法務委員会 第11号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2006/03/29
会議録
○石原委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、本案に対し、平岡秀夫君外二名から、民主党・無所属クラブ提案による修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。津村啓介君。 ————————————— 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○津村委員 ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して、提案理由を説明いたします。 今回の政府案の提案理由とされております国民の生命と安全を守るためにテロの発生を未然に防ぐこと、利便性を高めるために出入国手続の簡素化、迅速化を図ること等につきましては、民主党としても全く異論はありません。しかし、その具体的方策として盛り込まれた内容については、個人の自由な生活や民主主義社会の維持発展、外国人との友好、共生という観点に照らして重大な問題を含んでいると言わざるを得ません。 まず、上陸審査時に特別永住者等を除くすべての外国人に指紋等の生体情報の提出を義務づけることについては、プライバシー権や自己情報をコントロールする権利の保障という観点から、慎重に検討することが必要であると考えます。少なくとも、現在のところ、同様の措置を講じているのは世界的にも米国のみであり、国際社会が合意に達しているとは必ずしも言えない状況であることに照らし、熟慮期間を設けるべきであります。 また、政府案では、上陸審査時や自動化ゲート利用のために採取した指紋等の生体情報保存期間や入管業務目的以外での利用範囲、外国入管当局への提供範囲などが極めてあいまいであり、行政機関からの個人情報等の流出事件が相次いでいることを踏まえると、個人の生体情報を余りに軽く扱うものと言わなければなりません。 さらに、テロリストと認定された外国人の退去強制事由の整備についても、政府案ではテロリストの定義が極めてあいまいであり、恣意的な認定がなされるおそれがあります。 本修正案は、こうした問題点について必要最小限の修正を行うことにより、本来の目的であるテロの未然防止策などを円滑かつ的確に進めようとするものです。 以下、その内容を御説明いたします。 第一に、上陸審査時に提供を義務づける個人識別情報の種類について、法務省令への委任規定を削除し、法律で明記するものに限定することとした上で、当分の間、指紋の利用を凍結することとしております。 第二に、上陸審査時に取得した個人識別情報は、提供者がテロリストと認定されるなど上陸拒否事由に該当する場合を除き、提供者が出国後もしくは永住者となった時点で直ちに削除することとしております。また、自動化ゲート利用者から取得する個人識別情報については、登録が効力を失った時点で直ちに削除することとしております。 第三に、削除されるまでの間の個人識別情報については、出入国管理のための業務以外への利用を原則として禁止することとしております。 第四に、新たに追加される退去強制事由について、法務大臣の裁量を狭めることとしております。 以上が、本修正案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ各委員の御賛同をお願い申し上げます。 以上です。(拍手)
○石原委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○石原委員長 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として法務省入国管理局長三浦正晴君、外務省大臣官房審議官木寺昌人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○石原委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司でございます。 まず、私は、きのうの午前中からの引き続きの質問に関しまして、質問をさせていただきます。 それは、日本政府が、米国政府でUS—VISITという、指紋を押捺して顔写真を撮るというこの制度が始まったときに、外国人である日本人の指紋を出国したら即時に消去してほしい、こういう要求をしておったと。それに比べて、今回の入管法の審議では、法務大臣、副大臣からもたびたび答弁がありますように、外国人の方の指紋を採取して、出国した後には、即時消去するのではなくて、最大で七十年、八十年といった長期にわたり保有すると。これは全然矛盾している政策のように感じましたので、きのう長く質問をいろいろさせていただきました。 そして、きのう、外務省の方からは、日本側からこういう提案をしたというような答弁もありましたが、法務省は、いや、そういう即時消去の要求は日本としてはしていないんだというようなことで、食い違いも見られました。 きょうは、法務省と外務省、これは連携が今悪いようでございますけれども、双方に非常に影響力のある副大臣にお越しいただいておりますので、まずは外務副大臣に答弁を求めます。 きょう私がお配りいたしましたこの資料ですけれども、お手元に行っていると思いますが、まず外務副大臣に、こちらの方に、第一パラグラフの下の二行の部分ですけれども、これは何とありますでしょうか。これは、アメリカから来た資料を外務省の方で各省に配付しているものだと思いますので、特に私が問題としているこの個人消去の部分ですけれども、改めて外務副大臣から、ここに何と書いてあるかということを答弁していただければと思います。
○塩崎副大臣 懐かしい法務委員会に呼んでいただきまして、まことにありがとうございます。 まず、入管法の真剣な討議が行われているということで、参加をさせていただくことを名誉なことだと思っております。 何と書いてあるかというのは、ここに書いてあるとおりでありますが、先生御指摘の点は、特に、「個人情報は当該個人が米国を出国する時点で消去されるべきであるという日本国政府の立場も十分に理解する。」という部分をおっしゃっているのではないかなと思いますが、この報告書は、要望書がお互いに出てきて、いわゆる日米規制改革イニシアチブの中で議論が行われて、最後にそれぞれが報告書として出すもので、これは米国側がまとめたものでございます。
○高山委員 今、副大臣のお言葉にもありましたように、双方から要望書が出てきて、これはそれに対するお返事であるということでございますけれども、ここに日本政府の立場とありますけれども、これも副大臣に伺いますが、日本からこのような要望をしたのでしょうか。
○塩崎副大臣 結論から言いますと、そういう要望はしておりません、正式にはやっておりません。 先ほど申し上げましたように、これは要望がお互い出てきて、そしてさんざん議論をして、その結果、こういう報告書という形で出てくるものでありまして、先ほど申し上げましたように、これは米国側がまとめたものでございます。 日本側から正式な要望として言っていたのは、あくまでも生体情報、先ほども提案理由の中にありましたけれども、極めて重要な個人情報でありますから、これを厳格に管理をしてもらわなきゃ困るということを一貫して申し上げてきたわけでありまして、今のこの先方の、米国側の報告書に書いてあることについては、先ほど申し上げたように、さまざまな議論を要望書を受けてやる、その中で出てきた、言ってみれば、たくさんの具体案の一案として出てきたものだというふうに考えるべきではないかというふうに思っております。特に、議論の中で出てきて、そのやり方についてはたくさんの案が出てきているわけでありますが、そのワン・オブ・ゼムということでこういうふうに米側が書いたものだと理解をしておりまして、これは政府の正式な要望として出たものではないというふうに考えております。
○高山委員 副大臣もきょう突然にということでいろいろ混乱もあるでしょうから、木寺審議官、語尾は思われますでもきょうは結構でございますので、まず、きのう私、この件に関して、どういうところで出たんですかということで質問しましたね。これは議事録も残っておりますけれども、同じ答弁をしてください。
○木寺政府参考人 お答え申し上げます。 私が昨日答弁させていただきました内容は、日米規制改革イニシアチブの議論の中で、我が国の側から生体情報の管理の厳格化を求めておりますので、日本側からいろいろな考え方の一つとして言及されたものではないかと思われます、そのようにお答えいたしたと思っております。
