法務委員会 第17号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2006/04/14
会議録
○石原委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、本案に対し、平岡秀夫君外三名から、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合の共同提案による修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。石関貴史君。 ————————————— 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○石関委員 民主党の石関貴史です。 ただいま議題となりました刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、民主党・無所属クラブと社会民主党を代表して、提案理由を説明いたします。 今回の政府案の提案理由とされております、未決拘禁者等の処遇については、依然として、その内容は極めて不十分であり、また、受刑者の処遇との間で不合理な法律上の格差が生じることとなっているため、早期にこれに関する法整備を行う必要があることについては、民主党としても異論はありません。 しかし、いわゆる代用監獄を存続させる内容については、自白強要など違法な取り調べの温床となる危険性があるという観点から、重大な問題を含んでいると言わざるを得ません。 まず、できる限り刑事施設の収容能力を増強し、留置施設に収容される未決拘禁者の数を漸次少なくするよう政府は努めるべきだと考えます。 また、未決拘禁者の留置場への収容が九八・三%という現状にかんがみ、例外的に代用監獄を残存するとしても、留置業務と犯罪捜査を分離させ、代用監獄が違法捜査の温床となる危険を防止すべきだと考えます。 さらに、政府案では、面会の相手方が弁護人等であっても、刑事施設の規律及び秩序を害する行為があれば、職員による面会の一時停止が認められるという、刑事施設法案にもなかった規定が置かれています。これは弁護人等との秘密交通権に対する干渉であり、削除すべきと考えます。 また、政府案では、未決拘禁者が弁護人等へ発する信書については、確認に必要な限度の検査の対象から外れております。しかし、未決拘禁者と弁護人間の信書は、発信元がいずれかであっても、信書の検査は確認の必要の限度に限られるべきであります。 本修正案は、こうした問題点について必要最小限の修正を行うことにより、本来の目的である、未決拘禁者の人権を尊重しつつ、適切な処遇を実現するものであります。 以下、その内容を御説明いたします。 第一に、政府は、留置施設における未決拘禁者の収容を漸減するよう努めなければならないものとします。 第二に、犯罪の捜査に従事する警察官などの留置業務への従事禁止、起居動作の時間帯の遵守、留置担当官等による取り調べ等の停止の要請、留置施設における未決拘禁者の出入りの監視についての規定を新設するなど、留置業務と犯罪の捜査の分離を図ることとしております。 第三に、未決拘禁者の処遇の原則は、無罪の推定を受ける未決の者としての地位にふさわしい処遇であることとしました。 第四に、女子被収容者等の処遇は、女子の刑務官、留置担当官などが行わなければならないこととし、女子被収容者等に対する身体検査は例外なく女子の刑務官が行うものとしております。 第五に、未決拘禁者の弁護人等との面会の制限に関する規定を削除することとしました。 第六に、留置施設等における未決拘禁者の一般面会の際の立ち会い等の省略を規定いたしました。 第七に、未決拘禁者の弁護人等に発する信書についても、確認に必要な限度の検査の対象に該当することとしております。 以上が、本修正案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ各委員の御賛同をお願い申し上げます。 以上です。(拍手)
○石原委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○石原委員長 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長安藤隆春君、警察庁刑事局長縄田修君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長小貫芳信君、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会事務局長福本秀爾君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○石原委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。 これは、西川さん、それから石原委員長もちょっと聞いていてほしいんですが、何で名古屋刑務所の話が出てくるかといいますと、これはもう三年前になりますかね、この委員会で、全党一致で、要するに刑務官が暴行したということを前提として、自民党さんも、名前は言いませんけれども、殺人事件だというところまで言いました、刑務官の名前を挙げて、実名で。ほとんどのマスコミがそういう報道をして、日本国民の皆さんも全部そう思っている。それが前提となってこの法案ができているということです。 その会議録のところをちょっと読みますと、行刑改革会議の第一回会議録というのがあるんですが、平成十五年四月十四日、森山法務大臣が、森山さんみえますね、本人に後で聞いてもいいですけれども、これは本当に語られたと思いますけれども、森山法務大臣が、一連の名古屋刑務所事件を深刻に受けとめ、この事件を契機にあらわとなったさまざまな諸問題を解決し、国民の矯正行政への信頼を回復するためには、行刑運営のあり方を徹底的に見直して、抜本改革を行わなければならないということですが、本当はちょっと聞いてもいいんだけれども、これは聞けぬですか、手続としては。 では、述べられたということで、そのとおりですということをどなたか御答弁いただけますか。
○小貫政府参考人 先生が読まれた会議録にそういう記載があって、恐らくそういう発言があったというふうに私は思っております。
○河村(た)委員 森山先生もそこにみえて、何遍も、何年間もやっておるんですけれども、この問題というのは、これは間違いございませんね、言われたことは。小さいながらも、そうですと今言われましたけれども、要するに、この法律の一番原点となった、契機となったということは事実なんです、委員長。 だから、名古屋刑務所の刑務官八名ですけれども、これが本当に暴行であったのか、いや、事故であったのか、これは以後の法律の立て方が全然変わってくるわけですね。 仮に暴行だったら、再発防止の場合、例えば刑務官の研修とか、そちらの方へぐっと進みます。それから内部監察、そういうものをすごく強化しようというふうにまずいきますよね。 事故だったら、施設をどうするか、革手錠をどうするのか、それから、ふん尿まみれになっておった受刑者がおるんだったら、そういう場合、どうやって処遇したらいいかとか、もし転倒事故だったら、フロアがかたいんじゃないか、だから、転倒しても事故が起きないようにどうしたらいいか、こういうふうに変わってくるわけですよ。 ところで、この話というのは、一方、裁判をやっていますから、私もほとんどの裁判を傍聴に行っております。実はきょうもやっております。これになっちゃったから行けませんでしたけれども。私も社会的責任がありますし、人を暴行だと言って、何の根拠もなく、それも国会という場で、僕は呼び捨てにしませんでしたが、呼び捨てにされた方は大変ようけおみえになります。言った以上は、やはり最後まで、それが本当ならいいですよ、もし違っておったら、冤罪に加担するというのは、私は人生の生き方の中では最低の男の生き方だと思いますので、とことんこれは真相究明する、八名を助けるということでやっておるんです。 法務省がいつも言うのは、裁判をやっているから、犯罪の成否については裁判を待たねばならない、こう言っていますね。これは当たり前のことなんですよ、犯罪の成否は。しかし同時に、お伺いしたいのは、再発防止に向けた、有罪無罪とは関係ないですよ、再発防止に向けた真相究明義務、これは前にも答弁していただいておりますけれども、法務省にあると思いますけれども、ちょっともう一回答弁していただけますか。
○小貫政府参考人 法務省といたしましては、一連の名古屋刑務所事案につきまして、これまで可能な限りの行政上の調査を行いまして、同事案が事故か暴行かにかかわらず、必要な対策をとってまいりました。 調査の結果、現時点では、これまで国会に御報告申し上げた内容に追加して報告する内容は把握しておりませんが、今後とも、公判の推移を見守りつつ、必要な調査等を実施してまいりたいと考えております。
○河村(た)委員 ところで、きょうは国土交通省の事故調に来ていただいておりますので、鉄道事故、航空事故等、この間はJR西日本の大変痛ましい事故が起こりましたが、事故調の調査というのは裁判とどういう関係にあるのか、ここをまずちょっと答弁していただけますか。
○福本政府参考人 お答えいたします。 航空・鉄道事故調査委員会は、国家行政組織法八条に基づきまして国土交通省に設置されてございますが、航空事故及び鉄道事故の事故原因の究明を図る、さらには事故の再発防止を図るというために設置されておる機関でございますので、いわゆる裁判と申し上げますか、刑事手続とは一線を画すものでございます。
○河村(た)委員 一線を画すということは、司法の判断を待たず、これは当然だろうと思います。なぜかというと、もし裁判で運転士なら運転士の責任が確定するまで真相究明されないというと、恐ろしくてJRに乗れませんよ。こういうことですから、裁判の有罪無罪とはまた別個に、独自に、なぜこうなったのかという事故の真相、事実を明らかにするということでいいですね。
○福本政府参考人 お答えいたします。 私どもの調査対象はあくまでも事故であるということでございまして、明々白々にいわば事件であるというようなものにつきましては、私どもの調査は差し控えるということだと思います。
○河村(た)委員 差し控えるといいますか、とにかく司法とは別個に事実認定を行う、それだけちょっと言ってください。
○福本政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、私どもは、私どもの設置法にも書いてございますが、独立機関でございまして、そういう意味では、独立して事故原因の究明及び再発防止を図るというものでございますので……(河村(た)委員「真実を明らかにする、報告せないかぬでしょう」と呼ぶ)そういうことで、国土交通大臣に報告をいたしますとともに、広く国民に公表しておる……(河村(た)委員「真実を明らかにすると言ってください、条文に書いてあるから」と呼ぶ)事故原因の究明ということで、私どもとしては、委員御指摘のように、それが真実だとは認識はいたしております。
○河村(た)委員 こういうことなんですよ。裁判とは全く別なんですよ。言ってみれば、当たり前なんですよ。 それで、事故調にもう一回聞きますけれども、実地検証というんですか、これがまず第一歩でしょうね。ここに一つあるんですけれども、もう次の日かその次ぐらいに現場に行ってみえますね。JR東日本の羽越線事故、平成十七年十二月二十五日に発生し、十二月二十六日に委員を現地に派遣、こういうことがありますので、まず現場に行って実地検証する、それが真相究明の第一歩である、これは間違いないですね。
○福本政府参考人 お答えいたします。 私どもの事故調査に当たりましては、いわゆる初動調査というものが極めて重要でございます。そういう意味で、委員御指摘のように、事故が発生いたしました場合には、直ちに事故調査官を現地に派遣いたしまして、情報の入手、あるいは物件の収集、あるいは事情聴取といったようなことをやってございます。時間を置きますとどうしてもその辺の証拠等々の散逸というのがございますので、なるべく早く現地に赴いておるということでございます。
○河村(た)委員 そういうことです。これは当たり前のことですよ、だれが考えたって。 それでは、矯正局、十二月、五月、九月と三つ事故がありましたけれども、直ちに現地調査をやりましたか。
○小貫政府参考人 先生がおっしゃるのは、実地検証というのは現場検証という意味でよろしいでしょうか。(河村(た)委員「はい、そういうことです」と呼ぶ) 九月事件については、関係者等から事情聴取をし、現場を見たというふうに聞いておりますが、それ以外のものについてどうであったか、今のところ定かではありませんので、調査の上、何らかの形で先生に御報告申し上げたいと思います。
○河村(た)委員 こんな状況なんですよ、言っておきますけれども。九月も現場に行っていないじゃないですか。九月はビデオがあるでしょう。 役人はかわるもんで、本当に申しわけないけれども、これは前の矯正局長に聞きたいんだけれども、大林さんは矯正局長じゃないけれどもそこにみえるので、大林さんとやっているからいいんだけれども、実は、九月というのはビデオがあるんですよ、保護房ビデオが。保護房ビデオのとおり、なぜ検証しなかったんですか。それをやったんですか。ビデオがあるんですよ。
○小貫政府参考人 ビデオがあることは私も承知しておりますが、あのとおりに実験、再実験等を行ったという事実はなかったように承知しております。
