自主的に返上することにし、今回の件に対する私のおわびの気持ちを表すこととさせていただきたいというふうに思います。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(池口修次君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。 今、総裁からお話がございましたが、福井総裁の村上ファンドへの出資が国民の皆様から大変厳しい批判の的になっているわけであります。それで、総裁といたしましては、やはり国民感情に対しましてもきちんと向き合っていただかなければなりませんが、総裁に対しましては厳しい批判と同時に責任論ですね、辞めるべきだという声まで出ているわけでありまして、やはり私は、この責任論ということになりますと、まあ単なる感情論ということではなくて、総裁のなされたいろいろな行為、これからきちんと整理をしてちょっと私も申し上げたいと思うんですが、その一つ一つの行為について、どの部分に、どういう点が問題であったのか、やはりここは一つ一つきちんと整理して評価をして、そしてこの責任というものを考えていかなければならないというふうに思います。 そこで、既に明らかにされております総裁の行動に対して、一部は不作為ということなんですが、私は四つあると思います。一つは一九九九年の十月の段階で、正に村上ファンドに出資をしたと、これはMAC投資事業組合に一千万円を出資したという段階が一つ。それから二つ目は二〇〇一年の二月であります。これはMAC投資事業組合が解散をされまして、二百四十二万円の分配金を含めて、総裁の方に元本と分配金が戻されたと思うんですね。それで、次の二〇〇一年の四月にアクティビスト投資事業組合に今度改めて総裁が一千万円を出資していると。ですから、MAC投資事業組合が解散されて、いったん総裁に元本も分配金も戻されて、そして二か月後に改めてもう一度出資をしたと、こういうことだと私は理解をしております。そして、二〇〇三年の三月に日銀総裁に就任をされた際に解約を申し出ないでそのままにされた、継続された、こういうことがあります。これは不作為ということでありますけれども。そして、さらに本年の、二〇〇六年の二月に解約の申入れをされたということでありまして、この解約の申入れにつきましてもいろいろ批判が出ているわけでございますが、この四つの行為がどう問題なのか、どこがどう問題なのか、総裁御自身の分析、評価をお聞きしたいと思います。 総裁は、今おっしゃいましたように、拠出金の元本一千万円及び利益全体を慈善団体への寄附などに振り向けるということをおっしゃっているわけです。これは私は、国民感情からすれば、総裁の対応としてはそういうお気持ちになるんだろうと思いますが、一方で報酬の三〇%を六か月間自主返納されると、こういうことでありますが、これは一種の御自身に対する処分のような意味合いを持つんではないかと思うんですね。報酬のカットというのは、これは通常いわゆる処分という形で行われるわけでありまして、正に今自主的に行われるということでございますが、日本銀行のトップとしての総裁が御自身に課せられた処分というような意味合いを持つものと思います。 ということは、やはり御自身がこの四つの行為、不作為に対してやはり責任を感じて処分をすべきだというような、そういう今評価をされたというふうに思うわけでございますが、この点、どの行為のどの部分にどういう問題があったのか、総裁の御見解を明らかにしていただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) ただいま中川委員からプロセスを御丁寧に四つの段階に分けていただきまして、それぞれの段階について振り返ってどういう評価をしているかと、こういうお尋ねでございました。 私自身、四つの行為、段階の行為を含め、一連のプロセスとして、まず全体に対するやはり強い御批判があるんだろうというふうに受け止めております。その上で、民間時代のことと総裁に就任しまして以降のこととでは、やはりある段差があるかもしれないというふうに思っています。 そういう認識に立ちますと、やはり総裁になりました時点でなぜこれを継続したかと、そのとききれいに解消しなかったかというところが、振り返ってみて私にとりましても一番の反省事項だというふうに思っております。そのときなかなか明確にそういう結論を持つに至らなかったという点については幾重にも不明をおわびしなければならない点だと、そういうふうに思っています。 私自身に対して自らペナルティーを課するとすれば、当然全体のプロセスですけれども、特に今申し上げました点にアクセントが付いていると、気持ちを強いて分析すればそんなことになると思います。
○中川雅治君 今総裁から、日銀総裁に就任された時点で解約をしないでそのままにしておいたということにアクセントを置いて責任を感じておられると、こういうお話がございました。 ただ、もう一つやはり総裁就任後の行動といたしまして批判されておりますのが本年二月の解約の申入れということであります。やはり私は、この解約を申し入れた動機といいますかあるいはお気持ちというものをきちんと明らかにされるということが、これは総裁の名誉のためにも必要なことではないかというふうに思うわけであります。 と申しますのは、日本銀行が量的緩和政策を解除されました三月の言わば直前にこうした解約の申入れをしているということが、中央銀行総裁として一種のインサイダー的な行為ではないかと批判をされているわけでありますが、私は、日銀総裁のお人柄、人間性をよく存じ上げている者として、そういうことは私は全くないとこれは思うわけであります。あり得ないというふうに思います。 で、総裁御自身この点については、村上世彰氏の当初の志が変わってきた、それが限界点に達して解約を申し入れると、こういう行動に入ったというふうに御説明をされておられるわけでありますけれども、それだけではないんではないかなという気がいたすわけであります。 と申しますのは、アクティビスト投資事業組合の業務執行組合員はオリックスで、代表は宮内義彦氏であります。オリックスは村上ファンド全体で出資額を増やしてきて、二〇〇六年三月末で二百億と、こういうことが明らかにされているわけでありますが、このアクティビスト投資事業組合というのは親組合があって、その下に子供の組合があるというふうに私は理解しているわけですが、総裁が出資されたのはその子供の組合であるわけでございましょうが、その組合の恐らく業務執行組合員がオリックスで、オリックス代表宮内義彦氏と、こうなっているのが総裁が出資された組合だというふうに思うわけであります。ただ、その親組合も、これはオリックスが影響力を持っている、そういう組合だと私は理解をするわけでありますが。 オリックスがどんどん出資額を増やしていったと、そういう形で、その経緯を総裁御自身がごらんになっていて、それでやはり中央銀行総裁として出資をこのまま続けるのは適当ではないんじゃないかというふうに御判断をされたということはないのかどうかということをお伺いしたいと思います。 二月の時点で何か判断の契機になるようなことがあったんではないかと思うわけですが、その御事情をもう少し詳しく御説明をしていただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 二月の時点で急に、村上氏の志を急に疑うようになった、あるいは急に疑うようになるだけの具体的な材料がそこにあったというふうなことではないところが、これが非常に難しいところなんでございます。 総裁に就任いたしまして以降は、村上氏の投資家としての行動を一々チェックすべきでない立場にございましたので一々チェックしていないと。それで、新聞等によります一般情報で、彼が本当に志どおり動き続けているのかどうか、この点は非常に気にして感じ続けていたということでございます。 私の気持ちとしては、当初の志、つまりコーポレートガバナンスの改善、企業に対して経営改善の提案をして、企業がそれを吟味して受け入れて実行し、結果として企業価値が上がってリターンが返ってくると。これが、本来の志とおりの行動であればそういうことでございます。これは、言わば、短期的に非常に目立つリターンを上げるということとは少しずれがある。やはり、ある時間が掛かる、時間が掛かって、本当に企業価値が上がった場合にはリターンがあるし、結局、提案どおりにリターンが上がらない、企業価値が上がらなくてリターンも上がらない、そんないろんなケースが出るのが普通じゃないかというふうに私思っていました。 新聞情報等でその後の情報をずっと感じ続けておりますと、やはり二〇〇四年の後半から、特に昨年ですね、二〇〇五年になって非常に短期的なリターンを目覚ましく上げる方向に動きが急傾斜しているんではないかというふうに、何の証拠もありませんが、感じとしてはそれ非常に強めてきていました。それが、今年になりましてその気持ちが非常に強くなって、やはり彼の志を支援するという時期はもう完全に過ぎたというふうな気持ちに凝集したということでございます。 振り返ってみますと、私自身の拠出金の運用実績を見ましても、やっぱり二〇〇四年に少し高くなって、二〇〇五年に飛躍的にジャンプアップしています。中川委員おっしゃいましたとおり、そういう短期的に急激にリターンを上げたという運営実績が、振り返って数字を見ますと、私の気持ちがもう応援する時期は終わったというふうに考える、その気持ちの集積と振り返ってみますと非常に平仄が合っていると、そういうことでございます。 それで、宮内氏との関係は、これ執行組合員というんですか、業務執行組合員がオリックスであると。しかし、私は宮内氏が、宮内さんは宮内さんとして、多分これは私とは全く違う立場、つまり事業家あるいは実務家としてこれにずっと関与してこられたんだろうと思いますので、全く立場が違います。したがいまして、宮内会長が具体的にどういうふうにこのファンドに影響を与えられたかと。ファンドそのものの行動を具体的に私はチェックすべきでない立場、二〇〇三年以降ずっとそうでございますので、同時に、宮内さんがこれにどういう影響力を与えられたかということについては特別の関心を払わずにまいりました。事実を全く知らないでまいっております。二人でこの問題について話したことは、これは民間の時代も含めて全くございません。
○中川雅治君 ちょっと時間もなくなってまいりましたが、昨日の衆議院の財務金融委員会の質疑を聞いておりました。総裁就任後の所得に関する質問が出ておりまして、いかにも総裁就任後も給与所得以外に利殖行為を行っておられて、まあ質問された議員の方は身の潔白を証明していただきたいとまで言われていました。 この点については、二十七日に衆議院の財務金融委員会に詳細を提出されるということのようでございますけれども、もう時間余りないんですけれども、それまでの間にもいろいろ誤解が膨らむということは総裁にとっても本意ではないでしょうから、今ここで明らかにしておきたいことがあれば、残りの時間三分ぐらいでございますが、おっしゃってください。
○参考人(福井俊彦君) 昨日の委員会でなぜあのような質問が出たのか、私には本当に不思議な気がいたしましたけれども、総裁に就任いたしまして以降今日までずっと、私の所得というのは日本銀行からの俸給それプラス、この年でございますので、公的年金等の年金がございます。この合計がほとんどすべてでございます。あとは端数でございます。それ以外の所得と、源と言えるようなものは全くございません。
○中川雅治君 それじゃ、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。 今日は閉会中審査ということで質問させていただきたいと思いますが、日銀総裁、私ももう十五分という短い時間なんで今日は多くのことは、後の櫻井理事からもまた質問があると思いますが。 実は、コンプライアンスという言葉が先日、記者会見の中でも出てまいりました。今もしきりにコンプライアンスルールと、こういうお話ございましたが、総裁のコンプライアンスということの認識についてどんなふうに思っていらっしゃるか、まずお聞きしておきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 私自身と、それから日本銀行の役職員がコンプライアンスとして何を認識しているか、共有しておりますことは二つございます。一つは法令その他のルールを遵守すること、もう一つは中央銀行としての職務の公正性を確保していくこと、この二つが大きな柱になっております。