○高山委員 今の答弁で、もう時間がもったいないので繰り返しませんけれども、副大臣に伺いますけれども、この指紋の即時消去というのは、正式な要望ではないにせよ、これは日本側からの提案ですね。
○塩崎副大臣 先ほど申し上げましたように、日本政府として正式に要望したことではないというふうに申し上げているわけで、当然のことながらいろいろな議論が行われた、その過程の中で出てきた、示されたワン・オブ・ゼムというふうに考えております。
○高山委員 いや、副大臣、これは日本とアメリカの議論ですよ。途中で違う国の人がいきなり何か要望を出してくるとかじゃなくて、日本かアメリカしかいないんですよ。そして、日本国政府の立場にはこういうふうに配慮するとアメリカが言っている。そして、きのう審議官も、日本側からこのことを言及したんだと言っているわけですね。 つまり、私が今、副大臣に確認したいのは、日本政府からこの指紋の即時消去という提案を、公式じゃないということをおっしゃいましたけれども、しているんですね、公式じゃないにせよ。
○塩崎副大臣 議論でいろいろな方々から意見を聞くというのはもう御案内のとおりでありまして、その中で出てきたもので、日本政府が正式なものとして出したことはないということでありまして、先ほど申し上げたとおりでございます。
○高山委員 これは、しかも一年だけの、一回こっきりのやりとりじゃなくて、一回、日本の政府からこういう指紋消去せよという要望をした、そうしたら、いや、それに関してはこういう対応ですという答えが来たわけですね。二〇〇四年六月に答えが来ている。またその次の年にも似たような要望を出しているんですよ、日本からも。またその返事も来ているという、今に至るまで三回ぐらいやりとりがあるんですよ。 その第一回目のこのやりとりのときに、どういう形でこの要望を出したんですか、これを聞いているんですけれども、まずは対アメリカとの関係で。 そしてさらに、それに関しては何か明確にお答えになりませんけれども、私、きのうの時点で、外務省と法務省の間の意思の疎通もおかしいんじゃないかと思いまして、そのやりとりも資料を出していただきたいということを言いましたら、それもゼロ回答なわけですよね。それでまた、これは委員会で責任持ってそこは答弁しますからということで今委員会が始まっているわけですけれども、全然、きのうの審議官の答弁と変わらないじゃないですか、副大臣がせっかくお見えなのに。 私、ちょっと伺いたいのは、冒頭にも言いましたけれども、法務省の入管に聞きましたら、いや、絶対そんな指紋の即時消去なんというのは要求していません、こういうふうに言うんですよ。だけれども、現にこれは日本側の要求として入って、アメリカ側はそういうふうに認識してこう書いているわけですよね。そうすると、これは百八十度違う要求ですから、少なくともアメリカからこういう返事が来たときに、日本の法務省あるいは入管の担当者は、えっ、そんなこと要求していないよと気づくべきだと思うんですけれども、そういうことを外務省から法務省にどういう連絡をしているんですかということを文書できのう聞いていますので、今お答えください。
○塩崎副大臣 その前に、要望をどうしたかということでございますけれども、例えば、これは二〇〇三年の十月の二十四日の文で、もうごらんになっているとは思いますけれども、取得した情報の適正な管理のために米国政府が講じている具体的な方策及び取得した情報の利用範囲にいかに歯どめをかけているかにつき、早急に明らかにしていただきたい、こういうようなことを言っているということでございます。 それと、法務省との間でございますけれども、外務省としては、法務省を含む関係省庁、これは別に法務省だけではありませんから、民間企業の意見も含めて聞いているわけであって、それは当然のことながら、入管政策にかかわる法務省にこの議論を持ちかけて意見交換しているのは当然のことであるわけでありまして、いずれにしても、関係省庁の間で合意のできたところで、米国政府に対して要望事項を提示しているということでございます。
○高山委員 副大臣が今おっしゃるように、関係省庁との合意ができたところで、アメリカ側にこの要望を出したわけですよね。それが、法務省が絶対そんなこと言いっこないよというこの指紋即時消去が入っているというのは、これは、方向が一緒だけれども言い過ぎちゃったというんじゃなくて、真逆のことですよ。日本の政府は指紋消却しないと言っているんですから。それで、アメリカ政府に対しては指紋消去を要求した。これは真逆でしょう。だから、おかしいんじゃないですかと。そこの経緯を明らかにする、どういうやりとりがあったかを出してくださいということを言いましたら、資料がけさまで来ませんでした。 だけれども、では、これは公開の場である委員会で明らかにすればいいんだなということで今質問させていただいているので、副大臣、これは明確に今御答弁ください。だれから言われたことをつけ足したんですか。法務省から言われたことじゃなければ、じゃ、この指紋消去というのはだれの要望だったんですか、日本政府内の。
○塩崎副大臣 繰り返し申し上げますけれども、正式な政府としての要望をしているわけではございませんので、そういうことで御理解をいただきたいというふうに思います。 そもそも、この外務省の範囲を超えますけれども、この情報を消去するということでは多分先方の政策目的も達成されないということでありますから、そういうようなことを正式に私どもの政府として要望することはないというふうに考えるべきだと思います。
○高山委員 いや、副大臣、この正式な要望書にはこれは入れていないよと。だけれども、もらいましたいろいろなプレスリリースですとか次官級でこう言っているだとか、あるんですよ。全部出してくれたの、ここ以外の部分は。指紋の即時消去を要求した部分以外は出てきているんですよ、入国の待ち時間がどうたらこうたらとかいうのは。何でこの部分だけ、だれが要求したのかということを言わないんですか。しかも、別にこれは何も隠すことじゃないじゃないですか。どうして、この出国する時点で即時消去を求めるという部分のだけ出してくれないんですか。何か隠したいことでもあるんですか。
○塩崎副大臣 別に隠すべきことは何もなく、正式な要望として出していないということでございます。
○高山委員 正式じゃなくても、作業部会でどうしたこうしたですとか、いろいろなものを出してくれているんですよ、外務省の方で。だけれども、なぜかこの部分、私はもうピンポイントで初めから文書で聞いているんですよ、この即時消去のところはだれが言い出した要望なんですかと。法務省の入管は、もう絶対うちじゃないと言っているんですよ。だけれども、だれかが要望しなきゃ、少なくとも交渉事項でぽっと相手方に言うわけないじゃないですか、こんなこと。 しかも、アメリカの方ではしっかりテークノートして、いや、それに対してはこういう対応ですと。しかも、このアメリカの方の返事も、正式に文書で要求したこと以外のことについてもいろいろアメリカも答えてくれているんですよ。そういうやりとりなんでしょう、信頼関係のある日米間ですから。 だから、日本側で、少なくともこの即時消去というのは、一体政府内のだれが要望したんですか。今民間だということもおっしゃいましたけれども、民間も含めて、だれから要望事項があったのか。これは法務省の入管の立場とは全く違うわけですから、このだれが言ったのかというのをぜひここで明らかにしてください。(発言する者あり)
○塩崎副大臣 繰り返し申し上げますけれども、資料が残っているわけではないので、お出しすることはできないわけでありますが、先ほど来申し上げているように、さまざまなやりとりがあって、先ほど提案者からもお話があったとおり、世界で初めて導入するときに、当然のことながら、個人情報についてどういう管理をするんだということについていろいろな議論が行われて、その厳格な管理を要望するというのは当然のことであるわけでありますから、そういうことで、さまざまな議論の中でこういうような意見が出たのかもわからないという話であって、正式な要望をしたわけでは決してないということでございます。(発言する者あり)
○石原委員長 高山君、もう一度質問をお願い申し上げます。 高山君。
○高山委員 委員長からの御下命でございますので、もう一度質問いたしますけれども、出ているのは間違いないんですよ。だって、アメリカの方で、きょう私が配っている資料の中でわざわざ言ってきていますから。しかも、出たということをきのう木寺審議官は言っているんですから、日本側から言及したということを。そこは争いないんですよ。 そうじゃなくて、政府内でだれがこの要望を出してきたんですか、それを確認したいわけです。だれが出してきたのか、これを言ってください。法務省は絶対自分じゃないと言っているわけですから、だれだか言ってください。