○河村(た)委員 こんなむちゃくちゃなことをやって、これは国会議員の皆さんも、言っておきますけれども、漆原さんも、まあ僕らも同じだけれども、みんな暴行だと言って、漆原さんも質問していますよ。そうでしょう。そうだよと言っておられますよ。 言っておきますけれども、国会議員、全部税金で食って、これが発信されて、マスコミを通じて全日本の皆さんに一定の意識を持ってもらうことになるんですよ。それが、何か事故が発生したとかあったときに、全然現場検証をしていないんですよ。一方的に刑務官の暴行であるということをどんどこどんどこ流されて、全員そう、自民党も含め共産党まで全部やったんですよ、これは。 余り言うと感じが悪いけれども、民主党は十倍以上の放水実験をやってしまった。これは謝罪をしていますけれども。本当ですよ。それで、裁判なんか、〇・六キロを高圧放水と認定している。一けた間違えたんじゃないかという話ですよ。〇・六キロといったら、水道の水より低いんですよ。それを高圧放水と判決に書いてあるんですよ。その一番原点となる皆さんが実地検証をしていない。これは一体、どうなんですかね。 刑務官を告発しましたね。その根拠。
○小貫政府参考人 告発はいたしております。 告発の根拠をまず九月事件から御説明申し上げますと、あの事故、事故というか、いや、事案と申し上げます。(河村(た)委員「いや、事故と本当に言われたら、それでいいんですよ」と呼ぶ)経過から御説明して、その根拠にお答え申し上げたい……(河村(た)委員「時間がないので端的に。済みません、委員長、告発の前提として実地検証をやられたかどうか、それを聞きます」と呼ぶ) 先ほど申し上げたように、実地検証、現場検証というのを刑事手続のようにはやっておりません。ただ、現場を見たという事実はあった、こういうことでございます。
○河村(た)委員 見たといっても、何を見たのか知りませんけれども、保護房なんかは見ればだれでも見えるので、そういう意味でしょう。 ちょっと答弁がごちゃごちゃになるといかぬから、事故のいろいろな経過をちゃんとやって、そうやって見たんじゃないでしょう、それは。
○小貫政府参考人 先生がおっしゃられるような形での現場検証というのはなかったと承知しております。
○河村(た)委員 本当にいいんですか。誣告罪ってあるけれども、危ないですよ、これは本当に。現場検証も一切せずに、それは簡単にできますね、言っておきますけれども。なぜかというと、自分のところの省ですから、部下のことですから、ほかのところじゃないですからね。事故調の場合は、まだ一応、JRは別ですよ。だけれども、矯正局長からすると、刑務官というのは全く部下ですよ。だから、簡単にできるでしょう。
○小貫政府参考人 九月事案につきましては、事案の重大性や、あるいは公明性を保つために、名古屋地検に捜査を依頼することが適当だとしてそちらの捜査の俎上にのせた、こういう経過もありまして、刑務所施設での検証というのは行われなかった、こういうことでございます。
○河村(た)委員 もう時間がないので、ちょっと大臣に。 きのう、ちょっとお手紙を、読んでいただいておりますか。これは資料としてどうなるのかな、読んでもいいが、また次のときに言いますけれども。 悪いですけれども、余り自分のことを言いたくないのですけれども、暴力団関係者が平成十五年九月二十二日にうちに来て、私もあのとき野党の筆頭をやっていましたので、やはり刑務所のことだったら、警察関係はやめてくれと言っていました。しかし、国会議員というのは国民の声を聞くのが仕事ですから、暴力団関係の方でも、やはり刑務所のことで言いたいと言うのならどうぞ来てほしい、ただ一対一は嫌だ、それから変な場所で会うのは嫌だということで、二名、うちの事務所へ来るというので、話を聞きました。 その前に、街宣カーに乗りつけられて、うちの小さい会社を、四年前に息子がやりかけましたので、今は退社しておりますけれども、小さい会社の方にも街宣カーが来て、その当時、犯人不詳ですが、そのころ車一台とられて、私、何十年もやっていますけれども一度もありません。それから、かぎが壊された。それから、これもまたわかりませんけれども、私のところに、河村、出てこい、ばかやろうというのがあったことは事実でございます。 その方が、お見えになった暴力団関係者が私に、君は西の方では誤解されている、国会議員の地位を使って裁判に圧力をかけようとしているということを、ずっとまだありますけれども、そういうふうに言われたことは事実なんです。これは事実なんです。 それで、うちの家族もびびっておりましたよ。だけれども、うちのおふくろは去年亡くなりましたけれども、うちのおふくろが、初めはびびっておったけれども、暴力団に負けるな、刑務官を助けてやれと言って、私もそういう気持ちでしたので徹底的にやっておりますけれども、こういう実地検証もしていない状況で、一方的に暴行があると言って、暴力団関係の人が誤解しているんですよ。おまえは誤解されていると私は言われているんだから。誤解を正してもらえぬですか、大臣。
○杉浦国務大臣 委員の四月十二日付私あての書簡は、ちょうだいしまして、拝読もいたしております。国会議員として正当な活動をされている委員に対しまして、今御指摘になり、書簡にあるような事態が生じているといたしますと、甚だ遺憾な状況であると考えております。 法務省といたしましては、名古屋刑務所事案について、これまでも必要な調査を実施してまいりましたが、今後も、必要に応じ、実施を行ってまいりたいと考えております。
○河村(た)委員 最後にしますけれども、これはぜひ委員長にも、皆さんで検討してほしいんです。こういうことで、今この八名の刑務官はみんな地獄ですから、子供が小さいし。 それと、私のことで申しわけないけれども、ちょっと大臣、もう一歩踏み込んでいただいて、調査、調査と言いますけれども、事故も含めて実地検証する、これを答弁してください。
○杉浦国務大臣 現在、事案については裁判が行われております。裁判においては、起訴事実に対しまして、事故の可能性も含めて審理が続いていると承知しております。法務省におきましても、可能な範囲で、必要に応じ、調査を実施してまいりたいと考えております。
○河村(た)委員 それはいかぬのですよ、何遍も言っておきますけれども。本当に一遍ちょっと、この次にやりますけれども、犯罪の成否を問いますけれども、裁判所でやるのは有罪無罪の話ですからね。これと行政調査は全く独立なんですよ、さっき事故調が言ったように。そんなことを言ったら、受刑者は怖くて刑務所に入れませんよ、本当の事実が何であったのかわからないと。 なぜ事故調がやるかといったら、それは国民の皆さんがJRに乗るから心配だからでしょう。皆さん、何でこの事故が起きたかはっきりしなけりゃJRに乗れないじゃないですか。刑務所の場合は、現場の刑務官を、一番下の連中だし、軽く見ているんじゃないですか。それから、受刑者の場合は、再発防止を軽く見ているんじゃないですか。 時間もありませんからこれでやめますけれども、また次にやりますので、調査をすると、ぜひはっきり言ってもらわないかぬ。これは絶対に職務怠慢の罪が何かあると僕は思いますよ。調査しなかったら、告発せんならぬかもわからぬ、ほかっておいて裁判に丸投げするんだったら。 こういうことで、一応終わります。
○石原委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介でございます。 本日は、修正案と政府案、両方を比較するような形で質問をさせていただきたいと思っております。 まず冒頭、何度か既に当法務委員会で議論されております、いわゆる一九八〇年の法制審議会の答申に見られる漸減条項の扱いについてですけれども、この間、杉浦法務大臣からは、いわゆる代用監獄は廃止するのが理想だというような御答弁も繰り返し見られているところでございます。大臣はこの漸減条項について尊重するお立場でしょうか、どういうお考えでしょうか、大臣の見解をお聞きします。
○杉浦国務大臣 漸減条項を設けるべきであるという修正案については、これは国会における御判断にかかわると思っております。 何度も御答弁させていただきましたが、御指摘の昭和五十五年に法制審が答申した要綱の趣旨は、本来刑事施設に収容することが相当と判断されるような者について、刑事施設の収容能力の不足から留置施設に収容せざるを得ないという事態が現に存し、あるいはそのような事態が生じるおそれがあるとの認識に立って、刑事施設を所管する法務省に対しまして、その増設等に努めることによって、そのような事態が生じることがないようにすべきことを要請するものであると理解しております。 その結果として、やむを得ず被勾留者を留置施設に収容する例は少なくなりますが、法制審の答申は、代用監獄に収容される被収容者を漸次減少させて代用監獄制度を将来的に廃止するという趣旨を含むものではないと理解しております。この御指摘の要綱は、あくまでも新法の運用上の配慮事項を示したものであり、これを法文化することまでを求めるものではございません。 加えまして、最近の未決勾留者をめぐる厳しい過剰収容の状況や現下の厳しい財政状況等にかんがみると、もとより、法務省としては、今後とも未決拘禁者の収容能力の増強に努めてまいる所存ではございますが、刑事施設の収容能力の増強を図り、やむを得ず被勾留者を留置施設に収容する例を少なくするという結果を十全に実現することは必ずしも容易ではないことから、これを求める漸減条項の内容を法的拘束力を有する法文中に規定することは適当ではないと考えております。
○津村委員 法文化するかどうかというところまでまだお尋ねしていないわけですけれども、私がお聞きしているのは、前回と同じことなんですが、大臣としては明確に理想を語っていらっしゃって、これは、大臣のお言葉として代用監獄は廃止するのが理想であるということを明言されているわけで、今、実際、大臣は行政のこの分野のトップでいらっしゃるわけですから、いろいろな施策を打つことができるお立場にある、そういった意味で、理想を現実に近づけていくどのような努力をされているのかということをお尋ねしています。
○杉浦国務大臣 私が委員会で述べた考えに変わりはございませんが、私は財政措置をできる立場にはございません。内閣として、これからも、今までも、ここ五、六年は刑事施設の増強のために多額の国費を投入しておりますし、そのように要請しておりますが、先日来、矯正局長が何回も答弁しておりますとおり、莫大な政府からの支出を要し、また多くの人員を張りつけなきゃならないということでございますので、現実にかんがみますと、先ほど来申し上げております厳しい現実から考えますと、これを求める漸減条項の内容を法的拘束力を有する法文中に規定するという民主党の御提案でございますが、それは適当ではないというふうに考えておる次第でございます。
○津村委員 大臣、かなり無責任なことをおっしゃると思いますが、大臣は、御自分で法案を提出もすることができますし、また、予算を財務省に対して要求することもできるわけです。それが実際どういう形で予算審議されて結果になるか、それはもちろん大臣お一人でお決めになることではないですけれども、そういう意味で、これから大臣は、今その職にあってどういう努力をされるのか。 法文化することは適当でないとおっしゃったけれども、それだったら、例えば、実際の運用として予算要求しながらとか、あるいは実際の運用として減らしていく運用をする努力、いろいろとやれることはあると思うんですね。どういうことを具体的にされていくのか。そうでないならば、できもしない理想を語るのは逆に無責任だと思います。
○杉浦国務大臣 できもしない理想を語るのは無責任だという批判は甘んじて受けますけれども、理想は理想として語ったわけでありますが、法務省としても、これまでも未決収容者の定員増加に努めてきております。答弁において、局長から申しましたし、私も申し上げたようなさまざまな努力をいたしておるわけであります。これからも努力を続けてまいります。この職にある限り、予算要求もし、努力もいたしてまいる所存でございます。
○津村委員 修正案の提出者に伺いたいと思います。 大臣はこのように答弁されているわけですが、修正案では、政府は、留置施設における未決勾留の漸減に努めなければならない、そう明記をしています。この明記する理由はどこにあるのか、お尋ねいたします。
○保坂(展)委員 お答えいたします。 いわゆる代用監獄における任意性のない自白が強要されることで、いわれない冤罪事件が絶えない、捜査機関に未決拘禁者の身体を拘束すること自体が違法な取り調べの温床である、こういうふうに指摘をされてきたところです。ダイヨーカンゴクという言葉は、日本の人権侵害の代名詞として国際的にもよく知られるところになり、国連規約人権委員会からも一九九三年、九八年と代用監獄の廃止勧告を受けているところであります。 御指摘の法制審答申の漸減条項を代用監獄の固定化、恒久化をさせないために法案に明記する、このことは、少しでも現状の改革を推し進める重要な意義があると考えております。かつて、法務省の中でも、国会で三度廃案になった拘禁二法の刑事施設法案の附則の中にこの漸減条項を盛り込むことが真剣に検討されたということが、本法案の審議の中でも明らかになりました。 今必要なのは、五十年、百年、こういう単位の先送りをすることではなくて、五年、十年の範囲で刑事施設、拘置所の増設に努めていく、留置場収容者の減少を図る道筋を示すことと考えております。修正案の大事なポイントの一つで、この修正をもって、来年度以降、法務省が思い切った予算要求を拘置所増設において図っていく、その根拠をしっかりここで刻んでいきたい、こういう趣旨でございます。