○峰崎直樹君 そこで、今法令の遵守、これはもう私も当然だと思いますが、職務の公正性の問題をおっしゃいました。今問われているのは、私は日銀総裁のある意味ではその職務の公正性ということに絡んで、実はこの私ども財政金融委員会で六月の十三日、大久保議員がこの質問をしたことから端を発していったわけでありますが、この約一週間、十日間というものはずっと何が問われていたのかというと、私はこの公正性にまつわる信頼感という問題ではなかったかなというふうに思うんです。 どうなんでしょうか、日銀総裁。今問われているのは、日銀総裁の公正性の背後にあるいわゆる日銀総裁に対する信頼感、これが今問われているんだというふうに私は思っているんですが、この点どのように今お考えでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) まず、私はふだんから職務遂行の公正性をおろそかにしてきたというつもりはございません。これに対しては十分配慮し、厳正に取り組んできたつもりでございます。しかし、今回のことによりまして大変世間に御迷惑をお掛けし、あるいは不信感をお招きしたというふうなことは私の本当の不徳の致すところで、深く反省していると、かねてより申し上げているとおりでございます。これから更に十分心を引き締めまして信頼回復に全力を注がせていただきたいと、そういうふうに思っております。
○峰崎直樹君 総裁には日本銀行の総裁として、実は原則的にはもう任命されたらこれはお辞めになる必要はないわけです。つまり、辞めさせることはできないという大変権限が、独立性あるいは権限が与えられているわけであります。 その背景には、政治権力に対するある意味では自立、恐らく今最大の問題になっているのは、いや、ゼロ金利解除はいつなんだろうと、この問題をめぐって政府側、経済財政諮問会議、あるいは政府側との間で恐らく大変市場の関心が高まっているわけであります。その際に、昨日も官邸に行かれたそうでありますけれども、実は総理から様々なお話があったように思います。そうすると、いや、ルールには違反してなかった、これは新しいもっと厳しいルールを作るから、そのことを通じてコンプライアンスのルールはきちんとしたいという、そうおっしゃっているんだろうと思います。違うんですね。信頼感がなくなっていることに対して、実は、それは信頼はこれから取り戻したいとおっしゃっているわけです。私はもう、一回失われた信頼感というのは市場の関係者から見ると、先日どうおっしゃったかというと、これは早めに小刻みにゆっくりと、こうおっしゃった。ところが、昨日になるとこの早めにというのはもうなくなったわけですね。そうすると、一つ一つの発言の背景に、あるいはこれからの行動の背景に今度のいわゆる村上ファンド問題が、国民からももちろん不信感を得ているかもしれないけれども、市場関係者はそういう倫理の問題とかという以上に、対いわゆる金融政策の自立性を進めようとする、あるいは保障されているはずの日銀総裁が著しくこの信頼感を失ってしまったんじゃないのか、私はそこに最大の問題があるような気がしてならないんですが、総裁、その点どのように思われますか。
○参考人(福井俊彦君) 峰崎委員の御指摘の点を私としては心に最も痛切に受け止めているところでございます。うそ偽りなくその点を強く心に受け止めながら厳正に対処をさせていただきたいと、これに尽きるというふうに思います。
○峰崎直樹君 私はもう日銀総裁は、あれ何年だったでしょうか、ロンドン・エコノミストで世界一の中央銀行の総裁だというふうにも評価をされました。私は、もう識見とか人格含めて、それを疑う人はほとんどいないんだろうと思います。しかし、そのことと今回のこういういわゆる信頼感を失ってしまうような出来事を取り戻そうとして厳正にやる、やりますよと言っても、そのこと自身がもう疑われてしまっているんではないでしょうか、日銀総裁の場合は。ですから、金利を七月に早めた、あっ、それはこのことを意識して早めたんだろう、もう言われていますよね。遅らせれば、政府にまあ遠慮しているんじゃないんだろうか。 総裁、これから政治の世界、我々政治家の世界でありますから、当然選挙に勝たなきゃいけない。来年の参議院選がある、統一地方選挙がある。そうすると、この選挙のためには景気を良くしておきたい、まあ人によってはミニバブルが起きたっていいじゃないかと。ゼロ金利を解除しては困る、こういう政治的な圧力が働くかもしれない。それに対して私は、総裁もそうだし九人の審議委員のメンバーも含めて、その点については合議制だからそんなことはありませんというふうにおっしゃられるだろうと思う。違うんですよね、市場の関係者の受け止め方は。正に市場と対話をしなければいけないときの総裁に、絶えずもう色眼鏡で見られ始めた、もう付いてしまったんじゃないでしょうか。だから、これを幾ら私はこれから厳正にやります、今回の問題については反省していますというふうに言われても、実はこの問題については、私は国民にあるいは日銀総裁として市場との対話に、私はもう事実上できない状態になっちゃっているんじゃないかというふうに思えてならないんです。 それは後で恐らくあると思うけれども、私も議事録やいろんなものを見て、総裁の発言がいろいろこうある意味では変わってきています。いろんなことを質問されるがゆえに、いろんなことに対して答えなきゃいけない。真摯に答えられようとされています。それは私認めますが、しかしどうも最初の発言と違うんではないのかな。 利殖行為に走ったことはありません、とおっしゃっても、先ほどお話があったように、九九年から入って一年ちょっとで一回解約されて、現金入ってきています。もちろんこれは、現金はどこかに保管していたというふうにおっしゃっていますけれども、しかし一回はやはりその利益が上がってきているわけですね。かつては、それはそういうことはなかったというふうにおっしゃっていた。そういう答弁もそうでした。 あるいは、村上ファンドに対して、実は記者会見の中でも、村上さんからお金を出してくれという要請はなかったとおっしゃっています。ところが、ほかのところでは、富士通総研の仲間と村上さんとが一緒に議論したところで、ええ、実はないのはお金がないんですと、困っているんですというふうに村上さんが発言して、おい、それならみんなこれを出してやろうじゃないかと、こういう発言だった。これもどうもちょっとつじつま合わないねと。 こういう問題、私、そのことを一つ一つとやかく取り上げるつもりないんですが、そういう問題はずっとこれから、来週も火曜日までに資料出されると言っています、衆議院の要請で。我々にも出していただきたいと思いますが、その資料が出てくると、また同じように出てくると。 私は、もう本当にこのことがずっと続いている。つまり、日銀総裁がきちんとここで責任を取ってお辞めにならないことが日本銀行にとって、恐らく総裁は日本銀行で育ち、そして日本銀行の総裁として一番日本銀行を愛し、大切にされていると思いますが、その日本銀行にとってずっとダメージを続けることになるんじゃないんでしょうかね。私はそのように思いますので、今申し上げているように、私はやはりここで責任を取られることが日本銀行の総裁としての取る道ではないだろうかというふうに思えてならないんです。 改めて、日銀総裁の御見解を求めたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 峰崎委員が御指摘くださいましたことは、私自身いささかも違和感もなく、きちんと受け止めます。しかし、私はやはり、それはしっかり胸に受け止めながら、職責を十分に全うさせていただきたいと、これが私の強い気持ちでございます。
○峰崎直樹君 総裁、私どもがこれから先を見たとき、ゼロ金利解除も多分重要だと思いますが、恐らく山のように積み上がった財政を、国債をどのように管理していくかという問題で私たちも今内部で検討しています。そのときに、日銀にとって、ちょうどアメリカがアコードを締結したように、この膨大になった国債を、本当に国債価格を維持しなきゃいけないのか、それともインフレ問題にしっかり対処しなきゃいけないのか、こういう問題がやがて私来るように思う。そういう意味で、対政府との関係含めて、私はここで、昨日も官邸に行かれてお話しなさっています。両隣にそのとき出席された大臣がおられますけれども、私は、やはりここで政治との関係で毅然たる態度を取らないと、そういう政策の一つ一つに対しても、やっぱり日銀、その独立性、中立性、このことの担保、与えられている権限というものの重みを考えるときに、私は、今、先ほどおっしゃったように、私の言っていることは全部分かるけれどもとにかくこれから職責を全うしていきたいとおっしゃっておられました。 そこで、総裁、私は思い出すんです。私も一九九二年に当選をいたしましたけれども、経済論戦をするときに日銀総裁をいつもお呼びいたしました。私もよく分からないで質問したことありますが、当時の松下総裁の時代だったと思います。たしか副総裁でおられた時代があると思いますが、あのときに不祥事が日銀で多発しました。逮捕者も出しました。自殺をされた方も出られました。あのときの副総裁、御存じのように、信頼を失った日銀総裁のままいては私は職責を全うできないと言って、潔く辞任されました。 私は、日銀総裁というのは正に日本の金融のメッカであり、そして総本山であり、大変重要な責任を国民に対して、市場に対して、世界に対して負っている組織だと思います。その意味で、私は、この松下総裁が潔く辞任されたこの事例を恐らく目の前で目の当たりにして見られたと思うんでありますが、そのことを是非思い起こしていただいて、何かそのことに対して感ずることがあればおっしゃっていただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 私も及ばずながら四十数年、通計いたしますと四十数年、日本銀行で懸命に仕事をしてまいりました。様々な過去の歴史、それなりに十分私の心の中に沈殿させているつもりでございます。そして、常にそれを振り返りながら、我々としては前進していかなければなりませんので、前進するための新しい勇気と、それから誤ってはならない反省事項と、それらを織り交ぜながら有効な材料として使ってきていると。現在、ただいまの時点においても全く同じでございます。 私自身が今回行いましたことを契機に様々な御批判をいただいていると。これらも十分私の頭の中、心の中で更に消化をしながら、やはり私は全身全霊を傾けて職責に全うに努めさせていただきたいと。これはもううそ偽りもない気持ちでございます。
○峰崎直樹君 もう時間私なくなってまいりました。もう日銀総裁に私の言いたいことはほとんど申し上げたと思います。あとはもちろん判断をされるだろうと思いますが、私どもは改めて、私自身、やはり今日時点では辞職されるのが一番の正しい道であり日銀のためにもなるんではないかというふうに申したいと思います。 そこで、日銀総裁あるいは金融担当大臣にもお伺いしますが、我が国におけるインサイダー取引というのは、株式市場、転換社債やあるいは社債もそうでありますが、対象が非常に限られている。さらに、証券取引法百六十六条、百六十七条という形で非常に株式市場との関係で民間企業に限られているんじゃないか。インサイダーというのはたくさんあるんではないか。 つまり、先ほどオリックスのお話がございました。行政がどのような規制緩和をするのか。行政がどんな処分をするのか。日本銀行がどんな金融政策を取るのか。つまり、様々なマクロの経済政策あるいはミクロの経済政策が全部その経済に連動しているんじゃないでしょうか。国債にも連動してくるんじゃないか。ヘッジファンドにも連動しているんじゃないか。これらの点について、インサイダーが余りにも甘過ぎるんではないんだろうかなと。 その意味で、是非、金融担当大臣あるいは日銀総裁にもそうでありますが、このいわゆる日銀法の改正という形で、先ほど内部のルールの改正でコンプライアンスを高めていきたいとおっしゃいました。私は、むしろそれは、そういうことが起きないような法的なきちっとした、ある意味では整理というものが個別法のレベルで、つまり証券取引法の中で改正されるというよりも、個別法のレベルで、例えば公務員法だとかあるいは今の日銀法だとか、そういう形で私は規制をしていかないと、国民は、余り内部のルールだけでみんなそれを守るだろうということでは納得しないんじゃないかなというふうに思っていますが、その点を両大臣からお聞きして、総裁からもお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 今の点は私がお伺いする限り初めての御提案ですので、検討をさしていただきたいと思います。