○石原委員長 外務省、わかりますでしょうか、ただいまの質問に対して。 塩崎外務副大臣。
○塩崎副大臣 この資料というのは、これを指しておられるんですか。これは、先ほど申し上げたようにアメリカがつくったものでありますから、私どもとしては文責はないと。(高山委員「きのう審議官が日本から出していると言っているんです。そこの出ていることは争いないんですよ。だれが出したのかと聞いているんですよ。出ていないなんてことはないですよ」と呼ぶ)
○石原委員長 外務省、答えられますか。 外務省塩崎副大臣。
○塩崎副大臣 私の理解では、私ども政府の方が正式に出したという、今先生がおっしゃっているようなお話は聞いておりません。これは、あくまでもアメリカ側の報告書にこう書いてあるということであって、日本の政府の中でそういう意見を言ったというわけではない、正式なものとしてですね、そういうことだと思います。
○高山委員 ちょっと今、塩崎副大臣がそういうことを言っていないとか言ったとか言いましたけれども……(塩崎副大臣「正式にはと言っている」と呼ぶ)正式な話はわかりました。正式なというか、文書で全然要望していないということも、きのうの委員会の時点でもう既に明らかになっているんですよ。 ただ、きのう審議官が、日本側からこの即時消去について言及したんだということを言っているわけですから、ここまではもう争いないですよ。そこまでは争いありませんので、だれが、交渉に行く人はそれは一人か二人でしょうけれども、どういうところからこういう、ぜひこれは人権上問題なので即時消去してほしいという要望というか話が来たのか、それを聞いているんですよ。 法務省じゃないと言っているんだから、法務省じゃないところから来ているんでしょう。法務省の政策と百八十度違うことをだれが言っているのかということを今私は確認したいんですよ。
○石原委員長 外務省に申し上げます。 記録があるのであるならば、どなたがこのようなことを言及したのか、わかりましたら御答弁をお願いしたいと思います。 塩崎外務副大臣。
○塩崎副大臣 昨日どういう表現をしたか、ちょっと今聞いておりましたが、何度も同じことを言って恐縮でございますけれども、交渉の過程でさまざまな議論があり、そしていろいろな人が意見を言う中でこういう案が一つとして出てきたのかなということであって、繰り返し申し上げますけれども、政府として正式に要望した事実はないということでございます。(高山委員「それじゃ、きのうの発言を撤回するんですか。時間の無駄ですよ、こんなもの。これはちょっと質問入れないですよ。きのう一時間近く無駄にしているじゃないですか。だって、あなた、きのう言ったでしょう。それで今三十分以上もめているんだから。撤回するなら撤回すると初めに言ってくださいよ」と呼ぶ)
○石原委員長 塩崎外務副大臣。
○塩崎副大臣 きのう、恐らく木寺審議官が申し上げたのは、厳格化の具体策の一案として日本側からこの消去について言及があったのではないかと思われますということを言ったんだろうと思います。 それは今私が申し上げたとおりであって、さまざまな議論があった、そしてその中にそういう意見もあったかもしれない、しかし、政府として正式な要望はした事実はないということでございます。
○高山委員 いや、副大臣、全くそこまでは私も争いないですよ。だけれども、正式に要望していないんだけれども、交渉の過程でいろいろ要望したわけですよね。非公式に要望している、こちら側から。その中に指紋即時消去というのが入っていなかったら、アメリカ側のこれに出てくるわけないじゃないですか。どうですか、副大臣。非公式にしているわけでしょう。
○塩崎副大臣 さまざまな意見があったわけでありますので、その中のワン・オブ・ゼムとしてあったということがあったわけでありますので、日本政府の……(発言する者あり)いや、それは向こう側がそういうふうに報告書に書いてきている話であって、それは正式な要望ではないということでございます。
○高山委員 そうしますと、私の資料によっても、これはもう、アメリカ側は指紋即時消去というのが日本政府の立場だという認識を二〇〇四年の六月の時点でしているわけですね。これに対して何か抗議しましたか、外務省の方は。まず、外務省は抗議しましたか。
○木寺政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘の点につきまして、抗議とか行ったことはございません。
○高山委員 これはもう、向こうが日本政府の立場はこうでございますねと言ってきたものに、副大臣、日本政府としてはそのまま、何も抗議もしない。これは法務省の立場と百八十度違うんですよ。微妙に違うとかじゃないんですよ。法務省の入管の人が絶対うちから要望するわけありませんと断言するぐらい、百八十度違うことが書いてあるのに、なぜこれは抗議しないんですか。物すごい怠慢じゃないですか。どうして抗議しないんですか、日本政府の立場と全く違うことを言ってきているのに。我が方は、日本政府としてはこういう立場ではありません、訂正を求めますという抗議をどうしてしないんですか。あるいは、今からしますか。
○塩崎副大臣 あくまでも先方が書いてきたことでありますから、その場で修正ということはできなかったわけでありますが、私どもの考えとしてはこういうことだということを伝えることは別にやぶさかではないと思っておりますけれども、これはもう、交渉の経緯でこういう形でお互い結果が出て、そしてお互いのアクションは決まっているわけでありますので、何ら影響は与えないということだと思います。(発言する者あり)
○石原委員長 質問、わかっていますか。 それでは、外務省木寺大臣官房審議官。
○木寺政府参考人 お答え申し上げます。 これに対して抗議はしておりませんし、抗議をしようという意見も出てきておりません。
○高山委員 法務大臣にちょっと伺いますけれども、これは明らかに法務省の方針と一〇〇%違いますよね、この指紋の即時消去。これに対して抗議しないでいいんですか、ここ間違えていますと。
○杉浦国務大臣 私どもは、毎年のイニシアチブの協議における我が国政府の対応について、その都度、意見を求められております。 私どもが関係するのはUS—VISITの部分でございますが、その部分について意見を求められた際に、我が国が提出した要望事項については、法務省として異存はございませんでした。
○高山委員 では、アメリカから来た返事に対して異存はあったんでしょうか。
○杉浦国務大臣 アメリカ政府が入国管理政策についてどういう政策をとるかは、アメリカ政府が決めることでございまして、日本の国民がそれについて影響を受けます。その影響を受ける部分について厳格な管理を要望したのはそういう意味なんですが、要望に入っておりましたから、私どもはそれで異存はなかったわけであります。
○高山委員 いや、大臣、それはおかしいですよ。だって、返事の中にこういう指紋の即時消去を日本政府が求めているということが書いてあったら、日本の意見とこれは一〇〇%違うんだ、百八十度違う意見だ、これは認識を間違えていますよということをアメリカにどうして言わないんですか。だって、これは法務省の見解と一〇〇%違うでしょう。だったら、日本に入ってくる外国人の指紋も即時消去してくださいよ。
○杉浦国務大臣 少なくとも、我が国政府としての正式要望には入っておりませんから、アメリカがいろいろおっしゃっておるかもしれぬ、別にそれはそれで向こう側の認識の一部かもしれませんので、それはそれとして、私どもとしては、正式に要望したことについて理解いただいたというふうに思っております。
○高山委員 それはそれとしてというところが重要なんですよ、法務大臣。だって、これは全然要望もしていないし、しかも要望が意に沿うものでも全然ないわけでしょう。全く真逆じゃないですか。指紋即時消去したくないというのが日本の立場で、指紋消去してくれということを、全然違うことを言っちゃっているわけですよ。 だから、これは抗議か訂正、少なくとも日本の国内で、アメリカがこういうことを言ってきたけれども、外務省さんちょっと交渉がおかしいんじゃないかということを外務省には抗議しましたか、法務省として。