○津村委員 ありがとうございます。 大臣にもう一度最後にお尋ねしてこのテーマから次に行きたいと思いますが、大臣、今の修正案の提出者から、思い切った予算要求をこれからしていくための法的な根拠として明記したいということがありましたが、大臣は、そういうものはなくてもきちんと努力を続けていく、予算要求をされていくということを先ほどお述べになりました。もう一度確認しますが、今年度、予算の編成におきまして、法務省としては、代用監獄を減らしていく方向で思い切った予算要求をされるということでよろしいですね。
○杉浦国務大臣 最大限の努力を尽くしてまいります。
○津村委員 それでは、次のテーマに移りたいと思いますが、捜査と留置の分離の問題についてお尋ねいたします。 一九八〇年代以降、政令等によって、組織上、捜査業務に携わらない管理部門の警察官が留置業務を行うこととしてきた、こういう趣旨の国家公安委員長の発言もございました。しかしながら、平成十五年以降で刑事部門において把握している限りの取り調べ中の暴行やわいせつ行為、そうした行為によって警察官を送致した件数が八件ということでございます。代用監獄の弊害が除去されたとは到底考えられないわけです。 今回の政府案において、留置業務と犯罪の捜査の分離について一応の規定がされました。代用監獄の弊害を除去するには、留置業務と犯罪の捜査の分離についてしっかりと明記していくべきだと考えますけれども、修正案の提案者はこの規定の必要性についてどのように考えているか、お答えください。
○石関委員 未決拘禁者の留置施設への勾留が九八・三%、こういった現状にかんがみますと、代用監獄が全廃されるまでの間、徹底した留置業務と犯罪捜査の分離が必要と考えております。 政府案の十六条第三項、「留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。」とありますが、民主党案、この修正案においては、さらに、過去に従事した留置担当官も、その被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならないものとしております。犯罪の捜査に過去に従事した警察官も、その被留置者に係る業務に従事してはならないものとしております。 またさらに、起居動作の時間帯の遵守、留置担当官等による取り調べ等の停止を求めることができるものとしており、留置施設等における未決拘禁者の出入りについて記録をし、本人、弁護人などから開示の要求があった場合は開示しなければならないものとしております。これらも法律への明記が必要というふうに考えております。
○津村委員 続きまして、未決拘禁者の処遇の原則についてお尋ねいたします。 今回の法律案では、三十一条で、「未決拘禁者の処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走及び罪証の隠滅の防止並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。」とあるわけですけれども、「逃走及び罪証の隠滅の防止」を明記した理由を政府にお尋ねいたします。また、修正案の提出者がこの文言を削除した理由についてお尋ねいたします。
○杉浦国務大臣 未決拘禁者は、捜査の対象とされ、または被告人として、裁判の当事者としての地位を有しておるわけでございます。 したがって、その処遇に当たりましては、一方においてその防御権を十分に尊重しながら、他方で、逃走及び罪証の隠滅を防止するという刑事訴訟手続上の公益を万全に図らなければならないと考えられるわけであります。そういったことから、今回の法案第三十一条においては、防御権の尊重に並べて逃走及び罪証の隠滅の防止に特に留意しなければならない旨を規定したものでございます。
○平岡委員 御答弁申し上げます。 そもそも、未決拘禁者の処遇原則については、何を規定すべきかということを考えてみると、本来は、無罪推定を受ける者にふさわしい処遇というものが掲げられるべきであるというふうに考えています。 拘禁をする当局にとってみれば、逃走を防ぐあるいは罪証隠滅の防止をしていくということについては、わざわざ書かなくてもこれらのことは十分にわきまえていることであると思いますし、逆に、文理的に見ても、極めて不自然な規定になっているというふうに思います。未決の者としての地位を考慮して逃走の防止に留意をする。そうしたら、では、逆に既決の者については逃走の防止を留意する必要はないのか。こんな法律をつくること自体が、私は、当局の極めて恣意的なものを感じます。 そういう意味でいけば、本来、ここに記載されるべきは、無罪推定を受ける者にふさわしい処遇としての文言であり、そのことを我々の修正案の中ではしっかりと示しているということでございます。また、無罪推定を受ける者にふさわしい処遇を明記するということについては、国際準則においてもそのようにすることになっているということを踏まえまして、我々としては修正を提案させていただきました。
○津村委員 政府案と修正案の違いの一つが、女子の被収容者の取り扱いでございます。 この問題については、国連の被拘禁者処遇最低基準規則五十三条に三つの規定があります。一つ、男子及び女子双方の被拘禁者を収容する施設においては、女子のために用いられる区画は、責任を有する女子職員の管理のもとに置かれなければならない。二つ、男子職員は、女子職員の同伴がなければ、女子区に立ち入ってはならない。三つ、女子の被拘禁者は、女子職員によってのみ監護監督されなければならない。ただし、男子の職員、特に医師及び教師が、女子施設または女子区において専門的な職務を行う場合は、この限りではないということでございます。 こうした規則が定められている一方で、先般の質疑でも私からも御質問させていただきましたけれども、現状、日本の姿というのは、そういう形にはなっておらないということでございます。実際、先ほども触れましたように、取り調べ中に警察官が被疑者にわいせつ行為を行うような事件も起きております。 こうした状況の中、今回の法案で、政府案と修正案ではかなりこの内容が違うわけですけれども、女性被拘禁者の扱いについて、政府案はどういう立場で提出をされているのか。また、修正案では規定を新設しておりますけれども、その趣旨と内容について御答弁をお願いしたいと思います。
○杉浦国務大臣 現在の刑事施設における職員構成からいたしますと、女性の被収容者の処遇に当たる職員をすべて女子の職員にすることは不可能でございます。また、将来におきましても、これを実現することは極めて困難でございます。したがって、御意見のような規定を法文上に設けることは、いわば不可能を強いるものでございまして、適当ではないと考えております。 御指摘の国連の被拘禁者処遇最低基準規則でございますが、これは、条約としての法的拘束力を有しているものではなく、その内容を逐一実現しなければならないものではございません。 もっとも、その趣旨はできる限り尊重すべきであると私どもは考えており、このことを踏まえまして、法務省では、これまでも女子刑務官の配置の拡大に努めてまいっておりますし、女子の被収容者の処遇に当たる職員にはできる限り多くの女子の職員を配置している上、女子の被収容者の処遇に当たっては、男子の刑務官による不適正な処遇が行われることのないよう種々の対策を講じているところでございますが、今後とも、女子の被収容者の心情に配慮した適切な処遇を行うため、その拡大に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○石関委員 御答弁申し上げます。 先生御紹介されましたとおり、国連の規則においても、女子の被収容者の取り扱いについては特に定めがございます。私どもといたしましても、やはり女性の被収容者等に対しては特段の配慮が必要であるというふうに考えております。 修正案においては、女子の被収容者などの処遇は、女子の刑務官、留置担当官等が行うのを原則としております。女子の被収容者等の身体検査等を例外的に男子の刑務官等が女子の職員を指揮して行うことができる、この旨の規定を削除し、そして、原則どおり女子の刑務官が行わなければならないということにしております。
○津村委員 続きまして、弁護士等との面会の一時停止について、これはこの委員会でも何度か議論された点ですけれども、お尋ねをいたします。 政府案の百十七条で、未決拘禁者についても受刑者と同様に、面会の相手方が弁護人等の場合であっても、規律及び秩序を害する行為があれば面会の一時停止等が認められるという規定が新設されております。政府案では、こうした行為があった場合に、その発言を制止することができるとされているわけですが、秘密性が絶対的に守られるはずの弁護人等との面会において、発言を制止するということはあってはならないことだと考えます。 未決拘禁者と弁護人等との面会の一時停止について修正案はどのような立場をとっていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○平岡委員 お答えいたします。 政府案では、今委員が御指摘のとおり、未決拘禁者に関しまして、面会の相手方が弁護人等である場合でも、刑事施設の規律及び秩序を害する行為があれば、職員による面会の一時停止が認められるという規定を置いているところでございますけれども、この点については、弁護人等との秘密交通権に対する干渉であり、我々としては、削除すべきであるという修正案を提出させていただいているところでございます。 政府は、この委員会において、なぜ必要なのかという具体的な事例を挙げて答弁しておりましたけれども、これらの事例について言えば、例えばアクリル板を壊すといったような問題については、庁舎の一般管理権に基づく当局の対処で十分に可能でありますし、また、携帯電話の持ち込みといったようなことによって生じた外部との通話といったような問題についても、そうした弊害が起こり得るようなことについては、あらかじめ未然防止のための措置をしっかりととっておけば何ら問題がないことであって、我々としては、こういう規定を設けているのは、むしろ、政府の方でこうした規定を使うことによって秘密交通権に干渉していこうとしているということのあらわれではないか、そうは考えておられないと思いますけれども、むしろそのように理解されてしまう、そのように誤解されてしまうおそれもあるということだというふうに思っています。 そういう意味において、私たちの修正案においては、刑事施設に収容される未決拘禁者について、法百十七条、百十九条、百二十三条において、面会の一時停止及び終了について弁護人等との面会の場合を除き、留置施設等に収容される未決拘禁者については、法二百十九条、法二百六十七条において、面会の一時停止及び終了について弁護人等との面会の場合を除くものとしているところでございます。
○津村委員 次に、一般面会における立ち会いについてもお尋ねします。 留置施設における未決拘禁者の一般面会における立ち会い等について、修正案と政府案の違いを教えてください。
○石関委員 御答弁申し上げます。 一般面会における立ち会いですが、政府案においては、留置施設において、一般面会における職員の立ち会いもしくは録音、録画を一律に義務化をしております。しかし、拘置所における一般面会と同様に、罪証隠滅のおそれがない場合には、録音等を行わなくてもよいとする例外規定を設けるべきであるというふうに考えております。 よって、我々の修正案においては、第二百十八条、第二百六十六条において「ただし、留置施設の規律及び秩序を害する結果並びに罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、その立会い並びに録音及び録画をさせないことができる。」という規定にしております。
○津村委員 続きまして、未決拘禁者と弁護人等との間で発受する信書の検査についての御質問をさせていただきます。 大阪地裁の平成十二年五月二十五日判決では、被拘禁者と弁護人の信書の授受についても、刑事訴訟法三十九条第一項は、できる限り接見に準じ、その内容についての秘密保護を、弁護人との間の信書は収容施設においても一切開封することなく常に封緘印したままでその授受を認める扱いを要請すると述べております。また、国連の被拘禁者保護原則は、その原則十八の第三項におきまして「拘禁された者又は受刑者が、遅滞なく、また検閲されることなく完全に秘密を保障されて、自己の弁護人の訪問を受け、弁護人と相談又は通信する権利は、停止されたり制限されたりしてはならない。」と規定をしております。 こうしたことにかんがみましても、未決拘禁者と弁護人との間の信書の取り扱いは十分に慎重であるべきだと考えるわけでございますが、政府案はこの点についてどのようなお立場か、また修正案の提案者はどう考えるか、それぞれ御所見を伺いたいと思います。
○杉浦国務大臣 未決拘禁者が弁護人等との間で発受する信書につきましても、罪証隠滅の防止などの収容目的や施設の規律、秩序を維持する観点から、現行監獄法がそうでございますように、その内容の検査を行う理由があると考えております。 しかしながら、他方で、弁護人等との間で発受する信書は、防御権行使の上で重要な役割を果たしているものでございます。そのため、今回の法案では、未決拘禁者が弁護人等に発する信書については内容の検査を行うこととしておりますけれども、未決拘禁者が弁護人等から受ける信書につきましては、そのことを確認するために必要な限度において検査を行うものといたしております。