○峰崎直樹君 総裁、もし何か。
○参考人(福井俊彦君) 委員御承知のとおり、日本銀行法第二十九条では、その職務上知ることができた秘密を盗用してはならないと、これによって非常に広くカバーできる法律になっております。内部ルールを更に充実させ、透明化させれば、これは、日本銀行の役職員はルールを踏まえて、このルールを共通の価値観として行動すると、こういう、何といいますか、修練は相当進んでおりますので、今急いでやります内部ルールの改正について、成果を上げられる確信というものは私どもは持っていると、こういうことは申し上げさしていただきたいと思います。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(池口修次君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として荻原健司君が選任されました。 ─────────────
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 峰崎委員の質問の中にもありましたが、公正性という観点のことをもう少し具体的にお伺いしたいと思います。 公正性であるとか中立性であるとか、そういうことを踏まえた上で、日銀総裁がそういうものを踏まえた上でやらなければいけない行動、やってはいけない行動というのはどういう点なんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) まず一番大事なことは、政策決定プロセスにおいて経済・物価情勢あるいは金融情勢、これを真っ正面からとらえて正しく判断していくこと、その判断の過程でいろいろなそれ以外の要素で判断を曲げないこと、これが一番大事なことだというふうに思います。 それから、峰崎委員からも指摘されましたマーケットあるいは国民の皆様からの信頼を得ながら政策効果を浸透していくということでありますので、規律正しく行動すると、そういうことがポイントになろうと思います。
○櫻井充君 政策決定過程のことについては分かりました。 そうすると、マーケットに対して中立であるという、そういう立場を取るためにはどういうことが、何というんですか、きちんと守られていかなければいけないんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) マーケットに対して私どもは、政策行動としては客観的な私どもの判断を、何と申しますか、飾り立てることなくありのまま伝えていくと。そして、我々は逆に、マーケットの反応あるいはマーケットの動きが指し示すところのマーケットの知見というものをこれまた真っ正面に受け止めて新しい判断につなげていくと、こういうことでございます。 もう一つは、中央銀行員として、これは役員も職員もともにそうですけれども、マーケットの情報を利用して自分の利益を図るというふうなことがないことと、まあいろいろあると思いますけれども、ポイントはそんなことだと思います。
○櫻井充君 改めてお伺いしたいんですが、そうすると、例えば市場をゆがめないようにするためには、特定の企業を応援するとか、そういうことはもちろんしちゃいけないということですよね。
○参考人(福井俊彦君) 応援というお言葉がどういうことかよく分かりません。つまり、個々の利益に関しては距離感を置くと、しっかりとした距離感を置くと、こういうことだと思います。
○櫻井充君 総裁は、村上ファンドを支援した、応援したと明言されております。つまり、このことは、個別ファンドは一杯ある、このことも実はいろんな委員会でおっしゃっています。その中でなぜ村上ファンドだけをずっと応援し続けたんでしょうか。そして、このことは総裁として、私は、するべきことではないし、中立性というところに欠けるんじゃないかと思いますが、その点についていかがですか。
○参考人(福井俊彦君) 民間の時代に始まったことでございます。民間の時代には、新しく日本の閉塞状態を最前線で断ち切ろうとする若い人の勇気、これを支援しようと、明確にその気持ちであります。 しかし、中央銀行総裁になりましてからは、そこのところはアドバイスもやめると、そして個々の投資家行動という意味ではもうチェックはしないと、ただしファンドにつきましては、これは私が指示権、運用に当たっての指示権も何もないと、そこで遮断されていると、こういう判断で持ち続けたと、そういうことでございます。
○櫻井充君 それは違うと思いますよ。総裁は、村上ファンドに拠出したとおっしゃっています。それは応援する目的で拠出されている。応援というのはいろんなことがあるんだろうと思います。そしてもう一つは、その今回解約されたことに当たっては、当初の目的を達成しなくなった、志が変わったから応援するに値しないと、そう明言されているじゃないですか。つまり、拠出されているということ、そのもの自体が実は応援しているということじゃないですか。違いますか。
○参考人(福井俊彦君) コーポレートガバナンスの改革を進めると、この動きを非常に大切なものだというふうに考える気持ち、そのことを私は申し上げております。
○櫻井充君 答弁になっておりません。個別企業に対して、そしたら拠出する必要性は全くないはずです。個別のファンドを応援したいからということをずっとおっしゃっているじゃないですか。利殖目的ではありません、このことが大事なんだということで応援してきたと、ずっと言っているじゃないですか。答弁になっていませんよ。
○参考人(福井俊彦君) 当初の志を大切に思い続けたということは事実でございます。
○櫻井充君 当初の志であろうがなかろうが、事実として残っていることは村上ファンドを支援したということではないんですか。彼の志を支援したと。彼の志を支援したけれども、結果的にはまずファンドを支援したことですよね。こういうファンドができ上がったっていいじゃないかと、そういうこともおっしゃっていますよ。つまり、彼の志を支援し、ファンドを支援したということじゃないですか。違いますか。
○参考人(福井俊彦君) やはり、私の心の中に最終的に残っておりますのは、彼の当初の志を支援したと、そういうふうにせんじ詰めることができるというふうに思います。
○櫻井充君 それは、総裁がそう勝手におっしゃられても、我々はそう取れないですよ。つまり、今までの委員会の場で何回もおっしゃっていますよ、だって。利殖のためではないんだと、利殖のためではなくて、彼の志そしてそういうファンドを育てていきたいから応援しているんだとずっと言っているじゃないですか。ですから、今の答弁は僕は全くおかしいと思いますよ。 ですから、もう一回申し上げますが、これは個別のファンドを応援しているんですよ。個別のファンドを応援しているということは、日銀の中立性というところから見たら問題があるんじゃないですか。
○参考人(福井俊彦君) 個別のファンド、事業活動を応援するというふうな気持ちではございません。ごく一般的に彼の当初の志を感じ続けていたと、そういうことは申し上げられると思います。
○櫻井充君 これは、気持ち気持ちとおっしゃいますが、結果は違うじゃないですか。気持ちを応援するときにお金も出しているんですよ。お金を出してファンドを、そういう形で運用できる資金をちゃんと調達してあげているわけでしょう。つまり、ファンドそのものも応援していることじゃないですか。志だけじゃありませんよ。ファンドそのものも応援していたんじゃないんですか。
○参考人(福井俊彦君) お金は確かに置いておりました。しかし、私は運用指示権も何もないわけでありまして、ファンドの投資活動そのものとは遮断されているというふうに思っています。
○櫻井充君 お金がなければファンドはつくれません。その初期のお金を集めたかった。そして、そのお金があればあるほど運用益は上がっていく可能性があるわけであって、そういう点ではずっと協力し続けるということになるんじゃないですか。
○参考人(福井俊彦君) お金をずっと置いていたと、結果的には私の反省事項だということは重々申し上げております。しかし、お金を置いているということと、私がファンドのマネジメントあるいは投資行為そのものに対して何かの指示をできるということとは全く別の話でございます。
○櫻井充君 投資のことに対して指示を出したということに対して私は何も申し上げておりません。そうではなくて、応援する形は幾らでもあるということです。つまりは、何回も申し上げますが、お金を拠出していることそのもの自体がそのファンドを支持している、支援しているということであって、このこと自体は中立性に欠けるんじゃないかと私は思いますが、もう一度、これはどうせ平行線になるんでしょうが、これは、あとは恐らくこの議論を聞いている方々があとは判断してくださることだと私は思いますよ。 もう一度申し上げますが、そういう形で総裁がファンドに拠出し続けるということは、ある特定の、村上ファンドという特定のファンドを応援すること、支持することであって、これは日銀の総裁が行わなければいけないその中立性という点からいうと問題があると私は思いますが、問題があるか問題がないか、その点だけ御答弁いただけますか。
○参考人(福井俊彦君) 私は、あくまで村上氏の当初の志を評価したということであります。お金を置き続けたことについては、結果として私は、振り返って重要な反省事項だと、こういうふうに申し上げております。
○櫻井充君 答弁になっていません。答弁になっていません、僕は問題があるかないかと聞いているんですから。 止めてください、一回。時計止めてください。
○委員長(池口修次君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(池口修次君) 速記を起こしてください。
○参考人(福井俊彦君) 改めてお答え申し上げます。 村上氏の当初の志を高く評価してきた。ただし、中央銀行総裁としてはアドバイスをやめ、そして一任勘定であることを確認し、中立性が保たれるということを十分考えた上でその後の行動を続けてきた。結果として振り返った場合の話は別ではないかという櫻井委員のお考えと、そこのところ答弁がもしそごがあったとしたらお許しいただきたいというふうに思います。
○櫻井充君 私は、問題があったとお考えかどうか単純に答えていただきたいんですよ。 私は、もう一度申し上げますが、そうやって特定のファンドを応援していると、この場でも言われたんですよ。彼個人の志で、そしてこういうファンドを育てていきたいと、応援したいと、だけど、その志でなくなったから、だからもう応援できないということ。つまり、ある特定のファンドちゃんと応援するって言っているわけですよ。だから、そのことそのもの自体が中立性という点から見たら問題があったんじゃないですかと私はお伺いしているんですよ。だから、問題がなかったんなら、ないとはっきり答えていただきたいんですよ。
○参考人(福井俊彦君) 中立性という点では問題はないという確認の上で行動してきているということでございます。
○櫻井充君 まあ、それは総裁のそういう御認識でしょうから、それはそういうことで、あとは、これは世の中の方に僕はまず判断していただきたいと思います。 もう一点、そうであったとすると、私は、利殖でないとずうっと総裁言い続けてられますが、利殖というものの定義を教えていただけますか。
○参考人(福井俊彦君) 私が一つの言葉の定義、私の判断でこの一つの言葉を定義付けるというのは難しいと思いますが、私の意識としては、利殖と言った場合には、積極的に金銭的な利益を上げると、それを主たる目的として行動すると、間違っているかもしれぬが、多分、私としてはそういう解釈でおります。
○櫻井充君 それは、今相当無責任なことをおっしゃられていると思いますよ、僕は。 なぜならば、「日本銀行員の心得」というのがあって、そこの中にちゃんと利殖という言葉が書いてあるじゃないですか。そして、この心得の、結局だれが最終決裁権を持っている者かというと、これ総裁ですよ。総裁が決裁権を持っているその心得の中に利殖という言葉があるから、だから、その定義をお伺いしているんですよ。この、ここに書かれている利殖の定義をじゃ教えてください。
○委員長(池口修次君) すぐ答弁できますか。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(池口修次君) 速記を起こしてください。
○参考人(福井俊彦君) 私が今申し上げましたこと、つまり積極的に金銭的利益をもって金融行動を行うという、こういう理解で、内規の理解についてもいいというふうに思います。