○杉浦国務大臣 もちろんしていませんし、するべきこととも思えません。 少なくとも、このアメリカのUS—VISIT、私どもが関係する部分の政策については、アメリカ政府が九・一一の厳しい教訓から導入しようとされたものでございます。それはそれとして、アメリカの政府の方針は理解できます。 それについて、私どもとすれば、日本からたくさんの方がアメリカへ行くわけですから、それによって影響を受ける。アメリカの政策そのものに賛成とか反対とかいうことよりも、それによって日本の国民が影響を受けるのを最小限にとどめたいということで、厳格な運用、保管というものを正式に要望したわけでありまして、それについて、私どもは異存は全くございませんでした。今も厳格にやっていただけるというふうに思っております。(発言する者あり)
○石原委員長 御静粛に願います。 大臣、まだお答えに足りないことがあれば御答弁いただきたいですし……(杉浦国務大臣「もうございません」と呼ぶ)ございませんでしたら、質問者の高山君、質問をしていただきたいと思います。
○高山委員 いや、大臣にこれは再度聞きますけれども、要望書の中に盛り込まれたことについては異論はないと思いますよ。だから、アメリカ側の方で、ああ、ここ間違えている、日本政府からこんなこと言うはずないのに言っているじゃないか、おかしいということでどうして抗議しないんですか、これを聞いているだけですよ。
○杉浦国務大臣 先ほど来、外務省、副大臣等から答弁されているとおり、これは外交交渉、協議ですから、その場面でいろいろな話が出るのは当然のことでありまして、それをアメリカ側がああいう表現で言われたんでしょうけれども、私どもからすれば、正式要望として出したことには何も、公式要望を日本政府が取りまとめたものについては異存はなかったわけですから、それ以外のことは、アメリカの政府が多少どうされようと、ちゃんと我々の要望を踏まえてやっていただければそれでよろしいわけですので、抗議するとか、そういうことではないと思います。
○高山委員 大臣、その外交交渉の現場で、こっちからこう言ったら向こうはこう言ったということをたまたま私がとらまえて言っているんじゃないですよ。これは思いっ切り正式な回答書じゃないですか、アメリカから来ている、きょうお配りしたのも。これは文書でのやりとりですよ。 アメリカ側からこういう文書でお答えが来て、そこに明らかに日本の方針と違うことが書いてあるのに、日本政府の立場は指紋消去ですねと言われていることに何で抗議しないんですか、立場が違うんであれば。それとも、日本政府としても指紋は即時消去だという立場なんですか。きのうも確認しましたけれども、それをまず答えてください。 別にそれでもいいんですよ。外国に対しては、日本人が海外に行ってアメリカに入国するときには指紋は即時消去せよ、だけれども、外国の人が日本に来たときには指紋は八十年も百年もとっておきますと。これはダブルスタンダードなんだということなんですか。
○杉浦国務大臣 アメリカ政府の入国管理政策に対して、私どもが、それはアメリカ政府がお決めになることであって、基本的にどうこう申し上げる立場にございません。 ただ、それによって日本国が影響を受ける。受ける部分については、その悪影響が最小限にとどまるように配慮願いたいというのが私どもの基本的立場でございまして、その一部分の記載はそうなっておりますが、全体として、私どもの要望をきちっと文書に取りまとめて先方に伝え、先方は厳格に運用するということをしていただいておるわけですから、抗議をするだとかどうこう、そういう問題ではないと私は思っております。
○高山委員 ちょっと時間もなくなってきました。 今大臣みずから言われましたように、一部分に違いがあるのはまあそうでございますかとかいうことですけれども、これは確かに文書としては一行ですけれども、指紋を即時消去するのと八十年とっておくんじゃ全然違うじゃないですか。一部分に違いがある、その違いが決定的な違いだから今質問しているんですよ。 それを、アメリカ側の認識が完全に間違えているんだったら、法務省か外務省を通じてかもしれませんけれども、これはアメリカに抗議するべきだと思うのに、二年間もこの書簡のやりとりがある中で一度も抗議していない。だから、これは、法務省の方針が外と内ではダブルスタンダードでやっているのかなと思ったわけですけれども、法務大臣、では、外に対しては即時消去を求めているけれども、内に対しては、内に対してはというのは、外国人が来たときには指紋はずっと保存するんだ、こういう立場ですね、日本は。
○杉浦国務大臣 それは何度も申し上げておりますとおり、アメリカ政府に対して指紋の消去を求めておりません、要望として。(発言する者あり)おりません。ですから、アメリカ政府がお決めになられたことでございます。私どもの要望は、厳格に保管していただくことであって、それはアメリカ政府もそれを受けとめて実施していただいていると承知をいたしております。
○高山委員 済みません、法務大臣。きのうは、外務省がこういうことを言っているといったら、答弁に詰まっていましたよね。だから、これは日本の立場が矛盾しているわけでしょう。どこかで変わったなら変わったでいいんですよ。どうしてきのうの答弁とまた違うことを言うんですか。価値観が変わったなら変わったで別にいいんですよ。 ちょっと大臣、もう一回答弁してください。
○杉浦国務大臣 昨日もきょうも外務副大臣、外務審議官は、その表現の部分は、米国政府との協議のやりとりの中で、米国政府による生体情報管理の厳格化の具体策の一案として、日本側から出国時の情報の消去について言及があったのではないかと思われるという答弁をされて、きょうもその答弁を繰り返しておられます。それはあり得ることで、協議ですから、向こうからもいろいろな意見が出て協議する、そうじゃないと協議じゃございませんので、そういうことはあり得るのかなと思っております。
○高山委員 いやいや、だから、あったんでしょう。あったからアメリカ政府の方でこういうふうに書いてきているわけですから。そこは水かけ論になりますから、私が聞きたいのは、少なくとも、この二〇〇四年の当時では、日本政府としては即時消去を求めていたわけでしょう。それなのにどうして今、これは求めていないということを言い出したのかということを聞いているんですよ。正式にではなくても、個人情報保護の具体案として、即時消去したらいいじゃないですかということを提案しているんでしょう。どうしてそれが、今は提案していませんでしたということになっちゃうんですか。それはおかしいですよ、法務大臣。
○杉浦国務大臣 繰り返しになりますけれども、昨日もきょうも、外務当局の方からは、米国政府とのやりとりの中で、米国政府による生体情報管理の厳格化、これは私ども要望しておったわけですが、その具体策の一案として、日本側から出国時の情報の消去について言及があったのではないかと思いますという答弁をされております。そのとおりでございまして、これは、日本政府として米国政府に対して指紋の消去を要望したというものではございません。
○高山委員 いや、ちょっと待ってください。では、きのうのは思われますだからわからないというんじゃ、きのうあれだけ、三十分以上やりとりした意味ないじゃないですか。 思われますというのは、彼は、当事者じゃなくて、そこの現場にいなかったから、それが答弁の限界だということで、ではしようがないですねと、委員長からそういうお裁きがあったからしたのであって、きょうは、私は、ちゃんとこの個人情報の即時消去ということをだれが言ったのか、その交渉の担当者の本当の細かい名前まで出せというんじゃないんですよ、それをちゃんと答えられる人を出してくださいと言って、それで副大臣が来たわけですよね。副大臣もきのうの審議官の答弁以上のことは何も言わないじゃないですか。だから、わかる人を出してくださいよ。みんな来て、いや、それがそうだったんだと多分思いますよという推測しか言えないのであれば、これは全然質問の前提を欠いていますよ。私、きのうの時点から言っていますから。 だから、もう一回、副大臣、明確にうちの方からこれは出したわけでしょう、こういう提案を。そこを答えてくださいよ、そう思うとかじゃなくて。
○塩崎副大臣 繰り返し申し上げますが、正式に要望しているわけではないのであります。しかしながら、この報告書に書いてあるのはどういうことかという理解を外務省として木寺審議官が昨日来御説明申し上げているわけであって、その事実に関しては何も変わらないわけで、議論の過程の中でいろいろな案が多分出ただろう、その中の一つではないかと思われると言っているので、それ以上のことは何も言えないと思います。 したがって、法務省と外務省との間で意見のそごがあったわけでもないし、正式な要望は、先ほど申し上げたように、この個人情報、生体情報に関しての情報の適正な管理というのをちゃんとやってくださいねというのが日本政府の要望であるわけでありますから、この点について、繰り返して恐縮でありますが、正式な要望ではないけれどもこう書かれているのは、先ほど来説明しているとおりのことしか説明ができないということを言っているわけであります。