○平岡委員 お答えいたします。 政府案におきましては、法第百三十五条、第二百二十二条において、未決拘禁者が弁護人等から受ける信書については、確認の限度の検査にとどめることとなっていますけれども、未決拘禁者が弁護人等へ発する信書については該当しないものとしているところでございます。 しかしながら、各国の例を挙げますと、先ほど委員が御指摘になりました国連被拘禁者保護原則というものについて尊重し、オーストリア、オランダ、スイス、フィンランドなど多くの先進諸国においても内容の検閲をしていないというような状況になっているというふうに承知をしているところでございます。 また、この委員会でも大いに議論になりましたけれども、未決拘禁者から弁護人が受ける信書というものは、例えば弁護人が拘置所等において未決拘禁者の発言をメモして、それを文書化したものと基本的には違いがないというふうに思います。秘密交通権に基づいて面談をメモした文書の存在が許されるのは当然であると思いますけれども、そのことが許される、そのことが当然であるというふうに考えるならば、未決拘禁者から弁護人等にあてて出された信書についても、このような観点からも内容の検閲をすべきではないというふうに考えているところでございます。 この委員会では、例えば信書の中に暗号を使ったものがあるというようなことも考えられるではないかというようなことで、一つの例示として挙げられておりましたけれども、これも、刑事施設の長あるいは留置業務管理者の長が指名する職員が容易に発見し得るようなものであるならば、弁護人もそう大きな困難なく発見し得るであろうと思いますし、文書化された暗号ということであるならば、未決拘禁者があらかじめ用意した発言要領で発言し、そのことがメモされたものでも同じことが言えるというふうに考えられます。そういう意味においては、政府が挙げられた例というのは必ずしも納得できる理由にはなっていないというふうに思います。 以上の観点から考えまして、未決拘禁者と弁護人間の信書というのは、発信元がいずれかであっても、信書の検査、検閲というのは確認の限度の検査に限られるべきであるというふうに考えているところでございます。 そういうところから、修正案では、法第百三十五条第二項第一号あるいは第二百二十二条第三項第二号において、未決拘禁者が弁護人等との間で発受する信書については検査の対象としない、必要な確認、発信人の確認の限度の検査に限られるべきであるというふうにしているところでございます。
○津村委員 今、三問ほど、いわゆる秘密交通権に関連して、政府案と修正案のそれぞれの立場の違い、一つ一つおさらいをさせていただきました。弁護人等との面会の一時停止について、一般面会における立ち会いについて、そして信書の検査について、それぞれ御答弁をいただいたわけでございます。 そうした中でもとみに感じますのは、やはり秘密交通権という非常にデリケートといいますか、かなり慎重を期さなければ守りにくいこと、何といいますか、力のバランスがアンバランスなものを、こうした権利を保障するという趣旨でこの秘密交通権というものが期待されていると思うんですけれども、そういう意味では、政府案には十分な規定がないようにやはり思います。 弁護士でもいらっしゃる大臣に極めて基本的な御質問で恐縮なんですが、幾つか御答弁いただく中で、弁護人等との秘密交通権に対する大臣の考え方、多少疑問に思うところがございますので、この秘密交通権というものを大臣はどのように重要なものと考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○杉浦国務大臣 秘密交通権というのは、弁護人が被告人の弁護を行う、そういう基本的な信頼関係をつくり上げ、弁護人と被告人あるいは被疑者との間で真実の究明に向けた内容についての真実の交通を行うという意味で大変重要なものでございます。 今度の改正においても、さまざまな御議論はございますが、弁護人と被告人等との秘密交通権は阻害されることはないと私は理解しております。
○津村委員 私が申し上げているのは、もちろん阻害されるための法律であるわけはないんですけれども、大臣が、非常に重要だ、十分尊重されるべきだと今もおっしゃったその秘密交通権というものを、相当丁寧に、丹念に権利保障していかないと、そして法律上そうしたものを明定していかないと、なかなか実現しない非常にデリケートなものだと考えるわけです。 どうして法律案の中に最大限の努力として書き込まれていかないのか。修正案の提出者の先ほどの答弁を聞かれたと思いますので、そうした感想も含めて、大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○杉浦国務大臣 この法律案は、秘密交通権を十分に尊重するということを前提としてでき上がっているものと思っております。
○津村委員 今お尋ねしたことに答えていただいていないように思うんですけれども、修正案の提出者からの答弁も聞かれていたと思いますけれども、この種の非常に重要な、デリケートな権利保障について、修正案の方では、そこは非常に丁寧に考えようということで、法文を追加しているわけです、修正しているわけです。その答弁を聞いて、やはり秘密交通権は大変重要だと考えるとおっしゃっている大臣はどういう感想を持たれたのかお聞きしたい、そうお尋ねしています。
○杉浦国務大臣 秘密交通権の問題については、それぞれの、いろいろな方の立場から、さまざまな御議論があることは十分承知いたしております。 私としては、秘密交通権を十分尊重した上で、法文上、さまざまに、明確にする努力はされているというふうに思っておりますけれども、最終的には、この問題についての御判断は、国会において御判断いただくものだというふうに思っております。
○津村委員 関連しまして、先ほど河村委員の質問にもありました取り調べの可視化の問題にも触れておきたいと思います。 代用監獄を存続させるのであれば、取り調べの可視化ということが最低限担保されなければならないというふうに考えるわけですけれども、先ほど名古屋刑務所の話も少し出てきましたが、修正案の提案者は、この取り調べの可視化の問題についてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。また、後ほど政府の見解もお尋ねしたいと思います。 修正案の提案者にまずお尋ねします。
○河村(た)委員 取り調べが密室で行われて、冤罪の温床になっている。それから、私がちょっと聞いた話ですけれども、検察の方も、主任がこういう方向でやれと言われるものだから、こんなことあり得ないと思っても、出世もせんならぬものですから、それで、密室だもんで、ビデオに映っとりゃせぬですから、とんでもない、ありもせぬ調書をつくっているということが全く横行しておって、とんでもないと思いますね。 それで、三月二十九日、民主党はこの法案を出したわけです。名古屋刑務所でもありましたが、要するに、初めから現地調査、実地検証をしないような状況でやりかけたものだから、暴行だという前提で、これは本人にも聞きましたけれども、刑務官は泣き泣き、おまえ、殺人罪に切りかえるぞ、逮捕するぞ、今まで拘置所で見てきたのと反対になるぞ、おまえもそっちに入るんだぞというぎりぎりの状況の中で、ありもせぬ調書にサインしたということが本当に横行しております。 それで、民主党が提案した可視化法案、どうしてもビデオで映されるのが嫌な人は録音するということ、それから必要となれば保釈はちゃんとせよ、そういう法案を、これはどうしても成立させないかぬのだけれども、まず、審議しないとは一体何事だということですよ。国会が議員立法を審議しなけりゃ、国会議員というのは一体どうなるんですか、国民の知る権利はどうなるんですか。 津村さん、一遍自民党の委員に聞いてやってください、何で審議しないんだと。もしや否決するならいいですよ、とんでもないですけれども。審議しないのはなぜなんだ、国会議員としてこんなことが許されるのかということを聞いてやってくださいよ。
○津村委員 私からもこの問題について少し敷衍をさせていただきますと、我が国の警察や検察庁での取り調べというのは密室で行われているわけであります。また、先ほどるる御質問させていただきましたけれども、弁護人の立ち会い等も非常に限られた、制約が多い中で、取り調べの状況が録画、録音されることもない。これでは自白の強要から冤罪事件につながりかねないということを私たちは危惧しているわけです。また、調書の信頼性をめぐって裁判が長期化することもあります。 こうした中で、取り調べの透明性を高めて、裁判の迅速性を高めるために、取り調べ段階での弁護人立ち会い権の確立と取り調べの可視化を確保する刑事訴訟法の改正が必要であるというのが私たちの立場でございます。 御指摘のように代用監獄を存続させるならなおのこと取り調べの可視化の必要性が高まって、その法改正が急務と考えているわけですけれども……(発言する者あり)自民党といいますか、大臣にということになると思いますけれども、私たちが、三月二十九日に、取り調べ可視化法案として、弁護人の立ち会い権、立ち会い権の告知、ビデオ等の録画による取り調べの可視化、そして弁護人の立ち会いのない自白及びビデオ等の録画のない自白の証拠能力の否認、そして保釈不許可要件の厳格化、こうした内容のものを提出いたしております。 今回の法案と比べて明らかに立場の違いが歴然としていると思うわけですけれども、法務大臣に政府の見解をお尋ねしたいと思います。
○杉浦国務大臣 民主党において可視化に関する法案を提案されているということは承知しております。この件については、国会において御判断されることであると思います。 なお、司法制度改革審議会等でもさまざまな意見がございまして、取り調べ状況の録音、録画等可視化問題については、刑事手続における被疑者の取り調べの役割との関係で慎重な配慮が必要であることから、法務省といたしましては、刑事司法制度のあり方全体の中で慎重に検討することが必要であると考えております。
○津村委員 私たちの取り調べ可視化法案をこれから国会で審議していくよう、おっしゃるように、国会、院の方で自民党の皆さん、与党の皆さんともこれから議論していくわけですけれども、その前に、今回、未決拘禁者の問題で、こうした取り調べの可視化のことも議論になっているわけですから、これは院のこれからの運営にも参考にしていただけることと思うんですけれども、そのためにも大臣にお伺いしたいわけです。 民主党が提案をしている取り調べ可視化法案、こういったものが実現可能であるということと、そしてこういったことは必要であるということについて、大臣の所見を伺いたいと思います。
○杉浦国務大臣 重ねての御答弁になりますけれども、提出法案については国会で御判断されるべきであると思います。 先ほど申しましたとおり、私どもも検討しておりますし、司法制度改革審議会のさまざまな意見がございました。取り調べ状況の録音、録画等につきましては、刑事手続における被疑者の取り調べの役割との関係で慎重な配慮が必要であることなどから、法務省といたしましては、刑事司法制度のあり方全体の中で慎重に検討することが必要であると考えております。
○津村委員 大臣、国会、院で決めるのは審議をするかどうかであって、中身についての感想を私は伺っているんです。
○杉浦国務大臣 一つの考えであり、重要な御指摘であると思っております。
○津村委員 重要な御指摘と言っていただきましたので、ぜひ国会の場で議論をさせていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○石原委員長 次に、高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司でございます。 いよいよ、この刑事施設法案も、未決の方、終盤という感じなんですけれども、最後の最後で重大な法案の欠陥を見つけたので、条件つきでいろいろ採決のお約束などをしておいてよかったなと今思っているところでございます。 まず、きょうびっくりしたんですけれども、これはそちらからいただいた白表紙のものなんですけれども、これを見てみますと、まず条文のつくり方なんですけれども、必ず括弧して「(実地監査)」だとか、「(被留置者の分離)」と書いて十七条とか、こういうふうに今なっていますね、法律というのは。みんなそうだと思うんです。ところが、この新旧の方でいうと十二ページになるんですけれども、つまり十五条ですよ。この十五条の直前に、これは「(留置施設への代替収容)」というのが書いてあるかなと、当然そうだろうと思っていたんですけれども、これが抜けているんですよね。これは、十五条のところだけ、この条文が何の条文なのかという解説がなく、ずらっとなっちゃっている。 あれ、これは何かミスプリントかなと思いまして、私、これは前、ずっと法務省の方が作成して出していますこの「法務省矯正局編」と書いてある「刑事施設法案」を見ましたら、「第七章 留置施設への代替収容」という章立てがまずありまして、その後に括弧書きで「(留置施設への代替収容)」となって「第百六十六条」、こうなっているわけですね。 これは何かミスプリか何かで、忘れちゃったんでしょうか、この括弧書きの部分は。それとも何か特別な意図があってのことなんでしょうか。大臣、ちょっとまず、これは法案そのもののことですからね。今、資料、そちらからいただいたものなので、そちらに当然あると思うんですけれども、どういうことでこれはなったんですか。