○櫻井充君 積極的というのはどういうことを指すんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 特に強い意味はないと思います。普通の、何と申しますか、投資行為と、それに近いというふうに思います。
○櫻井充君 よく分かりません。ここはもう少しきちんと、ここは大事な点なんですね。つまり、今この利殖に当たられているか、当たっていないかということを議論するわけですから、その積極的というところの定義をいただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 金銭的利益を目的としてと、そう申し上げる場合とそんなに違いはないと思います。
○櫻井充君 そうすると、そこのところは、積極的ということではなくて金銭的利益を上げることが利殖であるということになるわけですね。それでよろしいんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) それを目的として投資行動をすることということだと思います。
○櫻井充君 そうしますと、そのことが目的か目的でないかということはどうやったら判断することが可能なんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) それは通常の取引として、多くの場合は余り疑念なく認定されるんじゃございませんでしょうか。
○櫻井充君 そうすると、今国民の皆さんに対して、政府は貯蓄から投資へということで株式などを買ってくださいということをお願いしているわけであって、この投資というのは利益を上げるためということですよね。これは、国民の皆さんに損をさせるためにそういうことを言っているわけではありませんよね。 これは与謝野大臣にお伺いしたらいいんでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 貯蓄というのは、多くの場合、返ってくる利息というのが確定している場合があります。投資という場合は、やはり一定のリスクを伴うと、そういうものであります。したがいまして、貯蓄から投資へというのは、国民にリスクテークをして自分の資産のポートフォリオを広げていただいたらどうだろうかという意味も含んでいると思っております。したがいまして、投資という方は貯蓄よりははるかにリスクは高いと、そのように考えております。
○櫻井充君 リスクは高いんですが、結局のところは利殖行為の一つであるという認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) どなたも投資をされる方は、普通は一山当てようとかそういうことを考えるんだろうと思いますが、まあ損するかもしれないけれどもこの際は義理があるから投資しようとか、心意気に感じて投資しようとかという男気でやるような場合もあるんだろうと思っております。
○櫻井充君 一般的に言うと、前段与謝野大臣がおっしゃったように、一山当てようというか利益を出したいと思って投資されるというのは、これは僕は自然の流れなんだろうと思うんですね。つまり、今、日銀総裁と我々の感覚の違いは何かというと、後半、多分、多分ここを言っておかないとまずいと思って大臣も僕は答弁されたんじゃないかと思いますが、要するに、そういう目的以外でも投資をする場合があり得るんだということで、多分それはお述べにならないといけなかったことなんだろうと、そう思います。 そこで、あえてもう一度申し上げますが、少なくとも利益が出てしまっていて、一度総裁、解約されていますよね。解約されて利益が出て、その後また再度投資されてきています。つまり、この当時の村上ファンドの状況を見てみればそれなりにもう大きくなってきているので、もし本当の意味で志で支援するだけの問題であれば、私は、そこで再投資しなくてもよかったんじゃないのかなと私はそう思いますけれども、総裁、いかがでございましょう。
○参考人(福井俊彦君) 二〇〇一年のことを言っておられるというふうに思いますけれども、私の感覚では、一九九九年の秋に初めて村上氏がこういう試みをスタートし、二〇〇〇年中は立ち上げの過程と、つまり、この仕組みに目鼻を付けるのに大変苦労していた時期じゃなかったかなというふうに思います。一年掛けてようやく初期の未成熟な段階での事業の立ち上げが何となく目鼻が付いてきたというので、二〇〇一年になって仕組みをきちんと整えたと。したがって、この間に不連続はなかったんじゃないかと。連続線上で一つの目鼻の付いた形として形を整えたと。 したがって、解約をしたとおっしゃいましたけれども、これは自動的にその未成熟な段階の仕組みが解消され、自動的に新しい仕組みに引き継がれたと。形の上で、そこでもう一回一千万単位と単位をそろえて新しいファンドをスタートさせると。千万円に満たない資金については返還をしたと、そういうふうなものであったというふうに思います。したがいまして、二〇〇一年からが村上ファンドとしては本格的なスタートだと、私の事実認識としては一応そういうふうに思っています。
○櫻井充君 そこのところは総裁の認識と、それはその総裁の認識が社会から離れているから僕は批判されているんだと思いますよ、この点のことに関して申し上げれば。 ですから、社会から見たときに、今おかしいと問われているからこういう形で参考人で来ていただいてるる質問させていただいているわけですよ。今、日銀総裁がこのまま継続すべきかどうかという、お続けになられるかどうかということに関して世論調査をした結果、どのマスコミも過半数以上がもうお辞めになるべきだという、そういう世論調査の結果が出ているわけですよ。そういうことに対して総裁はどうおこたえになるんでしょうか。 つまり、こうやって認識が違うようなことだけずっと言われて続けると、峰崎委員からもありましたが、結局は市場からの信頼性を失ってしまうということであって、その点は日銀にとって大きな問題だし、日銀にとってというよりも日本の経済にとって私は大きな問題なのではないのかなと、そう思いますけれども。 もう一度お伺いしますが、総裁が今そのような形でおっしゃっている、これは利殖行為でもないし、そしてそれは私はもうその志にほれて応援して、今度は一度解約して利益が出たけれども、そういう一千万単位の何とかだから、またそこの部分は再投資して、これは自動的に再投資されたというようなお話をされていますが、この説明で国民の皆さんは納得されると思いますか。
○参考人(福井俊彦君) 二〇〇一年、まだ初期の段階、私自身もまだ民間にいた時代です。そういう認識でいたことは事実であります。日本銀行総裁になりましてからは距離感を置いて中立的に対処してまいりました。 国民の信頼を非常に裏切った形になっていると、私としても非常に遺憾なことだと思っております。大いに反省し、批判は十分胸に受け止めて、私は、これからも厳正に対処していく、あくまで職責は全うさせていただきたいと、この気持ちに変わりはございません。
○櫻井充君 この心得というのは、ちょっと日銀でいつの時代にでき上がったものか私はよく分かりませんが、ここの中にやはり、七の個人的利殖行為の中で、疑念を抱かれる利殖行為に該当するか否か判断し得ない場合には、あらかじめ所属長に相談するものとすると、こう書いてあるわけですね。 つまり、あそこの時点で解約するということになれば間違いなく利益は出てまいります。これは御本人がどういう意図で始められようが、最終的には利益が出てくるということは、これは財産が殖えているわけですから、広辞苑によれば利殖行為になるわけですね。そうすると、ここに書いてあるその七番の個人的利殖行為の中の注意書きに対して私は当たるのではないのかなと思いますが、総裁の御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 内部のルールで私の行為を規制している、禁止しているということはございません。職務上知り得た秘密をもって取引をしてはならないというふうに書いてあります。そういう行為ではないということでございます。
○櫻井充君 ここに書かれている、「疑念を抱かれる利殖行為に該当するか否か判断し得ない場合は、」と書いてあります。そうすると、もうこれは最初から疑念は抱かれる利殖行為に該当しないと御自身で判断されたということでよろしいんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 私はもちろんそう判断いたしましたし、内部でチェックしてもらいましても、やはりそれは正しいという理解になっております。
○櫻井充君 ここに「所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て」と書いてありますが、このコンプライアンス会議は開催されているんでしょうか。もし開催されているとすれば、いつで、そしてそのメンバーを教えていただけますか。
○参考人(福井俊彦君) この件についてコンプライアンス会議を開いたということではありません。
○櫻井充君 問題意識がなかったということなんだろうと思います。そう判断するしかありません。問題意識すら芽生えていなかった、そういうことに私は認識をせざるを得ないことなんだと思いますが、それでよろしいですよね。
○参考人(福井俊彦君) 問題がないということを明確に自覚して判断したのであって、問題意識がないということではありません。
○櫻井充君 済みません、もう一度ちょっとそこは確認しておきたいんですが、まず、ここは利殖行為に該当するか否かの判断はし得ない場合ではなくて、これは自分自身できちんとできるから、そういうことを開催する必要性はなかったということなんですね。
○参考人(福井俊彦君) 職務上知ることができた秘密を利用したものではないということが非常に明確でありました。
○櫻井充君 済みません、この文章は、(1)と(2)はアンドでつながれるんでしょうか、オアでつながれるんでしょうか。つまり、(1)の場合、(2)の場合は別々な要件ではないんですか。 止めてくださいよ。
○委員長(池口修次君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(池口修次君) 速記を起こしてください。
○参考人(福井俊彦君) 第二項は、第一項の職務上知ることができた秘密を利用した取引行為と、それが世間からその職務上知ることができた秘密を利用したんではないかといささかなりとも疑念を抱かれることがあっては困ると、そういうふうな趣旨の規定でございます。
○櫻井充君 まず、総裁、これは日本銀行員の心得と書いてあります。つまり、日本銀行員であれば、これはだれしも理解していることでしょう。それを一々聞かないと答えられないということそのもの自体、私は日本銀行員の人間として働ける、そういうことにはならないんじゃないかなと、私はそう思いますよ。 その上でもう一度ですが、(2)のところには、その職務上知り得たとかいうことだけではなくて、過去の職歴や現在の職務上の立場に照らし、だから、ここから大事じゃないですか、世間からわずかなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならないとちゃんと書いてあるじゃないですか。ここの部分のところに該当するんじゃないかということでこれはみんな問題にしているんですよ。 そして、このことは日本銀行で決めていることであって、しかもこの決裁権は総裁にあるんですよ。総裁がお決めになったことを社会から見ておかしいんじゃないかと指摘されることの方が僕はよっぽど問題だと思っているんですね。 総裁、もう一度お伺いしますが、この二項のところで、世間からもう疑念抱かれているじゃないですか。ここはすごく問題だと私は思いますけどね、違いますか。
○参考人(福井俊彦君) 世間から、結果的に利殖行為になったと、そういう形になっているという点については強い御批判をいただいているというふうに認識いたしております。
○櫻井充君 世間からは強い批判を受けているということは認識しますが、私は問題がないと感じているということですよね。 つまり、そういうことがあるから国民の皆さんとの意識が乖離している。例えば、その利益が出た二百何十万でしたか、それに対しても感想を求められて、まあ思っていたよりちょっと大きいかなあとか、そういうような御答弁になって、皆さんから見ればちょっとおかしいんじゃないのかと思われるんだろうと思いますよ。 つまり、そういう感覚の方が本当にこの国の金融というものをつかさどっていって、正しい判断ができるのかどうかということを、疑念を投げ掛けている方々が様々いらっしゃるわけですよ。 そこで大臣、谷垣大臣にお伺いしますが、ここは服務規程の、三十二条、日銀法のですね、三十二条で、これは財務大臣が所管しているところなんだそうですけれども、この個人的利殖行為に私は当たると考えておりますが、財務大臣、所管大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、先ほど総裁も答弁されていたと思いますが、このファンドへの拠出が一任されているものであるということで、そこに総裁としての判断の入る余地はないと、こういうことで服務規程には違反してないと、こういうふうに私は理解しております。