○高山委員 いや、おかしい、おかしい。いいですか。私は、その正式な要望の中の一例として、個人情報即時消去というのを、アメリカがそう言うんだから日本が出したんじゃないかと思われる、私もそういうふうに思ったんですよ。アメリカが言っているんだから、日本が多分出したんだろうなと。 だから、どういう場で出したんですか、だれが出したんですかということを聞いているんですよ。だれが出したかははっきりしておりますが委員会では答えられません、こういうことなんですか。それとも、出したか出さないかもはっきりしていないということなんですか。どっちなんですか。
○塩崎副大臣 これは交渉事でありますから、先ほど杉浦法務大臣からもおっしゃったように、これは、交渉の中でいろいろな意見が出てきて、そしてこういう結果になっているという報告書が出てきているわけでありますから、そこから先は、先ほど申し上げたとおりのこと以外に何もないということだと思います。
○高山委員 ちょっともう時間がなくなってきたので、では、今の副大臣の御答弁ですと、交渉の中で日本政府から指紋即時消去ということに言及したことは間違いないですね。
○塩崎副大臣 さまざまな人の意見を聞いていてこういう結果にたどり着いているわけでありますから、だれが言ったかということを特定はできているわけではないわけでありますが、なお繰り返して恐縮でありますけれども、正式な政府の要望として言ったことはないということだけははっきりしているわけであります。(高山委員「そんなことは聞いていません。交渉の中で出たんですかということを聞いているんです。交渉の中で出たのかどうか明らかになったということを聞いているんですよ。だれが言ったかなんて聞いていないですよ、全然。交渉の中では日本側から出たんでしょう、その話は。そこを聞いているんですよ」と呼ぶ)
○石原委員長 委員会の質疑は、挙手をして質問をし、挙手をしてお答えを願いたいと思います。(高山委員「まだ答えていないですから」と呼ぶ) 塩崎外務副大臣、まだ御答弁が足りないと思われましたら御答弁ください。十分だと思えばそのままで結構でございます。——高山君。
○高山委員 では、改めて聞きますよ。だれが言ったかとかじゃなくて、日米交渉の中で出たものと思われるということでしたけれども、それは日米交渉の中で出たということで間違いないんですか。日本側から出したということでいいんですか。日本側のだれと言わなくていいですよ、別に。だって、日本とアメリカしかいない交渉ですよ。それで、アメリカ側が日本側のと言っているんだから、これは日本側から出したんですね。そこは間違いないかどうかだけ教えてください。
○塩崎副大臣 交渉事でもありますから、正式なものでないものは交渉にもならないわけであって、正式なものだけで交渉しているわけであります。さまざまな人たちの意見を聞いてこの結論に至っているわけでありますから、その過程でそれは出たのかもわからない。それは……(高山委員「きのうの答弁と違う、交渉の中で出たものと思われると言っているんだから」と呼ぶ) いや、だから、正式なものはここに書かれているようなことではないということを何度も言っているわけであって、それ以上でも以下でもないということだと思います。(発言する者あり)
○石原委員長 高山君。(高山委員「委員長、今の、きのうと同じ答弁じゃないですか」と呼ぶ) 議論を聞かせていただきまして、外務副大臣もそういうものがワン・オブ・ゼムという言い方で言及があったが正式な要望ではないと明確に言っておりますので、意見のそごというものはないと思います。(発言する者あり)だれが言ったかというようなことを質問はされておりません、質問者は。申し合わせの時間が経過しておりますので御協力もお願い申し上げたいと思います。 高山君。
○高山委員 私は、だから、話はまとめますけれども、正式な要望でないにせよ、日本側から即時消去というのは出したわけでしょう。しかも、アメリカ側としては、日本政府の立場は指紋の即時消去なんだというふうに思っているわけですから、これは、私は、今の法務省の立場と全然、百八十度違う立場ですから、今後抗議された方がいいと思いますけれども、時間があれですので質問を終わります。
○石原委員長 次に、石関貴史君。
○石関委員 民主党の石関貴史です。 今の同僚議員の質問とそれから答弁、釈然としない部分が大きいように思います。 我々も、テロの未然防止ということは、先ほどの民主党修正案の提案理由説明でもありましたが、これは必要な措置であり、しっかりやっていかなきゃいけないということであります。また、出入国の手続の迅速化、これも結構なことで、大いに進めるべきだと賛成をしておるところでありますが、これまでの質疑の中で、政府案には相当問題があるということが明白になってきております。本日は、そうした問題点について改めて、政府側、そして民主党修正案の発議者に質問をしたいと思います。 まず、外国人に対して上陸審査時に提供を義務づける個人識別情報の種類について、政府案では「指紋、写真その他の個人を識別することができる情報として法務省令で定めるもの」というふうになっております。指紋、写真を含めて何を定めるかをすべて省令に委任をするという形になっています。 個人の識別情報といっても、顔、指紋、そして先日の参考人の陳述でもありました静脈や虹彩といったものがあります。今後も種々の生体情報による識別方法が考案される可能性があるというふうに思います。 しかし、それぞれの個人の識別情報によって何を義務づけるか、その内容をすべて省令にゆだねるということに今回なっているわけですが、何を義務づけるか、どれを提供してもらうかということについて、それぞれ権利の制約の程度が異なってくるというふうに考えます。 そして、そもそも、こういった大事なことを省令に落とすということは、法治主義の原理からいっても許されないのではないかなというふうに私は考えておりますが、改めて政府のお考えをお尋ねいたします。
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま御質問の件につきましては、改正入管法で規定します法務省令は、まさに法律の委任に基づく省令でございます。法律上で指紋及び写真を個人識別情報の例示として規定した上で、将来の生体情報認証技術の進展等に伴いまして、旅券の名義人と申請人の同一人性の確認及び要注意人物リストとの照合等の目的を達するため、最も適切な個人識別情報を省令で定めることができるように法律に委任規定を置くことは、技術の進歩や状況の変化に迅速かつ的確に対応する上で、適切なものであると考えております。
○石関委員 それでは、民主党の修正案については、この省令に委任するというのを削除するということになっておりますが、その趣旨、考え方を詳しくお尋ねいたします。
○細川委員 お答えをいたします。 個人識別情報の省令委任という件につきましては、私どもの方では、指紋などの情報につきましては、採取対象、どういう人から採取をするのか、あるいはその情報をどのように蓄積してどのように利用するかというようなことに関しては、個人のプライバシーを大変侵害するおそれもあるわけでございます。 したがって、少なくとも、どのような種類の生体認識情報を出入国管理上利用できる個人識別情報にするかということは、これは法律でしっかり規定をする、これをしなければいけないというふうに考えております。したがって、この修正案では法務省令への委任というのは削除いたしております。
○石関委員 わかりました。 それでは、採取をした指紋の利用についてお尋ねいたします。特に、指紋の採取については、かつて、審議の中でもたびたび質問がされました、外国人登録法による指紋押捺の強制が、これは人権侵害である、こういった強い批判を浴びて廃止をされたという経緯がございます。 通常は、犯罪の被疑者として身柄を拘束された場合、また、裁判官の発する身体検査令状がある場合に限定されて指紋の採取というのが行われるというものであります。国際的に見ても、上陸審査時に外国人から指紋をとるというのはアメリカが行っているだけであるということであります。 テロの未然防止という目的は十分理解はできると思いますが、個人識別情報の中で、写真だけでは不十分であるから指紋をとるということでありますが、写真だけではどれほど不十分なのかということについて改めてお尋ねをいたします。 そして、この指紋の採取について、国際社会、世界の中でのコンセンサス、ある程度、しようがないな、これをやっていこうというコンセンサスが形成をされるまで、もう少し期間を置いてこの動向を注視する必要があるのではないかというふうにも私は思っておりますが、いかがでしょうか。政府の見解をお尋ねいたします。