○石原委員長 小貫矯正局長。 その後、コメントがあれば、大臣、お願いします。
○小貫政府参考人 条文の条の見出しは、連続する二つ以上の条文がその内容から見て同じカテゴリーに属する事項を規定している場合には、その二以上の条文にそれぞれ見出しをつけることはしないで、そのグループの冒頭の条文に一つの見出しをつけることが法制の執務上の慣例になっております。これを共通見出しと呼んでいるところでございます。 お尋ねの法案第十五条につきましては、第一項で、刑事施設に収容することにかえて留置施設に留置することができる者を、第二項で、法務大臣の留置施設への関与について、それぞれ規定しているところでありますが、その前条である第十四条においては、第一項で留置施設の設置根拠を規定し、第二項は留置施設に留置する者を規定しております。 このように、この二つの条文はいずれも留置施設に関する規定であることから、これらの内容を簡潔に表現する共通見出しとして、第十四条の前に留置施設の見出しを付したものであります。
○高山委員 そうしますと、これは、いただいた白表紙の中で、法案そのものがばあっとありまして、最後に「理由」というところがありますね。これは細かい話ですから、これも局長で結構なんですけれども、この「理由」というところの最後の方の二行のところが特に焦点なんですけれども、百七十一ページ、これは何と書いてありますか。この百七十一ページ、このまま読んでもらっても結構ですけれども。
○小貫政府参考人 「理由 刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設に収容されている未決拘禁者等について、その人権を尊重しつつ、適切な処遇を行うため、その権利及び義務の範囲を明らかにするなど、その処遇に関する事項について定めるほか、留置施設及び海上保安留置施設の設置の根拠、留置施設への代替収容等について所要の規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」
○高山委員 そうしますと、この最後の二行の、「留置施設への代替収容等について所要の規定」というのは、これはどこになるんですか。何条のことを言っているんですか。どこに書いてあるんですか、この規定は。
○小貫政府参考人 先ほど、共通見出しというところで説明申し上げた十五条等がその規定に当たる、さらに、その前条の十四条もそうだというふうに考えております。
○高山委員 だって、今までの、法務省の方から出しています刑事施設法案ですと、これは別建てなんですよ、代替収容のところ。これはわざわざ別建てでやっていたわけですよね。だから、てっきり今回の法案でも、私、この十五条の内容云々のことじゃないんですけれども、昔、別建ての章でやっていたのを、しかも今まさに、留置施設の中に代替収容を含めるかどうか、これは最大焦点ですよね。これを、今まできちんと別章で分けて出してきたのを、私も本当に、いろいろな論点があったのでうっかりしていたんですけれども、最後、逐条で見ていったら、何か共通見出しということでまぜて書いてしまって、事実上、これは留置と代替収容の問題を何かうやむやにするような法文の立て方じゃないかな、これはおかしいんじゃないかなと思ったんですよ。 それで、では、民主党の方はどうなっているのかなと思って見ましたら、民主党の方は、代替収容の項目立てをきちんとして、分けて書かれているんですね。 そこで、私、ちょっと民主党の提出者の方にも伺いたいんですけれども、特に平岡議員は、法制局で法律もつくられていた専門家ということでございますので、こういう見出しのつけ方というのは一般的なものなのか。私は、今までの刑事施設法案で別章立てでしていたことから考えると、ちょっと欠陥のある法案なんじゃないかなと思いますが、まず、民主党案で分けた理由と、また、なぜこの政府案では何かあいまいな、うやむやな形で書かれているのか。だって、提案の理由のところにまではっきり所要の規定をつくるというのが書いてあって、何か中にまぜてしまっているような印象を受けたので、民主党の提出者に伺いたいと思います。
○平岡委員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、民主党の修正案においては、第四章の二というところで、「留置施設に代替収容される者の数の漸減」という項目を明確に立てて、代替収容ということの位置づけを明確にしているところでございますけれども、先ほど来から議論になっている点について、私が経験してきた法制執務という観点から答弁させていただきますと、技術的には、先ほど局長から答弁がありましたように、共通見出しというのがあります。 ただ、これをよく見てみますと、第十四条というのは、こういう施設を設けるという、施設を設置することの根拠が書いてある規定ということであります。逆に、今度は十五条の方はどういうことかというと、当局としてどういうことが行えるのかという、権限が書いてある規定ということであります。 そういうことであるならば、私はこれは、十四条と十五条の法文の位置づけというのは、明確に異なっているということと思います。そうであるならば、第十五条においても、ここへはしっかりと見出しを置いて、先ほど委員から御指摘がありましたように、かつての刑事施設法案で書かれていたように、留置施設への代替収容という見出しをつけるのが本来あるべき姿だというふうに思います。 こういうことを考えてみると、ここの委員会でも明確にいろいろと議論されてきましたように、代用監獄あるいは代用刑事施設という重要な課題があるということは、もうだれもが認識しており、多分法案をつくる当局、政府においてもそういう認識はあったんだろう。それにもかかわらず、今言ったような技術的な問題を起こさせているということは、一体何を意味しているのか。もしかして政府は、この代用監獄、代用刑事施設について、代替性というのを否定しようとする意図が含まれているとしたら、これは私は大いに問題があるというふうに思っております。 そういう意図が政府にないことを期待しつつ、我々も修正案で明確にしようとしましたけれども、それが、修正案、これから採決されるということで、ぜひ与党の皆さん方におかれましても賛同していただくことを切にお願い申し上げたいと思います。
○高山委員 細かい技術的なことは、これは政府参考人に伺わなきゃいけないようなことなんですけれども、今、平岡委員からの答弁にありましたように、もしこれが政府の大きな意図だというのであれば、やはり大臣に伺わなきゃいけないと思うんですね。 まさにこの提案理由のところにもあるような話でございますので、これは大臣に伺うんですけれども、政府といたしまして、こういう項目立てのようなちょっとしたことから始まって、どうも、この代替だということそのものをだんだん薄めていこうじゃないか、ここは反発が強いところだし、とりあえずこういう形で、漸次反発を薄める形でやっていこうじゃないか、こういう意図からこういう条文立てになったんでしょうか。ちょっと法務大臣に伺いたいと思うんです。
○杉浦国務大臣 この条文の表現は、局長が申したとおり法技術的なものであって、委員の御指摘のような意図は我々には全くないということは申し上げられます。
○高山委員 そうしましたら、例えば、これは今から、まだ法案審議中ですから、ここの十五条のところに、刑事施設法案、昔のにありましたような、「留置施設への代替収容」というような括弧書き、これをつけることはまず可能ですね。つける意思があるかどうかは別としてなんですけれども、まず、法的に可能かどうかということを伺いたいんですけれども。 技術的なことは結構です。それはわかった。委員長、技術的なことはいいですよ、時間ないですから。
○石原委員長 委員長の指示に従ってください。 小貫局長、簡潔に。大臣、コメントがあれば続けてください。
○小貫政府参考人 先ほど、委員から、刑事施設法案と違うんじゃないか、こういう御指摘がございました。 御案内のとおり、以前は刑事施設法案と留置施設法案との二本立てでございましたので、ああいう、設置根拠以外の代替収容という見出しができた。しかし、今回は一体の法律案になっております。この法案では、十四条と十五条とで、設置の根拠、留置対象者をまとめて留置施設、こういうふうにしておるということでございます。(高山委員「だから、技術的なことはわかりました。大臣にちょっと伺いますよ。まず、それを入れることは可能でしょう」と呼ぶ)
○杉浦国務大臣 国会は立法機関でございますので、国会がお決めになられたことはそのまま法文になるわけでございますが、私どもとしては、法技術上の問題で、局長が答弁したとおり、共通見出しということで適当であると考えております。
○高山委員 いや、だって、これは本当は章立ても別だったんですよ。章立ても別で項目立ても別だったのをわざわざ一個のところに入れて、しかも、先ほど平岡委員の答弁によれば、施設にかかわるところと権限にかかわるところ、これは全く同じにしちゃ変じゃないですか。 本来、別建てするべきものを、やはり代替施設ということを薄めていくために、意図的に一個の留置というところに入れて、漸次色合いを薄めていこう、こういうことなんじゃないですか、大臣。もう一度答弁してください、そうじゃないんですか。
○杉浦国務大臣 御指摘のような意図は、私どもは全く持っておりません。
○高山委員 では、十四条が施設、確かに、私も今言われて読んでみると、そういう施設にかかわることですね。それで、十五条の方は、こういうことをすることもできるという権限規定ですけれども、これは全然違う規定なんじゃないですか。何でこれが一緒のところに入っているんですか。ちょっとそれを説明してください。
○小貫政府参考人 先ほども御説明申し上げましたように、法制の執務上の慣例に従えばいわゆる共通見出し、こう呼ばれるものでございまして、このような規定ぶりになったのは、先ほども技術的なことだということで説明申し上げたとおり、刑事施設法案と今回のこの改正法案というのは立て方が違っております。 それは、拘禁二法と言われたように、当時は留置施設法案と刑事施設法案の二本立てになっていた、こんな経過があって、さきの法律にはそのような章立てあるいは括弧書きがついた、こういうことであります。
○高山委員 今の説明はおかしいですね。いいですか、先ほど局長が読んだ理由のところをよく読みますと、二行目から読みますけれども、「その処遇に関する事項について定めるほか、留置施設及び海上保安留置施設の設置の根拠、」これで文章切れていますよ、それで、その後また、「留置施設への代替収容等について所要の規定」、だから、これは二つ分けて整備するということなんじゃないですか、この理由から読み取れることは。これが何で一個のカテゴリーになっちゃっているんですか。留置施設及び海上保安施設の設置の根拠、ではまず、こっちはどこに書いてあるんですか。
○小貫政府参考人 審議していただいております改正法十四条でございます。
○高山委員 この設置の根拠は、今聞いた十四条ということですね。 では、この下の、留置施設への代替収容についての所要の規定、これはどこにあるんですか。
○小貫政府参考人 改正法十五条でございます。
○高山委員 だって、この理由のときから、こんな文章を途中で切って別々で出されているものを、これを何でわざわざ一個のカテゴリーにしてやっているんですか。そっちの方がよっぽど不自然じゃないですか。 だったら、この理由をもっと、一文でちゃんと書いてくださいよ。ここでちゃんと切って、留置施設の設置の根拠というものと、留置施設への代替収容についての所要の規定、これは、同じ条文じゃないだけまだ救いがありますけれども、やはりカテゴリーも全然別なんじゃないですか。 そもそも、十四条の方は、もとは警察庁提出の留置施設に関する法案ですよ。それと、十五条の方は法務省提出のものでしょう。出しているところが全然違いますし、しかも、実際に、この間、私も西川理事のお計らいで見学させていただきましたけれども、警察署の留置施設と法務省所管の拘置施設と、案内してくれる人も全然別ですし、政務官だって拘置所の方からお越しになったぐらいですから、これはもともと全く別ですよね。 何で、十四、十五と、ただ並列にしているから同じカテゴリーにするというのは、これは技術的な問題じゃないですよ。大臣にきちんと、はっきり伺っておきますけれども、今までこれは別だったんですよ。それを今回、一つのカテゴリーにしてきた。これはやはり、代替収容ということをなくしたいということなんじゃないんですか。 もう一度伺いますけれども、では、どうして二つ、警察庁から提出、法務省から提出のものを合わせたのに、何か一つの留置というところにまとめちゃっているんですか、法務大臣、お願いします。
○杉浦国務大臣 これは法技術上の問題でございまして、矯正局長の御説明したとおりだと思います。
○高山委員 法務大臣、ここがまさに今問題となっている、代用監獄がどうだこうだということの最大焦点じゃないですか、十四条、十五条の書き分けが。そこをうやむやにしたまま、いや、法技術上の問題だと言うのはおかしいんじゃないですか。これは法務省が方針転換したんだったら、そうはっきり言ってください。
○杉浦国務大臣 先生のような御指摘は、全くございません。
○高山委員 十四条は警察の施設にかかわるものですね。十五条は法務省の施設にかかわるものだと思うんですけれども、まず、そこはいかがですか。