○櫻井充君 分かりました。残念な僕は本当に御答弁でして、例えば、じゃ、アメリカの場合にFRBの議長なんかがどうなっているかというと、どこかのファンドに投資していたなんていうことが分かったらこれは大変なことですよ。どこかの株を持っていたということになったらこれは大変なことですよ。 つまり、そういうような行為そのもの自体が許されているということに私は問題があるんじゃないのかなとも思います。つまり、そう考えてくると、現在の、今の服務規程があって、じゃ大臣、もう一つ別な観点から。今の服務規程から作られている日本銀行員の心得に関していうと、問題があると思われますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この点は既に日銀でもどういうことがあり得るのかという検討を始められたと聞いておりますので、そこで検討を詰めていただきたいと思っております。
○櫻井充君 分かりました。 そしてもう一つ、谷垣大臣、ここのところが僕はすごく大事な項目だとは思っているんですが、服務規程に何らかの違反をしたとしても、実は現在の日銀法では総裁を解任することができません。ここの部分は極めて大きな問題でして、ここの部分、せめてこの部分に関して、服務規程に関して違反しているような場合には解任するような、そういう法律の改正が必要ではないでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 日銀の総裁を始めとする役員の方々に対する解任権の在り方、これについては、この日銀法を改正しますときに、日銀のその独立性という観点からいろんな議論がありまして現在のような形になっているというふうに私は承知しております。 したがいまして、ここのところの議論は、まあ今回もいろんな御議論がおありだと思いますけれども、私どもは従来の議論の整理はそういうところにあると、したがって服務規程の在り方等、先ほど申しましたけれども、日銀でしっかり議論していただいて適正な結論を出していただきたいと、こう思っているわけであります。
○櫻井充君 日銀からどういう答えが出てくるのかよく分かりませんが、それを受けてあとは考えなきゃいけない状況なのかな、これ以上質問しても多分水掛け論になるので。 あと、もう一つ、これは総裁の名誉のために改めて質問させていただきたいことがありますが、これは一部のマスコミ関係者の方々が、これは総裁御自身が一千万円を拠出したのではなくて、村上氏から受け取ったんではないだろうかということをおっしゃっている方々もいらっしゃいますが、まずこの場でそのことは違うということできちんと御答弁いただきたいと、まずそう思います。
○参考人(福井俊彦君) 村上氏から一切金銭的なやり取りはございません。私自身のお金で、しかも借入れではなく、他からの借入れでもなく、私自身のお金で出しております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 その上で、今度は、その自分で拠出されたお金が殖えていったと、今度、解約されて殖えたそのお金は今度は御自身のためには使わなくてというようなお話をされていますが、それをお決めになったのはいつのことなんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) いつ決めたと、そういうふうに明確な日付で申し上げることは難しいと思いますけれども、やはり彼の当初の志どおりの行動パターンからずれていった結果として収益が出るとすれば、あるいは収益が非常にわずかであっても、それは私としては気持ちが悪いという気持ちはずっとございました。非常に短期的にリターンをねらったような行動というのが目立ってきて以降は特にそういう気持ちがありました。
○櫻井充君 しかし、御自身が拠出されていたんだとすれば、元金までそういう形にする必要性は全くないんじゃないですか。今の御答弁であれば、その利益に対してはそうするということなら僕は話として、筋としてはよく分かるんですが、御自身で出されていたものまで、もしそうであったとすればそういうことをする必要性は僕は全くないんじゃないのかなとそう思いますが、いかがですか。
○参考人(福井俊彦君) 収益を上げる意図がなかったからという理屈で通せばおっしゃるとおりになると思います。 ただ、私は、もうこれは出資のときからどうなるか分からないお金だというふうに思っていたことが一つあります。それから、これは余り理屈で、櫻井委員の御質問ですけれども、理屈でなぜと最後まで割り切れるものではありませんけれども、記者会見とか国会でこの問題を答弁さしていただいている段階では、彼は既に法令違反に問われていると、そして本人も認めているという状況でありますから、法令違反に絡む投資行為が結果的に含まれていたかもしれないと。全体のファンドの大きさからいきますと、私の一千万円という金額はそれとの比較では非常に小さなものですけれども、でも幾ら小さくても私の元本も何がしかそこに絡んでいるとすれば元本も受け取るのも気持ちが悪いということは、強いて言えばそういう気持ちになります。そんなに正確に分析できるものではありません。
○櫻井充君 私は村上ファンドに出資していたから問題視しているわけではありません、ここは誤解のないようにしていただきたいと思いますが。問題は、ある特定のファンドを応援していたから私は問題視しているだけです。これは、村上ファンドでなくて一般のファンドであったってそれは問題でしょうということを私は申し上げたいんですよ。ここは総裁、そこ大きく勘違いされていると思いますよ。 そこのところは、なぜかというと、先ほど申し上げたとおり、中立性という点から欠けるから、だからある特定のファンドを応援することは問題じゃないですかと。村上さんがそういう結果になられたからどうのという問題じゃないんですよ、ここのところは。だから、何回も先ほどから中立性、中立性ということを申し上げて、先ほどの御答弁は、まあそこに関して言っても問題がないということだったんだろうと思います。 しかし、私は、もう一回前段、話戻しますが、総裁が、このお金は、じゃ、どこかに寄附をしたいということをおっしゃられますけど、ただ、じゃ、一度利益が上がったあの当時のお金はどうされたんだろうか。あの当時のお金は使われたのか、そのままお持ちなのかよく分かりません。しかし、そのときに慈善事業に使ったわけでもなく、自分のところの所得として、今も持っていらっしゃるのかも分かりませんが、そういう行為そのものを見ていると、何か後から、後からですね、自分の正当性というか何かそういったものを皆さんに印象付けるために、後付けでいろんなことを言われているような気がしてならないわけですよ。そういうことを一つ一つ言われるから、逆に言うと、何かあるんじゃないだろうか、何か問題があるんじゃないだろうかという疑念を抱かれてしまうんじゃないのかなと私はそう思いますけれども、総裁、どうお考えでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 様々な御批判いただいていることは重ね重ね反省いたしますけれども、私の気持ちは一貫して、最終的な決済を受ければ、以前に受け取った分も含め、すべて私の個人的な利益のためには使わないと、この気持ちは一貫しております。これに対して不純なものは一切ございません。 なお、ファンドの性格は、これ難しい。これから日本銀行の新しい内部規程を作りますときも、すべてのファンドがいけないというようなルールにするのかどうか。第一、ファンドというのは定義がないわけで、これからもいろんな有用な目的でのファンドというのは出てくる。これがこれからの日本の新しい経済を、社会をつくっていくために、資源再配分機能をきちんと担っていけるようなファンドというのはどんどん出てくると思います。だから、ファンドと名が付きゃ全部駄目だというふうなルールにはしにくいと思いますが、今回のこともよく教材として使って、内部ルールを作るときには、どういうものが持てばいいか、どういうものについてはどういう取引ルールをきちんと作ればいいか。これは一挙に将来にわたる永久不変のコードができるわけじゃないと思いますけれども、今後更に改善を続けていくにしても、出発点のルールとしてはできるだけいいものを作りたいと、そういうふうに思っています。
○櫻井充君 驚きました。ファンドそのもの自体にいろいろ様々あるから、それに関して全部規制をしないんだというまずお話がありましたが、襟を正さなければいけない時期にそういう発言をされるというのは、この言動一つ取って総裁として私は不適格だと思いますよ。今のそれは私の認識ですから。私の認識ですが、そこのところは、今総裁として中立でなければならない立場の方が、いろんなところに投資をするとかあるところを応援するとか、そういうことが問題じゃないんですかと、そう問われている中で、別にこういうことがいろいろあるから、そのファンドの一般論をおっしゃって、こういう形で問題ないんじゃないかって僕は答えられることそのもの自体が、私は、個人的に言えばですよ、問題があると、そう思います。 それで、そのファンドのことについてもう少し詳しく、福井総裁が投資されていたファンドのことについてお伺いさせていただきたいと思いますが、これこそど素人の私はよく分かりません。何か二段階の契約になっていたんでしょうか、そのことについて、まずシステムを教えていただけますでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) なっていたとおっしゃいますね、今の仕組みはたしか三段階ぐらいになっているんですね。一番下の段階、私を含め普通の出資者が入る組合と申しますか、それは、だから小さな単位の組合。これを中間段階の組合に一番小さな組合がそれぞれ出資をして資金を統合する。それでも、そこにもまた幾つかあって、最終的には最上位段階の一つの組合に資金が移動すると。つまり投資が二段階に分かれて最上位の一つの組合に行く。そこで最終的に市場に出た投資活動は行われると、大ざっぱに言えばそういう仕組みだというふうに理解しています。全体の仕組みとか法的性格を一々私は詳しく承知しているわけでありませんが、私が大まかに理解している仕組みというのはそういうふうになっていると。 私などの一般の出資者が、資金を拠出した人が入っているのは最下位の組合であって、それは上の組合にただ金を投資するということであって、最終的にどういう企業の株式に投資するかという行為とは非常に距離が遠いというふうには意識しております。
○櫻井充君 そこで、二段階に分かれていた中で、組合契約というんでしょうか、後半部分の、昨日の財務金融委員会の方で質問になっていましたが、これは衆議院の方での資料提出があったんでしょうか。二つに分かれていて、後半部分の組合契約の方は提出をいただいているけれども、前半部分の組合契約の御提出をいただいていないということでございました。 これは改めて、まず資料提出の要求があったのかと、そして、あって、なぜ後半は出せて前半は出せなかったんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 前半というのは二〇〇一年より前のことを言っておられるんでしょうか。二〇〇一年よりも前の組合というのは、既に解散した組合のことを言っておられるんでしょうか。
○櫻井充君 そこのシステムが分からないからこちら側としては教えていただきたいんですが。 つまり、それでは、取りあえず資料を要求させていただきたいのは、前段の部分と、じゃ、二回に分けてというお話であったとすれば、解約前と解約後のところのファンドのスキームがお分かりになれば、それを御提出いただきたいと思いますし、それから、その一回目の部分と二回目の部分の中で、特にその、二段階に分かれていてと、まあここのところに関して答弁がきちんとされていないわけですが、いずれにしても、そのファンドのスキームそのもの自体を、分かる範囲で結構でございますから資料提出していただければと思います。