○河野副大臣 現在、退去強制を行っている者の八人に一人がリピーターという厳然たる事実がございます。入管の職員も、いろいろと、各国のパスポートに対する基本訓練を受けるなどして偽造パスポートの発見に努めるようにはいたしておりますが、八人に一人が捕まえてみればリピーターであったということが現実の事実としてある以上、写真情報だけにこれ以上頼ることは適切ではないと思っておりますし、不法に入国をした人間が、昨年一年間だけでも七件の殺人または殺人未遂という犯罪を犯しております。その他の犯罪におきましては各種いろいろございます。そうした状況をこれ以上放置するわけにはいかないというのが我々の考えでございます。 また、指紋について、もう少し全世界的なコンセンサスをというお話もございますが、近年、バリ島でのテロ事件、あるいはロンドンでのテロ事件ということがございますし、アルカイダに日本がテロの対象国として名指しをされている現状を考えますと、そう悠長に我々も時間を持っているわけではないというふうに考えております。
○石関委員 それでは、指紋の採取の方法についてお尋ねをいたします。 この審議の中でも人さし指でとるという答弁があったかというふうに承知をしておりますが、それぞれの右手、左手の人さし指でとるのかということの確認と、あるいは、先天的、後天的、いろいろな理由で指を欠損していたり、手が欠損しているという方もいらっしゃると思います。こういった方々については、もちろん外国からいらっしゃる方の中にもこういった方々もいらっしゃることというふうに思いますが、こういった方々についてはどのように対応をするか、考えていらっしゃいますか、政府にお尋ねします。
○河野副大臣 指紋の採取につきましては、入国審査官の前で両手の人さし指の採取をさせていただきたいというふうに思っております。また、指の欠損その他の場合には、ルールに従って、人さし指の次は何の指、そういうルールを決めて、それに従って採取をさせていただく予定でおります。
○石関委員 先ほど申し上げたんですが、手が欠損している方や、人さし指だけではなくて、それぞれの指が欠損している方というのもいらっしゃると思います。どのようなルールになっていて、また、今回、指紋の採取ということが法案にありますので、人権上の観点から十分な検討がなされたか、この二点についてお尋ねをいたします。
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のような指の欠損されているような方が仮にいたとしますと、審査ブースのところで手続を進めるということになりますと、若干周りの方の目というようなこともあるかもしれませんので、そういう場合には、別室に案内いたしまして、そこで手続をすることを考えております。 また、指の欠損状況によりまして、今副大臣からも御説明ございましたが、順番を、次はどの指ということであらかじめ規則を決めておいて、それに従って採取をするように、そういうことを今検討しておるところでございます。
○石関委員 人さし指が欠損していればその次だということなんですけれども、具体的に今そのことをお尋ねしておりますし、それを含めて、人権上のこれは大変な問題ですから、検討がなされたかということをお尋ねしましたので、もう一度、しっかり御答弁ください。
○三浦政府参考人 もちろん、指紋につきましては、センシティブな情報ということは十分に我々も認識しておるつもりでございますので、人権に十分な配慮をした上で手続を行うことを基本に、手続をどう進めるかということを検討しているわけでございます。 そういった観点から、先ほども申し上げましたように、仮に手の指が欠損しているような方につきましては、これが周りから好奇な目で見られないような状況をつくり、そこで、なおかつ、人さし指の次は、例えば、仮に、まだこれは最終的に決まってはおりませんが、次は中指とか、そういう形であらかじめ規則をきっちり決めて、それに従って手続を進めるということでございます。
○石関委員 具体的に、今、そういう不自由な方々について、どういうふうにやっていくかということは決まっていないということでよろしいんですね。これから検討していくというお話でありましたので、決まっていないということでよろしいか、確認をします。
○三浦政府参考人 先ほど御説明いたしましたように、基本的に、その当事者の方が嫌な思いをされないようにといいますか、そういう配慮をするということ、そのアウトラインは当然決まっております。ただ、具体的にどんな手続を行っていくかということにつきましては、これから施行までに時間がございますので、その間に十分詰めまして、最も妥当、適正な方法を確定していきたいと思っておるところでございます。
○石関委員 これから詰めていくということですから、今、詰めていないということだと思います。人権上のこれは大変大きな問題でもありますので、これはしっかり事前に考えなければいけないことではないかなというふうに私は考えております。 それでは、民主党の修正案についてお尋ねをします。 この修正案では、当分の間、指紋の利用を凍結するということになっておりますが、この修正の趣旨についてしっかりと御説明をいただきたいというふうに思います。 凍結解除の条件は何なのかということ。そして、この指紋利用の凍結をしている間にテロの未然防止に影響が出るのではないかな、こういった懸念、こういった声もあるかと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
○平岡委員 お答え申し上げます。 まず、今回、凍結をしようとする趣旨でありますけれども、そもそも、この指紋押捺制度というものについては、最高裁の判決の中でも極めて慎重な考え方が示されています。すなわち、指紋については、性質上、万人不同性、終生不変性を持つということでございますので、採取された指紋の利用方法次第では、個人の私生活あるいはプライバシーが侵害される危険性があるというふうに判示されているところでございます。 そうした状況を踏まえまして、民主党の修正案では、附則において、別に法律で定める日まで、上陸審査時に提供する個人識別情報には指紋を含まないものとしているということでございます。 そして、どういう場合に凍結が解除されるのかという点については、やはり国際的な動向等も見なければいけない。すなわち、指紋の利用についての国際社会の理解の状況などについて勘案するということで、具体的には、本法の施行後、写真だけでは適切な出入国管理がなし得ないと判断される状況に立ち至っている、あるいは、諸外国において上陸審査時の指紋の利用が普及し、指紋を利用することが国際社会のコンセンサスになってきているといったような状況があると判断される場合には、その時点において凍結を解除するということを考えていきたいというふうに思っているわけでございます。 そして、そのような状況で本当にちゃんとしたテロ対策ができるのかという点についてでございますけれども、先ほど河野副大臣の答弁の中にもバリ島とかロンドンの例が挙げられましたけれども、我が国以上に外国人によるテロのおそれが高い諸外国においてもまだ、この仕組み、指紋を採取してチェックするという仕組みは導入されていない状況にあるというような国際的動向を見たときに、我が国が、今、いろいろな問題がある中で、導入するのが適当であるかどうかというような問題があるわけであります。 写真といっても、ただ単に写したものをそのまま目で比較するというのではなくて、電磁化処理された情報として比較するというようなことがしっかりと行われていくということでございますので、それなりにいろいろなチェック機能というのは果たせるのではないかというふうにも思っていますし、今回我が国でも導入されておりますIC旅券でも、この指紋情報については入れていないというような状況もございます。そういう点を考えれば、写真情報をしっかりと行っていくということで、我々としてはテロ対策というものはそれなりの効果が上げられるものだというふうに考えています。