○石原委員長 小貫局長、質問に答えてください。
○小貫政府参考人 先ほど来御説明申し上げているとおり、十四条は留置施設の設置根拠に関する規定でございまして、十五条は代替収容ということで、留置施設に収容する対象者についての規定である、こういうことでございます。
○高山委員 だから、もともとどちらが警察所管の話で、こっちが法務省所管の話だということをちゃんと答弁していただきたいんですけれども。今非常にわかりにくかったんですけれども。十四条と十五条が、もともと、これは警察の所管と法務省の所管、ちょっと違うんじゃないですか。それを答えてください。
○小貫政府参考人 所管というお尋ねでしょうか。 留置施設についても所管は警察にある、こういうことでございます。
○高山委員 そうしますと、法務大臣、もともとの刑事施設法案ですと、これは法務省が出しているでしょう、代替施設に関しての部分。今度の新しいものも、形としては法務省が出してきていますけれども、やはり、警察庁寄りにどんどん法務省の方で方針転換したということが出てきているんじゃないんですか。別に、方針転換したなら方針転換したでいいと私は思うんですけれども、なぜ大臣おっしゃらないんでしょうか。ちょっと、そこをもう一回確認させてください。
○杉浦国務大臣 方針を転換したわけでは全くございません。矯正局長の説明がもう少し詳細になされたら御理解いただけるかと。法技術上の問題で、一本化して出させていただいたということでございます。
○高山委員 いや、大臣、前に随分この議論をしているときに、刑事施設に代えてというのがあるけれども、この「代えて」というのは代替施設なんだという意味ですかと聞きましたら、そうじゃないようなことを言いましたよね。ちょっともう一回、この「代えて」という意味の答弁をお願いします。
○杉浦国務大臣 原則と例外ということではないということは再三答弁させていただいておりますが、被勾留者を収容する業務は裁判の執行としての性質を有するものでございまして、本来的に国が行うべき事務としての性格を有しております。 他方で、被勾留者を収容する業務をすべて国が行うことは現実的に不可能であるのみならず、留置施設の状況、警察の責務、適正迅速な捜査の遂行の必要性、関係者の利便等にかんがみまして、被勾留者を留置施設に留置することに合理性があることなどの理由から、被勾留者を収容する業務の一部を留置施設において行わせることとする必要がございます。 そのようなことから、法案では「刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。」と規定したものでございまして、被勾留者の収容場所を刑事施設とすることを原則とするという意味を含むものではないと考えております。
○高山委員 では、またもう一つ、この十五条で、焦点になっているので、ちょっと十五条を細かく伺いたいんですけれども、「刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。」となっておりますが、刑事施設に収容ということと留置施設に留置、この収容と留置というのはどう違うんですか、ちょっと説明してください。
○小貫政府参考人 収容、留置、ほぼ意味内容はそう変わらないというふうに考えているところでございます。
○高山委員 それじゃ、どうしてこうやって書き分けているんでしょうか。
○小貫政府参考人 この法律のつくりは、刑事施設については収容という言葉を主として使っておりまして、留置施設については留置という言葉を使っておる、こういうことであります。
○高山委員 そうすると、十五条のところに収容という言葉が出てくるのは、これは十五条が刑事施設にかかわるからということなんでしょうか。
○小貫政府参考人 刑事施設の収容に代えてということでございますので、先ほど御説明申し上げたとおり、刑事施設については基本的に収容という言葉を使っておりますので、そういう文言立てになっている、こういうことでございます。
○高山委員 大臣にもこれは伺いたいんですけれども、やはり、もともと十四と十五条は全然異質なんじゃないんですか。だって、留置の規定がずっと続くのであれば、ただずっと留置のことだけ書いていればいいじゃないですか。ここで刑事施設のことを書くんだったら、やはり別建てにして、代替収容はこうなんだというのを書かなきゃ、そこが最大焦点になっているわけですから。どうしてこれは括弧書きをしなかったのか。これはやはり技術的な問題だけじゃなくて、いろいろと今まで法務省の方でも苦労されて、今回こういう決断となったということなんじゃないんですか。大臣、いかがですか。
○杉浦国務大臣 矯正局長が先ほど答弁したことを繰り返すことになりますけれども、この二つの条文はいずれも留置施設に関する規定でございますことから、これらの内容を簡潔に表現する共通見出しとして、十四条の前に「留置施設」という見出しを付したものでございます。
○高山委員 私もこれは最終段階で気づいたので、なかなか、採決も難しいなとも思いつつも、また参議院段階で、ここをはっきりさせるために修正を我々の方としても考えていかなければいけないなと思いますが、ほかにも重要なことを聞かなければいけませんので、ちょっとその件は一たんさたやみにしますけれども、私の印象では、これはやはり十四、十五条の間に入れるのが自然だったんじゃないか、法務省が随分方向転換をされたんだなというふうに考えております。 それで、今度は警察の方に捜査手法のことで伺うんですけれども、前回の質問で私、この委員会で出させていただきました週刊誌記事がありまして、警察はここまでやっているというようなことで、尾行にこういう機械を使っている、そういうような話をさせていただきました。そのときもちょっと時間がなくて、その後、警備局長も強い関心を持たれていろいろ調べていただいたようです。 それで、前回の私に対します答弁ですと、この週刊誌の記事に書いてあることは調査中であり、もう絶対にこういうことはやっていませんというような答弁がなかったので、委員会のこの質疑を聞かれていた方は、えっ、警察は自白強要マニュアルだとか、あるいは捜査対象者の車に追跡装置をつけてだとか、そこまで今やっているんだ、随分進んでいるな、こういう印象を持たれたと思うんですね。 それで、これは随分詳細に質疑通告をしているのでお答え願いたいと思うんですけれども、まず、警察庁の方に伺いますけれども、こういう追跡用の携帯端末のようなものを使って捜査、こういうのを今やられているんですか。
○縄田政府参考人 犯罪捜査におきましては、どのような手法を用いているかいないか、こういったことを申し上げることは、今後の捜査に支障を及ぼすということから、お答えは差し控えさせていただいているところでございます。 なお、一般論として申し上げますと、犯罪捜査に用いる手段、この適法性につきましては、憲法あるいは刑事訴訟法その他の法令、判例に従いまして、個別具体の事案ごとに判断されるべきものだと考えております。
○高山委員 これは、いろいろ説明に来ていただいた方との信頼関係もありますので、私の方からいろいろは申し上げませんが、では、例えば、局長に伺いますけれども、いろいろ捜査で機械を使うことがあると思うんですけれども、刑事捜査をされる場合に、自動車、車は使っていますか。
○縄田政府参考人 捜査用車両は使っております。
○高山委員 あと、最近の「踊る大捜査線」なんかを見ていると、やはり携帯電話なんかも多用しているんですけれども、メールやら何やら。そういうパソコン上でメールを使ったりですとか、あるいは携帯電話、こういうのを捜査で使っていますか。
○縄田政府参考人 携帯電話等、これは通信手段などで使っております。
○高山委員 自動車や携帯電話のように、出てきたときは新しいんだけれども一般的になっている商品ってたくさんあると思うんですけれども、その中で、具体名は申し上げませんが、こういうのがありまして、調べていくと、月々九百円から使える。すごくお手ごろで、使用実績みたいなものを見ますと、もう随分いろいろなところで使われているんですね。荷物がなくならないようにトランクの中に入れていくですとか、物すごく一般化している商品だと思うんです。 すごく便利で、質量が本体四十八グラムだから、携帯電話の半分ぐらいの重さですよね。こういうすごい小さくて、だれでも簡単に使えますというようなことで、しかもレンタルですから、月々九百円から利用できますということで、広く利用されている商品があると思うんですけれども、こういった移動用の携帯端末は使っていますか。
○縄田政府参考人 先ほどもお話し申し上げましたように、どのような手法を用いるか否か、お答えしかねます。 ただ、私どもといたしましては、捜査手段、手法につきましては、差し支えない範囲につきましては御説明をいたしておるところでございますけれども、いろいろな捜査のあり方あるいは事件、捜査の手法等々、いろいろなやり方がございます。そういった中で、捜査に支障を及ぼすような可能性のあるものにつきましては、公の場でその適否あるいは使用の有無等についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 私も刑事ドラママニアではありますけれども、そこまで最新の捜査手法を全部わかっているわけじゃありません。しかも、そんなこと当たり前ですよ。相手の犯罪組織に教えてしまうようなことになってはいけないので、捜査手法の具体的な、だれを今尾行しているとか、尾行するときに、こういうところにちょっと見えないようにつけるためにカモフラージュするんだとか、そんなこと教えてもらう必要はありませんので。 携帯電話、自動車、こういったものは使われているわけですよね。今、非常に一般化しています、月々九百円から使える一般的な商品である携帯の追尾用の機械、これはなぜ、使っている、いないというのを答えられないんですか。携帯電話と携帯端末の違いを教えてください。
○縄田政府参考人 繰り返しになりますけれども、捜査に用いる手段について一切お答えしないというわけではありません。ただ、犯罪者が対抗手段をとる云々という、今後の捜査に支障を及ぼすような範囲につきましては答弁を差し控えさせていただきたいということでございます。 今、携帯電話と諸般の機械との関係とおっしゃられましたけれども、これは委員もおっしゃっておられましたが、これまた、具体的にどう使っていくかというようなこととか、そういったことにもかかわってまいりますし、現時点で、私どもといたしましては、その使用云々についてお答えすることは控えさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○高山委員 おかしいですね。例えば、自動車で尾行する場合も、それは相手に気づかれちゃいけないので、自動車を使っているだなんということは物すごい捜査手法を明かしているようなものじゃないですか。自動車がついてこないかな、尾行されるんじゃないかときょろきょろ見ますよね。同じですよ、これは全部。 携帯電話と端末の違いを教えてください、本当に。だって、これは警察が独自に開発したスパイ機械じゃないんですよ。一般的に、だれでも買えます。月々九百円から、こういう商品。こっちの方が携帯の基本使用料より安いじゃないですか。どこが違うか、教えてください。
○縄田政府参考人 繰り返しになりますけれども、まさに一般化しているかしていないか、あるいは私どもの捜査の側から見て、これを警察として公の場で申し上げることが犯罪捜査上支障があるかないかということがポイントであろうと思います。
○高山委員 では、そうすると、週刊誌報道によれば、この使用料なんかも、個人名でまず契約した後、捜査報償費から払うこともあるようですみたいなことが書いてあるんですよ。これが尾行に有効なんであれば、もし使うのであれば、堂々と予算要求すればいいじゃないですか。予算要求するときも何か違う品目として出して、流用か何かを考えているんですか。では、これをもし使うことになったらきちんと予算要求しますね、刑事局長。
○縄田政府参考人 使用機材等につきまして、一般論で申し上げますけれども、一般的ないろいろな機械を使うということも捜査としてはあるかもしれません。そういった場合に、捜査として使う以上、これは原則として公費で賄うべきもの、こういうふうに考えております。また、そういった場合には、国あるいは県でそれぞれ調達することになりますけれども、それぞれ使用の目的、こういうことだということで、要求時、当然説明をいたしまして、それで予算がついてくる、こういうことになろうかと思っております。
○高山委員 ちょっと、一般論で答えられても、そんなのは当たり前のことじゃないですか。 私、これはさっきから不思議なんですけれども、こういう最新の機器が出てきたときに当然、これは捜査に使えないかなと思って使用するということはあると思うんですよ。今の警察の答弁だと、これは何か違法な、後ろ暗い、そういう商品なんですか。すごい失礼な話じゃないですか、開発している人に。別に、きちんとした商品なんだったらそれは使えばいいじゃないですか。どうしてそれははっきり答弁しないんですか。何か違法な捜査でもやっているんですか。もう一回、答弁お願いします。
○縄田政府参考人 御指摘の機材が違法であるとかどうのこうのということと、私どもが申し上げられないということとは、また別次元の話ではないかと思っております。 捜査につきましては、当然のことながら、憲法、刑事訴訟法あるいは諸般の規定等に基づきまして、私どもとしては適正になされておると思いますし、警察庁といたしましても、そういった点、いろいろ誤りのないように常々指導しているところでございます。