○参考人(福井俊彦君) 今、私が仕組みと申し上げましたのも、そんなに明確に正確に私、認識してお答えしていませんので、仕組み及び法的性格とも私自身はそんなに細かいところまで認識しておりません。 ただ、一つ言えますことは、二〇〇一年よりも前の段階の組合は形式上二〇〇一年に解散して、この組合は、いわゆるものを、例えば契約書というふうなものが仮に今も存在するとして、それを公にすることについて許諾の権限を有する業務執行組合員、それ自身も存在しないという状況でございます。したがいまして、組合員は世の中に広く存在しておられると思いますが、他の組合員に同意を得る必要があります。したがって、これは守秘義務の解除をすることが非常に難しいんじゃないかというふうに思います。 いずれにしましても、委員がおっしゃいましたような全体の仕組みというふうなものがあらかた分かる、そういう資料はもちろん提出できると思います。
○櫻井充君 ということですので、委員長、是非資料の方をよろしくお願いしたいと思います。
○委員長(池口修次君) 後で理事会で協議します。
○櫻井充君 はい。 その上でもう一つお伺いしておきたいのは、投資事業組合の業務執行組合員、そうですね、業務執行組合員。福井総裁はこの業務執行組合員になられたことがあるんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 私は全く普通の拠出者、つまり、そこの定義で言えば組合員であって、業務執行組合員なんというものになったことはありません。
○櫻井充君 それから、この契約書そのもの自体がかなり厚くて私は読んでおられませんということを総裁はおっしゃっていますが、契約書そのものというものはこれは御提出いただけるものなんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 現在生きている契約については、他の投資家の、何といいますか、利害に絡む部分以外のところは御提出できるというふうに思います。
○櫻井充君 つまりそれは、この間解約されたそのときの契約書そのものは出せるということなんでしょうか、それも出せないということなんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) そのもののことを言っております。 ただ、他の投資家に広く利害がかかわる部分はお出しできないという意味で、私自身に絡む根幹部分はお出しできるということでございます。
○櫻井充君 その部分についての資料をきちんと提出していただきたいと、そう思います。そうでないと、やはりいろんな意味での疑念がなかなか晴れていかないというところに大きな問題があると感じているからです。 与謝野大臣に、市場を監督していく中で、今の日銀総裁の信頼性というのはどのようなものだと与謝野大臣としてお感じになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 一番大事なのは正しい判断力であると思っております。日本銀行は、日本の中央銀行として日本の経済に重大な影響力を持っておりますし、また、余り気が付きませんけれども、世界の経済に対して大変大きな影響力を持っているわけでございますから、やはり常に日本、世界のことを考えた正しい判断を行っていただくということが第一であると思っております。 また、私心を離れて国民や世界のために働くというその心意気が私は必要であると思っております。
○櫻井充君 それは必要であるというのはそのとおりだと思っております。 そうではなくて、現時点において、福井総裁が国会でも答弁されている一連の行為を見て市場で本当に信頼されているとお感じでしょうか、そのことについて御答弁いただけますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 中央銀行の総裁として、私は、福井総裁が今まで時宜を得たいろいろな政策判断、御決断をされてきたと思っております。その点については、今後も日本経済、世界経済にとってタイムリーな御判断、御決断をしてくださる方ということにつきましては、私は大変高い信頼を置いております。
○櫻井充君 再度、総裁にお伺いいたしますが、これだけ国民の皆さんから職を辞するべきではないかと、そういう御意見がある中で、そしてもう一つは、強制的な解任ということがなかなか難しい中で、御自身の判断でこの職を辞するというお考えはないんでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 私自身は、日本銀行法による身分保障があるということに甘えるつもりは全くございません。しかし、現在の私の心境は、今後一層身を引き締め、規律正しくし、職責を十分全うしてまいりたいと、この気持ち以外にはございません。
○櫻井充君 今日のやり取りを聞いていて、私は、中立性というところの認識が少なくとも私と総裁とは違っているんだなと、そう思いました。あとは市場の関係者やそれこそ社会の、日本の国民の皆さんがどう判断されるかということになるかと思いますが、私は、日銀法で定められているような公正性であるとか中立性というものを残念ながら全うしていなかったんじゃないだろうか、そのことだけ申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 日銀総裁の村上ファンドに対する出資及びそれを総裁就任後も継続していたという行為に対して様々な角度から議論がなされておりますが、私は大きく三つの視点があると思います。 一つは、その過去の行ってきた行為に対して、総裁が当事者として時々においてどういう意思でどういう判断を持ってそれを行ってきたかと、事実関係を中心とした議論であります。もう一点目は、その過去の行為を今から振り返って総裁のお立場としてどう行動すべきであったかという、過去の行為の評価にかかわる点であります。また、もう一つの点は、日銀総裁のお立場として今後これからどう対応するのが望ましいかと、こういう点であろうかと思います。 私は、その言わば後の二つの視点に基づいて幾つか御質問させていただきたいと思っております。 一昔前であれば、一般の庶民、大衆は、自ら手にすることが可能なお金、これを預貯金に回して、その利息で食事をするとか小旅行に出掛けるとか、それぐらいのささやかな楽しみというのは得られた時代があったわけですね。しかし、ここ数年ゼロ金利の下で、非常に低い金利の下でそうした楽しみさえ奪われているというのが庶民、大衆の偽らざる状況であります。 これは庶民、大衆からすれば、株式市場あるいは金融に対する機微に触れる重要な情報にアクセスするということは到底できないわけですね。そういった立場から見ると、日銀総裁が村上ファンドに出資をされた、そして総裁に就任されてからもその行為を継続されていたということに対して、今現在、庶民、大衆の目からどう見られているかという点について総裁はどのような御認識をお持ちでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 私が思っておりますことと一般国民の皆様が思っておられることとの間に非常に大きなギャップがあり、したがって様々な御批判をちょうだいしていると、そのことを私も感じておりますし、それは真摯に受け止めたいということでございます。特に、結果として非常に大きな利殖をしたと、利益を得たと。この点は、これまでの時代環境の中における国民一人一人の皆様方との生活実感との間に大変なギャップがあって強い御批判をいただいていると、そういうふうなことも私よく分かっております。 結局のところ、振り返ってみれば、私自身も、着任いたしましたときにすべてこれをクリアしておけば結果はかなり異なったというふうには思います。その点は私自身にとって大変大きな反省事項、深く反省しているということであります。これをしっかり胸に受け止めて今後行動していきたいと、そういうギャップを生じた源を私がつくり、国民の皆様の怒りを買ったということについては幾重にもおわびをしなければいけないと、こういう気持ちでございます。
○山口那津男君 閣僚に対しても非常に厳しいルールがこれまで作られてまいりました。 谷垣大臣にお伺いいたしますが、大臣は今財務大臣でありますが、金融担当大臣も経験されたことがあられますし、またかつて防衛政務次官もやられたことがあると、そういう中で、政務次官あるいは大臣に課せられた厳しいルールというのはよく御認識だろうと思うんですね。現在でも、平成十三年一月六日の閣議決定において、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範というのが決定されておりまして、ここに株式等の取引の自粛及び保有株式等の信託という規定があるわけですね。これは、在任期間中は株式等の有価証券云々の取引を自粛することとするという点と、それからもう一つは、なお、就任時に保有する株式、転換社債等の有価証券については信託銀行等に信託することとし、在任期間中に契約の解約及び変更を行ってはならないと、こういうルールになっているわけですね。こういうルールのその元々の考え方というのが、趣旨というのがあろうかと思います。 この点について、大臣ばかりではなくて、官吏服務紀律というのを御存じでしょうか、これは明治二十年に制定された勅令でありますが、現在でも効力を有しております。これの三条にどう書いてあるかといいますと、官吏は職務の内外を問わず廉恥を重んじ貪汚の所為あるべからず。貪汚というのはむさぼる、汚れると、こういう字であります。そして、この規範の十二条には、官吏は取引相場会社の社員たることを得ず及び間接に相場商業に関係することを得ずと、こういうことも規定されているわけですね。 これらの趣旨、総じての趣旨というものを大臣はどう受け止め、そして自らどう行動されてこられたでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは財務省として公定の見解というよりも、私、政治家として行政の中の職務を務めましたそういう者として、今までいろんな議論がありまして、どういうふうに現在受け止めているかということを申し上げます。 それで、私ども皆人間でありますから、今までまじめに生きてくると何がしかの資産を持っているわけであります。それで、この資産を公職に就くからゼロにせよというわけにはこれはいかないわけでございまして、どういう管理をすればいいのかということが問われているというふうに私は思います。 その場合、今、山口さんがいろいろ、るる引かれたものも皆そうでありますが、私、二つ視点があるんじゃないかと思います。一つは、職務自体の廉潔性と。職務を利用して、何というんでしょうか、不正に利をつくっているようなことはいけないじゃないかというのが一つございます。それを阻止しようというのが一つ。もう一つは、ちゃんとやっているんだけれども、世間の目から見たら、あいつ何か政治権力を利用してうまいことやっているんじゃないかというんじゃ公務に対する信頼性が保たれないから、そこのところを国民の疑惑を招かないようにしようという二つの要素があるんじゃないかと思うんですね。 それで、職務に対する廉潔性という場合に私どもに問われていることは何かということになりますと、つまり、簡単に言えば、政治を利用してもうけているんじゃないか、うまいことをしているんじゃないかということになりますけれども、政治家の場合は、一つは政治資金というものがございます。これは、つまり公務に就くということで、言わば政治資金規正法上、無税の金が使える、それを利用して自分の利殖を図っているんじゃないか、私財を殖やしているんじゃないかという疑いはやっぱりきちっとしなきゃいかぬというのはいろんな規定の中にあると思います。 それからもう一つは、これは主として行政府にいる場合が強うございますけれども、そこで知り得た情報、私の場合で言えばマーケットに関していろんな情報を知り得る立場にありますから、それを利用して人のできないようなことをやってはいけないという意味があるんだろうというふうに思っております。 そういう観点から、今、山口さんがおっしゃったようないろんな規定ができているのではないかと、このように考えております。