○石関委員 ありがとうございます。 それでは、採取した個人識別情報、この保存期間について、また改めてお尋ねをします。 どの程度の期間にするのかということについてですが、既に質問もありましたが、この問題について、法務省、外務省、また副大臣、そして入管局長、この間での意思統一というのがなされていないというふうに、私はこの審議の経過を見て承知をしております。 河野副大臣は、先日の委員会で、将来違う旅券で入ってきたときに見抜くためだということで、期間は、その人間の生存期間、具体的には七十年から八十年というふうに言及をされました。法務省の見解は、出国後、事後的な確認の必要性などに備えて、一定の期間ということであります。具体的な期間の明言がこれまでされておりません。一回もそういう答弁をされていないということであります。 これは、よほど問題のある方を除いては、私は、出国後直ちに消去すべき情報であるというふうに考えておりますが、政府の見解を、今申し上げたことを踏まえて、改めて確認をしたいと思います。お願いします。
○杉浦国務大臣 私ども法務省といたしましては、上陸審査が終了した後も、出入国の公正な管理に必要である間は、特別永住者等を除く外国人から提供を受ける指紋及び写真を、個人識別情報ですが、データベースとして保有することとなります。 すなわち、まず、提供者がいまだ出国せず我が国に在留中であれば、当然のことながら保有いたします。また、出国後も、出入国の公正な管理のため、例えば、事後的な確認の必要性や再度の入国の際の審査または在留中の審査で利用する可能性に備えて、内部の運用基準で定める一定の期間は保有いたします。
○石関委員 一定の期間というのがわからないというふうに申し上げているんですが、お答えをいただけないということだと理解します。 副大臣にお尋ねをいたします。 副大臣は、答弁の中で、七十年から八十年と副大臣の願望を述べられているというふうに思いますが、この中で、理論的に考えるとというふうにおっしゃっておりますね。理論的に、その方が生きている年数、期間ということで、七十年、八十年というふうに副大臣はおっしゃっております。これは文脈からも明らかであります。 であるのであれば、六十歳の人であれば十年か二十年とか、あるいは七十歳、八十歳の方であればもうとらなくてもいいのかということも考えられるかと思うんですが、こういったようにいろいろなパターンがあるはずで、そういったいろいろな事例を考えて、精緻にこの期間というのを考えていないのではないかなという懸念を私は抱いたんですが、副大臣、このことについて改めてお尋ねをします。いかがですか、副大臣。
○杉浦国務大臣 委員会の質疑で詳細に御説明したとおりでございますが、それは繰り返しませんけれども、最終的に決定する具体的な保有期間、あるいは現時点で検討している具体的な保有期間の選択肢、いろいろございますが、これは、テロリストや国際犯罪組織のメンバーに有益な情報を与えることになりますので、公表を差し控えることとしたいと思います。 なお、副大臣の言及された七十年、八十年というのは、法務省の私どもの方針を踏まえながら、理論的に可能な時間として言及があったものと私どもは承知いたしております。
○石関委員 全然、理論的に理解できません。 それでは、民主党案については、この情報の保存期間はどのようになっていますか、お尋ねします。
○津村委員 個人識別情報の保存期間につきましては、米国側の報告書に、我が国の法務大臣の見解と真っ向から対立する見解が日本側の要望として記載され、訂正もされていないという全く奇怪な事態が生じております。 また、この件をめぐる昨日来の高山委員の質問に対する外務省の答弁も混迷をきわめるなど、政府の方針は一貫性を欠き、また明晰さを欠くわけでありますけれども、民主党修正案では、外国人が出国したときは、上陸拒否事由に該当するような外国人を除き、直ちに、当該外国人に係る個人識別情報を消去しなければならないものとしております。
○石関委員 それでは次に、個人識別情報の利用の範囲についてのお尋ねをいたしますが、提出されている政府案では、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、こういう一般法のルールに従うということになっております。 この一般法のルールでは、「保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で」云々と、この情報はほかの行政機関にも提供可能である、こういうふうになっております。ほとんど歯どめがなく利用がされてしまうという懸念を私は大変抱いております。 そして、特にこの情報については、非常にセンシティブで大事な情報であるということを考えると、利用の範囲について何らかの歯どめをかける必要があるのではないかというふうに思いますが、改めて政府にこの歯どめについての考え方をお尋ねいたします。利用の範囲の制限について、どうお考えですか。
○杉浦国務大臣 提供を受ける個人識別情報につきましては、その取り扱いについては、保有、利用、提供等については、行政機関個人情報保護法の規定に基づいて適正に行う方針でございます。これは、行政機関の保有する個人情報の保護につきましては、行政機関個人情報保護法が必要かつ十分な措置を講じているところでございます。これも詳細に委員会質疑の際に御説明申し上げました。 個人情報の一種である個人識別情報の取り扱い、その保有、利用、提供の制限につきましては、他の個人情報と区別して特段の規定を置かなくても、その保護に欠けるところはないと考えているからでございます。 なお、個人識別情報について、一切目的外の利用、提供ができないといたしますと、例えば、刑事訴訟法百九十七条二項に基づく捜査関係事項照会にも回答することはできなくなり、また、民事訴訟法第百八十六条に基づく調査の嘱託にも応じられなくなるなど、他の法令の作用を害することになるので適当ではないと考えております。
○石関委員 それでは、民主党の発議者にもお尋ねをいたします。 利用の範囲、どのようになっておりますか。
○細川委員 お答えいたします。 私どもの方は、しっかりと歯どめをかけなければいけないというふうに考えております。私どもの修正案では、上陸審査時に採取いたしました個人識別情報と自動化ゲート利用者から採取いたしました個人識別情報につきましては、本法の定める事務処理以外の目的に利用したり、また提供してはならない、こういうしっかりした歯どめをかけております。 ただ、先ほど大臣の方からもお話がありました刑事訴訟法あるいは民事訴訟法に基づく裁判所の差し押さえだとかあるいは捜索などにつきましては、個人識別情報を提供することはやむを得ないというふうに考えております。 以上です。
○石関委員 次に、この識別情報の外国の入管当局への提供についてのお尋ねをいたします。 これは昨年の法改正で改正された部分でありますが、外国の入国管理当局に情報提供をするという規定が新設されたところであります。これについて、上陸審査時に外国人から採取した個人識別情報や、あるいは自動化ゲートの利用者から採取をした個人の識別情報、これは、何ら問題のない外国人の方や、そして日本人の情報でも、この改正案では外国の入管当局に提供できるような仕組みになっているというふうに考えますが、このことは大変な問題ではないかというふうに思います。政府のお考えを改めてお尋ねをします。
○杉浦国務大臣 この点も委員会の席でも詳細に御説明申し上げましたので、それを読みますとまた時間が来てしまいますから、要点だけ申し上げますと、法制上、この規定によって、外国入国管理当局に当たらない外国の機関に情報提供がなされることはあり得ません。 また、入管法六十一条の九の対象とならない情報の提供については、余り例は考えられないけれども、例えば外国の捜査機関から外交ルートなどで我が国に対して捜査共助を要請してきた場合が考えられますが、そういう場合には、国際共助等に関する法律に基づいて、その枠組み内で提供の可否が決定されることになります。 法制上、個人識別情報を一律に、あるいは包括的に捜査当局に提供することはあり得ないということは御答弁申し上げたところでございます。 いずれにしても、法律にのっとって適正に管理し、法律の定めるところに従って、相当の場合に限り提供するということに相なるわけでございます。
○石関委員 それでは次に、自動化ゲートに関してお尋ねをします。 自動化ゲートにおける個人の識別情報、これをいつまで保有をするのかということでありますが、本人の意思に反して延々と保有がされてしまう、また、何に利用されるかということについて、修正案の発議者にお尋ねをしますが、このことは、修正案の中では、どのような考えでどのように規定をされているでしょうか、お尋ねします。