○高山委員 では、もう一回、繰り返しになりますけれども、おかしいんですけれども、携帯電話を使っている、車も使っている、それでこの機械だけ答えられないと。これは違いが全然わからないんですけれども、では、ひょっとすると、先ほどの局長答弁は守秘義務違反か何かなんですか。携帯電話を使っているという具体的な捜査手法を今、国会の場でしゃべってしまった、こういう行為なんですか。だったら訂正してください。それもわかりません、携帯電話を使っているかどうか、ちょっと今は言えない、こういうふうに答弁し直してください。
○縄田政府参考人 車とか一般の携帯電話等は、まさに委員もおっしゃったように極めて一般化されておりますし、こういったことを私どもがここで今申し上げても捜査上何ら支障はないというのは、私どももそう思っておりますし、一般的にもそうであろうと思いますし、犯罪者も何とも思わないといいますか、痛痒を感じないことだろうと思います。 ただ、今先生いろいろ御指摘のものにつきましては……(高山委員「月々九百円だよ」と呼ぶ)料金の問題とかそういうものではなしに、私どもとしては、捜査上、こういったものについてどう使っているのかどうかとか、使っているのか使っていないのか等々につきまして公の場で答弁するということは捜査に支障がある、こういうふうに考えておりますので、差し控えさせていただきたい。ぜひとも御理解をいただきたい、こういうふうに思っております。
○高山委員 私も、きのう説明に来てくれた方からもうちょっと踏み込んだことを本当は伺いましたけれども、これはもう捜査にかかわることですから私もここで述べるわけにはいきませんが、どうも何か警察はここまでやっているという記事があって、きょう、いや、そんなことないですと全否定か何かあるのかと思えば、また疑惑を深めただけじゃないですか、今の局長の答弁じゃ。 これは、私は、警察が信頼されるきちんとした捜査をやらなきゃいけないという意味からも、きっちりとここはやっている、こういうことはやっていないです、市民の皆さんにそういう不要な監視体制をとって不安を与えるようなことはやっておりません、こういうことを言ってほしかったんですが、質疑時間が来たようですので、きょう、私の質問は終わります。
○石原委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党、保坂展人です。 杉浦法務大臣、今の高山委員からの指摘なんですが、大変重要な点だと思います。大臣みずからが拘禁二法反対運動の弁護士会の中で先頭に立たれたということをこの審議の中でもおっしゃっておりましたし、それはなかんずく代用監獄の扱いをめぐって、これが大きな焦点だったということは御承知のとおりです。 この十四条は、これはもともと警察庁提出の留置場にかかわる法案ですね。そして十五条は、当時法務省提出の刑事施設法案。これは間違いないですか。
○石原委員長 答弁する人は手を挙げてください。 小貫局長。
○小貫政府参考人 先ほども御説明申し上げたとおりでございまして、代替収容という見出しをつけなかったということについて、別段の意図があるわけではございません。先ほど申し上げましたように、法制の執務上の慣例に倣ってこのような規定ぶりになりました。(保坂(展)委員「答弁になっていないじゃないですか、どういう法案だったんですかと聞いているんですよ、もともと拘禁二法で」と呼ぶ)失礼しました。 刑事施設法案、拘禁二法の場合は刑事施設法案と留置施設法案という二本立てでございました。そして、留置施設の設置の根拠が留置施設法案で規定されていることを受けまして、刑事施設法案は代替収容について規定をした、こういうことでございます。
○保坂(展)委員 大臣、ちょっと局長が正面から答えていただけないので。 もう簡単なんですよ。要するに、十四条は留置施設法案からきたものですね、これは、今回一体化していますから。拘禁二法のように警察庁提出、法務省提出じゃありません。十五条は刑事施設法案、これは間違いないですね。 大臣、いかがですか。しっかり答えてください。
○杉浦国務大臣 矯正局長が申したとおり、間違いございません。先生のおっしゃるとおりです。
○保坂(展)委員 とすると、大臣、他にもタイトルがないところがあるんです、この分厚い法案の中に。ただ、それは自弁の書籍の閲覧に関するもので、自弁の書籍の閲覧はこうですよと総則があって、次はかくかくしかじかという細かい枝に分かれた規定があるという部分と、あと、罰則というところは罰則で語って包括していますから、それはそれでいいわけです。 ほかにはないんですよ、大臣。よろしいですか。ほかにはタイトルが抜けているところはないんですよ。しかも、抜けたところが、我々がずっと話題にしてきた留置施設への代替収容、これは入れても一向に差し支えなかったんじゃないですか。だって、これは刑事施設法案にあるんですよ。入れることで何か混乱するとか法律がおかしくなる、これは逆じゃないですか。入れることによって鮮明になる。 いかがですか。もうこれは大臣、答えてください。
○杉浦国務大臣 先ほど、高山委員の御質問に対してるるお答えしたとおりでございます。十四条、十五条は、いずれの条文の内容も留置施設に関するものでございます。それに着目いたしまして共通見出しとしては「留置施設」という見出しをつけたものでございまして、だからといって、条文の内容やその趣旨を変更するものではございません。 申すまでもないことながら、条文の内容としての当否は条文の規定内容そのものによって判断されることは当然のことでございます。
○保坂(展)委員 それだったら、タイトルというのは要らないですね、これから法案の中で。法務省がつくる法案の中で、こういう重大なポイントにおいて、これは落としてちゃいかぬですよ。 個々具体的に聞いていきますが、漸減条項についてですが、警察庁に。捜査が終了してなお留置場にいる人間はどのぐらいいるんですか。何割ぐらいいますか。簡単にお答えください。
○安藤政府参考人 お答えいたします。 留置施設の被留置者は、その大部分が捜査中の者でありますが、捜査終了後にも留置されている者がいるわけであります。これらは、拘置所等の刑事施設が過剰収容であることから拘置所に移送することができないため引き続き留置施設に留置されている者たちでございますが、このような者の割合は、すべての被留置者の約二割前後であると承知しております。
○保坂(展)委員 きのう聞きましたら、その二割という割合の中で、さらに、被告になって留置場にいてそのまま拘置所に行かずに釈放される人までいる、それは普遍的じゃない、かなり田舎に行くとそういうこともあると。この状態はいかぬのじゃないですか、法務省。
○小貫政府参考人 委員御指摘のとおり、捜査が終わって取り調べの必要がない者については、余罪がないというような場合、特別の事情がない限り代用刑事施設に留置しておくのは適当ではないと考えております。順次、その身柄を拘置所に移す運用には努めているわけでございますが、現在の過剰収容下のもとで起訴後直ちに身柄を移すことが困難となり、その停滞が見られるという現状にございます。そのために、今後とも未決収容者の収容能力の増強に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○保坂(展)委員 拘置所の数はそうふえていないし、そして未決収容定員も幾らかふえていますけれども、俄然ふえたということになっていない。ここを踏まえて刑事局長にお願いしますけれども、検察官が勾留請求する際に、実務的には希望する勾留場所を指定するのが一般的であって、その際代用監獄と拘置所を指定する、どちらが多いのか、実務的な扱いの上で。そしてまた、その割合はどのぐらいなのか、つまり、拘置所、留置場ですね。さらに、弁護人等から、拘置所に移してくれと勾留場所変更の準抗告などがなされているという実態だと聞いているんですが、そのあたりについてちょっと簡潔にお述べいただきたいと思います。
○大林政府参考人 まず、一般論でございますが、検察官は勾留請求に当たり、勾留すべき場所を選定して記載しているというふうに承知しております。勾留場所につきましては、事案の性質、共犯関係、捜査上の便宜、施設のあきぐあい等、諸般の要素を具体的事案に即して考慮し、勾留すべき場所を選定しているものと承知しております。 今おっしゃられた割合というものは、今手元に資料がございません。ただ、経験的に申し上げれば、警察署の留置場を勾留場所として希望する数は多い、圧倒的に多いと思います。ただ、もう委員御承知かもしれませんが、例えば治療を要する者とか警察官が関与したものとか、やはり事件の性質あるいは被疑者の状態によっては、最初から拘置所を勾留場所として希望するということもあると承知しております。
○保坂(展)委員 今の質問は、検察官自身も捜査の便宜上、やはり代用監獄を指定することは多いのではないか、そういう実態が拘置所増設を事実上余り進ませていないんじゃないかということを指摘したいということでお聞きしました。 死刑確定者についてお聞きします。 三問ほど聞きますが、心情の安定という言葉が語られて、この言葉によって、面会、交通権を初めとして処遇上の、いわゆる規制が強まった扱いが続いていたと思います。 今回、法案に心情の安定というのがありますが、これは従前の解釈を変えて、むしろ死刑確定者の、死刑に直面する当事者にとっての心情の安定だというふうに説明を聞いたんですが、人間としての尊厳を最大限尊重されるような運用ということなのかどうか。
○小貫政府参考人 死刑確定者につきましては、刑の執行を待つという特殊な地位にございます。したがいまして、日常、極めて大きな精神的な動揺とかあるいは苦悩のうちにある、こういうことで、処遇に当たりましては、人道的な観点からもその心情の安定にも十分配慮することが求められる、このように考えております。 したがいまして、心情の安定といいますと、すぐれて個々人の主観にかかわることでもございますので、今回の私どもの法案においては、心情の安定は、こちらが主体的な確定者の思いに援助をしていく、こういうことで考えておりまして、これを制限根拠規定にしようというような考えはございません。
○保坂(展)委員 もう一問聞きます。 法案百二十条において、再審を支援している者は、重要用務処理者に含まれると解釈していいだろうか、死刑確定者と友人、面会、通信についてはこれまで非常に厳しい規制があったんですが、規律、秩序を害するおそれがない場合は認められていくべきではないだろうか。
○小貫政府参考人 法第百二十条一項第二号の「死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者」にどういう者が含まれるかということについては、事案に応じて個別具体的に判断されるものでございまして、一概には申し上げることはできませんが、死刑確定者の再審請求を支援する、そして死刑確定者から事情を聴取したりする目的で面会しようとする者につきましては、その面会人自身と再審請求のための面会をしなければならない事情が認められる、こういう場合でありますから、この条文に該当し得る、こう考えております。
○保坂(展)委員 大変、これまでの扱いを変える内容が含まれている法案ですけれども。 もう一点、三十六条三項に、ビデオの鑑賞や宗教講話など共同の活動を一定程度認めるという内容が盛り込まれているのですが、人間らしい生活を実現するために、ビデオの鑑賞や宗教講話に限らず、積極的にこういったことを広げていかれるというふうに解してよろしいでしょうか。
○小貫政府参考人 法第三十六条三項は、死刑確定者については単独処遇を原則としております。そういうことで、それが原則ではありますけれども、確定者の心情の安定が得られることに留意するという処遇の原則に照らして有益と認められる場合には、共同の処遇も可能としているところでございます。 したがいまして、テレビ鑑賞等の活動を共同実施するということもあり得ることでありましょうけれども、ただ、いろいろ不安定な要素もたくさんございますので、個別の個々人の事情をつぶさに見た上で、心情が極めて安定しているか、あるいは対人関係を良好に保つことができるか等々について、よくよく考慮の上、慎重に判断すべきだろう、このように考えているところであります。
○保坂(展)委員 杉浦法務大臣、残り少ない時間になりました。ことし一月にスタートした刑事施設収容人員適正化プロジェクトというのがございます。犯罪者の中間処遇や在宅による再犯防止、社会復帰支援、仮釈放の運用、未決拘禁代替制度あるいは起訴前保釈制度などの導入を検討されているのか、また、そういった作業の中には刑事訴訟法改正も視野に入れての作業なのか、これを御答弁いただきたい。
○杉浦国務大臣 先生の御指摘になった事項は、すべて検討事項に入っております。 近年、刑事事件において被収容者が増加いたしまして、過剰収容の状態が継続している、また、犯罪者の再犯防止とか社会復帰の促進が大きな課題となっていることを踏まえて、刑事施設に収容せずに施設外で有効な監視や処遇等を行う新しい制度を検討する必要があるという認識から、私が首席となって設置したものでございます。 このプロジェクトでは、いわゆる未決段階の身柄拘束のあり方や受刑者の施設内、社会内処遇のあり方につきまして、先生の御指摘になった事項を含めまして、幅広く、諸外国における制度等も調査しながら、検討しているところでございます。 現在は省内において検討中でございますので、今後の見通しについて確定的に申し上げることはできませんが、検討の結果次第では法改正が必要になることもあり得るものと考えております。(保坂(展)委員「刑事訴訟法でいいですか」と呼ぶ)刑事訴訟法を初め、法改正が必要になるものもあり得ると思っております。