○山口那津男君 今、大臣がお述べになった認識というのは私も全く同感であります。 その上で、今もお述べになられましたが、財務大臣あるいは金融担当大臣のお立場になられると、これは株式あるいは金融関係その他経済情報一般、そういった市場に関するものも経済関係に関するものも、非常にそういう情報にアクセスできる立場というのは当然だと思うんですね。谷垣大臣はかつて防衛政務次官もやられた。私もそういう経験があるんですが、これ、防衛政務次官と財務大臣とではそのマーケットに対する情報にアクセスできる立場、あるいはそのアクセスできる力というのはやっぱり実質的な違いがあるんだろうと思うんですが、この点はどう認識されていますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員も私も防衛政務次官かつて務めさせていただきました。 財務省の仕事と防衛庁の仕事というのは性質が違いますから、どちらが情報量があるかというのも一概には言いにくいんですが、例えば防衛庁におりますと、どこそこの会社はこういうような高度の兵器を造る能力が新たにあるとかないとかですね、そういうものに関してどれだけ、何というんでしょうか、調達があり得るとか、そういうことは知り得る立場にございます。ただ、マーケット一般に対する情報がどれだけ防衛庁にあるかというと、それは必ずしもそうではございません。財務大臣でありますと、例えば為替がどうなっていくかと、為替介入をするのかしないのかというようなことは確かに情報を持っているわけでございますから、マーケットに関する情報は防衛政務次官の場合よりも広いというのは当然のことだろうと思います。
○山口那津男君 今、大臣がお述べになったその違いというものが実際立場上あるわけでありますが、しかし、大臣、副大臣、大臣政務官、あるいは昔の政務次官ですね、これらの地位にある人にはひとしく先ほどの規範というものが適用されるわけですね。そのお立場と日銀総裁のお立場を比べた場合に、このマーケットに関する情報力、アクセス力、経済情報一般に対するアクセス力、これはやはり財務大臣とまあ同等であり、防衛政務次官よりはより強いアクセスする力があるというふうに一般には思われると思うんですが、だからこそ、この日銀総裁にもそれにふさわしいルールというのが求められるんだろうと私は思うんですね。 で、現に、先ほど来引用されておりますように、日銀、日本銀行員に対する心得というものも、直接的な行為のみならずやはり疑わしきものについては慎むと、こういうルールも定められているわけですね。 また一方で、日銀の職員は、公務員ではありませんけれども、しかし刑法上はみなし公務員ということで贈収賄罪等の規定の、関連規定の適用はあるわけであります。このみなし公務員として刑法の適用があるというのも、やはり職務の公正性あるいは清廉性、これを保持するという必要性から来ていることも間違いないわけですね。 そうした場合に、総裁に伺いますけれども、こうした閣僚等に決められたルール、そして今の日銀の行員に定められているルール、これらについて日銀総裁に当てはまるものかどうか、この点の認識をまず伺いたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 今御説明がございました、閣僚等におかれましては株式等の取引は禁止されている、それから保有形態も信託銀行等への信託が求められている、そのほか保有資産について就任時、辞任されるときに公開するということになっている、それらのルールがあることは私どもも承知いたしております。こうした規律の目的は、公職にある者として清廉さを維持し、国民の信頼を確保するといった点にあるわけでございまして、こうした目的は日本銀行でも共有し得るものだというふうに考えています。 ただ、今お話にございましたとおり、同じ閣僚相互間におかれましても、それぞれやはり置かれた立場で違った状況というものがそれぞれあると。私どもの観点からいきますと、閣僚の方々あるいは一般の公務員の方々、そして私どもと、こう比べました場合でも、例えば閣僚等の場合には政治資金との関係を透明にするというふうな面がもしかしたらあるかもしれない。それから、行政機構に属しておられる方からいえば許認可権との関係で不透明なことがあってはならない。で、私どもの立場からいえばマーケットの関係で不透明なことがあってはならないと。このマーケットの関係で不透明な状況があってはならないという点は、財務大臣の場合に非常に近い状況にあると思います。 それでも、厳密に言うと財務大臣と私どもとの間ではまた幾らか違いがあるかもしれない。そういう違いは十分整理して、その上で日本銀行に最もふさわしいルールというものをきちんと、かつ早く見いだしたいというふうに思っております。
○山口那津男君 村上ファンドに出資を直接制限するような規定というのはなかったとは思いますけれども、しかし世の中には一般的なルールというのは既に働いておりまして、例えば李下に冠を正さずとか、瓜田にくつを脱がずとか、あるいはノブレス・オブリージュというような言葉も特別な地位にある人が自制をすべきであると、こういう趣旨にも受け取れるだろうと思うんですね。ですから、そういう立場に立っての広い決断というのはあってしかるべきだったと思います。 で、この出資行為を継続されていて、二月に解約を申し入れたと、こう言われているわけでありますが、これが確定するのは実は六月末だと言われているんですね。しかし、総裁が解約をしたとしても、六月末までは総裁の手を離れてファンドの意思によってこれが運用されてしまうわけですね。しかし、大臣、閣僚に対するルールというのは、解約をしてもならないし変更を行ってはならない。これは、利益を得るというのも駄目だし、またリスクを回避するということも駄目なんだ、だからこれは動かしてはならないんだと、そういう状況に至る場合にはそもそも取引をしてはならないんだと、こういう考え方が根底にあるだろうと思うんですね。 しかし、総裁の場合は、解約を申し入れてなお数か月、自分の手を離れてファンドの取引にゆだねなければならない。しかし、その間も日銀の総裁として金融政策の決定に重要な構成員の一人としてかかわっていかなければならないと、こういう相矛盾するような立場というのは免れない。だからこそ、これは総裁に就任のときにこの継続する行為、出資を継続する行為は私は避けておくべきだったと、こう思うわけです。 これから総裁として新たなルールを作るに当たって、自ら取るべきリーダーシップということもあると思いますが、それに向けての御決意を最後にお伺いしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 私の今回の経験を生かすというのは甚だ変な言葉になると思いますけれども、やはりこれも十分反省材料として生かしながら明確なルールを作るように努力をしたい、そういうふうに既に新しい委員会にもお願いをしているところでございます。
○山口那津男君 終わります。
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。 この問題は十三日のこの委員会から始まった問題でございまして、今日でまだ十一日ぐらいしかたっていないんでしょうか、いろいろお聞きしてきましたけれども、私もう余り本当は根掘り葉掘りほじくったようなこと聞きたくないんですね。要するに、私は福井さんがこんなに軽い人とは思いませんでした。中央銀行の総裁としてこんなに、もうたまらなく軽いんですよね。こんなことでいいのかというのが、思います。 今、「国家の品格」という本がベストセラーになっておりますけれども、あれは国の在り方だけではなくて日本人の在り方といいますか、特にトップリーダーの在り方についていろいろ言っておりますけれども、本当に今の日本人は責任の取り方が分からないとか、あるいはひきょうだとか、ひきょうという概念がなくなったとか、本当にそういういろいろ指摘されているような、だからみんなあの本を読むとなるほどなと思っている。そういうときに起きて、さもありなんというようなことだと思います。 今日もいろいろ御答弁ありましたけれども、私はあれこれ福井さんのそのときの理由だとか気持ちだとかお聞きしようという気はもうありません。要するに、問われているのは、法的責任が今のところ何もないということでしたら道義的責任、そしてすべては結果責任なんですよね。すべては結果責任なんです。あのときそんなつもりじゃなかったとか、こうなるとは思わなかったとか、そんなことはトップである人間としてはもうどうでもいいことです。すべては結果責任でございます。 そういう点で、その結果責任をどう取るかというのは、私は潔く、中央銀行総裁というのは一番高潔でなければいけない。したがって、高潔というのは気高く潔いということです。潔いということなんです。だから、もういろいろ言われる前に御自分で決断をしてほしいということを予算委員会でも最初のときから申し上げてまいりましたけれども、どういうわけか信頼回復のために職責を全うすると。この言葉そのものが大変な自己矛盾だと思います。もうそんなややこしいこと言わないで、私はすっきりお辞めになった方が、国民の皆さんもいろんな意味で納得されない、もやもやもやもやした、なると思いますし、この後日銀の言うことは本当かいなというふうなことでとらえられるし、日銀マンも、私、日銀マンの方々と付き合いいろいろさせてもらっていますが、非常にみんなまじめな方多いですよね、一生懸命やっていますよね。そういう方にとってもどうなのかと、福井さんがずっと座り続けることがですね。 私、さっき与謝野さんが男気だとか心意気とか言われましたけれども、それならばもう潔くお辞めになるべきだと思いますし、何にしがみついておられるのかが分かりません。なぜあなたが総裁でなければいけないのか。あなたが御答弁なされたように合議制ですよね、合議制で政策決定していると。あなたでなければいけない、どうしてもいけないという理由は見当たりません。有能な方がたくさんいらっしゃいます。なぜしがみつくのか。もう辞めるとすっきり一言ここでおっしゃれば、私もこれ以上質問しなくて済みますし、時間の節約にもなります。そういう決断をされることこそ非常に後々、高度な政治判断であり、後々立派だったと言われる判断と思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 大門委員の御主張とそれからお気持ち、私、十分ちょうだいしているつもりでございます。そう申し上げました上で、やはり私の心を整理いたしますと、やはり今後とも強い意思を持って、しかしすべて反省事項はしっかり胸に収めて職責を全うさせていただきたいと、幾重に心を整理いたしましてもこういう形になるわけでございます。
○大門実紀史君 そうすると、幾つか質問しなきゃいけないわけですけれども、私は先ほど言いました道義的責任という意味では三つあると思います。 一つは、この国会に対するあなたの信頼がなくなった。これは大きなことですね、これから国会で質疑をやる上でも。 その第一は、十三日の財政金融委員会で始まったわけですけれども、民主党の大久保委員と私の質問に対して御答弁されたこと、その後いろいろ答弁されたことと、後から出てきた事実が食い違っております。違うことが幾つかあります。例えば、キャッシュアウトしていなかったというのがされておりましたとか、アドバイザリーボードも契約はしていませんでしたと。契約されたかどうかというのはあるんですけれども、一応正式のアドバイザリーボードに名前が出ていたとか、いろいろ後で答弁と変わって、事実が変わっております。 これは通常、虚偽の答弁と言われても、客観的に言えば仕方がないことですね、議事録と合わせると。で、それもそういうつもりではなかったとか、いろいろあると思いますが、それも結果責任として、国会に対する答弁と事実が違ってきたと。これは大きいことでありますし、予算委員会のとき私がそう言うと、福井さん気色ばって、虚偽というのは取り消してもらいたいと言われましたけれども、事実と違うという意味では明らかだと思います。 ですから、まずこの財政金融委員会に、最初のときの答弁と違った事実が出てきたことについては、まあ虚偽という言い方はともかくとして、やっぱり謝罪をまずしてほしいと思いますが、いかがですか。
○参考人(福井俊彦君) 私は、その場その場での御質問に対しまして、私の知る限り、私が明確に記憶している限りは、何一つ包み隠さず正直にお答えしてきたつもりでございます。九九年にさかのぼってすべての事実を正確にかつ詳細に覚えていない、これは残念ながら一人の人間として限界があったわけでございますけれども、振り返ってみまして、一つ一つの事実が論理的につじつまが合わないということではないと思いますけれども、言葉のつながりとして違っている部分が多々あったかもしれないと。それは、誠心誠意お答えしていても、私のそのときの記憶とか認識している事実を超えている部分について、結果的にそうなっている可能性があると思います。 大門委員に対しても、もし失礼な答弁をしたというふうなことであれば、これは本当に申し訳ないことであります。今深くおわびを申し上げます。