○津村委員 お答えいたします。 自動化ゲート利用者の登録抹消手続がどのようなものになるか定かではありませんが、修正案では、どのような手続であるにせよ、「登録がその効力を失つたときは、直ちに、当該登録に係る個人識別情報を消去しなければならない。」という規定を設けることとしております。
○石関委員 次に、上陸審査時の指紋を含めた個人識別情報の採取、これについて民主党案は凍結というふうになっているんですが、その中で、採取する対象から除外をされる人というので民主党の修正案の中では永住者が除外をされております。これはどういう理由で除外をされたのか、お考えをお尋ねいたします。
○細川委員 お答えをいたします。 永住者につきましては、既に相当期間日本に在留をいたしておりまして我が国への貢献も認められるということで法務大臣から永住の許可をされている、そういう外国人でございます。しかも、外国人登録によりまして居住地も特定をされております。そういうことで、その他の一般外国人とこの永住者の扱いを区別して取り扱うのが当然だというふうに私どもは考えております。 修正案では、上陸審査時に個人の識別情報の採取を免除される者に永住者を加えるとともに、外国人が永住許可を受けた場合には、直ちに、当該外国人から上陸審査時に採取した個人識別情報は消去しなければいけない、こういうことにしております。
○石関委員 修正案の方が大変限定的になっていると全般に思うんですが、最後に退去の強制事由、政府案では「おそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」というふうになっています。民主党案の方では「おそれがあると明らかに認められる者」、この両者の違いについて、最後にお尋ねをいたします。民主党の発議者、お願いいたします。
○平岡委員 お答えいたします。 政府案では、先ほど委員が御指摘ありましたように、公衆等脅迫目的の犯罪行為、その予備行為、しかも今度は幇助行為というようなそもそもの行為自体が非常に幅広いものになっているとともに、そうした「行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」というような、またさらに恣意的な判断が行われる危険性が非常に高いという状況になっています。 さらに、そうして認定された者について、では、自分がそれはおかしいんじゃないかということで不服を申し立てる手段があるのかといえば、その手段も全くない。捕まえられて初めて、自分がその抗弁のためにいろいろなことができるということになっているということでございますので、これは、法務大臣を含めた政府の恣意的な判断で物事が進むということは、人権侵害にもつながっていくということでございます。 我々としてはもっと抜本的な改正をしたかったわけでありますけれども、最低限「おそれがあると明らかに認められる者」ということで、客観的な基準がなければ、客観的な証拠がなければ認定ができないというふうな形にしていきたいというふうに考えているところでございます。
○石関委員 よくわかりました。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○石原委員長 これにて原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○石原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。保坂展人君。
○保坂(展)委員 社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に反対、民主党提出の修正案に賛成する立場から討論を行います。 本法案は、テロの未然防止を理由にして上陸審査時に外国人に指紋、写真等の個人識別情報の提供を義務づけ、テロリストの入国等を規制すると同時に、入国審査及び退去強制の手続等に変更を加えるものであります。 テロの発生を未然に防ぎ国民の生命と安全を守ることは当然でありますが、その具体的な手段として本法案が規定する内容は、個人のプライバシーや、外国人と共生する自由で民主的な社会を築くという面で重大な問題をはらんでおります。 審議中明らかになった問題点は、出入国管理という法務行政の一分野をはるかに超える重大な内容が含まれており、自動化ゲートという耳当たりのよいシステム導入に際して、指紋情報の登録という制度が、希望者からとしながらスタートしようとしています。定住外国人や日本人が対象です。 外国人の入国時に年間七百五十万人が採取される顔写真、指紋情報のデータベースにあわせて、定住外国人、日本人の指紋、さらには顔写真情報もプールされます。昨年改正された入管法六十一条の九によって、法務大臣は、外国の刑事事件の捜査に使用することに外務大臣の確認を受けて同意するとあり、昨日の委員会での大臣答弁でも認められたところです。 ところが、当委員会での最初の入管局長答弁は、自動化ゲートに係って収集される情報を海外に出したりとったりすることはないだろうというあいまいな答弁でした。 この法案は、外国人の指紋採取、顔写真撮影に加えて、日本人も対象にして指紋採取、顔写真撮影のデータベースを膨らませていく内容であり、国民総指紋登録制度に道を開くものであります。 個人情報の中でも極めてセンシティブな指紋、顔写真情報を全外国人に強制し、定住外国人、日本人に任意で指紋情報を採取し、半永久的に、死ぬまでどころか死んでも保存し続けるというのでは、余りに監視社会化を強め、外国人、日本人問わず被疑者扱いをする社会をつくってしまいます。 民主党の質疑で、日本政府はアメリカ政府に対して、US—VISITの運用において、出国時に消去すべきとのまともな意見を述べていたこと、しかし、二年を経て、七、八十年保存というコペルニクス的大転換を説明することのできない政府、法務省の対応を到底信用するわけにはいきません。 民主党・無所属クラブの修正案には、目的外業務への利用を禁止し、使用後の情報削除を定めるなど、政府案の問題点を緩和するものが見られ、賛成するものであります。 ますます多くの外国人が日本で暮らす現在、外国人を管理の対象ではなく共生すべき住民として迎えていくという観点から入管法を改正すべきであることを訴え、政府案に反対、民主党提出の修正案に賛成の討論にいたします。(拍手)
○石原委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○石原委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、平岡秀夫君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○石原委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、棚橋泰文君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合及び国民新党・日本・無所属の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司です。 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 外国人が提供する個人識別情報のうち指紋については、指紋の利用に係る国際的動向等を勘案し、その実施時期を慎重に定めること。 二 提供された個人識別情報の保有期間については、本法の施行後の運用状況及びプライバシー保護の必要性を勘案しつつ、出入国の公正な管理に真に必要かつ合理的な期間とすること。 三 提供された個人識別情報の出入国管理の目的以外の利用については、慎重に行い必要最小限なものとすること。 四 新たに退去強制の対象とするテロリストの認定については、恣意的にならないよう厳格に行うこと。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○石原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石原委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。杉浦法務大臣。
○杉浦国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。 —————————————
○石原委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○石原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十分散会