○保坂(展)委員 今回の代用監獄問題も、恒久化しないでぜひきちっとやっていただきたいと思います。 警察庁に最後に質問します。 先日のやりとりで、私の方は、一般論でと申し上げて、一般論でという前提のもとで、捜査や取り調べの現場に例えば調べ室に入ったら自供するまで出すなとか、否認被疑者は朝から晩まで調べよ、被疑者を弱らせる意味もあるなどの言説が、あるいは心得が、つくられていたり、そう思い込んでいたり、そういう考え方があるということを現認した場合には、指導をするのか容認するのか、これを簡潔にお述べいただきたい。
○縄田政府参考人 今、委員御指摘のような、被疑者の取り調べの任意性に疑念を抱かせるような指導があってはならないものと考えております。 私どもとしては、仮にそのような状況を承知すれば、当然指導すべきことだろうと考えております。
○保坂(展)委員 杉浦大臣、お疲れだと思いますが、我々も、何とかこの漸減ということを附則でいいから盛り込んでいただきたかった。ただ、残念ながらその協議は合意が成らなかったようですが、先ほどの答弁にありましたように、五十年、百年という比喩でおっしゃいましたが、そのとき私は生きていないなんてこともおっしゃっていましたが、杉浦大臣、まだ元気なうちにこれはやりましょうよ。やはり日本も、少し歴史を、針を進ませていくというんですか、外務省は今度は人権の議長国に立候補するという話もありますから、代用監獄というのは日本語として有名なんですから。大臣の所感をお聞きします。
○杉浦国務大臣 附則に規定するかしないかは国会でお決めいただくことなんでございますが、それにかかわらず、その法制審の答申の趣旨に沿いまして最大限の努力を尽くすということは、再三御答弁させていただいておるとおりでございます。努力をいたしてまいります。
○保坂(展)委員 終わります。もっと大胆な提言を聞きたかったんですが。
○石原委員長 これにて原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○石原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。津村啓介君。
○津村委員 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、政府提出の刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に反対、民主党、社会民主党提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。 政府案に反対する理由は三つあります。 第一の理由は、いわゆる代用監獄に関してその廃止あるいはその漸減が明記されていない点です。 代用監獄は、自白の強要、違法な取り調べの温床になる危険性があります。一九八〇年、法制審議会において漸減条項を含む答申を全会一致で採択したこと、あるいは四月四日の法務委員会における杉浦大臣の「代用監獄は廃止するのが理想」との答弁は、この代用監獄の危険性、弊害を認識しているものと言えます。 よって、政府は、留置施設における未決勾留の漸減に努めなければならないと法に明記するよう強く求めます。 政府案に反対する第二の理由は、違法な捜査を防止するために、捜査と留置の分離について実効性ある規定が置かれていない点です。 未決拘禁者の留置施設への勾留が九八・三%という現状にかんがみ、代用監獄が全廃されるまでの間、徹底した留置業務と犯罪捜査の分離が必要であります。 しかし、政府案では、「留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。」と規定しているだけであります。これでは、違法な取り調べを予防するには不十分であると考えます。 起居動作の時間帯の遵守、留置担当官等による取り調べ等の停止の求めることができる、留置施設等における未決拘禁者の出入りについて記録をし、本人、弁護人などからの開示要求に対し開示しなければならない旨、法に明記し、代用監獄の弊害の除去に努めていくことを強く求めます。 政府案に反対する第三の理由は、未決拘禁者について、弁護人等との面会であっても、規律及び秩序を害する行為があれば、面会の一時停止等が認められる規定を新設した点です。秘密性が絶対的に守られるはずの弁護人との面会において、発言を制止することができるとの規定は大きな問題があります。この規定は削除すべきであります。 以上の理由により、政府提出の法案に反対することを表明し、私の討論を終わります。(拍手)
○石原委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党・市民連合を代表して、民主党、社民党提出の修正案に賛成、政府提出の刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。 本法案は、昨年五月、受刑者の処遇に関する法律が制定された際に積み残されていた未決拘禁者、死刑確定者の処遇を定めるものであります。明治四十一年の監獄法制定以来の全面改正であり、我が国の刑事拘禁制度を国際水準に適したものとすることが強く期待されていました。 しかし、残念ながら、この法案の内容はそのようなものとなっておりません。本法案の前提となっている未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議の提言は、わずか六回、二カ月足らずの期間でまとめられており、本委員会における審議を合わせても、百年ぶりの監獄法改正という歴史的事業に対する議論は全く不十分であります。 警察留置場について視察委員会が設置され、拘置所における弁護人の夜間、休日接見が実現するなど評価できる点もあり、収容者の処遇の面では一定の改善も期待できるものの、依然、収容する側の施設管理運営の視点が上位にあり、未決拘禁者を無罪推定を受ける地位にふさわしい者として処遇する内容にはなっておりません。 また、自白の強要による冤罪の温床とも言える代用監獄制度が維持され、弁護人との秘密交通権が十分に担保されていないなど、重大な問題点が残されています。 特に、国際人権規約委員会から廃止を勧告されるなど批判を浴びている代用監獄制度については、少なくとも将来的な廃止、漸減の方向性は明記するべきであります。私どもは、代用監獄の漸減、留置と捜査の分離の徹底、女子被収容者の処遇に関する修正を求めました。これが実りませんでした。 〇六年十一月までには公的被疑者弁護制度が、〇九年五月までには裁判員制度が始まることが決まり、刑事司法全体が大きく変わろうとしている中で、代用監獄制度の廃止に向け一歩踏み出す点を明記している修正案に賛成、本法案に反対の討論といたします。(拍手)
○石原委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○石原委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、平岡秀夫君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○石原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、倉田雅年君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合及び国民新党・日本・無所属の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。倉田雅年君。
○倉田委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 未決拘禁者の処遇に当たっては、有罪判決が確定した者でないことを踏まえ、必要のない制約が行われることがないよう十分に留意するとともに、その防御権を尊重すること。 二 一の趣旨にかんがみ、未決拘禁者の私物の保管限度量を定めるに当たっては、訴訟の準備に支障が生じることのないよう、訴訟記録等の取扱いについて特段の配慮をすること。 三 未決拘禁者と弁護人等との面会については、面会の状況を監視すること等によりかりそめにも秘密交通権の侵害となることがないよう留意するとともに、連日的・集中的な公判審理が行われる中で防御権を実質的に保障するため、夜間・休日面会に対応することができるよう、必要な人的・物的体制の整備に努めること。 四 未決拘禁者と弁護人等との連絡手段としての電話、ファックス等の導入については、その必要性や通信インフラその他の物的基盤・人的基盤の整備状況等を踏まえ、弁護人の同一性の確認等の課題にも留意しつつ、これを利用できる範囲や具体的な方法、捜査上の必要性との調整の在り方等について実質的検討を行うこと。 五 一日一時間を目標とした運動環境や、女子の被収容者の処遇にはできる限り女子の職員を配置することの検討を含め、被収容者の生活環境の一層の改善を図るため、必要かつ十分な予算を確保し、刑事施設の人的・物的整備に努めること。 六 昭和五十五年に法制審議会から「関係当局は、将来、できる限り被勾留者の収容の必要に応じることができるよう、刑事施設の増設及び収容能力の増強に努めて、被勾留者を刑事留置場に収容する例を漸次少なくすること。」との答申がなされたが、現在、刑事収容施設の過剰拘禁問題の解決が、当時に比しても、喫緊の課題となっており、その実現に向けて、関係当局は更なる努力を怠らないこと。 七 六の取組を踏まえ、次なる課題として、刑事司法全体が大きな変革の時代を迎えていることなどを踏まえて、刑事司法制度の在り方を検討する際には、平成十六年四月二十三日の当委員会の附帯決議の一を尊重し、取調べを含む捜査の在り方について検討するとともに、代用刑事施設制度の在り方についても、刑事手続全体との関連の中で検討すべきこと。 八 代用刑事施設に収容される者は原則として被疑者に限られるべきであり、起訴後は速やかに刑事施設に移送されることが可能となるよう努力すべきこと。 九 捜査と留置の完全な分離を図るため、留置担当官は捜査業務に従事してはならないこととともに、捜査担当官は担当する被疑者の留置業務に従事してはならないことを徹底し、また、被留置者の起居動作の時間帯を遵守すべく努めること。 十 留置業務管理者は、未決拘禁者等の居室の出入りについて、その時刻その他の事項を記録し、保存するとともに、裁判所等からの求めに応じ、これを開示すること。 十一 反則行為に対する禁止措置の規定は、対象者が未決拘禁者であることも十分に踏まえた運用に努めることが必要であり、また、かりそめにも取調べと関連づけることのないよう徹底すべきこと。 十二 防声具の使用状況については、留置施設視察委員会に必ず報告するとともに、留置施設における防声具の使用の将来的な廃止を目指し、留置施設への保護室の整備を計画的に進めるほか、処遇困難被留置者の早期の刑事施設への移送を積極的に推進すること。 十三 留置施設視察委員会は、幅広く各界各層から委員を選任することとし、委員会が留置業務管理者に対して述べた意見は、本制度が導入された趣旨にかんがみ、十分尊重されること。 十四 死刑確定者処遇の原則に定められている「心情の安定」は、死刑に直面する者に対する配慮のための原理であり、これを死刑確定者の権利を制限する原理であると考えてはならないこと。 なお、七の平成十六年四月二十三日の当委員会の附帯決議の一は、「政府は、最高裁判所、法務省及び日本弁護士連合会による刑事手続の在り方等に関する協議会における協議を踏まえ、例えば、録画ないし録音による取調べ状況の可視化、新たな捜査手法の導入を含め、捜査又は公判の手続に関し更に講ずべき措置の有無及びその内容について、刑事手続全体の在り方との関連にも十分に留意しつつ検討を行うこととし、本委員会は、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律施行までに実質的な論議が進展することを期待する。」であります。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○石原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石原委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。杉浦法務大臣。
○杉浦国務大臣 ただいま可決されました刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえまして、適切に対処してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。 —————————————
○石原委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○石原委員長 次回は、来る十八日火曜日午後二時二十分理事会、午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十一分散会