○大門実紀史君 まあそれが国会との関係では一番の道義的な責任だと指摘しておきたいと思います。なぜならば、もしこのままやられるとしても、私は福井さんに質問する気がほとんどもうなくなっております、金融政策についても。そういう関係になってしまったと、国会とは、ということですね。よく自覚してほしいと思います。 二つ目の道義的責任は、利殖行為の問題です。 これも経過はいろいろありますが、結果責任といいますか、結果的に見れば利殖行為であったということはもう間違いないわけでございます。この点で事実関係でまだ分からないところありますのでお聞きいたしますけれども、村上ファンド、MACへの投資は、基本的に一口十億円でございます。で、総裁は、福井さんは、前のMAC投資組合のときをいったんキャッシュアウトされて、それはもうなくなって、新しくこのアクティビストの方にされたときにまた一千万で受け取っていただいております。 あれは十億円、大体この村上ファンドは十億円単位ですけれども、なぜ福井さんだけ特別待遇で一千万ということが、新たにやったときですよ、九九年じゃありませんよ、二〇〇一年のときにまた受け入れてもらえたのか。私はこれ特別待遇だったと思いますが、どういう御認識でしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 特別待遇を受けた覚えはございません。一口一千万円という明確に契約になっておりますし、私だけではなくて、九九年に同時に始めました元の職場の同僚、いずれも恐らく一千万円だったろうと思いますが、とても十億円出しているとは思えません。同じような単位でずっと続けたということですので、そんな特別待遇があったというふうには全く認識しておりません。
○大門実紀史君 福井さんの認識はともかく、こうやって募集を掛けているのは全部十億円でございます。このアドバイザリーボードに福井さんのお名前が載っていると。福井さん自らアドバイザリーボードになり、なおかつここの傘下にある投資ファンドに一千万円出資されたと、こういう関係でございますね。ですから、ほかの方には十億円ですよというふうな募集されているわけですね。それがなぜ一千万を特別に受け入れてもらえたのかというところを思うわけでございますけれども、御認識ないということでしたら、ほかの、ちょっとこちらでも調べておりますので、また質問したいと思います。 時間がないんで、幾つかまだ分からないところありますので。 先ほどもありましたけれども、私は、今回の村上ファンドのインサイダー取引、これによって生み出された利益、不正利益ですね、これが福井さんの今度の決算に入って、何分の一かは入ってくると思います。入ってこないという証明は難しいですよね、仕組みからいってですね。これについて、気持ちが悪いというようなこともおっしゃいましたけれども、私はこれを受け取ることそのものが大変な問題だと、中央銀行総裁としてはですね。受け取った後寄附するとか何か、それはもう御自由にやってもらって結構なんですが、受け取ることそのものが大変な問題だと思います。私は、受け取ってから寄附とかじゃなくて、まず受取を拒否すると、そんな不正な利益が含まれているかもしれないと、受取を拒否すべきだと、これがまず筋だと思いますが、いかがですか。
○参考人(福井俊彦君) 私の行為は最初から最後までやはり自分の責任でこれを完結させる方がいいんではないかと思っています。受取を拒否するというのも今初めてのアイデアとしてお聞きしましたけれども、拒否したら一体そのお金はどうなるんだろうと。だれかほかの投資家に行くのか、ファンド自身のお金として残るのか、私も分かりませんし、そういう、それはどうなるんだと聞かれて、私が結末を言えないような後始末は私はやっぱりしたくない。私が最後の結末のところも責任を持って処理したいと。後はどうなったんでしょうと聞かれて分からないような後始末が本当にいいかどうかという点だけはちょっと、御提案については疑問が残るんでございますが。
○大門実紀史君 福井さんが受け取らなかったお金がどうなるかは御心配なさらなくていいんですよ。それは向こうの話なんですよ。中央銀行総裁、世界で二番目の経済大国の中央銀行総裁がインサイダーで得た利益のうちから何分の一か受け取ることそのものが、受け取っちゃいけないと私は申し上げているわけです。 よく、初めて聞いたアイデアということでしたら、御検討された方がいいと、どちらが正しいのか。受け取ってしまった瞬間に事態が違うことになると。受け取らなければ、まだその不正行為にかかわっていないとなりますけれども、受け取ったら、後でどう処理しようと、泥棒がお金稼いで寄附しようと同じことになってしまうわけです。まず、受け取っちゃ駄目だということをよく検討された方がいいと思います。 もう一つは、先ほどありました九九年、それから〇一年二月のMACの投資事業組合、最初に五人で始められた投資組合の話ですけれども、私が調べてつかんだものと先ほどの答弁違いますので、確認をさせてもらいたいと思います。 まず、契約書がないということですけれども、私は一部入手しております、全部ではございませんけれども、契約書はあるはずです。ですから、あれこれ言われないで、全部、櫻井委員からもありましたけれども、この委員会に提出してもらいたいと。ただし、五人の方が組合員というのは分かっております。その福井さん以外の四人の方は名前を消していただいて結構です。名前は塗りつぶしていただいて結構ですから、福井さんのかかわり方が分かればいいわけですから、そういうものを消してもらって結構ですから、契約書はあるはずですから、出していただきたいというふうに思います。 先ほど、この九九年当時の最初の組合が、業務執行組合員は存在しないと福井さんおっしゃいましたけれども、私の方の入手した資料によりますと、業務執行組合員はM&Aコンサルティングというふうになっていると思いますが、これすぐ答えられるのなら、ちょっと確認していただけますか。
○参考人(福井俊彦君) たしか、先ほど櫻井委員の御質問に答えましたのは、その当時の仕組みが分かるような資料は提出申し上げると申し上げました。契約書そのものは出せない立場にございます。 それから、そのときの業務執行、それはもう組合そのものが解散されていますので、業務執行組合員というものも形式上はもう存在しない、今おっしゃったとおり、M&Aコンサルティングというところが業務執行組合員であったと、当時あったと、そういうことは御指摘のとおりです。
○大門実紀史君 いや、私も事前に契約書出せないのかと申し上げたら、福井さん以外の四人の方の名前が載っているんで出せないという話でしたので、私申し上げているのは、四人のお名前要りませんので、黒塗りにしてもらって結構ですから、そのMACの、私なぜこれ申し上げるかというと、このMAC投資事業組合のとき、この話の始まりでございます、十三日の委員会の始まりの話でございます。志に打たれてみんなでお金を集めて出資したと。このときのこの組合の形そのものに違法性がないかという疑念を実は抱いております。いろんな、民法上あるいは投資顧問業法上ですね、これ違法性があるとは今日断言できませんので、いろいろ調べてほしいというのと、その契約書そのものを見せてもらわないと明らかになりません。で、その契約書の一部はここにありますから、本体もあるはずです。 したがって、その名前を塗りつぶしてもらって結構ですから、ほかの方は、その契約書そのものをこの委員会に提出してもらうということを改めてきちっと求めたいと思いますけど、いかがですか。
○参考人(福井俊彦君) 今おっしゃいましたのは、最小単位の組合、当時のですね、それは数多くの組合があって、恐らく同じような類似の契約だろうと類推されます。したがって、その名前を消してとおっしゃいましたけれども、当該関係者数人の了解があればこれが開示できるという性格のものではないので、契約書そのものは私の立場からは出せないと、仕組みを御理解いただく上に必要な資料をお作りして出すと、これは先ほど確約したとおりであります。そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○大門実紀史君 そうしたら、その五人の中の代表者が決まっていたはずですけれども、代表はどなただったのか。あるいは私の入手した中では、そんなきれい事じゃなくて、志でやろうじゃなくて、キャピタルゲインを目的として設立と、はっきりもうけだということも明記されているわけですね。等々、いろいろおっしゃったことと始まりが違っておりますのでお聞きしているわけですが、まず組合代表は五人のうちだれがなされたのか、あるいはその目標利回り、あるいは一任勘定についてどういう規定があったのか、この三つは少なくとも今答えていただけますか、出せないということならば。
○参考人(福井俊彦君) 後ほど資料で正確に答えたいと思います。うろ覚えでお答えするとまた間違ったお答えをすることになると思いますが、唯一、組合代表とおっしゃいましたけど、この私のような普通の資金拠出者、これは何人いても代表ではないわけでございます。代表、代表という言葉は適当かどうか分かりませんが、先ほどおっしゃいました業務執行組合員ですか、これがまあ事実上代表でございます。それはM&Aコンサルティングと、これは申し上げられるというふうに思います。
○大門実紀史君 後で結局出していただけるということですね、資料、ある資料を全部ですね。
○参考人(福井俊彦君) そういうふうに御理解いただける資料をお出しするということでございます。
○大門実紀史君 いろんなことを私先ほど申し上げましたけれども、要するに、最初、十三日、大久保委員と平野さんと私が質問したときは、みんな初めてでしたんでよく分からなかったからそんなに否定的には聞かなかったんですけど、出てくる後の話がどんどん違ってきております。 やっぱり村上ファンド、三つ目に、道義的責任は、これは申し上げておきたいんですけど、質問する時間ありませんけれども、村上ファンドがなぜこんなに大きくなってきたかと、大きくなったかと、なり得たかと。これは明らかにこの二〇〇一年の七月のMACのこの募集を掛ける、このときにアドバイザリーボードとして、ほかの方もおりますけれども、やはり福井さんの元日銀副総裁というこの信用付けは物すごい大きいものあるんです。このファンド政策というのは日銀の金融政策と違う方向ではやれません。いつゼロ金利解除もあるかとか量的緩和がどこまで続くかとか、全部絡むわけですね。インフレ方向で想定してやっていますし、あるいは解除になったときにはいつ解除になるかということも早く知らなきゃいけない。 私は、福井さんが村上さんに一々そんな情報を流したとは思っておりません。しかし、村上さんにとっては福井さんの名前を使うということによって、このファンドは日銀の金融政策について確度の高い情報を持っていますよと、そういう宣伝に使われたのはこれは間違いないわけですね。このことによって十億円単位で相当のお金を集めて最初大きくなって、さらにマスコミに出ていろんな派手なパフォーマンスをやると。そういう中で、一般のそういう投資家も含めてどんどんどんどんお金を膨らましていったと。 始まりのときにあなたがやはり村上ファンド、今日、証券業法違反の違法行為やったわけですが、ここに至るまでの最初の段階、最初の二、三年の段階であなたの役割が、御本人が意識するかどうかは別として、結果責任として大きかったと、これが三つ目の私は道義的責任で、実はこのことが一番大きいというふうに思っております。 もう時間過ぎましたが、このことについて、最後の点についてコメントございましたらいただいて、質問を終わりたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 村上氏ないし村上ファンドが実際にどういう広報活動、キャンペーンをしたかっていうことは私は承知しておりません。あるいは大門委員のおっしゃったようなことをしていたのかもしれないと。しかし、私は事実は承知しておりません。 いずれにいたしましても、最終的に起こりました結果は大変遺憾なことであり、当初の彼の志と比べますと余りにも距離感の大きいことが起こったと。しかし、その時点から振り返って過去を反省する余地がないかと、私は十分反省していると、重ねてそのことを申し上げたいというふうに思います。
○委員長(池口修次君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会